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第1号 平成29年3月3日(金曜日)

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本国会召集日(平成二十九年一月二十日)(金曜日)(午前零時現在)における本委員は、次のとおりである。

   委員長 鈴木 淳司君

   理事 今野 智博君 理事 土屋 正忠君

   理事 平口  洋君 理事 古川 禎久君

   理事 宮崎 政久君 理事 井出 庸生君

   理事 逢坂 誠二君 理事 國重  徹君

      赤澤 亮正君    安藤  裕君

      井野 俊郎君    奥野 信亮君

      門  博文君    菅家 一郎君

      城内  実君    鈴木 貴子君

      辻  清人君    野中  厚君

      藤原  崇君    古田 圭一君

      宮川 典子君    宮路 拓馬君

      山田 賢司君    吉野 正芳君

      若狭  勝君    枝野 幸男君

      階   猛君    山尾志桜里君

      大口 善徳君    吉田 宣弘君

      畑野 君枝君    藤野 保史君

      木下 智彦君    上西小百合君

平成二十九年三月三日(金曜日)

    午後零時十分開議

 出席委員

   委員長 鈴木 淳司君

   理事 今野 智博君 理事 土屋 正忠君

   理事 平口  洋君 理事 古川 禎久君

   理事 宮崎 政久君 理事 井出 庸生君

   理事 逢坂 誠二君 理事 國重  徹君

      赤澤 亮正君    安藤  裕君

      井野 俊郎君    大串 正樹君

      大西 宏幸君    勝俣 孝明君

      門  博文君    神田 憲次君

      菅家 一郎君    鈴木 貴子君

      瀬戸 隆一君    野中  厚君

      藤原  崇君    古田 圭一君

      宮路 拓馬君    吉野 正芳君

      若狭  勝君    枝野 幸男君

      階   猛君    山尾志桜里君

      中川 康洋君    吉田 宣弘君

      畑野 君枝君    藤野 保史君

      松浪 健太君    上西小百合君

    …………………………………

   法務大臣         金田 勝年君

   法務副大臣        盛山 正仁君

   法務大臣政務官      井野 俊郎君

   最高裁判所事務総局経理局長            笠井 之彦君

   法務委員会専門員     齋藤 育子君

    ―――――――――――――

委員の異動

一月二十日

 辞任         補欠選任

  木下 智彦君     松浪 健太君

三月三日

 辞任         補欠選任

  奥野 信亮君     神田 憲次君

  城内  実君     勝俣 孝明君

  辻  清人君     大西 宏幸君

  宮川 典子君     瀬戸 隆一君

  山田 賢司君     大串 正樹君

  大口 善徳君     中川 康洋君

同日

 辞任         補欠選任

  大串 正樹君     山田 賢司君

  大西 宏幸君     辻  清人君

  勝俣 孝明君     城内  実君

  神田 憲次君     奥野 信亮君

  瀬戸 隆一君     宮川 典子君

  中川 康洋君     大口 善徳君

    ―――――――――――――

一月二十日

 民法の一部を改正する法律案(井出庸生君外七名提出、第百九十回国会衆法第三七号)

 性的指向又は性自認を理由とする差別の解消等の推進に関する法律案(西村智奈美君外六名提出、第百九十回国会衆法第五七号)

 民法の一部を改正する法律案(内閣提出、第百八十九回国会閣法第六三号)

 民法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出、第百八十九回国会閣法第六四号)

 人事訴訟法等の一部を改正する法律案(内閣提出、第百九十回国会閣法第三三号)

 商法及び国際海上物品運送法の一部を改正する法律案(内閣提出、第百九十二回国会閣法第一六号)

二月十四日

 日本の難民受け入れに関する請願(井坂信彦君紹介)(第三七号)

同月二十四日

 国籍選択制度の廃止に関する請願(荒井聰君紹介)(第一六三号)

 もともと日本国籍を持っている人が日本国籍を自動的に喪失しないよう求めることに関する請願(荒井聰君紹介)(第一六四号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 国政調査承認要求に関する件

 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件


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     ――――◇―――――

鈴木委員長 これより会議を開きます。

 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。

 裁判所の司法行政に関する事項

 法務行政及び検察行政に関する事項

 国内治安に関する事項

 人権擁護に関する事項

以上の各事項につきまして、本会期中調査をいたしたいと存じます。

 つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

     ――――◇―――――

鈴木委員長 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件について調査を進めます。

 この際、法務行政等の当面する諸問題について、法務大臣から説明を聴取いたします。金田法務大臣。

金田国務大臣 法務大臣の金田勝年でございます。

 さきの臨時国会におきまして、この法務委員会の冒頭、私は、法務大臣として職務に臨む基本的な姿勢を申し上げました。

 改めて申し上げますと、法務省は、国民の皆様の安全、安心な生活を守る基盤を支える重要な任務を負っておりまして、職務を着実に遂行すべきであること、他方で、国内外における国民生活を取り巻く状況の変化に起因いたします課題を的確に捉えて適切かつ迅速に対応すべきであること、法務行政が身近で頼りがいのあるものであると国民の皆様に思っていただけるよう努めること、法務行政を支えてくださっているさまざまな民間の方々の活動を支援し、その御活躍を多くの国民の皆様に御理解いただき、その志が受け継がれていくような社会環境をつくるための取り組みを進めること、これが私の基本的な姿勢であります。

 法務大臣に就任してから今日までの間、私は、法務大臣として、この国会の場における答弁、御説明はもちろんのこと、法務行政に関連いたします機関等の視察、車座ふるさとトークなどでの国民の皆様との触れ合い、ドイツへの視察など、さまざまなことに取り組んでまいりましたが、常にこの基本的な姿勢のもとで臨んでまいりましたつもりであります。

 このようなこれまでの経験を生かしながら、常に申し上げております公的なものに献身的に対応するという思いのもと、引き続き、全力でその職責を果たしてまいりたいと考えております。

 近年、世界各地で凄惨なテロ事案が発生しておりまして、我が国を取り巻くテロ情勢が非常に厳しい状況である中、二〇一九年にはラグビーワールドカップ大会が、二〇二〇年には東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されることになっております。より一層、厳格な水際対策が求められておるのであります。その一方、観光立国推進に向けた各種取り組みが進められ、昨年の訪日外国人旅行者数は約二千四百万人と、一昨年に引き続き過去最高を更新しております中、テロの未然防止を含む厳格な入国管理と観光立国推進に向けた円滑な入国審査を高度な次元で両立させる必要があります。

 そこで、必要な人的、物的体制の充実強化に計画的に取り組んでおり、これに加えまして、昨年十月からは、上陸審査におきまして顔画像照合を実施いたしますとともに、入国審査手続の待ち時間の中で個人識別情報を取得する、いわゆるバイオカートを新たに導入しておりますが、今後は、顔認証による日本人出帰国確認等を導入していく等、入国審査のさらなる高度化の実現に努めてまいります。

 国内外で脅威となっておりますテロを含む組織犯罪、凶悪犯罪への対策を初めといたします治安の確保のための対策を、関係機関とも連携し、さらに万全に講じてまいります。

 テロを含む国際的な組織犯罪を一層効果的に防止し、これと闘うための協力を促進いたします国際組織犯罪防止条約の締結に必要となります、テロ等準備罪の創設等を含む組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案をできる限り早期に国会に提出できるように目指してまいります。

 また、現下のテロ情勢を踏まえ、関係機関との連携を緊密にしつつ、国内外におけるテロについての関連動向の把握に努めるなど、情報収集・分析機能の強化に努めてまいります。

 北朝鮮によります昨年二度の核実験は、たび重なる弾道ミサイルの発射及び金正恩朝鮮労働党委員長による年頭の大陸間弾道ミサイルの試験発射への言及などと相まって、我が国を含む地域及び国際社会の平和と安全を損なう安全保障上の重大な挑発であると認識しております。こうした情勢を受け、昨年十二月二日に決定されました北朝鮮に対します人的往来の規制強化措置を適切に実施していくとともに、核・ミサイル開発に関連をいたしました情報の収集をさらに強化いたしますほか、日本人拉致問題や金正恩体制下の国内状況等についても、公安調査庁を中心として、関連情報の収集、分析等を進めてまいります。

 尖閣諸島関係につきましては、我が国の主権にかかわる事案の相次ぐ発生を踏まえ、関係機関と連携をし、関連情報の収集、分析に尽力をするなど、遺漏のない対応をしてまいります。

 現在、アレフ及びひかりの輪を中心に活動しますオウム真理教につきましては、引き続き、団体規制法に基づく観察処分を適正かつ厳格に実施することにより、地域住民の不安感を解消するとともに公共の安全の確保に努めてまいります。

 難民問題につきましては、近年、中東・アフリカ諸国出身の難民が大量に欧州に流入するなど、世界的に深刻な状況にあります。他方、我が国におきましては、難民認定申請者が急増する一方で、その中には、専ら我が国での就労等を意図していると思われる事案が多く含まれていることによりまして、真の難民の迅速な庇護に支障が生じかねない事態に至っております。これらの状況を踏まえながら、引き続き、我が国における難民認定手続の適正な実施に努めてまいります。

 再犯防止につきましては、さきの臨時国会で成立いたしました再犯の防止等の推進に関する法律の趣旨を踏まえ、検察、矯正、保護といった刑事手続のあらゆる段階におきまして、犯罪や非行をした者の立ち直りに必要な指導、支援を適切に実施するとともに、関係省庁と連携した取り組みをより一層推進してまいります。また、立ち直りを支える保護司、更生保護施設や協力雇用主等の民間の方々の活動に対する支援や、地方公共団体によります取り組みの推進といった課題についても着実に取り組んでいきますとともに、こうした再犯防止の取り組みについて、より多くの国民の皆様の御理解と御協力をいただけますよう、社会を明るくする運動を初めとする広報啓発活動を展開いたしてまいります。

 さらに、これら取り組みの基盤となります刑務所などの施設につきましては、現行の耐震基準が定められました昭和五十六年以前に建設された施設が約半数に上るという現状を踏まえまして、老朽化の問題を解消するための整備を推進してまいります。

 さきの通常国会で成立をいたしました新たな刑事司法制度を構築するための刑事訴訟法等の一部を改正する法律について、その趣旨を踏まえた適正な運用を図るなど、検察改革のための取り組みを引き続き実施してまいります。

 性犯罪は、被害者の人格や尊厳を著しく侵害する悪質重大な犯罪であり、厳正な対処が求められております。そこで、近年における性犯罪の実情等に鑑み、事案の実態に即した対処をするため、強姦罪等の構成要件及び法定刑を改めるなどの処罰規定の整備を行い、あわせて、これらの罪を非親告罪化することを内容といたします刑法の一部を改正する法律案を今国会に提出する予定であります。

 東日本大震災からの復興支援につきましては、住宅再建・復興まちづくりの加速化の観点から、地震によって筆界が不明確となっている地域の登記所備えつけ地図の修正作業を実施いたし、登記嘱託事件等の適切かつ迅速な実施に努めますとともに、全国的に取り組んでいる登記所備えつけ地図の整備や、土地建物の相続登記の促進策につきましても積極的に取り組んできました。また、日本司法支援センター、通称法テラスにおきまして、被災者が抱える法的紛争の解決のため、被災地に出張所を設置し、無料法律相談を実施するなどの支援を行ってきたほか、人権擁護機関におきまして、風評等に基づくさまざまな人権問題に対し、仮設住宅等における特設相談を実施いたしますなど、相談、調査・救済活動を行ってまいりました。

 平成二十八年熊本地震からの復興支援につきましても、倒壊等するなどした建物の登記官の職権によります滅失登記、地震によって土地が移動している地域の登記所備えつけ地図の修正作業、法テラスによる、震災に起因するトラブルの解決に役立つ法制度や相談窓口等についての情報提供や、被災者への資力を問わない無料法律相談、さらには、被災地の人権擁護委員を中心といたします避難所や仮設住宅等を訪問しての人権相談活動を行っております。

 今後も引き続き、震災からの復興を推進するための各取り組みを進めてまいります。

 法テラスにおきまして、自治体及び福祉機関等と連携をいたしまして、高齢者や障害者の方々の法的ニーズを掘り起こし、総合的な問題解決を図る司法ソーシャルワークと呼ばれる取り組みを推進しております。今後もこうした法テラスの業務体制の充実と取り組みの支援を行ってまいります。

 法曹養成制度につきましては、質、量ともに豊かな法曹が輩出されますよう、法曹養成制度改革推進会議決定「法曹養成制度改革の更なる推進について」に掲げられました各取り組みを引き続き進めてまいります。

 今国会におきましては、法曹となる人材の確保の推進等を図るため、司法修習生に対しまして修習給付金を支給する制度の創設等を行う裁判所法の一部を改正する法律案を提出いたしました。また、司法の中核をなす裁判所の体制の充実強化等を図るため、判事の増員などを内容といたします裁判所職員定員法の一部を改正する法律案を提出いたしました。これらの法案につきましても、十分に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いをいたします。

 次に、民事基本法につきまして、国民の意識や社会情勢の変化に対応し、必要な見直しを進めてまいります。

 約百二十年前に制定されたまま大きな改正のなかった民法の債権関係につきましては、社会、経済の変化への対応を図るとともに、国民にわかりやすいものとする必要があることから、民法の一部を改正する法律案及び関係法律案を第百八十九回国会に提出をいたしました。

 また、日本人と外国人との夫婦の離婚など、国際的な要素を有する家庭に関する事件の適正かつ迅速な解決を図るため、いかなる場合に日本の裁判所で裁判ができるのか等について定めます人事訴訟法等の一部を改正する法律案を第百九十回国会に提出いたしました。

 商法の運送、海商関係につきましては、国民経済にも大きな影響を持つものであることから、社会、経済の変化への対応等を図るとともに、片仮名文語体の表記を現代用語化するため、商法及び国際海上物品運送法の一部を改正する法律案を第百九十二回国会に提出いたしました。

 これらの法案につきまして、十分に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いを申し上げる次第であります。

 いじめ、インターネットを悪用した名誉毀損、プライバシーの侵害、ヘイトスピーチ等の人権問題につきまして、引き続き、人権啓発、調査・救済活動等に適切に取り組むとともに、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に向けて、誰もがお互いの人権を大切にし、支え合う共生社会を実現するための人権啓発活動を推進してまいります。

 また、同和問題につきましては、さきの臨時国会で成立をいたしました部落差別の解消の推進に関する法律の趣旨を踏まえ、関係機関と連携しながら適切に取り組んでまいります。

 親によって出生の届け出がされておらず無戸籍となっております方々について、実態の把握を行うと同時に、全国各地の法務局において常時相談を受け付け、無戸籍の方に一日も早く戸籍をつくっていただくための丁寧な手続案内をする等の無戸籍の方に寄り添った取り組みを行っております。今後も引き続き、無戸籍者への支援、無戸籍状態の解消に取り組んでまいります。

 犯罪被害者等の保護、支援につきまして、犯罪被害者や御家族、御遺族の方々に寄り添い、その権利利益の保護を図るための各種制度を適切に運用し、きめ細やかな対応に努めてまいります。

 法的な物の考え方を身につけるための法教育は、自由で公正な社会の担い手を育成する上で不可欠なものであります。我が国の未来を担う若者への期待が高まる中で、子供のころから、多種多様な意見をさまざまな角度から検討し、みずから考える力を身につけることがこれまで以上に求められており、法教育の重要性はますます高まっております。国民一人一人にとりまして法や司法制度がさらに身近なものとなりますよう、法教育の充実に努めてまいります。

 外国人材の受け入れにつきましては、日本再興戦略等に掲げられた施策の実現により、日本経済の活性化に資する外国人の受け入れの促進に努めてまいります。さきの臨時国会で成立をいたしました外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律及び出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律につきまして、その趣旨を踏まえて、適正な運用及び円滑な施行に向けて必要な準備を進めてまいります。

 国際協力につきましては、アジア、アフリカ等の各国の刑事司法実務家に対します国際研修などを行うとともに、ベトナム、カンボジア、ラオスなど開発途上国の基本法令の起草や司法関係者の人材育成などの法制度整備支援を行ってまいりました。インドネシアやミャンマーにおきましても、知的財産訴訟等に携わる裁判官の育成等の支援を行っております。これらの国際協力は、我が国が尊重してきた法の支配の理念を各国が実現することに貢献をするものでありまして、今後も積極的に推進をしてまいります。

 我が国の利害に重大な影響を及ぼす国内外における法的紛争に対しまして、法の支配の実現という見地から、適切かつ迅速な対応をとることが求められております。国の利害に関係する訴訟に対する指揮権限をより適切かつ効果的に行使するとともに、法的紛争を未然に防止するための予防司法機能の充実や、国際訴訟等への対応のあり方の検討を進めるなどをいたしまして、訟務機能の充実強化に取り組み、国民の皆様の権利利益の保護に寄与できるように努めてまいります。

 鈴木委員長を初め理事、委員の皆様方には、日ごろから法務行政の運営に格別の御尽力を賜っております。盛山副大臣、井野大臣政務官と協力をし、全力で取り組んでまいります。どうぞ、より一層の御理解と御協力を賜りますよう、よろしくお願いをいたします。(拍手)

鈴木委員長 次に、平成二十九年度法務省関係予算の概要について説明を聴取いたします。盛山法務副大臣。

盛山副大臣 平成二十九年度法務省所管等予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。

 法務省所管の一般会計予算額は七千五百三億八千八百万円となっており、前年度当初予算額七千四百二十億一千七百万円と比較しますと、八十三億七千百万円の増額となっております。

 また、復興庁所管として計上されている法務省関係の東日本大震災復興特別会計予算額は十四億五千百万円となっており、前年度当初予算額十三億五千七百万円と比較しますと、九千四百万円の増額となっております。

 次に、一般会計予算について、主要事項の経費を御説明申し上げます。

 まず、テロの未然防止を含む厳格な入国管理と観光立国推進に向けた円滑な入国管理の両立に向け、出入国管理体制の充実強化のため、出入国管理関係の経費として五百四億五千五百万円を計上しております。

 また、現下のテロ情勢等を踏まえ、関連情報の収集・分析機能を強化するため、公安調査庁関係の経費として百四十六億六千八百万円を計上しております。

 次に、刑務所出所者等の再犯防止対策を推進するため、施設内における指導、社会復帰支援、職業訓練などを実施する経費として、矯正関係では二千三百三十六億一千六百万円を、社会内における住居確保、就労支援等を実施する経費として、更生保護関係では二百六十六億一千八百万円を計上しております。

 あわせて、再犯防止対策の基盤となる刑務所などの施設について、老朽化している施設の建てかえ等を促進するための経費として二百三十六億五千三百万円を計上しております。

 また、国民の財産的な権利を保護するための登記所備えつけ地図の整備を含む登記事務等の関係経費として千二百四十七億八千八百万円を計上しております。

 そのほか、治安を確保し、国民の安全、安心な生活を実現するための検察関係の経費として千九十四億二千百万円を、法的紛争を未然に防止するための予防司法機能の強化や国際訴訟等への積極的対応を図るための訟務関係の経費として十九億九百万円を、投資環境の整備を図るための法制度整備支援を含む法務総合研究所関係の経費として二十七億八百万円を、さまざまな人権問題への取り組みを推進するための人権擁護関係の経費として三十三億八千三百万円を、総合法律支援のさらなる充実のための日本司法支援センター関係経費として三百二億八千五百万円を計上しております。

 次に、定員の関係でありますが、平成二十六年七月二十五日の閣議決定に基づく定員合理化により、平成二十九年度においては九百七十一人の減員となる中、観光立国の推進や治安・テロ対策等の重要課題に対応するため、地方入国管理官署職員を中心に、法務省全体で千二百七人の増員が認められており、減員と差し引きいたしますと、純増二百三十六人となります。

 以上、平成二十九年度法務省所管等の予算概要を御説明させていただきました。

    ―――――――――――――

鈴木委員長 この際、お諮りいたします。

 本日、最高裁判所事務総局経理局長笠井之彦君から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

鈴木委員長 平成二十九年度裁判所関係予算の概要について説明を聴取いたします。笠井経理局長。

笠井最高裁判所長官代理者 平成二十九年度裁判所所管歳出予算について御説明申し上げます。

 平成二十九年度裁判所所管歳出予算の総額は三千百七十七億三百万円でありまして、これを前年度当初予算額三千百五十三億円と比較いたしますと、差し引き二十四億三百万円の増加となっております。

 次に、平成二十九年度歳出予算のうち、主な事項について御説明申し上げます。

 まず、人的機構の充実、すなわち、裁判官、書記官及び事務官の増員等であります。

 かねてより裁判所の体制の充実強化が求められている中で、複雑困難化する民事訴訟事件の審理充実、成年後見関係事件を初めとする家庭事件処理の充実強化等のため、裁判官は、判事補からの振りかえ二十三人を含め判事五十人、書記官は、速記官からの振りかえ五人を含め二十四人、事務官は十七人、合計九十一人の増員をすることとしております。

 他方、政府の定員合理化計画への協力として七十一人の減員をすることとしておりますので、差し引き八人の純減となります。

 次は、司法の体制の充実強化に必要な経費であります。

 まず、裁判事務処理態勢の充実を図るため、百四十一億三千五百万円を計上しております。

 その内容について申し上げますと、第一に、民事事件関係経費として三十一億六千九百万円を計上しております。この中には、民事調停委員手当、専門委員手当、労働審判員関連経費等が含まれております。

 第二に、刑事事件関係経費として四十五億一千二百万円を計上しております。この中には、裁判員制度関連経費、心神喪失者等医療観察事件関連経費等が含まれております。

 第三に、家庭事件関係経費として六十四億五千四百万円を計上しております。この中には、家事調停委員手当等が含まれております。

 また、庁舎の耐震化等のための経費として百五十八億七千二百万円を計上しております。

 以上が平成二十九年度裁判所所管歳出予算の概要でございます。

鈴木委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時三十八分散会


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