衆議院

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第21号 令和8年6月17日(水曜日)

会議録本文へ
令和八年六月十七日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 井上 英孝君

   理事 阿部 弘樹君 理事 木原 誠二君

   理事 高見 康裕君 理事 谷川 とむ君

   理事 藤原  崇君 理事 三ッ林裕巳君

   理事 西村智奈美君 理事 三木 圭恵君

   理事 小竹  凱君

      井出 庸生君    稲田 朋美君

      上川 陽子君    神田 潤一君

      小泉 龍司君    世古万美子君

      武部  新君    辻  秀樹君

      辻 由布子君    寺田  稔君

      西山 尚利君    福原 淳嗣君

      藤沢 忠盛君    藤田ひかる君

      古川 禎久君    保岡 宏武君

      山本 大地君    有田 芳生君

      國重  徹君    池畑浩太朗君

      金村 龍那君    井戸まさえ君

      鈴木 美香君    和田 政宗君

    …………………………………

   法務大臣         平口  洋君

   法務副大臣        三谷 英弘君

   最高裁判所事務総局家庭局長            馬渡 直史君

   政府参考人

   (内閣官房外国人との秩序ある共生社会推進室次長)

   (内閣府大臣官房審議官) 岸川 仁和君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 由布和嘉子君

   政府参考人

   (警察庁長官官房総括審議官)           土屋 暁胤君

   政府参考人

   (警察庁長官官房審議官) 服部  準君

   政府参考人

   (警察庁長官官房審議官) 鈴木 敏夫君

   政府参考人

   (警察庁刑事局組織犯罪対策部長)         大濱 健志君

   政府参考人

   (金融庁総合政策局審議官)            若原 幸雄君

   政府参考人

   (法務省大臣官房政策立案総括審議官)       村松 秀樹君

   政府参考人

   (法務省民事局長)    松井 信憲君

   政府参考人

   (法務省刑事局長)    佐藤  淳君

   政府参考人

   (法務省矯正局長)    日笠 和彦君

   政府参考人

   (法務省保護局長)    吉川  崇君

   政府参考人

   (出入国在留管理庁次長) 内藤惣一郎君

   政府参考人

   (公安調査庁次長)    霜田  仁君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 小林  出君

   法務委員会専門員     三橋善一郎君

    ―――――――――――――

六月十七日

 理事三ッ林裕巳君同日理事辞任につき、その補欠として阿部弘樹君が理事に当選した。

    ―――――――――――――

六月十六日

 自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律及び道路交通法の一部を改正する法律案(内閣提出第四二号)(参議院送付)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 理事の辞任及び補欠選任

 政府参考人出頭要求に関する件

 自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律及び道路交通法の一部を改正する法律案(内閣提出第四二号)(参議院送付)

 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件


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     ――――◇―――――

○井上委員長 これより会議を開きます。

 理事の辞任についてお諮りいたします。

 理事三ッ林裕巳君から、理事辞任の申出があります。これを許可するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○井上委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 引き続き、理事の補欠選任についてお諮りいたします。

 ただいまの理事辞任に伴うその補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○井上委員長 御異議なしと認めます。

 それでは、理事に阿部弘樹君を指名いたします。

     ――――◇―――――

○井上委員長 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 各件調査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、内閣官房外国人との秩序ある共生社会推進室次長兼内閣府大臣官房審議官岸川仁和君外十四名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○井上委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

○井上委員長 次に、お諮りいたします。

 本日、お手元に配付いたしておりますとおり、最高裁判所事務総局家庭局長馬渡直史君から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○井上委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

○井上委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。有田芳生君。

○有田委員 おはようございます。有田芳生です。

 今日は、何とも不可解な、あるいは不条理な、原因は分かるんだけれども、なぜそういうことが今この日本で起きているのか分からないという問題についてお聞きをしたいというふうに思います。

 二〇二二年の七月八日に、奈良市の西大寺駅前で、安倍晋三元総理が銃撃で撃たれました。そして、お亡くなりになりましたけれども、その実行犯である山上徹也被告は、裁判の中で無期懲役が下されました。控訴をしておりますから、これから先、大阪高裁で審理はいずれ始まります。

 今日の問題との関わりでいうと、山上被告はいわゆる宗教二世なんですよね。お母様が一九九一年に統一教会に入信をして、そして家庭が崩壊するという経過をたどって、そのことが事件にどう影響していたのかということが裁判の中でもるる議論になりました。

 二〇二二年以降、皆さんも御承知のように、宗教二世、あるいは統一教会の信者の息子さん、娘さん。これは、一九八〇年代から九〇年代にかけては、いわゆる霊感商法が社会問題になりました。それで、一九九二年には桜田淳子さんたちが合同結婚式に参加をすることで、大きな報道がなされました。しかし、その問題について取り組んできた私たちも目に入っていなかったことが、二〇二二年以降明らかになってきたのが、いわゆる宗教二世あるいは信者二世の皆さんの抱える深刻な問題だった。野党ヒアリングでも二世の方々に来ていただきましたけれども、端的に言って、家庭で高額献金をしなければならない、あるいは、教義からいって恋愛を認められない。非常に人権問題としても、社会問題として広く報道はされました。

 そのことは法務委員会の皆さんもどこかに御記憶はあると思うんですけれども、もう一つ忘れてはならない原点として、一九九五年三月二十日の地下鉄サリン事件、それをきっかけにしたオウム真理教の諸問題というのが大きく報道されました。今、あれからもう三十一年たったので、報道機関の皆さん、若い記者の皆さんは記憶にない方もいらっしゃるし、そういう意味では、法務委員会に所属する若い世代の方々にはほぼ記憶のない方もいらっしゃるでしょうけれども、大臣あるいは委員長の世代にすれば、ああ、あの事件かという記憶はあるんですけれども、そこでもやはりオウム真理教の子供たちが問題になったんですよね。

 三月二十二日に強制捜査が行われて、教団の中にいる、当時一番若いというのか、ゼロ歳から、子供たちが五十三人、山梨県の児童相談所に連れていかれて、その映像というのは記憶にある方もいらっしゃると思うんですけれども、あれから三十一年たって、その子供たちがこの社会でどのように生きてきたのか、どんな苦悩を抱えていたのかということはほとんど知られていない。これは、NHKの「クローズアップ現代」で放送がされまして、「オウム真理教の子どもたち 知られざる三十年」ということで、宗教二世問題の原点として、書籍にもなりました。

 だから、そういう意味ではまだ記憶にある方もいらっしゃると思うんですが、今日お聞きするのは、そういう問題とは離れて、例えば、麻原彰晃、死刑執行されましたけれども、彼の子供さんたち、妻が一人、そして、子供さんが六人いたんだけれども、その方々も今この日本社会で私たちと同じように暮らしているんだけれども、その子供さんたちが、オウム真理教とは今や全く関係ない、例えば、今日問題にする麻原彰晃の三女の方なんかは、当時十二歳なんですよ、今はもう四十歳過ぎましたけれども、その方が、例えば、韓国に渡航できないという問題があるんですよ。そして、さらには、金融機関で通帳を作ることができないという問題がある。これは一体何だろうか、問題じゃないかという関心で、今日の質問をさせていただきたいというふうに思っております。

 まず、入管庁にお聞きをしたいんですけれども、パスポートを持っていて、例えば、韓国に行くためにチケットを購入をして、成田に行く。そのときに、その窓口でストップさせられる。これは入管庁の問題ではないんだけれども、航空会社の問題ですので、後で詳しくお示しいたしますけれども、パスポートを持って空港に行って、韓国でなくても、アメリカでもスペインでもどこでもいいんだけれども、海外渡航をしようとする人がイミグレーションでストップがかかる、出国できないケースというのはどういう理由からなんでしょうか。教えてください。

○内藤政府参考人 お答え申し上げます。

 入管法第六十条におきまして、本邦外の地域に赴く意図を持って出国する日本人は、有効な旅券を所持し、その者が出国する出入国港において、入国審査官から出国の確認を受けなければならないとされているところでございます。

 なお、同法第六十条の二に規定する出国確認の留保の対象となる日本人については、一定の時間、入国審査官による出国の確認が留保されることとなります。この場合は、要するに、パスポートと出国確認、こういうプロセスを満たしていれば出国されますし、そうでなければ出国できないということになります。

○有田委員 パスポートを持っていることも含めてですけれども、止められるケースというのはどういう理由からなんでしょうか。

○内藤政府参考人 基本的に、現在ですと、出国確認の留保という制度が令和五年に立法されまして令和七年から施行されていますので、そのことかと思われるんですけれども、そのことでよろしいでしょうか。(有田委員「はい」と呼ぶ)はい。

 入管法第六十条の二に基づく出国確認の留保の件数でございますが、同条が施行され……(有田委員「件数じゃなくて」と呼ぶ)分かりました。

 出国確認の留保がなされている場合かと思われます。

○有田委員 いや、具体的に、この出入国管理及び難民認定法の第六十条の二にいろいろな、いろいろなというか、四つ、止められる、留保をするケースが書かれていますよね。それを教えてくださいということです。

○内藤政府参考人 お答え申し上げます。

 六十条の二に四号掲げられておりまして、第一号が、出国の制限を受けている者(裁判所の許可を受けている者を除く。)。これは、罰金等が納付されていなくてということで裁判所から出国制限がかけられている者等が対象となります。

 また、二号は、死刑若しくは無期若しくは長期三年以上の拘禁刑に当たる罪につき訴追をされている者(当該訴追に係る刑につき出国の制限を受けている者を除く。)又はこれらの罪を犯した疑いにより逮捕状、勾引状、勾留状若しくは鑑定留置状が発せられている者。

 三号が、拘禁刑以上の刑に処せられ、その刑の全部につき執行猶予の言渡しを受けなかった者で、刑の執行を受けるまで、又は執行を受けることがなくなるまでのもの(当該刑につき、出国の制限を受けている者、仮釈放の者及びその一部の執行猶予の言渡しを受けて執行猶予中の者を除く。)。

 四号が、逃亡犯罪人引渡法の規定により仮拘禁許可状又は拘禁許可状が発せられている者。

 この四号でございます。

○有田委員 この第六十条の二に、今お示しいただいたような理由で留保する場合があるんだけれども、ここに関係機関からの通知という表現があるんですけれども、この関係機関というのは、例えば警察庁であったり、どういう関係機関になるんでしょうか。

○内藤政府参考人 まず、この通知する事由というのがこの四号に限られておりますので、それが大前提でございまして、それを基に、検察庁が多いかと思いますけれども、検察庁等から通知を受けてということでございます。私人等による通報とかは想定されておりません。

○有田委員 分かりました。

 そうやって、パスポートを持っているし、チケットもあるんだけれども止められるケースはある。それの件数というのは、例えば年間どのぐらいで、どういう理由で止められる場合が多いんでしょうか。

○内藤政府参考人 お答え申し上げます。

 入管法第六十条の二に基づく出国確認の留保の件数は、同条が施行された、これが令和七年五月十五日ということで、去年のことでございますので、それから本年五月末までの間について取り急ぎ確認したところ、合計八件でございまして、いずれも、先ほど申し上げた四号のうち、一号と二号、すなわち、裁判所から罰金の未納等によって出国制限の命令が出ている場合、若しくは裁判中によって訴追されている方の二号、こういうものになっております。

○有田委員 その場合、本人からすれば、パスポートを持っていて、チケットを保持していて、当然出られると思っていたものが留保で止められてしまって、日本国内に戻らざるを得ないわけですよね。そのときに、本人には理由というのは説明されるんでしょうか。

○内藤政府参考人 まず、いずれも裁判手続なので、本人がそういうプロセスに当然関わって、手続保障で関わっているということを前提といたしまして、その上、入管の現場においては、本人にも一般的には告知しているものと理解しております。

○有田委員 つまり、あなたは、例えば韓国に行こうとしたけれども、入管法の規定によって、こうこうこういう理由だから出国できませんよということをきちんと説明されるという理解でよろしいんですか。

○内藤政府参考人 お答え申し上げます。

 現場の実務上の運用でございますが、出国確認の留保をする際には、出国確認留保通知書というものを示しておりまして、留保の時間、何時までということとか、その理由を示すこととなっております。

○有田委員 分かりました。

 今はイミグレーションでの話なんだけれども、それ以前に、航空会社に行ってチケットを発券してもらおうとした場合に止められるケースがある。そういうことは、入管としては把握はされていないんでしょうか。

○内藤政府参考人 我々としては、申し訳ないんですけれども、把握は詳細にしておりません。

○有田委員 先ほど言いましたけれども、一九九五年、地下鉄サリン事件が起きて、三月二十二日に強制捜査が行われて、五月十六日に麻原彰晃逮捕。そのとき十二歳だった少女が、娘さんとして上九一色村の施設にいた。あれからもう三十一年たって、もう四十歳を過ぎられたんだけれども、例えば韓国に行けない。彼女のドキュメンタリーが日本でも公開をされて、御存じの方もいらっしゃるかも分かりませんけれども、韓国の映画祭で特別賞を受賞したんですよね。そのために、喜んで、韓国の授賞式に行こうとして、成田空港の大韓航空の窓口に行ったんですよ。そうしたら、チェックされて、行けませんと言われた。

 そのときの詳細、これは是非知っていただきたいし、解決しなければいけないという思いで少し細かくお示しするんですけれども、大韓航空の職員が、韓国の入国管理局の情報分析課が入国させられないというふうに窓口で言われたんですよね。本人は、訳が分からないので、その情報分析課の話を聞いたんですよ。そうしたら、在日韓国大使館に電話してくださいと言われた。在日韓国大使館に電話をすると、在日韓国領事館に電話するように言われた。たらい回しなんですよね。在日韓国領事館に電話をすると、自分のところでは分からないと、韓国の入管に電話をしろと言われて、結局、映画祭の特別賞をもらって、韓国に行きたいと思っていたけれども、出国することができなかったんですよ。そういうことが起きている。

 先ほども、最初に言いましたけれども、なぜか、本人確認もあるにもかかわらず、銀行の口座が開かれない問題も抱えているという事態が、彼女本人だけではないんだけれども、起きているんですよね。そのことは、やはり人権上、人道上の問題としても解決しなければいけないと考えているんです。

 次に、警察庁にお尋ねをしたいんですけれども、例えば、これはオウム真理教というだけではなくて、問題あるグループあるいは集団、そのグループ、集団について、例えば韓国であるとかアメリカであるとか、シンガポールであれ、カナダでもいいんだけれども、情報共有などは当然されていますよね。

○大濱政府参考人 お答えいたします。

 一般論として申し上げますと、警察におきましては、被疑者や関係する証拠が海外に所在する場合には、国際刑事警察機構、ICPOでございますが、こうした機構を通じた捜査協力のほか、外交ルートや条約等を活用した捜査共助を実施し、捜査を推進しているところでございます。

 このほかに、外国捜査機関との間で開催される二国間協議や犯罪対策に関する国際的な会議への積極的な参画を通じまして、外国捜査機関との情報交換や連携の強化に努めているところでございます。

○有田委員 外国情報機関との協力体制というお話なんだけれども、その前に、日本国内の、例えば法務省であるとか外務省であるとか、そういうところとも協力体制は取っていらっしゃるんですよね。

○大濱政府参考人 お答えいたします。

 そのとおりでございます。

○有田委員 では、今一般的なことでお答えいただきましたけれども、一九九五年三月二十日の地下鉄サリン事件が発生をしたときの、個別、オウム真理教事件についてお聞きをしたいんです。

 当時、地下鉄サリン事件が起きて、滋賀で信者の車の中から信者の名簿が押収されたということは物すごく当時も報道されたわけですけれども、早い段階で警察庁は信者名簿を入手されていたわけですけれども、そのオウム真理教の信者情報について、各国との共助体制、協力体制というのはあったんでしょうか。

○鈴木政府参考人 お答え申し上げます。

 お尋ねにつきましては、個別の事件に関する具体的な捜査活動に係る事柄でありますことから、いずれかの国に対して捜査共助を要請したかを含めまして、お答えは差し控えたいと存じます。

○有田委員 では、一般論としてはいかがなんですか。いろいろな情報の交換を、先ほどの御答弁だと、各国との協力体制を取るときに、国内の、あるいは法務省、あるいは外務省などとも協力するということなんだけれども、そういうことでいえば、入手した情報を各国とやり取りすることはあり得るんですか、ないんですか、お答えできないんですか。

○大濱政府参考人 お答えいたします。

 繰り返しになりますが、先ほどの捜査共助、捜査協力の中で、当然それに付随して情報交換というのは、一般論としては、平素からやっておる、そういうところでございます。

○有田委員 例えば、ヒトラー、ナチズムでもやらなかった、サリンを都市部でまくというような、人類史上初めての事件がこの日本で起きたんだけれども、まさしく言葉で言えば、世を震撼させた事件が三十一年前に起きた。

 そして、あのとき、思い出せば、皆さんもそうでしたでしょうけれども、警察庁、警視庁の皆さんを始めとして物すごく努力をされたのは、私は間近で見ておりましたけれども、どこにサリンがあるか分からない。例えば、あの年の五月に、新宿で何か起きるのではないかという風評が広がったこともありましたけれども、麻原彰晃を頂点として、幹部信者たちの動向というものを、当然、警察庁、警視庁の公安部を始めとして大変な努力をされていた。

 だから、そのことについて、さっきも言いましたけれども、滋賀で信者名簿は入手できたんだけれども、そのことを、警察庁が入手したものを外務省や法務省と共有するということはあったんでしょうか。

○大濱政府参考人 お答えいたします。

 先ほどの繰り返しになりますが、個別の事案での捜査に関するお尋ねでございますので、お答えは差し控えさせていただきます。

○有田委員 だから、そこが闇なんですよね。

 なぜ闇かというと、繰り返しますけれども、後で公安調査庁にお聞きをしますけれども、オウム真理教とは全く関係ない、後継団体とも関係のない人が、いまだ、例えば韓国に行くことができない。おかしなことが起きているんですよ。

 だから、そのことの原因を探るために、昨日も、警察庁、法務省、そして公安調査庁の方に来ていただいて、こういう質問をするんだということをお示ししたんだけれども、結論が出ないというか、見えない問題なんだけれども、見えないんだけれども、しかし、実際に大変な思いをしている宗教二世が何人もいらっしゃるということをやはり解決しなければいけないと思うんですよ。

 答えられないことはそれは答えられないんでしょうけれども、だけれども、理不尽なこと、不条理なことが今起きている。一般人が海外に行こうとして、航空会社でストップをかけられて、大使館に電話しろ、領事館に電話しろというようなことでたらい回しにされて、結局、日本を出ることができない。一般人がですよ。だから、そういうことが起きているから、その原因を探らなければいけないということで今日質問させていただいているんです。

 要するに、お答えできないということなんだけれども、先に答えを言ってしまいます。韓国政府、私は取材いたしました。その三十一年前に十二歳だった少女が、今四十歳を超えて、ドキュメンタリー映画で韓国で特別賞を受けて、招待をされて、韓国に出ようとしたけれども、結果的に行けなかった。

 韓国政府は、お答えできませんということではなく、ちゃんとしたあるルートを使って、理由が分かったんですよ、理由が、明確な理由。何で普通の人が韓国に入れないのか。それは、オウム真理教の関係者であるという、一九九五年の四月、地下鉄サリン事件が九五年の三月二十日、そして麻原彰晃逮捕は五月十六日、事件が起きてすぐの四月に、関係者百二十一人が一緒に規制されているんですよ、韓国には入れないという。そんな情報は韓国政府が当時持っているはずがないんですよ、諜報機関、非常に優秀な組織を韓国政府も持っておりますけれども。日本から、この百二十一人の名簿が一九九五年の四月に送られた、それが今も機能しているんですよ、そのまま。教祖、事件を起こした幹部信者たち、そしてその家族たち。当時十一歳、十二歳どころか、もっと下の人もいる。

 韓国政府は、韓国の出入国管理法第十一条第一項第八号その他によって、要請期間なしに、法務部職権で行い、期間は永久というんですよ。

 一九九五年の四月に韓国政府法務部が入手したオウム真理教関係の百二十一人の名簿が今も有効に機能していて、そこに記入された百二十一人は今も韓国に入れない。実は、韓国だけじゃないんだけれども、カナダ、アメリカなんかもそうなんだけれども、当時、そういう名簿が韓国を始めとして各国に、どの範囲か分からないけれども、送られているんですよ。

 もちろん、日本だって一緒だけれども、出入国問題というのは領土の固有の権利に関するものですから、外国人に対しては全面的に自由裁量に該当するというのは、これはもう各国一致することなんだけれども、名簿が当時作られて、韓国政府に送られて、その百二十一人の人たち、当時十歳以下の子供たちもいる、その人が今韓国政府に入れないという問題が知らないところで今も起きていたということなんですよ。

 このことはやはり解決しなければいけないと私は思っているんです。テロ組織、あるいはテロをやろうとする人ではなくて、一般社会で、一般の暮らしを今日もこの時間も行っている人たちがそういう目に遭っているということをやはり事実として見詰めなければいけないと思うんです。

 公安調査庁にお伺いしたいんですけれども、オウム真理教について、当時、事件直後に解散しましたけれども、後継団体が幾つかありますよね。その現状について教えていただけますか。

○霜田政府参考人 お答え申し上げます。

 オウム真理教は、現在、アレフ、ひかりの輪、山田らの集団が主要な団体として活動しておりまして、これら団体につきましては、現在もなお、松本サリン事件、地下鉄サリン事件の首謀者である麻原彰晃こと松本智津夫の影響下にあるものと認識しております。

 また、これら団体につきましては、当庁が実施しております立入検査におきましても非協力的な姿勢を貫いておりまして、依然として閉鎖的な体質を保持しております。

 当庁におきましては、観察処分を厳格に実施するとともに、必要に応じて再発防止処分を請求するなどして、これら団体の組織、活動の把握に努めているところでございます。

○有田委員 アレフ、ひかりの輪、山田らのグループということです。

 もう少し詳しく教えていただきたいのは、構成メンバーというのは、それぞれどのぐらいいて、どういう傾向があるんでしょうか。

○霜田政府参考人 いわゆるオウム真理教の後継団体の構成員につきましては、現在、令和八年一月末時点でございますけれども、構成員数約千六百人、このほか、ロシア連邦内にも構成員を数人擁していると見ております。また、十五の都道府県下に三十か所の拠点施設を確保しているというふうに考えております。

 また、アレフにつきましてでございますけれども、麻原に対する絶対的な帰依、これを明示的に強調した活動を行っております。

 また、山田らの集団につきましては、アレフとは一定の距離を置いてはおるんですけれども、麻原への絶対帰依、これを堅持しながら活動を続けております。

 このほか、ひかりの輪につきましては、麻原の影響力の払拭というものを装いながら活動していると私どもとしては見ております。

○有田委員 アレフ、千六百人ほどというお話ですよね。これはずっと変わっていないですよね。出入りはあるんでしょうか。

○霜田政府参考人 全体の数としては大きな変動はございません。ただ、実際の構成員につきましては、新たに入ってくる構成員がいたり、あるいは脱退する構成員がいたりということで、常に同じ構成員で推移している、中身的には常に同じという状況ではございません。

○有田委員 別のテーマになってしまいますからここでは聞きませんけれども、特に北海道なんかが出入りが多いんですよね、なぜか。

 今、アレフ、約千六百人とお示しいただきましたけれども、ひかりの輪、そして山田らのグループというのは何人ぐらいなんでしょうか。

○霜田政府参考人 全体として千六百人ということを公表しておりますけれども、個々の集団についての内訳については私どもの方で公表しておりませんので、申し訳ございませんが、お答えは差し控えとなります。

○有田委員 先ほど答弁していただいたときに、団体規制法に基づいて施設に入ろうとしたら、そこでトラブルが起きたりもしているわけだけれども、アレフの場合はそういう出来事が起きているんですけれども、ひかりの輪とか山田らのグループに対する、そういう団体規制法に基づく、観察処分に基づく、施設に入って状況を調べるということもやっていらっしゃるんですよね。それでいいんです。

 そこで、つまり、アレフは妨害をしてきたことで問題になって警察が入ったりしたんだけれども、山田らのグループあるいはひかりの輪でそういうトラブルというのはこれまでありましたか。

○霜田政府参考人 お答え申し上げます。

 いわゆる再発防止処分に発展するような事案ではございませんけれども、必ずしも、山田らの集団、ひかりの輪につきましても、私どもに協力的な対応をしているわけではございませんで、例えば、何か質問をしても一切答えないですとか、そういった事情、状態はございます。

○有田委員 そこで、もう一つ確認をしておきたいんですけれども、特にアレフは麻原彰晃の影響がいまだ強く残っているというお話でしたけれども、このアレフ、ひかりの輪、あるいは山田らのグループというのは、テロ組織という判定をされているんでしょうか。

○霜田政府参考人 お答え申し上げます。

 テロ団体、テロ組織の認定あるいは指定といったことにつきまして、私ども公安調査庁の所掌事務にはございません。

○有田委員 しかし、教義上には危険なものがあるという認識をされているという理解でよろしいわけですよね。

 その上で、今日の質問にもまた戻るんですけれども、公安調査庁にお聞きをしたいんですけれども、令和七年、昨年八月四日付の官報号外百七十七号記載の公安審査委員会の決定はどういうものだったかをお示しください。

○霜田政府参考人 御指摘の官報でございますけれども、これは令和七年八月四日付の官報号外百七十七号であると承知しております。

 この官報に掲載されましたアレフに対する再発防止処分請求書の中で、麻原の次男及び妻をアレフの役職員と認定しているところでございます。

○有田委員 そのとおりで、麻原彰晃の次男が役員、妻は役職員という認定なんだけれども。

 じゃ、ほかの家族、最初にお示ししましたけれども、麻原彰晃がいて、妻がいて、六人の子供がいて、今、次男のお話でしたけれども、あと五人いるわけですよね。五人の家族、ほかの家族についてはどういうことがこの官報には書かれているんでしょうか。

○霜田政府参考人 お答え申し上げます。

 麻原の妻を役職員と認定した部分におきまして、「麻原の二男及び麻原の妻を除く「Aleph」との関係が認められない麻原の親族に対しては「Aleph」からの資金提供はないことからすると、麻原の妻は、麻原の親族であるからではなく、「Aleph」の役職員ないし構成員であるからこそ、「Aleph」から資金提供を受けていると認められる。」と記載してございます。

○有田委員 そのとおりなんですよ。

 一九九五年に地下鉄サリン事件が起きて、そして麻原一家にも非常に注目が集まって、その家族についても、当時、週刊誌などなどで報道をされました。だけれども、あれから三十一年たって、今お示しいただいたように、麻原彰晃のほかの家族、つまり次男と妻以外の家族についてはアレフとの関係が認められないということが官報にも示されているんだけれども、当然、アレフとは関係ないけれども、さっき話してくださったひかりの輪とかあるいは山田らのグループとも関係ないですよね。

○霜田政府参考人 お答え申し上げます。

 令和七年七月二十二日付の再発防止処分請求時において、アレフの構成員、あるいはひかりの輪、山田らの集団の役職員と認めるに足りる証拠はないと判断しております。

○有田委員 つまり、事件当時は、麻原彰晃の家族であるということで物すごく注目もされて、監視の対象になっていたどころか尾行までついていたんだけれども、だけれども、あれからもう三十一年たって、一般の社会で働いている人が、最初に戻りますけれども、例えば、韓国に行こうとしてもチェックされてしまう。その原因が、一九九五年の四月に韓国政府の法務部が決定をしたんだけれども、永久に入国できないという三十一年前の百二十一人リストというものがいまだ機能してしまっていて、今や、一般人である女性が、あるいはそのお姉さんが、あるいはその弟たちが、海外に行けないということが起きているというのは、やはりおかしいと思うんですよね。

 国によっては行けるんですよ。例えば、ベトナムに行くとか、あるいは、今は行けないけれども、なぜか分からないけれども、昔はカナダに入れたとか、そういうことが起きているというのはやはり不可解なんですよね。だけれども、少なくとも韓国政府については、先ほどお示ししましたように、百二十一人リストというものが、日本政府のどこかから韓国政府に行くしかそんなものは作れないんだけれども、そういうものが機能してしまっていて、今や一般人が、韓国には行けない、通帳もできないということがある。

 警察庁にお尋ねしますけれども、一九九五年に韓国やアメリカ政府に何らかの通達はされましたでしょうか。

○鈴木政府参考人 お答え申し上げます。

 繰り返しになって恐縮でございますけれども、お尋ねにつきましては、個別の事件に関する具体的な捜査活動に係る事柄でありますことから、韓国等に対して捜査共助を要請したかを含めまして、お答えは差し控えたいと存じます。

○有田委員 だから、あえて言えば、人権侵害がいまだ続いているその根本原因が百二十一人リストであって、それは、当時日本政府関係で作られたものしか、普通考えたらあり得ないんですよね。警察庁なのか法務省なのか。法務省は関係ないと昨日おっしゃっていましたけれども、法務部との協力関係があれば、どこかが作ったものが、外務省なのか法務省なのか警察庁なのか分からないけれども、ほかかも分からないけれども、韓国政府が今持っているわけですよ。明確に持っているわけですよ。

 だから、そのことをやはり解決しなければいけないというのが今日の質問の趣旨なんです。答え、出ないんですよ。何があったのか。どこからそういうものが届いたのか。

 次、西村智奈美さんが質問なんだけれども、もう少しやっていいということなので、もうやめますけれども、最後の最後に金融庁にお聞きをします。

 預金通帳を作れないケースというのは、どういうケースなんですか。

○若原政府参考人 お答えいたします。

 金融機関と顧客との間で口座開設などの取引に応じるか否かは、各金融機関において様々な情報などを基に総合的に判断されるものと承知いたしておりますので、取引に応じられなかった、そういう場合があったときに、どういう理由かということを一概に申し上げることは困難だと考えております。

 なお、その総合的な判断がどういったものかということにつきまして補足をさせていただきますと、金融機関には、テロ資金供与でございますとかマネーロンダリング対策、預金口座の不正利用といった犯罪利用を防止するための体制整備、こういったものを私ども求めておりますので、こうした中で、犯罪収益移転防止法等に基づきまして、顧客の氏名、住居、取引目的などの確認を行った上でリスクを評価いたしまして、必要と判断した場合には取引の謝絶を含みますリスクの低減措置を図っているというふうに承知をいたしております。

○有田委員 要するに、預金通帳も作れない、韓国にも行くことができない一般市民がいるというこの不条理、不合理を何とかして解決しなければいけないという思いで質問したということをお伝えしまして、時間が来ましたので、終わります。

○井上委員長 次に、西村智奈美君。

○西村(智)委員 西村です。

 六月の九日、再審法の審議の中で、二回目の参考人質疑が行われまして、袴田ひで子さんが本院にお見えになりました。当委員会にお見えになりました。

 そこで、ひで子さんが述べられたのは、東京拘置所に勾留されておりますときに、巌さんの体調が変化をしてきたというお話でございました。ひで子さんは、こういうふうにおっしゃっておられます。

 四十七年七か月、自分で妄想の世界をつくって、その中に閉じこもっておりました。解放されて十二年になりますが、いまだ後遺症というものは治っておりません。私とも会話できません。ほとんど会話というものはございません。多少はよくなっておりますが、そういう状況でございます。巌は、ともかく、拘置所に四十七年七か月もいれば、こうなって当たり前だと私は思っておりますというようなお話がございました。

 大変胸が痛くなる思いで、冤罪は晴らすことができたわけですけれども、大変長くかかってしまった時間と、そして、失ってしまった心身の健康は取り戻すことができないということだと、本当に深刻に受け止めております。

 こういった陳述について、大臣もお聞きになったと思いますけれども、この陳述あるいは参考人質疑の中での袴田ひで子さんのお話を伺って、大臣はどういうふうにお感じになったでしょうか。

○平口国務大臣 お答えいたします。

 今月九日の袴田ひで子さんに対する参考人質疑の様子については、国会中継の映像を視聴いたしました。

 長期間にわたって刑事施設に収容されていた袴田巌さんが御指摘のような反応を示され、いまだ後遺症が治っていない状況にあるとのお話については、法務大臣としては大変真摯に受け止めております。

○西村(智)委員 真摯に受け止めていただいた上で、これまでの経過、そして対応、これがそういった法務大臣の気持ちに沿ったものであるのかどうか、また、今後、こんなケースが出てはいけないわけですけれども、このようなケースが万が一生じてしまったときにどういうふうに法務省としては対応していくのか、そのことについて伺っていきたいと思います。

 一九九九年の二月の二十日、衆議院法務委員会で保坂委員がこの件について質問をしておられました。

 それまでに、実は、袴田巌さんが、面会になかなか応じなかった、死刑が確定し、そして、一九八〇年、八一年頃からなんでしょうか、だんだんと、ひで子さんいわく妄想の世界に入っていかれたということなんだと理解をいたしますけれども、この二月の十日に、保坂委員の言葉をかりますと、拘置所の方で大分努力をしていただいて、三年ぶりにひで子さんが巌さんに会った、ところが、そのところ、何とかの神だと言って、袴田巌というのは別人だと言ってすぐに帰ってしまったというようなお話があったわけなんです。

 その上で、保坂委員が、確定死刑囚の方で、例えば再審請求の弁護人や肉親にも会わない、会えない、そういった方が過去並びに現在いらっしゃいますでしょうかというふうに質問しております。この質問に対して当時の坂井政府委員は何と答弁をしているか、そのまま読み上げていただきたいと思います。

○日笠政府参考人 お答え申し上げます。

 国会の議事録を確認いたしましたところ、当時の坂井矯正局長は、私の知る限り、そういう方は袴田さんだけだというふうに承知しておりますと答弁しております。

○西村(智)委員 率直に御答弁いただいているわけなんです。

 ちょっと、これは通告していませんが、もしお手元にあったら、さらに、その後、保坂委員は、この状態はやはり異常だと考えませんか、何らかの治療あるいは状況改善をどう法務省として考えているのかというふうに質問しているわけなんです。これに対する政府委員と、それから大臣の答弁もその後あるわけなんですけれども、これについて、もしお手元にあったらそのとおり述べていただきたいと思います。

○日笠政府参考人 お答えいたします。

 申し訳ございません、今、手元にございませんので、お答えすることがかないません。

○西村(智)委員 済みません。

 では、私の方から申し上げますと、政府委員の方からこういう答弁がありました。精神的な面を申し上げますと、先生先ほどから御指摘のように、自分は神の国から来たみたいなことを言っておりますし、過去にはもっと悪い状態もございましたので、我々としては、いわゆる完全に普通の状態だというふうには思っておりませんけれども、だからといって、特にその状態が悪化しているかと言われると、そうでもないだろうという認識でございますと。

 中村大臣は、その答弁を受けまして、今局長も御答弁申し上げたように、それなりに一生懸命努力はさせていただいているようでございます、そして、裁判所の判決があり、それを再審請求という手続に基づいて行っているという裁判の手続が進行している中で、どういうような対応ができるのか、これを更に検討させてみたいと思います。

 随分、物事の本質といいますか、問題の深刻さを分かっていただいた上でお二方は答弁をしてくださったなというふうに、私はこの議事録を読んでそういうふうに思いました。

 それで、更に伺いたいんですけれども、二〇〇二年十一月二十七日に、これも法務委員会で、保坂委員が森山大臣に質問しておられます。政治家同士として大臣に問いたいと。具体的に何らかの努力をしていただきたい。お姉さんが、また会えなくなっちゃったわけなんです、一度、本当に東京拘置所の方が努力して、一分だけ会えたけれども、またそれから会えなくなった。二十一回目、二十二回目会いに行っても会えないでしょう、いかがですか、感想も含めてお答えくださいと質問したときに、森山大臣がどういうふうに答弁しておられたか。

 これは大臣に伺いたいと思います。

○平口国務大臣 お答えいたします。

 国会議事録を確認したところ、当時の森山法務大臣は、被収容者の方が会いたくないとおっしゃっている話もございますし、断片的に聞くところによりますと、少し常軌を逸し始めた精神状態なのかもしれないとも思います、東京拘置所におきましても、お医者さんのカウンセリングとかそういうことをやっているというふうに聞いておりますが、拘置所の方で具体的にその症状を見て適切な判断をしていってほしいというふうに考えておりますと答弁しております。

○西村(智)委員 それで適切な対応が取られたのかどうかということなんです。

 実は、日弁連が、二〇一一年の一月に法務大臣宛て勧告書というのを出しておられました。この中で、三名の医師が鑑定書、意見書を提出しているということを紹介しておりまして、三人の方、時間があれですのでかいつまんでだけ申し上げます。

 まず、A医師、この方は、実は、袴田巌さんについては、成年後見制度の申立てをしようということで、鑑定書が取れないかということで、東京家庭裁判所の方から鑑定の委嘱を受けた国立精神・神経センター精神保健研究所に属する医師からの鑑定書がありました。この鑑定書においてはどういうふうに書かれているかといいますと、精神の障害があり、拘禁反応である、もし拘禁が解かれるならば、その能力を回復する可能性は極めて高いというふうに記されていたそうであります。

 次に、B医師、この方は、再審請求を弁護人が依頼をして、日本精神神経学会の法・倫理関連問題委員会に属するドクターだということなんですけれども、その方の意見書では、拘禁反応に罹患しており、治療を要し、強制的な投薬を含め、精神科病院への入院が望ましいが、不可能な場合には医療刑務所への移送が考慮されるべきというふうに書かれていたそうであります。

 三人目、C医師、この方は、日弁連の袴田事件委員会の方で意見書の提出を求めたそうなんですけれども、そちらの意見書では、精神障害がある、精神障害である以上、通常に実施されるべき治療が必要というふうに書かれていたということなんです。

 大臣、こういった委員会の中での質疑、それから、三人のドクターの方がやはり皆さん治療が必要であるというふうにおっしゃっている中で、袴田巌さんに関しては、適切な時期に、拘禁症状に対する治療、ないしは、この医師の意見書や鑑定書などにありますように、医療刑務所への移送ですとか精神科病院への入院等々が必要だったのではないか、そういった対応を取るべきだったのではないかと私は考えているんですけれども、大臣はそういうお考えを持っておられるでしょうか。

○平口国務大臣 お答えをいたします。

 個別の被収容者又は被収容者であった方の処遇や医療の状況については、プライバシー保護等の観点から、お答えすることは差し控えたいと思っております。

 その上で、一般論として申し上げれば、刑事施設においては、医師による診察や刑務官による視察などを通じ、個々の被収容者の動静を把握し、必要に応じて職員による面接を行い、さらに、体調不良等が認められた場合には、医師による診察を適切に行っているものと承知をしております。

○西村(智)委員 プライバシーの保護は、それは重要なことではあると思うんですけれども、恐らく法務省の方は個人情報保護法ということを言ってくるんだとは思うんですが、個人情報保護法の最大の目的は何かといったら、個人の権利利益、これの保護なわけなんです。

 権利利益を保護するという点で、袴田巌さんのように、まさに国家による最大の人権侵害と私たちは言っております、その冤罪の被害者、被害当事者であって、そして四十七年七か月も拘置所に留め置かれたということをもって、そしてまた、先ほど法務省の方からも答弁をいただきました、既に当委員会で、政府委員であったりそれから大臣が、常軌を逸した状況になっていると聞いておりますというふうなことまでおっしゃっているわけなんですよ。ここは、そうした経過を踏まえて、また、今回再審法の改正が議論されているという中で、その重みをやはりちょっと、よく受け止めていただいて、もう一回答弁いただけませんか。

 私は、一般的な話もしたいんだけれども、とにかくこの袴田さんの件については、やはり適切な時期での治療の開始、あるいはそういった対応、こういったものはもうちょっと、それは拘置所の方はいろいろ御努力くださったと思いますけれども、ドクターも御努力くださったと思いますけれども、もっと何かできることはあったんじゃないかというふうに思うんです。

 法務省全体として、いかがでしょうか。

○平口国務大臣 一般論としては、医師による診察を適切に行っているということだと思います。

 刑事施設に収容されていたことに関する情報については、現在、個人情報保護法に定める要配慮個人情報に該当いたしまして、より慎重に取り扱うことが必要になるというふうに思います。

○西村(智)委員 大変残念です。私、さっき政府参考人と大臣から読み上げていただいた、一九九九年当時あるいは二〇〇二年当時の政府委員であったり大臣の答弁の方がよっぽど血が通っているし、物事の本質が分かっている答弁をしてくださっていると思いますよ。

 何か、個人情報保護法を盾にそうやって一般論の話に置き換えてしまうというのは、やはり、今再審法の議論をしている中で、本当に法務省は反省していないんじゃないかというふうにこれは申し上げざるを得ません。本当に残念ですけれども、何とかならないですか、これは大臣、本当に。

 じゃ、ちょっと参考人の方から、手を挙げてもらっていますけれども、どうですか。本当に、これは二十五、六年前はちゃんと答弁してもらっていますからね。どうですか。

○日笠政府参考人 済みません。繰り返しになって申し訳ないんですけれども、その後の状況というところで、刑事施設に収容されていることや、それから、その後再審で無罪となった場合も含めて、刑事施設に収容されていたことに関する情報につきましては、現在、個人情報保護法に定める要配慮個人情報に該当するということで、より慎重に取り扱うことが必要であるということで、プライバシー保護の観点からお答えすることが難しい状況にあります。御理解いただければと思います。

○西村(智)委員 先ほども申し上げましたが、個人情報保護法は、個人の権利利益の保護のためというのが目的なんですよ。政府の都合のいいように解釈を変えていただきたくない、そのことは強く申し上げます。

 次に、先ほどちょっと触れました成年後見制度、袴田さんは、この申立てをしようということで、東京家裁に鑑定書を依頼していたという経過があります。

 それで、これについても委員会での答弁がありまして、当時の谷垣法務大臣です。これはなかなか、成年後見、鑑定がないとできないということで、だけれども、やはり難しかったということで使いにくかった。そのときに、谷垣大臣は、法の精神が、法の精神というのは成年後見制度に関する法ですけれども、成年後見制度に関する法の精神がきちっと生きるようなことは考える必要があるというふうに答弁をしておられました。

 これは、拘置所内で成年後見制度が利用できることの重要性を認識している答弁である、しかも、利用できることを担保するために必要な対応を取る、そういった旨を答弁したものというふうに私は理解しているんですけれども、そのとおりで間違いないか、お願いをいたします。

○井上委員長 平口法務大臣、申合せの時間が来ていますので、簡潔にお願いいたします。

○平口国務大臣 御趣旨の答弁については、成年後見制度を一つの例としてお答えしたものというふうに受け止めております。

○西村(智)委員 いやいや、そうなんですか。ちょっと、ごめんなさい、それは違うと思いますよ、質問者の趣旨から。ちょっともう一回、機会があれば改めて質問したいと思いますが。

 是非、再審法の審議が進んでいますので、しっかりと、拘禁症状といったことの答弁をしてきた重み、それから袴田巌さんが今置かれている状況、これもよく考えていただいて、参議院での質疑を進めていただきたい、そのことを申し上げて、終わります。

○井上委員長 次に、井戸まさえ君。

○井戸委員 おはようございます。国民民主党の井戸まさえです。

 まず、伺います。

 一昨日、六月十五日の参議院決算委員会において、森まさこ参議院議員が、元大阪地検検事正による準強制性交事件に関して質問をなさいました。

 検察内でセクハラ、性被害事案が起こった場合、現在、どのような検証そして対応を行っているのでしょうか。お答えください。

○佐藤政府参考人 お答えいたします。

 検察当局におきましては、性加害事案やセクシュアルハラスメント事案を含めまして、検察職員による非違行為の疑いがある場合には、事実関係の調査を厳正に行いまして、事案に応じて必要な措置を講じるほかに、仮に当該行為が犯罪に該当し得るといった場合には、必要な捜査を遂げて、法と証拠に基づいて厳正に対処するものと承知しておりまして、御指摘の北川元検事正による準強制性交等事案につきましても、当該被告人の余罪の有無も含めまして所要の捜査を遂げて、起訴すべきものは起訴したというふうに対外的には説明しているということでございます。

 検察当局におきましては、そのほか、昨年五月の次長検事名でのハラスメント防止等に関する取組を徹底する指示に基づきまして、各庁において様々な取組を進めているところでございますが、アンケートによるハラスメント調査の有用性に照らしまして、全庁的な調査の実施が相当であるとして、本年度中に全職員を対象としたハラスメント調査を実施することとしているほかに、そこに客観的な視点を加味する方策がないかも含めて検討しているということで聞いておりまして、引き続き、ハラスメントを防止して、働きやすい職場環境の構築に努めていくことが肝要であると考えているところでございます。

○井戸委員 森まさこ参議院議員は、法務大臣経験者として、こう述べておられます。第三者委員会の設置は、国民の命と安全を守り、司法の信頼を取り戻すために不可欠です、企業でも防衛省でも自治体でも第三者委員会が設置できるのに、なぜ法務省、検察はできないのでしょうか、このまま放置すれば、新たな犠牲者が出ますと。

 今のお答えの中であったならば、客観的な方策というものを加えていくということなので、第三者委員会のようなものをつくっていくというようなことも、今、解釈もできないとは思うんですけれども、大臣、しかしながら、六月十五日のこの森委員の質問に対しては、検察の取組を注意深く見守りたいと繰り返しおっしゃって、ゼロ回答とも報道されております。

 全職員対象のハラスメントの調査等々ありますけれども、これは内部調査にすぎません。再審法の議論でも指摘したとおり、組織の内部だけで幾ら反省、共有を繰り返しても、抑止効果は限定的です。大臣のリーダーシップを発揮していただいて、第三者委員会を設置すべきではないでしょうか。お答えください。

○平口国務大臣 お答えをいたします。

 先ほど刑事局長が申し上げたとおり、検察当局においては、性加害事案等、検察職員による非違行為の疑いがある場合には、厳正に事実関係の調査を行い、事案に応じて必要な措置を講ずるほか、仮に当該行為が犯罪に該当し得る場合には、必要な捜査を遂げて、法と証拠に基づき厳正に対処するものと承知しております。

 その上で、御指摘のような事案に関し、第三者による検証、調査を行うことにつきましては、事案の性質上、第三者の名誉、プライバシーを侵害するおそれがあるものと考えております。

 また、仮に当該事案について捜査当局による捜査が行われている場合には、当該捜査に影響を与えるおそれがあること、検察当局により起訴されて公判が係属している場合には、当該公判に影響を与えるおそれがあること、また、判決が確定している場合には、あえて第三者に検証、調査を行わせることで司法判断の軽視であるとのそしりを免れないことなど、いずれにせよ、司法権の独立の観点から問題を生ずるものと考えております。

 そのため、御指摘のような事案に関し、第三者による検証、調査を行うことについては、極めて慎重に判断する必要があると考えております。

 なお、検察当局においては、本年度実施することとしたハラスメント調査に加え、そこに客観的な視点を加味する方策がないかも含めて検討している旨、報告を受けております。

 法務大臣としては、まずは検察当局におけるそのような取組を注意深く見守ってまいりたいと思っております。

○井戸委員 今、るるできない理由を述べられたんですけれども、森元法務大臣がおっしゃっているということを今伝えました。企業でも防衛省でも自治体でもやっているんですよ。そうしたら、そのやっているところというのは、第三者機関を設けていること自体でプライバシーを保護できていないのか。そうした客観的な事実はあるんでしょうか。お答えいただけますか。

○佐藤政府参考人 お答えいたします。

 客観的な事実の根拠という話ですけれども、それぞれの第三者委員会の調査につきまして私どもが個別に評価するというのはなかなか難しいところではございますけれども、一般的に、そういうような非違行為であるとか性加害、性被害であるとか、そういった事案におきまして、捜査の内容とかそういうハラスメントの話というのは、やはりプライバシーとかそういった情報が、結構、かなり入っているのが通常でありますので、一般的にはそういう問題があるというふうに考えているところではございます。

○井戸委員 一般的な話じゃなくて、やはり検察が、しっかり、事案がある、そして当事者の方も、防衛省とかも含めてですけれども、その方たちも、プライバシーの話ではなくて、しっかり検証してもらいたいという思いがあるわけじゃないですか。これをやらなかったならば、再発防止なんというのはほど遠い話ですよ。しっかり対応していただきたいということを要望申し上げたいと思います。

 そして、大臣も、先ほど紙をずっと、前回からもずっとそうですけれども、読むだけじゃなくて、何が起こっているのか、そしてそれを本当に深刻に受け止めていただきたいと思います。お願いをいたします。

 さて、次は、内閣委員会でこの間、私、男女共同参画について質問したんですけれども、その中でちょっと取りこぼしがあったので、ここで伺いたいと思います。内閣府に伺っていきます。

 今年十月には、国連女子差別撤廃委員会の最終見解におけるフォローアップとして、同委員会に情報提供する予定と承知しています。先日の内閣委員会でお尋ねをしたときにも、この最終段階のフォローアップについては、選択的夫婦別氏の制度の導入など、法務行政とも関わる課題について指摘がされております。

 こうした課題については、NGOや市民社会から様々な意見や提言が行われてきたところです。政府として、女性差別撤廃委員会からの指摘への対応も含めて、今後の男女共同参画社会の実現に向けて、こうした様々なNGOや市民社会との対話、連携をどのように考えておられるでしょうか。お願いします。

○由布政府参考人 お答えいたします。

 男女共同参画社会の実現に向けた取組を進めていく上で、政府や地方公共団体等の行政機関だけではなく、社会の多様な主体が連携、協働していくことが重要であると考えております。

 引き続き、様々な分野で活動するNGOや市民社会の御意見も伺いながら、男女共同参画の取組を進めてまいりたいと考えております。

○井戸委員 ありがとうございます。

 まさに、当事者とか支援団体の声を聞きながら政策を進めると。先ほどの検察のお話だと、そういったいろいろな多様な声というのがなかなか反映できないというようなことを御答弁の中からは思ったんですけれども、あらゆる人権政策というのは、様々こうした声というのを集めて、そして前に進めなければいけないと思っています。それは政府の重要な基本姿勢だと思っています。その姿勢が、これから質問してまいります戸籍をめぐる人権問題、とりわけ無戸籍問題についても貫かれているのか、その観点も踏まえつつ、伺っていきたいと思っています。

 本年四月十日のこの委員会で、私は、令和七年度、二月から三月にかけての一連の毎日新聞のスクープを取り上げました。つまり、令和七年一月時点で、法務省が、令和四年民法改正に伴う一年間の救済措置である経過措置の対象となる無戸籍者数の人数を把握しておらず、その後の調査で、令和七年一月末時点でそもそも経過措置の利用者が五十九名にとどまっていたこと、令和二年時点でも、法務省が把握する無戸籍者のうち五百四名が対象であったことなどが報道されています。

 そのため、令和四年の民法改正の経過措置によって何人の無戸籍者が救済されたのかを、この場、法務委員会でお尋ねをいたしました。これに対して法務省は、最高裁判所に確認をした結果として、本年二月時点で百二十二名とお答えになりました。

 そこで、確認をさせてください。この百二十二名という数字は、当該時点で経過措置による嫡出否認の申立てが認容された人数、つまり、実際に嫡出否認が認められた人数なのでしょうか。それとも、認容、却下、取下げ、その他を含む終局をした事件の人数なのでしょうか。

○松井政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の答弁は、令和四年改正民法の経過措置規定による嫡出否認の訴え等により嫡出否認がされた方の数について、最高裁判所に確認し、本年二月時点で百二十二人である旨お答えしたものでございます。

○井戸委員 ということは、されたというのは、今言ったように、終局がされたということなんでしょうか。なるほど、分かりました。

 そうしますと、その終局人数というのは、さっき言ったように、取下げとかも入っているわけですよね。そうなると、嫡出否認がされたというのは、否認が認められたというような意味で私は受け取ったんですけれども、そうではないということなんですか。嫡出否認がされたということなんですね。

 じゃ、改めて伺うんですけれども、嫡出否認がされたけれども無戸籍のまま訴えた人なのか、若しくは、既に戸籍があった中で嫡出否認をわざわざしたのか、この内訳というのは確認はしているんでしょうか。

○松井政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、先ほど申し上げたとおり、本年二月時点で百二十二人という数字は、実際に、嫡出否認の訴え等により嫡出否認がされた方の数でございます。

 この経過措置規定の適用対象には既に戸籍に記載されている子がした嫡出否認の訴え等も含まれるとのことでございまして、委員御指摘のように、この百二十二人の中には既に戸籍に記載されている方が含まれている可能性がございますが、それが何人であるかは法務省として把握していないところでございます。

 誤解を招く答弁となってしまったことについては、おわびを申し上げます。

○井戸委員 そうしますと、整理いたしますと、百二十二名は、第一には、終局した数であって、そして第二には、その中で何人が無戸籍であったか、実際に戸籍を得たというような質問を私はしたんですけれども、それについて言ったら、誤解を招くような答弁だったということで、実際には把握をしていないと。

 そうすると、私はお尋ねせざるを得ないんですよ。法務省は、令和四年の改正、経過措置によって、実際に何人の無戸籍者の戸籍を作ることができたのかを把握していないということは、それは今も、今現在も把握をしていないということですよね。よろしいですか。

○松井政府参考人 お答え申し上げます。

 令和四年改正民法の経過措置規定が先ほど申し上げた人数において使われているということは事実でございますが、その結果、無戸籍であった方が戸籍を記載されるようになった、その数については把握していないということでございます。

○井戸委員 では、続けて最高裁判所に伺います。

 無戸籍が戸籍を得るための手段の一つに就籍という申立てがあるんですけれども、この就籍許可の手続、前の夫などを相手方にして行う必要がないので、法務省は、これまで、無戸籍者については就籍等の裁判手続を案内しているというふうに説明してこられました。

 就籍許可申立て事件について、直近五年の統計の項目、そして推移を教えてください。

○馬渡最高裁判所長官代理者 お答えいたします。

 司法統計において、就籍許可審判事件については、新受総数、既済総数、認容件数、却下件数、取下げ件数、その他の既済の件数等の項目について統計を取得してございます。

 そのうち、令和三年から令和七年までの新受総数、認容件数、却下件数、取下げ件数の推移をお答えいたします。なお、いずれも令和七年の件数は速報値でございまして、今後、異同訂正があり得るものでございます。

 まず、新受総数は、令和三年が百四十件、令和四年が百二十三件、令和五年が百三十件、令和六年が百十件、令和七年が百十二件。認容件数は、令和三年が九十三件、令和四年が六十九件、令和五年が六十六件、令和六年が五十九件、令和七年が五十七件。却下件数は、令和三年が十六件、令和四年が九件、令和五年が十三件、令和六年が十九件、令和七年が十九件。取下げ件数は、令和三年が四十六件、令和四年が三十九件、令和五年が四十四件、令和六年が三十五件、令和七年が三十二件でございます。

○井戸委員 つまり、就籍の申立てをしろしろと言うんですけれども、言っても、取下げをしているとか却下されたということで、実際には半分ぐらいしか、戸籍を就籍で得ている人というのは少ない、半分しか得ていないわけですよね。

 もう一件、確認します。

 就籍事件で、二度目以降、一回、例えば却下されたと言ったら、もう一回申し立てればいいんだとずっと言ってきたんですよ。これは、二回目以降、二回目も、また次のときに就籍、これを申立てで認められた事案や、また、経過措置による嫡出否認事件によって、申立人については、申立ての対象者の年齢や性別、無戸籍となった原因とかその期間、代理人の有無といった属性の統計、こういったことは存在しますでしょうか。

○馬渡最高裁判所長官代理者 お尋ねのあった項目についての件数は、統計として取得してございません。

○井戸委員 更に伺います。

 なぜ統計を取らなかったのでしょうか。お答えください。

○馬渡最高裁判所長官代理者 司法統計としてどのような数値を取得するかにつきましては、その時点における実務のありようを適切に把握するという観点や事務処理上の負担等を踏まえて検討されているところでございます。

 現在、就籍許可審判事件について数値を取得している項目は、就籍許可審判事件に関する裁判実務の動向を適切に把握するために必要十分なものということで取っているということでございます。

 これ以上に、委員御指摘のような項目別の件数の数値を取得することにつきましては、就籍許可審判事件に関する裁判実務の動向を適切に把握するための有用性が明らかにあると言えるか、そのためにどの程度の事務負担が生ずるかなどを総合して、慎重に検討する必要があるものと考えております。

○井戸委員 経過措置の人数について言ったら、年齢とか、ゼロ歳、一歳、二歳、四歳以上、こういったところの統計は取っているんですよね。それによって無戸籍の状況というのはやはり分かるわけですよ。就籍事案で、例えば、どの事案、何歳ぐらいの人は却下されているだとか、客観的なことというのが分かるというのは非常に重要だと思うので、本来はそうした数字を取らなければいけないと私は思っています。これまでの数字というのが救済の実態を全くそういう意味では表していないということを確認してまいりました。

 次に、その数字の背後にいる、現実の当事者について伺います。

 今年の六月九日、今月ですね、戸籍を持たない十代の大学生と支援する弁護士グループが記者会見を行いました。報道によったならば、この方というのは、大学生ですね、運転免許もパスポートも取得ができない、友人から留学やドライブに誘われても、理由を明かせず、みんなが当たり前にできていることが自分にはできない、一番信用できている友達にもうそをつくのが苦しいと涙ながらに語っておられます。

 この方のお母さん、母親は、DVを受けた夫から別れて別居し、その間に別の男性との間にお子さんを授かりましたが、その男性からも暴力を受けて、再婚せずに避難されました。経過措置という手続があっても、それを利用すれば前夫や血縁上の父に居場所が伝わる危険があるため、使うことができない。だから、今なお無戸籍のままです。

 法務省は、こうした前の夫からDVを受け、血縁上の父親との間の手続も容易ではない、そうした取り残された無戸籍当事者に対してどのような解消の仕方を用意しているのでしょうか。民事局長に伺います。

○松井政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、個別の事案についてお答えすることが難しいことは御理解いただきたいと存じますが、その上で、一般論として申し上げますと、嫡出推定を避けるために無戸籍となっている場合において、嫡出推定を覆して無戸籍を解消するためには、母の元夫又は実の父に対する裁判手続をすることが必要となります。

 そして、相手方からDVなどを受けている場合においてこのような裁判手続を行う際には、民事訴訟法上、相手方に対する住所等の秘匿決定の手続というものが予定されておりまして、これが関係法令で準用されているということもございまして、この住所等の秘匿決定の手続を活用することが考えられるところでございます。

○井戸委員 その秘匿制度、秘匿手続というのが、住所、氏名を相手方に知らせないようにする制度です。大事な制度なんです。しかし、この事案で問題になっているのは、住所を隠せるかどうかだけの話じゃないんですよ。

 第一に、嫡出否認の手続をすれば、その手続が始まったこと自体は、相手方である前夫に知らされます。住所は隠せても、子供の存在がまず伝わるわけですから、リスクが発生します。

 第二に、秘匿制度は、一部にしか認められない場合もあれば、認められても、相手が争えば取り消される可能性もある不安定な制度です。

 第三に、そもそもこの類型の方は、DVの証拠も、前夫の夫ではないこと、すなわち、推定の及ばない子であることを立証するための証拠も持っていない、そうしたことが多いです。長い年月がたって、警察などの記録も、別居の記録も、当時の証拠も資料も残っていない。血縁上の父の協力も得られない。

 つまりは、秘匿制度があるから安全に手続を利用できるという説明と、現実の手続を利用できるということは別の問題です。

 法務省は、無戸籍者に対して寄り添い型の支援を行っていると繰り返し説明してこられました。私は、その努力自体を否定するつもりはありません。ただ、先ほどの大学生のように、戸籍を得たいと願いながらも現実的には得られない方たちに対して法務省が実際に行ってきたのは、嫡出否認などの法的手続を取るようにと案内して督促をすることであったという声が届いています。

 手続案内をして申立てを促す、それだけであれば寄り添いではありません。手続案内の際に、先ほど指摘した秘匿制度を利用するに当たって、利用者が当然に感じるリスクは丁寧に説明されてきたのでしょうか。されているという話を聞いたことはありません。当事者にとってその手続が安全に使えないからこそ、無戸籍が続いているんです。

 手続を促すことがかえって当事者を危険にさらしていくという場合もあるということ、これを民事局長は認識されていますか。

○松井政府参考人 お答え申し上げます。

 裁判所における各種手続において、そこに出頭するですとか、その手続に参加することについて不安を覚えていらっしゃる方がいることは存じ上げております。先ほど申し上げたような相手方に対する住所等の秘匿決定という手続は、そのようなおそれに対処するために設けたものでございますが、この制度が適切に運用され、その趣旨もしっかりと伝わり、皆様に御不安を感じさせることがないような運用が望まれるというところでございます。

 また、先ほど委員からは、証拠が実際にはないんだというお話もございました。DVを受けられた方々について、様々な法律関係が問題になりますが、その際には、我々の方のパンフレットでは、様々な証拠などを取っておいてください、写真ですとか、取っておいてくださいというふうなことをお伝えしてはいるところですが、そのような証拠だけに限らず、例えばお母様の陳述書ですとか御本人の陳述書というものもございます。また、その当時御相談された方々がいらっしゃるのであれば、そういうところも証拠になるかもしれません。そういうふうな当時の事柄を証拠として裁判所に御提出いただき、その中で御不安を感じられることがないような運用が望まれるというふうに考えているところでございます。

○井戸委員 本日の議論の中で明らかになったこと。

 第一に、令和四年の改正の経過措置、実際に何人の無戸籍者の方が戸籍を得たのかは、法務省はその人数を把握していない。国会に示された百二十二名という数字も、実際に救済された無戸籍者数は分からないという不正確なものであった。

 第二は、就籍を始めとする裁判手続も、申立てと救済は別であり、誰が救済され、誰が救済されなかったのかを把握する属性の統計は存在をしない。

 第三に、制度があっても、安全に使えないために、戸籍を得られない方たちが現に存在をしているということです。

 つまり、現在の制度は、戸籍を得たい人が自分の力で裁判所にたどり着けることを前提にしています。その前提からこぼれ落ちている人がいる。そして、国はその人数も実態も把握をしていない。令和四年改正は大きな前進でしたけれども、そして、その意義というものを私は否定をしません。しかし、その改正によってもなお取り残されている人たちがいることを、これからどの制度で、いつまでに、どのように救済していくのか。

 でも、私は、もう今までの制度では無理だと思っています。ここに新たな枠組みが必要だと考えています。これまで、父の欄を未定とする記載や内密出産ガイドラインの応用などを提案してきましたけれども、法務省のお答えは消極的なものばかりでした。であれば、どうしたらいいのか。大臣に質問したいと思うんですけれども、その質問に入る前に、私がなぜ無戸籍問題に取り組んでいるのか、少しお話をさせてください。

 私は、二〇〇二年に、再婚後の夫との間に子供を産みました。しかし、当時、民法七百七十二条の嫡出推定より、子供が無戸籍になるということを経験をいたしました。

 私は調停離婚だったんです。調停離婚の後に子供を懐胎した。でも、その子供は前夫の子と推定をされる。これは、この法律が、国家として、離婚後に懐胎した子供の父親は前夫ということは、離婚した女性は一定期間前夫の性的拘束下に置かれるということにほかならないんです。私は、これが許せなくて、国を相手取って裁判もしました。でも、高い壁でした。

 しかしながら、私の子供というのは、その後、戸籍を得ることができました。なぜかというと、その後、私は、全ての衆参法務委員の皆さんのところを回りました。この法律はおかしいんだと言って回りました。そのときに、みんなけんもほろろで、無戸籍問題なんというのはまだ全然問題になっていなかったので、そこで唯一取り上げてくださったのが河村たかしさんだったんです。河村たかしさんは、当時法務委員会で、その場で、私と子供がベビーカーを引いて全てのところを回っていたのを余りにかわいそうに思ったのか、突然、民事局長に電話して、今から行くからと。

 たまたま民事局長はそのときにお部屋におられたんです。何のために河村さんが行かれるのか、全く分からず、民事局長はお部屋で待っていて、私が行きました、子供と行きました。そうしたら、河村たかしさんが、この親子はかわいそうなんだ、七百七十二条とか嫡出推定とか聞いても、何だかかんだかこんがらがって分からない、分からないけれども、自分は、この法律がおかしい、そしてこの子を救わなければいけない、そのことだけは分かる、かわいそうなことだけは分かるから、あとは民事局長お願いと言って、河村さんは帰っていかれて、民事局長室に私と子供と民事局長、そして、そのときに四人の法務省の職員の方がおられたんです。

 そして、そこで私は、前夫に関わらないでこの子の戸籍を取るためには、認知調停、認知裁判ということをやっていくしかないのではないか、でも、その認知裁判というのは、平和な家庭の中で夫を被告にするんですよ、そして私たちは申立人として闘っていくというような、平和な家庭の中に便宜上争いをつくる、こんなおかしな裁判をしなければ、でも、これしか方法はないと思うけれども、民事局長、どうですかと聞いたらば、民事局長は、そのときに、その法務省の役人の方たちに、できるかどうか、どうだということで、皆さんにお伝えをしたんですよ。そうしたらば、そこから皆さん、六法を持っていて、当時、それでそこを開けて、しゃしゃしゃしゃしゃあといって皆さんがそれを検討し始めた。それがぴたっと止まったところで、民事局長がどうだと言ったら、みんな、できる、できる、できる、できる、四人ができると言ったんですよ。

 その後に、民事局長が大事なことをおっしゃいました。私たちもリーガルマインドがあると。こんなおかしな制度、七百七十二条が時代に合っていないというのは分かっている、だけれども、法律を変えるためには、その法律を変えた後にこれによって益を得る人たちの姿が見えなきゃ駄目なんだ、まず井戸さん、判例をつくってほしい、判例をつくって、いろいろな人たちにこれを、認知制度を使ってそして無戸籍を解消するという例をつくったならば、リーガルマインドが法務省はあるんだ、法律を変えなければおかしいんだということは誰もが思って、そして法改正につながっていくと。

 私はそれを信じて、法律を改正をする、そのために、まずは、その当時は政治家でも何でもありません、単なる母親です、でも、それで闘ってきた。そして、一緒にやってくださっている弁護士の皆さんも、まさにこのリーガルマインドなんですよ。この国に生まれて登録されない子供がいていいんですか、これを変えるために何とかしなければいけない、そう思っています。

 そこで、大臣にお伺いをしたいと思う。

 さっき言いました、無戸籍の会見をした大学生、無戸籍のまま大学に行くなんということは本当に大変なんです。想像できますか、このお母さんがどれだけ大変だったのか。それでも、今も救われていない子供たちが本当に多くいるんです。ですので、今問われているのは、平口法務大臣、法務大臣のリーガルマインドであり、法務省のリーガルマインドです。

 令和四年改正で救済できなかった人たちを救済するために、こうした無戸籍者救済法、新しい法律が必要だと思っています。政府として検討を開始すべきではないでしょうか。無戸籍者たちを安全かつ迅速に戸籍につなげるための新たな制度的枠組みを是非つくっていただきたいと思います。大臣のお考えを伺います。

○平口国務大臣 体験に基づいたお話を伺いまして、大変重く受け止めたいと思っております。

 無戸籍は人間の尊厳にも関わる重大な問題であるというふうに認識しております。委員御指摘のとおり、無戸籍の解消に御不安を感じておられる当事者の方々が現にいらっしゃることに十分留意しながら、法務省としては、無国籍者の解消に向け、裁判手続の案内や支援を含めて、引き続き寄り添い型の支援をしっかりと進めるとともに、当該問題については、関係省庁及び関係機関、裁判所と連携しながら必要な検討を進めてまいりたいと考えて、済みません、無国籍と言ったようですけれども無戸籍の間違いです、必要な検討を進めていきたいと思っております。

○井戸委員 無国籍の問題も非常に深刻な問題ですけれども、無戸籍ですので、三回目になりますので、是非覚えていただきたいというか、本当に取り組んでいただきたいと思うんです。

 無戸籍者の多くは、制度を悪用しようなんて思っていないんですよ。例えば偽装事件とか、いろいろあるけれども、そうじゃない。やはり制度のはざまに取り残された人たちです。

 令和四年改正は前進でしたけれども、でも、本当に、救済された方たち、救済できなかった方たちもいらっしゃる。上川委員が大臣時代に、まさに無戸籍ゼロタスクフォースを立ち上げられて、そして、様々統計を取られたことからこの無戸籍問題というのは前進をしていくわけです。

 でも、今またそこが非常にスタックにはまってしまっている。過去三回の質疑を通して、無戸籍問題と法務省の施策の実態というのは明らかになってきました。家族法は改正されたけれども、改正によって新たに設けられた制度は機能しているという説明だけがこれまで先行してまいりました。しかし、取り残された方々の人生というのは今も続いている。戸籍が欲しい、戸籍に登録されたいのにできない、法務省は制度があると言うが使えない、この現実を前にして、私は、本当に、もはや運用のところだけで済むというふうにはなっていないと思います。是非こういったことを改善をしてもらいたい。

 これは本当に当事者じゃないと、不安、だって、戸籍、何も登録されていないんですよ。温かい、本当に小さい赤ちゃんの命がここにあるのに、行政に行ったらば、この子は存在しないというふうに言われるわけです。このショック。そして、いろいろ言うと、いや、離婚したペナルティーなんですよ、離婚したあなたが悪いんですと、どこでも、いろいろなところへ行って何度も何度もそれを言われてまいりました。

 こういったことをしないために、私は自分の子供は無戸籍が解消されたけれども、この体験で、一人残さず、無戸籍がなくなるまで活動しようと私は夫と決めました。だから、十三年ぶりですけれども、戻ってまいりました。

 そういう意味でも、委員の方々にもこれを御理解をいただきながら、是非、今の法律ではできないんだったら無戸籍救済法しかないんです、私、それはしっかり作っていきたいとも思いますので、法務省の皆様にも協力をいただきたいというふうに思っています。

 それでは、あと残りの時間で、ほかの質問に行きたいと思っています。

 先に、同性婚についての最高裁大法廷回付に対しての対応について伺います。

 同性婚を認めない民法と戸籍法の規定をめぐる訴訟、いわゆる結婚の自由を全ての人にという訴訟では、六件中五件の高裁判決が違憲と判断されて、現在、その六件全ての上告を受理した最高裁の大法廷が審理中で、早ければ今年中にも統一判断が示される見通しです。

 こうした最高裁の違憲判決を経て法律が変わっていくというのは過去にも例があって、近々だと、二〇一三年の婚外子相続分差別をめぐる最高裁の違憲判決を受けて、政府、国会は直ちに民法改正に踏み切りました。判決から動くのではなくて、様々な状況を予測して、あらかじめ準備を進めていくことが立法府、行政府の責務だと思います。

 最高裁の大法廷が今年中にも統一判断を示す見通しの中で、法務省として、現在、どのような想定の下、準備、検討を行っているのでしょうか。違憲判断が出た場合の戸籍制度への影響、そして、必要となる法改正の範囲など、具体的にお聞かせをいただきたいと思います。

○松井政府参考人 お答え申し上げます。

 お尋ねは仮定の質問でございまして、お答えすることが困難でございます。

 御指摘のとおり、同性間の婚姻を認めない民法等の規定が憲法に違反するとして、原告らが国に対して損害賠償を求めた複数の訴訟がいずれも最高裁判所に係属しており、大法廷で審理されることになったものと承知をしております。

 これまでに言い渡された高等裁判所の判決は、いずれも原告らの損害賠償請求を認めませんでしたが、その理由中の判断は、民法等の規定が憲法に違反しないとしたものと、憲法に違反するとしたものに分かれ、憲法のいかなる条項に違反しているかの判断も異なっております。

 同性婚制度の導入の問題は、親族の範囲や、そこに含まれる者の間にどのような権利義務関係等を認めるかといった国民生活の基本に関わるものでございまして、国民一人一人の家族観とも密接に関わるものと認識をしております。

 法務省としては、御指摘の同性婚に関する訴訟の動向に加え、国民各層の意見、国会における議論の状況等を引き続き注視していく必要があると考えているところでございます。

○井戸委員 いずれにせよ、近々判断が下るというようなことになっています。

 そして、その判断の中には、例えば、今の婚姻制度の中でのことなのか、若しくは、例えば新たなパートナーシップのようなものをつくるというような判断になるのか、様々なパターンがあると思うんですけれども、それに対して、仮定の話だからということで全く対応していないのかといえば、そんなことはないんだと思うんですけれども、先ほど、仮定の話なのでということですけれども、もう一回お伺いをしたいと思います。

 そうした検討というのは、法務省の中で進めていらっしゃるということはないのでしょうか。お答えをお願いいたします。

○松井政府参考人 お答え申し上げます。

 法務省といたしましては、御指摘の訴訟の動向に加え、国民各層の意見、国会における議論の状況等を注視していく必要があると考えているところでございます。

○井戸委員 今日の質疑も無戸籍の問題を中心にやらせていただいたんですけれども、私の例でいったら、私の子供の戸籍を作ったのは、私ではなくて、やはりあの民事局長だったと思うんです。そして法務省だったと思うんです。そうした判断があれば今苦しんでいる方々も救われるということを改めてお伝えをさせて、今日の質疑を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

○井上委員長 次に、和田政宗君。

○和田(政)委員 参政党の和田政宗です。

 今日は、外国人や外国法人による不動産購入の規制について伺います。

 自衛隊や海上保安庁の施設など、我が国の安全保障上重要な土地周辺について、外国人や外国法人の購入や利用の規制をかけることは極めて重要であると考えますし、東京の湾岸エリアのマンションは、中国人投資家を始め、外国人等の購入により価格高騰の一因になっています。また、大阪の西成での中華街構想など、外国人や外国法人が商業地や住宅地を買い占める事例も散見されます。

 私は、こうした外国人や外国法人による不動産購入をしっかりと把握し、必要であれば規制をかけることが重要であると考えます。

 外国人や外国法人に対しての土地購入規制については、大正十四年に作られた法律、外国人土地法がありますが、この外国人土地法の概要を、所管する法務省より説明願います。

○松井政府参考人 お答え申し上げます。

 外国人土地法は、大正十四年に大日本帝国憲法の下で制定された法律であり、一定の場合に政令を定めることによって、外国人又は外国法人による土地に関する権利の取得等を制限することができるとしております。

 具体的には、同法第一条において、外国人等が属する外国において日本人の土地に関する権利の享有を制限しているときは、相互主義の観点から、同様の制限をすることができるとしております。

 また、同法第四条において、国防上の観点から、必要な地区において、外国人等の土地に関する権利の取得を制限することができるとしております。

○和田(政)委員 それではお聞きをいたしますけれども、この外国人土地法を活用し、外国人等による土地取得の規制ができないのか、お聞きをします。

○松井政府参考人 お答え申し上げます。

 外国人土地法は、外国人又は外国法人による土地に関する権利の制限の態様等について政令に包括的、白紙的に委任していることから、現行の憲法第四十一条などに違反するおそれがあることなどが指摘されています。

 そのため、現行憲法の下では同法に基づく政令は制定されたことがなく、同法に基づき、外国人による土地取得を制限することは困難であると考えております。

○和田(政)委員 関連して、済みません、問取りレクではちょっと言ったので、しっかり伝わっているかあれですけれども、これは、「勅令ヲ以テ」というふうに、大正十四年の法律ですから、なっていますけれども、これは政令に読み替えることができるということでよろしいのでしょうか、お願いをいたします。

○松井政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のとおり、昭和二十二年の日本国憲法施行の際現に効力を有する命令の規定の効力等に関する法律というものがございまして、その第二条第一項により、政令と読み替えられることとなっております。

○和田(政)委員 ありがとうございました。

 これは、現行の外国人土地法を活用するということでできるのかと聞いたら、この法律のままではできませんということ、それはまさに、包括的委任、白紙的委任ということ、憲法上の規定にひっかかるのではないかということでありますけれども、過去答弁からしますと、また今、過去答弁と同様のものをいただいたんですけれども、具体的規定を設ける改正を行えば、これはできると解されるというふうに私は考えております。

 外国人土地法は、その当時から、この法律を作った方々がしっかり考えていたのは、やはり相互主義ということも盛り込まれているわけですね。相手の国が我が国民の土地購入ですとか利用について規制をしているということであれば、同様の規定を設けることができる。私は、この外国人土地法を改正をするということが一つ案であるというふうに思います。

 そして、更にお聞きをしてまいりますけれども、外国人土地法以外でどのような規制ができるのかという観点で聞いていきます。

 平成六年、一九九四年のGATS、サービスの貿易に関する一般協定署名に際して、政府は土地取引に留保を付していませんけれども、留保を付さなかった理由は何なんでしょうか。

○小林政府参考人 お答え申し上げます。

 GATSにつきましては、交渉当時、各国のサービス貿易の自由化を積極的に推進すること、これが優先目標とされており、今日課題となっております経済安全保障の観点への配慮、これは、必ずしも強くなかったと認識してございます。

 そうした中で、総合的な判断の結果、土地取引に関する留保は付されなかったものと認識してございます。

○和田(政)委員 でありますれば、私は、政府において、GATSの第二十一条に基づいて、特定約束の修正を加盟国に求めて留保を付すべきであるというふうに考えております。

 そして、更にお聞きをいたしますけれども、これは留保しなくても、外国人、外国法人の土地取得規制は可能かどうか、答弁願います。

○小林政府参考人 お答え申し上げます。

 外国人による土地取得等のルールの在り方につきましては、本年の一月に取りまとめられました外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策で示されている方針の下、政府として検討を進め、この夏までに骨格を取りまとめるということとなっていると承知しております。

 お尋ねのGATSを含む国際約束との関係でございますが、こちらについても、こうした検討の中で、国益を踏まえた上で、具体的な措置の内容に基づいて精査を進めていくことになってございます。

 また、一般論としてでございますが、GATSで留保がなくても、例えば外国人による土地取得規制がサービスの貿易に影響を及ぼさない場合には、そもそもGATSは適用されないものと考えられます。

 さらに、日本人そして外国人の双方を対象にした形で規制が行われる場合は、GATSの内国民待遇義務との関係で基本的に問題が生じるものではないというふうに考えてございます。

○和田(政)委員 これは、実は重要な答弁であります。私、議員になって、初め、第三極野党でした。その後、与党の議員であった時期もありました。これは、GATSの留保がついていないから土地規制ができないという趣旨の説明を私は政府から受けてきたと認識しているんですね。それは、我々のその捉え方というものが間違っていたのかもしれないです。もっと突っ込んで政府、各部署に聞かなくてはならなかったんだというふうに思うんですが、これは実は、こういう土地規制、購入規制、利用規制が重要だと思っている議員の中でも、これはGATSの、先ほど言ったように、いわゆる留保を付す修正をやらなければ駄目だというふうに実は我々も思い込んじゃっていたところがあるんですね。

 ですので、今答弁でありますように、実は、そこに関わるのか関わらないのかという精査は重要だということでありますけれども、今、これは政府部内においても検討が進んでいるということであります。また、与党の中におかれても、私が与党にいた時代にそういうような認識ですから、同じような認識を持たれている方もいらっしゃると思うんですね。

 そうではないということが今の答弁で明らかになりましたので、我々は、やはり、必要な規制というものは、これは安全保障上の観点も含めて、やはりしっかりと不断の検討を行った上で、じゃ、何がGATSにひっかかってくるのか、その他外国人土地法そのものは、白紙委任のところは憲法にひっかかってくるというようなことも答弁としてありましたけれども、こういうようなことを我々はしっかりと考えて、政府部内においても検討が行われていると思いますし、与党内においても検討が行われていると思いますし、私は、今第三極野党の立場ですけれども、この野党の立場からも、必要な規制というものを提起をしていきたいというふうに考えています。

 次にお聞きしたいのは、外国人、外国法人の不動産取得に対し政府は調査を行っているのか、お聞きをいたします。

○岸川政府参考人 お答えいたします。

 外国人による土地取得等の状況の調査につきましては、例えば、農林水産省では、外国法人等による農地、森林の取得に関する調査を、内閣府では、重要施設周辺等の注視区域内における土地建物の取得状況を実施しているものと承知しており、また、法務省さんの話になりますけれども、不動産登記についても、移転登記等の申請情報に申請人の国籍を追加するなど、こちらは本年十月からの施行になりますが、外国人等による不動産取得等の実態把握を進めているところでございます。

 政府としては、国民の皆様の間にある不安や懸念にしっかりと向き合いまして、先ほどございました外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策に基づき、関係省庁と連携して、取組を着実に進めてまいりたいと考えております。

○和田(政)委員 今答弁にありましたように、安全保障上重要な土地でありましたり農地や山林などについて、こういったところについては調査が行われているというふうに認識をしているんですが、商業地や住宅地においてはこれからというようなことなんですね。

 昨年十二月の参議院予算委員会における我が党の神谷宗幣代表の質疑でも取り上げましたけれども、中国では政府の許可なく年間五万ドル以上の海外送金ができないというルールになっているんですけれども、なぜか日本で中国人がキャッシュで高額不動産を買っています。この際の政府答弁によりますれば、日本への現金持込みの申告額、令和六年度のデータで中国人全体で六百億円とのことです。この持込み申告額と海外送金の制限額から見ますと、それ以上の資金がなぜか日本にあるというふうに推測されます。

 外国人や外国法人による不動産購入時にその資金がどこから来ているのか調査すべきだと考えますし、まず、どれだけの商業地や宅地を外国人や外国法人が買っているのか、その数を把握すべきであるというふうに考えます。不動産取引時に国籍確認を行えば、これは把握することが可能なわけでありますけれども。

 そこで、お聞きをいたします。

 外国人等の土地取得に関する審査を行い、その可否を判断する機関を設けるなど、国土を守るための実効性ある法規制が必要であると考えますが、いかがでしょうか。

○岸川政府参考人 お答えいたします。

 外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策におきましては、安全保障の観点から立法事実を整理するとともに、諸外国の例も参考に、国際約束との関係の具体的な精査を含め、外国人の土地取得等のルールの在り方を検討し、本年夏までに骨格を取りまとめることとしております。

 現在、本年三月に設置いたしました外国人による土地取得等のルールの在り方検討会において、安全保障、国際関係などに精通した有識者の皆様方に規制の在り方について検討を深めていただいているところでございます。

 政府といたしましては、その議論も踏まえつつ、関係省庁と緊密に連携して対応の検討を進めてまいりたいと考えております。

○和田(政)委員 何よりも重要なのは安全保障上の観点、これは経済安全保障というようなことも当然含まれるわけでありますけれども、この後お聞きをする重要土地利用規制法、重要土地調査法にも絡みますけれども、この法案は利用規制なんですね。不適切な利用などが行われた場合にその是正について命令等も行うことができるということなんですけれども、これはいわゆる、じゃ、そういった土地を買い上げるということを国ができるわけですが、これは努力義務というような形で。私はやはり、こういう安全保障上の観点で極めて重要な土地については、しっかりと法規制の強化というものをしていくべきだというふうに思っています。

 皆さん、これは、制定時、注視区域が一キロなんですね。私は当時、これは二キロから三キロないと駄目だというようなことで提起したんですけれども、まず一キロから始めさせてくれというようなことであったんですが。

 私も、海上保安庁の施設、国土交通政務官として海上保安庁の担当でもありましたし、一政治家としても、例えば対馬であったりですとか、あとは様々な自衛隊の基地、施設周辺に行きますけれども、一キロという範囲ですと、例えば、自衛隊の基地の背後地、これは海上保安庁の施設でもいいんですが、背後地に丘や山があったりすると、三キロ先から実はよく見えてしまうとか、そういうようなところの土地もあって、私はこれはしっかりと、この後質問するのは審査、許可制ということでありますけれども、最低限、利用規制の範囲、調査ができる範囲というものは、これはもっと広げるべきであるというふうに思いますし、もう私は、現状のこの一キロの範囲においても審査、許可制ということに改正をすべきだというふうに思いますし、その審査、許可制とすべきところもやはり最低三キロから五キロ、こういうようなことの中で、やはり安全保障上重要な、我が国の国防上必要な土地を守っていくということが、これは極めて重要であるというふうに思っております。

 そこでお聞きをいたしますけれども、重要土地利用規制法、この重要土地調査法ですけれども、注視区域は一キロとされていますけれども、私は、これは極めて狭いと思います。注視区域の範囲を拡大し、かつ注視区域内の不動産購入を事前届出による審査、許可制とすべきと考えますが、どのように考えますでしょうか。

○岸川政府参考人 お答えいたします。

 重要土地等調査法は、防衛関係施設など安全保障上重要な施設の周辺や国境離島等について、その土地等の利用状況を調査し、施設等の機能を阻害する行為が認められた場合に利用の規制を行うものであるところ、同法附則第二条には、法の施行後五年を経過した時点での見直し規定も置かれているところでございます。

 また、先ほど答弁もいたしましたけれども、外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策においては、安全保障の観点からの土地取得等のルールの在り方について、諸外国の例も参考に、国際約束との関係の具体的な精査を含め、その検討内容といたしましては、許可制や審査付事前届出制などの規制の内容、それから対象者をどうするか、規制対象となる土地等はどうなのかといったことも検討することになっておりまして、これらのものを含めまして、本年夏までに骨格を取りまとめることとしております。

 先ほど申し上げたとおり、検討会において、安全保障等の有識者の皆様方に検討を深めていただいているところでございまして、繰り返しになりますけれども、政府といたしましては、検討会での議論を踏まえつつ、関係省庁と緊密に連携し、重要土地等調査法の見直しも含めまして、課題の精査及び対応の検討を進めてまいる所存でございます。

○和田(政)委員 これはしっかりと立案をしていただいて、法改正になっていくんだというふうにしっかりと立案いただければ、やはり法改正になっていくんだというふうに思いますので、そういう法律がまた国会に提出されますれば、しっかりと審議をして深めていきたいというふうに思っております。

 大臣にお聞きいたしますけれども、外国人や外国法人による土地取得規制について、法務省としてどのように考え、各省庁とどのように連携をしていくか、答弁願います。

○平口国務大臣 お答えいたします。

 先ほど内閣官房の方から答弁があったとおり、政府においては、現在、外国人の土地取得等の在り方等について検討を進めているところでございます。

 法務省といたしましては、外国人土地法に基づく規制は困難であると考えておりますが、民法等の民事基本法制を所管する立場から、関係省庁における権利に必要な協力をしてまいりたいと考えております。

○和田(政)委員 法律上どういった規制ができるかということは、これはしっかりとした検討が行われているんだと思いますけれども、冒頭取り上げた外国人土地法においては、これは相互主義というものが明白なんですね。

 この土地利用規制においては、安全保障上重要なところはしっかりと守っていくということを念頭に置いて、商業地や住宅地についても、やはり相互主義ということも含めて検討がなされるべき、所要の措置が講じられるべきだと思いますので、それを最後申し述べて私の質問を終わります。

○井上委員長 次に、藤原崇君。

○藤原委員 自由民主党・無所属の会の藤原でございます。

 一般質疑ということで、十五分間お時間をいただきました。委員長、理事の皆様には大変感謝をしております。

 それでは、質疑の方、早速、限られた時間ですので、させていただきたいと思います。

 まず、かつてこういうことがあってよくないという話もあったんですけれども、民事局長に、配っている参考資料の下に四つ字を掲げております、この字、何と読むか、ちょっとお答えをいただければと思います。

○松井政府参考人 お答え申し上げます。

 配付資料に掲載された漢字については、それぞれ読み方が複数あるところでございますが、音読みでの読み方として、左側から順に、儉(けん)、壽(じゅ)、濕(しつ)、埜(や)といったものがございます。

○藤原委員 ありがとうございます。

 これはいわゆる旧字体と呼ばれるものでして、いわゆる康熙字典と呼ばれる、清時代に康熙帝が編さんをした字典、字典の典もちょっと変わった書き方なんですが、それに収録をされている、我が国ではかつて正字として使われていた、そういう字であります。なぜ今日これを取り上げたのかというと、戸籍の名前の件についてお聞きをしたいなということであります。

 戸籍法の五十条一項には、「子の名には、常用平易な文字を用いなければならない。」というふうになっております。それを受けた戸籍法施行規則六十条においては、常用漢字表、そのうち括弧の中の漢字を除く、そして、いわゆる人名用漢字表、そして片仮名、平仮名等が使用ができるというふうに決まっております。

 配付資料の上にずらっと漢字がある、これは、戸籍法の施行規則の別表三の二というものでして、一般的には異体字表と呼ばれるのですが、この字は全て戸籍の名前に使える旧字であります。逆に、ここに載っていない旧字は名前に使えないということになります。

 例えば高、高橋の高、これはここに載っていないので、氏では使えるけれども名では使えない、あるいは學という字、國學院大學の學なんかはそうでありますけれども、これも使えないというふうになっているわけであります。

 これについてはそういうふうになっているんですが、年々、この人名用の漢字というのは増やしてきたという経緯があります。特に平成十六年に、戸籍法施行規則別表三の一の方に非常に多く、四百八十八文字の文字が戸籍で使えるということで追加をされております。

 しかしながら、その一方でまだまだ別な漢字を使いたいと思っている親御さんもいらっしゃったりします。そういう方々が戸籍に使えない文字を書いて出すとどういうふうになるかというと、市町村はそれを不受理ということで、受け取れませんというふうになります。そうすると、親御さんがどうしても諦め切れないということであれば、それを家庭裁判所に、不受理処分に対する不服申立てということで裁判所で争うことができるというふうになっております。

 そこで、法務省にお聞きをしたいと思います。

 平成十六年に人名用漢字を四百八十八文字、かなり大幅に追加をしました。その後に、子の名の漢字を理由とする出生届の不受理処分、これに対する家裁への不服申立ての件数、これは法務省は押さえていると思いますが、何件ぐらいありますか。

○松井政府参考人 お答え申し上げます。

 平成二十二年以降、子の名の漢字を理由とする出生届の不受理処分に対し不服申立てがされたとして市区町村から法務省に報告があった件数は、合計五十三件でございます。

 平成二十一年以前については、報告記録の保存期間満了、経過のため、不服申立て件数は不明でございます。

○藤原委員 ありがとうございます。

 平成二十一年以降で五十三件ということでした。決して多いわけではないんですけれども、今でも断続的にやはり要望というのが出ている状況になります。

 今、人名用漢字というのは九百八十三文字、これは指定をされております。ちょっと前に大阪の方で、これもいわゆる常用平易な漢字であるということで、今パブコメをかけているということで増えるかもしれませんけれども、基本的には今九百八十三文字あって、ここに、私の方で参考資料で載せているのは、異体字表というか、いわゆる旧字で使えるものがここに載っております。

 そこで、私の方から今日御提案をしたいということで、副大臣にお伺いをしたいと思います。

 人名用漢字については、昭和の二十六年に九十二文字ありました。そして、今は九百八十三文字ということで、大分増えてきたということなんです。平成十六年に四百八十八文字追加をしたということで、平成十六年に実質倍増をしたということになります。ある意味でそれで事足りているのではないかということで、その後、二十年以上、特に本格的な追加とかはしてこなかったんですが、今法務省から御答弁いただきましたとおり、五十件程度、平成二十一年からであるということで、やはり要望というものは断続的に出ている。

 そういうことを考えますと、二十年以上経過をしたことを考えると、人名用漢字の追加、こういうことを検討してはどうかと思うんですが、副大臣から答弁をいただければと思います。

○三谷副大臣 お答えいたします。

 子の名に用いることができる漢字の範囲につきましては、御指摘のとおり、これは平成十五年に最高裁決定が出たということを受けて行われたということなんですけれども、平成十六年九月に、法制審議会での調査審議やパブリックコメントの結果を踏まえまして省令を改正をいたしまして、人名用漢字の追加を行った、これはもう委員御指摘のとおりでございます。その後も、この司法判断に表れた国民の要望等を踏まえつつ、数次にわたって人名用漢字を追加する省令改正をしてきたところでございます。

 いろいろな要望等がある中で、例えば、みこさんの巫、これはカンナギというふうに読む文字だったりとか、あと、お祈りするときの祈祷の祷の字ですとか、あと、御案内、知っている方がどれぐらいいらっしゃるか分からないんですけれども、「蒼穹のファフナー」というアニメの名作があるんですけれども、その穹という、これは空という意味なんですけれども、そういった文字等を追加をするということもさせていただいてきたところでございますし、今後、御指摘いただいたとおり、今、パブリックコメントで、弥勒菩薩の勒の字もそういった形で追加をする等々も検討しているところではございますけれども。

 これは本当に、累次、そういった形で応える等々はしてきているということではございますけれども、今、藤原委員に御指摘をいただいたこともございます。ですので、今後も国民の要望の把握に努めまして、社会情勢の変化に対応し、必要に応じて、子の名に用いることができる漢字の見直し、これはしっかりと行ってまいりたいと考えています。

○藤原委員 ありがとうございます。

 私も、ちょっといろいろありまして、この平成十六年のときに人名用漢字を四百八十八文字追加をしたとき、このときは法制審で六回ぐらい人名漢字部会をやっていまして、それを全部読んだんですね。そういう中で、非常に、何というのかな、一文字一文字議論をしていっていると。これだけのことをやったから、基本的に、その後も幾つかの追加はしてきたけれども、一区切りではないかというところもあるのかなと思うんですが、今副大臣からあったとおり、その後もやはり不受理処分に対する不服申立てがあるということで、是非ともここは前向きに検討をしていただきたいなというのを、一点お願いであります。

 あわせて、最初の質問に絡むんですが、今まで、我が国の漢字、人名用漢字というのは、追加をしていくということが基本でありました。今まで基本的には削除をしたということはないんだろうと思っています。平成十六年も、幾つかの字がパブコメで落ちたということはあったんですけれども。ただ、今お配りをした別表三の二を見ると、果たして今本当に読めるのだろうかという字も結構ある。今、先ほど民事局長に読んでいただいた四文字なんかは、これは、なかなか読める方というのは正直少ないんだろうというふうに思っています。

 なぜこれらの文字が、今、人名用漢字に使えるかというと、これはもう本当に、昭和二十四年、当時の当用漢字表というもの、それから、二十五年だったと思いますが、当用漢字字体表というものがあって、そのときに、何が正式な正字で、どれが旧字なのかというのが、私から言わせれば、ちょっと不透明な中で決まっていったと。

 あとは、結局戸籍に何をやるかというときに、そのときに正字として使われていたもの、あるいは正式な字体として指定されたものがそのまま今に来ているというふうに思います。

 昭和五十六年、平成二十二年、いわゆる今の常用漢字表ができたときも、いわゆる許容字体として、ずっと、その後、残ってきているとなっています。しかしながら、やはり、本当にこのまま残していいのかということも私は思っております。

 最初にお話をしました。戸籍法五十条一項は、「子の名には、常用平易な文字を用いなければならない。」ということで、常に用いられている、そして平易、簡単な文字を用いなければならないというふうに、戸籍法上は定まっております。

 果たして、ここにある文字、今も使われている文字もあります。しかしながら、これが常用平易な文字というふうに言えるかというと、私はちょっとそうではないんだろうと思っています。

 そういう意味では、戸籍法別表三の二の文字、これについては、全てを削除しろというわけでは当然ありません、今も使っている字もあります。例えば、この後質疑に立たれる金村先生の龍という字は、実はこれは旧字ということでございますし、結構、そのほかも、急に振って済みません、ほかには、実という字、これも結構旧字で使われたりしている字があります。

 しかしながら、その一方、懲役の懲という字であったり、ほかの使い方もあるのかもしれない、悪という字、悪い、善悪の悪という字、こういうものの旧字なんかも出ている。

 これはこのままでいいのかなという意味で、この戸籍法施行規則別表三の二、これの表の字については、戸籍法五十条一項が定める常用平易な文字とは呼べない漢字もあるのではないか、この除外なども検討してはどうかと思うんですが、この点について、副大臣から答弁をいただきたいと思います。

○三谷副大臣 お答えいたします。

 戸籍法施行規則別表第三の二では、子の名に用いることができる文字として、常用漢字の異体字を記載しているところでございます。

 問題意識、本当にそのとおり、この常用平易とは何かというところはもちろんございますけれども、現状として、現に子の名に用いることが認められている漢字を別表から削除することについては、子の名に用いる漢字の選択肢を減らすことになるとともに、現にその漢字を名に用いる者に影響を及ぼしかねないため、慎重に検討する必要があるというふうには考えられるところでございます。

 いずれにいたしましても、法律で常用平易というような縛りがあるところもございます。その問題意識、しっかりと受け止めさせていただきたいと思いますけれども、しっかりと今後も国民の要望の把握に努め、社会情勢の変化に対応し、必要に応じて、子の名に用いることができる漢字の見直し、これを行ってまいりたいと考えております。

○藤原委員 ありがとうございます。

 やはり、常用平易という法律の枠組みがある中で、戸籍法の施行規則別表三の二を見て、これは常用平易だねというふうに、なかなか言うのはしんどいだろうというふうに正直思います。

 逆に、やはり一般の人にしてみれば、これが常用平易であれば、なぜほかの文字が使えないのかというところも出てくると思いますので、法律から外れないということは、私、問題意識として申し上げたいと思います。

 限られた時間ですが、大変、答弁いただきまして、ありがとうございました。

 終わります。

○井上委員長 次に、辻由布子君。

○辻(由)委員 自由民主党・無所属の会、東京ブロック、辻由布子でございます。

 本日が法務委員会での初めての質疑となります。本機会をお与えいただき、ありがとうございます。

 私は、公立小学校、保育園に通う二人の子がおりますので、日常的に、子供たちの同級生たちや保護者、地域の方、そして学校関係者とお話しする機会がございます。その中での御意見や御不安を踏まえ、通告に従い、順次質疑を進めてまいります。

 まず、子供が被害者となるケースです。

 学校や塾における盗撮はとても身近で、よく話を聞きます。例えば、子供が通う小学校に盗撮で捕まった教師が在籍していた、中学生の娘がスマホで同級生に盗撮されていた、夏期講習で習った塾の先生が盗撮犯だったなど、これらは全て日常会話の中で聞かれた言葉です。

 まず、警察にお伺いいたします。

 教師による学校現場での盗撮防止について、警察庁における取組をお伺いします。また、警察が持つ犯行手口に関する知見を学校現場へ着実に届け、犯行を防止することが必要と考えますが、取組はいかがでしょうか。

○服部政府参考人 お答えいたします。

 教職員の立場を悪用した児童生徒に対する盗撮は、子供の心身を傷つける卑劣な犯罪であると認識しております。

 昨今、学校の教職員による児童生徒に対する盗撮等が相次いで発生している状況を踏まえて、警察におきましては、施設管理者に向けて、盗撮の防止を目的とした教室やトイレ、更衣室などへの点検の際の着眼点を示した資料や、過去の検挙事案の中から事例等を具体的に説明した周知資料を作成して、文部科学省に提供し、教育現場に配付されるとともに、一般にも公開しております。

 また、都道府県警察においても、教育委員会や学校から盗撮の防止に関する助言を求められた際には、必要に応じて警察の立場から助言を行っているところであります。

 今後とも、文部科学省と連携し、教職員による盗撮の防止に向けて可能な限り協力してまいりたいと考えております。

○辻(由)委員 公立の学校では教師の異動が大変多く、事件発覚時には既に犯行当時の校長、副校長、担任が全て異動し、過去の事実確認が困難を極めるといった事態が既に起こっております。まず、初犯を許さない、初犯を防ぐことが非常に重要であるとの認識の下、教育委員会や学校に対して適切に助言し、連携し、対策を強力に進めていただきたいと思います。

 次に、法務省にお伺いいたします。

 令和五年性的姿態撮影等処罰法により、検察官は児童ポルノなどを廃棄する措置を講ずることができることとなりました。本法の立法趣旨をお答え願います。また、実際に検察官がこのような措置を取ったケースはありますでしょうか。

○佐藤政府参考人 お答えいたします。

 刑法上、犯罪行為の用に供し、あるいはこれによって生じた物などは、刑罰として没収することが可能でございまして、例えば、いわゆる盗撮事案等におきましては、今御指摘の性的姿態等撮影罪などの下で、犯罪行為により生じた盗撮画像等が記録されている記録媒体を没収し得るということになります。

 しかしながら、公訴提起に至らない場合には、刑事手続において没収することができませんでした。このような場合、従来、検察官において、被害者の意向も踏まえて、被押収者、その盗撮画像等を持っている者に対して、押収物の所有権放棄であるとか画像の消去に応じるよう説得するなどの対応を取っていたところでございましたが、数が少ないとはいえ、被押収者がその説得に応じないといった事態も生じていたということでございます。

 そこで、令和五年に成立したいわゆる性的姿態撮影等処罰法におきましては、撮影された被害者の権利利益の保護を図るため、検察官が、これは刑事手続ではなくて行政手続といたしまして、押収物が性的姿態等撮影罪に当たる行為などにより生じた物であって、電磁的記録を記録したものであるときは、これを消去し又は当該押収物を廃棄する措置を取ることができるなどといった制度が設けられました。

 これらの措置が取られた件数につきましては、法務当局としては網羅的とか統計的に把握しているものではございませんけれども、これは従来から行ってきた取組でございまして、検察当局においてはこの法の趣旨を踏まえた運用に努めているものというふうに考えているところでございます。

○辻(由)委員 次に、また法務省にお伺いいたします。

 押収物、例えばスマホに保存されている児童ポルノや性的な画像、動画について、被害者からデータ削除を求められた場合の対応をお伺いいたします。

○佐藤政府参考人 お答えいたします。

 被害者が、自己の性的な姿態の画像が記録された押収物の処分状況について不安や関心を抱くのは当然のことであると考えております。検察当局におきましては、法と証拠に基づきまして、先ほど申し上げた手続を経て、被害者の性的姿態の画像が被疑者、被告人の手元に残らないよう努めているものと承知しております。

 それから、今、被害者からこうした押収物の処分について問合せを受けた場合には、処分状況を説明するなど、その意向を踏まえて対処しているものと承知しているところでございます。

○辻(由)委員 ある小学校で、在籍していた教員が盗撮で逮捕されました。報道によると、大量のデータ、何千枚、何万枚が押収されたとありました。この小学校では、現在、教育委員会を通じて、警察、担当検察官に、逮捕された教員が持っていたスマートフォンなどの画像、動画データの確実な削除などを求めています。我が子が盗撮された画像が盗撮犯のスマートフォンに保管されているかもしれない、盗撮していた期間のデータは全て削除してほしいというのは、さすがに保護者の感情としては御理解いただけるものではないかなと思います。

 大量のデータが押収され、対象データの消去が困難な場合、まさに令和五年の新法により、当該押収物に記録されている電磁的記録を全て消去することが、これは行政手続でできることになっています。これらを踏まえ、引き続き適切に対応をお願い申し上げます。

 また、押収物の問合せについても適切に対応するということ、前向きな御答弁、大変ありがとうございます。

 次に、子供が加害者となってしまうケースについてもお伺いいたします。

 子供の加害を防ぐ措置として、警察庁における取組状況をお伺いいたします。

○服部政府参考人 お答えいたします。

 警察では、少年の非行情勢を踏まえ、問題を抱えた少年に対する支援活動のほか、地域に対する情報発信、街頭補導活動、非行防止教室の開催等を推進し、非行少年を生まない社会づくりに取り組んでいるところでございます。

 特に、昨今では、少年が匿名・流動型犯罪グループに関与し、凶悪な犯罪を実行する事案が相次いでいることから、文部科学省やこども家庭庁の協力も得ながら、夏休みに入る前までに、全国の中学生、高校生等の子供たちに対して、今後の幸せな人生に向けて、いわゆる闇バイトで人生を棒に振らないために知っておくべき五つのことを伝える取組を進めているところであります。

 引き続き、関係機関、団体やボランティア等と連携した取組を一層推進してまいりたいと考えております。

○辻(由)委員 以前なんですが、子供の小学校入学時の資料の中に、警視庁作成の万引きの注意喚起資料というのがございました。この資料の中において、都内で万引きが非常に多くて、しかもそれが低年齢化しているというふうに書かれており、一般の人間として、万引きが非常に多いこと、それが低年齢化していることというのは知らなかったので、初めて知り、保護者として気をつけようというふうに、当事者として思いました。これが、当事者に届いて啓蒙したということなんだと思います。一般的な資料ではなくて、入学資料はさすがに保護者が見ますので、これはよいアウトリーチだったのかなと思います。

 このように、当事者にアウトリーチできる機会や方法を当局が把握しまして、これをタイミングよく活用することが有効ではないのかなと思います。先ほどの御答弁にもありましたとおり、文科省、警察庁、こども家庭庁で発出した闇バイトの注意喚起についても、非常に力強く、こういうふうにしたら、闇バイト、さすがにやめようかなというふうに思うメッセージが入っているものと思います。しかしながら、これも、当事者に確実に届いて気づきを与えて行動変容につなげることが大事ではないのかなと思います。

 続きまして、次に、少し話題を変えまして、刑事手続のIT化についてお伺いいたします。

 まず、法務省にオンライン接見についての環境整備の進捗状況についてお伺いします。

 対象施設の選定、拡大、具体的なロードマップなど、今の現況についてお示しください。

○佐藤政府参考人 お答えいたします。

 オンラインによる外部交通につきましては、実務的な運用上の措置として、従来から、一部の地域におきまして、検察庁や法テラス、拘置所などとの間で実施しているところでございまして、現在、弾力的にその実施の拡大を図るべく、関係機関及び日弁連との間で協議を実施しているところでございます。

 この拡大の対象となる地域につきましては、日弁連などと協議の上で、被告人等が収容されている刑事施設が遠方となる地域や、管内の弁護士等が少なくて遠隔地の弁護士が受任せざるを得ない地域など、必要性が高い地域から選定しているところでございます。令和七年度におきましては九道県の計十三地域で運用を開始しておりまして、本年度は八の道県の計十四地域で拡大することとしているところでございます。

 法務省といたしましては、まずは必要性の高い地域から迅速に環境整備を行うことが必要であると考えておりまして、令和九年度以降においても、今、日弁連と協議を行っているところでございまして、取組を進めてまいりたいと考えているところでございます。

○辻(由)委員 ありがとうございました。

 次に、警察庁についても、このオンライン接見の環境整備の進捗状況、現時点でのものをお伺いいたします。

○土屋政府参考人 警察におきましては、刑事訴訟法上の権利という位置づけではございませんけれども、平成十九年から電話連絡による外部交通を試行実施しているところでございます。

 これに加えまして、現在、警察庁では、映像と音声の送受信による、いわゆるビデオリンク方式による外部交通につきましても、実務的な運用上の措置として試行を始めるべく、日本弁護士連合会及び関係機関と協議するとともに、実施を検討している地域におきまして、通信状況の確認などを行っているところでございます。

 引き続き、関係機関、団体と連携しながら、ビデオリンク方式による外部交通の試行実施に向けた準備を進めてまいります。

○辻(由)委員 ありがとうございます。

 お話を伺ったところ、広大な北海道ですと、旭川の弁護士が稚内に行くまでに片道四時間以上もかかってという切実なお話をお伺いいたします。私、東京の者なので、旭川から稚内はどのぐらいなのかなと思って地図を見ていたのですが、東京から新潟までの距離でございました。これはさすがに往復一日ではかわいそうかなと思います。オンライン接見などにより、どこに住んでいても広角的な弁護を受けられるよう、引き続き対策を進めてください。

 昨日、衆議院の本会議で採決がございました。やはり、これも冤罪を防止する手だてにもなると思っておりますので、確実に警察庁の方が、しかも総量としては場所が多くございますので、こちらも引き続きよろしくお願いいたします。

 では、ちょっと、一年目として、自民党の党内の法務部会、そしてこの法務委員会、そして衆議院まで、再審法とかも携わらせていただきました。このような貴重な御機会をいただき、また一般質疑の機会もいただいたことを大変ありがたく思います。

 以上、終わります。大変ありがとうございました。

○井上委員長 次に、金村龍那君。

○金村委員 維新の金村です。

 今日は、一般質疑、よろしくお願いいたします。

 先ほど、藤原崇委員から質疑の中で私の名前を言っていただきまして、まさか質疑者としてじゃなく議事録に私の名前が載ることがあるとは思いませんでしたので、そういう意味では、藤原崇委員とあえて呼ばせていただいて、互いに議事録に載れたらいいなと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 今日は、まず、拘禁刑について質疑をさせていただきます。

 令和七年六月一日から、懲役というところから拘禁刑に変わり、様々ないわゆる矯正施設における支援がなされていると思います。

 その上で、資料によりますと、矯正処遇課程の新設ということで、二十四の課程が施されております。以前、高齢福祉に関する質疑はさせていただきましたが、矯正処遇課程を実際にこの一年間行ってきた上での手応えについて、まずお聞かせください。

    〔委員長退席、三木委員長代理着席〕

○日笠政府参考人 お答え申し上げます。

 令和七年六月に導入されました拘禁刑でございますが、個々の受刑者の特性に応じて作業と指導を柔軟に組み合わせた処遇を実施するということで、より効果的な改善更生を図ることが期待されております。

 刑事施設におきましては、今委員御指摘のとおり、高齢や障害等といった受刑者の特性に応じた二十四種類の矯正処遇課程に基づいて、きめ細かな処遇を実施しております。

 拘禁刑の導入による効果につきましては、導入から一年がたったばかりでありまして、再入率を含め中長期的な観点から評価すべきものと考えておりますが、各施設において、拘禁刑の理念に基づき、受刑者の個々の特性に応じた処遇が着実に行われており、効果を上げつつあるものと認識しております。

 引き続き、受刑者の改善更生や社会復帰に向けて、一層効果的な処遇を実現するための取組を進めてまいりたいと考えております。

○金村委員 拘禁刑に変わるきっかけは様々あったと思いますが、いずれにしろ、刑務所内における、処遇課程があることによって再犯防止につながることが大変重要だと思いますので、その中身を少しお伺いさせていただきます。

 資料によると、オープンダイアローグという手法が用いられていると聞きます。

 私も、議員になる以前は障害児支援の会社をやっておりましたので、障害児とはいえ十人十色、支援の在り方もその人一人一人に合わせてやっていかなければ結果として成長につながらないという経験をしてまいりました。

 そういう意味では、刑務所内においても、受刑者、様々タイプというか、いろいろな方がいらっしゃると思いますので、このオープンダイアローグによる手法がどういう効果につながっているのか、またその端緒となるものがあれば、まずお聞かせください。

○日笠政府参考人 お答えいたします。

 受刑者の改善更生及び円滑な社会復帰の促進のためには、受刑者自身が自己理解を深め、改善更生に向けて自主的、意欲的に取り組めるようにすることが必要であります。

 拘禁刑下での新たな受刑者処遇の取組の一つとして、令和五年十月から、全国の刑事施設において、オープンダイアローグの手法や考え方を取り入れた対話実践を実施しております。

 この対話実践は、職員と受刑者が、互いに一人の人間として尊重し合いながら集中的かつ体系的に対話を重ねていくものでありまして、受刑者が自分自身を語ることを通じて自身の状況を認識することが、社会復帰に向けて、自身にどんな課題があり、必要な援助は何かという気づきにつながるということで、更生への動機づけを高めることなどを目的として実施しております。

 今後とも、拘禁刑下における有用な処遇の一つとして、外部有識者の知見も得ながら、適切に対話実践を実施してまいりたいというふうに考えております。

○金村委員 そもそも刑務所に収容されているということは罪を犯しているわけですから、その罪をなかったことにすることはできませんから、刑務所で、そういった矯正施設の中で、ある種自由を奪われた中で、しっかりと反省し、そして、その中で支援をいただくことによって、再び罪を犯さないようにする。決して犯罪を犯したことを忘れて支援するわけではないということがまず大前提の中で、やはり支援をしっかりしていくことが再犯防止につながるかなと思っております。

 その上で、懲役から拘禁刑に変わるというのは、多分、刑務所の中の刑務官の皆さんにとっても大きな変化になっていると思います。そういう意味では、刑務官や職員の皆さんの意識改革というのが実は重要なんじゃないかな。これまでの受刑者との接し方一つ一つにおいても変化が生まれるものだと思っています。

 そういう意味では、職員の意識改革について、どういった学びを重ねているのか、教えてください。

○日笠政府参考人 お答え申し上げます。

 拘禁刑の理念に基づく処遇を実施していくためには、常日頃から受刑者の生活全般の対応を行う刑務官の役割、これがますます重要となっております。刑事施設の規律、秩序の維持に係る職務のみが刑務官の仕事として捉えられないよう、刑務官の意識改革を図っていく必要があると考えております。

 こうした理念を浸透させるため、矯正局主導による研修を始めとして、福祉施設や出所者雇用団体への派遣、また、先ほど申し上げました対話実践の取組、そして、矯正局幹部職員が全国各地の刑事施設を回って実際に職員と直接意見交換を行うなどの様々な取組を進めているところであります。

 これらの取組を通じて、職員の意識は着実に変化してきているものと認識しておりますが、拘禁刑の理念を刑事施設全体に一層定着させるために、引き続き意識改革を進めてまいりたいと考えております。

○金村委員 ありがとうございます。

 職員の皆さんからすると、刑務官の皆さんからすると、多分、これまで是とされてきたことが否、非になるわけですね。そういう意味では、やはり職員の皆さんと理念や理想というものをしっかりと共有していくことが大切だと思います。

 その上で、こういった様々な支援があることを改めて理解するとともに、短期刑というんですかね、いわゆる拘禁刑三年とか五年とか、そういう短い期間の懲役というか拘禁刑であればこういった支援というのは非常に有用だなと思う反面、長期刑ですね、十年とか二十年とか、場合によっては無期とか、そういった皆さん、長期刑の人たちを対象とすると、必ずしもこういう支援が本当に行き届くのかなというのはやはり疑問に思うわけですね。

 私はそういう立場になったことがないので、メンタリティーはちょっとよく分かりませんけれども、長期刑の人たちに対する支援と短期刑の人たちに対する支援というのはおのずと区別されていくのかなと思っているんですが、そういった意味では、この二十四の課程とかそういうものを見ると、これは長期刑の人たちに対する支援というよりは短期刑に対する支援なのかなと思うんですけれども、長期刑に対する今後の取組というのは何かお考えなのか、教えてください。

○日笠政府参考人 お答え申し上げます。

 受刑者の特性に応じた、先ほど申し上げました二十四種類の矯正処遇課程のうち、執行すべき刑期が十年以上の長期刑受刑者につきましては、それらを対象とする長期処遇課程が設けられております。

 この課程は、刑期の長さに鑑みて、長期的展望に立った処遇を行うこととしておりまして、例えば、熟練が必要な作業を行わせることや、健康管理や体力の維持に留意した処遇を行うこと、社会情勢に関する情報提供を行うこと、引受人との面会、信書の発信等を積極的に指導して関係維持に努めさせることなど、長期刑受刑者の特性に応じた処遇を実施しているところであります。

 また、長期刑受刑者のうち、被害者等への謝罪や賠償等について特に考えさせる必要がある者に対する重点的な矯正処遇の一つとして、被害者の視点を取り入れた教育を実施しております。

 これは、自己の問題や自らの犯罪に向き合わせ、被害者等の心情や置かれた状況等について具体的に認識をさせ、被害者等に誠意を持って対応し、謝罪や被害弁償等の具体的な行動を促すことによって、受刑者が自身の責任を自覚し、被害者に対する慰謝の念を深めるよう、継続的に働きかけております。

 今後とも、これらの長期刑受刑者の特性に応じた処遇の一層の充実に努めてまいりたいと考えております。

○金村委員 ありがとうございます。

 やはり、とにかく罪を重ねないことですね。再犯防止、それを矯正施設の中からしっかりと、ある種、一人対話を重ねて、しっかり支援していくことで、出所した先にしっかりと社会復帰できるように支援していっていただきたいと思います。

 その上で、続いて、更生保護について質疑をさせていただきます。

 私の地元川崎は、保護司の活動というか、再犯防止の取組が非常に活発でして、多分、法務省の皆さんにおいても、川崎でそういった活動が活発にされているというのは御理解いただいていると思います。

 その上で、社会を明るくする運動、私もよく参加しているんですけれども、実は七月が強調月間だと聞いております。今年のテーマはどういったものになるのか、教えてください。

○吉川政府参考人 お答えいたします。

 社会を明るくする運動は、犯罪や非行から立ち直ろうとする人を支援する更生保護について、国民の理解を深め、新たな被害者も加害者も生まない明るい社会を築くための全国的な運動でございます。今年で七十六年目を迎え、御指摘のとおり、毎年七月を強調月間としております。

 ただ、昨年に内閣府が実施しました更生保護制度に関する世論調査では、社会を明るくする運動や保護司の認知度は低く、更生保護の取組がいまだに国民の皆様に十分には知っていただけていないという現状が明らかになりました。

 そこで、本年は社会を明るくする運動をより効果的に展開するべく、新たに統一テーマを設け、全国で共通の方向性を持って一体的に運動を展開することといたしました。そのテーマが、保護司を始めとする更生保護ボランティアを広く知ってもらおうというものでございます。これは、保護司の活動を始めとする更生保護ボランティアの取組を国民の皆様にお伝えすることにより、それを入口として、安全で安心な地域社会のために欠くことのできない更生保護全体の取組についても御理解を得ていこう、こういうことを意図したものでございます。

 これからも、保護司を始めとする更生保護ボランティア、そして更生保護の存在を当たり前のこととして広く知っていただけるよう、保護司の方々らとともに、より戦略的に更生保護を伝えていく努力をしてまいりたいと考えております。

    〔三木委員長代理退席、委員長着席〕

○金村委員 私、パンフレットを拝見しましたが、非常にエモいというか、何かいいパンフレットだったので、是非広めていただきたいなと。「保護司になるなんて、思ってもみなかった。」というキャッチフレーズなんですよね。是非答弁で言ってほしかったんですけれども、なかなか出てこないなと思ったんですが。

 保護司というのは、改めて見ると、今、高齢化しているのは一つの課題だと思うんですね。ですから、例えばサラリーマンとか、普通に勤め人の人たちがこういった保護司になるという選択肢が生まれていったらいいなと思いますし、また、これはボランティアじゃないですか。費用弁償をどう広げていくかというのはあるんですけれども、保護司の活動そのものが何か日本社会のすごく大切なものなんじゃないかなというのを改めて、今回、質疑に当たって勉強すると、感じました。なので、広く周知することで、いわゆる我が事じゃなかった人たちが保護司になる世界観というのを是非広げていきたいなと思います。

 その上で、保護司になりたい、なろうかなと思う人たちにとって一つの、逡巡するのが、やはり安全確保だと思うんですね。滋賀県において大変痛ましい事件もありました。現状、保護司の安全確保についてどういった取組がなされているのか、教えてください。

○吉川政府参考人 お答えいたします。

 法務省におきましては、持続可能な保護司制度の確立に向けた検討会の報告書を踏まえまして、保護司の皆様が安全に安心して活動できるよう、一つは、自宅以外の面接場所の確保の推進、さらに、保護観察官の直接関与と保護観察対象者のアセスメントの強化、さらには、保護司複数指名制の積極的運用などに取り組んでいるところでございます。

 特に、面接場所の確保につきましては、保護司の負担の軽減の観点からも、保護司の皆様が、まさに自宅以外に利用可能な面接場所を増やしていくことが重要だと認識しております。

 そのため、保護司の活動拠点として各地域に設置しております更生保護サポートセンターに加え、公民館等の身近な公的施設を利用できるよう、保護観察所から地方公共団体に協力を依頼するなどの取組を進めております。その結果、令和八年一月一日時点で七千七百九十三か所、比較でいいますと、令和六年六月一日時点の五千二百八十六か所から二千五百七か所増ということで、公的施設が面接場所として利用可能となっております。

 これからも保護司の皆様の活動をしっかりと支えていくため、夜間や休日にも利用可能な面接場所の確保や、保護観察官による相談支援体制を充実させるなど、より一層の安全確保や負担軽減に努めてまいります。

○金村委員 ありがとうございます。

 改めて、保護司というのは、社会復帰された後に対話を重ねていくことなんだと思います。そういう意味では、先ほど拘禁刑のところでも触れましたが、こういった制度があることによって、社会復帰を持続させるというか、罪を重ねないようにするためには必要なものですから、是非、安全確保に努めていただきたいなと思います。

 その上で、持続可能な保護司制度の確立に向けた検討会というのがございまして、その報告書概要を今回質疑に当たって拝読いたしました。すると、やはり、どうしたら保護司という職というか役割を持続させていくのかということが、多岐にわたって記載がありました。

 そういう意味では、今回、この持続可能な保護司制度を確立するために必要な在り方というか支援というか、その辺りを少し御披露いただけますか。

○吉川政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、保護司は、地域の民間ボランティアとして、我が国の更生保護において中核的な役割を担っていただいております。

 近年、保護司の高齢化が進み、その数も減少する中で、令和五年から二年間、持続可能な保護司制度の確立に向けた検討会でその対応について検討が行われました。その結果を踏まえ、運用の改善を進めるとともに、昨年十二月には、保護司の適任者確保、活動環境の改善、安全確保を趣旨とする改正保護司法が成立し、現在施行に向けた取組を行っております。また、保護司の経済的負担の軽減は重要な課題と認識しておりまして、保護司に支給される実費弁償金について、必要な予算の確保に努めてまいりたいと考えております。

 このような取組を通じ、現役世代を含む多様な方々に保護司になっていただくとともに、保護観察官と保護司が協力して対象者に対する処遇の力を上げていくことなどにより、持続可能というよりも、保護司制度が次の世代に向けて成長し続けるものとなるよう、取り組んでまいりたいと考えております。

 この機会に更に申し上げますと、保護司は、地域ごとに保護司会を組織し、更生保護女性会やBBS会などの更生保護ボランティアとも連携をして、例えば小中学校での非行防止に向けた活動や地域での居場所づくりなど各種の地域活動に取り組んでいただいております。

 こうした活動は、安全、安心な地域づくりにとって重要な役割を果たしておりまして、これらの活動がより活性化されるよう、法務省としても一層助力してまいります。

○金村委員 ありがとうございます。

 私も、保護司ってどんな活動をしているのかなとすごく気になったものですから、地元の保護司の会に問合せをして、思い切って保護司になろうかなと思ったら、国会議員はなれないんですね、事実上その職務ができないので。一方で、地方議会の方は実はなれたりするので、困ったなと思っていたところ、親しい方が、俺やるよと言って入ってくれたんですね。だから少しは貢献できたかなと思っておりますので、そういう意味では、保護司がもっと地域の中で認知を得て、しっかり取り組んでいける環境を私もつくってまいりたいと思います。

 続いて、再犯防止について御質問させていただきます。

 地方再犯防止推進計画というものがございまして、各市区町村の策定状況をまず御披露ください。

○吉川政府参考人 お答えいたします。

 犯罪をした者等の再犯を防止するためには、保護観察等の刑事司法手続が終了した後も地域社会において息の長い支援を行っていくことが必要です。その支援ニーズは、就労や住居、保健医療、福祉など複数の行政分野にまたがりますことから、地方公共団体の役割は極めて大きく、地方公共団体が主体的に再犯防止推進法に基づく地方再犯防止推進計画を策定し、個々の対象者に応じた支援を行っていただくことが重要と考えております。

 御質問のありました地方再犯防止推進計画の策定状況につきましては、現在、全ての都道府県及び指定都市で策定がなされております。また、その他の市区町村、千七百二十七団体の策定状況につきましては、令和六年四月時点で七百四十八団体、令和七年四月時点で九百四十八団体で策定され、令和八年四月、直近の時点での速報値では千百団体前後の見込みでありまして、その数は着実に増えているというふうに認識しております。

 法務省といたしましては、これまでも、地方公共団体による計画策定に資するよう、計画策定のための手引を配付したり、保護観察所による相談対応や助言などを行うとともに、策定を促してまいりました。今後とも、この計画の策定に向けた支援に取り組みますとともに、再犯防止の取組が更に推進されるよう、地方公共団体とより一層連携してまいります。

○金村委員 やはり地域社会における取組が一番重要だと思いますので、連携をしっかり強めていただきたいと思います。

 その上で、いわゆる再犯防止推進事業というものが今法務省の中で行われていて、様々な自治体がその支援を受けて取り組んでいると思いますが、その状況について御報告ください。

○吉川政府参考人 先ほど申し上げましたとおり、犯罪をした者等に対する息の長い支援を実現するためには地方公共団体の役割が極めて重要です。とりわけ都道府県には、市区町村に対する必要な支援や、市区町村が単独で実施することが困難と考えられる専門的な支援などについて、地域の実情を踏まえつつ実施していただくことが重要であると考えております。

 そのため、法務省では、令和五年度から、都道府県での再犯防止の取組を推進するべく、都道府県の施策に応じ、補助率二分の一で上限を百五十万円とする交付金を支給する地方再犯防止推進事業を進めております。

 令和七年度からは全ての都道府県において本事業を通じた再犯防止の取組が行われており、好事例も生まれていると承知しております。例えば愛知県においては、弁護士会に委託して、弁護士が犯罪をした者等に寄り添って債務整理等の法的な問題を含めた課題を把握し、必要な手続を支援するなどの事業を実施しています。また、山口県においては、山口県社会福祉協議会に委託して、福祉的支援が必要な犯罪をした者等に対して帰住先確保等の支援や福祉サービス等につなげるための支援を行う事業を実施しております。

 法務省としましては、更に各都道府県と緊密に連携し、都道府県や市区町村における再犯防止の取組がより一層充実するよう取り組んでまいります。

○金村委員 ありがとうございます。

 ちょっと時間もありますので一問割愛しますが、私、再犯防止の取組は地域の社会福祉協議会との連携が不可欠だと思うんですね。私も、障害児支援の中で社協に加盟していろいろな活動をしましたけれども、やはり福祉的側面は否定できないと思いますので、是非、地方公共団体だけではなく、その中にある社会福祉協議会との連携もしっかり努めていただきたいなと思います。

 その上で、続いて、不法滞在者ゼロプランについて質問させていただきます。

 これは、最近、強力推進パッケージというものが新たに発表されました。今、地域の中で当然外国人の方も増えておりますので、そういう中で、日本のルールや文化、そういったものを理解していただきながら共生社会をつくっていくことが必要だと私は理解しておりますが、一方で、やはり、不良外国人と呼ばれるような、そういった皆さんについてはやはりしっかりと取締りをしていかなければならない、また、そういう人たち、そういう外国人をやはり減らしていかなければいけないというのが大前提にあると思うんですね。

 その上で、この強力推進パッケージについて、何を強化していくためにこれを出したのか、その意図をお示しください。

○内藤政府参考人 お答え申し上げます。

 昨年十一月に、高市内閣総理大臣から平口法務大臣に対し、不法滞在者ゼロプランの強力な推進について御指示がありまして、さらに、本年一月には、外国人の受入れ・秩序ある共生社会実現に関する関係閣僚会議で決定された総合的対応策においても不法滞在者ゼロプランの強力な推進が掲げられたところでございまして、そのため、法務大臣の御指示により、三谷法務副大臣の指揮の下で、今後重点的に取り組むべき施策を網羅的に検討して、不法滞在者ゼロプラン強力推進パッケージとして取りまとめて、本年五月二十二日に平口法務大臣から公表いただいたということが経緯になります。

 具体的には、不法残留者数の増減要因などを分析した上で、増加要因を減らす施策及び減少要因を増やす施策を取りまとめたものでございまして、例えば、増加要因を減らす施策としては、JESTAの導入、厳格な査証審査に活用するための当庁と外務省の情報連携の強化等を盛り込んでおりまして、減少要因を増やす施策としましては、不法就労対策の強化、護送官付国費送還の更なる推進等、それから、今般、新たにサイバーパトロールを含む摘発の強化を盛り込んで、両方に効果がある施策としましては、難民認定申請の審査の迅速化、あるいは当庁プロセスのDXを盛り込んでいるところでございます。

○金村委員 ありがとうございます。

 先ほど私も申し上げたとおり、外国人との共生社会において、やはり言葉の問題というのが大前提にあると思うんですね。一方で、外国人の皆さんが、日本の文化やルール、それからある種の伝統とかそういったものを、理解を示していないわけじゃなくて、知らないことが余りにも多いんじゃないかなと思っているんですね。知らないということは、知らないわけだから、それを侵している感覚もないんじゃないかなと思うんですね。

 そういう意味では、この外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策において、その一文に、日本語や制度、ルール等を学習するプログラムの創設とあるんですね。実はこれはすごく大切なんじゃないかなと思っております。

 これは実際どういう支援や内容に至っているのか、教えてください。

○内藤政府参考人 お答え申し上げます。御指摘ありがとうございます。

 本年一月に取りまとめました外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策におきまして、帯同家族を含む在留外国人に対し、日本語や我が国の制度、ルール等を学習するプログラムの創設を検討することとされております。

 現在、法務大臣政務官をPT長とする省内PTを設置し、検討を進めているところでございまして、現時点ではプログラムの内容等の詳細をお示しすることは困難でございますが、海外などでも受講できる方法、来日前、来日後等の各段階やライフステージ等に応じた学習内容、プログラムの受講や内容を理解していることを在留審査における考慮要素とすることなどを検討しております。

 また、検討に当たりましては、有識者あるいは地方自治体等からのヒアリングも活発に実施しているところでございます。

 引き続き、関係省庁等と連携し、また、様々な御意見を伺いながら検討を進めてまいりたい、このように考えております。

○金村委員 共生社会の実現のためには、やはり、日本側がしっかりと外国人に対してアナウンスし、理解を得るということが大切だと思いますので、引き続き対応をお願いしたいと思います。

 それでは、時間になりましたので、質疑を終わります。ありがとうございました。

     ――――◇―――――

○井上委員長 次に、内閣提出、参議院送付、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律及び道路交通法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。平口法務大臣。

    ―――――――――――――

 自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律及び道路交通法の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

○平口国務大臣 自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律及び道路交通法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。

 自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律においては、重大な死傷事犯となる危険性及び悪質性が類型的に極めて高い運転行為を行い、その結果人を死傷させた者を、危険運転致死傷罪として傷害罪や傷害致死罪に準じた重い法定刑により処罰することとしております。

 しかし、近時、危険運転致死傷罪について、危険かつ悪質な自動車運転による死傷事犯に適切に対処することができていないのではないかとの観点から、様々な指摘がなされています。

 そこで、この法律案は、自動車運転による死傷事犯の実情等に鑑み、事案の実態に即した対処をするため、危険運転致死傷罪の対象となる行為の明確化及び追加を行うとともに、酒酔い運転を行った者等に対する罰則の対象となる行為の明確化を行おうとするものです。

 この法律案の要点を申し上げます。

 第一に、危険運転致死傷罪のいわゆる飲酒類型に係る正常な運転が困難な状態との要件について、数値基準を設けて明確化し、身体に血液一ミリリットルにつき一・〇ミリグラム以上又は呼気一リットルにつき〇・五ミリグラム以上のアルコールを保有する状態その他アルコールの影響により正常な運転が困難な状態との要件に改めることとしています。

 第二に、最高速度の区分に応じ当該最高速度を五十キロメートル毎時又は六十キロメートル毎時超える速度以上の高速度で自動車を運転する行為や、当該高速度に準ずる速度であって道路及び交通の状況に応じて重大な交通の危険を回避することが著しく困難な高速度で自動車を運転する行為を、危険運転致死傷罪の新たな類型として追加することとしています。

 第三に、殊更にタイヤを滑らせ又は浮かせることにより、その進行を制御することが困難な状態にさせて、自動車を走行させる行為を、危険運転致死傷罪の新たな類型として追加することとしています。

 第四に、危険運転致死傷罪の飲酒類型に数値基準を設けることに伴い、道路交通法上の酒酔い運転の罪の酒に酔った状態との要件についても、同様の数値基準を設けることとしています。

 以上が、この法律案の要旨であります。

 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。

○井上委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時九分散会


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