衆議院

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第34号 令和3年7月28日(水曜日)

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令和三年七月二十八日(水曜日)

    午後一時開議

 出席委員

   委員長 木原 誠二君

   理事 平  将明君 理事 冨岡  勉君

   理事 中山 展宏君 理事 藤原  崇君

   理事 松本 剛明君 理事 今井 雅人君

   理事 後藤 祐一君 理事 濱村  進君

      安藤 高夫君    安藤  裕君

      池田 佳隆君    岡下 昌平君

      金子 俊平君    神田 憲次君

      小寺 裕雄君    杉田 水脈君

      高木  啓君    永岡 桂子君

      長尾  敬君    西田 昭二君

      本田 太郎君    牧島かれん君

      牧原 秀樹君    松本 洋平君

      宮崎 政久君    吉川  赳君

      阿久津幸彦君    阿部 知子君

      大西 健介君    玄葉光一郎君

      森田 俊和君    森山 浩行君

      柚木 道義君    吉田 統彦君

      江田 康幸君    古屋 範子君

      塩川 鉄也君    足立 康史君

      高井 崇志君

    …………………………………

   国務大臣         河野 太郎君

   国務大臣

   (経済財政政策担当)   西村 康稔君

   内閣官房副長官      坂井  学君

   内閣府副大臣       丹羽 秀樹君

   復興副大臣        横山 信一君

   財務副大臣        伊藤  渉君

   厚生労働副大臣      山本 博司君

   農林水産副大臣      葉梨 康弘君

   経済産業副大臣      江島  潔君

   国土交通副大臣      渡辺 猛之君

   環境副大臣        笹川 博義君

   内閣府大臣政務官     岡下 昌平君

   内閣府大臣政務官     吉川  赳君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  梶尾 雅宏君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  山内 智生君

   政府参考人

   (警察庁生活安全局長)  小田部耕治君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           宮崎 敦文君

   政府参考人

   (林野庁次長)      織田  央君

   政府参考人

   (中小企業庁事業環境部長)            飯田 健太君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           木村  実君

   政府参考人

   (環境省大臣官房審議官) 白石 隆夫君

   政府参考人

   (環境省環境再生・資源循環局次長)        土居健太郎君

   参考人

   (独立行政法人地域医療機能推進機構理事長)    尾身  茂君

   内閣委員会専門員     近藤 博人君

    ―――――――――――――

委員の異動

七月二十八日

 辞任         補欠選任

  和田 義明君     安藤 高夫君

  大河原雅子君     阿久津幸彦君

  岸本 周平君     高井 崇志君

同日

 辞任         補欠選任

  安藤 高夫君     和田 義明君

  阿久津幸彦君     大河原雅子君

  高井 崇志君     岸本 周平君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 内閣の重要政策に関する件

 公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件

 栄典及び公式制度に関する件

 男女共同参画社会の形成の促進に関する件

 国民生活の安定及び向上に関する件

 警察に関する件


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     ――――◇―――――

木原委員長 これより会議を開きます。

 内閣の重要政策に関する件、公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件、栄典及び公式制度に関する件、男女共同参画社会の形成の促進に関する件、国民生活の安定及び向上に関する件及び警察に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 各件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官梶尾雅宏君、内閣官房内閣審議官山内智生君、警察庁生活安全局長小田部耕治君、厚生労働省大臣官房審議官宮崎敦文君、林野庁次長織田央君、中小企業庁事業環境部長飯田健太君、国土交通省大臣官房審議官木村実君、環境省大臣官房審議官白石隆夫君及び環境省環境再生・資源循環局次長土居健太郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

木原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

木原委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。中山展宏君。

中山(展)委員 自由民主党の中山展宏でございます。

 今日は、貴重な質問の機会をいただいて、誠にありがとうございます。

 まず、東京オリンピック・パラリンピック競技大会について伺いたいと存じます。

 開催の是非を始め様々な御意見もあり、少なからず不安を感じられる方がいらっしゃる中での大会開催となりました。新型コロナウイルスに翻弄され、出場選手はもとより、選手関係者やスタッフ、ボランティアの方々、スポンサー企業の方々も、平時の準備万端の大会とは様相が異なり、御苦労をおかけしていると察しますが、私としては、楚々とした開会式もすばらしかったですし、選手の皆さんの活躍に胸を熱くしているところであります。

 そこで、世界的パンデミック、コロナ禍での我が国での五輪開催について、開催された今、改めて、その意義についてお伺いしたいと思います。

丹羽副大臣 お答えいたします。

 世界で四十億人がテレビなどを通じて視聴すると言われているオリンピック・パラリンピックには世界中の人々の心を一つにする力があり、新型コロナウイルスという大きな困難に直面する今だからこそ、世界が一つになれることを、そして全人類の努力と英知によって難局を乗り越えていけるということを東京から発信する。また、この東京大会は、史上初めてパラリンピックを二度開催する都市となり、障害のある方もない方も、お年寄りや若者、みんなが助け合って共に生きるという共生社会の実現に向けた心のバリアフリーの精神をしっかりと伝えていけるような大会になっていることと確信いたしております。

 今回の大会は、多くの制約があり、これまでの大会とは異なりますけれども、安全、安心な大会を成功させ、未来を生きる子供たちに夢と希望を与える、歴史に残る大会を実現していきたいというふうに考えております。

 特に大会では、無観客であろうと有観客であろうと、オリンピック・パラリンピックの理念や意義が変わることはないと私自身確信いたしております。

中山(展)委員 すばらしい大会にするために、引き続きよろしくお願いいたします。

 五輪大会は、先進技術また技術革新のショーケースとも言われますが、反面、近年の五輪開催はサイバー攻撃の標的にもされ、厳重に警戒されていることと存じます。

 他方、先般の英国のシンクタンク、IISS、英国国際研究所の報告書によれば、我が国のサイバーセキュリティー、デジタル安全保障について、民間の取組も含めて最下層グループと示されました。

 NISCでは、十四業種の重要インフラを中心に十分な対策を現在講じていることと存じますが、五輪開幕前後のサイバー攻撃の状況並びにセキュリティー体制、また五輪が閉幕した後もその体制を維持すべきと考えますが、その点についてお尋ねをいたします。

山内政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、現時点までに、東京大会の運営に影響を与えるようなサイバー攻撃は発生をしていないと認識をしております。

 政府の体制につきましては、安全、安心な東京大会の実現に向けて、私ども内閣サイバーセキュリティセンターを中心といたしまして、約三百五十の関係組織の参加を得てサイバーセキュリティーに関する脅威情報等を関係組織間で迅速に共有するためのシステムを運用しております。そして、サイバーセキュリティーに関する事案が発生した場合には関係組織からの連絡、要請に即応できるように、サイバーセキュリティ対処調整センターを二十四時間体制で運用しているところでございます。

 引き続き、大会組織委員会を始めとする関係組織と一丸となって、東京大会が円滑に運営できるように、サイバーセキュリティー対策に万全を期してまいります。

 なお、御質問にありました、この後、東京大会に向けて整備をした体制、それから運用経験等につきましては、今後、大規模な国際イベント、例えば二〇二五年の日本国際博覧会、このようなイベントへの対策を含めて、我が国のサイバーセキュリティーの向上に資するよう活用していきたいと考えております。

中山(展)委員 是非こちらもよろしくお願いいたします。

 さて、デルタ変異株の猛威が大変深刻になってまいりました。今次の緊急事態宣言及び蔓延防止等重点措置は、夏休みやお盆の人流を考慮し、デルタ株による感染急拡大とワクチン接種の進捗の時間軸を鑑み、社会経済活動の制約をお願いしたものと考えます。

 政府が考えるワクチン接種の巡航速度、一日百二十万回、十一月にはワクチン接種を希望される方の二回接種を終えるとの目標ですが、自治体、企業、職域と調整をされた上で、その進捗速度が保持されるかどうか、現在の状況と十一月に向けての政府の対応について、まず河野大臣にお伺いしたいと思います。

河野国務大臣 ワクチンにつきましては、九月の末までに、ファイザー、モデルナ合わせて二億二千万回が順調にいけば供給される予定になっておりますので、接種を希望する国民の皆様の二回の接種、この量で完了することができると思っております。ですから、今、十月から十一月にかけて、希望する国民の皆様へのワクチン接種を完了したいというふうに思っております。

 足下のワクチン接種、六月の二十日過ぎからコンスタントにほぼ毎日百三十万回を超え、七月の六日、七日あたりでは百四十万回、それにVRSに入っていない職域接種が二十万回ぐらい上乗せをされて、一日当たりの接種量が百六十万回近くになっておりまして、このままいくと、どこかで、それぞれの自治体、手持ちのワクチンがなくなっていく、そうすると、その後は供給に応じて自転車操業をしていただかなければいけないということになります。

 政府としては、百二十万回ぐらいの巡航速度を想定をしておりましたが、今、かなりそれよりも前倒しで打っていただいております。今後、しっかりと自治体に対しては予見性を持ってワクチンの供給をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。

中山(展)委員 河野大臣の差配、本当に大事だと思います。これからもよろしくお願いいたします。

 感染対策の主要なパラメーターの一つ、ワクチン接種は、着実に進捗される体制であると今河野大臣の御答弁でありました。もう一つの感染対策のパラメーター、社会経済活動の制約をお願いをしております。緊急事態宣言及び蔓延防止等重点措置の実効性を上げること、すなわち国民の皆様の行動変容が、やはりデルタ株による国民の健康被害を低減することに論をまちません。

 そこで、西村大臣、実効性を上げるためにどのような取組を進めていくべきか、是非お聞かせをいただきたいと思います。

西村国務大臣 お答え申し上げます。

 まさに緊急事態宣言及び蔓延防止等重点措置を発出をしているところでありますけれども、自粛が、コロナへの対応が一年半にも及ぶということで、長期に及んでいることもありまして、足下、人流、人の出が増加をしてきております。

 昨日の全国の感染者数、七千六百十九名と、先週比一・五倍ということで、増加が続いております。首都圏だけではなく、関西圏始め全国的に増加傾向にありまして、極めて強い危機感を有しているところであります。

 ワクチン接種を着実に進めていく、この効果もあって、高齢者の感染者数あるいは重症化は抑えられておりますが、全体の感染者数の約七割を占める若い世代、三十代以下ですね、ここの世代の方々も、感染すれば重い後遺症のリスクもありますし、また、足下で四十代、五十代のいわゆる中等症の入院が増えておりまして、このレベルが、新規感染者数が高レベルで推移すれば、入院者数が増加し、医療機関への負荷が増大する、病床が逼迫するおそれがあるということでございます。

 東京においては、何とか八時までの時短協力をいただいて、人の出も抑えていくということで呼びかけを強化をしておりまして、足下、数千店舗がなかなか協力に応じていただけないということで、協力していただいているお店との不公平感もございます。何とか応じていただけるよう呼びかけを強化をし、東京都は百人を増員して見回り徹底をしております。

 何度もお願いをして、要請をして、どうしても聞いていただけないお店には、命令を約百件、過料通知も約六十件発出をしているというふうに聞いておりますが、いずれにしましても、何とか飲食店の皆さんにも御協力いただけるよう取組を強化をしております。

 その一つが協力金の早期給付の仕組みでございます。委員御地元の神奈川県でも七月二十日から受付を開始しておりまして、各県でも同様に取り組む中で、早ければ今月中にも支給が開始できるというふうに聞いております。いずれにしましても、都道府県と連携しながら対応していきたいと思います。

 また、検査の拡充も進めておりまして、特に抗原簡易キット、これを大学等に、大学、高校などでも進めていくということで、約四十五万回分の要望がございましたので、明日二十九日から発送を始めることにしております。ちょっと具合が悪い方を検知していくという取組であります。

 それから、人流抑制のためテレワークなどを経済界にもお願いしているんですが、約三千八百社ある上場企業のうち、この取組を公表している企業は一一%にとどまっておりますので、更に徹底したお願いをしていきたいというふうに考えております。

 いずれにしましても、感染拡大を抑えるべく、都道府県と連携しながら、全力を挙げて取り組んでいきたいというふうに考えております。

中山(展)委員 本当に、御苦労を重ねていただいている方のお気持ちを酌んで、是非、これからも実効性を上げるようにお願いします。

 最後に一つだけ。

 海外渡航用のワクチンの接種証明書、いわゆるワクチンパスポートの申請が先日から始まりました。国内においても、越境移動や飲食のシーンで接種記録や陰性証明などを活用し、全ての人に配慮した上で合理的な運用を推し進めることが、漫然と、今、緊急事態宣言等で受け止めていただいている方も多いと思いますこの要請よりも、実効性が担保される可能性があると思います。

 是非、その点についても御検討をお願いを申し上げて、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

木原委員長 次に、江田康幸君。

江田(康)委員 公明党の江田康幸です。

 本日は、新型コロナ関連で質問をさせていただきます。

 まず、国産ワクチン開発の実用化についてお伺いをさせていただきます。

 国産ワクチンの開発については、他国の事情に左右されることなく着実に国内にワクチンを供給するためにも、また、日本特有の変異株に対応したワクチンを迅速に開発して供給するためにも、極めて重要であります。

 この観点から、公明党は、四月の二十八日に、国産ワクチンの早期開発と生産体制の整備に関する緊急要望を菅総理と田村厚生労働大臣に申し入れました。これを受けて、政府は、六月の一日、国産ワクチンの迅速な開発と安定供給を可能とするワクチン開発・生産体制強化戦略を閣議決定したわけであります。

 この中で、緊急の対応として、現在開発中の国産ワクチンを早期実用化するためには二つの大きな課題がありました。

 一つは、最終段階の第三相臨床試験の在り方であります。

 国内で開発中のワクチンは、塩野義の組み換えたんぱくワクチン、KMバイオロジクスの不活化ワクチン、第一三共のメッセンジャーRNAワクチン、そしてアンジェス、阪大のDNAワクチンであり、いずれも第一相、二相臨床試験の段階にあり、この秋から年内には第三相臨床試験に入る予定であります。

 最大の課題は第三相臨床試験の在り方にあります。通常は、開発中のワクチンと効果のない偽薬、プラセボを数万人規模で投与し、有効性や安全性を比較します。しかし、既に有効性の高いワクチンが接種される中で、偽薬を用いた手法は倫理的にも困難になっており、後発ワクチンの試験の在り方が、公明党の提言もあって、薬事規制当局の国際連携組織、ICMRAで議論をされてきました。

 その結果、接種後の中和抗体価などを指標に既存ワクチンと比較して有効性や安全性に遜色がないかを評価する非劣性試験を用いる方向で準備を進めて差し支えないとの見解が示されたわけであります。国内臨床試験も数千例規模としておりまして、実現可能な第三相臨床試験が示されたものと思います。

 今回の第三相臨床試験の在り方について、厚生労働省の見解と開発企業への支援について伺います。

山本副大臣 新型コロナワクチンの開発に当たりましては、委員御指摘のとおり、ワクチンの接種が進むことで、発症予防効果を検証するプラセボ対照第三相試験の実施が困難になることが想定されている次第でございます。

 このため、新型コロナワクチンの臨床試験の在り方につきまして、六月二十四日に開催されましたICMRAのワークショップ会合におきまして、日本から、プラセボ対照による大規模な検証的臨床試験に代わる試験として、既存のワクチンを対照とした中和抗体価の比較など、代替指標を活用した検証試験を提案し、その方向性について合意が得られたところでございます。

 あわせて、七月十五日に、今回合意した方向性につきまして業界説明会を開催するとともに、治験実施、開発の方向性につきましても、個別企業に対する指導も始めたところでございます。

 さらに、国産ワクチン開発企業が、国内だけでなく海外も含めて必要な治験参加者を確保し、有効性を検証する実験を実施ができるように、その実施費用を補助するための予算として、第三次補正予算で千二百億円を計上しているところでございます。

 今後も、引き続き、国産ワクチンの迅速な実用化に向けて、しっかりと支援を行ってまいります。

江田(康)委員 ありがとうございました。

 もう一つは、承認審査の迅速化にあります。

 アメリカは、暫定データでも使用を限定的に認める緊急使用許可、EUAを活用して、ファイザーワクチンを申請から三週間で許可しました。これに対して日本は、薬機法に基づいて海外ワクチンの審査を簡略化する特例承認を行いましたが、審査に約二か月かかりました。しかも、国産ワクチンは特例承認の対象外であり、通常審査なら一年はかかります。

 今回の教訓を踏まえて、この承認審査の迅速化を見据え、薬機法を改正して、国内データがそろわなくても欧米並みのスピードで承認審査を行えるよう、関連法改正案を通常国会に提出予定と聞きます。

 我が国でも、パンデミックなどの緊急事態には、条件付早期承認制度や日本版EUAの創設が私は極めて必要と考えます。一方で、我が国の承認制度の信頼が損なわれないように、丁寧な制度設計が必要とも考えます。

 厚生労働省の見解をお伺いします。

山本副大臣 緊急事態に医薬品等の使用を認める制度の在り方につきましては、六月十八日に閣議決定されました骨太の方針二〇二一におきまして、治療薬やワクチンについて安全性や有効性を適切に評価しつつ、より早期の実用化を可能とするための仕組み、感染症有事に備える取組について、より実効性のある対策を講ずることができるよう法的措置を速やかに検討するとされている次第でございます。

 今後、厚生労働省としても検討を行っていく必要があると認識しておりますけれども、これまで医薬品につきましては、科学的観点から、国民から信頼される形で薬事承認されてきておりまして、委員御指摘のとおり、緊急時の対応の検討に当たりましても、国民から信頼される形とすることが肝要であると考えております。

江田(康)委員 ありがとうございました。

 それでは最後に、現行のワクチン接種の課題についてお伺いをさせていただきます。

 河野大臣によろしくお願いします。

 自治体へのワクチン供給をめぐっては、自治体での予約のキャンセルや受付停止が相次いだことで混乱が生じておりましたけれども、河野大臣が二十一日の記者会見で、八月の三十日から十月の十日にかけて、二週間ごとに一万箱、千百七十万回分を配分する供給計画を明確に示されたことで、今後は自治体に安心感が広まり、接種が順調に進むことが期待されると思います。

 その上で、ワクチン接種体制における課題は、自治体での接種を安定的に一日百二十万回程度に保つというスピードの調整と、ミスマッチの解消、すなわち未接種ワクチンの把握と調整にあると思います。

 そこで、まずワクチン接種スピードの調整につきましては、全国で一日百二十万回に相当する各自治体の最適な接種スピードを基準として、この数値より大きい自治体はペースダウンし、この数値より小さい自治体はペースアップするというスピード調整が必要となります。こうしたスピード調整の責任は自治体にありますけれども、全て自治体任せにするのではなく、国がサポートするか、あるいは都道府県にサポートを促すように指示すべきと考えますが、いかがですか。

 次に、未接種ワクチンの接種と調整について、全国の対供給量接種率は五九・五一%で、およそ四千四百六十六万回分が未接種ワクチンとなっております。未接種ワクチンが各自治体にどれだけあるのか、既に示されている都道府県別の対供給量接種率に加えて、市町村別の対供給量接種率を示してはどうかと思います。

 また、未接種ワクチンが多い自治体と少ない自治体がありますが、多い自治体から少ない自治体への融通の調整は誰がどのように行っていくのか、併せてお伺いをいたします。

河野国務大臣 この八月のワクチンの供給から、都道府県に調整枠をお渡しをして、都道府県が県内の自治体間の様々な調整ができるようにさせていただきました。また、九月以降については、全ての自治体が十二歳以上人口の八割の方に二回接種するのに十分な分を換算し、それを都道府県にまとめてお渡しをすることによって、自治体間のスピードの調整、あるいは、今委員からもお話がありましたワクチンの融通といったことを都道府県がやりやすいようにいたしました。

 また、そのために、必要な情報を都道府県にお渡しをするために、VRSのダッシュボードへのアクセス権限を都道府県に付与いたしましたので、そこで、ワクチンの供給量に対する接種率、あるいは、また別途、それぞれの自治体が市外からの方をどれだけ受け入れているか、あるいはまた自治体の住民の方々がその自治体の外でどれぐらいを打っているか、そういうデータも都道府県にお渡しをするようにいたしましたので、そのやりくりについても都道府県が調整ができるようになったというふうに思っております。

 国としても、都道府県をしっかりバックアップしてまいります。

江田(康)委員 ありがとうございました。

 時間が参りました。

 迅速で、また円滑な接種体制の確立こそが、今大変重要であるかと思います。しっかりと取り組んでいただきますようによろしくお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

木原委員長 次に、玄葉光一郎君。

玄葉委員 玄葉光一郎です。

 第五波の感染拡大が止まりません。感染者が、東京あるいは埼玉、さらには沖縄等で、昨日、過去最多ということでございます。

 西村大臣、まず、この現状の分析と評価。あるいは、陽性率もかなり高いというふうに聞いております。更に申し上げれば、緊急事態宣言の効果というものがどうも薄れてきているんじゃないかという指摘もかなりあるわけでありますけれども、そのことも含めて、分析と評価をまずお尋ねをしたいと思います。

西村国務大臣 御指摘のように、東京で三千名近い陽性者数の報告があり、全国的にも先週比で一・五倍ぐらいの数になっておりますので、大変危機感を強めているところであります。

 御指摘のように、検査件数が少し連休で少なかったりしているものですから、その分がこの週明け、月、火でたまって、一気に検査が行われている事情もあると思います。今日も、東京もかなり増えるのではないか。首都圏三県の話を聞きましても、連休中にたまっていた分が、検査できなかった分が今日、明日でまた出てくるのではないかということもありますので、感染者の数の報告は、今週、非常に増えるものというふうに想定をしております。

 そうした中で、少しならして見なきゃいけないんですが、それでもこれだけの感染が出ているわけでありまして、これは、約十日前か二週間前の姿、行動、七月の十三、四日頃の行動によって、今、その後発症し、検査を受け、報告があるということですので、とすれば、やはり七月に入って以降の人出がかなり増えていることが相当影響し、特に夜間の人流が増えていること、このことで接触機会が増え、どうしても飲食の機会はマスクを外して会話しますので、さらに、お酒が入れば大声になってしまうということで、そういったことが背景にあるのではないかと思いますが。

 それがさらに、最近では、飲食店の皆さんも御協力いただいておりますのでクラスター自体は減ってきているんですけれども、どこかで感染した人が、家庭内あるいは職場、大学、こういったところでいわばクラスター、感染経路が多様化しておりますので、ここで様々な対策を講じていかなきゃいけないというふうに分析をしております。

 陽性率が上がっている点については、先ほど申し上げた検査件数がちょっと少なかったところが要因だとは思いますけれども、しかし、全体として感染が広がっておりますので、飲食店への協力の呼びかけ、あるいは、この期間、テレワークを経済界にも更に一段とお願いをしているところでありますし、不要不急の外出自粛、オリンピック開催中でありますので自宅で応援をしていただくというようなことを含めて、更に協力をお願いをしていかなきゃいけないというふうに考えているところであります。

玄葉委員 私、若干認識が違うかもしれませんけれども、緊急事態宣言が出て、たしか飲食店に今まで七時まで認めていたものを駄目だよということを緊急事態宣言で言ったんですけれども、その十日後とか二週間後から感染者が増えたんじゃなくて、実はその直後から増えているんですね。だから、実はやはり、どうも直接の要因は飲食より人出そのものなんじゃないか、人流そのものなんじゃないかと以前から私は思っていて、どうもちょっと対策の主眼というか、ちょっとずれているのかなという感じは正直持っているんです。

 ですから、人流がやはり大事だ。その人流が増えている、人出が増えているというふうにおっしゃいましたけれども、昨日、菅総理は、ぶら下がりというか会見でおっしゃったのは、人流は減っている、こういうふうにおっしゃっていて、私、えっ、人流は減っているのというのが正直な驚きだったんですけれども、この根拠は何ですかね。

西村国務大臣 足下の人出のデータを私ども毎日取っておりますが、これはこの四連休も含めて、夜間も昼間も、首都圏、特に東京は若干の減少傾向にあります。

 ただ、先ほど来御指摘がありますように、緊急事態宣言、今年の一月以降あるいは四月、五月ですね、この時期と比べますと、その減少幅は緩やかなものにとどまっておりまして、自粛が長引く中で、なかなか要請に、自粛疲れということもあって人々が外に出る、気候もよくなっていますので、ということがあるんだろうというふうに思います。

 この間、国交省でも、首都高速の道路料金をプラス千円にするなど様々な取組で車の流入を減らしていることの効果もあり、また、経済界にテレワーク、休暇の分散もお願いしていることもあり、全体としては人流は、緩やかではありますが減ってきております。必要であれば、データをまたお示しをしたいと思います。

玄葉委員 私も、多分データで少し減っているんだろうなというふうに思いましたけれども、ただ、以前の宣言と比べると減り方が圧倒的に小さいんだと思うんですよね。そういうときに総理が、昨日みたいな会見で、人流は減っているから、こうおっしゃると、受け取る国民は、ああ、そうなの、減っているんだとやはり緩むと私は思うんですよ。だから、ちょっとメッセージの出し方がどうなのかなと思いますね。

 昨日、もう一つ、えっと思ったのは、厚労副大臣においでいただいていますけれども、重症化リスクを七割下げる治療薬をきちっと使うんだ、こうおっしゃって、何か説明がないんですけれども、どんな薬で、これからどういうふうに使っていくのかということと、あと、非常に多くの皆さんの中で話題になっているのは、イベルメクチンという、人によっては、奇跡の薬だ、こういうふうにおっしゃる方もいらっしゃって、私も実はかなり注目しているんですけれども、この承認はどうなっていますか。

山本副大臣 七月十九日、二つの中和抗体を組み合わせて投与するいわゆる抗体カクテル療法で投与される中和抗体薬、販売名ロナプリーブについて特例承認がなされたところでございまして、そのことをお話をされました。

 本中和抗体薬の投与対象、これは軽症から酸素投与を必要としない中等症の患者でございまして、我が国では、これまで承認されている新薬、コロナ治療薬、いずれも中等症又は重症の患者を対象とするものでございましたので、軽症の患者に対しては初めての治療薬となる次第でございます。海外の臨床試験では、入院又は死亡に至った被験者の割合が約七割有意に減少したとの結果も得られているところでございます。

 あとのイベルメクチンにつきましてですけれども、新型コロナウイルス感染症の治療薬の研究開発につきましては、政府としても、一日でも早く国民の皆様の不安を解消できるように、AMEDの事業を通じた支援を行っている次第でございます。

 このイベルメクチンにつきましては、様々な研究論文が発表されておりまして、その評価が定まっているものではないと承知をしております。そこで現在、北里大学を中心に医師主導治験が実施されておりまして、AMEDを通じて支援を行っております。

 このような中で、先日、興和株式会社が新型コロナウイルス感染症患者を対象としたイベルメクチンの臨床試験を開始する旨を発表したところでございまして、この当該企業治験のデザイン等につきましてはPMDAが相談対応するなど、支援を行っている次第でございます。

 今後、これらの治験の結果を踏まえまして、将来的に承認申請があった場合には、PMDAにおいて優先かつ迅速に審査が行われることになる次第でございます。

 以上でございます。

玄葉委員 制度の問題がもちろん壁としてあるんだと思うんですけれども、やはり全体として、有事なのに平時の厚生行政が行われているんじゃないかと思っている人は多いと思うんですね。やはりこのことはもう党派を超えて解決していかないと、いつまでたっても同じことを繰り返すということになると思いますので、よく一緒に考えたいと思います。

 あわせて、今回は若年層の感染者が多いということで余り病床逼迫のリスクを言う方が少ないんですけれども、やはり結構これから逼迫してくるんじゃないかというふうに思うし、今おっしゃったように、ああ、そうなのかと思いましたけれども、これから、先般承認された治療薬、中和抗体の治療薬というのは軽症者に使うんだ、こうおっしゃったので、ああ、なるほどなと思いましたけれども、要は、私はすごく気になっているんですけれども、自宅療養者とか宿泊施設に療養されている方々に何もないというケースが多いんですよね、つまり、投薬も何もない。それがいつの間にか重症化するというケースが結構出ているんですよね。

 だから、やはりこういったことに対して危機感を持ってきちっと対処してもらいたいんですけれども、もう一言、おっしゃっていただけますか。

山本副大臣 今委員が御指摘されたことを踏まえまして、しっかり対応してまいりたいと思います。

玄葉委員 あと、西村大臣、これはこれからどうするかということですよね。なかなか決め手がないという話もある中で、今、神奈川と埼玉と千葉でみんなで緊急事態宣言を要請すれば相当強いメッセージになるのではないかという思いもあるように見受けられますけれども、これらについては、西村大臣としてはどう向き合うおつもりでしょうか。

西村国務大臣 三県の知事とも日々やり取りをしているところでありますけれども、明日にでも緊急事態宣言の要請にお越しになるというふうな調整をしたいということでおっしゃっておられますので、よく連携をして対応していきたいというふうに思いますが、もし正式に要請があれば、速やかに検討し、必要とあれば機動的に対応したいというふうに考えております。

 そこで、御指摘のように、対策でありますが、今、蔓延防止等重点措置で、ある意味エリアを拡大しながら、神奈川県の場合はお酒の提供停止もやっておりますが、埼玉、千葉はそれぞれ一人の場合とか二人の場合に限ってやっておりますけれども、更に強化をするということで、お酒の停止。

 それから、更に呼びかけを徹底していく。東京都の例でいえば、数千店舗がなかなか協力に応じていただけていないという報告でありますので、東京都も百名程度人員を増やし呼びかけを強化をしていくということでありますが、三県においても、お店が開いていればどうしても人が出る、人が出ればまたお店も開くという、ちょっとそういう循環になってきていると思いますので、何とか協力いただけるように、協力金の早期支給も、もう既にそれぞれの県で始まっておりますので、早ければ今週中にも支給が始まるというふうに聞いておりますので、そういった取組をしながら協力をいただく。

 そして、飲食店のみならず経済界にも、テレワークの要請であったり、さらには、検査の拡充ですね、ちょっと具合が悪い人を早く見つけて、そしてそこで関係者の検査を全部行うという、そのための抗原検査キット、これも経済界、中小企業も含めて活用をお願いしておりますし、大学や高校でもあしたから配付をする予定でありますので、こういったことを通じて様々な対策を縦に横に連携しながら取り組むことによって、何としてもこの感染拡大を抑えていければというふうに考えております。

玄葉委員 結局、私は、飲食というより、まあワン・オブ・ゼムなんですけれども、要は全体としての人流だと思うんですけれどもね。今、問題は、やはり政府がメッセージを出してもなかなか聞いてもらえないという状況に、この間のこともいろいろあって、なってしまっているのかなというふうに思います。

 それで私、もう一つ、とても気になっている首相のメッセージがありまして、それは、ワクチンを一回接種する方が四割、四〇%になると感染者は減ってくるんだということを、繰り返し繰り返し菅総理はおっしゃっています。

 七月八日の首相の会見、記者の皆さんとのやり取り、その後のテレビ出演、同じことを、諸外国の例を見ても、全人口の四割に一回接種が達したあたりから、まさに感染者が減少傾向になっていることが明確だ、こういうふうにおっしゃっておられて、その上で、七月いっぱいに一回接種を五割まで届け、感染者を減らすのだと。いわば一種の、私は戦略と方針を語るべきだと言ってきたんですけれども、やや戦略と方針に近いことを語っておられるんですけれども。

 そこでちょっと幾つか聞きたいのは、一つは、ちなみに、果たして七月いっぱいで一回接種は五割まで達するのかというと、これは数字を御存じの方、いらっしゃいますか。お答えできますか。達するんですかね。

河野国務大臣 十二歳以上人口で、接種率がどれぐらいになるか分かりませんけれども、接種率を、十二歳以上人口の接種率八割というふうに置けば、既にその半分は行っております。総理がおっしゃるように、全人口に対してということでは恐らく四〇%直前というぐらいの数字だろうというふうに思っております。

玄葉委員 そうなんですよね。

 まず、一回接種が昨日の時点で三六・九%という数字になっていて、五割にまで達しない。あと、もっと気になるのは、私さっき申し上げたように、一回接種が四割に達すると本当に感染者は減るんだろうかと。この根拠は一体何なんだろうということなんですけれども、これはお答えになられますか。

西村国務大臣 総理が引用されたのは野村総研の分析でありまして、これが、野村総研が各国の状況を調べたときに、おおむね第一回目の接種を終えた段階でかなり感染者の減少が見られたということを引用されたものというふうに理解をしております。

玄葉委員 だとすると、結局、イギリスとかアメリカとかイスラエルとか、ワクチンを一回接種して四割に達したというのは、私の知るところでは二月とか三月とか四月なんですね。そうすると、今と全く違うのは、インド株、デルタ株の影響がないということなんですよ。どうもインド株、デルタ株の感染力とか影響力というものを前提とした数字じゃないということなんですね。それを、残念なことなんですけれども、菅総理は繰り返し繰り返しおっしゃっていて、だから間違うということに結果としてなってしまっているんじゃないかということを私は心配しています。

 ですから、一回接種四割で減少するというメッセージは、私、それぞれの大臣から進言されて、訂正された方がいいんじゃないかと。もっと言えば、ワクチンというのはやはり二回接種して初めて感染抑止効果があると言われているのに、一回接種四割、一回接種四割と何回も総理大臣が言うというのは、これまた誤解を与えるんですよね。

 ですから、これは、私、総理にお二人がおっしゃって、どこかで上手に訂正された方がいいと思いますが、いかがでしょう。

西村国務大臣 御指摘のように、ワクチンの効果については、これは早い段階で、臨床試験の結果で、ファイザー、モデルナのワクチンについては、二回接種二週間後に発揮して、九割の発症予防効果、デルタ株にも一定の効果ということが言われておりますが、最近のデータとして、例えばイスラエルが最近のデータとして発表したものによれば、六月以降のものでいえば、デルタ株に対して、ファイザーのワクチンですけれども、感染予防、発症予防は三九%に低下しているとか、他方、重症化予防は引き続き九一%あるということでありますけれども、こうした最新のデータをお伝えもしておりますし、総理にもしっかりと説明をしております。

 また、様々なデータ、一回目、二回目接種、各国がどういう状況になっているかというようなこと、これは野村総研の調べだけではなくて、他のデータあるいは他のシミュレーションも含めてしっかりと御説明をしておりますので、総理は御理解いただいているというふうに私は思っておりますけれども、いずれにしても、政府全体として正確な情報をしっかりとお伝えできるように、私の立場でも努力をしていきたいというふうに思います。

玄葉委員 いや、これは結局、少なくとも一回接種四割で感染者減少ということを繰り返し菅総理はおっしゃっていて、これは明らかに、もう四割になるわけですから、感染者は増えていっているわけですよね。だから、残念ながら、このデルタ株の拡大という前提に立つと、なかなかワクチン接種が間に合わないという面があるということだと思います。

 だから、ワクチンの一本足打法とか言われていますけれども、このことはもうこのこととして、しっかりと厳しい認識に立って対策を取るしか現実はないんだろうと思っていて、やはりデルタ株の感染力を前提にしたメッセージの出し方というものを是非工夫してもらいたいと思いますが、いかがですか。総理ですよ。

西村国務大臣 このワクチンの効果につきましては、先ほど申し上げましたように、イスラエルのデータのほかも、様々、各国のデータあるいは研究者の研究成果もありますので、一回目の接種でどのぐらいの効果があるか、二回目の接種でどのぐらいの効果があるか、最近の特にデルタ株に対する効果なども様々発表されていますので、そうしたものの分析も含め、私ども、専門家ともしっかりと話し、そうした分析も進めてもらいながら、正確な情報を政府全体としてしっかりと発信していければと考えております。

 特に、ワクチンはやはり二回接種して二週間たてば、きちんとした効果、約九〇%、大まかに言えば約九割の効果を発揮をするということでありますので、そうしたことも含めて二回接種を着実に進めていくことが重要であるというふうに考えております。

玄葉委員 ちょっと時間がないので、次の問題に行きますけれども。

 東京オリンピックが開幕をして、選手、アスリートの健闘に心から期待をしたいと思いますが、あわせて、私は福島なんですけれども、復興五輪はどこへ行ったという意見も結構根強く実はあります。

 それで、今回お尋ねしたいのは、もちろん、福島にいらっしゃる方々に対する感謝の気持ち、つまり、かつての支援に対する感謝の気持ちは、福島県民、今、一生懸命表現していますし、福島県民なりのおもてなしをしているつもりです。あわせて、被災地で例えば今日も野球をやってくれたりして、これも感謝していますけれども、やはり復興を後押しする復興五輪だということになりますと、今一番困っていることの一つは、やはり風評被害なんですね。

 これが、風評被害に対してこの復興五輪は何とかするんだ、後押しをするんだというのが、復興副大臣もいらっしゃっていると思いますけれども、今回、復興大臣が何回もこの間言ってきたいわば復興五輪の目玉事業なんですよ、風評対策というのは。

 それなのに、残念ながら、選手村で、三千席の大きなダイニングがあるんですけれども、そこで、県産品の表示もなければ、例えば、福島県産品はどれだけ安全なのかという説明もないし、被災地食材でこんなにおいしいんだみたいな、何もないですね。かなり県民は実はがっかりしているんですよ、このことに関しては。

 これは是非、私、今からでもいいと思うんです。なぜかというと、やはり選手の皆さんは国を代表していらっしゃっていて、物すごい発信力があるんですね。その方々に分かってもらうためのことを今からでもやってほしい、今からでも。

 結構、一部の国が懸念を示したという報道がありますけれども、そういうときに戦わないと駄目です。戦って、例えば私が担当大臣だったら間違いなく戦うし、あわせて、やはり選手村のところに、少なくとも、福島県産品はこういう形で市場に出回っています、徹底したモニタリング検査をやって一〇〇%安全なものしか出回っていないんですという説明を分かりやすくしますよね、パネルか何か使って。やはりそれを見せますよ、みんなに見てもらうような場所に。最低でもそのぐらいのことを、これからでもやってください。

丹羽副大臣 玄葉委員にお答えいたします。

 玄葉委員がおっしゃるように、三千人のメインダイニングのところにおきましては、使用される食材の産地が多様であり、また様々なメニューがございますので、一概に、一気にどこどこ産というのが、その入替えをしながらというのが難しくて、事後的に、どこどこ産のが使われておりますというのを、ホームページ上で産地を掲載するようになっております。

 しかし、約三百人程度で使う選手村の中にあるカジュアルダイニングにおいては、伝統的な和食にとらわれずに、日常的に使われる食事を中心に提供させていただいておりますが、そこの中には、被災地産の野菜をふんだんに使ったサラダやお好み焼きなどのカジュアルな料理を提供させていただいております。

玄葉委員 結論から言うと、副大臣、取組が余りにも弱過ぎます。今申し上げたように、私は単に批判しているんじゃないんですよ。今からでもいいと思うんです、提案です、今からでも。今からでも、被災地の食材というのはこういうのがあっておいしいんですよ、あるいは、福島県産品はこういうことをしているから安全ですよということをアピールすることを、持ち帰って考えてもらえますか。一言でどうぞ。

丹羽副大臣 玄葉委員がおっしゃるように、この復興五輪を具体的にどのように発信していくかということも、今からでも間に合うようであれば、しっかりと対応できる範囲でさせていただきたいと考えて、伝えておきます。

玄葉委員 これは、復興副大臣、来ているかどうか分かりませんけれども、復興庁も責任がありますよ。本当は復興庁がもっと本気になって。大臣が何回も言ってきたことなんですよ、大臣メッセージも今回出ているんですよ。いわゆる輸入規制をしている国は全く根拠がない、そのことを復興五輪を通じて発信すると言っているのに全然発信していないじゃないかというのは、これは偽らざる県民の率直な思いだと思いますので、これは今からでも間に合うので、やってもらいたい。ウェブで後で何か県産品を表示するというのは、これは文字どおり後の祭りというんですね、こういうのを。文字どおり後の祭りなんです。駄目です、今やらないと。

 それと、官房副長官、いらっしゃっておられると思うんですけれども、韓国選手団の選手村長の発言を韓国日報が報道をしていて、福島県産品を避けるということで独自の給食センターを設置をしたという報道があり、かつ、国民日報というメディアは、いわゆるビクトリーブーケ、メダリストへの記念品ですね、それについて、福島産の花束で放射能への懸念があるという報道をしています。

 これは、こうなると、ここまで来るともう侮辱ですね。本当に丹精込めて、思いを持って作っているんですね。食材もそうなんですけれども、GAP認証したところだけが実はお届けしています。

 官房長官のコメントを読みましたけれども、何か他国の選手の動向についてコメントしないということのようですけれども、別に、大人の対応をし過ぎですよ、はっきり申し上げて。これは、きちっと言うべきことは言って。これは静観したら風評被害が拡大します。官房副長官、どう考えますか。

坂井内閣官房副長官 今までの審議の中でも御指摘がありましたように、福島県産の食材、これは、安全性を確認を行って、そして提供いただいているということでもありますし、また、ビクトリーブーケに関しましては、確かに被災地の花を中心に使用されておりますが、そもそもこれは体の中に入れるものではございませんので、触れることで健康影響が生じるような類いのものではありません。このような、まずは正確な情報を科学的根拠に基づいて世界に向けて発信していくことが重要ということでございます。

 また、韓国の報道に関してでございますが、これは韓国のオリンピック委員会が一応行っているということでございまして、そこは、政府としての対応というのはいろいろ考えて対応をさせていただくということで、例えば、今既に、今もまだ韓国は福島産の農産品等、福島だけではありませんが、一部農産品等の輸入規制等を行っておりますので、こういうような場を使っては、韓国に向けてしっかり抗議もすれば要請もしているということでございますので、こういった場所を使ってしっかりやっていきたいということは考えております。

 また、委員が御指摘をされているように、オリンピックの場において福島産の風評被害払拭のためにやるべきこと、やれるべきことというのは、我々政府もしっかり検討して、今まで以上に、できることを考えながら、これはやるべきだと考えております。

玄葉委員 最後に、韓国という国は、私もいろいろと向き合ったことがありますけれども、いろいろな評価とか指摘があります。どうしても感情が優先するとか、科学的、合理的な思考が不得手ではないかという声もあるわけです。そういう中で、今回、静観したら、本当にさっき申し上げたように風評被害が拡大するので、IOCにきちっと抗議して厳重注意を求める、これぐらいは私はやったらいいと思いますよ、政府としてですよ、政府として。

 官房副長官、最後に、しっかり前向きにそういうことをきちっと考えたいという答弁をしてください。

木原委員長 坂井官房副長官、時間が来ておりますので、簡潔明瞭に御答弁をお願いいたします。

坂井内閣官房副長官 はい。

 にわかに今、私がどこまでどうだということを申し上げることはちょっと難しいんですが、玄葉委員が今大変心配をされているこの点に関しては、できる限り払拭できるように、そして玄葉委員の心配が払拭できるように、それはしっかりやりたいと思っております。

玄葉委員 もう終わりますけれども、これは実は、ここで戦うことが本当にいかに我々が安全なものしか提供していないかということを世界に発信する実は逆にチャンスだというふうに考えてやってください。

 以上です。どうもありがとうございます。

木原委員長 次に、柚木道義君。

柚木委員 立憲民主党の柚木道義でございます。

 質疑の機会をいただき、ありがとうございます。

 早速ですが、今日、尾身先生においでいただいておりまして、先ほども玄葉委員の方からも与党の先生方からも関連の質疑があったと思いますが、昨日の新規感染者、全国ももちろん、七千六百十九人ですか、大変な状況ですが、東京オリンピック開催のさなか、選手の活躍はすばらしいと思うと同時に、その中で、東京都で過去最多となる二千八百四十八人、二八四八ショックとも言われる状況が出て、今日も、ひょっとすれば更に増えていく、西村担当大臣もそういう懸念を先ほど表明されました。

 そういった中で、まず最初に伺いたいのは、先ほどの質疑にもあったんですが、これは尾身先生、専門家の立場から伺いたいんですが、緊急事態宣言発出後の人流の抑制というのが本当に利いているのか、どこまで利いているのか。

 つまり、これは本当に、自粛疲れ、夏休みに入ってと、様々な要因も言われている中で、菅首相は減っていると昨日会見でおっしゃったわけですが、そして、西村大臣も先ほど、多分トータルでの、十分じゃないけれども減っているという認識をおっしゃったんですが、他方で、その減少幅が非常に過去の宣言と比べるとやはり小さい。

 そういう中で、尾身先生の御所見を伺いたいんですが、これは本当に、過去の宣言時に比して人流の減り幅が少なく、デルタ株の影響も含めて、人流の減り方が不十分だからこそ、今回、最多の東京都二千八百四十八人の新規感染者に至っているという分析があると思うんですが、どういうふうに受け止めていらっしゃいますでしょうか。

尾身参考人 人流ということと同時に、実は接触の機会というものが、今回、緊急事態宣言を出して、確かに今、徐々には減っています、特に夜間滞留人口、繁華街なんかにおけるのも少しずつ減ってきておりますけれども、期待されるレベルにはまだ残念ながら至っていないということです。

 そこで、私は、重要なのは、一体それはなぜそういうことなのかということが必要だと思うんですけれども、今、医療の逼迫ということが、私どもは、感染者が今回三千近くになったということも、これも非常に懸念する材料ですけれども、それと同時に、実は医療の逼迫というものがもう既に起き始めているというのが我々の認識であります。

 それは、東京都においては、まずは入院の数が増えている。それから、重症者の数も増えております。それから、五十歳代を中心に、いわゆるネーザルハイフローという、高濃度の酸素を必要な人が増えていて、この人たちは実は呼吸困難の症状を呈することがある。それからさらに、入院調整をする人が増えている。それから、宿泊療養をしている人が増えている。さらに、自宅で療養している人が急増しているんですね。

 こうしたことが、実は一般の人々にまだ十分にその危機感が私は伝わっていないということが大きい一つの原因だと思って、その結果、夜の繁華街の人流なんかを含めて下がっていることは間違いありませんが、今の状況はかなり急激に感染を拡大しておりますから、これをなるべく早く、この拡大方向をなるべく下にする必要があるので、そこにはもう少し急激な、人流の増加と接触の機会を下げる必要がありますけれども、そのためには、今私が言った六つぐらいの入院の逼迫に関する指標というものを一般の市民に十分理解していただいて、日本の社会みんなが危機感を共有することが今非常に重要だと思っております。

柚木委員 本当に先生のおっしゃるとおりだなと私も思いながらお聞きをしておりました。

 そうした場合に、菅首相もそういった御認識はお持ちなんだと思うんですが、やはりトップのメッセージの発信の仕方というのは非常に重要だと思われます。

 昨日も、東京都の福祉保健局長ですか、いたずらに不安をあおらないようにということもおっしゃっている一方で、医療現場から私もたくさんお話を聞いていますが、もっと危機感を持つべきじゃないかと。つまりは、都内の大学病院でも中等症から重症がもう八割から満床になってきているとか、あるいは、重症病床だけじゃなくて一般の病床、これは東京都も、それこそ都内の医療機関に、入院とか、熱中症の搬送も増えていますよ、あるいは手術を遅らせるとか、通常医療も制限をするような要請まで出ている中で、これはむしろ、総理としては、人流が減っているから大丈夫というメッセージよりも、やはりこれ以上の医療逼迫、ともすれば医療崩壊、重症者、死者は、本当に、感染がピークになって、後から遅れて来る、一か月ぐらいとかいう専門家の指摘もありますから、そういう事態を防ぐための、まさに医療逼迫をこれ以上起こさせない、そのために何が必要か、そういうトップとしての菅首相のやはりメッセージの仕方、これが非常に重要だと思うんですが、そのメッセージの在り方については、尾身先生、いかがお考えになられますでしょうか。

尾身参考人 私は、今の状況で求められることは、簡単に言えば二つだと思います。

 一つは、人々にしっかりと危機感を共有してもらえるようなメッセージの出し方だと思います。もう一つは、今の感染状況にふさわしい効果的な対策をしっかり打つという、この二点に尽きると思います。

柚木委員 ありがとうございます。

 危機感の共有と効果的な対策ということで、まさにその後者の方についてこの後伺いたいと思っておりまして、ではどうしていくことが今後必要なのかという中で、ワクチンは最重要というのはもちろんもう共有されていると思うんですが、もう一つ、国内の水際対策といいますか、いわゆる検査体制の強化、先ほど西村大臣は抗原検査のキットの充実のことをおっしゃったんですが、これは、陽性率の検出がやはり無症状者に対して非常に劣るというCDCのデータとかもありますから、やはりPCR検査、これは一日一万件ということでやってきたと思うんですが、ここの部分のやはり国内の水際対策を更に強化する、こういう視点が必要なのではないのでしょうか。

 例えば、台湾なんかはもうあっという間に二週間で日本並みの検査をして、しかも人口当たりは日本の倍ぐらいやっている。もちろん、イギリスなんかでは人口当たりその三十倍ぐらいやっているとか、いろいろな他国の取組も参考にして、これはある意味、車の両輪だと思います。

 是非、ワクチンの接種の加速はもとより、今日は河野大臣もおいでですが、PCR検査のやはり拡充という、そして、まさにいま一度原点に返って、本当に、早期の診断、隔離、そして感染拡大の防止、こういった点について、PCR検査の体制の拡充、これは民間の委託の部分の活用も含めて、補助金を出してもいいと思いますよ、データの共有もして、匿名でですね、そして国がそれを活用する、そういうことも含めて、PCR検査体制の強化について、是非これは抜本的に対策を強化すべき必要があるんじゃないかと思いますが、尾身先生、いかがでしょうか。

尾身参考人 私は、具体的な今委員のお話は、検査ということがありましたけれども、検査については、今委員がおっしゃるように、PCRの検査の充実ということは、これはもとより必要なことであります。

 しかし、それと同時に、実はこれはもう基本的対処方針にも書かれていますけれども、PCRというものを十分活用して、それのキャパシティーを増やすということは重要で、これに加えて実は抗原定性キットというものが、多少でも具合が悪くて、今のデルタ株というのは、必ずしも発熱がなくても、いわゆる風邪症状の、ちょっとした具合の悪いというような、熱中症とも間違われるような症状を出すことが多いので、軽くてもこういう症状があったらすぐに検査をして、すぐに結果を、それが職場であり、それから学校であり、クリニックであり、PCRに、そうした抗原定性キットをしっかりと活用するということも、これによって、すぐに検査、二十分でできますから、できたら更にPCRで確認するという、そういう意味では、私は、PCR検査と抗原検査を、二者択一というものではなくて両者をうまく活用することが大事だと思っております。

柚木委員 本当は私、通告しているんですけれども、そこまで多分、今日は行く時間がないと思いますが、確かに、二段階で、これはプレーブックに沿って、選手村、五輪関係者等も行われている部分は理解していますが、先ほど申し上げたように、陽性の検出率が無症状の場合に低いという部分については、やはり、PCR検査も最初から行うことで、より私は対応も早くなるし精度も上がるしということをお願いをしておきたいと思うんですね。

 もう一点、尾身先生に伺いたいのは、これはアドバイザリーボードの和田教授もおっしゃっていると思いますが、まさに今、オーバーシュートの状態になってしまったと。これは、今日、ひょっとしたら三千人を超えるかもしれない、場合によっては五千人とか、もっと言うと、西浦京都大院教授なんかは、今日の三倍ぐらいですかね、一万人とか、下手をすれば、これまでであれば本当に想定し得ないような数字も、今、論文を公表されるのではないかというふうにお聞きしております。

 今後、本当に今の感染状況というのが、もちろん、それが重症者、ともすれば死者が増えてしまう、入院できない方で自宅で亡くなる方が増えてしまうということにつながってしまうという懸念を持つ中で、今後どういうふうに感染者が推移をして、その結果、例えば、入院もできずに、大阪のような状態で、一万人在宅療養というようなことがありましたが、入院できないまま、必要な人工呼吸器等の治療が受けられれば救われる、その命が救われないかもしれない、そういう懸念も高まっていくと思うんですが、今後の感染者数の推移とか、在宅で入院できずにお亡くなりになってしまう方がこの東京でも発生してしまうのではないか、そういった懸念についてどういう見通しをお持ちか、お答えいただけますでしょうか。

尾身参考人 私は、日本の対策は、従来から、去年から、基本的には、一番重要なことの一つは、重症者を減らすということでやってきたと思います。そのことは今も私は正しい方針だと思います。その上、最近はデルタ株という新たな株が出現して、また感染の状況が変わってきたというのは、委員御承知のとおりだと思います。

 そういう中で、今、感染の数が増えているということ、これはもう間違いなく問題ですけれども、実はそのことがどういうような影響を医療の体制にもたらすかということが非常に重要で、今のまま、このまま続ければ、強い対策を打ってみんなが危機感を共有しない限り、この傾向はしばらく続くと思います。

 しばらく続くと何が起こるかというと、もう既に医療の逼迫というものが現実に起きていて、これが続くと、一般の医療ですよね、救急医療だとか、すぐにやらなくてはいけない手術というものが遅れるということが今もう出始めている。救急外来なんかも断ることが出始めているので、これによってコロナ医療だけじゃなくて一般の医療に支障を来して、我々の、人々の健康に最終的にはマイナスの効果、このことを皆さんが、国民全体、政府、自治体、一般市民が私は共有することが今極めて重要だと思っております。

柚木委員 よく分かります。

 そういたしますと、今まさに、一般医療、入院が受けられない、手術を遅らせるというようなことまで起こりつつあるとしたときに、これは今、もちろんオリンピックの選手の皆さんには頑張っていただきたいと同時に、医療従事者が五輪関係者のまさに、場合によってはコロナの感染した場合の対応とか、あるいはそのためにベッドを空けるとか、これは、当初一万人ぐらい現場から行くとか言っていたのが大分減らされたと思いますが、そして、三十近い病院がベッドを確保している。こういう状況も、その五輪の選手や関係者の皆さんの感染状況をしっかり注視しながらも、場合によっては人を現場に戻して、本当に一般医療が制約を受けて救える命が救えないことになっても困るわけですから、そういう機動的な、柔軟な対応というのも、現場に人を戻す、あるいは逆もあるかもしれませんね、病床もそういう意味での転換も必要かもしれません、臨機応変な医療現場における病床あるいは医療従事者の対応が必要だと思うんですが、その辺、いかがでしょうか。

尾身参考人 これは、オリンピックの中の話ですよね。いわゆる一般に言われるバブルの中の話は、組織委員会もいろいろな課題については認識しておられると思いますので、これを今まで以上に徹底してやってもらうことだと思います。

 医療の方の現場は、これは、オリンピックに関わっている医師をこっちに連れてくるということももちろんあってもいいですけれども、量的にいうと、医療の中で今一番求められることは、当然、医療のベッドというのはここまでも増やしてきましたけれども、限界がありますので、単に重症の患者さんを入れるベッド数だけに議論を集中されるのではなくて、日本の全ての医療とケア、これは、在宅医療とか訪問看護、こういうことも含めて、いわゆるクリニックの先生方も含めてですけれども、日本の医療のリソースを全てうまく活用するということが、随分されていますけれども、まだ私は改善の余地があると思うので、そういうところに今感染を減らすという方向で努力すると同時に、医療のキャパシティーというものを、単に高度の機能の病院だけじゃなくて、一般の医療あるいはクリニックなども含めて全体でこれに立ち向かうということが今求められていると思います。

柚木委員 ありがとうございます。

 東京都内、重症者病床六千床程度の確保と言われている一方で、すぐに稼働できる、受け入れられるのは二千六百床程度という、まさに人の配置の部分も含めた対応を私も強くお願いしておきたいと思います。

 西村大臣、先ほど、こういった今の状況を受けて、東京だけでなくて、まさに近隣、神奈川、千葉、埼玉含めて、明日にもその知事さんたちが緊急事態宣言の要請にそろっておいでになるかもしれないということがあったと思うんですね。

 先ほど、機動的に対応したいということをおっしゃっていただいたので、その意味するところというのは、つまり、明日にでも三知事が来られたら、要請をきちんと受け止めて、そして、宣言発令のためには、まさに尾身先生始め諮問会議を開いていただいて、そして速やかに決定後の対応というプロセスが必要だと思いますが、そういう対応を迅速に取っていただけるという理解でよろしいでしょうか。

西村国務大臣 お答え申し上げます。

 それぞれの知事とは日々もいろいろやり取りをしておりますが、今、尾身先生からもお話ありましたとおり、感染者の数が増えていること、これは抑えないと最終的には病床に影響を与えますので重要なことでありますが、足下の、重症化は、特に高齢者の重症者の数はワクチン接種でかなり抑えられていますので、まさに四十代、五十代の、先ほどのお話にあった、高流量の酸素吸入を必要とする四十代、五十代の入院が増えている。この辺りの状況をよく知事とも共有しながら、そして、それぞれのステージの指標がありますので、これもしっかりと見ながら、専門家の意見も聞いた上で判断をしていきたいというふうに考えております。

柚木委員 是非、本当に、後手に回らない機動的な対応を重ねてお願いしておきます。

 それで、ちょっと今日、資料に、皆さん、最後のページを御覧ください。

 こうした中で、もちろん都内の全体あるいは全国の感染防止状況も必要なんですが、まさにバブル方式、これは本当に、菅首相が、国内の方と五輪で入国される方は明確に動線も区別されて交わることはないんだとおっしゃっていた中で、これは昨日入手した資料で、終わりから三つ目にタイトルもつけておりますが、現場で、東京二〇二〇大会関係者マニュアルの「入、退管理業務」マニュアル、こういったものでございまして、その最後のページを見ていただくと、この間、丸川大臣も組織委員会に厳格な運用を求める、改善を求めると言っていた十五分ルールどころか、この一番下のチャートを見ていただくと、十五分以内に帰館したら帰館時間を記入させて対応終了、ところが、六十分以上戻らなければ緊急連絡先へ連絡ということであって、こういう対応をされると。

 そしてまた、そういう案内板、ホテル、宿泊先等での指示を見れば、これは誰でも、じゃ、六十分以内に帰ってくればいいんだな、そういうふうに受け止めて外出しちゃうということになってしまうので。

 これは、今日、担当副大臣にもお越しいただいておりますが、実際にこういう資料、対応マニュアルが配られて、そしてホテルでそういう案内がされて、実際にそういう方々が当然出てきてしまっているという状況だと思いますが、事実関係の説明をお願いいたします。

丹羽副大臣 お答えいたします。

 お尋ねの件は、その記載内容につきまして誤解を生じるおそれがありましたことから、先週十九日に、組織委員会に対して、案内ボードを全面的に見直し、ルールの趣旨が明確になるよう修正した上で、二十三日以降、各宿泊施設に配付されました。新たな運用が始まっているものというふうに認識いたしております。

 また、お尋ねの、警備員が六十分経過した時点で緊急連絡先に連絡するということにつきまして、このマニュアルは現在改定作業中と聞いておりますが、今後、案内ボードを修正した趣旨を踏まえつつ、速やかに改定が行われ、関係者に周知が図られるものだというふうに認識いたしております。

 このマニュアル等を作っていらっしゃいますのは、大会警備共同企業体という、各企業が集まった中でこういったマニュアルが作られておりますので、我々としても、組織委員会に働きかけて、しっかりと周知徹底できるように努めていきたいと考えております。

柚木委員 本当に、六月二十八日のマニュアルがいまだに改定作業中で、もう終わってしまうわけですね、オリンピックが。

 そして、今の答弁だと、確認しますが、じゃ、十九日に見直しをして、二十三日以降新たなそういう案内をということであれば、それまでの期間、まさに六十分外出オーケー、買物に行っても近場に観光に行ってもオーケー、そういう状態で運用されていたという理解でよろしいですか、それまでは。

丹羽副大臣 委員がおっしゃるように、十五分過ぎても六十分以内で戻ってくればいいというわけではなく、選手若しくは入国された方につきましては、各プレーブックに基づく対応を徹底するものだというふうに認識いたしておりまして、この案内ボードを修正した趣旨を踏まえつつ、今回の件につきましては、速やかに改定が行われ、関係者についても周知されるものと承知いたしております。

柚木委員 いやいや、それ、実態と違うじゃないですか。私、昨日、オリパラ事務局にいろいろ確認もしましたし、野党ヒアリングでも、帯同者なしで、しかし、ちゃんと出る時間と戻る時間を届出をすれば十五分以内オーケーだったのが、じゃ、それを私たちは撤廃して改善してくれと言ったら、むしろ六十分それもできる、そういう説明だったわけですよ。

 それを、今、違う認識の説明をされて、それじゃ本当の意味での対応にならないので、そこまでそういう状態だったということはお認めになった上で、今言われるような厳格な運用をしていただかないと、今もそういう人たちがまた、これは申し訳ないですけれども、本人はもちろんそんな気はありませんよ、ひょっとしたら国内の方と接触をされて、お互いが感染をさせる、されるリスクが生じている、そういうことになってしまうわけですから、そこを認めた上で、今後厳格な運用というふうに答えていただかないと、あったことをなかったことにするような御答弁はちょっとやめていただけませんか。お願いします。

丹羽副大臣 正確にお答えいたします。

 海外からの入国者につきましては、入国後、行動範囲を宿泊施設や競技会場等に限定し、移動方法を原則専用車両に限定するなど厳格な行動管理を実施し、国内にお住まいの方々と交わらないようにすることとしております。

 入国者のルールを定めたプレーブックにおいては、ホテル内のレストランやルームサービス、デリバリーが利用できない場合においては、例外的にコンビニや持ち帰り用のレストランの利用が認められております。これらの施設につきましては、宿泊施設の補完的な機能として組織委員会が指定する徒歩圏内の店舗を対象としたものであり、これらの場所へのアクセス手段、方法につきましては組織委員会が管理するものと、前提とした上で、これらの場合利用が認められております。

 この場合、監督者が帯同等を行うとともに、空間的また時間的分離などの感染症対策を講じた上で利用することができるものと認識いたしておりまして、委員がおっしゃられたように、最初から自由に行動ができるというふうにはなっておりません。

 そういった上で、先週十九日に、組織委員会に対して、案内ボードを全面的に見直して、ルールの趣旨が明確にされるよう修正した上で、二十三日以降、各宿泊施設に配付されて、新たな運用が始まっているものと認識いたしております。

柚木委員 ちょっと四ページ目の記事を、この間の野党ヒアリングのをつけていますが、一応、皆さん御覧ください。実際の運用は、これは修正後と書いています、上から三ポツ目、誰も帯同しない場合は外出時に部屋の、要は、いつ出る、いつ戻ったというのを記入すればオーケーなんです。

 そもそも、警備員さんとか、何十人に一人しかついていないじゃないですか。全員帯同できるわけないじゃないですか。例外が当たり前になっているんです。だから、我々は改めてくれと言ったんです。ちょっと、認識を本当に改めてください。時間ないので、それを本当に、本当に改めていただくことを改めて、重ねてお願いしますね。

 そしてもう一つ、大量廃棄の問題、ボランティアの方へのお弁当ですね。これも、本当に今後のことも含めて改めていただきたいんです。

 資料の最初、三ページ目につけておりますが、東京都内でも本当にリーマン・ショックと同じぐらいの生活困窮者四百人が、食料配布会、NPOが行ったもので、本当に列をなしている。

 こういう中で、昨日も、ニュース23でしたか、本当に大量廃棄の場面というのも動画で映っていましたが、私もショックでした。そういう本当にフードロス対策にも逆行しますし、本当に今コロナ禍で困っておられる方のために、衛生環境等気をつけて、自治体やNPO等と事前に連絡を取り合ってやればちゃんと安全な形での、要は困っている方にお届けをいただくということは可能なわけですから。

 これはそもそも、じゃ、何人分廃棄してその予算は幾らだったのか、そして、今後そういうことが起こらないように事前に自治体、NPO、近隣のところとの連携も取って、そういうふうに本当に生活困窮、困っている方々のためにそういった大量に廃棄されるものを使っていただけるように、本当にこれは切にお願いしたいと思うんですが、いかがでしょうか。

丹羽副大臣 お答えいたします。

 先ほどの質問の件でございますが、委員おっしゃるように、周知徹底に対しては、我々も、オリンピック・パラリンピック事務局といたしまして、組織委員会を通してしっかりと警備共同企業体に伝えていきたいというふうに思っております。

 その上で、今委員からお話がございましたスタッフの食事の大量廃棄につきましては、大会組織委員会に本日確認したところ、開会式会場を含め食品ロスが生じていたことというふうに認識いたしております。

 その食品ロスに関しても、発注量の多さと、発注に対する当日のシフトの実需との差がかみ合わずに食品ロスが大きくなっていたことというのが一因でございます。

 この食品ロスにつきましては、開会式当日の食事の余剰は約四千食で、これは誠に申し訳なく思っております。夏場の時期ということもありまして、衛生上、原則廃棄せざるを得ないということになったというふうに聞いております。

 しかしながら、この東京大会につきましては、持続可能性に配慮した大会でもあり、食品ロスを削減することは重要なミッションの一つでもあります。大会組織委員会、今週に入ってから各会場において発注量と実需を適正にするように措置をし始めたということでございますので、大会理念に沿った対応がされるものと考えております。

柚木委員 これは本当に、本来であればロスが起こらない適正発注が必要ですね、税金で発注するわけですから。しかし、四千食。ここに紹介しているこういう食料の配布は子供食堂も含めて全国で今まさに行われているし、増えていますから、衛生面、もちろん注意していただいて、都内の近いところであれば工夫できますので、現場の方は対応いただけますので、是非善処いただきたいと思います。

 ちょっと時間がなくなってきたので、河野ワクチン担当大臣、是非お願いします。

 通告後の報道で聞いたもので、ちょっとこれをお尋ねして、分かる範囲でお答えいただきたいんですが、私、これはいいことだと思っているんです。河野大臣が、来月供給分のワクチンを自治体に対して一割削減する、つまり、一定量の在庫があるとして自治体への一割削減の方針を撤回された、これは私はいいことだと思うんです。自治体からも要望を受けていたんです。これから質問しますが、そのことについてちょっと可能な範囲でお答えいただきたいんです。

 ちなみに、先ほど質疑前に見たら、東京都の小池都知事も、若者へのワクチン接種というのが今後非常に、今の感染状況を含めて重要になってくる、やはり中等症から重症へ、そういう若い方が増えてきている。しかも、中等症というのは、私も現場で対応しているドクターにも聞きましたけれども、中等症から急変して翌日亡くなるとか、もう普通に起こり得る。ですから、中等症だから大丈夫とかそういうのは全く現場を理解していないということもお聞きしている中で、若者でそういう人たちが増えてきている。

 じゃ、若者へのワクチン接種を進めていこうと思えば、私の地元の自治体からも、この間も、そのとき加藤官房長官もおいでだったんですが、お聞きしたんですけれども、まさに今後の、九月以降とかそういうことも含めて、今後のワクチンの具体的な供給量、箱数、分量数、そしてその日程、こういったものを明確にやはりお示しいただかないと、現場は、混乱はないとおっしゃったんだけれども、混乱しているんですよ、私は現場に聞いていますから。その間、シフトを組んでも、玉がないから打てないから空回しみたいになっているんです。

 ですから、現場も混乱していますので、そういうことにならないために、特に若者へのワクチン接種ということも含めた対応も考えた今後の供給分の具体的な箱数、分量数、そして日程、こういったものを是非明確にお示しいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

河野国務大臣 八月末の供給についてはもう既にお示しをしているところでございます。また、九月の三クールを使ってそれぞれの自治体の十二歳以上人口の八割が二回打てる分の量をお出しをするということで、それを計算して都道府県にお渡しをすることになっておりますので、自治体には予見性を持って計画を作っていただくことができるようになっていると認識しております。

柚木委員 時間が来ましたので、終わります。

 本当に、今日の感染者数の発表数も大変気になるところでありますが、冒頭の資料につけましたように、五輪もしっかり取り組んでいただくのであれば、同時に、国民の命、暮らしがあっての感染防止策を是非しっかり対応をお願いして、質疑を終わります。

 ありがとうございました。

木原委員長 次に、塩川鉄也君。

塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 東京都など、首都圏で新規感染者数が急増しております。昨日の東京都の新規感染者数は、過去最多の二千八百四十八人となりました。東京都の二十七日の入院、療養者の状況を見ると、入院患者は二千八百六十四人で、一週間前の一・二倍、第四波のピークを既に超えております。自宅療養者が六千二百七十七人で、一・七倍に増えております。入院、療養の調整中という方が三千四百三人で、二倍にこの一週間で増えています。しかしながら、宿泊療養者の数は僅かに増えただけであります。

 この宿泊療養施設のキャパシティーが、現状、上限に達しているのではないのか、入院、療養等調整中の感染者を含め、医療的ケアが不十分な状況にある自宅療養者の重症化が強く懸念される事態ではないのか、このことを思いますが、大臣の見解をお聞かせください。

西村国務大臣 私どもも、東京の病床の状況、特に非常に危機感を持って見ているところでありまして、厚労省を中心に、東京都と連携しながら、病床の確保など対応しているところでありますが、御指摘のように、コロナに感染された方、患者さんについては、入院の必要性の判断を、年齢や、あるいは基礎疾患の有無なども含めて、症状なども含めて判断を行って、入院が必要でないと判断された方については、あとは家族構成なども、家庭内感染も増えておりますので、家族構成などを考慮した上で、宿泊療養か自宅療養といった療養場所の選定を行っているものと承知をしております。

 御指摘の宿泊療養施設につきましては、七月二十六日時点で二千九百四十室を確保しておりまして、過去最多であります千七百九十九人の受入れを行っているというふうに聞いております。

 そして、まさに感染状況を見ますと、約七割が三十代以下ということで、非常に若い世代が多いということで、独り暮らしの方なども多いということから、自宅での療養も多くなっているというふうに聞いております。

 こうして、ホテル、宿泊施設などで療養される方、あるいは自宅で療養される方々につきましては、症状に変化があった場合に速やかに把握して必要な医療につないでいくということが何より重要であります、急変することもございますので。

 この辺り、保健所で定期的に健康観察を行い、また医師会とも協力しながら対応されているというふうに聞いておりますが、症状が変化した場合に備えて、患者さんからの連絡や相談に対応する体制を構築をしてきております。

 東京都におきましては、自宅療養者に対する往診、訪問看護、こうした取組として、症状が悪化した場合の自宅療養者への往診も医師会そして民間事業者にも委託をしているというふうに承知をしております。こうした委託料など、厚労省からの緊急包括支援交付金などを活用することを可能としているところであります。

 いずれにしましても、感染状況、病床の状況をしっかりと共有しながら、必要な支援を行って、国民の皆さんの、都民の皆さんの命を守るべく、全力を挙げていきたいというふうに考えております。

塩川委員 自宅療養者の数が非常に増えている中で、保健所の負荷が大変大きくなっている、往診などの話もありますけれども、十分カバーし切れないような今の危機的な状況にあるという認識というのが必要であります。

 その上で、重症者用の病床確保数に占める重症者数の割合は二十六日時点で五八・二%となっており、ステージ4に相当するという深刻な事態であります。医療提供体制の逼迫の危機に直面しているのではないのか、この点についての大臣の認識をお尋ねします。

西村国務大臣 ワクチン接種が進む中で、高齢者の重症化、そして、そもそも感染者数含めて、かなり抑制されてきております。

 他方で、東京を中心に、全国そうなんですけれども、若者の新規感染が非常に増えております。また、四十代、五十代の入院者数、そして、その方々が中等症から重症になる例も増加をしてきております。まさに、医療機関への負荷、これを何とか抑えなきゃいけない、先手先手で医療提供体制を確保していく必要があるというふうに考えております。

 御指摘のように、重症者病床、これは国基準でいきますと、ICUやハイケアユニットなどに入っておられる方でいえば五〇%を超えておりますが、東京都基準の、いわゆる人工呼吸器を装着している、あるいはECMOを装着している基準でいいますと二〇%程度というふうに聞いております。

 いずれにしても、人工呼吸器は装着しないけれどもICUなどに入っておられる方もおられますし、また、いわゆる四十代、五十代で、中等症で、先ほど尾身先生からもありました、ネーザルハイフローと言われる高流量の酸素を投入することが必要な中等症の重い方々が増えておりますので、こういった状況を都と共有しながら、厚労省を中心に必要な体制確保に全力を挙げているところであります。

 東京都においては、医療機関に対して、最大確保病床六千四百六床の受入れ可能体制の確保と更なる増床要請を行ったものと聞いております。国としても、厚労省を中心にしっかりと支援を行いながら、重症病床はもとより一般病床も含めて確保でき、都民の皆さんの命を守れるように全力を挙げていければというふうに考えております。

塩川委員 東京都での増床の要請の話がありました。

 東京では二十六日に、都内の医療機関に対して、コロナ患者用の病床を更に確保する要請をしております。救急医療の縮小や停止、予定手術の延期、診療機能の縮小など、通常診療の制限も検討するよう求めています。

 西村大臣、通常医療が圧迫されるような事態に今至っている、こういう認識での対応が必要ということだと思いますが、いかがですか。

西村国務大臣 今後、様々な事態に備えて、いざ感染者の数の増加が続き、そして、まさに中等症から重症化する、この四十代、五十代の入院される方、あるいは重症者が増えた場合に備えてこうした要請を東京都で行っているというふうに承知をしております。

 現時点でもかなり逼迫しつつありますけれども、コロナへの対応と一般の医療と、何とか両立できるように、まずはこの感染の拡大を抑えていくこと、このことに全力を挙げていきたいというふうに考えております。

塩川委員 現時点でもかなり逼迫をしている、それが更に深刻な状況になりかねない。既に医療機関は多数の業務が重くのしかかっております。

 NHKの報道でも、墨田区の曳舟病院の話で、コロナの中等症までの患者受入れに加えて、救急外来、発熱外来、ワクチン接種、ホテル療養者への対応と、できることは全てやっているとして、その上にオリンピックで何かあれば対応しないといけないという話でありました。

 これ以上医療機関に負荷をかけない対策が必要であります。PCR検査の抜本的拡大やワクチンの迅速、安全な接種、医療スタッフの確保、医療機関への減収補填など財政措置をしっかりと行うことを強く求めるとともに、オリンピックそのものについても今こそ問い直すことが必要だと。

 助かる命も助けられないかもしれないという医療危機の事態のときにオリンピックが行われております。

 オリンピックは、国内の人流を促進して感染を拡大する懸念があります。政府は、一方で人流抑制といって国民に自粛を求めながら、他方でオリンピックという世界最大の祭典を行うというのは大きな矛盾であります。これではコロナ対策への国民の協力を得ることができないのではありませんか。

西村国務大臣 オリンピック・パラリンピック、今オリンピックが開かれておりますけれども、この開催に当たりましては、組織委員会そして自治体などで検討された結果、その多くを無観客で実施するということで承知をしております。現にそういうふうに実施をされているものというふうに理解をしております。さらに、来日する大会関係者の数も大幅に削減をし、関係者の家族も帯同しないということで聞いております。

 また、経済界も、この間の人流を減らすという観点から、テレワーク、時差出勤なども行ってくれておりまして、私からも改めてこのことも経済界にお願いをしております。

 さらに、首都高速のロードプライシングによって、大会期間中、千円値上げなどの対応、これによって都内に入ってくる車の量も抑制をし、都内の人流については、これまでの緊急事態宣言のときに比べると落ち幅は少ないですけれども、それでも一定の減少を見ているところであります。

 いずれにしましても、国民の皆さんにも御協力いただいて、何とか、先ほどの医療のお話でもそうであります、まさに医療提供体制を確保していく上でも何とか感染を抑えていかなきゃなりませんので、オリンピックについても、自宅で家族かあるいはいつもいる仲間と少人数で観戦、応援をしていただければということをお願いできればと思っております。

塩川委員 人流は一定の減少をしているという話です。菅総理も、人流は減少している、五輪中止については、それはないと発言をしておられます。しかしながら、先ほど尾身理事長も、人流減少は期待される水準には至っていないと述べておられました。

 車の流入制限やテレワークの実施での努力はありますが、宣言の抑制効果が発揮されておりません。デルタ株の影響もあり、感染者の減少に至らない可能性もあります。

 テレビで若者の声として、自分たちの行事は潰れたのにオリンピックはやっていいんだ、オリンピックをやっているなら出てもいいのかなとなるという声がありました。これは、オリンピック実施が市民の行動抑制に対する矛盾したメッセージになっているということではありませんか。

西村国務大臣 国民の皆様には、オリンピックの開催を含め、また政府の対応を含め、様々な御意見があるものというふうに理解をしております。

 また、このコロナへの対応が、昨年から考えればもう一年半にも及ぶ中で、自粛あるいは様々な時短の要請など行ってくる中で、自粛疲れということも含めて、本当に私ども、どうやって御協力をいただけるのか、特に飲食店の皆さんも、多くの皆さんが協力をいただいている中で、どうしても協力いただけない店舗もある、この不公平感なども根強くあるわけでございます。

 何とか協力いただけるように、そうした皆さんにも寄り添いながら、また、多くの国民の皆さんに、自宅で観戦をし、家族で、あるいは少人数で、いつものメンバーと応援をしていただける、そうしたことに御協力いただけるように、本当に苦慮しながら取組を進めているところであります。

 何とか御協力をいただけるように、引き続き、丁寧に説明も行いながら、寄り添いながら対応していきたいというふうに考えております。

塩川委員 今日の時点で、オリンピック選手十七人を始め、五輪関係者に百六十九人の感染者が出ております。WHOは、デルタ株がこれまでに百二十四か国で確認されたと二十一日に発表しておりますが、東京五輪の参加国、地域は二百六に上ります。つまり、デルタ株がまだ確認されていない国、地域からの参加者も多数いらっしゃいます。東京五輪で初めてデルタ株に接するという懸念、東京五輪が世界に感染を拡大させるスーパースプレッダーイベントとなる危惧は拭えません。

 国内国外コロナ感染拡大抑制策として、オリンピック中止という選択肢はないんでしょうか。

梶尾政府参考人 東京大会に参加します大会関係者等につきましては、入国時の検査に加えて、入国前及び入国後の検査が義務づけられており、特にインドなどから東京大会に参加するアスリートなどにつきましては、出国前七日間及び入国後も十四日間、毎日検査を行うということと承知してございます。

 御指摘の陽性者数の数がございましたけれども、いずれもルールブック等で義務づけられた検査の中で判明したものというふうに承知してございます。

 また、入国時の空港検疫におきまして陽性者が確認された場合には、まず空港で機内濃厚接触候補者をそれ以外の方と区分をして、濃厚接触候補者については、分離の上で待機施設などの個室に待機させた上で、濃厚接触者と認定された場合は引き続き待機する取扱いとされておりますし、また、選手村で陽性者が確認された場合には、陽性者を選手村の外の療養施設などに搬送するとともに、濃厚接触者を速やかに特定をして、ほかの方との隔離を行うことでクラスターの発生防止に万全を期すということで承知してございます。

 さらに、来日する選手や大会関係者に対しまして、行動範囲を宿泊施設と用務先に限定するとともに、常にマスク着用、人との接触を最小限に抑える、東京大会に必要な用務が終了後すぐに帰国する、特定区域から離脱する際に検査を実施するなどとされておりまして、特定区域からの離脱後についても必要な感染症対策が講じられると聞いてございます。

 安心、安全を確保するために、陽性者への対応だけでなくて濃厚接触者への対応も適切に行うことが重要でございまして、引き続き、組織委員会において、関係自治体とも連携して、しっかりした対応が取られるものと承知してございます。

塩川委員 バブル方式に穴があるということは、この間も指摘をされております。今からでもオリンピックは中止をして、コロナ対策を全力で取り組む、コロナから命と暮らしを守る活動に全力を挙げることを求めるものです。

 営業時間短縮等に係る感染拡大防止協力金についてお尋ねいたします。

 七月十二日以降の時短等の要請に応じた事業者に協力金の先払いをするものですが、それ以前の協力金が未払いになっております。今後の先払いとともに、これまでの未払い分を直ちに支給できるような改善策を図っていただきたい。いかがでしょうか。

西村国務大臣 大変大事な御指摘だというふうに認識をしております。

 重立った都府県、これまで時短要請などを行ってきた都府県、特に緊急事態あるいは蔓延防止などを行ってきた都府県におけます時短要請に係る協力金の支給につきましては、一月から三月分については約九八%支給済みということで聞いております。また、四月に開始した要請、これに関する協力金についても約七割の給付を終えたと聞いておりますが、いずれも、少し不備があったりする、やり取りする場合もあるかと思いますので、これも急いで対応していただければと思っております。

 五月、六月分につきましては、各都道府県で順次対応しておりますけれども、例えば東京都、五月十二日から六月二十日分について、七月二十六日から申請の受付を開始しております。

 そして、今般の緊急事態の分は先週の七月十九日から開始をしておりますので、今般の早期給付の分とこれまでの分が並行して作業が行われているというふうに理解をしております。そのために必要な人員の確保、それを国から費用、事務費を手当てをしておりまして、人員体制、東京都の例でいいますと、六百人から千人に拡充して並行的に行っているということであります。

 いずれにしましても、自治体をサポートしながら迅速に支給が行えるよう取り組んでいきたいというふうに考えております。

塩川委員 飲食店など、営業制限による減収に見合った十分な補償こそ必要であります。持続化給付金、家賃支援給付金の再支給を求めたい。

 この一年半、コロナで大きなダメージを受けた国民、事業者、地域を支援する抜本的な財政措置が必要だ、臨時国会を開いて総理自身が是非とも説明をしていただく、このことを強く求めて、質問を終わります。

木原委員長 次に、足立康史君。

足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。

 今日は、熱海の土砂崩落について質問をします。

 まず、副大臣の皆様、本当お忙しい中というか、地元からおいでいただいた方も多いかと思います。本当に、嫌がらせではなくて、どうしてもほかの委員会がないものですから内閣委で取り上げさせていただくということでございます。

 まず、葉梨副大臣、県からいろいろ聞いていただいていると思います。事案の概要、それから、特に国会議員の皆様のいろいろな発信、ツイッターとかを見ていると、いや、太陽光パネルが、太陽光パネルがという、細野豪志さんを始めとする、ひどい発信があります。私は、太陽光パネルではなくて、いや、太陽光パネルは別途議論せなあかんのですよ、問題は多いです。でも、今回の熱海の事案は建設残土、建設発生土が主因であると思っていますが、どう認識をされているか、御紹介ください。

葉梨副大臣 お答えします。

 委員もよく御存じのこととは思いますが、この盛土周辺の太陽光パネルなんですが、谷筋が違うんですよね。排水が別の方の谷に行われていたということで、一応、県の発表では、今回の土石流とは、影響はそれほどないんじゃないかというような会見があるということです。

 あっちの盛土の方は、やはり、森林法で一ヘクタール以上のものについては知事の許可が必要なんですけれども、平成十九年にその一ヘクタールを超えていたということが分かりまして、是正いたしました。その後、一ヘクタールを超えることはなかったんですが、いろいろな土砂等が運び込まれたということで、いろいろな指導が行われたというふうに聞いています。

足立委員 これは違法性が高い、私は違法だと思っています。森林法あるいは砂防法、あるいは、さらには産廃、廃掃法、議論があります。

 まず、警察庁小田部生活安全局長、お越しいただいています。静岡県、熱海市から警察当局に相談が事前にあった案件か、本件について事前相談があったかどうか、御紹介ください。

小田部政府参考人 お答えいたします。

 静岡県警察に確認したところ、これまでに当該盛土に関連する相談を受けたことはないとのことであります。

足立委員 ないんですね。

 しかし、はっきり言って、私の認識ではこの分野は警察しか手に負えません。県や市がいろいろ指導、是正指導したということですが、私が全国の事案でこれまで仄聞してきたのは、ちょっとなかなか、怖い人が多くて、とてもじゃないけれども、通常の、県の、市の職員が対応できるものではない。是正指導をするというのは、取りあえず、やばいから、やばいというのは違法だから、指導したよ、はい、この紙、指導しましたという、何というか、言い訳というか、いや、一応しておいたからねという程度のものであって、本格的に介入をするには、私は警察が動かなければならないと思っています。

 本件は、なぜ、ここまで大変な事態が積み上がってきていたにもかかわらず、静岡あるいは熱海はそういうアクションまで到達しなかったのか。葉梨さん、どう聞いていらっしゃいますか。

葉梨副大臣 先ほど御答弁いたしましたけれども、森林法の林地許可の違反があるということで是正指導を行って、一ヘクタール以下には是正は実際されたんです。ですから、指導だけをして、その後確認していないということではないんですけれども、今現在、その盛土に関する過去の経緯については確認中でございます。

 現時点では、静岡県又は熱海市による警察の相談の有無などについては分からないというような報告を受けているんですけれども、是正の指導を行って一ヘクタール未満に是正をされたということは事実でございます。

足立委員 環境省、笹川さん、ありがとうございます。質問します。

 これは明らかに、報道によると、廃掃法違反だ、私はそう見えますね。これはなぜ、しっかり検挙されて、要は司直の手に渡っていないのか、よく分からないんですよ。どう見ていらっしゃいますか。

笹川副大臣 県に確認をさせていただきましたが、二〇一〇年、廃棄物処理法に基づいて指導、そしてそれに基づいて対応したということでありますので、県から警察への相談を行っていないということでありました。

 以上であります。

足立委員 ちょっとよく分からないですね。今の、葉梨副大臣それから笹川副大臣に御答弁をいただきましたが、結局この案件は、要は、指導して是正されたのである、問題ないのであるということですか。いや、私は違法性が大変高いし、廃掃法に至っては刑事事件だ、こう思っているわけですが、私は推測をしているわけですが、県から聞く限りにおいて、森林法、まあ、後で国交省も伺いますが、あるいは廃掃法上、違法性は、国としては、県から聞く限り、なさそうだということですか。

葉梨副大臣 お答えします。

 私が答弁しましたのは、一ヘクタール以上であるということの通報がありまして、それを一ヘクタール未満にするというその限りにおいての森林法違反、これについては是正がされたということでございまして、この経緯について、今、静岡県についても、いろいろな形で調べておりますので、森林法関係になるのか、あるいはほかの法律の関係になるのか、我々としてもしっかり調査に協力をして、そういった違反があったのかなかったのかということにも、調査にはしっかり協力をしていきたいと思います。

足立委員 これは、各省が、静岡で取りあえず調べるからと、こうなっているわけですが、それでいいのかなと。

 渡辺副大臣にもお越しいただいています。

 国交省は、盛土を全国調査するとか、いろいろ、それは承知していますよ。それから、報道によると、追跡システムを新たにやるんだみたいな報道もありました。しかし、確認すると、いや、そんなものは去年からもうやっていて、別に今回のことを通じて新しい措置に踏み切ろうとしているのではないと聞いています。つまり、今、国はこれを見ているだけなんですね。盛土調査はするけれども、静岡の調査を待っている。何でこんなのんびりしているのかなと。

 ちょっと、その追跡の話はもう時間がないので割愛しますが、国交副大臣に通告させていただいているもう一つ。要は、これは私は人災だと思っています。

 ここに資料をお配りしていますけれども、私の地元でも土砂崩落がありました、二〇一四年です。それ以来、これだけのアクションを取ってきましたが、自民党、これは私の地元の自民党の代議士にも相談しました、当時、二〇一四年。私たち日本維新の会が建設残土安全確保法案を作ったから一緒にやらないかと申し上げましたが、私の地元の代議士は、いや、やらないと。

 誰もやらないんですね、これ。何か深い裏があるのかもしれませんが、誰もやりません。太陽光パネルは細野豪志さんが取り上げますよ。でも、細野豪志さんは、太陽光パネルの問題ではないんだ、今、葉梨副大臣からあったように、残土の問題なんだとなった途端に黙りました。

 そういう中で、御紹介をしているように、大阪府を中心に、被害を受けている地域の都道府県が集まって全国ネットワーク会議というのを、大阪府が庶務というか事務方をやって立ち上げてきました。私がお願いをして、大阪府からは毎年の重点要望に法整備を入れてあります。

 これは法律の問題だ、法律の不備だ、法律の不作為であるということを申し上げてきましたが、国交省としてどうお考えか、御答弁ください。

渡辺副大臣 建設発生土につきましては、有効利用されずに不適切に処分される事例が見受けられたことから、平成二十七年に農水省や環境省などと関係省庁会議を立ち上げ、法令遵守や現場における体制の整備等に取り組むとともに、ただいま委員御指摘のございました、府県等で構成するネットワーク会議に参加し、地方公共団体との情報共有や連携等を図ってきたところでございます。

 一方、今月三日に発生いたしました熱海市における土石流災害については、現在、静岡県において、県条例、森林法、廃棄物処理法等に基づくこれまでの対応も含め調査が進められていると承知しております。

 現在、赤羽大臣の指示を受けまして、関係省庁と連携し、全国的な盛土の総点検を行っていくこととしておりまして、その状況等を踏まえ、国土交通省のみならず、関係府省が一体となって今後の対応策について検討してまいりたいと思います。

足立委員 最後、もう一問、ちょっと更問いを渡辺副大臣に申し上げたいんですが、これまで国交省を中心とする霞が関は、内閣は、これは条例でやってくれということになっていました。私は法律が必要だ、全国がそう思っています。

 これはしっかりと検証して、法律が必要か、条例でできるのか、しっかりと検証した上で、必要があれば法改正する、新法を作る、よろしいですね。

木原委員長 渡辺国土交通副大臣、時間が来ておりますので、簡潔にお願いいたします。

渡辺副大臣 検証の結果、必要とあれば、制度面での対応も考えていかなければならないと考えております。

足立委員 終わります。ありがとうございます。

木原委員長 次に、高井崇志君。

高井委員 国民民主党・無所属クラブの高井です。

 質問の機会をいただき、ありがとうございます。早速質問いたします。

 先ほどから、東京都の感染者数、二千八百人を超えた、かなり衝撃的な数字ではあります。ただ、私、感染者数のみで一喜一憂すべきではないとも思っていまして、ワクチン接種がこれだけ進んだ状況においては、やはり、死亡者数、重症者数あるいは中等症数、入院逼迫数などを冷静に見て判断すべきで、一月の二千五百人と今の二千八百人はやはり違うと思います。

 ただ、一方で、どんどん増えている、これが三千、四千あるいは一万ということになれば、これはやはり看過できないわけですから、この点、まず聞きたいと思いますが、なぜこんなに増えてしまったか、更に増えていくのかということですが、私が考えるに、やはり緊急事態宣言、ちょっと言葉は悪いですけれども、安売りし過ぎたといいますかね、何度も発出をして、そして今回も一か月、本当に、緊急事態宣言といっても全くぴんとこないという方が多い。

 これは、我々国民民主党、ずっと玉木代表も言ってきましたけれども、北風と太陽という考え方で、やはり短期集中で、もうロックダウンに近いことをやる、ただし、一方でしっかり補償するというその組合せができていないことが最大の原因だと思います。

 その最たるものは、七月二十五日の日経新聞に出ているんですけれども、都内の飲食店の何と五二%が今、午後八時以降も営業を続けている、お酒も提供し続けている。半分以上のお店が開いていたら、それはもうみんなどんどん行きますよね、普通に行っても二軒に一軒は開いているわけですから。これではやはり緊急事態宣言とはとても言えない。

 なぜそうなったかということを西村大臣に聞きたいと思いますが、私はやはり、西村大臣の緊急事態宣言発令のときのあのメッセージ、上から目線とも言われました、金融機関や酒類販売事業者に対する要請の仕方も悪かった。あるいは、やはり協力金が非常に金額も少ないし、支給も遅い。様々な要素でこういう事態を招いていると思いますが、大臣の受け止めはいかがですか。

西村国務大臣 まず、御指摘の日経の記事でありますが、記事によりますと、七月の二日間にわたって、営業していた新宿や渋谷などのお店百店舗ずつをサンプルとして記者が目視調査を行って、半数以上が営業していたというふうに承知をしております。

 営業していた店を中心に見ておりますので、全体で見ると、東京都の報告では九五%以上の店が要請に応じてくれているということで、数千店舗が都内でいえば協力に応じていただけていないというふうに報告を受けております。

 まさに、協力をしていただいている店とそうでないお店の間の不公平感、これもあり、そして、開いていると人が出る、人が出るとまた店が開く、不公平感もあってまた店が開く、こういった中で、何とか協力をいただけないかということで、様々考え、対応してきたわけであります。

 御指摘の、私ども、最大、月額換算で六百万円の協力金を支給をしております。これは、全国の飲食店の平均的な固定費をカバーできるもの、そして、家賃、最大六百万円まで考えた場合に、ほぼ九九・九%以上のお店をカバーできる、そうした水準であると理解をしております。協力いただけるに適切な金額であるというふうに考えているところであります。

 さらに、従業員の方を休ませたりシフト減する場合には雇用調整助成金も使えますので、そういった意味で、これは様々、御党からも御提案いただいたことを踏まえて私ども対応してきたわけでございます。

 その上で、御協力いただけるようにどういう取組をするかということで、早期支給の仕組みであったり、あるいは、見回り、呼びかけ、東京都においても更に百人増員をして取り組んでいくというふうに聞いておりますし、協力金の早期支給を六百人から千人体制にして行うということで、迅速な支給に取り組んでいるところであります。

 御党から御提案のあった融資の仕組みについても、私ども、考え方としてはあり得るものというふうに理解をして様々検討をしてきておりますけれども、以前にも少し御指摘したように、アメリカの例を見ますと、二重申請、虚偽の申請なども、五千億円以上の受給があったということ、そして、この二重申請を防ぐために名寄せのシステムなど、多数の金融機関をつなぐシステムも必要となってくるのではないか、あるいは、それをつくることは現実的ではありませんし、さらに、金融機関に二重防止の確認を求めるのはまたコスト増にもなる、かえって支給が遅れることにもなりかねない、様々な観点で、もちろん、役所はできないことを並べる傾向がありますので、そういったことも踏まえながら、何かいい仕組みがないかということで、引き続きこれは不断の検討は進めていきたいというふうに考えておりますし、諸外国の例も引き続き検討を進めているところであります。

 いずれにしましても、不公平感を解消して何とか多くの店に御協力いただけるよう取り組んでいきたいというふうに考えております。

高井委員 ずっと不断の検討と言いながらもうここまで来てしまっていますが、是非、私は、役所の方とちょっと一度話をさせてください。やはり、誤解されているというか、アメリカの制度の話をいつもされますけれども、その部分を払拭した案を我々国民民主党が中心になって法案提出していますので、ちょっと、西村大臣とここでやり取りしても、そんな時間ありませんから、是非一度、担当の方と直接話をさせていただいて。

 大臣も、今のままでは不十分というか、まだ検討したいとおっしゃっていますから、これはやはり、どう考えても不十分だからこういうことが起こるわけですよ。やはり、大臣の発言以前の問題として、明らかに、協力金の支給が遅い、それから金額が不十分。さっき九十何%かは閉めていると言いましたけれども、小さな店は閉めてももうかるんですよ。そのことによって不公平だという声もまた大きいんです。大きな店ほど、しようがなく開けて、そして、八時以降も平気で、一旦破ってしまえば、もう十二時だって、一時だって、朝までだってやりますよ。

 だから、悪循環になっていますから、ここはやはり補償をしっかりするということを、今からでも遅くないですから、是非、我々と一緒に、考えさせていただきたいと思います。

 続いて、同じような話で、月次支援金、一時支援金、今日、経産副大臣に来ていただいていますが、これも非常に評判悪いんです。これは国がやっていますからもう責任逃れできないと思いますけれども、これが非常に支給が遅れている。

 一時支援金に至っては、今日、私、ツイッターをたくさん、副大臣にはお渡ししていますけれども、四月八日に申請してもう百十一日も放置されている例なんかがあったり、あるいは、月次支援金も、このツイッターを見ていただくと、例えば、緊急事態宣言の地域の顧客との取引を証明しろなんというんですけれども、そんなのいいじゃないですか、ある程度で。あと、業種を書けとか。お客の業種なんか、そんなに正確に分かりませんよ。それから、ちょっと不備があると、二、三週間申請が止まるそうです。何かちょっとミスをしても、それを教えてもらえない、三週間教えてもらえないから、修正できないんですね。修正できるシステムに、自分で修正するシステムにしたらいいと思います。それから、六月十六日から申請を開始して、これがまだ支給されていないのに、後の人がどんどん先に行っているとか。あと、コールセンターに幾らかけても、全く要領を得ない。審査とコールセンターが全然つながっていない。

 こういうことを考えると、まず、原因は何かということを是非教えていただきたいのと、それから、審査の要件をもっと緩和すべき、それから、業者に委託していますけれども、ここは人員を増強してください。ここにかかるぐらいの予算を出すことで、多くの方々、困っている方が安心して、一日でも早く受けられるんだったら、そこに予算をかけることは私は全く無駄ではないと思います。むしろやるべきです。それから、支給額も少ない。法人二十万、それから個人十万では全く足りません。

 是非、経産副大臣、この件、真剣に受け止めていただいて、改善していただけませんか。

江島副大臣 今御指摘のありました月次支援金の給付が遅いという声があることは承知をしているところであります。

 また、これまで、先に申請を受け付けてきた一時支援金を中心に審査を進めてきたところでありますが、月次支援金も順次給付をしているところでございます。

 この月次支援金の申請に関しましては、なるべく申請者の負担を減らすために、可能な限り簡略化を今図ることとしております。例えば、既に一時支援金や月次支援金を受給したことがある事業者には、これは、登録確認機関による事前確認そのものを省略を今しております。また、一時支援金の申請時に提出をいただきました例えば確定申告書それから本人確認などの書類、これは、二回目以降の申請の際は提出を不要とするというような措置をしているところでございます。

 引き続き、これは経産省としても、できるだけ早く給付できるよう、必要な取組は是非していきたいと思っております。

 また、金額について御質問がございましたが、この月次支援金の給付上限額に関しましては、これは一時支援金と同様の考え方に基づきまして、固定費の半分程度に相当する金額ということで設定をしております。一月当たりの金額としては、今現在、法人が二十万円、それから個人が十万円という金額でございます。これは、一月当たりで見ますと、十二か月分の地代家賃、それから広告宣伝費等の固定費を勘案して設定をいたしましたいわゆる持続化給付金、この給付金額を上回る金額、水準になっているところであります。

 是非、こちらに関しましても、引き続き、必要とする方々にこの支援金が行き届くよう、迅速性というものは御指摘のように非常に重要なものでありますので、しっかり取り組んでいきたいと思います。

高井委員 是非、副大臣のリーダーシップでこれはやってください。遅れが出ていることは認識しているとおっしゃっていました。

 私は、ツイッターの、すごくいい改善の提案をたくさんいただきましたので、これは副大臣にもお渡ししていると思うので、よく目を通していただいて、一つでも二つでも改善していかないと、本当に不満の声がたまっていますので。時短協力金は都道府県がやることですけれども、これは国がやっているんですから、まず国が率先して、こんなところで不満を持たれたら都道府県だってついてきませんから、是非これはもう早急に。

 私は、やはり予算をかけていいと思いますよ、ここの部分。委託費をもっと払ってでも人員を増やして、コールセンターの人も増強して、とにかくこの不満を払拭してください。

 これは、財務副大臣も今日来ていただきましたけれども、このくらいの予算、財務省、本当につけてくださいよ。さっきの時短協力金だって、金額が少ないからこんなに大騒ぎになって、緊急事態宣言も効果を発揮しないんですよ。本当は財務省が一番私は責任があると思いますよ。

 厚労委員会でもう何度も取り上げてきましたけれども、生活困窮者自立支援金、あるいは総合支援資金、これなんて貸付けですから、なぜこれをできないか。

 それから、もっと言えば、国民一律十万円給付、あるいは消費税減税だって、私は、是非やるべきだと、そのくらいのことを。副大臣とはもう何度も厚労委員会でやり取りしてきました。財政健全化が必要だと。そこは見解が違いますけれども、百歩譲って財政健全化も必要なんだとしても、今じゃないでしょう。今は財政健全化よりも経済を優先する局面ですから、私は、国債を発行して、そして、今言ったこういったことを解決する。財務省に、是非、副大臣、決意を聞かせてください。

木原委員長 伊藤財務副大臣、時間が来ておりますので、簡潔にお願いいたします。

伊藤副大臣 高井先生には累次にわたり御質問いただいておりまして、大変ありがとうございます。

 同様の答弁になりますけれども、新型コロナ感染拡大の影響を受けている方々に対しては、雇用、収入、住まいの確保などの様々な課題に対してきめ細かな施策を講じることが重要だと考えております。

 引き続き、繰り越した予算、これは三十兆ほどございますけれども、生活に困窮される方々や厳しい状況にある事業者への支援をしっかりと行ってまいりたいと考えております。

高井委員 本当に、何十兆とは言いませんよ、せめて、自立支援金五百億ですよ、総合支援資金千六百、貸付けですから、是非これだけはやっていただきたい。お願いして、質問を終わります。

 ありがとうございます。

木原委員長 本日は、これにて散会いたします。

    午後三時九分散会


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