第9号 令和6年4月10日(水曜日)
令和六年四月十日(水曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 星野 剛士君
理事 上野賢一郎君 理事 高木 啓君
理事 冨樫 博之君 理事 中山 展宏君
理事 太 栄志君 理事 森山 浩行君
理事 堀場 幸子君 理事 庄子 賢一君
青山 周平君 井野 俊郎君
大西 英男君 大野敬太郎君
勝目 康君 神田 潤一君
小森 卓郎君 杉田 水脈君
鈴木 英敬君 土田 慎君
中川 貴元君 鳩山 二郎君
平井 卓也君 平沼正二郎君
牧島かれん君 宮澤 博行君
簗 和生君 柳本 顕君
山本 左近君 山本ともひろ君
逢坂 誠二君 櫻井 周君
中谷 一馬君 本庄 知史君
山岸 一生君 山崎 誠君
山井 和則君 岩谷 良平君
金村 龍那君 住吉 寛紀君
河西 宏一君 金城 泰邦君
吉田久美子君 塩川 鉄也君
浅野 哲君 緒方林太郎君
大石あきこ君
…………………………………
国務大臣
(内閣官房長官) 林 芳正君
国務大臣
(国家公安委員会委員長) 松村 祥史君
国務大臣
(こども政策 少子化対策 若者活躍 男女共同参画担当) 加藤 鮎子君
国務大臣
(国際博覧会担当) 自見はなこ君
経済産業副大臣 上月 良祐君
内閣府大臣政務官 神田 潤一君
内閣府大臣政務官 平沼正二郎君
内閣府大臣政務官 土田 慎君
政府参考人
(内閣官房国際博覧会推進本部事務局次長) 長崎 敏志君
政府参考人
(内閣官房国際博覧会推進本部事務局次長) 井上 学君
政府参考人
(内閣官房新しい資本主義実現本部事務局次長) 坂本 里和君
政府参考人
(内閣官房グローバル・スタートアップ・キャンパス構想推進室室長補佐) 泉 恒有君
政府参考人
(内閣官房内閣人事局人事政策統括官) 阪本 克彦君
政府参考人
(特定複合観光施設区域整備推進本部事務局参事官) 飛田 章君
政府参考人
(内閣府政策統括官) 林 伴子君
政府参考人
(内閣府男女共同参画局長) 岡田 恵子君
政府参考人
(内閣府知的財産戦略推進事務局長) 奈須野 太君
政府参考人
(警察庁生活安全局長) 檜垣 重臣君
政府参考人
(警察庁交通局長) 早川 智之君
政府参考人
(消費者庁政策立案総括審議官) 藤本 武士君
政府参考人
(消費者庁審議官) 真渕 博君
政府参考人
(こども家庭庁長官官房審議官) 黒瀬 敏文君
政府参考人
(総務省自治行政局長) 山野 謙君
政府参考人
(総務省総合通信基盤局電気通信事業部長) 木村 公彦君
政府参考人
(法務省大臣官房審議官) 松井 信憲君
政府参考人
(法務省大臣官房審議官) 吉田 雅之君
政府参考人
(文部科学省大臣官房審議官) 淵上 孝君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 宮本 悦子君
政府参考人
(農林水産省大臣官房総括審議官) 杉中 淳君
政府参考人
(農林水産省大臣官房審議官) 秋葉 一彦君
政府参考人
(農林水産省農村振興局農村政策部長) 神田 宜宏君
政府参考人
(経済産業省大臣官房商務・サービス審議官) 茂木 正君
政府参考人
(国土交通省大臣官房審議官) 佐々木俊一君
政府参考人
(環境省大臣官房審議官) 奥山 祐矢君
内閣委員会専門員 尾本 高広君
―――――――――――――
委員の異動
四月十日
辞任 補欠選任
泉田 裕彦君 柳本 顕君
土田 慎君 勝目 康君
本庄 知史君 櫻井 周君
山岸 一生君 山井 和則君
阿部 司君 岩谷 良平君
河西 宏一君 金城 泰邦君
同日
辞任 補欠選任
勝目 康君 土田 慎君
柳本 顕君 山本 左近君
櫻井 周君 本庄 知史君
山井 和則君 山岸 一生君
岩谷 良平君 阿部 司君
金城 泰邦君 河西 宏一君
同日
辞任 補欠選任
山本 左近君 中川 貴元君
同日
辞任 補欠選任
中川 貴元君 泉田 裕彦君
―――――――――――――
四月九日
道路交通法の一部を改正する法律案(内閣提出第三八号)
自動車の保管場所の確保等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第三九号)
は本委員会に付託された。
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
道路交通法の一部を改正する法律案(内閣提出第三八号)
自動車の保管場所の確保等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第三九号)
内閣の重要政策に関する件
公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件
栄典及び公式制度に関する件
男女共同参画社会の形成の促進に関する件
国民生活の安定及び向上に関する件
警察に関する件
――――◇―――――
○星野委員長 これより会議を開きます。
内閣の重要政策に関する件、公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件、栄典及び公式制度に関する件、男女共同参画社会の形成の促進に関する件、国民生活の安定及び向上に関する件及び警察に関する件について調査を進めます。
この際、お諮りいたします。
各件調査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、内閣官房国際博覧会推進本部事務局次長長崎敏志君外二十五名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○星野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○星野委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。鳩山二郎君。
○鳩山委員 おはようございます。自由民主党の鳩山二郎です。
本日は、質問の機会をいただきましたこと、改めて感謝を申し上げます。
早速ですが、質問に入らせていただきます。
まず、月例経済報告について何問か御質問をさせていただければと思います。
ここ最近の毎月の報告を見させていただくと、我が国の経済、景気は緩やかな回復傾向にある、そういうことでありまして、確かに、私自身が東京の町中を歩くと本当に人であふれていて、本当にすごいなと思うわけですし、コロナも五類になったということもありましょうし、また、外国人の旅行客の方々は戻ってきているような感じがいたします。
東京の町中を歩いていると、確かに景気は緩やかに回復しているのかな、そういう実感をするところなんですが、私の地元に帰ると、まるで状況が違って、景気回復している実感はまるでなくて、そしてまた、町中に全然人が歩いていないんですね。私の地元中心部は中核都市がありますから、人口はそこそこいるわけですが、まるで人が町を歩いていない。恐らく、全国の地方都市も同じような現状が起きているんだろうというふうに思います。
まさに私の地元と東京の景色が違うわけで、この景色の違い、大都会と地方都市の景色の差を埋めていくことが、我々政治家の仕事なんだろうと思います。
また、我々は政治家ですから、いろいろな各種団体から要望をいただきます。私の場合は、商工会議所、商工会、あるいは農業関係の方々から様々な要望書をいただきます。この要望書は、我々にとっても大切なんですね。なぜなら、そこには皆様方の切実な思いが詰まっているわけです。私がいただいた要望書で限って言うと、全ての要望書、一ページ目に同じことを書いています。円安で苦しんでいますと書いているわけです。そのことをやはり我々はしっかりと重く受け止めなければいけないんだろうと思います。
中小企業、小規模事業者の皆様方、あるいは農業をされている方はもちろんそうだと思いますが、円安によってコストが上がってしまったのになかなか価格転嫁できていないという状況があるわけでありまして、そのことは受け止めなければいけないと思いますし、また、これは私の地元のある経営者の方のお話なんですが、いわゆる円安によって、海外に法人を持っている大企業が外貨を稼いで、それを円換算したら収益がよくなっているように見えるのが今の日本の経済じゃないか、そういう厳しい意見もあるわけであります。
ここで質問でありますが、日本全体を見たら景気は緩やかな回復傾向ということでありますが、中小・小規模事業者だけの経済状況の分析、把握はされているんでしょうか。お答えをいただければと思います。
○林政府参考人 お答え申し上げます。
中小企業、小規模事業者は、我が国の雇用者の約七割、付加価値の約五割を占める重要な経済主体と認識しております。
お尋ねの月例経済報告では、マクロ経済全体の動向に加え、中小企業の業況判断や資金繰り、人手不足感、価格転嫁の状況など、様々なデータで実態把握に努めておりまして、月例経済報告の閣僚会議資料でも、度々焦点を当てて、分析をお示ししているところでございます。
例えば、中小企業の売上げや利益の八割超を占める非製造業では、宿泊、飲食などのサービス部門を中心に業況判断DIがバブル期以降最高水準となるなど業況は改善傾向にありますが、こうした中で人手不足感はバブル期を上回るほど高まっているということ、一方、製造業の業況につきましては、業況判断DIがいまだコロナ禍前の水準を回復していないなど、業種によって状況に違いが見られること、また、今年の春闘賃上げ率にも表れていますように、賃上げに積極的に取り組む企業もある一方で、価格転嫁などにいまだ課題が残っているところもあるということで、様々な角度から中小企業に焦点を当てた分析を月例経済報告の閣僚会議資料でお示ししているところでございます。
引き続き、中小企業の動向も含めまして、経済動向をきめ細かく把握できるようしっかり分析を進め、月例経済報告の閣僚会議資料でお示ししてまいりたいと思います。
○鳩山委員 御答弁ありがとうございました。
是非、中小・小規模事業者の皆様方の経済状況の分析をしっかりしていただきたいということと、大企業としっかりと比較をするということで、新たな経済政策、すべきことが見えてくるのではないかなと思うので、今後もよろしくお願いをしたいと思います。
また、答弁の中で賃上げについて触れられましたが、賃上げについても一言申し上げたいんです。これもまた私の地元の経営者の話なんですが、本当は賃上げする体力はまるでない、ただ、賃上げをしないと働いてくれる方がいないからやむなく賃上げをしているんだ、そういう厳しい声もありますので、是非そういった声にも心をとどめていただければというふうに思います。
次の質問に移ります。
私の地元は福岡県です。福岡県に関して言うと、福岡市の独り勝ちです。圧倒的な独り勝ちですから、福岡県全体の経済を見ると、景気判断を見ると多分いいと思います。ただ、それは数字上、福岡市が押し上げているだけであって、やはりほかの基礎自治体は実態はまるで違うということがあるわけであります。
そこで、私はつくづく思うんですが、やはり、人口規模に応じた自治体間の経済状況の分析、把握というのはしなければいけないと思います。つまり、政令指定都市のような大都会や中核都市、あるいはそれ以外の自治体間の経済状況の分析をして、また、その比較をしなければいけないんですが、そのようなことはされているのかどうか、お伺いをしたいと思います。
○林政府参考人 御指摘のとおり、地域ごとの経済状況をきめ細かく把握することは大変重要と考えております。
私ども内閣府経済財政分析部局では、例えば、毎月、景気に敏感な職場で働く方々に、景気の現状判断や先行きの判断などを尋ねます景気ウォッチャー調査を実施いたしまして、地域ごとの景気動向を迅速かつ的確に把握し、月例経済報告の閣僚会議においてもその分析結果をお示ししているところでございます。さらに、地域経済が抱える構造問題についても分析を行って、レポートを公表しているところでございます。
引き続き、地域ごとの経済状況につきましても、しっかりときめ細かく分析を進めてまいりたいと存じます。
○鳩山委員 御答弁ありがとうございます。
是非、きめ細かい分析をしていただいて、人口規模によって比較できるようにしていただきたいと思います。
先ほどの最初の質問でもそうでありますが、やはり、大企業とか大都会の数字が大き過ぎて、目に見えない部分があるのではないかというふうに私は危機意識を持っておりますので、これからも是非細かく分析をしてくださいますようにお願いをしたいと思っております。
もう一問、月例経済報告についてお伺いをします。
先月だったと思いますが、御説明に来ていただいたときに、最近、日本のホテルの宿泊料が高くなっているということでありまして、私も趣味で一休のサイトなんかをよく見るんですが、旅行に行った気分になるので見るんですが、本当に、都心部と観光地を中心に物すごい勢いで高騰しています。週末になると、かつての何倍の料金なんだという料金になっているわけでありますが、ホテルの宿泊料が高くなっている、高騰している要因について御説明いただければと思います。
○林政府参考人 委員御指摘のとおり、各種の物価指標を確認いたしますと、宿泊料は二〇二三年以降高い上昇率が続いてきております。
この背景としては、まず、需要面からは、コロナ禍からの経済社会活動の正常化に伴いまして、日本人の宿泊者と外国人の宿泊者が共に増加をしてきたという需要面の要因がございます。また、供給面につきましては、コロナ禍の影響を大きく受けました宿泊業における就業者数は、二〇一九年の水準をまだ回復しておりませんで、人手不足感が大変強い状態が続いている、こういう供給面の要因がございます。
こうした需給両面の要因から、企業へのヒアリングによりますと、宿泊事業者は、稼働率が上げられず、客室の単価を上げることによって収益を確保するという戦略を取っている場合もあると聞いているところでございます。
○鳩山委員 御答弁ありがとうございます。
今おっしゃられた要因、確かにあるんだと思いますが、私、ここで申し上げたいのは、やはりここまでホテルの金額が上がっているのは、間違いなくインバウンドの、海外の旅行客の皆様方の影響なのだろうと思います。円安でありますから、海外の方々は割安感がありますから、ホテルを利用していただけるということであります。
私がここで申し上げたいのは、これもいろいろな方々からいろいろな意見を聞くんですが、円安によって、そもそも日本人の方々が海外に行きにくくなっていますよね。その中で、海外に行きたいけれども円安で行けないから、では、国内旅行にしようかなと思ったら、国内旅行もインバウンドのせいでホテル料が高くなっていて断念した、そういった声を私はたくさん聞きます。
私、ここで申し上げたいのは、円安やインバウンドによって、もちろんインバウンドは大切だと思いますよ、ただ、その結果、日本人の方々が生活しにくくなってしまっているという現状もあるわけで、是非、これからもこの問題、注視していただきたいと思いますし、場合によっては何らかの手だてを我々は考えなければいけませんので、どうぞよろしくお願いをしたいと思います。
次に、子供、子育て政策について伺います。
私は、かつて、大川市という市の市長でした。大川市というのは、高速道路もなければ駅もない、交通弱者の自治体であって、交通弱者の自治体というのは本当に厳しいんですね。とりわけ、駅がないと若い方々が本当に離れていってしまうわけです。事実、大川は高速道路も駅もありませんから若い方々が離れていってしまう人口が多くて、私は市長として体験をしてきたわけであります。さらに、大川市の隣の町は駅があるので、そういった駅があるところは若い方々がたくさん移り住んでいるというのも目にしてきました。
そこで、当時、私が市長だったときはまだ保育料の無償化になっていませんでしたから、国基準より保育料を七割下げました。七〇%オフにしたわけであります、全て市の単費だったわけですが。その結果どうなったかというと、やはり大川市以外の近隣の自治体からたくさんの若い方々、子育て世代の方々が引っ越してきてくれたわけであります。更に申し上げると、妙な期待感からか、二年ほどは、新しく産まれる子供の数も増えたりもしたわけであります。
ところが、全国的に保育料を無償化にしたことによって大川市に何が起きたかというと、まさに逆の作用が働いてしまって、また若い方々が大川から離れていってしまっています。若い方がより都会に住みたいと思うのはごく当然のことでありまして、例えば大川の方でいうならば、コロナがありましたから、東京までは行かなくても、久留米に引っ越そうとか、あるいは福岡市に引っ越そうという方が増えてしまったわけですね。
なので、私が申し上げたいのは、保育料無償化というのは、若い世代の方々、子育て世代の方々に、より都会に引っ越そうというインセンティブを与えてしまっている側面が私はあろうかと思います。子供の数が少なくて厳しい自治体が、より厳しい状況に追い込まれているという現状があるのではないかというふうに私は思っております。
そこで質問でありますが、このような現状をどう捉えているのかということと、また、それに対して何らかの手だては考えられないのか、お伺いをしたいと思います。
○黒瀬政府参考人 お答え申し上げます。
幼児教育、保育の無償化でございますけれども、質の高い幼児教育、保育の機会の確保、負担軽減の観点ということで、令和元年から全国的に導入されたものでございますが、委員のお話を伺っておりまして、人口の流出を防ぐべく知恵を絞っておられて、また、努力を重ねてこられた自治体の現場におきましては、保育士が減少することもあるでしょうし、様々な影響が生じた事例もあったものというふうに改めて認識をさせていただきました。
こども家庭庁といたしましては、子供、子育て世帯がどの地域においても適切な子育て支援が受けられるように、保育人材の確保に向けてしっかりと取り組むということも必要かなというふうに考えてございます。
そのために、保育人材の確保に向けて、これまでも、例えば、養成校に通う学生への修学資金の貸付けですとか、受講料等の一部補助などを通じた資格の取得促進ですとか、また、潜在保育士の掘り起こしとして、保育士・保育所支援センターによるマッチングの支援等に取り組んできたところでございます。
また、令和六年度においては、さらに、伴走支援を行う保育士キャリアアドバイザーのようなものも配置をして、とにかく地域の子育てといったものが地域格差が生まれないように人材の確保をしていくということで、こども家庭庁なりの切り口で、我々としても精いっぱいのことをやっていきたいというふうに考えてございますが、いずれにしましても、こういう各地域における状況に意を配りながら、対応について考えてまいりたいというふうに考えてございます。
○鳩山委員 御答弁ありがとうございます。
是非、今後もよろしくお願いをしたいと思います。
次の質問ですが、地域区分についてお伺いをいたします。
全国で保育士の方が不足しているのと同様に、私の地元でも保育士が不足をしております。また、地域手当によって更に私の地元は苦しい思いをしているといいますか、私の選挙区の中核都市の久留米は地域手当がありませんが、隣の佐賀市は地域手当があります。その結果どうなるか、当然でありますが、久留米の保育士さんたちが佐賀市に流れてしまっております。少なくとも私自身は、久留米市と佐賀市で物価の差を感じたことがありません。
また、最近、ある保育園の園長さんから話を聞いたんですけれども、いわゆる人材派遣会社の方が、保育士が不足している保育園の足下を見て、物すごく高額な金額で保育士の方を派遣しているという話を聞きました。中抜きをする悪質な業者だということでありますが、こういうことが今現に起きております。
そこで、質問であります。このような地域の実情に見合ったどのような対策が考えられるか、御答弁いただければと思います。
○黒瀬政府参考人 お答え申し上げます。
子ども・子育て支援制度におきましては、公定価格の設定に当たりまして、民間の事業所の給与水準が地域によって差があることを反映するために、今御紹介ありました市町村ごとの地域区分というのを設けているところでございます。地域区分の設定におきましては、国家公務員ですとか地方公務員の地域手当の支給割合の地域区分に準拠をしているところでございます。
これの考え方でございますけれども、全国的な制度であります子ども・子育て支援制度の性格上、統一的、客観的なルールである必要があることですとか、あと、介護分野等の他の社会保障分野でも導入されている仕組みであることなどを踏まえて採用しているものでございます。
ただ、議員御指摘のように、隣接する地域との関係がございます。隣接する地域において公定価格の地域区分に差があることによりまして、地域区分が低い地域においては人材確保が困難になるといった声が我々の方にも多く寄せられているところでございます。
このため、これまでも、介護報酬等における取扱いも踏まえながら累次の補正ルールといったものの導入を行ってきてございますが、さらに、本年度予算におきましては、現在の補正ルール適用後の地域区分を前提に、さらに、隣接する地域の状況に基づく補正ルールといったものを新たに追加をしているところでございます。
今後とも、公務員の地域手当の区分の見直しの動向ですとか、他の、介護報酬等の仕組み等も踏まえながら、自治体や事業者団体の皆様の御意見も伺いながら、地域区分の在り方の検討ですとか保育士確保の取組を進めてまいりたいというふうに考えてございます。
○鳩山委員 御答弁ありがとうございます。
是非、今後も引き続きよろしくお願いをしたいと思います。
次に、クールジャパンについて、アウトバウンドについてお伺いをします。
私、初当選させていただいて七年ほどたっていると思うんですが、初めて委員会に立ったのが内閣委員会でした。七年前にも同じ質問をしたんですが、あれから七年たっていますので、もう一度同じ質問をさせていただければと思います。
私が市長だった大川市の話ばかりで恐縮ですが、大川市は家具の町であります。大川の若手の家具屋さんが東京の八芳園さんとコラボをして、大川はいわゆる木工の町でありますから、移動式茶室というのを造ったんですね。これはなかなか格好いいんですが、この移動式茶室を、私が市長だったときに、アメリカの音楽の祭典、グラミー賞に我々は持っていったんです。外のブースなんですが、持っていったときに、これは市の単費で、結構なお金がかかったんですね。
その後、私が国会議員になった後に、グラミー賞に持っていったというのもあったので、大川市に、今度はアカデミー賞が、外のブースに出せないかという話があったんですが、これが桁違いの金額を要求されて、市の単費でどうすることもできないから諦めたという話がありました。
そこで質問なんですが、このようなクールジャパンのアウトバウンド、海外展開をするに際して、どのような手当てがあるのか、支援策があるのか、お伺いをしたいと思います。
○奈須野政府参考人 お答え申し上げます。
ただいま委員から御紹介のあった移動式の茶室、これは日本の魅力を海外に発信していくための重要な取組の一つであると認識しております。
こうしたクールジャパンの関連分野ですけれども、コンテンツのアウトバウンド、海外展開としては二〇二二年で約四・七兆円、農林水産物、食品などの輸出額は二〇二三年で約一・五兆円というふうになっておりまして、アウトバウンドは非常に好調な状況にあります。
現在、アフターコロナということですので、クールジャパンの取組を更に推進していこうということで、新たなクールジャパン戦略の検討を今進めているところでございます。この新たなクールジャパン戦略についても、今御指摘のあったアウトバウンドの推進、日本の文化を、魅力を発信していくということを盛り込んで、引き続いて、日本ファンの拡大、ソフトパワーの強化に貢献してまいりたいと思っております。
○鳩山委員 時間が来ましたので、終わります。ありがとうございました。
○星野委員長 次に、山井和則君。
○山井委員 三十分間、質問をさせていただきます。
今日は、三つのテーマ、子ども・子育て支援金の医療保険別の負担額が昨日発表になりました、そのことと、今問題になっております紅こうじサプリの機能性表示食品、そして最後が、悪質ホストクラブの被害、そして海外売春の問題、これらについて、林官房長官そして松村国家公安委員長に質問させていただきたいと思います。
林官房長官におかれましては、機能性表示食品の質問が終わったら、お忙しいと思いますので、退席していただいて結構でございます。
まず、今日の配付資料にもございますが、昨日、子ども・子育て支援金の額が発表になりました。十七ページ。
私は、少し怒っているんですね。何でかといいますと、この予算委員会室で、林官房長官も聞いておられたと思いますが、二月上旬から、医療保険ごとの負担額を出してください、出してくださいと、私が予算委員会の筆頭理事で言い続けたのが二月ですからね。出てきたのが昨日ですから、二か月間出てこなかったわけです。
そして、先週の水曜日ですか、私が地・こ・デジ特に行って、出してくれ、出してくれないんだったら審議できませんよと言って、四十五分間、申し訳ありませんが暴れさせていただいて、やっと渋々出てきたということで、進んで出したんじゃないんですよね。
それで、林官房長官も、予算委員会で、負担額を医療保険ごとに出してください、出してください、これははっきり言ってもう何十回も言いましたよ、出せません、出せませんと言って、それで二か月遅れて出てきたんですけれども、実際、この額を見てみますと、ワンコイン五百円、ワンコイン五百円、安いですよと言っていたんですけれども、実際出てきたのは、例えば六百万円の方だったら、令和十年で被用者一人当たり千円。しかし、林官房長官、単なる千円じゃなくて、これは労使折半の千円ですから、事業主負担を入れると二千円なんですよ。
ということは、事業主の方は賃上げしたいと思っていたけれども、事業主負担が千円入ったら賃上げできなくなるから、実際問題としては千円じゃなくて、六百万円の年収の方も、被用者一人当たりの負担は二千円になる、年間二万四千円になるというふうに思うんです。
林官房長官、五百円と言っていたのが千円になって、事業主負担を入れると月二千円になって、四倍ですよね。年間になると、十二掛けたら二万四千円。これは子育て増税じゃないんですか。
○林国務大臣 現在、関係法案を国会で御審議をいただいておりますこの子ども・子育て支援金については、所管のこども家庭庁にお尋ねをいただければというふうに思いますが、その上で申し上げますと、今委員のお尋ねがあった、低く見せていたのではないか、そういうことだというふうに思いますが、保険料の額を医療保険制度ということで示す場合は、加入者一人当たりということを統一して示すことが一般的であるというふうに承知をしております。被用者保険の額の場合は、まさに個々人の拠出額が重要でありまして、事業主分は除いた額ということでございます。
したがって、被用者保険の加入者一人当たり平均月額五百円、これが変わったということではないということでありますし、当然、月額ということでお示しをしておりましたので、年額ということになれば十二倍、また、事業主の分を合わせればその二倍というのは、その部分については委員がおっしゃるとおりですが、加入者一人当たり月額ということで、平均を申し上げていたということではないかと思っております。
○山井委員 今、林官房長官、正直に答弁してくださったと思いますが、そうなんですよ。低く見せようとしていたんじゃないんですかということなんですね。月千円と五百円では全然違うし、もっと言えば、事業主負担を入れた二千円と五百円では四倍違うんですね。ということは、四分の一に小さく見せようとしていたんじゃないですかというふうに思うんです。
私は、不信感を持っているのは、やましくないんだったら、最初からこれを出していたらよかったんですよね。二か月出さずで昨日出したということは、もう来週採決したいとか言っているぐらいですから、言葉は悪いかもしれませんが、昨日までこれを出さなかったのは、増税隠しじゃないですか。
○林国務大臣 昨日、被用者保険の年収別の支援金の拠出額を機械的に試算したものをこども家庭庁の方で公表したというふうに承知をしております。
被用者保険の被保険者一人当たりの令和十年度の子ども・子育て支援金の拠出額は、二百万円で月三百五十円、四百万円で月六百五十円、年収六百万円の場合で月千円、年収八百万円の場合で月千三百五十円等となっておりまして、詳細はこども家庭庁にお尋ねいただければと思いますが、これまでも、被用者保険の加入者一人当たり平均月五百円という試算が変わったわけではないというふうに承知をしております。
なお、これはあくまで保険料ということでございます。
○山井委員 まさにそこがポイントなんですよ。つまり、試算そのものが変わっていないんだけれども、説明方法が、五百円から千円、千円から二千円にどんどんどんどん小出しで上がってきているんですよね。これは共働きだったら、事業主負担を入れたら月三千円ぐらいですよ。年間三万六千円ぐらいになるでしょう、共働きだったら。
冷静に考えて、子ども・子育て支援金の負担は幾らだろうかと考えたら、普通、赤ちゃんまで含めた頭割りって考えませんよ。私たちの家庭は幾らだろうかと考えるに当たり前じゃないですか。
ということは、わざと低く見せるために赤ちゃんまで入れて頭割りしておいて、二か月遅れて、野党から言われて渋々こういう計算を出してきた。このことに関して国民の皆さんは、あれっ、五百円と違うの、だまされていたんかという不信感を持っているんです。
五百円と言っていたものが千円、二千円と小出しに上がってくる、こういうやり方ということに関しては、やはり政府として不誠実だったという反省はございますか。
○林国務大臣 最初に、低く見せていたというふうに申し上げたのは、委員がそういうふうにおっしゃっているのではないかという、御質問だということで、私がそう思っているということではございませんので、改めて確認をしておきたいと思います。
まさに、医療保険制度全体の保険料額を示す場合は加入者一人当たりで統一して示すということが一般的でありますので、恐らくその場合にも、被用者保険の場合、倍になるでしょう、月額でありますから年額は十二倍になるでしょうというのは、別にそこを隠していたわけでも何でもなくて、やり取りの中で、ちょっと私も全部予算委員会にいたわけではありませんが、恐らくそういう議論もあったのではないかというふうに思っております。
○山井委員 やはり、政治の主役は国民なんですから、国民が、話違うやないか、何でそんな急に高くなっているの、最初五百円言うていたやん、こうなると、これは結果的には、やはりだましていた、不誠実であったということになりかねないと思います。
それでは、次のテーマに移ります。
紅こうじサプリについてですが、五人の方が亡くなられてしまっております。
これは、言いづらいんですけれども、アベノミクスの成長戦略の目玉なんですね。今日の配付資料の中にもございますが、成長戦略ということで、二〇一三年に安倍総理が成長戦略の目玉としてこれを発表をされました。配付資料十六ページですね。二〇一三年の六月、健康食品の機能性表示を解禁するということで、「成長戦略第三弾 首相の講演要旨」、こうなっております。
それで、私、ちょっとひっかかっておりますのは、やはりその中で、安倍総理が当時どうおっしゃったかということが、こちらの、三ページにも書いてありますけれども、詳しく言うと、こう発言されているんです、三ページ、皆さん。健康食品の機能性表示を解禁いたします、目指すのは世界並みではありません、むしろ世界最先端です、世界一企業が活躍しやすい国の実現、それが安倍内閣の基本方針です。
私も、成長戦略は必要だと思いますし、日本の経済力を高めねばなりません。その部分は、アベノミクスにも賛同する部分は当然私もあります。しかし、今回、五名の方がお亡くなりになってしまった。
それで、私も調べさせていただきました。四ページの左に、当時の経緯があるんですね。これは法改正なく始まったことでありまして、ここにありますように、規制改革会議や閣議決定でやったわけでありまして、結局、食品衛生法規則の一部改正などによって、法改正じゃなくてこれはやっているんですね、スピーディーに。そして、注目していただきたいのは、この下なんですよ、下の赤字の部分。検討に当たっては、アメリカのダイエタリーサプリメントの表示制度を参考にしたということなんです。
それで、私も調べました、ダイエタリーサプリメントというのはどういう制度なのかなと。そうしたら、私、驚いたことがあるんです。
なぜかというと、今回、健康被害が出てから報告までに二か月かかって、その間にもお亡くなりになられた方や症状が重篤化された方がいるんじゃないか、何で二か月遅れたんだというのが問題になっているんですよね。ところが、調べてみたら、配付資料九ページにありますように、アメリカのダイエタリーサプリメント法には、健康被害の報告義務が法律で入っているんですよ。モデルとしたアメリカのダイエタリーサプリメント法には報告義務が法律で入っているのに、それをモデルにしたのに、日本は法律で義務化されていなくて、単なるガイドラインなので、今回守られなかったんですよね。
官房長官、なぜ、モデルとした元々のアメリカの制度には入っているのに、十年前は入らなかったんですか。
もう一つ言います。
この資料を見てもらうと分かるように、実は、アメリカのダイエタリーサプリメント法というのは一九九四年にスタートしているんです。でも、二〇〇六年に法改正しているんですよ。当初は、健康被害報告は義務化になっていなかったんです。二〇〇六年、十二年後にわざわざ入れたんですよ。
これも、私、大学院で酵母菌やバイオの研究をしていましたので、こういうことは関心がありますので、理系ですので、調べました。こういう健康、安全性には私も非常に関心が、元研究者ですので、ありますので。
これについては、配付資料五ページの一番下。調べてみて驚いたのは、アメリカでは、このダイエタリーサプリメントに関する健康被害で百五人お亡くなりになった。これは大変だと。要は、報告をしないうちに人が亡くなった、ついては、健康被害になったらすぐに報告しなさいという報告義務を法律へ入れたんですよね。
ということは、これをモデルにするということは、この経緯ぐらい勉強しますよね、普通。私は一週間で勉強したわけですから、ここまで。
そうしたら、林官房長官、なぜ十年前、こういう経緯がある、最初は報告義務を入れていなくて、百五人が亡くなって大変だということで二〇〇六年に報告義務を入れたダイエタリーサプリメント法を参考に日本にしようと言ったのに、何で報告義務を日本では入れなかったんでしょうか。
○林国務大臣 まず、今回の事案に関連して、お亡くなりになった方と御遺族にお悔やみ申し上げるとともに、健康被害を受けられた方の一日も早い回復をお祈り申し上げます。
今お尋ねのありました機能性表示食品制度につきましては、消費者庁が所管しておりますので、消費者庁にお尋ねをいただければというふうに思いますが、その上で、あえてのお尋ねでございますので。
この機能性表示食品制度創設の検討を行った消費者庁の有識者検討会におきましては、健康被害等の情報収集、危険な商品の流通防止措置に関する対応方針、これについても議論が行われまして、健康被害に関する情報が得られた場合には、食品衛生法や消費者安全法に規定された報告ルート等によりまして、必要に応じて注意喚起、販売禁止等の措置が講じられるということがまずあって、それに加えて、企業等による健康被害等の情報収集体制、これを整備するということが適当である、こういう結論に至ったというふうに承知をしております。
これを踏まえまして、食品表示法に基づく食品表示基準におきまして、届出事項として、健康被害の情報収集体制が明記をされて、同基準の運用指針である届出ガイドラインにおきまして、健康被害が発生した際には速やかに行政機関への報告を求めることとした、そういうふうに承知をしております。
いずれにいたしましても、今回の事案を受けた機能性表示食品制度の今後の在り方等につきましては、五月末を目途に取りまとめるべく、消費者庁において検討を行っておるところでございます。
○山井委員 結論を言いますと、法的義務は入れなかった、法的拘束力のないガイドラインにとどめた、その結果、今回守られなくて、二か月も報告が遅れたということなんですね。
林官房長官、今、五月末までに取りまとめとおっしゃいましたけれども、やはりこれは一刻を争うと思うんです。なぜかというと、残念ながら五人の方が亡くなっているんです。
それで、私も心が痛んだのは、今日の新聞によりますと、五人の亡くなった方の中では、前立腺がんとか悪性リンパ腫とか高血圧、高脂血症、リウマチの既往歴があったとか、かなり弱った、病弱な高齢者が、わらにもすがるような思いでサプリメントを飲み続けられたのではないかと推察されるんですね。やはり、それに対して、これは言っちゃ悪いけれども、私も機能性表示食品を飲んだりすることはあります、正直言いまして。別に効果がないとは言いません、私も飲んだりしているから。ただ、全国の方々が、大丈夫かな、私、飲んでいるけれどもと、あるんですよ。
ついては、五月末までに改善策をまとめるということですけれども、もう一歩進んで、六月二十日、今国会中には改善策を実施する、質問通告していますが、実施すると。改善策が五月末に出てきて実施するのが秋では、それまで機能性表示食品、不安ですよ。これは、与党も野党も含めて、安全性は重要ですから、与野党協力しますので、是非、今国会中に改善策を実施するということをお約束いただけませんか。
○林国務大臣 健康被害情報の報告ルールの在り方、今御指摘もありましたが、この在り方を含めて、今回の事案を受けた機能性表示食品制度の今後の在り方につきましては、現在、消費者庁において、五月末までを目途に方向性を取りまとめるべく、スピード感を持って検討を行っているところでございます。
○山井委員 私がこの質問をこの場でするのは、まさに五月末までの取りまとめを指示されたのが林官房長官ですからね。取りまとめられても、国民からすると、安全性が確保される、実施されるのを待っているわけです。
それで、私、今回調べていてもう一つ不思議に思ったのは、十三ページを見てください。実は、報告義務がないということだけじゃなくて、アメリカのダイエタリーサプリメント法には、十三ページにありますように、GMP、標準製造基準というものが義務づけられているんですよ。GMPというものが、この十三ページにありますように、この表がありますよね。アメリカのサプリメント法は義務づけられているんですよ。
これも日本では義務づけられていなくて、今回、小林製薬はこのGMPの認証を受けていなかったんです。つまり、アメリカのサプリメント法をモデルにしたと言いながら、アメリカで入っている法的義務は入れませんでした。アメリカをモデルにしていると言いながら、アメリカでやっているGMPという標準製造基準は入れませんでした。つまり、アメリカより緩めているんですよ。
もっと言えば、こういう、届出だけで健康機能食品というのを名のれているのはアメリカと日本ぐらいで、ほかはやはり、何らかの審査が多くの先進国では入っているんですね。ということは、もしかしたら、アメリカと日本が届出だけで販売できる主な国で、そのアメリカよりはるかに緩いということは、日本の機能性表示食品というのは、いいものもありますよ、いいものもあるけれども、安全性というものでは先進国の中でも最も緩いというか、不十分なんじゃないかと思うんです。
それについては、今日の配付資料一枚目にありますように、一昨日、経団連会長も、この機能性表示食品のスピーディーな緩和に関しては、人の健康に関わる問題だから、もう少し厳しく慎重にやるべきだったと反省を口にしたというふうに報道されております。
林官房長官としても、五人の方が残念ながらお亡くなりになられて、報告が二か月も遅れて、おまけに調べてみたら、モデルとしたアメリカよりもはるかに緩い、安全性について弱い。繰り返し言いますが、私は、こういう健康産業は、私もバイオの研究者の一人として、エビデンスがあるものは推進すべきだと思いますよ、私の同級生はみんな健康産業とかで研究員になっていますからね。足を引っ張る気はないけれども、最低限の安全性というものは担保すべきだということで、やはり今回の機能性表示食品の解禁というのはちょっとスピーディーに行き過ぎだったんじゃないか、安全性への配慮がちょっと足りなかったんじゃないかという反省はありませんか。
○林国務大臣 まず、前段のお尋ねで、機能性表示食品の届出等に関するガイドラインでも、サプリメント形状の加工食品についてはGMP、グッド・マニュファクチャリング・プラクティスというものに基づく製造工程管理を強く推奨しているものと承知をしております。そして、経緯につきましては、先ほどお答えしたとおりでございます。
いずれにいたしましても、機能性表示食品の製造過程における安全性の担保の在り方、これも含めまして、今回の事案を受けた機能性表示食品制度の今後の在り方について、先ほど申し上げましたように、五月末までを目途に、消費者庁において、方向性を取りまとめるべく検討を行っているところでございます。
○山井委員 ですから、見直しにおいては、スピード感と安全性の確保です。今もおっしゃったように、GMP、適正製造基準が強く推奨されているけれども、裏返せば、義務化はされていないから小林製薬も取っていなかったから、今回の見直しにおいてはこれを義務化させるべきだと私たちは考えます。
繰り返し言いますが、安倍総理がおっしゃった、目指すは世界並みではありません、むしろ世界最先端です、世界で一番企業が活躍しやすい国の実現、これは一理ありますよ。やはり経済支援、私も重要だと思いますが、ただ、それによって、万が一、安全性が後回しになっていたのであれば、与野党協力して、私は今こそ見直すべきではないかと思います。
次に、話は飛びますが、悪質ホストクラブの問題について質問したいと思いますので、官房長官、お戻りください。松村国家公安委員長、お待たせして申し訳ありません。
悪質ホストクラブの被害者が非常に増えて、今は、残念ながら海外売春に送られてしまっている人も多いと。先日、厚労省も警察も頑張っていただいて四人の人身売買ブローカーが逮捕されて、その容疑者は二百人も海外売春をさせていて、その中でもやはり一つ多かったのが、ホストクラブで数百万円の借金を背負わされて、行かざるを得なかった。
私も、この調査、何回も歌舞伎町に、この半年間、足を運ばせてもらいましたけれども、海外売春に誘われたとか、行かざるを得なくなったとか、また、借金がかさんで自殺未遂して、ビルの六階から飛び降りたとか、もういろいろな被害者の声を聞いてきました。
それで、これはストレートに言って、だまされる女性が悪いでは済まない問題に私はなっているんじゃないかと思います。
そこで、松村国家公安委員長始め警察庁は、露木警察庁長官も歌舞伎町にも行っていただきまして、この間大変、全力で取り組んでいただいていることには強く感謝したいと思いますが、塩村議員が最初にこの問題を国会で取り上げられたときに、松村国家公安委員長は非常に重要な答弁をしてくださっているんですね、十七ページ。
つまり、初回は無料とかが多いんですよね、歌舞伎町では。ところが、二回、三回行くうちに、五十万のシャンペン、二百万のシャンペンを入れさせられる。それで、ちょっと私も言うのがはばかられるんですけれども、結局、十八、十九とか、若い女性の方が借金を背負わせても風俗や売春で稼ぎやすいからということで、お金のない若い女性が、一番高額なシャンパンとか、狙われて借金漬けにされてしまうという、本当にこれはとんでもない問題なんです。
そういう意味では、売掛金、つまり、支払い能力をはるかに超える法外な債務を女性客に負わせて、その結果、売春や風俗で働かざるを得なくなる、このようなことは、そもそも風俗営業法において問題ではないか。こういう悪質ホストクラブのビジネスモデルを規制すべきではないか。いかがですか。
○松村国務大臣 悪質なホストクラブの問題については、山井委員と問題意識を共有しているつもりでございます。
したがいまして、これまでも強力な捜査、調査を進めてきたところでございます。そういう意味では、長官に歌舞伎町の視察をやっていただいたのは、その本気度を示すという意味では非常に効果があったものと思っておりますが、引き続きその調査を進めているところでございます。
また、御指摘の、ホストクラブの利用客が、利用料金の売り掛けによる借金を背負いまして、その返済のために売春をするなどの行為については承知をいたしておりますし、これまでも悪質なホストの違反行為について取締りを強化、重ねてきたところでございます。
恐らく、風営法の法律を少し改正をして、いろいろなことができないかというような御提案だろうと思いますが、一般的に、飲食に係る料金が適正かどうかについては、やはりこれは個別具体の事情により決まるものと承知しておりまして、これを法律で一律に規制することは、慎重な検討を要するものと考えております。
したがいまして、今、あらゆる法律を駆使をいたしまして、違法行為に対する厳正な取締りを進めているところでもございます。
○山井委員 もちろん、警察庁さんが全力でやっていただいていることには感謝しますが、残念ながら、被害者は増え続けているんです。
昨日の晩も私のところにSOSがあって、十八歳ぐらいの女の子が、初回無料だからといって、キャッチというんですかね、これも違法の疑いが濃いんですけれども、ホストに引っ張られてホストクラブに連れ込まれている。お酒を飲まされるとかそういうことで、結局、ツケでいいよとか、それとか、入った途端にクレジットカードを取られて金を下ろさせられるとか、好きだよと言ってつき合って、同棲するとか言ったり、結婚しようとか言ったり、やはりやり方がちょっと危な過ぎるんです。
ついては、その被害者が、この十九ページにありますように、海外売春に今送られているんですよ。身の危険はあるかもしれないけれども、借金を四百万円もつくらされて、返せないから、もう行かざるを得ないと。海外売春に行った日本人女性が、殺されるとか監禁されるとか行方不明になるとか、犯罪に巻き込まれるのは、もうこれは時間の問題です。
さらに、御存じのように、海外の領事館からも、日本人女性はもう入れません、売春しに来る危険性があるから入れませんといって、これははっきり言って、私、日本の恥だと思いますよ。日本人女性が海外に行ったら、売春婦ですかと疑われる、これはもう先進国と言えないんじゃないかと思います。
こういう悪質ホストクラブの借金に端を発する海外売春、女性が悪いだけじゃなくて、女性は借金を背負わされているわけですから、厳しく厳しく取り締まるべきだと思います、摘発すべきだと思います。いかがですか。
○松村国務大臣 まず、警察におきましては、これまでも各種売春の事犯の取締りを推進をしてきているところでございます。
売春目的での海外渡航といったケースについても、警視庁におきまして、本年一月、邦人女性を海外で売春婦として稼働するように勧誘をした事実について、売春あっせんグループの三人の被疑者を職業安定法でまず検挙をしたほか、さらに、本年四月にも、海外への売春をあっせんする別のグループの四人の被疑者を検挙したところでもございます。
女性がこういった売春に至る背景につきましては様々なことが考えられるため、関係機関が連携して、まず女性の支援のための取組を行うことも必要と考えております。
また、売春のあっせんといったような犯罪の取締りに当たりましては、匿名・流動型犯罪グループ、いわゆるトクリュウ、こういったものが関与している可能性も視野に入れながら、法と証拠に基づき捜査を徹底をしているところでもございます。
引き続き、厳正な取締りが行われるように警察を指導してまいりたいと考えております。
○山井委員 歌舞伎町、立ちんぼと言ったら駄目なんだけれども、ホストの借金で立たされている、立たざるを得なく追い込まれている女性の方々が残念ながらおられますよ。海外の観光客が、観光名所になっていますよ。私、これは本当に恥ずかしいと思うんですよ。
繰り返し言います。女性が悪いで済まないですよ。それを放置している男性にも行政にも国会にも責任はありますよ。海外の人は笑っていると思いますよ。先進国なのに、日本ってこんなに売春がオープンなんだね、海外まで来ているんだねと。
是非、今もすばらしい努力で取り組んでくださっておりますが、それで、もう一点お聞きしたいんですが、結局、これは前払い制、前借りになっているというんですね。警視庁さん、警察庁さんが頑張ってくださったので、売り掛けは歌舞伎町では自粛しますとなっているんですけれども、今日の配付資料の十八ページ、「悪質ホスト問題、売掛廃止も「新手口」で被害減らず…スカウト暗躍「入店前に闇金で借りさせる」」。
この問題について取り組んでいただいております青少年を守る父母の連絡協議会の玄代表や田中さんがおっしゃっているのは、新たな手口、つまり、消費者金融や闇金で入店前に金を調達させる、クレジットカードを次々と作らせて限度額まで使わせる、また、既に持っているクレカで入店直後などに精算するなど、そういう手口で、売り掛けじゃないけれども前借りでやっているということで、もうちょっと読み上げますね、結局、五百万円や一千万円を前借りさせられるということです。二十代女性Aさんは、ホストから金をつくれる友達として男性Bを紹介されたとかですね。
こういうふうな悪質な前借りや前払いについても厳しく規制すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○松村国務大臣 まず、特定の行為が特定の犯罪に該当するか否かについては、これは個別具体的な事実関係に即して判断されるものであるため、一概にお答えすることは困難でございますが、しかしながら、その上で、委員の御指摘がございました新たな手口についても、違法行為が認められた場合には厳正に取り締まり、利用客の被害の防止に努めるよう、しっかりと警察を指導してまいりたいと考えております。
○山井委員 時間が来ました。終わります。
ありがとうございます。
○星野委員長 次に、庄子賢一君。
○庄子委員 公明党の庄子でございます。よろしくお願いいたします。
まず最初は、今政府の取り組んでおられる一丁目一番地、賃上げのことについてお尋ねをさせていただきます。
今月四日に連合が発表をいたしました春闘の中間集計によりますと、賃上げ率、これが五・二四%となっておりまして、三十三年ぶりの高水準、三百人未満の中小企業におきましても四・六九%という水準でございまして、この間、政府を挙げて取り組んでこられました賃上げについて、一定の成果が出ているというふうに評価ができると思います。
しかし、問題はここから、いよいよ本番でございまして、都市部ではない地方部、地方部の中小零細企業、ここに賃上げの波が波及できるかどうかということが一番大きな課題だというふうに思っております。
そこで、総務省は、労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針という指針を作っておられまして、この指針の周知と指針を踏まえた対応を地方公共団体に要請をしております。なぜ地方公共団体に国が要請しているかといえば、情報サービス業そして技術サービス業という二業種において、価格転嫁できていない発注者の上位三業種に、地方公務、これが入っているからでございます。
隗より始めよでありますので、総務省はもちろん、省庁を挙げて、労務費の適切な転嫁のための指針、これを地方公共団体へ周知をしていただくことはもちろんですけれども、地方部においては、地方公務というのは需要を生み出している大事なプレーヤーの一員でもありますので、賃上げにつながってまいりますように、この指針を確実に徹底をしていただきたいと思っておりますが、政府参考人の御答弁をお願いします。
○坂本政府参考人 お答えいたします。
中小企業の賃上げには適切な価格転嫁が不可欠でありまして、中でも転嫁が進みにくい労務費については、御指摘のとおり、労務費の適切な転嫁のための指針を徹底させていくことが重要であるというふうに認識をしております。
そのため、指針の公表後、速やかに各省所管の業界団体に対して指針の周知を行った上で、本年一月には、官房副長官をヘッドといたしまして、各業所管局長等から成る関係省庁連絡会議を立ち上げ、指針の徹底と取組状況のフォローアップを行っているところでございます。その中で、コストに占める労務費の割合が高い、転嫁率が低いといった、御指摘の地方公務を含む、特に対応が必要な二十二業種につきましては、重点的にフォローアップをしていきたいということで進めております。
先月開催をいたしました関係省庁連絡会議では、これら二十二業種における進捗状況について、各所管局長から御報告をいただいた上で、副長官より、指針を踏まえた自主行動計画の改定や新たな策定を六月末までに完了いただくこと、各業界で指針に沿った対応がなされているかについて、業界団体と連携をし、実態調査を実施し、価格転嫁の状況を把握した上で、不十分な場合には速やかに改善策を検討いただくことなどについて御指示をいただいたところでございます。
今後、六月中をめどに再度この関係省庁連絡会議を開催いたしまして、二十二業種を中心として各省庁の取組状況をフォローアップしていくこととしておりまして、引き続き、指針の徹底を図るべく取り組んでまいります。
○庄子委員 るる御答弁いただいたんですが、地方公務でいうと、国としてやっていただきたいことは、私は二点です。いわゆる人件費の実勢価格を踏まえた予定価格の編成、そして労務費の変化に対応した柔軟な契約変更、こうしたことをきちっと国と地方で連携を取りながら進めていっていただかないと地方部の賃上げにはつながっていかないというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。
今お聞きをした総務省の、この指針ですけれども、地方公共団体における取組状況につきまして、先月調査をしていただいておりまして、間もなくこの調査結果がまとまると伺っております。これは、調査のために調査をやったわけではなくて、課題があるかどうかを抽出して、課題を解決するための調査だと思っておりますが、この結果を今後どのように活用して展開をしていかれるか、伺います。
○山野政府参考人 お答えいたします。
総務省におきましては、昨年十一月に取りまとめられました労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針を踏まえまして、地方公共団体に本方針を踏まえた対応を要請したところでございます。
本指針に関する地方公共団体の取組状況でございますが、現在、フォローアップを実施しております。現時点で把握している情報では、二月までに、全ての都道府県において、市町村に対する指針の周知を行っております。
また、現在取りまとめ中でございますけれども、各地方公共団体におきましては、地域の実情に応じまして、まず、予算編成方針への労務費転嫁に係る取組方針の記載ですとか、あるいは地方版の政労使会議の開催、共同メッセージの採択、企業を対象とした価格交渉促進セミナーでの指針の周知、こういった取組が行われていると承知しております。
私ども、今後、フォローアップで把握した様々な取組をそれぞれ地方公共団体にフィードバックしまして横展開を図っていくとともに、把握しました取組状況を踏まえ必要な助言等を行うことで、地方公共団体において労務費が適切に価格転嫁されるよう取り組んでまいりたいと考えております。
○庄子委員 是非お願いをしたいと思います。
民間事業者は、例えば独占禁止法だったりあるいは下請法だったりということを根拠にして、実は価格転嫁に応じていない事業者は社名も公表されているという中でもありますので、必要な助言を行うとされておられますから、是非しっかりとした、また、地方公共団体がその助言にきちっと応じていただけますように指導をしていただきたいというふうに思っております。
今御答弁の中にもありました地方版政労使会議について触れさせていただきますが、昨年十一月のこの委員会におきまして、賃上げの流れを地方部の中小零細企業に波及をさせることが必要だということで、地方版政労使会議の活用について取り上げさせていただきました。宮崎厚生労働副大臣から前向きな御答弁をいただきまして、既に今年の三月末までに四十七都道府県全てで開催をしていただいておりまして、迅速な御対応に敬意を表したいというふうに思っております。
今回のこの地方版政労使会議の開催の意義そして成果についてお尋ねをさせていただきます。
○宮本政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘の地方版政労使会議につきましては、本年三月末までに全ての都道府県におきまして、賃金引上げに向けた取組などを主なテーマとして開催されたところでございます。
今般の地方版政労使会議におきましては、賃金引上げに向けました意見交換等がなされておりますが、可能な限り日程調整をしまして、宮崎副大臣が十一か所の会議に出席して、賃金引上げに向けました働きかけを直接実施したところでございます。また、半数を超える会議で知事が出席されたほか、九か所におきまして共同宣言の採択などがなされております。
さらに、地元紙を始めまして多くの報道機関に開催の様子などを報道いただきまして、その結果、地域におけます賃金引上げに向けました機運の醸成が図られたものと考えてございます。
○庄子委員 今御答弁をいただいた共同宣言のようなものは、今日、資料をお配りをさせていただいておりますが、九県でいわゆるメッセージ、共同声明のようなものを発出していただいておりまして、ここには大分県と滋賀県のものを用意をさせていただいております。
大分県のメッセージでは、いわゆるデフレ脱却、物価上昇を上回る構造的賃上げ、労務費の価格転嫁対策等を、知事始め関係者の実名でこうして共同声明を出していただいております。
機運の醸成という機能だけでなくて、こうしたことを通じて、いわゆる責任を持って地方の賃上げをやっていくんだという、いわゆる後戻りができない、そういう体制を組んでいただいているというのは非常に意味があると思っておりまして、そういう意味では、この地方版政労使会議、是非、今回は賃上げをテーマにやりましたが、一過性で終わらずに、今後も、こうした共同宣言のようなものを積極的に展開をしていただくという意味でも継続的な開催をお願いをしたいと思っておりますが、いかがでしょうか。
○宮本政府参考人 お答え申し上げます。
賃上げは現下の最重要課題の一つでありまして、東京や大企業だけでなく、地方や中小企業におきましても実現することが重要でございます。
今般の地方版政労使会議の開催は、地方や中小企業におけます賃金引上げの機運醸成に資するものとなったと考えてございます。今年度も、この会議の場を活用するなど、関係省庁とも協力の上、地方や中小企業を含めた我が国全体の賃金の引上げに向けた取組を行ってまいりたいと考えてございます。
○庄子委員 どうぞよろしくお願いします。
二点目は、オンラインカジノについてでございます。
二月のこの内閣委員会でも、松村国家公安委員長とやり取りをさせていただきました。言うまでもなく、ネット上でお金を賭けて行うギャンブルでございまして、ルーレット、スロット、バカラ、ポーカー、様々なギャンブルがスマホ一個あれば誰でもできてしまうというのがオンラインカジノの深刻な問題でございます。
改めてお尋ねをいたしますが、国におけるオンラインカジノの全体像の把握について、利用実態あるいはアクセス数の推移などについてお示しをいただきたいと思います。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
警察では、いわゆるオンラインカジノに係る賭博事犯について取締りを強化しており、その検挙状況につきましては、令和四年、十件、五十九人、令和五年、十三件、百七人を検挙し、このうち無店舗型のものでは、令和四年、一件、一人、令和五年、五件、三十二人となっております。
御質問の利用実態等につきましては、現時点、警察として把握しているわけではございませんが、本年度予算によりオンラインカジノの実態把握のための調査研究を行うこととしております。
以上でございます。
○庄子委員 把握がなかなかできないというのは、今の御答弁のとおりです。
したがって、把握ができないのであれば、やはり、入口を狭めていく、そういった努力が必要だというふうに思っておりますが、今、例えばグーグルでオンラインカジノと検索をしますと、日本語でお勧めのオンラインカジノランキングというのが出てきます。ここには、オンラインカジノを合法としている国のライセンスを得ているので、これは合法ですということが堂々と宣伝文句でうたってあって、賭博行為に誘い込もうというふうにしています。
こうしたネット上での発信、配信を取り締まるということについてはできないんでしょうか。
○松村国務大臣 御指摘のようなネット上の発信をするものにつきましては、その内容、方法が様々でございますので一概にお答えすることは困難でございますが、個別具体の事実関係に即しまして、賭博事犯の共犯となるものなど、刑事事件として取り上げるべきものについては取り締まることといたしております。
こうした中、昨年九月には千葉県警察において、また本年二月には茨城県警察において、オンラインカジノで賭博をしていた状況を動画配信をしていた者を検挙をしているところでございます。こうした取組が引き続き進められるよう警察を指導してまいりたいと思っております。
○庄子委員 そもそも、オンラインカジノが賭博行為で違法だ、犯罪だということを知らない方々が本当に多い。あるメディア、これは民放テレビですけれども、が行った調査によれば、二十代、三十代の若者のうち、オンラインカジノが違法だと知らなかったと答えている人が七割に上っております。これは本当に何とかしていかなければいけない問題だと思っておりますので、今お答えをいただいたことを着実にお進めをいただきたいと思っております。
さっき申し上げたように、なかなか実態把握ができていないので、オンラインカジノに入っていく入口をきちっと狭くしていくということが大事だと思っているんですね。スマホ一個あれば、いつでも、誰でも、いわゆる賭博行為をできるネット環境がありますので、そういう意味でいうと、犯罪行為の入口をいつも自分のポケットに入れて持ち歩いている状況という言い方もできると思っていまして、これでは増える一方だと思うんですね。
捜査機関の努力だけではなくて、例えばスマホや端末に何らかのブロッキング機能、こうしたものも設けていくことを検討いただけないかなと思っておりますが、いかがでしょうか。
○木村政府参考人 お答え申し上げます。
オンラインカジノサイトへのブロッキングを行うためには、電気通信事業者がユーザーが閲覧しようとする先を検知をしまして、通信を遮断する必要がありますけれども、これは、憲法第二十一条第二項の規定を受けて電気通信事業法に規定されております通信の秘密の保護、これを侵す行為を行うものと考えられます。
また、ブロッキングについては、ユーザー側の操作で回避できる手段が複数あるなど、その実効性に関する指摘もあるところでございます。
オンラインカジノサイトへのブロッキングを行うことにつきましては、こうしたことを踏まえまして、保護される法益と考量し慎重に検討すべきと考えているところでございます。
一方で、総務省としましても、オンラインカジノに係る問題、これは認識しているところでございます。例えば、通信関係団体によります違法・有害情報への対応等に関する契約約款モデル条項というのがございますが、これの策定を支援するなどの対策を従来より講じてきているところでございます。
具体的には、このモデル条項におきまして、賭博を行うためのサイトの開設、これのみならず、オンラインカジノの広告の表示だとかオンラインカジノを紹介するサイトの開設、こういった行為も禁止事項に当たることが昨年六月に明記されたところでございます。
総務省としましては、引き続き、各事業者に対しましてこのモデル条項を踏まえて適切な対応を取るように促すとともに、警察庁など関係府省庁とも連携をしまして、ブロッキング以外の方策も含めまして必要な対策を検討してまいりたいと考えております。
○庄子委員 是非検討を急いでいただきたいと思います。
十八歳未満の子供については、これはこども家庭庁さんが所管ですけれども、青少年インターネット環境整備法があって、保護者がフィルタリングを外すということを認めない限りフィルタリングがかかる、そういう仕組みもありますから、是非検討を急いでいただきたいというふうに思います。
最後の質問ですけれども、二月の委員会の質問で、決済代行業者の存在を指摘をさせていただきまして、取締りの強化を訴えました。政府参考人からは、その実態解明を図って、厳正な取締りについて警察を指導するという答弁がありましたが、そこで二点伺います。
決済代行業者の実態について把握をしていらっしゃるかどうか。それからもう一つは、警察ではマンパワーが足りません。捜査にはおのずと限界もあります。問題の深刻さから体制の強化を求めておきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○松村国務大臣 オンラインカジノの決済システムに関しまして、例えば、先般検挙をした事件におきましては、オンラインカジノの決済システムを運用していた者が、口座を用意をいたしまして客から賭け金の送金を受ける、あるいは、複数の客から送金された賭け金を当該口座から更に別の口座に送金するなど、頻繁に賭け金の移動が行われていることが明らかになっております。
警察におきましては、オンラインカジノ賭博事犯を、市民から匿名により犯罪に関する情報の提供を受ける匿名通報ダイヤルの対象として情報収集を図りつつ、厳正な取締りを推進しているところでございます。
また、消費者庁と作成をいたしましたポスターで広報啓発を行ったり、今年度予算におきましては、オンライン上の賭博に興味を持っている者に対してSNSを活用した広報や啓発を行うこととするなど、オンラインカジノを利用させないための取組に努めているところでございます。
引き続き、こうした取組が進められるよう警察を指導してまいりたいと思っております。
○庄子委員 終わります。ありがとうございました。
○星野委員長 次に、逢坂誠二君。
○逢坂委員 逢坂誠二でございます。
今日の私の質問の目的は、ただ一つです。農水省の職員減らすな、農水省の職員増やせということであります。
御案内のとおり、日本の食料自給率三八%、非常に低い、これは多くの人が知っていることだと思います。しかも、この食料自給率の低さ、三八%は、牛や豚などの飼料、餌がほぼ輸入に頼っているということを前提にして三八%。
ところが、一方で、日本の農業、ほぼ一〇〇%、化学肥料に頼っています。有機農業というのは、一%に満たないぐらいの量しかありません。ところが、この日本の農業を支える化学肥料の原材料、窒素、リン酸、カリ、これは窒素のごく一部を除いてほぼ一〇〇%輸入というような状態です。
だから、日本の食料というのは極めて脆弱な基盤の上に成り立っているということです。
加えて、日本の農業従事者の平均年齢、これは六十八歳です。六十八歳ということですから、十年たてば平均年齢が七十八歳になるということで、もう農業は日本は瀕死の状態だというふうに思います。
政治の役割は、国民の命と暮らしを守ることです。だから、食料を確保するというのは政治の最も大きな役割の一つだというふうに思うのですが、今の日本の食料事情は、数字を見ただけでも瀕死の状態だということが分かるわけです。この中で、農水省の予算もどんどん減ってきているし、農水省の職員がどんどん減っている。これは私は異常だというふうに思うんですね。
そこで、まず内閣人事局にお伺いしますけれども、今の日本の公務員数、国家公務員を含めて、これは適正なのか。というのは、最近は自然災害も非常に多いですし、それから、加えて感染症もありました。こういう状況の中で、この公務員数で大丈夫なのかというところを一点お伺いします。
○阪本政府参考人 お答え申し上げます。
国家公務員の定員につきましては、御指摘のような、頻発する自然災害への対応、あるいは新型コロナウイルスへの対応、経済安全保障への対応、サイバーセキュリティーの確保、あるいは訪日外国人への対応などの課題に適切に対処するため、所要の増員を行ってきております。
この結果、国家公務員の定員は近年純増となっているところでございまして、引き続き、時々の行政需要に的確に対応するため、所要の定員を措置してまいる所存であります。
○逢坂委員 適切なのかどうかというのは、なかなか簡単に言えないというところもあろうかと思いますけれども。
それでは、次、諸外国の人口千人当たりの公的部門の職員数、それをどのように認識しているでしょうか。具体的には、例えば、もし分かれば、フランス、イギリス、ドイツ、アメリカ、日本、この比較をお願いします。
○阪本政府参考人 お答え申し上げます。
国家公務員数の国際比較でございますが、国家公務員の範囲や定義が各国で少しずつ異なりますので、様々な比較の結果がございます。
当局で一定の整理の下で調査した結果で見ますと、国の公務に携わる中央政府と政府企業等の職員の合計を二〇二〇年から二〇二一年時点で見ますと、人口千人当たりで、フランスは四十二・七人、英国は四十四・九人、ドイツは十・七人、米国は六・三人、そして我が国は八・三人となっております。
○逢坂委員 公的部門の範囲というのはそれぞれの国で違っているから簡単に比較はしづらいところはあるけれども、一定の仮定を置いて比較したら、フランスが四十人台、一番少ない日本は八人台ということであります。だから、公的部門の職員数が極めて少ないのが日本だ、少ない人数で公務員が頑張っているというのが今の話だというふうに思います。
そういう意味でいいますと、日本の公務員というのは少ない、それがまず基本認識として必要なのではないかというふうに私は思っています。
そこで、今日の本題の農水省ですけれども、お手元に資料を配っております。それを見ていただければ一目瞭然なんですが、農水省は予算もこの間ずっと目減り、それから、それに比例する形で農地面積もどんどん下がっている、こういう状態になっているわけです。
農水省、何でこんなことになっているんですか。
○杉中政府参考人 お答えいたします。
まず、農林水産関係予算でございますけれども、昭和五十七年度の三兆七千十億円をピークに、増減を繰り返しながら、ほぼ横ばいで推移しておりますけれども、平成十三年度から平成二十四年度までの間、主に公共事業費の抑制などにより減少傾向で推移し、平成二十四年度には最も低い二兆千七百二十七億円となりました。一方、平成二十五年度から現在までは二兆二千億円台から二兆三千億円台までの間をほぼ横ばいで推移しておりまして、担い手への農地集積や輸出促進など、その時々の農林水産行政の課題に重点的に対応する予算を確保してきたと考えております。
一方、農地面積につきましては、昭和三十六年の六百八万六千ヘクタールをピークに減少を続けておりまして、令和五年度時点で四百二十九万七千ヘクタールとなり、ピーク時から約三割減少しております。その主な原因といたしましては、宅地や工場等の建設に伴う農地転用、また、高齢化や労働力不足などによる荒廃農地の発生によるものと考えております。
○逢坂委員 農水省の予算もどんどん減っている、それに合わせてということかどうかは必ずしも因果関係は十分ではないかもしれませんけれども、農地面積も減っていると。
農水省の予算が減っている主な理由、公共事業、農業基盤整備などの予算が減っているからだという説明でありますけれども、農業基盤整備の予算が減っている分、今度は別のところへやはり振り向けるということが必要だったのではないか。そのことが何にも行われていないというのは、私は少し異常な姿だなというふうに思っています。
そこで、次、農水省の職員の推移はどのようになっているでしょうか。
○杉中政府参考人 お答えいたします。
事前に委員の御指摘のあった二〇一四年度と二〇二四年度の比較をさせていただきますけれども、二〇一四年度末の定員数は二万二千三百七十九人、二〇二四年度末の定員数は一万九千五百八十三人となっておりまして、二〇二四年度末定員数は二〇一四年度と比べて二千七百九十六人減少しているところでございます。
○逢坂委員 引き続いて農水省にお伺いしますけれども、こんなに人員が減っている理由、農水省は、人数が少なくて大丈夫だということで考えているんでしょうか。それとも、何かほかに理由があって人員が減っているのか。この点、いかがですか。
○杉中政府参考人 お答えいたします。
定員数が減った理由でございますけれども、農林水産省における職員定員数につきましては、二〇一五年度以降、五年ごとに策定された定員合理化計画において示された数の定員削減を実施しつつ、農林水産行政をめぐる新たな課題に対応するため、毎年度定員要求において、政府全体のルールの下で新規増員を図ってきたところでございます。この結果としまして、毎年度、新規増員数が削減数を下回る状況が続いてきたため、定員数の減少が続いております。
また、今後のことでございますけれども、現在、食料・農業・農村基本法の改正案というのを国会で御議論いただいておりますけれども、その成立を見れば、政府として、新しい食料・農業・農村基本計画を策定して、施策の具体化を進めると。こういった施策を実施するためには、施策の推進力の原因となる定員をしっかり確保することが必要だというふうに考えております。
○逢坂委員 農水省に引き続きお伺いするんですが、定員合理化計画の目標数に沿って減員をしてきた、増員要求をした、でも、増員要求したけれども結果としてマイナスになっていると。これは、増員要求した分が認められていない、そういう意味合いなんでしょうか。
○杉中政府参考人 お答えいたします。
増員要求につきましても、新しい政策課題、例えば、農林水産物の輸出拡大であるとか、環境と調和した、みどりの食料戦略の推進、また、水産関係ですと漁業の資源管理といった分野については要求をさせていただいておりまして、その分野についてはお認めいただいて増員も認められているというところで、農水省としては、必要な増員要求は行っているというふうに考えています。
○逢坂委員 ちょっと語尾がはっきりしなくてよく分からなかったんですけれども。
それでは、今度、内閣人事局にお伺いします。
農水省の人員をこんなに減らしている理由というのは何なんですか。他省庁に比べても突出しているんですよね。これほど一次産業が危機的な状況にあって、力を入れなきゃいけないという分野だと思うんですよ。何で農水省だけこんなに突出して減っているんですか。
○阪本政府参考人 お答え申し上げます。
農水省あるいは省全体の定員の増減というものは、あくまで個別の業務あるいは各部局に措置されました定員の積み上げの結果でございますので、例えば、省全体として純増となっていても、部局単位で見ると純減となっている、そういった場合もございますので、なかなか一概に説明は難しいのですが、少なくとも、農林水産省におきましても、近年では、本省、林野庁、水産庁の内部部局、あるいは植物防疫所、動物検疫所、漁業調整事務所などの部局は純増としてきております。
まさに、先ほども御説明ありましたが、食料安全保障の強化、あるいは水際検疫、国内防疫の強化、漁業取締りなど、農林水産行政が直面する課題への対応に必要な体制は増員措置を行ってきているところでございまして、今後とも、こういった個別の業務あるいは各部局における行政需要の動向などを踏まえながら所要の措置をしてまいりたいと考えております。
○逢坂委員 では、農水省、改めてお伺いします。
結果として、農水省の人員というのはずっと減っているわけですよ。こんな状況の中で本当に一次産業を守れるのか。新しい食料・農業・農村基本計画、これもできるわけですけれども、人員、これで本当に大丈夫か、ちゃんと守れるのか。その点、いかがですか。
○杉中政府参考人 お答えいたします。
先ほども御答弁させていただきましたけれども、新しい基本法に基づく基本計画、それの具体化をするための施策を推進するためには、推進の原動力となる定員をしっかりと確保することが重要だというふうに考えております。
農水省としては、新しい政策課題に係る行政需要を内閣人事局に対してしっかりと説明して、将来の業務運営に必要な定員の確保に努めてまいりたいと考えております。
○逢坂委員 内閣人事局に対して、しっかり必要な人員をお願いするということでありますけれども。
内閣人事局にちょっとお願いしたいんですけれども、二〇二五年からまた新しい定員合理化計画、これを策定するというふうに承知をしておりますけれども、定員合理化計画の方は減員一方、マイナス計画、でも各省からの増員計画、増員要求が出るわけですね。農水省の今置かれている状況を見ると、私は、これ以上減らしてしまうとモチベーションは下がるし、実際に取り組む仕事もうまくいかないし、ますます食料自給率の確保、食料の確保にマイナスになると思うんですよ。だから、減員一方、減員だけというのは内閣人事局はやめるべきなんじゃないですか。いかがですか。
○阪本政府参考人 お答え申し上げます。
内閣人事局におきましては、委員御指摘のとおり、現在、各府省における業務の見直し、あるいはデジタル技術の活用などの状況を踏まえながら、二〇二五年からの五年間の定員合理化計画の在り方につきまして検討を行っております。
そして、まさにこういった合理化の計画的な推進のほか、政府の定員管理におきましては、時々の行政需要を踏まえた毎年度の増員措置というものも行ってきておりまして、農林水産省につきましても、業務別に見ますと、この二年間だけで、食料安全保障の強化のために百人以上、そのほか、みどりの食料システム戦略の推進、農林水産物等の輸出促進などの課題にも、これらも合わせますと二百人以上の増員を、しかも、これは本省のみならず、出先機関も含めまして措置をしてきております。
そういった増員措置につきましても引き続きしっかりやっていきたいと思っておりますし、さらに、近年では、例えば育児、介護などの事情のある職員が安んじて休暇を取ることができるようにする、あるいは、国家公務員の超過勤務の縮減のための定員、そういったための定員につきましても措置をするということをやってきております。
今後とも、各府省の現場の実情あるいは政策課題を丁寧に伺いながら、そしてまた御要求を踏まえながら、こうした取組を進めてまいりたいと思っております。
○逢坂委員 私は田舎の生まれ育ちです。私の餓鬼の頃は、私の周囲にも国の職員がたくさんいました。そして、常に農地を回り、水田を回り、農家の皆さんとコミュニケーションを取って、地域の実情をきちっと把握していたというふうに思います。残念ながら、私が出身している町には、今、国の農水の職員は誰もおりません。全く農家の方とも接点がないというのが今の実態だというふうに思うんですね。
日本の人口減少、昨年の一月四日に岸田総理が異次元の少子化対策ということを言って、人口減少に何とかという、やっと腰が動き始めたわけですけれども、日本の人口減少、しばらくはもう止まりません。なぜか。出産適齢年齢の女性の数が少ないから、どんなに合計特殊出生率を上げても人口は増えないわけです。
だから、農水省もそういう悪循環に陥ってはまずいと私は思うんですね。それを支えるのはやはり人だと思うんですよ。とにかく減らす一方だ、合理化一方だということでは食料も確保できない。したがって、農水省の職員をもうこれ以上減らすべきではないと改めて思うんですけれども、農水省、まずいかがですか。
○杉中政府参考人 お答えいたします。
議員おっしゃるように、世界の食料需給をめぐる情勢等は大きく変わっておりまして、また、農村部では特に高齢化が進んでおりますので、今後、著しい人口減少、これは農村だけで、農業従事者も急速に減っていくという中で、食料の安定供給を図っていく。そういうためには、御指摘のように、現場と密接に強い関係を構築できる職員というのをしっかり配置して確保していくというのは重要だと我々も考えておりますので、繰り返しになりますけれども、こういった食料をめぐる情勢が大きく変わっている中で、必要な施策を行っていく。そのための定員をしっかりと要求をして、内閣人事局に対しても、こういった行政需要をしっかりと説明をして、定員の確保に努めてまいりたいと考えています。
○逢坂委員 内閣人事局の皆さん、今、食料を確保するというのは、国内だけ見ていればいいということではないことは十分お分かりだと思います。日本は、トウモロコシや大豆もたくさん輸入しております。こういう輸入に配慮するという人材も必要です。
それから、先ほど私が冒頭に言ったとおり、肥料の原料、これの輸入も、国際情勢が変わって、もう大変な状況になっています。以前は、日本は、カリだったと思いますけれども、ロシア、ベラルーシからも輸入しているんですね。さすがに今、ロシア、ベラルーシからは輸入できない。それから、中国の肥料の輸出は、出荷調整という、検査を強化するということで、日本に対する輸出のスピードがちょっと落ちてきています。だから、今度は、輸入先を多角化するということで、海外にも職員が出ていかなきゃいけないんです。
そういうことを考えると、これ以上農水省の職員を減らすべきではない、そう思うんですけれども、内閣人事局、いかがですか。
○阪本政府参考人 お答え申し上げます。
まさに御指摘いただきましたような課題に直面していることは承知しております。
さらには、現在進められております食料・農業・農村基本法の見直し、そういったものも踏まえまして、農林水産省におきます新たな行政ニーズ、あるいは各種の課題などに的確に対応していくことができますよう、農林水産省さんからの要求も踏まえながら適切に対応してまいりたいと考えております。
○逢坂委員 日本の食料を守るために、これ以上農水省の職員を減らすべきではない、そのことを申し上げて、終わりたいと思います。
ありがとうございます。
○星野委員長 次に、櫻井周君。
○櫻井委員 立憲民主党の櫻井周です。
本日も、内閣委員会におきまして質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
本日は、開幕まで一年ちょっとというふうに迫ってまいりました大阪万博について、様々な課題がございますので、質問させていただきます。
まず最初に、会場の建設工事に関連することについてお伺いをいたします。
会場の建設現場におきまして、三月二十八日、可燃性ガスによる爆発事故が発生しました。メタンガスによるリスクは、昨年十一月二十九日の参議院予算委員会において、福島みずほ議員が指摘をしました。これに対して、自見大臣は、「今後工事に伴いましてメタンガスが発生した場合には、施工者が直ちに必要な対策を行う」、このように答弁されています。ですが、メタンガス爆発が起きてしまいました。
やはり、これは必要な対策ができていなかったということなんでしょうか。今後の工事の安全はどのように確保するのかと併せてお答えをお願いいたします。
○自見国務大臣 お答えいたします。
事故のございました、西側の外縁に位置しております夢洲一区では、昭和五十二年から埋立てをしておりまして、万博開催が決定されるまでは、大阪市等により設立をされました大阪広域環境施設組合が、廃棄物の処理及び清掃に関する法律等に基づき、発生ガスを配管施設から大気放散するなどの管理を行ってきたところでございます。
その後、夢洲一区の管理を引き継いだ博覧会協会が、廃棄物の処理及び清掃に関する法律等に基づく大気放散に加えまして、二〇一一年に大阪湾広域臨海環境整備センターが、有識者から成る暫定土地利用に係る環境安全対策検討会で取りまとめられた安全対策に従い、施工時に、火器を使用する場合の通気そして送気による対策を行うということ、また、建築物を設置する場合の床下へのシートの設置やガス抜き管を設置することといった対策を行うこととしてございます。
こうした対策を踏まえまして、昨年十一月の国会での審議においても、万博の開催時に危険はないものと考えているとの答弁をさせていただいたところでございます。
今回の事故を踏まえまして、事故原因の究明と再発防止等の検討を進めているところでございます。先週、今回の事故を受けまして、消防や労基署による現場検証が行われたところであります。この消防等の見解も踏まえ、施工事業者及び博覧会協会において再発防止策を取りまとめ、また、協会が安全を確保した上で工事を再開していきたいという旨は聞いているところでございます。
私からは、本件、非常に労働者の安全という意味もありますので、工事の再開の前に改めて専門家にも安全性の担保を確認いただくよう指示をしたところでございます。検討が終わった段階で、皆様の御不安が強い部分でございますので、博覧会協会からしっかりと説明を行わせる予定でございます。
○櫻井委員 この地域、淀川のしゅんせつ土、つまりヘドロみたいなものを埋めている。ですから、それが発酵してメタンガスが発生するというのは前から分かっていたことですし、一方で、それ以外のいろいろな有害物質も含まれているところなので、万博の開催に当たっては、表面をコンクリート等で固めて、地中に埋まっている有害物質が表に出てこないようにするという対策を取るやに聞いています。
ということは、表面をコンクリートで固めちゃったら、ますます下にガスがたまってしまう。それをどこか亀裂が入ったときにそこからぴゅっと出てくるかもしれないということで、今後ますますリスクは高まってしまうのではないのか。また、そういったガスを抜こうとすると、一緒に有害物質も出てきてしまうかもしれない。これはなかなか大変な問題だと思います。課題山積だと思いますので、しっかり安全性にくれぐれも配慮、安全第一でお願いしたいと思います。
続きまして、ちょっと通告している質問の順番を入れ替えまして、経済効果についてお尋ねをいたします。
経済産業省では、三月に経済波及効果について試算をまとめたというふうに承知をしております。経済波及効果を日本全体で検討するためには、大阪以外の観光地の観光客、例えば修学旅行客を大阪万博が奪っているケース、いわゆるカニバリズムというふうに言われたりもしますが、これを考慮する必要があると考えますが、政府の試算、今回二・九兆円の経済波及効果があるということなんですが、これにおいては、こうしたカニバリズムは考慮されているんでしょうか。
○上月副大臣 お答え申し上げます。
政府の試算は、設備投資や入場者による消費等の直接の需要創出額を基に、各経済主体への波及効果を分析し、その総額を算出したものであります。したがいまして、試算に当たりまして、委員御指摘のような点につきましては考慮はされておりません。
一方で、例えば、大阪・関西万博を契機として来日される方々が、大阪や関西エリアのみならず、他の日本国内、全国へ訪問することでインバウンド消費が増加するといった、試算には反映されていないプラスの要素も考えられるところであります。
○櫻井委員 あと、この経済波及効果、二・九兆円の効果のうち、来場者の消費による効果は一・四兆円と見込まれているというふうに記載されておりました。来場者が二千八百二十万人を大幅に下回れば、経済波及効果もその分試算より減少するということでよろしいでしょうか。
○上月副大臣 お答え申し上げます。
経済波及効果への期待のみが万博を開催する主な目的ではございませんけれども、国費も措置しながら進めている公的な事業でありますため、万博の経済的な影響を経産省としても試算しているところであります。
本年三月に発表した試算におけます来場者消費による効果は一・三七兆円であります。これは、来場者による消費が各経済主体へ及ぼす波及効果を分析し、その総額を算出したものでございます。試算の性質上、インプットする数値に変更があれば試算結果は当然変化するわけでありますので、例えば、入場者数の見込みが多くなれば経済波及効果は大きくなりますし、入場者数の見込みが小さくなれば経済波及効果は小さくなるものであります。
万博の開催につきましては、経済波及効果の数値だけにとらわれるのではなくて、世界の英知を結集し、未来を担う子供たちを含め、世界中から来訪する様々な人たちが刺激を受けて、次の挑戦に向けた気持ちを育んでいけるような、参加、体験、行動できる万博にしてまいりたいと考えております。
○櫻井委員 二千八百二十万人ということなんですが、そのうち、前売り券として千四百万枚を販売しているというふうに承知をしております。うち七百万枚は経済界で引き受けて、その七百万枚のうちの三百万枚は、関西経済連合会、関経連の会長、副会長輩出企業で購入しているというふうに承知をしております。この点、資料の五は関連する新聞記事でございますが、載せております。
ただ、関西以外の方が、会社でチケットをもらいましたというので、わざわざ交通費、宿泊費を負担して一体どれほど来場されるのかなというのも分からないところです。ちょっとそこは疑問があるなというふうに思っています。
それから、関西から来る分についても、そもそも、会長、副会長の会社で三百万人も従業員がいるのか。本当にいらっしゃるのかどうかということについて、どのように見込まれていますか。
無理やり行かせる、何回も行かせるようなことはさすがにちょっとやめていただきたいなと。もちろん、行きたい方が行く、チケットをもらったけれども、行きたくないと思う方は行かない、そういう自由はあるということでよろしいでしょうか。
○上月副大臣 お答え申し上げます。
御指摘のありましたように、一千四百万枚の前売りチケットを目指しておりまして、そのうちの七百万枚を経済界による購入ということで御協力をお願いしているということで、承知をいたしております。
企業がどういうふうに購入するかということにつきましては、各企業において検討されるため、詳細は承知はいたしておりませんけれども、それぞれ、企業のその中での割り振りというんでしょうか、お願いに応じて、しっかり買っていただいて、そして足を運んでいただきたいというふうに考えております。
○櫻井委員 いや、これは、申し訳ないですけれども、もしかすると、自民党の政治資金パーティーのような方式になってしまうのではないのか。すなわち、おつき合いでパーティー券を買いました、チケットは買いました、しかし参加はしないというのが自民党の政治資金パーティーでも横行していたというふうに承知をしておりますが、これもそういうことになってしまったら、会長、副会長の会社はおつき合いで買ったけれども、さすがに従業員に無理やり行かせるということはできないし、そうなれば、来なければ、先ほど、経済効果ということで経済産業省が試算していた数字も減ってくるということになるわけですから、これは絵に描いた餅になるのではないのか、そういう心配をしておりますので、指摘をさせていただきました。
例えば、新聞記事も載っております。関経連会長の住友電工が、松本会長の出身母体は住友電気工業ですけれども、国内の従業員は一万人の会社なんですよね。それが二十五万枚、それを更に増やして三十万枚買うと。これはどうやって達成するのかな。もちろん、関連会社の従業員の方とかもいらっしゃるからということなんでしょうけれども。
さすがに、会長のお立場ということで、かなり頑張られているんだとは思います。そのことについては、私は松本会長に敬意は表したいというふうに思いますけれども、しかし一方で、いろいろなところにしわ寄せが来ているんじゃないのかなということも心配しているものですから、指摘をさせていただきました。
続きまして、資料六、七、八にも載せております、これは新聞記事でございますが、まず、去年、経済産業大臣が、運営費について、赤字になった場合、国で補填するんですかという質問に対して、赤字でも穴埋めしませんということを、前の経済産業大臣、西村経済産業大臣が答弁されています。
私が、今年の二月の予算委員会の分科会でも、今の齋藤大臣にも同じ質問をさせていただきました。赤字の穴埋めはしません、考えておりませんというふうに御答弁いただいております。
一方で、この新聞記事にもありますとおり、十二月、吉村大阪府知事と、それから横山大阪市長は、府市が負担するわけがない、こういうふうに発言をしております。関経連の松本会長も、経済界が資金を出すことは難しいということで発言をしております。
赤字になった場合どうするのかということで、建設費を負担している国も、大阪府市、それから経済界、いずれもお金は出さないと言っているわけなんですね。これは非常に何か無責任な体制だと思うんですが、赤字になった場合どういうふうにするつもりでしょうか。改めて御答弁をお願いいたします。
〔委員長退席、中山委員長代理着席〕
○上月副大臣 お答え申し上げます。
博覧会協会は、入場券の売上げの状況や民間企業からの協賛金、ライセンス収入などの動向を踏まえつつ、収支が相償う、そういった範囲内で事業を具体化していくものと考えておりまして、博覧会協会にて赤字にならないように取り組まれるものと承知をいたしております。
経済産業省としても、赤字にならないようにすることが重要であり、早期にその芽を摘み取り、対策を取っていくことが重要と考えております。このため、万博の主要な費用の執行状況の適正性を確認すべく、有識者委員会を設置し、議論を進めております。
また、そうした事態を想定しているわけではございませんけれども、万が一にも赤字が見込まれるような事態が生じるような場合には、あらかじめ、赤字にならないようにどのような対応策を講じていくのか、経産省としても博覧会協会を含む関係者とともにしっかり検討していきたいと思います。
○櫻井委員 もう一年前なのに、今まだ決まっていないというのは非常に無責任だというふうに思います。実際、過去の万博でも大赤字になった万博もあるわけですから、やはりそうした可能性のときについて、最後の最後は、ここは誰がちゃんと責任を取るのかということははっきりさせておくべきだと思います。
特に、運営費のうち、人件費というのは結構大きいわけですよね。岸田内閣挙げて、賃上げ進めますと言っているわけなんですから、賃上げが岸田総理のおっしゃるとおり順調に進んでいくということになれば、運営費は増えていくんじゃないんですか。そうすると、その分、赤字が発生するリスクが高まっていくということですので、これは十分検討していただきたいと思います。
あと、先ほどの話の中で、経済波及効果二・九兆円、しかも、これは主に大阪で発生するわけですよね。大阪でこれだけ、二・九兆円、しかも、カニバリズムで、ほかの地域から分捕ってくる分もあるでしょうから、だったら大阪で負担してよというふうに、私は、大阪府外の者からするとそのように思いますので、そのことも含めて提案をさせていただきます。
続きまして、災害時の、発生の場合についてお尋ねをさせていただきます。
資料九、それから資料十一は、防災基本計画について、六ページと二十六ページを抜粋しております。それに基づいて質問させていただきます。
災害発生時に来場者はどこに避難するのかということなんです。防災基本計画二十六ページには、別途避難計画等で定めるというふうに書いてあります。避難計画では、どこに避難することになっているんでしょうか。特に、夢洲の隣の咲洲と舞洲については、液状化が起こる可能性が高いというふうに防災基本計画の六ページで書いてあります。
そうすると、夢洲は完全に孤立してしまうことになりますが、どこに避難したらいいんでしょうか。御答弁をお願いいたします。
○自見国務大臣 お答えをいたします。
どこに避難をしたらいいかというお尋ねということでよろしかったでしょうか。(櫻井委員「はい」と呼ぶ)
今御指摘いただきましたけれども、防災基本計画は、博覧会協会が、学識経験者等で構成されます安全対策協議会における議論も踏まえまして、南海トラフ等も含めまして、津波を伴う大地震等の様々な自然災害を視野に入れ、検討した上での策定となっているところでございます。
避難計画はということでございますが、夢洲におきましては、粘土質のしゅんせつ土壌で埋め立てるといった対策が取られておりますので、会場の大部分は液状化が起こらない、そういう想定になっているということに対しまして、その周辺の咲洲や舞洲では、相対的に液状化が起こる可能性が高いという指摘がされてございます。
こうした想定も踏まえつつ、交通アクセスが途絶するということも考えなければいけないということで、夢洲が孤立する可能性についてもしっかりと対策を講ずる必要があるというふうに考えているところでございます。
現在でありますが、博覧会協会におきまして、学識経験者等による議論を踏まえて検討中ではございますが、大規模な災害が発生した場合には、来場者が会場内に一定期間とどまることも念頭に置き、そこの場に必要な、その際に必要な水、食料、衛生用品の物資の備蓄に対しても必要な検討を行っているということでございます。
現在、検討を進めているところでございまして、今年の夏に、その検討、策定をするということでございますので、その際にも改めて御説明をすることになろうかと思いますが、委員御指摘の、そういった、どこの場所にちゃんと適切に逃げるのか、あるいは、そのときの交通のアクセスはどうなっているのか、そのときの液状化のその地域の状況がどうなっているのかということも踏まえた上での計画ということで、現在必要な検討を行っております。
○櫻井委員 今の御答弁では、ちょっとはっきりはおっしゃいませんでしたけれども、避難計画は、まだ検討中、つまり作成している段階ということなんですよね。
ちょっと時間がないので質問にはなりませんけれども、実は、修学旅行とか校外学習で大阪万博行け行けみたいなことを、方々の教育委員会、例えば大阪の教育委員会とかが言っているわけなんですよ。避難計画もなくて、児童生徒を引率した学校の先生は、一体どこに避難させればいいのか、それも分からないまま、取りあえず行けと言われるから行くみたいな話になって、非常に危ういなというふうにも思っているので、この点は、やはり文部科学省としても、ちゃんと子供の安全第一ですよ、校外学習するに当たっても、やはり安全第一だということを改めて周知徹底をお願いしたいというふうに思います。
時間がもう迫ってまいりましたので、最後、改めて、一年前ということでお尋ねをいたします。
今申し上げたとおり、いろいろな課題がある中で、能登半島の震災復興、こちらを優先するべきではないのか、そんな意見も閣僚の中からも出ているような状況でございます。大阪万博、ちゃんとした形でできないんだったら中止をするというのも一つの考えだと思います。
一年前までに、つまり、あさって、四月十二日までにキャンセルすれば違約金は三百五十億円、ただ、あさってを過ぎると八百四十四億円に跳ね上がるというふうにも承知をしております。やめるかどうかの判断、いつやめるの、今でしょうと私は思うわけなんですが、万博担当大臣の勇気ある決断を最後にお願いいたします。いかがでしょうか。
○自見国務大臣 お答えいたします。
来年の四月十三日から大阪・関西万博を開催するということでございまして、これにつきまして、政府として中止するあるいは延期するということは全く考えてございません。
私といたしましては、このすばらしい万博をより多くの方に来ていただきたいと思ってございますし、今、海外パビリオンや、あるいは民間プロデューサーのすばらしい内容のあるパビリオンが順次公表されていっている最中でございます。また、若者たちのアンケートにおきましても、大変多くの方々が是非行きたい、そういうアンケートも出てきているわけでございますので、是非、その準備に向けて邁進してまいりたいと考えてございます。
○櫻井委員 別の民間のシンクタンクが調査したところ、来場しますかというので、来場希望者の数はどんどん減ってしまっているというのも現状でございますので、そのことも併せて申し上げた上で、質問を終わらせていただきます。
どうもありがとうございました。
○中山委員長代理 次に、堀場幸子君。
○堀場委員 日本維新の会・教育無償化を実現する会の堀場幸子です。
今、法務委員会の方で、共同親権について、民法の改正が議論されていると承知をしているところでございます。その議論はここではそんなにしないんですけれども、それを聞いていると、私、今は一人親で、離婚もして、単独親権を持っていますけれども、何かそれが悪いことなのかなとついつい思ってしまうような、そんな気持ちにさせられるような、様々なお話があるんだなということを聞いているところでございます。
民法の一部を改正する法律案の概要というものを法務省さんが作っていらっしゃるんですけれども、表面は法律案の説明ですが、裏面を見ると、本当に、これをやるためにはこんなにやることがありますよと、もりっと書いてあるわけですね。これらのことが実現した、こういう環境が整ってから共同親権という議論が始まるべきだったんじゃないかなというのが私自身の思っているところです。
我が党としましても、マニフェストで共同親権の実現ということは申し上げさせていただいていますけれども、当然のことながら、DVにしっかりとした配慮をする、そしてそういった環境が構築されるということを前提としているということをまずお伝えをさせていただきまして、加藤大臣にもろもろ聞いていきたいなというふうに思っているところでございます。
夫婦間でけんかをして、非常に厳しい語調でけんかをし始めるというようなことがあった、それもDVの一つだと思いますけれども、こういったことを子供たちが目の前で見ているということがあるかと思います。それって、そのけんかをしている当事者、若しくは一方的に怒られている、そして怒っている加害者の人は、これは児童虐待をしているという認識は多分ないと思います。そして、加害側は、本当に自分はただ怒っていて、一方的に言っている、けんかをしていると思っているんだと思うんですけれども、面前のDVというものの子供の影響について、大臣の御所見をお願いします。
○加藤国務大臣 お答え申し上げます。
子供の目の前で配偶者に対する暴力が行われること等、いわゆる面前DVは、直接子供に対して向けられた行為ではなくとも、子供に対する心理的虐待に当たり得るものであり、子供の健やかな成長、発達にも多大な影響を及ぼすものと考えております。
○堀場委員 この定義、本当にもう今はかなり知られているかなと私自身は思っていたんですが、意外と知らない方がいて、夫婦間で何かもめごとはあるけれども、子供には何もない、子供とは良好な関係だったという御主張というのも間々見受けられるんですけれども、それって、いやいや、目の前でやっている、これは子供と関係が良好とは言わないんだということをまず一つ申し上げたいんですけれども。
今回、この委員会でDV法の改正というものをやらせていただいて、今年の四月一日から始まったと思うんですけれども、精神的暴力による保護命令、接近禁止命令とか退去命令がどんな件数になると予想されているか、大臣、お願いします。
○加藤国務大臣 お答え申し上げます。
改正DV防止法は、委員御指摘のとおり、四月一日に施行されたところでございます。
内閣府といたしましても、重篤な精神的被害が生じた場合にも保護命令の対象となり得ることなどについて周知、広報を行ってまいりました。
配偶者からの暴力等に関する社会的な意識の変化が影響することなども考えられ、件数そのものを予測することは困難であると申し上げます。
○堀場委員 ということは、精神的暴力で保護命令が出るかどうかということはまだまだ未知数、まだまだ分からないことがたくさんありますよねというのが、今、DV防止法をめぐる現状だと理解をしています。
この状態の中で、共同親権の中で様々議論されているんですけれども、まず法務省さんにこの立法の経緯、背景というものをお尋ねしたいと思います。
○松井政府参考人 お答え申し上げます。
父母の離婚後の子の養育の在り方は、子の生活の安定や心身の成長に直結する問題でございまして、子の利益の観点から大変重要な課題と考えているところでございます。
そこで、民法等の改正法案を現在衆議院法務委員会で御議論いただいているところでございますけれども、その改正案におきましては、父母の離婚に伴う子の養育への深刻な影響や子の養育の在り方の多様化等の社会情勢に鑑みまして、子の利益を確保するために、民法等の規定を見直すこととしているところでございます。
○堀場委員 ということは、今一人で一生懸命子供を育てている人たちというのは、子の心身の発達について余りよくないことをしているという認識でいいですか。
○松井政府参考人 お答え申し上げます。
この民法等改正案は、先ほど申し上げたとおり、子の利益を確保するための民法等の見直しでございます。
何が子にとっての利益であるかは、それぞれの子が置かれた状況によっても異なると考えられまして、一概にお答えすることは困難でございますが、その子の人格が尊重され、その子の年齢及び発達の程度に配慮されて養育され、心身の健全な発達が図られることが子の利益であると考えているところでございます。
したがって、お尋ねのような考え方に基づくものではございません。
○堀場委員 一人親であっても、今必死に子供を育てている人はたくさんいると思います。その離婚事由がDVじゃなかったとしても、今一人で頑張って子供を育てているんだよという方を私はたくさん存じ上げていますし、子供の発達そして子供の利益にとっては両親がそろっているということが前提なんだというふうにお考えかどうか、これを加藤大臣とちょっと議論したいなというふうに思います。
一人親の子供は子供の権利が侵害されているとお考えかどうか、大臣のお答えをお願いします。
○加藤国務大臣 まず、お答えを申し上げます。
ちょっと先ほどの政参人の言葉と重なるかもしれませんが、今般の民法の改正法案につきましては、法務委員会におきまして御審議いただいており、その趣旨や具体的な解釈については民法を所管する法務省において示されるものでありますが、子の利益を確保するものという目的のものであると認識しております。
そして、今委員の御質問でございますが、子供の権利ということだと思いますが、当然のことながら、一人親の子供であるということをもって子供の権利が侵害されているということはないと考えております。
○堀場委員 一人親になるのは、離婚だけじゃなくて、例えば御病気で亡くなったりとか交通事故で亡くなったりとか、様々な理由で一人親になるパターンというのはあります。
離婚するということだけではないんですけれども、一人で子供を育てる、単独親権で子供を育てるということが何か余りよくないことだというふうに見えるんですけれども、ちょっと大臣、もう一回、大臣自身はどのようにお考えか、教えてもらってもいいですか。
○加藤国務大臣 子供を育てるということ、養育していくということの在り方は本当にそれぞれだと思います。いろいろな形があると思います。個別事情もあります。ですので、それを一くくりに何かを申し上げるということはできません。
一人親の子供であるからというそれだけをもって、まるであたかもその子はかわいそうであるとか不幸だというような、あるいは、何か利益が損なわれているんじゃないかと断じるような見方があるとすれば、私は賛成できません。
〔中山委員長代理退席、委員長着席〕
○堀場委員 ありがとうございます。
では、単独親権でもしっかりと子供を、頑張ってチャンスを与えたり、その年齢に適した心身の発達に資するような体験であったり活動であったり養育というものをしているたくさんの一人親の方がいらっしゃって、そういう人たちというのは、共同親権になろうとも、そして、今行われていることは間違っていないんだよというメッセージをどんどん大臣から出してほしいなと思うんですよ。
今、この共同親権をめぐる議論というのは、DVを受けた人たちで単独親権を持っている人たち、もっと言うと逃げた方はすごくおびえていると思うんですね、怖いなと思っている。共同親権の主張をされている方、離婚して普通に仲よく共同親権をやっていく、今でも、単独親権ですけれども、離婚して、それでも定期的に面会を重ねながら上手に養育されているカップルというか元カップルというか、いらっしゃると思うんですね。でも、そもそも、共同親権というものとか、DVというのはほぼ虚偽なんだというような御意見が非常に多く出回っていることに対して、DVを受けた方々というのは恐怖を感じていると思います。
私自身は、このタイミングで民法改正、つまり共同親権というものをやっていく、こんなに課題があるのに、この裏面を見ていると、一人親家庭支援や共同養育支援、裁判手続等の利便性の向上、DV被害の保護、支援、たくさんやらなきゃいけないことがあるにもかかわらず、このタイミングでやっている、DV法の改正案をやって施行したばかり、今やっている状況の中で、大臣が思うことを教えてください。
○加藤国務大臣 今まさに法務委員会で御審議をいただいているところと承知をしておりますこの民法等改正法案ですが、タイミングということでの御指摘ですが、今国会で御審議いただいているそのタイミングについて、閣法として出されていると承知しておりますので、タイミングについて考えを述べることは控えなければならないと考えております。
○堀場委員 では、今の体制のままで、今の大臣が所管されているDVに関する様々な体制の中でうまくやっていくことができるとお考えかどうか、教えてください。
○加藤国務大臣 お答えを申し上げます。
民法等改正法案でありますけれども、DVや虐待の場合など父母が共同して親権を行うことが困難である場合には、裁判所は必ず一方を親権者と定めなければならない、そのように承知しています。また、親権の単独行使が可能な場合も規定され、DV被害者の避難に支障が生ずるものではないという説明もなされていると承知をしてございます。
このことも受けまして、法案が成立した際には、こうした法の規定の趣旨について、所管する法務省としっかりと連携をしながら相談機関等に対して適切に周知していくこと、これが重要だと考えております。
○堀場委員 この間、DV法改正案のときもやらせていただいたんですけれども、今、日本におけるDVをめぐる体制というものがまだまだ不十分じゃないかという議論を、前回、DV改正法のときにやらせていただいたんですね。
例えば、アメリカであれば、裁判所に専門コードがあって、DVコードみたいなものがあって、より積極的に関わっていくような体制ができているとか、保護命令に対して、精神的暴力で保護命令の出ている実績があるとか、これは裁判所の事例ですよね。
それ以外にも、例えば加害者プログラムがしっかりと作られている、これは非常に重要なことだと思うんですね。聞いていると、DVを行っている加害者の方、若しくは子供に対して非常に強く、まあ毒親とも言われますけれども、非常に強く教育を熱心に行っていることが加害に当たるということに気づいていない方がたくさんいらっしゃるかと思います。
私たちは、私たちというか、この間、DV法改正案のときも、加害者プログラムが進んでいないよねということをお話としてさせていただいたと思うんですけれども、現場の混乱というのはないですかという質問なんですね。
特に、加害者プログラムというのは、今、多分、男女共同参画局さんとしてはやろうとしていて、いろいろなチャレンジをされているところだというふうに御答弁をいただいているんですけれども、そういった、今これからやろうとしていること、そして、これがあるから様々共同親権を行ってもスムーズにほかの国はいっているんですけれども、日本はまだその体制がないんだと思うんですが、それについて、大臣、お答えをお願いします。
○加藤国務大臣 お答えを申し上げます。
加害者プログラムのことも含めて御質問がありました。
配偶者からの暴力は潜在化しやすく、また、加害者に加害の意識が薄い傾向がある、こういったことは従来から指摘をされており、私としても認識をしてございます。加害者に加害意識がない場合の対応ですが、その場合でも、まずもって相談支援機関や警察などが連携をして、被害者の保護と安全を確保し、被害者への支援を図る、これが重要であると考えております。
また、改正DV防止法の円滑な施行など、その取組も強化をしてまいります。
それと併せまして、例えば、殴る蹴るといった身体的暴力だけが暴力ではなく、心を傷つけることも暴力であることなどの周知啓発、これに努め、暴力を容認しない社会全体の意識の醸成に努めていきたいと考えております。
また、委員からは、先般の所信質疑でも、加害者プログラムにつきまして御質問いただきました。
DVの加害者に働きかけることで、加害者に自らの暴力の責任を自覚させる加害者プログラム、これは被害者支援の一環として大変重要と考えており、各地域における加害者プログラム実施の推進に努めてまいります。
○堀場委員 大臣の答弁は、本当に加害者プログラムは重要だということを御理解いただいていることはよかったんですけれども。
やはり今の日本のDVをめぐる施策というのは、どうしても、被害者に寄り添うとか、被害者を助けるとか、被害者を支援する、どちらかというとそちら側にすごく偏っていて、加害をされて、何か、もしかしたら、加害者プログラムをしっかり受けたら、もう一度家族としてやり直せるかもしれないとか、もう一度、家族とまでは言わないですけれども子供との関係をしっかり見直せるかもしれないとか、夫婦の関係を見直せるかもしれないとか、様々な可能性というのはあると思うんですよね。
でも、今はその可能性がなくて、被害者は逃げるしかない。そして、家も、被害者側が逃げる、加害者の人は家にいる。退去命令があるんですけれども、よっぽどじゃない限り多分出ないので。そういった、被害者が逃げなきゃいけない、被害者が困って支援をされなければならないというふうにどうしてもなっちゃっているのが今の現状だと思うので、何か次の、より積極的な、DVの支援というか、全体的な加害者プログラムを含めた在り方というものは、検討をもっともっと積極的に、そしてスピーディーにやらなければならないと思っています。
共同親権制度が仮に、今、国会でやられているので、これからその議論をまだまだ見守らなければならないんですけれども、そういった話がたくさん出ている中で、DV法というものの改正案というのは、今始まったから私たちもしばらく様子を見なきゃな、そして、しっかり保護命令が出るか経過を見なきゃなと思っていたところなんですけれども、そうじゃない環境が生まれるのであれば、ほかにDV法は改正するべきところはいっぱいあると思うんですが、大臣の御所見をお願いします。
○加藤国務大臣 お答えを申し上げます。
まず冒頭で、加害者プログラムの取組をしっかり進めてまいりますし、委員の御指摘の被害者支援というところの指摘、被害者の立場をしっかりと踏まえた上での加害者プログラムをしっかり進めていくべきという御指摘はしっかり受け止めさせていただきます。
また、DV防止法の改正というところ、また様々な取組をスピーディーにというところでございますが、DV防止法につきましては、今年四月一日に、重篤な精神的被害を受けた場合にも接近禁止命令等の対象を拡大することを始めとする保護命令制度の拡充ですとか、保護命令違反の厳罰化などを盛り込んだところで、そこが施行したばかりというところでございます。まずは、この改正法の円滑な運用にしっかりと努めるとともに、その運用状況をよく見てまいりたいと考えております。
○堀場委員 是非、大臣から、一人親であっても一生懸命育てている人がいて、そういう形はそれはそれで子の利益にかなっている、そういうこともたくさんあるんだよということも発信してほしいし、DVの被害者の皆さんであったり、DVにかなり近い形で離婚をされた方というのは、今回、非常に怖い思いをしていると思います。
嫌だとか駄目だとかそういうことではなくて、そういう幸せなカップルであったり幸せな離婚をする方もいらっしゃることは重々承知だけれども、本当に大丈夫なのか、自分たちが何か悪いことをしているんじゃないかというような恐怖心というのは常に持っていらっしゃると私は思いますので、大臣、最後に、そういった方々に何か、答弁ではなくメッセージでいただければと思います。
○加藤国務大臣 家族のありようや親子関係は本当に様々であり、子供にとっての幸せも本当に様々であると思います。本当に、信じて自分自身を第一に考えてくれる大人という存在が近くにいれば、子供の気持ち、心は真っすぐ育つと私は信じておりますので、一人でお育てになっている皆さんも本当に頑張っておられると思います。是非、そこは自信と誇りを持っていただきたいというのが私個人の考えでございます。
○堀場委員 ありがとうございます。
では、後半の、AV新法についてというところで御質問させていただきたいと思います。
今、このAV新法、実はもうすぐ二年の見直し規定が始まるということで、見直し規定は二年なんですけれども、今年の六月だと思いますが、見直し規定というところにあるんですけれども、何か、様々、動かないなというところ、見直す気配は余りないというのが今の現状なのかなというふうに感じているところです。
まず、AV新法、この現状について教えてください。
○岡田政府参考人 お答え申し上げます。
AV出演被害防止・救済法では、被害の発生や拡大の防止等を図るため、出演者等からの相談に応じ、その心身の状態などを勘案して、適切に対応するための相談体制を整備することとされております。
内閣府でございますが、性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターを相談窓口と位置づけまして、相談をされたい方がためらうことなく相談できる環境の整備に取り組むとともに、この法律の内容やワンストップ支援センターの周知に努めてまいりました。
こうした取組につきまして、本法施行後の状況を申し上げますと、令和四年七月から令和五年十月までに全国のワンストップ支援センターに寄せられた相談件数は合計二百八十五件となっております。各センターでは、個々の相談内容に応じて、法の内容や法的支援の提供に関する説明を行いましたり、精神的な不調を抱える方に支援に係る情報を提供したりするなどの支援を行っております。
内閣府といたしましては、本法に係る広報啓発や相談体制の整備などにより、引き続き、AV出演被害の防止と被害者の救済に取り組んでまいります。
○堀場委員 済みません、同様に警察庁さんもお願いしていいですか。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
AV出演被害防止・救済法につきましては、令和四年七月に罰則部分が施行されてから令和五年十二月末までの間、説明書面等の不交付や出演契約書等の不交付等で十二件を検挙している状況でございます。
○堀場委員 ありがとうございます。
このAV新法、私たち、我が党というのはすぐに改正案というものを出させていただいたんですけれども、それは何でかといいますと、そもそも、我が党というか我々の立場というのは、入口と出口をしっかりとつくるというのが非常に重要だよねというのが大きなスタンスです。
性被害として入る人をなくそう、そしてできるだけ自分の意思で入る人は認めてあげたい、だけれども、自分の意思がちょっとどうか、まだよく分からないなというような方々もたくさんいらっしゃって、そういう不安定な状態で入られる方もいらっしゃるかもしれないし、周りの雰囲気で何か入らざるを得なかったというような、様々な、そういった、本来は入らなくても済んだ、この業界に入らなくても済んだよという人たちはしっかりと守ってあげたい、そしてそれは契約という形で守ることができるんだろうというふうに思います。
そして、出るということに関しては、やはり、中に入って、あっ、これは私、難しいとなったときにしっかり取消権を行使できるという意味において、出口が設置されているというふうに認識をしています。
そして、この法案で様々議論されるところなんですけれども、やはりこれを無理やり入れるというような行為がなくならなければならないとは思う一方で、非常に厳しい、特に、一四ルールというところの一か月、四か月ルールがあるんですけれども、そのルールによって、自分の希望で、本人の意思でこの業界に入っている方々にとって非常に生活が苦しくなるという現状があるというのもまた現実なんだろうというふうに思います。
これは、そもそも、契約というものに関してかなり規制をする法律になっているので、そこというのはちょっと、かなり法律として非常に何かきっと難しかったんだろうなというふうにも承知をしていて、本来であれば、契約というのは自分でやめることも、任意解除権というのがあってやめることもできるので、それでも、やはり性犯罪というものの重大性を加味してこのような法律ができているということも重々認識をしているという観点から御質問をさせていただきます。
自分の意思でAVに出演したいというふうに思った人、そしてAVの出演というのはそもそも違法という考えかどうか、大臣にお尋ねします。
○加藤国務大臣 お答えを申し上げます。
AV出演被害防止・救済法につきましてのお尋ねでございますが、本法は、出演者の心身や私生活に将来にわたって取り返しのつかない重大な被害が生じるおそれがあることなどに鑑み、被害の防止と被害者の救済を図るため、議員立法により制定された法律でございます。
その立案過程におきましては、この法律を作ることによって公序良俗に反する契約や違法な行為を容認するものでも、合法化するものでもないということを示すべきとの御議論があったと承知をしてございます。そして、その趣旨は、法の三条に規定された基本原則において明らかにされております。
したがいまして、内閣府としましても、AV出演に関して、公序良俗に反する契約や違法な行為が容認されているわけでも、合法化されているわけでもない、このように認識をしております。
○堀場委員 ということは、AVに出演する権利というのはあるという認識でいいですか。
○加藤国務大臣 関連し得る法令は、この件については多岐にわたりますので、また具体的な内容や態様等にもよりますため、一概にお答えすることはできないと考えてございます。
いずれにしましても、AV出演被害防止・救済法の趣旨に即してお答えをすれば、民法、刑法、売春防止法などの法令で違法とされている行為が合法となったり、無効とされている契約が有効となったり、そのようなことを規定しているものではございません。
○堀場委員 ということは、大臣の御理解というのは、AVに出演されるというのは仕事として認めることはできないという観点ですか。
○加藤国務大臣 お答え申し上げます。
AV出演被害防止・救済法におきましては、出演行為自体を禁止する規定はなく、契約の特則など、出演者の権利の保護に資する規定を置いている、このように認識をしてございます。
○堀場委員 ありがとうございます。
ということは、このAV新法で規定されているルール、つまり契約の在り方、非常に細かく決められていると思うんですけれども、そういったものを守った契約書をしっかりと出して、本人の意思確認ができて、様々できているという状態であって、そして、適正AVというものが存在しているんですけれども、それは何かというと、AV人権倫理機構さんがこういうふうにしましょうねといった様々なルールを定められている中でやられているものに関しては、一定程度、出演するという人が本人の意思で出演をしていくということに関して、認められるとまでは言わなくても、そういう方向性があってもいいんでしょうということで大臣が受け止めていらっしゃるということでいいですか。
○加藤国務大臣 AV出演被害防止・救済法は、出演被害の防止等、被害者の救済を図るために制定された法律であり、出演被害を防ぐ観点から出演者の権利の保護に資する事項を規定をしてございます。
例を挙げますと、出演契約の締結に当たって制作公表者に説明義務や契約書の交付義務があること、出演者は意に反する性行為を拒絶できること、公表後一年間は無条件で出演契約を解除できること、こういったことが規定されており、出演者の権利の保護が図られているものと認識しており、これが今回のAV出演被害防止・救済法の大事なところだというふうに考えております。
出演したい人が出演できる権利について申し上げれば、繰り返しになりますけれども、本法におきましては、出演行為自体を禁止する規定はございませんで、契約の特則など、出演者の権利の保護に資する規定を置いているもの、このように認識をしてございます。
○堀場委員 ありがとうございます。
今これをやっている一つの大きな理由は、ルールが厳し過ぎて、仕事がなかなかなくて、アングラ化していくという問題があるというふうに認識をしています。先ほど山井さんもやられていましたけれども、海外に売春に行くということは、実はAV業界の方々からも多く聞かれているところです。そういうあっせん業者さんがいらっしゃるということも含めて、今摘発をされているとは思うんですけれども。
AV等のビデオに出演する方、女優さん、男優さん、いらっしゃると思いますけれども、そういった方々がやはり食べていけなくなってしまい、海外に何人も行って、そして連絡が取れなくなってしまったというようなお話等々を聞いていると、やはり私自身は法の中でやるということの重要性というものを感じているんですね。なので、法の中でしっかりと、その職業を選択している方々がいらっしゃるのであれば、それは職業として成立するような体制でなければならないと思っています。
なので、ここではもう食べていけないのでアングラ化する、若しくは、海外に行って、先ほどの社会問題となっているような海外売春に行くとか、それこそ売春をしなきゃいけないとか、様々な、もう少し緩める、もう少しそのルールを、その中でやっている人たちのルールをその人たちに合わせる、少し合わせるだけで、被害を防止しながら、その中で生きている人たちが、その法律にのっとってしっかり契約できて、そしてやめることができるという、その法律の中で出演をされるということの方が女性の権利が守られているのではないかというふうに私自身は認識しているんですね。
なので、次の質問は、このAV産業というものがアングラ化しているという現状について、大臣が思っていらっしゃることをお願いします。
○加藤国務大臣 お答えを申し上げます。
本法の規制により、出演者が、違法なAVなど、いわゆるアンダーグラウンドなものに流れているのではないかという御懸念や御指摘かというふうに存じます。
委員の御懸念につきましては、まず、遵法意識に乏しい悪質な活動は許されないということを前提として申し上げたいと存じます。
そのような活動は、関係法令に基づいて厳正に対処される必要がある、このように考えております。性行為映像制作物の制作公表に関しましても、違法な行為につきましては、そもそも許されるものではありません。
本法のほか、各種の関係法令、これらの適用による厳正な取締りも含めて、関係省庁がしっかりと連携をし、被害防止に取り組むこととしてございます。
○堀場委員 取り組まなきゃいけないのは分かっているんですよね。風営法をしっかりやってほしいとか、あとは様々な、もっとできることはたくさんあるというのは私どもも承知していて、AV新法と言われるこの法律だけで全てが守れるわけはないんですよね。
例えば、自分の判断が厳しいというのは年齢だけでは定められなくて、特性を持っている子供、女の子が、グレーゾーンの女の子とかが、なかなか自分の意思とか判断ができない、契約を結ぶということはどういうことなのかというのが余り分からないというような状態で契約をしているという話をお聞きしたりとか、いろいろな個々の事例というのはいっぱいあるじゃないですか。だから、このAV新法だけでまるっとできるとは思っていないんですね。
でも、例えば、困難女性に対する支援とか、女性の給料が、男女の賃金格差があるとか、非常に女性の貧困というものがあるとか、多くの女性は、様々な課題を抱えている日本のこの女性というカテゴリーに所属している人たちは、いろいろな人たちがいる中で、助けてあげたいと思ってもなかなか助けられないというのが今の現状だと思うんですね。
海外でたまに言われるのは、福祉の敗北と言われて、日本でも、女性政策、困難な女性、まあ女性だけじゃないですけれども、そういった対策がしっかり取れていれば、もしかしたら、こういう業界に、風俗も含めたセックスワークと言われるものですね、日本では売春は禁止ですから売春は含まないですけれども、そういったものに入っていくという人たちが減る、嫌々入る人が減るという状況は、福祉がしっかりしていれば、もしかしたらそんなに増えない可能性もありますよね。
さっき言っていた、一人親で子供を一人抱えて食べていくのは難しくて、そうしたら、風俗は、家もある、温かい家もあって、御飯も出る、病院も行ける、そういう状態にあるからその世界に入ったという方の話を聞いたこともあるんですね。ということは、そういう同じような状態のものを福祉として準備できないからそういう方向に逃げちゃう、そして、お金がたくさん稼げるよね、そういう状態があるからそこに逃げ込む女性、多くは女性だと思いますが、非常に多くいらっしゃる。保育園もついていて、全部完璧なんですよと。すごくいいなと思って、自分だけが我慢すれば子供におなかいっぱい御飯を食べさせてあげられるんだよね、そういう気持ちでその世界に入る方々というのはまだまだたくさんいらっしゃるんですよね。
だから、関係法令でしっかり取り締まることも大事だし、遵法意識も大事ですけれども、そもそも、女性の貧困である、そういう根本的な問題の解決ももっともっと加速化してやっていかなきゃいけない。
昔どこかで話したことがあるんですけれども、私の知り合いで、風俗で働いているけれども、子供のために、そこからその仕事を辞めて違う仕事をしたいといって、違う専門学校に行ったりして、そんなお手伝いをしていたことがあって、何かやっていたんですけれども、やっと働き始めたと思ったら、やはり半年ぐらいで、こんなに頑張って働いても昔働いていたものの三分の一も稼げない、だから私は戻りますといってまたそういう風俗の世界に戻っていかれた方というのが、長く一緒に取り組んできてそういう方がいらっしゃったと思うと、やはり、なかなか抜け出すということの難しさというのはあると思うんですね。
ということは、この法律の中で余りにも厳しくし過ぎると、法の中で、この法律を守りながら出演者という仕事をするということが難しくなってしまうんじゃないかと思います。こういった意見をさせていただきますので、是非、二年の見直し規定で見直しというものをさせていただければなと思います。
今日の質疑は終わります。ありがとうございます。
○星野委員長 次に、塩川鉄也君。
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
今日は、岸田派の裏金問題について質問をいたします。
二月十六日の内閣委員会で、林官房長官は、宏池会座長の立場にあった者としてということで、宏池政策研究会、岸田派の裏金問題についてお答えになっておられます。
岸田派の派閥収支報告書の不記載の要因について、このときの質疑で林官房長官が三点を指摘をしているわけですが、一つは、どの議員の紹介によるパーティー券収入か不明な場合には判明するまで収支報告書への記載を保留するという事務手続を取っていたということ、二つ目に、銀行への入金履歴を手書きで転記する際に転記ミスを起こして収支報告書への記載漏れがあったということ、三つ目に、二〇一八年の千三百二十二万円の収入不記載について、五百五十八万円は寄附の取消し要請があったということでありました。
その内容についてお聞きします。
まず、どの議員の紹介によるパーティー券収入か不明な場合には判明するまで収支報告書への記載を保留するという事務手続を取っていたということですが、岸田派の政治資金パーティーにおいては、パーティー専用の口座を恒常的に設けていたということですので、一つの口座によって、過去のパーティーを含め、出入金の記録は確認できるのではないかと考えます。
そこで、二〇一八年から二二年の各年において、誰が振り込んだのか、これは明らかにできるんじゃないでしょうか。その点についてお答えいただけますか。
○林国務大臣 今御指摘がございましたように、宏池会による政治資金パーティーにおきましては、専用口座を恒常的に設けていたところでございます。当該口座の入出金の全てを把握しているわけではございませんが、宏池会のパーティー券を購入した個々の方々から振り込みがなされているほか、パーティー券の売上げを預かった個々の議員事務所からの振り込み等があった、そういうものと承知をしております。
○塩川委員 パーティーを購入した個々の方から振り込みもあったし、個々の議員の事務所からの振り込みもあった、それが口座にとどまっていた分としてあったということでよろしいですか。
○林国務大臣 お尋ねは、どういう振り込みがあったかということでございますので、個々の方々からの振り込み、またパーティー券の売上げを預かった個々の議員の事務所から振り込みがあったということでございます。
○塩川委員 それがここで言っている、保留する、保留分のお金として、個々の事務所から来た振り込み先というのは個々の議員が特定できるので、保留分にならないんじゃないかと思うんですが、そこはどうなんですか。
○林国務大臣 宏池会におきましては、前会計責任者の不確かな会計知識に基づきまして、どの議員の紹介によるパーティー券収入か不明な場合に判明するまで収支報告書への記載を保留するという事務手続が取られていたということで不記載が生じたと聞いております。
パーティー券がどの議員との関係での売上げであるかということでございますが、振り込み時にパーティー券の番号を記載していただいたり、パーティー券の売上げを預かった議員事務所がまとめて振り込みをしたりすることなどにより確認をしていたと承知をしておりますが、振り込み時のパーティー券番号の誤記それから記載漏れ等によって、どの議員の紹介によるパーティー券収入なのか不明なものが一部生じた、そういうふうに聞いております。
○塩川委員 その誤記、記載漏れについて保留分としてずっとあったということについて、本来であればその腑分けが必要なわけですけれども、そういうことについて、されないままでいたということでしょうか。
○林国務大臣 委員が腑分けとおっしゃるのはどういうことか、明らかに、ちょっと理解したかどうか分かりませんが、まさに、議員の事務所がまとめて振り込みをすればどの議員かは分かるということでございますが、それ以外の方でもパーティー券の番号を記載していただければ分かるということですが、先ほど申し上げましたように、振り込み時のパーティー券番号の誤記、記載漏れ等によって、どの議員の紹介によるパーティー券収入か不明なもの、これが生じたということでございます。
○塩川委員 いずれにしても、購入者が支払っているお金があるわけですから、誤記や記載漏れがあったとしても、誰が振り込んだのかということについては、購入者が振り込んだ分については、これは特定できるはずなので、保留分になっているものであっても、購入者が振り込んだ分については明らかで、名前が分かるわけですよね。
ですから、そういったものについて、収支報告書の記載、公表事項となっている二十万円を超えるような、そういうものというのも出てきていていいはずなんですけれども、そういうのが見えないというのは、そもそもきちんとした照合をこの間の詳細な実態調査の中で行っていないということでしょうか。
○林国務大臣 まさに、前会計責任者の不確かな会計知識に基づいて、どの議員の紹介によるパーティー券収入か不明な場合には判明するまで収支報告書への記載を保留する、こういう事務手続が取られていたということでございます。
○塩川委員 ですから、その実態というのがまだ、いまだに分からないままなのでお聞きしているんですが、明確なお答えがありませんでした。
その上で、二〇一八年の略式起訴に係る千三百二十二万円、その内数として、寄附の取消し要請というのがあって、五百五十八万円だという答弁だったわけですが、この寄附の取消し要請というのは何なのか、相手方というのは誰なのか、その点について御説明ください。
○林国務大臣 御指摘のありました寄附の取消しでございますが、二〇一八年、すなわち平成三十年でございますが、この二〇一八年中に行われた寄附につきまして、同年中に寄附者からの申出があり、寄附を取り消して、同年中に返金を行っていたものでございます。
なお、宏池会としては寄附を受ける立場でございますので、寄附の取消し理由についてはお答えする立場にはないと考えます。
また、誰の寄附を幾ら取り消したのかということにつきましては、プライバシーにも関わるものであることから、お答えは差し控えさせていただきます。
○塩川委員 パーティー収入について虚偽記入があったということがずっと言われているんですけれども、この二〇一八年の寄附について、同年中に取消し要請があり取り消したというのは、パーティー収入とは別ということですね。
○林国務大臣 先ほど申し上げましたように、寄附の取消し、寄附があって、寄附について、同年中にその寄附者からの申出があって、寄附を取り消したということでございます。
○塩川委員 ですから、派閥のパーティーの収入とは関係ないお金ということですよね。
○林国務大臣 先ほどお答えしたとおりでございまして、これがどういう、先ほどの区分になっていたかというのは、詳細は承知をしておりません。
○塩川委員 いやいや、この前の答弁のときにも、派閥のパーティー収入で不明な分の金額の保留分については、二〇一八年については林官房長官は七百六十四万円と答弁しているんですよ。ですから、全体として不記載が千三百二十二万円、そのうち、パーティーかパーティー券についての不明分が七百六十四万、その差額の五百五十八万円が寄附の取消し要請分ということですから、パーティー収入とは別ということははっきりしていると思うんですが、そういうことですよね。
○林国務大臣 検察の処分も出ておるわけでございますが、検察がどのような判断でそういう処分をなされたのかということは私は承知しておらないわけでございますけれども、お尋ねの五百五十八万円分の寄附の取消し、これは平成三十年中に行われたものであって、五百五十八万円は令和元年以降には繰越しをしていないということでございます。したがって、不記載ということで検察から判断がなされているということでございます。
○塩川委員 ですから、二〇一八年の千三百二十二万円については、パーティー収入について保留分として口座に残っていた、まあ、その説明が妥当かどうかはあれにしても、パーティー収入の保留分というのが七百六十四万円で、寄附があったんだけれどもその年に取消しになったから、その分についてが五百五十八万円ですから、パーティー収入とは別なお金ということになるわけですから。
そういう意味では、この間、岸田総理自身も、パーティー収入については口座できちっと記録して、そのお金も残っていたんだから問題がないということを言っていたんですが、パーティー収入とは別なお金のやり取りがあったということであれば、それは非常に不透明だと。これについてのきちんとした説明がされないままで来ていると思うんですけれども、いかがですか。
○林国務大臣 パーティー収入については、先ほど委員からも御指摘のあった数字が不記載として検察の処分ということになっておりますし、お尋ねの五百五十八万円分の寄附の取消しというのは、先ほど申し上げましたように、平成三十年中に行われたものでございます。
寄附の取消しでございますので、パーティー収入ではないということだと思います。
○塩川委員 岸田派のかつての領袖である古賀誠元自民党幹事長が代表を務める古賀誠筑後誠山会は、一月に政治資金収支報告書の訂正を行っております。二〇一九年以前の収支に記載漏れがあったとして、報告書を訂正できる二〇年から二二年分について、前年からの繰越額として五百五十八万円を追加をしております。
岸田派の収支報告書の訂正が一月の十八日、古賀誠筑後誠山会の収支報告書の訂正は一月の二十四日ということになると、この寄附の取消し要請の五百五十八万円分というのは、古賀事務所に対するものということになるんじゃありませんか。
○林国務大臣 他の政治団体につきまして、私から何らかお答えする立場にはないと考えております。
○塩川委員 でも、個々の議員の収支報告書などについてもきちっと明らかにするということは、聞き取り調査などで行われてきているわけであります。
自らの派閥についてどういうお金の流れがあったのかということについて、これは当然のことながら、自民党の総裁でもあり岸田派の会長だった岸田総理としてきちんと説明されるのは当然でありますし、岸田派の座長でもあった林官房長官としても、そういう不透明なお金の流れについてきちんと説明をすべきじゃないでしょうか。
古賀誠さんの事務所と違うというんだったら、それはそれとしてあるわけですけれども、まさに身内といいますか関係者であるわけですから、そういう不透明なお金の流れがどうなっていたのかについて、これをきちんと説明することは最低限の政治的責任じゃありませんか。
この点について、改めてお答えください。
○林国務大臣 委員のお尋ねが宏池会とは別の政治団体についてのお尋ねでございましたので、他の政治団体については、私から何らかのお答えをする立場にはないとお答えしたところでございます。
○塩川委員 宏池政策研究会への寄附が行われているんですよ。そういう寄附があれば、それは当然のことながら、その金額からいってもきちっと記載されなければならないものであるわけで、そういった点でも、これは宏池政策研究会に係る収入としての寄附の話ですから、宏池政策研究会として、その関係者がきちんと説明するのは当然のことじゃないでしょうか。
そういうことを行わないで、これで政治的、道義的責任を果たしたということは言えない。そもそも、処分で、これで一件落着などとは当然言えないわけで、全容解明は岸田派においてもいまだ途上だということを申し上げなければなりません。徹底解明が必要であります。
岸田総裁、岸田派会長として処分なしというのは……
○星野委員長 申合せの時間が経過をしておりますので、おまとめください。
○塩川委員 真相解明を棚上げするものだと言わざるを得ないということを申し上げて、質問を終わります。
○星野委員長 次に、緒方林太郎君。
○緒方委員 最後十五分、よろしくお願いいたします。
まず、詐欺罪についてお伺いしたいと思います。
真実は出資の対象となる商品は存在しないにもかかわらず、その商品が存在するように装い、人を欺いて出資目的で財物を交付させる行為に刑法上の詐欺罪は成立するということでよろしいですか。法務省。
○吉田政府参考人 犯罪の成否は、捜査機関が収集した証拠に基づいて個別に判断すべき事柄でございますので、法務当局としてはお答えを差し控えさせていただきたいと思いますが、一般論として申し上げますと、刑法第二百四十六条第一項の詐欺罪は、人を欺いて財物を交付させたと認められる場合に成立し得るものと承知しております。
○緒方委員 続きまして、消費者庁にお伺いしたいと思います。販売預託ですね。
令和三年六月に改正預託法が成立をして、販売預託が原則禁止となりました。その後、一年後に施行となっているわけですが、それまで販売預託をやっていた業者が、法律成立後、施行までの間に販売預託のビジネスを強化することは問題ないというふうに思われますでしょうか。消費者庁。
○藤本政府参考人 お答え申し上げます。
令和四年六月一日の改正預託法の施行日より前に行われた販売を伴う預託等取引、いわゆる販売預託につきましては、原則禁止の適用を受けるわけではございません。
他方、消費者庁といたしましては、改正預託法の成立から施行に至るまでの間、事業者向けの説明会や業界団体等への周知を行ってきておりまして、関連事業者において、改正預託法の施行前においても当該改正内容を踏まえた対応を実施いただくよう努めてきたところであります。
○緒方委員 続きまして、具体論に少し入っていきたいと思います。
山形県酒田市に本社がある、太陽光発電のスマホでの小売販売で急速に拡大をして、そして破綻をしたチェンジ・ザ・ワールド社、負債額三十八億四千万円。この社は、改正預託法を受けて、同法に基づき事業を継続することが不可能であるとの判断に至りましたと述べています。
消費者庁にもう一回お伺いしたいと思います。改正預託法において禁じられたのは何ですか。
○藤本政府参考人 お答え申し上げます。
改正預託法によって禁じられたのは、販売を伴う預託等取引、いわゆる販売預託でございます。
○緒方委員 要するに、この社は法改正後も販売預託をやり続けていた企業ではないかと思われます。そして、実際、被害者も、物件を保有しているとの説明を受けていたというふうに言っているそうであります。
しかしながら、環境省にお伺いしたいと思います。販売預託の原則禁止が打ち出された後に、この企業に対して、環境省は第八回グッドライフアワード実行委員会特別賞というのを与えています。被害者の中には、環境省のお墨つきがあると思ったというふうに言っている方がおられます。
反省の弁を求めたいと思います。環境省。
○奥山政府参考人 お答え申し上げます。
まず、グッドライフアワード、こちらは環境と社会によい暮らしに寄与する取組を広く社会に発信、紹介することでライフスタイルシフトを促すということを目的に平成二十五年度から実施しております。
令和二年十一月に環境省が主催します第八回のグッドライフアワードにおきまして、実行委員会特別賞を御指摘のチェンジ・ザ・ワールド社が受賞いたしました。同社の取組を表彰対象といたしましたのは、分散型の再生可能エネルギーの普及に貢献することを評価したものでございます。
表彰時点で同社が法令に違反していたという事実は確認できておりませんでしたけれども、環境省が表彰する、表彰を受けた事業者が、その後破綻をして、事業として継続できなくなったということにつきましては、大変残念なことだというふうに認識しております。
環境省といたしましては、今後、事業者に対する表彰などの審査に当たって、預託法を含めた法令の遵守、それから事業の計画性、採算性、そういったものにつきまして、よりしっかりと審査をしてまいりたいというふうに思います。
○緒方委員 このチェンジ・ザ・ワールド社の社長さん、それ以前にも、東京で別会社であるシェアリングス社という会社で太陽光発電関連の事業をやっていた際も破産をいたしております、負債額二億五千万円。そのような人物が新規に展開する太陽光事業にお墨つきを与え、そして再度破綻をした。
環境省には重大なる過失があるんじゃないですか。環境省。
○奥山政府参考人 お答え申し上げます。
まず、表彰に当たりましては、表彰に先立って、審査の中で、事業者からの聞き取りですとか、あるいはウェブサイトの閲覧といった方法によりまして情報収集をしてきたところでございます。ただ、結果として、こういった形で、表彰したものについて、その後、破綻をし、事業として継続できなくなったということにつきましては、先ほど申し上げましたとおり、大変残念なことだというふうに認識をしております。
私どもといたしましても、しっかりと、今後そういったところを踏まえまして審査をしてまいりたいというふうに思っております。
○緒方委員 相当苦しいですね。
質問を続けたいと思います。加藤大臣、よろしくお願いいたします。
あなた、このチェンジ・ザ・ワールド社の社長と非常に懇意ですね。親しげに写っている写真は一枚ではありません。かなり深い面識があるとの理解ですけれども、それでよろしいですか。加藤大臣。
○加藤国務大臣 お答え申し上げます。
チェンジ社の代表である池田氏は、地元酒田の活性化、これに取り組む活動、地域活動をされている方々のうちの一人であります。地域活動を私自身も若い方々といろいろしていて、多く知り合っている方々のうちの一人だというふうに認識しております。
○緒方委員 初当選直後の二〇一五年一月の朝日新聞には、こういう記事がありました。その池田氏が、「東京で働いた後、昨春山形県に帰郷してIT関連の会社を経営する池田友喜」「加藤鮎子の夫と一緒に地方での起業支援に取り組んでいる縁もあり、選挙で応援した。」「冬晴れの日も大雪の日も街頭演説の様子を撮影し、サポーターでつくるフェイスブックのページを飾った。」という記事もありました。
令和三年には、ウェブサイトの維持管理、ホームページの補修で計六十万円強の支出も、政党支部の方から計上しているようであります。太陽光の小口販売の会社にこのような事業を依頼すること自体、相当に関係が深くなければやらないはずですね。
さらに、同社と同じ住所にある一般社団法人日本西海岸計画の役員を、チェンジ・ザ・ワールド社の社長池田氏とあなたの御主人が務めておられました。
極めて近しい関係にあるというふうに理解していいんじゃないですか。加藤大臣。
○加藤国務大臣 お答えを申し上げます。
池田氏は、地元の酒田を活性化させるための地域活動をされている方々のうちの一人でございまして、主人の方が先に池田氏と知り合っておりまして、同じ若手起業家の集まりに参画をしていたというふうに承知をしてございます。
また、委員御指摘のウェブサイトに関してですが、チェンジ社に対しましては、平成二十九年にウェブサイトの構築、令和三年にウェブサイトの維持管理やホームページ改修に係る業務を発注してございます。
○緒方委員 太陽光発電を主たる業務とする会社にウェブサイトの発注をするということ自体、非常に関係が近しいのではないですかというふうに聞いております。大臣。
○加藤国務大臣 お答えを申し上げます。
ウェブサイトの構築について、地元で業者さんを探して仕事をお願いしようとしていた中で、親しい関係にあったからというよりも、ウェブデザインやホームページ制作のセンスがいいということの評判を聞きましてお願いをしたものと承知しています。
○緒方委員 あなたの御主人、チェンジ・ザ・ワールド社への出資とか、この会社の商品であるワットストアを購入しているという事実はございませんか。加藤大臣。
○加藤国務大臣 お答えは控えさせていただきます。
○緒方委員 チェンジ・ザ・ワールド社がグッドライフアワードの審査員特別賞だったかなをもらったときに、あなたは環境大臣政務官でしたね。政治責任を賭して、あなたが後押ししたという事実はないというふうに言えますか。加藤さん。
○加藤国務大臣 グッドライフアワードの審査に当たりましては、有識者で構成される実行委員会において厳正な選考を行っているものと承知しておりまして、私が受賞に関して口利きを行ったということはありません、後押しを行ったということはありません。
○緒方委員 あなたが環境大臣政務官を務めていた際に、あなたが口利きをしたかどうかということではなく、あなたと関係の深い企業が環境省から賞をもらい、そして、違法性の疑いがあると思われる事業展開をして、破綻をして、一万二千人を超える方々の出資、三十八億円を溶かしてしまったわけですね。
あなたが実際に口を利いたかどうかというのは抜きにして、政治家としての感想を求めたいと思います。加藤大臣。
○加藤国務大臣 チェンジ社の代表であります池田氏は、先ほど来申し上げているように、地元で御活躍いただいている起業家、経営者、また交流があった大勢の若手経営者の方々の一人であります。私としては、同様に地元で活躍されていたというか、いるというか、方々と同じ気持ちでずっと接してきたところでございます。
仮に、政治責任というのは、何か私がお墨つきを与えていることとかを指しておっしゃっているのだとすれば、チェンジ社が私と関係が近いことをうまく喧伝してビジネスを行っていたとすれば、それは私としては全く不本意でありまして、大変残念なことだと思っています。
○緒方委員 いや、あなたが近かったというのもあるけれども、チェンジ・ザ・ワールド社の資料を見ていると、環境省のこの賞をもらったことをどおんとど真ん中に載せているんですね。それを信じて、そして出資をし、破綻をしたことによる被害者の声というのが実際あるわけですね。
その当時環境大臣政務官であった者としてどう思われますかというふうに聞いているんです。加藤大臣。
○加藤国務大臣 私と関係が近いことを喧伝してビジネスを行っていたのであれば、私としては大変不本意でありますし、とても残念であります。
○緒方委員 あなたが環境大臣政務官をやっていた際に、今言ったような事情で、賞が与えられ、そして破綻したことによって一万二千人、三十八億四千万円の被害を出したことについて、当時の環境大臣政務官としてどうお考えですかというふうに聞いているんです。加藤さん。
○加藤国務大臣 私も、ちょっとこのことについてそこまで詳しくないというところもあるんですけれども、まず、私が就任をしていた時期と受賞した時期というのがかぶっていないというふうに認識をしてございますし、また、預託法が成立して違法状態に入ったのも受賞した翌年以降のことだというふうに認識をしており、ちょっと時系列の整理も必要なのかなというふうに感じております。
○緒方委員 最後に、もう一回だけお伺いします。
政治責任を賭して、あなたが影響力を行使したことはないということでよろしいですね。加藤大臣。
○加藤国務大臣 私が後押しをしたりですとか、喧伝のためのことに何かお墨つきを与えたとか、そのようなことはしてございません。
○緒方委員 終わります。
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○星野委員長 次に、内閣提出、道路交通法の一部を改正する法律案及び自動車の保管場所の確保等に関する法律の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。
順次趣旨の説明を聴取いたします。松村国家公安委員会委員長。
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道路交通法の一部を改正する法律案
自動車の保管場所の確保等に関する法律の一部を改正する法律案
〔本号末尾に掲載〕
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○松村国務大臣 ただいま議題となりました道路交通法の一部を改正する法律案及び自動車の保管場所の確保等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明いたします。
まず、道路交通法の一部を改正する法律案につきまして御説明いたします。
この法律案は、最近における道路交通をめぐる情勢等に鑑み、自転車等の交通事故の防止等のため、自転車の運転中における携帯電話使用等の禁止、自転車等の運転者による一定の違反行為の反則行為への追加等の措置を講ずることをその内容としております。
以下、項目ごとにその概要を御説明いたします。
第一は、自転車等の交通事故防止のための規定の整備であります。
その一は、自動車等は、同一の方向に進行している自転車等の右側を通過する場合において、一定の場合を除き、当該自転車等との間に十分な間隔がないときは、その間隔に応じた安全な速度で進行しなければならないこととするとともに、この場合においては、当該自転車等は、できる限り道路の左側端に寄って通行しなければならないこととするものであります。
その二は、自転車を運転する場合においては、当該自転車が停止しているときを除き、携帯電話等を通話のために使用し、又は当該自転車に取り付けられ若しくは持ち込まれた画像表示用装置に表示された画像を注視してはならないこととするものであります。
その三は、自転車の酒気帯び運転及びこれを幇助する行為をした者に対する罰則を創設するものであります。
その四は、自転車等の運転者のうち十六歳以上の者がした一定の違反行為を反則行為とすることとするものであります。
第二は、その他の規定の整備であります。
その一は、運転の定義に関する規定を整備するものであります。
その二は、準中型自動車仮免許及び普通自動車仮免許の欠格事由を十七歳六か月に満たない者に引き下げるとともに、準中型自動車免許及び普通自動車免許の運転免許試験を受けることができる年齢を十七歳六か月に引き下げることとするものであります。
なお、この法律の施行日は、自転車の運転中における携帯電話使用等の禁止に関する規定、自転車の酒気帯び運転等をした者に対する罰則規定及び運転の定義に関する規定の整備については公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日、その他の部分については公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日としております。
続いて、自動車の保管場所の確保等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして御説明いたします。
この法律案は、国民の利便性の向上及び行政運営の効率化を図るため、保管場所標章に関する規定を削除することをその内容としております。
以下、その概要を御説明いたします。
警察署長が自動車の保有者に対して交付する自動車の保管場所の位置等を表示する保管場所標章を廃止することとするものであります。
その他所要の規定の整備を行うこととしております。
なお、この法律の施行日は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日としております。
以上が、道路交通法の一部を改正する法律案及び自動車の保管場所の確保等に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同賜らんことをお願いいたします。
○星野委員長 これにて両案の趣旨の説明は終わりました。
次回は、来る十二日金曜日午前九時五分理事会、午前九時十五分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後零時八分散会