衆議院

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第6号 令和8年4月17日(金曜日)

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令和八年四月十七日(金曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 山下 貴司君

   理事 安藤たかお君 理事 鈴木 馨祐君

   理事 中根 一幸君 理事 長谷川淳二君

   理事 鳩山 二郎君 理事 後藤 祐一君

   理事 浦野 靖人君 理事 森ようすけ君

      井出 庸生君    大空 幸星君

      長田紘一郎君    金子 容三君

      川崎ひでと君    河野 正美君

      佐藤 主迪君    平  将明君

      中田  宏君    平井 卓也君

      平沢 勝栄君    藤田  誠君

      文月  涼君    古川 直季君

      村木  汀君    森原紀代子君

      吉田 有理君    若山 慎司君

      渡辺 博道君    大島  敦君

      長妻  昭君    黒田 征樹君

      西田  薫君    野村 美穂君

      川 裕一郎君    高山 聡史君

      塩川 鉄也君    中村はやと君

    …………………………………

   内閣総理大臣       高市 早苗君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     木原  稔君

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長) あかま二郎君

   内閣府大臣政務官     金子 容三君

   内閣府大臣政務官     若山 慎司君

   内閣府大臣政務官     古川 直季君

   内閣府大臣政務官     川崎ひでと君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  町田 達也君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  岡  素彦君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  鎌谷 陽之君

   政府参考人

   (内閣官房内閣情報調査室内閣衛星情報センター次長)            和田  薫君

   政府参考人

   (警察庁警備局長)    千代延晃平君

   政府参考人

   (公安調査庁次長)    霜田  仁君

   政府参考人

   (防衛省防衛政策局次長) 松尾 智樹君

   内閣委員会専門員     田中  仁君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月十七日

 辞任         補欠選任

  大空 幸星君     藤田  誠君

  平  将明君     森原紀代子君

同日

 辞任         補欠選任

  藤田  誠君     大空 幸星君

  森原紀代子君     平  将明君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 連合審査会開会に関する件

 会計検査院当局者出頭要求に関する件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 国家情報会議設置法案(内閣提出第二四号)


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     ――――◇―――――

山下委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、国家情報会議設置法案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、内閣官房内閣審議官町田達也君外六名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

山下委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。大島敦君。

大島委員 おはようございます。

 昨日の参考人の意見陳述は、大変参考になりました。元内閣情報官だった方、分析官だった方、専門家の方、そして弁護士の方。幾つかキーワードがありまして、ニーズは読んでも空気は読むな、政策と情報の分離は基本中の基本、インテリジェンスの客観性、不確実性を可視化するというところ。なかなか、皆さんの意見を聞きながら、理解が深まってまいりました。

 これまでの安全保障に関する法案審議について、私自身の経験も踏まえ振り返ってみたいと思います。

 二〇一三年にも、安全保障に関わる重要な制度整備が行われました。いわゆる国家安全保障会議、すなわちNSCの設置に関する法案と、特定秘密保護法案です。

 当時、民主党・無所属クラブは、衆議院で五十六人の野党会派にすぎませんでしたが、NSC設置法案については、各省庁から会議への資料、情報提供について、単に「求めることができる。」とするにとどめず、内閣官房長官及び関係行政機関の長が議長の求めに応じて必要な資料又は情報の提供、説明その他の協力を「行わなければならない。」とする方向で修正を求めました。その結果、NSCの実効性を高める修正が盛り込まれました。

 また、特定秘密保護法案についても、当時、私たちは対案、関連法案を提出し、政府案と並行して審査に臨みました。最終的な修正は与野党間の協議を経て行われ、国会に対する特定秘密の提供や国会における特定秘密の保護措置の在り方について、国会で検討し、必要な措置を講ずる旨の附則が置かれました。この附則を踏まえた二〇一四年の国会法改正により衆参両院に情報監視審査会が設置され、現在の国会による特定秘密制度の監視の仕組みにつながっております。

 私は、国家の在り方に関わる重要法案については、与野党の立場を超え、国民の理解を深める審議を尽くし、できるだけ多くの国民の納得と支持を得られる制度に近づけることが必要と考えております。

 今回の国家情報会議設置法案についても同じです。とりわけ、二〇一三年のNSC設置法案で修正を求めた、現在の国家安全保障会議設置法に盛り込まれている会議への資料、情報提供を制度的に担保する規定と同趣旨の規定が今回の国家情報会議設置法案にも置かれていることは、政府全体の情報集約機能を実効性あるものにする上で重要な意義を持つものです。

 両法案の修正及び対案の取りまとめに当たっては、ここにいらっしゃる後藤委員が中心的な役割を果たされたものと覚えております。

 それで、今回の国家情報会議について、昨日の参考人の御意見の中でこれはと思ったのは、アメリカの合衆国国家情報官の設置だと思います。二〇〇一年の同時多発テロを契機として、米国におけるインテリジェンスコミュニティーがうまく機能していなかったので多発テロを防げなかったという観点に立って、情報の連携不足が指摘され、二〇〇四年に国家情報長官が制定されたということで、今回の国家情報局長も多分同じ任に当たるのかなと思っております。

 それで、まず官房長官に伺いたいのは、セキュリティークリアランス。

 今回法律が通れば、国家情報局は、特定秘密の保護に関する事務に加え、国家情報会議に提供された資料、情報その他の資料、情報を総合して整理する事務を負うことになります。外国情報機関等による接近、浸透のリスクを考えれば、情報漏えい防止は一部担当者だけの問題ではありません。

 そこで、伺います。

 特定秘密、重要経済安保情報その他、これらに準ずる機微情報に職務上アクセスし得る全ての職員、出向者について、いわゆるセキュリティークリアランス、すなわち適性評価又はこれに準ずる防諜審査を原則として受けさせる考えはあるのかについて伺いたいと思います。

木原国務大臣 おはようございます。

 特定秘密保護法や重要経済安保情報保護活用法では、適性評価において特定秘密等の漏えいのおそれがないと認められた者でなければ特定秘密等の取扱いの業務を行わせてはならないとされております。

 これを踏まえまして、内調では、内閣情報官を含む内調の職員のうち特定秘密の取扱いの業務を行うことが見込まれる者に対し特定秘密保護法の適性評価を行っておりまして、国家情報局長を含め、国家情報局で勤務する職員についても同様の方針で対応してまいりたい、そのように考えております。

大島委員 また、現行の適性評価制度が、特定秘密又は重要経済安保情報の取扱業務を行う者を対象とする制度であることは承知をしております。しかし、内閣情報調査室、将来の国家情報局には、これらに該当しない情報であっても、対外情報活動の対処や総合分析、評価に関わる機微情報が集約されます。

 法令上の適性評価の対象外となる職員について、政府は、配置時審査、アクセス権管理、電子機器持込み、退職、帰任時管理その他の防諜措置をどう講じるのか、具体的にお答えいただければ幸いです。

鎌谷政府参考人 お答えをいたします。

 適性評価につきましては、評価対象者又はその家族のプライバシーに関わることから、必要な者に限って行うこととしておりまして、内閣情報調査室におきましても、特定秘密等を取り扱うことが見込まれない職員については適性評価は行ってございません。

 しかしながら、これらの職員についても、取り扱うことが見込まれる情報の秘匿度を踏まえまして、それまでの経歴も考慮して人事配置を行っているほか、職員に対する、外国政府関係者と思料される者との接触状況等の定期的な調査や面接の実施、職務室における生体認証による入退室の管理や、共有フォルダへのアクセス権の職員ごとの設定、内閣情報調査室の執務スペースへの許可を得ない電子機器等の持込みの禁止、退職する全ての職員に対する保全上の留意事項に係る研修の実施など、情報保全のための厳格な措置を講じているところでございます。

 国家情報局におきましても、これらの取組を維持するとともに、情報管理を徹底するための取組を不断に進めてまいります。

大島委員 官房長官、今後、国家情報局の権能が強化され、総合調整機能も持つので、多くの機微情報が集約をされ、日本のインテリジェンス機関、英知が集まるところだと思うんです。ですから、これまでと違って、そこに属する職員について、多分、海外の諜報機関から見れば、そこに一人エージェントを置くだけでも相当大きな効果があるのかなと思うんです。

 ですから、今後は、職員に対する適性評価が正しいのか、あるいは違う評価があるのかはともかくとして、しっかりとその適格性について評価する必要があるかと思うんですけれども、官房長官の率直な御意見を伺いたいと思います。

木原国務大臣 先ほども申し上げましたが、現在でも、そういった意味でいうと、今の内調でも、職員のうち、特定秘やあるいは重要経済安保情報についてもそうなんですが、その取扱いの業務を行う者は、また見込まれる者はこの適性評価を行っておりますので、今回、この改正によって、国家情報局長を含めて、国家情報局で勤務する職員についても同様以上の方針で対応していきたい、しっかりと対応していきたいと思っております。

大島委員 先ほど申し上げましたとおり、これまでとは多分、昨日の参考人の意見を聞いても、米国のODNIと同じ権能を持つという御発言もあったりもして、これまでとは違うと思うんです。ですから、これまで以上に、あるいはこれまでと質的に異なる職員の皆さんの適性評価が必要かと思うので、その点について今後も検討していただければと思いますので、よろしくお願いします。

 次に、国家公安委員長に伺いたいんですけれども、まず、警察は国家公安委員会による民主的管理と政治的中立性の確保の下に置かれている一方で、国家公安委員会は個々の具体的な警察活動を直接指揮監督するものではないと承知をしております。

 そうであるならば、国家情報会議に対して警察から提供、共有される情報についても、無限定に提供されるのではなく、警察の所掌の範囲、会議の調査審議に資する必要性、国民の基本的人権やプライバシーへの配慮、政治的中立性の確保といった観点から一定の限界や判断基準があると理解してよいのか、その基本認識を伺います。

あかま国務大臣 お答えいたします。

 まず、警察でございますけれども、公共の安全と秩序の維持、こうした責務を果たすために必要な情報収集活動を行っているものというふうに承知をしております。

 あわせて、その責務の遂行に当たってでございますけれども、警察法第二条第二項の、「不偏不党且つ公平中正を旨とし、いやしくも日本国憲法の保障する個人の権利及び自由の干渉にわたる等その権限を濫用することがあつてはならない。」との規定にのっとって警察活動を行っているものというふうに承知をしております。

 その上で、法案第七条の規定に基づく警察から国家情報会議への情報提供、これはあくまで、重要情報活動又は外国情報活動への対処に関する情報でございまして、同会議の調査審議に資するものについて行うものというふうに承知をしております。あわせて、提供に当たって、個人情報保護法等のいわゆる関係法令を遵守すること、これは当然であるというふうに認識をしております。

大島委員 国家公安委員会は、県警の警視正以上の人事権を持っております。民主的統制の要だと考えていて、元々、恐らく米国の影響を受けた法律が警察法で、国家公安委員会の五人の委員のうち、三人を超えては同じ政党に属してはいけないという規定があったりもして。

 国家公安委員長にお願いしたいのは、今回の国家情報会議設置法案が成立し、あわせて、国家情報局も設置された際に、各省庁はその調査審議に資する資料又は情報を提供することになるので、国家公安委員会に対して、一度は警察に報告を求め、国家情報会議設置法案の運用状況について検討するように計らっていただきたいんです。

 国家公安委員長が入る、今回の国家情報会議に国務大臣ではなくて国家公安委員長として明記されているというのは、ほかの国務大臣とは質的に違うと思っていまして。やはり、警察行政を監督するのは国家公安委員会の五人のメンバーですので、ここの五人のメンバーに対して、どのように運用しているのか、警察から報告し、そして議論をすることが必要だと思っていますので、その点についての答弁をお願いします。

あかま国務大臣 お答えいたします。

 国家公安委員会でございますけれども、委員御承知のとおり、警察行政の民主的な運営、あわせて、政治的中立性を確保するために警察庁を管理する、そうした役割を担っております。

 本法案が成立した場合にあっても、引き続き適切な管理を行ってまいりたいというふうに考えております。

大島委員 適切な管理ではなくて、今回、普通の大臣であれば、指揮命令がしっかりあるので、どういうことが行われているのか、ちゃんと報告を受けていると思うんです。ただ、国家公安委員長がダイレクトに警察に対してどうなっているかと聞くことは、政治的には難しいと思うの。

 やはり、国家公安委員会ですから、ここが年に一回ぐらいは、どういうことを国家情報会議設置法によってどのように行っているのかを報告し、そして議論した方が民主的統制が高まると思うので、その点について、御答弁をもう一回お願いします。

あかま国務大臣 お尋ねの点については、本法案が成立した場合に適切に検討をしてまいりたいというふうに考えております。

大島委員 時間がないので、この点については是非お願いしたいの。今ここで答弁できないかもしれない、やはり役所の方がいらっしゃったりするので。本来であれば、別に難しいことを頼んでいるわけではなくて、民主的統制ですから、国家公安委員会の五人のメンバーが警察を全部監督しておりますので、ここの皆さんがしっかり意識を持つことが民主的統制の一つだと思うので、その点、是非御理解していただきたい。

 官房長官、先ほどセキュリティークリアランスで答弁しようとして、遮ってしまって申し訳ありませんでした。その点について、手短に答弁ください。

木原国務大臣 済みません、先ほどはその点についてもしっかりと情報管理をやっていきたいということを答弁しようと思ったものでありまして、その点、委員の御指摘を捉まえて対応していきたいと思っております。

大島委員 ありがとうございます。

 ここで時間が来たので、終わります。

山下委員長 次に、後藤祐一君。

後藤(祐)委員 中道改革連合の後藤祐一でございます。

 今日は国家公安委員長にお越しいただいたことにまず感謝を申し上げたいと思いますが、たくさん質問がありますので、来週水曜午後もお越しいただくよう求めているところですので、よろしくお願いします。

 今日は、個人情報、プライバシー、政治的中立、これらについて、是非ちゃんとルールを守りながらやってくださいよということを中心に議論したいと思いますが、そもそも、既存の法令ですとか、あるいは各組織の内規ですとか、どういったものがあるのかということを中心に始めたいと思います。

 まず、衆議院の内閣調査室にお聞きしたいと思いますけれども、外国ではどうなっているか。アメリカやイギリスや韓国といったところの国家情報会議あるいは国家情報局のカウンターパートに当たるような組織、会議について、特に法律で、今回は法律でちゃんとそれを書いたらどうかと我々は修正も求めておりますので、個人情報保護、プライバシー、政治的中立についての配慮規定、どのようになっているかを、お手元の配付資料で、これはもうまさに今答弁する調査室が作っていただいた資料ですので、この内容を詳しく説明する必要はありませんが、法律できちっと規定されているということを簡潔に御答弁ください。

田中専門員 お答えいたします。

 条文の書きぶりのみに注目したものですけれども、米国の国家情報官等について、合衆国法典において個人情報及びプライバシーの保護、政治的中立性について、英国の国家保安局については、保安局法において政治的中立性について、韓国の国家情報院については、国家情報院法において、政治的中立性に加えて、広い意味でございますが、国民の自由と権利を保護すると、それぞれ規定しております。

 以上でございます。

後藤(祐)委員 ありがとうございました。

 続きまして、国内のルールがどうなっているかを岡審議官に聞きたいと思います。

 特に、内調というか、今後国家情報局になっていくところと、主に重要な四つ、警察、防衛省、外務省、法務省、これらに適用される個人情報、プライバシー、政治的中立に関するルール、これは、憲法まで含めた、法律あるいは内規の場合もございますが、三ページ以降、これは、私から発注して、今の五つの役所に対して、これが適用されるものですといって挙げてきていただいたものですが、これで全てだと思ってよろしいでしょうか。一つ一つの内容は結構ですから、今の三つのことを守るべき法令、内規も含めて、どうなっているかをお答えください。

岡政府参考人 おはようございます。

 まず、個人情報についてですけれども、個人情報の適正な取扱いにつきまして、国家情報会議及び国家情報局も含む各行政機関に適用されるものとして、個人情報の保護に関する法律がございます。同法は、六十一条以下におきまして、行政機関等における個人情報等の取扱いについて規定するとともに、例えば六十九条は、法令に基づく場合や、保有個人情報の提供を受ける者が、法令の定める事務又は業務の遂行に必要な限度で提供に係る個人情報を利用し、かつ、当該個人情報を利用することについて相当の理由があるときは、利用目的以外の目的のために他に提供できることが規定されております。

 また、出入国管理及び難民認定法第十九条の三十六第三項は、在留目的を達成するために必要な最小限度の範囲を超えて、中長期在留者に関する情報を取得し、又は保有してはならず、当該情報の取扱いに当たっては、個人の権利利益の保護に留意しなければならないと規定しております。

 各省庁におきましては、個人情報保護法の規定に基づき、名称や規定ぶりはまちまちな部分もありますが、保有個人情報の管理規程や保護方針を設けており、例えば、私どもの内閣官房保有個人情報等管理規程におきましては、個人情報の管理体制、啓発、教育研修、保有個人情報等の取扱い、監査、点検などについて定めております。

 次に、プライバシーの保護についてですが、憲法十三条の幸福追求権に由来するプライバシーにつきましては、各行政機関が事務遂行に当たり配慮すべきものです。ただし、プライバシーに当たるとして保護されるべきと考えられる事項の範囲は定まっているものではありません。

 こうした理解を前提に申し上げますと、憲法のほか、各種法令では、特定秘密保護法の適用に関し、同法第二十二条、公安調査庁が行う調査に関し、破壊活動防止法第三条及び無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律第三条、警察活動に関し、警察法第二条第二項において、憲法を引用するなどして、基本的人権や国民の権利又は自由を不当に制限してはならない、あるいは、憲法の保障する個人の権利や自由の干渉にわたる等その権限を濫用してはならないといった規定を置いており、これらはプライバシーの保護も射程に入り得る規定と考えられます。

 このほか、重要経済安保情報の保護及び活用に関する法律第二十二条には特定秘密保護法第二十二条と同様の規定があり、ACD法第二条の二第一項においては、憲法の保障する国民の権利と自由を不当に制限するようなことがあってはならない旨の規定があります。

 最後に、政治的中立についてでございますが、憲法第十五条第二項に、全て公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではないとあるほか、国家公務員法第九十六条第一項は、全て職員は、国民の全体の奉仕者として、公共の利益のために勤務しなければならないと定めています。なお、この規定は、原則一般職の公務員に適用されるものですが、本法案では、これを特別職の国家情報局長にも適用するため、内閣法に特別の定めを置くこととしております。

 また、国家公務員法第百二条は、政治的目的のための政治的行為をしてはならない旨規定しており、自衛隊の任務等を定める自衛隊法第六十一条にも、国家公務員法第百二条と同じような規定ぶりの条文がございます。これら国家公務員法等の規定に基づき、人事院規則一四―七では、政治的目的や政治的行為の定義を定めています。また、自衛隊法施行令も、人事院規則同様に、これらの定義を定めています。

 省庁によっては、これらに関します服務規程等を定めておりまして、例えば、私ども内調の職員に適用される内閣情報調査室職員服務規程第三条には、職員は、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、その職務の遂行に当たっては、不偏不党かつ公正を旨とし、全力を挙げてこれに専念しなければならないと規定しています。

 以上のとおりでございます。

後藤(祐)委員 御丁寧にありがとうございました。

 この資料を作るのは大変でした。各省庁に感謝したいと思いますが、重要経済安保情報とアクティブサイバーディフェンスだけちょっと漏れていますけれども、それ以外は全部入っていますので、是非目を通していただければと思います。

 国家公安委員長にお聞きしたいと思いますが、その配付資料十ページに、警察法二条二項があります。「不偏不党且つ公平中正を旨とし、いやしくも日本国憲法の保障する個人の権利及び自由の干渉にわたる等その権限を濫用することがあつてはならない。」とありますけれども、政治的中立、特定の政党や政治家の活動を助けたり妨げたりしてはならないということは、この中に含まれるでしょうか。また、個人情報、プライバシーの保護をしなければならないということも含まれるでしょうか。

あかま国務大臣 後藤委員御指摘のとおり、警察法第二条第二項、ここにあって、「責務の遂行に当つては、不偏不党且つ公平中正を旨とし、いやしくも日本国憲法の保障する個人の権利及び自由の干渉にわたる等その権限を濫用することがあつてはならない。」と規定をされております。

 したがって、警察活動が政治的に中立に行われるべきであること、あわせて、個人の権利及び自由の干渉をしないことは、これは当然のことであります。また、警察は、その責務の遂行に当たって、これにおいて、個人情報保護法等の関係法令の遵守、これも当然のことであります。

後藤(祐)委員 プライバシーがちょっと曖昧なんですが、プライバシーは法体系がないために、まさにここの警察法二条二項で読めるかどうかをはっきり言ってほしいんですが、プライバシーはどうですか。

あかま国務大臣 先ほどお答えしたとおりでありますが、日本国憲法の保障する個人の権利及び自由について、先ほどお答えしたとおりであります。

後藤(祐)委員 プライバシーに特定して聞いて今答えたということは、含まれるということだと解釈いたします。

 続きまして、官房長官に、四月十日の、前々回ですね、質疑の理事会協議案件になった案件をもう一度聞きたいと思います。

 これは、個人情報やプライバシーを不当に侵害しちゃいけない、あるいは政治的中立を守らなきゃいけないということを、我々は条文修正を求めておりますが、それで政府として何か困ることはありますかという質問に対して、国会における修正ですから、仮定の話に意見を申し上げるという立場ではございませんという御答弁を繰り返されて、それだと修正協議ができませんので、そこはちゃんと答えてくださいということなんですが。

 具体的に、この条文が追加された場合、こういった活動ができなくなるということがあるんだったら、具体的に言っていただけますか。

木原国務大臣 まず、会議体を設置するような一般的な組織法の中では、ほかに規定されていないようなことを本法案のみで規定するということは、法体系全体の中で特別な意味合いを付与してしまうおそれがあるので、情報活動の萎縮を招きかねないのではないかと考えています。

 例えば、国民の皆様の安全や国益が懸かっている局面があったとして、インテリジェンス関係機関が個人情報を不当に収集していると評価されることを恐れて必要な情報をためらったりすることがあれば、これは国民の安全や国益に重大な影響を与えかねませんし、また、外国による影響工作についても、政治活動を隠れみのにするようなことは十分これまでも考えられましたので、インテリジェンス関係機関が政治目的を持って活動していると評価されることを、これも恐れて、必要な実態把握をためらうようなことがあれば、外国勢力をかえって利する結果となり、制度改正としては、これは本末転倒ではないかなと思います。

 このようなことから、お尋ねのような修正を加えることは、私どもとしては考えておりません。

後藤(祐)委員 条文修正するかどうかは立法府が判断するんですから、最後のは言い過ぎなんですよ。

 守らなきゃいけないルールは、今配付資料のとおりです。これは、この条文があろうがなかろうが、守らなきゃいけないんですよ。この条文に反するかもしれないときは、ちゅうちょしてもらわなきゃ困ります。逆に、この法律なり内規を満たしている、問題ないのであれば、問題ない行動はむしろやるべきなんです。だから、確認までに条文に加えても何ら変わらないんじゃないんですかということを私は主張しているわけです。

 今の答弁はややおかしいと思いますが、また引き続きこれは議論したいと思います。

 次に、今みたいな、今日お配りの法令、内規に違反するおそれのあるような情報収集、あるいは、情報を提供してほしいというような要請をする、こういったことが起きそうな場合どうするかということについて議論をしたいと思います。

 まず、警察について国家公安委員長に伺いたいと思いますが、先ほどの、十ページ目の警察法二条二項だとか、十一ページ目の警察職員の職務倫理及び服務に関する規則ですとか、こういった法令や内規に反する可能性のある不適正な情報収集や提供を、総理や官房長官、あるいは国家情報会議や国家情報局から、警察庁、都道府県警、この後、警察と単に言いますけれども、が求められた場合、断れるんでしょうか。警察として拒否するということでよろしいですね。

あかま国務大臣 まず、前提として、総理であるとか官房長官、国家情報会議、国家情報局などから、法令であるとか服務規程に違反するような求めがなされることはないという認識をしております。

 したがって、お尋ねのような前提に立った質問に対してなかなかお答えしかねますが、警察は、その職務の遂行に当たっては、先ほど来話のあります警察法第二条第二項の、「不偏不党且つ公平中正を旨とし、いやしくも日本国憲法の保障する個人の権利及び自由の干渉にわたる等その権限を濫用することがあつてはならない。」この規定にのっとって警察活動を行っているところであります。

 個々の警察職員でありますが、警察職員の職務倫理及び服務に関する規則第三条に定めるとおり、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、かつ、その職務の遂行に当たっては、不偏不党かつ公平中正を旨とし、全力を挙げてこれに専念するものであるというふうに承知をしております。

後藤(祐)委員 拒否するとは言わないわけですよ。これじゃ、今日、今配付したような法令だとか内規に反するような要請があった場合、国家公安委員長、拒否してくれないじゃないですか。そうすると、現場では法令違反のような要請が来てしまう可能性があるわけですよ。現場はやっていられないですよ。

 そこで、国家公安委員長、もう一つ申し上げますが、断固たる上司ばかりじゃないということは今の答弁でもうはっきりしちゃったわけですけれども、現場では困るわけです、警察法二条二項に反するようなことはできないと。だから、例えば公益通報窓口的なものをつくって、公益通報は、刑罰があるような法令でないと対象にならないとか、若干問題があるので、違うルールが必要だと思いますが、相当な理由があると思われるときは、要請元に対して、高いレベルから要請を断る、そんな仕組みが必要だと思いますが、いかがでしょうか。

あかま国務大臣 お答えいたします。

 前提として、まず、総理や官房長官から、国家情報会議、また国家情報局などから、法令や服務規程に違反するような求めがなされることはない、この認識の上で、法案に関して新たな制度を設けるべきとのお尋ねであるならば、所管外であることから、国家公安委員長としてのお答えを差し控えさせていただきたい、そう思います。

後藤(祐)委員 いや、ちょっとこれは、続きをやはり水曜日にやらなきゃいけませんので、よろしくお願いします。

 岡審議官に伺いたいと思いますが、そうすると、間に挟まるのは多分国家情報局になるわけですよ。総理、官房長官から、警察に対してこういう要請をしてくれないかと。それで、そこが、うわっ、これはちょっと、今日配付しているようなどこかにひっかかるんじゃないのと感じる場合があると思うんですよ。断れるんですか、国家情報局として、特に国家情報局長が。

 それを断ったら総理から叱責されるんじゃないかとか、あるいは人事で余りよくないことが起きてしまうんじゃないかと、その後に起きる災難を恐れて断れないんじゃないんですか、岡審議官。

岡政府参考人 議論の前提としまして、先ほど、私どもに適用される個人情報保護のルール、全体の奉仕者として不偏不党かつ公正な態度で公共の利益のために勤務すべき旨の服務のルールなどにつきまして御説明いたしました。

 お尋ねの、これらのルールに違反する情報活動を実施するように総理や官房長官が私どもに命じたことは、過去にもありませんし、これからも命じられることはないとは思ってはいるんですけれども、ただ、様々な誤解が重なるなどいたしまして、万が一そのような御指示があった場合には、私の上司であるところの内閣情報官又は将来の国家情報局長がルール違反になる旨を総理や官房長官にお伝えをして、御指示を撤回していただくことになるものと思われます。

後藤(祐)委員 しっかりした答弁だと思いますよ。いや、今の答弁、かなり勇気のある答弁ですよ。国家公安委員長、見習ってくださいよ。政治家が政治家からの横暴を守るんですよ。

 官房長官に最後聞きたいと思いますが、なので、そういう要請をしちゃいけないんです。今日配っているような、個人情報、プライバシー、政治的中立に、現行のですよ、こういう法令だとか内規に反するような要請は、総理や官房長官はしちゃいけないんです、国家情報局に対しても。

 しないということでよろしいですね、官房長官。

木原国務大臣 総理や私、官房長官、あるいは内閣官房、あるいは各省庁の政策部門が、これは内調であろうと今度改正後の国家情報局であろうと、情報部門に対して、法令や先ほどの服務規程のようなものに抵触するような情報活動を行うよう求めることは、これは許されないことであるし、想定しておりません。

 総理やまた私、官房長官を含めて、政策部門はそのような要請は行わないし、今後も行うことはないというふうに申し上げます。

後藤(祐)委員 はっきりした答弁でよろしいかと思いますが、この後総理入りがあるので、総理にも本当は確認していただきたいなと思いますが。

 ちょっと国家公安委員長の答弁が異質でしょう、こう比べると。お二人、相当、今の答弁をするにはいろいろな調整が必要だったと思いますよ。水曜日、答弁を練り直して、もう一回聞きたいと思います。

 以上です。終わります。

山下委員長 次に、西田薫君。

西田(薫)委員 皆さん、おはようございます。日本維新の会の西田薫でございます。

 木原官房長官とは今回初めて質疑をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

 先月、三月三日、我が党がインテリジェンス改革に関して提言書をまとめさせていただき、それを総理官邸で官房長官に手交させていただきました。我が党からは、党の安全保障調査会会長であります前原誠司議員、そして阿部圭史議員、そして私と、この三名で総理官邸に伺わせていただきました。その節は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。

 そういった中、今回、国家情報会議設置法審議でありますが、これは我々の提言の中にも盛り込ませていただいておりました。そしてまた、高市総理も以前からこのインテリジェンス改革、強化ということは訴えておられましたし、非常に私たちはこれは大いに賛同しておりますし、我が国も大きな一歩を踏み出したんじゃないかなというふうに思っております。

 そういった中、実質審議が先週から始まりまして、金曜日は朝九時から五時まで、そしてまた今週も、水曜日、そして昨日は参考人の方をお招きをして参考人質疑、そして本日、四日目となっております。来週には連合審査も開催されるというふうに聞いております。

 そういった中で、各議員の皆さんから様々な角度から質問が出ておりました。インターネットを御覧の皆さんも、国民の皆さんも、随分理解は深まったのではないかというふうに思っております。

 しかし、一体なぜこの法案を設置するのか、国家情報会議を設置するのか、その意義について、まだまだ分からない、よく分からないという国民の皆さんもいらっしゃろうかと思います。

 そこで、官房長官、是非国民の皆さんに対して分かりやすく御説明をいただきたい、これはもう何度も何度もそういった御答弁をされているかと思うんですが、国民の皆さんに対して分かりやすく御説明いただければと思います。

木原国務大臣 では、分かりやすくお答えしたいと思います。

 昨今の国際情勢というのは複雑で厳しいものとなっております。サイバー攻撃であったり、あとは偽情報が拡散をしていたり、また影響工作、国際テロ、そういった様々な脅威に加えて、経済安全保障や先端技術をめぐる国家間競争も深刻な情勢であります。これらは、単独の分野にとどまらず、外交であったり防衛であったり経済であったり技術であったり、複数の政策領域にまたがっていると言えます。

 政府は、深刻なそういった脅威が顕在化するまで待ちの姿勢ではなくて、能動的にその兆候を把握をして全体像を捉えることによって、その危機を未然に防ぎ、国民の皆様の安全とそして国益の確保につなげていかなければならないと考えます。

 そのためには、政府の情報部門において質の高い情報をできるだけ多く収集し、これを中枢組織に集約して、そして総合的に分析した上で、意思決定に資する形で政策部門に提供するというインテリジェンス機能が極めて重要であると考えました。

 しかしながら、現行の体制には課題がありまして、一つ目は、情報部門において政府全体を俯瞰し、政治のリーダーシップの下で戦略や方針を示す仕組みがないために、各省庁の情報活動の整合性を確保しにくいという点がございました。二つ目として、現在の内調ですが、一生懸命頑張ってはもらっていますが、情報収集、集約、分析機能を有していますが、各省庁を取りまとめたり調整したりする機能がやはり弱く、各省庁を総合調整し、活動の優先順位づけであったり整合性を確保する、そういった制度的担保が必要であると考えました。

 これらを踏まえれば、本法案によって、政府において閣僚級の国家情報会議を内閣に設置し、情報活動の基本方針を示すとともに、それを支える国家情報局を内閣官房に設置し、政府内の総合調整を行えるようにする必要があります。

 本法案を成立いただいた暁には、分野横断的な課題や脅威に対して情報面で政府として一体的かつ総合的に対応する体制を確立し、結果として国民の安全と国益を確保することになる、そのように考えて、今国会において法案を提出するに至りました。

西田(薫)委員 分かりやすいしっかりとした御答弁、ありがとうございました。

 今御答弁の中にもありましたとおり、これまでの内閣情報調査室というのはまさしく連絡調整、ところが、国家情報局に格上げすることによって総合調整権を付与するということで、ここは非常に大きなポイントの一つではないかなというふうに思っております。

 私自身、近年激変する国際情勢の中で、我が国を取り巻く安全保障環境というのが一層厳しくなっている、そういった中に、しっかり国家国民を守っていくための法案だというふうに思っております。

 ただ、そういった中で、先ほどもありましたが、この委員会審議を聞いている中で、特に野党の皆さんから、憲法に保障された個人、国民の人権や自由そしてまたプライバシーが侵害されるのではないか、非常に危惧をしている、そういった観点から質問も多くなされておられるかと思うんですね。

 そこで、これは岡審議官が御答弁になるんでしょうかね、これまでも岡審議官、いろいろな角度からいろいろな質問に対して本当に丁寧にしっかり御答弁されている姿、非常に感服をさせていただいております。中には、国民の皆さんの中にも、自分のプライバシーが侵害されるんじゃないか、そういった不安視、不安な気持ちを持っている国民の皆さんもいらっしゃろうかと思うんですが、その国民の皆さんに対して、決してそうじゃないんだということで、分かりやすく御説明いただければというふうに思っております。

岡政府参考人 お答えいたします。

 本法案は、政府の情報活動に関する基本方針の決定や、各省庁が行う情報活動の総合調整を行う組織を新設しようとするものでありまして、各機関の情報収集の事務や権限を新設するものではございません。また、捜査権限も新設されません。

 問題は、それにもかかわらず御指摘のような御懸念を持たれる方がいらっしゃるのであれば、それは、法案成立を契機として、内調の後継組織であります国家情報局を含めた各情報機関が情報収集活動をより活発化させることによりまして個人の権利や自由が侵害される、そういうリスクが増すかもしれないと考えていらっしゃるのかもしれないと感じており、丁寧に説明をする必要があると考えております。

 この点につきましては、従前より政府内で情報活動を行っている各機関は、それぞれ担当する大臣の監督の下で適法かつ適切に情報活動を推進しているところでございまして、このことは今後も一切変わるものではございません。内調が国家情報局になってからも、総理や官房長官の監督の下で適法かつ適正な活動に努めてまいりたいと考えております。

 繰り返しになりますけれども、私どもといたしましては、かかる御懸念はしっかり受け止めて、それが払拭されるように今後も説明を尽くしてまいります。

西田(薫)委員 まさしく今回の法案というのはそのとおりだというふうに思うんですね。国民の皆さんもこれで御安心はいただいているんじゃないかなというふうには思っております。

 本来この法案というのは、イデオロギーであったりとか政党、党派を超えて、やはり日本の政治家として全員がしっかりと賛成をしていく、そういったものであるのではないか、そうあるべきじゃないかなというふうには思っております。

 ただ、そういった答弁というのもこれまでずっと審議官は述べられておりましたが、一つ懸念をしている部分がありまして、先ほど官房長官の御答弁の中にもあったんですが、それは全く私も同じ思いなんですけれども。

 もちろん個人の自由や権利、これは侵害してはならないですし、プライバシーを侵害してはならないんですね。ただ、中には国家転覆をもくろむ者もいようかと思うんですよ。外国勢力と共謀してそういったことを企てようとしている者もいる。果たして、そういった者たちに、同じように考えていいのかなという部分は少し懸念をしているんですね。

 そこは、逆に、ちゅうちょしてしまうことによって、本来取るべき情報が取れなかった、本来取らないといけない情報が取ることができなかった、結果、我が国の民主主義の根幹を揺るがすような大きな事案が発生した、また、テロが発生し、多くの国民の皆さんが犠牲に遭った。こんなことであれば、先ほど官房長官も同じお話を答弁でなされておりましたが、本当にこれは本末転倒になってこようかと思うんですね。

 あくまでもこれはしっかりと国家国民を守るものであるという思いから、こういった法案の提出ということもありますし、そこはしっかりと国家国民を守っていくという気概を持ってこれからも取り組んでいただきたい。これは答弁を求めませんし、先ほど官房長官、その答弁がありましたので、私は全く同じ思いでありますから。逆に、ちゅうちょし過ぎてしまったらよくないんじゃないかなという思いも持っておりますので、そこはしっかりと御対応いただければというふうに思っております。

 それでは、次の質問に移りたいと思います。

 次は、この法案が通ればの話なんですが、国家情報局は、先ほども官房長官もお話がありましたが、総合調整ということなんですが、それ以外に、企画立案ということも所掌されているんですね。

 この条文を詳しく見てみますと、附則の第五条に、内閣法の改正に関係することではあるんですが、ちょっとややこしいんですけれども、第十六条の二第二項第一号に、「第十二条第二項第二号から第五号までに掲げる事務のうち、」と条文の中に書かれているので、これは先ほど言いました内閣法の改正の部分なんですが、それを見ますと、内閣法の第十二条第二項の第二号から第五号の間に「企画及び立案並びに総合調整」ということが書かれているんですね。

 私は、国家安全保障局が政策部門である、そして国家情報局は情報部門である、政策部門と情報部門がしっかりと両輪となって政府そして国家を支えていくということも先般の予算委員会で質問もさせていただいていたんですね。そういった中で、国家情報局の中にも企画立案というふうに書かれているんですが、この企画立案というのは具体にどういったものか、御答弁をいただきたいと思います。

岡政府参考人 お答えいたします。

 まず、法令上の用語といたしましての総合調整と企画立案、内閣法における総合調整と企画立案の違いについて申し上げますと、平成十一年の中央省庁等改革以前におきましては、内閣法に内閣官房における企画立案の権限は明記はされておりませんで、そういう事務がなされていたとすれば、それは総合調整の一環だというふうに解されておりました。

 それが、そのときの御検討の結果、内閣が、行政各部の事後的な調整にとどまらず、総合的で戦略的な判断を事前に示して機動的に意思決定をするという重要性が増大していたことに伴い、当時、企画及び立案が内閣官房の所掌事務として内閣法に追加、明記をされたという経緯がございます。

 それでは、こうしたことから、実際に行われる事務が果たして企画立案に該当するのか、それ以外の総合調整に該当するのか、必ずしも明確に区分されるものばかりではございませんが、企画立案と呼ぶのがふさわしい国家情報局の取組といたしましては、例えば、国家情報会議における調査審議が円滑に進むように重要情報活動の基本方針等の素案を起案することや、あるいは、インテリジェンスコミュニティー省庁が共通して活用する情報基盤の仕様を策定すること、さらに、インテリジェンスコミュニティーの省庁の職員を対象とした分析能力向上のための教育カリキュラムを策定すること、これらが企画立案と呼ぶのにふさわしい事務の事例ではないかなというふうに考えております。

 行政各部の統一保持上必要な企画立案を行うのは内閣官房の基本的な役割でございまして、新組織におきましても、その趣旨に即した役割を果たしてまいりたいと考えております。

西田(薫)委員 企画立案となると、どうしても、国家安全保障局の政策というのとかぶってしまうんじゃないかなというふうに誤解をされる方もいらっしゃるんじゃないかなというふうに思っておりますが、決してそうではないというような感じの今御答弁だったんじゃないかなというふうに思っております。

 それでは、次の質問に移りたいと思います。

 次は、昨今問題となっているサイバー空間における影響工作についてお伺いをさせていただきたいというふうに思っております。

 サイバー空間の影響工作、いわゆる偽情報の拡散であったり世論誘導といった、国家の安全保障や民主主義の基盤に深刻な影響を及ぼすものであるというふうに思っております。そして、そういったものがあるという中で本法案が提案されたということにもつながっているんじゃないかなというふうに思っているんですね。

 その中で、法案第二条にも、外国情報活動への対処の定義の中に、「これと一体として行われる不正な活動を含む。」というふうに書かれているんですね。これは偽情報とか影響工作が読めるように規定がされているというふうに思うんです。こういった脅威に対して、しっかりとそれぞれの機関が強みを生かしながら適切に役割分担して対応していかないといけないというふうには思っております。

 そういった中、これは昨年七月でしたか、国家サイバー統括室というのが誕生しておるかと思うんですね。その国家サイバー統括室と、今で言うたら内閣情報調査室、本法案が成立すれば国家情報局になろうかと思うんですが、国家サイバー統括室と内閣情報調査室、この後、成立すれば国家情報局になるんですが、その役割分担をどうしていくのか。そして、しっかりとここは連携を深めながら取り組んでいかなきゃならないというふうに思っておりますが、それについての御答弁を願います。

鎌谷政府参考人 お答えをいたします。

 御指摘のサイバー空間における影響工作についてでございますけれども、これへの対策につきましては、内閣官房副長官の調整の下で、関係省庁が協力しまして、政府一体となった取組を行っているところでございます。

 その中での役割分担ということでございますけれども、内閣情報調査室は、情報コミュニティーの取りまとめ役として、関係省庁と連携しながら、サイバー空間における影響工作を含む外国情報活動に関連する情報収集、集約、分析を行っております。他方で、国家サイバー統括室は、サイバーセキュリティーの確保に関する司令塔としてサイバー攻撃等に関する知見も有していることから、その事務を実施する中で、影響工作を含む外国情報活動に関連する情報があれば、内閣情報調査室にその情報を提供することとなります。

 本法案が成立をすれば、国家情報局は、外国情報活動への対処について、政府全体の情報を俯瞰する立場から総合調整を行うことが可能となり、国家サイバー統括室を含む各省庁の保有する情報をより積極的に求め、多種多様な情報を集約することで、総合的な分析が更に強化されることとなると考えております。

西田(薫)委員 もう今総理も入られました。今日、私、総理が十時に入るということで、十時までには必ず終われと我が党の浦野理事から厳しく言われておりますので、絶対超えてはいけないなと。もう残り三分ぐらいでしょうかね。次の質問をしてしまうと、どうでしょうかね、多分、答弁のさなかに十時を回ってしまうんじゃないかなというふうに思うんですが。

 今日、時間割りを見ますと、私、総理が退席された後、十一時から十一時二分まで二分間まだ質問時間が残っているということですので、今、簡単に質問をさせていただきます。もし十時を回るような御答弁であれば、一旦、答弁の最中で結構です、途中で区切っていただいて、私、十一時から二分間ありますので、そのときにもう一度御答弁いただければなというふうに思っております。

 冒頭ちょっと私申し上げたんですが、これは大きな一歩になる、我が国政府、大きな一歩になるということも言わせていただいたんです、今日。ただ、一歩だと思っているんですよね。

 やはり、これは総理も、スパイ防止法関連というのはずっと制定したいというようなことも総裁選のときから述べられておられたと思うんです。私自身も全く同じでありまして、これはあくまでも第一歩でありまして、今後は、そのスパイ防止関連法案であります、例えば外国代理人登録法であったりロビー活動公開法、こういったものもしっかりと法整備をしていかないといけないというふうに私は思っているんですね。

 そして、令和九年ですかね、自民党の皆さんと維新の連立合意の合意文書の中にも、令和九年をめどに対外情報庁の創設ということまで書かせていただいております。私は、そこまでしっかり進んでようやく、ようやく本格的なスタートになるんじゃないかなというふうに思っているんですが、今ここで聞くとちょっと中途半端でしょうかね。十時までに御答弁いただいて、残りを十一時からしていただければと思います。

山下委員長 岡内閣審議官、残り一分です。

岡政府参考人 本法案は司令塔機能の強化のためのもので、大きく捉えれば、大きな改革の第一歩でございます。

 お尋ねのテーマにつきましては、次のステップの検討課題でございます。各党の提言や法案にも様々な事項が様々な考え方に基づき示されておりまして、私どもも熟読しておりますけれども、政府としましては、よく論点や課題を整理しながら、各方面からの御意見も伺いつつ、丁寧に検討してまいります。

西田(薫)委員 それでは、十時になりますので、一旦、私の質問は、ここで休憩とさせていただきます。

山下委員長 これより内閣総理大臣出席の下、質疑を行います。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。長妻昭君。

長妻委員 長妻昭です。よろしくお願いします。

 私は、国家の戦略とインテリジェンスは車の両輪だというふうに思っております。日本は専守防衛の国だからこそ、世界でどういうことが起こっているのか、これを的確に把握する、この能力が低いと私は思っているので、これを高めるということはいいことだと思います。

 これまで日本のインテリジェンスは、上がらない、回らない、漏れる、こういうことを言われておりました。政策部門に情報が上がらない、そして、回らないというのは情報が共有されない、そして漏れてしまう。これについて今回の法律というのは一定の改善を見るものだと思っておりますが、強い法律には副作用もつきものなんですね、薬と同じなんです。その副作用に関して、私は政府は本当に無頓着過ぎるというふうに思うんですね。国会の報告も非常に不十分ですし、内部統制もない、第三者委員会もない、人権侵害とかインテリジェンスの政治化というのが非常に心配されます。

 ニーズは読んでも空気は読むなという言葉があるぐらい、インテリジェンスの政治化、これは政治的な理由によりインテリジェンスの内容が意図的に歪曲されることを示しているわけですけれども、こういうことについて懸念点を今日は総理にお伺いをして、明確な御答弁をいただきたいというふうに思います。

 ここに五つほど事例を具体的に書いて、総理にも見ていただくということで事前にお配りをしております。私は、こういう情報は集めてはいけないというふうに思います。こういう情報活動はしてはいけないというふうに思っておりますので、総理も同感だと信じておりますので、一つ一つお伺いしていきたいと思います。

 まず一番目ですね。法律とルールを守った上で、政府の政策に反対するデモや集会に参加しただけの人に対して、顔写真撮影や本名、職業を調査をしていく、これはしませんね。

高市内閣総理大臣 まず、現在御審議いただいている本法案との関係について申し上げたら、四月二日の衆議院本会議において、後藤議員からの御質問に対し、私から、選挙であってもなくても、外国勢力によるものではない、我が国の市民団体等の活動については、調査審議事項にはなりませんと申し上げました。

 各インテリジェンス機関の個別具体の活動内容については申し上げるべきものではないと考えておりますけれども、政府の政策に反対するデモそのものが情報活動の関心の対象となることは一般的には想定し難く、政府の政策に反対するデモや集会に参加しているということのみを理由として、普通の市民の方が調査の対象になるということも想定し難いと考えます。

 一方で、例えば、諸外国でも見られるように、デモが過激化して一般の方々への危害が及ぶ事態に発展するかどうか、また、ある主張をするデモ隊とその反対の主張をするデモ隊が衝突して危険な状態が生じる可能性があるかどうかといった観点から関心を寄せるということはあり得ると思います。

長妻委員 一定の答弁を今いただいたと思います。

 ただ、今おっしゃったように、調査審議の対象、つまり、今回の法律は重要情報活動ということは規定されているんですね。もちろん、例えば内調でいっても、重要情報活動の活動もありますし、そうでない活動もあるわけですよ、そうでない情報収集活動もあるんですね。そうでない情報収集活動においても、この1はしないということでよろしいんですね。

高市内閣総理大臣 そうでない情報、政府の政策に反対するデモそのものが情報活動の関心の対象になるということは一般に想定しないということでございます。

長妻委員 防衛省、来ていただいておりますけれども、かつて、イラクに自衛隊を派遣するというのがありましたよね。そのときに、反対活動、反対のデモをされた方を、本名とか、職場にお訪ねして職業を調べたということがあるんですが、この方は一般の市民だったんですか。

松尾政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘の情報保全隊による監視活動の停止等を求めた裁判におきまして、平成二十八年二月、仙台高等裁判所が、一名に対するプライバシーの侵害というものが認められ、損害賠償の支払いが命じられたところでございます。

 その侵害が認められた一名につきましては、自衛隊の活動に反対するライブ活動を行っていた人物ということで、公職に就いている方ではないということで、私人でございます。(長妻委員「一般の、普通の市民でしょう」と呼ぶ)はい、私人でございます。(長妻委員「いや、私人というんじゃなくて、犯罪とかそういう背景がない人たち」と呼ぶ)自衛隊が活動を行っております目的自体は、自衛隊による情報の保全というものについて服務規律があるのかないのかということを情報収集する一環で行ってきたところでございます。(長妻委員「ただデモをしただけの人たち」と呼ぶ)

山下委員長 手を挙げて質問をしてください。(長妻委員「ただデモをしただけの人か」と呼ぶ)

 では、答弁を続けてください。

松尾政府参考人 そういった規律違反があるかないかという観点で情報収集活動を行っていたところではございますけれども、判決におきましては、プライバシーの侵害に当たるというような御判断をいただいたところでございますので、プライバシーの侵害と認められた一名の方につきましては、損害賠償ということで賠償金を支払ったところでございます。

長妻委員 レクのときには普通の一般市民だったと認めておりますので。今後は、今総理の答弁をもって、各インテル部門は肝に銘じていただいて、1については、しないということを徹底していただきたい。

 二番目ですね。国政選挙の情勢調査、これはどうですか。するべきじゃないと思うんですけれども。

高市内閣総理大臣 内閣情報官からは、国内外の諸情勢について様々な報告を受けております。例えば、内閣の重要政策に関する国民の方々の御意見、国内外の新聞、雑誌、テレビ等、メディアの報道内容、各界の有識者の方々の御意見なども含まれております。

 あくまでも一般論で言えば、内閣の重要政策に関連して世論の動向が話題になることはあり得ます。特に、昨今はSNS上に偽情報を流すなどする外国勢力による選挙干渉への対策が課題になっていますので、こうした動向を注視すべきと考えております。

 その上で、私が内閣情報官から、私が総理になってから行われた選挙の情勢について、報告ですとか資料の提供を受けたことはございません。

長妻委員 内調が、選挙区ごとに担当者を決めて、総選挙のときに情勢調査をして総理に提供するということは報道でもあって、こういうことが私はなされていると思いますので、こういうことについても、もちろん背景にテロとかそういう問題、外国勢力の問題があれば別ですけれども、単純に自民党が勝つか勝たないかという調査、こういうのはしないということでいいんですね。

高市内閣総理大臣 もちろんそのとおりでございます。

長妻委員 そして、もう一つは、自民党総裁選の情勢調査、これもインテル部門はやっていると言われて、これも各種報道があるんですね。ある意味では周知の事実と言ってもいいと思いますが、これは、現職の総理大臣を勝たせる、そういう目的があるというふうに私は感じておるんですが、これも、もう今後はインテル部門にこういう情勢調査はしない、今後、これはするべきじゃない、こういうふうに御答弁いただければ。

高市内閣総理大臣 個々具体的な情報収集の内容について答弁するのは差し控えますが、一般的に申し上げますと、自民党総裁選挙も各党の党首選挙も、各候補者が発信する政策課題についての考え方などを通じて国政全般にわたる議論が喚起されるという重要な機会です。そうした観点で、情報機関としても、内閣の重要政策に関連する範囲で、世論の動向ですとか有識者の反応につき情報収集を行うということは否定されるものではないと考えられます。

 その上で申し上げますけれども、内閣情報調査室において、専ら現役の総理大臣を勝たせることを目的として情勢等を調査するようなことは、これまでも行っていないと聞いていますし、今後も行うことはありません。これは、内閣情報調査室だけではなくて、各インテリジェンス機関でも同様でございます。

長妻委員 これは、各インテル部門、聞いていただいたと思いますので、こういう業務からは解放されるというふうに思います。

 四番目ですね。首相や閣僚に発生したスキャンダルの追及に関するマスコミや野党の動向調査ということ、これはもちろんしないということでよろしいんですね。

高市内閣総理大臣 事案の内容や状況次第と思われますので一概にお答えすることは難しいんですが、あえて申し上げますと、例えば政府の重要な機密情報の漏えいのように、国益や国民の皆様の安全に直結するような不適正事案の疑いがある場合には関心が向くということになると思います。

 そうした要素がない私的なスキャンダルにつきましては、例えばで申し上げますけれども、当事者の人事監督を行うべき機関などが事実関係を把握するために情報収集を行うといったことは想定されるものと思われます。

 一方で、スキャンダルについて、専らマスコミや野党の追及をかわすといった目的だけで情報活動を行うということは、現在も想定されませんし、今後も行われることはない、それはあってはならないと考えております。

長妻委員 これも明確に答弁をいただいて、インテル部門はこの業務からは解放されると、ほっとされている方々もおられるというふうに思います。ありがとうございます。

 そして、五番目ですね。この前に、公安調査庁から御答弁があると聞いております。どうぞ。

霜田政府参考人 お答え申し上げます。

 四月十五日の内閣委員会におきまして、公安調査庁の御回答が不十分であるとの御認識かと思われますので、その上で、改めて回答申し上げます。

 公安調査庁におきましては、特定の候補者あるいは国会議員、これに利するために何らかの調査を行い、選挙情勢、あるいは地元に関する情報等々をこうした方々に提供するといったことは一切行っておりませんし、また、今後につきましてもそうしたことを行う方針等々はございません。

長妻委員 今まではやっていたというふうに私は考えているんですが。内部文書もあるんですね、今、配付資料五ページ、配っておりますけれども。

 これは総理大臣に改めて明確に御答弁いただきたいと思うんですが、公安調査庁は今後やらないということであります。5ですけれども、自民党有力議員の地元選挙区情勢に関する調査と情報提供、これはもちろんしないということでよろしいんですね。

高市内閣総理大臣 各インテリジェンス機関は国民の皆様の人権に配意しつつ適法、適正な活動を行うべきで、そのことは今後も変わりません。

 その上で申し上げますが、自民党有力議員の地元選挙区情勢ですか、に関する調査と提供について、各インテリジェンス機関とも、特定の党や候補者を利するような目的で情報活動を行うことはしていないし、今後も行うことはないと。まあ有力議員じゃなかったのかもしれませんが、私は一度もそういう情報を得たことがございません。

長妻委員 1から5まで、一定の御答弁を総理からいただいたと理解をしております。これは是非、インテル部門の方々も聞いておられると思いますので、今までこういう業務をやっておられる部署や職員は、もうしないということでほっとしている方も私は多いというふうに思いますので、これは徹底をしていただきたいというふうに思います。

 その上で、インテリジェンスの政治化、これを防ぐためにどの国も相当苦労しているんですね。結局、二つあるんですね。政策部門が陰に陽に圧力をかけて、こういう情報を出してこい、こういうのもありますし、インテル部門が忖度して、気に入られる情報を出そうと。これのミックス型もあるんですけれども、こういうことで世界ではいろいろな問題が起こっていて、改善が進んでいるんです。

 日本は、その改善策がないんですね。さっき申し上げたチェック機能がないということで、私、一つ総理に提案しておきたいことがあるんですが、国家情報局長、できますよね。国家情報局長は任期がないんですよ。任期がなくて、ある意味では、総理が首と言えば首にできるんです。そして、総理がこの人を選ぼうと言えば、もちろん手続はありますけれども、選べるんですね。

 ただ、ほかの国を見ると、そういう形にしていない国が多いんですよ。なぜかというと、時の総理大臣が、気に入る人、気に入らない人、都合の悪い情報を出してくる人は首にするとか、そういうようなことを防ぐため、つまり、インテリジェンスの政治化を防ぐために、例えばイギリスのMI6では、そのトップは五年というのが一つの原則になっているんですね、総理が替わろうが替わるまいが。そして、例えばアメリカでも、情報機関の中には一定の年限をトップは決めて、その間は、よっぽど不祥事をその人が起こせば別ですけれども、替えられないというのはあるんです。

 ですから、日本も、総理、国家情報局長はできるだけ、例えば五年というような期間を決めて、もちろんその方にいろいろな問題が起これば別ですよ、いろいろなスキャンダルが。ただ、五年というのを決めて、総理大臣が替わってもそれは替えないというような形にするべきだと思うんですが、いかがですか。

高市内閣総理大臣 国家情報局長につきましては、官邸直属の情報機関のトップとして、同局が行う情報活動を指導するとともに、総理や官房長官へのブリーフィング、外国の情報機関トップとの連携といった役割を担っていただくほか、新たに、国家情報会議で決定する情報活動の基本方針などの企画立案、各省庁に対する総合調整といった役割を的確に行うことが期待されます。ですから、情報活動や我が国の情報コミュニティーに精通しているということが求められます。

 そのような観点から、やはり海外とのやり取りもありますので、一定期間、その任に継続して当たるのが望ましいと私は考えております。

 いずれにしても、国家情報局長の人事というのは時の総理が判断するべき事柄でございますので、国内のインテリジェンスコミュニティー間の連携確立、外国情報機関トップとの信頼関係の醸成といったことを考えると、一定期間は継続して在任するのが好ましいと考えます。ですから、その要素も十分考慮した上で、任免というものを判断すべきだと思っております。

長妻委員 これは、高市総理、例えば五年という一つの期間を一定のルールを決めて運用していくというようなことを緻密に検討する、今後いろいろなことがありましょうから。そういう検討をするという、具体的なやり方、ルールということをおっしゃっていただきたいと思うんですが。

木原国務大臣 人事は一義的には私の方で提案する場合もありますので。

 諸外国の情報機関の人事、私もよく、今回の法案に当たって研究をさせていただきました。人事制度、その運用というのは、やはりそれぞれの国の実情とか過去の経緯がずっとあって定まっているので、そのまま導入すべきかどうかはやはり慎重に検討すべきだろうと考えますし、あとは、カウンターパートとのやり取りの中で、これも非常に大事な連携要素が出てくるかなというふうに思っております。

高市内閣総理大臣 五年というのが適切かどうかということも含めて考えなきゃいけませんけれども、やはり私の考え方でいえば、特に海外の情報機関トップとの信頼関係の醸成といった要素を考えると、一定程度継続して在任することは好ましいと考えます。ただ、問題を起こしたとか、やはり適任じゃなかったというようなときには、そういったことも十分考慮した上で、任免、これを判断すべきだと思っております。

 現時点で、その五年と期限を切ってのルール化は検討いたしておりません。

長妻委員 五年とは言わず、であれば、一定の年限というのをルール化する、そういうような検討ぐらいはしていただきたいと思うんですが。

高市内閣総理大臣 時の内閣総理大臣が決める人事でございます。

 例えば、私が何年、内閣総理大臣をやっていられるかということにも関わってまいります。例えば、次の総理大臣がもっと適任だと思われる方を選ばれれば、その五年に限らず、もっと短期かもしれませんし、やはりこの人は適任だということになれば、長期になるかも分かりません。ここは何とも申し上げられません。

長妻委員 私が申し上げている趣旨は、総理が替わるたびにころころ替わるということでは、これはインテリジェンスの政治化ということが是正されないという趣旨で、誰が総理になっても一定期間はという、そういう趣旨で申し上げたので、是非検討していただきたいと思います。

 そして、もう一点、総理にお伺いします。

 先ほど後藤さんから官房長官には聞いたんですけれども、総理にも同じ質問をさせていただきたいと思います。

 総理や官房長官を含む政策部局は、情報機関側が個人情報、プライバシー保護、政治的中立についての法令や内規に反すると解釈してしまう情報収集、提供の要請を国家情報局や警察など情報部門に対してしてはならないのではないか。そのような要請はしないということでよろしいかということなんですが。

高市内閣総理大臣 まず、総理大臣として、例えば、特定の党派を利する目的で情報の収集を命ずることも、情報の集約を命ずることも決してないということは明確に申し上げます。

 その上でお答えすれば、会議体を設置するような一般的な組織法の中で、他に規定されていないようなことを本法案のみで規定するということは、法体系全体の中で特別な意味合いを付与してしまうおそれがございます。(長妻委員「それじゃない。違う答弁。答弁書、違います」と呼ぶ)違いますか。

 情報活動に関して、法律の規定に違反したり、公務員の内規や服務に抵触したりするようなことを指示するということは許されない、これは当然でございますし、現在もそのようなことは行っていないし、今後も行ってはなりません。

長妻委員 明確な答弁をいただきました。

 最後に、これは公開の基準を私は作るべきだと思うんですね。当然、インテリジェンスですから機密情報の塊なので、それは公開できない部分はいっぱいあるというのは承知していますが、例えばアメリカでは、さっき大島さんも触れられましたけれども、アメリカでは、国家情報長官室、ODNIがあって、ここにはトランスペアレンシープリンシプルというのがあって、透明性原則というのをあらかじめ決めておく。

 すなわち、各インテリジェンス組織の活動のうち、どの部分を対外的に公表するべき、どの部分は公表できないか、あらかじめ基準を決めておくんですね。それで、公表するところは適時公表する、こういうことを明確にやっているんですよ。日本でも検討いただけませんか。

高市内閣総理大臣 我が国では、既に、行政文書の作成、管理について定める公文書管理法、行政文書の開示等について定める行政機関情報公開法が整備されております。また、特定秘密保護法や重要経済安保情報保護活用法を始めとする秘密保全制度も整備されております。

 さらに、公文書管理法ですとかその下位法令において行政文書の定義などが定められているほか、行政機関情報公開法において不開示情報の定義も定められております。また、特定秘密保護法、重要経済安保情報保護活用法、その下位法令において特定秘密又は重要経済安保情報に指定するための要件も厳格に定められております。

 新設する国家情報会議や国家情報局においては、こうした行政文書に関する統一的な制度に基づいて、事後の検証に資する形で行政文書を作成、管理するとともに、情報公開請求にも適切に対応をしてまいります。

長妻委員 これで質問を終わりますけれども、総理もよく御存じだと思います、いろいろなルールはあるんですけれども、一般的なルール、全部黒塗りになるわけですよ、インテリジェンス情報は。何にも出さない。しかも、その情報があるなしも言わないというのが日本の実情なので、是非アメリカ並みに公開基準をちゃんと作っていただきたいということを申し上げまして、質問を終わります。

 ありがとうございました。

山下委員長 次に、森ようすけ君。

森(よ)委員 国民民主党の森ようすけでございます。本日はよろしくお願いいたします。

 先週の金曜日から内閣委員会で審議が始まりまして、一週間たったわけなんですが、審議の中で、様々な課題であったり懸念であったり、そうしたところが表面化、見えてきているなという印象でございます。この法案の立法事実がどうなのか、明確な必要性というのはちゃんと示されているのか。そして、この法案が実現したときに生じてくるような懸念、そしてインテリジェンス施策、様々これからやっていくわけですから、そうしたことを推進していく上で生じてくる懸念、そうしたものについて、政府としてどのように捉えていて、そしてどのように対応していくのか。こうしたことが審議の中でまだまだ見えていない部分があるというふうに捉えております。そうした観点で本日は総理に御質問をさせていただきたいと思っております。

 まず、インテリジェンス施策の全体像についてお伺いをしてまいります。

 厳しい国際環境の中で我が国の安全保障を強固に進めていく上で、やはり、インテリジェンスの強化、情報収集、情報の分析、これを強化していくという方向性については全く同意でございます。

 これまで政府においては、政策部門としては国家安全保障会議、情報部門としては内閣情報会議があって、各省庁で情報を収集、分析をして、それを総理に対して報告をするということで、実際、最前線に立って総理が最終意思決定を担ってきた、それはそうなんだと思います。

 そうした業務も踏まえて、これまでの経験も踏まえて、今の政府におけるインテリジェンスの推進に当たってどのような課題感を持っているのか、足りないことがあるのか、そうしたことを、実際の経験も踏まえて、具体的にお願いいたします。

高市内閣総理大臣 日々報告を受けたりする中で、私としても、様々な脅威あるいはその兆候が我が国を、また世界を取り巻いているのを感じております。詳細は申し上げにくいんですが、例を挙げますと、我が国の秘密情報の窃取を目的としたサイバー攻撃、民主主義の根幹である選挙に影響を及ぼそうとする偽情報の拡散、経済安保に関わる先端技術や研究成果の流出など、これはやはり、情報技術の発達を含む社会環境の変化で、これまで以上に複雑で見えにくい脅威が容易に、かつ大規模に差し迫っているということも感じております。

 政府としては、質の高い、時宜にかなった情報をできるだけ多く収集して総合的に分析しなきゃならないんですが、現在のインテリジェンスの体制を見ると、それぞれの情報機関はしっかり活動してくださっているんですが、政府全体を俯瞰してハイレベルな方向づけを行ったり、それに向けて各省庁の活動を調整したりという中枢機能が十分とは言えません。経験から申し上げますと、複数の役所から全く同じ案件の、要は説明を二回受けなきゃいけないとかそういったことがある。だから、複数の機関で重複して情報を分析するといった非効率が生じているんじゃないかと感じております。

 この法案が内容とするインテリジェンス体制の強化は、こうした課題に対応することで、政府全体の情報活動をより高度で効率的なものにしていくためにも必要だと思っております。

森(よ)委員 実際の経験に基づいて具体的に、ありがとうございます。

 おっしゃっていただいたとおり、安全保障環境が多様に、そして複雑化している中で、充実した質の高い情報収集をすること、それを効率的に集めること、これは間違いなく重要なことだと思っております。

 そうした中で、今回の法律、新法においては組織の格上げという形を取っております。政府の答弁においても、権限の強化を設けるわけではなくて、組織体制を見直す、格上げをするということで、新たに何かをつくるものではないというふうな答弁がなされております。そして、政府・与党の中で、インテリジェンスの推進に当たっては様々政策が打ち出されております。これは、与党の連立合意の中にもあるとおり、対外情報庁を創設することであったり、情報収集能力を更に強化していくことであったり、様々、いわゆるスコープがもう少し広いことをやろうとしているんだと思います。

 私は、今回の法案がファーストステップで、そうした次の施策群のことをセカンドステップというふうに個人的には呼んでいるんですが、そうしたインテリジェンス施策の全体像がある中で、この法案の効果は今おっしゃっていただけましたが、仮にこの法案が成立したとして、まだ残っている課題としては何が存在しているのか、そして、その課題に対応するための政策をどのように進めようとしていくのか、スケジュール感も含めてお願いいたします。

高市内閣総理大臣 今、森委員がおっしゃってくださったとおり、本法案は、我が国が直面する困難な課題に対処して、国民の皆様の安全や国益を守るために進めなければならない改革の第一歩だと考えています。

 当然のことながら、我が国が対処しなければならない課題はまだまだ多くあります。例えば、対外情報機能の充実、外国による不当な干渉の更なる防止といったことにも対処が必要ですから、これは引き続き検討を進めていかなければなりません。

 本法案以外で、インテリジェンス施策を検討する際における民主的統制の在り方などにつきましては、我が国の行政組織や制度、情報活動に必要となる権限や手法に係る整合性、実効性、バランスを十分に考慮した上で適切な結論を得るべきものと考えております。

 これらの方向性ですとか検討状況、それからスケジュール感などにつきましては、確たることを申し上げられる段階にはございませんが、検討に当たっては、様々な方から御意見を賜りながら丁寧に進めていきたいと考えております。

森(よ)委員 そこで、懸念のところに、質問に移っていきたいんです。

 こうした今回の法案も含めて、この先の施策も含めて、インテリジェンスの施策を、体制強化を進めていく上で、やはり国民の声としては、懸念があるのではないか。具体的には、これまでの質疑にもありましたが、個人情報、プライバシーの観点であったり、憲法が保障するような自由と権利、こうしたものを損なうようなことが生じ得ないのか、そうした懸念というのが聞こえてくるところであります。

 これは長妻委員の先ほどの話にもありましたが、やはり、よく効く薬には副作用があるというのは間違いないことなので、効果的な政策であるということは、反面、何か損なうような権利であったりとか侵害するものが間違いなく出てくる、これはてんびんなので仕方ないんだと思います。

 ただ、こうした懸念があるということを示されている中で、そうした懸念に対して、政府としてちゃんと対応する意思を示すこと、そして、懸念があるということを認識していること、こうしたことを国民に対して丁寧に発信をする、具体的に説明をすることで、インテリジェンスに対する理解が深まって、更に今後あらゆる施策を進めていく上で土壌ができてくるんだと思うんですね。

 なので、今日の質疑では、この懸念に対してしっかり向き合った御答弁を、そうした観点からお願いしたいと思っているんです。

 今話したとおりで、国民の自由と権利、そして個人情報やプライバシーの懸念、こうしたものが国民からはある、思われている方が多いと思うんですが、そうした懸念が存在していることについて、総理としてはどのように捉えているのか、その点についてまずお伺いします。

高市内閣総理大臣 まず、インテリジェンス施策に限らず、憲法に保障された国民の皆様の自由や権利を尊重して、関係法令を遵守しながら取組を進めるということは当然でございます。また、個人情報やプライバシーは極めて重要な価値を有しているということも当然理解をいたしております。

 本法案の審議では、司令塔組織に情報を集約することでプライバシー侵害につながるのではないかといった御懸念が示されたと承知をしておりますけれども、個人情報保護法などの関係法令において、情報機関を含め、行政機関における個人情報の取扱いについてはしっかりルールが整備されていますので、これは御安心いただきたいと思っております。

 一方、我が国が対処すべき課題は急速に変化して複雑化していますので、国民の皆様の安全や我が国の国益をしっかり守るためには、様々なインテリジェンス政策を推し進めなければなりません。

 先ほど委員がおっしゃったステップツーに当たると思うんですが、今後進めていかなければならないインテリジェンス政策の中には、例えば、外国勢力による干渉を的確に把握して排除していくために、国民の皆様の権利義務との関係についてもしっかり検討しなければならない場面もあり得ると思います。その制度設計や運用に当たっては、当然、憲法により保障された自由や権利をしっかりと尊重してまいります。

森(よ)委員 ありがとうございます。

 懸念に対して一定理解をしていただいて、特に、今後更に施策を進めていく上では、配慮した上で検討していくというふうなこともおっしゃっていただきました。

 そうした中で、やはり国民への公開をより進めていくこと、透明性を高めていくことというのが重要なんだと思います。こうしたように、様々な法令は遵守した上で運用していくというふうに答弁いただきましたが、本当にそうしたふうに運用されているのかというのが外から見たら分からないんですね。国会から見ても国民から見ても分からない。もちろん、機微な情報を取り扱うので、すべからく公開しろとは言っていなくて、昨日の参考人質疑でも、情報の秘匿性と透明性のてんびん、このてんびんにかけて判断することが大事だと言っていたので、ここは相反する概念なんですが、現状においては、秘匿性のところが強くて、透明性のところが現状なかなか対応策として、策として用意されていないのではないかというふうに印象を持っております。

 例えば、民主的統制として国会に今設置されている情報監視審査会、これを特定秘密に限らず権限を強化していく方向性であったり、公文書の話もありましたが、適切な情報管理そして情報公開を進めていく、こうしたことを配慮策、対応策としてやっていくべきではないかというふうに考えますが、そうした点について、いかがでしょうか。

高市内閣総理大臣 まず、情報監視審査会のお話もありましたが、平成二十六年に情報監視審査会を設置した際の国会法の改正附則に、この法律の施行後、我が国が国際社会の中で我が国及び国民の安全を確保するに必要な海外の情報を収集することを目的とする行政機関が設置される場合には、国会における当該行政機関の監視の在り方について検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとすると規定されています。

 当然のことながら、政府としては、こういった規定も十分踏まえながら、今後のインテリジェンス施策の制度設計を検討してまいりたいと考えております。

森(よ)委員 ありがとうございます。

 監視のところは今御答弁いただきましたが、透明性の向上、情報公開のところをもう少しお伺いしていきたいんです。

 やはり、国会と国民への定期的な報告、こうしたものが大事だと思います。質疑の中で、これまで、国家情報戦略、仮称ですが、こうした政府の情報の戦略、中長期的な戦略の取りまとめを公表するということは御答弁いただいているんですが、実際にどういったことがこの国家情報戦略に盛り込まれる予定なのか、こうしたことが見えてこないんです。

 加えて、御答弁では、なかなか毎年毎年この戦略は改定するものではないので、数年に一度、それくらいのタイミングで改定、公表していくと。こうしたことは理解できるんですが、より国民の懸念払拭と理解増進のためには、毎年毎年ちゃんと、何をしたのか、実施状況も含めて公表する、アニュアルレポートみたいな形ですが、そうしたことをやっていくのが重要なんだというふうに考えております。

 これまでの質疑の中でも取り上げられましたが、外国においては、毎年公表したり、二年に一度公表したり、そうした、大きな戦略とは別に実施状況を公表していく。例えば、国内においても、特定秘密のところでは、毎年運用状況を公表したりとか、そうしたことがありますから、この国家情報戦略、インテリジェンスの分野においても、実際に、情報活動の実施状況、どういったことを政府において一年間やってきたか、これは、出せる情報、出せない情報はあると思うんですが、出せることは少なからず頑張って出していく、こうしたことが国民の理解増進には欠かせないと思うんですが、是非毎年こうしたレポートを発行していただきたいんですが、いかがでしょうか。

高市内閣総理大臣 政府が行う情報活動の意義や重要性について国民の皆様の理解を深めるとともに、その在り方についての検討が行いやすくなるようにするということは重要だと認識をしています。

 そのため、先般私も答弁をいたしましたが、名称を国家情報戦略とするかどうかは未定であるけれども、新設される国家情報会議において、政府の中長期的な情報活動の推進方策を取りまとめた文書を作成して、公表できる範囲内でこれを公表するということを検討しています。

 ただ、この取りまとめ文書は、中長期的な視座から活動の推進方策を記述するものですから、毎年更新する性質のものではないとイメージをしております。毎年公表すべきという委員のお考えなんだと思うんですけれども……(森(よ)委員「戦略とは別にですね」と呼ぶ)私も、まず戦略についてしか今イメージをしておりませんけれども、数年単位でしか見直しをしないとすごく硬直的に考えているわけではないです。中長期的な視座から活動の推進方策を記述するんですけれども、更新の頻度について、絶対数年単位でしか見直ししないということじゃなくて、推進方針に相当の修正を行うべき状況が生じたと認められれば、これは短期間で更新や改定をすることもあります。

 いずれにせよ、政府が行う情報活動の実施状況やその成果としての脅威評価に関しては、業務上の支障が生じるおそれのあるものを除き、国会からのお求めに対するものも含め、適切に御説明するということとともに、公表可能なものがあれば公表してまいりたいと考えております。

森(よ)委員 この後、官房長官に質問もあるので、その際にまた深掘ってお伺いしたいと思います。

 ありがとうございました。

山下委員長 次に、川裕一郎君。

川委員 参政党の川裕一郎です。よろしくお願いいたします。

 まず、質問に入る前に、ちょっとお伝えしたいことがありまして、総理は奈良出身、選出ということで、私自身も奈良とは御縁がありまして、奈良の東大寺の関係者の方々と御縁があり、毎年八月七日には大仏殿で、大仏様のお身拭いに伺っております。もう二十年以上行っているんですけれども、そこで大仏様のお体を磨きながら自分の心も磨き、そして少しは徳も積んでこられたかなというふうに思っております。

 何を申し上げたいかといいますと、是非とも前向きないい答弁を期待しまして、質問に入らせていただきます。よろしくお願いいたします。

 まず冒頭に、本法案に対する基本的な立場を申し上げます。

 我が国のインテリジェンス機能を強化をし、そして国民の生命と財産、領土、領海、領空、そして主権を守る体制を整えること自体に、参政党としても賛成であります。異論はありません。

 しかし同時に、私たちは、情報の扱い方一つで国家は国民を守る存在にも、国民を支配する存在にもなり得る歴史を知っています。

 今日は、個々の条文解釈というよりも、高市政権がどのような認識と政治哲学を基に国家情報会議、戦略構想を進めようとしているのか、その根本を伺いたいと思います。

 まず、この法案は誰を対象にし、誰を守る法制なのかという線引きであります。

 参政党のスパイ防止法案は、国民の言論や市民活動を監視する法律ではなく、外国勢力に仕える者をあぶり出す法律であります。でなければならないという哲学があります。守るべき対象は日本国民であり、制約の対象は外国に操られたスパイ活動にあるという線引きを思想レベルで明確にすることが重要だと考えます。

 ここで、お聞きします。

 国家情報会議設置法案、そして今後検討されるスパイ防止関連法制は、まさに誰を守り、誰を対象とする制度なのか。加えて、これらの法律は、国民ではなく、外国勢力に仕える者を対象とし、正当な言論や市民活動を決して抑圧しないという原則を明確に打ち出すお考えであるのか。高市総理の考えをこの場で明確にしていただきたいと思います。

高市内閣総理大臣 この法案は、昨今の複雑で厳しい国際環境において、インテリジェンスの司令塔機能を強化して、国民の皆様の安全と国益を守っていくことを目的とするものでございます。

 この点については、国家情報会議の所掌事務が、重要情報活動、すなわち、安全保障の確保、テロの防止、緊急事態への対処といった我が国の重要な国政運営に資する情報の収集調査活動と、外国情報活動への対処、すなわち、外国の利益を図る目的で我が国に対して行われる官民の秘密の取得活動への対処に関して調査審議を行うものであることからして明らかだと思っております。

 これから進めていかなければならない様々なインテリジェンス施策は、あくまでも国民の皆様の安全や国益を確保するためのものであり、正当な言論や市民活動を抑圧するものではないということは明確に申し上げます。

川委員 この法案の先にあるインテリジェンス政策ですし、是非とも、今総理がおっしゃったとおり、国民のためのものになるよう、全力で頑張っていただきたいというふうに思います。

 次に、外国勢力との結びつきの構造をどう捉えるかという点です。

 参政党案では、外国政府や外国組織の指示あるいは資金提供を受けて、選挙や政策決定、さらには世論形成に影響を与える活動を行う者に対し、その活動内容や資金の流れを届出、報告させる仕組みを提案をしています。無届けの場合には罰則も視野に入れるというものです。これは、個々人の違法行為にとどまらず、外国勢力に仕える活動の構造を可視化をし、国民の監視に委ねるという発想であり、極めて重要な視点だと考えます。

 一方で、日本では、現在、マイクロソフト社による一兆六千億規模のAI投資受入れなどが進められ、クラウドや生成AIの基盤が、特定の海外のビッグテック企業とその本国法制に深く結びつく形で構築されつつあります。短期的にはデジタル競争力を高める効果がある一方で、国家情報会議が扱う機微な情報や官民の重要なデータが構造的に海外企業や外国法制の影響下に置かれる、情報主権の問題でもあると考えております。

 ここで、お聞きします。

 個々のスパイ行為の取締りにとどまらず、国家の情報基盤そのものが特定の外国企業そして外国法制に過度に依存することが長期的な安全保障リスクになり得るという視点を、インテリジェンス・スパイ防止関連法制の中でどのように位置づけられるのか。また、国家情報会議及び国家情報局が扱う機微情報の管理に当たって、外国企業や外国法制への過度な依存を避ける原則を設けているのか。加えて、国家のインテリジェンス基盤について、国内で主権的に統制可能な構成を重視すべきと考えますが、その視点について、総理の認識をお伺いします。

高市内閣総理大臣 まず、外国情報機関による非公然活動の実態把握や取締りを徹底するだけではなく、川委員が御指摘くださったように、政府内における機微な情報のデータ管理やその他の情報活動の基盤整備について、我が国政府の責任において、システムや制度の選定と設計、リスクの低減と排除を行っていくことは非常に重要です。政府のインテリジェンス施策という観点からも、十分に留意していくべき点だと私も考えます。

 国家情報会議や、その事務局となる国家情報局における機微データの管理については、仮に、外国企業の提供するセキュアなサービスや情報基盤を活用するといった場合であっても、情報保全上の最終責任は、当然ながら、我が国政府が負うものでございます。厳格なチェックを行い、開発、運用の両段階で万全の措置を講じてまいる考えでございます。

 その際には、委員の御指摘の問題意識も十分に留意をいたします。データ主権という考え方は、私は、大変今重視しているところです。

川委員 是非とも期待をしたいと思います。

 時間になりましたのでこれで終わりますが、今回、この法案は、子供たち、また孫の世代が、この法案は将来的に当たり前のことになると思います。そのことをしっかりと肝に銘じながら、私自身も頑張っていきますので、いい法案ができることを、一緒に頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 ありがとうございました。

山下委員長 次に、高山聡史君。

高山委員 チームみらいの高山聡史です。

 本日は、総理に、国家情報会議設置法案に関連して、インテリジェンス機能を支える専門人材の確保について伺います。

 おととい、四月十五日の内閣委員会における質疑で、私は、海外の先進AIモデル、具体的にはアンソロピック社のクロード・ミュトス・プレビューというモデルの能力がサイバー分野の熟練した専門家の能力を凌駕する、こういった事例を取り上げました。このAIモデルは、僅か数週間で主要なOS、ウェブブラウザーについて数千件もの脆弱性を発見したと言われています。

 このように、大規模なサイバー攻撃の脅威が世界的に高まりを見せて、実際に、このAIモデルが発表された四月七日に、アメリカでは即日、その後の五日間でカナダ、イギリスでも相次いで、財務省や中央銀行のトップが大手金融機関の幹部を緊急招集して対応を協議するという事態になっています。

 こうした先進AIモデルの能力を適切に評価して、引き起こされる様々な影響を読み解く分析は、従来の情報分析官の訓練体系にはなかなか存在しなかった技術的な知見を要するもので、国家情報局の人材要件は、これまでとは非連続的に異なる水準のものが求められる、そういった問題提起をいたしました。

 これに対して木原官房長官からは、先進AIモデルの最新動向や引き起こされる様々な影響について、まず情報機関が適切に把握することに大きな意義がある、そして、これからの情報機関にはAI技術に詳しい専門人材も必要となってくるという明確な御答弁をいただきました。

 本日は、総理に、本件に関する御認識を伺いたいと思います。

 官房長官が示されたこの御認識に関して、政府全体の方針として確立をし、国家情報局の発足に当たって、従来とは非連続的な取組で専門人材の強化を進めていくことが必要ではないかと思います。人事制度、処遇そして予算面など様々ハードルはございますが、AI技術の理解がなくては国家の安全そして国益を守れない事態になっていると思います。

 様々あるハードルを総理のリーダーシップでどのように越えていくか、その覚悟といったものをお聞かせいただけないでしょうか。

高市内閣総理大臣 私自身も、急速なAIの進化がもたらす脅威というのは、我が国の防衛、経済安全保障、サイバー空間を通じた影響工作など、今、様々な分野にまたがっていると認識しています。そうした内外の最新の技術動向を的確に把握して、適時に必要な対応を取っていくということのためには、インテリジェンス関係機関にもAIなどに関する専門的知見を備えた人材を確保するということが必要でございます。

 AIを始めとする先端技術で先行する民間企業の待遇面などを踏まえると克服すべき課題もありますけれども、それでも、やはり、政府における専門人材の確保についてはスピーディーに前向きに検討していきたいですし、我が国にとってとても大切なことだと考えております。

高山委員 ありがとうございます。大変前向きな御答弁をいただけたと思います。

 アメリカに目を向けると、既にそういった技術人材の登用ということはかねてから進んでおるというところであると思います。例えば、米国のインテリジェンスコミュニティー全体の最高情報責任者、ICCIOというポストは、二〇〇四年に立法によって設置されて、情報機関全体のITを統括している。また、二〇二二年には、米国中央情報局、CIAがシリコンバレーでも複数の企業を創業してきたような起業家をCTOとして登用する。そういったまさに非連続的な動きもされています。

 我が国においても、そういった、技術の専門家のカウンターパートとなれるような人材がインテリジェンス部門にも必要であると思いますので、是非強力な推進をお願いできればと思います。この組織設計、人事に関して、本法案の設置後どのように取り組んでいくお考えか、総理のお考えを聞かせていただけないでしょうか。

高市内閣総理大臣 今のAIなど専門人材ということについて、今はまだ決定していることはないのですが、今、各インテリジェンス機関を見ておりまして、私が強く持っている問題意識、また、既に指示したことも含めて申し上げますと、やはり、中途採用も含めて優れた人材を獲得する、これは年齢制限があったりするんですが、そういうことに関係なく、能力主義で採用する。そしてまた、研修期間がありますよね。でも、その研修の方法も、その他の仕事をする人と、専門的にAIなどの技術を持って対応する人は分けてもいいんじゃないか、また、俸給表なども柔軟に考えてもいいんじゃないか、そういった問題意識は持っております。

 いましばらくお時間を下さい。

高山委員 ありがとうございます。大変踏み込んだ御答弁をいただいたと思います。

 引き続き、この件、議論させていただきたいと思います。

 以上で私の質問を終わります。

山下委員長 次に、塩川鉄也君。

塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 国家情報会議設置法案について、高市総理にお尋ねをいたします。

 総理は、本法案の本会議質疑の答弁で、各省庁が行う情報活動は所管の大臣の下、適切に行われていると述べておられましたが、実際には、過去何度も違法な活動が行われてまいりました。

 その一つが、自衛隊情報保全隊の市民監視事件であります。米国のイラク戦争が始まった二〇〇三年、イラク戦争に反対し、イラクへの自衛隊派遣に反対する市民の活動を監視をし、情報収集をしていた事件であります。市民のプライバシー権を侵害し、表現の自由を侵害する、この人権侵害が問われ、仙台高裁判決において違法の判決が行われました。防衛省として上告せず、違法の判決が確定したものであります。

 総理にお尋ねしますが、このような人権侵害が違法とされた情報保全隊市民監視事件について、政府として、このプライバシーの侵害が認定された原告当事者に対して謝罪はされたんでしょうか。

高市内閣総理大臣 自衛隊の情報保全隊による監視活動の停止を求めた裁判について、平成二十八年に、仙台高等裁判所は、プライバシーの侵害を理由に、国に対して損害賠償の支払いを命じる判決を言い渡しました。このような司法による判断を厳粛に受け止めて、情報保全隊が防衛省・自衛隊の所掌事務、任務の範囲内で関係法令に従って適切な方法で情報収集などに努めるよう、改めて徹底してきていると承知をしております。

 このプライバシー侵害が認定された原告一名に対しては、司法の判断を尊重し、既に賠償金十万円の支払いを完了したと承知しております。

塩川委員 賠償金は払いましたと。であれば、謝罪もされたんでしょうか。(木原国務大臣「委員長」と呼ぶ)総理、総理。

山下委員長 いや、事実関係ですから。木原官房長官、簡潔に。

木原国務大臣 司法判断を尊重して、もう賠償金をお支払いをしております。

 情報保全隊というのが、これが防衛省の所掌事務あるいは任務の範囲内で関係法令にのっとった適正な方法で情報収集を行うように徹底しております。(発言する者あり)

塩川委員 この時間ですから。

 そもそも、このように違法の判決が下された、違法と断定されたにもかかわらず、謝罪をしていないんですよ。こういう姿勢で、今このような法案の審議が行われているところであります。謝罪がない、だから反省もない。違法な活動に謝罪も反省もないまま、今回の法案では、自衛隊を始め、内閣と情報機関との連携強化、一体化を推進するものとなっており、市民監視、人権侵害の拡大につながるものと言わなければなりません。

 イラク戦争に関わっては、日本政府は、このイラク戦争における大量破壊兵器の保有という情報が誤っていたということを認めていないという問題もあるわけであります。情報の誤りを認めず、アメリカに説明も求めない。こんなことでは、今後、間違った情報で始めたアメリカの戦争に対して、アメリカの情報をうのみにしたまま、その戦争を支持するようなことになるのではありませんか。

高市内閣総理大臣 イラク戦争に関することについては御通告はいただいておりませんけれども、国家情報局を設置したいというのは、今までよりも高度に、そして効率的に情報を幅広く収集するということ、この重要性がありますからこそ、この法律案を提出しているわけでございます。

 正確な情報がなければ、正確な政策判断もできません。しっかりとした手続をもって情報収集活動を正確にしてもらう、そういう組織にするべく、しっかりと対応してまいります。

塩川委員 正確な情報と言いますけれども、情報が間違っていた、イラク戦争における大量破壊兵器はなかったということについて、日本政府はそのことを認めていないんですよ。そういうことで、どうして、まさに正しい情報云々、正確な情報云々ということがそもそも言えるのか。こういった間違った情報に基づいてアメリカの戦争を支持する。

 そういう点でいえば、違法な人権侵害の市民監視の活動に反省も謝罪もないに加えて、イラン戦争のようなアメリカの無法な戦争につき従って、自衛隊の海外派遣など、日米一体の戦争国家づくりに反対する市民を監視をし、人権侵害を拡大することになる、情報機関の強化を図る今回の法案には断固反対であり、廃案をすべきだということを申し上げて、質問を終わります。

山下委員長 これにて内閣総理大臣出席の下の質疑は終了いたしました。

 内閣総理大臣は御退席いただいて結構でございます。

 質疑を続行いたします。西田薫君。

西田(薫)委員 先ほどの休憩といいますか中断の後を受けまして質問させていただきたいと思いますが、二分ですよね。

 先ほど、あくまでも今回の法案というのが第一歩である、スタートである、スタートにすぎないというような趣旨で質問をさせていただいておりました。そして、御答弁も十時までに終わってくださいということで申し上げましたので、短い御答弁だったのかなと思いながらも、もしまだ続きがあるのであれば、この間に御答弁いただいても結構ですし、補足説明があるというのであれば、していただいても結構です。ないんだったらないで結構ですが。(発言する者あり)はい、分かりました。

 それでは、もう多分質疑応答というのは難しいかと思うんですが、改めて私の思いを申し上げさせていただきますと、やはり、この法案というのが、国家国民、生命財産をしっかり守っていくというために今回のこの法案があるというふうに思っております。

 そういった中で、いろいろ懸念をされている皆さんもいらっしゃいますし、やはり、憲法の保障する国民の自由、権利、そしてプライバシーが侵害される、これは絶対あってはならないと思います。しかし一方で、そこを重んじるばかりに、本来取るべき情報がしっかり取れなかった結果、国民の皆さんが大きな犠牲、被害に遭うということは、これは絶対にあってはならないというふうに思っております。

 特に、外国勢力は、我が国のインテリジェンス機関、これを構築するというのは猛反対しているかと思うんですよね。だから、逆に言うと、しっかりとつくっていかないといけないというふうに思っておりますので、しっかりと国家国民の生命財産を守っていくんだという気概を持ってこれからも頑張っていただきたいということをお願い申し上げて、私の質問を終了とさせていただきます。

山下委員長 次に、森ようすけ君。

森(よ)委員 国民民主党の森ようすけでございます。

 先ほどの総理の質問に続きましてお伺いしていきたいんですが、まず、官房長官に、先ほどの続きから一点お伺いさせていただきたいと思います。

 先ほどの総理の答弁の中で、毎年の情報公開、公表について一定の方向性が示されたんだというふうに捉えております。(発言する者あり)示していないですかね。まあ、検討してくれるというふうなことは言っていただけました。

 私も、さっき質問させていただいたとおり、国家情報戦略という中長期的な方針については、数年に一度でも、改定するたびでいいんだと思います。ただ、それと併せて、日々の運用に関わることを別途毎年公表していくということが非常に欠かせないんだというふうに考えております。

 これはやはり、国民の理解であったり、そうした懸念払拭を進めることこそが、次のインテリジェンス施策を進めていく上で、更に充実した施策を進めていく上で国民の理解が必要だというふうに捉えていますから、是非、こうしたことを毎年公表していただきたい。

 これをこのタイミングでやりますというのは難しいと思うんですが、仮に、この法案が成立して、国家情報会議、国家情報局という組織が立ち上がって、実際に運用をしていくわけだと思います。運用していく段階において、しっかり毎年公表した方がいいのではないか、やはり必要ないのではないか、こうしたことを是非前向きに検討いただきたいんですが、そうした点について、官房長官、いかがでしょうか。

木原国務大臣 先ほど総理も答弁をさせていただきましたが、私としても、政府が行う情報活動の意義や重要性については国民の皆様の理解を深めるとともに、その在り方についての検討が行いやすくするようにすることは重要であると認識しています。

 いずれにしましても、政府が行う情報活動の実施状況やその成果としての脅威評価などに関しては、総理がおっしゃいました、業務上の支障が生じるおそれがあるものを除き、国会からのお求めに対するものも含めて、今後も適切に御説明するとともに、公表可能なものがあれば公表してまいりたいと総理がおっしゃいました。現時点で確固たることを私が述べる段階には今ないですが、総理がそういう指示を出されましたので、具体的に今後検討していきたいと思っております。

森(よ)委員 御答弁いただきありがとうございます。是非前向きに検討いただきたいと思います。

 さっきも話しましたが、情報の秘匿性と透明性のてんびんのバランスだと思います。なので、秘匿性が必要なものがもちろんあるのは重々理解しておりますので、公開できるものについては、できる限りというか、しっかり公表していく、加えて、毎年やっていくということを是非御検討を前向きにしていただければと思います。

 国家情報戦略本体の方の質問をさせていただきたいんです。

 これも水曜日、御質問させていただいたんですが、この国家情報戦略、仮称ではありますが、具体的にまだ中身が定まっていませんと。そこも含めて検討していくんですが、国家情報戦略の決定主体として閣議決定をするのかどうかというところを問うたところ、基本的にそこも含めて検討するという形ではあったんですが、その答弁の中身として、国家安全保障戦略との対比で御答弁いただきました。その際には、この国家安全保障戦略は全省庁が従うべき規範的なものが含まれているため閣議決定をしているというような御答弁をいただきましたが、これは国家情報戦略においても同じなんだと思います。

 国家安全保障戦略も全省庁的に関わるのであれば、国家情報戦略、まさにこの情報の方も、もちろん構成されている委員を見ると入っていない省庁もあるんですが、そこの入っていない省庁が関係ないかというと全くそんなことはなくて、全省庁横断でこうしたインテリジェンス、情報収集、分析というのは進めていく必要がありますので、やや答弁が矛盾しているような印象があったんですが。是非、この国家情報戦略についても同じように、閣議決定をした上で発表していくということが望ましいと考えますが、いかがでしょうか。

岡政府参考人 閣議決定をするかどうかということについて、私どもは決して閣議決定に消極というわけではございません。ただ単に、記載事項が定まっていない中で、果たしてインテリジェンスコミュニティー内の各省庁に関わる事柄を専ら記載するものになるのであれば、やはり新設会議の決定のみで十分であろうというふうに考えられますし、他方で、内閣全体の意思として定めておくべきものと判断された場合には、国家安全保障戦略と同様に閣議決定することも考えられますので、時期が到来すれば、そこは適切に、かつ先入観なく考えてまいりたいというふうに思っております。

森(よ)委員 御答弁ありがとうございます。

 記載内容の詳細が決まっていない中で公表しますというのは、何かすごい怖いなと思っているんですが。ちょっとこの国家情報戦略に具体的にどういったことを書くのかというところをもう少しお伺いしたいと思います。あと、法律三条に基本的な方針というものもありますけれども、こちらも含めて何を書くのか、そこについてお伺いしていきたいんですが。

 先週の質疑でお伺いしたときに、私たちが懸念していると従来から言っている個人情報、プライバシーへの配慮、そして憲法に保障されるような国民の権利と自由に影響が出ないのか、そういったことを含めないんですかというふうに問うたところ、活動推進上留意すべき事項を書くことも考えられなくもないというような御答弁をいただきました。

 ここで言及いただいた活動推進上留意すべき事項というのは具体的にどういったことを指しているのか、そして、それを国家情報戦略に書くのか、それとも法律三条の基本的な方針に書くのか、そこも含めてお願いします。

岡政府参考人 お答えいたします。

 繰り返しで恐縮なんですけれども、ちょっとまだ定まっていない中でのお答えになりますので、その点はちょっとお許しをください。

 まず、活動推進上留意すべき事項を書くことも考えられなくもないというふうに御答弁申し上げましたけれども、イメージできますのは、例えばですけれども、各関係機関相互の連携協力などに関しましては、一般論にとどまる限りは公表できる範囲もあると思いましたので、それについては、具体的な連携協力の要領については書けないまでも、その精神というか、ドクトリンについては何らか記述することができるかもしれないというふうに考えております。

 また、御指摘のあった憲法的価値観のような事柄につきましても、どの程度の、後藤委員にもお答えしたとおり、既にたくさんの定めがある中で、重ねてどれぐらい書くべきかということについては本当にまだ定まった考えはございませんが、書けるのか書けないのかといえば、書くことも想定はし得るというふうな趣旨で御答弁申し上げました。

 その上で、基本的方針なのか戦略文書なのかという包含関係ですけれども、その辺り、重なり合っているものでございまして、国家情報会議におきまして調査審議することとされている基本的な方針を、例えば重点はさすがに書かない、公表はしないと思うんですけれども、何かしら、推進すべき基本的な方策については、基本的な方針でもあり、公表文書に掲載することもあり得ますので、その辺りの包含関係については、そういった趣旨で御理解いただきたいと思います。

森(よ)委員 是非、懸念事項も含めて盛り込んでいただきたいと思います。

 そして、本日は、国家公安委員長も御出席いただき、ありがとうございます。

 何点かお伺いしていきたいんですが、まず、インテリジェンスの体制強化を進めていく上で警察庁が担う役割というのは極めて大きいと感じております。インテリジェンスコミュニティーの中で、様々ございますが、その中で、警察庁の役割というところを、まず基本的なところをお伺いしていきたいんです。

 今回の法案で組織の格上げが行われます。加えて、今後更にインテリジェンス機能を強化していく方向性というのが政府において示されているわけですけれども、そうした中で、警察庁がこれまで担ってきた役割、そして今後こういうふうな役割を担うべきなんだろうか、こうしたことについて、もしお考えがあれば、お願いいたします。

あかま国務大臣 これまで、また、法案が通った後という話だと思いますけれども、まず、警察、これは、公共の安全と秩序の維持、そういった責務を果たすための必要な情報収集及び分析を行っているところであります。情報コミュニティー省庁の一員として、内閣情報調査室を始めとする関係機関と緊密な連携を保ちつつ、情報の収集、分析に当たっているというふうに承知をしております。

 今後担うべき役割という話にあって言えば、警察としては、今後もその責務を的確に果たすこと、これが求められるんだろうというふうに思っております。

 国家情報会議が設置された場合には、テロ対策また対日有害活動の防止等を担う立場から、重要情報活動又は外国情報活動への対処に関する情報であって同会議の調査審議に資するものを適宜適切に提供することとなるものと思っております。

森(よ)委員 適宜適切に情報提供していくというような御答弁が最後ありましたが、今回の組織の格上げによって具体的に何が変わるのかというところをお伺いしたいんですが。

 これまでにおいても、内閣情報会議というのがあって、そこには警察庁の長官が構成員として入っておりました。実際に、今の法案に記載されているような情報提供の依頼があったときに、必ず受けないといけない、必ずではないかもしれませんが、受けないといけないという規定が現状ないわけですから、そこまで義務的に情報提供をしていなかったのではないか、そうしたこともあるかもしれないんですが、基本的に、官房長官が議長なわけですから、警察庁に対して、こういった情報を提供しなさいよというふうな指示があったときに、断っていたと余り思えなくて、何というか、今回新しく組織の格上げをして、そうした情報提供、資料提供の規定が設けられたことによって具体的に何が変わるんですかというところがなかなか見えないところ、まさにこれが立法事実につながってくると思うんですが。

 二つ目と三つ目の質問を今まとめてお伺いをしておりますが、国家公安委員長、警察庁を見ている中で、実際にこの法案が仮に成立すると、これまでできていなかったことができるようになる、逆に、これまでしたくなかったことが、せざるを得なくなるという言い方が正しいのかもしれないんですが、そうしたところについて、この法案の効果をどのように考えているのか、お伺いできますでしょうか。

あかま国務大臣 まず、四月の二日の衆議院本会議における審議における高市総理からの答弁でございますけれども、ここにあっては、御指摘の内閣情報会議を閣僚級に格上げすることによって、政治のリーダーシップをより一層発揮しながら、新たに政府全体の情報活動に関する基本指針などを定めて、先ほど来話のあるとおり、いわゆるインテリジェンス機能をより一層向上させるという話であります。

 国家情報会議が設置された場合でございますけれども、テロ対策、対日有害活動の防止等を担う警察を指導する立場である国家公安委員長、私でございますが、国家情報会議の構成員の一人として、国家情報会議における調査審議に確実に、着実に貢献してまいりたいというふうに思っております。

    〔委員長退席、中根委員長代理着席〕

森(よ)委員 何が変わるのかというのがやはりしっくりこなくて、法案ができたことで着実に貢献していくということなんですが、今も貢献していると思うので、何というか、法律ができたことによる何かの変化、そして立法事実というところがやはり見えてこないというのが個人的な印象ではあるんです。

 最後、お伺いしたいのが、懸念がやはり大きいんですね。特に、警察庁が持っているような、これまで収集していた情報を、本来の目的とは違うところで目的外に必要以上に使われるのではないか。特に、総理から、議長からお願いがされて、資料、情報の依頼がされたときに、例えば個人情報の観点であったり職務の規定であったり、様々な規定があります、そうしたものに反するような依頼があったときに本当に断ることができるのかというところが、やや疑問に感じているところであります。

 そこでお伺いしますが、実際に、そうした個人情報であったりプライバシーの侵害に係るような情報提供の依頼が総理からあったときに、明確にしっかり断っていただけるのか。そうした判断について、運用について、お伺いできますでしょうか。

あかま国務大臣 警察が国家情報会議に対して資料又は情報を提供するに当たってでございますけれども、個人情報保護法等の関係法令を遵守すること、これは当然であるというふうに認識しております。それを前提として、当該お求めの内容に応じた資料又は情報の提供を検討していくものと承知をしております。

森(よ)委員 実際にそういうお願いがあったときはどうされるんですか。断ってくれるんですか、ちゃんと。

あかま国務大臣 今お答え申し上げたとおり、その求めの内容に応じて、その提供を検討していくということでございます。

森(よ)委員 いまいち断言していただけないのが少し不安ではあるんですが、ありがとうございます。

 質問は変わりまして、内閣調査室の現状の組織体制についてお伺いをしていきたいと思います。

 国家情報局ができることになって、やはりいろいろ、人員の強化であったり所掌の範囲であったり、より強固なインテリジェンスの情報収集、そして分析をしていく必要があるので、その現状を今お伺いしていきたいんですが。

 細かくちょっと教えていただきたいんですけれども、内閣調査室の定員と実数、これはこれまでの答弁で、定員は五百三十七人、実員が七百三十人というような御答弁もいただきましたが、そのうち、内閣調査室採用のプロパーの職員、そして中途採用の職員数、そしてプロパーの採用のうちの一般職と総合職の内訳、他省庁からの出向者の人数、省庁別の人数、ちょっと細かいんですが、お願いいたします。

岡政府参考人 実員七百三十名のうち、プロパー職員は二百四十名でございます。この二百四十名のうち、他省庁からの転籍者も含める中途採用者は七十名おります。内調の新卒採用は現時点で全て一般職でございます。各省庁からの出向者は、実員七百三十名のうち四百三十名でございます。

 多い順に出向元を申し上げますと、警察庁が百八十名、防衛省が百名、外務省が五十名、法務省が四十名、国土交通省が二十名、財務省が約十名などです。十名未満の省庁は割愛させていただきますが、おおむね、それぞれの省庁の情報部門の規模に応じた人数になっているんだろうというふうに考えております。

森(よ)委員 御答弁ありがとうございます。

 やはり気になったのが、プロパー採用のうち総合職の採用の方が一人もいないということなんです。もちろん、総合職だからどう、一般職だからどうというわけではなくて、やはりこれはゼロ人というところが非常に気になります。

 特に、今後組織を格上げしていくに当たって、やはり、他省庁からの出向者も大事なんですが、国家情報局、いわゆるインテリジェンスに特化した、そして、様々、サイバーも含めて、情報戦も含めて、範囲が広くなっているわけですから、そうしたことについてしっかりといろいろな分野を見ることができるプロパー職員を育てていく、採用していくということが非常に重要なことだと思います。

 そこで、ちょっと更問いにはなってしまうんですが、現状、総合職採用がゼロ人というのは、具体的な理由というのがあるんでしょうか。加えて、もし情報があれば教えていただきたいんですが、一般職の採用のうち、事務系と理工系の人数、もし情報を持っていたらお願いいたします。

岡政府参考人 先に後者のお尋ねにお答えしますと、今年四月に入ってきた新人のうち、約三割が技術系でございます。

 その上で、プロパー職員がなぜ一般職なのかということですけれども、過去の経緯はちょっと私どもよく存じていないんですけれども、審議の中で御答弁差し上げているとおり、昔は、内調というのは、内閣官房全体としては総合調整を行っている中で、情報収集という事務に特化した組織であったために、総合職採用者に特に求められる企画立案業務を正面から所掌していなかったものですから、そういう具合になっていたんじゃないかなと想像いたします。

 ただ、今後は、今後といいますか、新法をもしお認めいただいた場合には、企画、調整業務というものが加わりますので、それにふさわしい人材構成を考えていきたいというふうに考えております。

森(よ)委員 ありがとうございます。過去の経緯もいただきながら、御説明をありがとうございます。

 まさに企画立案のところが重要な機能になってくるわけですから、採用方針であったり、組織としてどうしていくのか、こうしたことをより重点的に検討していくことも必要なんだと思います。やはり、組織格上げに当たり、業務自体が高度化するとともに専門化していくわけですから、それぞれ人材も適した形にしていかないといけないと考えております。

 そこでお伺いしますが、総合職も含めた採用であったり、あと職種の多様化、事務系が七割、理工系が三割というふうにいただきましたが、こうした職種を多様化していくこと、そして、出向者が多くを占める中で、プロパーの比率を向上させていくこと、こうしたことを一つ人員強化の方針としては考え得る方向性だと思うんですが、こうした採用方針、人員の方針、その点についてお考えをお聞かせいただけますでしょうか。

岡政府参考人 高度化、専門化に対応するという課題は、まさにそのとおりでございまして、私ども強く認識しております。

 職種の多様化について申し上げると、まず、採用の段階において、文系、理系の区別など一切行っておりませんし、実際に様々な学部・学科から、うちを選んでいただいております。その上で申し上げると、相対的ではございますけれども、やはり理系人材の確保というのはなかなか難しゅうございまして、こちらが望んでも確保できるのかということについては別でございます。

 いずれにしましても、長期間継続して同種の業務に専従することのできるプロパー職員の比率というのは高めていきたいというふうに考えておりますし、また、企画立案業務を円滑に処理できる人材育成というのも考えてまいりたいというふうに考えております。

    〔中根委員長代理退席、委員長着席〕

森(よ)委員 ありがとうございます。

 もちろん、望んでいる人が来てくれるか分からないというのは人材採用の一番苦しい苦労だと思うんですが、望んでいる人が来ていただけるような処遇であったり働き方であったり、そうしたことに頭を悩ませながらやっていくというのが運用においては重要だと思うので、そうしたところは是非お願いをしたいと思います。

 官房長官に最後お伺いをさせていただきたいんですが、今は内閣調査室、国家情報局の中の話をしておりましたが、インテリジェンスに関わる人材というのはより多岐にわたる、各省庁にも属されているというわけなんですが、安全保障環境が緊迫化している中で、インテリジェンスに関わる従事者の安全確保であったり、そして適切な処遇の確保、こうしたことを進めていくことが必要だというふうに捉えております。

 とりわけ、人的情報に関わるところは、実際に危険な、安全ではない国や現場に赴いて情報収集に努める方もいらっしゃるわけですから、そうした方の安全確保、そして、万が一の際の保護であったりとか補償を行う仕組みというものを構築していくことが情報収集を強化していく上では必要なことなんだと思います。

 インテリジェンス人材が安心して職務に専念することができるためにも、そしてインテリジェンス人材を確保していくためにも、こうした従事者の安全確保、そして処遇改善策、確保策の検討を進めていただきたいんですが、その点、いかがでしょうか。

木原国務大臣 今、委員から重要な御指摘をいただきました。

 例えば、外国における情報活動への従事であったり、懸念組織を対象とした人的活動、ヒューミント活動といった、危険にさらされる可能性のある任務は多くあると思います。こうした最前線で活躍する職員の安全確保対策、これを的確に講ずることはインテリジェンス業務運営上の基本中の基本である、そういう認識を持っています。

 また、危険や困難に見合った処遇の確保も、今後、インテリジェンス業務を政府全体で充実強化していく中で実施していかなければいけない課題であり、採用の話もございました、優秀な人材の確保、そういう視点も踏まえると、やはり安全確保対策と併せて、この点はしっかりと検討してまいります。

森(よ)委員 ありがとうございます。

 本人ももちろんなんですが、家族であったり、そこも含めてしっかり安全を担保していくということが、政府の取組において重要だというふうに考えております。

 本日、様々御質問させていただきましたが、まだ週明け、質問も続きますので、引き続き、国民に対して分かりやすい発信と懸念の払拭ができるような、そんな質疑に努めてまいりますので、引き続きよろしくお願いいたします。

 ありがとうございました。

山下委員長 次に、川裕一郎君。

川委員 参政党の川裕一郎です。よろしくお願いいたします。

 私は、国家情報会議設置法の議論を、単なるスパイ対策の強化や、省庁横断の情報共有といった技術論にとどめてはならないと思っています。問われるのは、日本という国を誰がどの価値観で何のために守るのか、そして、その過程で、本来主役であるはずの国民がまた置き去りにされてしまうのではないか、この根本的な危機感であります。

 私は、行き過ぎたグローバリズムに強い問題意識を持っています。国家情報会議という新たな司令塔が、国民の知らないところで情報を握り、国民の知らないところで物事を決める装置になってしまうのであれば、それは、日本を守るどころか、日本の民主主義と共同体を壊すことになりかねません。

 この観点から、本日は、国民の安全、安心を最前線で預かる警察を所管される国家公安委員長に対して順次質問をさせていただきます。

 まず第一に、誰を、何を守るのかという点であります。

 これまでの安全保障や治安政策の議論を見ていますと、どうしても中央省庁や大企業、都市部のインフラといった目に見えやすい対象が優先されがちであります。しかし、私たち参政党が守りたいものは、地方で家族とともに暮らし、地域社会を支え、次の世代を育てている一人一人の日本人の生活と命であります。

 ここで、国家公安委員長にお聞きをします。

 国家情報会議が扱う情報及びその優先順位の中で、地方における治安悪化、子供や若者が巻き込まれる犯罪や薬物の拡散、そして、近年深刻化する外国勢力による地域社会への影響工作、地域の中の中小企業や一次産業、重要技術分野への浸透、さらには、地域インフラやサプライチェーンを狙う脅威など、こうした足下の脅威をどのように位置づけてお考えでしょうか。また、それらに対応するために、警察庁に対して、どのような問題意識を持ち、どのような指示を出していかれるのか、御答弁をお願いします。

あかま国務大臣 今、委員の方で、足下の脅威という話がございました。

 これに当たっては、国家情報会議の運用部分、いわゆるどのような優先順位という話であるならば、その意味にあっては私の所管外にありますので、国家公安委員会委員長としての答弁は差し控えさせていただきますが、ただ、治安上の課題ということについて申し上げさせていただくならば、我が国の犯罪情勢、これは厳しい状況にあるという認識でございます。

 より具体的に申し上げると、平成十五年から令和三年まで一貫して減少してきた刑法犯の認知件数が、令和三年から四年連続で前年を上回る。さらには、昨年は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大前である令和元年を上回る状況になっている。中でも、匿名・流動型犯罪グループのいわゆる特殊詐欺を始めとした多くの事案、これらが関与して、その収益を資金源としている実態がある中、令和七年中の詐欺の被害が四千億円を上回る極めて深刻な状況にあります。

 そういった中で、国家公安委員長としては、こういった様々な治安課題、これらに対処するため、関係省庁等と連携を深めつつ、警察機能を最大限に発揮して国民の期待、信頼に応えていく、また、いわゆる治安の安定化に努めていくよう警察を指導しているところでございます。

川委員 国家情報会議が扱う情報の優先順位は答える立場にないということでありましたけれども、その中でも、足下の脅威にしっかりと対応していくということでありましたので、是非とも、地域住民、そして子供たちが守られる、そういう社会をつくっていただきたいと思います。

 次に、グローバル勢力と日本、治安、主権との関係であります。

 近年、治安や警察の分野にも、国際機関や海外の大企業、いわゆるグローバルなNGOが関与する場面が増えています。国際基準やグローバルスタンダードの名の下に、日本の歴史、文化や国民感覚からかけ離れたルールが導入されることに、参政党として強い懸念を持っています。

 ここで、お聞きをします。

 国家情報会議の議論や方針決定において、外国政府や国際機関、企業の動向がどのように入り得ると認識をされているのか。また、会議に部外者を参加させる際の基準。外国由来情報の出どころの管理。そして、日本の法秩序、憲法、国益に基づく判断を制度的にどう担保されるのか。あわせて、国家公安委員長として、日本の治安、警察の在り方を、国際社会の圧力ではなく、国民の安全と価値観を軸に守るという原則を明確にお示しいただきたいと思います。

あかま国務大臣 国際社会の圧力でなく、国民の安全と価値観を軸に守るという話にあって、国家情報会議の運用という側面、これにありましたら私の所管外でありますから、この国家情報会議における議論だとか方針決定については、国家公安委員長としては答弁を差し控えさせていただきます。

 ただ、その上で、良好な治安、これを守る、確保する、このことは政府の重要な責務であること、これを十分承知した上で、社会情勢等が大きく変化している、そうした中で、犯罪対策をより強力に推進して、世界一安全な、安心な日本を実現するため、警察を引き続きしっかりと指導してまいりたいというふうに思っております。

川委員 是非、国民の安全と安心、その価値観を大切にいただきながら対応いただきたいと思います。

 第三に、国民の分断を利用する勢力についての警戒であります。

 参政党は、コロナワクチン、エネルギー、食、教育、様々なテーマで国民同士が対立をさせられ、分断されてきた現状に強い問題意識を持っています。今後、認知戦や情報工作の一環として、日本人同士を対立させ、家族やコミュニティーを分断させるような動きが国内外から意図的にしかけられる可能性もあると考えています。

 ここで、お聞きをします。

 国家情報会議の枠組みの中で、外国の利益を図ることを目的とした国民同士の分断を意図的にあおる情報工作や、世代間、都市と地方、様々な価値観の違いを利用した対立の扇動といった動きを明確に脅威として位置づけ、分析対象としていくお考えがあるのか。また、警察として、こうした情報工作を見抜き、国民同士が憎み合うのではなく、真の脅威に目を向けることができるための啓発や情報発信を国家情報局と連携して行うおつもりはあるのか、その具体的な方針を国家公安委員長としてお示しください。

あかま国務大臣 委員の御指摘にございます、様々な価値観の違いを利用したという部分にあって、これをどう位置づけるか。運用面については私の立場からは控えさせていただきますが。

 一方で、先日、本法案の審議、ここにおいて、内閣官房政府参考人が、本法案に定める外国情報活動には、いわゆる偽情報の拡散などによる影響工作、これも含まれるものと答弁をしております。私も同様の認識でございます。

 あわせて、衆議院の本会議における審議において官房長官から答弁があったと思います。偽情報の拡散等は、我が国にとっても安全保障上の脅威である、選挙の公正や自由な報道といった民主主義の根幹をも脅かすものであるという認識、これも私も同様の認識であります。

 公共の安全と秩序の維持、これを責務とする警察でございます。関係省庁等と連携をして、平素から情報の収集、分析を行うことはもとより、違法行為を認知した場合には厳正に対処するものと承知をしております。

 引き続き、関係省庁と緊密な連携を持って対応するよう警察を指導してまいりたいというふうに思います。

川委員 ありがとうございます。

 偽情報ということで、昨日の参考人質疑の中でもそういうお話を私もさせていただきました。参考人の方からは、去年の夏の参議院選挙のお話の中で、ロシアから参政党が支援を受けているような疑いがあるという発信もありましたので、そのことを確認もさせていただきました。政府としての見解であるとか、また法的な見解はなかったと。そして、参政党自身が被害者であったという答弁もいただきました。

 こういうフェイクニュースとか、海外のそういう諜報的な攻略というのがいろいろあると思うんですけれども、ここはまた国家公安委員長としてもしっかりと対応いただきたいと思います。

 時間がもうなくなってきたんですけれども、一点だけお話をさせていただきたいと思います。

 最後に、子供、若者への影響についてであります。

 治安の悪化や情報工作の最初の被害者になるのは、社会的に立場の弱い子供や若者です。薬物や性搾取、ネットを通じた犯罪、外国主体によるオンライン勧誘や過激化、偽情報の拡散、国際詐欺ネットワークなど、彼らを狙う脅威は年々巧妙化をしております。

 そこで、お聞きをします。

 国家情報会議が扱う脅威のリストにおいて、子供や若者を標的とする犯罪、情報工作を一つの柱として明確に位置づける方針があるのか、さらに、薬物、性搾取、外国主体によるオンライン勧誘、過激化、偽情報拡散、詐欺ネットワークなどの脅威の対応も含め、警察として、学校、保護者、地域コミュニティーと連携をし、未然防止、情報教育、被害支援を強化するために、国家情報会議との役割分担をどのように構想しているのか。

 いかなる安全保障対策も、究極的には子供たちの命と未来を守るためにあるべきと考えます。その点に照らして、この体制整備が本当にふさわしいものになっているとお考えなのか、国家公安委員長の所見をお聞きをします。

あかま国務大臣 運用におきましては私の立場から申し上げることは控えさせていただきますが、委員の方から、子供たちの命と未来を守るとの言及がございましたので、国家公安委員長としての立場から、いわゆる治安情勢、とりわけ子供が被害者となっている犯罪について、これについて少し申し上げると、十三歳未満の子供が被害者となった刑法犯の認知件数、これは令和三年から四年連続で増加しておる現状であります。少子化の現状において子供の被害が増加していること、まさに憂慮すべき状況にあるという認識にあります。

 子供たちの安全、安心を確保していくこと、これは、警察はもとより、学校、自治体、また更には地域含めて社会全体に課せられた大変重要な責務であるというふうに認識をしております。

 国家公安委員長としても、引き続き、子供の安全対策を推進すること、また関係機関とより一層緊密な連携を深めながら支援をし、警察を指導していくこと、これに努めてまいりたい、そう思います。

川委員 時間になりましたので、これで終わらせていただきます。

 しっかりと国民の側に立った対応を期待をしまして、質疑を終わります。ありがとうございました。

山下委員長 次に、高山聡史君。

高山委員 チームみらいの高山聡史です。

 国家情報会議設置法案について、このお時間では二点、警察行政の観点と情報集約の制度設計の観点からお伺いします。

 まず、国家情報会議、国家情報局を設置してインテリジェンス機能を強化していく上で、その実効性をいかに担保し、同時に国民の人権であったりとか民主的正統性をいかに守るか、そういった議論を本日はさせていただきたいというふうに思います。

 国家情報会議の実効性というのは、情報集約する仕組みそのものだけではなく、そこに情報を供給する各省庁の分析能力にも依存することと思います。中でも警察庁は、国内の治安情報、国際テロ、海外からの工作活動に関する情報、そしてサイバー空間の脅威に関する情報など、インテリジェンスの中核領域における最前線の情報収集主体であるというふうに思います。

 近年、警察庁においてもサイバー警察局が設置をされ、警備局も体制を強化してこられたというふうに承知をしておりますが、今、緊迫化する海外情勢、そして海外勢力による偽情報等の工作、また、サイバー攻撃の脅威もかつてないほどに高まっている中で、本法案の国家情報会議の下、警察庁が質の高いインテリジェンスを継続的に供給する出し手としての役割を果たすには、人材の質、量、両面で更なる底上げは不可欠ではないかというふうに考えます。

 そこで、国家公安委員長に伺います。

 本法案による国家情報会議の設置を見据えた警察庁の情報収集、分析部門における人材育成、あるいは専門人材の確保、体制強化の方針などについて、御所見、お考えをお伺いします。

あかま国務大臣 委員御指摘のとおり、我が国の国益、国民の安全、安心を守るためには、まさにインテリジェンス機能の強化が不可欠であるという認識を持っております。警察といたしましても、不断に情報収集、分析能力、この強化を図らなければならないというふうに考えております。

 これまででございますけれども、警察においては、組織体制の充実強化、先ほどサイバーの体制についても御披瀝ありましたけれども、専門性を有する人材の育成等に取り組んできたというふうに承知をしております。より高度な専門知識また技術を有する人材、この育成は重要であるというふうに思っております。あわせて、民間企業での経験であるとか高度な資格を保有する者、これを採用する、配置するなどの取組はこれまでも進めてきたところでございます。

 昨今の複雑化する国際環境に的確に対処するためには、こうした取組は更に推し進めていかなければならないというふうに思っております。高度な専門的知識、技術を有するサイバー人材を含めたインテリジェンスの専門人材の確保、育成を通じた警察の情報収集、分析能力の強化、これは本当に必要な部分であると思っています。

 私としても、こうした取組が警察において着実に、またスピーディーに進められるよう、しっかりと指導してまいりたい、そう思っております。

高山委員 ありがとうございます。

 まさに人材の強化というところにおいては、海外の情勢変化であるとか、あるいは技術動向の変化というものに対応して、スピーディーに強化の方も図っていく必要があるという性質のものであるというふうに思います。

 ここで是非申し上げたいのは、国家情報会議の設置をきっかけとして、そういったインテリジェンス部門の実効性をいかに高められるかということを我々は考えなければならないのではないかというところでございます。

 先ほど総理からも踏み込んだ御答弁がありましたが、従来の延長ではなく、今向き合わなくてはならない脅威に対して、国民の安全と国家の利益を守るために何が質的に変わっていく必要があるのかということを、人材の面でも是非、具体的な計画であったりとか採用進捗みたいなものも、公開できる部分に関しては可視化をして、是非議論を進めていただければというふうに思います。

 続いて、情報集約の制度設計についてお伺いいたします。

 国家情報会議には、警察庁、防衛省、外務省などを含む複数の情報機関から情報が集約をされることになります。しかし、各省庁の情報活動は、それぞれ、異なる法的根拠、異なる権限の範囲、異なる運用文化があるものと存じます。

 そこで、二点、一括して政府の認識を伺いたいと思います。

 一点目は、情報の集約と統合的な分析を実効的に行うためには、レポーティングのフォーマット、秘密区分の取扱い、情報源の評価の基準、そういった実務面での標準化が不可欠だと思いますが、その設計方針はどうなっていくとお考えでしょうか。

 そして、二点目は、情報活動における人権保護の水準の統一です。

 各情報機関はそれぞれ、関係法令、設置法等に基づいて人権配慮をこれまでも行っているものと思いますが、その方針には当然ばらつきもあると思います。国家情報会議という総合調整の場が設けられる以上、その基準の緩い方の運用が会議の全体あるいは国家情報局の正統性のボトルネックになるリスクもあるというふうに思います。

 そういった各情報機関に共通して適用されるべき人権保護のミニマムスタンダード、例えば個人情報はこう取り扱う、目的外利用は禁止する原則をこう持つといった具体的な整備を国家情報会議の枠組みの中でどのように進めていく、統一的に担保すべきか、具体的にお考えをお示しいただきたいと思います。

 それぞれ、政府のお考えを伺いたいと思います。

岡政府参考人 まず第一の、各省庁にある情報を記録した文書などをどうやって集約をして、効率的に分析していくのかということですけれども。

 まず、内容の前に外形的な問題がございまして、AIないしICTシステムを使うにしても、コミュニティー内で取り扱う情報の種類が多くて、シンプルなテキストのものもあれば、チャートや図表とされたものもございますし、また、衛星画像情報といった画像データを貼っているものもございまして、さらに、省庁ごと、また部局ごとにスタイルが異なります。更に言えば、秘密区分が違えば管理方法も異なる、そういう問題があって、それをどう統合していくのかということについては、専門家のお力をかりながら検討していく必要があると思っています。

 それから、情報の中身につきましても、例えば同じような情報を報告するにあっても、項目とか目次の立て方も違えば、更に言うと、使われている文言、可能性があるとか可能性が高いとか、そういった揺らぎのある表記についての共通フォーマットみたいなものもやはり考えていかなければならないというふうに思っておりまして、それらを合わせて、よいシステムが実現できれば、この法案で達成しようとしているインテリジェンスサイクルというのが実務的に達成できるんじゃないかというふうに考えております。

 もう一方で、ミニマムスタンダード、人権等に係るミニマムスタンダードということですけれども、こちらは、実を言うと、情報部門に限らない霞が関全体の共通の問題として長年蓄積がございまして、先ほど後藤委員に御説明したとおりでございますけれども、個人情報に関しまして言えば、目的外利用の制限も含めて、個人情報保護法、その他の関係法令、内規がございますし、さらに、情報収集活動の適正性についても、こちらについては各機関でしっかり行うということで、過去のいろいろな反省も踏まえまして、適正に行っていくということに尽きますので。

 繰り返しになって恐縮ですけれども、文書管理や個人情報の扱いについてはオール霞が関の基準があって、一方で、適正性については、これは引き続き各省で、分担管理の下で、大臣の指揮の下で適正に行っていくほかないというふうに考えております。

高山委員 ありがとうございます。

 それぞれ、考え方をお伺いできたかと思います。今、情報の種類が、テキスト、衛星情報、様々あるというところをいただきましたが、ある意味、今AI等の技術も、マルチモーダルといいますか、情報のフォーマットが複数種類あっても、統合的に扱えるような技術の方も発達をしてきておりますので、逆に、それが使えるからこそ……

山下委員長 申合せの時間が経過しておりますので、御協力願います。

高山委員 はい。

 どう使っていくかというところは丁寧に議論をしていきたいというふうに思います。

 ありがとうございました。

山下委員長 次に、塩川鉄也君。

塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 国家情報会議設置法案について質問いたします。

 警察の対応に係る点について、あかま国家公安委員長にお尋ねをいたします。

 大垣警察の市民監視事件であります。二〇二四年、名古屋高裁は、警察による個人情報収集と中部電力子会社シーテック社への情報提供を違法とし、個人情報の抹消を命じました。

 あかま委員長にお尋ねしますが、違法判決を受けた警察は原告に対し謝罪を行ったんでしょうか。

あかま国務大臣 お尋ねの事案についてでございますが、議員の方からも披瀝がございました、令和六年九月十三日、名古屋高裁において判決が言い渡されたものと承知をしております。

 本件の原審及び控訴審においてでございますが、警察の情報収集活動という事柄の性質上、岐阜県警察からその目的、態様等を明らかにすることができなかったところ、控訴審においては、原告の主張する事実の多くが認定されたというふうに承知しております。

 結果として、同判決によって、大垣署員の活動は違法との判断が示されたところであり、岐阜県警察は、この判決を重く受け止めている旨のコメントを公表するとともに、原告の方々への説明の場においてもその旨をお伝えしたと承知をしております。

塩川委員 判決を重く受け止めると原告に説明をしたということですけれども、謝罪をしたのか、改めて確認します。

あかま国務大臣 判決の重み、しっかりとこれを受け止め、職務をしっかり果たすよう、警察を指導してまいります。

塩川委員 いや、謝罪をしたのかしないのか、その点、もう一回。

あかま国務大臣 岐阜県警察は、この判決を重く受け止めている旨のコメントを公表しています。また、原告の方々への説明の場においてもその旨をお伝えしているというふうに承知をしております。(発言する者あり)

山下委員長 では、ちょっと速記を止めてください。

    〔速記中止〕

山下委員長 速記を起こしてください。

 あかま国家公安委員長。

あかま国務大臣 先ほど来答弁申し上げております、その判決の重み、これをしっかりと受け止めること、そして、その受け止めを、私としても、警察を指導する中でしっかりと伝えてまいりたいというふうに思います。

塩川委員 理事会の協議として、改めて要請しますけれども。

山下委員長 後刻、理事会で協議いたします。

塩川委員 要するに、謝罪したかという事実関係について答えないわけですよ、重く受け止めると言うだけですから。判決を重く受け止めると言っている限りは謝罪していないということがそういう点でも明らかであります。

 判決は、大垣警察とシーテック社が開いた情報交換会の議事録に基づいて、抹消すべき個人情報を物件目録に明示した上で、各情報を抹消せよと命じましたが、原告は、その後の県警の対応に納得しておりません。

 大垣警察市民監視違憲訴訟原告団、弁護団は、判決が抹消を命じた個人情報は、大垣警察とシーテック社の情報交換の議事録に記載がある情報であって、これに該当する情報を岐阜県警が収集したことは明らかである、しかし、岐阜県警が探索して発見した四十九件の公文書は、抹消されるべき情報のうちの一部にすぎないと述べています。

 抹消が完全に履行されていないのではないか、この点について、あかま委員長。

あかま国務大臣 個人情報の抹消についてでございますけれども、岐阜県警察において、警備部内各課及び各警察署警備課において保有している電磁的記録を含む文書の中から、判決において抹消が求められた原告の方々の個人情報が記載されているものを漏れなく特定をし、岐阜県公安委員会委員長立会いの下、シュレッダーによって裁断処分したとの報告を受けております。

 その上で、岐阜県警察においては、情報の抹消後、速やかに原告の方々にその旨を通知する、あわせて、原告の方々からの申出を受けて説明の場を設け、抹消の経緯等について可能な限り丁寧に説明したものというふうに承知をしております。

塩川委員 この情報交換の場でシーテック社から大垣警察に対し個人情報が提供されているにもかかわらず、該当する情報は四十九件の文書に含まれておらず、抹消された形跡がないと原告の皆さんは訴えておられます。

 こういった点について、改めて調査すべきではありませんか。

あかま国務大臣 今お答え申し上げましたとおり、岐阜県公安委員会委員長の下で、いわゆる個人情報の抹消について、裁断処分をした。またあわせて、岐阜県警察において、抹消後、原告の方々にその旨通知をし、あわせて、原告の方々からの申出を受けて説明の場を設け、また、抹消の経緯等について可能な限り丁寧な説明をしたというふうに承知をしております。

塩川委員 ですから、紙ベースで、シュレッダーの話がありましたけれども、電子データのチェックをしたという話なんですが、そういった電子データがほかのところに行っていることはないのか。

 こういった点で、判決においても、広域的な情報収集活動がうかがわれるとし、県警、警察庁の関与の下に行われた可能性を指摘しております。

 そうしますと、この大垣警察だけじゃなくて、県警ですとか警察庁にそういった違法に集めた情報が行っているということまで含めて、ちゃんとチェックをされているのか。この点についてはいかがですか。

千代延政府参考人 お答えいたします。

 警察活動は公共の安全と秩序の維持という責務を果たす上で必要な範囲で行われるべきものでありまして、大垣署員の活動もそのような考え方を念頭に置いて行われたものと承知をしております。

 先ほど、個人情報の抹消につきまして大臣から御答弁ございましたけれども、岐阜県警察におきましては、警備部内各課及び各警察署警備課において保有している電磁的記録を含む文書の中から、判決において抹消が求められた原告の方々の個人情報が記載されているものを漏れなく特定し、岐阜県公安委員会委員長立会いの下、シュレッダーによって裁断処分をしたという報告を受けております。

 また、警察庁についてもお尋ねございましたが、判決では、警察庁等の国の組織が原告らの個人情報を収集し、保有しているとは認められないとした上で、原告らによる国に対する個人情報の抹消請求についてはいずれも却下又は棄却されたものであるというふうに承知をしております。

塩川委員 いずれにせよ、抹消されていない、そういった情報がまだ残っているといった原告の方からの訴えを真摯に受け止めて、しかるべく調査を行う、そういう対応を求めると同時に、今答弁がちょっとありましたけれども、昨日、参考人質疑で弁護士の齋藤裕参考人が述べておられましたが、違法に収集された情報を情報機関が共有している、そういう判例を紹介をして、今回の法案は、インテリジェンス機関間での情報共有の仕組みであるため、インテリジェンス機関が違法に集めた個人情報などが共有されることになると述べておりました。

 官房長官にお尋ねしますが、今回の法案は、インテリジェンス機関間での情報共有の仕組み、そういう中で、違法に集めた個人情報がこういった情報機関で共有されるということを更に広げるような、そういうことになりかねないという懸念、危惧が述べられておりますけれども、こういう指摘をどのように受け止めますか。

木原国務大臣 警察が行います情報収集活動あるいは捜査というものは、関係法令等を遵守した上で適正に行われるべきということはもう当然でありまして、警察において、組織として必要な業務管理が行われることや、また、個人情報保護法を含む関係法令についての理解が徹底されるということ、このことが重要であると考えております。

塩川委員 判決では、市民運動やその萌芽の段階にあるものを際限なく危険視して、情報収集し、監視を続けるということが、憲法二十一条一項による集会、結社、表現の自由等の保障に反することは明らかだと述べております。まさにその点が問われているわけであります。

 大川原化工機事件では、検証結果を公表するという対応も行われていたわけですが、今回はそういうことも行われておりません。このような警察の市民監視、人権侵害の違法な活動に対して、謝罪もなければ反省もない。

 こういった情報機関の情報収集活動の強化を図る法案は断じて認めることはできないと申し上げて、質問を終わります。

    ―――――――――――――

山下委員長 この際、連合審査会開会に関する件についてお諮りいたします。

 ただいま審査中の本案に対し、法務委員会、外務委員会及び安全保障委員会から連合審査会開会の申入れがありましたので、これを受諾するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 また、連合審査会において、政府参考人及び会計検査院当局並びに参考人から説明又は意見を聴取する必要が生じました場合には、出席を求め、説明等を聴取することとし、その取扱いにつきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次に、お諮りいたします。

 連合審査会において、最高裁判所から出席説明の要求がありました場合には、これを承認することとし、その取扱いにつきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 なお、連合審査会は、来る二十二日水曜日午前九時から開会いたしますので、御了承願います。

 次回は、来る二十二日水曜日午前八時五十分理事会、午後一時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時三分散会


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