衆議院

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第15号 令和8年5月27日(水曜日)

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令和八年五月二十七日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 山下 貴司君

   理事 安藤たかお君 理事 鈴木 馨祐君

   理事 中根 一幸君 理事 長谷川淳二君

   理事 鳩山 二郎君 理事 後藤 祐一君

   理事 浦野 靖人君 理事 森ようすけ君

      井出 庸生君    伊藤  聡君

      今岡  植君    大空 幸星君

      長田紘一郎君    金子 容三君

      川崎ひでと君    河野 正美君

      佐藤 主迪君    平  将明君

      中田  宏君    平井 卓也君

      平沢 勝栄君    文月  涼君

      古川 直季君    村木  汀君

      吉田 有理君    若山 慎司君

      渡辺 博道君    大島  敦君

      長妻  昭君    黒田 征樹君

      西田  薫君    井戸まさえ君

      臼木 秀剛君    野村 美穂君

      川 裕一郎君    高山 聡史君

      塩川 鉄也君    辰巳孝太郎君

      中村はやと君

    …………………………………

   国務大臣

   (内閣官房長官)     木原  稔君

   国務大臣

   (サイバー安全保障担当) 松本  尚君

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長) あかま二郎君

   国務大臣

   (共生社会担当)     黄川田仁志君

   国務大臣

   (日本成長戦略担当)

   (経済財政政策担当)   城内  実君

   国務大臣

   (人工知能戦略担当)   小野田紀美君

   内閣府副大臣       津島  淳君

   内閣府大臣政務官     金子 容三君

   内閣府大臣政務官     若山 慎司君

   内閣府大臣政務官     古川 直季君

   内閣府大臣政務官     川崎ひでと君

   政府特別補佐人

   (公正取引委員会委員長) 茶谷 栄治君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  清水 雄策君

   政府参考人

   (内閣官房ギャンブル等依存症対策推進本部事務局審議官兼就職氷河期世代支援推進室次長)      成松 英範君

   政府参考人

   (内閣官房日本成長戦略本部事務局次長)      西海 重和君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  鎌谷 陽之君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  中溝 和孝君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   阿久澤 孝君

   政府参考人

   (内閣府科学技術・イノベーション推進事務局審議官)            恒藤  晃君

   政府参考人

   (公正取引委員会事務総局官房審議官)       向井 康二君

   政府参考人

   (警察庁警備局長)    千代延晃平君

   政府参考人

   (消費者庁政策立案総括審議官)          飯田 健太君

   政府参考人

   (こども家庭庁長官官房審議官)          源河真規子君

   政府参考人

   (デジタル庁審議官)   上仮屋 尚君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 荒井 陽一君

   政府参考人

   (総務省総合通信基盤局電気通信事業部長)     吉田 恭子君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 貝原健太郎君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 大塚 建吾君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房高齢・障害者雇用開発審議官) 盛谷幸一郎君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           榊原  毅君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           熊木 正人君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房審議官)           関村 静雄君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官)         西川 和見君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           畑田 浩之君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁長官官房資源エネルギー政策統括調整官)         木原 晋一君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁資源・燃料部長)        和久田 肇君

   政府参考人

   (中小企業庁次長)    山本 和徳君

   政府参考人

   (国土交通省海事局次長) 河野  順君

   参考人

   (日本銀行企画局長)   奥野 聡雄君

   内閣委員会専門員     田中  仁君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月二十七日

 辞任         補欠選任

  川崎ひでと君     今岡  植君

  古川 直季君     伊藤  聡君

  野村 美穂君     井戸まさえ君

  塩川 鉄也君     辰巳孝太郎君

同日

 辞任         補欠選任

  伊藤  聡君     古川 直季君

  今岡  植君     川崎ひでと君

  井戸まさえ君     臼木 秀剛君

  辰巳孝太郎君     塩川 鉄也君

同日

 辞任         補欠選任

  臼木 秀剛君     野村 美穂君

    ―――――――――――――

五月二十六日

 犯罪による収益の移転防止に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第五一号)(参議院送付)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 犯罪による収益の移転防止に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第五一号)(参議院送付)

 内閣の重要政策に関する件

 公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件

 栄典及び公式制度に関する件

 男女共同参画社会の形成の促進に関する件

 国民生活の安定及び向上に関する件

 警察に関する件


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     ――――◇―――――

山下委員長 これより会議を開きます。

 内閣の重要政策に関する件、公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件、栄典及び公式制度に関する件、男女共同参画社会の形成の促進に関する件、国民生活の安定及び向上に関する件及び警察に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 各件調査のため、本日、参考人として日本銀行企画局長奥野聡雄君の出席を求め、意見を聴取することとし、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、内閣官房内閣審議官清水雄策君外二十六名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

山下委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。高山聡史君。

高山委員 チームみらいの高山聡史です。

 本日もよろしくお願いいたします。今日は質問順が最初ということで、またちょっと新鮮な気持ちで、よろしくお願いします。

 今般の不透明な状況が続く国際情勢と、そして、AIの急速な進化に我が国がどう向き合っていくか、今後補正予算の議論も始まりますが、今必要な備え、検討は何かという観点で、順に御質問をさせていただきます。

 まず、小野田大臣に伺います。

 アンソロピック社のクロード・ミュトスの出現以来、大臣には、この間、何度かAI関連の御質問をさせていただいておりますが、こうした高度なAIの登場は、サイバー攻撃への悪用リスクという防御面の課題を提起すると同時に、もう一つ、見落としてはいけない論点を我々に突きつけているというふうに思います。それは、こういったフロンティアAIモデルの開発、そして運用に必要な計算資源を国がどれだけ自国内で確保しているかということが、その国のAI主権、経済安全保障、そして産業競争力をも直接左右する時代に入ったのではないかという点です。

 フロンティアAIを開発する米国、中国の主要企業は、基盤モデル開発などに年間何兆円という規模の資本投下であったりとか、GPUも数十万規模という大規模な投資を動員をしている状況でございます。

 クロード・ミュトス級のAI、これは特徴的なのが、ほかのモデルよりもより多くの、大量の計算資源を要するというところでございまして、こういったモデルの登場は、AIモデル一つ一つの開発、運用に求められる計算資源の重要性が一段と高まったということを意味しており、我が国がAI主権を確立し、サイバー脅威にも自律的に対応していくためには、こういった計算基盤の確保について、これまでの想定よりも一段高い水準を目指していくことが不可欠ではないかなというふうに思う次第です。

 そこで、小野田大臣に伺います。

 クロード・ミュトスのようなAIが現に登場して、その悪用リスクへの対応というのが、総理指示の下、プロジェクト化されているような現在、AI主権の確立の観点から、計算基盤の確保についてこれまで以上に高い水準を目指して取り組むべきというふうに考えますが、大臣の考えを伺いたいと思います。

小野田国務大臣 計算資源を含めたAIインフラについては、昨年十二月に策定したAI基本計画において、AI研究開発の強化及び利活用基盤の増強、確保のため、十分な計算資源とその基盤となる半導体の開発及び供給、データセンター及びクラウド環境の整備等、AIインフラの戦略的な整備を加速するとしているところです。

 AIの高度化が急速に進む中にあって、我が国がAIの利活用を推進し、またAIの開発力を強化していく上で、御指摘の計算資源を含めたAIインフラを強化することの重要性はますます高まっているというふうに認識しています。

 計算資源の整備等については、経済産業省を中心に取組を進めているところではありますが、引き続き、関係省庁と連携し、AI技術の急速な進展を踏まえつつ、必要な取組の強化に努めてまいりたいと考えます。

高山委員 ありがとうございます。

 大臣から、今、AI基本計画を軸にお答えをいただきました。AI戦略全体としても影響を受けるところだと思いますので、是非引き続きよろしくお願いいたします。

 その上で、計算基盤の整備の具体目標、すなわち、規模であったり、スペックであったり、あるいはその整備、調達の時期だったりに関する政府の考え方について、今もお話にありました経済産業省に伺いたいというふうに思います。

 計算基盤の確保目標の考え方、足下、計画の達成見通しなども含めて、今後、規模、スペック、整備の時期についてどのように検討されていくお考えか、政府の見解を伺いたいと思います。

西川政府参考人 お答え申し上げます。

 生成AIは、技術黎明期でございます、市場動向の変化が大変激しいということもございまして、技術の進展に応じて随時、目標や整備の仕方を更新していく必要がある、まず基本的にこういうふうに考えてございます。

 その上で、現時点での目標でございますけれども、AI基盤モデルの開発に資する高度な性能のコンピューター整備について、経済産業省の有識者による会議、半導体・デジタル産業戦略検討会議と申しますけれども、において、二〇二七年度末までに六十エクサFLOPSの整備を目指すという目標で今進めさせていただいてございます。経済安全保障推進法に基づいて、その整備支援を行っております。

 他方、委員御指摘のとおり、今後について、やはり市場動向や技術の進展、こういったもの、世界の動きもしっかり見据えながら、必要に応じて目標を更に設定していくということで考えていきたいと思います。

 以上でございます。

高山委員 ありがとうございます。

 まず、今おっしゃっていただいた二〇二七年度の目標をしっかり達成に向けて進めていただいて、今御答弁にもありました技術の動向であるとか市場動向の変化、非常に激しいところで、これは、ほかの海外の国あるいは主要企業であっても計算資源の調達というところは非常に激しい競争があるところでございます。是非、前広にといいますか、中長期の確保目標をしっかり実現できるように、御検討をよろしくお願いいたします。

 続いて、城内大臣にお伺いいたします。

 中東情勢が緊迫化して以来、ホルムズ海峡経由の原油、エネルギーの調達に関して様々な不安が生じているところであるというふうに思います。全体量としては、備蓄も含めて、あるという一方で、ナフサ関連物資に関しては実際に現場で供給の目詰まり、届かないといった声も多くあるというところで、加えて、国内では物価上昇の長期化というところが企業のコスト構造に対しても大きなインパクトをもたらしている、こういった外的、内的なショックが我が国企業の設備投資の意思決定にも影響を及ぼしかねないという状況であるというふうに思います。

 今般、成長戦略の中核として国内投資をしっかり喚起をしていくんだというところは議論させていただいているところですが、こういった足下の不確実性が国内投資の減速につながらないかという懸念に対して、今日は御質問させていただきたいというふうに思います。

 こういった国際秩序の不安定化、中東情勢の状況みたいなものは、今回一回のことではなくて、いつまたより緊迫した状況にならないとも限らないといった中で、こういった外的な変化を一時的なものとして処理するのではなくて、成長戦略を実現していくまでにも何度かショックが起こり得るという政策設計が求められるのではないかというふうに思います。

 そこで、城内大臣にお伺いいたします。

 中東情勢に伴う物資供給の目詰まりであるとか物価上昇の長期化といった外的な影響を国内投資の構造的な減速要因として根づかせないというために、成長戦略の政策手段、様々あると思いますが、政府全体としてどう束ねて措置をしていくお考えでしょうか。大臣の戦略、お考えをお示しいただきたいというふうに思います。

城内国務大臣 今、高山委員から御質問ございましたけれども、外的ショックがあったとしても国内投資の停滞に直結させてはならないという御指摘がございましたが、現下の中東情勢を踏まえましてもというか、むしろ、こういった中東情勢があるからこそ、危機管理投資、成長投資により、気候変動、防災、減災、そして、特に、エネルギー、資源、さらには健康、医療など、世界共通の課題解決に資する製品等を開発し、国内外に提供することで日本の成長につなげる、こういった日本成長戦略の重要性には変わりはございません。

 また、日本成長戦略の中には、経済安全保障の確保に向けた製造、技術基盤等の強化にも取り組んでいくこととしておりまして、こうした取組は、様々な地政学リスクの高まりや、サプライチェーンリスクの顕在化の対応に資するものと考えております。

 この夏の日本成長戦略の策定に向けまして、十七の戦略分野や八つの分野横断的課題につきまして、省庁の垣根を越えて、スピード感を持って施策の具体化を一層加速してまいります。

 そして、さらに、未来への投資不足の流れを断ち切って、国内投資の促進に徹底的なてこ入れをするため、厳しい環境の中にあっても、高山委員御指摘のとおり、政府も一歩前に出て、事業者の予見可能性を高める大胆な措置を講じて、強力に民間企業の投資を引き出してまいる考えであります。

高山委員 ありがとうございます。

 是非、今御答弁にもありました成長戦略、これはしっかりやり切るというところで、足下の供給の目詰まり対策だけではなく、中長期の我が国の経済成長のために、しっかりと、打ち手を切らさずに実行いただきたいというふうに思います。

 続いて、松本大臣に伺います。

 先ほども触れましたが、クロード・ミュトスの登場以来、我が国のAI、そしてサイバー関連の政策、既に政府の方でもアップデートがあるというふうに認識をしております。プロジェクトYATAシールドの策定を踏まえて、今、自律的に脆弱性を発見し、悪用する能力があるような高度なAIを前提に様々な議論、検討が始まっているというふうに承知をしております。

 こういったAIの能力の高度化を踏まえると、攻撃面が広く、かつアップデートが必ずしも行き届きにくいIoT機器、様々ございますが、こういったIoT機器に対する対処、これまで以上に、ボットネット化であるとか、脆弱性悪用の主たる標的となるリスクを踏まえて、いろいろ対応が必要ではないかというふうに思います。

 これに関連して、経産省、IPAが運用を開始しているJC―STARというもの、現在、レベル1の運用が中心というふうに承知をしておりますが、日英の相互承認など、この制度の設計、そして運用が順次進んでいるところであるというふうに思います。

 これら進捗に関しては率直に評価できるところでございますが、クロード・ミュトスのようなAIによるサイバー脅威の高度化というものが現実に今来ている状況で、これまで想定されていた時間軸でよいのかというところを大臣に伺いたいというふうに思います。

 今般、いろいろ議論させていただいているとおり、脅威が高度化するスピードが大変速くなっているという中で、是非伺いたいのが、JC―STARのレベル2以上の本格運用、これを前倒しで進めていくということであったりとか、そして、政府調達においても、JC―STARの参照であるとか必須化、こういった検討について、これまでの想定よりも一段踏み込んでいく必要があると考えますが、大臣の御見解を是非伺いたいというふうに思います。

松本(尚)国務大臣 ありがとうございます。

 JC―STARは、非常によい制度だというふうに私も思っております。

 御指摘の点ですけれども、いわゆる星二つ以上、星二つ以降の高度な基準については、今年の二月に、通信機器及びネットワークカメラを対象として、一部の高度基準に係るセキュリティー要件を公開しました。夏頃までに申請受付を開始する予定をしております。

 スター3についても、本年中にはまとめていきたい。実は、もう既に通信機器についてはスター4までは適用が決まっていまして、今ネットワークカメラをやっていて、それからスマートホームをやって、その後にまたドローンとかいろいろなものが入ってきますので、順次これを進めていきたいというふうに思っています。

 一応そういうスピード感なんですけれども、確かに委員おっしゃるとおり、もっと早くやらなきゃいけないという気持ちは私も当然持っておりますので、これはまた、経済産業省と相談しながら前に、私の立場からもしっかりと後押しをしていきたいというふうに思っています。

高山委員 ありがとうございます。

 是非、経産省さんとも連携をしながら前に進めていただきたいというふうに思います。

 いきなり必須化ということではなくても、こういう基準だよということがしっかりメーカー側にも浸透して、その要素を政府としては気にしているよということのコミュニケーションが進むことによって、非常に前向きな効果があるというふうに思います。

 引き続き、松本大臣に伺います。

 クロード・ミュトスのような高度なAIに対する脅威に対しては、今のJC―STARのような取組もございますが、製品のサプライチェーン全体で対応を進めていく必要があるというふうに思います。

 十月、能動的サイバー防御法の本格運用フェーズに入っていくというところもございますが、重要インフラにおけるIoT機器のサプライチェーンリスク管理として、JC―STAR以外にも、取組をどう一体的に進めていくお考えでしょうか。大臣の御見解をいただきたいというふうに思います。

松本(尚)国務大臣 今、重要インフラについては、重要インフラのサイバーセキュリティに係る行動計画を策定して、その取組を実施しているところでございます。

 IoT機器等の調達に当たっては、安全基準等策定指針において幾つか内容を決めています。サイバーセキュリティーに対する要求事項を整理して、セキュリティーに対する対策状況を把握して、リスクアセスメント及びリスク対応などのリスク管理をちゃんと求めているというようなことで、加えて、先ほどのJC―STARを参照するというふうにしております。

 さらに、重要インフラの脆弱性への対応のために、情報提供、注意喚起を行うと同時に、今般、重要インフラ統一基準の作成、これを今やっているところです。もうやがて、大体、骨子はできていますのでもうすぐできますけれども、行動計画はボランタリーですけれども、統一基準については、サイバーセキュリティ基本法に基づいた、いわゆる、ねばならないというマストなものでございますので、この二つ、行動計画と統一基準をしっかりと重層的に用いながら、重要インフラのサイバーセキュリティーに努めてまいりたいと思います。

高山委員 ありがとうございます。

 御答弁の中にもありました脆弱性情報の共有、官民連携の中でどういう情報をどこまで共有するのか、そういったところも含めて是非しっかり御検討いただきたいというふうに思います。

 時間ですので、私の質問を終わります。ありがとうございました。

山下委員長 次に、大島敦君。

大島委員 おはようございます。よろしくお願いします。

 まず最初、政府参考人から、燃料価格補助について確認をさせてください。

 三月十九日の再開以降、直近の適用週までの燃料価格補助について、ガソリン、軽油、灯油、重油その他の対象油種全体に係る補助実施週数、国費ベースで事業者に実際に支給された補助金額及び当該総額を補助実施週数で除した一週間当たりの平均支給額を明らかにしていただきたいと思います。よろしくお願いします。

和久田政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、燃料油価格の激変緩和補助金によりまして事業者に実際に支給された補助金額につきましては、当該分の支出を翌月末までに精査をして確定をしております。

 現時点で確定し得る直近の実績としては、三月分で約千八百億円を支出をしてございます。この三月分の実績につきましては、三月十八日までは、ガソリンを除く軽油、灯油、重油、航空機燃料に対する定額の引下げ措置を実施をしておりまして、三月十九日からは、ガソリンの小売価格を全国平均で百七十円程度に抑制する緊急的な激変緩和措置を実施をしておりまして、それを合わせた支出実績となってございます。

 三月十九日から本日五月二十七日までの実施週数は、十週間となってございます。

大島委員 三月十九日から三月いっぱいで一千八百億円ですから、結構な金額だと思っていて、今、日本が代替として輸入しているのは米国のシェールオイルだと思っております、その価格は、パナマ運河を通りますし、結構長い距離を走るものですから意外と高いかなと思っていて、今後、そのオイル価格が、二月二十八日、米国、イスラエルのイランへの攻撃よりも前の水準のWTIで六十五ドルまで下がるということは、結構時間がかかるかなと思っています。

 お手元の資料の最終ページを見てほしいんですけれども、これは、実質平均賃金及び時間当たりのGDPの推移で、時間当たりの、平均賃金と実質賃金の推移でして、日本はなかなか実質賃金が上がっていないということでして、私たちの国としてはインフレに対する耐性が意外と弱いかなと思っていて、今後のことを考えると、物価高に備えて手当てをするところが多分にあると思っております。

 その中で、子供食堂について伺いたいと思います。これは副大臣にお願いします。

 今後、エネルギー価格の上昇が食料品価格や光熱費等に波及し、国内の物価上昇が続く場合、一人親家庭を始めとする生活困窮子育て世帯の生活は一層厳しくなることが懸念されております。特に、夏休みなど学校給食が提供されない長期休業期間には、家庭における昼食費や食事確保の負担が増加します。学校給食は子供が望ましい食生活を身につける上で重要な役割を果たしているとされており、給食がない時間における食の支援は、子供の健康と、生活をする観点からも重要であると考えております。

 以上のことについて、副大臣から現状認識をお願いいたします。

津島副大臣 御質問ありがとうございます。

 物価高騰が続いている中で、食の確保に係る支援は大変重要である、そのように認識しております。

 議員御指摘のとおり、特に夏休み期間中に、食の支援もそうですけれども、エアコンを控えて子供たちが熱中症の危険にさらされたり、そういったリスクもございます。加えて、給食がないことによる、十分な食事を取ることができない、そのことによって健康リスクが高まったりすることがないようにしなければなりません。よって、涼しい居場所と食事の確保を支援することが必要でございます。

 こども家庭庁では、今般の物価高への対応として、令和七年度補正予算において、子供食堂等の運営支援を通じた食事等の支援等に取り組んでいるところでございます。さらに、令和八年度予算においては、長期休暇中に集中的に、暑さ対策等が整った場所での食支援や、子供宅食を実施する場合の補助メニューを創設したところでございます。

 なお、現在、こども家庭庁が司令塔となり、文部科学省、農林水産省、消費者庁、厚生労働省、環境省の五つの関係省庁と連携し、自治体に対し、国の既存の事業や制度を組み合わせて活用すること等により、夏休み中の子供たちを切れ目なく支える取組を実施していただくよう、働きかけております。

 生活に困窮する子育て世帯に必要な支援をしっかり届けられるよう、自治体とも密に連携して取組を進めてまいります。

 以上です。

大島委員 一九七二年に日中国交正常化を成し遂げた田中角栄氏は、人に会うと、飯食ったかと声をかけていたそうです。飯食ったかというのは政治の本質だと思っていて。食べられていない子供たちが多い、今の貧困は、分からない貧困なんですね。軽自動車に乗っていらっしゃったり、小ざっぱりしていらっしゃるんですけれども、見えない貧困だと思っています。

 学校給食は、元々、戦後間もなく、つい最近まで、少し前までは、朝御飯、夕御飯がメインの食材であって、学校給食はお弁当の代わりなので、お弁当の代わりとしての給食だった、これが今、子供たちにとってはメインの食材になっているところもあるので、やはり、子供食堂等、食べることにはこだわりたいなと思っています。

 二〇二〇年からの新型感染症のときに、そのときも結構厳しくて、あるNPO法人が大手の証券会社から寄附をいただいて、それで四千七百七十九世帯九千七百八十七人に、お手元の資料だと三ページにあるスケッチブックとか自由帳とか、あるいは色鉛筆とか鉛筆とかを送ったんですよ。私、そのNPO法人に伺って、一千八百三十五通のはがきに全部目を通した。その中に書いてあったことは、いつも五冊百九十五円のノートなので、キャンパスノート五冊に見とれてしまいましたとか、コロナで気持ちが沈んでいる中、温かい気持ちに触れ、感動しましたと。これは、私がはがきを読みながらメモしたものなんですけれども。

 これからオイル価格が高止まっていくとすれば、今後、新型感染症下と同じように、一人親家庭の方、あるいは経済的になかなか厳しい方が更に厳しくなることが予想されると思うんです。今回も賃金が上がっていますし、去年も最低賃金が上がりましたけれども、それを超えての物価高がこれから来ると思うので、この点につきまして、やはり、今後、当初予算、来年度予算もありますし、補正もありますし、ここはしっかり充実したいと思っています。

 それで、官房長官に伺いたいのは、政府として、子供食堂、子供の宅食、フードバンク、フードパントリー等の食支援団体に対し、食材費、光熱費、燃料費を含む配送費、人件費等を対象とした緊急的かつ十分な財政支援を行うべきではないかと考えております。

 あわせて、一人親家庭や生活困窮子育て世帯に対し、夏休み等の長期休業期間を含め、食料支援、これは昼食費支援、光熱費支援、児童扶養手当等の現金給付の拡張など、家庭に直接届く支援を強化する必要があると考えております。

 私も子供食堂を時々訪問をさせていただいていて、去年、おととしかな、訪問したときには、女子中学生が手伝っている、団体の方にどうしているんですかと聞いたら、いつもお世話になっているのでボランティアでお手伝いしているというお話を聞いて、やはり温かい気持ちを持っていらっしゃるのかなと思いました。

 ですから、先ほどの、飯食っているかというのが僕は政治家としての一番の問いかけだと思っていて、飯食っているかといって、食べられない方がいることが、やはりこれは政治として手当てする必要があると思っていて、戦後は、恐らく近所づき合い、町内会の中で子育てをしている面があったと思う、今はそういう時代じゃないので、こうやって子供食堂等で社会を補っているところが多いと思うものですから、今後、予算等を含めて、政府として是非対応していただきたいと思いますので、官房長官からの御答弁をお願いします。

木原国務大臣 今委員が例示を挙げられた子供食堂とか子供宅食とか、あとフードパントリー、そういった施設については、困窮する一人親家庭など、要支援世帯の子供を支える重要な役割を担っていただいていると理解をしております。物価高騰の影響が続く中で、その重要性というのは一層高まっているという認識であります。

 このため、令和七年度の補正予算を活用した子供食堂等の運営支援、これに加えて、令和八年度予算においては、夏休み等の長期休業期間における食事やまた居場所に対して支援を行うなど、関係省庁が連携して、既存の関連事業や制度と組み合わせながら、一人親家庭や低所得の子育て世帯を含め、様々な困難に直面する子供への支援が行き届くように取り組んでいるところであります。

 また、全ての子育て世帯に対しては、物価高対応子育て応援手当によって子供一人当たりに二万円を給付するなど、令和七年度補正予算において、一世帯当たり、標準的に年間八万円を超える規模の支援を行うことになっており、現在その迅速な執行に努めているところであります。

 さらに、先般閣議決定をしたところですが、電気・ガス料金については、この夏に向けた対応として、一般予備費を活用して、使用量が増加する七月から九月、ですから夏休み期間がちょうどここに当てはまりますが、その料金への支援を実施し、標準的な御家庭においては三か月で五千円程度の負担の引下げ効果が実現できるというふうに考えております。

 政府としては、こうした施策を総合的に実施し、現下の物価高の状況においても国民生活と経済活動に支障が生じないように、今後も万全を期していく考えでございます。

大島委員 やはり、飯食ったかと会う方たちに必ず問いかけていた田中角栄氏のその気持ちで、予算、政治は予算だと思うので、是非配慮していただくことをお願いします。

 副大臣はありがとうございました。

山下委員長 では、御退席されて結構です、津島副大臣。

大島委員 続きまして、ナフサ関連について伺いますので、副大臣は退席していただいて結構です。

 お手元の資料の一ページ、二ページ、これは、私の知っている中小、小規模、特に小規模企業から個々の品目について伺いました。自動車修理工場の品目についても政府の、多分経産省のホームページから先週入力をさせていただいていて、工務店は国土交通省のホームページから入力をさせていただいています。意外と見つけにくいです、入力するページは。

 それで、お手元の資料の五ページ目を見ていただくと、これは大島が作ったものでして、ここに、皆さんがQRコードに当てると、先週内閣委員会で私が提示したのは経産省のホームページにしか飛ばなかったんですが、それじゃなかなか分かりにくいので、ここに当てると直接入力のホームに飛びます、これを地元で、名刺の裏に刷って配っております。

 ただ、本当にそれが、本質は細目に宿るので、ここに書いてあることについて今現況がどうなっているかについて、参考人からの御答弁をお願いします。

畑田政府参考人 お答え申し上げます。

 今、この配付資料でそれぞれの品目を示していただいているわけですけれども、これらの石油化学製品、シンナー含め数々がございますが、これらについて、取引状況に関するお困りの声が当省あるいは関係省庁の情報提供窓口に順次届いているということでございます。

 ここに実際の価格ですとか書いていただいていますが、相談をそれぞれ受けております、我々で個別に情報収集、対応している中での、そこで得られた各事業者ごとの、個別品目ごとの供給量ですとか納期、値段、そういうことにつきましては、個別の情報でもございますし、また、それぞれケース・バイ・ケースで、いろいろな事情と数字がございますので、一概にここで申し上げることは難しいですけれども。

 お示しできる数字として、統計に出ているものでいえば、例えば、よく話題に上りますシンナーで申し上げれば、生産動態統計、三月のものによれば、販売数量は三・七万トンですとか、あるいは平均販売単価は一トン二十六・五万円などというふうに、我々フォローをしております。

 窓口にお寄せいただいた情報につきましては、必要な品目、必要量、在庫の状況を細かく確認をいたしまして、供給の偏りや流通の目詰まりを一つ一つ確実に解消に向けて努力しているというところでございます。

大島委員 今の政府参考人の答弁を伺うと、入力して送ったとしても、ここに皆さんに提示している塗装仕上げのシンナー、パテ、あるいは整備のオイル、工務店の個々の個別品目、あるいは製造業の摺動面オイル、NCマシンの潤滑油ですね、ここの個別具体的な個々の商品については政府は答えられないという理解でいいですよね。おおむね供給としてはここがスタックしているんだけれども、個々の品目についてはなかなか答えられない、そういう理解でよろしいでしょうか。

畑田政府参考人 お答え申し上げます。

 御相談いただいたものについては、誰がどこで何が手に入らなくて困っているか、そういう各論で相談をいただいていますので、その方の手元になるべく早く物が届くようにということで、その方がふだんはどこから入手をされているのかとか、あるいはその更に上流は誰なのかとか、これは各論で全てやっておりますので、いただいた相談については、状況を教えていただきながら把握をしております。

大島委員 済みません、今の体制が何人ぐらいか、教えていただけますか、経産省のこの部隊の体制について。

畑田政府参考人 日々拡充しながらやっておりますけれども、今、我々、数百人の体制を組んで対応しております。

大島委員 もう一度確認するけれども、個々の品目について、後で大島に、これについて納期、いつまでかというのは確約できるか。これについて社名も挙げて大島はちゃんと届けるから、それについて、政府として、しっかり、いつまでに納期を守って配送できるかという答弁ができるかどうか、それを聞かせてください。

畑田政府参考人 各論として、個別の事案として御相談といいますか、個別の解消すべき案件としていただければ、それについて、個別の事業者のお名前ですとか、どこから本来入手したいかとか、そういうことをお聞きした上で、我々からもふだんの入手先あるいはそれ以外に入手可能な先などにアプローチをして、なるべく早くお手元に届くようにということで、お手伝い、調整をさせていただくということでございます。

大島委員 数百人の体制だけれども、多分アナログでやっているかと思うんだけれども、その点、いかがですか。

畑田政府参考人 アナログという御趣旨にもよりますが、通常はメールを中心に情報をいただきまして、そこで、そこから先はケース・バイ・ケースなので一概に申し上げられませんが、必要に応じ、必要な方に、もし電話がアナログということでよろしければ、関係者に電話をすることを含めて調整をして、一日も早い供給につなげるべく努力をしております。

大島委員 にわかには、体制として数百人で対応できないと思う。だって、何万社という会社、これからこのQRコードを配って、皆さんのところに行って、個々の個別品目について納期が、いつまでにできるかなんというのは言えないと俺は思うよ。

 一旦、大島ここで閉じますけれども、この品目、社名を全部つけてお渡しするので、今週中ぐらいには、いついつまでに入るということを確約できるかどうか、その答弁、お願いします。

畑田政府参考人 いただいた御相談につきまして、これがいつ納入できるという確約が、すぐそこで確約できるかはちょっとここではお約束できかねますけれども、すぐ着手をして、入手先あるいは入手でき得る先にアプローチをする、そういう作業を始めるということでございます。

 その先が、これもまた各論になりますけれども、一つ上の、一つ上流の事業者さんにおいてどういう状況になっているのか、何が起きているのかによってそのさらに二つ目のアクションが変わってきたりしますので、ちょっと、いつ供給できるかをお知らせできるタイミングがすぐかどうかは分かりませんけれども、着手は速やかにさせていただきます。

大島委員 多分、経産省の皆さんは実務をやった経験がないと思う。私はメーカーにいたり、金融機関にいたりして納期遅延の管理とかやっていたので、これは結構大変なことですよ。

 二〇二〇年の新型感染症のときには、デジタルでやるんだということで、相当、何かデジタルを使ってやって、うまくはいかなかったけれども、今のAIだったらできると思うよ。手書きだって全部読みますし、全部ぶち込めば全部まとめてくれるので、これは経産省の皆さんがやる仕事じゃないと思う。

 一言伺いたいのは、これは消費者庁さんに伺いたいのは、この中で、国民生活安定緊急措置法についてどういう対応が取れるのか、簡単に説明してください。

飯田政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま委員の方から、国民生活安定緊急措置法についてお尋ねがございました。

 この法律は、物価の高騰その他の我が国経済の異常な事態に対処するために、生活関連物資などの価格及び需給の調整等に関する緊急措置を定めるものでございます。本法におきましては様々な措置が講じられておるわけでございまして、それぞれの措置の発動要件を満たす場合にはいろいろな規制的措置が講じられるということでございます。

 例えば、ある物資の供給網の末端までの供給というようなことにつきましては要件がございまして、物価が著しく高騰し又は高騰するおそれがある場合において、生活関連物資などの供給が著しく不足し、かつ、その需給の均衡を回復することが相当の期間極めて困難であることにより、国民生活の安定又は国民経済の円滑な運営に重大な支障が生じ又は生ずるおそれがあると認められ、別に法律の定めがある場合を除きまして、こういった要件に該当しませば、につきましては、当該物資を政令で指定した上で、割当て、配給等の措置を講ずることができるとされているところでございます。

大島委員 伺ったところ、前回の新型感染症、新型コロナウイルス感染症のときには、マスクの地域偏在について適用したということを伺いました。そうすると、やはり、こういう事態においては法的根拠に基づいて仕組みをつくってやった方が早いと思う。やはり、官僚の人たちがやるよりも、民間に任せてこれはやった方が早いと思う。要は、流通だって複雑ですから、それを全部理解するだけでも結構手間がかかる。公正取引委員長がいらっしゃいますけれども、これは質問しませんので、それは恐らく独禁法に抵触するはずなんですよ、法的根拠がないと。

 ですから、官房長官にお願いしたいのは、やはり、政府として、今の体制は、これから結構大変になってくるおそれもあるので、もう一回体制を見直した方がいいのではないのかなと私は思うものですから、その点についての御答弁をいただければと思います。

木原国務大臣 今委員からは、民間事業者団体の力を発揮していただくためにも、その活動がルールや法令に適合している旨が明らかになる必要があるという御指摘だと思います。そのとおりだと思っております。

 独占禁止法との関係について申し上げると、事業者間における情報公開であったり、また、対話について、独占禁止法との関係で萎縮することがないように、昨年十一月に公表した経済安全保障と独占禁止法に関する事例集を活用しつつ、活動の予見性が高まるように努めているところでありまして、この点、引き続き取り組んでいく必要があると感じております。

大島委員 経産省の政府参考人に確認なんですけれども、結構これから、今の答弁で、個別具体的に皆さんのところに、この品目はいつまでに入るかという問合せが来ると思う。NCマシンの潤滑油がないためにNCマシンが動かなかったり、ペンキがなかったために最終的にまだ引渡しがないので代金が入っていなくて結構資金繰りが大変だとか、ここの修理工場については今までは在庫を持っているけれども、納期を聞いても納期未定だと言われるわけですよ。納期をしっかりと示してもらわないと。

 ですから、日本の産業の毛細血管の一番先のところまで捉えられていないのではないかなと思う。これを個別具体的に答えることは、物すごく大変なことですよ。何万という問合せが来るかもしれない、何千かもしれない、それに個々に経産省の優秀な皆さんが百人なり二百人なりでやったとしてもなかなか難しいかなと思うので、その点について政府参考人から御答弁をお願いします。

畑田政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、字面で申し上げますと、納期を明らかにするということよりも、一刻も早くお手元に届くようにということで、調整そのものを我々のチームでやらせていただいております。

 また、役人に実務経験はないではないかという御指摘で、確かに私も受発注をした経験はありませんけれども、組織力と申しましょうか、地方ベースでいえば経済産業局、あるいはほかの関係省庁も出先機関まで総動員して、あるいは本省の、あるいは地元のネットワーク力も含めて、一つ上流、二つ上流というところに個別に連絡を取り、状況を確認し、過剰な不安があればそれを解消することで、一日も早い供給に向けた調整をそれぞれしているということでございます。

 たくさん問合せ、あるいは情報提供があれば、その分仕事が増えるのは事実でございますが、先生もQRコードありがとうございます、我々もQRコードを使いながら、問合せ窓口があるよということを周知しておりますし、QRコード自体はデジタルなのですが、例えば、ホームセンターの棚、店舗に張り紙をして、問合せできますよということをお知らせをしたり、あるいは、申し上げました地方経産局から地元の商工会、商工会議所を含め地元経済界に、これはデジタルでなく、フェース・トゥー・フェースでお知らせ、あるいは相談を拾いに行くことも含めて、むしろ相談件数を増やす側で努力をしております。

 また、そうはいっても、偏り、目詰まりがなくならない中で、経営上難しくなられる事業者もありますので、それは、資金繰り支援を含めて、経営上の相談にも乗りながら対応している。引き続き努力してまいりたいと思います。

大島委員 時間になりました。

 政府参考人は、申し訳ないんですけれども、納期については具体的には答えられていないので。やはり納期が一番必要なので、先が見えないので。経産省の皆さん、各役所の皆さんが一生懸命やっていることは承知をしています。ただ、これは、餅は餅屋に任せた方がいいと思うし、役所の皆さんは仕組みをつくるのが仕事なので、新型感染症のときには多分JTBさんにお願いして実務をやっていただいたと思うので、やはりそういう実動部隊をつくって、今のAIを投入しながら行っていくとスムーズかなと思うので、一応、後でお渡ししますので、是非御回答をいただければと思います。

 終わります。ありがとうございました。

山下委員長 次に、長妻昭君。

長妻委員 長妻昭でございます。よろしくお願いをいたします。

 懸案の個人情報保護法改正案について質問をさせていただきたいと思います。

 いわゆる統計特例の話でございますが、氏名と住所つきの病歴、あなたはどんな御病気ですかと、この病歴を、統計作成等であれば本人の了解を得ずに企業に提供できるというのは、これは本当ですか。

松本(尚)国務大臣 病院等医療機関が氏名、住所入りの非公開の病歴を企業に提供することも、これは一律には禁止はされておりません。

 なぜならば、以前から申し上げているとおり、データそのものを構造化されていない場合に個人のデータを抽出することは困難な場合があるということ、それから、提供先がどういうデータが必要かというものは提供元が判断することは難しいということでそういった判断になっているということでございます。

長妻委員 そうすると、もう一回確認ですけれども、病歴、例えばゲノム情報も含まれるということでよろしいんですか。

松本(尚)国務大臣 いろいろなデータがありますので、ゲノム情報もその一部ということにはなろうかと思いますが、ゲノムの情報については、またいろいろとほかにもルールがございますので、他の法律があれば、その法律に従うということにはなろうかと思います。

長妻委員 そうしますと、病歴について、住所と名前つきの病歴、今どういう御病気か、過去どういう御病気になっているのかということが、統計作成等であれば、公開されていない病歴であっても名前つきで、本人の了解を得ずに企業に提供できる、こういう規定があるということだと思うんです。

 当然、その病歴の中には、例えば、妊娠中絶とか精神疾患とか性病とか遺伝病とか不治の病とか難病とか、こういうものも名前つき、住所つきで提供され得るということでよろしいんですね。

松本(尚)国務大臣 提供され得るか得らないかという話になれば、提供され得ると思いますが、ずるずるに全部提供できるわけではなくて、提供先がどういうデータを必要としているかとか、あるいは提供元がこのデータは出してはいけないなとか、そういったことはちゃんとお互いに判断した上で行うことになりますから、ただデータを丸ごと、そこにあるデータを出せと言われて、はいはい、分かりましたよと出すような、そういうルールにはなっていません。

 これは、例えば、どんな目的で使うかも含めて、規則とかガイドラインとか、そういったものできちんと探っていって、しかも、目的外使用とか第三者に目的外で渡したとか、そういうようなことがあれば、それは最初の要件を満たしていませんから、いわゆる特例の対象になりませんので、そこのところはきちんと説明しながらこの法律の適用をすることが必要だと思っています。

長妻委員 当然、この改正法を守った上でという前提でありますけれども、そうすると、例えば、提供元が保険者とか医療機関だとしますよね、提供先は企業、これはオーケーなわけですけれども、その提供先の企業が、名前、住所つきの病歴、これがないと困るよ、だから提供してほしいということであれば、提供できるということになるわけじゃないですか。幾らガイドラインで、それは駄目だということは、禁止できないわけですよね、法律で書いちゃっていますから。それはそういう理解でよろしいんですか。

松本(尚)国務大臣 この統計作成をするという目的の中において住所や名前が必要であるということが妥当であれば、これは特例の対象になると思いますけれども、妥当かどうかの判断というのは、提供先であれ提供元であれ、お互いにそれはきちんと同意をするというか、合意をした上で進めるということになると思います。

長妻委員 でき得るということで、個情委にお伺いすると、AIを学習させるためには、実名と住所があった方がAIの精度が上がる、こういうような意見もあるとおっしゃっているので、そういう企業も出てくると私は思うんですね。大変危険なことだというふうに思うんです。

 そうすると、企業規模というのは問われるんでしょうか。こういう機微に触れる情報を出すときに、例えば、個人事業主にでも名前付病歴を出すことはできるんですか。

松本(尚)国務大臣 統計作成等の特例というのは、個人の権利利益を害するおそれが少ないものということを担保する観点、これは必要だと思いますので、提供先に一定の体制の整備を求めなければいけません。例えば、必要のないデータ項目については遅滞なく削除するとか、規則で定める措置を講じるための適切な体制を整備、維持することなどでございます。

 ただ、それをきちんと満たしていれば、規模の小さい事業であっても同特例が求める適切な体制を整備することは可能であると考えておりますので、今おっしゃるように、企業規模は特段問題がないということです。

長妻委員 個人事業主でもオーケーですか。

松本(尚)国務大臣 個人であれ大企業であれ、今の私が申し上げた要件に沿っていれば問題ないというふうに思います。

長妻委員 それで、私は信じられなかったのは、外国企業にも、お医者さん、病院が本人の同意なく、氏名つき、名前つきで、公開されていない病歴を提供できるということなのでございますが、当然、基準適合体制という、日本国内並みの保護のレベルがあるという前提だと思いますけれども、これも外国企業でもオーケーなんですか。

松本(尚)国務大臣 この特例は、外国にある第三者に対して、日本国内の提供先と同等の保護水準が確保されている必要があるということです。この保護水準というのは、いわゆる十分性認定といって、我が国と同水準の個人情報保護に関する制度を持っているところ、EUと英国がそうでありまして、これは対象になります。それから、提供先が、個人情報保護法に基づいて講ずべき措置に相当する措置を継続的に講ずるための体制を持っている、要は、個人情報保護法の求める措置がきちんとできているというところで、今委員がおっしゃった基準適合体制という場合、この二つに限定されております。

 一番は、EUと英国はちゃんと決まっていますから、それ以外の国においては基準適合体制が適用されることになりますけれども、いわゆる先方がこの体制を整備できていないと提供元が判断できるのであれば、これは別に提供しなくてよくなりますから、例えば、委員が想定されている懸念国のようなところと関係のある提供先であれば拒否ができますので、そこでフィルターはかけられるというふうに思います。

長妻委員 例えば、巨額の報酬を出す企業があって、提供元は法律にのっとって提供できるわけですから、例えば中国企業に対しても、基準適合体制が確認できれば、提供するということは違法じゃないわけですよね、提供できるということになる。

松本(尚)国務大臣 ルール上は、基準適合体制が確認できればということになりますけれども、それ以外にも、お互い、提供元と提供先でデータのやり取りについて合意をするわけですから、その合意の中において、妥当なものがないというふうに提供元が判断すれば提供することは止められますから、幾つかのフィルターをかけながら、懸念国に対してはデータの提供を拒否することは可能だというふうに思っております。

長妻委員 ちょっと大臣、甘いと思うんですよね。個人情報保護法の現行法でも、このルールを守っても提供できるので、中国企業に個人情報を提供している企業があるんです。

 産経新聞が調査をしまして、二〇二一年の五月ですけれども、日本国内大手企業七社で、個人情報が中国に移転されたり、中国企業が個人情報にアクセスできたりする状況にあったという調査結果が、産経新聞がされて、報道がございます。これは法律を守った上でなんですよ。ですから、やる企業もあるわけですよね。

 中国は、国家情報法という法律があって、釈迦に説法ですけれども、情報を提供せよと国が命じれば情報を提供しなきゃいけない、民間でもですね。こういうような非常に穴が空いたような法案は、私は欠陥法案だと言わざるを得ないんです。

 個情委そのものも、実は企業に昨年末調査をして、回答企業六百三十四社中二百七十九社、四四%が、個人データ、個人情報を含んでいますけれども、これが海外に移転された、こういう結果も出ているわけでございます。

 そして、資料の一番最後のページにつけておりますけれども、先月、イギリスで五十万人分の医療データが流出した、こういうことがございました。ただ、イギリスは、その医療データを民間に、あるいはデータベースに出すときは名前と住所は削除して出していたので、それでもまずいんですけれども、これはアリババのサイトで出品されていたんですね、中国の企業の。

 ところが、今回、今の法律は、自民党の皆さんも聞いていただきたいんですが、名前と住所つきで病歴が企業や個人事業主に出ちゃうわけですよ、本人の了解なく。漏れたときは大変な危機に私はなるのではないかというふうに思うんです。

 もう一つ、私は信じられないのが、オプトアウトができないということなんですね。

 事前にお話を聞くと、この法律にのっとって病院が例えば企業に情報を渡すとき、病歴を渡すときに、ホームページで、うちの企業は渡しますよというのを、ちっちゃい字なのか大きい字なのか分かりませんが、あらかじめ表示しなきゃいけない。例えば、それを聞いた人間が、その病院にかかっている患者さんが、自分の病歴情報は、自分のだけは渡さないでと病院に強く言った場合、それは認められるんですか、法律をちゃんと守って提供する場合という前提ですけれども。

松本(尚)国務大臣 本法律の特例については、オプトアウトというのは基本的に、委員がおっしゃったように、特例の要件を全部守っているという前提であれば、オプトアウトの適用はないということです。

長妻委員 今のを聞きましたか、自民党の皆さんも。名前つき、住所つきで、公開されていない自分の病歴を、自分のは提供するのは嫌だと言っても認められないんですよ。私は、これは憲法違反の疑いがあるんじゃないかと思っているんです。

 これは、法律の作成過程も大変ずさんです。自民党と業界、この強い要望が個情委にかかって、消費者団体とかの意見ははね飛ばされて、相当強引に進められたと聞いておりますし、報道もあります。大変私は危ういというふうに思うんですね。

 もう一回確認しますと、そうすると、提供先がAIの学習のために実名、名前と住所と病歴が欲しいといって、先ほどのいわゆる統計特例を使った場合、一旦AIに名前と住所と病歴を読ませる、こういうことになるわけですよね。

松本(尚)国務大臣 まず確認をしておきたいのは、この特例が適用される場合においては、この出たデータが、個人が全く特定されないように排斥された上でデータを利用するということですから、その縛りがある以上は、今オプトアウトの話がありましたけれども、患者さん側からしたら安心して出してもらってもいいということになりますので、そこはちゃんと確認をした上で、何でもずるずる出してもいいというふうには全く言っていませんから、そこは御確認いただきたいと思います。

 その上で、AIには学習はさせるということでございます。

長妻委員 当然、アウトプットするときは、名前入りの病歴をばらまくわけはないじゃないですか。それは法律にも書いてあるんですね。アウトプットをするときは、外に出すときは、統計等ということで、統計作成等に使うわけですから、統計情報として個人情報、個人の名前は出ないということなんですが、流出リスクというのはあるじゃないですか。重要な情報を多くの人が共有すればするほど流出リスクは高まるということがありますし、欧米では類を見ない法律なんですよ、こんな法律は。余りにも穴を空け過ぎるんじゃないか。

 それと、AIに、チームみらいの方もおられますけれども、詳しい方もおられますが、私も専門家と議論したんですよ、AIに一旦名前と住所と病歴を読ませる、何十万人か分かりませんけれども、大量に読ませて、AIには指示して、アウトプットのときは名前と住所は出さないでねと言ったとしても、いろいろな情報と照合しながら質問していくとそれが再現できる、復元できる、つまり、出てしまう可能性がある、こういうようなこともおっしゃる方々もおられるので、これは破格のことだと思います。

 実は、これは異例のことですけれども、配付資料の一ページ目でありますが、厚労省が心配して、当たり前ですよね、私はこんな文書は見たことがないんですが、マル秘で極秘に、これは非公開文書らしいんですが、個情委、個人情報保護委員会に文書を出しているんですよ、令和七年三月五日に厚労省の医政局が。非常に懸念があると言っているんですね。

 病歴、健康状態に関する情報やゲノムデータ等については、本人の意思による事後的な内容の変更、修正が困難という性質を持つ、それはそうですよね。住所が漏れたら引っ越すとか、そういうことはありますけれども、これは一生変わらないわけです。そのために、漏えいや不正利用が発生した場合に差別や偏見など個人の権利利益の侵害につながるおそれが大きいだけでなく、顕名のまま、顕名というのは住所、名前、病歴という意味ですけれども、顕名のまま、本人の関与なく不特定多数に提供、取得されること自体について、国民が不安感、不信感を抱くおそれがある、非常に懸念がある、こういうふうに厚労省が言っているわけですね。

 厚労省、今日来ていただいていますけれども、懸念は完全に払拭できましたか。

榊原政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の文書は、昨年二月に、個情委、個人情報保護委員会が公表しました「個人情報保護法の制度的課題に対する考え方について」に記載されていた統計特例に関する内容について、厚労省の懸念点を個情委に伝えるために作成したものでございます。

 その後、具体的な法案に向けて個情委と協議を行う中で、統計特例の対象となる統計作成等の詳細を定める規則やガイドライン等の策定の際に、リスクに応じた具体的な対応策を明確にすることとされ、これにより、厚労省の懸念を払拭する方法が確認されたものでございます。今後、法案が成立した後に定めます規則やガイドライン等の内容によるところが大きいものと認識しております。

 厚労省としましては、これまでも個情委と連携を図りながら、医療関係事業者等に向けた個人情報の取扱いに関するガイダンスを策定しており、本件に関するガイドライン等の策定においても、実際に当省の懸念を具体的に払拭できるよう、厚労省として主体的に関わって、対応してまいりたいと考えております。

長妻委員 だから、払拭できるようだから、まだ払拭されていないわけですよね。だって、規則とかガイドラインはまだできていないですから。しかも、法律でどんと穴を空けていますから、ガイドラインで禁止することはできませんよ、法律でオーケーにしちゃっているんだから。

 私も大臣をさせていただいておりますけれども、これほどの強い懸念という形で他省庁に出すというのは余り聞いたことがない話で、非常に問題だと思います。

 じゃ、厚労省にもう一回聞きますけれども、ここに書いてある、統計情報等の作成の範囲や、特例を適用可能とする場面、条件の詳細が明らかでない、十分検討できないというふうに明確に書いてあるんですが、この詳細というのは今明らかになっているということなんですか、厚労省。

榊原政府参考人 御指摘の点に関しましては、個人の権利利益を侵害することのないよう、今後、規則やガイドライン等において詳細を詰めていくものと認識してございます。

長妻委員 だから、まだ払拭されていないんですよ、今後詰めていくと。しかも、繰り返しですけれども、規則とかガイドラインは、法律ののりを越えて厳しくすることはできないわけですよ、当たり前ですけれども。厚労省、私は期待しているんですよ。最後のとりでですよ、この病歴について。

 皆さんもマイナ保険証を使っておられますよね、病院に行くとき。マイナ保険証を使うと、皆さん御存じだと思いますけれども、読み取り機に入れて、それで同意するとか同意しないとかをやりますよね。どういうことかというと、自分のカルテ、自分の病歴をそのお医者さんに見せていいですかという確認を取るわけですよ。お医者さんにですら、別の病院に行ったときに、同じ病院でも繰り返し取るわけですよ。自分の病歴を、お医者さんに対してですら、自分が行った都度、マイナ保険証で確認するんですよ、カルテを出していいよ、お医者さんに見せていいよと。

 ところが、今回、ちょっと余りにもアンバランスじゃないでしょうか。自分の病歴、住所つき、名前つきを、公開されていないものを、自分には何の断りもなく、個人事業主にも、海外企業にも、あるいは民間企業にも渡すことができるというような法律でございまして、私は、あきれたというか、非常に恐怖というか、ちょっと危ないというふうに思うんですね。実は、政府の中からも、このまま通すのはまずいんじゃないかという声がかなり上がっていると私も聞いています。自民党も含めて、相当禍根を残しますよ、今、余り世間も気づいていないから、すっといきそうな雰囲気になっていますけれども。

 私は、大臣の発言で、一つ大きく懸念した発言があるんですね、大臣にはちょっと申し訳ないんですけれども。うちの山崎議員が地こデジで質問したときに、大臣がこういうふうに言い放ったわけですよ。企業とかなんとかを全部、名前なんかですね、きちっと、法律のルールも含めて、余りにも緩過ぎるんじゃないか、こういうことを質問したときに、大臣は、この法律は、確かに性善説に基づいているというふうに言われればそうかもしれない、基本的に、性悪説に基づいて法律を作ってしまうと、罰則は多くなるし、何もできないと。まさに業界一辺倒の立場に、個人情報保護委員会を所管する大臣がこういう発言をされる。

 ちょっと申し訳ないんだけれども、個人情報保護委員会も、私はある意味で被害者だと思っているんですね。相当な圧がかかりましたから、法律を提出するにはここまで大盤振る舞いをせざるを得ないというふうに窮地に追い込まれたという事情は理解しますが、ただ、ちゃんとここで抵抗していただかないと、答弁ももっと踏み込んでいただかないと、私は、個人情報保護委員会の名前を改名した方がいい、個人情報活用委員会に変えた方がいい、ちゃんとした保護委員会を別途つくる必要があるんじゃないか、国会の中でも、そこまで深刻に考えているわけです。

 性悪説じゃなくて性善説に基づいた法律、性悪説に基づいた法律を作ってしまうと、ということで、個人情報保護法というのは、基本的には、きちっとしたルールがないとどんどんどんどん漏れてしまう、そういうことで作っている法律なんじゃないですか。この発言というのは撤回はしませんか。

松本(尚)国務大臣 まず、質問の答えから。撤回はしません。

 まず、委員と性善説と性悪説について議論するつもりは余りないんですけれども、性善説イコール常によい行いをするということではございませんから、これは孟子もそう言っています、やはり善性だけで行動を保障されるものでは当然ございませんし、善意同士でも衝突は生じるし、少数の悪意、逸脱に対する備え、こういったものが必要だから、ゆえに世の中ルールが必要で、社会の秩序を守るためのルールが必要ですから、性善説、性悪説だったらルールが要るとか要らないとか、そういう話をするつもりはございません。

 その上で、個人情報保護法というのは、事前に許認可を求めるのではなくて、事後のチェック型の制度となっているので、この特例についても、その制度の枠組みから外れるものではありません。事後のチェックの制度を性善説に基づく制度というのであれば、事前の許認可を求める制度は性悪説に基づくということの意味で私が言ったのみであって、それ以上もそれ以下もございません。

長妻委員 私は、本当に患者さんの立場や利用者の立場に立った今の発言とは思えませんし、大臣がおっしゃった、基本的に性悪説に基づいて法律を作ってしまうと何もできない、ある意味では事業者の言いなりというか、個人情報保護委員会を所管する大臣の立場、姿勢が私は疑われるというふうに思います。

 時間が参りましたので、これで質疑を……(松本(尚)国務大臣「委員長」と呼ぶ)

 委員長、時間を延長していいんですか。

山下委員長 申合せの時間がもう経過しておりますので。

長妻委員 では、失礼します。

山下委員長 次に、井戸まさえ君。

井戸委員 国民民主党の井戸まさえです。

 内閣委員会では、十三年ぶりの質問となります。

 我が家には、五歳になります重症心身障害児がおります。言葉を話すことも歩くこともできません。喉頭軟化症という病気によって、喉を切って、気管切開をして、つい最近まで人工呼吸器を装着していました。五分、十分置きに危機を知らせるアラーム音がずっと二十四時間鳴り続けて、誰かが付き添っていなければ生きてはいけません。まさに命の危機が常に隣り合わせにあるような状況を経験しながら、医療ケア児を育てる生活というのは、医療関係者の御献身はもちろんのことですけれども、家族、とりわけ親たちには極めて大きな負担の上に成り立っているということを実感しております。

 近年、医療の進歩により、医療的ケアを必要としながら地域で生活する子供たちが増えています。子供たちが尊厳を守りながら、その子らしく人生を生きていくためには、本人や家族を支える社会的な制度や仕組みが絶対に不可欠です。二〇二一年には、医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律が成立、施行され、国や自治体の責務が明確化されました。

 現在、更なる制度充実に向けた議論も進められておりますけれども、現在の支援体制についてお答えをいただきたいと思います。

源河政府参考人 お答えいたします。

 医療的ケア児とその御家族に対して必要な支援を届けることは非常に重要だというふうに考えております。

 こども家庭庁では、医療的ケア児とその家族への支援について、医療的ケア児等総合支援事業により、医療的ケア児支援センターの設置、医療的ケア児等コーディネーターの配置を支援し、医療的ケア児と御家族への相談援助を実施するとともに、医療的ケア児の支援に係る関係機関のネットワーク化や、医療的ケア児の支援者への研修に対する支援を実施しております。

 また、この事業においては、医療的ケア児を一時的に預かる環境整備も促進しておりまして、御家族の負担軽減や一時的な休息の確保など、家族支援の充実にも取り組んでおります。

 これらの取組を通じ、医療的ケア児とその御家族に対して、地域の保健、医療、福祉、教育などの関係機関が連携して、切れ目のない支援をしっかり行ってまいります。

井戸委員 子供が病院から退院をして、そして自宅での療養生活が始まると同時に、医療的ケア児の家庭では、日常的な消耗品等の経済的な負担というのがそれに加わってまいります。先ほども言いました二十四時間の介護による精神的、身体的、そして時間的負担など、本当に極めて重い生活負担というのが抱えなければなりません。子供たちの命をつなぐためには、呼吸器を始めとする医療機器というものが必要になりますが、全て保険適用されるわけではなくて、自己負担部分というのも多いのが現状です。

 そんな中、最近のことなんですけれども、更なる経済的な負担を求められるケースというのが出てきています。

 通っている訪問診療所から、医療機器、資材の自己負担への移行との見出しで通知が届いた、そこには、これまで家族の経済的、心理的負担を少しでも軽減できるように、保険診療の枠組みを超えて発生する費用の多くを法人独自で負担し、無償提供に努めてきたものの、昨今の人件費や医療材料費の高騰により経営が強く圧迫されていること、そして、これまで法人が負担してきた医療機器について、今後は患者負担へ移行すると記されていたといいます。

 具体的には、中心静脈栄養で脂肪製剤を併用する場合のポンプ、人工呼吸器回路用薬液吸入器、いわゆるネブライザーのリース料、さらに、呼吸器回路に接続する呼吸器の月額約一万円のリース料などについて、これまでは法人が負担してきたものを、今後は患者の負担とするというような内容でした。

 これらは、医療的ケア児にとって、あれば便利というものではなくて、呼吸の管理や感染防止のために不可欠であり、命を守るために必要な医療機器です。訪問診療所の経営というのが物価高や人件費の高騰によって厳しい状況に置かれているのは理解が一定できるんですけれども、しかし、一方で、これまで無償で提供されてきた物品について、今後は自己負担になるということが制度上妥当なのかどうかも含めて、医療ケア児の家族側は確認する手段が乏しいというのが現状ではないでしょうか。

 現在、医療ケア児を養育する家族が、命を守るために必要な医療機器、衛生用品、消耗品等についてどの程度自己負担を強いられているのか、また、制度ごとに支援内容や負担主体というのが分かれていることについて、今紹介した例も含めて、家族側に負担や混乱が生じている現状について、国として把握をしているのかどうか、お答えをいただきたいと思います。

源河政府参考人 お答えいたします。

 医療的ケア児を支える御家族には、経済的な面も含め、御指摘いただいた精神的な面、時間的な面も含めて様々な不安があるものというふうに承知しております。

 先生御指摘の経済的な不安等につきましては、私どもでも、医療的ケア児を抱える団体でありますとか、あとは当事者の方と意見交換をしておりますので、把握しているところでございます。

井戸委員 それだけではなかなか、本来、把握というのは難しいんじゃないでしょうか。

 例えば、SNSとかでも、どなたかがその話をすると、そこに、私のところもというようなことで、今見ますと、たくさんの情報が集約をするような形にはなっているんですけれども、医療ケア児を育ててみたら、全く時間的な余裕がなかなかなくて、自分たちが置かれている状況というのをそうやって単発で言うことはできたとしても、政策決定過程のところまで届けるというのは非常に難しいんですね。

 なので、是非国が主体的にこうした現状を把握をする、アンケートでもいいですし調査でもいいですし、そうしたことをしていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。

源河政府参考人 お答えいたします。

 どのように現状把握をするかも含めて、団体の方ともよく意見交換をさせていただければと思います。

井戸委員 団体の方々は本当に大事だとは思うんですけれども、それ以外にもたくさんの、どの子供が医療ケアを受けているのかというのは把握できるところでもあると思うので、それこそ全件調査じゃないですけれども、しっかりやっていただきたいと思うんです。

 そして、物価高のことで、こうやって診療所が急に自己負担というのはなかなか納得のいかないところなんだけれども、その納得のいかなさというものを、ある意味、それを後ろ盾として、例えば、そういった診療所も含めてですけれども、本来はそうした形で自己負担を求めなくてもいいところを、逆に、取りやすいところから取ってしまうようなことというのもあり得なくはないわけですので、しっかりそういった現状把握というものをやっていただきたいと思います。

 そして、私が医療ケア児と生活してみて実感したのは、とにかく支援制度の仕組みが複雑で、制度の谷間というのが複数存在しているということなんです。

 自治体独自の支援制度もありますけれども、例えば、電動式のたん吸引器について市の日常生活用具給付というものを受けようとすると、基準額の、一割負担で三万七千二百円を超えた分、それは更に自己負担になったりだとか、そもそも申請には意見書が必要で、その意見書には五千円かかって、また、今度は通所施設に持ち込むという手続をするためには更に五千円かかるというような具合で、関所が幾つも出てきます。とにかく、現場からは、制度が複雑で分かりにくいゆえに、課金制度のようにどんどんとお金がかかっていくわけなんです。

 医療的支援とかレスパイト支援の制度を充実させることはもちろん重要なんですけれども、そしてまた経済的な支援を拡充するということも必要ではあると思っています、というか絶対必要なんですけれども、しかし、その仕組み自体を知らなかったり、知っていても、日々の看護や付添いに追われて物理的に申請に行けない状況では、制度をつくったとしても十分には機能していかないと思います。

 私は、こうした制度の利用や申請をしやすくするための支援策も必要なのではないかと考えています。例えば、個別の事情に応じて、どのような制度が利用できるのか、何を申請できるのか、また、先ほど紹介したように、通知が届いた際に、その内容が制度上妥当なものなのかどうかを確認できるような相談体制整備というのが必要だと思うんですけれども、お考えを伺いたいと思います。

源河政府参考人 お答えいたします。

 医療的ケア児の方への支援体制については、医療的ケア児の人数や支援のニーズ、医療や福祉の社会資源などにより、地域によって様々な状況があるというふうに承知しております。

 全都道府県に設置されている医療的ケア児支援センターにおいては、医療的ケア児等コーディネーターを中心に、医療的ケア児やその御家族からの相談に対して総合的な調整に取り組んでおります。

 今御指摘いただいた点も含めまして、医療的ケア児支援センターにおける取組の状況なども踏まえながら、医療的ケア児コーディネーターの研修カリキュラムの内容も充実させるなど、必要な整備を行ってまいりたいというふうに考えております。

井戸委員 是非よろしくお願いしたいと思います。

 続いて、一人親の就業促進について伺いたいと思っています。

 現在、一人親家庭の親が看護師や保育士などの資格取得のため一定期間養成機関で学ぶ際に、生活費負担を軽減するために、毎月十万円、最大で四年間、最終学年は十四万円を支給されるという高等職業訓練促進給付金があります。修業期間中は月額でこの給付金が支給されて、修了時には修了支援給付金も支給される制度です。また、年間四十万円を上限とした受講費用の一部を負担する自立支援教育訓練給付金もあります。

 まず、それぞれの利用者数だとか取得資格の内訳など、制度利用状況についてお答えをいただきたいと思います。

源河政府参考人 お答えいたします。

 自立支援教育訓練給付金につきましては、令和六年度の実績で、支給件数が千九百件、このうち就業件数が千二百七十六件となっております。

 また、高等職業訓練促進給付金につきましては、複数年訓練を受講する場合にも毎年の支給を一回として集計していることから、支給件数と就職者数の差異が大きく異なることに留意していただく必要がございますが、令和六年度の実績で、支給件数が八千五百八十件、就職者数が二千二百三十二人となっております。内訳としては、看護師や保健師等の資格が多くなってございます。

井戸委員 高等職業訓練促進給付金は、今、看護師さんが多いということだったんですけれども、令和六年度で九百八十二人と、かなりのこれは効果が出ていると思います。

 一方では、授業料を支援する方の自立支援教育訓練給付金というのは、高等職業訓練促進の利用者、両方をダブって受給している人がほとんどだと思うんですけれども、逆に言うと、自立支援教育資金は千八百二十六名にとどまっているということで、約半分というか、四割ぐらいの方しかこれは受給していないんです。

 この二つの制度は併用可能なのだけれども、しかし、実際にはそうなっていない。その一因として、事前相談要件、つまり、最初に、受験をする前に、自分がこんなことを受講したいんだということを言わないと、自立支援の方、授業料の方はもらえないというようなところが、自治体によっても違うんですけれども、そんなことになっている。初年度に申請できなかった場合、その後も対象外となるケースがあって、結果として制度利用が抑制されているのではないでしょうか。

 また、加えて、先ほども言ったように、運用基準というのを自治体が定めているために、国の制度でありながら、地域によって利用されない、しにくいというような差が生じているという実態もあると思います。

 国として、自治体間の運用差や支援格差の実態を把握をした上で、制度趣旨に従った改善を検討すべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

源河政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘の事前相談については、一人親の希望職種などのほか、職業経験、技能、有している資格などを的確に把握し、効果的な訓練受講につなげることに加え、把握したお一人お一人の一人親の方の状況を踏まえまして、ほかの生活支援、就業支援などのメニューを適切に組み合わせた支援を検討するなど、寄り添い型の支援を行う上で重要な取組だというふうに考えております。

 引き続き、事前相談を通じて、きめ細やかで継続的な自立、就業支援の実施に取り組みつつ、当該要件が事業の利用を過度に抑制することがないよう、適正に運用してまいりたいというふうに考えておりますし、こうした趣旨について、自治体担当職員向けの説明会などを通じて周知を図り、委員の御指摘も踏まえつつ、事業が適切に運営されるよう、引き続き対応してまいりたいと思います。

井戸委員 この事前の相談というのは誰に相談するのかといったらば、専門家ではなくて、役所の窓口の人で、そこに相談したからといって、例えば、その人の進路で、こちらの方がいいんじゃないかとかというわけではなくて、本当に通い続けられるかどうかとかいう基本的なことだけなんですね。なので、やはり事前相談を要件とするのであれば、その事前相談の中身というものをしっかり充実をしていかなければ、こういった意味でも、せっかく制度があっても利用ができない。

 そして、事前相談がなくても、そのまま通い続けていたらば、二年目、三年目、事後でもしっかり自立支援のための給付をしていくということはあってもいいと思うので、是非そうしたことも、しっかり調査もしながらやっていただきたいと思っています。

 いずれにせよ、この制度というのが一人親の就業や資格支援を後押しして、自立支援に確実に寄与しているというのは間違いないと思います。だからこそ、本当に必要としている方々にこの制度というのをしっかり知っていただくことが重要です。制度自体を知らなかった、後から存在を知ったをなくすために、現在の周知不足について、国としてどのような対策を考えているのか、お答えをいただきたいと思います。

古川大臣政務官 お答えいたします。

 一人親の自立の促進に当たっては、就職を容易にし、かつ生活の安定に資する資格の取得が可能となるよう、訓練講座の受講に必要な経費の支援や、受講期間中の生活の負担の軽減を図ることが重要であります。

 委員御指摘の自立支援教育訓練給付金事業及び高等職業訓練促進給付金等事業については、既に多くの自治体で実施されておりますが、必要な方にしっかりと支援を届けられるよう、引き続き、一人親家庭向けの情報発信サイトや自治体の相談窓口において、しっかりと周知を図ってまいりたいと思います。

井戸委員 一人親の世帯というのは、シングルマザー、お母さんで約百十九万五千世帯、そしてシングルファーザーで約十四万九千世帯あって、そのうち未就労というのは、女性で約二割、男性で約一割なんですね。

 今回、看護師さんの例を挙げていただきましたけれども、看護師さんというのは、国家資格合格者が二六年度で五万二千六百六十六人いるんですけれども、そのうちで、この制度を使って看護師さんになった方というのは九百八十二人いるとなると、実は約二%がこの支援制度で合格をして、今後、社会で活躍するということになります。

 この制度は、単に一人親を応援するだけでなくて、平均収入も低い中で、子供たちの貧困対策にもつながって、また社会で必要とされる職種、活躍する人材を育成する大きな機会ともなっていますので、更に周知徹底というのをお願いしたいと思います。

 終わります。

山下委員長 次に、臼木秀剛君。

臼木委員 国民民主党・無所属クラブの臼木秀剛と申します。

 今日は、内閣委員会での質問を与えていただき、委員長を始め理事の皆様方、委員の皆様方に改めて感謝を申し上げます。

 今日は、私は、就職氷河期の課題について質問をさせていただきたいと思います。

 政府は、四月十日に、新たな就職氷河期世代等支援プログラムを閣議決定をいたしました。就職氷河期世代とその周辺世代を合わせて、個々人の課題やニーズに応じたきめ細やかな支援を行っていくということで、主に、家計改善、資産形成、住宅確保の三つの柱で、当面三年間程度の集中的な支援に取り組むという内容になっております。

 我々国民民主党としても、一昨年、参議院の本会議での我が党の伊藤孝恵議員の発言をきっかけにこの問題を大きく取り上げるようになりましたし、様々な政策提案もこの間させていただいてきました。

 政府におかれましては、我が党の提案も含めて盛り込んでいただきましたし、特に、今回この新たな支援プログラムにおいては、その必要性を強く訴えてきた年金問題についても取り上げていただいておりますし、さらには、情報ですね、様々な支援策が散らばっているということも指摘をさせていただいていた中で、情報の一元化されたポータルサイトの運用ということもやっていただけるということですので、改めて、この御尽力には感謝と敬意を表します。

 ただ一方で、今回もこの支援プログラムについて党内の就職氷河期調査会で説明をお受けをしたんですけれども、何か新しい制度や政策が創設をされたわけではなく、既存の政策で有用だと思われるものを整理をして、就職氷河期の世代、またその周辺の世代の皆様に是非使ってくださいという形でのプログラムが組まれたということも御説明を伺いました。

 その中で、まず一問目、お聞きをしたいのは、今回、この支援プログラム、いろいろな施策を組み直すということになりますけれども、この際に最も重視をしたポイント、このプログラムの要諦というのは何なのか、そして、なぜ今、新たな就職氷河期世代等支援プログラムが必要だと考え、このプログラムをつくったのかということについて御答弁をよろしくお願いいたします。

黄川田国務大臣 就職氷河期世代は、おおむね現在四十代から五十代半ばとなっておりますが、不本意ながら不安定な仕事に就いている、あるいは長らく無業の状態にあるなど、今なお様々な課題に直面する方が含まれております。

 例えば、賃金上昇が緩やかである、また保有する金融資産が少ない、加えまして、単身世帯が増加していく中で、単身世帯の持家率が二十年前から徐々に低下しておりまして、高齢期の住宅確保が課題となる可能性があることなど、将来を含めまして生活に不安を抱えている方の割合が他の世代と比べて高い傾向にあると考えております。

 こうした認識を踏まえまして、個々人のニーズに応じたきめ細かな支援を効果的に実施していくために、議員が御指摘の、今年四月に閣議決定しました新たな就職氷河期世代等支援プログラムを取りまとめたところでございます。

 この支援プログラムにおいては、従来からの就労、処遇改善に向けた支援、社会参加に向けた段階的支援を拡充強化しました。そして、これらの従来の支援に加えまして、就職氷河期世代の高齢化に伴いまして新たな課題となっております家計改善、資産形成や住宅確保の高齢期を見据えた支援が必要であるというふうに考えました。

 当面、従来の強化いたしました就労や処遇改善に向けた支援や、社会参加に向けた段階的支援、そして今回新たに加えました家計改善等の支援、これらを中心に取り組んでまいりたいというふうに考えております。

臼木委員 ありがとうございます。

 ちょっと、大臣の最初のところで、一言目でやはりここが出てきてしまうのが残念だなと思うのが、非正規であったり就業になかなか就けないということ、これが一番の理由に上がってくるというのが、就職氷河期の世代についての理解であったり、誤解がまだまだあるんじゃないかということは、改めて、この後でも指摘をさせていただきますが、ちょっと言わせていただきたいと思います。

 就職氷河期、先ほど大臣からもありましたが、おおむね一九九〇年代の半ばから二〇〇〇年代の半ばに社会に出るその世代、社会に出るに当たってかなり大きなハードルがあったという世代ですけれども、就職氷河期であったとしても、その世代内でも様々な状況があります。当然、今までの、従来の上の世代の人たちと変わらずに、成功し、また努力をし、今、充実した生活を送っている人もいれば、そうではない人もいますし、また、その下の世代であっても、なかなか就職できない、また社会とのつながりが持てない、こういった現状があると思っています。

 就職氷河期と一言で言っても、当時置かれていた状況によっては、その体感としても、また実態としても、世代内部でも、またその下の世代も含めて、大きな差があるということ、これをまず政府が認識をされているのかということも改めて確認をさせていただきたいと思います。

 特に、性別、男女による差異があるのか、地域、都市部や地方部、また、東京、中部、関西などの地域圏による差異がどれぐらいあったのか、さらには、学歴ですね、高卒、大卒、また、大卒でも、国公立や私立、大学院、博士課程なども含めて様々な差が、これは実際数字で出ていますから、こういう差がどの程度あると認識しているのかについてお答えいただきたいと思います。

 あわせて、就職氷河期といっても、一九九〇年代、いわゆる就職氷河期前期と呼ばれる世代の皆さん、よく言われるのは、社会に出るときに急にはしごを外された世代、一方で、私は後期なんですけれども、そもそもはしごがなかった世代と言われますが、こういった前期と後期の差、さらには、氷河期世代と、それ以降の、いわゆるポスト氷河期世代や、リーマン・ショックの時期、震災を受けた二〇〇〇年代や二〇一〇年代前半、この世代との差について、どういう差があると認識しているのか、お答えをいただいてよろしいでしょうか。

成松政府参考人 委員のお求めになったデータについて御説明をさせていただきます。

 まず、就職氷河期世代の新卒当時の就職内定率についてでございますが、こちら、文科省と厚労省の大学等卒業予定者の就職内定状況調査結果を基に、新卒の大卒求人倍率が最低であった二〇〇〇年十月時点で比較をさせていただきました。その数値としては、大学、短大、高専卒業者の卒業者合計の男女比較では、男性六六・七%、女性五四・〇%となっております。

 続いて、大卒者について大学の立地による地域別の比較では、高い順でございますが、関東が七五・二%、中部が六四・四%、近畿が五九・二%、中国、四国で五八・一%、北海道、東北で五一・〇%、九州で五〇・四%というふうになってございます。

 また、学歴別の比較でございますが、大卒では六三・七%、うち、国公立は六八・七%、私立は六二・一%であるのに対しまして、短期大学卒では三六・六%というふうになってございます。

 また、高卒の方々でございますが、こちら、文科省の高等学校卒業予定者の就職内定状況に関する調査の結果でございますが、新規高等学校卒業予定者の就職内定率について、採用スケジュールが異なるので大学等々となかなか単純に比較はできませんけれども、二〇〇〇年十月末の状況を見ると、五六・三%ということになってございます。

 さらに、お尋ねいただきました時系列の変化でございます。こちらの方は、文科省の学校基本調査における大学卒業者に占める就職者の割合について、先ほど先生から前期、後期というお話がありましたけれども、こちらは、近藤絢子先生の著書による世代区分というのがございますので、それに従いまして、一九九三年から一九九八年卒の就職氷河期前期の方々と、九九年から二〇〇四年卒の就職氷河期後期を単純平均で比較しますと、前期の方々は平均六八・七%、後期の方々は平均で五六・八%となってございます。さらに、他の世代と比較させていただきますと、先ほどの近藤絢子先生の著書の区分に従って、ポスト氷河期世代について、これは二〇〇五年から二〇〇九年卒の方々でございますが、これが六五・九%、さらに、二〇一〇年から二〇一三年卒のリーマン震災世代は六三・四%となってございます。

 以上でございます。

臼木委員 丁寧に調べていただき、また御答弁もいただき、ありがとうございます。

 今、るる数字を皆さんも聞いていただければ分かるとおり、これは本当に大きな差があります。時期やまた環境によってこれだけの大きな差がある中で、政府として、今回プログラムで挙げていただいているとおり、個々人の課題やニーズに応じたきめ細かい支援、これは本当にもっときめ細かくやっていく必要があると個人的には思っておりますが、こういった数字も基に適切な対策を打っていかなければいけないと思っています。

 その中で、もう一つお聞きをしたいのが、就職氷河期というのが、先ほど来ありますけれども、一九九〇年から二〇〇〇年半ばにかけて、それぞれ約十年間、諸外国でも当たり前のように景気は変動しますから、景気変動によって就職率や失業率が大きく変化するというのは、これはある意味、資本主義社会では当たり前のことではありながら、なぜ我が国において就職氷河期問題がこれだけ長期化し、そしてまた、何か事あるごとに社会問題化していると考えているのか、この点についてもこれからの対策を打っていく上でも必要なことだと思いますので、この点についての政府の認識も改めてお伺いをしてよろしいでしょうか。

黄川田国務大臣 いわゆる就職氷河期世代は、バブル経済が崩壊し、多くの企業で新規採用を大幅に抑制するなど、雇用環境が厳しい時期に就職活動を行わざるを得なかった世代であります。新卒時に希望する就職ができず、その後も不本意ながら不安定な仕事に就いている、無業の状態にあるなど、現在でも様々な課題に直面する方がいらっしゃいます。

 従来、我が国の企業は、景気変動に伴う雇用調整の手段として、新卒採用枠の増減を相当程度活用してまいりました。既卒者や中途採用による柔軟な調整を行ってこなかったということも考えられます。また、長年のデフレ下で、抑制的な雇用、賃金環境もありまして、景気回復局面でも十分な雇用機会に恵まれていなかったことが、就職氷河期の問題の長期化の主な原因というふうに考えております。

 なお、先ほど私が、新たな就職氷河期世代等支援プログラムについて、閣議決定というふうにお話ししましたが、関係閣僚会議決定ということで、訂正させていただきます。

臼木委員 ありがとうございます。

 私もちょっと、閣議決定と言ったような気がしますが。

 この決定で受けたプログラムについても、今ほどあったように、新卒採用のところでいろいろな当時の課題についての反省はあるわけです。

 例えば、私の周りの友人も、公務員を目指していた友人もいましたけれども、本来であれば、民間雇用が減った場合には、昔から、民間需要が減ったとき、また、景気が悪いときには公共事業を拡大するというようなことは当然、当たり前のようにやってきたわけですから、公務員採用は一定程度、民間採用が絞られたときにやらなければいけなかった、であったにもかかわらず、公務員採用まで、縁故採用であったり、若干名と呼ばれた本当に狭い枠の中で競争せざるを得なかったというような状況もあったり、本当に、いろいろな施策、不景気時における就職、採用、先ほどありましたけれども、我が国の伝統的な新卒一括採用という雇用形態もやはりこれは変えていかないといけないと思いますし、こういった当時の就職氷河期があったことによって生じた課題なので、我が党は、当初は就職氷河期世代対策調査会と言っていたんですけれども、あえて、就職氷河期課題ということで、調査会と名前を変えたんですが、この就職氷河期があったこと、その当時に何が施策の、政策の変更があったのか、こういうことも含めて、不景気時にきちんとした政策、施策をやらないと、これだけ多くの世代、また、人の人生を狂わせるということを改めて肝に銘じて、施策を打っていかなければいけないのではないかと思っています。

 そういう意味でも、今、就職氷河期世代も、まだまだ上の世代も大分五十代半ばには差しかかってきていますし、私も氷河期世代後期で、ちょっと体力がしんどくなってきましたが、まだ四十代半ばですので、こういう世代を、まず、現役世代が負担が重いというこの現状をきちんと変えていくということが必要ではないかと思います。

 特に、ちょっと今日は資料はお配りをしておりませんが、この支援プログラムの中でも、賃金カーブが他の世代と比べて明らかに氷河期世代は緩やか、かつ低いということも数字で見て取れるわけですから、我が党としてもこの間ずっと訴えている所得税の所得制限の撤廃、社会保険料の負担軽減などは、これは氷河期の課題対策としても有用だと思いますし、また、氷河期の中でも、せっかく頑張った人に対して、頑張ったのに所得税が取られてしまう、こういうお声もあります。さらには、様々頑張ったけれども失敗してしまった人、また、なかなか社会とのつながりが持てないというセーフティーネットは、これは大分、今回のプログラムでも整理をしていただいていますので、これは、世代を一くくりにするのではなく、氷河期があったことで生じた課題への対策を講じていくということが必要ではないかと思います。

 こういった雇用を含めて、高等教育と就業を接続していくこと、中高年の採用、転職、老後をどのように支えていくか、さらには、税制等によるこういった世代間の格差解消施策ということも、これからの時代を考えていく上で政策の大きな転換が必要だと思いますが、御答弁をよろしくお願いをいたします。

黄川田国務大臣 委員から様々な課題をお話ししていただきましたが、就職氷河期世代が抱える課題については、当事者個々人によって様々でありまして、それぞれのニーズに応じたきめ細かい支援を効果的に実施していくことが重要であると考えております。

 そのため、新たな支援プログラムの策定に当たりましては、関係閣僚と地方自治体、当事者、支援団体、労使団体や有識者が意見交換を行う就職氷河期世代支援の推進に向けた全国プラットフォームの場などで、それぞれの立場から提起された改善点やニーズを十分に踏まえて考えたところでございます。

 これによりまして、現在から将来にわたって直面する課題に対応した支援となるよう、従来の支援プログラムの内容を一から見直しまして、高齢期を見据えた支援など、今後必要となる施策を新規に追加するとともに、これまで効果を上げてきた各種施策についても充実強化したところでございます。

 引き続き、どういう施策が効果があるかということを考えながら、また支援を考えていきたいというふうに思っております。

臼木委員 我々も具体的な提案で共に政策を前に進めていきたいと思っておりますので、是非よろしくお願いいたします。

 本日は質問の機会をいただき、ありがとうございました。終わります。

山下委員長 次に、佐藤主迪君。

佐藤(主)委員 自民党の佐藤主迪です。

 本日は、初の質問の機会をいただき、誠にありがとうございます。御質問の機会をいただいた委員会理事の皆様、御指導いただいた先輩議員の皆様、衆議院事務局、関係省庁の皆様に厚く御礼申し上げます。

 また、二月の選挙において私を国政へと送り出していただきました地元神奈川県の厚木市、伊勢原市、海老名市の皆様にも心からの感謝を申し上げます。

 政治の世界に入る直前まで、国際金融の最前線で八年間マーケットに携わってきました。その経験を踏まえ、本日は、日本経済、財政運営、金融政策及びエネルギー政策について前向きな議論をさせていただきます。

 私は、現在三十一歳です。バブル崩壊後の失われた三十年が、まさに自分自身の人生そのものでした。長年国内投資が不足し、日本が本来持っている成長する力を十分に高められなかったことが本質的な問題です。だからこそ、私は、日本経済を再び成長軌道に戻し、強い経済を実現したいという思いで政治を志しました。そのために、責任ある積極財政を後押ししてまいります。

 まず、今後の日本の財政運営の物差しについて伺います。

 市場は、単純に、単年度の財政収支、すなわち毎年の歳出と歳入の帳尻合わせ、プライマリーバランス黒字化だけを見て国を評価しているわけではありません。民間ビジネスでも、将来の成長を見据えた先行投資を果敢に行い、大きく飛躍する企業は多々あります。適切な借入れは、持続的な成長の源泉です。投資家が見ているのは、将来どれだけ成長できるのか、どれだけ稼ぐ力を持っているのかという大局的な点です。毎年の帳尻合わせを過度に優先し、必要な投資を抑制すれば、中長期的にむしろ国力低下を招きます。

 責任ある積極財政とは、将来の成長力を高めるために必要な投資を戦略的に行い、強い経済と財政の持続可能性を両立させる新しい国家運営です。国家予算の議論においても、単年度の黒字だけに固執せず、経済規模、GDPとの比較において国債の発行量が妥当であるかという観点、すなわち、債務残高対GDP比、これを中核的な財政目標に据えるべきだと考えております。

 プライマリーバランスについてお伺いいたします。

 プライマリーバランス黒字化とは、我が国においていつ頃から、どのような目的で導入された規律なのでしょうか。また、プライマリーバランス黒字化のみを財政規律としている諸外国についてはどのような国があるのか、御教示ください。

    〔委員長退席、鳩山委員長代理着席〕

阿久澤政府参考人 お答えいたします。

 プライマリーバランスとは、公債金収入を除く歳入から債務償還費と利払い費を除く歳出を引いた値でありまして、その年の必要な政策的経費をその年の税収等の歳入で賄えているかを示す指標でございます。

 また、債務残高対GDP比に与える影響につきましては、債務残高対GDP比の動向、これは成長率と金利の大小関係、それからプライマリーバランスの水準、この組合せによって決まってくるものでございますけれども、プライマリーバランスが黒字であれば、債務残高対GDP比の引下げに寄与するといったものでございます。このため、骨太方針二〇〇一以降、財政の健全化に向けましたフローの指標といたしまして、プライマリーバランスの黒字化を財政健全化目標に掲げてきたところでございます。

 また、諸外国における財政運営目標についてでございますけれども、債務残高対GDP比などのストックの目標のみならず、財政収支などのフローの目標を掲げている国が多く、例えば日本では、先ほど申し上げたとおり、プライマリーバランスの目標として掲げてきたところでございますし、また、その他のG7諸国では、ドイツ、フランス、イタリアが、プライマリーバランスに利払い費を加えました財政収支を目標として掲げているところでございます。

佐藤(主)委員 御答弁ありがとうございます。これを踏まえて、城内大臣にお伺いいたします。

 これまで日本ではプライマリーバランス黒字化が強く意識されてきましたが、重要なのは、日本経済が将来どれだけ成長し、税収を生み、国力を維持、拡大できるかです。

 高市政権が掲げる責任ある積極財政について、毎年の帳尻合わせだけに過度に依存するのではなく、経済成長によって国全体の力を高めながら、債務残高対GDP比を安定的に引き下げていくという考え方を、これから策定される骨太の方針や今後の予算編成の中でより明確に位置づけるべきではないでしょうか。大臣の見解をお伺いいたします。

城内国務大臣 佐藤主迪委員にお答えいたします。

 高市内閣は、責任ある積極財政の考え方の下で、国内投資の促進に徹底的にてこ入れし、我が国の供給構造を強化しながら、潜在成長率を高めていくという強い方針を掲げております。そうすることで、名目成長率の範囲内に債務残高の伸び率を抑え、政府債務残高の対GDP比を安定的に引き下げていくことで財政の持続可能性を実現し、マーケットからの信認を確保してまいります。

 先般の経済財政諮問会議においても、高市総理から、財政運営の目標としては、債務残高対GDP比を安定的に低下させていくということを中核と位置づけるという御発言がございました。このような方針に基づき、骨太の方針に向けた検討をしっかりと進めてまいります。

佐藤(主)委員 ありがとうございます。

 今の大臣の御答弁は、経済成長と供給力強化を通じて財政の持続可能性を確保していく、極めて重要な方向性であると受け止めました。

 この考え方を実行していくためには、やはり、単年度主義を超えた長期の投資枠が必要になってまいります。AI、半導体、エネルギーなどは、成果が出るまで長期の時間を要する分野です。これまでの単年度予算や補正予算頼みでは、民間企業は、途中ではしごを外されるかもしれないと、思い切った投資に踏み出せません。

 政府が検討している新たな投資枠については、対象や規模を狭く限定せず、十分な規模と期間を確保するべきです。また、複数年度にわたって予算を確保できる仕組みなど、民間企業が予見可能性を持てる制度設計を進めるべきと考えますが、大臣のお考えをお伺いできればと思います。

城内国務大臣 お答えします。

 我が国の潜在成長率は、主要先進国と比べますと低迷しておりまして、このため、国内投資の促進に徹底的にてこ入れし、潜在成長率を引き上げていくことが重要であると考えております。

 そのため、十七の戦略分野につきましては、六十一の主要な製品、技術等を戦略的に選定したところでありまして、官民投資ロードマップを策定し、着実に実行していくこととなっております。その際、予算の予見可能性を確保することで企業が長期的な投資を行いやすくすること、これが重要であります。

 こうした観点から、新たな投資枠につきましては、前年度の予算措置額にとらわれず必要な金額が確保されるよう、通常の歳出とは別に設け、所要額の予算要求を可能とし、予算編成過程で実効的に予算措置につなげられる仕組みとすることで、官民投資ロードマップの着実な実行に必要な規模と期間を確保できるよう検討を進めてまいります。

佐藤(主)委員 ありがとうございます。

 市場や企業が避けるのは、不確実性というリスクです。民間企業が本当に長期投資を判断するためには、政府が本気で続けるという予見可能性が極めて重要だと思います。官民一体となったロードマップなど各種取組が、実際の民間投資を何倍にも呼び込む起爆剤となるよう、強力に進めていただきたいと思います。

 政府として、中長期でどういう投資を進め、どういう形で財政の持続可能性を確認していくのか、高い透明性を持って示していく必要があると思います。諸外国では、単一の指標だけでなく、債務の対GDP比、利払い負担、政府資産も含め、複数の物差しを活用して多角的に財政状況を分析するという流れが強まっています。

 政府として、より多角的な財政分析と市場との対話を強化していくべきではないかと考えますが、城内大臣の御答弁をお願いいたします。

城内国務大臣 佐藤委員御指摘のとおりでありまして、諸外国におきましては、様々な指標を多角的に分析している例が見られております。

 例えばEUでは、債務残高対GDP比、財政収支対GDP比、純支出額、これは利払い費等を除いた政府支出ですが、これらを財政運営の目標としております。また、例えばフランスや英国におきましては、財政状況を分析する報告書を毎年作成しておりまして、その中で、プライマリーバランス、利払い費、税収等の多様な指標を分析しているということであります。

 御指摘のとおり、財政運営の目標だけではなく、やはり財政状況を複数の指標を用いて、多角的に、一本足打法じゃなくて、多角的に分析していくことは重要だと考えておりますので、骨太方針の策定等に向けまして、検討をしっかり深めてまいります。あわせて、当然ではありますが、市場関係者との緊密な対話に努めて、マーケットからの信認をしっかり確保します。

佐藤(主)委員 前向きな御答弁をありがとうございます。

 多角的な指標での検証こそが、一部の懸念を払拭し、市場との対話を強固にする道です。データに基づくオープンな財政検証の仕組みづくりを、是非、大臣の主導で進めていただきたいと思います。

 続きまして、日本銀行にお伺いいたします。

 ここまでの議論を進めていくためにも、政府、日銀の政策連携は極めて重要です。最近の金融政策決定会合の議事要旨等を拝見しますと、利上げに向けた議論が行われている形跡が見受けられます。利上げ見通しや国債買入れ減額が進むと、金利が上がりやすくなり、企業の設備投資や成長投資への引締め懸念が従来よりも強くなるおそれがあります。

 我が国は、長年、低成長に苦しんできました。今まさに投資によって経済を成長させようという極めて重要な局面にあって、民間投資の腰折れを防ぎ、更なる投資の呼び水を利かせる観点からは、緩和的な金融環境を維持し、経済成長を力強く促していくことこそが有効であると考えます。また、物価と並んで重要なのは雇用です。足下では有効求人倍率の低下も見られております。

 そこで、お伺いいたします。

 金利先高感を背景とした金利上昇が企業の設備投資や成長投資といった長期投資を抑制するリスクについて、現在の御認識をお聞かせください。また、足下で低下傾向が懸念されている有効求人倍率などを踏まえ、我が国の労働市場環境について、日銀の御見解をお伺いできればと思います。

奥野参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、長期金利の上昇は、企業向けの長期貸出金利あるいは社債の発行金利などの上昇を通じまして、企業の資金調達コストに影響するというふうに認識しております。もっとも、その上で、そうしたコストの上昇は、我が国全体として見れば高水準の企業収益が続いていることなどと併せて評価する必要があるというふうにも考えてございます。

 また、金利の水準という点でございますけれども、企業の経済活動に及ぼす影響が大きい短中期のゾーンの金利、こちらについては、実質ベースで見て引き続きマイナスで推移してございます。

 こうした点や金融機関の貸出態度が引き続き積極的であるということなどを踏まえますと、我が国においては緩和的な金融環境が維持されており、経済活動がしっかりとサポートされているというふうに考えてございます。

 それから、労働市場環境でございます。雇用面の動きを見てみますと、御指摘の有効求人倍率を含め、求人関連の指標は、足下やや弱めの動きということでございます。一方で、雇用者数という意味では増加傾向が続いております。

 また、労働需給でございます。失業率は、二%台半ばから後半で低水準に推移するなど、引き締まった状態が続いております。賃金も、今年度の春闘を見れば、全体として五%程度ということで、これまでのところ、しっかりとした賃上げが実現しているということでございます。

 これらの状況を踏まえますと、日本銀行としては、我が国の雇用・所得環境は緩やかに改善していると認識しているところでございます。

 以上でございます。

佐藤(主)委員 ありがとうございます。

 長年デフレに苦しんできて、ようやく投資主導型成長へ転換しようとしている我が国において、民間投資を強力に後押しすることが重要であるというふうに私は考えております。有効求人倍率の低下など、足下の雇用環境の変化も見落とすことなく、過度に一方向的な議論にならないよう御留意いただけると大変助かります。また、政府と強く連携していただきまして、金融政策のかじ取りには慎重かつ柔軟であっていただきたいと御要望いたします。

 最後に、日本経済の基盤であるエネルギー安全保障についてお伺いいたします。

 中東情勢の悪化を受け、エネルギーの大部分を依存している日本にとって、原油やナフサの調達リスクは、国民生活や産業を直撃する深刻な問題です。現在の調達リスクに対する政府の現状認識と、サプライチェーンの強靱化、さらには、中東依存度を下げていくための具体的な取組について、政府の答弁をお願いいたします。

和久田政府参考人 お答え申し上げます。

 足下の原油の代替調達でございますけれども、六月のホルムズ海峡を経由しない代替調達は、五月十二日時点で七割以上の見通しでございましたが、これが八割程度まで引き上がりまして、これまでの備蓄放出決定分も活用いたしますと、六月に必要となる原油量を上回る供給が可能となると考えてございます。保守的に、六割の代替調達が継続する場合を想定しても、年度を越えて来年春まで石油の安定供給を確保できる見通しでございます。

 ナフサにつきましては、国内での精製の継続、中東以外からの輸入拡大、中間段階の製品の在庫活用によりまして、年を越えて継続できる見込みでございます。

 その上で、委員御指摘の中東依存度の低減、それからエネルギーに関するサプライチェーンの強靱化、これは重要でございます。積極的な資源外交、資源開発の支援、それから、総理が新たに提唱いたしました、アジア・エネルギー・資源供給力強靱化パートナーシップ、通称パワー・アジアと呼ばれてございますが、こういったものによる支援を通じまして、原油、それからナフサ、重要物資の安定供給に万全を期してまいりたいと考えてございます。

佐藤(主)委員 御答弁ありがとうございました。

 エネルギーは、国家の生存力そのものです。国家の危機管理投資として、一刻の猶予もなく進めるべき重要な課題であり、しっかりと御対応いただきたいと思います。

 日本が再び強い経済を取り戻すためには、必要な投資を果敢に行い、経済の成長力を高めながら、財政の持続可能性との両立を図ることが不可欠です。国民の皆様の豊かな暮らしを守るため、私自身、責任ある積極財政の具体化に向けて全力を尽くし、また未来への責任を果たしていく、その決意をお誓い申し上げまして、私の質問を終わりとさせていただきます。

 ありがとうございました。

鳩山委員長代理 次に、文月涼君。

文月委員 自由民主党、新人の文月涼でございます。

 今回は初質問の機会をいただき、ありがとうございます。政府、議会、そして国民の皆様に感謝を申し上げます。

 本日は、認知戦に関して質問してまいりたいと思います。

 私は、内閣サイバーセキュリティセンター、現国家サイバー統括官室の出身でありまして、在籍の二〇一六年、米大統領選挙で、まだ認知戦という名前もなかったSNSによる投票行動操作攻撃を見て以来、この問題を研究しております。認知戦というワードが政府で用いられるようになったことには、万感胸に迫るものがあります。

 認知戦に関しては、既に平委員が予算委員会などでるる御質問してくださっておりますので、ここでは、その認知戦の攻撃を困難にする方法や、認知戦のスコープを広げることに関して御質問してまいりたいと思います。

 前段として、インターネットは距離なき世界、距離なきゆえに大きさもなく、距離なきゆえに姿もないという言葉を覚えていただきたいと思います。

 まずは、巨大SNS企業を単に企業として見てよいのかについてです。

 総務省にお伺いします。

 認知戦の一つの姿は、SNSにおいて偽・誤情報を用いて国民の認知を攻撃者が望む方向に押しやる、あるいは書き換えるものであるとします。現状、総務省としては、SNS等のデジタル空間における偽・誤情報について、どのようにこれに対処しているのか、お教えください。

    〔鳩山委員長代理退席、委員長着席〕

荒井政府参考人 お答え申し上げます。

 SNS等のリスクとして、御指摘のインターネット上の偽・誤情報等は、短時間で広範に流通、拡散し、国民生活や社会経済活動に重大な影響を及ぼし得る深刻な課題である、そのように認識しております。

 このため、総務省では、インターネット上の偽・誤情報等への対策として、情報流通プラットフォーム対処法を通じた権利侵害情報の削除対応の迅速化等の制度的な対応に加えまして、幅広い世代のリテラシー向上、さらには対策技術の開発、こういった総合的な対策に取り組んでいるところでございます。

 総務省といたしましては、引き続き、表現の自由にも十分配慮しながら、安心かつ安全で、信頼できるデジタル空間の実現に努めてまいります。

文月委員 ありがとうございます。日々の御尽力に感謝いたします。

 これらの取組は、主に認知戦を下流から見た対処であると考えられます。下流の水が濁っているならば、元から断つために、濁りの発生源にも目を向けなければなりません。その主たる発生源がSNS企業なのは明白だと思います。

 対処の鍵は、SNSにソーシャルという文字が入っているように、そのサービス自体にコミュニケーションのある社会を内包している点にあります。月間で見るユーザー数は数億人レベルから大きいものは三十億人超、売上高で比較すると中堅国家並み、政治的意図を明言して、突然、利用者十六億人の独自通貨を発行しようとした会社もある。そして、法的に国ではないが、国家規模という共通認識を持たれているものもあります。

 国家の成立要件である国民、国土、統治機構と他者からの承認のうち、インターネットは実物としての大きさの概念がないので国土は除外して、その上で、企業という名前を覆って、単なる組織として評価した場合、それは国家の要件を満たした新しい国の形態と言っても問題がないレベルだと考えます。

 そして、現状、その社会で十分なガバナンスが構築されていないがゆえに、濁った水が外に流出し、その処理コストが下流の私たちの社会につけ回されている。彼らが根本的な対処を行えないならば、単なる情報通信プラットフォームから、コミュニケーション社会を内包する国家規模のプラットフォームとして別枠を設け、自らの責任と費用において国に準じる秩序や治安の構築を求め、やらないならば、自国民の保護に乗り出さざるを得ないと明言するべきではないでしょうか。

 こういったスタンスの表明は、認知戦の攻撃発生の根源に対する抑止になると考えます。是非政府にこの考え方を共有していただきたいと思います。

 次は、認知戦に関して、攻撃を困難にする手段についてです。視点は、権利に基づき担保されている安全が損なわれた場合、回復されるべきか否かです。

 現実世界では、私たちは、犯罪が多発している地域から自らの意思で逃れたり、病気が発生している地域に自らの意思で近づかないといった行動を取ったりすることができます。これは移動の自由であります。では、災害や拘束でそれが阻まれたらどうか。当然、回復されるべきというのが答えであると思います。

 この答えをインターネットやSNS環境に当てはめたらどうでしょう。インターネットは距離がありませんから、自らの意思で犯罪者や危ない情報から逃れることは困難です。スマホならば置けばよい、ウェブならば見なきゃよいと言われるかもしれませんが、社会生活のための必要な情報や有益な情報もここからやってくるので、見なければ別の不利益が発生してしまう。問題は、悪意ある攻撃や情報と必要な情報が混然一体となってしまっている状態にあります。

 では、どうするか。SNSを使った認知戦に限って言うならば、今後の攻撃の主体はAIによるボットアカウントになっていくと考えられます。これに対して、私たちは、実在の人間だけが持ち得るIDや証明書などによりアカウントを認証、つまり、実在性確認をし、これを基にボットと区別するという方法が考えられます。

 ここで、デジタル庁に御質問いたします。

 実在性確認にはマイナンバーカードを必ず使えという話ではないという前提ですが、実在性確認のために一つの選択として、マイナンバーカードにある情報を使って、名前や住所などの個人情報と直接結びつけず、匿名性を保った本人確認からユニークな認証を行うことは可能ですか。

上仮屋政府参考人 お答えを申し上げます。

 マイナンバーカード及びそのICチップに記録される電子証明書は、発行等の申請に際し、その申請者について、市町村等において住民票等の情報に基づき実在性の確認が行われた上で、厳格な本人確認を経て交付等が行われる仕組みとなっています。

 このマイナンバーカードの電子証明書には二種類ありまして、その一つである利用者証明用電子証明書を活用することで、オンラインサービスの提供者は、サービスの利用者の同一性を確実に確認することができます。この利用者証明用電子証明書には名前や住所などの個人情報が記録されていないため、サービスの提供者は、サービスの利用者から名前や住所などの個人情報の提供を受けることなく、匿名性を保った本人確認を行い、利用者を登録し、引き続き、ログイン等のサービス利用の際も、匿名性を保った本人認証を行うことが可能でございます。

文月委員 ありがとうございます。

 少なくとも、我が国では、安全な実在性確認のため、公的な証明書は利用できる環境があるわけです。これは、別段マイナンバーカードは必須にするという話ではなくて、何らかの方法で実在性確認が行われればよく、事業者にとっては、正体不明のアカウントの作成の抑止や判別につながります。例えば、一つの認証情報で千個のアカウントを作ったら、事業者はおかしいと気づく手がかりになります。

 我が国においても、実在性の確認については、様々な主体により、様々な方法で行われていると考えられます。一例として、携帯電話について、法律に基づいて通信事業者により本人確認がなされているところ、どのようなサービスを対象に、どのような方法を用いて確認を行っているか、最近成立した改正法によるデータ通信への本人確認についても併せて総務省にお聞きします。

吉田政府参考人 お答え申し上げます。

 携帯電話やSIMカード等を用いた音声通信サービスの契約の締結に当たっては、携帯電話不正利用防止法に基づき、事業者による契約者の管理体制の整備と携帯電話の不正利用の防止を目的として、携帯通信事業者が本人確認を行うことを義務づけております。この本人確認において、携帯通信事業者は、契約を申し込む方のマイナンバーカードや運転免許証などの本人確認書類を用いて氏名、住居、生年月日を確認することとされております。

 本法では、これまで音声通信サービスに限って規律を課しておりましたが、近年、被害が急増している特殊詐欺などにおいて携帯データ通信が不正に利用されていることなどを踏まえ、先般成立しました改正法により、データ通信専用SIMについても同様の規律が課されることになります。

 なお、改正法に基づく規律の具体的な対象や方法の詳細につきましては、改正法の施行に向け、今後検討してまいります。

文月委員 ありがとうございます。

 これもまた実在性確認による不正行為の防止例です。

 なお、実在性確認を進めることによる自由な言論への萎縮懸念は、実在性確認を推奨しつつ匿名アカウントの余地を残し、実在性確認のみを表示する選択と、善意の匿名発信を含む全てを表示する選択を設け、これをどちらかに選択、固定する設定をSNS事業者に義務づければ、匿名発信と自らの意思で危険なものに近寄らない状況を両立、若しくは緩和できるわけです。

 政府には、是非、当然あるべき権利の復旧として検討していただきたいと思います。

 さて、認知戦について深掘りしていきたいと思います。

 ここで、現時点における政府における認知戦に対する体制及びどのような取組を進めているのか、内閣情報調査室にお伺いします。

鎌谷政府参考人 お答えをいたします。

 外国による影響工作に対応するため、政府におきましては、内閣官房副長官の調整の下、内閣情報調査室、国家安全保障局、内閣広報室、内閣官房副長官補室、総務省、国家サイバー統括室を始めとする関係省庁間で構成される連携体制を構築し、情報収集、分析の充実、情報流通プラットフォーム対処法の運用の徹底、正確な情報発信の強化、各種リテラシー施策の向上などの対策に政府一体で取り組んでいるところでございます。

 また、外国勢力からの影響工作を防止するためには、一部のインターネットやメディアの情報を精査せず、うのみにすることがないように、国民の皆様のリテラシーの向上を図ることも重要と考えておりまして、生成AIを用いた偽情報の拡散手法等の外国による偽情報がもたらすリスクなどを周知するための啓発動画を作成する、また、SNS等を利用する際に偽情報、誤情報に惑わされないように、情報の真偽確認をしていただくことについて広報を行うなどの取組を行っているところでございます。

 今後、関係省庁との連携を更に強化し、こうした情報発信やリテラシー向上施策の取組を一層進めてまいります。

文月委員 ありがとうございます。

 現在、認知戦に関しましては、主として偽・誤情報を使った即効性の攻撃と、これをどう防御するかに重点が置かれていると考えられますが、これからは遅効性の攻撃もスコープに入れるべきと考えます。

 政府は、遅効性攻撃として、既にAI学習に対するデータポイズニング攻撃を認識されているので、それに、人間の認知機能そのものを劣化させる、あるいは破壊する攻撃を加えていただきたいと思います。

 一例を挙げます。

 攻撃を構成する一つ目の要素は、強制的にSNSへの依存状態をつくるものです。

 とある国において、SNSのサービスの危険性に関する裁判の記録が流出し、その中には、従業員の告白として、四から七秒の動画を二百六十本、約三十五分見せることができれば依存状態にさせられるという趣旨の内容が記されておりました。

 二つ目の構成要素は、依存性により若年層の脳機能を劣化させてしまうという研究です。

 先日の超党派育成基本法推進議員連盟第二十四回総会で講演された富山大学学術研究部山田正明准教授の資料によりますと、青少年を対象とした調査で、一日のスマホ使用時間が二時間を超えると、以降、その利用に歯止めがかけられなくなるというもので、また、五から十八歳を対象とした継続的な調査では、ネットをほぼ使わない子供は脳の体積が五十cc増加したのに対して、毎日使う場合、脳が成長せず、むしろ、使うほど脳が萎縮するというものでした。

 さらに、東北大学応用認知神経科学センターの榊浩平博士の発表では、小五から中三を対象とした調査で、スマホを毎日一時間以上使うと学力に悪影響を与え、偏差値が下がり、同じく脳の発達に悪影響が見られるとのことでした。

 この組合せが意図的なのかどうかはさておき、長期的には、我が国の若年層に対して認知能力を破壊する攻撃が既に発生していると言えるのではないでしょうか。

 認知戦に対抗する体制をつくっていく上では、このような複合的な要素を察知できるように、情報関連省庁だけではなく、視野を広く取り、政府全体で認知戦関連をつなげるパイプをつくっていただきたいと思います。

 次に、認知戦におけるインターネットと人間の境界線防衛についてお話しします。

 既に過去の議事にも出ておりますが、認知戦の攻撃はAIが主体となってきており、守る側もAIを用いなければならないと思います。それは、個人レベルの現実解としては、スマートフォンにエージェントAIを搭載し、これを防御させることになると思います。

 では、内閣府人工知能政策推進室にお伺いします。

 エージェントAIがスマートフォンに組み込まれるようになると、認知機能に影響が出ると想定されますが、国内事業者や国民は、AI利活用の適正性確保の観点から、どのような点に留意すべきですか。お答え願います。

恒藤政府参考人 お答えいたします。

 AIの適正性確保につきましては、昨年十二月に、AI法に基づく適正性確保のための指針を策定したところでございます。

 この指針におきましては、AIを開発、提供する事業者に対しまして、不適切な出力の抑制や、AIの意図しない動作などの防止のために、最新の技術と知見を駆使して、解決、改善に向け取り組むことを求めております。

 また、国民の皆様に対しましては、AIの特性や仕組みを正しく理解をし、能動的にAIリテラシーを身につけるよう努めることや、AIを利用する際には、得られる情報の出どころ、正確性等を理解をし、人間の判断、責任の下で意思決定を行うことを求めております。

 内閣府といたしましては、事業者や国民の皆様がこれらの点に留意しつつ、AIの研究開発、活用を適正に進められるよう、関係省庁と連携し、この指針の普及啓発等に取り組んでまいります。

文月委員 ありがとうございます。

 先日のグーグルI/Oでも、スマホで生活面をサポートするエージェントAIが発表されておりました。もはやこれは秒読み段階です。政府には、お答えいただいた内容に加え、近くにあるがゆえに依存する危険性や認知戦防御を視野に入れ、スマホ搭載エージェントAIに特化したガイドライン等を先回りして制定し、事業者に対する遵守の義務化、国民の生命財産を守るために、想定外の大規模な心理攻撃があった場合サービスを停止させるなどの措置も視野に入れて検討していただきたいと思います。

 さて、最後に一つお話をさせていただきたいと思います。

 フランス軍事省では、二〇一九年からSF作家を招聘したレッドチームディフェンスというプロジェクトを設けており、これは、国防イノベーションのために、常設的、プロジェクト型の将来脅威構想チームであります。今後三十年、二〇六〇年までの脅威シナリオを作っております。政治家や官僚の頭では思いつかないことを取り入れるために、作家の頭をかりているというものです。

 ところで、本邦には、一九八九年にスタートした作品ながら、今なおサイバー技術者のバイブルであり、様々な攻撃の予言書であり、読み返すと今なお新しい発見がある士郎正宗氏の漫画「攻殻機動隊」、超知能となったAIとのせめぎ合いと相互理解をボーイ・ミーツ・ガールを通して描いた長谷敏司氏の小説「BEATLESS」、VR、AR世界の様々な事件と、AIの成長と共生を描いた川原礫氏の小説「ソードアート・オンライン」、氏は、デジタルツイン上の加速空間を生きる若者を描いた小説「アクセル・ワールド」の作者でもあります。ほか、巨大SNS企業がテロ組織と認定されるてんまつを描いたアニメ作品「ルパン三世PART5」など、世界の先端を走る作家や集団が多くおります。

 こういった方々に協力を仰ぎ、是非、今後、国家情報局、デジタル庁、防衛省も含み、考えられ得る限りの想定外の攻撃や脅威シナリオを考察してもらうよう、日本版のレッドチームディフェンスを設けてはいかがでしょうか。

 折しも、七月からは新「攻殻機動隊」シリーズが放送されるようですし、是非皆様にも見ていただいて、想定を超える脅威、超知能AIが公然と人権を主張する日に脳を揺さぶられていただきたいと思います。

 ちょっと早いですけれども、以上で質問を終わりたいと思います。今後、機会をいただけましたら、認知戦に関する質問に取り組んでいきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

 ありがとうございました。

山下委員長 次に、川裕一郎君。

川委員 参政党の川裕一郎です。

 本日は、特定失踪者の問題について、石川県で失踪した安達俊之さんの事例を交えて質問させていただきたいと思います。

 一九八一年六月二十日、当時十八歳で金沢市内のホテルに勤務をしていた安達さんは、その日を最後に姿を消しました。あれから四十五年近くがたち、安達さんは今年で六十三歳になります。

 当時は、通帳も印鑑も手つかずのまま、乗っていた車ごと行方不明になりました。失踪から八日後には自宅に電話がかかってきました。俊之、捕まっているよ、そういう電話が入り、その十分後には無言電話があったとされています。

 二〇〇二年に帰国をした拉致被害者の地村保志さんが、安達さんの高校時代の写真を見て、北朝鮮でよく似た人を見たと家族に話したと伝えられています。このことは当時大きな、週刊誌でも報道がありました。

 こうした情報も踏まえ、民間の特定失踪者問題調査会は、安達さんを、北朝鮮に拉致された可能性が高い特定失踪者として位置づけています。お母様の道子様は、元気なうちに会いたいと長年訴え続けてこられましたが、再会がかなうことなく、残念ながら、四年前に他界をしました。

 本日は、この安達俊之さんの事案を念頭に置きながら、特定失踪者とは何か、現状の課題と取組、拉致問題との関係、そういう観点で政府の認識をお聞きしたいと思います。

 まず、特定失踪者とは何か、その定義と政府の位置づけを確認をします。

 外務省は、特定失踪者とは、民間団体である特定失踪者問題調査会が、北朝鮮による拉致の可能性があるとして独自に調査対象としている失踪者を指すと説明をしています。つまり、特定失踪者という言葉は、法律上の用語でも政府の公式認定でもなく、民間が用いている概念であります。

 その上で、特定失踪者問題調査会は、約四百七十名の失踪者リストを把握をし、そのうち七十七名を、北朝鮮に拉致された可能性が高い失踪者として公表しています。一方、警察庁が把握をしている、北朝鮮による拉致の可能性を排除できない行方不明者は八百六十九名となっています。

 このように、民間調査会のリストと警察庁の把握対象には、規模の違いはありつつも、政府認定の十七人以外の、その外側に多数の事案が存在することが分かります。

 同時に、政府は、認定拉致被害者十七名とは別に、こうした特定失踪者も含め、北朝鮮による拉致の可能性を排除できない事案が存在すると認識もしています。

 問題は、政府自身がその存在を認めながら、特定失踪者には法的な定義がなく、位置づけが制度上曖昧なままになっているということです。

 ここでお聞きをします。

 政府として、特定失踪者の定義と法的位置づけをどのように整理をしているのか、また、調査会が把握する約四百七十名、そのうち七十七名の拉致の可能性が高いとされる方々と、警察庁が把握をする八百六十九人との重なりの違いをどのように認識をしているのか、あかま国家公安委員長の答弁を求めます。

あかま国務大臣 川委員の方から今御指摘、また概念のお話がありましたけれども、特定失踪者、これは民間団体である特定失踪者問題調査会が独自に北朝鮮による拉致の可能性の調査の対象としている失踪者のことを意味するもの、これを承知しております。

 警察においてでございますけれども、これまで拉致被害者と判断している方以外にも北朝鮮による拉致の可能性を排除できない方が存在しているとの認識の下で、捜査、調査を推進しておるところでございます。

 今お話しになった調査会が把握する約四百七十名に関しては、過去に調査会から御提供いただいたリストに掲載されている方々であるとか調査会が公表している方々、これについて警察の捜査、調査対象者と突き合わせを行っており、基本的にこれに含まれることとなりますが、データの一部が一致しない例などもあるものというふうに承知もしております。

 今後とも、これまで川委員が御地元でもこの問題について熱心に取り組んでまいりましたけれども、我々も御家族のお気持ちを十分に受け止め、事案の全容解明に向けて、関係機関と緊密に連携を図りつつ、捜査、調査に全力を挙げるよう警察を指導してまいりたい、そう思っております。

川委員 調査に全力を挙げるということですけれども、なかなか進展がないものが非常に多いという状況でありますので、この問題に関しては、拉致の問題と一体的に捉えて進めていく必要があると思いますので、引き続きまた質問をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

 あかま国家委員長に関しては質問はこれで終わりますので、ありがとうございました。

山下委員長 国家公安委員長は退席されて結構です。

川委員 次に、拉致被害者の政府認定が長期に止まっている構造的問題について質問したいと思います。

 政府が正式に認定している拉致被害者は十七名であり、最後の認定は、二〇〇六年十一月の松本京子さんです。それ以降、長年にわたり、新たな認定はありません。

 政府は、拉致認定被害者について、関係機関の捜査、調査の積み上げの結果、北朝鮮による拉致行為があったという確認に基づき認定されたものと説明をしてきました。しかし、北朝鮮は多くの事案について拉致を否定をし、拉致被害者本人も北朝鮮側に置かれている中で、全てを確認することは、現実的には極めて困難であると思います。その結果、認定基準の運用が、実務上、ほとんど新規認定を不可能にしているのではないかという疑問が生じております。

 拉致認定に必要な確認という基準を、情況証拠を積み上げて、十分そうだと言える程度の確からしさを重視する基準へ見直すおつもりはないのか、若山政務官にお聞きをします。

若山大臣政務官 御質問ありがとうございます。

 川委員の、拉致問題に対して日頃お取り組みいただいていますことに心から感謝を申し上げます。

 ただいま御質問いただきましたことでございますが、北朝鮮当局によって拉致された被害者等の支援に関する法律第二条第一項第一号の規定に基づいて、拉致被害者の認定については、関係機関の捜査、調査の結果、拉致行為があったとの確認がされた場合に行うものというふうに承知をしております。

 一方、御指摘の基準については、範囲を客観的かつ一義的に示すことができるかという点には課題があると考えられます。

 政府としては、拉致被害者として認定された十七名以外にも北朝鮮による拉致の可能性を排除できない行方不明者が存在するとの認識の下、平素より、国内外からの情報収集、分析や捜査、調査に鋭意努めておるところでございますが、適宜適切に新たに追加認定する用意をしており、拉致問題の一刻も早い解決に向けて取り組んでまいる所存でございます。

川委員 追加認定の準備も進めているということでありました。もう二十年近く新たな認定者が出ていないという状況でありますので、是非とも、御家族の年齢もありますので、一刻も早い対応をお願いしたいと思います。

 次に、真相究明のために政府が具体的に何をしているのか、お聞きをしたいと思います。

 政府は、関係省庁、関係機関が密接に連携をしつつ、国内外からの情報収集や関連する捜査、調査を強力に進め、そして全力で真相究明に努めていると説明をしています。また、拉致問題対策本部においても、政府一体で取組を進めているという体制が取られています。

 しかし、その具体的な中身や、実際に各機関との情報がどう統合されているかは、国民からは見えにくいのが実情であると思います。帰国者や関係者からの証言収集、そして過去の海岸、港湾記録や不審船の情報との照合、各機関が保有する関連情報の再分析は、どこまで体系的に行われているのでしょうか。

 ここで、お聞きをしたいと思います。

 特定失踪者を含む北朝鮮による拉致の可能性を排除できない事案について、どの機関が主として情報を一元管理をしているのか、また、省庁横断で情報の統合、再分析を行う体制は、現在どう整備され、実際にどこまで機能しているのか、お聞きしたいと思います。よろしくお願いします。

若山大臣政務官 お答えいたします。

 拉致問題の解決のためには、拉致被害者及び北朝鮮情勢に関する情報収集、分析等が極めて重要であると認識しております。

 関係省庁が緊密に連携しながら、平素より、国内外からの情報収集、分析に努め、捜査、調査に取り組んでいるところでございます。

 引き続き、内閣官房の総合調整の下に、拉致問題の解決に向け、政府一丸となって取り組んでまいります。

川委員 是非対応をお願いしたいと思いますけれども、先ほども申し上げたように、やはり国民に見えにくい。ということは、当然、拉致被害者の家族であるとか特定失踪者の家族にも見えにくい部分があると思いますので、その辺の対応もお願いしたいと思います。

 一方で、特定失踪者問題調査会が行う北朝鮮向け短波放送「しおかぜ」ですけれども、「しおかぜ」は、被害者への呼びかけの一手段として長年継続をしていますが、こうした民間の取組も含め、政府が真相究明の実効性をどう高めているかが問われていると思います。

 「しおかぜ」のような民間の情報発信、呼びかけの取組について、国として支援や関与を検討する考えはあるのか、お聞きをしたいと思います。

若山大臣政務官 お答えいたします。

 北朝鮮域内への情報伝達手段が限られる中で、拉致被害者の方々などに対し、日本政府や日本国民、さらには国際社会からのメッセージを伝達する手段として、北朝鮮向けラジオ放送というものが極めて効果的であると考えております。

 そのため、日本政府としては、日本語及び朝鮮語での北朝鮮向けラジオ放送、「ふるさとの風」、そして朝鮮語での「日本の風」を運営するとともに、特定失踪者問題調査会との間に業務委託契約を通じて、調査会が運営する北朝鮮向けラジオ放送「しおかぜ」の放送枠の中でも「ふるさとの風」の放送を行っておるところでございます。

 この「しおかぜ」への委託業務は、平成二十八年度に開始して以降、今年度を含め、放送時間を随時拡大をさせていただいております。さらに、拉致問題対策本部事務局と特定失踪者問題調査会の共催で共同公開収録を実施するなど、番組制作においても協力をしてきているところでございます。

 今後とも、調査会とも連携しつつ、ラジオ放送による北朝鮮域内への情報発信を積極的に行ってまいりたいと考えております。

川委員 政府としても一部対応いただいているということでありますけれども、特定失踪者問題調査会の「しおかぜ」というのは、ほぼほぼ寄附金を集めながら対応しているのが実情であり、経済的にやはりなかなか厳しいところがありますので、引き続きの更なる拡大の支援をお願いしたいと思います。

 次に、国際的枠組みを活用した外交の取組についてお聞きをしたいと思います。

 安達俊之さんの事案については、昨年十一月、国連人権理事会の強制的失踪作業部会が、安達さんを含む十二人を、北朝鮮に対して安否確認を求めるリストに追加をしました。つまり、国連の場では、特定失踪者問題も含め、具体的な動きが既に始まっているということであります。

 政府は、特定失踪者を含む拉致の可能性を排除できない事案について、北朝鮮に情報提供を求めてきたと説明をしていますが、二国間交渉だけでは限界があると思います。こうした中で、国連の枠組みをどう戦略的に活用するのか、今問われています。

 そこで、お聞きしたいと思います。

 第一に、安達俊之さんを含む十二人が国連のリストに追加されたことを日本政府としてどのように受け止めているのか。第二に、この追加以降、政府は北朝鮮に対してどのような働きかけを行ってきたのか。第三に、今後、国連人権理事会や強制的失踪作業部会などの枠組みを活用し、特定失踪者問題を国際社会に訴えていく考えはあるのか。外務省の政府参考人にお聞きしたいと思います。

貝原政府参考人 お答え申し上げます。

 お尋ねの強制的失踪作業部会は、北朝鮮に対して、日本人の失踪者に関する調査、捜査を要請していると承知しております。

 政府といたしましては、強制的失踪作業部会との間で、関連する情報提供を含め、常日頃から緊密に意思疎通を行ってきており、本件につきましても、作業部会の手続に従い、連絡を受けているところでございます。このような作業部会の活動を政府としても評価しているところでございます。

 その上で、北朝鮮に対しては、様々なルートを通じて様々な働きかけを行っているところでございますが、事柄の性質上、詳細についてお答えすることは差し控えさせていただきたいと存じます。

 政府といたしましては、拉致被害者として認定された方々以外にも北朝鮮による拉致の可能性を排除できない方が存在しているとの認識の下、人権理事会、強制的失踪作業部会等の枠組みを活用しつつ、拉致問題に関する日本の立場について、国際社会の理解と協力を引き続き求めてまいりたいと考えております。

川委員 なかなか説明できない部分かと思いますけれども、この特定失踪者の問題も含めて国際的にしっかりと訴えていただきたい、そのようにお願いをしたいと思います。

 最後に、拉致問題と特定失踪者問題の制度的断絶についてお伺いをしたいと思います。

 本来、拉致問題と特定失踪者問題は一体的な問題であり、北朝鮮によって日本人が連れ去られた可能性のある事案自体が拉致問題の全体像であると思っております。

 しかし、現行制度では、政府認定の拉致被害者十七名と、その外側にある特定失踪者調査会の約四百七十名、さらに警察庁が把握をする八百六十九人との間に大きな制度的断絶があります。政府は、認定の有無にかかわらず、全ての拉致被害者の安全確保と即時帰国のため全力を尽くすと述べられてきましたが、制度との間には大きな乖離があります。

 特定失踪者問題を拉致問題と一体として取り扱うため、制度の改正、法整備を検討すべきと考えますが、政務官の見解を求めたいと思います。

若山大臣政務官 お答えいたします。

 政府としては、認定の有無にかかわらず、平素より、拉致被害者に関する国内外からの情報収集、分析、捜査、調査に鋭意努めているところでございます。また、その結果、北朝鮮による拉致行為があったと確認された場合には、速やかに拉致認定を行う体制を構築してきております。

 年四回から六回にわたって開催されております拉致問題の解決に向けた国民集会でもある国民の集い等のイベントにおいても、認定拉致被害者の御家族であるとか拉致の可能性を排除できない行方不明者の御家族共に御参加をいただくなど、一緒に活動していただける機会を設けさせていただいております。

 いずれにせよ、拉致被害者として認定された十七名以外にも北朝鮮による拉致の可能性を排除できない行方不明者が存在するという認識の下で、拉致問題の一刻も早い解決に向けて、全力で果敢に取り組んでまいりたいと考えております。

川委員 制度改正であるとか法整備を今ほど求めたんですけれども、今、拉致認定というのは一つだけでありまして、例えば、段階的に設けていくであるとか、拉致の可能性が非常に高いという部分に関して準認定みたいな部分も検討いただいたり、そういうものもまた法的な整備の中で、枠組みの中で対応いただきたいと思うんですけれども、もう一度御答弁をお願いしたいと思います。

若山大臣政務官 改めて、委員の問題意識ということについて理解をさせていただきました。

 その上で、認定制度については、北朝鮮当局によって拉致された被害者等の支援に関する法律によって定められておりますが、同法は議員立法により成立及び改正したものでありまして、新たな制度の創設については、国会での議論を十分行っていただく必要があると考えております。

 その上で、そもそも認定は、北朝鮮当局によって拉致行為が行われたか否かを判断基準としておりまして、それとは別に、政府として拉致行為を確認できないまま認定に準じたカテゴリーをつくったとしても、拉致の疑いというのは程度の問題であり、その範囲を客観的かつ一義的に確定できるかというと、そこには課題があるのではないかと思われます。

 また、仮に拉致行為の有無を確認できないまま認定に準じた取扱いを行い、万一、当該人物が拉致被害者でないことが明らかになってしまった場合、本来の認定制度自体についてまで北朝鮮側に反論する材料を与える等、拉致問題の解決自体にも否定的な影響を及ぼす可能性も懸念されるところでございます。

 いずれにしても、政府としては、拉致被害者に対しての認定の有無にかかわらず、拉致問題の解決に向けて、全力で取り組んでまいります。

川委員 時間になりましたのでこれで終わりますが、特定失踪者の問題は、やはり置き去りにされている部分が非常に多いと思います。

 そして、先ほどお話ししました石川県の安達俊之さんのお母さんの道子さんは、最後の最後まで息子さんを案じて、何とか会いたいという思いの中で亡くなっていかれました。そういう思いも酌まれまして是非とも対応いただきたいということを心からお願いしまして、私の質問に代えさせていただきます。

 ありがとうございました。

山下委員長 次に、辰巳孝太郎君。

辰巳委員 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。

 今日は、ギャンブル問題についてお聞きいたします。

 ギャンブル依存症に苦しむ人が後を絶ちません。公益社団法人ギャンブル依存症問題を考える会の方々が行った昨年度のアンケートがあるんですが、相談に来られた依存症当事者の年代別集計を見ますと、二〇一九年には全体の二八%を占めていた二十代の依存症が、二〇二五年には三七%へと増加し、三十代の三五%と合わせると、七割以上が二十代、三十代ということになっております。そして、平均借金額も、二〇二二年の七百六十三万円から、二〇二五年には一千八十四万円へと増加をしております。

 大臣に今日来ていただいたんですけれども、なぜ、若年層の依存症が増えて、なおかつ、平均借金額が増えていると考えておられますか。

あかま国務大臣 今、委員の方でお話がありました公営競技を始めとするギャンブルについては、オンライン化に伴い、医療相談現場において、まず、若年層、若年者からの相談が増加しております。また、借金額については、オンラインギャンブルの方が総額が多い、こういった専門家からの指摘があることは承知をしております。

 こうした状況を受けて、ギャンブル等依存症対策推進基本計画、まさに全体計画でございますが、ここにおいて、若年層対策として、動画を中心にSNS等のインターネットを活用する等、普及啓発を強化するとともに、地域において教育委員会等と連携するなど、若年者対策を強化するというふうにしております。

 こういった状況というものを踏まえながら、引き続き、依存症によって不幸な状況に陥る方々をなくして、国民の健全な生活の確保等を実現するため、各省庁が密に連携をしながら、基本計画に基づく対策、取組を着実に進めてまいりたい、そう思っております。

辰巳委員 今、大臣、オンライン化が、若年層の間で依存症が増えているということをお認めになったと思うんですね。ただ、おっしゃったように、動画とかSNSとか教育とか、それはやっていただいたらいいんですけれども、それだけではやはり不十分である、これは明らかだと思うんです。

 我が党は、ギャンブルの中でもパチンコの問題を国会で度々取り上げてまいりました。三店方式による換金システムの規制を始め、パチンコ店内のATMの撤去なども求めて、実際にそういう方向にもなってきたと思うんですね。

 公営ギャンブル、今、公営ギャンブルというのはどこでやられているかというと、その施設、競技場ではなくて、もうほとんど、八割、九割がスマホなんですよ。スマホで購入しているわけですね。二〇二〇年のコロナ禍による巣ごもりなどが、競馬、競輪、オートレース、競艇といった公営ギャンブルの収益を大きく伸ばしました。ネットの購入、オンライン投票がなければ、これはあり得なかったことだと思います。今申し上げたように、今はもう八割、九割がオンラインですから。

 これだけ売上げが増えているわけですから、当然、ギャンブル依存症にかかる人も増加していると思われます。

 今日、資料につけさせていただきましたけれども、厚生労働省の資料ですね。これはモニタリング研究がやられているんですけれども、これによりますと、レセプト情報によるギャンブル依存症患者の外来患者数、二〇一六年の二千七十二人から、二〇二三年度は五千四百五十八人と、二・六倍になっております。

 同じ調査で、アルコール依存症外来患者数は同時期に一・二倍なんです。薬物依存症外来患者数も増えてはいるんですね、一・三倍にはなっているんですけれども、ギャンブル依存症患者の二・六倍の増加の比ではないわけですね。オンライン、とりわけ公営ギャンブルの対策というのは急務だと私は思います。

 この間、依存症対策としては、先ほど申し上げたようなパチンコ店あるいは公営ギャンブルの施設において、のめり込み防止のためには、キャッシング機能の廃止あるいは上限設定など既存の対策では十分でないとして、ATMが全面撤去の方向になってきたわけですね。この対応は一つの到達点だと思うんです。

 ただ、申し上げたように、今はATMはスマホなんですね。スマホなんですよ。例えばJRAであれば、即PATに登録して、これを銀行口座にひもづけて、即PAT内の口座に銀行口座からチャージをすれば、一日九千九百九十九万円までチャージすることができるということなんでございます。

 はっきり、依存症対策だというのであれば、この間、誘発するということで施設内のATMの撤去がされてきたわけですから、だったら、やはり、自らの口座が空っぽになるまで、ATMですね、チャージすることができてしまうこのオンラインのシステムにも規制が私は必要だというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。

あかま国務大臣 委員御案内だというふうに思っておりますけれども、このギャンブル等依存症対策基本法、ここにおいて、第十五条でございますが、国は、関係事業者の自主的な取組を尊重しつつ、必要な施策を講ずるというふうにされております。ギャンブル等依存症対策、これは、各公営競技事業者においても積極的に取り組まれるべきものというふうにも考えております。

 今お話ありました公営競技のインターネット投票における決済の仕組み、これについては、一義的には、その文脈では、各事業者において適切に運用されるべきものとは考えております。

 運営事業者においてでございますけれども、本人や家族の申請によるインターネット投票の利用停止措置であるとか、また、本人によるインターネット投票における購入限度額の設定などなどを行っているものというふうにも承知をしております。

 他方で、利用停止措置を申請する上で、利便性、こういった観点で課題も指摘されております。こうしたことから、ギャンブル等の依存症対策推進基本計画、ここにおいて、オンライン申請を含めた利便性向上を図っていくことというふうにもしております。

 加えて、競馬など一部のギャンブル、ここについては、銀行口座残高を超えて、クレジットカードなど後払い決済を用いて行うことが可能な仕組みとなっており、関係者からの見直しを求める声を踏まえて、同計画において見直しを各事業者に検討いただいているところであります。

 政府といたしましては、引き続き、先ほどお話も申し上げました、依存症によって不幸な状況に陥ること、そういった方々を少しでもなくして、国民の健全な生活の確保等を実現できるよう、関係省庁としっかりと取組を進めてまいりたい、そう思っております。

辰巳委員 今大臣おっしゃった、オンラインの利便性の課題があると。これは要するに、今までは書類で自己規制、御自身あるいは家族で、ここぐらいまでしか賭けられないようにしてくれというものは書類の申請でしかできなかったものを、オンラインでできるようにするみたいな話なんですよ。

 そうではなくて、今、ATMはここにあるんです。あるんです。それは、自主規制すればできることはできるんですよ。だけれども、そこまで行かずとも、だって、ATMはそこにあることが駄目だ、のめり込みになるんだといって、パチンコ店あるいは公営ギャンブルの施設から撤去したんやから。この問題はやはり残るんですよ、九千九百九十九万円。ほかの公営ギャンブルでも、九百九十九万円までできちゃうということになっているわけなんですね。クレジットカード後払い、これは当然禁止もすべきなんですよね。これは全然不十分だと言わなければならないと思います。

 それと、自主規制という話がありました。これは、全国公営競技施行者連絡協議会、ここで公営競技の広告宣伝指針というのが出されておりまして、今日はここについてもちょっと取り上げたいというふうに思っているんですね。

 今日、資料に、裏側につけさせていただきました。過度に射幸心をあおることのないようにという指針が一応出ているんですけれども、これを見ていただきたい。例えば競馬ですね。毎日ためて、選べる、もらえる、チケットチャレンジという文言がある。毎日ためてという文言、これは問題じゃないかと。あるいは、右側にあります、これはユーチューブ番組なんですけれども、当てやすい、こんな表記がいいのかと。これは競艇ですけれども、子供連れを狙ってといいますか、ウルトラマンオメガショーということで、家族で来てくださいと奨励しているわけですね。

 ちょっと、各競技にJRA、そして国交省も来てくれていると思いますけれども、農水省ですね、この表記、どうですか。いかがですか。駄目なんじゃないですか。

関村政府参考人 お答えいたします。

 五月十一日に開催されました依存症対策議員連盟の勉強会におきまして、地方競馬の馬券のインターネット販売事業者のサイト上での表現のうち、毎日ためてや、当てやすいという表現は、ギャンブル等依存症対策の観点から問題ではないかと御指摘をいただいたところでございます。

 農林水産省としましては、そのような指摘があったことを踏まえまして、当該事業者に対し、各公営競技において定められている広告宣伝指針を踏まえた適切な表現となるよう指導を行い、既に当該表現は修正されているものと承知しております。

 引き続き、ギャンブル等依存症対策推進基本計画等に基づく取組が着実に進められるよう、競馬主催者等に必要な指導を行ってまいります。

河野政府参考人 お答え申し上げます。

 モーターボート競走を主催する施行者の中には、レース開催日かどうかにかかわらず、モーターボート競走場を地域活性化の場として活用している例があり、その一環として、子供向けを含む各種イベントを実施している事例があるものと承知しております。

 このように、モーターボート競走場は、各施行者の判断の下、地域行政とも連携しながら、子供やファミリー層を含む地域住民に開かれた地域コミュニティーの場として機能している側面があるものと理解しております。

 モーターボート競走場におけるギャンブル等依存症対策につきましては、ギャンブル等依存症対策基本計画に基づき、警備員の配置、巡回による声かけの実施のほか、場内での放送、場内映像のテロップ等により、二十歳未満の者による舟券購入禁止等の注意喚起を実施しているところであり、国土交通省としては、これらの対策が徹底されるよう、施行者を始めとする関係者を引き続き指導してまいります。

辰巳委員 まず、競馬、農水省から言いますと、今日資料につけさせていただいたこのサイトの当てやすいというのはどうやらなくなっているようなんですけれども、同じサイトの別のユーチューブチャンネルではまだ残っているんですよ。残っているんですよ。だから、指導するといったって、これはどこまで実効性があるのかなというふうに思わざるを得ないと思います。

 それと、ボートについて言えば、地域活性化という話なんですけれども、例えばカジノであれば、パチンコであれば未成年は入場禁止ということになるわけでありまして、地域活性化とはいうんですけれども、やはり若年からの入口、敷居を低くするものではないか、こういう話だと思うんです。これもちょっと議論が必要ではないかと思います。

 同時に、私が今日取り上げたいのは、ポイントですよ。今日の資料の右側に、ポイント制というのがあるんです。つまり、購入すればするほどポイントがたまるというやつですよね。これはやはりのめり込ませることになるんじゃないかということで、実は協議会の方でもいろいろ議論はされてきたんですけれども、例えば、これまでやっていた友達紹介ポイントはやめます、これはこうなったわけですね。あるいは、買えば買うほどランクがアップする、これもちょっと、やはり射幸心をあおり過ぎるということで、やめるということになったようなんでございます。

 ただ、ポイントそのものをなくすということではなくて、今までは特別な競技、何とか賞のときはポイントが物すごい上がるということをやっていたんだけれども、それに上限、通常のときは一%、特別なレースのときのキャンペーンでは五%という上限をはめましたということなんですけれども、上限とかじゃなくて、これはもう廃止するべきだと私は思うんですね。

 もう時間が来たので終わりますけれども、公営ギャンブルで、オンラインで、スマホで、やはりこれだけの依存症患者が増えているということですから、対策を強化することと同時に、今日は時間が来てできませんけれども、大阪でIR、カジノというのをやろうというわけですね、新たな賭博施設を造ることは依存症患者を増やすことにつながるとしか言えませんので、これは、カジノはストップせよということを申し上げて、私の質問を終わります。

 以上です。

     ――――◇―――――

山下委員長 次に、内閣提出、参議院送付、犯罪による収益の移転防止に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。あかま国家公安委員会委員長。

    ―――――――――――――

 犯罪による収益の移転防止に関する法律の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

あかま国務大臣 ただいま議題となりました犯罪による収益の移転防止に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明いたします。

 この法律案は、最近における犯罪による収益の移転に係る状況等に鑑み、預貯金通帳の不正譲渡等に対する罰則の引上げ、預貯金口座等を利用した財産の移転等を人に有償で依頼する行為等に対する罰則の創設、預貯金口座等が犯罪に利用されることを防止するための警察官による預貯金口座等を用いた措置に関する規定の整備等の措置を講ずることをその内容としております。

 以下、項目ごとにその概要を御説明いたします。

 第一は、預貯金通帳の不正譲渡等に対する罰則の引上げ等であります。

 その一は、預貯金通帳の不正譲渡等に対する罰則を引き上げるものであります。

 その二は、通常の商取引又は金融取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、自己又は第三者が管理し、又は管理しようとする財産を移転することを目的として、人に、有償で預貯金契約等に係る役務を利用して財産を移転するように依頼する行為等に対する罰則を設けるものであります。

 第二は、預貯金口座等が犯罪に利用されることを防止するための警察官による預貯金口座等を用いた措置に関する規定の整備であります。

 その一は、警察官は、預貯金取扱事業者等に対し、名義人の表示等について特別の措置を講じた預貯金口座等である犯罪利用防止措置用口座等の開設等を求めることができることとするものであります。

 その二は、警察官は、預貯金通帳等の不正譲渡等をするよう勧誘等を行う者に対し、犯罪利用防止措置用口座等の通帳等を譲り渡すことその他の預貯金口座等が犯罪に利用されることを防止するための犯罪利用防止措置用口座等又はその通帳等を用いた措置を講ずることができることとするものであります。

 その三は、警察本部長は、犯罪利用防止措置用口座等への財産の移転等があった場合は、当該財産を保管し、当該財産の移転を行った者に対し当該財産を返還することとするものであります。

 その四は、都道府県公安委員会は、犯罪利用防止措置用口座等に移転された財産であってその返還を受ける権利が消滅したものを原資として、犯罪利用防止措置用口座等への財産の移転元となった預貯金口座等に財産を移転した詐欺等の被害者に対し、特定被害回復給付金を支給することとするものであります。

 第三は、移転時の通知義務等の対象となる電子決済手段の追加であります。これは、移転される場合における通知義務等の対象となる電子決済手段に、無記名受益権に係るものを除く受益証券発行信託によらない特定信託受益権を追加するものであります。

 なお、この法律の施行日は、預貯金通帳の不正譲渡等に対する罰則の引上げ等については公布の日から起算して一月を経過した日、預貯金口座等が犯罪に利用されることを防止するための警察官による預貯金口座等を用いた措置に関する規定の整備及び移転時の通知義務等の対象となる電子決済手段の追加については公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日としております。

 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。

 何とぞ、慎重審議の上、速やかに御賛同賜らんことをお願いいたします。

山下委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 次回は、来る二十九日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時九分散会


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