第8号 令和4年11月16日(水曜日)
令和四年十一月十六日(水曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 大西 英男君
理事 井上 信治君 理事 神田 憲次君
理事 藤井比早之君 理事 宮路 拓馬君
理事 青柳陽一郎君 理事 稲富 修二君
理事 阿部 司君 理事 國重 徹君
赤澤 亮正君 池田 佳隆君
石原 宏高君 尾崎 正直君
大野敬太郎君 工藤 彰三君
小寺 裕雄君 鈴木 英敬君
田野瀬太道君 平 将明君
中野 英幸君 中山 展宏君
西野 太亮君 平井 卓也君
平沼正二郎君 穂坂 泰君
本田 太郎君 牧島かれん君
松本 尚君 中谷 一馬君
太 栄志君 本庄 知史君
馬淵 澄夫君 山岸 一生君
岩谷 良平君 堀場 幸子君
河西 宏一君 福重 隆浩君
浅野 哲君 塩川 鉄也君
緒方林太郎君 大石あきこ君
櫛渕 万里君
…………………………………
国務大臣
(内閣官房長官) 松野 博一君
国務大臣
(デジタル大臣) 河野 太郎君
国務大臣
(国家公安委員会委員長) 谷 公一君
国務大臣
(こども政策担当)
(少子化対策担当)
(男女共同参画担当) 小倉 將信君
国務大臣
(新しい資本主義担当)
(全世代型社会保障改革担当) 後藤 茂之君
国務大臣
(規制改革担当)
(行政改革担当) 岡田 直樹君
内閣府副大臣 星野 剛士君
内閣府副大臣 和田 義明君
外務副大臣 山田 賢司君
厚生労働副大臣 伊佐 進一君
内閣府大臣政務官 鈴木 英敬君
内閣府大臣政務官 自見はなこ君
内閣府大臣政務官 中野 英幸君
内閣府大臣政務官 西田 昭二君
デジタル大臣政務官
兼内閣府大臣政務官 尾崎 正直君
経済産業大臣政務官 里見 隆治君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 黒田 秀郎君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 齋藤 秀生君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 鹿沼 均君
政府参考人
(内閣官房行政改革推進本部事務局次長) 七條 浩二君
政府参考人
(内閣官房就職氷河期世代支援推進室次長) 吉岡 秀弥君
政府参考人
(内閣官房新しい資本主義実現本部事務局次長) 松浦 克巳君
政府参考人
(内閣官房こども家庭庁設立準備室審議官) 長田 浩志君
政府参考人
(内閣官房こども家庭庁設立準備室審議官) 浅野 敦行君
政府参考人
(内閣府大臣官房審議官) 飯田 陽一君
政府参考人
(内閣府大臣官房審議官) 五味 裕一君
政府参考人
(内閣府政策統括官) 笹川 武君
政府参考人
(内閣府男女共同参画局長) 岡田 恵子君
政府参考人
(内閣府子ども・子育て本部統括官) 吉住 啓作君
政府参考人
(警察庁長官官房長) 楠 芳伸君
政府参考人
(デジタル庁統括官) 楠 正憲君
政府参考人
(デジタル庁統括官) 二宮 清治君
政府参考人
(デジタル庁審議官) 山本 和徳君
政府参考人
(総務省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官) 高地 圭輔君
政府参考人
(法務省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官) 押切 久遠君
政府参考人
(法務省大臣官房審議官) 保坂 和人君
政府参考人
(外務省大臣官房審議官) 石月 英雄君
政府参考人
(文部科学省大臣官房学習基盤審議官) 寺門 成真君
政府参考人
(文部科学省大臣官房審議官) 里見 朋香君
政府参考人
(文部科学省大臣官房審議官) 西條 正明君
政府参考人
(スポーツ庁審議官) 星野 芳隆君
政府参考人
(文化庁審議官) 中原 裕彦君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房医薬産業振興・医療情報審議官) 城 克文君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 龍崎 孝嗣君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 藤田清太郎君
政府参考人
(国土交通省大臣官房審議官) 五十嵐康之君
政府参考人
(防衛省防衛政策局次長) 安藤 敦史君
内閣委員会専門員 近藤 博人君
―――――――――――――
委員の異動
十一月十六日
辞任 補欠選任
大野敬太郎君 西野 太亮君
本田 太郎君 穂坂 泰君
櫛渕 万里君 大石あきこ君
同日
辞任 補欠選任
西野 太亮君 大野敬太郎君
穂坂 泰君 本田 太郎君
大石あきこ君 櫛渕 万里君
―――――――――――――
十一月十五日
民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第九号)
は本委員会に付託された。
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第九号)
内閣の重要政策に関する件
公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件
栄典及び公式制度に関する件
男女共同参画社会の形成の促進に関する件
国民生活の安定及び向上に関する件
警察に関する件
――――◇―――――
○大西委員長 これより会議を開きます。
内閣の重要政策に関する件、公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件、栄典及び公式制度に関する件、男女共同参画社会の形成の促進に関する件、国民生活の安定及び向上に関する件及び警察に関する件について調査を進めます。
この際、お諮りいたします。
各件調査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、内閣官房内閣審議官黒田秀郎君外三十名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大西委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○大西委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。赤澤亮正君。
○赤澤委員 おはようございます。
本日は、岸田政権が五年で一兆円の予算投入を打ち出したリスキリングを中心に質問したいと考えておりますが、その前に幾つかお尋ねをしておきたいことがあります。
まず、私が大人の義務教育あるいはデジタルスキル習得、再生のシステム化と呼んでいる問題について、河野大臣にお尋ねをしたいというふうに思っております。
お配りした資料の一枚目でありますけれども、今、デジタル庁が発足をして、デジタルガバメントやベースレジストリーの構築に取り組んでいるのと歩調を合わせて、現在、防災DXの取組も進められています。その取組は、この資料一において赤色で示した、いわばデータフローの目詰まりを解消していく、全て解消していく。どこかが詰まっていると、左上と右上の電力と通信が落ちればデジタルも意味がなくなってまいりますし、この赤の目詰まり部分をとにかく全て解消していくという取組を防災DXとしてやっております。
その中で、最初に質問したいことは、この右側に国民と書いてある、ITリテラシー向上の遅れなどというところに関係する問題であります。
昨今のデジタル技術の驚異的な進歩のスピード、それも加速の一途をたどるスピードを念頭に置きつつ、我が国はこれから人生百年時代、そうすると、二十代前半ぐらいまでに学校で学んだデジタルの知見で残り七十五年の人生を生産性の高い国民として生き抜くことが、生産性の高い職業人として生き抜くことができるか、これは絶対無理だと思います。
私自身が、一生懸命スマホを使って、委員の先生方と同じ、SNSに取り組んでいますけれども、これから卒業してくる学生さんたちは、むしろプログラムを作って、自分でそういうSNSなんかについてもアプリを作ったりみたいなことができる、そういう人たちが相当増えてくる。物すごいスピードで進歩しているわけです。そうすると、全ての国民が繰り返しデジタルスキルの習得、再生に取り組まなければならない時代だということ、これは間違いのないことだと思っています。
言い換えれば、国を挙げてデジタルスキル習得、再生のシステム化に取り組む必要があるということで、私は、二〇一九年の夏ぐらいかな、大人の義務教育が必要である、全員が受けなければいけないからという意味で、そういう言い方をしました。ただ、余りはやりませんでしたけれども。イメージとしては、全ての国民が、五年から十年に一回有給休暇をもらって、半年から一年ぐらい個々人の知見に応じたデジタルスキルの習得、再生のプログラムを受けるなんということができないかということを考えます。国その他の公的機関がその取組を公的に支援するという感じ。
これまでは、例えば経産省が企業の取組を、文科省が教育機関の取組を、厚労省が労働者の取組をそれぞれ支援するという感じで国民のデジタルスキルの向上の取組を応援してきておりますが、全国民、そのデジタルスキルの向上の取組をやっていかなければならない。全国民のデジタルスキルの底上げの必要性、これを念頭に置くと、国を挙げての、国家戦略としてのデジタルスキル習得、再生のシステム化の取組を是非デジタル庁にお願いしたいというふうに思います。
総合調整の権限や勧告の権限も持っておられますので、これまで、多少、関係省庁が一生懸命個々にやってきているものを統合して、全ての国民が繰り返しデジタルスキルの習得、再生を受けられるような、そういう国家にしていく、その取組を河野大臣に是非お願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○河野国務大臣 私の学生時代を振り返ってみますと、パソコンがなかった時代で、タイプライターで論文を書いておりましたが、今、うちの息子、大学の論文を書くのに、何か、Pythonでプログラムを組んで、必要なデータを集めてみたいな、全く違う次元のことを大学生がやっている。そういう中で、本当に人生百年時代、大学を出たときのスキルで最後まで走り切れるかというと、これはなかなか難しいんだろうと思います。
赤澤委員おっしゃるように、やはり、これは全ての、およそ全ての国民の皆様に、必要な技術を人生の中で何回か習得をしていただく、そういう機会を設けると同時に、なるべくそういう努力をしていただく必要があるんだろうと思います。およそ全ての国民の皆様が、人生の中で繰り返し、特に進歩の速いデジタルはもちろんのこと、様々な技能の習得に時間と努力を惜しんではならないと思っております。
デジタルに関して言えば、委員おっしゃるように、職場で、学校で、いろいろなところで、デジタルスキルのリスキリングということを政府も考えておりますが、デジタル庁として、やはり、そうしたものを押しなべて見て、足らないところは増やしていく、あるいは、みんなで足並みをそろえてできるようにする、そうしたことをデジタル庁としても目配せしていきたいというふうに思っております。
○赤澤委員 言葉についてちょっと触れると、私が、二〇一九年の夏だったと思いますが、こういう考え方を大人の義務教育と呼んで発信してみたんですけれども、その半年後ぐらいかな、ヤフーのCSOをやっておられる安宅和人さん、「シン・ニホン」という本の中で、彼は、ITスキル再生のシステム化というような言葉を使って、ほぼ同じことを言っておられました。
私自身は、レベルに応じて皆さんに習得してもらう場合もあるということで、デジタルスキル習得、再生のシステム化ということを申し上げておりますが、言い方はともかく、内容的には絶対に必要なことだと思うので、是非、今、河野大臣にも御賛同いただいたところですけれども、国家戦略としてしっかり進めていただきたい、取組を展開していただきたいと思います。
そして、同じ資料の一番下の部分を見ていただくと、要は、防災デジタルプラットフォームというのをつくる、統一化、標準化、グレードアップということが書いてあります。これは何かといえば、一番基幹システムは内閣府防災の総合防災情報システムでありますけれども、ここに関係省庁の情報を自動で共有できるようにしたい。そのためには、データを統一化する、標準化するというのは絶対的に必要でありまして、その取組を一生懸命やっております。
ただ、関係省庁の意識がなかなかそろわないのが悩みの種でありまして、ここからは防災DXについて星野防災副大臣にお尋ねをいたします。
これから審議入りが予定されている令和四年度の第二次補正予算の場合、例えば、消防庁が私のところに説明に参りました、そして、情報システムを整備するとおっしゃったんです。ところが、消防の世界の中で完結するシステムの説明に終始をされて、消防は、消防団が最先端ですね、大規模災害だと自衛隊も警察も海保も間に合わないので、各小学校区ごとに何十人かいる消防団が一番早く駆けつける、スマホやタブレットでいろいろな情報を取れる。ところが、自己完結のシステムで、内閣府防災の総合防災情報システム、これ自体がまた次期に向けて開発中でありますけれども、それにつなぐという一番大事だと思われるポイントについて、ちょっと無頓着でありました。私から強く指摘をして、消防の閉じた世界のシステムにならないように軌道修正をお願いしたところであります。今、その方向でやっていただいています。
もう一つ御紹介すると、原子力規制庁が、やはり、情報システムの整備の予算、これは二桁億だったと思います、その説明に来ました。残念ながら、こちらも防災デジタルプラットフォームにつなぐ問題意識はありませんでした。要するに、福島第一原発事故などを念頭に置くと、巨大地震、津波の発生の際に、線量の高い地域がどこかなどの情報を内閣府防災が自動で共有していないと、被災者を救助しようと思って線量の高いところをいたずらに通っちゃうとかが起きるわけですね。そういうことを考えたら、当然共有してもらわなきゃいけないけれども、その発想が例えばないということです。
これらの事例を踏まえて、ちょっとまずいなと思って、先月末に、我が党の平井卓也本部長率いるデジタル社会推進本部に防災DXに関するPTが立ち上がり、私が御指名を受けて座長を務めることになりました。同PTも、関係省庁に出席をいただいて既に二回開催済みで、実は、今夕、三回目を開催予定でありますけれども、もっと直接的に、関係省庁に、防災デジタルプラットフォームにつなぐ、データを統一化、標準化して、そして自動で共有してもらう、その意識を確実に持ってもらうためには、防災DXに関する関係省庁連絡会議を設けるのが最も効果的だと思います。
これは命に関わる問題ですから非常に重要なことであり、なおかつ、今、デジタル庁が発足して、この今の流れ、乗ることが本当に大事、勢いをつけてそこをやっていきたいと思うので、是非、この防災DXに関する関係省庁連絡会議を設けて、意識を共有してもらう、ここにいる仲間は全員ここの基幹システムの総合防災情報システムにつながなきゃ駄目なんだ、それをやっていただきたいと思いますが、星野防災副大臣、いかがでしょうか。
○星野副大臣 災害対応を的確に迅速に行うためには、デジタル技術の一層の活用が不可欠であります。そうした認識の下、内閣府では、令和六年度の運用開始を目指し、次期総合防災情報システムの開発を進めております。
新しいシステムでは、国の機関ばかりではなく、地方公共団体や指定公共機関とも災害情報を共有をし、災害対応に当たることができるようにしたいと考えております。これまでも、システム整備を着実に進めるため、関係省庁と意見交換を行うなど、連携に努めてまいりました。
また、先生からの御指摘を踏まえて、次期総合防災システムに関する一層の情報共有や認識統一を図るため、関係省庁との連絡会議の設置について検討してまいります。
○赤澤委員 ありがとうございます。
本当に、関係省庁、それぞれ仕事が忙しい中、新たな関係省庁連絡会議を置こうと思うと、これはいろいろと皆さんお考えがあると思いますけれども、今、検討するという力強い答弁をいただいたので、是非、実現する方向で、私も努力をいたしますし、力を合わせてやってまいりたいというふうに思います。
次に、今日は、小倉男女共同参画大臣に足をお運びいただきました。小倉大臣には、WPS、女性・平和・安全保障という取組についてお尋ねをしたいと思います。
平時の女性活躍の推進も極めて重要でございます。ただ、女性を応援する政策の車の両輪のもう一方としては、非常時の女性への配慮を形にする政策の推進があります。これまでも、災害大国である我が国においては、災害時の女性への配慮については一定の取組が行われてきたものと理解をしております。例えば、令和二年五月に、内閣府男女共同参画局が「災害対応力を強化する女性の視点 男女共同参画の視点からの防災・復興ガイドライン」を作成をし、自治体も含めて周知徹底を図るなど、重要な取組が進められています。
また、私が菅内閣で防災担当の副大臣だったときに、防災女子の会という会が立ち上がって、国で防災の仕事をする女性職員、さらには、地方で防災の仕事をする地方職員なんかのネットワークをつくって、女性の視点で取組を進めるということもやっていただきました。大変有意義だと思います。
一方で、平和、安全保障の文脈に女性を関連づけた初めての安保理決議、これは二〇〇〇年に採択された安保理決議千三百二十五号ですけれども、これに基づく、紛争下や紛争後の女性への配慮を形にすることを求めるWPS、すなわち、ウィメン・ピース・セキュリティーということで、訳せば女性・平和・安全保障の取組ですけれども、これは我が国では相対的には低調であると評価をせざるを得ないと思っています。
我が国がこれまで紛争とは無縁の安全、安心な社会であり続けていることは大変幸せなことでありますし、結果として、紛争下の女性への配慮を形にする取組が低調なのはやむを得ない面もありますが、本年二月の二十四日、世界が変わりました。ロシアのウクライナ侵攻を契機として、欧米諸国では、紛争下の女性についての配慮を形にするこのWPSの取組、一気に加速すると思われます。
このような状況を踏まえて、与党においては、上川陽子元法務大臣の呼びかけの下、WPSの取組を議員の集まりで加速しようという取組が既に始まっております。
そこで、小倉男女共同参画大臣にお伺いをするんですが、我が国においても、是非、WPSの取組を大幅に加速すべきと考えますし、特に、まだまだ続いています、いつ終わるか分かりませんが、ウクライナが対ロシアの戦争を終えた後、復興支援の話になります、国際社会で。我が国は、軍事の面で協力できない以上、お金の面では相当頑張って協力しなきゃいけない。イメージ的には、復興に例えば十兆円かかるなら、分かりません、二兆円ぐらい日本が負担する努力をするとか、何かイメージで言いますと。その中の何千億かは、是非、このWPS、女性への配慮を形にするような支援をしてほしい。
理想的には、ウクライナの女性が、いろいろな国から復興支援が来るけれども、日本からの復興支援は一味違う、女性への配慮が形になっていると評価されるようなものにするというようなこともイメージしながら、是非取組を加速していただきたいと思いますが、いかがですか。
○小倉国務大臣 赤澤委員には、通称ワンツー議連の創設を始め、女性を暴力から守る取組に熱心に取り組んでいただいておりますこと、感謝を、敬意を申し上げたいと思います。
そして、平和、安全保障分野における有事を念頭に置いた対応といたしましては、これまで、国際社会の平和と安定の確保への貢献といった観点から、言及をいただきました女性・平和・安全保障、いわゆるWPSに関する我が国の行動計画に基づいて、男女共同参画を推進するための支援等の取組を行ってきたところであります。
しかしながら、我が国が有事に巻き込まれた際の国内における対応としては、自然災害の発生を中心に据えて具体的な検討や取組を行ってまいりました。
国際的な安全保障環境がより一層厳しさを増している現状に鑑みて、平和、安全保障分野における意思決定プロセスへの女性参画を進め、特に、有事には女性、女児等が弱い立場に置かれやすいことを踏まえた検討を進めることは極めて重要であると認識しております。例えば、女性の視点に立った避難の在り方など様々な課題が想定されるところ、赤澤委員からいただいた御指摘も踏まえまして、防災分野で積み上げてきたこれまでの知見等を生かしながら、関係省庁も含めて研究をしてまいりたいと思います。
また、国際的な取組への貢献の観点では、先般、関係者の御理解の下出席をいたしましたドイツ・ベルリンでのG7男女共同参画担当大臣会合においても、ウクライナなど、国際的な支援に当たっての女性の視点の重要性について、各国と改めて認識を共有したところであります。
来年の六月には、栃木県日光でG7の同会合を我が国として初めて開催をいたします。今後想定されるウクライナの復興支援を始め、国際的な人道支援、復興支援に当たって、女性、女児等が支援から取り残されないよう、固有の状況、ニーズに配慮しながら、外務省とも連携をして、私としてもしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
○赤澤委員 ありがとうございます。
国会ともよく相談しながら、政府でしっかりとした取組をお願いしたいというふうに思います。
ここからは後藤大臣にリスキリングを伺いますので、河野大臣、小倉大臣、星野副大臣は、もしよろしければ御退席いただいて結構でございます。
後藤大臣、お待たせをいたしました。
それで、リスキリングなんですが、これは非常に大事だと私は思っています。
人口が急減少する我が国で、どう考えても、各人の所得を人口が減るのに応じて上げていかなければ、GDPはがた減りいたします。それは、すなわち、税収が減って社会保障財源が賄いづらくなるということはもう目に見える。二〇二五年の、団塊の世代が後期高齢者に、あるいは二〇四〇年の、団塊ジュニアが高齢者になる、こういう将来が迫っているわけであります。それからまた、少子化対策という意味でも、カップルが持つ子供の数がカップルの合計所得に有意に相関しているというのは統計上明らかですので、とにかく国民所得を上げていかないと、社会保障財源も賄えなくなる、少子化も解決できない、こういうことであります。
リスキリングは大変重要な取組だと思うんですが、お配りした資料を見ていただくと、どうも、これまでの生産性を上げる取組は余りうまくいっていないなということです。
ざっといきますと、二ページ目が、まず、日本の一人当たり労働生産性はOECD諸国の中でも下位だと。一ページおめくりいただいて三ページ目は、企業は学ぶ機会を与えず、個人も学ばない傾向が強いのが我が国ということであります。そして三ページ目が、二十五、三十歳以上の大学、大学院入学者割合は諸外国に比べて低い。要は、一度学校を出たら、もう一回学ぶことを余りしない国民性だということかもしれません。それから、最後が決定的で、五ページ目ですけれども、日本では転職が賃金増加につながらない、こういうことであります。
正直申し上げて、これを見る限り、これまでの職業訓練、就労支援、リカレント教育などが十分な成果を上げてきたとは言い難いというようなことだと思います。
そこで、まず最初に後藤大臣にお伺いをしたいのは、本日冒頭でお尋ねをしましたデジタルスキル習得、再生のシステム化、国家戦略として進めてほしいということですが、これはやはりリスキリングの中核を占めると思っています。最も進歩のスピードが速くて、驚異的なスピードで進歩するデジタルスキルの習得、再生こそがリスキリングの中核を占めるということになると思いますけれども、そのデジタルスキルの習得、再生のシステム化がリスキリングに占める位置づけについて、後藤大臣に伺いたいと思います。
○後藤国務大臣 人生百年時代におきましては、今、赤澤委員からもるる時代の新しい潮流についての御指摘がありましたけれども、単線型のライフプランだけでは時代に適合しなくなっております。リスキリングを通じたスキル向上にしっかりと取り組んでいく必要があると思います。
特に、現代の社会において、デジタルやグリーンといった新たな潮流によりまして、これまでにないスピードで変化が続いております。御指摘のデジタル分野を始めとして、新たなスキルの獲得と成長分野への円滑な労働移動を同時に進めていくことが必要だと思っております。そのために、デジタル分野の人材育成等に政府一丸となって取組を進めていきたいと考えています。
○赤澤委員 ありがとうございます。
力強い取組を是非進めていただきたく、関係省庁が本当に熱心に、リスキリングということで、令和四年度の第二次補正予算でも予算を獲得されています。主に関係するところは、企業の関係であれば経産省、教育機関の関係であれば文科省、そして労働支援という意味でいうと厚生労働省ということになるわけでありますけれども、新しい資本主義担当の後藤大臣としてしっかり目配りしていただいて、枝ぶりのいい予算にしていただく。今後とも、五年で一兆円という取組でありますから、当初三年で四千億と言っていたものに六千億上積みしていますので、しっかりいいものに仕上げていただきたいと思っています。
次に、グリーンリスキリングについて伺います。
グリーンリスキリングの典型例は、今後世界規模で大々的に進められる、内燃機関を動力とする自動車から電気自動車への移行に伴うリスキリングだと思います。例えば、バス事業を営むオーストラリアのキャンベラ市当局は、内燃機関のバスの整備士を解雇することなく、電気バスの整備をできるようにリスキリングしたというような事例が知られております。
デジタルと並ぶ新しい資本主義の二本柱の一つと言えるグリーンの分野は、我が国が世界的にも優れた技術を多く保有している分野でもあります。この分野のリスキリングを強力に推進することは、将来的に世界で国富を稼ぐことにもつながると考えますが、グリーンリスキリングについてはどのように進めていかれるお考えでしょうか。
○後藤国務大臣 御指摘の、脱炭素化の実現に向けたグリーントランスフォーメーションなどの我が国の産業転換は、待ったなしの状態にあります。この産業構造転換を進め、我が国の成長力を回復するということは、日本経済の将来にとって極めて重要なものと認識しています。
新しい資本主義では、従来コストとされてきた人やGX等への投資を未来への投資と再定義し、社会課題の解決を通じて新たに市場をつくることで、成長と持続可能性の二兎を実現していくということを目指しております。このため、グリーン、デジタル分野等の新たなスキルの獲得と成長分野への円滑な労働移動を同時に進める観点から、五年で一兆円を拡充し、取組を抜本強化してまいります。
具体的なリスキリング支援策については、来年六月までに労働移動円滑化に向けた指針を策定すること等を通じて、グリーン分野への対応を含めた必要な政策の具体化をしっかりと進めてまいります。
○赤澤委員 今おっしゃったことは本当に重要なことで、岸田総理が所信表明でも、三つのことを、その三つの分野の改革で、構造的な賃上げを実現すると。その一つは賃上げ、一つは労働移動の円滑化、一つは人への投資、これがリスキリングということであります。
先ほどの資料に戻っていただくと、五ページを見ていただくと、日本では転職が賃金増加につながらない傾向が強いと。逆に言うと、これだからリスキリングを受けている方たちも身が入らないのかなとも思います。このスキルを身につけたら給料が上がると思えば、ある意味、みんな目の色が変わってくると思うんですけれども、どうもそうなっていないということであります。
ということで、残り時間もあれなので、通告した二問、ちょっとまとめてお伺いをいたします。
総理が所信表明でうたわれた賃上げ、これは就職、再就職も含めて考えていいと思います。要は、企業の中で、企業が成長分野に新たに出ていく、その分野をやっていくために、今いる従業員のスキルはこういうものだと棚卸しをし、足りないスキルはこれだというので、そこを効率的に習得してもらう、そういうやり方もありますし、一方で、どうも自分の人生はほかにありそうだといって、ある企業から転職することを考えている方にもしっかりリスキリングをしてさしあげたいというふうに思いますし、そういうことを考えますと、賃上げに直結するリスキリング、これがポイントだと思いますが、それを進めていかれる大臣の覚悟、御決意を最後に伺って、質問を終わりたいと思います。
○後藤国務大臣 御指摘のとおり、リスキリングの支援策については、労働者の立場に立って、企業間、産業間で労働移動したい方の円滑な労働移動を可能とし、また、構造的な賃上げにつなげるものとすることが必要でございます。
今回の総合経済対策におきましては、在職者のキャリアアップのための転職支援を盛り込んでおりまして、民間専門家への相談、リスキリング、転職までを一気通貫で支援する制度を新設することといたしております。さらに、来年六月までに取りまとめることとしています労働移動円滑化に向けた指針とともに、人への投資を、五年間で一兆円のパッケージ、しっかりと抜本強化していくことといたしております。
労働者自身が高いモチベーションを持って主体的にリスキリングを選択し、かつ成長分野への労働移動等にもつながるように、丁寧な議論を進めていきたいというふうに考えています。
最終的に一言申し上げれば、科学技術・イノベーション、スタートアップ、GX、DX、こういった重点分野において官の投資を加速し、それを呼び水として民間投資を大胆に喚起するとともに、しっかりと経済社会構造改革の変革を進めていく、そうしたことで新しい資本主義の実現をしっかりと目指していきたいと思います。
○赤澤委員 よろしくお願いをいたします。
終わります。
○大西委員長 次に、山岸一生君。
○山岸委員 おはようございます。立憲民主党、山岸一生です。
早速質問に入ります。
今日、官房長官にお越しいただいております。私、三週間前の当委員会で、ちょうど山際大臣が辞任をされた直後でございまして、官房長官と、官邸の危機管理、大丈夫ですか、こういう議論をやらせていただきました。
あれから僅か三週間で、また今度は葉梨大臣が辞任をされて、しかもその辞任に至るプロセス、本当に危機管理が機能しているんだろうか、強い疑問と不安を抱かざるを得ません。これは多分、多くの国民の皆さん、同じ気持ちだと思いますから、今日は、国民の皆さんに代わって疑問をただしていきたいと思います。
まず、官房長官、葉梨前大臣の失言、これは九日の夕方のことでございましたけれども、長官が第一報を受けたのはいつのことでしたか。
○松野国務大臣 山岸先生にお答えをさせていただきます。
十一月九日の夜、葉梨法務大臣が会合の場で法務行政の根幹に関わる死刑制度について軽率な発言を行ったとの一報を秘書官から受けました。
○山岸委員 夜ということですが、もう少し詳しく、これは通告していますので、分かりませんか。携帯の履歴を見れば分かると思うんですけれども、いかがでしょうか。
○松野国務大臣 今手元に時間までがございませんけれども、この会合が終わって、しばらくして秘書官から一報があったということでございます。
○山岸委員 しばらくということですから、そう間を置かずにということだと思います。
であればなんですけれども、どうして九日の夜のうちに、しっかり呼び出して叱責するなり、あるいは責任に関して議論をする、こういうことをされなかったんでしょうか。
○松野国務大臣 先ほど申し上げましたとおり、うちの秘書官から一報があった後、その後、総理から御指示をいただいて、翌十日の朝に葉梨大臣を厳重注意することとし、葉梨大臣側との時間調整を行うよう秘書官に指示をしたところであります。
○山岸委員 翌日の面会をセッティングした、こういうお話なんですけれども、やはり危機管理というのはスピード感が大事、時間との勝負だと私は思います。夜の出来事だから次の日にしたというのは、ちょっと理由にならないんじゃないかなと思うんですね。
といいますのが、幾つか実例がございますけれども、安倍政権下において、夕方のパーティーで失言をして、その後閣僚がお辞めになるというケースが二度ほどございました。私、当時新聞記者をしておりましてよく覚えていますが、二〇一七年の今村復興大臣と二〇一九年櫻田復興大臣だったかと思いますが、長官、もし御記憶にあれば、このお二人の大臣が更迭をされたのは発言されてから何日後のことだったか、御記憶ありますか。
○松野国務大臣 お答えをさせていただきます。
当時の今村大臣は翌日、櫻田大臣は当日であったかと思います。
○山岸委員 御記憶いただいているとおりでございまして、しかし、今村大臣は翌日とおっしゃいましたけれども、それは認証式まで済んだのが翌日ということであって、更迭をするという意思決定自体は当日のうちに、両大臣とも、当時の安倍政権はなされているわけでございます。
松野長官、今、即答いただきましたので、御記憶にある、念頭にあるということであれば、今回の葉梨大臣のときも、次の日まで持ち越すということではなくて、やはりその日のうちに明快に方針を示す、判断を下す、こういう危機管理が私はあってしかるべきではなかったかと思います。
これは結果論、後から見てということにひょっとしたら長官は思われるかもしれないけれども、今振り返ってみて、この判断を翌日、翌々日に持ち越したということについて、初動の遅れがあった、判断の甘さがあったという点はお認めになりませんか。
○松野国務大臣 お答えをさせていただきます。
先ほどの経緯の上におきまして、総理から葉梨大臣に対し、その職責を自覚し、説明責任を徹底的に果たすよう指示をし、それを受け、葉梨大臣は法務委員会や本会議等において自らの発言に関する説明を行ったということでございます。
○山岸委員 今、葉梨大臣の対応を御説明いただいたわけですけれども、やはり私は、岸田総理を支える官房長官として、官邸のいわば責任者として、断固たる対応というものをスピード感を持って下すというのが松野長官の職責ではないのかなと、僭越ながらやはり思うわけでございます。
三週間前も僕は同じ質問をして、長官がこういった危機管理において総理をしっかりサポートするという責任を本当に果たしていらっしゃるんでしょうかということをお尋ねをいたしまして、長官は頑張っていくという話だったのでございますけれども、三週間置かずに同じことを繰り返してしまっているわけであって、長官御自身が、やはり危機管理、御自分の職責を十分に果たしていらっしゃるのか。先ほど葉梨大臣のことはお話しいただきましたけれども、長官御自身は、責任を十分果たしたとお考えなのか、あるいは、ちょっと判断の遅れがあったな、至らないところがあったなというところをお認めになるかどうか。もう一回お答えいただけますか。
○松野国務大臣 お答えをさせていただきます。
評価に関しましては、私からというよりも、それは国民の皆さんからということになるかと思いますが、国民の代表である国会の場も含めて、まずは説明責任を果たすことが重要であるという認識でございました。
○山岸委員 まさに国民の皆さんは今非常に厳しい評価を持っていらっしゃるということを是非御理解、御自覚いただきたいというふうに思います。
官房長官への質問は以上でございまして、この後、私、内閣官房に関する議論をさせていただきますので、もし御関心があればお残りいただいても大丈夫でございますけれども、公務があれば御退室なさって結構でございます。
さて、関心は残念ながらお持ちいただけなかったということでございますので、今後、松野長官にも関心を持ってもらえるような議論をしていきたいなと改めて思います。
今日、中野大臣政務官にお越しいただいていますので、今申し上げた内閣官房の機能の話、議論の前に、簡単にお伺いしていきたいと思うのでございますが、旧統一教会、家庭連合との関係がこの間も明らかになっておりまして、せんだっての当委員会で塩川議員と議論されたかと思いますが、その続きという形になります。
中野政務官は、二〇二一年十二月十九日、川越教会のクリスマス会に出席をして御挨拶をされたというふうにお話しになっていますけれども、どのようなお話をされたかというのは御説明いただけますか。
○中野大臣政務官 お答えさせていただきたいと思います。
この十二月のクリスマス会においては、やはり、今後議員としての活動をしていくに当たっての抱負を述べさせていただきました。
○山岸委員 今後の抱負ということですが、それは未来の話ですね。過去の部分、これまでのことについては何かお話しになったりしなかったんでしょうか。
○中野大臣政務官 お答えさせていただきます。
いわゆる選挙での応援をいただいたという御礼を一言述べさせていただきました。
○山岸委員 選挙での応援について御礼を申し上げたということでございますが、その選挙の応援というのは、具体的にはどういったことを指しているんでしょうか。
○中野大臣政務官 お答えいたします。
お願いに上がって、具体的にどういった応援をいただいたかということの詳細については、私も詳細については理解をしていない点がございますので、御理解いただきたいと思います。
○山岸委員 分かっていないけれどもお礼を言ったということ。お礼というのは、何かの行為があって、その行為に対して御礼があるということだと思いますけれども、内容は分からないがお礼を言った。ちょっと理屈が、それでは通らないかと思うんですが、もう一回整理してもらえませんか。
○中野大臣政務官 お答えをさせていただきたいと思います。
いわゆる選挙活動の一環として、お応えとして、お世話になったというお礼をさせていただいたということでございます。
○山岸委員 具体的にどんなお世話になったのですか。それは例えば、選挙のときに街頭集会をしたら足を運んでくれた、あるいは選挙はがきを書いてくれた、いろいろな応援の形があろうかと思います。
私も、選挙経験は数少ないですけれども、やはりどういった方がどういった形で応援してくれたかというのは非常に記憶に残るものですし、やはりそれ抜きに政治活動、選挙運動はできないと思いますけれども、どういった応援をいただいたんでしょうか。
○中野大臣政務官 お答えをさせていただきます。
数ある御支援をいただいている団体の一つとして、選挙が終わった後に御礼に御挨拶にお伺いをしたということでございますので、御理解いただきたいと思います。
○山岸委員 内容は分からないということだけれども、選挙の応援をいただいた数ある団体の一つということで、選挙応援自体はお認めいただいたわけでございます。
一方で、中野政務官、自民党さんの点検の中で、選挙におけるボランティア支援、お名前が入っておりませんけれども、これは漏れがあったんじゃありませんか。訂正されるお考えはありますか。
○中野大臣政務官 お答えしたいと思います。
特段そういった御支援をいただいたという覚えがございませんので書かなかったということでございますので、よろしくお願いしたいと思います。
○山岸委員 御答弁が変わってしまっています。先ほど、応援をいただいたとおっしゃった。でも、今、特段の応援はいただいていないということでございます。
ちょっともう一度整理してもらえませんか。どういう応援をいただいたのか、応援はもらったけれども記憶にないということなんですか。
○中野大臣政務官 数ある団体の中で応援をいただいたという意味合いは、数ある団体の中にお願いに上がったということであります。具体的に何かをしていただいたということについては、そういう認識はございません。
また、そういう上での一つの儀礼として御挨拶にお伺いをしたということでございますので、御理解いただきたいと思います。
○山岸委員 応援はもらったけれども、個別にどういうことをしてもらったかは分からないということですので、ちょっとこれは、政務官、事務所にしっかり確認してもらって、一体どういう応援があったのか、なかったのか、これはきちんと確認をしてもらった上でこの委員会に報告してもらえませんか。
○中野大臣政務官 確認をさせていただきたいと思います。
○山岸委員 委員長、こちらは引き続き委員会でお取り計らいをお願いいたします。中野政務官から御報告いただけるように、理事会でお取り計らいをお願いします。
○大西委員長 協議いたします。
○山岸委員 中野政務官、ありがとうございました。
早速、続きましてでございますけれども、先ほどお話をした内閣官房の機能という議論を今日はさせていただきたいというふうに思っております。
さっき官房長官と、官邸は機能していますかという話をさせてもらったのでございますけれども、私は今、内閣官房、総理官邸の機能というものに実は一つ大きな不安を抱いているのでございます。
今、立憲民主党の中に政策課題発掘チームというものを立ち上げまして、通称りっけんチェックと申しておりますけれども、私はこの中で、特に公務員制度について今研究、調査をしているわけなんですが、調べていく中で、これはちょっとおかしいんじゃないのかなというデータが出てまいりましたので、今日、資料一でお手元にお配りをしております。
これは何かというと、内閣官房の職員の数の推移を調べたもので、情報開示をいただきました。ネット中継を御覧の方は、私のツイッターにグラフを上げておりますので御覧ください。内閣官房の職員数がこの二十年間でおよそ三倍に急増しているという事実でございます。
政府参考人にまずお伺いしたいのでございますけれども、内閣官房の職員数が二十年間で三倍、大幅に増えている理由は何ですか。
○黒田政府参考人 お答え申し上げます。
内閣官房は、内閣法におきまして、内閣の重要政策に関する基本的な方針に関して、企画、立案、総合調整を行うこととされております。その時々の内閣の重要な政策課題に対して迅速かつ柔軟に対応するため、必要な人員配置を行っているところでございます。
それで、委員御指摘の職員増加の具体的な要因につきましてです。
まず、定員関係でございます。
定員関係につきましては、内閣官房に新設をされました国家安全保障局、内閣人事局、内閣サイバーセキュリティセンターの設置に伴う増員に加えまして、こども家庭庁設立に伴う準備、新型コロナウイルス感染症への対応など、その時々の内閣の重要な政策課題に対応するための体制整備に伴う増でございます。
次に、併任関係でございます。
今申し上げました組織体制整備に伴う増がまずございますが、それに加えまして、新たに法定化をされた事務への対応、それから対外交渉あるいは対外誘致を行う必要がございますが、そういったことに関する事務を始めまして、内閣の重要な政策課題への対応に伴う増が主な要因でございます。
以上でございます。
○山岸委員 様々な事務が増加しているという御説明なんですが、ただ、仕事が増えているのは中央官庁どこも同じなわけでございまして。
じゃ、今、官邸の数を議論していますけれども、その分母になる中央官庁の内部部局の職員数はどのぐらいかなと調べてみたら、大体四万五千人から五万人弱ぐらいの数だそうでございまして、つまり一割弱ですよね。内閣官房が三千六百人ということになりますので、一割弱が官邸、内閣官房に集中をしておるという状況になっています。
内閣官房というのは、普通の会社でいいますと、恐らく、例えは難しいですけれども、社長室とか役員室のような役割でございまして、そこに会社の一割が集中している企業というのはまずないんだろうというふうに思います。頭でっかちになって、結果として各省庁が痩せ細っているんじゃないかというのが私の問題意識なのでございます。
今説明がちょっとありましたけれども、その象徴と言えるのが、私は、併任という任用の仕方じゃないかなと思っています。これは要するに、椅子自体は出身元の省庁にあるんだけれども、官邸業務、内閣官房の業務を助っ人として手伝う、こういうやり方でございまして、これが物すごい勢いで増えているわけでございます。
先ほど、二十年間で三倍と申し上げました。定員そのものは二倍にしかなっていないんですが、併任が四倍近い伸び方になっている、六百六十人から二千二百六十人という増え方ですね。これは、省庁からすれば、併任を増やせば増やすほど、事実上、官邸に、内閣官房に人を吸い取られていくという構図になっていまして、実質的に人が減っていく。これが役所の働き方に大きな影響を及ぼしているんじゃないかというふうに考えるところなんです。
ここで岡田大臣にお伺いしたいのでございますけれども、この安易な併任の多用ということを含む官邸の肥大化が各省庁の本来業務を圧迫しているんじゃないか、こういうふうな問題意識は大臣もお持ちでしょうか。
○岡田国務大臣 お答え申し上げます。
山岸委員から官邸が肥大化しているのではないかという御指摘がありましたが、一方、これまでの行政改革の流れを考えたときに、各省庁の縦割り是正から、内閣機能を強化していこうという、こういう大きな流れもあったことと存じます。昭和の時代の土光臨調の答申ですとか、平成に入っての行革会議の最終報告ですとか、こうしたものを踏まえて、内閣として、国政全体を見渡した総合的、戦略的な政策判断と、機動的な意思決定を行うための取組が進められてきたところであります。
今日、社会の複雑化、環境の変化というものは加速しておりまして、内閣官房が、内閣の政策課題に機動的に対応し、重要政策に関する司令塔機能を果たすことはますます重要になっているものと認識いたしております。
しかしながら、山岸委員の言われるような官邸の肥大化とか各省庁の業務の圧迫ということはあってはならないことだと思っておりますので、内閣官房においても、課題対応に必要な人員を精査するとともに、事務の進捗に応じて不断の見直しを行い、できるだけ組織を効率的なものとしていくことが重要であると考えております。
○山岸委員 不断の見直しをしていくということで、実際、大臣からお話があったとおり、見直ししたことがあるんですね。資料のグラフを御覧いただけると分かるんですが、二〇一五年に官邸でメンバーが少し減りました。これは何をしたかといいますと、このときに閣議決定をいたしまして、内閣官房及び内閣府の業務の見直しということで、法律も制定をして、業務の一部移管、スリム化を行ったわけなんですね。
ただ、これはグラフを見れば分かるとおり、また翌年から結局どんどんどんどん人が増えていって、官邸の肥大化というのが止まらないということになってしまっているわけなんです。恐らく、この二〇一五年のときも、こうなることが分かっていたからだと思うんですけれども、閣議決定の中に、三年後を目途にまた全面見直しをします、こういう規定が入っておりました。ところが、私、これを調べて驚いたんですけれども、実行していないんじゃないですか、この全面見直しを。
岡田大臣、どうしてこの閣議決定で約束をした全面見直しが実施されていないのか、御説明いただけますか。
○岡田国務大臣 お答え申し上げます。
御指摘の二〇一五年、平成二十七年の閣議決定を踏まえて、三年後の見直しとして、内閣官房また内閣府において、個別業務の精査が行われたと承知をいたしております。
その結果を踏まえて、例えば消費税価格転嫁等対策推進室とか社会保障改革担当室、こうした室が廃止をされたり、互いに密接に関連する部局において後方業務等を一体化して業務の遂行を効率化したというふうに承知いたしております。
これ以降も内閣官房において不断の見直しを行っておりまして、例えば昨年十一月に、一億総活躍推進室、また、人生一〇〇年時代構想推進室、統計改革推進室、働き方改革実現推進室などを廃止したということであります。
○山岸委員 大臣、それは、失礼ながら、やはり私は詭弁だというか、それは全面見直しとは言わないというふうに思いますよ。細かい見直しを個別にやっているというのはよく分かりますけれども、二〇一五年、閣議決定で、全面見直しを三年後にしますと言ったからには、やはり、事務的にちょこちょこやっていますではなくて、本来想定している、また新しい閣議決定をするなり、あるいは法改正をするなりという全面見直しを本来すべきだったと思います。
なぜ、そういったことを行ってこなかったのか、本気で官邸職員を減らそうとしないのか。これは、やはり時の権力者にとって、内閣官房というのは非常に使い勝手がいい、自分の武器になるわけですから使い勝手がいいわけなんですね。だから削りたくない。結果として、安倍政権も菅政権も縮小を見送りしてきたわけなんですけれども、やはり、その代償ということを、そろそろ私は目を向ける時期じゃないのかなというふうに思います。
さっき岡田大臣からも御答弁があったように、司令塔機能の強化、官邸機能の強化ということは、この二十年間、二十五年ぐらいずっと言い続けてやってきたわけでありまして、それにはもちろん一定の理由がありました。しかし、そろそろ見直しをする時期ではないんだろうかというふうに思います。
岡田大臣、これは最後の質問になりますけれども、やはり、霞が関の職員が力を発揮できるように、国会対応の業務を減らしてくれという依頼ばかりじゃなくて、政府の中において適正な人員配置ということをしっかり考えていく時期じゃないかなと思いますけれども、そのためにも、肥大化した官邸業務を大胆に整理縮小していく、こういうお考えはありませんか。
○岡田国務大臣 お答え申し上げます。
内閣官房への業務の追加に際しては、先ほどの二〇一五年、平成二十七年の閣議決定において、その必要性を十分勘案した上で判断するとともに、新たな業務を法律によって追加する場合には、原則として内閣官房において当該業務を行う期限を設けるということにされております。
こうしたことを踏まえて、業務追加の必要性や設置期限等について、それぞれの業務追加の際に、その都度、内閣官房において対応されておると思いますが、引き続き適切に対応すべきものと考えております。
○山岸委員 この問題、引き続き議論をしてまいります。
岡田大臣、中野政務官、ありがとうございました。
残された時間で、河野大臣、谷大臣、お待たせいたしました、マイナンバーカードの問題に関して議論をさせていただきたいというふうに思います。
政府は、この間、マイナカード普及の一環として国家公務員の身分証との一体化を進めてこられました。二〇一六年から実施をしておりますが、今回、私、調べましたところ、一部の省庁では実施をしていないということが分かりました。実施をしていない省庁では一体どういう理由で行っていないのか、書類が残っておりました。資料二でお配りをしております。
「国家公務員身分証の個人番号カード一元化における問題点等について」ということなんですが、これは驚くべき文書でございまして、マイナンバーカードを身分証にするのをやめてくれということを政府内で政府宛てに提出をしているんですね。いわく、個人情報を一括して盗まれ、最悪の場合、秘密情報の流出につながるおそれがある。あるいは、身分証のカード一元化を行った場合、業務に重大な支障が生じるおそれがある。非常に強い言葉でして、私は、政府部内でこんなふうな文書が取り交わされるケースというものを見たことがない、非常に異例な文書だと思います。
じゃ、これはどういう役所が出しているのかといいますと、資料の右上にございますけれども、内閣官房、警察庁、公安調査庁、防衛省、外務省、いわゆるインテリジェンスコミュニティーでございますね。情報管理に人一倍敏感な省庁が、危ないからやめてくれ、こういうわけなのでございます。
谷委員長、お伺いしたいのでございますが、時間がないから、質問二つのうち後半の一個だけお伺いします。
これは七年前の文書になりますけれども、警察庁においては、現時点でも、この要請、指摘というものは変わらない、有効であるという考えでしょうか。
○谷国務大臣 お答えいたします。
マイナンバーカード導入前の平成二十七年、二〇一五年当時の判断として、身分証とマイナンバーカードを一体化し、これが盗まれた場合など、警察の対抗勢力に職員の所属省庁、住所、氏名等を一括して把握されるとの懸念があったことから、一部の関係省庁とともに一体化を見送ることとしたものと承知しております。
一方、その後、マイナンバーカード導入後の他省庁における一体化の運用実態や、マイナンバーカードの利活用を拡大するという政府の方針を踏まえ、警察庁においても、こうした懸念を払拭するための工夫をいろいろ行いながら一体化を実施することとしているとの報告を受けており、早期に実現されるよう指導してまいりたいと思います。
○山岸委員 これから検討をされるということなんですね。つまり、現時点においては、まだ当時の要請が有効であるということで。
時間も来ておりますから、河野大臣、このペーパー自体は大臣も存在を御存じでいらっしゃいましたか。
○河野国務大臣 先日知りましたが、ここに出ている全ての省庁が、身分証の導入を決めて、今具体的な方策を考えているところでございます。
○山岸委員 精通していらっしゃる河野大臣も御存じなくて、これから方針を変えていくということなのでございます。
私は、こういう今の政府の検討状況というものは、国民に対してマイナンバーカードを使ってくれ、使ってくれと言うときに、説得力があるとはなかなか思えないわけなのでございます。今、政府は、会社の社員証にもしてくれ、健康保険証にもしてくれ、どんどん一体化していこうということで、一方で、一部の省庁は、現時点においてはまだ危ないから使えない、こういう姿勢だったわけでございます。
これから変えていくという話なんですけれども、河野大臣、多分これは時間的に最後の質問になると思いますけれども、やはり、国家公務員自らが安心して利用できないようなサービスを、社員証利用、健康保険証利用、際限なく機能を付加して、国民に、ふだん使いしてくれ、日常使いしてくれという姿勢は、私は矛盾していると思いますから改めるべきと思いますが、いかがでしょうか。
○河野国務大臣 全ての国家公務員が身分証として使うことを既に決めておりますので、民間にも、是非是非、どんどん活用していただきたいと思っております。
○山岸委員 私は、この文書に示されている問題意識というものは極めて真っ当なものだと思います。これからどんどん使っていただきたいという答弁でしたので、じゃ、どんどん使えるようにするためには、不安があるものを無理やり使わせるのではなくて、不安がないような仕組みをつくる、この順番を間違えてはいけないということを申し上げて、質問を終わります。
ありがとうございました。
○大西委員長 次に、太栄志君。
○太委員 神奈川十三区の太栄志でございます。
本日は、子供の安全を保障すること、そして国家の安全を保障すること、この二つをテーマに各大臣に質問したいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
まず、子供の通学路の安全確保に関して小倉大臣にお伺いさせてください。
私、国会での最初の質問は今年の二月でした。こども家庭庁の創設に当たって、通学路行政を一元化をして、そして、こどもまんなか社会を具体的に、子供の命が奪われなければ政治も行政も動き出さない、こんなおかしな国を変えなきゃいけないという視点からの質問をさせていただきました。
まず、私、浪人中、五年半ありました、そして国会議員になって一年間、街頭に立って、地域を歩いてくる中で一番多かった陳情の一つがまさに危険通学路、何とかしてくれ、そういった親御さんたち、あるいは地域の方たちからの質問だったんですが、大臣の選挙区、県はまたいでいますが、私の隣になりますので、同じような事情を抱えているんじゃないかと思っております。
この問題、このパネルにも書きましたが、やはり通学路行政が四つの省庁にまたがっていること、文科省、国交省、警察庁、内閣府と、そのことが私は一番の問題だと思っております。まず、大臣、そこを何とか改善していただいて、縦割りを解消するためにも、こども家庭庁で司令塔機能を担わせるべきだと思うんですが、その点に関する大臣の見解をお願いいたします。
○小倉国務大臣 太委員の御地元も私の地元も近くにございます。住宅街があって、道路もそんなに広くなく、一方で車両の通行も多いところであります。そういった中で子供の通学路に係る安全はしっかり確保していかなければいけないというのは、私も思いを同じくしております。
そういった中で政府の体制はということでありますが、通学路の安全確保について、これまでも文科省、国交省、警察庁など様々な省庁が関わっておりまして、犯罪から子供を守る観点につき内閣官房、交通安全の観点につき内閣府を中心とする取りまとめの下、的確に進めてまいりました。
来年四月に創設をするこども家庭庁へ移管する法律、事務の考え方については、昨年末に閣議決定した基本方針におきまして、法律の目的を主として子供の権利利益の擁護、子供や家庭の福祉、保健等の支援を目的とするものは移管する一方で、国民全体の教育の振興、福祉の増進、保健の向上等を目的とするものについては関係府省庁の所管としつつ、子供の視点から総合調整を行うことといたしております。
この点、登下校時の通学路における防犯も含めて、防犯教育の推進など犯罪から子供を守るための対策については、主として子供の安全に関するものであり、こども家庭庁に移管することとしております。
他方で、通学路を含めた交通安全については、昨年六月の八街市の死傷事故を受けて、ガードレール等の交通安全施設等の整備などを内容とする緊急対策を取りまとめておりますが、子供に限らず、交通安全政策全体の中でその向上を図ることが効果的であると考えております。そのため、引き続き、交通安全対策基本法に基づく基本計画に従いまして、内閣府が取りまとめを行ってまいりたいと思っております。
ただ、各行政分野において各々の政策目的を追求する中で、必要な場面でしっかりと調整し緊密に連携することが政府全体としての施策の充実、質の向上につながる場合もあると考えております。こども家庭庁は子供施策に係る司令塔機能を任されておりますので、単に所管を一元化するというのではなくて、子供の視点から見て、通学路の安全確保を含めた子供政策が推進される観点から、しっかりと取り組んでいきたいというふうに思っております。
○太委員 大臣、ありがとうございます。
ですけれども、今、防犯のこと、あるいは犯罪から守ること、このことはこども家庭庁、是非とも、これは安全も一緒だと私は思っています。だからこそ、ずっと、子供の視点は大事です、あと親御さんの視点、親御さんからすると、やはり、どれだけ陳情しても、いつも言われるのは、お金がないからなかなか改善してくれない。役所に言っても、そんな状況がずっと放置されます。
やはり、そういった意味でも、私は、まず財源をしっかりと確保する、そして、権限を明確にした中で、結局は責任。責任の所在もずっと不明です。だからこそ、ずっと放置されてくる。この状況を何とか改善していただかなきゃいけないと思っています。
これは質問通告しましたが、それを象徴しているのがまさに去年の、大臣が触れました八街市のあの痛ましい事件を受けて、翌月七月から十二月にかけて文科省さんが取りまとめをして、全国での通学路一斉合同点検を行ったということなんですが、これ、ちょっと御説明を、文科省の方。私が指摘するのは、全国一斉の合同調査、この結果が、政府に問い合わせても具体的なことを教えていただけないんですよ。というのも、具体的なデータを持っていないと。この現状、これは本当におかしいと思いますので、その点に関して、一元的に公開すべきだという視点から質問させていただきたいと思いますので、どうぞ、文科省の方、まず御返答をお願いいたします。
○里見政府参考人 お答えいたします。
文部科学省におきましては、国土交通省、警察庁と連携をいたしまして実施した小学校の通学路の合同点検の結果、本年三月、七万六千四百四か所の対策必要箇所が抽出され、現在、各自治体において対策が進められていると承知しております。
今回の合同点検を踏まえまして、文部科学省としては、各自治体において、地域住民等の協力を得るためにも、対策必要箇所等を公表し、適切に情報発信するということを促しているところでございます。
一方、自治体の中には、例えば人通りが少ない箇所などといった、公表することで防犯上の懸念が生じる等の理由によりまして対策必要箇所を公表していない場合もあるというふうに伺っております。そのため、国におきまして対策必要箇所の詳細を一元的に把握し公表することにはなじまないものと考えているところでございます。
文部科学省といたしましては、通学路の安全確保のため、引き続き、関係省庁と連携いたしまして、各自治体における対策必要箇所の取組状況について定期的なフォローアップを行うなど、各地域の取組を一層推進してまいります。
○太委員 ありがとうございます。
今、合同点検を受けて五割近くが対応を完了したということで、少しずつ進んでいること自体は私も評価できると思っていますし、ですが、今御指摘のとおりで、各市町村によってやはりばらつきがあります。これも、どの視点から考えるか。
もちろん、危険箇所ということで出せないところはあるかもしれない。ですけれども、やはり、これは親御さんの視点からしても、あるいは、国の税金を使う、国民の税金を使って全国調査しながら、数字しか教えてもらえない。もちろん、ちゃんとホームページ等でも公開している市もあります。ですけれども、私たち国会議員の事務所から連絡してもそこを教えてくれない状況。文科省の方に昨日、私、レクの中で問い合わせたら、文科省としては、問合せがあれば各自治体に確認をして公表できますとおっしゃっていましたけれども、ですけれども、いまだに私は結果を教えてもらっていないです。現状、こういった状況。
これはやはり、しっかりと国民に対しても教える、情報公開する義務があると思っていますし、ここは政府にはしっかりと一元的に私はオープンにしてほしい。この点に関して、小倉大臣、所管外かもしれないですけれども、御見解をお願いいたします。
○小倉国務大臣 お答えをいたします。
委員御指摘の対策必要箇所の場所に係る一元化、さらには公開をするかどうかにつきましては、先ほど文科省から答弁ありましたように、様々な事情を勘案をしながら、通学路合同点検の取りまとめ官庁であります文科省におきまして適切に判断をして対応すべきものだというふうに考えております。
ただ一方で、総理からは、緊急対策の進捗状況については、対策に遅れが生じないよう、交通安全対策を担当する大臣、今は私でありますけれども、においてしっかりと管理をするよう指示がなされておりますので、内閣府においても、必要に応じて文科省を始めとする関係省庁とも連携をしながら、しっかりと進捗管理を行ってまいりたいというふうに思っております。
○太委員 大臣、やはり通学路の安全を確保していくという視点から、私はこれはこだわって主張させていただきたいと思っていますが、やはり、いろいろな省庁を始め、作成過程に関してもいろいろなところが関わっている中で、国として危険箇所を把握すらしていないというのはやはりおかしいと思います。これは、内閣府も把握していない、文科省さんも把握していない、こんな状況。親御さんからしても、数は分かった、だけれども危険な箇所がどこなのか分からない。
我々も、危険通学路を少しでもなくしていく、そのために常にチェックをして一つ一つ改善していくということが、やはり子供を守っていくこと、こどもまんなか社会に向けた私は最低限の一歩だと思っておりますので、是非ともここは、こども家庭庁の中で、何らかの形で一元化して、ポータルサイトを作るとか、いろいろなやり方はあると思いますが、そこを進めていただきたいと思っていますので、この通学路の問題、子供の命がなくならないと対応しない、こんな状況を一刻も早く変えてもらうためにも、一元化を今後もお訴えさせていただきたいと思っていますので、大臣、どうぞよろしくお願いいたします。
続きまして、子供の外遊びの重要性について、ちょっと大きなテーマですが、大臣、その重要性に関しての御見解を教えてください。お願いいたします。
○小倉国務大臣 外遊びについてでありますが、強く健康な体の育成や健全な心の育成といった、子供たちの健全な成長に極めて重要な役割を担うと同時に、社会で活躍するのに今後ますます必要となる能力の育成に大きく寄与するものであると考えております。
特に、今、子供たちは学校でも家庭でもデジタルデバイスと向き合う時間が増えております。そういった中で、時間と空間と仲間、両方とも間という言葉が入っておりますので三間とも言われておりますけれども、そういった三間も減少する中で、子供たちの外遊びの時間というのは、近年だけ見ても減少しているところでございます。
そういった中で、昨年末に閣議決定した基本方針におきまして、今後の子供政策の基本理念として、全ての子供が、安全で安心して過ごせる多くの居場所を持ちながら、様々な学びや多様な体験活動、そして外遊びの機会に接することができることが重要としておりまして、こども家庭庁におきましても、外遊びを含めた子供の居場所づくりに積極的に取り組んでまいりたいと思います。
○太委員 大臣、ありがとうございます。
これは、十一月二日ですか、子供たちから大臣に、外遊び環境を整えてほしいと、そういった記事を私も読ませていただきました。
まさに今、子供たちに、現代社会というのは様々なストレスもあるし、遊ぶ場もないし、外で遊んでいても、特に都市部だと近隣住民からのクレームとか、本当に子供たちはかわいそうな今環境だと思っておりますので、大臣がおっしゃった先ほどの三間ですか、空間、仲間、時間をどう確保していくのか、ここはまさに政治がしっかりと進めていかなきゃいけないと思っていますし、その点で、放課後の校庭開放を推進していただきたい。
これは私も、地域で様々、親御さんたちからもお話を聞いている中でも、やはりふだん通っているところで子供たちがしっかりと遊んでほしい。あと、NPOで子供食堂やあるいは学童の運営をやっている方からもお話を聞いたんですが、もちろん開放している学校は多いです、大分増えてきました、ですけれども、やはりまだむらがあって、その特定の地域の子供たちはなかなか遊ぶ場がなくて困っていると。
これを改善するには、やはり私は国としての一元的な対応が必要だと思っていますが、その点に関して、校庭の開放の推進、その際に重要になってくるのが見守りをする人たち、その確保について、これはお金もかかることですが、この点に関する大臣の御見解、こちらを教えてください。
○小倉国務大臣 太先生御指摘のとおり、学校開放は大分進んでおりますが、まだできていない学校があること、あとは、開放している学校の校庭もなかなか制約があって、地域の一般の子供たちが使いづらいことということは耳にいたしております。
そういった中で、子供をけがさせない、あるいは防犯をしっかりするという意味でも、いわゆる大人、見守りの人材というのも非常に重要であるというふうに思っております。
一義的には、所管をいたします文部科学省において、令和二年に学校体育施設の有効活用に関する手引きを策定をし、地方公共団体へ周知すると同時に、地域の多くの方々の参画や見守りにより、放課後等において子供たちに様々な体験の機会を提供する取組に対して支援を行っているというふうに承知をしております。
子供たちの健やかな成長のためにも、小学校の校庭開放などにより放課後に外遊びができる場の整備が図られていくことが望ましいと考えておりますし、こども家庭庁としても、先ほど申し上げたような子供の居場所づくりをしっかり進めることによって環境整備に努めてまいりたいというふうに思っております。
○太委員 大臣、引き続きの対応をどうかよろしくお願いいたします。
質問通告で、街区公園、子供の本当に身近にある公園の、小規模公園の予算拡充について質問する予定だったんですが、これはちょっと時間がなくなったので、子供たちのまさに陳情の中にもあったと思いますが、それを是非とも大きく進めていただきたいと思っております。
大臣、最後に、少人数学級の実現について質問させていただきたいと思います。
先月、私の地元で、子育てと教育のタウンミーティングということで、今いろいろなところで、まさに参考人として国会でもいろいろと御見解を披露されたりと、まさに新進気鋭の教育学者だと思っているんですが、末冨芳先生と、講師としてお越しいただきまして、大体五十人ぐらいの市民の方たちと、いろいろと、日本の今の教育の在り方と問題点を様々議論した中で、やはり今一番問題なのは、子供たち一人一人に大人が、そして教師が向き合えない状況だ、これを何とか変えていくためにはどうしていくかというのが結論となってまいりました。
その中で、今、もちろん政府としては、昨年からですか、四十人から三十五人学級にようやくこれは動き出しました。ですけれども、国際的に見たらまだまだ、先進国は二十人学級は当たり前です。だから、私は、まだまだこれは前へと進めていかなきゃいけないというふうに思っていますし、末冨先生がおっしゃっていたのは、やはり国際的な比較も大事、あと、体験的にも二十名を超えると生徒に目が届きにくい、こんな状況がありますので、そこをどう改善していくのか。もちろん、これはやはりお金の問題、予算の問題になってきます。
そういった意味で、この点に関する大臣の御見解をお聞かせいただきたくお願いいたします。
○寺門政府参考人 申し訳ございません、少人数学級につきましては当省の所管でございます。まず、こちらから事務的な説明を簡潔に申し上げます。
先生御案内のとおり、令和三年三月に義務標準法を改正いただきまして、約四十年ぶりに公立小学校の学級編制の標準を三十五人に引き下げておりまして、一人一人のニーズに応じたきめ細かな指導を可能とする指導体制と、安全、安心な教育環境を整備させていただきました。
今後、小学校の学級編制の標準の引下げを計画的に実施する中で、学力の育成やその他の教育活動に与える影響などにつきまして検証等を現在行ってございまして、その結果も踏まえつつ、中学校も含め、学校の望ましい指導体制の構築に向けて取り組んでまいる所存でございます。
○小倉国務大臣 今文科省から説明をさせていただいたとおりでありますが、委員御指摘のとおり、私も着任以来、様々な教育関係者と膝詰めで意見交換をしてまいりました。子供に関する様々なニーズも多様化している一方で、学校の教職員の皆様方の業務が大変多忙になっているという意見も耳にいたしております。
そういった中で、教育環境の整備を含め教育については文科省において、初等中等教育、高等教育並びに社会教育の振興を一貫して担っており、引き続き文科省がその充実を図っていくつもりでありますが、こども家庭庁におきましても必要な関与を行うことによって、両省庁が密接に関連をして子供の健やかな成長を保障することとしてまいりたいと思います。
○太委員 大臣、ありがとうございます。
どうかこれは、まさに文科省とこども家庭庁がしっかりタッグを組んで財務省に働きかける問題だと思っておりますので、是非とも二十五人を目指して、少人数学級、ここへ向けて進めていただきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。
私から大臣への質問は以上になりますので、御退席いただければと思います。ありがとうございました。
ちょっと時間がありませんが、次は官房長官に、前回、前々回に続き質問させていただきたいと思います。
他国の領域内の目標を攻撃するいわゆる反撃能力に関して、その保有に関する検討状況について、官房長官、教えてください。御説明をお願いいたします。
○松野国務大臣 お答えをさせていただきます。
いわゆる反撃能力につきましては、国会での議論を含め様々な御意見を伺ってきていますが、現在、政府として、国民を守るために何が必要か、あらゆる選択肢を排除せず、現実的な検討を加速をしているところであります。
今後、新たな国家安全保障戦略等を策定する中で、与党間の協議における議論も踏まえながら、年末までに結論を出す考えであります。
○太委員 官房長官、検討を加速しているということで、これはもう私も繰り返し言っていて大変申し訳ないんですが、これは一年前からの話です。ずっと検討していただいて、年内ですので、あと残り、実質的にほぼ一か月を切ったと思っております。
そういった中で、官房長官、前回お話しなさいました、国会における質疑にお答えする形で丁寧に説明していく、それは閣議決定前でも同じだということでお話しされたんですが、本当に残念です。これは私がただずっと言っているだけじゃなくて、与党の先生方に対しても同じ返答で、反撃能力の議論は全然深まっていないです。
これは新聞報道ですが、今月の九日ですか、自民党の小野寺元防衛大臣、安全保障調査会長が、政府の防衛政策の検討過程に苦言を呈した、与党内での会合で、国民の安全、安心に関わることは選挙で選ばれた国会議員の議論なしに大枠をはめてはいけないと。まさに私もそのとおりだと思っています。
官房長官にお伺いしたいのが、今なかなかお話しいただけませんでしたが、反撃能力を行使する際には国会の承認というのは必要なんですか、教えてください。お願いいたします。
○安藤政府参考人 お答え申し上げます。
政府としては、国民を守るために何が必要か、いわゆる反撃能力を含め、あらゆる選択肢を排除せず、現実的な検討を加速しているところです。
このため、具体的な内容等についてお答えできる段階にはございません。
○太委員 反撃能力に関して、私も別に反対しているわけじゃないです。今の国際情勢、我が国のミサイル防衛体制だけでは国民を守り抜けないのは明らかですよ。しかも、ウクライナ戦争を受けて、国民の七割以上が我が国の安全保障に関して不安を抱いている。
こういったときこそ、本来だったら、これは小野寺先生も言っているとおりで、国会でなぜ議論がゼロなんですか。これはおかしいですよ。閣議決定前にちゃんとやってもらわなきゃ私はおかしいと思っていますし、今説明ありましたが、国会承認、これは当たり前ですよね。今の法体系でそうなっています。
ちょっと官房長官、教えていただきたい。そこはどうでしょうか。ちょっと確認させてください。防衛省ではなくて、これは官房長官に事前にお願いしていますので、官房長官、お願いいたします。通告しています。
○安藤政府参考人 お答え申し上げます。
あくまで一般論として申し上げますが、我が国が武力の行使を行い得るのは武力の行使の三要件を満たす場合に限られますが、実際の武力の行使を行うために自衛隊に防衛出動を命ずるに際しては、原則として事前の国会承認を求めることが法律上明記されております。政府が判断するのみならず、国会の御判断もいただくこととなります。
○太委員 まさに国会承認は必要です。これは当たり前のことですよ。別に、事前、事後とかいろいろとあるかもしれないですけれども、国会承認は当たり前です。それで我々国会議員一人一人には、責任を取らされる。だけれども、反撃能力の保有に関する議論には全く関与できない。
官房長官、やはりこれはおかしなことだと思いますので、私は、これからでも、ちょっとこれはひどいなと思っていますし、ここは本来なら、行使に際して様々、事態対処法の中でも明文化するぐらい、それぐらい、国民の皆さんにも納得していただいた上での防衛力の整備だと思っていますので、これはまた引き続き、官房長官、よろしくお願いします。ちょっと時間がなくなりましたので。
それでは、台湾有事。
台湾有事、これはもう本当に、いつなのかという、あるかないか、そんな段階じゃなくなってきたと思っていますし、もちろん、何があっても我が国としては台湾有事を起こさせない、そのためのあらゆる努力はしていかなきゃいけないです。台湾から与那国島まで百十キロしかないです。ですが、一方で、有事が起きた際のしっかりとした備えをちゃんとしているかどうか、そういった視点からの質問となります。
まず、現在、国民保護法百四十八条の中で緊急一時避難施設を指定していこうということで、今進んでおりますが、大規模な地下の、地下です、緊急一時避難施設が今どういった指定状況なのか、この点に関して、官房長官、教えてください。また、その評価に関しても、政府としてどのようにそれを受け止めているのか、お願いいたします。
○齋藤政府参考人 お答えを申し上げます。
弾道ミサイル攻撃による爆風等からの直接の被害を軽減するためには、コンクリート造りの堅牢な建物や地下施設に避難することが有効でありますことから、こうした施設を都道府県知事等が緊急一時避難施設として指定することとなっております。
こうした指定が早期に行われるよう、政府におきましては、令和三年度からの五年間を集中的な取組期間として、より安全性が高いと考えられる地下駅舎や地下街、地下道等の地下施設の指定促進を重点的な取組事項の一つとして、都道府県等に対し働きかけを強めているところであります。
こうした取組により、地下駅舎を例に取りますと、令和二年四月時点でゼロか所だったところ、令和四年十月現在では五百十六駅に対し指定がなされるなど、着実に成果が表れているものと考えております。
今後とも、地方公共団体と緊密に連携し、地下施設を始めとした避難施設の更なる指定に向け、しっかりと取組を進めてまいります。
○太委員 ありがとうございました。
数は大分増えてきた、これは物すごく評価できることだと私も思っておりますが、ですが、一方、今回、ウクライナ戦争で明らかになりました、戦闘が長期化したときに、その長期化した中での避難所での衛生環境、そこは大丈夫なのか。あと、訓練も様々やっているとおっしゃいましたが、例えば東京都では、指定された施設内で、避難施設では一回もこれは開催されていないです。そういったところをもっと、確かに数は増えました、あとは内実をしっかりと充実させていく、機能するようにしていただきたい、これはもう質問じゃなく、それをお伝えさせていただきます。
最後に官房長官にお伺いしたいのが、核シェルターに関してお伺いさせてください。
岸田総理は先日の予算委員会で、核シェルター整備に向けた議論を進めていくというふうに、我が党の岡田幹事長の質問に対して、北朝鮮などの情勢を見れば、現実的に対策を講じていく必要があるというふうに、これまでよりも一歩踏み込んだ前向きな答弁を出していただきましたが、一方、これは令和元年、参議院でした、質問主意書で、内閣官房を中心に避難施設の調査研究又は整備の促進に係る検討をこれまで政府は行ってきたとしていますが、その質問主意書が出されてから四年たっていますが、ずっと検討ばかりで、結局どういった状況に今なっているのか、進展があるのかどうか。官房長官、最後にこの点だけ、現在の状況を教えてください。
○松野国務大臣 お答えをさせていただきます。
核攻撃等のより過酷な攻撃を想定した施設については、北朝鮮の情勢等を鑑みれば、現実的に対策を講じていく必要があるとの問題意識を持っており、一定期間滞在可能な施設とする場合に必要な機能や課題について検討を進めているところであります。
今後については、こうした施設に求められる仕様や設備に要求される性能等について、様々な視点から調査及び検討を行うことを考えており、引き続きしっかりと取り組んでいきたいと考えております。
○太委員 官房長官、いつまでも検討じゃなくて、具体的に進めていただきたいと思っていますし、これは国民保護、国民を具体的に守っていく、その点をどうか進めていただきたいと思いますので、引き続き、まさにこれは政治のリーダーシップで進めていただきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。
以上で終わります。どうもありがとうございました。
○大西委員長 次に、塩川鉄也君。
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
今日は、東京五輪・パラリンピック贈収賄事件について質問をいたします。
この汚職事件は、五ルートに拡大し、東京大会組織委員会元理事で電通元専務の高橋容疑者は、受託収賄罪で四回起訴され、収賄額は約二億円となったということであります。KADOKAWA、AOKIトップらを含む計十五人が起訴されました。
商業五輪が生み出した利権の構造を徹底的に明らかにするとともに、なぜこのような不祥事を防ぐことができなかったかの検証は欠かすことができません。
この汚職事件の検証については、多額の国民の税金を投入をし、オリパラ支援のための特措法を制定をし、オリパラ大会組織委員会に多数の国の職員を派遣してきた国自身が責任を持ってこの検証を行うべきではありませんか。
〔委員長退席、神田(憲)委員長代理着席〕
○星野政府参考人 お答え申し上げます。
東京オリンピック・パラリンピック競技大会の組織委員会の元理事等が逮捕、起訴された件につきましては、組織委員会が個別企業と結んだスポンサー契約に関連するものであることから、現在は清算法人である組織委員会が責任を持って対応すべきものと認識しており、政府としては、今後の刑事手続を注視していきたいと考えております。
他方、今回の事案がスポーツ界全体に及ぼす影響の重大性に鑑み、スポーツ庁及びJOCが中心となり、今後の国際競技大会等の運営の透明化、公正化に向けて、ガバナンスの在り方あるいは情報公開等について検討を開始することとしております。
一方、今回の検討は、あくまで、今後の国際競技大会等の運営の透明化、公正化に向けての検討であり、今後の刑事手続に支障を来さず、かつ守秘義務に違反しない範囲で、組織委員会からの情報提供や元職員の方々から一般的な組織体制あるいは制度等についてのヒアリングを通じて、中立的な立場である弁護士や会計士の専門家が分析を行い、改善点を明確にし、今後の再発防止につなげる検討を作成するものでございます。
○塩川委員 清算法人である組織委員会が第一義的に責任を持って対応するって、清算法人でできるんですか、それが。
○星野政府参考人 基本的には、刑事手続に委ねるということになるかと思います。
○塩川委員 刑事は刑事ではっきりさせるというのは当然ですけれども、まさにこういった大規模なイベントを行った際に、国が深く関与して行っているわけですから、国として検証を行うのが当たり前で、今述べたような、スポーツ庁、JOCの検討プロジェクトチームの話もありましたけれども、あくまでも今後の大規模の国際競技大会の運営についての検討であって、今回の事件についての検証を行うものになっていない。そこはやはり、改めて、国としてしっかりと、この汚職事件についての検証を行うべきじゃありませんか。
○星野政府参考人 繰り返しになりますけれども、今回の元理事等が起訴された件につきましては、組織委員会が個別企業と結んだスポンサー契約に関連するものであることから、組織委員会が責任を持って対応すべきものと認識しており、政府としては、刑事手続を注視していきたいと考えております。
○塩川委員 組織委員会に責任を押しつける話じゃないんですよ。そういった仕組みそのものをつくったのは、オリパラ特措法もあるわけで、それを閣法としても提出をしているわけで、これについてどうだったのかということは、国が責任を持ってこの検証を行うのは当然のことであります。
オリパラ特措法の第二十八条には、「組織委員会の役員及び職員は、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。」という、みなし公務員の規定が設けられております。このみなし公務員とは何か、なぜ民間人をみなし公務員とするのかについて説明を求めます。
○星野政府参考人 お答え申し上げます。
みなし公務員の規定は、組織委員会の役職員が、刑法その他の罰則の適用に関し、法令により公務に従事する職員とみなすものでございます。
東京大会は、極めて高い公共性、公益性を有するものであり、大会の組織委員会の業務遂行につきましては、高い公正性、適正性が求められることになることから、過去のオリンピック競技大会あるいはワールドカップサッカー大会の例に倣いまして、刑法等の罰則規定の役員及び職員への適用に関する、みなし公務員規定を置くこととしたものでございます。
○塩川委員 公共性、公益性を有する事業であり、公正性、適正性が求められる、まさに国費も投入されて行われる、そういう公的な事業であるからこそ、国が特措法も作って、そういう中で、みなし公務員の仕組みも設けているわけであります。
そういう点でも、組織委員会において、みなし公務員となっている役員及び職員というのは何人なんでしょうか。この出向元はどこなのか、国、自治体、民間の人数を明らかにされたい。
○星野政府参考人 お答え申し上げます。
東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会公式報告書によりますと、令和三年七月時点で、同組織委員会の職員数は約七千名だったとのことでございました。同組織委員会によれば、全ての役職員がみなし公務員の規定の対象であると整理していたとのことでございます。
また、職員の出向元等につきましては、組織委員会によれば、公式報告書では、都職員に関し約一千名まで段階的に拡大、各省庁からは約百名、地方自治体からは約五百名、民間企業からは約一千名の派遣又は出向を受けていた、約四百の企業や団体からの協力の下、多種多様な人材で構成された組織となったとの記載がありますとのことでございました。
○塩川委員 公共性、公益性を持つ事業、まさに公正性、適正性が求められる、こういった事業におきまして、民間における様々な契約もあった際に、みなし公務員として刑事罰の対象となるという点でも、まさにその公共性が求められるオリパラ事業だったわけですが、そういった際に、民間企業、四百の企業という話がありましたけれども、この出向している民間企業の内訳を是非明らかにしていただきたい。そのうち電通は何人入っているのか、この点について説明してもらえますか。
○星野政府参考人 お答え申し上げます。
清算法人であります組織委員会によりますと、各企業からの出向者数を始めとした情報は、各企業の内部情報に関することであり、公表していないとの回答でございました。
○塩川委員 いや、みなし公務員として、まさに公的な資格を持っているわけです。別に一人一人の名前を求めているわけではないわけで、民間企業から何人が出向をしてそこで仕事を行っていたのか、これは最低限明らかにする、当然の情報じゃないでしょうか。
そういったことについて、なぜ要求しないんですか。
○星野政府参考人 報告書によりますと、民間企業からは約一千名の派遣又は出向を受けていたとの記載がございますが、個々の企業に関しましては、各企業からの出向者数を始めとした情報は、内部情報に関することであり、公表していないとの回答でございました。
○塩川委員 何で内部情報なんですか。だって、みなし公務員として、公的な性格を持って仕事に当たっているわけでしょう。少なくとも、出向元の企業、どこで何人かというのは、最低限明らかにできるんじゃないですか。
○星野政府参考人 組織委員会の回答は、公表していないということでございました。
○塩川委員 こういうところを曖昧にしているという点で、まさに国の責任が問われるわけであります。
役員についてはどうか。役員の出向元の内訳を是非明らかにしていただきたい。うち電通が何人か、答えていただけますか。
○星野政府参考人 お答え申し上げます。
清算法人でございます組織委員会によりますと、定款の定めによれば、役員は理事及び監事であるが、組織委員会の理事及び監事は、電通を含め、出向者はおりませんでしたとのことでございました。
○塩川委員 例えば、高橋元理事につきましては電通のOB。そういった、各企業の、元々の出身、関係について確認するということはできますか。
○星野政府参考人 公式報告書におきまして、役員のその時点での出自は公表されていると承知しております。
○塩川委員 是非、そういう点、明らかにしていただきたい。
みなし公務員は、職務に関して金品を受領することを禁じられております。高橋元理事は、自らがみなし公務員となることについて十分に確認していなかったという報道もあります。
国は、特措法に基づくみなし公務員の規定について、文書等で周知徹底を図ったんでしょうか。
○星野政府参考人 オリパラ特措法には、みなし公務員の規定のみならず、国有財産の無償使用や、組織委員会への国の職員の派遣の規定等、直接的に組織委員会に関する規定が多々あることから、同法の内容につきましては、立案段階から、国から組織委員会に対して、累次にわたり情報共有しており、組織委員会は十分に認識していたと考えております。
東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会公式報告書には、「組織委員会は、高い公益性を持つと同時に、役職員は、刑法その他の罰則の適用について、法令により公務に従事する職員とみなす、いわゆる「みなし公務員」となるため、法規等を遵守し、及び尊重し、社会的信頼を確保することは非常に重要であった。」との記載があり、組織委員会としての規定の重要性の認識を示していると考えております。
○塩川委員 いや、ですから、それが本当に徹底されていたのかという話なんですよ。七千人からの職員ということになるわけですけれども。
要するに、特措法の重要な中身について、特にみなし公務員の規定について、国として組織委員会にどう周知徹底を図るのかといった点で、国が、みなし公務員の周知徹底のために、文書等でこういう中身ということを伝えるようなことはしなかったんですか。
〔神田(憲)委員長代理退席、委員長着席〕
○星野政府参考人 繰り返しになりますが、同法の内容につきましては、立案段階から、国から組織委員会に対して、累次にわたり情報共有しておりました。
なお、今回の特措法の関係者は組織委員会に限定されることから、一般に大学や地方公共団体に幅広く発出する施行通知等は発出しておりませんでした。
○塩川委員 いや、だから、国として何にも周知徹底を図っていないんですよ、情報共有していたというだけの話であって。ですから、現場では、みなし公務員という認識すらないような、そういうスタッフが仕事に従事をしていた。ここに大きな問題の背景があるわけであります。みなし公務員について国がまともな説明を行っていない、その責任は極めて重大であります。
官房長官にお尋ねします。
組織委員会は、二〇一四年の一月に発足をしました。森喜朗元首相が会長になりました。発足時の組織委員会の定款では、理事の上限は三十五人で、三十四人は三月に決まりました。同じ三月に電通が専任代理店に内定をし、六月に高橋容疑者が三十五人目の理事として承認をされました。
電通OBと電通が、お互いに稼ぐために共存共栄を図ったのではないのかといった報道もあります。電通丸抱えだったことが事件の根底にあるわけです。
NHK報道によれば、組織委員会のマーケティング局三百六人中、電通からの出向者が百十人を占めていたといいます。局長や部長などのほとんどが電通からの出向だった。組織委員会、電通丸抱えというのが、ここに端的に表れております。そこに元電通役員の高橋容疑者が理事として加わったことで、今回の汚職事件につながったのではないのか。こういった全容を明らかにする必要があります。
高橋理事選任の経緯や、組織委員会における高橋元理事と電通の関係などを明らかにすべきだ。この点、国が責任を持ってこの解明を行う、検証を行うことが必要だと思いますが、官房長官、お答えください。
○松野国務大臣 お答えをいたします。
先ほど政府参考人からも答弁をしたとおりでございますけれども、東京大会の組織委員会の元理事等が逮捕、起訴された件につきましては、組織委員会が個別企業と結んだスポンサー契約に関連するものであることから、原因の究明であったり、組織としての責任はどこにあったのかという点について、当事者である組織委員会が責任を持って対応するべきものと考えています。
その上で、今後の国際競技大会等の運営の透明化、公正化に向けて、昨日、スポーツ庁も参画するスポーツ政策の推進に関する円卓会議の下に検討プロジェクトチームを設置したところであります。
今後、このプロジェクトチームにおいて、スポーツ庁及びJOCが中心となり、大会組織委員会等のガバナンスの在り方や情報公開等について検討を進めていくものと承知をしております。
○塩川委員 この検討プロジェクトチームは今後の話なんですよね。ですから、今回のこの汚職事件についての真相解明をしっかり行う必要があるわけで、そういう点でも、組織委員会の理事会の在り方の問題については、これはこれとして、しっかりとやれることがあるわけであります。
こういったことこそ、しっかりと行うべきではありませんか。改めて一言いかがでしょうか。
○星野政府参考人 繰り返しになりますけれども、今回の元理事等が逮捕、起訴された件につきましては、組織委員会が個別企業と結んだスポンサー契約に関連するものであることから、原因の究明であったり、あるいは組織としての責任が那辺にあったのかという部分については、当事者である組織委員会が責任を持って対応すべきものと考えており、政府としては、刑事手続を見守りたいと思っております。
○塩川委員 国として、しっかりとした真相解明、検証を行うべきだ。特に、必要な資料について、議事録などを保管、開示をする、こういうことこそ改めて求められている。
必要な対策を取ることを求めて、質問を終わります。
○大西委員長 次に、河西宏一君。
○河西委員 おはようございます。公明党の河西宏一です。
本日は、経済安保政策のうち、海外依存度が極めて高い、これまでも当委員会で議論になってまいりましたが、抗菌薬のサプライチェーンについて、事業者の予見可能性を高める観点も踏まえつつ、お伺いをいたしたいと思っております。
厚労省は、政府が九月末に定めた特定重要物資に関する基本指針に基づきまして、抗菌薬に関する指定、これは年内をめどに進めていらっしゃるというふうに承知をしております。
御案内のとおり、念のため確認をいたしますと、この特定重要物資の条件は、一つは国民の生存に必要不可欠である重要性、そしてサプライチェーンの外部依存性、三番目に供給途絶の蓋然性、そして最後に、他の措置がないことによる指定の必要性でございます。
この四つを満たす必要性があるわけでありますが、これを踏まえまして、現在、厚労省は、この特定重要物資としてベータラクタム系抗菌薬、少し専門的な言葉ですけれども、このうち、セファゾリン、セフメタゾール、アンピシリン・スルバクタム、タゾバクタム・ピペラシリン、この計四候補を挙げているというふうに伺っております。既に一部報道にもあるとおりでございます。
ちなみに、このベータラクタム系抗菌薬は、注射用抗菌薬と多用されておりまして、一般的な手術に欠かせない一方、その原薬はほぼ一〇〇%中国に依存をしているわけでございます。あの二〇一九年の供給途絶も記憶に新しいところでございます。また、既存の措置もないと認識をしております。
そこで確認ですが、特定重要物資として外部依存性が極めて高いこのベータラクタム系抗菌薬の一括指定、あるいは、日本感染症学会など四学会が提唱するキードラッグというものがありますが、この十成分を指定すること、あるいは、先般九日に日本化学療法学会が厚労大臣に提言をいたしました安定供給確保医薬品のカテゴリーAの抗菌薬六成分、こういったことを指定をすることも考え得るわけですが、今回、どういった背景で先ほど御紹介した四成分に絞ったのか、また、今後の指定についてどういった戦略で見直しを図るのか、簡潔に御答弁をお願いを申し上げます。
○城政府参考人 お答え申し上げます。
医薬品の安定供給は非常に重要でございます。私どもの方では、安定確保医薬品というものを指定しておりますが、その中で、最も優先して取組を行うカテゴリーAの二十一成分について特定重要物資の指定に係る検討を行った上で、その中で、薬剤耐性等の観点も含めて直接的な代替薬がないこと、あとは、原材料の供給が御指摘のように海外一か国になっている、依存しているということ、過去に供給途絶事例があって、今後とも供給途絶のリスクが高まる傾向にあるということ等の指定要件を満たしたものであって、早急に安定確保のための措置を講ずる必要がある物質ということで、今回、抗菌薬である四成分を候補としたところでございます。
抗菌薬につきましては、耐性菌の増加等、国際的にも大きな問題となってございますので、サプライチェーン、供給途絶のリスク、それから耐性菌の動向等も含めて、今後とも、状況の把握、分析をして、不断に見直しの必要性を含めて検討したいと考えております。
○河西委員 薬剤耐性、AMR、こういったことがキーワードになってきているということでございます。
その上で、この抗菌薬原薬を国産化した場合、当然、安定供給というメリットが得られる一方で、聞くところによりますと、輸入原薬に比べて三倍から場合によっては五倍の原価が想定をされている、いわゆる低収益性というデメリットがやはりあるということでございます。よって、いかに供給の安定性と一定の経済性を両立させていくのか、これは、これまでも指摘されてきたとおり、論点になるわけでございます。
その方策の一つとして、国産原薬と輸入原薬の流通状況を見ながら薬価調整を行うというスキームも考えられるんだろうというふうに思っております。これは当然、手術費用の増大ですとか、あるいは健保財政への影響など、こういったデメリットも考え得るわけでありますけれども。
そこで、伊佐副大臣、お忙しいところありがとうございます、伺いをいたします。
この国産原薬の低収益性の対応の方策として、薬価調整という選択肢、これは想定をしているのかどうか、今触れたようなデメリットに対してどういった対応をしていくと考えていらっしゃるのか、御見解をいただきたいと思います。
○伊佐副大臣 今、河西委員おっしゃっていただいたように、経済安全保障のもう一つの側面として、守っていくがゆえにコストがかかっていくというところがあるというふうに思っております。国内での製造コストが上乗せされて、高価になることが想定をされております。
現在、厚労省におきましては、コスト増の要因の一つであります設備投資、これが事業者の負担の大きいところでございますが、この設備投資に対しまして、これは安全保障推進法の以前から、令和二年度から、厚労省においては、海外依存度が高い抗菌薬の国産化を目指して、技術検討の段階から段階的に支援するということを、今もう既にやらせていただいております。
さらに、令和四年度の第二次補正予算案におきましても、いよいよの商用生産段階に向けた必要な費用を計上する、五百五十三億円でございますが、こういうようなもので製造コストを一定程度低減させていくというふうに考えております。
ただ、生産に入るまでは、恐らく一年、二年というよりももう少し期間を要するというふうに思っておりまして、委員の御指摘のような、割高な国産の原薬が市場で継続的に活用されるための仕組みの構築というのは大事な、大きな課題だというふうに思っておりますので、現時点においては今申し上げたとおりでございますが、更なる設備投資に対してどのような支援をするか、あるいは、製造が始まった際の支援の措置をどうするかということについて、現時点ではお答えすることは難しいですが、更に検討を進めてまいりたいというふうに思っております。
○河西委員 ありがとうございます。
要するに、恐らく選択肢の一つとしては考え得るわけでありますけれども、当然、実際に財源等も必要になってくるわけでございます。現時点ではこういう御答弁になるということであります。
いずれにしましても、国民の生存が目的であると同時に、やはり、サプライチェーン事業者あっての経済安保でございますので、しっかり後押しを公明党としてもしてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
他方で、この低収益性への対応について、製薬前の原薬段階の方策についても確認をしたいと思います。
例えば、これは必要に応じてになるわけですけれども、日本政府が原薬を買い上げて、製薬メーカーに対して輸入原薬と同程度の価格で払い下げるスキームというのも考えられるわけであります。ただし、これは経済安保推進法また基本指針にもうたわれておりますように、WTO協定等の国際ルールとの整合性、これに十分留意をする必要があるわけでございます。
これについて、政府の見解を簡潔にいただきたいと思っております。
○飯田政府参考人 お答えいたします。
経済安全保障推進法は、民間事業者による自発的な取組に対する後押しを通じて重要物資の安定供給確保を図ること、これを基本としております。
一方、民間事業者に対する支援措置では安定供給確保を図ることが困難であると認められる場合には、これを特別の対策を講ずる必要がある特定重要物資として指定した上で、国が自ら安定供給確保のために備蓄などの必要な措置を講ずることとしているところでございます。
今御指摘のございました抗菌薬の原薬について今後の支援措置ということでございますけれども、ただいま厚生労働副大臣から御答弁いただいたとおり、現時点で予断を持ってお答えすることは控えたいと思いますけれども、いずれにいたしましても、国が必要な措置を検討する際には、当然のことながら、WTO政府調達協定も含めまして、我が国が締結した条約その他の国際約束との整合性について十分留意する必要があるというふうに認識しております。
○河西委員 ありがとうございます。
第一義的には民間事業者の支援、これは推進法の趣旨でございますので、そういったことになるわけですが、その後、仮に先の支援が必要だというふうな判断になった場合にはそういったことも考え得る、ただ、そういった国際約束に十分配慮をしていくということでありました。
また、原薬段階の方策については、先ほども触れたように、供給途絶を想定した対応が何より大事であります。
基本指針に明記をされましたとおり、民間事業者等に対しては、生産基盤の整備に加えまして、備蓄に対する支援も明記をされております。これは、さきに述べた二〇一九年の海外からのセファゾリンの供給停止はおよそ一年間に及んだということ、この点も踏まえまして、同程度の途絶に耐え得るような体制の構築が必要なんだろうというふうに思っております。ただ、原薬の備蓄というのは、なかなか現時点では一年間は難しいということも伺っております。
一方で、私が現時点で聞く限りにおいては、このベータラクタム系抗菌薬原薬の国産化に取り組む国内企業は今数社ありますけれども、現状、生産基盤の整備にどちらかというとターゲットを絞って取り組んでいただいているというふうに承知をしております。
そこで、重ねて伊佐副大臣にお伺いいたしますけれども、この備蓄について、どういうスキームを検討しているのか。この国産化に取り組む民間企業はありますけれども、備蓄基盤の整備も重ねて要請をする方針なのか。また、念のため御確認ですが、先ほど触れていただいた民間企業への支援につきましては、八日に閣議決定された今般の第二次補正予算案の五百五十三億円が計上されておりますけれども、この支援スキームの対象には、生産基盤に加えて、やはり当然、備蓄基盤の整備も含まれているという理解でいいのか。御見解をいただきたいと思います。
○伊佐副大臣 まず、結論を申し上げれば、この備蓄をしっかりやっていく、備蓄基盤の整備も含まれます。
今回、この抗菌薬の国産化に取り組んでいただける事業者に対しましては、国内での原薬の供給が途絶しないように、まず原薬を一定量備蓄するということとともに、いざ、じゃ、原薬の増産を図ろうということになったときに、原薬供給までに要する時間を短縮する必要がありますので、原材料も併せて備蓄するということも事業者にお願いしたいというふうに思っております。
こうした令和四年度の第二次補正予算案におきましても、原薬等の製造整備とともに、原材料及び原薬の備蓄設備の構築を一体的に行うための体制整備支援を予定しておりまして、早急な安定供給確保の実現に努めてまいりたいというふうに思っております。
○河西委員 御答弁ありがとうございます。
抗菌薬の生産、備蓄、基盤まで含めていくということであります。私も今伺っているのは、生産基盤の整備だけでも足かけ五年は超える事業になるんだろうということでございます。
これは御答弁を求めないんですが、年度をまたいだ事業、また支援になってまいりますので、是非、年度をまたいだ財源の確保ということ、これは今後非常に大事なテーマになってきますし、事業者の皆様も、踏み出してはいるんだけれども、やはりそこがきちっと担保されないと思い切ってやっていけないということもありますので、今厚労省の方で様々御努力をいただいているというふうに伺っておりますけれども、しっかり公明党としましても、これは国民の生存のためでありますので、後押しをしてまいりたいというふうに思っております。
最後に一点だけ、これは念のために、独占禁止法との整理についてお伺いをいたしたいと思います。
以上の質疑を踏まえますと、抗菌薬原薬の安定供給、この確保、やはりこれは官民また民民においても相当緊密な情報連携、共有が必要になるんだろうというふうに考えております。
そこで、独占禁止法との関係性、これはどう整理されているのか、念のためお伺いをしたいと思います。
また、経済安全保障推進法では、第二十九条で、供給確保計画、これは、関わる事業者の方が申請され、また政府が認定をするわけですが、これに関連して、公正取引委員会に意見を求めることができるという規定があるわけでありますけれども、これはどういったケースや運用を想定をしているのか、最後、御答弁をいただきたいと思います。
○飯田政府参考人 お答えいたします。
まず、一般論といたしまして、企業間で緊密な連携を図ろうとする場合に、その方法によっては競争政策上の疑義が生じるケースもあり得る、このように認識をしております。
このため、この経済安全保障推進法におきましては、独占禁止法に留意しながら、事業者がしっかりと特定重要物資等の安定供給確保のための取組を行えるように、物資所管大臣が必要と認める場合には、二以上の者が申請する供給確保計画について、公正取引委員会と認識を共有するために必要な規定を整備したところでございます。
具体的なケースといたしましては、有力な事業者同士による原材料の共同調達、生産設備の共同整備、共同利用、そして生産計画などの共通化といった取組に関して、この規定を活用するということが想定されております。
本規定を必要に応じてしっかりと活用することで、特定重要物資等の安定供給確保と適正な競争環境の確保の両立を図ってまいりたいと考えております。
○河西委員 以上で終わります。ありがとうございました。
○大西委員長 次に、阿部司君。
○阿部(司)委員 日本維新の会、阿部司です。
本日、皆さんのお手元にお配りしているこの「月曜日のたわわ」という漫画家比村奇石さんのコミックスの広告が、本年四月四日付の日経新聞朝刊の全面広告に掲載された件について、表現の自由の観点から取り上げてまいりたいと思います。
まず、小倉大臣、特に通告していないんですけれども、この広告、この登場人物が、性的な魅力で男性を応援するという人格しか与えられていないというように見えますでしょうか。
○小倉国務大臣 お答えいたします。
ちょっと、この月曜のたわわ自体、どういうストーリーなのか、どういうキャラクターなのか、全く存じ上げておりませんので、どう見えるかについてはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。
○阿部(司)委員 ありがとうございました。
私は、この広告を見ても、性的な魅力で男性を応援するという人格しか与えられていないというようにはとても見えません。恐らく、本日この委員会室にいらっしゃる委員の先生方もそう思われるのではないかなと思っております。
ところが、この新聞広告についてですが、ハフポスト日本版の四月十五日付の記事によると、国連女性機関、UNウィメンが日経新聞に宛てた文書の中で、「月曜日のたわわ」の全面広告を容認できないとして抗議したとの報道がありました。
記事では、国連女性機関日本事務所の石川雅恵所長のインタビューとして、「今回の広告は、男性にとっての「女子高生にこうしてほしい」という見方しか反映しておらず、女子高生には「性的な魅力で男性を応援する」という人格しか与えられていません。」と御発言なさっています。
そこで、今回の一連の騒動について、本件の経緯の内容について、まず外務省から簡潔にお答えいただけますでしょうか。
○石月政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘のあったような報道があったことは承知しておりますが、本件については、国連女性機関と日本経済新聞社との間の話であるため、外務省としてお答えする立場にはございません。
他方、報道や国連女性機関等のSNS等によれば、アンステレオタイプアライアンスを主導する国連女性機関が、同アライアンスのメンバーである日本経済新聞社に対して異議申立てを行ったものと承知しております。
○阿部(司)委員 実は、本件につきましては、自民党所属の山田太郎参議院議員が、四月二十日に、御自身のユーチューブチャンネル、山田太郎のさんちゃんねるの中で次のように発言をしております。
UNウィメンの本部はということで、本当にUNウィメンの日本支部ではなく本部から出たのですかということは、実はですね、間接的に聞いています、日本政府、外務省に対してですね、本件に関して質問して、外務省からUNウィメンの石川所長に対して直接、我々が質問したことを聞いてもらっています、石川所長が直接外務省に対して回答したところ、これは確実に本部から出たものです、こういった発言をしていますので、この記事の内容も裏づけられましたと述べられております。
与党議員のレクチャーの場での政府回答と、野党議員に対する国会答弁とでは、内容に差をつけているという理解でよろしいでしょうか。外務省にお伺いいたします。
○石月政府参考人 お答え申し上げます。
繰り返しになって恐縮でございますが、本件については、国連女性機関と日本経済新聞社との間の話であるため、外務省としてお答えする立場にはございませんが、報道や国連女性機関側のSNS等によれば、アンステレオタイプアライアンス、これは国連女性機関が主導しているキャンペーンでございますけれども、アンステレオタイプアライアンスを主導する国連女性機関が、同アライアンスのメンバーである日本経済新聞社に対して異議申立てを行ったものであるというふうに承知しております。
○阿部(司)委員 本日、山田副大臣にもお越しいただいておりますけれども、今の繰り返しの御答弁で、自民党の山田太郎さんが番組内で、外務省を通して石川所長に回答してもらったとおっしゃっていることは、外務省としては本当のことではないと理解しているということでよろしいですか。
○山田(賢)副大臣 お答え申し上げます。
まず、山田太郎議員に対して、どのような説明を聞いたかというのは、今この場でお聞きしましたので、事実関係は確認をさせていただきたいとは思いますけれども、先ほど来、既に政府の参考人より御説明を申し上げているとおり、国連女性機関が、日経新聞社が掲載した広告に対して、アンステレオタイプアライアンスに関し日経新聞社側に説明を求めた旨の報道については承知しているということでございます。
○阿部(司)委員 本日、この件について国会で議論をしようとしているのに、その前提が、外務省の曖昧な御答弁で、はっきりしていない状況にあります。
委員長、外務省が与党と野党に対して異なる答弁を行っているという件については、後日、理事会で協議していただきたいと思いますが、どうですか。
○大西委員長 後日、理事会で協議します。
○阿部(司)委員 よろしくお願いします。
続けます。
抗議文について、いずれにしても、今回のハフポストの記事についてなんですが、国連女性機関日本事務所の公式ツイッターでも紹介されているので、内容は事実かと思います。国連女性機関側の主張としては、日経新聞が加盟するアンステレオタイプアライアンスの加盟規約違反であるとしています。
アンステレオタイプアライアンスについて御紹介いたします。国連女性機関日本支社のサイトによりますと、国連女性機関が主導する、メディアと広告によって有害なステレオタイプ、固定観念を撤廃するための世界的な取組です、アンステレオタイプアライアンス日本支部は二〇二〇年五月に設立されましたとあります。
同サイトによりますと、アンステレオタイプアライアンスの日本支部メンバーとして、日経新聞を始めとする民間企業の十七社、公益社団法人と国際NGOそれぞれ一つと並んで、サポーターとして内閣府、経済産業省、外務省のロゴが掲載されております。
本アライアンスの公式サポーターである各省は、今回の抗議文騒動の根拠とされている加盟規約の内容について認識をされているのか、簡潔に、まず外務省、経産省、お願いいたします。
○石月政府参考人 お答え申し上げます。
国連女性機関によれば、御指摘の規約は、国連女性機関と加盟企業との二者間の文書であり、外務省を含め第三者に共有できる性質のものではないと承知しております。
○龍崎政府参考人 御答弁申し上げます。
ただいま外務省から御答弁あったように、加盟規約というのは、UNウィメンと加盟企業との間でやり取りされるものでございまして、当省を含め第三者に共有される性質のものではないと認識をしております。
したがいまして、この加盟規約自体についてUNウィメンから説明を受けたことはなく、その具体的な内容は承知しておりません。
○阿部(司)委員 御答弁ありがとうございました。
外務省も経産省も規約の内容を把握していなかった、そういった御答弁だったかと思います。それでサポーターになったということについては、省内決裁プロセスに問題がなかったのか、しっかりと検証されるべきものと考えます。
さて、令和二年十二月に閣議決定された第五次男女共同参画基本計画によると、本アライアンスと連携するという文言が記載されております。連携していく以上、規約の入手は必須だと考えまして、今回、内閣府に改めて会員規約と同意書の入手を事前に依頼をさせていただきました。その結果と、先ほど外務、経産にお伺いした、規約の内容を把握せずにサポーターになったのかどうかという、この二点について、内閣府にお伺いをいたします。
○岡田政府参考人 お答え申し上げます。
会員規約及び同意書の内閣府への提供の可否につきまして、国連女性機関に対して照会いたしましたところ、アンステレオタイプアライアンスの会員規約そして同意書は、アライアンス事務局を務める国連女性機関と当該企業間での書類であり、先方の同意なしに第三者に共有することはできない、これは、日本支部だけではなくて、全ての各国支部、そしてグローバルレベルにおいても同様の取扱いとなるとの回答でございました。
先ほど来、外務省、経産省から御答弁申し上げましたとおり、アンステレオタイプアライアンスの会員規約につきましては、アンステレオタイプアライアンスへの参加を希望し、参加を申請した企業が、アンステレオタイプアライアンスの事務局である国連女性機関による審査を通過した後、アンステレオタイプアライアンスに加盟するに当たりまして署名を行うものと認識してございます。
内閣府は、アンステレオタイプアライアンスの会員ではございませんので、会員規約への署名等を行っておりません。会員規約の内容等につきまして、国連女性機関から具体的に説明を受けたことはございません。その具体的な内容も承知していないところでございます。
○阿部(司)委員 御答弁ありがとうございました。
これは私の印象なんですけれども、サポーターをしているのに、その規約ですとか同意書すら見せてもらえないというのは、これはいかがなものかな、よっぽど軽視をされているのかなという印象を受けました。また、この国連女性機関、この会員規約と同意書、よっぽど秘密にしたい内容なのか、ひどい内容なのかと勘ぐってしまう方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。
ところで、日本においては、憲法二十一条で、表現の自由、報道の自由が保障されております。特に、公権力がコンテンツの内容について一方的に悪だと決めつけて事実上の表現規制をするということは、あってはならないと思います。今回主張されるように、仮に私人間の契約だとしても、表現の自由という憲法上の精神的自由権を簡単に上塗りできてしまうのかという問題もあると考えております。
そこで、文化庁、経産省、法務省、総務省にお伺いいたしますが、現在有効な法律において、特に新聞社に対して、広告も含めたコンテンツの内容に何らかの制約を課す法律は存在するでしょうか。少年保護に資するものは除いて御回答を願います。また、それらと関係なく、新聞社に対して、各省から、事実誤認の指摘を除いて、正式な抗議文を送ったことがあるかどうか、お伺いいたします。
○中原政府参考人 文化庁所管の法律におきまして、御指摘のような、新聞の内容に関して何らかの制約を課すような規定を持つものは存在しておりません。
また、文化庁内で確認した限りにおきまして、御指摘のような、単なる事実誤認の指摘等ではなく、一般的な表現の方法などについて、正式に文化庁から新聞社に対して抗議をした事例は確認できておりません。
○藤田政府参考人 お答えいたします。
経済産業省において、御指摘のような制約を課す法律は所管しておりません。
また、経済産業省から新聞社に対して、経済産業省が所管する政策に関する記事の事実関係に係る申入れを行うことはございますが、コンテンツの表現方法に係る抗議については、現時点で確認できるものはございません。
○押切政府参考人 お答えいたします。
最初のお尋ねにつきまして、事前の御通告からは、現在有効なものであり、少年保護に資するものを除き、さらに事実誤認の指摘をするものを除いてというふうに理解しておりますが、その上で、お尋ねについては、当省の所管する基本法制において、直接そのような表現を禁止する明文の規定は存在しないものと承知しております。
また、新聞社に対して抗議をした事実の有無については、網羅的に把握しているものではないため一概にお答えすることは困難でございますが、現在法務本省において行政文書として保管されているものを確認した結果、そのような事実は確認できませんでした。
○高地政府参考人 お答え申し上げます。
総務省が所管する法律で、掲載する記事や広告の内容について新聞社に対し何らかの制約を課すものはございません。
また、確認できた限りにおきまして、正式に新聞社に対して抗議した事実はございません。
○阿部(司)委員 皆様、御答弁ありがとうございました。
今のとおり、少なくとも日本の憲法や法律においては、公権力たる行政府が新聞社のコンテンツに対して何らかの制約をするということはあり得ないんだろうと思います。
そこで、経産政務官の方にお伺いをしてまいりたいんですけれども、今までの質疑で明らかになったように、日本の民間企業が、日本であれば恐らく憲法上の疑義が生じるような公的機関からのコンテンツ内容についての抗議を受けたこと、そして、抗議の根拠となる規約を入手しないまま経産省が当該アライアンスのサポーターになっていること、しかも、加盟規約は入手依頼しても入手できないぐらい国連女性機関からは軽視をされているであろうことについて、お伺いをしたいと思っています。
事前に御回答いただいたところによると、本アライアンスの趣旨自体に賛同しているだけであって、アライアンスへの加盟を推奨しているわけではない、その旨のお話がありました。サポーターという立場にあって、そのような逃げの姿勢は通用しないと考えておりますし、民間企業も、経産省がサポートしているのならば参加しようかなという気持ちでアライアンスに加盟してしまう可能性もあるかと思います。この件についての受け止め、是非、経産政務官、お伺いをいたします。
○里見大臣政務官 御答弁申し上げます。
本件は、本アライアンス日本支部の創設パートナーである日本経済新聞社が、アライアンスの趣旨も踏まえつつ総合的に判断したものと思われます。
詳細は承知しておりませんけれども、個別の事例にお答えすることはできませんけれども、いずれにせよ、本件は、アライアンスメンバーと国連女性機関の意見の相違によるものでありまして、当事者間でよく対話を行い、相互理解が進むことが望ましいと考えております。
○阿部(司)委員 御答弁ありがとうございました。
私は、サポーターであるということは一定の責任がやはり生じると思います。このアライアンスの加盟についても、経産省が推奨していると思われているでしょうし、趣旨だけ賛同するのであれば、アライアンスに賛同するのではなくて国連女性機関の趣旨に賛同すればいいだけと考えます。今後、規約を受け取らずにサポーターにならないようにするなどの対応も含めて、御検討をいただきたいと思います。
そして、山田外務副大臣にも同じようにお伺いいたしますけれども、本件についてどのようにお考えになられていますでしょうか。
○山田(賢)副大臣 お答え申し上げます。
先ほど来、既に政府参考人から御答弁申し上げているとおりでございまして、本件は、国連の女性機関が、日本経済新聞社が掲載した広告に関して、両者が当事者である取組の活動に関して日経新聞社側に説明を求めた旨の報道だというふうに承知しております。
他方、本件は、取組活動の内容に関する当事者間のやり取りであることから、当事者でない政府がコメントすることにつきましては差し控えたいと存じます。
○阿部(司)委員 ありがとうございました。
平行線のままですけれども、表現の自由というものがいたずらに規制される、侵害されるようなことがないように、また省内の取組について見直しをかけていただきたいと切に願っております。
さて、昨日も、ピクシブという日本の二次元コンテンツを世界に広めたプラットフォームが、国際的なカードブランドによる圧力でコンテンツ規制をせざるを得なくなるという、ネット上では大きな話題になっております。
日本では、第五次男女共同参画基本計画で、広告等のメディアについては、「表現の自由を十分尊重しながら、性暴力表現など実在する女性の人権を侵害するような情報への対策」と記載され、漫画などの二次元キャラクターでなくて、実在する女性の人権について強調して触れられております。
また、同計画では、EBPM、エビデンス・ベースド・ポリシー・メイキングの観点も踏まえまして、「成果目標の達成状況や取組の進捗状況の点検を充実させるとともに、それに基づいて更なる取組を促すことが重要である。」と、証拠に基づく政策立案の重要性についても触れられております。
男女共同参画は重要な観点でありまして、私自身も重視したいと思っております。男性の育児休業の取得率の向上ですとか、セクハラの防止、コロナ禍での一人親家庭の困窮対策など、直近で行わなければならないことはもう本当に山積しているかと思います。
同基本計画に沿う形で、差別を助長する可能性があるといった弱い根拠で漫画、アニメ、ゲームなどの二次元コンテンツを規制するのではなくて、まず、実在する人物の人権を証拠に基づいて守っていくことがより重要だと考えておりますが、小倉大臣の見解をお伺いいたします。
○小倉国務大臣 まず、本事案につきましては、内閣府の政府参考人も申し上げたとおり、UNウィメンと日本経済新聞社との間のやり取りでございますので、政府として具体のコメントをする立場にはないということは御理解をいただきたいと思います。
その上で、男女共同基本計画の進捗状況、内閣府としてどう取り組んでいくかということにつきましては、一般論としては、当然、表現の自由は最大限尊重されねばなりません。他方で、この基本計画の中で、委員おっしゃっていただいたような、データ、エビデンスに基づいてしっかり女性の人権を守るという態度もしっかり考えていかなければならないというふうに思っております。
そういう意味では、担当大臣である私といたしましては、基本計画の進捗管理、さらには、今年策定されました女性版骨太の方針二〇二二年、これを実現をするに当たっては、そういった観点をしっかりと踏まえながら、女性の地位向上、そして、女性の様々な、性的な搾取も含めて人権侵害から守る取組、これをしっかりと進めていきたいというふうに考えております。
○阿部(司)委員 改めて、ちょっと確認も込めてお伺いをしたいんですけれども、基本計画にあるように、まず、実在する人物の人権を証拠に基づいて守っていくことがより重要だと思うんですけれども、ここについてもう一度、小倉大臣の御見解をお願いいたします。
○小倉国務大臣 先ほど申し上げたように、証拠に基づいて、実際の被害に遭われる、あるいは遭われる可能性のある女性の方々の人権を守っていくという観点は非常に重要だというふうに考えております。
○阿部(司)委員 御答弁ありがとうございました。
今後の男女共同参画への取組に期待をしてまいりたいと思います。同時に、過度に表現の自由を規制することのないようお取組を進めていただきたいと思います。
こちらで、表現の自由に関する質疑、終了とさせていただきます。
小倉大臣、御退席いただいて結構でございます。あと、山田副大臣、政務官の方も、お願いします、ありがとうございました。
続きまして、就職氷河期世代と全世代社会保障改革についてお伺いをしてまいりたいと思います。
まず、先般も後藤大臣に御質問をさせていただいたんですけれども、氷河期世代について本年五月に内閣官房就職氷河期世代支援推進室が取りまとめた「就職氷河期世代支援策の実施状況と今後の取組について」では、これまでの施策は一定の成果を上げたとした上で、「令和五年度からの二年間は、これまでの施策の効果も検証のうえ、効果的・効率的な支援を実施し、成果を積み上げる「第二ステージ」と位置付け、正規の雇用者三十万人増の目標の達成に向けて、就職氷河期世代支援に取り組んでいく。」としております。すなわち、今後の二か年は、三か年で達成できなかった同じ政策目標、正規雇用を三十万人増やすことを続けていくとしておりますけれども、これで本当にいいのかというのが私の考えであります。
政府の対策の根底にあるのは、正社員化を推進することが就職氷河期世代にとって望ましいことだという視点なんですね。しかしながら、既に非正規も組み込まれた社会システムが確立されて、氷河期世代も四十代、五十代となっております。また、企業も、非正規を正規に転用するインセンティブを余り持っていないケースもありまして、要は、経済のニーズとマッチしていないのではないかと思っております。
こうした状況を踏まえまして、正社員化だけを目標にするのではなくて、多様な状況にある氷河期世代の方々の気持ちやニーズに合った支援をすべきと考えております。第二ステージを迎える政府の就職氷河期世代支援プログラムの政策目標自体を見直しまして、それにふさわしいKPI設定をすべきと思いますが、御見解をお伺いしたいと思います。
また、この世代の状況が千差万別でありまして、状況も変わってきていることから、就職氷河期世代の包括的な実態、意識調査を実施すべきと思いますけれども、大臣の御見解をお伺いいたします。
○後藤国務大臣 就職氷河期世代の正規雇用を三十万人増やす目標につきましては、骨太方針の二〇一九年で設定した当時、就職氷河期世代で不本意ながら非正規雇用で働かれている方々が多くおられたという実態を踏まえて、当時、二〇一八年で五十万人ぐらいおられた、そうしたことを踏まえまして、希望される正規雇用での就職を実現できるように、職業訓練や再就職などの支援に取り組んできました。依然として正規雇用を求めるニーズが大きい中で、今現在でも四十万人ほどはそうした方がおられるということなので、この目標の実現を目指して取り組んでいくという考えではございます。
ただ、その上で、先生の御指摘、そういう認識を持っておりまして、就職氷河期世代の方々の置かれた状況、それからニーズは様々でございます。それらを踏まえて、よりよい処遇の実現や社会参加を支援するために、毎年改定している就職氷河期世代支援に関する行動計画においては、正規雇用への就労支援に限らず、きめ細かな施策を講じております。来年度からの第二ステージにおいても、行動計画の策定と実施のプロセスを通じて、多様な状況やニーズを踏まえた支援に取り組んでいきたいというふうに考えています。
また、委員から、就職氷河期世代の実態や意向を調査すべきという御意見を頂戴いたしておりますけれども、引きこもりの当事者団体、ひきこもりUX会議が全国の約千六百人から、これは引きこもりの当事者団体が直接回答を得て、引きこもり状態などの方々の実態や意向を把握した調査など、各種調査を参照しているほか、政府としても、様々な統計調査、労働力調査等を活用して、就職氷河期世代の就業、無業などの状況の経年変化、コホートの調査をフォローアップするなど、就職氷河期世代の実態や意向の把握に取り組んでいるところであります。
さらに、関係閣僚、関係団体、専門家が参画する就職氷河期世代の推進に向けた全国プラットフォームにおいて、引きこもりの当事者団体や家族会の代表にも御参画いただくなど、現場の実態などをお伺いする取組も行っております。
今後とも、こうした取組によりまして、就職氷河期世代の実態の把握を図りながら、毎年の行動計画の改定を通じて、必要な支援に取り組んでいきたいというふうに考えております。
○阿部(司)委員 御答弁ありがとうございました。
残り時間が少なくなってきたので、駆け足でいきたいと思います。
今、氷河期世代への支援をしっかりやっていくというお言葉をいただいたんですけれども、氷河期で増加した非正規や無業の方の規模は約百二十万人とされておりますが、この方々が低水準の賃金のまま年金対応できずに高齢化した場合、生活保護の追加支出は二十兆円規模になるという民間試算、これはNIRAの調査なんですけれども、こちらがありますが、氷河期世代の高齢化に伴う社会保障に与える影響をどのように御認識されているのか、後藤大臣にお伺いいたします。
○後藤国務大臣 就職氷河期世代は、平成のバブル景気の崩壊以降、雇用環境が厳しい時期に就職活動を行ったことから、希望する就職ができず、不本意ながら不安定な仕事に就いている方や無業の状態にある方々など、様々な課題に直面してきた方々が多く含まれております。これは、個々人やその家族の問題ということではなく、社会全体で受け止めるべきものでありまして、我が国の将来に関わる重要な課題であると考えています。
さらに、今後、不安定な就業環境にある就職氷河期世代が高齢期を迎える中で、我が国の社会保障制度を取り巻く環境変化を俯瞰すれば、独居の高齢者が増加することによって、社会保障のニーズの増大のみならず、孤立、孤独の問題が深刻化するおそれがあると認識しています。特に人口減少が急速に進む地域では、日常生活の維持に課題が生ずる事態も想定されます。
このため、政府としては、将来の社会保障制度を持続可能なものとする観点からも、就職氷河期世代の方々について、不本意ながら非正規雇用で働く方々などの就労の支援、それから、社会参加に向けたより丁寧な支援を必要とする方の支援にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
また、能力に応じて皆が支え合うことを基本としながら、それぞれの人生のステージに応じて必要な保障をバランスよく確保するという基本理念の下に、全世代型社会保障の構築に向けた、高齢者人口がピークを迎える二〇四〇年頃を視野に入れつつ、全世代型社会保障構築会議において課題を整理して議論を深めてまいりたいというふうに考えています。
○阿部(司)委員 御答弁ありがとうございました。
就職氷河期世代が高齢化したときに社会保障に与えるインパクトというものは非常に大きなものであるという御認識であったかと思います。
そこで、全世代型社会保障改革についてお伺いしてまいりたいと思います。
全世代型社会保障改革なんですが、岸田総理大臣から、五月に取りまとめられた中間整理、骨太方針二〇二二に基づきまして、子供、子育て支援の充実、医療・介護制度の改革、働き方に中立的な社会保障制度、この三点について、年末までに方向を取りまとめるよう指示が出されております。
我が党の藤田文武幹事長は、中立的な社会保障に向けた勤労者皆保険について、総理、厚労大臣と再三にわたり国会で議論を行ってまいりました。そこで明らかになったのは、政府がフリーランスやギグワーカー等も対象とする被用者保険制度を構築しようとしていることでした。こうした政府の方向性に対しまして、藤田議員から、フリーランス等を現行の社会保障制度の下に抱え込むことは、企業負担を増やし、雇用の流動性や賃上げの阻害要因になり得る無理筋の話であることを強く申し上げたところでございます。
私も、働き方、仕事の自由度に魅力を感じてフリーランスとなっている方々を被用者として社会保障制度に入れ込んでいくことは、筋論からしても、技術論的にも、非常に困難なのではないかと感じておりますが、この全世代型社会保障改革に向けた議論について、直近の進捗状況、特にフリーランス、ギグワーカー等に関する議論の進捗状況、お伺いをいたします。
○鹿沼政府参考人 御答弁させていただきます。
全世代型社会保障構築会議の議論につきましては、先ほど先生おっしゃっていたような三つのテーマを中心にという総理からの指示に基づきまして、まさにそういった点について議論しているところでございます。
その中で、御指摘のフリーランス、ギグワーカーの方々の社会保険適用の在り方については、働き方に中立的な社会保障制度の構築の一環として、勤労者皆保険の実現に向けた方向性について議論が行われる中で検討の俎上に上がっているものでございます。
この点、先日、十一月十一日、先週の金曜日でありますが、開催された同会議におきまして、まずは、労働基準法上の労働者に該当する場合は被用者保険が適用される旨を明確化した上で、適用促進のため必要になる対応を早急に講ずるべきだ、その上で、そうではない場合の社会保険適用の在り方について、フリーランス、ギグワーカーの実態ですとか諸外国の例、こういったものも参考にしながら、新しい類型の検討も含め、引き続き検討すべきとの指摘がなされているところでございます。
○阿部(司)委員 ちょっと質問を残してしまいましたが、時間が参りましたのでこれで終わりますけれども、今後、この社会保障改革、これは、いわゆる既存のシステムを継ぎはぎで変えていくことには無理があるのではないかというのが我が党のスタンスでございます。引き続き、抜本的な社会保障改革って何なのか、議論を続けさせていただきたいと思います。
ありがとうございました。
○大西委員長 次に、浅野哲君。
○浅野委員 国民民主党の浅野哲でございます。本日もよろしくお願いいたします。
今日は、大きく三つのテーマで質疑をさせていただきたいと思っております。一つは奨学金制度、二つ目が情報システムの政府調達、そして三つ目がガバメントクラウドのセキュリティーの問題ということで、時間が限られておりますので、簡潔に質問を進めたいと思います。
では、通告に従いまして、まずは奨学金制度について、文科省と小倉大臣に質問させていただきたいと思います。
まず、日本学生支援機構の平成三十年度学生生活調査によりますと、約半数の大学生又は大学院生が奨学金を利用しているとされております。現状、この奨学金については世帯収入による所得制限が設けられておりまして、学びたい意欲のある学生に対し、親の所得による線引きをつけることなく、安心して学べる環境を実現することが求められております。
まず、ここで文科省に伺いますが、この奨学金、借り手は学生本人、返すのも学生本人なわけですけれども、それを、有利子か無利子か、あるいはどういった条件で貸与するかというのが親の年収で決まってしまっている、なぜそのような仕組みになっているのか、また、これは改善すべきではないかと思いますが、御答弁をお願いいたします。
○西條政府参考人 お答えいたします。
日本学生支援機構の貸与型奨学金については、優れた学生等であって、経済的理由により修学に困難のある者を対象に支援しております。
この経済的理由により修学に困難があるの判定に当たっては、高校卒業後、高等教育機関に入学した学生は定職に就いておらず、学費については親が負担しているケースが多いことを踏まえ、奨学金貸与に係る家計基準は原則父母の年収で審査しているところです。なお、有利子、無利子の種別については、修学に困難のある方のうち、より経済的に困難な場合は無利子で奨学金を貸与することとしているところです。
いずれにいたしましても、経済的理由により学生等が学びを諦めることがないよう対応することが重要であり、文科省としてもしっかりと取り組んでまいります。
○浅野委員 その経済的な困難によりというところなんですけれども、先ほど申し上げたように、奨学金というのは、借りた学生本人が社会に出てお給料を得るようになってから、その本人が返しているというのが今現状としてはございます。
家庭の収入水準で、収入によって学校に行くことを諦めないようにする、これは大変大事ですので、そこの、貸すかどうかという点については、家庭の収入というのを勘案することは一種妥当性があるかもしれませんが、そこに利子があるかないかというところまで親の年収で判断しているというところは、いささか合理性に欠けるのではないかと思うんですけれども、その点、いま一度御答弁いただけますでしょうか。
○西條政府参考人 お答え申し上げます。
各制度におきまして、所得制限の在り方につきましては、個々の制度の目的や支援方法などに応じてそれぞれ判断されるものと考えております。
教育機会の均等の観点から、貸与型奨学金は、優れた学生であって、経済的な理由により修学に困難のある者を対象に国が支援する制度としておりまして、主に学費負担を行っている父母の家計を基準に所得制限を行っているものでございます。
先ほどの、無利子、有利子につきましても、そういった観点から、より困難な学生については無利子という形で対応をさせていただいているところでございます。
○浅野委員 ほかの質問もありますので、ここで次の質問に移りますが、経済的な困難によって学生の支援を決めるのであれば、やはり、貸せるかどうかというところは勘案すべきと思いますけれども、有利子、無利子というのは、既に学校を卒業した後、その学生が社会に出てからどれだけの負担を背負うべきかというところになりますので、そこは少し論点がずれているのではないかというふうに思っております。ここは、次回以降も引き続き議論させていただきたいと思います。
続いての質問になりますが、返済の負担軽減について、文科省では、今年六月の骨太の方針二〇二二において、大学院段階において、授業料を徴収せず、卒業後の所得に応じた柔軟な納付を可能とする、いわゆる出世払い型奨学金を令和六年度に創設することを決定したとあります。
具体的にどのような返済方法になるのかというのをまず伺いたいのと、十一日に行われた検討会議では、本格的な返済が始まる年収の目安を三百万円とする案も出されたということなんですが、なぜ三百万円なのかというところについても答弁をいただきたいと思います。また、大学院生を対象としていますが、なぜ大学生が含まれていないのかなど、いろいろ不明点がありますので、この辺り、御答弁いただきたいと思います。
また、ちょっと重ねてで恐縮ですが、やはり、返済能力がまだ低いので出世払いを認めようという基本的な思想だと思っております。例えば、社会に出てから子供が生まれますと、またそこで新たな支出が生じまして、返済の余力が少なくなるという事態は容易に想定できますので、子供が生まれたら一時的又は恒久的に返済を猶予するような仕組みも併せて検討すべきではないかと思うんですが、御答弁をお願いいたします。
○西條政府参考人 お答えいたします。
御指摘の新たな制度につきましては、文部科学省において、有識者会議を設置しまして、現在検討を進めているところでございます。
このうち、卒業後の納付については、利用した方の所得に連動した納付を行う予定ではございますが、現行の無利子奨学金の所得連動返還方式におきましては、年収が百四十六万円を超えた段階から所得に応じて返還が始まるところ、十一日の会議において、新たな制度では、この基準となる額を引き上げる方針となりました。
ただ、先生御指摘の年収三百万円ということが固まったわけではございませんで、年収三百万円という数字は、現行の貸与型奨学金における返還猶予の基準額でございまして、会議の場では、参考の一つとしてお示ししたものでございます。
また、新たな制度の対象につきましては、本年六月の骨太方針において、教育費を親、子供本人、国がどのように負担すべきかという論点や本制度の国民的な理解、受入れ可能性を十分に考慮した上で、授業料無償化の対象となっていない学生について、安定的な財源を確保しつつ本格導入することに向け検討することとされておりまして、まずは大学院段階において導入することとしているところでございます。
また、先生御指摘の、子供が生まれたことをもって例えば奨学金の返還免除をすることにつきましては、奨学金を利用しなかった者との公平性の観点から慎重な検討が必要であるとは考えております。
一方で、返還猶予につきましては、これまでも、経済的な理由により返還が困難な方に対しては、返還期限の猶予や返還額を減ずる制度により返還負担の軽減を図っておりまして、これらの制度については、議員御指摘の、子供が生まれた場合には特別な控除を行うことにより、より利用しやすくしているところでございます。
さらに、減額返還制度につきましては、教育未来創造会議の提言におきましても、出産等のライフイベントを踏まえ返還者の判断で柔軟に返還できるように見直すことが提言されておりまして、文科省といたしましては、奨学金の返還負担の軽減のため、制度の見直しに向けしっかり検討してまいりたいと思います。
○浅野委員 ありがとうございます。
最後の柔軟な返還方法については、是非、今後、実現に向けて取り組んでいただきたいと思います。
ここで小倉大臣に伺いますが、ここまでの議論を聞いていただいた上で、ほかの調査では、未婚者であっても、自らの奨学金の返済負担が重いことを理由に子供を持つことを諦めたり、ためらう声が届いております。こうした現状を受けて、少子化対策の観点からも、この問題、大変重要だと思うんですが、大臣の御所見を伺えればと思います。
○小倉国務大臣 お答えをいたします。
委員御指摘のとおり、少子化の背景には、個々人の結婚や出産、子育ての希望の実現を阻む様々な要因が絡み合っておりますものの、経済的な理由は、結婚や子供を持つ希望がかなわない障壁の一つとなっていると認識しております。
実際に、アンケートを取りますと、既婚の夫婦が理想の子供の数を持たない理由につきまして、子育てや教育にお金がかかり過ぎるからと回答した割合は五二・六%に達しております。
こうした観点に立って、これまでも政府では、幼児教育、保育の無償化、高校生等への修学支援、さらには高等教育の修学支援など、様々な支援を充実させてきたところであります。
委員が御議論いただいた高等教育の修学支援につきましては、所管の文部科学省において検討が進められているものと承知しておりますが、当方といたしましても、関係省庁と連携をして、結婚や子供についての希望がかなえられるような環境整備に取り組んでまいりたいと思います。
○浅野委員 ありがとうございました。
今日の質疑の中では、文科省ともなかなかかみ合わない点もございましたけれども、今後も引き続き議論をさせていただきますので。
小倉大臣はここまでで結構ですので、御退席いただいて結構でございます。ありがとうございました。
残りの時間、僅かとなりましたので、河野大臣には、予定をしておりました質問を併せて質問させていただければと思います。
情報システムの政府調達について、現在、政府内でも検討が行われていると思います。その中で、今日の資料にも記載しておりますが、いわゆるアジャイル開発という手法を取ってこれから情報システムの開発をしていくというようなことが検討されております。
まず、一つ目の質問は、従来型の開発とアジャイル開発というのがどのような違いがあるのか、その御認識を伺いたいというのが一点。
また、続いての質問になりますが、アジャイル開発というのを政府は今請負契約で行おうとしているという話を聞いておりますが、これは、なかなか、アジャイル開発、何回も何回も試行をしながら仕様を固め、そして性能、スペックを満たしていくプロセスですので、実際にどの程度の仕様が満たせるのか、結果としてどのくらいの開発コストがかかるのかというのが、契約段階では見通すことが難しいようなものになっております。
したがって、アジャイル型開発の契約においては、請負ではなく準委任契約といった形態を採用すべきと思うんですけれども、こちらについても大臣の見解を伺いたいと思います。
○河野国務大臣 これまでは、全体を見渡して計画を作り、最終的な成果物を確認した上で開発をするという、俗にウォーターフォールという手法が多かったわけですが、委員おっしゃったように、細かく区切って、テストを繰り返し、改善を入れていくというアジャイル型というものが民間では採用されるようになってきております。
消費者目線、ユーザー目線で改善をすることができるというメリットがある反面、全体的に最後どうなるのかというのが見通せなかったり、あるいは、発注者である政府側の担当者がかなり関与しなければいけないという、負担が大きいということもあって、一長一短かなというところはあると思います。
このアジャイル型の開発をするときには、準委任契約なのか請負契約なのかということがあって、請負契約の場合には、最終的な成果物の責任を受注者が負う。ただ、それが、委員おっしゃったように、アジャイル型でやっていくと、最終的にそこまで責任が持てるんだろうかということから、準委任契約を求める声が大きいというのも事実でございます。
今、政府では、いろいろな検討を加えながら、アジャイル型と言われる開発について、どういう契約がいいのか、少し研究をしていきたいというふうに思っておりまして、検討の結果が出ましたら報告をさせていただきたいと思います。
○浅野委員 是非御検討をお願いいたします。
今日の資料の二にも記載をしておるんですが、やはり請負契約ですと、成果物が合意した仕様を満たさない場合、受注者に契約不適合責任を求められるというような記載が、赤線の部分ですね、ございますが、やはりベンダーからしてみますと、契約段階で、どこまでのものになるのか、そしてどのくらいコストがかかるのか分からない状況で、こういった、満たさなかった場合に契約不適合責任を求められるような、これは一種の契約リスクがあるわけで、是非、ベンダーが萎縮をしないように、政府側でしっかりと、その点の不安を払拭できるような契約形態、あるいは契約後の連携の在り方などを十分に検討していただくことを求めたいと思います。
最後に質問が一問残ってしまいましたが、時間が参りましたので、本日はここまでとさせていただきます。
ありがとうございました。
○大西委員長 次に、緒方林太郎君。
○緒方委員 よろしくお願い申し上げます。
私、時間が短いので、早速質問に移りたいと思います。今日は、ノンファンジブルトークン、NFTについてまずお伺いをしたいと思います。
いろいろ原理は聞いたんですけれども、これが権利なのか、貨幣なのか、物なのかというのが私にはよく分かりませんでした。何でしょうか。
○楠(正)政府参考人 お答え申し上げます。
いわゆるNFT、非代替性トークンにつきましては、画一的な定義は存在しないところ、偽造、改ざんが困難なデジタルデータであって、トークンに識別子を付与して唯一無二性を持たせ、取引履歴を追跡できる機能や、転売時に原著作者に収益配分を行う機能を持つものもございます。
その性質は多種多様であり、何に位置づけられるのかは個別具体的に判断する必要がありますが、我が国においては、貨幣とは、通貨法に規定され、法貨として通用するもののことであり、NFTは貨幣には該当しない、NFT自体はデジタルデータであるため、民法上の所有権の客体となる有体物ではなく、その意味での物には該当しない、NFT自体を権利と捉えることができるかは背後にある法的根拠等を踏まえて検討する必要があるというふうに考えられます。
○緒方委員 ありがとうございます。そうなんですね。なので、多分まだ法制度が追いついていないというところが結構あるのではないかというふうに思います。
今、所有権の対象ではないというような話もございました。そうすると、創作者の証明じゃないんですね。それで、唯一性を担保する仕組みも脆弱であるということになると、要するに、容易に著作権侵害が起きるものであって、偽物とかを防止することができないのではないかというふうに思いますが、いかがですか。
○楠(正)政府参考人 お答え申し上げます。
一般に、デジタルコンテンツにひもづいたNFTが存在する場合でも、背後に特段の法的根拠等がない限り、デジタルコンテンツの創作者や当該コンテンツに係る権利の帰属を証明するものではなく、NFTにひもづくデジタルコンテンツの複製を防止することができるものでもなく、あるデジタルコンテンツにひもづくNFTが唯一であること、単一であることを証明するものでもないというふうに考えられます。
一方で、NFTを活用してコンテンツの流通性を高めることや、転売時に原著作者に収益配分を行うこと等がコンテンツ産業の活性化につながる可能性も指摘されております。
例えば、文化庁においては、著作物に当たるコンテンツにひもづけられているNFTの取引によってどのような権利が得られるか事前に確認することが大切といった周知を行っておられますけれども、引き続き、実態とニーズを把握して、政府一丸となって対応を進めてまいります。
○緒方委員 このNFTなんですけれども、私、前回のFATF法で実は聞こうと思ったんですが、暗号資産に当たるかという話を聞こうと思ったんですが、レクで、暗号資産にはもちろん当たらないわけでありまして、ただ、いろいろな種類を見ていると、ノンファンジブル、代替性がないと言っているんですが、一部、部分的に代替性を有するNFTがあるやに見受けられるんですね。そうすると、マネーロンダリングとかに使えるんじゃないかという危惧を持つわけでありますが、いかがですか。
○楠(正)政府参考人 いわゆるNFTについては、その性質は多種多様であるが、仮に決済手段として活用できる性質を有する場合には、暗号資産に該当する可能性がございます。暗号資産に該当する場合は、その範囲でマネーロンダリング対応のための規制に服するということになります。
一方で、暗号資産に該当しないものについては、今後の対応に当たり、まずは、NFTの具体的なユースケース等の実態を調査しつつ、FATF等における議論も注視をしながら、国際協調の下、各国が足並みをそろえた対応をすることが求められるというふうに認識しておりまして、関係府省庁間で連携して取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○緒方委員 頑張ってください。
それでは、質問を移したいと思います。次は、証人保護制度の整備ということについてお伺いします。
これは福岡県からの要望事項なんですが、重要事件の証人の中には、報復等を回避するために、遠隔地への転居や一時避難を余儀なくされている方がいます。ひいては、証人となることを拒否する方もいます。証人の転居や就業に関する支援、さらには、新たな身分の付与等といった証人の安全確保に向けた法整備を検討すべきではないかと思いますが、法務省、いかがですか。
○保坂政府参考人 委員御指摘のとおり、刑事手続に協力いただく証人や参考人の保護、これは重要なことだと考えております。
刑事手続の中で、情報保護を図ったりとか、あるいは危害を防止するという仕組みはございますが、委員の御指摘は、恐らく、刑事手続の外で、例えば暴力団等の組織犯罪の事案における安全の保護ということだろうと理解します。身分の変更や転居を可能にする制度ということで、諸外国で言われる、いわゆる証人保護プログラムといったものの御趣旨だろうと理解いたしました。
そのような制度につきましては、実は、平成二十三年から二十六年にかけて行われた法制審議会の特別部会というところで議論がされたわけですが、必要があるねという、必要性については一定の理解の共有がされたのですが、戸籍制度を含みます民事上、行政上の諸制度との調整等がかなり多岐にわたる問題があるということが指摘されて、結局そのまま、法整備には結びついておらないところでございます。
他方で、そのときに答申いただいたものに基づいて法律を提出したのが、平成二十八年に成立した刑訴法等の一部改正でございます。この附則におきまして、政府は、必要に応じて、証人の刑事手続外における保護に係る措置について検討を行うということで、附則にされております。
我々といたしましては、証人保護プログラムの制度化につきましては、課題も多うございますが、附則の趣旨を踏まえまして、関係機関と協議しながら、必要な検討をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○緒方委員 それでは、最後の質問をさせていただきたいと思います。
所信の質疑で、大分県で起こった、百九十四キロ出して交通事故で人が亡くなったという事例の話をさせていただきました。危険運転致死傷罪に該当するのではないかとかいう議論をさせていただいて、門山副大臣とか保坂審議官とかと議論させていただいたわけでありますが、あの中で一つ聞けなかったこととして、この危険運転致死傷罪が導入されたときの二〇〇一年の法制審議会では、そもそも、一般道で百九十四キロを出すような者をそもそも想定していなかったのではないかというふうに思うわけでありますが、審議官、いかがですか。
○保坂政府参考人 想定していたのかいなかったのかというのは、なかなかお答えが一概には難しいのですが、その部会におきまして、この要件でございます、進行を制御することが困難な高速度という要件について、どういう意味なのかということで、まずは事務当局から、速度が速過ぎるために道路状況等に応じて自車の進行を制御することが困難となるような速度を意味するという説明がございました。それを前提として議論がされております。
その中で、進行制御困難な高速度に該当するかどうかにつきましては、実際の速度が制限速度より何キロ超過していれば当たるというものでもなく、逆に制限速度以下であれば当たらないというものでもなく、具体的な状況の下で判断される、カーブや道幅といった道路状況ですとか車の性能などといった具体的事情を考慮するのだという御議論がなされたところでございます。
その上で、問題は、この道路の状況というものにどういうものを組み入れるのか、つまり、道路の客観的な形状のみを意味するのか、あるいは、個々の通行車両や歩行者なども考慮に入れるのかどうかということが問題になりました。つまり、ほかの通行車両や歩行者がいて、スピードを出し過ぎていたので、発見したけれども止まれなかった、ぶつかりましたという場合まで、この進行制御困難な高速度というのかどうかという点につきましては、ちょっと議論の見方もいろいろあるのかもしれませんが、基本的にはそれは該当しない、当たらないのだという議論が行われたというふうに承知をいたしております。
○緒方委員 終わります。
○大西委員長 次に、大石あきこ君。
○大石委員 れいわ新選組、大阪五区、大石あきこです。
前回、十一月四日に引き続き、IR、カジノの問題について質問します。
ところで、先日、十一月十四日、二日前ですけれども、報道がありました。大阪市の松井市長が、国のカジノの審査で、地盤について必要な書類を求められ協議していると明らかにしました。
これまで松井市長は、地盤に関する会議資料を隠匿、カジノ業者との契約内容、基本合意も隠匿。それに倣って、国も審査内容を隠匿しています。しかし、各方面からの指摘によって、今、様々な問題が明らかにされてきました。今こそ、住民の前に全てを公開し、審判を受けるべきときです。
さて、パネルの一です。国の、カジノ計画を審査する委員会の一覧です。八名いらっしゃいます。
前回の私の質問で、大阪のカジノ計画において、予定地、夢洲の一番の問題点は土壌なのに、審査委員に土壌の専門家はいないのではないですかと質問しました。すると、西田政務官が、土壌、土木の経歴を一部有している人がいる、そのように答弁されたんです。
それで、質疑の後、一体それは誰なんですかと聞いたところ、山内弘隆特任教授だと。四角囲みのこの方ですね。この方が土壌、土木の専門家だと。それを示す論文などの証拠を出してくださいと言っていたんですけれども、まあ、私の方でたくさんの論文を入手したんですけれども一つもないので、言っていたんですね。すると、昨日の夕方になって、何かそういった感じの会議に出たことがあるみたいなものが示されたんですけれども、やはりそれって素人やと言うているのと同じだということが分かったんです。
改めまして、この予定地、夢洲は、液状化対策そして地盤沈下対策など、十分な土壌対策が取られていないということが指摘されています。
大阪府市は、現在、七百八十八億円の公金を投入する対策は示しましたが、全く不十分なんですね。というのも、整備予定の建築物の直下二十五メートルとその周囲十二・五メートルの埋立層、表層のみに対策を限定していて、不十分なんです。では、十分な対策となると、不十分で七百八十八億円ですから、十分となると一体何ぼ公金を使うのかと。大阪市の公金支出を青天井に拡大させようとしている現状なんです。
改めて西田政務官にお伺いします。
この状態で大阪のカジノ計画を認定することは、国の責任になります。土壌の専門だと名指しされた審査委員の山内教授が、液状化対策や地盤対策について責任ある審査ができる人だということでよろしいでしょうか。
○西田大臣政務官 大石委員の質問にお答えさせていただきます。
審査委員会では、御指摘の液状化対策や地盤対策等に関して審議を適切に行うため、有識者三名を選定し、その御意見の聴取結果をよく踏まえて審査委員会として認定に関する審査を行うと決めております。このような審査の進め方により、必要な点については専門家の知見を入れた適切な審査が行えるようにしております。
○大石委員 やはり、審査委員の中にしっかりとした土壌の専門家の方がおられないというのは非常に致命的なことなのですね。
なので、今回、本物の土壌の専門家からの夢洲における指摘を御紹介します。田結庄良昭名誉教授、二〇二〇年に論文を書かれています。パネル二を御覧ください。
夢洲について、軟弱地盤を指摘されているんです。これは、夢洲の埋立層があって、その下にピンク色の粘土層が眠っているというような、そういう図式なんですけれども、上の方、軟弱な沖積粘土層が二十メートル以上の厚さで分布と。これは、地震が起きたら増幅され激しく揺れるため、構造物の多くは損傷するおそれがあると指摘されています。更にその下に、沖積粘土層の下、古い洪積粘土層が分布し厚さは十メートルを超えて、N値が四から五と軟弱であると。このN値というのは地盤の固さをいうんですけれども、夢洲は四、軟らかい。中小建物の基礎地盤としては二〇以上が好ましいので、もうゆるゆるである、そのような御指摘なんですね。
そして、この先生だけではなくて、IR事業者すら軟弱地盤を問題視していることをお示しします。パネルの三ですが、これは市民の情報公開で発覚した貴重な資料です。
IR事業者さえも、夢洲では洪積層が長期的に沈下する極めてまれな地盤条件だと指摘しています。その他もろもろ、複合影響も技術的に未知だとも指摘されていて、そして、決めぜりふがこれです、大阪市で敷地全体の地盤改良を行った上で土地を引き渡す必要。すなわち、大阪市に金を出せと。これは市民の公金ですよね。
国もさすがにこれはまずいなと思ったんでしょうか、西田政務官にお伺いしたいんですけれども、先ほどの大阪市松井市長が十四日に報道に語った、国が大阪市に提出を求めた資料とはどのようなものですか。簡潔にお答えください。
○西田大臣政務官 お答えをさせていただきます。
認定審査において、IR用地に関して、液状化対策や地盤対策等について申請者側から説明を聴取しております。
○大石委員 松井市長によるともう少し説明されていて、国が求めているのは、地盤の問題の解決の手段や時期、対応策を求められているということなんですよね。
これは大変残念なんですけれども、パネルの四にありますように、国が求めている解決の手段や対応策、判明するのは三年は先なんです。大阪府は夢洲の液状化対策は未決ですし、地盤沈下の研究に三年必要なんですね。
大阪府が、液状化に対する専門家会議というものを開いています。これは最後に開いたのが一年前の十二月なんですけれども、この専門家会議の結論としては、液状化対策の手法は決まっていないと。その他資料は非公開で、隠匿されております。
そこの座長の大島昭彦教授が、別の研究委員会にて、地盤沈下の方、液状化じゃなくて地盤沈下の方を今後三年かけて予測すると。この八月に表層部分の沈下の予測は発表したんですけれども、もっと深いところ、先ほどピンクの二層あるようなところ、そこは三年かかるとおっしゃっています。
ここまで地盤対策の研究を怠った大阪のカジノ計画、国が認定するならば、山内委員の責任問題に直結します。
時間がないので、引き続きこの問題は追及して、終わります。
――――◇―――――
○大西委員長 次に、内閣提出、民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
趣旨の説明を聴取いたします。岡田国務大臣。
―――――――――――――
民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律の一部を改正する法律案
〔本号末尾に掲載〕
―――――――――――――
○岡田国務大臣 民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
公共の施設とサービスに民間の資金と創意工夫を最大限活用するPFIは、新しい資本主義における新たな官民連携の柱であり、官民の適切なパートナーシップの下、民間のノウハウを活用して、事業の効率化やサービス水準の向上等を目指すために重要な取組であります。
特に、地域づくりの核となるスポーツ施設や身近な拠点となる集会施設など活用対象を拡大するとともに、PFIについて地方部への金融等の専門的ノウハウの浸透を図り、小規模自治体など全国各地で幅広く自律的に展開されることなどが求められております。
この法律案は、このような状況に鑑み、民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用した公共施設等の整備等を一層促進するため、公共施設等の対象の拡大、公共施設等運営権に関する実施方針の変更手続等の整備、株式会社民間資金等活用事業推進機構への民間支援業務の追加及び同機構が保有する株式等の処分に係る期限の延長を行うものであります。
次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
第一に、特定事業の対象となる公共施設等にスポーツ施設及び集会施設を追加することとしております。
第二に、公共施設等運営権に関する実施方針のうち公共施設等の規模又は配置に係る事項について、公共施設等運営権者は変更の提案をすることができることとし、当該変更の提案を受けた公共施設等の管理者等が必要があると認めるときは、当該実施方針の変更をすることができることとしております。
第三に、株式会社民間資金等活用事業推進機構の業務に、特定選定事業を支援する事業を実施する民間事業者に対する専門家の派遣等を追加するとともに、同機構は、令和十年三月三十一日までにその保有する株式等の処分を行うよう努めなければならないこととされているところ、当該期限を令和十五年三月三十一日まで延長することとしております。
以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。
何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
○大西委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
次回は、来る十八日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後零時十四分散会