第7号 令和4年3月9日(水曜日)
令和四年三月九日(水曜日)午前九時二分開議
出席委員
委員長 上野賢一郎君
理事 井上 信治君 理事 工藤 彰三君
理事 平 将明君 理事 藤井比早之君
理事 森田 俊和君 理事 森山 浩行君
理事 足立 康史君 理事 平林 晃君
赤澤 亮正君 伊東 良孝君
石原 宏高君 金子 俊平君
小寺 裕雄君 杉田 水脈君
鈴木 英敬君 高木 啓君
谷川 とむ君 永岡 桂子君
平井 卓也君 平沼正二郎君
古川 直季君 松本 尚君
宮路 拓馬君 宗清 皇一君
柳本 顕君 山田 賢司君
吉川 赳君 和田 義明君
大串 博志君 堤 かなめ君
中谷 一馬君 馬場 雄基君
本庄 知史君 山岸 一生君
阿部 司君 浅川 義治君
堀場 幸子君 河西 宏一君
輿水 恵一君 浅野 哲君
塩川 鉄也君 緒方林太郎君
大石あきこ君 山本 太郎君
…………………………………
国務大臣
(国家公務員制度担当) 二之湯 智君
内閣官房副長官 木原 誠二君
内閣府大臣政務官 小寺 裕雄君
内閣府大臣政務官 宮路 拓馬君
内閣府大臣政務官 宗清 皇一君
政府特別補佐人
(人事院総裁) 川本 裕子君
政府参考人
(内閣官房内閣人事局人事政策統括官) 堀江 宏之君
政府参考人
(内閣法制局総務主幹) 嶋 一哉君
政府参考人
(人事院事務総局総括審議官) 柴崎 澄哉君
政府参考人
(人事院事務総局職員福祉局長) 合田 秀樹君
政府参考人
(人事院事務総局人材局長) 西 浩明君
政府参考人
(人事院事務総局給与局長) 佐々木雅之君
政府参考人
(デジタル庁統括官) 篠原 俊博君
政府参考人
(デジタル庁審議官) 山本 和徳君
政府参考人
(総務省大臣官房審議官) 池田 達雄君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 富田 望君
政府参考人
(厚生労働省雇用環境・均等局雇用環境総合整備室長) 岸本 武史君
内閣委員会専門員 近藤 博人君
―――――――――――――
委員の異動
三月九日
辞任 補欠選任
石原 宏高君 古川 直季君
宮路 拓馬君 谷川 とむ君
宗清 皇一君 柳本 顕君
山岸 一生君 馬場 雄基君
國重 徹君 輿水 恵一君
山本 太郎君 大石あきこ君
同日
辞任 補欠選任
谷川 とむ君 宮路 拓馬君
古川 直季君 石原 宏高君
柳本 顕君 宗清 皇一君
馬場 雄基君 山岸 一生君
輿水 恵一君 國重 徹君
大石あきこ君 山本 太郎君
同日
理事國重徹君同日理事辞任につき、その補欠として平林晃君が理事に当選した。
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
理事の辞任及び補欠選任
政府参考人出頭要求に関する件
一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出第七号)
特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第八号)
国家公務員の育児休業等に関する法律及び育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第九号)
公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件(人事院勧告)
――――◇―――――
○上野委員長 これより会議を開きます。
理事の辞任についてお諮りいたします。
理事國重徹君から、理事辞任の申出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○上野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
引き続き、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
ただいまの理事の辞任に伴い、現在理事が一名欠員となっております。その補欠選任を行いたいと存じますが、先例によりまして、委員長において指名するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○上野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
それでは、理事に平林晃君を指名いたします。
――――◇―――――
○上野委員長 公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件、特に人事院勧告について調査を進めます。
この際、お諮りいたします。
本件調査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、内閣官房内閣人事局人事政策統括官堀江宏之君外四名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○上野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○上野委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。森田俊和君。
○森田委員 立憲民主党の森田でございます。よろしくお願いいたします。川本総裁、よろしくお願いいたします。
任期が始まってから初めての国会の質疑ということでよろしいでしょうか。よろしくお願いいたします。ということもございまして、いろいろと、総裁の御自身のこれまでの御経験、いろいろと背景も生かした形でのお仕事というのを期待するわけでございますけれども、初めてということもございますので、是非、御本人の、忌憚のない、働き方であったり、あるいは人の人生をどういうふうに組み立てていくか、こういうことも含めてお考えをお聞かせいただいて、今後の国家公務員の人事全般に対する議論に是非参考にさせていただきたいなというふうに考えております。
組織というのはやはりトップ次第だというところもありまして、これまでも、総裁が書かれた論説だとかいろいろな記事を拝見いたしまして、いろいろと御自身のお考えで様々なことに取り組んでいかれるんだろうな、そんな姿勢を感じているところでございます。
会社なんかも、社長以上に会社は伸びない、こういうことも言われたりしておりますけれども、やはり人事院が、普通の企業であれば、例えば何か事が起こった場合には、労働基準監督署がそこに入ってしかるべき指導をして、あるいはまた追加の超過勤務の手当を払ったりとかということも含めて民間企業は対応しなければいけない。かなりそういったチェック機能、あるいは強制力を持った機関というのが存在する一方で、公務員の働き方というものは、そこまでの強制力だとか抜本的な改革を促すような仕組みというものが、用意はされているんでしょうけれども、なかなか、見ていると、それが機能し切れていないんじゃないかなというようなこともございます。ということも含めて、総裁と議論をしていきたいなというふうに思っております。
日経ビジネスの記事を読ませていただいたときに、これは総裁もデータを引用されているということで論説を書かれていらっしゃいましたけれども、会社に対するあるいは職場に対する熱意がない、働き続けたいという意欲がないという一方で、じゃ、転職しようかとか、あるいは自分で仕事を起業しようかとか、こういう意思もない。結局、今の立場、今の職場にこだわってやっているような、そんなような、そういう調査からしてみると姿が浮き彫りになっている。今の日本で働いていらっしゃる方の姿をそういうことでそこに見出したんだ、こんなようなお話がありました。
国家公務員の途中での退職が大分問題になっておりますけれども、これは別に国家公務員だけの問題ではなくて、やはり、意欲を持って入った人が、まあ、いるかどうかはちょっと分かりませんが、いずれにしても、入った途端に、ちょっとこれは自分の考えと違うとか、自分のやりたいこととは違うんだみたいな形の中で、せっかく苦労して入った職場なのに辞めてしまう。それが、しかも、一年とか二年いてくれればまだいいんですけれども、本当に、数週間とか数日とか、そういう短い単位で辞めてしまうという方もいらっしゃるというふうに聞いております。
ですから、これは、私、国家公務員だけの議論ではなくて、やはり意欲を持って、自分の与えられた人生を一生懸命頑張ってみよう、例えば自分がこういうことに励んでみたいというのであれば、そのことの目的に向けて一生懸命やるんだという、意欲を持った人材というのをどうやって日本の中に輩出していくのか、育てていくのかということが、いろいろなことの問題に関わるところですけれども、これは国家公務員にかかわらずの話でございますが、大事じゃないかなというふうに思っております。
この意欲を持った人材の育成ということについて、これは別に人事院だけがどうのこうのという話じゃないので広く捉えていただいていいんですが、どういうふうにこれから日本の国全体として人材育成ということに取り組んでいくべきとお考えか、総裁のお考えをお聞かせいただきたいと思います。よろしくお願いします。
○川本政府特別補佐人 お答え申し上げます。
人々が自分の可能性を信じて、自分は成長、進化できると思える職場づくりが大切だと思っております。難しい課題も成長の機会と捉えまして挑戦をするとか、適切なフィードバックを受け成長の好循環をつくり出していくということができれば、人々は働くことに意欲を持っていけるのではないでしょうか。
個人も組織も成長する職場を目指して、個々の職員がその能力や経験を十全に発揮し、意欲を持って全力で働くことのできる魅力ある公務職場を実現するためには、やはり幹部職員や管理職員が組織マネジメントに真摯に取り組むことが極めて重要です。
加えまして、職員の能力を十分に引き出していくためには、個々の職員の希望や置かれている事情に応じた働き方が可能となる働きやすい勤務環境を整備することが求められていると思っております。
以上の認識の下、人事院としては、研修の提供や勤務環境の整備など、公務員人事管理全般に関する取組を進め、多様で有為の人材がそれぞれの能力や経験を十全に発揮し職務に精励できる公務職場の実現を目指してまいりたいと思っております。
○森田委員 分かりました。ありがとうございます。人事院としてのお立場でいうと、そういうことになるんだろうなというふうに思っております。これは、ほかの、例えば文科省とか、いろいろと人材育成を担当するところとも是非お考えを交換していただければなと思います。
やはり、何々しなければいけない、あるいは誰かが言ったからこうだということでは、なかなか意欲ある人材というふうにはならないと思っております。これは小さい頃からの話だと思いますが、是非、まず私たち親世代が、そうやってリスクを多少取ってでも前に進むんだ、こういう感覚を持っていく必要もあると思いますし、また、学校教育の中で、様々な課題を自分で設定をして勉強していくというような、いわゆる知識詰め込み型ではなくて、自分で学ぶ喜びというものをどれだけ教育制度の中で実感、体感していけるかということも大事な問題ではないかなというふうに思っておりますので、これは総裁というよりは、いろいろと今まで御経験のあるお一人として、是非そういった、しかるべき方と議論を進めていっていただきたいなというふうに考えております。
先ほど、働きやすい職場環境の実現というお話が御答弁の中でありました。
確かに、生き生きとやりがいを持って、生きがいを持って職業に当たれるということが、公務員だけではなくて、それぞれの職場にとっても大事なことではないかなと思っております。
その中で、形式的な意味でいうと、最重要課題だというふうに考えておりますのが超過勤務の話、長時間の労働ということでありまして、これまでもいろいろと、この委員会でも公務員制度を扱うときには議論させていただきました。
民間企業では普通に行われている、例えばタイムカードを打って時間を管理するとか、例えばパソコンのログインの記録で入退職の管理をするとか、そういういわゆる客観的な事実というものを基にした勤務管理というのを普通は行っているという職場が多いわけでございますけれども、そもそも、そういった管理が国家公務員の職場ではなされていないということがありまして、判こを押してやるとか、それが数人のレベルであればいいのかもしれませんけれども、数百人とか数千人とかという規模の職場でそういうことの管理というのは、なかなかこれは普通に考えても難しいだろうなというふうに思っております。
河野大臣のときに在庁時間の管理というのをやっていただいたということで、これは非常に意味があったんじゃないかなというふうに思っております。
よく言う言い訳としては、在庁時間というのは、在庁しているだけであって、別に、上司が指示をして、命令をして、残ってこの仕事をやっていけと言ったわけじゃなくて、好きでやっているんだ、こういう理屈もないわけではないという話も聞いておりますけれども、かといって、じゃ、好きだからといって夜中の何時までいていいのかといったら、そういうことでもない。やはり適切な時間の管理というものが必要になってくるだろうなというふうに思っております。
そういう数字が明らかになってきたということもありまして、これは内閣の方でやったわけでございますけれども、そういう数字も参考にしながら、人事院としてもしかるべき役割というものを超過勤務の問題については果たしていくべきだというふうに考えておりますけれども、総裁のお考えをお聞かせいただきたいと思っております。
○川本政府特別補佐人 お答え申し上げます。
長時間労働を是正するためには、適正な勤務時間管理を含め、幹部職員等が組織マネジメントに真摯に取り組むことが重要と考えております。このため、昨年の勧告の後に私も各府省の事務次官を訪問いたしまして、超過勤務の縮減に向けた取組について直接要請を行いました。
令和元年度から導入している超過勤務の上限に関する制度の運用が適切に行われるよう、本院の勤務時間制度の担当課長が各府省の人事担当課長等に対してヒアリングを行うとともに、必要な指導も行っております。
また、長時間労働を是正するためには、当然のことながら、業務量に応じた要員の確保が必要です。このため、昨年の報告において、各府省において必要な業務の合理化を行った上で業務量に応じた要員を確保される必要があることについて改めて指摘をしております。
さらに、国会対応業務の改善を通じた長時間労働の是正が喫緊の課題との声が多くあります。これまで質問通告の早期化やオンラインによる対応を進めていただいておりまして、行政部内でも最大限の取組を行ってまいりますけれども、国会等の一層の御理解と御協力のお願いを昨年の人事院勧告時の報告においてさせていただいたところです。
人事院としては、このような取組を通じて、引き続き、長時間労働の是正に向けて、最大限努力してまいります。
○森田委員 ありがとうございました。質問通告については早めに出したいと思います。
先ほど、事務次官の方と直接面談をしていただいてというような話もありました。これも、いわゆる他律的な業務という言われ方をしているというふうに承知しておりますけれども、いろいろと、国会の対応が入ったりとか、あとは、災害のことが起こったらそれとはまた別の話で、これはしようがないでしょう、こういう話もあるわけでございますけれども、余り特例のことばかり話をしているとやはり話が進まないということもありますので、省庁ごとに、じゃ、どういう範囲で他律的業務を定めるのかということも含めて、ずっと一つ一つ省庁を見ていただくと、中にはほとんどの業務が他律的業務に含まれてしまっているようなところもあったり、あるいは、それが二、三割であったりとか、ばらつきもあるというふうなことも聞いておりますので、是非人事院として、省庁をまたいだ形で、適切に、他律的な業務であれば、他律的業務の指定というものがなされているのかということをチェックをしていただきたいなというふうに思っております。
もう省庁にお任せだ、このぐらい指定したからそれでいいんじゃないですかということではなくて、やはり厳しい目でそこはメスを入れていただく。他律的業務になっているから、そこは何でもかんでもいいでしょう、まあ、何でもかんでもいいというわけではないですけれども、長時間、やむを得ないというようなことが許容されることがないように、そういったメスを是非入れていただきたいなというふうに思っております。
それから、育児休業の話、今回の勧告の中にも入っておりましたけれども、特に男性の育児休業の取得についてお尋ねをしていきたいと思っておりますが、これは単純に規則で定められたからどうのこうのというお話ではないというふうに思っておりまして、例えば男女共同参画というようなキーワードの下であったりとか、あるいは少子化対策というキーワードを出しても、非常に大事なことであるというふうに思っております。
例えば、男女共同参画ということを言っても、女性が職場に出ていくということはいろいろなところでこれまでもテーマになってきましたが、やはりその裏側の話で、男性が家事、育児に参加をしていく、参加というか、自分がその役割を担っていく。
私も今朝、洗濯をして干してから出てまいりましたけれども、別にそれが偉いというわけではなくて、うちの妻も、私の議員業のいろいろな会計のことを手伝ってもらったりとか、あるいは、私、福祉施設をやったりしているものですから、そういったところの事務長的な役割をやってもらったり、いろいろ仕事も本当に熱心にやってもらっていますので、だからそのお返しだというわけではなくて、やはり、お互い仕事をするのであれば、お互い家事、育児の方も同じようにやっていくというのが、これはしかるべきことではないかなと。
私がよく怒られるのは、何か手伝えることはあるかということを言うと怒られるということがあります。それは私がやることだと思っているから手伝いという言葉が出てくるんでしょう、あなただって親なんだから、自分の子供でもあるんだから、それは手伝いじゃなくて自分の役割なんだ、だから、何かできることがあるかとか、今何をすべきかとか、そういう聞き方だったらまだ分かるけれども、手伝いというのはけしからぬ、そういうふうに怒られたりするんですけれども。
ですから、やはり、特に年齢層が高ければ高いほど、この役割は男の役割だとか女の役割だみたいなことを、特に職場で、家事、育児にそんなに参加というか、役割として担っていない方がそういうことをおっしゃるケースが多いんじゃないかなというふうに思っておりまして、そういったことを考えますと、やはり若いうちから、若いうちからというか、子供が生まれたときというのが、育児に参加する、家事をちゃんとやるということに対するきっかけとしては、一番いいきっかけだというふうに思っております。
ですから、やはり女性は、自分のおなかを痛めて、体に変化が起こっていって、十月十日でという言い方をしますけれども、出産をして母親になるという、その過程があるわけですけれども、男の方は、突然子供が、まあ突然ではもちろんないんですけれども、体に何か痛みがあるわけでもないし、気持ち悪いわけでもないし、そういったことの中で、急に子供を授かって、急ではないにしても子供を授かって、そこで父親に一応形式的にはなるわけなんですけれども、だからといって、急にこれは父親になれるわけでもない。
ですから、その中で、やはり職場において、きちんとしかるべき期間を、育児に当たれるという期間をいただけるというのは、これは人生にとってすごく意味のある、あるいは社会にとってもすごく意味のあることではないかなというふうに思っておりますが、特に男性の育児休業の取得についての総裁のお考え、お聞かせいただきたいと思います。
○川本政府特別補佐人 委員おっしゃいますように、育児は男女が協力して行うべきものと思います。ただ、我が国においては、育児の負担は依然として女性に偏っている実態があります。
このような状況の下、男性職員による育児休業の取得を促進することは、育児休業の取得を希望する男性職員のワーク・ライフ・バランスの推進に資するとともに、育児休業の取得を契機として、男性職員の育児への意識を高め、その後の積極的な育児、家事への参画にもつながると考えられます。
また、男性職員が育児を担うことは、配偶者である女性の育児負担を軽減し、その雇用継続やキャリア形成にも資することとなり、女性の活躍推進のためにも極めて重要であると思っています。
さらに、夫の家事、育児の時間が長いほど妻の第二子以降の出生割合が高くなっているという調査結果も存在することから、男性の家庭生活への参画促進は、少子化対策の観点からも極めて重要であると考えます。
○森田委員 ありがとうございます。
本当に大事な、これからこども家庭庁の設置法案なんかも出てきますけれども、そういったところで、やはり自分の経験がないと、なかなか、どうやってお母さんが困っているのかなとか。
私も、ちょうど自分が浪人中に小さい子供が二人、県議の浪人中に生まれたりしたもので、やはりそういうときは、社会から取り残されちゃっているような何となくの孤独感とか、あとは、例えば、おむつを替えて、うんち、おしっこを替えて、ミルクを飲ませてとやっているんだけれども泣きやまないというときのこの無力感というか、脱力感というか絶望感というか。
何か、一人前になってきたようなつもりでいたのが、子供の前では非常に無力な存在だということを改めて感じざるを得ないというような、こういうショックの中から、やはり、その後、大きくなっていった子供たちの成長が楽しみだったり、そこに幸せを見出したりする、そういうことができるんじゃないかなと思っておりますので、是非、そういったことを政府の中でも議論が高められるような働きかけをしていっていただきたいなと思います。
それで、この育児休業の取得ですけれども、非常に今、数字としてはいい数字が出てきております。ただ、聞いておりますと、例えば、一日取得してもそれは取得をしたというカウントになると。これは、言ってしまえば有給休暇で取ったか育休で取ったかの違いぐらいで、数日取っても余り、まあ意味がないわけではないですけれども、実質的な効果としてはやはりそんなに、先ほど言ったみたいな効果としては大きくはないんじゃないかなと思いますけれども、実質的な取得を高める、こういう取組というのはどのようにお考えでしょうか。総裁、お願いします。
○川本政府特別補佐人 人事院はこれまで、男性職員の育児と仕事の両立支援制度の累次の改正や、その周知などを行ってきました。また、政府においては、令和二年度から、子供が生まれた全ての男性職員が一か月以上をめどに育児に伴う休暇、休業を取得できることを目指して、管理職員が、子の出生が見込まれる男性職員の意向に基づいて取得計画を作成する、幹部、管理職員等の取組状況を人事評価に反映するなどの取組が進められております。
ただ、おっしゃいましたように、やはり男性職員の育児休業取得率が、徐々に増加はしてきていますが女性職員に比べれば低い水準にあり、また期間も短いということがございます。
このような状況を踏まえまして、昨年八月、人事院は、育児休業を原則二回まで取得できるようにしまして、主に男性職員を対象として、その二回までとは別に、子の出生後八週間以内に更に二回まで取得できるようにするなど、育児休業の取得回数制限を緩和する育児休業法改正について意見の申出を行いました。
この意見の申出に基づきまして、今般、育児休業法等改正法案が国会に提出され、本日、委員の皆様に御審議いただいているところでございます。
○森田委員 ある程度まとまった期間で、しかも反復して取れるような働きかけというのも、是非総裁の方からお願いしたいと思います。
それから、私が目にした記事の中で、テレワーク環境が非常に整っていないので驚いた、パソコンの機器の問題とかもあってですね。これは、どうでしょう、御就任以来、何か変化があったというふうにお感じでしょうか。
○川本政府特別補佐人 人事院総裁に就任した後に一番驚きましたのは、職場のIT環境の後進性でございました。これでは働く職員が十分に能力を発揮できないということで、人事院の中でできるところから改善に努めているということでございます。
○森田委員 IT関係の関係者もたくさんいらっしゃいますので、これは政府としても是非取組をしていっていただきたいなと思います。
それから、職種別民間給与実態調査を踏まえての今回の勧告になるわけでございますけれども、いろいろと昨年より、遡ってもそうですけれども、毎月勤労統計調査だったり、国交省の統計の問題もありました。今回のこの実態調査については適切に行われているということでよろしいでしょうか。総裁、お願いします。
○川本政府特別補佐人 職種別民間給与実態調査は、労働基本権制約の代償措置である人事院勧告の基礎となるものでありまして、精緻に調査を行い、精確性を確保することが求められております。このため、適切かつ厳正な実施を確保するための体制を整備しておりますと理解しております。
○森田委員 ありがとうございます。
時間が残り少なくなりましたので、調査の方法について、通告でいうと九のところの問いでお願いしたいと思いますが、いろいろと、今回のコロナ禍を踏まえて、調査の期間をちょっと変えたりとかあるいは調査手法を変えたりということをしていただいたというふうに聞いております。
今年もまたそろそろ四月から六月の調査というふうに入るわけでございますけれども、次回の調査についての具体的な取組についての方向性が分かれば教えてください。
○佐々木政府参考人 お答えいたします。
民間給与の調査でございますけれども、これを厳正に行うとともに、できる限り多くの事業所に御協力いただくことによりまして、広く民間給与の状況を反映したものとしていく必要があると考えております。
そのためには、お話がございましたとおり、オンラインツールの活用ですとか分かりやすい説明ツールを整備するなど、対面によらなくても柔軟に対応できるようにしていくことによって、調査に対する負担の軽減と理解の促進を図っていくことが重要であると考えております。
本年、令和四年の職種別民間給与実態調査におきましては、こうした取組を通じまして、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の防止が求められる状況におきましても、適切に調査を実施してまいりたいと考えているところでございます。
○森田委員 これは給与に関わる大切な調査でございますので、是非、様々な工夫をしていただきながら、適切に調査を進めていただきたいと思います。
以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○上野委員長 次に、阿部司君。
○阿部(司)委員 おはようございます。日本維新の会、阿部司です。
本日は、人事院制度と霞が関の職場環境の改善についてお伺いしたいと思います。
まず冒頭、恐縮ですけれども、川本総裁に、再確認の意味も含めまして、人事院の果たす役割と機能についてお伺いいたします。
○川本政府特別補佐人 人事院は、国家公務員法に基づく中央人事行政機関であり、中立第三者機関として、国民に公務の民主的かつ能率的な運営を保障するため、人事行政の公正性を確保すること、労働基本権の制約に対する代償措置として職員の利益の保護などを図ることを役割としています。
具体的には、人事行政の公正性が確保されるよう、採用試験や任命の基準の設定、研修、不利益処分審査等を行ったり、労働基本権制約の代償措置として、給与や勤務時間といった勤務条件の改定を国会及び内閣に勧告したりしているところです。
人事院としては、今後とも、採用から退職に至るまでの公務員人事管理全般に関する取組を進め、多様な有為の人材がそれぞれの能力を十分に発揮し、誇りを持って職務に精励できる公務職場の実現に向けて、内閣人事局や各府省と連携して、必要な取組を進めてまいります。
○阿部(司)委員 川本総裁から直々に、人事院の役割について確認をさせていただきました。
給与等勧告制度については、歴史的な成り立ちや重要性は理解しつつも、勧告が毎年のルーティン行事となった感もある中で、制度に対する納得感が維持されるような方策の研究等、不断の取組をされるよう要望いたします。
一方で、私は、人事院には、働き方改革につながる勤務条件等の制度改善、時代の要請に合った霞が関の変革といった面で、一層の役割を果たしていただきたいと思います。
そこで、お伺いいたしますが、人事院には、人事行政の専門機関として、国内外の人事制度の調査研究を行い、時代の要請に応える人事施策を展開することが期待されておりますけれども、こうした機能は十分に果たされているとお考えでしょうか。認識をお聞きします。また、政策を実効性あるものにするには関係機関との連携が不可欠でありますが、関係機関との役割分担、連携の在り方について御見解をお伺いいたします。
○川本政府特別補佐人 人事院は、勧告と併せまして、公務員人事管理に関する報告を行っています。また、人事行政に係る法令の制定、改廃に関する意見の申出や、毎年の業務状況の報告を行っているところです。このように、様々な機会を通じて、人事管理上必要な施策について積極的に提言や発信を行っております。
例えば、昨年八月の公務員人事管理に関する報告においては、国家公務員が能力を十全に発揮し、意欲を持って全力で勤務できる公務職場の実現に向けて、時代環境に適応できる人材の確保、長時間労働の是正等の働き方改革の推進などについて提言を行いました。そして、必要な取組を着実に進めています。
具体的には、技術系の国家公務員の人材確保の一環として、各府省の職場を訪問して業務を体験するイベントを開催したり、民間からの任期付職員の採用に当たり、各府省限りで採用できる範囲の拡大のほか、長時間労働の是正のための取組などを行っております。
これらの取組に際しましては、政府全体の人材戦略を担当する内閣人事局や実際に職員の人事管理を行う各府省等との連携も重要であり、関係機関と連携協力して必要な取組を進めているところです。
今後も、国家公務員が能力を十全に発揮し、意欲を持って全力で勤務できる環境の整備に向けて、内閣人事局や各府省等と連携し、スピード感を持って、様々な人事管理に関する取組を進めていきたいと考えております。
○阿部(司)委員 ありがとうございます。
これからは、人事院の機能のうち、勧告以外の機能、特に時代の要請に応え得る人事施策の展開といった部分の強化を望みたいと思います。さらに、課題解決のための政策提言を実のあるものとするための関係機関との連携強化については、その必要性を総裁も十分認識いただけていると理解をしたので、霞が関の縦割りを乗り越えるよう力を発揮いただければと思います。
次に、働き方改革につながる職場環境の改善に関しまして、育児休業と介護休業についてお伺いいたします。
今般提出されている法改正によりまして育児や介護の休業取得が弾力化されることは、制度の改善であり、望ましいこととは思います。しかしながら、働きやすい霞が関とするためには、制度が整っているだけではなく、実際にその制度を利用できるかといった観点が重要となってまいります。
例えば、一般職の常勤国家公務員の育児休業取得実績、女性の取得率は近年ほぼ一〇〇%、男性の取得率も年々上がり、令和二年度では五一・四%となっています。これを見ますと、民間企業の男性育休取得率がようやく一割を超えたと言われていますから、かなり高いなと思うわけですけれども、あくまでこの数字は全体の数字です。一般職に限っても、本省と出先、さらには、各省の中でも職場によって育児休業の取得実態には大きな違いがあると思います。
そこで、本省と出先別の育児休業の取得実態をお伺いいたします。
○合田政府参考人 お答えいたします。
一般職の国家公務員の育児休業取得実態につきまして、令和二年度に新たに育児休業を取得した常勤職員数は五千八十四人でございます。これを本府省と本府省以外で分けますと、千百二十六人、全体の二二・一%が本府省の職員、それから、本府省以外の職員では三千八百六十一人、七五・九%、このほか、行政執行法人の職員が九十七人、全体の一・九%となっておりまして、本府省とそれから本府省以外の職員の在職者数を勘案いたしますと、おおむねそれぞれで取れているという認識でおります。
○阿部(司)委員 ありがとうございます。
それぞれ大体取れているということなんですけれども、男性の取得率の違いというのはやはりあると思っていまして、この違いが、育児休暇を取りやすいかどうかの職場状況のバロメーターとなってまいります。こうしたことを手がかりに、実態に応じた取得への対応をますます推進していっていただければと思っております。
続きまして、ところで、晩産化、晩婚化が進んでいく中、近年特に注目されておりますのが、育児と介護を同時に行わざるを得ないダブルケアラーの存在であります。
内閣府が平成二十八年に実施をした、ダブルケアを行う人は二十五万人、その多くが働き盛りの三十代から四十代とのことでした。現時点では、ダブルケアラーの数は更に増加していると考えられます。
育児や介護を単体で行う場合に比べて、ダブルケアラーでより深刻なのは、誰にも相談することができず、ケアの負担が過重で、離職に至るケースが多いことです。
こうした中で、近年、コマツなど一部の企業では、個別相談を充実させるなど、ダブルケアに悩んでいる社員を把握して、ダブルケアの支援に結びつけるといった取組がなされています。
ダブルケアによって優秀な人材が離職せざるを得ない状況は、個人にとって不幸なことであるばかりでなく、組織にとっても大きな痛手となってまいります。
このように、ダブルケアは、近年、社会問題としてその対応が求められておりますけれども、霞が関におけるダブルケアの実態把握と支援策の現状についてお伺いいたします。
○合田政府参考人 お答えいたします。
人事院の調査結果によりますと、平成二年度に新たに育児休業をした一般職の常勤の国家公務員は、先ほどもお答えいたしました、五千八十四人となっております。また、令和二年中に介護休暇を使用した常勤職員が二百二人となっております。育児と介護を同時に担うダブルケアを行う職員数というものは、具体的な数値は把握しておりません。
育児との両立支援策につきましては、人事院はこれまで、昨年八月の育児休業法改正についての意見の申出の際に表明しました育児休業の取得要件の緩和等を始めといたしまして、制度の累次の改正を行ってきたとともに、これらを周知する、さらには、職員が制度を利用しやすくなるよう環境整備を図っているところでございます。
また、介護との両立支援策につきましても、介護休暇の分割取得を可能とするような制度改正を行うとともに、これらの制度の周知を行ってきているというところでございます。
育児、介護と仕事の両立支援策につきまして、今般、妊娠、出産、育児、介護と仕事の両立支援制度の活用に関する指針というものを私ども出しておりますが、これを改訂し、各府省に対して両立支援制度に共通する基本的考え方や留意点を示しているところでございまして、引き続き、育児、介護と仕事の両立支援策を推進してまいりたいと考えております。
○阿部(司)委員 ありがとうございます。
今日的な課題であるダブルケア、かつ、離職リスクを非常に高めるものですので、しっかり対応して、職員が安心して働き続けられる環境整備の実現に結びつけていただきたいと思っております。
さて、霞が関の職場環境について、最近では様々に取り上げられることも多くなりました。
例えば、「ブラック霞が関」という書籍がありますけれども、元厚生労働省のキャリア官僚の方が霞が関の働き方の実態について書いた本ですけれども、さきの内閣委員会でも質問させていただきましたが、霞が関といえば、異常な超勤、長時間労働、ブラックというイメージが定着しております。そのことが学生の霞が関離れや人材流出の一因となっていると思います。
今回の質疑に当たりまして、何人か霞が関に勤めている友人ですとか辞めた友人に話を聞いたんですけれども、何がつらいかというと、長時間労働によって、長期的な視野に立った政策立案に使う時間がなくなる、キャリア形成だとかいい仕事をするための外部接点を持つ時間がなくなってしまうことだと言っていました。
異常な長時間労働を抑制することは、働き方改革もそうなんですけれども、次々と現れる社会課題に対応する霞が関の政策立案力や実行力を高めることに直結いたします。
そのために、まず職場の業務量と人員が見合っているのかを定量的に把握することが重要と考えますけれども、業務量と人員の把握はどのようにされているのか、お伺いします。また、サービス残業の状況、長期休職者数、離職者の実態把握はどこまでされているのか、お伺いいたします。
○堀江政府参考人 お答えいたします。
まず、国家公務員の業務量に対応した人員の配置でございますけれども、これは毎年度、各省庁に業務の見直しを行っていただいた上で、新たな行政課題や既存業務の増大に対応するための増員を行っているところでございます。
また、いわゆるサービス残業につきましては、これまで日々の明確な超過勤務命令あるいは勤務時間管理というものが必ずしもしっかりと行われていなかったと認識しておりまして、過去について厳密な確認は困難でございますけれども、昨年来、超過勤務を適切に管理するために、上司がマネジメントをしっかりするということのほか、パソコンのオン、オフなどによる勤務時間の客観把握を推進しております。これらを基礎として、時間外手当の確実な支払いも各府省に徹底したところでございます。
また、長期休職につきましては、毎年度、一月以上の期間、精神及び行動の障害のために勤務しなかった一般職の国家公務員の人数などにつきまして、人事院とともに調査、把握しているところでございます。
離職者数につきましては、毎年度、国家公務員の退職手当の実態調査におきまして、退職理由別、年齢別等の人数などを把握しているところでございます。
○阿部(司)委員 ありがとうございます。しっかりと実態を把握することが非常に重要かと思います。
そして、客観的な業務量と人員が合っているのか。前年度ベースで人員の増減を決めるのではなくて、まずゼロベースでしっかりと検証をした上で、必要であれば省庁で垣根を越えて人員配置の適正化を行っていくこと、同時に、職務の性質など、あと繁忙期などの把握をした上でフレキシブルな人事施策を導入していくことが、長時間労働の抑制と組織の活力維持、ひいては国家のための政策立案力向上について重要と考えますけれども、大臣の御見解をお伺いいたします。
○二之湯国務大臣 国家公務員の定員管理につきましては、毎年度、各省庁に業務の見直し等を行っていただきまして、その上で、新たな行政課題や既存業務の増大に対応するための必要な増員を行っております。
また、年度途中に顕在化した課題に対しても、緊急に体制を整備する必要がある場合には、機動的、弾力的に定員を措置しております。さらに、定員措置された各省庁においては、その判断と責任によって、内部部局の範囲内での定員異動は随時行うことができるようになっております。
今後とも、その時々の状況に応じて柔軟に対処してまいりたいと思っております。
なお、令和元年に内閣人事局が実施したアンケート調査では、職員間の業務の平準化の必要性など管理職によるマネジメントが重要との結果が出ております。このため、上司による部下の勤務状況の把握、業務分担の見直しなど、管理職による日々の適切なマネジメントが行われるように各府省に徹底してまいりたいと思っております。
○阿部(司)委員 御答弁ありがとうございます。引き続きの御努力をよろしくお願い申し上げます。
これにて終わりにします。ありがとうございました。
○上野委員長 次に、浅野哲君。
○浅野委員 国民民主党の浅野哲でございます。本日はよろしくお願いいたします。
時間が大変限られておりますので早速質問に入りますけれども、今回、人事院勧告からこの給与法改正の審議までかなりの時間を要しているというところが、一つ、例年と違うところでございます。現場の公務員の皆様からしたら、できるだけこういった事態は避けたい、これが本音だと思うんですけれども、なぜ遅れたのかというところについてはこの場で議論するものではないと思いますので、人事院勧告のタイミングについてまずは質疑をさせていただきたいと思います。
人事院勧告は、例年八月頃に勧告をされて、そこから、閣僚会議、閣議決定、そして法案の提出という流れになっております。例年ですと、例えば二年前、三年前ですと、八月に勧告、そして十月から十一月の間にはこの法改正が審議されている、こういう状況になっておりますが、今回、このように遅れたわけでして。
そもそも、この八月の勧告ということになぜなっているのか、ここの、八月に行われる理由と、また、八月に行うというところをもう少し遡ってみると、四月の給与を基準に調査をしているというところがあると思いますが、この二点、八月になぜ勧告になっているのか、そしてなぜ四月分の給与の調査が対象になっているのか、この点についてお伺いをしたいと思います。
○川本政府特別補佐人 お答え申し上げます。
国家公務員法第二十八条においては、国家公務員の給与について、国会により社会一般の情勢に適応するように随時変更することができるとされており、人事院は、この変更に関して勧告することを怠ってはならず、国会及び内閣に対し、毎年、少なくとも一回、俸給表が適当であるかどうかについて報告をしなければならない由規定をされております。
民間においては、主として三月のいわゆる春闘期に賃金改定に関する労使交渉が行われていることから、春闘後の四月分の給与を調査し、これに基づき官民比較を行った結果を公務員給与に速やかに反映させるため、八月に勧告を行っております。
○浅野委員 ありがとうございました。
国家公務員法二十八条の規定に基づいて調査をしているというところなんですが、それは四月の調査を縛るものではないというふうに私は解釈をしております。
今、総裁の方から、今まさに春闘期間中なわけでありますが、この春闘の妥結結果を受けて、その結果を反映した給与がどのくらいの水準なのか、これを調査して、公務員の皆さんの処遇に反映させる、これが目的だと思います。
じゃ、この春闘の結果がいつ反映されるのかという点についてなんですが、私の知る範囲でいいますと、幾つかの大手企業については、二月から三月にかけて春闘交渉を行い、そして妥結をした結果が反映されるのが四月ではなく六月という企業が現に存在をしておりますし、あるいは、最近では、一月から十二月までを一つの年度として捉えて、給与が、水準が改定されるのを一月からというふうにしている企業もございまして、必ずしも四月に給与改定がされるということが決して一般的ではなくなってきている、そのように感じております。
そこで、これは参考人でも結構なんですが、近年の賃金改定の時期が一体いつなのか、できましたらファクトベースでお答えをいただきたいと思います。
○佐々木政府参考人 お答えいたします。
民間の賃金改定の状況を見ますと、近年におきましても、労働側と使用者側の双方から交渉の基本方針が示された上で、二月頃から本格的な交渉が始まりまして、三月半ば頃にいわゆる集中回答日が設定されるなど、三月の春闘期に賃金改定を行うという流れがあるものと理解しております。
また、厚生労働省の調査結果によりますと、賃金改定を行った企業のうち、賃金改定の適用時期を四月としております企業の割合は五九・二%となっていると承知しております。
○浅野委員 ありがとうございます。
五九・二%ということなんですが、少しそこを、もし可能であれば詳細を伺いたいんですけれども、五九・二%というのは、企業数で見たものなのか、それとも、従業員数の割合も加味されているのか。その辺り、もし分かりましたら、御答弁いただけますでしょうか。
○佐々木政府参考人 お答えいたします。
これにつきましては、企業調査ということで承知しておりますので、企業の割合ということでの調査結果と承知しております。
○浅野委員 どうもありがとうございます。
いずれにしても、五九%ということですので、まだ半分以上にはなると思うんですけれども、今後の動向がどうなるのか、ここはしっかりと人事院としても見ていただきたいと思います。
人事院勧告のタイミングについてなんですが、私、やはり、四月で改定した企業も、六月で改定した企業も、あるいは一月で改定した企業も、間違いなく反映されているタイミングというのが実は年度の真ん中、いわゆる十月あたりなんですね。ですので、今後、人事院勧告がしっかりと民間の給与実態を反映したものにさせ、なおかつ、今回のように、勧告から法案審査までの時間をできるだけ置かないようなタイミングで勧告をすることを考えますと、十月の給与を基準に調査を行い、そこから勧告をすると、例年のタイミングでいけば、恐らく通常国会の冒頭で閣議決定、法案の国会提出というふうになるのではないかというふうに思うんですね。
十月給与を調査対象とすべきではないか、それに基づいて勧告すべきではないかというこの問いに対して、総裁のお考えがあれば伺いたいと思います。
○川本政府特別補佐人 人事院勧告において、情勢適応の原則に基づいて、民間準拠により公務員給与を決定するに当たっては、民間の賃金改定の状況を速やかに公務員給与に反映させることが適当と考えております。
こうした観点からは、現行の方式は、春闘期の民間の賃金改定状況を早期に公務員給与に反映できるものと考えております。
○浅野委員 スピードを優先すればそうなるんだと思いますが、今の議論ですと、スピードと精確性、そして様々な審議遅延リスクとの兼ね合い、この辺りを総合的に考えるのがよろしいのではないかと私は思います。
いずれにしても、春闘の妥結がいつ給与に反映されるのか、ここが最も根本的な基準になるかと思いますので、先ほどの話ですと五九%が四月反映ということなんですが、今後、もしこの動向が変わった場合には、是非速やかに、この時期についても検討をしていただきたいというふうに思います。
残り時間が僅かとなってきましたので、次の質問に行きます。
最近、公務員の職場においても、能力に応じた処遇というものを前向きに捉える風潮が高まっていまして、私もそこには期待をしております。
ただ、一方で、役所の中は人材の流動性が高いということもあって、一旦抜てき登用された人物も含めて、その方がまた別の部署に異動したときなど、職員間の処遇の公平性といったものがどう考えられるのか、この点については少し懸念がございます。
この点について見解をお伺いできればと思います。
○川本政府特別補佐人 定年が今後段階的に引き上げられて、職員の在職期間の長期化が一層進む中で、職員の士気を高め、組織活力を維持する必要がございます。
そのためには、職員の年齢や採用年次にとらわれず、人事評価に基づいて職員の能力、実績を的確に把握して、その結果を昇任、昇給、ボーナスに適切に反映することが重要です。
同時に、公務全体を見た場合、成果や貢献の度合いを評価しづらい業務もあると承知しております。
そのため、期末面談の機会を活用して、管理職員には、部下職員の業務遂行状況に基づいて、納得感が得られるようなフィードバック、あるいはキャリアに資するような指導助言が求められます。また、人事当局には、職員のキャリアの希望を踏まえた指導や育成の方針などを管理職員に共有するなどのサポートが必要と考えます。
こうした取組を通じて、各府省において人事管理を丁寧に行っていくことが重要であると考えております。
○浅野委員 時間が来ましたので、以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○上野委員長 次に、塩川鉄也君。
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
人事院にお尋ねをいたします。
昨年十一月の給与関係閣僚会議で二之湯大臣は、人事院勧告は、国家公務員の給与のほか、地方公務員の給与や、病院、学校など民間被用者の給与にも事実上影響を及ぼしますと述べております。
人勧はどれだけの人数の労働者に影響を及ぼすのか、この点について教えてください。
○川本政府特別補佐人 人事院の給与勧告は、給与法の適用を受ける一般職の国家公務員約二十八万人を対象として行っているものですが、その影響は、勧告に準拠している特別職の国家公務員のほか、地方公務員や独立行政法人などにも及ぶことから、これらを合わせると約三百七十万人に影響があるものと考えられます。
○塩川委員 二之湯大臣が、病院、学校などの給与にも事実上影響を及ぼしますと言っています。この人数というのはどんなものでしょうか。
○佐々木政府参考人 お答えいたします。
人事院勧告の影響につきましては、先ほど総裁から御答弁申し上げたとおりでございまして、先生御指摘のとおり、給与勧告を参考に給与の改定を行っている民間というところがあるということは存じ上げておりますけれども、その具体的な数がどの程度なのかということについては承知しておりません。
ただ、数値としてだけ申し上げれば、例えば、社会福祉関係で申し上げれば四十三万人ですとか、教育関係の幼稚園、認定こども園等で申し上げますと二十三万人ですとか、あるいは、医療、民間病院ですと百三十六万人というデータが、その分野で働いておられる方の人数という意味では、そういうデータがあるということは承知しております。
○塩川委員 これは、幼稚園以外の私立学校の人数とかも影響を受けるんじゃないですか。
○佐々木政府参考人 実際に民間事業所におきましてどのように給与を決定しているかというところまでは私どもとしては把握をしていないというところでございまして、他方、法令上、一般職国家公務員の給与に準拠ないしは一般職国家公務員の給与を考慮するとしているものということで、先ほど申し上げました三百七十万人という数字を申し上げたところでございます。
○塩川委員 法律で考慮すると書いてあるものは三百七十万は分かるんですが、それ以外に人勧を援用して給与に反映をしているといった労働者がたくさんいるというのは、今の説明だけでもプラスアルファで二百万人ぐらいの方がいらっしゃるということですし、私立学校の人も当然あるわけですし、更に言えば、公定価格の影響もあるわけですね。
そこで、保育士や幼稚園教諭などの処遇は公定価格に基づいて算定されます。その公定価格の人件費は国家公務員の給与に準じて算定しています。人勧は保育士や幼稚園教諭の賃金にも大きな影響を及ぼすということですね。
○佐々木政府参考人 私ども、人事院勧告自身は直接は一般職の国家公務員を対象にしているということでございますので、直接の範疇としてはそこの中で、そこから事実上影響を及ぼすところがどの程度になるかというところについては、確かなところは、先ほど申し上げたような人数というところでございます。
○塩川委員 国家公務員の給与に準じて人件費を算定している公定価格ですから、その公定価格はまさに人勧を踏まえた国家公務員の給与に影響を受けているということははっきりしていますよね。
○佐々木政府参考人 お答えいたします。
公定価格におきまして、国家公務員の給与の状況というものを踏まえておられるということは承知しておりますけれども、人事院勧告制度そのものと、それから公定価格の制度そのものはまた別の制度でございますので、そこのところについて、私どもとしては申し上げる立場にはないということでございます。
○塩川委員 人勧をベースにして広く給与に反映をするという仕組みが現在つくられているわけで、公定価格に基づき人件費が算定される労働者数は、保育士だけでも六十万人以上とも言われております。大変影響が大きい。ですから、研究者の方の試算などでも、人勧はおよそ七百七十万人の労働者の賃金にも影響を与えると言われています。
人事院総裁にお尋ねしますが、マイナス人勧による賃下げというのは、暮らしにも経済にも大きな影響を及ぼす、慎重に判断することではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○川本政府特別補佐人 人事院は、国家公務員の給与について、国家公務員法の情勢適応の原則に基づいて、民間準拠により、その時々の民間賃金の情勢に合わせていくことを基本に勧告を行っております。
公務員の給与はその時々の経済雇用情勢等を反映して、労使交渉などによって決定される民間給与に準拠することが最も合理的であり、納得を得られるものと考えております。
○塩川委員 労働者の皆さんは、やはり食べていくためのお給料ですから、生活を支えるお給料、生活給、この間、コロナ禍で民間も大きな影響を受けているわけで、それが下げられたから、では公務も下げるとなれば、これは生活給を保障するにもなり得ないものですし、経済の悪循環をもたらすことにもなるということを踏まえて、慎重に判断すべきことだということを改めて強調したいと思います。
人勧の影響、及ぼす労働者数は多いという話をしましたけれども、保育士の話をしますと、全産業平均の労働者の月額賃金は四十・六万円ですが、保育士は三十一・二万円です。九万円の格差があります。マイナス人勧の影響で国家公務員給与が下がり、公定価格も下げられると、賃金格差が拡大することになります。
マイナス人勧が賃金格差を拡大するような事態は避けるべきじゃないかと思うんですが、お考えをお聞かせください。
○川本政府特別補佐人 公定価格が保育士などの賃金の基礎となることは承知しておりますが、人事院の給与勧告は国家公務員の労働基本権制約の代償措置として行われるものであり、公定価格への影響については、政府において御検討されるべき事項であると理解しております。
○塩川委員 政府において検討すべき事項という立場であれば、一言、人事院として物を言う必要があるんじゃないかと思うんですよね。
保育士の賃金が低いというのは、女性の多い職場、まさに男女の賃金格差、男女の賃金差別、これが反映されている側面もあるわけです。これをやはり引き上げようというのは、当然、政府としても方針を持っているわけで、この間のケア労働者に対しての公的価格の抜本的見直しということで、こういった公定価格の保育士や幼稚園教諭の方などに対しては、月額九千円、三%程度、これ自身も、頭割りにするともっと少なくなるという問題なんかも当然あるわけですけれども、実際に支給対象になるような方が非常に少ないというのも今明らかになってきつつありますけれども。
賃金格差をやはり解消する必要があるのに、マイナス人勧が公定価格に反映をされて引き下げられて、かえって格差が広がるような事態になるのは、これは避けるようなことを政府として考えてくださいよというのは、人事院総裁として申し上げることはできないんでしょうか。
○佐々木政府参考人 先ほども申し上げましたとおり、人事院勧告そのものは、国家公務員の給与につきまして民間と合わせていくという考え方の下、これを実施しているものでございます。
先生御承知のとおり、公務員給与につきましては様々な議論があるところでございますけれども、公務員給与について国民の御理解をいただく上でも、民間の賃金情勢の変化を、上がる場合も下がる場合も含めまして公務員給与に適切に反映させるということが重要であるということの考えの下に、勧告そのものは行っているというところでございます。
○塩川委員 岸田政権の公的価格の抜本的見直しでは、保育士や幼稚園教諭の賃上げを実施する際に、今回ここで議論しているボーナスの引下げ、この部分については下げずに穴埋めをするということをやっているわけなんですよ。マイナス人勧を反映した給与法によるボーナスの引下げ分については、こういった公定価格を対象とするような保育士、幼稚園教諭の方については穴埋めの措置をやって、更に九千円、三%程度の引上げと言っているんです。やればできるんじゃないかという話なんですよね。
こういったことをしっかりやってくれと、マイナス人勧を反映した給与の引下げについては穴埋めをするということを現に政府もやっているんですから、こういう措置を今後も考えるべきだということは、人事院としても申し上げるべきことではありませんか。
○佐々木政府参考人 繰り返しになりますけれども、人事院の勧告そのものは、一般職の国家公務員全体を対象にして行っているものでございます。それについての勧告というものは、労働基本権制約の代償措置として、それはそれとして私どもとしてはやっていく必要があるというところでございます。
その上で、公定価格の問題等につきましては、政府において御検討されるべき事項であるというふうに考えているところでございます。
○塩川委員 残念ですが、時間が参りましたので終わります。
――――◇―――――
○上野委員長 次に、内閣提出、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案及び国家公務員の育児休業等に関する法律及び育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案の各案を一括して議題といたします。
この際、お諮りいたします。
各案審査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、内閣官房内閣人事局人事政策統括官堀江宏之君外九名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○上野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○上野委員長 これより質疑に入ります。
質疑の申出がありますので、順次これを許します。藤井比早之君。
○藤井委員 おはようございます。自民党の藤井比早之です。
早速、給与法案の質疑を行わせていただきます。
まず、公務員給与を減額改定する根拠と理由、国と地方を合わせた人件費の削減額全体についてお伺いいたします。
○堀江政府参考人 令和三年八月十日に、官民比較に基づきまして、ボーナスの引下げを内容とする人事院勧告が出されました。
政府といたしましては、国家公務員の給与につきましては、適正な処遇の確保、また国民の理解を得るという観点から、さらに、労働基本権制約の代償措置といった観点からも、官民比較に基づく人事院勧告を踏まえた給与改定が重要であると考えております。増額の場合であっても減額の場合であっても人事院勧告を尊重するということが基本姿勢でございますので、今回も人事院勧告どおりの減額改定を行うこととしたところでございます。
また、令和四年度政府予算案におきますと、今回の給与法改正による国家公務員の給与削減額は、七百五十七億円でございます。
○池田政府参考人 地方公務員関係についてお答えを申し上げます。
平成四年度地方財政計画におきまして、期末手当の引下げなど、給与改定による地方公務員給与の減少額は二千七百九億円となっております。一方で、保健師や児童福祉司等を増員するなど職員数五千百六十人の増を見込んでおりまして、こうした増要素も反映いたしまして、給与関係費の総額では令和三年度に比べ千八百九十六億円となっております。済みません、令和四年度地方財政計画でございます。よろしくお願いします。
○藤井委員 国、地方合わせて三千五百億円近くということでございます。
民間はコロナで苦しんでおります。民間と苦しみを分かち合う必要があります。そもそも公務員給与は、原資は税金ですから。ただ、岸田内閣は賃上げを掲げています。公務員の皆様も国民の一人です。官民格差を考えると、まさに民間の給与が上がらないといけません。燃料価格など、物価も上がっております。政府を挙げて民間の賃上げを実現する、そのことをお願い申し上げたいと思います。
近年、国家公務員の志願者が減少しておりまして、若手職員の離職も増加しております。人材の確保は喫緊の課題となっております。特に問題は、国会対応や各省協議などの残業時間の異常な長さ。昨年、河野大臣から、残業時間を確実に把握して、これに応じた超過勤務手当が必ず支払われるようにするよう指示がありました。これを受けた本省分の残業手当、超過勤務手当の増加額の全体についてお伺いします。
また一方で、この原資はあくまでも税金です。本来ならば、国家公務員の長時間労働の是正の取組こそが何よりも重要です。超過勤務の見直し、テレワーク環境整備など、長時間労働の是正の取組についてお伺いします。
○堀江政府参考人 まず、本省における職員の勤務時間の把握につきましては、昨年八月から、パソコンのログ等による在庁時間の客観的な把握を進めているところでございます。今後は、更に、勤務時間管理のシステム化を通じまして、勤務時間の見える化を進めてまいりたいと考えております。
御指摘のとおり、優秀な人材を継続的に確保していくためにも、長時間労働の是正が重要であります。そうした長時間労働の是正の取組を進めた上で、なお必要となる超過勤務についてはしっかりと手当を支払っていくべきと考えております。
御質問ありました超勤手当の予算でございますけれども、令和四年度の政府予算案におきましては、本省の時間外手当の予算といたしまして、令和三年度当初予算比で七十七億円増、二三・六%増の四百三億円が計上されておりまして、各府省の勤務実態に鑑み、必要十分な額が措置されたものと考えております。
しかしながら、予算があるからといってどんどん残業させてよいということではございませんので、職員がやりがいを持って、時代に応じた真に必要な業務に当たれるように取り組んでまいりたいと考えております。
具体的には、既存業務の廃止、効率化、デジタル技術の徹底活用、部下のやりがい向上、人材育成などのマネジメント改革、テレワーク、フレックスタイムの活用など、こういった取組を進めてまいりたいと考えております。
○藤井委員 ありがとうございます。サービス残業で苦しんでいた若手職員にとっては、本当にありがたいことだと思います。
四百三億円、二〇%以上という話がありましたけれども、かく言う私も、二十数年前、月の残業時間が三百時間を超えておりました。タコ部屋が二つぐらい、併任がかかって、五つ併任がかかって、実際に給料をもらう原課にはほとんどいなかったので、いただいていた残業代は三万円ちょっと、時給が百円切っていたんですよ。今はそんなことないと思うんですけれども、こうした併任とか座布団とかタコ部屋とか、特有の現象が霞が関にはありますので、そういったところもしっかりと確認をしていただきたい、やっていただきたいと思います。
残業は上司の明確な指示の下で行わせて、業務終了後は直ちに退庁させる、これを徹底させることが必要です。また、勤務時間管理を徹底してシステム化することが必要。その上で、やはり業務の見直し、効率化に取り組む必要があります。
テレワークはどんどん進めていったらいいんです。会議は何でもできるんですから。出先機関や地方支分部局との会議、打合せもそうですし、各自治体からの陳情や関係団体からの陳情も、できる限りオンラインでやっていったらいいんです。
定員要求や予算要求自体が年度ごとであって、難しいことは分かっているんですけれども、業務分担、そしてまた柔軟な人事配置、これが必要なんですよ。コロナで大変だ、ワクチン接種で人が必要だ、今度はロシアによるウクライナ侵略だとなったら、やはり急遽人が、人員配置を考える必要があります。そういった柔軟な取組をよろしくお願い申し上げたいと思います。
実のところ、国家公務員の長時間労働の是正のためには、霞が関特有の前例踏襲主義、無謬性を追い求める完璧主義、省庁縦割りによる各省庁の調整や各省協議の煩雑さ、こういった行政部内の問題があります。これはきちんとやっていただきたい。
ただ、関係団体への根回しや調整など、行政部内ではどうしようもない問題が多々あります。特に、国会対応業務の過酷さは、行政部内ではどうしようもないのは事実です。
我々国会議員も、我々国会議員の過度な要求によって過酷な長時間労働を強いて、それが国民の税金の無駄遣いにつながっているんだという認識を持って、早めに質問通告するなど、まず隗より始めよ、これが必要でございます。このことをこの場で皆さんに御提案申し上げたいと思います。これは、皆さん、異存がないと思います。
国家公務員の働き方改革、長時間労働の是正のためには、国会対応業務の効率化もさることながら、法制執務の業務効率化が欠かせません。業務効率化のための法制執務のデジタル化、e―LAWSの取組について伺います。また、内閣法制局に対して、法制執務の効率化に向けた決意をお伺いします。
○篠原政府参考人 e―LAWS、法制執務業務支援システムにつきましては、当面の取組といたしまして、正確かつ信頼性の高い法令データを整備いたしますとともに、法令データをe―LAWSに速やかに掲載するためにデータ更新の業務フローを見直すこと、また、中期的な取組といたしまして、法制執務全体の業務フローの在り方について検討した上で業務システムの見直しを実施し、法制執務の合理化、効率化や法案作成作業の負担軽減を図ることといたしております。
現在、この取組を行っているところでありますけれども、今後は、e―LAWSのユーザーのニーズの把握、法令データ更新の更なる迅速化や法令データベースの高度化、各府省における法制執務の実態調査などの取組を実施いたしまして、デジタル化に適合的で職員が効率的に法制執務を行える在り方を更に検討してまいります。
○嶋政府参考人 お答えいたします。
内閣法制局といたしましても、デジタル技術や各種システムを活用することなどにより法令案作成における正確性の向上や合理化、効率化を図り、担当する職員の業務の見直し、さらには職員の働き方改革につなげていくという観点が重要であるというふうに考えております。
法令審査を所掌する内閣法制局といたしましては、法令審査事務におけるデジタル技術や各種システムの活用といたしまして、法律案等の形式的チェックを補助する法令審査支援システムを導入しまして当局及び立案府省庁等で利用するとともに、その機能向上を図る、現行日本法規の電子版であるスーパー法令ウェブやe―LAWSの法令の電子データを審査の基礎資料として活用する、資料送付など対面を必要としない場合のメール等の利用、それから審査におけるウェブ会議システムの利用といった取組をしているところでございます。
法制執務全体のデジタル化につきましては、法制執務全体の業務フローの検証、e―LAWSの機能向上等について、デジタル庁及び総務省が関係府省庁と連携しつつ検討を行い、必要な見直しを実施する予定とされておりますので、内閣法制局としても連携して取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○藤井委員 河野大臣時代の一昨年十月には、閣議請議書の青枠、それから、こよりとじも廃止されました。やればできるんですよ。黒表紙じゃなくて、e―LAWS、デジタルデータでよいんだ、これはもう本当に画期的な変革、改革です。
参照条文も自動作成すればいい。新旧対照条文から改め文を自動作成することができれば、また、AIでエラーチェックや検出ができれば、法案作成の誤り防止にもつながると思います。是非、内閣法制局にその点の協力をよろしくお願い申し上げたいと思います。
先ほど、人材確保の重要性についてお話をいたしました。昨年九月一日のデジタル庁発足に当たっては、特に優秀なデジタル人材をどう確保するかが最大かつ緊急の課題であったこと、あることは論をまたないところです。
今回、公務員人事管理に関する報告では、国家公務員採用試験にデジタル区分の新設等が盛り込まれています。新設の経緯とその内容、そして、今後のデジタル人材の確保、育成についてお伺いします。
○西政府参考人 お答え申し上げます。
令和二年十二月に閣議決定されましたデジタル社会の実現に向けた改革の基本方針におきまして、令和四年度以降の実施に向けて総合職試験に新たな区分を設けることや出題などに関し、人事院に対し検討の要請が行われております。
この要請を受けまして、人事院といたしましては、情報系の専門的な素養を持つ有為の人材の確保を推進する観点から検討を行い、令和四年度の国家公務員採用総合職試験から、デジタル区分を新設し、実施することといたしております。
○藤井委員 デジタル庁をつくるに当たって、随分お願いに行きました。試験にデジタル区分が新設されたことは大きな一歩、これは大改革ではありますが、何といっても、処遇を考えないといけません。スタートアップ企業など、民間にデジタル人材がどんどん生まれてくる、これはもう絶対必要なんですけれども、同時に、デジタル庁に有為のデジタル人材が集まっていただかないといけません。
本来は、デジタル職なり、サイバーセキュリティー職なり、最先端の技術を要する職には、それ相応の処遇ができるように別の俸給表を作るということが必要なんじゃないかと思います。日本国のために、日本国民のためにお役に立ちたいという倫理観、使命感だけに頼るのには限界があります。最先端の民間の皆様に引けを取らないような処遇を保障することこそが必要ではないかと考えます。この点を強く指摘しておきたいと思います。
今回の法律案には、男性職員による育児の促進や女性職員の活躍促進のために、育児休業の取得回数制限の緩和が盛り込まれています。また、人事院規則の改正等により、非常勤職員を含め、妊娠、出産、育児等と仕事の両立を支援するための措置が一体的に講じられることとなっています。この措置のうち、不妊治療に係る通院等のための出生サポート休暇の新設などは、既に本年一月一日に施行されています。
妊娠から出産、育児に至るまで切れ目のない措置を講じることにより、職員の皆さんが勤務を継続し、キャリアを形成していただくことができるようにするとともに、優秀な人材の確保、効率的な公務運営に資することを望むものです。
日本国のために、日本国民の明るい未来のために、多様な有為の人材の皆さんが誇りを持って公務に精励できるような、そのような環境づくりを求めて、時間となりましたので、質問を終わります。
ありがとうございました。
○上野委員長 次に、平林晃君。
○平林委員 公明党の平林晃です。
本日は、質問の機会を与えていただきまして、大変ありがとうございます。二月四日の大臣所信質疑に続いて、本委員会、二度目となります。どうぞよろしくお願いいたします。
では、早速質問に入らせていただきます。
一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案について質問いたします。
国家公務員の人材確保は極めて重要な課題であると認識をしております。中途採用も重要ではありますが、主たる採用は当然、新卒採用であると認識をしております。この新卒採用の世代に対しまして、国家公務員の魅力がどのように映り、またそれがどのように変化をしてきているのか、勤務時間、給与、福利厚生などの観点からの認識を政府参考人に伺います。
○西政府参考人 お答え申し上げます。
人事院では、人材確保施策に役立てるため、国家公務員採用総合職試験に合格し採用された新規採用職員を対象に毎年アンケートを実施し、国家公務員の志望動機等を把握しております。
本年度実施しましたアンケート調査結果によりますと、「どのような取組をより進めると、公務の魅力が向上し、優秀な人材の獲得につながると思いますか」との問いに対しまして、「職場全体の超過勤務や深夜勤務の縮減を図る」を八〇・七%、「フレックスタイム制やテレワークの活用等による働き方改革を推進する」を五四・七%の者が挙げております。この二項目につきましては、優秀な人材の獲得につながる施策として挙げる者の割合が特に高く、年々増加している状況にございます。
このことからも、新卒世代におきまして国家公務員の働き方への関心は強く、その改革が公務の魅力の向上に不可欠であるとの認識が高くなっていると考えております。
〔委員長退席、平委員長代理着席〕
○平林委員 ありがとうございます。
採用者に対する調査結果の内容を御報告いたしました。深夜勤務の縮減、フレックスタイム制、テレワークの活用など、今まで別の委員の皆様の御質問にもありましたとおりの、本当に、働き方改革が極めて重要である、そういうお話であったかと思います。
今の結果は採用者に対する調査であったわけですけれども、採用者以外にも視野を広げてみますと、国家公務員採用総合職試験の申込者数は五年連続で低下をしている。数字は様々ありますけれども、二〇一七年には二万人を超えていたのが、二〇二一年度、今年度ですね、一万四千人を超えるところまで減ってきている。二〇一七年と比較すると七割弱になっているということですね。また、昨年度と比較すると一四・五%減っているということで、これは総合職試験を導入した二〇一二年度以降、最大の減少幅ということというふうに認識をしております。
ある民間の調査会社のアンケート結果を見ますと、昨年六月から七月まで、従業員千人以上の大手企業にお聞きしたところ、就活学生が選考に応募するその人数が増えたと答えた企業は六割程度、変化なしは二割程度、減ったという企業は残りの二割程度だということで、民間は回復しているという印象がある。このことは公務員の受験者の引下げ幅を大きくした一つの要因と考えることができるかもしれないと思っておりまして、政府のコロナ対策が様々功を奏した結果であるというふうにも思いますけれども、やはり五年連続で減少してきているということは非常に心配に思うところであります。
そこで、二之湯大臣にお聞きをいたします。今回の期末手当の引下げが、国家公務員の受験者数の減少に追い打ちをかけるようなことにはならないでしょうか。あるいは、より広い意味で国家公務員の魅力の低下の要因にならないか、そういうことをお聞きしたいと思います。このことがもし懸念をされるのであれば、挽回に関しまして、どのような取組を具体的に行っておられるのかお聞きいたします。
○二之湯国務大臣 今回の改定によりまして、国家公務員の期末手当は引下げとなるわけでございます。こうした勤務条件の変化が国家公務員の魅力ややる気に一定の影響を与えることは否定いたしません。
しかし、民間との比較で国家公務員の給与を決定することは、国家公務員の適正な処遇の確保と国民の理解を得るために妥当と考えており、人事院勧告尊重というのが政府の基本的な姿勢でございます。
国家公務員の給与については、いろいろな見方があると思いますが、民間準拠を基本としての、その水準が定まっていることについて、御理解をいただけるよう努めてまいりたいと思っております。
また、令和元年に内閣人事局が実施したアンケート調査では、若手職員の早期離職意向の理由として、収入が少ないというよりも、長時間労働、自己成長の実感不足が多く挙げられているところであります。
そのため、政府においては、国家公務員の働き方改革の指針に基づき、管理職一人一人が、意義が乏しくなったルーティンワークの廃止や効率化、部下の成長を促すための日々の業務を通じた助言指導の徹底などを実施し、若手職員が意欲と能力を遺憾なく発揮できる環境の整備を進めてまいりたいと思っております。
さらに、現在、内閣人事局と人事院の若手職員が、未来の公務や働き方について率直で自由な議論を行っており、その結果の報告を、今後、私と人事院総裁で受け取ることになっております。
彼らの提言も受け止め、引き続き、国家公務員が全体の奉仕者として誇りと志を持って伸び伸びと働けるよう、改革を進めてまいります。
〔平委員長代理退席、委員長着席〕
○平林委員 ありがとうございます。給与というよりも誇り、やる気、そういうところ、若手の職員の意見も聞きながらこれから改革を進めていくということで、是非ともそれを進めていただきたいというふうに思います。
大臣、ここまでで結構ですので、ありがとうございます。
○上野委員長 では、二之湯大臣、御退席をお願いします。
○平林委員 人材確保という意味においては、デジタル分野、これが、先ほどもありましたけれども、非常に気になるところであります。民間のデジタル人材は高収入であり、とりわけセキュリティー分野においてその傾向が顕著であるということも伺っております。
期末手当が、この度、引き下げられる中、デジタル人材をどのように確保しようとしておられるのか、政府参考人に伺います。
○山本政府参考人 お答えいたします。
デジタル庁を含めた政府部門におきまして、行政官としてデジタル改革を牽引していく人材を確保することは、委員御指摘のとおり、大変重要であると認識しております。
まずは、内部の人材の確保について申し上げます。
令和四年度から、国家公務員採用総合職試験にデジタルという新たな区分が設けられるところでありまして、デジタル庁を中心として、各府省におきまして、デジタル人材の採用の強化、これに努めることとしております。
また、令和三年十二月に閣議決定いたしましたデジタル社会の実現に向けた重点計画、この重点計画を踏まえて各省庁において策定しておりますデジタル人材確保・育成計画、このデジタル人材確保・育成計画に基づく研修の受講やデジタル庁等への出向などの取組を着実に実施いたします。
これらを通じまして、デジタル分野の中核的な人材を育成するとともに、幹部職員を含む一般職員のリテラシーの向上も図るなど、政府機関におけるデジタル人材の計画的な育成の推進に努めてまいります。
加えまして、高度な専門人材を外部からも登用いたします。これらの人材をデジタル庁、内閣サイバーセキュリティセンター等に置きまして、プロジェクトの推進や高度な事案への対処に当たっての支援や助言を得るなど、内部でのデジタル人材の確保、育成を補うための取組も併せて進めてまいる所存でございます。
○平林委員 ありがとうございます。新卒、中途を含めてしっかりと計画的に採用を進めていただければというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
続きまして、国家公務員の育児休業についてお伺いをいたします。
国家公務員の育児休業の、特にこれは、今回、男性が主になっていると思いますけれども、その目標、これまでの取得実績、そしてその実績をどのように評価しているのかということを政府参考人にお伺いいたします。
○堀江政府参考人 お答えいたします。
政府といたしましては、第五次男女共同参画基本計画におきまして、国家公務員の男性職員の育児休業取得率を令和七年に三〇%とすることを目標としております。
直近の令和二年度の取得率は、令和元年度の一六・四%から二九・〇%へ大幅に上昇しておりまして、調査開始以降、過去最高となっているところでございます。
政府は、令和二年度から、子供が生まれた全ての男性職員が一か月以上を目途に育児に伴う休暇、休業を取得できることを目指しまして取組を進めておりまして、男性職員の育児休業取得率の大幅な上昇は、その着実な成果が表れたものと考えているところでございます。
○平林委員 ありがとうございます。
本件に関しましては、上昇傾向にあるということで、働き方改革の一端が進んでいるものとして歓迎をいたします。
その上で、今回の改正がどのような効果を生み、どの程度の数値的改善を期待できるのか、政府参考人に伺います。
○堀江政府参考人 先ほど申し上げたとおり、令和二年度の男性職員の育児休業取得率は二九・〇%でございます。こうした中、今般の法改正は、育児休業の取得回数の制限の緩和によりまして、夫婦交代での取得など、より柔軟な取得を容易にするものと考えております。
具体的な数値でお示しすることは難しいと思っておりますが、特に男性職員の育児休業につきまして、取得率の増加や総取得期間の長期化、また、これらによる家族の負担軽減や女性の活躍促進といった効果を考えておりまして、また、育児休業取得率三〇%という政府目標の達成にも寄与することを期待しているところでございます。
○平林委員 ありがとうございます。
数値目標もさることながら、男性の取得率の押し上げ、これが、女性をサポートして、女性の活躍を後押しできるのではないか、そういう趣旨の答弁であったかと思います。是非、それを実現をしていただいて、令和七年度、三〇%と言わず、より高い目標を達成する勢いで取組を進めていただきたいと存じます。
最後に、育児休業や介護休業についての懸念の一つは、比較的長期の休業によって業務への復帰が難しくなるのではないか、こういう点にもあると考えております。この懸念を払拭するためには、短期の休業をより多くの回数、取得できる制度にしてはどうかと考えますが、政府参考人に見解を伺います。
○堀江政府参考人 国家公務員の育児休業の取得回数につきましては、公務の円滑な運営や代替人員の確保などの適正な人事管理を図っていく必要もございますので、一定の制約は維持する必要があると考えております。
今回の措置につきましては、民間企業の育児休業の取得の緩和に合わせまして、同様の措置を講ずるものでございます。
一方、御指摘のとおり、復職支援といいますか、休業からの復帰直後から、きちんと、本人のキャリアプランに関する意向確認や、上司に対する助言を行う、あるいは、休業中にも職員への定期的なコミュニケーションや情報提供、あるいは希望する人には研修を行うなどを通じまして、職員が育児休業から円滑な復帰を支援するということを進めておりまして、御指摘のような業務への復帰ということについての職員の懸念の解消に努めていきたいと考えております。
○平林委員 ありがとうございました。
なかなか、民間準拠という中で、回数を増やすということは難しいという回答ではありましたけれども、その代わりに、復帰がより円滑に行えるように手を打っていただけるということで、しっかりそういったことも手当てをしていっていただいて、この制度がより活用されるように、切に願いたいというふうに思います。
以上、一般職の期末手当引下げ及び育児休業の二点について伺いました。公務員であって、自由な変革、なかなか難しいのは当然とは思いますが、検討を継続していただいて、より多くの優秀な人材の確保につながることを切に願って、私の質問を終わります。
ありがとうございました。
○上野委員長 次に、本庄知史君。
○本庄委員 立憲民主党の本庄知史です。本日もどうぞよろしくお願いをいたします。
今日は給与法の改正、そして育児休業法の改正ということですが、非常に幅広く奥深いテーマだと思います。個々人の観点から見れば、一人一人のワーク・ライフ・バランス、働き方改革、職場環境、あるいは家庭と育児との両立、こういった面での重要性、そして、よりマクロで見れば、いかに霞が関に、あるいは国家公務員に優秀な人材を登用していくか、そして長くやりがいを持って働いていただくか、能力を発揮していただくか、非常に重要な幅広いテーマの質疑だというふうに考えております。
最初の給与法につきましてです。これは、今まで様々、るる議論もあり論点も出尽くしましたので、端的に一つだけ大臣にお伺いしたいと思います。
制度上、公務員の待遇、給与につきましては、民間準拠ということで、今回の改定を見ても、月給は横ばい、ボーナスもやや減らすということであります。これを見ても、給与面で公務員、国家公務員を処遇をするということはできない、難しいという中で、やはり働き方、職場環境、あるいはやりがい、こういったところでどれだけ魅力をつけていくかということが重要だということだと思いますが、この点について、大臣、いかがお考えでしょうか。
○二之湯国務大臣 令和三年の八月十日に、人事院よりボーナス引下げが勧告が出されました。
政府としては、労働基本権の制約の代償措置として人事院勧告制度を尊重するとの基本姿勢の下で、人事院勧告を踏まえ、今回の減額改定を行うこととなったわけでございます。
今回の人事院勧告の取扱いにつきましては、百年に一度の危機とも言われるコロナ禍の下で経済対策が決定され、これらが着実に実行されることで、国家公務員のボーナスの引下げによる消費の低下など経済へのマイナスの影響が、懸念が払拭されることになったわけでございます。そのため、人事院勧告を実施し、令和三年度の引下げ相当額を令和四年六月のボーナスで減額することとして、今国会に法案を提出させていただいたものでございます。
○本庄委員 コロナ禍の中で奮闘されている公務員の皆様もたくさんいらっしゃると思います。しかし一方で、民間はもっと大変だ、こういう声もある、そういう中での今回の改定ということだったと思います。引き続きの人事局そして人事院の御努力をお願いをしたいというふうに思っております。
給与面で処遇が難しいという中で、どうやって公務員の皆さんに意欲を持って、やりがいを持って、そして家庭との両立、子育てとの両立をしていただくかという観点で、二点、やはり長時間労働の問題と、そして子育てとの両立という二点が非常に重要だというふうに思います。その観点から、まず長時間労働の是正についてお伺いをしたいと思います。
超過勤務の実態について、まず、これは人事局にお伺いをしたいと思いますけれども、令和三年度における人事管理運営方針、令和三年三月三十一日、総理大臣決定ですが、ここに、長時間労働の是正のためには、まず職員の勤務時間を見える化することが必要だ、こういうことが書かれています。このことの意味をちょっとお尋ねしたいんですが、未払いの超過勤務の時間が客観的、正確な実態が把握されていない、こういう意味で見える化が必要だ、こういうふうな指摘なんでしょうか。御答弁をお願いします。
○堀江政府参考人 お答えいたします。
先ほどもお答えいたしましたとおり、従来、本来であれば、日々のしっかりとした超勤命令を出して、必要な超勤だけに限って、かつ事後的にその内容等についてしっかりと確認をする、そういったことをするのが本来の姿でございますが、それが必ずしもしっかりと行われていなかったのではないかと思っております。
そういった観点から、一つには、勤務時間の見える化、客観把握、PCによる、パソコンのログによる客観把握を行う、あるいはシステム化を行うことによって、一つには、そういった超勤の時間の共通認識をしっかり持っていただいて、上司がそれを必要な残業であるのかどうかということも含めましてしっかり命令を出す、そういった意識改革、仕事の見直しをしていただくということが必要であると。当然ながら、その上で、必要であったものについては超勤手当をしっかりと支払うという観点から、御指摘ありましたような客観把握を推進する、あるいは勤務時間の見える化を推進するということを決めているところでございます。
○本庄委員 先ほども、そして今も、PCによる登庁の管理というお話がありました。あるいは、一昨年、十二月ですかね、在庁時間調査ということもやられています。十月、十一月、二か月ということですね。
ただ、この在庁時間の調査、そしてPCの入退室もそうなのかもしれないんですけれども、何時に来て何時に帰ったかということは記録をされているかと思います、しかし、そこには、例えばお昼休みの時間があったり休憩時間があったりといったことも含まれ得るのではないかというふうに思いますので、それがイコール勤務時間と同じだというふうには言えないんじゃないのかなというふうに思いますが、その辺りはいかがでしょうか。
○堀江政府参考人 お答えいたします。
御指摘のとおりでございます。一昨年行いました在庁時間調査といいますのは、食事とか休憩等の時間も含みまして、在庁した時間を、職員の自己申告に基づきまして、上司に確認を得ることなく回答していただいたものでございます。御指摘いただいたとおり、超過勤務そのものとは違っております。
また、PCのログを使いました時間の客観把握等につきましても、それはもちろん、休憩時間等にもPCが動いているということはございますので、直接的に勤務時間そのものではございません。
先ほど申し上げました客観把握の次には、勤務時間管理のシステム化というのに進みたいと思っております。勤務管理のシステム化におきましては、こういった客観的な情報を基に、上司と部下のコミュニケーションをしっかり取ることによって、そのうちの超過勤務をしていた時間、あるいは内容、そういったことをしっかりと確認して、仕事の見直しにもつなげるし、超過勤務の手当の確実な支払いにもつなげる、そういった方向に進んでいきたいと考えております。
○本庄委員 そうしますと、今政府の方で調査をされている国家公務員給与等実態調査というのがありまして、ここには超過勤務についても調査がなされているわけですけれども、これはあくまでも手当が支払われた時間ということが調査として出てきているわけであって、もしかすると、隠れた残業、こういったものがあって、調査には出てこないものもあるかもしれない、そして、そういったことをこれから見える化を図る中でしっかりと把握できるようにしていく、こういう理解でよろしいですか。
○合田政府参考人 お答えいたします。
お尋ねの国家公務員給与等実態調査でございますけれども、これは、超過勤務を行って超過勤務手当を支給した時間数について毎年調査をしているものでございます。
先ほど内閣人事局の方からも御答弁ございましたとおり、超過勤務を行う際には、きちんと上司がどれだけの仕事を命じるかということを明らかにして命令を行い、それに従って職務を行った者に対して手当を支給する。これが、上司とそれから職員本人でどれが超過勤務であるかということの認識を一にしていただくということを、内閣人事局の方でも施策を推進されているところでございまして、私どもとしても、超過勤務のしっかりとした管理を行い、その縮減に努めていただくように努めてまいりたいと考えております。
○本庄委員 勤務時間の把握というのが長時間労働是正の大前提だと思います。手当を幾ら支払っているかということだけではなくて、是非、この実態をしっかりと把握をして、そして適切な対応をお願いをしたい。今努力をされているということですけれども、是非加速化していただきたいというふうに思います。
その上で、川本総裁にお尋ねをしたいんですけれども、昨年八月十日の総裁談話の中で、「人員配置や業務分担の見直しを通じて超過勤務を必要最小限のものとするよう、各府省の人事管理責任者に対し指導するとともに、各府省の組織全体としての取組を促していきます。」、こういう談話が出されています。
その指導ということについてのちょっと具体的な中身について教えていただけますか。
○川本政府特別補佐人 具体的なことということでございますけれども、例えば、私が各府省の事務次官をお訪ねいたしまして超勤の縮減に向けた取組について直接お願いを申し上げたりですとか、あるいは、令和元年度から導入しています超過勤務の上限に関する制度の運用が適切に行われるように、本院の勤務時間制度の担当課長が各府省の人事担当課長等に対するヒアリングを行うとともに必要な指導というものを行っているということでございます。
○本庄委員 次官との面談あるいはヒアリングだけで十分な効果が出るのかどうか。是非取組を強めていただきたいというふうに思います。
その上で、人事院規則のことで少しお尋ねをしたいんですが、平成三十一年の四月、人事院規則の改正がありました。超過勤務の上限に関するものですね。ここで改正がなされたわけですが、改正前、例えば平成三十年と、改正した後の平成三十一年以降の超過勤務の調査、変化が出ているんでしょうか、あるいは効果は出ていますか。
○合田政府参考人 お答えいたします。
国家公務員給与等実態調査におけます平均年間総超過勤務時間数についてお答えいたしますと、平成三十年暦年で、全体で二百二十六時間、うち、本府省で三百五十六時間、本府省以外で百九十八時間でございます。これが、令和元年では、全体で二百十九時間、本府省で三百四十八時間、本府省以外で百九十時間。それから令和二年は、全体で二百十三時間、うち、本府省で三百五十八時間、本府省以外で百八十一時間となっております。
○本庄委員 規則を改正したけれども、二百二十六時間が二百十三時間になった、これは年間ですね。月でいえば一時間短くなった。こういう成果です。
私は必ずしも十分ではないと思いますが、その点について、もう一度答弁をお願いします。
○合田政府参考人 お答えいたします。
令和元年度から導入しております超勤上限の制度でございますけれども、その前と後での超過勤務の平均時間数については先ほどお答えしたとおりでございまして、各府省において、先ほど総裁からも答弁申し上げましたように、次官等のトップマネジメントから、また人事担当部局から、問題意識は持ってそれぞれのところで様々な取組を行い、超過勤務の縮減には努めていただいているところだというふうには認識しております。
ただし、このところ、例えば新型コロナウイルス感染症の問題ですとか台風等の災害ですとか、そういった緊急やむを得ない対応を迫られている課題というのも幾つか発生しているところでございまして、各府省、取り組んでおられるところではございますけれども、他方で超過勤務を余儀なくされている、そういうふうな状況にもあるというふうに認識しております。
○本庄委員 諸事情あるのは分かりますが、更に努力を強めていただきたいというふうに思いますし、規則の改正が十分でないということであれば、更なる見直しを御検討いただきたいというふうに思います。
そこの関連で、特例業務、そして他律的業務について少しお伺いをしたいと思います。
まず、特例業務とは何かですけれども、このように書いてあります。大規模災害への対処、重要な政策に関する法律の立案、他国又は国際関係との重要な交渉その他の重要な業務であって特に緊急に処理することを要するものと各省各庁の長が認める業務である、このような規定です。
他律的業務とは、業務量、業務の実施時期その他の業務の遂行に関する事項を自ら決定することが困難な業務ということで、超過勤務のコントロールが難しいということで挙げられているわけです。
そこで、お伺いをしたいんですが、今回の国家公務員人事管理に関する報告、この中で、「各府省における超過勤務の上限に関する制度の運用状況を引き続き把握した上で、特例業務の範囲や他律部署の指定の考え方について統一が図られるよう、各府省に対する指導・助言を行っていく。」、こういうふうに書かれてあります。
これは、特例業務あるいは他律的業務が各省によってまちまちであるということを意味しているんでしょうか。これは、要は例外規定なので、余り各省にばらつきがあってはいけないと思うんですけれども、そのことをお伺いしたいのと、なぜそういうことが起きているのかについて教えてください。
○合田政府参考人 お答えいたします。
人事院規則一五―一四におきます特例業務それから他律的業務については、先ほど委員御指摘のとおりでございます。
この規則の改正を行う際に、規則の内容等については各省に対して説明等を行い、各省において規則の考え方を十分理解して、それに従って部局の指定等を行っていただけるように、私どもとしても準備はしたところでございます。
また、規則が施行した後に、先ほど総裁からも答弁申し上げた、私どもの担当課長が各省で人事管理の責任を持っている人事課長、秘書課長等を訪れまして、それぞれの省庁において、他律的業務の指定についてどのような考え方によってどういう部局を指定しているか、また、超勤上限の例外となります特例業務を行わせざるを得なかった事情等について、どういうふうな事情であったのかということもヒアリングを行いまして、その中で、各省において規則の規定に従って他律的部局というのを指定しているわけですけれども、それを、他省庁の指定の考え方等も情報共有しながら、省庁によって、中には規則の発足時には指定作業が間に合わなかったのでちょっとバランスが悪いようなところも現実ございましたけれども、そのようなことについては、省庁によってばらつきが出ないようなことを、この課長レベルでの指導を行っているということでございます。また、超勤の上限の例外となる業務についても、各省いろいろな取組を行っていただいておりますので、その取組の情報を共有するなどの方策を取ることによりまして、超過勤務の縮減に努めるように、そういう指導を行っているというところでございます。
○本庄委員 これは、さっき申し上げた人事管理報告にも書かれているんですけれども、主な特例業務として、いろいろ書いてあって、例えば、新型コロナウイルス感染症対策業務、これは分かります、いかにも特例業務だろうと。国会対応業務、予算・会計・人事関連業務、これも特例業務だというふうにこの報告書には出ています。
ただ、人事院の規則にはそういったことまでは書かれていなくて、果たして人事院規則に書かれている特例業務の定義に合っているのかどうか、この辺はもうちょっと厳しくチェックを入れていくべきではないかというふうに思います。
その意味で、これはちょっと制度の問題なので二之湯大臣にお伺いしたいんですが、この特例業務あるいは他律的業務の指定ということについて、人事院が、単なる指導や助言だけではなくて、もう少し積極的に関与をしていく仕組みあるいは権限、こういったものを持たせるべきじゃないか、各省任せではなくて。各省は使用者です。民間でいえば会社ですから、やはり人事院がもう少しイニシアチブを取って、介入あるいは指導というのにもう少し実効性を持たせていくべきではないかと思いますが、いかがお考えでしょうか。
○二之湯国務大臣 人事院には、国家公務員の超過勤務に関して、各府省の適切な運用を確保するための権限と責務があるものと認識をしております。
本年四月には、長時間労働の是正に向けた指導を徹底するために、勤務時間調査・指導室を設置すると聞いております。そのため、御指摘の超過勤務の上限に関する権限の行使の在り方についても、各府省における上限規制の遵守の観点から、人事院において適切に検討してもらいたいと考えております。
○本庄委員 ありがとうございます。
是非、各省任せではなくて、政府あるいは人事院の統一的な対応、取組ということをお願いしたいと思います。
そして、長時間労働に関する最後の問いですけれども、やはり根本的な問題は、業務量と人員、人数が見合っているのか、あるいは配置がきちっとなされているのか、ここに最後はたどり着くわけです。
そういった意味でも、人事院さんには是非、恒常的な業務について人員が不足する、それによって超過勤務が発生してしまう、こういう悪循環に陥らないための努力をお願いしたいと思いますが、これは総裁にお願いをいたします。
○川本政府特別補佐人 おっしゃられるように、長時間労働を是正し、良好な勤務環境を整備することは府省共通の課題でありますので、昨年の公務員人事管理に関する報告に書かせていただいた次第であります。
内閣人事局による機構・定員等の審査結果を拝見しますと、令和四年度につきましては、令和三年度に引き続き政府全体で純増となっており、一定の対応はなされているものと考えております。
人事院としては、引き続き、各府省の実態を踏まえつつ、必要な人員の確保について関係機関への働きかけを行ってまいりたいと思っております。
○本庄委員 是非、人事院さんの役割は非常に大きいと思いますので、よろしくお願いいたします。
では次に、男性職員の育児休業の取得についてのテーマに移りたいと思います。
まず二之湯大臣にお伺いしますが、公務員の男性職員の育児休業の取得率、先ほどもありました、二九%、三割ですね。そして、その取得した人も、一か月以下という人が七割ということで、非常に短いわけです。近年、非常に高まってきてはいますが、まだまだ不十分だと思います。この辺りの御認識あるいは理由について、どういうふうに見ておられますか。御答弁お願いします、大臣。
○二之湯国務大臣 政府は、令和二年度から、子供が生まれた全ての男性職員が一か月以上育児に伴う休暇や休業を取得できることを目指して、政府一丸で今取組を進めております。男性職員の育児休業取得率の大幅な上昇、令和七年度で三〇%、これはまだまだそこにいきませんけれども、道半ばでございますけれども、その成果が着実に表れているのではないか、このように思っております。
引き続き、男性職員における育児休業を含めた育児に伴う休暇、休業の取得を定着させるためには、継続的な取組が必要となってくると思います。今後とも、仕事と生活の両立を支援するために、マネジメント改革を始めとする働き方改革を通じた職場環境の整備を着実に進めてまいりたいと思っております。
○本庄委員 育児休業を取れるのに取らなかった、あるいは取れなかったという人の理由は様々だと思います。ちょっと、私の手元にニッセイ基礎研究所の調査があるんですけれども、これは男女によってかなり違うんですが、男性で一番多いのは、皮肉なことに、自分以外に育児をする人がいた、これが六割ぐらい、こんな調査もあるんですが、やはり見逃せないと思うのは、家計が苦しくなると。
要は、給付金は出ますけれども、休業手当は出ますけれども、半年間は六七%が上限、そして半年を超えてしまうと半分の五〇%までしか出ない、こういう中で、やはり収入の減を考慮して育児休業を取らないという、特に男性、多いんじゃないかと思いますが、この点についてどのようにお考えでしょうか。
○二之湯国務大臣 男性が育児休業を取らないというのは様々な理由があると思います。その中の一つは収入の減少ということでございます。なかなか、この休業期間が百八十日に達するまでは一日につき標準報酬日額の六七%、あるいは、その後、子が一歳に達するまでは五〇%と、かなり収入が減ってくるわけでございます。これが男性職員が育児休業の利用をためらう理由になっているものと承知いたしております。
内閣人事局としても、職員に対して、育児休業した場合の具体的な収入を試算できるツールを提供して、収入面での不安解消に取り組んでおります。
引き続き、育児休業の取得を促進してまいりたいと考えております。
○本庄委員 大臣おっしゃったように、最大でも六七%ということで、例えば専業主婦の家庭の家で男性が育休を取るということは、まず無理だと思います。
民間では、同じ六七%ということですが、上乗せをしているような企業もあるということで、報道やその他で私も拝見をしておりますが、厚生労働省、何かこの点について実態を御存じでしょうか。
○岸本政府参考人 お答えいたします。
育児休業期間中の労働者に対します、育児休業給付とは別の、会社等からの金銭の支給に関しましては、令和元年度の雇用均等基本調査という調査におきまして調査を行っております。育児休業給付以外に金銭を支給しているという事業所の割合は一四・九%、このうち毎月金銭を支給しているという会社等は八・五%となってございます。
○本庄委員 民間で一四・九%ということです。今、民間の男性の育休取得率は一二%から一三%ということで、公務員よりはるかに低いと思いますが、それでもこれだけの収入補填ということをやっている企業があるということです。
やはり、手取りが大きく減るということは、育休取得に当たっての大きな阻害要因になっているというふうに思いますので、民間とパラレルではありますけれども、是非政府の方で、かつて五〇を六七に引き上げましたが、更なる加算についても御検討いただければというふうに思います。これは答弁を求めません。
その上で、私、もう一つ、ちょっと提案というかお伺いしたいんですが、育休は三年間取れます。ただし、手当を受け取れるのは子供が一歳になるまで。そして、保育所が見つからない場合に限って二歳まで取れるということです。取れるというか、給付金を受け取れるということですね。
私、うまく休みのタイミングが出産と合った人は、一歳までの間にしっかりと取ればいいと思うんですが、なかなかそうじゃない人もいると思うんですね。そういった方々については、一歳を超えていてもきちっと育児休業手当が受け取れるというような仕組みも今後検討していくべきではないかと思います。保育所要件も私は要らないと思いますが、いかがお考えでしょうか。これは大臣にお伺いします。
○堀江政府参考人 育児休業の取得促進を行っていく上で、収入面の手当てというのは重要な課題であると思います。一方で、先ほどから御指摘ありますとおり、育児休業中に支給される育児休業手当金の在り方につきましては、現状、民間と同等の水準ということになっております。国民の理解を得ることも必要でございますので、民間の実態なども踏まえまして、人事院において検討いただきたいと考えております。
○本庄委員 民間とパラレルだというふうに申し上げました。私は、民間も同じように、一歳を超えた子供であっても、それまで育児休業手当を受け取っていない人であれば受け取れるというような仕組みをやはりきちっと考えていくべきだというふうに思います。
子供が生まれて一年間しか取れない、休業手当がもらえないというのは、やはり余りにも使い勝手が悪いのではないか、私も、男性の、かつて子供を持った一人としてそのように実感をしているところであります。
これは厚生労働省の方にも、一言、答弁お願いします。
○岸本政府参考人 お答えいたします。
民間部門の育児休業法の仕組みでございますが、原則一歳まで育児休業を取得可能だというふうな仕組みとしております。それは、その時期が子の養育に最も手厚い手当てを必要としている時期であるという考え方によって立っているものでございまして、その上で、保育所等に入れない場合に限り最長二歳まで延長可能というのが現行制度の考え方でございます。
御指摘のように、育児休業の取得可能期間につきまして一年間という期間を維持をしつつ、取得可能年齢について一歳半ですとか二歳までと引き上げるというような考え方に関しましては、これは、以前、育児休業法に関する議論をする審議会でもそういった議論もあったところでございますが、企業の労務管理上の難点ですとか、現行制度、育児休業法の場合、保育所等に入れない場合という条件付ですが、一人の労働者で二年間まで取れるという仕組みになっているものでございます、それとの関係をどう考えるかといった点があり、慎重な検討が必要だというふうに考えております。
○本庄委員 制度のそもそもの出発が、会社から見れば雇用を維持する、そして働く方から見ればしっかりと子育てをしながら仕事を続ける、こういう観点だったと思います。したがって、そういう保育という発想も出てくるんですが、今、もう発想を大きく変えるべきときに来ていると思うんですね。
今回の見直しも、単なる保育だとかあるいは雇用の継続というだけではなくて、父親の子供、子育て、家庭への参画、こういった大きな方向の中での見直しだというふうに理解をしています。そういう意味では、保育所が見つからない人に限って二歳でもいいとか、そういうことではなくて、やはり何歳までであれば一回は取れますよ、二回は取れますよということで、幅広い選択が可能なふうに見直しを図っていくべきだというふうに思います。
先ほど、政府の目標が三〇%だというお話がありました。私、もうちょっと意欲的に考えていただいた方がいいのかなと思いまして、一つ事例を御紹介したいんですが、千葉市なんですね。
当時の千葉市長、熊谷さん、今は知事になりましたが、ここが、今、男性職員の育休取得率が何%か。令和元年ですが、九二・三なんですね。九二・三%です。じゃ、この千葉市、昔から高かったのかというとそうではなくて、三年前、平成二十八年度は一二・六%でした。激増しております。これはどうやってこんな九割まで持っていったんですかというふうに聞いてみたところ、育休を申請するときに、申請しない人だけ申請しない理由を書かせる、申請する人は理由などは一切書かなくていい、期間だけ書く、このやり方を取ったところ、三年間で一二・六が九二・三に飛躍的にアップいたしました。
是非、国の方でもこういった考え方、運用面で取り入れていただきたいなと思うんですが、いかがでしょうか。これは大臣でしょうか。
○二之湯国務大臣 今、千葉市の例を引かれて、男性の育児休業の取得率上昇の話を伺いました。若い市長でございまして、恐らく子育ての最中の市長だと思いますけれども、男性職員が積極的にそういう休暇を取って、そして仕事にも一生懸命頑張る、そしてまた子育てにも頑張る、非常にいいことだ、このように思っております。
よく千葉市の例も参考にさせていただきまして、これから男性の育児休業の促進に向けて、いろいろなことを参考にしつつ頑張ってまいりたい、このように思っております。
○本庄委員 時間が来ましたので終わりますが、極めて重要な課題を背景に抱えた法案でありテーマであるということ、是非この場の皆様と共有をさせていただいて、私の質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。
○上野委員長 次に、阿部司君。
○阿部(司)委員 日本維新の会、阿部司です。
先ほどの質問に続きまして、国家公務員の方々の給与、関連して、官民の人材流動化、いわゆるリボルビングドア等についてお伺いしてまいりたいと思います。
これまで官僚機構は、我が国の発展に大きな力を発揮してきました。しかしながら、近年は、その政策立案能力の低下があちこちから上がってきているような状況かと思います。
優秀な若手は、外資系コンサルティング会社やスタートアップを目指し、霞が関を目指さなくなった、厳しい試験をパスした若手官僚が十年を経ずして霞が関を去っていく、こうした現象が霞が関の組織としての力の低下につながっていることは間違いありません。その根底には、ブラックと言われる霞が関の働き方、まだまだ硬直的な人事制度の問題が横たわっており、早急に改善をしていく必要があります。また、現代の社会課題は大変複雑化してきておりまして、これに対応していくためには、民間出身の専門家の力を生かしていくことがますます求められると思います。
こうした観点から、今回は、官民で人材が流動化し行き来する仕組み、リボルビングドアを中心に、変革への対応をお伺いします。
我が国のDX化の推進に向けた司令塔として、昨年九月、デジタル庁が発足をいたしました。発足に先立ち、当時の平井卓也デジタル大臣は、民間の給与体系を検討するほか、霞が関の省庁で行われてきた人事政策は踏襲しないとも述べられました。さらに、デジタル庁と民間企業の人材が行き来するリボルビングドアの仕組みを推奨する方針を打ち出し、注目を集めました。
今の行政は、これまで以上に専門性を求められる分野が増え、その結果、霞が関において、デジタルに象徴されるような、即戦力としての民間の専門人材のニーズが高まっております。しかしながら、例えばDX関連の人材は市場で争奪戦が繰り広げられており、待遇、特に賃金面で相当な高額報酬を提示しないと確保が困難なのが実態かと思います。
例えば、デジタル庁で司令塔を担うような人材、その下で組織の結節点となるような人材には三千万円ですとか四千万円超の高額俸給を支払うことも視野に入れるべきと思うわけですけれども、現行の給与法でこうした高額報酬を支払うことが可能であるのか、お伺いいたします。もし制度的な障害があるのであれば、それは何か、具体的にお答えをお願い申し上げます。
○佐々木政府参考人 お答えいたします。
公務におきまして高度の専門性を有する人材を採用する枠組みといたしまして、任期付職員法に基づく任期付の採用という仕組みがございます。その中で、特に高度な専門性を有する人材につきましては特別な俸給表を適用するという仕組みを設けておりまして、その特別な俸給表の下で柔軟な給与決定が可能な枠組みを用意しているところでございます。
さらに、極めて高度の専門性を有する民間人材を採用する場合には、手続的には人事院の承認を得てということになっておりますけれども、一般職の職員の中で最高額でございます事務次官の俸給月額、これを上限といたしまして、特例的な俸給月額に決定することを可能としておりまして、この場合ですと、俸給月額で申し上げますと百十七万五千円ほど、年収で申し上げますと二千三百万円程度の処遇を確保することができるということでございます。
人事院といたしましては、この特定任期付の制度というものも活用しながら、有為な人材に対しまして適切な処遇が確保されるように引き続き努めてまいりたいと考えております。
なお、制度的障害というお話がございましたが、これは、国会法におきまして、議員歳費について、一般職の国家公務員の最高の給与額より少なくない歳費を受ける旨が定められております。このため、現行法上、今御説明申し上げました特定任期付職員を含む一般職職員の俸給月額は議員歳費を超えられない関係にあるということがございます。
○阿部(司)委員 御答弁ありがとうございました。
任期付採用では別建ての俸給表が適用されるとのことで、最高の俸給は事務次官クラスとなるようですけれども、年収二千三百万円台と承知しておりますので、それ以上の給与は支払えないということでした。また、高額報酬を支払い可能とするには国会法の規定がネックとなり、改定が必要との見解でした。
日本維新の会では、国民生活向上のための必要な改革はどんどん進めていくという立場です。従来のルールにとらわれず、官民間の給与差を適正化し、下げるところはしっかり下げていく、必要なところではしっかり出していくということが重要だと考えております。私個人としても、必要であれば、各会派の御賛同を得ながら、国会自らのルールについても変えていくべきだと考えております。
さて、アメリカにおいては既にリボルビングドアが浸透していると聞いておりますけれども、我が国においても、民間の知見を行政の政策に生かし、霞が関の経験を民間に更にまた生かしていくといった人材交流、人材の流動化を定着させていくことが社会全体にとってプラス効果を発揮すると確信をしております。
そこで、官民の人材流動化、リボルビングドア実現に向けて、何点かお伺いしてまいりたいと思います。
まず、このリボルビングドアを実現していくには霞が関における中途採用の在り方を見直していく必要があると考えますが、霞が関における中途採用者、特に管理職の割合、中途採用における管理職の割合についてお尋ね申し上げます。
○堀江政府参考人 本府省の課室長級に占める採用試験等別の職員数を、私ども調査、公表しておりますけれども、その中で、選考採用、この中には先ほどお話ありました任期付採用なども含まれますが、そういったいわゆる中途採用された職員は、令和三年度で五・五%となっております。
○阿部(司)委員 ありがとうございます。
各省における中途採用者の管理職の割合、五%強ということでした。中途採用が管理職になっていくのは非常に厳しい状況なのかな、ほかの民間の企業と比較すると少ないのかなと思いました。まずは、この中途採用の人数自体を増やしていく、量的な面での改善が必要かと思います。
霞が関を辞めて今は民間で働いている友人いわく、そもそも、中途採用、まず募集しているという情報自体が世間に広まっていないように感じるとのことでした。また、転職市場は人材の奪い合いで、民間企業は、人を採用するためにしっかり投資を行って、よい人材にアプローチしようと本当に必死です。中途採用は行っているけれども、そのことが強くメッセージとして打ち出されているように感じられないとのことでした。
また、各省の採用担当の方々は、特定の大学でリクルーティングを行えばいい新卒採用とは異なりまして、中途採用の母集団の形成、人集めが非常に大変だと思います。十分に広報予算を充てていくことが今後重要かと思います。
また、量的な改善だけでなく、管理職として上位の責任ある立場まで昇進でき活躍できるという質的な制度的な改善、こちらも重要かと思いますので、そうした観点からの取組にも是非力を入れていただきたいと思っております。
ところで、様々な分野でスキルや知見を有した方が民間から来て霞が関で働くようにするためには、環境の整備が必要ですけれども、基本的な給与も重要であると思います。民間で実績のある優秀な人材にとって、給与がこれまでより下がるようでは、転職するモチベーションが著しくくじかれるかなと思います。
聞くところによると、民間からの中途採用の俸給水準は前職の七割から八〇%として勘案されると聞いたんですけれども、この俸給決定の仕組みと経験勘案の根拠を伺います。
○佐々木政府参考人 お答えいたします。
新たに職員が採用される場合のその職員の俸給月額につきましては、人事院規則に基づきまして、各府省において、採用後の職務内容、これに応じ、採用される方の有する採用前の経歴や能力などを考慮して決定するという枠組みとなっております。
その際、職員の有する経歴は多様であるとともに、その経歴と職員の職務との関係も多岐にわたるということになっております。そのため、実際の運用に当たりましては、人事院規則に基づきまして、各府省において、職務への有用性というものを基準にこの関係を決定しておりまして、例えば、職務への有用性が高い経歴につきましてはその全てを一〇〇%勘案することができますし、そうでない期間については八〇%以下で勘案するというような仕組みになっているところでございます。
○阿部(司)委員 中途採用の給与の決定は各省の判断に委ねられている、高度専門知見を有する方の採用等に活用される特定任期付採用に関しては、俸給決定判断要素の一つに前職業を参考にできるということでしたけれども、重要なのは、そうして決められた中途採用の給与水準が前職の七割から八〇%になってしまうという実態だと思うんですね。
今の御答弁では、中途採用者の前職比給与水準については把握されていないようでしたので、こちらはしっかり実態の把握をした上で、民間から霞が関へ人材移動がしやすいような給与体系となるよう各省へ制度の活用を促すなどの対応をすべきだと思いますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。
さらに、給与面の条件でいえば、前職の年収等で判断をしっかり行っていくという方がより合理的で、運用を今後しっかり見直していくべきだと思うんですけれども、御見解をお伺いできればと思います。
○佐々木政府参考人 お答えいたします。
先ほど、有為の中途採用者を活用するための仕組みといたしまして特定任期付の制度について御説明させていただきましたが、その俸給月額の決定につきましては、その職員が有します専門的な知識経験、識見の程度と、業務の困難度、重要度の程度に応じまして決定するということとされておりますが、その際、採用予定者の有します専門的な知識経験等に基づく民間企業での実績等に対する社会における一般的な報酬、給与等の評価額、これを考慮するものとされております。これによりまして、いわゆる民間相場を踏まえました給与の支給がされるような仕組みになっていると考えております。
人事院といたしましても、各府省において有為な人材に対し適切な処遇を確保することができるよう、引き続き各府省を支援してまいりたいと考えております。
○阿部(司)委員 現実に前職より給与水準が落ちるということでは人材流動化の大きな障壁となりますので、せめて前職と同じ給与水準となるような運用を引き続きお願いできればと思います。
また、リボルビングドアを進めていくためには、給与面以外にも現状把握をしっかりとしておく必要があるのかなと思っております。
そこで、一度霞が関を退職した職員が戻ってくる、こうしたケースがどの程度あるのか、状況把握についてお伺いいたします。
○堀江政府参考人 国家公務員を中途退職した元職員が再度公務に戻ってきた具体的な人数については、現時点においては把握しておりませんが、例えば、育児、介護等を理由に中途退職した職員につきましては、内閣人事局のホームページで復職希望者の連絡窓口を置くなどの取組を行っております。
元職員の再採用を含む民間人材の活用は人材確保のために非常に重要であると考えておりまして、今後、元職員への広報や働きかけを更に強化するなどの取組に努めてまいりたいと考えております。
○阿部(司)委員 いわゆる再雇用の職員については現状把握がなされていない、その数は少ないのではないかということだったんですけれども、これも、元々霞が関に勤めていた方々からは、出戻りを促進するには役所がOBにリーチできるネットワークが重要という声がありました。退職者が裏切り者扱いされて遠ざけられてしまうのではなくて、役所の理解者として積極的に力をかりていく。また、民間企業でもそういった取組は進んでいると思います。
現時点で、元いた、いわゆるA省に戻ることが難しくても、お隣のB省に採用する、こうしたことを、霞が関の人事の司令塔である内閣人事局こそが省庁の垣根を越えて仕組みを整えていくことが必要だと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
ところで、こうした制度整備とともに、いわゆる再雇用人材を増やすためには、やはり中途採用者の賃金について改革を進めていく必要があると思うんですけれども、これまでの議論を踏まえまして、人事院総裁の御見解をお伺いいたします。
○川本政府特別補佐人 人事院といたしましても、人材の確保は喫緊の課題と認識しておりまして、各府省が様々な専門分野の人材を確保できるように取組を進めております。
御指摘いただきました出戻り人材を公務に採用する場合でございますけれども、選考による中途採用、また任期付職員法に基づく採用など、各府省のニーズに応じ、様々な枠組みが活用できることとなっております。
これらの仕組みによって採用された職員の給与の決定方法の一つとして、職員が採用されるポストに応じ、経歴や能力などを考慮し、柔軟に決定できる仕組みもございます。この仕組みを活用すれば、職員の能力などを踏まえ、各府省の判断によって、部内で最も高い評価を受けてきた職員をも超える給与処遇とすることも可能となっております。
人事院としましても、各府省のニーズ等に応じた様々な制度を用意してきているところですが、これらが活用されるためには、各府省に制度の内容を御理解いただく必要がございます。そのため、先般より、中途採用者に関連する諸制度の概要を各府省に示すとともに、人事院ホームページに掲載するなど、積極的に周知、広報を行ってきており、今後もこのような取組を継続してまいりたいと思いますし、御指摘いただいた出戻り人材に限らず、中途採用者等の給与について検討を進めるため、各府省から具体的なニーズをお聞きしまして、その結果を踏まえ、必要な対応について検討してまいりたいと思っております。
○阿部(司)委員 御答弁ありがとうございます。
今後も御検討をいただきたい、そして、今お話にあったとおり、各省庁で実際にその制度を運用して実行していってもらうことが重要だと思います。
これまで、リボルビングドアを中心に、これからの社会課題に対応できる霞が関について議論をしてまいりました。
冒頭でも申し上げましたけれども、私は、公務員の定年延長、デジタル化、リモート化の進展、専門人材の確保、官民協働の必要性など、霞が関を取り巻く大きな環境の変化に対応できる制度改革が必要だと考えています。ところが、平成二十六年に内閣人事局が設置されて以降、大きな社会変化があるにもかかわらず、それに対応すべき公務員制度改革は、そこまで大きく進展しているようには見えないんですね。
さきに挙げたような、デジタル化、リモートワーク推進、長時間労働の抑制、専門人材の中途採用の拡大、出戻り人材の活用などなど、いろいろと検討すべきポイント、改革を進めていかなければならないポイントがあると思うんですけれども、これは、それぞれに目標をしっかりと設定して、何をいつまでに達成するのか、しっかり計画を立てた上で、大臣がリーダーシップを発揮して、強力に推進する必要があると思います。
そこで、大臣のこの公務員制度改革に関する認識と、今後の改革に向けての御所見をお伺いいたします。
○二之湯国務大臣 公務員制度改革につきましては、これまで、国家公務員制度改革基本法に基づいて、多様な人材の登用、能力、実績に応じた処遇の徹底などを着実に進めてまいりましたけれども、現在は、若い人の公務員の志望者の減少、さらには離職者の増加なども見られることから、私としても非常に強い危機感を持っております。若手職員がやりがいを持って業務に集中できる魅力的な職場づくりを進めてまいらなければならないと思っております。
そのため、業務の効率化、デジタル化の推進、働き方改革を進めるほか、公務員経験者を再び採用することも含め、民間人材を円滑に採用する手法を検討する必要があると考えております。
今後、人事院とも連携しながら、一生懸命取り組んでまいりたいと考えております。
○阿部(司)委員 ありがとうございます。
是非とも、しっかり計画を立てて、何をいつまでにやるのか、しっかりとリーダーシップを取って進めていっていただきたいと思っております。
コロナ禍におきまして、リモートワークですとか、そうしたものが急速に普及するといったことも含めて、ここ五年程度でも働き方をめぐる環境は大きく変化をしてまいりました。こうした変化にもしっかり対応するには、やはり改革をしっかりと進めていく必要があると思いますので、是非とも大臣を先頭に制度改革等に邁進していっていただきたいと思います。
あと一分ほどありますので、ちょっと本筋からそれるんですけれども、働き方改革、長時間労働抑制の分野で、国会でもできることがあると先ほどお話がありました。しっかりと質問の通告を早めにしていくですとか、こうした国会議員の努力も必要なわけですけれども、日本維新の会では、質問通告は二日前にやっております。レクもなるべくリモートで行っていく、これを是非とも皆さんで協力して、霞が関の政策力向上に資するような努力を行っていけたらと思っております。
以上をもちまして、日本維新の会、阿部司の質問を終了します。御清聴ありがとうございました。
○上野委員長 次に、浅野哲君。
○浅野委員 国民民主党の浅野哲でございます。
先ほどに続きまして、質疑に臨ませていただきます。
この法案、給与法、育休法の審議ということなんですけれども、十分しか時間がありませんので、大臣には是非簡潔にお答えをいただけますように御協力をお願いいたします。
まず、今回の給与法なんですけれども、例年よりも提出のタイミングが大変遅くなっておりまして、現場にも多くの混乱あるいは不安が広がっている状況にございます。
法案提出が例年よりも遅れた理由と大臣としての御見解を伺いたいんですけれども、議論を分かりやすくするために、ちょっと例年との比較を申し上げます。
例えば、前回総選挙があった二〇一七年、平成二十九年を例に挙げますと、人事院勧告が八月八日、そして、給与関係閣僚会議が八月十五日と十一月十七日に行われておりまして、取扱方針の閣議決定も、同日、十一月十七日に行われました。そして、同日閣議決定をし、国会に提出をされているというのが二〇一七年の実績でございますが、今回はどうなのかといいますと、人事院勧告についてはほぼ同じ時期の八月十日、そして、給与関係の閣僚会議も八月十日、十一月の十二日と二十四日に行われておりまして、取扱方針についてはこの日に決まっている。ただ、いつもと違うのは、法案の閣議決定と国会提出が十一月下旬ではなく二月の一日になっているということで、取扱方針の閣議決定から法案の閣議決定までがいつになく非常に時間がかかったということでございます。
なぜそうだったのかという理由を併せて、大臣には答弁を求めたいと思います。
○二之湯国務大臣 今回の人事院勧告の取扱いにつきましては、百年に一度の危機とも言われるコロナ禍の下で、政府としても、いろいろな経済対策が決定されたわけでございます。これらが着実に実施されることで、国家公務員のボーナス引下げによる消費の低下など、経済へのマイナスの影響の懸念が払拭された、こういうことでございまして、そのため、今回の人事院勧告を実施し、令和三年度の引下げ相当額を令和四年六月のボーナスで減額することとしたわけでございまして、そのために、今国会にその法案を提出させていただいたものでございます。
令和三年度の引下げ相当額を令和四年六月に減額することにより、令和三年度の人事院勧告を実施することに何ら変わりはないわけでございます。私としましては、人事院勧告を尊重するという政府の基本姿勢に沿ったものと考えております。
○浅野委員 人事院勧告を適用するというその一点においては大臣がおっしゃるとおりなのかもしれませんが、十二月の引き去り分も併せて六月分から減額をするということに今回なるわけですけれども、やはり、人事院勧告が出てから速やかに法改正をして、本来であれば十二月に間に合わせるというのが通常のプロセスだと思いますが、それを越えて検討したというのは、やはり、政府側の判断、政府側の責任の下でそういうことをやられたと思うんですね。
十二月の分も引き去るというんですが、実は、中には、十二月に受け取った後、例えば退職をされて、六月分から引き去れない方々もいらっしゃるわけです。ですから、政府の責任の下で時間をかけて検討を行った、また同時に、六月から減額できないような方々も現に存在する、この不公平感がありますけれども、それでもなお六月から減額を、十二月分まで減額をするということの妥当性をどのように考えるのか、見解をお伺いできますでしょうか。
○二之湯国務大臣 先ほども申しましたように、百年に一度のコロナ禍の非常に厳しい経済状況の中で、政府はいろいろな経済対策をされておったわけでございます。そこに、人事院勧告を直ちに実施することによって非常に消費が落ち込むんじゃないか、こういう懸念もされたわけでございまして、政府の経済対策の推移を見ながら、この人事院勧告をいつ実施するかということを考えたわけでございまして、実質、何ら変わらないわけでございます。
ただ、十二月に減額されなくて、既に退職された方は結局引かれなかったという中で、現職の人はちゃんと〇・一五分引かれるということでございますけれども、全体で約三億円ほどの、そういう退職された方の、辞めた方は助かったわけでございます。
しかし、基本的には、あくまでも、政府は人事院勧告を尊重するという立場には変わりはないわけでございますので、ひとつこの点を御理解いただきたいと思います。
○浅野委員 人事院勧告を政府としては尊重しなければいけない、今大臣がおっしゃられたような一部の現場における不公平感がある部分についてはのみ込んでいただかなければいけない、そういうことだろうと思うんですけれども、今、私も現場の方々に聞いたら、やはり一定程度の理解をしている方はいらっしゃいます。
ですが、これをやはり今後繰り返されると、それはそれで困ってしまうわけで、今回、かなり異例な日程感でこの法案提出、審議をしているわけでありますが、これは是非大臣から、今回のこの取扱いについては前例としないんだ、これは今後前例とせずに、あくまでも、今後も速やかな法案の成立と公務員の給与への反映というのを、これをルールにしていくんだと。
前例としない、これを明確にちょっとおっしゃっていただきたいなと思うんですが、いかがでしょうか。
○二之湯国務大臣 今回の、人事院勧告を直ちに実施しなかったということは異例中の異例だ、過去にそういう例があったのか、こういうことでございますけれども、私もちょっと今直ちに過去のことは分からないわけでございますけれども、これは、さっき申しましたように、百年に一回か二回あるかないかのいろいろな経済情勢の下で、こういう人事院勧告の実施の延期となったわけでございまして、そういうことのないようなことを期待しながら、そういう人事院勧告をできるだけ早く実施するということが、委員おっしゃっておられますけれども、私もそういうことについては変わりはない考え方でございます。
○浅野委員 例外にしないという思いは理解することができましたが、是非とも、実運用の面でも今後とも御留意をいただきたいと思います。
残り時間が僅かとなりましたので、ちょっと最後の質問に行かせていただきたいと思います。
公務員の役職定年制の話になりますが、健康寿命が延びたり、あるいは労働人口が減ったり、あるいは人生後半の生活基盤を確保する必要性が出てきたりと、様々な観点から、六十歳を過ぎても働き続ける方が増えております。
公務員の制度においても給与法改正によって定年年齢の段階的な引上げを進めている最中ではありますが、そもそも、今後の労働市場を展望したときに、知識と経験豊富な人材に活躍してもらうための環境整備というのは非常に重要だと思いますし、国家の運営基盤を維持していく観点からいえば、六十歳を過ぎたからといって、役職を降ろしたり、あるいは処遇を減らしたり、賃金水準を減らしたり、こういったことは、今、民間との横並び、比較をしたときに、ある程度理解をされるものではあるものの、こういった社会的背景を踏まえると、六十歳という一定の年齢を基準にして役職や処遇を引き下げることは、果たして国益にかなっているんだろうか。
この制度の今後の在り方などについて、大臣のお考えを最後に伺いたいと思っています。
○二之湯国務大臣 六十歳を定年とか高齢公務員と言うのは、いささか私も、七十七歳の私でも、ちょっとその言葉には違和感があるわけでございますけれども。
今回の国家公務員の定年の段階的引上げに関する措置は、人事院の意見の申出に基づいて昨年行われた国家公務員法の改正によるものであるわけでございます。若手、中堅職員の管理職への昇任機会を確保して組織全体の活力を維持するためにも、昨年、法改正により役職定年制を導入したということでございます。
役職定年に達したことによって、要するに、課長の方が平社員、平になるというようなこともあるわけでございますけれども、そういう職員の方のモチベーションについては、研修などを通じた意識改革、あるいは期待される役割の明示などを行って、その知識経験を生かして、若手の長時間労働の原因となっている業務の代替だとか、若手に対する助言、育成だとかなどに当たっていただきたい、このように思っております。若手を含む全ての職員が、やりがいを持ってその能力を存分に発揮できる環境の整備につなげていきたいと考えております。
さらに、経験、体験豊富なシニア職員の処遇に関しましては、モチベーションの維持向上ができるよう、その能力、実績によって給料にめり張りを一層をつけることは重要であると考えております。
今後、人事院においてしっかりと検討をしていただきたい、このように思っております。
○浅野委員 終わります。ありがとうございました。
○上野委員長 次に、塩川鉄也君。
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
給与法について質問をいたします。
昨年十一月の給与関係閣僚会議で二之湯大臣は、人事院勧告は、国家公務員の給与のほか、地方公務員の給与や、病院、学校など民間被用者の給与にも事実上影響を及ぼします、国家公務員のボーナス引下げはコロナから回復途上にある我が国経済にマイナスの影響を与えることも念頭に置きつつ対応していくことも重要と述べています。
そこで、二之湯大臣にお尋ねしますが、この国家公務員のボーナス引下げが我が国経済にマイナスの影響を与えるというのは、どういう影響を与えるということを認識しておられるんでしょうか。
○二之湯国務大臣 先ほども申しましたけれども、いわゆるボーナス、いわゆる期末手当の〇・一五分が、全体として数千億円の規模になるわけでございます。これが消費に回らないということが、非常に厳しい経済の下で大きな影響を与えるんじゃないかと。今回、幸いにいたしまして、政府の経済対策、あるいは公務員のこの期末手当の今年の六月での引下げということによって、そういう、経済が更に悪化するという懸念は払拭された、このように考えておるところでございます。
○塩川委員 消費に回らない大きな影響を与える、ただ、経済対策を打ったからそれでカバーをするというお話なんですが、直接国家公務員に関わるような経済対策というのは実際何があるのかという問題もあるわけですよね。
加えて、今、ウクライナをめぐる深刻な情勢があります。エネルギー価格の高騰を始めとした国民生活へのマイナスの影響が大きく懸念をされる、こういう経済状況のときに、我が国経済にマイナスの影響を及ぼす国家公務員の賃下げ、それは広く多くの労働者にも影響を与える。これをやっていいのかということは改めて問われているんじゃないですか。
○二之湯国務大臣 国家公務員の給与は民間準拠ということであるわけでございますから、民間がよくなれば公務員の給料もよくなる、民間が非常に厳しいときには、それに準じて公務員も賃金を下げてもらうとかあるいは手当を減額する、こういうことはよく御理解をいただけるんじゃないか、このように思います。
現下の、今、情勢が非常に厳しい中でございますけれども、お互いがそういう面で少しずつ負担を分かち合って、この厳しい時代を乗り切っていかなきゃならぬので、公務員も、そういう観点から、今回の措置をひとつ御理解をいただきたい。人事院勧告を尊重するということについては、何ら変わらないということでございますから。
○塩川委員 ですから、十一月、十二月の段階の判断というのはあるわけですけれども、今の段階での改めての判断が問われているんじゃないのか。
当然、この先の見通しが非常に不透明な状況の中で、現に様々な物価高などの影響も出ているときに、経済にマイナスの影響を与えるこういった国家公務員の賃下げ、それは、国家公務員にとどまらず、地方公務員もあり、大臣自身がおっしゃったように、病院ですとか私立学校ですとか、そういったところにも大きな影響を及ぼす人勧、国家公務員の給与の改定。今の情勢の下で、大きな影響を及ぼすこういった賃下げをやるのかというのは、改めて考えるべきじゃないでしょうか。
○二之湯国務大臣 確かに、今委員おっしゃいましたように、内外の情勢が非常に厳しくなって諸物価が上がってくる、そういうときに期末手当を減額するのはいかがなものか。そういうのはよく私も理解できるわけでございますけれども、あくまでも、国家公務員の給与あるいは期末手当というのは人事院勧告を尊重するという、こういう政府の基本的な方針がございますから、六月にそれを減額させていただくという方針を取らせていただいたわけでございます。
○塩川委員 経済へのマイナスの影響を与えるといったことをしっかり踏まえて、この賃下げについては少なくとも行わないという決断というのはやはりあり得るというふうに思います。
今、岸田政権におきましては、経済団体に対しても三%を超える賃上げを要請しているところであります。その一方で、公務員には賃下げを行う。賃上げを目指すという岸田政権においては、民間への賃上げを求めるとともに、公務の賃上げ、少なくとも賃下げはやめたらどうかと率直に思うところです。
その点でいえば、人勧の影響というのはいろいろなところに及ぶということで、公定価格の話があります。
公定価格について、例えば保育士の方などの給与というのは、国家公務員の給与に準じて人件費が出されます。当然のことながら、国家公務員の給与が引き下げられれば、公定価格の人件費部分も引き下げられてしまう。そういった悪影響というのは出てくるわけですよね。
その際に、今回、政府の公的価格の抜本的見直しでは、保育士の方など、公定価格の方の労働者、マイナス人勧を反映をした賃下げ部分については、これは穴埋めの措置を取っているんですよ。ですから、マイナス人勧を反映しない措置を公定価格では取るということをやっているわけですから、やろうと思えばそういう施策というのは取れるんじゃないのかと思うんですが、そういうのも更に広げるといったことは考えませんか。
○二之湯国務大臣 繰り返しになりますけれども、民間との比較で国家公務員の給与を決定するということは、国家公務員の適正な処遇の確保と国民の理解を得るために妥当なものだと私どもは考えているわけでございます。人事院制度の勧告を尊重するというのは、これは我が国でもう定着したことになっておりますので、ひとつ御理解をいただきたいと思います。
御指摘のケア労働者の処遇改善については、引き続き、公的価格評価検討委員会の中間整理も踏まえ、検討が進められていくものと承知をいたしておるところでございます。
○塩川委員 いや、ですから、公定価格については、今回の公的価格の抜本的見直しの施策の中で、マイナス人勧、国家公務員の給与の引下げ部分については穴埋めをする、その部分を積むという措置を取っているんですよ。だから、そこはやればできるんじゃないか、それを広げるということは可能じゃないですか。
○二之湯国務大臣 私の立場からいたしますと、国家公務員制度担当大臣といたしますと、今回は人事院勧告を尊重して法案を提出させていただきました。
あとの、そういうケア労働者のことに関しましては、政府のいろいろな政策の中で考えるべきことだと思います。
○塩川委員 いや、ですから、人勧の実施と言いながらもこういった措置を取っているわけで、そこにはもちろん給与格差がある、一般の全産業平均に比べて保育士の方などの給与は低いという状況もあるということも当然あるわけですけれども、やればできる話なんですから、少なくとも賃金格差があるような職種におけるこういったマイナス人勧の押しつけはやめろということはやるべき話じゃないか、このことを申し上げます。
それで、最後に、今年三月で定年退職した職員で引き続き四月から再任用される職員の方の六月支給の一時金からも今回の減額調整をすると聞いています。
定年退職によって公務員の身分は消滅するのに、その職員の在職時の公務員の身分に付随する不利益措置を退職後まで引き継ぐ今回の措置は不当ではないかと考えますが、いかがですか。
○堀江政府参考人 お答えいたします。
期末手当の支給額は、ボーナス支給の基準日より前の最大六か月間の在職期間を考慮して算出することとしております。現行制度上そうなっております。
例えば、この六か月以内に退職して再採用された場合には、退職前の在職期間についても通算する仕組みとなっております。すなわち、一回退職するといった身分の継続性とは関係なく、六か月間の給与法適用職員としての在職期間を全体として評価、通算しておるわけでございます。
今回の期末手当の減額調整に際しましても、このように、例えば、三月に定年退職して、その後再任用職員となる場合にも在職期間が通算されるわけでございますので、減額調整の対象としたところでございます。なお、この措置については人事院の見解も踏まえたものでございます。
○塩川委員 それは納得いくものではありません。再任用された場合に、新規採用者として扱われるわけです。例えば年次休暇などについても、新たに付与されて、定年前からの通算というのはないわけですよね。こっちの不利益の方だけを押しつける、こういったやり方というのは、これは理解は得られないと改めて強く指摘をして、質問を終わります。
○上野委員長 次に、緒方林太郎君。
○緒方委員 よろしくお願いを申し上げます。
十分ですね。今日は国家公務員給与法ということで、大臣、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
いろいろな論点がもう既に出てきているので、ちょっと私、全然今まで出た論点とは違うことを少しお話しさせていただきたいと思うんですが、中央官庁で課長補佐になるタイミング、そのルールが省庁間でばらばらなんですよね。
行政職の俸給表では五級からが課長補佐ということになっているんですが、事前にいろいろな役所に聞いてみると、四級どころか三級で課長補佐になる人もいると。いつも、役所の方と名刺を交換すると、課長補佐と書いてあるんだけれども、実はそれがどれぐらいのランクの方であるかというのがよく分からないというのが、結構霞が関の中で常態化しているということなんですね。
しかも、総合職採用の方は大体優遇されているケースが多くて、ほぼ一律に標準職務遂行能力があるとの前提で他職種よりも課長補佐への昇進が早い。
それで、標準的な官職を定める政令において、課長補佐が担うべき職務というのが書いてあるんですよね。そういった内閣人事局の資料を見ていても、俸給表には課長、係長、係員といった職務段階に応じて職務の級が定められており、職員が昇進した場合に上位の級に格付されますということがあります。
まず、堀江さんにお伺いしたいと思います。職務の級と俸給の間には強い連関があると思いますけれども、いかがですか。
○堀江政府参考人 若干複雑な御説明になるかもしれませんけれども、給与の世界のお話と任用の世界のお話がございます。
御指摘ありました三級とか五級とかいうお話は、給与の格付の問題でございます。給与におきましては、五級の標準的な職務として本省の課長補佐の職務というものが定められておりますけれども、現実の課長補佐の業務につきましては、その時々の政策課題の状況、職場の状況、職員構成等々、様々な状況がございますので、実際の職務につきましては幅広いものとなっております。
一方、任用につきましては、人事評価に基づいて昇任をさせるという制度になっております。例えば、中央省庁の係長として経験を積み人事評価でも高い評価を受けている者につきましては、二年間高い人事評価を受ければ昇任をさせることができるという制度になっております。こういった状況にございますので、三級の係長が高い人事評価の結果を受けまして課長補佐に任用されるというのは、現行制度上、可能な仕組みとなっているものでございます。
○緒方委員 そうなんですね、そうなんですけれども。
しかも、省庁間でこれはずれがあるんですね。省庁に全部聞いてみると、うちは六年目からです、うちは七年目からです、八年目からですということで、省庁ごとにルールが別々でありまして、そうなってくると、今言われたように、必要に応じて係長から課長補佐への昇進を行っているということなんですけれども、大体、省庁間で、それぞれの省庁でルールが決まっているわけですよね、総合職採用であれば六年目からとか七年目からとか。
これは内閣人事局の方で少しそろえたらいかがかなというふうに思うんですね。例えばどこどこの、A省、B省とある中で、それぞれの省で何かルールが違うというのはいびつなんじゃないかなと思うんですけれども、堀江さん、いかがですか。
○堀江政府参考人 各省の人事管理におきましては、それぞれの職務内容また人材構成等々、様々でございますので、一定のルールの下でそれぞれの人事管理を責任を持って果たしていただくというのが基本的な考え方であろうと思います。
また一方で、やはり能力・実績主義の人事管理という観点からいいますと、むしろ、若手のモチベーション、そういった観点からは、より早期の昇進をした方がいいのではないかという議論もございますので、その辺りは、能力・実績主義をきちんと徹底していただく、またそれぞれの業務をきちんとこなしていただくという前提で、各省において適切に判断していただきたいと考えております。
○緒方委員 そうすると、今、これは実態として何が起きているかというと、総合職の職員が極めて優遇される、他職種と比べて大体総合職の職員を優遇して先に上げていっているということがあるんですが、こういうことは問題がないというふうに思われますか、堀江さん。
○堀江政府参考人 繰り返しになりますけれども、各省におきまして、人材構成等々を踏まえまして適切に昇進管理をしていただきたいと考えております。その際、国家公務員法に基づきまして、採用年次とか採用試験にとらわれずに、きちんと能力、実績に基づいた管理をしていただきたいという考えでございます。
○緒方委員 大体、考え方はよく分かりました。
その上でなんですが、ばらばらなんですけれども、そこで、日本語で例えば課長補佐と書いてあるのがどれぐらいの人を意味しているかというのを見るときに、これは肩書だけじゃないですけれども、いつも私、じゃ、英語で何と言っているんだろうなというふうに見るようにしているんですね。日本語で分かりにくいことを、じゃ、それが何を意味していますかと判断するときに結構よく使えるのが、英語にすると何かというと、ほぼ、課長補佐と名のっている人って、デピュティーダイレクターと名のっているんですね。デピュティーダイレクターと名のっていて、デピュティーダイレクターって、そのデピュティーというのはどういう意味かというと、その上の長の人がいないときにその長の職務を代替する能力を持っている人ということになっているんですね。
けれども、先ほど言われたように、役所によってはむちゃくちゃ課長補佐があちこちにたくさんいるわけですよね。一つの課に一人とか二人とかじゃなくて、むちゃくちゃいるケースがあって、その人たちが全員デピュティーダイレクターの名刺を持っている。いびつだと思うんですよね。つまり、肩書がインフレを起こしているということが実際にあります。
堀江さんにお伺いしたいと思います。堀江さんの部下のデピュティーダイレクターは本当の意味でデピュティーの役割を全員果たしていると胸を張って言えますか。
○堀江政府参考人 お答えします。
デピュティーの正確な英語の意義というものが私も判然といたしませんのであれですけれども、私どもの方は参事官補佐という言い方でございますけれども、それぞれの補佐はその担当分野についてはきっちりと参事官を補佐しておるということでございます。
先ほど、たくさん補佐がいるというお話をされましたけれども、そのそれぞれの補佐はそれぞれの分野においては直接しっかりと課長を補佐しているんだろうと思っております。
○緒方委員 その補佐というのは、参事官がいないときにその職務を代行するだけの能力、役割を与えられている方々でしょうか、堀江さん。
○堀江政府参考人 恐縮です、代行という言葉の意味にもよると思います。職務上の、法令上の権限という意味であれば、それぞれの段階でそれぞれの権限がございますので、課長の権限を直接補佐が行使するというようなことにはなっておらないんだろうと思います。
ただ、当然ながら、その課長の権限行使というものをきっちりと補佐をしているということだろうと思います。
○緒方委員 何で私がこれを聞いているかというと、肩書がすごくインフレを起こしていくと、何か周りから見る目も変わっていくし、本来、課長補佐とか、課長とか、その後部長とか、それぞれ果たすべき役割が政令の中にきちっと書いてあるわけですよね。こういった肩書がインフレ化していってしまうと、結果として、どんどんどんどんそっちに流れていくわけですよ。官職の価値が下がっていくことにつながりはしないかなと思います。
最後に、こういったことにたがをはめる何かルールづくりをした方がいいんじゃないかと思いますけれども、ここだけ、二之湯大臣、答弁いただければと思います。
○二之湯国務大臣 緒方委員には、いつもいつも非常に鋭い質問をいただきまして、ありがとうございます。
私もデピュティーダイレクターというような言葉は初めて知ったわけでございますけれども、よくデピュティーガバナーとか副知事とかありますけれどもね。
要するに、肩書のインフレが霞が関にはびこっているんじゃないか、実質と肩書が一致しなきゃいかぬじゃないか、こういう御指摘でございますけれども、私も、初めての質問でございますから、よくまた、今、堀江統括官と相談しながら、ひとついろいろと研究してまいりたいと思います。
○緒方委員 ありがとうございました。
○上野委員長 次に、大石あきこ君。
○大石委員 お願いします。れいわ新選組の大石あきこです。
今回、一般職給与法について御質問します。
私は、一般職給与法で国家公務員のボーナスを引き下げること、賃下げすることはやってはいけないと思っています。本日の委員会で各委員の質疑を聞いていまして、国家公務員の今置かれている状況が非常に危機的だな、そのように改めて浮かび上がったと思っています。
国家公務員の総合職の採用申込みが過去最低になっている。前年度で一四・五%減。五年連続で、そして過去最少になっているということ。そして、若手の男性職員の調査では、七人に一人の国家公務員が辞める意向を示している。
非常に危機的な状況だなということが、今回の委員の質疑の中でも明らかになっていると思うんです。だから、この状況は絶対に変えなければいけないと思っています。変えなければいけないと思っているんですけれども、やはり、この質疑で明らかになっても、委員の多くの方は賛成されてしまうんでしょうか。一緒に賛成していただけないかなと思うんです。
自民党の委員の方でも、公務員だったからサービス残業に自ら苦しんでいたというお話があって、非常に聞きがいがありました。三百時間超えの残業ですとか、タコ部屋の話とか、時給百円ぐらいになっとるやないかというそういう話、聞きがいがあったんです。私も、地方公務員ですけれども公務員でしたから。
だけれども、笑いが起きたりとか、これで賛成してしまうのなら、結局は武勇伝の披露になっちゃいますよね。そして、質問の通告を早めにするとかそういうことで拍手が起きたり、野党への嫌みなのか分かりませんけれども。国家公務員の方が非常に苦しい状況の中で働いているということに寄り添うならば、やはりここは、武勇伝、ポジショントークではなくて、一緒に反対してほしいなと思います。
そして、維新の委員の方の質疑で、非常に、ちょっと御自分を見直してほしいなと思うところがありました。
人事院改革の件で、霞が関がブラックだとか、だから人材流出しているんだ、いや、そのとおりなんですけれども、それで、実態把握することだ、そのようなことをおっしゃっています。ところが、このように公務員の職場をさんざんブラックにしてきたのは誰なんでしょうか。
大阪においても、教員を始め、人材流出は止まりません。そして、ダブルケアラーが二十五万人いらっしゃるということもおっしゃっていて、非常にそれは深刻な社会問題です。でも、これって、非正規雇用を推進してきたからではないですか。維新の方、推進されていませんか。(発言する者あり)
○上野委員長 御静粛にお願いします。
○大石委員 御静粛にお願いします。
そして、維新の委員の方、人材の流動化を更に言っています。リボルビングドアという、結局、霞が関の人材を更に流出されるようなプランを提案されるというのはおかしいんじゃないですか。そのように思いました。
ですから、このような状況の中で、みんなが今分かっている国家公務員の状況をどうしたらいいのか。もっと人材を増やさなきゃいけないし、お給料を今の仕事に見合わせたものにしていかなきゃいけない。それは今日の質疑の中でも、多分、全員が分かったことなんです。でも、結局は公務員改革は進んでいない。効率が悪いとかいう、ほかにちょっとずれたような話の中で、結局このボーナス賃下げ、引下げを賛成されるとしたら、非常に残念だと思います。
二之湯大臣にお聞きしたいんですけれども、今回の質疑で明らかになった、国家公務員の人員がすごく足りない、お給料が見合っていないということ、今回明らかになっているわけですけれども、そのまま、ボーナス賃下げして、やりがいを持って、集中して国家公務員が仕事に取り組むと思われますか。今日何回か答弁でそうおっしゃっていたけれども、本当にそう思いますか。お答えください。
○二之湯国務大臣 国家公務員の給与はあくまでも民間の給与ベースに準じて決められているわけでございますから、極端に国家公務員の給与が低いとは、私はそのように思いません。そして、あくまでも、人事院勧告の尊重ということは政府の大きな方針でございます。
ただ、国家公務員の数が多いのか少ないのかということは、ずっと長年、日本の政府の行政改革というものはありましたから。ただ、これからいろいろな問題が起きてまいりますから、これはその都度、適正な配置というか、数は確保していかなければならない、このように思っております。
○大石委員 最後に、人事院勧告に従わなければならないとおっしゃっているんですけれども、でも、過去でいうと、必ずしもそうではないんです。ここ数十年は確かに勧告どおりのように国会決定がなっているんですけれども、過去には、一九八〇年代などで、勧告よりも低い改定率で国会決定を行っている例もあります。このように、人事院勧告に一〇〇%従っているわけではないので、人事院勧告だけが根拠にはならないと思うんですね。
そして、百年に一度のコロナの大不況という状況ですから、そのようなことをおっしゃらずに、本当に問題が解決できるようなことを国としても各国会議員としてもやっていきましょう。
これで質問を終わります。ありがとうございました。
○上野委員長 これにて各案に対する質疑は終局いたしました。
―――――――――――――
○上野委員長 これより各案を一括して討論に入ります。
討論の申出がありますので、順次これを許します。塩川鉄也君。
○塩川委員 私は、日本共産党を代表して、国家公務員一般職給与法案に対し、反対の討論を行います。
本案は、新型コロナウイルス感染拡大による経済状況が悪化する下、政府の自粛要請と不十分な補償の下、賃金が下がっている民間労働者の賃金に合わせて国家公務員の期末手当を引き下げるものです。
人事院は、政府の責任やコロナの影響を一切考慮せず、民間準拠だけを理由に期末手当を引き下げる勧告を行いました。これは、国家公務員の労働基本権制約に対する代償措置としての役割を果たしておりません。本案は、国家公務員の生活給を保障せず、一方的に年収減を押しつけるものであり、反対です。
また、減額調整の特例について、今年度末で定年退職する職員で引き続き四月から再任用される職員の一時金からも行おうとしています。定年退職によって公務員の身分は消滅しているにもかかわらず、在職時の公務員の身分に付随する不利益措置を退職後まで引き継ぐやり方は認められません。
新型コロナウイルスの新たな変異種の感染拡大に加え、ロシアのウクライナ侵略に伴う経済への悪影響も懸念されます。この下での国家公務員の給与引下げは、約七百七十万人の労働者に大きな影響を与え、更に民間事業者にも波及して国民の消費を冷え込ませ、賃下げのスパイラルを一層強めるものです。岸田首相は、経済団体に三%を超える賃上げを要請しています。今求められているのは、労働者全体の賃上げです。
岸田首相は、介護、保育、看護などケア労働者の賃上げといって公的価格の抜本的見直しを掲げていますが、公的価格の抜本見直しというのなら、最大の公的価格は国家公務員の給与であり、マイナス人勧の押しつけはやめるべきです。国民の生活と消費冷え込みに更なる追い打ちをかける給与引下げは認められません。
特別職給与法案については、公務員の給与体系が内閣総理大臣、国務大臣、副大臣、政務官といった幹部職に厚いことから、今回の特別職の給与引下げは賛成とします。なお、特別職のうち秘書官の特別給を一般職に準じて引き下げることには反対です。
また、国家公務員の育児休業法案については、国家公務員の育児休業を必要な時期に柔軟に取得しやすくし、非常勤職員についても休業を取得できる範囲を拡大するもので、賛成であります。
以上、討論を終わります。
○上野委員長 次に、大石あきこ君。
○大石委員 れいわ新選組の大石あきこです。
私は、一般職給与法に断固反対の立場から、また特別職給与法並びに育休法には賛成の立場から討論を行います。
一般職給与法について、先ほども申し上げましたけれども、反対です。
今政府が行うべきは、自らが骨太の方針二〇二一においてうたった、賃上げを通じた経済の底上げを文字どおり行うべきです。自らが使用者の位置にある公務員の賃金について賃下げ法案を提出するのは、逆を行く行為です。
このような公務員の人件費削減の流れが今なお止まらない背景には、公的部門の縮小と緊縮財政、節約、節約を押しまくり、公務員は無駄というムードをつくり上げてきた勢力である維新の影響は大きいです。じゃ、その結果どうなったんですか。私たちの、人々の命綱たるセーフティーネットが完全に破壊されています。
身を切る改革のような間違った政策を通じて公務員の給料も切られましたが、それを通じて切られたのは民間労働者の給与です。そして、公的な医療であり、保健所であり、介護などの住民に必要な福祉サービスです。
このような完全に間違った政策を脱却して、景気をよくするときが来ています。骨太の方針二〇二一でうたっている、賃上げを通じた経済の底上げ、今できないことはあり得ません。
したがって、一般職給与法には強く反対します。
ほかの二つの法案について。特別職給与法には、これらの問題は適用しないものとして賛成します。育休法については、育児休業等の拡充につながるものであるため賛成します。
私の討論は以上です。(拍手)
○上野委員長 これにて討論は終局いたしました。
―――――――――――――
○上野委員長 これより採決に入ります。
まず、内閣提出、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○上野委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
次に、内閣提出、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○上野委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
次に、内閣提出、国家公務員の育児休業等に関する法律及び育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○上野委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
お諮りいたします。
ただいま議決いたしました各案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○上野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
〔報告書は附録に掲載〕
―――――――――――――
○上野委員長 次回は、来る十一日金曜日委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後零時二十二分散会