第7号 令和8年4月22日(水曜日)
令和八年四月二十二日(水曜日)午後一時開議
出席委員
委員長 山下 貴司君
理事 安藤たかお君 理事 井出 庸生君
理事 鈴木 馨祐君 理事 中根 一幸君
理事 長谷川淳二君 理事 鳩山 二郎君
理事 後藤 祐一君 理事 浦野 靖人君
理事 森ようすけ君
阿部 弘樹君 岩崎 比菜君
大空 幸星君 長田紘一郎君
金子 容三君 川崎ひでと君
河野 正美君 佐藤 主迪君
平 将明君 中田 宏君
平井 卓也君 平沢 勝栄君
福田かおる君 文月 涼君
古川 直季君 村木 汀君
山本 大地君 吉田 有理君
若山 慎司君 渡辺 博道君
大島 敦君 長妻 昭君
黒田 征樹君 西田 薫君
野村 美穂君 川 裕一郎君
高山 聡史君 塩川 鉄也君
中村はやと君
…………………………………
議員 橋本 幹彦君
国務大臣
(内閣官房長官) 木原 稔君
国務大臣
(国家公安委員会委員長) あかま二郎君
内閣官房副長官 尾崎 正直君
内閣府大臣政務官 金子 容三君
内閣府大臣政務官 若山 慎司君
内閣府大臣政務官 古川 直季君
内閣府大臣政務官 川崎ひでと君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 風早 正毅君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 中間 秀彦君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 町田 達也君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 岡 素彦君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 鎌谷 陽之君
政府参考人
(内閣官房内閣情報調査室内閣衛星情報センター次長) 和田 薫君
政府参考人
(警察庁警備局長) 千代延晃平君
政府参考人
(防衛省大臣官房審議官) 林 美都子君
政府参考人
(防衛省防衛政策局次長) 松尾 智樹君
内閣委員会専門員 田中 仁君
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委員の異動
四月二十二日
辞任 補欠選任
大空 幸星君 福田かおる君
川崎ひでと君 岩崎 比菜君
古川 直季君 阿部 弘樹君
若山 慎司君 山本 大地君
同日
辞任 補欠選任
阿部 弘樹君 古川 直季君
岩崎 比菜君 川崎ひでと君
福田かおる君 大空 幸星君
山本 大地君 若山 慎司君
同日
理事鳩山二郎君同日理事辞任につき、その補欠として井出庸生君が理事に当選した。
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四月二十一日
インテリジェンスに係る態勢の整備の推進に関する法律案(橋本幹彦君外二名提出、衆法第三号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
理事の辞任及び補欠選任
政府参考人出頭要求に関する件
インテリジェンスに係る態勢の整備の推進に関する法律案(橋本幹彦君外二名提出、衆法第三号)
国家情報会議設置法案(内閣提出第二四号)
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○山下委員長 これより会議を開きます。
理事の辞任についてお諮りいたします。
理事鳩山二郎君から、理事辞任の申出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
引き続き、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
ただいまの理事辞任に伴い、現在理事が一名欠員となっております。その補欠選任を行いたいと存じますが、先例によりまして、委員長において指名するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
それでは、理事に井出庸生君を指名いたします。
――――◇―――――
○山下委員長 橋本幹彦君外二名提出、インテリジェンスに係る態勢の整備の推進に関する法律案を議題といたします。
提出者から趣旨の説明を聴取いたします。橋本幹彦君。
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インテリジェンスに係る態勢の整備の推進に関する法律案
〔本号末尾に掲載〕
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○橋本(幹)議員 ただいま議題となりましたインテリジェンスに係る態勢の整備の推進に関する法律案につきまして、その趣旨及び概要を御説明いたします。
インテリジェンスは、我が国及び国民の安全を守る施策の一つであり、その証拠となる情報の収集、整理、分析、活用を行うものです。
安全保障のための施策は、時の政権の思いつきでなされるものではありません。的確な情報に基づき、確かな施策を実行することは、複雑化する国際情勢において我が国及び国民の安全を守るために必須であります。しかしながら、我が国において、情報収集活動は、個別の政策に従属するものと位置づけられてきました。インテリジェンスコミュニティーのコアメンバーとされる省庁においても、警察は法執行政策のため、外務省は外交政策のため、防衛省は防衛政策のため、公安調査庁は団体規制のためといった、それぞれの所掌の中での情報収集であり、我が国及び国民の安全を守るためにインテリジェンスを専ら行う機関は存在しません。
本法律案は、これまで光の当たらなかったこの領域に光を当て、声なき声を形にするものであります。我が国で初めてインテリジェンスについて定義するとともに、国会による民主的統制や政治的中立などその実施に当たっての留意点を明らかにする立法であります。
国民の理解なくして、的確にインテリジェンスを行うことはできません。本法律案の作成に当たり立てた議論の三本柱、すなわち、国民の自由と人権の尊重、国家の存立と主権の防衛、インテリジェンスの最前線で活動する者の保護は、国民の理解の共通の基盤となると信じております。本法律案の審議を通じて、国会の熟議が進むことを期待するものであります。
以下、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
第一に、インテリジェンスとは、国の安全の確保、公の秩序の維持及び公衆の安全の保護に関する政策決定のために必要な情報の収集、整理及び分析並びにその結果の活用を行うとともに、国の安全の確保等に関する重要な情報を保全し及び我が国に対する不当な情報収集等に対処することとしております。
第二に、インテリジェンスに係る態勢の整備の推進に係る基本理念として、外国の利益を図る目的で行われる活動の透明性の確保、政治的中立及び民主的統制の確保、インテリジェンスに係る体制の整備が国家の存立に関わる重要な課題であるとの認識、日本国憲法が保障する国民の自由と権利の尊重を定めております。
第三に、政府は、インテリジェンスに係る態勢の整備に関する施策を実施するために必要な法制上又は財政上の措置その他の措置を講ずるものとし、必要となる法制上の措置については、この法律の施行後三年以内を目途として講じなければならないこととしております。
第四に、基本的施策として、外国による不当な影響力の行使の防止のための措置、行政組織の整備、情報収集等に係る手法の拡充、インテリジェンスに係る職務に従事する者等の安全及び適切な処遇の確保、人材の確保、検証及び調査研究の推進並びに国民の理解の増進及び信頼の向上を規定しております。
第五に、インテリジェンスに係る態勢の整備を総合的かつ集中的に推進する機関として、内閣にインテリジェンス態勢整備推進本部を置くこととしております。
なお、この法律は、一部の規定を除き、公布の日から施行することとしております。
以上が、この法律案の趣旨及び概要であります。
何とぞ、熟議の上、御賛同いただきますようお願い申し上げます。
○山下委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
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○山下委員長 内閣提出、国家情報会議設置法案及び橋本幹彦君外二名提出、インテリジェンスに係る態勢の整備の推進に関する法律案の両案を一括して議題といたします。
この際、お諮りいたします。
両案審査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、内閣官房内閣審議官風早正毅君外八名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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○山下委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。安藤たかお君。
○安藤委員 自由民主党の安藤たかおでございます。
本日は、質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
私からは約六問、今までの振り返りと、また、私も医者なものですから、医師としての立場からの質問をさせていただきたいと思います。全て政府参考人の方にお願いをしたいと思っております。
では、第一問目です。
本法案は、我が国のインテリジェンス機能を強化し、国家安全保障体制の高度化を図るものと承知をしております。また近年は、国際情勢は一層複雑化し、従来の軍事的な脅威に加え、サイバー攻撃、そして経済安全保障、さらには感染症といった健康危機など、国家として対応すべきリスクは多様化しています。こうした中で、関係省庁に分散している情報を適切に集約をして、分析し、政策判断につなげていく仕組みの必要性については一定の理解が進んでいるものと認識をしております。
一方で、国家情報局という新たな組織は、その性質上、国民の皆様にとって必ずしも身近なものではありません。また、よく分からないものに対しては誰もが不安を抱くものではないかと考えております。特に、本組織は情報を扱う機関であるからこそ、その役割や必要性について国民の理解を得ることが不可欠であると考えます。
そこで、まず基本的な点としてお伺いいたします。
本法案のメリットを、改めて国民の皆様に分かりやすく御説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○岡政府参考人 よろしくお願いします。
今日の我が国を取り巻く脅威は、武力攻撃やテロリズムのほか、外国による影響工作、サイバー攻撃、先端技術情報の窃取や重要物資の供給途絶など、平時の社会経済生活に入り込む潜在性の強いものも多く、その構造も複雑で、危険が顕在化してから対処していては国民生活に甚大な被害が生じるおそれがございます。その兆候をできるだけ早期につかみ、脅威の全体像を把握し、関係機関の情報共有の下に、予見される危機に対して的確な政策判断と早期対処につなげることが求められます。
政府のインテリジェンス機能強化は、まさにこうした脅威又はその兆候をつかむためのもので、国民の生命財産、豊かで自由な日常生活を守ることを目的としております。
本法案による司令塔機能の整備は、大きく捉えますと、その第一歩と位置づけられるものです。国家情報会議において政府統一的な情報活動等に関する基本方針を定め、同方針の下、より明確な役割分担や優先順位づけが行われ、情報活動のパフォーマンスは最大化、最適化されます。また、国家情報局が政府内を総合調整することで各省庁の多種多様な情報を集約し、総合分析が強化されることで、政策部門に対し、より多く、質の高いインテリジェンスを提供することが可能になると考えます。
これをもって改革が完成するものではございませんが、新しい司令塔組織を設置することで、政府の有する既存の情報源、情報収集手段を最大限活用するとともに、政府全体の情報活動の方向性や強化方針を的確なものとする大きな効果があると考えています。
本法案により得られるメリットはこのようなことであると考えております。
○安藤委員 どうも御答弁ありがとうございました。
国民の方々もまだまだ不安なところがありますので、是非とも更に分かりやすく御説明をいただければ幸いかと存じます。ありがとうございました。
では、次に、二問目でございます。
先ほどの御説明にも関係をしますが、次に、情報の評価についてお伺いしたいと思っております。
本法案により国家情報局が総合調整の役割を担うことで、これまで以上に様々な情報が関係省庁から集約されてくることになると考えられます。一方で、情報は、量が増えるほどその正確性の見極めが重要となります。そして、過大評価や過小評価といったリスクが高まるのではないか、そう懸念をしております。
そこで、お伺いいたします。
集約された情報の正確性についてどのように判断していくのか、そして、過大評価、過小評価を防ぐ仕組みが必要と考えられますが、これについてどのように考えているのか、御説明をお願いしたいと思います。
○岡政府参考人 お答えします。
今回の法案は、政府内の様々な関係機関が収集した情報を新設する司令塔組織に集約して、オールソースの総合分析を行い、客観的で、過大にも過小にもならない的確な情報評価を行える仕組みを整備しようとするものです。
複雑で高度化した安全保障上の課題や脅威に対応する政策部局を情報面から支援するためには、情報部門は、特定省庁が集める情報だけではなく、全体像を把握し、総合的な分析を踏まえた情報評価を行うことが求められます。
国家情報局は、様々な分野にまたがる情報をインテリジェンス関係機関から集約する立場となりますが、同局に新たに付与された総合調整機能を通じまして、各機関が収集し得るあらゆる情報をこれまで以上に迅速、包括的に集約し、それらを突合して多角的に分析を行うことで、各省庁の情報それぞれに対しましてもより的確な情報評価を行うことが可能となると考えます。
また、国家情報局において行われる総合分析の結果生み出される情報のプロダクトにつきましては、政策部局に提供し、その後、政策部局における評価がなされます。その際に、これは役に立った、役に立たない、あるいは何が不足しているという御指摘を私どもとしては受ける立場にございますので、こうした情報部門とそれから政策部門の連接ないしサイクルにおいても、先ほど御指摘のあった正確性の確保、あるいは過大評価、過小評価を防ぐ仕組みと整理することができると思います。
○安藤委員 どうも御答弁ありがとうございました。
是非、情報の評価、非常に重要なものでございますので、制度として適切にまた運用をしていただければな、そういうふうに思っております。ありがとうございます。
次に、三問目ですけれども、続いてお伺いしたいのは、人の問題でございます。
組織が有効に機能するためには、人材の質はとても重要な要素であります。既存の省庁や民間企業でも、求められる義務に対し様々な教育が行われると思います。
一方で、国家情報局は政府のインテリジェンスの司令塔であり、そしてまた、人材には特殊性の高い能力が必要なものではないかと考えています。例えば分析能力など、日頃から高めていく必要があるのではないかと考えていますが、どのように職員の能力を高めていく予定でしょうか。政府としてのお考えを教えていただければ幸いです。
○岡政府参考人 失礼します。
まず、分析能力という点におきましては、午前中の連合審査会においても御説明申し上げたとおり、内閣情報室におきましては、八人の内閣情報分析官が、官邸首脳や国家安全保障局を始めとする政策部門の情報関心に応えるべく、中長期的な国際情勢等の展望あるいは評価について、オール・ソース・アナリシスの手法も活用した高度な分析を行っているところでございます。
御指摘の分析能力の強化についてでありますけれども、まず、本法案によりまして、内調の後継組織である国家情報局に総合調整に関する事務が新たに加わることから、より高い水準の情報が国家情報局に集約されることで、分析レベルの更なる向上が期待されるところでございます。
また、本法案で、同様に国家情報局に企画立案に関する事務が新たに加わります。この事務を通じまして、例えばでありますけれども、分析能力を高めるための省庁横断的な、すなわち各省庁の職員を呼び寄せて行う集合的な研修や訓練の実施、また、AIなどを用いた分析手法の高度化のための調査研究、さらに、国家情報局も含めた省庁間の情報共有、データ共有を効果的に行うための仕組みの構築などを内閣官房の国家情報局として主導していきたいというふうに考えております。
このような取組を通じまして、国家情報局を含めた各情報機関の分析能力が強化され、これらの相乗効果によっても一層高度な情報の分析、評価が達成されるものと考えております。
○安藤委員 御答弁、どうもありがとうございました。
高度な分析能力はやはり短時間じゃできないと思っておりますので、長い期間ですから、ある程度標準化をして、人によって大きな差ができないような、何かそういうふうな仕組みがあるといいのかな、そう思いました。
次に、第四問目ですけれども、次は少し違う視点から質問をさせていただきたいと思います。
今回の法案には、緊急事態という文字が含まれております。
記憶にも新しいですが、コロナウイルスの流行によるパンデミックの際には、様々な情報が錯綜して、各国もそうですけれども、日本国内でも混乱が起きて、自治体や医療機関、国民自身にも情報によって多くの混乱が生じたと思います。
そこで、質問です。
この緊急事態とは、具体的にどのような状況を示しているのか。例えばパンデミックのような、国民の命に関わるような健康危機の場合にも対象となるのでしょうか。国家情報会議の開催の想定についてもお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○岡政府参考人 お答えいたします。
議員の御指摘のあった本法案の第二条でございますけれども、この条文の中で、重要国政運営の例示といたしまして、緊急の事態への対処を掲げております。あくまで例示でございますけれども、新組織に特に期待される役割を代表するものとして、重要な例示として掲げさせていただいております。
ここで言う緊急の事態とは何かということでございますけれども、一般的な言い方を申し上げると、国民の生命、身体、財産に重大な被害を生じさせるような事態で、一たび発生した際にはその対処に当たりまして迅速的確な情報収集が重要になる、そういう事柄を念頭に置いております。典型的には、地震や大規模な風水害といった自然災害への対応、さらに、他国で武力紛争などが発生した場合に現地に取り残された邦人の方々を救出するオペレーションなどが考えられます。
一方で、パンデミックにつきましても、例えばですけれども、既に我が国で重大な感染症が広く蔓延してしまっている場合におきましては、その拡大防止措置などの様々な政策判断が必要となりますので、それに当たり、当然に迅速的確な情報収集が重要となってまいります。また、それには至らない場合ではございますけれども、外国で深刻な感染症が蔓延していて、いつ我が国にその脅威が及ぶか分からないという状況におきまして、その状況がつかみ切れていないというときには、それを把握するための情報収集がやはり重要となります。
こういった際に国家情報会議を開催するかどうかでございますけれども、我が方のような情報部門の会議体のほかに、例えば内閣感染症危機管理統括庁のような、内閣官房に置かれた別の危機管理組織もございますので、そうした組織との役割分担もよく考慮しながら、最終的には議長である総理大臣において開催の要否が判断されるものと考えます。
○安藤委員 どうも御答弁ありがとうございました。
国家情報会議及び国家情報局では、国家としての判断に資する情報を扱うことが本懐だと思っております。
先ほどお話がありましたように、いざパンデミックが起きますとなかなか連携が取れていないというのが現状でございますし、また、今大きな気候変動も起きておりますので、新たなるウイルスによる感染症というのも考えられると思います。そういう意味で、緊急事態の際には、国民の皆さん、そしてエッセンシャルワーカーなどの現場で活躍する人たちにも、情報によって救われたり、被害を被ることがありますので、そうした観点も含めて、実効性のある仕組みづくりをお願いしたい、そう思っております。
続きまして、五番目の質問に移らせていただきたいと思います。
次にお伺いしたいのは、組織の運営でございます。これもちょっとまた以前のものと重なることがあるかもしれませんが。
国家情報局に格上げされると、企画立案や総合調整を行う上で、業務の増大が予想されます。こうした中で、情報システムやデジタル基盤の活用、プロジェクトに応じたマネジメントも重要な要素になってくると思います。
今後、国家情報局として、的確、迅速な意思決定や持続的なパフォーマンスのために、業務の合理化を意識した組織運営が求められると考えていますが、政府のお考えはいかがでしょうか。
○岡政府参考人 業務の合理化は、一般の行政事務のみならず、情報活動の分野におきましても同様に問題視される事柄でありまして、様々な視点から検討、吟味がされるべきものと考えております。
内閣官房も含めました各情報機関の間では、情報の収集、分析の対象につきましては、統一的な指針を示しているということにも影響しておりますけれども、対象の重なり合いというのもございますし、それに伴う事務の重複というのも一部では発生しているところでございます。
同じことをやることが悪いことなのかというと、幾つかの見方がございまして、例えば、異なる分析官あるいは異なる省庁が、それぞれのソースを用いて、同じ事柄に対して一つずつ評価を行う、それを持ち寄ることによってより客観的な実態というのが浮かび上がるという効果もございます。これについては、必ずしも無駄と断じることはできないのだろうというふうに考えております。
ただ、実際に、誰がやってもそう変わらないであろうという作業を各省庁がばらばらにやっているという実態も多少は見られますので、そういった効率化というのは、新しくできる内閣官房の組織において、政府全体を見渡した上で役割分担の見直しを図るというのは一案であるというふうに考えられます。
また、先日来、情報共有あるいはデータ共有のためのシステム化といった御指摘がございます。このような、情報共有を進めること、あるいはそれを自動化ないし自動検索可能な状態にすることによりまして、これまでは別々に収集したり分析していたりしたことが、他機関の助けにより省くことができるという状態も創出することができると考えており、情報共有というのも業務効率化の一つの手段であるというふうに考えております。
さらに、これも各委員からるる御指摘がございましたが、世界中の各言語で記されたインターネット空間上の膨大な文書や情報を、人の手によるのではなくて効率的に収集、整理し、有意なものを取り出す、そういう作業が求められておりまして、もはや人の力によっては困難なレベルに達しつつあるところでありますけれども、こうした役割分担の見直しでありますとか、情報共有の促進、さらにはそのためのシステム整備、先ほど申し上げた、膨大な文書や情報を効率的に収集、整理ないし分析するためのデジタル技術やAIなどを用いた公開情報等の処理の手法を確立することなどを進めまして、委員のおっしゃる業務の合理化を意識した組織運営を図った上で、情報力の総合的な強化を図ってまいりたいと考えております。
○安藤委員 どうも御答弁ありがとうございました。
様々なものを使って、総力戦でもってやっていくというお話でございました。是非また、いろいろなものが関わってくるでしょうから、KPIなどを作りながら進めていただければ、そう思っております。ありがとうございました。
では、最後の質問になります。
私は医師でもありますが、最近はちょっとペーパードクターぎみでございますけれども、国家情報局で働くこととなると、職員の健康についても危惧しております。これは、健康を害することで分析力や判断力の低下など重大なリスクにつながる可能性もあるのではないか、そういうふうな意識を持っております。
特に、国家情報局に勤める職員の方は、国としても重要かつ機微な情報を扱い、その種類も様々なことだと思います。加えて、その情報を長い期間、個人として記憶することになるだろう、そう思っております。そうした意味で、心の負担も大きいことが想定されます。
政府としては、職員の健康やメンタルヘルスケアをどのように管理していくつもりか、そしてまた、持続的な高いパフォーマンスを発揮できる組織にしていくべく、政府のお考えをお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○岡政府参考人 御心配いただき、本当にありがとうございます。恐縮でございます。
国家情報局に限らずですけれども、一般的に、各情報機関の職員というのは、先ほどもおっしゃっていただいた秘密保全上の要請から、職場の上司、同僚や、あるいは家族、友人らに職務の内容を明かせない、そういう状態に置かれるのが通例でございまして、そのことに起因する孤立感でありますとか孤独感というのを感じることはよく見聞きするところでございます。
また、更に申し上げると、任務の成否が国や国民の安全を左右しかねないという重圧感や緊張感など、様々な心理的負担がかかりやすい環境下に置かれておりまして、特に、格上げ後の国家情報局においてはそうした負担が増すことも考えられます。
そのほか、御案内のとおりですけれども、外国で勤務しますであるとか、あるいは特別な秘密を取り扱う職員においては、一日中窓のない職場で勤務するといった、物理的な環境という点でも特殊なケースがございます。
必要な使命感や緊張感を保つことは業務上必要なことだと思っておりますし、私どももそういう服務規程の下で勤務しているところでございますけれども、ある程度肩の力を抜いて職務に当たることがよい結果につながるとも思いますし、また、長い目で見て、本人のやる気を持続、継続させる支えにもなるというふうに考えております。
ですので、例えば、組織内で秘密保持と両立のできる相談受理の方法を定着させることでありますとか、仕事のことをいっとき忘れられる長期の休暇取得というのを従来以上に促進するでありますとか、さらには、長年継続することが望ましいと申し上げながらも、安心して重要任務を引き継ぐことのできる後任者を計画的に育成、配置することなど、様々な工夫を進めることにより、御心配の職員の心身の健康に留意した組織運営を図ってまいりたいと考えております。
○安藤委員 どうも御答弁ありがとうございました。
国家の安全を守る組織であるからこそ、その基盤は人だと思っております。是非、定期的にストレスチェックをしながら、専門家にフォローしていただいて、今お話があったように、生きがいを持って元気よく仕事ができるように、是非、みんながこの職場に行きたいというような方向になっていただければと思っております。
以上で私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○山下委員長 次に、大島敦君。
○大島委員 情報収集衛星について、何問か質問したいので、よろしくお願いします。
まず、どうして情報収集衛星の導入になったのか、現状どのぐらいの人数で運用しているのか、予算は補正を含めて幾らぐらいなのか、教えてください。
○和田政府参考人 情報収集衛星の導入は、外交、防衛等の安全保障や大規模災害への対応等の危機管理のために必要な情報の収集を主な目的として、平成十年十二月に閣議決定されたものです。
現在、内閣衛星情報センターにおいて運用中の情報収集衛星は十一機あります。その内訳は、光学衛星四機、レーダー衛星六機、データ中継衛星一機となっており、このうち、衛星の設計上の運用期間内のもの及びこの期間を超過しているものの運用実績等を踏まえ、更なる運用が安定的に見込まれるものは、光学衛星二機、レーダー衛星二機、データ中継一機の計五機となっております。
○大島委員 情報収集衛星の予算は、これは補正を含めて一千億円ぐらいでいいという理解でよろしいでしょうか。
○和田政府参考人 失礼いたしました。
情報収集衛星関係予算につきまして、令和八年度当初予算額は約六百二十二億円となっております。また、令和七年度における当初予算額及び補正予算額の総額は約九百五十億円となっております。
さらに、情報収集衛星関係予算の当初予算額及び補正予算額の総額につきまして、過去三年で見ますと、約九百億円から約九百五十億円となっております。
○大島委員 情報収集衛星は、アカデミアの方に聞くと、この解像度は物すごくいいんですって。やはり、ずっと、多分、五百億円を超えて一千億円に近い予算を毎年毎年投入することによって、レベル感は桁違いに上がっているはずなの。ですから、我が国としては、準天頂衛星、測位の衛星があって、これも十五年間で十一機体制までいくのかな、ここにかける予算と、この情報収集衛星の予算が宇宙開発の要だと思っていまして。恐らく言えないと思うんですけれども、他国から結構頼られているはずなの。アカデミアでも、この衛星の解像度は使いたいと言っているので。
なかなか言えないと思うので聞きませんけれども、例えば日本の顔認証のシステムが、NECが世界でも一番優れているのは、入管庁が毎年毎年予算を投入しているから、投資の予見性があって技術開発が進むの。
情報収集衛星も同じだと思っていて、これは、思い出すのはキューバ危機ですよね。あのときの衛星の解像度は低かったので、上空、多分二十キロぐらいかな、U2という偵察機がキューバの上の写真を撮って、それをケネディ大統領に持ち込んで、これが情報の収集になりますよね、調査。そして、ケネディ大統領のところに持ち込んで、そして政府内で議論をして、多分、国防総省としては、解像度がばれるので、分かってしまうので、国連の安保理で取り上げることは消極的だったんですけれども、そこでしっかり出すことによって、ソ連がキューバで核基地を開発しているということで止まったと思うの。
ですから、皆さんの運用が一番大切だと思っていて。ですから、恐らく、今の体制、宇宙の体制もいいんですけれども、二十四時間しっかりと運用できる体制が必要だと思うんですけれども、その点について、官房長官にするのか、政府参考人の方からまずは御答弁ください。
○和田政府参考人 令和八年四月一日現在におけます内閣衛星情報センターの人員数は約三百八十名となっております。現在、センターにおきまして先ほど申し上げました衛星を運用しているところでございますが、こうした体制をもってデータを収集しているところであります。
現在、外交、防衛等の安全保障あるいは大規模災害への対応等の危機管理のために、様々工夫を行い、必要な情報の収集を行っているところであり、こうした厳しい安全保障環境に対応するために、現在の体制で更に確実に取り組んでまいりたいと考えております。
○大島委員 去年、つくばに行って、ある大手製薬会社のAIによる新薬の開発を視察をして、いろいろと意見交換させていただいて、創薬についてのAIの活用で何が一番大切かというと、一番いいAIのエンジンを持ち続けることなんですって。スタンドアローン、内部にはつなげないAIのシステムの中で、それを常に一番世界で最高水準に持っていく、そのために、F1と同じように、一番いい部品を、一番いいプログラムとか一番いいソースコードを組み込んでいく。
ですから、恐らく今後、衛星情報の活用としてはAIの活用も必要だと思うんですけれども、その点について、答えられないと思うんですけれども、何かあったら一言発言をお願いします。
○和田政府参考人 今後、宇宙基本計画等に沿って、光学・レーダー衛星各四機にデータ中継衛星を加えた十機体制が目指す情報収集能力の向上を早期に達成し、その中で撮像頻度の向上や夜間、悪天候に対応することとしております。
また、委員御指摘のありましたAIの効果的な活用等も含めまして、衛星や関連するシステムの能力向上にも取り組んでまいりたいと考えております。
○大島委員 AIで大規模言語モデルはなかなか、日本が米国、中国に太刀打ちするのは大変かなと思うの。多分、スタンフォードのAIインデックスだと、米国と中国の差というのは一年もなかったんじゃなかったのかな、意外と追いついているところがあるので。
ただ、こういう分野のAIでしたら使えるものがあると思うので、是非、セキュアな環境の中で、できるだけ瞬時に様々な動きが分かるようにすることが多分日本の安全保障にとって必要だと思いまして。
そこで、官房長官に是非、予算、応援の弁をいただきたいと思います。
○木原国務大臣 安全保障環境が厳しいというのは常々申し上げておりますし、昨今は、大規模災害への対応などの危機管理のためにも、情報収集衛星の必要性、重要性というのは一層高まっているもの、そのように認識しております。
政府といたしましては、宇宙基本計画等に沿って必要な経費や体制を確保し、情報収集衛星の機能の拡充、強化を図り、機数増を着実に実施して、十機体制が目指す情報収集能力の向上を早期に達成できるよう取組を進めてまいりたいと考えています。
また、そうした体制によって得られる衛星画像をより効果的に活用するための取組も大変重要であると考えておりますので、AIの活用も含めて、関連システムの性能向上に取り組んでまいる所存です。
○大島委員 もう一つ官房長官に伺いたいのは、国家情報会議ができると、恐らく、戦略を作ることになると思うんです。
一番役所の方が気にする文書は、骨太方針というものですよね。もう一つは、首相の施政方針演説の中に一言文言が入ることが結構気にかけているところだと思っていまして、この国家情報会議が作成するであろう戦略については、予算的な裏づけが、しっかりとそれで求めることができるのかどうかという点についてお答えいただければと思います。
○木原国務大臣 まず、本法案により新設されます国家情報会議及び国家情報局には、各省庁の予算を直接に査定をし、また配分する、そういった権限が付与されているものではありません。
政府における予算編成というのは、各省大臣が所掌事務に応じて概算要求というのを行って、これを受けて財務大臣が査定を行うということによって、内閣として予算を編成する、このことはもう御承知のことと思います。
この点、国家情報会議が定める政府全体の情報活動に関する基本方針において、例えば、情報活動の重点事項を示す中で、どの情報収集アセットに対して重点的にリソースを配分するかといったことであるとか、また、インテリジェンス関係機関の連携強化を検討する中で、これらの機関が共通して活用する情報基盤の構築の在り方をどうすべきかであるとか、さらに、インテリジェンスコミュニティー全体の人材確保とか育成方策、そういった将来的な人材構想を示すということも考えられますので、委員のおっしゃるように予算だけでなくて、定員又は装備、システムの整備、あとは人材育成にわたる内容も含まれてくるものと考えています。
こうした国家情報会議で示される基本方針については、関係閣僚が自ら合意したものとして、インテリジェンス関係機関における各要求の検討の際にしっかり考慮されるものと考えておりますし、私もそのように指導していきたいと思っています。
また、こうしたリソース配分に関わってくるような事柄については、閣僚級で構成される国家情報会議において議論されることがふさわしく、国家情報局はそれを的確にサポートできるようにしたい、そのように考えているところでございます。
○大島委員 御答弁いただきまして、誠にありがとうございます。
国家公安委員長に一問だけ。
国家公安委員長の職務権限について、通告しているかと思うんですけれども、お答えいただければと思います。
○あかま国務大臣 国家公安委員会は、国民の良識を代表する民主的管理機関として、警察行政の民主的運営、併せて政治的中立性、これを確保するため、警察庁を管理しておるものでございます。
警察庁を管理しているのは、あくまでも、合議制の国家公安委員会でございます。委員長である私自身は、政治的中立性を保つために、例えば、委員会の会議に際して、可否同数の場合以外には表決に加わらない、また、会議を主宰して、対外的に国家公安委員会を代表する立場でございます。あわせて、国家公安委員会と内閣の意思疎通、連絡の緊密化を図って、これによって、治安に関する内閣の考え方を国家公安委員会の判断に反映させる、これもまた国家公安委員長たる私の役割に含まれているというふうに考えております。
○大島委員 やはり国家公安委員会の皆さんに、今回の国家情報会議設置法が成立した際には、十分にそのことについて、民主的統制等についても理解していただくようにお願いいたします。
終わります。ありがとうございました。
○山下委員長 次に、後藤祐一君。
○後藤(祐)委員 中道改革連合の後藤祐一でございます。
今日は、これまでの答弁でややあやふやだったところの確認の答弁、そして、附帯決議、この後、採決になると思いますけれども、これの確認、条文修正については、残念ながら、与党から受け入れていただけないということについては残念だと思いますけれども、これに代わり、答弁で確認をしていきたいと思います。
単純にこれまでの確認も多いので、そういったものは是非短めに、そのとおりでございますみたいな感じでやっていただけると助かります。
ちょっと順番を変えて、要旨の紙の三ポツの確認答弁というところから、上から順にだあっとやっていきます。
まず一つ目は、配付資料の二十二ページ目に条文第二条があって、二十三ページ目から附帯決議の案がついています。それまでの一ページ目からの、だあっとあるのは、これは、これまでの質疑の中で非常に意味のあるというか、我々の会派が中心ですけれども、総理から比較的はっきりした答弁があったみたいなものを並べたものですので、参考にしていただければと思います。
まず、岡審議官に伺います。
重要情報活動の定義に関してですが、本法二条、二十二ページを見ていただければと思いますが、この重要情報活動として収集調査する重要国政運営に資する情報は、定義が広過ぎで、本来、条文修正すべきだと思うんですが、附帯決議一にあるように、「「資する情報」の解釈が過度に広範なものとなることのないよう、国民の安全や国益の確保の観点から、政策部門における対応のために必要と認められる情報を取り扱うものとすること。」でよいか、政策部門における対応のために必要とは、主として重要国政運営に係る政策決定に必要ということでよいか、伺います。(発言する者あり)
○山下委員長 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○山下委員長 速記を起こしてください。
岡内閣審議官。
○岡政府参考人 よろしくお願いします。
本法案第二条に定める重要国政運営に資する情報につきましては、その解釈が過度に広範なものとなることのないよう、国民の安全や国益の確保の観点から、政策部門における対応のために必要と認められる情報を取り扱うものとすることが必要であると考えております。
政策決定の局面においてのみ必要なものに限られるという趣旨ではございませんけれども、重要国政運営に係る政策部門における各種の検討や評価、立案、判断、決定などといったことに役立つ情報を取り扱うという趣旨で、政策部門における対応のために必要と認められる情報を取り扱うものとすることが必要であると述べたところでございます。
○後藤(祐)委員 条文修正に代えて今の答弁ということだと思います。
二つ目に、これも岡審議官に伺います。
特定秘密保護法別表の前例に従い、テロリズムの発生の防止と拡大の防止を合わせて、「テロリズムの防止」と条文修正した方が分かりやすいのではないかと提案させていただきましたけれども、あえて、「テロリズムの発生の防止」と規定して、テロリズムの拡大の防止を「緊急の事態への対処」の方で読むこととしたのはなぜでしょうか。
○岡政府参考人 御指摘のテロリズムの発生の防止と、いざテロ事件が発生した場合におきます被害拡大の防止は、いずれも重要な取組と認識しておりますけれども、危険の兆候をできるだけ早期に把握するという情報部門に課された任務の特性や、それを踏まえた本法案の立案趣旨に鑑みますと、テロリズム関連情報を収集する情報部門においてまずもって目指すべきことは未然にテロの発生を防止することであると考え、重要国政運営の例示の規定ぶりといたしまして、「テロリズムの発生の防止」と定めたものでございます。
なお、念のため申し上げますと、発生後の被害の拡大の防止につきましては、その次に規定する「緊急の事態への対処」に通例は該当すると思われます。
○後藤(祐)委員 次、官房長官に伺いますが、附帯決議でいうと二つ目に当たるわけですね、個人情報、プライバシー保護に関してですが、これもそのままの確認です。
重要情報活動及び外国情報活動への対処に関する情報の収集及び提供並びにそれらの要請に当たっては、個人情報保護法等の法令や各組織における関連規定の遵守はもとより、個人情報やプライバシーが侵害されることのないよう、十分な配慮を行うということでよいか。また、目的外使用となる個人情報の提供及びその要請については、個人情報保護法を遵守するとともに、提供を受けた情報についても、同法の規定に反する利用目的以外の利用を厳に慎むということでよいでしょうか。
○木原国務大臣 重要情報活動及び外国情報活動への対処に関する情報の収集及び提供並びにそれらの要請に当たりましては、個人情報やプライバシーの保護に関し、個人情報保護法等の法令や各組織における関連規定の遵守はもとより、これらが無用に侵害されることのないよう、十分な配慮を行ってまいりたいと考えています。
また、後段の、目的外利用となる個人情報の提供及びその要請については、個人情報保護法の規定を遵守するとともに、提供を受けた情報についても、個人情報保護法の規定に反する利用目的以外の利用が行われることはないものと考えております。
○後藤(祐)委員 続きまして、これは四月十七日の委員会の官房長官の答弁のちょっと再確認ですが、資料十五ページにその議事録があります。
この十五ページの上段から中段にかけてのところで、インテリジェンス関係機関が個人情報を不当に収集していると評価されることを恐れて必要な情報をためらったりすることがあれば、これは国民の安全や国益に重大な影響を与えかねませんと官房長官が答弁しておりますが、これは誤解を与えかねないと思いますので、この附帯決議でも確認されていますように、個人情報やプライバシーを不当に収集することはあってはならないということ、無用に侵害されることのないよう、十分な配慮を行うということで間違いないでしょうか。
○木原国務大臣 先週の四月十七日の当委員会におけます答弁でありますが、個人情報やプライバシーを不当に侵害してはならない、あるいは政治的中立を守らなければならないという条文修正を行うことで何か困ることはあるかと後藤委員からの御質問に対しまして、政府としては、一般的な組織法の中では、他に規定されていないようなことを本法案のみで規定することは、現行法規を遵守するということ以上に特別な意味合いを付与してしまうおそれがあるとの考えの下で、例えば、国民の安全や国益が懸かっている局面において、そのような特別な意味合いがあると誤認した情報機関が必要な情報収集をためらったりする懸念があるということをお答えしたものでございます。
いずれにしましても、インテリジェンス関係機関が情報活動を推進するに当たって個人情報やプライバシーを扱う際には、個人情報保護法等の関係規定にのっとって適切な運用を行うということは当然でありますので、また、これらの関係規定に反して、個人情報やプライバシーの保護に関して無用な侵害があってはならないと考えており、十分な配慮を行ってまいります。
○後藤(祐)委員 事実上、今の答弁で理解をいたしました。
岡審議官に伺いたいと思いますが、附帯決議二の「無用に侵害」とありますけれども、無用でなければ侵害できるように見えるわけですね。実際、有用な、組織として必要な仕事をするために個人情報保護法上の侵害と言い得るような場合もあり得なくはないと思うんですけれども、そういう場合でも十分な配慮は行うということでよろしいでしょうか。
○岡政府参考人 一点、先にちょっと申し上げますと、有用は役に立つという意味で、無用は役に立たない又は必要でないという意味で、対義語の関係にございますけれども、副詞として無用にとした場合は、必要もないのにという意味になりますので、無用に侵害というような活動を対比されても、ちょっとお答えしにくいところではございますけれども、委員御指摘の趣旨を踏まえたつもりでお答えすれば、重要情報活動及び外国情報活動への対処に関する情報の収集及び提供並びにそれらの要請に当たっては、個人情報やプライバシーの保護に関し、個人情報保護法等の法令や各組織における関連規定の遵守はもとより、これらが無用に侵害されることのないよう、十分な配慮を行う必要があると考えております。
○後藤(祐)委員 何か、ややトートロジー的な答弁だと思いますが、少し具体的に聞きますと、岡審議官にですが、目的外利用となる個人情報の提供及びその要請は、具体的には、本来どういった目的で集めた個人情報を、どういった別の目的で利用することは認められて、どういった目的では利用してはならないと想定しているんでしょうか。
○岡政府参考人 重要情報活動及び外国情報活動への対処に関する情報の収集及び提供並びにそれらの要請に関し、目的外利用となる個人情報の提供及びその要請につきましては、個人情報保護法を遵守するとともに、提供を受けた情報についても、同法の規定に反する利用目的以外の利用を厳に慎むことが必要であると考えております。
目的外の利用又は提供が認められるケースは一様でなく、具体例を基に説明し切るのはなかなか困難ではございますけれども、個人情報保護法第六十九条第一項におきまして、「行政機関の長等は、法令に基づく場合を除き、利用目的以外の目的のために保有個人情報を自ら利用し、又は提供してはならない。」としつつ、同条第二項において、「前項の規定にかかわらず、行政機関の長等は、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、利用目的以外の目的のために保有個人情報を自ら利用し、又は提供することができる。」とされておりまして、法令に基づく場合のほか、例えば、同項三号の「他の行政機関、独立行政法人等、地方公共団体の機関又は地方独立行政法人に保有個人情報を提供する場合において、保有個人情報の提供を受ける者が、法令の定める事務又は業務の遂行に必要な限度で提供に係る個人情報を利用し、かつ、当該個人情報を利用することについて相当の理由があるとき。」に該当するときは認められるものと理解しております。
○後藤(祐)委員 今の個人情報保護法六十九条は、今、地こデジでやることになるのかな、個人情報保護法の改正案でかなり広がるんですよね。学術目的には使えるというやつが、統計何とか等みたいな、かなり広い形で使えるようになるので、そういう意味でも、かなりこれは慎重にやっていただく必要があるかと思います。
プライバシーに関してはやや曖昧なところが、個人情報保護法に比べると、法律がないものですから、あるんですけれども、この附帯決議の二にあるように、今までのところあったやり取り、答弁について、プライバシーの保護についても、法令の規定の有無にかかわらず、同様の取扱いに留意するということでよろしいでしょうか。
○岡政府参考人 お答えします。
重要情報活動及び外国情報活動への対処に関する情報の収集及び提供並びにそれらの要請に当たりましては、プライバシーの保護につきましても、法令の有無にかかわらず、先ほど答弁申し上げた目的外利用となる個人情報の提供及び要請に係る取扱いと同様の取扱いに留意することが必要であると考えております。
○後藤(祐)委員 今のは極めて重要な答弁なんです。
次、国家公安委員長に聞きますけれども、十四ページを御覧ください。
これは四月十七日のあかま国家公安委員長のやり取りですけれども、警察法二条二項の「いやしくも日本国憲法の保障する個人の権利及び自由の干渉にわたる等その権限を濫用することがあつてはならない。」の個人の権利及び自由にはプライバシーの保護は含まれるかということについて、このときは、非常に曖昧な、答えたんだか答えていないのか分からないような答弁しかしていませんので、今の岡審議官、もう明確に答弁があったと思いますので、これは国家公安委員長、明確に答弁ください。
○あかま国務大臣 委員お尋ねの、これは日本国憲法の第十三条の幸福追求権に由来するプライバシーについてのものと承知をしております。
これについてでございますが、警察法第二条第二項に規定する個人の権利及び自由に含まれるものであるというふうに考えております。
○後藤(祐)委員 明確な答弁ありがとうございますが、これは警察の基本ですから、最初の答弁が曖昧なことがとてもよろしくないことだと思いますので、是非、そういうことをぴしっとやるのが国家公安委員長だと思いますので、よろしくお願いいたします。
続きまして、附帯決議の三つ目、政治的中立ですけれども、官房長官に伺います。これもそのままなので単純に答えていただければと思いますが。
総理や官房長官を始めとする政策部門は、情報部門に対し、その所掌事務とは無関係な情報収集依頼を行わないこと、政治的中立性を損なう情報収集は行わないこと、特に、特定会派の利益又は不利益を図るため、国内の政治家や選挙区に関する情報や、選挙及び選挙運動に関する情報の収集は行わないことを約束していただけますか。
○木原国務大臣 政策部門は情報部門に対して、その所掌している事務とは無関係な情報の収集を求めることはなく、その必要もないと考えております。
また、全体の奉仕者として職務を遂行することが憲法上も要請されていることからも、各インテリジェンス機関とも、特定の党派の利益又は不利益を図るような目的で情報活動を行うことは、これまでもしておりませんし、今後も行うことはございません。
○後藤(祐)委員 明確な答弁ありがとうございます。
そうしますと、引き続き官房長官に伺いますが、十五ページ中段、四月十七日の委員会での私の質問に対して官房長官はこう答えています。インテリジェンス関係機関が政治目的を持って行動していると評価されることを、これも恐れて、必要な実態把握をためらうようなことがあれば、外国勢力をかえって利する結果となり、制度改正としては、これは本末転倒ではないかなと思います、こういう答弁なんですが、インテリジェンス機関が政治目的を持って行動してはならないということでよろしいでしょうか。
○木原国務大臣 こちらも四月十七日の当委員会における私の答弁ですが、個人情報やプライバシーを不当に侵害してはならない、あるいは政治的中立を守らなければならないという条文修正を行うことで何か困ることはあるかという、これも後藤委員からのお尋ねに対しまして、私どもとしては、一般的な組織法の中では、他に規定されていないようなことを本法案のみで規定することは、現行法規を遵守するということ以上に特別な意味合いを付与してしまうおそれがあるという考えの下で、例えば、外国による影響工作への対処を行うべき局面において、そのような特別な意味合いがあると誤認した情報機関が必要な実態把握をためらったりする懸念があるということをお伝えしたものであります。
いずれにしましても、憲法第十五条第二項において、全ての公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではないと規定されておりまして、また、国家公務員法第九十六条第一項において、全て職員は、国民全体の奉仕者として、公共の利益のために勤務し云々でなければならないと規定されているとおり、インテリジェンス関係機関が情報活動を推進するに当たっても、全体の奉仕者として職務を遂行することが必要であり、これを逸脱してはならず、私としても、官房長官の立場及び国家情報会議の議員の立場からも適切に監督してまいります。
○後藤(祐)委員 次、附帯決議四つ目、中長期的な推進方策について官房長官に伺います。
政府の情報活動の中長期的な推進方策を文書としてまとめる際には、国会に報告するとともに、公表するということでよろしいでしょうか。その際、附帯決議二、三に掲げた個人情報やプライバシーの保護、政治的中立に反する情報の収集及び提供並びにそれらの要請を行わないための具体的方策についても検討の上、盛り込むということでよろしいでしょうか。
○木原国務大臣 政府の情報活動の中長期的な推進方策を文書としてまとめ、そして国会に報告するとともに公表してまいる、その際には、個人情報やプライバシーの保護を無用に侵害し、又は全体の奉仕者としての立場を逸脱して政治的中立性を損なう情報の収集、提供、そして要請を行わないための具体的方策についても検討の上、盛り込むことを考えているところであります。
○後藤(祐)委員 ありがとうございます。
国家公安委員長にまた伺いたいと思います。
十六ページに、先ほどのような四月十七日の委員会での国家公安委員長の答弁がありますが、私の質問、個人情報、プライバシー、政治的中立に関する法令や内規に反するような要請が総理や官房長官から国家情報局になされた場合、断れないのではないかとの質問に対して、岡審議官は、万が一そのような御指示があった場合には、内閣情報官又は国家情報局長がルール違反になる旨を総理や官房長官にお伝えをして、御指示を撤回していただくことになるものと思われますと答弁しています。
個人情報、プライバシー、政治的中立に関する法令や内規に反するような要請が総理や官房長官から国家公安委員長になされた場合、同様に、国家公安委員長から総理や官房長官に対し、指示を撤回していただくよう求めるということでよろしいでしょうか。四月十七日のときは、そのような求めがなされることはないと答弁していますが、これは見解を統一していただきたいと思います。
○あかま国務大臣 前回、私の答弁で、総理や官房長官から法令や服務規程に違反するような求めがなされることはないと認識していると答弁申し上げましたが、仮に万が一、様々な誤解が重なるなどしてそのような求めがあった場合、ここにおいては、警察庁を管理する立場にある国家公安委員会の委員長である私としても、ルール違反になる旨を総理や官房長官にお伝えして、そのような求めを撤回してもらう、こうしたことなどをし、警察が法令や服務規程に違反して情報を提供することがないようにするつもりでございます。
○後藤(祐)委員 明確な答弁をありがとうございます。この質疑、だんだん積み重なって非常に充実したものになっているということを是非皆さん御理解いただければと思います。
次、附帯決議五、国会報告に行きたいと思いますが、岡審議官に伺います。
中長期的な推進方策とは別に、国家情報会議及び国家情報局の活動内容について、関係法令、国会答弁、附帯決議の内容が遵守されているかどうかを含め、国会に適時適切に説明するということでよいか。単なる国会質問に答弁するということではなくて、活動内容を一定程度包括的に説明する機会を設けるよう努力していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○岡政府参考人 お答えします。
国家情報会議及び国家情報局の活動内容について、政府として取りまとめようとしている情報活動の中長期的な推進方策に関する文書とは別に、国会に対し、国民の懸念を払拭するため、関係法令、本法案に関する国会答弁及び附帯決議の内容が遵守されているかどうかを含めて、その求めに応じるなどして、適時適切に説明することが必要であると考えております。
また、活動内容を一定程度包括的に説明する機会を設けることにつきましても、同じく、その求めに応じるなどして、適時適切に対応したいと考えております。
○後藤(祐)委員 本来は、少なくとも年一回、文書の形で報告、公表をすべきだと思いますが、これに関しては、やや玉虫色な形で、今後の課題ということにさせていただきたいと思います。
次、附帯決議六、議事録について行きたいと思いますが、これは岡審議官です。
国家情報会議の議事録を作成し、配付文書とともに、公文書等の管理に係る制度に基づき、重要な公文書にふさわしい適正な期間保存するということでよろしいでしょうか。この附帯決議では「議事の記録」とあるんですが、簡略化された議事要旨的なものではなくて、逐語的な議事録として公文書に残すということでよろしいでしょうか。
○岡政府参考人 国家情報会議の運営に当たりましては、議事の記録を作成し、配付文書とともに、公文書の管理に係る制度に基づき、公文書として適正な期間保存することが必要であると考えております。
どこまで逐語的な記録とするかにつきましては現時点でお答えしかねるのではありますけれども、公文書として適正な期間保存するという趣旨に鑑みまして、後年の国民から見てその事後検証に資するようにという点も踏まえて、閣僚級の会議にふさわしい内容のものとすべきと考えております。
○後藤(祐)委員 これは、あーとかうーとかいうのは載せる必要はありませんが、まさにこの国会での議事録、今配付していますよね、これはあーとかうーとかは書いてないんですが、これは逐語的ですよね。こういったレベルの議事録にしていただけるということでよろしいでしょうか。岡審議官。
○岡政府参考人 議員御指摘の趣旨はよく理解いたしました。
その上で、まだ施行前でありますので、現時点でどこまで逐語的なものとできるか、あるいはするかについては、決定事項としてお答えしかねるのではありますけれども、そうした中で、政府の理解といたしましては、公文書として適正な期間保存するという趣旨に鑑みまして、後の国民の方々による事後検証に資するようにするという点も踏まえて、それにふさわしい内容のものとすべきと考えているというものでございます。
○後藤(祐)委員 私、役所にいるとき、審議会の議事要旨というので、うまく工夫して、都合のよい文書を作ることばかりやっていました。こういうことができちゃうのはよろしくないので、NSCの議事録のときもこの議論はありましたけれども、これは是非、本当に歴史の検証に堪え得るように。そのときの当事者はいなくなっちゃうんですから、亡くなった後に問題になるようなことだってあるんですから、そこはよく、その意味を重く受け止めていただきたいと思います。
続きまして、附帯決議七、国家情報局長の人選に行きたいと思います。
ここで、「それまでの経験を踏まえつつ、」という言葉が微妙な言葉として入っているんですが、これは、民間人をいきなり政治任用で突然連れてくるというようなことは私も望ましくないと思うんですね。だから、ここは、インテリジェンスコミュニティーでの一定の経験が必要であるというぐらいの意味であって、特定の行政機関での経験ではないというふうに、これは官房長官、理解してよろしいでしょうか。
○木原国務大臣 人事、人選の御質問でございますが、法令上は民間からの任命は可能ではありますが、国家情報局長については、情報活動や我が国の情報コミュニティーに精通していることが求められ、これまでの経験を踏まえつつ、人物本位、能力本位で任命することが重要であるということは、これは先般の衆議院本会議で高市総理も述べられたとおりでございます。
ここで言います、これまでの経験というのは、ある一つの行政機関における業務経験を指すものではなく、インテリジェンスコミュニティーを構成する様々な省庁、内調であったり警察庁であったり、公調、外務省、また防衛省とか、そういった省庁におけるインテリジェンス業務に実際に携わった経験を指すものと私は理解をしております。
いずれにしましても、国家情報局長を始めとする幹部人事については、そのような経験を踏まえ、その時々の総理がお決めになるというふうに承知をしております。
○後藤(祐)委員 これは、特に民間人が駄目ということではなくて、そういう経験がほとんどない人をぽっと連れてくると、それこそ政治側、政策部局側が情報機関を振り回すことになるおそれがより強くなると思いますので、そういう意味でもここは守っていただきたいと思います。一定の答弁だったと思います。
続きまして、附帯決議八、今後の法制度との関係ですが、これも官房長官に伺いたいと思います。
対外情報を収集するための行政機関の設置や、スパイ活動を含む外国による我が国に対する不当な影響力の行使を防止するための法制度、これをやれというわけではありません。これはかなり慎重に考える必要があるとは思いますけれども、これを仮に検討する場合には、個人情報やプライバシー保護を含めた国民の自由と権利の尊重、政治的中立性、国会による民主的統制を確保しつつ行うということでよろしいでしょうか。
そして、この附帯の八にあるように、「国民の権利利益を制約するもの」という言葉があるんですけれども、これを、特定の行為を規制するような強い規制の場合に限定するのではなくて、例えばロビー活動を行う人はちゃんと登録しなきゃいけないといった登録制的な制度であっても、その方はその後マークされ続けるといった可能性はあるわけで、ある意味人権侵害的な要素はあり得るわけですから、こういった制度であっても含まれ得ると理解してよろしいでしょうか。
○木原国務大臣 政府といたしましては、本法案をおまとめいただいた後に、我が国の情報力を強化するために必要となります対外情報機能の充実、また、外国による不当な干渉の更なる防止策等のインテリジェンス政策を検討するに当たりまして、個人情報やプライバシー保護を含めた国民の自由と権利を尊重することや、特定の党派の利益又は不利益を図るようなものでないこと、これらに配意すべきことは当然であると考えております。
また、仮に国民の権利利益を制約し得るインテリジェンス政策を検討するに当たりましては、最終的にはこれは国会がお決めになることでありますが、国会による監視を含め、民主的統制の在り方についても検討していく必要があると考えています。
今後のインテリジェンス政策の立案の具体像について、いまだ確たることは申し上げられない現時点でありますけれども、それに対する民主的統制の制度の在り方をお答えするということも困難ではありますけれども、いずれにしましても、新たな施策によってどのような権限を創設するのか、どのような手続の下で権限行使するのか、整合性、実効性、これらのバランスなどの観点から、今後丁寧に検討してまいります。
○後藤(祐)委員 是非丁寧にお願いします。
こういった対外情報庁あるいはスパイ活動に関連するような法制を今後検討するに当たっては、積極派の方だけではなくて、安保三文書の議論をする場には積極派の方の名前ばかりが並んでいるような報道がつい先日ありましたけれども、そういう形ではなくて、個人情報やプライバシー保護、政治的中立、こういったことに関する専門家も含めて審議会などで丁寧に審議しつつ検討するということで、官房長官、よろしいでしょうか。だとすると、さすがに今年中の法案提出は難しいと思いますけれども、そのように理解してよろしいでしょうか。
○木原国務大臣 まず、後段の質問の時期についてでありますけれども、本法案以外のインテリジェンス関連施策については、現在、関連する課題や論点を整理しているところであります。その検討状況やスケジュール感についてここでお示しできる段階にはないということをまず御理解ください。
それから、前段でありますが、個人情報やプライバシーの保護、政治的中立などに関する専門家も含めた審議会などで丁寧な検討についてでありますが、このような検討の進め方についても確たることを申し上げることは今は難しいんですが、本法案の審議において、政府の情報活動に関する個人情報やプライバシーの保護、政治的中立性について、この審議を通じて多くの御質問をいただいたところでありますから、今後検討を進めるインテリジェンス関連施策の中には、本法案とは異なって、国民の権利義務に関わるものを含み得るということ、そういったことをこれから十分に念頭に置きつつ、各方面からの御意見を賜りながら、丁寧かつ着実に進めていきたいと考えているところです。
○後藤(祐)委員 各方面という言葉にその意思の一端を示していただいたと思いますので、丁寧にお願いします。
岡審議官に伺います。附帯の同じ八ですが。
今話題になっているのは、対外情報庁ですとかスパイ防止に関連するような法律、法制度を仮に検討する場合には、適切に国会が監視できるようにすることを前提に検討というふうに附帯ではされておりますけれども、この新制度に直接基づく行為に限らず、例えば対外情報活動なんかを可能にするような制度であれば、外国において身分を明かさないようにするにはどうしたらいいかとか、あるいは金銭提供をどうするかとか、こういったものというのは別の制度との関連もあり得ると思うんですね。ですから、これら二つの制度そのものに基づく活動ではなくて、これらに関連する活動まで含めるかどうか。今確定的なことは言えないとは思いますけれども、そういった観点で今後検討していくということでよろしいでしょうか。
○岡政府参考人 お尋ねの新制度について、具体性を伴う段階ではございませんので、それに対する国会の監視につきまして、現時点で何らか方向性や検討の射程といったことを申し上げることは難しいわけでございますけれども。
その上で、仮に、今後、対外情報を収集するための行政機関の設置の法制度を検討する場合についてまずお答えいたしますと、当該機関が外国において仮装身分により情報活動に従事をしたり、金銭を対価とする情報提供を求める活動を行ったりすることを併せて検討するときには、こうした活動の状況につきまして、適切に国会が監視することを前提に検討を進めるということは考えられ、十分配意する必要があるんだろうと考えております。
また、それ以外の、例えば外国による我が国に対する不当な影響力の行使を防止するような何らかの法制度に基づく政府の活動について申し上げると、国民の権利利益の制約の程度との兼ね合いやバランスといったことを加味しながら、適切な国会の監視の在り方についても検討することになるのではないかと考えております。
○後藤(祐)委員 まさに今回の法案で、いろいろなインテリジェンス機関でいろいろな活動をするものを総合化して適切な活動をしていくということは、逆に言うと、いろいろなものが関連するわけですから、チェックする側もいろいろなものを関連していることを前提にチェックできるようにしなきゃいけませんので、そこだけ狭く解することがないように考えていただきたいと思います。
同じ附帯の八で、岡審議官に続いて伺います。
今のようなケースで、国家情報会議及び国家情報局が集約する情報も、そういった法案ができると質的量的に大きく変わると考えられることから、国家情報会議及び国家情報局に対する情報提供の状況を国会の監視対象とすることも検討するということでよろしいでしょうか。
○岡政府参考人 これらの法制度が実施された場合、国家情報会議及び国家情報局の集約し得る情報は質的量的に大きく変わることも考えられることから、それらによる国家情報会議及び国家情報局に対する情報提供の状況を国会の監視対象とすることも検討することについて十分配意いたします。
○後藤(祐)委員 特定秘密の法律が通った後、国会法を改正して情監審ができました。そのときの附則に、今みたいな法律ができたときには情監審の在り方を見直すという、これは附則で法律に入っていますので、やはり限定的な形ではなくて、アメリカやイギリスや韓国、こういった国々がやっているような形の監視機能を持つ国会の機関になるように、もしそういう法案を出す予定があるのであれば、かなり丁寧に、これはむしろ国会で、与野党で準備をする必要があるんじゃないかなということをあえて申し上げておきたいと思います。
続きまして、要旨の紙でいうと四ポツの、これまで通告していた外国情報活動への対処の定義の関連で、五つあるうちの四、五について聞きたいと思います。
官房長官に伺います。
外国情報活動への対処の定義。議場の皆さんは、条文が書いてある二十二ページだったかな、条文の二条を見ながら御覧いただければと思います。外国情報活動への対処との関係で、そこに「取得するための活動」というのがありますけれども、「これと一体として行われる不正な活動」と書いてありますけれども、こういった取得するための活動そのものではない、これと一体として行われる不正な活動とは、具体的にどのような活動でしょうか。
○木原国務大臣 これと一体として行われる不正な活動といいますのは、外国の情報機関等が我が国の秘密を探る活動と一体として行うものを想定をしておりまして、例えば、我が国の政府関係者等の判断に自国に有利な影響を及ぼすための働きかけを行うことであるとか、我が国の世論形成や政策決定等を自国に有利なものとするため偽情報を拡散させること、こういったことが考えられるのではないかなと思っております。
○後藤(祐)委員 官房長官にもう一つ伺います。
同じ二条の定義のところで「外国の利益」という言葉が出てきます。とは何でしょうか。例えば、日本国内において、特定の外国を好む方々、あるいは関連の深い人的集団の形成や、特定の外国に関連する商取引を拡大したい、こういったものも含むのでしょうか。
○木原国務大臣 外国の利益というのは、簡単に言いますと外国のためにということだろうと思いますが、外国の利益を図る目的があるか否かについては、当該活動の主体や手段などの態様であるとかその時々の情勢等を総合的に考慮して判断することになろうかと思います。
したがいまして、外国の利益を図る目的で行われているか否かを、これを一概に、一例を出してお答えをすることは困難でありますが、通常の友好団体の活動であるとか、あるいは一般的な個別の商取引などが国家情報会議の調査審議事項となるということは想定しにくいと思っております。
○後藤(祐)委員 この外国の利益を拡大解釈することのないよう、ここは慎重に使っていただきたいと思います。
残りの時間、防衛装備移転三原則及び運用指針の改定について伺いたいと思います。
一つ目、二つ目はちょっと飛ばしまして、ライセンス生産品の提供について。
今日、NSSから来ていただいておりますけれども、アメリカのライセンス生産品、例えばPAC3みたいなものを、アメリカの要請に基づいて、今日午前中、長妻さんもやりましたけれども、武力紛争の一環として現に戦闘が行われていると判断される国へ提供することは、この指針改定前はできなかった、我が国の安全保障上の必要性を考慮して特段の事情がない限りできなかったはずですよね。ところが、この改定後は提供できるようになったというふうに理解してよろしいでしょうか。
○中間政府参考人 お答えいたします。
昨日、装備移転三原則及び運用指針の改定が行われたわけでございますが、先生御指摘の、米国のライセンス生産品が武力紛争の一環として現に戦闘が行われていると判断される国に提供されること、これにつきましては特段の事情がない限り提供できなかったか御質問でございますけれども、これにつきましては、今回の改正前におきましてから、自衛隊法上の武器に該当するライセンス生産品のライセンス元国以外の国への移転に関しては、まず、武力紛争の一環として現に戦闘が行われていると判断される国については、原則として認めない。その上で、我が国の安全保障上の必要性を考慮して特段の事情がある場合に限り認め得るという形になってございました。第三国移転については、認め得る、特段の事情があればという形になっておったということでございます。(後藤(祐)委員「改定後は」と呼ぶ)今私が申し上げたのは、ライセンス生産品の件でございます。
改定後におきましては、PAC3ミサイルについては、まさにライセンス生産品でございますから違いますけれども、日本の開発、製造した生産品につきましては同じ考え方に立つということでございます。すなわち、武力紛争の一環として現に戦闘が行われていると判断される国に対しては、原則として認めない。我が国の安全保障上の必要性を考慮して特段の事情がある場合に限り認め得る。ライセンス生産品の場合と同じ考え方に立つ、特段の事情という条件がある場合にのみ認め得るとしているところでございます。
○後藤(祐)委員 そうすると、今回の改定で変わるところはどこですか。物として、今まで出せなかったけれども、今度出せるようになるものを挙げてください。
○中間政府参考人 お答えいたします。
昨日の改定がございましたが、それ以前におきましても、いわゆるライセンス生産品あるいは国際共同研究開発品については、一定の整理がなされていたところでございます。
今回規定いたしますのは、国産の完成品につきましてでございます。国産の完成品については、従来、いわゆる五類型のみ規定されておったわけでございますけれども、今回の検討におきまして、国産の完成品については、非武器、武器と分類した上で、いずれも、厳格な審査を経て適切と判断された場合には移転は認め得るとしたところでございます。
○後藤(祐)委員 それは、武力紛争の一環として現に戦闘が行われていると判断される国にも提供できるんですよね。
○中間政府参考人 お答え申し上げます。
国産完成品のうち、特に御議論されているのは自衛隊法上の武器についてと理解いたします。自衛隊法上の武器につきましては、まず、国連憲章に従った使用をすると約束する国、その国際約束を結んでいる国に提供し得るとしております。その上で、武力紛争の一環として現に戦闘が行われていると判断される国については原則出せないとしております。その上で、我が国の安全保障上の必要性を考慮して特段の事情がある場合には例外的に認め得るという考え方に立つものでございます。
○後藤(祐)委員 ちょっと長くなりましたが、我が国の安全保障上の必要性を考慮して特段の事情があれば、これまで五類型に該当しなかった護衛艦みたいなものは、今まで駄目だったけれども、今度はオーケーになるわけです。
先ほど、午前中、長妻委員が聞いた中で、武力紛争の一環として現に戦闘が行われていると判断される国とはどこかという中で、ちょっと今は休戦状態になってはいるものの、アメリカとイランがまさに戦闘が行われている状況にあるとした場合に、これは入るんですかと聞いたときに、これは個別判断だけれども、これに該当するとは認識していないと先ほど官房長官は答弁されましたね。
ということは、ここに言う武力紛争というのは、どこの国の領域で戦闘が起きているかという地理的な概念で判断するということなんでしょうか。だとすると、アメリカという個別の国に限定するわけじゃありませんが、自分の国は一切攻撃されていないけれども、他国を攻撃して戦争状態に至っているような国は一切入らないということになるんでしょうか。
○木原国務大臣 我が国からの防衛装備移転については、具体的な装備品の性質等も踏まえなきゃいけませんので、個別のケースに応じて、移転の必要性について厳格に審査することとなります。
具体的には、相手国の適切性といいますかね、相手国の適切性については、相手国・地域が国際的な平和及び安全並びに我が国の安全保障にどのような影響を与えているか等も踏まえて検討することとなると承知しています。
○後藤(祐)委員 いや、ちょっと、質問に答えてください。
武力紛争の一環として現に戦闘が行われていると判断される国とは、どこの国の領域で戦闘が起きているかという地理的概念で判断するということでしょうか。つまり、自国が一切攻撃されていない国が他国を攻撃して戦争、武力紛争が起きている場合は、攻撃している側の国はこの概念に入らないということでしょうか、明確に。これは官房長官の午前中の答弁に対するあれですから、これは官房長官、お答えください。
○木原国務大臣 午前中は長妻委員の方から、米国はどういう状況かと問われましたので、政府としては、現在、米国においては武力紛争の一環として現に戦闘が行われているとは認識していない、そのように答弁をさせていただきました。
その上で、先ほど申し上げたように、防衛装備移転というのは、具体的な装備品の性質、あるいは個別のケースに応じて、その必要について厳格に審査することとなりますので、申し上げたように、相手国の適切性については、相手国あるいは地域が国際的な平和及び安全並びに我が国の安全保障にどのような影響を与えているかを踏まえて検討することになります。
そして、当該国における実際の使用者の適切性については、その防衛装備の使用状況及び適正管理の確実性というのを考慮して検討することとなります。
○後藤(祐)委員 ちゃんと答えてくださいよ。
この武力紛争って地理的概念ですか。
○木原国務大臣 これはまさしく、地理的な状況というのは勘案するべきと思っております。
○後藤(祐)委員 そうすると、自国が一切攻撃されていない国が他国を攻撃している場合、武器移転ができちゃうということですか。そうすると、攻撃国に対しては移転してもオーケー、その攻撃を受けている国には駄目。そういうことなんですか、今回のルールは。
○山下委員長 中間内閣審議官、簡潔にお願いします。
○中間政府参考人 お答えいたします。
現に戦闘が行われている国については、官房長官が申し上げたとおりでございます。
他方で、今回の改定の基本的な考え方を申し上げますと、冒頭私も御説明いたしましたとおり、国連憲章を遵守するという約束を交わした国のみでございます。ですので、国際法に違反するような侵略等の行為を想定される国、あるいはそれが実際に行われている国に対して移転することは考えていない、そういうことはしないという考え方に立ってございます。
○後藤(祐)委員 今の答弁を聞いて、官房長官、今のアメリカのやっていることというのは、国際法上違法か違法でないかがまだ判明していないんでしょう、我が国政府の見解としては。とすれば、アメリカには出せないということなんじゃないんですか。
○木原国務大臣 先ほど米国の例を出させていただいて、米国においては武力紛争の一環として現に戦闘が行われているとは認識していないということを申し上げて、したがいまして、地理的な要因も考慮するということを申し上げました。
まさしく私の先ほどの答弁に尽きるというふうに思っております。
○後藤(祐)委員 時間が来たので終わりますが、だから、昨日決定する前に、案を公表して、それをちゃんと質疑してという形でやるべきじゃないかと申し上げたわけです。こんな曖昧で、もう今日できちゃうんですよ。おかしいですよ、これは。
抗議申し上げて、終わります。
○山下委員長 次に、黒田征樹君。
○黒田委員 日本維新の会、黒田征樹でございます。
本法案の審議も大詰めを迎えてまいりました。これまでの議論を聞いていますと、この法案によって実効性は担保できるのか、権力に対してどういうふうに抑制的にしていけるのか、そしてまた、政治的な中立性は確保できるのか、国民の権利は保護されるのか、大きくこのような論点なのかなというふうに理解をしております。それは当然、国民の皆様の不安でもあるというふうに思っておりまして、政府には当然、丁寧な説明が求められるというふうに思います。今日は、その点を踏まえて質疑をさせていただきます。
政府がこの法案を提出した背景には、軍事、外交だけでなくサイバー、認知戦、経済安全保障など、脅威の形が複雑化する中で、情報戦が国家の命運を左右する、そういった危機意識が高まって、それに的確に対応するために司令塔をつくるということで、その点、評価をしております。
ただし、制度をつくることと機能させるということは全く別の話でございますので、今日は、実効性、人材の確保や育成、そして人権の保護、情報公開、こういった点で質疑をさせていただきたいというふうに思います。
まず、出発点としてお伺いいたしますけれども、政府は、今回の法案を提出した背景として、どのような脅威認識を持っているかという点であります。
昨今、サイバー攻撃、偽情報の拡散など、様々な分野にまたがる脅威が顕在化して、その全体像が見えにくくなっているということは皆さんも周知の事実だというふうに思います。現行の内閣情報調査室もインテリジェンス機関を取りまとめる機能を有していると認識しておりますけれども、なぜ現行の体制ではこうした危機に対応できないのか、どういった機能が足りないと判断したのかについて御説明をいただきたいというふうに思います。
○岡政府参考人 改めて申し上げますと、昨今の国際環境は複雑で厳しく、サイバー攻撃、偽情報の拡散という御指摘がございましたけれども、そのほかにも、様々な影響工作や国際テロといった脅威がございまして、さらに、経済安全保障や先端技術をめぐる国家間競争も深刻な情勢にございます。これらは、外交、防衛、経済、技術といった複数の政策領域にまたがっており、全体像の解明には、様々な分野の情報と多角的な分析が必要とされます。
かかる情勢に的確に対応するためには、政府の情報部門において質の高い情報をできるだけ多く収集し、これを中枢組織に集約して総合的に分析した上で、意思決定に資する形で政策部門に提供するというインテリジェンス機能が極めて重要になると考えております。
しかし、現行の体制におきましては、情報部門において政府全体を俯瞰し、政治のリーダーシップの下で戦略や方針を示す、そういう仕組みがなかったり、あるいは、各省庁を取りまとめたり調整したりする機能が弱く、各省庁を総合調整して活動の優先づけや整合性の確保を行いにくいといった課題があると認識をしております。
これらを踏まえまして、本法案により、政府において閣僚級の国家情報会議を内閣に設置し、それにより情報活動の基本方針を示すとともに、それを支える国家情報局を内閣官房に設置し、政府内の総合調整を行えるようにする必要があると考えたものでございます。
○黒田委員 ありがとうございます。
こういう御答弁、もうこの法案審議の当初から何度も御説明いただいていますけれども、要は、現行の体制では、ばらばらに動いていて、全体像が見えない。ですから、政治的なリーダーシップによって脅威に対応することがなかなか難しい、これが課題だということで、その認識を共有した上で、次は、この法案による機能強化についてお伺いをしたいと思います。
この法案で、国家情報局に総合調整の権限が付与されるということになります。この総合調整の規定は、先ほど、現在の課題として挙げていただいた政府一体としての対応についてダイレクトにつながるものであると思いますけれども、国民からすれば、何をどう調整するのか分かりにくいというところもあろうかというふうに思いますので、その辺、我が国のインテリジェンスにとって具体的にどういうメリットがあるのか、御説明をいただきたいと思います。
○岡政府参考人 お答えします。
本法案により国家情報局が担うことになる総合調整の法令用語としての意味合いを申し上げますと、内閣や内閣総理大臣が指導性を発揮して国政の重要課題に対応していく場合に、これを助ける観点から、政府全体の統一性を図る目的で、内閣の立場、すなわち、各省庁を超えた、より高い見地から行われる調整を指します。こうした権限を制度的に担保することによりまして、実効性を確保した形で各省庁を総合調整し、活動の優先順位づけや整合性を確保していくことが期待されます。
具体例により申し上げますと、例えば、我が国の周辺地域で軍事的な衝突が近々発生する兆しが認められた局面におきまして、総合調整によりまして、できるだけ正確な事態進展の予測を立てるために、統一的な目標や方針の下、各機関の情報源、情報手段の特性や限界を踏まえた明確な役割分担が示され、最も効率的かつ迅速に情報の集約と評価が行われるということ。政府統一的な評価を基にして、外国情報機関との情報や意見の交換が行われるということ。さらに、これらの結果を用いることで、政策部局の次に打つ手が正確なものとなるといったような効果が得られるというふうに思っております。
○黒田委員 ありがとうございます。
要は、各省庁がこれまで持っている情報のピースがばらばらであったものが、その断片的な情報をしっかりと集めることによって一つの絵として見えてくる、そういうようなイメージなのかなというふうに思いますので、そういう総合調整については、しっかりと機能させて、国民の安全に資することを期待しております。
続きまして、この法案について、議論の中で、偽情報の話、影響工作、そういった脅威の説明もありました。現代の安全保障では、武力衝突だけでなく、国家の意思決定や社会基盤を揺るがす、見えない攻撃が深刻化しております。
その代表例が影響工作とサイバー攻撃。影響工作は、SNSとか偽情報を用いて世論を誘導して、社会の分断、そして政府への不信等を生み出す、そういった行為で、選挙にも影響を及ぼしているとも言われております。一方、サイバー攻撃は、政府の機関や重要インフラ、そしてまた企業を標的に、機能の停止、情報の搾取、こういったものを狙うものでありまして、ありとあらゆる、国民生活に直結する領域が被害を受けるという可能性があります。ただ、これらは、平時と有事の境界というものがすごく曖昧でありまして、国家の脆弱性をつく、まさに現代戦の主要の手段というふうになっております。
これに関連して、外国によるサイバー空間を利用した影響工作や情報操作の現状について、どのように認識されていますでしょうか。そしてまた、新たに国家情報局に付与される総合調整機能により、サイバー空間を利用した選挙の干渉、そして選挙介入への対策を含めて、外国からの影響工作、情報操作への対処、これがどのように強化をされるのかというところをお聞かせいただきたいと思います。
○鎌谷政府参考人 お答えをいたします。
偽情報の拡散を含む外国による影響工作については、我が国にとっても安全保障上の脅威であり、選挙の公正や自由な報道といった民主主義の根幹をも脅かすもので、その対策は急務と考えております。
政府におきましては、外国による影響工作への対策に関し、内閣官房副長官の調整の下で、関係省庁が協力して、情報収集、分析の充実、情報流通プラットフォーム対処法の運用の徹底、正確な情報発信の強化、各種リテラシー施策の向上などの対策に政府一体となった取組を行っているところでございます。
国家情報局の設置によりまして、政府全体の情報活動を俯瞰する立場から総合調整を行うことが可能となりますので、各省庁の保有する情報をより積極的に求め、多種多様な情報を集約することで、総合的な分析が強化されることとなります。
これらの結果、外国による影響工作についても、関係省庁に対し、一層質の高い、時宜にかなった情報の提供が行われ、効果的な対策が講じられることが期待できるものと考えてございます。
○黒田委員 ありがとうございます。
選挙の干渉とかこういう影響工作というのは何か余り実感がないかもしれませんけれども、SNSを通じたこういう偽情報とか、もう今この瞬間でも、国民の皆さんがお持ちのスマートフォンのところにはもう既に届いているということで、こういう法案によって、そういう見えない攻撃に対して政府が一体的に対応をしていくというところで、これがまさに国民の皆さんの知る権利とか選ぶ権利、そういったところにも寄与するというふうに思っていますので、この職責を果たしていただくようにお願いを申し上げたいというふうに思います。
続きまして、本法案は司令塔をつくるものでありまして、手足となる機能は次の段階ということでありますけれども、我が党と自民党との連立政権の合意書には、スパイ防止関連法制として、外国代理人登録、そしてまたロビー活動公開の整備、こういったものも含まれております。これまで長年放置してきた課題と言えると思いますが、まさにこの連立政権の推進力を活用してこの検討を早急に進めていただきたいというふうに思いますが、これらについてどのようなスケジュールで検討を進めていくのか、お聞かせいただきたいと思います。
○岡政府参考人 政府といたしましては、まず、司令塔機能の強化は不可欠であるという考えに基づきまして、本法案を今国会において御審議していただいております。
お尋ねの、外国勢力が我が国の意思決定に不当に干渉するリスクへの対応といった、その次のステップで検討されるべきインテリジェンス関連施策につきましては、各党の提言や法案にも様々な考え方に基づき様々な御指摘がなされており、我々も熟読玩味しているところでございます。
これらの施策の中には、国民の権利利益に強く関わり、その影響を考慮した上で制度設計や施策立案を行うべきものも含まれていると思われますので、それゆえに慎重に検討を進める必要があると考えております。
政府としましては、本法案成立の暁には、国家情報局を中心に、関係各省庁の協力も得ながら、さらに様々な方々からの意見も広く伺いつつ、検討を進めてまいります。
○黒田委員 様々な意見を伺いつつというのはそのとおりだというふうに思いますが、外国代理人登録制度、そしてまたロビー活動の公開義務化、こういったものはもう既に欧米諸国で広く導入されているものでありまして、日本だけが長年手つかずの状態であるということで、どの組織が誰の利益のために動いているのかということをしっかりと明らかにする必要はあると思います。
まさに国家国民を守るためにこうした制度の整備というものは不可欠でありますから、この点、できるだけ早期に進めていただきたいということを申し上げたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
次に、人材についてですね。まさにこの制度を動かしていくのは人の力であります。ただ、AI、そしてまたオープンソースインテリジェンス、そしてサイバー、語学、ヒューミント、それぞれ高度な専門性が必要でありますけれども、現在の公務員制度の処遇ではなかなか民間若しくは他国の情報機関と競争ができないということで、優秀な人材が集まらなければ、どれだけ立派な制度をつくっても機能しないということであります。
そんな中で申し上げますと、いろいろあるんですけれども、やはり、情報要員の俸給表でインテリジェンスの専門家としての新たな処遇、こういったことも必要だというふうに思いますし、あとは、先ほども話が出ていましたけれども、養成機関、こういったものもしっかりと進めていただきたいというふうに思います。我々との連立の合意の中でも、令和九年度末までにということも合意をさせていただいておりますので、この辺もしっかりと進めていただきたいというふうに思います。
あとは、こうした観点を踏まえて、政府として、情報要員の人材の確保、育成、処遇についてどのように考えているか。そしてまた、あわせて、国家情報局の発足時の人員規模、これはどのようになるのでしょうか。そしてまた、今後それをどう充実をさせていくのかという、その点についてお聞かせいただきたいというふうに思います。
○岡政府参考人 まず、処遇面の御指摘につきましては、国家公務員制度全体における公平性の観点も踏まえつつも、職務の性質に応じた適切な処遇を確保できるよう、関係機関とも相談しながら検討してまいります。
養成機関の設置につきましては、まずは、教育訓練のあるべきメソッドやカリキュラムを検討した上で、その在り方について結論づけたいというふうに考えております。省庁の垣根を越えた取組の必要性は強く認識をしております。
国家情報局の人員規模は、現時点、実員で約七百三十人のところ、これをどれほど増やしていけるかはまだ分かりませんけれども、新卒採用、中途採用、官民交流、各省庁の情報部門を横断するキャリアステップの確立などを組み合わせて、司令塔組織にふさわしい人員を整えてまいります。
○黒田委員 ありがとうございます。しっかりと人材の確保、育成というところに取り組んでいただきたいというふうに思います。
そして、今度は人権保護などの観点でありますけれども、国家情報局及び情報会議、これは通信傍受、逮捕、家宅捜索、強制捜査、こういった実力行使を伴う権限を持つのか持たないのかというところをいま一度、国民の皆さんは、しっかり国家として守っていただきたいけれども、何となく不安だという声もあろうかというふうに思いますので、その辺を明確にお答えいただきたいのと、あと、個人情報、プライバシーに関する懸念、これが多いというふうに思いますので、今回のこの施策の推進に当たって、こうした声に対する政府の考え方というか、それをお聞かせいただきたいというふうに思います。
○岡政府参考人 本法案は、政府の情報活動に関する基本方針の決定や、各省庁が行う情報活動の総合調整を担う司令塔組織を新設しようとするもので、各機関の情報収集や犯罪捜査の事務や権限を新設するものではございません。お尋ねのあったような、例えば、通信傍受、逮捕、捜索、強制捜査といった権限を設ける規定は一切どこにもございません。国家情報会議及び国家情報局についても同様でございます。
マスメディアやSNSなどにおきまして個人情報やプライバシーに関する御懸念、御心配が述べられていることは承知をしております。まずは、今御説明したような法案の内容に対する誤解を解くような発信はしたいと考えております。また、そうした誤解がない場合でもなお御心配であるという方々に対しましては、政府内で情報活動を行う各機関は、それぞれ担当する大臣の監督の下に適法かつ適正に情報活動を推進しており、このことは今後も変わるものではなく、本法案をお認めいただいた後も、国家情報局は、総理や官房長官の監督の下、適法かつ適正な活動に努める所存であるということを御理解いただけるよう努力したいというふうに考えております。
○黒田委員 済みません、最後、一問だけ。
○山下委員長 もう申合せの時間が過ぎておりますので。
○黒田委員 端的に、済みません、官房長官に最後、この法案が成立することでどのようになるのかというところを一言御説明いただけたらというふうに思います。
○山下委員長 官房長官、極めて簡潔にお願いします。
○木原国務大臣 昨今の国際環境は、厳しいだけじゃなくて、展開が速いと感じていますので、そういう状況の中でも、質の高いインテリジェンスを講じ、そして意思決定を速やかにやっていく。繁栄した我が国を将来世代に引き継ぐためには、このインテリジェンスの司令塔機能強化は必要だと考えております。
以上です。
○黒田委員 ありがとうございました。
○山下委員長 次に、野村美穂君。
○野村委員 国民民主党の野村美穂です。
本日も質問の機会をいただき、ありがとうございます。
大きく五つのテーマで十四問の質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
まずは、本日付託されました国民民主党提出のインテリジェンス法案について、七問質問いたします。
国民民主党は、昨年十一月二十六日にインテリジェンス法案を最初に提出され、本年三月十日再提出されましたが、国民民主党がいち早くこの法律案を提出した理由をお尋ねします。
○橋本(幹)議員 御質問ありがとうございます。
国際情勢がますます複雑化し、日本が国家として直面する安全保障上のリスクが多様化している中で、適切にインテリジェンス態勢を整備することが重要であると考えております。
昨今、スパイ防止法が必要である、あるいは不要であるといった、木を見て森を見ぬような議論が熱を帯びてきました。こういった議論の環境において、地に足が着いた議論というのは決してなりません。
国民民主党としては、長年にわたり停滞してきた我が国のインテリジェンスに関する議論を、旧来のイデオロギー的対立から脱却させ、現実的な脅威と日本の構造的脆弱性から、正面から向き合うことを目指し、昨年九月十一日、党内にワーキングチームを発足させました。その議論の成果を踏まえて本法律案を提出したものであります。
インテリジェンスは、我が国の存立、民主主義の防衛、国民の権利の保護にとって必要不可欠のものでありますが、我が国においては、安全保障政策の一環として独立してインテリジェンスを行う機関は存在せず、各省庁がそれぞれの政策の範囲内で必要な情報の収集、分析を行っているという現状があります。
そのような現状を打破するためにも、国家情報会議の設置による司令塔機能の強化にとどまらず、我が国のインテリジェンス態勢全体を強化する必要があると考えております。我が国で初めてインテリジェンス態勢の整備の全体像を示す法律案を提出した次第であります。
○野村委員 ありがとうございました。
二点目の質問として、インテリジェンスの定義と、既存法案との概念の違いについてお尋ねをします。
本法律案では、インテリジェンスをどのように定義をしているのでしょうか。国家情報会議設置法案における重要情報活動及び外国情報活動への対処という概念とはどのように違うとお考えなのか、提出者にお尋ねします。
○橋本(幹)議員 本法律案では、インテリジェンスを、国の安全の確保、公の秩序の維持、公衆の安全の保護に必要な情報の収集、整理及び分析並びにその結果の活用を行うとともに、国の安全の確保等に関する重要な情報を保全し及び我が国に対する不当な情報収集に対処することであると定義しています。
これは、インテリジェンスが国家の存立に関わる重要な課題であるとの認識の下、国の安全の確保等に関する政策決定のために必要な情報を対象とすることとしたものであります。この点は、国家情報会議設置法案第二条の重要国政運営に資する情報が広範過ぎるのではないかとのこれまでの審議で示された問題意識にも対応できるものと考えております。
○野村委員 ありがとうございました。
三点目の質問です。インテリジェンス法案における最重要観点についてお尋ねします。
国民民主党の法律案は、インテリジェンス態勢全般という幅広いテーマについて様々な理念や施策を定めています。その中で最も重要となる観点をあえて挙げるとすれば、それは何でしょうか。提出者の見解を教えてください。
○橋本(幹)議員 本法律案の立法に当たり、我が党では、インテリジェンス態勢の整備において特に重要となる三本柱を設けました。
第一の柱は、国民の自由と人権の尊重であり、日本国憲法が保障する基本的人権の尊重を制度として明確的に位置づけました。インテリジェンスは、国民の自由と人権を守る、そしてその根底である民主主義を守るために行われるものである、いやしくも公権力による監視や権限の濫用をしてはならぬ、そのための防止する仕組みも含めて構築すべきであるということを想定しておるところであります。
第二の柱は、国家の存立と主権の防衛であります。我が国の情報基盤を整備し、不当な情報活動や影響力工作による悪影響を排除する体制を強化することと想定しています。
第三の柱は、インテリジェンスの最前線に立つ関係者の保護であります。インテリジェンス活動に従事する現場の人々の安全と名誉、そして職務の継続性を確保するための仕組みを整えることを想定しております。
これらの三本柱をバランスよく構築するというところが、国民の信頼を得ながら健全かつ透明性のあるインテリジェンス態勢を築くことにつながると考え、重要であると考えております。
○野村委員 ありがとうございます。
それでは、四点目の質問です。インテリジェンス態勢の整備施策とスパイ防止との違いについてお尋ねします。
この法案は、インテリジェンスに係る態勢整備促進法案として、整備に係る施策の基本となる事項を定めるものと理解しています。一方、世間では、情報セキュリティー関連の法制をいわゆるスパイ防止法という観点で論じられることもあります。しかし、インテリジェンス態勢の整備とスパイ防止という概念には異なる側面があるものと考えられます。
本法律案の真の目的と意義を明確にするため、インテリジェンス態勢の整備に係る施策としてどのようなものを想定しているのでしょうか。一般的に世間で言われるスパイ防止という概念と、本法律案が定めるインテリジェンスの態勢の整備はどのように異なるのか、提出者にお尋ねします。
○橋本(幹)議員 本法律案では、基本的施策として、外国による不当な影響力の行使の防止のための措置、行政組織の整備、基本的人権に配慮した上での情報収集等に係る手法の拡充、インテリジェンスに係る職務に従事する者等の安全及び適切な処遇の確保、人材の確保、検証及び調査研究の推進並びに国民の理解の増進及び信頼の向上を規定しております。
具体的には、外国の利益を図る目的で一定の活動を行う者を対象とする届出制度の創設や、インテリジェンスを行う機関とそれを管理する独立行政委員会の設置を含めた行政組織の整備、インテリジェンスに従事する者の安全を確保するための関係法令の整備などを想定しております。
世間で言われるスパイ防止は、情報の保全という観点から見た場合でも、人によって行われる情報の持ち出しのみを対象とするものでありまして、インテリジェンス全体のごく一部にすぎないものと考えております。
当然のことながら、他国による情報収集というのは、オシント、ヒューミント、シギント、イミント等々ありますけれども、スパイといいますと、このうちのヒューミントを逮捕する、スパイ防止というと、逮捕する、そういう司法的な措置を強くにじませる言葉であります。
それではヒューミントに対して法的措置が有効であるかというと、必ずしもそうではなく、例えば、ヒューミント、外国のエージェントを泳がせておく、それで他国がどのような情報活動を行っているのかというところを把握したり、あるいは偽の情報をつかませたりする。これもまたインテリジェンスを的確に行うために必要な活動であります。
あるいは、罰則を設けても、オフィシャルカバー、外交官特権を持って活動するエージェントについては不逮捕特権がありますから、ペルソナ・ノン・グラータしか使えないということになります。
こういったことから分かりますように、スパイを逮捕すれば済むというものでは決してカウンターインテリジェンスはないというところをまず国民の皆さんに御理解いただく、そして、その一部だけ切り出して議論が沸騰することは極めて不健全でありますから、我が党が提出した法律案では、全体像を示し、国民の皆様の理解を得ることを目指しております。
○野村委員 ありがとうございます。
五点目の質問です。インテリジェンス活動とプライバシー保護のバランスについてお伺いします。
これまでの閣法の国家情報会議設置法案の審議において、インテリジェンス活動に伴うプライバシー侵害の懸念が主要なテーマとして繰り返し指摘されてきました。情報の収集、分析という活動の性質上、国民のプライバシーと情報セキュリティーの必要性との間に心配が生まれてしまうことは避けられないと思います。この懸念に対して、提出者はどのような認識をお持ちでしょうか。
○橋本(幹)議員 インテリジェンス態勢の整備を進めるに当たり、プライバシー侵害の懸念が指摘されていることには特に丁寧に対応しなければならないと考えております。
そのため、本法律案三条の基本理念において、インテリジェンスの実施において日本国憲法の保障する国民の自由と権利が尊重されなければならないことに留意しなければならないことを定めております。
さらに、本法律案八条では情報収集等に係る手法の拡充について定めておりますが、それに伴い、国民の自由と人権に制限が加えられる場合にあっても、その制限はインテリジェンスを実施するための必要最低限のものに限られ、かつ、公正かつ適正な手続の下に行われなければならないことを定めております。
インテリジェンス態勢の整備に当たっては、プライバシー権を始めとする国民の権利が不当に侵害されることのないようにすることは当然のことであり、国民民主党の法案においてもそれを明確に規定しております。
○野村委員 ありがとうございます。
それでは、六点目の質問です。国民民主党の法案に盛り込まれた、国民からの信頼の構築の観点からお尋ねします。
閣法の国家情報会議設置法案は、インテリジェンス態勢の整備の入口として、司令塔機能の強化にとどまっているものと理解しています。その他の必要な措置については、今後の議論に委ねられることになるとのことです。
このような状況の中で、極めて重要なポイントがあります。それは、今後のインテリジェンス態勢整備を円滑に進めていくためには、国民がインテリジェンス機能に対して信頼を置くことが何よりも必要不可欠だということです。政府のインテリジェンス活動が国民の支持を得られなければ、その実効性は大きく損なわれます。逆に、透明性と説明責任を持つ適切な機能であることが理解されれば、国民の理解と協力を得ることができるものと考えます。
そこで、提案者にお尋ねします。
そのために、国民民主党の法案にはどのような観点が盛り込まれているのでしょうか。
○橋本(幹)議員 大変重要な論点であろうと思っております。
インテリジェンスに対する国民の信頼を高める観点から、重要なキーワードとして、民主的統制、政治的中立、そして教訓というものがあると考えております。
具体的には、国会報告や、その内容の公表を含めた国会による民主的統制、時の政権の意向に左右されないインテリジェンス機関の政治的中立の担保のほか、インテリジェンス活用に失敗した事例である、例えば北朝鮮による拉致ですとか、あるいは専門的知見の欠如、組織文化の腐敗が不適切な判断を招いた大川原化工機をめぐる冤罪事件、こういった事例を教訓として、第三者によるレビューを行い、組織の透明性と専門性の確保を徹底する必要があると考えております。
さきの大戦においても、敗戦直後に組織的に資料を廃棄したことがありました。これにより、歴史家による検証というのは公のアーカイブに頼れないという状況になりました。
他方、平成十五年、イラク戦争開戦の根拠となった、イラクに大量破壊兵器があるという誤ったインテリジェンスがありましたけれども、これについては、平成十六年、翌年に英国の枢密顧問官らが取りまとめたバトラー報告書によって検証され、その後のインテリジェンス改革につながったということもあります。
インテリジェンス活動が国家安全保障を支える重要な要素である以上、その制度設計には慎重を期し、国民の自由や人権を侵害するおりとなるのではなくて、国民を守る盾として機能するように、歴史的な教訓を踏まえた取組を進めるべきだと考えております。
○野村委員 ありがとうございました。
国民民主党のインテリジェンスに係る態勢整備推進法案についての最後の質問の七点目です。インテリジェンス法案の第十条における人材確保の具体的施策についての質問になります。
インテリジェンス機能の実効性は、結局のところ、それを担う人材の質と量によって左右されます。高度な専門性を有する優秀な人材を確保し、育成し、組織内にとどめておくことは、インテリジェンス態勢整備の重要な課題です。しかし、現在の国家公務員制度の枠組みの中では、民間企業との人材獲得競争において不利な条件に置かれていることは周知の事実です。
そこで、提案者にお尋ねします。
第十条関係で、人材の確保について必要な施策を講ずるものとするとありますが、具体的な施策は想定されているのでしょうか。その内容をお聞かせください。
○橋本(幹)議員 第十条で規定する人材の確保に関する具体的な施策としては、インテリジェンスに従事する職員のキャリアパスの構築や教育の充実、専門知識及び技能を有する人材の養成、資質向上を目的とした大学、研究機関、民間事業者等との連携を想定しております。
インテリジェンスに従事する職員については、日本の人事慣行である二年から三年のジョブローテーションを改め、十年、二十年単位で専門的人材を育成する仕組みとすることが重要と考えられます。また、インテリジェンスに従事する職員への教育も重要であると考えています。
インテリジェンスコミュニティー全体で、ヒューミント、シギント、イミント、オシント、法務、倫理といった分野の教育を一元化したり、初級、中級、上級といった階層に応じた教育プログラムを構築することを考えております。あわせて、セキュリティークリアランスの統一的な実施や、情報保全を含めた取扱教育の一元化により各機関間の信頼関係醸成にも資するものと考えております。
なお、法案の第九条では、インテリジェンスに従事する職員等について適切な処遇を確保することも掲げております。処遇の改善といいますのは、例えば、午前中、連合審査においても、内閣情報調査室のプロパーの職員が幹部に抜てきされる事例がないという指摘も長妻委員からありましたけれども、こういったことにとどまらず、積極的に要員を保護していく、関係者を保護していく措置も重要であると考えております。
例えば、ヒューミントに従事する方、あるいはその協力者や御家族を含めた身の安全を確保する措置として、セーフハウス、駆け込み寺のようなものですとか、あるいは仮装身分を付与したり、あるいは危険な任務を終えられた方については別人格を付与していくということも、これは他国で当然に行っているものでもあります。
先ほど、安藤たかお委員からも、職員のメンタルヘルスの重要性も御指摘がありましたけれども、このようなことも要員の保護、情報の保全、インテリジェンスの質の向上の上で不可欠であると考えます。
また、ヒューミントに従事する者については、世の中から隔絶されたような状況で、身を危険にさらすような環境にある方々になります。CIAにおいては、例えば星の壁というものがあります。ウォール・オブ・スターズというものがありまして、これは、名前を明かせないけれども、国のために命を賭してその任務に従事した方、殉職された方、こういった方々の名誉を顕彰するという取組もあります。こういったものも、要員の保護という意味では不可欠であろうかと考えております。
また、大学などの教育機関や研究機関、民間事業者等との緊密な連携協力を図り、インテリジェンスに係る専門的な人材を養成される仕組みをつくっていくことも大事であると考えております。
米国においては、人材確保に当たって、例えば安全保障に関するゼミに所属している学生を積極的にリクルートしているということをやっているやに聞きます。他の国家公務員と同様の採用手法のみを取っていて、果たして、これから大幅に拡充しようとするインテリジェンスを担う人材を確保できるのだろうかと懸念しておるところであります。あるいは、積極的にそういった募集に近づいてくる応募者、こういった方々の全てが信用できる方々かどうかというところもまた考えなければなりません。
かつて外務省は独自の採用方式を取っておりましたけれども、似たような形で、情報職として独自の採用を行うべきではないかというところも検討が必要かと考えております。
○野村委員 ありがとうございました。
続いて、大きく二つ目に、閣法の国家情報会議設置法案、国家情報会議の機能検証と情報の透明化、検証体制について、特に人材についての質問を続けていきます。
八点目の質問になります。国家情報会議の機能的な有効性と情報管理の透明性についてお尋ねします。
国家情報会議が設置され、実際に機能し始めた場合、重要な問題が起きる可能性があります。それは、インテリジェンス供給側と需要側の間における適切な関係についてです。
十七日の委員会で、高市総理は、我が党の森ようすけ委員の質問に対し、経験から申し上げますと、複数の役所から全く同じ案件の、要は説明を二回受けなきゃいけないとかそういったことがある、だから、複数の機関で重複して情報を分析するといった非効率が生じているんじゃないかと感じておりますと答弁されました。これは、単純に、今後、国家情報局が情報を統括すると効率がよくなり、非効率が解消されるといったものではなく、首相官邸、国家安全保障会議、国家安全保障局、各省庁といった情報のカスタマーからのリクワイアメントが適切であったのか、また、国家情報局から提供されるインテリジェンスがその要求に対して適切に対応していたのかを検証しなければならない課題だと思います。
国家情報会議がうまく機能し、国民の信頼を得るためには、情報を適切に透明化し、その提供プロセスと内容について検証するような体制を検討するべきだと思いますが、木原官房長官はどのようにお考えでしょうか。
○木原国務大臣 インテリジェンスサイクルの公開とか検証についてのお尋ねでございますが、インテリジェンス活動に関する事柄については、その性質上、情報源や協力関係に関わるもの、情報収集の手法に関わるもの、また我が国の情報関心を示すものなど、機微な内容も多く含まれることから、その具体的な内容までつまびらかにするということは、情報活動の実効性の確保の観点から困難な面があるということは御理解いただいた上で。
先般、高市総理は、今委員御指摘のように、経験から申し上げると、複数の役所から同じ案件の説明を二回受けなきゃいけないというような答弁をされましたけれども、本法案をお認めいただいた暁には、国家情報局による総合調整機能を十分発揮すること、そのことによって、情報機関の間で事務の重複などといった非効率な状況ができるだけ生じないように、その運用に留意してまいりたいと考えております。
○野村委員 ありがとうございました。
続いて、大きく三点目のテーマとして、情報リテラシーと教育についての総合的な施策についてお尋ねします。情報リテラシーの位置づけと職員の教育体系の構築についてです。
情報機関の根幹を成すのは、正確で質の高い情報分析ではないでしょうか。その前提となるのが、情報の真偽を見極め、適切に分析するための情報リテラシーです。偽情報や誤情報が蔓延する時代において、これは国家の意思決定を支える極めて重要な機能と言えます。
しかし、情報リテラシーは、研修を受けたその時点で完成するものではありません。サイバー脅威は日々進化し、国際情勢も刻々と変わります。職員の能力も時間とともに更新されなければ、やがて時代の変化に乗り遅れてしまいます。また、多くの職員が集まる組織では、個々の職員の能力に差が生じることは避けられません。この能力差が分析の質にばらつきをもたらしてしまうこともあります。それだと、組織としての信頼性が失われてしまうかもしれません。
そこで、お尋ねします。
情報の真偽を見極め、適切に分析するための情報リテラシーを、国家情報会議においてはどのように位置づけているのでしょうか。また、偽情報、誤情報への対応、サイバー空間の理解、国際情勢分析等に関する能力を高めるために、職員に対してどのような教育、研修を実施する予定があるのでしょうか。その具体的な内容と、体系的にどのような構想があるのか、職員の能力を継続的に更新、維持するための仕組みの検討、再教育や評価制度といった具体的な方策を検討しているのか、お尋ねします。
○岡政府参考人 情報のリテラシーというのは、情報業務に当てはめれば、情報の真偽を見極めるであるとか、的確な分析の視座を当てはめられるかといった、分析の基本知識を身につけられるかということだというふうに理解をしています。
どこの世界でもそうだと思うんですけれども、昔は、スキルアップの方法というと自学自習とOJTというふうに重きが置かれておりまして、自分でいろいろな書物なり情報に触れて、先輩方の成果物を見よう見まねで似たようなものを作ってみるといった形で、必ずしも能力向上がメソッド化されていなかったということだと思います。
ただ一方で、根強い批判としましては、そういう決まったメソッドに頼って成長を促すと、人材の伸びが止まるでありますとか、あるいは画一的な職員のでき上がりになってしまうという批判もまたございます。
ですから、教えるべきことはしっかり教えつつも、自学自習の機会でありますとか、あるいは勉強になる業務を上司が計画的に割り振っていくということがまず第一に重要だろうというふうに考えております。
組織的な取組といたしましては、例えばでありますけれども、内調では、国際情勢の分析研修などを通じた能力の強化でありますとか、あるいは、偽情報のような非常に技術進歩の速い、そういう速さを反映された情報の分野におきましては、各界の有識者等を通じるなどして民間の知見を取り入れるというような取組をしておりますし、また、他省庁との人事交流そのものが、各省で培われた様々な物の見方、分析の視座ということを持ち合うことになると考えておりまして、プロパー職員の割合を増やしていくということは大事だと思っておりますけれども、内閣官房の組織である以上は、各省庁の知恵を持ち寄ることによる成長というのもまた一つあろうかというふうに考えております。
さらに、最初の話に少し戻りますと、基礎から地道に積み上げていくことというのが重要でありまして、実際の情報業務を一定期間経験することで能力が培われる一方で、その節目節目におきまして段階的、教育的な研修制度、教育制度というのを設けることが大事だと思いまして、それは職員配置を中長期的な視点で行うということと同旨でありますけれども、そちらにつきましては、国家情報局において省庁横断的な取組を進めてまいりたいと考えております。
○野村委員 ありがとうございました。
大きく四点目のテーマです。組織文化の形成と人材確保から三点質問をいたします。
一点目、国家情報局は複数の省庁から職員が集まり、統一的な情報機能を果たすことが期待されています。しかし、異なる省庁から集まった職員は、それぞれの省庁の文化や価値観を背景に持っています。これを、国家全体の戦略的利益を優先し、組織として一体的に機能させることはとても難しいことだと思います。また、職員間で判断や見方が異なることは当然生じます。こうした場合に、どのような意思決定プロセスを通じて組織としての統一的な方向性を導き出すのかは、組織の実効性を左右する重要な問題です。
そこで、各省庁から集まった職員が、それぞれの出身省庁の利益や立場に影響されず、国益を重視する共通の価値観や使命感を持つようにするためには、どのような仕組みが必要だとお考えでしょうか。
○木原国務大臣 かつて後藤田官房長官が言われた言葉があるんですが、出身がどの省庁であれ、省益を忘れ、国益を思えというのが著作物に書いてあります。委員の御指摘も、このマインドをいかに新組織に定着させるかという問題意識だと思いますが、円滑な立ち上げの鍵となる御指摘だと私は受け止めたところであります。
新任の全職員を対象とする研修を受けた上で、内閣官房の立場で行う様々な業務を遂行する経験を重ねることで、上司や同僚の振る舞いも見ながら、おのずと職責の自覚と一体感というのは醸成されていくものだと感じていますし、内閣官房の立場で出身元の省庁と接することで、出向して更にその出身元と逆に接することで、出身元省庁の活動や組織文化を客観視する機会にもなっているのではないでしょうか。
出身省庁の違いや過去の職務経験の差に起因した判断や評価の相違が生じることもあろうかと思います。なぜ自分がそう考えたのかというのをお互いに説明をさせ合うことで、より客観的で正確な結論が導き出されるように努めたいと思っています。多角的な検討を可能にするというプラスの側面も生かしながら、組織の一体性を高めてまいります。
○野村委員 ありがとうございました。是非そのように進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
それでは、ちょっと時間が来ていますので少し飛ばさせていただきたいと思いますが、組織文化の形成と人材確保についての質問をさせていただきたいと思います。
各省庁から職員が集まり、統一的かつ効率的な情報機能を果たす国家情報局が設置されることになります。しかし、ちょっと今は触れていないんですけれども、優秀な人材確保をしていくためには、民間企業や海外機関との厳しい競争にさらされています。今までの答弁の中でも、走り出しながら検討するというお話がありました。国家情報会議の実際の組織化から実効的な機能開始までには一定の時間が必要と考えられるということだと思います。では、その間、人材確保の進捗に応じて組織体制や機能をどのように段階的に構築していくのか、質疑の中から具体的なイメージが描けません。
そこで、人材確保がもし十分に進まなかった場合の影響についてお尋ねをします。
情報機関における人材不足は、単なる職員数の不足にとどまりません。質の高い情報分析ができなくなり、誤った判断や見落としが生じるリスクが高まるということです。国家の重要な意思決定を支える情報機能が十分に果たされなくなることは、国益に直結する深刻な問題ではないかと考えます。
人材確保が十分に進まなかった場合、国家情報会議の組織としての実効性がどの程度損なわれる可能性があるのでしょうか。具体的にどのようなリスク評価と危機管理体制が考えられるのでしょうか。情報分析の精度低下や判断ミスによって国家の意思決定が誤る可能性も含め、そのようなリスクをどの程度深刻に受け止めているのか。また、国家安全保障の観点からどのような影響が生じるのか。また、万が一、人材確保が計画どおり進まなかった場合の対応策としてどのような措置を用意しているのか、お尋ねします。主要国の情報機関と比較した場合の処遇、給与水準に関する認識と、現行の国家公務員給与体系の中で優秀な人材の確保、維持が可能と考えていらっしゃるのでしょうか。
○岡政府参考人 お答えします。
高度な専門人材が必要だと申し述べながら、一方で、その具体的な確保策を十分御説明できていないという御指摘はごもっともでございまして、また、民間企業などを見渡してみても、官公庁だけでなく民間企業においても、人材確保がなかなか十分にはかどらず、結果として既存の事務や新規事務が滞るなどの事態が生じている例も耳にしておりまして、私ども、新組織が新設された場合におきましても、懸命な努力は行いつつも、もし十分な人材確保ができなかった場合に備えたリスク管理の視点というのは大変重要だと思っておりまして、御指摘に感謝申し上げます。
その上で、頑張って集めるというのが前提ではありますけれども、仮にそういう滞りが生じた場合には、例えば、技術系職員や語学堪能な職員を例に挙げますと、それの更なる出向、派遣を各省庁に求めるということは、一つのやり方ではあるんですけれども、国家情報局の力が増した分、各省庁の力が減じられるということになりかねませんので、最適な手段ではないというふうに思っております。
まずは、業務の魅力又は就業環境の魅力などを訴えつつ、中途採用の活動というのは、より幅広い対象に働きかけていくことを考えております。彼らは、新卒採用と違いまして、即戦力になり得る存在でもありますので、そうしたリスクへの対処としてはいいやり方だと思っております。
また、民間企業への業務委託をより幅広くするという対応策も考えられまして、情報活動は役人特有のスキルを発揮するものばかりではございませんので、民間企業への業務委託を行うことというのも選択肢の一つでございます。
また、今、内調でも行っておりますけれども、官民人事交流を進めることによって補填を図るというのもございます。さらに、情報の整理や分析を自動化するシステムを開発、導入することによって省力化を図るというのも手だてだと思っております。
そういったシステムの導入にせよ官民人事交流にせよ、消極的な文脈で申し上げましたけれども、積極的な意味合いを持って取り組んでいきたい施策でもございますので、そうした点は御理解を賜りたいというふうに思っております。
○野村委員 本日、私の最後の質問となります。国家情報局の情報分析と組織的継続性について、総合的な観点からお伺いします。
国家情報会議設置法案は、インテリジェンス態勢整備の入口として、司令塔機能の強化が目的とのことです。しかし、情報機関が国家の意思決定を支える機能を果たすためには、単なる組織の設置だけでは十分ではありません。
これまでの質疑で明らかになったように、国家情報会議の構築に当たって、人材確保から組織運営、能力向上など、政府全体としての総合的な実行戦略の検討は進んでいますでしょうか。これまで指摘されてきた多くの課題について、政府はそれらを解決していく見通しと対応策が検討され得るのか、最後に木原官房長官より意気込みをお聞かせください。
○木原国務大臣 現在、内調においても、内閣情報分析官が、中長期的な国際情勢等の展開や、また評価について分析を行っております。公開情報や人的情報など様々な情報を活用したオール・ソース・アナリシスの手法を用いて分析、評価の質を担保しているところです。
今後、分析能力及び情報の質の向上については、本法案によって、内調の後継組織である国家情報局に総合調整に関する事務が新たに加わることから、より高い水準の情報が国家情報局に集約をされることで、分析レベルの更なる向上というのが期待をされているところです。
こうした様々な取組を通じまして、国家情報局の分析能力が強化をされて、一層高度な情報の分析及び評価が達成されるもの、そのように考えているところであります。
○野村委員 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。
○山下委員長 次に、森ようすけ君。
○森(よ)委員 国民民主党の森ようすけでございます。
まず、附帯決議案についてお伺いしていきたいと思います。本日、後藤委員から附帯決議案のうち一から八の項目について御質問がございましたが、九の項目について御確認をさせていただきたいと思います。
九のところにおいては、対外情報を収集するための行政機関の設置の法制度や、いわゆるスパイ活動を含む外国による我が国に対する不当な影響力の行使を防止するための法制度も含む、一層のインテリジェンスに係る態勢の整備を仮に検討する場合には、インテリジェンスに係る態勢の整備が国家の存立及び国民の安全の確保に関わる重要な課題であるとの認識の下に、我が国の健全な民主主義の根幹の維持を始め国益に寄与することを旨として行うこと。あわせて、政治的中立性及び国会による民主的統制が確保されるとともに、日本国憲法の保障する国民の自由と権利が尊重されなければならないことに留意すること。また、情報収集等に係る手法を拡充するための措置、インテリジェンスに従事する者等の安全及び適切な処遇の確保のための措置、インテリジェンスに関する専門的知識や技能を有する者の確保のための措置、インテリジェンスの実施状況及びその効果の検証のための措置等について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずることとしておりますが、こうした方向性について、政府も同じ認識でよいか、お伺いします。
〔委員長退席、中根委員長代理着席〕
○岡政府参考人 対外情報を収集するための行政機関の設置の法制度や、いわゆるスパイ活動を含む外国による我が国に対する不当な影響力の行使を防止するための法制度であって国民の権利利益を制約するもの、こういったものを含みます一層のインテリジェンスに係る態勢の整備などについて、後藤委員の資料を引用されて御質問なさったものと理解しておりますけれども、私どもとしましては、そのようなことについては必要なことだというふうに考えております。
○森(よ)委員 明確にありがとうございます。
加えてもう一点お伺いしますが、外国からの不当な影響力の行使を防止するための措置ということで、ここでは具体的に例示はしていないんですが、例えば、外国の利益を図る目的で行われる一定の活動を把握し及びこれを国民に周知するための当該活動を行う者に係る国への届出制度の創設、こうした措置についても検討を加えて、その結果に基づいて必要な措置を講じていただきたいと考えておりますが、政府の見解はいかがでしょうか。
○岡政府参考人 委員御指摘の制度は、諸外国における外国代理人登録法などと言われるものであるというふうに理解をしております。私どもの理解としましては、そういった法制度というのは、外国政府等との取決めやその指示などの下に、当該外国政府などのため、その国の政策決定等に影響を与えることを目的に、例えば公職者との接触活動などを行う者について政府への事前の登録と公表あるいは活動状況の報告などを義務づけることによって当該活動の透明性を確保することを目的とした制度だというふうに承知しております。
先ほど来官房長官からも御答弁されていますとおり、まず司令塔の整備を行った後に検討すべき課題であるというふうに理解をしておりまして、ただ、国民の権利義務などに関わる事柄も含まれ得るものでございますので、様々な意見をお伺いしながら丁寧に政府において検討してまいりたいと思っておりまして、現時点、論点整理などを進めているところでございます。
○森(よ)委員 御答弁ありがとうございます。御指摘いただいたとおり、国民の自由と権利を尊重した上でこうした措置についても御検討いただいて、検討に基づいて必要な措置を講じていただきたいと思います。
質問の順番を入れ替えまして、国家公安委員長にお伺いしたいと思います。
これは後藤委員の答弁の中にも、質問の中にもあった、繰り返しではあるんですが、こうしたインテリジェンスの強化であったり国家情報会議の設置に伴って、やはり関係法令であったり関連規定に抵触するような情報提供、こうしたことが起きないようにすることが重要だと考えております。
以前の国家公安委員長の答弁においては、求めの内容に応じて資料や情報提供を検討していくといった答弁がなされて、明確な答えがされていなかったことに懸念を持っております。
改めて国家公安委員長にお伺いしますが、関係法令、関連規定に抵触するおそれのある情報提供の依頼が議長である総理からあった際に、警察庁として、明確に断る、指示の撤回を要求するということでお間違いないでしょうか。
○あかま国務大臣 お答えいたします。
今お話しの、総理や官房長官、また国家情報会議、国家情報局などから、法令であるとか服務規程に違反するような求めがなされることはないと認識していながらも、万が一、様々な誤解が重なるなどしてそのような求めがあった場合でございますけれども、警察庁からルール違反になる旨を説明をして、そのような求めを撤回してもらうなど、警察が法令や服務規程に違反して情報を提供することがないようにするものと認識しております。
○森(よ)委員 明確な答弁ありがとうございます。
国家公安委員長、質問はこれで終わりますので、御退席いただいて結構でございます。ありがとうございます。
続いて、情報公開についてお伺いしていきたいと思います。
これまでの質疑の中で触れてまいりましたが、適切な情報公開を国民に対して行うことで、それがインテリジェンスに対する国民の懸念の払拭、そして理解につながると考えております。そうしたことを通じて、今後進めようとされているインテリジェンスの体制の強化にもつながる、そうした土壌ができてくるものだと考えておりますので、やはり、国民に対する情報公開というものの重要性を感じているところであります。
そのため、数年に一度、国家情報戦略というものを改定、公表していくということをこれまで答弁なされておりますが、やはり毎年の取組状況を公表することも必要だというふうに捉えております。
まず、別の制度で、どのような公表がなされているのかということをお伺いしていきたいんですが、特定秘密保護法において、毎年、国民に対する情報提供、公表というものが行われておりますが、これは国会の審議の中で修正に盛り込まれた部分ではあるんですが、こうした規定が設けられている理由について政府としてどのように捉えているのか、お伺いいたします。
○鎌谷政府参考人 お答えを申し上げます。
特定秘密保護法第十九条では、政府は、毎年、有識者の意見を付して、特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施の状況について国会に報告するとともに、公表することとされております。
これは、先ほど委員の御指摘のとおり、平成二十五年の特定秘密保護法案の国会審議の過程で、自民党、日本維新の会、公明党、みんなの党の四派共同で提案された修正に盛り込まれたものでございます。
この公表の仕組みによりまして、特定秘密という特に秘匿度の高い情報に係る保全制度の運用状況について、その指定や解除、適性評価の実施の状況をお知らせすることで、国民の皆様の理解を深めることに資するものと考えております。
○森(よ)委員 これは、国民の理解を深めるためにこうしたことが盛り込まれているわけです。
ほかに、安全保障に関しては、防衛白書というものがございます。法令に基づく白書ではないんですが、この防衛白書は毎年公表されておりまして、やはり安全保障分野というのは機微な情報がある中で、公表できる情報については、毎年白書という形で取りまとめているんだと思います。これも、日本の防衛政策であったり安全保障環境の現状を国民に分かりやすく伝えることが重要ということで行われていると承知しているんですが、その点、参考人、いかがでしょうか。
○林政府参考人 委員御指摘のとおり、防衛省といたしましては、白書を一九七〇年に初めて刊行いたしまして、一九七六年以降、毎年刊行してまいりました。その目的は、できる限り多くの皆様に、できる限り平易な形で、我が国の防衛の現状とその課題及びその取組について周知を図ることでございます。
具体的には、おおむね一年間の、我が国を取り巻く安全保障環境や防衛省・自衛隊の取組を記述いたしまして、御理解をいただくこととしております。
○森(よ)委員 御答弁ありがとうございます。
これも共通しているんだと思います。できる限り多くの国民に、できる限り平易な内容で届けることが重要なため、この白書を毎年出されていると。まさに、特定秘密に関しても安全保障に関しても、機微な情報が含まれている一方で、情報公開を進めることが国民の理解につながるという観点から、公開可能なものについて毎年公表しているんだというふうに認識をしました。
なので、インテリジェンスに関しても同様に、政府が行う情報活動の実施状況であったり、そして情勢評価であったり、あと、関係法令等の遵守状況、こうしたものについて毎年公表していくことが望ましいと考えております。
これまでもやり取りを何度かさせていただいておりますが、国会への適時適切な公表、開示を行っていくことというところを強調されている印象があるんですが、毎年の公表については、少しトーンが落ちた答弁になっているという印象があります。
公表できない情報が多くあることは理解しているんですが、特定秘密に関しても、防衛白書も公表できるものを公表しているということを踏まえると、インテリジェンスについても、公表可能なものは文書として公表することを前向きに検討することを明言いただきたいんですが、官房長官、いかがでしょうか。
○木原国務大臣 先週四月十七日に当委員会で質疑が行われて、高市総理から、政府が行う情報活動の実施状況やその成果としての脅威評価に関しては、業務上の支障が生じるおそれのあるものを除き、国会からのお求めに対するものも含め、適切に御説明するということとともに、公表可能なものがあれば公表してまいりたいと考えていると答弁がございました。
私としても総理と同じ認識を持っておりまして、今後、この法案を成立させていただいた暁には、国家情報会議を運用していきます、その中で、この点についてもよく検討してまいります。
〔中根委員長代理退席、委員長着席〕
○森(よ)委員 ありがとうございます。前向きに検討いただけるというふうに捉えさせていただきました。
やはり、国家情報会議の議論に当たっては、個人情報であったりプライバシーに対する懸念の声が多くの国民から上がっていると思います。ただ、質問の中で、明確に、クリアに御答弁いただいている部分も多くあるというふうに承知しております。
そうしたことについて、しっかりと、これから、仮に法案が成立すると、実施する局面に入っていくわけですから、丁寧に、どういった配慮をなされているのか、そして毎年どういった取組をしているのか、こうしたことを公表していくことによって、次のセカンドステップの議論がスムーズに行うことができるというふうに考えておりますので、是非、配慮と、そして情報公開、あと、公文書管理についても含めて、そうしたところを配慮した上で、是非政府においては取組を進めていただきたいと考えております。
そうしたことを最後にお願いしまして、私の質疑と代えさせていただきます。ありがとうございます。
○山下委員長 次に、川裕一郎君。
○川委員 参政党の川裕一郎です。
一昨日、スパイ防止法制の国会提出、この秋見送り、来年の通常国会以降で調整との見出しの記事を確認をしました。
政府は、日本がいわゆるスパイ天国と言われる現状を改めるため、国家機密や先端技術を守る法制度の整備を急ぐと、これまで繰り返し説明をしてこられました。同時に、その司令塔として国家情報会議を設置する法案を今国会に提出をし、両者は本来、車の両輪として、少なくとも同じ政治日程の中で一体的に議論する、そういうイメージが示されていたと理解をしています。
ところが、現実には、国家情報会議の設置法案だけが先行し、本来それとセットであるはずのインテリジェンス・スパイ防止関連法制は、この秋の臨時国会の提出を見送り、来年、通常国会以降に先送りする方向だと報じられました。
なぜ、国家情報会議だけが先に審議をし、スパイ防止法制を後ろ倒しにするアンバランスな形になったのか。表現の自由や人権への配慮が理由だったというのであれば、それこそ法案を国会に提出をして、条文を磨き、公の場で議論すべき。懸念を理由に法案提出そのものを遅らせるのは、国会での議論と国民の知る権利を避けているのではないかと考えます。
ここで、官房長官にお聞きをします。
インテリジェンス・スパイ防止関連法制の先送り判断について、法技術的な問題なのか、与党内、連立内の政治判断なのか、あるいは世論への配慮なのか、具体的な理由を明確にお聞かせください。
○木原国務大臣 今委員から御指摘のあった報道は承知をしているところですが、政府として申し上げるのは、この秋の臨時国会、まず、あるかどうか分からない臨時国会でありまして、そこでインテリジェンス改革の関連法案を提出するということを予定したという事実というのがまずございません。そういう事実がないということ。
その上で、外国による不当な干渉の更なる防止の方策については、他のインテリジェンス機能強化の関連施策とともに、関連する論点や課題を整理しているところでございまして、現時点では、その検討状況やスケジュール感についてもお示しできる段階ではありませんが、様々な方々からの御意見を伺いながら、この点は丁寧に検討を進めてまいりたいと考えております。
○川委員 そういった事実がないということでありましたけれども、政府の中からやはりそういう話があった上での報道であったと思いますし、私たちもそういうふうに認識をしておりました。
このスパイ防止法制が、これから制定に向けて動かれると思うんですけれども、遅れることによってのリスクをお聞きをしたいと思います。
私たちは、今まさにハイブリッド戦、情報戦の時代に生きています。外国勢力による影響工作や技術流出、人材スカウト、政財官学への浸透は今日この瞬間も進んでいると見なければなりません。
スパイ防止法制の整備が、例えば来年の通常国会ということで一年遅れるということであれば、その一年間は、外国情報機関による工作活動や、防衛産業、大学、企業からの先端技術の流出、自衛隊や官僚、政治家への不透明な働きかけに対して、日本が現在より強い法的対応を取れない期間がそのまま延びることになると思います。万が一、この空白の一年の間に取り返しのつかない国益の毀損が生じた場合、あのとき法案を出しておけばよかったということでは済まされないと思います。
私は、国体と主権を守る観点から、この先送り、まあ先送りではないという話でありましたけれども、先延ばしでこのスパイ防止関連法制を出すということに関しては、日本の安全保障を削る重大な政治判断であると思っております。
政府は、この一年のリスクをどう評価をし、その重みを本当に理解した上で、先送りを決めていないということでありますけれども、そうだとしたら、またいつまでに有識者会議の議論を終えて、またいつまでに法案要綱をまとめ、どの国会で提出するのか、後退のない具体的な工程表を国民の前に示すおつもりはあるのか、明確な答弁を官房長官にお求めしたいと思います。
○木原国務大臣 委員の問題意識は共有するものであります。外国勢力による我が国への意思決定の不当な干渉の更なる防止の方策に関しては、現在、各党の御提言等もいただいているところでございますし、御党も法案を提出されたということでございますから、様々な考え方に基づき、様々な事項が今示されているところでありますから、政府としては、関連する課題や論点を整理し、そして、現時点でその検討状況などをお示しできる段階ではないということをまず御理解をいただきたいと思います。
外国による不当な干渉の更なる防止方策を含むインテリジェンス機能強化の関連施策の中には、国民の権利義務に関わり、その影響をよく考慮した上で制度設計や施策立案を行うべきものも含まれ得るところではありますので、慎重に検討を進めなければならないと考えております。
いずれにしましても、委員の思いとは共有する前提で、現在の複雑で厳しく、そして変化の速い国際環境において国民の皆様の安全、安心や国益を守り抜いていくためには、様々な関連施策を適時適切に検討して、そして着実に実行に移していくこと、このことが重要であるということには変わりございません。
○川委員 具体の工程表は示すことはできないということでありましたけれども、今回のこの法案が明日にでも成立するのであれば、箱はできたということで、その中にしっかりとしたやはり中身をそろえていくということが大切だと思います、それも早い段階で。是非とも一刻も早い段階で中身をそろえていただく、そういう対応もいただきたいというふうに、これはお願いであります。
ここからは、国家公安委員長に何点か質問をさせていただきます。
まず、監視権限の歯止めと法的統制についてお伺いをします。
国家情報会議が各省庁及び警察機関の情報を横断的に取り扱うことになれば、制度上は個別に管理されていた情報が実質的には一体として運用されることになります。その結果、これまで個別法によって厳格に制約されていた通信の秘密や個人情報の取扱いについて、共有という名の下に事実上アクセス範囲が拡大していくのではないかという懸念があります。特に問題なのは、制度上は違法でなくとも、運用の積み重ねによって結果的に規制が骨抜きになる、いわゆるなし崩し的な拡大であります。
そこで、お伺いをします。
国家情報会議を経由することによって既存の法的制約が実質的に迂回されることはないと明確に断言をすることができるのか、その担保はどの条文であり、どの運用基準によって確保されるのか、具体的にお示しください。また、警察として、この新たな枠組みの中で、情報の取得、共有、利用の各段階においてどのような内部統制とチェック体制を構築をするのか、現場任せではなく組織としてどのように逸脱を防ぐのか、明確に御説明をください。
○あかま国務大臣 お答えいたします。
本法案が成立した場合、各省庁が保有する多様な情報を、国家情報会議また国家情報局が集約すること、そうなりますが、個人情報等の取扱いのルール自体を何ら変更するものではないと承知をしております。警察における情報の取扱いの観点からも御懸念には及ばないというふうに考えております。
その上で、警察が公共の安全と秩序の維持という責務の範囲内で情報収集を行うべきことや、個人情報保護法等の関係法令を遵守した上で個人情報を取り扱うべきことは当然であり、こうした点について、例えば全国警察の警備部門の責任者を集めた会議であるとか警察庁担当者の出張による指導の機会を通じて都道府県警察に対して指導しているものというふうに承知もしております。
私としても、今後ともこうした取組が着実に進められるように警察を指導してまいりたい、そう思っております。
○川委員 適時対応していくということでありまして、関連をしまして次の質問に行きたいと思うんですけれども、データ統合とプロファイリングの危険性についてお伺いをします。
複数の行政機関及び警察が保有をする情報が統合されることで、個人の行動履歴、交友関係、購買志向、さらには思想や価値観にまで踏み込んだ推測が可能となる環境が生まれます。これは、利便性の裏側で、個人を点ではなく線、さらには面として把握することを可能にし、結果として、特定の属性や傾向に基づいて人を評価する、また選別するいわゆるプロファイリングの高度化につながります。こうした仕組みは、一歩間違えれば、疑わしきは管理するという発想を助長し、無実の国民に対して見えない監視や不利益を及ぼす危険性をはらんでいます。
ここで、お聞きをします。
国家情報会議において、個別に関するプロファイリングはどの範囲まで許容されるのか、その明確な基準は存在をするのか。また、その情報が捜査や行政措置に用いられる際、どのような法的手続、第三者チェック、事後検証が組み込まれているのか。さらに、誤った情報、偏ったデータ、あるいは不完全な分析によって不利益を受けた国民に対し、どのような救済措置と是正プロセスが用意されているのか。実効性のある仕組みとして具体的にお示しください。
○あかま国務大臣 プロファイリングなどについての今お尋ねがございましたけれども、国家情報会議であるとか国家情報局においては、各省庁が保有する多様な情報を集約して多角的に分析することを通じて情報の客観性を担保していくこと、そういうふうに承知をしております。そういった情報の取扱いに当たっては、個人情報保護法等、関係法令を遵守して行われるものというふうに承知をしております。
あわせて、救済措置について、これもお尋ねがございましたが、四月十日の本委員会において、内閣官房の政府参考人の方から、各機関、国家情報局も含む各機関の個別の調査活動の何がしかの問題によって個々人に損害等が発生した場合には、この法律特有の特別な規定はございませんけれども、国家賠償その他既存の救済措置によって救済の手順が進む旨の答弁がなされているものというふうに承知をしております。
○川委員 プロファイリングの範囲ということに関してはなかなかちょっと明確ではなかったかと思うんですけれども、個人自身が、この法律を作ったことによって不利益を受けないように是非ともしっかりと対応をいただきたい、これはお願いであります。
次に、AI、アルゴリズムの活用の透明性について、これも国家公安委員長にお伺いをします。
今後、国家情報会議における情報分析においてAIやアルゴリズムの活用が進むことは避けられません。しかしながら、その判断過程は極めて不透明になりやすく、いわゆるブラックボックス化の問題が指摘をされています。特に、アルゴリズムによるリスク判定や対象抽出が行われる場合、その前提となるデータや設計思想に偏りがあれば、結果そのものがゆがんでしまう可能性があります。にもかかわらず、その判断過程が検証できないのであれば、国民から見れば、なぜ自分が対象になったのか分からないという極めて不透明な状況が生じかねません。
そこで、お伺いをします。
国家情報会議においてAIを活用する場合、その分析の妥当性をどのように検証をするのか。また、判断過程においてどの程度の説明可能性を確保するのか。さらに、誤ったアルゴリズム判断によって不利益が生じた場合、その責任は誰が負うのか、システムの開発者なのか、運用主体なのか、それとも最終判断を行った行政なのか。所見をお聞きしたいと思います。
○あかま国務大臣 一般論として申し上げれば、まず、AIが社会に大きな変革をもたらす中で、治安確保の観点からこれに積極的に対応すること、このことは必要であるというふうに考えております。
その上で、今委員の方からAIの活用に伴う責任の在り方等についてお尋ねがありましたけれども、昨年の十二月に政府の人工知能戦略本部において決定された人工知能関連技術の研究開発及び活用の適正性確保に関する指針において、AIを活用する範囲や条件については人間自らが最終的な判断を行うことや、AIがもたらす社会的影響を踏まえ、責任の所在の明確化、責任を果たすための仕組みの構築等により、技術的、制度的、社会的観点から、いわゆるアカウンタビリティーを合理的な範囲で果たすことなどと記載しておるところでございます。
これを受けて、警察庁においても、AIガバナンスの責任者を任命し、体制を構築するなどして、適切なリスク管理を行いつつ、AIの利活用を推進しているものと承知をしております。
○川委員 責任の所在は警察庁のAIガバナンスの責任者ということで、これは間違いないですかね。
○あかま国務大臣 警察庁における、また警察組織におけるということが前提で、いわゆる国家情報会議、これは私の所管というよりは内閣官房長官の方の所管となりますので、運用については、私の方からの答弁は差し控えたいというふうに思います。
○川委員 答弁は差し控えたいというお話でしたけれども、その前に答弁があったのは、警察庁のAIガバナンスの責任者ということを伺ったんですけれども、それで間違いないですかということです。間違いないですね。はい。
じゃ、続けて質問をします。
次に、地方自治との関係についてお伺いをします。
国家情報会議が中央主導で機能する場合、都道府県警察や地方自治体の判断や実情が形式的に反映されなくなる懸念があります。しかしながら、治安というものは、地域の歴史、文化、人口構成、産業構造などと密接に結びついており、簡単には判断できないという部分があると思います。現場の感覚と中央の分析が乖離をした場合、そのしわ寄せは最終的に地域住民に及ぶことになると思います。
ここでお聞きをしたいのですが、国家情報会議の意思決定過程において、地方の警察及び自治体の知見をどのような形で組み込むのか。単なる情報提供にとどまるのか、それとも意思決定に実質的に関与できる仕組みとなるのか。また、中央の方針と現場の判断が対立した場合、どのような調整プロセスを経て結論を導くのか。お聞きをしたいと思います。
○あかま国務大臣 まず、前提として、今の現行の警察制度でございますが、執行事務を原則として都道府県警察に一元化している一方で、警察庁において、都道府県警察からその活動状況等について随時報告を受けつつ、国家的、また全国的な観点からの所要の指導、調整を行っており、こうしたいわゆる調整プロセス、これが円滑に機能しているものというふうに承知をしております。
私としても、警察庁から都道府県警察の実情について日々報告を受けているところでもございます。国家情報会議に対して、このような現場の知見、これを生かしながら、会議における調査審議に貢献をしてまいりたいというふうに思っております。
○川委員 ありがとうございました。
次は、国家公安委員長、最後の質問をさせていただきます。内部告発と組織の自浄作用についてお伺いをします。
国家情報会議のように強大な権限と高度な秘密性を併せ持つ組織においては、外部からの監視だけではなく、内部からの自浄作用が極めて重要となります。しかし、閉鎖性の高い組織ほど不正や逸脱行為が表面化しにくく、問題が長期間放置されるリスクがあることは国内外の事例が示しているとおりであります。
そこで、お聞きをします。
警察組織において、不適切な運用や違法行為を内部から通報できる制度はどのように整備をされているのか。また、通報者に対する不利益取扱いをどのように防止をするのか。さらに、制度を設けるだけではなく、実際に機能させるために、どのような運用上の工夫、例えば独立した通報窓口の設置や外部機関の関与などを検討しているのか。具体的に御説明ください。
○あかま国務大臣 まず、警察の内部通報制度についてお尋ねいただきました。
警察庁においては、首席監察官の下に内部公益通報受付窓口を置いて、警察庁の職員等から警察庁についての法令違反行為等の通報を受け付けているというふうに承知をまずしております。
通報受付窓口については、首席監察官の下に置いている窓口に加えて、弁護士窓口、さらには国家公安委員会窓口を置いています。ほか、例えば、国家公務員倫理月間に合わせて資料を配付することなどによって、広く職員に対する周知に努めておるところでございます。
通報受付窓口に対して通報がなされた場合には、公益通報者保護法等に基づき、通報者に対する不利益な取扱いの禁止を含め、適切に対応がなされているものというふうに承知をしております。
引き続き、警察においてこうした制度が適切に運用されるよう、しっかりと私からも警察を指導してまいりたい、そう思っております。
○川委員 ありがとうございます。
組織の自浄作用をしっかりと求めていくためにはこういうことが大切だと思いますので、今後も対応いただきたいというふうに思います。
国家公安委員長への質問は以上となります。ありがとうございました。
○山下委員長 国家公安委員長は退席されて結構です。
○川委員 次に、有事、緊急時における国家情報会議の対応の在り方についてお伺いをします。
武力攻撃事態や大規模テロ、大規模サイバー攻撃といった有事の場面において、国家情報会議と国家情報局が実際にどのような対応をするかという点は、本法案の実効性を左右する極めて重要な論点であります。
本法案第二条では、緊急の事態への対処が重要情報活動の対象として位置づけられ、第六条第二項では、議長が特定の事案について集中的に審議を行うことができると規定されております。しかし、有事における具体的な対応やプロセスが、運用上の全体像は条文上必ずしも明らかではありません。
そこで、お聞きをします。
武力攻撃事態や重大なテロ、大規模サイバー攻撃が発生した場合、国家情報会議は、どのタイミングでどのように招集をされ、どのような情報をどの順番で集約、分析をし、誰にどのような形で報告、勧告をすることを想定をしているのか。さらに、既に有事対応の枠組みを持つ国家安全保障会議との関係において、四大臣会合や緊急事態大臣会合での審議と、国家情報会議における情報集約、状況評価と、役割分担と連携をどのように整理をしているのか。有事のファーストレスポンスにおける国家情報会議の具体的な対応イメージを、時系列も含めて御説明いただきます。
○岡政府参考人 委員御指摘のような緊急事態が発生した場合におきましては、政府の対応体制としましては、既に、例えば、内閣危機管理監が主動する緊急参集協議でありますとか、あるいは国家安全保障会議による緊急対策を決定する枠組みもございますし、あと、先ほど感染症につきましてもそういった新しい機構ができ上がっているということを御答弁申し上げたとおりでありまして、これらの関係整理という点は実務的には非常に重要な論点でして、その御指摘に応えるべく各機関間でしっかり調整をしているところでございます。
政策部門におけるこれらの緊急参集協議や国家安全保障の開催を国家情報局などが情報面から積極的に支援するというやり方がふさわしい局面もありましょうし、反対に、国家情報会議を開催して、インテリジェンスの観点から事案の総合的な分析及び評価を実施して、先行きをしっかり見通すということがふさわしい場面もありましょうし、どうした対処が最適かは個別具体の事情により異なると思われます。
委員のおっしゃる有事のファーストレスポンスという点で申し上げますと、政府として措置すべき対策や政策の決定までに残されている時間的余裕や、あるいは既に発生してしまっている危機事案をインテリジェンスの視点から分析、評価する余地がどれくらいあるのかといったことから、開催の要否がおのずと決まるものと思われます。
ただ、大きな自然災害の発生も含めて、危機においてインテリジェンス機能の果たすべき役割は大きく、会議開催の要否にかかわらず、例えば、他の会議体が立ち上がる場合には情報面で全力的にサポートするなどして、国民の安全のため役割を全うする所存でございます。
○川委員 時間となりましたのでこれで終わらせていただきますが、緊急事態の対応というのがまさにいつ起こるか分からない状況の中での国家情報会議としての立ち回り、非常に重要な部分があると思いますので、しっかりと対応いただけるよう祈念申し上げまして、これで私の質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○山下委員長 次に、高山聡史君。
○高山委員 チームみらいの高山聡史です。
この時間は、まず、国家情報会議の実効性を支える技術と人材への継続的な投資という観点で伺います。
既に本委員会での政府からの御答弁でも度々ありますが、現代のインテリジェンスというものは、人的な情報、信号情報に加えて、AIによる大規模データ解析や公開情報の活用を組み合わせて初めて政策判断に資する価値が満たされるものと承知をしております。同盟国、同志国のインテリジェンス領域での技術投資の規模、あるいは技術人材プールの厚みなど、各国の動きを見ても、これらの必要性は明らかなものだと思います。
この点に関連して、本日午前中の連合審査においても、官房長官から、国家情報局に幹部クラスを含む技術系のチームを組成することも検討という前向きな御答弁がございました。これは、我が国のインテリジェンス機能強化に向けて大変重要な認識をお示しいただいたものと受け止めております。
その上で、省庁横断的なAI解析基盤であったり、オシント機能に対して継続的な投資をどのようにやっていくか、また、それを担う技術系職員の厚みを中長期的にどう増していくかということについて、政府の具体的な認識をお伺いできますでしょうか。
○岡政府参考人 委員御指摘のとおり、現在は、極めて膨大で日々大量に更新される世界中の情報がインターネットを用いて容易に入手できる時代となっておりますし、また、言語の壁もネット上では容易に越えられるようになっているというふうに理解をしております。こうした公開情報を衛星情報やヒューミントといった秘密情報と併せて総合的に整理、分析する機能がインテリジェンスの水準向上のための一つの鍵となっております。
先ほども述べたとおり、データが大量であることと外国語の情報が多いことを踏まえますと、AIを用いた自動解析の助けを得ることが不可欠であるというふうに言えまして、そのためのツールの開発や運用というのは、新設される国家情報局におきまして、先端技術を有する民間企業の助けもかりながらしっかりと進めたいというふうな考えでおります。
また、人材の面で申しますと、例えば、生成AIの性能が数か月ごとに大幅に更新されるなど、この分野の技術革新のスピードがすさまじく、ツールやシステムの開発や導入に加えて、継続的な更新ないしは最新状態の維持という観点からも、技術的人材を中心とする体制の確保というのは極めて重要であるというふうに考えており、何とか確保したいというふうに思っております。
希少人材を民間企業と取り合う形になるため、政府全体の見方としましては、まずは、国全体の理系人材あるいはICT系人材の拡大育成策というのがまずあって、その上で、私ども政府の情報部門における人材確保というのも、そうした中長期的視点に立って推進してまいる所存でありまして、採用活動についても力を入れていきたいと考えております。
○高山委員 ありがとうございます。
希少人材の取り合いであるという認識は、以前の答弁でもいただいていたかと思いますが、まさに希少人材であるからこそ、できる打ち手はとにかくやり尽くしていただいて、国民の安全と国益を守るために必要なことであるという認識の下で前向きなお取組をお願いしたいというふうに思います。
続いて、国家情報会議及び国家情報局の活動に対する評価の枠組みについて伺います。
本日の連合審査でも、評価であるとか検証の重要性について、外務大臣、防衛大臣からもそれぞれ御答弁いただいたわけですが、情報部門に対する評価を実効的なものとするためには、まず大前提として、評価の素材となるデータが日常の業務プロセスの中できちんと継続的に蓄積をされていくことが不可欠だと思います。
そこで、伺います。
国家情報会議、国家情報局の活動に対する評価の枠組みを実効的なものとするために、政策部門による事後評価を支える情報、またプロセス全体の評価を支える記録などを継続的に蓄積していく仕組みをどう設計し運用していく構想か、政府の認識を伺います。
○岡政府参考人 まず、基本的な部分について申し上げますと、国家情報会議又は国家情報局における意思決定に係る記録や作成、使用した分析資料などにつきましては、他の行政機関と同様に、公文書管理法及び関連する法令に従い、可能な範囲で記録を作成して適切に管理することで、後年における検証に必要なデータを蓄積してまいります。
他方、情報プロダクトが完成に至るまでには、様々なソースに触れて複雑な工程をたどることも多く、そのプロセスを、最終成果物とは別に、分かりやすく記録を毎回しておくというのは、必ずしも容易ではありませんけれども、素材としての個別の重要情報や中間的成果物を公文書として残しておくことも考えられますし、特に秘密区分の高い情報につきましては、特定秘密保護法や公文書管理法に基づきまして、別途の文書が作成され、厳格に管理されることが定まっておりますので、素材データの蓄積という点では、秘匿度の高いものほど着実に管理される。
他方で、その時々に分析官が確認し参照するような公開情報というのは全て管理し切れるかというと、必ずしもそうではないというふうに考えております。
また、カスタマーからの評価というお話がございましたけれども、おっしゃるとおり、私ども情報部門の活動を日々評価するのはカスタマーである政策部門でございます。
そうしたことから、政策部門からのフィードバック、先ほど申し上げた表現をもう一度使いますと、有用であったとか、有用でなかった、ここが不足していたといった評価につきましても、このフィードバックの評価も必要に応じて記録することによりまして、インテリジェンスサイクルの始点から終点までを何とかたどることができるようにすることができるのではないかというふうに思っていまして、これらは自らの検証にも有用ですし、また部外による検証にも有用ですし、直近の政策サイドのような部外からの評価にも有用ですし、冒頭申し上げたように、後年における検証という点でもまた有用ということでございまして、これを使いやすく管理しやすい形でデータを蓄積していく、その方法につきましては、しっかりと検討してまいりたいと考えております。
○高山委員 ありがとうございます。
改めて、プロダクトだけではなく、プロセスに関しても公文書としてしっかりと記録、保存の対象になる、そして、そういった認識で進めていただいているということ、大変重要な認識の確認であったと思います。
また、おっしゃっていただいたとおり、この記録ということは必ずしも容易なことではないというのは、私も、民間企業においても、機密レベルの高いプロジェクトにおいて情報がどう管理されるかということを想像すると想像が湧くところではございますが、同時に、しっかりと統制の利いた組織がそういった情報をしっかり残しているというプロジェクトに際したこともございますので、是非やっていただきたいなというふうに思います。
続いて、橋本先生ほか御提出のインテリジェンス法案について、提出者に伺いたいと思います。
まず冒頭、橋本先生の午前中の質疑にもございました、今の個別のインテリジェンス機関が必ずしも十全たるものではないのではないかという問題意識は、私としても共有するところでございます。足下の国内外の情勢も踏まえつつ、我が国のインテリジェンスをどのように適切に強化をしていくか、そういった目線での御質問ができればというふうに存じます。
その上で、こうした問題意識を共有する立場から、提出者に伺います。
まず一点目、立法趣旨について。政府提出の閣法が組織設置法という形を取ることに対して、プログラム法として、理念、基本方針、推進体制など幅広く規律するものを取られようとしている背景について、お聞かせください。
そして、まとめてお願いします。二点目、このプログラム法でなければ解決をしない制度的課題について、我が国のインテリジェンス機能強化のために制度的に必要な中核的要素が何であるかというところについて、お考えを伺います。
そして三点目、提出者が目指すインテリジェンス機能の強化、インテリジェンスサイクルを国家としてどのように実効的に回していくのかについて、その構想を伺いたいというふうに思います。
○橋本(幹)議員 御質問ありがとうございます。
本インテリジェンス法は、御指摘のように、プログラム法であると同時に、基本的な理念を定めた基本法的性格を持つ立法でもあります。
我が党としては、我が国のインテリジェンスを抜本的に強化する必要があると考え、インテリジェンス態勢整備の全体像をプログラム規定といたしました。これは我が国で初めてインテリジェンスを定義したものでもありますけれども、インテリジェンス強化のための議論を進めるためには、まず、この全体像を国民の皆さんに示して、国民の理解を得ながら建設的な議論を進める必要があると考えたからであります。
国家情報会議設置法がステップワンで、この議員立法、インテリジェンス法がステップツーというふうに言う方もいらっしゃいますけれども、国民のインテリジェンスに関する適切な理解を得るという観点からは、これはステップゼロともいうべき内容であると考えております。
国家情報会議設置法は、司令塔としての組織の設置法となっておりますけれども、インテリジェンス法では、インテリジェンス態勢整備ということで、行政機関の整備ということもうたっております。まさに、このインテリジェンス法で示した論点というのも、こういった閣法の内容もカバーしているものと考えております。
加えて、インテリジェンス機能強化のための中核的要素についてお尋ねがありました。
我が党では、インテリジェンス態勢の整備において特に重要となる要素として、三本柱、国民の自由と人権の尊重、国家の存立と主権の防衛、インテリジェンスの最前線に立つ者の保護というものを議論の三本柱として設定いたしました。
この三本柱の具体的内容を申し上げますと、第一に、日本国憲法が保障する基本的人権の尊重を制度として明確的に位置づけ、インテリジェンスの目的は、国民の自由や人権、そしてその根底となる民主主義を守ることにあって、いやしくも公権力による監視や権限の濫用があってはならぬというところを明確に定め、そのための仕組みを構築するところにあります。
第二に、インテリジェンスが国家の存立に関わる重要な課題であるとの認識の下、我が国の情報基盤を整備し、不当な情報活動や影響力工作による悪影響を排除する体制を強化することにあります。これは、スパイを逮捕すればよいというような法執行的措置、司法的措置を過度に重んずる言説から距離を取って、インテリジェンスの一部開示であるだとか、エージェントに関する情報の透明化、こういった他国でも一般的に見られるような措置も含めて、総合的にインテリジェンスを強化していくべきだ、安全保障のために確かにしていくべきだという含意もあるものであります。
第三に、インテリジェンス活動に従事する現場の方々の安全と名誉、そして職務の継続性を確保するための仕組みを整えること。
これらが三本柱でございます。
また、実効性のための構想についてもお尋ねがありました。
まず、実効性ある形でのインテリジェンス態勢の構築に必要な要素として、第一に、民主主義国家である我が国において、インテリジェンス機関は、国民の信頼なくしてその正統性を維持できない、そして、実際に適切に活動することができないというところにあります。
国民の信頼を得ながら実効性あるインテリジェンス機能の強化を行うに当たり重要となるのが、民主的統制、政治的中立、そして教訓、この三点であると考えています。
具体的には、国会報告や、その内容の公表を含めた国会による民主的統制、時の政権の意向に左右されないインテリジェンス機関の政治的中立の担保のほか、過去の事例の検証、例えば、インテリジェンスの活用に政治が失敗した事例である、北朝鮮による拉致であるだとか、専門的知見の欠如、組織文化の腐敗が不適切な判断を招いた大川原化工機をめぐる冤罪事件の事例を教訓とし、第三者によるレビューを行い、組織の透明化と専門性の確保を徹底する必要があると考えております。
また、外国の不当な影響力の行使を防止するための透明化や偽情報対策などの施策、インテリジェンスを専ら行う機関の創設、手法の拡充、関係者の安全及び適切な処遇の確保、名誉の尊重といった施策も大変重要であると考えております。
これらは全て、インテリジェンス法に定めているものになります。
○高山委員 ありがとうございます。
今いただいた御答弁に触れましても、大変思いを持って御提出いただいたんだなというところ、共感するところも多くございました。
今おっしゃっていただいた、これがステップゼロに当たるのか、ステップツーに当たるのかというところ、両方の観点があるかと思いますが、少なくとも、閣法と比べてスコープが広いというか、要素が多いものであるかなと思います。その上で、私としても、共感する部分と、更に議論を深めたい部分、両方ございますので、少しこの時間、限られているというところで、また別の場でもいろいろと議論させていただきたいというふうに思います。
私からの今回の本法案の質疑としては、最後に、我が国のインテリジェンス機能強化をどのように実現していくかについて、官房長官に伺いたいというふうに思います。
本委員会、そして連合審査での質疑を経て、私の中でも明確になった認識がございます。それは、現代のインテリジェンスというものに対して、総合調整の必要性というところでございまして、一つには、まさに本法案が必要とされる理由である、各省に分散する情報機能を束ねる省庁横断の総合調整機能というところです。
しかし、これに加えて、もう一つ、技術基盤や技術リーダーシップの総合調整、すなわち、AI等を用いた公開情報分析などの整備と、それを継続的に進化させていく技術リーダーシップの調整、これも大変重要なのではないかというふうに考えます。この二つは、現代のインテリジェンスを駆動する、ある意味、車の両輪とも言えるようなもので、どちらかを欠いても十分には機能しないものではないかと個人的には考えます。
そこで、官房長官に伺います。
国家情報会議、国家情報局が有する総合調整機能を支える技術基盤の整備とその継続的な進化を、政府が、誰がどのように主導していく構想というふうになりますでしょうか。官房長官の御認識と意気込みをお伺いいたします。
○木原国務大臣 我が国のインテリジェンスコミュニティーの各機関やその司令塔組織が備えるべき技術基盤の在り方というのは、委員は継続的な進化というふうに表現をされましたけれども、そういった要素も含めて、総理をトップとする国家情報会議において調査審議する事項となり得るものと考えられます。
誰がこれからリードしていくかと問われれば、国家情報会議又は国家情報局という新組織がそうであるという答えになるわけですが、問題は、専門的又は技術的な見地からそれを誰が支えるかということであり、これは午前中の審議でも、委員もまた御質疑もされましたけれども、国家情報局内に、情報システムや分析ツール等の開発の企画や又は運用を担当する技術系職員を中心としたチームを置くということは一案であると、改めて申し上げておきます。
他方で、政府内の知識だけでは昨今の技術革新のスピードに追いつけない場合もあるかと思いますから、優れた技術を有する民間事業者の助力を得るということもまた不可欠であると考えており、安全保障分野と並び、情報分野においても官民協力の取組というのを確立していきたいと考えております。
○高山委員 ありがとうございます。
この国家情報会議の設置後、総理、官房長官がしっかりリーダーシップを発揮していただき、そして技術的にも必要な取組が更に前に進むことを期待いたしまして、私の質問を終わります。
○山下委員長 次に、塩川鉄也君。
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
国家情報会議設置法案について質問をいたします。
これまでの委員会の中でも取り上げてまいりました大垣警察市民監視事件ですけれども、二〇二四年、名古屋高裁は、警察による個人情報収集と中部電力子会社への情報提供を違法とし、個人情報の抹消を命じました。
十七日の当委員会で、違法判決を受けた警察は原告に対して謝罪を行ったのかとあかま国家公安委員長にお尋ねいたしましたが、その際には、判決を重く受け止めると繰り返すだけでありました。
改めてお尋ねをいたします。違法判決を受けた警察は原告に対して謝罪を行ったんでしょうか。
○あかま国務大臣 違法判決を受けて、岐阜県警察は、原告の方々に対して、これまで謝罪またおわびという言葉を用いたことはないものというふうに承知をしております。
他方で、私の方でこれまでも、判決を重く受け止めていると申し上げた、その趣旨でございますけれども、判決で大垣署員の活動が違法とされたこと、これを真摯に受け止め、改めるべきことは改めなければならない、そういう思いを込めたものでございます。
また、岐阜県警察において、原告の方々との面会、さらには県議会等の場でその思いをお伝えしてきたものというふうに承知をしております。
○塩川委員 謝罪、おわびという言葉を原告の皆さんに使っていないと。改めるべきは改めるといっても、そもそも謝罪がないんですから、その大本が欠けているわけで、警察は違法判決を受けても当事者に謝罪、おわびをしていない。判決を真摯に受け止めると言うだけでは反省がないと言わなければなりません。
もう一つ、自衛隊情報保全隊の市民監視事件もあります。
防衛省にお尋ねします。米国のイラク戦争が始まった二〇〇三年、イラク戦争に反対し、イラクへの自衛隊派遣に反対する市民の活動を監視し、情報収集していた事件であります。市民のプライバシー権や表現の自由の侵害が問われ、仙台高裁判決において違法の判決が行われました。防衛省として上告をせず、違法の判決が確定をしました。
人権侵害が違法とされた情報保全隊市民監視事件について、政府として当事者に謝罪をしたんでしょうか。
○松尾政府参考人 お答えいたします。
自衛隊情報保全隊による情報収集活動の停止を求めた裁判につきまして、防衛省としては、国の主張が一部認められなかったというところではありますけれども、司法による判断を厳粛に受け止め、情報保全隊が防衛省・自衛隊の所掌事務の、任務の範囲内で関係法令に従って適切な方法で情報収集に今後努めていくよう徹底をしているところでございます。
本件の判決を受けまして、司法の判断を重く受け止めるという観点から、プライバシー侵害が認定された原告の方一名につきまして、賠償金十万円を速やかに支払ったところでございます。
また、判決の趣旨を踏まえまして、情報保全隊が関係法令に従って適切な方法で情報収集を行うということを徹底するべく、部内の規則におきまして、基本方針として、個人情報の適切な取扱いなどコンプライアンスの確保を図るため、関係法令に関する教育内容の充実を図るとともに、部隊における指導を徹底するということも定めてございます。こういったことを徹底すべく、個人情報の適切な取扱いを含めたコンプライアンスについて、自衛隊において教育及び検査を徹底をしているところでございます。
○塩川委員 賠償金を払ったと。謝罪したんですか。
○松尾政府参考人 判決を受けまして、謝罪、おわびというような言葉を使っているわけではございませんけれども、司法の判断を重く受け止めるという観点で、今後こういったことが起きることがないように、部内における教育なども含めて徹底をしているところでございます。
○塩川委員 重く受け止めると言うだけで、謝罪、おわびという言葉を使っていないんですから、謝罪がないままなんですよ。そういう点でも、自衛隊も、そして警察も、違法判決が出されても全く謝罪も反省もないということが改めて明らかになりました。
官房長官にお尋ねをいたします。
高市総理が、政府の政策に反対するデモや集会に参加していることのみを理由として調査の対象になることは想定し難いと述べましたが、実際には、イラク戦争に反対するデモや集会に参加しただけで監視対象となっていた。
本法案は、情報機関が違法に収集した情報の共有を拡大をし、市民監視、人権侵害を強化する、そういうものとなるのではありませんか。
○木原国務大臣 これまでも度々答弁を差し上げておりますが、本法案ですが、国家情報会議及びそれを支える事務局としての国家情報局を設置して、インテリジェンスの司令塔機能を強化することで、複雑で厳しい国際環境の下においても危機を未然に防ぎ、国民の皆様の安全や安心、そして国益を守り抜くことを目的としたものであります。
また、本法案ですが、行政機関相互の関係を律するものであり、国家情報会議にも、国家情報局にも、その他の行政機関においても、国民の権利義務に直接関わるような権限規定を設けるものではありません。組織法であります。国家情報局による総合調整の対象となる各省庁の事務は、それぞれの主任の大臣により分担管理されておりますので、各大臣の監督の下、これまでと全く同じ所掌事務や権限に基づいて情報活動を適切に行うものであります。
本法案は、このことに何ら変更を加えるものではありません。したがって、お尋ねのような監視を強化するものでもなく、人権を侵害するようなものでもありませんし、むしろ国民の皆様の安全、安心や国益の確保に資するものと考えております。
○塩川委員 市民監視、このような人権侵害について謝罪も反省もないんですから、そういった総合調整を行うそれぞれの各機関のこういった誤りに対して何の反省もない中では、総合調整を担う司令塔そのものが、このような人権侵害を更に拡大するものになると言わざるを得ないということを強く指摘をしておくものであります。
もう一つ、内閣官房長官が管理をする内閣官房報償費、いわゆる官房機密費についてお尋ねをいたします。
情報収集という名目で官房機密費が世論誘導や政界工作に使われてきたことを、当委員会でも指摘をしてまいりました。その上で、私は、二〇〇九年、民主党政権が誕生したときに、当時の平野官房長官に官房機密費について質問をいたしました。麻生自公政権から政権を引き継いだときに金庫の中に幾ら残っていたのかと尋ねると、平野長官は、「コメントはしたくありませんが、全くございませんでした。」と答弁をいたしました。
金庫の中は空だったということですけれども、この件については御承知でしょうか。
○木原国務大臣 内閣官房報償費ですが、内政、外交を円滑かつ効果的に遂行するための、機動的に使用するということが必要な経費であり、取扱責任者である内閣官房長官の判断と責任の下で、厳正で効果的な執行を行っております。
お尋ねについてですが、政策推進費受払簿の記録を確認しましたが、平成二十一年九月十日に二億五千万円の繰入れがあり、平成二十一年九月十六日までに同額が支出されたものと承知をしております。
○塩川委員 二〇〇九年の八月三十日が総選挙の投開票日なんですよ。それで政権交代となるということで、そのときの麻生政権の官房長官が河村建夫長官だったわけであります。
麻生政権、与党が敗北をし、今説明がありましたように、その直後の九月十日の政策推進費受払簿において、官房長官自らが出納管理する政策推進費に二億五千万円を繰り入れたんです。さらに、九月十六日の受払簿の記録で、この日までに二億五千万全てを支出をしているということなんですよね。
九月十六日は、総選挙後の特別国会において麻生内閣が総辞職をした日、鳩山内閣が発足をした日であります。官房機密費は年間十二億円余りであり、そのほとんどが官房長官のみが取り扱う政策推進費であります。月に平均すれば一億円ぐらいのお金が扱われるということですけれども、退陣する政権の官房長官が八月三十日に選挙で負けて、九月十六日に新しい鳩山内閣が発足をする、その僅か半月の間に二億五千万円ものお金を何に使ったのか、こういうことはしっかりと明らかにすべきじゃありませんか。
○木原国務大臣 内閣官房長官が管理をします内閣官房報償費ですが、国の機密保持上、その使途等を明らかにすることが適当でない性格の経費として使用されてきております。したがって、その個別具体的な使途に関するお尋ねについてはお答えは差し控えてきたところでございます。
いずれにしましても、内閣官房報償費は、取扱責任者である官房長官の判断と責任の下、厳正で効果的な執行を行っているところであり、適正な執行というのを徹底してまいりたいと存じます。
○塩川委員 厳正で効果的な執行といいますけれども、実際、だって二億五千万円が、退陣する政権ですよ、退陣する政権が、二億五千万、何が必要なんですか。常識的に考えておかしいと思いませんか。
○木原国務大臣 当時の状況は、私は詳細には把握しておりませんので、答えようがございません。
○塩川委員 まさに官房機密費を取り扱っている官房長官自身、過去のこういったお金の在り方についても、それはやはり必要な検証というのを行ってこそ、皆さん方が言う効果的な活用になるという話でありまして、実際にはつかみ金になっていたんじゃないのかという点が問われているわけであります。
木原長官にお尋ねしますが、この内閣官房報償費のうち政策推進費というのは、官房長官自らが出納管理をし、領収書を必要としない費用ということでよろしいでしょうか。
○木原国務大臣 御指摘のありました内閣官房報償費の一類型であります政策推進費ですが、施策の円滑かつ効果的な推進のため、内閣官房長官としての高度な政策的判断によって、機動的に使用することが必要な経費であり、内閣官房長官が直接相手方に支払うものとして取り扱われております。
領収書についていろいろと御指摘もあるところですが、これは、経費の性格上、必ずしもそろっていない場合もありますが、取扱責任者である内閣官房長官が自ら出納管理を行っており、いずれにしましても、内閣官房長官の判断と責任の下で、厳正で効果的な執行を行っているところです。
○塩川委員 領収書もそろっていない、自ら出納管理すると。じゃ、どうやってその適正性というのが担保されるんですか。
○木原国務大臣 内閣官房報償費につきましては、これは他の経費と同様に、関係書類をお示しし、事務補助者の立会いの下で必要な検査を受けているところでございます。
○塩川委員 政策推進費は官房長官が直接説明するとなっているんじゃありませんか。
○木原国務大臣 繰り返しになりますが、内閣官房において、内閣官房報償費の出納管理の記録や支払い事務の管理等の関係書類というのをお示しします。そして、事務補助者の立会いの下で、半期に一度、必要な検査を受けているところです。政策推進費についても同様であります。
○塩川委員 菅官房長官がその趣旨で答弁をしているときがありまして、会計検査院から特に申出のあった場合は、官房長官自ら説明を行うことになっていると。会計検査院に報償費の執行に関して私が直接に説明を行うことはないが、事務方を通じて毎年検査の場において的確に対応しているという言い方をして、官房長官しか扱えない政策推進費について、官房長官に対し直接の検査というのは行われていないという点でも、このような官房機密費は、情報収集という名目で世論誘導や政界工作に多額の税金をつぎ込んできたものであり、国のこのような、時の政権の権力維持のための情報操作を強めるものであり、政治腐敗を招くものとなっているということで、不透明な金の流れは認められないということを申し上げて、質問を終わります。
○山下委員長 次に、中村はやと君。
○中村(は)委員 無所属、二期目の中村はやとです。
内閣委員会での質問はこれで初めてでございます。今回、質問の機会をいただきまして、理事始め委員の皆様には、この場をかりて厚く御礼を申し上げます。
さて、本法案に対する質疑もいよいよ大詰めとなりました。私は、皆様の質疑をあそこの席でじっと聞かせていただいて勉強させていただいておりました。
言うまでもなく、情報は私たちが生きていく上で必要不可欠なものです。空気や水と同じで、なくては誰も生きていくことはできません。つまり、情報そのものは何ら害ではありません。大切なことは、空気や水を誰かが不正に入手したり、独占したり、ましてや政治利用などしてはならないように、情報も、集め方、使い方、守り方を決して誤ってはならないということだと思います。
無論、今法案は、複雑化する情報化社会において、インテリジェンス体制を整備し、政策に生かし、国の安全保障に寄与する目的と伺っておりますが、その必要性は私も賛同はしておりますが、民主主義の根底を決して揺るがすことのない使い方をする制度設計が不可欠であろうと強く感じております。今回は、そういった視点で国家情報会議設置法案について伺わせていただきます。
まず、情報の収集、活用、保全の在り方について伺います。
情報の具体的な収集方法については答弁が難しいことはもちろん承知しておりますが、少なくとも、情報収集が法令に基づいて適正に行われること、また、その利用が本来の目的に限定されることについて、どのような制度的担保が設けられているのか、お示しください。
○木原国務大臣 本法案ですが、インテリジェンスの司令塔機能を強化するものでございます。情報を取得することを容易にする調査権限や、また捜査権限を新たに規定するものではありません。つまり、組織法というのが基本であり、作用法ではないということであります。したがいまして、政府における情報の収集、活用、保全等の在り方に変更を加えるものではないということです。
その上で、情報活動を推進するに当たりましては、国民の基本的人権を保護することや政治的中立性を確保することは当然でございます。これらの事柄については、憲法を始め個人情報保護法や国家公務員法などの関係法令において一般的、横断的に規定がなされておりますので、既に担保されているものと承知をしております。
その上で、本法案について改めて申し上げると、国家情報会議に特に期待される役割の性質を法文上明らかにするため、重要国政運営の例示といたしまして、安全保障の確保、テロリズムの発生の防止、緊急の事態への対処を掲げているとおりでありますが、国家情報会議は、こうした国民の安全や国益を守るという観点から、政府の情報機関が行う基本方針等を定める機関でありまして、情報を政治的に利用したりするものでないということはこれまで累次にわたって明快に、明確に申し上げてきたところであります。
引き続き、各大臣の監督の下、各省庁が法令や服務規程等に従い、今回の審議において各委員に様々御議論いただいたことを十分に踏まえつつ、情報活動そのものを適切に推進していきたいと思っております。
○中村(は)委員 情報の集め方について、確認ということで聞かせていただきました。
一九七二年、米国で起きたウォーターゲート事件、ああいったこともございましたし、情報の集め方、基本的には何も今回は新しく制度を変えるわけではないわけですから、ちゃんと法令にのっとってやるということを改めて確認させていただいた次第であります。
また、先日の委員会においては、マスコミや野党の追及を回避する目的で情報活動を行うことはないという答弁をいただきました。しかし、本法案では、国家情報会議のトップが総理であり、国家情報局もその下で機能する構造となっております。形式上は個別の対象を決定しないとしても、運用の方向づけを通じて、結果として政治の意思が影響し得る構造ではないかと考えております。
その上で、伺います。
これが単なる意思表明にとどまらず、制度として目的外利用を排除する仕組みがどのように確保されているのか、お示しください。
○岡政府参考人 お答えいたします。
まず、情報の収集、活用、それから保全などに関する具体的な法令の規定などについてでございます。
例えば情報の収集、活用の観点で申し上げれば、個人情報の適正な取扱いにつきましては、国家情報会議及び国家情報局も含む各行政機関に適用されるルールといたしまして、個人情報の保護に関する法律がございます。同法は、六十一条以下におきまして行政機関における個人情報等の取扱いについて規定するとともに、例えば六十九条におきましては、法令に基づく場合や、保有個人情報の提供を受ける者が、法令の定める事務又は業務の遂行に必要な限度で提供に係る個人情報を利用し、かつ、当該個人情報を利用することについて相当の理由があるときは、利用目的以外の目的のために他に提供することができる旨規定しております。
また、職員の政治的中立につきましては、憲法十五条第二項に、全て公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではないとあるほかに、国家公務員法第九十六条第一項におきまして、全て職員は、国民全体の奉仕者として、公共の利益のために勤務しなければならない旨定めております。
なお、この規定は、原則、一般職の国家公務員に適用されるものでございますけれども、本法案におきましては、これを、新設する特別職の国家情報局長にも適用するために、内閣法に特別の定めを置くこととしております。
加えて、国家公務員法百二条におきましては、政党や政治的目的のための行為をしてはならない旨規定しておりまして、自衛隊の任務等を定める自衛隊法第六十一条にも同様の規定が置かれているところでございます。
情報の保全につきましては、国家情報局で勤務する職員を含め一般職の国家公務員については、同じく国家公務員法第百条第一項におきまして、その職を退いた後も含めて、守秘義務の規定が置かれております。
さらに、特別職の国家公務員である国家情報局につきましては、今回の法案の附則による改正後の内閣法第十六条の二第五項の規定によりまして、先ほど申し上げました国家公務員法第百条第一項の守秘義務が適用されます。
繰り返しになりますけれども、本法案は、情報を取得することを容易にする調査権限や捜査権限を新たに規定するものではございませんで、したがいまして、政府における情報の収集、活用、保全等の在り方に変更を加えるものでもありません。
○中村(は)委員 保全については聞いていなかったんですけれども、済みません、細かく聞いていったので、先にお答えいただいてしまいましたが、一応聞こうと思っていたのは、情報の保全についても、単なる方針ではなくて、外部からの圧力や政治的判断に左右されることなく、適切に管理されるための制度的な枠組みがどのように設計されるのかを聞きたいということを聞く予定でした。まあ、いいです。
では、次に行きたいと思います。
民主的統制と監視の仕組みについてです。
アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスなどにおいては、議会に情報機関を監視する常設の委員会が設けられ、情報機関から活動内容について定期的に報告を受ける仕組みが制度として確立されております。
例えばアメリカでは、上下両院に情報特別委員会が設置され、情報活動の内容や範囲について継続的な監視と報告が行われております。また、イギリスやドイツにおいても、議会による監視機関が設置され、情報機関の活動に対して制度的な統制が行われていると承知しております。つまり、強い情報機関には、それに対応する強い議会の監視機能がセットで設けられているというのが国際的な標準であると私は理解しています。
一方で、本法案においては、情報機関の活動全体を対象とした監視制度が盛り込まれていない、国会による関与について新たな仕組みが設けられていないという状況にございます。国家情報局の必要性そのものは理解しております。しかし、強い権限を持つ組織であるからこそ、それに見合う民主的統制が不可欠ではないでしょうか。
そこで、伺います。
国会による関与を含め、第三者による実効的な監視機能をどのように確保していくのか、また、なぜ現時点で新たな制度を設けていないのか、その理由について併せて御説明ください。
○木原国務大臣 御指摘のような諸外国における情報機関に関する統制の仕組みというのも、こちらも調べてみました。それぞれの統治機構、また情報機関の歴史的発展などの経緯等を踏まえて構築されてきたというふうに承知をしております。
これに対しまして、我が国の統治機構であったり、また情報機関を含めた行政組織のありようですが、必ずしも諸外国と同じではなく、他国の仕組みをそのまま我が国に当てはめるということは適当ではないと思い、我が国の行政組織や制度との整合性を十分に踏まえた上で、実効性の確保と統制のバランスを図る必要がある、そのような結論に至りました。
その上で、本法案は、各省庁の行う情報活動の基本方針等を示す国家情報会議とそれを支える国家情報局を設置することで、政府におけるインテリジェンスの司令塔機能を強化するものでありますが、あくまでもこれは行政機関相互の関係を律するものであり、国家情報会議や国家情報局にも、国民の権利義務に直接関わるような権限規定を設けるものではないことから、御指摘のような監視機能に関する規定は設けていないところです。
他方で、本法案を成立させていただいた後には、その他の様々なインテリジェンス政策を検討していく際には、国民の権利義務に直接関わるような法制度を検討することも、これも考えられることでありますから、その場合には、適切な民主的統制の在り方についても検討が必要となることも想定されるのではないかと考えております。
○中村(は)委員 私は、情報という国民の命とも言えるもの、これを扱う上では、やはり重要なのは客観性だと思っているんです。そして、国際基準というのも決して無視はできないというふうに思っております。
衆法提出者である橋本幹彦さんにも伺いたいと思います。
先ほど紹介したような、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツではそういう機関がある、日本ではまだそういうものがない、そういったことに対してどのように考えられるか、お願いします。
○橋本(幹)議員 ありがとうございます。
国民の信頼なくしてインテリジェンスは的確に行われません。行政内部のチェックですとか内閣による民主的統制のみでは、政治的中立が確保されているとは言い難いと考えます。
ゆえに、インテリジェンス法案においても、第七条において、国会による民主的統制、これを明記いたしました。白書などへの、国会に対する報告のみならず、先ほど御紹介いただいたような常設の委員会による監視も必要であると考えております。
各国、いろいろな事例はありますけれども、我が国の情報監視審査会は、特定秘密保護法等の範囲にとどまっており、他の民主主義国に比べて、極めて国会による民主的統制は弱いと考えております。他国の事例も参照しながら整備が必要だと考えます。
○中村(は)委員 ありがとうございます。
橋本さんは、私、選挙区が隣で、今日の朝も橋本さんの顔のポスターを見ながら来たわけですけれども。当選同期であります。ありがとうございます。
非常に、今回のこの国家情報局は、安全保障の強化に資する一方で、国民の権利や自由に深く関わる制度です。先ほど官房長官からも、今回、これが通過した暁には、前向きにいろいろなことを可能性として視野に入れながらやっていただくということを答弁いただけたことは、いいことだなというふうに思っております。
私は、やはり、今回の国会もそうなんですが、今、政権に権力が集中している今こそ、権力に抑制的であっていただきたいというふうに思っているんです。更にこれが強くなる強くなるというようなことで国民が不安に感じるようなことであっては、本法案の本来の意思から大きく外れていくだろう、そのように考えておりますので、そのことを強く私の方からリクエストさせていただきまして、質問を終わりにさせていただきます。
ありがとうございました。
○山下委員長 これにて両案に対する質疑は終局いたしました。
―――――――――――――
○山下委員長 これより両案を一括して討論に入ります。
討論の申出がありますので、順次これを許します。大島敦君。
○大島委員 私は、会派を代表し、国家情報会議設置法案について、政府提出法案に賛成、国民民主党提出法案に賛成の立場から討論を行います。
我が国を取り巻く脅威の質が大きく変化する中、インテリジェンス機能の強化は喫緊の課題です。
本法案は、国家情報会議への迅速な情報集約を可能にし、国家情報局に情報の収集から分析などを担わせるなど、政府の意思決定を支えるものとして必要なものです。
一方、情報機能の強化は常に憲法の枠内に置かれなければなりません。国民の権利や自由を侵害することは断じて許されず、強化に見合うだけの民主的統制の整備が不可欠です。
特に、運用に当たっての要諦は、政治による統制と情報分析の独立性の両立です。政策側の意向に沿うよう分析を曲げる情報の政治化は、国家の判断を誤らせます。政府には、政策部門と情報部門の役割分担を明確にした上で、運用を徹底すべきです。
また、国民のプライバシーや表現の自由への懸念に対し、政府は正面から応える義務があります。我々は、委員会質疑において、政府から、政策に反対するデモへの参加のみを理由に市民が調査対象となることは想定し難いとの答弁を得ました。これは今後の運用を拘束する重い答弁であり、政府はこの趣旨を厳格に守るべきです。
さらに、附帯決議において、国家情報会議及び国家情報局の活動内容について、国民の懸念を払拭するため、国会に適時適切に説明することが盛り込まれました。これは、情報活動に対し国会が継続的に関与し、政府に説明を求めるための重要な手がかりです。
本法案は、我が国の情報力を強化するための出発点です。その正当性は、不断の民主的統制と人権保障、分析の客観性によってのみ保たれます。政府が国会への説明責任を果たし、権利と自由を守りつつ、情報力を高める運用を行うことを強く求め、私の賛成討論といたします。(拍手)
○山下委員長 次に、野村美穂君。
○野村委員 国民民主党の野村美穂です。
私は、会派を代表して、国民民主党提出のインテリジェンス態勢整備推進法案及び内閣提出の国家情報会議設置法案の両案について、賛成の立場から討論をいたします。
複雑化する国際情勢において、的確な情報に基づき確かな施策を実行することは、国と国民の安全を守るために必須です。ロシアによるウクライナ侵略、中国による軍事的脅威の増大、北朝鮮の核・ミサイル開発、そしてサイバー攻撃やテロの多様化。こうした多層的な脅威に対し、正確で質の高い情報がなければ、国家の意思決定は誤った方向に進みかねません。
その上で、国民民主党提出の法律案は、国と国民を守るための政策決定のエビデンスをつくり出すことこそインテリジェンスの本質であるとの考え方に立ち、我が国で初めて法案においてインテリジェンスを定義するとともに、国会による民主的統制や政治的中立の確保など、その実施に当たっての理念や留意点を明確にした法案となっています。
本委員会におけるこれまでの議論を踏まえると、バランスの取れた体系立ったインテリジェンスの態勢強化を進めていくという意味で、国民民主党の法案が包括的で非常に優れたものであり、これを成立させることがベストであります。
他方、内閣提出の法律案については、インテリジェンスの態勢強化のうち、組織の見直しのみを切り出したものであり、個人情報やプライバシーへの配慮、国会の関与、情報公開の在り方、過去の失敗の教訓を生かすための記録、公文書保存の在り方等についての懸念や課題が浮き彫りとなっています。
委員会質疑の中でも、個人情報やプライバシーの保護の徹底、政治的中立性の確保、国会への定期的報告義務、そして将来的なインテリジェンス態勢整備における国会の監視強化など、国民の懸念に対する一定の対策が必要との指摘が多くされました。
一方で、総理のリーダーシップの下に情報の質が向上するという点では一定の評価ができます。我が党としましては、インテリジェンス態勢を全体として整備すべきとの考え方に立つものであり、その一部のみを切り出した形の内閣提出法律案は十分なものであるとは言えませんが、方向性として否定するものではないことから、賛成いたします。
今後、政府には、関係法令等や本法案に関する国会答弁等の内容の厳格な遵守と、人材確保、教育体系の整備、国民への説明責任の履行を強く求め、私の賛成討論といたします。(拍手)
○山下委員長 次に、塩川鉄也君。
○塩川委員 私は、日本共産党を代表して、国家情報会議設置法案について反対の討論を行います。
本案は、スパイ活動の司令塔として国家情報会議を設置し、官邸の意向が更にダイレクトに警察や自衛隊といった各情報機関に伝わることとなり、さらに、資料など提供させる義務を規定することで官邸への情報集約が強化されるものです。
重大なことは、戦争する国づくりと一体のものだということです。
安保三文書では、日米で共同の情報収集や目標捕捉などの能力、活動の強化や、統合防空ミサイル能力強化が明記されました。情報分野における対米従属を一層強化するものです。情報収集機能を強化する本案は、米国の無法な先制攻撃に加担する日米同盟体制の強化を更に加速することは明らかです。こうした政府による情報収集能力の強化が米国言いなり、財界中心の経済安保体制づくりと結びついていることも容認できません。
また、各情報機関が引き起こしてきた市民監視や人権侵害を拡大するという点です。
イラク戦争時に自衛隊の派遣に反対する市民運動を幅広く監視していた自衛隊情報保全隊市民監視事件を始め、大垣警察市民監視事件、大川原化工機冤罪事件など、枚挙にいとまがありません。司法において断罪されてきたにもかかわらず、政府は、反省はおろか、被害者への謝罪も行うつもりがないことが明らかとなりました。この点については、齋藤参考人が、違法に集められた市民の情報が情報共有されるということになると、その危険性を指摘をしています。表現の自由や思想信条の自由、プライバシー権など、憲法が保障する基本的人権をないがしろにするものです。
さらに、時の政権による世論誘導、政界工作が拡大するという点です。
本案により国家情報局へと強化される内閣情報調査室は、内閣官房報償費、機密費の運用にも関わり、学識経験者や各界の知識人との接触を業務の一つとしています。その機密費は、マスコミや各界知識人などに対するつけ届けや、消費税導入時に野党工作のため十億円もつぎ込まれるなどしてきました。本案は、そうした政権による自身の権力維持のための情報操作を強めるものです。
国家情報会議は、自民、維新の連立政権合意書に掲げられたスパイ防止関連法制や対外情報庁設立を具体化する場であり、憲法九条や基本的人権を踏みにじる体制づくりは断じて許されません。本法案の廃案を強く求めるものであります。
国民民主党提出の法案は、閣法の問題点を解消するものでなく、賛成できません。
以上、討論を終わります。
○山下委員長 これにて討論は終局いたしました。
―――――――――――――
○山下委員長 これより採決に入ります。
まず、橋本幹彦君外二名提出、インテリジェンスに係る態勢の整備の推進に関する法律案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○山下委員長 起立少数。よって、本案は否決すべきものと決しました。
次に、内閣提出、国家情報会議設置法案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○山下委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
―――――――――――――
○山下委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、長谷川淳二君外五名から、自由民主党・無所属の会、中道改革連合・無所属、日本維新の会、国民民主党・無所属クラブ、参政党及びチームみらいの共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
提出者から趣旨の説明を聴取いたします。後藤祐一君。
○後藤(祐)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明いたします。
案文の朗読により趣旨の説明に代えさせていただきます。
国家情報会議設置法案に対する附帯決議(案)
政府は、本法の施行に当たっては、次の事項を遵守しつつ、運用すべきである。
一 本法に基づく調査審議の対象となる「重要情報活動」については、「重要国政運営」に「資する情報」の解釈が過度に広範なものとなることのないよう、国民の安全や国益の確保の観点から、政策部門における対応のために必要と認められる情報を取り扱うものとすること。
二 「重要情報活動」及び「外国情報活動への対処」に関する情報の収集及び提供並びにそれらの要請に当たっては、個人情報やプライバシーの保護に関し、個人情報保護法等の法令や各組織における関連規定の遵守はもとより、これらが無用に侵害されることのないよう、十分な配慮を行うこと。また、目的外利用となる個人情報の提供及びその要請については、同法を遵守するとともに、提供を受けた情報についても、同法の規定に反する利用目的以外の利用を厳に慎むこと。プライバシーの保護についても、法令の規定の有無にかかわらず、これと同様の取扱いに留意すること。
三 内閣総理大臣や内閣官房長官を始めとする政策部門は、情報部門に対し、その所掌事務とは無関係な情報収集依頼を行わないこと。また、国家情報局及び関係行政機関における「重要情報活動」及び「外国情報活動への対処」に当たっては、国家公務員法等の遵守はもとより、全体の奉仕者としての立場を逸脱するような政治的中立性を損なう情報収集は行わないこと。特に、特定党派の利益又は不利益を図るため、国内の政治家や選挙区に関する情報や、選挙及び選挙運動に関する情報の収集は行わないこと。
四 本法の施行後、政府の情報活動の中長期的な推進方策を文書としてまとめ、国会に報告するとともに、公表すること。その際、二及び三に反する情報の収集及び提供並びにそれらの要請を行わないための具体的方策についても検討の上、盛り込むこと。
五 国家情報会議及び国家情報局の活動内容について、四の文書とは別に、国民の懸念を払拭するため、関係法令、本法案に関する国会答弁及び本附帯決議の内容が遵守されているかどうかを含め、その求めに応じるなどして、国会に適時適切に説明すること。
六 国家情報会議の議事の記録を作成し、配布文書とともに、公文書等の管理に係る制度に基づき、公文書として適正な期間保存すること。
七 国家情報局長は一定期間継続して在任することが好ましく、その人選に当たっては、その職責の重要性にかかわらず実質的に同一行政機関の出身者のいわば指定席となっているとの疑念を招くことのないよう、適材適所を旨とし、それまでの経験を踏まえつつ、人物本位・能力本位で行うこと。
八 対外情報を収集するための行政機関の設置の法制度や、いわゆるスパイ活動を含む外国による我が国に対する不当な影響力の行使を防止するための法制度であって国民の権利利益を制約するものを仮に検討する場合には、適切に国会が監視できるようにすることを前提に検討すること。また、これらの法制度が実施された場合、国家情報会議及び国家情報局の集約し得る情報は質的量的に大きく変わることも考えられることから、それらによる国家情報会議及び国家情報局に対する情報提供の状況を国会の監視対象とすることも検討すること。
九 八の法制度も含む、一層のインテリジェンスに係る態勢の整備を仮に検討する場合には、インテリジェンスに係る態勢の整備が国家の存立及び国民の安全の確保に関わる重要な課題であるとの認識の下に、我が国の健全な民主主義の根幹の維持をはじめ国益に寄与することを旨として行うこと。あわせて、政治的中立性及び国会による民主的統制が確保されるとともに、日本国憲法の保障する国民の自由と権利が尊重されなければならないことに留意すること。また、情報収集等に係る手法を拡充するための措置、インテリジェンスに従事する者等の安全及び適切な処遇の確保のための措置、インテリジェンスに関する専門的知識や技能を有する者の確保のための措置、インテリジェンスの実施状況及びその効果の検証のための措置等について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずること。
以上であります。
何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。(拍手)
○山下委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
採決いたします。
本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○山下委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
この際、本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。木原内閣官房長官。
○木原国務大臣 ただいま御決議をいただきました附帯決議につきましては、その趣旨を十分配意してまいります。
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○山下委員長 お諮りいたします。
ただいま議決いたしました両案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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〔報告書は附録に掲載〕
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○山下委員長 次回は、来る二十四日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後五時二十一分散会

