第2号 令和8年3月6日(金曜日)
令和八年三月六日(金曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 國場幸之助君
理事 石橋林太郎君 理事 小田原 潔君
理事 高木 啓君 理事 穂坂 泰君
理事 星野 剛士君 理事 近藤 和也君
理事 青柳 仁士君 理事 深作ヘスス君
伊藤 聡君 今岡 植君
岩屋 毅君 英利アルフィヤ君
大西 洋平君 小渕 優子君
川松真一朗君 木村 次郎君
草間 剛君 新藤 義孝君
中曽根康隆君 西銘恒三郎君
東田 淳平君 前川 恵君
松島みどり君 森原紀代子君
山田 基靖君 山本 左近君
金城 泰邦君 原田 直樹君
横田 光弘君 佐々木真琴君
木下 敏之君 宇佐美 登君
…………………………………
外務大臣 茂木 敏充君
外務副大臣 国光あやの君
外務副大臣 堀井 巌君
外務大臣政務官 英利アルフィヤ君
外務大臣政務官 大西 洋平君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 岡 素彦君
政府参考人
(外務省大臣官房長) 大鶴 哲也君
政府参考人
(外務省大臣官房外務報道官) 北村 俊博君
政府参考人
(外務省大臣官房審議官) 松本 恭典君
政府参考人
(外務省大臣官房審議官) 野村 恒成君
政府参考人
(外務省大臣官房審議官) 渡邊 滋君
政府参考人
(外務省大臣官房審議官) 三宅 浩史君
政府参考人
(外務省大臣官房政策立案参事官) 坂田奈津子君
政府参考人
(外務省大臣官房参事官) 門脇 仁一君
政府参考人
(外務省大臣官房参事官) 山本 文土君
政府参考人
(外務省大臣官房参事官) 田口精一郎君
政府参考人
(外務省大臣官房参事官) 上田 肇君
政府参考人
(外務省北米局長) 熊谷 直樹君
政府参考人
(外務省中東アフリカ局長) 岩本 桂一君
政府参考人
(外務省国際協力局長) 今福 孝男君
政府参考人
(外務省国際情報統括官) 七澤 淳君
政府参考人
(文部科学省大臣官房審議官) 橋爪 淳君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 高山 成年君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 浅井 俊隆君
政府参考人
(経済産業省大臣官房エネルギー・地域政策統括調整官) 佐々木雅人君
政府参考人
(経済産業省通商政策局国際経済部長) 藤澤 秀昭君
政府参考人
(経済産業省貿易経済安全保障局貿易管理部長) 猪狩 克朗君
政府参考人
(防衛省大臣官房審議官) 江原 康雄君
政府参考人
(防衛省大臣官房審議官) 寺田 広紀君
外務委員会専門員 山本 浩慎君
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委員の異動
三月六日
辞任 補欠選任
島田 智明君 木村 次郎君
中曽根康隆君 山本 左近君
同日
辞任 補欠選任
木村 次郎君 草間 剛君
山本 左近君 中曽根康隆君
同日
辞任 補欠選任
草間 剛君 森原紀代子君
同日
辞任 補欠選任
森原紀代子君 島田 智明君
―――――――――――――
三月六日
在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第一〇号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第一〇号)
国際情勢に関する件
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○國場委員長 これより会議を開きます。
国際情勢に関する件について調査を進めます。
この際、お諮りいたします。
本件調査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付のとおり、外務省大臣官房長大鶴哲也君外二十三名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○國場委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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○國場委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。近藤和也君。
○近藤(和)委員 おはようございます。中道改革連合・無所属の近藤和也でございます。よろしくお願いいたします。
茂木大臣とは六年ぶりの質疑ということになります。そのときも、この場所でございました。日米貿易協定ですね。お久しぶりでございます。どうかよろしくお願いいたします。
そして、質疑に入らせていただく前に、一応。
この外務委員会、今日に至るまで相当荒れておりました。その状況は少し御理解をいただければと思います。
御存じのとおり、予算委員会が急ピッチでどんどんどんどん職権、職権で進められている状況の中で、私たち野党の立場としても、在外公館法のこともございます、ある程度お尻を、どこまで議論を引っ張り過ぎたらよくないのかということも理解をしながら、協調的に議論を進めようとしてきていましたけれども、委員長職権で二度、大臣所信、最初のいわゆる店開きですとか、理事懇などが開催されたということで、相当もやもやした部分はあるんですけれども、一応、来週、集中審議も予算委員会で開かれるということも含めて、今日、普通の形で質疑に入らせていただくことになりました。しかも、一応は最短の日程で外務委員会は進んできているということは、私たちもしっかりと協力をして今日に至っているということ、そして、そもそも波高くしてきたのはどなたなのかといったことも御理解をいただきたいというふうに思います。どうかよろしくお願いいたします。
それでは、まずはイラン情勢について伺いたいと思います。現状確認ということから進めていきたいと思います。
まず、分かりやすい資料で、お手元で資料の一、内閣官房が作っています、これは安全保障法制が成立した後で作られたものでございますので、新設、新設と幾つかのところ、新法というところも書いてありますが、現状もこの状況でございます。
イスラエルそしてアメリカがイランへ攻撃をしかけてから明日で一週間ということになりますが、現状、この資料のところでいきますと、存立危機事態、そして重要影響事態、こちらというのが、日本の立ち位置は今どの辺りなのか、認識なのかということについて、大臣の御所見をお願いをいたします。
○茂木国務大臣 おはようございます。
近藤委員の方から平和安全法制についての資料をまとめていただきましたが、まず、存立危機事態、書いてあるとおりでありますが、これについて申し上げますと、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生をし、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態のことをいうわけであります。
一方、重要影響事態とは、我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態のことを指しております。
いかなる事態がこれらの事態に該当するかについては、これまでも申し上げておりますとおり、事態の個別の具体的な状況に即して、政府が全ての情報を総合的に判断するということになっておりますが、現在の状況がこれらの事態に該当するという判断は行っておりません。
いずれにしても、事態の早期鎮静化に向けて国際社会とも連携をして、引き続き、必要なあらゆる外交努力を行うなど、政府として対応に万全を期していきたいと思っております。
今、攻撃からというか攻撃の応酬から一週間がたとうとしておりますけれども、各国は、できるだけ早くこの状況を鎮静化したい、こういったことで今行動を取っているんだと思っておりまして、何よりも大切なことというのは、どういった形で外交プロセスに戻るか、事態を鎮静化するか、こういうことだ、そんなふうに理解をいたしております。
○近藤(和)委員 確認になりますが、現在は、存立危機事態、重要影響事態であるという判断をしていないということであって、存立危機事態、重要影響事態ではないというこの判断をしていないということと、この事態ではないという、これは違うという理解でよろしいでしょうか。
○茂木国務大臣 これは、ある、ないではなくて、判断をする問題であります。
先ほど申し上げたように、政府として全ての情報を総合的に収集をして判断をするということでありまして、定義的にある、ないというのを誰かが決めるというよりも、政府としてこれは判断をする、こういう事柄である、こんなふうに考えております。
○近藤(和)委員 判断を政府がするということですよね。
そして、今、鎮静化を図るという御努力というのは本当に頑張っていただきたいというふうに思いますが、仮定の話は答えづらいかもしれないですが、このまま状況が変わらなければ、この緊急事態、存立危機事態であったり重要影響事態という判断をすることは十分にあり得るということでしょうか。
○茂木国務大臣 このまま状況が変わらないということが何を指すのかが難しいところでありますが、今、実際に戦闘行為が行われていたり、いろいろな動きがあるわけでありまして、このままという状況を委員が何を指されるのかということについてもう少し明確にしていただきましたら、きちんとお答えできるんじゃないかなと思います。
○近藤(和)委員 例えば、今、このままという状況を具体的に申し上げれば、今、ホルムズ海峡を封鎖しているということをイラン側が言っております。アメリカ側は、そうじゃないという言い方をしていました。そして、一方、イランの方も、言い方を変えて、アメリカやイスラエル以外の国はある程度通過はいいんだということを、どうやら、報道ベースですけれども、言っております。
もし、ホルムズ海峡を封鎖という、封鎖に近いという状況が続いたら、実際、こちらについては安全保障法制の議論のときに、当時の安倍総理も、ホルムズ海峡に機雷が敷設された場合ですとか、場合によっては国民生活に死活的な影響を与える、こういった状況によっては存立危機事態に該当する場合があり得るということを言われましたので、まだ機雷という話にはなっていないですが、今の封鎖若しくは封鎖に近い状態が続いたらということでお願いいたします。
○茂木国務大臣 イランの国内におきましても、革命防衛隊、これは封鎖をしているという話をしておりますが、一方で、アラグチ外相は、そういう状態ではない、こういう話もしているところでありまして、完全に状況がどうなっているかというのは明確にお答えできる立場ではない、こんなふうに思っておりますが、少なくとも、機雷が敷設をされている、こういう状態に今ないというのは事実だと思います。
○近藤(和)委員 今、現状確認なので、これ以上この点については質問いたしませんけれども、どこかで判断をするということが、日本がしっかりと様々な情報を把握した上で、主体的にしっかりとこの判断をするしないといったところは決めていただきたいということの確認でございました。
それでは、事実確認の次に参りますが、NHKのテヘラン支局長が刑務所に移送されたという報道がございましたが、こちらについては事実か。また、イラン国内で邦人が拘束されている人数を把握しているか。お願いいたします。
○茂木国務大臣 まず、近藤委員が、主体的に判断をしてほしいという話でありますが、もちろんこれは、他国から言われて、これは存立危機事態であるとかそういったことを判断するということではなくて、あくまでこれは、政府が、あらゆる情報を総合して、主体的に判断をするというのは当然のことだ、こんなふうに思っております。
その上で、イランにおける邦人の話でありますが、日本政府は、イランのテヘランで、邦人一名が現地時間の一月の二十日に現地当局に拘束されたことを確認をいたしております。また、現在、イランにおいては、同邦人を含めまして二名が拘束をされております。二月二十八日以降も、これら二名の邦人とは連絡が取れておりまして、現時点で安全であるということは確認をいたしております。
政府としては、当該邦人らの早期解放を強く求めるとともに、引き続き、本邦法人や御家族等関係者と連絡を取りつつ、邦人保護の観点から、できる限りの支援を行っていきます。
私も、今週もイランの在日大使とも直接お会いをしまして、邦人の保護、邦人の早期解放、これは極めて重要な問題である、しっかりとこれを進めてほしいということを直接要請もさせていただいております。
○近藤(和)委員 この二名の方の早期解放そして安全確保を、是非ともよろしくお願いいたします。
そして、その前に、主体的に政府が決めるんだということに対して外相は言われましたが、なぜこういう言い方をしたかと申し上げますと、再来週、高市総理が訪米をされます。そして、トランプ大統領と会談されるということでございますが、そのときに、どういう状況なのかということも含めて、そして、過去で考えれば、情報という点については、イラク戦争のときですよね、大量破壊兵器がある、私もまだ学生ぐらいだったと思うんですけれども、その情報を信じておりました。アメリカは正義だに近いぐらいの感覚で子供の頃は思っていましたので、情報についても、この点についても、是非とも過去の反省も踏まえた上でしっかりとした情報を取って判断をしていただけたらと思います。
それでは、事実確認、また続きます。
イランへの攻撃に関し、米国から日本への第一報はいつあったか。そしてまた、イランへの攻撃に関し、地域、対象、攻撃地域ですね、そしてどのようなものを、人などを対象として、目的としていたかなど、米国から説明があったでしょうか。
○茂木国務大臣 米国とは、イラン情勢を含めまして、平素から様々な事項について意思疎通を行ってきておりますが、その詳細につきましては、外交上のやり取りでありまして、お答えを差し控えたいと思っております。
事件発生の翌日、三月一日になるわけでありますが、G7の外相会合が朝の七時からだったと思いますが行われまして、その際、ルビオ国務長官の方からも、今回の行動等について、また見通し等について、説明も受けているところであります。
○近藤(和)委員 次に参ります。
外交上のやり取りで詳細を控えたいということは度々、ずっと、この外務委員会では多いことだとは思いますけれども、できる限りの、差し支えのない形での情報開示ということも努力をしていただきたいと思います。
それでは、イランへの攻撃に関して、イランに在住の方々の、邦人の安否を確認ができたのはいつでしょうか。
○茂木国務大臣 二月の二十八日午後三時過ぎに攻撃が始まったわけでありますが、その後直ちに、外務省におきましては、私を本部長とします緊急対策本部を立ち上げまして、また、イランそしてイスラエルにも大使を中心にした対策本部を立ち上げまして、情報収集に当たってきたわけであります。
そこの中で、委員御指摘のように、邦人がどういう状況にあるか、これは極めて重要な課題だと思っておりまして、早速その安否確認等々に入ったわけであります。
インターネットの遮断等によりまして現地は非常に、連絡が本当に困難な状況にありましたが、一人一人何度も確認を取る、こういう作業を様々な手段を使って行いました。三月一日の時点でかなりの人間について連絡が取れておりまして、一〇〇%、つまり約二百人につきまして、全て安否が確認できたのは三月の二日ということになります。
なお、日本時間の四日には、イランから出国を希望する日本人二名につきまして、首都テヘランから隣国でありますアゼルバイジャンの首都バクーへの陸路での退避、これも無事に行ったところであります。
こういった安否確認から始まりまして、また、退避の希望があるかどうか、また、バスの手配も相当早い段階からしておりました。こういった形で、邦人の安全確保には万全を期してまいりたいと思っております。
同時に、邦人につきましても、その国によって様々な違いというのはあるわけでありますけれども、例えばイランで申し上げますと、約二百名のうち四分の三程度は永住者でありまして、向こうで家族をお持ちになっていて現地を離れたくない、こういう方が多い。また、大使館の職員も二十一名いるという状況であったり、また国際機関の職員等々もいらっしゃるという中で、退避を希望された方は二名であったということであります。
○近藤(和)委員 邦人の安全確保へ向けて努力をしていただいているというお話でした。ありがとうございます。
退避をしたいという方は二名だけであって、現状ではできる限りのことができているということですね。拘束されている方も含めてということですよね。はい、ありがとうございます。
では、次に進みますが、イランへの攻撃に関し、国際法との関係、法的評価ですね、こちらが予算委員会では度々されていますが、まず、少し大臣に事実確認をしたいんです。
三月の三日の日に、我が方の西村委員との質疑の中で、西村委員が、情報を集め次第、この軍事行動についての法的評価について判断できますよね、茂木大臣は、昨日、予算委員会の答弁の中で、先制攻撃は国連憲章第五十一条違反だと明確に答弁をしておられます、大変これは心強い答弁でありました、こういったことに当たるのかどうかということも含めて、情報収集をしていただいた上で評価をしていただけるということでよろしいでしょうか、茂木大臣と。この評価というのは、法的評価ということなんですが。
こちらについて、大臣が答えられましたのが、イスラエル及び米国が先制攻撃をしたりであったりとか、先制攻撃がこれは国際法違反に当たるというお話をしたわけではありませんので、先制攻撃だと指摘されたのは田村委員の方でありましてと。田村委員というのは、二日の日に質疑をされた方のことを指すんですが。
こちらのやり取りをちょっと見ていまして、先制攻撃がこれは国際法違反に当たるというお話をしたわけではありませんという言葉について、これは、イスラエル及び米国が先制攻撃をしたということに対して、これは先制攻撃ではないという表現で使われたということで間違いないでしょうか。
○茂木国務大臣 当時の共産党の田村委員との質疑を振り返ってみますと、田村委員の方から、これは先制攻撃であるというお話がございました。それに対して私の方からは、これはイスラエル、アメリカだけではなく、イランの方も含めて、今回どういう根拠に基づいて攻撃を行っているのかということについて御説明申し上げて、それぞれの国の言い方、もし必要でしたらそれについて詳しく御説明も申し上げますが、それをさせていただいたということであります。
それと切り離して、国連憲章の五十一条においては、どういう事態においてこれが適用されるか、こういうお話をさせていただいたということであります。
○近藤(和)委員 国連憲章五十一条の中で、自衛権ですよね、脅威が差し迫っているですとか、脅威の均衡、こういったものが崩れる、このようなことに対して、自衛権での武力行為は排除するものではないということですよね。
○茂木国務大臣 自衛権の行使、これは何をもって自衛権の行使というかということの判断もあるわけでありますが、そういった形で明らかに自衛権を行使しているということであれば、国連憲章の五十一条に反することではない、こんなふうに思います。
○近藤(和)委員 明らかに自衛権を行使するということについては、これは武力行使に当たらないということだと思いますけれども、一般論として、先制攻撃は国際違反ということで間違いはないでしょうか。
○茂木国務大臣 あくまで一般論として申し上げますと、国連憲章の五十一条におけます自衛権の行使というものは、これには反しない、そのように考えております。
○近藤(和)委員 それでは、今回のイスラエルやアメリカの攻撃は先制攻撃に当たるのか当たらないのか、現状での判断はいかがでしょうか。
○茂木国務大臣 それぞれが、イスラエルで申し上げますと、差し迫った脅威を排除し、イスラエル国民を守るために作戦を遂行した、これは国連憲章にのっとり国際法に従ったものである、このような説明をイスラエル政府は行っております。
また、米国は、イランは米国及びイスラエルを標的とした一連のいわれのない武力攻撃、国連憲章違反、及び、中東地域における国際の平和と安全の脅威について責任を負う、こう述べた上で、米国は国連憲章第五十一条に基づき、これらの脅威に対処するための合法的な行動を行った、このように説明しているわけであります。
これ以上の説明というのは公の場でなされておりませんので、確定的な法的評価を我が国として行うということは困難である、こんなふうに考えています。
○近藤(和)委員 イスラエルの言い分、米国の言い分に対して、日本としてそれを理解している、認めているということでよろしいんでしょうか。
○茂木国務大臣 今申し上げたように、これだけの説明で評価をするのは困難であるというふうに私は申し上げております。
いずれにしても、今一番重要なことというのは、事態の早期の鎮静化ということであると考えておりまして、そのために、我が国としても、各国と連携をしながら、必要なあらゆる外交努力を行っていきたいと思っております。
翌日には、G7の外相会合も行われました。今週は冒頭から、イスラエル、そしてまたイラン、さらには湾岸国であったりとか周辺国の大使等とも私は直接お会いをいたしまして、いろいろな状況についてお話を伺ったり、我が国の立場ということも明確に申し上げました。
そういった中で、邦人の保護に万全を期してほしい、また、退避をする場合の支援も協力をよろしくお願いしたい、こういったこともしっかりとお伝えをいたしております。
○近藤(和)委員 邦人保護にまずは最大限努力していただいている、現在進行形ではイランにおける日本人の安全は確保はされているということだと思います。そして、周辺国においても、いざというときも含めて自衛隊も今準備している、こういったことも伺っていますけれども、いずれかの時点で法的評価はしていくことになるんだろうなと思います。
こちらも三月三日の日に、我が方の浜地議員の方から、法的評価については、これはしていかざるを得ないんだろう、していくことになるんだろう、行うべきであろうと。その問いに対しまして高市総理は、いましばらくは時間をいただかないと、現段階で法的な評価ができるものではないということでした。この現段階でということについては、少なくともイランにおける邦人の安全、これが大前提ということだと思います。
この大前提の一つが、今、前へ進んできているということだと思いますが、そのときは三月三日でした。今日は六日でございます。状況は何か進展はしましたか。
○茂木国務大臣 先ほどから申し上げておりますように、邦人保護のオペレーションは、イラン、さらにはイスラエルにおいて、既に第一弾を実行させていただきました。また、周辺国にも今、いろいろな被害等々が出ているところでありまして、退避を希望されるという方もいらっしゃるわけでありまして、それに対する退避等のオペレーションの準備、これはしっかりと、必要な状況でできるような準備というのは進めさせていただいている、これが現状になると思います。
法的な評価について申し上げますと、全ての国を見たわけではありませんが、大半の国についてどういう発言をしているか、これは私の知っている限り、法的に今回の事態がどうであるという評価をしている国というのはかなり少ない。ほとんどの国が法的な評価をしていないというのが現状であると思っております。これはG7に限らず、また、被害を受けている湾岸の周辺国もそうであります。むしろ、湾岸の周辺国は、イランの攻撃に対して強い非難をしている、こういう状況にあるのではないかな、こんなふうに考えております。
○近藤(和)委員 今回については、かなり多くの国がまだ法的評価はしていないということだと思いますが、だからといって、日本が先んじて評価をしてはいけないということではないんじゃないかなというふうに私は思います。先ほど、主体的ということも言われました。
なぜ、今このようなことをずっと繰り返しているかといいますと、再来週、やはり繰り返しになりますが、高市総理がトランプ大統領と会われるときに、法的評価が定まっていないというままで訪米することが果たしていいのかどうかということ。
そして、こちらも一昨日の報道ですかね、米軍がスペインの基地を貸してほしいということに対して、スペインが断ったら貿易は停止するというような、恫喝外交というか、以前歴史で習った砲艦外交といいますか、ありとあらゆることを駆使して、言い方は微妙ですけれども、駆使して、自分たちの方向に従わせる、行動を一緒に導いていくということが、私は、日本はあってはならないと。
それこそ、法に基づく、日本の法体系に基づく、そして国際法の中で日本が毅然とした行動をすべきだという観点から、この再来週の訪米というのは、ある意味ピンチでもありチャンスといいますか、日本外交をしっかりと示していく大事な場面だと思います。その点について、何度も何度も伺っているんですけれども。
少なくとも大臣は、三月二日の日、イランも含めて各国の大使又は代理と面会されておられますよね、情報収集されておられると思いますし、十二日の日には高市総理も、大使クラスの方々と、中東周辺の大使の方々と会われます。
その中で、昨日ですけれども、総理がドイツのメルツ首相と電話会談を行った際に、イランの攻撃がエネルギー施設を含む民間施設や外交施設などに及び、民間人の死者が出ていることから、高市総理はイランの行動を非難するという報道が出ていました。
人道的なことの非難というのは、これはできるかというふうには思うんですけれども、こちらについては法的評価ということとはまた違うんでしょうか。
○茂木国務大臣 イランにつきましては、核兵器の開発はやめるべきである、これは我が国の一貫した立場であります。
そして、これを外交的な努力によって成し遂げる。そのために我が国も、関係国と連携をしながらそういった取組を後押しをしてまいりましたし、米国とイランの間の協議、そういった意味でも重視をしてきたところでありますが、今回の事態に至ってしまったということでありまして、これからも、事態の早期鎮静化に向けて、そういった努力を行っていきたいと思っております。
同時に、日米首脳会談について言及があったわけでありますが、昨年の十月にトランプ大統領が訪日をされまして、高市総理との間で最初の日米の首脳会談を行ったところであります。
そこの中で、トランプ大統領と高市総理の個人的な信頼関係、私も同席をしておりましたが、かなり打ち解けた関係で、信頼関係を築くことができたのではないかな、そんなふうに考えておりますし、日米同盟の対処力そしてまた抑止力を高める、このために努力をしていく、そして、今、国際秩序が揺らいでいる中で、安全保障といいましても、例えば重要鉱物であったりとか、様々な新しい課題にも共同して対処していく、こういったことも合意をしているところであります。
今回、高市総理が訪米をされる。ちょうどアメリカは建国二百五十周年、こういう節目の年を迎えるわけでありまして、そのお祝いも申し上げなければいけないと思っておりますし、改めて、今、これはイラン情勢に限らず、国際情勢は様々な形で揺れております。我々が築いてきた国際秩序、これに対する挑戦が続いているわけでありまして、そういったことも含めてじっくりと意見交換をする、そういう場になればと思っております。
同時に、この日米同盟、そこの中でまた日米間の協力を、経済安全保障であったりとか、ほかの分野に広げる。同時に、ちょうど、自由で開かれたインド太平洋、FOIPの構想、二〇一六年に当時の安倍総理が打ち出したわけでありますが、これから十年がたつという中で、この自由で開かれたインド太平洋、これに関しても、当時とはまた違った課題も増えてきているわけでありますが、この自由で開かれたインド太平洋実現に向けた両国のコミットメントというものも確認できればと、こんなふうに思っております。
○近藤(和)委員 トランプ大統領と個人的に仲よくなることは大事だと思います。私もアメリカは大好きですし、その国のトップとしっかりとした信頼関係を築くことは大事だと思います。
次の質問に続きますけれども、少なくとも、今のトランプ氏の関税政策、貿易政策については、日本は、それこそ茂木大臣と私で何度かやり取りさせていただきましたが、日米貿易協定については相当じくじたる思いが私はございますが、その点について、茂木大臣は今どのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。
日米貿易協定の当時の責任者の一人として、そして、昨年からあれやこれや関税をどんどん引き上げてきた、ある意味恫喝外交に近いような形で、日本があれやこれや振り回されてきたということについて、信頼関係というのはずっと強固なままなんでしょうか。いかがでしょうか。
○茂木国務大臣 米国によります一連の関税措置、これが日米貿易協定であったりとかWTOとの関係でどうかということで、日米貿易協定は私が担当させていただきましたので、個人的にじくじたる思いを持っているかどうかということについては控えたいと思いますが、いずれにしても、米国によります一連の関税措置と、日米貿易協定であったりとかWTO協定との整合性については、深刻な懸念を有しているというのは事実であります。
その上で、対外交渉、私も、例えばCPTPP、これをまとめる責任者としてもやってまいりました。日英のEPAもやりました。日米貿易協定もやってまいりました。そういった中で、対外交渉で重要になることというのは、いかにしてまずは我が国の国益をしっかりと確保するか。その上で、双方の利益、それは違っておりますから、それぞれに、全く同じ関心ではないという中で、双方が、ゼロサムゲームではなくて、ウィン・ウィンになるためにはどうしたらいいか、そういう工夫をしながら、双方の利益を踏まえた合意に達して、その合意を誠実に実行していくということである。こんなふうに考えておるところであります。
○近藤(和)委員 日米貿易協定からの流れについては深刻な懸念、そして、個人的なところとしては控えたいと。すばらしいということは言えずに、控えたいということが、一つの答えなのかなというふうに思います。
それでは、最後の質問に参りますが、アメリカで性的虐待などの罪で起訴され、その後死亡した富豪のエプスタイン氏をめぐる問題について、米連邦議会でクリントン氏やヒラリー氏が証言を求められたり、そしてまた、サマーズさんが米企業の取締を辞任したことを始め、キャスリン・ルムラー氏がゴールドマン・サックスの最高法務責任者を辞任するなど、影響が世界の政財界に及んでいます。
また、国連人権理事会が任命した独立専門家パネルでも、女性や少女に対する残虐行為の規模、性質、組織性、国際的な広がりは極めて深刻であり、その多くは人道に対する罪の法的基準を満たす可能性があると表明するなど、世界の中でも人道的な問題として今捉えられてきています。
日本政府としても、日本人が関わっているかどうかということは抜きにしてでも、この問題をどのように現在捉えているのか、認識を伺います。
○茂木国務大臣 エプスタイン文書並びにそれに関する様々な報道については、全てではありませんが、ある程度私も承知をしていると思っております。こういった事態はあってはならないことだ、こんなふうに考えておりますが、じゃ、日本政府の関係者が関与しているかといいますと、外務省として、その点については承知はいたしておりません。
○近藤(和)委員 ありがとうございました。
○國場委員長 次に、原田直樹君。
○原田委員 中道改革連合の原田直樹です。
今回の衆院選で初当選し、本日、初めて国会質疑に立たせていただきます。我が国の外交の発展に資する議論ができるよう、委員長始め皆様の御指導を賜りながら精進をしてまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
また、本日の委員会開催に当たりまして、開催日程の確定が昨日夕方になりましたので、質問の事前通告が通例よりも大幅に遅いタイミングとなりました。委員会の円滑な実施に向けて御尽力をいただいた外務省職員の皆様始め関係者の皆様に、心より御礼を申し上げます。
それでは、本題に入らせていただきます。
初めに、対中外交についてお伺いいたします。
日本と中国は、互いに重要な隣国であり、共に北東アジアに位置する経済大国として、地域の平和と繁栄のため、どこまでも協調を模索していくべきであると考えております。
高市総理は、施政方針演説の中で、中国とは、戦略的互恵関係を包括的に推進し、建設的かつ安定的な関係を構築していくことが高市内閣の一貫した方針です、重要な隣国であり、様々な懸案と課題があるからこそ、意思疎通を継続しながら、国益の観点から冷静かつ適切に対応してまいりますと述べられました。また、茂木外務大臣の外交演説の中でも同様の趣旨のお話がございました。
一方、昨年十一月七日の高市総理の国会答弁をきっかけとして、中国政府の対日姿勢が硬直化し、例えば中国人観光客に対して日本への渡航自粛を呼びかけるなど、日中関係が一気に冷え込み、各方面へ影響が出ていると認識をしております。
そうした状況を踏まえて、大臣にお伺いいたします。
日中関係の現状について、政府としてどのように認識しておりますでしょうか。特に、日中間に存在をする様々な懸案と課題について、具体的にどのような認識をお持ちでしょうか。また、そうした現状を踏まえた、日本政府としての対中外交の基本姿勢について教えてください。
○茂木国務大臣 原田委員とは初めて質疑をさせていただくということでありますが、原田委員は、日本の大学ではなくて、北京大学を卒業されたり、また、ソウル国際大学で修士課程を修了されたり、東アジア情勢について非常に詳しい委員である、このように承知をいたしております。
そういった意味では、東アジアの今の情勢等々、よく御覧になっていると思いますが、中国との間で戦略的互恵関係を包括的に推進をし、そして建設的かつ安定的な関係を構築していく、これは何度も日中間で確認していることでありますが、この方針は日本政府として一貫をしているところであります。
中国との間では、尖閣諸島情勢を含みます東シナ海であったり南シナ海におけます力又は威圧による一方的な現状変更の試みであったりとか、我が国周辺での一連の軍事活動を含め、数多くの懸案や課題が存在をしております。
中国は、日本とはまさに隣国でありますから、隣国の間というのは、これは日中に限らず、日韓であっても、ヨーロッパのそれぞれの国であっても、懸案とか課題というのは抱えているものでありまして、そういった懸案や課題があるからこそ意思疎通が重要である、そのように考えております。
御案内のとおり、中国は今まで、例えばオーストラリアとの間でかなりもめていた時期があったりとか、ほかの国との間もそうでありますが、我が国としては中国との様々な対話について常にオープンでありまして、こうした姿勢の下、今後も国益の観点から冷静かつ適切に対応していきたい、こんなふうに考えております。
○原田委員 私は、昨年一月に、当時の自民党森山幹事長、公明党西田幹事長を中心とする訪中団の一員として、北京で行われた日中与党交流協議会に出席をいたしました。全三日間の日程で、李強首相、王滬寧全国政治協商会議主席など多くの要人とも会談を行うことができ、中国側もこの交流を重要な機会として捉えていることを強く感じました。
会談においては、日本側から中国側に対して、様々な懸念事項についての要望を幅広く伝えてまいりました。今大臣からも言及がありました東シナ海や南シナ海における安全保障上の懸念、水産物や和牛など日本産食品の輸入規制の撤廃に向けた要望、反スパイ法による邦人拘束事案に対する懸念、そして日本人学校児童等の殺傷事件に関連する邦人保護の強化の要望など、幅広い分野の懸念について、主張すべきことは主張する率直な意見交換が行われたと考えております。
こうした外交努力もあり、懸念の解消に向けて少しずつ事態が動いておりました。例えば、昨年六月には、中国政府が日本産水産物の輸入解禁に関する公告を発出し、ALPS処理水放出後約二年ぶりに輸入再開が実現できる方向となりました。また、翌七月には日中動物衛生検疫協定が発効し、牛肉についても同じく輸入再開のめどが立ちました。しかし、こうした動きも、昨年十一月の総理答弁をきっかけに、状況が一変してしまったと把握をしております。
ここで改めて、日中間の諸課題、特に日本国民の実生活や国内事業者のなりわいに直結をする諸課題について、現在の状況を詳細に確認させていただきたいと思います。
初めに、反スパイ法による邦人拘束事案についてお伺いいたします。
近年、国家の安全に危害を与えたなどの理由で中国国内において日本人が拘束される事案が相次いでおり、現在も複数の日本人が拘束されている状況にあります。一連の事案において、どのような行為が国家の安全に危害を与えたとして違法とみなされるのかが明らかにされておらず、日本企業の活動や人的交流に大きな影響を及ぼしております。また、日中間の緊張が高まる中で、こうした問題が両国関係の悪化に更に拍車をかけることも懸念をされております。
拘束されている邦人の早期解放に向けて、日本政府としてどのような外交を行っているのか、また、中国側に対して透明性ある司法手続をどのように求めているのか、政府の対応について説明を求めます。
○上田政府参考人 お答え申し上げます。
二〇一四年十一月にいわゆる反スパイ法が施行されて以降、そして、初めて邦人拘束が確認されました二〇一五年五月以降、十七名の邦人が拘束されたことを確認いたしまして、そのうち十一名が帰国済み、一名が服役中に病気で亡くなられております。その結果、現在、帰国に至っていない邦人の数は五名でありまして、その五名の全員が服役中という状況にございます。
政府といたしましては、邦人保護の観点から、領事面会の実施、御家族など関係者との連絡など、できる限りの支援を行っているところでございます。
また、中国側に対しましては、様々なレベル、機会を通じまして、邦人の早期釈放や司法プロセスにおける透明性の確保を含め、我が国の厳正な立場を強く申し入れてきておりまして、引き続きそのような働きかけを粘り強く実施していく考えでございます。
○原田委員 続いて、中国によるデュアルユース品目の輸出規制について伺います。
政治的緊張を背景に、中国政府が、半導体の材料やレアアースなど、デュアルユース品目の対日輸出管理を強化をしています。日本はレアアースの約六割を中国に依存しており、経済界からは、供給が止まれば極めて重大なリスクになるなど、強い懸念の声も上がっております。
さらに、今回の措置は、単なる輸出管理ではなく、日本の安全保障政策への牽制という側面を持つとの分析も示されており、日本企業のサプライチェーンや投資環境にも大きな影響を及ぼしかねません。
政府として、こうした中国の輸出規制の動きをどのように分析しているのか、また、我が国の産業への影響をどのように評価し、どのような外交的対応を取っていくのか、政府の見解を伺います。
○野村政府参考人 お答え申し上げます。
今委員から御指摘ございました中国政府による一連の輸出管理の措置でございますが、これら我が国のみをターゲットとした一連の輸出管理措置は、国際的な慣行と大きく異なるもので、決して許容できないというものでありまして、強く抗議をするとともに、措置の撤回を求めているところでございます。
中国による一連の措置の日本経済への影響については、現在、精査を行っているところでございますが、日本と中国は隣国であり、隣国ゆえに懸念と課題があるということで、意思疎通が重要であるというふうに考えております。
このような輸出管理の強化につきましては、今後とも、同盟国である米国、あるいはその他の同志国とも連携するとともに、中国側と意思疎通を継続しつつ、国益の観点から冷静かつ適切に対応を行っていく考えです。
以上です。
○原田委員 最後に、日本産食品の輸入規制について伺います。
中国は日本産水産物の主要な輸出先であります。約二年間に及ぶ禁輸期間の後、やっと輸入再開かと思った矢先の再びの輸入禁止は、第一次産業に従事する漁業者の皆様を始め関係者に対して非常に大きな経済的、心理的ダメージを与えました。
新たな販路開拓の努力などもなされていると承知をしておりますが、国内の事業者には様々な影響が出ていると思われます。外務省を始め政府はその影響の全体像を把握されているのでしょうか。また、影響を受けている事業者等に対する手当ては十分に行われているのでしょうか。
資金繰りや販路開拓など経営支援についてどのように取り組まれてきたのか。水産物に限らず日本産食品の輸入禁止措置全般について、これまでの取組状況及び輸入再開に向けての今後の見通しをどのように考えているか、お伺いいたします。
○野村政府参考人 お答え申し上げます。
ただいま委員から御指摘いただきました中国の一連の措置でございますけれども、まず、水産物の輸入規制に関しましては、二〇二四年の九月に日中両政府で発表した日中間の共有された認識、これがございますので、これをしっかり実施をしていくということが何よりも重要であるというふうに考えております。政府としては、引き続き中国側に対して、日本側の輸出関連施設の速やかな再登録ですとか、あるいは輸出の円滑化について働きかけを続けていくとともに、全体ということで、残された十都県の農水産品の輸入規制、これもございますので、この撤廃などを強く求めていく考えです。
それから、委員からも冒頭御指摘があった牛肉の対中輸出に関しましても、昨年の七月になりますけれども、輸出再開の前提となる日中の動物衛生検疫協定が発効したところでございます。実際の輸出再開までまだ一定の手続が残されておりますけれども、関係省庁とも連携をしながら、この動物検疫協定の発効を踏まえて、中国側との関連の協議を引き続き推進していきたい、そういうふうに考えております。
○原田委員 ちょっと細かく事前通告ができておりませんでしたが、第一次産業の事業者を始め、流通や加工などサプライチェーン上の様々な事業者の方に影響が出ていると思いますが、そうした影響の全体像ですとか、そうした事業者に対する何か、国としての支援について、こちらについてはいかがでしょうか。
○野村政府参考人 こういった中国による措置の影響につきましては、政府としてもしっかりと精査をしながら、関係の事業者の方々とも意思疎通をしていきたいというふうに考えております。
個別の動向については、企業の経営も関わる話ですのでこの場で申し上げることは控えたいと思いますが、いずれにしましても、政府として、外務省としても、関係省庁としっかり連携をしながら対応していきたいというふうに考えております。
○原田委員 中国との間に存在する様々な懸念事項について、改めて状況を確認させていただきました。
こうした日本国民の実生活や国内事業者のなりわいに直結する課題については、一日も早く懸念を払拭できるよう、政府による引き続きの粘り強い取組を期待いたします。
しかし、その一方で、先ほどから申し上げているとおりではありますが、昨年十一月の総理の答弁をきっかけとして、中国から強い反発が示され、現在、日中間の政治的緊張は出口の見えない状況にあると言っても過言ではありません。
私は、そのことをもって政府の対応を批判したりですとかやゆをしたりするのではなく、これからどうしていくのかという視点で考えていくことが重要であると思います。
中国側とのコミュニケーションのチャネルが非常に限られていることもお伺いをしております。中国政府関係者はもとより学者など有識者も含め、日本政府が意思疎通を図ることが非常に困難であるという状況です。
茂木大臣は、外交演説の中で、我が国としては、中国との様々な対話についてオープンですとおっしゃいました。先ほどもそうした答弁をいただきました。こうしたオープンな姿勢であることはもとより、あらゆる方法を駆使して、より積極的、能動的に対話の糸口を探る努力をしていくべきであると私は考えております。
政治や経済のレベルでの話合いが困難であれば、日中双方の国益に反する可能性が限りなく低い分野、こうした分野での交流に糸口を見出していくことも一つの有効な手段であると考えます。
具体的には、文化交流、青少年交流、場合によっては環境協力なども含まれると考えており、これまでも日本と中国の間ではそうした分野での交流や協力を積み重ねてきた実績があります。政府が主導するものに限らず、民間主導の交流をバックアップすることも含め、広く検討、推進することが重要であると考えます。
こうした考えに基づき質問いたします。
比較的交流や協力を行いやすい分野での日中間での取組に関する現状と今後の見通しについて、政府の説明を求めます。
○野村政府参考人 お答え申し上げます。
今委員から御指摘いただきました文化交流、青少年交流、あるいは環境協力、そういった分野で、これまでもいろいろな形で交流あるいは協力を進めてきたということは御指摘のとおりでございます。我が国として、中国側との様々な対話についてオープンの姿勢で臨んでおりますので、こういった文化交流、青少年交流、あるいは環境分野での協力、これは促進されるべきだというふうに考えております。
そういう意味では、先般、委員からも御指摘のあった中国政府による一連の措置、日本への渡航の自粛ですとか、あるいは留学への注意喚起ですとか、そういったことは二国間の人的交流を萎縮させかねない効果ということもございますので、こういったことについては、中国側に申入れを行い、適切な対応というものを先方にも求めてきているところでございます。
政府としては、引き続き、意思疎通が重要であるという立場を堅持しながら、適切に対応していきたいというふうに考えております。
○原田委員 様々答弁をお伺いをしている中でも、日中二か国によるバイラテラルの関係構築において、今、現実的に日本が切ることのできるカードは非常に限られているという印象も受けました。
そうした状況にあって、第三国を巻き込む形での外交努力も、日本が取り得る有効な選択肢の一つであります。中でも韓国は、同じく北東アジアに位置する、日中双方にとっての隣国であり、日本と基本的な価値観を共有するパートナーでもあります。
日中二か国にその韓国を加えた日中韓三か国によるマルチの関係構築について、続いてお伺いをいたします。
日中韓三か国の協力は、一九九九年に、小渕総理の提案により、ASEANプラス3首脳会議の際に日中韓三か国の首脳朝食会を開催したことがその具体的な取組の淵源です。二〇〇八年には初めて単独開催となる日中韓サミットを開催し、その後、全九回にわたってサミットの開催実績を積み重ねてきました。
茂木大臣は、外交演説の中で、日中韓の協力も、大局的な視点から、地域のみならず世界の平和と繁栄にとって重要であります、日中韓サミットの議長国として、引き続き着実に取組を進めていく用意がありますとおっしゃいました。日中韓サミットの開催に向けた、日本の議長国としての取組の進捗状況について、大臣の御説明を求めます。
また、これは付随してですが、外交演説での大臣のお話を今引用させていただきましたが、本委員会における国際情勢に関する報告の中では、日中韓の三か国の協力、また具体的にこのサミットというお話には特段言及がございませんでした。この点について、何か背景や理由等があれば併せて御説明をお願いいたします。
○茂木国務大臣 まず、先ほどからの議論を聞いておりまして、厳しい状況だからこそ、様々なチャネルを生かしたり、様々な方法を駆使していくというのは極めて重要なことだ、こんなふうに考えております。
思い返してみますと、日中国交正常化は、一九七二年、田中総理の当時でありましたが、その前に、公明党の当時の竹入委員長を始め、中国を訪問していろいろな下地をつくっていただいた。これも日中国交正常化につながる一つの大きな要因になったのではないかなと考えておりまして、当時の周恩来首相は、水を飲むときには井戸を掘った人のことを考えて感謝をして飲もう、このような話をしていたのを記憶をしているところであります。
それで、日中韓サミットについてでありますが、本会議におきましてはこの日中韓サミットについて言及をさせていただきましたが、本会議での外交演説と、こちらで行わせていただきます国際情勢報告、いわゆる所信でありますが、大体慣例で時間が決まっておりまして、全く同じことは言えないというか、ある意味、少し短く簡略化するという意味で言及をしなかったわけでありますが、これは時間の制約によるものでありまして、日中韓サミットの重要性というものを軽視するとか否定をする、こういうものではございません。
今、日本は議長国という立場にあるわけでありまして、日程等についてはまだ決まっておりませんが、引き続き中韓両国と適切にコミュニケーションをしながら、できればそういった会議も持てるようなきっかけをつくっていければ、こう考えております。
○原田委員 この日中韓サミットでありますけれども、いわゆるサミット、首脳会談に加えて二十一の閣僚級会合が存在をしております。このサミットについては、開催をした翌年に次の回があるときがあれば、五、六年空くこともあり、開催頻度はまちまちでありますけれども、必ずしもその動きに合わせてではない別の動きとして、二十一の分野において閣僚級会合が存在をしております。
実際に、昨年も、情報、環境、農業、経済貿易など複数の分野でこの閣僚級会合の開催実績がございます。特に保健分野については、参加者のレベル調整が、必ずしも閣僚の参加ではなかったと伺っておりますが、昨年の十二月、つまり十一月の総理答弁よりも後のタイミングでも開催がされた実績がある、このようにお伺いをしております。
こうした日中韓閣僚級会合の開催というのも非常に現実的な選択肢の一つであると考えておりますが、今後の開催について、こちらも取組の進捗状況をお聞かせください。
○茂木国務大臣 委員御指摘のとおり、日中韓の枠組み、様々な閣僚級会合等がございまして、気候変動といったグローバルな課題、そして少子化といった三か国に共通する課題を含めまして、幅広い協力について議論がなされております。
現在、経済、環境、さらには観光、文化、保健、二十一の閣僚級会合を有しているところであります。現下の情勢はあるものの、様々な課題について率直に対話を行い、未来志向の交流と協力を推進することは、三か国の共通の利益でありまして、地域、国際社会の平和と繁栄にとっても非常に重要であると考えております。
例えば少子化、こういう問題でいいますと、日本は、ある意味、少子化の先進国というか、一番最初にこの少子化という課題に直面をしておりますが、中国も今、少子化、こういった問題、非常に深刻な問題になってきている。様々なノウハウを交換したりとか、可能性というか、そういうことは極めて有益だと考えておりまして、外務省として、関係府省庁と連携をしながら、様々な分野で、日中韓三か国の実務者協議であったりとか閣僚級会合を行うべく、粘り強く取組を進めていきたい、こんなふうに思っております。
○原田委員 日中韓三か国で進める人的交流の枠組みの一つに、キャンパス・アジアという大学間交流事業がございます。二〇三〇年末までに三万人の参加を目指して進めているとお伺いをしておりますが、このキャンパス・アジアの現状と今後の見通しについても御説明をお願いいたします。
○茂木国務大臣 キャンパス・アジアについてお話がありましたが、委員も御参加されたということでありまして、将来を担う若者を中心とした重層的な、人的な交流は、日中韓の未来に向けた相互理解と信頼を育む礎でありまして、困難な時期においても、課題解決に向けた新たな発想を生む力にもなってくるのではないかなと。
文化的には、日本のアニメであったりとかコンテンツであったりとか、また、韓国もすばらしいものを持っていたり、中国も、それぞれにいいものを持っている。そしてまた、そういったことに対して若い年代ほど共感をし合う、こういう部分も私はあるのではないかなと思っております。
このキャンパス・アジア、委員の方がよく御存じだと思いますが、日中韓三か国の間で始まった大学間の交流のプログラムでありまして、今や東南アジアにも拡大をしていっているというところであります。二〇二四年の日中韓サミットでも、二〇三〇年度末までに三万人の学生の参加を得ることを目標とすることで三か国の首脳が一致をしたところであります。
現下のような厳しい情勢にあるからこそ、若者を中心にした人的交流を引き続き着実に進めていく、このことは極めて重要である、そう考えております。
○原田委員 今大臣からも御指摘いただきましたけれども、私もキャンパス・アジアの卒業生でございます。東京大学の大学院に在学中に、中国の北京大学、韓国のソウル大学に留学をし、ダブルディグリーという制度を活用して、現地のソウル大学からも修士号を授与されました。
留学中は、国際関係を専攻して、中国や韓国の学生と自由闊達に議論を重ねてまいりました。当然、政府の立場を代表するわけでもなく、当時は政治家でもなく、学生として、お互いに自由に自分の意見を述べ合い、また耳を傾け合い、そして同じ釜の飯を食って相互理解と友情を深めてまいりました。
大臣からも今御答弁いただきましたけれども、厳しい状況であるからこそしっかりこうした人的交流を継続、拡大をしていけるように進めていっていただきたい、このように思っております。
最後に、テーマを変えて、核軍縮に向けた日本の取組についてお伺いいたします。
全世界の核兵器の数は、冷戦期の一九八六年に最も多く約七万五百発でしたが、核兵器不拡散条約を始めとする国際社会の不断の努力により、現在、約一万二千発強まで減少してまいりました。
一方、近年は、国際的な安全保障環境が厳しさを増しており、冷戦終結後から継続をしてきた核兵器の減少傾向が停滞し、むしろ逆転をしていく可能性が高いという非常に厳しい現実がございます。
本年の二月五日、世界の核兵器の九割以上、圧倒的多数を保有しているアメリカとロシアの間での核軍縮合意、新戦略兵器削減条約、新STARTが、その後継条約がないままに失効いたしました。
また、第三の核保有国である中国は、核戦力に関する一切の客観的な情報を開示しておりませんが、各種調査によれば急速に核戦力を増強しております。例えばアメリカ国防省の二〇二二年の報告書によれば、現在約六百と言われている核兵器が二〇三五年までに千五百発まで急増するという可能性も指摘をされております。
そのほか、イギリスやフランスにおいても核戦略の変更、また、北朝鮮が既に進めている核開発、こうした厳しい状況に置かれております。
こうした大変に厳しい安全保障環境の中ではありますが、核兵器のない世界を目指した取組を継続していくことは、唯一の戦争被爆国である日本が国際社会において果たすべき重大な使命であると考えております。厳しい状況に置かれているからこそ、八十年前に広島、長崎で起こった被爆の実相を世界の人々に伝え、核軍拡に歯止めをかけ、長期的な核軍縮の潮流を起こすための努力を継続することが日本にしか果たすことのできない使命であると私は確信をしております。
こうした点を踏まえて、核廃絶に向けた日本の取組について大臣に質問いたします。
現在の核軍縮をめぐる国際情勢をどのように認識をしているか、また、日本としてどのような外交努力を行っていく考えなのか、政府の基本的な見解と大臣の決意をお聞かせください。
○茂木国務大臣 核兵器のない世界に向けた国際社会の取組、これを主導していくということは、唯一の戦争被爆国である我が国の使命である、このように考えております。
核兵器のない世界に向けた道のりは一層厳しさを増しておりますが、だからこそ、我が国が、委員の方からも、中国が核を更に増強する、また、今フランスが核戦略について見直しを行う、こういった中で、核兵器保有国、核兵器国と非核兵器国が広く参加をする、核兵器のない世界に向けた唯一の普遍的な枠組みでありますNPTの維持強化のために、四月のNPT運用検討会議において積極的な役割を果たしていきたいと思っております。
ここのところ検討会議においてきちんとした共同のペーパー等が出されていない、こういったこともよく考えなければいけないな、こんなふうに思っているところでありますが、さらに、長年にわたって多くの国から賛同を得てきました核兵器廃絶決議、核戦力の透明化の向上など核兵器国を巻き込んだ取組、さらには、被爆の実相とお話もありましたが、その理解促進といった現実的で実践的な取組を重ねていく、このことが重要だと思っておりまして、そこで日本が主導的な役割を担う、これは当然日本に課せられた責務である、こんなふうに考えております。
○原田委員 今大臣からも、核兵器不拡散条約、NPTについて御答弁をいただきました。大臣からも御指摘があったとおり、このNPTですが、前回、二〇二二年の運用検討会議では、一九七〇年の条約発効後初めて二回連続で合意形成に至ることができず、また、昨年開催された準備会合でも、来月、運用会議が行われますが、その方針となる勧告文書を採択できないまま閉幕することとなりました。
日本は、唯一の戦争被爆国として、核兵器国、非核兵器国の橋渡し役としての使命を果たして、NPT体制の信頼維持に貢献していくことが非常に重要な使命であると考えております。
最後に、NPT運用検討会議における合意文書の採択が非常に難しくなっておりますけれども、その大きな要因の一つとして全会一致によるコンセンサス方式というものが挙げられます。
全会一致ですので、なかなかその合意が得られない、文書の採択ができないという状況が続いておりますけれども、このコンセンサス方式による合意文書の採択以外に何か、スモールステップでも、少しずつ前進をしているというアピールをすることができればNPT体制の信頼維持に向けた貢献ができる、このように考えておりますが、この点について政府の御認識をお聞かせください。
○松本政府参考人 委員御指摘の、来るNPT運用検討会議における成果につきまして、おっしゃるとおりコンセンサス方式となっておりますけれども、それ以外での成果の在り方につきまして、現時点で我々予断を持ってお答えすることができる段階ではございませんけれども、いずれにしても、NPT体制の維持強化のために我が国がこれまで積み重ねてきた、核兵器のない世界に向けた国際賢人会議での議論、ここで提言等をいただいております。
あと、それから、長年にわたり多くの国から賛同を得てきた核兵器廃絶決議など、これも核兵器国、非核兵器国を交えて様々な議論をしてきておりますので、そういった知見を我々は生かしまして、運用検討会議議長とも連携をして、核兵器国、非核兵器国双方が一致できる点を見出せるように積極的な役割を果たしていきたいと思っております。
○原田委員 日本が、唯一の戦争被爆国として、核なき世界の実現に向けたリーダーシップを発揮していくという決意、覚悟を委員の皆様とも共有をさせていただきまして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。
○國場委員長 次に、金城泰邦君。
○金城委員 おはようございます。中道改革連合の金城泰邦でございます。
本日は、中道改革連合としての初めての質問になります。このような機会をいただいたことに感謝申し上げます。
また、茂木大臣におかれましては、しっかりと日本の外交を力強く推進していく大臣としてますます頑張っていただきたい、そういった思いから質疑に立たせていただきますので、よろしくお願いいたします。
先ほど来、中道、我が方からの、近藤委員からの質疑にもありました、イスラエル及び米国によるイランへの攻撃についてでございます。
周知のことでありますが、イスラエル及び米国は、二月二十八日に、イランに対する大規模な軍事攻撃を開始をいたしました。イラン側もイスラエルや中東諸国の米軍基地に報復攻撃をするなど、攻撃の応酬が続いているところでございます。
そういった状況でございますが、イスラエル及び米国の攻撃と国際法における法的評価、先ほど来、議論がありました。
なかなか厳しい状況の中で、総理の答弁を見ても、我が国として法的評価をすることは差し控える旨の答弁がされている状況ではありますが、我が国のスタンスとして、国連憲章の二条四項において全ての加盟国に対して武力行使を禁止している、そういった国連憲章は、五十一条において、武力攻撃を受けた際の自衛権行使は認めるが、しかしながら、攻撃を受ける前に武力行使を行う先制攻撃を認めてはいないと。
そのことについて、米国の国際法学会は、今般のイスラエル及び米国によるイラン攻撃については、先制攻撃の国際法上の根拠も存在しないと非難をしている状況でございます。
総理の答弁からは今差し控えるという状況がありましたが、我が国としては、これまで、武力行使に対して、例えばロシアによるウクライナ侵略、あるいは中国の東シナ海、南シナ海での活動を、一方的な現状変更の試みとして非難してきた経緯がございます。ですので、今般のイスラエル及び米国によるイラン攻撃について評価することを避けるという姿勢は、今後、国際社会の方からダブルスタンダードということで批判されるようなことを懸念しております。そういった懸念を招かないためにも、いずれかの時点でこの評価をする必要があるというふうに考えております。
我が国は、これまで、戦後八十年以上の間、平和国家としての国をしっかりと貫いてまいりました。先人の方々の御苦労も大変にあったかと思います。今後も日本は平和国家としての立ち位置をしっかりと世界に示していく必要があると考えておりまして、その意味からも、茂木大臣の方から、日本が平和国家としてのスタンスを表明していただく必要があるなと考えておりますので、質問させていただきます。見解を伺いたいと思います。
○茂木国務大臣 我が国が戦後八十年にわたって平和国家としての道のりを歩み、また、国際社会の平和と繁栄に向けて様々な貢献をしてきた、これは国際社会から高く評価をされている点だ、こんなふうに考えております。
ロシア、中国について言及がありましたが、ロシアによりますウクライナ侵略、二〇二二年二月二十四日、このときはもう、ロシアの軍隊がウクライナの領土内に入る。そして、その状況が今も続いている。そして、二月の二十四日当日には、G7の首脳によりまして、これを非難する決議も出されたわけであります。
また、中国について申し上げますと、これは金城委員も御案内のとおり、尖閣諸島を始め、中国が東シナ海、南シナ海において力又は威圧による現状変更の試みを強めている、また軍事活動を活発化させている、このことは間違いない事実だ、このように考えているところであります。
一方、今回のイランの事態でありますが、現在、我が国は、詳細な事実を十分に把握する立場にない。これは多くの国がそうだと思います。先ほども答弁をさせていただきましたが、大半の国が、今、国際法的にどうである、こういう評価を下している国というのは極めて少ないんじゃないかなと思っております。他国がそうだからということではありませんけれども、我が国としても、そういった詳細な事実を把握する立場にないことから、確定的な法的な評価を行うことは困難である、こんなふうに考えております。
いずれにしても、今、何よりも重要なこと、これは、私は多くの国のカウンターパート、外相であったりとかまた大使等とも話をしているところでありますけれども、事態を早期に鎮静化を図ることでありまして、我が国としてもそのために必要なあらゆる外交的努力を続けていきたい、こう考えております。
○金城委員 答弁ありがとうございます。
一刻も早い事態の鎮静化、これは必要だと思いますし、それを一番先頭に立って進めていくのが我々、平和国家日本の役割だと思っております。大臣にはしっかりとまた頑張っていただきたいと思っております。
現在イランで起きている状況、先ほど来もやり取りがありました中東地域の邦人保護につきまして、外務省によりますと、現在は、イランには約二百人、そしてイスラエルには約千人、イラン及びイスラエル周辺の九か国には約七千七百人の邦人がいるということを伺っております。
今月一日の外務大臣臨時会見におきましては、茂木外務大臣は、邦人保護については既に退避に向けた準備を行っているという旨も発言もありましたし、また、二日の衆議院予算委員会では、高市総理が、イラン周辺国を含む地域全体の邦人保護、そして海路、空路の状況把握に万全を期す旨の発言をされております。
既に外務省は、二日に、イスラエルから日本人五名が、イスラエルのテルアビブから隣国ヨルダンの首都アンマンに陸路で避難、退避した旨も発表されております。また、四日には、イランから日本人二名が、イランの首都テヘランから隣国アゼルバイジャンへ退避した旨も発表されております。
イランによる湾岸地域の米軍基地を狙う攻撃に伴い、そして民間施設への被害が広がる中で、今後も中東地域の邦人保護に全力を注ぐべきであると考えますけれども、先ほど大臣の方からも答弁の中でありました、やはり残りたい方もいらっしゃるという現状もあろうかと思いますが、そういったことも含めて、中東地域の邦人保護につきましての、今、政府の認識、それと現在の取組状況について、改めて確認をしておきたいと思います。
○上田政府参考人 お答え申し上げます。
政府といたしましては、事態の発生以降、邦人保護に万全の体制で対応に当たってきておるところでございます。
まず、危険情報については、イランの危険情報を一月十六日の段階でレベル4、退避勧告、そして、イスラエルの危険情報を二月の二十八日にレベル3、渡航中止勧告に引き上げました。そのほか、昨五日には、クウェート、サウジアラビアの東部州、バーレーン、カタール、アラブ首長国連邦、オマーンにおきまして、イランによる民間施設や外交施設等への攻撃が発生し、情勢が悪化していることを踏まえまして、これらの国の危険情報をレベル3、渡航中止勧告に引き上げたところでございます。
邦人の安否につきましては、委員御指摘のとおり、イランにつきましても二百名の在留邦人がいらっしゃいますけれども、全員と連絡を取りましてその安全を確認しておりますし、現時点で邦人の被害は確認されておりません。周辺国についても、外務省から、あるいは大使館から在留邦人向けにメール等で集中的に注意喚起を行いまして、これまでのところ、邦人の被害は確認されていない状況でございます。
こうした中、希望者を募りまして、委員御指摘のとおり、イラン、イスラエルからは邦人退避をさせていただいたところでございます。
それから、周辺国においては、現地の国際空港の閉鎖などにより出国が困難な状況になっていらっしゃる方もおられるということで、日本政府といたしましては、クウェート、バーレーン、カタール、アラブ首長国連邦に滞在される邦人の方々のうち希望される方々につきましては、サウジアラビアのリヤド及びオマーンのマスカットへの陸路での輸送、そして、リヤド及びマスカットからチャーター機による東京までの輸送を行う方針で、準備を進めておるところでございます。
さらに、在外公館を通じまして、定期的な安全情報や空港、フライトの状況を、在留届を提出される方々、あるいはたびレジの登録者の方々に向けて、随時発信をしてきているところでございます。
引き続き、安全に関わる現地の状況、邦人のニーズ、こうしたものを踏まえつつ、邦人保護に万全を期していく考えでございます。
○茂木国務大臣 若干補足をさせていただきますと、日々、状況というのは変わっております。
例えば、昨日はドバイのエミレーツ航空が、臨時便といいますか、これを運航して、二百五十名近い邦人の方が、昨晩十一時ぐらいですか、帰国をされたということであります。
また、こういったドバイのエミレーツであったりとか、さらにはアブダビのエティハド、こういった航空会社が飛行機を飛ばせるかどうか、こういう状況もあります。もちろん、そういうことがない場合に備えて、きちんと政府としてチャーター機を準備をする、こういったことは進めております。
また、イランによります攻撃、これもいろいろな情報があるところでありますが、初動の段階から比べると少し減ってきているのではないか、こういう状況で、そんなことも含めて、邦人の方々の帰国の意向であったりとか、退出、退去の意向というのも日々変わる可能性、こういうのもあるわけであります。そういった全体の状況を見ながら、また、個々の邦人の方々、これがどういう思いというか、帰りたいと思うのか、それとも、やはりこの状況だったら残っていいと考えるのか、これは変わる可能性もありますので、定期的にこういった状況については把握をしていきたいと思っております。
同時に、それぞれの方の置かれている状況というのは違っているわけでありまして、例えば、御高齢の方であったりとか、また妊婦の方であったりとか、小さいお子さんをお持ちの方であったりとか、そのニーズというか状況に従って優先度をつけながら、また、そういったニーズを踏まえながら、退避のオペレーションといいますか、支援というのは万全の体制で行っていきたい、こんなふうに思っております。
○金城委員 大臣、詳細の御説明をいただきましてありがとうございます。
我が国政府の取組として、邦人保護のために、様々な角度から、日々刻々、戦況というのは変わっていくわけですが、それにも対応し得るような、しっかりとオペレーションをやっているということを確認させていただきました。御答弁ありがとうございます。
次に、質問を移りますが、今度はホルムズ海峡の封鎖への対応についてであります。
イスラエルと米国によるイラン攻撃を受けて、イランが軍事行動を活発化させる中で、世界の原油輸送の二割はホルムズ海峡を通過するという、そういった要衝になっている状況でありますが、我が国も原油の九割以上を中東から輸入しておりまして、大半をホルムズ海峡経由で輸入しております。ホルムズ海峡をめぐる混乱を受けて、既に原油価格は上昇傾向にあるという状況でございます。
原油価格の上昇は、今後、ガソリン価格の上昇やそれに伴う物流コストの上昇につながり、食料品を含むあらゆる商品の物価高に追い打ちをかける可能性があります。原油価格の一段の高騰を招かないためにも、政府としてどのように今後取り組んでいくのか。
また、事態が長期化したならば、それがエスカレートしていかないように、当事国である米国やイスラエル、イランに対して、対話による早期解決を粘り強く求めていくべきであると考えております。
先ほど近藤委員との質疑のやり取りもありましたように、再来週には日米首脳会談も行われるということでありますから、そういった機会を生かしながら、ここでやはり日本が先頭に立って、イランとアメリカ、米国の間で仲裁役を担って動いているというところが、非常に今後に向けても大事なことだと思います。それに向けての外務大臣の見解を伺いたいと思います。
○茂木国務大臣 ホルムズ海峡の閉鎖につきましては、関係省庁との間で連携をして、関係の業界、事業者とも緊密に連携を取りながら、情報収集そして安全の確保に努めているところであります。
今、湾内にかなりの日本関係の船籍も滞留をしている、こういう状況にあるわけでありまして、きちんと情報を取りながら、どこまで安全が確保できるのか、また、安全を確保するための取組を進めていかなければならないと思っております。
そのためにも、事態の全体の早期の鎮静化、これが重要だと考えておりまして、G7、湾岸諸国を含む国際社会とも連携しながら、必要なあらゆる外交努力を行っているところでありまして、私自身も、先ほども申し上げましたが、G7の外相会合を次の日にはすぐに開かせていただいたり、イスラエル、イラン、オマーン、カタール、UAEとも直接、意思疎通を行ってきているところであります。
また、来る日米首脳会談におきましては、イラン情勢を始めとします中東情勢であったりとか、厳しさを増す国際情勢についても議論をされるということになる、こんなふうに考えております。
また、エネルギーの大部分、特に原油でいいますと、九割を超える。ただ、天然ガスの方は、かなりその依存度というのは減ってきておりまして、電力でいいますと、かなりこれは石油よりもガスを使うという部分がありますので、それがすぐに電力の価格に跳ね返るか。
また、原油につきましても、確かに、WTI等々が上がっても、それがガソリン価格に実際に転嫁されるまでには若干のスパンがあるということがあります。
いずれにしても、これは大きな問題である、こんなふうに考えておりまして、安定的かつ低廉なエネルギーの供給を確保する、これは長期的視野で考えていく必要があると思っております。徹底した省エネに加えまして、エネルギー源の多角化であったりとか調達先の多角化を進めていく必要があると考えております。
関係省庁間で協力をして、様々な国際的な枠組みも活用することで、エネルギー安全保障の確保に向けて取り組んでいきたい、こんなふうに考えております。
○金城委員 経済的な影響も大きいわけですので、しっかりとまた、外務大臣には、日本の外交を担いながら、そういった日本の経済への影響も最小限にとどめるように頑張っていただきたいと思います。よろしくお願いします。
続きまして、NPTの運用再検討会議につきましては、先ほど、我が方、原田直樹委員が詳しくやり取りをしていただきました。これはやはりしっかりとやっていただきたいと思っておりますし、是非とも成果文書が取りまとめられるようなところまで頑張っていただきたいと思っております。
茂木大臣だからこそできるところもあるのではないかと期待しておりますけれども、大臣、改めてまた、それに向けての決意や見解を伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。
○茂木国務大臣 核兵器のない世界、これに向けた国際的な取組を主導する、これは、唯一の戦争被爆国であります日本の使命である、こんなふうに考えております。
NPT体制は、核兵器国と非核兵器国が広く参加をする核軍縮・不拡散の唯一の普遍的な枠組みでありまして、安全保障環境が厳しさを増す中だからこそNPT体制の維持強化が必要であると思っておりまして、過去二回にわたって成果文書が出されなかった、このことについても深刻に捉えて、どうやっていったらいいのかというのを考えていかなければいけない、こんなふうに思っております。
何にしても、この四月のNPT運用検討会議、これは日本としても極めて重視をいたしております。
○金城委員 このNPTこそ私は茂木大臣の力を発揮する場だと思いますし、まさにタフネゴシエーターとして頑張っていただきたいと期待をしております。よろしくお願いいたします。
質問を移ります。今度は、米軍の普天間飛行場問題に関してであります。
私の地元の沖縄でありますが、この普天間飛行場は、一九九五年に在沖米軍による少女暴行事件が発生した、それをきっかけに、当時の、普天間飛行場の移設や米軍基地の整理縮小、そして日米地位協定の改定などの機運が高まったのがきっかけとなっております。
翌一九九六年には、橋本龍太郎当時の内閣総理大臣と駐日米大使との間で、代替施設の建設と引換えに、普天間飛行場の返還で合意をしております。そして、今年はその合意から三十年を迎えることとなりました。
普天間飛行場は、当初、五年から七年以内に返還されるとされておりましたけれども、その後、紆余曲折があり、いまだ返還されず、現在に至っております。
そのような中で、今年の二月、普天間飛行場の名護市辺野古への移設をめぐって、米国の国防総省が、辺野古に建設予定の滑走路とは別に、より長い距離の滑走路を日本政府が選定しなければ、同飛行場を返還しないとの見解を文書にしてまとめていたことが報じられております。
この件につきましては、小泉防衛大臣が二月二十日の記者会見におきまして、御指摘の文書については、アメリカ内のやり取りに関することであるので、その一つ一つについて日本側からお答えすることは差し控えますとした上で、アメリカ側は、普天間飛行場代替施設の建設や普天間飛行場の返還を含め、二国間の合意に基づく条件ベースの米軍再編の実施を継続すると見解を示しており、日米間の認識には全くそごはありません、このように記者会見で述べられております。
当該文書に関しましては、防衛省から米国の国防総省に問合せをした上で、日米間の認識に全くそごはないと確認したということでいいのかどうか、これは防衛省に伺いたいと思います。見解を求めます。
○江原政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘については、アメリカ内でのやり取りに関することであり、その一つ一つについて日本側からお答えすることは差し控えますが、二〇一三年に日米両政府で作成し公表した、沖縄における在日米軍施設・区域に関する統合計画におきましては、辺野古への移設及びこれに関連する諸条件を合わせた八項目が普天間飛行場の返還条件として示されております。
普天間飛行場の返還条件の一つである、普天間飛行場代替施設では確保されない長い滑走路を用いた活動のための緊急時における民間施設の使用の改善につきましては、実際に緊急事態が発生した際における事態に応じた臨機の対応に関する事項であるため、現時点で具体的な内容を定めることは困難でございますが、武力攻撃事態等における特定公共施設等の利用に関する法律など、必要な法的枠組みは既に整っており、事態に応じ、適切な調整を図ることは可能でございます。
アメリカ側からも、普天間飛行場代替施設の建設や普天間飛行場の返還を含め、二国間の合意に沿って、条件に基づく米軍再編の実施を継続するとの見解が示されており、日米間の認識にそごはございません。
今後ともアメリカとの間で必要な協議や調整を行っていくことは当然ですが、この条件が満たされないため辺野古への移設完了後も普天間飛行場が返還されないという状況は、想定していないところでございます。
○金城委員 是非、今の答弁を基に、アメリカとしっかりと話し合って、交渉して、普天間の返還を確実にしていただきたいと思っております。
私も含め、沖縄県民としては、この普天間基地を今、県内に移設している状況でございますが、これは、普天間の一日も早い危険性除去ということで、県民の世論も二分するような大きな問題でありまして、それが、これまでの経緯を覆すかのように普天間も返さないということは、沖縄県民にとっては絶対に許せない話であります。
ですので、政府は、沖縄の負担軽減のため、普天間飛行場の一日も早い全面返還を目指すとしておりますけれども、茂木外務大臣におかれましても、小泉防衛大臣を始め防衛省のこれまで示された見解の、同様の認識であるかを確認したいと思います。
○茂木国務大臣 金城委員の方から、沖縄の少女暴行事件の話から始まりまして、九八年のSACO最終合意、橋本総理と当時のモンデール大使の間で交わされたわけでありますが、それ以来の経緯について説明もありましたし、今、二〇一三年の両政府間の沖縄統合計画、この説明も防衛省からあったところであります。
かつてラムズフェルド国防長官が、世界で最も危険な基地である、こう言った普天間、これは私も何度も訪れております。最初に担当しましたのも沖縄北方担当大臣、これは私は二〇〇三年から担当しておりまして、もう二十年以上前のことでありますけれども、何度もあの場所を訪問いたしましたし、また、宜野湾の方々等ともお話合いをさせていただいたところでありまして、どんなことがあってもこの普天間の移設というのは必要なものだと思って、その思いで全力で取組を進めていきたいと思っております。
○金城委員 是非よろしくお願いしたいと思います。
この普天間飛行場は、ヘリが墜落した事故もありました。ヘリが墜落した場所は沖縄国際大学、私の母校なんですね。その墜落した日も、私は白保台一代議士とともに、秘書として現場にも行きました。現場に行きますと、そのヘリのプロペラの破片が現場から飛んでいって、乳飲み子の頭上、数センチ上を貫通していった。そういった現場も見てみますと、このような命の危険が及ぶようなものは決して二度と起こしてはいけないし、一日も早い危険性除去というのは県民の命を守る非常に大事な取組ですから、是非、普天間の返還は力を入れて取り組んでいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
では、質問を移ります。
今度は、北東アジアにおける多国間安全保障対話・協力機構の創設を推進しているところでございまして、我が国政府の南西地域の防衛体制の状況の確認について質問したいと思います。
政府は、令和四年に閣議決定された国家安全保障戦略及び国家防衛戦略に基づき、南西地域の防衛体制の強化を進めてきたと承知しております。他方、高市政権では、国家安全保障戦略を始めとする三文書について、新しい戦い方の顕在化、長期戦への備えの必要性など、安全保障環境の変化が様々な分野で加速度的に生じていることから、本年中にこの三文書を前倒しで改正するとしております。
現行の国家防衛戦略に基づく南西地域の防衛体制の強化、この進捗状況について伺いたいと思っております。また、三文書について、政府は四月下旬にも有識者会議を設置する方向で最終調整に入っていると報じられております。具体的な議論は今後行われていくこととなると考えておりますが、高市政権が進める防衛力の抜本的な強化の中で、南西地域の防衛体制というのは今後どのように位置づけられていくのか、現時点での防衛省の見解を伺いたいと思います。
○寺田政府参考人 お答え申し上げます。
戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面する中、南西地域における防衛体制の強化は喫緊の課題でございまして、これまで、平成二十八年以降でございますけれども、与那国島、奄美大島、宮古島及び石垣島といった沖縄本島以外の島々へ順次部隊を配備してきたところでございますけれども、引き続き、沖縄本島にあります第一五旅団の師団への改編や補給処支処の新設など、南西地域の防衛体制の強化に着実に努めてまいりたいというふうに考えております。
同時に、防衛省・自衛隊は、現在の防衛力整備計画において輸送アセットの取得も進めているところでございまして、機動展開それから国民保護も強化していっているところでございます。
その上で、現時点で新たな三文書の方向性を申し上げる段階にはございませんが、南西地域の防衛体制の強化というのは引き続き重要でありまして、南西地域の皆様を含め、国民の命と平和な暮らしを守り抜くため、しっかりと検討を行ってまいります。
いずれにいたしましても、南西地域の防衛体制の強化の取組を通じて、抑止力、対処力を高めるとともに、力による一方的な現状変更やその試みを許容しないとの我が国の意思を示し、我が国への攻撃の可能性そのものを低下させることが重要であるというふうに考えております。
また、こうした取組を進めることは、南西地域における大規模災害や国民保護への対応の迅速化にもつながるものと考えておりまして、引き続きしっかりと検討してまいりたいと考えております。
○金城委員 御答弁ありがとうございました。
やはり、南西地域の防衛という部分で、地域住民の方も不安に思っている方も多くあります。だからこそ、私が冒頭に申し上げました、やはり武力行使ということは我が国は絶対に認めないんだというスタンスは非常に大事だというふうに思っております。
その上で、防衛力強化のためには、今のようなお話もありますが、人間対人間の対話、これも一つの抑止として重要な角度だと思っております。そのために、北東アジアの安全保障対話・協力機構の創設というものは、今まさに必要なことだと思っております。
高市内閣は、国家間の競争が激化、複雑化、常態化し、私たちがなれ親しんだ自由で開かれた安定的な国際秩序は大きく揺らいでいるとして、また、我が国に関しても、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面しているとの認識を示されております。
そのような中において、高市内閣は、平和と繁栄をつくる責任ある日本外交を展開するとして、安倍元総理が提唱した、自由で開かれたインド太平洋、いわゆるFOIPについて、時代の変化に対応し、最もふさわしい形で進化させる必要があるとして、外務省など関係省庁において検討を進めるということを承知しているところでございます。
他方、このような国際情勢において、北東アジアの平和と安定のためには、日本の同盟国や同志国だけではなく、中国やロシア、北朝鮮なども含む多国間の対話による信頼醸成が不可欠と考えているところでございます。
私は、これらの国を参加国とする対話枠組みとして、大使級で構成する常設の北東アジア安全保障対話・協力機構の創設を提案をし、平和国家日本こそがこの機構の創設を主導すべきだと考えているところでございます。
この機構では、初めから安全保障の核心に入るのではなく、まずは防災、災害救助、そして気候変動など共通の課題、この課題での協力を通じて参加国の信頼を積極的に積み重ねるアプローチを考えておりますが、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面しているからこそ、このような機構が必要と考えます。
茂木外務大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○茂木国務大臣 まず、インド太平洋全体から申し上げますと、FOIPの提唱から今年でちょうど十年になるわけであります。
当時の状況を考えますと、まさにこのインド太平洋地域、人口で見てもGDPで見ても一番最大の成長センターである。この中で、自由な貿易であったりとか通航、こういうものが確保され、また、連結性を更に高めることによって発展につなげていく、こういったことを中心にしながら構想を練ってきたわけであります。
この十年間を考えてみますと、重要鉱物を始め経済安全保障、こういう概念というものが非常に課題というか重要になってきている。同時に、パワーバランスの変化の中で、各国が様々な挑戦にさらされる。こういった中で、自国の自律性をどうやった形で保てるか、このための能力構築、こういったものも極めて重要になってきていると考えております。
そういった中で、例えば日本のODAを、またOSAをどう活用することによって地域全体の平和と繁栄を維持強化していく、こういう概念といいますか考え方の下で、戦略的な進化を図っていくということが重要であると考えております。
その上で、北東アジアについて申し上げますと、地域の安全保障環境が厳しさと複雑さを増す中で、アジア諸国との関係で、安全保障を含みます幅広い分野において重層的な関係を構築して信頼醸成を行っていくということは極めて重要だと思っておりまして、公明党が策定をされました平和創出ビジョンにおいても、北東アジア安全保障対話・協力機構の創設、こういった提案もなされているところでありまして、こういった新しい枠組みもつくっていかなければいけない、そんなふうに思っております。
例えば、日本が東南アジアの国々と極めて良好な関係にあり、信頼されているのも、様々な枠組みの中で協力を進め、対話を進めているということがあるのではないかなと考えておりまして、そういった御提案も参考にしながら、政府としてしっかりと取り組んでいきたいと思っております。
○金城委員 大臣の御答弁、丁寧にいただきました。ありがとうございました。
時間が参りましたので終わりますが、残余の質問等につきましては、また後日の質問で使わせていただきたいと思います。
ありがとうございました。
○國場委員長 次に、佐々木真琴君。
○佐々木(真)委員 国民民主党・無所属クラブの佐々木真琴でございます。
先日の初当選から初めての外務委員会での質疑でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
この場に立って、改めて皆さんの顔を見て、今、自分のことを思い返すと、今から十五年前、東日本大震災のとき、真っ暗闇の中におりました十四歳が、今、十五年たちまして、二十九歳、皆様とともに外交を語る場にいるということ、大変光栄だなと思っております。
当時、私は岩手県宮古市におりました。坂を下りたら津波が来ていた、そんなようなエリアで生まれ育ちました。あのとき、被災地に、そして被災地の子供たちに真っ先に手を差し伸べてくれたのが、同じ岩手県の内陸の皆様、そして日本各地の皆様、さらには世界各地の皆様でございました。直後の米軍のトモダチ作戦を始め、復興期には外務省も、後押しをしていただきまして、トモダチイニシアチブという子供、若者の支援の取組、多数ございました。
私自身も、その一環の中で、カリフォルニア大学バークレー校の土を踏み、外務省飯倉公館で、ミシェル・オバマ夫人と、女性のエンパワーメント、もっと頑張ろうねと握手を固く交わさせていただきました。そのときに、世界はつながっているんだ、未来を変えられるんだと強い確信を持ち、今ここに改めて立っております。
つまり、何が言いたいかと申しますと、外交の力の強さをここにいる皆さんと改めて共有をさせていただきたいと思っております。外交とは国家間の交渉だけではないはずです。人と人から始まるものだと思っております。一人の少女の絶望を希望に変え、人生を、そして地域の未来を根底から変えるもの、すさまじいエネルギーを持ったものだと感じております。
戦争も紛争も、そして災害も、最後に乗り越えるのは人の力でございます。災害はいつ来るか分からないけれども、特に戦争や紛争、やると決めるのも、やめると決めるのも、そして説得をさせるのも人だと思っております。だからこそ、私は今日、外交の力を信じる当事者の一人として、そして被災地から送り出された一人として、日本の外交が本当に国民の、そして地域の未来を照らし出せているのか、茂木外務大臣と真っすぐにお伺いをさせていただきたいと思います。
そして、改めて、十四歳の子供が二十九歳の大人になるまでの十五年間を支えてくださいました皆様に、そして世界中の皆様にも感謝をいたします。震災で生かされたこの命をこれから皆さんのために使っていきたいと思っております。
その上で、まず一つ、茂木外務大臣にお伺いさせていただきます。
東日本大震災から十五年がたとうとしております。当時、外務省としても、各国との調整や支援の受入れなど、外交の現場で大きな役割を果たしてくれたと思っております。十五年という節目を迎えるに当たり、当時の国際社会との連帯であったり、外交の取組、どのように振り返っておられるのか。そして、これからも外務省として、東北とともに歩み、国際社会とのきずなを大切にしていくんだという姿勢について、茂木外務大臣のお考えをお聞かせください。
○茂木国務大臣 委員とは初めてこの場で質疑をさせていただきますが、委員が、これまでも様々な困難を乗り越えて、防災の分野であったりとか国際交流に熱心に取り組まれてきた、このことはよく承知をいたしております。
三・一一、東日本大震災に当たって、地元の皆さん、本当に、自分が被災をしている中でもいろいろな復旧復興に携わる、こういった取組をしてこられた。そして、当時、福島の復興なくして東北の復興なし、そして東北の復興なくして日本の再生はないんだという思いで日本全体がそれに取り組んできた。同時に、世界各国から本当に温かい支援の手が差し伸べられた。こういったことに改めて、関わった皆さんに敬意を表し、また、関係者の皆さんに感謝を申し上げたいと思っております。
その後、世界各地で災害等が頻発をしているところであります。ここ最近でいいましても、インドネシアであったりとかタイであったりとか、様々なところで水害であったりとか台風の被害等々も発生しているわけでありますが、日本としても、災害大国といいますか、様々な災害の経験をしてきた。このノウハウ等も生かしながら、日本としてもこういったことに対してできる限りの協力というのも行ってきたところであります。
苦難に遭ったときこそ真の友情が示される、そんなふうに思っております。そして、過去と自然、これは変えることはできません。しかし、未来と社会は我々の取組によって幾らでも変えることができる、私はそんなふうに思っておりまして、困難を乗り越える協力、こういったものを通じて、国際社会とのきずなをしっかりと築いていきたい、こんなふうに考えています。
○佐々木(真)委員 力強い御決意と、これからのことも聞かせていただきました。ありがとうございます。
では、改めてここから質問に入らせていただきますけれども、まずはWPSについて伺ってまいります。女性・平和・安全保障の認識について伺います。
先日の大臣の外交演説の中で、日本らしい人権外交、そして女性・平和・安全保障、いわゆるWPSを積極的に推進するという大変力強いお言葉をいただきまして、その言葉、とても心強いなと思いました。
一方で、先ほども原田委員のときにもありましたけれども、所信の中ではWPSという文言はございませんで、ちょっと残念だなと思ったところでございましたが、WPSを積極的に推進するというお考えに変わりはないという理解でよろしいか、まず確認をさせていただきます。
○茂木国務大臣 そのような御理解で結構です。
先ほども申し上げましたが、本会議での外交演説とこちらでの所信、恒例で時間が限られておりますので言及しなかった部分があるということは御理解いただければと思います。
○佐々木(真)委員 理解いたしました。では、積極的に共に歩んでまいれればと思います。
では、次に、世界と結んだWPSの約束と日本各地の状況について伺ってまいります。
外務省からWPSの説明もいただきましたところ、二〇〇〇年の安保理決議から、その後から日本が二〇一五年、一九年、二三年と国家行動計画を策定してまいったこと、さらには、二〇二五年には決議二十五周年を迎えたということで、日本がノルウェーとともにWPSフォーカルポイントネットワークの共同議長も務めているというところも把握をいたしております。国際的にとても重要な役割を担っていると思っております。
また、様々な国際会議の場においても、ジェンダー平等の推進であるとか、国際的なスタンダードへのコミットメントを我々日本としても表明をして、条例の批准であったりとか、国際的な枠組みに積極的に関与をいたしております。
その中で、極めて前向きな姿勢を持っていると認識をいたしておるんですけれども、では国内の状況はどうなんだと目を向けたときに、私は今、人口四万五千人ぐらいの町に暮らしているんですけれども、まだまだジェンダー平等とは言えない状況があるなというところを感じております。
是非、外務省として、WPSの推進やジェンダー平等の推進、国際的なスタンダードへのコミットメントを表明している中で、日本の国内でどのように実装されているのか、どのように把握し、評価されておられるのかを伺ってまいります。
国際的にリーダーシップを取るお立場であるからこそ、国際社会と約束をするだけではなくて、その約束が日本各地でどのように反映されているのかというところを、世界との、地域とのギャップを把握されているか、茂木大臣の率直な御意見をお伺いします。
○茂木国務大臣 日本政府として、女性・平和・安全保障に関する行動計画、これを策定しておりまして、紛争影響国におけます女性と女児の保護、そして紛争下の性的暴力の防止及び平和構築における女性の参画の推進のほか、日本独自の特徴として、防災、災害対応への取組についても明記し、WPSを推進をしているところであります。行動計画の中では実施主体であります国内関係府省庁等の取組に言及をしておりまして、関係省庁とも協力をして、国内においてもWPSを推進していきたいと思っております。
対外的にWPSの重要性を訴えるのであったらば、やはり自分もそれをしっかりとやっていく、これは当然なことだと考えているわけでありますが、国内の実態と世界のギャップについて申し上げると、世界経済フォーラムが公表しました、昨年、二〇二五年のジェンダーギャップ指数について、我が国は、百四十八か国中何と百十八位、こういう状況でありまして、依然として男女共同参画の状況が諸外国と比べて遅れている、これを示すもの、これはいろいろな数値の取り方等々もありますが、しかし、こういう、百十八位という結果が出ているんですから、これは謙虚に受け止める必要があると考えております。
その上で、外務省としては、女性・平和・安全保障に関する行動計画の実施に当たりまして、関係省庁の取組に関して実施状況を現在取りまとめているところでありまして、関係府省庁とも協力をして、国内におけるWPS、この実施を進めていきたい、こんなふうに思っているところであります。
やはり、人に何かをやりましょうと呼びかけるんだったら、本人がそういう行動を示している、あの人が言うんだったらやってみよう、こういう気持ちになるようなことというのは、極めて私は重要なんじゃないかなと思っています。
○佐々木(真)委員 リーダーがそういったことを言ってくれるのは大変心強いなと思っております。是非、我々も、協力をしながら、しっかりと、国際社会と約束してきたことを地域の現場で実装できるように努力してまいりたいなと思っております。世界と約束する場にいるからこそ、国際の場で感じてきた具体的なやり取りも含めて、ここはこういうふうにやっているんだからもっと日本もできるぞというようなところも、直接、茂木外務大臣の方からも是非積極的に御意見いただきながらやっていきたいなと思います。ありがとうございます。
では、続いて、もう少し、女性であったりとか、そういう分野を深掘っていきたいんですけれども、ジェンダー次世代ネットワーク・プログラムについて伺ってまいります。
第一回フォーラムでは、女性参画やジェンダーバイアスをテーマに、地方と都市の格差解消や女性起業家支援、地方学生支援などについて議論がなされたと伺っております。
私は、この取組自体は大変意義深いものだなと考えておりますし、やはりまずはネットワーキングから始まるんだということも、地域の中で、地方の中で暮らしていると一番大切に感じる部分です。まずは、女性たちが抱えるもやもやというような気持ちを共有できる仲間がいるところから始まるというふうに考えております。
その上で伺ってまいりますのが、外務省としてこのプログラムを通じて最終的にどのような状態を目指しておられるのか、伺ってまいります。今、この取組のロードマップがあるのだとしたら、どの段階にあるのか、伺います。
というのも、ネットワークを形成するということは大変大切で、私も、そこがあるからこそ次のステップがあると考えますけれども、それと同時に必要なのが、制度や意思決定の仕組みをどう変えていくのかということだと思います。国際社会でのインプットを得た若者や研究者が、日本に戻った後、地域に戻った後に、地域社会や政策の現場でどのように活躍をしていくのか、政策をつくっていくのか、その環境をどのように設計していくかが重要であると考えます。
ジェンダー次世代ネットワークを、単なるネットワーク形成にとどめず、制度的な変化や地域での実装につなげていく具体的な戦略が必要だと考えます。茂木外務大臣のリーダーシップで新しい仕組みをつくっていくお考えはないか、お伺いします。
○茂木国務大臣 佐々木委員がおっしゃるように、ネットワークそのものは重要だと思っております。それぞれの共感というか、同じ思いを共有するということは、勇気づけられることでありますし、重要だと思っておりますけれども、単にネットワークをつくるにとどめない、それを具体的な行動であったりとか施策につなげていく、そしてまた、それによって個々人が自覚を持ち、そして、そういうリーダー的な立場に立っていくというか、そういう人材を育成していくということも極めて重要だと考えております。
ジェンダー次世代ネットワーク・プログラム、これは、世界とともにジェンダー平等を推進して、多様性と包摂性に富んだ、柔軟で強靱な将来社会を実現することを目的として今年度から開始をして、ジェンダー社会を牽引する次世代の育成に取り組んでいるところであります。
このプログラムを通じて、ジェンダー平等推進の担い手となる実務家であったり若者による研究そして議論を促進して、まさに様々な施策にこのジェンダーの視点、これを反映して、それによって施策をつくっていく、同時に、国内外でSDGs及び男女共同参画の推進に貢献する次世代の若者の育成にも取り組んでいく、つなげていくということが極めて重要だと考えております。
○佐々木(真)委員 ありがとうございます。
私は元々市議会議員をしていたんですけれども、地域の中ではなかなか、まだ国も県ももうちょっとやってくれたら市でもやれるんだろうなというところもたくさんありましたので、是非どんどんリーダーシップを取ってやっていただければなと思います。
また、その育成された皆さんがロールモデルとなって各地に入っていくことで、そういう生き方ができるんだ、女性も声を上げていいんだというような姿勢を見せていくことが全国各地で同時多発的に起きていくとよりよいなと思っておりますので、是非とも、今年度から始まった取組、次年度以降も力強く進めていただければなと思っております。
では、テーマを変えて、福島第一原発の廃炉及びALPS処理水について伺ってまいります。
先ほど原田委員の方からもALPS処理水、少々触れてくれておりましたけれども、私からも関連したようなところで質問させていただきます。
私自身、港町で育ちまして、海とともにずっと生きてまいりました。漁業者、水産関係者、流通に関わる皆様、そしてその御家族、海は生活そのものであり誇り、私たちの誇りだというふうに思っています。
今、その海に関わる課題としてALPS処理水の海洋放出がございます。これがよくないということでは全然なくて、次のステップを一緒に考えていきたいという意味での質問になります。
ALPS処理水の海洋放出から今二年がたちました。その中で、今年についても八回に分けて放出を計画をされております。IAEAの報告書でも、国際的な安全基準には満たしているというところで最初から放出をしているわけですけれども、科学的な安全性はずっと担保された状態でいるけれども、二年たっても輸出が禁止されているところがございます。放出から二年が経過した現在の国際社会の受け止めを、外務省としてどのように総括をしておられるかをお伺いしてまいります。
IAEAの包括報告書公表を受けた各国への説明であったりとか、在外公館を通じた政府、メディアへのブリーフィング、様々なレベルで皆様が御努力されていることは理解をいたしております。しかし、依然として一部の国では禁輸が継続をしているというところ、これから、この規制について外務省はどのように感じておられるのか、そして、二年が経過してもなお越えられない壁をどのように認識をして、何が残っているとお考えなのか、茂木外務大臣の考えをお聞かせください。
○茂木国務大臣 二〇二三年に開始をされましたALPS処理水の海洋放出については、IAEAのレビューやモニタリングを通じて、安全性というものが裏づけられております。こうした結果については国内外に透明性高く情報発信を行っておりまして、国際的にも、科学的知見に基づく冷静な対応、これが広がっている、このように認識をいたしております。
日本産食品、これに対する風評被害の払拭というのは政府の最重要課題であると思っておりまして、根拠に基づかない輸入規制の早期撤廃に向けて、首脳会談や外相会談を含めまして様々なレベルで働きかけを行うとともに、在外公館におきまして日本産食品の魅力を発信するレセプションを開催するなど様々な取組を進めているところであります。
やはり今、日本食ブームなんですね、世界に行きますと。それで、例えばニューヨークであったりとかロンドンでありますとすばらしい日本食のレストランもあるんですけれども、それ以外の国ですと大使の公邸が最高の日本食を出すということで、日本大使が何かレセプションをやりますと必ず満員になる、こういう状況も生まれているわけであります。
様々な取組を通じまして、これまでに、震災後、規制を導入した国、五十五か国ありました、これが、五十か国が規制を撤廃し、規制を維持する国は五か国・地域となっております。それぞれの国、それぞれの事情があったりとか、それ以外のことも含めて、そういった規制をまだ維持しているということでありますけれども、科学的根拠があるのは間違いないわけでありますから、それをしっかりと説明をする、透明性を持って説明をする。また、様々な外交機会を捉えて、在外公館であったりとか海外で築いた人脈といった外務省の持つリソースを最大限に活用しながら、輸入規制の即時撤廃に向けて全力で取り組んでいきたいと思っております。
先週、今週と、飯倉公館で、天皇誕生日のレセプションであったりとか、今週は日本国際漫画大賞、このレセプションもありましたが、その際は、被災地、東北、そして能登半島の食材を提供させていただいて、各国の大使にそれを堪能していただく。様々な機会を捉えてそういう、日本食のすばらしさであったりとか、また科学的な安全性、こういったものをアピールしていければ、こんなふうにも考えております。
○佐々木(真)委員 ありがとうございます。
様々な機会で是非たくさん食べていただいて、おいしいな、安全だなと思っていただけるといいなと思っております。
なぜこの問題を取り上げたかというと、二〇五一年に向けて、廃炉に向けて動いているわけですけれども、やはり、専門家の声を聞くと、もう少しかかるんじゃないかという見通しを持っておられるようです。そうなったときに、今二年ですけれども、まだまだ処理水の件も続いていくんじゃないかなというところを懸念をいたしておりまして、長期にわたるということが東北にもたらす影響、その解像度を皆さんと一緒に上げたいなと思っておったところです。
やはり、この問題が、輸入禁止がずっと続くというところが平行線をたどると、東北の水産業にとっては極めて厳しい状況がずっと続いていくのではないかというふうに危惧をいたしております。いつ何が起こるか分からない状態で商売をするですとか販路を開拓していくというのはなかなか難しいですので、このまま平行線をたどり続けるのではなくて、やはり前に進めていく分岐点を外交のトップの動きによって変えられるんじゃないかなということを思っております。
ちょっと大げさかもしれないですけれども、外務省であったりとか茂木外務大臣の動きによって、本気で前に進めるのか、地域、東北がまた新たに新しい挑戦をしようと思えるような雰囲気を私たちの手でつくっていくことができるんじゃないかなと思っておりますので、是非とも先ほどの勢いでこれからも続けていっていただきたいなと思っております。
では、そのまま続いて、次の分野の質問に入らせていただきます。
自然災害や防災という分野について質問をさせていただきます。日本が持つ防災の力をいかに外交の中で使っていくかというところの点について伺います。
先ほど大臣からもありましたとおり、世界有数の災害大国であり、それと同時に防災大国でもあると考えております。二〇一五年に仙台で開催された第三回国連防災世界会議において採択された仙台防災枠組、私もその場におりましたけれども、現在の国際的な防災の基本指針となっております。
この中でも特に特徴的なのが、災害後のことだけではなくて、事前の防災をしっかりやっていきましょうという考え方が、これこそが日本の経験から入った、盛り込まれたものだというふうに認識をいたしております。
私自身も大学時代に、国際交流基金の取組の中で、アジア九か国の皆さんと防災の勉強をしに行ったんですけれども、私を除く八か国の皆さんが口々に言うのが、絶対に日本から防災を学びたいんだというふうにいつも私に言ってくれていました。その姿を見て強く感じたのが、日本の防災、減災の経験は国際社会から確かな評価を受けているということです。そして、単なる技術移転ではなくて、共に学び、共につくる、共創の営みでもあるというふうに考えております。
外務大臣は、経済外交の第一の柱として、日本が優位性を持つ技術力、イノベーション力を外交面で後押しし、新規市場を創出するとも述べられておりましたし、気候変動、自然災害といった地球規模課題については、人間の安全保障の理念の下、取組を推進し、議論を主導するともおっしゃっておりました。
私は、この日本の防災こそがもっと強力な柱の一つになっているのではと考えております。命を守る力は、同時に経済を守る力でもあります。防災は、人道支援であると同時に経済安全保障でもあると考えております。
ここでお聞きしていきたいのが、防災をもっと戦略的に打ち出していきませんかというところです。
例えば、フランスであれば人権についてよくやっているなとか、ドイツであれば気候外交、韓国はデジタル政府モデルというような、北欧諸国がジェンダーをよく進めているなといったところで、それぞれ、国際社会における明確な外交のブランドというか、この国といえばこれだなというものを築いておるかと思います。日本も、開発協力、たくさん積み重ねてまいりました。しかし、もっとできるんじゃないかな、中心的なブランドとして十分に位置づけられたとはまだ言い難いのではないかなというふうに感じております。
東日本大震災を経験した当事者の視点からいくと、災害対応は、一過性の支援だけではなく、直後から復旧期、復興、そして長期的な地域再生まで、様々なフェーズごとに異なる支援と伴走が必要なものでございます。それを分かっている私たち、日本に住む者だからこそ、優位性を持ってやれるのではと考えております。
是非とも、今でも既にやっていると思いますけれども、もう少し茂木外務大臣が、戦略的に防災をもっと打ち出していくというところをお考えいただけないでしょうか。
○茂木国務大臣 我が国は、様々な災害を経験して、防災、そして減災対策、復旧復興の取組を重ねてきた防災の先進国でありまして、世界の強靱化に大いに貢献できる立場にあると考えております。
私も、例えばASEANの国は全て訪問しておりますし、太平洋島嶼国であったりとか様々な国を訪問しておりますけれども、日本の防災の力ということについては、佐々木委員がおっしゃられた以上のところまで来ているんじゃないかな、十分だとは言いませんけれども、そんな気もいたします。
我が国の開発協力大綱においては災害を重点政策の一つとして位置づけて、これまでも、例えば、フィリピンでは台風による浸水被害の抑制につながる洪水対策を支援をしたり、トンガでは災害に強い風力発電設備を整備したりするなど、我が国の災害の経験により蓄積された防災、減災に関する知見を生かした国際協力を積極的に推進をしているところであります。
フィリピンでいいますと、ちょうどマニラに注ぎます川があるんですけれども、これが非常に災害を、洪水をマニラの町にもたらすということで、この中流部分から取水を引く事業というのを今進めております。マニラというのは非常に水害が出る町なので、日本が進めているこの事業については極めて関心が高いというところでありまして、日本の技術者の方々が入ってそれを先導している、そういった姿も私は視察をしてまいりましたが、非常に頼もしいと思っているところであります。
また、昨年の八月には、単に、向こうからのニーズというか、これを受けるだけではなくて、オファー型の協力によりまして戦略的に取り組む分野として、防災というものを新たに明記をさせていただきました。仙台防災枠組を踏まえつつ、災害リスクの軽減であったりとか事前防災投資、そしてよりよい復興、ビルド・バック・ベター、これを推進すべく、途上国との競争の中で、我が国の技術、知見も活用しながら、防災分野における開発協力、戦略的に実施をしていきたいと考えております。
当然、防災ですからいろいろな状況も違うというか、それが震災なのか、それとも台風なのか、また違った形なのかによりましてやり方というのは違うんですが、仙台防災枠組のような基本的な枠組みをつくって、それを応用していくということは極めて私は重要ではないかなと思っております。
例えば、古代ローマ帝国におきましては、紀元六年に、その属州であります西アジアにおいて大きな地震というのが起こります。そのときはローマ帝国は二代目の皇帝のティベリウスでありましたが、ティベリウスが元老院に対して復旧計画というのを提案をして、これによりまして西アジアの復旧復興、これはローマ帝国にとって最も大切な属州税を徴収しない、こういったことも含んでいるわけでありますけれども、そういったことを進めまして、これが古代ローマにおける復興というか災害対策のモデルになってきた。こういうことで、そういったモデルを日本も世界に発信できるようになっていければいいな、こんなふうに考えております。
○佐々木(真)委員 ちょっとまた勉強していこうと思います。ありがとうございます。
昨年、外務大臣、外務委員会において、我が党の深作委員の質問に対して茂木大臣が、日本らしさというところで、単に和平調停をするだけではなくて、それらを復旧復興、新たな国づくりにシームレスにつなげていく、そんな日本外交の特性として満たしていければいいと思っているというすてきな答弁をいただいておりまして、まさにそこだなというふうに思っております。
和平ももちろん大事ですけれども、それと同時に、是非ともこの防災という分野を進めていただきたいなと思っております。日本はこんなに災害を経験した国ですので、是非ともこの経験を世界の未来に対しても生かしていく責任があるなというふうに感じております。
最後に、私、今回、幾つかのテーマ、幾つかといっても二つしかやれなかったんですけれども、三つか、やれたんですけれども、一見ばらばらに見えるかもしれませんが、私の中ではやはり全て共通しておりまして、日本が国際社会で語る言葉と国内で生きる実態を一致させられているのかというところが一点と、地域はやはり置いてきぼりなんじゃないかというふうに絶対に見せたくないので、そこを一致させていきたいというふうに思っております。
また、日本の強みを未来の戦略として、これから、人と人から始まるものが外交なんだというところを皆様と一緒に確認をする時間にできたこと、大変うれしく思っております。是非ともこれから、茂木外務大臣とともにもっともっと前に進める外交を進めてまいりたいと思います。
本日はありがとうございました。
○國場委員長 次に、深作ヘスス君。
○深作委員 国民民主党・無所属クラブの深作ヘススです。
さきの国会に引き続きまして、茂木大臣、そして各委員とともに、建設的な議論の中、我が国の国益を最大化をしていく、その思いで本委員会に臨みたいと思っています。
そして、質問に入ります前に、本委員会の理事として、委員会の運営につき一言申し上げます。
近藤野党筆頭からもありましたように、国会の不正常が続く中において、私たち野党も、できる限り国民生活に遅滞なく、そして、この委員会におきましては、国益が損なわれることがないよう、建設的に、そして皆様と真摯に日程協議を行いたいと思って、日程調整などに臨んでまいりました。他方で、これまでの委員会が協議ではなく委員長職権で立てられることとなり、本来であれば、双方の真摯な協議をもって、時に妥協も含め、調整が行われなければいけない。
今後も是非、委員各位そして理事各位、委員長におかれましては、正常な委員会運営ができるよう御協力をお願い申し上げまして、冒頭、一言申し上げました。ありがとうございます。
それでは、質問に入らせていただきます。
今回の大臣の所信は、国際情勢の変化を踏まえた内容が多く盛り込まれていました。
さきの国会が閉会をしてから、今、私たちが議論をしているイランだけではなく、ベネズエラでも大きな動きがありました。そして、そのイランの状況が進行する中にあって、本日、ベネズエラとアメリカが国交を回復するというような報道が出て、本当に目まぐるしく国際情勢が動いています。また、遠い国々でも様々な事象が変わってきており、特にカリブ海のキューバなどでは、人道危機とも言えるような状態が緊迫化をしています。私たちが当たり前だと思っていた国際情勢や、私たちの持っていた視点というのが、いとも簡単に崩れ去ったり変わっていくんだという、そういった場面に私たちは直面をしています。
そんな中にあっても、本年一月、茂木大臣におかれましては、イスラエル、パレスチナ、そして中東諸国を訪問されるなど、積極的な外交活動を展開されていることに敬意を表したいと思います。
我が国が積極的かつ主体的に外交を展開をし、我が国の平和を担保をする、これは当然のことでありながら、平和国家としてどのように国際社会の中で私たちが役割を担い、国際的な平和や安定を私たち自身で牽引をしていくことができるのか、こういった思いで私自身もこの委員会に臨んでいきたいと思っています。
まず、所信の中に出てきました、厳しい国際情勢の中で、一貫した外交姿勢を堅持する日本への期待が高まっているという御発言がありました。是非、この御発言の趣旨、そして、どのような背景を踏まえて、今、政府が我が国への国際社会からの期待が高まっていると評価をされているのか、その認識を大臣にお伺いをしたいと思います。
○茂木国務大臣 まず、我が国は、戦後一貫して平和国家としての道を歩み、国際社会の平和と安定、そして繁栄に貢献をしてきたと考えております。
自由で開かれた国際秩序をつくっていく、こういったことでも一貫しておりますし、また、今、グローバルサウスの発言力、こういったものが強まる中で、グローバルサウスといいましても、インドであったりとかブラジル、こういう新興国から、太平洋島嶼国、そして中東、アフリカのこれから本当に開発が必要な非常に貧しい国まであるわけでありまして、それぞれの国のニーズに応じて、一つの価値観を押しつけるのではなくて、相手の意見もしっかりと聞きながらその声に応えるという日本らしい顔の見える援助、こういったことを進めてきたことも高く評価をされているんだと思います。
そういった中で、私が六年前から四年前、外務大臣を務めていたときと比べると、間違いなく、国際社会、パワーバランスの変化があったり、紛争、対立が激化、これを受けて戦後最も大きな構造的変化の中にありまして、安全保障環境、これも委員御案内のとおり一段と厳しさを増している中であります。
こういった厳しい国際情勢の中で、今申し上げたような一貫した外交姿勢を堅持する日本への期待は間違いなく高まっている。これは、私、外務大臣になって様々な国際会議に出席をしたり、また、バイの会談をしたり、こういった中で実感をしているところであります。
こうした国際社会から期待される日本の役割と責任、これを果たしていくために、多角的、重層的連携が今後必要になってくると考えておりまして、それをリードする包容力、つまり、それぞれ相手は違うんだから、その違いというか、それもしっかり認めて、しかし原則では曲げない力強さ、これを兼ね備えた外交を展開していきたいと思っているところであります。
もし追加すべきことがありましたら、また答弁させていただきます。
○深作委員 ありがとうございます。変わらないことの重要性であったり、他方で、しなやかさ、この国際情勢に合わせて私たちが何ができるのか、そういったことを大臣から御答弁いただいたかと思います。
私、この厳しい国際情勢の中で日本への期待が高まっているという言葉を聞いたときに、今、国際社会が分断や不安、そして対立などが顕在化をしている中において、相対的に、ほかの地域がどんどんと信用を落としている中で、私たちが相対的に上がっているという評価でないといいなということを思っていました。
先ほど佐々木委員からも御指摘をいただきましたように、私は、新たに日本が和平調停に関する部門を外務省の中につくるといった積極的な取組をしようとしていること、こういったことをもって、やはり国際社会の中における信用を獲得をしていき、私たちが平和をつくっていくんだ、そして、この委員会、この部屋から世界の平和を生み出していくんだという気概を持って大臣とともに取り組んでいく、このことを改めて、今、心に誓ったところであります。
では、続きまして、イラン情勢についてお伺いをいたします。
現在、このイラン情勢、大変動いている中でありますが、拘束された邦人については先ほど近藤委員からの質問で既に回答をいただいておりますので、邦人保護やイラン側との外交交渉が必要になった場合の外交ルートについてお伺いをしたいと思います。
イランにおいては、急激に指導者を失い国のリーダーシップが不安定化する中で、我が国の対イランにおけるカウンターパートが、これまでのルートが生きているのか。又は、現状の確認また交渉のルート、これは、邦人保護だけではなく、必要な外交交渉が行われるときのルートについて、今、どういったチャネルを持っているのか。現状、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○茂木国務大臣 今般の事態発生後も、私もこちらの駐日大使とはお会いをしましたし、アラグチ外相とも旧知の仲でもあります。当然、テヘランの大使館におきましても様々なネットワークを持っておりますけれども、今、非常に通信事情が悪かったりとか、また、人によっては所在が分からない、こういう部分もありますし、また、誰と誰がこういうコミュニケーションを取っていますということは、今後、様々な事態鎮静化に向けた動きにとってマイナスになってはいけないと思いますので、個別具体的なことにつきましては、恐縮ですが、答弁を控えさせていただければと思います。
○深作委員 外交上のやり取りですので、それをつまびらかにするということは厳しいことは理解をいたします。
その上で、今回、このイランにおけるエスカレーションが起きた直後に、大臣が、双方の大使に会われたり、アラグチ外務大臣に対してのアプローチをされたりということで、積極的に双方に対してアプローチをされている、ここで日本が果たせる役割というのを生み出そうとされているということは、大変重要な動きであったと思っています。
今後、イランにおける体制の行く末を見守りながらも、やはり必要なチャネルを維持をしていくということ、そして、必要とあらば、チャネルの開拓であったり転換をしていくということが必要になってくる場面もあると思います。
その上で、この外交ルートを生かすために、現地にいる邦人の活躍なくしては、事態の進展は生まれていくことはありません。中でも、在外公館で勤務をする職員、先ほど大臣からは二十一名の大使館員がいるということを、どなたかの答弁の中でありましたが、外交実施体制の中核を担う大使館員の安全の確保、これをされるために、今、どのような具体的な取組がなされているのか。これについて、政府参考人で結構です、お答えいただけますでしょうか。
○岩本政府参考人 ただいま委員からもお話のありましたとおり、イランにおきましては、現在、日本の大使館員二十一名が引き続き勤務をしております。テヘランを含めてイラン全土で爆撃等が連日発生しておりますので、まずは大使館員の安全の確保、これに十分気をつけて活動しているところでございます。
一方で、邦人保護の業務も非常に重要でございますので、先日は陸路での退避も支援させていただきました。これも、大使館員も十分安全に気をつけながら、同時に邦人保護に万全を期す、そういった体制を今考えているところでございます。
引き続き、館員の安全、これに十分配慮してまいりたいと思っております。
○深作委員 御答弁ありがとうございます。
今お答えをいただきましたように、私たちは邦人の保護というものの状況に対してやはり関心を持っていますし、それがある意味で政府の大きな役割である。ただし、それを支えていけるのは、大使館員の安全を確保してのみこれができるということを考えれば、今後も、大使館員の安全確保、そして、必要とあらば、大使館機能や領事業務、この機能を維持をしつつ退避できるシミュレーションなども、常にこれはシミュレーションしておいていただきたいと思います。
少しちょっと順番を変えまして、通告の五ポツへ移りたいと思います。
今、政府参考人からも御答弁ありましたが、触れていただきましたが、クウェート、バーレーン、カタール、UAEに滞在をする帰国希望者を、サウジのリヤド、そしてオマーンのマスカットまで陸路輸送し、希望者をチャーター機で帰国させる手はずを整えたというふうに承知をしています。
この帰国に係る邦人退避の経費については、当該空路の一般的な航空費用に準じて自己負担になるものと承知をしていますが、先ほど申し上げましたように、大使館員や公務で駐在をしている邦人に対して、退避の際、公費で帰国をするものというふうに理解をしています。過去の事例では、この公費負担を、一度その本人が自ら支払い、負担をした上で、後々に精算をするケースがあったと理解をしています。
このような手法を取るのは会計上の理由なのか、どういった理由か分かりませんが、どのような形でこういった費用負担が行われているのか、こちらも政府参考人で結構です、お答えください。
○大鶴政府参考人 お答え申し上げます。
緊急度の高い退避オペレーションに際しましては、迅速かつ確実に退避手段を確保する必要がございます。こうした場合におきまして、大使館員等がフライトチケットの代金を一旦支払い、事後精算した例も確かにございます。逆に、東京で代理店に一括払いを行って、館員が立替え払いを行っていない例もございます。
緊急時の退避に際しましては、現地の治安状況ですとか、通信、金融インフラの稼働状況、実際の退避のタイミング、利用可能な交通手段、ルート等に応じまして一番適切な退避手段を考えていくということで、この中でいろいろなパターンが出てくるという状況にございます。
具体的な支払い方法を含めまして、対応ぶりはこういう個別具体的な状況を踏まえて検討するということでございまして、臨時に、一旦、館員等が支払わざるを得ないケースも確かにどうしても出てくるという部分もございますけれども、その辺については今後の検討課題かなと思っております。
○深作委員 ありがとうございます。
今、最後に検討課題というふうにおっしゃられたのは、私もそのように思っています。特に、公務や準公務的に外交の最前線にいる方々が退避をする際に、立替え払いでの精算、これが起こるのではなく、緊急度はどういった形であれ、退避ということが必要になった場合にはできる限り公費で最初から負担をできるように、そして大使館員の負担がないように、早急に対応できるように、是非、大臣、こういった動きにつなげていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○茂木国務大臣 今、官房長の方から答弁をさせていただきましたが、どうしても緊急に退避をしなければいけないということで、代理店を通さずに直接やるというときに仮払いをするというケースが出てきますけれども、できるだけそういうことがないような形にしていきたい、そんなふうに思っています。
○深作委員 ありがとうございます。是非、そのような形になることを望みます。
それでは、通告の順番に戻りまして、今回のイランの状況を踏まえての大臣所信の御発言について御質問いたします。
今回、イランに対して、外交的解決を強く求めますというお言葉がありました。これは、具体的なアクションとしてどのようなことを想定されているのか。この強く求めていく、そのアクションについて教えてください。
○茂木国務大臣 既に、具体的なアクションといいますか、申入れ等々は行っているところであります。
これは東京におきましてもテヘランにおきましても行っているところでありまして、私は、三月の二日の日、事態発生後、二日後になりますが、駐日イラン大使と個別に面会いたしまして、我が国の立場を説明したところであります。そのときには、拘束されております邦人の早期解放、これも人道上の問題として進めてほしいということを強く申し入れたところであります。
こういったことを通じて直接のやり取りをする、また、様々な国と連携をしながらそういった働きかけをしていくということは、極めて重要だと思っております。
これは、G7に限らず、湾岸国、周辺国、私も、大使であったりとか、直接、ほぼ毎日、この国会の合間といいますか、そこで電話会談等々を、オマーンであったり、またカタールであったり、その外相、首相とも行っているところでありまして、そういった関係国との連携も行いながら、働きかけをしていく。
何しろ、今、事態を鎮静化させる、このことが極めて重要だと思っておりまして、そのためのあらゆるでき得ることはやっていきたいと思っております。
○深作委員 ありがとうございます。
今回、大臣所信の中では、イランに対してという言葉があって、一か国だけが示されていたので今回御質問いたしましたが、今おっしゃられたように、湾岸諸国、周辺諸国も含めて、周辺でどのように事態の鎮静化を図るか、そしてそのときに、やはりこの中心にいるイスラエル、アメリカに対しても我が国がどういった主張をしていくのか、これは国際社会も見ているところであります。
今の時点で私は国際法上の評価ということをするのはなかなかできないというふうに思っていますが、他方で、この責任をイランだけに押しつけていくようなことも、私はあってはならないというふうに思っています。その点におきましては、周辺諸国を含めて、私たち日本の立場や主張というものを通していただきたいというふうに思います。
続きまして、ホルムズ海峡の実質的な封鎖、それによる余波と石油の不安についてお伺いをいたします。
イランとオマーン並びにアラブ首長国連邦の間にあるホルムズ海峡ですが、イスラエル、アメリカによる攻撃後、世界の主要海運会社が海峡における船舶通航を停止をし、さらに、大手保険会社が中東での船舶保険料を上乗せしている状況が続いています。
実際に、欧州の調査会社ケプラーは、ホルムズ海峡における石油タンカーの通航量が九割減ったという解析内容を発表しています。そして、日本は原油輸入の九割を中東に依存をし、このホルムズ海峡を経由して輸入されていることは、皆さんも御承知のとおりです。
このため、この海峡のタンカー運航が長期的に停滞をした場合の国民生活への重大な影響、エネルギー供給や産業活動、これらに対する懸念、これについてお伺いをしていきたいと思いますが、もし仮に今後イランにより機雷が敷設をされるようなことがあれば、掃海に大きな時間、リスクがかかり、封鎖状態が続くことが避けられません。現時点でないと言う専門家もいますが、様々なワーストシミュレーションというのを私たちはしなければいけないと思っています。
現在、ホルムズ海峡をめぐる情勢について、政府としてどのように認識し、どのようなリスク評価を行っているのか、お答えください。
○岩本政府参考人 今お話のありましたホルムズ海峡の状況、これは非常に私どもも重大な関心を持って、日々、動向をフォローしてきております。
現在、イランのいわゆる革命防衛隊、これがホルムズ海峡を閉鎖するというような発言もございます。一方で、イラン政府自体はまた、ホルムズ海峡自体は閉鎖されていないというような発言もございまして、情報が錯綜している状況でございます。
ただ、まずは、ホルムズ海峡で活動しております特に日本の関係の船舶、これの安全を確保するということが最重要だと思っております。したがいまして、現在、私どもも、関係省庁また関係団体と連携をして、毎日そうした船舶の安否の確認をするとともに、ホルムズ海峡の危ない地域に行かないようにということを呼びかけております。
あとは、やはりこれは日本のエネルギー安全保障に直結する問題だという具合に考えておりまして、これが既に、石油ですとかLNG、こういった価格にも影響が出始めておりますので、これにつきましても関係省庁と毎日緊密に連携をして、モニタリングをしながら、こういった日本のエネルギーの安全保障に与える影響、これを最小限に抑えるべく、必要な対策を講じるように考えております。
○深作委員 ありがとうございます。
日本の原油の備蓄についてもお伺いをしたいと思います。
現時点で二百五十四日分の備蓄があるというふうに報道されています。これは石油備蓄の現況というレポートからの数だというふうに理解をしていますが、これは十二月末の数だというふうに承知をしています。
現時点、令和八年一月又は二月の時点での数字というものは、最新のものはどうなっていますでしょうか。
○佐々木政府参考人 お答え申し上げます。
日本の石油備蓄量は、国家備蓄、民間備蓄、産油国共同備蓄、合わせて、手元にあります数字で申し上げますと、直近で十二月末、これは七千四百四十五万キロリットル、二百五十四日分であります。
一月以降の備蓄量でありますが、今まさに、一月末の備蓄量につきまして、各事業者等々の方々から二月末までにデータをいただいて、私どもで今、確認、集計をしているところでございます。
今月中旬ぐらいまでにはそのデータをまとめて、一月末の数字をお示しできるかと思っております。引き続きしっかり作業を進めてまいりたいと思っております。
○深作委員 ありがとうございます。
今、お答えをいただきましたが、次にお伺いをしたいのは、今回のエスカレーションが起きるタイミング、又はその前に、備蓄量を増やすという議論があったのかということについてお伺いをしたいと思います。
実際の攻撃の前であっても、イラン周辺にアメリカ軍空母などが展開をしていた状況、又はペルシャ湾、ホルムズ海峡の通航状況が悪化をしていく、日本の石油輸送にリスクが生じる可能性があったということは予見ができたものではないかと考えています。
今回の緊迫化、これを受け、政府内において、石油の備蓄積み増しや備蓄水準の引上げについて具体的な議論が行われていた事実はあるのでしょうか。もし行われていなかった場合には、その理由は何でしょうか。また、仮に議論が行われていた場合、この備蓄の積み増し、民間備蓄に対する積み増し要請、水準の見直しといった具体的な対応を検討されたのか。イラン攻撃発生前と発生後の両方について、政府としての検討状況をお示しください。
○佐々木政府参考人 お答え申し上げます。
備蓄量の推移でございますが、十月末で七千二百九十万キロリットル、十一月末時点で七千四百四万キロリットル、それぞれ、十月末ですと二百四十八日分、十一月末ですと二百五十一日分ありました。
ただ、この備蓄量の推移、どういう意図でやっているのか等々につきましては、私ども、事業者の方々から報告を受けているわけではないので、把握はしてございません。
今、この瞬間、備蓄量の積み増し等々についての議論は行われておりません。
○深作委員 今回、これだけ緊迫化をする中において、実は、中国はこの積み増しというのを、中期的にかなり積み増しを行っています。
日本は、ホルムズ海峡における危機が起きれば、原油、石油の輸入が途絶えれば、産業、国民生活に大きな支障が起きる。そして、そこで、もしこの備蓄を使わなければいけないという状況になったタイミングで、もし台湾海峡で何かが起きれば、私たちの生活はより厳しい状況になっていく。一つの有事や、またこのエスカレーションを見越して、やはりこういった備蓄を増やす議論であったり、これを資源エネルギー庁だけに任せるのではなく、様々な現場の状況がどうなっているのか、これを政府全体で、今、これを総括をし、そしてそれをどう中長期的なプランに、短期的でも結構です、こういったことを数にしっかりと乗せていくのか、こういった議論が必要だと思いますが、大臣、こういった動きというのは今回あったんでしょうか。
○茂木国務大臣 まだ、事態が発生して一週間たっておりません。
それから、今回どういう事態が起こるかと。確かに、アメリカの空母打撃群が近隣に展開したのは事実でありますけれども、その前の、ある程度のというか、十分だとは言いませんけれども、備蓄もある状況の中で、今後の推移を見ながら、今、深作委員御指摘のようなことも考えていかなきゃいけないなと。
適正な量がどれだけであるかというのはよく見ないと、これは、では三年分備蓄をする必要があるのかどうかとか、そういったことも含めて考えていかなければいけないと思っております。
○深作委員 ありがとうございます。
そういう意味においては、是非今後、今回、ベネズエラのときも、やはり様々な周辺の動きで、この周辺で何かが起きるかもしれないということは予見できる状況はありました。これはホルムズ海峡だけではなく、今後、台湾周辺において少しでも動きがあったときに、やはりこの備蓄が足りているのかという議論は政府の中でしっかりとしていただく必要があると思います。
それはどこかの省庁、一つの部門だけではなかなか全てを判断することはできないと思いますが、やはり大臣、そして閣僚の皆様方を筆頭に、こういった私たちの生活を守っていくための議論というのは必ず今後していただきたいと思います。
その上で、お伺いをいたします。
我が国における備蓄のフルキャパシティー、実際にキャパシティーがどれだけ持つことができるのか。今、二百五十四日、現時点であるということですが、マキシマムキャパシティーについて教えてください。
○佐々木政府参考人 お答え申し上げます。
今、国家備蓄で百五十日分ぐらいためているところであります。
フルキャパシティーというのはなかなか、タンク全体、国内、民間部分も含めて、今この瞬間、私の手元にデータはございません。
ただ、まずは国際的に求められている国家備蓄九十日分、あとは民間備蓄等々で必要な量をしっかり備蓄していきたいと思っております。
○深作委員 これは事前に、私も、今フルキャパシティーがどれくらいなのかということをお伺いしたところ、承知をしていないという回答がありました。やはり、我が国としてどれだけのキャパシティーを持ち得るのかということは手元に持っておいていただく、それが基本となって今後計画を立てられていくべきだと考えます。
私自身で、公開情報などから一定の整理をして推定をいたしました。JOGMECが公開をしている石油備蓄基地の情報、資源エネルギー庁の聴取の内容などを総合しますと、民間備蓄を含まない国家備蓄の最大容量、これのフルキャパシティーはおよそ五千二百万キロリットル、日数換算で約百八十五日分と私は算出をしています。五千二百万キロリットルの内訳についてですが、国が所有する備蓄基地は全国十か所、その総容量は四千万キロリットル、加えて、国が民間施設を借りて備蓄をしている分が約一千二百万キロリットルとのことです。
ですので、まずはこういった数を合わせていけば、我が国の備蓄がどれだけマックスでできるのか、その中で今何割ぐらいを満たしているのか、何日分というお答えはいただきましたが、現状、私たちがどれだけ蓄えることができ、どれだけそれを満たしているのかという議論は、今後是非、数としてお出しをいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○佐々木政府参考人 御指摘を踏まえまして、しっかりデータを手元に持って、今後、政策を進めていきたいと思います。
○深作委員 是非、今後様々な事象が起き得ると思います、どこかのタイミングで数を出していただきたいと思いますが、これはどこかでお約束をいただいたりすることはできますでしょうか。
○佐々木政府参考人 持ち帰って、部内でしっかり検討して、対応を考えたいと思います。
○深作委員 是非持ち帰っていただきまして、検討の様子、また改めて御報告をいただきたいと思いますし、これは一つの省庁だけに委ねられるものではありませんので、エスカレーションが起き得る状況、こういったことが予見される前に、是非、関係大臣などで、この私たちの生活を守っていく上での備蓄についても議論が入っていくように、これをひとつ、フックをかけておいていただきたいと思います。
大変時間が短くなってまいりました。通告している内容全てはできませんが、対米交渉につきましてお伺いをしたいと思います。
昨日から大臣は訪米をされています。今回の大臣の目標、そしてゴール設定、これについてお聞かせください。
○藤澤政府参考人 お答え申し上げます。
今御指摘ございましたとおり、赤澤経済産業大臣は今月五日から八日まで米国に出張して、ラトニック商務長官との会談を予定してございます。
米国の相互関税等を違法、無効としたアメリカの連邦最高裁の判決を受けまして、米国政府が新たな関税措置を取る中、赤澤大臣は米国のラトニック商務長官と先月二十三日にオンライン会談を行っております。この場で、日本の扱いが昨年の日米間の合意よりも不利になることのないように申入れを行ったところでございます。今般の会談でも、引き続き、米側と緊密な意思疎通を行ってまいりたいと存じます。
また、戦略的投資イニシアティブについても、日米首脳会談を見据えまして、閣僚級で早急に議論を行い、調整を進める必要があると考えてございます。
その上で、戦略的投資イニシアティブを含めた日米間の合意は、日米の相互利益の促進、経済安全保障の確保、経済成長の促進につながると考えてございます。我が国として合意を着実に実施していく考えでありまして、同時に、米国に対しても合意を着実に実施するよう求めてまいりたいと思います。
○深作委員 時間が参りましたので終わりますが、この後、総理も訪米をされるということで、この交渉の内容につきましても、我が国が主体的にこれに関わり最終決定を行っているということを、しっかりと総理、関係大臣にも主張していただきたいと思います。
これで質問を終わります。ありがとうございました。
○國場委員長 次に、木下敏之君。
○木下委員 参政党の木下と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
タフネゴシエーターとして有名な茂木大臣に質問する機会をいただきましたが、先ほど、御答弁を聞いておりますと、余りの見識の広さ、深さに感銘を受けました。まさかローマ帝国の対策まで引用されて御答弁になるとは、本当にすばらしいことだと思いました。どうぞよろしくお願いいたします。
参政党の外交、安全保障についての公約でございますが、高市首相の外交政策と非常に共通する点が多うございます。例えば、日米同盟を基軸とすること、そこも同じですし、それから、日米にとどまらずインド太平洋の多国間の枠組みに拡大をしていくこと、ここも同じでございます。また、非核三原則の見直しや防衛装備輸出の五類型の撤廃も同じでございます。
しかし、参政党は親米保守ではなくて反グローバリズムを基本とするという違いもございまして、このような違いも踏まえて、大臣に、そして政府参考人の皆さんに質問させていただきたいと思っております。
まず一番目の質問でございますが、アメリカとイランの戦争につきまして、アメリカに対しても力による現状変更は好ましいことではないということを明確に伝えるべきではないかということでございます。
今国会における外務大臣の外交演説におきまして、ロシアによるウクライナ侵略、これは国際秩序を揺るがす暴挙であるということもコメントがございましたし、今、アメリカとイスラエルによるイランへの攻撃が始まりまして、ペルシャ湾も封鎖される、国際情勢は緊迫の度を増しているわけでございます。これから戦火が拡大するのか、それから長期化するのか、そしてこのことが我が国を始めとして世界各国にどのような影響を及ぼすのか。場合によっては、アメリカの中間選挙にも影響してくるんだと思います。国際情勢が非常に動いている状況でございます。
そういった中で、先ほどウクライナの話がございましたけれども、多くの方はやはり戦争はすぐやめるべきだと。それは私も参政党も同じ立場ではございますが、ロシアがウクライナを侵攻したときと比べると、当時は物すごくロシアを批判する論調が我が国は強かったかと思っております。今回の、イランの核開発がポイントであるとすれば、同じように、じゃ、イスラエルの核はどうなのかといったような問題もございまして、今回、アメリカ、イスラエル側に対して日本から武力の行使を強く非難する論調が少ないのはやはり問題ではないかと感じております。
アメリカと日本は同盟国ですから、そういった立場を配慮してなかなか物が言いにくいという点もあるかもしれませんが、やはり、ダブルスタンダードじゃないかというふうにも感じておるところでございます。武力の行使は駄目であるということをアメリカに物申していく、それが対等な日米同盟の姿ではないかと思います。現実はそう簡単ではないということも分かっておりますが、それでも武力の行使はいけないんだという国際世論をしっかりつくっていく、それがちゃんと言えるだけの強い国に我が国はなっていかなくてはならない、そう感じております。
戦争中の同盟国に対して、こういった、国際法上問題があるのではないか、力による現状変更はよろしくないんだと言える人はそう多くはいないと思います。タフなネゴシエーターとしてその名をとどろかせていらっしゃる茂木外務大臣以外にはなかなか物が言えないのではないかと思いますが、この点について大臣の御見解をお願いいたします。
○茂木国務大臣 事態の進展というのをよく見なくちゃいけないと思っておるんですが、参政党の皆さん、反グローバリズムとおっしゃっていらっしゃる。恐らく、東西冷戦構造が崩れた後、グローバリズムが圧倒的に進むだろう、こういう見方があり、実際に進んできたんですが、それに伴う弊害というのも生まれることによって、各国において、行き過ぎたグローバリズムについては抑制が必要ではないかな、こういう意見が出るまでに恐らく十年、二十年単位がかかってきたということは事実だと思っております。
もちろん今回の事態を同じように捉えるつもりはありませんが、ロシアの場合は、二〇二二年の二月の二十四日に、実際に軍が一方的にウクライナの領土内に侵略をして、それをいまだに続けている。そして、その日のうちにG7の首脳声明が発出をされまして、三月の二日に採択をされました国連総会決議でも明確にそのことが表明をされております。
一方、イランにつきましては、我が国としても、イランの核開発、これは決して許容できない、これを対話によって外交的に解決することが重要だということを強調し、また、イランと米国の間、様々な国、カタールであったりとかオマーンであったりとかが仲介に入って協議を進めてきた、このことは一貫して支持をしてきておりましたが、今回のような事態になってしまった。
今回の事態の評価をするということはどこかのタイミングであるにしても、それは国際世論としてどう考えるか。先ほど申し上げたように、ロシアの場合は、圧倒的にやはり国際法違反である、非難する、こういうことがあったわけでありますけれども、今の段階は、まずは事態の鎮静化を図る、これが何よりも重要だと思っておりまして、そういった観点から、国際的な連携、外交努力、これを進めていきたいと考えております。
○木下委員 御答弁ありがとうございました。
これから戦火がどう展開していくか分かりませんが、戦火が拡大していき、もし地上戦が始まった場合などには、是非、武力の行使はよろしくないということを物申していただければと思っております。
参政党は、日米同盟は基軸とするものの、日米安全保障条約、それから日米地位協定、こういったものは、再交渉を行って、対等な立場に考えるべきだと考えております。是非、そのための第一歩として、武力による現状変更はよろしくないということを何かの機会で言っていただければ幸いでございます。答弁は結構でございます。
では、続いて次の質問に入ってまいります。
今回、アメリカとそしてイランとの戦争でございますが、アメリカの戦争目的がまだ明確でない状況でございます。今後、戦争がどう推移するか予断を許さないところではございますが、もし宗教戦争的な色彩を帯びてくるとすれば、かなり戦争は長期化するとともに、各地でテロも発生するというような事態もあるのではないかと思っています。
戦争が長引けば長引くほど世界各国に様々な影響を及ぼすと考えておりまして、例えば、イランは、安価なドローンを大量に製造して使用する技術にたけていると言われておりまして、ロシアにはドローンなどの武器を大量に提供しているのではないかといった情報もございます。
アメリカとイランの戦争が長引いた場合には、このドローンのことも含めて、ロシアとウクライナの戦争にどのような影響が生じると思われるかを、政府参考人で結構でございますので、御答弁をお願いいたします。
○田口政府参考人 御答弁申し上げます。
イランとアメリカの戦争が長引いた場合の、ウクライナとロシアの戦争に与える影響についてのお尋ねでございました。
政府として、イランとその情勢というのはもちろん注視してございますし、御指摘のありましたウクライナとの関係、また、ウクライナ側からの対外声明等についても注視をしているところでございます。
他方、ウクライナ情勢へのどういう影響があるかということにつきましては、確たることを申し上げるのは現状では非常に困難であるというふうに考えておりまして、この場で予断を持ってお答えすることは差し控えたい、このように考えております。
いずれにいたしましても、先ほど大臣から御答弁申し上げましたとおり、ロシアによるウクライナ侵略は国際秩序の根幹を揺るがす暴挙でございまして、このような力による一方的な現状変更の試みを決して許すことはできないという考えに変わりはなく、一刻も早く、一日も早く公正かつ永続的な平和を実現することが我が国として重要と考えてございます。
○木下委員 恐らく、イランからロシアに何か、ドローンの提供がなかったりすると戦線膠着状態に陥る可能性もございますので、そうなると、そのときに、今、日本はロシアとのつき合いを表面上絶っているわけですけれども、是非、ロシアとの水面下のパイプをもう一回開いていただいて、このロシアとウクライナとの戦争が早く終結するように力を発揮していただきたい、こう思っております。
次の質問に入ります。
次は、この戦争が中国にどんな影響を与えるかということですが、中国の経済統計からはその実態は明らかにはなっておりませんけれども、イランは中国に安価かつ大量に石油を提供しているというふうに言われております。中国は、余り石油の備蓄の量が十分ではないというふうにも聞いておりますし、かなり安価に石油を購入していることによって経済が支えられているという一面もあると聞いております。
これが、もしイランから中国への石油が止まるとすると中国にどのような影響が出るとお考えなのか、これも政府参考人からで結構でございますので、御答弁をお願いいたします。
○野村政府参考人 お答え申し上げます。
今委員から御指摘いただきましたようないろいろな状況、いろいろな御指摘というのはあろうかと思いますけれども、政府として、中国、他国の経済動向について予断を持ってお答えするということは差し控えたいというふうに存じます。
その上で申し上げますと、石油あるいはエネルギー、そういった状況も含む中国経済、この動向につきましては、日本の経済あるいは世界経済にも大きな影響を与えるものであるということはあると思いますので、引き続き関連の状況というのはしっかりと注視してまいりたいというふうに考えております。
以上です。
○木下委員 では、次の質問に入ってまいります。
昨年の十二月に公表されたアメリカの国家安全保障戦略についてでございます。
アメリカの国家安全保障戦略は、大統領就任の年に、若しくは翌年早いうちに発表されることが多いのですが、とても重要な文書だと思っております。
二〇二五年の十二月に新たな文書が公開されましたが、八月頃からその内容が私のところにも漏れ聞こえておりまして、アメリカは、西半球を重視することを大きく打ち出す、そして、場合によってはアジア太平洋から大きく戦力を引き揚げていくというような話も聞いておりました。
私は、トランプ大統領の一期目の二〇一七年のものと、それからバイデン政権が定めた二〇二二年のもの、そして今回のものと、三つを何とか読んでいくと、その違いがよく分かる点がございまして、目次を見比べるだけでもアメリカが地域戦略としてどこを重視しているのかということが分かるのではないかと思っております。
二〇一七年の文書の地域戦略は、一番目がアジア太平洋、二番目がヨーロッパ、三番目が中東、四番目が南・中央アジア、五番目に西半球が出てきております。そして、二〇二二年の文書の地域戦略ですが、やはり、最初にアジア太平洋、二番目にヨーロッパ、そして三番目が西半球ということで、二つ順位が上がっておりました。そして、今回の二〇二五年の文書ですが、西半球が地域戦略の最初に記述されまして、その次がアジア太平洋、そしてヨーロッパというふうに順番が変わってきております。
こうして見ると、明らかにアメリカはもう西半球重視になってきておりまして、今回の二〇二五年の文書などは、ヨーロッパは衰退する地域であるとの記述も書いてありまして、非常にびっくりをいたしました。また、二〇二五年の文書では、第一列島線における侵略を米軍単独で防ぐことは難しい、また、そうすべきではないという記述もございます。
これは、どのように解釈をするかはむしろ外務省の方の方がよく御存じではないかとも思いますが、私は、アジア太平洋における防衛はもう日本にある程度任せて、アメリカは西半球に集中する、そういった意味ではないかというふうにも解釈をしております。そうなると、アジア太平洋におけるアメリカのプレゼンスが大幅に低下する、その場合に日本はどうするかという非常に大きな問題が突きつけられたのではないかと思っております。自由で開かれたインド太平洋を日本外交の柱とするとしても、その日本の役割が急速に大きくなったと言えるのではないかと考えております。
大変残念なことに、日本国内では、このアメリカの戦略文書、余り注目されているとは思いませんが、この戦略文書の時系列で変化していくところの意味を国民に伝えておくということは非常に重要なことだと思っております。アジア太平洋、これをアメリカに頼るのではなく日本が中心に守らなくてはならないということになれば、防衛費の増額に対しての国民の反応も大きく変わるのではないかと考えております。
参政党は、対等な日米同盟を基軸にしつつ、将来的に、米軍の縮小等、自主防衛体制の拡充を進め、米軍に依存しない国防体制を構築すべきと考えております。
我が国の軍事力を強化してアメリカへの依存から脱却するチャンスであると捉えるべきではないかと思っておりますが、アメリカの地域戦略の変化について、そして我が国の安全保障の今後の在り方について、大臣の御見解を伺いたいと思います。
○茂木国務大臣 アメリカの国家安全保障戦略についてるる御説明をいただいて、解説もいただきました。非常によく分析をされているなと考えております。
アメリカについて、かつてやはりヨーロッパが中心であった、外交であっても戦略的に、それがシフトをしてきているというのは確かな事実なんだとは思います。
そういった中で、ちょっと今回、西半球のことが取り上げられ過ぎているというか、注目をされ過ぎている部分も私はあるのではないかなと思っております。例えば、国家安全保障戦略を読んでみますと、力による平和、これを進めて、インド太平洋地域における紛争を抑止するために同盟国と協力すること、そして、米国との間で確認してきた共通の目標であります自由で開かれたインド太平洋についてのコミットメント、これもしっかりと記載をされているところであります。
そして、高市総理との間で、トランプ大統領は、自由で開かれたインド太平洋、これを力強く推進するために緊密に連携していくこと、そのビジョンの下で、日米同盟はもちろんでありますが、日米韓、日、米、フィリピン、日米豪印、こういった地域の同志国のネットワークを強化していく重要性、確認をしてきているところであります。
同時に、防衛力の装備ということで申し上げますと、全く考えが一緒ということではないんですけれども、まずは自らの国は自らで守る、こういう意思とその行動を伴わない国を守ってくれる、助けてくれる国はない、これは間違いないことだと思っておりまして、自らの国は自らで守る、こういう基本姿勢の下で、我が国自身の主体的判断に基づいて行っていくべきだと考えております。
もちろん、そこの中で、日本として、自らの国は自らで守る、こういう意思を持ちながらも、日本の外交、安全保障の基軸というのは日米同盟にあるわけでありますから、この対処力そして抑止力というものもしっかりと強化していく必要があると思っております。
○木下委員 では、ここからはまた別のテーマでございます。
これは、高市首相も重点的にやるとしておられました、日本の農水産物、加工品の海外への輸出についてでございます。
私は、火曜日の予算委員会におきまして、ヨーロッパでの日本食の現地生産の話を質問をさせていただきました。今、ヨーロッパは完全に日本食が定着をいたしまして、日本企業にヨーロッパに行って現地生産をしていただきたい、ただ、その一つの大きな壁、なかなか進出ができない理由の一つが、地銀が事業費を融通しないという話にあるということを質問させていただきました。
その話とは別に、私は、九州の地場企業、こうじ菌を使ったような製品を作っているところなんですが、それを、ベトナムなどアジアへの進出の手伝いを、やはりこれも行ってきております。
アジアの方が簡単だろうと思われる方が多いのですが、実はヨーロッパの方がやりやすいところがございまして、ヨーロッパは、曲がりなりに英語が通じますし、法律も裁判の制度もしっかりしております。
ところが、アジア、東南アジアになりますと、英語が通じないことも多くて、それから、これは何と表現しますかね、コンサルタント代といいますか、賄賂的なものが必要になったりしてなかなか、ちょっとはっきりは言いにくいんですが、そういうものもあって実は途上国の方がやりにくかったりするところもございます。
また、どんな法体系になっているかが非常に分かりにくいわけですね。私は、この仕事で、何とかベトナムを開拓していくためにジェトロさんのお力を最初かりようとしたんですが、現実はなかなかうまくいきませんでして。ベトナム政府の窓口までは教えてもらったと思うんですが、そこから先、どんな法律体系になっていて、どの窓口にどんな資料を提出すればいいのかとか、そういったことは、アメリカの農、商務省がベトナムの法律を全部英訳していて、結局、そこで制度を勉強して、そして日本で先に現地に進出している人たちから弁護士事務所を紹介してもらって、そこから切り開いていったということをやりましたが、現実にはなかなかうまくいっておりません。
四年たって、なかなかまだうまくいっていないんですけれども、大体、私同様に海外にチャレンジしている地場企業、大手企業でないところは、現地への輸出についてなかなかうまくいっていないという現状がございます。
そこで、政府参考人にお聞きしたいんですが、ベトナムで結構なんですけれども、現地日本大使館の、海外進出しようとする日本企業に対する支援体制がどうなっているかということ。それから、これは省庁が替わるのかな、ジェトロの現地事務所の支援体制、これがどんなふうになっているか。それから、両組織どちらでも結構なんですが、その二つの組織の支援を受けて現地進出がうまくいったというような実績がありましたら、是非教えていただきたいと思います。
○渡邊政府参考人 お答え申し上げます。
日本の国力の源泉である経済力を強化するためにも、政府による日本企業の海外展開支援は重要でございます。
外務省としましては、従来から、関係省庁とも協力しながら、様々な手段を用いて、中小企業を含む日本企業の国際競争力向上の後押しや海外のビジネス環境整備に努めるとともに、現地の在外公館等でも様々な形で個々の日本企業等の活動を支援してまいっております。
例えば、外務省は、ほぼ全ての在外公館に日本企業支援窓口を設置し、現地事情に関する最新情報の収集や、スタートアップや中小企業を含む海外に展開する日本企業からの相談や支援などに積極的に対応をしてございます。
御指摘のありましたベトナムでございますけれども、館員二名を日本企業支援担当官として指名してございまして、大使を筆頭に、館を挙げて日本企業支援に取り組んでございます。内容としましては、個々の企業へのきめ細やかな支援を行うとともに、日本企業のビジネス活動に資するイベントを開催するなど、日本企業の海外展開支援を進めているところでございます。
外務省としましては、引き続き、関係省庁と連携し、民間企業等と意思疎通をしながら、スタートアップや中小企業を含む日本企業の海外展開を支援してまいります。
ジェトロの体制についてはちょっと承知をしてございませんで、失礼いたします。
○高山政府参考人 ジェトロについてもお尋ねがございましたので、経産省の方からお答えを申し上げます。
ベトナムのような新興のマーケット、これを開拓していくということが大変重要と考えておりまして、ジェトロでは、ベトナムにおいて、ハノイ、それからホーチミンに現地事務所を設置して、現地でビジネスを展開する中小企業等を支援を申し上げております。
その際の体制ですけれども、この二つの現地事務所で、職員数は合わせまして四十八名。それから、駐在員の任期ですけれども、通常三年から五年という体制で取り組んでいます。
この体制の下で、例えば、製造業関係、それからお話のあった食品関係、農産品関係、こういうもののいろいろな展示会への出展の支援、こういうことを申し上げているほか、委員から御紹介のありました規制への対応ですとか、それから、現地へ進出すると労務ですとか税務ですとか、そういうことへの対応というのが必要になってきますので、専門家による御相談の対応、そういうことを申し上げています。
こういうのを通じて、実績についてお尋ねもありましたけれども、例えば、これは製造業の関係でいいますと、現地の大手の自動車メーカー、ビンファストというところがありますけれども、そういうところへ部品を納入するような小さな会社が出てきたり、あるいは食品の関係でも、ベトナムでも日本の食品、大変人気が出てきておりますので、例えば、インスタントラーメンを、日本から持っていくだけじゃなくて、現地でも作って展開する、こういうことが出てきています。
それで、今後、これらの事業開拓の重要性はますます増していきますので、これらの更なる海外展開を後押しするという観点から、事業者の方々のニーズも踏まえまして、それから、先ほど外務省から御答弁がありましたけれども、在外公館とうまく連携をしながら、現地で一層きめ細かく御支援していくという観点から、体制の強化についても検討してまいりたいと考えております。
○木下委員 私が関わったケースでは、窓口だけ紹介されて、あとは自分でやれみたいな対応だったわけですけれども、これだけジェトロに人数がいらっしゃって、どうしてそんな対応になったのかは今も大変不思議に思っておりまして、できれば伴走型にしていただいて、進出したい企業があったらそこに担当をきちっとつけていただいて、最後まで一緒に走っていただく。
それから、やはり三年、五年では現地に人脈ができるまでにはちょっと短いなと思っておりまして、できれば現地で、ベトナム語ができる日本人で、人脈を持った方を是非育成する方向で御検討いただければと思います。答弁は要りません。
続きまして、時間がなくなってきましたので、通告の六番目と七番目はまとめてさせていただきたいと思います。
参政党は、戦争の前に情報戦が行われるというふうに考えておりまして、いわゆる外国勢力からの世論の誘導でございます。既に皆さんは御存じのとおり、選挙に絡んで、アメリカのトランプ大統領の場合でも、いろいろな勢力のSNSへの発信などを通じた影響があったわけでございます。
この外国勢力から日本へのネットなどを通じた影響をどう防ぐかということはこれまで以上に重要な問題なわけですけれども、我が国の国家安全保障戦略においては、残念ながらこの認知戦の記述は余り多くないと思っております。重要インフラへのサイバー攻撃の話などは割としっかり書いてあるんですが、認知戦で国民の意識が最初に変えられてしまうことに対する対策は少し手薄なのかなと思っております。
特に、若い人ほどテレビや新聞を読まなくて、SNSを中心に情報を得ておりまして、動画にしても短い動画、最近、一分程度の短い動画から情報を得るようになっておりますし、それから、AIを使って、この間、平先生が質問されておられましたけれども、簡単に偽動画を作れるようになってしまって、ますますそれが巧妙になってきております。
それで、政府広報も大変面白いものがございまして、日本昔話ならぬ「日本今ばなし桃太郎 SNSのそのうわさ、信じて大丈夫?」というものがございまして、これが二月の二十日にアップされております。非常に面白い動画でして、桃太郎が、翌日、鬼ケ島に攻め入る直前に、目が覚めたら、鬼側のディスインフォメーション工作によってキジも猿も犬も消えてしまったというような大変面白い話なんですが、残念なことに一個しかアップされていないわけなんですね。こういったとても分かりやすい情報を、手を替え品を替えアップしていかなくてはいけないと思っております。
また、海外への情報発信としては、茂木大臣のホームページへどれだけアクセスしてもらうかとか、そういう活動は非常に重要だと思うんですが、偽情報の拡散などの外国からの情報操作にどう対応していくかということと、それから積極的に我が国の主張を特に海外にどう広めていくか、この二つについて、具体的に外務省はどのような展開をされているかを教えていただきたいと思います。
○坂田政府参考人 併せてお答え申し上げます。
国際社会を見渡しますと、地政学的な競争が激化しております。そうした中で、先生今おっしゃいました偽情報の拡散を含みます情報操作による国際的な情報戦が恒常的に起きてございます。我が国の信用を毀損する、壊すような、そういう情報発信に適切に対応するということは、情報操作の余地を狭めていく上で極めて重要であると認識してございます。
このような認識の下、外務省として具体的な取組ということでございますが、国際社会で日本に対する理解というものが深まり、客観的事実に基づく認識というものが形成されるように、発信の取組というのを強化してございます。
具体的には、例えば、各国のメディア関係者ですとか有識者の方に積極的に情報を提供していくということは当然ございますし、あと、情報空間の動向に関する情報収集、分析ということも進めながら、SNSの効果的な活用ということに取り組んでございます。偽情報対策もそうですし、戦略的発信ということでも、そういったSNSといった新しいツールも活用してございます。
課題ということも御指摘いただいたと思うんですが、情報戦の激化ですとかあるいは新興技術、AIと先生も今おっしゃいましたけれども、こういった新興技術の発展、こういったものに対応していくと同時に、SNS、動画の活用を含めてその時々の状況に合った発信方法などもいろいろ工夫していく、これを不断に進めていかなければならないなというふうに思ってございます。
このように、引き続き、偽情報対策、偽情報の拡散を含む情報操作には適切に対応すべく、外務省としても、情報収集、分析、戦略的対外発信の強化、こういったものに取り組んでまいる所存でございます。
○木下委員 御答弁ありがとうございました。
最大の成功例は、多分、韓国のKポップを使った認知戦だと思っていまして、私は福岡大学で学生を教えておりましたけれども、学生は韓国が大好きでございます。理由はKポップ。これが成功例だと思っております。
それで、私は、この間、外務省の御担当の方に来ていただいて、茂木大臣の動画をインハウスで作っていると聞いてちょっと衝撃を受けまして。要するに自分たちで作っているわけですね。
ただ、それを対外的に発信するとなると、本当は海外向けにはこういう動画の撮り方がいいとか、英語はこうした方がいいとか、様々に違っておりまして、是非この点は、御答弁はもう時間がないので要りませんが、体制の拡充を是非図っていただきたいと思っております。
茂木大臣の公式なサイトはそんなにアクセス数が多くなくて、むしろ大臣個人の改革チャンネルの方がよく回っておりまして、特にあの英語の問題に答えるやつが、あれは私もすばらしい動画だなと思っているんですが、九百万回以上回っておりまして、あの知恵を是非外務省本省の方のホームページで導入をされていただきたいなと思っております。
それでは、最後の質問なんですが、これは時間がなくて大急ぎになりますが、福岡でも、言葉がしゃべれない外国の子供たちが小学校にどんどんどんどん入ってきておりまして、教えることに学校も非常に苦労しているんですね。
その点についてどこまで文部科学省は実態を把握していらっしゃるのか、そして、これからどのような対策をされるのかを教えていただきたいと思います。
○國場委員長 橋爪大臣官房審議官、済みません、答弁は簡潔にお願いします。
○橋爪政府参考人 お答え申し上げます。
先生御指摘のように、今、公立学校に在籍する日本語指導が必要な児童生徒、非常に増えてきてございます。また、言語の多様化、これも進んできております。
こうしたことにしっかり対応していくということで、文部科学省といたしましては、日本語指導が必要な児童生徒に対しまして、取り出し指導などを行う特別の教育課程の制度化、日本語指導に必要な教員定数を着実に改善していく、それから日本語指導補助者とか様々な言語に対応した母語支援員の配置、あるいはICTを活用した教育支援の充実などに取り組む自治体、こういった自治体に対する支援、こういったところを力を入れてやってきてございます。
さらに、現在、有識者会議を設置しまして、今後取り組むべき施策等についても議論をさせていただいておりますので、それを踏まえて更なる充実を図ってまいりたいと存じます。
以上でございます。
○木下委員 時間をオーバーして、失礼いたしました。
終了いたします。
○國場委員長 次に、宇佐美登君。
○宇佐美委員 チームみらいの宇佐美登でございます。
二十一年ぶりに国会に戻ってまいりまして、同じ九三年組初当選の茂木大臣と最初の質疑をやらせていただくということで。また、総理も同じ九三年組ということで。
この前、野田聖子さんとエレベーターでばったり会ったら、大分減ってきちゃったんだよなんという話もあったんですけれども、久しぶりに宇佐美君、来たねなんという声をかけていただいたんですが、久しぶりというにはちょっと長過ぎて、七千四百五十六日なんですが。
というのも、実は、三・一一で、私の父方が福島のいわきというところの出身で、津波でたくさんの親族を失いました。それ以降、復興支援ということで、長らく福島いわき市と東京で行ったり来たりしながら復興支援をさせていただきました。先ほど、お隣の佐々木議員からも宮古の状況もありましたし、福島は本当にまだまだ復興道半ばだということをこの場でもお伝えさせていただきたいと思います。
先ほどニュースが入ってきたのが、来週の十一日の県主催の追悼復興祈念行事に総理も御出席いただくということを聞きましたので、是非、皆さん、この外務委員会の皆さんを含めて、一緒に考えていただけたらと思います。
実は、三・一一の後の余震もひどかったんですね。福島のいわきでは、実は、ちょうど一月後の四・一一で、ほぼ直下型ということで、更に大きな被害があったということも知っておいていただけたらと思います。
我々、茂木大臣もそうですけれども、まず初当選して二年後に阪神・淡路大震災を、一月十七日の朝五時四十六分に受け、東京でも揺れたんですね、あのとき。
そして、次に私、実は二回目に当選したのは二〇〇三年なんですが、二〇〇四年の十月二十三日、中越地震。そのときは、私は実は柏崎の原発の視察に超党派の議員で行っているところで、視察が終わってバスに乗って、降りようとした瞬間に大きな揺れを感じたわけです。翌日、いろいろなところに物資とかを届けるということを、旅館からいただいたものとかを、購入したものをお持ちしたんですけれども。
そして今回の、二〇一一年、東日本大震災。
その後も、熊本もそうですし、昨年の能登ということで、本当に地震が多く、そして今、水害被害も多くなってきていますので、我々は本当に災害対策というものを肝に銘じてこれからもやらせていただきたいと思っていますし、先ほど佐々木議員がおっしゃったように、世界的に、日本の防災とか減災、さらにはその後の対応というものを求めている方々もたくさんいらっしゃるということも、私も全く同感でございますので、これはまた皆さんと一緒に進めていただければというふうに思っています。
さて、今回、イランにおけるアメリカとイスラエルの攻撃があったわけでございますけれども、私は、政治家として常々、最初から申し上げておりますけれども、地球上から戦争をなくすことを目標に活動を続けさせていただいておりますし、日々の政治活動でいえば、雨が降ったら傘を差し出すような、そんな優しい政治をやりたいんだということを常に訴えているわけでございます。
そして、我々チームみらいとしては、未来は明るいと信じられる国へということを訴えて、今回もたくさんの皆さんの御共感をいただいたわけでございます。
この中東情勢の中で、総理は先日、本会議で、外務省内に和平調停専門部署を設置し、能力強化に努めますというふうに御答弁をされました。まさに私は、この和平というもの、調停が必要だと思っておりますので、この部署が本当に有用なものになってほしい。つまり、単なる既存組織の名称変更ではなくて、国際的なプロの調停官を育成そして登用する必要があると思って考えていますが、大臣、いかがでしょうか。
○茂木国務大臣 宇佐美委員とは本当に久しぶりに議論させていただくということで、お帰りなさいというか、当選おめでとうございます。
現在、国際情勢がますます厳しくなり、各地で紛争が、大きなものから小さなものまで多発をしております。紛争を未然に防ぐということが一番大切でありますし、また、仮に起こったら、早期に終息をさせていく。さらに、早い段階から問題に関与して、日本の場合、これまで人道支援であったりとか復旧復興支援というのはかなり強くやってきたんですけれども、まず和平の段階から関わって、シームレスに人道支援、復旧復興支援につなげていくということが極めて重要だと考えております。
そして、その調停に当たる人材の育成、これも極めて重要になってくると考えておりまして、外務省としては、和平調停分野の体制の強化に向けて、外務省の一つの強みというのはやはり、それぞれの地域をよく知っている、また地域にも人脈がある、こういうことだと思っておりまして、そういった専門的知見などがしっかり活用されるように、和平調停に関わる部署の新たな新設と併せて、その業務を担う人材の確保であったりとか中長期的な育成にも努めていきたいと思っておりまして、まずは三月中旬に部署を新たに設置をする方向で準備を進めて、より具体的な取組については不断の見直しというのを行っていきたいと思っております。
○宇佐美委員 ありがとうございます。
そうやって部署ができていく、そして日本が調停役を担うとなると、同盟国である米国の意向と、そして、中立的な調停者としての立場の間で、板挟みになるリスクがあります。
この中立性と同盟をどう両立させる戦略なのか、外務大臣、具体的な見解があったら教えていただければと思います。
○茂木国務大臣 部署については、これからつくり、またその性格づけであったりとか、しっかりしていきたいと思うんですけれども、例えば、今、領事局というのがあります。元々は領事移住部という組織でしたけれども、私が二〇〇三年のときに、邦人保護、これが極めて重要だ、これは部じゃなくて局に格上げをするということで進めて、それが多分、今、様々な形で、今回の中東もそうでありますけれども、邦人保護に役立っているんじゃないかな、こんなふうに思うところであります。
その上で、今の両立するかという質問でありますが、日米同盟、これは我が国の外交、安全保障政策の基軸でありまして、インド太平洋地域の平和と繁栄の礎である。そういった意味では、二国間の同盟でありますけれども、単に二つの国の問題だけではない、こんなふうに考えております。同時に、国際情勢がますます今厳しくなり、各地域で紛争が多発している。先ほど言いましたように、紛争を未然に防ぐ、そして、早期に終息させる、早い段階から問題に関与して、平和の実現から最終的な復旧復興までシームレスに対応していく、このことも重要だと考えておりまして、今申し上げた二つのことは相互に矛盾するものではないと考えております。
我が国の強みを生かしながら、日本らしい取組、これを進めていきたいと思っております。
○宇佐美委員 ありがとうございます。
今回の中東もそうですけれども、親日本の国も世界にたくさんありますので、そういった強みをしっかりと生かしながら、和平調停をしっかりやれる国、やっていっていただきたいというふうに思っております。
次の質問に移ります。
今回、先ほど木下議員からの御質問にもありましたけれども、サイバー間での戦いもあります。
今回、米軍はイランの通信網、サイバー、宇宙領域から遮断して攻撃を開始したと聞いております。その後、親ロシア系を含む六十以上のハッカーでありアクティビストであるいわゆるハクティビスト、ハッカーのハクとアクティビストでハクティビストという言葉があるんですが、ハクティビストの集団による報復的サイバー攻撃が拡大中と聞いております。日米同盟関係にある日本は、いわばそのサイバー攻撃の標的にもなり得るという認識を私は持っております。
そんな中で、外務省として同盟国や同志国との間でどのような情報共有体制を整えているのか、参考人の方からお願いします。
○門脇政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘のとおり、今、国家を背景とするサイバー攻撃を始め、サイバー空間における脅威が急速に増大しております。かかる脅威は、現在の複雑な国際情勢、あるいは我が国が置かれている安全保障環境の文脈においても大きな懸念となっているところです。
こういった状況において、我が国を含む国際社会の平和と安定を確保するためには、外務省を始めとする関係省庁間で緊密に連携をして、我が国の社会全体のサイバー対処能力を向上させるとともに、委員御指摘のとおり、同志国、同盟国との情報共有を含めた国際連携を強化していくことが重要だというふうに考えております。
こういった観点から、米国は言うまでもなく、同志国、例えばイギリス、EU、NATO、オーストラリア、フランス、ほかにもございますけれども、様々な国とサイバーに関する対話あるいは情報共有を行ってきているところでございます。
○宇佐美委員 どんどんと進めていただいてですね。
私が九三年に当選した頃に、インターネットというのは普及をし始めたんですね。そのときに、当時の通産省さんとか、郵政省さんとか、警察とか、いろいろな課長補佐クラスの皆さんたち、元気な人たちがいっぱいいらっしゃって、その皆さんたちと、世界で一番安全なインターネット網をつくろうなんというのを、勉強会を個人的にさせていただいていたんですけれども。今やもう、世界的に、本当にこのサイバーなり宇宙の戦いが、我々今ここにいても分からないけれども、ずっと続いているわけですので、外務省さんにも、本当に密な各国とのやり取りも含めて、続けていただければと思います。
先ほど、木下議員の質問とも少しかぶるんですけれども、生成AIによる偽情報が今回の衝突でも、SNS上に大量に拡散しています。恐らく御存じだと思いますけれども。在外公館が邦人保護や退避判断を行う際に、こうした偽情報に基づいて誤った意思決定をするリスクがあるわけですけれども、どのように防ごうと考えているのか。また、外務省として、オシント、公開情報の真偽判断にどう対処をしているのか、お答えいただければと思います。
○坂田政府参考人 お答え申し上げます。
委員からの御指摘にもありましたとおり、地政学的な競争が激化している中で、偽情報等の拡散を含みます情報操作による国際的な情報戦が恒常的に生まれてございます。
このような状況においては、情報空間の動向に関する情報収集や分析、こういったものを進めながら情報操作の余地を狭めていくための取組が重要だと考えてございます。
具体的には、AIを始めとする新興技術、それから在外公館の幅広いネットワーク、専門人材、こういったものを活用しまして、情報収集ですとか分析能力を強化する、こういったこととともに、必要に応じて、まさに関係国等とも情報交換を行って、偽情報等の拡散を含みます情報操作、これへの対応強化に着実に取り組んでいく考えでございます。
○宇佐美委員 もう今のお答えどおりで、更にそこをどんどんどんどん強化していかないと、世界はどんどん、日に日に、時々に進んでいくということで、我々のこれまでの政治の比較的しっかりとしたというかゆっくりとしたスピードでは本当に追いついていけないので、このスピードアップを含めて、大臣も含めて頑張っていただきたいと思います。
続いて、またこのAI関連なんですけれども、実はAIというのは、今、第四の波と言われているんですね。私が大学に入った一九八五年ぐらいが第二の波ということで、隣のゼミでもこのAIなんというのを一生懸命研究をされていたんですけれども。
今回の中東の攻撃でも、民間AI企業の技術が情報分析、標的特定、戦闘シミュレーションに使用されたと報じられていますが、AIが人間の関与なく自主的判断を下すことの是非が、国際人道法上の未解決問題であり、国際社会で議論が続いているところであります。
もちろん、AI以外のときにも、そうやって人間が関与しない、自主的の、どうやって判断するのかというのも議論になっているようでございますけれども、是非、これらの会議、世界中で、特にジュネーブなどで行われていると聞いておりますけれども、どんなような議論に参加し、どういう立場を取っているのか。
また、加えて、日本の民間AI企業の技術が他国の軍事作戦に転用されないよう、輸出管理や国際的な取決めの面など対策を講じる必要があると思いますけれども、併せてお答えいただけたらと思います。
○門脇政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘のとおり、今、国連を始めとする国際場裏でも御指摘のような議論が行われているところでございまして、我が国としても積極的に参加してきているところでございます。
そういった場において、我が国としては、AI技術の開発利用などを通じて生じる問題に対して、国際人道法を含む既存の国際法が適用されるという見解を支持してきております。また、軍事領域におけるAI活用について、人道的考慮と安全保障上の観点を勘案したバランスの取れた議論を通じて、国際社会において共通認識が得られるよう、国際的な議論に今後も積極的かつ建設的に参加していく考えでございます。
また、AIを始めとする先端技術が急速に発展しておりまして、こういう中で、民生用と軍事用の技術の区別が困難になっております、委員御案内のとおりのことと思いますけれども。このような技術の急速な発展と進歩に歩調を合わせるために、軍事領域におけるAIには柔軟かつバランスの取れた現実的なアプローチが必要であるというふうに考えております。
引き続き、外務省としまして、同盟国、同志国と緊密に連携しつつ、国際的な議論に積極的に参加することを通じて、国際的なルール形成に取り組んでまいる所存であります。
○猪狩政府参考人 お答えいたします。
AI技術と申しましても様々なものが想定されますが、例えば、AIの能力を左右するものとして不可欠な先端半導体、また自律型の無人航空機、こういうものにつきましては、その仕様、性能によっては外為法の規制対象に該当する場合がございますので、そのような製品、技術を輸出する場合には許可の取得が必要とされております。
また、AI技術を含めまして、仕様、性能上は規制対象に該当しない場合であっても、輸出時点で大量破壊兵器等の開発、製造等に用いられるおそれがある、こういうことを輸出者が認識している場合には、いわゆるキャッチオール規制により許可を取る必要がございます。
引き続き、国際社会の平和及び安全の維持を期する観点から、厳格に輸出管理を実施してまいりたいと思います。
○宇佐美委員 ありがとうございます。
特に日本は、総理もお話があったと思いますけれども、いわゆるフィジカルAIという、大型ロボット、例えば車を動かすぐらいの大きなロボットであったり、昔、昔でもないか、ガンダムみたいな、人が乗っていくような、そんなロボットとAIというものがくっついたものについては、今でも私は世界一だというふうに思っていますので、このフィジカルAI分野も含めて、それがいつの間にか他国に流出しているなんということがないように、経産省さんも、外務省さん、他省庁も含めて協力しながら防いでいただけたらというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
最後、大きなテーマの中ではこれが最後になりますけれども、AIの進化は、暮らしを豊かにする一方、私はここは非常に大事だと思う、豊かにする一方で、軍事利用や、ボットによる世論操作、コンテンツの著作権侵害など、日本の国益に対する脅威も高まっている。ここはもう委員皆さんの共通認識だと思います。
そんな中で、日本がAIの国際規範作りをリードするためには、G7だけではなくて、中国やインドなどを含め非西側国との協調が不可欠だというふうにも私は思っています。
外務省として、現在、どのような国際フォーラム、国際会議で、どんな立場で進めているのか、お答えいただければと思います。
○渡邊政府参考人 お答え申し上げます。
AIは、委員御指摘もありましたけれども、経済社会の発展の基盤となる技術でありまして、安全保障にも直結する外交上の重要な分野と考えております。
我が国としましては、二〇二三年、G7議長国として、生成AIの国際ガバナンスに関する広島AIプロセスを立ち上げ、国際指針や国際行動規範の策定を主導する等、安全、安心で信頼できるAIエコシステムの実現に向けた国際ルール作りに貢献してまいりました。
また、現在六十三か国まで広がりました広島AIプロセス・フレンズグループを立ち上げまして、G7の枠を超えて、御指摘のとおりですけれども、いわゆるグローバルサウス諸国を含め、国際指針や国際行動規範の実践の拡大に取り組んでまいっております。
同時に、グローバルサウス諸国がAIの恩恵を享受するため、各国のニーズに応じた形でAIの導入を推進することを重視してございます。こうした観点から、日本の優れたAI関連技術の海外展開、AIを活用した社会課題解決、能力構築、人材育成等の分野を通じまして、インドやASEAN諸国、アフリカ、中央アジアを始めとして、グローバルサウス諸国と安全、安心で信頼できるAIエコシステムの共創を進めてまいっておるところでございます。
引き続き、G7やグローバルサウス諸国と連携しながら、安全で安心、信頼できるAIエコシステムの実現に向けた国際的な取組を主導してまいりたいと考えてございます。
○宇佐美委員 ありがとうございます。是非、推し進めていただきたいと思います。
こういった交渉を広島AIプロセスを含めて進めていくには、外交官の皆様たち自身がAIとかサイバーとか半導体などの技術的な素養、知識が求められていると私は思っています。現状の外務省の体制として十分なのか、また、エンジニアや研究者を外交官として登用するなど、技術的素養の高い外交官を確保するための仕組みなどはあるのか含めて、大臣から総合的にお答えいただければと思います。
○茂木国務大臣 広島AIプロセスも含め、様々な新しいルールを作っていくときに、そのテクノロジー等を熟知していないとルールというのは作れない。それが持っているメリットであったりとかリスク、これをしっかり理解をする、そういったリテラシーというのは極めて重要だと考えております。
このため、外務省におきましては、外務大臣科学技術顧問や外部の専門家によるアドバイス、そして職員への研修の機会などを通じて、科学的知見を持つ人材の育成に努めているところであります。これは向き不向きがありますから、いろいろ、民間経験のある人の採用であったりとか、豊富な経験と多様なバックグラウンドを持つ人材を外部から採ってくる、こういったことも必要だと思っておりまして、また、民間企業との人材交流、こういったことも進めていきたいと思っております。
テクノロジー外交とでもいいますか、これは人的基盤の整備や官民連携の強化にも努めていきたいと考えておりまして、宇佐美先生がかつて師として仰いでおられました武村正義先生も、小さくても輝く……(宇佐美委員「きらりと」と呼ぶ)きらりと輝く国とおっしゃっていましたけれども、まさに、こういう分野というのは、そういうことが求められる国じゃないかなと思っております。
○宇佐美委員 ありがとうございます。
私のボスであった武村正義が「小さくともキラリと光る国・日本」という本を書いたこと、さすが茂木大臣は覚えていてくださって、ありがとうございます。
最後になりましたけれども、私、このAIというのは、実は産業革命以来の本当の大きな革命になると思っています。今までIT革命等が自動車産業など出てきましたけれども、ほとんどのことが物を動かす力だったんですね。それを助けてくれたり、動かすということ。今回は考えることの手伝いをしてくれるということであり、美術的な、芸術的なことについてもやっていくと。人によっては、石器時代、つまり道具を初めて持ったときと同じぐらい我々の社会が大きな変革をするという方もいるぐらい、実はこのAI革命というのは大きなものになっていくと私は思っておりますので、是非、外務省さんを始めとして、我々政治の場面でも、そういったものを肝に銘じながら、これからの政治をしっかりとつくっていきたいと思っております。
若干早いですけれども、十三時になりましたので、これにて質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○國場委員長 午後二時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
午後一時一分休憩
――――◇―――――
午後二時開議
○國場委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。穂坂泰君。
○穂坂委員 自由民主党の穂坂泰です。
本日は、質問の時間をいただきまして、誠にありがとうございます。
早速、質問の方に入らせていただきます。
先ほど来、午前中も出ておりましたけれども、やはり国際情勢についてお聞きをしたいというふうに思います。
外務省の皆様には、今回のイランの、アメリカやイスラエルによる攻撃、邦人保護、そしてまた情報収集など、大変忙しく動かれているというふうに思っております。心から敬意を表するところであります。
イランに対する攻撃がアメリカやイスラエルからありました。NHKのテヘラン支局長が拘束された、こんなニュースもあり、心配されているところであります。
当初、イランには二百二十人の邦人がいるとの話もありました。今現在の状況、特に邦人保護を中心に、外務省の対応について教えていただければと思います。
また、私のところにも、たびレジが入ってきました。イラン、中東に対して、日本国民に対して注意喚起を今しているところだというふうに思いますが、それがどのようなものなのか。また、企業の退避などもあれば、教えていただければと思います。
○上田政府参考人 お答え申し上げます。
現在、政府といたしましては、事態発生以降、邦人保護に対して万全の体制で対応に当たっているところでございます。
イランにつきましては、一月十六日の段階でレベル4、退避勧告に上げたところでございます。邦人の安否については、委員先ほど御指摘のとおり、既に二百人の在留邦人の皆様全員と何とか連絡が取れまして、その安全を確認しておりまして、邦人の方々の被害は確認されていないという状況でございます。
その上で、御希望される方の邦人退避ということで、日本時間の三月四日早朝、日本人二名の方が、イランの首都テヘランから隣国アゼルバイジャンの首都バクーに陸路で退避をしたということでございます。
それ以外にも、周辺国、いろいろなところで邦人がいらっしゃいまして、湾岸諸国においては、一部、開いている国際空港、あるいは再開した国際空港というのもあるんですけれども、空港が閉鎖されていることにより出国が困難となっている邦人の方もいらっしゃることから、日本政府といたしましては、クウェート、バーレーン、カタール、アラブ首長国連邦に滞在される邦人のうち御希望される方々を、サウジアラビアのリヤド及びオマーンのマスカットに向けての陸路輸送、また、リヤド及びマスカットからのチャーター機による東京までの輸送を行うべく、検討をしているところでございます。
その中で、発信ということでございますけれども、委員もたびレジに登録していただいているというお話をいただきましたけれども、定期的に安全情報や空港あるいはフライトの状況などを、たびレジ登録者、これは、短期旅行者が行く前にスマホで登録をすることによって、大使館あるいは外務省から、行かれる先の安全情報を提供させていただくというツールでございますし、今回のような緊急時においては、大使館あるいは外務省の方から連絡をさせていただいて、安否確認であるとか、その後の御支援にもつなげていくための、命綱のような位置づけのツールでございます。
こういった登録者、ですから、短期渡航者の方々にはたびレジへの登録を広く呼びかけさせていただいているところでございますが、そういった方々、あるいは、既に在留されている企業関係者の方で在留届を出されていらっしゃる方々には、こういった情報をしっかりと発信をさせていただいて、邦人の安全の確保に努めているところでございます。
引き続き、中東地域の在外公館等を通じまして、安全に関わる現地の情勢、あるいは、邦人、皆様方のニーズを踏まえつつ、邦人保護に万全を期すべく努めてまいる所存でございます。
○穂坂委員 ありがとうございます。
今、警戒レベルなんですけれども、4はイランだけということでしょうか。
○上田政府参考人 お答え申し上げます。
周辺国の状況を御説明申し上げますと、イランにつきましては委員御指摘のとおりでございまして、一月十六日にレベル4、退避勧告に上げましたが、イスラエルに関しては二月二十八日にレベル3、渡航中止勧告に引上げをさせていただきました。そのほか、昨日、三月五日にはクウェート、サウジアラビアの東部州、バーレーン、カタール、アラブ首長国連邦、オマーンにおいて危険情報をレベル3、渡航中止勧告に引上げをさせていただいたところでございます。
○穂坂委員 ありがとうございます。
この発出のタイミングと、そしてまたレベルの中身、これは非常に大事だというふうに思いますので、是非タイミングをしっかり見ながら対応してほしいな、そのように思います。
また、たびレジの登録についても、是非、積極的な発信をお願いします。非常に重要な発信だと思いますので、よろしくお願いいたします。
その中でも、この中東の問題、イランへの攻撃は日本にも大きな影響が及ぶというふうに思っています。心配しているところも幾つかありますので、そちらについて御質問させていただきます。
まず、やはり、ホルムズ海峡封鎖により原油が届かなくなる、若しくは原油の価格が高騰してしまう、こういったことがあるというふうに思います。
このホルムズ海峡についても幾つか、報道等で出ておりますけれども、改めて聞きたいんですが、今現在、ホルムズ海峡封鎖について、封鎖されているのかどうか、また、封鎖されている可能性があるのか、分かっている情報を教えていただければと思います。
また、ホルムズ海峡について、アメリカからも対応が出ていると思いますが、そちらについても教えていただければと思います。
○岩本政府参考人 ホルムズ海峡でございますが、まず、イラン側から幾つか発信されておりまして、まず、イランの革命防衛隊、これにつきましては、既にこのホルムズ海峡を封鎖したというような言い方をしております。一方で、アラグチ外務大臣の方は、封鎖はされていないというような発言もございますので、イランの対応一つ取っても、なかなか情報が錯綜している状況ではございます。
ただ、いずれにしましても、既に何隻かの船舶が攻撃をされたという状況もございますので、私どもも、関係省庁、あと関係の団体を通じて、現地にあります日本の関係の船舶については、ホルムズ海峡の付近にとどまらないようにという具合に情報を提供させていただいているところでございます。
もう一つ、アメリカの対応でございますが、これは三月三日付ですけれども、トランプ大統領がSNSで発信しておられます。一つは、海上の保険の話について、米国の開発金融公社に対して、合理的な価格で保険、保証を提供するように命じたということをおっしゃっておられます。また、もう一点、必要に応じて米国海軍はホルムズ海峡を通過するタンカーの護衛を可能な限り速やかに開始する、こういう具合に発信をされているところでございます。
○穂坂委員 ありがとうございます。
このホルムズ海峡を封鎖させないというのが一番よいのかもしれませんけれども、封鎖になって中東から入ってこないという状況になった場合についても考えなければならないというふうに思っています。
日本の特質かもしれませんけれども、こういった事態が起きるとすぐ、石油がなくなるんだとか、ガソリンがなくなるんだとか、そういったことがうわさとなって広がって、また買占めが起きてしまったり、また価格がつり上がったりと、こういった循環というものを何度も繰り返しているなというふうに思っています。外務省を始め、こういった状況を早め早めに潰していく、正しい情報を発信していく、そういったことが必要だというふうに思っています。
そういった問題意識で質問させていただきますけれども、原油の輸入が止まった場合、石油に関して備蓄で対応していくことになると思いますが、これがどれぐらい、日本にとって十分な量なのか。
そしてまた、価格についても、国際協調により抑えていく動き、これも取っていかなければならないというふうに思います。こうした石油の価格についてどのように考えているか、教えていただければと思います。
○佐々木政府参考人 お答え申し上げます。
石油につきましては、日本は官民合わせて約二百五十日分の石油備蓄を保有しているところでございます。必要に応じて、タイムリーな、かつ適切な対応が取れる、そんな対処を取っているところであります。
いずれにせよ、今後とも、国際エネルギー機関、IEAや関係国等とも連携しながら、状況を注視しつつ、引き続き、我が国のエネルギーの安定供給確保に万全を期していきたいと考えております。
また、価格の問題についてでありますけれども、原油価格の動向、原油市場の動向ですとか、それを通じたエネルギー価格を始めとした物価への影響なども注視しながら、国民生活や経済活動への影響を最小限に抑えるため、必要な対応を機動的に講じてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○穂坂委員 ありがとうございます。
備蓄と、そしてまた国際協調により乗り越えるという話もありました。また、長期的に見れば、やはり中東依存というものがかなり多いので、同志国からの輸入を増やしていくとか、そういった分散も必要だというふうに思っています。是非こういった検討もお願いできればと思います。
政府の発信を見ていると、石油製品等におけるものは当面大丈夫だ、そんな判断だというふうに思います。その影響はやはり早めに情報を集めていただきたいというふうに思いますが、原油価格、供給量もそうですが、やはり国内の動向、これをチェックしていただきたいというふうに思います。
埼玉県では、こういった通知が出ておりました。事業者の不安に対応するための、八十八か所に相談窓口を設置する、こういうような発出がありました。運転資金に影響があった場合の制度融資なども設置しているところもあります。さらに、万が一に備えて、スーパーマーケット等の大型店舗に対しては、県内の各地主要店舗における買占め等の発生状況を聞き取るモニタリング体制、こういったものも構築した。そしてまた、価格動向調査を実施する、こういった対応がありました。
上記は埼玉県の例ではありますけれども、こうした石油製品の動向への影響、これはやはり国もしっかりと見ていく必要があるというふうに思いますが、こういったことを政府としてやっていくのかどうか、確認をお願いいたします。
○浅井政府参考人 お答えいたします。
今般の事案を受けまして、経済産業省といたしましては、小売企業や関係の業界団体との連絡体制を構築をいたしまして、石油製品を含む生活必需品の供給状況の把握に努めているところでございます。
現時点までにおいて確認した限りでは、供給不足が生じている状況にはないというふうに認識をしております。
引き続き、緊張感を持ってこの状況を注視するとともに、生活必需品の安定供給の確保に万全を期してまいりたいと考えております。
○穂坂委員 ありがとうございます。
そういった情報を消費者の皆さんにどういうふうに伝えていくか、そういった観点でお聞きしたいと思いますが、先ほども申しましたが、石油がなくなる、こういったうわさが出れば、一気に、需要が上がって、ガソリン不足、灯油不足、そしてまた価格が上がっていく、こういった状況になっていくというふうに思います。今、二百二十日大丈夫なんだ、こういった情報も一つ安心するものになっていくと思いますし、また、政府もしっかりと価格動向を見ているんだ、こういったこともやっているんだということを見せるのも私は必要だというふうに思っています。
今度は、消費者に対して政府が今後どのような働きかけをしていくのか、慌てず、買占めはやめてくれ、こういったことを今後やっていくのかどうか、確認をお願いいたします。
○佐々木政府参考人 お答え申し上げます。
経済産業省におきましては、ガソリン、軽油、灯油といったような石油製品の価格等に関する調査を毎週実施しております。その結果を毎週ホームページで公表する等してございます。
また、例えばですけれども、昨年十二月にいわゆるガソリンの暫定税率を廃止した際には、消費者による駆け込み需要や買い控え行動による混乱などを防ぐために、経産省のホームページやXやユーチューブといったようなメディアを通じて、積極的な消費者向けの広報を行ってきているところでございます。
いずれにせよ、必要に応じて、消費者向け広報等、こういったものが必要になったときには、必要な広報を積極的に講じていきたいというふうに考えているところでございます。
○穂坂委員 ありがとうございます。是非、迅速な対応をお願いしたいというふうに思います。その際は混乱のないようにお願いします。SNS等を見ていますと、やはりこういった有事のときには、デマ情報であったりとか、いいかげんな情報、こういったものがどんどん出てくると思いますので、やはり政府から直接、国民の皆さんに届くような発信、時には大臣、そしてまた総理からの発信も考えていただくようお願いしたいと思いますし、私たち国会議員もやはり発信には気をつけていかなければならないんだというふうに思います。是非、バイアスのかからない方法での国民の皆さんへの対応、こちらの方を是非よろしくお願い申し上げます。
そして、この状況、今何が起きているんだろうと国民の皆様からもよく聞くところであります。国民の皆様には分かりやすく伝えること、こういったことが重要だというふうに思います。
何人かに聞いたんですけれども、サンプル数はそんな大きくありませんが、トランプ大統領が勝手にやっているんだ、これはアメリカが一方的に国際法を破っているんだ、こういった情報が出ています。一部の国から見れば、こういった方程式、ナラティブをつくっていきたいんだろうな、そういうふうに思います。でも、やはりイランというのは、これは米国がこのように言っておりますけれども、テロを支援した国家であって、また自国民、イラン国民に対してやってきたこと、こういった事実、これも歴然としてあると思います。こういった情報もしっかりと国民の皆様も知った上で、やはりこういった事態を見ていかなければいけないんだというふうに思います。
ナラティブ、プロパガンダ、この対策も私は必要だと思っておりますし、また、大臣の方針にも戦略的対外発信の強化をしていく、こういったこともありました。こうした対応について、この件に限らず、こういったナラティブ、プロパガンダの打ち消し、こういったことについてお聞きできればと思います。
○北村政府参考人 お答えします。
ナラティブ、プロパガンダ、委員からそういうことについての言及がございましたけれども、我が政府としましても、我が国をおとしめるような、あるいは我が国の信用を毀損するような、そういう情報発信については適切に対応していく必要がある、それが重要であると考えております。また、そうすることによりまして、情報操作の余地を狭めていくこともできるというふうに考えているところでございます。
外務省としましては、国際社会における日本に対する理解、そして事実に基づく正しい理解が形成されるように、発信の取組を強化してきているところでございます。
具体的には、午前中にも御説明をしましたけれども、各国のメディア関係者や有識者に対する積極的な情報の提供、あるいは情報空間の動向に関する情報収集、分析を進めておりますし、SNSの効果的な活用にも取り組んでいるところでございます。
引き続き、こうした情報、戦略的な対外発信を推進していきたいと考えております。
また、それと同時に、そういう戦略的な発信というものが受け入れられる、日本あるいは日本国民に対して好意的な、そういう受け入れられる環境というものをつくっていくということも非常に重要だというふうに考えております。そのために、いわゆるパブリックディプロマシーの推進、すなわち戦略的情報の発信と、もう一つは魅力ある多様な日本文化の発信、これを車の両輪として進めていく必要があると考えているところでございます。
情報戦への対応に加えて、伝統文化からポップカルチャーに至るまで、日本の魅力ある多様な文化、こういうものを発信をしまして、日本の味方であるところのジャパン・フレンズ、そういうものの輪を拡大していくというようなことを取り組みたいと考えておりまして、人的交流を含みます文化交流の抜本的な強化、これにも取り組んでいく考えでございます。
○穂坂委員 ありがとうございます。
やはり、これは情報戦だというふうに思います。ある情報が出てきたときに、その情報で誰が喜ぶのか、これを考えなければいけないというふうに思います。先ほど、アメリカに対して、国際法違反、何か日本の立場として言うべきだ、そんな話もありましたけれども、私は、それをやることによって喜ぶのはある国なのかなというふうに思っています。
やはり、国益を考えたときに、アメリカと日本の、くさびを打ち込むこと、打ち込まされること、これは非常に大きなダメージを受けることだというふうに思っています。今回の日本の対応は非常に難しいと思いますが、この情報戦、国益は何なのか、そういったものもしっかり考えながら進めていただきたい、そのように思っています。
そしてまた、残念ながら、国際法を遵守するだけでは平和にならないということも今回露呈をしていると思います。国際法を守れば守るほどより多くの犠牲が出てくる、また、一部覇権主義国家から見れば、国際法を盾に好き勝手やってくる、こういったことがばっこしている状況であります。ですので、国際法を唯一の盾として日本はやってきたかもしれませんけれども、やはりそういったところもしっかりと日本の立場としては柔軟に考えるべきときなのかなというふうにも思っています。
国連機能を見ても、今、国連というものが機能していないというふうに私は見ています。こういったことも是非考えていただきたいな、そのように思います。
是非、国益を考えたこの日本の発信、そしてまた防御、こういったこともしっかりやっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
さらには、エネルギーだけではなくて、日本の安全保障、これについても懸念されているところであります。米国の軍事力が分散されることによって、インド太平洋の抑止力の低下にもつながってくるのではないか、このように警戒をしているところであります。
これは言える範囲で結構でありますけれども、今後の戦況、そしてまた軍事的影響をどう見ているのか、受け止めを教えてください。
○岩本政府参考人 今委員から御指摘ありましたとおり、米軍の様々ないわゆる戦力が、今、中東地域に集中をしている状況でございます。
先ほども御指摘ありましたとおり、こういった状況がこの日本の位置しておりますアジア太平洋地域に今後どういった影響が出るのか、このことも日本としても非常に大きな関心を持って注視をしておりますし、また、様々な形で米側とも意思疎通をさせていただいているところでございます。
その上で、こういった状況を早期に鎮静化させていく、そのことがやはり我が国の置かれた安全保障環境を考えたときにも非常に重要になってくるという具合に考えておりますので、まさにこの事態の早期鎮静化に向けて、日本としても、あらゆる必要な外交努力、これをしっかりと進めていきたいという具合に考えております。
○穂坂委員 ありがとうございます。
現実的なことを考えたときに、やはり日本の安全保障を守るには米国の関与というものが絶対に必要だというふうに思っています。
今度の総理の訪米に関しても、この地域を守ることがアメリカの利益にもつながる、世界の平和にもつながる、こういったところもしっかりと打ち込んでいただきたいと思いますし、私はやはり、こういった有事の際、世界平和をつくるときには、アメリカと共にあるということもしっかりと主張していくことがこの日本の平和につながっていくんだろうな、そのように思っています。言葉だけで平和というのは必ず来るものではありませんので、しっかりと行動でどんどん動いていっていただければな、そのように思います。
そして、話はトランプ関税について少しお聞きしたいんですけれども、貿易赤字を是正するという大きな目的があったはずであります。また、アメリカに対する貿易黒字、これは約八兆円から九兆円だというふうに当初ありましたが、いわゆる米国に対してデジタル赤字というものが約五兆円あります。この貿易赤字を見ると、グッズとサービスの違いはありますけれども、収支、その一国で見れば、その一国ですから一緒だというふうに思うんです。
そもそもで申し訳ないんですけれども、このデジタル赤字というものも加味した上でトランプ関税というものが動いているのかどうか、確認をお願いいたします。
○渡邊政府参考人 お答え申し上げます。
米国政府がどういった目的で関税を導入したのかにつきまして、日本政府として有権的にお答えする立場にはございませんけれども、例えばですけれども、米国政府が相互関税を発表した際には、国家、経済安全保障の強化、経済主権の回復、米国製造業の復興、御指摘の貿易不均衡への対処等に言及していたことは承知してございます。
また、米国政府が他国との貿易関係を評価するに当たりまして、物品に加え、サービスの貿易収支を勘案しているかどうかにつきましては、その時々の状況によると考えられます。
例えばなんですけれども、昨年四月に発表された相互関税の算出におきましては、物品の貿易収支のみが考慮されていたと承知しております。また、米国通商代表部、USTRによる大統領の二〇二六年の通商政策課題と二〇二五年の年次報告におきまして、第二期トランプ政権の貿易赤字削減の取組に関する部分では、貿易赤字のみに言及していると承知してございます。
いずれにつきましても、我が国は、六年連続で世界最大の対米投資国でございます。また、我が国としましては、貿易のみならず、こうした我が国の対米投資に係る貢献や、日米経済関係の重要性等につきまして、積極的に情報発信や働きかけなどを行ってまいりまして、米国内における理解の醸成に引き続き努めてまいりたいと考えてございます。
○穂坂委員 ありがとうございます。
是非、難しい交渉だというふうに思いますが、茂木大臣のリーダーシップにより、しっかりと進めていただきますよう、よろしくお願いいたします。
今回、投資第一弾が決まりました。人工ダイヤ、原油インフラ、そしてまたAIデータのガス発電、こういったものがありました。ガス発電と聞いて、私、驚きました。アメリカがガス発電を認めていく。今までのオバマ政権、バイデン政権はこういったガスに関しては非常に慎重だったのかなというふうに思う中で、やはりこれは一つの大きなチャンスだというふうに思います。日本が、こういったガス発電の技術、これは優れた部分がたくさんあるというふうに思いますので、こういった契機に、これを武器にまた世界で戦えるような、そんな方向にも持っていっていただきたいな、そのように思っています。
何か、ネット等を見ていると、この投資が、日本がアメリカにいいようにやられている、そんなようなイメージも受ける発信も多々あります。是非、こういったことが日本にメリットがあるんだというような発信もしていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
最後になります。
サプライチェーンに関することになりますけれども、ルビオ米国国務長官主催、安定鉱物閣僚会合が、堀井副大臣が参加された会議、こういったものがありました。令和八年二月四日に行われたというふうに思いますが、これは、レアアース、重要鉱物に関する特恵貿易圏の創設が提案をされたというふうにありました。レアアースの脅し、経済的な威圧がある中で、大変重要な会議だというふうに私は考えています。
この会議の全体の方向性や日本のメリット、こういったものを、今現状、分かる範囲で教えていただければと思います。
○渡邊政府参考人 二月四日、米国にて、マルコ・ルビオ米国国務長官主催の重要鉱物閣僚会合が開催され、茂木大臣の代理として堀井副大臣が出席をしました。
会合では、バンス副大統領及びルビオ国務長官に続き、堀井副大臣からステートメントを行い、重要鉱物の安定供給確保のために需給両側面での取組を同志国と協力して進めることが重要であることや、日本として重要鉱物サプライチェーン強靱化に強くコミットすることなどを強調いたしました。
また、会合では、同志国連携の推進について議論が行われたほか、貿易上の協力や、鉱物分野の投資に関する協力についても活発な議論が行われまして、新たなイニシアチブであります資源の戦略地政学的関与に関するフォーラム、これの立ち上げが発表されたところでございます。
本会合では、中国によるレアアース等の輸出管理措置がグローバルなサプライチェーンに影響を及ぼす中、重要鉱物の供給源多角化に向けた同志国連携を確認するに当たり、大変時宜を得た会合でございました。
○穂坂委員 済みません、ちょっと時間があるので。
今、堀井副大臣が三番目に発言をされたということでよろしいのか。また、これは、三番目というのは意味があるのか。また、諸外国から見て日本に対する期待等、もしありましたら、分かる範囲でお願いします。
○渡邊政府参考人 この会合には五十幾つかの国が参加をしてございますけれども、その中で、主催国であるところのバンス副大統領そしてルビオ長官の後に、日本の堀井副大臣が発言をしたということで、ほかにも閣僚が出席していた国もあるわけですけれども、代理として堀井副大臣が三番目に発言したということは、非常に重要な意味があったと考えてございます。
○穂坂委員 終わります。ありがとうございました。
○國場委員長 次に、青柳仁士君。
○青柳委員 日本維新の会の青柳仁士です。
まず初めに、開発協力白書についてお伺いしたいと思っております。
今回、イランの一件もありまして、世界情勢が非常に厳しい中ではありますが、やはり日本は世界中から引き続き信頼されていると私は思っております。
私自身もアフガニスタンやスーダンといった紛争国で働いていたことがありますが、武装勢力であっても日本人はなかなか狙わないと。今回も、アラブの国からもイスラエルからも、年明けに私もイスラエルに行ってまいりましたが、どちらからも好かれているのが日本である。こういう日本のイメージをつくってきたのは、国全体であるとともに、やはり、外務省の皆さんの日頃の外交の努力、そしてこの日本の質の高い国際協力、これが大きな大きな日本のパワー、ソフトパワーではないかと思っております。
そういった観点から、開発協力白書、今年もでき上がるということで見させていただきまして、毎年楽しみに読ませていただいておりますが、少し残念だなと思っていることがございます。
それは、十分に、今のこの世相というか、世の中の動きを反映し切れていないのではないかなと思っているところがあります。したがって、残念ながら、非常に質の高い、すばらしいことをやっているのに、国民の皆さんにそのすばらしさが一〇〇%しっかりと伝わっていないのではないか、こういう問題意識を持っております。
様々な点があるんですが、今日はちょっと二点だけお伝えさせていただきます。
一点目は、サステーナビリティーということに関してであります。
限られたODAの予算で最大の開発効果と外交成果を得るためには、民間企業との連携が重要だと思っております。一方で、今、ODA白書、開発協力白書における民間企業の連携に関する記述というのは、いまだに、二十年、三十年前から書かれている円借款を中心とした従来型のスキームが中心になっていまして、あるいは技術協力だとか無償資金協力、そこに、STEPローンだとか、あるいは民間連携型のスキームだとか、少しずつ増やしてはいるものの、スキームが、ちょっと合わせている程度の書き方になっております。
一方で、今、民間セクター、特に日本の大企業なんかは、自らが作っている製品とかサービスを、顧客からお金を取るための経済価値を生むということと同時に、社会に対してどういう価値が生めるかということを非常に重視しておりまして、そして、それを測るための指標というものも世界中で今整備されております。これは、株主の皆さんや消費者の皆さん、あるいは従業員の皆さんからも評価されて、その企業の価値であるとともに、その企業に人や物やお金を吸いつけるための、こういう非常に大きなビジネス上の競争力となっているのが今の現状であります。
あらゆる一般の日本の大企業に聞いていただければ同じようなことをお答えされると思いますが、今、CEOとかCOOとかいう中に、CSOあるいはCSuO、チーフ・サステーナビリティー・オフィサーというものを置く企業が増えてまいりました。それは、役員レベルでこういったことを推進しているという中にありまして、この推進している社会価値の分野の中には、貧困削減であるとか、あるいは平和構築、そして気候変動対策といった、まさにODAがど真ん中で扱っているような分野も数多く含まれております。
ですから、本当の意味での民間企業などとの連携というときには、このサステーナビリティーということを置いてはいけないと思いますし、また、ODA白書をそういった民間企業の方々が見たときに、その文言がないと、やはり全くそういうことは考えていないんだなというふうにみなされるというふうに思っております。ですので、是非とも、このサステーナビリティーについて、もっと民間企業の方が見たときでも、ああ、同じようにやっていけるんだな、こういう文脈で書いていただけないかと思うんです。
事実、JICAの方で、今、JICAが一つの組織として、サステナビリティ・レポートという、一般の大企業なんかが作っているようなレポートを作っております。もちろん企業とは違うものにはなっておりますが、ただ、そういった努力がやはり民間とのスムーズかつ有機的な連携につながっていくのではないかと考えております。
説明が長くなりましたが、いずれにしましても、そういった観点から、今年も含めて、これからの開発協力白書の中にサステーナビリティーも、これは一番最初のページにどんと書いていただいてもいいようなものじゃないかと思うんですけれども、そういった扱いを是非ともお願いできないかと思っております。よろしくお願いします。
○国光副大臣 青柳委員の御質問にお答えいたします。
青柳委員におかれては、JICAにも御所属なさっていらっしゃったということで、様々、今まで開発援助や国際協力の分野の第一線で活動されていらっしゃったことに敬意を表したいと存じます。
いただいたお尋ねにつきましても、まさに、開発協力白書、非常に注目をいただいていることに、まずもって感謝を申し上げたいと思います。
御指摘のとおり、今、サステーナビリティー、そしてまた、企業において収益性のみならず社会的価値をしっかり訴えながら活動していくということは、世界的にも時流に伴ったものかと存じます。
この限られたODA予算の中でも最大の効果を得るためには、サステーナビリティーを重視された事業活動を行う日本企業、それはスタートアップの皆さんも含めてであるかと思いますが、連携は非常に重要でございます。特に、この開発協力白書におきましても、サステーナビリティーと同義であるような持続可能性というものについては、開発協力大綱、そしてその御指摘の開発協力白書において明記は今までしておりまして、政府から重視をしているというスタンスではございます。
また、日本企業の取組につきましても、今、様々、JICAの中の事業でもSDGsに関係するビジネスについての支援というふうな取組も進めているところでありますけれども、御指摘も踏まえまして、よりこのJICAの取組を代表する開発協力白書の書きぶり、国民の皆さんにも、そして企業の皆さんにもしっかりと伝わるように、今後の書きぶりについても工夫できるように対応してまいりたいと思います。
○青柳委員 民間企業が、やはり今、優秀な人もお金も、そして技術もサービスも持っておりますから、そういった方々が是非この国と一緒にやっていこうと、ODA白書は非常に戦略的なこともたくさん書かれていて、民間企業の呼び水になっていこうとか、民間企業ができないようなところをやっていこうとかということもありますので、そういったまさに考えていることを促進していくためにも、是非とも、このサステーナビリティー、しっかりと出していっていただきたいなと思っております。
あと、先ほどちょっと言及のあった持続可能性ということに関して言うと、恐らく、今までODA白書で書かれていたのは、持続可能な開発、こういう観点での持続可能性という意味だったと思うんですね。それは、いわゆるサステーナブルディベロップメントといって、二〇〇一年ぐらいからの概念なんです。これとサステーナビリティーというのはまたちょっと違いまして、今、民間企業で言われているサステーナビリティーというのは、まさにそういった経済価値に加えて社会価値を測るような指標、こういう意味で使われておりますので、この片仮名のサステーナビリティー、これが重要なのでございますので、一応申し上げておきたいと思います。
あともう一点、もう時代の変化に、是非ともと申し上げるのは、経済安全保障ですね。この分野で、同盟国、同志国とのサプライチェーン構築ということを、これは内閣府を中心に進めていると思うんです。
例えば、私も、はるか昔にJICAで働いていたとき、二〇〇三年に、実は中国に対する鉄鋼技術を教える技術協力プロジェクトというのに関わっていたことがあります。今考えるとあり得ないと思うんですけれども、中国に鉄鋼の技術を教えるのかと。でも、当時は実際そういうことがありました。そのときは、中国というのは、日本のGDPの半分もありませんでしたし、扱いは途上国という扱いでしたし、何なら貧困国というイメージでした。ですから、今と全然イメージが違うので仕方がなかったとは思いますが、今やったら大変なことです。
ですから、同盟国、同志国とのサプライチェーン構築という、この経済安全保障なんかがある中で、実際、今まで日本のODAというのはそういう形のものもありました。例えばチリのサーモンの問題とかもそうですね。ですから、そういうことにしっかり配慮した上で今はやっているんだということをやはりちゃんと見せていく必要があると思うんです。
それから、もう一つは、インテリジェンスという問題も今あります。いろいろな、これも経済安全保障にも関わるんですけれども、そういったサプライチェーンだとか。例えば、中国が、一帯一路で、いろいろな国と鉄道をつないで、それによって経済依存性を増して、戦争ができない、あるいは、より自分たちの言うことを聞かせられるような状況をつくっていく、こういうことにODAが使われているという中にあって、日本においても、そういったことに関しても、ちゃんと配慮しているというか、分かった上でやっているんだ、こういうことを是非表現していただけないかなと思うんです。
例えば、先日、ホームタウン構想とかというのがたしかあって、あれで、私も、元JICA職員、国連職員ということで何かテレビに呼ばれて、これはどういうことだというふうに皆さんから詰められたんですが、ただ、事前に外務省、JICAから確認していて、別にそんな意図はない、つまり外国人を呼んで定住させるなんという意図は一切ないし、そんな権限はそもそもないし、それはもうただのうわさであって、何の意味もないうわさだということを説明させてもらいましたけれども、ただ、そういうことが盛り上がってしまうような、誤解されやすいものでもあると思うんです。
ですから、この開発協力白書、毎年読ませていただくと、日本のすばらしい国際協力の、また積み上がってきたものが網羅的に、総花的にしっかり書かれていて、それ自体はすばらしいと思うんですが、今国民の皆さんが注目していることであるとか、今国家にとってのプライオリティーになっていることということにしっかりとキャッチアップしながら、配慮しながらやっているんだということが明確に分かるような書き方にしていただいた方がよいのではないかと思っておりますが、今申し上げた二点、サプライチェーンやインテリジェンスについてもお伺いできればと思います。
○国光副大臣 青柳委員の御質問にお答えいたします。
今、非常に重要な示唆をいただいたと受け止めております。御指摘のとおり、経済安全保障やインテリジェンスは、非常に今、国際的な、国際情勢のコンテクストの中でも非常に欠かせない重要な、まさにトッププライオリティーの分野であろうかと思います。
私ども外務省としても、このODA、今、戦略的かつ効果的なODAということで推進をする、そしてまた、高市政権の下で、FOIPの進化においてもこのテーマはしっかりとキャリーをしていく、進めていくということはもちろん掲げております。
このODAの中でも、より分かりやすく、御指摘のように、国民に対して、ちゃんとODAが機能しているということを開発協力白書においても記載をしていくということは重要な視点であります。
例えば、実際に行っていること、非常に有名な例で申し上げますと、経済安全保障の分野では、アフリカのモザンビークに、御存じだと思いますが、ナカラ回廊のオファー型協力のプロジェクトがございます。これは非常に経済安全保障上重要でありまして、モザンビークのナカラ港の開発から、マラウイや、そしてザンビア、さらにその奥のコンゴ民主共和国に至るまでの鉄道等をつなげることによって、特に、銅であるとか、それからレアアースを始め重要資源鉱物に対しての非常に期待も大きくかかるところでございます。これは非常に世界的にも注目されるプロジェクトであって、私どもはODAの代表格だとも思っております。
そういう形、そういう、実際よくなっていることや、またそれが今後進化されるということを開発協力白書においても国民の皆さんに分かりやすく提示していくということにつきましては、受け止めて、進めさせていただきたいと存じます。
○青柳委員 ありがとうございます。
ODA白書での、あるいはそれ以外の広報、あるいは戦略の部分でも、是非とも国際協力の方で御検討いただければと思っております。
また、それが、やはり日本の外交も国際協力も私はすばらしいと思っておりまして、皆さんは非常に質の高い仕事をされていると思いますから、その部分に予算を、例えばこれからもっと必要だというときにも、国民や国家のプライオリティーとずれているような、そういうイメージであるとなかなかそれを要求していくのも難しくなっていくと思いますので、そういった意味でもしっかりとお願いできればなというふうに思っております。
続きまして、イラン情勢について一つお伺いできればと思っております。
今、イランに対してアメリカとイスラエルが攻撃をしまして、周辺国に飛び火をして、先ほど来から質疑のあるとおりのような状況になっているわけですけれども、私も、かつて復興支援の仕事をしていて、アフガニスタンにおったんですけれども、これまでアメリカは、軍事力によって現政権を転覆させることは比較的短期間でできるんですけれども、その後がうまくないと思っているんです。その後が、結局、親米政権、あるいは少なくとも平和を希求する政権を立ち上げたり、運営させたり、あるいはそこでガバナンスを動かしたりすることが、成功している例を見たことがないです。
そして、もっと言うと、それを維持するための治安維持。アフガンの場合は、アメリカ軍が六万五千人と国際軍が六万五千人で合わせて十三万人いましたけれども、これを駐留させながら治安維持ができない。これは、なぜできなくなるかというと、いつまでたっても政権が安定しないので、いつまでも派兵し続けなければいけない。そうすると、派兵コストが、例えばアフガンの場合は、アメリカは百兆円を超えていたんですね。ですから、なぜそこまでお金をかけてこれをやらなければいけないのか、こういう国民の声に応え切れなくなってくる。
また、死傷者が増えてきますと、足がなくなったり手がなくなったり、そういったことに対する補填のお金、配偶者の方が亡くなったことに対する補償金、こういったものも山のようになってきて、結局、アフガニスタンでは何が起きたかというと、今撤退したら確実に戦力の均衡が保たれないということが現場の人は、全ての人が分かっている中で、バイデン大統領は兵を引いて、引いた二か月後にタリバンに政権を再度奪われた、こういうことがあります。二十年間国際協力をやった結果、そうなっているということです。
ですので、今回も、恐らくイランの今の政権を替えること自体は比較的短期間でできると思うんです。しかし、その後、それを安定させるというのは極めて難しいと思います。イスラムの指導者はもう既に亡くなっておりますので、では、誰がまとめていくのか。今、息子さんではないかという話も出ていますが。そういったこともありますし、そもそも、誰にしたとしても親米の方はいませんので、どうやって親米政権をそこにつくるのか。
そこに対して、日本は、当然、様々な協力を求められるわけですけれども、そうすると、出口のないものに対して協力を求められ続けるということになって、非常に苦しい立場になることが予想されます。
そういったことが過去の経験から予想されている中で、日本としてそれを食い止めるような手だてというのは打たないのかということ。それから、そうなっていった場合に日本としてはどのように関与していくつもりなのか。現時点でお話しできる範囲でお答えをいただければと思います。
○岩本政府参考人 ただいま委員の方から、御自身の経験も踏まえて、アメリカのこれまでの第三国における関与の在り方、御紹介がございました。
現在、イランをめぐって起こっております状況につきましては、そもそもが、米国が最終的にどういう目的を達成するのか、現時点ではいま一つはっきりしない、こういった状況がまずあるかと思います。
一方で、今御指摘ありましたとおり、イランの方は、最高指導者のハメネイ師が殺害をされて、その後継者、これもなかなかどういう形になるのか現時点でははっきりしない、こういう状況でございます。
日本としましては、やはり今、攻撃の応酬がずっと継続をして、さらに、その周辺国に戦火が及んで、周辺国も非常に懸念する状態になっている。そのことは、翻って日本のエネルギーを含めた様々な安全保障にも影響が出てくるということで、事態を注視しつつ外交努力を展開しているわけでございますが、今後の在り方について現時点でなかなか予断することは難しいのですけれども、まずはこの事態の早期鎮静化、これに向けて、日本として様々な形で各国と対話をできる関係を維持してきておりますので、そこでの意見交換にとどまらず、外交的な働きかけ、これを強化していくことがまずは重要ではないかと思っております。
○青柳委員 ありがとうございます。
先ほど茂木大臣からも御答弁があったとおり、いろいろな各国の要人の方々と事態の鎮静化に向けて会話をされている、しかも相当突っ込んだ話をされている感じは受けましたので、そこは是非ともしっかりとお願いしたいということと、それから、邦人保護に関しても、先ほど説明がありましたが、そういったことはやられているということです。
その会話をする中で、日米同盟がありますし、日本の平和と安全は日米同盟が基軸になっているというこの事実自体はやはり認めざるを得ませんから、なかなかそこでアメリカに物を言うのも難しいという立場も分かるんですけれども、しかし、例えば、イギリスのスターマー首相は、アメリカのトランプ大統領に対してイランへの軍事攻撃の協力要請を断ったわけですね。基地の使用は認めるけれども攻撃には参加しない。その理由は、軍事行動は法的根拠と熟慮された計画が必要だ、こういうふうに強調していました。同様に、ドイツとカナダも同じようなことを言っておりまして、なかなか、こういうことを言うとやはり日米関係がぎくしゃくするとは思うんですが、実際、彼らもぎくしゃくしているわけですが。
ただ、ここでぎくしゃくするということと、将来的に、そういった非常に困った状況に、日本も、出口のない状態に持ち込まれて、そこで協力を求められ続けるということとをはかりにかけた場合に、どこでどういう発信をアメリカに対してした方がいいのかということは是非とも考えていただく必要があるのかなと。また、その際に、そういった既に声を上げているヨーロッパ各国、あるいはカナダとの協調、先ほどのお話ですとそことも既にやられているのかもしれませんが、そういったことを重視することが重要だと思っております。
実際、こうした対等な同盟関係ということ、それから普遍的なルールの堅持、そしてそれらを組み合わせたしたたかな外交手腕という、これはやはり日本にも今まさに求められる要素ではないかなと思っておりまして、日本を守っているのは軍事力だけではなくて国際秩序というのも当然あるわけです。
ですから、今、安保三文書の改定と防衛力を強化と言っていますけれども、防衛力を強化するだけでは日本の安全にはならないと思っておりまして、こういった外交姿勢、こういったものをしっかりと堅持していくことが、不安定化する世界の中で国民の生命と財産を守ることに本当につながっていくのではないかというふうに思いますけれども、この点について、今、外務省の御認識をお伺いできればと思います。
○熊谷政府参考人 お答え申し上げます。
日米同盟は、我が国の外交、安全保障の基軸でございまして、インド太平洋の平和と繁栄の礎ということでございます。まさに、現下のイランをめぐる情勢に見られますとおり、日本を取り巻く国際情勢、あるいは安全保障環境というものは一層厳しさを増す中でございますので、我が国としては、今後とも、我が国自身の防衛力の抜本的強化、これに取り組むとともに、日米同盟を更に引き上げていくことが必要であるというふうに考えております。
先月、日米外相会談におきましても、ルビオ長官との間で、日米同盟の抑止力、対処力、これを更に強化していくということとともに、自由で開かれたインド太平洋、FOIP、これの実現に向けて連携していくということで一致しております。
このFOIPでございますけれども、提唱してから十年ということでございますので、これを戦略的に進化させていくということにしております。先ほど申し上げました日米同盟の抑止力、対処力の強化とともに、FOIPの実現に向けて、引き続き、同盟国、同志国、あるいはグローバルサウスの国々とも実践的かつ多面的な協力を広げていく、こういう方針でございます。
○青柳委員 本当は大臣の御見解を聞いてみたかったところですが、今みたいな通り一辺倒のお答えしか返ってこないのかなと思いますので。
ただ、さっき申し上げたとおりですが、今ここでアメリカに対して物を言うことと、将来困ることと、どっちがいいかという観点で考えていただいた方がいいんじゃないかなと思っております。過去にこういったケースは、今回が初めてではありませんので、過去にも何度も、外務省には知恵と経験が蓄積しているはずですから、是非、総動員していただければと思います。
ちょっと別の観点で。国連機関あるいは国際機関に対する拠出金についてお伺いしたいと思っております。
高市総理は、再来年度の予算から補正予算をあらかじめ想定しない通常予算をつくるということで御発信をされております。私も、与党の中の検討のチームの方で租税特別措置だとか補助金の見直し等させていただいておりますけれども、もし仮にこういった形になっていった場合、国際機関への拠出金というのは、今、当初予算で、コア部分、コアと言われる、いわゆる組織を運営する予算であるとか国連の分担金であるとか、絶対に必要な予算というのを一旦出している。その上で、補正予算で事業にひもづくような予算を出していて、そのセットで各国際機関に予算を配分しているというのが今の日本の予算の仕組みだと思っております。
これを、本来は緊急性が薄いようなことはやってはいけないわけですけれども、それらが、例えば補正予算がなくなった場合、全てを当初予算にするとなると、恐らく、今までの国際機関とのつき合い方が根本的に変わってくるんじゃないかと思うんですけれども、そういったことについて、今の補正予算、そして通常予算、この在り方が変わった場合に、国際機関との、拠出の在り方というのはどのように変化するというふうに考えておられるか、外務省のお考えをお聞かせいただければと思います。
○大鶴政府参考人 お答え申し上げます。
御案内のとおり、今、日本を取り巻く安全保障環境は非常に厳しいものになっております。そういうものを総合的に勘案しながら、一方で、厳しい財政事情も十分踏まえつつ、外務省としましては毎年度の予算案の編成に対応してきております。
今委員から御指摘ございましたとおり、コア予算、ノンコア予算、区別がございますけれども、必ずしもノンコア予算を当初で見ていないということではございませんで、そこは、予算編成の時点で明らかになっている部分についてはできるだけ当初にのせるということはやっておりましたけれども、一方で、御案内のとおり、世界各地で紛争が年度途中で起こる、あるいは事件、事故が起こる、自然災害が発生する、我が国の貢献ぶりですとか政策、こういうものを機動的かつ効果的に対応させていく上で真に必要な内容につきましては、これまで各年度の補正予算において対応してきている、こういうことでございます。
御指摘の再来年度の予算編成の方針に関しましては、高市総理の施政方針演説にございますとおり、今後、政府として検討が急ピッチで進められていくというふうに承知しておりまして、外務省といたしまして、どういう変化が必要となってくるかというのは予断を持ってお答えすることは適当ではないと思いますけれども、いずれにしましても、国際機関への拠出につきましては、国際情勢、個々を取り巻く環境、こういうものを十分踏まえて、引き続き適切な対応を図ってまいりたい、こう考えております。
○青柳委員 国際機関に対する拠出金は、単なる、お金を出しているというだけではなくて、そこに対する日本の影響力ということに直結している話でありますので、国内の予算の出し方の変化に伴って、そこが変化することはいいんですけれども、日本にとってデメリットが生じるような形にならないように、是非とも前広に御検討いただければと思っております。
大臣が戻ってこられたので、一問だけ、大臣に元々お聞きする予定だったものをお伺いしてもよろしいですか。
イスラエルに、この年明けに私は行ってまいりました。大臣が行かれる数日前だったと思うんですけれども、ネタニヤフ首相であるとかヘルツォグ大統領等にお会いさせていただいて、現地の事情をお聞かせいただきました。
また、現場を視察させていただきまして、イスラエル側のところにある日突然三百人の武装勢力がやってきて千二百人が殺された映像等も、イスラエル国防軍のボディーカメラから見させていただきました。非常に悲痛な映像が映っておりまして、大変ショックを受けましたが、ただ一方で、それに対する非常に感情的なリアクションを、反応を各要人の方々はされておりまして、そして、それを反映するかのようにガザでは七万人の方が無差別の空爆で亡くなられて、そして今でも食料不足というような状況になっていると。
ただ、両方の意見を聞いていても、どうにもならないというような、非常に暗たんたる気持ちで、行った国会議員団一行、ほぼ皆さん同じような印象で戻ってこられたんじゃないかなと思っております。
そのとき、先方の要人が、これから外務大臣がいらっしゃるということを非常に心待ちにしているという御発言がたくさんありまして、その後、行かれてどのような感想をお持ちになったか、一言、最後の一問ということでお伺いできればと思います。
○茂木国務大臣 今年の年初に、外国訪問先、最初としてイスラエル、そしてパレスチナを訪問いたしました。
イスラエルでは、ネタニヤフ首相、サール外相、そしてヘルツォグ大統領、パレスチナでは、フセイン・シェイク副大統領及びムスタファ首相と会談をしまして、ハマス等によりますテロの現場、それも、実際に私も足を運んで視察をさせていただいたところであります。
私からは、これまでイスラエル、パレスチナ双方と良好な関係を築いてきた日本として、中東和平の実現に向けて双方にやるべきことがあると。最終的には、信頼関係が崩れているわけですから、この信頼関係を取り戻すことが重要じゃないか、そのための行動を求めたところであります。
具体的に、まずイスラエルに対しては、ハマスのテロ攻撃、断固非難をした上で、ヨルダン川西域におけます入植活動、これは国際法違反でありまして、日本は入植地の拡大であったりとか入植者によります暴力の増加が地域の情勢をより不安定化させることを深刻に懸念している、そういったことをネタニヤフ首相にも率直に伝えさせていただいたところであります。そして、イスラエル側の速やかな対応も求めたところであります。また、ガザでの国際機関及びNGO等による人道支援活動を妨げることがないように、適切な対応も求めたところであります。
一方、ガザの復興に向けた国際社会の動きが本格化をする中で、平和を支える取組の三本柱といった日本ならではの取組を、これはちょっと長くなっちゃうので、三本柱を全部説明していると時間がなくなると思いますので、当事者に伝達をいたしました。日本がイスラエル、パレスチナの双方から信頼されているということを改めて感じました。
率直に意見を言える立場にあるなと感じたところでありまして、もちろん情勢というのはまだ予断を許さない部分はあるわけでありますが、中東地域の永続的な平和と繁栄の実現に向けて日本ならではの外交努力を続けてまいりたい、こんなふうに考えております。
○青柳委員 済みません。御答弁ありがとうございました。
以上で終了させていただきます。
――――◇―――――
○國場委員長 次に、本日付託になりました内閣提出、在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
これより趣旨の説明を聴取いたします。外務大臣茂木敏充君。
―――――――――――――
在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案
〔本号末尾に掲載〕
―――――――――――――
○茂木国務大臣 ただいま議題となりました在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を御説明いたします。
改正の第一は、在ラトビア日本国大使館の位置の地名を改めることです。
改正の第二は、在外公館に勤務する外務公務員の在勤基本手当の基準額を改定することです。
改正の第三は、在外公館に勤務する在外公務員の配偶者手当の見直しを行うことです。
改正の第四は、在外公館に勤務する外務公務員の同行子女手当を新設することです。
改正の第五は、在外公館に勤務する外務公務員の在外単身赴任手当を新設することです。
改正の第六は、在外公館に勤務する外務公務員の国内の留守宅に係る住居手当を支給することであります。
改正の第七は、在外公館に勤務する外務公務員の子女教育手当のうち、幼稚園に相当する教育施設に係る加算額の限度額を改定することであります。
以上の改正内容のうち、在勤基本手当の基準額の改定、配偶者手当の見直し、同行子女手当及び在外単身赴任手当の新設、国内の留守宅に係る住居手当の支給、幼稚園に相当する教育施設に係る加算額の限度額の改定につきまして、在外職員の実態に合った手当の支給を来年度当初から開始したく、年度内の法律改正に御協力いただけますようお願いいたします。
以上が、この法律案の提案理由及びその概要であります。
何とぞ、御審議の上、御賛同いただけますようお願いいたします。
○國場委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
次回は、来る十一日水曜日委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後三時四分散会

