衆議院

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第29号 令和3年6月2日(水曜日)

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令和三年六月二日(水曜日)

    午後一時開議

 出席委員

   委員長 木原 誠二君

   理事 平  将明君 理事 冨岡  勉君

   理事 中山 展宏君 理事 藤原  崇君

   理事 松本 剛明君 理事 今井 雅人君

   理事 後藤 祐一君 理事 濱村  進君

      安藤  裕君    池田 佳隆君

      泉田 裕彦君    岡下 昌平君

      金子 俊平君    小寺 裕雄君

      佐々木 紀君    杉田 水脈君

      永岡 桂子君    長尾  敬君

      福山  守君    本田 太郎君

      牧島かれん君    松本 洋平君

      宮崎 政久君    吉川  赳君

      和田 義明君    阿部 知子君

      大西 健介君    玄葉光一郎君

      森田 俊和君    森山 浩行君

      谷田川 元君    柚木 道義君

      吉田 統彦君    江田 康幸君

      古屋 範子君    塩川 鉄也君

      足立 康史君    岸本 周平君

      高井 崇志君

    …………………………………

   国務大臣

   (内閣官房長官)     加藤 勝信君

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長)

   (領土問題担当)     小此木八郎君

   国務大臣

   (国家公務員制度担当)  河野 太郎君

   国務大臣

   (経済財政政策担当)   西村 康稔君

   国務大臣

   (デジタル改革担当)   平井 卓也君

   内閣府大臣政務官     岡下 昌平君

   内閣府大臣政務官     和田 義明君

   内閣府大臣政務官     吉川  赳君

   外務大臣政務官      國場幸之助君

   厚生労働大臣政務官    こやり隆史君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  藤井 敏彦君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  冨安泰一郎君

   政府参考人

   (内閣官房成長戦略会議事務局次長)        松浦 克巳君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  木村  聡君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  十時 憲司君

   政府参考人

   (内閣官房内閣人事局人事政策統括官)       堀江 宏之君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 北波  孝君

   政府参考人

   (消防庁審議官)     五味 裕一君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 遠藤 和也君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 大鶴 哲也君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 原  圭一君

   政府参考人

   (文部科学省高等教育局私学部長)         森  晃憲君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房生活衛生・食品安全審議官)  浅沼 一成君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           宮崎 敦文君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           横幕 章人君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           池光  崇君

   政府参考人

   (防衛省大臣官房政策立案総括審議官)       川嶋 貴樹君

   参考人

   (独立行政法人地域医療機能推進機構理事長)    尾身  茂君

   内閣委員会専門員     近藤 博人君

    ―――――――――――――

委員の異動

六月二日

 辞任         補欠選任

  池田 佳隆君     福山  守君

  本田 太郎君     泉田 裕彦君

  吉川  赳君     佐々木 紀君

  吉田 統彦君     谷田川 元君

  岸本 周平君     高井 崇志君

同日

 辞任         補欠選任

  泉田 裕彦君     本田 太郎君

  佐々木 紀君     吉川  赳君

  福山  守君     池田 佳隆君

  谷田川 元君     吉田 統彦君

  高井 崇志君     岸本 周平君

    ―――――――――――――

六月一日

 銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案(内閣提出第三七号)(参議院送付)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案(内閣提出第三七号)(参議院送付)

 内閣の重要政策に関する件

 公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件

 栄典及び公式制度に関する件

 男女共同参画社会の形成の促進に関する件

 国民生活の安定及び向上に関する件

 警察に関する件


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     ――――◇―――――

木原委員長 これより会議を開きます。

 内閣の重要政策に関する件、公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件、栄典及び公式制度に関する件、男女共同参画社会の形成の促進に関する件、国民生活の安定及び向上に関する件及び警察に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 各件調査のため、本日、参考人として独立行政法人地域医療機能推進機構理事長尾身茂君の出席を求め、意見を聴取することとし、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、内閣官房内閣審議官藤井敏彦君外十六名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

木原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

木原委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。玄葉光一郎君。

玄葉委員 玄葉光一郎です。

 本日は、三十分間の時間で、一つは新型コロナの対策、もう一つは、特に中国のワクチン外交の問題、さらには安定的な皇位の継承の話をしたいと思いますので、少し駆け足になるかもしれませんが、可能な限り端的な御答弁をお願いできればというふうに思っています。

 まずは、COVID―19でありますけれども、緊急事態宣言あるいは蔓延防止等重点措置が今年になってほとんど継続的に続いている状態でございます。その対策は、これまでの経験を踏まえてということで、去年よりは限定的あるいは集中的なものになっているように思います。

 そこでフォーカスされているのが、いわゆる飲食とか人流に関するものだというふうに私は認識をしています。飲食とか人流、人の流れですね、人流にフォーカスされているがゆえに、当然そのしわ寄せはそれらの関係に行くわけです。残念ながら、私の認識としては、それらの関係に対する対策がどうも十分とは言えないんじゃないかというのが私の問題意識であります。

 それで、特に飲食とか、あるいはその飲食の後ろにある酒類の業界、あるいは旅客、バスだとか、宴会場だとか、大変な状況に今陥っているというふうに思います。もう無理だという悲鳴も聞こえてきているわけでありますけれども、対策に移る前に、西村大臣、ちょっと教えていただきたいんですけれども、例えば、時短じゃなくて、もう今は例えばお酒の提供まで、これはお酒の話でいうと、禁止されているわけですね。

 ある方はこう言いました。どんなにしっかり感染対策をしていても一律に提供しちゃいけないというのは本当にどうなんだと。例えば、極端な話ですけれども、あえて分かりやすく言うために、一人でバーで飲んでいて駄目で、五、六人で喫茶店に行ってお茶を飲んでケーキを食べておしゃべりしているのはいい、これはどういうことなんだと。家族みんなでいつもいるのに、家族みんなで食事に行ってお酒を飲んじゃ駄目だ、一体どうなんだと。

 つまり、何が言いたいかというと、まず、対策を取る前に、感染対策として、いわゆる補償だとか協力金だとかの対策を取る前に、感染対策として、例えば山梨県なんかは認証制度なんかをつくっていますけれども、もっときめ細かな、実は対策というのは可能なんじゃないかと。本来は、特にこれから更に続くようであれば、そういうことを工夫していかないと、提供も駄目だということになると、時短のときは大体、私が話を聞くに、去年の七割減、八割減だったんですけれども、提供も駄目だというと半分以下になっていますね、ほとんどの会社が、いわゆる酒類業界、これは例えばの話で酒類業界ですけれども。

 これはどう説明されますか。

西村国務大臣 私どもとして、御指摘の点、できるだけ細かく、記者会見、あるいは専門家の皆さんから説明、あるいは都道府県からも説明していただいているんですけれども、バーで一人で飲むのは確かにリスクは低いんですが、実は、バーで一人で飲んでいる人が何人か横にいて、それで隣同士で話をして感染している、クラスターになっているケースもあります。

 それから、お酒は飲まないにしても、飲食は四人以下にしてほしいということを申し上げていまして、五人以上は非常にリスクが高まると。しかも、御指摘のように、いつもいるメンバーの方がリスクは低くなりますので、全く別の人と突然会うと、久しぶりに会うと、これはお互いにリスクが高いということですし、複数人数のときもできれば斜めに座る方がリスクが低いとか、様々申し上げているんですが。

 なかなか、これをルール化して、こういう場合はいい、こういう場合はどうかというのはなかなか難しいところで、一つの考え方としては、人数制限をするというのは一つの考え方として、海外でもそういったやり方もありますので、五〇%までとか七五%とかありますけれども。

 いずれにしても、この変異株によって、認証を得て、こういうアクリル板とか、換気をよくしている店でも、あるいはオフィスでも、ちゃんとマスクをして静かにしていても感染が広がっている例が最近出始めていますので、今改めてスーパーコンピューターも使って、特にインドで見つかった変異株、新たな言い方をしていますけれども、それの場合にどうかということも含めて少し分析をしながら、更にこの対策は進化をさせていきたいと思いますし、きちっとやってリスクが低いところはできれば何か別のやり方があるのかなということで、不断の進化をさせていきたいというふうに考えております。

玄葉委員 これは本当に進化させていかないと、もう無理だという業界が相当出てくると思います。

 それは、ある程度感染対策を厳しくせざるを得ないのは私もよく分かるんです。もしそうだとすると、やはり補償というか協力金は一定程度しっかりと出していくということじゃないといけないというふうに思います。

 今、私ももちろん存じ上げておりますけれども、個人だと月十万、法人だと二十万ですよね。例えば、お酒の卸なんという会社が、それはもう去年だけで赤字が四億、五億なんて出ている会社もあるんですけれども、月二十万なんというのは本当にスズメの涙なんですね。

 ですから、飲食店は一定程度対策を取ったわけです、規模別に。これは私、前から申し上げていたつもりだったんですけれども、なかなかやっていただけないのは、その背後にある取引業者だとか、これは酒類業界だけじゃないんですけれども、そういうところに対してもやはり規模別に、あるいは増額しながらしっかり対策を取る。あるいは、もっと簡単なのは、もう一回、持続化給付金を再給付する。そういった何らかの手だてを講じないと、本当にいよいよ駄目になるところが相当出てくるんじゃないかと思って懸念していますが、いかがですか。

西村国務大臣 御指摘のように、飲食店や百貨店など、要請に応じて協力金が行く業態と、そうした業態によって取引先が影響を受けるということがございますので、そういった、特に中小企業の皆さん方には、御指摘のように、月次で、月単位で法人二十万円、個人十万円、これは一月―三月で六十万円、三十万円、もう支給が始まって、かなり給付していると思いますけれども、四月、五月、六月となれば、五〇%以上落ちていれば六十万、三十万ということになりますので、合わせれば実態上は百二十万、六十万ということで、去年の持続化給付金に近い形になってきております。

 そして、特に、御指摘の酒類業界、酒類の卸の皆さんとか、大変厳しい状況にあるということで、この二十万、十万を、都道府県がその倍まで上乗せをする、あるいは五〇%減でなくとも三〇%減でも対象とするという場合に、国が、その負担金の、その分の支援金のうちの八割を負担をするということで仕組みをつくっておりまして、今、国税庁から、全ての都道府県に対して、この仕組みを取るように働きかけを行っております。

 もう既に多くの県でこうした取組が進んできているところでありますけれども、いずれにしても、全ての県でこうした取組が進むように更に私どもとして対応していきたいと考えております。

 宿泊施設は、一千億円の支援で、これまで過去に使った分も含めて感染防止策のその費用を見ることにしておりますので、最大五百万円であります。県によっては上乗せしてプラス二百五十万円とか、かなり宿泊施設は規模が大きくなりますので、そういった規模に対応した支援も行うこととしておりますし、旅客業者に対しても三百五億の予算を用意をして、様々な活性化につながる予算、もう半分程度交付を行っております。

 いずれにしても、こうした支援とともに、共通の支援である雇用調整助成金、あるいは、長いローン、劣後ローンであるとか、こういったものも十二兆円分確保しておりますので、既に熊本のタクシーの事業者、バスの事業者などにも交付をしておりますけれども、こういったことを含めて支援には万全を期していきたいというふうに考えております。

玄葉委員 一言で言うと、協力金の額がやはり足りないと思いますね、私は。もちろん、小さなところにはそれでいいんですけれども、一定の規模のところには、一定程度、やはり規模に応じて、もうちょっときちっと出していくということが必要だし、飲食店なんかにも、給付金、一月のもまだ出ていないという報道がしばしばなされますから、やはり国からしっかりとそういったことも促していくということをお願いをしたいと思います。

 もう一つだけ。

 困窮世帯に三十万、最大で出すということなんですけれども、要件が厳し過ぎるんじゃないかと。月収と預貯金の額だけでいいんじゃないですか。特例の貸付けを二百万まで借りていなきゃ駄目だなんというのは、私はそこは余計なんじゃないかなと思いますけれども、いかがですか。

西村国務大臣 まさに厳しい状況に置かれている世帯、方々には、国として責任を持って支援をしていかなきゃいけないというふうに考えております。

 御指摘の、新たに、困窮されている方々への自立支援金、最大三十万円ということでありますけれども、要件として、御指摘のように、特例貸付け、緊急小口などの特例貸付けの借入れが限度に達している世帯、それから、その貸付けが不承認とされた世帯、つまり、もう借りても例えば返す見込みがなかなか立たないような方々、そういった方々を対象にしようということで、一定のそうした要件を満たす困窮世帯に対して支援を行っていくということで、この具体的な制度設計について、厚労省において、近く発表すべく、今、詰めを行っておりますので、その中で、できるだけ、厳しい世帯にしっかりと対応できるように厚労省において考えていただきたいと思いますし、私の立場からもそうしたことをお伝えしたいと思います。

玄葉委員 借金の要件は、もう外すのが一番いいんじゃないかなと思いますよ。だって、預貯金は百万以下だ、月収の要件もあるんです。もうそれだけでいいと思うんですよ。二百万まで、限度額いっぱいまで借りないと差し上げないというのは、どうかな。二百万まで借りないと駄目だと言っているわけですから、借金を促進しているわけですけれども、やはり借金は借金なのでね、非課税世帯だけは返済不要とは言ってみたものの。私は、そこは西村大臣がしっかり厚労大臣と話をしてもらいたいと思います。

 次に行きます。

 中国のワクチン外交ですけれども、これは外務省なのか、まあ外務省なのでしょうね、中国の第三国へのワクチン提供の実態はどうなっていますか。

國場大臣政務官 中国は、新型コロナのワクチンを自国で開発、生産し、東南アジア、アフリカ、中南米等の途上国に援助や輸出などを通じ供与を行っていると承知しております。

 実際にどの国にどの程度供与しているかなどについては、公開情報や現地情報などを通じ把握に努めているところであります。

 ワクチンの提供に当たっては、透明性を持った情報共有、安全で有効なワクチンへの公平なアクセスの重要性が途上国を含め多くの国々から指摘されており、各国が国際社会全体のために前向きに貢献していくことが重要であると考えております。

玄葉委員 大体どのくらいの国々に、報道ベースでも結構ですけれども、提供されているというふうに認識されていますか。

國場大臣政務官 何か国に対して、また、どの国にどの程度供与されているかについては、公表されている情報、現地からの情報で把握に努めているところでありますが、五月の六日、習近平主席は、八十か国余りの途上国へのワクチン援助のほか、五十か国余りへのワクチン輸出を行っていることを発表していると承知しております。

玄葉委員 八十か国ということであります。

 私が今一番懸念しているのは、人間の安全保障、人道上の問題あるいは地球規模での収束の問題、鎖の強度は最弱の部分が強度だと、一番弱い部分が鎖全体の強度だという言葉がここでもありましたけれども、そういう、地球全体の収束の問題と同時に、このままいくと、私は、官房長官に改めて認識を問いたいんですけれども、本当に困ったときに手を差し伸べてくれたのは中国だったなというふうに、後々、途上国、ワクチン提供を受けた国々は考える可能性が非常に高いのではないかという懸念を持っていますけれども、そういう危機感を官房長官はお持ちでしょうか。

加藤国務大臣 幅広く、委員御指摘の安全保障的な観点からどう考えるのかということ、これはもちろんあると思いますが、ただ、本件は、ワクチンの提供ということで、一人一人のまさに命に関わる話であります。

 これに関しては、透明性を持った情報共有、安全で有効なワクチンへの公平なアクセスの重要性、これが途上国を含め多くの国々から指摘をされており、各国が国際社会全体のために前向きに貢献していくことが必要であり、我が国としても、COVAXファシリティー等、そういったことに対する支援を行うことで、今申し上げた公平なアクセスがそれぞれの国において図られていく、そして、世界全体においてこのコロナの収束を図っていく、こういったことに向けて努力をしっかりしていきたいと考えております。

玄葉委員 私が聞いたのは、中国が、もちろん提供すること自体悪いとかいうことを言っているわけではないのですけれども、このままいってしまうと、結果的に、本当に困ったときは中国が助けてくれたねということになっちゃうんじゃないかという、そういう危機感は持っていますかと聞いています。

加藤国務大臣 世界の国々がそれぞれ困っているときにおいて、それぞれの国々が、あるいは世界を挙げて、それに対して対応していくということが大事だというふうに認識をしているところであります。

 中国が中国としていろいろやり、こうしたワクチンをまさに人道的な観点からお進めになる、それはいろいろな立場があるんだろうというふうに思いますが、我が国としては、先ほど申し上げたようなワクチンの提供に対する考え方を含めて、広く世界全体でまさに公平なアクセスが図られていく、そして、総じて世界全体としてのワクチンの接種率が上がり、感染の抑止、防止に努めていく、こういう流れに向けてしっかり貢献をしていきたいと考えています。

玄葉委員 日本は、もちろん、力によるルールというのは現実ありますけれども、いわゆる力による秩序というか、ルールによって秩序をつくるということに尽力を特にしなきゃいけない国だと思うんですね。

 そのルールをつくるのは、基本的には国際場裏ですよ。国連だったら今、百九十三か国の加盟国がありますけれども、国際場裏でいろいろルールをつくるときに、やはり年々、中国の力が強まっていると思います、私は。今回だって、かなり戦略的に提供先を決めていますよ、率直に申し上げて。

 やはりここは、去年というか、私はかなり早い段階から、予算委員会でもこの問題を提起していたんですけれども、やはり、後々、途上国の皆さんが振り返ったときに、中国も手を差し伸べたかもしれないけれども、日本とかドイツとか欧州とか、きちっと手を差し伸べてくれたよなというふうに思えるようにしておかないと、国際場裏で私たちが考えるようなルールになっていかない可能性が非常にあるなと思って、私はすごく心配をしています。

 おっしゃるように、その一つの仕組みがCOVAXなわけですね。COVAXについて、もっと日本としては、私は予算委員会でも取り上げたんですけれども、存在感を示していただきたいというふうに思っていますし、もっときちっとコミットしてもらいたい、全体をリードするくらいの気持ちでコミットしてもらいたい。このことは、あえて官房長官とか総理にお伝えしたいなと思って取り上げました。いかがですか。

加藤国務大臣 我が国は、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジという考え方を掲げ、様々な取組を世界で進めているところでありますし、また、現在の感染状況を踏まえれば、先ほど申し上げましたように、世界全体でワクチンへの公平なアクセスの確保、普及を加速していくことが重要である、こうした考えに基づいて、COVAXファシリティーの設立当初から制度設計の議論に我が国は積極的に貢献をしており、本日は、COVAXワクチンサミット、これをGAVIと共催をする予定であります。

 サミットには、これはテレビ会議の仕組みでありますが、菅総理を始め、フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長、ハリス米副大統領など各国政府代表、グテーレス国連事務総長など国連機関代表、ビル・ゲイツ氏など民間関係者が参加する予定であり、今回のサミットは、本年中に十八億回分のワクチンを確保すべく、現時点で必要とされている追加資金を動員することを目指すものであります。

 政府としては、このCOVAXファシリティーが必要とする資金目標を達成できるよう最大限取組をして、日本としてもできる貢献はしていきたいというふうに考えています。

玄葉委員 もちろん、自分の国のワクチンの接種がそれぞれ大事だということです。当然、そのことが第一なんだけれども、やはりその陰で忘れてはいけないと思うんですね。そうじゃないと、さっき申し上げたようなことが起きてしまうので、この問題もやはり自分事だと思って、他人事じゃなくて自分事だということで是非取り組んで、もっと言うとリーダーシップを発揮してほしいなと。

 この間、たまたま、一週間ぐらい前に、日独の毎年やっている官民半々のシンポジウムというかフォーラムがありまして、私、国会議員として出たんですけれども、ドイツ側からも同じような問題提起がありました。非常に危機感を強く持っていました。ヴルフさんという前の大統領がそのオンラインの会議に出ていましたけれども、非常に強い危機感を持っていましたので、かなり危機感を持って臨むべきだと、今日会議があるということなので。コミットをする額も、やはりきちっと出したらいいと思いますよ、この額は。私は、費用対効果、高いと思いますよ。そのことを申し上げておきたいと思います。

 あと残りの時間、皇位継承の話なのでありますが、この問題は非常に難問だと思います。今上天皇の次の世代が、秋篠宮の一親王、つまりは悠仁親王のみだということであります。男の子を産まなければならないような状況で、喜んで結婚する女性がどれだけ現れるのかなども含めて、非常にこれから考えなきゃいけない問題だろうと。

 五百十二分の一だというふうに聞きました、確率的に。九人、九方連続で皇室では女性が生まれている。この確率は五百十二分の一らしいです。

 ですが、我々国会も、内閣も、やはりこの問題、国家の根本の問題なので、やはり最重要課題としてしっかりと検討しておく必要があるのではないか。歴史の積み重ねというその重みを認識をしながら、他方で現実を直視して検討していかなければならないというふうに思います。

 それで、今、有識者の会議が行われているというふうに承知しておりますけれども、結果が出たら速やかに国会に報告するとなっています。いつ頃を目途にこの検討結果をまとめるおつもりなのか、まずお聞きをしたいと思います。

加藤国務大臣 まず、この有識者会議は、附帯決議の一において示された課題について、様々な専門的な知見を有する人々の意見を踏まえ議論し整理を行うため、開催をすることにしたところであります。

 現在、有識者においてはヒアリングが行われており、皇室制度、歴史の専門家など、また様々な世代の方からもお話を伺っているところであります。

 有識者会議における議論は、その進め方、スケジュールを含め、会議のメンバー皆さんでお考えいただくこととしておるところであり、ヒアリングを踏まえ十分に議論を行っていただきたいというふうに考えております。

 したがって、政府から、今、現段階での具体的なスケジュールは申し上げる状況にはありませんが、ただ、先ほど申し上げた衆参両院の委員会で可決された附帯決議の趣旨、これをしっかり尊重して対応していきたいと考えております。

玄葉委員 念のための確認を幾つかしておきたいと思いますが、時間がありませんので、ぱっぱっと聞きたいと思います。

 一つは、念のための確認と申し上げましたけれども、いわゆる非嫡出の継承なのですが、明治の皇室典範と現行の皇室典範の最大の違い、基本的には男系男子で変化はないわけですけれども、重要な変更点は、嫡出に限るとした点でありますけれども、念のためですが、このことについて、非嫡出の継承は否認されていますけれども、これは今後論点になるという可能性はあるのかどうか、お聞きをしたいと思います。

加藤国務大臣 まず、現行の皇室典範を定めるに当たっては、我が国における社会一般の道義的判断などに照らし、天皇又は皇族の資格を嫡出子に限ることが適当であるとして、当時判断されたものと承知をしております。

 その上で、先ほど申し上げましたように、有識者会議における議論は、その進め方も含めて、会議のメンバーの皆さんでお考えいただくものであり、政府として、この範囲等々についてコメントは差し控えさせていただいておるところであります。

玄葉委員 今日はちょっと、私、これ以上申し上げません。また追ってお話をしたいと思いますが。

 もう一つ、憲法二条、つまりは、「皇位は、世襲のものであつて、」とありますけれども、その世襲というのは男系を意味するのかどうかということについても、政府の正式な見解をお聞きをしたいと思います。

加藤国務大臣 これまでも国会等でも御説明をさせていただいておりますが、憲法第二条は、「皇位は、世襲のもの」とするほかは、皇位の継承に係る事項については、全て法律である皇室典範に譲っているところであります。

 また、同条の「皇位は、世襲のものであつて、」とは、天皇の血統につながる者のみが皇位を継承することと解され、男系、女系の両方が、この憲法において含まれるものであります。

 その上で、皇室典範においては男系男子が皇位を継承するとされており、皇位継承の問題を検討するに当たっては、男系承継が古来例外なく維持されてきたことの重みなどを踏まえながら、慎重かつ丁寧に検討を行う必要があるというのが政府の一貫した姿勢であります。

玄葉委員 時間ですけれども、何か少し時間を使っていいということでございますので、同じ会派の中での、済みません、三、四分使わせてもらいます。

 新旧の皇室典範は、質問通告もしておりますが、養子を禁止をしています。これはなぜなのかということも、改めて政府の公式見解をお聞かせをいただきたいと思います。

加藤国務大臣 天皇及び皇族の養子については、歴史的には、皇位の男系継承を維持しつつ養子が行われた例があったとされておりますが、旧皇室典範では、養子は中世以来のもので、古来の典例ではないなどの理由から、第四十二条において、「皇族ハ養子ヲ為スコトヲ得ス」と定められたものであり、現行の皇室典範第九条はこれを踏襲したものと承知をしております。

玄葉委員 この養子を禁止するということを変更するということも含めて、これは今後の議論の中で論点に十分なり得るという理解でよろしいですか。

加藤国務大臣 そこは、先ほど申し上げました、この会議においては、進め方も含め、会議メンバーの皆さんでお考えをいただくところでもありますが、先般、今、ヒアリングが行われておりますが、ヒアリングにおいては、そうしたことに関して御意見も頂戴していると承知をしております。

玄葉委員 もう一つ、国会でも議論があったと承知をしていますけれども、旧皇族の男系男子の皇族復帰の話であります。これは、ちょっとごめんなさい、質問通告していないかもしれませんね。答えられたら答えてほしいんですけれども。

 例えば、旧宮家の皇籍取得について、これまで意向の確認はしたことがない、今後も考えていないということを、令和二年二月十日、衆議院予算委員会で菅官房長官当時がお答えになられているのですけれども、この考えに変わりはないかどうかということと、もし変わりがないのであれば、それはなぜか。つまり、プライバシーの問題があるから意向の確認をしないということなのか、基本的に、この問題は、旧宮家の皇籍取得という問題は、選択肢ではないという考えからそうされているのか、その辺りをお聞かせいただけますか。

加藤国務大臣 令和二年二月十日に衆議院予算委員会で、当時の官房長官、今の菅総理が、旧宮家の子孫の方々の意向を具体的に確認する予定があるのかとのお尋ねに対し、政府として、衆参両院の委員会で可決された附帯決議の趣旨を尊重し対応していかなければならず、これに注力する旨は述べたところであります。さらに、質問のあった時点で、そうしたことは考えていないという旨を申し上げたところであり、そこは、今の時点においてもその考え方は何ら変わるものではございません。

 いずれにしても、先ほど申し上げましたけれども、皇位継承については慎重かつ丁寧に検討を行っていく必要があるというふうに考えており、そうした観点から、引き続き、様々な問題について、まずはこの有識者会議においてしっかりと御議論をいただきたいというふうに思っております。

玄葉委員 今のことは、もう一度、理由はどういうことで意向確認をされないのかということだけお答えいただけますか。これはプライバシーの問題ということなのか、それとも、元々そういう選択肢を基本的に考えていないということなのか、お尋ねをしたいと思います。

加藤国務大臣 まず、御指摘の事項については、個人のプライバシーにも関わることであり、極めて慎重な対応が必要であると考えております。

玄葉委員 分かりました。

 この問題、冒頭申し上げたように、歴史の積み重ね、これは本当に軽くないというか、大変重いと思います。あわせて、現実も直視しながら、国民の理解と支持を得ながら、一つの合意点というか、しっかり見つけていかなきゃいけないんだろうというふうに思いますので、また今後も機会があれば質問させていただきたいと思います。

 どうもありがとうございました。

木原委員長 次に、今井雅人君。

今井委員 済みません、ちょっと喉を痛めておりますので聞き取りにくいかもしれませんが、おつき合いをよろしくお願いします。

 まず、官房長官にオリンピックについてお伺いしたいと思うんですけれども、今、やるべきだ、延期するべきだ、中止するべきだといろいろ意見があるんですが、そもそも論なんですけれども、開催都市契約、これを改めて見ると、中止することができるのはIOCだけで、ほかの人は中止ができないというふうに読めるんですけれども、この辺について、まずちょっと説明いただきたいと思います。

十時政府参考人 お答え申し上げます。

 開催都市契約は、IOC、東京都、JOC及び大会組織委員会の間で締結された契約でありまして、国は契約当事者には入っておりませんので、個々の内容についてコメントすることは差し控えたいと思いますが、その上で申し上げれば、この開催都市契約の第六十六条におきまして、IOCは、「本契約を解除して、開催都市における本大会を中止する権利を有する。」との条項があることは承知をしております。

 いずれにせよ、国は開催都市契約を締結している当事者ではありませんが、東京大会の開催も含めたその在り方については、主催者であるIOC、IPC、大会組織委員会、東京都において議論された上で最終的に決定されるものと理解をしております。

今井委員 契約上はそうなんですね。

 お伺いしたいんですけれども、今、こういうコロナの状況です。ちょっと特殊な状況で、「契約の解除」のところにも、「本大会参加者の安全が理由の如何を問わず深刻に脅かされると信じるに足る合理的な根拠がある場合。」これは中止ができると書いてあるんですけれども、政府から、今本当にそういう状況だ、これはやはり開催をやめた方がいいということをIOCの方に提案をする、これは可能なんでしょうか。

加藤国務大臣 開催都市契約上ということであれば、ちょっとそれについて、私どもは先ほど申し上げたように契約の当事者ではありませんから、それに対して解釈を云々する立場にもないところであります。

 他方、我が政府としては、もう何度も申し上げておりますが、IOCが昨年、今年の七月からこの東京オリンピック・パラリンピックを開催するということを決められたわけでありまして、それに向けて関係者が準備に取り組んでおられ、政府としても、そうした方々と連携を取りながら安全、安心な開催に向けて準備を進めさせていただいている、こういう立場であります。

今井委員 その上でお伺いしたいんですけれども、IOCのジョン・コーツ副会長、この方が緊急事態宣言下でもオリンピックは開催すると。いわゆる主催者がそう言っています。

 主催者がこういう認識でやると言ったら、たとえ緊急事態宣言下でも日本政府としては容認をせざるを得ない、そういうことですか。

十時政府参考人 お答え申し上げます。

 IOCコーツ調整委員長の発言については、先日、五月二十一日のIOC調整委員会終了後の記者会見において、記者とのやり取りの中で、緊急事態宣言下においても東京大会のテストイベントが実施されており、アスリートの安全、安心や日本国民の安全、安心を確保した上で成功しているという趣旨の発言の中で述べられたものと承知をしております。

 そのため、国民の健康や命よりも東京大会が大事といったような趣旨で発言したものでもございませんし、政府としては、まずは新型コロナウイルス対策にしっかり全力を尽くし、安全、安心の大会の成功に向けて取り組んでまいります。

今井委員 そんなことは聞いていません。官房長官、答えてください。

 中止を決められるのはIOCだけだ、契約上、そうなっています。そのIOCが、どんな状態でもやるんだ、日本が、東京が緊急事態宣言になっていようが私たちはやるんだというふうに言った場合に、政府はそれに何か対抗する措置があるんですか。政府はそれを受け入れてやらざるを得ないのかどうなのか。そこをはっきりしてください。

加藤国務大臣 先ほどのコーツ委員長自体はどんな場合でもと言っているわけではないんだろうというふうに思いますので、そういった、ちょっと仮定の御発言を前提に政府がどう考えるかと聞かれても、政府としてそれについてコメントは差し控えたいと思いますが、先ほどから申し上げているように、安全、安心な形で実施をする、そして国民の皆さんに安全と思っていただけるような状況の中で開催をする。そして、昨日も総理から、国民の命と暮らしを最優先するということは申し上げているところであります。

今井委員 じゃ、聞き方を変えます。

 IOCが、オリンピックは必ずやる、開催すると決めたら、日本は、日本政府としては、それを受け入れるということですね。それに対して異議を唱えるということはないということですね。

加藤国務大臣 ですから、先ほどから申し上げておりますように、IOCが今年の七月から東京オリンピックをスタートすると決定をされたことを踏まえ、関係者が準備をし、政府はそれに対して対応させていただいている、ここに尽きるわけであります。

今井委員 僕は、与野党の議論を聞いていて、みんな、それは中止した方がいいと言う方もいらっしゃるけれども、実際に本当にできるのかなということをずっと考えていたんです。

 それで、やはり契約書を見るとIOCなんですね。実際は、延期したときは、安倍さんがIOCに相談をしてそういうふうに延期してもらったんだと思うんですよ。そういうことが政府として今できるのかどうかということを確認したかったんですけれども、ちょっとそれ以上言えないのであればそれで結構ですが。

 尾身理事長、済みません。聞こえていますか、申し訳ない、聞き取りにくくて済みません。

 午前中も多分聞かれたんじゃないかと思うんですけれども、仮にやるとしても、そのときに感染状況がどうなっているか、今、予見できませんね。ですから、この段階だったらこれぐらい必要、これぐらいだったらこれぐらいの対応が必要というのを今から用意しておかないと、七月二十二日、どうなっているか分からないです。そのとき考えるというわけにはいかないと思うんですよ。

 専門家として、その辺のところをちゃんと、こういう状況になったらこうしてほしいということを政府に提言されるべきではないかと思うんですが、その点についていかがですか。

尾身参考人 先ほどの質問でもお答えしましたように、政府が、あるいは委員会がオリンピックをやるんだという決断をした場合、どうもしたようですけれども、そうなると、我々、ずっとこの一年以上政府に対して国内の感染対策をどうするかということを助言してきた者としては、そういう判断が下された以上、どうしたら感染のリスクを下げるか、あるいは、どのような状況が感染リスクが上がるのか、あるのかというようなことをしっかり分析するのは我々の務めだと思います。

 そうした考えを、いずれ、我々の考えとして、しっかりと関係者の方に最終的には我々の考えを示すので、最終的には組織委員会あるいは政府が決めることだと思いますけれども、我々、専門家、プロとしての役割は、政府が決断をしたのであれば、どういうふうなリスクがあって、どういうような方法でリスクを最小化するかということについての我々の意見を述べるのは我々の務めだと思っております。

今井委員 今、インド発祥の変異株も広がってきていて、ちょっといろいろ心配なんですね。

 ちょっと聞きにくいことですけれども、例えば、本当に、緊急事態宣言下、ステージ4のような状況でオリンピック開催を迎えてしまったときに、私たちは、感染を抑えながら、五輪のオリンピックを無事終わらせることというのは可能なんでしょうか。ちょっとその辺をお伺いしたいです。

尾身参考人 私どもは、オリンピックの開催にかかわらず、緊急事態宣言を出すような、ほぼステージ4というレベルですよね、これについてはなるべく避けるように、これは国、自治体、我々一般市民も努力する必要がある。

 仮にオリンピックをやるのであれば、それは、日本の国、自治体、国民に任せるだけじゃなくて、組織委員会の方も、こういう状況でやるんだとすれば、地域において感染拡大リスクがあることはありますので、組織委員会の方も、ただバブルの中のことだけを考えるんじゃなくて、地域の感染をどれだけ最小化するということに向けて最大限の努力をするというのは、私はオーガナイザーの当然の責任だと思います。

今井委員 そこで、ちょっと確認なんですけれども、今、無観客にするとか観客を入れるとか、そういう議論が出てきていますが、これは誰が決めることですか、官房長官。IOCが決めるんですか、組織委員会が決めるんですか、誰が決めるんですか。

加藤国務大臣 先日の五者協議で、海外からの観客受入れについて断念することが合意をされ、そして、観客数に係る、これは国内ということになりますが、については、変異株による国内の状況も踏まえ、スポーツイベント等における上限規制に準ずることを基本として、六月に行うということで合意がなされた。すなわち五者協議の場で、ですから五者は、IOC、IPC、大会組織委員会、東京都、そして国ということになります。

今井委員 分かりました。五者協議で決めるということですね。

 その上で、今報道で、政府の方で、仮に観客を入れる場合に、陰性証明を求めるとか、あるいは会場での飲食を禁止するとか、こういうことを検討しているという報道がなされています。

 言える範囲で結構なんですが、今、恐らくこういう検討はしていると思うんですけれども、このような検討がなされているのか、今の段階でどういう状況になっているのかを教えていただきたいと思います。

十時政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘の報道につきましては承知をしておりますが、こうした決定がなされたという事実は承知をしておりません。

 東京大会については、感染症対策をしっかりと講じて安全、安心な大会を実現するということで、現在、大会関係者が一丸となって準備を進めておりまして、観客に対する感染症対策についても、コロナ対策調整会議において四月二十八日に追加的な対策をまとめまして、これに基づいて様々な対策を取り組もうとしているところでございます。

今井委員 決まったということを言っているわけじゃないんです。どうやってやるのかということを当然今検討はしていますねということです。結論が出ていないのは分かっているけれども、そういういろいろな検討はしていますね。

十時政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど申し上げましたように、コロナ対策調整会議において四月二十八日に示された追加的な対策の中で、例えば観客に対する感染症対策については、観客向けのガイドラインを定めて来場前から周知を徹底すること、検温の実施や、アクリル板の設置等の飛沫感染防止策、手指消毒剤の設置などの接触感染防止策、混雑緩和策など、主催者が基本的な感染防止策を徹底することなどの方針が示されておりまして、これらを基本としながら、現在、組織委員会も含めて、関係者と様々な対策について検討していると承知しておりますが、報道のような内容については承知をしておりません。

今井委員 そういう答弁をなさるなら、もうちょっと情報管理してください。報道にすっぱ抜かれるようなことはやめてください。先に出ちゃったら、先に出て承知していないなんていう、そんなお粗末なことはやめてください。それだけお願いしておきます。

 河野大臣、済みません、ワクチンなんですが、内閣官房のホームページを見ますと、五月三十一日までで、医療従事者等が約七百六十万回、それから高齢者等が約五百六十万回、一回目と二回目を合わせて。これは全体でいうと、一回目が全体の四・〇八%、二回目が〇・三一%というふうになっています。

 政府は、七月末までに高齢者等の接種を終わりたいというふうにおっしゃっていますが、今の実績は、計画比というか、政府の想定している中で、想定のとおり進んでいるのか、ちょっと遅いのか、想定より早いのか、どういう状況なのかをちょっと教えていただきたいと思います。

河野国務大臣 日ごとに目標値があるわけではございませんから、想定と比べてどうなのかというのはなかなかお答えしづらいわけでございますが、七月末までに高齢者の二回接種が終わるように、今、難しいと言っている自治体をしっかりバックアップをしているところでございます。

今井委員 その上でお伺いしたいんですけれども、そういうことを実現するためには、一日百万回のワクチンの接種を目指すと菅総理がおっしゃっておられます。

 それで、それについてちょっとお伺いしたいんですけれども、五月三十一日の実績を見ますと、医療従事者等が二十七万三千、それから高齢者等が三十一万四千、一日ですね。合わせると約五十九万人です。一日で五十九万人。目標が百万人ですから、あと四十万人ぐらい上積みをしないとできないということになります。

 集団接種ですとか職場とか、いろいろなことが今計画されているようですが、そういうことを積み上げていくと、いつぐらいに一日百万回という接種目標が達成できるようになるのか。それをやるためには、今ちょっと私もそういう例を出しましたけれども、どういうことをやって積み重ねていくと百万回に達するのか。その辺をちょっと、国民の皆さんは大変関心を持っていらっしゃると思いますので、そこをちょっと詳しく説明をしていただきたい。

河野国務大臣 特にいつ百万回になるかというのを想定しているものはございませんが、ワクチンの供給につきましては、六月末までに高齢者に二回打っていただく分の供給がそれぞれの自治体にできることになっております。

 そのために、今、個別の、かかりつけのお医者さんの個別接種を一件でも多く増やしていただいて、また、十件打っているところには二十件、週に二十件打っているところには更に増やしていただく、そういうお願いをしております。

 また、集団接種、あるいは都道府県・政令指定都市などの大規模接種、今、予診をやっていただけるお医者さんが、まだまだ登録をしてくださっている方、相当数いらっしゃいます。看護師さんでコロナのワクチン接種をお手伝いできるよという方、今待っている方で一万人ぐらいいらっしゃいます。さらに、歯医者さんでワクチン接種のトレーニングを終わった方、六千人ぐらいいらっしゃると聞いておりますので、今、それぞれの自治体に、こういう方に積極的に声をかけて、集団接種を三レーンでやっているところは四レーン、五レーンに増やしていただく、そういうお願いをしているところでございます。

 また、六月の二十一日からは、企業、大学などの接種もスタートいたしますので、こうしたお医者さん、看護師さん、歯医者さんに積極的に声をかけていただいて、スタートしていただきたいというふうに思っております。

 お医者さんについてはオンラインの予診もできるわけでございますから、自治体によっては地元にお医者さんがいないというところがいらっしゃいますけれども、そういうところはオンラインのできるお医者さんを紹介をするなど、いろいろやって、スピードアップに努めていきたいと思っております。

今井委員 分かりました。

 いろいろ努力をして頑張っていただきたいんですけれども、確認ですが、今のところまだ、百万回に達するのは、できるだけ早くということで、いつまでということではないということでよろしいですか。そこだけもう一回確認します。

河野国務大臣 そのとおりでございます。

今井委員 ワクチンが命綱だということは、これはみんな認識は一致していますので、是非頑張っていただきたいと思います。

 一点、これは参考人の方かな。

 以前、西村大臣が、ファイザー社のワクチンはインド発祥の変異株へも有効であるということを説明しておられたというふうに拝見しました。

 今、日本で承認されている残りの二つ、モデルナ社、そしてアストラゼネカ社、このワクチンはインド由来の変異株に有効なのかどうなのか、何かそういう研究論文が出されているのか、その点について教えていただきたいと思います。

宮崎政府参考人 お答え申し上げます。

 新型コロナワクチンの承認申請においては、変異株に対する有効性も考慮しております。

 まず、モデルナ社の新型コロナワクチンについては、薬事・食品衛生審議会におきまして、現時点で流行している種々の変異株に対しては一定の有効性は期待できるとされた一方で、様々な変異株に対する有効性については、製造販売後も引き続き情報収集し、必要に応じて情報提供するなど、適切に対応することとされております。

 また、アストラゼネカ社のワクチンについては、南アフリカ変異株を除きまして、一定の有効性は期待できるとされまして、同様に、適切な情報提供等が求められているというところでございます。

 現時点において、ワクチンのインド由来の変異株に対する効果について十分な情報が得られているわけではございませんけれども、一方で、効果が失われるといったような情報が得られているわけでもございません。変異株、ウイルスは絶えず変異を起こしていくものでございますので、引き続き、様々な情報を収集しながら、適切に有効性、安全性等を確認してまいりたいと考えております。

今井委員 大変皆さん心配しておられますし、ファイザー、モデルナの接種も始まっているわけですから、その辺の情報を、俺はちょっとモデルナは嫌だとか、ファイザーじゃなきゃ嫌だとか言う方が出てこないように、しっかりと伝えていただきたいと思います。

 これは指摘だけにしておきますけれども、報道で、台湾にアストラゼネカ社のワクチンを提供することを検討と。茂木大臣はいろいろなところに検討するとおっしゃっていましたが、これは、済みません、外務省に来ていただいていますけれども指摘だけにしておきますが、今、日本でアストラゼネカ社の、承認を受けているのにもかかわらず、接種していないんですね、いろいろな懸念があるからと。自国で懸念があるといって接種をしていないワクチンを他国に出すということは間違ったメッセージを出しかねないということをとても心配しています。台湾は大事な友好な国でありますし、そういうところに余計な誤解がないように、援助するときは丁寧に説明をしていただかないと、そういうことを言う人が僕は出かねないと思いますから、それは十分注意をしていただきたいというふうに思います。

 済みません、河野大臣、ありがとうございました。これで結構です。

 西村大臣、済みません、お待たせしました。幾つかお伺いしたいんですけれども、時間の範囲内で聞きます。

 まず、一番聞きたいことですが、六月の二十日まで緊急事態宣言が九都道府県で延長されました。足下、今週月、火と出ている数字は、新規感染者で見ればかなり減少しているように見えます。

 そこで本題なんですけれども、この六月二十日までずっと延長するかどうかという判断が非常に難しいと思うんですね。途中で解除するというところも出てくるんじゃないかと思うんですけれども、その際、もちろん、いろいろな指標を総合して勘案するということが政府の立場なんでしょうけれども、私はやはり新規感染者数の推移が一番大事なんじゃないかと思っているんですね。というのは、政府の説明もあるように、そこが減っていくと、時間を置いて病床の方も大分楽になっていくという傾向が見られるということであれば、先を予見できるわけです。そうすると、やはり新規感染者数の推移が一番大事になってくるんじゃないかと私は思うんですね。

 だから、この数字を見ながら、六月二十日までに、ここは大丈夫だなとか、ここはまだまだだな、そういう判断があってもしかるべきなんじゃないかなというふうに思っているんですが、政府としての見解をお伺いしたいと思います。

西村国務大臣 申し上げます。

 御指摘のように、病床の数、病床の逼迫度は、新規陽性者の数が増えてきて、その二週間後ぐらいに逼迫してくる、重症者の数が。減ってくるときには、逆に二週間ぐらい遅れて改善がなされますので、そういう意味で、指標は病床を一番重視して、命を守るというところを重視して一番最初に書いてあるんですけれども、御指摘のように、新規陽性者の数もしっかり見なきゃいけない。

 申し上げたいのは、病床が安定的に確保できた上に、新規陽性者の数が一定レベルに下がって、さらに減少傾向であれば、これはもう病床は確実に安定的に確保できるということですから、その点をしっかり見なきゃいけないと思います。

 その上で申し上げれば、足下の、ちょっとこれは人出の、人流は、東京も大阪も少し増えてきておりますので、これがこのまま増加傾向になると十日後、二週間後に陽性者の数が増えてくることになりかねませんので、この足下の人流もよく見ていきたいと思います。

 それから、インドの変異株、まだ国内で大きく広がっているということではありません。これは今、デルタ株という言い方をWHOはしているんですけれども、デルタ株が広がっているわけでありませんが、今後の動向をよく見ていかないと、アルファ株、英国株のようにばっと増えてくる可能性がありますので、ここをよく見なきゃいけない。

 さらには、河野大臣の下で頑張っておられるワクチンの接種の状況も、重症化予防になりますし、アメリカや英国の例では、まさに感染者の数も減らす効果もあるので、この辺りを総合的に見て、いずれにしても、病床をしっかり確保できるかどうか、そのために新規陽性者の数も見て、総合的に判断をしていきたいというふうに考えております。

今井委員 その判断をした上で、ちょっと確認ですけれども、緊急事態宣言から普通の措置に行く途中に、いわゆる後蔓防ですね、まず蔓延防止等重点措置をやってそれから元に戻していく、こういうプロセスというのはあり得るんですか。

西村国務大臣 状況を見ながら判断をしていかなきゃいけないと思いますが、御指摘のように、蔓延防止等重点措置を、解除後活用するということも当然あり得ると思います。

 他方、やはり緊急事態宣言というのは最も強いカードでありますので、やはり、この強いカードの下でまずは感染を徹底的に抑えていく、変異株、デルタ株のことも頭に置きながら、まずは下げていくことが大事だというふうに考えております。

今井委員 分かりました。

 あと四分ぐらいなので、できるだけ、一問か二問。

 ちょっと聞いていただきたいんですけれども、私が地元で街頭をやっていましたら、一人の若い男性が来られて、ちょっと話を聞いてもらっていいですかと。私、消防署に勤めている救急救命士です、毎日コロナの陽性の患者を緊急搬送しています、防護服を着て、本当に怖いです、自分、家族もいるし、うつったらどうしようとすごく心配しておられたんですけれども、その方がおっしゃっていたんですが、慰労金がないんだそうですよ。医療従事者等には慰労金が出ているのに、一番患者に接している、抱きかかえているんですから、そういう人たちに慰労金が出ていないんですって。僕は聞いてびっくりしたんですよ、本当ですかと言って。

 それで、役所の方に確認したら、公務員なのでちょっと扱いが違うとか、別のところで手当てするとか、そういうことをおっしゃっていたんですが、実際聞いてみると、そういう手当も余り出されていないようなんです。各自治体によって何か違うらしいですけれども、出ていないんだそうです。

 ちょっと、僕はさすがにこれはいかぬなと思って、こういう抜け穴をつくっちゃあかんですよ。やはりそういうところに目を向けて、先ほど玄葉さんもいろいろな方のことをおっしゃっていました。僕も今日、実は、お酒の話も随分言われていまして、うちは元々八時までしかやっていないので時短の要請の協力金ももらっていないのに、酒を出すなと言われたらもうやっていられません、パンクですみたいな、そういう悲痛な陳情も受けています。いろいろなところが漏れているんですよ。

 だから、今からでも間に合いますから、我々も政府にできるだけ情報を出しています。少しでもやはり今の制度を柔軟に使って、そういう人たちを助けていってあげたい。

 ちょっとそういう、そこだけ、是非やっていただきたいので、あと二分ありますけれども、最後、大臣に答弁いただいて終わりたいと思います。

西村国務大臣 御指摘のように、それぞれのお立場で、今回のコロナに対して本当に様々なリスクを抱えながら対応しておられること、改めて敬意を表したいと思いますし、私どもとして、そういったところも含めて、できる限り国として、政府として目配りをしながら対応していかなきゃいけないという、改めて今の御指摘で痛感したところであります。

 御指摘のように、それぞれの都道府県あるいは市町村で、地方創生臨時交付金なども活用しながら、直接それが使えなくとも財源が出ますので、うまく財源をやりくりしながらやられている自治体もあると思いますけれども、私どもとして、しっかり対応したいと思います。できる限り目配りしながら対応していきたいと思います。

 その上で、一点だけ。

 私の地元でも、同じように、昼間の営業をしているところがお酒を出さないようにと言われて非常に困っている例の相談を受けて、両方あるようですね。もう休業してしまうということで、休業の要請の協力金をもらうということにするか、あるいは、お酒は出さずに、昼間、ビール一杯出したりしていたのを、一本出していたのをやめて、ビール、お酒はやめて、むしろ、月次でいうと二十万、十万円で、三か月だと六十万円、三十万円の支援になりますので、それを見比べながらどちらかで対応していくという、これはそれぞれの選択だと思いますけれども、いずれにしても、御指摘のような目配りをしっかりしながら対応していきたいというふうに考えております。

今井委員 どんな制度でもパーフェクトはないですから、必ずそうやって抜けるところが出るんですけれども、そこはやはり乗り越えて、細かく埋めていくということを是非やっていただきたいということをお願い申し上げまして、済みません、大変お聞き苦しい質疑、申し訳ありませんでした。

 ありがとうございました。

木原委員長 次に、柚木道義君。

柚木委員 立憲民主・無所属の柚木道義です。

 質疑の機会をいただき、ありがとうございます。

 官房長官、御多忙の中お越しいただき、まずありがとうございます。たくさん通告を申し上げておりますので、なるべくスピーディーに行きたいんですが、冒頭、私も、昨日の幹事長の発言、非常に驚きまして、ちょっと簡単にその御所見を伺いたいと思うんですね。

 菅原一秀元経産大臣が辞職届を出され、今日、離党届も出されたということで聞きましたけれども、そういった状況を受けて、二階幹事長が、随分政治と金の問題はきれいになっている、マスコミも一般国民も評価してしかるべきだと。私、ちょっと本当に耳を疑ったんですけれども、官房長官、幹事長と同じように思われますか。

加藤国務大臣 あくまでも党の方の御発言でありますから、政府として、そうした発言に対するコメントは差し控えさせていただきたいと思います。

柚木委員 なぜ伺うかといえば、今まさにコロナ禍で、コロナ対策、あるいは、これから五輪の議論、まさに政府に、与党の皆さんももちろんですけれども、信頼なくして、いろいろな施策、協力も含めて進まないわけですね。

 そんな中で、私も、お聞きするところによれば、菅原元大臣は菅首相の側近でもいらっしゃって、御夫婦で今裁判、河井御夫妻もそうですけれども、まさにそういう側近の方々が、どんどんこういう形で、逮捕される、裁判で有罪になる、あるいは議員辞職する。しかし、それは党のことなのでと。これはお決まりの文句ですよね。我々は、党のことなので、じゃ、政治倫理審査会で是非説明をしてください、二年間何にも説明されていないじゃないですかと求めています。もちろん政府の立場でいらっしゃいますよ。だけれども、これは政府への不信感にもつながりかねないんじゃないですか、こういうことを許していたら。

 是非、この間、まさに菅原議員だけじゃなくて、あきもと司議員、収賄と証人買収の罪に問われて裁判、あるいは吉川元農水大臣、収賄罪で在宅起訴、河井御夫妻、そして今回の菅原元大臣、どこが政治と金がきれいになってきたんですか。ちょっと一言ぐらいコメントいただけませんか。

加藤国務大臣 それは、幹事長がどういうことをベースにお話をされたか承知をしておりませんから、また、自民党の幹事長という方の発言でありますので、政府として、それに対して申し上げる立場にはないということは先ほどから申し上げているとおりであります。

柚木委員 私も通告をやりたいので、もう一点だけ最後に聞きます、この件で。

 今、コロナ禍で、本当に私も、お店、事業者の皆さん、あるいは生活に困窮している皆さん、今日もたくさん通告させていただいています。本当に皆さん、もう首をつらなきゃいけない。大臣、長官とも地元が近いですから、私、大臣のことも応援している方もお話を聞いていますよ。そういう方でも、そう言っていますよ。

 そんな中で、菅原元大臣、六月の一日付で辞めて、期末手当三百十四万円ですか、賞与満額受給。こんなことをやっていて、国民の皆さん、コロナ、時短、自粛、お酒を出すなとか、お店を閉めろとか、協力してくれると思いますか。

 だから、私は、政府の立場だと思うけれども、与党の皆さんと、本当にこういう問題は、例えば政治倫理審査会でちゃんと説明をして、説明するとおっしゃっていたんだから、菅原さんだって。その上でお辞めいただくのが、まさに政府として、菅政権として、国民の皆さんにいろいろなことをお願いする立場、信頼をいただかなきゃいけない立場として必要だと思うんですけれども、いかがですか。

加藤国務大臣 あくまでも政府と政党とは立場が異なるわけであります。

 これまで申し上げておりますように、それぞれの政治活動について、しっかり自らが説明責任を果たすこと、これは大変大事なことだというふうに思いますが、いずれにしても、特に政治倫理審査会等、これはまさに国会での御議論でもありますので、そうしたところは、まさに国会で、あるいは、これは本人からの要求によると聞いておりますから、それにのっとって対応されるべきものと承知をしております。

柚木委員 是非、官房長官、菅首相に、側近の菅原さんは説明をちゃんとしてから辞職するようにした方が、政権にとっても、コロナ対策を進める上にとっても、五輪のことを進める上にとっても重要だと進言いただいて、是非本人が希望して、そしてちゃんと説明をしていただく、そのことを強く冒頭お願い申し上げておきたいと思います。

 通告に入ります。

 これも、私、昨日のニュースを聞いて驚きました。ちょっと順番を変えます。代々木公園で、オリンピックが行われた場合のパブリックビューイング、これは本当に、私も、あのきれいな公園の木を伐採して、そしてコロナ禍で、ともすれば緊急事態宣言も出ているかもしれない中で五輪が仮にされて、今日、尾身先生にもお越しいただいておりますけれども、本当に、それはいろいろな配慮をしたって感染リスクが増えることには変わりがない、こんなことをやるのかと思っていたら、突然にそれはやめて、ワクチンの接種会場にする、そういうことを小池都知事がおっしゃられているようです。

 私、ちょっとよく分からないのは、これは当然政府も入った調整会議等でこの間議論してきたことだと思いますから、長官、伺いたいんですけれども、なぜ代々木公園だけやめるんですか。井の頭公園とかはこのままやる、あるいは、ほかの被災地とか、熊本とか。

 代々木公園だけなぜやめるのか、どうしても理解できないんですけれども、これは政府として、ちゃんと東京都を始め自治体とも協議して、国民の皆さん、都民の皆さんに、井の頭公園の人たちは、えって言っていましたよ、昨日も報道で。納得いただけるようにすることが五輪に向けて重要なことだと思うのであれば、是非納得いただけるように説明をいただきたいんですが、いかがですか。

加藤国務大臣 まさに自治体が主体となって取り組んでおられますから、それぞれの自治体において御判断をされ、また自治体において必要な説明がなされるものと思います。

柚木委員 是非、まさに調整会議は、政府も入って、官房副長官も出席をされて、こういう議論もしてこられているわけですから、自治体に丸投げするのではなくて、だって、これは感染リスクが高まる話ですから。

 これは東大の仲田准教授も試算されていますけれども、例えば五輪を中止したって今の感染者の抑制がほぼ横ばいの可能性もある中で、ちょっと人が二%増える、六%人流が増えるだけでまた感染が急増していく、そういう試算も出されています。

 ちょっと、尾身先生、伺いたいんですけれども、こういう中で、パブリックビューイングの開催については非常に憂慮されている、午前中の答弁も伺っています。これは、でも、代々木公園だけやめるんじゃなくて、例えば井の頭公園とかほかのパブリックビューイングも同じように、代々木公園がやめるのであれば、やはり感染拡大リスクを考えて、そもそもこれは国が言えば自治体もそうなりますから、そういうことをちゃんと国として方針を示されるべきだと思いますけれども、尾身先生、いかがでしょうか。

尾身参考人 先日来何度も申し上げていると思いますけれども、今回は、オリンピックを開催することになれば、スタジアムの中での感染のリスクよりも、いわゆる地域、コミュニティーですよね、これは東京だけじゃなく全国、これの方がはるかに大きいというのが私どもの専門家の考えであります。

 したがって、いわゆる今の委員御指摘のパブリックビューイングというものがあれば、当然これは、応援することがあれで、自分のごひいきの選手が金メダルを取ったり銀メダルを取ったりすれば声を上げて喜びを表すということもあるだろうし、また、その後、そこの会を開いて、ちょっとよかったから少しみんなで一杯飲もうというようなこともあり得るわけですよね。

 そうしたことで、私は、感染拡大を、リスクをなるべく避けるということを考えれば、その場所がどこであろうが、わざわざリスクを高めるようなことをやるというのが、なかなか一般の市民には理解ができにくいんじゃないのかというのが我々専門家の考えです。

柚木委員 官房長官、是非これは調整会議の中で今後、今まさに尾身先生がおっしゃるとおりだと私も思います。国民には自粛だ、お店は時短だ、あるいは休業だ、お酒も出すな、ところが、まさにパブリックビューイングで人が集まって、ともすれば、まさにそのプロセスの中でお酒を飲んだりとかいうこともあり得るという御答弁ですよ。

 これは是非、代々木公園だけじゃなくて、菅首相が昨日も答弁されていますよね、五輪開催より国民の命最優先。ましてや、その中で、五輪がもし開催されるのであれば、せめてそういう、たくさん、大画面で、何か、新しい見方かどうか知りませんけれども、人が集まってくれば今のような感染拡大リスクがある、変異株の拡大リスクもある、そういう中で、せめてパブリックビューイングについては中止をするということを調整会議の中でも御議論いただくべく、政府としてリーダーシップを発揮いただけませんか。いかがですか。

加藤国務大臣 これまでも、ライブサイトについては、コロナ対策調整会議で昨年十二月に取りまとめた中間整理において、会場や開催期間、座席数や実施コンテンツなどを感染症の状況などを踏まえた実施形態となるようにするなど、感染症対策を徹底することが重要である旨が掲げられており、また、これを受けて、大会組織委員会において、事前予約や時間差での入退場など混雑を避ける具体策を含めた指針が定められ、既に自治体にその旨示されていると承知をしております。

 自治体がライブサイトを実施する場合には、大会組織委員会が策定した指針などを踏まえ、適切な措置が講じられるものと認識をしております。

 また、ライブサイトの実施そのものについても、地域の保健衛生に責任を持つ各自治体において、感染状況などを踏まえて、また、イベント等に対する規制等もありますから、そういったことも踏まえて適切に判断されるものと考えております。

柚木委員 るる御答弁いただきましたが、是非本当に、今、この後ちょっとお酒の話も、先生おっしゃったからさせていただきますけれども、国民の皆さんは、私の地元のお店をされている方も、あるいは普通に一生懸命コロナ禍の中で自粛をされている方々もそうですけれども、本当にストレスを感じながら自粛をしている。時短、あるいは休業、お酒もお店で出せない、飲まない、飲めない。

 そういうような中で、こういう人流の抑制をと言っているときに、ましてや宣言下である可能性もあるわけですから、このパブリックビューイングについては、田村厚生労働大臣は家の中で静かにみんなで応援しましょうと答弁されていますよ。そういうことじゃないんですか。パブリックビューイングに人が集まってくることと田村大臣の答弁、これは矛盾しませんか。官房長官、いかがですか。家で静かに応援をする、そういうのが政府の方針だと、私、厚生労働大臣が答えたので、そう考えるんですが、いかがですか。

加藤国務大臣 ですから、ライブサイトの実施については、政府も入ったコロナ対策調整会議でそうした指針が既に示されているところでありますし、ライブサイトの実施そのものについては、それぞれの実施する自治体が、地域の保健衛生、また、先ほど申し上げたイベントに対する考え方、こういったこと、さらには感染状況を踏まえ、適切に判断をされるべきものというふうに考えております。

柚木委員 是非このパブリックビューイングについては、もし開催される場合は、家でみんなで、まさに静かに熱い気持ちを持って応援されるというのが私は感染防止に不可欠だということを申し上げておきます。

 それから、ちょっと尾身先生がお酒の話をおっしゃっていただいたので、先にそっちの質問をさせてください。

 これも私、本当に国民の皆さんはどう思うんだろうと思うんですが、国民には自粛だ、お店には時短だ、休業だ、お酒も出すな、お酒は飲めない、集まっての宅飲みも駄目だ、こういうことをお願いしておきながら、オリンピックの選手村では、お酒の持込みもオーケー、ケータリングサービスもオーケー、要は飲み会オーケーなんですよ。

 これは本当に、私、昨日も野党ヒアリングで本当に驚きましたけれども、こんなことをしていては、それこそ、先ほど尾身先生がおっしゃっていただいたように、パブリックビューイングもそうですけれども、選手村の中で下手をすれば東京五輪型の株が蔓延、クラスターが起こるという懸念も専門家は示されていますよね。そういうことにつながりかねないと、私、本当に強く懸念するんですが、まさに専門家のお立場で、尾身先生、選手村の中でのお酒オーケーというのは、国民感情的にも私は受け入れ難い部分があると思いますけれども、感染拡大防止の観点からも、いかがですか、尾身先生。御答弁お願いします。

尾身参考人 今委員のお尋ねのことは二つの側面があると思います。

 一つは、オリンピックの選手村といいますか、選手がいるところでの感染のリスクというのも確かにあると思いますけれども、もう一つは、もう一つの方がより重要だと思いますけれども、それは、一般の市民が、まだこの期間もかなり一般の市民の行動変容に対する協力が必要なわけですよね。そういう中で、片方では自粛をしていながら、片方ではオリンピックの関係者がそういう飲食を十分楽しんでお酒というメッセージが出ると、一般の人の協力、理解を得にくくなるというのは、これは一般の心理として、気持ちとして当然。

 実は、一般の市民はもうかなりコロナ対策に疲れているわけですよね。そういう中でそういうメッセージが出るということは、むしろ、いわゆるオリンピックの中の、会場の中のことの感染のリスクよりも、そうしたことが一般の市民に与える心理的な、意識の問題ですよね、そういうことの方がより、そういう懸念についてしっかりと検討すべきだと私は思います。

柚木委員 官房長官、今の御答弁も含めて、私も本当にそう思いますし、もちろん、仮に開催されたときに、それは私だってオリンピックは見られるものなら見たいし、スポーツも好きですし。ただ、こういうやり方で、しかも国民の感情を逆なでするようなやり方で、しかも、一般の国民の皆さんに、協力するという気持ちにマイナスになるようなことは。

 これはやはり、私、政府に伺いましたら、現時点では、お酒の持込み、ケータリングでのお酒のサービス等も認めると、五輪の選手村で。ただ、これは最終的に組織委員会で運用の在り方を慎重に判断したいというふうにお聞きしているんです。

 今のような形でお酒は持ち込める、また、しかも選手村の建物の中って結構狭くて、同じ部屋で寝泊まりするような状況も生まれますし、ちょっと私もよく理解できませんが、そういうことが、あるいは何か避妊具も配られるとか、いろいろなことを聞くんですが、お酒は飲めるし部屋は狭い、そういうようなものも配られる、感染リスクがないとは私は本当に言い難いと思うので、組織委員会の中で慎重に決めたいということよりは、これは見直していただきたいと思いますが、いかがですか、長官。お願いします。

加藤国務大臣 基本的には、組織委員会においてプレーブックを今作られております。そこでは、食事の際は、他者との接触を最小限に抑えるため、二メートル又は指定の距離を保ち、なるべく一人で食事していただくよう求められているというふうに承知をしております。

 また、大会組織委員会からは、競技後を想定したケータリングサービスによるお酒の提供や選手自らの持込みなどでの飲酒は可能ではあるが、宴会といった集団での飲食はそもそも想定されていないと聞いております。

 選手村におけるコロナ対策を徹底する観点からも、大会組織委員会においてプレーブックにのっとって適切に運用していただく、また、必要があればそれに応じた対応。ただ、委員おっしゃっておられるように、我々、一般の国民の皆さんは家にお酒を買って飲むことはできる状況になっているわけでありますから、それとの均衡、バランスというんでしょうか、そういったことには十分配慮していく必要はあるんだろうと思います。

柚木委員 最後のところは、ただ、集まっての家飲み、宅飲みというんですか、それは控えるようにというのはやはり都道府県でアナウンスもされているわけですから、納得感の部分からも、それから感染拡大防止の観点からも、やはりこれは是非私はちょっと見直していただきたいということをお願い申し上げておきます。

 それから、この間議論もされていますが、資料を今日、一ページ目以降、おつけしておりますけれども、そういうようなことも含めてなんですけれども、何よりも、五輪を開催するかどうか。

 これについては、私、調整会議のいろいろな要綱とか、今回のコロナ対策分科会の法律に基づくいろいろな根拠とか、どういうことを議論するか、改めて拝見しましたけれども、やはりちゃんと、例えばステージ4だと開催は難しい、あるいはステージ3だと、東京都医師会会長もおっしゃっているけれども、最低限無観客とか、いろいろな客観的な基準に基づいて開催の可否を判断いただかないと、やるにしてもやらないにしても、国民の皆さんが何かもやもやしたまま突入するということは、これは一番不幸なことだと思うんです。

 これは是非、官房長官、そういうことをちゃんと、調整会議でももちろん議論したらいいけれども、やはり法律にちゃんと位置づけられているコロナ対策の専門家の皆さんによる分科会によって議論をして、そして、国民の皆様に是非それをお示しをいただいて、そして、私たちもそれを材料に国会で、長官に伺っています、お示しをいただきたいんです。

 何かそれを止めているという報道も出ていますけれども、止めずに是非出してくれと。尾身先生も、菅首相から言われればいつでも用意はあるとおっしゃっているわけですから、政府から、コロナ対策の分科会でしっかり開催の科学的な可否、それを議論してくれと。御答弁お願いいたします。

西村国務大臣 分科会を担当しておりますので、私の方からまず答弁させていただきます。

 まさに今御指摘があったように、コロナ対策調整会議におきまして、私どものコロナ対策室長も入り、また関係省庁が入り、そして、そこに分科会の分科会長、尾身先生の代理を務めておられる岡部先生に今代表として要は入っていただき、それから感染研の斎藤先生も入っていただいて、専門家の立場から様々な御意見を言っていただいております。

 私の立場で、尾身先生始め専門家の皆さんとは日々様々な意見交換、まさに今の感染をどう抑えていくのか、そして、イベントの在り方とか人が移動したときどれだけの感染が生じるのか、これは、過去の連休中の動きとか、こういったものを分析しながら意見交換を行っておりますし、そうしたことは、専門家の立場で岡部先生から発言していただいています。私の立場では、それを丸川大臣とも共有しながら、安全、安心の大会に向けて対応してきているということであります。

 その上で、橋本会長が発言されているのは、緊急事態宣言が終わった後で観客をどうするのか判断をしたいという趣旨で述べられているというふうに承知をしております。

 まずは、六月二十日まで緊急事態宣言を延長しましたので、この中で感染をしっかり抑え、まさに病床、コロナへの対応、そしてワクチンの接種、さらには一般の医療、そしてオリンピックへの対応ができる医療体制をしっかりつくるべく、安心、安全のものとするように全力を挙げて取り組んでいるところでございます。

柚木委員 そうしたら、ちょっと分科会のことで会長の尾身先生に伺いますが、この間、今日の資料の三ページ目にもおつけしていますが、ステージ4、いわゆる感染爆発相当であったら五輪開催は困難である、やるべきではない、やってはいけない、あるいは、ステージ3であっても、やったとしても無観客だと。

 これは、いろいろなメンバーの方の発言も私も仄聞するわけですが、尾身先生が会長を務めるコロナ対策の専門家の皆さんの、分科会メンバーのコンセンサスだということでよろしいんですか。ステージ4は五輪は開催困難、いかがですか。

尾身参考人 分科会のメンバーは、当然のことながら、日々いろいろな非公式の意見交換はしています。そういう中で、今の委員の御指摘の緊急事態宣言のステージ4ですよね。ステージ4というのはそもそもどういう状況なのかというと、感染が急激に増加していると同時に、一番大事なのは、医療の逼迫が深刻だという、今でいえば大阪のような状況ですよね。

 こういう状況で、オリンピックという、先ほどから申し上げているように、人流等に影響するイベントをすれば、医療への負荷が、やらないよりもその分追加的に負担がかかるということは当然ですねということは、分科会のメンバーのほとんどの人、もうこれは全員と言ってもいい、そういうことでありますよというリスクは、もうこれはコンセンサスと言ってもいいと思います。

 それをやめるかどうかというのは、これは最初から申し上げているように、我々は判断する資格もないし、する立場にもないので。ただ、我々は、そういうリスクがあって、聞かれれば、そのリスクをどう軽減するかというのは、我々の考えを示す用意はあるということでございます。

柚木委員 今の尾身先生のお話を受けて、是非、官房長官、法律の中にもこう書かれていますよ、分科会だけじゃなしに、ほかの会議もそうですけれども、正当な理由がない限り、有識者会議等からの資料提出及び説明聴取等の要請を拒むことはできない、そして、意見の開陳についても、この有識者会議等の長は、必要と認める者に対して、有識者会議等への出席を求め、その説明又は意見の開陳を求めることができると。つまり、これは菅首相がしっかり、まさに尾身先生がおっしゃっているように、その意見を求めていただければ、今のようなことを正式に、公式に国民の皆さんに向かって表明、共有していただくことができるわけです。

 是非、政府としてしっかりと、ステージ4であれば、ステージ3であれば五輪を開催できるのかできないのか、そのときにどういうことが起こるのか起こらないのか、そういうことをちゃんと国民の皆さんに向かって、来週は党首討論もありますから、もう今週中にそういったことをお示しをいただいて、まさか国会が終わってからそれを決めるわけじゃないですよね。国会が開かれている間にちゃんとこの立法府の中で開催の可否について議論ができるように、専門家会議、コロナ分科会に政府としてそういった科学的な、客観的な基準の開示を求めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

西村国務大臣 先ほど来、私も答弁させていただいていますし、また、分科会との関係では、あるいは官房長官も答弁がありましたけれども、分科会に何か開催の可否を決める、そういった権限を特措法上与えているわけではございません。

 先ほど来申し上げているとおり、感染拡大をどう抑えていくのか、あるいは、病床をどう確保して安定的な体制をつくるのか。これは、繰り返しになりますが、コロナへの対応をしている医療機関、ワクチン接種もお願いしています、それから一般の医療もお願いしています。それに加えて五輪への対応ということで負荷がかかりますので、そうした体制をしっかりつくっていくということで、まさに今の緊急事態宣言の下で、感染者を抑え、そしてコロナ対応への負荷を減らして、そうした国民の皆さんの命を守る体制をしっかりつくっていくということで全力を挙げているわけであります。

 日頃から様々専門家の御意見はいただいておりますし、調整会議の中で岡部さんの方からも様々な意見がなされるものというように承知をしております。

柚木委員 ちょっとほかの質問もしたいので、これで長官、尾身先生も最後にしたいと思うんですが、この間、野村総研などからも、五輪を中止した場合の経済的な損失、これが一兆数千億とか、あるいは、この間の緊急事態宣言、一回目、二回目の経済的な損失、六兆三千億とか六兆四千億とか、三倍以上開きがあるわけですが、もちろん、お金のことだけじゃありません。

 国民生活に、この間の議論で、オリンピックを開くことでいろいろなことをやるけれども、しかし、まさに変異ウイルスの拡大、新たな英国、インドのハイブリッド型、あるいは更に新たなものが神戸で発見されたとか、いろいろなことで、しかも、申し訳ないですけれども、いわゆるぼったくり男爵とかまで言われている、五輪の貴族とか言われているファミリーの皆さん三千人ですか、何か、普通だったら、ちゃんと二週間いろいろな待機をしなきゃいけないのが、特例が認められるとか、いろいろな形でざるになっていて。

 そんな中で、これは是非、もうそろそろ決めなきゃいけないタイミングの中で考慮いただきたいのは、経済的な損失がまさに三倍以上、五輪を中止することと緊急事態宣言を出すことで違う。もし開催するときにまた緊急事態宣言が出されるようなことになると、あるいは継続されていたりすると、また同じような経済損失効果が見込まれます。

 おまけに、まさに国民の皆さんの命が、救われる命が失われかねないわけですから、この両方のことを考えても、今やもうこの段階で、私は本当に、もちろん見たいという思いはあります、オリンピックを。だけれども、どこかで、これはもう、最大の感染防止策、二面作戦だと菅首相はおっしゃっているけれども、私は、ワクチンと五輪の中止、これこそが最大の感染防止策じゃないか、もうそういう段階に来ていると思うんですよ。

 官房長官、そういう認識を持って、今後、五輪の開催、中止、どうするか判断をいただきたいと思いますが、いかがですか。

加藤国務大臣 先ほどの試算はあくまでも、オリンピックを中止した場合と過去二回の宣言下においてどういう経済影響があったか、これは独立した事象でお示しをされているということだと思います。過去二回の宣言も、特に、別にオリンピックがそのときあったわけではもちろんないわけであります。

 私どもとしては、既に、七月に開催するということを前提に、いかに安全で安心な、また感染症対策をしっかり徹底した形で、どういうふうな形でオリンピックを進めていくべきなのか、これに対して、主催者あるいは専門家のそれぞれの御意見も踏まえながら、いろいろ議論をさせていただいているところでありますので、国民の皆さんに、今委員御指摘のような様々な御不安や御懸念を持っておられる声も承知をしておりますけれども、そうした対策を徹底する、また、具体的にどういう対策を行っていくのか、こういったことを一つ一つ丁寧に説明をして、そうした国民の皆さんに安心、安全と思っていただける大会の開催に向けて、更に努力をしていきたいというふうに思います。

柚木委員 ほかの質問に移りたいので、もう最後にお願いだけして、官房長官と尾身先生、御退出いただいて結構です。

 五輪を本当に、もし、専門家の皆さんの懸念も無視して、国民の民意も無視して強行して、その結果、東京五輪株とまで言われるようなものが世界中に蔓延するようなことだけは、これは絶対に避けていただきたいし、誰も責任を取れません、そんなことになったら。だからこそ、慎重な判断を、私は、もうこの段階で判断すべきだと思いますよ。最大の対策は、ワクチンもそうだけれども、五輪の中止ということも判断の一つだということをお願いをして、長官と尾身先生、今日はありがとうございました。結構です。

 じゃ、河野大臣、済みません、ワクチンの部分でちょっとお願いして、あと最後に西村大臣に何とか行きたいと思います。

 河野大臣が言っていただいていることで非常に重要だと思うのは、集団接種会場の方ですね、集団の方です。余ったワクチンの取扱い、もちろん、捨てるというのはもったいないし、とんでもない、国民感情的にもそのとおりなんですが、いろいろ現場の集団接種会場のお話を伺っていると、いろいろな通知を出されているんでしょうけれども、やはり、ちゃんと法的な根拠に基づいた指示が、出すだけじゃなくて周知徹底をされないと、現実問題、今でも捨てられている、そういう話も伺っておりますので、これは本当に、もちろん医療従事者とか介護従事者、ごめんなさい、じゃ、もう二問まとめて伺います。

 もう一つの方の、まさに、併せてなんですが、基礎疾患のない人もある人と並行して接種可能、これは自治体に応じて結構なんですが、現実問題、私の地元でも、医療従事者もまだ二回接種が終わっていない。もっと言うと、介護の方が非常に遅れているんですね。これは、法律上も、有病者と同時に高齢者施設の従事者は早く一般の方より打つことになっているわけですから、そういった方々に早く打っていただきたいと同時に、余ったワクチンをそういうところに使っていただく、そういうことが可能になるようなちゃんとした法令なり政省令の徹底と、そして、今、二点目も申し上げましたが、ちゃんと、基礎疾患のない人もある人と並行して接種可能になるときに、接種の手続で、法律上位置づけられている医療従事者あるいは介護従事者、ショートステイとかがすごく遅れている話も聞きますので、そういった方々にちゃんと接種をしていただいた上で並行して進めるということじゃないと、これは感染拡大のクラスターの発生源になるリスクが、医療、介護は高いですから、是非、そのこと、二点まとめて、恐縮ですが、御答弁お願いします。

河野国務大臣 余剰ワクチンについては、もう度々申し上げているとおり、自治体の裁量でやっていただくことにしてございます。

 当初、ワクチンの供給が限られているという想定の下、医療体制を維持する、あるいは重症化しやすい方の予防ということで優先順位を決めておりますが、これは何も、優先順位の方が終わらなければ次へ行かないということではございません。

 現時点ではスピード第一でございますので、そこも自治体の判断でやっていただこうと思っておりますし、職域接種、大学の接種というのも六月中にスタートしますので、更にスピードを上げていきたいと思っております。

柚木委員 最後、西村大臣にまとめて伺います。

 さっきも御答弁いただいていたんですが、私も地元で本当に切実な声を聞いているんですね。

 それで、一つは、通告申し上げているように、飲食店への協力金の支給が非常に遅れています。一月のものが最近もらえた、三月のものがまだもらえていない。大阪、東京で半分ぐらいしか進んでいないというデータもありますし、これは何とか、金融機関とも協力をして、仮払い、やり方はもう昨日も大分やり取りしていますので、そういったことを実効性のある形でお願いしたいというのが一つと、それから、例えば区切りを五末までで一旦区切って一時金を払うとか、いろいろな方法があると思いますので、お願いしたい。

 それから、個人で困っている人にも、これは三十万円の話も聞きますけれども、非常に要件が厳しいので、例えば、緊急小口融資、あるいは総合支援資金、これの上限額を引き上げたり要件を緩和して対象拡大した方が早いし、多くもらえますから、そういったことの検討をお願いしたい。

 それから、先ほどありましたように、持続化給付金の再支給、知事会からの要望もあります、お願いしたい。それが大きく一つ。

 もう一つ、是非お願いしたかったのは、感染防止ガイドラインを遵守しているところ、これは山梨方式、クラスターがちょっと出ているけれども、こういうのをちゃんとやっているところは通常営業を認めていただくことも並行して考えていただかないと。コロナで亡くなるのか経済で亡くなるのか、本当に瀬戸際で、もうこれ以上無理だ、そういう皆さんの声に応えていただくべく、いろいろ私も昨日説明を聞きました、全国の自治体で共通の認証制度、そういったものを早く決めていただいて、そしてそれを全国でスタートしていただく、その見通しについて。

 以上二点、お願いします。

西村国務大臣 まず、協力金につきましては、御指摘のように、できるだけ迅速にお渡しすることが大事だと考えております。

 五月二十八日時点で、合計百六十六万件申請があって、約八割の百三十万件、一兆五千億程度が支給がされております。

 私ども、外部委託をして速やかにやるということで、その委託費、事務費も認めておりますし、自治体によっては、一回目、もう去年からずっと申請がある場合に、ID番号をつけて、二回目以降は、同じように、審査を省いて早くやるとか、そういった対応をしております。

 それから、個人の方には三十万円、最大の支援をするということで、これは厚労省におきまして今具体的な制度設計を行っておりますので、本当に厳しい状況にある皆さんに目配りをしながら対応していきたいと思います。

 それから、中小企業の皆さんには様々、月次、月当たりで二十万円、個人十万円の支援を行っておりますが、これは、一月から六月まで合計しますと百二十万円、個人だと六十万円になりますので、昨年の持続化給付金にかなり近い形の給付になりますので、影響を受けている皆さん方にしっかりと支援を行っていきたいと考えております。

 そして最後に、第三者認証制度、これにつきましても、現在、都道府県にこれを対応するように要請をしておりますけれども、六月一日現在で二十二の自治体において対応がなされております。できる限りこれを広げていきたいと思っておりますが、各県で、インセンティブということで、地方創生臨時交付金を使って様々な補助金を出しておりますし、また、私ども、持続化補助金で支援も中小企業庁の方で行っております。

 そして、こういうきちんと対応してくれている事業者に対しては、できる限り、何かインセンティブ、プラスになるような、時短なども優遇はできないかということで様々検討しておりますけれども、変異株というのが、特にデルタ型、インドで発生したものが非常に強い感染力ということで、スーパーコンピューターなども使って改めて今分析をしておりますので、そういったものを踏まえながら進化させていきたいというふうに考えております。

柚木委員 終わります。是非、国民の命最優先の対策をお願いして、質疑を終わります。

 ありがとうございました。

木原委員長 次に、足立康史君。

足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。

 まず、西村大臣、お疲れさまです。

 今日は事業者支援についてちょっと討論させていただきたいと思いますが、先ほどもちょっと言及があった月次の支援金、これは小さいところはありがたいと思うんですね。ただ、上限が二十ということは、上限二十でしょう、二十万円。月商でいうと、せいぜい、どれぐらいそれが支援しているかという評価にもよりますけれども、だって、五〇%減で上限二十なんだから、月商四十とは言わへんけど、数十万円ですよね、月商。

 月次の上限二十というのは月商数十万円の方々にフィットする制度だと私は思うんですけれども、ちょっと、まずそれだけ。そんな感じですよね。

西村国務大臣 様々な中小企業の分析を行って、昨年の持続化給付金もそうですし、今回の月次の支援金も決めております。

 その上で、月次でいうと二十万円、十万円で、一月から六月まですると百二十万円、六十万円になりますね。さらに、約半分の都道府県がそれに上乗せを行っておりまして、三〇%減も含めて、以上の人は全部、併給も可能というところもありますので、東京都でも四十万円上乗せを月次でしておりますので、そうすると、これは併給が可能ということであります、売上げは五〇%減でありますけれども。

 ですから、これは地域の事情に応じて、特に東京のようにいろいろなコストがかかるところは上乗せをしておりますし、大体半分の県で上乗せをやっておりますので、そういったことも含めて、しっかりと見ながら対応していきたいと考えております。

足立委員 いや、仮に倍乗せたとしても、百数十万円を超えないと思うんです。結局、それ以上の方々にふさわしい支援がない。

 かつて、いろいろ、委員長にもお力添えいただいて家賃支援とかやった頃というのは、あれも本当に固定費が重たい人たちに相当助けになったといって御評価をいただいているんですが。

 繰り返しになりますが、今の支援は、私は、小さなところはうまくフィットすると思うんです。私が問題意識があるのは、中堅企業、中小企業、もう少し規模が大きいところ。

 これを伺うと、いやいや、劣後ローンを入れますとか、商工中金とか、今何だっけ、何とか公庫という話が出ますが、私はやはり、劣後ローンの世界だって、別にそれは劣後ローンなんだから、リスクが大きいんだから、ばらまくわけに、まあ、ばらまいているけれども、実際。

 私は、やはりもう少しそこの間に、本当に月次支援金がフィットする層と、それから資本性の高い支援をするところとの間にちょっと空きがあって、そこに実は日本経済の成長の源泉というか、まさにイノベーティブな、チャレンジングなリスクテイカーたちがそこにいて、一定の事業を膨らませてきた。そういう一番元気なところが一番抜けているという問題意識を持っているんですけれども、いかがですか。

西村国務大臣 私どもも非常に苦慮しているところでありまして、中小企業、ちなみに、今の月次の二十万円、十万円のものも、従業員二千人以下のところ、中堅企業までカバーしておりますが、御指摘のように、六か月間でも百二十万ということであります。都道府県の上乗せはあるとしても規模は十分かという議論があります。そして、大企業は、むしろ体力もありますし、そして、更に言えば、資本性ローン、出資なども含めて対応できる。中間のところをしっかりと目配りしなきゃいけないなという問題意識は同じように持っております。

 そして、今回、これは横断的ではないんですが、酒類、酒の卸などをやっておられる方々にはそれを上乗せしておりますし、月次を上乗せする。それから、宿泊施設、観光施設、地域の交通機関の民間企業、こういったところには国交省の支援策もあるということで、これも最大五百万なりやっていますので、そういう意味で、個別に対応しておりますが、引き続き、御指摘のように、しっかりと目配りしながら、日本経済を支えていただいている皆さん方の支援、万全を期していきたいというふうに考えております。

足立委員 一定共有していただけているとは当然思っています。ただ、やはり政府の財政的な負担のことも考えると、こんな感じになっているのは分からないではないですが。

 繰り返しになりますが、一番イノベーティブなところ、一番日本が、日本の経済が繁栄していく上で一番大事な、リスクを取って事業を拡大してこられたところが支援の手がちょっと薄まっているとすれば、これはもう将来の日本経済にとって大変な禍根を残す事態が続いていると思います。これはまた意見が違うかもしれませんが。

 一つ提案なんですけれども、来年でいいと思うんですよ。今苦しんでいる中堅、中小の方々に、決算ベース、今は分からないわけですね、どうなっているか。それをいろいろな資料を取り寄せてやってもいいんだけれども、いろいろ審査でみんな苦労しているわけです、現場は。その中で、やはり決算あるいは確定申告が、要は、確定した後、決算が確定した後の数字、これは税務当局が見ているわけですから、その後の数字に基づいて、一周、周回遅れでいいから、決算ベースの数字で、こういうものについては、損失というか、売上げベース、利益でいうのか、収益でいうのか、何でいうのか、いろいろな組み方があると思いますが、いずれにせよ、決算ベースで一定の割合を税金を入れていってあげるというようなことをやれば、将来でいいと思うんです、それを制度としてちゃんと組めば、銀行は金を貸しますよ。そうですよね。制度がちゃんと予見可能であれば、銀行はそれぐらい見たら分かるから。ああ、この人はいずれ税金が入ってくるな、これだけ貸しても大丈夫だなと。これで、民間のそういう金融の世界と制度というものを組み合わせれば、このコロナの窮地は非常に公正公平な形で救えると思うんですね。

 そういうふうに決算ベースの確定値を周回遅れでいいから税金投入の根拠にするような制度、これを今、私ども日本維新の会のコロナ対策本部で昨日決めて、明日、片山共同代表と馬場幹事長と、総理のところにちょっとお持ちをすることにしていますが。どう考えても、いろいろな人と議論しています、いろいろな人と、大臣の後輩たちともちょっと、内々に相談していますが、いや、筋論としてはそうだよねと個人的に言ってくれる人たちはいます。

 ちょっと検討を一緒にしませんか。

西村国務大臣 税上、決算の関係でいえば、今年度の税制改正におきまして、これまで赤字のところがあるわけです、これについては、最長五年間にわたって繰越欠損金の控除上限を五〇%から一〇〇%に引き上げていますので、一定の、赤字欠損金について取扱いをしております。

 その上で、さらには、未来に向かって投資をするという、まさに中堅企業の役割というか、担っていただいているところ、これは事業再構築の補助金一億円、最大一億円まで出すということで対応してきているところであります。

 その上で、御提案、様々お考えいただいていると思いますが、一つの真摯な御提案だというふうに受け止めたいと思いますが、細かいことを言えば、赤字分、損失分、これが様々な要因で、為替によってだとか、いろいろな要因によって生じますので、これを全て感染症による影響というふうに言えるのかどうか。どの部分を感染症、このコロナの影響なのかというふうに、おっしゃったように公平にどう見るのかというところはなかなか難しいのかなという印象は持ちますが、いずれにしましても、今後も、御提案も含め、不断の検討を進め、事業をしっかり支えていけるように対応していきたいというふうに考えております。

足立委員 今おっしゃっていただいた課題は、今の制度にも共通にある課題ですから、そういう意味では課題ではないわけでありまして、私は是非、西村大臣であれば、分かっていただけていると思うし、実現も可能だと思うんです。

 いろいろなややこしい制度も、小さなところは、課税から漏れる、納税していない部分は月次みたいなことで支援していくというのはありだと思います。でも、納税している人たちは、税務申告が確定した後に、それに基づいて、それはもう確実ですから。おっしゃるように、理由はいろいろあるかもしれないけれども、まあいいじゃないですか、それぐらい。私は、そういう制度をつくって、何か小難しい制度は全部やめる、この際。そういうシンプルでなければ、この厳しい時代に、とにかく申請、申請でもう大変なわけです。もう制度は一本、コロナ対応はこれ一本とやるぐらいでやってもいい。

 そのときに、唯一、当局から反対をされるのは、お金が、財源が大変だというんですが、ちょっと一問目で通告させていただいている、今足下のGDPギャップはどれぐらいか、そろそろ分かってきているはずですが、どれぐらいですか。

西村国務大臣 まず先ほどの、前半のお答えですけれども、まさに私も常々考えてきている。いろいろな制度があって、事業者の皆さんから、分かりにくいし、いっぱい申請をあちこちしなきゃいけないということですので、御指摘のように、できる限りシンプルに、一本化できればいいなというのは、これはもうずっと考えておりますし、できればそうなるように、引き続き努力していきたいというふうに考えております。

 その上で、GDPギャップですけれども、本年の一―三月期のGDPギャップ、これは初めて申し上げますが、四・七%であります。金額換算で約二十六兆円と見込まれております。昨年四―六月期、最も大きくなったマイナス一〇・五%、約五十八兆円からは縮小してきておりますけれども、引き続きこれだけの、約二十六兆円のGDPギャップはあるということでございます。

    〔委員長退席、平委員長代理着席〕

足立委員 まさに私が大臣に、これ、埋めてあげましょうよ、中堅も含めてと言っている部分を全部足しても二十六兆円ですよ。ややこしい制度をつくると、真水とかなんとかといろいろ議論をして、一体それはいつ手元に届くんだという議論になるけれども、今の制度だったら、確定ベースでやることが決まるんだから、確実にそれは、金融がそれに対応して、きれいに経済は動き出すと思うんですね。

 だから、経済再生の観点からも、今私が御提案したもの、財源は、それを言うと、ある人は、いや、そんなことをしたら何百兆円かかるよと言うんだけれども、違う、二十六兆円で済むんですよ、全部やったって。

 是非、報道の方はいないかもしれませんが、今の数字、多分、三か月に一回、初めて今出た数字でありますから、報道の皆様はこの数字を報じるだけではなくて、確定ベースで、決算ベースの数字に基づいて税金を入れていく、そういうシンプルな制度と金融とを組み合わせれば、極めて公正公平でシンプルな制度ができるという維新の会の提案、あした、総理に提案します。是非報道をしていただきたい。大臣からも、ちょっと報道したれと、大臣番の方にお伝えいただきたい、こう思います。

 これで終わりです。せっかくだから、いていただいて。もういいですか。

平委員長代理 西村大臣、御退出ください。

足立委員 河野大臣、済みません、お一人で寂しいですけれども。

 あした、総理のところに行きますが、総理は、頭はもうワクチンでいっぱいだと思います。私たちもワクチンが大事だと思っていますが、いわゆる職域、本当に大切ですね。職域については、健保組合とか、大企業はいろいろな形でやっていただけると思うけれども、中小企業までやっていった、まず、厚労省に来ていただいている。

 元々、協会けんぽ、ありますよね。ふだんから保険者機能を果たしていれば、その機能が有事にあっても活用できると思いますが、そういう検討はされていますか。

宮崎政府参考人 お答え申し上げます。

 協会けんぽにつきまして、保険者として、特定健診、特定保健指導、コラボヘルス、糖尿病の重症化予防対策、様々な事業を実施をいただいているところでございます。

 その上で、今議題にいただきましたワクチンの接種に関して申し上げますと、これは、六月の二十一日から職域接種を開始するということで今、取組を始めているところでございますが、中小企業の方に対してどうするのかという点につきましても大変重要な論点でございます。

 この点については、昨日、事務連絡を発出をいたしまして、商工会議所など、こうしたものを通じて共同で実施することですとか、企業が下請の企業など取引先も対象に含めて実施するというような形で中小企業の方もカバーするというようなことも考えているところでございまして、具体的な対応については更に詰めてまいりたいと思っているところでございます。

足立委員 いや、だから、商工会議所と事務連絡に書いてあるから、それはやったらいいんだけれども、でも、何で、何でも商工会議所に丸投げするのかなと思って。

 ふだんから協会けんぽが保険者機能を果たしていれば、そのある種のコミュニケーションというか、ある種の関係性の中で、それは、全く考えない方がいいということですかね。いや、いいんですよ、それならそれで。それだけ教えてください。そういう、商工会議所を活用しなさいと書いてあるけれども、ふだんの保険者機能というものはこういうときには生きてこないんですかということだけ。ないならないでいいです。

宮崎政府参考人 更に検討していく中で、どういう形でコラボできるかということはあろうかと思います。

 予防接種ということで申し上げますと、健康保険組合のような場合ですと、大きな企業の健康保険組合の場合ですと、自前で医療機関、診療所を抱えておりましたりですとか、特定の医療機関ともう既に提携しているようなところがありますけれども、協会けんぽは、基本的に、御案内のように、全国各地に事業所が点在していて、一つ一つの加入者、加入事業者、約八割が九人以下の事業所ということでありますので、個別の予防接種の主体ということでいうと、ちょっと差異があるのかなというところでございます。

足立委員 河野大臣、是非、三ルート、市区町村、それから大規模、自衛隊とか、それからこの職域、頑張るということで、何かちょっと一ひねりいただけるとありがたいんですけれども。

河野国務大臣 ひねるまでもなく、自治体の接種に加えて、都道府県、政令市、大規模接種をやっていただきます。また、職域、大学等で六月二十一日から接種をスタートしていただきますので、これらを合わせて、ワクチン接種、スピードアップしてまいりたいと思っております。

足立委員 全力で私たちも応援をしてまいります。

 最後に、VRS。本当にすばらしい、河野大臣、小林補佐官のお取組で、多分うまくいっているんだと思いますが、これがなければ暗たんたる気分でしたが、これがあるおかげで、私は希望を持っています。

 ただ、そのときに、以前も議論しましたが、じゃ、支払いはどうなんだというときに、オンラインが完成していればもっとよかった。

 厚労省から、このレセプトのオンライン化はいつできるのか、ちょっと御紹介をいただけたら。

横幕政府参考人 お答えを申し上げます。

 レセプト請求でございますけれども、経緯を申し上げますと、十一年度に電子媒体での受入れとシステムの整備、二十年度に医療機関等の規模に応じて順次オンライン請求を義務化することといたしました。その後、補助金による推進なども経て、現場の実情も考慮して、医療機関の選択により電子媒体での請求も認めることとしたという経緯がございます。

 直近の数字で申し上げますと、オンラインの請求率、全体で七九・六%、病院は九七・二%、調剤薬局九九%ですが、診療所七六・六%、歯科で二七・四%と、全体としては徐々に上がってきている。

 今御紹介いたしましたとおり、まだ伸び切っていないところがある背景でございますけれども、定量的な把握は難しい面がございますけれども、一つには、診療所や歯科は小規模で一施設当たりのレセプト数が少ない場合が多い、あるいは電子証明の取得など新しい手続を要することもあるといったことが一因かと考えております。

 私ども、今、これとは別に、オンラインの資格確認、これはマイナンバーカードを使った保険証利用でございますけれども、この導入を進めようとしております。このために、医療機関で必要なネットワークの整備、この費用も補助の対象としているところでございまして、このオンラインの資格確認に参加を医療機関でしていただきますと、このネットワークを使ってオンライン請求もできるということでございますので、私どもといたしましては、このオンラインの資格確認が医療機関における事務の効率化、合理化にも資するものでありますので、オンラインの資格確認とそれからオンライン請求、これを併せて進めていきたいというふうに考えております。

足立委員 時間が来ましたので終わりますが、河野大臣、済みません、ちょっと時間がなくて。ただ、今あったように、もうここ一、二年でこれを仕上げるということで、私たちも全力で訴えて御支援していきますから、この世界はもう次に何が来ても大丈夫ということで、大臣のリーダーシップを期待をして、お願いをして、質問を終わります。

 ありがとうございます。

平委員長代理 次に、高井崇志君。

高井委員 国民民主党・無所属クラブの高井でございます。

 今日も内閣委員会で質問の機会をいただき、ありがとうございます。

 恐らく、内閣委員会で今国会、質問できるのは最後だと思いますので、今日は、両大臣、まさにコロナ対策の中核を担っておられる、そしてお二人とも、私は、未来の総理候補であり、大変期待されている大臣でございますので、是非、所掌を超えて、総理を説得するぐらいの話を是非今日していただきたいなと思って、私もそういう覚悟で今日は参りました。

 今日私がお二人の大臣にお伝えしたいのは、やはり国民の皆さんの声が、恐らく、私ももちろん地元からもいろいろな声をいただきますけれども、私は今、野党の国民民主党という会派に所属してこれで六十三回目の質問に立つんですけれども、という機会をたくさんいただいているので、私は毎日テレビを録画しています。朝から、朝の番組、それから昼の情報番組、夜のニュース、全部録画をしてばあっと見て、それで、国民の皆さんの世論というか声を聞いています。

 恐らくお二人は忙しいからそんな見ていられないと思うので、ちょっとお伝えしますけれども、やはり相当、お二人が想像している以上に、皆さん、怒りの声があります。やはりそれは、この緊急事態宣言が人流抑制という名の下に、ちょっとエビデンスに基づかずにやっているんじゃないか、なぜ飲食店なんだと。それで、何でお酒、本当に、お酒の提供が止まったことで、飲食店の多くがもう予約もなくなって営業できなくなっているという話も聞きます。あるいは、映画館が何で駄目なんだとか、あと、オリンピックですよね。これで怒りに火を注いだところがあって、パブリックビューイング、何でできるんだとか、あるいはオリンピック村では何でお酒が飲めるんだとか、いろいろな矛盾が出てきて、火に油を注いでしまっているところがあります。

 私は、想像以上の国民の皆さんの怒りの声の原因は、やはり今回の緊急事態宣言の対策が中途半端に終わってしまっているからだというふうに思います。私は、この対策をやはりどっちかにするしかないんだと。

 一つは、やはり十分な補償をした上で、もう完全にロックダウンしてしまう。その代わり、ロックダウンですから一週間か二週間でやるべきで、それであれば、私は十分な補償をしてもできると思うんですよ。でも、今もう実質三か月、四か月、ずっと続いて、協力金も出し続けている。本当に、これは逆に税金の無駄じゃないかなと思います。

 私権制限ができないとよく言いますけれども、だけれども、災害対策基本法だって、原子力特措法だって、私権制限なんか全然やっていますから、そういう意味では、私は、特措法を改正してでも、これは十分やれると思います。

 それか、若しくは、それをやらないのであれば、今の緊急事態宣言の中で、お店にまず徹底した感染防止対策をしっかりと義務づけた、これは山梨とか富山とかやって、うまくいっていますよね。これをちゃんと全国にやってもらう。

 それともう一つ大事なのは、やはり国民の側に、お客さんに、マスクして会食を、これもできれば義務づける。義務づける、努力義務が限界だと思いますけれども、でも、努力義務は、私、かけると思いますよ。あるいは、努力義務も難しいというのであれば、例えば警視庁と書いたポスターを貼っているだけでもいいと言うんですよ、お店の人は。こんなのはできるじゃないですか。とにかく、やはりお客さんにもちゃんと義務があるんだということをちゃんと政府が発信をして、それこそ総理の記者会見でまずそれをお願いするでもいいですよ。

 それと、もう一つ提案は、ワクチンの接種、それとPCR検査で陰性だった人には証明書、これは是非河野大臣に聞きたいんですけれども、パスポートを発行して、そして、その方には認めてあげる。これは差別じゃないですよ、だって、今は全員禁止なんですから。だけれども、ワクチンを打って、若しくは、ワクチンは嫌だ、打ちたくない、打てないという人にはPCR検査でいいですよ。PCR検査はもちろん期間が限られますけれども、それは何回か受けていただいて、そして、陰性証明を取ったら、その方には飲食店に行っていただく、そして、お酒も飲んでいただく、もちろんマスク会食をする。

 ということをやるということを、本当にこれを求めている声、テレビのコメンテーターなんかはみんなそれを言っているんですよね。これはやはり、今からでも遅くないので、西村大臣が主担当ですけれども、私は、河野大臣も、ワクチンパスポートの件とかもありますから、是非これは両大臣が一緒にやるべきだと。

 それをやるとした場合、やるとなったら、私はやはり、証明書なんて一々紙で持ち歩くのは大変ですから、せっかくワクチンパスポートを、今、VRSがすばらしいと足立さんが言っていましたけれども、私もそう思います。せっかくああいうVRSというシステムをつくったんですから、そこに連動させて、そして、PCR検査の陰性証明もこのVRSに、マイナンバーと全部ひもづいていますから、それをやって、かつ、スマートフォンにしっかり搭載をして、そして、気軽に、スマートフォンをピッとかざせば入店できると。

 これをオリンピックでやろうなんて案がありますけれども、オリンピックだけでやったら国民は怒るんですよ。そうじゃなくて、国民全体にそれをやって、陰性証明を取った人はお酒も飲めるというふうにすれば、国民は怒らないわけです。

 それと、ちょっと長くなりますけれども、ワクチン接種の進捗状況と感染の相関関係というのを、これは政府としてちゃんと私は出すべきだと。

 今いろいろな、例えば、東大の仲田准教授さんが、一日百万回ワクチン接種を打てばこのまま緊急事態宣言は出さなくて済む、だけれども、ワクチン接種を一日五十万回で終わったら、八月には第五波が来て、そして緊急事態宣言を出さなくなるというシミュレーションを出しています。

 こういうシミュレーションを、私は、政府としてちゃんと、もちろん、正確に出すのは難しいですよ、それでも、シミュレーションですから、あくまでも。ある意味、政府が都合のいいようにしてもいいじゃないですか。とにかくワクチンを打ってもらうためには、こうしたいんだ、これだけ、ワクチンを百万回打ったら緊急事態宣言は出さなくていいんだ、いついつから、もう行動制限もなくなって、そして経済も自由になるんだと。イギリスなんかはそういうやり方で、しっかりワクチンのロードマップを作って、そしてそれを行動制限と解除してやるというやり方をやっているわけですよ。

 そうすることによって、やはり国民の皆さんは、じゃ、いつまで我慢すればこういうことができるんだということが明らかになるので、ちょっと幾つか通告した質問をこの後お二人にお答えいただきたいんですけれども、今私が提案した、非常に大変な作業だと思います、ですけれども、お二人にしかできない、お二人が連携をして総理を説得をすれば私はできることだと思います。今からでも遅くない。もっと前にやってほしかったけれども、今からでも間に合いますから、是非、この提案、いかがですか。両大臣、西村大臣、河野大臣、それぞれお答えください。

    〔平委員長代理退席、委員長着席〕

西村国務大臣 非常に多くの論点を指摘されましたので、全てお答えしているかどうか、必要があればまた後で補足したいと思いますが。

 まず、ワクチン接種に対しては、これは専門家の皆さんも、今、高齢者の方、七月末までに二回打っていただくべく全力を挙げて取り組んでおります。これが進めば重症化が減るということで、かなり病床の逼迫を抑えることができる、安定的な病床確保につながるということで私ども期待をしておりますし、アメリカやイギリスのデータを見れば、感染予防にもつながるというデータがありますので、特に六月二十一日以降、職場で大学で打てるようになってくれば、若い人も含めて感染予防に効果が出てくれば、これはかなり変わった景色になってくるのかなということを期待をしているところであります。

 私どもも、仲田教授始め様々な研究者と一緒になって、どういった場合にどのぐらい感染が本当に減るのか、重症者が減らせるのか、様々なシミュレーション、研究は行ってきているところであります。

 何か、御指摘のように、政府の都合のいいようにとか、そこはなかなかそういうふうにはいかなくて、私どもとして、きちんと精査をしてワクチン接種がどのように進んでいくのか、河野大臣を私の立場からもサポートしながら、いろいろな事態に備えて見ていきたいというふうに考えております。

 その上で、ワクチンを多くの方が接種したときに、アメリカではマスクを外していいとか、様々CDCが指針を出しておりますけれども、日本でどこまでできるのか。これは、アメリカとかヨーロッパはそもそも感染した人が圧倒的に日本よりも何十倍も多いものですから、そもそも抗体を持っている人もかなりいるということもあります。

 実際にマスクを着けなくて活動、ラスベガスももう活動が再開されたようでありますけれども、実際どうなのかという内外の様々な知見を踏まえて、専門家の皆さんの中には、やはりワクチン接種後もしばらくはマスクをしなきゃいけないというようなことを御指摘もされていますし、そういったところ、専門家の意見を聞きながら対応していきたいというふうに考えております。

 そして、それまでの間であり、またその後もですけれども、デルタ株という、インドで発見され、新たに変異した株を始め、どんどん変異が起こりますし、御指摘のように、最悪の事態というか、また新たな感染症も起きるかもしれませんので、御指摘のようなロックダウン、これはニュージーランドやオーストラリアは非常に短期間、一週間とか、行っていますけれども、イギリスは一月から三月まで二か月間か三か月近く、今回も行っておりますし、何回も繰り返しておりますので、かなりの期間になり得ることもあります。

 しかしながら、今回私ども、休業要請でかなり皆さん方に協力いただいて、昼間も含めて人流が減りましたので感染者が減少傾向が見えてきておりますけれども、本当に怖い感染症が来たときにこれだけの措置で大丈夫かということは様々なデータ分析をしながら、外出規制であるとか、マスク着用の義務づけであるとか、そういったことも含めて様々これは不断の検討は進めていきたいと考えております。

 憲法にも、公共の福祉に、それぞれの自由、権利の濫用をしてはならない、公共の福祉のためにこれを利用する責任を負うとありますので、こういった範囲の中で、感染症を抑えるため、国民の皆さんの命を守るため、必要なことはどういったことなのかということは不断に検討は進めていきたいというふうに考えておりますし、これまでも様々、事業規模別の支援策なども御提案をいただいておりますので、私どもとしても、協力金はその仕組みを入れておりますけれども、影響のある事業者、その影響度に応じた支援策、引き続きこれは不断の検討をこちらも進めていきたいというふうに考えております。

河野国務大臣 海外旅行用の俗に言うワクチンパスポートについては、これは官房長官の下で取りまとめをすることになっております。また、そうしたワクチン証明を国内でどのように使うかというのは、恐らく、その次の段階で必要があるならば検討するということになろうかと思います。

高井委員 ワクチンパスポートについては、是非今言ったような、私、長々とちょっと言っちゃいましたけれども、やはりその使い方のメリットは相当大きいと思うんですね。本当に、差別にならないことが大前提です。でも、確かにパスポートだけ作っても意味がなくて、まさに西村大臣とセットで、そういうパスポートを持っている人には飲食ももう解禁するんだという制度を同時につくらないと意味がないので、でも、それは本当にお二人が話し合ってやればできることで、お二人が菅総理を説得すれば、私は菅総理だってうんと言うんじゃないかと思います。

 あと、さっきシミュレーションはやっているんだとおっしゃいますけれども、やっているならそれを公表しないと意味がない。政府が幾らシミュレーションしても、もちろん政府が公表しづらいのは分かりますけれども、しかしそこは思い切って政府としてはこれなんだというのを示さないと、やはり、いろいろな学者が言っていることだけで、政府は何一つ示さないということが冒頭言った国民の怒りにつながっているわけです。

 それから、不断の検討とずっと三か月ぐらいおっしゃっていますけれども、これはやはり、コロナ禍の後、また次のパンデミックが起きたときにということもよく菅総理とかも言うんですけれども、それより今やった方がいいですよ、これだけ長引いて、まだこの先あと半年、一年、続くでしょうから。だったらもう、私、特措法の改正、一週間でできると思いますよ。野党も協力しますよ。あのとき、罰則でちょっともめたり、修正ということ、あれは罰則か過料かなんてことにこだわるからああいうことになるので、別に罰則じゃなくてもいいと思うんですよ。さっき言ったように努力義務でいいんですよ、努力義務をもっと国民側にしっかりかける。

 マスクしていなくて飛行機で一時間出発が遅れたとかニュースでやっているんですよ。そんなばかげたことに対して国民はみんな腹が立っているので、特措法改正は本当に私は一週間でやっていただきたいなと思います。

 それでは次に、河野大臣にワクチンの話を聞きたいと思います。

 ワクチンの接種がやはり自治体に随分、私はワクチン接種はうまくいっていると思っています、全体としては。一日百万回というのも、そういう目標を立てることはいい。ただ、やはり非常にばらつきが自治体によってあるなと。

 和歌山県なんかはかなり進んで、実は私の地元岡山ももう二〇%を超えて、それはなぜかというと、やはり医師会の協力がすごくあるんですね。私の父と母も岡山で、近所のかかりつけ医に行ってすぐ打てるわけですよ。ところが全国的になかなかそうなっていないという、その辺りをどういうふうに河野大臣として分析をされているかということ、ばらつきがある理由を。

 それともう一つは、私は医師会、今言った、やはり和歌山がうまくいっているのは医師会が全面的に協力してかかりつけ医がやっているからなんですが、私は病床逼迫もなかなか解消しないのにも医師会に原因があると思っていますし、あと、ワクチンについても、この間、私、厚労委員でもあるので厚労委員会で聞いたら、日本医師会の六割、それから東京都の医師会の四割しかワクチン接種をやっていないんですよ。しかも、ワクチン接種の登録をした人の数ですから、実際に打っているか分かりませんよ。別の方は、桜井よしこさんは一割か二割しかやっていないとこの間テレビで言っていましたけれども。

 それとか、私が聞いた北九州の医師会は、一日ワクチンを打って、お医者さんには四万二千円、それから看護師には一万五千円しか払っていないんですよ。百回打っている看護師に一万五千円しか払っていない。厚労省にそれを聞いたら、一回当たり二千七十円、単価を払っていて、今、五千円まで引き上げているんですよ。これはどこに消えているのかと、医師会がね。

 これは後で田村厚労大臣にも聞きますけれども、こういう問題があったり、あるいは打ち手だって、河野大臣が言って薬剤師も検討になったけれども、私が田村大臣に聞いたら否定的な意見を言うわけですよ。これは絶対やはり医師会の反対があるということです。

 私は、いろいろ打ち手を増やすといっても、やはり打ち手だけじゃなくて問診が大事だということもテレビでやっていました。問診できるのはお医者さんですから、やはり医師会にもっと全面的に協力していただかないと駄目だと思うんですけれども、河野大臣のお考えをお聞かせください。

河野国務大臣 現在、VRSの入力を見ますと、全国で約三万三千か所で接種が行われております。これは自治体でやっている集団接種と個別のお医者さんの接種と合わせた数字でございますから、それなりの個別接種が始まってきてはいるなというふうに思っておりますが、委員おっしゃるように、地域によってやはり医師会の取組に差があるというのは残念ながら事実でございまして、医師会の取組の遅れているところについては、様々なルートを通じて、あるいは私が直接医師会長さんにお電話を申し上げたりして、協力の要請をしているところでございます。

 また、今、お医者さんでも、例えばKey―Netに、コロナワクチンの接種に行ってもいいよと登録をしてくださっているお医者さんが千人を超えております。看護師さんも、既にもうナースセンターなどの登録が一万人を超えている。歯医者さんで、トレーニングを受けてワクチン接種をやれるといって登録いただいている方が六千人いらっしゃいますので、打ち手が枯渇しているわけではありません。

 今、自治体には、積極的にそういうところに求人を出して、集団接種、もう一レーン、二レーン増やしてください、あるいはもう一か所立ち上げてくださいというお願いをしております。

 そんなこともありまして、六月二十一日から職域接種、企業、大学などでスタートをしていただきますが、企業や大学には、そういう予診のできるお医者さんあるいは打ち手、積極的に求人を出していただいて、接種箇所を新たに立ち上げていただきたいというふうに思っておりますので、我々としては、そういう動きをしっかりサポートしてまいりたいと思っております。

高井委員 国民の怒りの原因は、医師会の会長さんとか東京医師会の会長が国民に自粛をすごい上から目線で求めるというのも結構大きいんですよ。そういうお願いをするんだったら、やはりこういったことをしっかりやっていただくように、これは是非河野大臣から直接言っていただきたいと思います。

 それでは、最後になると思いますが、西村大臣にもう一問聞きますが、先ほど、協力金、我々国民民主党の仕組みも取り入れていただいたと言っていますが、しかし、実は肝腎なところを取り入れていただいていなくて、早く出すということが大事なんですよ。今、聞いたら、東京都が一月八日時点のやつもまだ九〇%、大阪は七四%しか支払っていない、そして三月八日以降のやつは、東京五四%、大阪ゼロ%と、この間ニュースでやっていました。

 これではやはり怒るわけですよ、皆さん。金額も不満ですけれども、やはり早く出す仕組み、これは、私たちが再三言っている、アメリカでPPPと言われる、銀行が融資という形でまず先に払って、そして後から、しっかりと審査した金額を払ったときに銀行の融資と相殺するという、この仕組みをやってほしいというのが我々国民民主党の提案の肝なので、是非これも、今からでも遅くないですから、やっていただけませんか。

西村国務大臣 その前に、先ほどちょっと一つ答弁し忘れたというか、イベントとか認証制度を今やっている中で、どういうふうに今後対策として進化させていくかについては、ワクチン接種を受けていない方が差別にならないようにしなきゃいけませんけれども、ワクチン接種あるいは御指摘のような検査と組み合わせながら、何かいい対策が更にできないかということは不断にこれも考えていきたいというふうに思います。

 その上で、協力金につきましては、様々御提案も受け止めながら対応してきておりますが、御指摘の融資を絡めたやり方、これはまさに一つの考え方ではあり得るというふうに考えておりますが、その上で、自治体が金融機関の審査に依拠して協力金を支給するということになった場合に、これはアメリカの事例でもそうなんですけれども、金融機関は審査が緩くなる可能性があって、要は後で入ってくるからどんどん出そうと。そうすると、事業者が複数の金融機関に申請を行う二重申請のようなこと、これはアメリカでもかなり起こって、五千億円以上の不正受給があるというふうに承知をしております。

 そういったことを含めて、課題がありますので、こういったことの検討を進めながら、引き続き、どういったやり方、御指摘のように迅速にやるにはどうしたらいいのかということも是非検討を進めていきたいというふうに考えております。

高井委員 反論したいことは山ほどあるんですけれども、時間になってしまいましたので、終わります。

 本当にお二人には頑張っていただきたいと思います。よろしくお願いします。

木原委員長 次に、森山浩行君。

森山(浩)委員 ありがとうございます。立憲民主党の森山浩行です。

 まず、政治任用制度についてお伺いをしたいと思います。

 今年の予算委員会におきまして、総務省の接待問題がある中で、これは法の欠陥じゃないかなというふうに思っています。

 というのは、役所の方の接待があったというようなことで、総務部付になったり、辞めてしまったり、あるいは懲戒だというようなことがあります。ところが、政治家、これについては、三役については大臣規範というのがある。これについても緩いんじゃないかというような批判もあるわけですけれども、そうはいえ、大臣規範がある。ただ、政治任用の職員については、これは法の穴になっているのではないかという部分で、例えば、山田真貴子前の内閣広報官ですけれども、退職金を自主返納というような形で、何か処分をするのではなくて自分で返さなきゃいけなかったということでありまして、このようなときに、公務員倫理法との関係でいうとどうなっておりますでしょうか。

堀江政府参考人 お答えいたします。

 国家公務員倫理法は、第二条で一般職の国家公務員に適用する旨定められておりまして、いわゆる政治任用、特別職の国家公務員には適用されないものでございます。

森山(浩)委員 そうなんですよね。

 あるいは、菅正剛さん、大臣の秘書という形になっていたわけですけれども、天下り禁止、業界に行くということになるとこれにひっかかる可能性があるんですけれども、これについてもルールはないということでしょうか。

堀江政府参考人 お答えいたします。

 国家公務員法におきましては、在職中の利害関係企業への求職規制などの再就職規制を設けておりますが、国家公務員法は一般職に適用されるものでございますので、特別職には適用はございません。

森山(浩)委員 特別職ということで、国家公務員倫理法の二条で十七の職名が書いてありますけれども、これを御紹介いただけますか。

堀江政府参考人 国家公務員法の二条を読み上げさせていただいてよろしいですか。(森山(浩)委員「はい」と呼ぶ)

 国家公務員法の第二条は、国家公務員の職を一般職と特別職に分けております。先ほど御説明しましたとおり、国家公務員法が適用されるのが一般職。適用されない特別職を列挙しております。読み上げさせていただきます。

 内閣総理大臣、国務大臣、人事官及び検査官、内閣法制局長官、内閣官房副長官、内閣危機管理監及び内閣情報通信政策監、国家安全保障局長、内閣官房副長官補、内閣広報官及び内閣情報官、内閣総理大臣補佐官、副大臣、大臣政務官、大臣補佐官、内閣総理大臣秘書官及び国務大臣秘書官並びに特別職たる機関の長の秘書官のうち人事院規則で指定するもの、就任について選挙によることを必要とし、あるいは国会の両院又は一院の議決又は同意によることを必要とする職員、宮内庁長官、侍従長、東宮大夫、式部官長及び侍従次長並びに法律又は人事院規則で指定する宮内庁のその他の職員、特命全権大使、特命全権公使、特派大使、政府代表、全権委員、政府代表又は全権委員の代理並びに特派大使、政府代表又は全権委員の顧問及び随員、日本ユネスコ国内委員会の委員、日本学士院会員、日本学術会議会員、裁判官及びその他の裁判所職員、国会職員、国会議員の秘書、防衛省の職員、独立行政法人通則法のうち行政執行法人の役員。

 以上でございます。

森山(浩)委員 現在、十七ですけれども、今回、デジタル庁ができるということで、デジタル監がこれに加わるという認識でよろしいですか。

堀江政府参考人 デジタル監は特別職であると認識しております。

森山(浩)委員 ということで、割といろいろなところの重要な役職に特別職。当然、政権を運営するには必要ですので、政治任用でやっていくということはいいのだと思いますけれども、だからこそ、いろいろな意思決定の中で倫理に違反をするというようなこと、一般職の職員であれば抵触をする、あるいは大臣であれば駄目だ、しかしながら、特別職については処分をする規定がないというのは、これは法の欠陥だと思うんですけれども、各種の処分制度をつくるべきではないでしょうか、大臣。

河野国務大臣 今読み上げられましたように、非常に多岐にわたるのが特別職でございますので、それぞれの所管部署で特別職の公務員の倫理あるいは定められる規定というのは決められなければならないんだろうと思います。

森山(浩)委員 職責が重い人ほど、また権限が大きい人ほど倫理というのをきちんと守らなければならないというのが、組織を運営していく上での非常に大事な部分だというふうに考えますので、一般職の皆さんは処分される、大臣や三役はそうでもない、特別職に至っては手も触れられないというような状況にならないように、是非、内閣としてお取り組みをいただきたいというふうに思います。

 さて、GIGAスクール構想についてということで、平井大臣に来ていただいているんですけれども、昨日の夕方に会見をされていまして、オリパラアプリの契約の見直しということで、半額とは言いませんけれども、三十八・五億円というふうになったと。これの経緯と、これで大丈夫なのかという部分についてお述べいただけますか。

平井国務大臣 通告を受けていましたか、これは。(森山(浩)委員「いえいえ、通告の後で会見されたので」と呼ぶ)

 オリパラアプリの、海外からの要するに観客を入れないということが決定し、その他どこまで小さくするかということに関して決めていただいたので、契約変更という作業をこちらでやらせていただきました。サポートセンターが大幅に縮小されるので、その分を含めて約半額になったというふうに思います。

 今、大会関係者そして選手の皆さん、ビザではない、アクレディテーションを持っている方々だけを対象にして、彼らの健康管理と、最終的に出国するときの陰性証明の手続であるとか、あと、検疫、入管のところのアプリであるとか、それを今月リリースするという予定になっております。

森山(浩)委員 ありがとうございます。

 直前の変更ということで、もちろん、オリンピックこれ自体も、中身についても生き物でありますので、そういうこともあるし、また、国民の税金を節約するという観点では非常に大事なところなんですけれども、これを作ろうとしていた業者さんの方というのは、人を用意していたりとか、あるいはもう作りかけていたりとか、そういったことで困るというような話はありませんでしたか。

平井国務大臣 今回の場合は、システムの開発というよりは、一式のパフォーマンスというか役務というか、そういうものを調達しているのに近いと思います。

 ですから、その分がなくなったものに関して言えば、その分だけコストが収縮できるということで、新たにそのために莫大な投資をして作るというものでは、全体として見たら違うということでございます。

森山(浩)委員 ありがとうございます。

 というのも、ITの発注というのを公共でやると高くなるんだというような話がありました。デジタル庁の設置の法案のときにも、随分、大臣と議論させていただきましたが、普通に民間でやり取りをするのに比べて、もう下手すると何倍とか、桁が違うというようなことを、公共調達では吹っかけることができるんだ、その代わりこういうリスクがあるというようなことも業界で言われたりもしておりますので、元々、コストを圧縮していくためには、最初からリスクも考えて、公共調達だから高めに設定しなきゃいけないなというふうに民間に思われないようにするというのが大事だと思うのですが、デジタル大臣として、これは大臣になる前のことでしょうか、今後の調達についてお考えをお知らせください。

平井国務大臣 調達に関しては先生と同じような問題意識を我々は持っておりまして、発注者側の能力というのが足りないということを、さんざん私も委員会の答弁でお話しさせていただきました。

 何を作りたいのかということが曖昧なまま発注をするというような今回のようなケース、何がしたいのかということが決まらない、要するに要件定義がきっちりできないというような発注は、なかなか、普通はないんですけれども、我々は、そういう意味で、発注者の力をつけるために、そういういろいろなシステムの発注経験のある方を今回デジタル庁にお迎えをしています。

 ですから、積算、そして場合によっては自ら作れるというぐらいの知見を持った方々の協力を得て、今後、各省が作るものに関していっても我々はそういうふうに関与をしていきたいと思うし、例えばオリパラアプリのようなものを今後作るとなるとしたら、当初からデジタル庁が計画して作るということになると考えています。

森山(浩)委員 ありがとうございます。

 質問通告の後の会見だったということで、通告なしでの質問、失礼いたしました。

 さて、GIGAスクールの構想についてということなんですが、オンライン授業の課題、それから小中学校へのタブレット、ルーターの配付状況についてお知らせください。

森政府参考人 お答えいたします。

 本年四月から、一人一台端末環境のオンライン教育を始めとした新しい学びというのが、多くの学校にとっては初めての取組となっておりますので、これについては、授業等での取上げ方、進め方に関して、悩みや戸惑い等を抱えている場合があるということは承知をしてございます。

 こういった声に対しまして、ICT活用のアドバイザー等を活用いたしまして、文部科学省としても、円滑な活用が図られるように、積極的に支援をしているところでもございます。

 また、この整備の状況についてでございますけれども、公立学校につきましては、本年二月時点の調査で、端末整備については、令和二年度末までに九八%の自治体で端末の納品が完了する予定ということで、ほぼ整備がなされているというところでございます。

 一方、私立学校についてでございますけれども、昨年十二月に文部科学省が実施した調査では、約四割の私立小中学校が令和二年度末までに一人一台端末の整備が完了し、さらに、四割の私立小中学校が令和三年度完了に向けた整備を進めているというところでございます。

森山(浩)委員 ありがとうございます。

 うちの中学一年生の息子も、六年生の最後に、タブレットを配っていただいて、卒業のときに返して、中学に入ると、まだ一年生だから順番が来ていないということで、まだ手元にないという状況にあるわけなんですけれども。

 何とかやっていただいている、頑張ってここまでやっていただいているということを感謝をいたしますが、先ほど私立学校の話がありました。これは、逆に私立との情報格差というのが生まれる可能性というのがありまして、というのは、市町村が教育委員会を持っている、大体、私学課というようなものは都道府県にあって、小学校なんだけれども市町村にはその窓口がないというような状況の中で、情報が来るのが遅いよというようなことが現場で言われたりしています。

 この辺の連携についてはいかがでしょうか。

森政府参考人 私立学校の一人一台端末の整備に関しまして、これは重要な課題でございますので、文部科学省としては、その端末整備に必要な所要の予算を確保をしておりまして、これを活用して、令和三年度においても、引き続き端末整備に対して支援を行っているところでございます。

 他方、私立学校に関しまして、所轄庁は都道府県ということでございますので、こういった所轄庁である都道府県とも連携しながら、ICT環境を整えた教育活動の重要性、こういったものの更なる周知を図ってまいりたいと考えております。

森山(浩)委員 そうなんですよね。同じ、そこの町に住む子供なんだけれども、市にその窓口がないということで、その市の特殊な副読本、自分のところの町のことを書いている副読本は、私立小学校の先生は市役所まで借りに行くそうです。

 そんな状況もありますので、何か、このことに限らず、小中学校、私立なんかも市役所の方にも何らかの窓口があるというような状況をつくっていただけると、子供たちの機会というのを奪わなくていいのかなという気がいたします。ちょっと脱線しましたが。

 ということで、デジタル大臣にお伺いをしたいんですけれども、タブレット、六年生でうちの子は返しました。これが一年生に行きます。一年目はいいと思います。ただ、六年後、今の一年生が六年たったものを次の子に渡すというような形で、スペックをわざと落としたものを配っていくというのがいいのか、それとも、六年たったら新しいのに買い換えるよということなのか、あるいは、貸与というよりも、実質は補助というような形で買ってもらうというような形もあるのか、どのようなものがいいのかなというふうに考えていますけれども、どうお考えでしょうか。

平井国務大臣 その辺りの方針は文部科学省に本当は聞いていただきたいんですが。

 私が思うに、機器というのは、いわば、耐用年数というよりは、テクノロジーの進歩、性能はどんどんよくなり価格は下がるわけですから、新しいものに常に更新できるというようなことが望ましいと思います。

 自治体によってはリース契約も非常に多いというふうにも聞いておりますし、あと、やはりBYODを現場でどうやっていくかということも非常に重要だと思います。お子さんでそういう機器を自ら持っている人も実は相当増えているという実態があります。

 ですから、ベースははっきり、今回のGIGAスクールで一人一台ということで、私は常に最新の機器を提供すべきだろうというふうに考えているんですが、私はもっと柔軟に、BYODをどのように運用するかということも検討すべきだ、そのように思っています。

森山(浩)委員 無駄な投資ということにならないように、一番いい形に適応していっていただきたいというふうに思います。どうぞよろしくお願いします。

 さて、コロナ対策なんですけれども、ダイヤモンド・プリンセス号、下船をされた三月一日から一年余りがたちました。

 これは時事通信社の「厚生福祉」という雑誌なんですけれども、去年、令和二年の六月から十回にわたって「艦詰日記」、艦に詰め込まれた、カンヅメの日記だというようなことで、平沢さんという、元大阪の教員の方、OBの方ですけれども、退職金で行ったんだというようなことで、私、実はこの間、船の上と携帯電話がつながっておりましたので、状況を常にお聞きをしておりましたけれども、この体験談を十回にわたって書かれています。

 当時のダイヤモンド・プリンセス、二月一日に沖縄で入国をしています。入国をしているという状況の中で、感染症法ではなくて検疫法で対応をされているというふうに認識をしていますが、これは入国したら感染症法でやるんじゃないんですか。

浅沼政府参考人 お答えいたします。

 検疫法では、最初に入港した港における検疫の結果、当該船舶等を介して検疫感染症の病原体が国内に侵入するおそれがほとんどないと検疫所長が認めた場合に、船舶等の長に対して仮検疫済証を交付し、国内を移動する限りにおきましては再度の検疫は実施しないこととなっておりますが、本件につきましては、当該クルーズ船が那覇港から横浜港に向かっている途中に、香港で当該クルーズ船を下船した乗客が新型コロナウイルスに感染していることを把握したため、この仮検疫済証を失効させるとともに、横浜港におきまして改めて検疫を実施することとしたものでございます。

森山(浩)委員 一旦入国はしたけれども、検疫をもう一回しなきゃいけない状況になったということだということで。

 これはずっと気になっていたんですよ。日本での感染者は何人、もう今となっては、全体の数がすごく大きくなっちゃいましたから、誤差程度の数字になってしまいましたけれども、七百十二名、クルーズ船というのが、非常に突出した状況で、二月、三月、ずっと報じられていました。これが括弧つきで、今おっしゃっている、入国はしているけれどももう一回検疫しなきゃいけない状況だったということなんですが、括弧つきで、日本は陽性者が少ないというようなことを広報しようとしているんじゃないかというようなことを言われたこともあります。

 もう一回検疫しなきゃいけないからということで、日本での発生じゃないというような言い方自身については、当時何のルールも決まっていない状況でしたから仕方がないにしても、法の欠陥ではないのかというふうに思います。

 何かありますか。

浅沼政府参考人 お答えいたします。

 新型コロナウイルス対策、現在も進行中でございます。議員の御指摘なども踏まえて、今後どういう改正をして、対応策も改めていこうかということで、引き続き検討を進めてまいりたいと考えております。

森山(浩)委員 もちろん、今の、目の前の対策をしていただくというのが一番大事なわけですけれども、ダイヤモンド・プリンセスの事案以降で、クルーズ船が航海の再開をされています。クルーズ船再開までの国土交通省の対応についてお尋ねします。

池光政府参考人 お答えいたします。

 ダイヤモンド・プリンセス号等の大規模クラスター事案につきましては、今般の新型コロナウイルス感染症に対応した対策、例えば、乗客乗員の徹底した感染予防策、共用施設の使用制限、感染者が発生した際の乗客乗員の個室管理、こういった事柄について必ずしも十分でなかったことが課題として挙げられようかと存じます。

 こうした課題に対応するため、国土交通省におきましては、感染症、危機管理等の専門家を含む有識者からの意見も踏まえ、また、関係業界や関係省庁とも調整の上、昨年九月十八日に、クルーズの安全・安心の確保に係る検討・中間とりまとめ、こちらを公表いたしました。この中間取りまとめを受けまして、日本外航客船協会において船舶ガイドラインを、日本港湾協会においては港湾ガイドラインを、同日、それぞれ公表をしております。

 例えば、船舶ガイドラインにおきましては、国内クルーズの運航に際しまして、乗船時の健康状態の確認や船内でのマスク着用、健康管理の徹底、船内の消毒や換気、有症者発生時の船内隔離や乗客の自室待機、船内イベントの中止などの具体的な対応が定められております。さらに、本船舶ガイドラインを受けまして、本邦クルーズ船運航事業者は、事業者ごとの船内感染防止マニュアルを策定し、国土交通省に届出を行っております。

 港湾側の対応につきましては、地方整備局等が事務局となりまして、衛生主管部局等も参画する水際・防災対策連絡会議を全国百一港で立ち上げ、不測の事態においても即座に情報共有し、連携して対処するための体制構築を進めているところであります。

 これらの様々な取組により、昨年十月下旬よりクルーズ船の国内商業運航が順次再開に至ったところでございます。

 以上でございます。

森山(浩)委員 港も、また船も、しっかりと新たなルールをつくったのだという話ですが、本邦のクルーズ船というのはたくさんあるわけではなくて、飛鳥2、にっぽん丸、「ぱしふぃっくびいなす」、三隻ということで、これに限ってというお話だと思いますけれども。

 飛鳥2でコロナの発生事案がありました。この飛鳥2の事案の概要、それから、新たにできたこのガイドラインに沿っていたのか、また船内での感染の拡大はなかったのかについてお尋ねします。

池光政府参考人 お答えいたします。

 昨年九月に日本外航客船協会が作成いたしました船舶ガイドライン、先ほど申し上げたやつですが、仮にクルーズ船内で感染者が確認された場合であっても、感染症対策を徹底することで船内での感染拡大を起こさない、これを目指しております。

 委員御指摘の、先般、横浜港を四月二十九日に出港した飛鳥2の船内で、乗客の方一名が新型コロナウイルスに感染していることが判明しましたことから、クルーズを中止し、五月一日に横浜港に帰港するという事案が発生したわけでございます。

 本事案につきましては、出港時から船舶ガイドラインに基づく感染症対策が取られておりまして、乗客の感染が確認された後は、レストラン等船内施設の使用を中止し、全乗客の自室待機を行うなど、速やかに感染拡大防止措置を講じました。また、保健所から、濃厚接触者の方、結局、同室者の奥様でございましたけれども、この方一名のみという判断が示されたところであります。また、他の乗客や船員への感染も確認されなかったということでございまして、今般の事案につきましては、船舶ガイドラインに沿った適切な対応が取られていたものと考えてございます。

 なお、国内の感染拡大に伴う緊急事態宣言の発令等の状況下におきまして、現在、国内クルーズ船の運航は中止となっておるところでございますが、今回の事案を踏まえ、クルーズ船運航事業者や港湾管理者等とも連携の上、安全、安心なクルーズの再開に向けて適切に取り組んでまいりたいと考えております。

森山(浩)委員 クルーズ船でコロナの事案が発生をしたというニュースが出たときには、クルーズ船、再開して大丈夫なのかと思われた国民の方は多いと思います。ただ、船内での拡大がなかった、また、ガイドラインに沿っていたということでありますけれども。

 今、運航は休止しているんですけれども、再開の予定は立っていますか。

池光政府参考人 お答えいたします。

 先生先ほど御指摘いただきましたように、国内クルーズ運航事業者は三社ございまして、三隻の船を今、運航で使用しているわけですが、現時点におきましては、六月いっぱいのいわゆる出発のクルーズについては今のところ中止ということでございまして、それ以降については、具体的にはこれから、そういう段階でございます。

森山(浩)委員 さらに、日本だけではなくて、クルーズ船というのは船籍が、ダイヤモンド・プリンセスもそうでしたけれども、海外の船籍であったりとか、運航会社が海外、あるいは旅行会社が海外というようなことで、海外とのコラボで動いているものも非常に多いということでありますけれども。

 外務省も報告書を上げられています。どんなものですか。

原政府参考人 お答え申し上げます。

 昨年発生しましたダイヤモンド・プリンセス号内での感染症の拡大という事案に対応した経験から、今後、同様の事態の発生を防止するとともに、事態が発生した場合により効果的に対処するための国際的な対応の在り方を検討する必要性が認識されました。

 これを踏まえまして、外務省では、海事、国際法、感染症などの分野における外部有識者に検討を委託しまして、本年三月に最終報告書の提出を受けたところでございます。

 その報告書におきましては、国際クルーズ船における感染症への対応や運航に関する関係者の役割と責任を明確化するための国際協力の必要性等について提言が盛り込まれております。

 先月、英国で開催されましたG7外務・開発大臣会合におきましては、ダイヤモンド・プリンセス号の経験を今後の感染症対策に生かすべく、今回の報告書の提言も踏まえまして、茂木外務大臣から、クルーズ船を含む国際交通における感染症対策での関係国、国際機関の役割を明確化するため、G7として、国際機関でのガイドライン作りを働きかけていくことを呼びかけ、G7各国の賛同を得たところでございます。その結果、成果文書においても、本件につきまして明確な言及を盛り込むことができました。

 引き続き、国際クルーズ船における将来の感染症に対する国際的な備えを強化するための対応につきましては、関係省庁と連携をし、関係する国及びWHO等の国際機関と議論を深めてまいりたい、このように考えております。

森山(浩)委員 これが三月二十九日に手交をされて、報道されているんですけれども、公開まで一か月かかっているんですね。これはどうしたんですか。

原政府参考人 お答え申し上げます。

 本件、外部有識者の中には、外国籍の有識者の方々もおられまして、英語でレポートを作り、それを日本語にしという作業がございました。そういうこともありまして、若干遅れて公表ということになった次第でございます。

森山(浩)委員 一刻も早く報道してもらいたかったというのは分かるんですが、出ないと何があったんだろうという不安にもなりますので、気をつけていただきたいと思います。

 西村大臣、今は目の前のことを当然やってもらわなきゃいけない。ただ、この教訓を総合的に生かすべきだというふうに考えるんですけれども、コロナが、次のパンデミックに向けていろいろなまとめをされると思いますけれども、終わった後に、それに関して、この船についての部分も入れていただけますでしょうか。

西村国務大臣 今も様々答弁ございましたけれども、ダイヤモンド・プリンセス号の対応については、新型コロナウイルスについて、当時、余り知見がなくて、手探りの中で、大きな困難を伴うものでありましたけれども、関係者の皆様の努力で国内の感染拡大を防ぐことができたというふうに考えております。

 そして、このダイヤモンド・プリンセス号への対応を通じて得られたデータや経験を生かして、既に、昨年三月の専門家会議の見解で、まさにこのダイヤモンド・プリンセス号への対応から、クラスターの発生リスクが高い場面として、例の三密、換気の悪い密閉空間、人が密集、それから近距離での会話、発声、こういう条件が重なり合った場ということで、ここからそういった見解が得られていますし、また、八月には、感染研の報告書の中で、患者近くのトイレ周辺あるいはテレビのリモコンからウイルスが多く検出された、他方、頻繁に清掃をしていたドアノブからはウイルスの検出は少なかった、こういった報告がなされておりまして、いわば、日常的な手指衛生、消毒が重要であるということも対策として得られているところであります。

 その上で、今後、まさに感染症、これまでの様々な取組、対策の効果などを分析、検証をしていくことになりますけれども、特に、御指摘のダイヤモンド・プリンセス号の対応も含めて、今後、感染が落ち着いてきた、事態が一定の収束をした段階で、この対応も含めて、しっかりとした検証、分析を行っていきたいと考えております。

森山(浩)委員 ありがとうございます。

 実は、質問の打合せをしているときに、コロナ室はそのときまだできていなかったので対応できるか分かりませんなんというような話で、もう一回お願いをして今の答弁にまでこぎ着けていただきまして、感謝をいたしたいと思いますが。

 災害対策基本法への感染症の書き込みとか、あるいは、厚生労働省と防衛省が船内に同じぐらいの人数入られたけれども感染者の数が全然違った、あるいは、在日の大使館から連絡はあったけれども、日本政府からの連絡は、報道の後、半日だったとか、いろいろなことがこの艦詰日誌の中にも書かれております。

 中の人たちの不安感なども含めて、持病の薬の差し入れ、あるいは、差し入れのギョーザが目の前にあったけれども結局届かなかった、悔しかったみたいなことも書かれておりますけれども、そのときの中にいる人たちの状況なども含めて、全体の総括をするときに生かしていただきたいと思いますし、また、その場で具体的には議論をさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

 ありがとうございました。

木原委員長 次に、小寺裕雄君。

小寺委員 お疲れさまです。滋賀四区の小寺です。

 日頃は、自民党ですと一番にやらせていただくことが多いので、こういう時間にやらせていただきますと、何となく新鮮な気分がするとともに、先に、自分が聞こうと思っていたことを次々と聞いていただいた後にまた同じ質問をすることの厳しさと、それと、コロナの状況あるいは対応が刻々と変わっていて、おとつい、ちゃんとルールを守って早めに質問通告をしたら、今朝の新聞に私が通告をしたことが報道されているといったこともありますので、そうした若干ちぐはぐな面もあろうかと思いますが、どうぞよろしくお願いしたいと思います。

 もう野党の先生方から、それぞれ、いろいろな切り口で質問をしていただきました。よもや、私、河野大臣に御答弁をお願いするというようなことはさらさら考えていなかったんですが、今日のバッター表を見ると、こうした流れで多少はおつき合いをしていただけるのかなというふうなことを思っております。ありがとうございます。

 私たち自由民主党に所属する議員は、党から御指示をいただきまして、地元へ帰って、それぞれの市町の状況を聞いて、御用聞きのように、困っていることはないか、あるいは、どういうことに課題があるのかといったことを聞いてこいというような指示を受けまして、私も毎週帰らせていただいて、私の選挙区には四市二町があるわけですけれども、首長の皆さんや、あるいはまた接種会場等を拝見させていただいて、課題の把握等に努めてまいりました。

 特に、報道でもたくさんされましたけれども、いわゆるコールセンター方式であったり、受付の予測が思うようにいかずたくさんの方々が押し寄せたり、あるいは、電話がつながらない、ネットが遮断されて、どうなっているんよといった苦情が、実際、私の市町でもありました。現在はほぼほぼ改善されて、接種がある程度穏やかにうまくいっているわけですけれども、私が今日質問させていただくのは、そうした市町の担当者や首長さんからいただいた御意見や御要望、また、私が日頃、市町を御挨拶やいろいろなお話を聞きに回っている中でいただいた住民の素朴な疑問についてたださせていただけたらと思います。

 そこで、今日の日経新聞の一面に、ワクチンが、もうすっかりたくさん、二億二千万回分、九月中には何か確保できそうだみたいなことが書いてあるんですけれども、それでもやはり、住民の皆さんから私が地元で聞いてきたのは、ワクチン、ほんまに大丈夫なんですかという声を聞かせていただきました。

 二月、当初、アメリカ等で先に優先接種されて、日本になかなかワクチンが入ってこない、医療従事者に優先だと言いながらなかなか進まない、いろいろな課題がございました。しかしながら、ゴールデンウィークを過ぎて、大量にワクチンが市町に実際に届くようになってからは随分雰囲気が変わってきたかなというふうなことを思います。

 そこで、改めてですけれども、現在のワクチンの確保状況についてお尋ねをさせていただきます。

    〔委員長退席、平委員長代理着席〕

河野国務大臣 高齢者の二回接種に必要な分につきましては、六月末までにそれぞれの自治体に配送をする、ここに変わりはございません。

 また、十六歳以上の希望する国民の皆様に二回接種していただく分、このワクチン量が既に九月末をめどに確保されているというところでございます。

 また、ワクチン接種の年齢が引き下げられるということになりますので、そういうことについて今精査をしているところでございます。

小寺委員 ありがとうございます。

 十分に、安心して、希望される方々がワクチン接種をしていただける数が確保されているということがよく分かりました。

 そこで、今テレビでも、見ていますと、ニュースあるいはワイドショーでも、昨日は何人ワクチン接種を打たれたとか、どこの町が早かったとか、県別でいうとどこどこだといったようなニュースがたくさん流されておりまして、いわば接種率競争みたいな感じになっているのかなというふうに思います。

 今朝の新聞を見ていますと、東京では何でも墨田区がとんでもなく早くて、こういう形で取組をされてうまくいっているというシステムがございました。

 私の地元でも、選挙区外でありますけれども、高島市という町が、保健師さんの活用が大変うまくいっていて、病院と診療所の連携でありますとか、あるいは保健所と市町の医療機関との連携を、保健師を介してコーディネートすることによって、非常に、いわゆる寝ておいでになる高齢者の方々や独り暮らしでなかなか接種会場まで行けない方々に細やかな気配りができて、成功されているという市町もありますし、大津市なんかは人口が多いということもあって大変苦労されているといったふうな状況もあって、市町によっても、日頃の自治体の経営力の差というのもこうした数字に表れているのかなというふうなことを感じております。

 おかげさまで、先ほども申し上げましたけれども、私の管内の四市二町におきましては、この月曜日にも、ある市に寄って市長と副市長にお話を伺っておりましたけれども、大変今は順調に進んでおりますというふうなお話を伺いました。また、その後、接種会場も拝見しましたけれども、ある種拍子抜けするぐらいに淡々と、着々と、確実に接種が進んでいるなというふうにも思います。

 そこで、恐れ入りますけれども、現時点におけるワクチンの接種状況といったものはどのようになっているのか、お尋ねをさせていただきます。

河野国務大臣 五月三十一日時点で、医療従事者につきましては接種回数が約七百六十万回、うち一回目の方が四百六十万、二回目の方が三百万ということでございます。高齢者に関して申し上げますと、大体五百六十万回分接種していただいて、一回目が五百二十万、二回目が四十万、大体そんな感じになっております。

小寺委員 ありがとうございます。

 既にいろいろなところで目にさせていただく数字ではありますけれども、思いのほかと言ったら失礼になるんですけれども、非常に順調に進んでいるな、これで全人口の一割、既に超えておりますので、この調子で着実に進んでいけばいいのかなというふうに思います。

 そこで、一点だけ御意見として申し上げますと、西日本に医学部が多いということで、やはり、医師の偏在という言い方が適切かどうか分かりませんけれども、人口十万人当たりでいうと、医療従事者の数は西日本の方が圧倒的に多いのかなというふうに思います。もちろん、先ほど申し上げましたように、市町ごとのいわゆる自治体の能力にもよりますから、一概にそれが接種率に表れるものではないというふうにも思いますけれども、私は西日本の人間ですけれども、東日本全体に見ると、これだけやはり十万人当たりの医療従事者の数に差があるんだなというふうなことを思います。

 今後、大規模接種やあるいは勤務先での接種等が始まってくると、医師の確保等がどうなるのかなといった疑問も単純に湧いてまいりますので、またそうしたところにも目配りをしていただければと思いますので、どうかよろしくお願いします。

 続きまして、いよいよ六十五歳以下に対する一般の接種が始まってくるわけですけれども、私の地元でも、人口一万人前後の町は大体六月の半ばぐらいにはもう高齢者の接種が終わって、いわゆる一般の方々の接種に移れるというふうな報告をいただいております。

 そこで、高齢者接種から基礎疾患を有する方々と六十五歳以下の一般接種に移行していく中で、ワクチンの供給システムについてもお尋ねをさせていただきます。

 実はこれは、今日質問させていただくということで、緊急に滋賀県の市町に対して、どうなんだということで、そこを明らかに、いわゆるスケジュールとか配分量を示してほしいという要望が一番多うございました。そこでこの問題を入れさせていただいたんですけれども、ちょうど六月一日の事務連絡で第九、第十クールの配分が示されて、大臣も既に記者会見等でお話をされているように、できるところはどんどん先にやっていいよというふうなことを示していただいたところです。

 日々、先ほども申し上げましたように、状況が変化する中でのことですので、お許しいただいて、改めて、次の段階に移行していく上におけるワクチンの供給体制についてお尋ねを申し上げます。

河野国務大臣 四―六の第二・四半期ではファイザーのワクチンを約一億回供給をしておりますが、七―九の三か月間ではファイザーの供給が七千万程度になります。ただし、そこにモデルナのワクチンが入ってきますので、二つのワクチンを合わせれば、そんなに供給に差がないようにしていきたいというふうに思っておりますし、ファイザーのワクチンについても、できれば前がかりで供給できるような交渉をしていきたいと思っております。

 モデルナの方がどちらかというと運搬などの規制が厳しいものですから、かかりつけ医の個別接種は引き続きファイザーのワクチンで続けていただくことになろうかと思っております。ですから、個別接種を中心にしてスピードが速い自治体には少しファイザーのワクチンを多めに供給をしていく、集団接種でカバーをしている自治体には、新たな集団接種の会場を立ち上げていただいて、そこに集団接種用にモデルナのワクチンを供給していく、そういう体制でやってまいりたいと思っております。

 現時点で、六月末までの供給量については基本量をそれぞれの自治体にお示しをしております。七月の供給量につきましては、およそ一か月前にファイザーと確定ができる見込みでございますので、確定次第、それはお知らせをしてまいりたいと思いますが、これまで以上に接種回数をきちんと見ながら、接種の遅いところは在庫がたまっておりますから、そこは県内で融通をしていただくということにして、調整枠の分は、接種が進んでいるところ、それから個別接種の多いところに前がかりで出していきたいというふうに思っております。

宮崎政府参考人 御答弁申し上げます。

 補足して少し仕組みのところを申し上げますと、ワクチンの配分に当たりましては、医療機関から希望量を御登録いただきまして、国が都道府県ごとの分配量、都道府県が市町村ごとの分配量、市町村が医療機関ごとの分配量の決定を行って委託先の医療機関、接種会場等に分配するということでございますが、先ほど委員御指摘ございました、あるいは大臣から御答弁ありましたように、自治体の皆様からは以前より、供給スケジュールの見通しなどの確定した情報の迅速な共有について御要望いただいておりましたので、供給量、時期の予見性を高めて、実務的な接種計画を立てることができるように基本配分計画というものを作成をいたしまして、六月分までにつきましては、先ほどの大臣の御答弁にございましたように、最低限分配できるワクチン量と時期をお知らせをしたということでございます。

 具体的な配送日につきましては、またワクチン分配量の確定後にファイザー社が計画を策定して各基本型の接種施設に通知するという仕組みでございますけれども、可能な限り配送日を早くお知らせできるようにファイザー社等とも調整を行ってきておりまして、配送開始日のおおむね二週間前にはお知らせをするというような今現状でございます。

 七月以降につきましては、二週間ごとに約一万箱程度を配分し、そのうち八割程度を基本計画枠として配分することを基本といたしますけれども、先ほどの大臣の御答弁にございましたように、詳細については更に詰めまして、速やかにお知らせをしていくということで考えているところでございます。

 引き続き、接種体制を構築していただいている自治体の皆様に情報をできるだけ早く提供できるように努めてまいりたいと思います。

小寺委員 ありがとうございます。

 資料をいただいて、V―SYSの仕組みと、あるいは大臣が少し言われました在庫の問題、少し多めに言っておこうかといっても、在庫が、ある程度、打った量と差引きすると捕捉がされるわけですから、実態に即して、前回、これで見ると第八クールは一万六千ということですから、十分な量が確保されていると思いますし、今お話があったように、一万をベースにということでいけば安定的に接種は進んでいくのかなといったことを大変よく理解をさせていただきました。

 そこで、あえてこの質問をさせていただきますけれども、これで全国民が二回接種していただけるだけのワクチン供給量が調い、また、こうしてワクチン接種も順調に数を増やしているということがございます。

 今後、先ほど申し上げましたように、勤務先、うちの地元なんかでいいますと工場が大変多うございますので、そうした職域、工場ごとに接種が進んだりすると、一気にワクチンを接種された方々が増えるのではないかという期待が高まっております。また、先行するワクチンを多く接種された国々、特にイスラエルのようなところでは、四割の方々のワクチン接種が終わると、社会の動きもまた新しいステージに入って、先ほど来いろいろな懸念がある経済活動も平常に戻っていくのではないかというふうに思いますと、私自身は、様々な御批判がいろいろな方面からあることはよく分かりますけれども、ようやくトンネルの出口は見えてきたのかなというふうに非常に感じています。

 ですから、一日も穏やかな平常を取り戻すためには、国民の皆さん方に希望を与えるためにも、二回接種が希望される方々に行き渡るめどについて、是非、河野大臣から御答弁をいただければと思います。

河野国務大臣 ワクチンの量につきましては、先ほど申し上げましたように、九月末までに何とか確保ができるめどが立っております。

 職域接種がこれから始まりますと、自治体の接種を補完して、更にスピードアップができるのではないかと思っております。

 具体的にいつ頃になるか、これは、まだまだ接種会場も増えておりますので、今から想定するのは困難でございますが、一日も早く、一人でも多くの方に打っていただけるように努力してまいりたいと思います。

小寺委員 恐らくなかなかここでいつ頃ですということは言えないということはよく分かっておったわけですけれども、ただ、既にもう一万以上、いわゆる六十万ぐらいは打てている実績があるわけですから、あと四十万というと、そうした方を積み上げていけば、それほど、まあ、これは私の直感で、何の根拠もない考えですけれども、そう遠くない時期にそこそこいけるのではないかなと。そうなると、十日でいわゆる一千万、月三千万という形になると、いわゆる希望される方々に高齢者が終わった後にということを思うと、私なんかは年内に何とかなるのかなという感覚を当初持っていましたけれども、それよりはかなり前倒しにいけるのかなといったふうなことを感じています。

 また、実際にやはり、社会も、いろいろな見方はあろうかと思いますけれども、私たちの周りでは、もう私は一回目が終わったとか、あるいは次、二回目はいつだとかいうことが市民の皆さんからお話が出るようになってきて、やはりワクチン接種に対する期待は相当大きいのかなと思います。

 それで、私自身は日頃余り党の厚労部会や勉強会の方には出席をしておりませんので、この質問を機会に、改めて、先ほどお話が出たようなV―SYSでありますとかVRSなんかについても、先ほども質問が出ていましたけれども、少し勉強をさせていただいたところです。

 私の地元の首長の方が、私に、いわゆる一般接種も我々でやらせてほしい、高齢者接種がそこまで、ようやくうまいこといったのに、何でそういうばらばらなことをするんや、把握ができないやないかと。恐らく、今から思いますと、市長はVRSのことを御理解いただいていなかったのかなと。だから、その辺りのいわゆる予防接種の把握のことについて分かっていなかったんだなということが私自身もよく理解できました。県内の首長さん方を見ていましても、VRSのことについて御理解いただいている方は、多分、感覚的には、ほとんど実際いないのではないかなという気がいたします。

 そこで、V―SYSは、大体、在庫を把握して、いわゆる使った量でどこにどれぐらいあるかというのが分かるということは私でもすぐに分かるんですけれども、VRSというシステムについて、簡単にというほど簡単に説明ができるものかどうか分かりませんが、一度御説明をお願いできませんでしょうか。

    〔平委員長代理退席、委員長着席〕

河野国務大臣 日本中の接種会場にVRSを実装したタブレットをお配りをしております。このタブレットについているカメラで接種券のバーコードあるいはOCRラインを読み取っていただければ、自動的に、その方が接種したというデータがそれぞれの居住地のデータベースに登録をされますので、それぞれの自治体は、どこで、誰が、いつ接種したかということを把握することができます。

 国や都道府県は、個人情報は見ることができませんけれども、接種した回数ですとか、どこで何人というような、個人情報を除いた形のデータにはアクセスすることができておりますので、それで実情を把握している、そういうことでございます。

小寺委員 ありがとうございました。こういう仕組みで、市町では個々の接種が、いろいろなところで打っても把握できるんだということを是非伝えてまいりたいというふうに思います。

 大臣、ここで御退出をしていただければと思います。

 それでは、続きまして、ワクチンの優先接種について伺います。

 先ほども少し質問に出ていたと思うんですけれども、これからは、一般接種とともに、持病をお持ちの方、いわゆる基礎疾患を有する方等の接種がというふうに言われております。

 そこで、地元の方々から御意見をいただくと、やはり訪問介護でありますとか、あるいはデイサービスを御利用の、いわゆる働く職員の皆さん、それから、特に障害者施設、身体障害ももちろんですけれども、知的障害の方々、なかなか個人の意思で自分の体をコントロールができない中で、その方々を支える方々も含めて、立場の弱い方々に対してはやはり優先的に接種をするべきではないのかといった御意見をよく賜ります。

 先日、議連では、厚生労働省の担当者の方々からは余り歯切れのいいお答えは実はいただけませんでした。この辺りはどういう考えになっているのか、お尋ねをいたします。

宮崎政府参考人 お答え申し上げます。

 新型コロナワクチンの接種順位につきましては、重症化のリスクですとか医療提供体制の確保などを踏まえて、まずは医療従事者等、次に六十五歳以上の高齢者、その次に基礎疾患を有する方あるいは高齢者施設等の従事者という形で順次接種できるようにするということを分科会での議論を経て決定したところでございますが、その上で、在宅サービス事業所の従事者の方などにつきましては、一定の要件の下で高齢者施設等の従事者に該当するということ、あるいは、一定の重症度の精神疾患あるいは知的障害を有する方については基礎疾患を有する方に該当するということで、それぞれ優先接種の対象となるということなどをお知らせをし、そのように運用を取り計らっているところでございます。

 また、接種全体の進め方につきましては、先ほど御議論ございましたように進んでまいっている中で、今月中をめどに、高齢者の接種の見通しがついた自治体から、基礎疾患がある方も含めて広く一般の方にも順次接種を開始していくということにしております。こうした中で、それぞれの自治体の御判断で、障害者の施設の入所者の方々ですとか従事者の方について、可能な限り早期に接種を進めていただくということも可能ではないかというふうに考えているところでございます。

 引き続き、接種を希望する全ての方が一日も早く接種できるように、市町村、市町の状況も伺いながら取り組んでまいりたいと考えております。

小寺委員 まだ三問、質問、職域のところとか、あるいは百万回の見通しとか、それから何より、最後に、本当は国産ワクチンの開発についてお伺いもしたかったのですが、時間がちょうど参りました。残念ですが、また次の機会ということで、これで終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

木原委員長 次に、濱村進君。

濱村委員 公明党の濱村進でございます。

 今日はちょっと大臣なしでやらせていただきますが、よろしくお願いします。

 今、骨太であったりとか成長戦略とか様々議論されている中でございますので、これから政府あるいは与党にとって重要な施策が決まっていく、そういうフェーズにある。我々公明党としても、実は、先日、骨太に対する提言を提出させていただいたところでございます。

 そういう中にあって、今後の政府の方針というところを、どう考えておられるのかということをしっかり議論していくためにも、何点か今日は確認をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 まず、大きな方向性として、昨今、非常に検討というか問題視が進んできているようなこととして、経済安全保障の話があると思っています。経済安全保障についての基本的な考え方を確認しておきたいと思います。

 日本という国は、アジアの国であることは言うまでもありません。一方で、経済成長という意味では、欧米型の経済成長をしてきたとも言えるわけでございますが、一方で、安全保障の観点からすれば、米国と同盟国であるというわけであります。こうした立場というのは実はなかなか得難い立場なんじゃないかと思っておりまして、これを最大限に利用することが国益にかなうものと私は考えております。

 そうはいっても、最先端の研究領域においては、領域によっては、アジアの国々が最先端の知識、技術力を保持しているというようなことも明らかでございますし、実は昨日、私、科学技術・イノベーション特別委員会にも所属しておりますが、科技特では、半導体の有識者の方々から意見を聞いて参考人質疑をやったわけですね。その半導体の分野であれば、台湾のTSMCがファウンドリーとしてもう世界を席巻しているという状況であります。

 こうしたことも考えますと、何も日本が特別技術力や知識において優れているというわけではなくて、世界中の優れた知見を持っている方々とちゃんと結びついて事業活動を行っていくことが重要であろうと私は思っております。

 そうした、これは科学技術の分野で言われている言葉ですが、いわゆるイノベーションエコシステム、この内側に入っていきながら、日本が、知見を有する方々、あるいはそういう方々がいる国の研究者とも協力関係を構築していくということが重要だと思っております。

 そうなりますと、二者択一の選択肢ではなくて、その間でどういうバランスを取っていくのかということが極めて重要になってくるんじゃないかと思っております。

 経済安全保障の確立と我が国経済の持続的成長、これを両立させていくためにも、私は二者択一ではないと信じておるわけですが、政府も恐らくそういう考え方なんじゃないかなと感じているんですけれども、なかなかここが分かりにくいんです。二者択一じゃないので分かりにくくて、話を単純化しようとすると、何かまた難しさが生じてしまって、政府の意思がなかなか伝わっていないんじゃないかしらと私は思っておりますが、政府の経済安全保障についての基本的な考え方について、どのようなものなのか、今日は国家安全保障局経済班の藤井さんにお越しいただいていますので、御答弁いただければと思います。

藤井政府参考人 お答え申し上げます。

 今、濱村先生御指摘のとおり、私どもも、経済安全保障の最も大切なことは、まず経済、この経済というのは、やはり日本経済の活力の源泉というのは開放性であり、自由であり、そして多様性であるというふうに考えております。当然、御指摘の研究開発、イノベーションエコシステムについても、世界中の多様な才能のある方々との結びつきというものを確保していくということは、これは大前提でございます。また、御指摘のとおり、アメリカとの同盟関係がございますので、アメリカとの協力をより深化させていくということも課題でございます。

 ここで、多少難しい、一見二律背反が起こりますのは、こういった開放性を悪意を持って場合によっては利用されるということがないこともないということでございまして、そういうことが起きないように、守るべきものは守るということをきちんと対策としては講じていくわけでございますが、それは、あくまで研究開発を含めた経済の開放性や多様性を守っていくという観点から、各省と一緒になって取り組んでいるところでございます。

 先生御指摘のとおり、世界に開かれた日本であり続けるというために、この大きな目標を持って経済安全保障の取組を進めていきたい、かように考えてございます。

濱村委員 ありがとうございます。

 二律背反で捉えるべきものかどうかというと、そうじゃないんじゃないかと思いつつ、守るべきものは守っていくというのは非常に重要だと思います。

 そうしたことを議論していくためにも、今後是非研究を深めていっていただきたいなと思っておりますが、アメリカの方々で、エリック・シュミットとかジャレッド・コーエン、グーグルの元CEOだったりジグソーのCEOだったりする人間たちがあるグループをつくっていて、ザ・チャイナ・ストラテジー・グループというのをつくっていて、そこがレポートをまとめておられるらしいんですよ。

 二〇二〇年秋ぐらいに取りまとめたのが大体二月ぐらいには何かインターネット上で見られるようになったのかなと見受けられるんですが、この中に書いてあることを私なりに、全部英語なので、私、ちょっと不安定なところはありますが、アメリカの技術的リーダーシップが安全、繁栄、民主的な生活様式の基本だ、しかし、中国が重要な分野において米国を追い抜こうとしているため、その優位性は危険にさらされている、なので、ここからが重要だと思うんですが、ポイントとしては、その競争が非対称であることがポイントなんだと。中国は、企業スパイであったり、非自由主義的な監視、あるいは公的部門と民間部門の境界線が曖昧だったりする、そういうところから利益を得ているんだ、非対称の競争になっているんだということが書かれていたりするんですね。

 そうはいっても、そういう訳の分からない競争環境にある中で、最後にしっかり立っているのはアメリカだということを書いているところがやはりアメリカらしいなというふうに私は思っておりますが、こういうことをちゃんと目標観を持ってやれよということを提言されておられるような感じなんです。

 日本も、国としてどういう方向性で頑張っていくのか、是非とも、分かりやすさはなかなかこの分野はないのかなと思っておりますが、国民の皆さんに納得いただける、そういう方向性で頑張っていただきたいというふうにお願いを申し上げます。

 続いて、経済財政諮問会議の議論に移りたいと思いますが、四月二十六日の社会保障改革の話で、平時における構造改革について述べられておりました。

 「今後の医療需要の変化を見据え、医療機関の機能分化・連携を進めるとともに、医療従事者が分散する体制を見直すため、地域医療構想を着実に推進すべき。」「資源が分散し、体制が弱い救急医療体制について、次期医療計画での集約化・大規模・強化の推進に向け、その方向性について諮問会議で議論を行うべき。地域医療連携推進法人制度の活用等を通じて、病院の連携強化や大規模化を強力に推進すべき。」とあります。

 今後の医療需要の変化、冒頭に書いているんですが、医療需要の変化というのはどういうことを指されるのか、また、医療機関の機能として、どのような課題認識の下、地域医療連携推進法人を活用して連携強化あるいは大規模化に取り組むのか、伺いたいと思います。

北波政府参考人 お答えいたします。

 御指摘の点は、四月二十六日の経済財政諮問会議で民間議員の資料として提示されたもので、この議論がございました。

 御指摘いただきました医療需要の変化というものにつきましては、人口減少、高齢化といった今後も続く人口構造の変化に伴う医療需要の変化というものを指しております。例えば高齢者の慢性疾患の増加等、そういうものを想定しているというふうに御理解いただければと思います。

 また、課題というところでございます。中長期的な観点、これは地域医療構想でございますが、地域医療を守るというためには、将来の医療需要に見合った体制の構築ということを目指すことが必要です。その際、各地域において、それぞれの実情を踏まえながら、病床機能の分化と連携ということに向けた取組を進めることが重要、こういう認識で進めるということでございます。

 その際、御指摘ありました地域医療連携推進法人でございます。複数の医療機関によりまして医療機関の集約、再編等に取り組む際には、人材確保とか様々な課題が生じます。そういう中で、これは比較的新しい制度でございますが、地域医療連携推進法人制度、これは、地域医療構想を進め、地域における医療を効率的に提供できるような一つの方策として制度化されたものでございますが、これを活用することによりまして、機能分担や業務連携というものを推進することが可能となるというふうに考えております。

 現在も、令和三年四月に最新の法人化がされまして、大体全国で二十六という形になっております。

 経済財政諮問会議でございますので、今後、そういう御指摘の点も含めまして、社会保障改革については諮問会議でも議論を行っておりますし、また、本年の骨太の方針に向けましても更に検討していきたいというふうに考えております。

 よろしくお願いいたします。

濱村委員 今おっしゃっていただいたとおり、全国で二十六法人、私は地元が兵庫県ですが、兵庫においては二法人でございます。はりま姫路総合医療センターと、川西とか猪名川とか、そういうところで一つございます。この川西、猪名川というのは、県境を越えて、大阪府下の町の辺りも含めての地域医療を検討していくという話でございました。

 成長戦略会議について伺いたいと思います。

 まず、事業再構築について書かれているんですが、論点として、平時から企業の新陳代謝を進めるためにも、事業再生を円滑化するため、私的整理の利便性の拡大に向けて対応を考えるべきではないかとありますが、これはどのようなことを指しておられるのか伺います。

松浦政府参考人 お答えいたします。

 コロナ禍で、企業の債務残高でございますけれども、六百二十二・五兆円と、一年間で五十二兆円程度増加しております。また、調査会社の日本企業に対するアンケートによりますと、二〇二一年四月に債務の過剰感があると回答した企業の割合は、大企業で一四・五%、また中小企業で三四・五%となっているところでございます。

 このような状況を踏まえまして、さきの成長戦略会議におきまして、事業再構築、事業再生の在り方について議論をしまして、有識者の方から、コロナ禍による企業債務が増加する中、私的整理の利便性を大きく改善する必要がある、また、債権の整理について、全員の同意が必要となっているのでその見直しが必要といった御意見をいただいたところでございます。

 こうした有識者の御意見も踏まえつつ、ただいま成長戦略実行計画の取りまとめを行っているところでございますけれども、私的整理の利便性拡大についてしっかりと検討していく所存でございます。

濱村委員 時間が参りましたので終わりますけれども、もう一つ、実はコーポレートガバナンスについても聞こうと思っていたんですね。これはまた別の機会にしたいと思います。

 ただ、ガバナンスって、トップマネジメントを執行する側の方々を牽制するためのものでございますが、これが、今、マネジメント層にたがをはめるという意味では、今までは機能していたかもしれないんですが、ちょっとデジタルの世界のような速い分野においてはなかなか通用しなくなってきているので、アップデートが必要なんじゃないかなという問題意識だけお伝えをして、質問を終わります。

 ありがとうございました。

木原委員長 次に、塩川鉄也君。

塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 今日は、最初に、土地利用規制法案について質問をいたします。

 理事会で政府が提示をしました防衛関係施設の注視・特別注視区域の候補の例示施設について何点かお尋ねをいたします。

 防衛省にお聞きしますけれども、この中で、注視区域で、部隊等の活動拠点となる施設とあるんですけれども、これはどのようなものになるんでしょうか。

川嶋政府参考人 防衛省でございます。お答えいたします。

 ただいま御質問がありました部隊等の活動拠点となる施設についてでございますが、これは、陸上自衛隊の駐屯地、海上自衛隊の港湾施設、陸上、海上又は航空自衛隊の飛行場施設、射撃場施設、医療施設などを想定してございます。

 例えば、陸上自衛隊習志野駐屯地、海上自衛隊下関基地隊、陸上自衛隊立川駐屯地が挙げられます。

 以上でございます。

塩川委員 陸自の駐屯地、海自の港湾、海自、空自の航空施設、それから射撃場の施設、それから医療施設というふうにおっしゃったということでいいんですかね。

 駐屯地については、全部入るということですか。

川嶋政府参考人 お答え申し上げます。

 駐屯地であるから全て自動的に入るということは考えておりませんで、やはり一つ一つちゃんと洗い出して、この法律の要件に合致するかどうかというのをきちんと調べた上で対応するということだと考えてございます。

塩川委員 その線引きはどういうふうな考え方なんですか。

川嶋政府参考人 まさに、重要施設あるいは特に重要な施設として、その駐屯地が該当するかどうかという点を総合的に勘案することになろうと考えてございます。

塩川委員 その辺の線引きが曖昧なんですけれども。

 それから、駐屯地に隣接して、駐屯地に附属するような形で演習場や訓練場があるんですけれども、これはこの活動拠点となる施設に入るんでしょうか。

川嶋政府参考人 お答えをいたします。

 確かに、駐屯地に隣接して演習場だとか訓練場が隣接する場合、これはございます。したがいまして、それは、その使用の実態といいますか、それをよく見極めて、対象施設と認識し、あるいは対象施設じゃないと認識していくことになろうかと思います。

 ただ、基本的には、例えば演習場というのは、広い空間、空間といいますか、地積といいますか、があるということに意義がある施設でございますので、その施設自身が重要な施設というわけではないんじゃないかというふうには考えてはおりますが、あくまでも使用の実態をよく見て、今後、総合的に考えてまいりたいと考えてございます。

塩川委員 非常に線引きが曖昧だという点では、近隣の方々にするとどうなるのかという点での予見可能性の問題としても極めて問題だと思います。

 次に、土地調査検討室に原子力関係施設についてお尋ねいたします。

 生活関連施設として原子力関係施設を挙げています。答弁では、原子力発電所と核燃料サイクル施設を検討しているということですが、それでは、研究用の原子炉を持っている原子力の研究機関というのはどうなんですか。

木村政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、法第二条第二項三号に規定いたします生活関連施設として、原子力関係施設を政令で指定するかどうかにつきましては、土地等利用状況審議会の意見を伺うなど、法定する手続に沿って判断をさせていただく予定でございます。

 その上で、原子力関係施設を政令で指定することとした場合に、個々の施設の周辺を対象区域として指定するかどうかにつきましても、それぞれの事情を勘案し、審議会の意見を伺った上で、指定の要否を個別に判断させていただきます。

 御指摘ございました、原子力研究機関や、あるいは大学の研究炉、試験炉につきましては、国民生活に関連を有する施設であって、その機能を阻害する行為が行われた場合に国民の生命、身体又は財産に重大な被害が生ずるおそれがあると認められるものといたします、本法案で定める生活関連施設の要件には該当せず、それらを政令で指定することは考えていないところでございます。

 以上でございます。

塩川委員 五月二十一日の答弁で、原子力関係施設については、電力供給への影響、原子力施設の災害防止、核燃料物質等の保護の観点から、必要な施設の周辺を区域指定することを検討とあるんですけれども、研究炉や実験炉であっても、核燃料物質の保護の観点で考えたら、入るんじゃないですか。

木村政府参考人 お答え申し上げます。

 重ねての答弁でございますけれども、本法案の中では、生活関連施設につきまして、国民生活に関連を有する施設であって、その機能を阻害する行為が行われた場合に国民の生命、身体又は財産に重大な被害が生ずるおそれがあると認められているもの、このように定義させていただいております。

 その関係で、御指摘がございました、研究機関につきましては、生活関連施設の要件に該当しないということでございますが、こちらにつきましても核燃料物質がございますので、こちらにつきましては他法において適切な規制がなされておるもの、このように考えておるところでございます。

 以上でございます。

塩川委員 他法で全体がそもそもかかっているところもありますから、何で新たにこれなんだというところがよく分かりません。

 それと、核燃料の製造、加工事業所はどうでしょうか。

木村政府参考人 お答えさせていただきます。

 御指摘ございました、核燃料の製造、加工事業所でございますが、原子力発電所で使用する核燃料の製造、加工を行う施設でございます。

 核燃料物質を有しており、国民生活に密接に関連をいたします原子力発電所と一体不可分の関係にございますことから、概念上、原子力関係施設には含まれるものと考えてございます。

 原子力関係施設を政令で指定することとした場合に、核燃料の製造、加工事業所の周辺を指定するかどうかにつきましては、その施設に所在いたします核燃料物質のリスクなどを勘案いたしまして、審議会の意見を伺った上で、個別に判断をさせていただきたい、このように考えてございます。

塩川委員 核燃料又は核燃料廃棄物の貯蔵施設というのはどうなりますか。

木村政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘ございました、核燃料又は核燃料廃棄物の貯蔵施設でございますが、原子力発電所で使用した核燃料や放射性廃棄物を保管、貯蔵するための施設でございます。

 核燃料物質を有しており、国民生活に密接に関連いたします原子力発電所と一体不可分の関係にございますことから、概念上、原子力関係施設に含まれるものと考えてございます。

 その上で、原子力関係施設を政令で指定するということといたしました場合に、核燃料又は核燃料廃棄物の貯蔵施設を指定するかどうかということにつきましては、その施設に所在いたします核燃料物質のリスクなどを勘案いたしまして、審議会の意見を伺った上で、個別に判断をさせていただきたい、このように考えてございます。

 以上でございます。

塩川委員 商業用原発に連なるような施設ということであれば、製造から廃棄に係る貯蔵の施設まで含めて入るというふうに受け止めました。そういう点では非常に広くなりますし、茨城県の東海村などは、非常にそういった施設も集中しているという点で見ますと、住民の皆さんにとっても非常に懸念されるところというのは大きいと思います。

 自衛隊の施設、あるいは米軍施設がどうなるかというのはそもそも分からないわけですけれども、こういったリストを作ることは可能だと思いますし、対象施設のリストも出さないのはおかしいということは申し上げておきます。自衛隊の演習場のところなど、対象区域の線引きも曖昧だと、駐屯地の話なども取り上げたところであります。

 その上で、小此木大臣にお尋ねします。

 特別注視区域内にある土地建物のうちで一定規模以上の面積のものについて売買を行う場合に、売主と買主の双方に対して事前届出を義務づけることになります。その際、事前届出を忘れてしまったまま取引をした場合であっても罰則の対象になり得るという答弁がありました。これは余りにもひどいんじゃないでしょうか。

小此木国務大臣 おっしゃいましたように、故意ではなく事前届出を忘れてしまったまま取引をした場合であっても罰則の対象にはなり得ると思います。ただし、運用上、そのようなケースについては、事後であってもできるだけ速やかに届出を提出していただくように、丁寧にお願いをする予定でございます。

 事前届出義務を含め、求められる対応については周知を徹底してまいりたいと思います。その一環として、事前届出義務については、不動産取引を媒介する業者から土地等の買主に説明していただくことを考えています。加えて、実際の届出に当たっては、行政関係の手続に不慣れな方であっても円滑に届出を行えるよう、届出書類の簡素化、記載マニュアルの作成、内閣府における相談体制の整備などを行うことを検討してまいりたいと思います。

 本法案は、通常の不動産取引を制約するものではなくて、不動産取引に影響を与える可能性は小さいものと考えておりますが、運用上も不動産取引に影響が生じないよう取り組んでまいりたいと存じます。

塩川委員 周知と言いますけれども、そもそも曖昧な法案なんですよ。だから、周知のしようがそもそもないんじゃないのかということが問われているわけです。

 注視区域、特別注視区域において、所有権や賃借権等に基づく土地利用者に対して、利用状況の報告徴収を拒否すれば刑事罰、機能阻害行為があった場合の必要な措置への命令違反も刑事罰、特別注視区域で事前届出を怠った場合でも刑事罰となります。

 機能阻害行為の内容も曖昧で、対象施設の範囲も曖昧で、重要な点は政府に白紙委任のまま、従わなければ刑事罰を科すというやり方そのものが納得がいかないんですが、お答えください。

小此木国務大臣 本法案ですが、これは、安全保障の確保と経済の自由のバランスに配慮して制度設計したものであります。憲法で保障された国民の権利や自由を不当に侵害するものではなくて、違憲立法とも言われることがございますけれども、そういった指摘には当たらないものと考えています。

 機能阻害行為については、安全保障をめぐる内外情勢や施設の特性等に応じて様々な対応が想定されるため、特定の行為を代表的、普遍的な機能阻害行為として法案に規定することは必ずしも適当ではないと考えております。また、仮に特定の行為を機能阻害行為として法案に例示すれば、例えば、機能阻害行為は例示したもの及びそれに類似したものに限定されるのではないか等の誤解を生じさせかねず、安全保障環境や施設の特性の変化等を適時に反映することが困難になるといった問題があるものと考えております。

 一方で、土地等の利用者の予見可能性を確保する観点から、閣議決定する基本方針では可能な限り具体的に機能阻害行為を例示する考えであります。

塩川委員 曖昧さを残したままで罰則だけあるというようなやり方自身がおかしいということを重ねて申し上げ、不動産取引への影響が小さいと言いますけれども、私も基地周辺の不動産屋の方にお話を伺いました。売る前に調査対象となることを当然説明することになりますねと。印象が悪い、明らかなマイナス要因だ、不動産屋にとってメリットは何もない、土地の値段が下がるのではないかと懸念をしておられました。土地の取引にマイナスの影響を及ぼすのは明らかじゃないですか。

木村政府参考人 お答え申し上げます。

 私どもの調査は、機能阻害行為を防止するという観点から利用の実態を調査させていただくものでございます。

 加えまして、特別注視区域におきましては、取引に際しまして事前の届出をしていただくわけでございますが、この事前届出そのもの自体が契約の有効性に直接関わるものではございません。土地の取引そのもの自体を規制するものではございませんので、先ほど大臣からも御答弁申し上げましたけれども、不動産取引に与える影響は小さいもの、このように考えているところでございます。

 以上でございます。(発言する者あり)

塩川委員 今、後藤さんが言ったように、現場の声というのは耳に入っていないのかということを言わざるを得ません。

 特別注視区域や注視区域内の住民の財産権やプライバシー権を侵害するだけではありません。区域外の住民も区域内における売買や賃借の当事者となり得るわけで、全ての住民を対象にして財産権、プライバシー権を侵害するものとなるということを指摘をし、廃案しかないということを改めて申し上げておきます。

 小此木大臣はここまでで結構です。

 次に、オリンピック・パラリンピックとコロナ対策に関連してお尋ねします。

 オリンピック・パラリンピックの事務局にお尋ねしますが、組織委員会が、海外からのオリンピック・パラリンピック大会関係者の人数について、先日、明らかにしました。そのときの人数は約七万八千人ということでしたけれども、その内訳についてお尋ねをします。

 オリンピックファミリー、パラリンピックファミリーとありますけれども、この人たちはどのような人で、何人来られるのか。その中には、IOCやNOC、各国のオリンピック委員会の役員の家族の人も含まれているんでしょうか。

十時政府参考人 お答え申し上げます。

 アスリート以外の大会関係者の来日数については、組織委員会によれば、委員御指摘の、先日の組織委員会の理事会で資料として発表されたものでございますけれども、オリンピックで五万九千人、パラリンピックで一万九千人とされております。

 オリンピックファミリー、パラリンピックファミリーという言葉については、関係者の間で様々な定義、範囲があり得るとは思うんですけれども、この理事会の資料の中で整理している際には、IOCの委員と職員、IPCの委員と職員、さらには、スポーツ仲裁裁判所の役員ですとか、世界アンチ・ドーピング機構の役員等が含まれていると伺っているところでございます。

 現時点において、オリンピックファミリーは約三千人、パラリンピックファミリーは約二千人ということで発表されておりますけれども、大会関係者につきましては、更なる削減に向けての取組を進めているところと伺っております。政府としては、引き続き、来日者数の精査についてお願いをしてまいります。

塩川委員 もう一点お聞きしているんですけれども、IOC及び各国のオリンピック委員会の役員の人が来られるんでしょうけれども、その家族の人も入っているんですか。

十時政府参考人 お答え申し上げます。

 理事会の資料で発表されましたオリンピックファミリー約三千人、パラリンピックファミリー約二千人という数字の中には、IOC役員の家族は含まれておりますが、NOC役員の家族は含まれていないものと伺っているところでございます。

 これらについて、いずれにしても、先ほど申し上げましたとおり、大会関係者について更なる削減に向けての取組を進めているところと伺っているところでございます。

塩川委員 IOC役員の家族の方も含まれているということでした。

 それから、マーケティングパートナーとあります。オリンピックスポンサーのゲストというふうに説明を受けていますけれども、このマーケティングパートナーというのはどういう人で、何人の予定なのか教えてもらえますか。

十時政府参考人 お答え申し上げます。

 オリパラ大会におきまして、マーケティングパートナーとは、大会に協賛し、大会の呼称やマーク類の使用権のような知的財産の使用を承認する代わりに、大会の安定的な運営、日本代表選手団の国際競技力向上に協力いただいている企業を指していると承知をしておりまして、巷間言われておりますようなオリンピックスポンサーと言われるのがほぼ同じような意味ではないかというふうに理解しておりますので、オリンピックスポンサーのゲストということではないと理解をしております。ちょっとどちらで委員がそのような御説明を受けられたか分かりませんけれども、私どもの理解ではそういうことでございまして、訂正をさせていただければと思います。

 東京大会につきましては、ゲストプログラムは取りやめ又は削減となりまして、参加者は大会運営に不可欠な方に限定することで精査を進めておりまして、マーケティングパートナー企業の参加者数についても、現在、組織委員会で精査中と伺っているところでございます。

塩川委員 IOCの役員の家族の方とかマーケティングパートナーというのは大会運営に必要不可欠な人なんですか。

十時政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま申し上げましたように、まさに現在組織委員会において大会運営に不可欠な方に参加者を限定するということで精査を進めているということで理解をしておりますので、その中で適切に判断されると理解をしております。

塩川委員 医療体制の点ですけれども、看護師の確保については看護協会に依頼をされた五百人という数での依頼の話をお聞きしていますが、返事はあったんでしょうか。

十時政府参考人 お答え申し上げます。

 組織委員会では、日本看護協会に対して、大会期間中、競技会場の医務室等において御活動いただくことを念頭に、五百人を目安に看護師の方々の協力を要請しておりますが、組織委員会に確認いたしましたところ、現時点でまだ回答は来ていないと伺っております。

 引き続き組織委員会と日本看護協会との間において調整が行われるものと承知をしております。

塩川委員 スポーツドクターの方の応募については二百に対して四百とかという話がありましたが、看護師の確保について看護協会に依頼しても返答がないというのは、実際に医療の現場の実情を考えたときに、とても対応できないということの反映だろうと思います。

 それから、大会指定病院について、都内と同時に都外で三十か所ということがありますが、埼玉なんかもオリンピックの会場になっているところは幾つもありますけれども、県別に、指定病院としている、その数だけ教えてもらえませんか。

十時政府参考人 お答え申し上げます。

 アスリートへの外傷等を中心とした治療に当たるため大会指定病院を確保することとしておりまして、現在、組織委員会が都内九か所の病院からおおむね内諾をいただいているほか、都外二十か所の病院とも調整を進めていると承知をしております。

 都外については、関係自治体九道県を対象にして組織委員会において調整を進めていると伺っておりまして、現在調整中の状況であることを踏まえ、道県別の内訳については回答を差し控えさせていただきたいと存じます。

塩川委員 非常に、その拠点病院となるようなところというのは地域医療を担っているようなところで、まさに、コロナ感染症の広がりの中で、地域医療に負荷をかけることになりかねないという状況であります。

 官房長官にお尋ねいたします。

 オリンピックの開催が国内外でコロナウイルスを広げることになりかねない。オリンピック開催に当たっての判断基準をしっかりと示すべきではありませんか。

加藤国務大臣 これまでも申し上げておりますとおり、東京大会については、昨年のIOC総会において競技スケジュールとその会場が決定され、現在、感染症対策をしっかりと講じ、今年の夏に安全、安心な大会を実現するため、大会関係者が一丸となって準備に取り組んでいるところであります。

 最大の課題は、委員御指摘のとおり、新型コロナウイルス感染症への対策であり、国等も入ったコロナ対策調整会議において実効的な対策が検討が行われ、昨年の十二月には中間整理が、この四月二十八日には変異株など大会を取り巻く状況の変化にも対応した追加的な対策が示されたところであります。

 大会の内容については、感染対策については省略をさせていただきますけれども、更に関係者等々の御意見もいただきながら、更に感染症対策を具体的に詰める、具体的な感染対策、これをしっかりと詰めていく、そしてその徹底を図っていく、同時に、国民の皆さん方にそうした対応について一つ一つ丁寧に説明していくことが重要だと考えております。

 政府としては、引き続き、安全、安心を最優先に、内外の感染状況を注視しつつ、また、これまでの専門的な知見や感染対策の取組を踏まえ、東京都等関係者と緊密に連携をしながら、大会に向けた準備、これを引き続き着実に進めていきたいと考えております。

塩川委員 判断基準もなしに臨むということ自身が国民の不安を拡大するだけなんですよ。

 やはり、今の現状を考えたときに、感染拡大のリスク、また医療体制への大きな負荷を考慮したときに、オリパラ中止の決断を総理に進言すべきだ、このことを強く申し上げて、質問を終わります。

     ――――◇―――――

木原委員長 次に、内閣提出、参議院送付、銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。小此木国家公安委員会委員長。

    ―――――――――――――

 銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

小此木国務大臣 ただいま議題となりました銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明いたします。

 この法律案は、最近におけるクロスボウを使用した犯罪の実情等に鑑み、これによる危害の発生を防止するため、許可を受けた者が所持する場合等を除いて、その所持を禁止するとともに、その所持許可の要件及び当該所持許可を受けた者の義務を定めること等をその内容としております。

 以下、項目ごとにその概要を御説明いたします。

 第一は、クロスボウの所持の禁止に関する規定の整備であります。

 これは、引いた弦を固定し、これを解放することによって矢を発射する機構を有する弓のうち、矢の運動エネルギーが人の生命に危険を及ぼし得るものをクロスボウと位置づけ、所持の禁止の対象とするものであります。

 第二は、クロスボウの所持許可制に関する規定の整備であります。

 その一は、標的射撃等の用途に供するためクロスボウを所持しようとする者は、所持しようとするクロスボウごとに、都道府県公安委員会の所持許可を受けなければならないこととするものであります。

 その二は、クロスボウの所持許可に係る欠格事由に関する規定を設けるとともに、クロスボウの取扱いに関する講習会の実施等に関する規定を設けることとするものであります。

 その三は、所持許可に係る用途に供する場合その他正当な理由がない場合におけるクロスボウの携帯又は運搬を禁止し、所持許可に係る用途に供する場合を除いてはこれを発射してはならないこととし、また、譲渡する相手方の確認に関する規定を設けることとするものであります。

 第三は、クロスボウ射撃指導員に関する規定の整備であります。

 これは、都道府県公安委員会は、クロスボウの操作等に関する知識、技能等が基準に適合する者を、その者の申請に基づき、クロスボウ射撃指導員として指定することができることとするものであります。

 第四は、その他の規定の整備であります。

 これは、クロスボウを不法に所持した者に対する罰則規定その他所要の規定を整備するものであります。

 なお、この法律の施行日は、公布の日から起算して九月を超えない範囲内において政令で定める日としております。

 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。

 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同賜らんことをお願いいたします。

 ありがとうございました。

木原委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 次回は、来る四日金曜日午後零時五十分理事会、午後一時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時九分散会


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