衆議院

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第3号 令和8年4月10日(金曜日)

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令和八年四月十日(金曜日)

    午前九時三分開議

 出席委員

   委員長 山下 貴司君

   理事 安藤たかお君 理事 鈴木 馨祐君

   理事 中根 一幸君 理事 長谷川淳二君

   理事 鳩山 二郎君 理事 後藤 祐一君

   理事 浦野 靖人君 理事 森ようすけ君

      井出 庸生君    大空 幸星君

      長田紘一郎君    加藤 大博君

      金子 容三君    川崎ひでと君

      河野 正美君    川松真一朗君

      佐藤 主迪君    世古万美子君

      園崎 弘道君    平  将明君

      俵田 祐児君    中田  宏君

      永田磨梨奈君    平井 卓也君

      平沢 勝栄君    平沼正二郎君

      福田かおる君    文月  涼君

      古川 直季君    村木  汀君

      森原紀代子君    吉田 有理君

      若山 慎司君    渡辺 博道君

      大島  敦君    長妻  昭君

      黒田 征樹君    西田  薫君

      村上 智信君    野村 美穂君

      川 裕一郎君    高山 聡史君

      林  拓海君    塩川 鉄也君

      中村はやと君

    …………………………………

   国務大臣

   (内閣官房長官)     木原  稔君

   内閣官房副長官      尾崎 正直君

   内閣府大臣政務官     金子 容三君

   内閣府大臣政務官     若山 慎司君

   内閣府大臣政務官     古川 直季君

   内閣府大臣政務官     川崎ひでと君

   国立国会図書館調査及び立法考査局政治議会調査室専門調査員         南  亮一君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  柏原  裕君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  清水 雄策君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  町田 達也君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  岡  素彦君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  鎌谷 陽之君

   政府参考人

   (警察庁警備局長)    千代延晃平君

   政府参考人

   (公安調査庁総務部長)  渡部亜由子君

   政府参考人

   (防衛省防衛政策局次長) 松尾 智樹君

   内閣委員会専門員     田中  仁君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月十日

 辞任         補欠選任

  大空 幸星君     永田磨梨奈君

  川崎ひでと君     福田かおる君

  平  将明君     森原紀代子君

  古川 直季君     平沼正二郎君

  吉田 有理君     加藤 大博君

  黒田 征樹君     村上 智信君

  高山 聡史君     林  拓海君

同日

 辞任         補欠選任

  加藤 大博君     俵田 祐児君

  永田磨梨奈君     大空 幸星君

  平沼正二郎君     古川 直季君

  福田かおる君     川松真一朗君

  森原紀代子君     平  将明君

  村上 智信君     黒田 征樹君

  林  拓海君     高山 聡史君

同日

 辞任         補欠選任

  川松真一朗君     世古万美子君

  俵田 祐児君     園崎 弘道君

同日

 辞任         補欠選任

  世古万美子君     川崎ひでと君

  園崎 弘道君     吉田 有理君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 国家情報会議設置法案(内閣提出第二四号)


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     ――――◇―――――

山下委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、国家情報会議設置法案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、内閣官房内閣審議官柏原裕君外七名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。(発言する者あり)

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山下委員長 理事会の決定でございますので、御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

山下委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。黒田征樹君。

黒田委員 おはようございます。日本維新の会、黒田征樹でございます。

 本日は、国家情報会議設置法案について質疑をさせていただきます。

 昨今、日本を取り巻く安全保障は大きく変化をしております。現代の脅威といいますのは、軍事力による単純な破壊行為だけではなくて、サイバー攻撃による重要インフラの機能不全、そしてフェイクニュースによる世論操作、また、経済的な依存関係も安全保障上の交渉材料として使われております。現時点で、戦場は、軍事、経済、情報、認知という複数の次元に広がっております。

 こうした時代に、国家が正確な判断を下すために最も重要なのが情報です。今何が起きているのか、他国が何を意図しているのか、そして次に何が起こるのか。国家の命運というのは、これらを正確に捉える組織を持っているかどうかで左右されます。

 ところが、日本は長年、この情報という分野において、同盟国から、情報を共有しても日本から漏れる、日本は情報をもらうばかりで出せないと言われ続けてきた現実があります。特定秘密保護法の整備やセキュリティークリアランスの導入など着実に前進はしてきましたが、司令塔がなければ情報はばらばらのままで判断には生かせないということで、今回の法案は、その最後のピース、これを埋めようとするものだというふうに理解をしております。

 この制度の方向性は当然評価をしておりますけれども、評価と検証というのは別の話でありますので、方向が正しくてもそれが機能しなければ意味がないということで、今日は、この制度が本当に機能するのか、そして国民の安心をどう担保するのかというこの二つの観点で議論をさせていただきたいというふうに思います。

 この法案は自民党と日本維新の会の連立合意に基づくものでありまして、早期立案に御尽力をいただきました皆様に感謝申し上げるとともに、私も、当然しっかりと後押しをさせていただきたいというふうに考えております。

 我々は、この法案に向けて、政府に先立って提言書を提出させていただいております。その内容はほぼ取り入れてくださっておりますけれども、この条文上だけではまだまだ不確定な部分もあります。制度の方向性が正しくても、それが機能するかどうかというのはまた別問題ですので、それをしっかりと確認をさせていただきたいというふうに考えております。

 まずは、国家情報会議、国家情報局、このプライバシーの保護はどうなっているのか。情報というものが適正に扱われているのか、監督権限というのは働いているのか、また、そもそもこの国家情報会議というものが必要なのかという様々な疑問や懸念を持たれている方がいらっしゃるのも事実だというふうに思いますので、今回の質疑で、私も、今回トップバッターということですので、それが不安の解消、また国民の皆様の安心というものにつながればというふうに考えておりますので、その思いで質疑をさせていただきたいというふうに思います。

 日本はこれまで、戦前戦中の特高警察や軍の諜報活動に対する深い反省の歴史から、インテリジェンス体制、この整備を後回しにしてまいりました。しかし、それが行き過ぎて同盟国との情報共有すら困難になっておりまして、国家として正確な判断ができない状態を約七十年間放置をしてきたということで、強い諜報機関と民主的な統制をセットで設計していくという原則の中で、まさに司令塔となる国家情報会議が見える化された権限で働いて、監督権限と人権のガードレールを同時に備えて初めて、国家の情報力というのは国民の信頼を得ることにつながるというふうに考えております。

 国民の皆様は、政府が情報を集め過ぎると、私たちの日常生活が監視されているんじゃないか、そういう懸念も持たれると思います。かつて強大な権限を持った情報機関というのが市民を監視して民主主義を脅かしたという事例は世界中に存在しますし、先ほども言いました日本の戦前の特高警察、こういう教訓もあります。国民の皆様は、しっかりと国家を守ってほしいけれども、このまま進んでいくのは何となく不安だなというふうに考えているというふうに思いますので、こういった不安を解消して国民の皆様の安心につなげたいというふうに思います。

 まずは官房長官にお聞きいたしますけれども、国家安全保障の強化の必要性と国民の権利保護、この両立について政府の考え方というものをお聞かせいただきたいというふうに思います。

木原国務大臣 おはようございます。

 日本維新の会からは、今御指摘があったように、提言という形で、考え方、インテリジェンス全般にわたる提言というのをいただいているところであります。

 その中で、本法案は、閣僚級の国家情報会議が各省庁の活動方針の基本方針を定めることなどを内容とするものでありまして、今委員が御心配されている、あるいは国民の皆様が御心配されているような、国民が監視されるのではないかとか、そういった政府の情報活動に対しての心配事もあるのではないかというような御指摘、これはしっかりと真摯に受け止めておきたいと思いますが、今回は、政治による監督の強化、すなわち民主的統制の強化に資するものというふうに考えております。

 本法案は、行政機関相互の関係を律するものであり、国民の権利義務に直接関わるような権限に関する規定を設けるものではありませんが、今後、我が国の情報力を強化するために必要となるその他の施策の立案を進めるに当たっては、憲法が保障しております国民の権利に配慮、配意すべきことは当然であると考えております。

 こうした観点も踏まえながら、丁寧に検討を進めてまいりたいと考えております。

黒田委員 ありがとうございます。

 官房長官、僕は別に心配していなくて、国民の皆様がきっと心配されている方もいらっしゃるのかなという、そういう代弁する思いで来させていただいておりますので、よろしくお願い申し上げます。

 それでは、詳しく聞いていきたいというふうに思います。

 まず、インテリジェンスのサイクルという概念ですけれども、インテリジェンスというのは、単なる情報収集というものではなくて、情報の要求から始まって、収集、処理、分析、伝達、そして政策へのフィードバックという一連のサイクルが機能して初めて意味を持ってくるものだというふうに考えております。

 今回のこの法案は、このサイクルの要求と伝達、評価、この部分を制度化するものでありますけれども、収集の部分、特に対外的な人的情報収集、これは依然として空白というか、まだまだ確定していないということで、司令塔をつくるだけではサイクルは回りませんと先ほどから申し上げておりますけれども、これが今日の質疑の根本的な問題意識であります。

 今の日本の情報体制は、三つの構造的な問題があります。まず一つ目に、情報が各省庁に分散して全体像が見えない。二つ目が、司令塔がなく、判断が遅れる。三つ目が、情報を自ら取りに行く、その法的根拠というか、根拠がない。こういった問題に対応できる組織体制となるのか、順次確認をさせていただきたいというふうに思います。

 国家情報会議の設置によって政府の情報機関を一元化するということは重要ですけれども、その一元化には、形と実質というものがあります。会議を設置しても実際に情報が集まらなければ、仕組みをつくっても機能しなければ意味がありません。ですから、これまでも、問題の発生時、又は災害の発生時、情報は現場にはありますけれども、政府の、上の方まで上がらない、だから判断を下すのに時間がかかっている、そういった事例は過去幾つもあったと思います。情報の分散と司令塔の不在が初動の対応の遅れを生んだ、そういう事例もたくさんあったというふうに思います。

 そして、もう一つ、この七十年間の内閣情報調査室が抱えてきた問題、これをしっかりと検証しないといけないというふうに思っております。各省庁からの情報を受け取る機能は持っていますが、情報を要求する権限が弱くて、又は分析、統合する機能、これも不十分だというふうに思います。そもそも、それを指揮する機能、これもないということで。

 そこでお伺いしますけれども、今回のこの制度によって、各省庁の縦割りを超えて、機微な情報が総理の下に一体的に集まって、国家にとって的確な判断ができる体制になるのか、特に、機微な情報や各省庁の縦割りによって情報が出てこない場合、これはどのように対応していくのか、また、従来の内閣情報会議との実質的な違い、こういったものは何なのかということをお聞かせいただきたいというふうに思います。

岡政府参考人 おはようございます。

 従前より、私ども内閣情報調査室におきまして、各省庁の情報を集約して、政府全体としての総合評価を行うための体制整備を行ってまいりました。例えば、地域別、分野別の分析のスペシャリストを各省庁から集めまして、内閣情報分析官という立場でオール・ソース・アナリシスを実施しております。

 今回の制度改正は、内閣官房における情報の集約と総合分析、評価を一層強化するためのものでございまして、委員御指摘のとおり、情報の一体的な集約や国家にとって的確な判断を支えるという観点から有効なものであるというふうに考えております。

 各省からの資料や情報の提供につきましては、この法案の第七条第二項におきまして、内閣官房長官及び関係行政機関の長は、議長の求めに応じて、会議に対し、重要情報活動又は外国情報活動への対処に関する資料又は情報の提供などを行わなければならないと規定をされておりまして、これに基づき、各省庁が保有する情報が総理をトップとする国家情報会議に集約されることが制度的に担保されるものでございます。

 本来相互に協力すべき国の機関がこの規定に反して資料や情報を出し渋るということは制度上は想定されませんが、新たに総合調整権を付与される国家情報局におきましては、各機関に対して、こうした情報も必要なのだが収集できないだろうかという呼びかけを積極的に行い、各機関が保有するあらゆる情報手段、情報源が最大限活用されるような司令塔としての役割を果たしてまいりたいと考えています。

 内閣情報会議と異なりまして、国家情報会議は総理をトップとする閣僚級の会議体であるという重みにおいて大きな違いがございまして、現行の仕組みの下で行われる情報の集約に比べて、質、量共に充実するものと考えております。

黒田委員 今お答えいただきましたけれども、提出しない、拒否をするということは想定されないということでありますけれども、それが制度としてしっかりと担保できるかというのはまた別の問題だというふうに思いますので、例えば、提出期限を明示する、不提供、遅延の場合の理由を文書化をしていく、そしてまた、情報の粒度、細かさに対する統一のルールとか、提供されたものが原資料なのか要約版なのかということ、また、それらを含めてしっかりとログで保存をするという、それぐらいのことも必要かなというふうに思いますので、それはしっかりと進めていただきたいというふうに思います。

 続きまして、インテリジェンスの世界では、どこの脅威を重く見るか、そのために何を集めるかということを明示して議会で報告するということが国際的な実務の基準になっております。アメリカでは年次脅威評価、そしてイギリスでは国家安全保障戦略がその典型でありまして、同盟国との連携の上で欠かせない、そういう枠組みじゃないかなというふうに思います。

 国民から見れば、何を危険と見て、どこに情報資源を割いているのかということが見えなければ、役に立っているかも分かりませんし、不安だなという気持ちも拭えないというふうに思います。

 ですから、日本の国家情報会議についても、情報戦略と脅威の認識、そして実際の運用状況を一定のルールに基づいて国民の皆様また国会に説明をする仕組みをあらかじめ組み込んでいく必要があると思いますが、米国のように、脅威評価、そしてまた国会に説明する枠組み、こういうものを設定する、そういうお考えはあるのかどうか、お聞かせいただきたいというふうに思います。

岡政府参考人 秘密裏に推進されることの多い私ども政府の情報活動の意義や重要性につきまして国会や国民の皆様の理解を深めるとともに、その在り方についての御検討が行いやすくなるようにするため、名称を国家情報戦略とするかどうかは未定ではあるのですけれども、新設される国家情報会議におきまして、公開できる範囲において政府の中長期的な情報活動の推進方策を取りまとめた何らかの文書を作成しまして公表することを検討しております。

 こちらは、中長期的な視座から活動の推進方策を記述しようとするものでございますので、毎年更新する性質のものではないというイメージはしておるんですけれども、いずれにしましても、政府が行う情報活動の状況やその成果としての脅威評価に関しまして、国会よりお尋ねがございましたら、適時適切に対応してまいる所存でございます。

黒田委員 やはり、公開していくという意識をしっかりと持っていただかないと、国民の皆様が思われている不安というものに対応もできないというふうに思いますので、そこら辺は適切に進めていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願い申し上げます。

 この国家情報局、概要を見てみると、各省庁の情報を集約、分析するということで、これは大きな前進かなというふうに思います。しかし、この構造的な問題というのは、各省庁それぞれの情報のバイアスがあるんじゃないかなという不安があります。例えば、経産省は経済産業の政策の目線、そして、外務省は外交の目線、防衛省は軍事の目線ということで、それぞれがそれぞれの省庁の所掌の範囲で情報を集めてくるわけでありまして、そこを束ねるというだけでは国家の必要とする全体像の分析にはならないというふうに思います。

 世界のインテリジェンスの先進国が共通して持っているのは、情報を能動的に取りに行くということでありまして、例えば、米国、アメリカのCIA長官の職責というのは、法典上、警察権限、召喚状、法執行権限、そして国内治安機能を有しないということを明記されながら、しっかりと海外での情報収集というのは行っているわけであります。

 そういう中において、G7の中で、対外的な人的情報の収集、いわゆるヒューミントというものを担う専門家機関というのは、法律上持っていないのは日本だけという御指摘もありますけれども、最終的な相手の意図、そして内部の動きというのは、人と人の関係しか取れないということであります。

 ですので、そういったものをしっかりと進めていくということも必要だというふうに思いますけれども、そもそも、こうしたインテリジェンス改革の基盤ともなる国家情報局は、これまで各省庁からもらう受動的な集約機能にとどまっていくのか、それとも自ら情報を取りに行く能動的な収集機能を持つのか、お聞かせいただきたいというふうに思います。

 そして、例えば、経済安全保障、そういった分野における安全保障情報の統合分析、そしてまた国家情報局の中に設ける、そういうもののお考えはあるのかどうかというものをお聞かせいただきたい。

 また、現状の法案における活動の範囲ですね、今言った経済保障も含めて、その辺をどのように考えているのか、方向性をお聞かせいただきたいというふうに思います。

岡政府参考人 お答えいたします。

 現行の内閣情報調査室は、内閣法及び内閣官房組織令に基づきまして、内閣の重要政策に関する情報の収集、調査を担っておりまして、本法案により設置される国家情報局はこの内閣情報調査室の所掌事務を引き継ぐこととしております。

 また、この度の国家情報会議の設置によりまして、先ほども答弁いたしましたとおり、各省庁から国家情報局に対するより積極的な情報の提供が期待されると同時に、国家情報局の側におきましても、各省の情報収集手段や情報源の実情をしっかりと把握した上で、当該事案の総合分析のために必要なピースが何であるかということを精緻に見極めて各省庁に的確な要求を行うという、司令塔としての能動的な責任が生じるものと理解しております。

 また、御指摘のございました経済安保や、あるいは先端技術分野に係る総合情報分析機能の強化につきましては、現下の情勢に照らしますと大変に重要な課題であるというふうに認識をしておりまして、それを担う体制又は人材の強化を国家情報局において図ってまいるとともに、これらの分野に深く関わる関係の省庁に対しまして、人材、情報両面の協力を求めてまいりたいと考えております。

黒田委員 よろしくお願い申し上げます。

 続いて、インテリジェンス機能、これをしっかりと動かしていくというために、それをどういうふうに確保していくのか、人材をどういうふうに確保していくのか、それが課題だというふうに思います。

 このインテリジェンスの分野では、専門性と継続性と信頼性、この三つが不可欠だというふうに思います。その中で、今課題と言われるのが、例えば蓄積の問題です。担当者が二、三年で交代すれば、それが積み上げられない。外交官がしっかりと構築した人材をどうやって後任に引き継ぐのか、そういう課題もたくさんあると思います。

 そしてまた、その人材をそもそもどうやって確保していくのか。例えば、民間のサイバーセキュリティーの企業とかコンサルティング企業は政府が提示する金額よりもはるかに高い報酬で採用されているということでありますので、そこをどうするのかということと、あとは処遇の問題ですね。危険を伴うことに対してどうやって手当てをしていくのかということ。

 情報要員の、例えば専門職俸給法の新設、又は省庁横断の養成機関の設置、危険手当の制度化、こういったものが必要だというふうに思いますけれども、これを整備する予定はありますかということと、あとは育成の部分で、インテリジェンスアカデミーみたいな、そういうものも必要だというふうに思いますけれども、そういう認識とか方向性についてお聞かせいただきたいというふうに思います。

岡政府参考人 委員御指摘の、関連業務に関わります職員の知識及び技能の向上は、情報機能強化を進める上で最も重要な課題の一つでありまして、これまで各省庁が、例えば大学校、研修所等の組織を置きまして教育訓練に鋭意取り組んでまいりました。しかし、省庁間の連携協力や私ども内閣官房がリードする省庁横断的な取組を進める余地はまだ大いにあるというふうに考えておりまして、例えば、各省庁の分析担当者を集めた合同の研修会など、様々な施策を進めてまいります。その際には、各省庁の組織の助力も得てまいります。

 既に各省庁に組織やあるいは施設がある中で、新たに整備するかどうかということはまだ結論が得られておりませんけれども、省庁をまたがるインテリジェンスアカデミー的な機能につきましては、着実に充実強化を図ってまいります。

 優秀な専門人材の確保と採用も、同じく重要な課題でございます。例えば私ども内閣情報調査室におきましては、最近、システム系の人材を含めまして、中途採用を積極的に行っております。また、給与につきましても、御指摘のあったとおり、適切な処遇が確保されるように、関係機関とも相談しつつ必要な検討を行ってまいります。

黒田委員 ありがとうございます。

 時間もなくなってきましたので、ちょっと最後、国民の皆様の安心という部分に絞って質問をさせていただきたいというふうに思います。

 国民の皆様というのは、情報機関、こういったものが強くなると、何か監視されているんじゃないですかというふうに感じるものだというふうに思います。そういう過去の歴史もありますし、一方では、米国のCIAというのは、警察権限、法執行機能を持たないということを制度の大前提に置く、また、イギリスのMI5、これは、政治的中立組織、中立を組織の根幹として運用されているということで、民主主義国家の情報機関というのは、強い収集能力と明確な活動範囲の制約、これをセットで設計することで国民の信頼を得ていくということであります。

 ですから、政府は、この分野で必ず話題になります、監視国家になるんじゃないかという国民の不安に正面から向き合って、事実に基づいた丁寧な説明が必要だというふうに思います。要は、この組織は何ができて、何はしない、どんなことはしない組織なのかということをしっかりと国民の皆様に理解をしていただく必要があると思います。

 この法案は、例えば通信傍受、捜索や差押え、逮捕、こういう国民の権利を直接制約する新たな実力的な権限を付与するものなのか。この条文は、会議の設置、所掌、そして情報提供義務、秘密保持の義務、事務局機能、この整備というものが中心であるというふうに読み解きますけれども、新たな強制調査権限、そして監視権限というものを直接付与する規定ではない、そういう制度ではない、そういう理解でいいのかどうかというのを明確にお答えいただきたいということと、この制度が国民の監視につながるものではない、そういう政府の基本的な姿勢、これを最後に改めて明言していただきたいというふうに思います。

岡政府参考人 こちらは、委員の御指摘のとおり、本法案は、インテリジェンスの司令塔機能を強化すべく行政機関相互の関係を律するものでございまして、国家情報会議や国家情報局に対して、国民から情報を取得することを容易にするような新たな捜査権限や調査権限を付与する規定はございません。

 また、現在各省庁が行う情報活動は、所管大臣の指揮監督の下に適切に行われておりますけれども、この指揮監督につきましても本法案によって変わるものではございませんし、また、各それぞれの行政機関に対して捜査権限や調査権限を新たに付与する規定もまたございません。

 本法案は、国民の監視をするものでもなければ、無用に個人のプライバシーを侵害するものでもないということは改めて明確に申し上げます。

黒田委員 もうこれで終わらせていただきますけれども、やはり国民の皆様の安心と、そして国家を守っていく、これをしっかりと両立をさせていただきたいということをお願い申し上げまして、質疑を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

山下委員長 次に、中根一幸君。

中根委員 自由民主党の中根一幸です。

 本日は、国家情報会議設置法案について質問いたします。

 この法案は、我が国を取り巻く国際環境が厳しさを増し、また我が国に対する脅威の態様も大きく変化する中において、各省庁が収集し、情報を政府全体として集約、分析し、それを政策部門に供給することによって、より質の高い政策判断につなげていくための体制を整備するものと理解しております。今日では、従来型の軍事的な脅威のみならず、サイバー攻撃、経済安全保障上のリスク、技術流出、偽情報の拡散、さらには外国勢力による影響工作など、複合的で顕在化しにくい脅威への対応もまた求められているところです。そうした中にあって、国民の皆様の安全、安心を守り、また我が国の大切な国益をしっかりと確保していくため、本法案により、情報面における司令塔機能を強化していくことの意義は大変大きいものと考えております。

 一方で、先ほどもお話がありましたように、情報の収集、集約、分析といった情報活動ということは国民の皆様からは見えにくい分野でもあります。だからこそ、本法案が何を実現するものなのか、国民の皆様の生活を守るのであって脅かすものではないということをしっかりと丁寧に丁寧に説明していかなければ、お示ししていかなければいけないものであると考えております。

 そこで、本日、私からは、一、本法案の必要性、二、国家情報会議で何をするのか、三、国民の皆様の権利との関係、四、インテリジェンスに関する人材の確保、育成という四つのテーマについてお聞きしたいと思います。

 それでは、まず一つ目のテーマ、本法案の必要性について聞いていきます。

 現在も、政府の情報活動に関しては、内閣情報会議や内閣情報調査室が司令塔となり、政府内の情報の集約、分析、関係省庁との連携は行われてきたものと承知しております。そうした既存の仕組みがある中で、本法案は、総理を議長とし、関係閣僚を議員、構成員とした国家情報会議を設置し、さらに、その事務局として国家情報局を設けることとしています。

 そこで、初めに尾崎官房副長官に伺います。

 現在の体制にどのような課題があり、本法案によってどのような効果が期待されるのでしょうか。また、本法案により、どのような仕組みで政府一体となって情報を収集、集約、分析し、より質の高い政策判断につなげていくのか、基本的なお考えを御説明いただきたいと思います。

尾崎内閣官房副長官 お答えをいたします。

 昨今の複雑で厳しい国際環境において、危機を未然に防ぎ、国民の安全や国益を確保するには、外交、防衛、経済、技術、人材など、あらゆる面で国力を強くしていく必要がございます。そのためには、国家としての情報収集、分析能力を高め、質の高い、時宜にかなった情報を基に正確な政策判断を行っていくことが重要であろうと考えるところであります。

 一方、国家安全保障政策をつかさどる司令塔として閣僚級の国家安全保障会議が置かれていることと比べまして、情報分野において政治のリーダーシップを発揮する仕組みは十分整備されておらず、また、内閣官房に置かれた情報機関である内閣情報調査室には、他の内閣官房の部局と異なり、総合調整機能が付与されておりません。このため、これらが相まって、政府一体となって情報活動を推進していく基盤をより強化すべきであるなどと指摘される状態にあるわけであります。

 そこで、本法案では、政府全体を俯瞰する立場から、政治の強いリーダーシップの下、政府の情報活動に関する基本方針を示すなどする閣僚級の会議体として国家情報会議を設置しますとともに、関係行政機関の長らに対する資料や情報の提供義務を定め、国家情報会議に情報がしっかりと集約されるよう法的に担保する仕組みとしたところであります。

 また、国家情報会議を支える事務局として設置する国家情報局には、政府の情報活動に関する総合調整機能を付与し、これにより政府全体の情報活動のパフォーマンスの最大化、最適化を図ることとしたところでございます。

 こうして、より質の高い、時宜にかなった情報を収集、集約、分析し、政策部門に提供することで、政府のインテリジェンスサイクルをより充実させ、政府一体となって国民の安全や国益をしっかりと守り抜いていくこと、このことを企図したところでございます。

中根委員 ありがとうございます。

 次に、二つ目のテーマ、本法案により設置される国家情報会議についてお聞きします。

 先ほども副長官がおっしゃっていたように、この厳しい国際環境の下、インテリジェンスに関する司令塔機能を強化するための国家情報会議の設置ということであります。当然のことながら、箱をつくるだけでは何の意味も持ちません。国家情報会議を設置して何をやるのかが重要だと思います。

 ところで、本法案には、国民の皆様からはなかなか聞き慣れない言葉が幾つか出てまいります。そこで、これらの意味について、今日は法案審議の初日でもありますので、伺っていきたいと思います。

 本法案の第二条には、国家情報会議が何をする機関なのかということが規定されており、具体的には、重要情報活動と外国情報活動への対処に関する重要事項を調査審議する機関と規定されています。

 そこで、まず、この重要情報活動と外国情報活動への対処、それぞれの意味について、政府参考人から御説明いただきたいと思います。

岡政府参考人 本法案の第二条には、重要情報活動及び外国情報活動への対処に関する重要事項を調査審議する機関として、国家情報会議を置くと規定しております。

 このうち、お尋ねの重要情報活動とは、重要な国政の運営に資する情報の収集調査に係る活動をいいます。ここで言う国政とは、一般に、対外政策や安全保障政策、行政一般や財政政策などを指し示す言葉でございますけれども、その中でも重要なもの、すなわち、一般に、外部からの侵略等の脅威に対しまして外交、防衛などといった様々な政策を駆使して国民の安全を確保することを意味する安全保障の確保、それから、無辜の国民の生命を直接脅かすテロリズムの発生の防止、さらに、一たび発生すれば多くの国民の生命、身体、財産に重大な被害を生じさせる災害などの緊急事態への対処という、三つの事柄を例示として指し示すものが重要国政運営となります。このような国政のうちでも重要なものに係る情報収集活動を重要情報活動として国家情報会議の調査審議事項の一つと規定しております。

 次に、外国情報活動への対処でございますが、こちらは、公になっていない情報のうちその漏えいが重要な国政の運営に支障を与えるおそれがあるものを取得するための活動であって、外国の利益を図る目的で行われるものへの対処をいいます。当該活動には、偽情報の流布、拡散などによる影響工作といった、これと一体として行われる不正な活動も含まれます。

中根委員 ありがとうございます。

 次に、国家情報会議が行う具体的な調査審議事項についてお尋ねします。

 本法案の第三条には、一号から五号に具体的な調査審議事項が規定されております。これは国家情報会議が何をするのかを具体的に規定したものだと思いますので、政府参考人から、それぞれどのようなことを意味しているのか、御説明いただければと思います。

岡政府参考人 本法案第三条には、国家情報会議が調査審議する事項が列挙されております。

 まず、第一号は重要情報活動に関する基本的な方針、第二号は外国情報活動への対処に関する基本的な方針とそれぞれ規定しておりますが、これらは関係省庁の取組の重点や方向性などのことでございます。

 次に、第三号の、重要情報活動の推進及び外国情報活動への対処に際し配慮すべき内外の情勢についての基本的な認識及び評価とは、連携して活動する関係省庁間において共通理解とすべき情勢認識や情勢評価のことでございます。

 次に、第四号の、重要情報活動の対象となる事案のうち特に重要なもの又は外国情報活動への対処に係る特に重要な事案の総合的な分析及び評価とは、第一号から第三号までの一般的、通則的な事柄とは異なりまして、個別の重要事案に関する総合分析や評価の実施のことでございます。

 最後に、第五号は、その他重要情報活動又は外国情報活動への対処に関する重要事項でございまして、こちらは、いわゆるバスケットクローズで、第一号から第四号までに該当しない重要事項について、その時々の情勢を踏まえて臨機応変かつ柔軟に対応できるよう規定したものでございます。

中根委員 ありがとうございます。

 国家情報会議で何をやるのかと同時に、実際に調査審議を行う構成員が誰なのかも、当然ですが重要であります。総理が議長となり、関係閣僚が構成員となるということのようですが、具体的にどのようなメンバーなのか、そしてなぜそのようなメンバーなのかについて、政府参考人にお答えいただきたいと思います。

岡政府参考人 お答えいたします。

 国家情報会議は、内閣総理大臣を議長とし、構成員たる議員は、内閣法第九条によりあらかじめ指定された国務大臣、これは総理大臣臨時代理のことでございます、それから内閣官房長官、内閣府設置法第十一条の特命担当大臣、こちらは金融担当大臣のことでございます、それから国家公安委員会委員長、法務大臣、外務大臣、財務大臣、経済産業大臣、国土交通大臣及び防衛大臣としております。

 国家情報会議の構成員としている国務大臣は、現行の内閣情報会議を構成する省庁を担当する国務大臣であり、安全保障やテロ対策などに関わる重要情報を収集する一定の体制や権限、手段を備えた組織を指揮監督する立場にある国務大臣を構成員として定めているものでございます。

 なお、調査審議事項によりましては、議長、内閣官房長官及び議長が指定する国務大臣のみで調査審議を行うことができ、また反対に、必要があると認めるときは、先ほど述べた国務大臣以外の国務大臣を会議に参加させることができる、柔軟な対応が可能となっております。

中根委員 ありがとうございます。

 このメンバーですが、現行の内閣情報会議を構成する省庁の担当大臣が基本だということ、いろいろと具体的な調査審議事項によっては増減が可能だというようなお話をいただきました。

 関係閣僚は、必ずしもインテリジェンスに造詣が深い方とは限らないと私は思います。インテリジェンスに精通した役人が基本方針などを定めた方がよいのではないかとの指摘もあるやに聞いておりますが、この点についてはいかがか、政府参考人に御説明いただきたいと思います。

岡政府参考人 冒頭、尾崎副長官からも御答弁しましたとおり、昨今の厳しい国際環境の下においても、危機を未然に防ぎ、国民の安全や国益を戦略的に守っていくためには、政府全体を俯瞰する立場から、政治の強いリーダーシップの下に、政府の情報活動に関する基本方針を示すなどする閣僚級の会議体として国家情報会議を設置し、司令塔機能を強化することが重要であるというふうに考えております。

 その上で、この国家情報会議には、議長及び議員を補佐する幹事を設けることといたしており、現行の内閣情報会議の下に合同情報会議を設置することに倣いまして、国家情報会議の下にも幹事で構成する幹事会を置くことを想定しております。また、国家情報局は国家情報会議を支える事務局として国家情報会議の事務を所掌することとしており、これらによりまして閣僚による国家情報会議が万全の能力を発揮できる体制を整備しており、御懸念は問題ないというふうに考えております。

中根委員 ありがとうございます。

 厳しい国際環境の中で政治の強いリーダーシップを発揮するためにということ、ただそれだけではなくて、国家情報会議の下には幹事会というものが開かれていて、また事務をつかさどる国家情報局も、支える体制ができているというようなお話をいただいたと思います。ありがとうございます。

 御説明いただいたように、国家情報会議では、様々な状況を想定して、まさに情報活動に関する基本方針を定めていくということであります。そして、国家情報会議の事務局として、先ほどもお話しさせていただきました、設置された国家情報局は、冒頭の、先ほど答弁でもありましたとおり、総合調整機能が付与され、政府全体のインテリジェンスサイクルがより充実するということでございました。こうして、本法案では、政府のインテリジェンスに関する司令塔機能の強化をすることで、昨今の厳しい国際環境の下にあっても、国民の皆様の安全、安心を、また国益をしっかりお守りするという趣旨であることを理解いたしました。

 一方で、一部では、本法案により国民の監視が強まるのではないか、政府が国民の言論や活動を規制していくつもりなのではないかという懸念を示す声があります。そこで、政府におかれましては、国民の皆様の御理解を得るためにも、このような不安の声に対しても丁寧に説明することが大切であると私も考えております。このような観点からお尋ねします。

 まず、本法案により、政府の情報収集機関において新たな情報収集に関する権限や手法が付与されることになるのでしょうか。総理が本会議でも御答弁されていたところではありますが、改めて政府参考人に明確にお答えいただきたいと思います。

岡政府参考人 先ほどもちょっと幾つかお答えしましたとおり、この法案の内容は、インテリジェンスコミュニティーなど行政機関相互の関係を律する規定がございます。ただ一方で、情報収集活動に当たる各省庁あるいは国家情報局に捜査権限あるいは調査権限を新たに設ける規定というのはございませんで、今回はあくまで司令塔機能の強化という点に着眼した法案となってございます。

中根委員 ありがとうございます。

 次に、本法案により国民への監視が強まるのではないかといった声にどのように応えていくのかということについてもお答えいただきたいと思いますし、また、本法案の運用に当たり、プライバシー、表現の自由といった国民の皆様の憲法上の諸権利についてどのような考え、姿勢で臨んでいるのかについても政府参考人からお答えいただきたく存じます。

岡政府参考人 お答えいたします。

 国家情報会議の調査審議事項あるいは国家情報局の総合調整の対象となります重要情報活動は、重要国政運営に資する情報の収集調査に係る活動を指しますが、この重要国政運営は、先ほども申し上げましたとおり、安全保障の確保、テロリズムの発生の防止、緊急の事態への対処を例示として掲げておりますとおり、国民の安全や国益を守るのに資する情報活動を対象としておるのでありまして、国家情報会議及び国家情報局は、国民を監視したり監視を強めるために設置するものではないことはもとより、国民のプライバシーを無用に侵害することはございません。

 また、政府が情報活動の推進に当たりまして憲法が保障する国民の諸権利に配意すべきことは当然のことでございまして、このことも、本法案の施行後も変わりはいたしません。

中根委員 ありがとうございます。先ほど御説明いただいたように、国民の皆様の心配ということにはならないということでございます。

 デメリットだけではなくて、メリットについても、これがメリットだということについても、参考人、改めてお答えいただければと思います。

岡政府参考人 お答えします。

 この法案によりまして、まずインテリジェンスコミュニティーの紐帯あるいは協力関係というのが強まるというふうに考えております。また、政治の強いリーダーシップ、総理参加の下の最高度に高い見地から示される基本方針などによりまして、私どもインテリジェンスコミュニティーの全体としての活動が最大限に効果的なものとなるというふうに考えております。

 繰り返しますけれども、これは決して各省庁に新しい調査権限、捜査権限が与えられるから強力になるというものではなくて、現状の組織を前提として、その協力関係、連携を強化することによってパフォーマンスを高めていこうという考えに基づくものでございます。

中根委員 ありがとうございます。

 最後のテーマに移ります。

 インテリジェンス機能を強化するに当たっては、国家情報会議や国家情報局といった組織をつくるだけでは十分とは言えず、それを実際に動かしていく人も重要であるということは言うまでもありません。

 そこで、最後に官房副長官にお尋ねします。

 政府のインテリジェンス機能を強化し、国民の皆様の安全、安心をしっかりと守っていくため、インテリジェンスに関する人材確保や育成の展望について、決意も含め、お考えをお聞かせいただければと思います。

尾崎内閣官房副長官 お答えいたします。

 国際情勢の複雑化、不安定化や情報通信技術の発達等に伴いまして、インテリジェンス業務に携わる人材に必要とされる知識及び技能の水準も高まってきているものと認識をいたしております。

 例えば、語学力や外国人とのコミュニケーション能力、複雑な情勢変化を読み解き情報を分析する能力、ICTシステムやAI等の先端技術に習熟し、それらを自在に操れる能力などを備えた人材を多く確保し育成していく必要がありまして、政府一丸となって取組を強化すべきであると考えておりますが、これまでは、こうした専門人材の確保や育成を主として各省庁の努力により行ってきたところであります。今後、本法案をお認めいただき、国家情報会議が設置された暁には、同会議におきまして人材育成の基本方針を定めるなどして、各省庁の連携協力の下、計画的な取組を推進してまいりたいと考えております。

 また、内閣官房に置かれる国家情報局におきましても、省庁横断的な様々な研修、中途採用や官民交流を含む専門人材の確保、スキルアップに資する人事交流、専門性に着眼した省庁の垣根を越えたキャリアステップの確立などといった方策を推進しまして、インテリジェンス関係機関全体の人的能力の底上げを図ってまいりたいと考えております。

中根委員 冒頭申し上げた、我が国を取り巻く複雑で厳しい国際環境、世界情勢の不安定さが増し、様々な脅威にさらされる中、情報の力でしっかりと国民の皆様の安心、安全を守っていく、大切な国益を確保していく、政府の強い決意をしかと受け止めるとともに、私もしっかりと尽力してまいることをお誓い申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

山下委員長 次に、長谷川淳二君。

長谷川委員 自由民主党の長谷川淳二でございます。

 質問の機会をいただき、ありがとうございます。

 早速ですが、本法案の前提でありますインテリジェンス機能の強化の必要性について伺います。

 戦後最も厳しく複雑な安全保障環境の中で、我が国の国益を守り、国民の安全を確保するためには、政府の情報収集、分析機能を強化するとともに、より多くの質の高い情報を収集し、高度の分析を加え、国家としての的確な判断を支えていく体制が不可欠でございます。

 我が党は、これまでインテリジェンス機能の強化に向けて様々な提言を行ってまいりました。その要点は、まず、政府の司令塔機能の強化、次に対外情報収集能力の強化、そして外国からの干渉を防止する体制の構築の大きく三つであります。具体的には、我が党と日本維新の会との連立合意書において、まず、国家情報会議、国家情報局の設置、次に対外情報庁の創設、さらにはインテリジェンス・スパイ防止関連法の法制化を目指すこととしています。

 今般の国家情報会議設置法案は、我が国のインテリジェンス機能の強化に向けた第一歩であると認識しておりますが、一方で、このインテリジェンスという言葉は国民にまだなじみがなく、ともすれば誇張したイメージで語られることも多いため、インテリジェンス機能を強化しなければならない背景について、いま一度国民の理解を得ることが何より重要であると思います。

 そこで、尾崎副長官に、我が国のインテリジェンス機能を強化しなければならない背景として高市総理や木原官房長官が指摘されている、複雑で厳しい国際環境について、具体的にどのような環境をいうのか、政府の認識をお伺いします。

尾崎内閣官房副長官 お答えいたします。

 例えば、先日の衆議院本会議で高市総理から述べました複雑で厳しい国際環境とは、国家間の競争が激化、複雑化、常態化し、私たちが慣れ親しんだ自由で開かれた安定的な国際秩序が大きく揺らいでいる現在の安全保障環境や、これらがサイバー空間や認知領域といった新たな領域にも広がっている状況を念頭に置いたものであります。

 例えば、委員から御指摘もいただきましたような認知戦や影響工作、重要インフラへのサイバー攻撃等を用いつつ、軍事と非軍事の境界を意図的に曖昧にするなど、相手方に複雑で広範な対応を強いるハイブリッドな脅威や、様々な情勢によるエネルギー供給やサプライチェーンへの影響のように、分野横断的な情報収集、集約や総合分析を基に対処することが必要とされるような複雑で厳しい情勢を念頭に置いておるところでございます。

長谷川委員 ありがとうございます。

 今御答弁いただいたとおり、この複雑で厳しい国際環境の中で我々が直面している安全保障上の脅威は、いわゆる従来からの軍事面での脅威だけでなく、ハイブリッド戦と言われるように、国民世論を標的とした認知戦や情報操作、影響工作、あるいは重要インフラのサイバー攻撃など、外交、防衛、経済、治安、サイバーといった複数の領域にまたがっている、かつ平時と有事の境界を曖昧にさせて発生する脅威であることに大きな特徴があると言えると思います。だからこそ、今回、総理を始め関係閣僚の政治のリーダーシップの下で、省庁横断的な対処が必要になっていると思います。

 しかし、我が国では、現状は、内閣情報調査室を中心として、警察庁、公安調査庁、外務省、防衛省などのコアメンバーから成るコミュニティーがインテリジェンス機能を担っていますけれども、やはり統括機能が弱いというふうに指摘されたところでございます。

 したがって、外交、防衛、経済、治安、サイバーといった複数の領域にまたがって、かつ平時と有事の境界を曖昧にさせて発生する脅威に対処するためには、やはり関係省庁の情報を一元的に集約し、相互に関連づけた上で分析する仕組みが不可欠であり、まさにその仕組みとして国家情報会議設置法案が提出されたものと理解をしています。

 そこで、尾崎副長官に、ハイブリッド戦とも呼ばれる、外交、防衛、経済、治安、サイバーといった複数領域にわたる脅威、軍事と平時の境界を曖昧にさせて発生する脅威に対して、霞が関の縦割りを乗り越えて、省庁横断的に情報を統合して分析、評価を行う必要性について改めて政府の認識を伺いますとともに、このインテリジェンスコミュニティーを統合するリードエージェンシーとしての国家情報会議が果たすべき具体的役割について伺います。

尾崎内閣官房副長官 お答えいたします。

 昨今の複雑で厳しい国際環境においては、サイバー攻撃、偽情報の拡散、国際テロ、経済安保、さらには先端技術をめぐる競争まで、国家を取り巻く脅威は複雑で見えにくいものになっております。このため、政府が対処しなければならない課題は、外交、防衛、治安、経済、技術といった複数の政策領域にまたがり、全体像を把握することが難しくなってきていると考えております。委員御指摘のハイブリッドな、横断的な脅威の時代において欠かせないのは、情報を収集、集約し、これを分析する総合的なインテリジェンス機能であると考えております。

 このような認識の下、本法案は、総理を議長とする閣僚級の国家情報会議とそれを支える国家情報局を設置することによって、政府全体の情報活動を俯瞰しながら、戦略的にその基本方針を示すとともに、政府内を総合調整し、収集した情報を集約して総合分析を行うなどの機能を充実強化しようとするものでございます。

長谷川委員 ありがとうございます。

 国家情報会議の必要性、役割、御答弁いただいたとおりだと思います。その上で、器をつくるだけではなくて、その機能を十分に発揮できるかどうかが最も重要な観点であるという点で、何点かお伺いします。

 まず、やはり今、現に差し迫った脅威として、サイバー空間における外国勢力による影響工作への対処について伺います。

 近年、外国勢力による工作活動は機密情報の窃取にとどまらず、SNS等を通じた偽情報の拡散や情報操作によって国民世論に影響を及ぼそうとする動きが指摘をされています。

 代表的な影響工作として、SNS等を通じた選挙介入がございます。二〇一六年のアメリカ大統領選では、ロシアによる選挙介入が指摘をされております。また、ルーマニアの大統領選では、ロシア寄りの無名候補が首位に立って、選挙介入疑惑で憲法裁判所が選挙結果を無効としました。台湾総統選でも、偽情報の拡散への中国の関与が指摘をされているところでございます。そして、先日、読売新聞の報道によれば、我が国でも、先般の解散・総選挙の際に、中国がXなどSNSを通じて対日批判の認知戦を行った兆候があると報道しているところでございます。

 こうした影響工作は、従来の軍事的手段とは異なって、直接的な被害が可視化されにくい一方で、国民の自由な意思形成をゆがめ、民主主義の根幹である選挙結果を左右しかねない危険性を有しています。我が国にとって差し迫った深刻な脅威ではないかと考えております。

 そこで、尾崎副長官に、ロシア、中国など外国勢力によるサイバー空間を利用した影響工作や情報操作の現状について政府はどのように認識をしているのか、また、新たに設置される国家情報会議や国家情報局の機能によりまして、サイバー空間を利用した選挙介入への対策を含めて、外国からの影響工作や情報操作への対処がどのように強化をされるのか、伺います。

尾崎内閣官房副長官 お答えいたします。

 偽情報の拡散を含む外国による影響工作につきましては、我が国にとっても安全保障上の脅威であり、また選挙の公正や自由な報道といった民主主義の根幹をも脅かすものでありまして、その対策は急務であると考えております。

 政府におきましては、外国による影響工作への対策に関し、内閣官房副長官の調整の下で、関係省庁が協力して政府一体となった取組を行っているところであります。

 さらに、国家情報局の設置によりまして、政府全体の情報活動を俯瞰する立場から総合調整を行うことが可能となりまして、各省庁の保有する情報をより積極的に求め、多種多様な情報を集約することで、総合的な分析が強化されることになります。

 これらの結果、外国による影響工作につきましても、関係省庁に対し、一層質の高い、時宜にかなった情報の提供が行われ、効果的な対策が講じられることが期待できるもの、そのように考えております。

    〔委員長退席、中根委員長代理着席〕

長谷川委員 ありがとうございます。

 外国勢力によるサイバー空間を利用した影響工作や偽情報の拡散によって国民世論に影響を与える試み、特に選挙介入に関しては、先ほど御答弁いただいたように、官房副長官の総合調整の下で政府一体となった対策を強化していただきますように、また、同盟国、同志国との連携も大変重要だと思います。是非とも対策を強化していただきますように、強く要望させていただきます。

 次に、国家情報会議の実効性を確保する上で重要な課題として、情報提供、収集の体制について政府参考人にお伺いをいたします。

 各省庁が、タイムリーな、時宜にかなった情報を国家情報会議に提供して、国家情報会議において各省庁からの情報を統合分析をして、国家として的確な判断に役立てていくことが何より肝要であると思います。

 本法案において、各省庁が有する資料や情報を国家情報会議に提供する義務を創設するのは、各省庁からの情報提供体制を確保する趣旨であると理解をいたします。

 しかし一方、各省庁に縦割りの意識が残っている限り、情報提供に慎重になる場合も当然考えられます。また、情報を提供しても、分析結果が何らかの形でフィードバックされなければ、各省庁が情報を抱え込んでしまって、国家情報会議はうまく機能しないのではないかと思います。

 一方で、国家情報会議の情報収集体制については、プライバシーの懸念、特に、警察の保有する情報も含めて収集することへの懸念も指摘されているところでございます。

 そこで、政府参考人、岡審議官に、国家情報会議に対して各省庁が保有する資料、情報が適切に提供されるように、まず一点目は、どのように体制を整備をするのか、政府の方針を伺います。もう一点は、情報収集の内容であります。例えば、警察が捜査の過程で得た情報など、必要であれば国家情報会議に提供されるものなのか、お伺いをいたします。

岡政府参考人 本法案におきましては、第七条の規定により、各省庁に対しまして、国家情報会議の議長である総理大臣からの求めに応じて資料や情報を提供する義務を規定しておりまして、各省庁が保有する情報が国家情報会議に集約されることが制度的に担保されます。

 その上で、本法案では、国家情報局が政府全体の情報活動を俯瞰する立場から総合調整を実施するための規定も設けておりまして、これらを通じまして、各省庁の保有する情報がより多く集約されて、総合的な分析機能が強化されるという体制となっております。

 一方で、国家情報局によるこうした質の高い総合分析、総合評価の結果を各省庁にフィードバックすることなどを通じまして、政府全体のインテリジェンスのサイクルを一層活性化させたいというふうに考えております。

 一方で、警察情報に関するお尋ねでございますけれども、本法案第七条により国家情報会議に提供されるべき資料又は情報は、重要情報活動又は外国情報活動への対処に関する資料又は情報であって、会議の調査審議に資するものとされております。

 こちらは、捜査機関が捜査の過程で収集した情報であっても、例えばテロ事件の捜査の過程でほかのテロの計画が明らかとなって、多数の国民の生命、身体の安全が脅かされかねない状況にある場合などには、関連する情報が適切に提供いただけるものというふうに考えております。

長谷川委員 ありがとうございます。

 各省庁の情報を総合分析した結果、プロダクトを適宜フィードバックをしてインテリジェンスサイクルを充実させることは、インテリジェンス機能を強化する上で重要であると思います。

 また、警察の保有する情報も、他のテロ事案の発生の危険性があるような場合、国家情報会議の情報収集の目的に必要な範囲では提供され得るということでございますけれども、これに対しては、やはり個人のプライバシーが侵害されるのではないかという懸念が指摘をされているところでございます。

 ただ、私はこれまで霞が関や自治体で勤務をしておりましたが、そもそも、行政機関が個人情報を取り扱う際には、公務員ではございますので、当然、守秘義務が課せられています。また、個人情報保護法や税法などによって、その行政目的の達成に必要な範囲で限られるのが大前提だと思います。これは、インテリジェンスにおける情報収集であっても例外ではないと思います。

 国家情報会議における調査審議もまた、政府全体の意思決定に資するためのものであり、その目的との関係において、必要な範囲内で各省庁から、警察に関する情報も含めて提供されるというふうに理解をしています。

 一方、やはり、不正確な前提のまま、要は、行政目的に限った範囲内で情報を収集するということを不正確に理解したままプライバシーの侵害への懸念を論じるのではなくて、国家情報会議における調査審議に必要のない個人情報まで収集することが果たしてあるのかどうか。これは極めて重要な論点でありますので、明確にさせていただきたいと思います。

 そこで、岡審議官に、国家情報会議における情報収集は調査審議に必要な範囲に限定される点について、どのように整理をされているのか。特に、警察が保有する個人情報について、どのような取扱いになるのか。先ほど一部答弁いただきましたが、改めて伺いますとともに、国家情報会議における調査審議に不要な個人情報が収集されることは制度上想定されていないと理解していいのか、明確な答弁をお願いいたします。

岡政府参考人 お答えいたします。

 本法案第七条に基づきます各省庁から国家情報会議への資料又は情報の提供は、重要情報活動又は外国情報活動への対処に関する資料又は情報であって、会議の調査審議に資するものについて、その提供が義務づけられているものでございまして、逆に申し上げれば、調査審議に不必要な情報等を国家情報会議が収集することはございません。

 また、国家情報局による総合調整につきましても、同様に、重要情報活動又は外国情報活動への対処に関する事柄に限って行われるものでございまして、国家情報局がこれらに関係のない総合調整を警察その他のインテリジェンス関係機関に行うことはございません。

 このように、制度上、国家情報会議及び国家情報局は重要情報活動又は外国情報活動への対処に関係のない情報等を収集できないことになっておりまして、国民のプライバシーを無用に侵害するものではございません。

長谷川委員 ありがとうございます。

 今御答弁ありましたとおり、各省庁の情報提供は国家情報会議の調査審議に必要な範囲で行われるものであり、また、プライバシーを無用に侵害するものではないということで理解をさせていただきました。

 次に、今般の国家情報会議の設置は、諸外国のインテリジェンスに関する制度との比較でどう評価すべきなのか、確認をさせていただきます。

 一部の報道などでは、外国において議会や第三者委員会が情報機関を監視する制度があることを理由に、我が国においても同様の仕組みが必要ではないかという議論がございます。しかし、我が国では、御案内のとおり、情報機関に相当する組織は、外国と同じような権限を持って活動しているわけではございません。

 例えば、我が国の通信傍受は、通信傍受法に基づいて捜査機関が組織犯罪を捜査するためにしか認められていません。これに対して、欧米諸国においては、情報機関がいわゆる行政傍受や秘密工作といった国民の権利を制約する活動を実施をしてきた歴史があり、また、過去にはその運用をめぐって問題があったことも踏まえまして、国会による監視の制度が整備をされてきた経緯があると理解をしております。

 そもそも、我々は立法府として、インテリジェンス部門に対しても行政監視の機能を担っています。その上、今回の法案は、国家情報会議を設置して、省庁間の総合調整機能を持たせるものであって、国民の権利を新たに制約するものではないと思います。

 したがって、諸外国に監視制度が存在するといった形式的な議論ではなくて、今回の法案が諸外国との比較においてどのような位置づけになるのか、正確な理解の下に、立法府の関与の在り方を議論するべきではないかと考えております。

 そこで、岡審議官に、今般の国家情報会議設置法案が、そもそも外国並みに情報機関の権限を強化するような内容なのかどうか、そして、諸外国と同様に、特別の監視の仕組みまで必要になるものかどうか、政府の認識を伺います。

    〔中根委員長代理退席、委員長着席〕

岡政府参考人 お答えします。

 本法案は、インテリジェンスの司令塔機能を強化すべく行政機関相互の関係を律するものでございまして、国民の権利義務に直接関わるような権限に関する規定を一切設けるものではないことから、国会の関与に関わる新たな規定を設けておりません。

 本法案成立以降に別のインテリジェンス改革のための施策を立案するに当たりましては、委員の御指摘の趣旨のとおり、他国の外形的な仕組みのみを捉えるのではなくて、我が国の行政組織や制度、情報機関が持つ権限や手法との整合性を十分に考慮した上で適切な結論を得るべきものというふうに考えております。

長谷川委員 ありがとうございます。

 今回の法案は、インテリジェンス機能の強化に向けた第一歩である政府の司令塔機能強化のための行政機関相互を律する組織法であって、国民の権利を新たに制約する、いわば作用法ではなく、諸外国との比較においても、監視の仕組みまで設ける必要はないということで理解をさせていただきました。

 最後に、情報の統合分析の在り方について伺います。

 インテリジェンス機能の強化は、情報の的確な統合分析を行えるかどうかに懸かっていると思います。この点、我が国の組織風土として、その場の空気に支配されがちだ、異論を言いにくいという風土がございます。したがって、国家情報会議が情報を統合分析するに当たっては、メインチャンネルからの分析だけでなく、異なった角度からの分析についても尊重するような仕組みや運用を行う必要があるのではないかと考えます。

 そこで、岡審議官に、国民の安全を確保し我が国の国益を守るため的確な政策判断がなされるよう、国家情報会議において情報の統合分析を行うに当たり、多角的な分析が確保されるような運用が必要であると思いますが、政府の見解をお伺いします。

岡政府参考人 こちらも委員御指摘のとおり、政府の的確な意思決定のためには、例えば、特定の省庁による分析のみに頼るのではなくて、各省庁が保有する多様な情報を集約して多角的に分析することを通じて情報の客観性を担保していくことが重要であるというふうに考えております。本法案は、このような問題意識の下で、インテリジェンスの司令塔機能を強化すべく、国家情報会議や国家情報局を設置するものでございます。

 これによりまして、各省庁からのより積極的な情報の提供が期待されると同時に、国家情報局の側といたしましても、各省の情報活動の特徴や長所などを的確に把握した上で、何がしか総合分析、総合評価を行う際には、足りない要素が何かということをしっかりと把握した上で、各省庁に的確に要求を行う。そういうことを通じまして、多角的な分析を確保、実施してまいりたいと考えております。

長谷川委員 ありがとうございました。

 厳しく複雑な国際環境の中、複数領域にわたる脅威、かつ平時と有事の境界を曖昧にさせた脅威に対応するために、国家情報会議の設置は必要不可欠なものであると考えております。引き続き、本法案の趣旨を踏まえた丁寧な説明を求めまして、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

山下委員長 次に、長妻昭君。

長妻委員 お疲れさまです。長妻昭です。

 私は、国家の戦略とインテリジェンスは車の両輪であると考えております。日本は専守防衛の国だからこそ、世界でどういうリスクが発生しているのか正確に把握する、この能力を更に高める必要があるというふうに考えております。

 私は、政治にとって最も重要なことを一つ挙げろと言われれば、正確な現状把握、これが最も重要だというふうに考えております。その意味でも、インテリジェンス能力を高めるということは本当に必要不可欠だと思う。ただ、今回の政府の懸念、リスクに対する認識というのが大変甘いし、その対応も対策も大変甘いというふうに、非常に心配しているところであります。

 そこで、官房長官にお伺いしますが、今回の法案のメリット、これはさんざん、本会議でも今の質疑でもさんざん聞かされましたが、このリスクや懸念というのはどこにあると思われますか。

木原国務大臣 国家安全保障政策をつかさどる司令塔としまして閣僚級の国家安全保障会議が設置されていることと、NSCですね、と比べると、今委員御指摘のあった情報部門、一番、非常に大事であるという情報部門においては、政治のリーダーシップを発揮する仕組みは十分整備されていないのではないかという問題意識は、私もずっと、政治家になってからそれを持っておりました。

 内閣情報調査室には、他の内閣官房の部局と異なっておる点は、総合調整機能がまず付与をされていないということがありました。これが……(長妻委員「いやいや、デメリット。リスク、懸念」と呼ぶ)それがこういう、今つながりますが、それが相まって、政府一体となって情報活動を推進していく基盤が十分でない、そういう評価をされる状態にあったのは確かであります。(長妻委員「そういう質問じゃない。委員長」と呼ぶ)

山下委員長 ちょっと待ってください。多分……(長妻委員「質問の趣旨を取り違えられている」と呼ぶ)前提をお話しになって、リスク、懸念をお話しになるのではないかと。(長妻委員「この法案のリスク、法案の懸念」と呼ぶ)はい。だから、法案の趣旨をおっしゃった上で、リスク、懸念をおっしゃるんだと思いますが。

木原国務大臣 昨今、特に複雑で厳しい国際環境にあります。インテリジェンスに関する国際協力等が進展する中で、今回の法案は、こうした状態を制度的に解消するということ、そして、インテリジェンスの司令塔機能の強化を図ろうとするものであり。私は、このままの状態であれば今後更に問題が発生するというふうに思っておりますし、さらに、省庁間の調整等を行う上で更にできる余地があると考えているので、今回、法案を、機能強化を図ることといたしたところであります。(長妻委員「全然答えていない」と呼ぶ)

山下委員長 官房長官、今、要するに、この法案に対するリスク、懸念は何かという御質問ですので。先ほど官房長官がお答えになったのは、この法案の立法事実である情報とかインテリジェンスの懸念だと思いますので、この法案に関するリスク、懸念について、もう一度。

木原国務大臣 今回、政府の情報活動に関する基本指針の決定などがこの法案に書かれております。各省庁が行います情報活動の総合調整を行う組織を設置するものであります。

 こういった基本指針を設けることによって、既存の法令に基づき適切に収集された情報を集約して総合分析をする、そして政策部門に提供するということ。国家情報会議、国家情報局が法令に反する指示を関係省庁に行うことなく、そういう必要性もないものですから、監視の強化であったりプライバシー侵害、そういったことの指摘がない範囲で、しっかりとこの組織を立ち上げたいというふうに思っております。(長妻委員「だから、どういうリスクがあるの。懸念」と呼ぶ)

山下委員長 今、そういうリスクがあることを前提に、プライバシーやそういったことに懸念のない範囲でということをお答えになったと思うんですが。(長妻委員「じゃ、どうぞ、もう一回」と呼ぶ)では、官房長官、どういうリスクが国民からこの法案に対してあるかというお問いであったので、政府が認識しておられるこの法案に関するリスクについてはどのように官房長官としてお考えかということでお答えをいただければ。

 どうぞ、よろしくお願いします。

木原国務大臣 政府として、リスクや懸念があることを解消するために立案しているわけではありませんが、皆様からの様々なそういった御懸念に対して丁寧に説明していきたいというふうに思っております。(長妻委員「どういう懸念ですか」と呼ぶ)

山下委員長 ちょっと先ほど答えておられたと思いますが。

木原国務大臣 今の体制、現状においては、ややもすると国民に対する監視があるのではないかとか、あるいはプライバシーに対する侵害があるのではないかとか、現状ではそういう国民の御懸念があるのではないかと思いますので、今回、政治の関与を強化する、そういう観点から、今回立法によってそのリスクを、懸念を、リスクや懸念があればそういうことを払拭したいというふうに考えております。

長妻委員 ちょっと不十分なんですけれども。

 これはどんなことでも、強い薬には副作用があるわけですよね。強い法案や権限を与えると、それに反して副作用、懸念というのが出てくるわけで、それをちゃんと認識して法案審議をしなきゃいけない。その懸念が分からないまま、政府が、無邪気にと言ったら失礼ですけれども、どんどん事を進めると、誤ると思うんですね。

 自民党から、こういうリスクを聞くと、やじがさっき飛びました。こういうこともちゃんと国会で聞くということは、何でまずいんですかね。皆さんが、きちっとやはりこういう議論を共有する必要があるというふうに思います。何ですか。(発言する者あり)

山下委員長 御静粛に。

長妻委員 私はそんなやじは言っていません。平さん、何ですか。(発言する者あり)だから、そういうやじは言っていませんよ。リスクを聞いたときに、リスク聞くなみたいなやじは言っていませんよ、平さん。

山下委員長 御静粛に願います。

長妻委員 ちょっと勘弁してください。

 そして、私が考えるリスクというのは、懸念、三つぐらいあると思うんですね。それにどういうふうに対応するのかお伺いしたいんです。

 一つは、共有するというようなこと。これはもちろんメリットもあるわけでありまして、これは私も必要性は認めます。

 毎日新聞のインタビューで、二〇二二年の一月十三日、国家安全保障局次長を務めた元外務官僚の兼原さんは、こういうふうに答えているんですね。私は二〇一二年、内調の次長を半年務めました、当時、外務省や防衛省、警察庁、公安調査庁、内調が集めた公開情報をデジタル化し、共有するプラットフォームをつくろうと考えました、しかし、強い反発に遭って実現しませんでした、誰でもアクセスできる公開情報でさえ共有できないほど問題は深刻でしたということで、それぞれの情報セクターが情報を共有しない、こういうようなことがあって、大きな問題だということをおっしゃっておられて、私もそういう話は頻繁に聞くわけで。

 今回、情報共有をする、そして義務をかける、情報の提供とか、あるいは資料の提供、必要な協力。ということは、これはもちろんいいことだと思いますが、その中で、懸念というのがそういう強い権限を与えるときに出てくる、それをどうするのかということなんです。

 そういう意味では、るるこれまでおっしゃっていただいたように、新たな何か情報収集の権限を付与するわけではないというようなことは幾度となくおっしゃっているんですが、ただ、今後は、強制力を持って資料の提供要請が来るわけですよね、あるいは情報の提供要請。そうすると、それに応えようとして、プレッシャーの中でその要求に応えようと無理な情報収集活動をする、そういう懸念はある、これを私は思うんですよ。

 これについて、官房長官はそういう懸念はありませんか。

木原国務大臣 私、官房長官として、あるいは過去に防衛大臣もやりましたけれども、いわゆるNSC、ここはいわゆる政策部門でありますが、政策部門は情報部門から適切な情報を受け取らなきゃいけません。そして、その情報に基づいて重要な政策決定を行う上で、その情報がもし適切でないものであれば、それは政策判断を誤ることもありますから、ですので、その情報は適切でないといけない。

 ただし、今委員の御指摘は、強要して無理やり情報を取るのではないか、そういう御指摘かと思いますが、しかし、それは、政策部門として適切な情報を取ることは当然のことであり、逆に情報部門は、政策部門が求める、いわゆるカスタマーが求める情報を適切に与える義務も発生すると思いますから、そういう意味で、強要するというよりも、お互いが並列の関係の中で適時適切な情報を提供していくということに尽きるのではないかなと思います。

長妻委員 ちょっと楽観的過ぎると思うんですよね。強制力を持って情報を取る指示が来るわけですよ。そうしたときに、今まで以上にそれに応えようとして無理な情報収集活動をするリスクがあるというふうに思うんですが、これを防ぐためにはどんな手だてを考えておられますか。

木原国務大臣 政策部門として、今度は情報部門に対して情報を要求します。情報部門としては、今度新しく司令塔機能が強化されたその司令塔というものは、インテル、それぞれの各省がインテル部門を持っています、その各省のインテルの特性、これを総合調整するわけですね。そして、それをよく把握した上で正しい情報、政策部門が求める情報を提供するということ。

 これは私は無理なものにはならないと思いますし、日頃からのそういうコミュニケーション……(長妻委員「防止策はどういう防止策」と呼ぶ)これは政治部門がしっかりと、国家情報会議の中で政治部門が責任を持って、そこは無理なものとはならないように平素からのコミュニケーションをしていくということだろうと思っております。

長妻委員 非常に心もとない、対策がないということ。

 共有するのは、さっきから申し上げているように、これはいいことなんですよ。ただ、それに、裏腹として懸念やリスクは必ず発生するわけで、それを防止するための対策というのをもっと具体的に打たなきゃいけないと思うんですね。

 もう一つのリスク、二番目として、共有するということは、問題ある情報や、もし誤情報、誤った情報があったとしたら、それも共有されてしまって被害が拡大する、こういうリスクもあるんじゃないかなというふうに思うんですね。

 そこで、今日お伺いするのは、内調、防衛省、公安調査庁、外務省、警察について、それぞれ過去、人権侵害案件というのはどういうものがありましたか。

渡部政府参考人 お答えいたします。

 お尋ねにつきましては、確定裁判において、公安調査庁の元職員を二十四時間体制で監視するなどした活動につきまして、目的が不当なものとは言えないにしても、その態様につきプライバシー権の侵害の程度が大きく、国賠法上違法であったと認定された事案が一件ございます。

 公安調査庁といたしましては、この判決の内容も踏まえて、再発防止のため、職員の教育指導を一層徹底する措置を講じてきたところでございます。

 また、調査に当たっては、公共の安全の確保に寄与するという目的を達成するために必要な最小限度においてのみ行うべきという旨の破壊活動防止法第三条等の規定にのっとりまして、今後とも適正な調査活動を実施してまいりたいと存じます。

松尾政府参考人 お答えいたします。

 防衛省のインテリジェンス関係部署による情報収集活動によって防衛省職員以外の部外者に対して人権侵害があったと判断された事例について、これまで確認した限り、一件ございました。具体的には、平成十五年から十六年頃、イラク特措法に基づく自衛隊派遣に反対する活動について、当時の陸上自衛隊情報保全隊が情報収集などを行い、プライバシー侵害があったとして、平成二十八年二月、一名に対して十万円の損害賠償の支払いを命じる判決が言い渡されたところでございます。

 防衛省としては、従来から、情報保全隊が防衛省・自衛隊の所掌事務、任務の範囲内で関係法令に従って適切な方法で情報収集などを行うよう努めてきたところではありますが、司法の判断を厳粛に受け止め、一層徹底してまいりたいということで取り組んでいるところでございます。具体的には、自衛隊の情報保全隊の運営の基本方針において、個人情報の適切な取扱いなどのコンプライアンスの確保を図るため、関係法令に関する教育内容の充実を図るとともに、部隊における指導を徹底するというようなことを部内で徹底しているところでございます。(長妻委員「警察」と呼ぶ)

山下委員長 では、木原官房長官。

木原国務大臣 私が、内閣情報調査室の所管でありますので。

 内調の情報収集活動によって人権侵害が起きた事例又は不適切な情報収集活動が行われた事例は把握しておりません。(長妻委員「警察は来ているの」と呼ぶ)

山下委員長 では、木原官房長官。(長妻委員「委員長、国家公安委員長は」と呼ぶ)いや、国家公安委員長は本日は。(長妻委員「だって、所管でしょう、内閣委員会」と呼ぶ)

 長官、答えられる範囲で。

木原国務大臣 では、警察に関しましてですが、警察の公安、外事部門の活動を違法とする判決が近年示され、確定した事例としましては、警視庁公安部が外国為替及び外国貿易法、外為法に違反するとして噴霧乾燥機の製造販売会社の代表取締役、取締役及び顧問の三人の方々を逮捕したことを国賠法上違法とする判決が令和七年六月に確定した事案、それと、岐阜県大垣警察署員による個人情報の収集、保有及び提供を国賠法上違法などとする判決が令和六年十月に確定した事案があると承知をしております。

長妻委員 国家公安委員長を是非やはり呼んでいただきたい。私は内閣委員会というのは呼べば来るものだと思っていましたので、是非お願いします。

 例えば、今るるおっしゃっていただいた、警察の件では大川原化工機事件と言われるものですよね。これは、輸出するときに、武器に使われる可能性があるのでちゃんと輸出許可を取らなきゃいけない案件にもかかわらず、取らずに輸出していた、こういうことで大問題になったということで、でも、結果的にこれは間違いであったということであったわけで。

 仮に、こういう情報が間違いと分かる前に国家情報会議で共有された場合、相当被害が大きくなってくると思うんですね。防衛省は多分色めき立つと思うんですね。こういうものが闇で輸出された、こういう認識をするでしょう。

 そして、イラクの派遣反対派の情報を収集したという防衛省のさっきお話がありましたけれども、これも、裁判で断罪される前であれば国家情報会議で共有された可能性があると思うんですね。そうしたときに、警察とかいろいろな部局が動いて、いろいろな活動が始まる。

 つまり、問題ある情報や誤情報を共有して、繰り返しですが、共有することはいいんですよ、本当に、私はこれはいいことだと思うんですが、ただ、その裏腹の副作用やリスクについて余りにも無邪気過ぎるというのが問題意識なんですけれども、共有して被害が拡大するリスク、懸念、これはどうやって防ぎますか。

木原国務大臣 今委員の御懸念というのは、例えばある一つの情報機関により収集された情報が誤ったものであった場合について、それが、誤ったものが共有されてしまう、そういうものであるというふうに思いますが、一般論として申し上げれば、政府が意思決定を行う場合においては、特定の省庁による情報収集や分析のみに頼るよりも、各省庁が保有する多様な情報を集約し、多角的に分析した結果に基づく方が、情報分析あるいは情報評価の正確性、信頼性、また妥当性が向上するのではないかなというふうに考えます。

長妻委員 これも心もとないと思うんですね。

 大川原化工機事件の場合は、経産省が当初の見解を覆して、これは輸出の許可を得る案件であるというふうに判断したわけで、役所の判断が確定したわけで、これは誰もそれに異議を取ることはできないわけで、チェックはなかなかできないと思うんですよね。

 だから、問題の情報というのが発覚した場合、どこがチェックをして、修正するのか、そして発表するのか。どこの部局がそれをチェックして、修正、発表するのか。例えば、自衛隊でいうと警務隊みたいなものがありますよね。警察でいうと監察部門がありますよね、監察課。外務省でいっても監察査察室というのがありますよね。

 今回、大きな権限と情報共有ということになったので、そういう内部統制組織というのは今回法律に入っていないと思うんですけれども、これは何でつくっていないんですか。つくらないんですか。

木原国務大臣 まず、今回は総合調整ということであります。その基となる各省からの、インテルからの情報、これにまず誤りがないようにすることがまずは大事だというふうに思います。関係省庁による情報活動が適切に行われるように、これは所管の大臣の監督がしっかりと図られることがまずは大事だと思っています。

 そして、今委員が御指摘のような、情報機関が問題を起こすといいますか、誤った情報、こういったことを前提とした内部組織の見直しというのは考えてはおりませんけれども、情報活動に当たっては、憲法が保障する国民の諸権利に配意すべきこと、これは当然でありまして、組織の運営に当たってもこれは徹底してまいる。これは、今回できる国家情報会議、そして国家情報局、そして各省のインテル組織に徹底をしなければいけないというふうに思っています。

長妻委員 これもやはり精神論なんですよね。間違えないように頑張るというようなことでは心もとないんですよ。これは是非検討していただきたいんですね。

 例えば九ページに、各国の、議会じゃないです、議会以外のそういう統制組織、第三者組織という意味では、アメリカでいうと、外国諜報監視裁判所というのもあるし、大統領インテリジェンス問題諮問委員会もあるし、イギリスでは、調査権限コミッショナーというのがあるし、あるいは司法コミッショナーというのもある。ドイツでは、基本法十条審査会もあるし、独立統制院もある。フランスでは国家情報技術監視委員会があるということなんですけれども、これは日本も、間違えないように頑張りますというのでは、私は心もとないというふうに思うんです。

 それと、先ほど人権侵害の話がありましたけれども、人権侵害をしないという規定、法律にこれを加えるということは考えませんか。

木原国務大臣 今回の法案は、行政内部のいわばやり取りに関する規定の整備を図るものでありまして、国民から情報を取得することを容易にするような権限に関する規定を設けるものではないわけであります。つまり、何か特に情報収集の権限を強化する、そういう類いのものではありませんので、今お尋ねの人権の確保についての条文上何らか規定を設けてはいないところであります。

 情報活動に当たっては、先ほど申し上げたように、これは、憲法が保障する国民の諸権利に配慮すべきことは当然のことでありますので、組織の運営に当たっても徹底をしてまいります。

長妻委員 ですから、権限は変わっていないというのはもう繰り返しおっしゃっていただいているんですが、ただ、さっき申し上げたように、強制力を持って、情報を出してくれ、こういう要請があるときに、やはりそれはもう今まで以上に踏み込んだ情報収集活動をするわけですよ。ですから、相当強力な形になるので、その反作用、副作用について、これも非常に心もとないというか、楽観的過ぎるというふうに言わざるを得ません。ほかの国はよく分かっていますから、そういうリスクを避けるために万全の、いろいろ組織をつくったり、統制組織をつくっているんですね。

 三番目のリスクとして、政治的目的のための調査、これが行われてしまうんじゃないかというリスクがある、懸念があると思うんです。

 政府にお話を聞きますと、今回の目的の大きなものは、政治のリーダーシップで、政治の強いリーダーシップで情報に関する政策を進めるということで、もちろんこれはいいことなんですが、繰り返しですけれども、裏面には必ず懸念や副作用があるわけで、逆に政治が都合のいいような情報を集めていろいろゆがみが出てくるのではないか、その中でも政治的目的のための調査ということです。

 内調にお尋ねしますけれども、今まで国会議員を国会質問に関連して尾行したことというのはありますか。

山下委員長 登録は内調はされていないんですが。

 では、官房長官。

 では、時計を止めてください。

    〔速記中止〕

山下委員長 速記を起こしてください。

 木原官房長官。

木原国務大臣 今調べさせましたら、長妻委員からは、平成二十一年に、政府の調査活動に関する質問主意書を提出をいただいているということでありました。その中では、「内閣情報調査室は国会議員の行動監視等の活動をしたことがあるか。また、目的と所属を名乗らず、議員の集会あるいは演説会で情報収集をしたことがあるか。更に野党等を担当する職員は存在するか。」との御質問を頂戴しているということでありました。

 その際には、「お尋ねについては、これを明らかにすることにより、今後の内閣情報調査室の調査に支障を及ぼすおそれがあることから、お答えを差し控えたい。いずれにせよ、内閣情報調査室においては、適正に調査を実施している。」と答弁をその当時でさせていただいたものと承知をしております。(長妻委員「当時はそうだけれども、今。平成二十一年でしょう。今、それ以降」と呼ぶ)現在も状況としては同じでございます。

長妻委員 そうすると、例えば、ピンポイントで聞くと、内調に野党担当の職員というのはおられるんですか、おられないんですか。

木原国務大臣 内調の職員の具体的な担当ということになると、これはお答えは差し控えないといけないというふうに思っております。

長妻委員 余り内調は、ちょっとくぎを刺しておきますが、政治的目的のための調査というのは控えていただきたいなと私は思います。そういう調査をやっているとすればということですが。

 そして、もう一つ、資料二十四にもマスコミの報道をつけておりますけれども、かつて、官房長官が女性と会話したとされる電話の録音テープが流出して大騒ぎになった。そのテープの中身というのは、捜査情報を、覚醒剤の捜査が入るよということを女性に話したという内容なんですね。その後、官房長官は辞任をされました。そして、その電話の後に捜査が入ったと言われております、報道にもあります。

 これは例えばの話なんですが、官房長官が自分のプライベート、個人的なことで捜査情報を入手するというようなことというのは、権限としてできることになるんですか。

木原国務大臣 まず、その官房長官の事案、私も記憶はありますけれども、事前に御通告はいただいておりませんでしたので、その事件の詳細については今はお答えすることはできません。その後のてんまつもちょっとお答えすることはできませんが、一般論としては、そういった国民の皆様から関心の高い事件につきまして、官房長官の記者会見で、一日二回やっておりますが、メディアの方々からの御質問にお答えするために、事件について、捜査の進展について報告を受けることは過去にございました。そういうことでございます。

長妻委員 そうすると、個人の関心で捜査情報を入手するという権限は官房長官にないということでいいんですね。

木原国務大臣 そこはもう、私個人の関心で、これまで、私も就任して半年ほどたちますが、個人の関心で何かを調べろということはありませんし、過去にもそういうことはないというふうに思っております。

長妻委員 マスコミの資料もつけておりますけれども、この件については内閣調査室も相当動いたと言われておりまして、個人のスキャンダルに絡んで内調が火消しに動くというのは、それが事実であったとすると、私は公私混同ではないのかなというふうに思いますので、こういうようなことも防ぐために、私は、この条文の中に、今回の法律に、政治的中立という、そういう規定も入れるべきだと思うんですが、いかがでございますか。

木原国務大臣 今回の法案によって国家情報会議、そして国家情報局、設置をさせていただくわけですが、それは、政府全体を俯瞰するという大局的な立場から国民の安全や国益の確保に関する情報の戦略的な収集、集約、あるいは分析を進めようとするものでありますので、情報の政治利用の危険性を高めるような内容ではありませんから、ですので、そういった政治的中立性というのは書かれていないというふうに思います。

長妻委員 いや、ですから、ちょっと失礼な言い方かもしれないですが、ちょっと無邪気過ぎるんですよね。権限は拡大していない、まあ、法的にはそうでしょう。しかし、強力な義務として、調査をしろ、あるいは資料を出してと、こういうことがかかるわけで、そういう意味では、非常にそれに付随したリスク、懸念というのも大きくなるので、そこら辺、認識が全くないんですよ、これまでの、今の答弁では、本会議も含めて。この認識を強く持っていただきたいというふうに思っております。

 だからこそ、私は、国会への報告というのが大切になってくると思うんです。

 今日、国会図書館に主要国を調べていただきました。議会による情報機関の監視の仕組みについて、主要国ではどうなっているのか、教えていただければ。

南国立国会図書館専門調査員 お答えいたします。

 アメリカでは、常設の特別委員会として、上院に上院情報特別委員会、下院に下院常設情報特別委員会が置かれております。

 イギリスでは、両院合同の特別な組織として、議会情報保安委員会が置かれております。

 ドイツでは、特別な組織として、下院に議会統制委員会が置かれております。

 フランスでは、両院合同の特別な組織として、情報活動に関する議員代表団が置かれております。

 以上です。

長妻委員 日本でも衆参に情報監視審査会がありますが、これは、特定秘密及び重要経済安保情報のみ、この制度運用の監視のみしか、限定的に置かれているので、今回のことについては話の外になるということです。

 国会図書館に、その主要国が、議会に報告書を出す場合、提出の頻度はどうなっているのか、また報告書の内容はどのようなものか、教えていただければ。

南国立国会図書館専門調査員 お答えいたします。

 まず、アメリカでございます。

 アメリカにつきましては、例として上院情報特別委員会について申し上げますと、二年に一回、活動報告書を上院に提出いたします。また、特定のテーマについて適宜報告書を提出することもございます。

 上院情報特別委員会の直近の定期報告書ですけれども、大きく分けて五項目から構成されております。主な内容を御紹介いたしますと、立法の項目では上院に報告した法律が、行政監視活動の項目では特定の地域やテーマについての監視活動が記載されております。

 次に、イギリスでございますが、毎年、年次報告書を議会に提出いたします。また、特定のテーマについて適宜報告書を提出することもございます。

 この議会情報保安委員会の直近の定期報告書でございますけれども、大きく分けまして、委員会の活動、その他の事項、証人一覧の三項目などから構成されております。

 次は、ドイツでございます。

 ドイツでは、二年に一回、活動報告書を下院に提出しております。また、特定のテーマについて適宜報告書を提出することもございます。

 このドイツの議会統制委員会の直近の定期報告書は、大きく分けて、報告義務、法的根拠及び組織、議会統制委員会の活動概要、議会統制委員会の主な審議案件、常任全権代理人による統制の五項目から構成されております。

 最後、フランスでございます。

 フランスでは、毎年、年次報告書を議会に提出しております。また、適宜、大統領及び首相に勧告及び意見書も提出しております。

 フランスの、情報活動に関する議員代表団の確認できる直近の定期報告書でございますけれども、大きく分けて、情報活動に関する議員代表団の活動報告、情報政策に関する現在の課題、情報政策の評価に関する情報活動に関する議員代表団の重点事項の三項目などから構成されております。

 以上でございます。

長妻委員 官房長官、聞いていただいたと思うんですけれども、大体二年に一度か毎年、年次報告はやる、そして特定のテーマについては適時報告書を議会に出すということが主要国で行われているんですね。

 日本においても、この法律に入っていないんですけれども、国会答弁等でも高市首相は、政府の中長期的な情報活動の推進方針を取りまとめた文書を作成し、公開するなどしますとおっしゃっておられて、ちょっと役所の方に聞くと、大体、それは五年間とか十年間の方針なので、五年に一度とか十年に一度出すような話も聞いたんですが、そんな悠長な、悠長というか、それはちょっと余りにもおかしいんじゃないかと思うんですね。随時出すこともしないというようなことなので。

 これは実際、どういうような国会への提出というのをお考えですか。

木原国務大臣 今、参考人の方から諸外国の例を伺いました。

 諸外国における情報機関に関するいわゆる統制の仕組みというのは、それぞれの統治機構であったり、また情報機関の歴史的な発展の経緯を踏まえて構築されてきたものと承知しております。

 これに対して、我が国の統治機構、また情報機関を含めた行政組織のありようでございますが、これは必ずしも、それぞれの時代がありましたけれども、諸外国と同じではありませんでした。現在でもそうです。他国の仕組みをそのまま我が国に当てはめるということは適当ではないというふうに思います。我が国の行政組織あるいは制度との整合性、あるいは過去の経緯、そういったものを十分に踏まえた上で、実効性の確保と統制のバランスを図る必要があるのではないかなと……(長妻委員「いや、国会への報告はどうするんですか」と呼ぶ)

 今回、ですので、我が国において各省庁が行う情報活動が、まずは担当閣僚の指揮監督の下で適切に行われる、その上で、情報機関に対する統制が図られた上で、御指摘の国会への報告とかというのは、第三者の機関というのは規定を設けることはしていないということになります。(長妻委員「いやいや、今、国会への報告をするのかしないのかと聞いているんです。規定じゃなくて」と呼ぶ)

山下委員長 今の御質問は、国会報告を、高市総理がおっしゃっていた報告についてのお尋ねです。

木原国務大臣 総理が答弁をされた内容は、今後、様々な方の意見を聞きながら、そういった文書を作成していきたいということを申し上げたことであり、現段階で、今回の法律に伴って何か文書を作成するという計画はございません。現時点ではございません。(長妻委員「国会に報告するかしないか」と呼ぶ)

山下委員長 高市総理の御答弁を前提に、国会への報告というのはどれぐらいの頻度あるいは期間でされるつもりかという御質問です。

木原国務大臣 私のイメージでは、これは、中長期的な視座から考えますと、毎年更新する性質のものではない、そういうイメージを持っています。

 いずれにしましても、政府が行う情報活動の状況であるとか、またその成果については、国会よりお尋ねがありましたら適時適切に対応してまいりますということで、今、現時点において、それを報告するということは考えておりません。

長妻委員 そうすると、国会からお尋ねがあれば、こういうふうに質問をしたら答弁するということで、これは普通の質疑なので。いや、報告書を国会に出すか出さないか。

木原国務大臣 この法案に基づいてやるということは考えておりませんが、これから、様々な方の御意見を聞きながら、インテル全体の政策の中で、これは適切に考えていきたいと思っております。(長妻委員「何を。国会への提出をですか」と呼ぶ)

 様々な専門家の意見などを聞きながら、国会への提出も含めてそれは考えていくべきことであり、現時点においては、それは考えていないということであります。

長妻委員 そうすると、いろいろな意見を聞いて、国会への提出も含めて考えていくということでよろしいんですね。

木原国務大臣 今回の法案とはまた別のカテゴリーの話だと思います。今回はあくまでも国家情報会議設置法でありますから、その国会への報告というのは、今、現時点では考えておりません。

 今後、様々な御意見を伺いながら、そういう可能性は排除するものではないということであります。

長妻委員 しかし、遅れていますね、日本は。せっかくいい器をつくるというお話は評価するんですが、それにおいて、副作用とかリスク、懸念、そして国会報告というのは全然駄目じゃないですか。これはあり得ないんじゃないかなと思うんですよね。これは有識者も含めていろいろ検討するというふうに今御答弁いただいたので。これは恥ずかしいですよ、ほかの国に比べて。こんな隠しているようなイメージを持たれるというのは、国民からも。

 そして、多くの方からこれを聞いてくれというお話があった質問をいたしますけれども、やはり、今まで内調のトップというのがずっと警察に独占されていたということで、相当、霞が関の情報部門の皆さんの不満がたまっているというふうに聞いております。

 二十八ページ目に、これは内調ができてから全部警察出身なんですね、トップが。よくお話を聞くのは、いろいろな方と、私も情報部門の方とおつき合いしていますけれども、警察というのは情報を握り締めて外に出さない傾向がある、そして、この内調のトップがずっと警察に独占されている、こういうことが続いていては情報の共有もへったくれもできないんじゃないのか、情報を取られる一方で、全然、警察情報の共有というのがままならなくなる、こういう弊害を強く訴える方々もおられるわけで。

 これは是非、官房長官、国家情報局長は警察の指定席にしないと。高市首相も能力本位みたいに本会議で答弁されているんですが、そうじゃなくて、指定席にしない、こういうふうに答弁いただけますかね。

木原国務大臣 ただいまの御指摘の点は、例えば、日本維新の会からいただいた提言の中にも同趣旨の内容は入っていたところであります。

 国家情報局長でありますけれども、官邸直属の情報機関のトップとして、同局が行う情報活動を指導するとともに、総理や、また私、官房長官へのブリーフィング、外国の情報機関のトップとの連携といった役割を担うほかに、新たに、国家情報会議で決定する情報活動の基本方針などの企画立案を行い、また各省庁に対する総合調整、そういった役割を的確に行うことが期待をされております。

 したがいまして、高市総理も述べられたとおりでありますが、このような特別職の人事については、その時々の総理が適材適所、能力本位でお決めになるということであり、高市総理は先日そのように発言をされたと承知しています。

長妻委員 いや、それでは駄目なんですよ。

 いろいろな方と意見交換すると、やはり、指定席にしないというふうに官房長官が言っていただかないと、また警察が独占する。今回、情報コミュニティーの中からは、警察の独り勝ちだ、内調が国家情報局長、局になって、独り勝ちという非常に怨嗟の声も多く出ているわけで、そして、局長をずっとまたこれからも警察が独占すると、不満がすごく高くなってくると思うんですね。

 当初は、公安調査庁の一部と内調と併せて局にするという話もあったんだけれども、中のいろいろがあって今回こういう形になったとか、国際テロユニットについても一悶着あって、外務省の中にあるけれども警察が実権を握っているとか、いろいろな争いみたいなものがある中で、これは是非、官房長官、適材適所とかいうことではなくて、それは重要なんですよ、適材適所で、結局、警察ですねというふうになっちゃうわけです、今の力学からいうと。

 ですから、警察の指定席にしないということを、その言葉をここで言っていただけませんかね。

木原国務大臣 今、特別職の人事、ほかにもたくさんある特別職の人事の一つでありますから、これはその時々の総理が能力本位でお決めになることと考えております。

長妻委員 いや、だから、能力でいいんですよ、能力でいいんですけれども、指定席というのは、もうずっと機械的に警察出身という意味が指定席なので、指定席にはしないということを是非おっしゃっていただけませんかね。

木原国務大臣 適材適所とか能力本位ということを申し上げているということは、委員のおっしゃることと同趣旨だろうというふうに思っております。

長妻委員 そうすると、指定席にしないということと同趣旨という官房長官も意見ですか。何で言えないんだろう。では、そういうふうに、私が質問した、警察の指定席にしないということと同趣旨の考えを持っているというふうに御答弁いただければ。

木原国務大臣 特別職の人事というのは、これはその時々の総理が人事権を持っておりまして、適材適所、能力本位でお決めになるということであり、今回の国家情報局長についても、これはまさに適材適所、能力本位で決めるということであり、委員の御指摘と何らたがうことはないのではないかなと思っております。

長妻委員 是非そういうふうにしていただければ。相当いろいろなことがありますので。

 最後に、この法律を読みますと、国家情報会議というのは決定機関じゃないということで、これは心配になります。国家情報会議は、第二条で、重要事項を調査審議する機関と書いてあるんですね。三条にもそういうふうに書いてあるわけです。

 では、決定するのは一体どこで決定するんですか。

木原国務大臣 国家安全保障会議設置法、いわゆるNSC法ですが、これにおいても同様なんですけれども、審議するという規定が置かれておりまして、それに基づき、国家安全保障に関わる重要な判断を行ってきたところであります。

 新設されます今回の国家情報会議、これは並列だということを言っております。ですから、国家情報会議においても同様に、重要情報活動あるいは外国情報活動への対処に関する重要事項について、判断をしたり、あるいは決定したりしていくことになります。決定するということになります。

長妻委員 今明確に、国家情報会議で決定する、決定する機関でもあるということですね。(木原国務大臣「申し上げました」と呼ぶ)ありがとうございます。

 以上です。

山下委員長 次に、大島敦君。

大島委員 ただいまの長妻委員の質疑を伺いながら、二〇一四年、特定秘密保護法案を担当として対案五法案を作ったときのことを思い出しておりました。やはり、国家の情報は誰のものであるかというのが当時の原点だと思いましたね。国家の情報は国民のものであるというのが基本だと思っています。

 ですから、情報公開法があるのは、やはり情報を公開するということが大切であると。ですから、政府において情報を改ざんすることは、これはあってはいけないことだと考えております。これが基本ですよね。

 ですから、特定秘密保護法案ですと、情報監視審査会をつくって、国会議員が特定秘密そのものを見ることについては難しいかもしれないけれども、何が特定秘密であるかについてはそれぞれしっかりと確認をしていくということで、国会に設けられ、かつ、年に一回レポートも、報告書も提出するようになっております。ですから、議会の統制が結構必要なのかなと、長妻委員の質疑を聞きながら思いました。

 アメリカにも国家情報会議がありまして、三月七日のワシントン・ポストの報道と伺っているんですけれども、今回の米国、イスラエルのイランへの開戦の一週間前にまとめられた国家情報会議の機密報告では、米国による大規模攻撃でもイランの軍、宗教支配体制を倒す可能性は低いと位置づけ、限定作戦でも拡大作戦でも権力の継続性が保たれると報じたことを伺いまして、情報としてニュートラルに多分大統領府に上がっているかなと思いまして。

 私の経験から、大きな会社にいると社内文書は二つあると定義づけておりまして、一つは純粋経営的文書、これは経営トップに対して判断を仰ぐ情報。もう一つは社内政治的文書というのがあって、これは自分自身のポジションとか、あるいは失敗を覆い隠すために作る資料。二つに分けておりまして、社内政治的文書が多くなると、企業としては徐々に収益が落ちてくる。

 国においても同じかなと思っていまして、やはり民主的統制をしっかり入れて、ニュートラルな情報を官邸に入れ続けることが大切かなと思っています。どうしても、役所ですと、首相が人事権を握りますから、首相の判断いかんなんですけれども、ニュートラルな情報を上げられるような法整備が必要だとも思いました。

 私、今回の法案を見て余りイメージが湧かなくて、内閣情報調査室は、佐藤優氏が著作物でも、あるいは寄稿した記事でも高く評価をしているようでして、やはり、内調の能力は高い、人材は優秀、分析は正確、あるいは首脳外交や対外メッセージ伝達でも機能しているというふうに読み取れます。

 ただ、一つ加えられているのが、制度や民主的統制の必要も同時に論じているように見えまして、これは、制度改革や機能強化には法的担保と民主的統制が要ると、寄稿した記事あるいは著作物を読みながら私は思いまして、そうすると、やはり民主的統制をどうやって確保するのか。必要性は分かりますけれども、民主的統制が大切かなと思っております。

 それで、法案審議なので、今後の法案に資するように細目について答弁を求めていきますので、よろしくお願いします。

 本法案について、私は、反対ありきでも賛成ありきでも、伺うものではありません。むしろ、政府が代表質問などで繰り返し述べてきた、第一に、これは新たな情報活動権限の付与ではないこと、第二に、政策部門と情報部門は相互に干渉し過ぎないこと、第三に、国民の権利、プライバシーとのバランスを取ること、第四に、政府の情報活動を国民にとって理解しやすい形にしておくこと、この四点を当委員会の場で具体的な制度や運用に落とし込めるのかを確認したいと思いますので、答弁をお願いします。

木原国務大臣 今委員から四つの点についての御質問を伺いました。

 まず一点目でありますけれども、新たな情報活動権限の付与ではないかということですが、この国家情報会議ですが、政府の情報活動の重点に関する基本方針等を示すものでありまして、また、国家情報局は、各省庁が行う情報活動の総合調整等を担うものであります。本法案は、その行政機関相互の関係を律するものであります。よって、本法案は、委員のおっしゃるとおり、国民からの情報を取得することを容易にするような権限の強化を行うものではございません。

 二点目についてでありますが、これは政策部門と情報部門の相互干渉の御質問でございますが、現在も、本法案により新たな組織が設置された後も、政策部門と情報部門が相互に干渉し過ぎないように活動することが重要と考えており、これは現時点でも言えることだと思います。今後もその点には十分配慮をしなければいけないというふうに思っております。

 三点目ですが、本法案は、国民の安全や国益の確保に資する情報の戦略的な収集、集約、分析を進めようとするものでありますから、情報の政治利用の危険性を高めるようなものではありません。また、専ら情報評価を行う会議体が設けられ、政策と情報を分けて議論するような仕組みが整備されることは情報の客観性の確保という点において大きな意義がある、そのように考えております。

 四つ目は、国会と国民に対する説明責任という御指摘でありましたが、情報活動の意義また重要性を国民の皆様に正しく御理解いただく取組というのは必要であるという認識を持っております。政府の中長期的な情報活動の推進方策を取りまとめた文書を作成し、それを公表するということを検討していきたいと思っております。

 また、今後とも、政府の行う情報活動に関し国会からお尋ねがあった場合には、適時適切に説明、対応をしてまいりたいというふうに考えております。

大島委員 更問いなんですけれども、第四番目で、国会での質問も適時回答する、その前の文章をもう一回読んでいただけますか。

木原国務大臣 四点目の件でございますね。もう一度ということですが。

 情報活動の意義や重要性を国民の皆様に正しく御理解いただく取組は必要であると認識をしております。政府の中長期的な情報活動の推進方策を取りまとめた文書を作成する、そしてそれを公表することをこれから検討していきたいと思っております。

 今後とも、政府の行う情報活動に関して国会からそういったお尋ねがあった場合には、適時適切に御説明、対応をしていきたいというふうに先ほど申し上げました。

大島委員 長妻委員がおっしゃったとおり、制度として持った方がいいと思います。今後の話は、報告することは大切だと思いますし、活動についても、民主的統制の立場からは、やはり国会、国民に対する活動報告はあってしかるべきかなと思います。

 次に問いを進めていきます。まず、今回の法案提出の立法事実について伺います。

 政府は、現下の厳しい安全保障環境の下で、政府全体のインテリジェンスに関する国家機能の強化が急務だと説明しています。しかし、同時に、今回の法案は、新たな情報活動権限を付与するものではなく、行政機関相互の関係を律するものだとも説明しています。

 そこで、伺います。

 現行体制のどこにどのような具体的な隘路があり、それが本法案によってどのように解決されるのか。抽象論ではなく、情報要求の立て方、各省庁からの情報の集約、分析の質、情報への接続、この四点に分けて具体的にお示しください。また、これは、現在既に困っている問題への対処なのか、それとも将来困らないための備えなのか。法改正ではなく運用改善では足りなかったのか。その理由も併せて伺います。

木原国務大臣 これまで、現時点までにおいて、各省庁が行う情報活動の方向性を定める組織というのは、現時点で内閣情報会議というのが今あります。そこは事務次官級の会議でありまして、政務の出席は正副官房長官のみということになっております。

 しかし、現下の厳しい情勢を踏まえますと、これは、これから先の話であります、現時点も含めてこれから先を考えますと、政府全体の情報活動を強力かつ一体的に推進していく必要があると考えました。

 そのためには、政策部門においては、国家安全保障政策に関し、総理を議長とし、関係閣僚を議員とするNSCが今置かれているように、強力な政治のリーダーシップを発揮できる推進体制を是非とも情報部門においても整備しなければいけない、そのように考えたところであります。

 そこで、今回、新法の制定でありますが、総理や、私、官房長官のほか、国家公安委員会委員長や法務大臣、外務大臣、防衛大臣等も参画する閣僚級の国家情報会議を内閣に設置するとともに、同会議に対する情報集約に関する規定等を整備することとしたものであります。

 もう少し詳しく説明すると、この事務を処理する内閣官房の組織では、閣僚級の会議体による政府全体の基本方針の決定等と相まって、政府内のあらゆる情報収集手段及び情報源を最大限に活用し、情報が的確に集約をされ、これらの総合分析、総合評価が確実に行うことができるようにする必要もありました。このためには、やはり制度的な担保をしなければならないと考えまして、今ある内調も、これもしっかり仕事をしていますが、更に発展的に改組をして、総合調整等の権限を有する国家情報局に置き換えるということとしたものであります。

 繰り返しますが、我が国が現在直面する困難な課題を解決して、将来の我が国及び国民の安全を守るために極めて重要な意義を持つ、その改革の第一歩だと今回思っておりまして、現行の枠組みの運用改善、委員からあったように、運用ではできなかったのかと言いますが、運用改善ではやはり足らなくて、国会の審議を経て、法律上の措置を講ずることが不可欠である、そのように考えまして、本法案を今回提出するに至ったということでございます。

大島委員 今官房長官が述べた、総合調整機能を持たせるということは結構重いことだと思います。

 私、政府にいるときに「キッシンジャー秘録」をよく読んでおりまして、キッシンジャーが、官僚同士の論争では、自分の方が上だから権利があるのだという以外の論拠を持たない側は敗れがちであると書いてあって。

 したがいまして、総合調整機能を持つということと、もう一つは、官房長官ではなくて首相がその会議を取り仕切るということだと情報のレベルが相当違うという認識を持っているんですけれども、その点についての官房長官の御見解をお知らせください。これは更問いです。

木原国務大臣 現在の内調も、私は適切な情報を提供しているものと思っておりますが、更にまだ改善の余地がある、政策部門に対して総合調整権を付与し、そして各省庁のインテルから精緻な情報を得、そして更にそれを集約、分析をして政策部門に対して提供する、これはやはり総理が議長である国家情報会議によってその担保がなされるものだ、そのように考えているところでございます。

大島委員 私の理解としては、これまで、国家情報官ですかね、内閣情報官ですかね、個人的な関係で首相に多分情報を入れていたと思うんですよ、官房長官を通り越してインプットすることもあったかもしれない。でも、それを今回の法案ではダイレクトに報告できるようになったと私は考えるんですよ。やはり任命権者である首相と情報官との間で、本来であれば官房長官を通してインプットすべきところを、人間関係でダイレクトにインプットする、報告することもあったのかなと。

 今回の法律だと、恐らく官房長官を通り越して制度的に情報を上げることができるようになったという理解でよろしいかどうか、済みませんが、お答えください。

木原国務大臣 先ほど、私を通り越して、頭越しに総理に情報ブリーフをしているというような話がありましたが、総理も私も内閣情報官からの定例の情報ブリーフを受けております。これは、正直に申し上げますと、週二回行われることが定例となっているところですが、重大な事案が発生した場合においては、定例のもの以外に適時の情報ブリーフを受けていることでありまして、これは何か法律とか規定に基づくものではないと考えております。

大島委員 私の理解としては、法的に担保されると、官房長官よりも首相の方を向きながら、多分情報の流れが変わってくるのかなという思いがします。

 続きまして、NSC、国家安全保障局と、国家情報会議、国家情報局の役割分担について伺います。

 政府は、情報部門と政策部門は相互に干渉し過ぎないように活動することが重要であり、新たな組織が安全保障政策等の企画立案機能を持つものではないことは制度的にも明らかにしたいと説明しています。他方で、国家情報会議の構成員の多くはNSCと重なり、今回の法案第七条の資料提供等の規定も、NSC法とかなり近い構造になっています。

 そこで、端的に伺います。

 NSCは何を求め、国家情報会議は何を決め、国家安全保障局は何を企画立案し、国家情報局は何を集約し、何を分析し、何を総合調整するのか。情報要求の起点、分析の主体、政策決定への接続、この三段階に分けて重複のない形で御説明ください。

岡政府参考人 法令の定めに基づきまして、お尋ねの点についてお答えいたします。

 お尋ねの国家安全保障会議は、法令上、国家安全保障に関する外交政策、防衛政策及び経済政策の基本方針や重大緊急事態への対処に関する重要事項を審議するための会議体として設けられてございます。また、これを支える国家安全保障局は、国家安全保障に関する外交政策、防衛政策及び経済政策の基本方針等の企画立案や総合調整を担っております。そういう政策部門の組織でございます。

 一方で、新設しようとしております国家情報会議は、重要情報活動又は外国情報活動への対処に関する基本的な方針や、特定の重要事案の総合情報分析、評価などを調査審議するための会議体として設けようとしておりまして、それを支える国家情報局は、各省庁が行う情報活動の総合調整、内閣の重要政策に関する情報の収集調査、さらに、情報の集約や総合分析等を担う組織として新設をいたします。

 このように、政策部門と情報部門の役割は明確に異なっておりまして、情報部門は、政策部門から示される情報関心を踏まえて情報の収集、集約、分析を行い、その成果物を政策部門に提供することで政策部門の的確な意思決定を情報面で支援する、そういう機能を持つことになります。

大島委員 政府参考人に伺いたいんですけれども、要は、国家情報局が持つ機能は、あくまで政策部門のリクエストに基づいて情報を集約するのであって、国家情報局が独自に情報を、この分野についてはちょっとこれから争い事が起きるかもしれないから、国際関係で、調査するというわけではないという理解でよろしいですか。

岡政府参考人 お答えします。

 理念的には、私ども情報機関は、政策を支えるために情報をするものでありますので、繰り返しになりますけれども、政策サイドから提示された情報関心に基づいて、何とかそれに役立つ情報を集めようとするというのが本来の機能でございます。

 ただ、実際には、平素、緊密にコミュニケーションを取っておりますので、彼らが欲することを察する力も当然にございますから、実際には、こちらがよかれと思って集めるということもございますけれども、繰り返しますが、理念的には、政策サイドの求めに応じてそれを支えるのが情報部門というのが、我が国においても国際的にも一般的な理解でございます。

大島委員 もう一問、政府参考人に更問いしたいんですけれども。

 経済産業省の下にアジア経済研究所があったかと思います。これから私、視察しようと思っていて、そこには満鉄調査部の資料が全部あるの。

 だから、もしも、皆さんが総合調整の機能を持っているから、国の各研究所、結構、研究所にはいい研究員の方がいらっしゃっていて、ベネズエラの、一月に起きたときも、専門家の話を伺うことができました。ですから、総合調整の機能を持つということは、国の全ての研究所に対して調査依頼ができる、そういう理解でよろしいんですか。

岡政府参考人 現在でも、内閣情報調査室も、あるいは他のインテル省庁も、委員御指摘のような官民双方の研究者の方々にお話を伺って情報を集約しようとしているところでございます。

 そういう意味では、現在の一般的な行政機関としての所掌事務でもできるわけでございますけれども、ただ、それをどうやってネットワーク化して、効率よく各省庁に聞いていただいて集めていくかということについては、総合調整の範疇の事務であるというふうに認識しております。

大島委員 先ほど述べたキッシンジャーの、官僚同士の論争では、自分の方が上だから権利があるのだという以外の論拠を持たない側は敗れがちであるということに通じるかと思っていまして。

 次に、情報の政治化の防止について伺います。

 国家情報会議の議長は総理であり、構成員の多くも政策部門と重なります。政治主導でインテリジェンスを意思決定につなぐ司令塔の強化は重要ですが、同時に、都合のよい情報だけが上がる、反対情報が握り潰される、あるいは政策的な意図が分析に干渉するという懸念もあります。

 四月二日の答弁では、国家情報会議は党派的利益の実現を図るための機関ではないと説明されています。

 そこで、伺います。

 そうであるならば、情報の評価及び提示の客観性、独立性はどのような仕組みで担保するのか。例えば、分析部門の独立性担保、異論や少数意見の記録併記、重要判断のレビュー、議事、分析記録の保存、政策交代時の継続性確保といった点について、具体的な制度又は内部ルールをお示しください。また、国家情報会議の議長や構成員が国家情報局の分析結果の変更、伏せおき、恣意的な選択を求めることがないよう、どのような歯止めを置くのか。伺います。

木原国務大臣 まず、国家安全保障政策を推進する立場の国家安全保障会議及び国家安全保障局とは別に、その判断材料となる情報を扱う閣僚級の組織を設け、そして独立した事務局を置くということは、これまでも議論しました、情報部門が政策部門の進めたい政策に左右されずに情報の収集、分析、評価を行える環境を整備するものでありまして、その議長ですが、これは総理になります。総理及び議員は、私、官房長官を始めとする関係閣僚級になります。こうした制度趣旨を正しく理解して調査審議に当たるということになります。

 他方、現在の内閣情報調査室においては、例えばオール・ソース・アナリシスを行う内閣情報分析官を情報収集部門から独立した形で置いているほか、その情報評価書においては取り得る複数の評価が併記されていることもごく一般的であります。

 また、事後の検証に資するよう、公文書管理などのルールにのっとり、その必要な期間、情報評価書は厳格に保管されておりまして、そういった点では、今回国家情報局においても同様に措置されるということになりますので、今の委員の御懸念には今の御説明で御納得いただけるのではないかなというふうに思っております。

大島委員 大臣、民主的統制を制度として担保する必要があると思うんですよ、民主的統制を。

 今の御答弁だと、制度としての担保ではなくて何か気合の世界のような感じもしまして、民主的統制をどのように制度としてつくっていくかが必要であるかと思うので、その点について次回また質問させていただきますので、よろしくお願いします。

 終わります。ありがとうございました。

山下委員長 次に、後藤祐一君。

後藤(祐)委員 中道改革連合の後藤祐一でございます。

 まず冒頭、官房長官に伺いますが、今日、租税特別措置と補助金見直しに関して、副大臣を集めて、きちんとやれというような場があったそうでございますが、これは、目標額、どのぐらい節約ですか。民主党政権のときの事業仕分、一・六兆円、これは相当、自民党から少ないんじゃないかと言われていましたけれども、当然これは超えるという気合でよろしいですか。目標額、幾らですか。

木原国務大臣 今朝、閣議に先立ちまして、租特及び補助金の見直しの関係閣僚会議を開催いたしました。御指摘のとおりでありますが、ちょっと今、通告をいただいていなかったものですから、数字についてはまた報告をさせていただきます。

後藤(祐)委員 それは、今朝やったことですから、通告しようがないですよ。官房長官会見、いろいろあるでしょうから、目標額を是非お答えいただければと思います。

 続きまして、高市総理が言っていた国論を二分するような大胆な政策って、官房長官、具体的にどれのことですか。この国家情報会議の設置法はそれに入るんですか。あと、これから来るであろう防衛装備移転三原則の見直し、国旗損壊罪、皇室典範改正、さらには憲法改正、こういったものは含まれるんでしょうか。

 特に皇室典範改正は、与野党のできるだけ広い合意を形成して、静ひつな環境で進めるべきだと私は思うんですね。国論を二分するような形ではやるべきでないというふうに思うんですが、この国論を二分するような大胆な政策って何ですか、官房長官。

木原国務大臣 国論を二分するような政策というのは、一般的には、総理が言われているような、まさに憲法改正の話であるとか、あるいは今委員がおっしゃった皇室典範の改正についても、各党で様々な御意見が出ておるところであります。

 また、今回の法案においても、様々な御意見を頂戴することとなり、しかしながら、それぞれのこれから変えていかなきゃいけないことに対して丁寧に説明をして、そして国民の総意を得たいというところから、その一環として、今回はインテリジェンス部門の機能強化ということを法案として、形として出させていただいたわけであります。

後藤(祐)委員 いや、皇室典範が今のところに出てくるのはちょっと心配になってしまいますけれども、是非静ひつな環境でお願いしたいと思いますが、丁寧な議論というお言葉は大変重要だと思います。

 そういう意味では、防衛装備移転三原則の見直しの話は、恐らく、ゴールデンウィークで外遊する前に決めたいんじゃないのかなと。四月末ぐらいで、NSC、場合によっては閣議決定ということかもしれませんが、これは、決定した瞬間、もう決定になっちゃうんですね。世の中に出てきた瞬間決定だと、丁寧も何もないわけですよ。

 是非、この防衛装備移転三原則の運用指針見直しは極めて重大なので、最終的な決定の前に公表する、できれば案として公表する、パブリックコメントにかける、これが丁寧な姿勢だと思うんですけれども、官房長官、いかがですか。

木原国務大臣 防衛装備移転三原則の話ということでありますが、この防衛装備移転につきましては、今その三原則にあるとおり、政府としては、平和国家としての基本理念及びこれまでの平和国家としての歩みを堅持しつつ、個別の案件ごとに厳格に審査をし、また、移転後の適正管理が確保される場合に限って認め得る、そういう基本的な考え方に今回変わりはございません。

 また、自衛隊法上の武器の直接移転や、また第三国移転については、これは国家安全保障会議で審議し、これを公表することを基本とするなど、政府としては、防衛装備移転三原則の下で透明性を高める取組も、これまでも進めてまいりました。

 この防衛装備移転に関する制度の見直しについては、現時点でまだ今議論をしているところでありますから、内容を予断をするということは控えなければいけませんが、防衛装備移転については、これまでも、政府による対外発信や、また国会の質問などを通じて、その考え方であったり、時代背景、昨今の状況、そういったことを説明してきたところでありますので、今後も、国民の皆様に御理解をいただけるように、また政府の考えについて丁寧に説明をしていきたいと考えております。

後藤(祐)委員 ですから、国会質問と今おっしゃいましたけれども、あるいは丁寧な説明であるならば、最終的な決定の前に、事前にある程度期間的な幅を持って公表、案の公表、パブリックコメントに付すべきじゃありませんか、官房長官。

木原国務大臣 防衛装備移転については、これまでもあらゆる機会を通じて、私も、防衛大臣の際には、相当な時間で、それぞれ委員会において、あるいは本会議において、国会の質疑などを通じて、その考え方、背景について説明してきたところであります。

 ちなみに、平和安全法制の際、これは平成二十六年の七月と記憶しておりますが、その閣議決定についてもパブリックコメントは付されていなかったと記憶しております。

後藤(祐)委員 いや、だから問題だったんですよ、あのとき、平和安全法制の一番大事な自衛権についての閣議決定をいきなりやっちゃったから。

 その反省に立って、今回、是非、案の段階で公表していただく。そうしないと国会で審議できないじゃないですか、法案じゃないんですから。ここはまさに丁寧か丁寧でないかが問われると思いますので。

 決定して、ゴールデンウィークで、外国に、はい、できましたといってお土産を持っていくというのは非常に国会軽視、国民軽視だと思いますので、是非そこは、もう自民党への説明で、まあ国会への事後通知ぐらい加わるのでいいかぐらいな感じで、大体党の感じはいいというふうな感触も聞いていますので、それを早めに仕上げれば出せるじゃないですか。是非お願いしたいと思います。

 それでは、法案審議の方に入りたいと思いますが、ちょっと、一ポツを後の方に回しまして、プライバシー、個人情報保護に対する懸念。

 これは、ちょっともう時間が午前中少ないので、先ほどの長妻議員の質疑の中で、この懸念について、そもそも官房長官が、この法案が実施された後、どういったプライバシーや個人情報保護に対する懸念が発生し得るかということについて問題意識がなさ過ぎるんじゃないかなという気がしたんですね。現状の懸念についての答弁はあったのかもしれませんけれども、この法案が実施されることによって、新たにプライバシー、個人情報保護に対していろいろな懸念が我々もあるし、そういう懸念を覚える国民もいるわけです。

 我々野党あるいは国民が、この法案実施後、プライバシー、個人情報保護に対する懸念があるということは御理解していただけますか、官房長官。

木原国務大臣 本法案についてでありますが、そのリスクや懸念という御質問が最初にありましたけれども、そういったお尋ねだったんですが、政府としましては、そういったリスクとか懸念が残ったまま今回立案したということはそもそもありませんので、ですから、なかなかお答えが困難だったということであります。

 また、皆様からそのような御指摘の懸念があるのであれば、それに対して丁寧に説明していくのがこういう国会での機会だというふうに思っております。

後藤(祐)委員 いや、現状の懸念について言っているんじゃないんですよ。この法案が実施されることによっていろいろな心配があるわけです、懸念があるんですよ。それについて、その存在を認めていないじゃないですか。

 この法律が実施されることによって起きる懸念については全く理解いただけないということですか、官房長官。

木原国務大臣 現在、内調という組織があり、そして毎日しっかりと仕事をしていただいております。今回、立法によって、それがいわゆる格上げのような形で国家情報局となるわけです。それによって、何かリスクや懸念が高まるとか、新たなリスクや懸念が発生するとか、そういうことは考えていないところであります。

後藤(祐)委員 懸念は発生しないと考えていると。いや、野党だとか国民が懸念を覚えているということを理解していただけますかと聞いているんですよ。皆さんの懸念を聞いているんじゃないんですよ。国民の懸念があるということを理解していただけますかと聞いているのに、理解しないということなんですよ。いや、これじゃ心配で、法案審議も、どう使われるか心配ですよ。

 じゃ、ちょっと聞きますが、配付資料四ページに、この前の代表質問の、私がやったやつの総理の議事録がありますが、四ページ、一番上のところに、国家情報局がこのような観点に全く基づかない指示を各省庁に行うことはなく、また、その必要もないことから、国家情報局が国民のプライバシー等を無用に侵害するようなことはありませんというふうにありますが、逆に言うと、こういった観点があれば特定の個人に対するプライバシーや個人情報の収集を関係省庁に指示できるということですか、官房長官。これは全部通告してあります。皆さんのお手元にも配ってあります。

木原国務大臣 まず、国家情報局が今回担うことになる総合調整というのが法案に書いていますが、これは、安全保障の確保、あとテロリズムの発生の防止、そして緊急事態への対処、こういった例示をさせていただきました。重要国政運営に資する情報の収集調査等に関していずれも行われるものであります。

 重大テロの首謀者に関する個人情報とか、お互いにやり取りをするということが、これは例示ですから、想定されるわけですが、こうした個人情報の取扱いというのは、これは、他の法律でありますけれども、個人情報保護法を始めとする関係法令にのっとって行われていくというふうに考えておりまして、それにのっとっていくということは当然のことであるというふうに思っております。

後藤(祐)委員 十二時までということであれば、ここで一旦終わりということでよろしいですか。

山下委員長 はい。

 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    正午休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

山下委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。後藤祐一君。

後藤(祐)委員 午前中の続きからですが、配付資料四ページ目で、代表質問、高市総理答弁、四ページ目の一番上のところで、国家情報局がこのような観点に全く基づかない指示を関係省庁に行うことはなく、また、その必要もないことから、国家情報局が国民のプライバシー等を無用に侵害するようなことはありませんと総理は答弁しておられます。

 先ほど、観点についてはやや中途半端な答弁がありましたけれども、無用にというのも、有用ならいいんですかというような話で、いや、無用にやっているわけじゃありませんと言われちゃったら、何でもできちゃうわけですよね。先ほど、その観点があればということでしたけれども、無用にやっているわけではないと言えば、国民のプライバシーや個人情報を侵害するようなことがあり得るということですか、官房長官。

木原国務大臣 一般的に申し上げれば、行政機関が個人情報を扱う場合におきましては、プライバシー保護の観点と、当該行政機関の所掌事務遂行のための必要性、このバランスを図るという観点からいうと、個人情報保護法によりルールが明確に定められている、そういうふうにまずは認識をしているところです。

 国家情報会議等における事務の遂行においても、個人情報保護法等のルールが適用されることは同様であります。すなわち、国家情報会議等が個人情報を扱うことができるのは、この会議の調査審議に必要な場合に、調査審議を行うためという目的の範囲内に限られ、国民のプライバシーというのをいわゆる無用に侵害するものではない、そういうふうに考えているところであります。

後藤(祐)委員 それは、官房長官、違うんですよ。国家情報局なり国家情報会議の目的というのは何でも広がっちゃうんですよ。どちらかといえば、例えば、警察が持っている情報というのは、警察が捜査するために必要な情報なんですよ。だから、警察が捜査するために持っている情報を目的外に国家情報局に提供することは、かなり個人情報、プライバシーの点で問題があるんじゃないんですかということなんです。

 それで、配付資料の七ページを御覧いただきたいと思いますが、特定秘密保護法では、ここは物すごい厳格なルールになっているんです。特定秘密の提供はこういう場合にしか、ほかの、元々特定秘密を持っている行政機関以外の行政機関には提供してはならないとなっているんですよ。それが、この長い、六条から十条まで、例えば、安全保障上に関する事務の遂行上どうしても必要だとか、国会に求められた場合とか、民事訴訟法に基づく裁判所への提示だとか、情報公開法に基づく審査会への提示だとか、それぞれ、まあもっともだなという理由がある場合だけ、保有している行政機関以外の行政機関に情報提供していいと、特定秘密は物すごい厳格なルールがあるんですよ。

 官房長官に伺いますけれども、国家情報局なり国家情報会議の目的上必要というのでは駄目なんですよ。それぞれの情報機関が何らかの理由で持っているわけですから、その目的外の理由で情報提供を行うのはこういう場合にのみ、例えば、今の、民訴法に基づいて裁判所に提示するとか、あるいは情報公開請求があってその審査会に出すだとか、そういった、こういう目的の場合にのみ情報提供できるという限定をすべきじゃないですか。どういう目的の場合に目的外で国家情報局なりに情報提供できるんですか。

岡政府参考人 特定秘密保護法を内調で所管しておりますので、その立場からまず申し上げますと、特定秘密保護法で提供の規定を細かく設けているのは後藤委員がおっしゃるとおりでして、その趣旨は秘密の保全という目的でありまして、かなり重要な機密であるために、提供していい場合を細かく書いて、しかるべき手順を定めているというものであります。なので、全くそういう観点がないかどうかはちょっと私も分かりかねますけれども、個人情報というよりは、すごい秘密だからということで、厳格な規定が設けられております。

 一方で、例えば、警察あるいは外務省が保有している個人情報、何らか別の目的で集めた個人情報を国家情報局に提供できるかと申しますと、これは、個人情報保護法の一般的な規定として、他機関に目的外で、本来の収集した目的以外で出す場合には、必要性と保護のバランスを考えて提供するという規定がございます。もちろん、収集した情報の、その収集行為の根拠規定に、何らか目的外利用に関する限定が付されている、そういう規定があれば、それは当然に適用されるというふうに考えております。

後藤(祐)委員 必要性と保護のバランスを誰が判断するんですかといったときに、結局、国家情報局なり官房長官なりということになっていっちゃうから、それは外から見えないんですよ。

 なので、こういう場合は、元々、例えば警察が警察の捜査上の目的で集めた情報なんだけれども、それ以外の目的外利用として国家情報局なりに提供できるのはこういう目的の場合であるというような限定は全くないということですか。岡さんでいいですよ。

岡政府参考人 そのような限定を付す場合は、つまり、個人情報のやり取りをする場合にそのような限定を付す場合には、提供する側の方で何らか制限を設けていると思いますので、公安調査庁には公安調査庁の、警察庁には警察庁の事務があり、関連の規定があって、それに従って適正に、内調なり、新しくつくろうとしている国家情報局に提供されようとしていると思っています。

 一般規定として、個人情報保護に関する法律にはこのように規定されていまして、六十九条第一項におきまして、「法令に基づく場合を除き、」行政機関の長は、「利用目的以外の目的のために保有個人情報を自ら利用し、又は提供してはならない。」という大原則を置きつつ、その次の二項で、「前項の規定にかかわらず、行政機関の長等は、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、利用目的以外の目的のために保有個人情報を自ら利用し、又は提供することができる。」とされまして、その第三号におきまして、「他の行政機関、独立行政法人等、地方公共団体の機関又は地方独立行政法人に保有個人情報を提供する場合」、つまり、今申し上げたのは提供先でございますけれども、これらに保有個人情報を提供する場合において、「保有個人情報の提供を受ける者が、法令の定める事務又は業務の遂行に必要な限度で提供に係る個人情報を利用し、かつ、当該個人情報を利用することについて相当の理由があるとき。」このような要件に該当する場合には目的外利用が認められるというふうに解されております。

後藤(祐)委員 これは、警察と国家情報局の関係だったり、あるいは公安調査庁との関係なので、連合審査あたりで本来審議する必要があると思いますので、詳しい議論はそのときにもしたいと思いますが。

 個人情報に関しては、個人情報保護法があるから、一定の、出す側の規律があるんですけれども、プライバシーはそうじゃないですよ。プライバシーって、それそのものは何かで規定されているものじゃなかったりしますからね。ある瞬間、ある場所にいたという情報だったりするわけですから。それは法的に、その情報自体が個人情報保護法とかで守られている情報じゃありませんからね。プライバシーに関しては実は違う、今の個人情報保護法では必ずしもカバーされない範囲のものがあると思いますので、これは精緻にまたやりたいと思いますが。

 官房長官、今の議論を聞いていて、もしかしたら個人情報保護法の方で目的外利用が制限されるケースがあるかもしれない、でも、プライバシーはそこまでカバーされないかもしれない、だけれども、そういったものは本来、無用には出さない、あるいは観点というところで、無理に出せということは言わないということは官房長官の節度に関わっちゃうというのは、やはり法的安定性という点では問題だと思うんですよ。

 是非、これはきちんと条文で、プライバシーや個人情報保護に配慮するということを規定すべきじゃないでしょうか、修正すべきじゃないでしょうか。具体的には、例えば、国民の基本的人権を不当に侵害するようなことがあってはならないというような、もう少し広い書き方でもいいですよ、あるいは、個人情報保護、プライバシー保護に配慮しなければならない、あるいは、これを侵害してはならない、書き方はいろいろ議論したらいいですけれども、こういう規定を置くべきだと我々は思いますし、条文修正を提案したいと思いますけれども、こういう規定が置かれて何か困りますか、運用上。当然守るべきことですから。

 官房長官、困るかどうか。

木原国務大臣 修正とおっしゃる、国会における修正については私から申し上げる立場にありませんが、例えば特定秘密保護法であれば、個人のプライバシーに関わる調査の規定を新たに置くものでもなければ、また、最近では能動的サイバー防御のACD法というのがありましたけれども、これは、通信の秘密その他日本国憲法の保障する国民の権利と自由を不当に制限するようなことがあってはならない旨の修正が実際に加わりました。

 そういうことを考えると、情報を取得するということを容易にするような権限を今回規定するものではありませんので、ですので、御指摘のような規定は設けていないということになります。

後藤(祐)委員 それは違うんですよ。この法律ができると、国家情報局長なり官房長官なり、あるいは総理が、各情報機関との間で情報疎通が向上するんでしょう、この法律は。言えば出すということが七条二項で義務づけられるんでしょう。ですから、個人情報やプライバシーが集めやすくなる可能性はあり得るんじゃないんですか。そういう面が全くないと言い切れますか、官房長官。

木原国務大臣 この国家情報会議等、今回の法案の会議あるいは情報局ですけれども、これはあくまでも個人情報保護法等のルールにのっとって行われます、運用されます。

 したがいまして、個人情報を取り扱うものでありますけれども、委員のお尋ねを今るる伺っておりますと、いわば、正確に言うと、今の個人情報保護法に加えて何らかの特別な仕組みを設けるべきというような御意見だと分析をしましたけれども、その点につきましては、個人情報を取り扱うものという今回の組織でありますけれども、それと、委員と私の間では異なる前提を置いた上での議論になっているなというふうに考えておりまして、あくまでもこれは、基本的人権とかプライバシーの権利というのを不当に侵害してはならないというのは、これはもう憲法に規定されている大前提ですので、お尋ねのような規定を設けるという、そういう特段の必要性は感じておりません。(後藤(祐)委員「違う、困りますかという質問です。条文じゃなくて、困りますかという質問に答えてください」と呼ぶ)

山下委員長 ただ、必要性を感じていないということで、立法側として新たな措置を取るかどうかと、困りますかと。

後藤(祐)委員 じゃ、困るということですね。

 つまり、国民の基本的人権を不当に侵害することはあってはならない、もうちょっと言うと、プライバシーや個人情報保護に配慮すべきだというようなことを条文で規定したら何か困りますかという質問に答えていないんです。

 今の答弁は、困るところはあるということですか、それとも困ることはないんですか、どっちですか。

木原国務大臣 今申し上げたプライバシーの権利あるいは基本的人権、これを侵害してはならないというのは当然考えております。個人情報保護法にのっとった形でこういった情報収集が行われるということであります。

 お尋ねのような規定を設けることは、その必要性は感じていないということであります。

後藤(祐)委員 それは聞いていません。困りますかと、そういう規定が設けられると困りますかと聞いているんです。規定を設けるかどうかは、これは与野党で条文修正の協議をする話で、条文修正が成り立った場合に政府として困ることがありますかと聞いているんです。全く答えていない。いや、これはもう官房長官、通告していますから、これは明確に、長い文章で。

木原国務大臣 こうした個人情報の取扱いについて、今少し見解の相違があるようですが、個人情報保護法を始めとする関係法令、それ以外にもそういった個人情報保護に関する関係法令にのっとって行われるということはもう当然のことですから、困るとか困らないとかというのは、ちょっとカテゴリーの違う話だと思いまして、したがいまして、今、必要性は感じていないということに尽きると思います。(後藤(祐)委員「それは聞いていないです。困るかどうかを答弁してください」と呼ぶ)

山下委員長 要するに、必要性は感じていないから立法していないという意味であって……(後藤(祐)委員「違う、修正された場合のことを答えていただきたい。ちょっと止めていただけますか、委員長がしゃべるなら。委員長がしゃべるなら止めてください」と呼ぶ)しゃべりません、ごめん、どうぞ。

 では、木原官房長官。

木原国務大臣 一番最初に申し上げたんですけれども、国会における修正ですから、今私の立場で、仮定の話に意見を申し上げるというような立場ではございません。

後藤(祐)委員 それは違うんです。この修正協議を与党とやる上で、支障があるのかないのか。まさにその条文の書き方で、物すごく大事なんですよ。支障がないんだったら書いてもいいじゃないですかという話で。支障があるんだったら、支障が少ない表現ぶりにする必要があるんじゃないんですかと。条文の書き方に関わっているから聞いているんですよ。これは答弁拒否は許されないですよ。修正協議できないじゃないですか。審議、終わらないですよ、そんなの答えられなかったら。

 官房長官、これはもう政治的意思だから。支障がないならないとはっきり言ってください。これは明確に答弁してください。

 委員長、理事会で協議してください。

山下委員長 後刻、理事会で協議させていただきます。

後藤(祐)委員 この大事なところを答弁できなかったら、修正協議できないじゃないですか。しかも、一番大事なプライバシー、個人情報に対する懸念に対して、どうやって議論すればいいんですか、これ以上という話ですよ。審議、進まないですよ、これを答弁しなかったら。しかも、丸々長い文章で、そのまま文字で通告しているんですよ。さっきから何かばたばたしているけれども、だまし討ちでも何でもないから。

 次に行きますが、お手元の資料十ページ目以降に、原内閣情報官が、二〇二三年十月一日以降、総理とどれだけ面会しているかという資料でございます。これを見ると、二〇二三年十月から二〇二六年三月二十五日までの二年半ぐらいで、合計二百四十五回総理と面会しています。

 これを見ると、真ん中と右の欄を見れば分かるように、内閣情報官以外の方も同席した場合というのは防衛省関係、外務省関係が圧倒的に多くて、こういう話をしている分にはいいんですよ、個人情報なんか多分出てこないから。政治的な、あの国会議員をとかそういうことは多分ないから。大いにやっていただいたらいいんですが、問題は情報官一人で入っているケースです。五十五回あるんです。先ほど官房長官は、週二回、定例だというお話もありました。情報官が入ること自体は、回数が多いからけしからぬと言うつもりはないんですが、一体何を話しているんですかということなんですよ。

 それで、これは、総理と内閣情報官、さしでやっているのだとすれば御本人しか分からないから、この委員会に、内閣情報官、来てくださいと通告をしていたんですが、これは理事会でもやりましたが、お越しいただけません。次官級は出さないというのが前例だそうですが、これは内閣情報官しか分からないんですよ。外で絶対言っちゃいけないようなことを話しているわけですから、何を話しているんですかということは言えないわけですよ。それは官房長官が代わりに答弁していただきますが、官房長官にすら原さんは言えないような内容だって話している可能性はあるわけですよ。

 だから、これは、原内閣情報官、ちゃんと次回以降来ていただくことを強く求めたいと思います。委員長、理事会で協議をお願いします。

山下委員長 後刻、理事会で協議いたします。

後藤(祐)委員 その上で、原さんが来れない場合に備えて、官房長官が聞き取った上で答弁してくださいと言ってありますけれども、具体的情報が話せないのはもう分かります。ですが、例えば、防衛関係、外務関係の人と一緒に入ったときは安全保障に関することを話していました、その程度でいいんですよ。そこで具体的に何まで聞きませんよ。ですから、どういう分野のどういう種類の情報を原内閣情報官から総理に提供し、そして総理からどういう種類、分野の情報の指示を受けているんでしょうか。内閣情報官から聞き取った上で答弁をお願いしますと通告しているので、お願いします。

木原国務大臣 先ほど申し上げたように、私も総理と同様のブリーフを受けていると思っておりますけれども。

 情報の種類ということでありましたけれども、それは、公開情報もあれば、人的情報もあれば、外国機関との協力業務を通じて得た情報もあれば、いわゆる画像情報もございますし、あとは電波情報などもあります。様々です。我々、オールソースというふうに言っていますが。

 これらが総合された、つまり、エビデンスとそれに基づいて分析した結果であるとか、あるいはその情報に対する信憑性の評価なども含めて提供をされているところであります。

後藤(祐)委員 シギントか何ントかを聞いているんじゃないんですよ。どういう分野の情報かということなんです。

 では、聞きますけれども、例えば、プライバシーや個人情報に関する情報がその中にあったことはありますか。官房長官が聞いた限りでもいいですよ。あるいは、政治的目的で総理から何らかの指示を受けたりとか、これは本当は内閣情報官に聞く話だからそういう通告になっているんだけれども、あるいはそういう報告をしたことがありますかというのが原さんに聞くべき質問なんですが、そういうやり取りを、官房長官の知る限りでいいですよ、したことはありますか、内閣情報官と。

木原国務大臣 分野としては、特に昨今、我が国をめぐる安全保障環境は目まぐるしく変わっておりますから、外交、軍事、もちろん経済、技術等の各般にわたる安全保障に関する分野の情報が多くなっております。

 そして、今委員が非常に御心配されているというのは、ある意味、個人のプライバシーとかということでありますけれども、内閣情報官は、これはあくまでも公務員であり、憲法第十五条二項、国家公務員法第九十六条に定める、これは一部の奉仕者ではありません、また全体の奉仕者であり、国民全体の奉仕者としまして、公共の利益のために勤務しております。したがって、私がこの目で確認する限り、情報官はそれに基づいて、そういった、今委員が御心配されているような情報はないというふうに思います。

後藤(祐)委員 最後のところは少し意味のある答弁だったと思いますが、それは、政治的目的に関するような情報のやり取りはないという趣旨だと理解しましたが、プライバシーや個人情報に関する情報のやり取りはありますか。

木原国務大臣 そういった、例えばプライバシーに関する情報を受けたことはあります。ただ、そういった情報というのは、例えばテロ組織の幹部の話であるとか、又は懸念国の言ってみれば要人の話であるとか、そういった人に関する情報もプライバシーといえばプライバシーでしょうし、個人情報に関する情報とも言えると思います。しかし、それは、ある意味、先ほどの言葉じゃないですけれども、無用に個人のプライバシーに関する情報のやり取りをしたという認識はありません。

 また、委員がさっき言われた、政治的なそういった意図があるかというと、そういうことはございません。政治的というのは、議員間のという、そういう意味でございます。

後藤(祐)委員 選挙に関する情報はどうですか。

木原国務大臣 ございません。

後藤(祐)委員 その割には、選挙が近くなると、我々のところをうろうろ、内調の人が来たりしますけれどもね。

 選挙に関する情報のやり取りはないというのは、今のはかなり重要な答弁だったと思いますが、これは是非、各党、質疑の中でいろいろ応用問題をやっていただければと思いますが。

 政治的中立性については、もう少し幅が広い話なので、これは、配付資料の二ページ目が、この前の代表質問のときのですが、上段の線が引いてあるところですけれども、選挙運動に関する情報収集などは含まれないということで、これは含まれないということなんでしょうかね。

 今の、内閣情報官とのやり取りにはないということですが、もうちょっと一般的な意味で、今回の法案が実施されることになって、国家情報局なり国家情報会議が各情報機関に対して、これでいうと、外国勢力による工作によらない、通常の各政党や各候補者及びこれを応援する方々による選挙運動は対象外ということでよろしいですか。

木原国務大臣 国家情報会議に特に期待される役割というのは、これは重要国政運営の例示として法案には挙げておりますけれども、その中には、安全保障の確保、テロリズムの発生の防止、緊急事態への対処等を挙げておりますので、これらは国民の安全や国益を確保するという観点から掲げているところであり、委員の御懸念には当たらないと思っております。

後藤(祐)委員 ちょっと答弁いただいていないんですけれども。外国勢力による工作による場合はいろいろなことがあり得るということですが、それによらない、通常の各政党や各候補者、その支援者による選挙運動は国家情報会議の対象外ということでよろしいですか。これは全部通告していますから。

木原国務大臣 今のような観点から申し上げると、外国勢力によるものではない、選挙関係者による通常の選挙運動については、通例、国家情報会議の調査審議事項にはなじまないのではないかなと考えています。

後藤(祐)委員 通例、なじまない。通常でない場合はなじむのかなとなっちゃうわけですよ。

 調査審議の対象外ということでよろしいですか。

木原国務大臣 元々、選挙関係者による通常の選挙運動に由来をするとしても、それが我が国の安全や国益を損なうリスクを生じさせるような事態と仮になった場合には、当該事案を捉えて、今度は閣僚レベルで調査審議をしなければならないとは思いますけれども、通常そういうことはなかなかあるものではないのではないかなと思います。

後藤(祐)委員 ちょっと余白をどうしても残さなきゃいけない答弁だということで、ここは論点として残りました。

 次に、国民への説明責任に行きたいと思いますが、国会との関係は長妻議員がたくさんやりましたので、別の観点から。

 そもそも、国家情報会議に提供される情報、あるいはそこでの配付文書、会議でのやり取りは、公文書として作成して保存されるんでしょうか。保存期間は何年でしょうか。

岡政府参考人 各省庁から新しくできる国家情報会議に提供される情報等の文書の取扱いだと理解いたしました。

 一般論として申し上げられるのは、行政機関における意思決定に至る過程を跡づけて事後検証できるようにするということは、当然ながら非常に重要な考え方でございまして、このことは、私どもが推進している、政策判断を支える情報活動、情報の分野においても同様、当てはまると考えております。

 それでありますので、これも言わずもがなのことでございますけれども、国家情報会議につきましても、あるいは国家情報局につきましても、公文書管理法などのルールにのっとりまして、議事の記録について適切な管理、取扱いを行ってまいる所存でございます。

後藤(祐)委員 今のは重要な答弁で、NSC四大臣会合でも議事録は公文書になっています。特定秘密ですけれどもね。

 次に、九ページ目に、今回の法案の頭の一、二、三条ぐらいを配付していますが、第三条で調査審議内容を書いてありますが、その五号というところで、その他、重要事項となっているわけですね。例えばここに、先ほどのプライバシー、個人情報保護、政治的中立に関する配慮みたいなものをこの重要事項を定めるときにそこに書くというぐらいのつもりはあるんでしょうか、官房長官。

岡政府参考人 国家情報会議におきまして調査審議する重要事項として、例えば、先ほど来話に出ております国家情報戦略、名称はまだ定まっておりませんけれども、そういった文書を公表するという話もございまして、そこに何を書いていくのかということについてはちょっとまだ検討中でございますけれども、そういった事柄も含まれ得ると理解しております。

後藤(祐)委員 重要な答弁だと思いますが、だとすると、第三条の五号に、その他、バスケットクローズで重要事項と書いてあって、そこに個人情報保護やプライバシーや政治的中立が含まれ得るのであれば、官房長官、あと与党の理事の皆さん、委員の皆さんも、だったら、ここの三条に、四号と五号の間ぐらいにそれを書いたらいいじゃないですか。その他のバスケットクローズの中で読むのではなくて。それを書けば、国民からの信頼というのは全然違ってくると思うんですよ。そこは是非考えていただきたいなと思いますし、条文修正でも具体的に出していきたいなと思います。ここについての見解は一緒でしょうから、質問する必要はないと思います。

 続きまして、九ページにある条文第二条の重要情報活動の定義について質問したいと思います。

 例えば、特定秘密の定義というのは、七ページ目に条文がありますけれども、特定秘密の定義ってすごい厳密で、「別表に掲げる」、別表は八ページ目ですけれども、「別表に掲げる事項に関する情報であって、公になっていないもののうち、その漏えいが我が国の安全保障に著しい支障を与えるおそれがあるため、特に秘匿することが必要であるものを特定秘密として指定するものとする。」と。それで、別表で細かく指定されている。

 更に言うと、九ページ目に戻って、外国情報活動への対処については、二条の柱書きのところで、今のに近いような、その漏えいが重要国政運営に支障を与えるおそれがあるものを取得するための活動云々と書いてある。

 それに対して、重要情報活動そのものは、重要国政運営に資する情報の収集調査に係る活動と、めちゃくちゃ広い定義なんですよ。これは広過ぎじゃないですか、幾ら何でも。だって、例えば安全保障の確保に資する情報なんといったら、自衛隊頑張れという情報だって入っちゃうわけですよ。何だって入っちゃうじゃないですか。

 幾ら何でもこれは広過ぎるので、例えば、二条の後段の定義もそうだし、特定秘密もそうなんですけれども、ここの重要国政運営に資する情報というところを、重要国政運営に支障を与えるおそれがある事象に関する情報とか、何らか限定をつけた定義にすべきじゃありませんか。

岡政府参考人 私ども内閣情報調査室は特定秘密保護法も所管しておりまして、この新法も所管しようとしているところでございます。

 私どもの立場からいたしますと、規定ぶりに一部似通っている部分がございますけれども、特定秘密保護法という秘密保全法制と、本法案のような組織法制の規定ぶりを比較検討して、重なる、重ならないといった検討をする実際上の利益というのは余りないのではないかなというふうに感じております。

 その上で、資するという部分について、法案を立案した立場から申し上げますと、法案第二条の重要な国政の運営に資する情報という、そのうちの資するという部分の意味するところは、安全保障政策のような重要政策に係る判断、決定を支えるためにインテリジェンスコミュニティーを形成、強化して、政策部門の要求に基づいて情報部門が情報を収集、分析し、またそれを政策部門にお返しする、提供するというサイクルないし相互の関係を明確にするために、資するという言葉を用いたものでございます。

 一方で、外国情報活動への対処につきまして、重要国政運営に支障を与えるおそれがある非公開情報の取得情報を対処の対象として規定しておりますのは、これは実態に照らしての話でございまして、私どもが承知している外国情報機関の我が国における、ないしは我が国に対する活動実態に照らすと、彼らが狙う我が国の官民の秘密を的確に表そうとした結果、このような条文といたした次第でございます。

後藤(祐)委員 何でも入っちゃうんですよ、資するだと。だから、懸念する立場からすると、それで何でも読み込んで、要らぬ情報まで集めようとするんじゃないかという懸念に応える、書きぶりはいろいろな書きぶりがあっていいと思うんだけれども、例えば、国家情報会議がこういう判断をするのに必要な情報とか、何か限定する言い方をしないと、およそこれは、重要なものは全てじゃないですか。それは駄目ですよ。

 そこの限定の仕方は、私は今一つ提案をしました。違う定義の仕方でもいいけれども、少し考えてください、そこは。そうしないと、ここはとにかく間口を広げておいて、本来的にはまさに安全保障の確保のための判断をするんだけれども、これを使えばこういう情報も集められるよねと読めちゃうところを我々は懸念しているわけだから。そういうことができない、なぜならばここで集められる情報はこういう情報だからということが分かる定義を是非、宿題として出しておきますので、考えておいていただきたいというふうに思います。

 そうしましたら、もう一つは、今の二条で、テロリズムの発生の防止という言葉があるんですね、これは例示ですけれども。一方で、特定秘密保護法、八ページの別表の方を見ると、この別表の四では、テロリズムの防止に関する事項として、「テロリズムによる被害の発生若しくは拡大の防止(以下この号において「テロリズムの防止」という。)」となっていて、特定秘密保護法では、テロリズムの防止という言葉で、テロリズムによる被害の発生とテロリズムの拡大の防止という二つのことを明確に定義しているんです。ところが、今回の法案ではテロリズムの発生の防止の方に限定していて、これだとテロリズムの拡大の防止が入らないんじゃないんですか。

岡政府参考人 議員御指摘のとおり、法案第二条は、重要情報活動の例示として、テロリズムの発生の防止を掲げております。何かまねて書いたというよりは、しっかりと考えた上で、発生の防止というワーディングにしております。

 テロリズムの発生の防止に資する情報活動につきましては、これは典型的な事例であるとは思いますけれども……(後藤(祐)委員「質問に答えて。拡大の防止は入らないんじゃないの」と呼ぶ)

 それで、御指摘のテロリズムの被害の拡大の防止につきましては、個別具体の事案によってちょっと異なってきますので一概には言えないんですけれども、私のちょっと一見した見立てといたしましては、同条の緊急事態への対処に当たるような事柄ではないかと考えられます。

 もう一度言いますけれども、御指摘のテロリズムの被害の拡大の防止、つまり、発生した後に例えばですけれども毒ガスが広がっていくとかパンデミックが広がっていくといった拡大防止措置につきましては、個別具体の事案によりますので、該当性についてここで一概に言えるものではございませんけれども、緊急の事態への対処に当たるような事柄と考えられまして、いずれにしましても、重要国政運営に含まれるものと考えております。

後藤(祐)委員 それは、へ理屈ですよ。だって、前例としての特定秘密保護法で明確に定義があるわけですから。

 これはむしろ対象を広げろという提案ですよ。広げて何か困るんですか。テロリズムの防止と書いた方が、最初から両方入っていいんじゃないんですか。何か、テロリズムの防止と書いて困ることがありますか。

岡政府参考人 立案当時に遡ればいろいろな書き方はあったんだろうとは思っていますが、政府としましては、これが一番適当な規定ぶりだと思っておりまして、先ほど申し上げたとおり、特定秘密保護法のテロリズムというのは、保全すべき秘密の範囲を画するために用いている用語でございます。他の、それ以外の法令におきましても、テロリズムといった用語が、また少し違った定義で、その法令の趣旨、目的に即して定められているところでございまして、まして、こちらは組織法、特定秘密保護法は秘密保護法でございますので、全く一緒でないといけないということはないんだろうというふうに考えております。

後藤(祐)委員 前例としてこれがあるわけだから、これはちょっと与党の皆さん、直した方がいいと思いますよ。広げる提案ですからね。

 それと、今の条文、九ページ目ですが、この中で、安全保障の確保でもテロリズムの発生の防止でもない、緊急事態への対処って、一体どういうものが含まれるんですか。大規模災害への対処とか海外邦人の安全確保というものが含まれるかとは思うんですけれども、例えば、物価や金利の急騰といった経済事象だとか、政党や特定の政治家の緊急事態とか、こういったものは含まれないということでよろしいですか。

岡政府参考人 お答えします。

 法案第二条に申します緊急事態への対処、この例示でございますけれども、典型的には、大規模な自然災害への対応というのが考えられますし、自然由来でなく、事故、人為的な事故、あるいはやむなく発生した事故への対応などもございます。

 また、外国におきまして武力紛争が発生した場合における大規模な在外邦人救出というのは、こちらもまた国政にとって重要な緊急事態への対処だというふうに考えております。

 さらに、記憶に新しいところではございますけれども、全世界的に蔓延したパンデミックへの対応というのも、これもまた緊急の事態への対処に該当すると思っておりまして、総じて申し上げますと、国民の生命、身体又は財産に重大な被害を生じさせ、又は生じるおそれのある事態が一たび発生した際には、その対処に当たって迅速かつ的確な情報収集が重要となる、そういう事柄を念頭に置いております。

 さらに、御指摘の物価や金利の急騰といった経済事象につきましても、非常に厳しい局面が仮に続いて国民生活に甚大な影響を及ぼしている場合には、こうした趣旨から見て、国家情報会議における調査審議事項になるケースも、典型的ではないと思っているんですけれども、あるのではないかというふうに考えております。

 いずれにしましても、国家情報会議の具体的な調査……(後藤(祐)委員「政党、政治家は」と呼ぶ)済みません、じゃ、後で官房長官にお願いします。

 いずれにしましても、国家情報会議の具体的な調査審議事項は、その時々の、将来の時々の情勢によって、最終的には議長たる総理の判断で定まるものであり、その判断に当たっては、このような法案の趣旨に鑑みて適切に対応してまいる所存であり、先ほどバスケットクローズが問題になりましたけれども、あの規定につきましても、将来柔軟に対応できるような余地を残した規定となっております。

山下委員長 では、官房長官、申合せの時間が過ぎておりますので、簡潔に。

木原国務大臣 一言だけ。

 政党、政治という話がありましたから、これはもう、一言、情報の政治利用の危険性を高めるものではありません。

後藤(祐)委員 ちゃんとした答弁になっていないけれども、時間が来たので終わります。

山下委員長 次に、野村美穂君。

野村委員 国民民主党の野村美穂です。

 本日も質問の機会をいただき、ありがとうございます。

 本日は八番目の質問となりますので、重なる点も多いですが、私なりの視点で、また、国民目線で分かりやすい質問を心がけますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 さて、安全保障はとても大変重要な大きなテーマですが、同時に、私たち一人一人の生活や権利にも関わる問題です。だからこそ、より丁寧な説明が必要だと考えます。

 本日は、国家情報会議及び国家情報局の設置案について、国民の皆様の安心と自由を守るために本当に必要な法案なのかという視点や理解が深まるように、分かりやすい形で、一つ一つ丁寧に確認をさせていただきたいと思います。

 大きく四項目、まず一つ、国家情報会議及び国家情報局を設置する必要性、二つ目、安全と自由のバランス、三つ目、チェック機能、四つ目、組織体制について、十七問の質問をさせていただく予定です。よろしくお願いいたします。

 まず、国家情報会議及び国家情報局を設置する必要性から、五点の質問をさせていただきます。

 まず、この法案の必要性を理解するために、国家の定義についてお尋ねします。

 今回、国家情報会議そして国家情報局という新たな組織を設置するということですが、国家とはどこまでを指すとお考えなのでしょうか。国民を指すのか、領土を想定しているのか、それとも経済やサイバー空間まで含むのかをお尋ねします。その定義によって守るべき対象も大きく変わってくると思いますので、そもそもの国家の定義を確認をさせてください。よろしくお願いします。

岡政府参考人 まず、国家という語の意味といいますか、意味するところを申し上げますと、国際法上は、一般に、一定の領域においてその領域にある住民を統治するための実効的政治権力を確立している主体とされておりまして、土地というよりは、政治権力を使って住民を統治する主体を指すものでございます。

 私どもの法案で国家というのは、表題といいますか、新設組織の名称として出てくる語でありまして、新設しようとしている閣僚級の会議やそれを支える事務局組織に国家という語を用いた趣旨は、まずは、情報活動によりまして国や国の安全を守るという新組織の目的というのがございます。また、重要な国政の運営に資する情報の収集調査に関わるという事務の性質などを踏まえまして、国家の語がふさわしいと考えられたためでございます。

 また、新組織のカウンターパートでもあり、また、主要なカスタマー、情報の提供先となる安全保障政策の司令塔組織が、現在、国家安全保障会議、国家安全保障局という名称であることも参考にいたしました。

野村委員 ありがとうございました。この法案の中での国家のイメージが理解できました。ありがとうございます。

 次に、なぜこの組織が必要なのか、今必要なのかという点について質問いたします。

 これまでどのような検討が行われてきたのかという法案の検討過程が見えにくく、また、国民に十分説明されているとは言い難いと感じています。そのため、なぜ現行法では不十分なのか、どのような背景があり、今回の検討がどのような過程で進められてきたのか、場当たり的なものではなく、箱だけを組織するわけではなく、どの段階でどのような議論があって、どうして法案の提出に至ったのか、さらに、どのような効果を期待しているのかについても時系列で具体的に御説明をお願いいたします。

木原国務大臣 昨今の複雑でそして厳しい安全保障環境また国際環境におきまして、危機というものを未然に防ぎ、そして国民の安全や国益を確保する、そのためには、外交、防衛、経済、技術、人材、そういったあらゆる面で国力を強くしていく必要を感じております。そのためには、国家としての情報収集、分析能力を高め、質の高い、また時宜にかなった情報を基に正確な政策判断というものを行っていくことが重要であります。

 一方で、国家安全保障政策の分野に関し、その司令塔として閣僚級の国家安全保障会議、NSCというのが置かれていることと比べると、情報分野においての政治のリーダーシップを発揮するという仕組みは十分に整備をされておりません。また、内閣官房に置かれた情報機関である内閣情報調査室、内調には、ほかの内閣官房の部局とは異なって、総合調整機能が付与されておりません。これらが相まって、政府一体となって情報活動を推進していく基盤をより強化すべきであるなどと、これはずっと指摘をされていたことでもあります。

 そこで、本法案ですが、政府全体を俯瞰するという立場から、総理も参画する政治の強いリーダーシップの下で政府の情報活動に関する基本方針を示すなどする閣僚級の会議体として国家情報会議を設置するとともに、関係行政機関の長らに対する資料や情報の提供義務を定め、同会議に情報がしっかりと集約されるよう法的に担保する仕組みとしたところでございます。

野村委員 ありがとうございました。

 今御答弁の中に、日本の安全保障を取り巻く環境の変化に触れられたかと思うんですけれども、更に具体的に教えていただきたいと思います。

 厳しさを増しているという表現があったように思いますが、いつ頃から組織改編も必要だと感じるほどの厳しさが積み上がってきたと感じていらっしゃるのでしょうか。

木原国務大臣 先ほど私も昨今の安全保障環境とか国際環境と申し上げましたが、例えばサイバー攻撃であるとか偽情報の拡散も最近顕著に見られます。また、国際テロ、経済安全保障という言葉も定着をしました。さらには、先端技術をめぐる競争まで、国に対する脅威というものはこれまで以上に複雑、またサイバーのように見えにくいというものになってきていると思います。

 また、国家として対処すべき課題は、外交、防衛、経済、技術、そういった複数の政策領域にまたがっておりまして、その全体像を把握すること自体が難しくなってきていると感じます。

 実際に、具体的に言うと、ロシアによるウクライナ侵略の際には、認知戦また影響工作、そして、重要インフラへのサイバー攻撃等を用いつつ、軍事と非軍事の境界を意図的に曖昧にするなど、相手方に複雑で広範な対応を強いるいわゆるハイブリッド脅威というのが生じたとされているところであります。

 したがって、今申し上げたようなところが、昨今の、近年における急速な変化の一例として挙げさせていただいたところであります。

野村委員 ありがとうございます。

 ということは、ロシアのウクライナ侵攻の頃からこういった組織改編の必要性を感じていらっしゃるということだという理解でよろしいでしょうか。

木原国務大臣 今、一つの事例として申し上げました。大体時期としてはそれぐらいということは申し上げておきます。

野村委員 ありがとうございます。

 続いて、四つ目の質問になります。

 外国の勢力が日本国内の民間企業の持つ機微な情報を盗んだ、又は盗もうとした事案が後を絶たず、SNS上に偽情報を発信し、世論を誘導しようとする動きまでありました。このような事例も、新たな組織を設置しなければならない理由の一つかと思われます。

 これまでの体制の中で、情報の収集や分析のここがうまく機能しなかったという事例があるようでしたら、可能な範囲で構いませんので、規模感が分かるように教えていただけますでしょうか。

岡政府参考人 お答えいたします。

 官房長官が御答弁されたとおり、昨今の安全保障上の課題としてサイバー、先端技術、偽情報、経済安保、さらには国際テロといった、新しくも様々な分野にまたがる課題が多く、それゆえに複雑で見えにくくなっているというのが特徴かと思っております。

 それが、業務上の差し障りということで、何を意味するかと申しますと、特定の省庁の情報活動だけで対応できる事柄が少なくなってきているということだと思います。それゆえに、政府各機関が持つあらゆる情報手段や情報源を最大限活用して、政府全体として連携協力した取組の必要性を強く感じてきた次第でございます。

 この法案は、昨今の複雑な安全保障上の課題に対しまして、強い政治のリーダーシップにより省庁横断的な取組を強化する、そして、政策部門の重要な意思決定を情報面からサポートしようとするものであり、そういう意味では時宜にかなったものであると考えております。

 具体的な事柄については、ちょっと支障がございますので、こういった答弁で御理解いただきたいと思います。

野村委員 承知いたしました。

 それでは、五つ目の質問です。

 現在の体制からどのように変わるのかについてお尋ねします。

 今回の組織体制は、いわばバージョンアップという位置づけになるのだと考えられますが、そもそも今ある内閣調査室の情報分析も非常に高い精度という評価もあります。既に外務省や警察庁、防衛省にも情報収集を行う部局が存在しています。なぜ、既存の組織の連携強化ではなく、新たな組織を構成することが必要なのかというイメージが見えてきません。

 このような理由から、なぜ新しい組織が必要なのか、具体的にどの部分が強化されるのか、どのように情報の集め方が変わるのか、分析の質が上がるのか、意思決定のスピードが速くなるのかなど、国民にイメージが浮かぶように分かりやすい言葉で変化を教えていただけるとより理解が深まると思いますので、よろしくお願いします。

岡政府参考人 今回の法案は、重要情報の収集を担当する個別の各省庁の権限を新設したりするものではございませんので、その限りにおいては、各省庁のパフォーマンスというのは、そのままと言うとちょっと語弊がありますけれども、従前の努力により強化していくということになります。

 ただ、これはあくまでも国家情報会議設置法でございまして、この会議というのは閣僚級の政務の方々により構成される会議でございます。しかも、総理をトップとする非常に重い会議であると理解しておりまして、こうした強いリーダーシップの下で、各省庁がこれまで行っている情報活動の基本的な方針などが定まることになります。

 それを支えるべく、内調が国家情報会議の事務局の機能も請け負って、内閣の立場から総合調整を行い、政府全体のパフォーマンスを調整あるいは連携の強化により最大化、最適化しようとするものでありまして、そうした中で、情報のスピード化、情報収集や報告のスピード感というのも上がっていくというふうに狙っているところでございます。

野村委員 ありがとうございます。

 次に、とても大切な視点として、安全と自由のバランスについて二点お尋ねします。

 このような情報機関が強化されると、国民への監視が強化され、国民のプライバシーがどこまで守られるのか、表現の自由の制約につながらないのかなどと不安に感じる方も多くいらっしゃいます。午前中から何名もの委員から同様の質問がありますが、そこで、私からもお尋ねをしたいと思います。

 今回の制度において、どこまでの情報が収集対象となるのでしょうか。どのような基準で対象が決まるのか、明確なルールはあるのでしょうか。この制度が本当に必要不可欠なものなのか。そして、国民の権利やプライバシーはどのように保護をされるのか。国民生活に与える影響について、メリット、デメリットの両面について御説明をお願いいたします。

木原国務大臣 我が国が的確に意思決定等を行っていく、そのためにはインテリジェンスがこれからますます不可欠となってくると考えます。様々な脅威あるいはその兆候というものを見逃すことがないように、情報の収集、そして集約、分析を充実強化するための基盤整備を行うというのがこの本法案ということになっております。

 この法案によってインテリジェンスの司令塔機能を強化することで、複雑で厳しい国際環境においても危機を未然に防ぎ、国民の安全や国益を戦略的に守ることにつながると考えております。

 他方で、委員の御指摘の、個人情報であるとかプライバシーが保護されるのかといった御懸念については、この法案というのは行政機関の相互の関係というのを律するものでありますので、国民から情報を取得することを容易にするというような、今よりも、権限に関する、より権限を強くするという権限を規定するものではないこと、このことは明確に申し上げたいというふうに思います。

 いずれにしましても、そういった御懸念があるとすれば、国民の皆様に御理解をいただけるように説明に努めてまいりたいと思っております。

野村委員 ありがとうございました。より丁寧な、分かりやすい御説明をよろしくお願いいたします。

 それでは、二点目の質問です。

 国民の安心のためには、何かあったときに守られる仕組みが見えることがとても重要だと思います。

 仮定の話ですが、もしも誤った情報によって個人が不利益を被ってしまった場合には、どのように救済されるのでしょうか。例えば、誤認による調査や不当な監視、社会的な信用への影響などが考えられますが、このような事態が起きた場合に、誰に、どのように訴えればよいのか、また、制度として用意されているのかをお尋ねします。

岡政府参考人 先ほど来官房長官も御答弁されていますとおり、新しい調査権限や捜査権限を創設する法案ではございませんので、政府の立場としては、にわかに、ある特定個人が不利益を受けるという事態は想定しにくいところでございます。

 あえて申し上げると、私どもの情報活動が不十分で、不完全な情報を政策部局に上げた結果、安全保障政策に誤りが生じて、その結果、広く国民の皆様に損害を及ぼすというのは、あってはならないことですけれども、理論上は想定されるところでございます。

 ただ、先ほどおっしゃったような、各機関、国家情報局も含む各機関の個別の調査活動の何がしかの問題によって個々人に損害等が発生した場合には、この法律特有の特別な規定はございませんけれども、国家賠償その他既存の救済措置によって救済の手順が進むものだというふうに理解しております。

野村委員 ありがとうございました。

 それでは、続いて、新体制のチェック機能について三点お尋ねします。

 まず、一点目です。

 今回の法制化により、強い権限を持つ組織に格上げされますが、それに見合った監視の仕組みも必要ではないかと考えます。

 まず、この組織の活動について、最終的にどなたが責任を負うのでしょうか。総理大臣なのか担当大臣なのか、あるいは組織の長なのか。集約した情報が万が一間違っていた場合の責任の所在を明確にしていただきたいと思います。

木原国務大臣 まず、各省庁がそれぞれインテル機能を有しておりまして、各省庁が行う情報活動というのは、所管する大臣の指揮監督の下で行われる、まずは一義的に、所管の大臣の指揮監督の下で行われるということであります。

 そして、その上で、国家情報会議、会議体の方ですけれども、この法案によって、政府全体を俯瞰するという立場から、情報活動の基本方針等を調査審議することとしております、法案に書いてあるとおりであります。その調査審議については国家情報会議が責任を負うということになります。

野村委員 ありがとうございました。

 続いて、チェック機能について、二点目の質問です。

 集約する情報の方向性や、その情報を基に意思決定する過程で、かじ取りが正しく行われているかを確認できる体制はあるのでしょうか。例えば第三者による監視体制があった方がいいように思いますが、国会や第三者が検証できる体制になっているのでしょうか。

岡政府参考人 チェック機能ないしチェック機関というお話でございますけれども、私どもインテリジェンスコミュニティーの最大のユーザーは、最大というか、唯一最大と申し上げるんでしょうか、政策部局でございまして、まずは政策部局の方から非常に厳しいチェックが入ります。役に立つ、役に立たない、正確だ、正確じゃなかった。さらに、長期的に見れば、そうした失敗したのか成功したのかということが公文書の形で残りまして、一定の秘密期限を超えれば歴史的な検証にさらされる、こういう重いチェックもございます。

 また、あってはならないことでございますけれども、先ほど申し上げたように、私どもの誤った情報によりまして、安全保障政策が失敗をし、何がしか大きな損害が発生した場合には、他国でも事例がございますけれども、様々な形で、メディアも含めてですが、検証が行われます。

 第三者機関という話でございますけれども、今回はそういう規定はございません。理由は既に答弁したとおりですが、一般的に、個別具体の、個人に対する権利侵害を行うような調査権限、捜査権限などを設ける場合には、裁判所が典型的ではございますけれども、特別な機関を置いてチェックするというのも制度としてはあり得るものと理解しております。

野村委員 続きまして、情報と政策の分離の担保についてお尋ねします。

 情報を扱う部門と政策を決定する部門の関係について、情報と政策の分離という観点から確認をさせていただきたいと思います。

 情報はあくまで客観的であるべきなので、政策とは一定の距離を保つことも大切だと思いますが、この点についての考え方をお聞かせください。

 また、分離していることは理想だと思います。けれども、実際はとても難しいのではないでしょうか。

 法律案によると、情報部門である国家情報会議を構成するメンバーは、一、内閣総理大臣、二、内閣総理大臣臨時代理、三、内閣官房長官、四、金融の内閣府特命担当大臣、五、国家公安委員会委員長、六、法務大臣、七、外務大臣、八、財務大臣、九、経済産業大臣、十、国土交通大臣、十一、防衛大臣とあります。

 この十一名のうち、金融の内閣府特命担当大臣と法務大臣を除く、議長の内閣総理大臣を始め九名が、政策部門である国家安全保障会議の九大臣会合と重なります。つまり、メンバーがほぼ一緒ということです。

 同じメンバーで構成されている場合、どうしても都合のよい情報だけが重視されてしまう可能性があるのではないかと考えます。実際、ほぼ同じメンバーで情報と政策の分離がどう担保されるのか不安を感じますので、どのように担保をされるのでしょうか。

岡政府参考人 お答えします。

 両会議の大臣の構成については、御指摘のとおりでございます。

 ただ、本法案によりまして、国家安全保障政策を推進する立場の国家安全保障会議、NSCと、それから、その事務局たる国家安全保障局、NSSとは別に、政策判断の材料となる情報を扱う閣僚級の組織を別に設けて、更にその下に独立した事務局を置くことは、情報部門が政策部門の進めたい政策に左右されることなく情報の収集、分析、評価を行える環境を整備するものでございまして、組織的な問題はないのではないかというふうに考えております。

 また、現在、外務大臣にせよ防衛大臣にせよ、情報部門と政策部門の双方を同じ大臣が所管することは現在もございますが、それぞれの大臣の指揮監督の下で、政策に対し客観的、中立であるような適切な情報活動が行われているというふうに認識しておりまして、本法案により新たな懸念が生じるとは考えておりません。

 いずれにしましても、政策部門と情報部門の双方がそれぞれ期待されている機能、役割を十分発揮することが重要であり、議員御指摘の点につきましては、運用面において十分配意をしてまいります。

野村委員 四点目の質問です。

 報道では日本版CIAのような組織になると言われていますが、目指しているのは日本版CIAなのでしょうか。具体的には、どのようなイメージの組織を検討されていらっしゃるのでしょうか。インテリジェンス部門を持つ諸外国のモデルとするような例があれば、お示しいただけますでしょうか。

岡政府参考人 お答えいたします。

 私どもが知る限りの欧米主要国の情報機構を概観して申し上げられることは、三つございます。

 一つは、政府内の様々な情報関係省庁によりまして収集された情報が集約されて、総合的な分析を行うプロセスが確立している。これらの情報関係省庁により、インテリジェンスコミュニティーという情報部門の集合体が成立している。

 二点目は、政策部門からの要求に基づきまして情報活動が推進される、その成果は政策部局に提供され、さらに、政策部局からのフィードバックを踏まえて次の情報活動が展開されるというサイクルが確立しているという点。

 さらに、三つ目ですけれども、このような両部門の連携が図られつつも、情報評価と政策判断の客観性や独立性を確保するために、連携は必要なんですけれども、過度な相互干渉が行われないような両部門間の分離が図られていること。これらが参考になる事項でございました。

 我が国におきましても、今申し上げたような点に配意いたしまして関連制度の設計や運用を行う必要があると認識しておりまして、この法案の内容は、それを具体化したものであるというふうに考えております。

 なお、アメリカのCIAというお話がございましたけれども、ちょっと一概には言えないんですけれども、一般的にはCIAは対外情報機関というふうに認識されておりまして、そういう意味におきましては、今回はあくまで司令塔機能の整備、強化でございまして、対外機能の強化策につきましては、政府といたしましては次なる課題だと認識しており、今後、様々な方々から御意見をお伺いしながら丁寧に検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

野村委員 五点目に、記録と検証についてです。

 情報機関の活動は、その性質上、どうしても外から見えにくくなると思います。だからこそ、どのような記録を残していくのか、後から検証できる仕組みがあるのかということが重要ではないでしょうか。意思決定の過程や判断の根拠が事後的に追跡可能であることが重要だと思います。しかし、機微性の高い情報を扱うがゆえに、記録が残らない、検証ができないといった状態に陥る懸念もあると思います。

 権限と濫用防止の観点からも、将来検証が必要になったときに適切に振り返ることができるように、記録と検証についてどのように制度設計されているのでしょうか。

岡政府参考人 お答えいたします。

 委員のおっしゃった事後の検証の必要性については、私どもも十分理解して組織運営を推進していきたいというふうに考えております。

 新設しようとしている国家情報会議におきましては、新たな何か特別なルールを作るものではございませんけれども、既存の公文書管理法などのルールにのっとりまして、意思決定に至る過程などを跡づけ、検証できる形で議事の記録を作成し、適切に管理、取扱いを行ってまいります。

 その上で、対外的な公表につきましては、機微な内容が含まれる可能性もございますので、その在り方については、そういった性質も踏まえながら検討してまいりたいというふうに考えております。

野村委員 最後のテーマになります。国家情報局の組織体制と人材について、四点お尋ねします。

 国家情報会議の設置目的は既存組織の延長なのか、それとも意思決定の質を変える改革なのかを見詰めるためにも、新しく創設される国家情報局の位置づけはとても重要だと思います。

 その上で、新組織の国家情報局が行う重要情報活動等の重要国政運営に資する情報の収集調査に係る活動とはどのようなものなのかについて、御説明をお願いいたします。

 また、外国情報活動への対処ともありますが、今までになかった新しい定義だと思いますので、どのような方針に基づき、具体的にどこまでの範囲を想定して対策をしていくのかをお尋ねします。

岡政府参考人 法律の規定に沿いまして二つに分けて御説明いたしますと、重要情報活動というのは、政府が、安全保障政策遂行の必要上何か足りないピースを埋めるという観点から、例えばですけれども、懸念国ないし懸念組織の、彼らが秘している情報を何がしかの形で入手するという活動が中心であります。

 後段の外国情報活動への対処につきましては、我が国におきまして、あるいは我が国に対しまして、外国情報機関が政府や民間の秘密を狙ったりしてそれを盗み取ろうという活動、あるいは、盗み取らないまでも、例えばSNSで偽情報を流布して自国優位の日本の世論の形成や、あるいは日本政府の政策決定を導こうとする動き、そうしたものに我が国の国益を守るという観点から対処する諸活動でございまして、そういう意味では、相手方の動きを探るという点では共通する部分もございますけれども、視点がいわば逆方向であるというふうに御理解いただきたいと思っております。

野村委員 ありがとうございました。

 安全保障の確保、テロリズムの発生の防止、続いて、緊急事態の対応ということについてお尋ねをしたいと思います。

 先ほどの質問の中でも皆さん触れられていましたけれども、緊急事態の対応というのはどのようなものなのでしょうか。過去の事例でも構いませんので、具体的にイメージしやすいように御説明をお願いいたします。

岡政府参考人 お答えします。

 法案第二条に言います緊急事態への対処といいますのは、地震でありますとか大規模な風水害のような、そういった災害への対応というのが典型的には考えられまして、それ以外にも、先ほども答弁いたしましたけれども、他国で武力紛争などが発生した場合における残された邦人の方々の救出オペレーション、あるいは、全世界的にパンデミックが蔓延した場合における様々な政策決断、こういったものを指しておりまして、国民の生命、身体、財産に重大な被害を生じさせるような事態で、一たび発生した際にはその対処に当たり迅速的確な情報収集が重要になる、そういう事柄を念頭に置いております。

野村委員 ありがとうございました。

 組織体制の三点目の質問です。

 次に、組織の人員規模や体制について、もう少し具体的にお尋ねをさせていただきたいと思います。

 今回設置される組織について、全体としてどの程度の規模を想定していらっしゃるのでしょうか。例えば、おおよその職員数であるとか、どのような専門人材が必要とされているのか、部門ごとの構成や本部機能と現場機能のバランスなど、現時点で描いていらっしゃるイメージがあれば、規模感が想像できるように分かりやすく教えていただきたいと思います。

 あわせて、その実効力を高めるために、どのような改善や補充を予定されるのかも重要だと考えております。現状と今後を比較しながら、どのような効果を期待されているのかを御説明をいただきたいと思います。

 また、体制整備が段階的に進められるのか、それとも一定期間で一気に整備されるのか、スケジュール感についても併せてお尋ねします。

岡政府参考人 お答えいたします。

 私ども内閣情報調査室、現在の規模を申しますと、定員が五百四十名程度であります。これは本年度の予算成立後の数字でございます。実員は、他機関の定員を用いて内調の業務に従事してくださっている方も含めて、約七百三十名でございます。

 情報収集力の強化のために劇的に人数が増えるのかというと、決してそうではございませんで、例えば、今年の四月に増員した数というのはおおむね三十名前後です。削減分もございますので、おおむね三十名前後と理解していただきたいと思います。失礼しました、国家情報局の設置に伴い増員、定員が増えるのはそれくらいの数でございます。

 査定されるというそういう状況よりも、むしろ、やはり専門人材を登用する難しさというのはございます。また、新卒の人材をある特定の年だけ急に増やすというのも、将来の組織バランスへの悪影響というのもございます。ですので、専門人材の中途採用でありますとか、あるいは他機関からの転籍なども促しながら、バランスのよい組織の拡大をステップ・バイ・ステップで進めていく必要があるというふうに考えております。

 先ほど来官房長官がおっしゃっていたとおり、サイバーでありますとか、偽情報、SNS空間、先端技術、経済安保等、やはり新しい知見、技術、技術的知見、専門的知見が必要となってまいりまして、そういった人材は官民問わず奪い合いの状況にございますので、私どもとしましては、できるだけ職場の魅力をアピールするとともに、処遇の改善なども徐々に進めながら、人材の登用、確保を進めてまいりたいというふうに考えております。

野村委員 ありがとうございました。

 組織体制についての四点目です。

 実際に国家情報局が機能するかどうかは、人員の確保が大きな課題になるのではないでしょうか。特に、語学力や分析力、サイバー分野の知識など、高度な専門性が求められる分野についてはすぐには習得できないスキルだと思われます。仕事の範囲が広がり仕事量が増えるのですから、単純に人手不足が想定されると思います。

 そこで、短期的な人員不足を解消する手段として、民間からの登用なども検討し、人員確保に努めるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。先ほどの答弁に重なっているかもしれませんけれども、もう一度お願いいたします。

岡政府参考人 お答えいたします。

 おっしゃるとおり、民間人材の活用というのは非常に重要で、各省庁とも様々な分野で推進しようとしている事柄でございます。

 昨年度中にも募集をかけまして、そう多くない、数名程度なんですけれども、システム系の人材にも中途採用に成功いたしまして、こういった方々に是非どんどんいらしていただきたいなと思っております。

 また、民間技術の活用という観点からは、必ずしも職員になっていただく必要もなくて、一定の守秘義務の契約関係の下に民間の方々に業務を委託して、様々な情報収集あるいは分析のお手伝いをしていただくということも、官民の連携ないし民間人材の活用の一環であるというふうに考えております。

野村委員 ありがとうございました。

 本当に優秀な、職員になっていただける方の確保をしっかりと進めていただきたいと思います。

 最後の質問になります。

 中長期的に考えると、人材の育成についてもとても重要だと思います。情報機関の力というのは、設備や制度だけでなく、最終的には人によって大きく左右されるものだと思っております。国民の信頼を得られる組織となるためにも、この点はとても重要だと考えております。

 そこで、どのような研修や教育を行い、人材を育てていく計画があるのかについてもお聞かせください。

 また、情報機関の特性上、長期間にわたって専門性を積み重ねることが重要だと思いますが、一定期間で異動する従来の人事ローテーション、これは先ほどもどなたか質問されておりましたけれども、専門性の蓄積をどのように両立させていくお考えでしょうか。

 さらに、海外の情報機関との関係についても含め、日本はどのような人材育成モデルを目指しているのか、その方向性についてもお願いいたします。

岡政府参考人 お答えいたします。

 率直に申し上げますと、これまで情報分野の人材育成というのは、各省庁個別の努力によるところが大きゅうございました。各機関とも大規模な研修施設や組織を持っておりまして、そうしたリソースを活用しながら、優秀な人材の育成に努めてきたところでございます。

 ただ一方で、私どもとしましては、もう少し内閣官房の主導で省庁横断的な取組、研修も含めてですけれども、推進する余地が大いにあるというふうに考えておりまして、例えば、オール・ソース・アナリシスを行うために必要な情報分析の研修でありますとか、あるいは秘密保全の徹底のための研修について、今後もその実施規模を拡大していきたいというふうに思っております。

 人事ローテーションについても、御指摘はよく理解しているつもりでございます。やはり専門的な職場でございますので、一定程度の習熟期間というのは必要でございます。ただ、他方で、先ほども長官から答弁しましたとおり、横断的な課題というのが多々ございまして、技術も分かれば国際情勢も分かる、Aという国も分かればBという国も分かるみたいな形で、マルチな能力が求められているという側面もあります。

 そうしたことから、私どもとしましては、省庁横断的なキャリアステップ、例えば、国家情報局で勤務している人間が防衛省の情報本部なり在外公館なりという形ですね、相手方もそうで、各省庁の情報部門を渡り歩くような、そういう横断的なキャリアステップというのも今後考えてまいりたいというふうに思っております。

野村委員 ありがとうございました。

 以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

山下委員長 次に、森ようすけ君。

森(よ)委員 国民民主党の森ようすけです。

 本日は、質問の機会をいただき、ありがとうございます。

 これまで様々質問が出ておりましたが、かぶる点もございますが、幾つかお伺いして、基本的なところから含めてお伺いしていきたいと考えております。

 今回の法案を含めて、インテリジェンスの体制強化に関して、その方向性については、基本的に賛同しているところでございます。

 ただ一方で、これまで、特に野党側からですけれども、質疑で示されている懸念ということも間違いなく存在しているというふうに理解しておりまして、そうした懸念に対して丁寧に、そして具体的に御答弁、御説明いただくことで、それがひいては国民の理解につながって、よい法案でしたり、更なるインテリジェンスの推進につながっていくと考えておりますので、そうした観点から、前向きで具体的な答弁をお願いできればと思います。

 この国家情報会議設置法案というのは、我が国のインテリジェンスの機能強化のうち、司令塔の強化というところをしておりますが、少し、初めに通告にない質問から始まってしまって恐縮ではあるんですが、このインテリジェンスという言葉について、安全保障であったり外交に詳しい方は、ああ、インテリジェンスだねというふうに御理解される方も多いんですが、まだまだ国民の大半は、インテリジェンスってそもそも何でしたっけというところが一般的な理解なのかなというふうに考えております。

 そこで、我が党、国民民主党においては、昨年の臨時国会、そして今国会で、インテリジェンスに係る態勢の整備の推進に関する法律案というものを提出したんですが、ここでは、インテリジェンスについて、こういうふうに定義をしております。「国の安全の確保、公の秩序の維持及び公衆の安全の保護に関する政策決定のために必要な情報の収集、整理及び分析並びにその結果の活用を行うとともに、国の安全の確保等に関する重要な情報を保全し及び我が国に対する不当な情報収集等に対処することをいう。」というふうにインテリジェンスを定義しているわけでございます。

 いわゆる国と国民の安全を守るための情報の収集、分析、活用、ここは恐らく皆さん共通されていると思うんですが、その情報の保全であったり他国の情報活動への対処というところまで我が党ではインテリジェンスに含めているんですが、政府において、この「インテリジェンス」というところをどのように定義されているのかについてお伺いしたいと思うんですが、参考人でも構いませんが、いかがでしょうか。

岡政府参考人 お答えいたします。

 先ほどおっしゃっていたインテリジェンスの定義は、ちょっと二つの側面が混ざっているなというふうに感じておりまして、活動に着眼した言葉として用いられている場合と、無形物の、情報という点における、情報とインテリジェンスというのは何が違うのかという話の、二つに分かれると思います。

 まず、後者から申し上げますと、それ一つでも決定的な秘密情報というのもありますので、一つでもインテリジェンスではあるんですけれども、一般的には、様々な個々の情報を集めて、それを手元に引き寄せて、それを総合的に分析し、政策に役立つ形に加工したものを、成果物をインテリジェンスというふうに言って、単なるインフォメーションとか情報というのとは違うふうに使うことが多いです。ただ、政府内において定まった定義があるわけではございませんで、一般的に、我が国でインテリジェンスというふうに使う場合には、そうした使われ方が多いのではないかなというふうに考えております。

 他方で、活動という側面ですと、かなり多義的、多元的でございまして、先ほど答弁したような、相手方の秘密の意思を探るというインテリジェンスもあれば、逆に、我々を探ろうとする方々といいますか人たちに対処するという活動もインテリジェンスと言われますし、カウンターインテリジェンスという言葉を使うこともあります。

 あるいは、更に言うと、相手から守る、あるいはこちらが情報活動をするためには自分たちの動きを秘密にするといった秘密保全につきましても、一般的にインテリジェンス部局がやることが多いものですから、インテリジェンス活動の一環として位置づけられることもございます。

 そういう点では、委員と私どもとの理解にはそう相違はないというふうに感じております。

森(よ)委員 詳細にありがとうございます。

 今の御説明を聞くと、クリアに感じられた方も多いと思います。なので、このインテリジェンスという単語が政府において定義されていないというのは承知しているんですが、この法案審議も通じて、インテリジェンスというのはそもそも何なのか、具体的にどういったことを指しているのかということをより具体的に広めていくことも大事だと考えております。

 もう一点、通告にない質問をさせていただきたいんですが、このインテリジェンス機能の強化を進めていく上で、今回は司令塔強化、組織の格上げに限った法案になっておりますが、今後、そのほかのインテリジェンス関連政策、様々ございますが、そうしたところも進めていくというのが与党の中の考え方なんだと思います。それこそカウンターインテリジェンスの話であったり、様々ございますが、こうしたインテリジェンス強化を進めていく上で、懸念というか、どういったことを重要視して進めていくのかという前提をお伺いしたいと思っております。

 ここも、我が党においては、このインテリジェンス推進に当たって、基本理念というか、大事にしている考え方がございます。それは何かというと、透明性を確保することが重要であるということ、加えて、政治的中立と民主的統制が確保されるべきであること、そして、憲法が保障する国民の自由と権利を尊重すること、主にこの三点をインテリジェンス推進に当たっての基本的な理念、考え方と据えているところでございます。

 恐らくこれは今日の質問の中でも懸念されていたことに共通するような考え方なんだと思うんですが、政府において、インテリジェンスの機能強化に当たって重要視していること、とりわけ配慮であったり、基本的に大事にしていること、こうしたことをお伺いしたいんですが、もし可能であれば官房長官、いかがでしょうか。

木原国務大臣 委員が今おっしゃるように、インテリジェンスの施策というのは様々なものがあると思っております。

 この法案ですけれども、これはいわば組織法でありまして、今委員御指摘のように、内調の格上げ、あるいは国家情報会議の設置、法案の名前そのものでありますけれども、組織にまつわる法律ということでありまして、その他のものは、ある程度時間をかけて慎重に検討していく必要があるだろうと思っております。

 しかし、それを全部検討した上で全部一緒に出すのではなくて、昨今の複雑で厳しい国際環境を鑑みると、かなりの時間を要するその他のインテリジェンス施策、カウンターインテリジェンスも含めて、何もせずに待つというような情勢にはないだろうという判断の下、インテリジェンスの司令塔機能の強化、これはまず重要な課題であることから、先にこの法案を提出をさせていただいたということになります。

森(よ)委員 御答弁ありがとうございます。

 私も、これはステップワン、ステップツーだというふうに認識をしていて、まさにステップワンというのが今おっしゃっていただいた組織論の話であったり格上げの話だと思っていて、ステップツーとして、まさにいろいろと、ハレーション、支障が起きるような、それこそ、より情報収集能力を高めていくこと、カウンターインテリジェンスに対応していくこと、こうしたことがあるんですが、お伺いしたかったのは、ステップツーも含めてやっていこうという姿勢は政府の中にあると思うので、そうした検討をする際に、配慮しないといけないと考えていることがもしあれば教えていただきたい。

 こうしたことについては気をつけないといけないよね、まさにそれが憲法で保障されるような、個人情報とかプライバシーの話も出てきましたが、そうした個々人の自由であったり権利についてしっかりと配慮をしながら検討を進めていくこととか、透明性が高まる形で検討を進めていくこと、様々、考え方、配慮すべきことはあると思うんですが、そうしたところがもしあれば、いかがでしょうか。

木原国務大臣 インテリジェンス施策、様々なものがあると言いました。まずはこの組織法、この法案によって、まず組織をつくっていくということになります。

 それから、短時間ではなかなか結論を得られないものがございます。日本維新の会と自民党の連立合意文書にもここは提言として書いてありますけれども、対外情報庁(仮称)ですけれども、の設置であるとか、あるいは外国人の登録の問題であるとか、そういったことにつきましては、今後、様々な方々からやはり御意見を伺いながら、丁寧に検討を進めなければいけない課題だと承知をしております。

 そういう最終形というのを、まだ確たるものは言えませんけれども、しかし、この時点で何もせずに待っているんじゃなくて、まずは組織法から作っていこう、その後、ある程度時間をかけて慎重に検討していく、そういう考えの下、今回、本法案を提出したということでございます。

森(よ)委員 ありがとうございます。

 そこで、次の質問に移っていくんですが、組織の格上げをするに当たって、方向性は理解しています。ただ、必要性がそこまであるのか、本当にやらないといけないような立法事実があるのかというところを、より具体的に教えていただきたいと考えております。

 現行の内閣情報会議においては、議長が官房長官です、その下に関係省庁の次官級が入っております。今回、新しく新法で立ち上げようとされている国家情報会議においては、議長が総理大臣です、その下に関係閣僚が入るということで、役職の格上げが行われるわけでございますが、総理をヘッドにして関係閣僚が入ることによって具体的に何ができるようになるのかというところを、より具体的に教えていただきたいと思います。

 加えて、国家情報会議では、議長の総理大臣の求めに応じて、関係省庁が必要な協力であったり資料の提供、情報の提供を行わないといけないといった、新たな義務的な行為が入るわけなんですが、ただ、元々の内閣情報会議においても、議長の官房長官が関係省庁に対して、情報を出してと、資料を提供しろというふうに指示を出せば、恐らく断ることはそこまで実際にあったのかなというところが、疑問に感じているところなんです。

 そこで、質問に移りますが、こういったふうに、組織のレベルを、役職のレベルを上げて、政治的リーダーシップという御答弁もありましたが、そうしたことも理解するんですが、立法事実として、これまで具体的にどういったことができていなかったのか、どういった組織的限界が存在していたのか、その点について具体的にお伺いできますでしょうか。

木原国務大臣 おっしゃるように、現在でも、内閣情報会議という事務次官級の会議体がございます。そこの出席は、私であったり、あと、副長官が統括するという見地から調査審議する会議体がございます。しかし、閣僚級の会議体ではございません、私のみでありますから。

 一方で、現下の厳しい安全保障環境を踏まえると、政府全体の情報活動を強力かつ一体的に推進していくためには、強力な政治のリーダーシップを発揮できる推進体制を是非とも整備しなければならない、そのように考えましたので、今回、新法を制定することによって閣僚級の国家情報会議を内閣に設置することといたしまして、政府内のあらゆる情報収集手段あるいは情報源を最大限に活用をさせて、情報活動のパフォーマンスというものを最大化あるいは最適化させる必要がございました。そして、内調は発展的に改組することになります。そして、法律に総合調整等の規定を設けることといたしました。

 支障というようなお話がありましたけれども、内調は総合調整事務というのを分掌していない部局でありました。ですので、情報は収集するけれども、これを分析したり、そして、それを分析した上でカスタマーに、政策部門に提供するということについては、これはまだまだ改善の余地がある、また、諸外国と比較しても、これはなかなか、情報力というのはまだまだ足りていないというふうに判断しました。

 随分、専門家の方の指摘もありましたので、情報収集手段及び情報源を最大限活用するために、情報が的確に収集されるということ、そして総合分析、総合評価を確実に行うことができるようにする必要、これを感じまして、今回、それを制度的に担保するための、法令上明確化するためのこの法案ということになった次第であります。

森(よ)委員 もう少し具体的にお伺いしたいんですが、情報部門におけるリーダーシップが必要であると。厳しい安全保障環境の中で、これまでは政務が官房長官しか入っていませんでした、ほかは次官級だったので、それを、リーダーシップが保てるように、より充実した情報を収集をして、分析をして、活用できる体制をつくっていくというのは、方針としては理解します。

 ちょっとイメージを教えていただきたいんですが、これは次官から例えば各省に対しても指示を出せるわけじゃないですか、情報収集に当たって、活用に当たって、分析に当たって。でも、次官から言われているんだとちょっと手が抜けてしまうけれども、大臣が入ることによって役人は頑張れるみたいな、そういうイメージでのリーダーシップをおっしゃっているんですかね、これは。

 私たちも賛同するので、国民の皆さんにより伝わりやすくイメージがつきやすいように、情報部門において何でリーダーシップが必要なのかというところが少しひっかかるところがあったので、もう少し補足があればお願いします。

岡政府参考人 申し上げるまでもなく、我が国は議院内閣制の国でございまして、選挙で選ばれた国会議員の方々のうちの一部が閣内に入り、その方々が閣僚を担って各省を分担管理する、そういう統治機構となっております。

 したがいまして、やはり、事務次官というのは、もちろん役人にとっては最上位の地位にある方で、一定の強い影響力というのがございますけれども、やはり、議院内閣制の国におきまして、総理をトップとし、閣僚を構成員とする会議体を置くというのは、これは特別な格段の意義があるというふうに理解しております。

森(よ)委員 ありがとうございます。

 次の質問に移ります。

 先ほどの官房長官の答弁にも少しかぶってしまうんですが、ステップツーのところですね、今回の組織のところではなくて、その先のインテリジェンス政策の進め方をどういうふうに考えているのかというところをお伺いできればと思うんです。

 このインテリジェンス政策に関しては、どちらかというと、今回の法案でやろうとしている組織の話よりも、ステップツーでやろうとしている様々なインテリジェンス施策の方が議論の本丸なんだというふうに認識をしております。

 我が党の提出法案の中でも、プログラム法ではあるんですが、その先の様々な施策の部分について多々取り上げております。外国による不当な影響力行使を防止するために、そうした活動を把握して国民に周知することであったりとか、こうした活動を行う者の届出制度を創設することであったり、情報収集に係る手法の拡充、人材の確保、インテリジェンスコミュニティーの強化など、与党の中でも検討されているようなことを我が党においても法案の中で記載をしているところであります。

 こうした、今回の法案の中に含まれていないようなインテリジェンス強化策について、ステップツー、ステップツーと私は勝手に呼んでいるんですが、今後どのように進めようとされているのか、スケジュール感も含めて、あと、検討をどこの場でしようとしているのか、国家情報局でやろうとしているのか、そうしたことも含めてお願いいたします。

岡政府参考人 お答えいたします。

 おっしゃるとおり、インテリジェンス改革と呼んだ場合には、あくまで今回の司令塔機能の強化というのはそのファーストステップだと理解しておりまして、そういう観点から、そのステップツーという言葉の意味というのは正しく理解しているつもりでございます。

 ただ、例えばですけれども、先ほどおっしゃっていたような、外国による不正な干渉の対策として、例えば干渉を探知しやすくするために届出制度ないし登録制度をつくったらどうか、あるいは、組織論ないし権限などが重なるかもしれませんけれども、対外情報機能については伸ばしていくべきじゃないかというような御議論があることは承知をしております。

 本案が成立した暁には、そうした様々な課題について検討を進めてまいりたいと思いまして、現時点でまだその課題や論点を整理している段階でありまして、その具体的な検討状況をお示ししたり、あるいはその期限ないしスケジュールをお示しすることはちょっと難しい状態にあるんですけれども、しっかりと検討してまいりたいというふうに考えております。

森(よ)委員 法案の中身のところをお伺いしていきたいと思います。

 今回のこの法案において、国家情報会議で調査審議する項目として、関係行政機関における重要情報活動というのがございます。ここに何が含まれていて、逆に何が含まれていないのかというところをお伺いしていきたいと思います。

 これは本日の質問の中にも多く出てきましたが、この重要情報活動ということについて、対外政策や安全保障政策、行政全般や財政運営などの政策や制度、運用の中で重要なものというふうに言及がこれまで政府においてされているわけなんですが、要すれば、基本的に全ての行政の全般に関わることについてはこの重要情報活動に含まれ得るのではないかというところを懸念しているところなんですね。なので、これは政府の答弁だったんですが、行政全般の中で重要なものと言っているので、それって、重要なものというのはさじ加減なので、基本的には読もうと思えば何でもこの重要情報活動に入ってしまうということが、懸念しているところでございます。

 加えて、外国情報活動というのも、極めて範囲が広いように思います。こちらについても、外国の利益を図る目的で行われるものへの対処とされておりますが、いわゆる何が外国に含まれるのかというところが、政府側の恣意的な判断の余地が十分にあるのではないかというふうに感じております。

 そこでお伺いしますが、この重要情報活動、外国情報活動への対処というのは、それぞれ具体的にどのようなことを指すのか。かなり範囲が広い概念なので、逆に何が含まれないのかというふうに説明していただいた方が分かりやすいかもしれないんですが、それぞれについて、どのようなところが含まれているのか、お伺いできますでしょうか。

岡政府参考人 具体的にどのような事柄が重要国政運営に該当するかというお尋ねでございますけれども、やはり安全保障環境ないし国情というものは時々刻々と状況が変化するものでございまして、本法案による制度におきましては、その時々の情勢等を踏まえまして、国家情報会議の議長、総理の方で御判断されるというのが、まず制度のたてつけでございます。

 その上で、法文上、私どもとして明らかにしているところは、重要国政運営というのを裸で規定するわけではなくて、三つの例示を置いております。安全保障の確保、それからテロの防止と、緊急事態への対処ということでございまして、これらは、国民の安全や国益に直結するような重要性が認められる、国政の運営が、この法律の定義に典型的に該当するものであるということを表すと同時に、それが私どもに特に期待された役割を表しているというふうにも理解をしております。

 そういう意味では、例示されていない事柄であっても、排除されるという規定ではなくて、あくまでこれを典型としつつも、今後、機動的に該当性を総理が御判断されるということでございます。

 外国情報活動への対処につきましては、外国が自国の利益を図るために行う、まずは、我が国の秘密を探る活動、官民に限らない我が国の秘密を探る活動、さらには、我が国の政策判断ないし世論の形成が当該国に有利なようになるための影響力工作、最近ですとSNS空間における偽情報の流布というのが注目されているところでございまして、こうした動きへの対処を、総じて、外国情報活動への対処というふうに定めているところでございます。

森(よ)委員 ありがとうございます。

 二点、ちょっと追加でお伺いしたいんですが、後段の方からお伺いします。

 外国情報活動への対処ということで、具体的に今御説明いただきましたが、これは主語が、誰がやると問題になるのかというところをお伺いしたくて。我が国の秘密を探る活動であったり、我が国の重要な事態に対する影響力の行使というようなことが含まれるんだと思うんですが、それは日本人がしても含まれるとか、日本企業であったり日本の団体であったりも主語としては含まれる概念、考え方なんでしょうか。いかがでしょうか。

岡政府参考人 私どもが想定しているのはいわゆる外国情報機関というものでございまして、ちょっと具体名を出すのは差し控えますけれども、過去の検挙例から見て、そういった機関の行う活動というのが念頭にございます。そうした活動を日本人が行うというのはちょっと考えにくいことでございまして、想定はしておりません。

 ただ、世の中にないのかというふうに言われると、私もちょっと即断できませんけれども、例えば、ライバル会社の秘密を日本企業同士で盗むというのは、それはこの定義に該当するものではないだろうというふうに理解しております。(森(よ)委員「それを外国に流した場合はどうですか、日本企業が」と呼ぶ)

 外国政府が日本人の協力者を使ってそうした秘密の窃取を図る場合には、それは当然に対象になるとも考えておりますし、恐らく刑罰法令に触れるのではないかというふうにも考えております。

森(よ)委員 ありがとうございます。

 前段の方のところをお伺いしたいんですが、この重要情報活動に何が含まれ得るのかというところについては、議長である総理の判断で、その時々の情勢に合わせて何がそれに入るのか入らないのかを判断されるということなんですが、これはチェック機能がうまく働かないのではないかというところを皆さんも多分懸念されているんだと思うんです。

 御判断いただくのはよろしいんですが、その判断が本当に正しい判断なのか正しくない判断なのかということをやはり検証する仕組みをうまくつくっていかないといけないんだろうなというふうに思っていて、それがまさにさっき私が基本理念のところで話した透明性を確保するというところにつながってくるんですが、現状、判断した上で、それがどういった情報なのかというのは国会だったり国民は分からないわけですよね。なので、そういったことについてはいかが考えていますか。

岡政府参考人 お答えいたします。

 私どもの情報活動というのは、繰り返しますけれども、国家安全保障局に代表される政策部局のニーズによってつながってくるものでございまして、政策部局において、これは力を入れなければいけない、あるいはインテルコミュニティーの力をかりる必要があるというものについては、基本的には国家情報会議の調査審議の対象になっていくのだというふうに思っておりまして、その重点といいますか中心的な事柄というのは、先ほど例示したとおりでございます。

 長官の答弁にもございましたとおり、経済安保とか先端技術をめぐる国家間の競争といった課題につきましても、関連の情報を既に政策サイドにるる提供しているところでございます。

 法案の書きぶりについて一言御説明申し上げますと、政府が重要と判断すればよいので過度に広がるのではないかという御指摘だと理解しましたが、この法案は、政府の情報活動に関する基本方針の決定や各省庁が行う情報活動の総合調整を担う組織を設置しようとするものでございまして、いわゆる組織法と呼ばれるものでございます。組織法である以上は、一般的にその時々の状況を総合的に判断して、国家情報会議として調査審議すべき事項となり得るものを捉えて、所掌事務として規定しているところでございます。

森(よ)委員 御答弁ありがとうございます。

 やはりひっかかるのは、政策部門が必要だと求めた情報は基本的に提供していくこと、重要であるから提供するというのが方針だと御答弁されたと認識したんですが、その政策部門が求めた情報が例えば国民の権利、自由にひっかかるような情報であった場合、政策部門から言われたから、はい、出しますというのは、恐らくよくないんだと思うんですね。

 なので、そうした権利であったり自由にちゃんと配慮したような組織づくりであったり運用、特にステップワンであれば組織法なので、具体的に何か新しい機能が付与されるわけではないので、いいのかもしれないんですが、ステップツーの議論も含まれ得る、含まれている話なので、そうした中で、そういうところにはしっかり配慮しないといけないんだろうなというところが問題意識としてございます。

 次の質問に移ります。

 インテリジェンスを取り扱う上で何よりも欠かせないことは、情報に恣意性を生じさせないことであるというふうに考えております。

 政策部門と情報部門の連携はもちろん重要であって、それは欠かせないものではあるんですが、それぞれの部門が独立していること、とりわけ、政策部門の意向に迎合し過ぎない情報収集、情報分析というのが欠かせないというふうに考えております。

 例えば、過去、アメリカとイギリスの有志連合が、イラクに大量破壊兵器があるというふうなことを誤って認識をして戦争を始めてしまったといった、過去の悪い事例もあるわけなんです。これは、後にバトラー報告書という形でイギリスで反省がされて、インテリジェンス改革につながったというような、実際の外国での事例があるわけでございます。

 こうした他国の失敗の例も参考にすることが極めて重要であるというふうに考えておりますが、今回の法案の検討に当たって、またインテリジェンスの体制強化に当たって、こうした事例をどのような教訓とされているのか。その点、官房長官、お伺いできますでしょうか。

木原国務大臣 今、英国、米国のイラク戦争時の反省の話がありましたけれども、反省、教訓というのを述べる立場にはありませんが、しかし、組織的、構造的な理由であったり、あるいは人事配置的理由、またその他の様々な理由によって、情報部門と政策部門、そのいずれかの立場が強かったり弱かったり、相手方の判断等にまた過度な干渉を行ったりする状況が生じてしまうと、情報の評価や政策の決定に客観性というのが失われ、その結果、ゆがみが生じる危険性が、これは一般的に指摘されているものと承知しています。

 もとより、この法案はこうした危険性を高めるものではありませんけれども、引き続き、そういった、今委員の御指摘のあった点にはしっかりと留意しながら運営していく考えであります。

森(よ)委員 ありがとうございます。

 是非、運営上御留意いただきたいと思うんですが、本当に運営上留意できるのかというところが少し心配しているところです。

 というのは、先ほど野村委員の質問の中にもありましたが、構成員が極めてかぶっているんですね。国家安全保障会議と国家情報会議の構成員を比較すると、金融担当大臣と法務大臣が含まれているかということであったりとか、総務大臣が含まれていないという、すごく、差がそこまでないんですね。なので、配慮、留意いただけるというのはありがたいんですが、本当に運用上留意できるのかということを心配しております。

 質問を一つ飛ばしまして、実際に他国においてはどういったふうにそれぞれの政策部門、情報部門が独立して動いているかということを、情報として、ファクトとして教えていただきたいんですが、他国のインテリジェンスにおける政策部門と情報部門において構成員の独立性はどのように確保されているのか。主要国で構いませんので、お伺いできますでしょうか。

町田政府参考人 お答え申し上げます。

 他国の制度を個別具体の運用について網羅的に把握しているものではございませんけれども、今委員御指摘のように、一つ例を挙げるとすれば、例えばアメリカでございますけれども、情報要求の設定や情報コミュニティーの予算編成、業績評価などについては、国家情報長官を助言する合同情報コミュニティー会議という会議体がございます。その議長は閣僚級の国家情報官、会議メンバーは国務長官や国防長官などの閣僚級で構成されているものでございます。

 その一方、アメリカの国家安全保障会議は、大統領を議長とし、構成員は閣僚級の国務長官や国防長官などで構成されております。

 このように、アメリカの両協議体におきましても構成員が一部重複しているものがございますけれども、こちらにおいても情報と政策の分離の考え方に基づいた運用がなされているものと理解しているところでございます。

森(よ)委員 御答弁ありがとうございます。

 アメリカの事例を御紹介いただきましたが、他国の事例が恐らく多くあると思うんです。イギリスの話であったりフランスであったり、いろいろあると思っていて、参考人質疑もありますので、参考人の先生方、こうした分野に詳しい方もいらっしゃるので、そこで、こうした独立性をどのように担保しているのか、他国の事例がどうなのかというところも聞いていきたいなというふうに考えているところです。

 官房長官にお伺いしたいんですが、アメリカの事例を紹介していただいたんですが、各国によって実態は恐らく異なるんだと思います。それで、今回の、閣僚がほとんどかぶっているということには問題意識は持っているんですが、だから反対というわけではなくて、これまでの答弁の中でも、大臣の指揮監督の下で適切な情報活動が行われるように指示を出すというふうなところで、うまく役割分担をしながら、独立性を担保しながら組織運営をしていくというふうなことが答弁もされておりましたが、なかなか、人ってそんなに器用じゃないと思うんですよ。やはり、同じ大臣なので、政策部門のときは政策のことばかり考えていて、情報部門の議論をするときには、頭をすごく切り替えて、何か別人のように独立して思考するのは極めて難しいんだと思うんです。人ってそうじゃないですか。

 なので、やはり、御留意いただけるというふうにいただいたので、何かしらの、制度的なのか運用的なのかは分からないんですが、うまく、政策部門の意向が情報部門に行き過ぎないというか、情報部門の判断がゆがめられないような運用体制を是非つくっていただきたいというふうに考えているんですが、そうしたこと、工夫されようとされていることがもしあれば、教えていただけますでしょうか。

木原国務大臣 現在でも、情報部門と政策部門の双方を同じ大臣が所管するということは、現在でもある、省庁によってはあると思います。それぞれの大臣の指揮監督の下で適切な情報活動が行われていると私は認識をしておりまして、この法案は、この法案によって新たに何か問題が生じるということではないというふうに思います。

 政策部門と情報部門の双方が、それぞれ期待されている機能を十分に発揮することが重要であり、そして、むしろ、閣僚による国家情報会議を設けることによって、しっかりと、より一層、閣僚、そしてあるいは、今度は総理が議長になりますから、その議長たる総理が所属する会議から提供される情報ということになりますので、むしろ、いわゆる新たに生じる問題というのはないばかりか、より一層これは引き締まったような、より適切な情報提供が行われるということも考えられるというふうに思っております。

 いずれにしても、その運用には十分配慮していきたいと思っています。

森(よ)委員 御答弁ありがとうございます。

 トップが閣僚になることでより引き締まるというふうに御答弁いただきましたが、必ずしもそうではないような気がしていて、私も役人だったので何となく分かるんですが、いわゆる閣僚、大臣が言うことを役人が止めることというのは結構あるじゃないですか。やはり政治的に考えていることなので、それは大事なんですけれども、それはちょっと、いろいろハレーションもあって、そごが起きるから、あと、過去との流れからしてやはりそれは成立しないよねというふうに、政治家を止めるのも役人の仕事じゃないですか。

 なので、閣僚がトップになるから引き締まるというのは、リーダーシップが発揮されるというのは理解できるんですが、引き締まるかというと、必ずしもそうじゃないのではないかというのが、役人出身の若手からすると、すごく感じるところではございます。

 質問を少し飛ばしてお伺いするんですが、やはり、そうしたふうにいろいろ配慮していただく、御留意いただけるというふうなことはおっしゃっているんですが、本当に配慮されるのか、本当に留意されるのかというのがやはり分からないですし、不安なんです。なので、やはり民主的な統制の仕組みを一定程度組み込んだ方がいいのではないかというふうに考えております。

 この懸念点、今、何度も何度も話してきましたが、政策部門と情報部門の独立性をどのように確保するのかであったりとか、あと、情報収集に当たって個人情報、プライバシーを本当に配慮できるのかといった、幾つか懸念があるわけなんです。

 ただ、実際にインテリジェンスの機能が運用される中で、こうしたことが本当に配慮されているのか配慮されていないのかというのは、さっきも話しましたが、国会、国民からは見えないわけなんですね。好き勝手できるとは言いませんが、かなり自由にできてしまう。機密性が高い政策、情報なので国会、国民には届けられないんですという答弁も分かるんですが、だとすると、本当に好き勝手できてしまう。なので、一定程度民主的な仕組み、例えば国会に対する報告であったり、国会による監視機能を設けることということも一案であると考えます。何も監視ができないと、何か問題が起きるまでブレーキをかけることができないので支障が出ると思うんですが、そうした点について、官房長官、いかがでしょうか。

木原国務大臣 情報活動の推進に当たりましては、もうこれも先ほどから述べておりますが、あくまでも憲法が保障する国民の諸権利に配意すべきこと、これは当然という認識、これは前提であります。

 これまでも、内調を含む各省庁の情報活動は、閣僚の指揮監督の下で適切に推進されてきたと私は思っています。その上で、今回、閣僚級の国家情報会議が各省庁の活動の基本方針を定めることになるわけですが、政府の情報活動に対する政治による監督の強化、委員は、大臣、必ずしもそれは、役人の言うことを聞かないというふうにおっしゃいましたけれども、私は、それは大臣の資質の問題であって、大臣は、私はしっかりとリーダーシップを発揮していただくべきポジションにあり、権限もそれはあるというふうに思いまして、すなわち民主的統制の強化に資するものというふうに思っております。

 ですから、国家情報会議によって、そして情報活動の基本方針等を定めることによって、民主的統制の強化がより一層果たされるものである、私はそのように考えております。

森(よ)委員 本会議において、総理の答弁で、閣僚級の国家情報会議が情報活動の基本方針などを定める仕組みが整備されることは、政府の情報活動に対する民主的統制の強化に資するものと考えているというような御答弁がありました。ここで言う基本方針というのは、具体的にどのような内容を想定されているのか。

 加えて、他国では、インテリジェンスに関わるレポートとして、これもこれまでの質問の中にありましたが、毎年であったり、二年に一度であったり、こうしたレポートが公表されているわけなんです。国民の理解増進を図るためでしたり、いろいろ理由はあると思うんですが。

 ここで言う基本方針というのは、どういった内容なのか。加えて、国会への報告であったり、他国と同じように公表というようなものを行うのか。その点をお伺いできますでしょうか。

岡政府参考人 法案で言うところの基本的な方針というのは、これは各号列挙されてもいるんですけれども、典型的には、各情報機関の活動の重点、こういったところに力を入れて推進していくべきだという政府全体の統一方針を指します。

 ですから、例えば、具体的には、具体的と言いながら抽象的になるんですけれども、この国に関してとか、先ほど申し上げたような経済安全保障とか、あるいは、この組織とか、何がしかその重点を定めるということが考えられます。一方で、含むとまでは申し上げませんけれども、活動推進上留意すべき事項ということを書くことも考えられなくはないというふうに思っています。典型的には、情報活動の重点が該当すると思っております。

 国家情報戦略という名前が定まっているわけではまだないんですけれども、そういった、どうやって進めていくのかという、これも基本的な方針の一つではございますけれども、これを何がしか文書にまとめて公表しようとするアイデアはございまして、ただいま検討中です。

 ですから、公表ですので、国会報告を超えた透明性ということではあろうかと思います。ただ、事柄の性質上、ちょっと年次報告にはなじまないのかなと。そう毎年毎年、何か考え方が変わるわけではございませんので。仮にこの名称が戦略ということであれば、ある一定の期間は維持されるんだろうというふうに思っております。

森(よ)委員 ありがとうございます。

 公表されるものがあるということで、中身が気になるところなんですが、また来週以降お伺いできればと思います。

 ありがとうございました。

山下委員長 次に、川裕一郎君。

川委員 参政党の川裕一郎です。よろしくお願いいたします。

 国家情報会議設置法について、法案の目的、位置づけ、権限と責任、参政党のスパイ防止法案との関係、情報戦、認知戦への対応、国民監視への歯止め、人材とセキュリティークリアランス、情報公開、そして拉致、特定失踪者問題への反映といった点について、順次質問させていただきます。

 本法案は、我が国のインテリジェンス機能を強化をし、国家情報会議を内閣の下に新設するものであります。また、その実務を担う国家情報局を内閣官房に設け、現在の内閣情報調査室を発展的に解消するという、戦後日本の情報体制にとって大きな転換点であると思います。

 高市総理も本会議において、複雑で厳しい国際環境の中で、国益を戦略的に守るため、インテリジェンス機能を強化することが不可欠だと述べられました。

 私は、情報主権の確立、スパイ防止体制の抜本的な強化、そして拉致問題、特定失踪者問題の解決を国として優先すべき課題と位置づけており、インテリジェンス機能強化そのものには賛成の立場であります。しかし同時に、本法案の中身を精査しますと、単に会議体を設置するだけにとどまり、我が国が直面するスパイ行為、情報戦、認知戦、拉致問題といった具体的脅威に対し本当に実効性がある体制になっているのか、大きな疑問もあります。

 まず、本法案の立法目的、位置づけについて伺います。

 衆議院の法案要旨では、本法案は、我が国の重要な国政の運営に資する情報の収集調査に係る活動に関する重要事項を調査審議する機構として、内閣に国家情報会議を設置するとされております。しかし、この説明だけでは、何のために情報機能を強化するのか、その目的が、国民の生命、身体、財産の保護や国家主権の確保といった国民にとって分かりやすい言葉で十分に示されているとは言い難いと思います。

 一方、政府は、拉致問題に対して、拉致問題は我が国の国家主権と国民の生命、安全に関わる重大な問題であり、その解決なくして北朝鮮との国交正常化はないと、基本姿勢を繰り返し表明してきました。また、政府の拉致問題のウェブサイトでも、安否不明の拉致被害者は全て生存しているとの前提に立ち、全ての拉致被害者の安全確保及び即時帰国のために全力を尽くすと明記されています。

 そうであるなら、本法案においても、国民の生命、身体、財産を守る、国家主権を守る、そういう観点を、単なる抽象的な前文だけではなく、条文上の目的規定として明確に位置づけることが必要ではないでしょうか。

 そこで、お伺いします。

 本法案の条文上、国民の生命、身体、財産の保護及び国家主権の確保という観点は具体的にどのように位置づけられているのか、また、政府として本法案の立法目的を国民に対してどのような言葉で説明されるのか、お答えください。

岡政府参考人 お答えいたします。

 法案上、国家情報会議は、重要情報活動に関する基本的な方針などを調査審議の対象の一つとしておるところでございまして、先ほど来出ております重要な国政の運営というのは、ただ広く書くだけではなくて、三つの例示を置くことによって、この新組織に期待される役割というのを法文上表しております。その一つが安全保障の確保、もう一つがテロリズムの発生の防止、三つ目が緊急の事態への対処でございます。

 御覧いただくとお分かりのとおり、いずれも国民の生命、身体、財産の保護や主権の確保などに対して深く関わりのある事柄でございまして、そういう意味におきましては、委員が御指摘されている観点というのは条文上明確にしているつもりでございます。

川委員 ありがとうございます。

 条文上明記されているということですけれども、なかなか法律の用語というのは難しいものでありますから、国民になるべく分かりやすい言葉でまた検討もいただきたいと思います。

 次に、国家情報会議の権限と責任の在り方について伺います。

 本法案は、現在事務次官級で構成される内閣情報会議を格上げし、閣僚級で構成される国家情報会議を設置するものであり、その事務を担う実務組織として国家情報局を新設するとされています。

 高市総理も本会議においてインテリジェンス司令塔の表現を用いられましたが、法案上は、国家情報会議がどこまで実質的な指揮統制権限を持つのか、必ずしも明確とは言えません。

 我が国は、過去、北朝鮮による拉致問題を始め多くの安全保障上の課題において、情報の共有、分析、判断が十分でなかったとの厳しい反省があります。拉致問題に関しては、警察、外務、防衛など各機関が持っていた情報が統合されず、政治判断が大きく遅れた結果、多数の拉致被害者がいまだ未帰国のままとなっています。

 こうした教訓からすれば、国家情報会議は、単なる調整、助言の機関ではなく、実質的なインテリジェンス司令塔として機能しなければなりません。そのためには、各行政機関に対する監督、指示の法的拘束力、そしてインテリジェンスの失敗が生じた場合の政治的、行政的責任の所在をできる限り明確にしておく必要があります。

 そこで、お伺いします。

 本法案に基づき設置される国家情報会議は、各行政機関に対してどの程度の法的拘束力を持つ決定、指示を行うことができるのか。単なる調整、助言にとどまるのか、それとも実質的な司令塔としての権限を持つのか、政府の認識を伺います。

岡政府参考人 お答えいたします。

 我が国の内閣制度におきましては、各国務大臣がそれぞれの所管行政について責任を持って管理、執行するということが基本とされておりまして、内閣に設置される国家情報会議が各省庁の行う情報活動を監督、指示するものではなく、このことは法案の施行後であっても変わるものではございません。

 他方で、本法案で設置する国家情報会議は、総理を議長、インテリジェンス関係機関を担当する閣僚を議員とする内閣に置く合議体の機関であり、この会議で決定される基本方針等はこの会議の構成員が自ら合意したものでございまして、構成員である閣僚自身や当該閣僚が指揮監督を行う省庁は、これに沿って情報活動等を行うことになります。

 こうした制度設計によりまして、国家情報会議の決定事項の実効性は担保されているところでございます。

川委員 ありがとうございました。

 次の質問に移りたいと思います。

 次に、参政党が提出しているスパイ防止法案と連立合意に掲げられているインテリジェンス・スパイ防止関連法制との関連について伺います。

 まず確認したいのは、日本が先進国の中で極めて特異な、スパイ防止法なき国家であり続けてきたという事実です。他国であれば、国家機密の窃取、軍事、外交情報の漏えい、外国勢力の指示に基づく破壊工作や妨害活動について明確にスパイ行為として規定し、厳格な刑事罰を科しています。

 しかし、我が国では、国家公務員法や自衛隊法などの個別規定による対応にとどまり、外国勢力による組織的なスパイ活動を包括的に取り締まる法体系はいまだ整備されておりません。これにより、外国勢力は、日本国内での情報収集、技術窃取、政治的影響工作を他国に比べてはるかにリスクの低い環境で行うことが可能となっているのが現状です。

 こうした状況を改めるべく、参政党はスパイ防止法案を国会に提出をし、外国勢力との共謀によるスパイ行為、情報窃取、認知戦、世論操作、選挙や政策決定への不当な介入などを明確に違法行為として定義をし、罰則を伴う枠組みを提案してまいりました。

 一方で、今回の国家情報会議設置法案は、インテリジェンスの司令塔となる会議体とその実務を担う国家情報局という組織の枠組みを整備するものであり、スパイ行為そのものについては、新たな罪名を創設をするものではありません。つまり、本法案は、情報を集め、分析をする側の体制を強化するものであって、違法なスパイ行為を処罰する側の法整備は依然として別途の課題として残されたままであると受け止めざるを得ません。

 もちろん、情報機能の中核となる国家情報会議、国家情報局の設置は、安全保障上大きな前進であることは認めます。しかし、実際に外国勢力によるスパイ活動や認知戦が進行している現状を踏まえると、組織だけをつくって罰則がない状態では、インテリジェンスの成果を実行に移す場面で法的限界に直面することは明らかであります。

 更に申し上げれば、本法案は、連立合意に掲げられたインテリジェンス・スパイ防止関連法制の一部として位置づけられているはずです。であるならば、本法案をどのような総合パッケージの中のどの一角として位置づけているのか、そして、残る部分、すなわち、スパイ防止法、認知戦対策法、セキュリティークリアランス関連法をいつまでにどの順番で整備をするのか、その全体像と工程表を明らかにする必要があると考えています。

 参政党としては、今国会での審議を通じて、単に本法案単体の是非を論じるのではなく、我が国のインテリジェンスとスパイ防止法制全体の青写真を国民の前に示すことが政治の責任であると考えています。

 そこで、二点お伺いをします。

 今回の国家情報会議設置法案は、参政党が提出したスパイ防止法案と比べて、外国勢力によるスパイ行為、情報窃取、認知戦、世論操作といった具体的行為に対する刑事的抑止力が欠落していますが、政府はこの点をどのように認識をしているのか、お答えください。

 また、連合合意で掲げられたインテリジェンス・スパイ防止関連法制の整備との関係で本法案をどのように位置づけをし、今後、スパイ行為の定義、罰則、認知対策、セキュリティークリアランス制度を含む包括的なスパイ防止関連法制をどのようなスケジュールと優先順位で整備をしていくお考えなのか、あわせて、全体パッケージの工程表を示すべきと考えますが、政府の見解と具体的なロードマップをお示しください。

    〔委員長退席、鳩山委員長代理着席〕

岡政府参考人 お答えいたします。

 この法案は、おっしゃるとおり、司令塔機能の強化のための法案でございますが、一方で、委員御指摘の、外国勢力が我が国の意思決定に不当に干渉するリスクへの対応などにつきましても重要な課題だと認識しております。

 また、政府や企業の秘密の窃取や取得を図る行為につきましては、特定秘密保護法、重要経済安保情報保護活用法、不正競争防止法などによりまして罰則が規定され、当局による取締りが行われているところでございますけれども、厳しい国際環境の下で、外国によるこうした行為に対しましては一層厳正に対処していかなければならないと考えており、そのための制度上の課題や論点等につきましては引き続き整理を進めていきたいと考えております。

 各党から国会に提出なさった個別の法案につきまして政府としてコメントすることは差し控えいたしますけれども、議員がるるおっしゃったインテリジェンス関連施策につきましては、短期間で結論を得られる課題ばかりではないことから、それぞれの立法措置の必要性も含めまして、現時点、検討状況やスケジュール、期限などをお示しできる段階にはございません。ただ、今後、様々な方々に御意見を伺いながら、政府において丁寧に検討を進めていきたいと考えております。

川委員 基本的には論点を整理をして前向きに検討していく、そして、各党の個別の法案には答えはできないけれども、いろいろな意見も取り入れていくというふうなことで承っておきますので、よろしくお願いいたします。

 次に、情報戦、認知戦への具体的な対応についてお伺いをします。

 参政党のスパイ防止法案が、外国の指示を受けた虚偽の情報の発信や選挙、政策決定への不当な介入を罰則の対象としていることからも明らかなように、現代のスパイ活動は、単なる秘密情報の窃取にとどまらず、SNSやネットメディアを通じた世論の操作、そして認知戦の形を取るようになっております。実際、海外では、選挙の際に外国勢力がSNSを通じて大量の虚偽の情報、偏った情報を拡散をし、投票行動に影響を与えた疑いが指摘をされており、日本でも同様の懸念があります。

 こうした情報戦に対して、本法案が設置する国家情報会議はどのような具体的役割を担うのか。総理は本会議答弁で、プライバシー侵害には当たらないと強調されていましたが、国民の不安を払拭するためには、何をし、そして何をしないのか、その線引きを含めて、もっと踏み込んだ説明が必要です。

 そこで、お伺いをします。

 SNSやネットメディアを通じた世論操作、選挙介入、政治家、官僚への浸透工作など、現代的な情報戦に対して、本法案はどのような機能、対応を具体的に想定をしているのか。国家情報会議は、これらの情報工作に対し、単なる分析、審議を行うにとどまるのか、それとも、警察やその他の捜査機関、関係省庁と連携し、捜査、罰則と結びつく法整備を一体で機能する構想なのか、お答えください。

鎌谷政府参考人 影響工作についてお答えをいたします。

 政府におきましては、外国による影響工作に対しまして、内閣官房副長官の調整の下、内閣情報調査室、国家安全保障局、内閣広報室、内閣官房副長官補室、総務省、国家サイバー統括室を始めとする関係省庁が協力し、一体となった取組を行っているところでございます。

 本法案におきましては、影響工作を含む外国情報活動への対処は国家情報会議の審議事項となっております。また、会議の事務を処理する国家情報局の設置によりまして、外国情報活動への対処について、政府全体の情報活動を俯瞰する立場から総合調整を行うことが可能となり、各省庁の保有する情報をより積極的に求め、多種多様な情報を集約することで、総合的な分析が強化されることとなります。

 これらの結果、外国による影響工作についても、関係省庁に対し、一層質の高い、時宜にかなった情報の提供が行われ、効果的な対策が講じられることが期待できるものと考えております。

 なお、本法案がカバーするものではないインテリジェンス機能強化の諸施策のうち、短期間に結論が得られない課題や論点につきましては、様々な御意見を賜りながら検討を進めているところでございまして、本法案については、御指摘の、捜査、処罰と結びつく法制整備と一体で機能することを想定したものではございません。

川委員 様々な意見を賜りながら、これからまだ検討の余地があるということだと思いますので、参政党としてもしっかりとまた意見を出していきたいと思いますので、外国勢力に侵食されない強い国をつくっていただきたいと思います。

 次に、情報機能強化と国民監視の関係についてお伺いをします。

 インテリジェンス機能の強化は、安全保障上必要である一方、一般国民や正当な政治活動、言論活動への過度な監視や萎縮を招くおそれがあるとの懸念も強くあります。参政党としても、国民の基本的人権、とりわけ、言論、表現の自由、正当な政治活動の自由が不当に侵害されることはあってはならないと考えており、情報機能強化の名の下に、官僚機構が国民を上から監視する体制になることは断じて容認できません。

 したがって、本法案に基づき設置される国家情報会議及び国家情報局の活動については、国会関与、第三者機関による監督、対象、期間の限定など、具体的な歯止めやチェック機能を設けることが不可欠です。

 そこで、お聞きします。

 情報機能強化の名の下に、一般国民や正当な政治活動、言論活動への過度な監視や萎縮を招くおそれがあるとの指摘に対し、政府はどのように答えるのか。プライバシー保護や言論、表現の自由を担保するための具体的な考え方をお聞きします。

 また、国家情報会議及び国家情報局の活動に対し、国会関与、第三者機関、対象、期間の限定、文書管理、検証等、具体的な歯止めやチェック機能をどのように設けるのか、法案及び関連制度の中でその仕組みをどのように位置づけているのか、お聞かせください。

    〔鳩山委員長代理退席、委員長着席〕

岡政府参考人 お答えいたします。

 先ほど来申し述べておりますとおり、新しい国家情報会議の調査審議事項に関わる重要国政運営という概念は、例示といたしまして、安全保障の確保、テロの発生の防止、緊急の事態への対処を例示しております。このことから御理解いただきたいのは、国民の安全や国益を守るのに資する情報活動を推進するということを想定しているものでございまして、新しい組織は、国民を監視したり監視を強めるために設置するものではないことはもとより、国民のプライバシーを無用に侵害するものではございません。

 また、政府が情報活動の推進に当たり憲法が保障する国民の諸権利に配意すべきことは当然のことでございまして、このことは本法案の施行後も変わりません。

 新法に幾つか規定されている規定について申し述べますと、まず、本法案の第七条に基づきまして、各省庁から国家情報会議への資料の提供又は情報の提供がなされるようになります。ただ、こちらもやはり、会議の調査審議に必要な、すなわち、重要情報活動又は外国情報活動への対処に関する資料又は情報であって、会議の調査審議に資するものについて提供が義務づけられているものでございまして、調査審議に不必要な情報等を国家情報会議が収集、集約することはございません。

 また、その事務局たる国家情報局の総合調整権限につきましても、同様に、これらの事柄に限って行われるものでございまして、国家情報会議がこれらに関係のない総合調整をインテリジェンス関係機関を対象に行うことはございません。

 このように、制度上、新しい組織は重要情報活動又は外国情報活動への対処には関係のない情報等を収集できないことになっておりまして、国民のプライバシーを無用に侵害するものではないというふうに考えてございます。

川委員 制度上ないということで、安心させていただきました。

 次に、人材とセキュリティークリアランスの問題についてお伺いをします。

 組織だけをつくっても、そこで働く人材がいなければ、実効性は伴いません。インテリジェンスの世界では、サイバー、外国語、地域研究、分析、心理戦など多岐にわたる専門性が求められますが、我が国ではこれまで、こうした情報専門分野の採用、育成に十分な投資をしてこなかったという反省があります。

 また、政務三役や要職に就く政治家、官僚に対して、外国勢力からの影響排除の仕組み、いわゆるセキュリティークリアランス制度の整備も急務です。参政党のスパイ防止法案も、活動内容の届出、報告義務や、外国の指示を受けた活動に対する規律を盛り込み、こうした安全保障上の空白を埋める方向性を示しています。

 そこで、お伺いします。

 本法案による組織設置だけではなく、情報専門職の採用、育成、サイバー、外国語人材の確保など、人材基盤をどのように整備をしていくのか。国家情報局の人員育成や採用方針、人材育成計画について、可能な範囲で具体的にお示しください。

 さらに、もう一点、こちらは木原官房長官に質問したいと思います。今のは参考人の方で。

 官房長官には認識をちょっとお聞きをしたいんですけれども、政務三役や要職に就く政治家、官僚に対するセキュリティークリアランスの運用、外国勢力からの影響排除の仕組みについて、本法案及び関連法制との関係でどのように位置づけているのか、今後の法整備を方向性も含めてお答えください。

岡政府参考人 お答えいたします。

 最近の国際情勢、先ほどから幾つか答弁をしてございますけれども、サイバーとかあるいは先端技術、経済安保といった複雑な中で、やはり理科系といいますか技術系のリテラシーを持った人材の確保が情報機関におきましても非常に重要な課題となっております。

 当然のことながら、各産業分野あるいは他の省庁におきましても引っ張りだこの方々でございまして、まずは、我が方の職場を魅力あるものとし、それをアピールし、さらには、入れば伸びる、伸びることのできるキャリアステップがあるというふうなことを訴えてまいり、新卒採用、中途採用に努めてまいりたいというふうに考えております。

 また、これも繰り返しになるんですけれども、国家情報局だけで人材を抱え込むというのは、我が国のインテリジェンスコミュニティーを強化していくという考えには反するものであると考えております。

 そうなりますので、採用については、現行の枠組みからすると、各省庁が頑張って努力するということに尽きるんですけれども、採用後は、各省庁の情報部門をいわば渡り歩くような形で知見を蓄積し、さらには、省庁間の紐帯も深めていくという形で、いわば省庁横断的なキャリアステップというものを実現したいと考えております。

 こうした方針につきましては、今後、各省庁とも相談しながら、是非実現してまいりたいというふうに考えております。

木原国務大臣 セキュリティークリアランスの運用についての御質問でありましたが、まず、国家情報局長を含めて、特定秘密や重要経済安保情報の取扱業務を行う職員については、特定秘密保護法やまた重要経済安保情報保護活用法の適性評価を受ける必要がございます。

 一方で、政務三役ということでありましたが、これは、総理がその任命を行うに当たって情報保全に関し必要な考慮がなされることから、これらの法律の適性評価の対象とはなっておりません。本法案では特定秘密保護法等の改正は行っておりませんので、このような適性評価の枠組みは引き続き維持することが適当ではないかと考えております。

 今回、この法案を検討するに当たって諸外国の例も調べましたけれども、閣僚の取扱いは、これは我が国に限ったことではなくて、私が把握している限りでいえば、例えば英国、フランス、ドイツにおいては、閣僚はセキュリティークリアランスの対象からは除かれております。しかしながら、仮に政務三役が特定秘密や重要経済安保情報を漏えいした場合には、それぞれ十年以下の拘禁刑や五年以下の拘禁刑などの罰則の対象となります。

 その上で、外国勢力が我が国の意思決定に不当に干渉するリスクへの対応というのは重要な課題だ、そこは委員と共有するところでございます。

川委員 他国の事例も踏まえて、これは先日、高市総理も国会の答弁の中で、イギリス、フランス、ドイツは、官僚はセキュリティークリアランスの対象外ということになっているということが国会の答弁で発言がありました。(木原国務大臣「閣僚」と呼ぶ)はい。

 ただ、私ども、いろいろ調査をしておりまして、その実態を調査した中で、イギリスに関しては内閣府による適性チェックがされており、またフランスの方でも、またドイツは連邦憲法保衛庁という、身辺調査という、日本にはない客観的な法律が、事前審査が厳格に機能しているということが分かりました。

 他国が制度で担保しているリスク管理を総理個人の主観的な任命時の配慮のみで委ねるというのは、いささか問題があると感じております。日本も他国と同様に、政務三役はセキュリティークリアランスの対象とすべきだと考えるんですけれども、もう一度、官房長官の答弁を求めたいと思います。

木原国務大臣 今回の法案によって、特定秘密保護法等の改正というのは、これは行うことにはなっておりません。したがいまして、適性評価の枠組みというのは引き続き維持するということが適当だというふうに考えているところであります。

川委員 この件については、別の機会にまた質問させていただきますので、よろしくお願いします。

 次の質問に移りたいと思います。

 次に、国会による民主的統制と情報公開について伺います。

 国家情報会議及び国家情報局は、多くの機密情報を扱い、政府の意思決定に大きな影響を与えると想定がされます。その一方で、強力な、強大な情報機能に対する民主的統制が十分でなければ、国民からの信頼を損ない、ひいては安全保障政策全体への不信にもつながりかねません。

 そこで重要となるのが、国会への定期報告、閉会中も含めた説明責任、そして一定期間経過後の文書公開や検証制度など、事後的なチェックの仕組みです。

 そこで、お伺いします。

 強大な情報機能に対する民主的統制の観点から、国家情報会議の活動について、国会への定期報告、閉会中も含めた説明責任の枠組みをどのように設けるのか。また、一定期間経過後の文書公開や検証制度など、事後的なチェックの仕組みを導入する考えについて、政府の方針をお伺いします。

岡政府参考人 お答えいたします。

 本法案の内容につきましては、行政機関相互の関係を律するものでありまして、国民の権利義務に直接関わるような権限の新設というものはございません。そういうことから、御指摘の、例えば国会への報告でありますとか、そういった監視規定については特段設けていないところでございます。

 一方で、行政機関における意思決定に至る過程を跡づけて事後検証できるようにするということは大変重要なことであると私ども理解しておりまして、新設しようとしている国家情報会議におきましては、公文書管理法などのルールにのっとりまして議事の記録を作成し、適切な管理、取扱いを行ってまいります。

川委員 ちょっと時間の関係で、次の質問に移りたいと思います。

 次に、特定失踪者への対応についてお伺いをします。

 北朝鮮による拉致の可能性が否定できない行方不明者、いわゆる特定失踪者について、政府は拉致の可能性を排除できない事案に対する取組として一定の調査を行っていますが、その実態は必ずしも十分とは言えません。特定失踪者問題は、警察、外務、防衛、自衛隊など複数の機関が関わるにもかかわらず、情報が統合されず、縦割りの弊害により、継続的な、また総合的な分析が行われてこなかったではないかと指摘がされています。

 そこで、国家情報会議及び国家情報局の下で、警察庁、外務省、防衛省・自衛隊などが保有する情報を統合し、特定失踪者問題を継続的に分析、再調査をする体制を構築することが、まさに本法案の趣旨に合致するのではないでしょうか。

 そこで、伺います。

 北朝鮮による拉致の可能性が否定できない特定失踪者について、政府は、これまでの取組が十分であったと認識をしているのか、それとも不十分であったと認識をしているのかお尋ねし、その上で、国家情報会議の下で関係機関の情報を統合し、特定失踪者を継続的に分析、再調査をする体制を構築する考えがあるのか、お答えください。

岡政府参考人 拉致問題に関しまして、関係機関における過去の教訓を政府内で改めて確認をし、それを将来に確実に生かしていくことが重要であることにつきましては、先般の衆議院本会議におきまして高市総理が御答弁されたとおりでございます。

 また、同様に、高市総理が答弁されたとおり、拉致問題につきましては、インテリジェンス機能の強化の取組の中で、過去の教訓を将来に生かすという視点は大事にすべきものと考えております。

 本法案により設置される国家情報会議は、重要情報活動及び外国情報活動への対処に関する重要事項を調査審議する機関であり、その調査審議事項は、本法案の第三条各号に列挙しているとおりでございます。

 その上で、具体的な調査審議事項は、国家情報会議が設置された後に、その規定の範囲内で、その時々に応じて同会議が決すべきものであり、具体的にどのような事柄を取り扱うのかといったことについて、現時点でちょっと予断を持ってお答えすることは難しいことを是非御理解いただきたいというふうに思います。

川委員 今、参考人の方から拉致問題という話、拉致問題なんですけれども、今ほどは特定失踪者問題ということで質問をさせていただきました。これは、答弁にとっては関係のない、同じということでよろしいですかね。

岡政府参考人 そのとおりでございます。私が先ほど申し上げた答弁は、北朝鮮による拉致の可能性が否定できない特定失踪者の方々について申し上げたものでございます。

川委員 そうしたら、基本的には、これからまた検討もする可能性があるということですから、是非、特定失踪者の問題もこの法案の中に盛り込んでいただきたい、そのように思います。

 次に、拉致被害者救出と特定失踪者の真相究明を国家情報会議の明確なミッションとして位置づけるかどうかについてお伺いをします。

 政府は、拉致問題について、その解決なくして北朝鮮との国交正常化はあり得ないとの原則を掲げており、全ての拉致被害者を取り戻すとの決意も繰り返し表明してきました。であるならば、国民の生命と安全を守るために設置されるべき国家情報会議において、拉致被害者救出及び特定失踪者の真相究明を、この中核的ミッションの一つとして明記することが望ましいと考えます。しかし、現行法案の条文を見る限り、その位置づけは必ずしも明確とは言えません。

 そこで、伺います。

 拉致被害者救出と特定失踪者の真相究明を国家情報会議の明確なミッションとして位置づける考えがあるのか。現行法案の条文上その位置づけが不十分である場合、拉致、特定失踪者問題を明示的に書き込む修正を検討する意思があるのか。政府の見解を伺います。

岡政府参考人 失礼いたします。

 国家情報会議における具体的な調査審議事項につきましては、先ほども答弁いたしましたとおり、本会議設置後に、第三条の規定の範囲内で、その時々の情勢に応じて同会議が決していくというものでございまして、現時点で、具体的にどのような事柄を取り扱うのかといったことについてお答えをすることは難しいことを御理解いただきたく思います。

 その上で、法案につきましては、現在の規定により、必要かつ十分な内容を備えているものというふうに考えております。

川委員 了解しました。是非とも前向きにまた検討いただきたいと思います。

 最後は、官房長官にお尋ねをしたいと思います。

 次に、北朝鮮による拉致問題及び特定失踪者問題、そして本法案が二度と失敗をしない体制になっているのか、併せてお聞きをしたいと思います。

 まず、拉致問題に対する政府の基本認識について改めて確認をしたいと思います。

 政府はこれまで、北朝鮮による拉致問題は、我が国の国家主権及び国民の生命、安全に関わる重大な問題である、安否不明の拉致被害者は全て生存しているとの前提に立ち、全ての拉致被害者の即時帰国のため全力を尽くすと繰り返し述べられてきました。しかし現実には、政府認定拉致被害者のうち依然として多数の方が北朝鮮に残されたままであり、御家族は、高齢化の中で、いまだに肉親を取り戻すことができません。

 この痛ましい現状の背景には、我が国の情報体制と政治判断の在り方に深刻な問題があったと考えざるを得ません。拉致の兆候を示す情報は、当時から警察や外務、防衛など各機関に断片的には存在をしていました。にもかかわらず、それらが一元的に集約されることなく、総合的な分析も行われず、内閣としての明確な判断と対処方針が打ち出されなかった結果が現状を招いています。

 今回の国家情報会議設置法案は、本来であれば、こうした過去の失敗を徹底的に検証した上で、同じことを二度と繰り返さないための制度として設計されなければなりません。その意味では、内閣の下にインテリジェンス司令塔を置き、各機関の情報を集約、分析する枠組みを設けようとしている点は一歩前進であると受け止めています。

 しかし、拉致問題の教訓を本当に生かそうとするのであれば、単に、会議をつくりました、情報を集める場所をつくりましたというだけでは不十分です。重要なのは、拉致や特定失踪者に関わる情報がどのようなルートで、どのような条件の下で、どの程度の強制力を持って国家情報会議に上がってくるのか、そして、その情報を基に、誰が、いつ、どのような形で政治的決定を行うのか、この一点に尽きると言っても過言ではありません。

 そして最後に、私は、政府に対して、拉致被害者全員の帰国と特定失踪者の真相究明に向けた具体的なロードマップを国民に示すことを強く求めたいと思います。もちろん、交渉の機微に関わる部分も全て公開することはできないでしょう。しかし、今後、何年でどのような段階を目指すのか、国家情報会議はその中でどのような役割を担うのか、どの時点で進捗状況を検証し、必要に応じて戦略を見直すのかといった大枠の時間軸を示すことは可能でしょうか。二度と同じ失敗をしないために、具体的な工程表と検証の枠組みに落とし込むことこそが政治の責任だと思います。

 以上の観点から、官房長官にお尋ねをします。

 北朝鮮による拉致問題が情報軽視と政治判断の遅れによって深刻化した国家的失敗であるとの認識に基づき、本法案はその反省をどのように制度設計に反映されているのか。あわせて、拉致、特定失踪者に関する情報の一元的集約、縦割りを超えた共有と分析、そして首相指導の迅速な意思決定という三つの点において、それぞれどのような仕組みを盛り込んでいるのか、具体的に御説明ください。

木原国務大臣 北朝鮮による拉致問題は、我が国の主権及び国民の安全に関わる重大な問題であり、国の責任において主体的に取り組み、解決を目指すべき課題であると認識しています。また、拉致問題の解決のためには、拉致被害者及び北朝鮮情勢に関する情報収集、分析等が極めて重要だと認識しています。

 今回の法案ですが、重要な政策課題に関する情報の収集能力や外国情報機関による諸工作への対処能力を政府全体として高めようとするものであります。

 拉致問題は、現時点において御帰国が実現していない状況において、委員のおっしゃるような過去の教訓事項、これをどこまで明らかにできるかを十分に慎重に判断しなければなりませんけれども、インテリジェンス機能の強化への取組をこれからまた再度しっかりと行っていく中で、過去の教訓を将来に生かすという視点というのは大事にしたい、私、拉致問題担当大臣としてそのように思っているところであります。

 ロードマップの話もございましたが、解決に向けた具体的方針というのを明らかにすることは今後の対応にも影響を及ぼすおそれがあるのでお答えは差し控えさせていただきますが、拉致問題の解決のためには、拉致被害者及び北朝鮮情勢に関する情報収集、分析等、これを、今回新たな体制によって、更に重要だという認識の下で、一刻も早い拉致問題の解決に全力を尽くしてまいる所存でございます。

川委員 この法案、しっかりといいものを作っていただいて、拉致問題が解決に向かうように頑張っていただきたいというふうに本当に心から願っておりますので、私自身も全力で頑張っていきますので、よろしくお願いします。

 単なる組織の再編だけではなくて、スパイ防止法案や認知戦の対策、セキュリティークリアランス体制、そして拉致、特定失踪者問題の解決が一体となった、国民の生命と主権を守る真のインテリジェンス体制の第一歩になるように心から祈念をして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

山下委員長 次に、高山聡史君。

高山委員 チームみらいの高山聡史です。

 本日は、国家情報会議設置法案について、この法案が今後本当に必要となる組織を機能する形で設計しているのかを確認させていただきたいと思います。

 本日、既にほかの委員からも複数質問があった中ではありますが、まずは、やはり立法事実について伺います。

 我が国には、内閣情報調査室、国家安全保障局の情報分析に係る機能、さらに、各省庁それぞれのインテリジェンス部門から成る体制が既にある中で、今、国家情報会議を設置しなければならない理由が何なのか、既存体制では何ができず、新組織によって何が可能になるかといったところを伺いたいと思います。

 その際、今緊迫化している安全保障環境であるとか、あるいは総合調整権といった一般論だけではなく、是非、もう一段踏み込んでいただきたいというふうに思います。

 例えば類型として、経済安全保障なのか、サイバーなのか、テロなのか、周辺国情勢なのか、どういう領域でどういうことが起きていて、どのように既存体制の不足が顕在化しようとしているのか。これがあるだけで、国民から見たときのこの法案の意義、分かりやすさというもの、腹落ち感がぐっと上がるものだと思います。

 是非、官房長官に、お答えいただける範囲でお示しいただきたいと思います。

木原国務大臣 まず、前段のお尋ねですが、情報活動については、これまでも政府全体を統括するような見地から調査審議する閣僚級の会議はなかったわけですが、今回これを新しく新設をすることで政治のリーダーシップを発揮していくものと考えております。

 内閣情報調査室、現行の内調ですけれども、長らく総合調整事務を分掌していない部局でありました。複雑で厳しい国際環境においては、政府内のあらゆる情報収集手段及び情報源を最大限に活用し、情報が的確に集約をされ、そして、これらの総合分析、総合評価が確実に行うことができるようにする必要がございました。専門家からもそういう指摘をいただいておりました。これを制度的に担保するために、国家情報局が総合調整事務を所掌することを法令上明確化することといたしました。

 あと、後段のお尋ねでありますが、委員が今、先ほど例示された、例えば経済安全保障もそうです、テロ対策もそうです、あとサイバー防衛もそうです。周辺国情勢等は、今の例示いずれも、特定少数の省庁が収集するだけの情報だけでは的確な情報評価を行うことが困難な分野でありますので、それゆえに、政府一体の取組を推進するための司令塔機能を強化し、政府が保有するあらゆる情報収集手段、情報源を更に生かしていくということ、そして、それをしっかり分析してより精緻なものにしていくということ、これが強く求められている、そういう認識でございます。

高山委員 ありがとうございます。

 今、インテリジェンス機能の強化、そのニーズが高まっているというところまでは非常に理解しやすいところですが、既存の体制ではできない、組織をこうするべきだということへの具体的な腹落ちがなかなか難しい中で、今官房長官おっしゃっていただいた、今運用でカバーしている部分を制度的にきちんとたてつけるんだという趣旨に関しては、私としても共感するところがございます。

 私が懸念するのは、もし仮に、立法事実が抽象的なものにとどまったまま組織の箱だけ先につくられるということであれば、制度はできた、組織はできたけれども、なぜつくり、どうなればそれがうまくいったと言えるのかということがなかなか検証できないという状態になりかねないというところでございます。インテリジェンスというものの性質上、全て具体例を明らかにしてこうだということが難しいという性質は理解しておりますが、引き続き議論をさせていただきたいというふうに思います。

 ここで、一点、追加で確認をさせていただきたいのですが、もし仮に、これまでの体制で十分でないというような指摘、これは外部からもあるというところでございましたが、当然、どう機能しづらかったのかであるとか、その原因分析がなされているのではないかなというふうに思います。これまでの組織の限界であるとか、あるいはそれを踏まえた設計がどうあろうとしているのかみたいなところ、もし政府参考人から追加でお示しいただける情報があれば、いただきたいと思います。

岡政府参考人 お答えいたします。

 繰り返しの御説明になりますけれども、我が国が直面している安全保障環境といいますのはやはり複雑であるということだと思っています。また、新しい技術といった、従来の思考様式ではなかなか理解しづらいような、そういった事態も生じているというふうに理解しております。そうなりますと、例えば警察だけとか外務省だけといった単独の省庁で解決できる問題は少ないと思いますし、また、御質問にもありましたけれども、官民の協力、一体感というのもまた必要な局面が生じております。

 そういたしますと、やはり各省庁の調査権限ないし捜査権限をどうするかというのも一つの課題ではあるんですけれども、まずは、現行のアセットを最大限に利活用するという観点から、各省庁の連携を深めるための総合調整権なり、あるいは強く施策を推進していくための政治のリーダーシップを発揮するための制度といったものが必要となるというふうに考えておりまして、繰り返しになりますけれども、私どもといたしましては、単独の省庁だけでは処理できない複雑な事象が生じているがゆえに、こうした省庁間連携を強化する枠組みは大変有意義であるというふうに感じております。

高山委員 ありがとうございます。

 政治のリーダーシップによって、各省庁の連携、そして各省庁ごとにおける機能も、既存のアセットの中でもより強化をされるというふうな理解をいたしました。

 続いて、国家情報会議、国家情報局と、国家安全保障局との関係について伺います。

 現在、NSSの方でも様々情報の分析、検討というのは行われており、総理に対しても報告があるものと承知をしております。ここに、国家情報会議が情報部門として調査、これはこれまでも既存の組織でやっていて、これから国家情報会議、国家情報局としてやっていくということになるかと思いますが、総理の手元には、NSS経由の報告と国家情報会議側からの報告、ある意味で二経路の分析、報告が上がることになるかと思います。

 そこで、政府参考人に伺いたいと思います。

 NSSと国家情報会議、それぞれどういう性格の情報をどのような役割分担で総理に提供をされるのか。仮に、両者の分析が異なる評価を示す場合、調整するメカニズムがあるのか、それとも、異なる評価がそれぞれ総理の判断に委ねられるのか。こういう情報のすり合わせプロセスについてお答えいただけないでしょうか。

岡政府参考人 お答えいたします。

 大前提といたしまして、国家安全保障局は国家安全保障に関わる外交、防衛、経済政策などの企画立案、総合調整を行う政策部門でありまして、一方で、新しく誕生させたいと考えている国家情報局は情報部門でございます。

 情報部門における総理への報告プロセスでございますけれども、典型的なものといたしましては、インテリジェンス各省庁がそれぞれ集めた情報が内閣情報調査室ないし国家情報局で集約されて、総合分析されて、その成果が総理に国家情報局から報告されるというものでございます。

 一方で、国家安全保障局におきましても、やはり国家安全保障に係る政策の企画立案等を行う観点から、必要な報告を適宜総理になさっているというふうに承知しております。

 本法案の施行後も総理が両部局から報告を受けることに変わりはございませんが、区分ということで申し上げると、国家情報局を経由せずに総理に報告される情報といいますかコンテンツといいますと、例えば、外交交渉の進捗や防衛力の整備状況などといった政策に係るもの等でございますし、先ほど申し上げた国家情報局から報告される、情報部門において集約、分析された情報とは、両者間で質的な違いがあり得ます。

 後段で、両組織の見方が異なる場合の調整方法についてのお尋ねがありました。

 そもそも目的の違う組織ではありますが、共通した事柄についてお互い意見を闘わせることは当然にございます。

 ただ、情報部門で総合分析や総合評価を行った結果を政策部門にお伝えした後に、それを一つの判断材料としていかなる政策決定を行ったかについては、情報部門が意見を差し挟む立場にはないというふうに理解しておりますし、また、実際上の問題といたしまして、情報提供前に両者間で何らかの意見を行う機会があれば、これは平素からお互い忌憚のない意見、見解を交わしつつも、やはり情報の総合分析、総合評価は情報部門の責任において結論づけておりますし、また、その後の政策決定につきましては、当然のことながら、政策部門の責任において結論づけるものと理解しております。

高山委員 ありがとうございます。

 基本的に、質的に異なるのであると。情報部門と政策部門が異なり、それぞれで上がっていく。

 ただ、一点、最終的なそれぞれの報告が上がる前にやり取りをされることも各レベルであるというときに、政策的な意向に情報が寄せられてしまうリスクがないのかというところに関しては、是非確認、議論をさせていただきたいと思います。

 これに関連して、次の質問では、インテリジェンスと政策の分離をどう実現しようとされているのか、お聞きしたいと思います。

 民主主義国のインテリジェンス機関の設計において、情報と政策の分離というものは大変古典的かつ最も重要な論点の一つだと思います。これは、情報部門が例えば政策部門であったりとかあるいは政権の意向を忖度して、あるいは何らかの圧力を感じて評価がゆがむということはあってはならないですし、それを防ぐための制度の担保が必要であるということだと思います。

 同様の検討は、我が国のみならず諸外国、例えば米国、英国であるとかオーストラリアであるとか、今日もいろいろな外国の名前が出ましたが、そういった諸国の組織設計や制度でも考慮されてきたものだと思います。他国の事例からの示唆も踏まえて、我が国の組織設計や制度設計がどうあるべきか、政府の認識を伺います。

岡政府参考人 お答えいたします。

 私どもが理解している欧米主要国の情報機構の設計思想といたしましては、まず、複数の情報機関によりインテリジェンスコミュニティーという村が形成されておりまして、これらの収集する情報が一点に集約されて、総合分析、総合評価を行うというプロセスが確立されております。また、政策部門からの要求に基づいて情報活動というものが推進され、その成果が政策部局に提供され、そのフィードバックを受けて、また新たな情報活動を行うというサイクルもございます。

 お尋ねの点でございますけれども、このような情報部門と政策部門の連携が図られつつも、情報評価と政策判断がそれぞれ客観性、独立性を確保されなければいけないという観点から、過度な相互干渉が行われないように、各国の行政機構の事情に応じた方法で部門間の分離が図られている、こういったことが特徴であると思っております。

 したがいまして、我が国におきましても、情報の集約と総合評価、あるいは政策部門と情報部門との連携によるインテリジェンスサイクルの確立、こういったものを推進する一方で、過度な相互干渉を防ぐための両部門の分離というのが配意すべきことだと考えておりまして、関連制度の設計や運用を行う際にも、こうした考えを反映させてまいりたいと思っていますし、本法案の内容はそれを具体化したものであるというふうに考えております。

高山委員 諸外国においても、情報部門の独立性を守るために何らかの制度的な担保がなされようとしていると。本法案においては、それは国家情報局と国家安全保障局というところであるとか、あるいは組織として別であるといったところは伺えたところでありますが、より具体で、人を分けるということであるとか、あるいは運用プロセスをもう少し具体化して定義をするということであったりとか、こういった検討は引き続き必要なのではないかなというふうに思います。

 そうした議論を是非引き続きさせていただきたいということを述べた上で、次の質問に移りたいと思います。

 ただいま、情報と政策の分離が重要という話をさせていただいたわけですが、そうであるならば、それが実際に守られているのかということをチェックする仕組みを制度的に担保する必要がございます。

 我が国には、衆参それぞれ情報監視委員会が設置をされておりますが、しかし、この所管が、本法案による国家情報会議の活動よりは狭い範囲に当たるというふうに理解をしております。そうしたときに、国家情報会議を設置し、今後インテリジェンス機能は強化されていくべきであるという中で、統制機能が現行の枠組みで十分であるのか、どういう仕組み、議論が必要であると考えるのか、政府の認識を伺いたいと思います。

岡政府参考人 失礼いたします。

 まず、冒頭申し上げるのは、情報監視審査会というものが現行衆参両院に置かれておりまして、特定秘密と重要経済安保情報の両秘密の指定や適性評価の状況について御調査いただいているところでございますので、国家情報会議がこれらの情報を扱う場合には、その指定の状況等について同審査会の調査の対象ともなりますし、従前もそうでございましたけれども、お求めがあれば、必要に応じて特定秘密文書を提供するなどして審議をしていただいているところでございます。

 民主的統制ないし監督というのは多元的、多義的な制度設計が想定されるところでございまして、行政内部でも情報部門というのは政策部門から常に厳しい審査といいますかチェックを受ける立場にございますし、この制度であれば、今まで事務次官級の会議であったものが閣僚級に格上げされることによって、最高度の監督がなされると同時に、三権分立の中における民主的統制、すなわち、国民に選挙で選ばれた方々による我々一般公務員の活動の監督となるわけでございます。

 先ほど来議論が出ております、三権分立の中で、議院内閣制という意味ではなくて三権分立の中で、議会と政府との関係において、監督をするという先鞭は情報監視審査会であるとは思っておりますけれども、繰り返し申し上げますけれども、本法案は、行政機関相互の関係を律するもので、何か各省庁に強い調査権限や捜査権限を創設するものではございませんことから、国会の統制機能に関わる新たな規定というのは本法案には盛り込んではいないところでございます。

高山委員 一般論として、閣僚が監督、所管することによって、民主的な仕組みで選ばれた方がそれをチェックするというのは、全くそのとおりだと思います。しかし、事、情報と政策の分離ということを考えたときには、それだけでは足りない部分があるのかなと。

 つまり、情報部門側のトップと政策部門側のトップあるいは閣僚というところが重なる中で、その分離の状況のチェックというところはなかなか、同じ人が同じものをチェックする格好になってしまうので、それ以外の仕組みも必要なのではないかなというふうに思います。

 本法案に限らず、インテリジェンス機能が強化をされていく中においては、必ずその機能強化とガバナンスの強化ということはセットで議論がなされるべきであると思います。本法案が、今の状態からの差分としてガバナンスの強化を要するかというところとは別に、明確にそのことはこの議論の中でも示しておきたいというふうに考えます。

 続いて、国家情報会議の設置、そしてインテリジェンス機能を強化していくに当たって、今後、人材基盤をどのように整備していくのか伺いたいと思います。

 足下の想定として、国家情報局というのはどのような人材で構成をされていくのか、各省庁からの出向者が中心となるのか、プロパー職員の採用、育成を主としていく方針なのか。そして、出向者については、その出向期間中の人事評価がどのように行われる想定なのか、政府参考人に伺いたいと思います。

岡政府参考人 お答えいたします。

 現在の内閣情報調査室の構成は、おおむね三分の一がプロパー職員で構成されておりまして、残り三分の二が他機関からの出向者となっております。

 内閣官房におきましては、当然のことでありながら、独自採用というのはかなり例外的な仕組みではあるんですけれども、情報活動の高度化や専門化が進む中で、それに必要な知識や技能を習得させるためには長い期間がかかることを踏まえまして、引き続き、各機関からの優秀な人材の派遣を期待しつつも、今後は、国家情報局で採用され、国家情報局での勤務を中心に育っていくプロパー職員の比率を徐々に高めてまいりたいというふうに考えております。

 ただ、一方で、国家情報局で採用された者であっても他機関で採用された情報マンであっても、情報業務のプロとして育っていくためには、それぞれが一定の専門領域を形成しつつも、やはり異なる体験、特に異なる組織での体験というのが成長を促す上で大変重要な機会であると思っておりますし、また、視野の広がりも期待できます。そうしたことから、省庁横断的な人事交流によるキャリアステップないしキャリアパスの形成について検討してまいりたいと考えております。

高山委員 ありがとうございます。

 まさに今、サイバーであるとか、あるいはAIを始めとするテクノロジーであったりとか、おっしゃっていただいた情報マンに求められる素養というものも、これまでとは異なる要件が増えていく、あるいはよりそれが高度化していく構造にあるというふうに思います。

 そうした際に、国家情報局として、そういった人材をプロパーでどう受け入れていくか、あるいは育成をしていくか、あるいは、今おっしゃっていただいたインテリジェンスコミュニティー内で複数の経験を積んでいくということであれば、各省庁の情報部門における受入れや連携体制がどのように検討されているかということも重要なテーマになるかなというふうに思います。

 もし追加で伺えるのであれば、国家情報局だけではなく、その他各省庁の情報部門における人材の受入れであるとか連携みたいなところのお考えについても伺えますでしょうか。

岡政府参考人 お答えいたします。

 ちょっと私は他省庁のことを責任を持って申し上げる立場にはないんですけれども、私の知る範囲あるいは私の経験で申し上げれば、やはり一番他省庁の経験で大きいのは、在外公館への派遣ないしは各省庁の所管財団等の海外事務所への派遣でございます。

 こちらにつきましては、どういう効果があるというのは一目瞭然でございますけれども、他方で、やはり各在外公館における、まあ寄り合い所帯と言うと悪い言葉かもしれませんけれども、各省庁が集まってそれぞれの特性を生かしながら一つの任務を成し遂げていく、そういう経験というのは非常に深く刻まれるものだというふうに承知しておりまして、外務省は既に情報分野に限らず様々受け入れていただいておりますけれども、それが例えば、警察に出向してみるとか防衛省に出向してみるとか、実際に例はありますけれども、そうしたことをしっかりと拡大してまいりたいという趣旨でございました。

高山委員 ありがとうございます。

 まさにおっしゃっていただいた例のように、とがった人材を受け入れて、かつ、その人材の総合力を高めていく、様々な経験を積ませていくことによって伸ばしていくというところのイメージは大変湧く御答弁であったかなというふうに思います。同時に、人材として、受け入れた者の専門性を更に伸ばしていくというところにあっては、追加、様々なお取組が必要な部分もあるのかなというふうに思います。

 続いて、本日最後に、国家情報会議の設置後、この機能が立法の目的に照らして十分に発揮されているか、これをどのように評価すればよいのかというところについて伺いたいというふうに思います。

 私の質問だけではなく、本日の委員会での質疑の中では、設置後に検討が必要なものであるとか、あるいは運用で定める必要があるのではないかという意見であるとか、中長期的に取り組む必要があるのではないかとか、そういった内容が複数の論点においてあったかなというふうに理解をしております。これ自体が問題であると申し上げたいわけではないのですが、設置後に検討する内容が本当に検討されてどう着地をしたのかということがきちんと検証なされなくては、この場での議論が、ある意味、空手形的になってしまうおそれがあるというところではないかなと思います。

 そこで伺いたいのですが、本法案によって国家情報会議が設置された後、その機能が本法案の立法目的に照らして十分に発揮されているのかということを評価する仕組みはどのように設計、検討されようとしているのでしょうか。是非、政府の見解を伺いたいと思います。

木原国務大臣 これは今般新設しようとしている国家情報会議に限った話ではないんですけれども、行政機関は、その行政目的に照らして期待される機能を十分に果たしているか、これは自ら不断に確認をし、そこで得られた課題というのを将来に生かしていくということが重要であると認識しています。

 その上で、情報部門が収集、分析する情報というのは政策部門における判断や決定に資するものであるという性格から考えますと、政策部門は常に情報部門の評価者の立場であるとも言えると思います。カスタマーとプロバイダーでいうとカスタマーの方が評価をするということになるんだろうと思いますから、情報部門は、政策部門による評価のフィードバックを繰り返し受けながら、更なる情報活動をよりよきものとしていく、これを我々はインテリジェンスサイクルと言っていますが、そのインテリジェンスサイクルの確立こそ、本制度整備の狙いとするところでもあります。

高山委員 ありがとうございます。

 部局間のフィードバック、政策側からのフィードバックというところは、情報部門がパフォーマンスを上げる上で大変有益かつ重要なことであるというふうに思います。

 今日これまでの質疑の中でも、公文書管理法に基づく記録が残る部分もあるので、国家情報会議、国家情報局によってどういう情報が上がってきたのか、そういった記録が残る部分、そして、それが政策部門にどう利用されたのか、記録が残る部分もあるのではないかなと思います。

 こういった、ある意味、客観的なデータであるとかログによって評価を行うといったようなお考えも政府としてはありますでしょうか。

岡政府参考人 お答えいたします。

 私ども、平素、非常に多くの情報プロダクトを作成しておりまして、それが例えば衛星秘密を使えば特定秘密文書として保存されますし、そうでない部分についても、一定の秘密のグレードを付した上で、確実に行政文書として保管、管理しており、このことは、将来、遠い将来であるか近い将来であるかは別ですけれども、事後の検証、すなわち、私ども情報活動はしっかり客観的な分析ができていたか、先ほどおっしゃったように、政策サイドの過剰な関与がなかったか、さらには、それが結果として政策にどう生かされたかということについて検証を受ける立場にあり、それに必要な情報管理、文書管理につきましては、現行の法令の定めに従ってしっかりとやっていきたいというふうに考えております。

高山委員 ありがとうございます。

 非常に、手がかりといいますか、きちんと検証が行われる道筋があるんだなという御答弁であったかなと思います。是非、その検証が、内部的な検証を行うことはもちろんなんですが、これは、情報の性質も踏まえながら、国民に対してもその検証結果が開かれるような形であると、情報部門の意義であるとか、あるいは国民のためにどういう仕事をしているのかといった正当な評価にもつながるのではないかなというふうに思います。

 私としても、インテリジェンス機能の強化、高度化ということ自体は大変共感をするところで、これを実現するということの方向性に関しては賛同するものであります。しかし、この組織ができたからそれでよいということではなくて、それが機能して、検証されて、そして国民の理解、評価も得られるということがあって初めて、国民の利益であるとか、あるいは納得感にもつながるものであると思います。

 是非、今後の議論でも引き続きこのインテリジェンス機能の強化に資する議論、お話をさせていただければというふうに思うというところを述べまして、本日の私の質疑を終わりとしたいと思います。

山下委員長 次に、塩川鉄也君。

塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 国家情報会議設置法案について質問をいたします。

 最初に、第六条の第一項の国家情報会議の議員についてですけれども、情報機関、情報コミュニティー省庁の担当大臣で構成をしているというのがこの議員ということでよろしいでしょうか。

岡政府参考人 委員御認識のとおり、国家情報会議の議員は情報コミュニティー省庁を担当する閣僚としておりまして、現在の内閣情報会議のメンバー省庁を所管する閣僚となっております。

塩川委員 そこで、この第六条第一項に記載されている大臣が所管している情報コミュニティー省庁はそれぞれどこなのか、対応関係を教えてください。

岡政府参考人 第六条第一項に記載されております大臣が所管している情報コミュニティー省庁はそれぞれどこかというお尋ねだと理解しております。

 情報コミュニティーのコアメンバーとされる組織は、我が内調と警察庁、公安調査庁、外務省、防衛省の五機関でございまして、さらに、金融庁、財務省、経済産業省及び海上保安庁が拡大情報コミュニティーとされておりまして、今申し上げた省庁の担当大臣を新法における国家情報会議の議員としたところでございます。

塩川委員 この情報コミュニティー省庁の要となる内閣情報調査室ですけれども、この内閣情報調査室の実員が何人か、うち、各情報コミュニティー省庁から内閣情報調査室への出向、派遣者の人数は何人か。これは、二〇二五年四月一日現在と二〇二六年四月一日現在の数字で示していただけますか。

岡政府参考人 それぞれの情報コミュニティー省庁から内閣情報調査室への出向者数につきまして、省庁別の内訳を申し上げますと、まず、古い方で、令和七年四月一日時点におきましては、多い順に申し上げますと、警察庁が約百七十名……(塩川委員「済みません、全体の、内調の実員から」と呼ぶ)実員が七百名強でございまして……(塩川委員「七百十名と聞いたよ」と呼ぶ)はい、それでございます、済みません。

 情報コミュニティー省庁の別で、多い順に申し上げますと、警察庁が約百七十名、ただし、こちらは都道府県警察から出向している方が多うございます、それから、防衛省が約百名、外務省が約五十名、法務省が約四十名、国土交通省が約二十名、財務省が約十名などとなっておりまして、続いて、令和八年四月一日時点におきましては、これも多い順に、警察庁が約八十名、防衛省が約百名、外務省が約五十名、法務省が約四十名、国土交通省が約二十名、財務省が約百十名などとなっております。法務省には、公安調査庁や出入国管理庁以外の組織も含まれます。また、国土交通省は、海上保安庁以外の組織も含まれます。

塩川委員 二〇二六年四月一日の内閣情報調査室全体の実員が何人かということと、さっき、警察庁が、二〇二六年四月一日、八十名、それから、財務省が百十名とあったんですが、これで合っていますか。

岡政府参考人 申し訳ございません、訂正いたします。

 令和八年四月一日時点におきます情報コミュニティー省庁から内閣情報調査室への出向、派遣者の構成内訳につきましては、多い順に、警察庁が約百八十名、防衛省が約百名、外務省が約五十名、法務省が約四十名、国土交通省が約二十名、財務省が約十名などでございます。失礼いたしました。

塩川委員 実員としての総数は七百十よりも多い、つまり昨年よりも多いんですか。

岡政府参考人 内閣情報調査室の実員数につきましては、令和七年四月一日時点が約七百十名、一年たちまして、令和八年、今年ですね、令和八年四月一日で約七百三十名となっております。

塩川委員 それで、今年度更に増やす見込みというのはあるんでしょうか。予算上等の定員等について、何人増やすのかについて教えてもらえますか。

岡政府参考人 本年度の予算におきまして、国家情報局の設置に伴い、幹部職員も含めて約三十名の増員を認めていただいております。ただ、御案内のとおりでございますけれども、定員と実員の乖離がございまして、定員が増えたからといって直ちに増えるものではございませんが、今後、夏の人事異動時期も見据えまして、各省庁に対しまして、優秀な人材を出向、派遣させていただけるようにお願いしていきたいというふうに考えております。

塩川委員 この間、定員よりも実員の方が多いんだと思うんですけれども、いずれにしても、今後も増やす、それで、この間増やしてきている。

 それで、三分の二が要するに出向によるもの、その中心が警察、自衛隊ということで、こういった、内閣情報調査室が、今後、国家情報局として、国家情報会議の事務局としての役割を発揮するわけであります。

 国家情報会議は、これらの情報コミュニティー省庁に対し基本方針を示すわけですし、国家情報局は、政府全体を俯瞰し、戦略的に総合調整を実施するとともに、よりよい分析のためにより多くの情報を集約する。国家情報会議、国家情報局を要として、情報機関、情報コミュニティー省庁が一体となって運用されるわけであります。

 そこで、重要情報活動及び外国情報活動への対処に関する重要事項を調査する国家情報会議において、自民、維新の連立政権合意書にあるインテリジェンス政策、これを国家情報会議において調査審議を行うということでよろしいでしょうか。

木原国務大臣 本法案で設置されます国家情報会議でありますが、重要情報活動及び外国情報活動への対処に関する重要事項を調査審議する機関であり、その調査審議事項は、本法案の第三条各号に列挙されているとおりであります。

 その上で、国家情報会議における具体的な調査審議事項というのは、今国会において本法案をお認めいただき、国家情報会議が設置された後に、その第三条の規定の範囲内で、その時々の情勢に応じて同会議が決すべきものでありますので、具体的にどのような事柄を取り扱うのかといったことについて、現時点で予断を持ってお答えするということは困難であります。

塩川委員 第三条の規定の範囲に、連立政権合意書にあるインテリジェンス政策は入っているのではありませんか。

木原国務大臣 委員の質問の趣旨がいま一つ明確ではありませんけれども、あくまでもこれは、本法案をお認めいただいた後に、国家情報会議が設置された後に、その第三条の規定の範囲内で、その時々の情勢に応じてその会議が決すべきものであるので、現時点においては、私からお答えすることは差し控えます。

塩川委員 じゃ、インテリジェンス政策一般については、この第三条の規定の範囲に入っていないんですか、入っているんですか。

岡政府参考人 失礼いたします。

 インテリジェンス政策一般という言葉で指し示せる範囲がちょっと定かではございませんので、ちょっと誤解のなきように改めて答弁いたしますと、そこの基本的な方針などにつきましては、施策の推進方策でありますとか施策の重点といったことが含まれますし、その他の重要な事項につきまして、何かその活動以外に政策的な要素が含まれ得ると考えております。

 ただし、それが調査審議事項となるかどうかにつきましては、官房長官から答弁をしましたとおり、会議設置後に、情勢に応じて議長が定める、お決めになるというふうに考えております。

塩川委員 含まれ得るということです。つくった後でということでありますけれども、含まれ得るということでありますので、当然、自民、維新の連立政権合意書の中には、インテリジェンス政策として対外情報庁ですとかスパイ防止法関連法制の扱いも挙げられているわけですから、その調査審議を行うということにつながるということであります。

 そういう点で、情報機関による市民監視や人権侵害、これについての様々な危惧や懸念の声があるわけで、今回の法案というのが、そういう体制を強化するものだということについてやはり問われてくるわけであります。

 そこで、この情報コミュニティー省庁の一つであります防衛省・自衛隊ですが、自衛隊情報保全隊の市民監視事件について質問をいたします。

 情報保全隊が、「イラク自衛隊派遣に対する国内勢力の反対動向」という文書を作っていた、週単位に全国の反対運動の情報収集などを行っていた、米国のイラク戦争が始まった二〇〇三年に、イラク戦争に反対をし、イラクへの自衛隊派遣に反対する市民の活動を監視をし、情報収集をしていた事件であります。市民のプライバシーを侵害をし、表現の自由を侵害するという、人権侵害が問われ、仙台高裁判決において違法の判決が行われました。防衛省として上告をせず、違法の判決が確定をしたところです。

 そこで、防衛省にお尋ねいたしますが、このような、情報保全隊が違法な調査を行っていたということを認めますか。

松尾政府参考人 お答えいたします。

 自衛隊情報保全隊による監視活動の停止などを求めた裁判について、平成二十八年二月二日、仙台高等裁判所は、監視活動等の差止めの訴えを却下する一方で、一名に対するプライバシーの侵害を認め、損害賠償の支払いを命じる判決を言い渡したところでございます。判決におきましては、個人情報の適切な取扱いなどのコンプライアンスが問題になったというふうに認識をしております。

 防衛省としては、控訴審判決の内容について、国の主張の一部が裁判所の理解を得られなかったものと受け止めております。

 他方、上告につきましては、民事訴訟法三百十二条に基づき、当該判決に憲法の解釈の誤りその他憲法違反などがあることを理由に、できるとされてございます。また、上告受理の申立てにつきましては、同法の三百十八条に基づいて、判例に反する判断又はその他の法令の解釈に関する重要事項を含むと認められる事件について受理されるということになってございまして、本件に関しましては、上告及び上告受理の申立てについては、判決内容を慎重に検討し、関係機関と調整を行った結果、行わないこととしたものでございます。

塩川委員 プライバシーの侵害を認め、損害賠償の支払いを命じる判決を言い渡したわけですけれども、自衛隊は今後とも法令に従って情報収集すると言っているわけで、この違法判決をまともに受け止めていないというのが実態であります。

 重ねてお尋ねしますが、自衛隊情報保全隊によるプライバシーの侵害があったと認める判決を受けて、防衛省・自衛隊はプライバシー侵害の調査を行わないという措置を取ったんですか。

松尾政府参考人 お答えいたします。

 自衛隊情報保全隊は、自衛隊員の情報保全に関する規律違反などがないよう、部隊の運用等に係る情報保全業務に必要な情報の収集、整理を任務としてございます。

 防衛省としては、従来より、情報保全隊が防衛省・自衛隊の所掌事務、任務の範囲内で関係法令に従って適切な方法で情報収集などを行うよう努めてきているところではございますが、司法の判断を厳粛に受け止め、より一層徹底をして取り組んでいるところでございます。

 具体的に申し上げますと、平成二十九年三月に発出した自衛隊情報保全隊の運営の基本方針において、個人情報の適切な取扱いなどのコンプライアンスの確保を図るため、関係法令に関する教育内容の充実を図るとともに、部隊における指導を徹底するということを定めてございます。この方針に基づきまして、自衛隊情報保全隊における個人情報の適切な取扱いを含むコンプライアンスについて、毎年、陸上自衛隊において教育及び検査を行っているところでございます。

 また、防衛省におきましては、不正行為や非違行為の発見、是正や未然の防止を図るため、公益通報者保護制度を設け、また、職員の職務執行の適正を確保するため、防衛監察本部による防衛監察を実施しているところでございます。自衛隊情報保全隊についても、当然、これの対象になってございます。

 こういった今申し上げました措置を総合的に実施することで、情報保全隊による適切かつ適法な業務の遂行というのを徹底をしているところでございます。

塩川委員 個人情報の取扱いの適切なコンプライアンス、指導を徹底するという話があったんですが、その前提でしゃべっていることが、防衛省としては、従来より情報保全隊が適切な方法で情報収集を行うよう努めてきているということで、以前からちゃんとやっていますよという答弁なんですよ。これは違法判決の反省がないんじゃありませんか。

松尾政府参考人 お答えいたします。

 自衛隊情報保全隊による監視活動の停止を求めた裁判につきましては、先ほども申し上げたとおり、防衛省としては、控訴審判決の内容について、国の主張の一部が裁判所の理解を得られなかったところではございますが、司法による判断を厳粛に受け止め、情報保全隊が今後とも防衛省・自衛隊の所掌事務、任務の範囲内で関係法令に従って適切な方法で情報収集などに努めるということを改めて徹底をしているところでございます。

 なお、本件訴訟に関しまして、プライバシーの侵害が認定された原告一名に対しましては、司法の判断を尊重するということで、既に賠償金十万円の支払いを完了しているところでございます。

 いずれにいたしましても、本件訴訟で提示をされた文書につきましては、防衛省として対外的に明らかにしたものではございません。そうしたことから、陸上自衛隊情報保全隊が本文書を作成したか否かも含めまして、国として認否をできないという立場で、この点については変わりはございません。

 文書に書かれている内容が事実であるというような前提の下での御質問についてお答えできないということについては、御理解をいただければと思います。

塩川委員 ですから、違法だということが判決で明らかになったにもかかわらず、実際にその認否すら認めようとしないということが前提ということで、今もありましたけれども、今後とも適切な対応を行っていくということで、結局、過去に誤っていたということについての反省がそもそもないわけですよ。

 あと、賠償金を払ったということですけれども、プライバシーの侵害が認定された原告に対して、人権侵害を受けた当事者に対して謝罪は行ったんでしょうか。

松尾政府参考人 お答えいたします。

 繰り返しになりますけれども、防衛省におきましては、情報保全隊がこれまでも防衛省・自衛隊の所掌事務の範囲内で関係法令に従って適切な形で情報収集をするということで行ってきております。今回におきましては、プライバシーの侵害というものが認定をされたということを受けて、原告の方には、司法の判断を尊重する形で、賠償金十万円を支払ったところでございます。

 謝罪という御質問については、我々としては、国の主張が一部認められなかったというところではございますけれども、司法の判断を尊重する形で、損害賠償としての賠償金というものを支払ったところでございます。

 これも繰り返しになりますけれども、文書自体が問題になっている点につきまして、防衛省が作成して対外的に明らかにしたものではないという立場を前提に、この点について、それを前提にしたような対応ということについて、なかなかできないということについて、御理解をいただければと思います。

塩川委員 賠償金を払っても、おわびしたという話は出てこないわけですよ。こういったのが今の防衛省・自衛隊の対応だったということであります。

 今回のこの事件について、じゃ、違法に収集された情報というのは削除されたんでしょうか。

松尾政府参考人 お答えいたします。

 本件訴訟で提示された内容につきましては、先ほども申し上げたとおり、防衛省として対外的に明らかにしたものではないということでございます。このため、陸上自衛隊情報保全隊が本件文書を作成したか否かも含め、国として認否できないという立場に変わりはございません。このため、当該文書に記載されていた内容が事実であることを前提にした質問にお答えすることは差し控えたいと思います。

 その上で申し上げれば、これも改めてになりますけれども、情報保全隊が防衛省・自衛隊の所掌事務、任務の範囲内で関係法令に従って適切な方法で情報収集を行うべきことは当然でございます。仮に関係法令に反するような情報収集などが行われたのであれば、こういった行為については直ちに是正していくということは一般論として当然のことだと思ってございます。

塩川委員 裁判所が認めている、違法ということを決めたその文書について、今、国としては認否できないということで、違法に収集した情報の削除そのものを行うということも言えないということで、今回のこの情報保全隊の違法な市民監視、個人情報収集について、反省もなければ謝罪もないということであります。

 これは二〇〇三年の事件ですけれども、二〇〇二年、我が党の赤嶺議員が当時の中谷防衛庁長官に情報保全隊の任務についてただしたときがあります。赤嶺議員が、自衛隊員だけでなく民間人も情報保全隊による情報収集の対象になるのか、民間人も情報収集の対象になるのかと聞いたのに対して、中谷長官は、あらかじめ防衛秘密を取り扱う者として指定した関係者のみに限定するということを述べていたわけで、防衛秘密と関係のない年金問題とか医療の問題なんかの調査、情報収集も行っていたわけであります。イラク戦争反対の運動の情報収集から全く逸脱していたのではありませんか。

 官房長官にお尋ねします。

 今回の法案は、こういった違法な活動を行っていた自衛隊を始め、内閣と情報コミュニティー省庁との連携強化、一体化を推進するものであり、市民監視、人権侵害の拡大につながるということになるのではありませんか。

木原国務大臣 ただいま、自衛隊の情報保全隊の話もありました。また、警務隊も含めて、防衛省・自衛隊の組織を運営する中ではいずれも重要な組織であるというふうに思っております。過去の事例によって、また判例によって、反省すべきことは反省し、より確かな組織として運営をしていきたいと思っております。

塩川委員 反省がないと言わざるを得ません。

 こういった違法な人権侵害の市民監視の活動に反省も謝罪もない、歯止め策もないといったのが、まさにイラク戦争のときにアメリカの無法な、大量破壊兵器はなかったわけですから、こういったイラク戦争において、それにつき従って自衛隊の海外派遣を行ったのが日本であります。

 まさに日米一体の戦争国家づくりに反対する市民を監視をし、人権侵害を拡大することになる情報機関の強化を図る今回の法案には、断固反対であります。廃案にすべきだと申し上げたい。

 今回、法案で、第二条のところに重要情報活動、外国情報活動への対処と出てくるんですが、これは対になって出されているわけですけれども、これは端的に言うと、重要情報活動というのはインテリジェンスに対応し、外国情報活動への対処というのはカウンターインテリジェンスに対応している、こういうふうに受け止めてよろしいですか。

岡政府参考人 法令上の用語ですので法令の用語を用いてしか正しい御説明はできないんですけれども、対比という点においては委員が御理解されているのと大きく相違はないというふうに考えております。

塩川委員 それで、カウンターインテリジェンスに相当する外国情報活動への対処ということについては、配付資料をお配りしておりますけれども、外国情報活動、それから特定有害活動、重要経済基盤毀損活動、これは条文で同じ、対応しているところがあるわけであります。

 そうしますと、秘密保護法の特定有害活動というのは、これは二枚目の方にも書いてありますけれども、内調としても、特定有害活動はスパイ行為等、つまりスパイ活動ということで言っているわけで、そうなりますと、外国情報活動への対処というのはいわば外国によるスパイ活動への対処、外国情報活動というのは外国によるスパイ活動、これを指しているという理解でよろしいでしょうか。

岡政府参考人 お答えいたします。

 新法案の外国情報活動への対処につきましては、そこで言うところの外国情報活動とは、典型的には、外国情報機関が行う、我が国政府又は企業の重要な秘密を狙う各種の秘密工作を称するものでありまして、スパイ行為という言い方もまたさほど違和感のない言い方であるというふうに思っております。

塩川委員 外国情報活動というのは外国によるスパイ活動という点で違和感がないということですと。

 そうすると、重要情報活動の方は、日本政府が行うスパイ活動ということになるんでしょうか。

岡政府参考人 私ども、基本的に、法令の分野におきましてスパイという言葉を使ってはおりませんので、なかなか、ちょっとすぐには答えかねるんですけれども、例えば、懸念国、大量破壊兵器の拡散などに関しまして懸念国があって、その懸念国の政府首脳の意思でありますとか、あるいは軍拡を検討している国家の軍の能力などを探る活動、そういった情報を探る活動に関しては重要情報活動に該当いたします。我が国政府が行うものでございます。

塩川委員 結局、スパイ活動については外国だけではなくて日本国民も対象となる、まさに情報保全隊の点で国民そのものが市民監視そして人権侵害の対象となった、こういうことを拡大するようなこういう法案は認められないということを申し上げて、質問を終わります。

    ―――――――――――――

山下委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。

 本案審査のため、来る十六日木曜日午前九時、参考人として元内閣情報官、元拉致問題対策本部事務局長三谷秀史君、情報セキュリティ大学院大学情報セキュリティ研究科教授小林良樹君、公益財団法人中曽根康弘世界平和研究所上席研究員大澤淳君、弁護士齋藤裕君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次回は、来る十五日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時八分散会


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