第5号 令和4年11月4日(金曜日)
令和四年十一月四日(金曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 大西 英男君
理事 井上 信治君 理事 神田 憲次君
理事 藤井比早之君 理事 宮路 拓馬君
理事 青柳陽一郎君 理事 稲富 修二君
理事 阿部 司君 理事 國重 徹君
赤澤 亮正君 池田 佳隆君
石原 宏高君 尾崎 正直君
大野敬太郎君 工藤 彰三君
小寺 裕雄君 鈴木 英敬君
田野瀬太道君 平 将明君
中野 英幸君 中山 展宏君
平井 卓也君 平沼正二郎君
本田 太郎君 牧島かれん君
松本 尚君 中谷 一馬君
太 栄志君 本庄 知史君
馬淵 澄夫君 山岸 一生君
岩谷 良平君 浦野 靖人君
堀場 幸子君 河西 宏一君
福重 隆浩君 浅野 哲君
塩川 鉄也君 緒方林太郎君
大石あきこ君 櫛渕 万里君
…………………………………
国務大臣
(内閣官房長官) 松野 博一君
国務大臣
(こども政策担当)
(少子化対策担当)
(男女共同参画担当) 小倉 將信君
国務大臣
(新しい資本主義担当)
(経済財政政策担当) 後藤 茂之君
国務大臣
(国際博覧会担当) 岡田 直樹君
内閣官房副長官 木原 誠二君
内閣府副大臣 大串 正樹君
文部科学副大臣 簗 和生君
内閣府大臣政務官 鈴木 英敬君
内閣府大臣政務官 中野 英幸君
内閣府大臣政務官 西田 昭二君
デジタル大臣政務官
兼内閣府大臣政務官 尾崎 正直君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 加野 幸司君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 齋藤 秀生君
政府参考人
(内閣官房国際博覧会推進本部事務局次長) 長崎 敏志君
政府参考人
(内閣官房令和4年物価・賃金・生活総合対策世帯給付金及び令和3年経済対策世帯給付金等事業企画室次長) 奥 達雄君
政府参考人
(内閣官房こども家庭庁設立準備室審議官) 北波 孝君
政府参考人
(内閣府大臣官房審議官) 五味 裕一君
政府参考人
(内閣府男女共同参画局長) 岡田 恵子君
政府参考人
(内閣府子ども・子育て本部統括官) 吉住 啓作君
政府参考人
(警察庁警備局長) 原 和也君
政府参考人
(総務省自治行政局選挙部長) 森 源二君
政府参考人
(財務省大臣官房審議官) 坂本 基君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 大坪 寛子君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 青山 桂子君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 野村 知司君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 朝川 知昭君
政府参考人
(中小企業庁事業環境部長) 小林 浩史君
政府参考人
(防衛省防衛政策局次長) 安藤 敦史君
内閣委員会専門員 近藤 博人君
―――――――――――――
委員の異動
十一月四日
辞任 補欠選任
櫛渕 万里君 大石あきこ君
同日
辞任 補欠選任
大石あきこ君 櫛渕 万里君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
内閣の重要政策に関する件
公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件
栄典及び公式制度に関する件
男女共同参画社会の形成の促進に関する件
国民生活の安定及び向上に関する件
警察に関する件
――――◇―――――
○大西委員長 これより会議を開きます。
内閣の重要政策に関する件、公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件、栄典及び公式制度に関する件、男女共同参画社会の形成の促進に関する件、国民生活の安定及び向上に関する件及び警察に関する件について調査を進めます。
この際、お諮りいたします。
各件調査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、内閣官房内閣審議官加野幸司君外十六名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大西委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○大西委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。松本尚君。
○松本(尚)委員 おはようございます。自由民主党の松本尚でございます。
質問の機会をいただき、委員各位の皆様には感謝を申し上げます。
本日は、大阪・関西万博並びに群集事故についての対応、これについて質問させていただきたいと思います。
二〇二五年に大阪・関西万博が開催されることとなっております。万博といいますと、私は、一九七〇年の大阪万博に行った記憶があります。当時八歳でございました。
岡田大臣、このときの万博には、見に行かれましたでしょうか。もし行かれたとしたら、そのとき、どんな展示が一番印象に残っているか、まずお伺いしたいと思います。
○岡田国務大臣 お答えを申し上げます。
松本委員と私は、同じ金沢の中学、高校で勉強した同級生でございますので、全くの同い年、一九七〇年の大阪万博の当時は八歳、確かに八歳の小学二年生の子供でありましたが、大阪で万博があるということで、どうしても行きたいと親にせがんで、石川、金沢から万博会場へ参りました。そのとき、アメリカとか当時のソ連とか、そうした大きな有名なパビリオンは大変な行列で入れませんで、月の石も見ることはできませんでした。そのとき外国人の警備員の方とパビリオンの入口で記念撮影をさせてもらったその写真を今も持っておるぐらいでございます。
いろいろな、子供心に、様々な展示を見まして、また会場の雰囲気から、日本の将来また世界の未来というものは明るい、そうしたわくわくした気持ちを持った記憶がございます。
○松本(尚)委員 ありがとうございます。
私は、ちなみに、月の石は見ることができました。一番覚えているのは、あれは富士フイルムのパビリオンがあって、動く歩道が真ん中に通っていて、三百六十五度、全部に画面が出ている、あれが私の中では一番思い出になっておりますが、今、そんなものは町中どこへ行っても見られるようになりました。
さて、大阪・関西万博では、空飛ぶ車を使って、関西空港や神戸空港などと万博の会場とを、大阪市の夢洲ですか、ここをつないで来場客を輸送するエアタクシーということを実装しようという計画があると聞いております。
この空飛ぶ車というのは、電動の垂直離着陸機、いわゆるエレクトリック・バーティカル・テイクオフ・アンド・ランディング、eVTOLというものを使っているわけですけれども、今まさに、これは世界中で新しい移動ツールとして開発と実装がしのぎを削っている状況であります。
経済産業省は、空の移動革命と称しまして、このeVTOLの開発企業を支援しているわけでありますが、私は、空飛ぶ車というのは自動車に次いで次の我が国の新しい基幹産業になるだろう、あるいはしなければならないというふうに思っているわけです。そのためにも、大阪・関西万博でのエアタクシーというのは大きな期待をしているところであります。
そこで、岡田大臣に質問したいんですけれども、今回の大阪・関西万博でエアタクシーとして使用するeVTOL、どのように決めていく予定となっているのか、この際にどういった基準で決定をしていくか、こういったことについてお伺いしたいと思います。
○岡田国務大臣 お答えいたします。
委員御指摘のとおり、万博という機会を生かして新たな技術を活用した様々なプロジェクトを実施し、社会実装につなげていきたいと考えております。特に、空飛ぶ車は、次世代の空のモビリティーとして、世界各国で社会実装に向けた取組が進められております。
我が国としても、万博において、会場周辺の遊覧飛行や、あるいは万博会場と近隣空港や市内とを結ぶ二地点間輸送を実現することとしており、本年六月に公表しました二〇二五年大阪・関西万博アクションプラン・バージョン2にも明記しております。
空飛ぶ車の実現は、来場者だけでなく一般の国民にとっても未来社会を実感できる、非常に分かりやすい事業であります。機運醸成にも大きな効果があると考えておりまして、万博で初めてお披露目とするだけでなくて、開催前から万博の面白さを御理解いただき、期待度を高めるために活用できないかと考えております。
現在、離発着の場所や運航ルートについて関係者間で調整が進められておりまして、その結果を基に、博覧会協会において運航事業者の公募を行い、そして事業者を選定することとされております。
○松本(尚)委員 今のお話では、まず運航事業者を選定するということになっておりますが、その運航事業者イコールeVTOLを開発して運航する企業とは、また別物というふうに理解してよろしいでしょうか。
○岡田国務大臣 お答えいたします。
万博で利用される機体は、当該運航事業者によって選定、決定されるものであり、政府が直接関与するものではありませんが、ただ、人を乗せて飛行するものでありますことから、安全性が確認される必要があり、国土交通省には、昨年十月に国内のSkyDrive社、本年十月に米国のジョビー・アビエーション社から、それぞれ機体の安全性の証明に関する申請がなされたと承知しております。
運航事業者と機体に関する事業者とは、また別のものであります。
○松本(尚)委員 そうしますと、運航事業者がまず決まって、eVTOLを実際に採用するのは、運航事業者が一定の基準に基づいて採用するということだというふうに今の話からうかがえますけれども、では、採用するときの具体的な基準等々について、政府参考人の方からお伺いしたいと思います。
○長崎政府参考人 お答え申し上げます。
運航事業者につきましては、現在、博覧会協会におきまして、具体的なポートであるとか具体的ルートにつきまして検討しておるところでございまして、これを基に公募基準というのを定めることになります。それに基づきまして、運航事業者がポートであるとかルートについて適切に運航できると判断した場合に応募をしていただき、確実に運航できるかということを確認して選定されるという流れでございます。
○松本(尚)委員 ありがとうございます。
今のお話は、基本的に、ポートと、それからその間をどういうふうに結ぶかといった部分だと思いますが、技術的な問題として、やはりどうしても心配になるのは安全面の分野だろうというふうに思います。
そういった安全面での基準、こういった装置をつけろとか、いろいろとあろうかというふうに思いますけれども、その辺りについてはどのような検討、進捗状況になっているんでしょうか。
○長崎政府参考人 お答え申し上げます。
現在、安全基準につきましては、国土交通省におきまして、具体的な機体の飛行安全性、こちらの方の基準を策定してございます。さらに、ポートにつきましても、どのような施設が必要なのかということにつきましての検討をしております。
一方で、この空飛ぶ車というのはまだこれからの技術でございますから、アメリカであるとかヨーロッパ、こういったところの国際機関、FAA、あと、ヨーロッパではEASAと申し上げますが、こういったところと基準の認証を、こちらの方の調和が必要だということで、こちらの方を協議しながら基準を策定しているという状況でございます。
○松本(尚)委員 ありがとうございます。
やはり、万博の会場で実際にこういったeVTOLをエアタクシーとして実装をするに当たって、人を乗せて確実に運航できるということを是非担保をしていただきたいと思います。
これが日本でうまくいったということになると、やはり日本のいわゆる技術の高さというのも、もちろん国産のeVTOLの企業が入ってきた場合だと思いますが、そういったものも非常によいアピールになるだろうと思いますけれども、現状、今、お手元の把握しているだけで結構ですので、日本の国産のeVTOLの企業についてはどの程度の進捗でしょうか。伺いたいと思います。
○長崎政府参考人 お答え申し上げます。
先ほど大臣より、SkyDrive社というのが昨年十月に、国土交通省に安全性の機体認証の申請がなされたというふうにお答え申し上げました。
現在、書面におきまして、機体の構造であるとか安全設備、このようなものが申請がなされておりまして、今、国土交通省におきまして、安全性がきっちりと担保されているとかということを、状況を確認をさせていただいているという状況でございます。
したがいまして、機体そのものはまだ現物として存在をしておりません。
○松本(尚)委員 今お話にありましたように、今のところまだ一社ということで、やはりこれは日本の自動車産業と同じで、もっとたくさん出てこないとこれから先へ行けないかなと。やはり競合があってこそ技術も上がるということも考えられると思いますので、是非、他社もどんどん参入できるような、そういう環境をつくっていただきたいというふうに思います。
この空飛ぶ車については、まだまだ皆さんの知識も十分ではないと思いますけれども、eVTOLが新たな人の移動ツールとして市民権を得ていくためには、商業的利用を進めると同時に、公共サービスにどれだけ使用できるかということが大事であると思います。
私、ドクターヘリの仕事をしておりましたので、こういったものを補完する形で、将来、医師が現場に出動する移動ツールとして、空飛ぶ車、eVTOLが使うことができないかということをずっと長く検討しておりました。
そこで、一つ提案ですけれども、万博会場内で救急対応に使用するということをできないかということをずっと前から思っていたんです。この提案について、大臣の見解を伺いたいと思います。
○岡田国務大臣 お答えいたします。
万博時においては、先ほど申し上げた遊覧飛行とか二地点間の輸送ということを想定しているわけであります。
ドクターヘリのように空飛ぶ車を救急医療に活用することについては、医療機器の搭載や医療要員の搭乗等、飛行以外の面でも解決すべき課題は多くあると考えておりまして、万博時においては実現することはなかなか難しいかと思います。
ただ、将来的に、空飛ぶ車は、新たな都市型航空交通として、エアタクシー的なサービスに加えて、観光客が上空から名所などを見る周遊飛行サービス、さらには、委員おっしゃる、必要な医療機器を搭載した上で急病人などを輸送する救急医療サービスにも活用するなど、様々な可能性が考えられるというふうに考えております。
これらのサービスを実現するためには、空飛ぶ車が社会に受け入れられることがまず不可欠であり、そのために、まず、万博において空飛ぶ車の実績を高めるべく、関係省庁、地元自治体とも一体となって取り組んでまいりたいと考えております。
○松本(尚)委員 ありがとうございます。
万国博覧会というのは、これからの未来を見せてくれる将来空間であると思いますし、現代人が目指すべき方向性を指し示す将来地図というふうに言えるかなと私は考えております。
二〇二五年の大阪・関西万博を見た我が国の子供たちが、大きな夢を持って、これから二十年後、三十年後、五十年後と我が国で活躍できるような、一九七〇年の大阪万博を見た私とか大臣が今こうやって取りあえず活躍をしているだろう、そういったような万国博覧会に是非していただきたいというふうに思っております。
この点について、大臣の決意を伺いたいと思います。
○岡田国務大臣 お答えいたします。
一九七〇年の大阪万博と今とは時代は大きく変わっておりますが、今回の大阪・関西万博においても、やはり世界中の人々に夢や驚きを与え、また、若者や子供たちがわくわくするような、そういう万博をつくり上げていきたいと考えております。
未来社会の実験場というコンセプトのとおり、新しいアイデアや最先端技術に規制改革やデジタル化などを組み合わせながら、様々な最先端技術の実証、実装を行いたい、そして、大阪、関西のみならず、日本全国の、そして世界の万博にしてまいりたいと考えております。
○松本(尚)委員 ありがとうございます。是非、そのような夢のある万博にしたいというふうに思います。
岡田大臣、これで質問は終わります。ありがとうございました。
次に、群衆事故について質問したいと思います。
今週二十九日に、韓国の繁華街で群集事故が発生しました。日本のお嬢さんの二名を含む亡くなられた全ての方々の御冥福をお祈りしたいと思います。我が国においても、二〇〇一年七月に、明石市の花火大会の歩道橋事故などを経験しているところです。
お手元の資料は、私が大学に勤務していたときに指導した、私の部下だった人間の学位論文の一ページ目になります。上方には私の名前も入っているのを御確認いただけると思いますが。
実験によれば、成人女性であれば、胸部と腹部に体重の六〇%の圧力がかかっただけでも僅か一時間で呼吸筋の疲労が生ずるということが、この実験から分かったわけであります。こういった研究結果というのは一定のスペースに過剰な人が密集するような状況の危険性を示すものであり、こういった研究を生かしていくことも必要だというふうに思っております。
今後、一定以上の人の集まりに対して何らかの規制が必要というような声もこれから出てくる可能性も考えられるんですけれども、その前に、まずは、現状、我が国においてこのような群集事故を予防するための、すなわち、我が国においてもし同様の事故、事態が生じた場合に、警察としては十分な対応ができているのか、どのような準備をしているのか、国民の皆さんは非常に不安に思っていらっしゃると思います。
この点について、現状の状況というのを聞かせていただきたいというふうに思います。
○原政府参考人 お答え申し上げます。
従前から、警察では、祭礼等の行事に際しまして、多数の人が集まることにより雑踏事故が発生するおそれがある場合には、あらかじめ行事の主催者や施設の管理者等に対しまして、自主警備計画の作成、警備員の配置、資機材の活用等の安全対策を取るよう要請することとしております。
また、自主警備に加え、警察官による対応が必要と判断される場合には、制服警察官による雑踏整理や交通整理等を実施し、雑踏事故の未然防止を図ることといたしております。
御指摘の今回の韓国での事故を受け、警察庁から全国警察に対し、地元自治体や行事の主催者等と連携しつつ、雑踏整理や交通整理等を実施し、雑踏事故の防止を図るよう改めて指示をいたしたところでございます。
引き続き、雑踏事故の防止に万全を期すよう、都道府県警察を指導してまいりたいと考えております。
○松本(尚)委員 ありがとうございます。
いざというときは、警察官職務執行法ですか、あれでもって、ある程度の、強権と言うと言い過ぎなんですけれども、そういう力をもって人を排除する等々、いろいろなところに流すというようなことをできるというふうに聞いておりますけれども、やはり事態が起こってからでは遅いというふうに当然思うわけですから、個々の現場の警察の皆さんに対しては、できるだけ早めにそういった予測をして動くというようなことを、是非、通知なり教育なりしていただきたいというふうに思います。
今回も、報道によれば、いろいろなところから、一時間、二時間、三時間前からいろいろな情報が入っているにもかかわらずといったようなこともあったようであります。是非、我が国の警察においてはそういったことのないように努めていただきたいということを申し述べたいと思います。
時間になりましたので、これで私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○大西委員長 次に、堀場幸子君。
○堀場委員 日本維新の会、堀場幸子です。
本日、一般質疑、よろしくお願いいたします。
今日は、女性に関する質問をたくさんしたいなと思っています。
ジェンダーギャップで、やはり女性の社会進出であったり、特に政治の分野、そして経営者若しくはリーダーといった分野で女性の活躍が非常に少ないという日本の現状があります。一方で、多くの女性は経済的な自立が非常に厳しいという現状、若しくは、様々な、賃金の格差、男女の格差に悩んでいる人たちもたくさんいらっしゃいます。多くの女性は、正規、非正規の問題では非正規になっている。
こういったことも含めまして、女性というものはどうしてこうも生きづらいものなのかなということを本日は一緒に考えていただきまして、そして、できるだけ早急に対応していただきたいような話をさせていただければなと思っております。よろしくお願いいたします。
小倉大臣にお尋ねします。
前回も少しお尋ねさせていただきましたが、深掘りをさせていただきたいと思いまして、女性の視点を踏まえた社会保障制度、税制の制度の検討というものの本当に具体的なところを教えていただきたいなと思っております。
○小倉国務大臣 堀場委員御説明いただいたように、我が国のジェンダーギャップ指数、百十六位であります。健康医療のスコアはすごく高いんですけれども、政治と並んで経済のスコアが芳しくないということで、やはり女性の経済的な自立は我が国にとって喫緊の課題である、その御意見、賛同させていただきたいと思います。
その上で、社会保障制度、税制の話でありますが、これは昭和時代に形づくられたものでありますが、現在では、離婚件数が結婚件数の約三分の一、世帯全体に占める単独世帯及び一人親世帯の割合が約半分となりますなど、家族の姿は昭和の時代から大きく変化、多様化しております。
また、既婚女性の約六割は年収が二百万未満でありまして、平成二十九年時点のデータではありますが、有配偶者の非正規雇用女性は、御指摘いただいたように、いまだに四割程度がいわゆる就業調整を選択しております。
こうした状況も踏まえまして、本年六月に策定した女性版骨太の方針二〇二二におきまして、女性が長い人生を通じて経済的困窮に陥らないよう、女性の経済的な自立が極めて、先ほど申し上げたように重要との認識の下、女性の視点も踏まえた社会保障制度や税制等について検討を行うこととしております。
具体的には、男女共同参画会議の下に設置をされた民間有識者委員から成る計画実行・監視専門調査会におきまして、第一に、現行の制度は就業調整を選択する人を増やしているのではないか、第二に、配偶者の経済力に依存しやすい制度は、男女間賃金格差も相まって、女性の経済的困窮に陥るリスクを高める結果となっているのではないか、第三に、現行の制度は分配の観点から公平な仕組みとなっていないのではないかなどの観点から、必要な検討を行ってまいります。
なお、女性就労の制約となっていると指摘されている各種制度の見直しにつきましては、全世代型社会保障構築会議においても、働き方に中立的なものとしていくとの観点から議論が進められているものと承知しておりますが、そうした動きともよく連携しながら、検討を深めてまいりたいというふうに思っております。
○堀場委員 ありがとうございます。
我が日本維新の会と本当に問題意識というのは非常に同じ、もちろん同じなんだと思います。ただ、私たちがその間で考えた答えというものは少し違ったものになっています。
藤田文武幹事長が、本会議の方でも何度か、予算委員会でも何度か質疑をさせていただいているかと思うんですけれども、社会保障というシステムが、そもそも、もう既に、この超少子高齢化社会における、日本における受益と負担のバランスが、もう本当にこのバランスが崩れている。この状態で全世代型とか様々な形に変えるのではなく、やはり抜本的な大きな改革が必要ではないかというふうに考えています。その上でさらに、専業主婦を前提とした制度設計、さっき大臣がおっしゃっておりました、そもそもそれが女性の経済的自立を阻んでいるというふうに強く考えているところでございます。
ところで、労働市場の流動化という問題を前回の質疑のときにお話をさせていただいたときに、やはり正社員化を目指していくというような考え方が多いというふうに伺いました。M字カーブはなくなっても、緩やかなL字のところを直していくというようなお話がありました。
そもそも、この労働の流動化、つまり、正社員でなければ私たちというのは幸せになれないのかなということをお聞きしたいと思います。
そもそも、労働市場が流動化しているというところは、辞め方、解雇の問題もあるかとは思いますけれども、男女の賃金格差や、正社員と非正規、正規、非正規の格差が同一労働同一賃金の徹底によって成し遂げられることはできないかというふうに考えていますが、いかがお考えでしょうか。
○岡田政府参考人 お答え申し上げます。
今委員御指摘の女性の経済的自立でございますけれども、人生百年時代を迎えまして、女性が長い人生を通じて経済的困窮に陥らないようにするということについては極めて重要だというふうに考えてございます。
具体的には、男女間賃金格差の是正に向けまして、委員おっしゃるように、女性の正規雇用比率を増やしていくなど、構造的な課題への対応が必要ということでございます。
私どもとしては、本年四月に策定いたしました女性デジタル人材育成プランに基づきまして、成長分野への労働移動を促すなど、女性の正規雇用の拡大や処遇改善に取り組んでいきたいと考えてございます。
○堀場委員 ありがとうございます。
ということは、正規の雇用でなければ厳しいということになるという認識でよかったでしょうか。女性は正社員になるべきだというのが政府の考え方ということでよかったですか。
○岡田政府参考人 お答え申し上げます。
男女共同参画、女性活躍の目的は、あらゆる女性の方が、それぞれの希望に応じた生き方をできるように支援するというものでございます。
○堀場委員 ありがとうございます。
私もそう思います。それが正社員に限定されるべきではないと思いますし、子供を育てるときに、思わぬ、夫婦間で、計算はしていたけれども、幸せなことに、違うタイミングで子供ができた、こういったことはいっぱいあります。女性のキャリアがそこで切れない、そのまま働き続けるという選択肢も重要かもしれないけれども、一回辞めてまた戻って、そしてまた子供ができたら辞めて、そしてまた戻るという選択肢もあっていいのではないかというふうに思っています。
ただ、自分の意思で辞めた場合に失業保険が一定期間もらえないとか、様々な、労働というものを流動的にする、つまり、自分のライフスタイルに合わせた労働を選択するということがとても今しにくいのではないかなというふうに考えています。
つまり、女性の働きやすさというのは、正社員を目指すという、正社員のままそこにとどまるということのみを考えるのではなく、労働の流動性というものをしっかりと推進していくことも必要なのではないかというふうに思います。
それは、様々な選択ができる、そして、その次の選択のときはキャリアアップしているかもしれない、次の選択のときは違う職業かもしれない、様々な、子供を通じて新たな出会いがあって、また新たな人生をできるのかもしれない。そういったことを考えると、今、私たちは、正社員化ということにこだわるべきではないというふうに私自身考えております。
そもそも、働く女性は安い労働力というふうに考えている社会的な風潮、例えばお茶くみであったり受付嬢であったり、様々な職業の中で女性というのは安い労働力ではないかというふうな社会的な風潮というのは昭和の時代から残っていると認識しています。
固定的な性的役割意識や家父長制に対する大臣の所見をお願いいたします。
○小倉国務大臣 委員御指摘のとおり、男女共同参画が進まない要因の一つに、固定的な性別役割分担意識や性差による偏見、固定観念、無意識の思い込み、いわゆるアンコンシャスバイアスがあることが挙げられております。
昨年内閣府が行った調査によりますれば、例えば、男性は仕事をして家計を支えるべきだですとか、育児期間中の女性は重要な仕事を担当すべきではないなどの項目で、回答者の多くに性別による無意識の思い込みがあることが分かりました。
固定的な性役割分担意識や無意識の思い込みの解消に向けまして、内閣府において、第一に、調査結果を踏まえたチェックシート、事例集、第二に、性別による固定的役割分担にとらわれないフリーイラストの作成及び活用促進などに取り組んできたところでありまして、今年度においても、全国の地方公共団体の男女共同参画主管課や、広報、人事管理の担当者などを対象としたワークショップの開催などを行うことといたしております。
引き続き、積極的な情報発信によりまして、男女共同参画を阻む固定的な性別役割分担意識などの解消に向けて取り組んでまいりたいと思います。
○堀場委員 ありがとうございます。
そのアンコンシャスバイアスの調査の中でも、地方の女性が特にその性的役割分担の意識によるちょっとした苦しさを感じて都会に出たいというような調査結果が出ていたかと思うんですけれども、こういったワークショップであったり活用できるチェックシートというのは地方でも行われる予定となっていますか。
○岡田政府参考人 お答え申し上げます。
今大臣の答弁にございましたけれども、チェックシート、事例集、フリーイラストの作成、活用促進に取り組んでおりますけれども、全国の地方公共団体の男女共同参画主管課や、広報、人事管理の担当者などを対象としておりますので、全国で展開しようと考えてございます。
○堀場委員 ありがとうございます。
女性がやりがいを持って仕事をする、私、今、ちょうど統一地方選挙の前で、女性の候補、ちょっと政治の世界で頑張ってみようかなという多くの女性たちが様々相談をしてくださっている、そういう時期にあります。議員という仕事に魅力を感じてというよりかは、社会を変えたいであったり、もっと子育てに優しい政治をしたいというような、多くの女性たちが政治を目指そうとしても、諦める方が本当に多いのかなというのが、今その相談を受けていて思うところです。
私自身、国会議員になりまして一年がたちました。この衆議院議員という仕事が本当に女性の少ない職場だというのは、本当にひしひしと理解できるなというふうに思っています。
やはり、男性が多いところで声を上げるというのは非常に勇気が要るものですし、そんなものは余り感じていないように思うかもしれないですが、やはり女性の議員というのは、髪が短くて、男性よりも男性らしく、大きな声でやはり質疑ができる、そういった女性像が私たちの女性政治家だったのではないかというふうに思っています。それを責める気はないですし、その時代は、恐らく男性社会に入っていく数少ない女性として、そこで男性らしく生きていくことが必要だった時代もあったんだろうと思っています。
私自身は、今、国会という場において、女性が仕事としてしづらいなというのは本当に感じております。特に、官僚の皆様も、先日の質疑の中でありました、国会議員がどういう質問を、すぐ出してこないから、やはり議会中はなかなか帰れない、保育園のお迎えの予定も立たない。そういった人たちが、そういった状況の中で、本当に、育児をしている男性も女性も今は働きづらいのではないかなというふうに思っています。ということは、社会がもっと変わっていかなければならないなというふうに思っています。
この障壁となっている様々な男性社会的風土改善には何が必要か、若しくは大臣自身がどういうふうにお感じになられ、大臣自身は男性ですけれども、どういうふうにお感じになられているか、少し所感を教えていただければと思います。
○小倉国務大臣 ありがとうございます。
まずは、マイノリティーの中で頑張っていただいていることに敬意を表し申し上げたいと同時に、私も大臣であると同時に国会議員の一人でありますから、女性の国会議員の皆様方がより活動しやすい環境を議員の一人としてつくってまいりたいというふうに思っております。
政治の分野の話でいえば、候補者の話は各党各会派でお決めになっていただくことだとは思いますが、やはり見ておりますと、地方議会も議会によっては非常に女性に配慮した活動しやすい議会運営をされているところもあります。一方で、候補者や議員に対するハラスメントの問題も今浮上してきております。
そういった中で、私ども政府といたしましては、議会において女性に配慮した運営があれば、それを横展開をさせていただくと同時に、ハラスメントについても、未然に防止をできるような研修の充実に努めてまいりたいというふうに思っております。
一つ一つの分野において、そういった責任を担う人間が意識を持って女性の活躍、男女共同を促していくことが男女共同社会の実現につながるのではないかというふうに思っております。
○堀場委員 ありがとうございます。
では、一つだけ、全然質疑とは関係なかったんですが、是非、国会のトイレにも、女性トイレにも生理用品を置いていただければなというふうに思っています。いろいろな場所で女性の生理用品をトイレに置くということをしているかと思うんですが、是非国会でも率先してやっていただければなという、これは一女性としての希望です。
次の質問に参りたいと思います。
セックスワークに入っていく人が非常に多いというのが今の日本の現状です。ここで今お話しさせていただくセックスワークには売春行為を含みません、性的サービス業を指しているというふうに御理解いただいた上で、まず、今、その業界の人々の声を聞かせていただくと、女性の貧困が非常に進行していて、募集をすると、募集していなくても、かなりたくさんの女性の方がこの業界に入ってこられるというふうな状態にあるというお声を聞いております。
まず、セックスワークというのは労働という概念が国にはあるかどうか、教えてください。
○青山政府参考人 お答え申し上げます。
労働ということでは、我が国には労働基準法を始めとする労働基準関係法令がございます。この労働基準関係法令は、労働者と認められる方に対しまして、賃金の支払い、労働時間、あと、危険有害業務の就業制限などの各種保護を及ぼすものでございます。
この労働基準法上の労働者に該当するかどうかにつきましては、その方が就く業種のいかんにかかわらず、基本的には、事業に使用される者であるか否か、その対象として賃金が支払われるか否かについて、契約の名称にかかわらず、実態を勘案して総合的に判断しているところでございますので、実態として労働者と認められれば、労働者として法令の適用が及ぶと解しております。
○堀場委員 ありがとうございます。
ということは、セックスワークという職業に就いていらっしゃる方々というのは労働の範疇に入っているということで大丈夫ですか。
○青山政府参考人 お答えいたします。
先ほども述べましたように、働いている実態として、使用従属性などの労働の実態が認められれば、労働者として認められると解しております。
○堀場委員 ありがとうございます。
労働の実態というのはどういうことですか。
○青山政府参考人 お答え申し上げます。
労働の実態を判断する考え方がございまして、例えば、指揮監督下に置かれて労働しているか、指示に対して諾否、受ける受けないの自由があるかとか、拘束性があるかどうかなど、あと、賃金についてそれが労働に対するものかなどを、基準を踏まえて判断をしておるところでございます。
○堀場委員 ありがとうございます。
昨日のレクでお話しされていたのとちょっと答えが違ったので、ちょっと驚いているところなんですけれども、セックスワークというのは、基本的には、労働という概念になるかならないかは、その人次第というお答えに変わったということでよかったですか。
○青山政府参考人 はい、個々の実態によりまして判断されるものでございます。
○堀場委員 ありがとうございます。
ということは、労働という認識があるかないかは、その労働をしている人によるということになりますよね。ということは、セックスワーカーの人たちの人権を尊重して保護するという、労働であれば保護されるということでよかったでしょうか。
○青山政府参考人 お答え申し上げます。
先ほどの使用従属性などの実態があれば労働者と認められますので、労働基準法などの賃金とか労働時間などの保護が及びます。
○堀場委員 ありがとうございます。
では、労働基準法の中で、摘発であったり指導されている件数であったり、そういった内容があれば教えてください。
○青山政府参考人 お答え申し上げます。
労働基準法令に違反した場合には、労働基準監督署の方で是正に向けた指導を行ってまいりますけれども、おっしゃっている、セックスワーカーの方たちがどのぐらい、その中で、指導しているかという細かい統計はございません。
○堀場委員 ありがとうございます。
ということは、昨日のレクの中では、労働という概念があるというお話でしたので、私はこのように質問させていただこうと思っていたんですが、今のお答えに変わったということは、労働が人によって違う、つまり、その形態によって違う、ということは、救われない人がいる可能性もあるということを指しているということでよかったですか。
○青山政府参考人 お答え申し上げます。
一般論としては、確かに、今言いました労働の実態、概念に該当しなければ、労働基準法令の適用にはならないということでございます。
○堀場委員 ありがとうございます。
では、また次のときにさせていただきたいと思います。
次の質問に参ります。
AV新法を所管している男女共同参画局は、AV業界の当事者の皆さんの声を聞く場を設ける考えはありますか。
○岡田政府参考人 お答え申し上げます。
今御指摘のAV出演被害防止・救済法は、AV出演被害の防止や救済を目的として制定された法律でございまして、当事者につきましては、AV出演の被害者であると考えてございます。
内閣府におきましては、AV出演被害に関します相談窓口であるワンストップ支援センターからの報告や、被害者の支援団体等からのヒアリングなどによりまして、出演被害の状況の把握に努めております。また、AV業界の健全化を図ることを目的として設置された、業界の第三者機関でありますAV人権倫理機構からもヒアリングを行っております。
引き続き、AV出演被害の実態を把握するとともに、出演被害を受けた方がためらうことなく相談支援を受けることができますよう、広報啓発にもしっかりと取り組んでまいります。
○堀場委員 ありがとうございます。
AV新法の当事者というのは被害者を指しているという認識でよかったと思います。ただ、AV新法の中で影響を受けている人たちというのは、決して被害者の皆さんだけではないです。このAV新法はとてもすばらしい法律で、入口と出口をしっかりと明確にして、そして、中にいる人たちは、その人たちは、中にいるんだよと、自分の意思でいるというふうに認識することができると思っています。なので、このAV新法が非常に被害者の皆さんの救済につながっているというふうには重々理解しておりますけれども、その中に実際に働いている人にとっても影響のある法律だと思っています。
これは世界的な動きですけれども、二〇一六年には、UNウーマンに対して、ジェンダー平等と女性のエンパワーメントのための国際機関ですけれども、に対して、世界中のセックスワーカーの人たちが、当事者抜きで物事が決まっていく問題を少しでも解決してほしいという活動をされているんですけれども、このAV新法においても、やはり、当事者というのはそこで働いている人は含まないという認識でよろしかったですか。
○岡田政府参考人 お答え申し上げます。
先ほど申し上げましたとおり、私ども内閣府におきましては、AV出演被害防止・救済法の施行状況を把握するため、AV人権倫理機構さん、これは、制作事業者の団体やプロダクション団体なども会員となられておられます、そこからもヒアリングを行ってございます。
この機構へのヒアリングを通じまして、業界の概況ですとか、この法律への対応状況等の把握に努めているところでございまして、引き続き、出演被害を防止し、被害者を救済する観点から、本法の施行状況の把握に努めてまいります。
○堀場委員 ありがとうございます。
何か、先ほどの労働の話もそうですし、このAV新法もそうですが、なかなか、そこで働いている人たちが、どこが所管しているのか、そしてどこに、所属も何もできていないのか。ということは、ここの中にいて、自分で選択をして働いている人、つまり、女性が本当に誇りを持って働いている人がいるならば、その人たちに対しては何も日本としては対応することができないのではないかなというふうに考えているところでございます。
この中から助けてほしいというふうに声を上げたり、様々なセックスワーカーの人たちが違う次のステージに行きたいなと思ったときに、困難さを抱える女性に自立支援をしているというふうに理解しています。
困難さを抱える女性の自立支援とは何か、教えてください。
○野村政府参考人 お答え申し上げます。
困難を抱える女性の方々の自立ということで、何をもって自立というのかというのは、なかなか正直言うと難しい問題だとは思いますけれども、ただ、今日、女性をめぐる課題といいますと、生活困窮でございますとか、先ほどから話題になっております性的な問題であるとか、あるいは家族関係の破綻等々、多種多様なものがあると思います。
そうした困難を抱える女性に対して適切な支援を行いながら、自分で選択する暮らしができるとか経済的に安定した暮らしができるとか、そういった様々な自立といった観点はあろうかと考えております。
○堀場委員 ありがとうございます。
多くの支援メニューがあるというふうにお伺いしていますし、実際にそれで助けられている方がたくさんいるのも存じ上げています。
でも、変わるべきなのは女性ばかりなのかなというふうに思います。そこに、困難に入っていかなければならない社会の状況も変わらなければならないし、そこでたくさんのお客さん、需要があるわけですが、そこに行っている男性自身の、男性とは限りませんが、多くは男性の意識も変わらなければならないのではないのかなというふうに思っています。
女性を常に下に見る、そういった簡単な表現では済まされない、多くの差別的な考え方というのはまだ色濃く残っていると思っています。やはり、力強い男性が、すごく屈強な男性が、女性というものに対して、それが女性が弱いかというわけではないと私は思っています。
ですので、女性に対する支援メニューが充実していくことも非常に重要ですけれども、変わらなければならないのは誰かという議論も、是非、多くここにいらっしゃる皆様で考えていただいて、議論をしていただきたいなというふうに思っています。
この男性側、若しくは、そのように力を持っている側が変わるべきではないかというような考えの中で、次の質問に行きたいと思います。
配偶者暴力法の見直しの検討のワーキンググループがあるかと思うんですが、その議論の状況について、特に、精神的暴力、若しくは加害者プログラムについて教えてください。
○岡田政府参考人 お答え申し上げます。
今、DV法のワーキンググループのお話をいただきました。それにつきましては、先般、報告書を取りまとめたところでございます。
精神的な暴力につきましては、女性に対する暴力というものは、そもそも犯罪となる行為をも含みます重大な人権侵害であり、決して許されるものではないと考えてございます。身体的な暴力に限らず、言葉による精神的な暴力も含め、女性に対するあらゆる暴力の根絶を図るということが男女共同参画社会を形成していく上で克服すべき重要な課題でありまして、第五次男女共同参画基本計画におきましても重要分野として位置づけているところでございます。
委員先ほどおっしゃったとおり、暴力の背景には、社会における男女が置かれた状況の違い、根深い偏見等が存在しておりまして、女性に対する暴力根絶には、社会における男女間の格差是正及び意識改革が欠かせないと考えてございます。
また、加害者プログラムにつきましては、配偶者暴力の被害者の中には、子供の養育ですとか経済的な事情等により加害者と同居することを選択せざるを得ない方もおられますので、加害者への対応といいますのは、被害者支援の一環として大変重要なことであると考えてございます。
内閣府では、令和二年度から、加害者に働きかけることで加害者に自らの暴力の責任を自覚させるという加害者プログラムを試行実施いたしまして、本年五月に、地方自治体で活用していただけます試行のための留意事項を策定いたしました。
本年度は、その試行のための留意事項を踏まえまして、東京都及び大阪市で更なる試行実施を行っており、その成果を踏まえまして、本格実施のための留意事項を策定する予定でございます。
○堀場委員 ありがとうございます。
私自身が、精神的暴力の定義及び線引きというのが非常に重要だというふうに思っているところです。例えば共同親権の話をしようにも、やはりDVとの線引きというのが非常に重要になってまいります。
どちらが加害者か、これは女性が加害者のパターンも非常に多いと聞いています。精神的暴力の場合、女性が加害者になっているというケースも非常に多いとは認識はしております。そして、こういった、男子、女子、男性、女性、どちらかでもいいんですが、どちらかが加害者になっているという状況にあるとは思うんですけれども、この状況をどのようにして立証するのかが非常に難しいというのが、恐らく、この精神的暴力の定義、線引きが難しいところの一つの要因だと思っています。
これを保護命令の対象にした場合に、立証が難しいので、本当に、性的な暴力、夫婦間における性的なものも含めて、非常に立証が難しいけれども、かなり人にとってダメージが大きい、こういった暴力に対して私たちはどのように対応していかなければならないのかという議論は、本当に我が党でも深めていく必要はありますし、どんどんやっていかなければならないのかなというふうに思っているところです。
本日は、全体としては、女性が何でしんどいのかという話をさせていただいているところでございます。そして、リーダーになる人たちにとってのしんどさ、そして、かなり貧困で生活に困っている人たち、そして、そういう人たちの多くがセックスワークに入っていくという現状をやはり皆さんにもしっかりと理解していただきたかったし、そういった様々な女性をめぐる問題の根底には、やはり、また戻りますが、固定的な性別役割意識であったり、本当に女性に対する差別的な考え方をお持ちの方が非常に多いんだろうなというところです。私も、街頭をしていても、女に政治なんかできるかという声をかけられたりとか、それはハラスメントなのかどうか分かりませんが、そういったことも間々経験しているところでございます。
最後に、大臣にお伺いしたいと思います。
ここまでの質疑の中で、やはり、男女の差、若しくは家父長制、例えば、この間ありましたが、法務でやっております親のしつけというようなもの、様々なものが今変わろうとしている時期なんだと私自身は思っています。
この価値観を変えるということを大臣としてどのように捉えていらっしゃるのか。そして、是非、変えていただきたいというふうに思っています。子供に対する考え方もそう、男性、女性かかわりなく、暴力に対する考え方もそう。そして、女性が活躍するということをなぜ求めているかというと、男性も活躍できる社会だからだと思っています。
そういったことを含めて、少し御所見をお願いしたいと思います。
○小倉国務大臣 大変貴重な意見、御議論をありがとうございました。
やはり、女性活躍におきまして、固定的な性別の役割分担意識、これが大きな阻害要因になっていることは間違いありません。
私、とある会議に出ておりまして、父性、母性というものはそもそも存在をしない、男性も子供と接するうちに愛情が芽生えて、子供を慈しみ、養う感情というのは、当然、女性と同じように芽生えてくるということでございました。他方で、やはり育児のイラストを見ると、女性が子供を抱えているというようなイラストがまだ多うございます。
先ほど申し上げたように、こういった固定的な意識を変えていくためには、こういったイラストも、男性、女性かかわらず育児をしていくようなイラストに変えていくですとか、そういった一つ一つの取組が重要なんだろうと思っておりますし、確かに、世代間の意識の格差もあると思います。日本社会全体で捉まえれば大きく意識は変わってきていると思っておりますので、そういった意識の変化を加速をさせるような、そういう取組をしっかり推進をしていきたいと思っておりますし、委員、最後に触れていただきました、男性にとってもメリットがある、こういったことも強調させていただきたいと思います。
男性の育児参加を促進をするということは、裏を返せば、男性側の長時間労働の是正も図っていくということでありますし、男性側のワーク・ライフ・バランスを改善をしていけば、しっかり男性が家庭においても活躍できる社会をつくっていくことができますし、それは男性にとっても大きな意味があることであります。
そういったことをしっかり訴えていくことによりまして、男女共同参画社会というのが実現していくんだろうと思っておりますので、その点、しっかりと意識しながら、私も担当大臣として努力を続けてまいりたいと思います。
○堀場委員 ありがとうございます。
本当に、女性が今しんどいよと言わせていただいている、多くの声があると思います。多少の考え方の違いというのはあると思います。例えば、労働は、やはり正社員で安定性があった方がいいよねという方もいれば、やはり流動的で様々な選択肢が多い方がいいよねという人もいると思います。そして、自分がどれだけお金が稼げるようになるのか、そしてその稼ぎの中で生きていくことができるのかどうか、そういったことも含めて、私たちは本当にたくさんの選択肢というものが今出てきたところだと思っています。
男性が、今、アメリカかな、の方では、やはり女性の問題を解決するためには男性学をやらなければならないという動きも出ています。つまり、変わるべきところは、女性ではなくて男性側なんだというふうな視点で様々な議論がされているというふうに聞いております。
世界における様々な潮流、例えば、女性がリーダーになると気候変動が緩やかになるであったり、戦争が減っていくであったり、様々な、えっ、何でというような議論もありますけれども、私はそこに女性が立ったらそうなるという認識ではありません。男性であろうと女性であろうと、しっかりとそこに問題意識を持って、そして公平に目線を配っていただければ、きっと世の中は変わっていくと思っております。是非、皆さん、またよろしくお願いいたします。
本日はありがとうございました。
○大西委員長 次に、浅野哲君。
○浅野委員 国民民主党の浅野哲でございます。
本日も、小倉大臣、よろしくお願いいたします。
今日も、前回大臣にお伺いした所得制限をテーマに、特に今日は児童手当の所得制限というテーマに絞って、約十五分間ですが、質疑をさせていただきたいと思います。
やはり、先ほど、前の堀場委員の質疑の中でも、大臣は、今、日本のジェンダーギャップが百十六位、そして家族の形が多様化している時代にある、ただ、政治や経済分野で女性参画が少ない、また、四割が就業調整をしている、女性の経済的自立を後押ししなければいけない、いろいろな課題意識をおっしゃっておりまして、その点、私も、当然ながら同じ問題意識を持っております。だからこそ、今日取り上げさせていただくような所得制限であったり、あるいは、今日は取り上げませんが、社会保険、社会保障の制度改革といったものがやはり今必要なんだろうというふうに思うんですけれども。
今日最初にお伺いしたいのは、そもそも児童手当という制度の基本的な大前提とする考え方についてまず確認させていただきたいと思います。
児童手当法の第一条、先日も御紹介いたしましたが、この中では、「父母その他の保護者が子育てについての第一義的責任を有するという基本的認識の下に、児童を養育している者に児童手当を支給することにより、家庭等における生活の安定に寄与するとともに、次代の社会を担う児童の健やかな成長に資することを目的とする。」という、これが第一条の条文でございます。
この解釈なんですが、「児童の健やかな成長に資する」という文言があります。これは、教育費などへの支援というものもこの児童手当の目的に含まれるのかという質問を最初にさせていただきたいと思います。
○小倉国務大臣 お答えをさせていただきます。
言及いただきました児童手当法第一条では、児童手当の支給の目的として、家庭等における生活の安定に寄与することとともに、次代の社会を担う児童の健やかな成長に資することも掲げられております。
御質問いただいた、この「児童の健やかな成長に資する」との規定の部分でありますけれども、教育費への支援が含まれるかどうかのお尋ねにつきまして、この規定は、教育費といった特定の支出や費目への支援を念頭に置いたものではないというふうに考えております。
○浅野委員 教育費という特定の費目に限定したものではないけれども、排除もしていないというふうに私は理解できると思います。要するに、児童の健やかな成長に資するものであれば、教育であれ、あるいは環境整備であれ、私はこの児童手当の目的に含まれるんだろうというふうに思っておりますが。
今日、準備をさせていただきました資料の一を御覧いただきたいと思います。
右側には、公立と私立に分けて、幼稚園、小学校、中学校、高等学校、それぞれの段階で、学校の補助学習費にかかるお金、そして、それ以外、学校外での活動費にかかるお金の統計的な数値が記載されております。
これを見ますと、詳細な説明は避けますが、一言で言って、やはり小学校、中学校の方が、三歳から五歳までの期間よりもたくさんのお金がかかるということが分かると思います。学習塾に通ったりだとか、あるいは学校行事のためにいろいろな積立てをしたりだとか、こういったことが考えられるわけですけれども、やはり、今申し上げた児童手当の法目的の中から教育への支援というのが除外されないのであれば、左側にある児童手当制度の現行の体系、三歳未満は一律一万五千円、三歳以上小学校修了前までは一万円から一万五千円、そして中学生は一万円というふうに減額がされていますが、なぜ下げていくんだろうか。
生活費支援という意味合いでいけば、ゼロ歳から五歳ぐらいまで、親御さんもまだ年齢的に若い場合ですとか、あるいは収入水準がまだ上昇途上である場合とかいろいろ考えられますので、そういう、若い方に手厚く、そしてだんだん薄くしていく、この考え方は理解できるんですけれども、教育への支援というものが除外されないのであれば、ここで金額が下がっていくことというのは、若干、法の目的と整合しないのではないか、このように思うわけですが、大臣の御見解を伺いたいと思います。
○小倉国務大臣 お答えをいたします。
これは委員会でも繰り返し答弁をさせていただいていることでありますが、現在の児童手当の額については、平成二十三年の民主党、自民党、公明党による三党合意に基づくものであると承知をしております。
なお、それ以前における児童手当に関する議論といたしましては、比較的収入が低いと考えられる若い子育て世代などの負担軽減を図る観点から、総合的な少子化対策を推進する一環として、平成十九年に、むしろ三歳未満の児童に係る児童手当の額が引き上げられる形で現状の構成になった経緯があるものと承知をしております。
○浅野委員 過去からの経緯にも触れていただきましたが、平成十九年、二〇〇七年でしょうかね、この頃と比べても、今は、家族の形あるいは子育てをしている世代の平均年齢といったものが、やはり時代とともに変わってきております。
さらには、非正規雇用率というものが当時よりも格段に上がっておりますし、若いから収入が少ないだろう、年齢が上がるに従って収入が上がっていくだろうから国からの支援もだんだん薄くしていけるだろう、こういった基本的な考え方は、その当時の時代はよかったかもしれません。ただ、今それが本当に適切なのかというところは、今後しっかりと統計的なデータも見ながら議論させていただきたいというふうに思います。
次の質問に移りたいと思います。
皆様には資料の二を御覧いただきたいと思いますが、こちらには、モデルですが、ある二つの世帯の構成を書かせていただきました。
どちらも御夫婦と子供が一人という構成ですけれども、まず、Aの家庭は、御主人の年収が八百九十万、奥様の年収が百万、子供は二歳が一人ということで、この場合、児童手当は一万五千円もらえます。もう一方、Bの家庭。こちらは、御主人は年収八百八十万、奥様が年収百二十万、子供は一人。これだと、所得水準としてはどちらの家庭もそれほど大きく変わるというわけではないんですが、児童手当額は五千円になってしまいます。
なぜそうなるかというと、奥様の年収が百万円と百二十万という差がありまして、これが扶養親族数のカウント、一人か二人かの違いになってしまう。そこに更に所得制限の基準値が重なってきて、Bの家庭の方は一万五千円もらえない、五千円に減額されてしまう、こういった状況になってしまいます。
なぜこういった世帯をモデルにしたかというと、やはりこの辺りで段差が生まれる、ボーダーラインが存在するからなんです。
どちらも、やはり子育てをするために、あるいは生活を維持するために、生活をよりよくするために共働きをしているということですけれども、収入が増えたら児童手当の支給額が減少してしまう。
さらには、この辺りから、女性、奥様側の社会保険料等のいわゆる百三万円の壁、百三十万円の壁といったものが顕在化してきますので、就業調整が行われるということで、先ほど大臣がおっしゃっていた女性の経済的自立であったり、あるいは経済分野への女性の参画といったものが阻害される要因の一つにもなっていると思うんですね。
こういった状況が生じてしまっているということに大臣がまずどうお感じになるかということと、やはり所得制限そのものが、こうした女性、あるいは主たる生計を立てている方の配偶者に当たる方の就業意欲というのを阻害してしまっているんじゃないか、こういったことを感じるわけですが、大臣の見解を伺いたいと思います。
○小倉国務大臣 お答えをいたします。
私も、少子化対策、こども政策担当大臣に就任をいたしまして、数多くの子育て当事者と意見を交わしてまいりました。本当に今、子育て世代の皆さん方は、仕事をなさりながら一生懸命育児も手がけてくださっている方、多いと思います。負担は相当なものだと思っておりますし、世間では、子育て罰という言葉も出てきてしまっております。一生懸命育児と仕事をした結果、むしろ国からペナルティーを受けていると思っている方がいらっしゃるのも事実であります。そういった声は、浅野委員だけではなくて、私の耳にも届いております。
そういった様々な意見があることは承知をしておりますが、児童手当に関して申し上げれば、前回の委員会の場でも申し上げたとおり、令和三年の改正法附則において、児童の数等に応じた効果的な支給、その財源の在り方、さらに支給要件の在り方について、子供、子育て支援に関する施策の実施状況等を踏まえ、少子化の進展への対処に寄与する観点から検討を加えることとされておりまして、子供政策全体の中で検討させていただくことになると考えております。
○浅野委員 前回もそれは伺いました。ちょうど次の質問がそれに関するものなんですが、では、その検討というのは、どこで、どのような場で行われるんでしょうか。全世代型社会保障会議なのか、若しくは別の会議体なのか。
あと、もう一つは、先日の質疑の中で、世帯合算での所得制限、かけることを考えるのか考えないのか、大臣がどちらの方で考えているのかがちょっとよく分かりませんでしたので、世帯合算について大臣が今どのように考えているのかも伺いたいと思います。
○小倉国務大臣 お答えをいたします。
まず、児童手当の検討の場でありますけれども、言及いただきました全世代型社会保障構築会議など特定の会議で検討することは現時点においては考えているものではありませんが、先ほど申し上げたように、附則に検討規定がございますので、子供政策全体の中で継続的に検討を行っていくことになると思っております。
私どもの方でも、今年度、子ども・子育て支援調査研究事業におきまして、児童手当の支給に関する諸外国における実施状況に関する調査研究を実施しております。こうした準備もしっかりと行ってまいりたいと思います。
世帯合算に関しましては、この附則に、子供の数等に応じた児童手当の効果的な支給及びその財源の在り方や支給要件の在り方についての検討規定がありまして、その検討の論点となり得るものと考えてはおりますが、現時点において、政府として何らかの方向性を持って、つまり、前向きに考えているとか検討しているということではないということは明言をさせていただきたいと思います。
○浅野委員 まず、その検討する場を、どこで検討するかというのは是非明確にしていただきたいと思いますし、広く全体として検討するということなので、様々な会議の場で検討される論点になり得るということだと思うんですが、では、どこが責任を持ってこの問題について結論を出すのかというところは、しっかり政府として明確に持っておいていただきたいと思いますので、また今後ともそこは適時確認をさせていただきたいと思います。
時間がなくなってきましたので、次の質問に移りたいと思いますが、ちょっと通告の順番を変えまして、五番の設問です。
この児童手当については、今年の十月から、年収一千二百万円以上の世帯について特例給付の支給が廃止されましたけれども、これによりできる財源というのは今後どのように使われていくのか。その用途について、政府の方針を伺いたいと思います。
○小倉国務大臣 今言及いただきました年収千二百万円以上の方に対する特例給付の見直しについては、様々な御意見があることは承知をしております。
しかしながら、長年の課題である待機児童問題の解決を図ることと併せて、子育て支援全体のバランスとニーズを踏まえた中での対応であるということを承知しております。
特例給付の見直しによって生じた財源につきましてでありますが、新子育て安心プランによる保育の受皿整備に伴って必要となる保育所等の運営費に充当することとされております。
○浅野委員 保育所等の運営費というのがありました。それは人件費も含まれるんでしょうか。
○小倉国務大臣 人件費も含む運営費という理解でございます。
○浅野委員 時間が参りましたので、続きはまた今後行わせていただきたいと思います。
ありがとうございました。
○大西委員長 次に、大石あきこ君。
○大石委員 れいわ新選組、大石あきこです。
IR、カジノの問題について質問します。
まず、パネルの一と言いたいところなんですけれども、このパネルの一については、週刊誌だという理由で、今朝方、自民の理事の方が反対したということで没になりましたので、口頭となります。
旧統一教会、現世界平和統一家庭連合の総裁である韓鶴子御一行が、MGMが運営するラスベガスカジノで六十四億円豪遊という文春の報がありました。カジノで豪遊について教団側は、集めたお金を麻薬中毒者や見捨てられた売春婦らを助けるために寄附していると言ったそうです。
あり得ない詭弁ですが、似たようなことで思い出すのは、大阪府の吉村知事が、カジノの収益で得たお金をギャンブル依存症対策に使うと言ったことです。
さて、そのような大阪のカジノ計画の問題の一例が、パネル二です。
大阪府民が、おかしな点がたくさんある、メリットがないと指摘してきました。特に、使わないと言っていた公金が土壌改良などのために二千六百九十七億円も投入される予定で、さらに、地盤沈下など土壌問題が増えたら、大阪市が際限なく公金投入が迫られる契約になっています。これについては後で詳しく言います。やむにやまれず、大阪市民が七月、差止めを求めて裁判を起こしています。
さらに、先日十一月一日の参議院の環境委員会では、共産党の山下議員からも指摘がありました。大阪カジノの予定地、夢洲の土壌問題への指摘です。カジノ計画の審査をする国交省も、土壌の問題は、審査基準であり、自治体財政にも関わるために、重視すると言っているんです。
いわば大阪カジノ計画の最重要の審査ポイントが土壌対策です。しかし、おかしいんです。パネルの三です。
カジノ計画を審査する審査委員会、委員は八人おられるんですけれども、これらの方々なんです。
西田政務官にお伺いします。
この中で土壌の専門家はいますか。いるか、いないでお答えください。
○西田大臣政務官 お答えをさせていただきます。
審査委員の中には、土壌、土木分野に関する経歴も一部有している方もいらっしゃいます。加えて、御指摘の土壌問題に関しては、委員長が必要と認めるときには、審査委員以外の有識者複数名に審査委員会に出席いただき、意見を述べていただくこととしております。
○大石委員 昨日の段階では、聞き取りでは、いないとおっしゃっていたんですけれども、どなたなんでしょうかね。そして、いろいろな聞き取りもできるとおっしゃっているんですけれども、やはり、この八人の委員の方で責任を持って審査するので、土壌の専門家がいないということで、正しい審査はできません。時間がないので質問はいたしません。
先ほど述べた山下議員の質問にも出てきたんですけれども、土壌対策の専門家の方が外部にいらっしゃって、大阪のカジノ計画で二つのことを指摘しています。
一つは、水分の多い軟弱な地盤、夢洲ですけれども、くい施工による地盤改良を行うと、豊洲の場合と同じように、くいを打ち込むことによって地下に埋まっている有害物質が拡散し、しみ出す可能性がある。第二に、カジノ予定地の地下は、深さ三十メートルまで軟弱な沖積層があり、更にその下に七十メートル近くまで軟弱な洪積層があり、地盤改良しても安全の保証はないと言うんです。
西田政務官にお伺いします。
土壌の専門家が、このような調査結果を基に、地盤改良では安全が保証できない土地だと、いわば駄目出しをしている状況なんですけれども、この専門家の指摘を受けて、大阪のカジノの認可はできないでよろしいですか。できるか、できないかでお答えください。
○西田大臣政務官 お答えをさせていただきます。
個々の事案や程度、性質に応じて、区域整備計画審査基準にどの程度該当するかとして扱うべきかを整理しつつ、必要な審査を今後とも進めてまいりたいと思います。
○大石委員 大石あきこ事務所でも、直接、担当の部署には聞き取り、省庁レクなどもやっていますけれども、やはり土壌というのが今大事な審査ポイントだということはお認めになっているんですよね。でも、審査委員には土壌の専門家はいないんですよね。少なくとも昨日の聞き取りまではそうでした。だから、やはりできないんですよ。いけるやろうということになってしまうので、本当に危険を感じております。今すぐやめるべきです。
質問を続けます。
IR、カジノの国の認定基準にはいろいろあるんですけれども、要求基準六というのがあって、これは地域における合意形成の基準になるんですけれども、大前提として、十分な情報公開というものが前提になります。
しかし、大阪においては、カジノに関する住民説明会、コロナで打ち切られております。これに関しては弁護士もおかしいと声明を出しているんですね。そして、十九万人を超える、大阪府民の住民投票をやれという請願署名を、大阪府知事の吉村知事と、あと維新、公明が否定しております。
そして、さらには、重要な土壌問題について、契約書が隠匿されています。どういうことでしょうか。隠匿物をまとめたのがパネル四です。
三つの契約書。基本協定書というのが既に結ばれていて、これは公開せよと言われて公開しているんです、大阪府市が。それの下で、基本合意書というものの中に三つの契約書の案をまとめたもの、これが丸ごと隠匿されているんですね。どんな内容の契約を結ぶのか、主権者である市民、府民が知ることができず、財政負担だけ押しつけられるというあり得ない話が進んでいます。これで、認可の要求基準六、住民合意は満たしているわけがありません。
政務官に伺います。
この隠匿物、国には提出されております。国が開示してください。いかがですか。
○西田大臣政務官 お答えをさせていただきます。
御指摘の書類につきましては、大阪府市とIR事業者によって作成されているものと承知をしております。それ自体は国へ提出義務があるものではありませんので、その公表については、一義的には文書作成者において判断すべきであるため、国としてはお答えは差し控えるべく立場にあると考えております。
○大石委員 時間がなくなってきましたので。
そもそもカジノなどやっている場合ではないと考えておりますし、これは住民合意ができないので、開示も大事なんですけれども、そもそも住民合意ができていませんよということはお伝えしたいと思います。
今、国や地方がやるべきは、住民の所得の根本的な向上、汚い金を手にした統一教会のような大口顧客を相手に、そのおこぼれをもらうようなカジノ計画は、日本のどこにも要りません。大阪、長崎……
○大西委員長 大石君に申し上げます。
申合せの時間が経過しておりますので、御協力をお願いします。
○大石委員 はい、分かりました。
大阪、長崎、いずれも認可は許されません。
質問を終わります。
○大西委員長 次に、塩川鉄也君。
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
政務三役と統一協会との関係についてお尋ねをいたします。
最初に、大串副大臣にお尋ねをいたします。
大串副大臣が、統一協会の関連団体と推薦確認書の用紙をその場で見て署名をしたという答弁がございます。この推薦確認書の相手方というのはどの団体か、推薦確認書を出された側の相手方の団体名は何か、教えてもらえますか。
〔委員長退席、藤井委員長代理着席〕
○大串副大臣 世界平和連合だったと記憶しております。
○塩川委員 世界平和連合ということで、この推薦確認書の文書そのものは、その場でサインをした際に手元に残るのか、相手方が持って帰るのか、それはどんな対応だったんですか。
○大串副大臣 推薦確認書と推薦確認書の控えというものがございまして、確認書そのものは先方が持ち帰るということになっております。
○塩川委員 その場合に、その推薦確認書については外部に公表しないという約束というのがあったということなんでしょうか。
○大串副大臣 はい、推薦確認書の中に、これは公開するものではございませんという一言がございました。
○塩川委員 それは何か、出すのがまずいということなんでしょうかね。どういう理由なんでしょうか。
○大串副大臣 その趣旨は存じ上げませんけれども、一般に、政策協定書などは余り公開されないのではないかと認識しております。
○塩川委員 それは団体によっていろいろだと思いますけれどもね。分かりました。
そうすると、大串副大臣の場合について言えば、推薦確認書に署名をして、その用紙そのものは相手が持って帰り、控えの方が手元に残ったと。そうすると、推薦確認書の控えと、それから推薦状については手元に残っているということでよろしいですか。
○大串副大臣 はい、さようでございます。
○塩川委員 先日の理事会でも少しこの協議の問題がありましたけれども、やはり、こういった推薦確認書の控え、また推薦状については是非お出しいただきたい、このことを求めておくものであります。
木原副長官にお尋ねをいたします。
木原副長官は、世界平和連合から推薦状を受けたことを認めております。推薦確認書については、推薦確認書を交わしたという事実は確認されなかったという御答弁でした。
推薦確認書を交わしたという事実は確認されなかったということなんですが、推薦確認書そのものについては、相手側から示されたものだったんでしょうか。
○木原内閣官房副長官 お答えを申し上げます。
先日の委員会でも申し上げましたとおり、推薦確認書についてですが、事務所の様々な資料の確認、また事務所スタッフへの聞き取りを行いましたが、そのような文書を交わした事実は確認されませんでした。
そして、同日の委員会で別の委員の方からの御指摘、御質問もございましたが、推薦確認書の提示につきましても、そうした事実は確認できなかった、こういうことでございます。
○塩川委員 大串副大臣の答弁にありますように、推薦確認書のサインと推薦状が一体で行われてきているといった事例もあるわけですので、それが、ほかはどうなのかといったことについてもきちっと明らかにしていただきたいと思っております。
それから、木原副長官におきましては、統一協会関係者が関与した後援団体であります誠世会について、お認めとなっております。
井野防衛副大臣が他の委員会での質疑の中で、統一協会関係者が関与した後援団体である井野防衛副大臣に関わる俊世会について、接点が疑われるのはよくないとして、解散するように指示したということですが、木原副長官の誠世会についてはどうされるのか。解散を指示するとか、求めるとか、その点についてはどうでしょうか。
○木原内閣官房副長官 お答えをさせていただきます。
先日、委員とのやり取りの中でも申し上げたとおりでありますが、繰り返し申し上げますが、この会につきましては、地元の有志の方から、地域の知り合いの皆さんを集めて政治経済の勉強会をやりたい、その際に、日程が許せば国政報告会をやってもらいたい、こういう話が私の事務所のスタッフに寄せられて、その有志の方々によってスタートした会、こういうことでございます。
そして、こうした経緯でスタートした会でありますので、私が解散をさせるとか、それから、解散すると申し上げる、こういう立場にはない、このように思いますが、今委員の御指摘にもありましたとおり、今後、やはり疑念を持たれる、抱かれることがないように、私自身はこの参加を控える、参加をしない、こういうことにさせていただきたい、このように思っております。
○塩川委員 自民党の地方議員の方が関わっているそういう団体でもありますので、そういった際に、こういった団体そのものについて御縁を切るといったことは、木原議員の後援団体ですから、そういうことについて御遠慮被りたいということはあってしかるべきだと思いますが、いかがですか。
○木原内閣官房副長官 まず、設立の経緯は先ほど申し上げたとおりであります。加えて、様々な活動も先ほど申し上げたとおりでありますので。私が申し上げたことは、私が何か、この会をやめろとか、それから、解散しろとか解散すると申し上げる立場にありませんが、私自身は、繰り返しで恐縮ですが、この会にはもう参加をしない、こういうことで対応させていただきたい、こう思ってございます。
○塩川委員 井野防衛副大臣の対応との違い、様々な反社会的な問題を起こしてきているこういう団体との関わりが問われているときに、そういった後援団体についてそのような対応でいいのかということは厳しく問われるということを申し上げておくものです。
尾崎政務官にお尋ねいたします。
統一協会関連団体の会合等に出席をしたということですけれども、統一協会関連について、どのような接点があったのか、御説明いただけますか。
○尾崎大臣政務官 お答えをいたします。
その会合の出席ということでありますけれども、高知の教団施設におきまして、昨年の衆議院選挙前、十月十七日でありますけれども、対外的なイベントではありませんが、十五人程度の方が集まっている場で挨拶を行わさせていただいたものでございます。
○塩川委員 この高知の教団施設というのは、世界平和統一家庭連合の高知家庭教会ということでよろしいでしょうか。
○尾崎大臣政務官 そうです。
○塩川委員 統一協会そのものの団体ということであります。
誰の呼びかけで、どういうつながりで挨拶に行くことになったんでしょうか。
○尾崎大臣政務官 私の知人の方がおいでになりまして、その方のお誘いを受けて支部役員の方に御挨拶に行かせていただいたことがあります。役員が交代したからということで、もう一回御挨拶に行かせていただいたことがあります。そして、この十月ぐらいの段階になりましたときに、女性の信者の方が集まっておられるので挨拶をしたらどうかと言っていただきましたものですから、お伺いをさせていただいたということです。
こういう形で接点を持ちましたことは、本当に認識が甘く、私といたしまして、深く反省をし、おわびを申し上げなければならない、そのように思っておるところであります。
〔藤井委員長代理退席、委員長着席〕
○塩川委員 推薦確認書について、見たことがあるか、サインなどを交わしたことがあるか、また、推薦状について、受けたことがあるか、この点についてはいかがですか。
○尾崎大臣政務官 推薦確認書について、見たことはありませんし、署名したことはありませんし、そして、推薦状をいただいたこともございません。
○塩川委員 統一協会関係者から選挙支援を受けたということはあるでしょうか。
○尾崎大臣政務官 選挙支援を受けたことはございません。
○塩川委員 井野防衛副大臣の俊世会や木原官房副長官の誠世会のような、統一協会関係者が関与した後援団体はありますか。
○尾崎大臣政務官 私の知り得る限り、ございません。
○塩川委員 統一協会本体の団体に挨拶に行ったということでも、選挙前という時期でもありますし、その関係というのは厳しく問われなければならないと言わざるを得ません。
中野政務官にお尋ねいたします。
議員になる前に、知人の紹介で集会挨拶に行ったということをお答えになっておりますけれども、どのような集会にいつ行かれたのかについて説明いただけますか。
○中野大臣政務官 お答えさせていただきたいと思います。
議員になる前の令和三年十月十六日に、数ある政治活動の一環として、知人の紹介で、教会の三十名程度の集会に御挨拶にお伺いをさせていただきました。
以上でございます。
○塩川委員 令和三年十月十六日、教会の三十名程度の集会に参加をされたということですが、その教会というのは、統一協会、世界平和統一家庭連合の川越教会とか、そういうところということでよろしいですか。
○中野大臣政務官 お答えいたします。
川越にある、そういった教会施設で御挨拶させていただきました。
○塩川委員 統一協会本体の施設に挨拶に行ったということであります。
あわせて、これまで御説明している中で、当選の御礼挨拶でクリスマス会に行き、挨拶後に会場を出たということでありますが、こういった事実はおありなんでしょうか。
○中野大臣政務官 お答えいたします。
この御挨拶につきましても、令和三年の十二月十九日の教会のクリスマス会がありまして、知人の方から御挨拶に行ったらどうだというお誘いを受けて、御挨拶に行かさせていただきました。
○塩川委員 この十二月十九日の集会については、これは主催団体、会場等は、先ほど言っていた世界平和統一家庭連合の川越教会に当たるということでしょうか。
○中野大臣政務官 お答えいたします。
同様の川越の教会の施設でございました。
○塩川委員 選挙前に統一協会に挨拶に行き、選挙後に統一協会に挨拶に行くということになれば、選挙支援ということがどうだったのかが問われるんですが、選挙について、電話がけなどの支援を受けたことがおありでしょうか。
○中野大臣政務官 お答えさせていただきたいと思います。
旧統一教会の関連団体の関係者から選挙支援という形で御支援をいただいた、受けたことはございません。
○塩川委員 では、前後して、選挙前に挨拶に行き、選挙後に挨拶に行く、それは、選挙と関わりなく行かれたということですか。つまり、統一協会に深い御縁があるから、統一協会との関係で深い縁があるので挨拶に行ったということなんですか。
○中野大臣政務官 お答えさせていただきます。
いわゆる政治活動の一環として、一団体の知人の紹介で御挨拶にお伺いをさせていただいたという経緯でございますので、御理解いただきたいと思います。
○塩川委員 推薦確認書、推薦状について、交わしたことや受け取ったことは、どうでしょうか。
○中野大臣政務官 お答えさせていただきます。
旧統一教会の関連団体との推薦確認書並びに協定書は交わしたことはございません。また、推薦状も受けたことはございません。
○大西委員長 塩川君に申し上げます。
申合せの時間が経過していますので、よろしく。
○塩川委員 はい。時間が参りましたので終わりますが、官房長官、お聞きできず申し訳ありません。
ただ、こういった事実関係について、聞けば聞くほどいろいろ出てくるわけですから、政府としてしっかりとした調査を行えということを申し上げて、質問を終わります。
○大西委員長 次に、河西宏一君。
○河西委員 おはようございます。公明党の河西宏一です。
本日は、質問の機会をいただきまして、心より感謝を申し上げます。また、小倉大臣、また松野長官、お忙しい中お時間をいただきまして、大変にありがとうございます。
まず、先週二十八日に閣議決定をされました総合経済対策の中で、特に少子化対策、また、子供、子育て支援の狙いを確認をさせていただきたいというふうに思っております。
子育て支援につきましては、公明党は結党以来、政策の一丁目一番地としてその実現に取り組んでまいりました。そして、今般の総合経済対策では、まず、夏の参院選の党首討論でも我が党の山口代表から岸田総理に直接お訴えを申し上げた出産育児一時金の大幅な増額について、来年度予算から実施する旨、正式に決定をいただいたところでございます。さらに、我が党の提言等も踏まえまして、支援が手薄なゼロ歳から二歳の低年齢期に焦点を当てた、妊娠期を含む子育て支援の拡充、これを拡充する方針を固めていただいたわけでございまして、この点につきましては高く評価をさせていただきたいと思っております。
そこで、まず、政府に確認をいたしますが、どういった背景から、ゼロ歳から二歳の低年齢期への子育て支援が他の年齢期と比べて手薄であると認識をしているのか、定量的にお答えをいただきたいと思っております。また、それによって我が国にどういった課題が生じていると認識をしているのか、政府の御見解をお伺いいたします。
○野村政府参考人 お答え申し上げます。
近年、やはり社会経済情勢の変化あるいは核家族化の進行などなどもありまして、生まれ育った地域等から離れて、子育てについて相談をしたりあるいは助けを求めることができるような縁が乏しいような地域で、あるいはそういった環境で子供を産まれる方あるいは子育てに入られる方が多いという状況であるというふうに考えております。
そうした中で、今、保育所や幼稚園あるいは認定こども園、こういったところのいずれにも通っていない、いわゆる未就園児でございますけれども、これが、現在、三歳から五歳の間では約二%、これに対しまして、ゼロから二歳の間では割合が約六割ということで、高くなってございます。
また、これら保育所などに通っている子供について見ましても、三歳から五歳の方々は幼児教育、保育の無償化の対象ということになっておるのに対しまして、ゼロ歳から二歳の間のお子さんというのは、住民税非課税世帯あるいは第三子以降のお子さんのみが無償化の対象ということになっておりまして、三歳から五歳の方が全員が無償化ということに対しまして、ゼロから二歳の方の保育所等の利用者のうちでこの無償化の対象になっているのは約一割という形で、このように、未就園児の割合であるとか、あるいは無償化の対象の割合、こういったものがそもそも低くなっているという状態にあります。
さらに、年齢を問わず使える地域子育て支援拠点、あるいは一時預かりといったサービスもございますけれども、これがやはりアクセスの可能性が地域によって偏りがある、こういったことなども相まって、とりわけ未就園児の多いゼロから二歳児のいる子育て家庭では、子育ての負担感あるいは孤立感、こういったものにつながっているのかなというふうに考えております。
そういう意味では、今般、先ほど先生から御指摘がありました経済対策の中で盛り込まれました伴走型相談支援、この伴走型相談支援によって、相談内容から勘案される必要な支援につなげていく。こうしたことによって、子育ての負担感、孤立感というのを軽減していく、ないしは取り去っていく、こういったことが必要かなというふうに考えている次第でございます。
○河西委員 ありがとうございます。
幼児教育、保育の無償化に関しましては、三―五は十割ですけれども、〇―二は一割ということでお示しがありました。そのことに対する課題、私も通常国会で取り上げました、例えば児童虐待死にまつわる課題もこういった背景があると思っております。
そこで、この総合経済対策、妊娠届あるいは出産届の機会を利用した伴走型の相談支援、これに加えて、例えば、おむつやミルクなどの購入費助成、あるいは、産前産後ケア、一時預かり、家事支援などのサービス利用に対する経済的支援、この伴走型相談支援と経済的支援をパッケージで実施をしていくわけでありますが、大切なことは、この事業、地方自治体の創意工夫により創設するというふうに明記をされてございます。
この方針を受けまして、自治体や、特に我が党の地方議員さんからは、自治体が創設する事業に係る費用に対しまして、国費による補助があるのかないのか。やはり、このコロナ禍、また物価高対策で、地方財政も御案内のとおり逼迫をしております。国の方針いかんによっては、自治体の創意工夫の幅とか、正直申し上げてモチベーションも大きく変わってくるんだということでありまして、是非政府の方針を確認をしたいという声をいただいております。
当然、対象、上限、また補助率などの詳細な制度設計は、第二次補正予算案の閣議決定に向けて、現在設計中、検討中であるというふうに考えますけれども、今回の総合経済対策で決定をした、この低年齢期に焦点を当てた子育て支援の拡充について、国は、地方自治体が創設する事業に対しまして、今般の第二次補正予算、現段階は案になりますけれども、それを皮切りにして継続して財政支援を行うのか。現段階の方針に関しまして、是非、小倉担当大臣からお示しをいただきたいと思っております。
○小倉国務大臣 お答えをさせていただきます。
ただいまの方針はということでございますが、十月の二十八日に閣議決定された物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策において、支援が手薄なゼロ歳から二歳までの低年齢期に焦点を当てて、妊娠時から出産、子育てまで一貫した伴走型相談支援の充実を図るとともに、地方自治体の創意工夫により、経済的支援を一体として実施する事業を創設し、委員御指摘のとおり、継続的に実施をすることといたしました。
この事業につきましては、全国の地方自治体で実施をしていただき、伴走型相談支援を妊婦や子育て家庭に早期に届けられるようにすることが重要であると認識しており、国としても、これに必要な予算を、まずは今般の第二次補正予算において確保していきたいと思っております。
その上で、この事業の継続的な実施の在り方については、令和五年度予算編成過程で検討してまいりたいと思っております。
○河西委員 ありがとうございます。
加えて、地方自治体が創設する事業などを利用する際の経済的支援ですが、これは、先ほど申し上げましたとおり、妊娠届と出産届の機会を利用して、それぞれ五万円、計十万円相当の支援を行う方針でございます。
その上で、今回はやはり支援対象と目的がはっきりしておりまして、今御答弁いただいたように、来年度以降も継続的に実施する事業として検討されております。やはり、ここは一定のコストをかけてでも、この十万円相当がしっかりと子育て支援に使われるような仕組み、これを着実につくることが非常に大事なんだろうというふうに思っております。
例えば東京都では、コロナ禍の出産応援事業として、対象の御家庭に対して専用IDつきのカードを配付をいたしまして、専用のウェブサイトにログインをする、そこで十万円分のポイントで子育て関連商品が購入できる仕組み、要は、それ以外は使えないということであります。
また、大阪市でも、これは既にある制度ですが、申請のあった中学生、来年度からは小学校五、六年生にも拡大をされるということでありますけれども、その御家庭に塾代助成カードを発行いたしまして、習い事などにかかる費用について月額一万円の支援が受けられる制度でございます。
これは、いずれも当然コストがかかっているわけであります。こうした仕組みを自力でつくれる体力がある自治体はいいんですが、まだまだシステムを持たない自治体も多いというふうに思っております。
したがいまして、今回のこの低年齢期に焦点を当てた子育て支援、これにおける経済的支援ですけれども、投じられる国費が子育て支援にしっかり使われるような仕組みづくり、そうなるよう、国として、是非とも地方自治体を全面的に後押しをしていただきたいというふうに思っておりますけれども、大臣の御所見をお伺いをいたします。
○小倉国務大臣 お答えいたします。
総合経済対策では、伴走型相談支援と一体として実施をする経済的支援について、「妊娠・出産時の関連用品の購入費助成や産前・産後ケア・一時預かり・家事支援サービス等の利用負担軽減を図る」とされております。
その実施方法につきましては、各自治体の判断により、例えば、妊娠、出産時の育児関連用品等のクーポンの支給、一時預かり、産前産後ケア、訪問支援サービス等のサービス利用券、妊婦健診の交通費やベビー用品の購入費等の助成など、幅広く認める方向で検討しております。
委員に御紹介をいただきました東京都の事例も、私も勉強させていただきました。より充実した商品やサービスを、しかも、いつの時期に、どの商品やサービスが必要かということを、サイトを通じて利用者の方に分かってもらえるような工夫をしておりまして、現金を単に給付をするよりも様々なメリットが、東京都が先行して行っていただいている事業にあるのかなというふうにも思いました。
こういった先行事例もきちんと踏まえながら、伴走型相談支援と組み合わせた形で、ニーズに即した効果的な支援となるよう、また、当該政策が継続的に実施されるものであることも踏まえて、今申し上げたような電子的な方法の活用や広域的な連携を含め、効率的な事業実施の在り方について工夫してまいりたいと思いますし、政府としても、委員御言及のとおり、地方公共団体にどのような支援ができるか、しっかりと検討してまいりたいと思います。
○河西委員 ありがとうございます。
是非ともこの点につきましても、場合によっては、先ほど御答弁いただいた国からの財政支援に関しましても、そのスキームの中で是非検討していただきたいというふうに、これは強く要望をさせていただきます。
続きまして、子供、若者の意見反映の推進につきましてお伺いをいたします。
今回は、よく項目として見ていきますと、総合経済対策の中に、子供、若者意見反映推進のための調査研究というものが盛り込まれております。これは既に行われているものでありますけれども、やはり、御案内のとおり、自己肯定感が海外と比べて非常に低いと指摘をされる我が国にありまして、子供、若者が社会に参画をして、他の世代ともコミュニケーションを取って居場所を得る仕組みというのは、これは我が国の活力と将来を大きく左右する大変重要なテーマだというふうに私は思っております。私も六歳と五歳の父でありますので、非常にそういうことを感じるわけであります。
さきの通常国会でも、こども基本法、また、こども家庭庁設置法を審議をさせていただく中で、参考人質疑にお越しいただいたNPO法人わかもののまち事務局長の土肥潤也さんからも御示唆をいただいて、私自身も、子供や若者の意見、すぐに国会議員とか行政に何かを言えるということがないわけでありまして、やはり、言いやすい、声が行政に届きやすい、政策に反映されやすい、その仲介役として働くユースワーカーあるいはファシリテーターの重要性をお訴え申し上げたところでございます。
これに対して、当時の野田大臣からは、今年度から調査研究を行い、子供、若者の声を引き出すファシリテーターの在り方について検討するというふうに御答弁があったところでございます。
その後、検討委員会での御議論など、取り組んでいただいているというふうに承知をしておりますけれども、今後、このファシリテーターの役割の明確化や、何より人材の確保が大事ですが、こういったことが進めば、国や自治体、また行政職員自身にとっても、子供、若者の意見自体が非常に貴重なナレッジとして位置づけられてくるようになる。これは非常に、これまでの日本の政策の在り方を大きく変えていくものだというふうに思っております。
場合によっては、例えば、子供の意見を一定程度反映した公園に対して、これは国交省の方になりますけれども、都市公園事業費の国の補助率を上げるといったようなもので、地元の子供からすると、自分たちの意見が反映された公園ができた、これは非常に夢のある話であるわけであります。
そこで、これは政府参考人にお伺いいたしますが、総合経済対策として、重ねて、この子供、若者意見反映推進のための調査研究に取り組む狙いは何か。また、その中で、ユースワーカー、ファシリテーターの育成確保や、行政の意識変革をなるべく地域格差なく加速させていくべきであるというふうに考えますけれども、御見解をいただきたいと思っております。
○北波政府参考人 お答え申し上げます。
先生が御指摘のとおり、ファシリテーター、そういうものについての役割は非常に重要だと私たちも考えております。
子供、若者の意見聴取、そして政策への反映プロセスというものにおきましては、繰り返しになりますが、子供が意見を言いやすい環境をつくり、子供の声を引き出すファシリテーター、この役割、また、子供と近い目線、価値観で子供が意見を表明する支援を行うサポーターのような役割というのがやはり大変重要だというふうに認識をしているところでございます。
また、御質問の中でも言及がございました、さきの通常国会で成立いたしましたこども基本法におきましては、国及び地方公共団体は、子供施策の策定、実施、評価に当たり、子供や子育て当事者の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとするという規定を設けております。こうした措置が適切に講じられるよう、子供施策を担う国及び地方公共団体の職員に対しては、政策立案過程において子供や若者の意見を反映するプロセスを常に念頭に置くよう意識づけをし、組織の文化に根づくように推進するということがとても重要だと考えております。
今回、経済対策に、子供、若者の意識反映推進のための調査研究というのを盛り込みさせていただいております。調査研究の成果を速やかに国の各省庁や地方公共団体と共有をする、そういうことで、子供や若者の意見の政策への反映の取組、これを加速したいというふうに考えております。
○河西委員 ありがとうございます。是非、推進をよろしくお願いを申し上げます。
では、小倉大臣、私のところは以上でございますので、大変にありがとうございました。
続きまして、少し色合いを変えまして、国民保護法に関する危機管理についてお伺いをいたします。
もう御案内のとおり、北朝鮮による弾道ミサイル発射、今年に入って、昨日の朝、夜の六発で計三十回を数えたというふうにお伺いをしております。断じて容認できない暴挙でありまして、改めて厳重に抗議をし、最も強い表現で非難をするものでございます。
そこで、外部の武力攻撃から国民を守るために国が整備したJアラートについてお伺いをいたします。
これは、国民保護法の趣旨を踏まえまして、北朝鮮から弾道ミサイルが発射される際に、軌道計算等によって日本に飛来する可能性があると予測をされる場合には、いち早く国民に避難警報を発するシステムでございます。
その上で、先月四日の北朝鮮による中距離弾道ミサイルが日本上空を通過した際には、ミサイルが飛来する可能性が低かった地域、具体的には東京の島嶼部でありますけれども、避難警報が発令されたこともございました。また、警報が発令されても誰一人避難しなかったという地域もございました。このJアラートの実効性については様々課題があるんだろうというふうに認識をしております。
その上で、先月十二日、松野官房長官より、このJアラートに関しまして、住民の避難時における意識や行動に関する調査を表明をされました。まず、この狙いと調査のスケジュールについてお示しをいただきたいと思います。
○松野国務大臣 河西先生にお答えをさせていただきます。
Jアラートによる情報伝達については、住民の方々の実際の避難等につながることが重要であると考えております。
このため、政府としては、十月四日にJアラートによる情報伝達が行われた地域の住民の方々を対象として、五年前と同様、我が国上空を通過した弾道ミサイル発射当日の意識、行動等についてアンケート調査を行うこととし、去る十月二十五日に、北海道及び青森県に対して調査を依頼をしたところであります。今後、インターネットを通じた調査も併せて実施をし、結果を取りまとめた上で公表する予定であります。
政府としては、この調査結果を踏まえつつ、少しでも実際の避難行動等につながるよう、弾道ミサイルを想定した住民避難訓練の実施等にしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
○河西委員 その上で、最後に一問、お伺いをいたします。
前回、二〇一七年のときの調査でも、二番目に多かった避難行動を取らなかった理由というのが、どこに避難すればいいか分からなかったということであります。避難施設をどこで確認をすればいいのか。今、町中にも看板がない中で、二〇〇五年に開設をされた国民保護ポータルサイトであるわけでありますが、これについて、何点か課題がございます。
一つは、開設から十五年たちますが、余りその存在自体が知られていないということであります。二つ目に、実際開いてみていただくと分かるんですが、避難施設を検索するのが、非常に、必ずしも使い勝手がいいとは言えないという点でございます、三回クリックしないとそのマップには行けないということでございまして。また、先般、東京も、新たに七百七十八の緊急一時避難施設の指定をいたしましたが、計三千七百五十五の緊急一時避難施設、これもまだサイトに反映をされておりません。聞くところによると、年一回の更新頻度だということでございます。
そこで、この非常に厳しい安全保障環境に鑑みまして、今日、三点御要望をさせていただきます。
一点目は、今回の調査も踏まえつつ、ポータルサイトの周知啓発に、より一層取り組んでいただきたいということ。二点目、このポータルサイトのユーザーインターフェースについて、いざというときに避難施設を素早く検索できるように改善をいただきたいということ。そして三点目、国と自治体の提供情報に差があっては元も子もございませんので、避難施設を可能な限りワンストップで検索できるように情報の更新頻度を上げていただきたいと思いますけれども、最後、長官にお伺いをいたします。
○松野国務大臣 お答えをいたします。
政府としても、国民保護ポータルサイトの認知度の向上は重要な課題と認識をしております。
先般の弾道ミサイル発射当日である十月四日、同サイトの閲覧数は九月一か月間の平均の約二十五倍となるなど、国民の皆様の潜在的な関心はあるものと考えており、今後、ツイッターを活用したプッシュ型の周知等を通じ、認知度向上に努めてまいりたいと考えております。
また、近くの避難施設を素早く検索できる機能の提供も重要であると認識をしており、今後、ポータルサイト上の避難施設情報へのアクセスについて、必要な改善を検討してまいりたいと考えております。
避難施設情報の更新に対するお尋ねについて申し上げますと、昨今の安全保障関係の深刻化を踏まえ、指定された避難施設情報をよりタイムリーに閲覧できるよう、現行の更新頻度の見直しを検討してまいりたいと考えております。
○河西委員 以上で終わります。ありがとうございました。
○大西委員長 次に、太栄志君。
○太委員 神奈川十三区の太栄志でございます。
本日は、国民への説明責任、この視点から各大臣に、まずは岡田大臣、政治資金の問題、そして国家安全保障戦略、また国民保護、この問題について扱いたいと思っております。
では、早速、岡田大臣に伺いたいと思います。
一部報道がありました。岡田直樹地方創生担当大臣が、ポスターを掲示してもらっている地元有権者に管理料を支払っている。十月二十六日でした、日刊ゲンダイ。岡田大臣が買収まがいに政治資金を地元有権者にばらまくとの記事が出ています。
まず、大臣、この報道は事実でしょうか。
○岡田国務大臣 お答えを申し上げます。
ただいま御指摘の報道には事実に反する内容がありますことから、改めて事実関係を御説明申し上げたいと思います。
まず、政党の広報掲示板については、自民党の参議院石川県第二支部が、党勢の拡大を図るため、政党活動の一環として、支援者の土地や家屋に設置しているものであります。支援者の所有地内に設置させていただいていること、あるいは、屋外のため、広報掲示板やそこに貼られたポスターが雨や風、雪などで傷むことも多くございますので、そうした際に、その貼っていただいている方、掲示板を設置していただいている方御自身で修理をいただいたり、又は事務所への連絡等を行っていただくとともに、日頃から、不具合が生じていないかということを確認するなどの管理も行っていただいております。
そうしたことへの対価、すなわち、設置の対価と管理の対価として広報掲示板管理料を支出しているところでありまして、このように、御指摘の報道の、管理の実態がないというふうに書かれておりますけれども、その指摘は全く当たらないと考えております。
謝礼や選挙区内での寄附に該当するものでもなく、公職選挙法や政治資金規正法に抵触するとの指摘も当たらないと考えております。
また、金額を申し上げますと、広報掲示板一か所につき年間二千五百円を支出しておりますが、個人の所有地内に設置していただいていることへの対価や、不具合がないかの確認、不具合が生じた場合の修理、事務所への連絡などの管理を行っていただいていることへの対価という性格に鑑みて、妥当な水準であると考えております。
○太委員 大臣、事実と反する、また違法ではなかったということだったと思いますが、私も大臣の収支報告書を見ました。三年、一人当たり一万二千五百円以上から、また八万円というのもありましたし、三年間でポスター管理料の総額は二百万円を超えています。
私も、最初、このニュースを聞いたときには本当に驚きました。私は六年間浪人生活を送りましたが、まさに私のような落下傘の新人の候補にとってこのポスター掲示というのは大変重要で、大切なツールだと思って、一軒一軒地域を歩いて、お一人お一人の有権者の方の御厚意で貼らせていただいてまいりましたので、まさに、お金を払って、管理料とおっしゃっていましたが、貼らせていただくという、そんなことができたら本当に楽だろうなというふうに思った次第なんですが、もちろん常に資金的にも不足していましたので、大変でした。
この報道が大臣のおっしゃっているとおりであったとしたら、これはまさに、お金を持っている人、持っていない人、そういった人がフェアに、公平に、政治に、選挙に挑んでいくという公職選挙法の趣旨を大きくゆがめることになりかねないと思っておりますので。
大臣、また細かくお伺いしたいのが、この収支報告書、先ほど言いましたお一人当たり一万二千五百円から八万円だと。大変高額だと思いますが、大臣、先ほど二千五百円とおっしゃいましたけれども、この管理料の内訳を教えていただけますか、二千五百円の。お願いいたします。
○岡田国務大臣 お答え申し上げます。
先ほどお答えした、広報掲示板管理料として、広報掲示板一か所につき年間二千五百円を支出しております。また、複数の広報掲示板をお一方が設置、管理いただく、そういう方には、その数に応じた額となっております。
所有地内に設置していただいていること、また、不具合がないかの確認、不具合が生じたときの修理、事務所への連絡などの管理への対価という性格にも鑑みれば、この一か所年間二千五百円との金額は妥当な水準というふうに考えております。
○太委員 大臣、一律二千五百円だったということで間違いないですか、もう一回確認で、全ての方が。
○岡田国務大臣 広報掲示板一つ設置をし、そこにポスターが貼られるわけでありますけれども、その一基の広報掲示板当たり二千五百円ということでありますので、これを複数掲示されている方については、その枚数分、あるいは掲示板の基数分、支出をいたしております。例えば、一万二千五百円という方は、二千五百円掛ける五ということで、五つの掲示板を管理いただいている、そういうことでございます。
○太委員 大臣、分かりました。一律二千五百円ということですね。
大臣、いろいろと御説明されましたが、私も、ポスターメンテ、どういった作業があるかというのは分かっているつもりです。ですが、ポスターというのはまさにそれぞれいろいろと費用のかかり方も違うと思います。これはまさに、なぜ一律二千五百円だったのか。これがまさに実費精算であったとしたらある意味少し分かるのかなと思いますが、しかし、一律支給であれば、これは不透明になりますよ。そういった意味で、まずそこが疑惑の出発点だと思いますが、そこはおかしいと思っています。
それで、大臣、お伺いしたいのが、大臣がポスター管理料を支払われた皆さんというのは、実際にポスターを貼ったり管理をした実態があったのかどうか、そこを教えてください。実態があったかどうか。
○岡田国務大臣 お答えを申し上げます。
これまでも御説明しましたように、屋外であります。特に、北陸でありますので、冬は雪も降ります。そうした中で、やはりポスターが剥がれたり、あるいは破れたり、そして掲示板自体にも不具合が生ずる。そういう場合に、まずそれがないかということを毎日、毎日とは申しませんけれども、日常的に見ていただいている、そして、不具合があれば、それを自ら修理をしていただいたり、あるいは事務所に御連絡をいただく、こういうことは管理の行為として実態が十分にあるというふうに考えております。
○太委員 大臣、今、実態はあるとおっしゃいましたが、これは全員の方、実態があったかどうか、そこも御返答をお願いいたします。
○岡田国務大臣 これは、我が自民党の支持者の方々であり、自民党員の方々が多いわけでございますし、報道にはいろいろなコメントも載せられておりますけれども、それは匿名でありますから、私はここでコメントを控えたいと思いますけれども、管理の実態というものはあった、そういうふうに考えております。
○太委員 大臣、実態はあった、全員だったというふうにおっしゃいましたが、我が党の近藤和也衆議院議員、石川三区です。先週末に、この大臣の収支報告書に記載された皆さんのところ、何人かの方、聞き取り調査ということで回られました。その中で、自分で貼ったことはないという方は何名かいらっしゃったんですが、実際に。大臣、その点に関しての御見解をお聞かせください。
○岡田国務大臣 ポスターは、例えば一年に一度、あるいは半年に一度になるかもしれません、それは新しいものができれば貼り替えるわけでありますけれども、そのときは、我が方の事務所の職員がその管理していただいている方の元にお届けに上がるということはございます。そして、共同で貼ったりすることもあると思います。
○太委員 大臣の選挙区である石川県下のポスターの掲示個数を把握されていますか。教えてください。
○岡田国務大臣 私の参議院の選挙区でございます石川県内には、全部で三百七十六か所の政党の広報掲示板を設置しておると存じます。
○太委員 三百七十六か所、これ全てに関して、ポスター掲示者全員にこの管理料を払っているのかどうか、そこを教えてください。全員に払っているかどうか、お願いいたします。
○岡田国務大臣 この三百七十六か所のうち二百八十一か所については、支援者の所有地内に設置し、不具合がないかの確認や不具合の修理、事務所への連絡などの管理をお願いして、そうした設置の対価と管理の対価、先ほど申しました広報掲示板管理料を支出しております。
また、残る九十五か所については、これは私の事務所や自民党の石川県連合会の支部あるいは私の後援会等が直接管理をしておるものであります。
○太委員 大臣、それでは、収支報告書に、枚数的にはこれは数が合わないと思うんですが、なぜ全ての方が記載されていませんか。教えてください。
○岡田国務大臣 収支報告書には一万円を超えるものの記載をすべしということでございまして、例えば、広報掲示板一基設置、管理をいただいて、ポスター一枚管理を願っている方は二千五百円の支出をいたしておりますので、そういう方々は政治資金収支報告書には記載をされないということでございます。
○太委員 あと、おかしな点が、大臣のこの管理料を払っている方が金沢市内に限定されています。なぜですか。ここを教えてください。
○岡田国務大臣 お答え申し上げます。
金沢市は、石川県の県庁所在地であり、最大の人口を擁しております。かねてより、石川県の自民党、また我々も、金沢を党勢拡大に向けた重点的かつきめ細かく展開をしていきたいところと考えておりました。このため、広報掲示板管理料を支出して設置する広報掲示板については金沢市内に集中しているということでございます。
○太委員 大臣、結局、今御説明を聞いてもやはり分からなかったです。
大臣はもちろん、県議も経験されていた、事務所も金沢市内ということですよね。ですけれども、場所だけを見ても、御自身の御地元だけを何か特別に配慮しているんじゃないかということも思われますし、あと、先ほどの近藤衆議院議員の聞き取り調査の中でも、お金を受け取っていないような方もいたりとか、実際何もやっていないというような方、そういった方もいらっしゃいました。いずれにしろ、この疑惑というのがなかなか晴らされないと思います。
大臣は法的に問題ないとまたおっしゃいましたが、やはり大臣というお立場上、道義的な責任というのは重たいと思っておりますし、まさに今、政治不信がどんどん深まっています。政治とお金の問題、どうか引き続きしっかりと説明責任を果たしてもらうということ。
そして、このことがやはり認められるとすれば、大臣は二千五百円という設定でしたけれども、掲示板、ポスターを貼らせていただくために我々が数万円を払ってもいいということになれば、本当にこれはおかしなことだし、法律改正もしなきゃいけない、そういった話になりますので、引き続きこれは徹底した説明責任をしていただくようお願いいたしまして、あと、この後、我が党の馬淵議員の方からも、総務省の見解も含めて質問させていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
岡田大臣は、私の質問としてはこれで終わります。御退席いただいても構いません。
続きまして、松野官房長官に質問させていただきます。
先週の十月二十八日にも同じ質問をさせていただきました。政府が九年ぶりに改定を目指している、そして年内の改定を目指している防衛三文書の中の国家安全保障戦略の策定プロセスについて質問させていただきたいと思います。
昨日の北朝鮮の暴挙も続いております。我が国を取り巻く安全保障環境というのは本当に厳しい中で、私の基本的な立場としましては、やはり今のままではもう駄目だ、国民の多くの皆さんもそういった感覚になってきているんじゃないかということがまずあると思っております。メディアの各種世論調査の中でも、六割以上の方が、やはり今の日本の平和の問題、安全保障の在り方について相当不安に思っていらっしゃる、こういった現状です。だからこそ、私はしっかりと防衛体制というのは強化していかなきゃいけないというふうなスタンスでおります。
しかし、政府から、岸田総理が所信表明演説で、いわゆる敵基地攻撃能力を含んだ抜本的な防衛力の強化にあらゆる選択肢を排除せずに検討していくと言ってから一年がたちました、昨年十一月でしたので。年内にと言っていますが、もう二か月ないです。
そういった中で、政府としては、ずっと私も質問してきても、検討状況に関しては、現時点では詳細はお答えできないという答えが続いてきましたが、先週の官房長官の返答の中で、今後は国会での審議に答える形で政府として説明すると御答弁いただきました、官房長官から。
そこで質問ですが、これは年内の閣議決定の前なのか後なのか、もちろん前だと思っておりますが、そこを、官房長官、明確にしてください。お願いいたします。
○松野国務大臣 お答えをさせていただきます。
新たな国家安全保障戦略等の検討状況につきましては、政府としては、これまでも国会における質疑にお答えする形で随時説明してきているところでありますが、引き続き、閣議決定の前後を問わず、その時点での議論の推移に応じて丁寧な説明に努めていく考えであります。
○太委員 いや、官房長官、私、丁寧に説明されていないと思っております。
どうですか、この反撃能力。別に私も全部否定しているわけじゃないです。今、何かしっかりとした十分な審議を通して、必要であればそういった能力も保有できるように、装備もしっかりとしていかなきゃいけないというふうに思っておりますが、全然これは答えていないですよ、官房長官。
それじゃ、官房長官、しっかりとそうした議論を深めてできるということで、もう一度確認です。閣議決定の前くらいにできるということで、審議をしていただけるということでよろしいでしょうか、現段階での検討状況を明らかにした上で。ということで、もう一度御返答をどうかお願いいたします。
○松野国務大臣 お答えをさせていただきます。
現在、国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議においても議論を進めていただくとともに、新たな国家安全保障戦略等の策定に向けた議論を加速をしているところであります。
先ほども申し上げましたけれども、これまでも国会における質疑にお答えする形で随時説明してきているところでありますが、引き続き、議論の推移に応じて丁寧な説明に努めていく考えであります。
○太委員 官房長官、有識者会議が進んでいるということは、これは承知しています。与党内での審議も進んでいることも承知していますが、野党に対して、特に国会での審議はやっていないですよね。これは予算委員会で与党の議員の方の質問に対しても、現段階では詳細をお答えすることはできませんと明確におっしゃっていました。全く、私、これは進んでいないと思っています。
総理も、十月六日でした、本会議で、国家安全保障戦略等について、閣議決定前に、公党の党首間でのやり取りも含めて、建設的なものとして受け止め、検討させていただきますと十月六日におっしゃいましたけれども、いまだにこれはできていないですよ。これが現状です。いつやるんですか、本当に。それをまず私は進めていただかなきゃいけないと思っています。
ここでもう一つお伺いしたいのが、これも質問通告を出していますが、トマホークのこと。
政府がアメリカ製の長距離巡航ミサイル、トマホークの購入をアメリカ政府に打診しているとの報道が、これは先月末からなされています。複数の政府関係者が明らかにしているということですが、官房長官、これは本当ですか、教えてください。お願いいたします。
○安藤政府参考人 お答え申し上げます。
反撃能力の保有を念頭にトマホークの購入を検討しているとの報道があることは承知しておりますが、いわゆる反撃能力につきましては、現在検討中でございまして、具体的な内容等は何ら決まっておりません。
○太委員 これは各主要紙がもう報じています、何か当たり前のように。ちょっとこれは、まだ今実際なさっていないということですけれども、まさに私も、トマホークに関しては、ちゃんと審議した上で、本当に必要なのかどうか徹底して審議した上で、必要であれば、やはり短期間で比較的リーズナブルに配備できるという視点は、これは利点だと思いますので、そういったことは検討していくべきだと思いますが、閣議決定していないです、国会審議ゼロです。そういった中でこのトマホークの購入が出てくるということは、やはりこれは順番が違うと思っていますし、そうやって既成事実をつくろうとしていることはやはりおかしいと思います。
ちょっと官房長官、この点、御見解をお願いいたします。事前に出しています。
○松野国務大臣 お答えをさせていただきます。
先生より公党間等の御議論をというお話もございましたが、これは、それぞれの政党間、まさに政党間のお話でございますので、政党間同士でお話の結論を出していただければと思います。
また、国会内での審議のありように関しましては政府としてコメントする立場にございませんが、政府としては、これまでも国会における質疑にお答えする形で随時説明をしてきているところでありますので、閣議の決定の前後を問わず、その時点での議論の推移に応じて丁寧に説明を進めていく考えであります。
○太委員 官房長官、このトマホークの件、もう少し教えていただきたかったんですが、もし違うのであれば、しっかりとメディアの方にも抗議すべきだと思いますし、そうしないということは、やはりいろいろな意味で、いろいろなことを進めようとしているんじゃないかと。これは問題だと思っています。
アメリカだって、武器輸出の管理法があって、その中でしっかりと国会審議で、海外に売るとか買うとか、そういったことを国会審議やっていますよ。議会での決議というのは、これは必要ですので、義務づけられていますので。
そういった視点からも、既成事実をつくることに対して私は改めて強く抗議をさせていただきます。
時間がないので次に移りますが、改めて、国家安保戦略の策定プロセスにおける国会審議の重要性について、これはしつこ過ぎますけれども、最後に教えてください、もう一回、官房長官。具体的に進めていただけるということ。党同士じゃないんです。政府がしっかりと明らかにするかどうかということです。お願いいたします。
○松野国務大臣 お答えをさせていただきます。
繰り返しになって恐縮でございますけれども、新たな国家安全保障戦略等の策定について、その過程で国民の皆さんに丁寧に説明し理解を得ていくことが重要であると考えています。この観点から国会での説明は重要であると考えており、政府としては、引き続き、閣議決定の前後を問わず、そのとき、その時点での議論の推移に応じて丁寧な説明に努めていく考えであります。
○太委員 全く丁寧な説明がなされていないから、具体的な情報が出していただけないから質問しています。
官房長官、もう最後です。なぜ私がここまでこだわっているかというと、国会議員、まさに防衛出動、自衛隊の出動に際して、国会承認が義務づけられています。ということは、国会議員一人一人がこの防衛政策に関して責任を負わなきゃいけない。逆に言うと、責任を押しつけられることになるんですよ、今のままだと。反撃能力の審議には全く関与させてもらえない中で、決まってから、国会承認のときだけ責任を押しつけられる。やはりこれはおかしいと思いますので、二か月切りましたけれども、十分な議論、幅広い国民の支持と理解がなきゃ国は守れないと思っておりますので、どうかそこは引き続き取組を進めていただきたいと思っております。
ちょっと時間が短いですので、もう一つ、国民保護。
最後に一つお伺いしたいのが、ここでもやはり国民への説明ということが大変重要になってくると思っています。これもまた各種報道で出てくるのが、南西諸島防衛に関して、その中で港湾整備強化、これは防衛活用ということについて、様々、メディアで、政府が検討しているというふうに出てきております。これも、これまで国交省が主体的に進めてきた公共インフラ整備に安全保障の観点から加わること、私は大変重要だと思っているし、これはむしろ遅過ぎたと思っています。
私は南西諸島の出身、鹿児島の沖永良部島出身なんですが、この前、与那国島の糸数町長と意見交換したところ、有事の際の島外への退避について具体的な計画がないと語っていました。いざというときに国は本当に離島の住民の安全を守ることができるのか、全く見えてこない、不安だという意見。
そういった中で、港湾整備強化についての検討状況、これは防衛省の方でしょうか、教えていただけますか。お願いいたします。
○安藤政府参考人 お答え申し上げます。
南西諸島の空港や港湾は、離島の住民生活や観光といった産業基盤のみならず、有事や災害等の各種事態における人員や物資の輸送の観点においても大変重要な役割を担うものと認識しております。
また、防衛省としては、我が国防衛上、多様な空港、港湾からの運用が重要であるところ、日頃からそのための訓練を重ねる必要があるとの観点から、これらを平素から柔軟に利用できることが重要と考えております。
また、これが確保された上ではございますが、空港、港湾の整備、機能強化につきまして、例えば、先生がおっしゃられましたように、輸送手段が船舶や航空機に限られる先島諸島におきましては、部隊運用上の有用性が高いものもございます。
公共インフラの整備や利活用に係る防衛省のニーズを反映できるよう、関係省庁と積極的に議論していきたいと考えております。
○太委員 ありがとうございました。
是非ともそこはしっかり進めていただきたいと思っていますし、ですけれども、その際も、やはり空港、港湾、これは県営のところが多いです、県が。ということは県の同意が必要です。そういった意味でも、やはりしっかりとした国民への説明責任、そこがないと、この国民保護も進まないと思っておりますので、この点、どうか引き続き説明責任を徹底していただきたくお願いいたします。
あと、済みません、大分出したんですが、できなくて。最後に一つ、官房長官に質問させていただきたいのが、官房長官はポスターを貼っているか、貼っている場合、管理料を支払っているかどうかを最後に教えてください。どうかお願いいたします。
○松野国務大臣 お答えをさせていただきます。
突然の御質問でございますので事務所等には確認をしておりませんが、広報板等は設置をさせていただいております。また、私の知り得る限り、その設置に何らかの、お金というのはどういった意味かがちょっと分かり……(太委員「管理料ですね」と呼ぶ)管理料ですか。管理料という形でお渡ししているという事実はないんだろうというふうに思います。
○太委員 どうもありがとうございました。
以上です。
○大西委員長 次に、馬淵澄夫君。
○馬淵委員 総務省にお答えいただきたい。
公職選挙法第百七十九条第二項、「この法律において「寄附」とは、金銭、物品その他の財産上の利益の供与又は交付、その供与又は交付の約束で党費、会費その他債務の履行としてなされるもの以外のものをいう。」とされていますが、債務の履行としてなされるとはどういう意味でしょうか。端的にお答えください。
○森政府参考人 お答えいたします。
あくまで一般論として申し上げれば、債務とは、債務者が債権者に対して一定の行為や給付をすることを内容とする義務をいうものでございますので、債務者が債務の本旨に従って債務の内容を実行する行為を債務の履行というものと承知をしております。
個別の行為が債務の履行に該当するか否かについては、具体の事実に即して判断されるべきものと考えております。
○馬淵委員 岡田大臣、お尋ねします。
今、我が党の太議員が岡田大臣の広報掲示板の管理料についてるる質問をされました。その中で、この管理料の支払いについて御説明がありましたが、大臣からは、二百八十一か所、この方々は支援者であり、所有地に対価として払っているということでありましたが、二百八十一か所、この所有地を所有されている方々全員に支払いをされておられますか。改めて、端的にお答えください。
○岡田国務大臣 お答え申し上げます。
二百八十一か所については、党勢拡大に向けた政党活動を重点的に実施してきた、金沢市内中心でありますが、この方々には管理料を支出しておるところであります。
○馬淵委員 全員に支払ったということですね。イエスかノーかで。
○岡田国務大臣 全員に、これは広報板、ポスター、お願いしているところには支出をしております。
○馬淵委員 管理をしている方々全員に支払っているということです。
では、その有権者の方々、管理をされている方々、これらの方々からの修理や連絡を行ったものの比率というのはどの程度ですか。パーセントでお答えいただけますか。件数でも結構です。
○岡田国務大臣 この件については御通告がございませんでしたので、パーセンテージとか割合ということは今御答弁申し上げることを控えたいと思います。
○馬淵委員 いや、通告はしていますよ。太議員がこの問題について事実関係を確認するということでしたから、私はそれについて拾うということで通告はさせていただいています。
確認しますが、全員に支払って、その方々は修理や連絡などを当然されているということでよろしいでしょうか。
○岡田国務大臣 広報板をまず設置していただいているという、その対価という意味合いがございます。それと、管理の対価という中には、日常的に、自分の任された掲示板、ポスターについて点検をしたり見ていただいて、それが破損したような場合には自ら修理したり、連絡をしていただいている、その日常的にチェックしていただいていることも管理の中に含まれている、このように存じております。
○馬淵委員 設置という単発的な行為と、管理という継続的な行為、これは別です。
先ほど太議員の説明によりますと、我が党の同僚、近藤和也議員が金沢市内における大臣の収支報告書に記載された設置者に対して聞き取りを行ったときに、金銭の受取を行っていない方もおられる、こういう確認をしたと太議員からも発言がありました。
大臣、先ほど、全ての方にお支払いをされている、このようにおっしゃっておられます。太議員は、現地の確認でお金をもらっていない方もいらっしゃる、こう言っていましたが、大臣、これはどのように御理解されるんでしょうか。お答えください。
○岡田国務大臣 こうした形で広報掲示板を設置していただき管理もしていただいている方々全てに、一基当たり二千五百円という対価を支出をして、そのときに、領収書を完全にいただいております。全ての方から領収書をいただき、そこには、しかも、ただし書として、ただし広報掲示板管理料としてという一文も明記されておりますので、全ての方に支出していることは、全てというのは、設置して管理していただいている全ての方に対価を支出していることは間違いがございません。
○馬淵委員 太議員の調査によると、金銭を受け取っていない方もおられるということでありました。少なくともこれは、答えは一つしかないはずです。事実は一つしかありませんから。
大臣は、全ての方に支払って、そして領収書を受け取っていると言われている。そして一方で、太議員の調査では、お金をもらっていない、金銭を受領していないという方がおられるとのことです。これはどちらかが誤りなわけであります。大臣は今そのようにおっしゃいました。私たちは、今ここでこれ以上の確認をすることができません。
しかし、今私が質問した中では、修理や連絡を行ったものの比率についてお尋ねをしたところ、これには明確にお答えいただけませんでしたが、設置の対価として金銭を支払う、これは適法なんです。設置に関しては、これは適法です。しかし、管理の実態を欠くような継続的な管理料を払うこと、これは違法です。
先ほど、総務省は私に、債務の履行としてなされるということについて説明がありました。つまり、その実態がなければ、これは寄附に相当します。すなわち、政治資金規正法二十五条により罰則が科される行為となります。
大臣は、設置、管理と先ほど並列して答えられました。設置は単発行為です。そして、これは適法です。しかし、管理ということで管理料を支払っているのであれば、それに実態がなければ、これは明らかに政治資金規正法二十五条の違反行為になります。
大臣、明確にお答えいただけませんか。先ほどあなたは並列して答えられました。お答えください。
○岡田国務大臣 先ほどから御説明を申し上げておりますが、屋外の広報掲示板に貼られたポスターが不具合を生ずる場合、これは間々あることでありまして、この際に、そうした管理者の方から通報をいただいたり、あるいは御自身で修理をいただいたりすることはよくあることであります。
その上に、全ての方が、この広報板を日常的に見ていただいて、そうしたことがないかということを確認していただいている、これも紛れもなく管理に当たると存じますので、設置の対価、そして管理の対価もこれは生じ得る、管理の実態はあるというふうに存じます。
○馬淵委員 議事録に残りますから、お金をもらっていないという方がいらっしゃるということが事実であれば、これは議事録に残っている大臣の答弁とそごが生まれるわけです。
そして、繰り返しになりますけれども、設置は、対価を支払うことは適法です。しかし、管理に関しては、その実態がなければ、これは寄附行為となります。もし、管理の実態がなく、かつ、お金ももらっていないという方もいらっしゃれば、すなわち、管理行為をいわゆる契約としてなすということが大臣の事務所ではなされていないということになります。
今日ここでこれ以上のことを確認することはできませんが、大臣の発言された言葉は非常に重いですよ。我が党の同僚議員始め、このように政治と金の問題に不誠実なことが起きているのであれば、これは徹底して洗っていかなければなりません。そのことだけ申し上げて、大臣への質問はここにとどめておきます。
何かお答えされるんですか。端的にお願いしますよ。
○岡田国務大臣 先ほど申し上げましたように、領収書は全ていただいておりますので、対価を支出していないという方はいない、そのことはしっかりと申し上げておきたいと存じます。
○馬淵委員 大臣、結構ですので、御退席ください。
それでは、今日は後藤大臣に経済再生政策についてお尋ねをしたいと思います。
まず、総合経済対策を論じる上で、経済の現状認識、これが極めて重要だと思っております。そこで、大臣の現状認識、これをお伺いしたいと思うのですが、十月から六千五百品目に上がる食料品等の値上がりがなされました。とりわけ、この首都圏、東京二十三区での十月のコアCPIは、前年同月比で三・四%上昇しました。これは、実に三十三年ぶり、また、消費税の引上げの影響を除くと一九八二年六月以来ということで、四十年と四か月ぶりの高い水準となります。
一方で、十月の月例経済報告、内閣府から出ている月例経済では、景気は緩やかに持ち直していると判断を示しています。とりわけ、個人消費に関しましては、九月に引き続き、緩やかに持ち直しているとしています。しかし、この中にも書かれていますが、一方で、消費動向の背景を見ると、実質総雇用者所得はこのところ弱含んでいる、また消費者マインドは弱含んでいるとの記載もあります。
そして、最新の家計調査報告、ここでは、実質消費支出は前月比の一・七%減、これは、七月の前月比一・四%減に続いて二か月連続のマイナスとなっています。
さて、後藤大臣、この月例経済報告では、個人消費は緩やかに持ち直しているとしながらも、消費動向の消費者マインドは弱含んでいると表現、また、総務省の家計調査報告では、二か月連続、実質消費は減となっています。このような状況で、この経済判断、この状況は整合性が取れているとお考えでしょうか。いかがですか。
○後藤国務大臣 我が国経済、コロナ禍からの経済社会活動の正常化が進みつつある中で、外食や旅行、宿泊等のサービス消費の改善も見られるなど、個人消費の緩やかな持ち直しという認識でおります。企業の積極的な投資意欲を背景に、設備投資は持ち直している、こうした点を踏まえて、全体として、今申し上げた、経済社会活動のコロナ禍からの正常化が進みつつある中で、緩やかに持ち直しているというふうに認識を示しております。
しかし、足下では、ウクライナ情勢による国際的な原材料価格の上昇に加えまして、円安の影響などから、日常生活に身近なエネルギー、食品等の価格上昇が委員御指摘のように継続をいたしております。また、欧米において金融引締めが続く中で、世界的な景気後退懸念も高まっている。そうしたリスク要因も認識をしているところでございます。
そういうことから、政府としては、閣議決定された総合経済対策を着実に実行しまして、足下の物価高の克服とともに、日本経済を持続可能で一段高い成長路線に乗せていくということで、日本経済の再生を実現してまいりたいと考えています。
○馬淵委員 そこの見方が私はそもそも問題だと思っているんです。
家計調査は、これはもう大臣御存じだと思いますが、元々、所得が低い層の方々を十分に把握できていないと言われています。とりわけ、六か月間にわたっていわゆる家計簿をつけてというような、客体にとっては大変厳しい調査でありますから、これを取りまとめていく上において、どうしても、所得の低い方々、またそういった形で家計簿をつけるなどの労力を割くことができない方々が把握できていないと言われている。そのような状況の中でマイナスになっているんですよ、二か月連続。
そして、明らかに、消費者物価の上昇というのは、家計の実質所得に大きなマイナスの影響を与えます。とりわけ、今回の経済対策でも取り上げていますが、電気代などの光熱費やあるいは食料品の価格、これらの上昇は、所得の低い方々、この層にはよりマイナスの影響が出ます。
先ほど来、企業の行動等々お話がありますが、いわゆるコロナ反動によっての一部の事業者やあるいは一部の層、こういった方々の動きと、これは、外食、飲食、旅行、宿泊等々、関わってくるとは思いますが、こういった方々がおられることも私は日本経済にとってプラスだと思いますが、一方、マクロ的な動きを見れば、これは明らかに、消費が緩やかに持ち直しているということを今声高に語れる状況かどうか、私はこれは大変危険な見方だというふうに思っています。
いわばこれは、木を見て森を見ず、こうした判断ではないかと思うんですが、大臣はどのようにお考えですか。端的にお答えください。
○後藤国務大臣 個人消費は、外食や旅行、宿泊等のサービス消費の改善が続くなど、緩やかに持ち直しているという認識でございますが、消費を取り巻く環境を見ますと、雇用が改善し、賃金アップの流れが定着、拡大する中で名目総雇用者所得は前年比プラスで推移している一方で、物価上昇を背景に実質の総雇用者所得はマイナスとなっておりまして、消費者マインドは弱含んでいる、そうした認識は、委員御指摘のように十分に持っております。
こうしたことを受けて、先ほど申し上げたように、総合経済対策を講じて対応しつつ、今後の日本経済の再生を目指していくと申し上げております。
○馬淵委員 弱含んでいるということについての御認識はお持ちだということでありますが、政府の見通しもずっとある意味下方に、下振れ修正が続いているんですね。
御存じのように、今年の一月の令和四年度の政府の経済見通しは、実質GDP三・二、そして名目三・六、このように見込まれていました。そして、九月八日発表での四―六の第一・四半期のGDP二次速報値は年率換算で三・五。この後、第七波が本格化したいわゆる七―九はどうなるかというのはまだ不明瞭ですが、一次速報は十一月の十五日。民間の予測が出そろいましたけれども、今、現時点で年率一・三%という予測が出ています。相当下振れますよ。さらに、七月二十五日に発表された内閣府の年央試算は、令和四年度、GDPは実質二・〇、名目二・一と、これも下方に修正の数値が出ています。
加えて、十月二十五日発表の八月の毎月勤労統計、いわゆる毎勤ですけれども、これも、物価高を、物価変動を考慮した実質賃金は五か月連続でマイナスです。
大臣、やはりこれは、緩やかに景気は回復している、消費は持ち直していると言えないんじゃないですか。私は、だから経済対策が必要だという論には立ちますよ。しかし、そもそもの現状認識がおかしくないですか。いかがですか。端的にお答えください。政治家同士のこういったやり取りですから、大臣、もう文書を読まなくたってお話しいただけるでしょう。どうぞ。
○後藤国務大臣 今後の経済の動向等につきましては、しっかりとデータを分析して判断をしていきたいというふうに思います。
○馬淵委員 つまりは、それほど楽観できるような状況ではないんです。政府はどうしても前向きに明るい世界を語りたいということは、これは私もよく理解はしますが、そう簡単な状況ではないことは明らかであります。
さて、そうした中で、十月二十八日に総合経済対策を閣議決定されたわけです。これは、経済予測がどうあろうと今必要だということで判断されたんだと思います。ここにも、エネルギー、食料品等の価格上昇が国民生活、事業活動に大きな影響を及ぼしている、このように書かれて、今回の経済対策、大規模のと政府が銘打ってのこの対策でありますが、こうした状況で、将来に不安を感じる国民の消費マインドというのは、やはり冷え込まないように必要なことは様々な支援であり、将来への安心感です。
ところが、こうした経済対策が決定される中で、消費マインドに水を差す発言の報道がありました。十月二十六日の政府税調、ここで消費税について、参加した委員からは、未来永劫一〇%のままでは日本の財政がもつとは思えない、今後の高齢化の進展に合わせて遅れることなく消費税率の引上げについて考えていく必要がある、すなわち、中長期的な視点での消費税アップの議論をすべきとの意見が相次いだわけです。
そこで、財務省、これも端的にお答えください、政府税調では消費税の増税の議論を始めたんでしょうか。
○坂本政府参考人 お答え申し上げます。
政府税制調査会は、中長期的な観点から、あるべき税制について包括的な審議を行ってございまして、現在、各税目に関する議論を進めてございます。
先月二十六日には、消費課税を議題といたしまして、クロスボーダー取引に係る消費税の在り方ですとか自動車関連諸税の在り方ですとか、様々な論点について委員間で意見交換が行われ、その中で、御指摘の消費税率について、中長期的な税制の在り方として、将来いずれかの段階においては議論をする必要があるのではないかといった発言がございました。
将来の消費税率の在り方について、政府として具体的な検討を行っているわけではございません。
○馬淵委員 今、財務省からは、消費税の議論を始めたわけではないというお話でしたが、一方で、岸田総理は、総裁選のときに、候補者の討論会、昨年の九月の十八日ですけれども、消費税は十年程度は上げることを考えていない、すぐに増税で財政を埋めることは考えていないと発言をされてきました。
後藤大臣、この政府税調の複数の委員からの発言というのは、これは重いですけれども、改めて、経済再生との関係で、この増税ということに対しては大臣はどう考えておられますか。これも端的にお答えいただけたらと思います。
○後藤国務大臣 総理もおっしゃっているとおりで、経済の現状を踏まえ、消費税に触れることは考えていないというのが政府の基本的な立場でございます。
経済財政運営の基本は経済あっての財政でありまして、順番を間違えてはいけない、経済をしっかり立て直して、そして財政健全化に向けて取り組んでいく、そういうことが必要だと思います。
○馬淵委員 まさに、財政は、まず景気の回復があってこそです。それ以外に考えられません。そこはそのように明確に言っていただきましたが、ただし、今回の経済対策の中で私が一つ気になるのは、本当に景気回復のための再分配政策をお考えなのかという点なんです。様々なメニューはそろっていますが、とりわけ、大規模の減税という措置は盛り込まれておりません。
例えば、内閣府の統計等から計算をしていった中で見ますと、短期日本経済のマクロ計量モデルから見ますと、例えば大規模な減税、所得税や法人税やあるいは消費税とありますが、例えば消費税の減税を行うと、一兆円の減税により、約五千六百億のGDPの押し上げが期待できるという数値も出ています。
今回、この経済対策の中で、再分配政策として極めて重要な減税、大規模な減税というのが盛り込まれていないことに対して、本来は検討すべき事項ではなかったかと私は思います。大臣は急に大臣に任命されました。しかし、御党の中での議論も含めて、当然ながら関わられたと思いますが、大規模減税というのが必要だという議論はなされませんでしたか。また、大臣はどのようにお考えですか。
○後藤国務大臣 党内においては、自民党は幅広い政党でありますから、様々な御意見をお述べになる議員がおられると認識をいたしております。
政府におきましては、例えば消費減税については、これは社会保障の目的財源として非常に重要な位置づけの財源でもあり、消費税減税を考えているということはありません。
○馬淵委員 私は、やみくもに減税のみを行えと言っているのではありません。円安、確かに、今は物価高にもつながり、大変厳しい消費環境に陥っているのは事実かもしれませんが、一方で、これによって大変なメリットを受ける、いわゆる輸出産業を中心として、史上最高益などの状況もあります。つまり、今必要なことは再分配政策。
総理は、成長と分配の好循環、これによって新しい資本主義を実現するとおっしゃいました。あえてでしょうか、再分配、経済学でいえばリディストリビューション、再分配が本来の用語、そこの再という文字を抜いて分配とおっしゃっている。
私は、成長を第一に考えることは、自由主義経済の中で正しいと思います。しかし、一方で、成長ありきという大前提に立ったときに何が必要なのか。それは再分配、つまりは、富める者あるいは応能負担によって再分配を図っていくという政策の実現、これが最も重要ではないかと思われるわけですが、先ほどお話にもありました消費税減税、私はそれだけを申し上げたつもりではありませんが、大型の減税措置もない、そして再分配政策についてもまだまだ不十分。
残念ながら、時間が余りありませんので、私がこの時間の中で質問することはできませんが、例えば今回のいわゆる給付金、これは経済対策の以前に予備費で措置をされています。しかし、これも、いわゆる非課税世帯の方々に給付するという仕組みですが、プッシュ型といいながら、その確認書の記載は申請とほとんど変わりません。世界中の国々は、この申請は不要です。アメリカも、あるいはドイツもカナダもオーストラリアもシンガポールも。しかし、我が国においては、残念ながら、給付の仕組みができ上がっていない中で、今も、申請書と変わらないほどの事務量の負担を求める給付措置だけです。
大臣、改めて、私自身は、再分配政策として給付措置も極めて重要だと思っています。そして、このような状況の中で、この給付措置が、今回も、プッシュ型といいながら実態は申請書に変わらない仕組み。内閣府の方に尋ねますと、改めて給付措置の新システムをつくる、あるいは業務改善を徹底的に図るということについて何か検討を行っているかと聞くと、まだだというお話です。
大臣、これはどのようにお考えですか。給付措置は一回こっきりではありませんよ。これから先もまだ可能性はあります。改めて、時間がありませんので一点確認ですけれども、給付措置も再分配の政策の一つの大きな要だと私は思いますが、この給付システム、継続的に行えるような給付システムの検討、これは内閣府として取り組まないわけにはいかないと思っていますが、大臣、いかがでしょうか。御答弁いただけますか。
○後藤国務大臣 所得の分配、再分配をしていくという観点から、税制も、また給付金も大事だというふうに思っています。分厚い中間層をつくるためにしっかりとそうした再分配政策を取っていく必要は、私も委員の意見と同様に共有をいたしております。
また、政策に応じた給付ということではありますけれども、給付を行う場合に事務費をどうやって減らしていくか。先進国のように、システム的に、きっちりと速くに、そしてコストを低く給付できる仕組みをつくっていくことは、我が国にとって必要だというふうに思います。(馬淵委員「やられますか。やっていかれますか、検討は」と呼ぶ)ええ、そういう検討を進めてまいります。
○馬淵委員 終わります。ありがとうございました。
○大西委員長 次に、緒方林太郎君。
○緒方委員 最後、八分、よろしくお願いいたします。
それでは、実務的なところからスタートをさせていただきたいと思います。
今日は、様々な免許、資格における中国、台湾の表記について質問させていただきます。
医師法では、台湾出身の方が免許を申請する場合は、施行規則に基づいて、国籍等を記載する書類を提出することになっています。これに基づいて、住民基本台帳に基づく国籍等を記載するので、台湾と書いてある書類を提出することになります。一方、もらう免許には、医師法施行令によって、登録事項が国籍となっているため、中国と書かれた免許を受領することになります。
このような理解でよろしいでしょうか、厚生労働省。
○大坪政府参考人 お答え申し上げます。
先生御指摘のとおり、医師、歯科医師免許証の登録事項につきましては、医師法施行令等におきまして、本籍地の都道府県名、日本の国籍を有していない方につきましてはその国籍というふうに定めているところでありまして、台湾の方におかれましては、医師免許証の国籍は、御指摘のとおり、中国というふうな表記で発行させていただいております。
○緒方委員 ちょっと答弁が不十分でしたけれども。出す書類が、台湾と書いてある書類を出すんですね。そして、返ってきたら、あなたの国籍は中国ですということで返ってくるというケースなんですね。
少し調べてみると、これは何か統一性がないような気がするんですね。様々な免許、資格の申請や登録について統一性がなくて、国籍となっているものと国籍等となっているものがあって、それによって、台湾出身の方は、あなたはどちらの出身ですかというときに、台湾と書かれるケースと中国と書かれるケースが出てくる。
医師法というのは、今私が偶然、一例として挙げただけなんですけれども、政府全体として、内閣官房として、一度、厚生労働省のみならず、国土交通省とか経済産業省とか総務省とかいろいろあると思うので、全体を洗ってみて、可能であれば国籍等とそろえて、台湾と書けるようにしてあげたらどうかなというふうに思うんですが、官房長官、いかがですか。
○松野国務大臣 お答えをいたします。
先生御指摘の点につきましては、それぞれの制度の趣旨に基づいた検討が必要と考えられます。委員の問題意識を各府省に申し伝えたいと考えております。
○緒方委員 もう一言言っていただけないかなと思うんですが、これは恐らく、自民党の方にも納得していただける方はたくさんおられるんじゃないかと思うんですが、やはり、台湾と書いた書類を出して中国と返ってくるって、多分、御本人からしても本意ではないと思うんですよね、今の中台関係とかを見たときに。
これは一省庁だけでできることではないので、申し伝えるのみならず、内閣官房として旗を振ってはいかがかと思いますが、官房長官、いかがですか。
○松野国務大臣 お答えをさせていただきます。
これはもう先生御存じのとおり、国の資格制度というのは各府省庁にまたがって数百以上ございます。先ほど申し上げましたとおり、それぞれの制度の趣旨に基づいた検討が必要でございますので、先生の問題意識をしっかりと各府省に伝えさせていただきたいと思います。
○緒方委員 自由民主党の皆様方、そして野党の皆様方、頑張りましょう。
次に、質問を移しまして、宗教関係について、もう一問、二問質問させていただければと思います。
戦前の宗教弾圧の歴史から、宗教法人法では、解散命令等について裁判所を関与させているというのは、もう皆さんも御承知のとおりであります。
私は、この歴史的な経緯を踏まえて、一般論として、信教の自由の観点から、行政の権限のみで、信仰に関わり得る規制、例えば法人に対する寄附規制とか、そういうことをやることはあってはならないんじゃないか、そう思うわけでありますが、官房長官、いかがですか。
○簗副大臣 お答えをいたします。
一般的に、憲法の定める政教分離の原則は、信教の自由の保障を実質的なものとするため、国その他の公の機関が国権行使の場面において宗教に介入し又は関与することを排除する趣旨であると承知をしており、宗教に関わり得る規制を検討する場合には、こうしたことを十分に考慮する必要があると考えております。
同時に、憲法上の信教の自由は尊重しなければなりませんが、宗教団体も社会の一員として関係法令を遵守しなければならないのは当然のことであり、仮に法令から逸脱する行為があれば、厳正に対処する必要があると考えております。
○緒方委員 いいところまで行ったんですけれども、私の質問は、行政の権限のみで、例えば、寄附の取消しとか、いろいろな規制をかけるとか、そういうことはあってはならないことなんじゃないかなと。まさに、宗教法人法の精神がそういうふうにでき上がっていると私は理解しているんですが、もう一言、副大臣。
○簗副大臣 では、具体的に申し上げます。
まず、解散命令請求について申し上げますと、宗教法人法では、信教の自由を保障するという見地から、行政上の裁量によって宗教法人に対して解散命令がなされないようにするため、裁判所に解散命令の権限が付与されており、所轄庁はその請求ができるという仕組みになっております。
また、一般的に、新たに宗教団体に対する規制等を設ける際にはどのような手続を経ることが適切であるかについては、信教の自由の観点も踏まえつつ、設けようとする制度の対象や内容等に応じて検討されるべきことであると考えております。
○緒方委員 もう一言言っていただけると思ったんですが、私、質問時間も限られておりますので、最後にもう一問。
宗教法人への解散命令については、答弁がくるくるくるくる変わっているというのがここ数週間の経緯なんですが、オウム真理教事件東京高裁決定で、解散命令の前提として、刑法等の実定法規の定める禁止規定又は命令規範に違反するという行為となっています。これに民法が入るかどうかということだったんですが、私、先般、質問主意書で、民法第七百九条の不法行為や第七百十五条の使用者責任に関する規定は禁止規定なのか命令規範なのかと聞いたら、何を言っているか分かりませんといういつもの答弁が返ってきたんですが、もう一度お伺いをいたします。
民法第七百九条の不法行為、第七百十五条の使用者責任に関する規定は、この東京高裁決定における禁止規範又は命令規範に該当すると思いますが、副大臣。
○簗副大臣 お答えいたします。
東京高裁の決定は、オウム真理教に対する解散命令という個別事案に沿って出されたものであります。解散命令の要件に該当するか否かは、個別事案に応じて判断されるべきものと考えております。
○緒方委員 すごい答弁でしたね。
終わります。
○大西委員長 次回は、来る九日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後零時五分散会