衆議院

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第8号 令和2年5月20日(水曜日)

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令和二年五月二十日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 松本 剛明君

   理事 岩屋  毅君 理事 木原 誠二君

   理事 鈴木 憲和君 理事 中山 泰秀君

   理事 山田 賢司君 理事 大西 健介君

   理事 山内 康一君 理事 竹内  譲君

      小野寺五典君    尾身 朝子君

      城内  実君    黄川田仁志君

      新藤 義孝君    杉田 水脈君

      鈴木 貴子君    鈴木 隼人君

      武井 俊輔君    中曽根康隆君

      中谷 真一君    中山 展宏君

      阿久津幸彦君    小熊 慎司君

      岡田 克也君    吉良 州司君

      玄葉光一郎君    森山 浩行君

      岡本 三成君    赤嶺 政賢君

      穀田 恵二君    杉本 和巳君

      井上 一徳君

    …………………………………

   外務大臣         茂木 敏充君

   厚生労働副大臣      橋本  岳君

   外務大臣政務官      尾身 朝子君

   外務大臣政務官      中谷 真一君

   外務大臣政務官      中山 展宏君

   防衛大臣政務官      渡辺 孝一君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房政府広報室長)          田中愛智朗君

   政府参考人

   (消防庁審議官)     鈴木 康幸君

   政府参考人

   (外務省大臣官房地球規模課題審議官)       塚田 玉樹君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 小林 賢一君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 松浦 博司君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 宇山 秀樹君

   政府参考人

   (外務省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化参事官)           赤堀  毅君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 大隅  洋君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 齋田 伸一君

   政府参考人

   (外務省北米局長)    鈴木 量博君

   政府参考人

   (外務省国際協力局長)  鈴木 秀生君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房総括審議官)         佐原 康之君

   政府参考人

   (特許庁総務部長)    佐藤 朋哉君

   政府参考人

   (環境省大臣官房審議官) 上田 康治君

   政府参考人

   (防衛省地方協力局次長) 青木 健至君

   外務委員会専門員     小林 扶次君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月二十日

 辞任         補欠選任

  玄葉光一郎君     吉良 州司君

  穀田 恵二君     赤嶺 政賢君

同日

 辞任         補欠選任

  吉良 州司君     玄葉光一郎君

  赤嶺 政賢君     穀田 恵二君

    ―――――――――――――

五月十九日

 社会保障に関する日本国とスウェーデン王国との間の協定の締結について承認を求めるの件(条約第一二号)

 社会保障に関する日本国とフィンランド共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件(条約第一三号)

 刑を言い渡された者の移送に関する日本国とベトナム社会主義共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件(条約第一四号)

 専門機関の特権及び免除に関する条約の附属書18の締結について承認を求めるの件(条約第一五号)

 国際獣疫事務局アジア太平洋地域代表事務所の特権及び免除に関する日本国政府と国際獣疫事務局との間の協定の締結について承認を求めるの件(条約第一六号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 社会保障に関する日本国とスウェーデン王国との間の協定の締結について承認を求めるの件(条約第一二号)

 社会保障に関する日本国とフィンランド共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件(条約第一三号)

 刑を言い渡された者の移送に関する日本国とベトナム社会主義共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件(条約第一四号)

 専門機関の特権及び免除に関する条約の附属書18の締結について承認を求めるの件(条約第一五号)

 国際獣疫事務局アジア太平洋地域代表事務所の特権及び免除に関する日本国政府と国際獣疫事務局との間の協定の締結について承認を求めるの件(条約第一六号)

 国際情勢に関する件


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     ――――◇―――――

松本委員長 これより会議を開きます。

 国際情勢に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として外務省大臣官房地球規模課題審議官塚田玉樹君、大臣官房審議官小林賢一君、大臣官房審議官松浦博司君、大臣官房審議官宇山秀樹君、大臣官房サイバーセキュリティ・情報化参事官赤堀毅君、大臣官房参事官大隅洋君、大臣官房参事官齋田伸一君、北米局長鈴木量博君、国際協力局長鈴木秀生君、内閣府大臣官房政府広報室長田中愛智朗君、消防庁審議官鈴木康幸君、厚生労働省大臣官房総括審議官佐原康之君、特許庁総務部長佐藤朋哉君、環境省大臣官房審議官上田康治君、防衛省地方協力局次長青木健至君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

松本委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。山内康一君。

山内委員 立憲民主党の山内康一です。

 きょうは、最初に、クールジャパン事業、内閣府の事業について、それとパブリックディプロマシーの関係についてお尋ねします。内閣府と外務省、両方に質問させていただきたいと思います。

 まず、このクールジャパンという言葉についてなんですけれども、もともとクールジャパン事業というのは、広く知られていることですが、イギリスのクール・ブリタニア・キャンペーンのある意味まねとして始まったわけですね。

 もともと、クール・ブリタニアという言葉は、ルール・ブリタニアという有名な言葉のしゃれというか、韻を踏んでいるというか、という言葉でして、クール・ブリタニア・キャンペーン、これは、一九九〇年代の後半、ブレア労働党政権のときに始まって、まあそこそこ成果の上がった戦略、パブリックディプロマシーの戦略と言われております。

 しかし、このクールジャパン、もう今二〇二〇年代ですけれども、日本がまねしているのは九〇年代後半のイギリスのクール・ブリタニア・キャンペーンなんですね。今や、クール・ブリタニア、余り、多分、英語圏ではそんなに聞かなくなっているんじゃないか、もう死語になりつつある、クールじゃない言葉になりつつあります。にもかかわらず、日本政府は、相変わらずクールジャパン・キャンペーンというのに多額のお金をかけ続けております。

 行政評価レビューシートを参考に調べてみると、平成二十七年から令和元年度まで五年連続、大体一年に三十六億円かけて、このクールジャパン事業というのをやられています。そこを受注しているのは大体、電通とか博報堂とか、いわゆる広告代理店ばかりなんですけれども、この事業、どういう基準で受注先を選んでいるのか、まず内閣府にお尋ねをしたいと思います。

田中政府参考人 お答えいたします。

 私ども内閣府において実施している事業は、重要事項に関する戦略的国際広報ということで、アベノミクスなど、我が国の重要な施策について、海外テレビですとかあるいはSNS、IT等のツールを用いて海外向け広報を実施しているものでございまして、我が国の基本的な立場や政策に関する国際的な理解を促進する、そういう事業でございます。

 それで、今、代理店の選定ということがございましたけれども、それぞれの事業につきましては、企画競争等により事業者を選定して行っているというところでございまして、その際、目的に従いまして、より効率的な広報の手段を提案していただきまして、それを用いながら、外務省と連携しつつ行っているというところでございます。

山内委員 内閣府から、このクールジャパン事業、重要事項に関する戦略的国際広報諸費という費目に関係している有識者の方のリストを見せていただきました。まあ、個人名は出さないでほしいと言われているんですが、その十五名の有識者を見ると、ほとんどが広告代理店の関係者あるいは企業の広報の担当者ばかりですね。十五名のうち、一人だけ元海外特派員、マスコミの方で地域の専門性のある人が一人、それと異文化コミュニケーションの専門家が一人いますが、十五分の十三は、まあ、いわゆる企業広報か広告代理店の人ばかりですね。

 ある意味で、日本製品を売り込むとか観光客を誘致するだけならそれでいいと思うんですけれども、これをもし外交戦略とかパブリックディプロマシーという文脈で考えるのであれば、ちょっと、広告関係者だけでいいのか、広告業界の発想だけでいいのかと非常に疑問に感じざるを得ません。

 クールジャパン戦略のホームページにこういうふうに書いてあります。「世界の「共感」を得ることを通じ、日本のブランド力を高めるとともに、日本への愛情を有する外国人(日本ファン)を増やすことで、日本のソフトパワーを強化する。」と。

 目的は日本のソフトパワー強化ということですから、化粧品とかお菓子を売り込むような消費者マーケティングの視点だけで本当にいいのかというふうに思っておりまして、例えば、有識者の選び方、それから、そういう広告業界出身の有識者が選んだら、当然、電通、博報堂に決まるに決まっているんですけれども、こういう選び方で本当にいいのか、大変疑問に思っております。

 例えば、アメリカのパブリックディプロマシーの失敗例として有名な例が一つありまして、広告代理店のCEOだったシャーロット・ビアーズという方、広告界の女王と言われた非常に有名な広告業界の方をアメリカの国務省の国務次官に任命しました。広告業界の人だからパブリックディプロマシーが上手じゃないかという結構短絡的な発想で、九・一一の後のアメリカのパブリックディプロマシー政策の責任者になったんですね。

 外交経験は全くゼロで、ビジネスの経験だけしかない方が国務次官になって、パブリックディプロマシーをやったらどうなったかというと、結果的には大失敗と評価されています。その評価されている理由、これは、米国の会計検査院の報告によると、例えば、相手国の事情を全く理解していなかった、イスラム圏の文化をわかっていない、あるいは担当者の語学力不足、アメリカ国務省の語学力不足というのは英語力不足じゃないのは明らかで、恐らく、アラビア語とか現地の言葉に関する理解が全く不足していた。

 要するに、対象国の理解を全く欠いた消費者マーケティングの発想でパブリックディプロマシーをやると失敗するというのが、アメリカのシャーロット・ビアーズという方の例ですね。

 そういう意味では、今、内閣府が選んでいる有識者の人選、本当にこれでいいのか、非常に疑問に思います。それについて内閣府から何かあればコメントをお願いします。

田中政府参考人 お答えいたします。

 政府広報の実施に当たりましては、より効果的かつ効率的なものとなるように、広報事業に知見のある外部有識者から業者選定の際に審査に協力いただいているというところでございまして、これはあくまでも実施の手段の評価をしていただいているというところでございます。

 事業の実施に際しての外交的観点につきましては、外務省と緊密に連携して、その方針、方向性とそごがないように行っているというところでございます。

山内委員 では、外務省の方にもお尋ねしたいと思いますが、外務省から政府広報室へ出向の方もいらっしゃると聞いていますし、外務省と内閣府、協力しているということですけれども、それでは、パブリックディプロマシーの観点で、クールジャパンをやりますというときに、外務省はどういうインプットとかどういう協力をしているのか、あるいは、外務省はどの程度絡んでいるのか、そういった点について、わかる方にお答えいただきたいと思います。

茂木国務大臣 事務方が答えないようですので、私の方から。

 内閣府においては日本国内の重要施策についての広報を行う、一方で、外務省の方は、外交、安全保障、国際協力等、対外政策に関してさまざまな広報を行う、こういう役割分担のもとで、両方が緊密に連携しながら、広報テーマの選定、広報ツール、チャンネル、そういったものを選んでいくということになるわけですけれども、やはり広報ですから、自分にどういう強みがあるか、またそして、相手にどういう関心であったりとかニーズがあるか、こういったことを踏まえてやっていかなければいけないと思っております。

 よく、クールジャパンといいますと、和食であったりとか日本酒であったり、こういうことが言われるんですけれども、恐らくその根底にあるのは、日本人の持っている真面目さとかおもてなしの心、そしてきめ細かな心遣い、恐らくほかの国にはないような、そういう日本の心というものがあるんだと思います。そういったものを具現したのが和食の魅力であったりとかする。

 在外公館は我が国にとって貴重なアセットでありまして、さまざまな会食の機会に、そういった日本酒や、そして食文化を提供する。これは、単に物を出すというよりも、そういった、まさに日本の持っている心、こういったものを提供するのではないかなと思っております。

 そういったことを通じて、日本らしさというものをこれからも国際社会にしっかりと発信をしていきたいと思っております。また、そこで受けたさまざまなインプットであったりとか情報というのは、しっかり政府で共有をしていくようにしたいと思います。

山内委員 では、せっかくなので、次の外務省に対する質問に続いて行きたいと思います。

 まず、パブリックディプロマシーの実施体制についてお伺いしていきたいと思います。

 ちょっと今、茂木大臣のお話で、和食でイメージアップみたいなお話がありましたが、私は結構、パブリックディプロマシーと、日本の農産物を売り込むとか観光客を誘致するというのは全然別の発想が必要だと思っていまして、中華料理は大好きだけれども対中強硬派みたいな人はいっぱいいるわけで、あるいは、韓国焼き肉は好きだけれども韓国のヘイト本を読んでいる人もいっぱいいるわけで、和食イコール対日イメージがいい、必ずしもそうとは限らないと思うんですね。

 そういった意味では、商品を売り込む、お菓子とか食料品を売り込むという発想ではなくて、日本に対する好感度は、もうちょっと別の次元、そんな薄っぺらい理解とは別の次元で日本の価値を売り込んでいく方法を考えなきゃいけないと思います。

 そのときに、電通と博報堂のコピーライターみたいな人たちの発想だけで本当にいいのか。例えばイスラム圏のことを深く理解しているとか、ヨーロッパのことをよくわかっているとか、そういう人がきちんとアドバイスしていかないと、お金をかけている割には、結局は、清涼飲料水を売り込むような、そういう広報に終わってしまうんじゃないかと非常に危惧をしております。

 そういった観点も含めて、外務省の現在のパブリックディプロマシーの実施体制についてお尋ねをしたいと思います。

茂木国務大臣 まず、若干、私の答弁はそんなふうに申し上げていないと思うんですけれども。

 山内先生、今おっしゃるように、相手の関心、ニーズをつかむことが極めて重要である。そして、単に商品ではなくて、その根底にある日本のよさ、日本の誠実さ、おもてなしの心、きめ細かい心遣い、そういう日本人が持っているすばらしさを広報していくんだ、このように私は答弁させていただきました。

山内委員 それはおいておいて、外務省のパプリックディプロマシーの実施体制についてお尋ねしたいと思います。

茂木国務大臣 いろいろなやり方があると思うんですけれども、今全体の状況を考えますと、ソーシャルメディアが極めて発展をしている、したがいまして、例えば、単に政府に働きかけるだけではなくて、世界各国において国民一人一人が世論を形成する力が強くなっているということだと思います。その結果、各国の政府だけではなくて、その国の国民自身の対日理解であったりとか対日好感度が日本をめぐる外交、国際関係に及ぼす影響も大きくなっていくと考えております。

 今後、各国の国民に日本のメッセージや魅力を直接届け、日本への理解と親近感を深めてもらうパブリックディプロマシーというものがますます重要になってくると考えております。そのために、外務省においては、海外の有識者やメディアを通じた日本の外交政策に関する広報のみならず、日本の文化、クールジャパンに代表される、幅広い訴求力を持つソフトパワーの発信にも努めているところであります。ここで言いますソフトパワーというのは、単に物ではないというのは何度も繰り返しをさせていただきたいと思っております。

 その際、発信の対象となります相手国の関心やニーズを踏まえることは当然でありまして、現地語での発信であったりとか、現地で影響を有する媒体の活用、有識者、インフルエンサーなどとの協力など、相手側の言語、文化、社会を踏まえたさまざまな工夫を行っていく必要があると考えております。

山内委員 ありがとうございます。

 例えば、アメリカの場合は、パブリックディプロマシー諮問委員会、USアドバイザリー・コミッション・オン・パブリックディプロマシーという組織が国務省に置かれておりまして、その委員は上院が承認するような人事で、非常に重要な委員会とされております。イギリスの場合は、パブリックディプロマシー委員会、パブリックディプロマシーボードというのが置かれていまして、外務省、ブリティッシュカウンシル、BBC、観光庁、国防省、いろいろな関係者が集まって議論する。そういう、アメリカやイギリスは非常にフォーマルな組織もしっかり持っていて、非常に権威のある委員会を置いているということであります。

 ぜひ日本でも、そういった、外務省、もう既に重視されていると思います、十年前、二十年前に比べると大分体制ができたり組織の名前も変わったりして、以前よりは力を入れているのは承知しておりますが、ぜひ更に強化をしていただきたいと思います。

 例えばアメリカの、物の本で読んだところによると、国務省の外交官試験は専門区分が五つありまして、一つは政治、一つは経済、一つは領事業務、一つは管理部門、そしてもう一つがパブリックディプロマシー。だから、外交官になろうと思ったら、この五つの専門性の一つを身につけることがアメリカの国務省では必要条件になっております。

 ぜひ日本も、パブリックディプロマシー畑みたいな人を外務省の中で育てていただきたいと思っていまして、そういう体制を更に強化していただきたいと思います。

 感想だけでも一言、大臣にお願いできればと思います。

茂木国務大臣 外務省の職員、それぞれ語学の専門家がいたり、率直に申し上げて、私は、日本の外務省の語学の専門家というのはかなり優秀だと思っております。

 さらには、例えば地球規模の課題に対応する、国際文化広報に精通をする、そういう専門分野に秀でた人間というのは更に育成していく必要がある、このように考えておりまして、もちろん、余り硬直的に、全て、入ってから退官するまでずっと広報をやっているというのがいいのかどうかといいますと、私は、いろいろなキャリアパスというものはあっていいし、また、いろいろローテーションすることによってさまざまな経験が積めるというところもあると思いますが、専門能力を養っていくということは極めて重要だと考えております。

山内委員 全く大臣のおっしゃることに私も同感でして、やはり、おつき合いしている外務省の人を見ていると、ODA畑が長いけれども、キャリアの三分の一か半分もないぐらいはODAをやって、それ以外も回っている、パブリックディプロマシーに全キャリアのうち例えば三分の一か半分ぐらい絡む、そういう人がたくさんいるのがいいんじゃないかなと思います。

 それに、私が日本の外交官の中で特に評価が高いと思っているのは、特殊言語の方ですね。アフガニスタン語、パシュトゥン語の高橋さんとか、ロシア語の何とかさんとか、インドネシア語の何とかさんとか、何人か有名な人とお会いしたことがありますけれども、ほかの国の、アメリカの外交官に、日本の外務省の特殊言語の人はすごい人がいると非常に褒められたのを聞いたことがありますけれども、そういう人を大事にしていっていただきたいと思います。

 次の質問に行きたいと思います。

 ちょっと時間がなくなってきたので、順番を入れかえまして、先に、子どもに対する暴力撲滅円卓会議についてお伺いしたいと思います。

 外務省が事務局を担っている国内課題というのはほとんどないと思うんですけれども、この子どもに対する暴力撲滅円卓会議というのは、名前だけ聞くと内閣府かどこかにありそうな会議の事務局なんですけれども、実は外務省にございます。これはなぜか、背景はよくわかりませんが、子供に対する暴力撲滅というのはグローバルなキャンペーンがあったり世界的な組織がありまして、その関係で恐らく外務省が事務局になっていると思います。

 SDGsの中にも、国際的な取組として、子供に対する虐待、搾取、取引及びあらゆる形態の暴力及び拷問をなくすということが掲げられております。日本政府は、その子どもに対する暴力撲滅のためのグローバルパートナーシップという取組の中で、パスファインディング国というカテゴリーに入っています。かつ、ドナー国というカテゴリーにも入っています。

 日本の外務省、既に、この子どもに対する暴力撲滅基金に六百万ドル資金を拠出しています。さらに、二〇一八年にパスファインディング国ということになりました。このパスファインディング国というのは、ちょっとよくわからない言葉なんですけれども、積極的に国際社会をリードしなきゃいけないという立場なんだと思います。まず、自国内の子供に対する暴力の状況をセルフアセスメントした上で、担当大臣が意思表明をし、政府のフォーカルポイントを指名する。このフォーカルポイントというのは、情報を集める事務局みたいなものだと思います。それから、マルチステークホルダーのプラットフォームを開催しなきゃいけないという義務が課せられます。

 そういった取組を外務省は二〇一八年からやっているわけなんですけれども、外務省が事務局になって、厚労省、警察庁、文科省、いろいろな国内のほかの官庁にも声をかけて連携していかなくてはいけないわけです。普通、こういう多省庁をまたがる場合は内閣府とか内閣官房が取りまとめになることが多いと思うんですけれども、珍しく外務省が取りまとめをやっているというふうに理解をしております。

 その子どもに対する暴力撲滅円卓会議、ホームページを見ると、二〇一九年七月の情報の後、アップデートされておりません。現状についてお尋ねをしたいと思います。

赤堀政府参考人 お答えいたします。

 我が国は、御質問のとおり、子どもに対する暴力撲滅グローバルパートナーシップに、理事国、パスファインディング国として参加しております。同パートナーシップの取組の一つとして、我が国としての子どもに対する暴力撲滅行動計画の策定を進めております。

 この行動計画策定に向けた基本的な考え方等について議論を行うため、有識者、市民社会等の参加も得て、二〇一九年七月に子どもに対する暴力撲滅円卓会議第一回会合を開催いたしました。その会合の議論を受け、現在、外務省取りまとめのもと、関係府省、市民社会、有識者等の御参加も引き続き得て、具体的な議論を進めているところでございます。

 我が国としての子どもに対する暴力撲滅行動計画は、本年二〇二〇年中の策定を目指しております。引き続き具体的な議論を進めてまいりますが、その一環として、適切な時期に子どもに対する暴力撲滅円卓会議第二回会合も開催したいと考えております。

山内委員 外野席から眺めていると、恐らく内閣府とかに事務局があれば、各省庁に指示というか命令というか、調整がしやすいのかもしれないんですけれども、なかなか、外務省に事務局があると、ほかの省庁の協力を本当に得られるのかと心配になります。そういうときに、やはり政治の、政治家のリーダーシップというのが非常に重要じゃないかと思います。

 茂木大臣におかれましては、今なかなか海外にも出張に行けないし、日本にお客様がお見えになることもないです。こういったときに、ぜひ、外務省の国内マターというか、外務省がやっている国内の事業などにも、余裕があるかどうかわかりませんが、恐らく海外出張に行けない時期、こういう時期にこそ力を入れて、目を向けていただきたいと思っております。

 特に、子どもに対する暴力撲滅のためのグローバルパートナーシップ戦略文書というのがあるんですけれども、戦略文書の一番最初のゴールが政治的意思の構築となっています。まず政治的意思が大事だということをグローバルな文書でも確認済みです。これに対して、外務大臣の御見解というか、決意のほどを承りたいと思います。

茂木国務大臣 児童の虐待であったり性的搾取等の子供に対する暴力の撲滅、SDGsのターゲットの一つとしても掲げられている極めて重要なテーマでありまして、さまざまな関係省庁が関与してまいります。しっかりと、外務省として、その事務局といいますか取りまとめができるように、私もしっかりコミットしていきたい、そう思っております。

 その上で申し上げますと、暇にしているわけじゃありません。毎日どこかの国と電話をいたします。きょうも、海外の外務大臣と、恐らくこの後、午後に二件電話会議も入っております。テレビでのマルチの会議もありますし、今、移動制限がかかって、なかなか、国外、日本に帰国するのが難しい邦人の方がたくさんいらっしゃる。これまでに、この二カ月ぐらいで九千四百人の方、日本への帰国を実現すると。

 特に、アフリカなんかの場合、どうしても数人単位でたくさんの国に散らばっている。これを、例えば今、航空便が飛んでいますのはエチオピアのアディスアベバだけですから、十五国にいる方を十のルートでアディスアベバに集まってもらって日本に帰国をする、こういったオペレーションもきめ細かく、各局、さらには在外公館を巻き込んで行っておりまして、おかげさまで忙しい毎日を送らせていただいております。

山内委員 忙しいということはよくわかりますが、飛行機の移動時間分ぐらいは余裕ができているんじゃないかなと思いますので、ぜひ、子供に対する暴力撲滅、力を入れていただきたいと思います。

 次に、時間がなくなってきましたが、石炭火力発電所の輸出についてお尋ねをしたいと思います。

 石炭火力発電所というのは、もはや時代おくれの化石になりつつあります。最新鋭の高効率の石炭火力発電所であっても、単位当たりのCO2の排出量は天然ガスコンバインド発電の二倍ぐらい。最も効率のいい石炭火力でさえ天然ガスよりも相当効率が悪いわけですね。石炭火力がこれだけ効率が悪いのになぜこれまで使われてきたかというと、単に石炭が安いからということに尽きると思います。

 しかし、石炭が安かったのも、これからは過去の話になるんじゃないか。もはや、ちょっと前にニューヨークの原油先物相場で原油にマイナス価格というのがつきました。原油が下がると、LNGがぐっと下がります。原油とLNGが下がってくると、石炭の価格優位というのはだんだんなくなってくるということが言われております。

 それから、企業の側でも、社会的責任投資とかESG投資という言葉が定着していますので、化石燃料からの投資の引揚げ、ダイベストメントというのも進んでいますので、今や大手の商社もメガバンクも、石炭火力に投資をするところはだんだんなくなってきている。その中で、相変わらず日本は円借款で石炭火力を輸出しようとしている。こういう状況は、本当に先進国にあるまじき状況だと思います。

 唯一アメリカが、日本と同様、先進国の中では石炭火力に比較的寛容だったんですけれども、トランプ大統領じゃなくなったときには、恐らく大きく流れも変わるかもしれません。そういった意味では、今、早目に石炭火力から撤退しておかないと、日本は相当まずいことになる。

 しかも、石炭火力、最新鋭のものをどかんとつくっても、今からつくっても、それを、耐用年数、あと三十年ぐらい使い続けられるかというと、恐らく、そんなに長いこと使う前に脱炭素化が進んで、石炭火力は時代おくれになると思います。そうなると、後で、ODAでせっかくつくってあげたのに逆に恨みを買いかねない、そういう状況が生まれてしまうんじゃないかと危惧しております。

 こういった石炭火力の輸出は即、少なくともODAではやめるべきだと思いますが、それについて、外務省の見解をお尋ねします。

松浦政府参考人 お答えいたします。

 現時点におきまして、石炭火力発電の輸出につきましては、現行のエネルギー基本計画に基づいて対応しておるところでございます。

 この現行エネルギー基本計画の中に石炭火力輸出の四要件というのがございまして、この要件に合致する案件を進めているという方針でございますが、この四要件については見直しを行うことになっております。六月に予定しております次期インフラシステム輸出戦略の骨子策定、これに向けて関係省庁で議論しているところでございまして、その中で結論を得ていくということにしております。今後の石炭火力輸出のあり方は、その結論を踏まえて決められていくということになります。

 いずれにしましても、我が国は、パリ協定を踏まえ、世界の脱炭素化をリードしていくために、相手国のニーズに応じて、再生可能エネルギーや水素なども含め、CO2排出削減に資するさまざまな選択肢を相手に提案し、相手国の選択に応じて公的支援を行っていく考えでございます。

山内委員 四要件の中で、石炭火力が価格が安いとかそういうことはなくなってきているわけですから、もう前提が変わっているので、早いところ方針転換していただきたいと思います。

 これについて、茂木大臣、一言御所見を伺えればと思います。

茂木国務大臣 事実関係について、今政府参考人から答弁したとおりでありますが、今ちょっと、エネルギー価格全体でいいますと、こういったコロナによります世界的な経済の低迷、需要の減退によりまして、かなりふだんではない動きをしているのは確かだと思っておりまして、まず、WTIとかこういったもの、コロナ前は、長期の値段が上がることによって現物が積み上がるという傾向があったわけでありますが、それが、需要が減退することによって、先ほど言いましたように長期の価格がマイナスになる、こういう状況が生まれております。これに引っ張られるのが当然LNGでありまして、百万BTU当たりの値段、かなり下がっているのは現実であります。

 ただ、これと石炭が連動しているかといいますと、これは、石炭が現在の世界的な経済の影響で価格が下がっているということで、必ずしもWTIであったりとかLNGに連動して石炭が下がっているということではないと思います。

 ただ、これだけ今さまざまなエネルギーの値段というのが変動していますから、今後、ポストコロナでこういったものがどうなっていくのか、こういったものを見きわめながら判断していくことが重要ではないかなと思っております。

山内委員 今週発売のエコノミストのある記事の見出しが、原油暴落で石炭からLNGへ大転換ということで、やはり世界的なトレンドになっていくんだと思います。コロナの後も、今までと同じように経済成長とCO2の排出が正比例するというのはないんだろうなと。

 今、経済成長率とCO2の排出、もうデカップリングが進んでいますので、恐らく、本当に石炭というのは使わないまま地中に埋めておいた方がいいんじゃないかというふうに、すぐなるんだと思います。そういう流れに乗りおくれないように、日本政府としても前向きな対策をとっていただきたいと思います。

 以上で質問を終わります。

松本委員長 次に、森山浩行君。

森山(浩)委員 おはようございます。立国社、森山浩行でございます。

 まず、新型コロナウイルス感染症関連でお聞きをしてまいりたいと思います。

 新型コロナウイルス、薬として期待をされておりますアビガン、これの海外への供与というものが進んでおります。インフルエンザの薬という形で認証されているものでありますけれども、副作用として催奇形性があるんだということも言われています。

 ODAを使っての供与ということでありますけれども、まさかこんな副作用があったことを知らなかったというような形で訴えられたりすることはないとは思いますが、供与の条件、また枠組み、そして現在までの供与国の数や供与予定、そういった状況について御報告をお願いします。

齋田政府参考人 お答え申し上げます。

 アビガンにつきましては、人道的見地から希望する国々に対して無償供与をするということでございまして、四月の七日に合計百万ドルの緊急無償資金協力を決定いたしまして、臨床研究を拡大するという名目で供与をしております。

 委員御指摘のとおり、アビガンには催奇形性という副作用がございます。したがいまして、供与を希望する国に対しましては、用法等につき丁寧に御説明を行いますとともに、適正使用、また免責、我が国へのデータの提供、こういったことを文書で取り付けた上で供与を行っているところでございます。

 また、御質問の現状でございますけれども、これまで八十カ国近くから外交ルートで提供要請を受けておりまして、エストニア、オランダ、カザフスタン及びインドネシア、この四カ国に対して既に供与を行いましたほか、既に四十五カ国につきまして具体的供与を調整済みということでございます。順次、今後供与を行っていくということになっております。

森山(浩)委員 これは、国際機関を通じての調達ということでお聞きをしておりますが、これは臨床試験にも使うんだということですけれども、各国当たり何人分ぐらいの供与になっていますか。

齋田政府参考人 お答え申し上げます。

 これは、いわゆる研究ということでございまして、治験ということではなくて、臨床研究という名目で供与をしております。

 また、お尋ねの人数でございますけれども、各国の要請によりまして、二十人分、三十人分及び百人分という、三種類ございまして、要請に応じて供与を行っているというところでございます。

森山(浩)委員 実は、厚生労働省さんとお話をさせていただいて、国内での治験というのが六月末をめどにしているというふうにお聞きをしています。

 これは、こうやって供与したときに、六月末に合わせて治験というような形にすれば、これは日本にとっても反射的な利益をいただけるような形になったんじゃないかなと思いますが、共同治験ではなくて臨床試験というような形であったと。

 この臨床試験については、六月末というのは治験の方では期限があるわけですけれども、期限については決められておりますでしょうか。

齋田政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど申し上げましたように、我が国のアビガンの供与、ODAによります供与、これは、国内の治験のプロセス、これとは全く切り離されたものでございまして、途上国の要請に応じて人道的見地から供与をしているということでございます。

 したがいまして、先ほど、国内の治験の期限ということについて委員御指摘ございましたけれども、これとは直接、供与について、関係はしていない。

 他方で、先ほど申し上げましたように、データの提供、これを求めておりますので、国内でこれを承認に向けて進めていく手続におきましても非常に参考になるというふうに承知しております。

森山(浩)委員 六月末に認可に向けて頑張っているという国内の状況とは切り離した形での供与ということでありますけれども、せっかくデータをもらうということですから、本来は、事前にこれは打合せをして、役立つようにしていただいたらよかったのかなというふうに思いますけれども、大臣、いかがですか。

齋田政府参考人 お答えいたします。

 事前に厚生労働省ともしっかりと協議をいたしておりまして、ただ、治験の国内のめどといったものというのも動いておりますし、そのときにはこのときまでにということはございませんでした。

 それもありまして、かつ、臨床研究という名目から、先ほど申し上げましたように、少人数分をそれぞれ供与しているというところでございます。

森山(浩)委員 わかりました。

 せっかく外交上で役に立つような形で供与をする、それに対して、国内にもデータをもらうということですから、しっかり役立つようにしていただきたいというふうに思います。

 続きまして、各国のマスクそれから防護服、これの輸出規制についてお伺いをします。

 報道では、マスクや防護服、これの輸出を規制している、あるいは、日本が注文したんだけれども、できたものを外に出さないというようなことが報じられたりいたしましたけれども、そのようなことをしている国というのはどのぐらいあるか、どこかというのはつかんでおられますでしょうか。

松浦政府参考人 お答え申し上げます。

 WTOが四月二十三日に今お尋ねのあった輸出規制の問題について報告書を出してございますが、これによりますれば、フェースマスクやゴーグルについては、その時点で七十三カ国・地域が輸出規制を行っておりまして、また、防護服については五十カ国・地域が輸出規制を行っているというふうになってございます。

 具体的な国名もございますが、例えばブラジル、コロンビア、エジプトといった国が、防護イクイップメントについての規制を行っているということでございます。

森山(浩)委員 規制を行うということに関して、本来日本に来るはずだったものが来ないというようなことに関して、日本政府からの働きかけというのはされてきたんでしょうか。

松浦政府参考人 コロナ危機発生後、さまざまな貿易関連の国際会議が行われてきております。例えば、G20、WTO等の場でこの問題を議論してまいりました。その場におきまして、新型コロナ対応のために各国が緊急の措置をとることはある程度やむを得ないけれども、それらが人々の健康を保護するために必要な場合には対象を絞り、透明かつ一時的でWTOのルールと整合的に採用されるべきであるという原則が打ち立てられてきております。

 我が国も、このような措置は限定的、一時的なものにすべきであるという考えに基づきまして、これらの場においてその旨働きかけてきてございます。

森山(浩)委員 五十カ国ということですから、マルチでこれは解決をしていかなきゃいけないということであると思いますが、WTOに整合的であるようにという部分については、これからもしっかり主張していただきたいというふうに思います。

 さらに、日本でも今回使えるようになりましたレムデシビル、これは米国のギリアド・サイエンシズ社が供給をされていますけれども、これの供給不足が懸念されているというような報道もありますが、医薬品の特許、日本は持っておりますでしょうか。

佐藤政府参考人 お答えいたします。

 今御質問のありました抗ウイルス薬レムデシビルでございますけれども、これはアメリカのギリアド・サイエンシズ・インコーポレーテッドが、フィロウイルス科ウイルス感染症を処置するための方法ということで、二〇一五年に特許出願をしておりまして、当該出願については二〇一七年に我が国においても特許として登録をされているという状況でございます。

森山(浩)委員 日本の特許法にも規定があります。

 公共の利益を理由にということで、強制実施権、もしレムデシビルが供給ができない、あるいは、日本での製造を、向こうがやるということが足りない場合には日本の側で強制的につくるというようなことも許されているかと思いますけれども、強制実施権についてはどのような状況でしょうか。

佐藤政府参考人 お答え申し上げます。

 今御指摘いただきましたいわゆる強制実施権でございますけれども、これにつきましては特許法の九十三条に規定がございます。

 同条には、特許発明の実施が公共の利益のために特に必要であるときは、その特許発明の実施をしようとする者は、特許権者等に対して通常実施権の許諾について協議を求めることができる、あるいは、その協議が成立しない、あるいは、することができないという場合には、経済産業大臣の裁定を求めることができる、このようなことが規定をされておるわけでございます。

 今御質問のありましたレムデシビルにつきましては、今まさに医療機関への安定的な供給に向けていろいろ努力が進められているというふうに承知をしておりますけれども、仮に今後公共の利益のための通常実施権の設定の裁定の請求というのが出てまいりました場合には、例えば特許権が供給の制約要因になっているのかどうか、こういうようなことを含めまして、具体的な状況を踏まえてこの法律の規定に従って適切に対処してまいりたいというふうに考えております。

森山(浩)委員 ありがとうございます。

 いざとなれば強制実施権というようなものも持っているんだということもカードにしながら各交渉に当たっていただきたいというふうに、大臣、よろしくお願いいたします。

 さて、四月にも確認をさせていただきましたが、在外邦人の帰国希望者、いらっしゃる国の数と人数について、そしてまた、JAL、ANAにチャーターをお願いしてでも早期に帰国希望者を戻すべきという提案をいたしましたけれども、その後の対応について、お願いをいたします。

大隅政府参考人 お答えいたします。

 茂木大臣が常々御発言のとおり、海外における渡航、滞在する邦人の保護は外務省の最も重要な責務の一つであると考えております。

 外務省としては、大臣の指揮のもと、領事局や各地域局、そして関係する在外公館一体となり、出国や帰国を希望してもそれができない邦人が早期に帰国できるように取り組んでおります。

 各国の在外公館を通じ、さまざまな働きかけ、調整、支援を行ってきておりますが、これらによって臨時商用便や民間チャーター機の運航等が実現し、これまで世界各国から約九千七百名の邦人が出国又は帰国しました。

 各国で邦人が置かれている状況は変化しており、また希望も変化しておりますけれども、現在の段階では、出国を希望しているにもかかわらず邦人が出国できない国は、確定的なことは申し上げられないですけれども、暫定的に申し上げれば二十七カ国、百四十名いらっしゃるということでございます。

 国内航空会社の活用につきましては、例えばインドにおきましては、在留邦人のニーズを踏まえ、三月二十二日から五月十八日まで日本航空と全日本空輸の臨時便が運航され、邦人約四千七百名の帰国が実現しております。この際、在インド大使館及び現地総領事館で、インド政府に対し、臨時便の運航許可や州境通過許可を含む安全な移動確保等を働きかけております。

 今後とも、邦人の安全や帰国手段の確保に向けてしっかりと対応してまいりたいと思います。

茂木国務大臣 今、参考人の方からお答えをしたとおりでありますが、もちろん、いろいろな形で航空便がとまっている国にいらっしゃる方で、当初は帰国を希望されずに、やはりそろそろ帰国しようかということで、その数はふえてきておりますが、いずれにしても、これまでに九千七百名の方が帰国をされた。

 今、百四十名ぐらい、希望されている方で現地に残っていらっしゃる方はいますが、今週中にその中の恐らく五十名程度が帰国をするということになると、残っていらっしゃる方は九十人ぐらいという形になります。もちろんこの数に変動は出てくると思うんですが、仮に何か深刻な状況というのが急遽どこかの地域で起こった場合には、チャーター機一、二便でどうにか帰国を実現できる、こういう状況には今あるのではないかなと思っております。

森山(浩)委員 御努力、感謝したいと思います。在留邦人、しっかりと守るということが国の大きな責務であると思います。

 状況がどんどん変わってきているという中で、渡航禁止、これは全世界に対してというようなことで、お互いもう行き来はやめましょうという状況になっているわけですけれども、徐々にこれに対して解除の動きが出てきています。EUの域内であるとか、あるいは東南アジアで中国や韓国はいいんじゃないか、あるいはオーストラリアとニュージーランドというような形で、お互い行き来してもいいんじゃないかというような形の解除の動きが出てきているわけですけれども、日本についても、こういう状況になれば解除してもいいんじゃないか、出るあるいは入るという両方ありますけれども、緩和の条件については事前に一定明らかにしておくことが大事かと思いますけれども、そこの部分についてはどのようにお考えでしょうか。

茂木国務大臣 まず、感染症危険情報につきましては、それぞれの国、地域での感染の状況、移動制限の状況、現地の医療体制、在留邦人渡航者数、世界保健機関や主要国、地域の対応ぶりなど、総合的に勘案して判断してきておりまして、現在、レベル3、渡航中止勧告の国、地域が百に及ぶ、こういう状況であります。

 今後、今、ヨーロッパの域内とか一部の地域でこの緩和の動きが始まったところでありますが、日本において危険情報の引下げ、またそれに伴います人の往来の再開を行うためには、まず日本での感染拡大の終息、こういったものが最優先になってくると思っております。

 同時に、海外の状況、もう少ししっかり見きわめた上で、外国への渡航が安全か否かについて、相手国における感染状況、例えば幾つかの国は、もうこの二週間、感染者がゼロとか、そういう国もありますし、さまざまな状況を総合的に勘案して、どのようなアプローチが可能か、検討していきたいと思っております。

 恐らく、どこかの国について入国を再開するとなったにしても、では、どの方でもいいですよというよりも、例えば、ビジネスマンであったりとか専門家、エッセンシャル人材、これがまずということでありまして、次に留学生とか労働者、こういう形であって、最終的には一般の観光客も含めた方々ということで、段階を踏んだアプローチになると思いますし、国についても、ある程度、最優先というかファストトラックの国、その次と、順次、それぞれの相手国の状況を見ながらやっていければと思っておりますが、往来でありますから、でき得れば、日本の措置と相手側の措置と、これがタイミングが余りずれないということは大切だと思っております。

森山(浩)委員 大事なことを言っていただきました。往来ですので、出入ともにというような形で、どんな状況になれば再開するのか、あるいは緩和するのかという条件、これを明確にしていくという、どこかの段階でお願いをしたいというふうに思います。

 さて、昨晩終わりましたWHO総会への台湾の参加についてです。

 今回、台湾の経験というのは、コロナについても非常に大きなものがありました。せっかくのこの経験を共有するための場、これが設定できなかったのは非常に残念だと思いますけれども、このオブザーバー参加ができなかったことについての見解をお願いします。

茂木国務大臣 我が国は、従来より、国際保健課題への対応に当たっては地理的な空白を生じさせるべきではないと考えておりまして、この観点から、台湾のWHO総会へのオブザーバー参加をこれまでも一貫して主張してきておりまして、今回のWHO総会に当たっても、事前にそのような働きかけを行ってまいりました。

 森山委員おっしゃるように、今回のコロナ対応では、やはり台湾のとってきたさまざまな措置というのは非常に私も参考になるなと思っております。そういった中にもかかわらず、今回のWHO総会にも台湾がオブザーバー参加できなかったこと、これは本当に残念だ、そのように感じているところであります。

 今回のような全世界に甚大な影響を与える感染症については、自由、透明、迅速な形で、台湾のような公衆衛生上の成果を上げた地域を含めて、各国及び地域の情報や知見が広く共有されることが重要だと考えております。

 今後の感染症対策のためにも、国際社会が一体となって万全の対策を講じる必要があると考えておりまして、引き続き、あらゆる機会を捉えて、今申し上げたような我が国の立場をしっかりと主張していきたいと思っています。

森山(浩)委員 ありがとうございます。

 これだけ世界じゅうで共有をして対応しなきゃいけない問題のときに、アメリカが離脱さえほのめかすというようなことになってしまっています。これについては、日本としては、何とかとどまってくれととめるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

茂木国務大臣 今回の新型コロナウイルスのような世界的に甚大な影響を与える感染症に対しては、WHOを中心に国際社会が一致して対応すべきだと考えております。

 また、今後、同様の事態に備えるためにも、事態がある程度一段落したタイミングで、ただ、一段落したタイミングというのは、のんびりというよりも、可及的に速やかにということであると思っておりますが、国際社会全体が連携して、その発生源であったり、WHOや各国の初動対応を含めて、公平で独立した包括的な検証が行われるべきだと考えております。

 その結果として、WHOの機能が強化をされて、いろいろな国が、もっと拠出をしたいとか、自分も参加をしたい、そういうWHOになることが一番望ましいんだと思っています。

森山(浩)委員 日本だけで、あるいはバイで何とかできる問題ではありませんので、ぜひ御努力いただきたいというふうに思います。

 さて、日本人学校なんですけれども、私、中学時代の恩師がローマに赴任をしていたこともありまして、ふだんからこれは大変なんだという話をお聞きしています。

 主に在外邦人向けに設立されている日本人学校の現状と、今回、コロナ禍において非常に大変な状況にあるとお聞きをしていますが、これに対する必要な支援、また現状についてお聞かせください。

大隅政府参考人 お答えいたします。

 日本人学校は、在外子女に日本となるべく近い教育を受けさせることを目的に現地邦人社会が各地で設立し、現在、各国・地域に約九十五校存在しております。これら日本人学校では、原則として国内の学習指導要領に基づいた教育を日本語で行いつつ、海外に設置されているという特性を生かし、現地事情に関する指導を取り入れているほか、現地の子供たちとの交流を積極的に推進する等の特色を有しております。

 外務省としても、そのような教育を安く受けられるように手だてをとるべきとの考え方に基づきまして、日本人学校に対しては、現地採用教師謝金や校舎借料、安全対策費等につき、種々援助を行っております。

 新型コロナウイルス感染症拡大により、多くの学校が一時休校を余儀なくされ、さらには、感染防止対策の強化の必要性に迫られております。一時帰国者がふえることにより、児童生徒数の減少に加え、遠隔授業や感染予防のための保健衛生環境の整備といった追加的な対応は、学校にとり大きな負担となっていると承知しております。

 外務省としましては、既に、一部の日本人学校に対してサーモグラフィーの設置を支援する等の協力を開始しております。

 さらに、児童生徒等の減少や、各種感染症予防による学校の運営強化の影響や、授業料の値上げ等で在外邦人に広く影響を与えるという事態であると承知しておりまして、日本人学校において海外の子女に国内と遜色ない教育環境が維持されるよう、引き続き必要な支援を行ってまいりたいと存じます。

森山(浩)委員 ふだんからお金がなくて大変だということでありますので、まずは存続をするということ、これについてはしっかり責任を持ってやっていただきたいなと思います。駐在員さんも、日本人学校があるからそこに赴任するのがいいんだというようなお話の方もいらっしゃいます。よろしくお願いします。

 ポストコロナ、アフターコロナと言われる今後の社会経済において、ヨーロッパでは、EUで昨年十二月に欧州グリーンディールの計画が策定をされました。

 脱炭素社会に向けた景気と気候変動対策の両立、また、地産地消でサプライチェーンを短くするなどを組み合わせたこの分野では、中国、また米国のこれまでの取組や発信も多いわけですけれども、日本からの発信はなかなか目立たないという状況にあります。

 コロナ禍の中において、グリーンニューディールについて、いかがでしょうか。

茂木国務大臣 恐らく、ポストコロナ、大きく時代というのは変わっていくんだと思います。やはり、人類の歴史を考えても、大きな災害であったりとか課題を乗り越える過程では、人類というのは新しい文明であったりとか技術というのを発見、そして社会実装してきたわけであります。恐らく、今回のコロナを機にいたしまして、公衆衛生面、医療面はもちろんでありますが、政治、経済、さらには社会も大きく変容していく。

 例えば、遠隔教育であったりとかテレワーク、デジタライゼーション、デジタルトランスフォーメーションというのは大きく進んでいくということになると思いますし、また、これはいろいろな気候変動等々も関係しますが、分散化、さまざまなライフラインの分散化というのも進めなければいけないんだ、こんなふうに考えておりまして、コロナからの復興を気候変動、環境対策の観点から持続可能なものとするという議論については自分なりによく理解をするところでありまして、我が国は、四月に策定した緊急経済対策でも、脱炭素社会移行の推進を明記しているところであります。

 また、二〇一九年、環境と成長の好循環のもと、最終到着点としての脱炭素社会を掲げる野心的な長期戦略を策定いたしました。G20の議長国としても、このような考え方を踏まえた行動志向の大阪首脳宣言を取りまとめているところであります。

 外務当局としても、ポストコロナを見据え、脱炭素化に向けた日本の技術、モデルを国際社会により強く発信できるように、関係各省とも連携をしながら努力をしていきたいと思いますし、この脱炭素であったりとか新しいデジタルトランスフォーメーションの話、分散型の社会、これはポストコロナの日本の新しいモデルとして、恐らく二〇二五年大阪・関西万博のとき、これを世界に発信するような機会にもできればと思っております。

森山(浩)委員 ありがとうございます。

 済みません、質問時間が来てしまいました。せっかく環境省さんにも来ていただきましたが、細かい話も言っていただこうと思いましたが、グリーンニューディール、これが経済対策の中心にあるべきだというような話も出てきています。経済と環境は両立するんだというようなことも含めて発信をお願いしたいというふうにお願いをいたしまして、質問とさせていただきます。

 ありがとうございました。

松本委員長 次に、吉良州司君。

吉良委員 おはようございます。立国社会派、そして国民民主党の吉良州司です。

 久しぶりに外務委員会の場に立たせていただきました。いつも冒頭申し上げることでありますけれども、私自身の質問、見解、提言というものは、衆議院議員吉良州司個人の責任においてなすものでありまして、会派を代表してとか政党を代表してではないということをお断りさせてもらった上で質問させてもらいたいと思います。

 きょうは、主に二点について質問させてもらいたいと思っています。一つは、コロナ禍を受けての今後の経済連携のあり方、特に経済安全保障を強く意識した経済連携のあり方について。いま一つは、北方領土問題に対する国民理解の醸成ということについてです。

 まず、コロナ禍を受けての今後の経済連携のあり方について質問させていただきます。

 その前に、とかく悪夢のようだとか批判を受ける民主党政権ではありますけれども、私は、その民主党政権下、隣にいる岡田外務大臣のもとで外務大臣政務官を拝命し、また、玄葉大臣のもとで外務副大臣を務めさせていただきました。その際、特に力を入れたのは、まさに経済連携、それからTPPの推進、そしてインフラ海外展開、また、経済安全保障強化というようなことに力を入れて取り組ませていただきました。

 反対論が渦巻く中でのTPP推進について、結果的には半歩しか前には進めませんでしたけれども、日本が半歩前に出たことによって、カナダ、メキシコがTPPに参加することになり、結果として、当初のTPP12の成立が成った、また早まったというふうに思っています。

 また、ちょっと手前みそにはなりますけれども、インフラ海外展開についても、私自身の商社時代の経験を生かして、インフラプロジェクトとは何ぞやという教科書をつくって、外務省経済局でも講義をさせてもらい、そのつくった教科書は全在外公館に配付されて、日本企業を実務面からも後押ししてほしいということで、大使、領事にお願いをしておりました。その当時創設したインフラプロジェクト専門官だとかエネルギー・鉱物資源専門官という仕組み、制度が今なお生きて活用されているということについては感謝をしております。

 一方、自分も反省するところ大なんですけれども、国際競争力を拡充する、打って出る日本企業を後押しする、そのために効率を優先するという思いが強過ぎて、そういう姿勢に対して、今回のコロナ禍というのは、ある意味、我々に対して、政府に対しても意識改革を迫っているんだろうと思っています。

 今回のような、世界じゅうで物だとか人の移動が制限され、外出自粛だとかそれから経済活動の自粛、停止というようなことが国家規模で行われる、例えば、日本の生産にとって極めて重要な銅、チリの銅鉱山で、このコロナ禍で操業が残念ながらできなくなったりとか、日本経済にも大きな影響を与えている。このような世界規模の、まさにパンデミックまでは想定していなかったということで、自分自身も反省しているところであります。

 このコロナ禍を受けて、政府全体としても、経済安全保障の観点から何を、ある意味、効率を二の次にしてでも、コストを二の次にしてでも国内生産を優先させるべきだ、一方、十分なリスク対策を講じた上で、今までどおり、今までどおりといいますか、今言ったリスク対策を講じた上で、海外生産を含む世界的なサプライチェーンの構築、それを推進しようとする日本企業のインフラ整備を制度上やっていく、この、何を国産で、そして何を効率重視、世界的なサプライチェーンを利用し続けるとすべきなのかといったことを政府全体としても検討するタイミングだろうというふうに思っています。

 そこで、質問ですけれども、質問というか提言ですけれども、私自身は、外務省の経済局において、経済産業省とも協力しながら、今私が申し上げた問題意識の中で、経済連携、また経済安全保障、この戦略の立て直し、そして、場合によっては踏み込んで、これからの例えば経済連携交渉だとか、例えば、TPP11には新たに入りたいという国々がありますけれども、そういうところと交渉する際、さらには既存の経済連携等を見直したり修正してでも、今回のコロナ禍、パンデミックを受けて、危機対応そして経済安全保障の観点をもう少しそういう条約等に入れ込んだ対応が必要だというふうに思っていますけれども、茂木大臣の見解を求めます。

茂木国務大臣 まず、基本的な考え方を申し上げたいと思うんですが、戦後、我が国が目覚ましい経済発展を遂げることができた、それはやはり、優秀な労働力、人材がいた、そして物づくりの技術があった、こういったことに加えて、自由貿易体制、この恩恵も非常に大きかったんじゃないかなと思っております。

 世界経済が今甚大な影響を受ける中で、今回のことがあったからといって各国が保護主義に陥るといったことはあってはならずに、自由貿易体制、これは、単に物だけではなくてさまざまな、投資であったりルールであったり、こういったものも含めて自由貿易体制というのは維持強化をされていくべきだ、このように考えております。

 その一方で、例えば、我が国を見ても、本当に必要なものが国内で生産できないために、いろいろ混乱が起きる。マスクの七割が何と中国でつくられていた、国内では買えない、こういった状況についてどう考えるかということも考えていかなきゃならない。今、大体、TPP等の協定におきましても、安全保障上必要な措置はとれる、こういうことになっておりますが、この安全保障上必要な措置についてもう一回議論を行うということは必要なんだと思っております。

 同時に、グローバルなサプライチェーン、これは今後、急に全部が国内回帰するということはできないと思いますが、本当に必要な部分を国内回帰する。しかも、同時に、重要な部品等について、一つの拠点に頼るのではなくて、これをデュアル、トリプルにしていくというか多元化をしていく。これは、単にコロナだけではなくて、自然災害であったりとかさまざまな変化に対応する意味でも、こういったサプライチェーンの強靱化ということも必要だと思っておりまして、今回を契機にそういった議論はしっかり進めていきたいと思っております。

吉良委員 ある意味、私の問題意識なり私が考えていることと、大臣の答弁、見解というのは相違がありません。

 私は、先ほど、もう一回再検証すべきではないか、条約等もある意味見直すべきではないかというふうに申し上げました。これは、一つには、経済安全保障の中でも重要な位置をなす食料安全保障について、それこそ二〇一〇年に、当時の経済局の経済安全保障課が諮問した研究会、成果物が出てきまして、それは「我が国の「食料安全保障」への新たな視座」というものでありました。ここで提言されていることというのは、ざくっと要約して言えば、食料安全保障というのは、とかく国内でつくらないと心配だという国民の意識が強いけれども、平時から有事に対する備えをきちっと行っていて、そして、有事の際にもきちっと何をしなければならないという計画があれば、考えているほどにはリスクは高くない、そういう、ある意味では提言でした。

 この件については、実は、二〇一八年の五月だったと思いますけれども、まだ茂木大臣が経済財政担当大臣だったころの内閣委員会で、私はTPPの必要性ということと同時に食料安全保障について質問させてもらって、覚えておられるかどうかわかりませんけれども、農業生産者、消費者、そして輸出産業、この三者が得をする三方一両得という意味で、食料安全保障について私は解説させてもらったし、今言った、平時からの備えがあれば、また有事における明確な計画があればそれほど恐れるに足りないというのは、私が大学時代にやっていたロッククライミングに例えて、はたから見ると大変なリスクがあるように見えるけれども、実は物すごい安全対策を施しながら岩をよじ登っていますという話をさせてもらったことがあるんです。

 私も、今でも、当時の、東大の本間教授が座長を務めていた研究会の内容は生き続ける、生かしていくべきだと思っているんですけれども、ただ、今回のような世界的なパンデミックまでは想定しておりませんでした。そういう意味で、今回、世界的なパンデミックを受けての、また、今後あり得ることに備えて何をしなければいけないのかということの検証が必要だというふうに思っています。

 私自身も、茂木大臣が先ほど言われたように、今回のコロナ禍で、国内的には、極端に言ったらもう全部国内に戻せというような議論すら出かねない状況になると思っているんです。けれども、やはり日本がこれまで繁栄してきたのは、まさに自由貿易であり、自由な投資であり、その旗を決しておろしてはいけない。ただ、今言った世論が高まることは確かです。

 ですから、外務省内部でこの検証を行うことによって、そういう意見に対してのきちっとした理論武装といいますか、国民に納得のいく説明ができるようにも同時にしておいていただきたい、こういうことなんです。ですから、そういう意味で、茂木大臣と大きな違いはないということを申し上げましたけれども。

 特に、経済安全保障課が諮問したことを受けて、茂木大臣、外務省の中で、コロナ禍を受けて今後どうするかということの経済外交、そして、その中でも経済連携の推進、またTPP11の拡充、そして経済安全保障という観点から、ぜひ専門家を集めていただいて、どうあるべきかという検証、議論、それで今後の戦略を立てていただきたいと思っていますが、いかがでしょうか。

茂木国務大臣 吉良委員の質問については鮮明に覚えております。

 その上で、やはり、食料安全保障、平時と有事に、二つの局面に分けて、それぞれの局面における対策のあり方についてさまざまな視点からの議論が必要だ。

 ただ、同時に、そこで想定されていた有事と今の状況は、もしかすると更にその有事を超えているものかもしれない、こういった認識も必要でありまして、先般のG20の農業大臣声明であったりとかWTO加盟国によります閣僚声明においても、各国が食料のサプライチェーンの機能を維持すること、また、農産品及び食品に関して輸出制限を行わないこと、そして、不当な貿易障壁を設けることを差し控えること、さらに、世界の食料市場に関する情報の提供を継続することの重要性について認識を確認したところであります。

 こういった議論を踏まえて、もちろんこれは外務省だけではなくて、農水省であったりとか、さまざまな有識者の皆さんの御意見も伺わなければなりませんが、今後のあり方についてはしっかり議論することが必要だと考えております。

吉良委員 ぜひお願いいたします。

 もうちょっと時間がないので、次の北方領土の方に入らせていただきます。

 北方領土について、本当は一時間、二時間、時間をいただきたいんですけれども、時間が本当に限られているので、国民理解の醸成という観点に絞って話をさせていただきたいと思っています。

 私自身、二〇一八年九月のウラジオストクでのプーチン・安倍首脳会談の中で、当時の年内に平和条約を締結しようという呼びかけがあり、一挙に北方領土問題の解決ということについて踏み出したときには大いに期待を持ちました。今、その後いろいろな情勢変化があって、残念ながら、そのムードは下火になっていると言わざるを得ないというふうに思っています。

 その中で、この前のシンガポールでの首脳会談もそうですけれども、安倍総理は、一九五六年の日ソ共同宣言を基礎としてと、ちょっと正確な表現は忘れましたけれども、ということを言っている。ということは、場合によって、大きな現在、将来の国益を得られるのであれば、四島にこだわらず、北方領土問題を解決して平和条約という意思も選択肢としてある、選択肢として持った上で対ロシアに臨むという覚悟なんだと思いました。

 私自身も、今言った、現在、将来にわたって大きな、といっても、質と量について、そこが議論が分かれるところでありますけれども、国益を得られるのであれば一歩前に進んでもいいんだろう、このように思っておりました。一方で、今と余り変わらないという状況である中で、場合によっては日本の主権を一部放棄するような決断をしてもいいのかという疑問も今は持っております。

 そういう中で、いま一度確認したいんですけれども、この北方領土問題の、特に帰属の問題を解決して平和条約を締結するとせば、今と何が変わるのか、どんな国益があるのか。平和条約を締結しなかった場合に失う国益、また、得べかりし国益、失われる国益は何なのか。その辺について大臣の見解をお伺いしたいと思います。

茂木国務大臣 日本とロシア両国は、アジア太平洋地域の重要なパートナーでありまして、両国が安定した関係を築いて協力を深めることは、二国間のみならず、地域の安定と繁栄にとっても極めて重要であると思っております。

 個々のさまざまなメリットというのはあるんだと思いますが、それ以上に、世界地図をジグソーパズルのように例えてみると、この東アジア地域において重要な一つのピースである日ロ関係というのが確定した形で埋まっていない、平和条約が締結されていないというのは極めて不安定を生みやすい状況であるわけでありまして、この安定をもたらすということは、安全保障、政治、経済そして文化面を含め、さまざまなメリットを生み出すものだと考えております。

吉良委員 答弁としてはそういう答弁にならざるを得ないと思っていますけれども、国民の立場に立ったときに、先ほど言いました、私自身は、平和条約締結ということは、お互い立場が違って今は平行線なわけですから、その中で平和条約を結ぶということは、お互いが歩み寄る、お互いの主張をどこかで譲って妥協しなければならないんだろうというふうに思っています。その妥協することを国民が支持する、それだけの国益があるんだということを説明できなければ非常に難しいというのが一点。

 それからもう一つは、私の地元もそうですけれども、いろいろな方に北方領土の問題、話を聞くと、日ソ中立条約がまだ有効だったのに攻め込んできてけしからぬとか、八月十五日以降にまだ侵攻し続けてけしからぬとか、シベリア抑留けしからぬとか、だから反対なんだ、何としてでも取り返せと。今言ったことが間違いではありません、認識が。けれども、それ以上の深い歴史的背景というのを知らない方がほとんどです。

 そういう意味で私は、北方領土の解決、平和条約の締結ということは、国民に、歴史的背景、そして現在、将来における国益というものをきちっと説明できなければならないんだろうというふうに思っています。

 そこで、茂木大臣にお聞きします。

 ソ連が、当時、一九四五年八月九日に満州に攻め込んできた。なぜ八月九日だったんでしょうか。

宇山政府参考人 お答え申し上げます。

 一九四五年二月のヤルタ協定に、ソビエト連邦が、ドイツが降伏し、かつ欧州における戦争が終了した後二カ月又は三カ月で連合国に味方して日本国に対する戦争に参加すべきことを協定した、こうあることについては私どもも承知しておりますけれども、ソ連の軍事行動の意図についてお答えする立場にはございません。

吉良委員 私もここ二年ぐらい結構北方領土を勉強してきたので、今おっしゃったように、ヤルタ会談で、ドイツ降伏後二カ月又は三カ月後に対日参戦する、ドイツ降伏が四五年五月八日ですから、それから三カ月後だったわけですよね。

 当時のソ連としては、本当はヤルタ会談で、密約ではありますけれども、対日参戦のかわりに得たいものがある、今それはもう詳細には申し上げませんけれども、それを必ず手にするために、本当はドイツ降伏後二カ月後にやりたかった。だけれども、この東部戦線に参加するに当たっては、対独戦を戦った精鋭部隊をシベリア鉄道を使ってもう一度東部戦線に送り戻す必要があって、なかなか準備が整わず三カ月後になったというふうに理解をしています。

 今おっしゃったように、このヤルタ会談が一番大きい。そのヤルタ会談の、正式、密約合意する前にテヘラン会議があり、モスクワ会議等ありましたけれども、ヤルタで決めた、その決めた内容、決めたことをソ連は実行に移したということですね。

 これまでの国会答弁で、ヤルタ会談はまさに密約であり、そして、日本が署名もしていない、締約当事国でもないので、ヤルタ会談に縛られる必要は一切ない、この種の答弁がずっとなされています。私はそれでいいと思っています、一方。ただ、大事なことは、国民に対して知らせるときには、日本はヤルタ会談に縛られる必要は全くないんだけれども、交渉相手国であるソ連はヤルタ会談をベースに今言った決断をし行動したという歴史的事実があるということは、国民にきちっと知らせなければならないんだろうと私自身は思っています。

 もう一点、昨日の各紙に出ていましたけれども、北方領土に対する外交青書上の文言が、主権を有する島々というふうに、もう一回、主権を主張する内容に戻ったということが出ておりました。

 私自身は、日本の固有の領土である、主権を有する島々であるということを訴え続けることは何ら後ろめたいものではないと思っています。ただ、一方で、この固有の領土論というのが世界で通用するものなのか。

 もうちょっと時間がなくなったので自分の方から言いますけれども、お手元に配った資料をごらんいただきたいと思います。

 これは、第二次大戦時同盟国であったドイツの第一次大戦前から東西統一後までの国境の変遷を描いたものです、あらわしたものです。

 現代ドイツが、もともとは、一八七一年に、プロシアがオーストリアをというかハプスブルク帝国を排除して、ハプスブルク以外のドイツ地域をプロイセンが中心になって統一した国である、こういうふうに考えますと、そこの第一次大戦前、今、一番左の上にはイーストプロシアと書かれていますけれども、これは第一次世界大戦で負けてからも東プロイセンとして残っています。

 この東プロイセンという地域は、御承知のとおり、当時はケーニヒスベルクと言われ、第二次大戦でドイツが敗戦して以降はソ連領となり、カリーニングラードという位置づけでした。でも、これはプロシアにとっては、日本で言う奈良の平城京みたいな町です。そして、その平城京に当たる地域を、ドイツは、東西ドイツを統一する際に、ポーランドと国境条約を結び、そして、当時のロシアといいますかソ連を含めたヨーロッパ諸国の了解を得て、今言った第一次世界大戦後のドイツ共和国と言われたところから東西統一後の現在ドイツとなっているところ、一部がポーランドに永久割譲される形で、周辺諸国の、関係諸国の了解を得て東西再統一をなした。

 ソ連が戦ったのはドイツと日本です。ドイツと日本は同盟国でした。日ソ中立条約がありますけれども、独ソ不可侵条約がある中でドイツはソ連に攻め込みました。だから、ソ連が中立条約を破って対日参戦したのは許されるんだ、そんなことは言っていませんよ、それはけしからぬことなんです。けれども、当時のソ連がどういう歴史的背景、ヤルタ会談を含めたどういう会談によって意思決定をし行動したのかということについては、それを日本政府として認めるとかいうことではなくて、最終的に、さっき言った平和条約を結ぶ、何らかの妥協をする、しない、いずれにしても国民の理解が必要だというふうに思っています。

 そういう意味で、外務省がつくっています「われらの北方領土」、これは、ヤルタ会談も含めて、一部歴史、一部といいますか、かなり歴史は書いています。けれども、もう少し、ヤルタ会談の中身だったり、それから当時のヨーロッパ戦線の状況、また、同盟国であったドイツが戦後どういう国境になっていったのか。固有の領土は間違いないんです。ただ、固有の領土論が世界的に通用するのかということも含めて、私は、この北方領土の中に書き込む必要があると思っています。それは、最終的に日本政府としてどういう結論を出そうとも、国民の理解を得るために必須、マストだというふうに思っています。

 ちょっと私の一方的な話で長くなりましたけれども、この私の問題意識、見解に対する茂木大臣の見解を求めます。

松本委員長 既に持ち時間が経過をしておりますが、大臣、よろしいですか。では、茂木大臣、恐縮ですけれども、簡潔にお願いいたします。

茂木国務大臣 御高説はよく承りました。

 恐らく、ヨーロッパにおける領土の概念と日本における領土の概念というのは、違うところはあるんだと思います。

 もともとこの地図にありますこの地域、二世紀にハドリアヌス帝が国境を画定するまでは国境という概念もなかったところでありますし、一番左にあります独領のアルザス地方、これも普仏戦争でフランスからドイツがとったところであったりとか、少し領土に対するヨーロッパの考え方と日本の考え方というのは違うところがあるなと。

 相手の気持ちを、相手の考え方も理解しながら進めていくのが交渉でありますが、基本的に、今、領土については、条約があるかないか、これが一番重要です。そして、領有権原の取得があるかないか、これが次に重要でありまして、その次に実効支配の比較等々の議論が行われてくるという中で、我が国として、さまざまな概念であったりとか論拠を使いながら、国益に資するような交渉を進めてまいりたいと思っております。

吉良委員 終わります。ありがとうございました。

松本委員長 次に、赤嶺政賢君。

赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢でございます。きょうは、どうぞよろしくお願いします。

 初めに、四月十日に起こった、米軍普天間飛行場から有機弗素化合物PFOSを含む泡消火剤が漏出した事故について質問をいたします。

 PFOSは、有毒で残留性が高い有機弗素化合物の一つで、わずかな量でもがんや低体重出産などの重大な健康被害を引き起こすと言われています。二〇一〇年以降、化審法で第一種特定化学物質に指定をされ、国内での製造、輸入、使用などが原則禁止をされています。

 今回、普天間基地からPFOSを含む泡消火剤が大量に流れ出し、大きな白い泡の塊が住宅街にまで空中を舞いながら広がっていました。その泡は、帰宅しようとしていた保育園児たちの頭上にも降り注ぎ、普天間基地に隣接する第二さつき保育園では園児約百三十人が保育室内に避難をいたしました。浮遊する泡を見て、干していた洗濯物を慌てて取り込んだ住民もいます。宜野湾市の防災無線からは、泡には触れないでくださいという警報が鳴り響き、町は異様な光景になりました。

 今度の事故で、消火設備から約二十二万七千リットル放出されております。その飛行場の外に漏れ出した量は約十四万三千八百三十リットル、これは、二百リットル入りのドラム缶に換算をしますと七百十九本にも及びます。基地内の泡消火剤は米軍によって回収をされていますが、基地の外に流れ出した泡のほとんどが未回収のままです。

 まず問われなければならないのは、この事故を防ぐことはできなかったのかということであります。

 この問題には経緯がありまして、沖縄県が二〇一六年に、嘉手納基地や普天間基地周辺の河川から高濃度のPFOSが検出されたことを明らかにして、当時から沖縄県は基地への立入調査とPFOSの早期交換を繰り返し求めてきました。

 私も国会でこの問題をたびたび取り上げてきました。二〇一六年の予算委員会分科会でこの問題を取り上げたとき、当時の外務大臣、岸田外務大臣でありましたけれども、PFOSを含む泡消火剤の大部分はPFOSを含まないものと交換しており、今後も引き続き交換していく、このように答弁をされました。あれから四年が経過しています。

 外務大臣に伺いますが、二〇一六年当時、交換するとしていたにもかかわらず、なぜPFOSの漏出事故が起きたんでしょうか。なぜ今も使われているんですか。

茂木国務大臣 米側からは、在日米軍が保有しているPFOSを含有する泡消火剤について、これらを厳格に管理するとともに、二〇一六年以降は順次交換を進めている、また、訓練に当たっては、現在は水を利用し、当該消火剤は使用していないといった措置について説明を受けてきております。

 同時に、これらの泡消火剤は、在日米軍施設・区域内のみならず、自衛隊や消防等の国の施設や、消火、予防の必要性がある民間施設にも偏在しており、PFOSを含有する製品に対する規制開始以前に製造された泡消火剤においては、現在もなお、消火設備に充填されたものや、廃棄に向けていまだ保管されているものが残っていると承知をいたしております。

 このような中で、我が国は、米側に対し、在日米軍施設・区域内におけるPFOS含有消火剤の早期の交換を求めてきたところであります。今回の漏出事故発生に対しても遺憾の意を伝達するとともに、原因究明や再発防止の徹底と、立入りの実施も求めてまいりました。そして、立入りも行っております。

 以上のとおり、PFOSを含有する泡消火剤への対応については、既に日米間で種々協議が行われているところでありますが、今般の漏出事故を受けて、在日米軍のPFOS含有消火剤の交換促進や再発防止策について、改めてしっかり議論を進めていきたいと思っております。

赤嶺委員 この間の岸田外務大臣の答弁を聞いていますと、当時も、水道水の汚染にかかわってPFOSのことが問題になったわけです。順次PFOS以外のものに切りかえていくんだということが言われていたわけですが、沖縄県がこの問題を指摘したのは四年前ですね。しかし、直ちにPFOSの処理は行われなかった。そして、今回の漏出事故が起きた。

 外務大臣、その米軍基地の漏出事故は、飲料水を汚染させていて大問題になっているんです。非常に責任は重大だと思いますが、どんな努力を米側に求め、米側は行ってきたのか。泡消火剤を、二〇一六年当時どれだけ保管し、その後どれだけ処理し、現時点でどれだけ残っているか、基地ごとに明らかにしていただけますか。

鈴木(量)政府参考人 お答え申し上げます。

 米側からは、在日米軍が保有しているPFOSを含有する泡消火剤について、これらを厳格に管理するとともに、二〇一六年以降は順次交換を進めている、また、訓練に当たっては、現在水を利用し、当該消火剤は使用していないといった措置について説明を受けております。

 これ以上の詳細につきましては、防衛省にお尋ねいただければ幸いに存じます。

赤嶺委員 二〇一六年以降減らしている。厳格に管理をしている。そんなのが、今の現状で、このアメリカ側の説明、そのまま受け取れるんですか。厳格に管理していたら漏出事故なんか起きなかったはずですよ。いかがですか。

鈴木(量)政府参考人 お答え申し上げます。

 米側からは、申し上げましたとおり、厳格な管理をするとともに、米側自身がこのPFOS含有消火剤の早期交換というものを進めてきているというふうに考えております。今般の事案もよく検討した上で、日米間で協議を進めてまいりたいというふうに考えております。

赤嶺委員 アメリカがそう言っています、厳格に管理していますと言って、現実に県民は漏出事故に直面している。そのまま言葉どおりに受け取れるわけないじゃないですか。政府としてもっと責任ある対応が必要だと思いますがね。

 今回が漏出事故は初めてじゃないんですよね。去年の十二月、同じ米軍普天間飛行場内の格納庫で、消火システムの誤作動により、PFOS含有泡消火剤が漏出をいたしました。

 これは防衛省に伺いますが、当時、米軍から事故についてどのような説明があったんですか。基地の外への漏出があったのかなかったのか、その点はどのような説明がありましたか。

 それから、外務省は先ほど防衛省に聞けと言っておりましたが、今米軍はどれだけ持っているかということも含めて、あわせて答弁していただけますか。

青木政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、二〇一九年十二月五日の事件の件でございますけれども、米側からは、普天間飛行場の格納庫内において、消火システムの誤作動により泡消火剤が漏出したが、ほぼ全ての薬剤を施設・区域内で除去した、施設・区域外への流出は確認されておらず、環境への影響等の懸念はない、再発防止のため関係者への再教育を徹底したとの情報提供を受け、米側から、関係自治体に対し速やかにお知らせするとともに、米側に対し再発防止の徹底を強く求めたところでございます。

 二つ目のお尋ねでございますけれども、現在、日米間におきましては、PFOS等に係る問題への対応について包括的な検討を行っているところであり、その検討の結果につきましては、今後、米側の了解も得た上で、必要に応じ、随時説明を行っていく考えです。

 また、米側から、普天間飛行場で保有するものも含めまして、在日米軍が保有している泡消火剤について、二〇一六年以降は訓練を目的として使用しておらず、また、これらを厳格に管理するとともに、順次交換を進めている旨の説明を受けております。

 その上で、自衛隊、消防などの我が国の施設や在日米軍施設・区域内において、PFOSを含む製品の製造禁止等の規制が始まる前に製造された泡消火剤は、現在もなお、火災などの緊急時に使用するため消火設備に充填されたものや、廃棄のため保管されているものが残っていると承知しております。

 このため、防衛省としては、自衛隊が保有するPFOS含有泡消火剤の交換を加速するとともに、米側に対しても早期の交換を求めてきたところでございます。

 その上で、PFOS等をめぐる問題につきましては、これまで何度も河野防衛大臣とエスパー米国防長官との間で議題とするなど、日米間で連携を一層強化して、在日米軍の対応を含め、包括的に検討を進めているところです。

赤嶺委員 先ほどの、去年の事故についての今の防衛省の説明にかかわって、資料をお配りしてあります。二枚の資料ですが、一枚目を見ていただきたいと思います。

 これは事故当時に防衛省が米側から聞き取った内容をまとめたものでありますが、今答弁もあったように、当時も防衛省は、施設・区域外への流出は確認されておらず、公共の安全や環境への影響の懸念はない、このように回答しております。

 ところが、ジャーナリストのジョン・ミッチェルさんが情報公開請求で入手した調査報告書には、雨や風のため完全に回収することができなかったこと、幾らかの泡消火剤は吹き飛び、排水管に流れ込んだことが書かれております。

 それだけではありません。この文書の中には、在日米軍宛て現地部隊が提出した漏出事故報告書が盛り込まれております。資料の二枚目ですが、そこに丸印をつけていますが、基地の外に漏出の有無を聞いた設問があり、そこにはイエス、つまり漏出したと書かれています。

 この違い、一体どういうことなんでしょうか。基地の外への漏出があったことを米軍自身が認めているにもかかわらず、日本政府への説明はその反対になっているわけですね。何でそんなことになっているんですか。

青木政府参考人 お答え申し上げます。

 昨年十二月の御指摘の事案に関する調査報告書につきましては、引き続き米側に提供を求めているところでございます。

 その上で、昨年十二月に発生した事案につきましては、先ほども申し上げましたが、米側からは、漏出したほぼ全ての泡消火剤は普天間飛行場内でも現地担当者により除去されており、環境への影響等の懸念もない旨の説明を受けております。

 他方、今般、四月十日に発生しました同飛行場における大規模な流出事故との関連性を調査する観点から、御指摘の調査報告書について現在米側に提供を求めているところでございます。

 防衛省といたしましては、今般のような流出事故が再び起こることがないよう、現在、PFOS等をめぐる問題全体に関して日米間で集中的に行っている検討の中で、在日米軍が保有する泡消火剤の交換や再発防止策等について議論をしているところです。こうした取組の一環といたしまして、今後の情報共有のあり方についても日米間でしっかり議論をしていく考えです。

 また、お配りいただきました御指摘の文書についてでございますけれども、米側に確認する必要がありますので、具体的な記載内容についてはお答えを差し控えたいと思います。

赤嶺委員 基地外に漏出したというアメリカ側の文書は、情報公開で入手した文書であります。報告書です。私たちは、去年はその事故が起こった直後に、参議院議員の伊波洋一議員が報告書を入手するべきだと当時から言っていたわけですよ。今度の事故が起こったから、それとの関連を調べる上で必要だから今から求めていくというのでは、余りにも遅きに失するというか、全くPFOSに対する真剣味が足りない。大体、こんな事故が起きた直後に、米軍は厳重に管理していますなんて公の場で言える話ですか。言いながら恥ずかしいと思いませんか、そういうことが。

 それで、今、アメリカは真剣に議論していると言っておりましたが、アメリカ政府がタスクフォースを立ち上げている中で、国防総省は、交換に必要な予算も膨れ上がり、あと十八年要する、こういう報告書がアメリカ議会に提出されていると報道されているわけです。厳重に管理しても漏出事故が起きる。報告書は手に入れない。幾ら保管しているかわからない。だから、幾ら努力したかもわからない。この六年間、全く努力の跡さえ見えない、そういうような事態があると思います。

 私は、今回の事故を通しても、報告書を提出させるということは絶対に不可欠であるということを申し上げておきたいと思います。六カ月たっても、情報公開で手に入れられる文書を日本政府が手に入れていないということは、大いに恥だということを自覚していただきたいと思います。

 今回の事故では、地下貯水タンクから泡消火剤が漏出していたことが問題になっています。昨年の事故の際、立入調査が実施できていれば、タンクの状態を把握し、米軍に対策をとらせることをできたのではないかと思いますが、この点はいかがですか。

鈴木(量)政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の昨年十二月の普天間基地における事案につきましては、米側から、消火システムの誤作動によりPFOSを含有する泡消火剤が漏出したものの、土壌への浸透も施設・区域外への流出も確認されておらず、環境への影響等の懸念はないといった情報提供がございました。この結果、環境補足協定で認められる立入りには至らなかった経緯がございます。

 したがって、昨年十二月の御指摘の事案における漏出の状況は比較的軽微であったと考えられますところ、その後発生した今回の漏出事故との関係において、かかる事案の状況のもとで何ができたかといった仮定の質問に具体的にお答えすることは差し控えたいと思っております。

 いずれにいたしましても、PFOSを含有する泡消火剤への対応については、既に日米間で種々協議が行われているところでございます。今般の漏出事件を受け、政府としては、立入り結果や米側調査チームによる報告等をもとに、事実関係を究明し、再発防止策についてしっかりと議論を進めてまいりたいと考えております。

赤嶺委員 外務省も問題のありかをつかんでいないと思いますよ。

 要するに、現地米軍は、外への漏出があったといって米軍の司令部に報告して、情報公開で入手したものに、基地の外に漏れたかどうか、それはイエス、あったと。今、外務省は、それは軽微だったから環境補足協定の対象にならなかっただろうといって要らぬ答弁までつけ加えておりますが、事実が報告されていなかったことが重大問題なんですよ。基地の外に漏れたか漏れていなかったか。

 ところが、分量が少なかったから、だからしなかったんだろうというのは、余りにも、基地の中の環境問題に対する取組が非常に弱い、米軍に対して物言おうという、そういう姿勢がないということを今の答弁を聞いて感じました。

 防衛省は、今回の事故の対応について聞きますが、四月十日の十六時四十分ごろに基地の外に泡消火剤が漏出し、そのことを十七時四十分ごろに米側から連絡を受けた、このようにしています。しかし、地元紙の報道では、既に十七時ごろ、普天間飛行場に隣接する第二さつき園の園児が飛んでいる泡に気づいております。私は、住宅地に飛散する前に、もっと早く連絡されるべきだったと考えます。

 今回の地元自治体への通報に要した時間、もう通報されるころには町じゅう大騒ぎになっている。そういうようなことでの通報のあり方について、防衛省、どんな認識ですか。

青木政府参考人 お答え申し上げます。

 本件につきましては、四月十日に米側から、米海兵隊普天間飛行場の格納庫内の消火システムが作動し、PFOSを含む泡消火剤が放出された、速やかに泡消火剤の回収に当たっていたところ、一部が飛行場外に流出した等の情報を受けまして、防衛省として、関係自治体に対して直ちにお知らせするとともに、職員を現地に派遣するなど、対応に当たったところです。

 具体的には、十日十七時四十分ごろに米側から一報を受け、事実関係について米側に確認後、十八時二十分ごろに関係自治体へ情報提供を行っており、可能な限り速やかに対応したというふうに考えております。

 防衛省としては、今般のような事案が発生した場合、可能な限り正確かつ具体的な情報について速やかに地元自治体等にお知らせすることが重要と考えており、引き続き、こうした情報共有を行うことができるよう努めてまいりたいと思います。

赤嶺委員 まるで適切であったという認識ですが、もう保育園の周りに泡がどんどんどんどん基地の中から飛んできている、それよりもずっと後に、何が起こったか市民が心配しているずっと後に防衛省が対応した、これは適切であると。こんな話はないと思いますよ。

 去年の事故の調査報告書を見ると、火災警報システムがどのように機能したか、これが書かれております。大変興味深い内容であります。それによりますと、火災報知器が作動すると、信号がすぐにキャンプ・バトラーに送られ、そこから警報が普天間基地のEFRという消防救助隊に転送される、そのようなシステムになっているようです。

 このときは、事故の約十五分後には、普天間基地の消防部隊は、キャンプ・バトラーから連絡を受け、そして現場に到着しております。キャンプ・バトラーというのは、沖縄県内の海兵隊基地を統括する組織であります。要するに、火災があった場合には、直ちにそこに情報が集約され、そこから各地の消防部隊に警報が出される仕組みになっています。

 この事故を見れば、当然、こういう仕組みであれば、十五分後には日本側にも通報できるということではありませんか。

青木政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほども申し上げましたが、米側からは十七時四十分ごろに、十六時四十分ごろに発生した本件事故についての一報があったところでございます。

 日本側への一報までの間、この間、米側が普天間飛行場内において泡消火剤の回収に全力を尽くしていたという事情があるというふうに認識しております。

 いずれにいたしましても、更に迅速かつ正確な情報提供を実現すべく、日米間で一層緊密に連携をしてまいりたいと思っております。

赤嶺委員 米側は基地の中で一生懸命対策をとっていたと。基地の外では、基地から飛んできた泡消火剤、流れ出てきた泡消火剤、PFOSを含む消火剤によって大騒ぎになっている。日本の当局は誰も、何が起こっているかわからない。そういうようなことで、適切な対応であったということは絶対言えない。

 今、もっと迅速な情報提供をとおっしゃいましたけれども、これは、米軍間では短時間の間に情報共有ができているわけですから、本当に、迅速な情報共有、これを求める努力をしていただきたいと思います。

 それで、基地の外に漏出した泡の回収作業について聞きますが、回収作業には、事故を起こした米軍ではなく、防衛局から協力要請を受けた宜野湾市消防が当たりました。

 外務省に伺いますが、米軍基地から漏出した、流れ出した泡消火剤、これは誰が回収すべきだと考えますか。

鈴木(量)政府参考人 お答え申し上げます。

 本件事故の発生に際して、米側は、飛行場外へのさらなる流出防止のための措置を飛行場内でまずは実施し、その上で、宜野湾市が飛行場外で回収したPFOS含有泡消火剤を引き取って飛行場内に保管するなど、防衛省、宜野湾市と連携して回収作業を実施したものと承知しております。

 本件事故につきましては、米側においても調査チームが事故原因を調査しているところでございます。

 政府としては、米側と連携して、立入り結果や米側の調査チームによる報告等を踏まえて、まずは原因究明にしっかりと取り組むとともに、事実関係を明確にしたいと考えております。

赤嶺委員 今の答弁もひどいですね。

 米軍は、さらなる基地の外への漏出を防ぐために基地の中で一生懸命やっていた。基地の外に流れ出ていく泡消火剤は、全く責任を持つものもないわけですよ。しかも、基地の中では、米兵は事故処理に当たって防護服を着て、厳重な警戒態勢をとりながら泡消火剤の処理に当たっていたわけです。

 防衛局は宜野湾消防に依頼をしたようですが、宜野湾消防は、何か防護服とか、そういう泡消火剤の対策をきちんととって処理に当たっていたんですか。きょうは消防庁がお見えだと思いますが、いかがですか。

鈴木(康)政府参考人 お答え申し上げます。

 本年四月十日に発生いたしましたPFOS含有泡消火剤の漏出事故につきましては、地元の宜野湾市消防本部におきまして、防火服、N95マスク、ゴーグル及びゴム手袋などを着装いたしまして活動したと聞いております。

赤嶺委員 米側はどんな防護体制をとっていたかおわかりですか。

茂木国務大臣 事実関係ですから、多分、今手元にないということは通告いただいていないんだと思いますので、調べて御連絡を差し上げます。

赤嶺委員 通告があったかどうかについてはきょうはちょっと控えて、もう今は時間がありませんので次の質問に移りますが、無防備に等しい状態で、宜野湾消防署は、流れ出てくる泡消火剤を抑え切れずに、途中で吸水も処理もできなくて、そのまま流れ放題だったと。

 大体、米軍が、自分たちはさらなる流出を防ぐために基地の中で一生懸命やっていましたと。基地の外で何が起こっているか米軍もわからない、外務省、防衛省も誰が責任あるかを説明できない、こんな状態で、厳重に管理されているはずのPFOSが常に住宅地帯を襲っているという問題であります。

 それで、基地内立入りの調査の問題について最後にちょっと聞きたいんですが、沖縄県は当時から基地内の水と土壌のサンプリングを求めていました。ところが、最初の立入りは、立入りを要求していた沖縄県を除いた国だけで立ち入り、次の立入りで水の採取は認められたものの、土壌の採取は認められませんでした。

 外務省、アメリカ側が土壌の採取を拒否した理由、これを教えてください。

鈴木(量)政府参考人 お答え申し上げます。

 今般の泡消火剤漏出事故につきましては米側も深刻に受けとめておりまして、日本側による環境補足協定に基づく立入り要請に対して、過去に先例のない形でこれを受け入れまして、更に沖縄県庁、宜野湾市関係者の調査参加も受け入れるなど、全体として見れば、米側は日本側の要請に対して真摯な対応をとってきたと認識しております。

 その上で、御指摘のサンプリングの件につきましては、米側からは、漏出したPFOSを含有する泡消火剤の流出経路が全てコンクリートに覆われていたことを踏まえて、排水溝沿いの土壌には浸透していないというふうに当初しつつ、サンプリングの必要性に対して疑問が呈されたことは事実でございます。しかし、その後、米側は日本側の主張を尊重し、御指摘の土壌のサンプリングを含めまして、計五回の立入りが実現しております。

 このように、環境補足協定第四条に基づく今回の普天間飛行場内への一連の立入りに当たっては、汚染状況の確認や米側による汚染除去措置の効果を確かめる観点から、現時点で分析に必要と考えられる全ての土壌と水のサンプリングが実施された次第でございます。

赤嶺委員 サンプリングを認められたと言っていますが、米側は、土壌の調査にPFOSとPFOA以外はだめだよ、ほかの有機弗素化合物についての調査は認めないという限定をつけているんですね。しかし沖縄県は、その他の有機弗素化合物も調査したい、これはもう国際的に問題になっているからだと。

 結局、今度の基地の立入りについても、環境補足協定に基づいて、異例なことだと言いますが、当たり前のことにしないといけないですよ。米側の同意がなければ基地の立入りも調査も沖縄側、日本側が思うようにできないというのであれば、やはり、日米地位協定の枠内にある環境補足協定は見直しをしなければ環境問題、環境汚染問題は解決できないということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。

松本委員長 次に、杉本和巳君。

杉本委員 維新の杉本和巳です。

 一般質疑、きょうは、コロナの関係というか感染症関連に絞って質疑をさせていただきます。

 それで、ちょっと、理事会で本来、本の提示について御了解いただくべきところ、急遽大西筆頭と岩屋筆頭の御了解をいただいておりますが、先生方はもう大変勉強熱心なので御存じでお読みになっていると思いますが、「感染症の世界史」というのがありまして、これはかなり、新型コロナとか、感染症と人類の共存関係みたいなのを非常によく書けてありますので、お勧めをしたいし、この点について結構きょうは質問させていただく予定でございます。

 まず、先ほど吉良代議士から北方領土の質問がございました。理事会では外交青書の話が出て、今度の理事会で概略を外務省の方から御説明いただくという運びになるという予定でありますけれども、きのうの発表あったニュースの中で、この北方領土については、我が国が主権を有する国々という形で、茂木大臣になられて一歩踏み込まれたという……(茂木国務大臣「国々じゃなくて島々」と呼ぶ)島々ですよね。我が国が主権を有する島々と言ったつもりなんですが、島でとまっちゃったかもしれませんが、島々でございますが、そういうことで一歩踏み込んで、またもとに戻ったというか、ありがたく存じます。

 そこで、先週十六日の記事について早速大臣に質問をしたいんですけれども、北方領土の国後島でコロナの感染者が出たということがございます。読売の記事等によりますと、医療体制が脆弱な北方領土での感染確認は初めてということで、国後と色丹については緊急事態を導入して警戒を強めているという報道があります。

 我が国は、この領土の問題、戦後ずっと抱えているわけですけれども、人道的な見地とか平和条約を締結していくとか、そういった展望をする関係で、やはり、北方領土にお住まいの方々に対する医療的な支援というのは極めて大切だと思っています。

 手前みそでありますが、維新の鈴木宗男参議院議員は、一緒に北方領土へ入ったときに、鈴木宗男閣下と言われていますが、決してムネオハウスとかではなくて日ロ友好の家なんだよ、杉本君、本当の名前はそうなんだ、佐々木憲昭先生がそうつけたんだけれども、実は日ロ友好の家というんだと。

 それで、鈴木先生と行ったときは、まだ緊張関係があったので、去年のように泊まって酒を飲むというような感じではなくて、湾内の、前の北方領土船だったので、五百トンのマグロだったかカツオの船の改良版だったので、湾内に泊まるというようなことで、日中しか訪ねることができないというようなことでありましたし、昼間訪問する中で、お昼御飯をいろいろな家に分かれていただくという機会がありましたけれども、杉本さん、食事の前に、それこそ手洗いは大事ですから、手洗いさせていただきたいということで、手を洗ってくださいよということだったんですけれども、たまたまだったのかもしれません、御案内いただいたお宅は日本の環境とは違って、手洗いが、手洗い、洗面所というのはなくて、お風呂場の蛇口のところに、ここで手を洗ってということを言われました。

 国によって生活の習慣というのは違うと思いますけれども、そういった意味で、今ロシアが大変ピンチで、世界でアメリカに次いで二番目、今ブラジルが三番目で急追しているような状況ですけれども、一方で、ロシアは人工呼吸器をアメリカに輸出して協力を、昔の冷戦の構造ではなくて協力を示して、その中で人工呼吸器が火を噴いてしまったというような事案が出ているようでございます。

 そんな意味で、やはり隣国ロシア、そして、この外交青書でも踏み込んでいただいたというか戻っていただいた状況の中、たまたま一人の事例だから大丈夫かもしれませんけれども、また罹患者がふえていくというようなことも鑑みると、準備として、我が国が医療体制を提供する。

 それこそ鈴木宗男さんが閣下と言われるのは、けがをしたおばちゃんがいたら、急遽ヘリコプターで北海道に、根室で、いや、根室でだめだから札幌までヘリを飛ばすというようなことをされたりする中で、そういった日本人の評価をいただけているいい部分であると思っていますので、そういった意味で、この新型コロナの北方領土の住民の方々への医療支援といったものが考えられないかどうか、提案をしたいんですけれども、外務大臣の御所見を伺います。

茂木国務大臣 まず、北方四島住民に対する人道支援ということで、政府は、一九九八年以降、毎年、北方四島から患者を北海道本島の病院に受け入れてきております。こういった医療面での支援というのは、やはり心と心を結びつけるものだ、そのように考えております。

 鈴木宗男先生は、最初に選挙に出られたときに、自分の地盤といいますか、そうでないところに行って、あるおばさんに手を出したら手をはねのけられた、それで、ありがとうございますと言ったと。やはり、そこで人の気持ちというのは変わるんじゃないかな、こういう部分もあるところであります。

 同時に、今ロシアにおいても、この新型コロナの感染が拡大をしてきているところであります。どうも世界的な傾向で見ますと、アジア、ヨーロッパ、北米等から、感染の拡大の中心が、BRICSであったり、さらには中南米、中東、アフリカに今移りつつあるのかな、こういう傾向も見られるんじゃないかなと考えているところでありますが、御指摘の新型コロナウイルス感染拡大を受けた四島住民、今のところ、お聞きしているのは一人ということでありますので、この四島側のニーズもありますし、感染拡大防止といった観点、さらには、ここに法的論点というのも出てくるわけでありまして、そういったことも含めて慎重に検討したいと思っております。

杉本委員 ありがとうございます。

 慎重にというのは、前向き、慎重にお願いできればというふうにお願いしておきます。

 あと、鈴木参議院議員の話ですが、もう一つだけ、ちょっと、じゃ、せっかく大臣が言っていただいたんですが、松山千春さんがこういうことを言っていました。

 中川一郎先生の後を受けて選挙に出馬して、鈴木宗男でございますと後援会の幹部に挨拶に行った。これは松山さんが言っていましたけれども、挨拶をしようとしたところ、鈴木宗男、ばかやろうといってグーパンチで思い切り、松山千春さんが自分が殴られるんじゃないかと思ったんですけれども、鈴木さんの顔にがんといったということですが、その後に鈴木宗男さんは、鈴木宗男でございますとその手にしがみついた。そして、松山千春さんはこの男を一生応援しようと思ったということを、ちょっと、政治家が本当に批判されて、その批判の声だったり、あっ、お嬢さんがいらっしゃいますが、いや、なかなか、政治家がこういう姿勢というのは、この間の参議院でも一緒に動きましたけれども、鈴木宗男かと見て、握手してくださる方もいれば、あっち行けという人もやはり愛知県でもいました。しかし、そこにへこたれずにどんどん行くというのが鈴木先生だなというふうに思いましたので、ちょっと話、余談になりましたけれども、政治というものはかくあるべしということで、自分を戒める意味で申し上げさせていただきました。

 済みません、コロナの話でございます。

 次に、外務大臣、前回の質疑等でも言われていましたけれども、テレビ会議を導入して、G7の首脳間などと外務大臣で会議を催されるというようなことを伺っております。ちょっとG8という言葉が消えてしまいかけている状況かと思うので、G8、暫定でも復活させてはどうか、テレビ会議でという提案でございますが、山内先生がお笑いになりましたけれども、いや、真面目に考えるべきだと私は思っているんです。

 二〇一四年のクリミア併合問題、領土を武力によってとるということは決してあってはならないことで、北方領土もそういうわけでございますけれども、今、そんな関係で、ロシアはG7に加わるG8となる参加資格を停止されている状況でございます。

 このような状況ですが、事新型コロナの質問をさせていただいていますが、この新型コロナに対する、世界共通の敵というか、共存していかなきゃいけない時代になりつつあるとも思っておりますけれども、そういった観点からも、プーチン大統領ないし外務大臣の参加というような枠組みの中で、このG8的な枠組みを復活させる、その提案を、新型コロナというテーマに絞って提案をしてみてはいかがかと思っておるんですけれども、慎重にというお言葉があるかもしれませんけれども、前向き、慎重に、何か御検討いただけないかなと思っておりますが、外務大臣の御所見を伺います。

茂木国務大臣 G7からG8へと、一つの考え方ではあるとは思います。ただ、委員の方からも御指摘ありましたように、二〇一四年、ロシアによりますクリミア併合の結果、ロシアのG8への参加は停止されておりまして、なかなか直ちにG7をG8に戻せる状況にはないと考えております。

 同時に、コロナということでどこか参加国をふやすとなると、場合によっては、これは中国が必要じゃないかとか、どこが必要じゃないかと、より複雑な問題になってくる懸念というのはあると思っております。

 もちろん、その上で、新型コロナウイルスの感染拡大、一カ国だけでは効果的に対応することができない課題でありまして、国際社会での協調というのが必要でありまして、ロシアでも、先ほど申し上げたように、患者数、急増しておりまして、ロシアとの間でも情報共有や連携、極めて重要だと考えております。

 このような問題認識から、五月の七日には日ロの首脳電話会談を実施しまして、日ロ合弁企業が実施をする迅速検査キットの製造販売事業への日ロ共同投資枠組みによる支援を始め、引き続き緊密に連携協力していくことで一致をしたところであります。

 さらに、ロシアとの間でどんな連携協力ができるか、こういったことも模索してまいりたいと思っております。

杉本委員 茂木大臣、首脳会談があったということですが、外務大臣のラブロフ外相と茂木外務大臣とのパイプも、ぜひテレビ会議等を使って、先ほどの北方領土の話も含めて、積極的に関係を強化していただきたいと思っております。

 もう一問、ちょっとロシア関連で、これは外務省の政府参考人の方にお伺いをさせていただきたく存じますが、それこそ先ほど申し上げた「感染症の世界史」というこの本の中で出てきたので、ちょっと事実確認をしておきたいということでございます。

 七三一部隊というのが日本にあって、この部隊の幹部が司法取引のような形でA級戦犯とか東京裁判を免れて、日本のいわゆる生物兵器の研究というものがアメリカに渡ったというふうに言われておる一方で、二〇〇四年に、ロシアのシベリアにある旧ソ連の生物兵器研究所で、女性の科学者が誤ってエボラ出血熱ウイルスの入った注射器を指に刺してしまって死亡し、図らずも旧ソ連がこのウイルスを生物兵器として研究していたことが明るみに出たとの情報があります。

 生き馬の目を抜く世界の情勢の中で、軍事的な意味、あるいは生物兵器なども禁止されていても研究されてしまっているという状況がある可能性は十二分にあると思いますので、否定できないと思いますので、この点について、当該情報を外務省として、あるいは防衛省なのかもしれませんが、きょうは外務省の方として、把握していらっしゃるかどうか、確認をさせていただければと思います。

宇山政府参考人 委員御指摘のロシアの研究所における二〇〇四年の事故に関する報道は承知しております。承知しておりますが、外務省としての情報収集の内容等について具体的に述べることは、これは今後の情報収集等に支障を来すおそれがございますので、お答えは差し控えさせていただきます。

杉本委員 大変重たい情報ですので、そう簡単にオープンにできないというのは十分わかりますが、むしろ、諜報活動と言ったら語弊があるのかもしれないですが、情報収集活動については怠りなく日夜御活動をいただきたいということをお願い申し上げます。

 ちょっと時間となりました。残余の質問は明後日にさせていただきます。

 以上で終わります。ありがとうございました。

松本委員長 次に、井上一徳君。

井上(一)委員 井上一徳です。よろしくお願いいたします。

 十八日から十九日にかけて行われたWHOの総会について質問をさせていただきたいと思います。

 けさの新聞にもいろいろこのWHO総会について載っておりまして、日本側としては、この新型ウイルス対策について、公平、独立かつ包括的な検証を求めたとか、あと、台湾の参加についても支持する旨の発言をしたというふうに載っております。

 ただ、米国なんかでは、かなり批判的で、この世界保健機構、WHOの運営については、必要な情報の入手に失敗し、多くの命を犠牲にしたとか、いろいろこのWHOの運営に対しては批判をしたということも載っております。

 まず最初に、このWHO総会、日本としてこの総会の成果と、それからどういうふうに評価しているか、お伺いしたいと思います。

橋本副大臣 お答えをいたします。

 今委員からお話しいただきましたように、五月の十八日、十九日、これはビデオ会議という形ではありましたけれども、WHO総会が開催されております。そして、我が国も共同提案国となった新型コロナウイルス感染症に関する決議が採択をされたということは一つの結果なんだろうと思っております。

 本決議につきましては、新型コロナウイルス感染症への対策に関し、国際社会の一致団結した対応が重要であるということを各国が支持した結果であると認識しておりまして、このような決議が採択されたことは歓迎したい、このように思っております。

 また、今回の決議は、日本代表として総会に出席した加藤厚生労働大臣が述べた、WHOを中心とした対応に関する公平、独立かつ包括的な検証に言及されておりまして、これは我が国の主張がしっかりと反映された結果である、このように受けとめております。

 本決議も踏まえまして、世界的な感染拡大の一日も早い終息に向けて、引き続き、国際社会全体で連携し、対応してまいります。

井上(一)委員 先ほどの質問の中でも、やはり、台湾が参加できなかったということで、報道によると、二十九カ国が台湾のオブザーバー参加を求めていたというふうにあります。残念ながらということで、大臣も先ほどおっしゃっていましたけれども、参加するに至らなかったということで、ただ、やはり、台湾という地域を考えても、世界全体の中で空白地域ができてはいけませんし、それから、台湾は今回のコロナ対策でも非常に成果を上げてきた、そういう成果を世界全体で共有するというのは非常に大事なことだと思いますから、やはりこれはWHOのオブザーバーでも参加すべきだったと思います。

 この点について、やはり参加が実現しなかったわけですけれども、大臣、これについてはどういうふうにお思いでしょうか。

茂木国務大臣 こういった世界的な感染症、課題については地理的空白をつくるべきではない、こういう観点から、台湾のオブザーバー参加、日本として一貫して支持をしてきました。

 さらに、井上委員おっしゃるように、今回のコロナに対する対応、さまざま、台湾から知見を得るべきところが多かったんじゃないかな、多くの国がそう考えたんじゃないかなと私は思います。

 今後、これから、今回の事案に対する公平、独立した包括的な検証が行われるということですけれども、こういった事態が起こったときにどうしたらいいのかというのをよく検証した方がやはり私はいいんだと思っておりまして、WHOにしても、では、オブザーバーで参加するのは加盟国で決めてくださいではなくて、WHOの事務局なりがもう少し主体的に、どういうところに参加をしてもらうかということに対してリーダーシップを発揮するということは、私はあっていいんじゃないかなと思っています。

井上(一)委員 ありがとうございます。

 次の質問にもやはり関連するんですけれども、アメリカのポンペオ国務長官は、これはプレス発表で、台湾参加を認めるか否か、これは事務局長に法的権限があるんだ、しかし、中国の圧力で見送ったというふうに主張をしております。

 これは、日本としても、事務局長に台湾を参加させることができる法的権限があるかどうか、それはどういうふうにお考えでしょうか。

塚田政府参考人 お答えいたします。

 台湾のWHO総会へのオブザーバー参加につきましては、我が国は一貫して支持してきておりまして、その立場に変わりはございません。実際、台湾は、二〇〇九年から二〇一六年まで、WHO事務局長の招待によりまして、WHO総会にオブザーバーとして参加してきているというふうに承知しております。

 WHO憲章上は、事務局長の権限というのは規定されておりますが、明示的に招待者あるいは招待するということについての規定はございません。ただ、今回のように、台湾はコロナ対策において公衆衛生上成果を上げて、国際社会とそれを共有することについて利益があるというふうに私どもは考えておりまして、今回、テレビ会議形式という若干変則的な形ではございましたが、WHO総会は本年の後半に再度行われる方向で調整されているというふうに承知しておりまして、引き続き、あらゆる機会を捉えまして、我が国のこうした立場をしっかり主張していきたいというふうに考えております。

井上(一)委員 もうこの秋にもまた開催される予定の総会に台湾がオブザーバー参加できるように、ぜひ力を尽くしていただきたいと思います。

 このコロナウイルス感染症対策においても、台湾との連携が非常に重要になってきているわけですけれども、今後の外交ということを考えても、やはり台湾との連携強化、これが非常に重要になってきていると思います。

 二〇二〇年の外交青書の中でも、これまでの表現をより強く、極めて重要なパートナーというふうに位置づけたというふうに書いてありますけれども、大臣として今後どのようにこの日台関係の発展を進めていかれるのか、お尋ねしたいと思います。

茂木国務大臣 台湾は、我が国にとって基本的な価値観を共有し、緊密な経済関係と人的往来を有する極めて重要なパートナーであり、大切な友人である、そのように考えております。

 まず、コロナについて申し上げると、今回、台湾は、新型コロナ対策として感染地域からの入域制限の迅速な実施や最新の情報処理、IT技術も駆使したマスクの安定供給などを実施してきておりまして、国際的に見ても感染が相当抑制された、そのように承知をいたしております。

 こうした台湾の対応というのは、感染拡大防止の観点から参考になるものと考えており、新型コロナがまだ世界的に地域的には拡大が進んでいるという中で、台湾も含めて国際社会が一体となって万全の対策を講じることが重要だと考えております。

 政府としては、もちろんこのコロナだけに限らず、台湾との関係を非政府間の実務関係として維持していくとの考えを踏まえて、日台間の協力と交流のさらなる深化を図っていきたいと思います。

井上(一)委員 台湾とは法の支配とか自由主義、そういった価値観を共有しておりますので、台湾との関係をぜひ深化させていただきたいということをお願いして、質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

     ――――◇―――――

松本委員長 次に、社会保障に関する日本国とスウェーデン王国との間の協定の締結について承認を求めるの件、社会保障に関する日本国とフィンランド共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件、刑を言い渡された者の移送に関する日本国とベトナム社会主義共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件、専門機関の特権及び免除に関する条約の附属書18の締結について承認を求めるの件及び国際獣疫事務局アジア太平洋地域代表事務所の特権及び免除に関する日本国政府と国際獣疫事務局との間の協定の締結について承認を求めるの件の各件を議題といたします。

 これより順次趣旨の説明を聴取いたします。外務大臣茂木敏充君。

    ―――――――――――――

 社会保障に関する日本国とスウェーデン王国との間の協定の締結について承認を求めるの件

 社会保障に関する日本国とフィンランド共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件

 刑を言い渡された者の移送に関する日本国とベトナム社会主義共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件

 専門機関の特権及び免除に関する条約の附属書18の締結について承認を求めるの件

 国際獣疫事務局アジア太平洋地域代表事務所の特権及び免除に関する日本国政府と国際獣疫事務局との間の協定の締結について承認を求めるの件

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

茂木国務大臣 ただいま議題となりました五件につきまして、提案理由を御説明いたします。

 まず、社会保障に関する日本国とスウェーデン王国との間の協定の締結について承認を求めるの件は、平成三十一年四月十一日に協定の署名が行われました。

 この協定は、我が国とスウェーデンとの間で年金制度に関する法令の適用について調整を行うこと等を定めております。この協定の締結により、両国の年金への二重加入の解消等を通じ、人的交流が円滑化され、ひいては経済交流を含む両国間の関係が一層緊密化することが期待されます。

 よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。

 次に、社会保障に関する日本国とフィンランド共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件は、令和元年九月二十三日に協定の署名が行われました。

 この協定は、我が国とフィンランドとの間で年金制度及び雇用保険制度に関する法令の適用について調整を行うこと等を定めております。この協定の締結により、両国の年金制度及び雇用保険制度への二重加入の解消等を通じ、人的交流が円滑化され、ひいては経済交流を含む両国間の関係が一層緊密化することが期待されます。

 よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。

 次に、刑を言い渡された者の移送に関する日本国とベトナム社会主義共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件は、令和元年七月一日に条約の署名が行われました。

 この条約は、我が国とベトナムとの間で、相手国の裁判所が刑を言い渡した自国民受刑者等に対して、一定の条件を満たす場合に、その本国に移送する手続等を定めております。この条約の締結により、両国の受刑者の更生及び社会復帰が促進され、刑事分野における二国間協力が一層進展することが期待されます。

 よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。

 次に、専門機関の特権及び免除に関する条約の附属書18の締結について承認を求めるの件は、平成二十年六月に世界観光機関の執行理事会において附属書が作成されました。

 この附属書は、専門機関の特権及び免除に関する条約の規定を修正した上で世界観光機関に適用することを内容とするものであります。この附属書の締結により、同機関及びその職員等の我が国における活動が円滑化され、観光分野における国際協力が一層促進されることが期待されます。

 よって、ここに、この附属書の締結について御承認を求める次第であります。

 最後に、国際獣疫事務局アジア太平洋地域代表事務所の特権及び免除に関する日本国政府と国際獣疫事務局との間の協定の締結について承認を求めるの件は、令和元年十二月二十日に協定の署名が行われました。

 この協定は、国際獣疫事務局アジア太平洋地域代表事務所及びその職員が享受する特権及び免除等について定めております。この協定の締結により、同事務所及びその職員の活動が円滑化され、動物衛生分野における国際協力が一層促進されることが期待されます。

 よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。

 以上五件につき、何とぞ、御審議の上、速やかに御承認いただきますようお願いいたします。

松本委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 次回は、来る二十二日金曜日午前八時四十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時四十一分散会


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