第4号 令和8年4月15日(水曜日)
令和八年四月十五日(水曜日)午前九時三分開議
出席委員
委員長 山下 貴司君
理事 安藤たかお君 理事 鈴木 馨祐君
理事 中根 一幸君 理事 長谷川淳二君
理事 鳩山 二郎君 理事 後藤 祐一君
理事 浦野 靖人君 理事 森ようすけ君
井出 庸生君 大空 幸星君
長田紘一郎君 金子 容三君
川崎ひでと君 河野 正美君
今 洋佑君 佐藤 主迪君
平 将明君 中田 宏君
西野 太亮君 平井 卓也君
平沢 勝栄君 文月 涼君
古川 直季君 村木 汀君
吉田 有理君 若山 慎司君
渡辺 勝幸君 渡辺 博道君
大島 敦君 長妻 昭君
吉田 宣弘君 黒田 征樹君
西田 薫君 野村 美穂君
川 裕一郎君 高山 聡史君
林 拓海君 塩川 鉄也君
…………………………………
国務大臣
(内閣官房長官) 木原 稔君
内閣官房副長官 尾崎 正直君
内閣府大臣政務官 金子 容三君
内閣府大臣政務官 若山 慎司君
内閣府大臣政務官 古川 直季君
内閣府大臣政務官 川崎ひでと君
文部科学大臣政務官 清水 真人君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 風早 正毅君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 町田 達也君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 岡 素彦君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 鎌谷 陽之君
政府参考人
(警察庁警備局長) 千代延晃平君
政府参考人
(公安調査庁総務部長) 渡部亜由子君
政府参考人
(外務省大臣官房審議官) 三宅 浩史君
政府参考人
(文部科学省大臣官房審議官) 福井 俊英君
政府参考人
(防衛省大臣官房政策立案総括審議官) 坂本 大祐君
政府参考人
(防衛省防衛政策局次長) 松尾 智樹君
内閣委員会専門員 田中 仁君
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委員の異動
四月十五日
辞任 補欠選任
大空 幸星君 渡辺 勝幸君
金子 容三君 西野 太亮君
若山 慎司君 今 洋佑君
大島 敦君 吉田 宣弘君
高山 聡史君 林 拓海君
同日
辞任 補欠選任
今 洋佑君 若山 慎司君
西野 太亮君 金子 容三君
渡辺 勝幸君 大空 幸星君
吉田 宣弘君 大島 敦君
林 拓海君 高山 聡史君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
国家情報会議設置法案(内閣提出第二四号)
――――◇―――――
○山下委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、国家情報会議設置法案を議題といたします。
この際、お諮りいたします。
本案審査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、内閣官房内閣審議官風早正毅君外九名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○山下委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。大島敦君。
○大島委員 おはようございます。
二〇一三年、国家安全保障会議の審議では、第六条二項は、当初は「求めることができる。」という内容から、修正により、「行わなければならない。」型へ強化されております。委員会答弁でも、改正後は、各省庁が国家安全保障会議への資料、情報提供義務を負うという理解が明確にされております。
多分、答弁したのは、後藤さんだと思うんです。当時、国家安全保障会議の設置法案の審議で、私、野党の筆頭と政策責任者をしておりまして、そのとき、後藤委員から、やはり「求めることができる。」のでは弱い、やはり国として必要な情報は国家安全保障会議に、あるいは国家安全保障局にしっかりと提出させるべきというお話があって、「行わなければならない。」に変えたと考えておりまして。
当時、二〇一三年、野党だから反対しているわけではなくて、内容的に正しければ、しっかり修正をして、よりよい方向に持っていく。その次に行われたのが、特定秘密保護法案も、野党側として五法案、ばっちりとした法案を出して、それで対案で審議をさせていただいております。ですから、賛成でも反対でもなくて、よりよい方向にするということが、私たちが考えているところです。
国のありようを、いつも、こういう法案審議をするときには思いを致しておりまして、思い出すのは、二〇〇一年の九月十一日、夜、地元、自宅に帰ってテレビをつけていると、同時多発テロで、多分二機目の旅客機が貿易センタービルに突っ込んでいる瞬間を見たときに、世界中でこのオペレーションが起きていると思いまして、首都東京もひょっとすると対象になっているかなと思って、夜中、車を飛ばして東京に戻りまして、まずは議員会館に出てみると、極めて平穏無事な我が国でして。
どういう国の在り方かということをよく考えて審議しないといけないと思います。新型感染症のときに、成功した国として台湾とか韓国とかシンガポールが挙げられて、当時の議論は、日本はデジタル化が遅れているからデジタル化しなければいけない。ですから、スマートフォンのアプリでCOCOAというのができたり、あるいは、マイナ保険証もこのときだと思うんですよ。ただ、マイナ保険証は、これは政治主導ですから、マイナカードは国民に義務化しておりませんので、二つの制度がずっと残ることになる。台湾、韓国、シンガポールの共通点があって、徴兵制がある国なの。ですから、情報に対する理解の度合い、国民の意識が全く違うので、こういう新型感染症のときには機能するんですよ。
だから、我が国の在り方として、非常に平和な、非常に心地よい我が国のこの在り方を前提としながら議論をしなければいけないなと考えておりまして。
次に伺うのは、今回の法案第七条の資料提供等は、内閣官房長官及び関係行政機関の長が、国家情報会議に対し、重要情報活動又は外国情報活動への対処に関する資料又は情報であって、会議の調査審議に資するものを適時に提供し、さらに、議長の求めに応じて、必要な協力を行わなければならないとする規定です。他方、現行の国家安全保障会議設置法第六条も、会議の定めるところによる資料、情報の適時提供と、議長の求めに応じた提供、説明その他必要な協力義務という、極めて近い構図を取っています。
そこで、政府に伺います。
国家情報会議法案第七条の法的効果は国家安全保障会議法第六条と同じと理解してよいのか、違うならどこがどう違うのか、明確にお答えください。
○岡政府参考人 おはようございます。
法案第七条におきまして、各省庁に対し、国家情報会議の議長である総理大臣からの求めに応じ、国家情報会議に対して資料や情報を提供する義務を規定しておりますけれども、本規定の効果につきましては、先ほど御指摘のあった国家安全保障会議設置法第六条に規定するものと同様であると考えております。
○大島委員 今の答弁を受けて、対象事項が同じ規定ということなんですけれども、更問いになります。
外国による影響工作とか、経済安全保障上の重大案件とか、重要インフラへの浸透とか、重大サイバー事案などは、国家安全保障上の問題であると同時に、重要情報活動又は外国情報活動への対処の問題でもあります。
そこで、伺います。
こうした重複領域の案件について、最初にどちらの会議に上げるのか。今言ったような内容について、最初にどちらの会議に上げるのか。どちらの局が各省への情報要求を主導するのか。三番目、国家安全保障局と国家情報局のどちらが一次集約の窓口になるのか、二重要求や重複提出を防ぐ運用ルールを設けるのか。
答弁できれば具体的に教えてほしいんです。一つは、最初にどちらの会議に上げるのか、どちらの局が各省庁へ情報要求をするのか、国家安全保障局と国家情報局のどちらが一次集約の窓口になるのか、二重要求や重複提出を防ぐ運用ルールを設けるのかについて、御答弁をお願いします。
○岡政府参考人 お答えいたします。
法制上どうできるかという話じゃなくて、実務上の整理の話だと理解いたしました。
まず第一に申し上げたいのは、私どもの情報サイドが扱う情報、すなわち、警察庁の例えば警備部門でありますとかあるいは外務省の国際情報統括官組織が集めるようなインテル情報につきましては、今も一般的に私ども内閣情報調査室に一旦集約をされ、総合分析を経てから国家情報局に提供されております。国家情報局にはそれを受ける情報担当の班もございまして、緊密に連携をしております。
他方で、例えば防衛装備の整備に関する資料であるとかあるいは外交交渉に関する資料、情報などにつきましては、当方としては一般的には収集することはなく、第一義的には国家安全保障会議ないし国家安全保障局の方に提供されます。
ですので、おのずとすみ分けがされておりまして、最初にどちらの会議かであるとか、あるいはどちらが要求するのかというのは、実務的にはすみ分けられているところでございます。
二重要求というのは確かにあり得るかもしれませんけれども、要求される側が二重だなと気がつきますので、電子データとしてどちらに送っても構わないものについては多分送ってくださるんでしょうし、手間が二重にかかるという性質のものについては、多分、意見といいますかクレームが来て、改善が図られるんだろうというふうに思っております。
以上でございます。
○大島委員 そうすると、それぞれの資料あるいは情報については、性質によってそれぞれ切り分けられて、それぞれに届けられるという理解でよろしいのかしら。もう一回、答弁をお願いします。
○岡政府参考人 そのとおりでございます。
基本的には、例えばですけれども、外国の情報機関から得た情報、外国の情報機関との情報協力業務で得たような情報を典型といたしまして、いわゆるインテル部門で取り扱う情報とそれから政策部門で取り扱われる情報というのは一般的には切り分けをされておりまして、実務上は整理がなされ、その集約のルートというのも分離されております。
それから、先ほど私、国家情報局と国家安全保障局を言い間違えたところがありまして、訂正いたします。どうも済みませんでした。
○大島委員 国家情報局というのは、それは内閣情報調査室ということでよろしいんですよね。ちょっとどきっとしたものですから。更問いをさせていただきました。
そして、第七条二項の必要な協力等とは具体的に何を含むのでしょうか。単なる資料提出だけでなく、口頭説明、追加分析、原資料の提示、担当者による継続的なブリーフィングまで含み得るのか、必要な協力等の範囲を政府として整理してお答えください。
国家安全保障会議法第六条においても、現行法上、「資料又は情報の提供及び説明その他必要な協力を行わなければならない。」とされている以上、国家情報会議法案でも同様に、どこまでが義務の範囲なのか、明確にすべきと考えます。
○岡政府参考人 お答えいたします。
法案第七条第二項におきましては、「前項に定めるもののほか、内閣官房長官及び関係行政機関の長は、議長の求めに応じて、会議に対し、重要情報活動又は外国情報活動への対処に関する資料又は情報の提供及び説明その他必要な協力を行わなければならない。」と規定をしております。
ここで申します必要な協力とは、委員御指摘のとおり、国家情報会議が重要情報活動及び外国情報活動への対処について調査審議するのに必要な範囲において、資料等を提供するのみならず、会議において、口頭にて資料の補足事項も含め説明することのほか、例えば、情報活動の結果浮かび上がりつつある何らかの事象につきまして、当該省庁が有する知見や経験に基づく見立てのようなものがあればそれを述べること、さらには、会議の調査審議に資する形に資料を加工して提供することなどの様々な形を含むものと考えております。
○大島委員 もう一度確認したいんですけれども、今回の法案が成立をすると、内閣情報調査室が国家情報局になって、先ほど申し上げましたとおり、各資料についても、行わなければならないというふうに強化されるものですから、実務上変化があるかなと思うんですけれども、どのように変化するのか、もっとスムーズに仕事がしやすくなるのか、その点についてお答えください。
今の答弁だと、強制力を持たせなくても十分仕事はできているという理解をするものですから、もう一回御答弁をお願いします。
○岡政府参考人 お答えします。
もとより、行政機関相互が協力して、一致団結して仕事をしていくというのが本旨でございますので、そういう意味におきましても、現在、内調としては、各省庁から所要の情報はいただいているところでございます。
ただ、先日来答弁しておりますとおり、情勢の複雑化が進んで、単独の省庁の情報だけではなかなか全体像をつかみ得ない状況が発生している中で、より広く、強く各省庁からの情報を求めて、総合的な分析をする必要が生じております。
そうした観点から、このような規定をお認めいただきますとすれば、それを十分に活用して、より私どもとしては内閣の立場から積極的に強く情報を求めることになりますし、また、各省庁の側も内閣官房に情報を集めるという意識は当然に強まりましょうし、その相乗効果としてインテリジェンスサイクルというのが現行よりも太く活発に回るようになるというふうに理解をしております。
○大島委員 今答弁いただいた、今後求めたい情報にはどういうものがあるのか、教えていただければ助かります。
○岡政府参考人 失礼いたします。
現下の課題を一点だけ掲げるというのは難しいので、幾つか例示を挙げさせていただきますとすれば、例えば、経済安全保障に関する情報、それの懸念国ないし対象国の隠された意図などに関する情報がございます。
また、SNS空間における偽情報の流布というのが活発化しておりまして、その技術的解析基盤を持った省庁における分析結果、解析結果、ないしは、SNS上に徴表されている情報が、果たしてどういった由来のもので、どういった意図により作成されたのかということについての分析資料などが求められるところでございます。
また、典型的にはでございますけれども、周辺地域ないし我が国と関連の深い地域において武力紛争などの兆しがある場合において、その動向についてのまた隠された動き、あるいは対象国の意思などについての情報というのを広く求めたいというふうに考えております。
○大島委員 今の政府参考人の答弁を聞いていると、国家情報局は、今の内閣情報調査室、そんなに人数は多くないですよね。ですから、今政府参考人が答弁した内容は、国の経済研究所とか外交の研究所とか、そういうところのリソースが大切だと思うんですよ。
今週、アジア経済研究所まで訪れまして、そこには南満州鉄道、満鉄調査部の資料が全部そろっていると伺ったものですから、わざわざ、私としては興味があって訪れまして、マンスリーレポートとかを読んでいると、極めてよく精緻に分析してあって、戦前における最高の調査機関である、インテリジェンス機関であるという位置づけだったかと思うの。
そういうような、要は、活動がより強く、強化しなければいけないなと思うんですけれども、いかがですか。
○岡政府参考人 御指摘のとおりでございまして、私どもが国家安全保障上の脅威に対処するために集約したいと考えている情報は、何も、官民でいえば官だけが独占して収集、調査をしているわけではございません。例えば、アカデミアの方でありますとか、民間企業で世界的なネットワークを張り巡らされている社、あるいは公益法人といった様々なところに様々な情報が集約をされております。
私ども、平素からそうした民間の方々、有識者の方々と接して様々なアドバイスなり情報をいただいておりますけれども、そうしたあらゆるリソースを利用した総合分析、総合評価というのは一層推進してまいりたいというふうに考えております。
○大島委員 官房長官、一つお願いがありまして、国が持っている研究所、様々あると思うの。先般、今週訪れたアジア経済研究所、昔は百五十人、今は百五人しかいないんです。予算が大分絞られたので、各国ごとに一人の人がずっとその国を研究している研究者が少なくなっているの。
実は、一月、前回述べたように、アメリカのベネズエラへの侵攻があって、深く研究されている研究者の方のお話を聞いたりして、知見としては広まるわけですよ。ベネズエラにおいてトランプ氏の好感度は意外と高いんですって。
ですから、こういう研究所をしっかりと今後、こういう、国家情報会議ができて、日本国としての様々な研究リソースが必要だと思うので、国としても是非その点を強化してほしいんですけれども、よろしくお願いします。
○木原国務大臣 政府が保有する各研究機関、委員御指摘の機関も含めて、多々ございます。当然ながら、その時勢に応じて、あるいは環境に応じて、様々な、統合なり廃止なり、あるいは増強なりということが行われると思いますが、一見無駄に思われるような研究も、これはそうではない場合もあります。しっかりと見極めた上で、また、民間とも連携しながら、今御指摘の点も含めて、これは進めていく必要性があるというふうに思います。
これは、目利きなども非常に大事になってくると思いますし、今の委員の御指摘は非常に重く受け止めたいというふうに思っております。
○大島委員 私も、科学技術の予算は増額すべきとずっと発言をさせていただいているんですけれども、今の時代だと、このような事務系、文系の機関についてもしっかりと政府として強化する必要がある時代に入ってきたと思います。
そこで、ちょっと視点を変えまして、名は体を表すということで。
米国の国家情報局は、イコール日本の国家情報局と並びにならないわけです。米国ですと、DNI、アメリカ合衆国国家情報長官というのが、予算も持って、結構な権限を持っていて、その下に、それを支えるODNIという、アメリカ合衆国国家情報長官室というのがあって、その下の調査機関としてNIC、米国の国家情報局があるので、恐らく英文名称が非常に大切になってくると思うんですよ。
この国家情報局長がインテリジェンスコミュニティーにおいてしっかり認知されるためには英文名称が大切だと思うんですけれども、その点について、どういう英文名称を考えているのか、教えてください。
○町田政府参考人 お答え申し上げます。
英文名称につきましては、まず、この法案の審議が続いている最中でございますので、現時点で決まっているものはございません。
いずれにしましても、国民とか、今委員御指摘のとおり、諸外国から見て、国家情報局、国家情報局長、その役割が分かりやすく説明できるような名称とすべく、法案をお認めいただいた後にしっかりと検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○大島委員 私、単純に米国のNICを取って国家情報局長でもいいかなとは思ったんですけれども、内容が全然違うので、是非検討ください。
続きまして、カウンターインテリジェンスについて伺いたいと思います。
政府はこれまで、カウンターインテリジェンス推進会議を設け、また、内閣情報調査室にカウンターインテリジェンス・センターを置いて、外国の調査機関による諜報活動ないし情報収集活動から我が国の重要な情報や職員等を保護するための体制を整備してきたと承知をしております。
そこで、まず、基本的な確認ですが、政府はカウンターインテリジェンスをどのように定義しているのか。外国の情報機関による諜報活動から我が国の重要な情報や職員等を保護することを中心とする概念なのか、あるいは、それに加えて、外国による影響力工作、認知戦、偽情報拡散、技術情報の流出防止、サイバー上の不正な働きかけへの対処まで含む概念として捉えるのか、政府としての定義と射程をお答えください。
○鎌谷政府参考人 お答えをいたします。
まず、経緯を申し上げますと、政府におきましては、平成十九年八月にカウンターインテリジェンス機能の強化に関する基本方針を定めておりまして、これに基づいてカウンターインテリジェンスに係る取組を推進してきたところでございます。
この基本方針におきましては、カウンターインテリジェンスに関する情報につきまして、外国情報機関の我が国に対する情報収集活動の状況及び態様に関する情報、及び外国情報機関の情報収集活動による被害を防止するための方策に関する情報、このように定義をしておりまして、例えば、民間企業が保有する重要な情報を標的とするもの、あるいはサイバー空間における活動についても取組の対象としてきたところでございます。
他方で、近年、偽情報の拡散を含む外国による影響工作への対策が急務となっており、国の重大な利益を毀損しないようにするためには、秘密を探る活動と不正な諸工作に一体となって対処をする必要があることから、本法案では国家情報会議の調査審議事項として明記をしたところでございます。
○大島委員 確認なんですけれども、総理は施政方針演説で、国家情報会議の設置はインテリジェンスの司令塔機能を強化するためであり、その分析結果も生かして、外国からの不当な干渉を防止するための制度設計を進めると述べています。そして、政府の言うインテリジェンスの司令塔機能の強化には、カウンターインテリジェンスに関する基本方針の策定とか調査審議とか総合調整も含まれる。
すなわち、国家情報会議及び国家情報局は、カウンターインテリジェンスに対する司令塔機能を強化する一環として設けられるということでいいのか。もしそうでないのであれば、既存のカウンターインテリジェンス推進会議及びカウンターインテリジェンス・センターと今回設ける国家情報会議及び国家情報局との役割分担を具体的に示してください。更問いですので。大丈夫ですか。
○鎌谷政府参考人 お答えいたします。
本法案におきましては、外国情報活動への対処につきましても、これは調査審議事項という形で定義をしておりまして、したがいまして、今委員がおっしゃられましたようなカウンターインテリジェンスに関する司令塔機能の強化ということについても本法案の中には入っているところでございます。
既存の会議であるとかあるいはカウンターインテリジェンス・センターにつきましては、この法案がお認めいただいた後に必要な修正等を行う、そのような形で考えてございます。
○大島委員 理解としては、今言っていたカウンターインテリジェンス等を扱う推進会議とかセンターは別組織と理解をしておりまして、国家情報局ができるとその在り方も変わってくるという理解でよろしいですか。
○鎌谷政府参考人 お答えをいたします。
例えばですけれども、カウンターインテリジェンス・センターと申しますのは、これは平成二十年に総理大臣決定でできておりまして、このセンター長というのは内閣情報官ということになってございます。したがいまして、今回この組織が改編されました場合には、当然そういった部分につきましては改編がそれに応じてなされるということでございますので、別というわけではございませんでして、あくまで国家情報局に格上げされる、その中で必要な改正がなされるということでございます。
○大島委員 ありがとうございました。
続きまして、長官に伺いたいんですけれども、民主的統制と説明責任について、長官の御答弁をいただきたいと思います。
本会議及び委員会では、年次報告や情報監視審査会との関係が既に論点となっています。
そこで、具体的に伺います。政府は、施行までに、第一に国民向けの公開年次報告、第二に国会向けのより詳細な定期報告、第三に重大事案発生時の随時報告という三層構造で説明責任を果たすという考え方はあるのかという点をまずお聞かせください。
それで、あるとすれば、それぞれ何を載せ、何を載せないのか、例えば、会議開催状況、基本方針の概要、人権配慮、教育訓練、監査、漏えい事案、件数情報等のうち、どの項目をどのレベルで公表するのか、非公開とする基準も含めて、お答えください。
○木原国務大臣 まず、これまでも、政府の行う情報活動に関しては、国会からお尋ねがあった場合には適時適切に御説明、御対応してきたところであり、本法案によりましても、このことが変わることはないというふうに考えております。平素のお尋ねであっても、重大事案発生に伴うお尋ねであっても、これはいずれも適切に対応していくというのが基本スタンスであります。
また、国民の皆様向けとしましても、政府の情報活動の意義や、また重要性を広く御理解していただくことが重要でありますので、その点は、政府の中長期的な情報活動の推進方策を取りまとめた文書を作成し、公表することを検討しているところです。その項目や内容とか公表時期等については、現時点で確定的には申し上げられませんけれども、これから、様々な方々から御意見をいただきながら、目的に合致したような形で優れた内容のものにしていきたい、そのように考えております。
○大島委員 御発言の確認なんですけれども、年に一回、政府として、国家情報局の、どういうことを取り組んでいるのか、どういう考え方でやっているのか等について、公表することを検討しているということでよろしいんですか。
○木原国務大臣 中長期的な情報活動の推進方針を取りまとめた文書ですので、それは、戦略性を帯びた文書であるということも言うことができますから、年単位で更新すべきものにはなじまないのではないかなというふうに今は思っております。
○大島委員 是非、内容についても、私としては、年単位が国民の安心に資するのかなと考えております。
また、新組織の運用監視について、情報監視審査会の権限拡張で対応するのか、別途の国会関与の仕組みを設けるのか、それとも行政府内での監視で足りるとするのか、制度設計の方向性と、いつまでに案を示すのかも教えていただければ助かります。
○木原国務大臣 まず、国家情報会議あるいは国家情報局に関しましても、両審査会の審議に適切に対応していくということ、これは、法案成立後もこの点には変わることはないということは申し上げておきます。
政府としては、新たに本法案に国会との関わりに関する規定を置く必要はなく、もし不適正な事案が発生した場合には、一義的に各機関、つまり役所のインテル部門における内部調査あるいは処分等が行われますので、そういった当該事案について、これも国会から求めがあれば丁寧に説明を行っていく、そういう方向性で今考えているところであります。
○大島委員 民主的統制が必要だと思っていて、次回の当委員会では国家公安委員長も来ていただけるということで。警察の民主的統制はよくできていて、国家公安委員長が権限を持っているわけではなくて、公安委員の五人のメンバーが権限を持っているので、それがしっかりと民主的統制をしていると考えています。そのくらい民主的統制が必要なので、今回の国家情報会議、特に国家情報局についてもその民主的統制をしっかりと検討する必要があると思うので、その点も是非御留意ください。
私もなかなかイメージが湧かなくて、内閣情報調査室ですか、一番イメージが湧いたのがこの採用の資料でした。結構よくできていて、新入社員の一日というのがあって、大体九時半に出社をして、こういう仕事をやってと結構克明に書いてあって、退社の時間が十八時十五分になっておりまして。なかなかこれは結構読み応えがあって、こういう仕事をしているのかという、この資料が非常によくできている、採用の資料が一番よくできているので、是非、官房長官、採用の資料でもこれだけよくできているので、国家情報局が何をどのようにやっているということを、国民の理解を深めることも必要であると思うので、その点についてもレポートの作成、報告書の作成をお願いできればと思います。
以上で終わります。ありがとうございました。
○山下委員長 次に、長妻昭君。
○長妻委員 長妻昭です。よろしくお願いをいたします。
資料一でございますけれども、国家安全保障会議のメンバーと、新設される国家情報会議のメンバーはほぼ一緒なんですね。政策部門をカスタマー、インテル部門をプロバイダーとすれば、カスタマーとプロバイダーがほぼ同じメンバーである。専門家、関係者の方と議論をいたしましたところ、やはり相当、今回の法案によってインテリジェンスの政治化が進んでくるんじゃないかと。政治化というのは、これはよく御存じだと思いますが、政治的な理由により、インテリジェンスの内容が意図的に歪曲されること。詳細は三ページに書いてございます。そういうような意味で、今後とも、インテリジェンス機関、インテル部門と政治との距離というのが大変重要になってくるというふうに思います。
大川原化工機事件というのは記憶に新しいのでございますが、私は、この背景、最大のポイントは、当時、経済安保というのが言われてきて、流行というか、これは重要なことで、今は地に足を着いてやっていると思うんですけれども、功を焦って、公安部局がやはりそこで名を上げたいということで、かなりプロバイダー部門がカスタマーの意向を忖度をしながら行き過ぎてしまった。結局、冤罪がばれる前には警察庁長官賞あるいは警視総監賞も受けているわけですね、すばらしいということで。ですから、こういうようなことが、これまでもありましたし、これから更に多発すると私は考えております。
これは別に日本だけじゃないんですね。どの先進国でもこれはもう永遠の課題で、相当注意深く、国会のチェックとか内部統制、第三者機関、やっているんです。ところが、日本は国会のチェックもない、第三者機関、内部統制もない、これが心配ということなんです。
その中で、インテル部門と政治との距離という意味で、昨日から国会でも話題になっております、現職の自衛官が制服を着て自民党の党大会で日本国国歌を斉唱されたということであります。
私が驚いたのは、その自衛官の方が、ちゃんと自衛隊の中で、そういうのに出席していいですかというふうに申請をして、組織として順繰りに上がっていって、組織として了解をしている。このところに私はちょっと驚くのでございますが、組織的に自衛隊自身が了解をしたということについて、何か疑問というのは感じませんでしょうか。
○木原国務大臣 御指摘の件は、四月十二日の自由民主党大会の際に現役の陸上自衛官が国歌を歌唱したことだと思いますが、当該自衛官ですが、職務ではなく、今、長期休暇中で、私人として、関係者からの依頼を受けて国歌を歌唱したと承知しています。直接本人がというよりも、党大会のイベント会社が防衛省に尋ねて、そして、これは自衛隊法違反となるかということを尋ねたところ、自衛隊法には触れない、違反しないということであったので、本人の出演に至ったというふうに承知しています。
それで、これが上まで上がったかというと、実はそこで止まっておりまして、ここに私は問題があるというふうに思っております。実際には、法的に問題はなくても、例えば、政治レベルの政務三役、あるいは官房長であったり事務次官であったり、そういうところまで上がっていればまた別の判断があったかと思いますが、しかしながら、この時点で、自衛隊法違反ではなかった、つまり、法律に違反するということと、これはしっかりと、政治的に何か誤解を招くようなことがないかということ、これはまた別問題であると思いますので、その点はしっかりと反省すべきものだというふうに考えております。
○長妻委員 私は、自民党、罪なことをしたと思うんですね。これは断り切れないですよ、自衛隊は、今の力関係でいえば。恐らく、野党の会に出るということだったら、即、断っていたと思いますよ、同じパターンでも、自衛隊は。こういうようなことを是正をしないと、非常に危うくなる。
木原官房長官は、かつて、防衛大臣のときに、選挙応援、衆議院長崎四区補欠選挙の集会の演説で、こういうふうにおっしゃっておられるんですね。自民党候補をしっかり応援していただくことが自衛隊並びにその家族の御労苦に報いることになるというようなお話をされたんですが、今もそういうお気持ちはあるんですか。
○木原国務大臣 防衛大臣当時のことですので、はっきりとした記憶も定かではないですし、当時も原稿もなく演説をしましたので一言一句覚えておりませんが、演説の中で私が自衛隊について触れた部分については、もちろんここは政治家として、政務として仕事をしているわけですが、自衛官と家族への敬意と感謝を申し上げたくだりのものであって、もとより、自衛隊を政治的に利用するというような意図を持って演説をしたという記憶は全くございません。
しかしながら、今委員の御指摘のあったように、そういった、報道されることによって誤解を招くということも感じましたので、その部分については撤回をさせていただいたところであります。
○長妻委員 我々も、自衛隊応援議員連盟というのをつくって、自衛隊を応援しているわけですね。何か、野党は自衛隊の足を引っ張っていて、与党だけが自衛隊を応援しているということは全く間違いですので。インテル部門なんですね、自衛隊というのは。そのインテル部門と政治との距離というのをきちっと考えていただきたいと思います。
そこで、これから権限が強化されるときに、例えば、内調に、今までいろいろなことをやられておられたわけですけれども、今後これはやってはいけないということについて質問したいと思います。
まず、選挙の分析はちょっとやめていただきたいと思うんですね。内調の職員も疲弊していると聞いております。
例えば、四ページ、朝日新聞の記事でありますけれども、こういう記述があります。「政府も党も 進む「私的機関」化」ということで、内調が私的機関になっているんじゃないかということであります。
ここに書いてあるのは、衆議院解散の情報が駆け巡った際、内調スタッフ二十人弱が全国に散った、二百八十九小選挙区のうち一人当たり十から十五区が担当区に割り当てられた、訪問先では、与野党関係者や地元警察官らと食事を重ね、票の動向を探った、電話による内調独自の情勢調査の数字に分析を加え、御当地ネタを盛り込んだ報告書は官邸に届く、あるスタッフは当初、我々は政府職員、自民党スタッフではないと疑問を持った、こういう記述があるんですね。私も、こういう話はよく聞くんですね。
これは、官房長官、疑問を持っておられる方もいらっしゃると思うんですね、内調の中には。御当地ネタも提供する、いろいろな、総理大臣が演説するときのお話に交えるような。こういうことはもうやらないとここで宣言していただければ、内調の職員もほっとすると思うんですが、いかがですか。
○木原国務大臣 一般的な話として申し上げれば、内調は、内閣の重要政策に関する情報収集とか調査を行っておりますので、選挙に関することも含めて、個々の具体的な情報収集の内容について、何を収集しているかということをまず申し上げるということは差し控えなければいけないと思いますが、専ら、例えば、与党が選挙に負けないようにとか、その候補者が負けないようにとか、そういうことを目的として選挙の情勢等を調査するということは、これは重要情報活動には該当しないというふうに私は考えております。
○長妻委員 これで、内調はこの業務から解放されます。もちろん、いろいろな危うい動きの調査というのは必要なんですけれども、単純な選挙の動向、与党の歓心を買うために情報を集めるというのは、これはもうなしになりましたので、内調の職員の方はほっとされておられるのではないかと思います。
そしてもう一つは、総裁選、これも内調が活躍する非常に大きな舞台になっているんですね。これも、私もいろいろなところから聞きます、いろいろな書籍にも出ております。
この新聞でも、記事として、内調の現在の関心事は九月の自民党総裁選、安倍の対立候補と目される元幹事長の石破茂の発言は、講演会など公式の発言に加え、非公開の場での発言も収集対象だということで、これ以外でも、いろいろな書籍に、内調が総裁選で現職総理を勝たせるため奮闘されているということが出ておりますが、こういうことはもう一切これからしないでいいわけですね、官房長官。
○木原国務大臣 御通告があったので、私も関心を持って、二〇一八年の総裁選に関する報道を調べてみましたし、また、七年前のその記事も見ました。確かに、御当地ネタ云々のくだりもありましたし、更にその前年のことを報じたものではありましたけれども、御指摘の点につき、なかなかその点が、実際にそういうことがあったのかということを、今、内調の中で確認をするのは難しいということでございました。
これもまた、一般的な話として申し上げれば、内調は、内閣の重要政策に関する情報収集そして調査を行っておりますので、個々具体的な情報収集の内容等については答弁は差し控えさせていただきますが、これは法令に基づき適切に調査を行っているというふうに私は思っています。
○長妻委員 総裁選は重要情報ではないということ。
○木原国務大臣 先ほど申し上げましたように、これは、いわゆる選挙、総裁選挙も選挙でありますけれども、公職選挙法に限らず、特定のそういった候補、候補になり得る、これは公職選挙法ではない候補も含めてですが、そういう特定の候補を利するようなことを目的としてその情勢等を調査するということは、重要情報活動には該当しないものと考えております。
○長妻委員 明確に言っていただきました。内調の職員の方、これでほっとしていると思いますので、本来の業務に専念できるんじゃないか。これは内調のみならず、ほかのインテル部門も同じでございます。
そして、公安調査庁でありますが、五ページでありますけれども、これは国会でも問題になったことがあります。公安調査庁の内部資料と言われているものの中に、こういうことが書いてあるんですね。「議員の最大関心事は、選挙及び地元情報であることは明らかである。そこで、共産党など当庁得意分野に焦点を当てた地元選挙情報を作成し、説明に赴くことが議員との関係を深めるのに効果的と考えられる」ということで、与党の有力国会議員に対して地元の選挙情報をお話をする、分析を、そうすると喜ばれる、これで与党との関係を深める、こういうような内部文書なんですが、公安調査庁、今もこんなことをやっているんですか。
○渡部政府参考人 お答え申し上げます。
まず、ただいま御指摘の文書に関して、過去に報道されたという事実については承知いたしてございます。ただ、御指摘の文書について、公安調査庁が正式に作成した文書ではなく、また正式に決裁した文書としては見当たらない旨、これまで国会でもお答えしてきたところでございます。
そして、では現在の公安調査庁の調査活動についてお尋ねと理解しておりますけれども、公安調査庁におきましては、破防法及び団規法に基づいて、破壊的団体等の規制に関して必要な調査というのを行ってございます。実際にどういった対象を調査しているかについては、今後の業務に支障がございますので、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。
○長妻委員 これは内部に聞くと、確かに決裁は受けていないけれども、内部で作成した文書で、共有されていると聞いております。
これはちゃんと答えていただきたいんですね。つまり、私が質問しているのは、全然破防法とか何も関係なく、与党の有力国会議員に、その議員の地元情報、地元選挙区情報を提供する、こういうことはもうしませんねと。これを明言してください。
○渡部政府参考人 お答えいたします。
公安調査庁が収集した情報の提供に関しましては、恐縮ですが、当庁の業務の遂行に支障を及ぼすおそれがございますので、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。(発言する者あり)
○山下委員長 では、時計を止めてください。
〔速記中止〕
○山下委員長 では、速記を起こしてください。
公安調査庁渡部総務部長。
○渡部政府参考人 まず、現在やっているかどうか……(長妻委員「いや、そうじゃなくて、今後やるか」と呼ぶ)承知いたしました。今後の情報提供に関しましてですけれども、やはり、今後どういった情報を収集するか、どういった情報提供を行うかにつきましても、やはり当庁の業務の遂行に支障を来すおそれがございますので、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。
○長妻委員 いや、これはとんでもない話で、レクのときは、ちゃんと答えますという話だったんですが。
つまり、今私が聞いているのは、与党の、今でいうと自民党の有力国会議員に、その有力国会議員の選挙区の情報を、その有力国会議員の選挙に資するためそれを提供するということで仲よくなる、こういうことはしませんねと。しませんということを明言していただきたい。
これは、したらおかしいです、してほしいんですか。おかしいでしょう。
○渡部政府参考人 繰り返しになって恐縮でございますけれども、どういった情報をどういった方に御提供申し上げるかということについては、恐縮でございますが、お答えは差し控えさせていただきたいと思ってございます。
他方で、国会議員の方による、国政調査権を背景にした、国会審議に必要な資料の要求につきましては、国政に寄与するという観点から、与野党の区別なく、公安調査庁の今後の業務遂行に支障を来さない範囲において個別に情報提供をすることはあり得ると考えてございます。
○長妻委員 これは、公安調査庁の職員たちはがっかりしますよ、こういうことをやらされているんだから。もう本業というか本来の職務に専念していただきたいと思うんですね。
委員長、私、今の答弁は大問題だと思うので、ちょっと理事会で協議をしていただきたいと思います。これを変えないということであると、私はこの審議というのもなかなかうまくいかないと思いますので、理事会で協議いただけますか。
○山下委員長 後刻、理事会で協議いたします。
○長妻委員 そして、もう一つ、警察が風力発電反対の方々の個人情報を集めていたという問題や、いろいろな課題がまだまだございます。
ということで、質問を終えますけれども、数々、これはやってはいけないということがいっぱいありますので、今やらされていて、本当に本業に差し障りがある不必要な調査、たくさんありますので、今後ともそれを一つ一つチェックをしていきたいと思います。
どうもありがとうございました。
○山下委員長 次に、高山聡史君。
○高山委員 チームみらいの高山聡史です。
本日は、最新のAIモデルによってもたらされる情報環境の非連続的な変化について質問をさせてください。
そもそも我が国は、この国家情報会議設置法案に至るまでも、特定秘密保護法、経済安全保障推進法、そしていわゆるセキュリティークリアランス法、能動的サイバー防御法と、十年以上にわたって情報保全と国家安全保障の法整備を積み重ねてきたわけであります。本法案も、こうしたこれまでの議論の文脈も踏まえて情報部門の司令塔機能を強化するものであると理解しています。
その上で、本日まず問いたいのは、この十年、十五年の法整備が前提としてきた情報環境そのものが足下で非連続的に変化をしているのではないかという話です。
つい最近の話ですが、今年四月、米国のAI開発企業のアンソロピック社はクロード・ミュトス・プレビューという最新のAIモデルを発表しました。このモデルは、サイバーセキュリティーの分野において、僅か数週間で主要なOS、ウェブブラウザーの全てに対して、数千件もの深刻な脆弱性を発見したと報告されています。その中には、セキュリティーに定評のあるOSに対して、これまで二十七年間発見されていなかったような脆弱性も含まれていたと報じられています。
これは、サイバー分野における先進的なAIモデルの能力が、その分野の熟練した専門家を凌駕するような水準に達したということを示すものです。すごいAIモデルが出てきたという話はもうこの一、二年、何度も我々はニュースで経験していることでありますが、今回のケースは単なる新製品の発表ということでは片づけられません。最高レベルの専門家を超える、そういったAIが悪意のある主体に渡ってしまうということがどういう意味を持つか。
実際、開発したアンソロピック社は、米国政府の関係者に対して、大規模なサイバー攻撃が発生する可能性が高まっているという警告をしたという報道もございます。そして、この最新モデルは、まず一般公開はしないという選択がなされたわけです。
これは、たまたま一企業が開発したAIの性能がよかったというだけで済む話ではなくて、同等の能力を持つAIが出回る前に、この出回るというのが半年なのか一年なのか、もしかすると、これは全然別の話ですが、石油備蓄の日数よりも短いかもしれないような時間軸でどう防御するかを考えないといけないというわけです。
その上で、木原官房長官に伺います。
サイバー分野における海外の先進AIモデルの能力が当該分野の専門家を凌駕するようになったという、こういった非連続的な変化に対して、本法案で設置される国家情報会議及び国家情報局はどのように制度的に対応していくお考えでしょうか。御認識をお聞かせください。
○木原国務大臣 今の委員の御質問は、先進AIモデルの能力が同じ分野の専門家、人間の専門家の能力をもう既に凌駕をしてしまって、システムなどの脆弱性発見の自動化や高速化を通じるなどして安全保障の在り方にまで影響を与えるのではないかという、そういった趣旨の御質問だったと理解をいたしますが。
その点、経済安全保障やまたサイバー空間を含めた影響工作など、情報機関が対処すべき分野というのは広がりを見せています。AIの進化によりもたらされ得る脅威というのは、これは様々な分野にまたがっているというふうに考えています。そのため、お尋ねのような先進AIモデルの最新動向であるとか、また、それが引き起こす様々な影響について、まずは情報機関が適切に把握をしていくこと、ここに大きな意義があるというふうに、今御質問を聞いていて、感じたところであります。
そのほか、政府としては、偽情報などを効率的、効果的に収集、分析するためにもAI技術の活用を進めていくことが重要と考えており、これは対症療法になるんですけれども、しかし、それでもやらなきゃいけないと思っています。内外の最新の技術動向にも注視する必要があると思っています。
AI分野というのは、これは民間が先行していますので、企業やまた研究機関との連携も不可欠だと政府として考えています。また、高山委員のようなAI技術に詳しい専門人材も情報機関にはこれからは必要になってくるんだというふうに率直に思います。
最先端のAI技術がもたらす大幅な社会環境の変化というのを踏まえて、これらをあらかじめ全て予見して制度的に担保していくというのは私は限界があるんだろうと思っていますから、今回新法を通過させていただいた後には、国家情報会議や国家情報局がその脅威やその兆候をいち早く把握し、機動的に対応すること、これが不可欠であろうかというふうに考えております。
○高山委員 ありがとうございます。
今官房長官からも、専門人材が必要であるんだという御認識をお示しいただきましたが、まさに、これまでインテリジェンス業務といえば、そこで求められてきた知識、技能というものは、地域の専門性であるとか、言語能力、情報分析、人的情報の収集であったりとか、体系的に積み上げられてきたものがあるということを理解しております。
もちろん、これらは引き続き情報部門にとって鍵となる技能であるということでございますが、先ほど申し上げたAIの事例が示すのは、それだけではなくて、最新鋭モデルそのものの能力評価であるとか、学習データ、訓練プロセス、そういった仕組みに対する基本的な理解、そして、民間企業がモデルをどうリリースするかという、その戦略が持つ地政学的な意味合いといった、これまで情報部門では余り主たる分野として思われていなかった分野が、その求められる専門性が大幅に引き上がる、こういった事態であると思います。
もし、そういった検討を既に政府の方でも行われていれば、そういった専門人材を情報部門にどう取り込むかというところについて、政府の御認識をお聞かせいただけますでしょうか。
○岡政府参考人 私も今委員の御指摘を伺って、なるほどそうだなと思うことばかりでございました。
AIを使う側の立場としても、また使われてしまう側の立場としても、双方の立場でAIのトレンドないし技術というのをしっかりと組織として理解する必要があると強く認識しております。
一方で、AI人材というのは、御案内のとおり極めて希少でございまして、国家情報局ないし内調が旗を揚げたからといって、直ちに転職、転籍していただけるというものでもないというのが厳しいところでございます。
我が方にも、理系の人材もおりますし、また学際的に文理両方勉強している若い方も獲得できておりまして、そうした者が、率直には、組織的にではなくて独自に研究を重ねているというのが実情でございます。
ただ一方で、何も、内製化といいますか、職員自らが最先端の研究家である必要も必ずしもなくて、先生方のような御専門の方にお話を伺ったり、あるいは勉強の仕方についてアドバイスを伺ったり、さらには、先ほどちょっと御指摘ございましたけれども、そういう技術を有している民間企業ないし研究機関とコラボをいたしまして、様々な分析手法などについて研究を重ねているところであります。
いずれにせよ、今後、拡大こそすれ縮小は一切しない分野であると思っていますので、重点事項として肝に銘じたいと考えております。
○高山委員 ありがとうございます。
まさに、こういった、ともすると少し毛色が違うと捉えられやすい技術の動向に関する話が、こういった情報部門の強化ということに対しても論点になるということは申し上げたいと思います。
続いて、同盟国のインテリジェンスコミュニティーとの情報共有の関係について伺います。
今、アメリカのAI企業の例を申し上げたわけですが、まさに今、アンソロピック社と米国政府、いろいろやり取りがあるものと思われます。こうした事態の対処においても、日米は同盟国として是非緊密に連携して事に当たっていただきたいわけです。しかし、海外各国の情報機関の連携においては、いわゆるファイブアイズとそれ以外では、依然として構造的な非対称性があるという指摘もあるかと思います。
本法案で国家情報会議が設置されるということは、我が国の同盟国、そして準同盟国といいますか、そういった友好国との情報共有関係をより深めるきっかけにできるのではないかと考えますが、具体的にどのように関係強化の余地があるとお考えでしょうか。政府の認識を伺います。
○岡政府参考人 本法案によります司令塔機能の強化は、同盟国又は同志国の政府や各情報機関からは好意的に受け止められるはずの取組であり、外国との情報協力業務をより深化させるきっかけとなる制度改正であるというふうに考えております。
まず第一に、同盟国又は同志国が期待をなさるのは、我が国の情報コミュニティーが生成する情報のプロダクトが質、量の両面で充実することでございます。相手国との協力関係が深まるかどうかは、国同士の目標や利害の一致、不一致だけでなくて、ギブ・アンド・テイクの要素もございまして、つき合っても仕方のない相手とつき合わないわけでございますから、優れた情報があれば、より充実した情報交換を行うことができるようになると考えております。
さらに、国としての信頼性や期待の高まりという点では、やはり総理をトップとする閣僚級の推進母体をつくるという画期的とも言える体制強化を実現することができれば、相手国からインテリジェンス業務の重要なパートナー国として、より関係を強固にしたいと考えてもらえるものと確信をしております。
更に加えて申し上げると、内閣情報官の政府内における地位が高まることで、今でも各国のトップと協力関係は従前より構築はされておりましたけれども、こうした関係がより強固で深いものとなっていくに違いありません。
以上による外国との関係の強化は、我が国政府の得るインテリジェンスの水準向上に大きく寄与しまして、ひいては外交力、防衛力、経済力、そして技術力の強化につながるものでございます。
○高山委員 ありがとうございます。これは是非やっていただきたいと思います。
私、なぜこの問題意識を強く持ったかというと、例えば、先ほどのクロード・ミュトスの話、アメリカでは四月七日火曜日に財務長官とFRB議長が金融機関に対して働きかけをしたと報じられています。次に動いたのがカナダでして、四月十日にカナダ銀行が動いた。そして、イギリスの対応が報じられたのは四月十二日で、イングランド銀行がそういった協議をしているという報道がございました。
七日、十日、十二日、この三日、五日の違いが大きな違いになってはならないわけで、我が国においても同盟国との連携というのは極めて重要で、こういった時間軸が一週間、二週間遅れるということが、非常に重要な事態においてはクリティカルになるということは、これはAIの例でなければ皆様すごく腹落ちすると思うんですけれども、こういったAIの事態においては、三日、五日、あるいは一週間、二週間がすぐたってしまうということではいけないと思います。
続いて、先進的なAIモデルを有する海外企業との関係構築について伺います。
冒頭申し上げたアンソロピック社は、プロジェクト・グラスウィングとして、限られた企業、組織に対して最新モデルの先行アクセスを提供してセキュリティー対策のプロジェクトを立ち上げたというわけです。これに対して日本企業や日本政府がどうアクセスできるようにするか。
短期的には、我が国の外交交渉の極めて重要な対象として、こういった海外の先進的な民間企業を対象に含めなくてはならないということを意味すると思います。同時に、他国の民間企業に依存し続ける構造自体が我が国の安全保障上のリスクであるわけで、国産化戦略を正しく立てることの重要性も更に増しています。
その上で、伺います。
こうした海外の民間企業への技術外交等、中長期の国産化戦略、これはまさに異なる省庁の異なる文脈で車の両輪のように進めていくべきテーマにおいて、もちろんこれは情報部門と政策部門それぞれあるということは承知をしておりますが、国家情報会議は司令塔機能をどのように担保をして、政策部門をどのように支えていくことになりますでしょうか。政府の認識をお伺いします。
○鎌谷政府参考人 お答えをいたします。
AIがもたらす脅威につきましては、先ほどの長官の答弁のとおり、サイバー攻撃や偽情報の拡散など様々な分野にまたがると考えておりまして、先進AIモデルの最新動向あるいはそれが引き起こす様々な影響につきまして情報機関が的確に把握していくことは大きな意義があるというふうに感じております。
特に、最先端のAI技術の開発につきましては民間企業レベルで進められているものが多くございまして、国家間の外交だけではまだ十分に対応できない可能性もございますので、そのような意味におきまして、御指摘のいわゆるアーリーアクセスといったものをいかに確保していくのかということについては、情報部門のみならず政策部門においても重要な意義を持っているのではないかというふうに考えております。
この点につきまして、昨年十二月に閣議決定されましたAI基本計画、これらの政策についての文書ということになりますけれども、ここにおきまして、AIの利活用及び研究開発を積極的に推し進めると同時に、AIの技術進歩とともに変動するリスクを適時適切に把握する、イノベーション促進とリスク対応の両立をすること、また、国内政策だけではなく対外政策を表裏一体かつ有機的に組み合わせる内外一体で政策を推進すること、このようなことがうたわれているところでございます。
私ども情報部門といたしましては、政策部門におけるこうした政策を情報面から支援することにつながるように、最先端のAI技術についても、現況を踏まえまして、インテリジェンスサイクルが効果的に機能するように努めていきたいと考えております。
○高山委員 ありがとうございます。是非やっていただきたいと思います。
民間のシンクタンクであるとか情報部門を仮に情報を調査する部門と例えるならばそうですが、そして、あるいは政策部門、実際に技術外交を行う部門ですね、民間であれば、業界別に、リレーションであったりとか専門知識であったりとか、そういった部署を置くということは当然に考えられることだと思います。
仮に、今回、海外のAI企業に対する交渉が重要であるということであるならば、そうした領域の調査であるとか、あるいはそうした領域での交渉経験がある人材というのは極めて重要になってくるというふうに思いますので、是非、情報部門、政策部門それぞれで整備がなされることを望みます。
最後に、重要インフラ防護に関する論点について伺います。
本日、AIの話をずっとしているわけですが、最新のAIモデルが悪意のある主体に渡った場合、脆弱性の発見から悪用までの時間軸が桁違いに短縮されることになります。数週間で数千件のこれまで見つけられなかったような問題が見つかっているというわけですから、そういったかなり厳しい時間軸で、インテリジェンス機能が満たすべき時間軸的な制約も高まっているということになると思います。
実際、アンソロピック社自身、昨年、中国系の攻撃主体が同社のAIモデルを悪用して攻撃を自動化した事案を既に公表しています。今日お話ししたようなモデルでなくても、AIモデルがスパイ活動に使われるということ自体は、将来の懸念ではなく、既に起きている話です。
こうした環境において、インテリジェンスプロダクトは、生産されるだけでは意味がなく、重要インフラ事業者の現場の防御のオペレーションに接続されて初めて実効性を持つわけですが、本法案の国家情報会議の下で重要インフラ事業者との連携はどう整備されていくべきか、政府の認識を伺います。
○鎌谷政府参考人 お答えをいたします。
先進AIモデルを用いた脅威というのは、顕在化するまでの時間が極端に短いということが懸念されるところでございます。そういった意味で、平素から重要インフラ事業者等との情報交換、連絡体制の構築を進めておくことが求められると認識をしております。
特に、委員御指摘がありました、先進AIモデルが悪意のあるような主体の手に渡った場合のような予測困難な脅威に対しては、官民が一体となって効果的に対応できる体制を構築するための新たな官民連携のエコシステムの構築が必要であると認識をしております。
こうしたことから、本年秋から、基幹インフラ事業者、機微情報取扱事業者、セキュリティーベンダー、政府機関等が構成員として参加する新しい協議会を立ち上げ、国家サイバー統括室の総合調整の下で、平素及び事案発生時における脅威情報等の相互共有を行うこととしております。
国家情報会議、国家情報局におきましては、新たに付与される企画立案、総合調整機能等に基づきまして情報の収集、集約、分析を強化いたしまして、例えばサイバーセキュリティー分野における官民連携に関しても、国家サイバー統括室等の関係機関と連携して、その結果を提供することで、こういった取組が実効性あるものとなるように努めてまいります。
○高山委員 ありがとうございます。
今も総合調整機能というキーワードを複数回いただきましたが、省庁間の連携だけではなくて、官民の連携の強化というところにもこの総合調整機能がうまく活用される、実際にそういった実効的なオペレーションに落とされるということを期待しまして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。
○山下委員長 次に、塩川鉄也君。
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
国家情報会議設置法案について質問いたします。
最初に、外務省にお尋ねをいたします。
二〇〇三年のイラク戦争についてですが、米国のブッシュ大統領、英国のブレア首相は、イラクへの軍事攻撃を開始する際に、イラクは大量破壊兵器を保有していると繰り返し断定し、それを戦争の最大の理由としました。当時の小泉総理も、イラクは大量破壊兵器を保有していると断定をし、それを最大の理由として米英の軍事攻撃への支持を表明しました。にもかかわらず、大量破壊兵器は存在しなかった。
この事実を前にして、ブッシュ大統領は、イラクの大量破壊兵器に関する情報機関の分析は誤りであることが判明したと、この情報の誤りを認めました。ブレア首相も、情報の誤りについては責任を感じていると表明しております。米英とも当事者たちは、戦争を開始したことが間違っていたとは認めておりませんが、大量破壊兵器の保有という情報が誤っていた、認識の誤りがあったと認めています。
そこで、日本政府としても、イラクにおける大量破壊兵器の保有という情報が誤っていたということを認めますか。
○三宅政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘のイラク戦争の核心は、イラクがクウェートに侵攻して国際社会の信頼を失っている中、査察への協力を通じて大量破壊兵器の廃棄を自ら証明すべき立場にあったイラクが、即時無条件の査察受入れを求める安保理決議に違反し続け、大量破壊兵器の不存在を積極的に証明しなかったことにあると考えております。
政府としましては、二〇〇三年のイラクに対する武力行使は、国際の平和及び安全を回復するという目的のために武力行使を認める国連憲章第七章の下で採決された関連する安保理決議により正当化されるとの立場でありまして、米国等によるイラクに対する武力行使を支持した我が国政府の判断は妥当性を失うものではないと考えております。
○塩川委員 ですから、日本政府として、イラクにおける大量破壊兵器の保有という情報が誤っていたということを認めますか。
○三宅政府参考人 お答え申し上げます。
事後、イラクの大量破壊兵器が確認できなかったということは事実でございます。
○塩川委員 いや、ですから、事後、イラクの大量破壊兵器が確認できなかったということですけれども、ですから、大量破壊兵器の保有という情報が誤っていたということは認めるわけですね。
○三宅政府参考人 繰り返しになりますが、イラクの大量破壊兵器につきましては、二〇〇四年十月に発表された米国中央情報局長官特別顧問による包括的報告によれば、イラクに大量破壊兵器が存在しないことはほぼ確実になったと判断されたと承知しております。
これを受けまして、事後、イラクの大量破壊兵器は確認できなかったということは事実であると認識しております。
○塩川委員 いや、ですから、聞いたことに答えていないんですよ。大量破壊兵器の保有という情報が間違っていたということは日本政府として認めたのか。もう一回。
○三宅政府参考人 恐縮ながら、繰り返しになりますが、事後、イラクの大量破壊兵器が確認できなかったということは事実であると認識しておるところでございます。
○塩川委員 答えないんですよ。こんな根本の問題について答えないということで、政府の姿勢の根本が問われる大問題であります。
ですから、この間、外務省の報告書などでも、今、「大量破壊兵器が確認できなかったとの事実については、我が国としても厳粛に受け止める必要がある。」と言っているだけで、こういった情報が誤っていたということは一貫して認めていないのが日本政府の対応であります。極めて重大であるわけです。
重ねて聞きますけれども、イラクに大量破壊兵器が存在しないことが明らかになった段階で、アメリカ政府もそのことは認めたわけです。誤りも認めたわけですけれども、イラクに大量破壊兵器が存在しないことが明らかになった段階で、日本政府として米国政府にその点についての説明を求めたんですか。
○三宅政府参考人 お答え申し上げます。
米国とは様々な事項について意思疎通を行ってきております。
他方、お尋ねの件につきましては、外交上のやり取りに関するものであり、お答えすることはできない旨御理解願えればと思います。
○塩川委員 いやいや、アメリカ政府が認めたことについて、事実かどうかという問合せもしなかったということなんですか。公に公表されているものについて、日本政府として問合せもしなかったということなんですか。
○三宅政府参考人 繰り返しになりまして恐縮でございます。お尋ねの件につきましては、外交上のやり取りに関するものでありまして、お答えできない旨御理解願えればと思います。
○塩川委員 大量破壊兵器の保有という情報が誤っていたということについての認識も明らかにしませんし、このように、アメリカ政府に問合せをしたということも言えないという点でいいますと、官房長官、お尋ねしますけれども、こういった情報の誤りを認めず、誤りを認めたアメリカにも説明も求めない。こんなことでは、今後、間違った情報で始めたアメリカの戦争に対して、アメリカの情報をうのみにしたままその戦争を支持するということになりはしませんか。
○木原国務大臣 今委員は様々仮定の質問をされておりますし、また、まさに相手のあることですから、同盟国、同志国との関係もあり、外交上のやり取りに関しては、これはお答えができないということは御了解いただきたい上で、そういった御懸念やまた御心配の点がないようにしっかりと進めていくということに尽きると思っております。
○塩川委員 ですから、自ら認めないし、アメリカにも確認もしないということは、アメリカの情報のままに唯々諾々とつき従っていく、イラン戦争の問題でもそういうことが問われているんじゃないでしょうか。こういう点でも極めて重大な対応で、その下でのこの情報機関の権能を強化する方向での国家情報会議の設置というのは極めて重大な問題だと言わざるを得ません。
そこで、アメリカとの関係ですけれども、元内閣情報官で国家安全保障局長も務めた北村滋氏は、その著作の中で、内閣情報調査室を統括する内閣情報官の機能の一つとして日米同盟の陰の庇護者としての役割というのを挙げて、内閣情報官は日米安保体制に確実に組み込まれ、それを支える有力な支柱としての役割を期待されていると述べておりますが、官房長官も同様の認識でしょうか。
○木原国務大臣 今の委員の御指摘の当事者は、かつて内閣情報官やまた国家安全保障局長を務めた人物だと承知しておりますが、もう今や退官された一個人でありますし、今の内容というのは執筆した著作の内容に関わることだと思いますので、今ここで政府の立場としてその点はコメントすることは差し控えなければいけないと思っております。
しかし、一般論として申し上げれば、我が国は米国を始めとする関係国とは平素から緊密に連携をしておりまして、情報分野においても様々な協力関係というのは構築をしております。
その上で、内閣情報官についてですが、この職種は、外国の情報機関幹部と意見交換を行うことなどを通じて関係国との協力、連携体制の強化に努めているものと承知をしております。
○塩川委員 そうしますと、北村さんも役割として挙げている日米同盟の陰の庇護者としての役割が内閣情報官にあるということでよろしいでしょうか。
○木原国務大臣 そのようなことは言っておりません。
同盟国である米国とも、その情報機関幹部と意見交換を行うということは、これは職務であり、協力、連携体制の強化の一環として、その職務の一環として努めているというふうに承知しております。
○塩川委員 インテリジェンスコミュニティーの強化については、アメリカ側からも様々な形での日本への要求が寄せられていると承知をしています。
例えば、二〇二四年のアーミテージ・ナイ報告においては、日本のインテリジェンスを同盟の最大の弱点と述べて、情報機関の縦割りの是正について強く指摘をしております。今回の法案は、まさにその部分を解消しようとする、そういう性格のものになっているのではありませんか。
○岡政府参考人 お尋ねのあった本法案の趣旨、目的でございますけれども、閣僚級の国家情報会議を設置することによりまして、強い政治のリーダーシップの下で、政府一体となって情報活動を推進していくということ。それから、それを支える事務局に総合調整機能、企画立案機能などを設けまして、できるだけ各省庁が保有している様々な情報収集手段あるいは情報源を最大限活用できるような情報の相互の集約を行いまして、それによりまして我が国の重要な安全保障政策などを情報面から支えていく、そういう制度でございます。
○塩川委員 同盟国との、米国との関係についてはお述べにならない。やはり今回の法案というのが、アメリカ側の要求にも基づくインテリジェンス体制の強化となる、そういった点でも、アメリカが行ってきた先制攻撃に組み込まれるような、日本の戦争国家づくりを強化することになるという性格を持つという点では、極めて重大だということを言わなければなりません。
もう一つ取り上げたいのが、官房機密費のことであります。内閣官房長官が扱う内閣官房報償費、いわゆる官房機密費についてですけれども、総額は幾らで、政策推進費、調査情報対策費、活動関係費のそれぞれの金額、使用目的、主な使途を明らかにしていただけますか。
○風早政府参考人 御指摘の内閣官房報償費の令和七年度予算額は約十二億三千万円でございます。
また、この報償費の執行は、施策の円滑かつ効果的な推進のため、官房長官としての高度な政策的判断により、機動的に使用することが必要な経費である政策推進費、施策の円滑かつ効果的な推進のため、その時々の状況に応じ必要な情報を得るために必要な経費である調査情報対策費、これらの活動が円滑に行われ、所期の目的が達成されるよう、これらを支援するために必要な経費である活動関係費の三つの目的類型ごとに、それぞれの目的に照らして行っているところでございます。それぞれの類型ごとに予算区分があるわけではございません。
なお、内閣官房報償費は、国の機密保持上、その使途などを明らかにすることが適当でない性格の経費として使用されてきておりまして、その個別具体的な使途に関するお尋ねについては、お答えを差し控えさせていただきます。
○塩川委員 具体的な説明はありませんでした。
内閣情報調査室の採用案内、この委員会でも随分紹介されておりますけれども、私も拝見しました。そこには、内閣情報調査室の業務について記載をされております。その中には、学識経験者の提言取りまとめ業務や各界の専門家との意見交換などがあります。有識者というチャンネルを用いて情報収集を行う。国政に精通した人に会って、官邸にとって必要な情報を収集しているという話であります。
この点で、過去にいろいろな発言があるわけですけれども、例えば、二〇一〇年のテレビ番組で、野中広務元官房長官が官房機密費の使途について発言をしておられます。官房長官就任時、内閣官房の担当者から、過去に機密費を渡した先が詳しく記載されているノート、引継ぎ帳を手渡されたということです。その中で、複数の政治評論家に盆暮れに配っていたという話でした。政治評論をしている人に盆暮れにお届けするというのは、額まで書いてあった、あれだけテレビで正義の先頭を切るようなことを言っている人がこんな金を平気で受け取るのかなと思いましたと。
こういったお金の使い方を、官房機密費、しているんでしょうか。
○風早政府参考人 報道等にございます個人の御発言について、政府の立場でお答えをすることは差し控えさせていただきます。
繰り返しになりますが、内閣官房報償費は、国の機密保持上、その使途などを明らかにすることが適当でない性格の経費として使用されております。その個別具体的な使途に関するお尋ねについては、お答えを差し控えさせていただいているところでございます。
○塩川委員 平野貞夫元参議院議員も同様の発言をしておられて、一九九四年当時ですけれども、熊谷官房長官から預かった三十万円程度のお金を評論家に渡すと、彼は自然に受け取ったと。
このように、政府として、時の政権の意向に沿った世論誘導につながるような官房機密費等の使い方をしているのではないのか、こういう疑念というのは当然あるわけであります。
紹介をしました採用案内にもあるような、専門家、学識経験者とのつながりというのを、こういう形で、お金のやり取りも含めて、世論誘導にもつながるようなことを行っているのではないのか、こういうことについてはきっぱりとやめるべきではないかと思いますが、官房長官、いかがですか。
○木原国務大臣 内閣官房長官、私が管理する内閣官房報償費ですが、国の機密保持上、その使途等を明らかにすることが適当でない性格の経費として使用されてきており、その個別具体的な使途に関するお尋ねは、従来どおり、これはお答えは差し控えなければいけません。
いずれにしましても、内閣官房報償費は、取扱責任者である私の判断と責任の下で、厳正で効果的な執行を行っておりますので、国民の不信を、あるいは議員の不信を招くことがないように、適正な執行というのを徹底してまいります。
○塩川委員 国民の不信を招くことのないように適正な執行に努めるということですけれども、そういう点でいえば、過去どうだったかというのをしっかりと検証することが必要だと思います。
例えば、「報償費について」と題する内閣官房作成の文書、いわゆる古川ペーパーと称される文書が、この間も国会でも議論になってまいりました。新税の円滑実施のため、すなわち、国民の反対を押し切って強行した消費税の導入のために、国会対策として年額五億円という巨額の機密費を使ったことが明記をされていたわけであります。筆跡鑑定で古川官房副長官が作成した文書だろうということも推定されたところでありまして、このような、時の政権の最大の政治課題、消費税の導入のために、まさにこういった官房機密費を使って政界工作を行っていたのではないか。
この官房機密費については、大体同じ額だったのが、一九八九年当時、一気に外務省の報償費と合わせて五億円増えているわけです。その後また戻るわけですから。こういった五億円増えていることについて、しっかりと、これはどうだったのかという検証が必要ではないでしょうか。
こういった、政権交代で金庫が空になるような、民主党政権のときの対応も問題だったわけで、情報機関が世論工作、世論誘導、政界工作の一端を担うようなことは断じて認めることができない。
この消費税導入に当たっての五億円の増額、きちっと検証すべきではありませんか。
○山下委員長 申合せの時間が過ぎておりますので、答弁は簡潔に願います。
○木原国務大臣 内閣官房報償費ですが、これは会計検査の対象として半期に一度必要な検査を受けているところでもあります。
いずれにしましても、厳正で効果的な執行を行っておりますので、今後とも適正な執行を徹底してまいるところでございます。
○塩川委員 終わります。
○山下委員長 次に、大空幸星君。
官房長官は退席されて結構です。
○大空委員 大空幸星でございます。
本日は、質問の機会をいただき誠にありがとうございます。また、関係者の皆様におかれましても、連日大変お疲れさまでございます。
早速質問に入りたいと思いますが、本法案については、国家のインテリジェンス機能を強化をするという観点から極めて重要な法案であるというふうに認識をしております。
インテリジェンスは、言わずもがな、政府の政策決定を支える基盤でありまして、人、ひいては国民の生命、そして身体や財産を守るためのものでもございます。例えば、テロの未然防止、さらにはサイバー攻撃への対応、あるいは自然災害時の迅速な意思決定など、それぞれの国民生活においても直結をしていく場面でその重要性は極めて高いというふうに思っております。
本法案においても、重要情報活動や外国情報活動への対処に関する基本方針の策定、あるいは内外情勢の評価、分析を行っていくということとされておりまして、政策決定の質そして量を高めていくという上でも極めて重要だというふうに思っております。
他方で、このインテリジェンス機能の強化といったときに、いろいろな報道なんかも見ておりますと、やはり、権限の集中であるとか、若しくは監視の強化といった、どうしてもネガティブに受け止められる側面があることもまたこれは事実だろうというふうに思っております。
先ほど申し上げたように、具体的に、今回のこの法案が国民生活にどのように直結をしていくのか。これまでの様々な御説明、御答弁というのはどちらかというと政策サイド側の御説明が多かったんだろうと思うんですけれども、国民目線に立ったときに本法案というのがどういったメリットをもたらすのかについて、尾崎官房副長官にお聞かせいただきたいと思います。
○尾崎内閣官房副長官 お答えいたします。
本法案の内容は、政府のインテリジェンス活動の司令塔機能を強化しようとするものであります。
政策と情報を対比しつつ申し上げますと、情報部門が情報を収集、分析する目的は、政策部門が行う重要な決定や判断を支えることであります。本法案第二条に「重要な国政の運営に資する情報の収集調査に係る活動」と定めたとおり、政策に資する形でインテリジェンスを提供することが重要であります。
具体的には、国家情報会議におきまして政府の情報活動等に関する基本方針を定めることにより、政府統一的な方針の下、より明確な役割分担や優先順位づけが行われ、情報活動の整合性が確保され、政府全体の情報活動のパフォーマンスが最大化、最適化され、さらに、国家情報局が政府内を総合調整することによりまして、多種多様な各省庁の情報が集約されることでその総合分析が強化されるというふうに考えておりまして、これらの結果、政策部門に対し、より多く、より質の高いインテリジェンスが提供されることが本法案により可能となると考えております。
このような形で、本法案を的確に運用し、十分な情報を基に正確な判断や意思決定を行うことを通じまして、外交力、防衛力、経済力、技術力を強化し、これにより国民の生命財産や国土の安全を守り、技術の進歩や経済水準の向上を図り、国民生活をより豊かなものにしていく。
委員お尋ねの本法案により得られる国民のメリットとは、このようなことであると考えているところでございます。
○大空委員 ありがとうございます。極めて精緻な御答弁をいただいたというふうに思っております。
同時に、今、インテリジェンスというのが何かというふうなことを見ていくと、一般的には、政策決定者が国家安全保障上の問題に関して判断を行うために、政策決定者に提供される、情報から分析、加工された知識のプロダクト、あるいは、そうしたプロダクトを生産するプロセスという定義がございます。今御答弁をいただいた内容というのも、それに即してお話をいただいたというふうに思っておりますけれども。
政府の政策決定プロセスがあって、そして政策部門と情報提供部門があって、そしてそれが、インテリジェンスの要求と提供を繰り返すことでインテリジェンスサイクルを形成しているんだ。法案の内容であるとかこれまでの我が国のインテリジェンスということを考えたときに、もちろんこの説明ということで御理解いただける方もいると思うんですが、同時に、先ほど少し申し上げたように、例えば災害であるとか、具体的にはサイバー攻撃であるとか、また近年のテロといったような、それぞれの問題に対してもやはりインテリジェンスというのが非常に重要であって、また、国民の皆様若しくは様々報道されておる内容を御覧いただいている皆様も、是非、国民目線に立ったときにメリットがあるのかどうか、ここで御判断をいただくということも極めて重要じゃないかというふうに思っております。
是非、政府におかれましては、引き続き、なるべく分かりやすく、国民生活に還元をされるのかどうか、単なる制度論にとどまらない、具体的な国民の利益という観点から、認識を引き続き分かりやすく御説明をいただくことをお願いを申し上げたいというふうに思います。
次に、この法案をめぐって様々な報道も、また御評価もある中で、例えば、外国から言われてこういうことをやっているんじゃないかとか、先ほどの別の委員の質疑にもありましたけれども、特定の国に組み込まれるといったような趣旨の御批判があることも事実なんだろうと思います。
そういった中で、あえてお伺いをしたいというふうに思っておりますが、外国情報活動という概念についてでございます。
本法案については、重要情報活動に加えて、外国情報活動への対処というものが重要な柱の一つとなっていると承知をしております。その定義としては、「公になっていない情報のうちその漏えいが重要国政運営に支障を与えるおそれがあるものを取得するための活動であって、外国の利益を図る目的で行われるものへの対処」というふうにされております。
ここでお伺いをしたいのが、先ほどの冒頭申し上げたこととつながるんですが、外国の範囲というのをどのように捉えていくのかということについてであります。
主権国家たる我が国のインテリジェンス機能を強化をするという法律でありますから、その観点からお伺いをしておりますけれども、この外国情報活動における外国には、我が国と普遍的価値、例えば法の支配や民主主義、そういったものを共有をしない国のみならず、いわゆる同盟国や同志国も含まれるのかどうか。この点は、我が国としてのインテリジェンスの運用において極めて重要であるというふうに思っております。
もちろん、同盟国、同志国との連携強化が極めて重要となっているのは間違いないことでありまして、先ほど岡審議官からもありましたとおり、プロダクトの質や量、ギブ・アンド・テイクの関係、また同時に、相手国から信頼を寄せられるような体制構築を図っていくということも重要であると思っておりますけれども、現実の国際関係におきましては、同盟国、同志国との間でも、全ての情報の利害が完全に一致をするということは、これはそうとは限らないわけでありまして、一定の、例えば緊張関係であるとか競争関係が存在をするということも事実だろうというふうに思っております。
他方で、そうした国々とは情報共有や共同対応というのもこれまでも行っておりますし、これからもこの協力関係を更に強化をしていくということは重要であります。
したがって、外国情報活動への対処という概念を広く捉え過ぎれば同盟国、同志国との関係に影響を及ぼす可能性もあるし、同時に、狭く捉え過ぎれば実効的なカウンターインテリジェンスの機能という観点から懸念が生じる可能性もあるということで、本法案における外国には同盟国や同志国も含まれるのかどうか、また、政府として、同盟国との協力関係と我が国としての情報防護や対抗措置とのバランスをどのように整理をしているのか、お聞かせいただければと思います。
〔委員長退席、鳩山委員長代理着席〕
○岡政府参考人 お答えいたします。
まず第一に、重ねて申し上げますけれども、情報分野におけます同盟国又は同志国との協力関係は大変重要なものでございまして、本法案が成立した後は、その趣旨、目的に従いまして一層充実強化をしてまいります。
その上で申し上げますと、法案第二条の規定にある外国の定義は、「本邦の域外にある国又は地域をいう。」としておりまして、日本以外の全ての国又は地域を指しております。
他方で、国家情報会議が調査審議を行うこととなる外国情報活動への対処の在り方につきましては、我が国の重要な秘密を不正に取得したりしようとする外国情報機関の活動の実態に照らして定めていくものでございます。
また、特定秘密保護法を始めとする各種の情報保全の制度につきましては、特に国による違いを定めず、一律に遵守するべき規定となっております。
○大空委員 ありがとうございます。
何度も御答弁をいただいておりますように、同盟国、同志国との協力関係をしっかりと構築をしていくということは極めて重要でありますし、ファイブアイズの国々のみならず、基本的価値を共有する国々との連携体制の構築というのを、本法案が成立した場合には是非とも取り組んでいただきたいというふうに思います。
国際協調という観点から、もう一問お伺いをさせていただければと思います。
この委員会においても、様々な人材育成の観点からやり取りが交わされているところでございます。先週の答弁においても、省庁横断的な研修の重要性についても言及があったと承知をしております。大変重要な視点だというふうに思っておりまして、情報コミュニティー全体の底上げという観点からも、まさに不可欠な取組だというふうに思っております。
他方で、現在のインテリジェンスの世界においては、国内だけで必ずしも完結するものではないわけでありまして、国際的なネットワークの中で機能していくということが前提となっております。特にテロ対策やサイバーセキュリティー、そして経済安全保障といった分野では、各国の情報機関であるとか関係機関との連携も不可欠でございます。
そうした中で、国内の研修を行うだけではなくて、各国のある種のカウンターパートとの人材交流であるとか、ないしは共同研修、さらには共同分析の枠組みなど、いわゆるキャパシティービルディングの観点というのも極めて重要だというふうに認識をしております。
本法案においても外国情報活動への対処が重要な柱とされている以上、国際的な連携を前提とした人材育成というものは必要不可欠だと思いますが、政府として、国内における例えば省庁横断的な研修に加えて、各国との共同研修や人材交流といった国際的な人材育成についてどのように取り組んでいくお考えなのか、また、今後具体的にどのような枠組みを構築をしていくことを想定をされておられるのか、もしあればお答えをいただければと思います。
○岡政府参考人 失礼いたします。
人材育成、今後、我が国の情報コミュニティーの各機関が、情報活動に従事する職員らにその知識や技能の向上を図っていく、そういうためには、役所内部のメソッドやノウハウなどを整理して共有するだけでは十分ではございません。部外の考えを積極的に取り入れていく必要があると考えております。
先ほども民間企業の話がございましたけれども、一定の秘密保全契約の下に優れた民間企業との協力関係を構築することも一つでございますし、また、委員御指摘のあった友好国の情報機関に助力を得ることも大いに考えられます。友好国の情報機関は、長年の組織運営を通じて人材育成のメソッドをそれぞれ確立なさっておりますし、また、国それぞれの特性の違いから学ぶところも多いかと思いますので、しっかり研究を重ねていきたいと思います。
相手国との関係もございますので協力関係の具体的内容を申し述べることは差し控えますけれども、御指摘の研修にせよ、キャパシティービルディングに係る教育の推進にせよ、今後、インテリジェンス改革の全体像を検討していく中でどう取り入れていくか、しっかりと考えてまいります。
○大空委員 ありがとうございます。
お互いに人を送り込むとかといったこともあるかもしれませんし、研修であるとかキャパシティービルディングに係る教育体制の推進といったことをやることによって同盟国や同志国との関係強化、その入口ができるといったような側面もあるというふうに思っておりますので、これから具体的な検討を進めるに当たって、是非、国際的な人材育成の在り方みたいなことも観点として御議論をいただきたいというふうに思います。
もう一問、人材についてお聞かせをいただきたいんです。
先週の本委員会における別の委員の質問への答弁として、岡さんから、ゼネラリストも必要なんだというようなお話がたしかあったというふうに思います。もちろん、専門人材を育成していくということの観点と、様々な、省庁横断的に、さらにはそれぞれの課題に全体として俯瞰して見られるようなゼネラリストの育成、これは両方重要なんだろうというふうに思いますけれども、制度をいかに担保をしていくのか、整備をしていくのか、その議論をしていても、やはり実際に運用する人材が不足をしていては実効性は担保されないわけであります。
様々な方の御著書や資料なんかを読みますと、やはりインテリジェンス分野においては高度な分析能力、そして語学力、専門知識が求められる、こういったことを書いておられる方々もいらっしゃるわけであります。とりわけサイバー分野であるとか、例えば経済安全保障の分野においても、民間企業の給与水準というのは極めて高いわけであります。優秀な人材を政府部門、公共部門にしっかりと引きつけていくということは、残念ながらこれは容易ではないという状況であります。また、単に採用するだけではなくて、やはり長期的に育成をして、そしてキャリアパスというのを明確にすることによって専門性を維持向上させていくという仕組みも重要だろうというふうに思っております。
そこで、政府として、今般の国家情報会議設置法案に係る例えば専門人材、特に高度専門人材の確保に向けて、どのような具体策を講じていくのか。特に、民間との人材獲得競争というものがある中で、やはり、今のそれぞれの公務員の皆さんの処遇で、じゃ、民間の優秀な人、来てくださいといっても、現実的にはなかなかハードルが高いというのも事実だろうと思いますので、この処遇改善であるとか柔軟な採用制度、出向や交流の仕組みなどについてどのように考えておられるのか、御見解をお聞かせください。
〔鳩山委員長代理退席、委員長着席〕
○岡政府参考人 失礼いたします。
私どもの立場として申し上げると、公務員の給与水準というのが必ずしも低いとは考えてはおりませんのですが、ただ、御指摘のように、給与面のインセンティブによりまして民間企業を就職先に選ばれる方がいらっしゃるということもまた理解をしております。
何を決め手に職業を選ぶかというのは個々人の生き方や環境等により異なりますけれども、政府が行う情報業務というものは、国民全体の奉仕者として公共の利益のために働くことの魅力を特に感じ取ってもらいやすい分野であると考えており、こうしたやりがいを学生の皆さんに訴えていくことが重要であると考えております。
業務の漠然としたイメージは、フィクションやノンフィクションの作品を通じて世によく知られているわけでございますけれども、職業としてのインテリジェンスというものが実在することを容易に思いつかない方が多いはずでありまして、また、せっかく思いついた方も、先ほどお褒めの言葉をいただいたんですけれども、我々の採用用の資料は、秘密保全の要請から何もかもを説明するわけにもいかないものとなってしまっているという問題もございます。
外国の情報機関の中には、美麗で分かりやすい公式サイトを設けて、具体の業務内容までには踏み込まないんですけれども、組織の側が欲する多様な専門分野を採用活動の目的でかなり明確に列挙している例もございまして、そうした取組も参考にしてみたいと考えております。
情報活動の高度化や複雑化が進んだ結果といたしまして、外国語を学んだ方のほか、国際政治を学んだ方、情報工学や先ほど出ましたAI、データサイエンスを研究なさった方、さらには学際的な学部・学科で学んだ方など、必要な専門分野は拡大をしておりまして、これまで以上に幅広い学部・学科に訴えかけてまいることが重要だと考えております。
また、こうしたやりがいのある職場について、民間から転職してもよいと考えている方もいらっしゃいますでしょうし、また、一定期間内であれば自分のキャリア形成のために出向してもよいと考えている方もいらっしゃるでしょうから、新卒採用と併せまして、中途採用や官民人事交流も是非強化して、総合的な人材確保策を推進してまいりたいと考えております。
他方で、処遇の問題につきましては、直ちに解決というわけにはいかないものですから、関係当局とよく相談して議論を進めてまいります。
○大空委員 ありがとうございます。
岡内閣審議官の謙虚な御答弁もいただいたんですけれども、やはり現実的には、国家公務員の皆さんの給与体系と、基準と、実際に恐らく皆さんがターゲットとして確保していきたいと思っている学生の皆さんとの認識の間にはかなり差があるんだろうと思うんですね。
もちろん、給与面で公務員の道を選ぶということではないと思いますし、今おっしゃっていただいたように、やりがいといったところで職業としてのインテリジェンスをしっかり確立していく上で、本法案というのは非常に重要な入口だというふうに思っております。
やはり秘密保全というものがあって、同時に、どうしても秘匿しなければいけない情報がある、ないしはその活動内容についてもオープンにすることができないという状況の中で、これまでもやはりそれぞれの採用活動というのはかなり御苦労があって、また同時にノウハウなんかもあるんだと思います。
それは、先ほどおっしゃっていただいたように、外国の情報機関においても、やはりリクルートしていくのをどうしていこうかということは、様々な工夫、ノウハウの上で行われているものというふうに承知をしておりますので、是非、人材確保という観点からも、ほかの各国の関係機関とも連携をしながら、参考になるものはどんどん取り入れて、それによって我が国の今の国家公務員の給与体系であるとか水準が、具体的にやはりここがハードルがある、若しくは障壁があるといったことであれば、是非これは改善に向けて共に頑張っていかなくてはならないところだというふうに思っておりますので、優秀な人材をしっかりと確保していくと同時に、我々自身も、インテリジェンスというのを職業として確立をしていくに当たっての具体的な取組というのも引き続き進めてまいりたいというふうに思っております。
次に、国家情報会議の構成について少しお伺いをさせていただきたいのですが。
本法案では、国家情報会議の基本的な構成員として、外務、防衛、警察、経済産業など、いわゆる情報コミュニティーに関係の深い閣僚が位置づけられております。
一方で、近年の安全保障環境の変化を踏まえれば、経済安全保障やサイバーセキュリティーといった分野の重要性というのは急速に高まっておりまして、例えば、重要インフラへのサイバー攻撃であるとか、半導体や重要鉱物の供給網の問題、さらには技術流出への問題など、従来の安全保障の枠を超えた課題も存在をしております。
こうした課題に対応していくためには、経済安全保障担当大臣であるとかサイバー関連政策を所管をする大臣がインテリジェンスの議論に適切に参加をしていくということも重要だというふうに思っております。本法案では、必要に応じてほかの国務大臣を臨時に参加させることができるというふうにされておりますけれども、その観点から、経済安全保障やサイバーセキュリティーを所管する大臣について国家情報会議にどのような形で関与させていくのか、そのお考えを聞かせてください。
○岡政府参考人 お答えいたします。
御指摘のとおり、法案第六条第三項の規定によりまして、いわゆる常任のメンバーではない国務大臣の方を、議案を限って、議員として、臨時に会議に参加させることができるとされております。
お尋ねのありました経済安全保障にせよサイバーの関係にせよ、そうなんですけれども、一般のインテリジェンス省庁では持っていないネットワーク、例えば、先ほど来出てきますような関連先端企業との関係でございますとか、あるいは、それが国内だけでなくて外国へのネットワークも広がっていて、そういった方々からかなり秘匿性の高いインテリジェンスを入手することができる、そういった状況の中で、議長たる総理がお認めになれば、会議に参加していただいて、会議の調査審議に貢献していただくということになります。
○大空委員 ありがとうございます。
情報を提供する側も受け取る側も、私は、双方、どっちの立場にもなるというのは、一つのインテリジェンス機能の強化においても重要だろうというふうに思っておりまして、政治家という議論もありましたけれども、様々な事態に即して柔軟に対応していただきたいというふうに思っております。
先ほどおっしゃっていただいた臨時に参加できる規定の趣旨について、もう少し詳しくお聞かせをいただきたいんですけれども。
本法案では、必要があると認めるときには、基本構成員以外の国務大臣を、議案を限って、臨時に参加させることができるというふうにされております。複雑な安全保障環境に対応する上では、極めて重要な意味を持つものというふうに思っております。それは、すなわち、インテリジェンスの対象が、先ほど来からありますとおり、外交や防衛にとどまらず、経済やエネルギー、食料、さらには情報通信など多岐にわたる中で、柔軟に関係閣僚を関与させる仕組みが不可欠というふうに思っております。
ですので、この臨時参加の規定をあえて設けた趣旨というものが何なのかということと、あとは、どういった事案を想定をしているのか、すなわち、単なる例外規定ではなくて、実際の運用においてどのような役割を果たすものと位置づけているのか、是非お考えをお聞かせいただければと思います。
○岡政府参考人 お答えいたします。
先ほど申し上げた本法案第六条第三項の規定等につきましては、まず第一に、一般に、各行政機関は、その所掌事務を遂行するため必要な情報の収集というのを行うものでございまして、情報の収集というのは必ずしもインテリジェンス省庁だけのものではございません。そうした中で、重要な国政の運営に資する情報を取り扱う場合もあるというのが一つでございます。さらには、議案によっては、政策部門の情報関心をじかに詳細に把握したり、特定の政策の背景となっている事情を確認したりすることが必要となることも考えられることなどを踏まえまして、当該規定を設けております。
ちょっと、直ちに典型的な事例を申し上げるのはなかなか難しいんですけれども、例えば、パンデミックが世界中で蔓延せんとしているときには厚生労働大臣の参加を求めることもありましょうし、安全保障の領域が拡大している中で、食料安全保障といった状況が問題となる局面においては農林水産大臣の参加を得ることも想定されるところです。
○大空委員 ありがとうございます。
今、農林水産大臣についても言及をいただきましたけれども、まさに食料安全保障の重要性というのは改めて認識をされているところでありますし、また、漁業資源をめぐる国際的な競争であるとか違法操業の問題なんかもありますので、インテリジェンスと密接に関係をする分野だというふうに思っております。
また同時に、総務省、総務大臣についても、やはり地方自治や情報通信、放送電波といった分野を所管をしているわけでありますから、通信インフラへのサイバー攻撃や情報通信網の遮断であるとか情報空間における影響工作など、総務省の所管とも密接に関係をする事案というのも数多く存在をするというふうに思います。
こういった観点からすれば、総務大臣であるとか農林水産大臣も含めて、また厚生労働大臣も含めて、これは適切にそれぞれの事案によって対応をしていただきたいというふうに思っております。
何が起こるか分からないというのはまさにそのとおりなんだろうというふうに思いますけれども、やはり事前にシミュレーションをしておくということも極めて重要だというふうに思っておりまして、具体的にここでこういう事例をというふうなことをオープンにする必要はありませんが、是非皆さんのそれぞれの中で、いざ何か事が起こったときに、例えばもう一度あのコロナのようなパンデミックが起こったときに、今回この国家情報会議を新たに設置したことによって具体的にどういったことが変わっていくのか、それによって連携や調整の体制にどういった影響が及ぼされるのか、こういったことも具体にやはりシミュレーションをして、皆さんの中で知識や経験、ノウハウを蓄積をしていくということも極めて重要だというふうに思っておりますので、その辺りの柔軟な運用もお願いを申し上げて、質問を終わります。
ありがとうございました。
○山下委員長 次に、浦野靖人君。
○浦野委員 日本維新の会の浦野靖人です。よろしくお願いいたします。
まず最初に、立法事実についてお伺いをしたいんですけれども。
現行の情報統合体制だけでは対応が難しいというふうに判断をされたからこの法案が出てきているわけですけれども、その背景というものは何か。近年の国際情勢、テクノロジーの変化を踏まえて、政府としてどのような課題意識を持っているのか。そして、政府は情報統合性の強化をされていますけれども、具体的にどの機能が不足をして、どのような場面で迅速な判断が困難になっているのか、具体例を示してまず御説明をいただきたいと思います。
○岡政府参考人 お答えいたします。
お尋ねの背景ということで申し上げますと、例示のありました国際情勢の変化にテクノロジーの変化が重なり合った結果、近年、サイバー攻撃やSNS上での偽情報の拡散と世論形成への影響、さらに、古くて新しい課題ではございますけれども、先端技術をめぐる争いや経済安全保障など、力による一方的な現状変更にはとどまらない、より複雑で高度化した安全保障上の課題が浮き彫りとなっていると考えております。
こうした課題に対峙する政策部局を情報面から支援しようと思えば、特定少数の省庁が集める個別の情報だけでは、全体像の把握や、それを踏まえた的確な情勢評価を行うことが困難となっておりまして、各機関が収集し得るあらゆる情報を内閣官房に集約して、それらを突合して多角的な分析を行う必要性に迫られるところでございます。
現在の内調は、その所掌事務である内閣の重要政策に関する情報の収集調査の範囲内でできる限りの省庁間調整を行ってまいりました。しかしながら、以上述べた現状と課題に照らしますと、政治のリーダーシップによる政府全体の情報活動の方向性の提示でございますとか、まずは各省庁の現状の事務や権限を前提としつつも、内閣官房として情報活動の役割分担や優先順位づけ、整合性確保等の措置を行いまして、政府全体の活動のパフォーマンスを最大化、最適化するといった司令塔機能の強化が必要と考えており、本法案はまさにこうした課題の解決方策を具体化したものであるというふうに考えております。
○浦野委員 ありがとうございます。
内調を事務局に置くことで、警察情報への偏重を懸念する声もあります。防衛、外務の分析が適切に反映される仕組みをどのように考えているのかということと、今お答えにありましたけれども、サイバー、経済安保、あと技術情報、そういった新しい領域が拡大している中で、先ほどの大空委員の質問にもありましたけれども、専門スタッフの確保というのは非常に大きな課題だと考えております。改めて、その件も答弁をいただけたらと思います。
○岡政府参考人 委員の御懸念は、国家情報局が集約、分析する情報が特定省庁の収集した情報に偏りが生じてしまうのではないかということだと理解をいたしましたが、まずもって、私ども情報部門の立場は、政策部門の要求がまずありきでありまして、政策部門の要求に基づいて、その判断や決定に資する情報を集めて、集約して、分析するということをその使命とするものであります。
国家情報局は、そのために必要な様々な分野にまたがる情報をインテリジェンス関係機関から集約する立場となります。国家情報局が集約、分析すべき情報の出どころは、先ほど申しましたとおり、政策部門のニーズによって異なってくるために、一概には定まらないものでございます。このため、期待に応えようと思えば、特定省庁の情報ばかりを扱うことはありませんし、もしそうしていれば、政策サイドからは見放されるという結果になりかねません。
厳しい国際環境に鑑みますと、国家情報局の主要なカスタマー、情報の提供先は、国家安全保障会議ないし国家安全保障局になると考えております。国家情報局が、委員御指摘のあった防衛や外交に関連する情報を集約し、総合分析を行っていくことが大変重要であることは我々も十分に認識をしておりまして、防衛省情報本部や外務省の国際情報統括官組織の分析力には大いに期待をしており、彼らとの連携を更に緊密にしてまいります。
また、サイバーや技術情報、経済安保に関わる専門人材の確保が重要との御指摘もいただきました。
これまでのところ、内調における技術系の人材というのは、警察や防衛省で採用された技官の方々や、あるいは、民間企業の技術者に内調に出向していただくことで必要数を確保してまいりました。内調プロパーとしても実は喉から手が出るほど欲しい人材でございまして、困難な課題はありますけれども、採用方策はしっかり検討してまいります。
また、経済分野の人材につきましても、官民交流の形で民間の経済に詳しい方を登用しているところでございますけれども、こちらにつきましても、企業や大学その他の研究機関を含めて幅広い層から採用や出向を募ってまいりたいというふうに考えております。
○浦野委員 様々な部署、場所、省庁からいろいろな情報を集めるわけですけれども、こういう会議を、こういう新しい場所をつくるに当たって、必ず縦割りという問題が起きたりするわけですけれども、その縦割りの打破の観点で、従来の国家安全保障局、内調、警察、公安調査庁、外務、防衛などの情報機関、寄り合い所帯というふうになってしまう可能性がありますけれども、この会議の設置でそういったものの何が本質的に変わるのかというのをお答えください。
○岡政府参考人 例示のございましたインテリジェンスコミュニティーの各機関におきまして、仮に他機関や政府全体の政策部局の情報ニーズが理解できていなければ、各機関において政府全体の政策に貢献しようとするマインドがそもそも弱くなって、各々が所属する省庁の所掌事務遂行上必要な情報に取組を集中させがちとなるおそれがあります。
本法案成立の暁には、総理を議長とし、各機関を監督する閣僚の方々が入る会議ができますので、そこで、内閣の立場から、各機関の情報活動の重点やその他の基本方針を示していただき、さらには、重要事案の総合評価も行われるという仕組みが動き始めます。そのようになれば、各機関とも、政府全体の重要政策の決定や判断に貢献することも自らに課された重要な課題、役割であると強く自覚し、示された政府全体の基本方針に忠実に活動を推進し、内閣官房で実施される総合的な情報の分析、評価が一層高水準で、政策部局にとってより有益なものとなることが期待されるところでございます。
○浦野委員 ありがとうございます。
次に、国家情報会議の創設で同盟国、同志国との情報共有がどのように強化をされるのかということをまず一点。そして、漏えいリスクに敏感な同盟国ももちろんありますので、そういった国からの信頼を得るための情報保全体制をどう講じていくのかということの見解をお伺いをいたします。
○鎌谷政府参考人 お答えをいたします。
まず、同盟国、同志国との連携協力につきましては、内閣情報調査室を始めとしますインテリジェンス関係機関、これは、米国、英国、豪州を始めとする相手国のカウンターパートと平素から緊密に連携をし、様々な情報交換を維持しているところでございます。
本法案によりましてインテリジェンスの司令塔機能が強化されることで、重要情報活動に関する基本的な方針を踏まえて、各機関との間で整合性の確保された時宜にかなった情報の交換や、相手国とのよりハイレベルでの協議の実施など、同盟国、同志国との協力関係の強化を図ってまいりたいと考えております。
また、このような同盟国、同志国の協力関係を強化する上で、委員御指摘のとおり、情報の保全の確保は重要でございます。これまでも、外国情報機関により我が国に対する情報活動が活発に行われているとの認識の下で、官民の重要な情報等の保護を図るために、不審動向や外国における事例等の収集・分析、収集・分析結果の政府内での共有等に取り組むとともに、各国との情報保護協定の締結を通じた国際的な連携の下での保全体制の強化を図っているところでございます。
本法案の第三条に規定しております外国情報活動への対処に関する基本的な方針に示される取組の重点や方向性などを踏まえまして、国家情報局が政府全体を俯瞰する立場から総合調整を行うことで、情報保全に関する取組の整合性の確保、また各省庁が保有する情報保全に資する情報の提供をより積極的に求め、その分析結果を各省庁に共有すること、企業やアカデミアとの連携、諸外国との協力関係の構築、個々の事案の実態解明などの取組を強化してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○浦野委員 ありがとうございます。
最後に、プライバシーの保護についての質問をしたいと思います。
もちろん、他国のインテリジェンス関連活動が活発な国というのはアメリカを代表してあるわけですけれども、この法案審議の中で、やはり情報機関の権限拡大は、国民の監視の強化やプライバシーの侵害につながるとか表現の自由の侵害につながるなどといった問題が実際に起こっておりますよね。
例えば、アメリカのNSAの元契約社員のエドワード・スノーデンが二〇一三年にアメリカ政府による世界規模の通信監視プログラムを内部告発して大きな騒ぎになりました。これは、インターネット上の個人データや電話の通信記録を無差別に収集、監視していたという実態が明るみになって、本当に世界中で問題になって、これが後に映画にもなっていましたけれども。
スノーデンさん自身は、この監視社会に対する警鐘を鳴らした英雄と捉えられるのか、それとも機密を漏えいした裏切り者というふうに取られるのか、評価は立場によって分かれるとは思うんですけれども、こういったことをやはり心配をされている日本国民はいらっしゃると思うんですね。
そういった国でこういうことが起きないように再発防止策をどういうふうなことをしたのかとか、日本でももしかしたら同じことが起こり得ると想定をしているのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○岡政府参考人 お答えいたします。
外国の機微な情報活動やそのための制度設計をめぐる議論に関しまして、我が国政府として何かコメントを申し上げる立場にはないのですけれども、今回の法案について申し上げれば、規定の内容はあくまで行政機関相互の関係を律するもので、国民の権利義務に直接関わるような調査権限であったり捜査権限というものを新設するものではございません。
そのため、本法案によりまして、委員の御指摘のあったような、情報機関の権限拡大によって監視の強化やプライバシーの侵害につながるでありますとか表現の自由の侵害につながるといったリスクが実態上生じるということは考えてはいないところでございます。
その上で、御指摘の海外事例を踏まえまして一般論として申し上げますと、我が国と諸外国では情報機関に認められた権限の内容や強さが大きく異なるために、諸外国で発生した情報機関による人権侵害等の問題が我が国において同様の形でそのまま発生するリスクがあるとは考えてはおりません。
ただ、いずれにしましても、これは情報活動に限ったことではなく行政各般にわたる一般原則でございますけれども、行政庁が事務を遂行するに当たりましては、憲法に保障された国民の権利を不当に侵害することがあってはならないのは当然の前提でございまして、この点につきましては、引き続き、各インテリジェンス関係機関におきましても、その指揮監督に当たられる担当大臣の下で適切な運用がなされるものと考えております。
○浦野委員 ありがとうございました。
最後に、質問ではないですけれども、一点。
三月二十六日の産経新聞に「認知戦 浸透する影響工作」ということが載っていました。これは明日の参考人に来られる大澤さんの記事だったんですけれども、世界中にはいろいろな国があって、国家ぐるみでいろいろなフェイクニュースを流したり、その中で、SNS上で工作をしかけてきている国も実際にあるわけですよね。
この記事の中でも紹介されていますけれども、例えばロシアのウクライナ侵攻でも、例えばゼレンスキー政権がナチス・ドイツだという言説を流布したり、そういった具体的な事例を挙げて記事を書かれているわけですけれども、そういったことに我が国のインテリジェンスも、その真偽がどうなのかというのをやはり国民の皆さんにもちゃんと分かってもらえるような情報を提供していくということも仕事の一つだと思うんですね。
先ほどの長妻委員の質問のときに、政治とそういったインテリジェンスの距離というのは、本当に、これはもちろん慎重にやっていかないと駄目なんですけれども、選挙にすらそういった外国勢力の工作が行われる、要は認知戦をしかけられているということも事実として出てきているわけです。そういったこと、それによって政治がゆがめられるということになれば日本の進むべき方向性も間違ってしまいますし、そういったことをしっかりと情報収集をしていただいて、日本国民のためになる情報機関であるように願いまして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。
○山下委員長 次に、吉田宣弘君。
○吉田(宣)委員 中道改革連合の吉田宣弘でございます。
本日は、内閣委員会におきまして、このように質問の機会をいただきまして、委員長、理事各位、また委員の皆様に心から感謝を申し上げたく存じます。
得がたい貴重な質問の時間でございますので、早速質問に入らせていただきます。
現行の国家安全保障戦略における我が国の安全保障に関わる総合的な国力の主な要素の中で、外交力、防衛力、経済力、技術力とともに、情報力が挙げられております。そこでは、急速かつ複雑に変化する安全保障環境において、政府が的確な意思決定を行うには、質が高く適時にかなった情報収集、分析が不可欠である。そのため、政策部門と情報部門との密接な連携の下、政府が保有するあらゆる情報収集の手段と情報源を活用した総合的な分析により、安全保障に関する情報を可能な限り早期かつ正確に把握し、政府内外での共有と活用を図るとあります。
そして、健全な民主主義の維持、政府の円滑な意思決定、我が国の効果的な対外発信に密接に関連する情報の分野に関して、我が国の体制と能力を強化する。具体的には、国際社会の動向について、外交、軍事、経済にまたがり幅広く、正確かつ多角的に分析する能力を強化するため、人的情報、公開情報、電波情報、画像情報等、多様な情報源に関する情報収集能力を大幅に強化するとございます。
このような方針の下、現行の国家安全保障戦略の閣議決定は令和四年の十二月十六日でございますから、一定程度時間も経過しているわけでございますが、既にインテリジェンス機能は強化を積み重ねているものだと承知をしております。もちろん、これで終わりということではないということも承知をしております。
この点、高市総理は、本法案について、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境において、我が国の国益を守るためには、質が高く、適切なタイミングを捉えた情報の収集、分析を行うとともに、それらをハイレベルで集約し、高度かつ的確な意思決定を行う必要とお述べになられておられます。
実は、今、私が現行の国家安全保障戦略と総理のお言葉を重ね合わせると、内容はほぼほぼ記載は同じであるというふうに思っております。ただ、違いがあるとすれば、よりハイレベル集約とより高度な意思決定という点でありましょうか。
そこで、質問をさせていただきますが、本法案では、これまで内閣官房長官がトップであった内閣情報会議を総理をトップとする国家情報会議に格上げして、情報のよりハイレベル集約とより高度な意思決定を実現するという理解でよろしいかどうか、確認をさせていただければと存じます。
○岡政府参考人 委員御認識のとおりでございまして、本法案で、現在、官房長官をトップ、事務次官級を主たる構成員とする内閣情報会議を、総理をトップ、閣僚を議員とする国家情報会議に格上げいたします。これによりまして、政府全体を俯瞰する立場から、政治の強いリーダーシップの下で、高度な見地に基づきまして各機関の行う情報活動に関する基本方針が示され、統一的な方向づけが強力に行われるようになります。
また、資料や情報の提供義務を規定することによりまして、各機関が収集した情報のうち必要とされるものが国家情報会議に確実に提供されることが制度的に担保されます。このようなことによりまして、委員御指摘の、情報のよりハイレベルな集約につながっていくものと考えます。
また、こうして集約された情報は、政策の判断に資する形に加工されまして、官邸やNSCを始めとする政策部門に提供されます。そういった意味で、委員御指摘の、より高度な意思決定にもつながっていくものと考えております。
○吉田(宣)委員 では、再び、現行の国家安全保障戦略からでございますが、そこには、偽情報等の拡散を含め、認知領域における情報戦への対応能力を強化する。その観点から、外国による偽情報等に関する情報の収集、分析、対外発信の強化、政府外の機関との連携強化等のための新たな体制を政府内に整備すると記載がされております。
そこで、この問いも確認でございますけれども、質問させていただきますが、ここに記載がある政府内の整備された新たな体制について、その概要を教えていただければと存じます。
○鎌谷政府参考人 お答えをいたします。
政府におきましては、現行の国家安全保障戦略、これは令和四年十二月に策定されておりますが、令和五年四月、外国からの影響工作に対応するために、内閣情報官と内閣広報官に加えまして、外政を担当する内閣官房副長官補兼国家安全保障局次長を中心とする体制を整備したところでございます。
さらに、生成AI技術を悪用した偽情報拡散による脅威の増大等を踏まえて、昨年の九月に、この体制を更に強化し、現在は、内閣官房副長官の調整の下、内閣情報調査室、国家安全保障局、内閣広報室、内閣官房副長官補室、総務省、国家サイバー統括室を始めとする関係省庁間で構成される連携体制を構築し、情報収集、分析の充実、情報流通プラットフォーム対処法の運用の徹底、正確な情報発信の強化、各種リテラシー施策の向上等の対策に政府一体で取り組んでいるところでございます。
○吉田(宣)委員 ありがとうございます。
その上で、今度は官房長官にお聞きをいたしますが、今審議をさせていただいております国家情報会議設置法案、これが成立の運び、成立した場合には、今御説明があった体制、これはどのように位置づけられるのかについてお示しをいただければと存じます。
○木原国務大臣 本法案の成立後も、引き続き、国家情報局を含めて関係省庁が緊密に連携し、政府一体となった取組を推進していきますが、国家情報局の設置によって、政府全体の情報活動を俯瞰するという立場から総合調整を行うことが可能となります。各省庁の保有する情報をより積極的に求め、多種多様な情報を集約することで、総合的な分析が強化されることとなります。
これらの結果、外国による影響工作についても、関係省庁に対して、一層質の高い、時宜にかなった情報の提供が行われ、効果的な対策が講じられることが期待できるものと考えているところです。
○吉田(宣)委員 分析強化ということにおいても、この法案の成立の期待があるわけでございます。
次の質問に移りますけれども、昨今、偽情報が、国民の、正しい情報に基づく、いわゆる選挙における投票行動ですね、これを妨害する目的で実行される例が私は問題になっているというふうに思っております。
さきに引用いたしました現行の国家安全保障戦略にも、健全な民主主義の維持、これから少し文言は飛びますが、に密接に関連する情報の分野に関して、我が国の体制と能力を強化するというふうに記載があるわけですね。この体制強化の恩恵は、選挙における国民の皆様の、正しい情報に基づく投票の促進という形で国民の皆様に還元、享受されるべきではないかというふうに私は思っています。
そこで、現行の体制においてでございますが、この現行の体制の運用に当たって、例えばファクトチェックのような機能を働かせて正しい情報発信として運用されるべきではないかと私は考えるのですけれども、官房長官のお受け止めをお聞かせいただければと思います。
○木原国務大臣 偽情報の拡散を含みます外国による影響工作というのは、我が国にとっても安全保障上の脅威であり、また、先ほどの質疑者の浦野委員の最後の発言にもありましたが、外国のそういった影響工作によって選挙の公正やまた自由な報道、そういったもの、つまり民主主義の根幹を脅かすことになってはいけない、その対策は急務であると考えています。
政府においては、先般の衆議院議員総選挙に際しては、更に体制を強化して集中的に分析等の取組を行ったところでありますが、その結果、外国のものと疑われる不審アカウントが選挙に関する不審な内容を投稿している動向を一定数把握しましたので、プラットフォーム事業者に情報提供を行うなどの対応を行ったところです。
本法案の成立後も、この点は引き続き、国家情報局を含め、関係省庁が緊密に連携し、政府一体となった取組をしっかりと進めてまいります。
○吉田(宣)委員 是非お願いをしたく存じます。
運用も強化できないかということ、今度は本法案が成立した場合ということでお聞きをいたしますが、私は、いわゆるファクトチェック機能というのは非常に重要だと思っておりますけれども、そのような運用も、今すぐにというわけにはいかないと思います、法案が成立をしても。
先般、内閣委員会の中で示された国家情報戦略、これはまだ仮称だと思いますけれども、を今後策定をしていくというふうな方向性が示されたかとお聞きをしておりますけれども、この国家情報戦略を策定する過程の中でファクトチェック機能について是非御検討いただければと思うのですけれども、いかがでしょうか。官房長官、お願いします。
○木原国務大臣 外国による影響工作を含む外国情報活動への対処というのは、国家情報会議の調査審議事項となっております。また、国家情報会議において、名称を国家情報戦略とするかどうかはまだ未定ではありますが、政府の中長期的な情報活動の推進方策を取りまとめた何らかの文書を作成して公表するということを検討しております。
文書の具体的な内容をこの時点で予断を持ってお答えする段階にはありませんが、今委員の御指摘の点を含めて、様々な御意見を踏まえて検討していくことになると考えています。
○吉田(宣)委員 是非前向きな検討をお願いしたく存じます。
国家安全保障戦略に関連して、更に質問をさせていただきます。
先ほどから、国家安全保障戦略に関連して質疑を申し上げてきましたが、今少し触れさせていただいた、これから策定をされるというふうな国家情報戦略と、現行といいますか、これも改定が予定されているとお聞きをしておりますが、国家安全保障戦略、この二つはどのような関係になるのでしょうか。まだはっきりと決まっていないことでもございますので正確に現時点で答弁するのは難しいとは承知をしておりますが、官房長官からはイメージだけでもお聞かせいただければとお願いしたいんですけれども、答弁をお願いいたします。
○木原国務大臣 国家情報会議におきまして、政府の中長期的な情報活動の推進方策を取りまとめた文書を作成するということは申し上げております、そして公表もいたします。この点、今申し上げた国家情報会議において作成、公表する文書というのは、政策と情報でいえば、情報に関するものであります。
一方で、今委員が御指摘の国家安全保障戦略というのは、これは我が国の安全保障に関する最上位の政策文書であります。また、政策部門と情報部門の緊密な連携を図り、インテリジェンスサイクルを充実させる上で、両部門で推進すべき施策、活動を取りまとめた文書の整合性というのを確保するということが大変重要というふうに認識をしておりますので、きちんと整合性が確保されるように留意をしていかなければならぬと考えております。
○吉田(宣)委員 御説明ありがとうございます。仮称の国家情報戦略、これは情報部門、それで、国家安全保障戦略、これは国の安全保障政策の最上位の戦略ということでございまして、その関係性をできる限り今正確に答弁いただいたことには感謝を申し上げたいと存じます。引き続き、この二つの文書、政府の中で策定が進められていくと思いますけれども、しっかり注視をさせていただければというふうに思っております。
次に、話をちょっと変えまして、犯罪捜査情報の取扱いということについて質問をいたします。
私も含めてだと思いますが、国民の皆様も、よく犯罪捜査情報、犯罪情報、捜査情報ということを無意識に使っているのではないかと思います。ただ、よくよく考えてみると、とても広い範囲をカバーしているのではないかと感じます。
例えば、犯罪に用いられた凶器やその物、またそこに付着した指紋に関するものは犯罪捜査情報と言っても全く差し支えないと思います。また、動機の解明のために集められる情報なんというのもまた犯罪捜査情報の中に含まれるのではないかと思います。ほかにも、共犯が疑われる場合には、主犯の交友、人的情報というのも集められるでしょうから、これも犯罪捜査情報ではないでしょうか。ただ、交友関係で全く無関係だったというふうなことまで、これは犯罪捜査情報の中に集約をされて、恐らく眠るんでしょうけれども、恐らくストックはされるんだと思うんですね。
こういうふうにして非常に広い概念でございまして、そういった意味から私はちょっと確認をさせていただきたいんですが、正確なところをお答えできるかちょっと分かりませんけれども、政府参考人から、この犯罪捜査情報とは何かについてお聞かせをいただければと存じます。
○千代延政府参考人 お答えいたします。
ただいまお尋ねいただきました犯罪捜査情報、これにつきましては、法令上の定義はございませんが、捜査情報という語が、捜査により得た情報など、広い概念で用いられることがあるものと承知をしております。
○吉田(宣)委員 法定された定義づけもないし、また、定義をつけるとこれはこれでまた厄介なことにもなりかねないので、今の答弁で私は十分承知しているところでございますけれども。
では、この捜査情報の取扱いということについて質問をいたします。
犯罪に対し刑罰権の行使が必要な場合、犯罪捜査に伴い収集された証拠、情報は検察官に送られて、検察官は起訴後の犯罪事実の立証等の刑事裁判手続に伴い裁判所に提出されると存じます。このような犯罪捜査情報の取扱いには、今申し上げた限りは全然問題ないわけでございますが、ここに、いわゆる現行であれば内調、内閣情報調査室、こういったところが絡むとどうなのかということを今から聞きます。
私はないとは思っておりますけれども、現在の内閣情報調査室が無制限に犯罪捜査情報の提出を捜査当局に求めたり、また、捜査当局がその内調の求めに応じて、これもまた無制限に犯罪捜査情報というのを内調に提供するというようなことが、そのような運用がなされているのかどうかについて、確認の意味で答弁をいただければと思います。内閣官房の政府参考人と警察庁の政府参考人、それぞれからお願いします。
○岡政府参考人 御指摘の捜査当局から内調が情報の提供を受ける典型的な想定事例を申し上げると、例えば、我が国の都市部で大規模な爆破事件が発生をし、テロ組織が犯行声明を出した場合におきまして、警察は当該テロ事件の捜査を行うことになりますけれども、第二、第三の事件が続くことについての評価を政府としても行う必要があるため、内調から警察に対し、当該事件の捜査を通じて得られた脅威評価に役立つ情報の提供を求めることはあると考えられますし、また、求めなければならない局面であると思います。
他方で、内調が、捜査当局を含めてですけれども、捜査当局に限らず各省庁に情報提供を求めるのは、あくまで所掌事務の遂行に必要な範囲に限られまして、委員御指摘の無制限に情報を求めるということは当たりません。捜査当局が犯罪捜査を通じて得られた情報の提供を受けることは、内調ないし情報機関が特別であるということではございませんで、他機関においても所要のルールないし制限の下で警察からの情報を得ているというふうには考えております。
○千代延政府参考人 お答えいたします。
一般的に、捜査により得た情報の提供に当たりましては、公益上の必要性、将来のものも含めた捜査、公判への影響の有無、程度等を総合的に勘案した上で、提供するか否かや、その内容を慎重に判断しているところでございます。
○吉田(宣)委員 むやみやたらに情報が行き来する、そういうふうな運用はされていない、これは当然のことであろうなというふうに思いますが。
それでは、今度は、この国家情報会議設置法が法案として成立した場合の取扱いについて官房長官にお聞きをしますが、内調が国家情報局になったとしても、捜査情報に対する運用、すなわち、国家情報局が無制限に捜査当局に犯罪捜査情報の提供を求めたりするという運用はないという理解でよろしいかどうか、確認の意味で質問をさせてください。
○木原国務大臣 先ほど政府参考人から答弁をさせましたけれども、例えばテロ情報の共有の事例だとか、そのほかにも、一例を挙げれば、外国情報機関が我が国の機密情報を窃取した事件を警察が摘発した場合においては、警察に対し、捜査を通じて得られた情報機関員の接近や工作の手口に関する情報を国家情報局に提供するように求めて、これを素材として各省庁とか企業とか大学等が行う秘密保全対策に役立ててもらうということは、これは必要な取組として当然に想定はされるのではないかなというふうに思います。
他方で、国家情報局が行う総合調整というのは、内閣の立場から行政各部の施策の統一を図る目的で行われるという調整であり、個別の省庁、例えば捜査当局が行う個別の事件捜査を指揮監督できるものではありません。また、国家情報局の所掌事務の遂行に必要な範囲を超えて、捜査当局を含む各省庁に対して情報提供を求めるものではありません。
ということで、そういった委員の御懸念、御指摘のような運用はないというふうに考えております。
○吉田(宣)委員 御答弁ありがとうございます。
時間がだんだんだんだんなくなってまいりましたので、次の質問に入らせていただきます。
二〇二一年の七月に、「中国「見えない侵略」を可視化する」という読売新聞取材班による新潮新書が出ておりまして、これに目を通すと、中国で、世界のトップの科学技術強国を中国が目指して外国から優秀な人材を集める国家プロジェクトがあって、これを千人計画と呼んでいるそうでございます。
日本においても、外国の研究者に来ていただいて日本のアカデミアで活躍をしていただいている方は多くいらっしゃいますので、ある意味、どの国でもやっているようなことなのかもしれません。一見何の問題もないように見えるのですが、ただ、日本人の研究者も、この千人計画、発刊当時ですが、四十四という数字が書いてありますが、四十四人参加していたそうです。その多くの方は、日本で優秀な研究実績を誇って、所属した大学を退職後に中国にお渡りになっているようでございます。
時間がないので詳細は本当に割愛いたしますけれども、この四十四人のうち十三人が、日本の科学技術費用助成事業、すなわち科研費から助成を受けて研究に従事した後に、中国の大学で研究や学生の指導に当たっているということでございます。
ですから、科研費という国民の血税を原資とした助成策の下で研究成果を上げて、退職後といえども、もちろん職業選択の自由もありますが、その経験を更に中国のアカデミアで生かしていくということについては、私は違和感があるんです。
日本は技術立国でございますが、世界との厳しい技術開発競争にさらされているのが現実です。情報獲得には、もしかすると仁義なき戦いがあるのかもしれません。加えて、技術においては、現在、中国は非常に強力なライバルだというふうに認識をしております。
そこで、文科省に、わざわざ政務官に来ていただきましてありがとうございます、お聞きをいたしますが、このような中国の千人計画の事実を御認識されておられるのかどうか、お聞きいたします。認識をしているとして、その上で、問題点や心配点があるのであれば、言える範囲で結構です、御答弁いただければと思います。
○清水大臣政務官 いわゆる千人計画とは、中国共産党中央委員会が平成二十年に決定をした、中国の国外で博士号を取得しているなどのハイレベル人材を同国に招致する計画であり、その中には日本人研究者が対象となったとされている事例も含まれていると承知をしております。
他方で、現在、千人計画に関する情報につきましては、その多くがインターネット上から削除をされており、閲覧することができないなど、その詳細について把握することが困難な状況となっております。
その上で、一般論としまして、我が国の技術や研究成果が意図しない形で他国に搾取される事態は避けるべきであると考えております。加えて、千人計画への参画に限らず、優秀な日本人研究者が一方的に海外に流出することは、我が国の研究力の相対的な低下を招く懸念があると考えております。
そのため、文部科学省といたしましても、日本国内の研究者の待遇改善を含めた研究環境の向上のための取組を推進をしているところであります。また、技術流出のリスクに対応する観点から、統合イノベーション戦略推進会議が令和三年四月に決定をした、研究活動の国際化、オープン化に伴う新たなリスクに対する研究インテグリティの確保に係る対応方針につきまして、この中で、全ての競争的研究費事業につきまして、研究資金配分機関等は、申請する課題の研究代表者等に対しまして、兼業や、外国の人材プログラムへの参加、雇用契約のない名誉教授など、全ての現在の所属機関、役職に関する情報の提出を求めることとされております。
文科省としましては、引き続き、我が国の研究環境の向上に努めるとともに、研究活動の健全性、公正性の確保にしっかりと取り組んでまいります。
○吉田(宣)委員 是非よろしくお願いいたします。
この点、国家情報設置法案の六条一項に、国家情報会議の構成議員が規定をされています。文科大臣は入っておりません。もちろん、同条の三項で、議長すなわち総理が必要に応じて参加させることができるのではございますが、この中国の千人計画のような取組に対する適切な対応は、私は考えておいた方がいいんだろうと思っております。
そこで、この法案が成立した場合に、この国家情報戦略、仮称でございますが、策定する過程において、是非このことを検討していただければと思うわけです。他方で、学問の自由との調和も非常に重要なので、その観点からも、今申し上げた課題について、官房長官から受け止めをお聞きできればと思います。
○木原国務大臣 国家情報会議で調査審議する具体的な内容につきましては、その時々の情勢に柔軟に対応しながら検討するものではありますが、一般論として申し上げると、外国がその利益を図るために我が国の先端技術を取得するための活動への対処というのは調査審議の対象となります。
また、委員御指摘のように、学問の自由を尊重するということは当然のことでありますが、外国の情報活動から国益を守るためにはアカデミアと連携することも重要であると認識しておりまして、国家情報会議における調査審議を踏まえて、様々な工作手口の共有や対処要領の浸透を各層に図ってまいりたいと考えます。
○吉田(宣)委員 もう時間が参りまして、次の質問をカバーするための時間が残っておりませんので、最後に私から一言申し上げておきます。
本法案が成立した場合、国家情報局は、総理を議長とする国家情報会議の下で業務を遂行することになります。日本で最高位の権力の下で仕事をすることになります。
ただ、総理といえども、みんなひとしく同じ人間でございます。時には間違うこともあるかもしれません。そこで、国家情報局も、人としての総理にお仕えするというよりも、法に仕えていただきたく存じます。具体的には、国家情報会議法の上位規範に当たる憲法です。憲法は、個人の尊厳を究極の価値に置き、そのために国民に平和的生存権を保障をしております。国家情報会議設置法が成立した暁には、国家情報局は、法の支配、すなわち憲法の理念の下に業務遂行に当たっていただきますことを切にお願いを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○山下委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
午後零時五分休憩
――――◇―――――
午後一時開議
○山下委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。野村美穂君。
○野村委員 国民民主党の野村美穂です。
本日も質問の機会をいただき、ありがとうございます。
先週十日金曜日の質問に続き、国家情報会議及び国家情報局の設置法案について、国民の皆様に分かりやすい形で、幾つか確認をさせていただきたいと思います。
安全保障の強化は非常に重要なテーマである一方で、国民の権利や生活にも関わる分野であるからこそ、制度の中身について丁寧に確認することが大切だと考えております。
本日は、大きく三つの観点、一つ、組織の位置づけ、二つ、新体制の規模と人員について、三つ、情報の分離と統制について、順を追って、九点についてお尋ねいたします。どうぞよろしくお願いします。
まず、今回の新たな組織の位置づけについてお尋ねします。
前回の御説明では、現行の体制との違いは、司令塔機能の強化であるとのことでした。しかし、国家情報会議、国家情報局の新設の必要について、十分な理解には至りませんでした。
今回、私が、この法案の国家情報会議、国家情報局の新設による司令塔強化案の説明を受けたとき、現状と改正後の違いについて、資料としてポンチ絵を見せていただきました。そのポンチ絵には、現状が白黒で、改正後の部分がカラーとなっていて、白黒がカラーになったという印象しかありませんでした。さらに、カスタマーである政策部門とプロバイダーである関係機関との矢印が、現状より改正後は太くなっているのは分かります、しかし、この矢印が太くなることでどのように変わってくるのかが見えてきません。情報が国家情報会議とインテリジェンス関係機関でくるりと回るというくらいでした。
前回の質疑の中で、とても丁寧に御説明をいただきました。更により具体的なお話をもっとしていただいた方が、なぜこの法案が必要なのかも含めて、国民の不安を取り除き、より深い理解にもつながるのではないかと思います。よろしくお願いいたします。
そこで、大きく一点目、組織の位置づけについて、五点質問いたします。
今回の体制整備によって具体的に何がどのように変わるのか。現状と比較しながら、国家情報局とインテリジェンス機関の調整が連絡調整から総合調整になることでどう変わるのか。総合調整という専門的な法令用語からは、イメージすることが非常に難しいかと思いました。予想される具体的な事例を挙げて、分かりやすく、丁寧に御説明いただけますでしょうか。
○木原国務大臣 現在内調が行っております連絡調整ですけれども、これは、各省庁が今横並びの状態で各々の所掌事務を実施するに当たって相互に行う一般的な調整、よく我々が日常用語で使う調整と同様のものであるというふうに考えております。
他方で、今回、本法案により国家情報局が行うこととなる総合調整とは、内閣や内閣総理大臣が指導性を発揮して国政の重要課題に対応していく場合に、これを助ける観点から、政府全体の統一性を図る目的で、内閣の立場、すなわち、各省庁を超えた、より高い見地から行われる調整であります。
このような総合調整の権限を国家情報局が政府全体を俯瞰する立場から発揮することにより、例えば、我が国の周辺地域で軍事的な衝突が近々発生する兆しが認められた局面において、できるだけ正確な事態進展の予測を立てるため、統一的な目標や方針の下、各機関の情報源、情報収集手段の特性や限界を踏まえた明確な役割分担が示され、最も効率的かつ迅速に情報の集約と評価が行われる。また、政府統一的な評価を用いて、外国情報機関との情報や意見の交換が行われる。そして、これらの結果を用いることで、政策部局の次に打つ手が正確なものとなる。そういった効果が得られるものである、そのように考えております。
○野村委員 ありがとうございました。
それでは、二点目の質問に移ります。
前回の私の質疑を見ていただいた方から、以下のような御意見が寄せられました。
現体制は、政策とインテリジェンスの客観性について、それなりにバランスの取れたものと評価すべきではないか、現体制でも十分機能しているのではないか、新たな組織を設ける必要が乏しいのではないかとのことでした。
この御意見について、どのようにお考えでしょうか。
○木原国務大臣 内調がほかのインテリジェンス関係機関との間でできる限りの連絡調整をこれまで努めてきたということは事実でありますが、先ほど答弁したとおり、国家情報局が新たに今度は総合調整事務を担うということの意義は先ほども説明したように大変大きく、そのための組織改編というのは必要であると考えています。
また、昨今の複雑で厳しい国際環境においては、我が国を取り巻く脅威やその兆候というものは断片的で、そして分散的に表れるということが多いので、省庁ごとに行われる情報の収集、分析のみでは、その全体像を把握するということが困難であります。
その一方、政府全体の情報活動を俯瞰して、政治のリーダーシップの下で戦略や方針を示していくという仕組みが今では不足しているという点も、これも事実であろうかと思います。
こうした点を改善するべく、この法案によって閣僚級の国家情報会議を設置する意義というものは大きい、そのように考えております。
○野村委員 三点目の質問です。
今のお話ですと、組織をバージョンアップさせるというフレームをつくるだけというようにも聞こえてしまうんですけれども、この法案は重要広範議案に指定されていて、審議予定時間も二十時間以上を目標とされています。金曜日に行われる可能性のある内閣委員会には、総理も御出席される予定となっています。このような大事な法案ですので、単にフレームをつくるとか組織をランクアップさせるだけというようなお話では、政府の方々の法案にかける熱意が国民の皆様には伝わらないのではないかなというふうにも考えております。
大変ありがたいことに、今回の法案審議の経緯に、先ほどのコメントを寄せてくださった方と同様に関心を持ってくださる方がありまして、また以下のようなコメントを寄せていただいております。
総理大臣が議長を務める国家情報会議がインテリジェンス機関を強く統制することになる結果、政策部門によるインテリジェンスに対する影響が強くなり過ぎ、かえってインテリジェンスの客観性を損ねる可能性があるのではないかと心配しています。主要国で、国のトップがインテリジェンス機関を統括する会議の議長を務める例はないようです。国際的にも前例のない今回の法案が、インテリジェンスの政治化に偏り、インテリジェンスの劣化を招くのではないかという懸念があります。
このような心配や懸念をいただいておりますが、どのように払拭をされるのでしょうか。よろしくお願いいたします。
○岡政府参考人 失礼いたします。
まず最初に、我が国の行政機構固有の事情といたしまして、例えば交通安全にせよ防災にせよ、先ほどから出ております国家安全保障政策にしましても、国家として重要で、政府一体として推進すべきとされる、省庁をまたがる何か目標というか活動というのは、多くの場合、閣僚級の推進母体が置かれまして、総理が議長ないしその他本部長などの名称によりまして率いる、そういう実例が多うございまして、これまで情報というのは、内調において、何らか一固まりのコミュニティーをつくろうと努力してまいったわけでありますけれども、横断的な課題があって、省庁間連携の下、政府一体となって推進すべき課題ということであれば、やはり、我が国の行政実例に照らしますと、総理をトップとし、閣僚級の議員ないし本部員をメンバーとする推進母体というのを置くというのがスタンダードなやり方であり、重要なことであるというふうに思っております。
他国の例は様々でございまして、大統領制の国もあれば議院内閣制の国もありますけれども、例えばフランスにおいては、情報コミュニティーで同様の連絡調整なりリーダーシップを発揮する会議体の議長は大統領であると承知しております。ただ、その一例を示して必要性を強調したいわけではありませんで、やはり我が国の行政機構の一般的な実例に照らすと最も適切であろうというふうに考えております。
それで、次に、客観性を損ねるのではないかということですけれども、そこは基本的には配意に尽きると思っておりますけれども、他方で、やはり、事務局が別に置かれて、会議体も別になります。すると、政策を検討する会議では、政策部門が作った資料なり情報を基に調査審議がなされますし、情報部門の会議においては、私ども情報部局が作成した資料なり情報に基づいて、何がしかのアジェンダについて検討、審議するわけでございまして、そのように、別の機会で検討するということをもって一定の分離は図られるんだろうと思っています。
その上で、運用上私どもが配意すべきこととしては、特定の政策の方向性は前提とせずに、客観的、中立的な立場で情報の収集、分析に徹すること、あるいは、政策部門のニーズを踏まえつつも、情報活動の内容が過度に政策的な関心に引きずられることなく、必要な情報を収集、分析することに尽きるのだろうというふうに思っております。
○野村委員 ありがとうございます。
続いて、四点目の質問です。
国民の皆様からすると、制度が変わることで何がよくなるのか、何が変わるのかということは率直な疑問だと思います。それが見えることがとても大切だというふうに考えております。
この新しい組織がつくられることによって変わったこと、あるいは、何がよくなったかをどのような指標で、そしてまたどのような方法で成果を評価をしていくお考えなのでしょうか。
○岡政府参考人 お答えいたします。
まず、前提といたしまして、情報部門に限らずあらゆる行政機関においては、自己の成果をきちんと評価するということは行政の能率化などにとって重要であり、的確な評価を実施するための方策を模索していくことは恒常的な課題であるというふうに認識をしております。
まず、私ども情報機関といいますのは、やはり情報機関単独で何か物事が完結するものではございませんで、私どもから政策部局に情報を渡し、それが生かされて、あるいは生かされずに終わる、そこまでがサイクルでございます。
ですから、究極的には、安全保障政策などの成否に関して、我々は半ば連帯的な責任を負っている。ですので、私どもの情報によって安全保障の政策が失敗ないし判断の誤りになったとすれば、それは私どもが責任を負うわけでございますし、また逆に、成功すれば、非常によくやったということになるんだろうと考えています。
その上で、情報部門特有の問題点を申し上げますと、まさに政策部門に提供したインテリジェンスが成果なんですけれども、そのインテリジェンスが政策部門のニーズに即した時宜にかなったものであったかどうか、判断材料として客観的かつ正確なものであったか、これらを総じて政策判断に貢献するものであったかという観点で、カスタマーである政策部門から常に評価の目にさらされているのが現状でございますし、また、その評価というのをフィードバックという言葉に置き換えたならば、そのフィードバックを受けて、私どもは次なる情報活動をよりよきものにするというサイクルを定着させるということで、活動と評価を連続させるサイクルを確立したいというふうに考えております。
○野村委員 五点目の質問です。更に確認をさせてください。
このような新しい制度が期待どおりに機能しなかった場合や判断に誤りがあった場合には、どのように検証されるのでしょうか。また、その結果について、どのように責任が明らかにされるのか。事後的な評価や検証の仕組みについてもお聞かせください。
○岡政府参考人 政府といたしまして想定例をなかなか申し上げにくいことではございますけれども、国家情報会議がその事務遂行に当たりまして何がしか大きな誤りを犯すケースとして、あくまで想定例でございますけれども、例えば、各省庁に対して示す情報活動の重点事項、これが的を射ていなかったことにより、リソースを振り向けるべきであった対象に十分なリソースが振り向けられず、政策判断に真に必要とされる情報が得られなくなって、安全保障政策の判断を誤りを招く、その結果として国の安全又は国民の安全に大きな影響を及ぼすということが考えられます。
また、外国情報活動の実態把握等、総合評価に何らか誤りがあって、官民の重要な秘密が危険にさらされるというのも、やはり失敗ないし誤りだというふうに考えております。
同会議が総理を議長とし関係閣僚を構成員とする以上は、判断等の誤りに伴う責任は、第一義的にはこれら構成員にあるというふうに評価されます。
では、我々の活動の成果を検証するのは誰なのかということですけれども、行政監察その他のそういった制度とは別に、やはり、インテリジェンスサイクルに内在する評価の制度というのは政策部門の評価であり、また、情報を反映させた結果としての政策の成否だというふうに考えておりまして、非常に厳しい評価の目にさらされながら活動しているというふうに自覚をしております。
○野村委員 ありがとうございました。
次に、大きく二つ目のテーマである組織の規模や人材についてお尋ねをします。
新しい体制でスタートするに当たり、期待されるのは、瞬発力のあるパフォーマンスを発揮することだというふうに思います。それがかなう組織であるかどうか、率直にお尋ねしたいと思います。
前回の質疑の中で、運用が始まってから段階的に整備していくという御説明がありました。体制が十分に整っていない状態で運用が始まるということで、これでいいのだろうかと不安を覚えました。
今までの御説明では、新たな情報調査権限を新組織に与えるものではなく、基本的には内閣情報調査室を国家情報局にランクアップするとのことでした。組織をランクアップするために、増員は三十名程度とのお話でした。
前回の御答弁で、昨今の複雑で厳しい国際環境においては、サイバー攻撃、偽情報の拡散、国際テロ、経済安保、さらには先端技術をめぐる競争まで、国家を取り巻く脅威は複雑で見えにくいものになっております、このため、政府が対処しなければならない課題は、外交、防衛、治安、経済、技術といった複数の政策領域にまたがり、全体像を把握することが難しくなってきていると考えております、委員御指摘のハイブリッドな、横断的な脅威の時代において欠かせないのは、情報を収集、集約し、これを分析する総合的なインテリジェンス機能であると考えておりますとのことでした。
増員を三十名という規模で十分に対処を本当にできるのかどうかということで、とても不安を覚えたところです。
この規模で本当に実効性のある体制が、そして、おっしゃられたようなところを網羅した状態で体制が構築できるのか、やや小規模ではないかという印象がありますが、この点についてどのようにお考えでしょうか。
○岡政府参考人 規模感を理解していただくために、まず現在の内調の規模について申し上げますと、新年度の増員分も含めた結果として、定員が五百三十七名となります。一方で、実員は、本年四月一日現在、他機関の定員を用いて内調の業務に従事する職員を含めて約七百三十名となっておりまして、定員と実員の間には一定の差があるところでございます。
令和八年度予算におきましては、国家情報会議設置法の施行に伴う体制整備に必要なものとして約三十名の増員が認められましたが、定員五百三十七名に対しましての三十名の増員ですので、それなりの規模だと理解をしております。
また、この中には、ナンバーツーの次長を局長級に格上げするという措置や、あるいは課長級の参事官二人分、それから調査官、室長級職員二人分という幹部職員の増員も含まれておりまして、体制整備を図る上で必要最小限の増員はお認めいただいたというふうに考えております。
また、委員先ほど御指摘ありましたとおり、今回は権限の新設を伴うものではありませんので、国家情報局に例えば百人規模で何か調査チームをつくらなければいけないというものではございませんで、あくまで、今般の増員ないし機構改正の目的というのは、国家情報会議の設置に伴って、その事務局に係る事務を処理するとともに、新たにお認めいただきたいとお願いをしている、内閣の立場からの企画立案あるいは総合調整に係る事務を処理する要員を手当てするというのが中心でございまして、これらを踏まえて、この程度の規模にとどまっております。
また、ただ、もちろん、現行のままでいいのかというと、やはり先ほどから出ておりますシステム系、AI系も含めた専門人材の確保は図っていきたいと思っておりまして、今回の司令塔機能の強化とは異なります国家情報局が自ら行う情報の収集調査活動のための体制強化は、令和九年度要求といたしまして、この夏に向けて構想を取りまとめていきたいと考えております。
直ちに大幅な増員を図るという考えもございますけれども、段階的に機能整備、体制整備を進める考えでありまして、また、現実問題としましては、一挙に新卒の採用や出向の派遣を大幅に拡大することは容易でないということも御理解いただければ幸いでございます。
○野村委員 ありがとうございました。
次に、三つ目のテーマです。情報と政策の関係、そして統制の在り方について、三点お尋ねします。
今回の制度では、情報を扱う国家情報会議のメンバーが十一閣僚と、政策を担う国家安全保障会議の構成メンバーの九閣僚がほとんど重なっていると承知しております。午前中にも出てきたと思いますけれども。前回の質問でも触れていますが、この点について改めて確認をさせてください。
情報は本来、客観性や中立性が求められるものであり、政策とは一定の距離を保つことが重要ではないでしょうか。しかしながら、構成メンバーがほぼ同一である場合、政策的な意図に影響を受ける可能性はないのかという懸念もあります。情報収集をオーダーする側である国家安全保障会議のトップも総理大臣、情報収集を請け負う国家情報会議のトップも総理大臣、どちらも同じ人物では、その情報と政策の分離をどう行っていくのかとやはり疑問に感じます。
実際の運用において、情報と政策の区分けをどのように工夫し、実行していくのか、そのための具体的な仕組みについて教えていただけますでしょうか。
○岡政府参考人 お答えいたします。
まず、本法案においてできます国家情報会議は、情報に関する調査審議を行う機関であり、従前からございますNSCにつきましては、国家安全保障政策を審議する機関として設置されておりまして、事務の区分としては明らかであると思います。
メンバーの重複は当然ございますし、どちらも総理がトップでございます。ただ、それぞれ事務局が異なりまして、国家情報会議の調査審議に用いられる資料や情報は、各省庁のインテル部門から集約された資料や情報を基に国家情報局において作成されるもので、政策部門から離れた、客観的で中立的な視点から見た情報の評価や分析が示されたものとするつもりでございます。
両方の会議の構成員となっていらっしゃる閣僚の方々でありましても、情報部門において作成された、情報部門の視点に基づく判断材料を基に何がしかの決定判断をしていただくことになりますので、こうした政策を審議する場とは異なる場が確保されていることは、政策と情報の分離を実質的に支える仕組みとしては有用ではないかというふうに考えております。
また、現行の情報活動の現場に関する監督措置を見ましても、例えば、外務大臣でありますとか防衛大臣におきましては、省内における外交や防衛に関する政策の企画立案を担当する部局を指揮監督しつつも、同じく省内にある情報収集や分析を担当する部局に対して、客観的で中立的な情報活動が行われるよう指揮監督を行っており、これらが滞りなく遂行されているものというふうに理解しております。
以上のことから、両会議の構成員が一部重複していたとしても、御懸念のような政策と情報の分離が過度に侵害されるような危険性というのは、新たには生じないと考えております。
○野村委員 ありがとうございました。
時間もないので、八点目の質問は飛ばしまして、九点目の質問になります。大きな項目で三点目になりますが、最後の質問です。
情報分析の過程において、独立性や客観性をどのように担保していくのかも重要だと思います。例えば、分析のプロセスの独立性、異なる見解の確保、内部でのチェック体制、このような点についてどのような工夫がされているのか、具体的にお聞かせください。また、アメリカの情報特別委員会のような機微情報に接することができるインテリジェンス機関を監督する委員会の存在が重要ではないかという御意見もありますが、どのようにお考えでしょうか。
本日は、制度の位置づけ、規模、そして統制の在り方について確認をさせていただきました。安全保障の強化と同時に、国民の信頼を得られる制度となることが何より重要だと考えております。
○山下委員長 申合せの時間が過ぎておりますので、簡潔にお願いします。
○野村委員 引き続き丁寧な制度設計が行われることを期待して、私の質問を終わります。
○岡政府参考人 情報の分析過程の独立性というのは、かなり専門的な着眼に基づく物すごく実務的な論点であるというふうに理解をしています。
情報部門においてどういう組織構成がなされているかというと、情報を集めるセクションと、それから情報を分析するセクションがおりまして、情報部門内でも運び手と受け手みたいな関係が生じます。そうすると、やはり運び手のファーストインプレッションに従った分析が行われるかもしれない、そういうバイアスがかかるケースもございまして、であるからこそ、情報分析官は情報収集の担当者とは別に置くということは一つのやり方でございます。
一例を挙げますと、内調では、内閣情報分析官という特定の地域又は分野に関する高度な情報の分析、評価に従事する職員がおりまして、彼らを含めた総合分析、オール・ソース・アナリシスを行う体制は、情報の収集を行う体制とは別に設けておりまして、そういう意味で、情報の分析や評価の中立性、独立性を情報機関内においても確保しております。この考えは新組織においても継承してまいります。
第三者による検証というのは、るる申し上げているとおり、様々な主体、様々な角度からいろいろなやり方で実施し得るものでございまして、ただ、私どもとしては、分析部門なりあるいは情報部門が外部から評価をされ、その評価を次に生かしていくということは重要だというふうに考えております。
○野村委員 ありがとうございました。
○山下委員長 次に、森ようすけ君。
○森(よ)委員 国民民主党の森ようすけでございます。
先週に続きまして質問の機会をありがとうございます。本日は、情報公開と民主的統制について、そして組織体制の強化についてお伺いをしてまいります。
これまでの議論において、今回の法案は組織の格上げであって、新たな機能強化を行うものではないという趣旨の答弁が政府からはされているところであります。
一方で、重要情報活動、外国情報活動に関する資料、情報に対して総理から資料要求、要求がなされて、それに対して各省庁は応えないといけないということで、やはり一定の機能強化というのが伴った法案であるというふうに認識しております。
そうした中で、やはり、これまでの質疑にもありましたが、個人情報であったりプライバシーの観点、そして、憲法が保障する国民の自由と権利、こちらを損なうことにつながるのではないかということを懸念しているところであります。
また、今後様々なインテリジェンス施策を進めていくに当たって、やはり、より情報収集能力を強化することを政府においても想定されていると思いますので、そうした中で、政治的中立、民主的統制、そうした観点も含めて、どのように担保していくのかというところを非常に重要視しているところであります。
そうした観点から、まず、情報公開をどのように行っていくのかという点についてお伺いをいたします。
今回の法案で取り扱う重要情報活動そして外国情報活動というのは、これまでの議論にありましたとおり、かなり広い概念ですと。加えて、その時々の社会情勢であったり安全保障環境に応じて総理が決めることができるということで、その運用についてはそのとおりだと思うんですが、そうした判断であったり、取得しようとしている情報が本当に個人情報、プライバシーの観点から大丈夫なのかでしたり、そういった点についてなかなか検証する仕組みがないんだろうというふうに考えております。やはり、国会であったり国民に対して十分な情報提供がされるかというと、なかなか機微な情報も含まれるので情報公開は難しいですと。なので、こうした検証をどういうふうに行っていくのか、情報公開をどういうふうに行っていくのかというところが重要な観点であると考えております。
そこで、まずお伺いしてまいりますが、国家情報会議における議事録というのは公開するということが先週の答弁にもありましたが、議事録だけではなくて、配付資料についても公文書管理法に基づいて管理、保存されていくのか。
また、今回、資料、情報の提供依頼というのを議長から行う形になりますが、その提供の依頼は書面で行って、何を依頼したのかの依頼書面、そして、依頼を踏まえて受領した資料、こちらについても公文書に含まれてしっかりと管理されていくのか、その点、参考人にお伺いいたします。
○岡政府参考人 まず、大前提として申し上げますと、行政機関における意思決定に至る過程を跡づけて後に検証できるようにすることは大変重要な課題でありまして、このことは、政策を支える情報部門においても同様であると考えております。
まず、会議資料、つまり、会議の議事の記録だけではなくて、会議資料につきましても、当然、公文書でございまして、多くの場合はですね。いろいろな会議で、右肩に秘でありますとか特定秘密とかいう秘密の区分が付された上で配付されますので、それは、厳格な秘密保全とともに、一般的な文書管理のルールにのっとって保管、管理され、秘密文書であっても将来公開される余地があるということでございます。
他方で、本法案第七条の資料提供規定に基づきます資料提供依頼の手続の中身を書いた紙をどうするかということなんですけれども、恐らく、きちんと紙で要求すればそれは公文書になりますけれども、ちょっとまだ、どんな手続を踏むかということについては検討中の段階でございますので、まだ詳細は申し上げられないんですけれども、いずれにしましても、公文書管理法等のルールにのっとりまして適切に行政文書の作成、保存を行ってまいります。
○森(よ)委員 情報公開の問題意識は共有していると思うんですが、具体的に何を資料として要求しているのかというのが、紙で要求すれば公文書になるものの、口頭でやるかもしれないからそれは記録に残らない可能性もあり得ると。その辺りも運用を含めてまだ決まっていないということなんですが、それではやはり意味がないというか、公開が甘いのではないかと思います。
加えて、更問いなんですが、そうした運用をするのではなくて、資料要求、情報要求の依頼をするときはちゃんと行政文書として残る形で依頼をして、そうすれば歴史的に振り返ることができるわけですから。すぐに公開しろと言っているわけではなくて、将来的に公開され得るということが分かっていれば、やはり緊張関係が生まれて変な運用ができなくなるというふうな側面があると思うので、こうした資料の要求依頼をするときはちゃんと文書に残る形でやっていく運用にすべきだと思いますが、その点、いかがでしょうか。
○岡政府参考人 先ほどの答弁の趣旨は、決して、情報公開逃れのために口頭によるやり取りがあるということを申し上げたわけではございません。
メールで、もちろんセキュアな状態を保った上の話ですけれども、メールの連絡もございますし、きちんとした紙を用いて連絡する場合もございますし、電話で補足的にやる場合も、おっしゃるとおり、極力記録を残すのが、後々の検証のためにも、また事務の混乱を来さないためにも必要なことだと思っていまして、繰り返しになりますけれども、原則文書でやり取りをしつつ、その文書についてはきっちりと公文書管理法等のルールにのっとって作成、保存を行ってまいるということだと思っております。
○森(よ)委員 ありがとうございます。
原則というところが非常にひっかかるんですが、やはり、議長である総理から要求をするものですから、それは極めて重要な意思決定に基づくものだというふうに思いますので、電話というのもあるのかもしれないですが、ちゃんとそこは文書として正式な形で依頼をするというふうな運用を、原則ではなく徹底的にお願いしたいと思います。
次の質問に移ってまいりますが、今お伺いしたのは、国家情報会議に関係する、国家情報局に関係する文書ということでお伺いしましたが、そのほか日々発生する業務上の文書についても同様にお伺いしていきたいと思います。
例えば、内閣情報官が総理であったり官房長官に報告をする機会というのが多々あるわけですが、こうしたいわゆる総理への報告、レクというのがどのように行われているのかというところをお伺いしたいんですが、口頭のみで行われるケースが多いのか、それとも、報告文書というのをしっかりと用意した上で文書と併せてレクをしているのか、そうしたところの実態がどうなっているのかというところをお伺いをしたいと思います。
加えて、実際にその総理レク、官房長官レクでもいいんですが、そうした報告をした際の文書であったり、その際のやり取りの記録、応答の記録、内閣情報官からどういった説明をしたのか、それに対して総理や官房長官からどういうふうな返答があったのか、いわゆる、議事録ではないんですが、その総理レク、官房長官レクの中身のやり取り、こうしたものをちゃんと記録をして、行政文書として保存をして保管しているのか、その点についてお伺いできますか。
○岡政府参考人 お答えします。
内閣情報官が行います、総理などに面会して行う情報ブリーフにつきましては、多くの場合、諸情勢や情報評価などをまとめた資料であったり、あるいは、衛星画像とそれに対する注釈を組み合わせたプロダクトであったり資料であったりを用いながら、その内容を、ただ読んでいただくというわけではなくて、口頭で、ある程度、紙に書いてあることを読む場合もあれば、補足説明もありましょうけれども、そういった形で説明していくことでございまして、そういう意味では、中には口頭によってのみ伝達する内容もあるといえばあるというところでございます。
関連の文書につきましては、特定秘密文書も含めまして、公文書管理法やその関連ルールにのっとって、行政文書として適切に保存しているところでございます。
情報官に対して総理や官房長官がどんな反応をお示しになったかということは、その後の業務指示のようなものにつきましては、当然、情報官から各部局にデブリ、説明がありまして、それを多くの場合はメモにするなりして、それに基づいて次の資料を作るというプロセスをたどりますけれども、つぶさに公文書として管理しているかどうかは、ちょっとにわかにはお答えできません。申し訳ございません。
○森(よ)委員 ありがとうございます。
実際の運用をどこまで細かく文書として保管されているかというのが曖昧なところではありましたが、基本的には保存できるものは適正に保存されているというふうに認識をしました。
そうした文書について、情報公開請求という仕組みがありますが、現時点も含めて、今後、国家情報会議、国家情報局になった上での話でもそうなんですが、情報公開請求がそういった文書に対してあった場合はどのように取り扱われるのか、お伺いします。
○岡政府参考人 内調も、当然のことながら、内閣官房の組織で、一般の行政機関と同じでございますので、関連文書が情報公開請求をされた場合には、行政機関の保有する情報の公開に関する法律にのっとりまして、開示すべきものがあれば開示するなど適切に対応してまいりますし、情報公開を担当する職員もございます。
○森(よ)委員 ありがとうございます。
次に官房長官にお伺いしたいんですが、こうしたように、総理レク、官房長官レクというのは、基本的に、口頭だけで済ませることはそこまでなくて、資料を用意しながら説明することが大半である、大半かは分かりませんが、そうした方式を取っているという御答弁がありましたが、これは基本的に、資料をすべからく用意をして、口頭のみというのをできる限り減らしていくという方向性がいいのではないかというふうに考えております。
それはなぜかというと、やはり、振り返ったときに、特定秘密に入ると思うのですぐには公開されませんが、歴史的検証を行うことができるようにするために、口頭だけでやると、そのときに何が報告されたのか、どういう反応があったのか、そういうところがやはり振り返ることができませんので、何かしらしっかり、口頭だけではなくて文書を用いて報告をするという運用を徹底することで、歴史的な検証ができ、それが民主的統制につながってくるんだと思います。
加えて、やはり、各インテリジェンスコミュニティーの情報連携というか、よりこの関係を深化させていって、各省庁間の情報共有というのをうまく進めていくことが、より質の高い情報収集であったり分析につながるんだと思います。
ですので、こうした総理レク、官房長官レク、幹部レクの情報を、もちろん、誰に対して共有するのか、どれくらい共有できるのか、そういった論点はあるんですが、紙で報告をすることでそうした情報共有、情報伝達というのを速やかに行うことができるんだと思います。
ですので、こうした観点から、総理、官房長官等への国家情報局長からのレクとかは、原則的に口頭では行わず、ちゃんと書面を作って、口頭で併せて補足していくみたいな、そうした運用を是非とも今後お願いしていきたいと思いますが、その点についてお考えはいかがでしょうか。
○木原国務大臣 総理へのブリーフであったり、あるいは私へのブリーフは、多くの場合は資料を作成した上で行っております。それは先ほど政府参考人が答弁したとおりであります。
その上で、実はその文書作成、結構頻繁に行う場合もあります。今の中東情勢のように毎日状況が変わるような場合もあって、そういう場合は文書作成の暇がない状況、これもあります。あとは、文書ではなかなか伝わりにくいニュアンスとか、あるいは、衛星情報なんかというのは画像ですので、例えば感覚みたいなものもあるんですね。そういったものをなかなか、文字で説明するというのは余りなじまないといいますかね、そういう場合もありますので、総理や私にブリーフする事柄は例外なく何もかも文書記録するというのは、実務的に困難が多いのではないかな、各省庁の実務の実例においても同様であるなというのは、私自身がブリーフを受けていて、そのように感想として持っております。
いずれにしましても、今委員御指摘があったように、重要な政策決定等、これを事後に検証できるようにするということの重要性と、あともう一つは、文書管理法の趣旨とか目的を理解した上で、それに合致したような事務処理に努めてまいる所存であります。
○森(よ)委員 もうちょっと深掘って聞きたいんですが。
おっしゃるとおりで、口頭の方が説明しやすいことがあったりとか、なかなか、多忙ですから資料を用意する暇もないというのは理解をします。ただ、ゼロはよくないなと思っていて、例えば、何月何日のこの日、何時からこの場所で、こういうことについて報告を今からしますとか、報告してきましたでもいいんですが、そうした最低限の、何をやったかどうかくらいをちゃんと文書として残すというのは、今の説明を聞いていても可能なのかなというふうに思ったんですが、その点はいかがでしょうか。
○木原国務大臣 おっしゃるように、今起こっている事象を事後に検証をするときに、その政策決定が正しかったのか、そうでなかったのかということ、これに資するような事務処理というのはやらなきゃいけない、そのように思っております。
○森(よ)委員 ありがとうございます。
実際問題、できること、できないことはあると思いますが、できる限り将来的に振り返ることができるような、検証ができるような、そうした運用を是非ともお願いしたいなと思っております。
ここまでは事後的な検証の観点から公文書管理のところをお伺いをしてきましたが、よりリアルタイムな監視、民主的統制を行う体制整備というのも重要であると考えております。具体的には、情報活動に対する民主的な仕組みということで、国会に設けられております情報監視審査会の権限強化も含めて、こうした情報活動に対する国会の関与強化ということが可能性としてはあるのではないか、重要ではないかというふうに考えております。
特定秘密保護法の際に、国会法改正で、附則でこうした規定がされております。「我が国が国際社会の中で我が国及び国民の安全を確保するために必要な海外の情報を収集することを目的とする行政機関が設置される場合には、国会における当該行政機関の監視の在り方について検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとする。」というような附則の規定が設けられておりました。
今回の国家情報会議、国家情報局がこの附則における行政機関に入るのか入らないのかというところは余地があると思いますが、やはり、これだけ懸念が示されている中ですから、情報監視審査会の権限強化も含めて、民主的統制の確保ということが重要であるというふうに考えておりますが、政府の御見解はいかがでしょうか。
○岡政府参考人 お答えの前段として、まず、本法案に係る考え方を申し上げますと、司令塔強化のため行政機関相互の関係を律しようとしていて、新しい調査権限ないし捜査権限を各省庁には与えないし、国家情報局にも新設をしないということでございます。また、国家情報局の総合調整の対象となる各省庁は、今、主任の大臣により分担管理されておりまして、従前と同じ事務、権限により情報活動を適切に行おうとするものでございますので、こうしたことから、本法案には、御指摘の国会による関与強化といったことに関わる新たな規定は置いていないというのがまず最初の判断でございます。
一方で、本法案の成立以降に、この法案とは別のインテリジェンス改革のために何らか施策を立案するに当たっては、その内容に応じてですけれども、我が国の行政組織や制度、あるいは情報機関が持つ権限や手法との整合性、バランスなどを十分考慮した上で適切な結論を得るべきものというふうに考えております。
委員御指摘の、情報監視審査会を設置したときの国会法の改正附則につきましては私もよく承知をしておりまして、当時の議論を思い起こしましても、将来的に、我が国には現在ない、いわゆる対外情報機関を新設するということはかなり大幅な前進であり、その活動については国会の監視が必要ではないかという考え方の下にこのような将来を見越した附則が定められたことと承知をしておりまして、当然のことながら、政府としましても、このような規定があるということを十分に考慮して、委員御指摘の次のステップというようなものも見越した上で、今後のインテリジェンス政策の制度設計全体を検討してまいりたいというふうに考えております。
○森(よ)委員 続きまして、戦略の公表についてお伺いをしてまいります。
これまでの答弁において、政府の中長期的な情報活動の推進方策をまとめた国家情報戦略、これは仮称ですが、を作成して公表することを検討しているというような旨の答弁がなされております。
この戦略の公表については、インテリジェンスに関する国民の理解増進であったり、国民の懸念払拭のために、できる限りつぶさに具体的にこうした戦略を公表することが重要であるというふうに考えているんですが、これまでの答弁の中においては、具体的にどういった内容をこの国家情報戦略において記載をしていくのか、公表するのかというところが不明瞭なところだと思います。
法案の三条において、基本的な方針であったり、内外の情勢についての認識、評価、そうしたものを調査審議するということとされておりますが、この基本的な方針、条文に規定されている基本的な方針と、これまで答弁がなされている国家情報戦略が、何か一致しているのか一致していないのかがよく分からなくて、その点を教えていただきたいんです。
法案三条の基本的な方針と、公表を検討している国家情報戦略というのはそもそも異なるものなんでしょうか。異なるのであれば、法案三条の基本的な方針というのは、公文書であるが公表されないという整理なんでしょうか。その点、お願いいたします。
○岡政府参考人 お答えします。
法案第三条第一号と第二号に規定する基本的な方針というのは、何か単一の文書に全て取りまとめられるという性質のものではございませんで、一例を挙げますと、半年なら半年に一回示すような政府全体の情報収集の重点でありますとか、あるいは、それより長いスパンで中長期的に遵守すべき関係省庁間の連携要領のようなものであったり、さらには、その時々の状況に応じて定める個別の活動方針などもございまして、これらを総称して基本的な方針というふうに規定をしております。
次に、仮称、国家情報戦略の文書につきましては、こうした基本方針に該当するものも書く可能性がありますし、そうでない事柄についても書く可能性がありまして、いずれにしましても、政府の情報活動の推進方策について、秘密に当たらない範囲で作成し、公表するという考えでございます。
公表できない基本的な方針については、事柄の性質上、手のうちを明かすことにつながりかねないという観点から非公表扱いとしているものでございまして、なかなか情報活動の重点を対外的に公表するのは考えにくいところでありまして、その辺りは御容赦願いたいと思っております。
ただし、その時点で非公表扱いであるからといって、永年にわたってそうであるというものではございません。関連文書を公文書管理法等のルールにのっとって作成、保存し、後年における検証に備えます。
○森(よ)委員 今の話を聞くと、国家情報戦略には何が残るんだというところが非常に気になって、もう少し具体的に教えていただきたいんですが。
基本的な方針というのが、一つの文書ではなくて幾つも文書があって、それが全体としての政府の情報活動に対する総方針になります、その中においては手のうちを明かせない情報もあるので、引き算をして公表できるものだけを国家情報戦略に載せていくということ、イメージはそうなんだと思うんですが、何が残るのかがよく分からなくて、その点、もう少し具体的に教えていただけますでしょうか。
○岡政府参考人 この件は、今、本当にこれから検討しようとしている段階でありまして、確たることがなかなか申し上げられないんですけれども、先ほど採用パンフレットの話がございましたけれども、私ども、採用するに当たって、採用する学生にこんな組織ですよということを言えないというのが一番苦しいところでありまして、今年のバージョンからかなり改革をいたして、かなり踏み込んだ記述にしたつもりです。
そうした視点を考えますと、やはり、国民の皆様に何をお伝えするのかというと、例えばポリシーないし目標でありますとか、あるいはどういう機関があって、どういう役割分担の下でどんな情報活動をしているのかということを具体的内容に当たらない範囲でお伝えすることはできるのかなと思っておりまして、今まさに、各国の情報機関が作るホームページでありますとか各種の文書を研究して、その範囲を定めようとしているところでございます。
○森(よ)委員 今から検討していくということなんですが、恐らく政府においても、情報公開というか、戦略が概略で、どういった方向性で情報収集をやろうとしているのか、それを伝えることが国民の理解のために大事だという問題意識は共有していただいているんだと思います。なので、ちゃんと戦略を作って取りまとめて公表しますよと言っていただいているのはありがたいんですが、いかんせん抽象的過ぎて、何のこっちゃ分からない。
大抵ではないんですが、こういう戦略方針を作るときというのは、法律において、ちゃんと閣議決定をして公表するとか、国家安全保障戦略はそうした文書にはなっていませんが、そういったふうに閣議決定をちゃんとして、どういった事項をちゃんとこの戦略に盛り込んで公表していくのかということを法律にしっかりと位置づけるということが、大半かは分かりませんが、重要な文書というのはそういうふうになっているんだと思います。
なので、最後、お伺いしますが、この国家情報戦略を作るのはすばらしいことなんですが、より具体的に、特に時の政権の意向によらずちゃんと公表されて改定されていくためには、法律において明記をしていくことが重要だと思うんですが、今回あえてこれが入っていないのはどういったことが理由なんでしょうか、お伺いします。
○岡政府参考人 私どもの今のアイデアを法案に明記すべきということでございます。取りまとめ文書の記載内容や公表範囲、時期などにつきまして柔軟な対応が困難となるおそれもありまして、政府としては、御指摘のような画一的な公表のプロセスを規定するのではなく、ちょっと、今後の検討に基づいて決定をしていきたいと考えておりまして、本法案には規定をしていないし、そのようにすべきとも考えていないところでございます。
なお、先ほどちょっと御指摘のあった国家安全保障会議において作成される国家安全保障戦略についても、法律上の明記はされておりませんが、今回は前倒しということですけれども、定期的に更新され、政策推進上の重要な指針となっているものと考えております。
閣議決定を踏むかどうかにつきましては、その作成文書の効力ないし性質によると思っておりまして、私の理解している限り、NSCの国家安全保障戦略は、全省庁が従うべき規範的な要素も含まれていることから、国家安全保障会議決定に重ねて閣議決定を行っているものというふうに承知をしております。
○森(よ)委員 国家情報戦略も、これだけ省庁が入っていますから、政府横断的な取組だと思うので、横並びだと感じております。
質問は以上でございます。ありがとうございます。
○山下委員長 次に、川裕一郎君。
○川委員 参政党の川裕一郎です。
本日は、国家情報会議法案に関する二回目の質疑を行わせていただきます。
前回は、法案の目的、位置づけ、国家情報会議の権限と責任の明確化、参政党スパイ防止法案との関係、法整備の工程表、情報戦、認知戦への対応、国民監視への懸念と歯止め、インテリジェンス人材とセキュリティークリアランス、国会による民主的統制と情報公開、特定失踪者への情報収集、分析体制、そして拉致問題への対応といった論点を取り上げました。
そもそも、情報主権とは国家主権の根幹であります。自国の安全保障に関わる情報を自ら収集、分析、判断する能力を持たない国家は、いかに経済力、軍事力を有していても、真の意味で独立した主権国家とは言えません。
戦後、日本はその情報主権を長年にわたって事実上同盟国に依存をし、グローバルな情報支配の構造の中で受け身の立場に甘んじてきました。国家情報会議設置法案は、その歴史的な従属関係を断ち切り、日本が独立国家として立ち上がるために隙なく作り上げねばならない法案であります。
今回は、以下の論点について、政府の明確かつ具体的な答弁を求めたいと思います。
第一に、内閣情報調査室の発展的解消と国家情報局への移行プロセス。第二に、国家情報局長の任命と解任、政治的独立性。第三に、同盟国との情報共有体制とファイブアイズへの参加の可否。第四に、予算、財政基盤と秘密予算の透明性。第五に、国家情報会議と特定秘密保護法制との関係。第六に、有事、緊急時における国家情報会議の対応の在り方。第七に、設置後の評価、検証規定の有無。以上であります。
まず、内閣情報調査室の発展的解消と国家情報局への移行プロセスについてお伺いします。
本法案の附則第五条は、内閣官房に国家情報局を置くとともに、内閣情報官及び内閣情報調査室を発展的に解消することを定めています。しかし、この発展的解消の実態が、法案の条文上、著しく不透明なままとなっております。附則には、施行期日として、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において法令で定める日とあるのみで、移行のタイムライン、業務継続性の確保策、情報資産、機密文書の引継ぎ手順、職員の身分保障、再配置に関する経過措置規定は、条文のどこにも見当たりません。発展的解消という言葉は聞こえがいいものの、具体的には、工程管理がなされなければ単なる看板のかけ替えに終わるおそれがあります。
令和八年度の機構・定員審査において措置された増員は僅か二十九名であります。この規定で、内閣情報調査室が長年かけて培ってきた人材、ノウハウ、情報ネットワークを継承しつつ、国家情報局として発展させることが本当に可能なのか、甚だ疑問であります。
情報組織の再編において最も危険なのは移行期の情報空白であります。旧組織の解体と新組織の立ち上げが並行する期間に諜報活動の連続性が失われ、外国情報機関に混乱を利用されたりするリスクについて、政府はどのように対応するのか。また、組織名を変えるだけで収集能力、分析能力、対外工作能力が向上するわけではありません。法案施行後に実質的な機能強化がどのように図られるのかを、政府は具体的に示す責任があります。
ここで、お聞きします。
内閣情報調査室の発展的解消に当たり、政府はどのようなタイムラインと工程管理を想定しているのか。また、移行期間中の業務継続性を確保するための具体策は何か。さらに、移行に伴う情報資産の引継ぎ手順及び職員の身分、処遇、専門性の継続はどのように取り扱われるのかを、所見をお聞きします。
○岡政府参考人 まず、施行期日、新組織の立ち上げ期日の話ですけれども、本法案の附則第一条に基づきまして、法律の公布の日から起算して六月を超えない範囲内で施行され、新組織が設置されることになります。この書き方は、他の組織法令の一般的な書き方に倣ったものでございまして、法案の成立時期も当然のことながら決まっているものではないものですから、この範囲で施行するということを定めたものでございます。
委員御指摘の業務継続性については、これもとても大事な話であると思っております。仮に本法案をお認めいただいたら、短い期間の間に、国家情報会議の開催要領の決定でありますとか、先ほど出ております文書管理の方針の整理でありますとか、さらには、必要最小限ではございますけれども、人の配置の見直しであるとか機構の再編について取り組まなければなりません。
ただ、内閣情報調査室から新組織への体制移行に関しまして、人や組織の構成は、一部で配置換えや再編は行いますものの、おおむね現行の体制を引き継ぐ予定でございます。経済安保情報や偽情報の収集、分析機能強化、あるいは国家情報会議の事務局機能の強化については措置を早めにいたしますけれども、体制は基本的には引き継ぐものでございまして、また、オフィスの引っ越しもございませんで、しばらく内閣府のビルにとどまるものですから、情報業務本体という点においては、お尋ねの業務継続性については特に問題がないんじゃないかというふうに考えております。
○川委員 基本的に、引継ぎも、オフィスも含めて引き継ぐということで、問題はありませんということでありました。ありがとうございます。
次に、国家情報局長の任命そして解任と、政治的独立性についてお伺いをします。
附則第五条が新設する内閣法第十六条の二第四項は、国家情報局が内閣官房長官及び内閣副官房長官を助け、命を受けて局務を掌理すると定められております。しかし、任命権者、資格要件、解任事由については法律上に明示的な規定が一切存在しません。
命を受けて職務を掌理するという定めは、国家情報局長が政治的指揮命令系統に完全に組み込まれることを意味します。これは、政治的意向によって情報の選別、歪曲が行われるインテリジェンスの政治化を構造的に招きかねません。国家情報局が奉仕すべき相手は、時の政権ではなく国民であります。政治家にとって都合の悪い情報であっても、それが国家国民の安全に関わるものであればありのままに届ける、それがインテリジェンス機関の本来の使命であります。
ところが、任命も解任も時の政権の一存で決まる局長の下では、上に都合のいい情報だけ上げるという忖度の文化が必然的に生まれます。これは、情報機関を既得権益の中核に取り込む構造にほかなりません。私が求めるのは、政財官の既得権益から独立をし、国民の目線で国家の安全を守るインテリジェンス体制であります。
比較をすれば、米国のCIA長官は上院の承認を要する大統領指名職であり、イギリスのMI6長官は情報職員のプロパーから任命される専門職であります。韓国においても、国家情報院長は国会の人事聴聞会において資格調査が行われます。
我が国の国家情報局長はこうした制度的な独立性の担保が何ら設けられておらず、時の政権の意向一つで左右される存在となりかねません。政治的に都合のよい情報だけを集める組織文化が醸成されれば、膨大なコストをかけて国家情報局を設置しても、戦略的判断を誤らせるインテリジェンスの失敗を生み出す懸念もあります。
ここで、お聞きをします。
国家情報局長の任命権者は誰か。任命に際して、どのような資格要件、経験、適格性が求められるのか。また、法令上の根拠を含め、解任手続と解任事由はどのように定められているのか。さらに、国家情報局が時の政権ではなく国民に奉仕する機関として政治的独立性を法律上にどのように担保するのか、CIA長官やMI6長官のような専門的独立性を条文上に明記する考えはないのか、お聞きをします。
○岡政府参考人 任免の規定が準用規定になっておりますので、ちょっと分かりにくくなっております。
国家情報局の設置は内閣法の事項でございまして、この法案の附則にて内閣法を改正して国家情報局を置きます。
国家情報局の任免につきましては、一言で申しますと、内閣総理大臣の申出により内閣において任免されるという条文になっているんですけれども、この条文は直接は書いておらずに、内閣法に定める内閣危機管理監の任免の規定を準用する形になっております。
正しく申し上げますと、今回の法案の附則による改正後の内閣法十六条の二第五項の規定により、同法第十五条第四項の規定が国家情報局長に準用されている、危機管理監の任免の規定が国家情報局長の任免についても準用されているということでありまして、任免でありますので、任ずるのも免じるのも内閣総理大臣のお考えによるというところでございます。
次に、国家情報局長の属性といいますか、いかなる人物であるべきかということについては、総理のお考えによるものでありますので、総理の御答弁を引用させていただきますと、さきの本会議におきまして高市総理は、国家情報局長は、官邸直属の情報機関のトップとして、総理や官房長官へのブリーフィング、外国の情報機関トップとの連携といった役割を担うほか、新たに、国家情報会議で決定する情報活動の基本方針などの企画立案、各省庁に対する総合調整といった役割を的確に行うことが期待され、情報活動や我が国の情報コミュニティーに精通していることが求められますという御答弁をなさっております。
すなわち、国家情報局長を始め、こうした重要な業務を行う職については、これまでの経験を踏まえつつ、人物本位で、失礼しました、これも高市総理の御答弁でございます。繰り返しますと、国家情報局を始め、こうした重要な業務を行う職については、これまでの経験を踏まえつつ、人物本位、能力本位で任命することが重要であると考えているというふうに御答弁なさっております。
私、CIA長官の任命プロセスについて必ずしも詳しくは承知はしておりませんが、少なくとも、政治的、党派的な活動を禁じるという趣旨で申し上げれば、国家公務員法の規定がございまして、これは内閣情報官にも準用するということが今回の内閣法の改正においてもきちんと措置をされております。
私ども一般職の公務員だけではなくて特別職の内閣情報官にこの規定を適用するためには法律の特別の定めが必要なんですけれども、今回の内閣法の改正によりまして、内閣情報官にも国家公務員法の服務の規定を適用するとされておりまして、これによりまして国家情報局長は国民全体の奉仕者として公共の利益のために勤務しなければならないこととされまして、私どもの服務を統督なさる官房長官も、そのことを前提として適正に業務の指揮監督を行っていただくということになると考えております。
○川委員 国家公務員法を適用するということで、政治的な意向が働かない、働きにくいというふうな答弁だったと思いますけれども、是非そのように実態を伴っていただきたいと思います。
次に、同盟国との情報共有体制、ファイブアイズ、日米インテリジェンス協力についてお伺いをします。
米、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドが構成するファイブアイズは、世界最大の情報共有体制であります。我が国は、加盟国と二国間の協定にとどまり、正式参加を果たしておりません。特定秘密保護法の施行や、また経済版セキュリティークリアランス制度の整備により、参加への条件整備は確実に進んでいると認識をしておりますが、政府の公式な立場はいまだ示されておりません。
ここで申し上げたいのは、情報共有とは、一方が受け取るだけの従属関係であってはならないということであります。
戦後、日本は長年にわたり、同盟国からの情報を受け取る側にとどまり、自ら収集、分析した価値ある情報を提供できる対等なパートナーとはなり得ていませんでした。これは、情報面における日本の主権の脆弱性を示すものであり、真の独立国家の姿とはかけ離れていると思います。
ファイブアイズへの参加を目指すのであれば、入れてもらうという受け身の発想ではなく、日本独自の情報を持って対等に参加するという主権国家としての気概が必要であります。
国家情報局がNSSと同格の政務官級に位置づけられる今般の組織は、日米インテリジェンス協力の深化という観点から重要でありますが、そのためにも、我が国から同盟国に価値のある情報を提供できる独自の収集、分析能力の構築が前提となります。
ここで、お聞きをします。
国家情報局の設置により、日米を始めとする同盟国とのインテリジェンス協力はどのように強化されるのか。政府は、ファイブアイズへの正式参加、あるいはファイブアイズプラス日本の枠組みの参加を目指しているのか。目指すとすれば、その工程表と、残された課題は何なのか。また、参加に際して、情報を受け取るだけの従属的関係ではなく、対等なパートナーとして挑む覚悟はあるのかも含め、こちらは木原官房長官にお尋ねをします。
○木原国務大臣 まず、ファイブアイズを含めまして、諸外国との具体的な協力の在り方については、また、協力に向けた今後の方針につきましては、これは事柄の性質上お答えすべきものではないということを御理解いただきたいと思います。
もとより、この法案ですが、インテリジェンスに関して、総理をトップとする閣僚級の国家情報会議を置きます。また、それを支える国家情報局のトップである国家情報局長の格も上げるものであります。
したがいまして、委員が発言された対等なパートナーというのがどういう関係を的確に示しているかというのは私も正確には分かりかねますが、この法案によりまして、情報分野で協力関係にある諸外国にも、これまで以上に我が国と協力を深めたい、そのように諸外国の方から考えてもらえるのではないかなというふうには思っておりまして、そのことによって諸外国との関係強化には間違いなくつながる、そういうふうに考えております。
○川委員 法案成立によって、諸外国から、逆に向こうからしっかりと関係を構築されるような持っていき方をしたいということでありました。
ファイブアイズへの参加に関しては、性質上お答えできないということですけれども、同盟国とのしっかりとした信頼関係を築く上でも必要だと思いますので、前向きに検討いただければというふうに思います。
関連して、こうした国際的な情報共有体制への参加を進めるに当たっては、他国から得た機密情報を安全に扱う体制を確立するとともに、自国としてどのような責任を果たしていくかというガバナンス確立も不可欠です。情報の信頼性と安全性を確保できなければ、真の意味での対等な協力は築けません。
関連してですけれども、同盟国から提供された機密情報の保全体制及び情報漏えいが発生した場合の責任の所在と対処方針をどのように定めるのか、また、情報を提供する側としての能力向上のため、我が国独自の対外的情報収集体制の整備について、方針を伺います。
○鎌谷政府参考人 お答えをいたします。
他国から提供された情報でありましても、特定秘密に該当するものにつきましては、各行政機関において特定秘密保護法に基づく指定等が行われ、必要な保護措置が講じられることになります。また、特定秘密を漏えいした者につきましては、十年以下の拘禁刑などの罰則の対象となります。
また、特定秘密に当たらない秘密につきましても、国家公務員法等の守秘義務の対象となり、その漏えいについては罰則が科されているところでございます。
本法案をお認めいただいた後におきましても、国家情報局、関係省庁が保有する情報については、現行の関係法令にのっとり適切に取り扱われることになります。
また、御質問の後段につきましては、複雑で厳しい国際環境の下において、危機を未然に防ぎ、国民の安全や国益を守るために、政府の対外情報機能についても充実させていくことが重要だと考えております。
現在、関連する課題や論点を整理しているところであり、現時点でその検討状況をお示しできる段階ではございませんが、様々な方々から御意見を伺いながら、丁寧に検討を進めてまいります。
以上でございます。
○川委員 情報漏えいに関しては公務員法を適用して罰則を持っていくということでありました。
次に移りたいと思いますけれども、次は、予算と財政基盤と秘密予算の透明性についてお聞きをしたいと思います。
国家情報局の設置、運営には相当なコストを要することは明らかであります。法案及び関連資料において、創設、運営に要するコストの総額、内訳、財源について、説明が著しく不足をしております。米国の情報コミュニティー全体の予算は、年間約八百億ドルを超えており、内閣情報調査室の現在の予算規模と比べると、その差は歴然であります。
インテリジェンス活動の性質上、予算の詳細を公表することが困難な部分もあると思いますが、米国では、総額のみを公表し、内訳は議会の情報委員会に非公開で説明する仕組みが取られており、英国でも、議会の情報安全保障委員会が非公開で審査をしております。
国会が予算の内容を全く知らないまま白紙委任をするのは、民主的統制の観点から許されません。インテリジェンス能力は予算に比例する面が大きく、現在の予算規模のままでは、国家情報局という看板を掲げても、実態の伴わない組織になりかねないことを強く懸念をします。
ここで、お聞きをします。
国家情報局の設置、初年度運用に要するコストは幾らと試算をしているのか。今後、必要な体制整備のために要する予算規模はどの程度と見積もっているのか。加えて、予算の総額は公表しつつ内訳は国会の専門委員会に非公開で説明する仕組みを設ける考えはあるのか。さらに、現行の情報監視審査会にインテリジェンス予算の審査機能を付与することを検討しているのか、お聞きしたいと思います。
○岡政府参考人 お答えいたします。
仮に法案をお認めいただいたらという話でございますけれども、国家情報局の発足時の定員は、令和八年度予算で認められた増員等も含め五百三十七名となりまして、また、同じく令和八年度予算の総額は約六百六十億円でございまして、これらによりまして初年度の国家情報局は運営されることになります。令和九年度以降におきます予算や人員の拡充規模は、これから検討を進めて、この夏に向けて概算要求をまとめてまいります。
なお、金額的にも、また情報収集アセットの重要性という観点からも、内閣衛星情報センターが開発、運用しております情報収集衛星の開発、運用経費については特に重要であるというふうに認識をしております。
一方で、予算の総額を公表しつつ内訳を何らかの形で審査していただくというメカニズムですけれども、内調の予算の内容やその執行状況につきましては、査定当局の審査やあるいは会計検査等を通じまして、秘密に当たる事項に含めて御確認をしていただいているところでございますけれども、国会からのお求めがありましたら、先ほどの内調の予算についてもそうでございますけれども、これまでどおり適切に御説明してまいりたいと考えております。
新法に国会との関係についての規定を置かなかった理由は、これまで御答弁申し上げてきたとおりでございますけれども、予算に関連して情報監視審査会の制度を見直すことにつきましては、国会がお決めになる事柄でありますので、答弁は差し控えます。
○川委員 国会の求めがあれば明らかにしていく部分もあるということでありました。是非、なかなか公にできない部分はあると思うんですけれども、やれる範囲で、また、国会というのはやはり国民の皆さんの代表の機関でありますから、しっかりと示していただきたいと思います。
次に、もう余り時間がありませんけれども、国家情報会議と特定秘密保護法制との関係についてお伺いをします。
国家情報会議設置法案は、各府省庁や関係機関が保有する情報を国家情報局の下に集約をし、分析、評価することで、政府全体のインテリジェンス機能を抜本的に強化するというものであります。その対象とする情報の中には、防衛、外交、特定有害活動の防止、テロ防止などに関し、特定秘密保護法に基づいて特定秘密に指定された情報も多数含まれることが想定をされます。
このままちょっと質問に一点入らせていただきますけれども、各府省庁が指定をした特定秘密のうち、国家情報局がどの範囲の情報を取得をし、国家情報会議で共有、分析することを想定をしているのか。特定秘密保護法に基づく指定管理の枠組みと、国家情報会議設置法に基づく情報集約の仕組みとの関係をどのように整理をしているのか。さらに、特定秘密保護法の施行以来、起訴ゼロという運用実態を政府としてどう評価をしているのか。その上で、国家情報会議の創設によって特定秘密が官邸周辺に一層集中、チェックすることが秘密の拡大と統制の強化だけに一方通行に働くことのないよう、国会や第三者によるチェック、検証の仕組みをどのように確保するのか、認識をお伺いします。
○鎌谷政府参考人 お答えをいたします。
特定秘密保護法では、各行政機関が指定した特定秘密につきまして、「他の行政機関が我が国の安全保障に関する事務のうち別表」、別表といいますのは防衛、外交、特定有害活動の防止、テロリズムの防止でございますけれども、「別表に掲げる事項に係るものを遂行するために当該特定秘密を利用する必要があると認めたときは、当該他の行政機関に当該特定秘密を提供することができる。」とされてございます。
国家情報局におきましても、自ら収集した情報について、必要に応じて特定秘密として指定をするとともに、本法案に定める所掌事務を遂行するために必要な範囲で関係行政機関から特定秘密の提供を受けることになります。
また、国家情報会議につきましては、法案第七条に基づきまして、重要情報活動又は外国情報活動への対処に関する資料又は情報であって、会議の調査審議に資するものについて関係行政機関から提供を受けることとされております。その範囲において必要な場合には特定秘密の提供を受けるとともに、その調査審議に係る情報についても、特定秘密保護法が定める要件に照らし、適切に特定秘密としての指定などについて判断をされることになります。
このように、国家情報会議における調査審議や、同会議、国家情報局と関係省庁との情報の共有においても、特定秘密に該当する情報が取り扱われる場合には、現行の特定秘密保護法が定める指定や提供などの制度にのっとり、適切な保護措置が講じられることになります。
続きまして、先ほど委員御指摘のとおり、これまで特定秘密保護法違反事件が起訴に至った事例はないものと承知をしてございますが、個別の事件の処理につきましては、捜査機関において収集された証拠に基づき個々に判断すべきものでございますので、こうした判断について政府として評価することは差し控えさせていただきます。
後段のお尋ねにつきましては、特定秘密の指定の要件や他機関への提供に際して守るべき手続、要件については本法案が成立しても変わるものではなく、秘密の拡大と統制の強化だけに一方通行に働くといった指摘は当たらないものと考えてございます。
○川委員 時間になりましたので終わりますが、特定秘密保護法の関係、もうちょっと深掘りしたいのと、また、あと、本日ちょっと質問できなかった事項もありますので、改めての機会でさせていただきます。
ありがとうございました。
○山下委員長 次回は、明十六日木曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後二時三十分散会

