衆議院

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第3号 令和5年2月15日(水曜日)

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令和五年二月十五日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 大西 英男君

   理事 井上 信治君 理事 神田 憲次君

   理事 藤井比早之君 理事 宮路 拓馬君

   理事 青柳陽一郎君 理事 稲富 修二君

   理事 阿部  司君 理事 國重  徹君

      赤澤 亮正君    池田 佳隆君

      石原 宏高君    尾崎 正直君

      大野敬太郎君    工藤 彰三君

      小寺 裕雄君    塩崎 彰久君

      杉田 水脈君    鈴木 英敬君

      瀬戸 隆一君    田野瀬太道君

      平  将明君    中野 英幸君

      平井 卓也君    平沼正二郎君

      牧島かれん君    中谷 一馬君

      太  栄志君    本庄 知史君

      馬淵 澄夫君    山岸 一生君

      岩谷 良平君    浦野 靖人君

      堀場 幸子君    河西 宏一君

      福重 隆浩君    浅野  哲君

      塩川 鉄也君    緒方林太郎君

    …………………………………

   国務大臣

   (内閣官房長官)     松野 博一君

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長)

   (海洋政策担当)     谷  公一君

   文部科学副大臣      簗  和生君

   農林水産副大臣      野中  厚君

   内閣府大臣政務官     鈴木 英敬君

   内閣府大臣政務官     中野 英幸君

   内閣府大臣政務官     尾崎 正直君

   防衛大臣政務官      木村 次郎君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房経済安全保障推進室次長)     品川 高浩君

   政府参考人

   (内閣府沖縄振興局長)  望月 明雄君

   政府参考人

   (警察庁生活安全局長)  山本  仁君

   政府参考人

   (警察庁刑事局長)    渡邊 国佳君

   政府参考人

   (警察庁交通局長)    太刀川浩一君

   政府参考人

   (警察庁警備局長)    原  和也君

   政府参考人

   (警察庁サイバー警察局長)            河原 淳平君

   政府参考人

   (デジタル庁審議官)   内山 博之君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           日原 知己君

   内閣委員会専門員     近藤 博人君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月十五日

 辞任         補欠選任

  中山 展宏君     瀬戸 隆一君

  松本  尚君     塩崎 彰久君

同日

 辞任         補欠選任

  塩崎 彰久君     松本  尚君

  瀬戸 隆一君     中山 展宏君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 内閣の重要政策に関する件

 公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件

 栄典及び公式制度に関する件

 男女共同参画社会の形成の促進に関する件

 国民生活の安定及び向上に関する件

 警察に関する件


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     ――――◇―――――

大西委員長 これより会議を開きます。

 内閣の重要政策に関する件、公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件、栄典及び公式制度に関する件、男女共同参画社会の形成の促進に関する件、国民生活の安定及び向上に関する件及び警察に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 各件調査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、内閣府大臣官房経済安全保障推進室次長品川高浩君外八名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大西委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

大西委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。工藤彰三君。

工藤委員 おはようございます。自由民主党の工藤彰三でございます。

 質問の機会をいただきましたことを、委員長、理事、そして委員の皆様方に深く感謝申し上げます。

 早速質問に入りたいと思います。

 私は、昨年まで自由民主党の内閣第一部会長の立場にありました。様々な法案、閣法十二本、議員立法六本を党内で審議させていただき、また、この内閣委員会で闊達な議論を経て、法案を、委員の皆様方、そして本会議場で衆参で可決させていただきました。心から感謝申し上げます。その法案可決後の進捗状況について、確認の意味を込めて順次質問させていただきます。

 まず、昨年三月十七日に本会議場で岸田総理、小林担当大臣に質問いたしました経済安全保障推進法についてお尋ねいたします。

 この法案は、重要物資サプライチェーン、重要技術、基幹インフラ、特許出願非公開の四本柱で成り立っております。

 昨年二月二十四日、皆さん当然御存じのロシアによるウクライナ侵攻により、食料、石油等、様々な物資の供給が変更され、今なお、物価高、そして円安、その対策に追われているのは周知だと思いますが、とりわけ、サプライチェーン強靱化に関する制度の特定重要物資、十一品目ありますが、の主な支援措置をどのように確保されているのか、お尋ねいたします。

品川政府参考人 お答えいたします。

 昨年五月に成立した経済安全保障推進法におきましては、重要物資の安定供給確保、官民技術協力の強化、基幹インフラ役務の安定提供確保及び特許出願の非公開の四つの制度が創設されたところでございます。

 その施行の状況につきまして、現在までに、重要物資の安定供給確保につきましては、半導体や蓄電池、レアアースを含む重要鉱物、抗菌薬など、国民の生存や国民生活、経済活動にとって重要な十一の物資を特定重要物資に指定しますとともに、官民技術協力の強化につきましては、経済安全保障重要技術育成プログラム、Kプログラムで支援する研究開発の公募を順次進めるなど、着実に支援を進めているところでございます。

 また、今後施行いたします基幹インフラ役務の安定提供確保及び特許出願の非公開の両分野につきましても、速やかな施行に向けまして、有識者会議における御議論を踏まえ、先週から基本指針案のパブリックコメントを開始したところでございます。

 その上で、特定重要物資の安定供給確保に向けましては、各物資の所管大臣におきまして、安定供給確保を図るための取組方針、これを定めておりまして、今後、これら取組方針に基づきまして、各物資の特性に応じた生産基盤の整備、供給源の多様化、備蓄といった民間事業者による取組に対する支援を通じまして、安定供給確保を図ることとしております。

 こうした民間事業者による安定供給確保を図る取組に対する支援といたしましては、令和四年度第二次補正予算におきまして、一兆円を超える額が措置をいただいたところでございます。

 現在、支援開始に向けた手続をできる限り速やかに進めておるところでございまして、年度内には民間事業者からの支援の申請を受付可能な体制を整備したいと考えております。

 これらの措置を通じまして、特定重要物資の安定供給確保を図っていくことも含めまして、政府としては、引き続き、経済安全保障推進法の円滑な施行を進めてまいりたいと考えております。

工藤委員 ありがとうございました。

 経済安保のことでありますけれども、予算のこと、期日のことを今述べられましたが、皆さん知ってのとおり、住宅の物資、ウッドショックがあったり、三、四年前には、住宅を建てても便器がなかったりとか、そして食料難、エネルギーの問題、様々なことがあります。

 そして、各国に対して我が国が脆弱なのは、ルール作りが余り上手じゃない。これをきちっとやらなければいけない。このための経済安保と考えておりますので、やはり、きちっとした立場でルールを持って進めていただきたいと思います。

 次に、個人情報保護制度は現在どのようになっているのか。とりわけ、昨日も本会議場で質疑がありましたが、マイナンバーカードに、希望者には運転免許証や健康保険証の機能を持たせると聞いておりますが、どのように活用できるのか、お答えください。

太刀川政府参考人 お答えいたします。

 マイナンバーカードと運転免許証の一体化につきましては、昨年四月に改正された道路交通法において、運転免許を受けようとする人や運転免許証を所持する人から申請があった場合に、マイナンバーカードに運転免許の情報を記録することとされており、こうした制度が令和六年度末までに施行される予定です。

 マイナンバーカードと運転免許証が一体化された場合には、その一体化されたマイナンバーカードのみを所持することによって自動車を運転することが可能となるほか、住所の変更の手続がワンストップ化され、市町村に転居を届け出れば、重ねて警察に届け出る必要がなくなるというメリットがございます。

日原政府参考人 次に、健康保険証の関係についてお答えを申し上げます。

 マイナンバーカードと健康保険証との一体化につきましては、まず、マイナンバーカード一枚で医療機関を受診いただくことで、健康医療に関する多くのデータに基づいたよりよい医療を受けていただくことが可能となること、また、医療機関や薬局、また保険者におきます事務コストの削減に加えまして、安心、安全で質の高い医療を提供するための医療DXの基盤の整備につながるといった様々なメリットがございます。

 また、マイナンバーカードを利用しましたオンライン資格確認における情報の保護という観点についてお答え申し上げますと、医療保険の資格情報や御本人の健康医療に関する情報は、マイナンバーカード内には保存をしておりませんで、オンライン資格確認では、マイナンバーカードのICチップに格納されました電子証明書を利用して御本人の確認を行いますとともに、資格情報を格納しているデータベースに照会を行い、資格情報の提供を受ける仕組みとなってございます。さらに、御利用いただく際には、マイナンバーカードの顔写真と顔リーダーで撮影した御本人の顔写真を電子的に照合する方法、また、四桁の暗証番号を入力していただく方法などによりまして、成り済ましを防ぎ、確実な本人確認を行うこととしてございます。

工藤委員 ありがとうございました。

 マイナンバーカードに運転免許証を入れる、これは、質問する前にいろいろお話を聞いたんですけれども、実際問題、マイナンバーの普及率が低いので、あるとき先輩の議員から、部会長、運転免許証をくっつけたらどうなんだと当時言われまして、驚愕しましたけれども。どのような形で入れるんだ、運転免許証をどうやって照合するんだと聞きましたら、アプリを使ったりするということがあって、それで本当に可能なのかということでいろいろお尋ねしましたら、できるということでありますので、しっかり行っていただきたいと思います。

 また、あと厚労省から健康保険証のことについてありましたが、オンライン、そしてICチップを使うと今おっしゃられました。暗証番号四桁とありまして、成り済まし防止もありますけれども、一番怖いのは、マイナンバーをなくすこと、そして、マイナンバーの暗証番号を仮に認知症の方が忘れてしまったらどうするんだろうか、そういう問題もありますから、そのところを周知徹底をこれからお願いしたいと思います。

 次に、マイナンバーカードの普及促進や、様々な機能をひもづけると伺っておりますが、その利活用についてどのような考え方があるのか、お尋ねいたします。

内山政府参考人 お答えします。

 マイナンバーカードは、安全、安心なデジタル社会のパスポートであり、累計の有効申請件数が八千六百万件を超え、最も普及した本人確認のためのツールです。

 カードを持っているとこんなに便利だというメリットを増やしていくことが重要だと考えておりまして、これまで、先ほど厚労省から答弁のありました健康保険証としての利用のほか、マイナンバーカードを使った医療費情報の閲覧利用、国内外で利用可能なワクチン接種証明書の取得、確定申告の際の医療費控除やふるさと納税の手続のオンライン完結など、利用シーンの拡大に取り組んできているところでございます。

 更なる利便向上として、マイナンバーカードの機能、電子証明書のスマートフォンへの搭載、これも先ほど警察庁から御答弁ありましたけれども、運転免許証との一体化、マイナンバーカードの国外利用の実現など、関係省庁と鋭意準備を進めているところでございます。

 自治体の住民サービスについても、二月六日から、マイナポータルにおいて、全国の全ての市区町村を対象として、引っ越し手続のオンラインサービスを開始することや、子育てに関する申請など、スマホから様々な手続ができるオンライン市役所サービス構想を進めるとともに、マイナンバーカード一枚で図書館カードとしての利用など、様々な市町村サービスが受けられる市民カード化を推進し、国民がマイナンバーカードを便利だと実感いただける機会を積極的に増やしてまいりたいと考えております。

工藤委員 ありがとうございました。

 昨日の本会議場、皆さんお聞きしていたと思います。各自治体によって、マイナンバーの普及に対する温度差もあります。そして、私は名古屋でありますから、なかなか名前は出したくないですけれども、うちの首長さんはマイナンバー推進には後手に回っている方であります。

 いろいろ一体化するのは難しいかと思いますけれども、これは国を挙げて進めると、また強行的に、義務化なのかという議論にもなりますし、議論を進めて、利便性を高めるという意味で、自治体と協力し合って行っていただきたいと思います。

 質問に戻ります。

 連日報道されております、いわゆるルフィを中心とする連続強盗事件について、谷国家公安委員長にお尋ねいたします。現在捜査中でありますので、なかなか答弁することは難しいかと思いますが、でき得る限りお答えしていただきたいと思います。

 海外に容疑者がいる場合や海外逃亡した場合における対処法についてお聞かせください。まず、防止策について。名簿の流出防止、通信傍受等についての対策について、でき得る限りで結構ですから、国家公安委員長、お願いいたします。

谷国務大臣 お答えいたします。

 まず、一連の強盗等の事件につきましては、全容解明に向けた捜査が進められているところでありまして、捜査の具体的内容についてのお答えが難しいということを御理解いただきたいと思います。

 その上で、一般論として、警察では、被疑者が国外に逃亡するおそれがある場合には、出国前の検挙のため、出入国在留管理庁に手配を行うなど、被疑者の国外逃亡を防止するための措置を講じているものと承知しているところであります。

 また、被疑者が国外に逃亡した場合には、被疑者の逃げ得を許さないため、国内外の関係機関と連携して被疑者の早期検挙を図っていると承知しておりまして、こうした取組を引き続きしっかりと推進するよう、警察を指導してまいりたいと思います。

 また、名簿の流出防止等の防止策につきましては、担当局長よりお答えさせていただきます。

渡邊政府参考人 お答えさせていただきます。

 まず、海外逃亡につきまして若干の補足をさせていただきますけれども、大臣から御答弁あったとおりでございますけれども、警察では、海外にいると見られる、あるいは海外に逃亡した被疑者につきましては、国内外の関係機関と連携して被疑者の所在確認等を行っておりまして、出入国の記録などから所在国が推定される場合には、当該国の当局と身柄の確実な確保に向けた調整を行っております。例えば、被疑者が海外の入管施設に収容されているような場合には、退去強制の早期実現に向けて、両国の関係当局間で継続な調整を行うこととなります。

 また、お尋ねございましたように、名簿対策、あるいは通信傍受などについての御指摘がございました。

 警察といたしましては、まず事件の全容解明に向けて徹底した捜査を推進しているところでございまして、こうした捜査から、御指摘の点も含めまして、防止方策として取り組むべき課題が認められれば、適切に対応してまいりたいと考えております。

工藤委員 御答弁ありがとうございました。なかなか答えにくい質問だと思いますので。

 巧妙な手口、宅配便の問題もあったり、ネットですから、どこにいたって指令が出せたりして、大変な事件であります。

 ただ、ちょっと気になるのは、こんなコロナのさなかに海外に逃亡というときに、水際、入ってくるばかりじゃなくて、出ていくときにそういう確認が取れなかったのかなと。

 そしてまた、今回は、フィリピンという国家が我が国にとって非常に協力的であったからこれは収まりましたけれども、なかなか海外から戻すということができない場合もありますので、そのような対策も今後重ねてお願いしたいと思います。

 また質問に戻りますが、今回のSNSを駆使した犯罪は、今申したとおり、手口が巧妙であり、全く関係のなかった若者も知らず知らず犯行に巻き込まれております。家庭内で情報モラルを徹底するのも当然だと思いますが、教育現場内での情報モラルを身につけていただく指導等は現在どのように行われているのか、文部科学省にお尋ねいたします。

簗副大臣 お答えいたします。

 スマートフォンが急速に普及し、ネット上での誹謗中傷や犯罪行為、違法・有害情報の問題が深刻化する中、子供たちにICTを適切に使いこなす力を育てることが重要です。

 このため、学習指導要領では、小学校段階から、情報発信による他人や社会への影響を考えさせる学習活動や、ネットワーク上のルールやマナーを守ることの意味を考えさせる学習活動などを通じて、情報モラルを確実に身につけさせることとしています。

 文部科学省では、これらの教育の充実を図るために、児童生徒向けEラーニングコンテンツの提供、教員等を対象とした情報モラル指導者セミナーなどを行っているところです。今後は、情報モラル教育ポータルサイトの開設や、保護者向け啓発動画の作成などを行ってまいります。

工藤委員 副大臣、答弁ありがとうございました。

 これを質問したのはなぜかというと、若い方々がこういうSNSを使った犯罪に知らず知らず巻き込まれた場合、そして刑が確定すると、当然ながら、学校を退学、そして就職はできない、そして自分の戸籍、いろいろ刑罰がある、社会において非常に後れを取ってしまうし、全然知らないところで自分のことを傷つけてしまう、他人のことも傷つけますけれども、自分の人生を台なしにしてしまう。そういうことがないように教育現場でも徹底していただきたい、そんな思いでありますので、よろしくお願いいたします。

 質問させていただきます。続きます。

 昨年、警察庁内にサイバー警察局が設置されました。その設置に対してこの内閣委員会で質問したことについて確認させていただきます。

 サイバー空間における脅威、いわゆるサイバーテロへの対処、そして、設置後まだ一年たっておりませんので、数字は明確なことは出ないかもしれませんが、設置後の様々な事件の件数の増減、そして、設置したことによって警察において国民に対してどのような効果があったか、そのことについてお答えください。

河原政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、サイバー警察局及びサイバー特別捜査隊の設置の効果を数値でお示しすることは困難ではございますが、この設置によりまして、人的、物的リソースの一層効果的な活用が可能となっております。

 また、我が国を含め、世界的な規模で攻撃が行われているランサムウェア事案を始めとしたサイバー事案の捜査に当たりましては、外国捜査機関との連携が不可欠であるところ、令和四年の六月にユーロポールに派遣した海外連絡担当官やサイバー特別捜査隊が外国捜査機関等との各種捜査会議に参加するなどして、国際共同捜査の推進に向けた情報交換や信頼関係の構築に取り組んでいるところでございます。

 さらに、令和四年の十月には、サイバー特別捜査隊の捜査等によりまして、我が国の暗号資産関係事業者が、ラザルスと呼ばれる、北朝鮮当局の下部組織とされるサイバー攻撃グループの標的とされていると強く推認される状況が明らかになったことから、サイバー警察局におきまして、関係省庁と連名で広く注意喚起を行ったところでございます。

 今後とも、サイバー空間における一層の安全、安心の確保を図るため、サイバー事案の厳正な取締りや実態解明、国内外の関係機関との連携を推進してまいりたいと考えております。

工藤委員 サイバー警察局長、ありがとうございました。

 先ほどのルフィの話もそうですけれども、ネットを使った犯罪がこれから大変数が増えるというのが自分の考えでありますけれども、どれだけ踏み込めるのか、それで、どれだけ情報を集められるのか、そして解析できるのか。これができなかったら意味はありませんし、警察の持っているネット関連も、サイバー攻撃、アタックされているわけでありますから、そのことを注意していただいて、国民に影響がないように水際で止めていただきたいということをお願い申し上げます。

 次に、交通安全対策についてお尋ねいたします。

 私は、昭和三十九年の生まれであります。東京オリンピック第一回の年に生まれておりますが、その頃、昭和三十年代後半から四十年代にかけて、当時は、いわゆる交通戦争と呼ばれた、交通死亡事故が多発した、現在と違う、大変死亡事故が多かった時代であります。

 昭和四十五年には、何と一万六千七百六十五人の方が貴い命を交通事故でなくされております。なくすということ、そしてまた、加害者、事故を起こした方も、自分たちの人生が大変なことになっている。そういうことがないように、今後ともお願いしたいんですが。

 その後、大幅に交通死亡事故死は減少しましたが、それでも、死亡事故の原因となる、現在よくありますが、スマートフォンをかけながらの運転、携帯電話を使用しながらの運転、脇見運転による通学時の学童に対する事故もいまだ多発しております。また、高齢者によるペダルの踏み間違い事故はいまだに起きておりますし、毎日これはニュースになっていることであります。

 そのことに対する対策について、警察庁にお尋ねいたします。警察庁、答弁をお願いいたします。

太刀川政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、近年、交通事故による死者数は減少しておりますが、今なお多くの貴い命が交通事故で失われていることに変わりはなく、引き続き、各種の対策を強力に進めていく必要があると考えています。

 まず、御指摘の運転中の携帯電話使用につきましては、令和元年の道路交通法の改正により、罰則及び反則金を引き上げるとともに、違反行為に対する取締りに重点を置くなど、対策を強化してきたところです。

 また、通学時の児童の安全確保につきましては、運転免許の取得時や運転免許証の更新時において運転者に対する教育を行っているほか、通学路点検、交通安全施設の整備等の取組を進めています。

 さらに、高齢運転者による交通事故防止対策としては、令和二年に道路交通法を改正し、七十五歳以上で一定の違反歴のある人に対する運転技能検査や、サポートカー限定免許を導入するなど、対策の強化を図っています。

 引き続き、こうした各種対策を効果的に推進し、交通安全の確保を図ってまいります。

工藤委員 ありがとうございます。

 交通死亡事故、本当にゼロにしたいと思いますけれども、なかなか減りません。そして、交通モラルということを言っているんですけれども、本当にスマートフォンを持ったまま車に乗車していいのかという思いもありますけれども、便利だから手放せない、ついつい使ってしまうというのが現状であります。

 また、高齢者の運転免許証も、やはり、地方に行った場合に軽自動車に乗る高齢者の方が多いんですけれども、その皆さんから車を取り上げるとどういうことになってしまうんだろうかという、様々な課題、問題があると思いますけれども、順応しながら対策を打っていただきたいと思います。

 また、全部が全部じゃないと思いますけれども、私が小学校に通っている頃は、たまたま広い校庭があった小学校でありましたので、交通安全教育のために、信号機、そして横断歩道が学校内の校庭、グラウンドの片隅に設置してあり、しっかりと、当時、教頭先生だったと思いますけれども、指導された覚えがあります。

 現在、小中学校等でどのような交通安全教育についてのことを指導されているのか、文部科学省にお尋ねいたします。

簗副大臣 お答えいたします。

 子供たちが安心して学校生活を送るためには、学校における交通安全教育が重要です。

 文部科学省で実施した平成三十年度の調査では、全国の幼稚園から高等学校までの各学校の平均で、九九・二%の学校で交通安全教育が実施されています。

 各学校では、新型コロナウイルス感染症の感染対策にも配慮しつつ、警察等の関係機関と連携しながら、例えば、ドライブレコーダーを使用した危険予測、自転車シミュレーターを使用した走行体験、警察官による横断歩道の渡り方や安全確認に関する具体的な指導などの交通安全教育が行われているものと承知をしております。

 文部科学省としても、こうした各学校における交通安全教育が効果的に展開されるよう、令和五年度予算案において、学校における交通安全教育を担う教職員等を対象とした各都道府県が実施する研修会への支援、毎年四月に、小学校一年生向けに、交通安全を始めとした登下校時の約束事をまとめたパンフレット、「たいせつないのちとあんぜん」の作成、配付に必要な予算を盛り込むなど、引き続き、全国の各学校において交通安全教育が確実に実施をされるよう支援してまいります。

工藤委員 副大臣、ありがとうございました。

 交通安全教育は本当に大切だと思います。現在、車道を自転車が通行するという、法令が変わってまいりましたけれども、逆走は実際は自転車はできないということを大半の方は知らないわけであります。これはやはり小中学校の間に教えていただきたいですし、スマホ、携帯電話をかけながら、そして、斜め走りですか、交差点を斜めに横切る、こういうことも駄目なんだよということをきちっとこれからも指導していただきたいと思います。

 最後の質問に移ります。これは、国家公安委員長、できる限りで結構です、考え方、思いを述べていただきたいと思います。

 この委員会室にみえる皆さん全てに関与することでありますけれども、皆さん、当然のことでありますけれども、昨年の七月八日、元内閣総理大臣安倍晋三先生が凶弾に倒れて、あのような事件が起きました。その後、私たち政治家が街頭でマイクを持つこと、そして警備、警護、これががらりと変わったと思います。

 先般、私は愛知県でありますので、愛知県知事選挙もありました。そのときも、警護、警備体制が変わったんですけれども、余りにも実際警備を強固にすると、国民、市民との乖離が見られます。そして、手薄にすればどうなるのか、そういう問題があります。

 特に、私は名古屋でありますから、毎年一月四日には、総理そして大臣一行が、JRの名古屋駅、新幹線で東京から見えて、そして近鉄名古屋駅まで歩かれていくわけであります。毎年ですと、歴代総理は握手をしたり手を振ったり声をかけたり、いろいろあるんですけれども、今回は、ロープを引いて、そしてSPの皆さんとばあっと歩いていってしまう。

 終わった後に、私は地元でありますから、今のは何だ、国民の意思は何なんだと。そして、私たちは、総理そして閣僚、皆さんが来るから、応援や顔を見たいから出てきたのに、あの態度は何だと厳しいお叱りを受けたのを覚えております。なかなか難しい。

 そして、警備の問題もそうです。梨泰院で起きた問題、そして花火大会や、コロナ禍が終わった後にまたいろいろな人が集まる大会、そういうときにどのように警備をするのか。これを、大変難しいバランスだと思いますけれども、できる限り、どのようにこれから進めていくのか、お尋ねさせていただきます。

谷国務大臣 今御質問ありましたように、なかなかこれは難しい問題で、我々、選挙で選ばれる者にとりましては、できる限り過剰な警備はやめていただきたいという思いはある。一方、警察サイドでは、やはり命の安全ということは最優先にして対処しなければならない。そのバランスを図ることが、難しいですけれども大変大事なことだと思っております。

 警察においては、昨年、新たな警護要則に基づき警護の強化というのを図っているほか、先日の、御指摘のありました韓国の梨泰院の事故も踏まえて、雑踏事故の防止に万全を期しているところです。

 その上で、警護に当たっては、何よりも、警護対象者及びその関係者と緊密な連絡、そして理解と協力、それを得て警護を行うことが必要だと思っております。また、雑踏警備の場合は、行事の主催者や施設の管理者等と連携して、十分に理解と協力を得ながら警備を実施することが重要だと思っております。

 このような認識の下、警護対象者や主催者等との関係者と意思疎通を図ることはもとより、これは、先ほど名古屋の例を出されましたけれども、やはり一般の国民の方の協力を得ることも必要ですし、理解を得ることも必要です。そういうことにも意を用いて、警護を含む警備に万全を期すよう、警察を指導してまいりたいと思います。

工藤委員 谷国家公安委員長、ありがとうございました。

 大変難しい問題だと私も考えております。やはり、私たち政治家、選挙で選ばれて、選挙戦を戦いながら、そして何よりも、握手をしたり、国民の皆さんや選挙民の皆さんにたまには厳しいことを、例えば、私、名刺を渡した途端に破られたり、ペットボトルを投げつけられたこともありました。それでもなお、自分の思いを伝えるために、選挙戦やふだんの政治活動、頑張っているはずなんですが、違う方向に行ってしまって残念だなと。

 そして、四月には全国統一地方選挙があります。地方議員の皆様に対して警備はあるのか、警護はあるのか、そういう問題も出てきます。人数が当然多いわけでありますから、警護というのは無理かなというふうに考えておりますし、難しい問題を私たちは昨年突きつけられた。

 そして、あくまで、やはり寄り添った、対話をするということが大切だと考えておりますので、警護の在り方、これは、今委員長が答弁していただきました、微妙なさじ加減でやらなきゃいけませんし、当然、命を狙われるということはあってはならない。そういうことを踏まえながら、過剰警備もいけませんけれども、全くない警備もいけない。

 このことを踏まえて、各県警、所轄の皆さんと連携を図りながら、政治活動、そしていろいろなところのイベントが事故なく進むよう努力していただくことを切にお願い申し上げまして、本日の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

大西委員長 次に、緒方林太郎君。

緒方委員 よろしくお願いいたします。緒方林太郎であります。

 大臣所信最後ということで、質問させていただきます。

 まず、官房長官の職務についてということでお伺いをさせていただきたいと思います。

 内閣官房長官は内閣の要という大臣でありまして、私、自分自身の思いとして、官房長官というのは担務を持つべきでないという思いをすごく持っています。担当を持たない大臣として、内閣の要、官房長官として機動的に動けるというのが理想的な官房長官の姿だと思っております。

 しかしながら、現在、官房長官、ワクチン担当相も含めていろいろな担務を持っておりまして、私は、そういうことは余りすべきではないんじゃないかなというふうに思うわけでありますが、官房長官、思いを聞かせていただければと思います。

松野国務大臣 緒方先生にお答えをさせていただきます。

 内閣官房及び内閣府は、内閣の重要政策に関する企画立案及び総合調整等を図る役割を担っています。内閣官房長官は、危機管理や政府のスポークスマンとしての役割を含め、内閣官房、内閣府の事務を統括する立場にあり、引き続き、その機能が十全に発揮されるよう全力を尽くしていきたいと考えております。

 また、内閣官房及び内閣府の事務については、内閣法及び内閣府設置法の規定に基づき、担当大臣あるいは内閣府特命担当大臣が置かれ、内閣官房長官を含め、それぞれ内閣の重要政策を担当しているところであります。

 大臣の任命及び担務については総理の専権事項であり、私はお答えする立場にはありませんが、私が現在担当している沖縄基地負担軽減や拉致問題、ワクチン接種推進等の事務はいずれも内閣の重要政策に関する総合調整の事務等であり、引き続きしっかり取り組んでまいりたいと考えております。

緒方委員 答弁としてはそうなると思いますが、内閣の要、官房長官は、私は、担務を基本的に持つべきでないという思い、これは強い思いがありますので、述べさせていただきました。

 続きまして、内閣官房、内閣府のスリム化ということについてお伺いをさせていただきたいと思います。

 今国会に上がってきている、既に閣議決定された危機管理統括庁ですね、これは官房長官の下に置かれるわけでありますが、これは、総合調整のみならず、具体的な事務まで入ってきているわけですね。担当大臣が官房長官で、しかも、内閣法に何と書いてあるかというと、所掌事項の追加で、法律に基づき内閣官房に属せられた事務というのが新しく入ってくることになっています。さらには、その中には、法律に基づく命令を含むということが書いてあります。

 将来に向けて、内閣官房が、制限なしに、所掌事項の追加なく肥大化をしていくことが可能となる規定が、この内閣危機管理統括庁の改正の、その一部としての内閣法改正の中に入ってきている。

 二〇一五年に、内閣官房・内閣府スリム化法というものが作られました。この方向性と併せて考えたときに、今回の危機管理統括庁で、制限なしに肥大化をしていくようなことが可能となる規定が入っていることは、私、大問題なんじゃないかと思っているんですね。

 与党の法案審査でこういうところを誰か見なかったのかなと思うわけでありますが、行革の観点からも問題があると思います。官房長官、いかがですか。

松野国務大臣 お答えをさせていただきます。

 御指摘の法案では、感染症危機に対して政府全体として総合的な見地から対応するため、内閣官房に内閣感染症危機管理統括庁を設置し、感染症危機への対応に関する総合調整事務を一元的に所掌させることとしています。

 その上で、具体的な事務として、改正後の新型インフルエンザ特措法に基づき、政府対策本部の事務などを統括庁が処理するに当たり、内閣官房の所掌事務規定に、先生から御指摘がありました、法律に基づき内閣官房に属せられた事務を追加することとしています。

 これらの事務は、国政全般の総合戦略機能を担う内閣官房の基本的な職務と親和性が高く、また、これまでのコロナ対応においても内閣官房が政府対策本部の事務を処理してきており、今回の法案が内閣官房の総合調整機能やスリム化の理念に反するとの御指摘は当たらないかと考えております。

 なお、内閣官房の事務や組織については、重要政策に関する司令塔機能など、本来の役割を十分に発揮できるよう、組織の統合や廃止等の必要な対応を行ってきているところであり、今後も不断の見直しを行ってまいりたいと考えております。

緒方委員 しかし、法律に基づく命令によって所掌事項がどんどんどんどん拡大していくことが可能となるわけですよね。そうなってくると、いや、私は別に政府のやっていることが悪いとかそういうことを言っているんじゃないんです。別に、危機管理統括庁については、中身についてはしっかり議論させていただきますけれども、このままだと、どんどんどんどん内閣官房や内閣府の機能が命令によって拡大していく、そして、法律改正すれば内閣官房の所掌事項を追加しなくても拡大していけるというのは、これは問題が多い、行革の観点からも。むしろ議員立法であの規定を書き換えたいぐらいでありますが、これは問題点として指摘をさせていただきたいと思います。

 続きまして、なかなかこれは国会で聞かれることがないと思いますが、栄典行政についてお伺いをいたしたいと思います。

 まず、ちょっと私、いつも叙勲について思うんですけれども、これは皆さん方経験あると思いますが、閣議決定一週間前から議員は名簿閲覧が可能であります。しかしながら、その直後から、叙勲に関連する様々な営業のパンフレットが叙勲された方に届くんですよね。素直に考えると、議員か議員の関係者が閲覧した名簿を業者に売却している可能性が高いんですね。これは指摘だけに留めさせていただきますし、是非考えていただきたいと思いますが、やめさせるべきだと私は思いますよ。これは指摘だけに留めさせていただきたいと思います。

 それで、叙勲についてですが、日本人の叙勲はおおむね七十歳からとされているわけでありますが、外国人叙勲にはそのような制限がありません。ただの外国人コンプレックスの裏返しではないかと思います。このような不釣合いは解消すべきではないかと思いますが、官房長官、いかがですか。

松野国務大臣 お答えをさせていただきます。

 日本人への叙勲は、その方の生涯にわたる功労を評価し、功績が固まったと思われる時点で授与されるべきものであり、原則として七十歳以上の方を対象としています。

 他方で、外国人叙勲は、我が国との友好の増進等に対する顕著な功績等を理由として授与されています。生涯にわたって我が国と関わり続けるとは限らない外国籍の方については、むしろ適時適切な推薦をすることで、その後の我が国への貢献の推進を図るべく、おおむね五十歳以上の方を対象としているところであります。

 なお、日本人への叙勲につきましても、人目につきにくい分野や、警察官など著しく危険性の高い業務に関しては、五十五歳以上の方を対象としているところであります。

 引き続き我が国叙勲の適切な運用に努めてまいりたいと考えております。

緒方委員 答弁はそうなることはよく分かっておりますが、日本人が七十歳以上、そして外国人は五十歳以上というときのその不釣合いというのは、何か私、釈然としないものがあるわけでして、外国人だからそういうふうにいわばちょっと優遇するようなことはよろしくないのではないかなと思うので、これは改めて指摘させていただきたいと思います。

 もう一点、自衛官に対する栄典についてお伺いをいたしたいと思います。

 現役の自衛官が正装の際着けているのは、防衛記念章であります。防衛省の中でいただける記念章なんですけれども。そして、真の意味で勲章と呼べるものを着けているケースというのは、外国からもらった勲章をつけておられます。

 命を懸けて頑張る自衛官に対する栄典の在り方として、私は余りよろしくないんじゃないかなという気がします。せっかく正装をしているときに着けている勲章が外国からもらったものであって、それ以外に着けているのは、正式には防衛記念章であるというのは、ちょっといびつな感じがするんですね。考えてみませんか、官房長官。

松野国務大臣 お答えをさせていただきます。

 先ほど申し上げましたけれども、日本人への叙勲は、功績が固まったと思われる時点で授与されるべきものであり、官民を問わず、公平を期して、原則として七十歳以上の方を対象としています。

 他方で、自衛官も含め、著しく危険性の高い業務に精励し功労のある方を対象とした危険業務従事者叙勲は、五十五歳以上の方を対象としているところであります。

 自衛官への叙勲については、引き続き適切な運用に努めてまいりたいと考えております。

緒方委員 なかなかこういった栄典行政が質問になることもないと思いますので、あえて指摘をさせていただきました。

 官房長官、こちらで結構であります。ありがとうございました。

 続きまして、海洋政策担当相として谷大臣にお越しいただいておりますが、国境有人離島について質問をさせていただきたいと思います。

 私、正月に、沖縄県の南大東島に行ってまいりました。沖縄の那覇からプロペラ機で一時間ぐらい、三百五十キロぐらい、かかるんですけれども、周辺、まさに三百五十キロぐらいは一切の陸地がない、書いて字のごとく、絶海の孤島であります。大体、皆さん方が見るときというのは、天気予報で大東諸島とかいう感じで見ることが多い場所だろうと思います。

 行ってみると分かるんですけれども、島のほぼ全てがサトウキビの畑であります。私は胸を打たれたフレーズがありまして、サトウキビは島を守り、島は国土を守る、本当にすばらしい言葉だと思います。

 それを見て、しかも海洋政策との関係でいうと、あそこを中心として引かれる二百海里水域があり、そして大陸棚がある。そして、国連の大陸棚延伸委員会では、大東列島から引いた、二百海里を超えて、日本の主権的権利が認められている大陸棚が延伸しているという、非常に重要な島であります。

 そういった中、先ほど申し上げましたとおり、サトウキビが町の経済を支えているというときに、現状どうかなと思って調べてみたら、十五年前ぐらいの調査を見てみると、南大東島のサトウキビの収量は非常に低いとの調査が実はありました。現状どうでありますでしょうか、農林水産省。

野中副大臣 大東諸島におけるサトウキビでありますが、他の作物に代替困難な基幹作物であり、作付面積も全体の九割以上を占めております。また、製糖工場そして関連産業等、地域経済をまさに支える作物であります。

 収量でございますが、平成二十四年に十アール当たり収量四・二トンでありましたが、土づくり、またかん水等の適切な栽培管理等に取り組んできた結果、令和三年、十アール当たり六・二万トンと大幅に増加をしております。これは沖縄全体の平均よりも非常に上昇率が高いということで、引き続き生産性向上に向け支援してまいりたいというふうに思っております。

緒方委員 ありがとうございました。

 そうだったんだなと。あるサトウキビをちょっと一本だけいただいたんですが、少しどうなのかなと思ったんですけれども、そういう現状だというのを聞いて非常に心強いものがありました。

 今、恐らく圃場整備とかを一生懸命頑張られたことによってこういうふうになったということだったと思うんですけれども、周りが絶海の孤島で海水なので、貯水池に集水をして、そして周辺の圃場整備を一体に実施する必要があるとか、あと、大規模な水源がない、ダムがないので大規模な水源がなくて、小規模分割型の水源のため、集水エリアごとの圃場整備の事業採択になるとか、沖縄振興一括交付金の事業であることから内閣府の一括計上予算の確保が必要といった課題があります。

 圃場整備を是非頑張っていただいて、更に村を支えていただければというふうに思うわけでありますが、農林水産省。

野中副大臣 まず、国といたしましては、大東諸島において、サトウキビの生産性の向上、安定的な生産の確保のため、貯水池を始めとしたかんがい施設、農地の整備の支援を行っております。

 また、私ども農水省として、引き続き、沖縄県と連携し、地域の実情に応じた計画的、安定的な基盤整備の推進に努めてまいりたいというふうに思っております。

 進捗率でありますが、約六割超ということでありまして、先ほどの委員のおっしゃるとおり、サトウキビは島を守る、島は国土を守る、その思いをしっかり応援してまいりたいと存じます。

緒方委員 今日、政府参考人で内閣府から望月沖縄振興局長にもお越しをいただいております。補足をいただければと思います、局長。

望月政府参考人 公共投資全般ということも含めましてお答えさせていただければと思います。

 まず、沖縄の離島地域、委員おっしゃるように、我が国の領海また排他的な経済水域の保全に非常に大きな役割を果たしておると認識しております。沖縄振興特別措置法でも沖縄の離島地域の振興に関する努力義務を設けておりまして、格段の配慮をもって離島振興に取り組んでいるというふうな状況でございます。

 南北大東島の産業構造について見ますと、今、政務の方からもございましたが、基幹産業のサトウキビ関連産業、これが非常に大きな割合を占めております。そういったこともありまして、引き続き、島民を支える農業基盤整備等を実施するということで対応をしてまいりたいと思っております。

 また、後ほどあるかもしれませんが、空港とか港湾とかそういったものも非常に重要だと考えておりますので、関係省庁と連携を図りながら、内閣府としてもしっかりと応援をしてまいりたいと考えてございます。

緒方委員 そして、今、大東諸島、北大東島に自衛隊配置の話が上がってきております。北大東島への航空自衛隊の配置の話が出てきておりまして、北大東島の村の議会から誘致の議決がなされたりとか、村長についても要請があったというふうに聞いております。

 地理的に見てみると、まさに中国の第一列島線と第二列島線のちょうど真ん中ぐらいにあるんですね、ちょうど真ん中ぐらいにある。あの場所に例えばレーダーを置くとか何らかの自衛隊の基地を置くというのは、抑止力を高める、そういう効果からしても非常に重要性が高いのではないかというふうに私は思いました。

 是非この件は検討を進めていただければというふうに思うわけでありますが、今日、防衛省から木村政務官が来ておられます、答弁いただければと思います。

野中副大臣 済みません、訂正いたします。

 先ほど、サトウキビの収量のところで、令和三年、十アール当たり六・二トンのところを六・二万トンと申し上げてしまいました。訂正いたします。失礼いたしました。

木村大臣政務官 お答えいたします。

 戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に対峙していく中、広大な太平洋側を含む我が国周辺空域における防空体制の強化は重要な課題です。

 特に、我が国の周辺国は、御指摘の第一列島線を越え第二列島線に及ぶ海域を含む太平洋側の海空領域での活動を活発化させるとともに、活動域も拡大しています。この点、太平洋側の島嶼部は、これまで警戒管制レーダー等を設置しておらず、警戒監視等の空白地帯となっている状況です。

 このため、太平洋側の島嶼部への移動式警戒管制レーダー等の整備を推進することとしており、現在、配備候補地の選定に係る検討を行っています。北大東島については、移動式警戒管制レーダー等の整備に適した場所である可能性があると考えております。

 これまでの検討に加え、今年度から令和五年度末までの期間にかけて現地調査等を行っているところであり、引き続き検討を進めてまいります。

緒方委員 ありがとうございました。

 私、日本の防衛の観点からとても重要だろうというふうに思うので、この問いをさせていただきました。

 今から五年、六年ぐらい前に、この委員会の視察で与那国島に行ったことがあります。与那国島には陸上自衛隊の駐屯地がございまして、レーダーがあって、台湾と与那国島の間の、そこを通る船とか、恐らくそれをやっているんだろうと思いますが、アンテナがたくさん立っていて、あの海峡を通る船とか航空機とかについていろいろなことを調べているんだろうなと思いました。

 さらに、自衛隊の方がおられると、やはり人口減少地域なので、若い方が地域のコミュニティーを支えるという意味合いもあるんだなというのは感じたところです。

 北大東村も人口減少の地域でありますし、自衛隊の方が入ってきて、これは副次的な効果でありますけれども、地域を支えるその一翼を担っていただければという思いを持って述べさせていただきました。

 最後に、この大東諸島、有人国境離島として本当に重要な役割を果たしてきたし、これからも果たしていかなくてはならないというふうに思います。しかしながら、周囲三百五十キロぐらい陸地がない絶海の孤島であります。この日本の領土政策そして海洋政策に欠くべからざる場所をこれからも大事にしていただきたいと思うわけでありますが、大臣の思いをお聞かせいただければと思います。谷大臣。

谷国務大臣 お答えさせていただきます。

 国境離島は、我が国の領海や排他的経済水域の外縁を根拠づけるものであり、領海などの保全の観点から、また委員御指摘のように我が国の安全保障の観点からも極めて重要であると認識しているところでございます。

 中でも、有人国境離島は、日本国民が居住していることにより、領海等の保全に関する活動の拠点として極めて重要な機能を有していることから、住民の継続的な居住が非常に重要だと考えております。

 このため、政府においては、関係省庁が連携して、産業の振興、航路、航空路運賃の低廉化などの住民の生活を支える施策を各地域の実情に応じて進めているところでございます。

 今後とも、御指摘の大東列島を含めた有人国境離島がその機能を維持できるよう、有人国境離島法や沖縄振興特別措置法等に基づき、有人国境離島の地域社会の維持等に関する施策に取り組んでまいりたいと思います。

 また、大東列島で言われたという、御指摘のございました言葉、サトウキビは島を守り、島は国土を守る、そういう思いを私もしっかり胸に刻みながら、海洋政策に取り組んでまいりたいと思います。

緒方委員 ありがとうございました。

 十時までかなと思ったら、あと二分ありますので、準備していた質問を、最後、残していたものをもう一つだけ野中さんにさせていただきたいと思います。

 沖縄というのは、泡盛を作ったりするときのお米、輸入したお米で泡盛を作っていたりするところなんですけれども、私、昔から、何かこれに支えになることができないかなと思ったときに、輸入するお米に対して、マークアップと言われている売買差益を農林水産省が取っているんですけれども、これを減免することによって沖縄の泡盛産業を支えるということ、これは意味があるんじゃないかなというふうに思いました。

 最後の質問であります。野中副大臣に御答弁いただければと思います。

野中副大臣 一般ミニマムアクセス米を入札する際、マークアップ、ここで言う港湾事業等の諸経費ですが、これは実費のみでありますので、なかなかその減免等を行うというのは困難でありますが、価格についてはちょっと、入札に影響を与えますので、公表することは差し控えさせていただきますけれども、実需者に大きな負担を与える額にはなっておりません。

 以上でございます。

緒方委員 終わります。

大西委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十時一分散会


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