第20号 令和8年6月12日(金曜日)
令和八年六月十二日(金曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 井上 英孝君
理事 木原 誠二君 理事 高見 康裕君
理事 谷川 とむ君 理事 藤原 崇君
理事 三ッ林裕巳君 理事 西村智奈美君
理事 三木 圭恵君 理事 小竹 凱君
井出 庸生君 稲田 朋美君
上川 陽子君 神田 潤一君
北神 圭朗君 小泉 龍司君
河野 太郎君 坂本竜太郎君
世古万美子君 武部 新君
辻 秀樹君 辻 由布子君
寺田 稔君 西山 尚利君
新田 章文君 福原 淳嗣君
藤沢 忠盛君 藤田ひかる君
古川 禎久君 向山 淳君
保岡 宏武君 山本 大地君
有田 芳生君 國重 徹君
平林 晃君 池畑浩太朗君
村上 智信君 井戸まさえ君
鈴木 美香君 和田 政宗君
…………………………………
議員 有田 芳生君
議員 高山 聡史君
議員 畑野 君枝君
法務大臣 平口 洋君
最高裁判所事務総局刑事局長 平城 文啓君
政府参考人
(法務省刑事局長) 佐藤 淳君
法務委員会専門員 三橋善一郎君
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委員の異動
六月十二日
辞任 補欠選任
阿部 弘樹君 北神 圭朗君
神田 潤一君 向山 淳君
河野 太郎君 新田 章文君
山本 大地君 坂本竜太郎君
有田 芳生君 平林 晃君
金村 龍那君 村上 智信君
同日
辞任 補欠選任
北神 圭朗君 阿部 弘樹君
坂本竜太郎君 山本 大地君
新田 章文君 河野 太郎君
向山 淳君 神田 潤一君
平林 晃君 有田 芳生君
村上 智信君 金村 龍那君
同日
理事阿部弘樹君同日理事辞任につき、その補欠として三ッ林裕巳君が理事に当選した。
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六月十一日
選択的夫婦別姓の導入など、民法・戸籍法改正を求めることに関する請願(早稲田ゆき君紹介)(第七三八号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
理事の辞任及び補欠選任
政府参考人出頭要求に関する件
刑事訴訟法の一部を改正する法律案(内閣提出第六一号)
刑事訴訟法の一部を改正する法律案(西村智奈美君外三名提出、衆法第九号)
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○井上委員長 これより会議を開きます。
理事の辞任についてお諮りいたします。
理事阿部弘樹君から、理事辞任の申出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井上委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
引き続き、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
ただいまの理事辞任に伴うその補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井上委員長 御異議なしと認めます。
それでは、理事に三ッ林裕巳君を指名いたします。
――――◇―――――
○井上委員長 内閣提出、刑事訴訟法の一部を改正する法律案及び西村智奈美君外三名提出、刑事訴訟法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
この際、内閣提出、刑事訴訟法の一部を改正する法律案に対し、藤原崇君外二名から、自由民主党・無所属の会、日本維新の会及び参政党の共同提案による修正案が提出されております。
提出者から趣旨の説明を聴取いたします。藤原崇君。
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刑事訴訟法の一部を改正する法律案に対する修正案
〔本号末尾に掲載〕
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○藤原委員 ただいま議題となりました刑事訴訟法の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、その趣旨及び内容を御説明いたします。
第一に、これまで六回にわたる委員会質疑におきまして、証拠の目的外使用の禁止や検察官の保管する証拠の一覧表の交付について、多くの委員の先生方から様々御指摘がございました。現状においては、政府原案のとおりとするのが適切であると考える一方で、これらの論点については、残された課題であるとも認識するところであり、適切にその対処に当たるべしとする立法府の意思を示す必要があると考えております。そこで、政府によりこの法律の施行後五年ごとに行われる検討の対象に、「再審の請求の手続における証拠の目的外使用の禁止に関する制度及び検察官が保管する証拠の一覧表に関する制度」を例示として追加することとしております。
第二に、委員会質疑におきまして、証拠提出命令制度が創設されることにより、これまで実務運用で行われてきた裁判所による証拠の提出や開示の勧告、検察官による任意の証拠の提出や開示といったものが縮小されてしまうのではないかとの御懸念が示されてきたと承知しております。そこで、「近年における再審の手続に関する諸事情に鑑み、従来行われてきた再審の請求の手続における運用上の措置としての裁判所による検察官に対する勧告であって任意での証拠の提出又は開示に係るもの及び検察官による任意での証拠の提出又は開示は、事案に応じ、適切に行うものとする。」との規定を新たに附則に設けることとしております。
以上が、本修正案の趣旨及び内容であります。
何とぞ委員各位の御賛同をいただけますようお願い申し上げます。
○井上委員長 これにて修正案の趣旨の説明は終わりました。
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○井上委員長 この際、お諮りいたします。
両案及び修正案審査のため、本日、政府参考人として法務省刑事局長佐藤淳君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井上委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○井上委員長 次に、お諮りいたします。
本日、最高裁判所事務総局刑事局長平城文啓君から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井上委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○井上委員長 これより両案及び修正案を一括して質疑を行います。
質疑の申出がありますので、順次これを許します。稲田朋美君。
○稲田委員 おはようございます。自由民主党の稲田朋美です。
当委員会の冒頭で質疑をさせていただいて、その後の質疑の中で何点か確認をしたいことがございますので、この最後の委員会でも質問をさせていただくことに感謝申し上げます。
今回の質疑を通して、改めて、この問題は与党も野党もない、みんなでどうすれば冤罪被害者を早く、確実に救済することができるのか、その一点に向けた議論であったと思います。
私にとって冤罪とは何か、一言で言いますと、司法の正義に反するということでございます。袴田事件、福井事件のように、膨大な年月を経なければ無実の人を救済することができなかった、これは、司法の正義に反するのみならず、我が国の刑事司法に対する信頼を失わせている、これが今回の立法事実です。
冤罪は、国家による最大の人権侵害、まさに国家の犯罪行為ともいうべきもので、その救済は絶対的な正義です。法的安定性、治安維持、とても重要な価値ではございますけれども、司法の絶対的正義である冤罪の救済、そのこととバランスを取るべき問題ではないと思います。
被害者の心情に最大限配慮する、当然です。被害者にとっても無実の人を処罰すべきではなく、早く解放して真犯人を見つけるべき、そのために証拠はできるだけ開示すべきだ、これは、法制審で、被害者支援の弁護士の発言でもございます。
袴田事件、福井事件のように、捜査機関の捏造、そして検察官の証拠隠しによって冤罪が生まれ、それを長年救済できないような、そんな法制度は一刻も早く変えなければなりません。その認識でよろしいでしょうか。
大臣の今までの御答弁と同じ答弁は要りません。もう最後ですから、紙を見ないで、血の通った、心の答弁をよろしくお願いします。
○平口国務大臣 お答えいたします。
委員の御指摘もありましたように、誤判といいますか、誤った裁判、これがあってはならないということでございます。それともう一つは、手続が可及的速やかに、円滑に、そして迅速に行われなきゃいけないということがございます。主にこの二つの事柄を立法理由ということで、再審の判断というのを早くしようということでございます。
できるだけその線に沿ってやって、その後の運用についてはしっかりとやっていきたいと思っておりますので、どうか御理解をいただきたい、このように思います。
○稲田委員 七十七年ぶりの歴史的な法律ですから、是非とも大臣の政治家としてのリーダーシップを発揮していただきたいと思います。
端的に聞きます。
刑訴法四百五十条から四百四十八条一項が削除されたことにより、検察官は再審開始決定に対して抗告ができなくなった、これが今回改正される刑訴法の原則です。再審開始決定があれば、抗告しないで即公開の再審公判に移行すること、それが刑訴法が期待する通常のありようということでよろしいですね、刑事局長。
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
本法律案による改正後の規定の下では、再審開始決定があったときは、当該決定が取り消されるべきものと認めるに足りる十分な理由がある、十分な根拠がある場合でない限り、すなわち、不服申立てにより再審開始決定等が取り消される蓋然性が高いことを裏づける合理的な根拠がない限り、再審開始決定が確定し、再審公判に移行することになると考えられるところでございます。
○稲田委員 なので、公判の再審公判に移行することが、それが刑訴法が期待することである、そして、抗告しない方が圧倒的に多い、これが立法趣旨だということを、局長、認めていただけますか。
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
お尋ねにつきましては、多いかどうかといいますと、再審開始決定の内容等にもよるわけでございますので、一概には申し上げることは困難である部分もありますけれども、本法律案における改正後の規定の下では、再審開始決定は、取り消されるべきものと認めるに足りる十分な根拠がある場合でない限り不服申立てがされることはなく、そのまま確定することになると考えているところでございます。
○稲田委員 政府案に当初はこの抗告の禁止、入っていなかったんです。法制審においてもこの抗告の禁止は、議論はされましたけれども、それは結論にならなかった。結局、法制審というのは国民目線じゃないということなんです。
しかし、自民党内で議論が噴出をして、激しい議論、議論といっても議員間の対立ではなくて、議員と法務省そして検察との間の激しい議論の末に、法務省による三回もの修正を経て、部会の最終日に、附則ではなく本則に原則抗告禁止ということを書き込んだわけであります。
附則にすぎない修正に対しては、刑訴法本体で、すなわち四百五十条で四百四十八条一項が厳然と残っている以上、幾ら附則で抗告が原則禁止と書かれたとしても、それは検察官にとっての単なる努力義務、訓示規定、そしてまさしく行為規範にすぎなかった。なので、本則化を求め、四百五十条から四百四十八条一項を削除するという、その改正案が実現した。実は、これが立法者の意思なんですよ。政府案になかったものを自民党の議員の中で修正して入れた、それこそが立法者の意思ですから、解釈を決めるのは私たちであって、法務省じゃないんですよ。
だから、四百五十条の二で認められる例外的、特別例外的抗告、すなわち、あえて特別に認めることにした例外的抗告の十分な根拠というのは、一旦刑訴法上廃止された抗告をゼロから新たに創設するための実体要件であって、これがない場合は違法だということなんです。
したがって、立法者の意思として申し上げますが、単なる行為規範ではありません。藤原委員に対する行為規範だとの答弁は、行為規範であり実体要件、つまり、行為規範であることはもとより、例外的な抗告を刑訴法上創設するための要件だということでよろしいですか。端的にお答えください。
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘のとおり、刑事訴訟法第四百五十条において即時抗告をすることができるものとして掲げられていた決定から、四百四十八条一項による再審開始決定を削除したということでございます。
そのような中で、改正後の規定は、当該決定が取り消されるべきものと認めるに足りる十分な根拠がある場合に限って、例外的に不服申立てができることとしたものでございます。
したがいまして、これらの条項は、御指摘のとおり、再審開始決定に対して例外的に不服申立てをすることができる要件を定めたものでございます。
○稲田委員 次に、裁判規範であるかについてもお伺いします。
非常に曖昧な答弁に局長は終始されているんです。私が聞きたい裁判規範という意味は、振り返って国賠法上の対象になるという意味じゃなくて、十分な根拠のない抗告、これは四百五十条の二違反であって、事実調査に入ることなく裁判所において棄却できるかという意味の裁判規範でございます。刑訴法四百二十六条の、抗告の手続がその規定に違反したときに当たるというのが素直な条文解釈だと思います。
四百五十条の二の要件を欠くということで、事実の取調べに入らず抗告を棄却する場合もあるということでよろしいですね。刑事局長と最高裁にお伺いします。
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
再審開始決定に対する不服申立てに十分な根拠がない場合には、抗告裁判所において、通常、当該不服申立ては理由がないとして棄却されることとなると考えられるところでございます。
抗告を棄却するか否かに当たりまして事実の取調べをするか否かにつきましては、抗告裁判所の判断によることから、法務当局として一概にお答えすることは困難でございますが、事案に応じて、事実の取調べが行われない場合もあり得るものというふうに考えているところでございます。
○平城最高裁判所長官代理者 お答えいたします。
検察官の抗告に十分な根拠がないとの心証を抱いた場合に、どのような審理をし、決定をするかは各裁判体が個別の事案の内容を踏まえて判断するものでございまして、最高裁事務当局として一概にお答えすることは困難でございます。
もっとも、一般論として申し上げれば、そのような場合に、事実の取調べに入らずに抗告を棄却するという判断がされることもあり得るというふうに考えているところでございます。
○稲田委員 ここはとても重要なんですよ。立法者の意思として、抗告はやらないことが当たり前で、ごくごくまれに、どうしても再審開始決定が司法の正義に反するような場合に限って認めた。自民党の議論であれだけの激論があったというのはそういうことなんですよ。この立法者の意思に沿った解釈、運用を裁判所にも検察にも求めます。
次に、刑訴法四百五十条の二による例外的抗告に対し抗告の理由がないとして棄却された場合、結果として抗告する十分な根拠がなかったとして違法になる可能性が高いと局長は答弁されております。
抗告の理由と抗告する十分な根拠を比べると、抗告の理由の方が広いんですね。ですから、抗告の理由がないとして棄却される事例というのは、基本的に、抗告する十分な根拠はなかったということになるのではありませんか。
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
本法律案による改正後の刑事訴訟法第四百五十条の二第一項、二項の十分な根拠の有無につきましては不服申立てをする時点で検察官が判断するものであるのに対して、不服申立てに理由があるか否か、これは刑訴法の四百二十六条でございますが、これは抗告裁判所が、抗告審における事実の取調べの結果等も踏まえ、審理を終えた時点で判断するものでございます。
このように、不服申立ての理由の有無と十分な根拠の有無については、その判断の主体、時点、基礎となる資料が異なるため、抗告裁判所が不服申立てに理由がないとして棄却したということが、すなわち論理的に、直ちに、不服申立てに十分な根拠があるとの検察官の判断が誤っていたということにはならないとは思われますけれども、再審開始決定に対する不服申立てに十分な根拠がない場合には、抗告裁判所において、通常、当該不服申立てに理由がないと判断されて棄却されることになると考えているところでございます。
○稲田委員 今日は最後の確認なので、端的に答えてもらいたいと思います。
もしこの法律が当時存在したら、福井事件では抗告できなかった、これは自民党の最終部会で刑事局長が答弁された、だから私は法案を了としたんです。前回質疑でも確認しております。
では、袴田事件において、静岡地裁の平成二十六年の再審開始決定に対する抗告は、この法律が当時存在したらできませんでしたね。
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
本法律案の下で再審開始決定がなされた場合に検察官が当該決定に対して不服申立てをするか否かは、検察官において個別の事案ごとに具体的な証拠関係等を踏まえて判断すべき事柄でございまして、過去の個別の再審事件に当てはめて一概にお答えすることは困難であります。
また、いわゆる袴田事件につきましては、現在、国家賠償請求訴訟が係属中であることからも、法務当局としてお答えすることが困難であることについてどうか御理解いただきたいと思います。
その上で、一般論として申し上げれば、被告人と犯人との結びつきが主要な争点とされた事件の確定判決について、再審請求審におきまして、その結びつきを立証するための主要な客観証拠に瑕疵があり、それが証拠として用いることができないような事情が明らかとなり、確定判決の前提とした事実関係、証拠関係が動揺したことを理由とする再審開始決定があった場合、検察官におきまして、当該再審開始理由を示した決定について取り消されるべきものと認めるに足りる十分な根拠があるかを検討し、その結果、十分な根拠がないとして不服申立てをしないことはあり得るというふうに考えているところでございます。
○稲田委員 まず、これは過去の個別事案ではなくて立法事実そのものですから、実は答えるべきなんですよ。
なぜなら、昭和三十七年、昭和の巌窟王、吉田石松、この人も福井の人ですけれども、冤罪事件をきっかけに法務委員会で再審法改正が議論され、その参考人の松尾浩也先生が、四百五十条から四百四十八条一項を削除すれば足る、まさしく今回の改正ですよね、と述べられてから、一度も再審法改正は実現しなかった。四死刑囚が無罪になった一九七〇年から一九八〇年代においても改正されなかった。
今回、改正が政府から提案されたのは、袴田、福井事件が再審無罪になったからです。この二つの事件がなければ改正案が政府から提案されることはなかったので、これはもう立法事実そのものですから、過去の個別事件ということで当てはめをしないということは、私は許されないと思いますよ。
抗告の原則禁止、これは肝ですから、検察官抗告をやめれば速やかに再審公判に移行して、無実になるべき人は早期に救済される、袴田さんの九年、前川さんの十三年は無駄にならずに済んだ、これを肝に銘じて運用してもらいたいと思います。
証拠開示についてお伺いします。
証拠開示については、平成二十八年以降、刑訴法三百十六条の十四、二項の検察官手持ち証拠の一覧表は通常審でも出ている。だから、平成二十八年以降の事件の再審でも基本出ています。だとすると、なぜそれ以前の再審事件で三百十六条の十四、二項の検察官手持ち証拠の一覧表を提出しないのか、私の疑問はここに尽きるわけです。
職権主義だから、当事者主義を前提とした証拠の一覧表を出すのは手続法としての整合性がないという答弁は、先日國重委員が指摘したように、論理的必然性ではないんです。そもそも、現行の再審法は大正時代に作られた規定ですから、証拠は全て裁判所が持っていた、一覧表は必要ない時代の規定ですよ。
その前提として、証拠は誰のものかということなんです。これはやはり、有罪を立証するためでなくて、真実発見のためのもの、国民のためのものだと思います。
まず、本改正によって証拠開示が狭まってはならない、これは立法の趣旨、立法の事実からも当然です。現状認められている証拠開示の実務は今後も認められるということですけれども、今回の法改正で証拠開示は今よりどう広がるのか、局長にお伺いします。
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
本法律案における証拠の提出命令制度は、裁判所による勧告や検察官による任意の提出、開示といった従来の実務運用を前提に、これに加えて導入するものでございます。従来の実務運用につきましては明文規定がなく、その要件、効果は明らかでなかったところ、今回の証拠の提出命令制度は、明確な法的ルールの下で、裁判所に対して検察官に証拠提出を命ずる義務を課し、命令を受けた検察官に証拠提出の義務を課すものでございます。
そのため、従来であれば、証拠の提出を勧告するか否かについて裁判所によって判断がまちまちとなっていたり、証拠を提出するか否かをめぐって検察官と弁護人との間で争いが生じ、検察官が当該証拠の提出を拒否していたような場合であっても、改正後におきましては、一定の要件を満たす場合には裁判所は証拠の提出を命じなければならず、また、提出を受けた検察官は当該命令の対象とする証拠を提出しなければならないことから、これにより、裁判所に提出される証拠の範囲は広がることとなると考えているところでございます。
○稲田委員 福井事件の第一次請求審で再審事由と直接関係のない捜査報告書を出さなかったことについて、自民党の法務部会に提出された法務省の検証では、現在の視点から見れば消極的というのみなんですよ。これはおかしいですよ。現在の視点じゃないんです。当時、既に平成十六年の改正の後なんです。
そして、もっと本質的なことは、検察官の訴訟活動は、裁判所から、公益の代表者としてあるまじきと厳しく批判されている。つまり、真実に反することを知りながら是正せずに訴訟活動することを不公正として断じた。つまりこれは、検察官としてやってはいけないこと、検察官による証拠隠滅だったわけです。
したがって、関連するとかしないとか、平成十六年改正以降がどうとか全く関係ない、福井事件で第一次請求審で捜査報告書を出すべきであった、そのことを認めてもらえますか。
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
お尋ねは、裁判所が個別の事案ごとに具体的な事実関係、証拠関係等を踏まえて判断すべき事柄でありますので、一概にお答えすることは困難でございますが、一般論として申し上げれば、新証拠によって確定判決を支える旧証拠の証明力が減殺されたような場合には、他の旧証拠の証明力に関する証拠も、再審請求理由に関連する証拠として証拠の提出命令の対象となり得ると考えられるところでございます。
したがいまして、例えば、被告人と犯人との結びつきが問題となった殺人事件であって、目撃者の証言の信用性が肯定されて、被告人の犯人性が認められたという確定判決がある場合におきまして、新証拠によって、殺害に用いられた刃物と被害者の遺体の損傷にそごがあったことが判明するなどして、犯人像が被告人と一致することを示す旧証拠の証明力が減殺されたような場合には、被告人が犯人であることを示す旧証拠である目撃者証言の信用性に関する証拠も再審請求理由に関連する証拠として提出命令の対象となり得ると考えられ、例えば目撃者証言の裏づけとなる目撃日時の特定に関する捜査報告書につきましても、こうした理由から提出命令の対象になる、なり得ると考えるところでございます。
○稲田委員 そういうことを言っているんじゃないんですよ。それすら言えないこと自体がおかしいんです。
福井事件の明らかな不正について謝罪もしていない、ここは名古屋高検の検証でしっかりやってほしいと思いますよ、検察組織としての自浄作用があるかどうかが問われているわけでありますから。
多くの論点がある中で、少しでも冤罪被害者の救済につながる法律を作りたいとの思いでここまで来ましたけれども、この法律の成立が日本の刑事司法の信頼の回復のための転換点になり、大きな前進になることを確信して、私の質問を終わります。
ありがとうございました。
○井上委員長 次に、西村智奈美君。
○西村(智)委員 西村智奈美です。
今回の政府提出法案によって、本当に迅速で、そして当事者のための再審法となるのか、私たちは本当に魂込めて質問をさせていただいてまいりました。だけれども、まだやはり疑問の拭えないところが多々あります。
その中でも、私は、今日は証拠の開示について改めて質問したいと思っております。ここがやはり非常に大事な改正案の中での項目だと思うからでございます。もちろん、そのほかにもたくさん課題がありますけれども、これまでやってきた様々な取組で私たちの意向はお分かりいただけているかというふうに思いまして、六月三日に私自身が質問した、そのこともベースにしながら質問していきたい。本当に改正された閣法の下での制度で証拠が出てくるのかといった問題であります。
まず、おさらいといいますか、確認の意味で、一つ、事例に即した答弁をいただきたいと思います。日野町事件について。
日野町事件では、例えば、引き当て捜査の記録をした捜査報告書に写真のネガが貼られていたわけですよね。そういったものが開示をされて、引き当て捜査の順番が、写真の順番が変わっていたと。こういったことが明らかになって、それでその引き当て捜査の結果についての信用が失われたといった証拠が開示をされました。
法改正された新しい制度の下で、この日野町事件における証拠というのは果たして本当に出てくるのか、答弁を明確にお願いします。
○佐藤政府参考人 御指摘の事件は、現在、再審公判係属中の事件でありまして、その証拠関係に関わる事柄につきまして、本法律案が成立したことを前提にしたお尋ねについてお答えすることはなかなか難しゅうございますけれども、その上で、一般論として申し上げますと、再審請求者が自分が犯人でない旨を主張している強盗殺人事件におきまして、捜査段階の自白の信用性に疑念を抱かせる証拠を提出して、その自白の信用性を否定している主張をしているというような状況におきましては、引き当て捜査の際に撮影した写真やそのネガフィルム等の証拠は、これは当然自白の信用性に関わるものでございまして、再審請求理由と関連する証拠として証拠の提出命令の制度の対象となり得ると考えられるところでございます。
○西村(智)委員 前回も事例を幾つか出して質問した際に、再審請求理由との関連性といったことについて答弁が文言としてありました。
おっしゃるとおり、四百四十五条の二第一項では、再審の請求の理由に関連すると認められる証拠について証拠の提出命令というのが規定されているわけなんです。つまり、新証拠との関連性ではなくて再審請求理由との関連性ということになっていますから、提出命令の対象となる証拠というのは、請求人が提出した新証拠との関連性ではなくて、新証拠に基づいて事件全体について請求人が主張している再審請求理由との関連性があるものであるということでよろしいかどうか、お願いします。
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
本法律案における証拠の提出命令制度の対象となるのは、御指摘のとおり、刑事訴訟法四百三十五条六号の事由があることを理由とする再審請求の場合においても、再審請求者が提出した新証拠との関連性が認められる証拠ではなくて、再審の請求の理由との関連性が認められる証拠でございます。
その上で、再審の請求の理由とは、再審請求を根拠づけるものとしてなされる事実関係及び証拠関係に基づく主張を意味するものでございます。
○西村(智)委員 次に行きます。
六月二日に、私の質問に対して刑事局長が答弁をしていただいているんですけれども、答弁をよく整理しまして、旧証拠と新証拠を総合評価して、明白性、これを判断する、そういう答弁でした。
新証拠と旧証拠を全て総合的に評価するということであるから、その意味において、再審請求理由との関連性といったものは非常に広く捉えられるものだということでよろしいかどうか、お願いします。
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
御指摘のとおりであると考えておりまして、再審請求理由に関連するとの文言は、裁判所による再審請求理由についての判断に資するという意味でございますので、それ自体がかなり広いものでございます。
具体的には、例えば、新証拠によって確定判決を支える一部の旧証拠の証明力が減殺されたような場合には、他の旧証拠の証明力に関する証拠も提出命令の対象になり得ると考えておりまして、そのような意味で、御指摘のような意味も含めて、相当の広がりを持つと答弁しているところでございます。
○西村(智)委員 私たちは議員立法案も提出をしております。その議法の四百四十四条の四第一項においても、当該再審の請求の理由に関連すると認められるものについて開示命令を規定しております。
この規定については、従来、再審請求理由と全く関係ないものを除外する趣旨だというふうに説明をしてきているところなんですけれども、閣法において、四百四十五条の二第一項ですね、ここで言う再審の請求の理由に関連すると認められる証拠についても、これは同様の趣旨ということでよろしいかどうか、お願いします。
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
議員立法における文言の意義に関わる事柄については、法務当局としてお答えすることは困難であることを御理解いただきたいと思いますけれども、その上で、この本法律案における証拠の提出命令制度における関連するという文言の意味は、これまで西村委員に答弁してきたとおりでございまして、相当の広がりを持つものでございまして、審理に必要かつ十分な証拠が裁判所に提出されることになるというふうに考えているところでございます。
○西村(智)委員 ちょっと確認的に伺いたいんですけれども、明白性、これを判断するために、その判断に資するために証拠の提出命令義務があるのだ、そういう理解でよろしいでしょうか。
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
審理のために必要なということでございまして、前回答弁しましたときに、新規性がある証拠であることを前提に明白性というのが六号再審の場合には極めて重大な論点になるわけでありますが、その事実の取調べなどを行う中で証拠開示、証拠提出命令などを使っていく場合には、主に明白性の論点が争点になるということが考えられるところでございまして、その趣旨を、審理全体のために証拠提出命令制度は使われるわけでありますけれども、明白性の場合が多いのではないかという趣旨を答弁したということでございます。
○西村(智)委員 その上でなんですけれども、問題は、これまでの数々の冤罪事件、例えば東電のOL事件であったり福井事件であったりといったところでも、請求人側が提出した新証拠によってではなくて、開示された証拠について明白性が認められている、開示された証拠について明白性が認められて、それで再審開始となった、最終的に再審無罪となった、そういうことなんですよね。
請求人が新証拠を提出して、それに基づいて自分は犯人ではないという再審請求理由が主張されている又は第三者の犯行であるという再審請求理由が主張されている、そういった場合に、犯人性に関する証拠、それから第三者の犯行可能性に関する証拠というのは、これは幅広く開示される、そういう理解でよいかどうか、確認をしたいと思います。
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
お尋ねにつきましては、裁判所が個別の事案ごとに具体的な事実関係、証拠関係等を踏まえて判断すべき事柄でございますけれども、例えば、確定判決において犯人性の根拠とされた証拠の証明力に関する新証拠を提出して、再審請求者の犯人性を否定するような主張をしている場合を想定すれば、犯人性に関する他の証拠は、再審請求理由と関連する証拠として証拠の提出命令の対象となり得ると考えられるところでございます。その上で、必要性等の他の要件を満たせば、裁判所において当該証拠の提出を命じることになると考えられるところでございます。
○西村(智)委員 できるだけ狭くならないように、そこはちゃんとやっていくべきだと強く申し上げます。
ですから、そういったことを私としてはきちんと法律の中で明文化して担保してもらいたかった。だけれども、それは今局長がこうやって答弁しておられることにとどまっているということは、やはり私は残念なんですよ。法律というのは、社会、人を動かす、そういった本当に元々の柱になってきますので、今回の法改正でそういったことを私はやはり是非盛り込むべきだったということは改めて申し上げたい。
袴田事件においては、いわゆる五点の衣類に関する写真のネガ、これは開示されなかった、第一次請求審でですね。第一次再審請求審で写真のネガというのは開示されなくて、第二次再審請求で初めて開示をされている、こういった事実があるわけなんです。
これに関して、六月三日の私の質問に対して局長が答弁しておられるんですけれども、このように答弁しています。
確定判決において犯行時の犯人の着衣であると認定された衣類について、当該衣類に付着した血痕の色調が不自然であるなど、犯行時の犯人の着衣であることに疑念を抱かせる証拠を提出し、当該衣類と犯行との結びつきを否定するような主張をしている場合に、当該衣類のカラー写真やそのネガフィルムは、再審請求理由と関連する証拠として証拠の提出命令の対象となり得るというふうに答弁をしているんです。
ここで改めて考えたいのは、今回の改正というのは、本当に数々の冤罪事件、東電OL事件であったり福井事件であったり、袴田事件ももちろんですが、そういった数々の冤罪事件の教訓を踏まえてなされるものだということであるとすれば、やはりここは、その反省をきちんと踏まえた上での条文改正は、私はマストだったと思うんですよ。それが本当に、重ねてになりますけれども、不十分であるということは極めて残念であります。
それで、新証拠が提出されて、調査手続で審判開始決定がなされた場合には、例えば袴田事件でいえば、犯行着衣に疑問があるという再審請求理由があれば、五点の衣類のカラー写真それからネガフィルムについては幅広く開示されるということでなければ、局長の答弁に即していっても意味がないというふうに考えますが、そのとおりでよろしいでしょうか。
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
お尋ねは、裁判所が個別の事案ごとに具体的な事実関係、証拠関係等を踏まえて判断すべき事柄ではございますけれども、今御指摘のように、例えばということで申し上げますと、自分が犯人ではない旨を主張している殺人事件で、確定判決におきまして犯行時の犯人の着衣であると認定された衣類の証明力に関する新証拠を提出して、当該衣類と犯行との結びつきを否定する主張をしているような場合には、当該衣類の押収時の状態を撮影したカラー写真等は、再審請求理由と関連する証拠として証拠の提出命令の対象となり得ると考えられるところでございます。
先ほど、委員の御指摘は、例えば、通常審における証拠開示のルールができる前の運用と、証拠開示のルールができてそれが徐々に実務に定着した後の運用で違うということはこれまで答弁してきたところではありますけれども、その後におきましては、そのような証拠を現に開示しているということでございまして、従来の運用よりも広がる今回の命令制度をつけて、その実効性を担保することもしたわけでございますので、そのような事例におきましては、基本と言ったらあれですけれども、相当に広く開示されることになるのだろうというふうに思っているところでございます。
○西村(智)委員 稲田委員が先ほど、平成十六年の前と後とで区別するのはそれは意味がないと、意味がないとおっしゃったんでしたか、関係ないというふうにおっしゃっていましたよ。私もそう思います。
これまでのことを踏まえてどう考えますかと私は聞いているんです。これは平成十六年以降がどうかということではなくて、これまでの様々な冤罪事件を反省をしたときに、やはりこれからはきちんとそういった証拠が開示をされるんだと。開示されることになり得るみたいな、そういった答弁を聞きたいんじゃないんですよ、私は。もう少し答弁してもらえませんか。
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
先ほどからなり得ると申し上げているのは、あくまで一般論としてこの法改正がなされた後の運用について答弁するものですから、なり得るというふうに申し上げていることであるということは御理解いただきたいのと、それから、先ほどの、反省に立ってというお話がありましたけれども、確かに、過去、司法制度改革審議会が開かれる前までは、裁判というのは本当に、争点も明らかにならないまま、ただただ証拠書類の取調べを進めて、十年、二十年かかるといったことが当たり前にあったということでございます。袴田事件につきましても、通常審だけで十七年、現にかかったということがございました。
そういう中で、我々としては、そういった反省に基づいて、それを何とかしなきゃいけないと思いまして、裁判の迅速化法であるとか、証拠の開示のルールであるとか、国選弁護制度の創設であるとか、取調べの録音、録画であるとか、様々なそういった制度を累次累次積み重ねてきて、現状の刑事司法ができ上がっているわけであります。
そういう意味で、そのような、私どもとしては、これまで、過去にその都度その都度問題点を見つけて、ちゃんと、ちゃんとというか、不十分だという声もありましょうが、改正を進めてきたところでありまして、私が申し上げているのは、平成十六年改正があったから過去のことを反省しなくていいという趣旨ではございませんで、そういうことを随時やってきて、それが徐々に定着して、こういった今回の立法事実となるような再審無罪事件を今の目線で見たときに、やはり再審制度について今回提案しているような法改正の内容が必要だろうというふうに考えて現在に至ったということでございます。
したがいまして、したがいましてといいますか、今御指摘の証拠開示、済みません、いつも間違えるんですけれども、証拠提出命令の範囲でありますが、これは相当に広がりを持つ、委員御指摘のように、相当の広がりを持つものであるというふうに考えているところでございます。
○西村(智)委員 相当な広がりを持つというところまで私は話をしておりませんで。
新しい制度をつくるわけでしょう、新しい制度をつくるわけだから、つくる側の法務省として、やはりその制度の下で幅広く開示されるということでなければそれはやはり意味がないんですと、そのぐらいは言ってもらわないと、なり得ますと言うだけでは本当に心配ですよ。もうちょっと踏み込んで答弁をお願いします。
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
再審理由に関連する証拠というのは相当の広がりを持つものでありまして、必要十分な証拠が幅広く提出されるものであると認識しております。
○西村(智)委員 ここのところが、やはり根本的に私たち立法府と法務省との大きな溝があるところなんです。つまり、これまでの冤罪事件をどう考えているのか。これから本当に迅速で、そして当事者、再審のための、冤罪被害者のための法改正ができるかどうかという、その大きな溝がやはりここにあって、二十時間を超える今日での質疑になりますけれども、やはり溝はとうとう埋まっていないというふうに私は申し上げざるを得ません。
つまり、新しい制度をつくります、新しい制度によって幅広く開示されるということでなければ意味がないですよねと聞いているんです。
○佐藤政府参考人 結論から申し上げまして、御指摘のとおりだと思います。
○西村(智)委員 次に行きます。
政府案では、送致書類等目録は証拠提出命令の対象となっておりません。四百四十五条の二第一項であります。証拠一覧表も、インカメラなので裁判所しか見ることができない、請求人側には開示をされないということにもなっているわけなんです。
私どもが提出している議連の案、そちらには関係ないというふうに言われるかもしれませんけれども、これは対案として並行審議されていますので是非聞いていただきたいんですけれども、議連案では、送致書類等目録を開示命令の対象としております。また、証拠一覧表はインカメラということになっているんですけれども。
つまり、対比をしてみると、政府案では、請求人側が警察や検察の手元にどのような未開示証拠があるのか分からないということになっています。請求人側の証拠提出命令の請求について明確な特定を要求することは、これは不可能を強いることになると私は思うんです。
したがって、証拠提出命令の請求は相当に幅のある請求で許容されるという理解でよろしいかどうか、伺います。
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
これまで答弁してきたとおりでございまして、証拠の提出命令の請求をする際の証拠の特定は、請求に係る証拠を識別できる程度のものであることが必要であるとともに、その程度で足りるということでございます。
その上で、犯人ではない人が有罪判決を受けて再審請求をする場合には、再審請求者側は、確定審の証拠や判決の内容から、その判決のうちどの部分が誤っているかを把握していると考えられるところでございますので、検察官に提出が命ぜられるべき証拠としてどのようなものがあり得るかについても想定することが可能であると考えられることから、再審請求者側において、ただいま申し上げた程度の特定を行うことは容易ではないかと考えているところでございます。
○西村(智)委員 その答弁をいただいた上でなんですけれども、やはり、これまでの事例でいうと、今の答弁でなかなかクリアできないこともあるということなんです。
例えば、捜査の過程で警察がある証拠を発見したんだけれども、全て提出されていなかった、請求人側がその証拠の提出命令を求めた上で、検察官が、その証拠はすぐには見当たりません、不見当という回答をしたといたします。こういった場合は、請求人側は、どういった未開示証拠があるかどうか、これは明確には分かりませんし、特定もできないと思うんです。検察官の回答が本当に正しいのかどうか、不見当という回答が正しいのかどうか、これも確かめようがありません。
ということで、今までの事例も振り返ってみますと、例えば、袴田事件それから湖東事件、日野町事件、こういった事件で、検察官が不存在だというふうに回答した証拠が後に開示をされたということがあったということなんです。
証拠の存否や検察官の回答の真偽を判断、確認するために、捜査過程に関する証拠物、捜査関係書類、写真やネガなどについて、相当に幅のある内容の提出命令を求めることは可能というふうに考えられるかどうか、答弁をお願いします。
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
証拠の提出命令制度は幅に特段の制限があるわけではございませんので、それは裁判所の判断で、相当に幅のある提出命令を請求することも可能でありますし、裁判所の判断で命令を出すことも可能であるというふうに考えられるところでございますけれども、委員御指摘の例えば事案でいきますと、むしろ、その都度、警察にある、検察官も知らなかった証拠も含めて、そのようなものが後に発見されたという事例があったことは事実であります。それはやはり、確かにその当時、警察に保管されている証拠が証拠開示の対象となり得るという発想が捜査機関になかったということもありまして、証拠の保管、管理が不十分であったというのは事実なんであろうと思っています。
したがいまして、まずは、この論点というのは、捜査機関において、法令などの規定や趣旨に従いまして証拠物等を適切に保管、管理を徹底するということが重要でありまして、その上で、今委員の直接の御指摘は、相当に広くなり得るというのも、それも事実でございます。
○西村(智)委員 ちょっと議員立法を引いてはなんですけれども、検察それから警察、やはり意図的に隠していたという証拠がこれまでもあったということで、議員立法の方では、そういった警察や検察における証拠の管理、保管、こういったものについてもきちんと検討せよということは言っておりますし、また、さっき局長が裁判所の命令がなされると考えているというふうにおっしゃいましたけれども、であるとすれば、やはりきちんと、こういったケースであってもなされるんだということを明文化すべきだったと私は思うんですよね、いろいろな事例に即して。それがやはりなされていないというのはちょっと残念であります。ちょっとというか、かなり残念であります。
次に行きますが、これまで局長の答弁で、袴田事件の五点の衣類のカラー写真それからネガフィルムについて、こういうふうに答弁されている。これは私への答弁ではなかったですが、提出命令を請求する際の証拠の特定は請求に係る証拠を識別できる程度のものであれば足りるというふうに言い、また、その五点の衣類のカラー写真、ネガフィルムには、犯行当時の着衣に関する写真、ネガ、その他の記録媒体などと特定してもらえれば足りるというふうに答弁をしておられました。
例えば、犯行着衣に関する捜査は、それに関連するほかの証拠物、捜査報告書や実況見分調書、それから写真撮影等が一体となって行われるはずだというふうに実務家から伺っております。捜査報告書や実況見分調書、それからカラー写真、カラー写真のネガ、そういったところだけを切り取って犯行着衣に関するものと言うことはできないんだということなんです。
そうしますと、犯行当時の着衣に関する写真、ネガ、その他の記録媒体という特定で、そういう特定で、捜査過程に関する証拠物、捜査関係書類、写真やネガなどは幅広く裁判所に提出されるという理解でよろしいかどうか、お願いします。
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
ちょっと一点だけ訂正させてください。
先ほど、袴田事件について、通常審が十七年かかったと申し上げましたけれども、これは十四年三か月の誤りでございました。申し訳ございません。
その上で、今の御質問でありますけれども、私が答弁したのは、あくまで犯行時の犯人の着衣のカラー写真等について提出命令を請求する場合に考えられる特定方法の一例を申し上げたところでございまして、例えば、先ほど、犯行当時の着衣に関する写真、ネガ、その他の記録媒体などと特定してくれればカラー写真やネガフィルムは入るでしょうというお話を申し上げましたが、今お話に出たような捜査関係書類、実況見分調書、写真撮影に関するその他の書類、証拠物などがあると思うんですけれども、こういったものもそこの例示につけ加えていただきさえすれば、そういったものも当然出てくるということになるかと思います。
○西村(智)委員 例示して出てくるということですかね。これはなかなか、出てくるのかどうかは、ちょっとここは、私は実務に関わっていないので分かりませんが、どうなんでしょう。本当にそういった例示は請求人側の方からできるというふうに考えているのかどうか、法務省としては。お願いします。
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
現に、通常審等におきましてもそのような形で運用されておりまして、刑事弁護人であれば、こういった着衣があるときに、押収関係書類であるとか、その写真であるとか、写真があれば当然ネガフィルムであるとか、それに関する捜査書類等が作られているということは想定できるわけでありまして、実況見分調書というのは例えば典型でございますので、そういうようなことは、刑事弁護人をやられる方であれば、一般には容易にできるのではないかというふうに考えているところでございます。
○西村(智)委員 幅広く提出されるということで確認をさせていただきました。
ちょっと今度は検察サイドに関する質問でして、一つずつ行きたいと思います。
まず、局長は、これまで度々ここの委員会で、無罪を示すような証拠があれば提出するのは当然のことだといった旨を何回もここで答弁をしておられます。
まず伺いたいんですけれども、そういった考え方は検察庁において以前から存在をしていたのかどうか、まず一つ伺いたいと思います。
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
私の答弁としては、一般論として、例えば、犯人のDNA型が再審請求者以外の者と一致することを示す鑑定結果のような、被告人や再審請求者が罪を犯していないことを明らかに示す証拠を検察官が収集、把握するに至った場合には、当該証拠を裁判に提出するなどした上で、例えば、起訴後であれば公訴の取消しをしたり、裁判中であれば無罪の論告をしたりするほか、有罪判決が確定した後にそのような証拠を収集、把握した場合には、検察官自ら再審請求をするなどの対応を取るべきとの考えを述べたものでございまして、これについては、検察当局においても適切な対応に努めてきたものと承知しているところでございます。
○西村(智)委員 そうなってこなかったから、こうやって冤罪事件がたくさん発生をしているということなんですよね。
そういった前提でちょっと先に進みますが、検察官には、そうしますと、公判未提出証拠の中に旧証拠を弾劾して請求人の無罪方向を示すそういった証拠があると察知した場合に、覚知した場合に、これを開示すべき義務があるということでよろしいか。もっと具体的に申し上げると、検察官には確定判決の事実認定や検察官の従前の主張や証拠と矛盾する証拠の開示義務があるかどうか、お答えをいただきたいです。
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
個別事件というのは様々な証拠があって、その証拠の意味ということそのものもいろいろな受け止め方があるという中で、御指摘の、無罪方向を示す証拠、あるいは判決の事実認定や検察官の従前の主張や証拠と矛盾する証拠の開示義務については、そもそものその特定の証拠が無罪を推定させるものであるか、その推認力の程度、あるいは確定判決の事実認定や検察官の従前の主張、証拠と矛盾するものであるかやその程度といったものは、実は一義的には定まるものではございませんので、個別事案に応じて判断されるべきものであるということでございます。
その上で、今御指摘のような、検察当局においては、検察官の従前の主張や証拠に誤りがあることが判明した場合には、これは適切に是正措置を取るなど適切な対応に努めなければならないものであると考えているところでございます。
○西村(智)委員 誤りがあるもの、それは提出をしなければいけない、それは当然のことだと思うんですけれども、矛盾する証拠ですよ。矛盾する証拠があるというときに、それについては開示、これは当然されるべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
先ほどの答弁のような形になるわけですけれども、矛盾している証拠というのが何を指すのかというのは証拠を見て一義的に定まるものではないというふうに思っていまして、やはり個別の事案で個別の証拠の内容によるということでありますけれども、そのような中で、それが被告人や再審請求者が犯人でないということを明らかに示すものであれば、これは当然、先ほど申し上げたように、公訴の取消しとか無罪論告をしたり、再審請求を自らしたりという方法を取るべきだというのが一点であります。
その上で、それが公判の途中で、例えば再審請求中でもそうでありますが、検察官の従前の主張や証拠に誤りがあることが判明した場合、主張や証拠と矛盾するというようなことになれば、これは是正措置を取らなければならないと考えているものと承知しております。
○西村(智)委員 つまり、やはり、再審請求人の無罪方向を立証するような証拠というのは、今までの事例でいっても、警察、検察にたくさん眠っている証拠の中で、本当にその一部として眠っているんだといったような参考人からのお話もここでありました。やはり今のような御答弁ですと、何か本当にその証拠がこの先出てくるのかどうか、やはりすごく私は心配です。
それで、ちょっと具体的に、福井事件のことに関連して伺いたいと思うんですけれども、これは当然のこと、裁判所によっても検察官の行動といったものが厳しく批判されてもいるわけなんですけれども、福井事件で無罪方向を示す証拠は何で出されないままだったのか、今の局長の答弁と比較しながら答えていただきたいと思うし、それから、福井事件の再審請求審では、じゃ、検察官が具体的にどういった対応をすべきであったのか、これについてもお答えをください。
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
通常審における証拠開示のルール、それから再審請求審における本法案で用意している証拠の提出命令のルールというのは、検察官が手持ち証拠あるいは警察の保管証拠を裁判所、弁護人に提出、開示するに当たりまして、検察官にとって損か得かということは全く関係ないルールであります。有罪方向を示すのか、無罪方向を示すのか、そういうことによって証拠の内容を決めるものではない。むしろ、関連性があるという主張があって、そういうものの証拠の範囲を定めていただければ、それは関連性がある限り提出し、開示するというものであるということでございます。
そういう意味で、現に通常審におきましても、それから再審請求審におきましては近時のルールになってから、検察官にとって有利か不利かを問わずそういう証拠が開示されて、そういったものが再審開始の理由となって、このような事件が再審無罪に至った。こういうことを重く受け止めて、今回、証拠提出命令制度を設けるほかに、様々な再審制度に関するルールを作ろうとしているわけでございます。
その上で、福井事件で無罪方向を示す証拠が出されないままだったのかということにつきましては、御指摘の事件で、現在検証して関係者のヒアリングなどを行っているわけでありますが、テレビ番組の放送日に関する捜査報告書が開示されなかったことについては、その時点で、検察当局においては、確定審の検察官は従前の主張、立証を維持しようとして当該捜査報告書の開示等の是正措置を行わなかったものと判断せざるを得ないというふうに認識しているものと承知しております。
加えまして、そういうこともありまして、また様々な御指摘もありまして、この事件に関与した検察官のヒアリングなどの調査を進めているところでございまして、再審請求審での対応を含めて、御指摘の点がこの調査の中で可及的に明らかにされるものと承知しているところであります。
具体的に、ではどのような対応をすべきであったかということでございますが、検察当局におきましては、お尋ねの事件の再審無罪判決を受けて、再審請求審も含めた再発防止策として、検察官の従前の主張や証拠に誤りがあることが判明したならば、速やかにそれを撤回し、必要に応じて裁判所や弁護人に関係証拠の開示を行うなど適切な是正措置を行う必要があることなどに関する通知を発出しておりまして、その内容を全国の検察官に向けて周知したところであるというふうに承知しているところでございます。
○西村(智)委員 福井事件の検証結果は、この委員会での質疑の初日に稲田委員が政府に対して提出を求めました。まだ理事会での引き続きの協議事項になっています。これはこの審議中に出してもらいたかった、そうおっしゃっていましたよね。でも出てこなかった。
その上で今の局長の答弁です。私は、検察官にとって損か得かとか有利か不利かとか、あったら駄目でしょう、どうしてそんなことを答弁できるのか。困るという話でしたよね、有利か不利かという話があっては困るというふうに御答弁されたんだけれども、そんなの元からそうじゃないですか。冤罪被害者の、要するに請求人のための再審制度にしようという話をしているときに、何か検察官にとって有利か不利かとか、そんなの私、全然聞いていないですよ。
それで、誤りがあるならばそれは駄目ですよという通知をしていただいたということなんだけれども、これはやはり検証結果をちゃんと十分に見た上で、もう一回、私はこの件をやり直すべきだというふうに思います。今回、再審制度の、再審法の質疑の、今日は、本当に悔しいですけれども、最終日ということなんですが、また引き続き、私どもは委員会として確認をして求めていきたいと思っています。
それで、ちょっと時間がなくなってきましたので、今日、自民党、日本維新の会、それから参政党からの修正案が提出をされました。これについて幾つか聞きたいことがありますので、お願いします。
まず一つ目、私たちは検察官が保管する証拠の一覧表の提出を求めてまいりました。これは國重委員がこの委員会で集中的に質問をしてきたということなんです。それが、私たちの方から提出していた修正項目案には入れていたんですけれども、それを拒否された上で今回三党による提出ということになったんですけれども、これは五年ごとの検討の対象に加えられたということなんですね。
何で、改正による一覧表の提出、これを規定に入れるということに反対をして今回の修正案となったのか、理由を聞かせてください。
○藤原委員 検察官が保管する証拠の一覧表の提出に関する制度を設けるかどうかにつきましては、今委員御指摘のとおり、本委員会における議論がございました。
その中で、網羅的な証拠の一覧表の提出、これが常に必要かどうかということ、あるいは本改正案に盛り込まれている証拠の標目の一覧表の提示命令制度において必要であれば全ての証拠の標目の一覧表を提示させることもできるということ、また、証拠提出命令の特定につきましては識別可能な程度で足りるというようなこと、そのような中であえて一般的な制度として設ける必要があるのかどうかといった点については、いまだ結論が出ていないのではないかと考えております。実際のところは、今後の実務の運用を積み重ねる中でその必要性が判断されるものであると考えています。
そこで、本委員会での議論を踏まえまして、しっかりと実務の運用を確認しつつ、附則第二条の規定による施行後五年ごとの検討対象として特に明記をするということとしたところであります。
○西村(智)委員 次に、目的外使用の禁止についてです。
私どもは、これも修正項目案の中に入れてまいりました。何としてもこの規定は削除をしてもらいたいというふうに考えてきたんですけれども、これも拒否されて、そして今回、検討項目ということに入っているんですけれども、なぜこれは私たちからの修正項目案を拒否をされたんですか。
○藤原委員 再審請求審における証拠の目的外使用の禁止に関する本法律案の規定を見直すことについては、本委員会の議論のとおり、刑事手続の過程で収集される証拠が本来の目的以外に使用される場合、関係者の名誉、プライバシーの侵害などの様々な弊害が生じるおそれがあり、この点、被害者弁護に関わる参考人の方からも目的外使用を認めることについての強い懸念が示されたこと、そして、その対策として個別に条件を付すなどの方策も御提示されたと思いますが、その具体的な制度設計や実効性の担保をどのようにするかといった点について課題があることなどから、慎重な検討が必要であると考えております。
ただ一方で、近時の再審無罪事件などに鑑みれば、目的外使用を認めることについて再審請求者側にとって大きな利点があるとの指摘もなされたと承知をしております。
そこで、本委員会での議論を踏まえ、引き続きの検討課題として、附則第二条の規定による施行後五年ごとの検討の対象として特に明記をすることとしたものであります。
○西村(智)委員 では、ちょっと確認的に聞かせていただきます。
さっきの答弁ともしかして重なるのかもしれないですけれども、じゃ、なぜ、慎重な検討が必要だとか、一般的な制度としてはなじまないんじゃないかとか、いろいろおっしゃいましたけれども、附則第二条に目的外使用と証拠の一覧表が、これが五年ごとの見直しの検討の対象の具体的な例示として含まれる、横並びで書かれたわけなんですけれども、この趣旨は何なんでしょうか。なぜこういうふうに横並びで例示をされたのか。
○藤原委員 ありがとうございます。
おっしゃるとおり、これは修正案で含まれたものであります。今回の六回の委員会質疑の中で、様々な委員の先生方から特に議論があった目的外使用の禁止のこと、それから証拠の開示の件、この件については、やはり委員会としてこれだけ議論があったということはしっかりと踏まえて、附則に明示をして、五年ごとの中で明示をするべきであろうということで明示をさせていただきました。
○西村(智)委員 そこは意があったということを取って、それでこの二つを例示したということなんだろうと思うんですけれども、そういうふうに問題意識を提出者としても持っていただいているということであれば、少なくともこの二つに関しては、必要があると認めるときと、これは条文に入っているわけなんですよ。これはもう必要だということを前提としてここに例示として入れている、問題意識がある、やはりこれは必要だ、必要ではないか、議論が必要だというふうに思われているということであるとすれば、例えばこの必要であると認めるときはという条件をこの二つに関しては外すとか、もう少し別の書き方があってしかるべきだったのではないかと思うんですけれども、いかがですか。
○藤原委員 先ほども申し上げましたとおり、この目的外使用の禁止、それから証拠の一覧表、これにつきましては、参考人の方の意見も割れている部分もございます。そして、政府の答弁と委員の先生方の問題意識でも割れているところもございます。
そういう意味で申し上げますと、直ちに必要ですぐに変えるというよりは、実務の運用を見て、そこについてしっかり問題意識を特にこの二点は持っていく。そして、もちろん必要があると衆目一致すれば、それは当然そういう検討にのってまいりますし、実は今のままで十分だというふうに衆目一致して見解がまとまれば、その中で運用していくということになると思います。その意味で、この必要があると認めるときはというのは五年ごとの検討の際に入れさせていただいております。
○西村(智)委員 問題意識が割れているということであれば、それは五年たって検討したって、十年たったって、二十年たったって同じことなんじゃないですか。これはやらないということを宣言しているに等しい、そういう条文だと思いますよ、私は。逆に、抜き出したことによって、やらない感がすごく強くなってしまった、私はそういうふうに思います。
次に、証拠の一覧表についてなんですけれども、これまで委員会の中で、参考人質疑も行われたり、委員からの質問もありまして、やはり再審請求人や弁護人が証拠の提出命令の請求をするために証拠の一覧表が有用であるということ、これは間違いないというふうに私は思いました。ほかの委員からもそういった質問はありました。
これは、証拠一覧表が、例えば、その事務手続がどうということであれば、送致書類等目録で代えることができるのではないか。私たちは議員立法でそういうふうに提案しております。この点についてはいかがでしょうか。
○藤原委員 この点については、証拠一覧表の議論とかぶるところもございますけれども、検察官の保管する証拠には、様々な証拠が当然警察から送致をされてまいります。特に、事件の初期の頃は、非常に雑多な証拠についても送致をされることが一般的でございます。
そういうような中で、網羅的な証拠の一覧表の提出、これが常に必要かどうかという点、それから、証拠の標目の一覧表の提示命令制度では全ての証拠の標目の一覧を提示させることもできるということ、それから、提出命令の際には特定ができる程度でいいということ、そのような状況の中で一般的な制度として設ける必要があるかどうかということについては、今後の実務の運用を積み重ねる中で見ていくべきだというふうに思っています。
そこで、附則二条の規定による五年ごとの対象の中で証拠一覧表というのを入れたというところでございます。基本的にはそれとパラレルな議論になるのかなと思っています。
○西村(智)委員 これは、こういう書き方、それから先ほどの答弁、やはり政府の答弁と同じですね、申し訳ないけれども。修正の意図、修正して何を新たに担保しようとしているのか、その意図が全く私は分かりません、申し訳ないけれども。
次に、附則の第四条二に移ります。
こちらの方では、今度は証拠開示の方なんですけれども、このように書いてあるんですね。裁判所による検察官に対する勧告であって任意での証拠の提出又は開示に係るもの及び検察官による任意での証拠の提出又は開示というのが入ってきた、これは事案に応じて適切に行うものとするという条文が入ってきました。
これを読みましたときに、これも従来の、申し訳ない、答弁のラインから全く出ていないんですよ。何にも上乗せの部分がないんですよ。それでよく附則に入れてきたなと思ったのと同時に、済みません、ちょっと言葉、語気が強くなって申し訳ないんだけれども、これを入れるということは、職権による証拠開示は今後も絶対に認めないというふうに、そういう趣旨なんじゃないかというふうに思わざるを得ないんです。はっきり言えば、私たちがずっと求めてきたこの職権による証拠開示に対するゼロ回答どころかマイナス回答ですよ、これは。
どういう趣旨でこれが入ったのか、答弁ください。
○藤原委員 附則第四条の第二項ということでございますけれども、従来行われてきた裁判所による証拠の提出、開示の勧告及び検察官による任意での証拠の提出、開示について、これまでの本委員会の審議において重要性が繰り返し指摘されてきたことから、本法律案が改正法として成立後も適切に行われていくということを法文上担保するためにこれは規定をしたものであります。
したがって、それ以外の制度に言及をしているものではございません。御指摘のような、職権による証拠開示は今後も絶対に認めないという趣旨を含むものではなく、裁判所による検察官に対する勧告に基づく任意の証拠の提出又は開示、検察官による任意での証拠の提出又は開示、これについて法文上担保をする、その法文上の意味、ここに限られているということであります。
○西村(智)委員 それ以外の制度に影響を与えないという答弁でしたけれども、書いてある条文をそのまま読めば、やはりそういうふうに見えませんか、藤原さんも。入念として規定したということなのかもしれないですけれども、法務省の方は、これで職権による証拠開示はしばらくお預けでいいねとほっとしているんじゃないかと思いますよ、私は。だから、これは入れるべきじゃないと思う。
事案に応じて適切に行うものとするということなんですけれども、これも基準が何なのか、事案に応じてというのは。これは本当に、じゃ、どういう事案だったら適切に行うのか、あるいは、どういう事案だったら適切に行わなくていいのか、これも明確になっていないということだと私は受け止めます。そうすると、検察がやはり従来の実務運用に応じなくなるおそれが私は結構あるんじゃないかなということも懸念をいたしております。
であれば、こういった附則に入れるという書き方ではなくて、もうちょっと別の書き方、例えば本則の中にもう少し別の書き方をするですとか、そういったふうにしてもらいたい。
あわせて、それ以外の制度に影響を与えないとさっき藤原さんはおっしゃったけれども、では、藤原さん自身は、職権による証拠開示については、これは今後制度設計をしていくということに前向きだということの御理解でいいんでしょうか。
○藤原委員 先ほども言いましたとおり、まず、附則では、職権証拠開示命令制度について、いいとも悪いともコメントをしていないということが大前提であります。
その上で、公判廷、一審、二審、三審については、職権の証拠開示、職権で行われるということがございますけれども、再審請求審でもそういうことが認められるのではないかというのは、現行の解釈上でも行われております。
もとより、再審請求審において裁判官が真実発見をしっかりとやっていくこと、そして検察官が真摯にそれに対応するということ、これは当然の前提であります。しっかりそれを担保する仕組みをつくっていくというのは、立法府の人間として当然だと思っています。
○西村(智)委員 とはいえ、さっきの私の質問には直接はお答えになってくださいませんでした。大変残念です。
ちょっと、もう時間がなくなってきましたので、最後に大臣。
この間いろいろ議論してまいりまして、今日、職権立てだということで、採決がこの後行われます。この後、審議は参議院の方に参ります。ですから、この先、いろいろな問題点、衆議院でまだまだ詰め切れなかったことがたくさんあると思うんですけれども、参議院に論戦の場が移っていくということになります。
やはり大臣は、国会議員の中から選ばれている大臣ですから、法務・検察の立場ではなくて、まさに袴田ひで子さんが、もう国会議員の皆さんに助けていただくしかないんですというふうにおっしゃっていました。やはり私たち国会議員がちゃんと自覚を持ってこの法改正を、そういった声に応えるために改正をしていく、国会議員から選ばれている大臣ですから、本当にそういったことを私は求められているというふうに思います。
是非、この先、参議院に行かれたときに、もっと、答弁書を読むんじゃなくて、血の通った答弁をしていただきたい、その決意を述べていただきたいと思います。
○平口国務大臣 法案についていろいろ御指摘があったことは重たく受け止めているところでございます。少しでもいい法案になるように今後とも努力していきたいし、そしてまた運用上もそのような趣旨のことを徹底していきたい、このように思っております。
○西村(智)委員 今の御答弁を聞いていますと、やはりちょっと、本当に、法務省の中で、副大臣も政務官もいらっしゃるけれども、大臣は唯一の国会議員なんですよ。だから、その自覚を、ごめんなさい、自覚なんという言い方をして本当に申し訳ないですけれども、しっかり持っていただいて、この先の審議には臨んでいただきたい。
私は、私たちは、やはり、再審請求審をこれ以上国民の目から隠すような、ブラックボックス化するような今回の法案には賛成できません。私は、理不尽を許しません。そのことを申し上げて、質問を終わります。
○井上委員長 次に、池畑浩太朗君。
○池畑委員 日本維新の会、池畑浩太朗でございます。
本日、三党による修正案が出されました。
まず、今、いわゆる再審法改正案について質疑をさせていただくんですが、本委員会で質疑もさせていただきました。再審開始の決定に対する検察官の不服申立てや、再審請求審におけるいわゆる証拠開示、証拠の目的外使用の禁止といった特定の事項に議論が集中をしております。当然だというふうに思います。大切な事項であります。
私としては、本法案の趣旨の一つであります再審請求者の手続保障の充実という観点から、本法律案が重要な意義を有することを本委員会で明確にしていきたいというふうに思っております。前回は現場での実務の在り方を質問をさせていただきましたが、本日は再審請求者等の手続保障の充実という観点から質疑をさせていただきたいというふうに思っております。
よく和田委員が局長のお人柄を説明をされます、この委員会で。私も、先週の夜でしたか、エントランスで局長が真っすぐ脇目も振らず歩いていらっしゃいまして、その中で、気づかれた法務省の職員の方が声をかけますと、本当に満面の笑みで私に御挨拶をしていただきました。これからいろいろな質疑をされる中、厳しい質疑、そして質問が続きます。その中で、やはり参考人の方が言われていました、人が変えられるものがあるんだ、そして、いいものに変えていこうという話というのは、党を超えて皆さんが考えておられることですので、激論になるというふうに思いますが、局長の心通わせた答弁をいただきたいというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
まずは、法律案において、再審請求者等の手続保障を充実化させるために、いわゆるスクリーニング規定を設けることとしていることは承知をしておりますが、改めて趣旨及び概要についてお伺いをしたいというふうに思います。
〔委員長退席、三木委員長代理着席〕
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
実際の再審請求には様々なものがございまして、実情としては、法令上の方式に違反するものなど入れられないことが一見明白な請求が相当数ある一方で、理由があることが明らかな請求も存在するということでございます。
そういう実情を踏まえますと、いわゆるスクリーニングとして、再審請求理由についての審理を経た上で終局決定をすべき事件と、それ以外の事件を選別することとした上で、前者につきまして、再審請求者側の手続保障をより充実させることが必要かつ合理的であると考えております。
そこで、本法律案では、裁判所は遅滞なく再審請求について調査をしなければならず、その調査結果に基づきまして、請求が法令上の方式に違反したものであるときなどは請求棄却決定を、請求に理由があることが明らかなときは再審開始決定を、それら以外の場合には審判開始決定をしなければならないこととしております。
その上で、審判開始決定がされた事件につきましては、再審請求者等の手続保障をより充実させるための規定を整備することとしております。
○池畑委員 司法の資源は限られております。今答弁をいただきましたとおり、事件を一定程度選別をした上で手続保障を充実化させるスクリーニング規定については必要性と合理性があるというふうに私も考えております。
スクリーニングによって拙速に再審請求が棄却されてしまいますと、本来救済されるべき事案が救済されず、再審請求者等の権利や利益をかえって損なう事態も生じかねないというふうに思っております。この点を、与党の審査を経て、理由がないことが明らかな再審請求については調査手続段階では棄却されることがないように改められていると思っております。このことから、私も、疑念は解消されて、よりよい制度に改められているものと思っております。
次に、本法律案において、再審開始決定があった場合、再審請求者等は裁判所に対して証人尋問等の事実の取調べを請求する権利を付与されているものと承知をしておりますけれども、その趣旨について改めてお伺いをさせていただきます。
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
現行法の下では、再審請求者等に証人尋問等の事実の取調べの請求権はございません。そのため、裁判所は、再審請求者等から事実の取調べを求められる申立てがなされた場合であっても、これに応答する義務はないとされているところでございます。
もっとも、近時、事実の取調べをするか否かは再審請求の当否の判断を左右し得る重大な事項でありまして、これについて迅速かつ明確に判断が示されることは再審請求者等がその後の対応を適時適切に行うために重要であるとの指摘が出されているところでございます。
そこで、本法律案におきましては、再審請求者に対して事実の取調べの請求権を付与することとしているところでございます。
○池畑委員 質疑時間が十分しかありませんので、ちょっと駆け足になっておりますけれども、次に、本法律案においては、再審開始決定があった場合、再審請求者等から再審請求について意見聴取や、審理の終結日、決定日の指定、そして通知を裁判所に義務づけているものと承知をしておりますけれども、その趣旨についてお答えいただきたいと思います。
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
再審請求に係る意見聴取につきましては、一般に、裁判所の慎重な判断を担保する上で重要な意義を有する、一方で、再審請求の実情を踏まえると、全ての事件で一律に意見聴取を必要的なものとすることは硬直であるというふうに考えられるところでございます。
そこで、本法律案では、再審請求に係る意見聴取について刑事訴訟法に規定を設けることとした上で、審判開始決定があった事件について、その意見聴取を必要的なものとしております。
また、審判開始決定があった事件について、裁判所が審理終結日を指定し、再審請求者等に通知することは、事実の取調べの請求等の期限を明らかにして、手続進行についての再審請求者等の予測可能性を与えることとなります。また、裁判所が決定日を指定して、その通知をすることは、決定が適時になされることの担保となると考えられるところでございます。
こうしたことから、再審請求者等の手続保障の充実や手続の円滑な進行に資するため、こうした規定を整備することとしているところでございます。
○池畑委員 予測可能という話もありました。
ここで、大臣、最後にお伺いをさせていただきたいと思います。
今、刑事局長からるる御説明をいただきました。あえて分けて質問もさせていただきました。この中で、再審請求審については、審理に関する規定が乏しく、再審請求等の手続保障が必ずしも十分でないといった指摘や、そういった実務上の運営が困難を生じているということが指摘をされております。
その中で、答申をベースとしつつ、我が党も含む与党の審査における様々な議論を踏まえて修正を施したものであります。その中で、指摘や議論がありました。冒頭も申し上げましたけれども、厳しい議論と指摘もありました。その中、高市総理が一昨日の本委員会においておっしゃったとおり、本法律案は再審制度を大きく前進させることは間違いないということでありましたが、そこで最後に大臣にお伺いをしたいというふうに思います。
本委員会で本法律案に対して示された様々な指摘や意見に対する受け止めと、今後、再審制度の問題についてどのように取り組んでいかれるか、大臣自身のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○平口国務大臣 お答えいたします。
再審制度について、いろいろな角度からいろいろな御指摘をいただきました。全て謙虚に重たく受け止めているところでございます。
そういう議論を経て、やはり、大変いい制度になったんじゃないかというふうに思っております。この制度を一歩でも前進させるように、この再審制度を一歩でも前進させるように努力していきたいし、この橋頭堡になると思っております。
速やかに成立させていただきたい、このように思う次第でございます。
○池畑委員 冒頭申し上げましたとおり、よりよいものにしていきたい、使いやすいものにしていきたい、現場でも声を聞いてきたとおりに、しっかり頑張っていきたいという声が、各党、いろいろな思いがあります。是非、大臣が今お話しをいただきましたように、きっちりと、出た声は形にしていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、時間が参りましたので、私の質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
〔三木委員長代理退席、委員長着席〕
○井上委員長 次に、井戸まさえ君。
○井戸委員 国民民主党の井戸まさえです。
まず、一昨日、六月十日、私が質疑の際に、私の質問への答弁として佐藤刑事局長がお答えになりました。冤罪ということについて言葉を使って質問したんですけれども、その際に、冤罪という言葉は法務省では使わない言葉とおっしゃっておりました。
法務省で冤罪という言葉を使わないのはなぜでしょうか。冤罪はない、そもそも存在しないという御認識なんでしょうか。
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
社会一般におきまして冤罪という言葉が使われること自体は認識しております。
ただ、お尋ねの冤罪につきましては、法令上の用語ではなく、また、その意味内容が必ずしも一義的に明らかでないことから、法務当局として、冤罪の定義について特定の見解を有しているものではないということでございます。
この用語の社会一般の用法としては、例えば、確定した有罪判決について再審開始決定がなされて、再審公判について無罪判決が言い渡されたことをもって冤罪と表現するものもあるでしょうし、無罪判決が言い渡される理由は様々あり得るところではありますけれども、無罪判決が下されたことをもって、その理由いかんにかかわらず冤罪と表現するものもございます。それから、有罪判決が確定して再審請求などもされていない状況におきまして、この事件は冤罪であるなどと指摘されるものなどもございます。そのような意味で、様々な意味内容で使われているものと承知しているところでございます。
もっとも、これまで繰り返し申し上げてきたとおり、当然のことながら、罪を犯していない人が処罰されることはあってはならないというふうに認識しているところでございまして、近時、再審無罪判決の確定までに長期間を要して、再審請求者等に大きな負担を生じさせる事態となった事件があったことなど、真摯に受け止めているところでございます。
○井戸委員 これは法務大臣も同じ認識でしょうか。
先ほど、今日のトップバッターの稲田委員が最初に冤罪ということをおっしゃって、それは司法の正義に反する、刑事司法に対する信頼を失う、国家の犯罪である、冤罪の救済は絶対的な正義である、こうおっしゃいました。
このことを聞いて、大臣も、ペーパーを読まずに、冤罪とは何か、これをお答えをいただきたいと思います。
○平口国務大臣 先ほど刑事局長がお答えしたとおりでございます。
○井戸委員 いやいや、大臣、今日、最終日ですよ。
もう一度聞きます。ペーパーを読まずに。大臣にとって冤罪とは何でしょうか。そして、この法律案を、改正案というものを作るわけじゃないですか。七十七年ぶりです。そこのまさにトップとして、冤罪、これをなくしていく、そうした人権侵害なんだと、何らか、大臣の心の中から出てきた言葉というものを国民は待っています。
もう一度、お答えをいただきたいと思います。
○平口国務大臣 冤罪という言葉が使われているのは承知しておりますけれども、我々法務省としては、似たような言葉でございますが、誤判というふうに考えております。
○井戸委員 私は、大臣、本当に残念ですね。ここでしっかり、誤判でも、冤罪、国民の中では一般的にやはり冤罪という言葉が広く、それで様々な冤罪事件として袴田事件もそして福井事件も理解されているわけですから、そうした意味では、こういう人権侵害、これをしっかり国家としてのそれこそ犯罪でないようにするために今回この再審法を議論しているわけですから、是非その辺の認識を持っていただきたいなと思います。
そして、今日、最終日ですので、なぜこの再審法を改正をするのかというところの、根本のところを聞きたいと思います。
確認させてください。
冤罪によって失われるものは余りにも大きいです。自由を失う、家族を失う、仕事も失う、社会的信用を失う、場合によっては人生そのものも失います。しかも、その原因は本人ではなく国家にあるわけです。
私は、今回の再審法改正に求められる最大の価値は、ともかく、審理の時間を減らして、生きているうちの救済、これだと思っています。どんな立派な制度であっても、無罪が認められる前に請求人が亡くなってしまえば、その制度は十分に機能したとは言えません。今回の再審法改正に求められる最大の価値というものは、生きているうちの救済だと私は思っています。
徳島のラジオ商殺しの請求人であった富士茂子さんは、有罪判決を受けた後に、裁判所にも裁判官にも絶望して、家族への負担を考えて、弁護人にも相談しないまま上告を取り下げました。そして、こんな裁判しか受けられないなら、一日も早く出所して、自分の手で真犯人を見つけるとの思いで服役する道を選ばれました。ところが、その後間もなく、茂子さんを犯人だとした主要な証人らから、自らの証言が偽証であったことを認め、この事件は大きく展開をしてまいります。しかし、それでも救済には長い年月が必要でした。富士茂子さんは一九七九年に再審無罪を見ることなく亡くなって、遺族が請求を引き継いだ結果、一九八五年に無罪判決が言い渡されました。これは、日本で初めて請求人の死亡後に再審無罪決定が確定をした、そうした事件となりました。
今日は狭山事件の石川さんもおいでですけれども、本当に、こうやって命を落としてしまう、決定されるまで。無罪判決は、例えば茂子さん、ラジオ商殺しのところも出ましたけれども、もうそのときには茂子さんはこの世におられないんです。私は、この事実こそが再審制度の課題を象徴していると思います。だからこそ、必要なのは、死後の名誉回復だけではありません、生きているうちの救済なんです。
今回の法改正に当たり、大臣は生きているうちの救済という観点をどの程度重視なさったんでしょうか。お答えください。
○平口国務大臣 罪を犯していない人が処罰されることはあってはならないですし、そういう判決が下された場合は一日も早く回復しなきゃいけないというふうに思っております。
そういう意味で、この法案は非常救済手続を決めているものでございまして、先ほど申し上げましたように、二つ大きな理由がありまして、一つは、罪を犯していない人に対して速やかに救済手続を講ずるということ、それと、手続が非常に時間がかかったということで、もっと早くやらなくちゃいけないという観点からやっておりまして、非常救済手続としてはよくできている方じゃないかというふうに思っております。
一日も早く成立することをお願いをしたい、このように思っております。
○井戸委員 今お答えもあったんですけれども、本法案の最大の論点、まさに今大臣がおっしゃったように、速やかに救済をしていくためには、証拠開示が必ず必要なわけです。
多くの再審事件に共通しているのは、新しい証拠が見つかったのではなくて、国家が持っていた証拠がようやく出てきたということだと思っています。袴田事件もそうです。日野町事件もそうでした。大崎事件もそうです。多くの再審事件で決定的な役割を果たしたのは、捜査機関が保有していた証拠なんです。
鴨志田参考人の論文によれば、袴田事件では、死刑確定から三十年以上経過した後になって、五点の衣類のカラー写真が開示をされました。さらに、検察は長年、ネガフィルムは存在しない、取調べ録音テープも存在しないと説明してきました。ところが、その後、ネガフィルムが警察から発見され、検察官は事実に反する回答をしたことを謝罪しました。録音テープも、当初開示されたものは一巻だけでしたけれども、その後の再調査によって、警察署から二十四巻ものテープが発見されました。
大崎事件では、検察官が不存在と断言した後に、警察署の写真室のつり棚から十八本ものネガフィルムが発見されました。事件発生から三十七年たってからです。その中には、確定判決の事実認定と矛盾する再現写真も含まれています。
湖東記念病院事件では、再審無罪判決の言渡しに当たり、裁判長が、十五年の歳月を経て初めて開示された証拠が一つでも適切に開示されていれば本件は起訴されなかったかもしれないとまで述べています。
私は、再審制度における証拠開示とは、国家が保有している証拠を適正に司法の場に出すための制度であり、制度の中核そのものだと思っています。冤罪を晴らしたのは、いずれも捜査機関が最初から持っていた証拠です。
大崎事件では、裁判所の開示勧告を受けた後も、検察官は合計二百十二点もの証拠を段階的に、まさに五月雨式に開示をしていく。それによって、どんどんと再審が遅れていくわけですね。
福井女子中学生事件では、第一次再審請求までは開示されなかった証拠が、第二次再審請求になって初めて開示されました。その中には、有罪認定の根幹を揺るがす捜査報告書も入っていました。もし最初から開示されていれば、請求人はもっと早くに救済されていたのかもしれません。
再審請求人の多くは高齢です。しかし、それは最初から高齢だったわけじゃないんですよ。単に年を重ねたというわけではありません。本来であれば必要がなかった獄中生活や長年にわたる再審請求の過程の中で高齢になっていくのです。失われた時間は取り戻せません。一つ一つの証拠が一年遅れで開示されることは、一年救済が遅れることを意味します。生きているうちの救済を掲げる大きな要因の一つなんです。
今回の、再審は、審理の長期化を招いてきた、結果として救済を遅らせてきたという指摘があります。この事実認識を、大臣、共有なさいますでしょうか。そして、この証拠開示こそが再審制度の中核である、このことも共有していただけるでしょうか。お答えください。
○平口国務大臣 お答えいたします。
再審請求事件の中には、検察官が提出又は開示した証拠を新証拠として再審開始決定がなされる事件もあるというふうに認識しております。
再審請求手続において再審請求理由の審理、判断に必要かつ十分な証拠が裁判所に提出されることは適正な裁判の実現のために極めて重要でありまして、そのことは私も十分に認識しているところでございます。
○井戸委員 一昨日の参考人質疑において、元裁判官であり、袴田事件の再審、この裁判をやられた村山元裁判官は、証拠提出命令と証拠開示は全く異なる制度であると明確に述べられました。証拠開示とは、請求人が証拠を確認し、自らの主張、立証のために利用する制度です。一方で、政府の証拠提出命令は、裁判所が判断するために検察官からの証拠を提出させる、そうした制度です。私は、この指摘は全く、極めて重要だと思っています。
必要なのは、出してもらう制度ではありません、出させる制度です。裁判所が命令できて、そして検察官が義務を負う制度でなければ、本当に重要な証拠は出てこないのではないでしょうか。
村山参考人は、さらに、勧告と命令は全く違うというふうに述べられています。検察官にとって、任意の勧告と強制力を伴う命令では大きな違いがあります。
なぜ政府は命令制度ではなくて任意開示を維持する方向を選んだのでしょうか。お答えをお願いいたします。
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
御質問の趣旨が十分でないかもしれませんが、関連性を問わない、裁量による証拠開示命令制度を設けるべきではないかという質問だと理解してよろしいでしょうか。(井戸委員「はい」と呼ぶ)
御提案のような、再審請求理由との関連性を問わない証拠の開示命令制度につきましては、再審請求審の審理の在り方や職権主義の手続構造と整合しないのではないか、再審請求理由との関連性を問わずに命令の要否を判断することは実務上困難ではないかといった問題点があると考えているところでございます。
他方で、本法律案における証拠の提出命令制度におきましては、再審請求理由に関連する証拠を提出命令の対象としているところでございまして、関連するというのは、先ほど来質疑がありますように、裁判所による再審請求の理由についての判断に資するという意味でございまして、相当の広がりを持つことなどから、この制度によりまして、審理に必要かつ十分な証拠が裁判所に提出されることになると考えております。
もっとも、この制度の運用につきましては懸念が示されていることは承知しているところでございまして、制度の趣旨や内容につきましては十分に周知して、適正な運用の確保に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○井戸委員 政府案では、おっしゃったとおり、再審請求の理由に関連する証拠が開示対象とされていて、その関連性を誰が判断をしていくのでしょうか。
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
裁判所でございます。
○井戸委員 証拠や関連性の解釈が、裁判所が判断をしていくということでありますけれども、これまでも、例えば大崎事件であったり、検察官が、証拠に関連するものは全て個別に開示をした、残りは証拠に当たらない書類だと主張してしまうと、そこから開示されるべき証拠が開示をされていかないということにもなると思うので、この辺、気をつけていかなければいけないというふうに思っています。
また、次は、証拠の一覧表の開示についてのことをお伺いをいたします。
今回の審議で、國重委員から、標目の一覧表と証拠の一覧表、これが混同されているのではないかという指摘もありました。
政府案で導入されている標目一覧表は、裁判所が見るためのものです。証拠の表題、作成日、供述者の氏名、さらには供述の内容の要点まで記載され得る、情報量の多い資料です。しかし、弁護人は閲覧も謄写もできません。裁判所止まりです。
一方で、私たちが求めている証拠の一覧表は違います。詳細な内容は不要です。どのような証拠が存在するのか、その輪郭、これが必要なわけです。
こうしたことというのは、平成二十八年の刑事訴訟法改正以降、通常審では、刑訴法三百十六条の十四の二項に基づいて、証拠一覧表というのが弁護人に交付される運用が定着をしています。つまり、新しい制度をつくれと言っているのではない、通常審では既に認められている仕組みを再審でも使えるようにしていると言っているだけです。
これによって、今までこういったことで何か弊害が通常審であるかといったらば、そうではない、むしろ審理の充実に資したはずです。まして、今回の審議では、与党議員からも、証拠の一覧表、これを弁護人が確認できるようにすべきだという意見も出されています。
こうした中で、なぜ政府案自体には証拠の一覧表制度というものを盛り込まなかったのでしょうか。
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
二つございまして、まずは、何度か答弁していますけれども、通常審と再審請求審の手続構造の違いということがまず大きくございます。
通常審におきましては、検察官が公訴事実を立証して、被告人、弁護人がそれに対する反証を行いまして、最終的に裁判所が検察官による立証の成否を判断するという当事者主義的構造が取られておりまして、被告人側も、その手持ち証拠のうち必要と考える証拠の取調べを裁判所に請求する立場にございます。したがいまして、被告人側の証拠開示請求をするための手がかりとして、検察官が被告人側に、直接、証拠の一覧表を交付する制度となっております。
これに対しまして、再審請求審は、職権主義の下、再審請求者が再審開始事由の存在を主張して、これに対して裁判所が自ら主体的に再審請求理由について審理、判断する手続でございまして、検察官保管証拠を吟味する立場にあるのは裁判所でございます。したがいまして、本法律案におきましては、裁判所の命令により、検察官が裁判所に標目の一覧表を提出するということにしているところでございます。
また、必要性という話でありますけれども、通常審と再審請求審では、再審請求者側による証拠の把握という観点から申し上げますと、通常審においては、検察官の起訴後、被告人は、自分の供述を除いて、基本的には手元に証拠がない立場で自己を防御すべき立場に置かれるということでございますので、公判前整理手続におきまして、一般に、検察官が有罪を立証するためにする提出証拠のほかにも、いわゆる類型証拠、いわゆる主張関連証拠といった形で証拠開示を受けられる制度をつくったわけであります。その開示請求をするに当たっての手がかりとして、証拠の一覧表の交付制度ができているということでございます。
これに対して、再審請求審におきましては、通常審における三審制の下で既に審理が行われているわけでございまして、検察官の手持ち証拠についても刑訴法の規定に従って既に開示を受けている、それから、確定判決において有罪認定の根拠となった証拠についても明らかにされているという状態から始まるものでございます。
そのような意味で、犯人でないのに有罪判決を受けた者からしますと、確定判決のどこに問題があるかは十分把握しているのが通常であると考えられるところでございまして、証拠の特定の程度も従来から答弁しているとおりでございますし、どのような証拠が収集されているのかについても想定することが可能であると考えておりまして、通常審の始まりと同様の制度にはしていないということでございます。
○井戸委員 次に、私は、今回の法案を審議していて、どうしても腑に落ちない点があります。それは、この法案の制度設計そのものが弁護人の存在を前提にしているにもかかわらず、前回もお尋ねをしましたけれども、その弁護人を確保する仕組みがないということなんです、請求人に対しては。
まず、確認します。
法務省は、昨年、法制審議会に対して諮問第百二十九号を行い、再審制度の見直しについて検討を求めました。その際の法制審議会刑事法(再審関係)部会では、証拠開示や閲覧、謄写について繰り返し議論が行われています。私も議事録を拝見いたしました。そこでは、論点の名称そのものが弁護人による閲覧、謄写となっています。請求人本人による閲覧、謄写ではありません。弁護人による閲覧、謄写です。つまり、法制審議会における制度設計は、現実的に、実質的に弁護人が活動することを前提として議論されていたのではありませんか。
本人に開示されないのはどういうわけなんでしょうか。私は、今回の法案に大きな矛盾があると思いますけれども、いかがでしょうか。
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
裁判所に提出された証拠につきまして、弁護人は刑訴法第四十条第一項により閲覧、謄写することが可能でございます。その一方、再審請求者については閲覧の権利はないというのは御指摘のとおりでございまして、裁判所の判断により閲覧をすることが可能ということになっております。
その上で、裁判所において個別の事案に応じて適切に判断されるものと考えておりまして、本法案が改正法として成立した場合には、適正な運用がなされるように、ただいま申し上げた点も含めまして、関係機関に十分に周知してまいりたいと考えているところでございます。
○井戸委員 しかしながら、やはり本当に、前回も言いましたけれども、個人が弁護人なくこうやって再審を闘っていくなんというのはほとんど不可能な状況だと思うんですね。なので、やはり私は、この政府案は、こういったことも含めて、対応をもっとしなければいけなかったのではないかと思っています。
つまり、制度を利用するためには、弁護人が、ある意味、外形的にも絶対必要なわけです。必要なことを前提にしながら、その弁護人を確保する制度は設けていない。実際に、開示証拠の閲覧や謄写、これは弁護士を前提としていることになっているわけですから、だからこそ、ここのところもしっかり対応しなければいけないと思っています。
先ほども言いました徳島のラジオ商殺しの場合は、上告している間、誰にも相談しないで、茂子さんは、弁護人をつけるとお金がかかる、なので、上告を取り下げて服役をする。これは反省なき服役と言われたんですよ。だって、自分は否定をしているわけですよね。否定をしているんだけれども、早く、服役をして、納得いっていないけれども、とにかく出ないと犯人は捕まえられないというような形で、上告をずっと続けていくことができない、そうした事例というのが実際にあるわけです。
だからこそ、私は、こういったところもしっかり支えていく、結果的にこれは冤罪だったわけですから、それを支えていくというのをやっていかなければいけない、そういうように思っています。
もう一つ、私がちょっと納得いかないなと思っているのが、五年ごとの見直しの、この五年なんです。なぜ五年なんでしょうか。お答えをいただきたいと思います。十四番ですね。
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
本法律案は、再審制度の在り方について非常に重要な変更を加えるものでございまして、様々な御意見がある中で、一定の内容で制度を導入するということでございまして、改正後の再審制度につきましてはあらかじめ検討の機会を設けておくことが適当であると考えられたところでございます。
その上で、再審請求事件の実情としては、本格的な審理がなされるものであるとか再審開始決定がなされるものは少ないというのも実情でございまして、単に施行後一定の期間が経過した段階で一度の機会を設けるだけだと、その時点で十分な事例の蓄積がなくて、充実した検討を行うことができないとなる可能性がありまして、五年ごとというふうにしたわけですけれども、このような再審制度の実情を見ますと、やはり五年ごとに永続的に検討していくというのが適切ではないのかというふうに考えたというのが答えということでございます。
○井戸委員 五年というのが、ある程度実例が積み重ねられなければならないということで伺いましたけれども、前回も数の話をしました。一年間に、新受件数というか、やられるのが四百件ぐらいで、そして既済されるのが二百から二百五十、その中で、これが再審無罪となっていくというのが四、五件というような形だったですよね。
これはレクのときに伺ったんですけれども、この内容を聞いてみると、どういった方たちが再審無罪になるかというのは、皆さん、想像がつきますか。
私はちょっと聞いてびっくりしたんですけれども、無罪となっているケースというのが、例えば、自動車事故を起こして、上司の方が、今自分が違反になっちゃうと免許が取消しになってしまうというので、身代わりになって、それで自分が事故を起こしましたというようなケースというのが、実際は、捕まって、それで有罪になるんだけれども、本当はやっていませんでした、こういう形のものが多いという話だったんです。それは、そのようなことでしょうか。
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
再審開始決定がなされる事件というのは、再審請求者側からの請求で再審開始決定が行われるものとしては、例えば、先日来も質疑があったとおり、日弁連などが応援している事件などのいろいろな事件があるわけですけれども、実は、年にゼロから二件ぐらいこの五、六年発生している事案というのは、多いのは、いわゆる身代わり事件、身代わりになって、自分で有罪判決を受けた者がいたということを前提に、それが後に身代わりであることが明らかになって、その人を無罪にするために検察官が請求する再審請求事件であるということでございます。
○井戸委員 そうすると、ここでそれを救わなきゃいけない、冤罪を救わなければいけないというような内容とまたちょっと微妙に違うじゃないですか。そうすると、例えば五年それを積み重ねたとしても、そこで積み上がる知見というのが、本当に人権救済という意味で知見が積み重なっていくかといったら、そうじゃないんじゃないか。
五年たとうが、先ほど西村さんもおっしゃっていましたけれども、十年たとうが、同じようなことになっていくわけですよね。おかしくないですか。何で五年かということぐらい、納得いくような内容にしてほしいんですよ。その内容も含めて、今回の審議の中では今日まで出てきていないじゃないですか。いかがですか。
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
今答弁申し上げたのは、再審開始決定がなされて再審無罪判決に至ったもの、最近の事例としては、数としてはそういうものの方が多いということを指しているだけでございまして、その事件について、再審の在り方について、何かそこから多くのものが得られるか、得られないのではないかという委員の御指摘は、私もそのとおりだと思います。
その上で、今、現に再審請求が行われている、再審請求人側からですね、そういう事件が現にあるわけであります。これからも起きると思います。そういった事件について、様々なここで議論が行われた内容、証拠開示の範囲であるとか、検察官抗告の在り方であるとか、目的外使用といったものもありますでしょうし、そういったことが今後も個別の事案の中で様々議論がなされること、意見が示されることがあるだろうというふうに思っておりまして、そういう意味で、事件としては、そういう再審請求人側が請求した中で再審開始決定が行われた事件というのは必ずしも多いわけではないんですけれども、そういうことも相まって、五年ぐらいのスパンで一件あるもののみを見て検討するというのではなかなか難しいところもありますので、少し継続的に、少し長期で実情を把握した上で、在り方の議論をすべきであるというふうに考えたということでございます。
○井戸委員 今議論しているというのはそういったことではなくて、やはり、例えば検察側が証拠を隠しただとか捏造しただとか、様々、そういった意味では、ある意味、検察側が起訴をする、そしてそれを有罪にしていく、この中で本当は犯人じゃなかった人を犯人にしてしまったというようなところを救済をしていくという話なんですけれども、今おっしゃったように、例えば五年後だったとしても十年後だったとしても、積み重なっていく内容というのが、今の議論、ここで議論されたこととちょっとずれていくということなわけですよね。今おっしゃいましたよね、そういうふうに。そのとおりだと思いますということでおっしゃってくださったと思うんですけれども。
次の質問と重なるんですけれども、前回、私は、こういった誤判によって人生を奪われた、そうした方々、冤罪の被害に遭われた方々に対して、その方たちは人生を本当にぼろぼろにされてしまうという一方で、こういったことをやった検察の方々で、その罪に問われたケースというのが、まさに、石井先生が見ていますけれども、郵便不正事件の前田検事が懲戒免職になって、フロッピーディスク事件となった、そうしたことで処分を受けたということ以外には一件もなかったと。
網羅的に調べなければいけないとおっしゃいました。そして、反省と、それを共有をしていくというふうにおっしゃいました。どのように反省をして共有をしていくのか、今後のことに非常に重要だと思うのでお答えをいただきたいと思います。問いの十一になります。
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
御指摘の観点から網羅的、統計的に把握していないというのは前回答弁申し上げたとおりでありまして、それはそれなんですけれども、いわゆる厚労省の元局長の無罪事件につきましては、主任検事が証拠隠滅罪で公判請求されたり、その検事の上司二名についても犯人隠避罪で公判請求されて、有罪判決を受けたということでございます。
こういったものも含めまして、検察当局におきましては、無罪判決等があった場合に、当該事件における捜査、公判上の問題点を検討した上で、各種の会同や研修において当該事件の問題点や反省点等について共有するほかに、無罪事件等の検証結果について検察庁ホームページに掲載して公表するとともに、全検察官に配付して共有するといったことをしているところでございます。
まず、無罪判決とか、非常に求刑が、軽くなったり、一部犯罪の成立が認められなかったような判決が出た場合には、通常、庁内で、なぜこのような判決に至ったのか、これは控訴すべきなのかどうか、それともすべきでないのか、そういった議論が一線の検察官の間で議論されるというのが通常のやり方でございます。その上で、控訴しないという結論に至ることもありますし、控訴するという結論に至ることもあるわけですが、例えば、そういう中で、問題となる、こういう訴訟活動であるとか公判活動はこういうのはよくないとか、捜査活動でこういう不適正を指摘されるような事態があったということについては、通常、その報告も上がるようになっていまして、これが全検察官に共有すべきようなものとなれば、それはまたそのような形で共有されると思うわけであります。
その一方で、今、先ほど申し上げたのは、過去の厚労省の元局長の事件も始めとしまして、様々な問題が検証をした上で明らかになったものにつきましては、これは全検察官に周知しているというのが一つですし、例えば大川原事件について言えば、全国でキャラバンをやったり、それぞれの場所でグループディスカッションをさせてみたり、そうやって共有している実態でございます。
○井戸委員 しかしながら、庁内で共有するだけで防げなかったから、これだけのことがあるんじゃないでしょうか。過去から、今日もたくさんいろいろ委員の方からも質問がありましたけれども、庁内だけでそれを共有をして、キャラバンを幾らやろうが、同じようなことが起こるわけじゃないですか。なので、そこについて言ったならば、新たな仕組みが必要だと思うんです。
しかも、多分、冤罪事件に関して、その原因、なぜなったのかとかいうことも全然統計を取っていないんですよね。例えば、この事件に対しては、ここで例えば証拠の開示が遅れたから、いろいろな理由があるわけじゃないですか、冤罪が生まれた理由は。だけれども、その一件一件で、はい、これで、庁内で何でそうなったのかというのをやっただけで、そして、その当事者、検察官なりその原因をつくった方は処罰もされないという形で見過ごされていく。だからこそ、組織防衛のためだけのやったふりのそうした検証ではまたそれは起こってくるということ、本当にそこはしっかりこの法改正と伴って変えていただかなければいけないと思っています。
最後に、今日、狭山事件の石川さん、早智子さんが来られているんですよね。先ほど私はお手紙をいただきました。六十二年間、無罪を訴え、冤罪を晴らすために闘い続けた八十六年の生涯、これは一雄さんの生涯です、昨年三月十一日、見えない手錠がかかったまま無念の死を遂げました、夫の遺志を引き継ぎ頑張ります、こういったことです。見えない手錠がかかっている、このことというものを、是非重く受け止めていただきたいんですよ。キャラバンをやって、手錠が外れるんですか。そうではないと思うんですよね。
そして、私たち国民民主党は、請求証拠の提出命令制度を維持した上で、職権証拠提出命令制度に代えて、職権証拠開示命令制度を創設するべきだと考えています。再審請求の理由とその関連性、これに限定するのではなくて、原判決の証拠の証明力を判断するために重要な証拠については、裁判所が再審請求人への開示を命じることができるようにするためです。
先ほども言いました、再審の請求人、これに直接開示を命じることができるようにする、それこそが再審制度にふさわしい証拠開示の在り方だと考えています。なぜならば、多くの再審事件で明らかになったのは、新しい証拠が見つかったのではなくて、先ほども言いました、国家が保有している、検察や警察が所有していた証拠がようやく開示されたという事実です。
袴田事件、福井女子中学生事件、大崎事件、日野町事件、そして徳島ラジオ事件、これらに共通しているのは、無罪を示す証拠がなかったことではありません。証拠は存在していたのです。存在していたのに出てこなかった、存在していたのに把握されていなかった、存在していたのに開示されなかった。だから、証拠開示は、検察官、それの善意に委ねるのではなくて、裁判所の命令、これによって実現、先ほどありましたけれども、しっかりこれは担保されていかなければいけないし、再審制度の本質は、国家の誤りを正すことにあります。
富士茂子さんや石川一雄さん、再審無罪の日を迎えることなく亡くなりました。なので、是非これはやらなければいけないし、冒頭に戻ります、無実の人を生きているうちに救済する制度でなければいけません。
袴田ひで子さんは、再審請求は、見えない、ラクダを針の穴に通すようなものだと語り、そして、人間として法律を改正してくださいと訴えました。その言葉を重く受け止めています。
生きているうちの救済を実現するための更なる制度改正、これを必ずやっていくこと、これを強く求めて、私の質問を終わります。
ありがとうございました。
○井上委員長 次に、和田政宗君。
○和田(政)委員 参政党の和田政宗です。
参政党は、何よりも冤罪を生まないこと、そして、冤罪被害に苦しまれている方がいらっしゃれば速やかに救済をすることが極めて重要だと考えています。そして、繰り返し述べてまいりましたけれども、証拠を全部、全て開示をして、検察は正々堂々と裁判に臨めばよいというふうに私は思っております。
局長、これまでの審議を聞いて、また今日の与野党の審議を聞いて、これは通告はしていないんですが、ちょっとお答えいただきたいというふうに思うんです。
今回の改正は、刑事訴訟法上、再審において、歴史的に極めて大きなことになります。全ての検事が、私は、この国会の議事録を読むべきであるというふうに思っています。そして、最低でも、この国会論議において、どういう懸念や課題があるというふうにこの質疑が行われたのか、その内容をしっかりと現場に伝わるようにしてほしいというふうに考えますが、お答え願えないでしょうか。
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘のように、ここの委員会では、本当に様々な、通常審の運用も含めて様々な御議論がなされました。この内容については検察官においても把握しておいてもらえるのが望ましいというふうに私も思いますので、どのような形かは分かりませんけれども、ちょっと今後そのやり方などを検討させていただきたいと思います。
○和田(政)委員 局長、ありがとうございます。
これはまさに、冤罪被害に遭われた方々の声を我々は質問をし、また、法曹関係者のみだけではなく、国民が感じている懸念というものを我々は質疑をしてきたわけであります。ですので、これをしっかりと、やはり法務省、特に検察官の方々はしっかりと受け止めるべきであるというふうに思いますので、所要の措置をお願いをしたいというふうに思います。
私は、累次、課題についてこの委員会で質問してまいりました。内閣提出法案が十分かといえば、いまだ改善点は様々あると考えます。ですが、再審請求者の手続保障を一歩でも前に進めなくてはならないという考えから、与党と修正協議を行い、修正案を共同提出いたしました。この修正案に対する法務省の受け止め、そして残された課題を中心に質問をしてまいります。
与党との修正協議によりまして、この法律の施行後五年ごとの見直しの検討の上、必要であるときは所要の措置を講ずるという附則の規定におきまして、再審の請求の手続における証拠の目的外使用の禁止に関する制度及び検察官が保管する証拠の一覧表に関する制度が例示されることになりました。
私は、この目的外使用の禁止に関する制度は一律禁止でなくてよいのではないか、また、検察官が保管する証拠の一覧表に関する制度、これは弁護人や再審請求者に開示できるようにすべきである、こういったことを、与党、また法務省とも、質疑、そして、これは何とかならないのかということのやり取りということをさせていただきました。法文の修正ということにはなりませんでしたけれども、附則の五年ごとの見直しの中にこの二つが例示されることになりました。
この修正案の当該部分に対して法務省はどのように受け止めているか、答弁をお願いします。
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
修正案におきまして、附則二条の検討条項に、委員御指摘のような、証拠の目的外使用の禁止と検察官が保管する証拠の一覧表の各制度が明記されたというのは、本委員会での御議論を踏まえて、同条の規定によって、施行後五年ごとの検討に際して、特に検討の対象とすべきこととする趣旨であると認識しているところでございます。
本委員会での御議論を踏まえた修正案につきましては、法務当局として真摯に受け止めております。修正案が可決された上で本法案が改正法として成立した場合には、その趣旨を踏まえて適切に対応してまいりたいと考えております。
○和田(政)委員 これは残された課題であるということは修正案の趣旨説明の中にも入っているわけでありますし、藤原修正案提出者からも、この課題をしっかりと、その是非というかも含めて、しっかりと制度設計上も精査をしなくてはならないということを申し述べておられました。
ですので、五年ごとということが書いてありますが、これは、与野党とも、もっと早くやるべきだということが、そういうことになるのであれば、やはり速やかに所要の措置を講じられるべきであるというふうに思っております。
そして、もう一つの与党との修正協議によって盛り込まれたものをお聞きをいたしますけれども、再審の請求手続におきまして、裁判所による検察官に対する勧告であって任意での証拠の提出又は開示に係るもの及び検察官による任意での証拠の提出や開示は、事案に応じ、適切に行うとの規定が附則に入ることになりましたけれども、修正案の当該部分に対し、法務省はどのように考えるのか。これまでの運用を絶対に後退させない、かつ、これまで以上に適切に行うということをしっかり行うべきと考えますが、法務省、どのように捉え、考えますでしょうか。
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
御指摘の附則第四条第二項は、従来行われてきた裁判所による証拠の提出、開示の勧告及び検察官による任意での証拠の提出、開示につきまして、本法律案が改正法として成立した後も、事案に応じ、適切に行われていくことを法文上担保するものであると受け止めております。
その上で、本法律案が改正法として成立した場合には、検察当局は、任意での証拠の提出又は開示の運用について、従来より後退させないことはもとより、御指摘の附則の規定の趣旨も踏まえて、個別の事案に応じて、これまで以上に適切な対応に努めていくものと考えているところでございまして、法務省としては、検察庁等の関係機関に対しまして、ただいま申し上げた点も含めて、制度の趣旨を十分に周知してまいりたいと考えているところでございます。
○和田(政)委員 これはしっかりと行っていただきたい、このように思います。
そして、法務大臣にお聞きをいたします。
参政党は、政府提出の刑訴法改正案、これは、証拠開示のルールや決定日の通知など再審手続規定の整備を行うものであると受け止めながらも、様々な疑問点を審議によってただしてまいりました。党内においても、賛成すべき、反対すべき、様々な議論、これを行いました。そして、与党と修正協議を行い、修正案を共同提出をしたわけでございます。これは、再審請求者の手続保障を一歩でも前に進めようという考えからであります。
こうした参政党の考え、そして修正案への受け止めを大臣にお聞きします。
○平口国務大臣 お答えをいたします。
本法律案は、再審制度をよりよいものとするために関係者が知恵を絞ったものでございまして、なお不十分であるとの御意見があることは承知しておりますが、現時点で確実に再審制度を前進させるものとして重要な意義を有していると考えております。
御党においても、なお様々な御意見や御懸念もある中、ただいま申し上げた本法律案の意義を御理解いただき、修正案を共同提案いただいたものと理解しておりまして、心より感謝を申し上げたいと思います。
修正案による修正後の本法律案が改正法として成立した場合には、御党の思いを真摯に受け止め、改正後の諸規定の適正な運用に万全を期すとともに、再審制度をよりよい制度としていくために、施行後五年ごとの検討にも適切に対応してまいりたいと考えております。
○和田(政)委員 大臣から感謝ということがありましたけれども、この感謝というのは、大臣の思いの中で、再審請求者の手続保障、これは前に進めなくてはならない、こういう思いがあるというふうに思うんですね。
西村理事から政治家としてのというような言葉、また、私からも政治家としてのリーダーシップを、先輩に対して不遜なところがあるかもしれないですけれども、お願いをしたい。
平口大臣は、法務政務官も務められ、法務副大臣も務められ、そして今法務大臣でいらっしゃるわけです。法務行政に極めて精通をし、そして御自身も旧建設省の官僚であった、官僚機構も熟知をされているわけであります。
大臣が政治家としてのリーダーシップを、この修正がなされたということをしっかりと受け止めていただいて、そして、我々が課題や懸念として御質問をしたこと、これは、前に進むのであれば、参議院側に行って、答弁が我々に対して行っていたものと違っても私はいいと思うんです、前に進む答弁であればですね。我が会派はこのような形にしましたけれども、やはり課題や懸念というものはいまだあるわけであります。これをやはり与野党共にもっと根本から議論をしていく。
そして、先ほどこの国会論議のことについて申し上げましたけれども、この衆議院での論議を受け止めていただいて、参議院において、更に我々の質問に対して前に向いた答弁、これは冒頭述べましたけれども、冤罪被害者を絶対生まない、そして、もし冤罪で苦しんでいらっしゃる方がいらっしゃるのであればそれを速やかに救う、これがこの法改正であるというふうに思っておりますので、不十分なところ、課題についてはしっかりと受け止めて、そして答弁において前に進める、こういったことをやっていただきたいというふうに思っております。
具体的に、残された課題と捉えている部分を聞いていきたいというふうに思っております。
標目一覧表、これについては、私も質問をし、各委員からも質問がありましたけれども、標目一覧表を再審請求人、弁護人に任意に開示することは可能であるということでよいかどうか、これは大臣に確認をしたいと思います。じゃ、まず刑事局長。
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
本法律案による改正後の刑訴法四百四十五条の三第二項は、裁判所は、検察官に対し、その保管する証拠であって、裁判所の指定する範囲に属するものの標目の一覧表を提示することを命ずることができることとする一方で、同条三項は、裁判所は、何人にも、同条第二項の証拠の標目の一覧表の閲覧又は謄写をさせることができないこととしております。
そのため、裁判所が検察官に対してこの証拠の標目の一覧表そのものを任意に再審請求者や弁護人に開示することを勧告、命令して、これを受けた検察官がこれを任意に再審請求者や弁護人に開示することは、同条三項が予定するところではなくて、許されないものとは考えております。
他方で、現行法下におきましては、再審請求審において、裁判所が、検察官に対しまして、その保管証拠中に再審請求者側が求める特定の証拠が存するか否かについての回答を求め、存在する特定の証拠を裁判所に提出し又は弁護人に開示することを勧告し、あるいは特定の範囲の証拠の一覧表の提出を勧告するなどの運用の例が見られるところ、こうした運用は、本法律案によりまして証拠の提出命令制度が導入された場合も引き続き可能であり、実際に行われていくこととなるものと考えております。
○和田(政)委員 まだ補足の答弁はありますか。
○佐藤政府参考人 済みません、引き続き、もう少し補足させてください。
したがいまして、検察当局におきましては、改正法の下での運用上、再審請求者側が開示を求める証拠の存否をめぐって争いがあるような場合におきまして、裁判所から、改正後の刑事訴訟法四百四十五条の三第二項の標目の一覧表とは異なるものとして裁判所が指定する範囲に属する手持ち証拠の一覧表を提出するとともに弁護人にも交付するよう求められたようなときは、検察官において、事案に応じて、裁判所の意向を踏まえ、これに伴う弊害も考慮しなければなりませんけれども、こうした一覧表の提出、交付に応じることも含めて、適切な運用の在り方を検討していくことになるのだろうというふうに考えているところでございます。
○和田(政)委員 大臣、後段部分、それでよろしいですね。
○平口国務大臣 お答えいたします。
局長がただいま申し上げた運用上の一覧表についても、しっかりと適切に行っていくことが必要であると考えております。
○和田(政)委員 送致書類等目録について聞きますけれども、送致書類等目録は任意の開示の対象とすることが可能であるかどうか、局長にお聞きします。
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
証拠の一覧表を弁護人に交付する方法の一環として、検察官が弁護人に送致書類等目録を交付する運用の可否をお尋ねと理解して答弁申し上げますと、過去に例がないわけではないと承知しているんですけれども、一般に、送致書類等目録は警察が検察官に送致する全ての証拠書類を網羅的に掲載して作成するものでございまして、これを弁護人に交付することについては、再審請求審が、確定判決を全面的に見直す手続ではなくて、あくまでも再審請求理由の有無を審理、判断する手続であることと整合しないと考えられることに加えまして、当該目録に記載された供述調書の供述人名等が網羅的に明らかになることにより、関係者の名誉やプライバシー侵害、将来の捜査に対する協力が得られなくなるなどの弊害が生じるおそれもあることから、御指摘のような目録を提出することについては慎重な対応が必要と考えているということでございます。
○和田(政)委員 これはもう明確な課題ですよね。冒頭申し上げましたように、再審請求人また弁護人が求めるような証拠というのはしっかりと開示がなされるべきである、これがやはり前提だというところに立たないといけないというふうに考えています。
お聞きをいたしますけれども、裁判所が任意に証拠開示の勧告、命令を発した場合には、積極的に証拠の提出、開示をすべきと考えますが、法務省はどのように考えますでしょうか。
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
本法律案における証拠の提出命令制度は、裁判所による勧告、検察官による任意の証拠の提出、開示といった従来の実務運用を否定するものでないことは繰り返し答弁しているとおりでございます。
そのため、本法案が成立した後も、裁判所による証拠の提出、開示の勧告や検察官による任意の証拠の提出、開示が活用されることが想定されておりまして、検察官においては、個別の事案に応じて、再審請求理由との関連性に留意しつつも、裁判所の意向を踏まえ、任意の証拠の提出、開示が適切に行われるものと考えているところでございます。
○和田(政)委員 その答弁を基にしっかりやっていただきたい、それが検察の現場にも伝わるようにしていただきたいというふうに思います。
恐らく最後の質問になると思いますが、目的外使用の禁止のことについてお聞きをします。
五月二十九日に、佐藤政府参考人、刑事局長は、報道機関も一緒にその実験とか検証、実験とかをするという大前提におきまして、それは、報道機関と一緒に再審手続の準備をするのであるというふうに認められるのであれば、それはそもそも目的外使用の禁止には当たりませんし、それが支援者という方であっても、支援者という名前がつくから駄目だということではありませんので、実験をするのに協力してくれる支援者がいて、それを提示して一緒に例えば実験をやる、あるいは鑑定をするということになれば、これは、とにかく、再審手続やその準備に使用する目的と認められるということになれば、目的外使用の禁止には当たらないという答弁をしています。
実験そのものは再審請求準備の目的に含まれます。では、実験に参加をした報道機関が証拠そのものを映して実験の結果を報道することも許されるということでよいか、この際に弁護人の違法性は問われるか、お聞きをします。
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
本法律案における証拠の目的外使用の禁止の下でも、謄写した証拠の複製等を再審手続やその準備に使用することはもとより許されるところでございます。
その上で、まず、報道機関につきましては、本法律案による証拠の目的外使用の禁止の名宛て人ではないことから、御指摘のような報道が禁止されることはないわけでございます。
また、弁護人に関するお尋ねでありますので、これは個別の事案ごとに具体的な事実関係、それぞれの事実関係を踏まえて判断されるべき事柄でありまして、一概にお答えすることは困難でありますけれども、例えば、弁護人が再審請求審で謄写した証拠の複製等を当該実験に参加した報道機関に再審手続の準備に使用する目的で提示したと認められる場合には、目的外使用の禁止違反とはなりませんし、そのことは当該報道機関が当該証拠の複製等そのものをその報道により公表したとしても異なるものではないと考えられるところでございます。
○和田(政)委員 弁護人が、証拠を報道機関に提供するのではなく、証拠の検証における集会において証拠をスクリーンに映写して、報道機関がその様子を報道することは構わないのか。証拠の検証の集会において提示すること自体は再審請求手続の準備に含まれるのではないかと思います。この際に弁護人の違法性は問われるか、答弁願います。
○井上委員長 佐藤刑事局長、答弁は簡潔にお願いします。
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
弁護人に関するお尋ねでありますが、これまた個別の事案ごとに具体的な事実関係を踏まえて判断されるべき事柄ではございますが、例えば、弁護人が証拠の検討の集会におきまして再審請求審で謄写した証拠の複製等をスクリーンに映写するなどして提示する行為については、これは再審手続の準備に使用する目的に当たるかどうかということでありまして、言い方を変えますと、再審手続の準備に使用する目的でないという場合には目的外使用の禁止違反には当たり得るということでございます。
もっとも、禁止に違反した場合の措置については、御案内のとおり、複製等の内容、行為の目的、態様等の個別の事情を考慮することとしておりまして、当該措置を取るべき者において適切な判断がなされるべきものと考えているところでございます。
○和田(政)委員 これで終わりますが、証拠の目的外使用の禁止規定、これは、事例ごとに解釈を問わなければ何が違法に当たるのか明瞭にならないという課題はいまだあるというふうに考えます。
以上で終わります。
○井上委員長 これにて両案及び修正案に対する質疑は終局いたしました。
―――――――――――――
○井上委員長 この際、内閣提出、刑事訴訟法の一部を改正する法律案に対し、小竹凱君外一名から、国民民主党・無所属クラブの提案による修正案が提出されております。
提出者から趣旨の説明を聴取いたします。小竹凱君。
―――――――――――――
刑事訴訟法の一部を改正する法律案に対する修正案
〔本号末尾に掲載〕
―――――――――――――
○小竹委員 ただいま議題となりました刑事訴訟法の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、その趣旨及び内容を御説明いたします。
政府案では、審判開始の決定をした裁判所は、再審請求者等の請求により又は職権で、一定の要件の下、検察官に対し、再審請求の理由に関連すると認められる証拠の提出を命じなければならないこととされています。しかしながら、近年における再審の手続に関する諸事情に鑑みれば、再審の請求の理由に関連するかどうかに関わりなく、原判決の証拠の証明力を判断するために重要な証拠については、幅広く、再審請求者等に対して直接開示させる必要があります。そこで、そのような制度を設けるための本修正案を提出することとした次第であります。
次に、本修正案の内容でございますが、職権による証拠提出命令制度に代わり、審判開始の決定をした裁判所が、原判決の証拠の証明力を判断するために重要であると認められる証拠について、一定の要件の下、職権で、検察官に対し、再審請求者等に対する開示を命ずることができる制度を設けるものであります。
以上が、本修正案の趣旨及び内容であります。
何とぞ委員各位の御賛同をいただけますようよろしくお願い申し上げます。
○井上委員長 これにて修正案の趣旨の説明は終わりました。
―――――――――――――
○井上委員長 これより両案及び両修正案を一括して討論に入ります。
討論の申出がありますので、順次これを許します。平林晃君。
○平林委員 中道改革連合・無所属の平林晃です。
会派を代表し、政府提出の刑事訴訟法改正案に反対、衆法第九号に賛成の立場から討論を行います。
冤罪は、無実の人の人生を奪い、家族を苦しめ、時にはその生命さえ奪う、国家による最大の人権侵害です。袴田巌さんは、逮捕から再審無罪をかち取るまで五十八年を要しました。この事実こそが、再審制度見直しの最大の立法事実であります。
既に国民の刑事司法に対する信頼は完全に失墜しております。よって、この度の再審法改正で立法府がなすべきことは、検察の運用に委ねるようなものではなく、立法事実に基づく規律の明確な制度化であります。
にもかかわらず、この度の政府案では、証拠開示に関しては、裁判所への証拠提出命令制度を創設するとしながら、請求人本人への証拠開示は制度化されておりません。
検察官の不服申立てに関しては、政府案は、十分な根拠がある場合には不服申立てを認めることとされていますが、それは検察官自身の行為規範にすぎないことがこの委員会審議を通じて明らかになったところであります。
さらには、証拠の目的外使用禁止規定は、再審事件を支えてきた支援活動や検証活動に萎縮効果を与えることとなりかねません。
与党修正案には、実質的な意味が認められず、検察が従来の勧告に応じなくなる懸念があります。
以上より、検察の運用に委ねる部分を残し、再審請求審の透明化にも十分応えていない政府案は、冤罪被害者の声に耳を傾け、国民の刑事司法の信頼を回復するものになっていると我々は考えておりません。
六月九日の参考人質疑で、袴田巌さんの姉、ひで子さんは、神様が作った法律ではない、人間が作った法律を人間として改正していただきたいと訴えられました。議員提出法案こそが、この思いに応えるものになっており、我々は賛成いたします。
そして、再審請求審をこれ以上ブラックボックスのままにしかねない政府案に反対することを強く申し上げ、私の討論といたします。
ありがとうございました。(拍手)
○井上委員長 次に、池畑浩太朗君。
○池畑委員 日本維新の会、池畑浩太朗でございます。
私は、日本維新の会を代表して、ただいま議題となりました刑事訴訟法の一部を改正する法律案について、賛成の立場から討論を行います。
近時、袴田事件や福井女子中学生殺人事件などにおいて再審制度をめぐる問題が浮き彫りとなっており、その解決は立法府に課された急務であります。
本法律案は、誤判からの迅速な救済と手続の円滑、迅速化を実現するものであり、再審制度を大きく前進させるものであると確信をしております。
いわゆる再審請求審における証拠開示については、明文規定がなく、開示をめぐる争いが生じて審理が遅延するなど問題がありましたが、新設される証拠の提出命令制度は、明確なルールの下、必要十分な証拠の裁判所への迅速な提出を実現するものであります。
また、併せて整備をされる再審手続の証拠の目的外使用の禁止規定は、被害者等の関係者のプライバシーの保護等の観点から重要な意義を有しております。
再審開始決定に対する不服申立ては、確定判決による法的安定性の観点から重要なものでありますが、再審手続を長期化させるだけに終わったものもあり、原則禁止とし、十分な証拠がある場合に限って例外的に認めることは、バランスの取れた妥当な対応であると考えます。
さらに、それでもなお検察官から不服申立てがあった場合でも、事件が受理された日から一年以内にその係属する裁判所の決定がなされるように努めなければならないことが附則の第五条に明記をされました。これは、私たち日本維新の会がかねてから求めていたことであります。
こうして、不服申立てに関する二重の規制により、再審請求手続の迅速化が期待できるところであります。
本法律案については、様々な論点について充実した議論が行われ、修正案と併せて幅広く支持されるものとなりました。
皆様の本法律案への御賛同を心よりお願い申し上げ、私の賛成討論といたします。(拍手)
○井上委員長 次に、小竹凱君。
○小竹委員 国民民主党の小竹凱です。
私は、会派を代表し、内閣提出法案に反対、自由民主党、日本維新の会、参政党提出の修正案に対し反対、議員提出法案衆法九号に反対、国民民主党提出の修正案に賛成の立場から討論いたします。
我が党は、本法律案の成立の重要性を十分に理解した上で、審議に当たり、建設的な姿勢で審議に臨んでまいりました。閣法において再審開始決定に対する検察官の不服申立てが原則禁止にされたことを一定評価し、これをベースに、証拠開示の在り方や目的外使用禁止規定の見直しなどについて、修正、答弁によるピン留め、附帯決議への反映を通じて、よりよい制度の構築に努めてまいりました。
しかしながら、委員会における政府答弁は、ピン留めどころか、従来の到達点から後退していると言わざるを得ない内容であり、極めて不十分であります。これでは、本法案が本来目指すべき無辜を救済するための制度として到底機能し得ません。
また、与党から提示された修正案は、従来の任意の証拠開示勧告が適切に行われる旨を附則に追加するものにとどまることであり、実質的な制度改革には全く踏み込んでおらず、賛成するに値しない修正であります。
我が党は、閣法及び与党修正案のいずれにも賛成することができません。
我が党は、証拠開示のあるべき姿を示した独自の修正案を国会に提出しました。これこそが、再審法改正の中核であります。真に無辜の者を救済し得る再審制度の実現に向けて、その成立を強く求めてまいります。
委員各位の御賛同をお願い申し上げまして、私からの討論といたします。
私は、参議院に期待をしております。しっかりと、最後まで諦めません。
ありがとうございました。(拍手)
○井上委員長 次に、和田政宗君。
○和田(政)委員 参政党の和田政宗です。
刑事訴訟法改正案修正案、藤原君外提出に賛成、修正案、小竹君外提出に反対、修正部分を除く改正案原案、内閣提出に賛成、刑事訴訟法改正案、西村君外提出に反対の立場で討論をいたします。
参政党は、何よりも冤罪を生まないこと、そして、冤罪被害に苦しまれている方がいらっしゃれば速やかに救済することが極めて重要だと考えています。
内閣提出法案が十分かといえば、いまだ改善点は様々あります。ですが、再審請求者の手続保障を一歩でも前に進めようという考えから、与党と修正協議を行い、修正案を共同提出しました。
刑事訴訟法改正案は、証拠開示のルールや決定日の通知など再審手続規定の整備を行うものですが、特に再審請求手続における証拠の提出や開示について、適切に行われるのか疑問がありました。
参政党は、質疑を通じて適切に行うよう求めるとともに、改正法に明記するよう修正協議を行ってきました。その過程で、再審の請求手続において、裁判所による検察官に対する勧告であって任意での証拠の提出又は開示に係るもの及び検察官による任意での証拠の提出や開示は、事実に応じ、適切に行うことが法案の附則に明記されることになり、法務省答弁でも、これまでの運用を後退させないこと、これまで以上に適切に行うことが担保されました。
また、再審請求手続における検察官保管証拠の一覧表の提出命令や証拠の目的外使用の禁止規定の削除については、法文上の修正までは行きませんでしたが、この法律の施行後五年ごとに見直しの検討の上、必要であるときは所要の措置を講ずるという附則の規定において例示されることになりました。
これら検察官保管証拠の一覧表の提出命令や証拠の目的外使用の禁止規定の削除については、残された明確な課題として捉えるべきで、今回、附則において五年ごとの見直し規定の例示に入れるという前進は見られましたが、与野党共に議論を深め、五年を待たずとも見直すべきとなれば、必要な対処を行うべきです。
さらに、証拠の目的外使用の禁止規定は、事例ごとに解釈を問わなければ何が違法に当たるのか明瞭にならないという課題はいまだあります。
内閣提出法案に反対するという党内の論もありましたが、再審請求者の手続保障を一歩でも前に進めようという考えから、一〇〇%ではないものの修正が成ったこと、法務省が修正案をしっかりと受け止める旨の答弁を行っていることからも、立法府に属する我々がその運用を引き続きチェックし、改善すべきところを改善すべき取組を続けていかなくてはならない、参政党もしっかりと取り組むということを申し述べ、刑事訴訟法改正案修正案、藤原君外提出に賛成、修正案、小竹君外提出に反対、修正部分を除く改正案原案、内閣提出に賛成をいたします。そして、超党派議員連盟案が基になっている刑事訴訟法改正案、西村君外提出に対しては、その内容を高く評価しながらも、苦渋の決断の下、反対をいたします。(拍手)
○井上委員長 これにて討論は終局いたしました。
―――――――――――――
○井上委員長 これより採決に入ります。
まず、西村智奈美君外三名提出、刑事訴訟法の一部を改正する法律案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○井上委員長 起立少数。よって、本案は否決すべきものと決しました。
次に、内閣提出、刑事訴訟法の一部を改正する法律案及びこれに対する両修正案について採決いたします。
まず、小竹凱君外一名提出の修正案について採決いたします。
本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○井上委員長 起立少数。よって、本修正案は否決されました。
次に、藤原崇君外二名提出の修正案について採決いたします。
本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○井上委員長 起立多数。よって、本修正案は可決いたしました。
次に、ただいま可決いたしました修正部分を除く原案について採決いたします。
これに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○井上委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。
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○井上委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、藤原崇君外四名から、自由民主党・無所属の会、中道改革連合・無所属、日本維新の会、国民民主党・無所属クラブ及び参政党の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
提出者から趣旨の説明を聴取いたします。國重徹君。
○國重委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
案文の朗読により趣旨の説明に代えさせていただきます。
刑事訴訟法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
冤(えん)罪は、冤罪被害者やその家族の人生を大きく狂わせ、時にはその生命をも奪いかねない国家による究極の人権侵害である。政府及び最高裁判所は、冤罪の発生を未然に防ぐことはもちろん、冤罪被害者の救済に長い年月を要してきた実情を踏まえ、一定の重大な瑕疵があった場合に三審制の下で確定した有罪判決を是正する非常救済手続である再審制度について、公平な裁判所の迅速な裁判を受ける権利を保障している憲法の理念に基づいて、本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。
一 過去の再審無罪事件において再審請求審で開示された裁判所不提出証拠が重要な役割を果たしたこと及び開示されるまでに長期間を要した事例があったことに鑑み、検察官は公益の代表者であることを深く自覚した上で、裁判所から勧告があった場合は、裁判所の意向を十二分に踏まえ、任意での証拠の提出又は開示を適切に行うこと。
二 再審請求審における証拠提出命令については、通常審の公判前整理手続における証拠開示命令の対象となる証拠は、必ずしも検察官が現に保管している証拠に限らず、当該事件の捜査の過程で作成され、又は入手した書面等であって、公務員が職務上現に保管し、かつ、検察官において入手が容易なものを含むと解するのが相当であるとした判例を踏まえた運用が行われるよう努めるとともに、これまで司法警察員から検察官に送致されていなかった証拠が再審無罪につながった事件があったことを踏まえ、捜査機関は証拠を適正に保管及び送致すること。
三 通常審と異なり非公開で行われる再審請求審における証拠の複製等の目的外使用の禁止の規定に違反した場合の措置については、支援者に協力を求めることを含む正当な弁護活動や報道機関を通じた国民の知る権利にも適切な配慮がされるよう周知すること。
四 再審開始の決定等に対する不服申立てにより冤罪被害者の救済に数多の年月を要した事件があるとの指摘を重く受け止め、検察官は本法により再審開始の決定等に対する不服申立てが原則として禁止されることを十分に認識した上で、これを例外的に行うに当たっては、その趣旨を踏まえ、再審開始の決定等を「取り消されるべきものと認めるに足りる十分な根拠」の有無を慎重かつ十二分に検討するとともに、公表される不服申立ての理由についても「取り消されるべきものと認めるに足りる十分な根拠がある場合」に該当するか否かの検証が可能となるよう具体的な明示をするよう努めること。
五 本法は、再審の請求に当たり添付が求められている新証拠に関する従前の実務における解釈・運用を変更する趣旨ではないことを周知すること。
六 誤判による有罪判決を未然に防止し、冤罪被害者を生まない刑事司法を実現していくためには、通常審における適切な証拠開示制度が必要不可欠であり、その運用状況を踏まえつつ、不断の検討を行っていくこと。
七 附則第二条の規定による検討に際しては、必要に応じ、捜査機関が作成した書類及び収集した証拠物の保存の在り方並びに再審請求の準備段階及び再審請求審における国選弁護制度についても検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずること。
以上であります。
何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○井上委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
採決いたします。
本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○井上委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。
この際、ただいまの附帯決議につきまして、法務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。平口法務大臣。
○平口国務大臣 ただいま可決されました刑事訴訟法の一部を改正する法律案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。
また、最高裁判所に係る附帯決議につきましては、最高裁判所にその趣旨を伝えたいと存じます。
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○井上委員長 お諮りいたします。
ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井上委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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〔報告書は附録に掲載〕
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○井上委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午前十一時五十八分散会

