第17号 令和4年4月8日(金曜日)
令和四年四月八日(金曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 上野賢一郎君
理事 井上 信治君 理事 工藤 彰三君
理事 平 将明君 理事 藤井比早之君
理事 中谷 一馬君 理事 森田 俊和君
理事 森山 浩行君 理事 足立 康史君
理事 國重 徹君
赤澤 亮正君 伊東 良孝君
石原 宏高君 金子 俊平君
小寺 裕雄君 杉田 水脈君
鈴木 英敬君 高木 啓君
永岡 桂子君 平井 卓也君
平沼正二郎君 松本 尚君
宮路 拓馬君 宗清 皇一君
山田 賢司君 吉川 赳君
和田 義明君 大串 博志君
堤 かなめ君 本庄 知史君
山岸 一生君 阿部 司君
浅川 義治君 堀場 幸子君
河西 宏一君 平林 晃君
浅野 哲君 塩川 鉄也君
緒方林太郎君 大石あきこ君
…………………………………
国務大臣
(内閣官房長官)
(ワクチン接種推進担当) 松野 博一君
国務大臣
(デジタル大臣) 牧島かれん君
国務大臣
(国家公安委員会委員長) 二之湯 智君
国務大臣
(新型コロナ対策・健康危機管理担当)
(全世代型社会保障改革担当)
(経済財政政策担当) 山際大志郎君
国務大臣
(消費者及び食品安全担当) 若宮 健嗣君
内閣府副大臣 大野敬太郎君
総務副大臣 田畑 裕明君
文部科学副大臣 田中 英之君
農林水産副大臣 武部 新君
防衛副大臣 鬼木 誠君
内閣府大臣政務官 小寺 裕雄君
内閣府大臣政務官 宮路 拓馬君
内閣府大臣政務官 宗清 皇一君
外務大臣政務官 本田 太郎君
財務大臣政務官 藤原 崇君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 松田 浩樹君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 内山 博之君
政府参考人
(内閣府大臣官房総合政策推進室室長) 笹川 武君
政府参考人
(内閣府科学技術・イノベーション推進事務局審議官) 覺道 崇文君
政府参考人
(内閣府子ども・子育て本部統括官) 藤原 朋子君
政府参考人
(警察庁警備局警備運用部長) 安田 浩己君
政府参考人
(デジタル庁統括官) 楠 正憲君
政府参考人
(デジタル庁統括官) 村上 敬亮君
政府参考人
(デジタル庁審議官) 山本 和徳君
政府参考人
(総務省大臣官房審議官) 阿部 知明君
政府参考人
(総務省自治行政局選挙部長) 森 源二君
政府参考人
(出入国在留管理庁出入国管理部長) 丸山 秀治君
政府参考人
(外務省大臣官房審議官) 徳田 修一君
政府参考人
(文部科学省大臣官房審議官) 坂本 修一君
政府参考人
(文部科学省大臣官房審議官) 原 克彦君
政府参考人
(文部科学省科学技術・学術政策局科学技術・学術総括官) 寺門 成真君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 大坪 寛子君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 本多 則惠君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 榎本健太郎君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 澤井 俊君
政府参考人
(経済産業省電力・ガス取引監視等委員会事務局長) 佐藤 悦緒君
政府参考人
(資源エネルギー庁資源・燃料部長) 定光 裕樹君
政府参考人
(資源エネルギー庁電力・ガス事業部長) 松山 泰浩君
政府参考人
(中小企業庁事業環境部長) 飯田 健太君
政府参考人
(国土交通省航空局次長) 海谷 厚志君
政府参考人
(国土交通省航空局航空ネットワーク部長) 五十嵐徹人君
政府参考人
(防衛省防衛政策局次長) 大和 太郎君
内閣委員会専門員 近藤 博人君
―――――――――――――
四月八日
理事中谷一馬君同日理事辞任につき、その補欠として森田俊和君が理事に当選した。
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
理事の辞任及び補欠選任
政府参考人出頭要求に関する件
内閣の重要政策に関する件
公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件
栄典及び公式制度に関する件
男女共同参画社会の形成の促進に関する件
国民生活の安定及び向上に関する件
警察に関する件
――――◇―――――
○上野委員長 これより会議を開きます。
理事の辞任についてお諮りいたします。
理事中谷一馬君から、理事辞任の申出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○上野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
引き続き、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
ただいまの理事の辞任に伴い、現在理事が一名欠員となっております。その補欠選任を行いたいと存じますが、先例によりまして、委員長において指名するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○上野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
それでは、理事に森田俊和君を指名いたします。
――――◇―――――
○上野委員長 内閣の重要政策に関する件、公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件、栄典及び公式制度に関する件、男女共同参画社会の形成の促進に関する件、国民生活の安定及び向上に関する件及び警察に関する件について調査を進めます。
この際、お諮りいたします。
各件調査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、内閣官房内閣審議官松田浩樹君外二十六名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○上野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○上野委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。森山浩行君。
○森山(浩)委員 おはようございます。立憲民主党の森山浩行でございます。
危機管理につきまして、この間、官房長官とお話をさせていただいておりますが、先日の質疑におきまして、官房長官の公邸を造ったらどうかというようなことを、私、申し上げましたが、実は、これ、あるというような話がありまして、官房長官の公邸について、現状をお知らせください。
○松田政府参考人 お答えいたします。
御指摘の内閣官房長官公邸につきましては、平成十年八月に総理大臣官邸整備検討委員会が策定いたしました「新しい総理大臣官邸の建設に向けて」、これにおきまして、「新官邸敷地には、新官邸本館のほか、新総理大臣公邸、官房長官公邸、内閣宿舎、危機管理用臨時宿泊施設等を配置する。」とされておりまして、これを受けまして、内閣の危機管理機能の強化等を図りますために、総理大臣官邸の整備の一環として、平成十四年三月に、他の施設と一体となった建物として、総理大臣官邸の敷地内に建設されたものであります。
○森山(浩)委員 危機管理機能の強化のために造られたということでありますが、これの使用状況についてお知らせください。
○松田政府参考人 内閣官房長官公邸につきましては、その建設以来、常時お住まいになった長官はいらっしゃいませんけれども、緊急事態等が発生した場合に、一時的な宿泊に活用されるなどしてきたものというふうに承知しております。
○森山(浩)委員 常時そこに居住をした官房長官はいないということですけれども、先日も、総理大臣は公邸に住んでおられて、五分後には、地震後、官邸に駆けつけることができる、ただ、官房長官は宿舎から来るということになると、時間差が出るんじゃありませんか、実際、今回も出ましたねというお話をしました。
危機管理機能の強化ということで、例えば、災害のボランティアなどは、その場に一番最初に着いた人をリーダーとして、いろいろな情報が集まってくることをさばきながら物事が進んでいくということが世界的にも一般的であります。もちろん、官邸とボランティアの形は違うのかもしれませんけれども、スポークスマンとして、最初からの情報をしっかり把握をして発信をするというためには、そこに早くからいるということも大事だと思いますけれども。
これまで住んだ方はいらっしゃらないという状況ですけれども、官房長官、住んではいけない、あるいは何か不都合な点というのはあるんでしょうか。
○松田政府参考人 ただいま、何か不都合があるのかというお尋ねでございましたけれども、内閣官房長官公邸につきましては、定期的にメンテナンスを行っております。したがいまして、必要があればいつでも入居できる、そういう状態になっております。
ただ、いずれにしましても、官房長官の公邸への入居につきましては、これは諸般の状況を勘案しつつ御判断されるべきものだというふうに承知しております。
○森山(浩)委員 前二代の総理大臣が首相公邸に入られなかったということで、ここでも何度も議論がございました。
今、岸田総理は公邸に入っておられるわけですけれども、じゃ、総理がいるけれども、スポークスマンたる官房長官が、せっかく施設もあるけれども入っていないという状況について、危機管理機能の強化という点から考えますと、同じく公邸に住まれる方がよりよいのではないかなというふうにも感じるわけでありますし、また、赤坂の宿舎から首相官邸までの間には溜池という交差点があります。溜池、元々池だったからこのような地名になっているわけで、首都直下型地震が起こるというようなことになったときに、ここが水浸しになる、コンクリートが割れて、元々の池の部分が出てきて水浸しになって通行ができなくなるというようなことも、これは考えておかなければならないことではないかなというふうに思います。
そういった意味で、危機管理という面では、まあ、一生そこに住んでくださいという話ではありません、官房長官お務めの間はそこにお住みになって、できるだけ、何か起こったとき、地震大国日本でもあります、あるいはほかの危機管理事象というのもございます、しっかりと対応される。
初動をできるだけ早くするためには、お住みになった方がいいのではないかなというふうにも提案をしたいというふうに思いますが、官房長官、どのようにお考えでしょうか。
○松野国務大臣 森山先生にお答えをさせていただきます。
私自身は、徒歩でも十分もかからず官邸に到着できる宿舎に居住をしており、着任以来、自然災害などの緊急事態が発生した際には即座に官邸に登庁するなど、迅速に対応してきたと考えています。
政府としては、私が公邸に入居するか否かにかかわらず、国民の生命、身体、財産又は国土に重大な被害が生じ、又は生じるおそれがある緊急事態に対し、政府一体となった初動対処体制を構築するなど、危機管理に遺漏がないよう万全を期しているところであります。
重要なことは、様々な緊急事態が生じた場合に、政府一体となった初動対処体制の構築などにより、こうした事態に的確、適切に対応することであり、そのための備えをふだんから徹底してまいりたいと考えております。
○森山(浩)委員 いや、この答弁、恐らく、安倍さん、菅さんが総理大臣だったときに公邸に入らないというふうにおっしゃったときの答弁とほぼ同じなのじゃないかなというふうに思いますが、政府は遺漏なきように対応する、これは当然のこと。
あるいは、官房長官、一生懸命務めていただく、迅速に行動する、これも是非頑張っていただきたいと思いますが、公邸に入るか入らないかという部分、これについて、それは入った方がいいだろうなということは当然だと思うのですが、この部分、岸田総理は宿舎ではなくて公邸に入られるという決断をされたわけなので、しっかり総理とも相談をしていただいて、官房長官、是非これは検討いただきたいんですが、どうですか。
○松野国務大臣 お答えをさせていただきます。
災害時の初動体制に関しましては、先生御承知のとおり、直後に官邸に本部が設置をされまして、情報収集、分析等に入るという形になっております。
現状の体制の中において大きな支障があるとは感じておりませんが、様々な先生からの御指摘も踏まえて、より万全な形を期していくためにはどういった形を取るべきなのか、また、過去の先輩方の事例もよく研究をしていきたいと思います。
○森山(浩)委員 ありがとうございます。
いや、もう最初は、携帯電話の電波が入らないんじゃないかとか、何か不都合があるんじゃないかというふうに推測をいたしましたけれども、そういう理由がないということでありますので、是非御検討いただきたいと思います。
官房長官、ありがとうございます。
○上野委員長 内閣官房長官は御退席いただいても結構でございます。
○森山(浩)委員 さて、続きまして、公文書管理につきまして、シリーズで質問をさせていただいております。
公文書の管理におきましては、使っている人はその書類について一番よく分かっている、けれども、これを残すかどうかというところになると、ちょっと失敗をした、ミスをした、あるいは隠しておきたい、こういったものが公文書から抜け落ちるということがあってはならないということで、イギリスでは五十四省庁の文書を一括管理をし、ドイツでは、国境警備隊が守るその敷地で管理をするというような形で、中間保管庫というものがあります。使っている人が自分たちで選別をするのではなくて、がさっと持っていって、中間保管庫に持っていく、そしてそこで、アーキビスト、情報を選別する人が選別をして残していくというような形を取っておるということなんですけれども。
我が国、公文書管理法ができてからまだ日が浅いということもあります。制度も発展途上ではないかなというふうに思うのですが、諸外国の中間保管庫の実態、それに対して、今の日本の資料の整理の在り方、これについて現状をお知らせください。
○笹川政府参考人 お答え申し上げます。
中間書庫についての各国の状況と我が国の取組ということでよろしゅうございましょうか。
諸外国につきましては、平成三十年時点での情報ですけれども、ドイツについて、今先生御指摘ございました、常時必要とされない紙の公文書は中間書庫への引渡しが義務づけられており、中間書庫の段階で公文書館が選別評価を行うというふうに承知しております。
それから、一方で、ちょっと情報が古いんですけれども、フランスは、集中管理方式を取られていたけれども、結局、余りうまくいかなくて、各省にそれぞれ記録保存の責任を持たせる分散管理方式に転換したというような情報がございます。ちょっと古いので、現時点でどうかはございません。
いずれにしても、各国、いろいろな仕組みで頑張っているということかと思います。
我が国、国立公文書館の中間書庫につきましては、行政の適正、効率的な運営、それから、行政文書の劣化、散逸の防止、歴史公文書等の国立公文書館への移管の円滑化といったことを目的として、行政文書の集中管理の推進、これがメインの目的でございます。そういったことで中間書庫業務を実施しています。
具体的には、保存期間満了時に移管の措置を取ることとされている行政文書のうち、保存期間十年以上で、かつ作成、取得後五年以上経過したもの、かつ中間書庫における保存が適切であるというふうに判断したものを受け入れているということでございます。
○森山(浩)委員 ありがとうございます。
多くの紙があるということで、紙を全部集めて保管するということには場所が要るんだ、あるいはデジタルで残していくにはメモリーが高いんだというような、こんな時期に作った法律でありますけれども、デジタルの文書にしていくと、メモリーはどんどん安くなってきていますので、できるだけ全部残していく、あるいは、間にチェックをするというのは、少なくとも第三者、あるいはそれに近い人、客観的な判断ができる人というところにもしっかり目が届くようにしていただきたいというふうに思います。
中間保管庫については、しっかり御検討いただきたいと思います。
キャップストーンアプローチというのがあります。アメリカでは、上級幹部職員のメールは永久保存、それ以外の職員のメールは七年間保存、残すべき理由がなければ、その後、廃棄をするというような、キャップストーンアプローチというようなやり方で、機械的に全てのメールを保存をした上で選別をしていく、このようなことを行っておられます。
我が国については、メールボックスの保存期間を六十日と設定をしたというようなことが過去ありまして、速やかに削除するべきというような義務まで課しているというような状況の中から、自動的な消去をするというようなところ、こういうような問題を指摘されてきましたけれども、現状についてお知らせください。
○笹川政府参考人 お答え申し上げます。
アメリカのキャップストーンアプローチ、それからメールの自動的な廃棄についてでございます。
アメリカにつきましては、先生御指摘のとおり、連邦政府の特に重要な職員がイメージにあるかと思いますが、電子メールを機械的に保存していくというふうになっていることを承知しております。
一方で、我が国の方は、当然、電子メールも重要なものは行政文書として保存していくということになります。ガイドラインにおいても、電子メールのうち、意思決定過程や事務事業の合理的な跡づけ、検証に必要となる、したがって行政文書に該当するものについては、速やかに共有フォルダに移して保存していくんだというふうに規定しているところでございます。
いずれにしても、先生の御指摘、十分承知しているつもりでございまして、行政文書が紙かメールかといったことにかかわらず、必要なものはきちんと取っていくようにやっていきたい。研修等も通じて、注意喚起、徹底も図っているところでございます。
それから、もう一点、電子メールの自動廃棄、これも、知らないうちに消えていったというのは非常によろしくないことでございます。
私どもといたしましても、平成三十一年の三月に、行政文書の電子管理についての基本的な方針、総理決定を行いまして、御指摘のような電子メールの自動廃棄システムは、必要な電子メールを効率的、効果的に選別、保存する上で支障を来すおそれがあるということで、各行政機関においてその後は採用しないということをはっきりさせているところでございます。
○森山(浩)委員 先日の経済安保における藤井室長の件も、やはりメールが出てきたというところから多くの事実が判明をしてきたわけですけれども、これはメールと書いてあるのがくせ者で、LINEとかあるいはフェイスブックメッセンジャーであるとかショートメールといったSNS、あるいはほかの手段、いわゆるEメールではないもの、こういったものも対象になるということでよろしいですか。
○笹川政府参考人 お答え申し上げます。
細かい保存の仕方は若干媒体によってあるかもしれませんけれども、基本的には、おっしゃるとおり、媒体のいかんを問わず重要なものは行政文書としてしっかり保存していく、そういうことでございます。
○森山(浩)委員 と申しますのは、ヒラリー・クリントンさんが批判をされた件がありました。私用メールを公用で使いましたと。私用メールを公用で使った場合、二十日以内に公用メールにその私用のメールのやり取りを全部移さなきゃいけない、つまり公開の対象になるんだというのがアメリカのルールでありまして、それに対して、私用メールを使ったけれども私用のまま置いておいた。
自分の持っているスマホの中に入っているLINEやらメッセンジャーやらあるいはショートメール、こういったもので我々も日常的にやり取りをしていますから、こういうものが政府の皆さんのところで行われた場合、これはしっかりと残さなければ意思決定の記録にはならないということですけれども、これについてはルールはありますか。
○笹川政府参考人 お答え申し上げます。
私用メールで仕事上のやり取りをした場合の取扱いということだと思います。
先生御指摘のとおり、それは非常に大事な話なので、我が国におきましても、仕事上のやり取りについては、通常は、基本的には公用メールで行うということですけれども、もし仮に私用メールなどでやり取りがあった場合には、これも行政文書として適切に保存するということになります。
具体的には、さっきもちょっと申し上げましたけれども、行政文書管理のガイドラインにおいて、電子メールのうち、意思決定過程や事務事業の実績の合理的な跡づけ、検証に必要となる行政文書に該当するものについては、共有フォルダに移して保存するということになっております。
したがって、アメリカのようなルールとはちょっと違いますけれども、重要なものはきちんと共有フォルダに移して保管するということになっているところでございます。
○森山(浩)委員 以上は、いわゆる知らないうちになくなってしまったというようなことが主ですけれども、公文書の改ざんというようなこともありました。
これもまたアメリカの例ですけれども、トランプ前大統領の文書管理で、文書を破棄したり、あるいは機密の文書を持ち帰ったりということが常習犯であるといって、アメリカではニュースになったりしております。
森友事件等があった我が国において、改ざん、あるいは文書についての勝手な破棄、こういったものをやろうと思ってやるのを、再発を防止するというための策はありますか。
○笹川政府参考人 お答え申し上げます。
公文書の改ざん等々の再発防止ということでございます。
私ども、御指摘のとおり、一連の様々な問題がございましたので、閣僚会議を開きまして、平成三十年に決定いたしました。その中で、例えば、決裁文書の事後修正を禁止するルールの明確化、それから、コンプライアンス意識向上のために研修を充実する、それから、文書管理を人事評価とか、さらには懲戒処分に反映していく、それから、各府省でチェック体制をしっかり整備していくといった取組をして、進めてきたところでございます。
特に改ざんについては、平成三十年、同じ年の九月に人事院の指針も改正されまして、特に悪質な場合には懲戒処分、場合によったら免職というところまで示されているところでございます。
それから、一方、システム面でも、決裁を終わったものについては既に修正できないようにいたしました。それから、記録フォルダを読み取り専用化していくとか、そういった面での取組も今進めつつあるところでございます。
いずれにいたしましても、私どもとしては、再発防止策、ルールはしっかり講じているつもりでございますけれども、やはり何よりも大事なのは、そういったルールを徹底して、各職員が一人一人、その意味も含めて理解して取り組んでいくことだと思っています。
したがって、ちょっと地味ですけれども、研修なんかを通じてきちんと徹底していきたいというふうに思っております。よろしくお願いいたします。
○森山(浩)委員 わざとやる人に対してはどうやって発見するかというのが非常に大事になりますので、最初に文書をどうするんだというところからの問題だと思います。
集めた資料ですけれども、これを検索をするというのもまた大事なことで、情報公開法がありますので整理された文書はオープンになるわけですが、不祥事の処分というようなものについて調べようとしていくと、報告書というファイルの中にその文書が入っているというような事例がありました。
わざとこれは見つけにくくしているんじゃないかというふうに邪推をされてもおかしくないような状況でありますが、中身が分かるような文書の名前をつける、いわゆる目録をきちんと分かるようにつけていくということ、今となっては中身も含めて検索をかけるというようなこともできるようになってきていますけれども、それについては、工夫、ありますか。
○笹川政府参考人 お答え申し上げます。
行政文書ファイルの名称についてということでございます。
先生の御指摘、全くそのとおりでございまして、私どもとしてもルールを作っております。
公文書管理法施行令において、行政文書及び行政文書ファイルについては、分かりやすい名称を付さなければならないとなっています。これを受けて、ガイドラインにおいても、行政文書ファイルや、それからそのファイルに含まれる行政文書を容易に検索することができるよう、行政文書ファイルの内容を端的に示すキーワードを記載し、特定の担当者しか分からない表現、用語は使わないというふうにしているところでございます。
御指摘のとおり、検索性、探しやすくということを担保するための重要なルールでございますので、しっかり徹底していきたいと思っています。
○森山(浩)委員 これも、探してほしくないなというときに、分かりやすい名称を書けよといったことで本当に分かりやすい名称になるのかというと、なかなか難しい部分もあります。これはどうやってルールにしたらいいんだろうなというようなことも悩ましい部分ではありますが、こういうことも含めて、専門家の知見をしっかりと集めながら、また、本人だけで自分の使っている文書を廃棄していい悪いというようなことがないようにしなきゃいけないし、できるだけ多くのものを、後から問題になったときに、あっ、それ捨てちゃったよというようなことになると実態解明にもマイナスに働くというのがあります。
元々、自己裁量で文書を破棄することができるというところが大きな問題ではないかというふうに考えております。なので、公文書管理法、これを所管する大臣として、どうでしょう。まずは、一年未満で捨てていいよという文書の類型があります。一年未満というのはいかがなものかなと思っていまして、一年未満ということは、今日でもいいわけです。使ってすぐ捨ててもいい、あしたでもいい。もう、一年未満ではなくて、例えば一年、あるいは一か月とかいうような形で整理ができるようにした方がいいなというようなこともありますし、また、研修でそういった、こういうふうにしなさいよ、分かりやすい名称をつけなさいよ、あるいは文書の残し方はこうですよというところの前に、何のためにこれをやるのかという部分も含めて研修なり意識づけをしていくことが必要かと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○若宮国務大臣 今委員がるるいろいろ御指摘いただきましたように、行政においてはやはり多くの職員が日々行政文書を作成いたしているところでもございます。行政といたしましての意思決定あるいは事務事業を遂行しておりますけれども、こうした活動全般について、やはり現在及び将来の国民に対する説明責任、それこそ振り返ったときにどうであったのかということを検証するためにも、これが全うされるようなために、適正な公文書管理、これはしっかりと図っていかなければいけないというふうに思っているところでございます。
そのために、ルールを設ければ足りるということではなくて、やはり、先ほど来御指摘いただきましたように、様々な研修を通じて、一人一人の職員が、その趣旨も含めて、意味合いも含めてよく理解した上で日々の自分の仕事に当たっていかなければいけないなというふうに思っておりますし、何よりも着実に決められたルールを遵守するということ、これは非常に重要なポイントだというふうに考えてございます。
こうした研修に当たりましては、アーキビストとしての専門的な知見、これもやはり重要でございますし、国立公文書館においては、行政機関等の職員に向けての研修も併せて行うとともに、各行政機関それぞれが実施する研修に対してもアーキビストを派遣もいたしてございます。例えばの例でございますけれども、令和二年度では、約二十一回の研修を通じまして、約五千人ほどの参加があったというふうに承知いたしているところでもございます。
私といたしましても、国立公文書館と連携してこうした研修の充実も努めてまいりたい、あるいは、こうした過去の、振り返っていろいろなものを検証するときに、きちんとした形で、先ほど来、見やすいようなファイル名という御指摘もございましたので、そういったことにも努めてまいりたい、このように思っているところでございます。
○森山(浩)委員 ありがとうございます。
やはり、公文書が改ざんをされたというようなことがニュースになりましたけれども、そもそも、物すごいひどい人が一人いた、あるいは一つの組織があったということではなく、改ざんをしようと思えばできる、こういう体制になっていたということも原因の一つかと思いますので、まずはしっかりと、改ざんしにくい、あるいは文書の廃棄を勝手にしにくい、こういう体制をつくっていっていただきたいというふうに思います。諸外国の例も含めまして、研究を進めていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
ありがとうございました。
○上野委員長 次に、金子俊平君。
○金子(俊)委員 おはようございます。自由民主党の金子でございます。
本日も質問の機会をいただきまして、委員長始め理事の皆様方に感謝を申し上げます。
第一委員室、ちょっとマイクが低いのでちゃんと声を拾っていただけるかどうか心配でありますけれども、改めて、ロシアからのウクライナの侵攻が始まってもう四十日たちますけれども、報道されていることが事実とすれば、本当にゆゆしき事態だと思っておりまして、改めて、一刻も早く平和が来ることを祈念を申し上げますし、同様に、政府も引き続きしっかりとまたそれに伴う対処をしていただきたいというふうに思います。
今日、十五分ですのでちょっと時間が、余りたくさん質問できませんので、今回のウクライナの侵攻に伴って、我々の生活に、ガソリン価格の上昇、そして電力料金の値上げ等々、本当に影響が出ておりますけれども、それに関連する質問を幾つかさせていただきたいというふうに思います。全部政府参考人の方で答弁は結構でありますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
コロナ禍からの世界経済回復に伴う原油の需要増に伴いまして昨年から原油価格高騰が始まりましたけれども、本年に入って本当に厳しさを増していると思います。二月末のウクライナ侵略を契機に、原油価格は更に高騰しておりまして、非常にそれが長期化するということが今懸念をされております。
原油価格の高騰に対して、政府の方で既に一月から価格抑制のための激変緩和措置を発動してもらっております。三月から支援措置が拡充をしてくれています。その対象はガソリンと軽油と重油と灯油に今限られておりまして、航空燃料が対象から外されているのが現状だと思っております。
公共交通機関の中で、トラック、バス、海上輸送は激変緩和の対象になっているのに、一方で、何で航空輸送だけが外されているのか。これは不公平ではないんだろうか。
航空業界は、ウクライナ情勢に伴って、欧州線など迂回ルートを取らざるを得ない状況になっております。一部路線では飛行時間が三〇%増えている状況だそうであります。そういう路線に限って乗降客数は余り多くないこともあるし、また、国内線等々、乗降客が多くない路線においても、ワクチン輸送のため最優先で運航を維持していかないといけない路線もある。
国としてしっかりと、そういう航空業界を救うためにも、また我々の国民の足である航空業界を救うためにも何らかの対処をする必要があると思いますけれども、政府の見解をお願いいたします。
○五十嵐政府参考人 お答えいたします。
航空ネットワークは、公共交通として国民の社会経済活動を支える空のインフラであります。
その重要性に鑑み、航空各社においては、新型コロナウイルス感染症の影響により、国内線、国際線共に長期にわたって需要が大きく減少している状況にもかかわらず、国内線については一部について減便等がされているものの、国内航空ネットワークは基本的に維持、確保できているところです。
また、国際線においても、委員からも御指摘があったとおり、新型コロナウイルス感染症のワクチンを始めとした医薬品、医療機器など、我が国の国民生活を支える重要な貨物の輸送を担っているとともに、日本人の帰国需要などに応えるべく、できる限り国際航空ネットワークの維持、確保にも努めているところです。
最近の例でいえば、令和四年三月十六日に発生した福島県沖を震源とする地震に際しては、新幹線等が運行できなくなったことを受け、直ちに臨時便の運航を開始するなど、我が国の社会経済活動を支えるエッセンシャルサービスを提供するという使命を十分に果たしてきているところです。
こうした使命を果たす一方で、コロナ禍により厳しい経営環境に直面している航空会社について、国としても、危機対応融資等の活用による資金繰り支援や雇用調整助成金などの支援を行うとともに、空港使用料や航空機燃料税の減免等、これまでも相当踏み込んだ支援を行ってきております。令和四年においても、七百億円規模で空港使用料や航空機燃料税の減免等を行うなど、しっかりと支援していくこととしております。
一方で、二月下旬からのロシアによるウクライナ侵略により、欧州便について運航経路を変更するなど追加的負担が重なっているとともに、昨年から高騰し始めた原油価格は引き続き高い水準で不安定に推移し、その長期化が懸念される状況にあるなど、航空会社を取り巻く経営環境は一層厳しさを増していると承知しております。
国としては、先ほども申し上げたとおり、航空ネットワークの維持、確保を図るための支援を行ってまいりますが、引き続き、昨今の国際情勢を受けて長期化する原油価格高騰の動向やその影響も含めて、経営状況をしっかりと注視しつつ、政府全体の取組を踏まえ、支援の必要性について検討を進めております。
以上でございます。
○金子(俊)委員 ありがとうございます。是非よろしくどうぞお願いします。
続きまして、最近、新聞をやたらとにぎわしている、むしろ、二日に一遍テレビか新聞かどちらかで見るようになりましたけれども、エネルギー資源の供給不安や高騰に伴って、新電力が続々と破綻をされたりとか、若しくは受付を停止をされている状況が増えているそうであります。自ら発電設備を持たれない、卸売市場から電力を買われ、顧客に小売をする、こういうコストの上昇の中で、逆ざやが発生して赤字が増えてしまっているという状況、撤退をしなければいけない状況が生じているというふうにお伺いをしております。
その新電力の撤退に伴いまして供給停止となる事業者の方、新たな供給元を自分で探していかないといけない、非常に苦労をしているという報道を目にさせていただきました。実際、私の地元にも何社かそういうところがありまして、実際、相談を受けましたけれども、この場合、国として、電力の安定供給という大原則の上でどういう対策を取っておられるのか、教えていただきたいと思います。
○佐藤政府参考人 お答え申し上げます。
卸電力市場の取引価格の高騰に伴いまして、一部の新電力において事業撤退の動きがあることは承知しております。
小売電気市場は自由化されておりますが、仮に次の契約先が見つからない場合でも、事業者向け電力につきましては、電気事業法に基づきまして、最終保障供給という、地域の一般送配電事業者が最終的な供給義務を負う制度が措置をされております。
また、実際の電力供給は、今申し上げました一般送配電事業者が行うため、その最終保障供給を担う一般送配電事業者が確実に電力の供給を実態的にも行っておりまして、制度的にも実態的にも需要家の方々への電力の安定供給は確保されております。
○金子(俊)委員 ありがとうございます。
ただいまの御説明をお聞きすると、最終的には送配電力会社からの供給を受けられるということは分かりました。
ただ、確保されたとしても、それまでに比べて電気料金自体はどうなるのか、むしろ相当高くなるのではないんだろうか。もう一点は、この枠組みの場合、最終保障供給を担っている、そもそも配送電事業者の経営自体は大丈夫なのか。ちょっと、御意見があれば教えていただきたいと思います。
○佐藤政府参考人 お答え申し上げます。
今御質問いただきました最終保障供給の料金水準は、制度運用上、地域の大手電力会社が事業者向けに提供する標準的な料金メニューの一・二倍となっております。この基準となる標準的な料金メニューは自由料金ではございますが、基本的には総括原価方式でつくられておりまして、将来必要と見込まれる費用を積み上げた料金水準となっているものと認識をしております。
事業者向け電力の実勢価格は、競争によって標準メニューよりもこれまで割安に推移してきましたことから、これまでの契約水準と比較すれば、需要家にとって、御質問がありました、最終保障供給料金は割高となるのは事実であり、確かに、高いという需要家の声をいただいているのも確かでございます。
他方で、一部の新電力の方からは、燃料価格高騰等の影響で、現在自社が提示できる小売料金よりも最終保障供給料金がむしろ割安になってしまって、自由競争を阻害されかねないという御意見もいただいております。
また、これも御指摘がございました、一部の一般送配電事業者からは、費用の増加によりまして、自社の経営に影響を与えかねないとの声も出ているところであります。
こうしたことから、このように多方面から様々な御意見を頂戴しておりますので、有識者の方から成る審議会において最終保障供給料金の在り方について議論を開始したところでありまして、今後、検討を深めてまいりたいと考えております。
○金子(俊)委員 ありがとうございます。是非よろしくお願いします。
そしてもう一点、ちょっと問題視させていただきたいのが、こういう電力という重要なインフララインの契約を停止するのに伴って、書面一枚で、何か月後に停止しますという紙で、自分でその後、新しい電力供給元を探さないといけない。紙一枚で通知する、これは契約上いいんだろうというふうに、問題ないんだろうというふうに思いますけれども、安定供給、新電力だろうが、若しくは配送電だろうが、やはりしっかりとそこの部分は何らかの指導を国としてしていってもらいたいというふうに思いますけれども、何かコメントがあればお願いいたします。
○佐藤政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘のように、書面による通知は法令上直ちに問題となるものではございません。しかしながら、電力・ガス取引監視等委員会におきましては、事業撤退を行う小売電気事業者の需要家の契約切替えの進捗状況等を踏まえまして、必要に応じて、御指摘ございましたように、例えば、電話で直接事情を説明するなど追加的な対応を行うよう指導しておるところでございます。
なお、小売電気事業者による事業撤退に伴って契約が解除された場合におきましても、それをもって需要家への電力供給が停止されることはございません。
当委員会としましては、これも御指摘いただきました、一般送配電事業者に対しても、契約解除となった需要家に切替えを促す通知を行うなど丁寧な対応を行うように求めているところでありますし、一層、今後、丁寧な対応を求めるように指導してまいりたいと考えております。
○金子(俊)委員 ありがとうございます。是非よろしくお願いをいたします。
残り三分ですね。最後の質問になろうかと思います。
一九六六年から五十年以上にわたって我が国は原子力を利用して、二〇〇〇年前後には電力供給の三割を原子力が担ってまいりました。こうした過去の経緯を踏まえて、現在、原子力発電所から発生した使用済核燃料が既に存在を相当数している。原子力発電所を再稼働するとか再稼働しないとか、賛成とか反対という問題ではなくて、既にある使用済核燃料を今後どうしていくのか、高レベル放射性廃棄物。
私自身は、最終処分場というものは、やはりしっかりと国として、既にあるものをどうするか、造っていかなければいけないんだろうというふうに思います。最終処分場の選定に関しまして非常に難航をしている、そういう中で、何とか前向きに、多少は考えてくれている自治体があるんだろうというふうに思います。
今、最終処分場の選定に関しましては、北海道の寿都町、神恵内村、それぞれ二村が文献調査してくれているというふうに聞いておりますけれども、最後にその状況をお伺いして、質問を終わらさせていただきたいというふうに思います。
○松山政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、過去半世紀以上にわたりまして原子力発電を利用し、使用済核燃料が既に存在しているという中で、高レベル放射性廃棄物の最終処分というものは、日本社会全体で必ず取り組んで解決しなければならない、そういう課題だと考えてございます。
先ほど、北海道の寿都町、神恵内村のお話ございましたけれども、現在、日本では、この選定のプロセスについて、最終処分法に基づきまして、文献調査、概要調査、精密調査とプロセスを踏んで進めていくことになるわけですけれども、いずれにしろ、地域の方々の御理解を得て、段階的に前に進めていくことが重要だと考えてございます。
これをかつては自治体からの手挙げ方式ということにお任せしていた形になっていたわけでございますが、国としても、これについては積極的に取り組まなければならないということで、二〇一五年に基本方針を改定し、国も主体的に実施を申し入れる仕組みに変えたところでございます。
一昨年、二〇二〇年になりますけれども、委員御指摘のように、北海道の寿都町から応募をいただき、そして神恵内村については国から状況を見ながら申入れを行って受諾いただいたところでございまして、それぞれ、まず今は文献調査というプロセスでございますが、この第一段階において、同文献調査の中身を踏まえながら地域の方々で御議論をいただき、理解を深める活動に努めているところでございます。
北海道のこの二町村のみならず、全国各地でこういったことに対する御理解を深めていただくということは大変重要でございますので、積極的に広報活動、御説明活動をNUMOという推進団体とともに取り組んでいき、この非常に大きな社会全体で取り組む課題に、国としてもしっかりと取り組んでいきたいと考えてございます。
○金子(俊)委員 どうもありがとうございました。終わらさせていただきます。
○上野委員長 次に、平林晃君。
○平林委員 公明党の平林晃です。
質問の機会を与えていただきまして、大変にありがとうございます。
早速質問に入らせていただければと思います。
大野副大臣、本日、お忙しいところ、ありがとうございます。先ほど申し上げましたとおり、大学の後輩ですので、高所大所から御指導いただければと思います。よろしくお願いいたします。
先日来の経済安全保障法制に関する議論の中でも時折出てまいりました科学技術・イノベーション計画について、お伺いできればと存じます。
周知のとおり、元々は、一九九五年、尾身先生の御尽力による議員立法で科学技術基本法が成立したと伺っておりまして、二年前に大幅な改定が行われ、科学技術・イノベーション基本法になった。恐らく、ここにおられる先生方も様々御議論いただいたのではないかなと、まだ私は当時議員でございませんでしたので、御推察申し上げます。
その上で作成された第六期計画、これは科学技術・イノベーション基本計画ということで、イノベーションという言葉が入って、名称も変わったということであります。
当然、変革の柱の第一、このイノベーションをより広く捉えたということになろうかと思いますけれども、第二の柱が、人文・社会科学が、この基本法の対象である科学技術の範囲に位置づけられたというふうにも認識をさせていただいております。人文・社会科学の厚みのある知の蓄積を図るとともに、自然科学の知との融合による、人間や社会の総合的理解と課題に資する総合知の創出がますます重要になると述べられており、この考え方に賛同させていただいております。
その一方で、なぜ二〇二〇年という段階でこの人文・社会科学の追加がなされたのかなということに、若干疑問を感じるところがございます。文科省の皆様もよく御存じのとおり、大学では一九九〇年代頃から既に文理融合が様々議論されておりまして、それから三十年近くたっているわけであります。
そこで、大野副大臣にお伺いできればと思います。この人文・社会科学の振興を科学技術・イノベーション法の振興対象に加えられた意義をお尋ねいたします。
○大野副大臣 ありがとうございます。
総合知に関する御質問を賜りましたけれども、御指摘のように、二〇二〇年にその法改正が行われて人文・社会科学というのが入ったわけでありますけれども、これは委員御指摘のとおり、何も突然この必要性が湧いて起こったということではなくて、基本法が制定された九五年の時点では、既にそういった必要性というのはある程度指摘をされていたわけでありまして、少なくとも第三期においては、ELSIの分野、いわゆる倫理、法制度、あるいは社会、その包摂性とか、その絡みで科学技術政策をしっかりと見ていかなくちゃいけないというのが記述があったわけでありますが、その基本法の中には、法律が対象としていた分野は自然科学とされていたという部分がございます。
もちろん第一期のときは、基本的な基礎研究とか研究の分野、これを振興するということが大体の目的であったわけでありますが、科学技術の進展に伴って、社会課題の複雑化というのもございますが、非常に全体的に複雑化する中で、やはり人文・社会科学というのは必要性がますます高まってきたというのがありまして、その中で、やはり何とか、極めて激甚化する社会課題、例えばコロナでありますとか、あるいは地球温暖化とか、そういったものに対して、まさに我々はそういった人文・社会科学の分野を融合して課題解決をしていかなければならないんじゃないか、あるいは、むしろ社会をますます発展させるべく、イノベーションというのを創出しなくちゃいけないんじゃないか、こういう必要性が高まってきたわけであります。
それがまさに二〇二〇年の法律改正において、人文・社会科学をしっかりと入れていこう、イノベーションもしっかりと入れていこうという流れになりまして、その中で、第六期の基本計画では、まさにそういった分野をしっかりと入れていこうということでありまして、社会課題解決、これに適切に対応していくためには、人文・社会科学を含めた多様な知が集い、新たな価値を創出することが不可欠となっている。そこで第六期、科学技術の総合知の重要性を提示した意義というのは、私自身は極めて大きいものだと思っております。
○平林委員 ありがとうございます。
まさに時代の要請、これが法律に明記するほどに高まったということが最大の要因かなというふうに承りました。
その上で、総合知というものが確定されてからもう一年ほど経過しているわけですけれども、その中で、この総合知の捉え方がより深まってきている、この一年の議論の中でお伺いしている部分もございます。
最新の捉え方での総合知がどのようなものであるのか、またそれをどのように進めていこうとされているのか、改めて大野副大臣にお伺いいたします。
○大野副大臣 ありがとうございます。
まさに総合知というのは極めて重要で、今委員の御指摘は、どれだけ深く議論されてきたのかということなんだと思います。
御指摘のとおり、科学技術・イノベーション基本計画第六期においては、まさに、前年度中、すなわち令和三年度までにしっかりと、この総合知というのがどのようなものなのか、あるいはそれの推進をするに当たっての方策というのを議論しようではないかと、基本計画の中には議論するべきだというふうに書かれておりまして、その中で、総合科学技術・イノベーション会議の専門家の会議において中間取りまとめをしようということになって、この三月に中間取りまとめというのを取りまとめたということで、これは委員御指摘のとおりでございます。
その中間取りまとめにおいては、総合知というのは、専門領域の枠にとらわれない多様な知が集い、新たな価値を創出する知の活力を生むことということにしておりまして、我が国の科学技術やイノベーション、そういったものが様々な課題を解決するような、適切に対応できるような、そういったものにしていくためには、この総合知の活用が不可欠なものであるというふうに見解が示されているということでありまして、我々としましては、今回の中間取りまとめというのを踏まえまして、この総合知の意義や関連する情報を社会に広く発信するなど、第六期基本計画で示された総合知の推進に着実に取り組んでまいりたいと思っております。
○平林委員 ありがとうございます。
自然科学、人文・社会科学、そういう限定すら取り払って、様々な分野の知を総動員して価値を創出していく、こういう捉え方がなされたのかなというふうに考えております。
少し話がそれますけれども、この度の経済安全保障法案の議論は、まさに、ある意味、この総合知の発現であったのかなというふうに私は考えております。
人文・社会科学の知で時代状況を捉え、自然科学の知も加味していくことによってなすべきことを明確にしてきた、この一連の作業は、まさに総合知の具現化そのものであったと私は理解をしております。このようなイメージで総合知の理解が社会に広がって、新しい取組が広がっていってもらいたい、このようにも期待をしているところでございます。
このためには、やはり人材が必要である。その人材、自然科学系が重要なことは言うまでもありませんが、それだけでは総合知には片落ちであり、人文・社会科学の研究者の存在が重要になってくると思います。
一連の経済安全保障の議論の中において、参考人の先生の御発言、研究者であることがこれほどまでにつらいものなのかと、この御心情の吐露があったことが強く私も印象に残っております。私自身も研究者として生きてきまして同感するところではございますが、参考人の先生の心情、より強いものであったのではないかなと推察しておりまして、私、自然科学なんですね、参考人の先生は人文・社会科学系であられて、アカデミアにおいても企業においても、この人文・社会科学系のポストが自然科学系に比べて少ないと認識をしております。
この点、解決するために何かしら取組はあるのか、この部分、政府参考人の方にお伺いいたします。
○寺門政府参考人 お答えを申し上げます。
先生御指摘の点に関しますデータといたしましては、例えば、大学等における人文・社会科学研究者は全体の約二〇%でございまして、こういった状況を踏まえますと、総合知の推進に向けましては、人文・社会科学と自然科学の調和のある発展が大変重要であるというふうに認識をしてございます。
そのためには、様々な施策を総合的に進めていくことが肝要でございますけれども、特に御指摘の点に関しましては、人文・社会科学を含めました若手研究者の育成、確保、これが大変に重要だと文科省は認識してございまして、このために、キャリアパスへの不安を解消するために、博士後期課程学生への経済的支援の抜本的な拡充、また、若手研究者を雇用する際の研究環境やキャリア支援の在り方などを定めたガイドラインの策定、また、国立大学における若手ポストの確保など、人事給与マネジメント改革を考慮した運営費交付金の配分の実施といった取組によりまして、研究者の研究環境の改善等を支援しているところでございます。
今後とも、人文・社会科学を含めました優れた人材の育成、確保に向けた取組を強化してまいりたいと存じます。
○平林委員 ありがとうございます。
政府としては、どちらの分野、そういうふうなことを言うことはできないかと思いますので、まずは若手というふうにおっしゃられているのかと思います。
いずれにしても、総合知の理解や取組を進めまして、人文・社会科学系のプレゼンスが更に向上することを期待をさせていただきます。
大野副大臣、ここまででございますので、もしよろしかったら、退席いただいて結構です。
○上野委員長 大野副大臣におかれては、御退席をお願いいたします。
○平林委員 あと五分を切りましたので、二問ありましたけれども、最後の一問とさせていただきます。
世界と伍する研究大学、いわゆる十兆円ファンドに関してお聞きをいたします。
本施策においては、研究実績と運営体制などの基準を満たす大学を国際卓越研究大学と認定して、当該大学に対して、十兆円ファンドの運用益から支援を行うこととされていると承知しております。想定される支援規模は数百億円であり、ある程度の、私立大学の一年間の事業費に匹敵をするかなりの金額と認識しております。
限られた支援であり、有効に活用いただきたいと考えています。支援を有効活用するために、どのようなスキームを考えているのか、政府参考人に伺います。
○坂本政府参考人 お答えいたします。
世界と伍する研究大学の実現を図るため、国立研究開発法人科学技術振興機構、JSTに十兆円の大学ファンドを創設し、この運用益を活用して支援する対象となる大学の選定等のスキームを定めるための、国際卓越研究大学の研究及び研究成果の活用のための体制の強化に関する法律案を現在国会に提出させていただいております。
この法案では、世界トップレベルの研究大学となるポテンシャルを有する大学を国際卓越研究大学として認定するとともに、研究力向上のための体制強化の目標と、大学ファンドからの助成金の活用内容等について記載した計画を提出していただき、文部科学大臣が認可する仕組みとしております。
具体的な取組としては、世界最先端の研究インフラとサポート体制など国際的に卓越した研究環境の整備充実、世界最高水準の処遇などを通じた国際的に卓越した能力を有する研究者の獲得、若手研究者の育成、活躍推進、研究成果の活用に必要な専門職人材、マネジメント人材の育成、確保、研究成果の活用のための環境の整備充実を実施していくこととしておりまして、計画には、必要な額とともに記載をしていただくこととしております。
この計画の認可に当たっては、科学技術・学術審議会及び総合科学技術・イノベーション会議、CSTIの意見を聴取し、研究力の強化に資する取組が行われていることなどについて確認する予定でございます。さらに、認可後の計画の進捗状況は定期的に報告をいただくこととしております。
本法案が成立すれば、これに基づきまして、世界と伍する研究大学の実現に向け、大学ファンドの運用益が真に有効に活用されるようにしっかりと取り組んでいきたいと考えております。
○平林委員 ありがとうございました。
計画に基づいて適切に執行していただくということでございますが、私も大学にいた一人といたしまして、例えば、年度末だから使い切らなくてはいけないとか、そんなようなことも今までにあったかとも認識をしております。そういった非建設的な使い方が起きるようなことは防いでいただきたいと思いますし、本当に限られた支援で大学を振興していくということですので、より多くの大学の支援にも回るようにお願いできればというふうに考えておりますので、よろしくお願いをいたします。
時間が、チャイムが鳴りましたので、もう一点、本当はマイナンバーカードの署名用電子証明書のこともお聞きできればと思っておりましたが、より勉強して、また次回のときに聞かせていただければと思います。
ありがとうございました。
○上野委員長 次に、堀場幸子君。
○堀場委員 日本維新の会、堀場幸子です。
本日は、デジタル関連について一般質疑を行わせていただきます。よろしくお願いいたします。
立候補手続の電子化、オンライン化について御質問いたします。
私は、昨年の十月、総選挙にて初めて政治に挑戦いたしました。新人で女性でシングルマザーで選挙に出るという大変さを痛感したことは、記憶に新しいところでございます。女性の政治家が非常に少ない現状を変えていきたいと思っております。必要なことは、立候補しやすい環境をつくることだと思っております。多様な人材が立候補できる環境整備にとって重要な、選挙制度のデジタル化について質疑をさせていただきます。
立候補の電子化は、現状の手続の問題を解消し、ひいては、選挙過程に関わる組織の変革、選挙過程そのものの変革を促すことになる、大きな改革のスタートになる事案だとも考えております。
総務省にお伺いします。
現在の立候補届について、電子化することを検討されておりますか。
○田畑副大臣 お答えいたします。堀場先生、質問ありがとうございます。
検討されているかということの問いでございましたが、事前には、このオンライン化について可能とすべきかというような趣旨でも、我々、質問ということで受けてございました。
現状、立候補の手続につきまして、公職選挙法は制定当時、対面ではなくて郵便による届出が認められていたところでございます。単に届出をするだけで選挙運動を行わないような事例が相当数に上り、このような立候補のやり方は制度を濫用して選挙の秩序を攪乱するものとして好ましくないものから、昭和三十七年でございますが、公職選挙法の改正により、郵便による届出は禁止された経緯がございます。
オンライン化については、現在、郵便と同等と申しますか、届出のときと同様の懸念が想定されるということ、また、全ての選挙において、選挙の公示また告示の一日限りで候補者を確定させる必要がございます。仮に、オンラインとまた対面と双方を、手続を認めるということになりますと、現状では、各選管における事務のふくそうによる管理執行上の誤りの発生のリスクがあるのではないかというふうに捉えられてございます。
ですから、いずれにしても、立候補関係手続のオンライン化ということは、手続の手法のみならず、立候補の届出期間の在り方など、見直しの議論と密接に関係をすることでございますので、総務省として検討しておるということではございませんで、各党各会派におきましても十分御議論いただくべき事柄だというふうに捉えているところでございます。
○堀場委員 ありがとうございます。
私ども日本維新の会というのは、しがらみのない政治ということで、大きな団体さんの支援を受けることがございません。ですので、やはり人を集める、人にお願いするということが非常にハードルが高い政党でございまして、これは政党の在り方なのかもしれませんけれども、ほかの大きな政党さん、そして組織がしっかりされている政党さんとは違い、新人の立候補、これは非常に厳しいと私は思っています。でも、これが本来のあるべき姿、民主主義のあるべき姿だとも思っています。どんな人が、立候補したいと思ったときに立候補できる、これは非常に重要だと思っています。
一方で、供託金が非常に高額である。ですから、やはり立候補しようかなというふうな、郵便でいろいろなことがあった、同じようなことがオンラインでも起こるのではないかというお話でしたけれども、供託金は非常に高額ですし、そういった面から考えても、このハードルを下げていくという作業がなければ、昔はたくさんの方が立候補されたかもしれません、けれども、今、女性やそのほかで諦める方がたくさんいるという事実もやはり知っていただきたいなというふうに思っています。
女性の選挙の立候補、一番最初のハードル、特に国政に挑戦するハードルの高さというのは、ここにいる男性の皆様が感じているよりも非常に高いものになっています。それを分かってくださいと幾ら言っても、恐らく分かってはいただけないとは思うんですけれども、これだけ九・七%という数字を出したというのは、やはり何かを変えなければいけないということだと思います。
私自身は、クオータ制を導入して枠を決めるのではなく、その前にやるべきことがあると思っています。一番最初にやるべきことは、この選挙の改革だと思っております。
立候補以外にも、公営掲示板のポスターのデジタル化、これに関しては、日本維新の会、マニフェストの方にも書かせていただいているんですけれども、この課題もあると認識しておりますが、これについては、総務省さん、どうでしょうか。
○森政府参考人 お答えを申し上げます。
お尋ねにつきましては、現行の公職選挙法の関係規定に照らしますと、選挙運動のために電光表示などを用いることの是非、それからポスター掲示場などの在り方、こういったものが主な論点になるというふうに考えるところでございます。
選挙運動のために電光表示などを用いることにつきましては、従来、選挙運動のために電光表示や映写等の類いを掲示する行為、全て禁止をされておりました。これは、平成二十五年の議員立法によりまして、屋内の演説会場内においてその演説会の開催中に使用する映写等の類いに限って解禁をされたものというふうに承知をしております。
現行公職選挙法百四十四条の二でポスター掲示場の規定がございますが、これは、ポスター掲示場所に関する候補者間の公平の確保、町の美観の維持、選挙運動費用の節減、選挙人の便宜などを趣旨として制度化されてきているものと承知をしておるところでございます。
どのような範囲で選挙運動のために電光表示などを用いることを認めることとするのかとか、また、金のかからない選挙の観点から、設置に係る経費などをどういうふうに考えるのかといったような論点もあるものと考えておりますので、選挙運動の在り方に関わる問題ということになりますと、これは各党各会派において御議論いただくべき事柄というふうに考えるところでございます。
○堀場委員 ありがとうございます。
今、選挙に関しては、参議院選挙前ということもございまして、各党いろいろなところでお話をされているかと思います。公営掲示板に関しましては、やはり午前中、十時までに貼るのがいいとか、いろいろなお話がございまして、非常にたくさんの人員をもって貼らせていただくということになっています。
これはすごい量にもなると思うんですね。紙で、後ろにシールがついていたりするちょっと特殊な紙で、再生紙にはできない紙を使って貼るということになっています。これに関しても、お金的にも環境的にも、どの角度から見ても非常に無駄の多いものではないかということで、日本維新の会では、こちらの選挙改革についてお話しさせていただいているところでございます。
立候補に際して、法律に基づいて提出されるのは主に六つの書類でございます。提出書類をそろえるには市役所などで手続も必要とされ、書類の準備には相応の時間がかかるものでございます。記載内容に関しては共通性や重複もあります。そして、これを紙で全て提出する、紙ベースで提出するというものです。
相応の組織があっては容易なことであり、経験があれば簡単なことでも、新人の立候補に関しては非常に大きなハードルになっております。
私たちは、これから恐らく、Eデモクラシー、若しくは民主主義のモデル、このデジタル化に向かっていく社会を進んでいると認識しています。ここの選挙の改革、是非早くお進めさせていただきたいなと思っております。これはきっとデジタルに関わることだと思いますので、是非よろしくお願いいたします。
私たちは、このEデモクラシー、これに向かっていくためには、市民の認証、そして市民と政府間の情報交換、そしてその信頼関係、プライバシーの保護、そういったことが非常に重要だと感じております。私たち、マイナンバー制度についてもこの後質問させていただきますが、これらが全てつながっている、一つの物語とか、一つの大きな枠の中にあると考えております。
この選挙制度の改革、私たち国会議員になるにはスタートラインでございますので、是非前向きに御検討いただきたいと思っております。
こういったEデモクラシー、これを実現していく、その方向に向かっていくには、今のデジタル化の課題についてお話をさせていただきたいと思っています。
入国申請システム、ERFSで、最大六万人の個人情報を第三者が閲覧できる状態になった事案が発生しました。これに関しては、どの程度の情報流出になったのかを解析、検証することもできない状態だとお聞きしています。
また、コロナ対応の関連システムもトラブルがありました。感染者との接触を確認できるアプリ、COCOAは、通知機能がアンドロイド版で停止し、四か月放置されたままでした。
感染者情報を一元管理するシステムであるHER―SYSは、稼働開始から二年近くたちますが、今も入力の不具合を完全に解消できていません。そして、御存じのとおり、いまだファクスを使っているのが現実です。
デジタル庁にお尋ねします。政府のデジタル化を担っているデジタル庁では、これらの事案に対してどのような分析をなさっていますか。
○山本政府参考人 お答えいたします。
デジタル庁におきましては、政府情報システムも様々なものがございますけれども、これらにつきまして、直接障害対処を行ったり、知見を共有するなどの様々な対応を行っておるところでございます。
お尋ねになりました各システムについての事案及び原因について申し上げます。
まず、新型コロナウイルス接触確認アプリ、COCOAでございます。
こちらにつきましては、公衆衛生の観点から企画立案は厚生労働省、アプリの保守、運用はデジタル庁が担当しているところでございますけれども、直近の事案としては、昨年十一月二十五日に、アップデート版でありますバージョン一・四・〇、こちらを配布したところ、特定の条件下でアップデートを行いますと、COCOAを起動する際に端末においてすぐに強制終了するという事案が発生いたしました。
こちらにつきましては、原因はプログラムの不具合でございまして、修正版の開発を速やかに行い、解消を図ったものでございます。
次に、新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム、HER―SYSでございます。
こちらにつきましては、厚生労働省所管の情報システムでございますけれども、本年に入りまして、一月二十日、二月二十六日に、保健所などがシステムにアクセスできず、医療機関が登録した患者データをリアルタイムで共有できない状態が発生したと承知しております。
この障害の原因については、多数のアクセスに伴うサーバーの負荷が原因でございまして、厚生労働省におきまして、サーバーの増強を行うことで対処をしているところでございます。
最後に、入国者健康確認システム、ERFSでございます。
こちらも厚生労働省所管の情報システムでございますけれども、昨年の十一月二十五日には水際緩和措置申請におけるファイルアップロードの不具合が発生いたしまして、一部の受入れ責任者に、ほかの受入れ責任者がアップロードしたパスポート画像等が閲覧できるという不具合が発生いたしました。また、本年二月には、入国予定者の個人情報につきまして、先ほど委員御指摘のとおり、合計六万人の閲覧が可能な状態が発生してしまったものでございます。
両者とも原因につきましてはプログラムの不具合でございまして、こちらについても速やかに修正を実施いたしたところでございます。
以上でございます。
○堀場委員 ありがとうございます。
結構、これは国民にとってはすごく重要、国民だけではないんでしょうけれども、すごく重要な事案だと思っています。
牧島デジタル大臣にお尋ねいたします。
この現状を受けて、霞が関のシステム全般に目配りをされているお立場として、どのようにお考えでしょうか。よろしくお願いいたします。
○牧島国務大臣 今御答弁申し上げましたが、厚労省に関係する政府情報システムにおいて、利用者の方々に大変大きな御迷惑をおかけしたということについて、デジタル大臣としては大変遺憾に思っているところでございます。
デジタル庁は、政府の情報システムを安定的、継続的に稼働させるため、この確保のために情報システムの整備、管理に関する基本的な方針の策定を行っています。また、情報システムの統括、監理等を行う役割も担っています。
昨年末閣議決定したデジタル社会の形成に関する重点計画、また、デジタル庁は情報システムの整備及び管理の基本的な方針も策定をしています。こうした中で、サイバーセキュリティーに関する基本的な方針を示して、デジタル庁はこの方針に基づいて政府情報システムの整備、運用を実施するとともに、各府省庁はデジタル庁による統括、監理を通じて実装を進めることとさせていただいています。
デジタル庁は、各府省のプロジェクトの企画、要件定義の際に、実務面で直面している困難な事象を把握して、各府省と連携して解決することや、運用段階においてストレスなくシステムを使えているか、利用者の視点に立って実情を把握することとしています。
このような観点から、御指摘のあったシステムの不具合、その分析結果については、デジタル庁としての知見を生かしつつ、類似のシステム障害を抑止するために政府部内で共有化すること、そして、システムの脆弱性診断や監査の対象の拡大、プロジェクト管理を通じた品質の確認、セキュリティー・バイ・デザインの考え方、政府全体に導入することなど、今後もしっかりと取り組んでいきたいと考えております。
○堀場委員 ありがとうございます。
厚生労働省で起きた、だけれども、隣の違う省庁では起きないように、この問題点をしっかりと把握されて次に生かしていかれるということであると思っています。
私どもといたしましては、こういったシステムのエラーがあると、あらゆるところで起こってくると、国民の不安は本当に大きくなると思っています。また、先ほどの立候補届のところで出てこなかったんですが、通信状況の不安定さというのが事前にお話があったので、その通信状況の不安定さが、立候補届、当日というのは難しいんじゃないかというお話をちょっと事前に聞いていたんですが、そういったこともなかなか、不具合が前に出てしまうと、前に進んでいかないというのがございます。
先ほども言いましたEデモクラシーとかそういったものというのは国民の皆様の参加というのが非常に重要ですので、やはり、こういったところの課題、非常に多いと思っております。今始まったばかりですので、まだそういう不具合の蓄積ももしかしたらないのかもしれないんですが、やはり、解決までの時間が早いとか、すぐにできる、これがまた一つ重要だと思いますので、是非、前に進めていただきたいと思います。
これが一応本題なんですが、マイナンバーカードの普及とマイナンバー制度についてお尋ねいたします。
総務省にお尋ねいたします。
マイナンバーカードの普及の状況、年齢比率も含めてお願いいたします。
○阿部政府参考人 お答えいたします。
マイナンバーカードの交付枚数の累計は、令和四年四月一日時点で約五千四百八十七万枚であり、人口に対する割合は四三・三%となっております。
年齢別の人口に対する交付枚数率を申し上げますと、二十代以下は三七・〇%、三十代及び四十代は四三・二%、五十代及び六十代は四七・六%、七十代以上は四六・三%となってございます。
○堀場委員 ありがとうございます。
デジタル庁にお伺いいたします。
マイナポイントなど、様々な工夫をされていると存じています。いまだマイナンバーカードの普及が進んでいない部分もあるという原因をどのように分析されているでしょうか。そして、その対応をお願いいたします。
○牧島国務大臣 マイナンバーカードは、対面でもオンラインでも本人確認ができる最高位の本人確認のもの、そして、デジタル社会におけるパスポートであるということになっています。
今、若年層の交付率の話などもありましたけれども、まだまだ十分に浸透していないところ、平日の日中にマイナンバーカードを取得するのは難しいという方もおられるでしょうし、カードの利活用をする場面をまだまだ増やしていかなければならないというふうにも受け止めております。
日中の来訪が難しいといったような場面については、こちらは総務省から自治体の方々に依頼をしていることですけれども、土日の交付とか、学校に行って、出張して申請を受け付ける、そうしたものも進めているところでございます。
マイナンバーカードの利活用の場面、広報活動も含めて、デジタル庁としても取り組んでいかなければならないと考えております。
○堀場委員 マイナンバーカードというのが、これから私たちが生きていくであろう、先ほど言っていたEデモクラシーの社会の中で、そしてソサエティー五・〇の時代の中で、デジタルガバメントのすごく根幹の根幹、ベース、もう当たり前のアの字になってくるというものがマイナンバー制度であります。それに付随して出てくるのがマイナンバーカードだと認識しております。
マイナンバー制度についてお伺いいたします。
牧島大臣は、マイナンバーカードがデジタル社会の実現には欠かせない基盤だとおっしゃっていますけれども、具体的にはどういうイメージをされていますか。また、マイナンバー制度全体についてもお願いいたします。
○牧島国務大臣 マイナンバー制度は、デジタル社会の基盤である、そして、国民の利便性向上と行政の効率化というものを併せて、より公平公正な社会を実現するためのインフラであるというふうに考えております。この点、共通の考え方を持っていただいているのではないかと、委員とのやり取りの中で感じております。
その上で、マイナンバーカード、本人確認をして、官民の手続はデジタルで完結できる世界、そして、申請を不要にしたプッシュ型の給付の実現、マイナポータルで行政機関から国民一人一人に適したお知らせを届けるサービスの提供、こうしたものを通じてデジタル基盤を確立する、国民一人一人のニーズに応じたサービスの提供ができるように推進していきたいと考えております。
○堀場委員 ありがとうございます。
コロナの感染症がすごい拡大して、学校がお休みになって、そしてお母さんたち、お父さんも含めてですが、困りました。そして、お金がもらえることになったといったときにも、やはり給付が非常に遅かった。中小企業の人が、本当に企業は厳しかったです、今も厳しいんですけれども、特に観光、飲食、こういった業界の皆さんは、非常に厳しかったときに、給付金を受け取るには申請も非常に難しかったし、そしてもらうときもとても時間がかかりました。
こういった課題、海外ではやはりすごくスムーズにいっていたとお聞きしていますけれども、日本ではこれがやはり非常に遅かった。この問題意識をやはりもっともっと重く受け止めていただきたいんですよね。
私たち生活者の方から見れば、やはりそれはとても大きな問題です。あした入ってくるのと今日入ってくるのでは話が全然違うという方が本当にたくさんいます。そういった状況の中で、デジタル社会に向かっていっているにもかかわらず給付が遅かった理由をやはり考えていくと、ここに終結すると私は思っています。
マイナンバー制度は個人情報を一元的に管理しているわけではない、これに関しても、もっともっと大きな声で言う必要があると思います。
分散管理、情報提供ネットワークシステムですよね、符号にひもづけて、いろいろなところから情報を取っていく。つまり、昔の番号制のようにイメージされている方、非常に多いと思うんですね。そこからくる拒否感、これもあると思いますので、是非是非こういった分散管理をしているというような面も広報していただきたいなというふうに思っています。
個人情報をしっかり保護しようという側面があると承知しています。これについても、しっかりと国民の皆様の理解を得る必要があると思っています。
マイナンバー制度は、先ほど大臣おっしゃっていました、公平な負担と給付のためにあるんだ、これについても是非御理解をしていただいた方がいいと思います。
私たちは税負担のためだけにやっているのではなくて、その税負担が福祉に反映される、このシステムを取っています。だけれども、その負担が見えないようになっているので、例えば、私は先ほども言いましたシングルマザーですけれども、一人親の申請をする、こういったときには、児童福祉手当ですね、するときには、私の納税、つまり収入を証明するためには税金を言うんですけれども、そうするとすごい遠くまで探しに行くわけですね。同じ場所で完結するわけではありません。けれども、そうやってすごくたくさん時間もかかり、行政コストもかかり、この中でやっと給付が始まる、それではやはり遅いのではないかということでございます。
システムエラーがある、国民の不信が増す、そしてエラーがある、不信が増す、日本のデジタル社会の実現にはこの悪循環から脱する必要があります。デジタル化するということは、女性の社会進出を促進する大きなチャンスでもあります。私は、日本維新の会がオンライン会議を非常に多用していることで、女性へのチャンスが広がっていると感じております。
また、同様に、日本大改革プランは、三本柱ありますが、全てがデジタルガバメントを前提としております。是非是非、非常に重要なことでございますので、議論を通じて、問題点も含めて、前に進めていけるように頑張ってまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
ありがとうございました。
○上野委員長 次に、浅川義治君。
○浅川委員 内閣委員会二回目の質問ですけれども、委員長始め理事、各委員の皆様に、今日この質問を取り上げさせていただくことに感謝を申し上げます。また、官房長官始め閣僚の皆様にも御出席をいただいての御答弁をいただけるということで感謝しております。
今日のテーマは、危機管理、情報公開、米国政府が発表した未確認空中現象についてなんですけれども、この問題、二年前にアメリカの政府が発表して、この二年間、国会での議論が一度もなかった。日本の政府が、このアメリカの政府が発表した未確認空中現象についてどのように捉えているのか、危機管理の観点から、あるいは情報公開の観点から、今日は一回目ですので、総論として軽くちょっと皆様にお伺いしたいと思います。
その前に、松野官房長官、私、横浜市金沢区の八景島というところの近くに住んでいるんですが、ちょうど東京湾を渡ったあたりに官房長官の御自宅、事務所があるようで、いつも私も東の空を見て、羽田空港を下りる、あるいは飛び立つ飛行機をよく見ているんですけれども、官房長官も、御自宅のお庭から飛行機をよく夜景とともに御覧になっている、発泡酒を片手に、そういう夜景がきれいでいらっしゃるというのをブログを見させていただきました。
非常に宇宙ファンでいらっしゃって、天体望遠鏡を買わなきゃという独り言を以前述べられていたということで。私、実は、高校のときに天文部をつくっておりまして、そういう観点からも、いわゆる、俗に言うUFO問題に関心を持っておりました。
もちろん、UFOイコール宇宙人の乗り物というわけではありません。基本的には、中国が開発してきている極超音速ミサイルあるいはドローン等の物体が、確認されるまでは未確認でございますので、そこら辺の脅威等についてもどう考えているかというところがあります。
実は、せんだって国交委員会で国交大臣の方に宿題でお伺いしていた、民間の航空機のパイロット等がUFOを見てしまったときに社内で報告をすると地上職勤務になってしまうというところで、そういった実態についてどうお考えですかということで、調べますということを伺っておりますので、ちょっとその点について、国交省の方で先にお伺いできたらと思います。
○海谷政府参考人 お答え申し上げます。
先般、国土交通委員会で斉藤大臣にお尋ねあった件でございますけれども、航空会社に確認したところ、詳細不明の飛行物を目撃したという報告のみをもって地上職の配置換えといった対応は講じていないというふうに聞いております。
○浅川委員 このことは、たまたま、国交委員会でお話しした後、劇団ひとりさんというお笑いタレントの方がNHKの番組でも述べられていて、お父様がJALのパイロットだった、お母様もキャビンアテンダントだったそうなんですけれども、このときには、社内規定があったというふうに書かれているんですね。私も個人的に、JALのパイロットだった方から同じようなお話を聞いておりましたので。
今はもうないだろうということで了解いたしました。
先ほど申し上げました未確認空中現象、この資料の一ページ目の写真なんですが、これは動画で、この右下のQRコードを見ていただくとBBCのニュースサイトから見ることができるんですけれども、科学技術の、東工大で工学部で理科系でいらっしゃいました大野副大臣に、まずこれを御覧になってどう思われたか、ちょっと感想をお伺いしたいんですけれども。
○大野副大臣 大変目の覚めるような御質問を賜りまして、ありがとうございます。
私自身も関心がないわけではございませんが、これは、実は、数年前に米国政府が画像を公表した際にニュースで報道されていましたので、そのときに拝見をさせていただきましたが、その動画の中には、あれ、これ、カメラの前のレンズについた虫じゃないのとかいろいろなことを思いましたけれども。
いずれにせよ、実際的に何か、こういった未確認の航空現象というものが確認できているわけでもございませんし、特段これに対する、科学技術の観点からいえば、これの研究をするニーズというのは、今、現時点ではないものだと承知をしております。
○浅川委員 そうしたら、純粋科学の部分で、文科省として、田中副大臣、どのように御覧になっていますでしょうか。
○田中副大臣 浅川委員御指摘の未確認航空物体、いわゆるUAPでありますけれども、名称のとおり、識別ができていない何らかの飛行物体を指す用語だというふうにまず文科省としては理解をいたしております。
文科省においては、このUAPに関する調査研究等は実施はしておりませんけれども、一般論で申し上げたら、データ不足等により識別できていない何らかの飛行物体や自然現象、観測機器の故障など、様々な可能性があるのではないかというふうに考えております。
この未確認の航空物体に関しては、今、大野副大臣もおっしゃいましたが、関心のないということではなく、子供の頃によくテレビで見て、ああ、こういったことがあるんだなということを思いつつ、大人になり、今回この質問をいただいたときに、そのときのことを振り返り、思い出して、ああいうビデオを見たな、こういうテレビを見たなということを改めて実感いたしました。個人的な感想でありますけれども、そういうところもあります。
○浅川委員 ありがとうございます。きっとそのビデオというのは、いわゆる矢追純一さんの番組だと思うんですけれども、私もよく見ておりました。
田中副大臣は京都市議出身でいらっしゃるんですよね。実は、せんだっての委員会では、二之湯国家公安委員長に、二之湯さんも京都市議出身でいらっしゃるということで、その一回目の質問のとき、私は、UFOを見たことはありますかと大臣にお伺いしたんですけれども、それは事前通告もしていないし、回答をいただこうと思っていなかったんですが、実は、最後の質問、終わるときに大臣が手を挙げられて何か一言述べられようとしていたというのを、私、気がつかなくて質問を終了してしまったんですね。
もしかしたら、そのことについてお答えいただけるんだったのかなと思って、今日、警察庁の方のお考えも聞きたいんですけれども、二之湯大臣、もしかして御覧になったりしているんでしょうか。
○二之湯国務大臣 僕の世代は余りそういうことは話題にならなかったもので、見ておりません。
○浅川委員 ありがとうございます。
そうしましたら、国家公安委員長として、警察庁の方で、この未確認空中現象、未確認飛行物体等について何らかの情報を収集したり分析したり、つまり、何らかの、危機管理の観点から作業をされているかというのをちょっとお伺いしたいと思います。
○二之湯国務大臣 アメリカの国防総省が未確認空中現象に関する部署を新設したという報道があったことについては聞いておりますけれども。
個人の生命、身体及び財産の保護を任じられている警察といたしましては、国民の生命、身体等に危害が生じるような事態が発生するおそれがある場合には、関係機関と連携して情報収集に当たるとともに、事態が発生した場合には、これを適切に対処してまいりますけれども、今のところ、そういうことはございません。
○浅川委員 ありがとうございます。
続きまして、元々、この問題、日本の政府でコメントされているのは、実は、河野前防衛大臣が記者会見等で積極的に発信をされておりました。その記者会見の中で、実は、グアムで当時のエスパー国防長官と会談したけれども、時間を取って話したけれども、内容についてはつまびらかにするのは差し控えたいと記者会見で述べられているんですが、国会の場で防衛省としてどこまで言えるのか、お答えいただければと思います。
○鬼木副大臣 令和二年八月二十九日の日米防衛相会談では、日米の情報収集、警戒監視、偵察、いわゆるISRの能力を強化していく必要性について議論する中で、未確認航空現象に対する米国の取組等についてもやり取りがあったと承知しております。
しかし、これ以上の会談内容の詳細については、米側との関係もございますので、お答えを差し控えさせていただきます。
○浅川委員 やはり重要な問題が含まれているというふうに、今の答弁から私は認識しました。
最後に、松野官房長官、本当にお忙しいところありがとうございます。
日本の政府には、インテリジェンスを統括するというと、現状ではもしかしたら官房長官なのかなと思うんですけれども、アメリカのような情報機関、専門的なものがないんですが、それを我々維新は創設すべきだということも訴えているんですが、官房長官自身、この動画を見られて、あるいは官房長官のところに入っていらっしゃる情報で、どのように分析、お考えになっていらっしゃいますでしょうか。
○松野国務大臣 浅川先生にお答えをさせていただきます。
米国政府は、一昨年四月、未確認航空現象に関する動画を公表するとともに、昨年六月には未確認航空現象に関わる報告書を公表し、同年十一月には調査のための新組織の設立を発表したものと承知をしております。
また、米国政府は、未確認航空現象は、飛行の安全性への懸念を提起するとともに、安全保障への課題をもたらす可能性がある旨指摘をしていると承知をしております。
現時点で専門の組織の設立等は考えていませんけれども、政府としては、従来から我が国の防衛、警備に影響を及ぼすおそれがある情報を得た場合には適切に対応してきており、空中における識別不能の物体についても、対応に万全を期す所存であります。
○浅川委員 ありがとうございます。
ちなみに、官房長官はたくさんの飛行機が見えるところにお住まいかもしれないですけれども、これは飛行機じゃないな、どう考えても分からないなというような物体を御覧になったことはありますでしょうか。
○松野国務大臣 飛行機と流れ星ぐらいしか見たことはありません。
○浅川委員 どうもありがとうございます。
実は、私は、一回目の二之湯大臣への質問のが取り上げられて、週刊文春が書いていただいたんですが、その中では言っているんですが、ちょうど四十年ぐらい前に、天体望遠鏡のファインダーでのぞいて、明らかに見える、どう考えても飛行機でもヘリコプターでもないものを見ているんですね。夕暮れどきに、黒い物体が分裂して、光が幾つも。私一人じゃなくて、何人もの人間が見ておりました。
アメリカの政府は、過去にそういうデータを集めて分析もしているということを公表しておりますので、そういう現象があること自体はアメリカも認めております。
今まで、こういう、UFOを見たということを言うと差別されたり偏見を持たれたりするという方が、さっきの飛行機のパイロットだけじゃないんですけれども、世間的にそういう方がたくさんいて、今回のこの質問についても、こういうのをやるのという方が私のところにも何人かいました。
でも、これは安全保障とか危機管理とかということを考えると、想定外を想定するのが私は政治家の責務だと思っております。もしもこれで本当に、未確認の飛行物体からの何らかの作用があったときのことを考えて、私は国会でも議論を進めるべきだと思いますし、政府でも対応を考えていただきたいと思っております。
以上です。どうもありがとうございました。
○上野委員長 次に、緒方林太郎君。
○緒方委員 緒方林太郎です。よろしくお願い申し上げます。
私、十分で時間が少ないので、早速質疑に入りたいと思います。
松野長官がワクチン接種推進担当相となって一週間となりました。同担当相として、どれぐらいの時間をワクチン接種推進に割いておられますでしょうか。事前レクで、定量的にお答えいただきたいというふうに要求をさせていただきました。長官。
○松野国務大臣 緒方先生にお答えをさせていただきます。
ワクチン接種推進担当大臣として執務をした時間を切り出してお答えすることは困難でございますが、兼務初日に堀内前大臣から引継ぎを受けた後、ワクチン接種の促進に向けて、毎日、事務方との打合せを行っております。
また、今週は、全国知事会、全国市長会、全国町村会との意見交換を順次実施をしており、自治体における接種の状況や国への要望をお伺いをしたところであります。
六十五歳未満の方への接種も本格化する中、特に若年層がワクチン接種を受けやすい環境を整備していくことが今後重要と考えています。自治体を始め関係者と連携を密にしながら、ワクチン接種の推進に尽力をしてまいりたいと考えております。
○緒方委員 定量的に難しいということでありましたが、長官は、官房長官として内閣の要でやっておられて、そして沖縄の基地負担軽減についても担当大臣をやっておられる。
大体なんですけれども、どれぐらいの重みを長官の仕事の中で占めておられるかということについて、もう少し具体的に答弁いただければと思います。
○松野国務大臣 内閣官房長官職以外に担務を幾つか兼務をさせていただいておりますが、その中においても、もちろんそれぞれ重要な役職でございますけれども、ワクチン接種というのは、国民の命と健康に関わる極めて重要な任務であるというふうに承知をしております。
○緒方委員 それでは、質問を移していきたいと思います。
次は、北朝鮮との関係なんですが、最近、ミサイルを発射して、EEZに落ちて、長官も厳しいコメントを出しておられましたが、私、ちょっと考えてみたんですけれども、北朝鮮から日本の上空を越えてアメリカの方に、グアムとか、ああいうところに向かって撃つとき、過去の答弁では、それが存立危機事態の三要件に当てはまるのであれば、日本はそこで集団的自衛権を行使して迎撃をすることがあり得るという答弁を、かつて小野寺大臣だったと思いますけれども、やっておられました。
そこから考えると、日本のEEZに落ちるときであっても、一定の条件が整えば個別的自衛権の行使があり得るという理解でよろしいでしょうか。
○鬼木副大臣 お答えします。
弾道ミサイルが米国に向けて発射されるというだけでは武力行使の三要件を満たすことにはなりませんが、一般論として申し上げれば、その時点における状況の全体を評価した結果、これが三要件を満たす場合には、あくまでも我が国の存立を全うし、国民を守るための自衛の措置として、当該弾道ミサイルを迎撃することも可能と考えております。
その上で、御指摘の、米国の排他的経済水域に落下する弾道ミサイルについて、武力行使の三要件を満たすか否かは個別具体の状況に即して判断すべきものであり、一概にお答えすることは困難であります。
また、御質問の、我が国の排他的経済水域に落下する弾道ミサイルにつきましても、これが武力行使の三要件を満たすか否かは個別具体の状況に即して判断すべきものであり、一概にお答えすることは困難でございます。
○緒方委員 満たして自衛権の行使に該当することが少なくともあり得る、可能性としてあり得るというふうに理解してよろしいでしょうか。では、鬼木さん。
○鬼木副大臣 武力行使の三要件を満たす場合には、あり得るということでございます。
○緒方委員 それでは、質疑を移させていただきます。
もう一件、北朝鮮の関係についてなんですが、岸田総理も前提条件を置かずに日朝で交渉する用意があるということを言っておられて、最後行き着くところは日朝国交正常化交渉だと思うんですけれども、私、そのときにいつも気になっていることがありまして、一九九〇年、いわゆる金丸訪朝団において、自由民主党を代表して金丸副総裁が署名をした共同宣言には、戦後四十五年間朝鮮人民が受けた損失について、朝鮮民主主義人民共和国に対し、公式的に謝罪を行い、十分に償いを行うべきであるということが書いてあります。
将来の、今すぐじゃないですけれども、将来来るべき日朝国交正常化交渉において、政府としてこの共同宣言の内容を考慮に入れるおつもりでしょうか。
このことについては、事前にレクをしたところ、日朝平壌宣言について国交正常化をするというお話があったんですが、日朝平壌宣言では、一九四五年八月十五日、つまり終戦の日以前の財産、請求権放棄しか書いておらず、戦後の財産、請求権については一切言及がありません。
まさかとは思いますが、考慮する可能性があるかどうか。これは是非、長官、お願いいたします。
○松野国務大臣 お答えをさせていただきます。
まず、先生御指摘の三党共同宣言についてでございますが、一九九〇年九月に、自由民主党、日本社会党及び朝鮮労働党の三党の間で署名されたものであります。これは政党間の文書であり、政府としてこれに拘束されるものではありません。
いずれにせよ、政府としては、日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決をし、不幸な過去を清算をして、国交正常化を目指していく考えであります。
○緒方委員 私も、今、長官の答弁に意を強くいたしました。そうあるべきであると思います。この件、非常に、文書を見ると結構衝撃的なわけですよね。自由民主党を代表してと書いてある署名文書でありますので、しかも副総裁という方が署名をしておられるもので、結構、将来来るべき日朝国交正常化交渉においてこれがどうなのかというのは重要なポイントですが、今の長官の答弁で意を強くいたしました。ありがとうございました。
それでは、最後、もう一問。
これは、私も余りほかの委員会で時間がないので、是非防衛副大臣に質問をさせていただきたいと思うんですが、安全保障において、やはり、防衛の装備を整えることはとても重要だと思うんですけれども、私、自衛隊の方と話をしていて、緒方さん、実は自衛隊、陸海空とありますけれども、共食い整備って聞いたことありますかというふうに聞かれたんです。共食い整備って私は分からなかったので何ですかと聞いたら、修理に入った様々な装備から部品を取り出して、現在動いているものに、船舶である、飛行機である、そういうものに対して移して、それで実際の運用をしているということをお伺いをいたしました。
私、これを聞いて深刻だなと思ったんですよね。実際に自衛隊が持っている装備の数よりも、本当に動くものというのが実はもっと少ないんじゃないか、この共食い整備をやることによって。これは、予算の面、そして運用の面もあると思うので、是非解消をしていただければというふうに思うんですよね。
予算をつけたからといってすぐにこれが解消するわけじゃない、実際には部隊の運用とかもたくさんあるのでそう簡単ではないですけれども、鬼木副大臣から、元気の出る、力のある答弁をお願いしたいと思います。副大臣。
○鬼木副大臣 現大綱、中期防においては、各種事態に即応し、実効的に対処するために、持続性、強靱性の強化を図り、取得した装備品に係る高い可動率の確保のため、装備品の維持整備に必要十分な経費を確保するなど、各種施策を推進することとされております。
このため、装備品の部品取得や修理役務といった維持整備に必要な経費について、前中期防における平均額と比べて現中期防の平均額は約二六%増額することとしております。これにより、議員御指摘の共食い整備も局限していきたいと考えております。
今後とも、あらゆる事態に即応し、実効的に対応していくため、必要な維持整備費の確保、装備品の可動確保のための施策をしっかりと推進してまいります。
○緒方委員 終えさせていただきたいと思いますが、これは結構重要なテーマでありますので、与党の皆様方も、党内の議論も含めて、是非意を用いていただければというふうに思います。
それでは、終えさせていただきます。ありがとうございました。
○上野委員長 次に、浅野哲君。
○浅野委員 国民民主党の浅野哲でございます。よろしくお願いいたします。
今日は私も十分しか時間がございませんので、早速質問に入らせていただきたいと思います。
まず、本日は、子供のワクチン接種について質問をさせていただきたいと思います。
今年の三月から、五歳から十一歳を対象とする小児接種がスタートいたしました。十一歳以下と十二歳以上ではワクチンの種類や接種の量が異なり、また受付の窓口も異なっている場合があると聞いております。十一歳以下の接種は、専用窓口や医療機関の指定、そして集団接種対応などを実施する自治体が多くなっておりますが、十二歳以上の接種については、それ以上の年齢層の方々と同一の窓口、また医療機関に各自で問い合わせ、接種をするケースが多いというふうに聞いております。
つまり、今十二歳の子供たちは、誕生日によってどちらの制度で接種をするかというのが異なっていまして、しっかり接種が進んでいるのかどうか、ちょっと懸念をしております。
まず、厚労省に確認をさせていただきたいと思いますけれども、十二歳の子供たちの接種機会、しっかり確保されていますでしょうか。悪影響はありませんでしょうか。
○大坪政府参考人 お答え申し上げます。
今お尋ねありました五歳から十一歳の新型コロナワクチンの接種、本年二月の末に開始したところでございまして、お誕生日を迎えて新たに十二歳になられた方を含めて、一回目、二回目の接種をまだ受けていない方に対しましても、接種の機会を引き続き確実に用意していただきますよう、自治体の説明会や手引などでお願いをしてきたところでございます。
これは累次にわたってお願いをしているところでございまして、引き続き、自治体と緊密に連携してまいりたいと考えております。
○浅野委員 自治体に対しては、そういった国からの連絡が行き、各自治体のホームページを見ますと、この小児接種に対する注意喚起あるいは情報提供がされていることは確認をしておりますが、それがしっかりと成果に結びついているかというところを確認させていただきたいと思います。
現在十二歳の子供の接種率をほかの年齢の子供たちと比べたときに有意な差があるのかないのか、ファクトベースで御回答いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○内山政府参考人 お答えいたします。
接種実績に基づきます接種率は、十歳刻みの年齢階級ごとを基本に集計、把握をしているところでございまして、御指摘の十二歳を含む十二歳から十九歳の接種率は、四月四日時点で、一回目が約七七%、二回目が約七六%でございます。
御指摘の十二歳、いわゆる一学年の接種率につきましては、一歳刻みで集計するためにはシステム改修等も必要でございまして、十二歳、一学年に限定した接種率につきましては、現時点では把握していないところでございます。
○浅野委員 私も事前のレクでそのことを知ったんですけれども、やはり、そういう集計の仕方というのは問題があるのではないかなというふうに思うんですね。
今、内閣官房、内閣府でも、コロナの各種施策の効果をどう評価するかという議論をしているんだと思いますけれども、年齢ごとの、しっかりそういった実態を把握する手段がない中で、じゃ、学校、子供たちといっても、大学生、高校生、中学生とたくさん場所がありますし、それぞれでどのような傾向になっているかというのをしっかりと把握する上で、やはりこういった情報は大事だと思いますので、システム改修が必要ならシステム改修をすればいいと思いますので、是非、政府にはそれを求めていきたいというふうに思います。
時間の関係から次の質問に移らせていただきますが、今度は、マイナンバーについて大臣にお伺いをしたいと思います。
三月の二十八日から、マイナポータルからの公金受取口座の登録申請などが開始をされております。令和四年度中には、各種給付金の手続時に口座情報の照会や入力が不要となるという予定だと聞いておりまして、これは期待をしております。
政府は、以前、デジタル・ガバメント実行計画というものの中で、主要ライフイベントである引っ越し、介護、死亡、相続、こういった分野でまずワンストップサービスを先行して始めるというような方針を出しておりました。ただ、現状、それが進んでいるようには私からは見えません。
今回、マイナポータル上の情報をほかの行政機関の情報システムと連携をさせるようなことも考えていらっしゃるということなんですけれども、それがしっかり行われているのか、今の状況。あるいは、これはちょっと通告できていないんですけれども、先ほど言った、以前定めた引っ越しや介護、死亡、相続について、いつ頃からの開始を目指しているのか。これは大臣じゃなくて参考人の方でも構いませんが、是非御答弁いただければと思います。
○牧島国務大臣 まず、引っ越しや介護、死亡、相続などライフステージにおいて大変手続が多くて、役所に行って大変な思いをしている方たちの声というのを私たちとしても伺ってまいりました。
自治体によっては、書かない窓口ですとか、住民の皆様のこうした御負担を減らすための工夫をされている自治体も出てきていますし、デジタル田園都市国家構想実現会議の中でも、そうした取組を進める自治体も増えてきているというふうには理解しております。
公金受取口座については、御紹介いただいたとおり、先月二十八日から、マイナポータルからの口座の登録が可能になりました。今年度中に円滑に利用開始できるように、各行政機関等で登録された公金受取口座への給付を行うこと、システムの整備の準備を進めているところでございます。この口座情報の利用が開始すれば、法令に基づいて、デジタル庁から各給付事務を所管するほかの行政機関に公金受取口座情報を提供することが可能となってまいります。
各給付事務において公金受取口座を受取口座とする場合は、例えば、公金受取口座の変更をしたらば、手続の簡素化が実現できるといったようなところも可能になってまいりますし、さらに、これらの実現に当たって、各給付金事務を所管する各行政機関のシステム改修、手続の改正が必要になってくるんですけれども、デジタル庁としては、公金受取口座情報が利用されて国民の利便性の向上が図られるように、各行政機関に働きかけていくということを私どもの務めとして今行っているところでございます。
○浅野委員 ありがとうございました。
ちょっと質疑とは関係ないんですけれども、今日、大臣、タブレットで答弁をされておりますが、いつからそれはされているんでしょうか。
○牧島国務大臣 参議院の方でもタブレット、パソコンでの委員会の答弁が今週から可能になってまいりまして、そうしたものに倣いまして、先に参議院の方がさせていただいたんですけれども、大変私どもとしては使い勝手がよいなというふうな実感がございましたので、お許しをいただいて、衆議院の方でもタブレットでの答弁をさせていただいているところでございます。
○浅野委員 質問通告にない質問で失礼いたしましたが、私も以前からこのタブレットを使って質問させていただいていますので、ペーパーレス化の議論、現在衆議院の中でも前進が図られておりますけれども、こういったIT機器の活用についても、大臣、是非推進していただきたいと思います。
最後の質問に移りたいと思いますが、マイナポータルのユーザビリティーについてちょっと質問をさせていただきたいと思います。
今、マイナポイントの付与事業第二弾の申込みが行われておりまして、健康保険証としての利用申請あるいは公金受取口座の登録をすると、それぞれ七千五百円相当のポイントが付与される、こういった事業なんですが、やはり、こういう経済的インセンティブで登録者を増やすというのは、それは一つの手法としていいと思うんですけれども、登録した後、使われなければ意味がないとも思います。
私が、このマイナポータル、自分も登録して使ってみたところ、やはり幾つか不便な点があるんですね。例えば、ログインするときに毎回カードを当てて承認をしなければいけないということであったり、あるいは、パスワードをもし忘れてしまったりしてリセットをかけるときに、一々自治体の窓口に行かなければいけないとか専用アプリを使わなければいけないとか、かなり不便なところが多くて、そこまで考えたときに、やはりいわゆるデジタルデバイドの問題なんかも表面化してくるんじゃないかなというふうに思います。
登録者を増やすのはいいんだけれども、使い続けていただくためのユーザビリティーの改善というものを大臣が今どのように御認識されているのか、最後に伺いたいと思います。
○牧島国務大臣 ユーザビリティーの改善というのは、随時行わなければならない、そして意識をしておかなければならない大事な御指摘だと思っています。
公金受取口座の登録、私自身させていただいたとき、約二分ぐらいでできたなというふうに思っていますが、UI、UX、常に改善していくこと、そして、今後はスマートフォンの搭載という目標もございますので、そうしたものを視野に入れながら常に努力をしていきたいと存じます。
○浅野委員 是非、ほかの大臣にもタブレット端末を使っての答弁が広がることを期待申し上げて、質問を終わります。
ありがとうございました。
○上野委員長 次に、塩川鉄也君。
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
今日は最初に、保育士、学童保育指導員の賃上げ政策の進捗状況についてお尋ねをいたします。
月額三%、九千円の賃上げを図るという保育士・幼稚園教諭等処遇改善臨時特例事業の申請状況ですけれども、申請しなかった自治体数、申請した自治体数、申請した自治体数のうち公立施設を対象に含めて申請した自治体数がそれぞれ幾つかをお答えください。
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
今般の保育士等の処遇改善に係る補助金でございますけれども、三月四日までに保育所、幼稚園等について申請があった市町村数、千四百五市町村となってございます。全市町村の数が千七百四十一でございますので、その時点で申請がなかった市町村数は三百三十六となっております。また、公立保育所について申請があった市町村数は四百七十四市町村となっております。
○塩川委員 全市町村のうち申請自治体は約八割です。二割近くが申請をしておりません。公立施設の申請は全自治体の三割に届かない。七割以上の自治体が申請していないということであります。
続けて、放課後児童支援員処遇改善臨時特例事業の申請状況についても、同様に、申請しなかった自治体数、申請した自治体数、うち公立施設を対象に含めて申請した自治体数が幾つかを教えてください。
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
放課後児童支援員等の処遇改善に係る補助金につきましては、同じく三月四日までに放課後児童クラブについて申請がありました市町村数で申し上げますと、千九十九市町村となっております。全市町村の数は千七百四十一でございますので、申請がなかった市町村数は六百四十二となっております。また、公立の放課後児童クラブについて申請があった市町村数は三百三十八市町村となっております。
○塩川委員 申請自治体数が全体の六割。四割近くが申請をしておりません。公立施設の申請は全自治体の二割に届かないということで、八割以上の自治体が申請していないということです。
保育士や放課後児童支援員、それぞれ、都道府県別の特徴がどうなっているとかは分かりますか。
○藤原政府参考人 先ほどお答え申し上げました申請状況に係る市町村数でございますけれども、その時点までの令和三年度分の申請があった市町村数をお答え申し上げたわけです。
この交付金の申請につきましては、市町村から国に対する申請につきましては、令和四年度に三年度分も含めて交付申請を行うことも可能としており、今後、追加で申請をする市町村もあるというふうに見込んでおります。
このため、現時点で都道府県ごとの市町村数ですとか特徴について申し上げることは難しいかなというふうに考えております。
○塩川委員 現時点での都道府県別の実施自治体、都道府県別でいいですから、実施自治体の一覧表というのは、後でいいんですけれども、出していただけますか。
○藤原政府参考人 都道府県ごとの市町村数をというふうなお尋ねでございました。
以前から御説明申し上げておりますように、この交付金の取扱いについて、例えば概算による申請も可能であるということ、それから四年度に三年度分も含めて交付申請を行うことも可能というふうな柔軟な取扱いをしております。
こうした柔軟な取扱いをしているがゆえに市町村の状況は様々ございまして、概算による交付申請を行っている市町村もあれば、一定の時期までに各保育園等から補助金の申請があったものについてまず国に交付申請をし、残り分はまた改めてというふうな市町村もあれば、四年度に追加で国に申請しようというふうな市町村、様々あるように承知をしております。
こういうふうな状況でございますので、三月四日の時点での申請状況について都道府県別の市町村数をお示しするということは差し控えたいと思っておりますが、まずは、四年度に三年度分も申請をするということができることになっておりますので、そちらの方の手続について、しっかり周知なり行っていきたいというふうに考えております。
○塩川委員 現時点の数字の確認をしたいので、その数字だけでも出してもらえないですかね。
○藤原政府参考人 今後、令和四年度の交付申請の受付を開始することとしておりまして、その申請が出そろうと考えられるのが五月末ぐらいかなというふうに考えております。四年度の交付の要綱を発出をし、その上で申請期限を設定をして、最終的な申請数の数が判明をするのが五月末頃までかなというふうに思っておりますので、おおむねそういった時期を想定をして、最終的な状況については何らかでお示しできるように考えていきたいというふうに思っております。
○塩川委員 現時点でもそういう数字を出してほしいというのは、重ねて要望をしておきます。
それと、今後増えるという話もありましたけれども、今後増えるような事例というのは、どういう条件のところで増えるということになるんですか。
○藤原政府参考人 先ほどの御答弁の若干繰り返しになって恐縮ですが、今回のこの申請、市町村から内閣府に対する交付金の申請につきましては、概算の申請もオーケーですよというふうな取扱いですとか、それから、三年度と四年度に分けて申請をする、そのことも可能ですというやり方、それから、三年度は見送り、四年度にまとめて交付申請を行うというふうな市町村、様々お考えがあるやに聞いております。
そういう意味では、四年度にまとめて申請をしようという市町村も残っているというふうに承知をしておりますので、そういった状況も踏まえて、全体としてどうなるかということをしっかり見ていきたいと思っております。
○塩川委員 実際、令和四年度も可能だという話ですけれども、その場合でも、私立施設でいえば、二月分からの賃金改善を年度内に実施をしている必要がある。それから、公立施設の場合には、二月からの賃金改善を行う条例案等を年度内、令和三年度内に議会に提出していることが要件なんですよね。
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、四年度にまとめて交付をするという柔軟な取扱いを認めておりますけれども、その前提としては、今般の経済対策、三年度の二月、三月分の改善を行っていただく、あるいは公立においては、時間がかかりますので、条例等を出していただくというふうなことを要件としているということは事実でございます。
○塩川委員 ですから、公立の場合でも条例案が昨年度内に措置されているという条件なんですよ。だから、今後増えるという見込みはないじゃないですか。そうですよね。
○藤原政府参考人 網羅的に私どもはその市町村を把握をしているわけではございませんけれども、三年度までに条例等を出されている中で、四年度において申請を考えるというふうなところもいらっしゃるとは聞いております。
ただ、最終的にどういうふうな状況になるのかということがまだ把握はできておりませんので、四年度の申請の状況をしっかり踏まえる、また、四年度の申請について、できるということをしっかり周知をしていきたいというふうに考えております。
○塩川委員 民間の場合は、二月から賃上げをやっているということが前提ですから、そういうところは申請の対象になるわけですよ。公立の場合でいえば、昨年度内に条例等の手当てをするということですから、そういうところも当然申請ということがはっきり見えているわけで、今後増える見込みというのはない、実質はもうここで区切りという状況です。
大臣にお尋ねします。
政府は、経済対策として、こういった保育士などケア労働者の賃上げのための措置を行いました。こういったケア労働者の賃上げの施策が、率直に言って保育士や学童保育支援員というのが、実施状況というのが非常に限定的、公立の場合には本当に少ないといった、こういう取組の現状についてはどのように評価をしておられますか。
○山際国務大臣 これは、今、参考人の方からお話をさせていただいたとおりだというふうに認識しておりますが、まだ四年度に入って受付をしているというところでございますので、現段階で最終的な評価をするというのは少し早い、このように我々としては受け止めております。
○塩川委員 今言ったように、でも、自治体の場合では条例の手当ての話も当然出てくるわけで、それは今後増えるといっても本当に例外的な事例の話だと思うんですよ。そういうときに、答弁にもあったように、保育士の場合で公立での申請は三割に届かない、学童保育でいえば二割に届かない。公立の場合については余りにも少ないと思いませんか。
○山際国務大臣 これは、先生御理解いただいた上で御質問いただいていると思うんですが、やはり公立の場合は、身分が公務員ということになりますので、他の公務員、他の職種の公務員とのバランスというものも考えた上でこういう判断がされているという可能性は十分あると思います。
だからこそ、一義的には各自治体の御判断にお任せをして申請をしていただきたいということをこれまでもやってまいりましたし、また、この制度の説明というものの努力はこれまで累次にわたって当局の方からしてきた上でこういう形になっているというふうに理解しております。
○塩川委員 そういう点でも、自治体の取組、それぞれに事情があるんだろうけれども、そういった事情も酌んで、更なる手だて、工夫をするということが必要じゃないか。賃上げを図るという点では、我々は当然それを求めているところですし、そういった点で何が課題かという話を自治体に対してヒアリングをする、そういったことは是非やってもらいたいと思うんですが、そこはどうでしょうか。
○山際国務大臣 実際には、今御答弁申し上げましたように、各自治体とのコミュニケーションというのはこれまでも図ってきたわけですね。その上で、今こういう状況になっている。
ただし、岸田内閣として目指しているものは、やはり、公的部門にお勤めの皆様方の賃金を上げていくということをまず呼び水にして、日本の社会全体の賃上げを目指していこうということでございますから、当然、その効果というものに関して、どの程度あるかという検証は日々やっていかなきゃいけないと思っておりますし、その文脈から見たときに、必要なものがあるならば当然それはやっていかなきゃいけないと思ってございます。
今この段階では、ヒアリングのようなものをする段階ではないと私たちは判断しておりますけれども、効果等々に関しては見ていきたいと思います。
○塩川委員 是非、現状で聞いてもらった方が今後の課題に生かせると思います。その点を求めるとともに、やはり、財政上の措置についての懸念というのはあるわけで、十月以降の地方交付税措置の話がありますけれども、来年度はどうなるのか、そういう不安だってあるわけです。賃上げに必要な財源について、交付税措置を維持していくとか、そういった国の責任でしっかり対応する、こういうことこそ必要じゃないかと思うんですが、財政措置についてはどうでしょうか。
○山際国務大臣 十月以降に関しましては、これも議員御案内のとおりでございますけれども、全世代型社会保障制度をどう考えていくかという文脈の中で、その問題意識というものはもう専門家の皆様方から提示されておりまして、やはり公的部門に働いていらっしゃる方々、特に介護士さんであるとか保育士さんであるとか、今の放課後児童クラブで働いていらっしゃる方も含めてですけれども、こういう方々が、全体の平均の賃金から比べたときにまだ賃金が低い状況にあるということ、これはもう問題として提起されておりますから、それを、二〇二〇年代という言葉が使われておりましたけれども、二〇二〇年代というのも、既に二〇二二年ですので、あと七、八年の間に集中的にその差を埋めていくということはやっていかなくてはいけないということは、もうこれは専門家の皆様方から御指摘されていることですから、それを踏まえて、十月以降の制度というものはしっかりと考えて、改正していくということになると思います。
○塩川委員 自治体に対する国の財政措置など改善も行って、対応が前に進むように、国のイニシアを取っていただきたいと思います。
山際大臣、ありがとうございました。
○上野委員長 山際大臣におかれましては、御退席をお願いいたします。
○塩川委員 残りの時間で、デジタル庁の組織体制についてお尋ねします。
数字の確認ですけれども、四月一日現在のデジタル庁の職員総数、また、うち民間の出身者数、そのうち常勤と非常勤の人数がどうなっているのか。まず、それをお答えいただけますか。
○山本政府参考人 お答えいたします。
令和四年四月一日現在におきましてのデジタル庁の職員の数は約七百名となってございます。そのうち民間出身者の数は約二百五十人となっておりまして、うち常勤職員が二十七名、その他は非常勤職員となってございます。
以上でございます。
○塩川委員 民間出身者の人数について、常勤、非常勤の別で、グループごとの数字というのは分かりますか。
○山本政府参考人 お答えいたします。
恐れ入ります。グループごとの数字でございましょうか。
グループごとの非常勤職員の数につきましては、四月一日現在での精査は、ちょっと今お答えをできるほどに精査できておりませんので、今担務の関係もございますので、御理解いただければ大変幸いでございます。
○塩川委員 是非、後で結構ですので、その数字をお願いします。
それから、民間出身者の常勤職員が二十七名というお話がありました。昨年九月のデジタル庁発足時には一人、今年の一月一日時点では十人と承知をしております。
この二十七人の選考採用方法ごとの内訳が分かるでしょうか。
○山本政府参考人 お答えいたします。
令和四年四月一日現在におきます民間出身者の職員、常勤職員二十七名でございまして、採用形態は、デジタル監、内閣により任命されておりますけれども、これが一名、選考採用、任期付職員として採用している者が六名、あと官民交流によりまして受け入れておりますのが二十名、以上でございます。
○塩川委員 デジタル監を除いた任期付が六人、官民人事交流が二十人ということですけれども、こういった選考採用方法を取った理由というのは何でしょうか。
○山本政府参考人 お答えいたします。
個別の採用についてはお答えを差し控えさせていただきたいと存じますけれども、基本的な考え方として、必要な職種、また人物を見て、また、官民交流であれば派遣元の御意向とも調整をしながら、適切な採用形態を取っておるものでございます。
○塩川委員 官民人事交流法に基づく官民人事交流ですけれども、デジタル庁の状況を報告が出ていますから見てみますと、例えば、自動運転のロードマップの作業である官民ITS構想・ロードマップ関連業務の仕事に自動車メーカー出身の方が就いている例などがあります。そうなりますと、こういうロードマップにおいて、自動車業界サイドのルール作りにならないだろうかといった懸念も浮かぶんですが、こういった点については、大臣はどのようにお考えですか。
○牧島国務大臣 委員御案内のとおり、デジタル庁では、全ての職員を対象に、入庁に際し、コンプライアンス基本方針に沿って行動すること、職務上知ることのできた秘密を漏えいしないこと、利益相反行為は行わないことなどについて定めた誓約書の提出を求めております。
こうしたしっかりとしたコンプライアンスに基づいて、日々、それぞれ、デジタル庁の職員が業務に当たらせていただいているというふうに理解をしております。
○塩川委員 ただ、官民人事交流で見ても、交流元企業の業務に従事することや、交流元企業に対する許認可等の業務を行う官職に就くことは禁止をされているわけです。
当該企業や業界団体の関わるルール作りなど企画立案の官職に就く規制はないわけで、やはり企画立案、ルール作りというところが一番の肝ですから、そこに関係業界、事業者の方が関わるというのは、ルール作りにおいて、特定の事業者、業界に有利な作業にならないのかといった懸念というのはあると思うんですが、その点についてはどうですか。
○上野委員長 牧島デジタル大臣、時間が過ぎておりますので、簡潔にお願いします。
○牧島国務大臣 はい。
私どもは、有識者から構成される会議などの議事録の公表もオープンにしておりますし、こうした一つ一つの企画立案、組織としての必要性、有効性、公平性等を勘案して意思決定していくものでございます。
職員個人の判断や考え方がそのまま制度化する仕組みにはなっていないというふうに理解しております。
○塩川委員 企画立案に関わる部門にそういった関係事業者があるというのは、ルールの妥当性そのものも疑わせるものとなる。こういった点での懸念を除くということが必要だということを申し上げて、終わります。
○上野委員長 この際、暫時休憩いたします。
午前十一時二十一分休憩
――――◇―――――
午後零時二分開議
○上野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。大串博志君。
○大串(博)委員 立憲民主党の大串博志です。よろしくお願いします。
早速質疑に入らせていただきますけれども、ウクライナの凄惨な状況が日々明らかになってきています。ロシアが撤退するにつれて、無辜の命、多くの民間人の方々が路上で放置されて亡くなっていらっしゃる。本当に、見ているだけでも心が痛むという言葉では言い尽くせないぐらいの悲しみを覚える、そういう状況であります。断じてロシアのこの行為は許されることではない。国際社会と一致結束して、ロシアの侵略を一刻も早く止め、国際社会に平和をもたらし、ウクライナの皆様に対して国際社会として連帯してお守りしていく、そのことに向けて、政府の皆さんとともに私たちも国会で頑張っていきたいと思います。
その関連で、今日は幾つか質疑させていただきたいと思います。
まずは、経済対策についてですね。これもウクライナに関わることと私は考えていまして、三月の初めでしたか、この内閣委員会で、官房長官と山際大臣においでいただいたときに、私、質疑しました。ちょうど、衆議院の予算委員会の質疑が終わった後、ウクライナへの侵攻が始まったあたりのところで、経済制裁も始まっていました。
そこで私が申し上げたのは、ウクライナ問題に関して国際的に協調して経済制裁をしていく中で、国民の皆さんにもやはり副作用というものがある、これに対して、国民の皆さんにしっかり経済制裁にも理解をしていただくためにも、逆に言うと、こちら側が国民の皆さんに対してしっかりした経済対策、物価対策等々を取った上で国民の皆さんに理解をしていただくというのは非常に大切だと。そういう意味で、パッケージとして物価高騰対策を打たなければならないということを、当時、三月の頭、申し上げました。
物価高騰は、もうこの秋以降かなり見えてきたことであります。その上にロシアの侵攻があって、歴史上ないような事態になっているわけですね。そういう中ですから、パッケージとして打ち出さなければならないということを申し上げた。それに対して岸田総理は、三月二十九日に原油価格、物価高騰等への対応ということで経済対策の指示を出されました。これに関してなんですね。
私たちは、この件に関しては、国民の皆さんへの生活を支えるという意味において、補正予算をきちんと作ってしっかりとした対策をすべきだ、こういう立場であります。
これに関して、まず基本的なところを松野官房長官にお尋ねしますけれども、この財源に関して、この対策の指示の中で「まずは、一般予備費・コロナ予備費を活用した迅速な対応を優先してまいります」というふうに書かれておって、補正予算のことは一言も書かれていません。
まずお尋ねしますけれども、この対策はコロナ禍におけるウクライナ情勢に伴う原油価格、物価高騰等への対応なので、コロナ予備費を使うのはどうなのかと私たちは思っています。物価高騰対策にコロナ予備費を使うということはしないということで、松野官房長官、よろしゅうございますね。
○松野国務大臣 大串先生にお答えをさせていただきます。
三月二十九日に総理より、ウクライナ情勢に伴う原油価格や物価の高騰による国民生活や経済活動への影響に緊急かつ機動的に対応し、コロナ禍からの経済社会活動の回復を確かなものとするため、四月末を目途に原油価格・物価高騰等総合緊急対策を策定するよう指示がありました。
その際、直面する危機に緊急かつ機動的に対応すべく、新たな財源措置を伴うものについては、まずは、一般予備費、コロナ予備費を活用した迅速な対応を優先することとしており、政府としてはこの方針に沿って検討を進めていく考えであります。
なお、この総合緊急対策の具体的内容については、現在関係省庁において検討しているところであり、確たることを申し上げる段階にはありませんが、コロナ予備費の使用については、一般論として申し上げれば、各省庁からコロナ予備費の趣旨に該当し使用したいという要求があれば、その要求の個別具体の内容に基づいて使用の可否を判断することになると考えています。
○大串(博)委員 その点から今日は詰めていきたいと思いますけれども、これまで、コロナ予備費、最初はコロナ予備費は十兆円だったんですよね。最近は五兆円ですけれども、いろいろ使われてきています。その都度、異例ではありますけれども、予算委員会の理事懇に報告をしてもらう、そういう特例なやり方をしてきているコロナ予備費なんですね。
これまでの予備費の使用実績を見てみると、基本的には、基本的にはじゃありません、全部コロナです。医療用マスク・ガウン、薬、ワクチン、検査体制、雇用調整助成金、それから新型コロナウイルス感染症対応休業給付金等々、全部コロナです。それ以外のものは一つも見当たりません。そうやってやってきているのが、ある意味当然ですけれども、これまでの姿なんですね。
よって、私たちは、補正予算が必要だ、しっかり財源を確保するためには補正予算が必要だと考えているわけですけれども、これに関して、今週水曜日、公明党の山口代表が岸田総理と話された後ですかね、マスコミに向かってこう話されていらっしゃいました。補正予算を否定しているわけではない、まず予備費で対応することを優先するという話だった、そうお聞きしていらっしゃったということですね、そういうふうに言われていました。この理解でよろしいですか。すなわち、補正予算を否定しているわけではない、まず予備費で対応することを優先する、この考えでよろしいですか。
○松野国務大臣 お答えをさせていただきます。
御指摘の総理と山口代表のやり取りについて、私自身が直接聞いているわけではございませんので詳細についてのコメントは差し控えさせていただきたいと思いますが、政府の方針は、三月二十九日の閣僚懇談会における総理の指示のとおりでございます。総理はそれに沿って発言されているものと考えています。
具体的には、繰り返しになりますけれども、ウクライナ情勢に伴う原油価格や物価の高騰による国民生活や経済活動への影響に緊急かつ機動的に対応するため、まずは、一般予備費、コロナ予備費を活用した迅速な対応を優先していく旨指示があったところであり、政府としてはこの方針に沿って検討を進めているところであります。
なお、お尋ねの補正予算につきましては、現在政府において検討はしておらず、仮定の御質問へのお答えは差し控えさせていただきたいと思います。
○大串(博)委員 いや、何も仮定しているわけじゃございません。私は事実確認をしているだけです。
山口代表は、岸田総理とやり取りした後、山口代表の理解として外に向かって言われていることとして、補正予算を否定しているわけではないというふうに受け取ったというふうに言われているわけです。補正予算を否定しているわけではないという政府のスタンスでよろしいですかということをお尋ねしているんです。いかがでしょうか。
このことは、対策の内容とかじゃなくて、対策の財源に関することであり、政府全体の非常に大きなことなので、是非、官房長官、お願いします。
委員長、官房長官にしか答えられない筋の話ですよ。財務省の政務官で答えられますか、委員長。
○上野委員長 まず、藤原財務大臣政務官、お願いします。その後で、松野官房長官、お願いします。
○藤原大臣政務官 お答えいたします。
お尋ねの補正予算については、現在政府において検討はしておらずということであります。
○松野国務大臣 お答えをさせていただきます。
先ほど申し上げたことでございますけれども、政府といたしましては、まずは、一般予備費、コロナ予備費を活用した迅速な対応を優先していく旨総理から指示をいただいたということでございます。
○大串(博)委員 政府としては補正予算を検討していない、山口代表の理解とはかなり違うような言いぶりだと受け止めました。私たちは遺憾に思います、それを。
というのは、補正予算の第一の柱、原油価格が非常に高い状態にあると、資料にあります、皆さん。第一の柱は、原油価格が今非常に高い状況にあって、これに対して何がしかの対応をしなきゃならないということが書かれている。
この第一の柱、これに沿う政策として、今政府の方で三月以降は二十五円幅で元売の石油会社に対して補助金を入れて、二十五円幅でガソリン価格を下げるという取組をされていますね。その予算が三月頭、予備費で措置されましたけれども、三千五百億円ですね。この三千五百億円、三月から二十五円幅でガソリンを下げるというふうに予備費措置をした。
これは、私、三月だけで使い切るのかなと思ったら、四月までこの措置は延長されていますけれども、四月末まで使うということをまた総理も言われています。
では、三月初めからこの三千五百億円を使い始めて、今のところの使用状況、三月でどのくらい使ったのか、四月でどのくらい使うのか、状況を教えてください。
○定光政府参考人 お答え申し上げます。
御質問いただきました激変緩和対策事業でございますけれども、三月の初旬に支給上限を五円から二十五円に拡充をした上で、当初三月末までの緊急避難措置として導入しておりましたが、これを四月末まで延長しているところでございます。御指摘のとおり、この時点で、予算措置として一般会計予備費から三千五百億円措置をいただいたところです。
三月末までの執行の実績に関しましては、この事業は事後精算でありますため、正確な数字は把握しておりませんけれども、三月に支給いたしました支給単価の平均が上限二十五円の半分程度でありますことなどから、これまでの予算規模の半額程度を執行しているというふうに推計してございます。
○大串(博)委員 いま一つ、定光さん、お尋ねしますけれども、五月以降、原油価格が大きく下がるという見通し、ありますか。私はなかなかないと思うんですよ。というのは、今回IEAが大きく備蓄分を放出するということをやりました。これは効果あったかもしれない。しかし、一時的でしょうね。何せ、世界の原油の、石油の一〇%以上を産出しているロシアに対して、これだけ経済制裁をかけ続けているわけですから。五月以降、ロシアへの経済制裁が解かれるとも思えない。
そういった中でいうと、五月以降に原油の価格が大きく下がるというのはなかなか考えづらいと思うんですけれども、五月以降、原油の価格、どう見ていますか。
○定光政府参考人 お答え申し上げます。
原油価格は、世界経済や原油の需給動向、そして、最近ですとウクライナ情勢、それから、中東を始め産油国をめぐる国際情勢など、様々な要因を踏まえて市場で決まってまいります。
今後の、五月以降の原油価格の見通しについては、現時点で確たるコメントをすることは、マーケットの状況によりますので、差し控えさせていただきたいというふうに考えてございます。
○大串(博)委員 まあ、そう言われるでしょうね、事務的には。
しかし、皆さん、どう思われても五月以降に劇的に下がるということはあり得ないですよね。経済制裁を緩めるなら、あるいは解くならまだしも。
という中で、先ほど言われましたように、三月から二十五円幅でガソリン価格を下げるという補助金、三月だけで三千五百億円の半分ぐらい、つまり千七百五十億ですか、使うような見込み。四月で残りの千七百五十億を使う。つまり、二千億弱を一か月で使う、そういう補助金なんですよ。
五月、六月、七月、補正予算がなかったとして、補正予算の審議、参議院選後だというような言われ方もされていますけれども、参議院選後だとすると、参議院の任期満了は七月二十五日ですから、それから国会を召集して八月に国会が始まって、本会議物等をやって、それから予算委員会を始めて、成立するのは八月の半ばじゃないですか、どんなに早くても。
五月、六月、七月、八月ですか、四か月間。一か月間千七百五十億円使う予算、これ全部、一般予備費で賄えないじゃないですか。一般予備費、今五千億円ですよね。二、三か月したら一般予備費ですら枯渇しちゃうじゃないですか。どうするんですか。
これはまさに補正予算を組まなきゃならない理由だと思いますけれども、官房長官、いかがでしょうか。
○藤原大臣政務官 お答えいたします。
現在、関係省庁において、原油価格・物価高騰等総合緊急対策に盛り込まれる具体的な施策を検討しているところであります。
したがいまして、現時点で、その財源も含めてお答えすることは困難な状況であります。
○大串(博)委員 簡単な算術ですよ、私が今言ったのは。これだけを見ても、山口代表が言われているように、もし万が一のことがあった場合には政治の責任になるよと言われたあの言葉、私は非常に重いと思うんですよ。政治の責任ですよ。途中で予算がなくなっちゃって、ガソリン補助金、続けられない。しかも、それは選挙をやっているからできない。そんなこと、ありますかね。
第二の柱に行ってみましょうかね。
第二の柱は、小麦を含む穀物や水産物等の価格上昇、エネルギー、原材料、食料の安定供給に支障が生じることがないよう、配合飼料価格の上昇、畜産経営に影響を及ぼすことがないように、こういうことです。
確かに今、いろいろな資源のみならず、食料も含めて非常に厳しい状況にあります。特にここ、あえて畜産のことを特出しされて書かれています、個別のこととして。
畜産経営、非常に大変です。何せ、配合飼料、これは輸入に頼っていますから、大変な値上がりをしているんですね。
これに関して、全国、私の地元もそうですけれども、私の地元も佐賀牛という非常にいいブランドの牛をつくっているんです。畜産農家さん、頑張っていらっしゃいます。苦しいの一言ですよ。そういう声が上がってきている。これがあとどれだけ続くんだ、こういう声なんですね。
武部副大臣にお尋ねしますけれども、これまでどういう取組をされています。
○武部副大臣 配合飼料価格ですけれども、畜産農家に大変大きな影響を与えておりますが、原料のトウモロコシ等が、一月時点で、昨年同期比で、一トン当たり約一万二千円高くなっています。
この価格上昇に対しましては、配合飼料価格安定制度がございまして、これによって補填する仕組みがございます。現在、四期連続で補填が発動しておりまして、直近でございますと、令和三年度第三・四半期は、生産者に対しまして配合飼料一トン当たり八千五百円が交付されて、経営への影響を緩和しているところです。
○大串(博)委員 武部さん、もう一つお尋ねさせていただきますけれども、今のところ連続で発動されているわけですね。直近で発動されたのが去年の第三・四半期、去年の十月から十二月ですね。そして、今年の一月から三月もどうなるか、もうすぐ発動のことを考えていかなきゃならないですね。価格は上がった状況なので、恐らく今年の一月から三月も発動されるでしょう、そんな見通しだと思います。
これは、予算的にはどのくらいのオーダーなんですか、どのくらいの規模なんですか。
○武部副大臣 価格安定対策につきましては、二段階になっていまして、まず、生産者と飼料メーカーが積み立てる通常補填基金と、飼料メーカーと国が積み立てて、異常な高騰時に発動します異常補填基金の二階建ての制度なんですが、令和三年度第一・四半期に八年ぶりに発動しましたが、第二・四半期の支払い後に使い切った状況となりましたので、令和三年度補正予算において二百三十億円の積み増しをしております。
細かく申し上げますと、基金残高につきましては、異常補填が百四十二億円、通常補填につきましては百五十一億円の、合計しますと約二百九十二億円がございまして、当面の支払いについては対応可能となっております。
○大串(博)委員 第三次補正予算で、二百三十億足りなくなったので予算措置しましたと。今、それも使って去年の十月―十二月期までの支払いをしたわけですね。その後、今基金の中に残っている額が二百九十二億円。
だから、補正予算で二百三十億の積み増しをした、なおかつ、ちょっと今言われなかったですけれども、第三・四半期の十月から十二月の補填の額の総額は二百数十億ですね、二百数十億の補填をされている。
一回三か月規模で、この状況だと一回二百数十億規模使うんですよ。今、基金の残高、二百九十二億。一月―三月、もう過ぎました、もうすぐ補填しなきゃならない。あっという間になくなっちゃうじゃないですか。これも補填せざるを得ないわけですね、何がしかの予算で。
官房長官、すなわち、目の前に、これまた二百数十億、数百億単位のお金が、一月、二月、三月はもうほぼほぼ使われる、必要なので、それは基金で何とかする。四月、五月、六月はお金がないんですよ。だから、何がしかの予算措置が必要になってきます、これは一般予備費ですよね。四月、五月、六月だけでいいんでしょうか。七月、八月、九月も恐らく、今の状況だと、配合飼料価格、非常に大変ですよね。
四月、五月、六月、二百数十億単位ですか。七月、八月、九月、二百数十単位ですか。五百億とか六百億、そういう単位じゃないですか。これが目の前に必要になってくるんですよ。これまた一般予備費で埋めていったときに、足りるんですかという話なんです。
これをもってしても、官房長官、やはり補正予算が必要だと思われませんか。
○藤原大臣政務官 現在、総理の御指示を受けまして、関係省庁において、原油価格・物価高騰等総合緊急対策に盛り込まれる具体的な施策を検討しているところでございます。
したがいまして、現時点においては、その財源も含めてお答えすることは困難な状況であります。
○大串(博)委員 繰り返しおっしゃっているだけなんですけれどもね。そういう状況なんですよ、皆さん。
更に言うと、私は、この配合飼料価格に関しては、決まり切った既存の策だけではもう駄目な状況に来ていると思います。上乗せで何がしかの支援をしないと、畜産農家、駄目になりますよ、そういう状況だと思うんですよ。多分、今回何がしかの財政措置をするときに、同じような策に対して予算を突っ込みましたということだけでも、多分、畜産農家の方々は大きく失望されると思います。何がしかの上積みの特別な支援がないと、私は、何としてもうまくいかないと思うんですよ。
官房長官、ここは政治の決断だと思うんです。畜産農家、非常に、輸出も伸びていますし、頑張っていらっしゃる。これに対して、今回は特別な支援をしていくべきだと思いますけれども、いかがですか。
○武部副大臣 済みません、担当なものですから。
昨年来、今御説明させていただいたように、配合飼料が高騰しておりますが、これは、価格安定対策の補填によって畜産農家に対する経営について影響緩和を行っているところでありますが、三月二十九日の閣僚懇の総理指示を受けまして、原料価格、物価高騰等の総合緊急対策の取りまとめに向けて、我が省、農林水産省においてもしっかりと、各穀物の国際価格の高騰などをしっかり認識しまして、必要な対策を検討したいと考えております。
○松野国務大臣 お答えをさせていただきます。
農林水産省からもお話がございましたけれども、総理の御指示の下、各省において、原油価格、物価高騰等の対応について今施策を積み上げているところでございます。
必要な予算規模等については、現在検討中の具体的な対策の内容に応じて決まってくるものであることから、現時点でお答えすることは困難でありますが、いずれにせよ、政府としては、新たな財源措置を伴うものについては、まずは、一般予備費、コロナ予備費を活用した迅速な対応を最優先とすることとしており、この方針に沿って検討を進めていく考えでございます。
○大串(博)委員 これは是非よろしくお願い申し上げます。畜産農家の皆さん、本当に苦しんでいらっしゃいますから。
これだけじゃなくて、小麦の価格も含めて、あるいは肥料の価格も含めて、非常に厳しい状況になっていますね。小麦は今、今期は一七・三%のいわゆる値段の引上げをもってして、国家貿易、買っている状況ですね。これを放置していていいのかなと私は思うんです。小麦に関しては、一七・三%価格が引き上がって、御案内のように、パンも、いろいろなものが上がります。これを放置していていいのかな、もっと早めに、この一七・三%を抑えられるような特別な対策もしなきゃならぬと。
となると、さらにこの第二の柱の面でも、さっき言いました配合飼料価格に関する普通の策だけ見てみても、二百億、三百億、四百億という規模のお金が目の前でかかるんです。だから、私は、補正予算でなければとても間に合わないというふうに思いますね。簡単な算術です。
第四の柱ですね。第四の柱を見てもらうと、「コロナ禍において物価高騰等に直面する国民生活の不安を解消する観点から、困窮する方々の生活を守るべくセーフティネットを強化するとともに」、この四本柱のうちで初めてコロナの言葉が出てきます。恐らく、コロナ予備費を正当に使えるとすると、ここだけだろうなと思うんですよ。ただ、これとて、私、疑念があるんです。
三月二十五日に、政府はコロナ予備費を使うと閣議決定しました。予算委員会理事懇で報告を受けました。ワクチン、検査キット等々です。その中に、コロナ対策のセーフティーネットの予算も入っていました。すなわち、第三次補正予算で措置をした低所得者世帯への一時的な給付金、これも予算が足りなくなったということで、三月二十五日に閣議決定されたコロナ対策予備費の支出一兆四千五百億円、こういったものが支出が決まりました。
なるほど、コロナ対策の生活苦対策、一千億円ほどでしたけれども、要るんだなと私は思ったんです。その四日後ですよ、その四日後に、「コロナ禍において物価高騰等に直面する国民生活の不安を解消する観点から、困窮する方々の生活を守る」「セーフティネットを強化する」。何で三月二十五日に使わなかったんだと私は思ったんですね。何でだろうなと。
これは、きちっと説明していただかないと、疑念として、あえてこの経済対策のためにこれを入れたんじゃないかというふうな疑念すら、私、持っちゃうわけです。三月二十五日から三月二十九日の間に、官房長官、何か変化が生じたからこの第四本目の柱が入ったんですか。
○山際国務大臣 これは、先生、どうでしょう、三月二十五日の段階という話がありましたが、これまで、政府は何もやらないでここまで来たわけじゃないわけですね。今のコロナ対策も含めて、原油高騰対策もやってまいりました。それを積み上げてきてここまで来て、更に緊急で対策が必要だという判断は、四月以降の生活も含めての話ですから。
これから全く新しいことを、やることもあると思いますよ、あると思いますが、全く新しいことをやるわけではありませんので、三月二十五日の段階で適時適切に必要なものは必要だという形でお願いをして、これから先のことに関しては二十九日に総理から御指示があったということで、整合性はしっかり取れていると思います。
○大串(博)委員 となると、山際大臣の今の説明だとすると、三月二十五日以降に生じたコロナに関する理由で、三月二十五日に生じたコロナに関する理由でこれだけ生活苦の方々がいらっしゃるのでこのコロナ予備費は使わせてくださいということが四月末に出てくるのでないとおかしくなるんですね。そういう目で見させていただきます。
先ほどの答弁を前提とすると、三月二十五日まではいろいろなことをちゃんとやっていました、だから、そこまでは手を打っています、そういう支出をしましたと。それ以降のことを考えて指示が出たということであれば、三月二十五日に生じたコロナに関する事象に対するものとしてのコロナ対策予備費を使うのであれば、そういうものになるという目線できっちり見させていただきたいと思います。そんなに、三月二十五日以降に起きた事項でコロナに関して生活苦対策、何があるのか。あるかもしれません。きちっとそういう目で見させていただきたいと思います。
このようにして見ると、私は、トータルでして見ると、やはり補正予算を作らないと、政治の責任として、これは山口代表が言われた言葉です、本当に私は果たせないと思いますよ。
繰り返し言います。ガソリン補助金、一か月で二千億円弱です。配合飼料だけでも二、三か月で二百億、三百億、そういう規模です。補正予算を作るとすると、八月以降ですよ。五月、六月、七月、八月を、一般予備費、大宗は、この四本柱、一般予備費ですよ。五千億の一般予備費で乗り切れるのかという話なんです。
是非、国民生活の目線から判断していただきたいと私は思います。
山際大臣にもお尋ねしますけれども、経済の観点からしても、私は、非常にしっかりした対策だけは必要だと思うんですよ。円安の状況、かつ、景気減速がある中で物価上昇も起こっているという、スタグフレーションではないか、こういう声もあります。デフレギャップは今どのくらいあるかということも、私もいろいろ勉強していますけれども、識者によっては、いまだに二十兆円近いデフレギャップがある、こういうふうにも言われているんですね。
こういう中なのでなおさら、私は、きちんとしたデフレ対策も含めた補正予算を、財源も、補正予算として、ベースとした上での経済対策が必要だと思うんですけれども、いかがですか。
○山際国務大臣 政府の方針はこれまで御答弁させていただいたとおりでございますので、現下の状況に対しての対応は、まずは、一般予備費とコロナ予備費を充てる形でやらせていただきたいと思っております。
一方で、委員が今御指摘してくださったように、ウクライナの情勢等々もあって、非常に不確実性が高まっている状況にあります。
その中で、内閣としては、新しい資本主義というものをこれから回していくためのグランドデザインをお示しをして、そして、さらにはそれの実行計画を回していくということになります。
その中で、どうやって経済を一日も早く成長軌道に戻し込んでいくかということ、これは非常に重要な視点だと思っておりますので、その視点を持ちながら、言ってみれば、この経済対策というのは適時適切に行ってまいりたいと思います。
○大串(博)委員 私は、非常に小さい規模になっちゃうんじゃないかなと、先ほど申しましたように、本当、補正予算という声が聞こえてこないものですから、不十分な規模になるんじゃないかと心配しているんです。
私たちは、この時間、もうされていると思いますけれども、泉代表から発表があったと思いますけれども、党として、二十兆円を超える規模の経済対策が今必要だと思っています。消費税の時限的五%への引下げを含む、あるいは生活対策も含めた、コロナ対策も含めたしっかりした対策、二十兆円を超える規模のものが必要なのではないかと私たちは思っています。その旨の提案を、恐らく今日の朝、もう泉代表の方から発表していると思います。
こういった国民生活を支える目線を是非、私たちの提案も是非聞いていただいて、検討していただけたらなというふうに思いますので、またどこかで私たちの提案も是非聞いていただきたいと思います。
次に、ウクライナ、ロシア等々に入りますので、副大臣、政務官、ありがとうございました。
○上野委員長 武部副大臣、藤原政務官、御退席いただいて結構です。
○大串(博)委員 ウクライナの皆さんへの支援ですけれども、今般、政府専用機を使って二十人の方々が日本に入国されました。素早い動きというふうに評価する声もありましたが、私は、これは一過性で終わってはいけないと思うんですね。何せ四百万人を超える方々が国を追われていらっしゃる。ポーランドだけで二百万人以上の方々が避難されている。そういう非常に厳しい人道上の危機の状況です。こういったことを考えると、日本も積極的に支援を行っていくということが必要だと私は思います。
二十人の方々を政府専用機に乗せてこられました。これはよかったとして、これで終わりなのかと。私は、システマチックに、システムに応じた、安定的に先が見通せる支援であるべきだと思うんです。
この観点を問おうと思っていたら、昨日の記者会見で総理の方から、二十人の今回政府専用機で終わるのではなくて、今後、毎週、政府が民間機を借り上げてポーランドから入国していただくということにするというふうに言われていました。これは、どのくらい、毎週何人ぐらいの方々が入ってこられるんですか。
○徳田政府参考人 お答えを申し上げます。
今御質問のございました今後の渡航支援でございますけれども、毎週、当面の間、ポーランドとの直行便の座席を借り上げることとしてございます。あした八日にもポーランドを出発する便から開始する予定でございます。
お尋ねのございました座席の数あるいは人数につきましては、今後のニーズに応じて、必要な座席数といいますか、数を借り上げるということとしてございます。
○大串(博)委員 もう少し具体的に。あしたもう飛んでこられるのであれば、大体分かっているんじゃないですか。何人規模なのか、何十人規模なのか、何百人規模なのか、規模感を教えてください。かつ、当面とおっしゃいましたけれども、何せ二百数十万の方々がポーランドには今避難されています。それなりの支援を私たちはすべきだ、しっかりした支援をすべきだと思いますけれども、一体どのくらいの期間続けるつもりですか。教えてください。
○徳田政府参考人 お答え申し上げます。
今後のウクライナ避難民の方々の受入れにつきましては、避難民御自身の御希望、それから、国内の受入れ体制、国民の御理解などを総合的に勘案して検討していくことになります。
どの程度のウクライナ避難民の方々が訪日を希望されるか、今後の状況にもよりますので、現時点で受入れ数を具体的に申し上げられるという状況にはございませんけれども、もう一つ、時期につきましては、今後のウクライナ情勢、さらに避難民の方々のニーズを踏まえて適切に判断していくこととしておりまして、現時点で特段の期限を区切っているものではございません。
○大串(博)委員 私がこれをお聞きしているのは、二十人政府専用機で連れてこられた、これはよかったとして、これ一回きりで、そのとき限りで終わっちゃいけない、やはり、きちっとした形で日本はコミットしているんだという形をきちんと示していかなきゃならないと私は思うんです。そういう意味で、民間機を借り上げという一つの仕組みになりました、これはよかったと思います。見通しも、そこをきちんと明らかにしていただきたいということなんです。
加えて、入ってこられた方々の立場です。四百人以上の方々が今入ってこられています、入国されています。本当に、日本の中で、当面になるのか、それとも長くなるのか、安定的に暮らしていただけたらなと思いますが、この方々の立場ですけれども、難民条約の難民の指定には合わないので、今、特別な立場ですね。いわゆる入国管理法に基づく特定活動という、法務大臣による指定、告示ですね、これによる在留というふうになっているわけですけれども、これを見ると、非常に不安定な感じがするんです。
一年間の特定活動ということで認められると。法務省のホームページなんかを見ると、「ウクライナにおける情勢が改善されていないと認められる間は同様に対応します。」と。一年間いられる。じゃ、一年間以上続けられるのかということに関しては、こういう言葉しかないんですね。これも法務省のホームページですけれども、「ウクライナがどうなるかわかるまでは、このことを続けます。」こういう言葉しかないんですよ。
日本に今避難されてきて、やっとたどり着いたという思いでいらっしゃいます。しかし、何とか生活をここでしていこうとされる方もいらっしゃると思う。法的身分、極めて大切です。にもかかわらず、「ウクライナがどうなるかわかるまでは、このことを続けます。」この一言で本当に安心して暮らせるんだろうかと私は思うんですよ。しっかりした立場を私たちは持っていただく必要があるんじゃないかというふうに思いますけれども、まずお尋ねします。
特定活動、一年以上の延長、これは大丈夫なんでしょうか。見通せるんでしょうか。安心していただいていいんでしょうか。
○丸山政府参考人 お答え申し上げます。
入管庁におきましては、ウクライナ避難民の方々について、入国時においては在留を希望する理由を含む個々の事情を踏まえ、発給された査証に基づき短期滞在等の在留資格を決定しております。また、入国後、我が国での引き続きの在留を希望する場合は、その希望等に応じ、在留資格、特定活動一年への変更を認めるなど、適切に対応しているところでございます。
この特定活動の在留資格が認められたウクライナ避難民の方につきましては、ウクライナ情勢が改善していないと認める間は、申請があれば在留期間の更新を認めることとしており、現時点で何年間までということを決めているわけでは当然ございません。
○大串(博)委員 ウクライナの状況が改善するまではという条件づき、あるいはウクライナがどうなるか分かるまではと。非常に私は安心感を与えないステータスだと思うんですよ。やはりここは、他国においては難民と同じような取扱いをされているところもあります。日本もそこはきちんと枠組みをつくるべきだと思うんです。
私たち立憲民主党は、先般、戦争等避難者に係る出入国管理及び難民認定法の特例等に関する法律案という法律案を提出させていただきました。新たなカテゴリーをきちんとつくって、安定した法的立場でこの地にいていただけるというような法律を提案させていただいております。
官房長官、民間機の座席を確保して入ってきていただけるようにされた、これはシステムになりましてよかった。しかし、入国された方々の法的立場、生活上の立場も含めて、よりシステマチックに、もうちょっと安定した制度につくっていくべき、私たちも提案させていただいています、法律として。こういった点も見習っていただいて、システマチックな、組織的な仕組みとしての対応を検討していただけないでしょうか。
○松野国務大臣 お答えをさせていただきます。
現状の制度に関しましては、先ほどお答えをしたとおりでございます。申請があれば在留期間の更新を認めるということで今対応させていただいております。
先生からお話があったとおり、今回のウクライナの皆さんが大変な状況の中にあって、その中で日本国として何ができるのかということは、これはもう与野党超えて同じ思いであるかと思います。
今、個々の皆さんのニーズを聞き取りながら、きめ細かく就労や滞在等に向けてのヒアリングをし、また、個々に応じての設計をしておりますが、更に今後どういった対応をしていくかということに関しましては、御党提出の法律が国会で御議論されるかどうか、これは国会でお決めをいただくことでございますけれども、この問題に関しては、みんなでいろいろ知恵を出しながら、しっかりとウクライナの人に寄り添って進めていきたいと考えております。
○大串(博)委員 是非よろしくお願いします。それが多分、日本の本当に見える支援だと思うんです。飛行機で二十人連れてこられるのもいいですけれども、仕組みとしてつくられる、これが私は非常に日本として大事なことだと思います。
さて、ロシアに対してですけれども、今回の、大虐殺というふうにG7の首脳声明は書きました。これを受けて、追加制裁、私はやっていくべきだと思うんです。やはり、今の状況、北部からは撤退しているけれども、東部にこれから戦力が集中していって、東部で更なる厳しい戦いになるんじゃないか、こう言われている中ですから、それを止めるためにも、きちっとロシアのやはり足腰を弱める必要がある。ということからすると、やはりきちんとした追加制裁等々もやっていく必要があると思っています。
戦争犯罪という言葉を言うのも、私は日本政府は若干遅れたんだと思うんですね。ほかの国の首脳がいち早く戦争犯罪だと言い切っているのに対して、官房長官がそう言われたのはおととい、総理が初めて言われたのは昨日ですね。遅いんですよ。そうじゃない、立場をきちんとはっきりしていくためには、追加制裁もしっかりやっていくべきだと思います。
エネルギー分野に関してもう一歩踏み込めるのか、ここです、石炭の輸入禁止。報道を見ましたら、どうもEUは合意をしたようですね。
今朝の閣議後記者会見で、経産大臣がこう言われていますね。段階的に輸入を減らし、最終的には輸入しない方向を目指す、こう言われています。方向を目指す、何でしょうか、これが日本のスタンスになるのでしょうか。とすると、ちょっと踏み込みが私は弱いような気がするんですね。
私は、日本のスタンスをきっちり示していくためにも、石炭の禁輸、EUも決めたようでありますし、きちんと国際的な協調の上、しっかりとした判断をすべきだと思いますが、いかがですか。
○定光政府参考人 お答え申し上げます。
ウクライナにおいて多くの市民が犠牲になっていること、極めて深刻に受け止めておりまして、強い衝撃を受けております。無辜の民間人の殺害は、国際人道法違反であり、断じて許されず、厳しく非難するところでございます。
昨日、御質問いただきました、ロシア産石炭の輸入のフェーズアウトや禁止を含むロシアへのエネルギー依存低減に向けた計画の速やかな実施でありますとか、ロシア産石油の依存度低減に向けた取組を加速することなどが含まれたG7の首脳声明が発表されたところでございます。
我が国としての追加の制裁措置につきましては、現時点で予断することは差し控えたいと考えておりますが、いずれにせよ、我が国としては、今般発出されましたG7首脳声明を踏まえつつ、引き続きG7を始めとする国際社会と連携して適切に対応してまいりたいと考えてございます。
○大串(博)委員 官房長官、もう時間もないのでお答えください。
極めて遺憾な答弁ですね。経済産業大臣が今朝の閣議後記者会見で言っていることすら国会で事務方が答弁しない、どういうことですか。国会に対する説明責任をどう考えているんですか。おかしいじゃないですか。私たちも情報を仕入れて、ここまでのことをしっかり踏まえた上でやっているんですよ。今、何も言わなかったじゃないですか。
官房長官、御答弁ください。ロシア産石炭の禁輸に踏み込むのかどうなのか。そしてもう一つ、併せてお答えください。ロシア外交官の国外追放、他国はやっているようでございます。日本はなぜそれをやらないのか。
この二つ、日本の姿勢を示すという意味においてもどういうスタンスでいるのか。これは政治決断です。官房長官、お答えください。
○松野国務大臣 お答えをさせていただきます。
今まで、日本は一貫してG7や国際社会と連携をして、ロシアに対して厳しい措置を対応してまいりました。その中にあって、先生御指摘の石炭を始めとしたエネルギーの分野でございますけれども、G7の中においても、エネルギーはそれぞれの国々において置かれている状況、安定供給等の責任もある、それは一様には措置は問わないというのが基本姿勢でございます。その上で、ロシアに対する依存度を下げていこうというのが共通見解だと理解をしております。
あわせて、外交官の扱い等々についてもお話でありましたけれども、今後様々な判断がなされるんだろうと思いますが、現時点において予断を持った発言は控えさせていただきたいと思いますが、いずれにせよ、引き続き日本は、ロシアに関しては各国と連携をして厳しい姿勢を取っていくということは、しっかりと先生に対して答弁ができることでございます。
○大串(博)委員 終わりますが、検討するとか厳しい態度を取るとか、言葉だけではなくて、無辜の命がこれ以上奪われないように国際社会と協調して日本としてもしっかりとした対応を取っていただくようお願いして、私からの質疑を終わります。
ありがとうございました。
○上野委員長 次回は、来る十三日水曜日委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後零時五十分散会