第18号 令和8年6月10日(水曜日)
令和八年六月十日(水曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 山下 貴司君
理事 安藤たかお君 理事 鈴木 馨祐君
理事 中根 一幸君 理事 長谷川淳二君
理事 鳩山 二郎君 理事 後藤 祐一君
理事 浦野 靖人君 理事 森ようすけ君
井出 庸生君 大空 幸星君
岡本 康宏君 長田紘一郎君
金子 容三君 川崎ひでと君
河野 正美君 佐藤 主迪君
平 将明君 中田 宏君
東田 淳平君 平井 卓也君
平沢 勝栄君 文月 涼君
古川 直季君 村木 汀君
吉田 有理君 若山 慎司君
渡辺 博道君 大島 敦君
長妻 昭君 黒田 征樹君
西田 薫君 野村 美穂君
深作ヘスス君 川 裕一郎君
小林 修平君 塩川 鉄也君
中村はやと君
…………………………………
国務大臣
(宇宙政策担当) 小野田紀美君
内閣府副大臣 鈴木 隼人君
文部科学副大臣 小林 茂樹君
内閣府大臣政務官 金子 容三君
内閣府大臣政務官 若山 慎司君
内閣府大臣政務官 古川 直季君
内閣府大臣政務官 川崎ひでと君
政府参考人
(内閣府宇宙開発戦略推進事務局長) 風木 淳君
政府参考人
(総務省大臣官房審議官) 柴山 佳徳君
政府参考人
(文部科学省大臣官房審議官) 福井 俊英君
政府参考人
(文部科学省大臣官房審議官) 生田 知子君
政府参考人
(文部科学省大臣官房審議官) 古田 裕志君
政府参考人
(防衛省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官) 吉野 幸治君
内閣委員会専門員 田中 仁君
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委員の異動
六月十日
辞任 補欠選任
大空 幸星君 岡本 康宏君
野村 美穂君 深作ヘスス君
高山 聡史君 小林 修平君
同日
辞任 補欠選任
岡本 康宏君 東田 淳平君
深作ヘスス君 野村 美穂君
小林 修平君 高山 聡史君
同日
辞任 補欠選任
東田 淳平君 大空 幸星君
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本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
人工衛星等の打上げ及び人工衛星の管理に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出第四〇号)(参議院送付)
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○山下委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、参議院送付、人工衛星等の打上げ及び人工衛星の管理に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
この際、お諮りいたします。
本案審査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、内閣府宇宙開発戦略推進事務局長風木淳君外五名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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○山下委員長 これより質疑に入ります。
質疑の申出がありますので、順次これを許します。大島敦君。
○大島委員 おはようございます。
昨年、二〇二五年のジャパンモビリティーショーにおいて、ホンダのブースには、ホンダジェットと、北海道大樹町で離着陸実験を行ったサステーナブルロケットの実験機が展示されておりました。
ホンダは、サステーナブルロケットの開発にも挑戦しています。私は、自動車メーカーであるホンダが陸から空へ、そして宇宙へと挑戦を広げる姿に、本田宗一郎氏以来の夢を追う企業文化を感じ、大変感銘を受けました。
一九六一年、当時、通産省が特定産業振興臨時措置法を作りまして、メーカー統廃合や新規参入制限を進める方向でした。四輪車の生産実績がないホンダは、四輪市場に入れなくなるおそれがあったわけです。本田宗一郎はこれに猛反発します。既存メーカーだけが自動車を造って、我々がやってはいけないという法律を作るとは何事だということで、本田宗一郎氏の論理は、国が勝手に勝てる会社を決めるな、自由競争で決めるということでした。
一九六二年一月、量産を見越した軽スポーツカーと軽トラックのプロトタイプを六月のホンダ会総会で見せるよう指示し、実質僅か四か月半で形にし、鈴鹿サーキットで披露をいたしました。そして、一九六三年の六月にホンダスポーツ五〇〇の価格当てクイズをいたしまして、全国から五百七十三万通の応募があって、これで流れが変わり、同法案は三回国会に提出されたものの、積極的に支持する勢力が乏しくなって、審議されず廃案となったというストーリーがありまして。
本田宗一郎は、燃焼にこだわった人です。ですから、今回もオイルショックに例えられますけれども、第一次オイルショックが終わった後にシビックのCVCCエンジンでマスキー法をクリアしたり、物すごく燃焼にこだわっている会社で、ホンダがEVにシフトしたと聞いたときに、大島としては残念だなと思ったんです。
ただ、やはりロケットの燃焼と、多分、エンジンの燃焼が同じカテゴリーにあるということで、全く民間独自にやっているこの姿勢はいたく感銘を受けていまして、ほかの会社、まあ、政府のお金を入れることは了とするんですけれども、ホンダジェットも政府の資金に頼らないで、あるいは今回の、まあ将来的には分かりませんけれども、ロケット開発も自分たちの技術でというところは、なかなか私としては感銘を受けています。
それで、新たな飛行形態への対応は、現行の宇宙活動法においては、人工衛星等の打ち上げに係る打ち上げ実施者は、ロケット落下等、損害が生じた場合に備えるため、民間の保険会社との間にロケット落下等損害賠償責任保険契約、政府との間ではロケット落下等損害賠償補償契約、限度額は三千五百億円をそれぞれ締結し、これによって、ロケット等の落下等により生じた地上損害に係る第三者損害補償担保措置及び政府補償がなされることとなっております。
他方で、新たな輸送形態の一つである再使用型ロケットの着陸や再突入行為については、諸外国において制度化が着実に進んでおりますが、我が国においては、現行の宇宙活動法の第三者損害賠償担保措置及び政府補償の対象となっておらず、本法案の改正事項にも含まれておりません。
現在、我が国においては再使用ロケットやサブオービタル飛行の実用化に向けた離着陸試験を行っている事業者が複数あり、令和五年十二月には、サブオービタル飛行を目指している事業者から内閣府と国土交通省に対して、制度化を求める要望書が提出されております。
このような新たな輸送形態において、落下により地上に損害が生じた場合には、現時点でどのような補償が行われるのか。また、我が国における宇宙開発利用に関する国際競争力を確保するためにも、早急に宇宙活動法の対象とする必要性についてどう考えるのか。答弁をお願いします。
○小野田国務大臣 委員御指摘の新たな輸送形態のうち、いわゆる再使用型ロケットである、第一段エンジンを再使用するようなロケットの打ち上げについては、許可対象となる、地球を回る軌道等に投入されるロケットの打ち上げの一環として行われる場合には、その落下等に伴い地上に損害が生じた場合に宇宙活動法上の政府補償制度の対象となると考えております。
他方で、地球を回る軌道等への投入に至らないロケットの打ち上げについては、使用される燃料の量が少なく、第三者損害を発生させるリスクが高いとは言えないことや、規制対象とすることで技術開発の妨げとなるおそれがあることなどから、現時点においては規制対象としておりません。
そして、サブオービタルのところですけれども、また、有翼型のサブオービタル飛行や再突入行為については、技術的に発展途上であり、その実現には時間を要する見込みであること等を踏まえ、現時点では政府補償制度を伴う許可の対象とはしておりませんが、もっとも、法的環境整備が遅れることにより、委員御指摘の我が国の宇宙開発利用に関する国際競争力の低下であるとか宇宙産業発展の阻害が生じないように、国際動向や事業者における開発状況等を注視しつつ、今後、政府補償制度の要否を含め、適切な法制度の在り方について検討を進めてまいりたいと考えております。
○大島委員 先ほどのホンダが開発しているサステーナブルロケット、これは補償の対象外だと思います。政府参考人に先ほど伺いましたら、なかなか高度が高くないからということでしたが、やはり、事業者のことを考えると、この領域は政府がしっかりやった方がいいと思います。やはり、自由にロケットの着陸の実験ができたり、打ち上げられたり、なかなか、百キロを超えて五百キロまで、宇宙空間まで行くまでの知見を集めるためにも、やはり、事業者として安心して打ち上げる環境を、大臣、是非つくってほしいんです。
見直しが三年後ということなんですけれども、この点については早急に見直して、三年ってあっという間ですからね、ですから、早急に見直して対応されることを求めますので、よろしくお願いします。
○小野田国務大臣 法案の附則で、施行後三年を目途として検討とは書いているんですけれども、技術というのは本当に日進月歩だと思いますので、必要に応じて、遅くとも三年ということで、その時期を目途として検討を行ってまいりたいと思います。
○大島委員 宇宙開発等もそうなんですけれども、今回、三菱さん、JAXAさんのH3とか、あるいはJAXAさんとIHIさんのイプシロン、両方とも必要なロケットだと思います。今後うまく打ち上がることで皆さん努力されていると思っていまして、日本のこれを支えているのが研究開発環境だと思っていて、若干宇宙とはそれるんですけれども、極めて大切な領域なので、一問質問をさせてください。
国立天文台や情報通信研究機構を始め、国の研究機関、大学共同利用機関には、最先端研究を支える観測装置、実験装置、ICTデバイス等を設計、試作、加工、評価する、いわば研究の工房というべき技術基盤があります。しかし、こうした技術基盤を支える人員と予算は十分とは言えません。文部科学省の調査でも、中規模研究設備の維持、利用に必要な技能を持つ技術職員が慢性的に不足していること、若年技術職員の獲得と世代交代、技能向上、技術継承に長期的な体制が必要であることが指摘されております。このままでは、研究設備、機器の更新、部品、資材、消耗品等の確保、技術職員の育成と技術継承に支障が生じ、最先端研究を支える基礎体力が弱まりかねません。
研究成果だけでなく、それを生み出す装置を造り、維持し、改良する技術基盤そのものを基盤的経費、人材育成、処遇改善、設備更新の面から充実させていただきたいと思いますので、参考人からの答弁をお願いします。
○福井政府参考人 お答え申し上げます。
国立研究開発法人や大学共同利用機関については、最先端の研究開発の推進や大型装置の運営など、研究力強化にとって中核的な役割を担っておりまして、研究者だけでなく技術職員など専門人材の活躍や、研究設備、機器の整備が不可欠であると認識しております。
特に技術職員の確保、育成に向けては、各機関が経営上の重要課題として取組を進めることができるよう、技術職員の人事制度に関するガイドラインを本年三月に策定しましたところです。
また、全国の研究大学において、技術職員を含めたコアファシリティーを戦略的に整備しまして、研究設備、機器の整備、共用、高度化を推進するということにしております。
文部科学省といたしましても、第七期科学技術・イノベーション基本計画を踏まえまして、研究現場の人への投資を強化するとともに、傷んだ研究基盤を回復させ、幅広く多様な研究開発が行われる研究環境を実現するため、近年の物価、人件費の上昇等も踏まえつつ、運営費交付金等の基盤的経費を着実に確保してまいりたいと思っております。特に、研究設備、機器や技術職員などの専門人材につきましては、全ての研究者の研究活動を支える共用基盤として整備、配置することを基本といたしまして、研究基盤を支える経費を安定的、継続的に確保することにより、委員御指摘の最先端研究を支える基礎体力ということで、技術基盤への継続的な支援を充実してまいりたいと考えております。
○大島委員 大臣、私、財務金融委員会にも所属をしておりまして、先日総理が、補正をやめて当初に積むというお話をされているので、お手元の資料を見ていただくと、これは私がまとめた研究開発環境の充実ということで、様々な研究機関があって、様々、工房、あるいは試作、技術基盤をつくる人たちがおります。それに対して、大島がまとめて、課題かなということを書いてありまして、これらの研究機関はほぼ、多分、補正予算の割合が三割を超えている、五割を超えているところもあります。
財務金融委員会では、財務大臣に、せっかく内閣総理大臣が言っているので、やはり研究の予見性を見るためにも、全部、来年度予算からは当初に積んでおいていただきたいということを要請したので、是非大臣からもよろしくお願いします。
それで、特にここの分野、私も、最先端の研究を見るとともに、例えば国立天文台だと、工房まで行って、メタルの3Dプリンターで電波望遠鏡の一番中核の部品を作っているところとか様々見ているの。やはりここが非常に今衰えてきている。ここがしっかりしないと研究が充実しないので、ここのところを是非、今日は法案質疑で、大臣の答弁は求められないと聞かされたものですから、是非よろしくお願いします。
続きまして、ロケット開発について伺います。
先日、今回の法案質疑に備えるために、私は、小型SAR衛星の開発、運用を行うシンスペクティブ社を訪問し、ヒアリングを行いました。現場では、衛星製造の量産化に向けて、大規模なクリーンルームに過度に依存しない工程設計や、イオナイザー等を活用した清浄度、静電気対策の工夫について伺い、衛星製造の現場を間近に視察をいたしました。クリーンルームがないんですよ、衛星を組み立てるのに。これはまれだと思いました。話を伺いながら盛り上がりまして、結構、視察が長引きました。同社は、小型SAR衛星のコンステレーション構築を進めており、政府の資料でも、三十機規模の衛星群を目指していると伺っています。
仮に衛星一機の打ち上げ費用を三十億円とすれば、これまで何機か打ち上げていますけれども、全部外国です。射場はニュージーランドかな。仮に三十億円とすれば、三十機で九百億円。三十機を超えれば、おおむね一千億円の打ち上げ需要になります。これを全て海外ロケットに依存すれば、打ち上げ費用の大きな部分が海外に流出し、国内には射場運用、部品、試験、品質保証、人材育成の経験が残りにくくなります。一方、国内ロケットで挑戦すれば、仮に一部に失敗があっても、資金と知見は国内に残り、次の成功確率を高める投資になります。したがって、短期の採算性や一回ごとの成否だけで判断するのではなく、相当数の打ち上げ実績を重ね、国内に技術と産業基盤を蓄積する政策が必要と思います。
米国には、NASAによる民間サービス調達、民間航空機産業、安全保障分野の厚い産業の裾野があり、人材やノウハウも豊富です。日本はまだ、宇宙輸送と衛星製造を産業として広げていく段階であり、米国と同じ競争環境を前提にすることはできないと考えております。
答弁をお願いします。
○小野田国務大臣 委員から、もっとちゃんと国内で打ち上げて経験を積めという御指摘をいただいたと思います。
二〇一五年から二〇二四年までの十年間で、日本において開発された衛星の半分が海外で打ち上げられている状態でございまして、宇宙分野における自立性確保や産業基盤の強化の観点から、二〇三〇年代前半までに打ち上げ能力を年間三十件程度確保することを目指すと政府としてはしております。
我が国の打ち上げ能力を強化し、国内の打ち上げ需要に対応できるように、中小企業イノベーション創出推進事業による技術開発、社会実装の支援に加えて、宇宙戦略基金において、打ち上げ初期段階における複数回の打ち上げ実証を支援するテーマの設定など、ロケットの供給面の取組を支援しているところでありまして、また、ロケットの需要面の取組についても、日本成長戦略会議における官民投資ロードマップの策定に際しては、政府による打ち上げサービスの計画的調達等、設備投資に係る予見性向上に資するアンカーテナンシーの構築などについても検討しているところでございます。
委員の問題意識は共有しているところでございますので、こうした供給面、需要面の取組により我が国の打ち上げ能力を強化して、国内の衛星打ち上げ需要に対応してまいりたいと考えております。
○大島委員 大臣、済みませんでした。一問はもう少し長くしゃべる予定だったので、そこをこれから述べます。
国内の衛星事業者が打ち上げを全て海外ロケットに依存すれば、打ち上げ費用の相当部分は海外に流れ、国内には打ち上げ運用や不具合解析の実データ、ロケットと衛星をすり合わせる経験が蓄積されにくくなります。これは、単に一企業の採算の問題ではなく、我が国の宇宙輸送の自立性、経済安全保障、さらには国富の国内循環の問題であります。
国内の衛星事業者の打ち上げ需要と国内民間ロケットの実証機会を結びつけ、一定数については、国の技術実証ミッションとして、国費により国内ロケットを打ち上げる仕組みを設けるべきではないでしょうか。また、仮に一定の追加コストを要するとしても、国内射場から打ち上げることは、国富の流出を防ぎますし、我が国の宇宙輸送能力の維持強化、関連産業の育成、さらには安全保障上の自立性の確保という観点から、大いに意義があると思っておりまして。
海外に依存すると、国富が全部、一千億円出てしまう、仮に三十機、三十億円とすれば。国内で多少高くても打ち上げれば、富は国内で回りますから、私は、まだまだ、米国と違って、一・五億人の米国、民間を含めて相当の裾野がある米国と、我が国のまだ産業として成り立っていない宇宙産業を考えると、しっかりと国が、多少コストがかかったとしても、打ち上げた方がいいと思っているので、その点、是非よろしくお願いします。
続きまして、イプシロンSは、我が国の基幹ロケットであり、固体燃料ロケットの技術基盤、産業基盤を維持する上で、国として保有し続けるべき重要なロケットと考えます。政府の認識を伺います。イプシロンSの運用空白が長期化すれば、自立的な宇宙アクセスや顧客からの信頼にも影響すると考えております。国として、実証機打ち上げと運用再開に向け、どのように責任を持つのか、答弁をお願いします。
○古田政府参考人 お答えいたします。
御指摘の固体燃料ロケットは、液体燃料ロケットに比べて構造が単純で、打ち上げ前の燃料注入等も不要であることから、打ち上げ準備期間が短く、打ち上げ設備や運用をコンパクトにできるという強みがあり、我が国において独自の技術開発が進められております。
イプシロンSロケットは、このような我が国固有のロケットシステム技術を継承し、今後需要が見込まれる小型衛星打ち上げニーズに対応するため、令和二年度から開発を進めており、H3ロケットと並ぶ基幹ロケットとして、我が国の宇宙活動の自立性の確保等の観点から非常に重要であると認識しております。
一方、御指摘の打ち上げ空白期間の短縮に向けた対応といたしましては、飛行実績のあるロケットの第二段機体を適用した開発を行うこととし、二月に開催をしました文部科学省の有識者会議において、計画の見直しが妥当であると確認をされ、令和八年度中の実証機の打ち上げを目指すこととしております。
あわせて、打ち上げ能力の強化を目的として新たに開発中のロケットの第二段機体については、地上燃焼試験における異常燃焼の原因調査及び対策の検討を進めており、引き続き着実に開発を進めてまいります。
文部科学省としては、引き続き必要な支援を行ってまいります。
○大島委員 二段ロケットのところは諦めてほしくないんです。ここはブレークスルーを起こしてほしいの。そうじゃないと日本の技術が育たないと思うので、よろしくお願いします。
最後に、国の資金が入る新規ロケット開発では、失敗を単なる減点ではなく次の成功につなげる環境整備が必要です。打ち上げ失敗や燃焼試験異常の原因、再発防止等、得られた教訓を、機微情報に配慮しつつ関係事業者間で共有する仕組みを設けるべきだと思いますけれども、答弁をお願いします。
○小野田国務大臣 国の資金による新規ロケットの開発では、開発事業者においても、それぞれの経験等に基づく創意工夫を凝らし、多大な時間を費やし、試行錯誤しながら開発に取り組んでいると理解しております。
各事業者がロケット開発や打ち上げ失敗などから得たデータやノウハウは、協調領域として情報共有して、その後の事業全体の発展につなげるべきだとの考えも一定理解するんですけれども、一方で、各事業者にとっては、競争領域として多大な労力をかけて得られたデータやノウハウをライバル企業に直ちに共有することは、自社の優位性を失うリスクとなり、かえって事業や投資が進まない面もあるのではないかと考えております。
なお、先般打ち上げに失敗したH3ロケットにおいては、JAXAや関係企業において打ち上げ失敗時のデータを蓄積、分析し、文科省の専門委員会において原因や対策を公開、共有しております。
今後、国として、関係事業者間で情報を共有する仕組みを設けるか否かについては、関係事業者各社の御意見も踏まえながら、関係省庁と連携して適切に対処してまいりたいと考えます。
○大島委員 ありがとうございました。
ただ、日本の宇宙開発はまだまだなので、要は、海外ですと平気で二百キロぐらいの衛星は打ち上げているので、やはり、情報共有しても、そんなに機微情報があるとは思えないんですよ。だから、機微情報もある程度配慮しながら、情報共有を図った方がビジネスとして成り立つかと思うので、よろしくお願いします。
残余の質問は次回にします。ありがとうございました。
○山下委員長 次に、後藤祐一君。
○後藤(祐)委員 中道改革連合の後藤祐一でございます。
今もありましたが、H3ロケットについて、六号機の打ち上げは、本当だったら今日の九時五十三分五十九秒発射を目指してということでしたが、何か天候の関係で、あさっての同じ時刻に延期になったと伺っておりますが、このH3ロケットの、今度打ち上げるのは六号機ですが、去年、八号機の失敗というのがございました。この八号機打ち上げ失敗の原因は何でしょうか。そして、今度の六号機においてどのような改善を図ったのでしょうか。
これは、同じH3ロケットですから、この前失敗したけれども今度は大丈夫なのと、あさって国民は思うと思うので、これは、私は説明を聞きましたが、かなり難しいんです。それを、一般国民が分かるような大臣の言葉で御説明ください。
○小野田国務大臣 ありがとうございます。
言葉で言うとなかなか入りづらいかもしれないんですけれども、昨年十二月二十二日に打ち上げられたH3ロケット八号機の失敗は、ロケット打ち上げ後に、フェアリングと言われる、この時点でなかなか言葉では、(ペンを示す)勝手にロケットにさせていただくと、この、衛星を積んでいる、フェアリングと呼ばれる衛星カバーをぼんと分離した直後に、衛星をここに載せている台座に損傷が発生したことが原因と推定されたと承知しております。これは、台座の製造の際に、台座の部品を接着する工程で台座の内部の剥離が生じていたところ、衛星カバーの分離時の衝撃によって台座の剥離が急激に進展し、破損に至ったものと特定されていると認識しております。
今般打ち上げが予定されているH3ロケット六号機、三〇形態試験機の打ち上げにおいては、この内部剥離をした箇所に必要な検査と補修を施しまして、十分な強度が確認された台座を使用する予定というふうに聞いております。
H3ロケットは、我が国の基幹ロケットとして、我が国の宇宙分野における自立性確保に不可欠なロケットでございまして、六号機の打ち上げが成功することを期待しております。
○後藤(祐)委員 私は事前に説明を聞いているのでそれで分かりますが、皆さん、分かったでしょうか。あさって、本当に、そこはちゃんと伝わるようにうまく説明してください。
では、法案のチェックに入りたいと思いますが、ちょっと順番を変えて、ミサイルとの関係ですとか、サブオービタル飛行との関係から行きたいと思います。
まず、これらの定義の関係で、二条の六号の宇宙ロケットの打ち上げという定義があるんですけれども、宇宙ロケットの打ち上げというのは、宇宙ロケットを発射して加速し、これを地球を回る軌道若しくはその外に投入し、又は地球以外の天体に配置することと定義されているんですが、これはちょっと通告の前半のところだけに切って聞きますが、軌道外に飛び出せる推力を持つものは現在存在しているんでしょうか。それとも、まだ存在していないんでしょうか。宇宙ロケット以外でですね。
○風木政府参考人 今御指摘の、ミサイル等の話をおっしゃっているんだと思います。
いわゆるミサイルというのは様々なものがあると承知しておりまして、一概には申し上げられないということで、一般的に軍事目的で用いられるものと認識しております。
したがって、今現在、御指摘のような二条六号の定義によりますと、地球を回る軌道又はその外へ自ら又は人工衛星等を投入することなく落下するロケットの打ち上げということでございますので、そうしたものは、ミサイル等については、現在想定しているものではないということでございます。
○後藤(祐)委員 投入するかどうかはともかく、じゃ、それだけの推力を持つミサイルは今のところないということですね。
サブオービタルはどうでしょうか。先ほど大島議員の質疑の中で若干触れていたような気もするんですが、スペースXが五月二十二日に打ち上げたスターシップV3というスターシップは、八千百六十五トンの離陸推力を持っていて、これは、アポロ計画のサターン5というんですかね、のロケットを上回るものです。
このスペースXのスターシップV3が、サブオービタル飛行、つまり軌道投入しない形で地球に戻ってきました、先月。このスターシップV3というのは、地球を回る軌道の外に投入したことにはならないのでしょうか。つまり、地球を回る軌道若しくはその外に投入し、又は地球以外の天体に配置することという定義である宇宙ロケットの打ち上げにこのスターシップV3は該当するんでしょうか、しないんでしょうか。
○風木政府参考人 今御指摘の宇宙ロケットの打ち上げにつきましては、まず、この定義ですね、地球を回る軌道又はその外へ自ら又は人工衛星を投入することと規定しておりますので、その投入を前提としております。
我が国の場合にはまだ、そういう形式で、御指摘のようなケースで、通常のロケットは当然軌道に投入することを前提としておりますけれども、いわゆるサブオービタルと言われる、一定の高度に達してまた帰還するようなケース、こうしたケースについては今回の宇宙活動法の対象としていないということでございまして、今おっしゃったようなケースについては、我が国については、基本的には、今、サブオービタル飛行としての対応については活動法の対象外でございます。
○後藤(祐)委員 現行法では、人工衛星を分離するようなものを人工衛星等の打ち上げと定義しているんですが、今度は、宇宙ロケットの打ち上げという定義に変わるわけですよね。その宇宙ロケットとは何かといったときに、これは推力で決まるわけですよ。二条二号で、発射した場合に地球を回る軌道若しくはその外又は地球以外の天体に達する推力を有するものをいうと。
スターシップは推力を有しているんじゃないんですか。
○風木政府参考人 ちょっと条文の解釈に係るところかと思いますけれども、推力を有するというところはもちろん規定上書いておりますが、今回は、地球から発射され、地球を回る軌道若しくはその外又は地球以外の天体に達する推力を有する機体は宇宙ロケットに当たるという形で、軌道若しくはその外の、地球以外の天体に達するというところを重視しておりますので、そこで、今回の宇宙ロケットの打ち上げということは、宇宙ロケットに該当する機体を地球を回る軌道又はその外へ投入される場合ということで、その打ち上げに当たるという形にしております。(後藤(祐)委員「当たるの。スターシップは当たると。さっき、当たらないと言ったじゃない」と呼ぶ)
推力というよりは、宇宙ロケットに該当する機体が地球を回る軌道又はその外へ投入される場合かどうかというところをメルクマールとしておりますので、推力はもちろん一つの要素ではあるんですが、実際の、宇宙ロケットに該当する機体が地球を回る軌道、それからその外に投入されるかどうかというところで、まずサブオービタル飛行は除外をしております。
そして、そうした宇宙ロケットに当たるかどうかについてのまず定義を決めた上で、その打ち上げに当たるかどうかというところで、また、その外に投入される場合ということで規定しているということでございます。
○後藤(祐)委員 皆さん、分かりましたか。さっきは当たらないと言って、今は当たるというように聞こえるんですが。
要するに、このスターシップV3は、宇宙ロケットには当たると、推力があるから。ただ、宇宙ロケットの打ち上げ、六号の定義、打ち上げというのは、宇宙ロケットを発射して加速し、これを地球を回る軌道若しくはその外に投入しとあるので、投入に当たらないから宇宙ロケットの打ち上げには当たらない、そういうことですか。
○風木政府参考人 失礼いたしました。
そのとおりです。宇宙ロケットには当たるんですけれども、その投入には当たらないので、打ち上げには当たらないという趣旨でございます。
○後藤(祐)委員 ちゃんとそう答えてください。
宇宙ロケットには当たるけれども、宇宙ロケットの打ち上げには当たらないって、本当ですか、それ。かなり無理のある条文解釈じゃないですか。
でも、このスターシップのようなサブオービタル飛行をする飛行体は、地球に落下して事故を起こした場合に、この法律で定めるような各種の規制だとか無過失責任は、じゃ、負わないということですか。
○風木政府参考人 宇宙ロケットに当たる、それで、打ち上げには当たらない。他方で、この法律の、宇宙活動法の世界では、打ち上げ者に対して無過失責任は課しておりますので、その点については責任がございます。ただ、宇宙活動法の世界で、打ち上げの許可の対象にはならないということでありまして、そこがポイントであります。すなわち、宇宙ロケットに当たるとしても、軌道投入あるいはその外に投入ということがあるかどうかについて、打ち上げに当たるかという、定義に含めるかどうかとしております。(後藤(祐)委員「いやいや、だから、無過失責任を負うの、負わないの」と呼ぶ)負います。
これは……
○山下委員長 答弁で、無過失責任を負うかどうかというのをはっきり答えてください。
○風木政府参考人 はい。
無過失責任を負う形になります。打ち上げ者として……(後藤(祐)委員「だって、打ち上げに当たらないんでしょう」と呼ぶ)はい。許可の対象にはなっていないんですが、三十五条の規定により無過失責任を負うということでありまして、宇宙ロケットの打ち上げを行う者です。したがって、打ち上げを行う者でなければ、したがって、無過失責任は当然、打ち上げを行う者であれば負うということでございます。
○山下委員長 議事録に残しますので、何について答えているかというのを明確に答弁してください。
○後藤(祐)委員 このスターシップは、宇宙ロケットには該当するけれども、宇宙ロケットの打ち上げには該当しない、スターシップの打ち上げがですよ、という答弁がありました。
じゃ、無過失責任を負うのか負わないのか。今、だから、負わないという答弁ですよね。でも、三十五条の無過失責任を読むと、宇宙ロケットの打ち上げに伴い損害を与えたときは、その損害を賠償する責任を負うとあるから、宇宙ロケットの打ち上げに該当しないんだったら、無過失責任は負わないんじゃないんですか。
○山下委員長 風木事務局長、整理してきちんと答えてください。
○風木政府参考人 大変失礼しました。
今、宇宙ロケットの打ち上げは、三十五条は打ち上げのケースだけなので、基本的には負わないということです。当初の答弁を修正させていただきます。打ち上げの定義には当たりませんので、これには対象にならないということになります。
失礼いたしました。
○後藤(祐)委員 ちょっと、大丈夫ですか。
不公平じゃないですかね。これは、だって、アポロのあのサターン5型より推力があるやつですよ。それがおっこちちゃって、無過失責任を負わないって、型としてはほぼ同じぐらいの大きさのもので、大きさの推力のあるものが、無過失責任を負う負わないが分かれるって、ちょっと無理があるんじゃないんですか。
実際に、人工衛星で軌道投入するとか月まで行くとかという目的が、どこからか、日本からシンガポールまで二十何分とかいう、その目的が違うのは分かるけれども、事故のリスクというのは、それはそれぞれにあるわけで、ちょっと、今の解釈なのであれば、さっき、今後の法改正について遅くとも三年とかいう話がありましたけれども、これはもう現実化している技術ですから。先月打ったんですから、このスターシップ。だって、スペースXが日本で、東京から出発する可能性だってあるじゃないですか。ニューヨークから東京に来て、東京からシンガポールに行ってとかという飛び方をする場合は、本法を適用するしないという話になるでしょう。日本の会社なりJAXAが開発するかどうかという問題じゃないんですよ。これはちょっと、今の解釈でいくのは苦しいんじゃないかなと思いますので、よく考えてください。
先ほどのミサイルの話にちょっと戻りたいと思いますが、ミサイルは、宇宙ロケットの打ち上げに今のところ該当するものはないし、想定していないということですが、その推力を持つものであれば、そういったものが出てきた場合には、宇宙ロケットの打ち上げに該当することになるんでしょうか。
○風木政府参考人 先ほどは混乱いたしまして、失礼いたしました。現在、国内で想定されていないので、先ほどサブオービタル飛行は例外にしている、対象外にしているということでございましたので、混乱させて、失礼いたしました。三十五条の無過失責任の解釈については、打ち上げをする者ということになっておりますので、今回は対象外でございます。
そして、今、ミサイルについて御指摘がありました。ミサイルは様々なものがあるので、この定義が、軍事目的で用いられるものだということで認識はしておりますが、一概には定義し難いという中で、まず、地球から発射され、地球を回る軌道若しくはその外又は地球以外の天体に達する推力を有する機体は宇宙ロケットに当たるということです。先ほどは大変失礼しました。そして、宇宙ロケットに該当する機体が地球を回る軌道又はその外に投入される場合は宇宙ロケットの打ち上げに当たるという整理です。したがって、宇宙ロケット、それから打ち上げというのが、概念上の整理で大変分かりにくかったところは改めて明確にさせていただきます。
そして、委員御指摘のいわゆるミサイルなんですけれども、一般的には誘導により地上や海上、空中の目標に対して飛行するという特徴を有しているものと認識しております。その特徴から、地球を回る軌道等に投入するような、地球に戻ってこなくなる状態にするという運用は想定し難いと承知しております。そのため、いわゆるミサイルの発射が宇宙ロケットの打ち上げに該当するようなケースは想定しておらず、宇宙活動法の対象とは考えておりません。
○後藤(祐)委員 これも、だから、宇宙ロケットには該当する可能性があり得るけれども、宇宙ロケットの打ち上げには該当しないという、サブオービタルと同じような扱いになるということですね。うなずいていただきました。
大臣、今のやり取り、ちょっと危ういと思いませんか。スペースX、東京から飛ぶ可能性はあるんですから。そんな、すぐですよ。本当にこの解釈でいいかどうかは、よく検討していただきたいなと思います。
結構時間がかかっちゃいましたが、気球からの打ち上げ、ロックーン方式、これは二条六号の宇宙ロケットの打ち上げに該当するんでしょうか。つまり、気球で高いところまで持っていって、そこからロケットを打つと燃料が少なくて済むので軽い形でできるとか、メリットがあると伺っていますが、該当する場合には、五号で言っている打ち上げ施設というのは一体何になることになるんでしょうか。
○風木政府参考人 気球で一定の高度まで上昇させた後に空中で点火を行う方式での国内事業者が存在するというのは承知しております。
その場合の、御指摘の打ち上げ施設ですけれども、まず定義ですが、宇宙ロケットを発射する機能を有する施設と規定しておりまして、ロケットを起立させ保持するための射点設備や、ロケットにエンジン点火の指令信号を送信する発射管制設備など、一体的に機能してロケットを発射させる設備を総称したものです。
御指摘の、気球からロケットを打ち上げる場合なんですが、気球にロケットを固定及び保持するための設備、それから、地上からロケットに指令信号を送信するための発射管制設備等が打ち上げ施設に該当すると考えられます。ついては、これらの設備を用いてロケットを発射して加速し、これを地球を回る軌道に投入等する場合には、気球からの打ち上げも第二条第六号で定義する宇宙ロケットの打ち上げに該当すると考えております。
○後藤(祐)委員 今の答弁で、ロケットを固定、保持するための設備とか、地上にある何とかかんとかの設備とかを打ち上げ設備という答弁をしちゃったんだけれども、私が何でこれを聞いたかというと、打ち上げ施設と定義されているんですよ。施設というのは、通常、地面に固定されているものをイメージするわけです。気球でふわふわ浮いているものについているものを施設と言うのに無理があって、まさに今、風木さんは打ち上げ設備と言っちゃっていたのを私は聞き漏らしていないんですけれども、これは打ち上げ設備と言った方がいいんじゃないんですか、打ち上げ施設じゃなくて。
○風木政府参考人 設備を総称したものを施設というふうに呼んでいる関係上、こうした定義にさせていただいております。
○後藤(祐)委員 設備を総称して設備で何がいけないんでしょうか。施設という言葉に私は無理があると思いますよ。
大臣、これはいろいろ見直す必要が出てきているから、次のときにちょっとこれは考えてみてください。設備がいろいろあって全部で設備と言って何の問題もないと思いますが、固着していないものを施設と言うことに非常に私は違和感を感じます。
続きまして、これをやっていると時間がなくなっちゃうから一つ飛ばして、終了措置に行きたいと思います。
二十条一項の許可に係る終了措置を講じないで特定人工衛星の管理ができなくなる場合として、二十五条に、特定人工衛星の他の物体との衝突その他の事故の発生という条文があるんですけれども、特定人工衛星、つまり電波で運営を管理している状態の人工衛星ですけれども、これが、事故以外のケースで、例えば、それを運営している事業者が経営に行き詰まって、この特定人工衛星を管理する、お金の面でもう苦しくなっちゃった、もうこれは放置しようというようなケースなどもあり得るんじゃないんですか。
○風木政府参考人 そうしたケースはあり得ると考えております。
○後藤(祐)委員 その場合には、法的にはどう解釈されるんでしょうか。ひそかに放置した場合、誰にも報告しないで。その場合は、二十二条四号ニの措置も講じられていないかもしれませんし、二十五条、今言った事故時の措置もしないし、二十九条の事業体の解散の届出もしない、何もしないでしれっとほったらかしにしていたら、法的にはどうなるんでしょうか。
○風木政府参考人 法二十四条ですが、特定人工衛星管理者は、特定人工衛星の管理を行うに当たっては、二十条一項の許可に係る管理計画の定めるところに従わなければならないと規定しております。
委員御指摘のような、事業者が経営に行き詰まったり、特定人工衛星をひそかに放置するような場合、こうした場合は、二十条一項の許可に係る管理計画に従っていないということになりますので、二十四条の規定に違反していると認められます。その事実が判明した場合には、当該事業者に対して、第三十三条五項に基づき是正命令を行うということになります。そして、当該事業者が是正命令に違反したということであれば、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科するという規定がございます。
○後藤(祐)委員 今申し上げた特定人工衛星でない人工衛星、例えば、単なる個人的なモニュメントを打ち上げるといったようなものはこれからもあり得るわけですけれども、今、デブリがどんどん増えている、人工衛星の数も増えているという中で、十八条の二の人工衛星等汚染等防止・安全基準を満たせば、この搭載前人工衛星等について、こういうモニュメントでも適合認定をどんどん行っていくんでしょうか。
これはちょっとまとめて二つ聞きますが、意義があるものであればともかく、個人的なモニュメントみたいな、その人にとってはともかく、世の中にとってそうでもないようなものは、デブリがこれから増えていく中で、打ち上げ数を制限するといった方向はこれから考えないんでしょうか、大臣。
○小野田国務大臣 ありがとうございます。
搭載前人工衛星等の適合認定制度は、宇宙ロケットに搭載される人工衛星等の構造物が人工衛星等汚染等防止・安全基準に適合していることを認定する制度でありまして、同制度により、人工衛星等の構造が部品等の飛散を防止するものとなっているか等を審査することとしています。なので、仮に個人的なモニュメントであったとしても、その構造が基準に適合するものであれば、搭載前人工衛星等の適合認定を行うことになります。
そして、現時点においては、個人的なモニュメントのような人工衛星等の打ち上げ数の制限を行うといった国際的なルールがなく、このような状況において、我が国のみが法的に打ち上げ数の制限を設けることは適当ではないと考えております。他方で、将来的なデブリの増加状況や国際的な議論の動向等によっては、人工衛星等の構造にかかわらず、個人的なモニュメントのような人工衛星等の打ち上げ数に関して何らかの制限を設ける必要性が生じる可能性もありまして、そうした動向については注視しつつ、適切に対応してまいりたいと思っております。
このデブリの問題、今、本当に大きな問題なので、例えばフランスの担当の方が来たときとかにも、このデブリの問題に対する国際的なルールであるとか、ちゃんとそういうのをやっていかなきゃいけないよねという話は随時出ているので、その中で、我が国だけというより、世界的にちゃんとルールをして、将来的には必要なところもあるのではないかと私は思っております。
○後藤(祐)委員 これは地球温暖化よりははるかに解決がしやすい問題だと思いますので、是非国際的にそういう方向で進めていただきたいと思います。
最後に、大臣に宇宙開発の目的について伺いたいと思います。
地球を周回する人工衛星については、これは商業面ですとか安全保障面ですとかいろいろな目的があって、その目的は非常に明快だと思うんですけれども、アルテミス計画を始めとして、月面探査、あるいは月の周りも含めた探査、あるいは火星及びその外側、深宇宙の探査というのは、宇宙の起源を知るとか、生命体が人類以外にいるかどうかといった科学的、知的な目的としては分かるんですけれども、あと資源があるんじゃないかとかいうことは、あともう一つは、そこで培った技術が多少波及するというのは、そういう説明を受けましたけれども、物すごいお金がかかるわけですよ。
大臣、何のためにこの月探査や深宇宙の探査を行うんでしょうか。
○小野田国務大臣 委員に御説明を受けたことを繰り返してもあれかなとは思うんですけれども、まさに、令和五年に閣議決定した宇宙基本計画においては、「人類共通の知の創出と、宇宙空間における人類の活動領域の拡大とを目的とする営み」としております。
特に月は、地球以外で最初に人類の活動領域となる可能性を持つ天体でありまして、水資源、そして金属資源が存在し、深宇宙探査への拠点ともなり得るなど、将来的には新たな経済社会活動が生み出されることが期待され、産業活動も含む月面経済圏に発展していく可能性があるとも認識をしております。こうした認識の下で、米国のアルテミス計画に参画して、我が国の国際競争力のある技術を生かしつつ、月面探査を支える有人与圧ローバーの開発を始めとする国際協力を進めております。
火星についても、長くなっちゃうので具体的には申し上げませんけれども、ただ、やはり、先生がおっしゃったように、知の創出だけでなく、困難に挑戦することにより新しい技術というのがどんどん生み出されていけば、それは、まさに先生おっしゃっていただいたように、国民の生活にも波及してくる、すばらしい技術の開発にもつながるのであろうというのも一つ、目的にもなるのかなと私は思っております。
○後藤(祐)委員 私も子供の頃は、宇宙飛行士になりたいと書いたことがありますけれども。
そこの目的は分かるんですが、少し、資源開発だとか波及技術というところは、これまでの投資とリターンがどうだったかというのはよく分析していただきたいと思います。
終わります。
○山下委員長 次に、深作ヘスス君。
○深作委員 国民民主党・無所属クラブの深作ヘススです。
本日、質疑の機会をいただきましたこと、感謝を申し上げます。
先ほど後藤委員からもありましたが、本来であれば本日はH3ロケットの打ち上げということで、私もちょうど自分の質疑の間に打ち上がるのではないかということで、実は、規則を調べたところ、ここに座っている間は通信機能を使ってはいけないと。iPadであったりタブレットの通信機能を使えないので、打ち上がったのかどうか分からないまま質疑を終えるのかなと思いながらでしたが、天候不良ということで順延となりました。
H3ロケットといいますと、皆さん、全て同じように思われるかもしれませんが、今回、大臣御存じのとおり、三〇形態という形で、新しい取組に着手をする。こういった新しいマイルストーンを踏むというタイミングで、この三〇形態、今まではソリッドロケットブースターと呼ばれるSRBを二本搭載していたものを、LE9エンジン三基のみで打ち上げるという新しい取組をする。大変、日本の技術という意味でも転換点にある。大変期待をしておりますし、これをやはり国会を挙げてもしっかりと応援をしていきたいと思っております。
本日、本法案、これまでの人工衛星に着眼をしてきた法体系から、輸送手段であるロケットに焦点を変えるということで、時代に即した対応をするものとして評価をするものであります。他方で、本改正案、時代の要求に対応する形にはなっていると思いますし、今のトレンドを反映すること、その重要性については理解をしつつも、その先の、我が国の宇宙産業をどう引っ張っていくのか、今の現状に対応していくだけではなく、その先に我が国がこの宇宙分野においてどのような手法、手段を用いて世界を牽引をしていくのか、こういった部分についてはまだまだ議論ができるところがあると思っています。
特に、本法案、評価できる点といたしましては、やはり先ほど来既に議論もありましたが、世界の宇宙開発、民間連携へとどんどんと移行している中で、ロケットの開発競争が激化をしているということは皆様御承知のとおりであります。本改正案を通じて、我が国の宇宙産業の国際競争力を高めるために非常に有意義であり、特に試験打ち上げの合法化であったり、多様な物体の軌道投入への道を開いていく、そして民間による新たな宇宙輸送ビジネスの実用化、これを力強く後押しするきっかけになると考えています。同時に、損害賠償制度の適用範囲を広げていくことで、事業の推進だけではなく、被害者保護、そして公共の安全確保、これら両立を図っている点、これらは高く評価すべきだと考えています。
他方で、先ほど申し上げたまだまだ足りていないと思う点について、まず冒頭幾つか申し上げて、それを具体的に質問としてお伺いをしていきたいと思います。
まず第一に、次世代の宇宙活動への対応、これに対する対策というのがまだ議論の余地があるのではないかと考えます。特に、有人宇宙飛行であったり、宇宙空間に達した後地球に帰還をするサブオービタル飛行、そして、物資などを地上に戻す再突入、これらについての法制化は、今回は再度検討ということで見送られたということでありますが、中長期的な課題として、技術革新が極めて速い分野だからこそ、より速い、そして世界に後れを取らないルール形成というのが求められると思いますので、是非、三年見直しということはあると思いますが、より早いタイミングで都度都度取り組んでいただきたいということであります。
そして第二に、審査手続についてです。この迅速化及び事業者の負担軽減をどう図っていくか。海外に比べて日本は審査に時間がかかるというような指摘もあります。毎回許可を取るのではなく、複数回包括的に許可をしていくような包括許可制度の導入、他法令を含めた手続のワンストップ化、そして、それらを迅速に担う専門人材の確保、これらが急務であると考えます。これについても、後ほど具体的にお伺いをしたいと思います。
そして、課題があると思うもう一つは、射場の問題です。政府が掲げる年間三十機の打ち上げ、この目標に対して、ロケットを打ち上げる射場が本当に足りているのか、立地自治体の負担もどう負担をしていくのか、独立をした許可制度の導入を含めた議論を深めていく必要があると考えています。
そこで、まずは、この年間三十機の打ち上げ目標、KPIについて、実現のロードマップと射場のインフラ整備についてお伺いをしたいと思います。
政府は、二〇三〇年代前半に基幹ロケット十機、そして民間二十機、これを合わせた年間三十フライトという目標を掲げています。しかし、現在、二〇二六年現在において、目標、もう四年しかないという状況であります。他方で、現在の状況、足下の状況を見ますと、民間ロケット、いまだに成功した事例というのがない中で、四年後に二十フライトを実現をするんだという、かなり野心的な目標でもあると考えます。
そこでお伺いをいたしますが、期限まであと四年しかない中で、民間二十機を含む年間三十機の打ち上げ目標を達成するために、政府の具体的かつ実現可能性のあるロードマップをどのように描いているのか、それをお示しをいただきたいと思います。また、その実現のためにどのような支援を行っていくのか、その点について具体的にお伺いをいたします。
○風木政府参考人 国際競争が激化する中、我が国の自立性確保や産業基盤の強化のため、政府としては、宇宙開発戦略本部で決定した宇宙基本計画工程表において、二〇三〇年代前半までに打ち上げ能力を年間三十件程度確保することを目指しております。現時点の見込みとしては、まず、H3ロケットやイプシロンSロケットといった基幹ロケットで十件程度、そして民間ロケットで二十件程度を想定しております。
その目標の実現に向けて、基幹ロケットにおいては、文部科学省の専門家会合の検討を踏まえ、最新の、昨年十二月の宇宙基本計画工程表として、宇宙政策委員会の審議を経て宇宙開発戦略本部決定に含まれる内容として、H3ロケットの運用改善と環境整備等により年間六機から八機以上の打ち上げを目指すこととしています。そして、開発段階にあるイプシロンSロケットについては開発計画を見直すこととし、具体的には、飛行実績のあるモーター、M―35aを適用した機体を開発し、二六年度中に実証打ち上げを目指すこととしております。
そして、民間ロケットについては、中小企業イノベーション創出推進事業、SBIRフェーズ3において技術開発を支援しておりまして、二〇二七年度中までに実証機の製造及び飛行実証の完了を目指しています。そのほか、宇宙戦略基金においては、ロケット開発の効率化や量産化に資する技術開発を支援しております。
日本成長戦略会議における官民ロードマップの検討を行っておりますが、打ち上げの高頻度化に向けて、こうした技術開発、実証に加え、更なるロケットの生産能力の向上、射場や試験設備等の整備、民間企業の投資予見性を高める取組についても検討しておりまして、政府として、供給面と需要面の両面から目標達成に向けた取組を総合的に進めてまいります。
○深作委員 お答えをいただきましたが、その中で今触れていただいたように、やはり射場のインフラについても大きな課題があるであろうと思います。
今、どちらかというと、ロケットそのものをどう造っていくのかというようなことが主眼として今お答えをいただいたと思いますが、過去のデータを調べたところ、日本が過去最も打ち上げの数を行った、最大瞬間風速と言ってもいいかもしれませんが、これは、当時のH2Aとイプシロンを束ねて年間五から七機が精いっぱいであったというふうに理解をしています。イプシロン単体でも年二機程度が限界なのではないか。
内之浦、種子島の既存の設備に、複数のロケットを造ったはいいけれども、待機をさせないといけない。毎回造って新しく運ぶというプロセスではなく、数を上げていくためには待機をさせなければいけない。特にイプシロンは、御存じのとおり火薬ロケットですので、今、雨ざらしに置いておくわけにもいきませんので、危険設備をしっかりと整備をしない限り、打ち上げのための待機をさせる設備も今整っていない。そういった建屋すら不足をしている状況において、これを、じゃ、どのように実現をしていくのか。
特に、民間も、串本の射場も今の設備では年間二回から三回の打ち上げが限界ではないかというふうに目算されています。そうなったときに、複数機の連続打ち上げを実現をするために、例えば、先ほど申し上げた危険物の保管、これを可能にするための射場インフラの拡充、具体的には、中長期的な新規射場の、新規として射場を造っていく可能性があるのか、また、そういったことを政府が考えているのか、既存の施設、特に内之浦、種子島等の民間への開放の計画、こういったことを、どういう議論が政府の中で行われているのか、お答えください。
○風木政府参考人 打ち上げ目標の達成に向けて、先ほど申し上げたロケットの開発や量産化に向けた取組のほか、委員御指摘の様々な課題がありまして、打ち上げ間隔の短縮化をする必要がある、それを含めまして、ロケットの高頻度打ち上げに向けた射場の設備等の整備、そして既存設備の活用が重要であると考えております。
既存設備の活用につきましては、例えばJAXAの射場設備がございますが、使用を希望する民間事業者が現れた場合には活用に向けた調整を行う予定と承知しております。それから、先ほど申し上げたような打ち上げ高頻度化に向けた中小企業イノベーション創出推進事業、SBIRフェーズ3でありますとか宇宙戦略基金には、射場やロケットに関する技術開発、社会実装の支援が含まれています。それから、民間ロケット打ち上げ等に係る政府調達推進を進めます。さらに、射場に関する取組や課題を自治体が相互に情報交換できる場を提供しております。これは御指摘のとおり、新たな射場という御指摘がありましたが、既存の射場のメンバー、そして新たな射場を考えている方々を集めて、相互に情報交換ができる場を提供しております。
そうしたことで、射場インフラに係る取組を多角的な観点から支援をするということでございまして、これは日本成長戦略会議におけます官民投資ロードマップの検討に際して含めていきたい。ロケットの高頻度打ち上げを可能とする射場、試験設備等の整備に向けた支援策について検討してまいります。戦略的な投資を促進し、我が国の打ち上げ能力の強化に向けた取組を進めてまいります。
○深作委員 今、新たな射場についてもお答えいただきましたが、これは、今のお答えだと、では、基本、民間がその新たな射場の建設又は計画を練っていくものであって、政府が今検討しているものではない、後押しはするけれども政府が主体となってやるものではないという理解でよろしいでしょうか。
○風木政府参考人 現在、JAXAの種子島宇宙センター、そして内之浦観測所のほか、スペースポート紀伊、北海道スペースポートなどがございます。そのほか、民間の方で検討されている、あるいは自治体とかなり協力をしながら進めているというケースがあるということで、例えば南相馬市でありますとか、大分県の話、高知県の話は聞いているところでございます。
○深作委員 ありがとうございます。
やはりこれはロケットだけ造っても射場がない限りはどうにもならない話ですので、三十機という目標も、やはり野心的ではありますが、世界から見ればまだまだこれは足りていないところでもありますし、我が国の衛星の打ち上げというものが、国内の事業者も外に出ていってしまっている状況で、他国を誘致することもできない状況ですので、中長期的にはやはり政府も射場の問題についてはより具体的に計画を作って考えていただく必要があると思います。
続けて、許認可の体制についてお伺いをいたします。
現在、年に数回の打ち上げに対して、一件ずつ丁寧に審査を行っているものと理解をしています。その在り方というのは大変重要でありますが、もしこれから年間三十件の申請が来た場合、今の処理能力で実際にできるんだろうかということが質問の趣旨です。
例えばアメリカでは、このようなリスクを避けるために、二〇二〇年にFAAが商業ロケット打ち上げ制度の抜本的な見直しを行っています。これは具体的には、それまで複雑であった許認可の手続を簡素化をして、同一事業者であれば複数回の打ち上げであったり複数の射場での運用を単一ライセンスで可能とするなど、事業者負担の軽減を図っていると承知をしています。また、申請者がライセンス申請を複数回に分けて提出する場合の早期審査の実現や、安全性承認の申請と事業者免許の申請を、個別ではなく、まとめて実施可能にする等の改革を行っています。
その結果として、安全性を確保しながらも、審査手続の迅速化、そして審査の合理化が進められ、民間企業が高頻度に打ち上げる環境が整っているというのは、私たちが今、目の前で目撃をしているところであります。
スペースX、ロケットラボなどを始めとする民間企業の高い打ち上げ能力が実現をされ、米国の宇宙産業全体の競争力向上にこういった改革がつながっていると考えますが、今後、申請が殺到する多頻度打ち上げ時代を我が国で見据えたときに、こういった米国の事例なども参考に審査、許認可体制の拡充及び制度の効率化、これはライセンス化なども含めて、どのように進めていくお考えなのか、この三十を超えた未来のイメージというものをどのように政府が描いているのか、お答えください。
○風木政府参考人 お答えいたします。
人員体制の面では、まず、今後、打ち上げが一層増加する情勢に備えるため、宇宙活動法を所管する内閣府宇宙開発戦略推進事務局の体制強化は極めて重要と認識しております。令和七年度より、同法を執行する審査体制を含めた事務局全体の体制を順次強化しておりまして、例えば、令和八年度の同事務局の定員数は令和六年度の三倍強に増員しております。引き続き、打ち上げに関する事業者の動向や技術情勢を踏まえながら、打ち上げの増加に対応できる体制の構築に努めてまいります。
また、ロケット打ち上げ許可の申請においては、これまで同一設計のロケットについて都度の審査を省略する型式認定や、その打ち上げ施設について都度の審査を省略する打ち上げ施設の適合認定を活用することにより審査の効率化や審査期間の短縮を図ってまいりました。
一方で、ロケット打ち上げに関する包括許可制度などもありますが、現時点では打ち上げ時の安全確保能力を担保する標準的な組織体制の知見の蓄積が産業界においてまだ十分ではないということから、その体制整備を含めて、事業者の自由な事業活動を制限することのないよう、その発展を阻害することがないように、本法案による制度化を見送っております。
他方で、内閣府としては、ロケットの打ち上げの高頻度化を目指して、今申し上げた三十件以上の世界を目指しまして、手続の簡素化など不断の改善を図ってまいりたいと考えております。
○深作委員 ありがとうございます。
まだその時代を迎えていない中において、まだシミュレーションの状態だとは思いますが、やはりそこには、人員もそうですし、予算もそうですし、体制も含めて議論をしていかなければいけないと思いますし、国会で必要なことについては我が会派としても応援をしていきたいと思っています。ですので、是非、不断の見直し、検討を続けていただきたいと思います。
先ほど、後藤委員から、深宇宙で何のために活動するのか、その経済性についてもしっかりと追うべきだという話がありましたが、私も少し深宇宙の話をお伺いをしたいと思います。
MMXについてであります。さきの日米首脳会談、これはアメリカ側が発表したファクトシートの中に、ある意味で国際約束として、火星衛星探査計画、MMXが記載をされました。
このMMXですが、火星の衛星を観測をして、そして着陸をし、そしてサンプルを直接採取をする、それを地球に持ち帰るというような計画であります。世界初となる火星圏からのサンプルリターンとなる見込みでありまして、我が国の大型深宇宙の探査プロジェクトとして大きな挑戦の、今、ときを迎えています。
後藤委員がおっしゃったように、これは何のためにやっているのかという意味では、火星衛星の起源や火星圏の形成の過程を解明をする、地球の、惑星における生命誕生や居住可能環境の可能性に迫る重要な科学的意義を持っているものと私は思っております。
他方で、このMMXの打ち上げですが、H3、先般の事故を踏まえて、遅延等の影響で本計画そのものが実現するのかということが一時期危ぶまれました。ところが、そのタイミングで、日米首脳会談の合意事項として、アメリカ側から、日本が秋に打ち上げるんだということをアメリカ側から示されたということがございました。
このファクトシートには、科学技術及び宇宙分野におけるパートナーの推進の一項目として掲げられたものでありますが、MMXは、深宇宙という、火星に向かう、衛星であります、ロケットですので、一度打ち上げのタイミングを逃すと、次の打ち上げウィンドーが二年以上先になる。これは国際約束として、今回打ち上げられないと、じゃ数か月後に挑戦しようということはできなくなって、アメリカが求めているというか、アメリカがこれは秋に日本がやるんだといった約束事項になっていることを実現をしなければいけないというプレッシャーを多分現場は強く感じているものと思います。
国際約束でもあるMMXの計画について、延期をされたスケジュールをこれ以上遅らせることなく確実に遂行し成功させる、そのためにどのような体制、取組を行っておられるのか、政府の今の現状をお伺いいたします。
○古田政府参考人 お答えいたします。
委員から御説明いただいたとおり、火星衛星探査計画、MMXは、我が国が主導し、世界初となる火星圏からのサンプルリターンを目指す、日米欧から成る国際的な宇宙探査計画でございます。
火星圏の探査機の打ち上げは、地球と火星が最接近する二年に一度の機会を目指して行う必要がございまして、昨年十二月に決定しました宇宙基本計画工程表に基づき、令和八年度にH3ロケットにより打ち上げることとしております。現在、探査機は、打ち上げ場所の種子島への搬入が完了し、打ち上げに向けた組立てや試験等の作業が着実に進められておるとJAXAより報告を受けております。
文部科学省としては、確実な遂行に向けて、引き続き支援を行ってまいりたいと思います。
○深作委員 どのようなというよりは、今の現状について御報告をいただきましたが、これは、国際約束になっている以上、アメリカだけではなくてほかの国々も関わったプロジェクトであります。やはりこれを必ず実現をさせなければいけないというのを政府も認識をされていると思いますが、何よりも現場にいるエンジニアたち、現場の職員たちが一番緊張感を持って行っていることと思います。
元々、このH3の打ち上げ、かなり今年は詰まっていたところ、事故が起き、そして遅れがあり、そしてそれ以外にも、宇宙ステーションへの補給を、これも国際約束としてやらなければいけない。詰まっている中ですので、これが遅れることがないように、是非様々な支援、遅れないように進めていただきたいと思います。
続いて、宇宙戦略基金の投資対効果とマイルストーンの管理についてお伺いをいたします。
経済産業省は今年の二月二十五日、JAXAに設置をされた宇宙戦略基金について、事業全体の制度設計を定める基本方針の改定と、経産省計上分の実施方針、第三期技術開発テーマの策定を発表しています。
その中で、二〇三〇年代前半までに国際競争力を有する民間ロケット打ち上げ事業者を二者以上創出をするということを目標として、民間ロケット打ち上げ実証加速化事業、これを実施をして、一件当たり最大百二十億円、二件程度の支援を行うということを承知をしています。
特に民間ロケットは、初期段階において失敗リスクが高く、その実績不足から顧客獲得が困難となる、いわゆる死の谷と呼ばれる状況に直面をします。本支援事業は、こうした課題を乗り越えるため、失敗を恐れず継続的に挑戦できる環境を整備をして、打ち上げ実績の蓄積、信頼性の向上、需要の獲得、こういった好循環を生み出そうとするものであり、その方向性については妥当であり、評価すべきものであると考えています。
他方で、多額の国費を投じる一方で、和歌山の串本、北海道大樹町、こういった現場において、この予算で具体的に何ができるのかという解像度が低いのではないかという声もあるのも事実です。無制限に予算があるわけではない中で、この支援によって本当に年間十機、二十機を製造し、打ち上げるラインが構築できるのか。この支援策のみでは、まだまだこの金額だけでは不明確であるというふうに考えます。
そこで、お伺いをいたします。
今回の宇宙戦略基金による支援に関して、この予算投入によって具体的にいつまでに何機のロケット製造能力、打ち上げ能力、どういった状況が担保されるのかといった投資対効果、この根拠を政府としてどのように目算をしているのでしょうか。そして、あと四年しかない三〇年目標から逆算をして、採択企業の進捗、このマイルストーンを国としてどのように伴走して管理をしていく予定なのか。その具体策についてお示しください。
○風木政府参考人 宇宙戦略基金による支援に当たりましては、各支援領域において、KPI、キー・パフォーマンス・インディケーターとして政策効果を確認する指標を定めております。これを委員御指摘の投資対効果として見込んでいるということで、委員御指摘の、特に輸送分野ですが、先ほどから出ておりますとおり、二〇三〇年代前半までに基幹ロケット及び民間ロケットの国内打ち上げ能力を年間三十件程度確保するというKPIを定めております。この国内外の事業者の打ち上げ需要を踏まえながら、官民ロケットの打ち上げ計画に基づいた供給面を考慮して設定したものでございます。
このKPIの達成に向けましては、先ほど御紹介がありました経済産業省第三期の基金のプロジェクト、もちろん最新のものがございまして、そのほかにも、高頻度打ち上げに資するロケット部品、コンポーネント等の開発、それから民間ロケット打ち上げの実証の加速化、今御指摘のものですね、それ以外にも様々な、ロケットの製造能力、打ち上げ技術の向上、幅広い視点からの宇宙輸送の高度化に資するテーマを複数設定しております。こうしたものを順次支援することで進めてまいっております。
加えて、JAXAにおきましても、H3ロケット等の基幹ロケットの開発支援も併せて進めているというところでございます。
こうしたことで、宇宙戦略基金による支援に加えて、日本成長戦略における官民投資ロードマップにも更に具体的なマイルストーン、ロードマップを示しているということで、ここで進めてまいりたいと思います。
とりわけ、宇宙戦略基金のKPIにつきましては、事業者による技術開発の進捗を管理するステージゲート評価を導入しております。ステージゲート評価の実施に当たっては、有識者によって構成される審査会をJAXAに設置し、各技術開発の進捗確認や社会実装の可能性等が適切か否かをその審査会で審査した上で、加速、継続、一部削減等の可能性を含む予算配分の変更等の事業の見直しを実施するという形で進めさせていただきたいと思っています。
引き続き、ステージゲート評価を中心とした本事業のマネジメントを徹底して、宇宙戦略基金による支援を進めてまいりたいと考えております。
○深作委員 ありがとうございます。
今、一つ、ステージゲート評価の中に一部削減も含めた議論があるということがありましたが、どうしても、この分野、国民からの理解を得るときに、失敗をしてはいけない、失敗をすることが悪であるというふうに思われてしまう嫌いがあるのではないかと思っています。
他方で、アメリカのスペースX社なんかは、すごい先進的で、進んだ企業であると思われながらも、実はアメリカの国費がかなり投入をされた企業でもあります。そんな中で、多くの失敗、彼らは、その失敗を表に出して、失敗から得られた知見からどのように次の改善につなげていくのかということをある意味で評価をし続けたからこそ、今の状況があると思っています。
是非、そんなことはないと思いますが、政府におかれても、ロケットの打ち上げの失敗イコール事業の失敗という捉え方をするのではなく、やはりそこから何を得られるのか。削減というものがある以上、やはり、そこに対して、取り組む側も、そこを萎縮するのではなく、自信を持って、正しいことをやったけれども失敗をしたときにはそれが評価をされるというような仕組みも必要だと思いますし、政府だけではなく、これは国民も国会も同じような思いで、何で失敗したんだということを言うのではなく、これを後押しをしていくためにも、制度設計、そういったところも意識をしていただく必要があると思いますので、お願いをしたいと思います。
時間がありません。ちょっと、続いて大臣にお伺いをいたしたいと思います。
宇宙産業の発展においては、資金以上に深刻なのが、今、人材不足ではないかと思います。とりわけ、経験豊富な人材の流動性がなかなか日本ではない、大変低いということが問題であると考えています。
先ほど来、アメリカを例に出していますが、米国では、NASAであったり大手宇宙企業で培われた熟練のノウハウ、こういったものを持つ人材が新しいスタートアップの要職に就いて、業界全体を牽引をして、そしてスピードアップをしていく、ダイナミックなエコシステムというものが完成をしています。
特に、イーロン・マスク氏率いるスペースXで活躍をしたトップクラスのエンジニアであったり経営人材が独立、起業をし、多くの宇宙スタートアップを生み出しています。こうした企業群というのは、スペースXアルムナイとも呼ばれて、人材流動化とイノベーション創出を支える重要なネットワークとなっています。例えば、スペースXの創業メンバーの一人であり、同社のロケットエンジン開発を長年主導してきたミュラー氏は、人工衛星や探査機を目的の軌道まで輸送する宇宙輸送サービスを手がけるインパルス・スペース、これを創業して、現在CEOを務めています。
このように、米国では、一つの成功企業から次世代の起業家、技術者が輩出をされ、新たな企業群が生まれるといった好循環が構築をされている一方、我が国では、JAXAであったり重工系のレガシー企業に優秀な人材がとどまってしまっている。そこからスタートアップ等へ移籍をしたり、技術指導を行ったりする循環というのが極めて乏しいと考えています。
これは個人の志の問題ではなく、移籍をした、出向に伴うキャリアへの不利益であったり経済的リスク、個人的な経済的リスクが壁になっているのではないかと考えますが、今後、民間の発展も重要な要素としている我が国政府において、こうした優秀な経験者が民間の土俵に飛び込みやすくなるような経済的、キャリア的なインセンティブ設計、そして人材の流動化向上を促すための制度化に踏み込むべきだと考えていますが、大臣の現状認識と、今後、具体的な方針があれば、大臣の御見解をお示しください。
○小野田国務大臣 ありがとうございます。
近年、我が国では、百社以上の宇宙スタートアップ企業が設立されておりまして、二〇二五年における宇宙スタートアップの従業員数の増加率、これは全産業の中で最も高い水準となるなど、宇宙分野への人材流入は着実に進んでいると思います。こうした中で、我が国の宇宙産業の更なる発展に当たっては、御指摘のとおり、JAXA等で培われた技術のノウハウの共有、そして人材の流動化の更なる推進が重要だと思っています。
このため、JAXAにおいては、宇宙スタートアップ企業に対して、地上燃焼試験やロケットにおけるソフトウェア開発等の分野において技術的伴走支援を行っているところであります。さらに、JAXAで培われた技術的知見を有する技術者が宇宙スタートアップ企業に移籍し、ロケット開発等に携わっている事例もあると承知しています。
また、お尋ねの人材の流動化を促進する仕組みづくり、これについては、内閣府において、ロケット、人工衛星の開発、製造等に求められる知見、スキルを業務ごとにまとめた宇宙スキル標準を策定し、企業の採用活動や求職者へのキャリア形成への活用を推進するなど、人材の流動化を促進する取組も実施しているところであります。
引き続き、宇宙分野における技術や知見の共有、そして人材の流動化、これを促してまいりたいと考えます。
○深作委員 これを促していくということで、方針としては、大臣がおっしゃられるように進めていただきたいと思いますし、JAXAではそういった移籍の例があるというふうなことを大臣からお示しいただきましたが、それが、じゃ、何か経済的に又はキャリア的に国が守る仕組みであったりがあるのかというと、多分、志に任せて、頑張る人が頑張っていくということにまだとどまっているのではないかと思います。
やはり、産業としてどのように人材を育てていくかという枠組みにおいては、一人一人の思いで飛び出していくことがあるんだということだけではなく、どのようにそれを国として後押ししていくかという側面についても、是非今後深めていただきたいと思います。
続いて、宇宙政策における省庁の縦割り打破と司令塔機能の強化について伺います。
今回も、この法案について、内閣府の方、皆さんお越しをいただいて説明をいただきましたが、この件はどうでしょう、この件はと言うと、これは文科省ですね、これは経産省と。もちろんそれはそれでいいんですが、国として戦略的に宇宙分野を進めていこうと言っている中において、もちろん各省庁が連携をしていることも承知をしています、ただし、やはり、ここは縦割りの壁をどのように打破をしていくのか。予算も権限も一元的に集約をして、国家戦略として強い責任を負う真のセントラル機能、司令塔体制のようなものを構築すべきではないかなと思っています。
特に、今すごい野心的な目標を掲げている中で、これはあっちじゃないか、こっちじゃないかとやっているのではなく、これは国として、やはりバックアップをセントラル化して、していくべきだと思いますが、大臣、その点についての御所見をお伺いしたいと思います。
○小野田国務大臣 近年、技術開発の観点のみならず、経済活動や安全保障の観点からも宇宙分野の重要性が増していることに伴って、政府の役割への期待も高まっているものと理解しており、委員御指摘の司令塔機能の強化は喫緊の課題だと認識しております。
現在、総理を本部長とする宇宙開発戦略本部の下、内閣府宇宙開発戦略推進事務局が宇宙政策の司令塔として、関係省庁と密接に連携協力しながら、宇宙政策を迅速かつ総合的に推進しているところです。委員御指摘の司令塔機能を発揮していくために、同事務局の体制強化、これは極めて重要であるところと認識しておりまして、これを順次強化しております。
例えば、令和八年度、同事務局の定員数は令和六年度の三倍強に増員しておりまして、更なる拡充も目指していきたいと思っています。
特に、喫緊の課題である射場の整備、有人輸送等の宇宙輸送や準天頂衛星システム利活用の推進、国内外の情勢に合わせた法制度の検討、審査体制の構築に優先的に取り組んで、引き続き、同事務局の体制強化を図り、司令塔機能の強化に取り組んでまいりたいと考えています。
どうしても答弁とかになると、所管のことはこちらが答弁という、どうしても縦割りがすごいというふうに感じてしまうかもしれないんですけれども、私も、言いたいけれども、この委員会ではこの大臣としては言えませんとかがあるんですが、ただ、連携は本当に密接にして、司令塔機能を頑張って発揮してくれていると思いますので、更に強化をしていきたいと考えております。
○深作委員 ありがとうございます。役所の皆さんも、是非よろしくお願いします。
時間が短いんですが、一点、最後にお伺いをします。
今回の法改正は今の時代にキャッチアップをするものだ、どんどんキャッチアップをしていくために法改正を行うというふうに理解をしていますが、今、本来日本がやるべきは、どのように世界にプレゼンスを示していくような、リードしていく環境をつくっていくことができるのか。その中で、例えば有人宇宙飛行、再利用ロケットの開発、質的に異なる次世代のステージへと歩みを進めなければいけないと考えています。
宇宙開発の分野における大臣の思いを最後にお伺いをしたいと思いますが、時間が参りましたが、もしお許しいただけるようであれば、少しだけ。
○小野田国務大臣 済みません。網羅的には申し上げられないですけれども、短縮して申し上げますと、今回の改正のほかにも、有人宇宙飛行や再使用型ロケットのみならず、再突入行為やサブオービタル飛行についても、最終取りまとめの指摘を踏まえて、国際動向や事業者における開発状況等を注視しつつ、今後更なる法改正を含め、適切な制度整備の在り方について検討を進めてまいりたいと思います。
また、議員御指摘のように、宇宙における国際競争が一層激化する中で、我が国の自立性を確保し、世界をリードする取組、重要であると考えております。私自身、アメリカのクラツィオスさんが来たときに、協議したときに、我が国が開発を進める月面探査用の有人与圧ローバーに対する物すごい期待をひしひしと感じました。
宇宙基本計画やその工程表に示された目標と将来像を踏まえて、しっかりと世界をリードしていけるように頑張ってまいりたいと考えます。
○深作委員 終わります。ありがとうございました。
○山下委員長 次に、川裕一郎君。
○川委員 参政党の川裕一郎です。よろしくお願いいたします。
本日は、いわゆる宇宙活動法改正案について質問させていただきます。
宇宙は、もはや一部の研究者や大企業だけの世界ではなく、通信、測位、気象、防災、金融決済、物流、安全保障など、現代社会におけるあらゆる基盤が宇宙インフラの上に成り立っています。特に近年は、衛星通信や衛星画像が災害対応や安全保障において極めて重要な役割を果たしており、宇宙空間は、陸海空、サイバーに続く新たな戦略領域となっております。
世界では、米国、中国を始め各国が宇宙開発競争を加速させています。民間企業によるロケット打ち上げや人工衛星ビジネスも急速に拡大をし、宇宙産業は今後の成長産業として大きな期待を集めています。
その中で日本は、ロケット及び人工衛星の打ち上げ能力を有する世界でも限られた国の一つであります。しかし、現実には、自国衛星の打ち上げの相当部分を海外に依存しており、貴重な需要や技術蓄積までもが国外へ流出している状況にあります。知見という意味において、ロケットを打ち上げる能力だけではなく、人工衛星、重要部品、ソフトウェア、通信基盤、データ活用までを含め、日本自身が主体的に管理運用できる体制を構築しなければなりません。
政府は、二〇三〇年代早期に宇宙産業市場を四兆円から約八兆円に拡大をし、年間三十件程度の基幹ロケット及び民間ロケットによる衛星軌道投入能力確保を目標として掲げています。今回の宇宙活動法改正案も、その実現に向けて、民間企業によるロケット打ち上げや人工衛星利用の拡大を見据え、審査、監督体制の強化や制度整備を進めようとするものと理解をしておりますが、透明な制度運営、公平な競争環境、そして海外依存からの脱却をするための国内基盤強化が不可欠であると考えております。
まず、文部科学省が実施しているSBIRフェーズ3、宇宙分野における民間ロケット開発、実証支援についてお伺いします。
今年三月のステージゲート審査では、将来宇宙輸送システム株式会社が必須条件を満たしながらもフェーズ3移行は見送られ、フェーズ2の期間延長という結果になりました。私は、特定企業の選定結果そのものを問題視するつもりはありません。問題は、その判断プロセスと基準の不透明さであると考えます。
今回比較対象となった企業は、それぞれ技術的な方向性が異なります。インターステラテクノロジズ社及びスペースワン社は、人工衛星の軌道投入を主目的としています。一方で、期間延長となった将来宇宙輸送システム社は、有人宇宙輸送や再使用ロケットを主眼としており、技術体系そのものが大きく異なっております。
参議院で参政党の岩本議員が指摘したように、宇宙空間に到達する能力と人工衛星を安定的に軌道投入する能力は全く別次元の課題であると考えています。
ここで、お聞きをします。
今回、ステージゲート審査において、このように異なる技術領域、評価軸を持つ企業同士を政府はどのように具体的な配点、評価指標によって比較をし、二社へと絞り込んだのか、選定プロセスの合理性と妥当性について文科省の政府参考人にお尋ねします。
○古田政府参考人 お答えいたします。
御指摘のSBIR、中小企業イノベーション創出推進事業のフェーズ3基金事業におきまして、国際的な宇宙輸送市場で勝ち残る意思と技術を有する民間事業者を集中的に支援するため、事業期間を三つの段階に分け、ステージゲート審査によって段階的に補助対象事業者を絞り込む制度を採用しております。
令和八年三月のステージゲート審査においては、これまでの成果や今後の研究開発計画の妥当性等に重点を置いて、目標に対する実現可能性が評価をされ、事業者の絞り込みが行われました。
ステージゲート審査は、民間ロケットの開発、実証に係るビジネス、技術に関して十分な見識と審査能力を有する外部有識者で構成されております審査委員会によって公正かつ中立に審査が実施されておりまして、選定プロセスは合理的かつ妥当であったと承知しております。
○川委員 プロセスは合理性があって妥当であったという答弁でありましたけれども、これに関して、このまま、その公平性についてお伺いをしていきたいと思います。
行政の公募や選定において、曖昧な基準は、時として、結論ありきの選定を正当化するために利用されているのではないかと疑念が持たれることがあると思います。
今回の審査についても、一部では堀江貴文氏が関与するインターステラテクノロジズ社を前提とした選定、いわゆる出来レースではないかとの声も聞かれています。私は特定企業を問題視するつもりはありませんが、国民の血税が投入される以上、そのような疑念を持たれていること自体が制度上の課題であると考えています。また、公平性の観点からも、支援が一部企業に集中すれば、新規参入が阻害され、技術の多様性や産業の持続性が失われかねません。
そこで、お聞きをします。
審査委員の専門分野の内訳、選定方法、利益相反の確認手続、出資関係や顧問契約等のチェック範囲、さらに、評価項目ごとの配点や採点基準についてどのような仕組みで公平性を担保したのか、あわせて、特定企業への優遇や政治的また行政的介入は一切なかったのか、文科省政府参考人にお聞きします。
○古田政府参考人 お答えいたします。
SBIRフェーズ3基金事業の民間ロケットの開発、実証テーマにおけるステージゲート審査委員は、宇宙輸送に係るビジネスの専門家三名と技術の専門家三名の合計六名を文部科学省の協力の下で基金設置法人が選定しております。公正かつ中立な審査を行う観点から、審査対象となる事業者と利害関係を有する委員は当該事業の審査には参加できないこととしており、審査を実施する前に、事業者との業務上の関わりや経済的利益の供与など、各委員の利害関係の有無を確認しております。
審査における評価項目ごとの配点や採点基準は、本事業の趣旨にのっとり文部科学省及び基金設置法人が作成をし、委員の意見を踏まえて決定しているほか、外部有識者のみから構成される委員会での審査により、特定企業への優遇や政治的、行政的介入を排除する形で実施しております。
○川委員 特定企業の優遇を排除する形で意識をしているということですけれども、国民の中からも、これは出来レースじゃないかということもやはり聞こえてくるということは疑念が持たれていることであると思いますので、その辺の払拭ができるようにしっかりとまた公表いただきたいと思いますし、インターステラテクノロジズ社に関係のある堀江貴文氏も、補助エモンというふうに御自身で公表していることがありますので、こういうことも多分疑念を持たれている一つの要因かと思いますので、政府としてもしっかりと対応いただきたいと思います。
続けて質問をします。
SBIRや宇宙戦略基金においても、採択の固定化を防ぐ仕組み、新規参入企業への支援、地方企業への機会の提供、さらには、失敗しても再挑戦できる制度設計をどのように進めていくのか、こちらは小野田大臣の見解を求めたいと思います。
○小野田国務大臣 SBIRについては先ほど文科省から答弁がありましたが、宇宙戦略基金はSBIRとは別の支援制度でございまして、JAXAに設置された外部有識者で構成される審査会において、応募事業者による提案を厳正かつ公平に審査した上で採択を行っております。
したがって、例えば、SBIRに採択された事業者のみが宇宙戦略基金の事業に採択されるようなこともなく、SBIRで不採択となった事業者であっても宇宙戦略基金に採択されることも可能で、採択が固定化されることはないものと認識しております。
また、宇宙戦略基金の事業に当たり、非宇宙分野の新規事業者や地方企業の参入は重要でございます。様々な企業、大学、研究機関等に応募をいただくために、宇宙戦略基金に関する講演というのを実施しておりまして、これまで全国各地計五十六件のイベントに講演者を派遣しています。
こういった取組によって、第一期では二百四十七機関からの応募だったんですけれども、第二期では五百九十九機関となっておりまして、採択者の所在する都道府県の数も延べ三十四というふうに、全国各地において宇宙戦略基金による支援が行われている状況でございます。
現在、第三期の十九のテーマについて順次公募を進めておりまして、SBIR等から再挑戦される事業者も含め、可能な限り多くの事業者に応募いただけるように、JAXAと連携し、積極的な広報、周知活動を行ってまいりたいと思っております。
○川委員 基金に関して、二百四十七から五百九十九とかなり増えたということでありますし、また、三期についても、是非とも、特に地方の方からそういう声が上がってきたものを積極的に採択いただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、経済安保の観点からお伺いをしたいと思います。
経済安保推進法により、人工衛星やロケット部品は特定重要物資に指定がされました。しかし、現状では、半導体、電子部品、センサー、各種材料など多くの重要部材を海外に依存しています。特に宇宙用の高信頼部品は調達先が限られており、有事や国際情勢の変化により供給途絶リスクも指摘がされています。
私は、日本の技術主権と宇宙主権を守るためには、将来的に部品の製造から組立て、仕上げまでを可能な限り国内で完結できる体制を目指すべきだと考えています。
そこで、お聞きをします。
重要部品の国産化について政府はどのような数値目標を持っているのか。もし明確な目標がないのであれば、経済安全保障の観点から基幹部品の国内調達率に関する具体的なKPIを設けるべきだと考えますが、国内調達率向上に向けた具体的なロードマップと併せて、小野田大臣の見解を求めたいと思います。
○小野田国務大臣 お尋ねの基幹部品の国内調達率のKPIについては、一律にKPIを設定することで、ロケット製造におけるコスト競争力の低下や国内調達ができないことによる開発の遅延など、ロケット開発を担う企業の競争力に影響を及ぼすことも考えられ、慎重な検討を要するものと考えております。
他方で、委員御指摘のとおり、今後、年間三十件程度の打ち上げ能力を確保していくに当たっては、国内ロケット開発、製造の自律性を向上させることは非常に重要だと思っています。政府としては、昨年十二月にロケットの部品を経済安全保障推進法における特定重要物資に指定し、安定供給確保に向け、国内生産基盤の確立、強化に取り組むこととしております。
こうしたことも含めて、日本成長戦略会議における官民投資ロードマップ素案、こちらにおいて、基幹部品の国内調達率に関する具体的なKPIまでは定めていないものの、国内ロケット製造サプライチェーンの強靱化、これを目標に掲げているところです。
引き続き、関係省庁と連携しながら、必要な取組を進めてまいりたいと考えます。
○川委員 コストと競争力の兼ね合いの中でなかなかうまくいかないという部分もあるかと思うんですけれども、是非とも、KPIを定めて、これから宇宙産業を本当に日本が牽引できるぐらいのレベルにまで上げていただきたいと思いますので、努力いただきたいと思います。
次に、打ち上げ目標について質問したいと思います。
政府は、年間三十件程度のロケット打ち上げ能力の目標を掲げています。しかし、現在、種子島宇宙センターにおけるH3ロケットの打ち上げ能力は年間数機程度であり、目標達成には民間事業者による多大な能力向上が必要になります。また、打ち上げ能力だけではなく、射場、追跡管理、保安体制なども整備しなければなりません。
そこで、お聞きをします。
年間三十件という目標の積算の根拠は何か。また、国内需要の見通し、民間事業者の役割分担、打ち上げコスト低減策、保険制度整備、さらには政府需要の活用など、需要の海外流出を防ぐために、具体策について内閣府の参考人にお伺いします。
○風木政府参考人 年間三十件の内訳ですが、H3ロケットやイプシロンSロケットといった基幹ロケットで十件、そして民間ロケットで二十件程度を想定しております。
こうしたことで、今、需要の海外流出の話、御指摘がございました、打ち上げですね。そのために、政府としては、中小企業イノベーション創出推進事業、SBIRフェーズ3、それから、宇宙戦略基金によるロケットや射場技術の開発、社会実装の支援、これまで出ているとおりです、そして、官民による打ち上げ高頻度化を見据えたロケット製造能力の向上、試験設備、射場等の基盤を支えるインフラ整備、そして、衛星打ち上げサービスの計画的、柔軟性のある政府調達の推進、それから、保険の話が出ておりました、損害賠償制度の拡充を本法は含んでおります、本法案によるロケット打ち上げに関する制度整備、こうしたことで、多角的な観点から支援を行います。
これによって、打ち上げ費用の海外流出を縮小しまして、国内のみならずアジア、中東、欧州等の新規の衛星の打ち上げ需要の獲得を目指すべく、日本成長戦略会議における官民投資ロードマップの策定を進めて、戦略的な投資を促進し、我が国の打ち上げ能力の強化に取り組んでまいります。
○川委員 目標に関して詳細にお伝えいただきまして、ありがとうございました。
最後に、宇宙政策を支える実施体制についてお聞きをしたいと思います。
政府は、今ほどお話がありました年間三十機程度のロケット打ち上げ目標を掲げていますが、その実現のためには、ロケットや人工衛星の開発だけではなく、それを支える制度や現場の体制整備が不可欠だと思います。
現在、打ち上げ事業者は、宇宙活動法だけではなく航空法、電波法、海上保安関係法令など複数の制度にまたがる手続を負わなければならず、事業者からは、申請や調整に多くの時間とコストを要すると指摘がされています。
また、北海道大樹町、和歌山県串本町、鹿児島県南種子町、肝付町などの射場立地自治体では、保安対策、交通対策、インフラ整備、住民対応など、多くの行政負担を抱えています。宇宙政策は国家戦略である一方、その負担の一部を地方自治体が支えているのが現状であり、地方の理解と協力なくして、今後の打ち上げ回数増加、宇宙産業の発展は成り得ないと思います。
ここで、お聞きをします。
年間三十件のロケット打ち上げ目標の実現に向けて、内閣府が司令塔となり、関係法令の手続を一元化するワンストップ体制の構築や審査の迅速化をどのように進めていくのか、あわせて、射場立地自治体に対する財政支援やインフラ整備支援、さらには恒常的な支援制度の創設について、今後どのように取り組んでいくのか、小野田大臣の見解を求めます。
○小野田国務大臣 現状、御指摘のとおり、宇宙活動法上の許可に当たって、打ち上げ施設周辺の住民、船舶、航空機等の公共の安全を確保するため、打ち上げ施設の周辺に警戒区域を定めるとともに、火薬類や高圧ガス等の取扱いに係る各法令に基づく安全対策を求めております。内閣府においては、こうした内容を含め、打ち上げ事業者が取るべき事項を明確化するために、審査基準やガイドラインを定めて、内閣府のホームページで公開しております。
加えて、打ち上げ事業者には、申請の検討段階から内閣府との事前調整を推奨しておりまして、事業者から相談があれば、必要に応じて関係省庁と意思疎通を図るなど、手続に係る事業者負担の低減に努めているところです。
そして、関係法令の手続が、それぞれ専門的知見を有する各機関での実施が最も効率的であることから、関係省庁との連携の下で効率的に実施してまいる、ワンストップというよりは関係省庁のところの専門的知見で効率的に実施してまいりたいと考えております。
同時に、内閣府としては、政府全体の司令塔として、ロケット打ち上げの高頻度化を目指して、手続の簡素化など、不断の改善を図ってまいりたいと考えています。
また、委員御指摘の射場を有する自治体に対する支援については、内閣府では、自治体や地域関係者が射場に関する取組や課題について相互に情報交換できる場を設けたところであります。
さらに、日本成長戦略会議における官民投資ロードマップの策定に際しては、射場インフラの整備などの国内投資支援、そして規制改革を含む立地競争力強化の取組などを検討しておりまして、関係省庁と連携し、射場を有する地域の発展を後押ししてまいりたいと思います。
○川委員 ありがとうございました。
今回の法改正が宇宙産業の発展と経済安全保障の強化、そして地方と民間の挑戦を後押しするものになることを期待をし、私の質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○山下委員長 次に、小林修平君。
○小林(修)委員 皆様、おはようございます。チームみらいの小林修平です。
本日は、質問の機会をいただき、ありがとうございます。
未来への積極投資を強く訴える私たち会派にとって、宇宙フロンティアは極めて重要な分野であると考えております。
まず、今回の改正案については、私は大いに賛成です。ダミーペイロード等の許可を対象として認め、これまでの衛星単位ではなくロケット単位で扱えるようになった。これは、確かな一歩前進であると評価をしております。その上で、私が申し上げたいのは、我々はまだこのレベルの議論をしているという現状への危機感でございます。宇宙産業を強く応援したい思いを込めて、質疑をいたします。
かつて、インターネットの登場によって、社会は大きく変化をいたしました。今は、AIが登場したことによって、また社会は大きな変化を迎えています。そして、私は、次に来る大きな変化のうねりは宇宙であると考えております。
十年先を想像してください。AIは様々な場所で意識されることなく当たり前に使われていると思います。それらを動かすには膨大な計算資源と電力が必要です。国際エネルギー機関は、世界のデータセンターの電力需要が二〇三〇年までに約二倍に達すると予測をしています。それを解決する答えの一つが宇宙です。宇宙空間にデータセンターを打ち上げ、二十四時間、絶えず太陽光で発電しながら地球とリアルタイムで通信をする、まるで「攻殻機動隊」のタチコマのような、自ら考える衛星が地球全体を覆うような世界線が、SFではなく、現実味を帯び始めております。
アメリカのスペースX社は、最大百万機の衛星から成る軌道上データセンターを造る構想を掲げ、既に連邦通信委員会に軌道衛星システムの認可を申請し、審査の手続に入っていると認識をしております。もはや絵空事や構想ではなく、具体的な申請の段階に入っているわけです。
二〇二六年現在、既に軌道上には一万機以上のスターリンクが打ち上げられ、地球全体を覆っております。データセンターが打ち上がるのはもはや時間の問題です。衛星が使う軌道と電波帯域は有限であり、国際的には先に確保したものが優先されます。つまり、私たちが打ち上げ能力を獲得しようとしている間に、打ち上げる先の宇宙空間は次々ともう既に埋まっておるわけです。この点を踏まえ、政府には危機感を持っていただきたいと思っております。
そこで、大臣に伺います。
政府は、宇宙基本計画で、二〇三〇年代前半までに官民合わせて年間三十発程度の打ち上げ能力を確保するという目標を掲げております。私としては目標がまだ低過ぎると考えますが、二〇二五年、日本からの軌道投入は僅か三回でした。このままでは年間三十発すらも難しいのではないかと危惧をしております。大臣の現状認識と、この目標を本気で取りに行く意思があるか、お聞かせをください。
○小野田国務大臣 国際競争が激化する中で、我が国の自立性確保や産業基盤強化のため、政府としては、宇宙開発戦略本部で決定した宇宙基本計画工程表において、二〇三〇年代前半までに打ち上げ能力を年間三十件程度確保することを目標としております。
その目標の実現に向けて、中小企業イノベーション創出推進事業や宇宙戦略基金によるロケットや射場に関する技術開発、社会実装の支援に加え、民間ロケット打ち上げ等に係る政府調達の推進、そして、本法案による制度整備、射場が立地する自治体が取組状況や課題を相互に情報交換できる場の提供など、多角的な観点から支援を行っております。
また、日本成長戦略会議における官民投資ロードマップ、官民ロードマップの策定に際しては、打ち上げの高頻度化に向けて、ロケットの国内製造能力の向上、射場や試験設備等の整備、民間企業の投資予見性を高める取組などについても検討しており、政府として、この目標達成に向けて総合的に取組を進めてまいりたい、やり抜くぞという思いでやっておりますので、応援、よろしくお願いします。
○小林(修)委員 前向きな御答弁、ありがとうございます。
打ち上げ目標達成あるいは加速をしていくために、私からは、認可手続のワンストップ化と伴走型支援を提案をさせていただきます。
ロケットを一機打ち上げるたびに、事業者は膨大な許認可を求められます。既存の法令の多くは、そもそもロケットの打ち上げを前提に作られたものではございません。また、各省庁も宇宙の専門家とは限りません。それゆえ、事業者はどこに何を申請すればよいのかも分からない、各省庁側も判断が難しい、認可が下りるまでに多くの時間を要するなど、申請自体がロスタイムになってしまっております。本来、機体開発に注ぐべき時間と労力が事務手続に吸い取られてしまう、これは国にとっても大きな損失であります。
先ほど委員から挙げておられましたが、参考になるのは、やはり先行しているアメリカでございます。複数の機体や射場での打ち上げを一本のライセンスでまとめられるパート450という統合制度を連邦航空局が一元的に運用しておられます。我が国も、内閣府の宇宙開発戦略推進事務局が司令塔となって、各省庁にまたがる打ち上げ関連の認可をワンストップで完結できる仕組みをつくるべきではないでしょうか。そして、それを実現するには、事務局の体制強化が不可欠でございます。各省庁やJAXAから専門人材を出向させて知見を集約し、伴走支援をしていく、また、ロケットの打ち上げになじまない既存規制については、特例や適用除外を含めて、宇宙活動法も大胆に見直していく、そのレベルまで踏み込む価値があると考えております。
そこで、お伺いをいたします。
まずは、宇宙開発戦略推進事務局を、現状から更に三倍、体制強化をしていく必要があると考えますが、打ち上げ認可のワンストップ化と、その担い手となる事務局の予算及び人員の強化についてお考えをお聞かせください。
○風木政府参考人 人員体制の面では、今後、打ち上げが一層増加する情勢に備えるため、宇宙活動法を所管する内閣府宇宙開発戦略推進事務局の体制強化は極めて重要と認識しております。令和七年度より、同法を執行する審査体制を含めた事務局全体の体制を順次強化しておりまして、令和八年度の同事務局の定員数は令和六年度の三倍強に現状増員したところでございます。引き続き、打ち上げに関する事業者の動向や技術情勢を踏まえつつ、規制実務の経験を持つ職員、それからロケット、衛星開発に従事した経験者など、打ち上げの増加に対応できる体制の構築に努めてまいりたいと考えております。
また、ワンストップ化等について御指摘がございました。現在、宇宙活動法上の許可に当たっては、打ち上げ施設周辺の住民、船舶、航空機等の公共の安全を確保するため、打ち上げ施設の周辺に警戒区域を定めるとともに、火薬類や高圧ガス等の取扱いに係る各法令に基づく安全対策を求めております。内閣府においては、こうした内容を含めて、打ち上げ事業者が取るべき事項を明確化するために、審査基準それからガイドラインを定めて、内閣府ホームページで公表しております。
加えて、打ち上げ事業者には、申請の検討段階から内閣府との事前調整を推奨しております。事業者から相談があれば、必要に応じて関係省庁と意思疎通を図るなど、事業者に寄り添いつつ、手続に係る事業者負担の低減に努めております。
議員が御指摘の米国の例でございますが、米国においても、ロケットの打ち上げの許可は連邦航空局、FAAですね、それから使用電波の許可は連邦通信委員会、FCC、そしてリモートセンシングの許可は商務省などと所管が分かれておる中で、現在、申請者の利便性向上を検討していると承知しております。
我が国においても、関係法令の手続は専門的知見を有する各機関での実施が最も効率的であるということではありますが、関係省庁との連携の下で効率的に実施してまいりたいと考えております。
同時に、内閣府としては、政府全体の司令塔として、ロケット打ち上げの高頻度化を目指し、手続の簡素化など、不断の改善を図ってまいります。
○小林(修)委員 ありがとうございます。
続いて、もう一段、より大胆な国家戦略についてお伺いをいたします。
一つは、場所の戦略です。ロケットを安全に打ち上げるには、広大な空間が必要でございます。世界の打ち上げ大国であるアメリカ、中国、そしてロシアはいずれも広い国土を持っております。一方、日本は、国土こそ狭いですが、東側に太平洋があるという、地球の自転方向から見ても絶好のロケーションに位置をしております。国内で衛星やロケットを開発して国内で打ち上げができるというのは、世界的にもまだ少ない、我が国の大きなアドバンテージでございます。
この好条件を生かすためには、また、年間三十発以上という目標を達成していくためには、陸海空にまたがる打ち上げ許可を包括的に処理をして、事業者が打ち上げに専念できる宇宙港エリアのようなものを国家戦略として整備する必要があると考えます。
もう一つは、産業の戦略です。私は、ファクトリオというゲームが大好きでございまして、鉄板を作るところからロケット発射に至るまでを疑似体験できるもので、是非大臣にお勧めをしたいんですけれども、現実においても、本当にたくさんの技術を組み合わせないとロケットは打ち上げることができません。ロケットはあらゆる技術の集大成、総合格闘技だと思っておりますので、まずは、国内のサプライチェーンを育てていく必要が不可欠でございます。
そのために必要なのは、まさに投資でございます。例えば、打ち上げ見込みが高い事業者に対して、政府がまとめて何機か発注すると約束をすることですね。需要が見えれば、企業は安心して投資し、量産に踏み切るエコシステムが回り始めます。国が予算を投じ、需要をつくり出すことが宇宙産業には必要ではないでしょうか。
大臣にお伺いをいたします。
射場、宇宙港エリアの整備、そして政府調達によるサプライチェーンの育成。目標達成のためには、こうした大胆な政策判断に踏み込んでいく必要があると考えますが、大臣の御見解をお聞かせください。
○小野田国務大臣 現在、打ち上げ事業者がロケットの打ち上げを行うに当たっては、打ち上げ時期、打ち上げ数などについて、例えば漁業者を含む射場周辺の関係者と調整し、打ち上げを行っていると承知しておりまして、射場の、どこで打つかというのは、本当に非常にいろいろな調整が必要となるのも重々承知しております。
特区については、大丈夫ですか、言わなくても。(小林(修)委員「是非お願いしたいです」と呼ぶ)はい、済みません。委員は特区についてもできたらいいなと思われているのかなと思ったんですけれども、特区というのが、全国一律の規制等が企業の経済活動や地域の実情に合わない場合に、規制改革等を通じて地域の活性化等を図る制度なので、例えば漁業者調整とかについては、法令上の規制を特区で取っ払うというものよりは、打ち上げ事業者と地域の関係者間で行われる個別具体的な利害調整なので、例えば特区制度とかに適しているかというと、慎重な議論が必要になってくる。なかなか、ここだけはいっぱいどんどん打てますよというのをすぐつくるのは難しいかなというふうに今は思っております。
また、投資予見性を高めるためのロケット打ち上げに関する政府調達の仕組み、これについては、日本成長戦略会議における官民投資ロードマップの策定に際して、政府による打ち上げサービスの計画的調達等、設備投資に係る予見性の向上等に資するアンカーテナンシーの構築など、取組を検討しているところです。
引き続き、関係省庁とも連携し、こうした検討を具体化した上で取組を進めてまいりたいと感じます。
タブレットの裏のステッカーはJAXAですかね。(小林(修)委員「ありがとうございます。そのとおりでございます」と呼ぶ)本当に宇宙への愛を大変感じましたので、その応援にちゃんと応えていけるように頑張ってまいりたいと思います。
○小林(修)委員 ありがとうございます。
様々なステークホルダーがおられますが、是非前向きに御検討いただきたい、そのように思っております。
最後に、ロケットの打ち上げには失敗がつきものではございますが、失敗は成功に向けての過程にすぎず、決して無駄ではございません。我が国は、失敗に対して厳し過ぎる、失敗に対して過度に身構え過ぎなのではないかと私は思っております。仮に失敗をしたとしても、スペースX社のように拍手喝采できるような雰囲気の醸成であったり、広報活動にも期待をしたいと思っております。
お時間が近づきました。あさって、まさに朝、H3ロケット六号機の打ち上げが予定をされております。私としても心から応援をしたいと思っておりますので、皆さん、是非御注目いただければと思っております。
私の質疑は以上でございます。ありがとうございました。
○山下委員長 次に、河野正美君。
○河野(正)委員 自由民主党の河野正美です。
八年半ぶりに国会に戻りまして、初めての質問の機会をいただきました。内閣委員会は、二〇一六年四月二十七日以来十年ぶりの質問となりますので、よろしくお願いいたします。
早速質問に移りたいと思います。
冒頭、先日、宇宙活動に関連いたしまして、不適切事例というのが報道されました。お手元に配付資料を配っているかと思いますので、御覧ください。主要な新聞、ネット記事等々で報道されております、JAXAとIHIエアロスペース社との契約に関する不適切事例ということであります。
H2AとH3ロケットに関する専用治工具の保全契約において、IHIエアロスペース社が作業を実施していなかったり、定められた期間外に実施していたり、下請メーカーからの納品時に検収日付を納期に合わせて書き換えるといった虚偽報告を継続的に行っていたということが判明しました。過去十年分で九十二件が確認されたということですが、記録が残っていない期間を含めると、長期にわたって虚偽報告が続いていた可能性もあるのではないかと思っております。
なぜこのような虚偽報告が行われていたのか。JAXAがこれまで見抜けなかった理由、そして、今回、どのようなきっかけで発覚したのかをお尋ねいたしたいと思います。
〔委員長退席、鳩山委員長代理着席〕
○古田政府参考人 お答えいたします。
株式会社IHIエアロスペース社がJAXAと締結したロケットや衛星の部品製造に必要な専用治工具の保全契約等について、同社が過去十年遡って点検したところ、虚偽の完了報告を行うなどの事案が多数確認をされました。事実と異なる報告に基づく不当な費用請求等が認められたことを踏まえ、六月二日に、JAXAにおいて、五か月間の競争参加資格停止の措置が講じられたところでございます。
本事案は、昨年十二月に、同社からJAXAに対し、既に更新済みと報告をしていた専用治工具の一部について、実は未実施であったとの連絡があり、JAXAから同社に詳細な調査を要請したことから発覚したものです。
専用治工具は同社の資産であり、JAXAは同社からの作業報告書の内容を確認する仕組みとなっていましたが、同社からは専用治工具の点検、更新等が適正になされていると報告されており、また、製品の製造への影響も見られなかったため、JAXAにおいて不正を把握できなかったものと承知しております。
○河野(正)委員 今、品質には問題ないということを伺いましたけれども、JAXAに対して虚偽報告を重ねてきた事業者の製品を今後も継続として無条件に安心して信頼していくのは難しいことかなと思います。また、対応できる事業者というのがこういった専門分野では限られていると思われますので、こういった不祥事は技術開発の進展を大きく阻害する要因になるのではないか、看過できないというふうに思っております。
信頼を回復する上で、政府は事業者にどのような取組、姿勢を求めるのかをお尋ねいたします。
○古田政府参考人 お答えいたします。
我が国の主要な宇宙関連企業において今回のような不適切な事案があったことは大変遺憾であり、重く受け止めております。
今後、文部科学省及びJAXAにおいては、特別調査等の実施を通じて事実関係の把握及び原因の究明を進めるとともに、契約管理や業務履行確認の在り方も含め、全容解明に取り組み、必要な再発防止策を着実に講じてまいります。
○河野(正)委員 競争環境が厳しい中、日本ではロケット打ち上げ数の増加が求められているところであります。昨年のH3ロケットの打ち上げ失敗を乗り越えて、先ほど来質問にもありましたように、明後日十二日に打ち上げが再開されるという矢先にこのような不適切事例が発覚したということは非常に残念ではありますが、今後のロケット打ち上げへの影響をどのように受け止めるか、政府としての見解を小林副大臣に伺いたいと思います。
○小林副大臣 我が国の基幹ロケットでありますH3ロケットについては、六月十二日金曜日に六号機となる三〇形態の試験機を打ち上げる予定でございます。
このような基幹ロケットの打ち上げについては、既に必要な機器等が納入済みでございまして、JAXAにおいて品質も確認済みでございますので、影響はないと考えております。
○河野(正)委員 今後、しっかりとした対応を政府としてもいただけるということを確認して、次の設問に移りたいと思います。
人工衛星の打ち上げ数は、私が初当選しました二〇一二年は百三十機程度でしたが、二〇一七年には四百四十九機、そして二〇二五年には四千五百十七機と、大きく増加をしております。日本では同時期に十機台から昨年は三十三機と推移をしておりますけれども、このような急増を政府としては想定していたのか。国際的な競争環境が激しくなる中、技術を蓄積してきた我が国も後れを取ってはならないことだと思っております。
日本は、四方を海に囲まれた島国でもあり、空や宇宙から領土、領海を監視する安全保障上の必要性、自然災害時に地上の被災状況を迅速に把握する能力の向上など、宇宙空間を活用した技術とその能力を高めていくことが大切です。未来を見据えた技術開発支援が重要と考えますが、政府の見解を伺います。
○鈴木副大臣 お答えいたします。
委員御指摘のとおり、昨年、世界で軌道上に打ち上げられた人工衛星等の数は四千五百十七機で、過去十年間で約二十倍に増加をしてございます。中でも、米国、欧州、中国がリードしている状況であります。
宇宙は、安全保障や災害対応を始め経済活動や国民生活を支える次世代の国家インフラであり、日本成長戦略における十七の戦略分野の一つの航空・宇宙にも位置づけられております。とりわけ衛星サービスについては、国際競争が激化する中、我が国の自立性、不可欠性を確保すべく、アンカーテナンシーを通じて衛星事業者に予見性を持たせつつ、国際競争力を有する衛星インフラの構築に向けた産業基盤の強化が重要であるとの認識であります。
これまでも、宇宙戦略基金等を通じて企業や大学等の技術開発等の支援を進めてきたところでありますが、成長戦略に関する議論も踏まえて、災害対応やインフラ点検、農地確認など幅広い分野におけるアンカーテナンシーの強化や、衛星光通信や高精度観測衛星等に関連する中核技術や地上局等の開発、整備の支援などを通じて、更なる民間資金を呼び込み、官民を挙げた投資を推進してまいりたいと存じます。
以上です。
○河野(正)委員 ありがとうございました。しっかりと国際社会の中で頑張っていただきたいというふうに思っております。
現在のように世界的に打ち上げ数が急増していくと、広い宇宙空間といえども、軌道上の混雑により、衛星の運用等に影響が生じてくるのではないかと危惧しております。国際的なルールメイキングも必要になる局面が出てくると思われますが、政府の問題意識、我が国としてはそうした場面でどのように臨み、関与していくのかをお尋ねいたします。
○風木政府参考人 人工衛星の急増に伴い軌道上での物体同士の衝突リスクが上昇しており、人工衛星の運用においては、衝突を回避するために軌道変更等を行う場面が増加しているものと認識しております。
このような課題に対して、我が国は、関係府省等で構成される宇宙交通管理に関する関係府省等タスクフォースにおいて、国際的な議論の進展や技術開発等を踏まえ、衝突防止や宇宙状況把握、SSAの構築、活用等について議論するとともに、軌道利用のルール作りに関する中長期的な取組方針を策定するなど、政府一体となった取組を推進しております。
特に衝突防止の観点では、二〇二五年に内閣府において人工衛星等との衝突防止に係るガイドラインを制定いたしまして、人工衛星による衝突回避、リスク低減の考え方や方策を示しております。
世界的にも今後更なる人工衛星の打ち上げ増加が見込まれる中、我が国としては、さきに述べたガイドラインや、スペースデブリの抑制、低減に係る取組等を積極的に国際社会に発信することを通じて、国際的なルール作りの議論においても主導的な役割を果たすべく、引き続き取り組んでまいります。
○河野(正)委員 ありがとうございました。
次に行きますが、複数の人工衛星を協調させて一体的に運用する衛星コンステレーションが急速に進んだことが人工衛星の打ち上げ数の急増をもたらしていると思います。中でも、スターリンクによる衛星通信サービスは、これまで電波が届かなかった場所でも携帯電話が利用可能になるなど、日本の携帯キャリアでも利用可能となって、私たちの暮らしを変えてきているというふうに思います。
携帯電話の利用範囲が拡大するメリットはある一方、通信インフラの構築を米国企業に依存する構造になっていることに一定の懸念も抱かれます。全てをメイド・イン・ジャパンの技術で構築するのは難しいことかもしれませんが、国産で同様のサービスを展開する見通しについて、日本は衛星コンステレーションの進展に向けて、これまでと、今後どのように取り組んでいくのかをお尋ねいたします。
○柴山政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘の衛星コンステレーションは、今後我が国の社会経済活動の基盤となることが期待されておりますが、国内向けの通信サービスを海外事業者のみに依存することは大きな課題であると考えてございます。
このため、総務省では、我が国の自律性確保の観点から、令和七年度補正予算におきまして千五百億円を措置いたしまして、日本国内で運用、管理される衛星ダイレクト通信サービスの実現に向けて取り組んでございます。現在、事業者の採択に向けて鋭意取り組んでございまして、今月末を目途に事業者が決定される見込みでございまして、令和十年度中には日本国内で運用、管理される衛星ダイレクト通信のサービスが開始されますよう精力的に取り組んでまいりたいと考えてございます。
○河野(正)委員 先ほど来いろいろこの質問がありまして、しっかりと頑張っていただきたいと思います。いろいろな懸念もあると思いますので、具体的に頑張っていっていただきたいと思います。
衛星コンステレーションの進展には期待も大きいわけでありますけれども、それだけ多くの人工衛星や他の物体が軌道や宇宙空間にひしめくことになれば、それら同士の衝突や破壊、宇宙ごみ、デブリの大量発生、天体観測などに影響する光害などのリスク、負の影響も大きくなることが予想されます。
実際、自動車が地球の周囲を回っていたりする状況は、本当に大丈夫なのかなと思ってしまったりしますが、今回の法案で規定される搭載前人工衛星等の適合認定や人工衛星等汚染等防止・安全基準において、こうした負の側面にどのように対応していくのか、どの程度対応できるのか、お尋ねいたしたいと思います。
○風木政府参考人 衛星コンステレーションの打ち上げによって軌道上の人工衛星の数も増加しており、これらの人工衛星は運用終了後にスペースデブリとなる可能性があるものと認識しております。
このような課題に対応するため、現行法は、人工衛星の管理に関する許可において、人工衛星ごとに、人工衛星を構成する機器等の飛散を防ぐ仕組みが講じられていることや、人工衛星の管理の終了時に高度を下げて空中で燃焼させることなどの終了措置が講じられている計画であることなどを、スペースデブリ対策に対する内容として審査しております。
衛星コンステレーションへのこのような対応は、今回の改正後も変更はありません。特定人工衛星の管理に関する許可において、引き続き同様の審査を行うこととしております。
また、近年、モニュメントや研究用の人工の物体が地球を回る軌道等に投入されるなど、打ち上げられる物体の多様化が進んでおります。このような制御されない人工の物体についても、構成する機器等を飛散させ、スペースデブリを増加させる可能性は、現行法の規制対象である制御される人工衛星と異なるものではありません。
このため、このような人工の物体に関しても、本法案により、委員から御指摘ありました、その打ち上げ前に構造が人工衛星等汚染等防止・安全基準に適合していることを認定する制度である搭載前人工衛星等の適合認定制度を創設しまして、部品等の飛散を防止する構造となっているか等を審査することとしております。
これらの制度により、制御されない人工の物体を含め、スペースデブリの増加につながるリスクに対応することとしております。
○河野(正)委員 それでは、時間が来ましたので、若干、通告した積み残しの問題もありますけれども、これで終わりたいと思います。
ありがとうございました。
○鳩山委員長代理 次に、黒田征樹君。
○黒田委員 日本維新の会、黒田征樹でございます。
今日は、人工衛星等の打ち上げと管理に関する法改正についてということで質問をさせていただきます。
昨年、二〇二五年、世界全体のロケットの打ち上げ回数というのは過去最多の三百十六回に達しました。そのうち、アメリカが百九十二回、中国が九十一回ということで、両国だけで世界全体の打ち上げの八割以上を占めているということです。中でも、スペースXを中心とした、そういう企業が一年間で百六十五回という桁外れの打ち上げを実現しております。
先ほどもお話ありましたけれども、宇宙事業というのはもはや日常のインフラになりつつあるということで、そんなときに、同じ昨年、二〇二五年、日本の打ち上げ回数は僅か三回ということで、この差は、単なる打ち上げ回数の問題ではなくて、これも先ほどありました、大きな経済の損失にもつながっているということで、今、宇宙、経済規模は九十四兆円に達して、年率九%前後で拡大が続いています。
日本が自国の衛星を自国のロケットで打ち上げられているという割合は五〇%にすぎず、残り半分が海外のロケットに頼って、毎年巨額の資金が海外に流出しているということで、この宇宙産業は安全保障と経済成長の両方に直結する戦略分野であるということでありますので、そういったところをしっかりと成長させていく必要があるというふうに考えている中で、今回の法改正については当然賛成の立場ではあるものの、今回見送られましたサブオービタル飛行、そういったところの対応、これらを政府の皆様と確認をしていきたいというふうに思っております。
この改正で、宇宙活動法を人工衛星に着眼した規制体制から宇宙ロケットに着眼した規制体制へと転換することで具体的にどのような効果が期待されるか、お聞かせをいただきたいと思います。あわせて、打ち上げ回数、これは日本は三回にとどまっている状況でありますけれども、転換によって我が国の打ち上げ能力がどのように改善されるのか、まず冒頭お聞かせいただきたいと思います。
○風木政府参考人 お答えいたします。
近年、技術革新の進展やロケット打ち上げビジネスへの新規参入事業者の急増等により、宇宙開発利用が多様化しております。今国会に提出させていただいております宇宙活動法等の一部改正法案は、公共の安全を確保しつつ、ロケットの打ち上げに関する多様な需要に対応するため、ロケットの打ち上げそのものに着眼した規制体系へ転換するものでございます。
具体的には、開発段階の試験打ち上げとしての実施が想定される人工衛星の搭載又は分離を伴わない打ち上げを規制対象とすることにより、これらの打ち上げにおける公共の安全を確保するとともに、政府補償を含む損害賠償担保措置の対象とすることができ、新規事業者の開発を後押しすることが期待できます。
また、人工衛星に該当しない人工の物体についても、その構造が基準に適合していることを打ち上げ前に認定する制度を創設することで、公共の安全を確保しながら、宇宙空間の有害な汚染等の防止をすることが可能になります。
我が国の宇宙分野における自立性確保や産業基盤の強化の観点から、こうしたことを含めて、政府としては、打ち上げ能力の強化に取り組んで、二〇三〇年代前半までに年間三十件の打ち上げ能力の確保を目指すこととしております。
今回の改正により、国際的な責任を果たしつつ、我が国の宇宙活動の安全性を確保し、民間事業者による技術革新を後押しすることで、こうした目標の達成を含め、我が国の打ち上げ能力の強化や宇宙産業の発展を後押ししてまいりたいと考えております。
〔鳩山委員長代理退席、委員長着席〕
○黒田委員 その後押し、非常に大事だというふうに思います。制度が変わっても、現場で働く、動いている民間企業のチャレンジですね、失敗を恐れずチャレンジしていくというそういう環境も必要だというふうに思いますので、そういう指標も政府としてしっかりと持っていただいて、前に進めていただきたいというふうに思います。
次に、将来的に人工衛星の数が増加して軌道上が混雑した場合における、搭載前人工衛星等の適合認定の在り方でありますけれども、軌道混雑が進んだ場合、本改正の認定制度はその時点で十分機能していると言えるのか、そしてまた、現時点の認定基準で将来の軌道環境に対応できる、そのような設計になっているのかというところを確認をさせていただきたいというふうに思います。
○風木政府参考人 軌道上混雑についての御指摘でした。
我が国では、スペースデブリを出さないための取組として、宇宙活動法の解釈運用指針を示した人工衛星等との衝突防止に係るガイドライン等の各種のガイドラインに沿って、国際的にも進んだ取組を進めているということでありますし、今あるデブリの低減についても、先進的な技術開発とルール作りの両面で取り組んできております。
さらに、本法案においても、制御されない人工の物体に関しても、その打ち上げ前に構造が基準に適合していることを認定する制度を創設しまして、部品等の飛散を防止する構造となっているかを審査するものでございます。
宇宙ロケットの上段につきましても、これまで人工衛星分離後の破砕を防止する措置等を確認しておりましたが、本法案において、打ち上げ計画が、宇宙空間の有害な汚染等を防止する上で適切なものであることを求めることとしております。
したがいまして、今回の改正を含め、これらの我が国の取組はスペースデブリの発生抑制につながるものでありまして、二〇一九年に国連宇宙空間平和利用委員会、COPUOSで採択された宇宙活動に関する長期的持続可能性ガイドライン等の国際的なガイドラインとも引き続き整合するものでございます。
○黒田委員 これも先ほどお話ありましたけれども、日本だけで解決する問題ではありませんので、しっかりと国際的な連携というか、基準作りというところを取り組んでいただきたいというふうに思います。
日本の国際的な宇宙交通管理、この取組が国際的に高く評価されている、そういった記事も目にさせていただきました。先ほどの御答弁でもそういう内容かと思いますけれども、まさに日本の国が中心となって国際的なルール作りにしっかりと取り組んでいただきたいというふうに思いますので、よろしくお願い申し上げます。
続きまして、ロケットの打ち上げの申請から許可に要する期間についてでありますけれども、今回許可の対象が拡大するということで、現行の審査体制、人員で対応できるんですかということと、申請増加を想定した審査体制の強化策、期間の短縮、こういったことが必要かと思いますけれども、政府の考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○風木政府参考人 人員体制につきましては、先ほどから出ておりますが、宇宙活動法を所管する宇宙開発戦略推進事務局の体制強化としまして、令和八年度におきましては令和六年度の三倍増に増員をしたところでありまして、ここをまずやっていくということであります。
さらに、具体的に、電子申請など、現行においても、申請者がわざわざ宇宙事務局の窓口まで来なくても、電子ファイルを送付するなど申請書を提出することは可能であるところですが、今後、申請の増加を踏まえまして、デジタル庁とも連携しまして、電子申請プラットフォームの活用も検討してまいりたい。
あるいは、審査の標準化、迅速化の点もございます。ロケットの打ち上げ許可の申請においては、これまで、同一設計のロケットについて都度の審査を省略する型式認定でありますとか、その打ち上げ施設について都度の審査を省略する打ち上げ施設の適合認定などが活用されてまいりましたが、これらに関する書類提出の省略などの効率化、審査期間の短縮を図ってきたところですが、今後もしっかり取り組んでまいりたいと思います。
また、包括許可などの制度についても検討の余地がありますが、現在まだ事業者側の標準的な体制が十分ではない中で、その事業活動を制限しないような形で、まあ今回は制度化しておりませんが、今後の検討対象ということでございます。
また、人工衛星管理制度についても同様に、不断の見直しということであります。
こうしたことで、今委員御指摘の制度面、それから、件数の増加に対して審査体制の強化を図ってまいりたいと考えております。
○黒田委員 ありがとうございます。
この審査期間、スタートアップ企業について非常に死活問題につながるというふうに思っております。まさにベンチャー企業は数か月の遅延というものが事業の継続というものを左右しますので、そこら辺はしっかりと取り組んでいただきたいというふうに思います。
それから、包括許可制度の導入、これは経団連からも出されているというふうに認識しておりますけれども、このことについて、現時点では、先ほどからも御答弁でもありますように、慎重な感じに思いますけれども、どのような条件が整えばそういう包括許可制度の導入を検討できるのかというところと、具体的な条件というか、そういう検討の内容等々、お示しいただきたいというふうに思います。
○風木政府参考人 包括許可制度について要望があることは承知しております。
現在、我々、都度で申請を受けておりますし、それから、先ほどのような書類の簡素化でありますとか電子化を活用して、できるだけ審査期間が長期にならないような対応を既にしているところですが、包括許可を導入するに当たっては、事業者側の標準的な組織体制や知見の蓄積も大事だと考えておりまして、むしろ、現在、体制の整備とか、義務づけるということで、かえって事業者の自由な事業活動を制限する懸念もありますので、そこの点を考えながら今後検討していくということにしたいと考えております。
比較的、反復継続してできるというようなケースが出てきた場合に、こうした包括許可が有効になってまいりますので、事業者の事情をよく勘案して進めてまいりたいと考えております。
○黒田委員 そうですね、この辺については、そういう実際の声を聞いていただいて、可能な限り取り組んでいただくということでお願いをしたいというふうに思います。
続きまして、現時点で設計や製造を進めている事業者に対しての本法律の施行に伴う配慮の必要性というものが必要かというふうに思いますけれども、この新制度への移行措置はどのように考えているのか、そしてまた、改正前から開発を進めてきた事業者への経過措置とか周知期間というか、そういったところはどのようになっているのか、お聞かせいただきたいと思います。
○風木政府参考人 経過措置や周知期間に対するお尋ねです。
本法案の目的ですが、公共の安全の確保が含まれておりまして、宇宙ロケットの打ち上げや特定人工衛星の管理といった行為の有する危険性に鑑みると、施行後に打ち上げられる宇宙ロケットや人工衛星等については経過措置を設けずに改正後の基準に適合させることが適当と考えておりまして、一方で、改正後の基準の詳細な内容については今後下位規定において定めていく予定ですが、政府として、宇宙ロケットや特定人工衛星に適用される基準は、基本的には現行規定から大きく変わることはないということでございますし、それから、改正後の基準を整備するに当たっては、事業者や有識者の意見を聴取した上で早期に策定して、十分なその点についての周知期間を設けていく。事前相談に応じて、必要な情報を提供してまいります。
施行に伴う混乱が生じないよう努力してまいります。
○黒田委員 ありがとうございます。
時間の関係で少し質問を飛ばさせていただきますが、次は、補償、損害の賠償についてでありますけれども、今、法改正によって、政府補償の上限額についてであります。
これは国際的な比較をして十分と言えるのかというところと、今回対象に加わる試験打ち上げ等について、補償額の設定の考え方、そしてまた、見直していくのであればその検討状況を示していただきたいというふうに思います。
○風木政府参考人 現行の政府補償額の上限額、三千五百億円となりますが、諸外国の事例を参考としております。我が国の国際的な、関連産業の国際競争力の観点からは適当な水準だ、妥当であると考えております。
したがいまして、今後、諸外国の状況を踏まえながらも、あるいは事業者等のニーズなどを踏まえながら検討していくということかと考えております。
○黒田委員 これはあってはなりませんけれども、もし何か事故が起こったときはその事業者が第一義的な責任を負うということも伺っておりますけれども、その後、政府の補償ということになろうかというふうに思います。
これは災害とかでもそうなんですけれども、これが全壊だとか半壊だとか、様々時間がかかるということも考えられますので、そういうことについて、現実的にどういうふうにそういう支払いをしていくのかというところ、スピーディーに進めていけるようにお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○山下委員長 この際、暫時休憩いたします。
午前十一時三十一分休憩
――――◇―――――
午前十一時四十五分開議
○山下委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。塩川鉄也君。
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
宇宙活動法の改正案について質問をいたします。
宇宙活動法に基づき、政府は、ロケット打ち上げ実施者を相手方として政府補償に係る特定補償契約、超過補償契約を締結してきました。その中には、国が運用する人工衛星を搭載したロケットの打ち上げ実施者というのも含まれるということでよろしいでしょうか。
○風木政府参考人 政府補償制度は、ロケットの落下等に伴い第三者損害が生じた場合に、許可を受けて打ち上げを行う者が被害者への十分な賠償を行うことができるための資力を担保すること等の目的から、責任保険契約等によって埋めることができない損害に関して政府が補償する仕組みです。
これまで、宇宙活動法に基づき、政府は、打ち上げ実施者を相手方として政府補償契約を締結しておりまして、委員御指摘のとおり、その中には国が運用する人工衛星を搭載したロケットの打ち上げ実施者も含まれております。
○塩川委員 国が運用する人工衛星を搭載したロケットの打ち上げ実施者も含まれているということであります。
この政府補償の対象となったロケットに搭載された国が運用する人工衛星にはどのようなものがあるでしょうか。
○風木政府参考人 現行法施行後に政府補償の対象となったロケットに搭載された国が運用する人工衛星としては、準天頂衛星システム「みちびき」初号機後継機及び六号機、Xバンド防衛通信衛星「きらめき」三号、温室効果ガス・水循環観測技術衛星、GOSAT―GWがあります。
○塩川委員 情報収集衛星も含まれているということでよろしいですか。
○風木政府参考人 情報収集衛星につきましては、まず、打ち上げ事業者に打ち上げをお願いしているというケースがございまして、これは実際には、H2Aロケットにおきまして、宇宙活動法における打ち上げの許可を国の例外として取得しておりませんが、国が運用する人工衛星を搭載する形で打ち上げております。このケースは、国が打ち上げたという形で、かつ国が運用しているということでございます。
○塩川委員 そうすると、この宇宙活動法の政府補償の対象には直接はなっていないという例ということですか。
○風木政府参考人 内閣衛星情報センターの打ち上げにつきましては、自ら打ち上げを行うという事例がございまして、そのケースについては対象となりません。これは法の五十七条がございまして、そういうたてつけになっております。
○塩川委員 いずれにせよ、今お話がありましたように、準天頂衛星あるいはXバンド防衛通信衛星などを始めとして、防衛省などが運用する人工衛星の打ち上げについてもこの法律に基づいて政府補償が行われております。もちろん、国が打ち上げて国が運用するということは直接の対象外ですけれども、民間で打ち上げるような場合があれば当然政府補償の対象にはなってくるというのが、この法律のたてつけということであります。
大臣にお尋ねいたします。
こういった軍事用偵察衛星の性格も持つ情報収集衛星や自衛隊の通信衛星など、防衛省や内閣情報室が運用する人工衛星の打ち上げについても、この法律に基づき政府補償が行われ、また政府補償の対象となり得るということであります。軍事目的の人工衛星は、平和の目的に限るとして宇宙の平和利用を掲げた国会決議に反するものとなりはしないのか、この点についてお尋ねをいたします。
○小野田国務大臣 我が国の宇宙開発利用は、昭和四十四年の衆議院によるわが国における宇宙の開発及び利用の基本に関する決議において、平和の目的に限り行うものとされていると承知しております。
また、宇宙基本法においては、宇宙開発利用は安全保障に資するよう行われるものと位置づけられておりまして、憲法の平和主義の理念にのっとり、非軍事に限らず、専守防衛の範囲内で我が国の防衛のために宇宙開発利用を行うことは、決議の文言及びその趣旨に反するものではないと考えております。
引き続き、我が国の宇宙開発利用が、憲法の平和主義の理念にのっとり、専守防衛の範囲内で行われるよう適切に対応してまいりたいと考えます。
○塩川委員 専守防衛であればよいというのは、その後の宇宙基本法等々の改正、我々にとって改悪と言っていい、憲法の精神に反するような、宇宙の軍事利用を進めるという流れの中で今進められているという点でも、平和の目的に限るとした国会決議から逸脱していることは明らかであります。
二〇二二年の安保三文書を受けて策定された第五次宇宙基本計画や宇宙安全保障構想では、民間の宇宙技術を我が国の防衛にも活用することで我が国の宇宙産業の発展を促していくとされ、民間事業者を組み込んだデュアルユースの一層の開発促進を掲げております。実際、専守防衛の範囲を超える宇宙の軍事利用が進んでいる実態があります。
内閣府にお尋ねしますが、「みちびき」六号機に米国宇宙軍のセンサーを搭載をし、七号機にも搭載予定と承知をしております。このセンサーの使用目的は何でしょうか。
○風木政府参考人 御指摘の「みちびき」六号機と七号機には、米国の国防省が運用するセンサーを搭載しております。
このセンサーでございますが、スペースデブリの増加を始めとする宇宙空間の混雑化による衛星衝突等のリスクに対応し、宇宙空間の安定利用を確保する観点から、スペースデブリ等の宇宙物体を宇宙空間から観測するためのものであります。
○塩川委員 デブリを観測するためのものという話ですけれども、米国防省、実際には米国の宇宙軍のセンサーとして搭載されるということなんですが、この米国宇宙軍のセンサーというのは、米軍の軍事目的に使用するということも排除されていないのではありませんか。
○風木政府参考人 この点につきましては、日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定に基づくホステッド・ペイロード協力に関する交換公文及び平和的目的のための宇宙の探査及び利用における協力のための損害賠償責任に係る相互放棄に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の附属書の修正に関する交換公文に基づいて実施されているものでございまして、個別の用途その他についてコメントは差し控えさせていただきたいと考えております。
○塩川委員 いや、実際に、今説明されたようなセンサーの使用目的なんですけれども、アメリカの軍事目的に使用するということは排除されているのかということについてははっきりお答えにならなかったのは、それは、平和利用の目的に限るといった趣旨からいっても逸脱するものになるんじゃないかと思うんですが、もう一回お願いします。
○風木政府参考人 その点につきましては、米国の運用でございますので、この交換公文に基づいた運用というふうに御理解いただければと存じます。
それから、そもそもこの日米SSA協力取決めに基づきまして、米国政府からも日本政府に対して宇宙物体に関する軌道の情報は共有されているところでございます。
○塩川委員 米軍の運用に関わるということで具体的なコメントがないということであります。米軍がどのような軍事目的で使うかも分からないのに平和利用に反しないとどうして言えるのか、このことが問われていると思います。米軍の活動を補完をする、そういう役割を果たすものとも言わなければなりません。
あわせて、防衛省にお尋ねします。
防衛省の衛星コンステレーション、PFI事業についてですけれども、この事業は、スタンドオフ防衛能力の実効性確保に必要な画像情報の安定的な取得を目的に、民間企業が運営する衛星コンステレーションの構築を目指す事業だと承知をしておりますが、この事業の内容について説明をお願いします。
○吉野政府参考人 お答えいたします。
防衛省としては、スタンドオフ防衛能力の実効性を確保するため、目標情報をより一層効果的に収集することを目的として、画像衛星コンステレーションを構築することとしております。
本事業におきましては、PFI方式を採用いたしまして衛星コンステレーションを民間企業に保有させることとしておりまして、これによって、衛星の製造、打ち上げ、運用、地上施設の整備といった民間の優れた知見、技術を最大限活用することが可能であると考えてございます。
○塩川委員 長射程ミサイルであるスタンドオフミサイルは、反撃能力の保有につながる、敵基地攻撃能力の保有につながるものであります。安保三文書では、敵基地攻撃能力としてのスタンドオフ防衛能力を含むIAMDの強化を掲げ、米国との協力の深化をうたっております。
宇宙空間を利用した情報収集は、アメリカが進めるIAMD構想に不可欠というものではないかと思いますが、その点について防衛省にお尋ねします。
○吉野政府参考人 お答えいたします。
今回、御指摘ございましたPFI事業などを含めまして、スタンドオフミサイルの整備、また反撃能力の保有というものは、我が国の安全を全うする上で不可欠な取組であるというふうに考えてございます。そのような形で我が国の防衛力を強化するとともに、日米同盟の抑止力、対処力を強化して我が国の安全に万全を期すというふうな形で我が国の安全保障政策を進めておるところでございますが、具体的な日米の協力内容についてこの場で詳細に述べることは差し控えさせていただきます。
○塩川委員 このIAMDは、米国が同盟国を動員をして、地球規模で張り巡らせているシステムであります。相手国からのミサイルを撃ち落とすミサイル防衛と、相手国に対して攻撃を行う敵基地攻撃を組み合わせたもの、米国の軍事的覇権を打ち立てるために行われているものであります。
極めて重大なのは、米国がIAMDの基本原則として先制攻撃を行うことを選択肢にしているということであります。米国の統合参謀本部が作成したIAMDの基本原則には、敵の航空機やミサイルの離陸、発射の前と後の双方で破壊すると書かれております。先制的にも対処的にもなると、いわば先制攻撃を宣言をしているものであります。このことが明らかに示しているのが、米国による国際法違反の無法な先制攻撃によるイラン攻撃だったと言わなければなりません。
米軍の指揮統制下に組み込まれた自衛隊も米国の無法な先制攻撃に参加することになり得る、宇宙開発の軍事利用には反対だということを申し上げて、質問を終わります。
○山下委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
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○山下委員長 これより討論に入ります。
討論の申出がありますので、これを許します。塩川鉄也君。
○塩川委員 私は、日本共産党を代表して、宇宙活動法改正案に対し、反対の討論を行います。
本案は、これまで地上から管制される人工衛星の打ち上げに限られていた許可制度の対象を、人工衛星を搭載しない多様なロケットの打ち上げに拡大するなど、ロケットの打ち上げに着眼した規制体系に変更するものです。
民間企業が宇宙活動に参加するに当たって、その活動を規律するルールは必要です。しかし、二〇〇八年に成立した宇宙基本法に、宇宙開発利用は安全保障に資するように行わなければならないと盛り込まれ、軍事を目的とする宇宙の開発利用が推し進められてきました。
二〇一六年に成立した本法も、この宇宙基本法の基本理念に即したものであることとしており、軍事目的の打ち上げ、衛星管理を推進するものとなっています。実際に、本法に基づいて、この十年間で、自衛隊統合幕僚監部の下で統合運用を図る防衛省のXバンド通信衛星や、米宇宙軍が運用するセンサーを搭載し、米国のGPSと互換性を持つ日本版GPSが、軍事目的の人工衛星として打ち上げられてきました。情報収集衛星も、民間の打ち上げであればその対象となり得るというものであります。
さらに、二〇二二年の安保三文書を受けて策定された第五次宇宙基本計画や宇宙安全保障構想では、民間の宇宙技術を我が国の防衛にも活用することで我が国の宇宙産業の発展を促していくとされ、民間事業者を組み込んだデュアルユース、軍民両用技術の一層の開発促進を掲げています。米国の軍事戦略と一体に、ますます軍事目的偏重の宇宙開発となるのは明らかです。
平和憲法に反し、平和の目的に限るとした国会決議から逸脱するものです。宇宙開発の軍事利用の拡大につながる本案には、到底賛成することはできません。
以上申し述べ、反対討論を終わります。
○山下委員長 これにて討論は終局いたしました。
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○山下委員長 これより採決に入ります。
内閣提出、参議院送付、人工衛星等の打上げ及び人工衛星の管理に関する法律等の一部を改正する法律案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○山下委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
お諮りいたします。
ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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〔報告書は附録に掲載〕
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○山下委員長 次回は、来る十二日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後零時一分散会

