衆議院

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第13号 令和8年5月20日(水曜日)

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令和八年五月二十日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 山下 貴司君

   理事 安藤たかお君 理事 鈴木 馨祐君

   理事 中根 一幸君 理事 長谷川淳二君

   理事 鳩山 二郎君 理事 後藤 祐一君

   理事 浦野 靖人君 理事 森ようすけ君

      井出 庸生君    大空 幸星君

      長田紘一郎君    金子 容三君

      川崎ひでと君    河野 正美君

      佐藤 主迪君    平  将明君

      中田  宏君    平井 卓也君

      平沢 勝栄君    文月  涼君

      古川 直季君    村木  汀君

      吉田 有理君    若山 慎司君

      渡辺 博道君    泉  健太君

      大島  敦君    長妻  昭君

      黒田 征樹君    西田  薫君

      野村 美穂君    川 裕一郎君

      高山 聡史君    塩川 鉄也君

      中村はやと君

    …………………………………

   国務大臣

   (中東情勢に伴う重要物資安定確保担当)      赤澤 亮正君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     木原  稔君

   国務大臣

   (サイバー安全保障担当) 松本  尚君

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長) あかま二郎君

   国務大臣

   (こども政策 少子化対策 若者活躍 男女共同参画担当)

   (共生・共助担当)    黄川田仁志君

   国務大臣

   (人工知能戦略担当)   小野田紀美君

   厚生労働副大臣      長坂 康正君

   農林水産副大臣      根本 幸典君

   内閣府大臣政務官     金子 容三君

   内閣府大臣政務官     若山 慎司君

   内閣府大臣政務官     古川 直季君

   内閣府大臣政務官     川崎ひでと君

   財務大臣政務官      三反園 訓君

   国土交通大臣政務官    上田 英俊君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  伊吹 英明君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  殿木 文明君

   政府参考人

   (内閣官房デジタル行財政改革会議事務局審議官)  山澄  克君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  鎌谷 陽之君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  門松  貴君

   政府参考人

   (内閣官房内閣人事局人事政策統括官)       松本 敦司君

   政府参考人

   (人事院事務総局職員福祉局長)          堀内  斉君

   政府参考人

   (内閣府孤独・孤立対策推進室長)         成松 英範君

   政府参考人

   (内閣府男女共同参画局長)            岡田 恵子君

   政府参考人

   (内閣府科学技術・イノベーション推進事務局審議官)            恒藤  晃君

   政府参考人

   (警察庁交通局長)    日下 真一君

   政府参考人

   (個人情報保護委員会事務局長)          佐脇紀代志君

   政府参考人

   (デジタル庁総括審議官) 森田  稔君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房学習基盤審議官)       堀野 晶三君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房文部科学戦略官)       神山  弘君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           榊原  毅君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           伊澤 知法君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           大隈 俊弥君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           蒔苗 浩司君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           畑田 浩之君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           田中 一成君

   政府参考人

   (経済産業省商務情報政策局商務・サービス政策統括調整官)         江澤 正名君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           小島  優君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           奥原  崇君

   政府参考人

   (国土交通省物流・自動車局次長)         猪股 博之君

   政府参考人

   (環境省大臣官房審議官) 成田 浩司君

   内閣委員会専門員     田中  仁君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月二十日

 辞任         補欠選任

  大島  敦君     泉  健太君

同日

 辞任         補欠選任

  泉  健太君     大島  敦君

    ―――――――――――――

五月十九日

 重要施設の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第三一号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 重要施設の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第三一号)

 内閣の重要政策に関する件

 公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件

 栄典及び公式制度に関する件

 男女共同参画社会の形成の促進に関する件

 国民生活の安定及び向上に関する件

 警察に関する件


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     ――――◇―――――

山下委員長 これより会議を開きます。

 内閣の重要政策に関する件、公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件、栄典及び公式制度に関する件、男女共同参画社会の形成の促進に関する件、国民生活の安定及び向上に関する件及び警察に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 各件調査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、内閣官房内閣審議官伊吹英明君外二十五名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

山下委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。泉健太君。

泉委員 中道改革連合の泉健太でございます。

 本日、トップバッターということで、この一般質疑、どうぞよろしくお願いいたします。

 私も、以前は内閣委員会がずっと長うございまして、ずっと警察関係の課題も取り上げてきたわけですが、最近はちょっと御無沙汰をしておりまして、今日こうして質問の機会をいただくこと、感謝申し上げます。

 また、あかま国家公安委員長、日下交通局長、そして田中大臣官房審議官、ありがとうございます。是非よろしくお願いをいたします。

 さて、恐らくこの委員会でも質問をされた方、様々あると思います、やはり自転車のことで今日は触れたいと思います。

 自転車の青切符ということについて話題になっているわけですけれども、大臣が五月十四日に、非常にいい、いいと言うと上からでも何でもなくて、本当に非常にすばらしい記者会見をされたということを是非皆さんにお伝えをさせていただきたいと思います。

 この中では、青切符の運用状況ということも触れられていて、やはり私も共通の思いなんですが、自転車はまずルールを守らなければならないということは当然のことでありまして、交差点での一時不停止、携帯電話使用、そして信号無視、また遮断機が閉じた踏切への侵入、そして、結構これは多いですけれども、逆走となる車道の右側通行などは特に多い、これで九割以上となっているという報告がありました。また、警告や指導に従わない場合にやはり青切符が出るということも、よく国民の中に周知をしていかなければならないと思っております。

 一方で、周知というか、その意味では、やはり自転車の歩道通行ということについてもまだまだ認識が広がっていないというふうに思っていまして、例えば、自転車が例外的に歩道を通行する場合というのは、車道寄りを走るというルールがある、あるいは徐行をする、そして歩行者優先である、これもまた当然のことでありますけれども、もっと徹底をしていかなければならない、歩行者が危険な目に遭うようなことがあってはならないというふうに思っております。

 大臣の記者会見の中で、都道府県公安委員会規則で定められている自転車の幼児用座席に同乗できるお子様の範囲を広げてほしいという要望があると承知していて、六歳未満までだったものが小学校就学の始期に達するまでの者に拡大されたところでありますけれども、まだ実は要望が多いということで、小学校低学年ぐらいまで自転車に同乗できるようにしてほしいという声が数多く出されております。

 先日、私もその訴えをされている方々と意見交換をさせていただきまして、やはり今、年齢で区切られているというか、こういう小学校就学始期までとかと区切られているんですが、子供さんでも、体重の多い子供さん、体重の少ない子供さん、身長の高い子、低い子、いろいろあります。幼稚園児の、今乗せている子供さんでオーケーであれば、中には、低学年でもオーケーでしょうというような子供さんもたくさんいるのも事実であります。

 実際にもし子育てをされている皆様方であれば実感があると思うんですが、やはり、私も随分言われました、子供を乗せたくて乗せているわけじゃないと。別に、ただ自転車に乗って子供と二人でくるくる地域を回りたいわけじゃなくて、全て用事があるんだと。それは、病院に連れていかなきゃいけないし、あるいは学校で具合が悪くなったときに、今日はちょっと早退でといったら連れて帰らなきゃいけないし、お買物に行くときにも一人で家に残しておくことはできないし、中には、障害を抱えられている子供さんを、やはりずっと長時間歩かせたりとか、公共交通だとなかなか難しいという事例もあったりします。

 そういった病気、病児の迎えとか、あるいは障害を持った子供たちに対するサポートという意味でも、自転車の後部座席に、許される範囲で小学校に行った子供でも乗せられるようにするということがいいのではないかというふうに考えております。

 もちろん、都市部と地方では環境の違いというのもあろうと思います。例えば、自転車の練習も、地域で、その辺の家の前の道路とかでも安全にできるという地域もあれば、都心部になってくるとなかなかそうもいかない。子供たちが自由に自転車で練習するスペースというものも、どこか公園まで行ってとか、ある程度自分で動けるようになるまでには時間がかかるというような、特性の違いもあると思います。

 そういった意味で、大臣が五月十四日、記者会見で、同乗の範囲を広げるということについて、関係団体との意見交換、そして同乗するお子様の違いによる走行の安定性の確認ということで、見直しの可否について検討を進めるよう、警察庁を指導してまいりたいというふうに言っていただいた。

 改めて、大臣の御認識、問題意識をお伺いしたいと思います。

あかま国務大臣 委員が今お話しいただきましたけれども、先週、記者会見にあって、都道府県公安委員会規則で定められております自転車の幼児用座席に同乗できるお子様の範囲について見直し、これについての可否に関する検討を進めるよう、警察庁を指導していくことというふうに述べさせていただきました。

 今、委員の方でも御披瀝がありました。それぞれの御家庭、またお子さんの一人、二人、またそれぞれの活動の中で、どうしても自転車に子供をという声が多いことを知っています。それだけ、自転車は幅広い年齢層が利用して、なおかつ皆さんにとってより身近で、なおかつ、今回のいわゆる青切符の導入を契機としてそういった話題がスポットを浴びて、この同乗について是非是非という声が寄せられているというふうに認識しています。これは、私のところにも、また泉委員のところにも、また他の委員のところにも同様の声はあるんだろうというふうに認識しております。

 さはさりなんで、やはり御案内のとおり、交通事故全体では減少しながらも、自転車の事故というものが増加しているという事実もあります。そういったことを踏まえれば、同乗できるお子さんの範囲を広げてほしい、これは重要なんですけれども、いわゆる安全性の確保、こういった面もしっかりと見なければならないという認識でもあります。

 その意味で、幼児用座席の安全基準を定める団体との意見交換であるとか、また走行の安定性であるとかというものを確認するなどなど、見直しの可否について検討する、このことを進めていくよう、引き続き警察庁を指導してまいりたいというふうに思います。

泉委員 交通局長、今日お越しをいただいております。

 今大臣からありましたね、警察庁を指導していくと。悪い意味での指導じゃないと思います。この御下命を受けて、内部で検討されるということでよろしいですか。

日下政府参考人 お答えいたします。

 今大臣が申し上げたとおり、私、大臣からの指導を受けておりますので、大臣の指導に従いまして、既に幼児用座席の安全基準を定める団体ともう接触を始めたところでございまして、あと、それから、お子様を乗せたときのお子様の違いによる走行の安定性、これについての実験をどうやってやっていくかというようなところも既に検討を始めたところでございます。

泉委員 ありがとうございます。

 今日は、経産省田中審議官もお越しいただいています。警察庁はこういう動きをしているということで、当然ながら、製品という意味では大きく関連をしていくと思います。同じような認識で共に取り組むということでよろしいですか。

田中政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、警察庁と連携を取って対応してまいります。

泉委員 ありがとうございます。

 さて、少し具体的な話に移りたいと思います。

 JIS規格というのがあるわけですね。このJIS規格が、今、自転車の例えば耐荷重というのは百キロだったり、百二十キロだったり、百五十キロだったりして、丈夫なものもあるわけなんですけれども、今、人物のというか、人間の、人員の基礎体重というか、基準体重が何キロになっているかというと、六十五キロになっております。これが制定されたというか、六十キロから変更されたのは一九八六年。我々はこの前というふうに思いがちですが、実は随分たっているわけですよね。もう五十年近くたっていると言ってもいいかもしれません。

 それで、今、今日、資料をお配りしました。

 平均体重の伸びというデータの資料、まず一を御覧をいただくと、どの世代においても、例えば一九八八年ぐらいから、左のグラフですね、折れ線グラフを見ていただいても、体重というのはかなり増えていて、五キロ以上平均体重が増えてきているという現状がございます。そして、右側を見ても、特にちいちゃいお子様を乗せる世代と言っていいと思いますが、男性においても女性においても、体重というのは徐々に増加してきているというのが分かるわけです。

 これまで、経産省などは、JIS規格、これを変えればかなりインパクトが大きくて、いろいろなことをやらなきゃいけないのでということで抑制的に捉えてきたわけですが、しかし、一九八六年に変えたときもやはり平均体重の増加というものがあって、実態に合わないままではいかぬだろう、幾らバッファーがあるとしても。

 なぜこれが必要かというと、そこに、例えば後部座席にシートを載せる、あるいは子供を何キロまで乗せるという、いわゆるトータルの重量というものを考えなければいけないときに、平均体重をどう持って、そして基準体重をどう設定するかということによって、それ以外にどれぐらいのものを載せられるかということが決まってくるものですから。

 是非、私は、今、素材もよくなっている、耐久性もよくなってきている、その意味では、十分、この平均体重を七十という形にした上で、それなりの耐荷重の、強度の自転車を作っていくという考えにするべきだと思うんですが、こちらの方をお答えいただきたいと思います。七十キロに改定すべきではないか、いかがでしょうか。

田中政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、自転車のJIS規格、これは、車種を設計する上での乗員の標準的な体重を参考として規定しておりますが、現行規格では六十五キロとなっております。

 この規格は、事業者や専門家などで構成される民間の原案作成委員会が主導で発案し、改定を行ってきているところでございますが、委員の問題意識も踏まえまして、今後見直しの際には平均体重が適切に反映されますよう、引き続き、同委員会での議論をフォローしてまいります。

泉委員 ありがとうございます。

 是非、この七十キロへの改定というものも、指示というか、提案をしていただきたいというふうに思います。

 続いて、自転車そのものの、これは人ではなく物なんですが、積載上限というものがあるんですね。皆さん、何キロぐらいだと自転車に載せていいというふうに思われるのかというと、これは実際には三十キロであります。昔はよく二人乗りで自転車に乗っていた人がいっぱいいましたけれども、それはもうとうに三十キロを超えている方も乗っていたわけですが、物としては三十キロです。

 ただ、これも一九六〇年に制定されています。一九六〇年ですよ。皆さん、どんな自転車だったかというと、もう何かブレーキも棒みたいなブレーキで、金属でキーキーガシャガシャいうような感じの、重たい自転車を思い浮かべるぐらいの時代の重量の上限なんですね。

 これは事務方にあえて伺いたいと思います。この三十キロである趣旨、理由を教えてください。

日下政府参考人 お答えいたします。

 自転車の積載に係る規定、委員御指摘のとおりでございまして、各都道府県公安委員会規則に定められているものでございます。

 各都道府県公安委員会規則の制定時期とか趣旨を網羅的に把握しているものではございませんが、先ほど委員御指摘になったのは多分東京都だと思われますが、これにつきましては、旧東京都道路交通規則が制定された昭和三十五年当時から規定されているものであります。ただ、この上限を三十キログラムとした趣旨については、記録が残っておらず、明確ではないということでございます。

 ただし、一般論として申し上げれば、自転車の積載の上限というのは、車体の耐久性でありますとか走行の安定性とか、こういったものを勘案して定められるものであると考えております。

泉委員 すばらしい御答弁、ありがとうございます。

 まさにそのとおりなんですね。耐久性や走行の安定性で定められるものなのに、これだけ時代が進化をして、これだけ自転車メーカーが努力をして、強度、耐久性、素材を向上させてきたにもかかわらず、昭和の三十年代から変わっていないんですね。

 実は、私が以前に、自転車の前と後ろに子供を乗せられるようにというルール改正に取り組んだことがあって、それ以降、前と後ろに乗せられるようになったんですが、そのときにも安定性、耐久性というのが課題になりまして、自転車の例えばタイヤのいわゆる直径を少し小さくして、重心を下げることによって安定性を向上させた自転車にすればいいじゃないかということで、実際上は、安定した自転車というものがまた生まれてきているわけなんですね。だけれども、その積載上限は何も変わっていないというのが今の状況でございます。

 私は、この積載上限の三十、都道府県公安委員会でということであるとは思うんですけれども、是非こうしたことについても一度見直しを図っていただきたい。恐らくメーカーは、三十キロ以上載せても安定できる、もちろん、物すごい長いものとか、縦幅、横幅が長いものは安定性がまたおかしくなりますけれども、こういったものは数字を向上させても大丈夫という自転車は必ずあると思いますので、是非この辺についても再設定をいただきたいというふうに思っています。

 さて、今日は、資料の三ページを御覧いただきますと、一つ、三輪車タイプで幼児二人を乗せられる自転車の写真があります。これ以外にも、一般的に二輪タイプで前と後ろに子供を乗せるものがあると思いますが。

 現在、SG基準によって、幼児、これは基本的に小学校に入る前までですね、幼児の後席への同乗というのは、二輪車の場合ですと、八キロ以上二十四キログラム以下と体重が決まっているわけですね。二十四キロ以下の子供しか乗せられませんということ。そして、身長については、七十センチ以上百二十センチ以下という。後ろの座席に子供を乗せる場合には、二十四キロ以下、百二十センチ以下というSG基準がございます。

 だからこそ、小学校低学年の子供を持つ親からは、うちの子はまだ百二十センチに行っていないわよ、あるいは、まだ二十四キロ以下だよ、乗せていいじゃないのという声が、それは上がるんですよね。大臣、そうですよね。それは、体重と身長からいけば、いいじゃないの、乗せてと。でも、何か小学校就学始期までと書いてあるから乗せられない。この辺がやはり、ある種二重基準になってはいないのか。

 安全基準としての体重、身長と年齢的なものとをなぜ交ぜてしまっているのかというところについては、是非、やはり、警察問題を所管するこの内閣委員会で一定前進させていくべき課題だというふうに私は思っております。

 その意味で、大臣、大臣の御指示いただいたこの御指導の中でいえば、二つの方向性があるんだと思います。

 一つは、今ほどお話をしたJIS規格やSG基準というものを、現行のまま、要は、二十四キロ以下とか百二十センチ以下というものは維持しつつ、しかし、いわゆる年齢制限的なものを撤廃して、乗れる人は乗せていいよというふうにやっていく方法が一つあると思うんですね。

 もう一つは、私は、できれば、やはり今の自転車の技術の向上、製品の向上という観点からいけば、メーカーは十分に対応したものを作る力があるというふうに思っておりますので、是非、その意味では、いわゆる耐久性を向上させて安全性が認められた自転車については、この身長、体重の上限そのものも緩和をしていくということはあってしかるべきだというふうに思っております。

 改めて、大臣、現在の想定は、どちらを今想定されているでしょうか。

あかま国務大臣 私の方から、先般、警察庁に対して、幼児の自転車同乗について、これをいかなる形にできるか指導したという話がありました。

 せんだって指導したという中にあって、どの形、どのパターンがいいのかというのは、現段階では、今見定めているわけではありません。ただ、冒頭、先ほど先生の方も、また私の方からも、自転車というものが極めて便利な乗り物として、日本にあってより生活に根差している中にあっては、より利用範囲が広いということは望むべき話なんだろうと思っています。

 とはいえ、先ほど申し上げたとおり、先ほど先生も、都市部と地方部だと交通事情だとか地域特性が違うので、どのような形がいいのか、いわゆる安全性の観点から。もちろん、それは先生がおっしゃっていた自転車の耐久性だとか安定性というものも加味しなきゃいけないし、それらを踏まえて、いかなる形で最大公約数を取っていくか、ここがこれからだというふうに認識しております。

泉委員 警察庁、改めて同じ質問をすると、恐らく大臣と同じ御答弁になると思いますから、あえて聞きませんけれども。

 今日、資料二、お配りをしております。この資料二は、令和七年度の高校生までの子供たちの平均身長と体重が男女別に記されているものとなっております。

 これを見ると、現在のいわゆるチャイルドシート、自転車の場合の子供のシートは二十四キロ以下、百二十センチ以下ということでいうと、二十四キロでいうと、男の子だと七歳のところで達してしまうわけですよね。女の子でもやはり、七歳で二十四キロ以下ということ、八歳になるともう上回ってしまうということになりますし、百二十センチということでいうと、やはり七歳で上回ってしまうということになるわけですね。

 ですから、八歳ぐらいまで乗せたいという御家庭もある中で、今の基準のままだと、どうしても七歳に行くか行かないかぐらいのところしか広げられることができないということになってしまう。だからこそ、単に現在の基準で年齢制限的なものだけ撤廃をして、基準は今のままですよでは、恐らくニーズに応え切れないのではないかと思います。

 もちろん、全てのニーズに応えられるものではないにしても、今ほど話をさせていただいたように、安全性、耐久性でメーカーがどこまでできるか、そして、製品安全の検査をどこまで通すことができるかということを最大限努力をしていただいた上で、この二十四キロ以下や百二十センチ以下というものについては、やはりもう少し拡大をしていくということを是非考えていただきたいと思っております。

 さて、資料にはないんですが、まさに平成二十一年から二十二年頃、幼児二人同乗用自転車というものが、ニーズが高まって、それが認められていった時代、経緯がありました。最初は前か後ろしか乗せられなかった子供たちを、前と後ろに乗せられるように変えていったというのがこの時代だったんですね。

 そのときには、経産省の管轄である財団法人自転車産業振興協会が、幼児二人同乗用自転車試作のプロジェクトを行って、そして、経産省、そして警察庁、関係団体、メーカーと議論をして、最終的には警察庁の委員会にその試作品を、どれが安全かというものを審査した上で案として送るということを、すばらしいことをやっているわけなんですね。

 このスキームを使って、当時は、例えば有名な、例えばと言っても社名を挙げるのもあれですから、有名な自転車メーカーさんも次々と試作品を作って、その試作品の安全性を確かめて、更に改良点を協議して、実現につなげたという取組があったわけですね。

 このスキームで検討を進めていくということは、大臣、可能だと考えますか。

あかま国務大臣 今委員が、メーカー名は挙げられないけれどもという話で、平成二十年度に検討会をといって、フレームが太くて、下の方についていて、前と後ろに幼児を乗っけて、それでも極めて安定な走行ができるという自転車を指しておられて。

 当時、あの時代よりも前というのはああいう自転車がなくて、恐らくママチャリの後ろにこういうのをくっつけて乗っていた時代からすれば、メーカー側のいろいろな努力、工夫、また安定性、耐久性の向上によってああいったことが実現したんだということを考えれば、そういった形というものもなくはないんだろうとは思っておりますが、いかなる形が利用者、また交通安全、また他の様々な要件と合致するのか。先ほども申し上げましたけれども、せんだって私の方で警察庁を指導をということでありましたので、どのような形がいいのかも含めてこれから検討がなされるというふうに理解しています。

泉委員 そうなんです。安定性という意味では、単に自転車のフレームということだけではなく、実は、例えば電動アシスト自転車、子供さんを乗せる場合ですと大抵つけられている御家庭が多いと思うんですが、このアシスト力、アシスト率というものも実は重要な要素でして、物や人を乗せた場合のこぎ出しが一番大変なんですね。そのこぎ出しのときに、くんと後押しをしてくれる、そのアシスト率、アシスト力が非常に安定性の鍵を握っていて、前回も、実はこれを変えているんですね。

 これを変えたことによって売上げが物すごく伸びたということもあって、スクーターを上回るだけの市場になっていったということもありました。ですから、これは産業の発展ということにも資するものであるという視点で是非取組を進めていただきたいと思います。

 実は、今、この資料三のところにある、三輪車タイプで後ろに幼児を二人乗せる、これはルール的には今オーケーなわけですが、ここがもしシートが二つではなく一つになり、小学生を乗せると、現時点ではなかなか認められないというような話になっているんですが、一方では、東京都の道路交通規則第十条(1)(エ)という、今日は添付はしておりませんが、それによると、三輪の自転車に、その乗車装置に応じた人員までを乗車させるときは、年齢制限なく人を乗せることができるというふうに書かれているように読める規則がございます。

 ですから、三輪の自転車にちゃんとしたシートを載せれば大人でも乗っていいという解釈になる文章があるわけですが、交通局長、これはそういう理解でよろしいですか。

日下政府参考人 お答えいたします。

 御指摘の東京都道路交通規則の規定でございますけれども、これにつきましては、この乗車装置、これは道交法にも同様に乗車装置という規定がありますので、これは乗車するための、乗車のために設けられた座席を意味しまして、それに乗車装置に応じた人員、例えば、一人用の乗車装置であれば一人を乗車させることが認められることとなります。

泉委員 これは大人もですよねというのと。

 具体的に聞きたい。乗車装置とは、何か審査を受ける必要があるんですか。それとも、これが乗車装置ですよと三輪自転車の保有者が言えばいいんですか。

日下政府参考人 お答えいたします。

 道路交通法令上は、乗車のために設けられた座席のことをいいまして、何らかの基準が具体的に決まっているとかそういうものではございません。

 他方で、例えば業界でそういう自主的な基準があれば、より安全に資するものであるなというふうに考えている次第でございます。

泉委員 ここ、やはり皆さん、不思議だと思いませんか。子供さんを乗せる、子供の体重まですごく何キロ単位で気にしながら、一生懸命親たちは頑張っている。一方で、三輪自転車に例えば家にあるテーブルの椅子を載っけても、今の話だと、特段基準はないのでいけますという話になっちゃうわけですよ、しかも大人が乗れますという話になっちゃうわけですよ。これは矛盾ですね、矛盾です。

 今のルールでいけば、そういう意味では、東京都内においては、少なくとも三輪自転車の後ろに何らかの椅子を載っけて、そして大人でも子供でもそれに乗ることができるということになっているということですから、それに従って様々な商品が開発をされるということになるのだろうなと思いますが、解釈としてはそういう解釈であるということがよく分かりました。

 この辺も、恐らく市場が整ってくれば、とはいえで、安全な乗車をするためのシート、シートが例えば途中で外れたりしないようにだとか、ぐらついたりしないようにだとか、そういうこともいずれ出てくると思いますけれども。そういった、子供さんを、その意味では三輪自転車であれば小学校高学年でも乗っていいというのが今の東京都のルールであるということが、今の交通局長の御答弁で明らかになったということになります。

 このようなことで、一方で、基準がないというのは、大臣、ちょっと不安ですよね、さすがにね。後ろにぽんとキャンプで使うような折り畳み椅子を載っけてもいいみたいな話だと、果たしてどうなのかなと思います。

 その意味で、この三ページ目の写真に載っている自転車を開発をしている方で、自転車問題に取り組んでいる中原さんという方がおられて、この方が、キャリアサイクルという概念を、規格をちゃんと作るべきだという話をしています。この三ページ目の資料の写真の左側の2のところですね、人を乗せることを目的としたキャリアサイクルの規格作りということを是非やるべきじゃないのかと。これは非常に前向きな提案だなというふうに思います。

 今ほどお話をしたように、二輪の自転車については、随分と法規が行き届き、また安全基準も行き届き、厳格に現時点で定められているし、私はそれを、強度に伴ってもう少し緩和をしていっていいんじゃないかという話を今日させていただいておりますけれども、一方で、三輪自転車においては、まだそういった基準が明確になっていない中で、大人でも高学年でも高校生でも後ろに乗れますよというような状況になっております。

 ここに書いてあるとおり、人一人が自転車に乗るための、要は運転する人一人が乗るための自転車ということについては、まず厳格にルールがあり、そこから派生した形で、子供を乗せるという発想で枝が伸びていっているんですが、そもそも、人を乗せる、誰かもう一人別な人を後ろに乗せるという発想の自転車というものについて真剣に考えた方がいいんじゃないですかと。場合によっては、御高齢のお父さん、お母さんを乗せたいという方もあるかもしれない。いろいろな用事で自転車の後ろにちゃんと人を乗せたい。ルール違反をしたいわけじゃない、青切符を切られたいわけじゃないんですよ。ちゃんと人を乗せたい。

 そういう中で、東京都は既に人を乗せてもいいですよというルールになっているのであれば、むしろ、それは全国の各都道府県の公安委員会でも共有をしていただいて、このキャリアサイクルという考え方を是非検討していただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

あかま国務大臣 自転車、その形態であるとか性能、安定性等々は日々進化しているものと思っております。

 もちろん、我々警察行政を担っている立場からすれば、やはり事故であるとかが起こらないように、他方で、委員がおっしゃるとおり、いかにこの便利な乗り物というものが広範に使われることによって、国民生活がより向上するということに資するならば、それを阻害するものではありません。

 その意味では、是非そういったことも踏まえながら、いかなる形のルール作りができるのかも踏まえて検討を加えてまいりたい、そう思っております。

泉委員 大臣、キャリアサイクルというこの言葉、是非ちょっと警察庁内でも共有していただいて、そして、その考え方でやっていけるかどうかということを具体的にお考えいただきたいということをお願いをして、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

山下委員長 次に、川裕一郎君。

川委員 参政党の川裕一郎です。よろしくお願いいたします。

 まず、地元石川県及び全国の不登校の現状を共有した上で、不登校が大人の引きこもり、さらには八〇五〇問題、九〇六〇問題へと連なっていく構造的課題について質問させていただきます。

 石川県では、二〇二四年度、小中学校の不登校児童生徒が七千四百三十二人、高校では一千五百二十六人となり、いずれも過去最多を更新しました。前年度から小中学校だけでも四百十九人増加をしており、小中高生合わせると約九千人もの子供が年間三十日以上学校に通えていない状況であります。

 全国に目を向けても、文部科学省の調査によれば、二〇二四年度の小中学校の不登校児童生徒は三十五万三千九百七十人と、十二年連続で過去最多を更新しています。小学生は十三万七千七百四人、中学生は二十一万六千二百六十六人、児童生徒の全体の三・九%、つまり小中学生の二十六人に一人が不登校という、もはや例外ではなく身近に起こり得る、そういう水準に達しています。

 一方、内閣府の調査では、十五歳から六十四歳の広義の引きこもりは約百四十六万人と推計されています。これは、同年代人口のおよそ二%、五十人に一人に相当し、その中には不登校や中退、就労のつまずきなどをきっかけに、長年にわたって社会との接点を失ってしまった方々も多数、数多く含まれています。

 そして、現在、親が八十代、子が五十代の八〇五〇問題、親が九十代、子が六十代の九〇六〇問題と呼ばれるこういう世帯では、親子共に高齢化をし、生活困窮や孤立、親亡き後の不安が一層深刻化しております。介護と引きこもり、年金と生活費、老朽化した自宅の問題など複数の困難が幾重にも重なり、一家庭だけでは到底解決できない状況に置かれています。

 本来であれば、安定した就労を通じて所得税や住民税を納め、社会保障財政を支える側に立っていたはずの人たちが、適切な支援につながれないまま長期の不登校や引きこもり状態となり、結果として生活保護などの公的扶助に頼らざるを得ない状況に追い込まれているのが現実であります。これは、一人一人にとっての人生設計の破綻であると同時に、本来は納税者であったはずの人々が給付の受け手とならざるを得ないという意味で、国家財政と社会保障制度にとっても二重三重の損失であると思います。

 私は、この問題を、不登校、引きこもり、八〇五〇問題、九〇六〇問題を別々に扱うのではなく、一つの連続した構造的問題として捉える必要があると考えています。子供の段階のつまずきが、適切な支援につながれないまま時間だけが経過をし、やがて中高年の引きこもり、さらには親子共に行き場を失う八〇五〇、九〇六〇問題へと連なっていく、その流れをどこで断ち切るのか、どこで支え直すのかという、人生全体を見直した視点が今最も求められているのではないでしょうか。

 その問題意識に立って、以下、順次質問をさせていただきます。

 まず、不登校から大人の引きこもり、そして八〇五〇、九〇問題へと至る連続した課題として、認識について伺います。

 石川県では、小中高生合わせて九千人の子供、若者が、年間三十日以上学校に通えていません。全国でも不登校、小中学生は三十五万人を超え、小学生は十年前の約五・五倍、中学生はおよそ二・二倍に増加をしています。これは、単に学校現場だけの問題ではなく、将来の就労、地域社会、さらには社会保障財政にまで影響を及ぼす長期的かつ構造的な課題です。若い頃の不登校や学校不適応が、その後の就労困難、人間関係の孤立につながり、一部は大人の引きこもり状態へと移行しています。そして、その延長線上に、親子共に高齢化し、支え合うことすら困難になった八〇五〇、九〇六〇問題があります。

 そこで、伺います。

 政府として、不登校から引きこもり、八〇五〇、九〇六〇問題に至るまでを一つの連続した社会課題としてどのように認識をしているのか、また、それを単なる個別の問題ではなく、地方の実態も含めた構造的危機としてどの程度の規模と深刻さで捉えているのか、可能な限り具体的なデータや分析を交えてお示しください。

成松政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘の不登校などを契機として引きこもりに至っている方々、先ほど先生からもデータをいろいろと御指摘いただきましたけれども、そういった方々の背景、心情は当事者ごとに様々であると思いますけれども、こうした方々の中には、何らかの生きづらさを抱え、引きこもり状態に至っている方もいらっしゃるというふうに推察しています。

 引きこもり状態の方には、孤独、孤立状態に至るリスクもあるほか、また、孤独、孤立状態に至ることで、抱えている問題を深刻化させてしまうおそれがあり、予防的な観点を踏まえた幅広い支援が必要だというふうに考えています。

 こうした認識に立ちまして、文科省あるいは厚労省などの関係省庁におきまして、不登校になっている方々の福祉分野との連携した支援、引きこもりの方々へのライフステージに応じた支援など、様々な取組が進められていると承知しております。

 また、内閣府におきましても、政府を挙げて、先ほど申し上げた孤独、孤立の予防に取り組んでいく観点から、孤独・孤立対策の重点計画に引きこもりの方の支援策も盛り込むなど、関連する取組を政府全体として推進していくということにしております。

川委員 連携をして対応しているということですけれども、不登校の子供たち、また引きこもりの方々も年々増えているということであれば、それがしっかりと機能していないのではないでしょうか。

 一問飛ばさせていただきます。次に、若者の、若年層の引きこもりについて質問させていただきます。

 内閣府の調査では、十五歳から六十四歳の広義の引きこもりは百四十六万人と推計されていますが、そのうち国や自治体の支援機関につながっている人は一部にとどまります。さらに、その中で実際に就労や社会参加に至った人数や割合について、国として十分に可視化されているとは言い難い状況であると思います。

 そこで、お伺いします。

 現在、国や自治体の支援機関につながっている人数、そのうち就労、社会参加に至った人数を政府はどの程度把握をしているのか、また、相談、居場所、訓練、就労、定着支援まで切れ目なく支えるステップアップ型支援を全国標準として整備をする考えはあるのか、モデル事業や時限的な補助金にとどめるものではなく制度としてしっかりと位置づけるためにどのような財政措置と制度設計を考えているのか、成果指標も併せてお示しください。

伊澤政府参考人 お答えいたします。

 御指摘の、支援機関につながっている引きこもりの方の人数や、そのうち就労、社会参加に至った人数について網羅的に把握はしていないところでございますけれども、相談窓口の一つであり、引きこもり支援に特化した支援機関であります、ひきこもり地域支援センター等における平成六年度の相談件数は延べで約二十五万件、それから相談の実人数は約四万人でありまして、自治体における相談環境の整備を進めておりますけれども、これに伴いまして近年増加傾向にはございます。

 引きこもり支援の対象の方は、社会的に孤立、孤独を感じたり、様々な生活上の困難を抱え、家族を含む他者との交流が限定的でもあるという状況であることから、幅広い支援が必要だと我々も考えております。

 このため、ひきこもり地域支援センター等において、相談支援、居場所づくりや地域のネットワークづくりなどを関係機関と協力して実施しているほか、各自治体におきまして、引きこもり支援担当部局が中心となって教育機関や就労支援機関など地域の多様な関係機関と連携する市町村プラットフォームを設置し、一人一人の状況に応じたオーダーメイドの支援を行う仕組みを推進しております。令和六年度末時点で千三百五十四自治体が設置済みとなっております。

 さらに、長期にわたり無業の状態にある若者等に対しては、全国百七十九か所に設置している地域若者サポートステーションを拠点として、職業的自立に向けた就労支援に取り組んでおります。

 いろいろ御指摘頂戴しました。引き続き、関連機関と連携しながら、切れ目のない支援体制の構築にしっかり取り組んでまいりたいと考えております。

川委員 様々な対応をされている中で、引きこもりの方々との接点を持ち、対応もされているということでしたけれども、政府の認識としては、先ほどの答弁であれば、合わせて二十九万人の方々ということでありました。全国で百四十六万人の引きこもりの方々がいると推定をすると、全然、百万人以上の方が本当に孤立になっているという状況であろうと思います。

 次に、中高年の引きこもりと、八〇五〇、九〇六〇世帯への包括的な支援について伺います。

 これらの世帯では、親の介護や医療、子供の長期の引きこもり、生活困窮、住まいの老朽化、親亡き後への不安など複数の問題が同時かつ長期に発生をしています。

 従来の縦割り行政では対応し切れずに、どこに相談してよいか分からない、相談してもたらい回しにされるという家庭も少なくありません。こうした複合的な課題に対応するために創設されたのが、いわゆる断らない相談支援を掲げる重層的支援体制整備事業であります。しかし、その実施自治体はいまだ全国市町村の約二割にとどまっています。制度はあるが、しかし広まっていない、これが現状であると思います。

 ここでお伺いをします。

 福祉、医療、介護、住まい、就労、法律相談まで一体的に扱う包括的相談体制を国として本気で機能させるのであれば、八〇五〇、九〇六〇世帯のような複合的な困難を抱える世帯を救済するために、重層的支援体制整備事業を現在の任意事業から全国市町村で義務的実施へと格上げをし、必要な財政措置と人員配置、基準を国として明確に定めるべきと考えますが、所見を伺います。

 あわせて、生活保護に至る前段階から家計支援や住まいの支援、さらには親亡き後を見据えたグループホーム、公営住宅、成年後見人制度などを組み合わせた支援パッケージをどのように構築をしていくのか、中長期的なビジョンと具体的な制度設計の方向性をお示しください。

伊澤政府参考人 お答えいたします。

 まず、ちょっと一点訂正でございます。先ほど相談件数を申し上げるときに、私、平成六年度と申し上げてしまいましたけれども、令和六年度の間違いでございました。申し訳ございません。訂正させていただきます。

 その上で、御質問に対してでございます。

 御指摘いただきました重層的支援体制整備事業、こちらの方は、各分野の制度、機関の対応力の強化と制度、機関間の連携強化の促進事業でございまして、市町村、地域住民、支援関係機関、支援関係者などの間で十分な議論を行いまして、丁寧に共通意識の醸成を図ることが事業の円滑かつ効果的な実施のために必須のプロセスであると考えておりまして、そういった観点から、実施の準備が整った市町村から事業を開始する仕組みと現在しております。

 また、御指摘も頂戴しましたけれども、重層的支援体制整備事業の実施状況でございますけれども、令和七年度におきまして、特に、人口一万人未満の自治体で九・二%、それから一万人以上三万人未満で一七・九%といった状況になっておりまして、やはり小規模市町村において実施率が低く、また、自治体へのアンケート調査を行いましたが、事業を実施できていない理由として約七割の自治体が、実施するための人員が不足している、こういう回答をいただいております。

 こうした状況を踏まえますと、この重層事業ですけれども、引き続き、市町村が地域の実情に応じてまずは実施の要否を検討するといった形の任意事業とすることが、現段階では適当ではないかと考えておるところでございます。

 一方で、委員御指摘いただきました生活保護に至る前段階からの支援につきましては、福祉事務所設置自治体に実施義務のあります生活困窮者自立支援制度では、生活にお困りの方からの相談を包括的に受け止めまして、住まいに関する支援や家計改善、就労支援など、状況に合わせたきめ細やかな支援を行う仕組みを構築しているところでございます。

 厚生労働省としましては、地域の実情に応じた様々な手法を提示することが大事だと考えておりまして、先ほど申し上げました既存の生活困窮者自立支援制度、介護保険制度などの既存制度の対応力強化、連携強化はもちろんのこと、御指摘の重層的支援体制事業に加えまして、現在国会で御議論いただいております法案で新たに小規模市町村向けの事業を創設することとしておりますので、これらも活用いただきまして、二〇四〇年までに全ての市町村において包括的な支援体制が整備されるように、引き続き必要な取組を進めてまいりたいと思っております。

川委員 二〇四〇年までにということと、先ほどの重層的支援に関しては小さな自治体では人員的ということでできないということですけれども、そこに対してやはり政府がしっかりと人員配置をできるような予算を整備する必要があると私は思います。お願いをいたします。

 一問飛ばさせていただきまして、最後に大臣に質問させていただきます。最後に、縦割りを超えた支援体制について大臣にお聞きします。

 現在、不登校は文部科学行政、若者支援はこども家庭庁、中高年の引きこもりは厚生労働行政という、ライフステージごとに支援が分断されています。その結果、本人の人生という連続した時間軸から見ると、支援が途中で切れてしまい、子供の頃の情報や支援履歴が大人になってから生かされていないという問題が起きています。

 そこで、お伺いをします。

 政府として、不登校段階から大人の引きこもり、八〇五〇、九〇六〇問題に至るまでを一貫した人生トータル支援ラインとして捉え直し、省庁横断で支援情報を連携する仕組みを構築する考えはあるのか、個人情報保護に十分配慮した上で、本人同意の下、支援履歴を引き継ぐ縦串型支援の具体的な枠組みについて、現在の検討状況と今後の方向性をお示しください。

黄川田国務大臣 お答えいたします。

 不登校などを契機として引きこもりに至っている方については、切れ目なく支援につなげていく観点から、当事者の抱える課題に応じた必要な情報共有や支援が行われているものと承知をしております。具体的には、文科省の取組として、スクールソーシャルワーカーが、不登校の方について、必要に応じて福祉、医療といった関係機関との連携を図っております。

 そして、省庁連携という観点からは、厚生労働省が行う引きこもり支援に係る市町村プラットフォーム事業が実施されておりまして、そこでは、教育委員会や就労支援機関等の関係機関が緊密に連携し、当事者一人一人の状況に応じたオーダーメイドの支援が年齢を問わず行われるなど、切れ目のない情報共有や支援がなされているものと承知をしております。

 内閣府においては、例えば、不登校や引きこもりの方の孤独、孤立の予防等の観点から、孤独・孤立対策重点計画において、不登校や引きこもりの方への支援策を孤独・孤立対策の重点施策の一つとして位置づけております。引き続き、この重点計画にのっとりまして、省庁横断的に、関連する取組を推進してまいりたいと考えております。

川委員 答弁ありがとうございました。

 横断的にされているということですけれども、やはり実態を考えてみると、子供の頃は文科省の担当の中で各不登校の子供たちにアクセスがあるんですけれども、逆に、大人になってしまうと、自分から情報を取りに行かないとなかなか助けてもらえないという部分があると思います。

 是非とも、これは本当に社会問題であると思いますし、今、百四十六万人という引きこもりの方々、しっかりと社会に出ていただく、出られない方もいらっしゃると思いますけれども、出ていただくということが、この国にとって、未来にとって、本当につながっていくと思いますので、是非とも、やれることをしっかりとまた御検討いただきたいと思います。

 これで質問を終わります。ありがとうございました。

山下委員長 次に、高山聡史君。

高山委員 チームみらいの高山聡史です。

 今日は、AIの進化に我が国がどのように対応していくかをテーマにいろいろと御質問させていただきたいというふうに思います。

 昨日発表されたG7財務大臣・中央銀行総裁会議の共同声明でも、新たな課題として大きく取り上げられたのが、クロード・ミュトスを始めとする最新のAIがもたらすリスクへの対応です。AIが悪用されるリスクにどう向き合うか、これは、我が国だけではなく、国際的に見ても最重要の課題であり、政府の取組方針について伺っていきたいというふうに思います。

 まず、木原官房長官にお伺いいたします。

 AI技術の急速な進化により、サイバー攻撃だけでなく、偽情報、誤情報への備えの重要性が増しています。悪意のある主体、悪意のある外国勢力が認知戦をしかけようとしたときに、これまでにない物量とクオリティーで攻撃できるようになるわけで、大きな脅威が迫っているというふうに考えます。

 私は、この変化の激しい時代に、正確な情報が国民にきちんと届くこと、そして国民の声がきちんと政治に届くことを担保することが大変重要なテーマだと考えています。声が届くことは民主主義の基本であり、AI時代の今こそ、安全保障、経済安全保障と並ぶ、国の根幹に関わる課題になっているというふうに思います。

 特に、認知戦が人々の不信感や不安感を増幅させる形で展開される中で、政府や立法府からの発信だけではなく、国民の声を政府や立法府が受け取るプロセスにデジタル技術を活用していくことが重要ではないかと考えます。国民が政治や行政に意見を届ける方法は、日々の直接の対話だけでなく、SNSや情報提供フォーム、パブリックコメントなどでの意見表明、選挙に至るまで様々ありますが、それらを通じて声が届く実感を国民が持てるようにすることこそが民主主義を支える力になるのではないかと思います。

 そこで、木原官房長官に伺います。

 技術の進化に合わせて民主主義も防御や深化を進めていく必要性を官房長官はどのように認識しておられますでしょうか。また、政府のスポークスパーソンであり、各省庁の情報のハブでもあるお立場も踏まえて、国民への発信、国民からの声を受け取る仕組みに対して、デジタル技術を活用しながら双方向のサイクルを回していくような取組の整備を進める方針はあるか、御見解を伺います。

木原国務大臣 今委員の御指摘になったとおり、近年の特にAI技術の急速な進展によりまして、サイバー攻撃や偽情報の拡散、また外国からの影響工作といった様々な脅威が増してきており、我が国にとっても安全保障上の脅威であるとともに、公正な選挙の確保といったような民主主義の根幹を脅かすものである、そのような認識を持っているところです。

 こうした認識の下で、サイバーセキュリティー対策の強化、偽情報の対策といった、委員の言葉をかりれば、民主主義の防御のための取組というのは、政府を挙げて進めているところです。

 また、私自身は政府のスポークスマンという立場でもございますが、毎日の会見などを通じまして、そういった民主主義の基盤となる正確な情報の発信に努めているところです。

 さらに、例えば、パブコメの話もありましたが、今、パブコメで寄せられた意見の集約等にAIを活用しておりまして、国民の皆様の様々な声を効率的、効果的に行政に反映させるための取組なども進めております。

 その上で、今の委員の御意見というのは、私が今申し上げたような取組を更に超えて、民主主義インフラを整備し、民主主義そのものの深化を進めるべきものというふうに理解をいたしました。

 この点、まず、国会は、国民の皆様の様々な声を代表して、これを国政に反映させる役割を担う機関であり、委員御指摘のような、新たな技術を活用した民主主義インフラの整備といった問題については、国会において各党各会派が十分に御議論いただくべき事柄である、そのように認識しております。

 いずれにしましても、政府もまた、先ほど申し上げたような民主主義を守るための様々な取組を、政府としてもしっかりと進めてまいりたいと存じます。

高山委員 ありがとうございます。

 国会でも、DXであるとか、この国会で話されている議論がどういう意味を持っているのか。ここで話す法案は、国民にとって分かりやすいものもあれば、ややこしい、直感的には分かりづらいものもございます。これらがしっかりと世の中に届いていく、そういった仕組み、そして国民からの声をここにきちんと届けられている、そういったものに私としてもしてまいりたいというふうに思います。

 官房長官におかれましては、御退席いただいて結構でございます。ありがとうございます。

山下委員長 官房長官は御退席されて結構です。

高山委員 次に、小野田大臣に伺います。

 アンソロピック社のクロード・ミュトスの登場以来、アンソロピック社、オープンAI社などのフロンティアAI開発企業は、国がきちんと戦略的に対話、交渉して、例えば最新のモデルに早期アクセスを得る、サイバー脅威に関連する情報を得るなど、海外の民間企業でありますが、いわば外交相手の一つのようにしっかり向き合っていくべき存在となりました。

 既に何度か御質問させていただいている論点でございますが、これは我が国の経済安全保障そして安全保障の面でも非常に重要な意味合いを持つわけですが、交渉の成果をきちんと得るためには、逆に、フロンティアAI開発企業から見ても、我が国政府がカウンターパートとしてきちんと向き合うべき相手だとみなされるような体制で対する必要があるというふうに思います。

 そこで、小野田大臣に伺います。

 アンソロピック社、オープンAI社などのフロンティアAI開発企業との戦略的対話において、フロンティアAI開発企業とのカウンターパートとしてどういったことが必要であるとお考えでしょうか。特に、内閣府及びAISIの現状、あるいは目指す姿からのギャップも踏まえて、必要な交渉を進めていくために何を強化していくべきか、大臣のお考えをお聞かせください。

小野田国務大臣 いわゆるフロンティアAIと呼ばれるような高性能AIモデルについては、サイバー攻撃に悪用されるなど様々なリスクがあると認識しております。そのため、こうした高性能なAIを開発する企業と緊密に情報交換や対話ができる関係を構築しておくことが重要であると我々も考えております。

 特に、こうした高性能なAIについては、リリースされる前に、我が国のAISIが先行的に開発企業からアクセス権を得て悪用可能性など安全性を評価し、問題があれば改善を求めることや事前に対策を講じることができるようになることが重要だと考えております。そのため、開発企業が、新たに開発したAIモデルを我が国のAISIに先行的に評価してもらうことが自らにとって価値があるというふうに捉えていただける状況をつくることが重要でありまして、そのためにはAISIの実力と実績を高めることが重要だと考えています。こうしたことから、AISIの抜本的な機能強化が必要でありまして、喫緊の課題として現在取り組んでいるところです。

 いずれにいたしましても、内閣府としては、関係省庁と連携しながら、信頼できるAIの実現に向けて、フロンティアAI開発企業と引き続き必要な対話を行ってまいりたいと考えます。

高山委員 ありがとうございます。

 是非しっかり取り組んでいただきたいと思います。

 先行するイギリスのAISIなどと比べると、人員で見てもまだ桁が違うというようなところはあるかと思います。予算や人員に関する強化はもちろんですが、それらに基づいて、機微情報の取扱体制、セキュリティークリアランス、公開できないようなモデルを評価するための計算基盤、モデル評価のメソッド、いろいろあるわけですが、先ほど外交相手の一つのようにと述べさせていただきましたが、通常、外交であれば、相手国の論理、政策動向、相対する政府の組織文化、人脈などを深く理解した専任のチームを置くようなものだと思います。

 フロンティアAI開発企業に対しても、相手方の研究戦略、モデル開発のロードマップ、組織文化などを継続的に追い、その対話の蓄積を組織知として残していく必要があるというふうに思いますので、是非そういった体制で政府には向き合っていただきたいというふうに思います。

 追加で政府参考人に伺いたいのですが、現在、内閣府、国家サイバー統括室、AISIなど、様々な省庁の担当者あるいは部局の担当者が各社と向き合っておられるというふうに思いますが、これらは、もちろん、それぞれ内容に応じて情報はきちんと取り扱っていただいておると思いますが、政府としてその対話の蓄積を組織知としてきちんと残していくような体制があるというふうに考えてよろしいでしょうか。

門松政府参考人 お答えいたします。

 今の御質問は、組織として情報をきちんと残せというふうに理解をしたのですが、当然にその必要性はあると思いますし、やりますが、一方で、例えばクリアランスなりを持っている議論とか、経済安保であれば、ニード・トゥー・ノウの原則というのは絶対に重要ですよね。知っちゃいけない人は知らなくていいんです。といったところも含めて組織をきちんとつくっていることが必要なので、言えること、言えないこと、守るべきこと、公表すべきこともきちんと区分けしながら、制度に基づいてしっかり対応してまいりたいということでございます。

 また、関係府省とは常に連携を取りながら、しっかり対応しているという状況でございます。

高山委員 ありがとうございます。

 この場でお伺いして、答えられないことがたくさんある領域だと思います。きちんと整備いただくことを期待しております。

 続いて、松本大臣にお伺いいたします。

 まず、今週発表されました政府全体のサイバーセキュリティーの対策パッケージ、プロジェクトYATAシールド、これが取りまとめられ発表されたことは、率直に前向きに捉えたいというふうに思います。関係された方々の御尽力に敬意を表すとともに、一層頑張っていただきたいと思います。

 政府としても御認識いただいていると思いますが、クロード・ミュトス相当の品質のオープンモデルの登場、つまり、悪意のある主体、悪意のある外国勢力がこれまでにないサイバー攻撃能力を保有する事態が生じるまで、早ければ数か月程度という予測もございます。本日冒頭に申し上げたG7の議題にもあるように、国家のサイバーセキュリティーは今大きな脅威に直面しています。

 一方で、これに相対する例えば政府においても、予算編成、人事採用、調達手続などは、いずれも通常、年単位のサイクルが基本であると承知しています。クロード・ミュトスの登場以来、サイバー攻撃の脅威が増すスピードと、もちろん柔軟に対応いただいていると思いますが、政府や民間の対応スピードとのギャップが、サイバー対処能力構築の最大のボトルネックとなる懸念があります。

 そこで、松本大臣に伺います。

 数か月単位で進化していく脅威と年単位の政府の通常の計画プロセスの時間軸、これが非対称であることについて、政府としてどのように認識しておられますでしょうか。また、サイバー領域における緊急的、機動的な予算配分枠の設置、サイバー専門人材の通年あるいは好待遇の採用など人材採用における特例、計算基盤や評価ツールに係る調達に関する特例などなど、そういった必要性について、大臣の見解をお聞かせください。

松本(尚)国務大臣 ありがとうございます。

 今般のミュトスの問題については、四月の七日だったと思うんですが、公開直後からNCOと相談をしながら、NCOは実際に各国の政府あるいは米国のビッグテックも含めて水面下で緊密にやり取りをした上で、総理の指示の下に、今般、プロジェクトYATAシールドを発表したところでございます。

 発表しただけではなくて、頻繁に実施状況について追っかけていかなきゃいけないということも思っております。遅滞なく、これについては対処をすることをお約束申し上げたいと思います。

 今議員御質問のとおり、いわゆる数か月単位で脅威が進化しているのと、我々が年間の計画を取って、それから年間で予算を取って、そういったところと、非対称で追っかけていけないじゃないかという御懸念だと思いますが、我々が持っている、AIに関する、あるいはそれを取り巻くサイバーセキュリティーに関する計画というのは、臨機応変に対応してはならないということは決してございません。

 ですから、今回のような、突発的にいろいろな事象が起こってくる、これからもたくさん起こり得ると思いますが、それについてはしっかりと対応しますし、予算についても、必要であれば政府予備費を使うなりなんなり、いろいろなところでお金を取ってきてやるということは可能でございますから、我々としては、時間軸の非対称については特段問題はないのかなというふうには思っています。

 それからもう一つ、人材採用とか調達の特例など。特例というものをこういった事態に対してどの程度設けておくかということはこれから議論してもいいと思いますが、国家公務員制度担当大臣としては、中途採用というのは頻繁にやっていますので、そういったものも活用しながら、こういった事態に対しては臨機応変に、迅速に対応できるように努力していきたいと思います。

 ありがとうございます。

高山委員 ありがとうございます。

 もちろん、予算や人事に係ることでございますから慎重な検討自体は必要だと思いますが、こういった論点の提起というところは拙速を貴ぶことも可能であるかと思いますので、引き続きいろいろと議論させていただきたいと思います。

 これで私の質問を終わります。

山下委員長 次に、野村美穂君。

野村委員 国民民主党の野村美穂です。

 本日も質問の機会をいただき、ありがとうございます。

 四月八日の内閣委員会におきまして初質問の機会をいただき、男女共同参画と女性活躍、性犯罪、性暴力被害者支援、障害者施策など、幅広く質問をさせていただきました。本日は、その際に十分掘り下げることができなかった女性の健康課題である更年期症状を中心に、より深く質問をさせていただきたいと思います。本日は、大きく二つのテーマ、全部で九点の質問を予定しております。よろしくお願いいたします。

 まず初めに、若年層の性暴力被害予防月間の取組についてお尋ねします。

 前回の質問で、被害者支援は重要な施策で、より手厚い支援が必要ではあるものの、被害がなくなるわけではないので、加害者をなくす取組が必要であると述べ、どのような取組をされているのかとお尋ねをしました。関係省庁が連携して、毎年四月の若年層の性暴力被害予防月間などを通じて強力に啓発を推進しているとの答弁をいただきました。

 そこで、お尋ねします。

 今年の四月の予防月間では、具体的にどのような啓発活動を実施されたのでしょうか。対象とした年齢層や使用した媒体など、できるだけ詳しく教えてください。また、環境が変わることの多い四月の時期に行っているようですが、環境が変わることが予想できる時期である三月から始めた方がよいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

岡田政府参考人 お答え申し上げます。

 政府では、入学、就職等に伴い若年層の生活環境が大きく変わり、被害に遭うリスクが高まると考えられる四月を若年層の性暴力被害予防月間と定め、性暴力防止の啓発や相談先の周知などに取り組むこととしております。

 今年度の本月間では、若年層が身近な関係性の中で無自覚に加害行為をしてしまったり、性暴力被害に遭ったりすることについて注意喚起し、加害につながる行為の予防を啓発するため、駅など人目につきやすい場所へのポスターの掲示、全国全ての高校、大学や自治体などへのポスターなどの配付、啓発動画の作成、SNSによる発信などの取組を行ったところでございます。

 また、例年、本月間が開始する前からウェブサイトへのポスター等の掲載やSNS等による発信等を行っており、本月間などを通じて、性犯罪、性暴力が重大な人権侵害であること、同意のない性的な行為は性暴力であるという認識が社会全体で共有されるよう、啓発を推進しているところでございます。

 引き続き、関係省庁や地方自治体等とも連携しながら、しっかりと広報啓発を行ってまいります。

野村委員 御答弁ありがとうございました。

 啓発動画を作られているということですので、是非それが一人でも多くの方に届くような発信を引き続きお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

 続いて、大きく二つ目のテーマである女性の健康課題と更年期症状についてお尋ねします。

 なぜ今この問題を取り上げるのか、それには三つの理由があります。

 一つ目の理由は、女性の健康課題、とりわけ更年期の問題は、個人が我慢すべき問題だと思われがちですが、社会全体で取り組むべき課題であると考えるからです。

 経済産業省の推計では、月経随伴症、更年期症状、婦人科のがん、不妊治療という四つの健康課題による労働損失等の経済損失は、社会全体で年間三・四兆円にも上ります。これは決して一部の人だけの問題ではありません。

 そういう中で、皆さんは、更年期障害と聞いて、どのような印象を受けられるでしょうか。女性特有の症状だと思われましたでしょうか。実は、更年期症状は、女性だけではなく男性にも起こる症状であることを御存じでしょうか。だからこそ、男女共に正しく理解し支え合うべき国民的健康課題だと思い、本日ここでの質疑をきっかけに、皆さんと課題共有ができ、理解が深まることを期待しております。

 二つ目の理由です。労働力確保という喫緊の課題と密接に関わっているからです。

 人口減少が進む中、更年期症状によって離職や勤務時間の短縮を余儀なくされる方は少なくありません。更年期症状があっても働き続けられる職場環境を整備することは、個人の尊厳を守るだけでなく、貴重な労働力を社会に保持する観点からも極めて重要だと考えます。

 三つ目の理由は、これは、知識と理解、そして適切な支援体制によって改善できる問題だからです。

 更年期についての正しい知識を学校教育や社会教育を通じて男女共に学ぶ機会を設けること、職場での理解を深めること、適切な医療体制につなぎ、医療体制を整えることで、多くの方々の苦しみを軽減し、社会全体の生産性を向上させることができると考えています。

 前回の質問で、女性特有の健康課題への対応について、第六次男女共同参画基本計画に基づく取組を確認させていただきました。しかし、更年期という課題については、まだまだ社会的な理解が不足しており、支援体制も十分とは言えません。更年期を国民的健康課題として明確に位置づけ、省庁横断的な取組を強力に推進していく必要があると強く感じております。

 それでは、女性の健康課題、特に更年期症状について、四点お尋ねします。

 一点目の質問です。前回の質問で、男女共同参画局から、性差医学に基づく健康を支援することが重要な課題であるとの御答弁をいただきました。性差医学に基づく健康とは、具体的にどのようなものを指すのでしょうか。お尋ねします。

岡田政府参考人 お答え申し上げます。

 私どもは、性差を考慮する医学に基づいて行う健康に関する支援と考えてございます。

 例えば、第六次の男女共同参画基本計画では、女性については、その心身の状態が年代や月経、妊娠、閉経等に伴う内分泌環境の変化に応じて大きく変化するという特性から、長期的、継続的かつ包括的な観点に立って健康の増進を支援すること、また、女性特有の疾患や、同じ疾患でも臨床的に男女で異なる疾病に専門的に支援を行う必要があることなどを盛り込んでございます。

野村委員 ありがとうございました。

 二点目の質問です。なぜ性差医学に基づく健康課題を解決をしなければならないのか、お尋ねします。

 前回、課題があることは御答弁いただきましたが、なぜその課題を解決しなければならないとお考えなのでしょうか。個人の健康問題にとどまらず、社会全体にどのような影響があるのか、労働生産性、経済的損失、社会保障費への影響など、どのような問題意識を持って取り組もうとされているのか、お聞かせください。

岡田政府参考人 お答え申し上げます。

 生涯を通じた健康の保持のためには、疾患の罹患状況や、健康の社会的決定要因とその影響が男女で異なることなどに鑑みて、性差に応じた的確な保健医療を受けることが必要であると考えております。また、先ほど委員御指摘になられましたけれども、女性特有の健康課題による社会全体の経済損失が三・四兆円とする試算もあるところでございまして、性差医学に基づく健康課題に取り組む必要があると考えております。

 第六次男女共同参画基本計画におきましても、女性の身体的、精神的な健康及び性差医学に関する調査研究を進めるとともに、性差に配慮した医療に関する普及啓発、医療体制の整備、女性の健康について包括的な支援施策を推進するなどといったことを盛り込んでございます。

野村委員 ありがとうございました。

 余り前回と御答弁が変わっていないような気がするのは私の気のせいかもしれませんけれども、またより深く質問していきたいと思います。

 三点目の質問です。更年期による労働損失の実態把握、国民的健康課題としての位置づけ、周知方法について、大臣にお尋ねをします。

 更年期症状は、男女問わず共通の健康課題です。個人の問題ではなく、社会全体で取り組むべき課題であると考えます。政府は、更年期症状による労働損失についてどのように実態を把握をしているのでしょうか。女性だけでなく、男性の更年期についてもお答えいただければと思います。また、更年期症状を国民的健康課題と位置づける必要があるのではないかと考えておりますが、いかがでしょうか。国民的健康課題として位置づけていくためにも、自治体や企業へ広く周知する必要があると考えます。どのように周知をしていかれるのでしょうか。その際には、通知だけでなく、対面での説明や検討を一緒に進めていただき、温度感を大切にしていただきたいと思いますが、大臣のお考えをお聞かせください。

黄川田国務大臣 お答えいたします。

 更年期症状による社会全体の経済損失は、年間で、女性では一・九兆円、男性では一・二兆円と推計されるとの試算があると承知をしております。更年期の男女は、職場や社会において多くの役割を担う年代でありまして、更年期障害への対応をしっかりと進めていくことは重要であると認識しております。

 更年期障害を始め性差に由来する健康課題への対応については、攻めの予防医療に向けた性差に由来するヘルスケアに関する副大臣等会議での議論も踏まえつつ、関係省庁が連携して、政府全体で国民の皆様に対し分かりやすくお知らせするよう努めていくものと考えております。

 さらに、国民への周知方法ということについては、例えば厚生労働省においては、働く女性の心とからだの応援サイトにおいて、女性が更年期に離職することなく働き続けるための情報発信を行っております。また、ウェブサイト、女性の健康推進室ヘルスケアラボにおいて、更年期の体や心に関する情報を簡易に調べ、情報を得ることができるようにしていると承知をしております。こうした情報を効果的に国民の皆様にお伝えしていけるよう、関係省庁が連携して、政府全体で情報の提供に努めるものと考えております。

 そして、男性の更年期についてでございますが、徐々にその認識は広まっているというふうに思っておりますが、先ほど委員がお話ししたように、やはり国民共通に正しい理解をしていくことが大切だというふうに思っております。国民一人一人が主体的に取り組んでいくべき重要なテーマとして捉えております。

野村委員 御答弁ありがとうございました。

 ということは、大臣も、更年期症状を国民的健康課題と位置づけていくという方向での認識ということでよろしいでしょうか。

黄川田国務大臣 更年期の問題については、やはり広く国民が認識していく課題だというふうに思っております。

 特に、私は女性活躍大臣であり男女共同参画担当大臣でございますので、先ほど来議論になっておりますが、やはり、どちらかというと女性の方が、いろいろな病気の、ホルモンのバランスによって、生涯的に患う可能性が高いというデータがございますので、男女共同参画の観点からは、まず女性の更年期をしっかりと理解してもらう、そして、男性もそういう障害が、更年期があるんだよということも理解した上で、男女共々そういう問題を乗り越えて、お互いが住みよい社会、また、共同で働きやすい社会にしていきたいというふうに考えております。

野村委員 ありがとうございました。

 課題感の共有をしていただけて、大変ありがたいことだと思っております。よろしくお願いします。

 それでは、次です。地方自治体と連携した支援体制についてお尋ねします。

 更年期症状に悩む方々が気軽に相談できる体制が必要であると考えます。医療機関に受診するまでもないが何となく不調が続くというような場合があるかと考えますが、女性の場合は、女性の相談窓口が自治体に設置されています。男性の更年期についての認識は極めて低く、適切な支援が届いているとは言えないのではないかと思います。

 地方自治体と連携した相談体制について、相談窓口の設置状況をどのように把握されているのでしょうか。また、相談体制が不十分な自治体に対して、どのような支援を行っているのでしょうか。

榊原政府参考人 お答え申し上げます。

 女性だけでなく、男性にも更年期症状などの中高年の健康課題があり、その対策は重要であると認識しているところでございます。

 厚生労働省では、男性も含め、更年期症状の知識等について国民への普及啓発を行っておりますほか、市町村が健康増進事業として健康相談を行う場合に補助の対象とするということを可能としているところでございます。引き続き、男性の更年期症状も含め、健康課題に関する国民の相談支援に努めてまいりたいと考えております。

野村委員 ありがとうございました。

 続いて、職場環境整備と企業支援、学校教育での指導について、三点お尋ねします。

 まず一点目、職場環境整備と企業への支援について。

 更年期症状があっても働き続けられる職場環境づくりは、労働力確保の観点からも重要です。現在、健康経営という、従業員の健康管理を経営的な視点で捉え、戦略的に実践する経営手法に注目が集まっています。そういう中で、大企業では、女性の健康課題対策や更年期症状対策を積極的かつ自主的に展開することは可能であると推測されます。しかし、多くの中小企業では、大企業と同様の取組を展開することは容易ではありません。

 経済産業省として、企業が従業員の健康課題を積極的に対策するように、どのような支援を行っているのでしょうか。特に女性の健康課題や更年期症状対策などの取組について、柔軟な勤務形態の導入支援、企業向けガイドラインの策定、好事例の共有など、お尋ねします。

江澤政府参考人 健康経営等についてお答え申し上げます。

 健康経営優良法人の認定に当たりましては、女性だけでなく男性の健康課題も含めて、職場における性差に基づく取組を評価対象としているところでございます。まず、女性特有の健康課題への対応に関しましては、従来より、更年期症状の改善に向けた支援の実施状況を評価対象にしているところでございます。さらに、昨年度からは、男性も含む更年期症状について、セミナー等を通じた従業員の理解促進や健康意識の向上を図る取組を評価対象として追加したところでございます。

 また、御指摘いただきました中小企業への支援でございます。健康経営の中小企業への拡大、非常に重要なテーマでございまして、セミナーの開催や事例集の作成などによる周知や、認定企業に対する補助金審査における加点措置、こういったインセンティブづけを、措置を行ってきたところでございます。

 経済産業省としては、引き続き、性差に基づく健康課題への対応や、中小企業による健康経営の取組の支援の強化を行ってまいりたい、このように考えております。

野村委員 ありがとうございました。

 文部科学省と、また企業支援プログラムについてお尋ねをしたかったんですけれども、時間の都合でそこの部分を割愛させていただきまして、最後になりますけれども、黄川田大臣に総括的な質問をさせていただきたいと思います。

 更年期の問題は、厚生労働省、文部科学省、経済産業省、内閣府など、複数の省庁にまたがる課題です。今回の質問をするに当たり、質疑通告には各省庁からたくさんの担当者にお越しをいただきました。そして、その現状をよく理解することができました。多くの省庁にまたがる課題ゆえに、省庁間の連携が十分だとは言えません。また、医療体制の整備と省庁横断的な取組について、更年期症状に対応できる医療体制は地域によっても大きな格差があると考えられます。また、更年期医療の質を向上させ、全国どこでも適切な医療を受けられる体制を整備することも重要だと思います。

 政府全体を俯瞰する立場から、省庁横断的な取組の司令塔として、黄川田大臣には、是非この更年期症状という国民的健康課題の解消を推進していただきたいと思います。大臣の御見解をお尋ねします。

黄川田国務大臣 更年期障害への対応については、厚生労働省において更年期症状についての普及啓発や医療領域を横断した考え方を整理するほか、経済産業省において企業による健康経営の推進、日本医療研究開発機構、AMEDにおいて性差を考慮した研究開発の推進、女性の健康総合センターにおいて女性特有の疾患の診療拠点の整備や研究、女性特有の疾患への理解を促進する情報発信などを行っているところでございます。

 引き続き、政府全体でこの更年期障害への対応をしっかりと連携して取組を進めていくことが重要であると考えまして、司令塔としての役割を果たしてまいりたいと考えております。

野村委員 ありがとうございました。是非よろしくお願いいたします。

 これで私の質問を終わります。ありがとうございました。

山下委員長 次に、森ようすけ君。

森(よ)委員 国民民主党の森ようすけです。

 本日も質問の機会をいただき、ありがとうございます。

 本日は、自動車の教習所、運転免許についてお伺いをいたします。

 中型と大型免許に関して、これまではMT免許でマニュアルしかなかったわけですけれども、これにATが、AT免許が、オートマが導入されたということでございます。今年の四月から中型のATが、そして来年の四月からATの大型、そして来年の十月からATの大型の第二種が始まっていく、施行されるわけでございます。こうした方向性、すばらしいと思うので、何でこうしたAT免許の導入を行うのかというところの理由をまずお伺いさせていただきたいのと。

 この免許の広げることと併せて、MT免許の技能試験の方法の見直しというのも行っております。これまでは全てMT車両でやらないといけなかったところを、クラッチとギア操作だけをMTの普通車でやれば、通常の講習についてはATの大型車両、中型車両でやればMT免許が取れるといった、こうした見直しも行われているわけでありますけれども、それぞれ何で見直しを行ったのか、その点、理由をお伺いいたします。

日下政府参考人 お答えいたします。

 お尋ねのAT免許につきましては、これまで普通免許に限られていたAT免許を大型免許等にも導入するよう、令和六年六月に関係法令を改正し、委員御指摘のとおり本年四月から順次施行しているところでありますが、本改正は、トラックやバスのAT車の普及が進んでいる状況や、職業ドライバー不足といった近年の状況を踏まえて行ったものであります。

 また、新たなAT免許の導入に合わせ、教習所等のMT大型車等の整備の負担を軽減するため、MT免許の試験や教習については、クラッチ、ギア操作に係る項目についてはMT普通車を用いる一方で、その他の試験、教習についてはAT車両を用いるよう見直しを行ったものであります。

森(よ)委員 まさにいい方向の見直しだと思っております。AT車の普及状況であったりとか、あと、まさに職業ドライバー不足ということが、私も重大な課題として認識をしております。特に、女性ドライバーを含めて、新しいこうした運輸産業に入ってくる人を増やしていかないといけないわけなので、こうしたふうに、MTだけではなくて、ATの車両の免許を取っていく、充実させていくことは非常に重要な方向性だと思っているんですが、なかなか現場がついてこられていないのが現状だと認識をしております。

 ちょっと一つ質問を飛ばして、質問の内容を変えてお伺いするので少し申し訳ないんですが、警察庁、国土交通省、それぞれにお伺いしたいと思います。

 現状、このAT免許が出てくると、教習所においてはMT車両を持っているわけなんですね。なので、それをAT免許に対応するようにすると、既存のMT車両はもうそのままにして、新しいATのトラックであったりとかATのバスを購入をして、それを改造しないといけないんですね、教習所用に。

 というのは、例えばトラックの場合だと、助手席に補助ブレーキを置いたりとか、バスがもっと大変なんですが、バスは補助席がそもそもないので、助手席を作って、その上で補助ブレーキをつけるということで。既存の教習所で持っている車両だけだと対応ができないので、既存のMT車両をATに変えるというのは、これは技術的にも金銭的にも極めてしんどいので、ATのトラック、ATのバスを買ってきて、中古でもいいんですが買ってきて、それを教習所仕様に改造するということが必要になってくるんですが。

 現場の声を聞いていると、こういった中型、大型を含めてなんですけれども、改造してほしいというふうにディーラーにお願いしても、なかなかもう受け付けないというか、今、都道府県の試験場が優先して受注をしているので、一般の教習所がそういう注文をしても、見積りすら出してくれないといった現状があるそうです。

 なので、こうした運輸産業の担い手確保に向けた方向性はすばらしいんですが、現場としては、そうしたATのトラック、バスを買ってきたとしても、それを教習仕様に改造がそもそもできないと。大型は来年四月なのでまだいいかもしれないんですが、今年四月から施行されている中型トラックにおいても、この補助ブレーキをつける改造をお願いしてもやってくれないといった声が実際に届いているんですが、そうした現状を政府としても把握しているのかをお伺いしたく、国土交通省、警察庁、それぞれお願いいたします。

日下政府参考人 お答えいたします。

 AT仕様の教習車両を導入するというのは、各教習所でいろいろと進めているところでございます。

 警察庁といたしましても、平素から、教習所の業界の関係団体と今回の改正に関して打合せ等を実施するなどしているところでございます。その中で、各教習所がAT車両を新規購入しようとする場合に、ディーラーからの納車に時間を要する旨の回答を受けている事例については把握しておりますが、議員御指摘のようなところについては、ちょっと具体的な把握はございません。

猪股政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど警察庁からも御回答がありましたが、国交省におきましても、そのようなオートマチックミッションを改造するといったような話、さらに、マニュアルトランスミッションを更にオートマに改造する、そういった改造に関してメーカーやディーラーが対応していないという実態については、現在把握していないという状況でございます。

森(よ)委員 警察庁さんからは、新車の納車が遅れているというような事例は聞いているものの、そうしたAT車両、既存のAT車両を試験車用に改造する、こうしたところについては把握をまだされていないというような御答弁がされました。

 これは恐らく、推測なんですが、こうした教習仕様に改造してくれるディーラーとか業者というのは結構限られているんだと思うんですね。これまでだと通年でやっていたものが、今回新しく法改正がされて施行がされるということで、一気に試験場から注文が来るので、そういった業者が少ない中で一気に注文が偏って来るので、なかなか対応し切れていないという背景があるのかなというふうに推測しているんですが、せっかくいい見直しをするわけですから、車両がないと何ともいかないわけですから、そこは是非検証していただきたいんです。

 そこで、あかま委員長にお伺いしますが、まさにこういった人手不足が続く交通運輸産業の人材育成と人材確保は大事なんです。そうした中で、女性の活用も含めて、MTだけではなくて、AT免許で中型、大型、トラック、バスが取れるようにしていくという、せっかくすばらしい法改正で、施行もこれからされていくわけなんですけれども、現場が追いついていない。

 現状の把握がまだなかなかできていないということなので、警察庁が主体となって、全国の教習所に対して、そもそもこの車両の確保が追いついているんですかといった状況把握を是非していただきたいと思います。加えて、やはり新しくATのトラック、バスを購入しないといけないわけですから、経営が大変なので、そうした購入についての何らかの支援も含めて是非御検討いただきたいんですが、この二点についていかがでしょうか。

あかま国務大臣 委員御指摘のとおり、今回の改正の施行に伴って、各教習車が、AT車両、オートマ車両を円滑に導入できるようにすること、これは今おっしゃったとおり、いわゆるオートマ車が導入が進んでいるということと、職業ドライバーを確保するという両方にあって大変重要なことだというふうに思っております。

 今、調査、さらに、支援をということでございますけれども、警察においては、各都道府県の教習所、ここにおけるオートマ車両の整備計画であるとか、計画に基づく整備状況を調査はしております。あわせて、自動車教習所の関係団体とも、オートマ車両の整備に関して意見交換なども実施をしているところではあります。

 ただ、今、より切迫した状況、またそういった声があるということを踏まえれば、しっかりと、そういった意見交換の場にあって、つぶさに拾うこと、これは大事だろうというふうには思っています。

 それらを踏まえて、各教習所におけるオートマ車両の整備状況に応じて、関係省庁と連携しながら、いかなる必要な支援というものが取り得るのか検討をするというふうになるんだというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。

森(よ)委員 前向きな答弁、ありがとうございます。

 意見交換も検証もされているということなので、より重点的にこのATのトラックとバスの整備状況がどうなっているのか、特に、整備したいと思っても整備できない現状があるというふうに聞いていますので、そこも含めて是非重点的に調査を行っていただきたいと思いますので、その点、よろしくお願いいたします。

 次の項目に移ります。

 運転免許教習に関しては、準中型以上に関して、厚労省が行う教育訓練給付金の講座として指定をされております。この教育訓練については、一般教育訓練、特定一般、専門実践というふうに三種類があって、それぞれ受講費用の二〇%、五〇%、八〇%が給付されるといった支援がなされているところであります。

 この運転免許関係の講座指定については、専門実践というのは認められていなくて、一般教育と特定一般教育訓練の二つを指定することができるんですが、一般教育の方は六千八百講座、特定一般の方は五百講座しか指定されていないんですね。両方選べる中で、普通であれば給付率の高い特定一般を選ぶはずなんですが、現状としては二〇パーの給付率の一般教育の方に、かなり免許の教習については偏っている現状があります。

 そうした差が生じていることについての理由をどういうふうに捉えているのかを政府にお伺いしたいんですが、いかがですか。よろしくお願いいたします。

蒔苗政府参考人 お答え申し上げます。

 教育訓練給付金は、雇用の安定と就職の促進に資する一般教育訓練給付金の対象講座を基礎としまして、訓練の専門性や訓練期間に応じて給付率を定める仕組みとなっております。

 御指摘の特定一般教育訓練につきましては、特に労働者の速やかな再就職及び早期のキャリア形成に資するものとして、一般教育訓練に比して高い給付率、最大五〇%を設定しておりますが、を設定し、講座目標資格等に係る受験の状況、その結果、訓練修了後の就職等の状況から見て、十分な効果がある訓練であると認められる講座を指定しております。こうした要件を満たさない講座につきましては、一般教育訓練として指定しているところであります。

 なお、特定一般教育訓練給付金を受けようとする場合には、給付対象とする教育訓練の趣旨から、受講者に対しまして訓練の受講開始前までにキャリアコンサルティングを受けることを求めております。令和五年度からは、受講希望者の利便性の向上を図るため、キャリアコンサルティングのオンライン対応にも取り組んでおり、引き続き、働く方々のキャリア形成につきましても支援してまいります。

森(よ)委員 一つありましたが、キャリアコンサルティングというのが特定一般の方には要件になっているんですね。実際に声を聞いてみると、このキャリアコンサルを要件にしていると、どうしても受講者の裾野が減ってしまうわけじゃないですか。なので、教習所は、本来であれば五〇パー給付の特定一般でやりたいんだけれども、こうしたキャリアコンサルという前提があると裾野が減ってしまって、お客さんが減ってしまうのが怖くて、あえて一般教育を選んでいるといった背景があるそうなんです。

 次の質問に移るんですが、であれば、今は、一つの教習の講座を特定一般と一般教育の両方で指定することができないんです。これを両方指定することができればみんなハッピーになるような気がするんですが、現状においてなぜ両方の指定を受けることができないのか、その点、理由をお願いいたします。

蒔苗政府参考人 お答え申し上げます。

 特定一般教育訓練につきましては、先ほどもお答えしましたとおり、労働者の速やかな再就職及び早期のキャリア形成に資する観点から、一般教育訓練に比して高い給付率を設定しまして、就職等の状況から効果があるものにつきまして指定しているというものでございます。

 このため、同じ講座が同時に、特定一般と一般教育訓練を同時に指定を受けることはできないという仕組みでございます。

森(よ)委員 この理由がよく分からなくて。特定一般の方は、受講者の受験率が八〇%以上、合格率が全国平均以上、就職、在職率が八〇%以上といった要件があるんですね。例えば、一つの教習所においてこの要件を満たしている講座があるとするじゃないですか、そうすれば、自動的に特定一般も一般教育も両方の要件を満たすことになるので、上の基準を満たしているのであれば、別に下を拾ってあげても何ら支障はないと思うんです、制度のたてつけ上。

 であるからこそ、別に下に合わせろと言っているわけじゃなくて、特定一般の要件を満たしているものであれば、特定一般だけではなくて一般教育の両方を指定することができれば、キャリアコンサルを受けていない人は一般で受けたらいいし、キャリアコンサルを受けた人は特定一般で受けたらいいので、別に分ける必要が全くないと思うんです。

 厚労副大臣にお伺いしたいんですが、今の話を含めて、是非、一つの講座を特定一般と一般教育の両方の指定を受けることができれば、教習所もハッピーですし、受講者もハッピーだと思うんです。いかがでしょうか。

長坂副大臣 お答え申し上げます。

 教育訓練給付金の指定講座については同時に両方の指定を受けることができない理由は、今ほど事務方から答弁したとおりでございます。

 その上で、受講する方にとっては、高率給付による支援や十分な訓練効果が得られることを期待して、特定一般教育訓練の受講を選択するものであります。また、訓練施設にとっては、特定一般教育訓練の指定を受けた講座であれば、給付率が低い一般教育訓練の指定を重ねて受ける必要がないものと考えております。

 いずれにいたしましても、労働者の速やかな再就職及び早期のキャリア形成に十分な効果があると認められる講座については、特定一般教育訓練として指定し、高率給付の対象とすることにより、労働者の主体的なキャリア形成をしっかりと支援してまいりたいと考えております。

森(よ)委員 理由は先ほど述べましたがとおっしゃいましたが、理由になっていないと思うんです、聞いている限りでは。

 特定一般で高い要件を設けるのは別にいいんですよ。ですが、特定一般の、例えば合格率が全国平均以上という要件があります。この要件を満たしていれば、別に両方受けられるようにしたらいいじゃないですか。特に、キャリアコンサルを受けるのが手間だし、受けたくないという人が、特定一般じゃなくて一般教育を受けたいケースもあるんですね。なので、両方が併存していた方が、制度としてすばらしい制度になると思うんです。

 現状どうなっているかというと、両方受けさせてくださいというふうに問合せをするとどう回答が返ってくるかというと、一つの講座を二つで指定することはできないので、例えば、大型車両は一般教育にしましょう、その代わり、大型車両の免許に加えてフォークリフトの免許を一緒につけたものを特定一般というふうに指定するので、給付率五〇パーだから、フォークリフトは要らなくてもこっちを受けたらいいよみたいな、そういうことを運用としてしているそうなんです。

 これって極めてもったいないですし、制度が障壁となって誰も得をしない仕組みになっているような気がするんですが、今の私の課題感も含めて、前向きに是非御検討いただきたいんですが、最後、改めていかがでしょうか、副大臣。

山下委員長 申合せの時間が過ぎておりますので、簡便にお願いします。

蒔苗政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘の部分につきまして、特定一般の場合は、就職の実績、過去三年分を見まして、過去三年間のいずれかの年度にその三つの要件を満たしているかどうかというのを見るものでございます。

 受講者から見ますと、やはり給付率というのは結構大きくございまして、二割補助が出るのか、最大五割出るのかということですので、恐らく受講者の選択としては五割の方を選ぶというのが通常でございまして、確かにキャリアコンサルティングが支障になっているということがあるかもしれませんが、元々雇用保険の趣旨は雇用の安定と就職の促進というものでございますので、そういった観点から、キャリアコンサルティングをして、より効果の高い訓練の方に誘導しているものでございます。

山下委員長 長坂厚労副大臣、答弁は簡便に願います。

長坂副大臣 いずれにいたしましても、労働者の速やかな再就職及び早期のキャリア形成に十分な効果があると認められる講座については、特定一般教育訓練として指定し、高率給付の対象となることにより、労働者の主体的なキャリア形成をしっかり支援してまいりたいと考えておりますので、委員の御指摘については、また検討を深めていきたいと思っております。

森(よ)委員 なので、理由が理由になっていないので、また引き続き質問していきたいと思います。

 ありがとうございました。

山下委員長 次に、黒田征樹君。

黒田委員 日本維新の会、黒田征樹でございます。

 昨日、経済安全保障推進関連法案が衆議院を通過をしたということでありますが、ナフサの問題、先日の経済産業委員会との連合審査においても議論がなされました。今の実態を正確に皆様にもお伝えをしたく、そしてまた改善に向けてどうしていくべきかという観点を踏まえまして、質疑をさせていただきたいというふうに思います。

 現時点で、政府は日本全体で必要供給量は確保されているという発信をなされていますが、可視的な根拠が乏しく、現場では非常に不安が残っております。この目詰まりというのはなぜ生じたのか、川中の在庫、出荷情報の把握の状況と政府の供給確保の根拠、これを具体的にまずお示しいただきたいというふうに思います。

畑田政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、原油や石油製品については日本全体として必要となる量を確保できておりますけれども、一部で供給の偏りや流通の目詰まりが発生しているという状況でございます。

 その要因ですけれども、まず一つには、一部、上流のメーカーなどが、今後の原材料などの調達の見通しを保守的に見積もり、また供給量を制限してしまう、そういったケースですとか、あるいは、一部の流通、また需要家が今後の調達の見通しに不安を抱き、過去の実績を超える量を過剰に発注してしまうケースなどがございます。

 こうした問題を解決するために、我々としては、全体としては必要な量は確保できていると理解をしておりますけれども、各省庁に設置された情報提供窓口の、ここに寄せられた情報を集約をしまして、目詰まりの箇所、これを各論として具体的に特定をしております。また、その上で、当該サプライチェーンの関係者に対しまして、原料の供給見通し、これを共有したり情報提供したりしまして、さらには、供給を実際に制限をする前に経産省に相談をするように要請をしたりですとか、また需要側にも、業界団体を通じて前年同月比同量の購入を維持するように要請する、こういった対応を通じて目詰まりを順次解消してきているところでございます。

 御指摘の根拠のところでございますけれども、御指摘がありましたとおり、ナフサとか石油化学製品の総量が足りているのだということを根拠が見える形で発信することは重要だというふうに理解をしております。実際、石油化学製品の国内の在庫量、また出荷量につきましては、産業界及び政府より統計情報を定期的に公表をしております。

 例えばですけれども、石油化学工業協会、これが公表した最新のデータによれば、例えば、川中在庫と呼んでいるものにつきましては、今年三月末時点で、ポリプロピレンは約三・二か月、ポリスチレンでいいますと約一・七か月の川中在庫がある、また、出荷量で申しますと、こうした汎用樹脂につきましては足下で増加をしている、こういうことが数値をもって公表されておりまして、既存の在庫も活用しながら安定的に化学品を供給することが可能になっていること、またその根拠も示しているというふうに考えております。

 この状況を広く正確にお伝えすべく、我々としては、経産省のホームページですとか、SNS、また担当官による日々のブリーフィングなどにより、きめ細かく情報発信に努めておるところでございます。

黒田委員 ありがとうございます。

 事が起こってから、様々な役所の担当者の方々が御尽力をいただいているというのは理解をしております。

 その上で、僕自身が塗装、防水業というものを営んでおりまして、まさにこれが直撃したわけであります。昨日現在で同業の地元の業者さん何社かに電話をしたところ、まだ十分に供給をされている状況ではないということでありました。これは、先ほど説明でもありましたけれども、経産省さんが出していただいている資料で、要は、まさに一番上流の石油化学メーカーが、四月末までは前年実績並みに供給が可能、五月の供給は未定ということを伝えたところから、いわゆるパニック状態に陥っているわけですね。シンナーの製造メーカーも、それを受けて出荷を半減した。一番末端の、いわゆる塗料屋さん、卸のそういう業者と我々のような施工店が、ないと聞けば必要以上に買っておこうかというのは、心理的にそうなるのは当たり前のことなんですね。

 やはり、我々施工業者というのは、特に仕上げ業者ですので、基礎工事、躯体工事がどれだけ遅れてきても、必ずその工期のしわ寄せは仕上げ業者に来るというのはずっと常であります。ですので、こういう事態に陥ったときに、必要以上に買っておこうかと、もし、自分たちが材料が入らないから工期が遅れてしまうかもしれないなんということは口が裂けても言えないわけですから、そういうふうな心理に陥るというのは当たり前のことなんですね。

 ですから、私が言いたいのは、前の連合審査のときにも情報の開示みたいな話は出ていましたけれども、個別企業の機微情報は対象外としたとしても、国内の流通の総量、需給の状況を定期的に平時から見える、そういうプラットフォームを構築する必要があるんじゃないかなと。それだけで、経産省さんが出していただいた資料にあるこの石油化学メーカー、商社以下の心理的な部分というのはかなり解消されると思いますけれども、その検討若しくは取組についてお聞かせをいただきたいと思います。

畑田政府参考人 お答え申し上げます。

 一部繰り返しになりまして恐縮ですけれども、御指摘いただいたような、各サプライチェーン上で、各皆様がなるべく不安にならないようにということで、根拠をもって全体の必要量は足りているということをお示ししたいという趣旨で、業界とも連携をしまして、先ほど申しました石油化学工業会でも、今手元にどれだけ在庫があるのか、また毎月きちんと供給をしていますということを発信をしておりまして、これ自身が、我々が総量として足りているというふうに申し上げるときの根拠でもあるわけですけれども、この数値を含めてしっかり発信をしていることと、それから、プラットフォームという御指摘がありましたが、経済産業省の中東情勢関連対策ポータルというホームページがございまして、このホームページから、今申し上げた業界団体への、数字が出ているところへのリンクを張って、分かりやすくたどり着けるようにというふうに努めているところでございます。

 これに加えまして、こういうことで把握をした状況についてSNSですとか毎日のブリーフィングで発信に努めているところでございますけれども、引き続き、不安を解消すべく、更なる情報発信に努めてまいりたいというふうに思っております。

黒田委員 ありがとうございます。

 これは、経済安全保障の観点で、調達、いわゆる入口を確保していくというのは当然大事でありますけれども、このような状況に陥るのであれば、国内の流通というものも、経済安全保障、海底ケーブルとかにおいては役務もその範囲に含めていったということもありますので、そういう流通についても経済安全保障として位置づけていくことも必要じゃないかなというふうに考えますけれども、考えをお聞かせいただきたいと思います。

殿木政府参考人 お尋ねの点でございますが、政府といたしましては、国民生活、経済活動を支える重要な物資に関するサプライチェーンの強靱化について、これまでも経済安全保障上の重要な課題として位置づけてきているところでございまして、サプライチェーン上のリスクの点検や重要物資の安定供給確保などに取り組んでまいったところでございます。

 その上で、先ほど来御指摘いただいている今般の中東情勢の影響を受けた石油製品等の緊急的な対応につきましては、今ほど経済産業省から答弁がございましたとおり、関係省庁が情報提供窓口を設置したり、あるいは様々な形で情報発信を行ったりするなどしているところでございまして、今後も含めて適切な情報提供あるいは情報共有を行っていくということが重要だというふうに認識をしているところでございます。

 また、重要物資の安定供給の確保を図る上では、川上、川中、川下の各段階の物資を個別に捉えるのではなく、一連のサプライチェーンのリスクを把握した上で適切な措置を講ずることが重要であるというところ、まさに御指摘のとおりであると認識をしているところでございます。

 なお、御指摘の国内流通の全面的な可視化ということにつきましては、我が国のサプライチェーンの脆弱性を明らかにするおそれもあるといったことをどのように考えていくのかといったような課題などについて、更なる検討が必要になってくるのではないかというところは考えているところではございます。

 いずれにいたしましても、政府といたしましては、個社に焦点を当てることに加えまして、委員御指摘のとおり、サプライチェーン全体についての把握に尽力した上で、引き続き、不断にリスクを点検し、経済安全保障をより一層図ってまいりたい、このように考えている次第でございます。

黒田委員 今お答えいただいた課題についてはまさにおっしゃるとおりであると思いますので、そこを無理してと言うつもりは毛頭ありませんけれども、今やっていただいている対応というのはまさに対症療法でありまして、だから、事前にそうならないようにというような観点が必要かなということで、先ほどの可視化もそうですけれども、経済安全保障の位置づけも、何らかあれば検討いただけたらなというふうな御提案でございますので、どうかよろしくお願い申し上げます。

 続きまして、希少金属の観点であります。先日の質疑で、少し障害者施設と小型家電リサイクルについて御紹介をさせていただきましたけれども、少し時間がなかったので、追いかけてやらせていただきたいというふうに思います。

 現在、政府として、日本の都市鉱山において、使用済みの電子機器の中の金属資源が世界有数の規模であるということを踏まえまして、循環経済行動計画における二〇三〇年度目標と官民一兆円投資の関係、これについてまずお聞かせいただきたいと思います。

成田政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の循環経済行動計画でございますが、再生資源を供給するサプライチェーンの強靱化は、環境保全にとどまらない、経済安全保障のための喫緊の課題であるとの認識の下、本年四月に循環経済に関する関係閣僚会議において決定されたものでございます。

 本計画におきましては、都市鉱山からの金属回収などの資源循環を通じて、我が国の自律性、不可欠性を高める観点から、特に重要なベースメタル、重要物資である鉄、アルミ、銅、永久磁石につきまして、メタルリサイクル推進戦略という形で取りまとめまして、二〇三〇年に向けて野心的な再生材供給目標を定めているところでございます。

 また、こうした目標の実現を含めまして、金属資源、プラスチックなどの再生資源供給サプライチェーンの強靱化に対する投資を促進するために、予算面、金融面等の多角的な支援スキームを構築し、二〇三〇年までに官民で約一兆円の投資を目指すこととしているところでございます。

黒田委員 ありがとうございます。

 先日も述べさせていただきましたけれども、正規ルート以外のところで出ている、焼却をして埋立てをしたりとか、あと海外に流出をしてしまっているという部分が、かなり数字として大きいということも指摘をさせていただきました。

 要は、一度日本に入ってきたレアメタルがまた海外に流出したり埋められたりするということは、非常に日本の国益上損失になっているのではないかということで、今、そこを、いわゆる正規ルートで回っているところはそんなに問題ないと思っています、ただ、その漏れている、以外の、僕が把握をしている数字ですとおよそ七割ぐらいある中で、その七割をいかに拾っていくかという観点で、今、実際に取り組んでおられる障害者施設において、小型家電を解体、分別をして、国内循環をしている、これが今、日本中にネットワークを組んで、まさに総量も頑張って上げていっていただいているというような現状がありますけれども、そういう活動というか、そういう取組の事例も含めて、こういう循環型社会形成に向けた一翼を担っていく、そういう位置づけも必要じゃないかなというふうに思いますけれども、そういった見解についてお聞かせいただきたいと思います。

成田政府参考人 お答えいたします。

 環境分野の課題と福祉分野の課題を同時に解決することを目的とする、いわゆる環福連携につきましては、持続可能な社会を実現するために重要な考え方であると認識しているところでございます。

 御指摘の循環経済行動計画には環福連携についての直接的な言及はございませんが、政府全体の環境保全に関する基本方針を定める第六次環境基本計画におきましては、現在及び将来の国民一人一人のウェルビーイング、高い生活の質を目的に掲げるとともに、環境、経済、社会の統合的向上が理念として掲げられているところでございます。環福連携の考え方もこれに包含されるものと考えているところでございます。

 循環経済行動計画に位置づけられました経済的支援スキームにつきましては今後具体化を進めていくこととしておりますが、障害者就労支援施設等における循環型ビジネスモデルの構築に向けた支援につきましても、検討の過程で何ができるか考えてまいりたいと考えているところでございます。

 また、環境省におきましては、これは先週十五日の当委員会でも御答弁申し上げたところでございますが、今年三月に公表いたしました小型家電リサイクル制度を活用した関係主体の連携事例集におきまして、障害者雇用施設との連携事例も紹介するなど、取組の横展開を図っているところでございます。

黒田委員 ありがとうございます。

 再生資源供給サプライチェーンの強靱化ということを目指すのであれば、やはり、大半を漏らしてしまっている今のレアメタル、希少金属をしっかりと網を広げて拾いに行くという考え方が必要だというふうに思いますので、それは総量としたら、もしかしたらそんなに思うような数字にはならないかもしれないですけれども、それでもやはり、少しでも多く国内循環をさせるんだという考え方をしっかりと持っていただくことが必要かなというふうに思っていますので、よろしくお願い申し上げます。

 それでは、最後に公務員制度についてお聞きします。

 まずは、人事院の最新データによれば、国家公務員のメンタル不調による一か月以上の長期休職者は二〇二四年で五千九百四十五人、二〇一九年度比で一・四二倍に増加をしておりますけれども、このような現状、傾向について人事院としてどのような対策をしているのか、お聞かせいただきたいと思います。

堀内政府参考人 お答えいたします。

 議員御指摘のように、心の健康の問題による長期病休者が近年増加傾向にございます。また、復帰後に再度長期病休に入る者も一定程度いるという現状にございます。こうした状況の下、職員のメンタル不調を予防し、また、円滑な職場復帰ができるよう取組を推進することは重要な課題と認識しております。

 これまで人事院では、ストレスチェックの実施の徹底、管理監督者を始めとする職員に対する研修の充実、各府省の職員が匿名で相談できるこころの健康相談室やこころの健康にかかる職場復帰相談室の運営、こうしたことによりまして心の健康づくり対策を推進してまいりました。また、令和七年五月には、心の健康の問題による長期病休者の円滑な職場復帰のための職員向け手引及び担当者向けマニュアルを作成し、各府省に提供いたしました。

 今後、これらの取組に加えまして、各府省において職員の健康管理に対する必要な取組が積極的に進められるよう、産業医や保健師等の専門職の配置を促すなど、健康管理体制の整備充実に取り組んでまいりたいと考えております。

黒田委員 まだ質疑したい内容は残っていたんですけれども、もう時間もありませんので。

 今、ストレスチェックのお話もありましたけれども、これはチェックして終わりというわけにはいきませんので、しっかりとそれを分析をして、対応をして、まさに、二〇一九年度から比較して一・四二倍ということですから、それを少しでも減らしていく、官僚の皆さんが働きやすい環境をつくり上げていくということに尽力をしていただきたいなということを申し上げまして、質疑を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

山下委員長 次に、塩川鉄也君。

塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 個人情報保護法、それからデジタル行政推進法の見直しについて質問をいたします。

 昨年の十二月のデジタル行財政改革会議におきまして、高市総理は、世界で最もAIを開発、活用しやすい国とするために個人情報保護法改正案の提出を指示したということであります。

 個人情報保護委員会にお尋ねしますが、今回の見直しは二三年十一月頃から委員会において検討が始まりましたが、その過程で事業者団体から様々な要求が突きつけられたところであります。二四年四月二十四日の委員会において、事業者八団体が合同で、個人情報保護法の三年ごと見直しに対する意見という文書をヒアリングの資料として提出しております。八団体というのは、日本経済団体連合会、日本商工会議所、経済同友会、新経済連盟、日本IT団体連盟、Fintech協会、シェアリングエコノミー協会、プライバシーテック協会であります。

 これはどのような要望が出されたのか、簡単で結構ですが、御説明ください。

佐脇政府参考人 お答え申し上げます。

 具体的な項目は五つございまして、個人データ等の複数の定義の整理、明確化、二つ目は、法改正ありきで、機械的に三年ごと見直しを行うことについての再検討、三つ目に、漏えい等報告等の負担の軽減、四つ目に、本人同意によらない方法での第三者提供等の在り方の検討、そして五つ目は、課徴金制度及び団体訴訟制度の導入反対でございまして、これらに加えまして、個人情報保護法の見直しに当たって、広範なステークホルダーとの双方向かつ丁寧なコミュニケーションを行うべき旨も併せて要望いただいております。

塩川委員 主に五つの項目での要望があったということで、今回の反映におきましては、その中で、漏えい等報告等の負担軽減ですとか、本人同意によらない第三者提供、利活用などについてが盛り込まれ、団体訴訟についても導入はしなかったということであります。

 重ねてお尋ねしますが、この事業者団体の意見、本人同意を要しない第三者提供、利活用に基づき、今回の法改正では、個人データの第三者提供及び公開されている要配慮個人情報の取得について、統計情報等の作成、AI開発を含む、にのみ利用される場合は本人同意を不要とするとしたところです。しかしながら、個人情報保護において、第三者提供、目的外利用、要配慮個人情報の取得の際には本人同意を得るというのは、大原則ではありませんか。

佐脇政府参考人 お答えいたします。

 個人情報保護法では、個人データの第三者提供などの場合には原則として本人同意を求めることとされておりまして、本法案成立後におきましても、この基本的な考え方に変更はございません。他方、現行法におきましても、一定の公益性が認められる場合などには、その例外として同意が不要となるケースも定められております。

 一方で、現行法で定められておりますこれらの原則や例外につきましては、基本的に、個人データを個人との対応関係を残しながら取り扱うことを前提として定めているところでございますが、本法案で提案する統計作成等の場合の特例につきましては、この前提とは異なりまして、個人との対応関係が残らない取扱いに着目し、そのリスクに見合った新たな規律を導入しようとするものでございます。

 すなわち、統計作成等におきましては、大量のデータを個人との対応関係が排斥された形に加工する場合であって、かつ、それ以外の目的に利用されないことや安全管理措置等が講じられることが担保されている場合であれば、個人の権利利益を害するおそれが少ないことから、第三者提供等の場合に本人同意を不要とするということとして提案しているところでございます。

塩川委員 個人の権利利益を害するおそれが少ない、そういうことで説明がありましたけれども、しかし、この大本の原則を曲げるものとなっているところであります。

 お尋ねしますが、今回の法案において、AI開発のための学習用の個人データというのは、提供されるときに匿名化がされているものなんでしょうか。

    〔委員長退席、鳩山委員長代理着席〕

佐脇政府参考人 お答え申します。

 AI開発等におきましては、大量の文書を学習する場合など、個人情報が氏名や住所などの項目ごとに整理されていなくて、個人情報を抽出することが困難な場合も想定されるわけでございます。また、大量のデータに含まれる個々の項目が、提供先が行おうとするAI開発等との関係で必要か否かについて、必ずしも提供元が判断することが容易でない場合も想定されるものでございますから、今回の特例におきましては、提供に際しては、匿名化することや特定の項目を削除することを要件とはしてございません。

 もっとも、特例の対象となります統計作成等におきましては、法律上、改正法案上、個人の権利利益を害するおそれが少ないものとして規則で定めるものに限定しておりまして、その規則におきまして、提供先では不要なデータ項目を削除するというために必要かつ適切な措置を講ずることを要件として求めることとしてございます。

 また、提供先が漏えいした場合のリスクなどが大きい場合におきましては、そのリスクに応じて、不要な氏名などを削除することが元々安全管理措置義務として求められておりますので、本特例におきましては、提供先においては氏名や詳細な住所等の不要なデータがいたずらに保持し続けられることもなかろうかと思ってございます。

 匿名化して提供することはございませんが、提供先ではしっかり、リスクの少ない形で利用、管理がされます。

塩川委員 提供元で匿名化されていないということですと、提供先には、氏名ですとか生年月日とか顔写真などの個人情報に目を通すことができるという形になるわけであります。個人を特定できる形でのデータの提供ということが前提だというのは、よく見ておく必要があると思います。

 次に、内閣官房の方にデジタル行政推進法についてお尋ねします。

 認定国等データ活用事業者は、国の行政機関等に対し、自らが必要とするデータの提供を求めることができ、それに対し国が必ず回答しなければならないという応答義務がかけられております。このような、国等に応答義務を課している他の法律というのは、具体的にはどんなものがあるんでしょうか。

山澄政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のように、国から認定を受けた事業主体が国の行政機関等に対してデータの提供を求めることができて、当該求めに対する国の行政機関等の対応が規定されている法律といたしましては、国家戦略特別区域法があると承知してございます。この法律は、同法に基づく認定を受けた区域計画における事業の実施主体が、当該区域に関するデータの提供を求めることができると規定されていると承知してございます。

 また、このほか、生産性向上特措法にもこのような制度がございましたが、同法は令和三年に廃止されていると承知しております。

塩川委員 ですから、こういった事業者側が国にデータ提供を求める、それに対して国が必ず回答しなければならないという応答義務を課しているというのは、ほかには国家戦略特区法しかないと。極めて特別扱いの、そういう法律の仕組みになっているということでよろしいですか。

山澄政府参考人 お答え申し上げます。

 重ねての答弁になりますが、前例として承知しておりますのは、先ほど申し上げたとおりでございます。

塩川委員 極めて事業者側にとっては都合のいい、特別扱いの法律となっているところです。

 そして、法案では、国のデータに個人情報が含まれるときは個人情報保護委員会と協議しなければならないとあります。ですから、国が保有する個人情報の提供を念頭に置いている、こういう取組、スキームのものということでよろしいでしょうか。

    〔鳩山委員長代理退席、委員長着席〕

山澄政府参考人 お答え申し上げます。

 改正法案におきましては、国等データ活用事業計画を認定しようとする場合におきまして、当該事業において用いられるデータに個人情報が含まれるときには、個人情報保護法の観点から、個人情報保護委員会に協議を行わなければならないということを規定されております。

 また、国が保有するデータの提供に当たりましては、個人情報保護法を始めとする他の法令に違反する場合や公益を害する場合などにはデータ提供をしないこととしており、個別の事案に応じて適切に判断するというふうに規定してございます。

塩川委員 このように、国の持っている個人情報を事業者に提供する、それについて、こういう情報があるのかということに対してきちっと応答義務を課している、その上で、個情委もかみながらということではあるんですが、個人情報を出しますよといったスキーム、そこまでやるというのはほかにはほとんど例がないということでもありますので、何でそこまでやるのかということについて御説明いただけますか。

山澄政府参考人 お答え申し上げます。

 データ利活用を推進するという観点から、このような制度を前例も見ながらつくったところでございますが、先ほど、必ずという委員の御指摘がございましたが、答弁でも申し上げましたように、個人情報保護法を含めました他法令に違反する場合、あるいはその他公益を害するおそれがある場合等々には提供しないということとしてございます。

塩川委員 スキームとして、AI開発に必要な個人情報を含む国のデータを効率的に集める、そういうものになっているわけです。政府のデジタル社会構想会議、昨年の十二月の会議の場で、事業者団体の新経済連盟は、政府や国の機関が保有する日本語データも広く日本企業が学習用に使えるようにすべきと述べているように、事業者の求めるそういった中身に対応しているということであります。

 重ねて内閣官房にお尋ねしますが、事業者は、地方自治体に対しても個人情報を含むデータの提供を求めることができるんでしょうか。

山澄政府参考人 お答え申し上げます。

 改正法案におきましては、認定された国等データ活用事業の実施に関しまして必要があると認められるときには、活用事業者は、地方公共団体等の長に対し、当該地方公共団体等の保有するデータの提供を含め、必要な協力を求めることができるとされております。

塩川委員 これは、具体的に自治体にどういうことを求めていくということを想定しているものなんでしょうか。

山澄政府参考人 お答え申し上げます。

 重ねてで恐縮でございますが、当該地方公共団体等の保有するデータの提供を含む必要な協力ということでございます。

塩川委員 自治体が保有する膨大な個人情報も視野に入れている、そういう取組と考えてよろしいんでしょうか。

山澄政府参考人 地方公共団体がそのような求めを受けた場合におきましては、データを実際に提供するか否かについては、当該地方公共団体において総合的に判断されるというふうに承知してございます。

塩川委員 自治体の判断ということでありますけれども、そういった自治体の保有する膨大な個人情報についても視野に入れているということになると思います。

 それで、AI開発という個人情報の利活用のために、第三者提供や、また目的外利用、要配慮個人情報の取得の際、本人同意を得るという個人情報保護の大原則が大きく後退するという点と、それに加えて、デジタル行政推進法において、事業者の要求を国が特別扱いする仕組みまで入れ込もうとしております。

 一方で、個人情報保護の強化策は骨抜きという状況で、二〇二四年の十二月の取りまとめ、個人情報保護法のいわゆる三年ごと見直しに関する検討会報告書では、課徴金や団体訴訟の検討が掲げられていたわけであります。

 個人情報保護委員会にお尋ねしますが、この検討会報告書では、課徴金納付命令の対象となる違反行為の範囲について、第三者提供規制等違反だけでなく、安全管理措置義務違反も対象となっていたのではありませんか。

佐脇政府参考人 お答え申し上げます。

 課徴金制度の検討の過程におきましては、議員御指摘の安全管理措置義務違反につきましても対象として、検討を重ねてまいりました。

塩川委員 検討会報告では第三者提供規制等違反だけじゃなくて安全管理措置義務違反も対象だったのに、何で安全管理措置義務違反は落ちてしまったんでしょうか。

佐脇政府参考人 お答え申し上げます。

 今回導入する課徴金制度におきましては、違反行為の抑止の必要性がより高い事案に対しまして迅速、機動的な対応を確保する観点から、現行法上の緊急命令の対象となっている重要な規律に違反する行為類型のうち、個人情報保護委員会において勧告、命令の実績のある規律の違反行為類型を対象とするという整理を最終的に行いました。議員御指摘の第三者提供違反でございますとか、今回導入する統計作成等特例の義務違反などについて想定してございます。

 一方、議論になっております安全管理措置義務違反につきましては、検討しました結果、これらの不正取得あるいは第三者提供違反のような積極的な行為がなくても違反する可能性があるため、事業者の予見可能性を十分に確保するべく、より慎重な検討が必要であること、そして、安全管理措置を怠ったことにより削減したコスト、これは課徴金の算定基礎になるわけでございますが、その具体的な額の算定方法についてより慎重な検討が必要であることなどの課題があると認識に至ったために、対象外とすることとしたわけでございますが、引き続き、我々の措置命令その他の執行を続けていく中で、その状況を見ながら、課徴金制度の対象の範囲につきましては、当然ながら不断の検討を深めていく所存でございます。

塩川委員 要配慮個人情報を含む個人情報を大きく提供を拡大するような仕組みになっていくときに、やはり、事業者に対して、問題がある際に、こういった安全管理措置義務違反をかけるというのは、一方で個人情報を大量に出すということを前提にしたときに、こういった対応でいいのかというのが問われるところであります。

 あと、団体訴訟についてはどうなったんでしょうか。

佐脇政府参考人 お答え申し上げます。

 個人情報保護委員会におきましては、既存の適格消費者団体の活用を念頭に、団体訴訟の導入を検討してまいりました。

 検討の結果、個人情報保護法は個人の権利利益を保護するものである一方で、既存の適格消費者団体が利益を擁護するのは消費者でございまして、団体訴訟制度の対象となり得る違法な個人情報の取扱いの範囲につきまして引き続き法制的な整理が必要であること、それから、消費者団体などからは、個人情報の取扱いの態様などが消費者契約その他を扱う消費者問題との比較におきまして外部から明らかではないため、事実関係の把握が容易でない場合も多いといった実務上の課題に対処する必要性を指摘する意見もございました。

 これらを踏まえまして、団体訴訟制度の導入については見送ることといたしましたが、個人の権利利益の保護を図る上では、委員会におきまして、消費者団体などとの連携の強化、それから、一般の個人からの相談を受け付ける窓口の活用の促進、そして、適正な監視、監督の行使ということを通じまして、権利利益の救済には抜かりなきよう対応する所存でございます。

塩川委員 見送りになったというのは極めて残念ですけれども、この法案を審議している地こデジにおける参考人質疑の場で、弁護士の森参考人は、個人情報保護法のいわゆる三年ごと見直しに関する検討会報告書を引用して、委員会の体制面や人的資源等にも限界はあり、必ずしも全ての違反行為に迅速かつ網羅的に対応できるとは限らない、個情委の今の体制では対応し切れないと。こうした既存の本人の権利行使による対応や委員会の権限行使による対応の限界を考えると、個人情報の違法な取扱いが行われている場合に適切に権利救済を受ける手段を多様化し、より確実に救済を受けられる環境を整えていくことは重要であると強調したところです。確実に救済を受けられる環境を整えていくことの重要性を、改めて認識すべきだと思います。

 大臣にお尋ねいたします。

 つらつら法案の議論をしてまいりましたけれども、このように、当初の検討状況から、個人情報保護の取組については残念ながら後退していると言わざるを得ません。そういった事業者団体の、課徴金及び団体訴訟制度の導入に強く反対という要求に沿ったものとなっております。個人情報保護法というのは、国民の重要な個人情報を保護するためにあります。それを業界団体、財界の要求によって曲げられているのではないのか、大臣の受け止めを伺います。

松本(尚)国務大臣 ありがとうございます。

 この法案の審議に当たっては、個人情報保護が十分かどうかというようなことを、再三にわたって、いろいろなところから御意見を伺っております。

 今委員御指摘のように、一部の業界団体等の要求でねじ曲げられているのかと言われれば、そんなことはございませんと答えることになるんですけれども、この見直しに向けた検討に当たっては、令和六年六月に中間整理を出したときに、まずパブリックコメントを取っています。そのパブリックコメントについては、七十二者の団体、事業者、それから個人では千六百五十九者から御意見を伺ったところ。課徴金や団体訴訟については、有識者や関係団体を構成とする検討会を開きました。この検討会では、関係団体、主婦連合会、新経済連盟、消費者団体連絡会、消費者生活相談員協会など六団体からお話を伺っています。そして、制度の基本的な在り方に立ち返った議論を行うため、個情委員会の事務局によるヒアリングを実施したところではございます。

 このように、経済団体は当然なんですけれども、消費者団体の皆さんからも幅広く御意見を伺った上で、十分にバランス、データの利活用と個人情報のバランスを十分に配慮しながら、この法律の改正にまで持ってきたということでございます。確かに、一方の圧力があったのではないかというような御指摘があろうかとは思いますけれども、我々としては可能な限りバランスを取った法律の改正になっているというふうに思っておりますので、その点については予断を持たずに、是非御理解をいただきたいというふうに思います。

 ありがとうございます。

塩川委員 冒頭紹介した事業者八団体の要望というのは、その中身がそっくり自民党の要望項目として政府に出されているという経緯の中を見ても、率直に言って、やはり、個人情報の利活用推進を求める事業者サイドの改定では国民の権利利益を保護することはできないということを申し上げて、質問を終わります。

山下委員長 次に、後藤祐一君。

後藤(祐)委員 中道改革連合の後藤祐一でございます。

 官房長官に伺います。

 補正予算の編成指示が総理からおとといなされましたけれども、これまで補正予算というのは、まず経済対策を与党でまとめるなどして、それを閣議決定して、それで補正予算の編成の指示があってという順番を通常はたどるんですが、今回、なぜこの過程をたどらなかったんでしょうか。本予算が成立してまだ一か月半ぐらいしかたっていなくて、あれもこれも盛り込む本予算じゃなくて、今回はガソリンなど燃料価格あるいは電気・ガス代の引下げに限定したかったからでしょうか、官房長官。

木原国務大臣 中東情勢というものが発生し、その対応について、国民の皆様の生活と経済活動を守り抜くという観点から、燃料油価格の激変緩和措置など様々な支援策を講じているところでありますが、今回、そういった中において、与党から提言をいただきました。与党からは、引き続き、中東情勢、価格動向、支援策の持続可能性を勘案しつつ、政府として柔軟に対応すべきとの提言でございました。

 そういった観点から、経済活動や国民の皆様の暮らしに支障が生じないよう適切に判断をし、必要に応じてタイムリーに対応するという観点から今回の状況になったと、総理からの指示だというふうに考えております。

後藤(祐)委員 タイムリーに対応するのであれば、配付資料一ページ目、二ページ目、これが本予算の予算委員会での質疑に際しての編成替えを求める中道改革連合からの動議です。私は動議の提出者ですけれども、ガソリン等燃料油価格の引下げと電気・ガス料金の引下げ、農業用なんかも含めてですけれども、もう本予算の編成替え要求で既に出ているわけで、しかも、ガソリンをどの程度下げるかとか、こういったことは額もかなり予想ができるわけで、本予算の段階で予想できたという意味においては全然タイムリーじゃないですよ。

 それで、資料三ページ目、財政法ですけれども、財政法二十九条では、補正予算というのは予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費の支出について作成できるとされていて、本予算作成前に既にこの事由は生じていますよ、ガソリン、電気、ガスは。

 これは本予算の審議の段階で予見可能だったんじゃないですか、官房長官。

木原国務大臣 今回の補正予算の指示でありますが、御指摘のとおり、これまでも補正予算というのは、財政法第二十九条の規定にのっとり、予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費の支出に充てるために編成をしてまいりました。

 その上で、今般の中東情勢が経済に与える影響については、予算の作成時点において予断を持って判断することが困難な状況であったところであり、その影響を見極めて、経済活動や国民生活、皆様の暮らしに支障が生じないように、必要に応じて補正予算を編成することになったことであり、今回は、財政法二十九条の観点からいうと問題ないものというふうに考えております。

後藤(祐)委員 いや、最後のところに理屈が全然つながっていないじゃないですか。こんなに予見可能な補正予算はないと思いますよ。ここは予算委員会で引き続きやりたいと思いますが。

 一部のうわさとして、これは予備費だけみたいな補正予算の可能性もちらちら聞こえます。

 今日、財務省の三反園政務官にお越しいただいておりますけれども、この同じ資料三ページ目に、財政法二十四条で、予備費については予見し難い予算の不足に充てるためということになっているわけですけれども、仮にこの補正予算が予備費だけ、あるいは何か名前のついた予備費、例えば中東情勢対策等予備費みたいな、コロナのときにありましたよね、そういったものが。こういった名前付予備費といったものを例えば燃料油価格だとか電気・ガス代の引下げに充てるというのは、今申し上げたように、この燃料油と電気・ガス代は予見可能ですから、予備費は使えないんじゃないですか、政務官。

三反園大臣政務官 お答え申し上げます。

 政府としては、これまでも燃料油価格の激変緩和措置について、令和七年度予備費を活用して一兆円強の基金規模を確保するなど、必要な対応を取ってきたところであります。

 補正予算の編成の今回の検討につきましては、先日の政府・与党連絡会議において総理から発言があったとおりでありまして、引き続き、中東情勢が不透明である中で、今後の物価動向、経済に与える影響をしっかりと注視するとともに、与党の提言を踏まえまして、経済活動、国民の皆様の暮らしに支障が生じないよう適切に判断し、必要に応じてタイムリーに対応していくことが重要である、リスクの最小化の観点から万全の備えを取るべく、補正予算の編成を含め、資金面の手当てを検討するよう財務大臣に指示があったところであります。現在、この指示を踏まえまして検討を進めているところでありまして、現時点で、補正予算の編成を含め、資金面の手当てについて申し上げられることはこれに尽きると御理解いただきたいと思っております。

 いずれにせよ、今般の総理の指示を踏まえまして、経済活動、国民の皆様の暮らしに支障が生じないよう適切に判断し、必要に応じてタイムリーに対応していくということであります。

後藤(祐)委員 補正予算に予備費だけ、予備費で何でも使えます、財政民主主義としてどう考えているんですか、官房長官。こんな予算が認められるようだったら、国会要らねえみたいな話じゃないですか。政府に全部任せろみたいな話じゃないですか。駄目ですよ、そんなの。

 官房長官、この財政民主主義との関係はどう考えていますか。

木原国務大臣 政府としましては、これは総理も発言がありましたが、リスクの最小化という観点から万全の備えを取るべく、補正予算の編成を含めて資金面の手当てを検討することとしておるわけですが、現在、その総理からの指示を受け、先ほど財務省政務官から発言がありましたように、今、財務省の中で検討を行っている段階であり、私の方からその中身については予断を持って申し上げることは控えますが、財政民主主義という観点から今こういうプロセスにのっとってやっているということで、問題はないというふうに考えております。

後藤(祐)委員 個別の項目をきちっと挙げた補正予算だったら別にいいんですよ。補正予算をつくるなということじゃないですよ。必要だと思いますよ。

 燃料油の価格引下げと電気・ガス代の価格引下げをちゃんと予算項目として立てて、今言ったようなリスクに対して対応するというのであれば、雇用調整助成金ぐらいは考えた方がいいと思いますよ。そのぐらいにコンパクトにして、だけれども目の前の必要なことを、やたらめったら、去年の秋みたいな十兆円単位とかじゃなくて、そういうコンパクトなものを、ちゃんと予算項目を立てて補正予算にすることを是非要望したいと思います。

 これで補正予算は終わりで、次のナフサに入りたいと思いますが、もし赤澤大臣がまだ来られていないようであれば、一旦ここで審議を中断したいと思います。

 官房長官と三反園政務官はこれで結構です。

山下委員長 では、官房長官、三反園財務政務官は退室されて結構です。

 それでは、速記を止めてください。

    〔速記中止〕

山下委員長 速記を起こしてください。

 後藤君。

後藤(祐)委員 赤澤大臣、到着早々で恐れ入りますが、ナフサ由来物資の不足について議論したいと思います。

 配付資料の四ページ目、今日は物資ごとに行きたいと思いますが、まず、シンナー。塗料、シンナーの対策についてという紙であります。

 シンナーについては、四月八日の委員会でも私から提案させていただきましたが、委員の皆様方も地元でよく言われていると思いますが、自動車塗装、建築塗装はもちろん、いろいろな塗装関係、それ以外も含めて大変不足しているという声を聞いていらっしゃると思います。包装材の印刷なんかも省略されているという状況になっていますが。

 これは、総量が仮に足りていたとしても、誰かがどこかでためている、あるいは念のためといって過剰発注をしたりしてどこかで足りなくなっているというのが現に起きているということだと思うんですね。なので、総量は足りているからそれでいいという話じゃないですよねという議論を今日はしたいと思います。

 まず、赤澤大臣に確認しますが、シンナーについてです。

 資料の四ページ目、シンナーは、石油化学メーカーの原料を商社が買って、商社がシンナーメーカーに売って、この辺りが川上ですよね、それで、でき上がったシンナーを卸だとか小売だとかというところに、この辺が川中ですよね、ということですが、この川上段階での生産量は、対前年同月でどうなっているんでしょうか。また、川中の卸あるいは小売の、かなり前の段階での販売量は、対前年同月でどうなっているんでしょうか。また、過剰在庫というのはないんでしょうか。シンナーについて、この川上、川中での状況を御説明ください。

赤澤国務大臣 お待たせをしたようで、申し訳ございませんでした。

 それで、シンナーについてでありますが、まず、私どもで分かっていることでいうと、生産量について言いますと三万三千七百トンといったことで、前年同月比でいうと一一三%の生産は行われているということを数字として把握をしております。

 卸の量とか過剰在庫の点については、これは残念ながら、ほかのものについてもそうなんですが、サプライチェーンが多岐にわたり、関連する統計がございませんので、なかなか把握ができないところはございます。

 その上で、これはもう委員御案内のとおりですが、全体量が足りているからいいということじゃないというのは全く御指摘のとおりで、私どもは、まず供給の偏りというのは、前より前年同月比で多く発注しちゃってほかの人に行き渡らないというのは供給の偏りと呼んでいますし、あるいは、シンナーで現にあったことですけれども、四月は例年どおり、五月は未定と言った途端に、もう四月からシンナーメーカーが供給量を半分に絞ってしまったという例を御紹介したと思いますが、これは、川上の方で逆に今度は供給量を絞ってしまうということで、流通の目詰まりと我々が呼んでいるものが起きています。

 そういうことは現に起きますので、その点については一つ一つ情報をいただきながら解消していかなきゃいけないということが必要であることは、委員御指摘のとおりでございます。

後藤(祐)委員 今、一一三%とおっしゃったのは、シンナーの生産量がということだと思いますが、うなずいていらっしゃいますよね。

 一つ一つ聞いていきたいと思いますが、次のページ、五ページ目、建築資材について伺いたいと思います。

 特にコーキング材と塩ビ管が非常に現場で逼迫しているという状況でございますが、これも同じように業者によってかなり差があるようでございまして、先ほど、シンナーについては川中の状況を把握できていないということでしたが、このコーキング材と塩ビ管について、同じように、メーカー段階での生産量がどうなっているか、卸の段階での販売量あるいは過剰在庫はどうなっているか、お答えください。

赤澤国務大臣 御指摘のコーキング材でございますが、これについては、生産量は四捨五入すれば一万七千六百キロリットルということでありますが、戸建て用とちょっと分けて議論した方がいいようでありますので、委員にはそういうふうに分けてお話ししますが、生産量全体は前年度月比で九六・七%となっておりますが、戸建て用については、〇・五万キロリットル生産されていて、前年同月比一〇九%ということのようであります。

 そういう意味では、コーキング材についても、川上の方も、どこに需要が集中するかを考えて、前年同月と比べて全体では生産量は多少減っているんだけれども、戸建て用は増やしているというようなことは、どうも民間の発議でやっているようでございます。

 それから、済みません、先ほど申し上げたつもりだったんですが、シンナー以外についても、サプライチェーンがちょっと多岐にわたり、関連する統計がないので、卸の販売量とか、卸が過剰在庫を抱えているかについては、申し訳ございませんが、ちょっとお答えできないところでございます。

後藤(祐)委員 塩ビ管の生産量はどうですか。

赤澤国務大臣 塩ビ管については、生産量は約一万七千七百トンと理解をしておりまして、前年同月比でいうと一一五%の生産になっています。

後藤(祐)委員 六ページ目が、潤滑油、特にディーゼルエンジンのディーゼルオイルがとても足りないと聞いています。もちろん、工作機械向けの機械油なんかも足りないと伺っておりますが。あとは、七ページ目ですけれども、ディーゼル車のNOx対策として必要な尿素水、アドブルーという商品名で流通している場合が多いようですが、この潤滑油、アドブルーについては、メーカーでの生産量、あるいはその先の川中での販売量、過剰在庫の状況はいかがでしょうか。

赤澤国務大臣 まず、潤滑油について申し上げると、前年同月比で生産は九九%となり、一%減っております。ただ、これも業界はいろいろ考えてやっているようで、輸入量について言うと前年同月比一四四%に増えているということがあります。

 それから、御指摘のアドブルーですが、これはちょっと数字については出さないでくれという会社からの要請があったようでありますので、前年同月比だけ申し上げますが、一〇九%ということで生産は増やしているということを情報として我々は入手をしております。

後藤(祐)委員 今日、国交省から上田政務官にお越しいただいておりますが、実際の現場で見たとき、例えば自動車整備業界、住宅業界、建築全般ですよね、あとはシンナー、コーキング材は管工事をやっている方とか建築業の皆さん、それ以外にも、ユニットバスが足りない、トイレが足りない、こういったことも起きていると思います。あと、今申し上げたトラック業界は、潤滑油とアドブルーのダブルパンチですよね。

 こういった業界でのシンナー、コーキング材、塩ビ管、潤滑油、アドブルーは、現場ベース、すなわち川下ではどのような不足状況だと認識しているでしょうか。そして、これらの原因として、過剰発注の問題もあると言われます。念のためたくさん取っておくかということで、平時に比べると逆にたくさん買ってしまっている業者もおられると思いますが、その状況について国交省から御説明ください、政務官。

上田大臣政務官 今ほど御指摘をいただきました自動車整備関係のシンナー、建築、管工事関係のシンナー、コーキング材、塩ビ管、トラック関係の潤滑油、アドブルーといった物資については、いずれも日本全体として見たら必要な量は確保されているものと承知をしております。

 一方で、一部の事業者の方々から供給不安の声が寄せられており、供給の偏りや流通の目詰まりを解消することが重要であるというふうに認識をしております。

 国土交通省では、業界団体等を通じた聞き取りやホームページに相談窓口を設けるなどの対応に加え、地方経済産業局や地方整備局、地方運輸局などの地方機関の連携を含め、プッシュ型で丁寧に供給状況を把握するなど、所管の業界等における仕入れ状況や価格高騰の状況把握を積極的に行っております。

 その上で、関係省庁との連携協力により、供給の偏りや流通の目詰まり解消事例などの情報提供、供給の各段階における個別の調整、工事の施工予定に見合った適切な調達の呼びかけといった取組を通じて供給の安定化に取り組んでおります。

 国土交通省としては、引き続き、国民の皆様の暮らしを守るため、現場の声を聞きながら、政府の一員として責任を持って対応していきたいというふうに思っております。

後藤(祐)委員 そんな川上、川中的、経産省的な答弁をしていたら、現場の声が伝わっている感じがしますか、今の。国交省は、足りねえよ現場はと言って、何とかしろと言わなきゃ。今の答弁は弱いですよ。

 農水省にも聞きます。

 根本副大臣、農業においても、マルチが足りないですとか、肥料はそこまでまだ逼迫していないという声もありますが、全世界的にいうと肥料が一番やばいんじゃないかという説もあって、価格は上がったりしてきています。価格の問題も含めて、農業の現場から、これが足りない、あるいは逆に過剰発注が発生しちゃっている、どうですか。

根本副大臣 お答え申し上げます。

 今、農業用資材、さらには肥料等々のお話がありましたが、農業用資材でいきますと、農業用マルチ、これは委員御案内のとおり、野菜等の安定生産に欠かせない農業用資材でありますけれども、この野菜マルチの供給懸念の声を受けまして、農林水産省においても、製造事業者の皆さんからヒアリングをさせていただきました。原料の供給状況等を直接聞いたところ、当面おおむね前年実績の供給が可能である、こういった声を確認をしたところであります。その際、前年実績を超える発注等が、こういった発注もあるよ、こういう情報もいただいたところであります。

 そういったことを受けまして、製造・流通業者の事業者に対して、調達支障時、調達支障があった際には関係者と協議してくださいよ、さらには、農水省へ相談してください、さらには、受発注の平準化もしっかりやってくださいということを、四月二十四日付で要請をそれぞれの生産者に行ったところであります。

 さらには、農水省でも相談窓口を設けておりまして、昨日までの時点で、農業用マルチが調達できず生産活動に支障が生じているとの相談は受けておりません。

 引き続き、農業現場や資材製造事業者の皆様からの声を伺いながら、農業資材の安定的な確保に取り組んでいきたい、このように考えております。

後藤(祐)委員 マルチが足りないと言われませんか、皆さん。あるいは、値段が高くなっているというかなり困っている声を聞きますけれども、大丈夫そうだという目で見ないで、需要側の方は是非、農水省、国交省、もうちょっと危機感を持ってやっていただきたいと思います。

 赤澤大臣に伺いたいと思います。

 先ほど、塗料、シンナーについては、なかなか卸だとか川中には情報はないようなことをおっしゃっておられました。ここが問題で、全体としては生産量はあります、あるいは対前年比はむしろ少し増えていますといっても、過剰発注をしたり、どこかがためていたりすれば、足りなくなっちゃうわけですから。

 特に、卸段階でためている人がいるかどうかというのは極めて問題だと思うんですよね。一番の需要家のところで念のためというのを、こらとやるのはなかなか難しいと思うんですけれども、そのもうちょっと前の段階でためているというのは、値上がり期待で待っているようなものですから、これはまさに、コロナのときのマスク、アルコールで、国民生活安定緊急措置法に基づいて転売禁止にしたわけですけれども、そういった話が視野に入り得るわけです。

 ところが、先ほど把握できないとおっしゃっていましたが、やはりこの川中、卸に対しては、どのぐらいため込んでいるか、あるいは出荷しているかというのが把握できないとすると、例えば国民生活安定緊急措置法や買占め売惜しみ法を発動するかしないかという判断ができないじゃないですか。

 場合によっては制度改正をして、川中事業者を中心にどうなっているかということを調査できる権限、場合によっては立入検査まで含めて、そういう権限が必要じゃないですか。制度改正をしないでどうやって把握するつもりですか、赤澤大臣。

赤澤国務大臣 まず、私どもが情報提供窓口を持っておりますので、しかも、これを我々は熱心に周知をしているつもりで、必要な情報をいただいてそれについて手を打っていくということは、現在それなりに有効に働いていると私どもは判断しています。

 現に、後藤委員に前回質問していただいたときに、私どもがそうやって一つ一つ端緒をつかんで、一個一個サプライチェーンを遡ってやった問題の解消件数が、御質問いただいたときは五十件だったんですけれども、五月に入ってからで大体二百五十件ぐらいにもうなっておりますので、相当解消していっている。

 そういう事例がそこここで聞こえてくれば、やはり、先ほどおっしゃった卸に判断で売らずに待っているような人たちも判断を変えていくということはあると思うし、もっと直接的な話でいうと、実は直販の体制をつくりました。実際に必要があれば、卸を通さずに元売からここに卸してくださいということを、我々がお願いをして発動するような仕組みもつくったので、そういう意味では、現時点において、今おっしゃったような問題についてかなり有効な手は打ててきているというふうには思っています。

 ただ、先ほど答弁したとおりで、卸や小売など川中における各物資の販売量や在庫状況については、情報提供窓口を通じて個社から情報を得た上で、サプライチェーンの情報として集約、把握しているというやり方になっていて、一つ一つ、供給の偏りや流通の目詰まりは解消しつつあるとは思っておりますが、ただ、もちろん、このやり方をこれまで以上に精力的に続けていくということに加えて、今まさに委員が御指摘のあったような、更にいろいろ問題の御指摘があり、国土交通省、農水省も頑張ってくれていますがまだ認識が足りないという御指摘もありますので、更に情報を収集する、そしてしっかり対応していくということに努めてまいりたいというふうに思います。

後藤(祐)委員 四ページ目のシンナーの例でいうと、塗装事業者から自分が買っている小売の状況は結構分かるんですよ。ところが、その小売の先の卸がどうなっているかはなかなか分からない。つまり、川下の方から川中の方を見ていくのは自分の一つ上ぐらいが限界で、上の上とか、その上とかというのは分からないんですよ。

 逆に、メーカーから大きい卸だとかというのは、おい、どうなっていると聞く方法はあるんですよ。数が少ないんですもの。そんなに大量な数じゃないと思いますよ。経産局があるんですから、各地方経産局で調べたらいいじゃないですか。ただ、その権限がないというのが多分実態だと思いますよ。

 実際、どうなっているかと、卸に経産局が入って、ちょっと見せろとできるんですか。

赤澤国務大臣 先ほど、私の説明の中で、一つちょっと誤解を招きかねないことがあったので申し上げると、直販の仕組みをつくったのは燃料の方であります。そういう意味では、石油製品について、まだ直販ということはできていないけれども、元売から燃料として必要なものは直販をする仕組みをつくったという説明をしたということで御理解いただきたいと思います。

 その上で、今委員がおっしゃったようなことは、何か権限があったりということでやっているのではありませんが、各業界ごとに、さすがに私どもももう真剣に取り組んでおりますので、ここの世界だと卸が大体何社あるとか、メーカーは大体何社だとかいうことは、一つ何か、これを何とかしてくれと来たときに、我々がサプライチェーンを一つ一つ遡り始めるときには必ず確認をして、おっしゃるように数がそんなに多くない、どんなに多くても大体三、四社で卸をやっていたり、メーカーも十社とかそれぐらいだったりするようなことが多いので、そういうところについては、一つ問題があれば、同じようなことをしていないかというようなことは我々は当たるようにはしておりますので、その辺は、我々の持っている権限というか、指導とかそういった事実上やっている仕事の範囲内で、できる範囲のことはこれはやっているところでございます。

後藤(祐)委員 実際、卸に、経産省として、あるいは政府として、どのぐらい在庫を抱えているかといったことを直接聞いたり、あるいは現場に行ったりしているんですか。

赤澤国務大臣 今の御質問について言うと、まず、経産局でヒアリングをやるようにしているのは、各県の上位三社の卸については、例えばシンナーで問題があり、あるいはコーキング材であれば、各都道府県ごとに上位三社についてはとにかく話を直接聞いて、どんな状況かということを把握し、対処するようにしています。

 また、地方整備局にも御協力いただいて、工務店とかでありますが、一人親方の方たちの状況なども確認をする努力をしていただいているところでございます。

後藤(祐)委員 三社でいいのかどうかを含めて、卸の方でため込んでいる人はいない状況を、政府として責任を持ってつくり上げてください。権限が足りないということであれば、制度を考えましょう。

 過剰発注が起きてしまうのは、ある程度、まあよくないことですが、一番の需要家側に近い事業者としては起きてしまうのは現実だと思いますが、これについては先ほど赤澤大臣が、一つ一つの物資について、対前年比でむしろ一〇〇%を超えて生産しているような物資も幾つかあったじゃないですか。だから、一〇〇%以上に生産できる物資もいろいろあるわけですよ。

 過剰発注がなぜ起きるかというと、この先どうも来ないらしいと思うから過剰発注をするのであって、いやいや、例えばシンナーについては対前年比一一〇%で生産していますとかいうことを一つ一つ示していけば、過剰発注というのは減っていくんじゃないですか。

 ですから、メーカーに対して、まあ途中のサプライチェーンがどの程度対応できるか、いろいろあると思いますけれども、今挙げたような物資については、対前年同月でよしとせず、当面の間、そんな長い間である必要はないですよ、過剰発注が起きなくなるまででいいんだから、当面の間、対前年プラスで生産いただけないかということを政府として要請すべきじゃないですか。

赤澤国務大臣 まず、二面あると思っています。

 まさに今委員がおっしゃったように、需要の側も、私も地元のよく知っている工務店の一人親方に聞いたら、接着剤は心配するな、ふだんの十倍発注しておいたと言われてがっくりきたんですけれども、こういうことが起きていると、今業界が努力しているような、一割、二割増産するだけで追いつくかというとなかなかなので、やはり需要側にも、今、ホームセンターとかにもポスターを貼り出して、前年同月比同量を注文するようにお願いしますみたいなことを書き、不安があれば経産局に御相談をどうぞみたいなことをやっております。

 そういう努力と併せて、今委員御指摘のとおり、各業界が生産量を通常より増やすということはやっていただけるとありがたいんですが、ただ、これはやはり民間の判断として、実際に作った在庫がはけるかとか、そういうことも判断しながらやっておられるので、現状においては、事実上、前年同月比で多くしてくださっている業界が多いように見受けられますので、私どもとしては、その状況をしっかり見ながら今後の対応は考えていきたいと思います。

後藤(祐)委員 もちろん、強制はできませんよ。ですが、もう少しお願いできませんかということを、これは政治判断で言っていただけないですか、大臣。

赤澤国務大臣 委員の御指摘は大変重要な点だと思いますので、数字についてももうちょっと精緻にきちっと我々の中で把握をし、業界ごとに、ほかの業界の状況を教えるだけでも多分いいと思うので、ほかの業界は前年同月比一一五%を作っていますがみたいなことも含めて、情報を共有をする中で促せることは促していきたいというふうに思います。

後藤(祐)委員 是非お願いします。それが伝わることが、過剰発注をしないための最大の周知だと思いますので。

 ほかの方法論として、使い捨て手袋、八ページ目ですが、これは政府から放出しました。いい取組だと思いますが。

 これはG―MISというやつで発注するわけですよね。大きい医療機関はいいんですが、小規模のクリニック、歯医者さん、薬局、介護事業者、これらも入手可能らしいんですが、本当に実際そういう形で発注されているんでしょうか。G―MISにつながっていない事業者は、入手する方法はあるんでしょうか。入手できるようにすべきじゃないでしょうか、赤澤大臣。

赤澤国務大臣 医療用手袋については、メーカーにおいても通常どおりの製造を行っているなど、全体として直ちに供給が不足する状況ではないが、一部の流通、需要家が、今後の調達の見通しに不安を抱いて過去の実績を超える量を過剰に発注するケースも見られています。その影響により、一般のネット通販では取引を停止している例があり、結果として、購入量が必ずしも多くない歯科診療所など一部の医療機関において手袋の確保が困難になっている、供給の偏りが生じていると認識をしています。

 こうした状況を踏まえて、備蓄している医療用手袋の余剰分のうち、確保が困難な医療機関向けに、具体的には、病院、歯科を含む診療所、訪問看護事業所、薬局、そして助産所を対象に、まず五千万枚放出をいたしました。四億を超える残りがまだございます。

 配付の方法としては、まずは医療機関等において、手袋が不足している場合に、委員御指摘のG―MISを活用して必要事項を入力の上、物資の要請を行っていただくということで、要請内容を国等において確認の上、販売事業者を通じて医療機関に手袋を販売するという流れとなっております。

 私自身の理解としては、医療関係の機関は、例えば有床であるか無床であるかとかを問わず、もうG―MISには基本的に全て登録されていたかと思うので、今、G―MIS以外でという御指摘だったんですが、実際にそこにニーズがあるのかはちょっと確認をさせていただきたいと思います。

 引き続き、関係団体と連携して状況を注視するとともに、医療や介護サービスの提供に支障が生じる状況を把握次第、関係省庁と連携し、必要な対応を速やかに行ってまいりたいと思います。

後藤(祐)委員 数億枚あるそうですから、けちる必要はないので、ちゃんと皆さんに届くようにしてください。

 終わります。

     ――――◇―――――

山下委員長 次に、内閣提出、重要施設の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。あかま国家公安委員会委員長。

    ―――――――――――――

 重要施設の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

あかま国務大臣 ただいま議題となりました重要施設の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明いたします。

 この法律案は、最近における小型無人機等をめぐる状況に鑑み、重要施設に対する危険を未然に防止するため、その上空において小型無人機等の飛行が禁止される対象施設周辺地域として指定すべき地域の範囲を拡大するとともに、対象施設及びその指定敷地等の上空以外の対象施設周辺地域の上空における小型無人機等の違法な飛行を行った者に対する罰則を設けること等をその内容としております。

 以下、項目ごとにその概要を御説明いたします。

 第一は、対象施設周辺地域として指定すべき地域の範囲の拡大であります。これは、その上空において小型無人機等の飛行が禁止される対象施設周辺地域として指定すべき地域を、対象施設の敷地又は区域及びその周囲おおむね千メートルの地域とするものであります。

 第二は、対象施設の追加であります。

 その一は、天皇又は内閣総理大臣の所在する施設を、警察庁長官が天皇又は内閣総理大臣の安全を確保するために必要な期間を定めて対象特別要人所在施設として指定することができることとし、これを対象施設とするものであります。

 その二は、外国要人が参加する国際会議の準備又は運営のために使用される会議場施設その他の施設を、外務大臣が当該国際会議の円滑な準備又は運営のために必要な期間を定めて対象外国公館等として指定することができることとするものであります。

 第三は、対象施設の安全の確保のための措置に関する規定の整備であります。これは、対象施設に対する危険を未然に防止するための措置を取ることを命ぜられた者が当該措置を取らないとき等において警察官が取ることができる措置に、対象施設の管理者その他関係者に対し必要な措置を取ることを命ずることが含まれることを明確化するものであります。

 第四は、罰則の創設であります。これは、対象施設及びその指定敷地等の上空以外の対象施設周辺地域の上空で小型無人機等の飛行を行った者に対する罰則を設けるものであります。

 なお、この法律の施行日は、公布の日から起算して二十日を経過した日としております。

 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。

 何とぞ、慎重審議の上、速やかに御賛同賜らんことをお願いいたします。

山下委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 次回は、来る二十二日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時十六分散会


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