第12号 令和8年5月15日(金曜日)
令和八年五月十五日(金曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 山下 貴司君
理事 安藤たかお君 理事 鈴木 馨祐君
理事 中根 一幸君 理事 長谷川淳二君
理事 鳩山 二郎君 理事 後藤 祐一君
理事 浦野 靖人君 理事 森ようすけ君
阿部 弘樹君 井出 庸生君
大空 幸星君 長田紘一郎君
金子 容三君 川崎ひでと君
河野 正美君 佐藤 主迪君
平 将明君 田中 昌史君
中田 宏君 平井 卓也君
平沢 勝栄君 文月 涼君
古井 康介君 古川 直季君
松下 英樹君 村木 汀君
吉田 有理君 若山 慎司君
渡辺 博道君 大島 敦君
長妻 昭君 阿部 司君
喜多 義典君 黒田 征樹君
萩原 佳君 村上 智信君
野村 美穂君 川 裕一郎君
高山 聡史君 林 拓海君
塩川 鉄也君 中村はやと君
…………………………………
国務大臣
(経済安全保障担当) 小野田紀美君
内閣府副大臣 鈴木 隼人君
経済産業副大臣 井野 俊郎君
内閣府大臣政務官 金子 容三君
内閣府大臣政務官 若山 慎司君
内閣府大臣政務官 古川 直季君
内閣府大臣政務官 川崎ひでと君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 門松 貴君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 中溝 和孝君
政府参考人
(内閣府大臣官房審議官) 米山 栄一君
政府参考人
(内閣府大臣官房審議官) 早田 豪君
政府参考人
(内閣府大臣官房審議官) 殿木 文明君
政府参考人
(内閣府政策統括官) 泉 恒有君
政府参考人
(財務省大臣官房参事官) 渡邉 和紀君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房医薬産業振興・医療情報審議官) 森 真弘君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 福本 拓也君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 田中 一成君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 奥家 敏和君
政府参考人
(経済産業省貿易経済安全保障局貿易管理部長) 猪狩 克朗君
政府参考人
(資源エネルギー庁電力・ガス事業部長) 久米 孝君
政府参考人
(環境省大臣官房審議官) 成田 浩司君
政府参考人
(防衛省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官) 吉野 幸治君
政府参考人
(防衛装備庁技術戦略部長) 嶺 康晴君
内閣委員会専門員 田中 仁君
―――――――――――――
委員の異動
五月十五日
辞任 補欠選任
井出 庸生君 古井 康介君
大空 幸星君 田中 昌史君
村木 汀君 松下 英樹君
渡辺 博道君 阿部 弘樹君
黒田 征樹君 阿部 司君
西田 薫君 萩原 佳君
高山 聡史君 林 拓海君
同日
辞任 補欠選任
阿部 弘樹君 渡辺 博道君
田中 昌史君 大空 幸星君
古井 康介君 井出 庸生君
松下 英樹君 村木 汀君
阿部 司君 村上 智信君
萩原 佳君 喜多 義典君
林 拓海君 高山 聡史君
同日
辞任 補欠選任
喜多 義典君 西田 薫君
村上 智信君 黒田 征樹君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律及び株式会社国際協力銀行法の一部を改正する法律案(内閣提出第三〇号)
――――◇―――――
○山下委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律及び株式会社国際協力銀行法の一部を改正する法律案を議題といたします。
この際、お諮りいたします。
本案審査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、内閣官房内閣審議官門松貴君外十五名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○山下委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。大島敦君。
○大島委員 よろしくお願いします。
昨年の九月にバングラデシュを訪問して、現地の縫製工場、ラルフローレンとかポロを作っている縫製工場の見学をしたときに、大きな標語が書いてあって、カイゼンと書いてあるの。トヨタの生産方式がバングラデシュの縫製工場でも導入されていて。
産業はやはりサプライチェーンが大切だと思っていまして、その一つが欠けても、物はできないんです。例えば、今、政府で高速増殖炉を造っていこうと高らかに旗を掲げているんですけれども、私が入社したときの最初の仕事が、高速増殖炉「もんじゅ」とか常陽の燃料が入った、核燃料の棒を束ねる、非常に難しいパイプの工程管理をしていまして、今、その工場は日本にないの。ですから、高速増殖炉を日本で造ろうとしても、恐らく、サプライチェーンが途絶しているので、難しいかなと思います。本当に、技術者の皆さん、あるいは工場の技術者の皆さんがしっかり熟練をしながら、データを取りながらようやくできるのがそういうものなので。
ですから、今回の法律の中で、中小、小規模、中堅企業、そのサプライチェーンについての配慮があったことは非常に好ましいと思っています。
では、質問の一問目から行きます。
優れた技術を持つ中堅・中小企業ほど、管理部門、法務、輸出管理、サイバーセキュリティー、知的戦略の人材が不足しがちです。こうした企業が、事業継承や資金調達を契機に、技術流出リスクに直面することがあります。
政府は、機微技術を持つ中堅・中小企業を経済安全保障政策の重点対象として位置づけるべきではないかと思うんですけれども、大臣の御所見をお聞かせください。
○小野田国務大臣 我が国の雇用を支える中堅・中小企業は、我が国経済の基盤であり、かつ、経済安全保障政策においても重要な対象であると認識しております。
その上で、委員御指摘のとおり、中堅・中小企業には、経済安全保障上優れた技術を保有する企業もある一方、事業承継や資金調達といった経営環境の変化により、技術流出のリスクに直面する場合もあると認識しております。
この点、産業の防衛にも寄与する外為法に基づく投資審査や輸出管理といった取組に加えて、技術流出防止に向けた対応として、例えば、経済産業省では、技術流出対策ガイダンス、これを策定し、具体的な対策を掲示するとともに、その内容を分かりやすく整理した中堅・中小企業向けのパンフレットも作成しておりまして、普及を進めるなどの取組が行われていると承知しております。具体的には、SNSを通じた接触をきっかけに技術流出したケースであるとか、競合他社による社員の引き抜きによって技術流出したケースなど、様々な事例を対策とともに紹介することで、各企業が自らの状況に応じ技術流出対策に取り組めるものとなっていると思います。
引き続き、関係省庁とも連携しながら、経済安全保障の観点から、中堅・中小企業を含む事業者の取組をしっかりと支援してまいりたいと思います。
○大島委員 ありがとうございます。
先日、北京で二足歩行ロボットの競技大会が開かれて、人よりも速かったというニュースを見たときに、二十年前に、焼結の部品という、こんなちっこい、焼き固める部品がありまして、機械の奥の方の部品なの。そこの工場を訪問したときに、中国製と日本製の比較があって、同じ形だけれども、耐久力は日本が抜群にいいというお話を聞いたんですよ。ただ、あの二足歩行ロボットの競技会を見たときに、技術レベルが相当上がっているかなと。
最先端も必要なんですけれども、個々の積み上げでしか物はできないので、その点を理解していただけるとありがたいなと思っています。
機微技術の流出防止は、外為法による投資審査、輸出管理、特許出願の非公開、情報保全だけで完結するものではないと考えます。企業側に信頼できる資本の選択肢がなければ、資金不足や事業継承を契機に、高リスクな資本や買収提案に依存せざるを得ない場合があります。
政府として、機微技術を持つ中堅・中小企業に対し、技術流出防止と成長資金供給を一体で進める必要性があると思います。基本認識を伺います。
○小野田国務大臣 先ほど申し上げましたとおり、中小・中堅企業に対する技術流出防止の取組については、経済産業省を中心に、これまでも措置を講じてきていると承知しておりますが、中小企業が安定株主の存在を前提に経営基盤を強化し、成長していける環境を整備することは、政府としても重要であると考えております。
例えば、中堅・中小企業に対して中長期的な目線で投資を行う中小企業投資育成株式会社のような公的な投資会社も存在しております。同社は、特定重要物資の供給計画認定制度とも連携するなど、実際、協力して経済安全保障を強化する枠組みを提供してきてくれております。
加えて、本改正法案では、国や特定重要物資の供給を行う事業者のみならず、特定重要物資の供給を受ける者、さらには金融機関や投資家等の幅広い関係者が特定重要物資の安定供給確保に向け相互に連携協力する努力義務も盛り込んでいるところです。
経済安全保障上重要なサプライチェーンの強靱化のためには、短期的な経済合理性を超えた総合的な判断が望ましいケースもございまして、この規定等が事業者にとって一つの規範となり、経済安全保障上重要な行動を取ろうとする事業者の意思決定を後押しできることを期待しておりますが、引き続き、こうした政策も活用し、中堅・中小企業の取組を政府一体となって後押ししてまいりたいと考えます。
○大島委員 今の御答弁の中にも触れてあったかと思います。機微情報を持つ中堅・中小企業は、特定重要物資のサプライチェーンの深い部分にも存在しています。今回の法改正により、既に指定されている十六の特定重要物資の供給に問題が起きそうなときには、物資を供給する認定事業者自らが申出を行い、これを受けて政府が対処することとされています。さらに、今は認定を受けていない企業であっても、物資の安定供給にとって重要であれば、政府が供給確保計画の提出を促してでも安定供給に取り組んでいくと理解しました。
具体的なケースも含め、協力要請の規定に基づく政府の取組を政府参考人に、手短にお願いします。
○殿木政府参考人 改正法についてのお尋ねでございますが、第十一条の二の規定は、特定重要物資の原材料を供給する事業者がその事業を廃止、譲渡、移転、買収するなどにより、認定供給確保事業者が特定重要物資を供給する取組が困難となるような場合に、そうした認定供給確保事業者から主務大臣への申出を受けて、当該主務大臣が他の原材料供給事業者や投資家、金融機関等の関係者に対して協力を求めることを想定しているところでございます。
また、もう一つお話がございました九条の二の規定でございますけれども、特定重要物資を生産する事業が廃止、譲渡、移転、買収などをされそうな場合に、そうした行為が安定供給に与える影響を的確に把握して必要な対策を講ずるため、主務大臣が、生産事業者や物資の供給を受ける事業者等の関係者に対し、状況説明や情報提供を受けることを想定しているところでございます。
さらに、こうした情報を踏まえて、安定供給の確保に支障が生ずるおそれがあると認めるときは、主務大臣は、第九条の二第二項の規定に基づき、特定重要物資等の供給者に対して供給確保政策の作成、提出を促し、事業の継続や他の事業者による補完に取り組むことを想定しているというところでございまして、これらの規定の活用を考えているところでございます。
○大島委員 次に、JBICが支援する必要性について、政府参考人からの御答弁をお願いします。
○渡邉政府参考人 お答えいたします。
海外事業は元々リスクが高く、近年は、国際環境の変化や産業競争の激化により、そのリスクは一層高まっていると思っております。このため、経済安全保障上重要な事業であっても、民間の判断のみでは投資が進まないケースが生じております。
こうしたことを踏まえまして、今般、我が国の経済安全保障上重要であるが、採算性に不確実性があるため、既存の支援ツールだけでは民間企業から十分な投資が行われない海外事業を対象といたしまして、JBICが劣後出資等の強力なリスクテイクを行い、これを呼び水といたしまして民間企業の参画を図ることで、当該事業を実施可能とする新たな仕組みを導入することといたしております。
○大島委員 大臣、二つのことを御答弁いただきまして、一つは、十六指定してある特定重要物資について、指定してある会社プラスアルファ、そこの会社に物を納めている会社についても、供給が途絶しそうなときにはしっかり政府として面倒を見ろよということが書いてあるんですよ。これはこれで非常にいいことだなと思っていて。
海外の投資案件について、民間で背負えないので、JBIC、政府の金融機関が呼び水のように出資して民間の銀行もつき合うということを想定しておりまして、私として、こういう仕組みは様々あった方がいいと思っているの。ですから、信頼できる民間ファンドの活用ということもあってもいいのかなと思っていまして、JBICさんが融資をして呼び水になるんだったら。
我が国の経済安全保障の土台は、国内の中堅・中小企業が持つ機微技術、製造基盤です。伝統的に物づくりを行ってきた中堅・中小企業の工場が海外企業に買収を持ちかけられた事例も聞いております。日本の技術が失われ、サプライチェーンが途絶することがあることに危機感を持っております。
協力要請の規定により、十六の特定重要物資を供給する認定事業者に加え、より広い関係者も対象として安定供給確保に取り組まれていることは評価します。しかし、サプライチェーンのより深くにいる機微技術を持つ中堅・中小企業の情報を更に把握していくためには、国が、信頼できる民間ファンド等を活用して、機微技術を持つ企業により広く投資を行っていくことが必要だと思っています。
ですから、民間ファンド、そこに政府系金融機関が出資をして、その民間ファンドがまた別の立場から、日本の企業の中で機微技術を持っている会社に、育成も含めて、融資をしながら伴走的に会社をしっかりと成長させていく、そういう仕組みが必要だと思うんですけれども、大臣の御所見をお聞かせください。
○小野田国務大臣 先生御指摘のとおり、中堅・中小企業を含め、我が国の経済安全保障にとって重要な技術を有する企業を把握して成長を促すとともに、我が国の自律性や不可欠性を損なう形で買収が行われ、重要物資の安定供給確保が困難となることは避けねばなりません。
先ほど政府参考人からも申し上げたとおり、本改正法案では、そうした買収の行為も想定しつつ、特定重要物資等の安定供給確保に支障が生ずるおそれに対応するための協力要請等の規定を盛り込んでおります。こうした協力要請先には、民間のファンド等も含まれ得ると考えております。
委員御指摘のような、重要な技術を持つ中堅・中小企業を守り育てていくことも含め、我が国における重要な物資の安定供給確保に必要な取組については、関係省庁と密に連携しつつ、不断に検討してまいりたいと思います。
○大島委員 海外のアクティビストが、日本の企業買収について、結構えげつなく買収したり、あるいは、中堅・中小企業についてもそういう事案が発生するおそれがありますので、様々な観点から中堅・中小企業を守っていくことが日本の産業全体を守ることにつながると思いますので、その点、しっかり御理解をしていただき、進めていただければと思います。
終わります。ありがとうございました。
○山下委員長 次に、後藤祐一君。
○後藤(祐)委員 中道改革連合の後藤祐一でございます。
条文修正の協議をこれまで行っておりましたが、結果的に、見直し規定を修正いただけることで与野党合意となりました。質疑終局の後、提出をさせていただきますけれども、この間の、与党側を含めた、もちろん野党の皆さんも含めて、政府側も含めて、対応いただいた皆様に感謝を申し上げたいと思います。
今日は、主に確認答弁を中心にしたいと思います。
昨日の参考人質疑でも、ナフサショックあるいはAIの進化、これへの対応については大いに議論があり、これに経済安全保障上も対応しなきゃいけないという意見がるる述べられたところでございますが、この法案の準備上、イランの戦争が起きたのは二月二十八日ですから、その前にほぼでき上がっていたことを踏まえると、どうしても対応し切れていない部分があるのは当然のことであります。
本来、ちょっと後で議論しますけれども、若干、三条の二とか七条とか、追いついていないんじゃないかなというところもあるのですが、そこは今後の検討ということにしまして、逆に言うと、配付資料の一枚目で修正案の新旧対照を配らせていただいておりますけれども、元々の見直し規定は、今回の法改正で変わるところの施行状況を見て三年後を目途にという検討規定なんですが、これだと遅過ぎますので、足下で起きている中東情勢あるいはAIの進化、あるいは昨日、不可欠性の議論なんかもございました。
こういったことも含めて、この法律、公布になりましたらすぐにでも検討を始めていただきたいということで、ちょっと読み上げますと、修正第七条の一項に、「政府は、速やかに、経済活動に関し国家及び国民の安全を損なう事態を防止するために必要な措置の在り方について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。」という案を提出させていただくことになります。
政府として問題ないでしょうか。どのような検討をいつから行っていく予定でしょうか。大臣、お願いします。
○小野田国務大臣 現下の中東情勢を含む国際情勢、そしてAIの高度化を始めとする技術開発の進展、データセキュリティーの重要性等、我が国の経済安全保障をめぐる状況が刻々と変化していることを踏まえ、経済安全保障を推進していく観点から、必要な措置の在り方について速やかに検討を行ってまいりたいと思います。
現時点で具体的な検討内容について予断を持ってお答えすることを差し控えることについては御理解いただきたいと思いますが、いずれにせよ、状況が刻々と変化していることを踏まえ、必要な措置の在り方について速やかに検討を行っていきたいと考えます。
○後藤(祐)委員 この検討内容については、附帯決議案としてまとめさせていただいております。
配付資料の二ページ目、附帯決議案でございますが、通告してある附帯決議の方の質問をちょっと先に、この二、三、四について、まとめて一問で大臣に聞きたいと思います。確認答弁です。読み上げますので。
この附帯決議の二にあるように、「中東情勢によるナフサ不足等の事態にも対応できるよう、官民協議会の開催等機動的に対処するとともに、サプライチェーン全体を通じた対応が可能となるような制度設計を速やかに検討すること。」三にあるように、「クロードミュトスをはじめとした高度化するAIによるサイバー攻撃等の経済安全保障上のリスクに対応するため、サイバー対処能力強化法の運用とも併せ、本法の基幹インフラ役務の安定的な提供の確保に関する制度において十分な対応が可能かどうかの検討も含めて基幹インフラ事業ごとの対策を強化すること。」「二及び三の検討に当たっては、附則第七条第一項に基づき迅速な検討を行い、その結果に基づいて必要な法制上の措置その他の措置を講ずること。」でよろしいでしょうか、大臣。
○小野田国務大臣 まず、附帯決議二、御指摘の中東情勢の緊迫化によるナフサ等の需給への影響については、将来再度生じ得る類似又はより深刻な行為の蓋然性が一層高まっていることから、これを未然に防止するため、本法案の施行後、必要に応じて官民協議会を活用することも含め、関係省庁と連携し、引き続き政府一丸となって機動的に対処してまいりたいと考えます。
また、現下の中東情勢での経験も踏まえて、重要な物資の生産それ自体のみならず、原材料から生産された物資の供給を受ける側まで、サプライチェーン全体を通じて、必要な場所に必要な量の物資が滞りなく供給されるために、経済安全保障推進法で対処すべき課題を洗い出し、必要な制度設計を速やかに検討してまいりたいと考えます。
そして、附帯決議三でございますが、高度化するAIによるサイバー攻撃に対応するため、経済安全保障推進法に基づく基幹インフラ制度のみならず、各基幹インフラ所管省庁の業法等に基づく取組や、国家サイバー統括室のサイバー対処能力強化法に基づく取組等と連携し、政府全体で包括的かつ重層的に連携して対応を進めることが重要であると考えております。
また、今週十二日に、高市総理から、松本サイバー安全保障担当大臣を中心に、AIが高度化する中におけるサイバーセキュリティーの確保に向け、重要インフラ事業者等への対応と脆弱性の発見、修正等の対応の双方の観点から、政府全体での対応を早急に具体化し実施するよう指示があったところと承知しております。
これらの取組を実施する関係府省庁との連携を一層強化しつつ、今後、経済安全保障推進法を所管する内閣府としては、国家サイバー統括室との間で対処すべき脆弱性情報の共有を受け、基幹インフラ制度の審査にも活用することを含め、密接に連携を図るほか、基幹インフラ制度の審査において、必要と認められた場合には事後的に事業者に対して勧告を行うことも含め、しっかりと対応してまいりたいと思います。
その上で、基幹インフラ制度やサイバー対処能力強化法における対応も踏まえた各業法等に基づく取組も通じて、基幹インフラ事業ごとの対策を強化してまいりたいと考えます。
そして、四についても申し上げます。現下の中東情勢を含む国際情勢、もう繰り返しませんけれども、刻々と変化していることを踏まえ、経済安全保障を推進していく観点から、必要な措置の在り方について速やかに検討を行ってまいりたいと思います。
○後藤(祐)委員 重要な答弁だと思います。
三年後を目途にではなく、速やかにということですので、是非、現下の対応、起きていることを踏まえた検討をすぐに進めていただきたいと思います。
今の大臣答弁の中にもありましたが、官民協議会の施行期日、これは、附則の第一条で、六月を超えない範囲内において政令で定める日となるのですが、ここは本当はもう少し早い日にちに修正を提案していたのですが、ちょっとここは調いませんでしたが。六月を超えない範囲内ですから、もっと早くやることは幾らでも可能なわけでありまして、一昨日、大臣は、早急に準備を整え、可能な限り速やかに施行してまいりたいと答弁していますが、いつ頃施行になるでしょうか。
○小野田国務大臣 我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中で、経済安全保障上の幅広い課題について官民で情報共有や対策の協議を行う官民協議会について、法案成立後速やかに施行することは重要でございます。一方、官民協議会の事務に従事する者等には、罰則つきの守秘義務を課すなど一定の負担を負わせるものであることから、一定の周知期間を設ける必要があり、また、改正法の規定に基づく基本方針の改定についてパブリックコメント等の手続が必要なことからも、一定の期間は必要になりますが。
官民協議会に係る施行期日の規定については、御指摘のとおり、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日の施行としているところでございますが、委員の御指摘をしっかりと受け止め、遅くとも秋には施行できるよう、速やかに準備を進めてまいりたいと考えます。
○後藤(祐)委員 六月以内ですから遅くとも秋なんでしょうけれども、秋でも早いうち、あるいは夏のうちにも動かせるように。もし、これはちょっと違うかもしれませんが、AI関係で使うのであれば本当に急がなきゃいけませんし、ナフサの関係で動かすのであれば、もう今起きていることですから、是非熱いうちにやっていただきたいと思います。
続きまして、「害する行為」、三条の二、あるいは七条、ここも本来修正すべきで、協議をしてきたのですが、この前の、おとといの質疑、若干混乱していたので、そこを整理しつつ、今後の対応ぶりを議論したいと思いますが、通告では4というやつです。これは内閣官房の政府参考人に伺います。
条文四ページ目、三条の二の「国家及び国民の安全を害する行為を未然に防止するため、」という目的で官民協議会が設置されるんですが、今回のナフサ不足というのは、誰かの行為だとか、もうナフサ不足が起きちゃっているわけですから、これを、不足は発生していないという現状の説明は要らないので、起きた場合でもいいですけれども、この「未然に防止」というところの「未然」に余りこだわり過ぎない方がいいんですよねというところは議論させていただきました。
まず確認したいのは、特定の国による害する行為とは、今回のホルムズ海峡封鎖から始まってナフサ不足に至るという今起きていることにおいて、この害する行為とは何のことでしょうか。ホルムズ海峡の封鎖という行為自体も含むのでしょうか。
○早田政府参考人 お答えいたします。
お尋ねいただきました、害する行為でございますけれども、例えば、将来の他国による石油製品等の輸出制限であったり、我が国と競合する、これも将来になりますけれども、他国による原油等の代替調達の試みなどが想定をされてございます。
また、今回のホルムズ海峡封鎖自身が害する行為であるかということでございますけれども、前回の私の不安定な答弁により審議を、混乱を招いたことはおわびを申し上げたいと思っております。
私がその場で申し上げたかったことで申し上げますと、現下のホルムズ海峡の封鎖そのものではなくて、将来再度生じ得る類似又はより深刻な、いわば第二のホルムズ海峡封鎖を意図して答弁させていただいたものでございます。
○後藤(祐)委員 将来の封鎖であっても、その封鎖を未然に防止はできないんですよ、この官民協議会ではですよ。それは外交でやる話であって。だから、今の答弁だとまたちょっと延長戦になっちゃうんですが、そういうことも含めて、先ほど大臣が答弁した検討規定をせっかく加えたわけですから、やはり読みにくいから無理な答弁になっちゃう、役人もかわいそうなんですよ。
では、ちょっと、通告してあるのでもう一つ聞きますけれども、三条の二の第一項の「経済活動に関して行われる国家及び国民の安全を害する行為を未然に防止するため、」という言葉で、今回であれば、例えばホルムズ海峡の封鎖、あるいはそれによって輸出制限って、でも、韓国が全世界に対して輸出制限しているぐらいですよ、聞いた話によると。そんなの官民協議会で防げませんから。韓国が日本にだけ禁輸しているなら別として、それは、韓国で足りなくなっちゃうから韓国が輸出しちゃ駄目ですよと自発的にやっている話で、それはしようがないでしょう。そんなの官民協議会で止めることができるわけないんですよ。でも、今言った輸出の制限ってそういうことですからね。そういうへ理屈を言わなきゃいけなくなっちゃうこと自体がおかしいんです。
なので、ちょっと戻ると、「国家及び国民の安全を害する行為」というこの「行為」で、行為による影響というところまで読むということなんでしょうか。
もう一個、では、ついでに言うと、これは七条も関係してくるので、七条では、「外部から行われる行為により国家及び国民の安全を損なう事態を未然に防止するため、」五ページ目に条文があります、という条文になっていますけれども、この「外部から行われる行為」という言葉で、外部の行為を読んじゃうんでしょうか。あるいは、「損なう事態を未然に防止するため、」で、損なう事態を防止するためというのも読んじゃうんでしょうか。
○早田政府参考人 お答えいたします。
三条の二の第一項の「国家及び国民の安全を害する行為を未然に防止する」、ここの「行為」のところに行為による影響まで含むのかという御質問に対してでございます。
この行為をどう捉えるのかということにつきましては、その行為によって生ずる影響も勘案をした上で行為を捉えるということになろうかというふうに考えてございます。
具体的に申し上げますと、この両者、行為と影響をどう捉えるかということでございますけれども、まさに既に発生をしている行為からどういう影響が生じているのか、こういったものを勘案しながら、次の将来起こる行為を考えていくというふうに考えてございます。(後藤(祐)委員「七条も」と呼ぶ)
○殿木政府参考人 七条の方についてお答え申し上げます。
まず、外部主体から直接又は間接的に何らかの行為が行われ、国家及び国民の安全を損なう事態が生じ得る場合には現行条文にて対応可能と考えており、現行条文の「外部から行われる行為」という表現によって、御指摘の外部の行為によりという表現が指す内容も含まれていると考えているところでございます。
また、国家及び国民の安全を損なう事態が現に生じていれば、重要な物資の供給途絶が生じる蓋然性が一層高まっていると捉えて、起こり得る国家及び国民の安全を損なう事態を未然に防止する観点から、特定重要物資に指定し、その安定供給確保に向けた取組を現在において講ずることも現行条文において対応できるというふうに考えているところではございます。
○後藤(祐)委員 昨日の参考人質疑で、鈴木一人参考人から、未然にって要らないんだよねという、かなりストレートな話がありました。実は、私が鈴木先生に事前にお話を伺いに行ったとき、元々彼の持論なんですよ、そういうのは、広く読めるようにすべきだというのが。それも踏まえてこの修正案を考えているんです。だから、自然に、彼はそういうふうにおっしゃっているんですよ。
でも、今の答弁、苦しいですよね。「行為」で行為による影響を読むとか、「未然に防止」というので防止そのものも読むとか。なので、検討の中でそこはよく検討いただきたいと思いますが、ちょっとこれは、確認答弁をさせていただくことで条文修正を合意しているので、大臣に確認したいと思います。
以上のように、この三条の二と七条の書き方、かなり苦しい書き方になっていて、苦しい解釈になっているわけですよね。なので、今回、修正の結果加わる七条一項の検討規定に基づいて検討する中で、この三条の二と七条の書き方についても検討していただいて、次に経済安保法を改正するときに、無理のない解釈になるよう改正することを御検討いただけますでしょうか。
○小野田国務大臣 現時点において改正の必要があるとは考えておりませんが、我が国を取り巻く様々な状況を踏まえ、経済安全保障を推進していく観点から、今後検討を進める中で、必要があれば御指摘の条項についての改正も当然に検討し得ると考えております。
○後藤(祐)委員 当然に検討し得ると。かなり積極的な答弁だと思いますので、是非、次の改正がいつになるか分かりませんけれども、特に自民党の委員の皆様、どなたかが副大臣とか政務官とか、あるいは大臣とかになっていることもあると思いますので、これはよく覚えておいてください。三条の二と七条、ちゃんと読めるように改正することも法律の中に入れていただきたいと思います。
続きまして、指定基金に行きたいと思いますが、配付資料、条文が、ごめんなさい、ここは今日配っていないや、六十三条一項の指定基金ですが、これは、かなり多くの、三十幾つかの法人、あるいはこれからプラスアルファということも含まれ得るということなんですが、実際にこの指定基金を設けるのは、昨日もたしか参考人の方で具体的に名前を挙げられた方がいたと思いますけれども、ごく限定された法人しか現実には指定しないということで、大臣、よろしいでしょうか。
○小野田国務大臣 指定基金制度は、既に設置済みの基金に研究開発等の伴走支援を行うための協議会の設置を可能とするものでございまして、基金の新設を行うものでなく、予算措置の在り方を決めるものでもございません。
その上で、実際に指定基金が設置される法人の数について予断を持って確たることを申し上げることは困難ではありますが、指定基金の指定に当たっては、当該基金が特定重要技術の研究開発等を行うことが確かに予定されているかなどをしっかり精査することとしており、無限定に指定されることは想定しておりません。
○後藤(祐)委員 今まで二個で十六分野とかまたいでやってきているんですから、正確に言うとあれか、技術でいうと、四分野四十三、やってきているんですから、まあ一つ、二つ加わるのはあるかもしれませんけれども、三十とかそういうのはやめてくださいね。今、大臣、首を振っているということで、意思を感じました。
JBICの劣後的貸付け、ここも、今回加わる事業については全額免除まで含めて劣後的貸付けを行うことは百歩譲って認めるにしても、一般勘定、特別勘定、従来やっているところを広げるのは、それはいかがなものですかとおととい聞いたときに、渡邉参考人から、経済安全保障上重要な事業を念頭に活用したいという答弁だったんですが、経済安全保障上重要では相当広く読めてしまうんですね。認定特定海外事業促進業務、今回加わる業務に関連する事業ですとか、何らか、この法律に関わるような概念を用いた基準をお示しいただけないでしょうか。
○小野田国務大臣 政府としては、経済安全保障推進法に基づき令和四年九月に閣議決定した、経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する基本的な方針、いわゆる基本方針において、経済安全保障施策の推進に際しては、自律性の確保、優位性、不可欠性の獲得、維持強化、国際秩序の維持強化という三つの目的の実現に取り組むこととしております。
こうした目的を踏まえ、採算性に不確実性を抱える事業を実現させるために導入する特定海外事業促進制度においては、経済安全保障上重要と考える事業を特定海外事業として明確に定めるとともに、基本指針において、認定に際して判断する内容の明確化を図ることとしております。
他方、経済安全保障は、国際情勢や技術環境の変化に応じて脅威の様態が変化する分野でもありまして、制度に応じた様々なアプローチがあり得ると考えておりますが、一般業務勘定及び特別業務勘定に対する劣後的政府貸付けについては、両業務を所管する財務省から答弁させていただければと思います。
○渡邉政府参考人 後藤議員御指摘の認定特定海外事業は、今般創設する新たな勘定において支援対象となる事業を示す概念でありますことから、既存の勘定で支援する事業に対してこうした概念を用いることは困難である点は御理解いただきたいと考えております。
その上で、一般業務勘定、特別業務勘定に対する劣後的政府貸付けの活用に当たりましては、経済安全保障上重要な事業を念頭に規模を算定するということを想定しておりますが、その際には、政府として、先ほど小野田大臣からも御答弁のあった基本方針に示された目的に照らしつつ、厳格に精査してまいりたいと考えております。
○後藤(祐)委員 水曜より少し。大臣、こういうところで主導してくださいね、だから大臣に通告したんですから。財務省にだけ通告すると、おとといと同じ答弁するんですよ。これから定めるルールのところで厳しめのことを書けばいいんですから、是非そこは主導してやっていただきたいと思います。
附帯決議の確認答弁は、ちょっと網羅的にはしませんが、さっき二、三、四は終わりました。一をちゃんと確認する必要があると思います。
大臣に確認します。二ページ目、附帯決議案です。
経済安保法制定時の附帯決議にもこれはあるんですけれども、「今次改正の適用に当たり、経済安全保障推進法第五条の「経済活動に与える影響」を考慮するに当たっては、経済成長に及ぼす影響に配慮するとともに、事業者の事業活動における自主性を尊重し、事業者間の適正な競争関係を不当に阻害することのないようにすること。」でお約束いただけますでしょうか。
○小野田国務大臣 この法律上、規制措置については、議員御指摘の第五条において、この法律の規定による規制措置は、経済活動に与える影響を考慮し、安全保障を確保するために合理的に必要と認められる限度において行われなければならないと定められております。
また、有識者会議の御提言においても、経済安全保障の推進に当たっては、推進法の趣旨に照らして合理的な範囲で取組を行うことが重要である、施策の執行に当たっては、事業者の負担、現場での実効性等の観点も踏まえつつ、政府による経済安全保障施策が全体として整合的かつ実効的に実施されるよう、関係府省庁や民間事業者と緊密に連携することが望ましいとされております。
政府としては、引き続き、これらの趣旨を踏まえ、各制度を適切に運用してまいりたいと考えます。
○後藤(祐)委員 経済安全保障そのものは必要なんですが、昨日の、米中で接近したということもありましたように、状況は変わりますから、日本の企業だけ損するようなことのないように、やはりそこは機動的、柔軟に、民間、特に日本の企業が不利になるようなことだけはしないように、そこは、今までの運用がそうだからということではなくて、昨日のように、世界は変わりますから、それを踏まえた対応をお願いしたいと思います。
七は、ちょっと加わったので確認しておきたいと思いますが、というのは、JBICのところは、先ほどの答弁、少し進化があったと思いますけれども、これはおとといの長妻委員の質疑の中であった答弁を基に確認をさせていただきたいと思います。
附帯決議の七ですが、これも大臣に確認したいと思います。「認定特定海外事業促進業務の対象案件については、適正な審査を行った上で認定を行い、仮に損失が生じた場合には、企業の個別情報保護等への配慮の必要性や国民への説明責任の在り方とのバランスを考慮しながら、公表の在り方を検討すること。」でよろしいでしょうか。
○小野田国務大臣 委員の御指摘のとおり、特定海外事業促進制度においては、支援対象事業について、JBICからの情報も提供を受けつつ、事業内容や収益性等を適正にしっかりと審査した上で認定することとしております。
その上で、仮に損失が出た場合には、企業の個別情報保護等への配慮の必要性や国民への説明責任の在り方とのバランスを考慮しながら、公表の在り方を今後検討してまいります。
○後藤(祐)委員 是非そこを守ってやっていただきたいと思います。
続きまして、サイバーセキュリティーの関係で、配付資料十二ページ目に、これは中小企業も念頭に置いた、基幹インフラ事業者以外の事業者ももちろん含めたものとして、サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度、SCS評価制度というものが、経産省から、これはもう決まっていて、今年度末頃に制度開始を予定しているということだそうでございまして、こういったことをちゃんとやっているところは星三、更にこれをやっていると星四、全部をちゃんとやっていると星五とか、そういった、格付に近いような評価制度でございますけれども、これはとても重要なことだと思うんです。余り義務、義務という形よりは、こういった、この会社は星が幾つだからお取引できるとか、それは民民ベースで進めていくことというのは非常に意味があると思うんですが、純粋な任意制度だけだと広がりにどうしても限界があると思うんですね。
例えば、今回の特定基盤インフラ事業者は星幾つ求めるとか、あるいは、特定基盤インフラの業種なんだけれども、その対象事業者になっていない中小の事業者は星幾つとか、更にもっと影響が大きいのは、特に公共調達ですよね。公共調達の入札に参加する場合にはこの星を幾つ取っていなきゃいけないということを、公共調達の全てかどうかはともかく、特にこういったセキュリティーがすごく大事な調達ってあると思うんですよね、については義務づけたり、あるいは、そういったことはお金がかかりますから、何らかの支援措置を講じたりといったことをやるべきだと思うんですが、今日、経済産業省から井野副大臣に来ていただいておりますけれども、いかがでしょうか。これはやるべきじゃないでしょうか。
○井野副大臣 現在、導入の準備を進めておりますSCS評価制度についてでありますけれども、業界全体で活用されることを期待をしております。そのためにも、制度開始後の活用に向けて、自動車を始めとする各種業界団体との議論を現在進めているところでございます。
セキュリティー人材の確保や対策に十分な費用をかけにくい中小企業による活用を促すため、サイバーセキュリティお助け隊サービスの拡大や、セキュリティー専門家と中小企業とのマッチングの促進を進めていく予定でございます。
また、一層広く活用されるように、先生御指摘の公共調達、我々は、政府調達や重要インフラ事業者などにおける本制度の活用に向けた方策についても検討してまいりたいと考えております。
○後藤(祐)委員 是非検討していただきたいんですが、これは経産省だけでやると多分限界があるんですよね。なので、これは政府全体でやらなきゃいけませんから、それは国交省だとか総務省だとかももちろん関係しますので。
川崎政務官、内閣官房、内閣府の担当の政務官にお越しいただいておりますが、十四ページに、これはおととい長妻委員の配付された資料で、イギリスはサイバーエッセンシャルズという制度で、まさに今申し上げているようなことを既にやっているんですよね。
サイバーエッセンシャルズとサイバーエッセンシャルズプラスという、カテゴリーを幾つか分けて対応していて、実際、これを取っていないと、あるいは外部評価みたいなこともするようでございますが、こういった制度を導入するなどして、これは先ほどの議論の続きですけれども、公的機関の公共調達においてこのSCS制度の一定レベルを必須とすること、一定以上の星の取得には、場合によっては認証機関による定期的なものを含めた監査を義務づけるといったことまで含めて検討すべきではないでしょうか。
○川崎大臣政務官 お答え申し上げます。
今、後藤委員が御指摘いただいておりますとおり、元々、このSCS評価制度については、そもそも、先ほど井野副大臣がお答えいただいたとおり、民間との間のサプライチェーンのセキュリティーの強化を目的として、発注側と受注者側で必要なセキュリティー対策を定め、そして、それがきちんと行われているかどうかを可視化する制度でございます。
そして、この評価制度というものに関しましては今申し上げたとおりではございますが、一方で、政府機関においては、現在、政府機関等のサイバーセキュリティ対策のための統一基準群、政府統一基準群というものに基づいた調達を行っております。したがいまして、政府の方で調達する際のこの基準と、まさに今検討しているSCS評価制度、この部分の整合性というものをしっかりと見ていかなければならないというふうに思っています。この統一基準が、今現在行われている政府統一基準群と同一なものか、きちんと整合性を図ること、そして社会への浸透状況というものもしっかりと鑑みながら、更なる整理を進めていかなければならないというふうに考えております。
また、あわせて、先ほどエッセンシャルプラスの方にも御指摘がございましたが、監査の義務づけに関しましては、令和八年度末の本評価制度開始時点から、一定以上の星の取得をされたところには第三者評価制度を必要とする予定で、今現在調整を進めております。
以上です。
○後藤(祐)委員 前向きな答弁、ありがとうございます。
公共調達の中にも、サイバーセキュリティーが極めて重要な分野とそれほどでもない分野があると思うんです。その極めて重要な分野はできるだけ早く、かつレベルの高いものを求める方向で、今言った整合性を早く取っていただいて、そのために内閣官房とか内閣府が全政府に対しての調整権限をお持ちなわけですから、まさにその調整権限を発動して、経産省ともうまく協力しながら、実効性ある形で進めていただきたいと思います。
続きまして、官民協議会、特にこのサイバーセキュリティーの関係での官民協議会について議論したいと思いますが、金融に関しては、クロード・ミュトスへの対応として日本版グラスウィング的なものが、昨日も、これはより専門的な方で集まったんでしょうかね。これの法的根拠はと、おととい私聞きましたけれども、当面は業法だということで、守秘義務がかけられません。今後、守秘義務をかける必要が出てくることもあると思うんです。
選択肢は幾つかあって、このまま業法でやった場合には、守秘義務をかける場合は、ちょっと別の話なので違うことを考えなきゃいけない。あるいは、今回位置づけられる官民協議会でやる。あるいは、サイバー対処能力強化法に同じような規定があって、配付資料十ページ目に協議会というのがあって、この四十五条でやることも可能だと思うんです。どれでやっていくんでしょうか。
守秘義務をかけてやる以上は、今回のこの経済安保法上の三条の二でやるか、サイバー対処能力強化法の四十五条でやるか、どっちかにはすべきだと思いますが、いかがでしょうか。これは内閣官房の政府参考人。
○早田政府参考人 お答えいたします。
議員御指摘のとおり、金融庁主導により実施される官民連携協議会は、民間企業に国家公務員と同等の守秘義務が課されているわけではなく、また、現時点でそうした保秘が必要な情報を取り扱っていないというふうに認識をしてございます。
一方、経済安全推進法に基づきます官民協議会は、幅広い構成員を参画させ、経済安全保障上の課題の解決を図る観点から、その構成員に国家公務員と同等の守秘義務を課すということにしてございます。そのため、施行後、官民協議会の枠組みを活用できるようになれば、経済安全保障上の諸課題について、必要に応じて、守秘義務のかかるこの協議会を活用いただくということも考えられるというふうに考えてございます。
また、サイバー対処能力強化法第四十五条に定める協議会においても、サイバー攻撃による被害を防止するための情報を政府から提供することであったり、被害の防止に資する情報を関係者間で共有、協議を行うということによって、協議会の構成員における被害を防止することが目的というふうに承知しておりまして、必要に応じて、守秘義務のかかるこの協議会も活用いただくことが重要だというふうに考えてございます。
○後藤(祐)委員 そのどっちかを使っていくという答弁だと思うんですけれども、配付資料の十ページ目の対処能力強化法の四十五条を読んでいただくと、この協議会の構成員は、重要電子計算機を使用する者、電子計算機等供給者が例示なんですね。だから、これはイメージはベンダーだと思うんですよ。それに対して、金融業界の方々、電力業界の方々という業種ごとに集まれとやるのは、どっちかというと今回の三条の二だと思うんですよ。
ただ、あっちこっちでやるのがいいのかどうか。場合によっては、サイバーの方の対処能力強化法でやるのであれば、この四十五条の書き方を変えた方がいいと思いますよ。今回の三条の二のような書き方に変えた上で、こっちに統一してやるだとか、そこはちょっと整理していただきたいなと思います。各業界の人全部をその他内閣総理大臣が必要と認める者で読むのは、本当はおかしいと思います。あるいは、一個のものを開くのを、両方の法律の位置づけですということにして一個のものを開くとか、そこはうまく工夫してやっていただきたいと思います。
残った時間、昨日の参考人質疑で議論になった不可欠性の議論をしたいと思いますが、これは大臣に。これは、おととい、もう既に通告しておりますけれども、参考人質疑でも、ほとんどの方が、この不可欠性は大事だ、これによる抑止力を確保することは必要ではないか、こういうお話がございましたが、これはまず大臣に伺いたいと思います。
実際、日本にとって不可欠性の高い重要鉱物などの物資について、圧倒的シェアを持つ国が日本に対して輸出制限措置を行おうとしたような場合に、日本がその国に対して、日本が不可欠性を持つ物資の輸出を制限するといったようなことは、経済安全保障上の抑止力として重要だと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○小野田国務大臣 政府としては、特定の国家が、輸出制限措置等を通じた経済的威圧により、国家の自主的な政策の意思決定や健全な経済発展を阻害することは容認できるものではないと考えております。
経済的威圧への対応としては、不可欠性の獲得に加え、自律性の向上、国際秩序、ルールの維持強化、産業界との連携が重要と考えており、こうした観点を踏まえながら、経済安全保障推進法を始めとする各施策の着実な施行、そして同盟国、同志国との連携等を通じた各種取組を進めてまいりたい。
その上で、輸出管理については、国際的な平和及び安全の維持、我が国が締結した条約の誠実な履行、国際平和のための国際的な努力への寄与等のため、国際的な慣行に即する形で実施してきているものと理解しております。
○後藤(祐)委員 慎重な答弁ですよね。余り言い過ぎるのも、ここは危ないところですからね。
昨日の参考人質疑で、鈴木参考人、外為法の活用について言及がありましたが、配付資料十一ページ目に、外為法の四十八条、輸出の許可というのがございます。これの三項によると、我が国が締結した条約その他の国際約束を誠実に履行するため、国際平和のための国際的な努力に我が国として寄与するため、承認を受ける義務を課することができるとなっているんですが、これは、例えば、希少動植物の輸出入を規制するワシントン条約とか、あるいは廃棄物の輸出入を規制するバーゼル条約とか、こういったものの対応として、典型的には現に使われています。
ですが、今議論しているような論点でこれを使うことができるんでしょうか。つまり、WTOで基本的には自由貿易、ただ、例外的な、例えば安全保障上理由がある場合なんかには、輸出の制限とか、WTOで例外的にできるようになっていますけれども、そのWTOルールなどの通常の貿易を定めた国際条約をこの四十八条の三に適用して、先ほど議論した抑止力として活用可能なんでしょうか。これは経済産業省ですかね。
○猪狩政府参考人 お答えいたします。
外為法に基づく輸出管理につきましては、海外取引の自由を基本としつつ、国際的な平和及び安全の維持、我が国経済の健全な発展等の観点から、必要最小限の管理又は調整を行うことを前提としております。また、外為法第四十八条第三項においては、条約その他の国際約束の履行や国際平和のための国際的な努力への寄与といった目的のため、政令により、特定の貨物及びその仕向地について承認義務を課すことができる、この旨は定めているところでございます。
その上で、委員御指摘のような事象に対して第四十八条第三項を適用することにつきましては、一般論として申し上げれば、こうした法目的や関係国との連携等を総合的に勘案しまして、慎重に検討する必要があると考えております。
○後藤(祐)委員 使えないんですよ、大臣。そのことを、昨日、鈴木さんは言っていたんです。使えということじゃないんです。使おうというときには使えるようにしておくことは重要だと思うんですよ。でも、今の答弁、完全否定はしていないんです、ですが、極めて難しいという答弁なんですよ。なので、次の経済安保法の検討をすることになりました、すぐに。今のところも含めて、不可欠性への対応をどうしていくのか。それは、この外為法を使うかどうかなんですよ。そこは、実際に使うかどうかは慎重でいいんだけれども、今の答弁でいいのかどうかはよく検討していただきたいと思います。
一方で、やり過ぎもよくないのと、最初に指摘しましたが、例えば、米中が昨日のように接近する中で、アメリカの企業はしゃあしゃあと中国の企業から安い商品を輸入して、アメリカの会社がどんどん使っている、一方で、日本はデカップリングで中国製品の使用は禁止であるというようなことになったら、日本企業はやっていられないですよ。それはやり過ぎちゃいけなくて、情勢に応じて、ほかの国と、少なくともアメリカと同等でやるべきだと思うんです、せめて。日本だけが規制強化になるのは、これはやっちゃいけないことだと思うんですよ。
十三ページに、その典型としてあるのがIoTセキュリティーラベリング制度、JC―STARというやつがあるんですけれども、ちょっと時間がないので、端的に伺います。
これは、太陽光パネルのPCS、直流を交流にするような機械、あるいは蓄電池、こういったものが対象になるそうなんですね。これ自体は別に規制じゃないんですが、今度、二〇二七年四月から、このJC―STARを取得していないと、太陽光発電、蓄電池、風力発電は二〇二七年四月から動かせません、これを取っていないと。燃料電池は二〇二八年四月から動かせなくなります。
これは、ほかの国に同じような禁止する制度があるんでしょうか。二〇二七年四月からの施行は、もしそうでないとすれば、先送りすべきじゃないでしょうか。経済産業省。
○山下委員長 経済産業省久米電力・ガス事業部長、申合せの時間を過ぎておりますから、答弁は簡潔に。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。
最初のお尋ねの点、諸外国において、太陽光のPCSに関し、特定の国の製品の使用を禁止するような制度が設けられているとは把握してございません。
今回活用するJC―STAR制度は、特定の国や企業の製品の使用を禁止するような制度ではなく、一定のサイバーセキュリティー水準を満たす機器であるかどうかを確認、認証する制度であります。実際に、我が国では、分散型電源の構成機器がサイバー攻撃の踏み台にされる事案も生じておりますことから、分散型電源におけるサイバーセキュリティーの確保は喫緊の課題だと認識しております。他国が同様の規制を導入するまで対応を見送ることは必ずしも適切ではないと考えております。
施行時期については、できる限り早期にサイバーセキュリティー対策が講じられた機器を導入していただく必要がある一方で、メーカーがJC―STAR制度に対応した機器の市場への投入が可能になるタイミングを勘案して二〇二七年四月と設定しておりまして、拙速に導入するものではございません。
○後藤(祐)委員 拙速に導入することはございませんというところで、延期の可能性を少し感じました。
終わります。
○山下委員長 次に、中根一幸君。
○中根委員 自由民主党の中根一幸です。
本日は、経済安全保障推進法の一部を改正する法律案について、前回に続き、質問いたします。よろしくお願いいたします。
十四日、昨日ですね、内閣委員会では、本法律案について、四名の参考人の方々から大変貴重な御意見を伺いました。経済安全保障は政府だけで完結するものではなく、民間事業者、研究者、金融機関、関係省庁がしっかり連携して、官民一体となって進めていくことが重要であると改めて感じたところであります。
以下、四点について質問させていただきます。これまで質問された委員の皆様と重なる点もあると思いますが、私の視点から質問させていただきます。よろしくお願いします。
まず、重要な物資の供給に不可欠な役務について伺います。
重要物資の安定供給は、物資そのものの製造だけでなく、設置、保守、修理、輸送、港湾、通信、専門人材など、サプライチェーン全体で考える必要があります。そのため、一つの物資であっても、製造、輸送、設置、保守などの段階ごとに、経産省、国交省、総務省、厚労省など複数の省庁が関係することも当然あり得ます。
十四日の参考人質疑で経団連の原参考人から、所轄大臣や相談窓口が異なることで企業の負担にならないよう関係省庁で十分に連携してほしいという趣旨の御意見をいただきました。これは、制度を実際に使う民間企業の立場から見て大変重要な指摘だと思います。せっかく制度をつくっても、企業から見てどこに相談すればいいのか分からない、同じような説明や資料提出を複数の省庁に求めるということになれば、当然ですが、制度が使いにくくなってしまいます。
そこで、伺います。
重要な物資の供給に不可欠な役務を支援するに当たり、複数の主務大臣が存在する場合には、企業の負担を増やすということのないよう関係省庁がしっかり連携していただきたいと思っておりますが、政府のお考えをお伺いします。
○殿木政府参考人 委員まさに御指摘のとおり、主務大臣が複数いる場合、関係省庁間でしっかりと連携し、企業の負担が必要以上にならないようにすることが重要と認識しているところでございます。
特に、事業者のお立場からすれば、複数の主務官庁のうちどちらに相談することが適切かについて、ちゅうちょを覚える可能性がまず考えられます。主務省庁は、もとより日々の公務においてその所管する業界、民間事業者等と情報のやり取りを行っており、他の省庁に比べて業界事情を知悉していることからすれば、民間事業者等の方々におかれては、まずは日頃より関わりのある主務官庁に御相談をしていただくことが期待されるところでございます。
また、主務大臣が複数いる場合でありましても、経済安全保障推進法四条二項に定めるとおり、関係省庁同士は相互に協力しなければならないとされており、民間事業者等の取組が円滑に実施されるよう、複数の省庁が連携して民間事業者等の御相談などに対応するということにしているところでございます。
このような規定も活用し、今の議員の御指摘も胸に刻みながら、しっかりと対応してまいりたい、このように考えているところでございます。
〔委員長退席、鳩山委員長代理着席〕
○中根委員 関係省庁と連携して、相談相手を明確化して、是非しっかりとこれを進めていっていただきたいと思います。この間も質問させていただいたので、改めて質問をさせていただきました。
次に、重要な海外事業の促進について伺います。
特定海外事業促進制度については、十四日の参考人質疑において、同志国やグローバルサウス諸国等との連携強化のため、経団連の原参考人などから賛同の意見がありました。私も、この制度、経済安全保障を推進する上で非常に重要な制度であると考えております。
現在、資源、エネルギー、重要鉱物、半導体、通信インフラ、港湾、物流などをめぐり、各国が戦略的な取組を、御案内のとおり、進めております。日本だけ全てのサプライチェーンを国内で完結させるということは、当然ですけれども、これは現実的ではありません。だからこそ、同志国やグローバルサウス諸国等と連携し、相手国にとっても日本にとってもメリットのある形で重要な海外事業を進める必要があると思います。
例えば、港湾、物流、通信、資源、エネルギー関連事業を進めることは、相手国にとっては、経済発展また雇用の創出につながります。一方で、日本にとっては、重要物資の安定供給、物流ルートの多様化、過度な一国依存からの脱却にもつながるわけであります。
その意味で、特定海外事業促進制度は、日本の経済安全保障を国際連携の中で強化する重要な制度でもあります。昨今の国際情勢を踏まえれば、私は一刻も早く本制度を施行する必要があると思っております。また、制度の実効性を高めるためには、十分な事業費と体制の確保、これは先日もお話ししましたが、必要だと思います。
そこで、伺います。
特定海外事業促進制度について、制度の早期施行と十分な予算、体制の確保を併せてしっかりと進めてほしいと考えますが、政府の考えをお伺いいたします。
○泉政府参考人 本制度は、昨今の国際情勢の激変を受けまして、同盟国、同志国やグローバルサウス諸国等と協働し、官民一体となって経済安全保障上重要な海外事業を実施する必要があること、さらには、グローバルサウス諸国等の旺盛な需要の取り込みを通じまして我が国企業の国際競争力を維持するとともに、地政学上の重要地域における我が国のプレゼンスを高めつつ、我が国企業が関わる経済安全保障上重要なグローバルサプライチェーンを強化する必要があることなどを踏まえまして創設するものでございます。
それで、本制度は、法律の公布から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日を施行日とすることとしておりますが、ただいま委員から御指摘がありましたとおり、昨今の国際情勢に鑑み、経済安全保障上重要な海外事業の支援の要請には、できる限り早い対応が必要であると認識しております。このため、有識者の意見を聞いた上で基本指針等を定めましてパブリックコメントに付す、こういった所要の手続作業を早急に実施いたしまして、一年の期限にかかわらず、できる限り早く制度の施行ができるよう検討を進めてまいります。
また、御指摘を踏まえまして、本制度を迅速に立ち上げ円滑に運用するとともに、その実効性を高め、本制度の目的である経済安全保障上重要な事業の実施やそれを通じたグローバルサプライチェーンの強化が確保できますように必要な予算をしっかりと確保してまいりたい、このように考えてございます。
○中根委員 ありがとうございます。
制度は早く動かし、必要な予算と体制を確保してこそ実効性が生まれると思います。早期施行と十分な予算、体制の確保を是非力強く進めていただきたいと思います。
次に、官民協議会について伺います。
経済安全保障をめぐる環境は急激に変化しています。サプライチェーンの途絶、重要技術の流出、サイバー攻撃、重要インフラへの妨害、さらには生成AIなど新しい技術を悪用したリスクなど、脅威は複雑化、高度化しています。こうした中で、本法律案に基づき新たな官民協議会の枠組みを創設することとされております。
これまで官民のコミュニケーションは行われてきたと思います。しかし、経済安全保障の分野では、その時々の意見だけではなく、平時から官民が継続的に信頼関係を築き、リスクを認識、共有しておくことが重要であります。
民間事業者は、実際の取引、技術動向、サプライチェーンの現場をよく知っております。一方で、政府は、安全保障上のリスク、国際情勢、制度面での対応、関係国との連携などを担っております。この双方の知見を結びつけることが、実効性ある経済安全保障政策につながってくると考えます。官民協議会を単なる意見の交換の場にとどめず、将来の脅威やリスクに備える実践的な枠組みにしていく必要があります。
そこで、伺います。
本法律案に基づき新たに創設する官民協議会はいかなる意義を持つのか、また、官民協議会の制度化により、これまでの官民コミュニケーションをどのように高度化し将来の経済安全保障上の脅威やリスクに備えていくのか、政府のお考えをお伺いいたします。
○早田政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘のとおり、政府と民間企業等が脅威やリスク認識等の情報を共有し対策を協議するなど、これまで以上に官民連携を強化していくことが重要であると考えてございます。
官民協議会では、経済安全保障上の幅広い課題について、その時々の情勢等を踏まえつつ、官民で情報共有や対策の協議を行うべきテーマを設定し、必要な産官学の関係者の参画を得て議論を行うことを想定してございます。
具体的なテーマといたしましては、例えば、重要な物資に係るサプライチェーン上で顕在化している脅威に係る実態や影響を把握した上で対策を検討すること、また、先端技術の進展等に伴い今後顕在化することが見込まれる業種横断のリスクをテーマに中長期の対応を検討することなどが想定されてございます。
経済活動の担い手でもあります民間企業等と政府が今申し上げた様々なテーマで意見交換や協議を行い、官民の共通認識の醸成や信頼関係の構築につなげることで、委員御指摘いただきました将来の経済安全保障上の脅威やリスクにもしっかり備えてまいりたいというふうに考えてございます。
〔鳩山委員長代理退席、委員長着席〕
○中根委員 ありがとうございます。
官民協議会は、機微な情報も含めて官民が共有し、将来のリスクに先手を打つ重要な枠組みだと思います。重要鉱物、AI、造船、大規模インフラ障害など、リスクは幅広く、変化も速いと思います。先ほどもお話ししましたが、単なる意見交換ではなく実践的な対策につながる場として運用していただきたいと思います。
最後に、クロード・ミュトス等への対応について伺います。
近年、生成AIを始めとするAI技術は急速に進化しています。こうした技術は、社会、産業を発展させる可能性を持つ一方で、悪意ある主体に利用されれば、サイバー攻撃の高度化、自動化、巧妙化につながるおそれがあります。
例えば、クロード・ミュトスを始めとした高度化するAIが悪用されれば、巧妙なフィッシングメールの作成、脆弱性の探索、攻撃手法の自動生成などが行われる可能性もございます。特に、電力、通信、金融、交通、港湾、水道などの基幹インフラ事業者が攻撃を受けたら大変なことになります。国民生活、そして経済活動に大きな影響を及ぼします。
経済安全保障推進法における基幹インフラ制度は、特許妨害行為の防止を目的とする重要な制度です。しかし、AIを利用したサイバー攻撃のような技術の進化が速い分野については、基幹インフラ制度だけで対応が完結するものではありません。サイバーセキュリティーを担当する関係機関、そして重要インフラを所管する各省庁、警察、外務、防衛、経産省、総務省、国土交通省など、政府一体となって対策を進めなければいけないものだと思っております。また、当然、民間事業者との情報共有も必要になってまいります。
そこで、伺います。
クロード・ミュトスを始めとした高度化するAIを利用したサイバー攻撃から我が国の基幹インフラ事業者を守るためには、基幹インフラ制度だけでなく関係省庁が専門性を発揮しながら政府一体となって対策を進めるべきだと考えますが、政府のお考えをお伺いいたします。
○殿木政府参考人 委員御指摘のとおり、高度化するAIによるサイバー攻撃に対応するためには、経済安全保障推進法に基づく基幹インフラ制度のみならず、各基幹インフラ所管省庁の業法等に基づく取組や、国家サイバー統括室のサイバー対処能力強化法に基づく取組などと連携し、政府全体で包括的かつ重層的に対応を進めることが重要であると考えているところでございます。
また、今週の火曜日、十二日に、高市内閣総理大臣から、松本サイバー安全保障担当大臣を中心に、AIが高度化する中におけるサイバーセキュリティーの確保に向け、重要インフラ事業者等への対応と脆弱性の発見、修正等の対応の双方の観点から、政府全体での対応を早急に具体化し、実施するよう指示があったところと承知をしているところでございます。
このため、内閣府といたしましては、経済安全保障の知見を生かしつつ、高度なサイバー攻撃の知見を有する国家サイバー統括室との間で対応すべき脆弱性情報等の共有をしながら、先ほども御指摘がございました、金融庁、経済産業省等の事業所管官庁ともより緊密に連携し基幹インフラ制度の運用に当たることで、基幹インフラ役務の安定的な提供を一体的に確保してまいりたい、このように考えているところでございます。
○中根委員 ありがとうございます。
これは本当に今日の一番大事なところだと思っておりますので、是非、内閣府としても、先ほどお話がありましたように、高度なサイバー攻撃の知見を有する国家サイバー統括室がありますし、また、その脆弱性を補うために、金融庁や経産省等の事業の所管省庁、あらゆるいろいろな省庁ともしっかりと緊密に連絡をして、この基幹インフラ制度、是非、安定的な提供を確保していっていただきたいと思います。
AIを利用したサイバー攻撃はますます今後高度化すると思います。基幹インフラを守るためには、国家サイバー統括室、また各省庁、そして民間事業者が緊密に連携することが不可欠であります。政府一体で先手先手の対応を進めていただきたいと思います。
以上で質問を終わります。
○山下委員長 次に、黒田征樹君。
○黒田委員 日本維新の会、黒田征樹でございます。
経済安全保障推進法が成立されて丸四年が経過をいたしました。この間、様々な国際情勢の変化によって、非常に、日本の経済安全保障を見直す必要性が高まっている、そんな中で今回の改正案が示されたということで、この改正案に先立って、我々日本維新の会からは、このような提言を小野田大臣に直接手交させていただいて、私自身もその場に同席をさせていただいて、意見交換もさせていただきました。今回出てきた法案が、この提言をかなり盛り込んでいただいたということに感謝を申し上げたいというふうに思います。
それを踏まえて、これまでの議論、締めくくり総括ということですので、おさらいをしていきたいというふうに思います。
まず初めに、この経済安全保障推進法が成立した二〇二二年以降、政府は、十六の特定重要物資を指定して、予算総額約二兆五千六百四十三億円を投じて百四十八件の認定計画を支援してまいりました。また一方では、中国は二〇二〇年以降、レアアース等、矢継ぎ早に輸出管理措置を強化をしております。
こうした現状を踏まえて、今回の改正において、政府は、どのような問題意識に基づき、何を最も重要な改正事項と位置づけているのか、これは総括的にお答えいただきたいというふうに思います。
○鈴木副大臣 お答えいたします。
大事な点は今委員がおっしゃっていただいたというふうに思いますけれども、現行の経済安全保障推進法に基づき、これまで、十六の特定重要物資の安定供給確保のための支援、十五分野における基幹インフラ役務の安定的な提供の確保、五十一の先端的な重要技術を対象とした研究開発等の伴走支援、二十五の特定技術分野における特許出願非公開による機微な発明の流出防止を実施することで、我が国の自律性の向上、優位性、不可欠性の確保に向けた取組は着実に進展をしてまいりました。
他方、中東情勢を始め国際情勢の急速な変化等、我が国の経済安全保障をめぐる環境が複雑化する中、現行制度の見直しや拡充を行うべきだというふうに考えております。具体的には、重要な物資のサプライチェーンの更なる強靱化のための取組、医療分野の基幹インフラ制度への追加による医療の安定提供の確保などが必要であります。
加えて、国際情勢の激変等に伴う新たな課題に迅速かつ強力に対応していくため、経済安全保障上重要な海外事業を支援するための新たな制度、総合的な経済安全保障シンクタンク及び官民協議会の創設も不可欠であります。
こうした課題を踏まえ、外交力、防衛力、経済力、技術力、情報力、人材力を含む総合的な国力を強化しながら最大限活用し、我が国の平和と安全、繁栄を経済面から確保するための更なる措置を講ずるため、今般、経済安全保障推進法の改正案を提出したものであります。
以上です。
○黒田委員 ありがとうございます。
まさにその危機意識、そのとおりだというふうに思います。
振り返ってみれば、我が国の経済安保のリスクが初めて可視化したのは、尖閣諸島沖で起きました中国漁船の衝突事故、事件。そのときに、レアアースの依存というものが日本全体に知れ渡った瞬間だったんじゃないかなというふうに思いますけれども、あれが二〇一〇年頃だったと思いますが、それから十五年が経過しても、まだ、レアアース等に対しても、十分な経済安保という視点で、まあ、改善されているものの、まだまだ不十分な部分があるというふうに認識をしておりますので、今回の改正がそういったところも踏まえてしっかりと形づいているのかというところも確認をしていきたいというふうに思います。
まず、今回の改正で非常に大きいのが、前進したなと思うのが、特定重要物資の役務への拡大ということで、国際通信の九九%が光海底ケーブルを経由しているということで、物資そのものだけじゃなくて、物資が機能するための役務も経済安保上の急所となっているということで、このケーブルの敷設船が不足して役務を外部に過度に依存する状況が続けば、いざというときにケーブルを適切に利用できないという事態が生じ得ます。
ですので、この問題意識は、これも我が党の提言でも申し上げさせていただきましたけれども、今回、この役務を特定重要物資として支援対象にするに当たりまして、認定の要件、支援内容の具体像、海底ケーブル以外にどんな役務が対象となり得るのかということをお聞かせいただきたいと思います。
○殿木政府参考人 お尋ねの件でございますが、現行制度におきましては、国民の生存に必要不可欠又は広く国民生活若しくは経済活動が依拠している重要な物資又はその原材料等について、外部への依存性や供給途絶の蓋然性などが認められた場合に特定重要物資として指定し、生産、備蓄等の物資又は原材料等そのものを確保するための取組を主として支援してきたところでございます。一方、サプライチェーン強靱化のためには、物資そのものの生産だけではなくて、物資の供給に不可欠な役務の提供の確保がなされる必要があるところでございます。
このため、今般の改正におきましては、現行法が対象としているある重要な物資について、当該物資又はその原材料等そのものだけではなくて、これらを供給する上で不可欠な役務であって専ら当該物資等の供給のために用いられているものについて、外部への依存性や供給途絶の蓋然性が認められる場合において、他の制度による措置の実施状況を踏まえた措置の必要性を確認した上で、当該物資等の安定供給等を図ることが特に必要と認められた場合に、当該物資等を特定重要物資として指定し、当該役務に関する取組を支援することにより物資の安定供給確保を図ることができるようにするというのが今回の改正の意義及び趣旨でございます。
では、具体的にどのような支援を行うかについてでございますけれども、個別の特定重要物資の供給不可欠役務の提供の事業を所管する大臣の下で物資ごとに安定供給に必要な取組について判断することになりますが、例えば、供給不可欠役務の提供基盤となる施設や設備の整備、役務の提供に係る技術の開発や改良により供給不可欠役務の提供能力を維持強化し、供給網の強靱化を図ることが挙げられます。具体的に申し上げれば、先ほど御指摘がありました海底ケーブル敷設船の確保に加えまして、人工衛星打ち上げのための射場の整備など、役務の提供基盤となる施設や設備の整備等が考えられます。
また、事業者から提出された供給確保計画の認定に当たりましては、現行の認定手続と同様に、改正法第九条第四項に基づき、主務大臣が定める取組方針に照らし適切なものであるか、また、役務について、その提供能力の維持又は強化に資する投資などの取組を円滑かつ確実に実施するための措置が講じられているかの観点から審査することとしているところでございます。
○黒田委員 ありがとうございます。
まさに、物資だけを守っても、この物資を動かす、機能させる、そういう役務が外国依存なら全く意味がありませんので、形式的な認定にとどまらずに、民間企業が役務の国産化、多元化に向けた投資を行えるように、実効性のある支援をお願いしたいというふうに思います。
続きまして、需要サイドへの対策ということで、これまでの安保政策は、供給側への支援、調達先の分散化、国産化の強化、こういったことに重点を置かれてきたというふうに思いますけれども、例えばレアアースを例に挙げれば、政府は調達先分散化を推進したものの、需要者側、要はその材料を使う側は、市場のメカニズムの観点から、やはり安価な中国産にどうしても移行してしまう、依存してしまう、そういう構造がありまして、その構造を我々も非常に問題視をしまして、今回のこの提言においても強く求めたところであります。
そういう中で、二点ちょっとお伺いさせていただきたいと思います。
第一に、今回新設された需要事業者等の相互連携、協力規定は、我が党が求めてきた需要サイドへの対策の観点からどのような意義と位置づけを持つものと認識をしているのか。
そしてまた、第二に、この規定はあくまでも努力義務となっておりますので、これを実際に動かすために、我々としては、例えば税制の優遇であるとか補助金であるとか、そういうインセンティブ等も含めた具体的な施策が要るんじゃないですかということもこれまでお話もさせていただきましたし、提案もさせていただきましたが、そういう具体策について、要は実効性を担保できる具体策について、政府の方針をお聞かせいただきたいと思います。
○殿木政府参考人 ただいま御質問がありました二つの点でございますが、特定重要物資の安定供給確保は、特定重要物資やその原材料等の供給を行う事業者だけではなく、特定重要物資の供給を受ける事業者としての需要サイドを始め、幅広い関係者の存在の上に成り立つものではございます。
このため、需要サイドも含めた官民一体の安定供給確保のための取組をより一層推進すべく、本改正法案においても、需要側も含めた幅広い関係者に対して、特定重要物資等の安定供給確保のための相互連携及び協力を努力義務として規定するとともに、この努力義務規定に基づき、需要側も含めた民間事業者が、特定重要物資等の安定供給確保に資する行動が取りやすくなるよう、国として必要な措置を講ずるよう努める旨を規定しているところでございます。
二点目の御質問の方でございますが、このような中で、国として講ずべき必要な措置としては、例えば、調達先の多角化への支援や、調達先を多角化することを各種制度の適用の要件とする、すなわちインセンティブ要件とするなど様々なものが考えられるところでございますが、詳細につきましては、各業界の実態も踏まえて、関係省庁とも連携しつつ検討し対応してまいりたい、このように考えているところでございます。
○黒田委員 需要サイドに目を向けて、努力義務とはいえ入れていただいたということは大きな一歩と認識していますし、それを政府の方もしっかりと措置を講ずる、努めるということでありますので、そこは実態に合って、多角化がしっかりと進むように努力をしていただきたいというふうに思います。
続きまして、重要鉱物、先ほどから言っていますレアメタル等でありますけれども、これは、経産省、環境省、様々な資料を確認しますと、一度日本に入ってきたレアメタルが様々な製品として使われてそれが回収できる、いわゆる資源循環ですね、これを適正ルートで、国内で再資源化されている数字は、ベースメタル、いわゆるアルミとか銅、そういったものがおよそ二割から三割程度、希少金属、いわゆる供給リスクの高い希少金属が数%にとどまっているというような中で、七割を超える残りの大部分の行き先が、一つは焼却処分、埋め立てる、もう一つが、正規ルート、不正ルートも含めて海外に流出をしている、そういう現状があります。
せっかく国内に入ってきた資源が再度流出をしている、若しくは埋め立てられている。これは非常に問題じゃないかなというふうに思っておりまして、その解決策じゃないですけれども、少しでも前進をさせていただきたいなというのが、私もずっと市議時代から携わってきました小型家電のリサイクル。これは障害者施設で担っていただこうということで、日本基板ネットワークというものがあります。三年ほど前ですけれども、第六回ジャパンSDGsアワード特別賞受賞ということで、岸田総理のときに官邸で受賞いただいたというような事例があります。
要は、こういう手段を使って、その残りの七割の部分の幾分かを今拾っていただいているということで、まさに自民党さんの提言でもありまして、「循環経済(サーキュラーエコノミー)で日本列島を強く豊かに」というものがあります。まさにそのとおりだというふうに思います。調達するのも大事ですけれども、しっかりとそういう資源循環も促していくという必要性があると思いますが、こういう経済安保の政策と福祉政策、この連携をさせていくということについて認識を伺いたいというふうに思います。
○成田政府参考人 お答え申し上げます。
我が国は、先生御指摘のとおり、金属資源の多くを海外に依存しておりまして、また、海外に流出しているところでございます。このため、使用済製品などから金属資源をリサイクルすることは、我が国の経済安全保障の観点からも重要であると認識しているところでございます。
このため、本年四月に循環経済に関する関係閣僚会議で決定いたしました循環経済行動計画におきまして、再生資源供給サプライチェーンを強靱化するべく、再資源化拠点等の構築、ネットワークの形成を図ることとしております。その中で、障害者就労支援との連携も重要な取組であると認識しているところでございます。
環境省におきましては、今年三月に公表いたしました小型家電リサイクル制度を活用した関係主体の連携事例集におきまして、障害者就労支援との連携事例も紹介するなど、取組の横展開を図っているところでございます。
こうした取組も通じまして、重要な金属資源等の安定供給を実現し、経済安全保障の確保に貢献してまいる所存でございます。
○黒田委員 ありがとうございます。
非常に前を向いた御答弁をいただいたんだなというふうに思います。始めた当初は、やはり進めていくに当たっていろいろなハードルがありました。今、ようやくここまでたどり着いたんだなという思いもありますけれども、具体的に、今後更に後押しをしていくような具体策も検討いただければというふうに思いますので、どうかよろしくお願い申し上げます。
ちょっと時間がないので、最後に副大臣に御質問させていただきます。
今回の法改正によって、供給サイドだけじゃなくて需要サイドのアプローチというようなことであるとか、役務への拡大、基幹インフラへの医療追加など幅広い改正が実現するということで、しかし、制度をつくることと、制度を機能させるということは別の話でありますので、本法案が成立することにより、国民の生命、財産、日常生活を守る、経済的基盤が現状より確実に向上する、この点を国民の皆様に向けてしっかりとお答えいただきたいというのと、今後も続く経済安保改革を着実に進める決意を改めてお聞かせいただきたいというふうに思います。
○鈴木副大臣 お答え申し上げます。
今般の改正法案によって、中東情勢を始め国際情勢の急速な変化等、我が国の経済安全保障をめぐる環境が複雑化する中、現行制度の見直しや拡充を行うとともに、国際情勢の激変等に伴う新たな課題に迅速かつ強力に対応していくための新たな制度を創設することで、外交力、防衛力、経済力、技術力、情報力、人材力を含む総合的な国力を強化しながら最大限活用し、我が国の平和と安全、繁栄を経済面から確保するための更なる措置を講じてまいります。
経済安全保障の推進は、委員御指摘の国民の日常生活を守ることにもつながる重要な取組でありまして、本法案をもって完結するものでもございません。今後とも、絶えず変化する国際情勢や経済社会構造等を踏まえ、不断の見直しに取り組んでまいる所存です。
以上です。
○黒田委員 ありがとうございました。
不断の見直し、我々もしっかりと力を尽くしていきたいというふうに思います。
これで終わります。ありがとうございます。
○山下委員長 この際、暫時休憩いたします。
午前十時三十三分休憩
――――◇―――――
午前十一時四十五分開議
○山下委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。野村美穂君。
○野村委員 国民民主党の野村美穂です。
本日は、経済安全保障推進法改正案における官民協議会を中心に質問をいたします。
前回の質疑では、基幹インフラや重要物資について広くお尋ねしましたが、本日は、経済安全保障の実際の担い手である民間事業者の視点から五つのテーマ、合計十問の質問で、官民協議会の実効性、事業者負担の軽減、専門人材の確保について、昨日の参考人質疑を基に掘り下げて質問をいたします。
まず、最初のテーマ、重要な海外事業の展開支援について、一点質問いたします。五月十二日の委員会質疑で質問できなかった項目になります。
大臣にお尋ねします。新設される重要な海外事業の展開支援についてです。
この経済安全保障推進法の枠組みの中で、どのような海外事業の支援を考えられているのでしょうか。本来であれば、日本国内の産業が空洞化することを防ぐため、国内にも目を配ることが必要だと考えます。国内での産業を優先して支援すべきではないでしょうか。
そこで、この海外事業の展開支援はどのような効果を期待されているのか、大臣にお尋ねします。
○小野田国務大臣 お答えします。
グローバル化の進展とともに、サプライチェーンの国際分業化が進み、我が国産業と国際経済との関係がますます深まる中で、我が国の経済安全保障の確保のためには、国内で経済安全保障の確保に必要な取組を充実させるだけでは足りず、価値観を共有する同盟国、同志国やグローバルサウス諸国等と協働し、官民一体で経済安全保障上重要な海外事業を実施する必要性が高まっていると認識をしております。
こうした中で、本制度は、我が国の経済安全保障上重要であるが採算性に不確実性があるため既存の支援ツールだけでは民間企業から十分な投資が行われない海外事業について、国の支援を呼び水として民間企業の参画を得ることにより当該事業を実施可能とするものでございます。
具体的には、我が国にとって重要な国際的な輸送網の強靱化、日本での重要なサービスの提供、我が国の重要な技術の海外展開に資する海外の施設整備等の事業を支援するものでございます。
こうした事業を支援することによって、日本の経済安全保障がより強固なものとなるだけでなく、例えば、海外事業で得られた知財やデータなどを活用した国内投資の創出、海外事業を通じた我が国の技術、ノウハウ、人材の維持向上など、様々な面において国内産業への裨益があるものと考えております。
○野村委員 ありがとうございました。
次に、本日のメインのテーマになります官民協議会の実効性について六問質問をいたします。
昨日の参考人質疑で日本経団連の原参考人から、経済安全保障を企業利益より優先しろという風潮が強まっている傾向があるとのお話がありました。また、民間事業者がどれだけ貢献しているのかのフィードバックがない、届出システムの簡素化が必要、規制は少なければ少ない方がよい、専門家人材の待遇改善が必要といった切実な要望が寄せられたと承知をしております。
経済安全保障は、民間事業者の理解と協力なくしては成り立ちません。規制と支援のバランス、官民の信頼関係の構築という観点から質問をいたします。
一点目の質問です。官民協議会の目的と、民間事業者が期待できる具体的なメリットについてです。今回新設される官民協議会について、大臣にお尋ねします。
官民協議会は、政府と民間が経済安全保障に関する脅威やリスク認識を共有する場とされていますが、民間事業者にとって、この協議会に参加することで具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。
昨日、日本経団連の原参考人からは、経済安全保障を企業利益より優先しろという風潮が強まっているが、民間がどれだけ貢献しているのかフィードバックがないという趣旨のお話がありました。民間事業者が負担を負いながら協力をしている実態に対して、国はどのように評価し、どのようなフィードバックを行う予定なのでしょうか。また、官民協議会を通じて民間事業者の事業活動にプラスになる情報提供や支援策の提示が行われるのか、大臣のお考えをお聞かせください。
○小野田国務大臣 経済安全保障の取組は、政府のみならず民間企業等も主要な担い手となることから、政府と民間企業等が脅威やリスク認識等の情報を共有し対策を協議するなど、これまで以上に官民連携を強化することは重要でございます。こうした状況を踏まえ、政府から機微な情報を含め民間企業等に提供することを可能とするとともに、民間企業等からの情報提供を容易にするよう構成員に国家公務員と同等の守秘義務を課す官民協議会を創設し、一層の官民連携を促進することとしました。
お尋ねの民間企業のメリットについては、例えば、政府から、経済安全保障上の脅威、リスクやその背景にある各国の動向等の情報の提供を受けることができるですとか、あと、協議を通じ、学識経験者を含むほかの参加者から専門的な知識や新たな視座を得ることができること、ほかにも、これらを通じ経済安全保障上の脅威やリスクに対して迅速かつ適切な対策を講じることができるようになるなどが挙げられます。
こうしたメリットを構成員たる民間企業等に感じていただいて、積極的に官民協議会に参画していただけるよう、官民協議会の詳細な運用方針については、今後、民間企業等の御意見をしっかり伺いながら丁寧に検討してまいりたいと考えます。
○野村委員 ありがとうございました。
民間事業者が受け取るメリットということで御説明をいただいたんですけれども、更に、そのメリットを受け入れた状態で、また循環するような形の関係性を構築していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、次に、官民協議会における情報共有の双方向性と民間の声の反映についてお伺いします。
官民協議会では、政府から民間への一方的な情報提供に終わらず、民間事業者の現場の声や課題を政策に反映させる双方向の仕組みが不可欠だと考えますが、いかがでしょうか。
具体的に、民間事業者から寄せられた要望や課題をどのようなプロセスで政策に反映をさせていくのか。また、民間からの提案が政策に採用された場合、その旨を民間事業者にフィードバックする仕組みはあるのでしょうか。要するに、国のためなのだから協力してもらって当たり前というスタンスではなくて、事業者が、自らの国への経済安全保障の貢献度がどの程度と評価してもらえているのか、きちんと伝わる工夫をする予定があるのかをお尋ねします。
さらに、官民協議会の議論の内容や成果について、守秘義務の範囲内でどの程度まで参加事業者に開示されるのか、透明性の確保についてもお答えください。
○早田政府参考人 お答えいたします。
経済安全保障におきましては、政府のみならず民間企業等も主要な担い手になることから、官民双方に資する双方向的な情報共有を含め、これまで以上に官民連携を強化することが重要であるというふうに考えてございます。
政府といたしましても、官民協議会で経済安全保障上の脅威やリスクに対して民間企業が置かれている具体的な状況や課題認識、対応方針等の情報を教えていただくことで、委員御指摘のとおり、民間企業等の状況を踏まえた政策立案に生かしていくことができるというふうに考えてございます。
また、民間企業等からいただきました知見がどのように政策立案に生かされたかについてお伝えすることは、委員おっしゃるとおり、民間企業の継続的な参加であったり連携を引き出していく上で非常に重要であるというふうに考えてございます。このため、このようなフィードバックも含め、政府の状況認識、対応の方向性等を官民協議会を通じ積極的に民間企業等にも伝えながら、一層の官民連携を進めてまいりたいというふうに考えております。
また、この官民協議会でどういう情報が共有されるのかという基準でございますけれども、これも、テーマに応じて、その時々で協議会の中で定めて共有を進めてまいりたいというふうに考えてございます。
○野村委員 ありがとうございました。
それでは、三点目の質問です。官民協議会の構成員選定基準と中小企業、地方企業の参画についてお尋ねします。
官民協議会の構成員は、どのような基準で民間事業者を選定するのでしょうか。大企業だけでなく、特定重要物資の製造や基幹インフラを支える中小企業、地方に拠点を置く企業も重要な担い手だと思います。こうした中小企業や地方企業こそが実情を反映をしているのではないでしょうか。中小企業や地方企業も官民協議会に参画できる仕組みはあるのでしょうか。また、業種、業態、地域のバランスを考慮した構成員の選定がどのように行われるのか、お尋ねします。
○早田政府参考人 お答えいたします。
官民協議会では、経済安全保障上の幅広い課題について、その時々の情勢等を踏まえつつ、官民で情報共有や対策の協議を行うべきテーマを設定し、当該テーマに応じて産官学の関係者が参集することを想定してございます。
御質問いただきました一律の選定基準といったものを定めることはなかなか困難でございますけれども、今考えている、例えばという事例で申し上げますと、例えば特定物資のサプライチェーンがテーマということであった場合にどういう事業者の方に参画いただくかということで申し上げると、当該物資を所管する省庁であったり、それから、その当該物資のサプライチェーンのうち川上、川中、川下を代表する民間企業、さらには、当該物資のサプライチェーンについて知見を有している学識経験者の方々、こういった方が想定されるわけでございますけれども、この中には当然、テーマに応じて中小企業や地方企業も含まれ得るというふうに考えてございます。
委員おっしゃったとおり、まさに実態、現場を実際に把握している中小企業や地方企業も含め、必要な民間企業の方々に参画いただき、官民協議会における議論が有益なものになるよう検討を進めてまいりたいと考えてございます。
○野村委員 ありがとうございました。
続いて、四点目です。届出システムの簡素化と事業者負担の軽減についてお尋ねします。
基幹インフラ制度における届出について、昨日の参考人質疑の中でも繰り返し、届出手続の簡素化が強く要望されていました。五月十二日の私の質疑で、令和六年五月十七日から制度の運用を開始し、令和六年度には、全事業所管省庁合計で九百七十二件の届出を受けて審査を行ったとの答弁がありました。事業者からは、届出手続が煩雑である、審査に時間がかかる、同じような情報を何度も求められるといった声が寄せられていると伺っております。
届出システムのデジタル化、ワンストップ化、審査期間の短縮化など、事業者負担を軽減するための具体的な取組をお示しください。
○殿木政府参考人 事業者負担についてのお尋ねでございます。
基幹インフラ制度の運用に当たりましては、関係事業者の負担にも配意しながら、制度の運用改善に向けた不断の見直しを行うことが重要であるというふうに考えているところでございます。
この点、制度改善に向けて事業者等から様々な御意見を頂戴しており、これらの御意見等も踏まえて、本法案においても制度の運用改善を図るため、法五十二条において、特定重要設備の導入に係る届出義務の適用範囲を明確化する改正、それから、法五十三条において、事業者の新規指定に係る経過措置規定を見直す改正を盛り込んだところでございます。
そして、法改正事項以外にも、より事業者の予見可能性を高めるため、これまで内閣府や事業所管官庁が公表している制度の解説、いわゆるQアンドAの見直しを随時行ってまいりました。今後も、より制度を改善すべく、届出事項や手続等を定める省令等の見直しを行うこととしております。
さらに、届出様式の作成や届出に添付する証跡書類の提出などにつきまして、証跡書類の一部を省略することでありますとか、先ほど少し御指摘ございましたが、届出のシステム化も含めて、事業者の事務負担軽減につながる方策を検討しているところでございます。
引き続き、事業者等と密に意思疎通を図りながら、関係事業者の負担軽減に取り組んでまいる次第でございます。
○野村委員 ありがとうございました。
事業者の負担軽減だけにとどまらず、国の方の負担軽減にも資するものだというふうに考えておりますので、不断な見直しで効率的な業務推進をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
次に、届出システムの簡素化に関連し、医療分野を追加するに当たり、医療機関の事務負担についてもお尋ねします。
五月十二日の質疑の中で、特定社会基盤事業に医療分野を追加するに当たり、病院側の負担をどのように軽減していくのか、リスク管理措置という複雑な手続を医療現場が実際に対応していけるのかについてお尋ねをしました。それについて掘り下げて質問をいたします。
医療機関の事務負担を最小限にするため、どのような工夫を検討しているのでしょうか。詳しく御説明をお願いいたします。
○森政府参考人 医療機関を指定するに当たりましては、やはり当然、医療機関の負担軽減に努めていくことは非常に大切なことだというふうに思っております。
今回の指定に当たっては、必要な準備期間、十分な配慮時間というのを設けるために段階的に対象病院を指定していくということを考えておりまして、まずはブロック単位で八つの病院、その後、三年かけて都道府県に一つずつやっていくというやり方をすることによって、最初の病院でやったところのやり方とかをほかの病院が使えるようにしていくというような工夫をしていきたいというふうに思っております。
それから、リスク管理措置についても、ここについては、どの程度のリスク評価をしなきゃいけないかということも含めて、これは、ハンズオンと呼ぶかどうかはともかくとして、一体となってサポートしながら進めていくことが必要だというふうに考えております。
さらに、あわせて、これは基幹インフラ用の支援ではございませんが、全体として、サイバーセキュリティー対策に対する支援措置、それからネットワークの安全性の検証等の支援というのを行ったり、それから、あと、診療報酬改定で必要な安全管理責任者の配置に対する財政的な支援等を行っておりますので、そうしたものを組み合わせて、医療機関の負担が過重なものにならないように丁寧に対応していきたいというふうに考えております。
○野村委員 ありがとうございました。
過重なものにならないように検討をしていくというようなことで、ブロックで三年をめどに都道府県に指定をしていくというようなお話だったんですけれども、ちょっと三年では遅いんじゃないかなと。今回の医療分野を追加するということに当たって、三年という期間が長いのではないかというふうにも思います。
その三年の間、どのようにこの追加をしたところの効果を求めていかれるんでしょうか。
○森政府参考人 まずは、最初に、ブロック単位で八つの病院というのを指定させていただきます。そこでどういった問題若しくは負担があるのかというのも確認しながら対象を拡大していくということでございますが、ずっと三年待って、そこで一気に本当に四十七にしていくかどうかということについては更に検討をさせていただきますが、より段階的に、ちょっとずつ拡大できるような方向で取り組んでいくのではないかというふうに考えているところでございます。
○野村委員 ありがとうございました。
続きまして、二番目のテーマです。官民協議会の実効性から、七点目の最後の質問です。規制の必要最小限化と柔軟な対応についてお尋ねします。
経団連の原参考人からは、規制は少なければ少ない方がよいという御意見がありました。これは、過度な規制が民間の事業活動を萎縮させ、国際競争力を損なうリスクがあるという懸念の表れだと思います。
政府は、基幹インフラ規制や重要物資の指定について、真に必要な範囲に限定し、必要最小限の規制とする方針を示していますが、具体的にどのような基準で必要最小限を判断しているのでしょうか。また、国際情勢の変化や技術の進展に応じて規制対象や規制内容を柔軟に見直す仕組みはあるのでしょうか。事業者の声、現場の声を大切にし、官民協議会において規制の見直しについても議論されるのか、お尋ねします。
○殿木政府参考人 規制の在り方についてのお尋ねでございます。
本基幹インフラ制度におきましては、本制度の基本方針により、国家及び国民の安全と自由な経済活動のバランスに留意し、規制対象を真に必要なものに限定することとしているところでございます。
また、本日大臣からも言及がございましたが、そもそも経済安全保障推進法第五条におきまして、この法律の規定による規制措置は、経済活動に与える影響を考慮し、安全保障を確保するために合理的に必要と認められる限度において行わなければならないということが規定されております。これが一つの準則というふうになっているところでございます。
これらの点も踏まえまして、事業者に対して無用な負担を強いることのないよう、制度の運用に当たって、事業者等と密に意思疎通を図り、いただいた御意見なども踏まえながら、制度の改善に向けた検討も行っているところでございます。その検討の結果として、先ほど申し述べましたとおり、法改正にも盛り込みましたし、今後も含めて省令等の見直しということも行っていくところでございます。
引き続き、事業者等と密に意思疎通を図りながら、不断に基幹インフラ制度の改善に向けた見直しを行うことにより、事業者の負担軽減と制度の実効性が両立できるように取り組んでまいりたい、このように考えているところでございます。
○野村委員 ありがとうございました。
不断にと強調していただきましたので、不断に是非お願いしたいと思います。
三つ目のテーマです。専門家人材について二点お尋ねします。
経済安全保障シンクタンクにおける専門家人材の待遇改善についてです。新設される経済安全保障シンクタンクやRIETI等の情報機関で働く専門家人材の待遇改善についてお尋ねします。
専門家人材の待遇改善については、現場で働く労働者からも事業者からも要望が強い分野だと思います。特に経済安全保障の分野では、外交、情報、防衛、経済、技術といった高度な専門知識を持つ人材が不可欠です。しかしながら、民間企業と比較して国の情報機関の職員の処遇は低いと言われており、優秀な人材を確保、維持することに苦労しているとの声をよく耳にします。
新設するシンクタンクにおいて産官学から優秀な人材の参画を得るためには競争力のある処遇が必要だと考えますが、具体的にどのような待遇水準を想定されているのでしょうか。どのように取り組まれるのか、大臣にお尋ねします。
○小野田国務大臣 総合的な経済安全保障シンクタンクには、おっしゃっていただいたように、外交、情報、防衛、経済、技術の高度な専門知識を総合的に結集し、政府の要請に即応することも含め、定量的な調査研究や各府省の所掌を横断したテーマの調査研究、政策提言を行わせることとしております。そのシンクタンクがこの役割を適切に果たすためには、高度な専門性を持つ人材に参画していただくことが重要であることは委員御指摘のとおりです。
有識者会議からは、シンクタンクを支える優秀な人材の獲得の観点で、国際的整合性の観点も含め、適切な給与水準、処遇が不可欠であるとの御提言もいただいております。
この有識者会議の御提言も踏まえて、どのような処遇が適切かについて今後早急に検討を行い、産学官からの優秀な人材が確保できるように、今具体的にこのぐらいの水準というふうに申し上げることはできないんですけれども、しっかりと取組を進めてまいりたいと思います。
○野村委員 ありがとうございました。
次に、経済安全保障を支える高度専門人材の育成と産官学連携についてお尋ねします。
重要な役務を行うためには、それを実行する労働力、つまり人材が不可欠です。安全保障を支える高度専門人材、労働力の育成、確保にフォーカスして質問を続けます。
昨日の参考人質疑においてNECの植松参考人より、経済を支えるデジタルインフラ事業者という観点から、高度専門人材の育成について重要な御指摘をいただきました。
海底ケーブルの敷設は、国際通信の九九%以上を担う極めて重要なインフラが光海底ケーブルを経由していることから、今回の法改正で特定重要物資の供給に不可欠な役務として位置づけられます。
しかし、この事業を支えるためには、海洋工事技術者、光伝送技術者、製造検査技能者といった高度な専門技術を持つ人材が不可欠です。植松参考人からは、こうした高度専門人材の育成には長期間を要すること、また、産官学が連携して体系的な育成プログラムを構築する必要があるとの御意見を頂戴しました。
経済安全保障推進法の枠組みにおいて、特定重要物資の供給に不可欠な役務を提供する事業者に対する人材育成支援として、どのような施策を講じるのでしょうか。特に、海洋工事技術者、光伝送技術者、製造検査技能者といった高度専門人材を育成するための産官学連携の仕組み構築について、国はどのような支援を行うのでしょうか。お尋ねします。また、こうした人材育成には、大学や高専などの教育機関との連携、実習施設の整備、海外からの技術導入なども必要になると考えますが、財政支援を含めた検討をされているのか、大臣にお尋ねします。
○小野田国務大臣 昨日の参考人質疑において、経済安全保障に関する高度な専門人材を育成する重要性に関する御意見があったことは承知しております。私も聞いておりました。
この点、例えば、経済安全保障推進法に基づくサプライチェーンの強靱化に向けた措置として、半導体及び先端電子部品の安定供給確保取組方針では、事業実施に必要な人材確保に積極的に取り組むこと、そして、船舶の部品の安定供給確保取組方針では、人材育成のための教育、研修の強化、人工呼吸器及び抗菌性物質製剤の安定供給確保取組方針では、次世代の人材育成に自主的に取り組むことを事業者が実施していくべき内容として示した上で、これらに取り組む事業者を支援することとしております。
加えて、私が経済安全保障担当大臣として座長を務めている日本成長戦略会議の航空・宇宙ワーキンググループにおいても、有識者の委員からも専門人材の育成の必要性について御指摘いただいているところでおります。
今先生が挙げてくださった海底ケーブルに関する高度な専門人材であるとか、また、学校、高専とかとの連携も含めていろいろ御提案をいただきましたけれども、人材力というのは現内閣における総合的な国力の一つに位置づけられておりまして、経済安全保障における人材育成、確保に向けて、推進法のみならず、関係省庁とも連携し、もちろんこの役務のところも含め、様々な政策を組み合わせながらしっかりと対応してまいりたいと考えます。
○野村委員 ありがとうございました。
続きまして、四つ目のテーマ、官民協議会と既存の組織との関係について一点質問をいたします。
現在、経済安全保障法制に関する有識者会議や各省庁の審議会など、既に多くの会議体が存在しています。新設される総合的な経済安全保障シンクタンクと官民協議会、また既存の会議体との役割分担や連携はどのように整理されるのか、具体像のイメージが見えません。民間事業者にとって、同じような内容の会議に何度も呼ばれることは負担だと思います。
会議体の整理統合や効率的な運営について、官民協議会をどのように位置づけようとして検討をされているのか、大臣にお尋ねします。
○小野田国務大臣 一般に、審議会や有識者会議とは、学識経験者等から組織され、各省の所掌事務の範囲において調査審議等を行う合議制の機関でございまして、その調査や審議の結果は報告や答申等の形で取りまとめられ、各省の政策立案に生かされるものでございます。
一方、本法律案で設立される官民協議会は、関係行政機関及び民間企業等を構成員とし、経済安全保障上の幅広い課題について、取り扱うテーマに応じ情報を共有するとともに対策を協議することを目的としておりまして、審議会や有識者会議とは構成員や設置の目的が異なるものでございます。
○野村委員 ありがとうございました。
それでは、最後に、大臣に総括的にお尋ねします。
本日の五つ目のテーマです。官民協議会を通じた経済安全保障政策の実効性向上と民間との信頼関係構築について一点お尋ねします。
経済安全保障は、民間事業者の理解と協力なくしては成り立ちません。しかし、民間からは、規制ばかりが先行し支援が不十分、国からのフィードバックがなく、自分たちの協力がどう評価されているのかが分からないという声があると昨日の参考人質疑でも御意見をいただきました。
官民協議会は、こうした民間の不安や不満を解消し、政府と民間の信頼関係を構築する重要な場になると考えます。しかし、テーマを決めてその都度集められるメンバーとの意見交換ではなかなか信頼関係は築けないのではないでしょうか。
大臣は、官民協議会を通じてどのように民間事業者との信頼関係を築き、経済安全保障政策の実効性を高めていくお考えか、決意をお聞かせいただければと思います。
○小野田国務大臣 経済安全保障政策の実効性を高める観点から、経済活動の担い手である民間企業等と政府が、活発な意見交換や継続的な協議の中で経済安全保障のリスクや課題について共通認識を醸成し信頼関係を構築することというのが非常に重要であるということは、委員の御指摘のとおりでございます。
官民協議会の具体的な制度設計の詳細は、今後、基本方針や規約で決まっていくものでありまして、現時点で予断するものではございませんが、構成員が特定のテーマについて一定の期間にわたり継続して議論を行うことを想定しております。こうした定期的な協議を通じて、官民の信頼関係を構築し、経済安全保障上の課題への適切な対応につなげてまいりたいと考えます。
○野村委員 ありがとうございました。
以上で私の質問を終わります。
○山下委員長 次に、川裕一郎君。
○川委員 参政党の川裕一郎です。
私は、日本の主権、地方や中小企業、一次産業、そして未来世代の命と暮らしを守るために、経済安全保障そのものには賛成であります、この強化に関しては。しかし、同時に、近年の脱炭素、カーボンニュートラルが、国民生活や産業に過大なコストと負担を強いる一方で、我が国のエネルギー主権をかえって弱め、そして、海外の利害に沿った政策になっていないかという強い懸念を持っております。
経済安保の名の下で法律や規制が積み上がり、そこに脱炭素を抱き合わせる形で国民や現場に一方的な負担だけが押しつけられていないか、こうした問題意識から質疑を行いたいと思います。
まず、総論として伺います。
今回の改正は、特定重要物資の安定供給、基幹インフラの防衛、そして官民協議会やシンクタンク機能の整備など、経済安全保障政策を一体的に進めるための枠組みを大きく拡張するものであります。一方で、政府全体としては、GX、二〇五〇年にカーボンニュートラルを掲げ、電力、産業、交通など、あらゆる分野に脱炭素の名の下で巨大な投資を、規制を課そうとしており、その結果、電気料金や物価の上昇として国民生活を圧迫しているのが現状だと思っております。
ここで、伺います。
経済安全保障の名の下に進める政策は、本来、第一に日本の国民の暮らしと産業の基盤を守るものであるはずです。にもかかわらず、実際の政策運営においては、国際社会の脱炭素目標や海外の評価が国民生活の安定より優先されているのではないかと懸念を持っております。経済安保、特にエネルギー安保と脱炭素の方向が衝突する場合は、政府はどちらを優先するのか、見解をお聞きします。
○福本政府参考人 お答えいたします。
我が国の平和と安全や経済的な繁栄などの国益を経済上の措置を講じ確保することが、まず経済安全保障であると承知をしております。その上で、エネルギー安全保障と脱炭素は共に重要な政策課題と認識しております。
我が国が進めているGXは、まさに、エネルギーの安定供給、経済成長、脱炭素、この三つの同時実現を目指す取組となっております。我が国は、毎年約二十兆円もの化石燃料輸入に依存しております。GX政策は、国富の流出を防ぎ、まさに国民の暮らしや産業基盤を守り、エネルギー安全保障、経済成長を実現する上で不可欠なものとしております。
我が国の産業競争力の強化に資するGX分野への先行投資支援を含めまして、こうした官民での国内投資を拡大し、エネルギー安全保障と脱炭素、同時実現を目指してまいりたいと考えております。
○川委員 毎年二十兆円の化石燃料が、それがまた国民の負担になっているという話でありますけれども、このGXに関しては、官民合わせて、これから十年で百五十兆円の投資を行うというふうに政府も言われています。
ただ、これは参議院の方でもお話がありましたが、例えば、日本が、カーボンニュートラル、投資をして達成をしたとしても、世界の気温は僅か〇・〇〇六度しか下がらないというふうに、これはシンクタンクの方で発表がされました。政府の方では、実際のところ地球の温度がどれぐらい下がるのかという検証がされていないということも明らかになりました。
実際のところ効果がないものに百五十兆円、これは十年ですから、その先はもっともっとかかっていくと思います。こういうことをやはり続けていくこと自体に問題意識を持っておりますので、今後もこの件に関しては、またお話もしていきたいと思います。
次に、特定重要物資の指定の在り方についてお伺いをします。
現行制度では、肥料は特定重要物資として指定をされ、医療分野でも、一部の抗菌剤や人工呼吸器などが対象とされております。しかし、日本人の暮らしの根幹である食料そのもの、飼料も含めて、国産農産物といった品目は、経済安保推進法上の特定物資には指定をされておりません。肥料だけを経済安保の対象とし、その先にある食料そのものの安定供給、そして家計と産業を支える安価で安定したエネルギーの確保を法の枠組みの外に置いたままでよいのか、疑問にあります。
食料と安い電力、燃料を経済安保上の重要物資、重要サービスとして明確に位置づける考えはないのか、農林水産省の食料安全保障政策との役割分担という説明だけで本当によいのか、小野田大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○小野田国務大臣 特定重要物資の指定についてお尋ねいただきまして、経済安全保障推進法では、要件を満たすものなんですけれども、その要件が、国民の生存に必要不可欠又は国民生活、経済活動が依拠しているという重要性、そして、外部に過度に依存している又は依存するおそれがあるという外部依存性、そして、外部から行われる行為による供給途絶等の蓋然性、もう一つが、安定供給確保のために措置を講ずる必要性という、この要件を満たす物資を特定重要物資として指定し、その安定供給確保に向けた取組を支援しております。
燃料について言えば、例えば液化天然ガスは、ほぼ全量を輸入し、備蓄に適さず、供給途絶のリスクがあることも踏まえ、特定重要物資として指定した上で、民間事業者が行う液化天然ガスの余剰の確保の取組を支援し、急激な需給変動等に対しても安定供給が確保できるように取り組んでおります。
一方、ほとんどの燃料の原料となる原油や揮発油、灯油、軽油、重油の石油製品については石油備蓄法に基づいて、そしてまた、主食となる米については食糧法に基づいて、ほかの法律であるという必要性のところにひっかからないというところでその安定供給確保に向けた取組が進められるなど、燃料、食料は、現時点において特定重要物資の要件を満たしていないと承知しており、特定重要物資としての指定は行っておりません。
いずれにしても、国民が重要な物資の供給に不安を抱えることがないように、供給リスクを不断に点検しつつ、必要に応じて見直しを行いながら、しっかりと我が国の経済安全保障の確保に取り組んでまいりたいと考えます。
○川委員 食料に関しては別の法律の枠組みの中でということでありましたけれども、実際、日本の食料自給率というのはまだ僅か三八%ということで、食料を作るための種子を入れていくと、もう一〇%程度しかないというふうにも言われています。
私は、ここも重要物資として、例えば、食料は入らなかったとしても、種子であるとか、また家畜の飼料であるとか、そういうものは入れるべきではないかなというふうに思うんですけれども、もう一度答弁をお願いします。
○小野田国務大臣 それぞれのどういったものを指定するかというのは、各所管省庁において検討は常に、サプライチェーンリスクについては検討されているものでございますけれども、そういった提案、これが必要なんじゃないかという提案を受けて、我々としては、さっきの四要件を満たすものかどうかも含めて、しっかりと不断に見直しをしていきたいというところです。
○川委員 また改めて、次の改正に向けてもまた提案させていただきますので、よろしくお願いいたします。
次に、今回の、先ほどからよく話がある役務に関して質問させていただきたいと思います。
本改正では、特定重要物資の供給に不可欠な役務も支援対象に加える仕組みが創設されます。海底ケーブルの敷設、保守や人工衛星の打ち上げなどの例が示されていますが、今後、クラウドサービスやデータセンター、輸送、物流、エネルギー関係の役務も議論の対象になることが想定もされると思います。
ここで問われるべきは、どこの国、どの事業者の役務に依存をするのかということだと思います。海外製の設備や海外クラウドに依存する役務を更に支援をすれば、日本の技術主権、エネルギー主権、データ主権はかえって弱まる危険があると思います。
ここで、お伺いをします。
役務を支援対象に拡大するに当たり、国産のクラウド、データセンターなど、自前の基盤を優先的に支援する考えはないのでしょうか。また、支援対象の役務を選定する際に、外国支配や過度な依存を避けるという基準を法令又は基本方針の中で明確に示すつもりはないのか、これも小野田大臣にお伺いします。
○小野田国務大臣 現行制度においては、国民の生存に必要不可欠な又は広く国民生活若しくは経済活動が依拠している重要な物資等について、外部への依存性や供給途絶の蓋然性等が認められた場合に特定重要物資として指定し、生産、備蓄等の物資又は原材料等そのものを確保するための取組を主として支援してまいりました。一方、重要な物資等の供給に不可欠な役務が外部に過度に依存し、その役務の提供が途絶することも想定され得るところです。
そのため、今般の改正案により、重要な物資等の供給に不可欠な役務に関する取組を支援することとしているところでありますが、当該役務が外部への依存性と途絶への蓋然性という基準を満たすことを、当該物資を特定重要物資として指定し、当該役務に関する取組を支援する要件の一つとしております。
なお、具体的にどのような役務が支援の対象になるかについては、今後策定する基本指針で整理することとしている、重要な物資等の供給に不可欠な役務に関する外部依存性や途絶の蓋然性の考え方も踏まえて、主務大臣の下で個別に判断することになります。
○川委員 個別に判断、これからということですけれども、是非とも、どれくらいの依存度かというのはまだ具体的なものが少しないのかもしれませんけれども、余りにやはりひどいものに関しては、しっかりとそこは考えていただきたいというふうに思います。
次に、医療分野に関して質問します。
本改正で、基幹インフラ制度の対象に医療分野が追加をされ、医療情報基盤・診療報酬審査支払機構のシステム、さらには一定の病院が特定社会基盤事業者として指定され得ることになります。一方で、有識者会議や医療部会では、医療機関はサイバー要員も財源も不足をしており、基幹インフラ並みのセキュリティー要求は極めて大きな負担だという懸念が繰り返し表明されております。
ここで、お聞きをします。
医療分野を基幹インフラとして規制の対象に含める以上、セキュリティー対策やBCPに必要な費用を国が直接、継続的に支援をするスキーム、制度として組み込む考えはあるのでしょうか。また、対象病院の範囲について、特定機能病院などから段階的に拡大するとされていますが、地方の医療提供体制や財政状況を踏まえた慎重な指定と十分な準備期間をどのように担保するのか、具体的にお示しください。
○森政府参考人 医療分野の指定に当たっての対応についてでございます。
まず最初は、サイバーセキュリティー対策といったBCP等についてでございますけれども、BCP策定も含めて安全管理ガイドラインというのを策定し、その実施を促しておりまして、医療機関向けの研修をもう既に行っているところでございます。加えて、医療機関におけるネットワークの外部接続点の適正化、維持管理に要する費用に対して財政的な支援というのも現在行っているところでございます。
継続的な支援につきましては、八年度の診療報酬改定におきまして、安全管理の責任者を配置したりした場合等について加算を新設して、こうした医療機関を支援していくというところになっております。
基幹インフラの対象病院については、その指定に当たっては、特定機能病院を念頭に、人口、面積、地域性も考慮して、改正法施行時は、北海道から九州・沖縄ブロックまで、各地方ブロックにつき少なくとも一病院を指定し、その後、三年程度の期間をかけて、各都道府県につき少なくとも一病院を指定するということにしているところでございます。このような段階的な指定を行うことで、先行して指定された病院の運用を丁寧に支援するとともに、それ以降に指定された病院は、先行する病院の知見等を参考としつつ、より円滑に制度への対応の準備を進めることができるというふうに考えております。
○川委員 是非とも、現場に余り負担のかからないように対応いただきたいというふうに思います。
次に、インフラに関して少しお話をしたいと思います。
諸外国では、下水道やダム、自治体の産業廃棄物など、生活に密接に関わるインフラは、基幹インフラとして位置づけをされています。日本では、制度設計時に候補として検討されたものの、最終的には対象から外れました。
自然災害や老朽化が進む中で、下水処理やダムの管理、産業廃棄物処理が機能不全に陥れば、衛生、環境、防災の面で、国民の生命、健康に直結するリスクが現実に存在をします。これらを今後基幹インフラとして位置づける必要性をどのように評価をしているのか。また、仮に追加をする場合、地方自治体や公営企業に過度な事務、財政負担を負わせることのないよう、国としてどのような支援と簡潔な制度設計を行うのか、小野田大臣にお伺いします。
○小野田国務大臣 基幹インフラ制度の対象となる事業は、法律上、「国民生活及び経済活動の基盤となる役務であって、その安定的な提供に支障が生じた場合に国家及び国民の安全を損なう事態を生ずるおそれがあるもの」とされており、そのうち一定の基準を満たす者を基幹インフラ事業者として選定をしております。
その上で、御指摘の事業について申し上げれば、まず下水処理については、仮にシステム障害が生じても、手動での操作や簡易な水処理により、下水処理施設等の最低限の機能確保が可能であると国交省より聞いております。
また、同じく国交省より、ダム管理についても、仮に通常の操作系統が機能しない場合でも、冗長系統での操作や手動による操作等により、ダムの機能確保に大きな影響は生じないというふうに聞いております。
自治体の一般廃棄物処理については、環境省から、仮にシステム障害が生じても、近隣の市町村の応援による処理や民間事業者への委託により、一般廃棄物処理の機能を確保することは可能であるというふうに聞いております。
これらを踏まえて、現時点においては、御指摘の各事業について、基幹インフラ制度の対象として追加することが必要となるとは考えておりません。
いずれにしても、基幹インフラ制度における対象事業については、技術の進展や社会経済構造の変化等を踏まえ、平時からリスクを幅広く点検、把握し、その対応策の検討を含め、様々な取組を通じ、引き続き不断の見直しを行ってまいりたいと考えております。
仮に追加する場合はどうなんだというお問合せもいただきました。議員御指摘のように、仮に対象事業の追加を検討する場合には、対象となる事業者の負担等も十分に考慮し、規制対象が真に必要な範囲となるよう、有識者や関係事業者等の御意見も伺いながら、丁寧に調整をしてまいりたいと考えております。
○川委員 今の質問である程度は理解できましたので、ありがとうございました。
次に、シンクタンクに関して質問させていただきます。
本改正では、独立行政法人経済産業研究所、RIETIを、総合的な経済安全保障のシンクタンクの機能を持たせる一方、内閣府は別途、重要技術戦略研究所(仮称)という、安全、安心に関するシンクタンクを設立しようとしています。有識者会議でも、シンクタンク機能が分散をすれば、人材や資金が薄まり、経済安全保障、そして技術戦略を統合的に設計できなくなるのではと懸念もされております。
ここで、お聞きをします。
RIETIと重要技術戦略研究所という二つのシンクタンクを並行させることのメリットとデメリットを政府はどのように整理をしているのか。そして、将来的に統合再編を視野に入れ、人材、財源を集中させて、真に強いシンクタンクをつくる道筋を描いているのか、それとも、恒久的に分散をさせたままなのか、その判断基準とタイムラインについて、大臣の所見をお聞きをします。
○小野田国務大臣 総合的な経済安全保障シンクタンクは、今回の法改正で、公的機関である独立行政法人内に政府主導で設置されるものでございまして、政府の要請に即応することも含め、外交、情報、防衛、経済、技術に係る調査研究を実施し、政策提言を行う唯一の政府系シンクタンクです。
他方、重要技術戦略研究所については、一般財団法人として設立される民間の機関でございまして、技術に特化し、アカデミアも巻き込む形で、産官学連携による科学技術戦略の推進等に加え、大学と連携した人材育成を行うことが期待されております。
メリット、デメリットをお尋ねでございますが、今申し述べたように、これらの二つのシンクタンクは、想定されている役割及び組織体制が異なることから、各シンクタンクがそれぞれの役割に基づき設立され、活動を進めていけることがメリットであると考えております。一方で、有識者会議では、人材、資金が分散することへの懸念が示され、近い将来統合すべきであるという御提言をいただいているのも確かでございます。
今後、独立行政法人と民間機関という各シンクタンクの役割に適した組織体制の違い、そして経済安全保障へのアカデミアの関与といった論点も念頭に、各シンクタンク設立後の活動状況を見つつ、早急に統合の在り方について検討も進めてまいりたいと考えます。
○川委員 ありがとうございました。
ちょっと時間ももう余りなくなったので、最後の質問に行かせていただきます。
質問ですけれども、本改正に基づく各施策について、どのようなKPIを用いて日本の自律度を測り、いつ、どのようなタイミングでスクラップを含めて見直しを行うのか。また、その評価結果と見直しの議論をどのような形で国会と国民に公開をし、説明責任を果たしていくのか、政府としての具体的な方針を大臣にお伺いします。
○小野田国務大臣 本年一月の有識者会議において、今般の推進法の改正の検討にとどまらず、将来的な課題に先手を打つ形で対応ができるよう、今後も不断の見直しを行うことが不可欠である、その際、時宜に沿わなくなった古い制度をスクラップするという視点も忘れてはならないと指摘をいただいております。
本法案においては、施行後三年をめどに施行状況を見直すことを政府に求めておりますが、この規定にかかわらず、状況に応じて不断に見直しを行うことは当然に必要と考えており、国際情勢の変化等に対応すべく、様々な観点から施策の実施状況を検証し、法制上の措置に限らず、必要な措置を検討してまいります。
次に、各施策の評価とその結果の国民への公開については、例えばサプライチェーンの強靱化については、毎年、施策の実施状況のフォローアップを行い、その結果をホームページで公表しております。基幹インフラ制度についても、基幹インフラ事業者の指定状況、そして届出件数について定期的に取りまとめを行い、こちらもホームページで公表してきております。
最後に、見直しの検討の議論の国民への公開についてですけれども、本法律案の策定に向けた昨年十一月以降の有識者会議の議論の内容について、議事要旨をホームページでこれも公開しております。
今後の本法律上の各施策の評価と見直しの議論についても、これまで同様に、国民に対する説明責任、しっかりと果たしてまいりたいと考えます。
○川委員 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○山下委員長 次に、高山聡史君。
○高山委員 チームみらいの高山でございます。
本日は、まず、今回の改正により、医療分野が基幹インフラ制度の対象に追加されることについて伺います。
近年、医療機関を狙ったサイバー攻撃は急激に深刻化をしており、ランサムウェアによる電子カルテシステムの停止、外来診療、手術の一時休止といった事案が国内外で繰り返し発生しております。患者さんの生命、健康に直接の影響が及ぶような事態を防ぐためにも、医療分野を基幹インフラ役務として位置づける改正は、私としても必要なものだというふうに考えます。
他方で、医療機関は、これまで基幹インフラ制度の対象とされてきたほかの分野と比較しますと、事業規模、専門人材、ガバナンス構造など、相当異なる性質を有しているというふうに思います。大規模な病院といっても、大手金融機関や大手電力会社と比べると、これはやはり異なるわけです。特に、IT、サイバーセキュリティーを担う専門人材の層が薄いこと、診療の継続性と情報セキュリティーの両立という固有の難しさを抱えていることなど、留意すべき要素があるというふうに思います。
そこで、本制度と医療機関のサイバーセキュリティー対策との関係を整理させていただきたいということも含めまして、政府参考人にお伺いいたします。
まず、この医療分野も基幹インフラ制度の枠組みで対処するということの意義について。そして、政府として、対象医療機関に対し、これまで既存の基幹インフラ事業者で蓄積されてきた審査ノウハウや実務的な知見、これを活用すべきだと思いますが、医療現場が本来の診療業務を阻害されることなく制度の実効性を担保するために、具体的な運用の方策としてどういったことを考えておられるか、伺いたいというふうに思います。
○森政府参考人 基幹インフラに医療を追加していくに当たっての御指摘だというふうに考えております。
委員御指摘のように、この医療の分野においてサイバーセキュリティー対策をしていくのは、なかなか人材も、それから規模の面でも非常に難しいところがあるというふうに考えているところでございます。
今回、基幹インフラ制度の対象とすることで、対象医療機関が導入しようとする重要な設備が、我が国の外部から行われる妨害行為の手段として使用されるおそれが大きいかどうかをあらかじめ国において審査し、その防止を図ることが可能になります。
また、制度の実効的な運用を確保するためには、対象医療機関を段階的に指定し、それぞれの医療機関が円滑に対応準備を進められるようにすることが重要というふうに考えております。具体的には、特定機能病院を念頭に、本改正法案の施行時点で各ブロックにつき一病院、その後、施行から三年程度の期間に、各都道府県につき少なくとも一病院を指定することというふうにしております。その上で、先行して指定された病院の運用を丁寧に支援するとともに、それ以降に指定された病院において、先行する病院の知見等を参考としつつ、より円滑に制度への対応準備というのを進められるようにしていきたいというふうに考えております。
また、特定社会基盤事業者として指定されるかどうかにかかわらず、医療全体のサイバーセキュリティー対策として、医療情報システムに関する安全管理ガイドラインというのを策定し、対応を促しております。それから、対応状況というのをきちんと確認して、医療機関の管理者が遵守すべき事項として必要な措置を省令に位置づけているという取組を行ってきているところでございます。
このように、基幹インフラとしての対応と、それから医療全体でのサイバーセキュリティー対策というのを両方並行して行って、重層的な対策というのを構築していきたいというふうに考えております。
○高山委員 ありがとうございます。
これまでの御答弁にもありましたが、現実的な指定のペースということは大変重要である一方、その備え自体は待ってくれないところもあるので、おっしゃっていただいた情報の共有であったりとか知見の共有によって、なるべく十分な備えが広く行き渡るように取り計らいをお願いしたいというふうに思います。
そしてまた、基幹インフラ制度による事前審査だけでこのサイバーセキュリティーの問題を全てカバーするということではなく、基幹インフラ制度とそれ以外のサイバーセキュリティーの対策とが相互補完的に機能するということが、これは特に医療分野においても重要であると思いますので、是非よろしくお願いいたします。
続いて、物資の安定供給確保に向けた相互連携、協力の努力義務並びに支障が生ずるおそれがある場合の協力要請の規定について、大臣に伺ってまいります。
特定重要物資のサプライチェーンの強靱化は、今回のイラン情勢の緊迫化も含め、近年の地政学的な緊張の高まりの中で、まさに国家的な課題だというふうに考えます。今回の改正では、認定供給確保事業者にとどまらず、その関係者まで法律上の枠組みで協力要請を行えるようにするという点が大きな変化であると認識しております。
そこで、大臣にお伺いします。
これまで、主務省庁というのは、こういった法律上の枠組みがなくとも、特定重要物資の安定供給に関わる課題が生じるような場合においては、いわば運用として個別に、関係する企業などに対してヒアリングや要請、こういったものを行ってきたものと承知をしております。
今回の改正により、こうした要請が正式に法制度に基づく行為として位置づけられることになると思いますが、正式な位置づけになるということと、そして、認定事業者だけでなく関係者、これは部素材メーカーであったりとか金融機関含めて、関係者にも広がるということがサプライチェーンの実態的な強靱化にどういった効果をもたらすというふうにお考えでしょうか。また、これに関する運用上の留意点についても大臣の御見解を伺います。
○小野田国務大臣 今般の改正案は、供給確保の計画に基づく取組が困難となる場合に、計画の認定を受けていない事業者など本法の支援枠組みの対象でない事業者も含めた幅広い関係者に対して主務大臣が協力を求めることができる旨などを規定するものでございます。これまではこうした規定がなく、委員御指摘のとおり、各省庁が行政指導の範囲で関係者に対して協力を求めてきたところでございまして、本規定に基づく主務大臣の要請には一定の重みがあると考えております。
なお、元来、サプライチェーンは民間事業者の自由な経済活動に基づいて構築されるものでありまして、本規定の運用においては、あくまで事業者の判断を尊重すべきであり、また、過度な負担とならないように留意することというのも必要だと考えます。
ただ、経済安全保障上重要なサプライチェーン強靱化のためには、短期的な経済合理性を超えた総合的な判断が望ましいケースもありますので、本規定が事業者にとっての一つの規範となり、経済安全保障上重要な行動を取ろうとする事業者の意思決定、これを後押しできるようになればいいなと期待しております。
○高山委員 ありがとうございます。
これは、経済合理的で必ずしもない意思決定を民間の事業者に求めるということは、例えば、事業者が社内で決裁を回すときに、これはなぜなんだといったときに、これは経済安全保障のために必要だという意義を説いても、やはり、それでも必要なのかという議論があるものだと思います。これが、法に基づくきちんとした正式な要請を受けたということがあれば、その事業者が社内決裁を通しやすくなるということがあると思いますし、これは金融機関における、例えば銀行の稟議などでも同様のことがあり得ると思いますので、この意味合いということは大変大きなものだというふうに考えます。
最後に、本法案の施行後の見直しの規定について伺います。
本法案の質疑でも再三議論に上がっておりますとおり、経済安全保障の領域は、AIを始めとする技術の環境の変化、地政学的環境の変化、これらが極めて急激に変化をする中で、そうした環境変化に素早く対応することが不可欠の分野であります。
条文の修正案もございますが、改めて、三年という期間にかかわらず不断の運用見直しが行われることの重要性について、この場でも触れさせていただきたいというふうに思います。
昨日の参考人質疑の中でも、何年ならいいんだ、三年ならいいのか、一年、二年なのか、こういうふうに時間軸を切るよりも、不断の検討により大きな変化に対して常に対応できることが重要であるという趣旨の議論があったというふうに認識をしております。
政府としても、今回の法改正を受けて、あるいはこれまでの三年を振り返って、今後運用の具体化を一層進めていくべきだと考えている論点、あるいは不断の見直しを特に要すると整理できる論点としてどういうものがあると考えているか、御見解を伺います。
○泉政府参考人 まず、今御審議いただいています法案は、経済安全保障推進法の制定から数年経過いたしまして、我が国が戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に置かれていることに鑑みまして、経済安全保障を確保するために必要な更なる措置を講ずるために、今、提出し、御審議いただいているものでございます。
それで、まずは、改正後の本法の取組を迅速かつ強力に推進いたしまして、経済安全保障の確保に一層取り組んでまいります。
その上で、本法案は、施行後三年をめどに施行状況を見直すことを政府に求めているという規定が一部入ってございますけれども、この規定にかかわらず、状況に応じて各施策を不断に見直すことは、御指摘いただきましたように、当然に必要だと考えてございます。例えば、本年一月に政府の有識者会議の提言において、安全保障上重要な個人に関する機微なデータの防護等のデータセキュリティーの在り方等について御指摘をいただいておりまして、これらも含めまして様々な措置を検討してまいりたい、このように考えてございます。
○高山委員 ありがとうございます。
まさに不断の取組、本法案の改正に関わるところもそうですし、官民協議会というのもございます。民間との協議によって新たに理解が深まる点、あるいは、それによって、現場での運用実態を踏まえて、制度的な手当てが必要となるような点も見つかってくることかなというふうに思いますので、必要に応じた運用改善そして制度改正を機動的に行っていく方針を明確に確認させていただきたいという趣旨でございました。
今回、イラン情勢のことであったりとか、あるいはAIの急激な進化というのは、事前に予見をすることが大変難しいテーマでございます。特にAIの進化というのは、今回、クロード・ミュトスというものがこれほどまでに国会でも大きく取り上げられましたが、AIの飛躍的な進化というのは、恐らくこの一回だけではございません。今年、来年、どういった変化が起こるか、それによってどのような経済安全保障上の取組が必要となるかということは、今、現時点では我々、予測が難しい種類のものであるというふうに考えます。
そういった大きな変化に対して、政府としても、迅速に、機動的に取り組めるような、そういった議論が必要であるということを申し上げて、私の質問を終わります。
○山下委員長 次に、塩川鉄也君。
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
Kプログラムに関して今日は質問をいたします。
先端的な重要技術の開発支援、Kプログラムにおける研究開発構想に係る指定基金協議会、今、四十と承知しておりますけれども、この指定基金協議会に参加する行政機関について、防衛省、まあ防衛装備庁も含みますけれども、防衛省が参加をしているのは幾つになるか、防衛省、お答えください。
○嶺政府参考人 お答え申し上げます。
経済安全保障重要技術育成プログラムは、我が国の自律性、優位性、ひいては不可欠性を確保していくため、先端的な重要技術の研究開発を推進しまして社会実装につなげるための政府の取組でありまして、研究開発等を伴走支援する枠組みとして、研究開発実施者と関係府省を含む政府関係機関等が意見交換を行う場となる指定基金協議会が設置されております。
本年三月三十一日時点で四十の指定基金協議会が設置されておりますが、防衛省も、潜在的な社会実装の担い手として想定される関係行政機関の一つとして、三十九の指定基金協議会に参加しておるところでございます。
○塩川委員 四十のうち三十九ということですから、ほとんど全てに参加をしていると。
私もちょっと数えたら、経産省でも三十七でして、防衛省が一番多いのかなと思いました。防衛省がこんなに多いというのはなぜなんでしょうか。
○嶺政府参考人 お答え申し上げます。
先ほどありましたように、これは、先端的な重要技術の研究開発を推進するプログラムということでございまして、当然、防衛だけではなくて広く民生にも裨益するような技術だというふうには考えておりますが、我々防衛省としましても、基本的に先端技術、これを取り入れていくということで、このプログラムに、こちら指定基金協議会の方の場で参加させていただいているということでございます。
○塩川委員 余り説明になっていませんが。このKプログラムというのが、率直に言って防衛、軍事に偏っている。軍事を重視する、そういった研究体制ということがそこから見て取れるところであります。
そこで、具体的な事例として、光通信等の衛星コンステレーション基盤技術の開発・実証というのも一つ挙げられております。このプログラムに防衛省が参加をしている理由は何でしょうか。
○吉野政府参考人 お答えいたします。
衛星通信は自衛隊の作戦の基盤となるものでございまして、周辺国の妨害能力の向上、増大する自衛隊の通信所要に対応するためには、低軌道の衛星コンステレーションや静止軌道衛星等を組み合わせて、多層的で抗堪性の高い衛星通信ネットワークを構築することが必要でございます。
その中で光通信技術は、通信容量の増大や通信ネットワークのセキュリティー向上、電波資源の枯渇への対応といった課題を解決するためのインフラとなり得るものと考えてございまして、防衛省も潜在的な社会実装の担い手となる可能性がある技術領域と考えてございます。
このため、防衛省と防衛装備庁でございますが、お尋ねの事業に係る指定基金協議会に参加し、光通信に係る先端技術についての意見交換を行っておるところでございます。
○塩川委員 衛星通信に係る抗堪性の確保も含めた取組ということであります。
そういう中で、防衛白書において、スタンドオフ防衛能力の獲得を目的とした衛星コンステレーションを二〇二七年度までに構築するというのがあります。その取組として、防衛省は、衛星コンステレーションの整備・運営等事業、いわゆるPFI事業を推進をしております。事業者として、スカパーJSATが落札をしたところです。
スカパーJSATは、本件は、スタンドオフ防衛能力の実効性確保に必要な画像情報の安定的な取得を目的に、民間企業が運営する衛星コンステレーションの構築を目指すPFI事業ですと説明をしております。
一方、このKプログラム、光通信等の衛星コンステレーション基盤技術の開発・実証のプログラムについては、スカパーJSATとNTTが出資をしているスペースコンパスが幹事企業となっております。
まさに防衛省のPFI事業とこのKプログラムと、どちらにもスカパーJSATが関与しているわけですけれども、この二つはいわば一体のものということでしょうか。
○吉野政府参考人 お答えいたします。
今御指摘のございました衛星コンステレーションの整備・運営等事業、PFIの事業でございますが、こちら、防衛省、既に運用してございますが、こちらと、経済安全保障重要技術育成プログラム、Kプログラムの対象とされております光通信等の衛星コンステレーション基盤技術の開発・実証、これらにつきましては、それぞれ目的や内容等の異なる別個の事業でございます。
○塩川委員 でも、Kプログラムにおけるこの光通信の衛星コンステレーション基盤技術の開発・実証というのは、この防衛省が行っているスタンドオフ防衛能力の獲得を目的とした衛星コンステレーション、これに生かせるものは生かしていけるというものになってくるのではありませんか。違いますか。
○吉野政府参考人 Kプログラムで行っております事業そのものというよりも、一般論として、衛星間の光通信という観点で申し上げれば、こういった技術を衛星コンステレーションに組み込むことで、撮像した画像を地上で確認するまでの時間を短縮できる可能性はあるというふうに考えてございます。
その上で、御指摘のKプログラムの事業、これの成果を防衛省として活用するか否かにつきましては、何ら決まったものはございません。
○塩川委員 でも、Kプログラムに防衛省、防衛装備庁が関係行政機関として入っているというのは、やはりこういった光通信における技術を生かしていきたいということではあるんですよね。
○吉野政府参考人 防衛省、お尋ねの事業に係る指定基金協議会に参加してございますが、その趣旨と申し上げますのは、先ほども申し上げたとおりでございますが、防衛省も潜在的な社会実装の担い手となる可能性がある技術領域と考えておりまして、そのような観点で参加をしてございます。
○塩川委員 このKプログラムについては、本事業により開発を行う光通信ネットワーク技術については、災害対策、海洋監視、安全保障など様々な分野での宇宙利用を拡大していく上で必須のデータ通信基盤となることが想定されるということで、安全保障分野での活用も想定している。だからこそ防衛省、防衛装備庁も参加をしているということで、防衛省のこのPFI事業とKプログラムの連携、連動というのは当然であります。
そこで、スカパーJSATが落札をした防衛省のPFI事業であります衛星コンステレーションの整備・運営等事業の業務要求水準書を見ますと、その中には、事業者は、戦争、暴動その他これらに類似の事案が発生し、本事業に従事することが困難な状況が生じた場合でも、国が撮像、写真を撮るわけですね、撮像指示を行い必要な画像データの取得が実施できるよう処置を講じなければならないとあります。
戦争とかがあっても国が求めた画像を送れということをPFI事業者に義務づけているということですけれども、ここで言っている「本事業に従事することが困難な状況が生じた場合」というその困難な状況というのは、どういう状況を想定しているんでしょうか。
○吉野政府参考人 お答えいたします。
具体的な状況をあらかじめ想定してこちらの場で具体的に申し上げることは困難であることは御理解をいただきたいと思います。
他方で、衛星コンステレーションの果たす役割の重要性を踏まえまして、継続的にこの事業を行えるよう措置を講ずるという旨をこちらの方で記載をさせていただいてございます。
○塩川委員 でも、戦争とかという事態を想定しているということですよね。例えば船舶のPFI事業などにおいても、民間船は通常、有事では戦場には出られないわけですけれども、予備自衛官を乗せることでそれを可能にするような、PFI事業者であっても実際戦地に行くような、そういう仕組みもかつてつくっているということもあります。
今回のような場合についても、戦争のような状況であっても、民間事業者、PFI事業者に対して、まさに事業継続が困難な場合でも、PFI事業者には衛星コンステレーションの整備、運営に係る仕事を継続しろということを迫るということになるんじゃありませんか。
○吉野政府参考人 お答えいたします。
こちらの衛星コンステレーションの事業に関しましては、我が国が、侵攻する部隊等をその防空ミサイルの脅威圏外から撃破するためのスタンドオフ防衛能力の実効性を確保する観点から情報収集能力を強化する必要があるという認識の下で、目標情報を探知、追尾する能力獲得を目的として構築をしているものでございます。
このような事業の趣旨の重要性を踏まえまして、業務が継続的にできるよう措置する考えでございます。
○塩川委員 このPFI事業では、衛星を管理、運営するというために地上システムがあるわけですよ。地上システムは、国内だけじゃなくて海外にもあるわけですよね。そういった海外の地上システムを維持、保全、管理をするといったことも民間事業者の仕事ということになった場合に、やはり何らかの危険を招くような、そういう事態というのも想定しているからこそ、こういった規定を業務要求水準書に書いているということじゃないですか。
○吉野政府参考人 お答えいたします。
先ほど申し上げたとおり、PFI事業の衛星コンステレーションの事業に関しましては、我が国を守る上でのその重要性に鑑みまして、先ほど来申し上げているとおり、事業の継続ができるよう必要な措置を講ずる観点から、今のような取組をしているところでございます。
○塩川委員 民間事業者を軍事に組み込むようなそういう仕組みというのがこのPFI事業において行われようとしているという点は極めて重大ですし、こういったPFI事業といわば一体としての研究開発がKプログラムでも行われているという点で、最後、大臣に伺いますが、このKプログラムというのは科学技術の軍事化を一層拡大させることになりはしないか、この点についてお答えください。
○小野田国務大臣 Kプログラムは、経済安全保障の確保、強化の観点から、AIや量子、宇宙、海洋等の分野に関し、民生利用や公的利用の幅広い活用を目指して、先端的な重要技術の研究開発を推進するものでございます。一方、本プログラムに限らず、先端的な重要技術を官民の様々な分野で活用していくことは当然でございます。
本プログラムは防衛装備品そのものの研究開発を実施するものではございませんが、得られた成果が将来的に民間における用途のみならず防衛省を含む関係省庁自らの判断により活用されることはあり得ると考えています。
なお、本法に基づく指定基金協議会においては、防衛省に限らず幅広い関係省庁等の参加を得ているところです。
いずれにせよ、本プログラムは、防衛用途を含め特定のニーズのみを念頭に置いた研究開発を拡大、推進するものではなく、委員の御指摘は当たらないものと考えております。
○塩川委員 今日やりましたように、Kプログラムというのが巨額の研究費で軍事技術の強化を狙う事業だということを指摘をし、質問を終わります。
○山下委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
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○山下委員長 この際、本案に対し、長谷川淳二君外五名から、自由民主党・無所属の会、中道改革連合・無所属、日本維新の会、国民民主党・無所属クラブ、参政党及びチームみらいの共同提案による修正案が提出されております。
提出者から趣旨の説明を聴取いたします。後藤祐一君。
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経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律及び株式会社国際協力銀行法の一部を改正する法律案に対する修正案
〔本号末尾に掲載〕
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○後藤(祐)委員 ただいま議題となりました経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律及び株式会社国際協力銀行法の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、提出者を代表して、その趣旨及び内容を御説明申し上げます。
昨今の中東情勢や人工知能関連技術の動向など、我が国を取り巻く様々な状況を踏まえると、経済安全保障を推進していく観点から、官民協議会や特定重要物資の指定の在り方を含め、必要な措置について速やかに検討を進める必要があります。
そこで、本修正案では、検討条項を追加することとしており、政府は、速やかに、経済活動に関し国家及び国民の安全を損なう事態を防止するために必要な措置の在り方について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとすることとしております。
この検討条項は、公布の日から施行することとしております。
以上が、本修正案の趣旨及び内容であります。
何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○山下委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
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○山下委員長 これより原案及び修正案を一括して討論に入ります。
討論の申出がありますので、これを許します。塩川鉄也君。
○塩川委員 私は、日本共産党を代表し、経済安保推進法等改正案に対し、反対の討論を行います。
経済安保は第一次トランプ政権が打ち出したものです。仮想敵国を前提とし、経済力、技術力を相手国への対抗手段、威圧する手段と位置づけ、経済分野でも米国を中心としたブロック体制に同盟国等を組み込もうとするものです。日本政府は、軍事面での日米一体化とともに経済安保でも米国につき従い、二〇二二年に経済安保推進法を成立させました。本案は、それを更に拡大しようとするものです。
重要物資の確保を理由に、政府が関係者に対し協力要請できる規定を盛り込んでいます。許認可権や巨額の支援など様々な権限を持つ行政機関からの要請は、事業者にとって大きな圧力となり、営業の自由の侵害が避けられません。
重大なのは、軍事への協力も対象となり得ることです。重要物資とは何かを決めるのは政府であり、現行法の下でも、既に船体や無人航空機、半導体など、軍事と関わりが深い分野が指定されています。その上、法案では、関係者の範囲、協力の内容など、政府に白紙委任されています。政府の裁量で広範な事業者が自衛隊や米軍への協力を迫られることになりかねません。
また、総理大臣が経済安保に関する官民協議会を設置し、その参加者に対して情報提供義務を課します。官民協議会には警察や公安調査庁も参加可能です。政府が民間事業者の情報を吸い上げ、経済安保分野における警察や情報機関の活動強化に使える仕組みであり、企業活動に対する監視、介入を拡大させる懸念は拭えません。
加えて、軍事転用可能なデュアルユース技術の研究開発支援を行うKプログラムに参加する指定基金の対象を拡大する問題です。現在設置されている指定基金協議会のほとんどに防衛省が参加しています。Kプログラムが軍事と深くつながっているのは明白です。科学技術の軍事研究化を一層推進することには反対です。
さらに、政府が経済安保上重要だとする海外事業への支援制度を新設する問題です。採算性が不確実なハイリスクな事業にJBICが融資するこの制度は、一企業の経営リスクを国民の財産、税金で肩代わりするものにほかなりません。
最後に、政官癒着の問題です。質疑で明らかになったのは、重要物資の助成金の交付を担う法人の役員に、支援を受ける業界の企業の役員と天下り役人が就いている実態です。業界団体から自民党への献金など、政官業癒着の構造そのものです。海外事業への支援制度を創設し、重要物資に役務も追加することは、こうした癒着を一層拡大させることになることは明らかです。
以上申し述べ、討論を終わります。
○山下委員長 これにて討論は終局いたしました。
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○山下委員長 これより採決に入ります。
内閣提出、経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律及び株式会社国際協力銀行法の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。
まず、長谷川淳二君外五名提出の修正案について採決いたします。
本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○山下委員長 起立多数。よって、本修正案は可決されました。
次に、ただいま可決いたしました修正部分を除く原案について採決いたします。
これに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○山下委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。
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○山下委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、長谷川淳二君外五名から、自由民主党・無所属の会、中道改革連合・無所属、日本維新の会、国民民主党・無所属クラブ、参政党及びチームみらいの共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
提出者から趣旨の説明を聴取いたします。後藤祐一君。
○後藤(祐)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明いたします。
案文の朗読により趣旨の説明に代えさせていただきます。
経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律及び株式会社国際協力銀行法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、本法の施行に当たっては、次の事項を遵守しつつ、運用すべきである。
一 今次改正の適用に当たり、経済安全保障推進法第五条の「経済活動に与える影響」を考慮するに当たっては、経済成長に及ぼす影響に配慮するとともに、事業者の事業活動における自主性を尊重し、事業者間の適正な競争関係を不当に阻害することのないようにすること。
二 中東情勢によるナフサ不足等の事態にも対応できるよう、官民協議会の開催等機動的に対処するとともに、サプライチェーン全体を通じた対応が可能となるような制度設計を速やかに検討すること。
三 クロードミュトスをはじめとした高度化するAIによるサイバー攻撃等の経済安全保障上のリスクに対応するため、サイバー対処能力強化法の運用とも併せ、本法の基幹インフラ役務の安定的な提供の確保に関する制度において十分な対応が可能かどうかの検討も含めて基幹インフラ事業ごとの対策を強化すること。
四 二及び三の検討に当たっては、附則第七条第一項に基づき迅速な検討を行い、その結果に基づいて必要な法制上の措置その他の措置を講ずること。
五 指定基金については、原則として特定重要技術の研究開発の促進及びその成果の適切な活用のための資金に限ることとし、それ以外の用途を含む基金の指定についてはこれらに関連するものに限定すること。
六 国際協力銀行の一般業務勘定及び特別業務勘定に係る劣後的政府貸付けは、経済安全保障上重要な事業への支援の適切な遂行に必要な範囲に限定すること。
七 認定特定海外事業促進業務の対象案件については、適正な審査を行った上で認定を行い、仮に損失が生じた場合には、企業の個別情報保護等への配慮の必要性や国民への説明責任の在り方とのバランスを考慮しながら、公表の在り方を検討すること。
以上であります。
何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○山下委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
採決いたします。
本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○山下委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
この際、本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。小野田国務大臣。
○小野田国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、御趣旨を十分に尊重してまいります。
―――――――――――――
○山下委員長 お諮りいたします。
ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
〔報告書は附録に掲載〕
―――――――――――――
○山下委員長 次回は、来る二十日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後一時十四分散会

