第12号 令和6年4月19日(金曜日)
令和六年四月十九日(金曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 星野 剛士君
理事 上野賢一郎君 理事 高木 啓君
理事 冨樫 博之君 理事 中山 展宏君
理事 太 栄志君 理事 森山 浩行君
理事 堀場 幸子君 理事 庄子 賢一君
青山 周平君 井野 俊郎君
大西 英男君 大野敬太郎君
神田 潤一君 小森 卓郎君
杉田 水脈君 鈴木 英敬君
土田 慎君 中川 郁子君
中曽根康隆君 仁木 博文君
西野 太亮君 鳩山 二郎君
平井 卓也君 平口 洋君
平沼正二郎君 藤丸 敏君
牧島かれん君 宮澤 博行君
簗 和生君 山本ともひろ君
逢坂 誠二君 中谷 一馬君
本庄 知史君 山岸 一生君
山崎 誠君 阿部 司君
池畑浩太朗君 住吉 寛紀君
河西 宏一君 吉田久美子君
塩川 鉄也君 浅野 哲君
緒方林太郎君 大石あきこ君
…………………………………
国務大臣
(国家公安委員会委員長) 松村 祥史君
内閣府大臣政務官 神田 潤一君
内閣府大臣政務官 平沼正二郎君
内閣府大臣政務官 土田 慎君
政府参考人
(警察庁生活安全局長) 檜垣 重臣君
政府参考人
(警察庁刑事局長) 渡邊 国佳君
政府参考人
(警察庁警備局長) 迫田 裕治君
政府参考人
(警察庁サイバー警察局長) 大橋 一夫君
政府参考人
(財務省主計局次長) 吉野維一郎君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 宮本 直樹君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 吉田 易範君
政府参考人
(農林水産省農村振興局農村政策部長) 神田 宜宏君
政府参考人
(経済産業省大臣官房商務・サービス審議官) 茂木 正君
政府参考人
(環境省大臣官房審議官) 堀上 勝君
内閣委員会専門員 尾本 高広君
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委員の異動
四月十九日
辞任 補欠選任
井野 俊郎君 中川 郁子君
泉田 裕彦君 中曽根康隆君
大野敬太郎君 仁木 博文君
鈴木 英敬君 西野 太亮君
平井 卓也君 平口 洋君
金村 龍那君 池畑浩太朗君
同日
辞任 補欠選任
中川 郁子君 藤丸 敏君
中曽根康隆君 泉田 裕彦君
仁木 博文君 大野敬太郎君
西野 太亮君 鈴木 英敬君
平口 洋君 平井 卓也君
池畑浩太朗君 金村 龍那君
同日
辞任 補欠選任
藤丸 敏君 井野 俊郎君
―――――――――――――
四月十八日
アイヌ政策見直しに関する請願(石川香織君紹介)(第一〇三三号)
同(小熊慎司君紹介)(第一〇三四号)
同(大石あきこ君紹介)(第一〇三五号)
同(大河原まさこ君紹介)(第一〇三六号)
同(逢坂誠二君紹介)(第一〇三七号)
同(白石洋一君紹介)(第一〇三八号)
同(西村智奈美君紹介)(第一〇三九号)
同(馬淵澄夫君紹介)(第一〇四〇号)
同(山崎誠君紹介)(第一〇四一号)
同(新垣邦男君紹介)(第一〇五六号)
同(小宮山泰子君紹介)(第一〇六三号)
同(枝野幸男君紹介)(第一〇八二号)
同(おおつき紅葉君紹介)(第一〇八三号)
同(森山浩行君紹介)(第一〇八四号)
同(堤かなめ君紹介)(第一一一二号)
同(道下大樹君紹介)(第一一一三号)
同(松木けんこう君紹介)(第一一四八号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案(内閣提出第三〇号)
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○星野委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案を議題といたします。
この際、お諮りいたします。
本案審査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、警察庁生活安全局長檜垣重臣君外九名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○星野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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○星野委員長 これより質疑に入ります。
質疑の申出がありますので、順次これを許します。中川郁子君。
○中川(郁)委員 自由民主党の中川郁子です。
今日は、内閣委員会での質問の機会をいただきました。理事、委員の皆様方にお礼申し上げたいというふうに思います。
早速質問に入らせていただきます。
二〇二二年、参議院選挙終盤に起きた安倍晋三元総理銃撃事件、そして昨年は、長野県中野市立てこもり事件がございまして、警察官を含む四人の貴い命が奪われました。改めてお悔やみ申し上げたいというふうに思います。悲惨な事件であり、凶悪な事件であったというふうに思いますが、社会を大きく不安にさせた要因の一つに、犯行に使われた凶器が、手製銃、猟銃による犯行であったことも大きいというふうに思います。
今回の銃刀法改正の背景は、これらの事件があると思いますけれども、改めて、その背景と目的について教えていただきたいと思います。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
今回の銃刀法改正案につきましては、令和四年七月に発生した、自作の銃砲を使用した元総理に対する銃撃事件や、令和五年五月に発生した、長期間使用されていなかった長射程のハーフライフル銃が使用された殺人事件といった昨今の銃砲を悪用した凶悪事件を踏まえ、自作の銃砲も含めた銃砲の悪用防止対策や、所持許可を受けた猟銃についての対策を講じるものでございます。
○中川(郁)委員 銃を使った凶悪犯罪が増えていること、そして、凶悪犯罪は銃の種類にかかわらず想定されることを考えて、改正案では、従来の拳銃などに加えて、猟銃や空気銃などそのほかの銃についても発射罪を新たに適用するというふうに聞いております。眠り銃の規制強化、銃を製造して所持をすることを唆すようなインターネットの投稿にも新たに罰則を設けるということが改正案のポイントであると承知しています。
改正案では、北海道でその半数が所持、使用されているハーフライフル銃が、ライフル銃と同様に、継続して十年以上散弾銃の所持許可を受けている者に所持を許可するとされています。最大体重五百キロのヒグマ、最大体重百五十キロのエゾシカの被害に悩まされている北海道におきましては、報道でも大きく取り上げられました。
北海道猟友会、北海道農民連盟などから反対の声が上がり、私のところにも要請書が届きました。ハーフライフル銃は、散弾銃でスラッグ弾を用いる場合より命中精度が高いこと、そして有効射程距離が長いことから、ライフル銃に次いで大型哺乳類の安全かつ効率的な捕獲を可能とするということが理由だというふうに思います。また、ハーフライフル銃は、新規のハンターで初年度から所持できたことから、大型哺乳類の管理を担う人材の育成にも大きく貢献をしていると言えるからです。
私も二月二十二日の予算委員会で質問させていただいたところ、松村国家委員長より、柔軟な対応をするとの御答弁を頂戴をしました。柔軟な対応について御説明を賜ればと思います。
○松村国務大臣 まず、中川委員におかれましては、予算委員会でもこの御質問をいただきました。
今回の法改正におきましては、御地元北海道の皆様方から大変不安の声を伺っておったところでもございます。いろいろと説明をしておる中で、中川委員にも、地元の御不安の払拭、御理解のいただけるような御支援をいただいていることに感謝を申し上げたいと思います。
その上で、改めて、柔軟な対応とは何ぞや、御説明せよということでございますので、今回の改正におきまして、ライフル銃の許可基準では、事業に対する被害を防止するため獣類の捕獲を必要とする者は、一年目から所持許可を受けることができることとされております。ただ、様々寄せられた御要望を踏まえまして、ハーフライフル銃については、この要件を広く運用することとしているところでございます。
具体的に申し上げると、現在、市町村の鳥獣被害対策実施隊に従事しているハンターの方々は、市町村の推薦をお受けになれば所持許可を受けることができることとしておりますが、その市町村限りでしか使用ができない運用となっておりまして、この点、ハーフライフル銃につきましては、都道府県による確認を経ることで、その都道府県全域で使用できる許可を受けられるようにすることとしております。
また、都道府県から、あらかじめ必要性を認めた場合には、鳥獣被害対策実施隊に従事していない方々、こういうハンターの方々についても許可を受けることができるようにすることとしてございます。
これらの運用によりまして、獣類による被害の防止に支障が生じないようにしてまいりたいと思っております。
○中川(郁)委員 大変ありがとうございました。
警察庁の方には、北海道まで出かけていただいて、御説明をいただいたり事情を聞いていただいたり、大変寄り添った対応をしていただいたこと、感謝を申し上げます。
その上で、例えば、特例によって道外でハーフライフル銃の所持の許可を得た者が長期間北海道に行くことができなかった場合、これは取り消されてしまうのか、また、ハーフライフル銃に関する柔軟な対応について、対象が海獣、トド、アザラシでも適用されるのか、また、バックストップのあるところでのハーフライフル銃でのキツネ、アライグマの中型動物、鳥類の射獲についてはこれまでどおりと考えてよいのか、教えていただければと思います。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
まず、長期間使用されなかったような場合のケースでございますけれども、現行の銃刀法におきましても、事業に対する被害を防止するため獣類の捕獲を必要とする方という要件に該当するとしてライフル銃の所持許可を受けたにもかかわらず、必要としているとは認められないほどに獣類の捕獲活動に従事していない場合には、この要件に該当しないものとして所持許可の取消しができることとなっております。
新たな運用案でハーフライフル銃の所持許可を受けた方につきましても、同様に、必要としているとは認められないほどに獣類の捕獲活動に従事していない場合には所持許可を取り消すことができることとなりますが、ただ、取消しの判断に当たりましては個別の事情を考慮することとなりまして、御指摘の点について一概にお答えすることは難しいところがございますが、例えば、病気やけがといったやむを得ない事情が認められる場合には所持許可は取り消さないということとしております。
また、トドやアザラシという点でございますけれども、ハーフライフル銃に関する所持許可の新たな運用案につきましては、都道府県が事業に対する被害を防止するため捕獲を必要とする獣類を対象とした所持許可とすることを検討しております。都道府県におきまして捕獲を必要とする獣類を網羅的に対象とすることができるよう、関係省庁とも連携して対応してまいりたいと考えております。
また、キツネ、アライグマ等の話でございますけれども、こちらにつきましては、鳥獣保護管理法におきまして、ライフルで銃猟ができる動物が定められているというふうに承知しております。この点につきましては、鳥獣保護管理法を所管する環境省において対応されると思っておりますけれども、我々の方としても、それに応じまして、連携して対応してまいりたいと考えております。
○中川(郁)委員 ありがとうございました。是非、柔軟にお願いしたいというふうに思います。
農林漁業に大きく被害をもたらしているエゾシカ、そしてヒグマに関する通報件数が四千五十五件と、前年の二倍近くあるということであります。また、市街地に度々出没しているアーバンベア問題も大変深刻であるというふうに思います。そういう中で、災害復旧、測量、送電パトロール、アメダス機器の管理まで、ハンターの護衛がなければ仕事ができないという地域であることを是非考慮をしていただきたいというふうに思います。
そういう中で、猟銃所持許可を受けている方というのが年々減っているということでありますが、全体の人数と年齢構成について教えていただければと思います。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
令和五年末時点におきまして、猟銃又は空気銃の所持許可を受けている方は八万四千六百七十九人おられます。そのうち、住所地が北海道の方というのは六千百二十七人となっておられます。
この住所地が北海道の方につきまして、年代別の割合を見ますと、三十歳未満の方が六%、三十代の方が一三%、四十代の方が二〇%、五十代の方が一八%、六十歳以上の方が四四%となっております。
○中川(郁)委員 是非、次世代ハンター育成のためにも新規ハンターの所持は必要であり、柔軟な運用には、ハーフライフル銃、期限を設けないようにしていただきたいということと、それから、手続も円滑な運用をお願いしたいと思います。
環境省にお聞きをしたいと思います。
今週ですけれども、伊藤環境大臣から、省令を改正し、ヒグマなどの熊類を指定管理鳥獣に指定したというふうに発表がありました。これは知事の要請を受けてのことだというふうに思いますが、これで何が変わるのか。ハンターの支援強化につながっていくのか、ヒグマの捕獲は経費がかかるので、ハンターが交付金を受け取ることができるのか、これを皆さん心配をしております。
そして、先ほどお話をしたように、アーバンベア問題というものがあります。ヒグマにハンターが発砲する際も、警察が許可を出すまでに時間がかかってしまうという問題がありますが、伊藤大臣は、将来的には、市街地でのハンターの出動、捕獲について鳥獣保護管理法の適用を検討したいとお話をしてくださったというふうに思います。そこについてお聞きしたいと思います。
○堀上政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘のとおり、今月十六日に、鳥獣保護管理法施行規則の一部を改正する省令が公布、施行されまして、絶滅のおそれのある四国の個体群を除いて熊類を指定管理鳥獣に指定をいたしました。
この指定管理鳥獣に指定をすることで、熊類の個体数のモニタリング、あるいは人の生活圏への出没防止のための環境管理、必要な捕獲、人材育成など、都道府県の状況に応じた効果的な対策を講ずることが可能となります。
環境省といたしましては、関係省庁と連携して、都道府県等による被害防止策の推進に必要となる支援を進めてまいります。
また、お尋ねのありました市街地への出没防止ですが、現行の鳥獣保護管理法では、住居集合地域等における銃猟につきましては、人に危害を及ぼすおそれが特に大きいということで、禁止をしているところでございます。
ただ、専門家による検討会におきまして、熊類が住居集合地域等に出没した際の緊急対応に支障が生じている、そういう御指摘がございました。こうした指摘も踏まえて、市街地において迅速に熊への対応ができるように、関係省庁とも連携をして、鳥獣保護管理法の改正も含めて具体的な対応方策を検討してまいります。
○中川(郁)委員 対応を検討してくださるということでございますので、是非よろしくお願いしたいというふうに思います。
最後に、警察庁に、このアーバンベア問題でありますけれども、令和五年三月二十八日付の警察庁の通達では、熊等が住宅街に現れたとき、そして警察官よりも先にハンターが現場に臨場する事態も想定されるところ、当該ハンターの判断によって、緊急避難措置として熊等を猟銃を使用して駆除することは妨げられないとありますが、今回の法改正、発射罪拡大で何か変わるんでしょうか。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
今回の改正で、発射罪、新たに対象を拡大するところでございます。ただ、公共空間におきます発射罪の対象に猟銃が追加された場合でありましても、現行のように、警察官職務執行法の解釈や適用事例などを示しまして、ハンターの方々が不安なく熊を捕獲できるように、現場において適切な対応をしてまいりたいと考えておりますし、警職法等で対応する、また、緊急避難等に該当する場合には違法性が阻却されるという点については今後も変わらないというふうに理解しております。
○中川(郁)委員 ありがとうございました。
時間が参りましたので、質問を終了させていただきます。
○星野委員長 次に、庄子賢一君。
○庄子委員 公明党の庄子でございます。よろしくお願いいたします。
本案につきましては、近年の銃等にまつわる事件に鑑みまして、ライフル銃の範囲を拡大することとともに、銃砲等の発射、所持に関する罰則を強化、電磁石銃の所持の禁止に関する規定の整備、あるいは眠り銃の許可見直しといったことを盛り込む法案でございます。
以下、何点か伺ってまいりますが、まず、銃砲等の所持の禁止違反に関する罰則についてでございます。
従来、拳銃等には適用されております、人の生命、身体又は財産を害する目的で所持した場合、一年以上十年以下の懲役という罰則がございますが、今回新たに、猟銃と、拳銃等及び猟銃を除く銃砲等についてもこれが規定をされます。この規定は、その他の所持の禁止違反における罰則に比べてかなり重いものになっておりまして、そうなりますと、人の生命、身体を害する目的で所持したかどうかという認定が非常に重要になってまいります。
この基準、どのような基準で判断をしていくのか、政府参考人に伺います。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
人の生命、身体又は財産を害する目的で所持した場合というのは、例えば、人を殺そうとしたり、脅して物を取るといった何らかの犯罪に用いるために所持している場合が想定されます。
個別具体的な事案の中での判断にはなりますが、例えば、殺人、強盗等の犯罪で実際に使用された場合は当然でありますが、犯罪に使用される前の段階でも、本人の供述や証拠資料から所持した経緯や目的を明らかにすることで、人の生命、身体又は財産を害する目的を有することを立証していけるものと考えております。
○庄子委員 どこまでも法と証拠に基づいた適切な対応を是非お願いをしたいというふうに思います。
手製の銃についてですが、近年、製造方法がネット上で公開をされておりますので、自作、自分で作ることが容易になっております。安倍元総理の事件でも明らかでございますが、自分で作ったとはいえ高い殺傷能力もあります。
この手製の銃については、人の生命、身体又は財産を害する目的で所持すれば、今も指摘をしました拳銃や猟銃と同じ一年以上十年以下の懲役ということでございますが、そうでない所持の禁止違反であれば、拳銃や猟銃に比べて量刑は軽くなっております。
どのような考えに基づいてこうした対応になるのか、参考人に伺います。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
銃刀法におきましては、所持罪の法定刑は、銃砲等の社会的有用性や悪用される蓋然性を総合的に考慮し、危害予防上の観点から対策を行う必要性が高いと考えられる種類の銃砲等ほど重くされてきております。
拳銃等以外の銃砲等につきましては、これまで、悪用される蓋然性が拳銃等ほど高くないことも踏まえ、拳銃等の所持罪より低い法定刑とされてきましたが、人の生命、身体又は財産を害する目的で拳銃等以外の銃砲等を不法所持した場合については、悪用される蓋然性が高く、危害予防上の観点から対策を行う必要性が高いと考えられますことから、その法定刑を引き上げることとしております。
自作の銃砲につきましては、個別具体的な事案の中での判断とはなりますが、社会的な有用性があるとは言えない自作の銃砲を所持している場合には、その所持に至る経緯や目的を解明する中で、人の生命、身体又は財産を害する目的で有することを立証できる、すなわち拳銃等と同じ刑罰で処断できる場合が多いものというふうに考えております。
いずれにしましても、今回の改正により設けられる規定を適切に活用して、銃砲の悪用防止に努めてまいりたいと考えております。
○庄子委員 よろしくお願いします。
次は大臣に伺います。
猟銃の所持許可の特例については、銃刀法第四条第一項第一号の用途、すなわち狩猟、有害鳥獣駆除又は標的射撃に供される猟銃については、一般的な銃砲より厳格になっています。講習の修了証書交付日から三年を経過していない者、あるいは一般の銃砲が十八歳以上である者を二十歳以上にしています。
その上で、重大な違法行為、殺人や治安を乱す目的で爆発物を使用した日から十年を経過しない者という規定もございます。しかし、十年を経過した場合においても猟銃の所持を認めるべきではない者がいるケースについて、警察庁ではどのように対応されるでしょうか。
○松村国務大臣 委員御指摘のとおり、銃刀法では、殺人や傷害といった人の生命又は身体を害する罪に当たる違法な行為をした日から起算をいたしまして十年を経過しない者は猟銃の所持許可を受けることはできないこととされております。これは、そのような違法な行為を行った者が猟銃を所持した場合、猟銃を使用して人の生命又は身体に危害を加える危険性が一般的に認められることなどを踏まえて設けられた規定でございます。
この点、十年を経過した者であっても、他人の生命、身体又は財産を害するおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者については、猟銃の所持許可をしてはならないこととされているところでございます。
引き続き、警察といたしましては、こうした欠格事由に該当するかを確認するための調査を的確に行うことで、不適格者が猟銃を所持することがないようにしてまいりたいと考えております。
○庄子委員 ありがとうございます。是非よろしくお願いしたいと思います。
次に、ネットに関することでございますが、銃砲等の所持のあおり又は唆しに関する罰則の整備について、これは重要だというふうに思っております。特に、ネット上で銃砲等や爆発物の製造方法といった情報についての対処が課題だと考えます。
令和五年に、警察庁が委託するインターネット・ホットラインセンターが有害情報と判断したものについて、プロバイダーに依頼し削除に至っているのは七割で、三割はそれに応じていません。更なる対策が必要だというふうに思います。
この点、大臣ともこの委員会なんかでは違法オンラインカジノの問題でも議論をしてまいりましたが、ネット上の有害情報の流布について、防止あるいは削除といったものについての強制力を持った法整備が必要ではないかということを訴えてまいりました。
この点については今後も議論させていただきたいと思いますけれども、その上で、ネット上におけます重要犯罪密接関連情報への課題認識、そして今後の対応について政府参考人に伺います。
○大橋政府参考人 お答えいたします。
インターネット・ホットラインセンターにおいては、令和五年中、重要犯罪密接関連情報について、プロバイダー等の事業者に削除依頼を行った結果、令和六年一月末時点で、議員御指摘のとおり、その約七割が削除に至ったものでございます。また、約三割の情報が削除されていない状況にございます。
これらの情報の削除の実効性をいかに確保していくかという点が課題であると認識しているところでございます。
課題の解決に向けては、プロバイダー等の事業者の協力が必要不可欠でありまして、警察庁では、国内のプロバイダー等の事業者団体に対しまして、違法・有害情報対策の強化を要請するとともに、海外の大手SNS事業者と個別に面談し、違法・有害情報に係る削除依頼への迅速な対応を依頼しているところでございます。
引き続き、実態を踏まえまして、総務省や民間事業者等と緊密に連携し、削除の実効性を確保してまいります。
○庄子委員 大臣とも内閣委員会でオンラインカジノの問題、いろいろ議論させていただいている中でも、明らかに有害情報であり不適切な情報だと分かっていても、それがネット上に流布されている。削除は要請はできるけれども強制力はないという中で、非常にもどかしい思いを、このオンラインカジノであれ、あるいはこうした銃砲等にまつわる有害情報であれ、感じています。
こうした、いかんともし難いものをどう乗り越えるかということはこれからのテーマで、これからも、大臣、是非議論させていただきたいと思っておりますが、EUなんかでは、デジタルサービス法という法律によって大手インターネットの企業に対して有害情報の流布の防止を義務づけるということもできていますので、是非、我が国においても検討を進めていただきたいというふうに思います。
最後の質問ですが、ライフル銃の所持には継続して十年以上の猟銃の所持許可を受けている者という高いハードルがあります。一方で、ハーフライフル銃は、一定の基準を満たすことによって初心者でも所持許可が出ます。北海道などでエゾジカあるいはヒグマ等有害鳥獣の駆除には、ライフル銃の所持許可に満たない方がハーフライフル銃を使用し活動されているケースが多いわけであります。
今回、ライフル銃の範囲の定義を、銃腔内のらせん状の溝、これが、銃腔の長さの半分以上から五分の一以上ということに変えるわけであります。これまでは、銃腔の長さの半分以上溝があればライフル銃、半分以下はハーフライフル銃というふうにすみ分けをしておりましたが、それが、五分の一以上は全てライフル銃としての厳しい所持許可基準が課せられることになります。北海道を始め狩猟の関係団体の皆様からは、有害鳥獣対策に大きな影響があるとして懸念が示されているわけであります。これはさきの質問でもございました。
そこで伺います。
銃砲事件をなくすということは最大に重要だというふうに思う一方で、有害鳥獣対策の足かせになってもいけない。この二つ、どのように両立をさせていくかということについて大臣の考えを伺います。
○松村国務大臣 まず、ハーフライフル銃につきましては、散弾銃よりも射程距離が長く、長野県での事件でそうだったように、悪用された場合の危険性が高いことから、今回の改正によりまして、ライフル銃の厳格な所持許可の基準を適用することとしたものでございます。
他方、ハーフライフル銃は、とりわけ北海道におきまして獣類による被害の防止に広く使用されている状況にあり、こうした活動に支障を生じさせないことは言うまでもなく重要であるということから、都道府県が必要性を認めた場合におきましては必要な獣類の捕獲のために所持許可を受けることができるようにすることとしておりまして、この新たな運用を適切に進めていくことが必要であると認識をいたしております。
いずれにいたしましても、引き続き、関係団体の方々からしっかりと丁寧に御意見を伺いまして、御指摘のとおり、銃砲の悪用防止と獣類による被害防止の両立を図ってまいりたいと思っております。
○庄子委員 今、大臣から非常に大切な御答弁をいただいたと思っております。銃による悲惨な事件を絶対に起こさないという、そうした強い決意と、同時に、それがなければ生活の糧を失ってしまうという、そういう立場の方々もいらっしゃるので、北海道を中心とした狩猟関係の皆様からの意見聴取というものについては、今回この法律が通ったとしても、今後の進行管理、また実態がどうなっているかということについては、是非、大臣を中心に、丁寧な聞き取りをこれからも継続をしていただきたいということを最後にお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○星野委員長 次に、浅野哲君。
○浅野委員 おはようございます。国民民主党の浅野哲でございます。
今日は、他委員会との兼ね合いで時間の御配慮をいただきまして、ありがとうございます。
銃刀法改正案に関する質疑ということで、公安委員長の方に伺っていきたいと思いますが、猟友会の方々からいただいた声も含めて、まず一問目、質問させていただきたいと思います。
御承知の方も多いかもしれませんが、二〇一八年、北海道の砂川市で、自治体の要請によりヒグマの駆除が行われた際、猟銃を使用して駆除を行った方の猟銃所持許可が取り消されるという事案が発生いたしました。これは訴訟中の案件でありますので、内容については質問しても答弁がなかなか難しいと思いますが。
ここでちょっと課題意識を持っておりますのは、当時、しっかり警察の方もそこに同席した上で、その指示に従う形で駆除をしたにもかかわらず、猟銃所持許可が取り消されるということになってしまったということで、非常に現地の猟友会の方々は、その後、依頼を受けても、その依頼に対応しても許可が取り消されてしまうんじゃないかという不安の中で、少し萎縮をしてしまっているというような声も届いております。
今回、発射罪が厳罰化されていく内容も含まれておりますので、しっかりと、駆除における発射の判断基準等の整理と、行政や警察側も含めた周知徹底が必要だという指摘がありますが、まず、この問題について、公安委員長の方から御答弁をいただきたいと思います。
○松村国務大臣 まず、委員御指摘の事案につきましては、現在も係争中であることから、当該事案についてのお答えを差し控えさせていただくことについては御理解をいただきたいと思います。
今回の改正で、猟銃にも適用いたします発射罪につきましては、鳥獣保護管理法の規定に従って行われる発射には適用されないこととしておりますが、同法で禁止されている居住集合地域等での銃による熊などの捕獲については、ハンターが法違反として罪に問われないよう、現在は、警察官が、警察官職務執行法に基づき、ハンターに発射を命令するといった対応を取っているところでございます。
鳥獣保護管理法の扱いにつきましては、現在、環境省において改正も含めた検討がなされていると承知をいたしておりますが、警察におきましては、引き続き、警察官職務執行法の解釈や適用事例をお示しをしますとともに、銃刀法改正案が成立した場合には、発射罪を始めとする改正の内容について分かりやすく周知することにより、ハンターの方々が不安なく熊を捕獲できるようにすることを含めまして、現場における適切な対応が図られるように警察を指導してまいりたいと考えております。
○浅野委員 続いての質問です。
先ほども少し取り上げられておりましたが、インターネット上の爆発物や銃砲等の製造方法等については、警察庁からの委託を受けて、サイバーパトロールセンターにおける情報収集や、インターネット・ホットラインセンターによる通報、削除依頼などが行われていると承知をしております。
令和五年で、インターネット・ホットラインセンターが重要犯罪密接関連情報と判断し、プロバイダーなどに対応を依頼した三千三百七十九件のうち、削除に至ったのは、先ほどもあった約七割の二千四百十一件。まだ三割が削除されずに残っているというものなんですが、これらの情報に対して警察は今後どのような対応を行っていくのか。そして、本改正案では投稿者への罰則が創設をされておりますが、特に海外の外国人などの投稿者に対してはどのように対応していくことができるのか。この点について教えてください。
○松村国務大臣 警察や、警察が業務委託を行いますインターネット・ホットラインセンターにおきましては、国内、海外を問わず、爆発物や銃砲の製造情報について投稿されたサイトの管理者に対しまして、まず削除依頼を行っているところでございます。委員御指摘がございましたように、七割はこういったものに対応していただいているところでもございますが、削除依頼をいたしました情報の中には、残念ながら削除に至らないものもございます。
こうした削除の実効性を確保するため、警察におきましては、国内のプロバイダー及びサイト管理者団体に対しまして、違法・有害情報対策の強化を要請をいたしておりますし、海外の大手SNS事業者等を訪問いたしまして、個別に面談をし、違法・有害情報に係る削除依頼への迅速な対応を行っているものと承知をいたしております。
また、海外から情報発信を引用して国内で発信するような行為については、これはあおり、唆し罪の対象になり得ると考えております。
国内外を問わず、違法情報の対策は極めて重要であると考えておりますので、強力な取締りや削除依頼の取組を着実に進めていくようにしてまいります。
○浅野委員 是非よろしくお願いいたします。
インターネット・ホットラインセンターの令和五年度の活動実績、本年三月に少し資料が出ておりました。私も拝見しましたところ、拳銃等の譲渡などに関する情報は、分析の結果十五件、うち削除完了が八件、そして、爆発物や銃砲等の製造に関する情報、これも分析の結果十六件発覚をし、削除完了が七件ということで、これらの情報についてもまだ削除し切れない情報があるそうでありますので、件数的には決して多いとは言えませんが、その分、削除に向けた取組は着実に推進していただきたいと思っております。
続いての質問です。
これまでの改正では、事件が起こればその事件に使用された銃砲等だけを対象に規制を強化するというものでありましたが、本改正案では、コイルガンなど、まだ犯罪に使われた例のないものまで対象が広げられており、その点は評価しております。
また、現在、銃砲等に該当しないスリングライフルが販売されておりますが、これらの武器を始めとして、今後、科学技術の発展により、命中精度や威力が高い武器で、容易に入手できるものや携帯可能なものなどが開発される可能性も十分に考えられると思っております。例えば、ドローンを使用した武器の開発なども、今既に紛争地域では使用が検討されていたり、そういう話も聞いております。
政府として、銃刀法が適用されない武器の動向について、今後、どのように情報収集をし、規制を検討していくのかについて伺いたいと思います。
○松村国務大臣 犯罪に悪用されるおそれがあります銃や銃に類似する武器について把握することは、委員御指摘のとおり重要と考えておりまして、平素、警察活動や、武器等の製造法を所管いたしますのが経済産業省でございますので、関係機関と団体との情報交換を通じまして、販売実態などをよく注視していくこととしてございます。
その上で、今回の電磁石銃のような、銃刀法やその他の法律で規制がされていないものを把握した場合には、その用途や危険性を考慮の上、規制の必要性について検討することが重要と考えているところでございます。
御指摘の、技術の進展も十分に念頭に置きまして、犯罪への悪用といったことが起きる前に、できる限り早期に対応できるよう警察を指導してまいります。
○浅野委員 続いての質問です。
火薬等の入手者をどう把握していくかという問題について伺います。
自作の銃の材料として火薬を購入することは十分に考えられます。警察は、ホームセンターや花火店など、爆発物の原材料となり得る物品を取り扱う事業者等に対して、販売時の本人確認の徹底、不審な購入者の情報提供等を呼びかけておりますが、その対応は任意とされております。
二〇二三年四月に、和歌山市での選挙応援の際に訪れていた岸田総理の近くに爆発物が投げ込まれた事件がありましたが、この際に使われたものは、火薬の原料となる肥料がインターネットで購入されていたという事例もありました。
最近では通信販売業者も多く、実効性が見通せないという指摘がありますけれども、政府としては、このような呼びかけの実効性や課題をどのように考えているのか。答弁をいただきたいと思います。
○松村国務大臣 爆発物を使用したテロなどの未然防止を図るためには、爆発物の製造を謀ろうとする者がその原料となり得る化学物質を入手することを防ぐことが重要であると考えておりまして、警察では、過去に国内外の事案で爆発物の原料に悪用されたことがございます化学物質十一品目を指定をいたしまして、これらの販売事業者に対しまして、関係省庁と協力をいたしまして、販売時の本人確認でありますとか不審情報の通報を要請をいたしておりまして、必要な取組を推進をいたしているところでございます。
具体的に申し上げると、販売事業者向けにマニュアルを整備をいたしまして、都道府県警察におきまして、販売者を個別に訪問をいたしまして、協力を要請をいたしております。
また、店舗においてロールプレーイング型の訓練を実施するなどの取組を積極的に推進しているものと承知をいたしております。
これらの要請は、あくまでも任意の協力を事業者に求めるものではございますが、こうした取組が功を奏しまして、通信販売事業者も含めまして、事業者から多数の情報が寄せられているものと承知をいたしております。
今後も、このような取組に漏れや不十分な点がないか、また、実効性の点においても持続可能なものであるかなど、不断の確認、見直しを行ってまいりたいと思っております。
○浅野委員 時間があと残り僅かですので、ちょっと一問飛ばしまして、最後の通告質問をさせていただきます。
今回、銃刀法改正案で、狩猟の事故件数ですとか、そういった部分についても少し調べる機会があったんですけれども、その中で、やはり、事故がどうしても、最近、発生が防げていないという状況がありました。
最近では、銃の暴発でお亡くなりになった方も近年おりますので、銃を使わずに有害鳥獣駆除を行うための技術開発も行われているというふうに伺っております。
その代表的な例として、ドローンを活用して、上空から有害鳥獣の位置を把握し、追い払ったりですとか、そういった位置の把握等に活用するという技術開発が行われているそうなんですけれども、こちらの現在の活用状況、あるいは今後の見通しについて、政府の方から伺いたいと思います。
○堀上政府参考人 お答えいたします。
御指摘のとおり、鳥獣の捕獲等の現場におきまして、ドローンの活用に向けた取組が進められてございます。
環境省では、都道府県が実施するドローン等を活用した調査や新たな捕獲技術の導入に対して、指定管理鳥獣捕獲等事業交付金により支援をしていますが、例えば静岡県におきましては、赤外線カメラを搭載したドローンによってニホンジカの生息域をあらかじめ把握した上でわなを設置することで、前年度よりも高い捕獲効率が得られたと聞いているところでございます。
○浅野委員 是非、引き続き技術開発を進めていただきたいと思います。
終わります。
○星野委員長 次に、逢坂誠二君。
○逢坂委員 逢坂誠二でございます。よろしくお願いいたします。
それでは、早速質問に入らせていただきます。
まず、環境省にお伺いをしますけれども、昨年の熊による被害状況はどのようになっているか、御報告をお願いします。
○堀上政府参考人 お答えいたします。
令和五年度の熊類による人身被害の発生件数は百九十八件、被害人数は二百十九人、うち死亡者数六人となっております。いずれも集計を開始して以降の過去最多となっております。特に東北地方で被害が発生しておりまして、秋田県と岩手県の合計が全国の発生件数と被害人数の半分以上を占めているという状況でございます。
○逢坂委員 昨年の人的被害は過去最高ということでありますけれども、引き続き環境省にお伺いします。
なぜこのように熊被害が広がっているのか、その原因をどう把握されておられますでしょうか。
○堀上政府参考人 令和五年度、昨年度ですが、熊類が出没増加した要因につきましては、餌となるドングリなどの広葉樹の木の実が凶作だったということがまず考えられます。また、中長期的な要因といたしましては、中山間地域における人間活動の減少、具体的には、人口減少に伴う山林の管理不足、耕作放棄地の拡大などによりまして、人の生活圏の周辺が熊類に適した生息環境に変化している、熊類の生息域が人の生活圏に近づいてきているということが考えられております。加えて、地域によっては熊類の個体数自体が増加しているということも要因の一つかと考えてございます。
様々な要因が複合的に影響しておりますので、何が要因かというのは必ずしもはっきりはしないところもありますけれども、果樹ですとか生ごみ、そういう誘引物が不適切な管理をされている、そういったことも相まって、出没が増加して人身被害が拡大しているということも考えられるかと思います。
○逢坂委員 ありがとうございます。
なかなか深刻な状況だというふうに思います。山のドングリなんかが減っている、耕作放棄地あるいは個体数の増加といったようなことが要因に挙げられたわけです。
それでは、熊の被害防止に向けて、国の対応、対策はどうなっているのか。まず農水省、引き続いて環境省からお伺いしたいと思います。
○神田政府参考人 お答えいたします。
熊による農作物被害防止のためには、電気柵の整備などの侵入防止、農地周辺での捕獲、また、放置された柿の実などの処分といった生息環境管理の取組が重要と考えてございます。
このため、農林水産省におきましては、鳥獣被害防止総合対策交付金におきまして、地域ぐるみで行うこれらの被害防止活動を支援をしてございます。
また、農業現場における人身被害防止等のため、音を出して人の存在をアピールするなどの安全管理、また、熊を誘引するおそれのある収穫残渣等の管理、除去を徹底していただくよう、環境省とも連携いたしまして、毎年、都道府県を通じた注意喚起を行っているところでございます。
○堀上政府参考人 環境省におきましては、専門家による検討会を設置しまして、科学的な観点からの検討を経て、本年二月に被害防止に向けた総合的な対策の方針を取りまとめていただきました。
この方針の中では、ゾーニング管理、広域的な管理、順応的な管理の三つの管理を推進しながら、熊類の地域個体群の維持を前提としながら、人の生活圏への出没防止によって人と熊類の空間的なすみ分けを図るということにしております。また、絶滅のおそれのある四国の個体群を除いて熊類を指定管理鳥獣に指定するという方向性をそこでいただいて、これを受けて、今月十六日に熊類を指定管理鳥獣に四国の個体群を除いて指定をしたというところでございます。
また、農林水産省、警察庁を始めとする関係省庁とともにクマ被害対策施策パッケージを策定しまして、関係省庁が連携して着実に対策を実施するということで、熊類の地域個体群の維持と熊類による被害の防止を図り、国民の安全、安心を確保してまいりたいと考えております。
○逢坂委員 熊による被害は大変深刻な状況になっております。私も、生まれも育ちもずっと北海道ですけれども、最近は、今まで出てこなかったようなところにも熊が出てくるし、家のそばにも熊が出てくるというようなことで、本当に信じられない状況になっているわけです。是非、農水省、環境省、それから警察も協力して、熊の対策をしっかりやっていただきたいというふうに思います。
まず、熊の対策をやる場合に、国のいろいろな取組も重要でありますけれども、自治体の取組も非常に重要になっているというふうに思います。自治体はどのような取組をすべきなのかということを農水省、環境省からそれぞれ伺うと同時に、それらに対する自治体への財政支援についてもお知らせください。
○神田政府参考人 お答えいたします。
地方公共団体におきましては、先ほども御答弁させていただいたような地域ぐるみの被害防止活動が実践されるように、地域の関係者と協力して対策を推進していただくことが重要であると考えてございます。
このため、農水省におきましては、市町村が作成いたします被害防止計画に基づきまして、地域ぐるみで行われる被害防止活動に対しまして、鳥獣被害防止総合対策交付金により支援を行っているところでございます。
また、人身被害や農作物被害防止に向けましては、音を出して人の存在をアピールするなどの安全対策、また、熊を誘引するおそれのある収穫残渣等の管理、除去の徹底など、地域住民の方々への理解促進を図ることも重要であると考えておりまして、これにつきましても、毎年、都道府県を通じて周知を図らせていただいているところでございます。
○堀上政府参考人 熊類の生息状況あるいは被害の発生状況は、地域によって大きく異なっております。このため、都道府県におかれましては、熊類の生息状況、被害状況の調査、モニタリング、それを適切に実施していただくとともに、地域の実情に応じて、人の生活圏への出没防止のための環境管理、必要な捕獲、人材育成、総合的な対策を実施していただきたいと考えてございます。
そのような中で、環境省におきまして、令和四年度から六年度にかけて、熊類の出没対応あるいは防止対策を支援するモデル事業を六道県を対象に実施してきております。
また、令和五年度補正予算としてクマ緊急出没対応事業を措置しておりまして、こちらは、二十道府県を対象に緊急的な調査を支援しているところでございます。
さらに、指定管理鳥獣への指定を踏まえて、熊類の個体数のモニタリング、人の生活圏への出没防止、あるいは人材育成、捕獲、都道府県等が実施するそういった総合的な被害防止対策の推進に必要となる支援を進めていきたいと考えてございます。
○逢坂委員 ありがとうございます。
本当に熊の状況は信じられないことになっておりまして、昨年、私の選挙区で松前町という町があるんですが、私、その市街地にある旅館に宿泊しました。朝起きてみると、旅館の隣の駐車場に熊のふんがあるんですね。それは人家がいっぱいあるところです。それで、旅館の人に言われたのは、逢坂さん、夜飲んで帰ってくるとき一人で歩いちゃ駄目だよということなんですね。それぐらい熊が出ているということです。
それから、松前町の別の地域、そこも人家が集中しているところですが、家の裏に、家の裏といっても遠く離れたところではなくて、ベランダからすぐ見える範囲にブドウの棚がある、ところが、そのブドウの棚に熊が来てブドウを食べているというようなこと。それから、次の日の朝、今度は、そこから百メートルぐらい離れた呉服店の店の前にブドウの種が含まれた熊のふんが落ちているというようなことで、北海道では、秋田、東北も多分そうなのかもしれませんけれども、本当に身近なところに今熊が出てきているということで、従来では考えられないような状況になっております。
それから、今年は、雪があるときは普通熊が出ないというふうに一般的には言われているんですが、これも私の選挙区ですけれども、雪のある時期に熊がうろうろしているといったようなこともあります。
それから、皆さん驚くかもしれませんが、北海道では、砂糖大根、ビート、これの作付が結構、面積が広く作付されているんですが、あるビート畑へ行きましたら、ビートが何か乱雑に掘られているんですね。それで、一緒に行った畑の地主さんに、これは一体何なの、何でこれは収穫しないのと言ったら、いや、実は、逢坂さん、これは熊が掘っていったんだと言うんですよね。熊が掘っていったのはいいんですが、そのまますぐ食べないで四、五日このままにしておくんだ、そうすると、多少乾燥して甘みが増して、それをまた熊が食べに来るんだという話もしておりまして、熊も随分、人の生活圏に近づいて、しかも、単に作物を食い荒らすだけではなくて、うまみを増したものを食べるなんという、そんな状況にもなっているということでありますので、是非、皆さんにも熊対策の重要さを御認識いただきたいというふうに思います。
そこでなんですが、熊対策ということになれば、鉄砲を撃つ方の存在というのは非常に重要になるわけですが、鉄砲を撃つ方が高齢化しているとか、なかなか免許の基準も厳しいということで、最近は随分減っているのではないかというふうに言われていますが、その実態についてまず警察の方にお伺いしましょうか。猟銃や空気銃の所持許可者、これの推移はどのようになっているでしょうか。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
令和五年末時点におきまして、猟銃又は空気銃の所持許可を受けている方は八万四千六百七十九人となっております。平成十二年末時点においては二十一万四千六百七十四人でございましたので、それと比較しますと約六〇%減少しております。
近年は、毎年約千人から二千人ずつ減少しているところでございます。
○逢坂委員 大臣、実はこんなに鉄砲を撃つ人が減っているんですね。これはなかなか深刻な状況だというふうに思います。
それでは、銃を利用するハンターの推移はどのようになっているか。環境省、お願いします。
○堀上政府参考人 まず、狩猟免許所持者の総数でございますけれども、これは昭和四十五年度の五十三万一千人をピークに減少してきておりましたけれども、平成二十四年度には十八万一千人となって以降、増加に転じております。令和元年度は二十一万五千人となっています。これは狩猟免許所持者の総数でございますけれども、他方で、増加しているのは主にわなを使った狩猟に係る免許所持者でありまして、狩猟免許所持者の中で、猟銃を使用する第一種銃猟及び第二種銃猟の免許所持者は継続して減少傾向にございます。令和元年度は九万二千人となっているところでございます。
○逢坂委員 まず、ハンターそのものが減っているということ、五十三万人が二十一万人ということ、その中でも鉄砲を撃つ人が減っているということでありますので、一方で熊の被害が増えているということですから、鉄砲を撃つ人の確保、これが非常に大事なことになるわけです。
そこで、銃を利用するハンター、これの確保のための国の対策はどのようにやっているでしょうか。環境省、お願いします。
○堀上政府参考人 銃を含めまして捕獲の担い手の育成、確保の対策といたしまして、環境省におきまして、まず、狩猟の魅力を伝えて狩猟免許取得を促すための狩猟フォーラムを開催しています。それから、指定管理鳥獣捕獲等事業交付金を活用して、都道府県による認定鳥獣捕獲等事業者あるいは狩猟者の育成の取組を支援しています。また、認定鳥獣捕獲等事業者あるいは有害鳥獣捕獲に関わる狩猟者の狩猟税の減免措置、そういったことを実施してまいりました。
特に、狩猟フォーラムにおきましては、ハンティングの模擬体験、あるいは銃猟に係る動画の作成などによりまして、銃猟に関する普及啓発を行っております。
引き続き、関係省庁と連携して、捕獲の担い手の育成、確保の対策を進めてまいります。
○逢坂委員 私がニセコで町長を務めているときも、ハンターの確保というのはなかなか大変でした。いろいろな対応、対策をしたんですけれども、なかなかうまくいかないということもありました。当時、ニセコには熊も鹿もいなかったんですが、キツネ、エキノコックス対策、それからカラス。カラスの被害も結構あったものですから、ハンターの皆さんに随分お世話になったんですけれども。
ハンターを確保するということで、銃を利用するハンターですね、自治体が行っているハンターの確保対策について、国の財政支援なんかがあるんでしょうか。環境省、お願いします。
○堀上政府参考人 まず、環境省におきましては、指定管理鳥獣捕獲等事業交付金によりまして、都道府県による認定鳥獣捕獲等事業者あるいは狩猟者の育成の取組を支援しております。
また、農林水産省におかれましても、先ほどもお話がありましたけれども、鳥獣被害防止総合対策交付金によりまして、鳥獣被害対策実施隊などの捕獲の担い手の育成等の取組支援を行っていると承知をしております。
引き続き、農林水産省と連携をして、銃を含めた捕獲の担い手の育成、確保の対策を進めていきたいと考えております。
○逢坂委員 今回、熊が指定鳥獣に指定されたということは非常に大きな一歩だと思いますし、これを一つの契機にして、自治体とも連携しながらしっかり対応していただきたいというふうに思います。
そこで、今日は財務省にも来ていただいておりますけれども、熊の被害防止、それから銃を利用するハンターの確保、こういったことで農水や環境省が様々対策を講じているわけでありますけれども、是非、財源の確保を確実に行っていただきたいということでお願いをしたいと思います。財務省から一言お願いします。
○吉野政府参考人 お答え申し上げます。
熊被害対策につきましては、関係省庁で議論の上、今月十五日に公表されましたクマ被害対策施策パッケージを踏まえまして、現在、関係省庁において対応を検討されていると承知しております。
例えば、環境省におきましても、今月十六日に熊類を鳥獣保護管理法に基づく指定管理鳥獣に指定したところでございまして、これにより指定管理鳥獣捕獲等事業交付金の活用が可能になることを踏まえまして、現在、熊類の調査、捕獲やハンター向け研修などを実施する自治体向けの支援の具体化について検討が進んでいると承知しております。
財務省といたしましては、関係省庁からの検討結果を踏まえまして、具体的な御相談を賜って、しっかりお話を伺った上で適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
○逢坂委員 財務省の皆さん、是非、予算の確保、よろしくお願いいたします。
それでは、ここで、農水省、環境省、それから財務省の政府参考人の方は御退室いただいて構いませんので、委員長、よろしくお願いします。
○星野委員長 では、御退室ください。
○逢坂委員 それでは次に、警察の方にお伺いします。
今回の銃刀法改正の目的、これは一体どういうことで今回改正されるんでしょうか。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
今回の銃刀法改正案につきましては、令和四年七月に発生した、自作の銃砲を使用した元総理に対する銃撃事件や、令和五年五月に発生した、長期間使用されていなかった長射程のハーフライフル銃が使用された殺人事件といった昨今の銃砲を悪用した凶悪事件を踏まえ、自作の銃砲も含む銃砲の悪用防止対策や、所持許可を受けた猟銃についての対策を講じるものでございます。
○逢坂委員 引き続き警察にお伺いします。
今回の改正でハーフライフルというのはどのような取扱いになるのか、お知らせください。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
銃刀法におきましては、猟銃はライフル銃とライフル銃以外の猟銃に分類され、ハーフライフル銃につきましては、現在は、散弾銃と同様、ライフル銃以外の猟銃に分類されております。
今回の改正でライフル銃の定義を変更することによりまして、ハーフライフル銃はライフル銃に分類されることとなるため、ライフル銃の厳格な所持許可の基準が適用されることとなります。
ただ、改正法の施行前に所持許可を受けているハーフライフル銃につきましては、施行後も引き続き所持することができることとしております。
○逢坂委員 今回の改正について、北海道内の様々な団体、北海道猟友会、北海道銃砲火薬商組合、さらに公益財団法人知床財団、それから一般社団法人エゾシカ協会、ヒグマの会、こういった団体から国に要望書が出されているというふうに承知をしておりますが、この要望書の内容と、その要望書が出されている理由をお知らせいただければと思います。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
昨年十二月、警察庁におきまして今回の銃刀法改正案の概要を公表しましたところ、それを受け、本年一月、北海道猟友会を始めとする北海道の関係団体の方々から、銃刀法改正案のうち、ハーフライフル銃の規制強化に反対する旨が表明されたところでございます。
その理由といたしましては、ハーフライフル銃について、ライフル銃の厳格な所持許可の基準を適用することとなった場合、継続して十年以上散弾銃を所持していなければハーフライフル銃の所持許可を受けることができなくなり、エゾシカやヒグマといった獣類による被害の防止に支障が生じるといったものであったと認識しております。
○逢坂委員 熊などの被害が増えている、しかもハンターの人数も減っている、その中でハーフライフルの規制が厳しくなると、更にハンターの確保が難しくなるし、熊への対応、対策、これが十分にできなくなるという関係者の強い声であります。
このことに対して、政府はどのような対応をする予定であるのか。警察、お願いします。
○檜垣政府参考人 現行の銃刀法のライフル銃の厳格な所持許可の基準におきましては、継続して十年以上猟銃の所持許可を受けている者のほか、事業に対する被害を防止するためライフル銃による獣類の捕獲を必要とする方は、一年目からライフル銃の所持許可を受けることができるという要件が設けられております。
警察庁といたしましては、今回の改正により、ハーフライフル銃を使用した捕獲が必要とされる獣類による被害の防止に支障が生じないよう、この要件を広く運用することにより、北海道を始めとする関係団体にその内容を説明するとともに御意見を伺うなどして、その御懸念の解消に努めてきたところでございます。
○逢坂委員 ありがとうございます。
関係団体の声も聞いて、警察として柔軟な対応をいただけるということで、関係者も多分安堵しているというふうに思いますが、もう少し詳細を教えていただきたいんです。
例えば、北海道の場合でしたら、市町村のエリアを越えて北海道全体でハンターの方が活躍しなければならないという場面もあるわけですので、そういったことも含めて、もう少し今の対応の詳細を教えていただけますか。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
現在は、事業に対する被害を防止するためライフル銃による獣類の捕獲を必要とする者という要件に基づき、市町村の鳥獣被害対策実施隊に従事しているハンターの方などが、市町村の推薦を受け、ライフル銃の所持許可を受けることができることとしておりますが、ハーフライフル銃につきましては、都道府県が獣類による被害防止のため必要と認める場合はその所持を許可したいというふうに考えております。
具体的には、現在の運用では、推薦を受けた市町村限りでしかライフル銃を使用できない運用となっておりますが、ハーフライフル銃につきましては、都道府県による確認を経ることで、その都道府県全域で使用できる所持許可を受けられるようにすることとしております。
また、都道府県があらかじめ必要性を認めた場合には、鳥獣被害対策実施隊に従事していないハンターの方につきましても、その都道府県で必要な獣類の捕獲のためにハーフライフル銃の所持許可を受けることができるようにすることとしております。
なお、この運用案については、ハーフライフル銃の許可に関する具体的な手続につきましては、新たに都道府県にも関与していただくこととなりますので、関係機関、団体の意見も伺いながら、詳細については検討してまいりたいと考えております。
○逢坂委員 警察の皆さん、本当にいろいろありがとうございます。
しっかり対応いただけるということで、ありがたく思っているところですが、実際にこれを適用してみた場合に、様々、課題、問題も出るということも考えられます。その際にも、是非、現場の皆さんの声をよく聞いて、都道府県、市町村はもとよりでありますけれども、猟友会の皆さんの意見などもよく聞いた上で、何か不都合があれば、また手直しなどの対応もいただければありがたいなというふうに思います。お願い申し上げます。
そこで、最後です。
大臣にお伺いしますけれども、銃の適正な管理をするということは当然のことだというふうに思います。銃がおかしなことに使われないようにするというのは当然のこと。一方で、熊の被害、特に大型動物による被害は人の命に関わることでありますし、北海道の場合、そもそも、町で暮らすことそのものが怖い、恐ろしい、町を夕方なんか自由に歩けない、朝早くも自由に歩けないなんということにもなりますので、熊などの被害を防止するということも非常に大事なことだというふうに思います。
これは相反する側面もあるかもしれませんけれども、銃を適正に管理する、それから熊などの被害を防止する、この二つをうまくバランスを取ってやっていただきたいというふうに思いますけれども、最後に大臣の所見をお伺いします。
○松村国務大臣 まず、逢坂委員におかれましては、御地元北海道の声をまたいろいろと聞かせていただきまして、ありがとうございます。また、今回の改正におきましても、猟友会を始め関係団体の皆様方の御不安の払拭であるとか理解の促進に御協力いただきまして、感謝を申し上げたいと思います。
その上で、今回、所持許可を受けた猟銃の対策といたしましては、ハーフライフル銃について、ライフル銃の厳格な所持許可の基準を適用することとするほか、長期間用途に供していない、いわゆる眠り銃、こういったものの管理をより厳格に進めていくことは重要なことだと考えております。他方、銃に関する規制が、委員御指摘のとおり、獣類による被害の防止に支障を生じさせないことも重要であると認識をいたしております。
とりわけハーフライフル銃は、委員の御地元でも広く使われておりますし、先ほどのお話のとおりであろうと思っております。この点につきましては、新たな運用の取りまとめに当たって、警察庁の担当者が実際に北海道に出向きまして御説明をさせていただきました。また、その際に、ハーフライフル銃を使用して、まずエゾジカの獲得の経験を積み、実力をつけた者が将来的にヒグマの捕獲に従事する、こういった現場の生の声も聞かせていただいたところでございます。
引き続き、関係する方々の御意見をしっかりと丁寧にお伺いをいたしまして、法改正後も、御指摘のとおり、しっかりと対応させるように警察を指導してまいりたいと考えております。
○逢坂委員 大臣、それではよろしくお願いしたいと思います。
本当に深刻です。私もずっと北海道に住んでいますけれども、こんな状況になるとは思いもよりませんでした。それから、昔は、雪の深いところにエゾシカは来なかったんですね。ところが、最近は雪の深いところまでエゾシカが来るようになっていまして、この状況も随分様変わりをしておりますので、是非、現場の声を聞いて、対応をよろしくお願いしたいと思います。
それでは、以上で終わります。ありがとうございます。
○星野委員長 次に、山岸一生君。
○山岸委員 立憲民主党の山岸一生でございます。
今日は、三十九分間、貴重なお時間をいただいております。国民の皆さんの疑問に答えられるように、丁寧に伺っていきたいというふうに思います。
銃刀法の改正でございますが、今回の改正によって新たに罪になる行為が幾つか加わっておりますけれども、その一つとして、銃の所持を、公然、あおり、唆す行為というものが加わりました。ちょっと言葉が硬いので言い直すと、銃を作ろうとか銃を持とうということを広く呼びかけたり、あるいは促したり、きっかけを与えたりした、そういうことが罪になるということでございます。
当然、唆す行為あるいはあおる行為ですから、これは何か、演説を行うとか、発言をする、映像を公開する、あるいは出版を行うという形で、いずれにしても何らかの表現行為を規制するということになるわけでございます。したがいまして、当然これは表現の自由との兼ね合いの観点ということがまず整理をしなければいけない大きなポイントということになります。
そこで、まず大臣に基本的な認識を確認させていただこうと思うんですけれども、この法案、公然、あおり、唆す行為を罰する本改正に際して、立案の過程で、これは表現の自由との兼ね合いで問題がある話なので、どこまで規制できるのか、どこから先はやってはいけないのかということを当然整理をされたと思うんですけれども、この立案に際して、表現の自由との関係をどのように整理をされたのか。まず基本的な認識をお願いいたします。
○松村国務大臣 まず、インターネット上には、銃砲の製造や譲渡に関する情報が掲載されておりまして、現に、こうした情報を基に銃を自作をいたしまして人を殺傷するという事件も発生をしております。こうした凶悪事件を発生させないため、削除依頼の取組に加えまして、一定の法律上の規制が必要との考えから、今回、あおり、唆し罪を新設するものでございます。
この罪については、拳銃等の不法所持を公然とあおり、唆す、こういった凶悪事件を発生させ得る悪性の高い行為に限って処罰対象としているものでございまして、表現の自由を不当に侵害するようなものではないと考えております。
○山岸委員 基本的な御認識をいただきまして、ありがとうございます。
それが実際に不当に侵害することがないような法律になっているのか、あるいは運用はどうなのかということを順番に確認をさせていただきたいというふうに思います。これは非常に大事なポイントなので、具体的に、事例に即して政府参考人に説明を求めていきたいと思います。
どういう行為が処罰の対象になるんだろうか、今大臣からは、悪性の高いものという話がありましたし、ネット上のということの基本的な問題意識もあったところなんですけれども、これがどういうふうな運用になるんだろうかということで、三つ具体例をお伺いしたいんです。およそ当てはまらないだろうなというところから、いかにも当てはまりそうだなという順番にお伺いしていきたいと思うんですね。
まず一つ目として、出版物ですとか放送番組で、銃を作ったり持ったりする描写というのは当然あるわけですね。よく、刑事ドラマとか犯罪ドラマは当然そういうシーンがいっぱいあるわけでございます。テレビや映画とかで、違法に銃を作ってそれを使用するという描写はたくさんある。視聴者側からすれば、そういった、例えば、やくざ映画で銃を持っているシーンを見て、これは格好いいな、やってみようと思って自分で作ってみましたという人が仮に出た場合に、では、テレビを作った、番組を作った側の人が、あなたの番組で唆されましたよねということでこの処罰の対象になるというのは、私は大変疑問がありますけれども、こういった事例に関して、番組や出版物において銃の製造や違法所持を描写をするという行為は、今回の改正によって処罰の対象になるのかならないのか。教えてください。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
個別の行為が、新設するあおり、唆し罪に該当するかどうかは、個別の事案の証拠関係に応じて判断されることとなるため、一概にお答えすることは困難であります。それらの行為が人に対して拳銃等を不法所持する決意を生じさせ又は既に生じている決意を助長させるような勢いのある刺激を与えるものであるかどうか等に該当するか否かで具体的に判断されることになろうかと思っております。
○山岸委員 具体的な答弁、ありがとうございます。
勢いのある、刺激のあると、なかなかこういった委員会の場では見られない言葉かなと思うんですけれども、そういうところで決まってくるわけですね。
では、例えば、同じような犯罪ドラマとかサスペンス映画であっても、銃を持っている場面とか、例えば3Dプリンターで銃を作っているような場面があるとして、その中身が非常に、見る方が格好いいなとかいうふうに思うような内容であれば、今のような事例も処罰の対象に含まれることは排除されないということになりますか。いかがですか。
○檜垣政府参考人 具体的にどういうものが該当するかにつきましては、やはり個別事案において判断することとはなります。
ただ、およそ人に対して拳銃等の不法所持の決意を生じせしめることがないような内容のものであったり、その発信側の、主観的に明らかにあおりや唆しの犯意がないといったようなものについては該当してこないのかなというふうに考えております。
○山岸委員 御答弁ありがとうございます。
主観的に、つまり作り手の側がそういった意図を持ったものでなければ、結果的に受け手側が、決意に何らかの影響があったとしても対象にならないということだと理解をいたしました。
では、二番目のケースでございます。
これはちょっと、私もグレーかなと思うので、是非政府側の見解をいただきたいと思うんですけれども、街頭演説やあるいは何らかの集会等で、銃の製造方法を公開をし、所持を呼びかけるような行為、これはどうなんだろうか。
具体的に申し上げれば、何らか社会に対して、非常に不満がある、言いたいことがあるというふうな、集まった場で、この社会を変えるためにはみんなで武装しようじゃないかというふうなことを呼びかけて、製造マニュアルみたいなものを配って、作りませんかというふうなことをやってしまった場合、これは当てはまるのか当てはまらないのか。いかがでしょうか。
○檜垣政府参考人 個別の行為が該当するかどうかにつきましては、個別事案の証拠関係に応じて判断されることとなりますので、一概にお答えするということは困難でございます。
ただ、一般論として申し上げれば、委員御指摘のような街頭での演説や集会での呼びかけというのは、公然と行うことに該当すると考えますし、その内容ややり方次第では、あおり、唆し罪に該当し得るものと考えております。
○山岸委員 やはり一番目の事例とは明らかに違う御答弁だったので、これは内容によっては当たり得るということなので。
少し、これも、もうちょっと更問いでお伺いしたいんですけれども、今、私の一個目の質問は、銃の製造方法を公開するということをあえて申し上げました、マニュアルを配るみたいな。これは内容としてかなり悪質性が高くなってくると思うんですけれども、こういうものがない、単に、武器を持って立ち上がろうみたいな、そういうふうな呼びかけであれば、そこは悪質性がやはり変わってくるということになるんでしょうか。
つまり、製造方法であるとか製造の手段ということを共有するということが一つの大きな考慮の材料になるのかならないのか。この点の認識をお伺いできればと思います。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
先ほど答弁いたしましたように、あおり、唆しになるかどうかにつきましては、拳銃等を不法所持する決意を生じさせたりとか、既に生じている決意を助長させるといったような点が問題になろうかと思います。
その点で、中身によっていろいろ判断はするようなものかなと思っておりますが、自作方法だけではなくて、例えば販売するといったような旨の場合でも該当し得るようなケースはあろうかと思っております。
○山岸委員 自作方法の公表であったり、販売の呼びかけ、宣伝というふうなことが具体的には当たり得るんだろうというお話でございました。したがって、そういった内容を伴わないものであれば当たるリスクは下がっていくということなんだと理解いたしました。
三つ目のケースに行きたいと思うんです。
これは恐らく、典型的に立案者の皆さんが想定されているケースだと思うんですけれども、SNS上において銃の製造方法を公開し、違法所持を呼びかけるような行為、具体的に、動画で、銃を作ってみたみたいな、こういうような動画をアップをして、皆さんもやってみませんかというふうなことを呼びかける行為、これは典型的な例かなと思うんですけれども、これらは今回の規制の対象に当たり得るか当たらないか。答弁をお願いします。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
一般論として申し上げますれば、委員御指摘のような行為は、内容やその発信の仕方次第では、あおり、唆し罪に該当し得るというふうに考えております。
○山岸委員 ありがとうございます。
今、三つの枠組みというか事例をお伺いして、やはり明確に答弁ぶりが違っておりましたので、そこに意味があるというか、基本的には、最後に御指摘をした、SNS上での発信、作成方法の発信、公開、呼びかけといったことがこの法案の主たるターゲットだというふうに私は理解しているんですけれども、こういう認識でよろしいですか。いかがですか。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
本罪を設けます趣旨は、やはり拳銃の不法所持につながるような情報をなるべくなくしたいというものでございますので、不法所持をあおり、唆すようなものについては、これによって厳しく取り締まっていきたいと思いますし、該当するものについては、厳しく捜査してまいりたいと考えております。
○山岸委員 もちろんその趣旨は理解しているんですけれども、違法所持を促すような行為というものが、主にネット上での発信が舞台となって行われていることが大きな課題である、こういう認識で行っている、そういう理解でよろしいのかという質問です。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
現状の状況を踏まえますと、やはりそういった違法情報というのはネットを利用されているものが多いというふうに認識しておりますし、公然ととしておりますのも、そういったところをターゲットにしたものでございます。
○山岸委員 明確な御答弁、ありがとうございます。やはり、主にネット上での呼びかけというものが現状横行しているということへの対策だという、この問題意識を確認することができました。
であるならばなんですけれども、私、一点思うのが、この法文の中にそれが読み取れるのかなということがちょっと疑問でございまして、一点指摘をしたいと思うんです。
実は、今回の改正の法案というのは、麻薬特例法の第九条と全く同じ構成になっているんですね。公然、あおり、唆すという行為を麻薬特例法でも禁じている。つまり、これは、SNS等で、一緒に薬物を使いませんか、自分は持っていますけれども、というふうなことをやっちゃいけませんよというのが麻薬特例法なわけですけれども。
ところが、今回の改正というのは、法文は同じなんだけれども、想定している犯行の態様というのが必ずしも同じではないというふうに思うんですね。より今回の方が限定的な行為を対象にしているんじゃないか。つまり、具体的な製造方法を明示をして、銃を作りましょうというふうに呼びかけるような行為が対象であって、薬物みたいに、単に使いませんかということよりは、よりハードルが高いはずじゃないのかなというふうに思うんですね。
今回の改正で防ごうとしているのは、単に、銃を持とうという呼びかけそのものじゃなくて、製造方法が広く公表され、流布をされているということを網かけたいということだと思うんですね。だけれども、麻薬特例法と法文上は同じになっているので、その違いというのが読み取れないなというところが一点疑問でございまして、この点、お伺いしたいんです。
麻薬特例法九条の法文と同じ構成になっているけれども、想定をされる典型的な事例に違いがあって、この法文の構成で妥当なのかどうか。この見解をお伺いできればと思います。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
確かに、条文といたしましては、委員御指摘のとおり、麻薬特例法九条とほぼ同じような条文となっております。
ただ、御指摘のように、SNS、インターネット等につきましても、これはあくまで手段でございますので、公然とという点では、ほかのような手段も当然考えられますし、インターネット上で行われるものだけを限定する必要はないというふうに考えております。あくまで不法所持のあおり、唆しでございますけれども、その不法所持につながるような行為、例えば、先ほど申し上げました販売とか、委員が御指摘の製造方法、これにつきましても、不法所持につながるという意味では重なってくるものと考えております。
したがいまして、規定ぶりについては、他の用例等も踏まえまして、これで適切なのかなというふうに理解しているところでございます。
○山岸委員 御指摘したように、法文は、ほかの制度からのコピペであって、非常にシンプルな法文になっておりますので、大臣にお伺いしたいと思うんですけれども、やはりこうしたシンプルな法文ですから、運用、解釈が非常に大事でございまして、とりわけ表現の自由に関わる処罰ですので、どういったことが処罰対象になるのかならないのかということを、あらかじめ線引きを明確にしておく必要があるのではないかと考えます。
こういった、ガイドラインを作るとか、基準を示す、線引きを、あるいは具体的な事例を明らかにする、こうした取組の必要性に関しては、大臣、いかがお考えでしょうか。
○松村国務大臣 今、局長とのやり取りを聞いておりまして、一概に明確にお答えできるところはございませんけれども、個別の事案での判断ということになろうかと思います。
あおり、唆し罪に該当するか否かについては、やり取りの中でいろいろお示しをしたところでございますが、規制対象となり得る典型的なケースといたしましては、インターネット上に拳銃の自作方法を解説した動画や不法所持を呼びかけるメッセージを投稿したり、インターネット上に拳銃を販売する旨、価格や売主の連絡先を投稿する、こういったものがあると考えております。
他方で、例えば、銃の仕組みや構造について学術的な観点から解説するにとどまるものなど、およそ人に対して銃の不法所持の決意を生ずることがない内容のものであり、主観的にも明らかにあおり、唆しの犯罪の意思がないものについては規制の対象とはならないものと考えております。
いずれにいたしましても、この規定が適切に運用されるように警察を指導してまいります。
○山岸委員 詳細な御答弁、ありがとうございます。
是非ここは、時間をかけて議論しましたけれども、本当に大事な部分なので、できれば施行前に、ガイドライン、あるいは典型的な事例、当てはまるもの当てはまらないもの、これはしっかりお示しいただきたいということを求めておきたいと思います。
次のテーマに参ります。
今議論になった、今後違法になる情報発信、こうしたものをどうやって捜していくのか、対応していくのかということが問題になってまいります。
こういったネット上の情報発信をチェックをしていくということで、先ほども幾つか議論がございましたけれども、資料でもお配りをしておりますけれども、インターネット・ホットラインセンターで、昨年二月から運用対象が拡大をされまして、拳銃等の譲渡等、あるいは爆発物・銃砲等の製造というものも新たに通報対象に加わったということでございます。
確認になりますけれども、このガイドライン改正以降、1拳銃等の譲渡等、2爆発物・銃砲等の製造に関する通報事例の件数とその主な内容を御紹介いただけますか。
○大橋政府参考人 お答えいたします。
令和五年中、インターネット・ホットラインセンターから削除依頼した拳銃等の譲渡等の情報は十件、爆発物・銃砲等の製造の情報は十五件でありました。
事例につきましては、例えば、オークションサイトにおいて銃の部品が出品されていたというものや、動画投稿サイトに銃を自作する動画が投稿されていたというものなどがございまして、サイト管理者に対しまして削除依頼を行ったものと承知しているところでございます。
○山岸委員 非常に悪質な事例もあるということでございます。
これら事例への対応なんですけれども、基本的には、ホットラインセンターの対応というのは、削除をプロバイダーに求めるということでございますよね。もちろんそれも、必要性は十分理解しているんですけれども、ただ、拳銃を売りますよなんという中身は、これはもちろん持っていること自体が違法なわけでございますから、既に別の犯罪を犯しているわけでございまして、こうした情報を端緒にして検挙につなげていくということも十分想定をされるし、必要性があるわけでございます。
なので、先ほど来、削除の件数の議論が幾つかありましたけれども、それに更につけ加える格好になりますけれども、このインターネット・ホットラインセンターに通報があった事案について、警察がセンターから更に通報を受けて検挙に至った事例というものがあるのかどうなのか。あれば、どういったものであったのか。これを御紹介いただけますか。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
インターネット・ホットラインセンターからの情報提供を端緒に検挙した事例としましては、旧日本軍の小銃の部品がインターネットオークションに出品されているとの情報を受けて捜査をした結果、小銃を所持していた者らを、令和五年、銃刀法違反で検挙した事例がございます。
○山岸委員 昨年二月にホットラインセンターの運用が変わってから今日までということでいうと、その一件だけでしょうか。もし数が出せるのであれば、それもお伺いできればと思いますけれども。お願いいたします。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
二月にホットラインセンターで情報を対象としましてからは、銃砲等に関しての検挙はこの一件でございます。
○山岸委員 ありがとうございます。
拳銃の譲渡が十件、銃砲の製造が十五件というのが通報件数で、そのうち検挙に至ったのは一件だということでございました。
多いか少ないか一概には言えませんけれども、やはり、こういったことを更に積極的に、検挙につなげていくということも必要ではないかなと思います。
このことを調べていく中で、私、感じた問題意識がございまして、サイバーパトロールであったり、あるいはホットラインセンターというものに求められている役割が変わってきているんじゃないかということなんですね。単に通報の件数が増えている、大きくなっているという意味じゃなくて、質的に変わってきているんじゃないかということなんです。
というのが、これらのホットラインセンターやパトロールというのは元々どうやって始まったかというと、青少年にわいせつ画像を、どうやって接触を防ごうかとか、あるいは薬物の勧誘を防ごうか、そういうところから元々スタートした取組だったと理解をしております。ところが、昨年二月のガイドライン改正にもあるように、今では重要犯罪の端緒情報を得るというふうな役割までが期待をされるようになってきているということでございます。
その変化自体は必要なことなんだろうと思いますし、対応していただく必要があると思うんですけれども、そういった役割が変わっていく中で、十分に対応できているのかということは整理をしなければいけないし、あるいは逆に、無制限に行き過ぎがあっても当然いけませんので、今求められる役割の変化に応じた体制というものが必要十分なのかということはしっかりと確認をしていく必要があると思うんです。
そこで、参考人にお伺いしたいと思うんですけれども、このホットラインセンターなどに求められる役割が広がっている中で、体制が十分かということですね。民間企業への委託になっておりますけれども、その金額であったり、あるいは体制であったりということが十分なのか。あるいは、先ほどお伺いしたように、こういった情報を端緒として捜査につなげていくという意味での連携みたいなものは十分なのか。この辺の課題認識というのはどういうふうにお持ちでしょうか。お願いいたします。
○大橋政府参考人 お答えします。
インターネット・ホットラインセンターでは、取扱範囲の拡大に伴いまして必要な体制の強化を行っているところでございまして、一例を申し上げますと、委員御指摘のとおり、令和五年二月に重要犯罪密接関連情報を取扱範囲に追加したところを受けまして、令和五年四月から増員するなどして対応しているところでございます。
こうした取組に伴いまして、先ほど御答弁の中でございましたけれども、インターネット・ホットラインセンターで把握した情報を端緒として事件検挙に至った事例もあるところでございます。
引き続き、違法・有害情報を取り巻く諸情勢の変化に的確に対応できるよう、必要な体制の確保に努めてまいりたいと考えております。
〔委員長退席、中山委員長代理着席〕
○山岸委員 増員しているという御答弁がありました。もし分かればでいいんですけれども、何人から何人に増えたかというのが分かったら御答弁いただけますか。いかがでしょうか。ざっくりの規模でも構いませんから。
○大橋政府参考人 この増員につきましては、十六名の体制から三名を増強しまして、十九名体制で今現在やっているところでございます。
○山岸委員 これはしっかりと御対応いただきたいと思います。
その上で、こういったセンターとの、警察との連携ということもお伺いしていきたいと思うんですけれども、二年前、当委員会で、私もおりましたけれども、法案を可決いたしまして、サイバー局が設けられました。今局長もお越しいただいていますけれども、当然こういった部署が今後司令塔として機能を発揮していくことが求められるわけなんですけれども、二年たちましたので、少し、活動ぶりといいましょうか、その検証も含めてお伺いしたいと思うんです。
私の理解ですけれども、サイバー局は、どちらかというと、国外との折衝であるとか、いわゆるサイバーセキュリティーの側に非常に力を入れておられて、それはもちろん大事なことだと思います、しかし一方で、今回の拳銃の自作動画の問題なんかもそうですし、あるいは、様々な犯罪行為の勧誘、ルフィ事件とかありましたけれども、そういったいろいろな組織犯罪の勧誘等の情報というものも流布をしている中で対応しなければいけない。
こういった問題というのは、国民の体感治安に非常に影響が大きいテーマでございます。したがって、サイバー局の役割としても、サイバーセキュリティーとか国外との捜査共助はもちろん大事ではあるんですけれども、今のホットラインセンターで担っているような、こうした違法・有害情報への対応ということも大きな役割として求められているのではないかと考えておりますけれども、サイバー局の今の取組状況、十分なのかどうか、あるいは見直していく必要があるのかどうか、これは大臣からいただければと思います。お願いします。
○松村国務大臣 サイバー警察局の設置により、サイバー関係の各種業務が一元化されまして、人的、物的リソースの一層効果的な活用が可能となったところでもございます。
委員御指摘のサイバー局でございますけれども、これはやはり、インターネット社会になり、社会情勢が変わる中で、これからも大変必要な部署であると私も認識しております。また、この中で、サイバー特別捜査部においては、高度な技術を用いまして分析や解析を行い、外国捜査機関とその結果を共有するなどにより、国境を越えて行われるサイバー事案に対し、国際共同捜査を着実に進めているところでもございます。
実際に、本年二月、ランサムウェア攻撃グループの一員と見られる容疑者を外国捜査機関が検挙いたし、関連サーバーのテイクダウンを関係各国と協力して実施をしているところでもございます。また、同部が開発したランサムウェアに関する復号ツールをユーロポールを介しまして各国の捜査機関に提供するといった協力を行うというように、目に見える形での成果も上がっているところでございます。
今後とも、サイバー空間における一層の安全、安心の確保を図るため、サイバー事案の厳正な取締りや実態解明、また国内外の関係機関との連携を推進してまいるよう警察を指導してまいりたいと考えております。
○山岸委員 ありがとうございます。
今大臣からお話があったような、非常に高度なサイバー防御というんですか、こういったものを当然引っ張ってもらうということももちろん必要なわけですけれども、今お話をしてきたような、組織犯罪の勧誘とか拳銃の製造、こういった国民の体感治安に非常に影響の大きい部分についても見落とすことなく取り組んでいただきたいということをお願いを申し上げておきたいと思います。
次のテーマに参ります。
本改正の最初の出発点となった元総理銃撃事件、こうしたことを受けた影響ということで議論をしたいと思うんですけれども、多分、委員室にいらっしゃる皆さんも、今行われている補欠選挙の応援にそれぞれ入られるなどして実感をされていらっしゃるんじゃないかと思うんですけれども、大変今、こうした政治集会、街頭演説等の警備が厳重になっているということがございます。
お手元の資料2で新聞記事もお配りしておりますけれども、「厳戒警護 もろ刃の剣」「手荷物すべてに金属探知機 財布の中身チェック「不愉快」」、こういうふうな報道ぶりもされているところでございます。
私は、勘違いしちゃいけないと思うんですけれども、我々は守っていただいている立場でございますので、現場の警察官の皆さんの御奮闘には深く感謝を申し上げたいというふうに思います。ただ同時に、これらの今の警備の運用というのが本当に十分なのか、あるいは行き過ぎがないのか、妥当なのかということは常に検証して見直しをしていかなければいけないという観点からお伺いしていきたいと思います。
以下、参考人にお伺いしたいと思いますけれども、今、報道を御紹介したように、政治活動や選挙運動における警備について、過剰ではないのか、厳し過ぎるのではないかというふうな指摘が上がっていることについて、まず基本的にどのような認識をお持ちか。お伺いいたします。
○迫田政府参考人 警察庁といたしましては、安倍元総理銃撃事件の後、警護の強化を進めている中で、昨年四月、岸田総理に対する爆発物使用襲撃事件の発生を許してしまったことについて重く受け止めなければならない、そういった思いでございます。
同事件を受けまして以降は、銃器、爆発物などが攻撃の手段として使用されることを想定した上で、これまで以上に警護対象者と聴衆との距離が十分かつ確実に確保され、出入管理、手荷物検査を始めとする安全確保措置がより実効的に講じられるよう、警察から主催者に働きかけ、その具体的実施方法などについて指導助言などを行っているところでございます。
例えば、グータッチなどの触れ合い行為については、警護対象者と聴衆の距離を確実かつ十分に確保する観点から、可能な限り抑制いただくよう主催者に働きかけを行っている、そういった状況でございます。
もとより選挙運動などは、当事者の主張を国民が直接聞くことができる点で大変重要な意義を持つものと認識しております。引き続き、主催者の理解と協力を得つつ、警護中の要人に対する襲撃を二度と許すことがないよう警護の万全を図ってまいりたい、そのように存じます。
○山岸委員 状況は分かりました。
具体的にお伺いしていきたいと思います。
私も、各地、いろいろお邪魔するたびに思うことがありまして、警備の状況が、地域差が大きい。はっきり、体感的に申し上げれば、東京都内、すなわち警視庁は、非常に経験豊富といいましょうか、場慣れしているということもあると思うので、よく言えば融通が利くといいましょうか、いろいろなことが調整可能だったりもいたします。一方で、より警備の機会の少ない地方の道府県警に参りますと、やはり、とにかく厳しくするんだ、言葉はちょっと悪いかもしれませんが、しゃくし定規な運用ということも見られるのかなというふうに思うところもございます。
この、地域による警備体制のばらつきがあるんじゃないかというふうな指摘に関してはどのように考えていますか。いかがですか。
○迫田政府参考人 昨年四月まで、主催者が行う安全確保措置に関しまして、主催者に対する働きかけの具体的な内容などにつきましては警護を実施する都道府県警察に委ねておりましたことから、警察庁が都道府県警察が作成する警護計画案を審査するに当たりまして必ずしも十分に踏み込めていない状況があり、結果として、岸田総理に対する爆発物襲撃事件が発生してしまったところでございます。
このために、同事件を踏まえまして、警察庁といたしましては、主催者による手荷物検査、金属探知検査などの安全確保措置の実効性についてより踏み込んで審査を行うこととしておりまして、警察庁において、行事の規模や態様などを踏まえつつ、同一の基準あるいは考え方の下で都道府県警察が主催者に働きかけを行うよう指導しているところであります。それを徹底してまいりたいと考えているところでございます。
加えまして、全国の警護員、委員御指摘のように、経験値に差異があるところがございます。警護の職務遂行に求められる能力や技能を更に向上させられるよう、体系的で実践的な訓練や研修の実施にも意を用いてまいりたいと考えておりますし、警察庁においてもそうした取組を後押ししてまいります。
○山岸委員 基準は審査しているということは分かりました。その審査した基準の運用の現場で恐らくばらつきがあるんだろうということを御指摘申し上げましたので、そこはしっかりとチェックしていただきたいなというふうに思います。
そして、私も現場を歩いていまして、少し違和感を感じますのが、報道関係者への対応なんでございますね。
今、非常に、演説会場等でも報道関係の方へのチェックも厳しくなっておりまして、一定必要性はあるのかと思いながらも、ただ、考えなければいけないのは、そういった方々は、腕章を持っているとか、身分証を携持しているとか、テレビ局のロゴの入ったカメラを持っているとか、身分を明らかにしているわけですよね。当然、匿名の通行人の方とは違うわけでございまして、そういった、身元を明らかにしている報道関係者に対しても一律に厳しい検査を求めるということが、必要以上に取材活動への阻害等に当たり得る可能性もあるのではないかと考えますけれども、この点はいかがお考えでしょうか。
〔中山委員長代理退席、委員長着席〕
○迫田政府参考人 選挙運動などにつきましては、多数の聴衆が集まる場所、そういった性質がございますので、警護上の危険、あるいは聴衆の安全確保の必要性が高まるという状況がございます。そのため、手荷物検査などの安全確保措置が主催者において確実に講じられることが必要であると考えております。
その際、報道関係者の方でございましても、例えば、危害を企図する者が紛れ込んだりですとか、あるいは成り済ましということを防ぐために手荷物検査に御協力いただくことが必要でございまして、また、警護対象者の安全を確保するために取材現場での移動をお待ちいただく場合ですとか、あるいは、緊急の事態が発生した際の聴衆の安全確保のために想定している避難動線というものがございますけれども、そことかぶるような場所からは移動をお願いすることもあるというのが実態でございます。
もっとも、報道活動の重要性に鑑みまして、より取材活動に適したエリアに報道関係者用のスペースを設けるなど、主催者が報道関係者に配意している例が多いと承知しておりますけれども、今後とも、必要な安全確保措置に御協力いただけるよう、警察としても主催者側と連携してしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○山岸委員 委員長も私も同じく記者出身でございますけれども、やはり報道の自由ということへの配慮は一定必要であろうということは申し上げておきたいと思います。
今もお話があった手荷物検査に関しても一点お伺いしたいと思うんですけれども、何をどういう基準で手荷物検査で排除をするのかということをお伺いしたいと思います。
といいますのが、かつて北海道のやじ排除事件というのがありましたけれども、異論を排除する形で警備が使われてしまうということは望ましくないわけでございまして、演説会場での手荷物検査等によって反対意見を持った人を入れなくするような形になってはよろしくないんだろうということで、実際の運用基準を確認したいんですけれども、例えば、手荷物検査で、危険物ではないような所持品だけれども、反対意見を書いたのぼり旗とかビラのようなもの、こうしたものを持っている人の入場を拒む、こういうふうな運用なりあるいは基準なりというものはあったりするんでしょうか。いかがでしょうか。
○迫田政府参考人 選挙運動につきましては、先ほども申し上げましたけれども、多数の聴衆が集まるという特色から、警護上の危険及び聴衆の安全確保の必要性が高まりますところ、安全確保措置が主催者において確実に講じられることが必要であるという大前提がございます。
一方で、警護について責任を負う警察といたしまして、主催者が手配するスタッフの数が不足しているなどの場合には、主催者からの依頼を受ける形で、相手方の任意の協力の下で手荷物検査の実施を支援する、そういった立場で対応しているというのが考え方でございます。
それを受けまして、手荷物検査の目的ですけれども、危険物を所持している者の発見でありますことから、警察として、主催者に対して、ビラなどに記載された内容によって所持者を排除するよう指導助言するといったようなことはございません。ただし、大きな看板など凶器として活用し得るものについては、警護対象者や聴衆の安全を確保する観点から、一時預かりといった措置を講じるよう主催者に助言することがあるということがございます。その点、御理解いただければと思います。
○山岸委員 やはり、何から何を守るのかということを決して勘違いしないようにしていただきたいということをお願いをしておきたいと思います。
今回、こういった警護というのは、当然、要人であったり、あるいは参加者の方、市民の方を守るということでやっているわけでございまして、そこが、事件を起こしてはならないという警察庁のメンツを守るためではないということは、是非とも、ここは大臣とも共有いただきまして、必要十分な警備体制、行き過ぎがない警備ということに関しては不断の見直しというものを続けていく必要があると考えていますけれども、最後、大臣から、この検証や見直しの必要性に関しての見解を求めたいと思います。
○松村国務大臣 所見をということでございますが、多くの方々から、少し厳し過ぎるのではないかというような御指摘をいただくこともございます。ただ、やはり安倍元総理銃撃事件の後に警護の強化を進めてきたところでもございますが、そうした中、昨年四月、未遂であったとはいえ、岸田総理に対する爆発物使用襲撃事件の発生を許してしまったことは、これはやはり重く受け止めなければならないと思っております。特に、選挙期間中、警護中の要人に対する襲撃を許すことは二度とあってはなりませんし、特に、民主主義の根幹を成す選挙の中での暴力行為は断じて許されるものではないと思っております。
今後の警護につきましては、私もそうでございますけれども、主催者側、それから来ていただく方々の御理解、これがやはり一番必要であろうと思っておりますし、それに基づきまして、実践的訓練であるとか先端技術を用いた警護の高度化を図っていく、こうした点が重要であると思っております。
このような二点を中心に対策を強化していくのが必要であろうと思いますし、こうした一つ一つの事例から得られる教訓を踏まえて、不断の見直しを行いつつ、万全の警護体制を図ってまいりたいと考えております。
○山岸委員 時間が参りました。経産省、失礼しました。
ありがとうございました。
○星野委員長 次に、住吉寛紀君。
○住吉委員 兵庫県姫路市よりやってまいりました、日本維新の会の住吉寛紀でございます。
本日は、銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案の審議ということで質問させていただきます。
日本人は、余り銃になじみがないといいますか、一部の人を除いては、私もテレビやドラマとか映画とかでしか見たことがなく、余り銃に詳しくはないということで、基本的な質問もさせていただきますし、既に他の議員から論点も出てきたところ、そこもちょっと重複するところもありますが、御容赦いただきたいと思います。
まず、ハーフライフル銃についてお尋ねしたいと思います。
このハーフライフル銃、これは、ライフル銃がある意味所持のかなり厳しい規制があって、そして、言い方はあれかもしれないですけれども、少し緩いところにあるのが今回の法改正で厳しくなるということでございます。
ライフル銃に対し、ハーフライフル銃、これは日本独自の銃であると聞いておりますが、まずは、ハーフライフル銃が導入された経緯と目的について、参考人にお伺いしたいと思います。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
ハーフライフル銃は、昭和四十六年にライフル銃の所持許可の基準が厳格化されて以降、こうしたライフル銃の所持許可の基準に該当しない方によって使用されてきたものと承知しております。
これらの射程距離につきましては、その構造や使用する実包によって異なるものの、一般的には、ライフル銃の射程距離はおおむね三百メートル、ハーフライフル銃の射程距離はおおむね百五十メートルと承知しております。
ハーフライフル銃につきましては、ライフル銃の所持許可の基準に該当しない方が大型獣類の捕獲のために所持している場合が多いものと承知しております。
○住吉委員 ありがとうございます。
それで、今回規制を厳しくするということなんですが、長野県の事件が発生して、お亡くなりになられた方には改めて御冥福をお祈りします。
今回、これがある意味発端となったわけですが、ハーフライフル銃を使用した事件の件数等についてお伺いいたします。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
許可を受けたハーフライフル銃が使用されて発生した事件、事故につきましては、令和元年以降の過去五年間で、事件については、令和五年五月の長野県中野市における猟銃使用殺人事件の一件、人身事故につきましては二件の把握がございます。
○住吉委員 ありがとうございます。
私も、今回の法改正において、地元の猟友会を訪ねて、いろいろお話を聞きました。兵庫県猟友会の姫路支部の方に行って聞いたときに、その支部長がおっしゃっていたのは、銃が悪いわけではない、その銃を扱った人が悪いんだと。今回、ハーフライフル銃を使用した事件があって、規制を強化するということなんですけれども、結局、規制されても、それが使えないのであれば別の何かを使っているんじゃないかと。
比べるのは少し語弊があるかもしれませんが、今回、事件一件ということなんですが、交通事故の死亡者数というのは、令和五年で二千六百七十八人となっております。
当然ですけれども、ハーフライフル銃を持っているから、これを犯行に何か使えないかなと考える人というのはほとんどいないと思っていまして、何かしらの動機があって、その手段にハーフライフル銃を用いたものだと思います。
先ほど御答弁もありましたが、過去五年で一件事件があったということなんですが、多くの人は適切に扱っているということだと思います。
こういったこと、規制強化に対する政府の考え方、そして、規制を強めても抜本的な対策にならないのではないかなと感じるところですが、そういった銃を扱う人への指導についても併せてお伺いしたいと思います。
○松村国務大臣 委員の御指摘、重要な点だと思っております。
銃刀法は、その時々に発生した事件を受けまして、危害を防止するため、必要な見直しを行ってきたところでもございます。
今回の改正に関しましては、自作の銃砲の悪用という大きな治安上の脅威に対しまして、銃刀法で十分に対処し切れていないと認められた部分の改正を行うほか、ハーフライフル銃を始めとする許可猟銃につきまして、事件を受けて明らかとなった課題に対して必要な規制の強化を行うこととしたものでございます。
委員御指摘のとおり、もちろん、銃そのものに対する規制ではなく、人に対するアプローチも極めて重要であると思っております。警察では、長野での発砲事件も踏まえつつ、危害予防の観点から、銃砲の所持許可の申請をしてきた者が他人に危害を加えるおそれがないかなど、欠格事由に該当しないことを確認するための調査をしっかりと行うこととしているところでございます。
他方、今回の規制強化により獣類による被害の防止に支障が生じないよう配慮すること等としておりまして、今後も、猟銃所持者が社会で担っている役割は十分に踏まえつつ、治安上必要となる課題には的確に対応していくよう警察を指導してまいります。
○住吉委員 人への指導というのが非常に重要になってくるのかなと思います。また、規制強化に対する政府の考え方も理解いたしました。
その上で、元々ハーフライフル銃が導入された目的、冒頭お聞きしたところですが、ライフル銃が厳しくなったから、ハーフライフル銃が余り厳しくない規制で使えるということで、そもそもまた規制してしまうと意味がないのではないかと考えてしまいます。
姫路の猟友会の方に行くと、いろいろお話も聞いてまいりました、多分全国どこでもそうだと思いますが、非常に高齢化が進んでいる。約二百人ぐらいいるんですが、六十代が全体の一五%、七十代が三七%、そして八十代が八%と、六十代以上でほぼ六割を占めているというような状況です。もちろん、全員が銃を扱えるわけではなく、わなとかそういったこともいて、それの総数が二百人ということでした。
先ほど来よりいろいろ議論がありますが、姫路にもたまに熊が出るというニュースが実は出てきております。これまでほとんど聞いたことがなかったんですが、もちろん、年に一回、二回とか、そんな程度ですけれども、そういった事案が、姫路、どちらかというと都会の部分もあるんですが、そういったところも出てきております。
そういった意味で、ハーフライフル銃を規制していくと本来の導入目的から外れてしまうのではないかと危惧しているところでございます。また、ハンターの減少を食い止めることについて、政府の見解をお伺いいたします。
○松村国務大臣 委員の御指摘の点は、今日御質問いただく中で一番のポイントでもあるかなと思っております。
随時御説明をさせていただいておりますが、今回の銃刀法改正によりまして獣類による被害防止に支障が生じてしまう、こうしたことがあってはならないというふうに思っておりますし、極めて重要であると認識をいたしております。
銃刀法のライフル銃の厳格な許可基準におきましては、猟銃を十年以上所持している方のほか、事業に対する被害を防止するため獣類の捕獲を必要とする方につきましては、一年目から許可を受けることができることとされております。
ハーフライフル銃につきましては、現在の使用実態も踏まえまして、都道府県における事業被害の防止の必要性に応じましてこの要件を広く運用し、獣類の捕獲のために必要となる場合に所持できるようにすることとしており、この運用が確実に実施できるようにしてまいりたいと思っておりますし、本日御審議いただき、法改正することができましたらば、しっかりと現場の御意見を聞いて、丁寧な対応をやってまいりたいと考えております。
○住吉委員 私以外の方々からもいろいろ御指摘があって、御答弁あったように、様々な団体からも、いろいろと調整しながら御尽力いただいたこと、そして、現場に影響が出ないように結論を出していただいたことには感謝したいと思います。ありがとうございました。
そして、ちょっと関連して、先ほど浅野委員からもありましたが、二〇一八年に北海道砂川市の方であった、ヒグマの駆除に、市から依頼されてヒグマ駆除のために出動した猟友会の方が、銃刀法違反のために、銃所持の許可を取り消すという行政処分が行われました。その後、札幌地裁は、著しく妥当性を欠くもので違法とし、公安委員会の処分を取り消す判決を下しました。ちなみに、本件は今なお高裁で裁判中と聞いております。
現在係争中ですので、それの行方を見守っていかなければならないですが、報道で聞いていると、住民の命を守るためによかれと思って行ったことがこのような形になるというのは、なかなか納得できないものだと思います。これに関しての大臣の受け止めを聞こうと思ったら、当然、係争中なのでなかなか御答弁できないというのは事前のレクで承っておりますが、こういったことを起こさないようにしていくことが重要だと思います。
その対策について、大臣の見解をお伺いいたします。
○松村国務大臣 御指摘の事案につきましては、おっしゃるとおり、現在も係争中でございますので、当該事案についてのお答えは差し控えさせていただきたいと思っておりますので、御理解をいただきたいと思っておりますが。
その上で、一般論として申し上げますと、熊が出没した場合には、警察としても、市町村やハンターの方と緊密に連携をして対処することとしてございます。
ハンターの方々がやはり不安なく熊を捕獲することができるようにすることを含めて、現場において適切な対応がなされるように今後も警察を指導してまいります。
○住吉委員 やはり、市から依頼されて、住民の命を守るために出動してこういう結果になるというのは、非常に残念な思いがあります。それは多くの国民も思っているのではないかなと思います。
また、今御答弁ありましたように、ハンターの方が不安なく捕獲するというのが重要だと思っております。先ほど他の委員からも、町中にも地域によっては熊が出ているというようなこともございました。実際にニュースなんかでも、ヒグマを始めとした鳥獣被害が住宅エリアまで及んでいる様子、こういったものをメディアで散見いたします。
やはり、ハンターの方が不安なく捕獲するには一定の基準をしっかりと明示していくことが必要だと思うんですが、今、鳥獣保護管理法にて、原則、住宅街では銃の使用というのを法律で禁じられていると聞いております。かなり窮屈な運用をしながら今やっていると聞いております。
やはり法改正も必要ではないかと考えますが、参考人の御所見をお伺いいたします。
○堀上政府参考人 お答えいたします。
議員御指摘のとおりでありますが、現行の鳥獣保護管理法におきましては、住居集合地域等における銃猟につきまして、人に危害を及ぼすおそれが特に大きいということから禁止をしているところでございます。
昨年の熊類の大量出没を踏まえて設置をいたしました検討会におきまして、熊類が住居集合地域等に出没した際の緊急対応に支障が生じている、そういう御指摘をいただいたところでございます。このような御指摘も踏まえて、市街地においても迅速に熊への対応ができるように、関係省庁と連携し、鳥獣保護管理法の改正も含めて具体的な対応方策を検討してまいります。
○住吉委員 法改正も踏まえて検討していくということで、是非よろしくお願いします。
ハンターの方々も高齢化で、その中でも自分たちが辞めると人がいなくなるということで、中には辞めたいけれども辞められないというような御意見も今回聞いてまいりました。
そういった中で、ハンターの方たちの努力に報いるような制度をしっかりと我々が整備していかなければならないと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
次に、電磁石銃についてお伺いしたいと思います。
私も、電磁石銃というのを初めて聞いて、こういう仕組みで銃ができているんだなというのを初めて聞いたところでございます。
現在、電磁石銃というのは特に持っていても違法ではないんですが、法改正に伴い、所持を続けることで刑事処罰の対象となるのでしょうか。確認させてください。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
改正法の施行時、現に電磁石銃を所持している方につきましては、施行から六か月間の間に所持許可を受けていない限り、処分しなければならないということとしております。
こうした点も含め、改正法の内容を広く国民に周知し、電磁石銃を不法に所持する方が出ないよう努めてまいりたいと考えております。
○住吉委員 これは、だから、法改正を知らずに所有していた場合も、当然、違法になるという理解でよろしいんですよね。お願いします。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
法改正を知らなかったといえ、法に違反するということは、違反することになると考えます。
○住吉委員 今回規制の対象に指定した理由というのは、警察庁の方で殺傷能力を確認したからというふうに聞いております。実際にインターネット等で流通しているとも聞いております。そして、これから規制されると、持っていると違法になるわけです。
では、既に国内にどれだけ流通しているのか、総量というのは全く把握していない状況なのでしょうか。また、今後、国民の安全を確保する上で、総量を捕捉するような動きは想定されているのでしょうか。御答弁お願いいたします。
○松村国務大臣 電磁石銃につきましては、海外サイトで販売されていることは確認しておりますが、国内の店舗などで販売されている実態はこれまで確認していないところでございます。また、警察活動を通じまして、電磁石銃に該当するものが発見されたという報告も受けていないことから、現時点で国内で電磁石銃が多く流通しているとは、現在のところ考えていないところでございます。
改正法が成立した場合には、改正内容の周知にまず努め、その後、許可申請があったものについて把握することはもとより、インターネット上の情報収集などの警察活動を通じまして違法に所持されていることを把握した場合には、厳正に対処するよう指導してまいりたいと思っております。
○住吉委員 様々な観点から、余り多く流通していないだろうということで、大きな混乱はないのかなというふうに思っております。
とはいえ、では、全く完全に流通していないかというと、そうでもないと思っておりますので、先ほど来より御答弁ありますが、国民に広く、これから法改正、変わりますよ、皆さん、今持っている人がいたら違法になりますよということをしっかりと周知していくことが必要だと考えております。
具体的にどのようにされるか、御教示いただきたいと思います。
○松村国務大臣 まず、規制につきましては、公布日から九月以内に施行することといたしております。
改正法が成立した場合には、新たな電磁石銃が原則所持禁止ということになりますので、ホームページやSNSで情報を掲載をいたしまして、広く国民に周知することは当然のことであろうと思っておりますし、インターネット上で物の売り買いを取り扱う事業者に対しましても、電磁石銃を取り扱わないように働きかけることが重要であると考えているところでございます。
私といたしましても、こうした取組が徹底されるよう指導してまいりたいと思っております。
○住吉委員 是非、徹底して、広く周知していただけたらと思います。
今回、電磁石銃というのが規制の対象になる、殺傷能力を確認したからということなんですが、今後、新しい技術を活用した銃というのが容易に想定できると思います。そのたびに、殺傷能力を確認してから規制をかけていくのでしょうか。今回のように、警察庁が電磁石銃の危険性に気づくことができたから、事故や事件が起こる前に対策に踏み切れておりますが、警察庁はこういった日進月歩の技術革新をどのように捕捉していくおつもりなのか。御答弁お願いいたします。
○松村国務大臣 銃につきましては、人の生命、身体又は財産を害する犯罪に悪用されるおそれがあることから、警察におきましては、平素の警察活動や、武器等製造法を所管いたします経済産業省を始めとする関係機関、団体との情報交換を通じまして、銃に類似したものも含めまして、販売実態などをよく注視していくこととしているところでございます。
その上で、今回の電磁石銃のように、銃刀法で規制されていない銃を把握した場合には、その用途や危険性を考慮の上、規制の必要性について検討していくことが重要であると考えております。
御指摘のとおり、昨今の技術革新は日進月歩で進んでおりますので、そうしたことも念頭に置きながら、犯罪への悪用といったことが起きる前に、できるだけ早く、早期に対応できるよう警察を指導してまいります。
○住吉委員 ありがとうございます。
そのアプローチは別に否定するつもりもございませんし、正しいアプローチだと思います。一方で、技術の進歩というのが本当に速くて、先ほどもありましたが、ドローンを活用した場合はどうなるのかとか、いろいろあると思います。
今回、電磁石銃を規制の対象に加えた一番大きなところというのは、実際に殺傷能力を確認したというふうに聞いております。こういう形態を規制していくというより、逆に、殺傷能力がこれ以上のものを規制していく、そういうような包括的な捕捉のやり方なんかも、そっちの方がこれから時代に合ってくるのではないかなと思うんですけれども。
ちょっと通告していないですけれども、もし所感があればお願いいたします。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘のとおり、危険なものを包括的に規制するというのは非常に重要なことかと思っておりますが、ただ、規制の対象がどのようなものになるかというような観点から、規制されるものについてはなるべく明確にすべきというような判断もあろうかと思います。
したがいまして、今回は法律を改正して電磁石銃を新たに追加しておりますが、今後も、いわゆる銃砲刀剣類、またそれに類似するようなもので危険なものにつきましては、銃刀法の対象とすることも検討してまいりたいと考えております。
○住吉委員 ありがとうございました。
これが駄目ですよと確かに国民にしっかりと明確にしていく必要もあるのかなと思います。今後、技術の開発によって捕捉し切れなくなった場合に、またそれも含めて検討していただければというふうに思います。
次の質問に移りたいと思いますが、次はインターネットについてお伺いしたいと思います。
今回、銃等の違法所持の、公然、あおり、唆すことに対する罰則が追加されるわけですが、実際にどんなケースを想定しているのかイメージがつきにくい。先ほども具体例がありましたが、政府としてどんなケースを想定しているのか。御教示いただけないでしょうか。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
新設するあおり、唆し罪に該当するか否かは、その行為が人に対して拳銃等を不法所持する決意を生じさせ又は既に生じている決意を助長させるような勢いのある刺激を与えるものであるか等について、個別の事案の証拠関係に応じて判断されることとなります。
典型的なケースといたしましては、例えば、インターネット上に拳銃の自作方法を解説した動画や不法所持を呼びかけるメッセージを投稿する、インターネット上に拳銃を販売する旨、価格や売主の連絡先を投稿するといったものがあると想定しております。
いずれにしましても、あおり、唆しに該当するかどうかにつきましては、一連の書き込み等の内容や客観的状況、発信した側の認識等を総合的に考慮し、適切な判断がなされるよう都道府県警察を指導してまいりたいと考えております。
○住吉委員 あおり、唆しについて、発信する側についてはそのようなことで理解しました。
一方で、それを見て実際に影響を受けたかどうかというのはなかなか証明が難しいと思うんですけれども、それをどのように証明していくのか。御所見をお伺いいたします。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
あおり、唆し罪の成立には、情報の受け手の側が実際にあおり、唆されて拳銃等の不法所持に及んだということは要しないものと考えております。あおり、唆し罪の立証につきましては、あくまでも、一連の書き込み等の内容や客観的状況、発信した側の認識等から立証していくものというふうに認識しております。
○住吉委員 そして、インターネット上ということは、世界各国どこでもあるわけでございます。実際に、ちょっと私は確認していないですけれども、武器が合法の、銃が合法のところもあったりもして、海外から発信されている情報であったり、また海外サーバーを経由して発信する情報、こういったことも普通にあると思っておりますし、それを日本の誰かが見て影響を受けて何か犯行に及ぶ、そういったケースもこれからあるのかなと考えているんですが、そういった海外からの情報についてどのように取り締まっていくのか。政府の見解をお伺いいたします。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
警察や、警察が業務委託するインターネット・ホットラインセンターでは、海外サイトに投稿された爆発物や銃砲の製造情報につきましても、サイトの管理者に対し削除依頼を行っているところでございます。
また、海外サイトで発信されている情報を引用して国内で発信するような行為につきましては、あおり、唆し罪の対象になり得るものと考えております。
いずれにいたしましても、国内外いずれにおける情報発信であるかを問わず、国民の目に触れる違法情報の対策は重要であり、取締りや削除依頼の取組を着実に進めてまいりたいと考えております。
○住吉委員 国内外を問わず、しっかりと対策をしていただきたいと思います。
インターネットの、いわゆるサイバーパトロールといいますか、そういったものについてお伺いしたいと思います。
今回、公然、あおり等が規制の対象となっておりますが、インターネット上というのは本当に無数のページがあって、人の手を介して調べていくには相当な労力と人員と、人海戦術でもなかなか全てを網羅するというのは正直難しいと思っております。
やはり、こういった分野にはAI等を活用することでスピーディーに対応できる、しかも、人もかけずにすぐに出てくると思いますが、そのAIの活用状況についての御所見をお伺いいたします。
○大橋政府参考人 お答えいたします。
警察庁の委託業務であるサイバーパトロールセンターにおきまして、昨年九月にAI検索システムを導入し、自動収集した銃砲等の所持のあおり、唆しを含む拳銃等の譲渡や銃砲等の製造情報等をインターネット・ホットラインセンターへ通報する運用を開始しているところでございます。
このAI検索システムのより一層の活用に向けまして、警察が保有する知見を適切に反映させることなどによりまして、これら情報の迅速かつ確実な把握に努め、捜査や効果的な対策を推進してまいりたいと考えております。
○住吉委員 是非進めていただきたいと思います。
こういった違法行為だけでなく、例えば、インターネット上にはいじめ問題なんかもあると思います。そういった意味で、このAI、省庁横断的に今後使っていただくことを検討していただければなと思います。
時間ですので終わります。ありがとうございました。
○星野委員長 次に、緒方林太郎君。
○緒方委員 よろしくお願いいたします。
今回の質疑に際しまして、立憲民主党そして日本維新の会から質問時間を御配慮いただきましたこと、本当にありがとうございます。
まず、銃刀法の対象についてお伺いしたいんですが、この法律、読んでおりまして、ちょっと、究極、何が対象なのかが非常に分かりにくいということがありました。それはなぜかというと、拳銃とかそういうものの定義がないんですね。何をもって、それぞれ並んでいる、拳銃とか、後にいろいろ規定がありますけれども、分かりにくい。その指摘をしたら、実は、元々拳銃があるところに後追いで法律を作っているので、なかなか定義規定を置くことが難しかったという説明もありました。しかしながら、罪刑法定主義との関係で、きちっとこういうものは定義をすべきじゃないかと思います。
過去の判例で既に決まった、拳銃というのはこういうものだという解釈があるそうですので、法律に書き込んではいかがかと思いますが、局長、いかがでしょう。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
銃刀法におきまして、拳銃等につきまして定義が明確ではないとおっしゃるのは、委員御指摘のとおりかと思っております。
御指摘のとおり、銃刀法自体、かなり古い法律でございますので、そこの運用、解釈で固まってきた部分もございます。
今現在では、拳銃等につきましては、判例の解釈だとか、武等法で製造の対象となる武器といったようなものと併せてやっておりますが、今回の改正におきまして、ちょっと明確化を図る意味で、装薬銃砲についてはどのような威力があるかというのを入れたところでございます。
御指摘の点については、また今後の課題として検討させていただきたいと思っております。
○緒方委員 ありがとうございます。
続きまして、今回の銃刀法の改正で対象となっていないもの、例えば、スリングライフルとか、あとレールガンとか、そういうものが含まれないんですね。先ほど局長からも答弁があって、危険なものをいろいろ規制していくということは必要だ、そして不断の見直しをしていきたいということなんですが、明らかにスリングライフルとかレールガンというのは危険なもののカテゴリーに入るんじゃないかと思うんですね。
何を含めて、何を含めないのかという、その切り口というのはどこなんだろうなというふうに思ったんですが、局長、いかがでしょう。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
まず、銃刀法は、銃砲刀剣類等を規制しておりますもので、銃砲刀剣類、またそれに類似するものが規制の対象となってまいります。
では、どのようなものを規制するかという点につきましては、それぞれの威力であったりとか、犯罪に悪用されている状況であるとか、危害防止のためのものとか、あとは、社会的な有用性がどのようにあるかといったものを考慮して、規制の対象を検討しているところでございます。
委員が御指摘いただきましたスリングライフルまたレールガン等につきましては、入手可能性の問題や、規制対象の明確化とか殺傷能力、そういった点を考慮しまして、今回の改正では対象としていないところでございます。
○緒方委員 不断の見直しをよろしくお願いしたいと思います。
究極、考えてみると、刀剣類のところに、例えば、私、思ったんですけれども、オーストラリアのアボリジニが使っているあのブーメラン、あれを物すごく鋭利なものにして投げるときというのは、それはすごい効果があるわけですよね。すごい効果があると思います。別に、それを含めろということじゃないんですけれども、いろいろなカテゴリーがあり得るんだろうなというふうに私自身は思いました。
質問を移したいと思いますが、先ほど住吉議員の方から質問があった、武器製造等を行う、ホームページが唆す行為とかに当たったりするんじゃないかと思うんですが、私、全く同じ問題意識を持ちまして、実行行為が全て海外で行われて、サーバーが海外である場合というのは、恐らく日本の公権力のリーチから届かないんじゃないかと思うんですね、仮にそれが日本語で行われていても。ましてや、この件、国外犯規定があるわけではないわけでして、さらには、国によっては、そういう行為が犯罪化されていない国になってくると、捜査共助すら成立しないということすらあるということでございます。
これは本当にネットの世界の難しいところだと思うんですけれども、きちっとやるのであるということについて、ここは委員長に決意をお伺いしたいと思います。松村委員長。
○松村国務大臣 御指摘の、海外サイトで発信されております情報につきましては、例えばこれを引用して国内で発信するような行為については、これはあおり、唆し罪の対象になり得ると考えております。
また、警察や、警察が業務委託をいたしておりますインターネット・ホットラインセンターにおきましては、海外サイトに投稿された爆発物や拳銃の製造情報について、サイトの管理者に対して削除依頼を行っているところでもございます。
いずれにいたしましても、国内、海外いずれにおける情報発信であるかを問わず、国民の目に触れる違法情報の対策は重要であり、取締りや削除依頼の取組を着実に進めてまいりたいと考えております。
○緒方委員 よろしくお願いを申し上げます。
続きまして、猟銃の使用許可を取る際の診断書についてお伺いをさせていただきたいと思います。
猟銃使用許可を取る際に診断書を出さなきゃいけないんですが、元々は精神科医がこれを行うということになっていましたが、数年前に制度改正がありまして、過去に申請人の心身の状況について診断をしたことがある医師、括弧、かかりつけ医の作成した診断書でもオーケーということになっています。しかし、法令には、かかりつけ医の定義というのはないんですね。現在、法令上存在しているのは、かかりつけ医機能だけであります。そうすると、定義のないものをベースに、こういうお医者さんにかかって診断書を出してもらえれば、猟銃使用の許可が下りるようになりますということなんです。
そもそも、かかりつけ医は、例えばどれぐらい診断しているかとか、そういうことの要件もないわけであって、ある意味、比較的緩い規定になっているわけですが、そのような確立していない概念に依拠して猟銃使用許可を出すというのはよくないのではないかと思いますが、警察庁、いかがでしょう。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
銃刀法では、猟銃の所持許可の審査に当たり、一定の精神疾患があるといった欠格事由に該当しないことを確認するため、医師の診断書の提出を求めておりますが、委員御指摘のとおり、精神科医のほか、申請者の心身の状況について診断したことがある医師、これはかかりつけ医の方々が該当すると思いますが、そうした方々の診断書についても作成主体として認めているところでございます。
医師が診断を行った際にたまたま症状が出ていないというようなことも想定されますので、必要と認める場合には、審査の過程で、公安委員会によって、公安委員会が指定する医師に受診してくださいという受診命令の規定も設けられているところでございます。
いずれにせよ、欠格事由該当性につきましては、診断書に書かれた医師の意見や他の調査結果も踏まえて判断してまいりたいと考えております。
○緒方委員 恐らく、事前のレクの段階で、精神科医が余りいない地域に対する対応も実は念頭にあるんですということだったんですが、逆に考えると、そういう地域におられるお医者さんというのは、大体、ゼネラリスト的な方が多いと思うんですね。そこでかかりつけ医的な機能を担っているということなんですが、そういうゼネラリストのお医者さんというのは、精神疾患がどうであるとか、そういうことに対する知見を余り有していないという可能性も高いのかなと逆に思うんですね。
医師に負担をかけ過ぎではないかと思うんですけれども、局長、いかがでしょう。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
医師の診断書につきましては、公安委員会が許可をするかしないかの判断をする際の参考資料となるものでございます。当然、医師の診断書に加えまして、申請者に対する面接調査や周辺調査も実施いたしますし、これでは足りないと思われる場合には、別途、先ほど申し上げましたように、公安委員会が精神保健指定医等の診断書の提出を求めるという規定もございます。
こうしたことから、いわゆるゼネラリスト的な医師の方々に過大な負担を与えているということはないと考えております。
○緒方委員 続きまして、所持規制における目的規定です。
先ほど庄子先生の方からも質問がありましたが、拳銃等以外の銃砲等についての所持に、人の生命、身体又は財産を害する目的という限定がなされているんですが、これは本当に必要なのかなと私も思ったんですね。先ほどの答弁では、悪用される蓋然性ということを局長は言っておられましたが、本当にそういうことなのかなという思いをいまだに拭うことができません。
分かりやすく答弁をいただきたいと思います。局長。
○檜垣政府参考人 先ほど答弁させていただきましたが、銃刀法におきましては、拳銃等、またそれ以外のものにつきまして、現在、不法所持の罰則も段階的に規定されているところでございます。
銃刀法は、銃砲刀剣類によります危害予防のための法律でございます。
拳銃等につきましては、その形状等から、人を撃つ、いわゆる武器であるということで、社会的有用性もないということで、所持の許可の対象としても、我々警察官が持つとか標的射撃とか、非常に限られているところでございますし、過去の銃砲を使用した事例を見ますと、いわゆる暴力団のような方々が拳銃等を使って犯罪を犯してきたという実態がございます。そういったものを踏まえて、拳銃等につきましては、悪用される蓋然性が高いということで非常に重い罰則が設けられておりました。
それで、今回、猟銃と、またそれ以外の銃砲の罰則を引き上げるに当たりまして、拳銃等とも比較しまして、使用される蓋然性が強いという、これらにつきましては、やはり人を殺傷等する目的で持たれている場合に蓋然性が強いだろうということをもちまして、これの目的を持った者につきまして、拳銃等と同じ罰則に引き上げたいというものでございます。
○緒方委員 終わります。
○星野委員長 次に、塩川鉄也君。
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
銃刀法改正案について質問いたします。
まず、銃の管理に関して、保管委託についてお尋ねをいたします。
銃刀法では、猟銃の所持許可者は、猟銃等保管業者に保管を委託できるとされております。銃器店などが約三百九十ぐらい、射撃場が約百二十くらいということですけれども、このような猟銃等保管業者への保管委託はどのように運用されているのか。実際、保管委託件数というのはどのくらいなのか。この点についてお答えください。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
銃刀法では、猟銃や空気銃の所持許可を受けた者は、自らこれを保管することが原則とされておりますが、銃砲店や射撃場といった保管設備を有する業者に保管を委託することもできることとされております。例えば、同居の親族に精神疾患がある方がいるというような理由で、自宅に猟銃を保管せず、業者に保管を委託することを条件に許可をするといった運用もなされているところでございます。
保管委託がなされております件数につきましては、警察庁では把握しておりません。
○塩川委員 把握はしていないということであります。
銃器店などへの保管委託制度はあるものの、猟銃は任意保管であり、基本は個人に委ねる仕組みとなっているということであります。
ただ、銃刀法に基づく通達である銃砲等の検査実施要領には、出張、入院等により、保管場所を長期間不在にすることが予定されている者については、盗難防止のため保管業者に保管を委託するよう指導することとあります。
このような指導の結果、どのように保管委託が行われているのかについては把握をしておられますか。
○檜垣政府参考人 警察では、銃刀法第十三条に基づき、猟銃所持者に対し、毎年、銃砲の検査を行い、その中で、例えば、猟銃の所持者が長期にわたって自宅を不在にするなど、危害予防の観点から望ましい場合には業者に保管を委託するよう働きかけることとしております。
そのようにして実際に保管委託がなされた件数につきましても、警察庁では把握しておりません。
○塩川委員 指導はしているんですけれども、実態はつかんでいないということであります。
二〇〇七年に起きました佐世保の銃撃事件を機に、警察庁は銃砲の全国一斉検査を実施をいたしました。その際に通達を出しておりますけれども、そこでは、特に支障のない限り、全ての猟銃又は空気銃の所持者に対し、法第十条の八第一項に基づく猟銃等保管業者への保管委託を推奨することとあります。
全ての猟銃又は空気銃の所持者に対し保管委託を推奨すると述べているわけですが、これはどのように実施されたんでしょうか。
○檜垣政府参考人 御指摘の平成十九年の通達を受け、当時、都道府県警察では、銃砲の全国一斉検査の中で、猟銃所持者に対し、業者に保管を委託するよう働きかけをしていたものと承知しております。
現在でも、警察庁では、都道府県警察に対し、銃砲の検査において、例えば、猟銃の所持者が長期にわたって自宅を不在にするなど、危害予防上望ましい場合には業者に保管を委託するよう働きかけるよう指示しているほか、危害防止上の必要性にかかわらず、保管を委託できることにつきまして、所持者に知らせるよう求めているところでございます。
○塩川委員 過去の重大な銃撃事件に当たって、その後の対応として、特に支障のない限り、全ての猟銃又は空気銃の所持者に対し、保管委託を推奨することとしているわけであります。この保管委託の推奨というのは今も生きているということでいいんでしょうか。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
先ほども御答弁させていただきましたけれども、危害予防上望ましいような場合には業者に保管を委託するよう指示をしておりますし、危害予防上の必要性にかかわらず、保管が可能であれば、保管委託をするように所持者に知らせるといったことを行っているところでございます。
○塩川委員 特定の、危害を加えるようなことの際には保管委託とかという話ですけれども、そうじゃなくて、二〇〇七年の佐世保の銃撃事件を機に警察庁として促した通達においては、支障がない限り、保管委託を推奨するということですから、原則保管委託を進めようという趣旨であるわけであります。
こういう立場こそ必要なのではないのかといったことを、松村委員長に伺いますが、銃砲店や射撃場などの銃砲等保管業者、また、猟友会や都道府県公安委員会など第三者が管理をする、そういった体制づくりが必要ではないかと考えますが、お答えいただきたいと思います。
○松村国務大臣 お答え申し上げます。
猟銃や空気銃の所持者が自らの意思で業者にその保管を委託すること、このこと自体は危害予防の観点から認められており、これ自体は推奨されるべきものと考えております。
一方、所持者の意思にかかわらず一律に第三者による管理を進めることにつきましては、例えば、今日も熊のお話がございましたが、熊出没といった緊急時に必要な対応ができるか、あるいは、犯罪の防止という観点からどの程度有効か、また、銃砲の数に比べまして圧倒的に足りない保管場所を確保していくためのコスト、こういったことを総合的に考慮した上で慎重に検討する必要があるものと考えております。
○塩川委員 熊の駆除などの場合にどうするのかとかいうこと、またコストの話がありました。
全国一律でなくても、やはり、基本、保管委託を推奨する立場で、できるところからやっていくということはあり得るわけですね。例えば、熊の被害についても、北海道、東北は多いです。あとは日本海側ですよ。そういう意味では、関東から太平洋側などにおける被害というのは出されていないところでもありますから、そういった地域ごとの実情に応じて保管委託を推奨するといったことは可能なんじゃないかなと思うんです。
そういった点での工夫で、やはり、銃器の管理をきちっと行っていく際に、第三者による保管委託を促していく、こういうことを地域ごとの実情に応じて検討していく、こういうことを是非考えていただきたいと思います。改めて、委員長、いかがでしょうか。
○松村国務大臣 申し上げたように、総合的に考慮した上で慎重に検討する必要があると思っておりますが、委員の御指摘も重要な点だとは思っております。
ただ、何より、管理する方々、所持される方々の意思というのもございますので、現場の御意見をしっかりと伺いながら検討してまいりたいと考えております。
○塩川委員 地域の実情を踏まえて、保管委託を推進する仕組みを是非とも検討いただきたいと思います。
あと、弾薬の管理についてなんですけれども、実包は帳簿に消費、購入の記録を残すことになっておりますが、基本は自主申告だと聞いております。これだと、率直に言ってごまかしが利くんじゃないのかという心配があるんですが、この点、どうでしょうか。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
銃刀法では、猟銃の所持者は、実包を譲り受けたり使用したりした場合は、その種類や数量、譲り受けた相手方、使用した場所といった事項を帳簿に記載し、保存しなければならないこととされております。
警察では、毎年実施している銃砲の検査に際し、その帳簿や猟銃の使用実績報告書や実包の譲受け許可証の記載等に整合が取れているか確認することとしており、これにより帳簿の記載に誤りがあることが発覚する例もございます。
今回改正する公務所等に対する照会規定も活用するなどして、引き続き、実包の管理が徹底されるよう都道府県警察を指導してまいりたいと考えております。
○塩川委員 帳簿上、記録上の確認ということですから、実際の残弾数などを確認をしているわけではありません。そういった点でも、帳簿以上に残っているような実態というのも現にあるわけですので、こういったことに対して、弾薬管理の仕組みについて、改めて踏み込んだ検討が必要ではないのか。この点について松村委員長にお尋ねをいたします。
○松村国務大臣 先ほど局長が答弁したとおりでございますが、帳簿の確認などを通じまして、実包の管理は厳格に行われていると承知をいたしております。その上で、引き続きこうした取組が徹底されることが重要であると考えております。
委員御指摘につきましては、そうしたことに加えまして更なる管理の仕組みが必要ではないかという御指摘でございますが、こういったことは理解をいたしますが、その必要性、危害防止上の有効性、また猟銃所持者の負担といったことも総合的に踏まえた上で、慎重な検討を要する問題と考えております。
○塩川委員 弾数を確認するということは最低限の対応だと思っておりますので、こういった必要について御理解いただけるのであれば、対応策についての御検討を求めるものであります。
次に、地域における警察活動の拠点となっております交番、駐在所の設置状況及び人員配置についてお尋ねをいたします。
交番、駐在所の役割というのは何なのかについて御説明ください。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
地域警察は、地域の実態を掌握して、その実態に即し、かつ、住民の意見や要望に応えた活動を行うとともに、市民の日常生活の場において、常に警戒体制を保持し、全ての警察事象に即応する活動を行っておりますが、交番、駐在所はその活動の拠点としての役割を果たしているものでございます。
○塩川委員 地域における活動の拠点となるのが交番、駐在所の役割ということであります。
例えば、岐阜県が警察交番・駐在所整備指針というのを出しているんですけれども、そういうところで書かれているのを見ても、交番、駐在所というのが、地域住民の意見や要望に応える場所であり、警察の初動活動の起点となる、また、警察署が設置されていない自治体とのパイプ役となる、こういうことが記されているところであります。地域警察が地域における活動の拠点となる、そういうことを示しているものであります。
ただ、この交番や駐在所の数が今減ってきている。二〇一四年から二〇二三年の九年間で、交番数は六千二百五十六か所から六千二百三十九か所へと減少し、駐在所数は六千五百五十二か所から六千二十六か所へと一割近く減少しています。
このように減少している理由は何なのかについて御説明ください。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
交番、駐在所につきましては、警察事象への即応や、市民の日常生活の安全と平穏を確保できるよう、都道府県警察において、昼夜の人口、世帯数、面積、行政区画及び治安情勢に応じて、適正かつ合理的な配置となるよう絶えず見直しを行っており、その結果、交番、駐在所の設置数がこのような推移になっているものと承知しております。
○塩川委員 交番、駐在所が地域警察の活動の拠点ということで考えるときに、警察署が設置されていない自治体とのパイプ役の役割も果たしているわけです。統廃合が進めば、その役割も失われかねないと懸念をするところであります。
例えば、北海道で、交番のない自治体、市町村というのはあるのかないのか。その点についてお答えください。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
北海道警察によりますと、交番又は駐在所が設けられていない自治体はないとのことであります。
○塩川委員 交番について聞いているんですが。
要するに、二十四時間対応できるような交番が設置をされていない市町村はあるのか。
○檜垣政府参考人 失礼いたしました。
北海道警察からは交番又は駐在所があるかどうかということで聞いておりますので、正確には把握していないところでございます。
○塩川委員 私は質問通告で、北海道の市町村において交番が設置されていない自治体はあるのかという問いを出しているんですけれども、何で確認しないんですか。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
誠に失礼いたしました。
正確な数字は分かりませんが、多分ということでお答えいたしますと、交番が設置されずに駐在所だけというところはあろうかと思います。
○塩川委員 改めて、後でいいですから、はっきり教えていただきたいんですが。
やはり、交番というのが、三交代、あるいは警視庁などは四交代でありますけれども、二十四時間対応する、そういう意味では本当に地域の活動の拠点となっている。そういうところに、市町村とのパイプを果たすという点で、やはり交番が少なくとも一か所は全市町村にあるということが必要ではないのかと考えております。
ですから、交番がないところはあるんだという答弁でしたので、少なくとも市町村に一か所は交番は設置をするという基準が必要じゃないでしょうか。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
交番につきましては、都道府県警察において、治安情勢などに応じて設置するものでございます。
警察庁において、各市町村に一つは交番を設置するといったような、詳細な基準を示すまでの必要はないというふうに考えております。
○塩川委員 地域の活動の拠点の交番が市町村に一つもない状況というのは、これはやはり、警察の活動においても、地域住民の皆さんの様々な要望に対応する上でも、改めるべき点だと。
松村委員長、少なくとも市町村に一か所交番を置く、こういう基準は必要だとお考えになりませんか。
○松村国務大臣 今局長が答弁したとおりでございますけれども、やはり地域の実情を伺いながら検討するべきものだと考えております。
○塩川委員 是非、そういった基準の具体化を求めていくものであります。
そういった地域警察の警察官の数なんですけれども、都道府県における交番を含む地域警察部門の警察官、地域警察官の推移及び全体に占める割合について、一九九四年から十年刻みぐらいで示していただけますか。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
都道府県警察全体の地域警察官の人数と全警察官におけるその割合でございますが、二〇〇四年は約八千八百人で約三六%、二〇一四年は約九万人で約三五%、二〇二三年は約八万七千人で約三四%というふうになっております。
○塩川委員 それ以前はちょっと分かりませんけれども、二〇〇四年から見ると、三六%、三五%、三三・七と、減ってきているんですよね。そういう意味では、地方警察官全体に占める地域警察官の割合が減少し続けてきているわけであります。
地域警察運営規則によりますと、交番の配置人員は、原則として一当務三人以上の交代制の地域警察官により運用するとありますけれども、このような配置人員となっていない交番がかなりあると思われます。
最後に、松村委員長にお尋ねいたしますが、交番、駐在所の統廃合や地域警察官を減らすのではなくて、地域警察官の必要な人員確保を図るべきではないでしょうか。
○松村国務大臣 これまでも、都道府県警察におきましては、地域住民の安全、安心を確保するため、その時々の治安事象に的確に対応できるよう必要な体制を整えてきたところでございます。
また、交番、駐在所の配置につきましても、人口の変化や治安情勢に応じまして、適正、合理的なものとなるよう不断の見直しを行ってきたものと承知をいたしております。
今後も、都道府県警察において、治安情勢や地域の実情を踏まえました適正かつ合理的な人員配置や、交番、駐在所の配置見直しを行っていくものと承知をいたしております。
○星野委員長 檜垣生活安全局長、申合せの時間が過ぎておりますので、手短に。
○檜垣政府参考人 誠に済みません。
先ほどお答えした中で、地域警察官の数につきまして、二〇〇四年、ちょっと私、資料を読み間違えて、約八万八千人でございます。済みません。訂正させていただきます。
失礼しました。
○塩川委員 終わります。
○星野委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
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○星野委員長 これより討論に入るのでありますが、その申出がありませんので、直ちに採決に入ります。
内閣提出、銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○星野委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
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○星野委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、冨樫博之君外五名から、自由民主党・無所属の会、立憲民主党・無所属、日本維新の会・教育無償化を実現する会、公明党、国民民主党・無所属クラブ及び有志の会の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
提出者から趣旨の説明を聴取いたします。太栄志君。
○太委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明いたします。
案文の朗読により趣旨の説明に代えさせていただきます。
銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、本法の施行に当たっては、次の事項に留意し、その運用等について遺漏なきを期すべきである。
一 ハーフライフル銃の所持許可に係る規制の強化については、有害鳥獣の駆除等に支障が生じることがないよう、許可要件に関し地域の実情に応じた柔軟な運用を検討するとともに、各都道府県警察に対し適切に指導・助言を行うこと。
二 猟銃等の所持許可を受けた者に対する教育・啓発の機会を充実させるとともに、報告徴収、検査及び公務所等への照会等の的確な実施により不適格な者を把握し、所持許可の取消し等の適切な対応を行うなど、猟銃等が悪用されることがないよう必要な措置を講ずること。
三 銃砲等の所持のあおり又は唆しについては、インターネット上に関連する情報が多数存在している現状を踏まえ、サイバーパトロールを強化するとともに、AI等の先端技術を活用し、悪質性の高い行為を重点的に取り締まること。なお、不必要な検閲強化につながらないよう運用には十分配慮すること。
四 銃砲・弾薬の管理について、委託保管の実態を調査し、第三者による管理の在り方を政府として検討すること。
五 鳥獣被害が増えている中、猟友会等の鳥獣駆除の担い手の高齢化が深刻であり、今後増え続ける鳥獣被害に対応できるように、担い手確保の対策を講ずること。
六 インターネット上には、銃砲等の製造方法や譲渡に関する情報が氾濫しており、さらに、海外からそのような情報発信が行われている例も多々存在する。このようなインターネット上の海外からの有害な情報発信に対し、情報発見・対処する体制を確保すること。
七 既に販売、輸入及び製造された電磁石銃の流通・所持の状況について、把握に努めることとともに、本改正により電磁石銃が規制対象となるため、本規制の内容について、国民に対し広く周知を徹底すること。
八 事業被害防止のため獣類の捕獲を必要とする者に対するハーフライフル銃の所持許可に係る特例措置については、期限を設けず、鳥獣の保護及び管理、事業被害への対応等について長期的かつ継続的に取り組む必要性に鑑み、有識者及び関係者の意見を聴きつつ、定期的な見直しを行うこと。
以上であります。
何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○星野委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
採決いたします。
本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○星野委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
この際、本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。松村国家公安委員会委員長。
○松村国務大臣 ただいま御決議がありました附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。
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○星野委員長 お諮りいたします。
ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○星野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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〔報告書は附録に掲載〕
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○星野委員長 次回は、来る五月八日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後零時九分散会