衆議院

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第28号 令和7年6月13日(金曜日)

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令和七年六月十三日(金曜日)

    午後一時二分開議

 出席委員

   委員長 大岡 敏孝君

   理事 黄川田仁志君 理事 國場幸之助君

   理事 西銘恒三郎君 理事 今井 雅人君

   理事 本庄 知史君 理事 山岸 一生君

   理事 市村浩一郎君 理事 田中  健君

      石原 宏高君    井野 俊郎君

      江渡 聡徳君    尾崎 正直君

      岸 信千世君    栗原  渉君

      田中 良生君    西野 太亮君

      平井 卓也君    平沼正二郎君

      福原 淳嗣君    宮下 一郎君

      山際大志郎君    山口  壯君

      市來 伴子君    梅谷  守君

      おおたけりえ君    下野 幸助君

      橋本 慧悟君    藤岡たかお君

      馬淵 澄夫君    水沼 秀幸君

      山 登志浩君    中司  宏君

      三木 圭恵君    石井 智恵君

      菊池大二郎君    河西 宏一君

      山崎 正恭君    上村 英明君

      塩川 鉄也君    緒方林太郎君

    …………………………………

   参議院議員        山本 博司君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     林  芳正君

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長) 坂井  学君

   国務大臣

   (こども政策 少子化対策 若者活躍 男女共同参画担当)

   (共生・共助担当)   三原じゅん子君

   内閣府副大臣       辻  清人君

   内閣府副大臣       鳩山 二郎君

   法務副大臣        高村 正大君

   内閣府大臣政務官     西野 太亮君

   内閣府大臣政務官     岸 信千世君

   内閣府大臣政務官     国定 勇人君

   衆議院委員部長      野口 幸彦君

   政府参考人

   (内閣官房新しい資本主義実現本部事務局次長)   馬場  健君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 江浪 武志君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 河合 宏一君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   黒瀬 敏文君

   政府参考人

   (警察庁長官官房審議官) 大濱 健志君

   政府参考人

   (警察庁刑事局長)    谷  滋行君

   政府参考人

   (警察庁交通局長)    早川 智之君

   政府参考人

   (警察庁警備局長)    筒井 洋樹君

   政府参考人

   (金融庁総合政策局参事官)            岡田  大君

   政府参考人

   (消費者庁審議官)    尾原 知明君

   政府参考人

   (こども家庭庁長官官房審議官)          竹林 悟史君

   政府参考人

   (法務省大臣官房審議官) 吉田 雅之君

   政府参考人

   (財務省大臣官房審議官) 田原 芳幸君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           榊原  毅君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    野村 知司君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁資源・燃料部長)        和久田 肇君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           堤  洋介君

   政府参考人

   (国土交通省道路局次長) 佐々木俊一君

   内閣委員会専門員     田中  仁君

    ―――――――――――――

委員の異動

六月十三日

 辞任         補欠選任

  田中 良生君     福原 淳嗣君

  伊東 信久君     中司  宏君

同日

 辞任         補欠選任

  福原 淳嗣君     田中 良生君

  中司  宏君     伊東 信久君

    ―――――――――――――

六月十二日

 手話に関する施策の推進に関する法律案(内閣委員長提出、参法第九号)(予)

同月十三日

 手話に関する施策の推進に関する法律案(参議院提出、参法第九号)

同月十二日

 公務・公共サービスの拡充に関する請願(安藤じゅん子君紹介)(第二二六五号)

 同(大河原まさこ君紹介)(第二二六六号)

 同(斎藤アレックス君紹介)(第二二六七号)

 同(下条みつ君紹介)(第二二六八号)

 同(寺田学君紹介)(第二二六九号)

 同(福田昭夫君紹介)(第二二七〇号)

 同(八幡愛君紹介)(第二二七一号)

 同(山崎誠君紹介)(第二二七二号)

 同(笠浩史君紹介)(第二二七三号)

 同(阿部知子君紹介)(第二三九八号)

 同(池田真紀君紹介)(第二三九九号)

 同(小沢一郎君紹介)(第二四〇〇号)

 同(落合貴之君紹介)(第二四〇一号)

 同(金子恵美君紹介)(第二四〇二号)

 同(鎌田さゆり君紹介)(第二四〇三号)

 同(篠原孝君紹介)(第二四〇四号)

 同(仙田晃宏君紹介)(第二四〇五号)

 同(津村啓介君紹介)(第二四〇六号)

 同(西川厚志君紹介)(第二四〇七号)

 同(松木けんこう君紹介)(第二四〇八号)

 レッド・パージ被害者の名誉回復と国家賠償に関する請願(大石あきこ君紹介)(第二二七四号)

 同(大河原まさこ君紹介)(第二二七五号)

 同(阿部知子君紹介)(第二四〇九号)

 日本軍慰安婦問題の解決に関する請願(阿部知子君紹介)(第二三九六号)

 同(早稲田ゆき君紹介)(第二三九七号)

同月十三日

 外国籍元BC級戦犯者と遺族に対する立法措置に関する請願(有田芳生君紹介)(第二五六〇号)

 同(上村英明君紹介)(第二五六一号)

 同(階猛君紹介)(第二五六二号)

 同(円より子君紹介)(第二五六三号)

 同(山登志浩君紹介)(第二七五七号)

 公務・公共サービスの拡充に関する請願(荒井優君紹介)(第二五六四号)

 同(石川香織君紹介)(第二五六五号)

 同(大石あきこ君紹介)(第二五六六号)

 同(岡本あき子君紹介)(第二五六七号)

 同(神谷裕君紹介)(第二五六八号)

 同(川原田英世君紹介)(第二五六九号)

 同(神津たけし君紹介)(第二五七〇号)

 同(櫻井周君紹介)(第二五七一号)

 同(たがや亮君紹介)(第二五七二号)

 同(藤原規眞君紹介)(第二五七三号)

 同(馬淵澄夫君紹介)(第二五七四号)

 同(村岡敏英君紹介)(第二五七五号)

 同(谷田川元君紹介)(第二五七六号)

 同(山田勝彦君紹介)(第二五七七号)

 同(青柳陽一郎君紹介)(第二七四二号)

 同(稲富修二君紹介)(第二七四三号)

 同(菊田真紀子君紹介)(第二七四四号)

 同(源馬謙太郎君紹介)(第二七四五号)

 同(小山千帆君紹介)(第二七四六号)

 同(篠田奈保子君紹介)(第二七四七号)

 同(篠原豪君紹介)(第二七四八号)

 同(田中健君紹介)(第二七四九号)

 同(野間健君紹介)(第二七五〇号)

 同(深作ヘスス君紹介)(第二七五一号)

 同(本庄知史君紹介)(第二七五二号)

 同(緑川貴士君紹介)(第二七五三号)

 同(森田俊和君紹介)(第二七五四号)

 同(早稲田ゆき君紹介)(第二七五五号)

 レッド・パージ被害者の名誉回復と国家賠償に関する請願(小宮山泰子君紹介)(第二五七八号)

 同(志位和夫君紹介)(第二七五六号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 手話に関する施策の推進に関する法律案(参議院提出、参法第九号)

 内閣の重要政策に関する件

 公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件

 栄典及び公式制度に関する件

 男女共同参画社会の形成の促進に関する件

 国民生活の安定及び向上に関する件

 警察に関する件


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     ――――◇―――――

大岡委員長 これより会議を開きます。

 内閣の重要政策に関する件、公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件、栄典及び公式制度に関する件、男女共同参画社会の形成の促進に関する件、国民生活の安定及び向上に関する件及び警察に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 各件調査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、内閣官房新しい資本主義実現本部事務局次長馬場健君外十七名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大岡委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

大岡委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。下野幸助君。

下野委員 ありがとうございます。立憲民主党、衆議院議員の下野幸助です。

 質問に立たせていただきまして、関係各位の皆様に感謝を申し上げたいというふうに思います。

 早速質疑に入らせていただきたいと思います。

 先日から新聞をにぎわしております違法捜査の再発防止ということで、坂井国家公安委員長にお尋ねをしたいというふうに思います。

 横浜市の化学機械メーカー、大川原化工機の社長、大川原さんら幹部三人が、五年前の二〇二〇年、軍事転用が可能な機械を中国などに不正輸出した疑いで逮捕、起訴されましたが、その後、起訴が取り消され、先日、無実が明らかになりました。

 一昨日、警視庁公安部と検察の捜査の違法性を認めた東京高裁の判決をめぐり、都と国は上告を断念し、謝罪をしたというところでございます。

 この冤罪事件ですが、違法な逮捕、起訴、捜査された幹部の方のうち、顧問だった相嶋さんは、勾留中にがんが判明したにもかかわらず、十分な検査も治療も受けられずに亡くなられております。

 そもそも、現職の警察官が法廷において事件を捏造であると証言し、一審判決で違法捜査と認定されましたので、この段階で直ちに自ら捜査の検証をすべきだったと思います。

 また、現在報じられているところでは、捜査の検証を警視庁の人事、監察部門がある警務部が公安部とともに行うとのことですが、外部、第三者が入って検証すべきだというふうに考えます。

 そこで、坂井国家公安委員長に、違法捜査をどのように検証し、再発防止をどのように図っていくのか、お尋ねを申し上げます。

坂井国務大臣 お尋ねの件につきましては、警察の民主的運営を保障し、政治的中立性を確保するため、都民を代表する独立の合議体として、東京都公安委員会が設置をされております。

 この東京都公安委員会の管理の下、警視庁において、副総監を長とし、公安部門ではなく監察部門を主体とするチームにより検証作業が行われると承知をいたしております。

下野委員 そういう体制づくりは理解できるんですが、我々、ちょっと思っているのは、それは身内の対応ではないかというふうに思っております。

 もう一度確認で申し上げますが、十分な検証とともに、的確な再発防止のため、第三者の目、第三者委員会等を設置していただきたいと思いますが、坂井委員長の御答弁を願います。

坂井国務大臣 今も申し上げましたが、東京都公安委員会というのは、警察の民主的運営を保障し、政治的中立性を確保するための、都民を代表する独立の合議体でございます。ですから、この東京都公安委員会の管理の下で本件の調査が行われるということで、公正性、中立性には十分留意して進められるものと認識しております。

 さらに、警察庁においても、警視庁においてしっかり検証が行われるように監督を行っていくものと承知しており、国家公安委員会委員長としても、検証の状況について必要な報告を受け、指導を徹底していくことを考えているところでございます。

下野委員 この件については、警察、警視庁、そして公安委員会というお話がございましたけれども、もう少しウィングを広げていただいて第三者の目を、もう少し広げていただいての検証をしていただきたいというふうなことを要望いたしまして、この質問を終わらせていただきたいと思います。

 ここで坂井国家公安委員長は退席されて結構です。どうもありがとうございました。

大岡委員長 では、坂井国家公安委員長は退席していただいて結構です。

下野委員 続いて、二点目の質問に入らせていただきます。

 男女共同参画社会についてお尋ねをしたいというふうに思います。

 先日、世界経済フォーラムが発表いたしました、百四十八か国の男女平等度を順位づけした二〇二五年版ジェンダーギャップ報告が発表されまして、日本は残念ながら百十八位ということで、いろいろなところで報道でも出ておると思うんです。

 資料一を御覧いただきたいというふうに思います。

 一位のアイスランド、フィンランド、ノルウェーと続いて、日本は、G7では最下位で、百十八位のところに記載がされているというところでございます。

 そして、百十八位をもう少し分析をいたしますと、右側にもちょっと書いてありますが、四分野、経済、教育、健康、政治という分野に分かれておりまして、政治分野、ここを三原大臣にもお伺いしたいというふうに思うんですが、日本の女性にも積極的に、我々もそうなんですが、積極的に参画をしていただきたい。百二十五位ですからね、かなり低い、昨年の百十三位から後退をしているということでございますので、この点の御見解をお伺いしたいと思います。

 もう一点、済みません、裏面の資料二を御覧いただきたいというふうに思います。

 今度は賃金格差でございます。諸外国と比べて大変大きい状況でございまして、男女の賃金格差が二割以上開いているというのが現状でございますし、さらに、これを日本国内で見ていただきますと、四十七都道府県で、格差が少ないのが高知県、岩手県、長崎県というふうに出ておりますが、格差大のところ、茨城県を含め、私の地元三重県も、東海エリアも格差が大きいという状況でございます。

 そういった意味で、二点お尋ねしますけれども、女性の政治の参画という点と、賃金格差、この件に関しまして、三原大臣の御所見をお伺いいたします。

三原国務大臣 世界経済フォーラムが昨日公表いたしました二〇二五年のジェンダーギャップ指数において、日本が百四十八か国中百十八位であった、これは、依然として我が国の男女共同参画の状況が諸外国に比べて遅れているということを示すものとして謙虚に受け止める必要があると思っております。

 我が国の男女共同参画を進めるに当たって、やはり、政治そして経済分野の意思決定層における女性の参画や、男女間の賃金格差の是正、これが重要な課題だと考えております。

 まず、政府といたしまして、政治分野につきましては、各政党に対して女性候補者の割合の向上というものを自主的に取組を要請したり、ハラスメント防止研修教材の作成ですとか活用を促進したり、また、地方議会における女性の政治参画に資する先進的な取組事例も横展開を行ってまいりました。

 また、新たに内閣府が現職の地方議会議員等を対象に実施をいたしました、女性の政治参画への障壁等に関する調査、これによりますと、女性議員は、ハラスメントを受けたとの回答が半数を超えて一位でありますが、男性議員は、ハラスメントを受けたことはなく、直接又は間接に見聞きしたこともないとの回答がまた一位と、この結果が大きく異なっている。ハラスメントに対する認識について男女の差が非常に大きいということが考えられることが分かりました。こうした調査の結果も踏まえて、引き続き、関係機関とも連携して取組を進めてまいりたいと思います。

 そして、男女間の賃金格差についてでありますけれども、女性の非正規雇用労働者の正社員への転換等を促進するほか、この度、新たに改正いたしました女性活躍推進法、これに基づく女性管理職の比率の情報公表の義務化ですとか、また、企業等における男女間の賃金差異の要因の分析、これも支援をしていくなど、女性のキャリア形成の障壁となっている固定的な性別役割分担意識、アンコンシャスバイアス、こうしたものを解消していく、そういう啓発にもしっかり取り組んでまいりたいと考えております。

下野委員 こういう男女の賃金格差ということから考えると、だからこそ女性の活躍というのが必要だというふうに思いますし、先ほどおっしゃられた、党派を超えて、各政党、女性の候補者発掘、こういったことも、我が立憲民主党も三十名の女性議員がおりますけれども、皆さんでしっかりとお声がけをさせていただきたいと思います。

 閣僚の女性、三原大臣は女性ということなんですが、これも日本は大変低位ということで、たしか前より、二五%が一〇%に下がっているという報道も昨日ありましたので、そういったことで、政治家そして職場のことにおきましても、しっかりと女性の活躍ができるような形で方針を進めていただきたいというふうに思います。

 その意味で、もう一つ質問をさせてください。

 三点目の質問なんですが、今、修学旅行の小学生や中学生の皆さんがここに、国会見学によく来られます。私も時折、地元の三重県の中学生の子供さんを、お話をさせていただくんですが。衆議院の地下に、集まるところがありますね。待っている間に、はい、トイレに行きたい人と、みんな行くんですよね。そうすると、どうしても女性の方々がすごく待たなくてはいけないということであります。

 こういったことは、ここでもそうなんですが、全国の小中学校でも、あるいは公民館でも同じ状況でございまして、何が申し上げたいかというと、トイレの数であったり、まだ和式が三分の一を占めている、全国平均ですけれども、地域によってはまだ半分以上が和式だというところもあるみたいなんです。

 そういったことで、端的にお尋ねを申し上げますが、このトイレ問題についての今後の改善策、三原大臣にお伺いしたいというふうに思います。

三原国務大臣 トイレは、男女を問わず全ての人にとって欠かせないものでありますし、その清潔性とか快適性、そうしたものを向上させて、あらゆる施設でトイレ環境の改善、これは進めていくことが大事だと思います。

 特に最近、委員がおっしゃるように、昔に比べて和式トイレに慣れていない方が多くて、洋式、和式両方設置の場合、女性トイレで和式トイレを避けて、結局、避ける結果、女性の方が男性よりもトイレの利用時間を長く要することも相まって、ますます女性トイレが混んでしまうという不便も、本当にあちこちで起こっております。

 そしてまた、公立の小中学校や公民館というのは、災害時には避難所として活用されることも想定されていますので、和式トイレというのは高齢者や障害者にとっても大変負担が大きいという配慮の観点からも、洋式トイレの整備というのは、私は大変重要なことだというふうに思います。

 文部科学省が洋式化を含めたトイレ改修に対して自治体への補助を行っているというふうに承知をしておりまして、令和五年度は六八・三%まで向上していると承知をしております。また、公民館も、これは文部科学省が策定した基準を踏まえて設備を整備していると承知をしております。

 文部科学省と連携をしまして、今委員が御案内のように、男女で異なる影響やニーズにも配慮しつつ、全ての人が日々安心して快適に過ごせるように努力をしてまいりたいというふうに思っております。

下野委員 先ほど六八%というお話がありました。これは全国平均で、要するに、三分の一ぐらいがまだ和式だということなんですよね。これも、大臣、よく後で見ておいていただきたいんですけれども、都道府県格差は結構ありますのでね。

 そんなことで、各都道府県の取組を是非とも後押しをしていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いを申し上げまして、この質問を終わらせていただきたいと思います。

 三原大臣、お忙しいところありがとうございました。退席していただいて構いません。

大岡委員長 では、三原大臣、退席していただいて結構です。

下野委員 それでは、三点目の物価高対策から、ガソリン暫定税率の廃止について、林官房長官にお尋ねをしたいというふうに思います。

 先日、我が党の、立憲民主党野田代表と石破総理との間で党首討論が行われました。このときもガソリン暫定税率の話が出てきましたけれども、まず、現状の確認をさせていただきたいというふうに思います。

 現在行われていますガソリンの補助金制度は二〇二一年一月から始まっています。今年の三月末まで約六・九兆円執行されていると聞いています。ただし、この六・九兆円は、ガソリン、軽油、灯油、航空燃料等、全体の執行額でございまして、今回は、ぶれないように、暫定税率と併せて、ガソリン及び軽油に的を絞って質問させていただきたいというふうに思います。

 まず、政府参考人に確認なんですが、六・九兆円のうち約五兆円がガソリン、軽油の補助金ということでよろしいでしょうか。

田原政府参考人 お答えさせていただきます。

 ガソリン補助金の執行額でございますけれども、令和四年一月から令和七年三月末までの油種ごとの補助金の支払い実績でございますが、ガソリンが約三・〇兆円、軽油が約二・一兆円となってございます。

下野委員 つまり、先ほど私の約五兆円でいいですかという質問に対して、五・一兆円ということになろうかと思います。

 二〇二二年一月から二〇二五年の三月までで五・一兆円なんですよね。三年三か月で五・一兆円。三年三か月で五・一兆円なんです。これは年平均一・五兆円の補助金が使用されているということになります。

 一・五兆円以上の補助金を使っているということと、暫定税率の予算は一・五兆円なんですよ。これはどうなんでしょうかね。

 しかも、先日、ガソリンを安くする十円補助金というのが始まっております。最終的には七月の上旬に十円安くなるんですが、十円安くするのに、ガソリン、軽油、約一兆円規模の補助金というふうに聞いておりますが、ここのところも確認なんですが、それで間違いないでしょうか。

和久田政府参考人 お答え申し上げます。

 五月二十二日から定額の補助に移行しておりますけれども、そちらにつきましては、基金の残額一・一兆円の範囲内で実施をするということになってございます。

下野委員 そのうち、それは全体で、ガソリン、軽油に絞ったら〇・九兆円というふうに聞いておりますが、それで間違いないでしょうか。

和久田政府参考人 お答え申し上げます。

 一・一兆円の内訳ですけれども、五月末時点で一・一兆円でございますから、揮発油分については約〇・六兆円、軽油分については〇・三兆円ということでございますので、一・一兆円の内訳で暫定税率の対象分ということで言いますと、〇・九兆円ということでございます。

下野委員 そうなんですよね。確認をさせていただきました。

 十円下げるのに〇・九兆円使っているんですよ。これまでの、もう一方、前段で言いました補助金五・一兆円は三年で使っているんですよ。こんな効率の悪いガソリンの税金の使い方、どうなんでしょうか。

 国民の皆様のことを考えると、二十五円十銭安くなる暫定税率撤廃、これが筋だと思うんですが、林官房長官、いかがでしょうか。

林国務大臣 今御議論いただきましたように、国、地方を合わせて一・五兆円という税収でございます。

 この間の党首討論でも、石破総理が自民党総裁としておっしゃっておられるように、主に、ミッシングリンクの解消ですとか、先般の八潮市の道路陥没事故のような老朽化したインフラへの手当てなど、地方のインフラ整備に充てられております。代わりの財源、安定的な財源、これをどのようにして見つけるかについて是非議論させていただきまして、暫定税率廃止に向けて共に努力をしたい、こういうふうに総理・総裁としておっしゃっておられます。

 今、基金の残高についてお話がありましたけれども、これは今、足下の物価高に対応するということで、できる限り速やかに対応する観点ということで、暫定税率の扱いについて結論を得て実施するまでの間、すぐに使えるものということで、リッター当たり十円等の燃料油価格の定額引下げ措置、これを五月二十二日以降開始しておるわけでございまして、この基金残高は、あくまで一時的な財源でございます。

 したがって、国、地方を合わせて一・五兆円の恒久的な税収減に対応するための安定的な財源にはならないということは御認識をいただけると思います。

下野委員 官房長官、もう一度確認で、端的に聞くんですが。

 今まで、三年三か月で五・一兆円、年平均一・五兆円の補助金を使って十円安くしているんですよ、済みません、十円台ぐらい安くなっているということなんですよ。

 五・一兆円を三年三か月で使っている。先ほど確認させていただきましたけれども、三年三か月で五・一兆円使っている。一方で、一・五兆円で二十五円十銭安くなるんですよ。この経済概念はどう考えられますか。端的にお答えください。

林国務大臣 恐らく五・一兆円につきましては、定額ではなくて、百八十五円を目途に、そこまで引き下げるということでやってきておりますので、必ずしも十円下がったということではなかったというふうに記憶をしております。

下野委員 十円というのは、私、撤回させてください。ただ、これから始まる、十円安くなるガソリン補助金、先ほど確認させていただきましたけれども、五月から来年の三月までに〇・九兆円使っているんですよ、〇・九兆円。〇・九兆円使っているんですよね。一方で、一・五兆円で二十五円十銭安くなるんですよ。

 財源一・五兆円もろもろと言いますけれども、三年三か月で五兆円以上もお金を使っているということと、今の暫定税率、一・五兆円で二十五円安くなるということと、この考え方、いかがでしょうか。

林国務大臣 後半の部分の、前半の五・一兆円は百八十五円までということですが、この今の基金は、あくまで一時的な財源で、百八十五円を切った場合にも、ガソリン高に対応するために、十円ということで五月二十二日以降開始しておるものでございまして、あくまで一時的な財源ということでございます。

 したがって、この暫定税率の廃止については既に合意をしておりますので、国、地方を合わせて一・五兆円の恒久的な税収減に対応するための安定的な財源、これをしっかりと議論していく、こういうことだと思っております。

下野委員 一・五兆円の恒久的な財源とおっしゃいますが、もう三年三か月で五・一兆円使っているんですよ。さらに、また、効率の悪い〇・九兆円で十円下げるんですよ。そんなことをだらだらだらだらやっているんじゃなくて、国民の皆さんの税金ですから、経済的なことも考えて、しっかりと、一・五兆円で二十五円十銭安くなる、これを早急にしていただきたいというふうに思います。

 さらに、補助金制度は、事務費もかかるんですよ。調べたところによりますと、来年の三月までに百六十四億円事務経費がかかっているんですよ。これは、年間四十億円ぐらい事務経費が別途かかっているんですよ。

 こういうことも鑑みますと、やはり早く暫定税率を廃止をしていただくということが何よりも、コスパもいいですし、さらには国民の皆様に二十五円十銭還元できますから、そこのところ、是非早急に実施をしていただきたいと思うんですが、財源のお示しというより、今の金の使い方、三年、四年見たときのお金の使い方、めちゃくちゃ効率が悪いんですよ。その点に関して、もう一度、官房長官、お願いします。

林国務大臣 先ほど、五・一兆円については御理解いただいたと思っておりましたが、必ずしも十円分ではございませんでした。ですから、効率的かどうかというのは、全体の、百八十五円に下げるためにどれだけのお金が必要だったかということをきちっと見ないといけないというふうに思っております。

 先ほど申し上げましたように、百八十五円を切りますと旧来の制度では下がらないということになりますので、まだガソリンが高いではないかという国民の皆様のお声に応えるために、更に十円等の今の定額引下げを一時的に実施しておるということでございます。

 したがって、まさにこれは廃止は決まっておるわけでございますので、今後ずっと、毎年毎年毎年一・五兆円の恒久的な税収減がある、その税収は、先ほど申し上げたような地方のインフラ整備等々に使われておったわけでございますので、ここをしっかりと御議論いただきたいというのが、先ほど、総理が党首討論で申し上げた趣旨である、こういうふうに理解をしております。

下野委員 もうこれ以上は平行線なのであれですが、実際、この三年三か月で五・一兆円に、ガソリンと軽油で税金を使っているという事実、そして、これから使おうとしている十円の補助金制度は、十円下げるのに〇・九兆円を使っているという事実、さらには、補助金には百六十四億円の事務費がかかっているという事実、これを総合的に勘案すると、早急的に暫定税率撤廃ということに私はなるかと思うので、是非とも早急に考えていただきますようにお願い申し上げまして、この質問を終わらせていただきたいというふうに思います。

 林官房長官は退席していただいて構いません。

大岡委員長 では、林長官、退席してください。

下野委員 時間もちょっと迫ってきましたので、済みませんが、次の質問に入らせていただきたいというふうに思います。

 百三十万円の崖の対策についてお尋ねさせていただきたいというふうに思います。

 我が党は、百三十万円の崖と言っておりまして、これは、第三号被保険者や学生の労働者が年間百三十万円以上稼ぐようになると、国民年金と国民健康保険を支払わなければならず、手取りが激減をいたします。

 この百三十万円の崖について、我が党立憲民主党は、働き控えのために、年収約二百万円ほどまで手当てをしていく、七千億円程度ということになりますけれども、こういったことを提案をさせていただいていますが、今国会では百三十万円の崖だけ動きませんでした。

 この百三十万円の壁の今後の動向について御所見をお願いいたします。

西野大臣政務官 委員御指摘の百三十万円の壁でございますけれども、社会保険の適用に関する基準だというふうに思います。

 まず、政府の基本的な考え方ですけれども、働き方に中立的な制度を構築する、さらには労働者の皆様方が安心して働いていただく、そういう観点から、できるだけ被用者保険への移行を促すということが重要だというふうに思っています。

 これまでも、順次被用者保険の適用拡大を進めてきましたけれども、今朝、午前中に参議院も通過したというふうに伺っておりますけれども、今般の年金改正法においても更なる適用拡大が盛り込まれました。この適用拡大では、委員御指摘の百三十万円の壁そのものではございませんけれども、百六万円の壁、こっちの方の拡充をすることによって百三十万円にぶち当たる人が減るというふうに思っておりますので、直接的ではないけれども間接的に見直しをしているということだというふうに思います。

 さらに、この議論は少し時間がかかりますので、順次拡充されていきますので、それまでに影響が出ないように、年収の壁・支援強化パッケージを作成したり、あるいは事業主の皆さん方を支援する措置を実施することとしていただいております。

下野委員 パッケージをやっていただいているということなんですが、目先のことで考えると、今、その制度も使い勝手が悪い部分も聞いておりますので、早急に百三十万円の壁を動かすという観点からも御検討いただければというふうに思います。

 次の質問に入らせていただきたいというふうに思います。

 中小企業の賃金引上げという部分でございます。

 先日の党首討論でも、賃上げこそが最大のテーマだということで取り上げていましたけれども、確かに大企業は五%以上の賃上げがなされていますけれども、日本商工会議所、二〇二五年度の中小企業の賃上げ調査によりますと、中小企業、正社員の賃上げ率は四・〇%でした。大企業は五・三八ということで、大変開きがある。さらに、従業員二十人以下の小規模の企業に限ると、賃上げ率は三・五四%ということになっております。

 そういった意味で、最低賃金の引上げ、中小企業にどのように支援をしていくのかということについて御答弁願います。

西野大臣政務官 委員御指摘の数字については私も承知しているところでございますが、例えば、連合の第六回の集計ですと、全体が五・二六%、そしてこれは対前年比で〇・一八ポイント増えています。一方で、中小組合、我々が持っている数字ですと、四・七%、これは昨年に比べて〇・二五ポイント増でございますので、若干差が縮まっているのかなというふうに感じております。

 一方で、委員おっしゃるとおり、中小企業の賃上げを進めるということは非常に重要なことでございますので、適切な価格転嫁の推進、これは官公需も含めてでございますけれども、価格転嫁を進めていく、さらには、生産性をしっかり向上させていかなければ賃上げの原資を確保できませんので、こういった省力化、デジタル化の投資促進、さらには、人材、経営基盤を強化する事業承継、MアンドA、こうしたこと、政策を総動員してやっていきたいというふうに思います。

下野委員 日本経済は、本当に中小企業の皆様でお支えをいただいております。まだ三割以上の中小企業が賃上げさえできていないという調査結果も出ておりますので、そういった意味で、しっかりと、今後も中小企業の賃上げ支援の方、よろしくお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

大岡委員長 次に、市村浩一郎君。

市村委員 日本維新の会、市村でございます。今日もよろしくお願いします。

 私も再三取り上げております、今日も、実子誘拐ビジネスについて、また改めて取り上げさせていただきたいと存じます。

 これまで、私からすると、悪徳弁護士なるものがおりまして、これがけしかけて、子供を、連れ去ると今までは言われていましたけれども、私はこれは犯罪だと思っておりますので、誘拐する手口をここで御披露してきました。

 今までは、警察を悪用する、例えば自治体の支援措置を悪用する、これは国でいえば総務省関係でありましたが、改めて、今日はこども家庭庁からも担当の辻副大臣にお越しいただいていますが、児相、児童相談所、これまで名前は出してきましたが、児童相談所がいかに悪用されているかということはまだここでは申し上げてきませんでしたので、いかに児童相談所が悪用されているかも、また今日、お伝えさせていただければと思っております。

 基本的に、元々これは離婚ビジネスなんですね。今の法律にのっとって、離婚できるように弁護士さんが入るということはあると。ただ、子供がいる場合に、特に、今度は共同親権になりますけれども、今は、離婚後は単独親権ですから、どっちが子供の親権を取るかとかいうことも、これは離婚に基づいていろいろ問題になってきます。

 できるだけ有利に、こちらに親権を取りたいというふうにしようとする中で、結局、子供を、裁判で親権を取ろうとする。そして、できる限り相手に会わせなくする。今度は共同養育計画というのを、義務じゃないですけれども作るということが今度の共同親権においてあるんですけれども、やはりどうなろうと子供は子供なんですね、親は親なんですね。

 ところが、今はもう、分離させるというのが残念ながら今までの流れでありましたので、できる限り親権を取りたい、こうなってくると、その準備をしなくちゃいけないですね、弁護士さんとしては。弁護士としては準備をしなくちゃいけないということで、では、どうするかというと、前から言っておりますが、なるべく、その相手方がいかに子供に対してつらく当たっているかという物語をやはり作らなくちゃいけないんですね、作らなくちゃいけない。

 でも、相手方は実はそんな人じゃない場合がほぼであると私は思っていまして、その中で、どうしても物語を作っておかないと、裁判の場で、それはなかなか、あなたが勝手に連れ出したんじゃないのかということになるわけでありますし、実際に、ある意味で勝手に連れ出しているから、私はこれを実子誘拐だと申し上げているのですが。

 そのとき、警察が利用されました、自治体の支援措置の窓口が悪用されましたということは伝えてきましたが、警察に相談に行っても、特に子供がいる場合は、結局、警察も受理したものを、相談を受けたものを児童相談所に回すんです。大体年間十二万件ぐらいということでありまして。

 あと、支援措置の窓口も、やはり警察や児童相談所と相談をした上で、かつては、そんな相談もなく、とにかく担当者の方がかわいそうだとサインしてしまっていたんですけれども、今はさすがにそうじゃないと信じていますが、いずれにしても、そこも結局、子供が絡んでいる場合は児童相談所に相談するわけです。

 その児童相談所がどうするかというと、やはり児童相談所も児童相談所として、結局、相談があったら、それは受理しなくちゃいけないわけですね。それがうそか本当かというのは、まず受理して、一応調査をされているとは言うんですけれども、でも、私がいろいろ聞いているところによると、その調査が本当に有効にやられているか、年間二十二万件なんですね。ただ、これは多分、一人が何回もやっているケースがあるんです、一人が。だから、じゃ、何人ですかと聞くと、その統計は取っておりませんということなんです。でも、多分、一人に対して何回か行っているケースというのは、絶対記録は残っているはずですから、本当はその記録も出していただきたいんですが、今日はいいです、もうそれは。今度出してください。結局、調査をした上で、子供、児童の一時保護を措置するということらしいんです。

 ただ、私からすると、一部の弁護士がこういう、いわゆる誘拐をするための手口にこれを使っているんですね。

 この間、警察の方には、受任のお知らせとか受任通知というのを置いていることが、連絡先を置いているんだからこれは誘拐じゃないでしょうということにならないということは、国家公安委員長にも確認させていただいております。

 ですから、結局、手口なんですね、そうやって児童相談所や警察に、いかに相手がひどい人かということをまず何回も相談させるわけです。警察も、児童相談所も、それをやはり、一応聞かなくちゃいけないんですね。その場で何か、いやいや、それは違うでしょうとは言えないということで、聞くんですね。そうしたら、聞いたやつを、ほら、警察にもちゃんと相談していますよ、児童相談所にも相談していますよと。そういう、まず、相手方を追い込んでいくわけですね、相手方がいかに虐待とかがあるかということを、追い込んでいくわけです。

 この虐待も、聞いたら、六割、七割が心理的虐待になっているんです。心理的虐待に何が入っているかというと、例えば、夫婦げんかをしているときに、子供がその夫婦げんかを見て、子供が泣いています、怖がっていますということ、これも心理的虐待に入るらしいんですね。

 そうなると、夫婦げんかが高じて、もう警察に電話してやるとか言って一方が電話をします。そうすると、それをもってして、一方がいわゆる心理的虐待を与えたことになると。だから、どっちが早く電話するかで、これは恐ろしいことに、早く電話した者勝ちなんです。だって、夫婦げんかをしていて、子供が泣いています、怖がっていますと言って、どっちか早く電話した方の相手方が、電話された方が、これは心理的虐待をしたことになるようなんです。おかしくないですか。

 そもそも私は、夫婦げんかは、まあ、けんかはするでしょう、夫婦げんかは犬も食わないと言って、するでしょう。しかし、したとしても、それは子供の前ではするなと。結構そういうのは、大体、親とかじいちゃん、ばあちゃんから教えられてきたはずなんですよね。あんたたちがけんかをしてもいいけれども子供の前ではしちゃいかぬよというのは、もう社会常識というか当たり前の話なんだけれども、これも今、警察や児童相談所に行くと、心理的虐待なんですよ。これが大体、相談件数の六割、七割、警察に対する相談件数の心理的虐待が七割、児童相談所に対する虐待が六割、こうなっているわけですね。こんなものまで虐待にしているから、私は問題があると思うんですが、まあ、そこは今日の課題じゃないのでおいておきます。

 そうやって、結局、アリバイづくりをしていくわけですね。連れ去られても、相手がひどいからこの子を保護するために連れ出したのであってという物語をどんどん作っていくわけです。一方は、そんなことは全然知らないわけですね。普通に子供と遊んでいるわけです。

 ところが、ある日、何か出張しましたとか、大体、二日ぐらい家にいないというときを見計らって、計画を立てて、そして、連れ出して出ていって、そのままもう帰ってこない。そこには、この間言った受任通知が残されていて、弁護士さんが、以後、相手方や子供に直接連絡を取らないでほしい、若しくは控えてほしい、時には、取ったら法的措置を訴えますというふうに、私からすると、この間申し上げたように、脅迫状を置いて出ていくわけですね。そして、もう二度と、ほぼ会えなくなるというんですよ。婚姻期間中は、共同親権ですから、子供に会いに行くのは当たり前なんです。ところが、会えなくなるということです。

 そのときに、そういう手口に、児童相談所も悪用されている、警察も悪用されている、自治体の支援措置の窓口も悪用されている。

 これは児童相談所も悪用されていると私は思いますが、辻副大臣、いかが御見解を持たれますでしょうか。

辻副大臣 委員も御承知のとおり、児童相談所は、児童の福祉のため、その家族等からの相談に応じることを業務としています。日々の業務において、こどもまんなかを掲げるこども家庭庁と同様、子供のことを最優先に対応をする場所でございます。

 児童相談所が虐待等の相談を受けた場合、関連法に基づいて速やかに子供の安全確認を行う、そして、子供や保護者、関係機関等への調査などを通じて、虐待があったかどうか、養育環境等について適切に把握した上で必要な対応を行う。ですから、子供にとって必要な対応を判断する上では、その児童の利益が、その児童の利益が最善のものとなるよう取り計らうことが重要です。

 委員が今御指摘していただいた御懸念も踏まえつつ、虐待通告があった際には、法に基づいて迅速に初動対応を行い、更なる対応が必要か否かの判断につなげていくべきと考えていますので、よろしくお願いします。

市村委員 お願いします。やはり、これは結局、犯罪の手口に利用されているということなんですね。私は九割方でっち上げだと思っていますので、だから、そういうふうな考えでやはりしていただきたい。

 そうしないと、今日、法務省からも副大臣にいらっしゃっていただいていますが、結局、今、警察は、通達も出していただいて、こういうケースについてはしっかりと相談を、告訴があった場合は受理をして、そして捜査をして、しかも送検までしていただいているんです。警察は結構やっているんです、通達まで出していただいて。

 ところが、これは今まで一件も立件がないんですね。要するに、いわゆる裁判にかかったケースは一件もないんですね。私は、これは検察も、そういうでっち上げによる被害者なんですよ。でっち上げによる被害者が、支援措置とかを使って実は加害者にされている、加害者のレッテルを貼られているというケースもあって、家庭裁判所でも、本当は子供を連れ去られたというか、誘拐された被害者なのに、ところが、逆に、さっきから申し上げているような手口で、虐待をしている親ということでレッテルを貼って、特に男性の場合がそういうレッテルを貼られるんですけれども、家庭裁判所で裁判が進むということであります。

 しかし、結局、何を言っても、一旦加害者のレッテルを貼られているわけで、裁判所の中では、裁判の過程の中ではなかなかそれを、一方の意見だけで、こっちの意見は、加害者とされて、被害者の意見は取られないという状況になっていますが、是非とも、法務大臣、ここはやはりきちっと調べていただいて、検察の方でも、検察にも御指導いただいて、きちっと調べて、起訴すべきは起訴ということでやっていただきたいと思うんですが、副大臣、御見解いただけますでしょうか。

高村副大臣 御質問ありがとうございます。

 なかなか、今法務省の立場で、これを起訴しろ、起訴するなということを指導する、個別案件についてはできかねますが、委員の今のお話もしっかりと受け止めたいと思います。

市村委員 ありがとうございます。

 これは、やはり国会、国権の最高機関がちゃんとこういう犯罪の手口をしっかりとお伝えして、動かないと、警察も、自治体も、児童相談所も、多分法務省さん、検察も、それぞれはそれぞれの役割をちゃんとやっていると思うんですね。ところが、それをうまく利用している人がいる、悪用している人がいるということが一番の問題であります。

 大臣、最後に、一連、大分聞いていただいていましたが、これは児童相談所さんまで巻き込んでいる、しかも、警察も児童相談所に、相談があったのは警察から児童相談所に行っているということもありますので、一段と、大臣には警察の皆さんに言っていただいて、しっかりと相談を受けて、受理をして、捜査をしていただきたいと。

 やはり、この弁護士の方は、前も申し上げたことがあるんですが、これは誘拐犯だ、しかも、刑法二百二十五条の営利目的誘拐の正犯であるというところだと私は思っていますので、恐らくそういうふうな訴えがこれから出てくると私は思います。時効は七年です。ですので、もう既に手数料か何かを受け取っている弁護士さんはいらっしゃると思いますが、こういう人たちを多分これから訴えていくということが出てくると思います。

 是非とも、警察の皆様におかれましても、しっかりと捜査をしていただいて、送検していただき、そして検察の方ではこれをきちっと立件していただいて、裁判の場にかけていただきたいと思いますが、大臣の最後のお言葉をいただいて、終了させていただきます。

坂井国務大臣 委員の御指摘も踏まえつつ、しかし、法と証拠に基づいてしっかり警察はやってまいりたいと思います。

市村委員 終わります。ありがとうございます。感謝です。

大岡委員長 次に、田中健君。

田中(健)委員 国民民主党、田中健です。よろしくお願いします。

 今日は、重大事故の免許停止、取消し手続の遅さ、また再犯防止の制度強化について、そしてそれに関連して、高速道路の逆走事件についてもお伺いをしたいと思います。

 資料を御用意しました。一枚目が、記事でございます。

 今年三月三十一日に、横断歩道歩行中の小学生をはねる交通事故が起こりました。そして、その三日後に今度は高校生のひき逃げ事故を起こした疑いで逮捕された七十四歳の男性ですけれども、六月十日、今度は無免許運転の疑いで逮捕されました。僅か数か月で三度も逮捕であります。被害者にとっては許し難い出来事であり、御家族の心中を察しますが、また同様の事案が全国で繰り返されないかという不安が高まっています。ちなみに、小学生の男の子は、一昨日、意識を取り戻したそうであります。

 その中で、警察と検察によりますと、この男は、三回目の逮捕前、無免許運転の疑いのある五月七日時点で、検察の処分は出ておらず、釈放中で、任意の捜査が続いていたとのことであります。

 本件のように、重大事件を起こした後でも正式な処分が下るまでの運転が可能となっている現行制度は、明らかに再犯のリスクを見過ごしており、公共の安全が脅かされているのではないかと感じます。この点について、事故後速やかに、仮停止でなく、即時停止やまた仮取消しの措置を可能とする制度の改正というのが必要ではないかと考えますが、見解を伺います。

坂井国務大臣 申し訳ありません、ちょっと、五月七日で、ちょっと今、処分が決まっていないとおっしゃっていましたか。(田中(健)委員「はい」と呼ぶ)この案件でいうと、五月一日に処分は執行されておりまして、一応、免許は取上げ、執行されております。ですので、七日の日に、免許がない、資格がないにもかかわらず運転していたので、無免許運転で検挙されたということかと思います。

 ただ、申し訳ありません、全体の流れの中での運転免許の処分の話でありますと、悪質、重大な交通事故を起こした場合には、緊急に運転免許の効力の仮停止処分、つまり運転してはいけない状況というのは行うことができます。ただ、これはかなり大きな、権利の制限になりますので、ここには、ひき逃げ事件を起こしたとき、飲酒運転といった特に悪質、危険な違反により交通事故を起こしたとき、横断歩行者妨害や最高速度違反といった交通違反に死亡事故を起こしたときなど、警察署長が緊急に行うことができると限定されているものでございます。

田中(健)委員 五月七日は確かに免許取消しの方はできていたんですけれども、まだ次の処分が出ていなかったんですね。ということを言いたかったんです。

 というのは、この三月三十一日、横断歩行者を妨害したときになぜ勾留できなかったのかと聞いたら、まさに過失運転の致傷であって亡くなっていない、亡くなっていないから勾留できないんだと説明を受けました。そして三日後にひき逃げをしています。そして、このときも、勾留の期間が決まっている中で、延長されずに、二十一日には満期で釈放されています。そして三度目の逮捕ということでありますから。

 もちろん、亡くなっていなければ危険運転致死傷にならないから仮取消しがすぐにできないと言うんですけれども、しかし、このように悪質なことが重なるということが明らかにあったということは事実でありますから、やはりこれは、私は検討すべきかと思っています。もう一度、大臣の見解を伺います。

坂井国務大臣 通常は、当然のことながら、免許の取消処分のように、直前の意見陳述手続等を経て正式に、正式というか手続を踏んで、公安委員会が認めて免許を取り消したりということをやっていくわけでありますが、今回の場合は、緊急に運転免許の効力の仮停止処分ができるということでございまして、警察署長が判断で行うことができるということになっております。

 つまり、それだけ手続を省くということになりますので、その分、一定の条件を置いて、その条件に当たってしまうような悪質な場合のみ警察署長にその権限を与えている、こういう仕組みになっているところでございますので、そこが、どこが適切なラインかというのは、国家公安委員会の各先生方にもお話を聞きながら、また、世論の、世論というか国民の皆様方の御意見も伺いながら判断をしていかなければならないと思いますが、今時点では、例えば、今回も、一回目の事故を起こしたときに二度目のひき逃げ事件を起こすとは到底思えなかったわけでございますから。結果として、二度目のひき逃げ事件を起こし、そして勾留もされたということでございますけれども。

 ですから、最初の段階でというのはなかなか難しいのではないかというのが今の判断ですが、ただ、御指摘のように、国民の皆さんや世論で、もっとやれということであれば、当然それは考えていかなきゃいけないと思いますが、今は、今の現状のやり方でやらせていただきたいと思っております。

田中(健)委員 もちろん、個別の具体的案件ですので、私も現場にいたわけでもないですし、その警察官の話を聞いたわけでもないので分かりませんが、一般論として、今度は、今回の加害者、七十五歳目前の高齢者になります。短期間に二件の重大事件を起こしたということで、やはり高齢ドライバーによる重大事故の再犯リスクの対応というのが不十分であるのではないか、そういった国民の声も極めて大きいというふうに感じています。

 そうした場合、例えば、事故を起こした高齢ドライバーは、認知症かもしれませんし、判断能力がないかもしれませんので、しっかりとした、臨時の例えば適性検査を行うだとか、若しくは医師の診断を義務化するだとか、速やかな免許の一時停止ないしは取消しに向けた厳格な対策というのも、これからますます高齢者が増える中で必要になるかとは思うんですが、その考えを大臣に伺います。

坂井国務大臣 まさしく同様に考えておりますので、この制度は既に存在しますし、運用をしております。

田中(健)委員 そうであるんですけれども、今回はこれには当てはまらなくて、やらなかったということでありますから。つまり現場の人に任されているわけでありますので、是非厳格に、こういった制度はあるということでありますので、対応していただければと思っています。

 更に言うならば、本件では、先ほどありました、免許取消し後も本人が再び運転をして無免許で摘発をされています。ですから、これは制度だけではなく、やはり現場の実効性というのをもう少し高めていかなきゃならないと思っています。

 例えば、免許取消し者が所有する車に対して、技術的にこれから考えなきゃなりませんが、インターロックの整備をつけたり、車両使用の停止命令など使用制限の措置をするだとか、また、あるいは、もっともっといろいろな制度が進めば、顔認証や免許の認証機能つきの車載機能を導入するなど、ありとあらゆる再犯防止の実効的な政策というのも、また方策というのも検討する必要があるかと思いますが、今後の方針をお伺いしたいと思います。

坂井国務大臣 迅速かつ適正な運転免許の取消処分を行うとともに、取消処分を受けた者が無免許運転を行わないようにすることは重要な課題であると認識をしておりますので、警察においては、今までも、運転免許の取消処分を行う際に、処分を受ける者に対して無免許運転を行わないよう指導しておりますし、家族や関係者に対して無免許運転防止のための協力依頼を行ったり、処分後の本人の状況確認を行ったりすることには努めてきたところでございます。

 御指摘のような顔認証や免許確認といった自動車の無免許運転の防止のための様々な技術の活用といったものは考えられるわけではありますが、現時点では、成り済まし防止の方策をどうするかとか、あと、こういった関係装置を各車につけるとなると、当然そこにはコストといった課題も出てまいります。こういった課題がありますので、ここも何とかしていかなければ先には進めないという状況かと思います。

 ただ、いずれにしても、無免許運転を防止するために新たな技術の状況について注視をしていくことは、御指摘のように重要であると認識しておりますので、関係機関や団体と連携して研究するよう警察を指導してまいりたいと思います。

田中(健)委員 ありがとうございます。まさにコストや諸々の課題はあるかと思いますが、是非前向きに検討を進めていただきたいと思います。

 もう一点が、高速道路の逆走事故です。

 先日も痛ましい事件がありました。東北自動車道の事故では、死者が三人と重軽傷者が十一人という深刻な結果となりました。また、つい一昨日の六月十一日にも中央道の逆走事故があり、これは運転していた男性は九十九歳ということでありました。特に高齢者ドライバーの事故が七割を占めておりまして、また平面のY型など、構造的にも誤進入しやすいインターチェンジの存在も指摘をされています。

 資料の裏面でありますが、国交省も、高速道路の逆走対策というのを二〇一四年から行っておりまして、二〇二九年までに逆走による重大事故ゼロを目標としていますが、しかしながら、年間の逆走件数は、二〇一五年が二百五十九件、二〇二三年が二百二十四件と、減少傾向にはあるものの、まだまだ依然として高水準であります。

 改めて、この対策が十分か検証して、実効性のある取組を急ぐ必要があると考えていますが、まず、国交省の方に来ていただいております。この平面のY型のインターチェンジや、出口、入口が近接するインターチェンジについては、過去に逆走が発生した地点を分析し、構造の改修や視覚性の向上、優先順位を国として設定すべきではないかと考えます。

 また、逆走車両の物理的進入の防止、逆走用のスパイクや大型掲示板、進入禁止バーの設置基準や、また全国の整備の方針について、現状と今後の計画をお示しください。

佐々木政府参考人 お答え申し上げます。

 高速道路での逆走、これは、一たび事故が発生すれば、死亡、負傷に至る重大事故に至る可能性が高く、その対策は大変重要であると認識しております。

 国土交通省といたしましても、これまで、全国の高速道路の本線の合流部ですとか一般道との接続部などの逆走が発生しやすい箇所におきまして、矢印型の路面標示、看板等の対策、あるいは民間企業から募った新たな技術を活用した対策などについて継続的に取り組んできております。

 しかしながら、今委員御指摘のとおり、逆走事案の発生件数は毎年二百件程度で推移し、減少に至っていないこと、また、利用者が死亡、負傷するような重大事故は、最も多かった二〇一五年に比べますと減少しているものの、なくなっていないということから、まだまだ道半ばだと考えております。このため、御指摘のとおり、これまでの逆走事案を詳細に分析した上で、優先度や対策内容を検討し、対策を実施していく必要があると私どもとしても考えております。

 具体的な対策といたしましては、例えば路面上に、特に逆走車に対して強く衝撃を与えるような段差や突起物を設ける技術など、これまでの視覚効果に訴えるような対策とは異なる対策も含めまして、対策を進めてまいりたいと考えております。

田中(健)委員 ありがとうございます。

 是非とも、これまでやってきたけれどもなかなか件数が減らないというのは、やはりまだまだやるべきことがありますし、また検討余地があるのだろうと思っていますので、今やっていただいていることは承知をしておりますが、是非、更に力を入れていただきたいと思っています。

 質問の時間がありませんので、高齢者の認知判断能力の低下への対応について警察庁にお伺いします。

 これもやはり高齢者でありますが、七十五歳以上の高齢運転者に対しては、免許更新時に認知機能検査が義務づけられております。その結果によっては運転技能検査や高齢者講習が求められますが、なかなかこれは、実効性という観点で見たときは、現場では形骸化しているんじゃないかといった声も聞かれることもあります。

 まず、この内容や頻度、対象年齢の見直しについて、例えば検査の年齢の引下げや、事故歴、違反歴のある高齢者への臨時検査など、実効性を高める制度改革が必要かと思いますが、見解を伺います。

 また、あわせて、今後は、一律の免許取消しではなくて、運用可能な範囲を制限して、段階的免許制度も必要ではないかとも思っていますが、このような検討がされているのかも伺います。

 そして、最後に、これはなかなか、免許を返しても、実際、足がなければ駄目だということがありますので、こちらも取組を伺いたいと思います。

 以上です。

早川政府参考人 お答えをいたします。

 高齢運転者対策につきましては、例えばですが、令和四年に、一定の違反歴がある七十五歳以上の運転者の更新の際に運転技能検査を導入する、こういった運転免許制度の見直しをこれまで累次行ってきたところでございます。こうした制度を適切に運用するとともに、高齢運転者の事故情勢等を踏まえた対策を今後とも講じてまいりたいと考えております。

 それから、次に、いわゆる限定の免許制度の話でございますが、例えば時間帯、地域を限定する免許制度につきましては、時間帯、地域の限定をどう担保するか、その取締りの実効性をどう確保するかといった問題もございますことから、慎重に検討する必要があると考えております。

 それから、高齢者の移動支援策との関係でございますが、高齢運転者対策といたしまして、認知機能検査や運転技能検査のほかに、運転に不安を覚える方が運転免許証を自主返納することができる仕組みを設けているところでございます。こうした自主返納につきましては、自治体等に働きかけて公共交通機関の運賃割引などの支援措置の充実に努めるなど、自主返納しやすい環境の整備を進めてまいりたいと考えております。

田中(健)委員 時間をオーバーしました。失礼しました。

 終わります。

大岡委員長 次に、上村英明君。

上村委員 れいわ新選組の上村英明です。

 今日は、内閣委員会としては若干ずれるかもしれませんが、金融犯罪についてお尋ねしたいと思います。

 二〇一八年四月に発覚したスルガ銀行の不正融資事件というのがございます。スルガ銀行が不動産会社と結託して、通帳の改ざんや所得証明書類の偽造などを行い、消費者が多額の負債を抱え、家庭崩壊、自殺、あるいは自己破産などに追い込まれました。二〇一八年の十二月に、金融庁からスルガ銀行に対して、組織的な、つまり一人一人の行員の行為ではなくて、組織的な不正行為として業務改善命令が発出され、現在もこの命令は解除されていません。この事件で、四百名以上の被害者、あるいは被害総額は一千億円を超えたと言われています。

 この金融犯罪に対して、警察としてはどういうふうに動かれたかということを坂井大臣にお尋ねしたいと思います。

坂井国務大臣 申し訳ありませんが、個別の事案における警察の対応についてはお答えを差し控えたいと思います。

 いずれにせよ、法と証拠に基づき適切に対処しているものと承知しております。

上村委員 今、個別の事案に関してはという話がありましたので、では、一般的な金融犯罪についてお尋ねしたいんですけれども。

 例えば、これは先ほどの件でいきますれば、有印私文書偽造とか詐欺罪とか、金融庁から組織的な不正と認定された事件に対する責任者の逮捕とか、どういうふうな警察の対応が可能なのかということを政府参考人にお尋ねしたいと思います。

谷政府参考人 基本的には、刑罰法令の適用については、個別事案における具体的な事実関係、証拠に基づいて判断いたしますので、お答えするのは大変難しいんですけれども、もちろん、そうした法令に当たる行為があれば、適切に捜査を行って対応をするということになろうかとは思います。

上村委員 ということは、こういうふうな証拠まで行き着かなかった、つまり、静岡県警は動いておりませんし、それに対して警察庁は何ら指導がなかったというふうに理解するんですけれども。

 金融犯罪、とても、これが何も対応は政府として行われないということになりますと、いわゆる金融政策自体の信頼を失いかねないということですので、また改めて、こうしたことについて、御対応を再確認していただきたいと思います。

 次に、消費者庁の方に来ていただいておりますので、こういう金融犯罪の被害者が消費者庁の窓口に相談に来られるということは、どういう状況にあるか。例えば、被害状況の把握を消費者庁としてはどういうふうに、受け取っていらっしゃるのか。例えば、居住用のローンであるはずのフラット35というのがあるんですけれども、これが投資用融資に悪用されたSBIアルヒの事件とかもございますが、消費者庁としての、被害者の認識というものをお尋ねしたいと思います。

鳩山副大臣 御質問ありがとうございます。御質問にお答えをいたします。

 御指摘のスルガ銀行の問題をめぐっては、二〇一八年に、金融庁、国土交通省と連名で、サブリース契約に関する注意喚起を実施しているところであります。

 そのほか、投資や不動産等のトラブルについて、各地の消費生活センターに寄せられる相談情報を踏まえ、継続的に注意喚起を実施しています。また、消費生活センターに相談が寄せられた場合は、相談者に対して適切な専門機関を紹介するなど、必要なアドバイスを行っているところであります。

 消費者庁といたしましても、消費生活相談情報を踏まえ、引き続き、関係省庁と連携して注意喚起等を行い、消費者被害の未然防止、拡大防止に努めてまいりたいと考えております。

上村委員 ありがとうございます。

 ある種、相談者が来た場合、あるいは被害者と言ってもいいんですけれども、消費者庁が対応はされているけれども、そこは、いろいろな相談に対する対応であるというふうにお伺いいたしました。

 こういう負債を抱えて大変な状況にあるということになりますれば、本当に助けてほしいという状況での相談になると思うんですけれども、被害者の保護とか特定企業の公表とかというところまでは、消費者庁としてはいかがでしょうか。政府参考人の方。

尾原政府参考人 お答え申し上げます。

 個別の事案につきましては、消費者庁所管の法令に関するものであれば、法と証拠に基づき厳正に対応させていただくということになっております。

上村委員 今のその法というのは、どの法を適用されるんですか、消費者庁としては。

尾原政府参考人 お答え申し上げます。

 消費者庁が所管している法律に係るものであれば、それについて対応するものになるかと思います。

 ただし、この件、個別事案についてはなかなか、お答えするのは差し控えさせていただければと思いますが、一般論で申し上げますと、本件スルガ銀行に関することであれば、銀行法など、消費者庁以外のそれぞれの法所管の各省庁において適正に対応されるものというふうに承知しております。

上村委員 大変ですよね。銀行法令を消費者庁でどう考えるかというのは非常に難しいことだと思いますけれども。

 三番目のポイントに移りますけれども、これは、厳密に言えば、先ほど、金融庁からの改善命令が出たということであれば、金融庁が監督官庁ということになると思いますが、金融庁としては、これまでどういうふうな施策を取ってこられたのかということを改めてここで確認をしたいと思います。金融庁、いかがでしょうか。

岡田政府参考人 お答え申し上げます。

 スルガ銀行の不正融資問題に関しましては、二〇一八年十月の業務改善命令の発出から六年以上が経過しているにもかかわらず、いまだに最終的な解決に至っていない債務者の方が存在しております。このような状況は大変遺憾であり、金融庁としては、同行に対して問題の早期解決に向けた対応を強く促していくため、先般、同行に対して改めて、銀行法に基づく報告徴求命令を発出してございます。

 金融庁といたしましては、その命令に対して提出された報告書を受け、スルガ銀行においてアパマン問題の早期解決に向けて十分な対応が取られているか、しっかりと確認をしていきたいと考えております。

上村委員 御説明いただきまして、ありがとうございます。

 今おっしゃったように、実は、業務改善命令が出されたのは二〇一八年なんですけれども、七年たってもまだ解除されていないという、改めて出されたという話なんですけれども、七年たっても業務改善命令が解除できない理由というのは、金融庁、いかがでしょうか。

岡田政府参考人 お答え申し上げます。

 事案自体が、民民の、債務者の方と銀行との間で、司法の場での調停なども同時に進んでいる事案ということもございますが、ただ、いずれにいたしましても、金融庁といたしましては、できるだけ問題の早期解決に向けて対応を強く促していきたいと考えております。

上村委員 私の選挙区といいますか、東海ブロックなものですから、東海道新幹線の沿線にスルガ銀行というのはいっぱいあって、いつもと変わらない感じで業務をされているんですけれども。

 確認ですけれども、実際には、金融庁にスルガ銀行の不正融資に関する通報があったのは二〇一四年、金融サービス利用者相談室にあったというふうに聞いております。また、二〇一七年には、当時の金融庁長官が、スルガ銀行が異様な高収入だったことを受けて、地銀のモデルとして称賛されたということを聞いておりますが、これは事実でしょうか。

岡田政府参考人 お答え申し上げます。

 二〇一五年頃、当局、金融庁に宛ててシェアハウスに関する苦情が届き始めていたこと、それから、二〇一六年十二月、二〇一七年五月に森元長官が講演の中でスルガ銀行に言及していたということは事実でございます。

上村委員 確認ありがとうございました。

 今日は、済みません、林官房長官に同席いただいて。何が言いたいかといいますと、金融機関に関するこうした犯罪、あるいはこれは不動産業者と一緒になった金融犯罪なので、今回は国土交通省の方にも来ていただいているんですけれども、かなり様々な省庁をまたぐ犯罪であって、その中で、先ほども出ましたように、七年間たってもまだ問題が解決していないという状況の中にあります。

 こうした問題に関しては、やはり省庁横断的な取組をもっとしていかないと、先ほどもちらりと言いましたけれども、今の時代は、私がちっちゃいときに比べれば資金運用が多様化しています。つまり、お金をためたかったら銀行に預ければ利子がつくという話ではなくて、様々な投資を中心にお金をもうけてくださいよという社会がもう厳然としてありますし、その中には、資金運用がよく分からないけれども勧められたからという市民の方がたくさんいらっしゃるわけですよね。

 その中で、知らないうちにこうした金融犯罪に巻き込まれてしまうという状況が生じたときに、政府としてどういうふうにこれに取り組むのかというのが、いわゆる金融に対する信用というものを確保しなければ政府の役割というのは多分成り立たないというふうに思いますので、この辺に関して、林官房長官の、先ほどのお話を聞いた上でのお考えをお示しいただければありがたいと思います。

林国務大臣 今委員がやり取りしていただきましたように、金融庁においても、報告徴求命令を発出したときに、なぜ長期化しているのかという理由とか、それから、期限を示して解決を図っていくというための具体的な改善策を報告しろ、ここまでやっておるわけでございまして、一回目の報告を受けた後は、毎月報告を受けて、実施状況をフォローアップして早期解決に向けて適切に監督を行っていく、こういうふうに聞いております。

 一般に、今委員からお話がありましたように、金融機関の不祥事案、その疑いのある事案の解決、基本的には、民民というお話もありましたが、調停など当事者間の協議に委ねられるということですが、今の事案のように協議が長期化する場合、金融庁が監督権限を適切に行使をして金融機関側に早期の解決を求めていく、これは大事なことだと思っております。

 その際に、やはり金融庁が、今御指摘がありましたが、ほかの機関ともいろいろ連携をしながら早期の解決に向けてしっかり対応するということが大事だと思っておりまして、そういう方向でしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。

上村委員 国家としての大事な問題なので、是非努力をお願いして、私の質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございます。

大岡委員長 次に、塩川鉄也君。

塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 この後採決となります参法の手話施策推進法案には賛成であります。提出者への質疑ができないのは大変残念ではありますが、手話を日本語と同じように言語として扱って、聞こえない人、聞こえにくい人が手話を身につけたり、手話を学んだり、手話で学んだり、手話を使ったりすることが自由にできる社会とするために、今回の手話施策推進法による立法措置がその施策を前進させるその契機となるよう取り組んでいきたいと思います。

 聞こえない人、聞こえにくい人である聴覚障害者の方への支援についてお尋ねします。

 まず最初に、障害者施策所管の三原大臣に伺います。

 この手話施策推進法案についての大臣の受け止めをまずお聞かせください。

三原国務大臣 手話施策推進法案、手話は、手話を使用される方にとって日常生活、社会生活を営む上で重要な言語であるということで、手話を必要とする方、また使用する方の意思を尊重し、手話の習得や使用に関する必要かつ合理的な配慮が適切に行われる環境の整備を基本理念として、国や地方公共団体の責務等を定めているものと承知をしております。

 内閣府としては、法案の趣旨を踏まえ、手話に関する国民の理解と関心を深めまして、そして、周知啓発を図るとともに、次期障害者基本計画にその内容を反映するなど、関係省庁と連携をしっかりとしてまいりたいというふうに考えております。

塩川委員 手話を言語として、本当にこの施策にどう生かしていくのか。障害者基本計画への反映という点も、是非とも具体化を求めていきたいと思います。

 この法案というのは、手話の普及促進と当事者の要望の実現に資するものであります。五年後の見直し条項が盛り込まれておりますし、当事者参画に関する、手話を使用する者等の意見の反映条項も記載をされ、手話施策の推進や、残された課題の解決に取り組んでいきたいと思います。

 厚労省にお尋ねします。

 手話通訳者の実態調査についてですが、その概要を簡単に説明いただけますか。

野村政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の、令和二年度に行われました「雇用された手話通訳者の労働と健康についての実態に関する調査研究」でございますけれども、これは厚生労働省の方で実施をさせていただいたものでございます。

 内容といたしましては、地域生活支援事業の意思疎通支援事業で設置をされております手話通訳者の方であるとか、あるいは、地方自治体、さらには民間団体などで雇用されております手話通訳者の方々の総数であるとか年齢層、さらには雇用の状態や健康の状況などを調査いたしまして、手話通訳者の方々が抱える課題などの基礎資料を得ることを目的に行った調査でございます。

塩川委員 雇用された手話通訳者の労働と健康についての実態の調査ということですけれども、やはり、手話通訳者の高齢化のこと、また、非正規の割合が高いこと、給与水準も低いことなど、処遇改善を図ることが重要な課題だと思います。

 そこで、この手話施策推進法も踏まえて、手話通訳者等の増員また処遇改善についてどのように取り組んでいくのかについて、厚労省からお答えをいただきたいと思います。

野村政府参考人 お答え申し上げます。

 手話通訳者の方々の増員や処遇改善に関するお尋ねでございますけれども、現在、各自治体におきましては、それぞれの自治体の実情に応じて、地域生活支援事業、補助事業でございますけれども、これも活用しながら、手話通訳者の派遣など、取り組んでいただいているところでございます。

 厚生労働省といたしましては、こうした手話通訳者の方々の人材確保を図るために、手話通訳者の高齢化に対応するために、大学生などの若年層を対象とした手話通訳者の養成モデル事業、さらには、手話通訳者を含む意思疎通支援事業分野の関心を高めていただくための広報啓発活動でございますとか、先駆的な取組を行っている企業、団体に関する情報収集や発信を行う意思疎通支援従業者の確保事業といった事業などを実施をしておるところでございます。

 引き続き、こうした事業を推進することによりまして、手話通訳者の方々の新たな増員であるとか、あるいは処遇の確保、そういったものに資するような施策を展開してまいりたいと考えております。

塩川委員 電話リレー法ですとか、あるいは、被災地におけるこのような聴覚障害者の方々への支援の場合に、避難所を始めとした、こういった手話通訳者の派遣とかは極めて重要であります。そういった点でも、そういった増員を図ると同時に、その処遇の改善を図るというところで、今回の法案を踏まえたふさわしい措置を是非取っていただきたいと思うんです。

 特に、先ほどの実態調査、五年に一回ということで、次は今年度の実施ということも聞いております。ですから、そういった点についても、このような手話通訳者の方々の実態を政府として的確に把握をして施策に生かしていく、そういう取組を是非とも求めていきたいと思うんですが、改めて、厚労省、いかがでしょうか。

野村政府参考人 お答え申し上げます。

 調査の名前の繰り返しはいたしませんが、確かに御指摘のとおり五年に一回やっております。今年度の調査はこれから具体の設計をしてまいりますけれども、御指摘も踏まえて、どういった調査の中身にするかということをまた検討してまいりたいと考えております。

塩川委員 このような手話施策推進法についてですけれども、併せて大臣にも、この手話施策推進法を踏まえて、手話通訳者等の増員、処遇改善についてどのように取り組んでいくのか。その点についてお答えください。

三原国務大臣 手話施策推進法案、これについては、手話通訳の人材の安定的な確保、養成及び資質の向上のため、研修の機会の確保、適切な処遇の確保等の施策を国や地方公共団体が講ずることとされているものと承知をしております。

 先ほど厚生労働省より答弁があったとおり、厚労省において手話通訳者の人材確保を図るための取組は進めているものというふうに承知をしております。

 障害者基本計画においても、手話通訳者の確保等の意思疎通支援の充実について記載しているところでありまして、内閣府としても、障害者政策委員会を通じて、こうした取組を継続的にフォローアップするとともに、厚生労働省と連携して、法案の趣旨も踏まえて地方公共団体の取組を促してまいりたいと思います。

塩川委員 手話通訳者、手話通訳士又は要約筆記者の方々、こういった方々の仕事の果たす役割は大変大きいと考えております。国が是非とも数値目標を持って予算を増やし、養成に努めるべきだと改めて求めていきたいと思います。

 そこで、大臣に重ねて伺いますが、大臣の記者会見におきまして手話通訳者が配置されている例があります。総理の記者会見やあるいは官房長官の記者会見において手話通訳者が同時に手話で伝えていく、こういうことが行われておりますし、厚労大臣の記者会見などは、後で手話通訳やまた字幕を付すような形で対応しているということも伺っております。

 このように、大臣の記者会見など、政府として重要な国民に向けての様々な情報を伝えていく、そういう際に手話通訳を配置している例があるというのを踏まえたときに、障害者施策を所管しておられる三原大臣の記者会見においても是非、手話通訳者の配置をお考え、具体化していただいたらどうか、そのことについてはいかがでしょうか。

三原国務大臣 御提案ありがとうございます。是非前向きに検討してまいりたいと考えます。

塩川委員 是非、そういう取組を通じて、今回の立法措置も踏まえて、更に前に進めていくような取組を政府としても是非とも進めていただければと思っております。

 やはり、そういう際にも、定例の記者会見もそうなんですけれども、緊急時の災害などが起こったときの記者会見などについて、これはやはりしっかりと手話で伝えていく、こういうことが必要だと思っております。

 テレビなどにおいても、NHKが、手話通訳の番組などもあるんですけれども、能登半島地震のときには、能登半島での共通した災害情報の提供という中で、残念ながら、そのときは手話通訳の番組が行われなかったということなんかもあるということを関係者の方からも伺っております。そういった点でも、緊急災害時の政府の記者会見においても手話通訳者の配置を求めたいと思います。

 次に、衆議院の事務局にお尋ねいたします。

 国会の傍聴対応についてですけれども、衆議院のホームページには、「手話通訳者や要約筆記者が同伴できない場合や、通訳・介助者の手配をできない場合には、事前の要請があれば衆議院事務局の方で手配することができます。」とあります。

 一方、参議院のホームページには、事前の申出をいただければ、参議院事務局から手話通訳者又は要約筆記者の派遣を依頼します。費用は参議院事務局が負担しますとあります。

 参議院は、院の手配の実績が、本会議で手話通訳三件、委員会で手話通訳十三件、要約筆記五件と聞いております。

 衆議院の実績はどうか。併せて、衆議院においても、費用は衆議院が負担するということをホームページ上にも明確に明記する必要があるのではないのか。この二点について伺います。

野口参事 お答えいたします。

 衆議院事務局におきましては、昭和六十三年四月十九日及び平成十八年六月十六日の議院運営委員会理事会申合せに基づきまして、聴覚障害者の方の本会議、委員会等の傍聴に対する配慮として、手話通訳者、要約筆記者を同伴できない場合に、あらかじめ、その申出により、手話通訳者、要約筆記者を衆議院の負担により派遣を求める対応を行っているところでございます。

 実績につきましては、本会議においては例はございませんが、委員会においては、平成十七年を初例として、手話通訳者十件、要約筆記者一件の実績がございます。

 また、これまで、傍聴を希望される方との事前の相談において、「手配」には衆議院の費用負担が含まれていることの説明をしてまいりました。他方、ホームページ上で費用負担の記載を明確にした方が利用しやすくなることが期待されますので、先生の御指摘を踏まえまして、関係部署と連携し、明記する方向で対応させていただきます。

 以上です。

塩川委員 是非、傍聴の際に費用負担は院の方が行うという形で、聴覚障害者の方々の傍聴をしっかりと保障するという対応というのは極めて重要だと思っております。

 そこで、大臣にお尋ねしますけれども、是非、霞が関の方でも、行政府においても、当然、様々な審議会等、国民の傍聴の機会もございます。また、国民が請願権等に基づいて政府に様々な要請を行う、そういう場面も当然あるわけであります。そういう際に、やはり手話通訳者の手配を政府が負担する形で実施をする、こういう取組を是非とも具体化いただければと思っておるんですが、その点、いかがでしょうか。

三原国務大臣 障害者差別解消法におきましては、行政機関等は、障害のある方から社会的障壁の除去についての申出があった場合、過重な負担とならない場合は、合理的配慮を提供することとされています。

 また、合理的配慮を的確に行うため、行政機関は、多数の障害者が感じる社会的障壁をあらかじめなくすための環境整備に努めることとしており、これらについて、各府省庁において対応要領を定め、適切に対応することとしております。

 内閣府が事務局を担っております障害者政策委員会では、多くの障害当事者の皆さんが傍聴することが想定されておりますことから、委員だけではなく傍聴者への配慮として、手話通訳者による同時通訳を実地そしてまたオンラインの両面において提供しているところであります。

 今般の手話施策推進法案の趣旨も踏まえまして、各府省庁に対して、この度、通知を発出して各種審議会での取組をしっかり促してまいりたいと思います。

塩川委員 是非本当に、今回の法案を生かしていく、そういう政府の施策に生かしていただきたいと思います。

 最後に、内閣府防災に質問します。

 能登半島地震では、避難所でのコミュニケーションのしづらさから、避難所に行くのをためらうような聴覚障害者の方もいらっしゃったとお聞きしています。手話通訳者が常駐するなどの福祉避難所の改善が必要だと考えております。

 避難所運営ガイドライン等において、手話通訳者の避難所配置など聴覚障害者支援の取組を明記すべきではないか。この点についてお答えください。

河合政府参考人 お答えします。

 災害時におきまして、聴覚障害者に情報が伝達されにくいということから、特に必要な支援を講ずることは重要でございます。

 内閣府では、避難所に関する取組指針におきまして手話通訳により伝達することを求めるとともに、福祉避難所に関するガイドラインにおいて手話通訳者の応援派遣について記載をしております。

 以上です。

塩川委員 上位である取組指針には書いてあるんですが、下位のガイドラインの方にそういった明記がないといった点について、やはりしっかりと対処すべきだということを求め、今回の法案というのが今後の障害者施策を前に進める上で大きく力になるように引き続き我々としても取り組むことを申し上げて、質問を終わります。

     ――――◇―――――

大岡委員長 次に、本日付託になりました参議院提出、手話に関する施策の推進に関する法律案を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。参議院内閣委員長代理者参議院議員山本博司君。

    ―――――――――――――

 手話に関する施策の推進に関する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

山本(博)参議院議員 ただいま議題となりました手話に関する施策の推進に関する法律案につきまして、その提案の理由及び主な内容を御説明申し上げます。

 平成十八年の国際連合総会において障害者の権利に関する条約が採択されたことを受け、我が国では平成二十三年に障害者基本法の改正が行われ、手話が言語に含まれる旨定義されました。その後、地方公共団体において手話の普及や理解の増進等を目的とする条例を制定する動きが全国に広がり、国においても手話に関する施策の総合的推進が求められております。また、聞こえない、聞こえにくい人の国際スポーツ大会であるデフリンピックが本年十一月に我が国で初めて開催されるのを前に、手話に関する国民の関心も高まってきております。

 本法律案は、手話がこれを使用する者にとって日常生活及び社会生活を営む上で言語その他の重要な意思疎通のための手段であることに鑑み、手話に関する施策を総合的に推進するため、手話に関する施策に関し、基本理念を定め、国及び地方公共団体の責務を明らかにするとともに、手話に関する施策の基本となる事項を定めようとするもので、その主な内容は次のとおりであります。

 第一に、基本理念として、手話の習得及び使用に関する施策を講ずるに当たっては、手話を必要とする者及び手話を使用する者の意思が尊重されるとともに、手話の習得及び使用に関する必要かつ合理的な配慮が適切に行われるために必要な環境の整備が図られるようにすること等を規定しております。

 第二に、国及び地方公共団体は、第一の基本理念にのっとり、手話に関する施策を総合的に策定し、実施する責務を有すること、また、政府は、手話に関する施策を実施するため必要な財政上の措置等を講じなければならないことを規定しております。

 第三に、手話に関する基本的施策として、手話を必要とする子供の手話の習得の支援、学校における手話による教育、大学による手話通訳を行う者の確保のための取組の促進、手話を適切かつ円滑に使用できる職場環境の整備、地域で手話を使用して日常生活等を円滑に営むことができる環境の整備、中途失聴者など手話を必要とする者に対する手話の習得の支援、手話文化の保存、継承及び発展、手話に関する国民の理解と関心の増進、九月二十三日を手話の日とすること、専門的な人材の確保、調査研究の推進、国際交流の推進、手話を使用する者の意見の反映等について規定をしております。

 第四に、この法律は、公布の日から施行することとしております。

 以上が、本法律案の提案の理由及び主な内容であります。

 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。

大岡委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

    ―――――――――――――

大岡委員長 本案につきましては、質疑、討論共に申出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 参議院提出、手話に関する施策の推進に関する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

大岡委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大岡委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

大岡委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後二時四十分散会


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