衆議院

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第7号 令和8年4月15日(水曜日)

会議録本文へ
令和八年四月十五日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 國場幸之助君

   理事 石橋林太郎君 理事 小田原 潔君

   理事 高木  啓君 理事 穂坂  泰君

   理事 星野 剛士君 理事 近藤 和也君

   理事 青柳 仁士君 理事 深作ヘスス君

      伊藤  聡君    今岡  植君

      岩屋  毅君  英利アルフィヤ君

      大西 洋平君    小渕 優子君

      川松真一朗君    島田 智明君

      新藤 義孝君    中曽根康隆君

      西銘恒三郎君    東田 淳平君

      前川  恵君    松島みどり君

      森原紀代子君    山田 基靖君

      金城 泰邦君    原田 直樹君

      横田 光弘君    鍋島 勢理君

      木下 敏之君    土橋 章宏君

    …………………………………

   外務大臣         茂木 敏充君

   外務大臣政務官    英利アルフィヤ君

   外務大臣政務官      大西 洋平君

   外務大臣政務官      島田 智明君

   厚生労働大臣政務官    栗原  渉君

   防衛大臣政務官      吉田 真次君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 松本 恭典君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 野村 恒成君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 渡邊  滋君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 門脇 仁一君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 北郷 恭子君

   政府参考人

   (外務省北米局長)    熊谷 直樹君

   政府参考人

   (外務省中東アフリカ局長)            岩本 桂一君

   政府参考人

   (外務省国際協力局長)  今福 孝男君

   政府参考人

   (防衛省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官)           吉野 幸治君

   政府参考人

   (防衛省大臣官房審議官) 伊藤 哲也君

   政府参考人

   (防衛省大臣官房審議官) 寺田 広紀君

   政府参考人

   (防衛装備庁装備政策部長)            小杉 裕一君

   外務委員会専門員     山本 浩慎君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月十五日

 辞任         補欠選任

  中曽根康隆君     森原紀代子君

  佐々木真琴君     鍋島 勢理君

  宇佐美 登君     土橋 章宏君

同日

 辞任         補欠選任

  森原紀代子君     中曽根康隆君

  鍋島 勢理君     佐々木真琴君

  土橋 章宏君     宇佐美 登君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 国際情勢に関する件


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     ――――◇―――――

國場委員長 これより会議を開きます。

 国際情勢に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付のとおり、外務省大臣官房審議官松本恭典君外十一名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

國場委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

國場委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。西銘恒三郎君。

西銘委員 今、世界の人々が、イラン戦争の停戦合意から終戦合意に達することを強く強く望んでいると思います。私もその一人であります。毎日、報道で、関係者の発言に非常にぴりぴりと神経をとがらせているような状況が続いております。

 四月の八日に、二週間の停戦合意が成立をいたしました。このことを高く評価するものであります。二週間といいますと四月の二十二日までかと思っておるのでありますが、御案内のように、アメリカとイランの合意を期待をしておりますが、現実、大変厳しいものもあります。

 そこで、政府参考人にお伺いをしたいのでありますが、私は、ポイントは二つあるのかなと見ております。

 一つは、高市総理が言われた、国際公共財、国際海峡として、ホルムズ海峡の自由で安全な通航が確保されているのかどうか、現時点での政府の認識。そしてもう一点は、イランに核兵器を持たせない。ウラン濃縮問題の技術的なことはさておきまして、イランに核兵器を持たせない。

 この二つが大きなポイントになるのかなと思っておりますが、我が国政府の立ち位置を含めて、この二点について、現時点での政府の御認識をお伺いしたいと思います。

岩本政府参考人 ただいま委員から御指摘もありましたとおり、まず、ホルムズ海峡における自由で安全な航行の確保、これは非常に重要なことだと考えております。

 そして、先ほども御指摘ありましたとおり、日本としましても、ホルムズ海峡は世界の物流の要衝であって国際公共財である、こういった立場を、世界の各国と認識を共有するよう努めてきておるところでございます。

 そして、具体的には、ホルムズ海峡をめぐる状況は日々変化をしておりますので、これを注視しつつ、日本関係船舶を含む全ての国の船舶が同海峡を一刻も早く安全に、そして自由に航行できるよう、イラン、そして関係国にも、一貫して働きかけを続けてきているところでございます。

 そして、二点目の核兵器の問題ですが、これは、イランによる核兵器開発は決して許されないというのが我が国の一貫した立場でございます。そして、この立場に基づいて、我が国としましては、国際社会と緊密に連携しながら、イランに対して、米国との協議、そしてIAEAとの完全な協力の再開を求めてきたところでございますし、これからも、この立場に基づいて、しっかりとした外交努力を続けていきたいと考えております。

西銘委員 政府参考人に併せて伺いますが、イランがホルムズ海峡で通航料を取るということなども、もってのほかだという御認識でよろしいかどうか、お伺いします。

岩本政府参考人 御指摘のとおり、通航料を取るかどうか、ここについては、現時点で様々な情報が錯綜している状況でございますが、日本としては、ただいま申し上げましたとおり、ホルムズ海峡は自由に通航することが適切であるという立場でございますので、通航料が取られるということはあってはならないと考えております。

西銘委員 私は、このイラン戦争の長期化は、戦後、我が国最大の国難にもなり得るものと非常に危惧をしております。

 その意味で、首脳会談の実現には、茂木外務大臣、水面下でのいろいろな交渉があろうかと思いますが、どこまでお話しできるかは別にして、可能な限り大臣の認識で御発言していただきたいのでありますが、私は、高市総理大臣がそれぞれの国々と首脳会談を是非してほしい。そのためには、茂木外務大臣が、例えばアメリカが抜けたTPP11のときに十一か国で合意にまとめたようなことを、私は個人的にも高く評価をしております。茂木外務大臣のこれまでの豊かな経験と実績を通じて、このイラン戦争が勃発してから、停戦合意を含めて、これまでの期間に外務大臣が取ってきた行動、なかなか国民には見えにくいと思いますので、水面下での、各国、世界中の国々との外務大臣との交渉を含めて、お話しできる点を国民に分かりやすく、今後のことも含めて御説明、お話しいただけたらと思いますので、よろしくお願いをいたします。

茂木国務大臣 ありがとうございます。

 日本として、二月二十八日に事態が発生して以来、関係国、仲介国、湾岸諸国、G7各国等と協議を重ねてきております。私自身、電話を含めまして、約三十回の外相会談を行ってまいりました。

 特に、イランに対しては、長年にわたる関係も生かして、私自身、アラグチ外相と、事態発生以来三回にわたり電話会談を行いました。こうした機会に、ホルムズ海峡における航行の安全を含めて、話合いによる事態の早期鎮静化に向けた働きかけを行っているところであります。

 こういった中で、イランが例えば湾岸諸国を攻撃する、また、国際公共財でありますホルムズ海峡を実質的に閉鎖をする、こういうことはイラン自身が国際社会から孤立してしまう、そういうことは絶対に避けた方がいい、こういったことでも説得をしているところであります。

 また、私自身、先月のG7外相会談においても、G7を含みます関係国と引き続き緊密に意思疎通していくことを確認いたしました。

 さらに、様々共同声明も出しておりまして、三月十九日のホルムズ海峡に関する首脳共同声明であったりとか、四月八日の米、イランの停戦合意発表を歓迎する首脳共同声明の発出を含めて、日本として国際社会と連携してこの問題に取り組む、こういったことも行ってきているところであります。

 その上で、今最も重要なことは、ホルムズ海峡の航行の安全確保を含めて事態の鎮静化、さらには中東地域の平和と安定の実現が実際に図られることであります。

 四十七年ぶりに、パキスタン等の仲介もありまして、イスラマバードにおきまして、米、イランの直接の協議が行われたわけでありますが、米国とイランの間にはまだ幾つかの点で隔たりがあるわけでありますが、決して、決裂をした、こういうことではないと考えておりまして、今後、再会談、話合いを通じて最終的な合意に至ること、これを期待しております。

 日本としては、仲介国の外交努力、私も、パキスタンそしてトルコ、サウジアラビア、エジプト、仲介に当たった四か国それぞれの外相とも電話会談を行っておりますが、こういった仲介国の外交努力を後押ししつつ、引き続き、あらゆる外交的な取組を継続していきたい、こんなふうに考えております。

西銘委員 外務大臣の水面下での御努力を高く評価をしたいと思います。

 そこで、一点、外務大臣。私は、外務大臣の政治経験、あるいは豊富な人脈、これまでの積み上げ、アメリカの国務大臣、ルビオ国務大臣であったり、今、我が国が中国との関係で非常に厳しい状況になっているときだからこそ、中国の外務大臣よりも、私は茂木外務大臣の経験の方が重たいと思っております。その辺のところも含めて、可能な限り、この中東のイラン戦争を停戦から合意に至らせるために、水面下で大いに努力をしていただきたい。特に、アメリカと中国の間に立って動けるのは、私は茂木大臣以外にいないと思っておりますので、こういう中国との関係が厳しい時期ではありますが、外務大臣の人脈、あるいはこれまでの友情も含めて、大いに力を発揮していただきたいと思います。

 更問いで申し訳ありませんが、外務大臣の意気込みを是非聞かせてください。

茂木国務大臣 例えば、先ほど申し上げたイランのアラグチ外相は、日本の大使も務めておりましたし、以前は、特使として日本に訪問する、そういったときも直接お会いしていろいろな話をしておりますので、率直に話ができる関係でもありますし、ルビオ国務長官とも何度もお会いをしているところであります。中国の王毅外相とも、私も何度も会っております。

 今、米中関係がどうなるか、このことについては短期的な問題、貿易の問題であったりとかありますが、一方で、我が国をめぐる安全保障環境を考えたときに、中国の力又は威圧による一方的な現状変更の試み、こういったものは阻止しなければいけないと思っておりますし、中国が不透明な形で軍事力を大幅に増強しようとしている、こういう課題もある中で、長期的には、様々な、例えば経済安全保障問題も含めて、中国が最大の挑戦者になってくる、こういったことも事実だと思っております。

 その上で、日本としては、中国は重要な隣国でありまして、関係もあるわけであります。また、隣国であるからいろいろな意味で課題や懸案も存在するわけでありまして、これを解決するためには意思疎通をしっかりと続けていく必要があると考えておりまして、日本としては、あらゆるレベルの協議についてオープンである、こういった姿勢を示しながら、中国との関係もしっかりとマネージをしていきたい、こんなふうに考えております。

西銘委員 ありがとうございます。大いに期待をしたいと思います。

 一つ質問を飛ばします。

 中国の共産党主席と台湾の野党の鄭麗文主席が会談をいたしました。

 実は、一月に鄭麗文国民党主席と会う機会があったのでありますが、私の個人的な感想としましては、百八十センチぐらいある大柄な方で、非常に、ワッハッハッハと大きく笑うような、豪放な印象を受けました。

 一方の習近平国家主席は、福建省の省長の頃に沖縄県に来ております。また、福建省の党書記、総書記としても来ております。稲嶺元県知事の言葉をかりますと、非常に寡黙で大物然としていたというのが稲嶺元県知事の評価であります。

 この二人の会談が米中首脳会談の前に行われたという点を、どう読み取ればいいのか。台湾の自由と民主主義がなくならなければいいがなというふうに私は個人的には思っておるのでありますが、対話をすること自体はいいことと思っておりますが、茂木外務大臣はこの辺をどう解釈、認識されておりますか。お伺いいたします。

茂木国務大臣 習近平国家総書記、確かに西銘委員おっしゃるように、寡黙といいますか冷静でありますけれども、直接お会いしても、核心的な問題、こうなりますと、かなり雄弁なところもあるのも事実であります。

 御指摘のように、習近平総書記と鄭麗文国民党主席の会談が行われた、このことは承知しております。その逐一について政府としてコメントすることは差し控えたいと思いますが、台湾をめぐる情勢について、関心を持って注視をしているところであります。

 その上で、台湾海峡の平和と安定、これは我が国のみならず国際社会全体にとっても重要な問題だ、こんなふうに考えているところであります。

 今のホルムズ海峡の問題だけでなくても、いかにシーレーン、こういったものをしっかり確保しておくかということは極めて重要な問題だ、こんなふうにも考えておりまして、台湾をめぐる問題、これが対話によって平和的に解決される、このことを期待するというのが我が国の従来からの一貫した立場であります。

西銘委員 ありがとうございました。外務大臣、大いに期待しております。

 ありがとうございました。

國場委員長 次に、原田直樹君。

原田委員 おはようございます。中道改革連合の原田直樹です。

 本日も質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 私は、現在、中道改革連合に所属しておりますが、本年一月までは公明党に所属をしておりました。公明党は、六十年以上にわたり、一貫して平和外交を重視してまいりました。命を守る政治、対話で平和をつくる外交、そして人間の安全保障を軸にした国際協力、そうした公明党が六十年以上にわたって培ってきたこの問題意識を中道改革連合として引き継ぐ立場から、本日は質問をいたします。

 今、世界は大きく揺れています。戦争があります。核の脅威があります。気候変動もあります。そして、AIのような新しい技術が、日々、物すごい速さで進歩をしております。

 今この委員室にいらっしゃる外務委員の皆様、政府関係者の皆様、そして、中継を御覧になっている国民の皆様、日常のお仕事や生活の中でAIは使われておりますでしょうか。

 私自身は、お恥ずかしながら、割と最近までちょっと苦手意識がありまして、余りAIをうまく使いこなせておりませんでした。しかし、最近は少しずつ慣れてまいりまして、例えば、会議に出れば自動で議事録を作ってもらったり、情報を調査して、整理して、場合によっては資料を作ってくれたりと、非常に便利になってきているなと思います。しかし一方で、進歩はしているものの、まだまだミスはあるなということを感じています。ちょっと誤りがあるということで、従来、苦手意識があったわけでありますけれども。

 こうした、進歩はしているものの、まだまだ誤りやミスが発生をする技術を、軍事利用、つまり人の命を奪う、生き死にに関わるような判断にまで入り込ませてよいのか。この点についてはしっかりと考えなければならないと私は思います。

 公明党が昨年五月に策定をした、平和創出ビジョンという提言集がございます。この平和創出ビジョンの中でも、この問題は重く受け止められております。AIの軍事利用をどう規制するのか、そして、今日はもう一つの論点、学校や教育を戦火からどう守るのか。それがまさに本日取り上げるテーマそのものでございます。

 今般のイラン情勢に関連して、報道によれば、イランの女子小学校が米軍による攻撃を受け、多くの児童や教職員が犠牲になったとされております。百七十五人もの罪のない方々が亡くなられたと報道で承知をしております。さらに、一部の報道では、その攻撃の標的の選定や攻撃判断の過程でAIを活用した支援ツールが関わっていた可能性も指摘をされております。つまり、小学校を攻撃をしようとして攻撃をしたのではなくて、AIによる誤爆であったということが報道されております。

 この点については、アメリカの当局からAIによる誤爆であったという公式な発表はありませんし、今、国連の人権理事会が調査をしている最中であると承知をしておりますので、断定をすることは難しいのかなとは思いますけれども、報道等を見ている限りでは、かなりその蓋然性は高いのではないかと私は理解をしております。

 もし、こうした一連のことが事実であれば、問題は極めて深刻であります。AIの軍事利用の危うさが、学校という最も守られるべき場所への被害として表れたことになります。

 そこで、本日は、AIの軍事利用規制、そして学校保護宣言、この二点についてお伺いをいたします。

 皆様のお手元に、AIの軍事利用に関する用語ということで、簡単な資料を配付をさせていただきました。少し専門用語が多くなってまいりますので、皆様は適宜御参照いただきながら、また、私もなるべくかみ砕いて説明をしながら質疑を行わせていただきたいと思います。

 今回の事案のように、学校が攻撃を受ける、しかもその過程でAIの関与が疑われる、これは、国際人道法の観点から見ても極めて重大であります。学校というのは、ただの建物ではありません。子供たちが学び、育ち、未来をつくっていく場所であります。それが壊されるということは、命だけではなく、国や社会の将来まで壊されるということであります。

 そこで、お伺いいたします。

 政府は、イランにおける女子小学校への攻撃事案について、どのような事実関係を把握しているのか。また、一部報道で指摘をされているAI支援ツールの関与の可能性について、どのように受け止めておられるのか。茂木外務大臣にお伺いいたします。

岩本政府参考人 ただいま委員からも御指摘のありましたとおり、イラン南部のミナブの女子小学校の事案につきましては、イラン側はまず、死者が百七十五名以上と発表しております。一方で、これも御指摘ありましたとおり、米国側はこの事実関係について調査中である、また、国連の人権理事会も、調査を行うという発表をしております。したがいまして、我が国としましても、こうした調査の状況をしっかりと注視をしてまいりたいという具合に思っております。

 また、今御指摘のありましたAIの利用につきましては、今回の個別の事案についてどうだったかということは、ただいま申し上げましたとおり調査が行われているということでございますし、AIが使われたかどうか、その点も含めて、現時点では事実関係は十分明らかになっていないということでございますので、我が国政府としての立場を申し上げることは難しいという具合に考えております。

原田委員 公明党が去年発表した平和創出ビジョンでは、日本は、LAWSをつくらず、また使わない立場を堅持すべきだ、その上で、CCWの枠組みで国際ルール作りを進めるべきだと明記をしております。

 お手元の資料に解説がございますけれども、LAWSというのは、致死性自律型兵器システムといいまして、人間の殺傷を目的とする兵器システムでありますけれども、一度起動をすれば、操作者、人間の介入、操作なしに、攻撃の標的を識別し、選択し、殺傷力を持って交戦することができるという兵器システムであります。こうしたものはつくらない、使わない、そういう立場を堅持すべきであると。

 また、CCWというのは、特定通常兵器使用禁止制限条約でございます。通常兵器のうち、過度に傷害を与え又は無差別の効果を有することがあると認められる特定通常兵器、こうした兵器の使用の禁止や制限に関して、合意を達成する目的で締結をされた条約でございます。一九八〇年に採択をされ、八三年に発効、日本も八二年には批准をしております。

 こうした国際的な話合いの枠組みの中で、このLAWS、一度スイッチを入れれば人間が介さなくても機械が自動的に攻撃を行っていく、こうしたことは規制をすべきだということを私たちは訴えております。私は、この考え方は非常に重要だと思います。人の命を奪う最終判断を機械に委ねてよいのかという問題意識であります。

 そこで、茂木外務大臣にお伺いいたします。

 CCWのGGE、政府専門家会合におけるLAWS規制の議論の現状を、政府はどう認識しているのか。また、日本政府として、今後どのような具体的な役割を果たしていくお考えか。外務大臣の見解をお伺いいたします。

茂木国務大臣 まず、ウクライナの戦闘を見ても、ドローンであったりとか無人機であったりとか、新しい戦い方を既存の兵器と組み合わせる、こういった形の、今まで想定されなかったような戦いというのが行われているのは事実でありまして、そのために、例えば今、三週間ぐらいの単位でシステムを更新したり、様々な形で、AI等も導入しながら新しい戦い方というのが進んでいるのは、現実として受け止めなければいけないと思っております。

 その上で、御指摘の自律型致死兵器システム、LAWSにつきましては、現在、御指摘の特定通常兵器使用禁止制限条約、CCWの政府専門家会合、GGEにおきまして、その定義、特徴、国際人道法上の課題、規制の在り方等について議論が行われているところであります。こうした主要論点について、各国の間ではいまだ考えの隔たり、立場の隔たりというものがあることから、主要国が参加をする形で粘り強く議論を継続することが重要であると考えております。

 我が国としては、今後とも、一つは人道、そしてもう一つは安全保障、こういった視点を勘案したバランスの取れた議論を通じて、広く国際社会において共通の認識が得られるように、LAWSに関する国際的なルール作りに積極的に建設的に参加をしていきたい、こんなふうに考えております。

原田委員 積極的、建設的に議論に関わっていくと、前向きな御答弁をいただきました。

 加えて、ここで大事なのは、今、LAWSについてお伺いをしましたけれども、その議論をLAWSだけに限ってよいのかというのも大事な点であると思います。現実に問題となるのは、完全に自律した兵器だけではありません。

 お手元のまた資料で、今度はAWS、またAI―DSSについて少し御説明を、御紹介をしたいと思います。

 AWSというのは、LAWSよりももう少し広い概念で、致死性が必ずしも伴わなかったとしても、ボタン一つで、起動した後には人間の介入なしに標的を選択し、攻撃をできるようなシステムであります。

 また、AI―DSS、これはAIを用いた意思決定の支援システムであります。人工衛星またドローンによる監視、通信傍受など、こうしたことから得た情報を基に、AIが攻撃標的の候補や潜伏場所の抽出、脅威の順位づけ、攻撃の可否判断の補助、被害予測や作戦立案の支援等々、人間の判断を支援する仕組みであります。

 AIが情報を整理して、この標的が危険だ、また、この施設は軍事利用されている可能性が高い、そうしたことを示す仕組みも、実際の軍事行動に大きな影響を与えます。最終的には人間が判断をした、攻撃のボタンを押したと言えたとしても、その前提となる情報整理や優先順位づけをAIが左右をしていれば、時に誤った判断が拡大をする危険があります。

 そこで、外務大臣にお伺いいたします。

 政府は、LAWSに限らず、AWSやAI―DSSについても、国際人道法に基づく国際ルール形成の対象として積極的に議論を進めるべきだと考えますが、御見解はいかがでしょうか。

門脇政府参考人 お答え申し上げます。

 軍事領域におけるAI活用について、我が国は、AI技術の開発利用などを通じて生じる問題に対して、国際人道法を含む既存の国際法が適用されるという見解を支持してきております。

 我が国は、軍事領域におけるAI活用について、人道的考慮、そして安全保障上の観点を勘案したバランスの取れた議論を通じて、国際社会において共通認識が得られるよう、国際的な議論にも、今後とも積極的かつ建設的に参加していく所存でございます。

茂木国務大臣 技術的な問題については、今、参考人の方から答弁があったとおりでありますけれども、AIも判断ミスを犯します。しかし、人間も判断ミスを犯す。こういったことを考えて、いかに紛争を起こさないか、戦争を起こさないか、事前の段階で話合いによって問題を解決していく、こういう姿勢を取ることが極めて私は重要だと思っております。

 確かに、AIによって戦い方が変わってくる、こういうお話をしましたけれども、そういう戦いを起こさないということに力点を置くことが極めて重要なんじゃないかなと考えております。

原田委員 大臣が今おっしゃったことは、私も完全に同意であります。AIの軍事利用のことについて本日は質問しておりますけれども、そもそも、様々な紛争は、武力ではなくて対話によって国際紛争を解決すべきだという前提は、私も同意をいたします。

 その上で、AIの軍事利用について、ここからもう少し具体的な、技術的なことについても質問をさせていただきたいと思います。

 AI規制の議論で、よく、人間の関与を確保するということが非常に大きな論点になってまいります。しかし、私は、人間が関与するということだけではなく、曖昧にしてはならず、人間の関与というのは具体的には一体何を意味するのか、最後に形式的に人間が承認をすればよいのか、それとも、標的の妥当性、情報の信頼性、民間人被害のおそれ、こうしたことを人間が実質的に理解し、判断し、必要なら止められる、そうした状態であるのか、この差は非常に大きいと思います。

 そこで、政府参考人にお伺いいたします。

 AIを活用した軍事システムにおける人間の関与について、政府は、どの段階でどの程度の関与があれば、実質的な人間の関与が確保されていると考えるのか。単なる形式的承認ではなく、人間が実質的に判断し責任を負える状態をどのように担保すべきと考えるのか、お聞かせください。この点については、まずは日本政府としてどのような基準で考えているのか、自衛隊としての運用、そうしたことを防衛省の政府参考人に伺います。

 また、今申し上げた点につきまして、当然、日本だけがしっかりとした基準を持ち、それを守ればよいというわけではありません。AIを活用した軍事システムにおける人間の関与について、どのような国際ルールや枠組みが必要であると考えるのか。日本政府として、国際的議論でリーダーシップを発揮する考えがあるのか。こちらは外務省の政府参考人にお伺いいたします。

吉野政府参考人 お答えいたします。

 科学技術の急速な発展が、安全保障の在り方を根本的に変化させております。AIを活用した高度なデータ処理、分析を背景とした戦い方も顕在化しております。我が国としても、これに適切に対応していくことが重要でございます。

 また、人口減少下にある我が国におきましては、自衛隊員の命を守って人的被害を局限することは極めて重要な課題でありまして、自衛隊における無人化、省人化も図っていく必要がございます。

 このような考え方の下、令和六年に策定いたしました防衛省AI活用推進基本方針におきましては、情報収集・分析、指揮統制、無人アセットといった七つの分野におきまして、AIを重点的に導入していく方針をお示ししたところでございます。

 また、令和七年には、AIのリスクを軽減しながらその効果を最大化できるよう、責任あるAI装備品等の研究開発を進める指針といたしまして、装備品等の研究開発における責任あるAI適用ガイドラインというものを作成してございます。

 その上で、AIの活用に当たりましては、こうした文書にも記載しておるとおり、例えば、誤りが含まれることによる信頼性の懸念、学習データの偏りなどによるバイアスが生じるリスク、国際人道法を始めとする法的適合性、また、人間による適切な関与の在り方、こういった論点も存在することと認識しております。なので、これらの文書におきましては、これらの論点に適切に対応するということとしております。

 防衛省・自衛隊といたしましては、これらの方針に基づきまして、適切にAIを活用しながら防衛力強化のための取組を進めてまいる所存でございます。

松本政府参考人 外務省の立場でお答えいたします。

 LAWSに関する議論につきましては、先生御指摘のGGEにおいて、国際的に議論が行われておるところでございます。その中で、人間の関与につきましては、兵器システムの性能、それから使用の場面等を考慮する必要性、こういったものを多くの国が様々主張しておるところでございまして、具体的な態様や必要とされる程度につきましては、現時点で各国の立場は収れんしていないというところでございます。また、AIを活用した軍事システムについて、責任は人間が負うべきとの認識はおおむね共有されておると考えておりますけれども、現在もその具体的な議論については継続が行われている。

 したがいまして、我が国としましては、こうした議論を踏まえながら、AIの軍事利用が人間中心の原則を維持し、信頼性、予見可能性を確保し、責任ある形で行われるということを重視して、引き続き、国際的な議論に積極的に参画してまいりたいと思っております。

原田委員 御説明ありがとうございました。

 今、御答弁の中でも、責任は人間が負うべきという原則について言及がございました。大事なのは責任の所在の問題、これがもう一つ大事な論点であると思います。

 AIが関わった軍事行動で民間人の被害が起きた、そのときに、なぜその標的が選ばれたのか、誰が判断したのか、どこに問題があったのか、こうしたことが後から分からなければ、御遺族に対して説明もできませんし、再発防止策を取ることもできません。つまり、AIの問題は、性能や技術的な問題だけではなく、説明責任、そして検証可能性の問題でもあります。

 そこで、政府参考人にお伺いをいたします。

 AIを活用した軍事システムによって民間人の被害が発生した場合、判断過程の記録保存、事後検証、責任の所在の明確化について、先ほどと同じですけれども、まずは日本政府としてどのような基準で考えているのか、防衛省の政府参考人に伺います。

 あわせて、どのような国際ルールや枠組みが必要と考えるのか、日本政府として、AIの軍事利用に関わる説明責任と検証可能性を確保する仕組みの国際的議論を進める考えがあるのか。こちらは外務省の政府参考人にお伺いいたします。

吉野政府参考人 お答えいたします。

 防衛省といたしまして、先ほど御紹介いたしました防衛省AI活用推進基本方針にも記載しておるとおり、AIが行うのは人間の判断のサポートであって、その活用に当たっては人間の関与を確保する必要があると考えてございます。

 人間の関与の在り方に関しましては、委員からも御指摘ありましたとおり、国際的にも様々な議論があると承知しておりますが、最も重要な点は、指揮官や操作者が意図した形で兵器システムを運用できるような状態を確保することであると考えてございます。そのためには、使用する兵器システムに関する情報を十分把握すること、また、責任ある指揮命令系統の下で適切な判断ができるようにすることが必要と考えてございます。

 先ほど申し上げた防衛省のAI活用基本方針に記載した考え方につきましては、以上のような基本的な考え方に基づいて策定したものでございまして、防衛省としては、これを踏まえてAIの活用を進めてまいる所存でございます。

松本政府参考人 お答え申し上げます。

 AIを活用しました軍事システムにおけるAIの判断に関する追跡可能性、あるいは透明性といったことにつきましても、同じくGGEの中でも様々な議論が行われておるところでございます。

 先ほどの繰り返しになりますけれども、AIを利用した軍事システムについて、責任は人間が負うべきとの認識についてはおおむね共有されておるところでございますけれども、具体的なAIの判断の検証をどのように行うのか、技術的に可能なのか、判断過程の記録保全とか事後検証の在り方、これらにつきましては、日々進化するAIの技術も踏まえながら様々な議論が行われておりますところですので、まだ我が国として具体的にこうあるべきという判断を申し上げられる段階にはございません。

 引き続き、我々としても、GGEの中で、適切な技術の進展を踏まえた規制の在り方につきまして、積極的に参加をしてまいりたいと思っております。

原田委員 御説明ありがとうございました。

 防衛省が出されているガイドラインについても、私も本文も確認を詳細にいたしましたけれども、まだまだ具体的な、大きな方向性は、人間がしっかりと関与をすること、そして人間が責任を取るということについては明記をされておりますが、具体の細かいところについては、政府の方針としても、また国際的な認識にも大きな差があるなということを、今、御答弁の中から感じたところでございます。

 今回のイランの小学校の空爆の件、そして、先ほど大臣から、ロシアによるウクライナ侵攻でもこうした技術が使われている話がございました。日々日々技術が進歩している中で、より具体的な、日本の中でも、また国際ルール形成においても、具体的な議論が更に深まることを期待をしてまいりたいと思います。

 最後に、AIの軍事利用についてるる質問してまいりましたけれども、最も越えてはならない一線、それは、私は核兵器への関与だと思います。

 核兵器は、一度判断を誤れば、取り返しのつかない結果をもたらします。そこにAIの判断や自動化が入り込むことは、人類の存続そのものに関わる問題です。先ほど大臣からもありました、AIが誤りを犯す可能性がある、一方で、人間もそれは同じことではありますけれども、こうしたことは懸念をされると私は思います。先ほど来御紹介をしております公明党の平和創出ビジョンでも、核兵器の運用へのAI関与や判断を一切認めるべきではないと私たちは主張をいたしております。

 今月末、四月二十七日から五月二十二日まで、NPT、核不拡散条約の再検討会議がニューヨークの国連本部で開催予定です。こうした場においても、核兵器の運用へのAIの関与や判断について、それを禁止する旨を主張し、日本が唯一の戦争被爆国として国際的な議論をリードすべきであると私は考えております。

 そこで、外務大臣にお伺いいたします。

 日本政府として、核兵器の運用や発射判断へのAI関与を認めないという立場を、NPT運用検討会議など、これに限りませんけれども、国際場裏でより明確に発信し、国際ルール形成に取り組むべきではないでしょうか。大臣の見解をお伺いいたします。

茂木国務大臣 来る十一回目になりますNPTの運用検討会議でありますけれども、委員の御質問が、この主要議題がAIの核兵器使用に関わる問題としてされているのか、私は必ずしもそうではないと思っておりますけれども、どういう視点で御指摘をされているか、御質問されているか、もう少し明確にお示しいただきましたら、正確な回答ができると思います。

原田委員 大臣御指摘のとおり、NPTの、必ずしもこのAIの関与というのは主要な議題ではないかなというふうには思いますけれども、こうした核兵器の運用に関するAIの関与について、NPTは一つの例として出させていただきました。国際的な枠組み、会議の場で日本として主張をしていく、そうしたお考えがあるのか、大臣の見解をお伺いしたいと思います。

茂木国務大臣 急速な技術の発展を踏まえまして、AIのポテンシャルやリスクについて国際的な議論がまさになされているところでありまして、核兵器の運用へのAIの関与についても様々な議論が進められている、このように承知をいたしております。

 核兵器使用がもたらす非人道的かつ甚大な影響や、AIの持つ技術的な特性や制約といった様々な論点について、強い関心を持って各国との議論に参画してきているところでありますが、このNPTの運用検討会議、今回は共同声明をしっかりと出さなきゃならない、そのために核兵器保有国と非核兵器国の間の考えの違いをどうやって埋めていくか、こういったことが一番中心のテーマになってくるのではないかな、あらゆる問題について議論を広げてしまったら、前回も前々回も結局共同声明が出されなかった、同じような結果に終わらせてはいけない、そんなふうに私は考えております。

原田委員 御答弁ありがとうございました。

 今国会の最初の外務委員会の質疑で、NPTの合意形成のことについても、私も質問をさせていただきました。是非、核兵器国また非核兵器国との間を埋める、溝を埋める努力を是非日本の政府には御尽力いただきたい、そのように期待をいたしております。

 ここからは、学校保護宣言についてお伺いをいたします。

 これは、紛争中であっても、学校や大学を軍事利用から守り、子供たちの教育を続けられるようにするための国際的な政治宣言です。言い換えれば、戦争のさなかにあっても、子供たちの学ぶ場所は守ろうという約束であります。公明党の平和創出ビジョンでも、日本政府に早期の署名を求めております。

 しかし、現在、この学校保護宣言、世界百二十一か国が賛同をしておりますが、その中に残念ながら日本は入っておりません。更に言えば、G7の中で日本だけが賛同していない、そうした状況でございます。

 学校が壊されるということは、建物が壊れるだけではありません。子供の学ぶ権利が奪われ、地域の再建が遅れ、未来への希望が傷つく、そういうことであると私は思います。

 この学校保護宣言について、何度か国会の場でも質疑が行われていますけれども、改めて、茂木外務大臣にお伺いをいたします。

 政府は、学校保護宣言の意義をどのように認識しているのか、また、日本がこの学校保護宣言に賛同していない理由は何か、お答えください。

茂木国務大臣 我が国は、全ての紛争当事者によります国際人道法の遵守、これを重視しております。そのため、武力紛争下においても紛争当事者は学校の安全と教育を保護すべきである、こういった安全な学校宣言の目的自体は、基本的に評価をいたしております。

 一方、安全な学校宣言が支持をいたします、武力紛争下で学校や大学を軍事目的利用から守るためのガイドライン、これにつきましては、既存の国際人道法の義務を超える内容に言及しているところであります。

 これらについて、我が国の安全保障環境が厳しさを増す中で、国家国民を守り抜くために必要となる自衛隊の部隊運用に影響を与える可能性が懸念されている、このように承知をいたしておりまして、その詳細につきましては、防衛省の方にお尋ねいただければと思います。

原田委員 御答弁ありがとうございました。

 国際人道法の定める範囲を超えると解釈される部分があるのではないかというお話も今ございました。例えば、アメリカについては、この学校保護宣言については、国際人道法に定める義務、これを超えるものではないという理解の下という留保つきで賛同をいたしております。そうした国もありますので、是非、日本政府にも引き続き、前向きに御検討をいただきたい、このように思っております。

 本日は、AIの軍事利用規制と学校保護宣言について質問させていただきました。一見するとそれぞれ別のテーマに見えますけれども、根っこは同じであると私は思います。それは、技術や軍事の、今、自衛隊の部隊運用についてもお話がありましたが、技術や軍事の都合よりも、人間の命そして尊厳、こうしたことを中心に置くのか、そうした問題意識であります。

 平和というのは、ただ願うだけでは実現をしません。人間が責任を持つルールを具体的に明確に作っていくこと、子供たちの学ぶ場を守ること、そして、最も弱い立場にある人の命と尊厳を守ること、その積み重ねでしか平和は形にならないと思います。

 今の国際情勢、秩序を見ておりますと、力による現状変更がまかり通ってしまっている、そうした状況がございます。そうした中にあって、法の支配、また生命の尊厳、こうした国際秩序をしっかりと守るための外交努力、政府には、こうした立場に立って、日本が国際社会で果たすべき役割をより明確に、より積極的に示していただくことを求めまして、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

國場委員長 次に、金城泰邦君。

金城委員 中道改革連合、金城泰邦でございます。

 本日は、質問の機会をいただきまして、感謝を申し上げます。

 それでは、通告に従いまして質問させていただきたいと思います。

 初めに、中東情勢についてでございます。

 今、米国とイランによる戦闘終結に向けた協議が、四月の十一日から十二日にかけて、仲介国であるパキスタンの首都イスラマバードで開催されましたが、協議は合意に至らなかったということになっております。

 この四月の十一日から十二日にかけての、パキスタンで開催された米国とイランの協議については、米国側の代表団を率いたバンス副大統領は、協議後の記者会見で、中身のある協議を行ったが、悪い知らせは合意に至らなかったことだと説明するとともに、最終かつ最善の提案を残していく、イランが受け入れるか見守ろうと述べられたことが報じられております。

 イラン側も、外務省報道官が、重要な二、三項目で見解が異なり合意に達しなかったと主張するとともに、パキスタンや地域の友好国と調整を続けると語ったとされておりまして、引き続き水面下での米国とイランの間で協議が進むものと期待をしているところでございます。

 他方で、今回の協議の詳細に関しましては、米国、イランとも明らかにしておりませんが、一部の報道では、米側が求めたホルムズ海峡の即時開放やイラン国内の高濃縮ウランの引渡しなどで合意ができず、また、イランからの石油収入に基づく海外資産の凍結解除については米側が拒否をするなど、今後の交渉の道筋は見通せないとの指摘もありますが、今回のパキスタンでの米国とイランとの協議について、政府の受け止めを伺いたいと思います。

岩本政府参考人 今回の協議につきましては、我が国としましてもこれを評価しているところでございます。

 その上で、今御紹介のありましたとおり、両国の間ではまだ幾つかの点で隔たりがありまして、そのため今回の協議ではまとまらなかったということでございます。

 ただ、同時に、これも御紹介がありましたとおり、完全に決裂したわけでもないという具合に理解をしておりまして、まさに今、仲介国の努力も続いておりますし、また、両国の方から協議の再開に向けた発信等も出てきているところでございます。

 政府としましては、最も重要なことは、今後、ホルムズ海峡の航行の安全確保を含む事態の鎮静化が実際に図られることであると考えておりまして、この協議が再開後、話合いを通じて最終的な合意に至ることを期待をしているところでございます。

 そして、そのために、引き続き、関係国の仲介努力を含めて、日本政府としても、国際社会と緊密に連携しながら、外交努力を粘り強く行っていきたいと考えております。

金城委員 ホルムズ海峡をめぐっては、米国のトランプ大統領が十二日のSNSに投稿したとおり、米国東部時間においての十三日の午前十時から、イランの港に出入りする船舶を対象とする封鎖措置が開始されました。これに対し、イラン側は、外国の軍によるいかなる交渉や侵略も許さないと強く反発をしていると報じられております。

 他方、イスラエルのネタニヤフ首相は、十一日に動画の声明を出し、イランへの米国との軍事作戦について、歴史的な成果を達成したとしながら、この作戦はまだ終わっていないとも述べ、米国とイランの間での協議が合意に至らなかった中で、戦闘の再開を示唆したものと報じられております。

 このような中で、今回の仲介役を担ったパキスタンのムハンマド・ダール副首相兼外相は、四月十二日の協議の後、双方が四月七日に合意した二週間の停戦を維持するよう呼びかけました。このような呼びかけは、今後の米国とイランが冷静に協議を進めていく上で時宜にかなっており、我が国政府としても、当事国に対して、引き続き話合いによる協議を継続していくことを働きかけていく必要があると考えますが、茂木外務大臣の見解を伺いたいと思います。

茂木国務大臣 委員おっしゃるとおりだと思っております。

 二週間の停戦が合意をされた、そして、四十七年ぶりですね、米国とイランが直接向き合って協議が行われた。残念ながら、協議については、幾つかの点、恐らく、イランの核問題、さらにはホルムズ海峡をどうしていくかということ等について意見の隔たりがあり、合意には至らなかったわけでありますが、ただ、協議が決裂した、こういったことではないと理解をしております。

 また、今、双方から、再協議、再会談、こういう話も出ておりますし、パキスタン、私も外相とも電話会談等も行いましたが、相当苦労しながら、イスラマバードでの会談、この実現に向けた努力もしてきたところでありまして、再会談によりまして話合いが行われ、最終的な合意によって、実際にこのホルムズ海峡の航行の安全を含めて事態の鎮静化、さらには中東地域の平和と安全が確保される、こういったことが何より重要だ、こんなふうに考えております。

金城委員 大臣、御答弁ありがとうございます。

 四月の十三日に、高市総理はパキスタンのシャリフ首相と電話会談を行ったと承知しておりますが、米国とイランの協議の再開に向けどのようなやり取りが行われたのか、伺いたいと思います。また、両首脳は引き続き意思疎通を継続していくことで一致したということでありますが、具体的にどのような点で協力を進めていくのか、伺いたいと思います。

北郷政府参考人 お答え申し上げます。

 四月十三日、委員御指摘のとおり、高市総理大臣はシャバーズ・シャリフ・パキスタン首相と電話会談を行いました。

 高市総理からは、イスラマバードで実施された米・イラン間の協議について、シャリフ首相を始めとするパキスタン関係者の仲介努力に敬意を表し、これを支持する旨述べました。また、最も重要なことは、今後、ホルムズ海峡の航行の安全確保を含む事態の鎮静化が実際に図られることであり、協議を通じて最終的な合意に早期に至ることが重要との我が国の立場をお伝えしました。

 さらに、総理から、日本としても、これまで米国及びイラン双方と首脳間の意思疎通を行ってきており、事態の早期鎮静化に向けて外交努力を重ねてきていることを説明しまして、両首脳は引き続き意思疎通を継続していくことで一致いたしました。

 また、具体的にどのような協力を進めていくのかということにつきましては、シャリフ首相の側から、事態の早期鎮静化及びホルムズ海峡の航行の安全に向けて引き続き日本と協力していきたいという旨の発言もありました。

 これ以上の詳細につきましては、外交上のやり取りですので、お答えを差し控えさせていただければと思います。

金城委員 ありがとうございました。

 今回の米国とイランの協議を仲介したのはパキスタンでありました。報道によると、パキスタンが協議の仲介に意欲を示したのが本年三月下旬で、米国、イラン双方のメッセージを仲介する形で動き始めたとされております。他方、米国の同盟国であるとともに、イランと伝統的な友好関係に基づき二国間関係を拡大してきた我が国も、中東地域の平和と安定の実現に向けて外交を進めていく必要があると考えております。

 米国とイスラエルによる核施設への攻撃を受け、イラン国会では、核拡散防止条約、NPTの脱退の議論が活発化していると報じられております。イランは、昨年六月、米国とイスラエルとの交戦後、IAEAの核査察を拒否をし、査察受入れを求めるIAEAとの協力打切りも表明しております。これによって、IAEAは、空爆対象となった核施設の現状把握が滞り、高濃縮ウランの貯蔵場所や量も直接確認できない状況となっております。

 イランの核開発問題に対して、同国がNPTにとどまることが重要であり、事態の鎮静化につながっていくものと考えますが、茂木外務大臣の見解を伺いたいと思います。

茂木国務大臣 イラン、昨年来、NPTから脱退をするかどうか、こういったことが議論されましたが、とどまるという形になったわけであります。

 このNPTの精神からしましても、またイランが核兵器を保有するということは許されない、こういうのが基本的な日本の立場でありまして、それに向けて外交的な働きかけも、私も、さらには総理からも直接行っているところであります。この立場は一貫をいたしております。

金城委員 ありがとうございます。

 イランをめぐる問題の本質は核の問題であり、その解決のため、二〇一五年に米国のオバマ政権下で成立した包括的共同行動計画、JCPOAは、ウランの濃縮と在庫を制限し、検証を強化することで危機を管理する画期的な合意で、我が国政府もこれを高く評価しておりました。しかし、第一次トランプ政権は、二〇一八年にそこから一方的に離脱を宣言をして、制裁を再強化するとともに、イラン側もウランの濃縮拡大に踏み切ったことで、最終的に今の武力紛争の事態に至っております。

 四月十二日のイランとの協議終了後、米国のテレビ局の電話インタビューで、トランプ米大統領は、イランが核兵器を保有することは断じて許さないと語ったと報じられております。

 イランにおける核の問題を解決するためには、関係国で、信頼関係の上に、JCPOAのような外交的枠組みの構築こそが近道と考えます。我が国政府として、そのような枠組みの再構築、これを目指し、関係諸国に働きかけを行っていくべきと考えますが、これについて茂木外務大臣の見解を伺いたいと思います。

茂木国務大臣 米国、オバマ政権、そしてその後のトランプ政権、それぞれの判断があったと思いますが、それについて日本としてコメントをすることは差し控えたいと思いますが、今まさに協議が行われている、恐らくそこの中でイランの核問題というのは中核的な議論になっている、こんなふうに思っております。

 そこの中で、話合いを通じて、今回、この停戦から、最終的に実際にホルムズ海峡の安全の確保を含めて事態の鎮静化、さらには中東地域の平和と安定の回復、こういったことが図られることがまずは重要だと考えておりまして、その上のステップとして、委員おっしゃるような形で、どういった枠組みであったりとか、IAEAの関与をどうしていくか、こういったことについても議論がなされる、こういう可能性というのはあると思っております。

金城委員 大臣、御答弁ありがとうございます。

 日本の立場としても、イランに対して核の保有を認めないということをこれからも貫き通す意味では、我が国自身も、これまで国是として持ってきた非核三原則、こういったものはこれからも堅持するという姿勢があってこそ説得力のある行動になると思っています。そういったことを加えて申し添えたいと思っております。よろしくお願いいたします。

 続けて、質問が変わります。

 「アメリカで沖縄の未来を考える」、TOFUプログラム、シンク・オブ・オキナワズ・フューチャー・イン・ユナイテッドステーツ、この頭文字、T、O、F、Uを取ってTOFUプログラム、これが今実施されております。外務省が推進している「アメリカで沖縄の未来を考える」プログラムについてお伺いをさせていただきますし、また、提案もさせていただきたいと思います。

 これは、沖縄の若い世代が、米国のありのままの姿を学び、国際社会における日本の役割を直接体験する機会を設けるべく、沖縄の高校生、大学生等を米国に派遣するものであります。二〇一七年度以降、これまで、合計八回、延べ二百名が参加しております。

 昨年度は、三月十八日から二十五日の日程で、東京で木原官房長官等政府関係者及び米側関係者からも激励を受けた後、ワシントンDCに行き、そこでは、訪米中の高市総理大臣によるアーリントン墓地における献花を現場で見学をでき、国務省、日本大使館、連邦議会、シンクタンク等では、厳しい安全保障環境、日米同盟や抑止力としての在日米軍の重要性を学ぶとともに、沖縄に関する問題も議論をされております。また、ニューヨークでは、国連日本人職員、国連代表部大使等から国際社会における日本の貢献を学んだり、在ニューヨーク総領事主催の日系人コミュニティー関係者との交流会では、沖縄の魅力を発信、共有でき、例年以上に充実した内容であったと伺っているところでございます。

 当該プログラムの参加者が訪米で得た学びを地元に共有するべく、自治体の首長を含む沖縄県内の幅広い関係者を招待した事後報告会、これも開催されてまいりました。今後も継続をしていただきたいと思っております。

 この研修プログラムに参加した方より、以下のような報告もされております。それは、例えば、現在の日本の安全保障環境は想像以上に厳しい状況にあり、沖縄に基地があることは、東アジアにおける中国の脅威などに対処するために重要な役割を果たしていることが分かりましたとか、沖縄の基地問題や日米関係を動かしている方々に直接疑問をぶつけられたことや、日、米、沖縄、それぞれの立場を学べたことは自分自身の成長に大きくつながったと感じていますとか、沖縄県内はもちろん国内外において、日本の安全保障における米軍基地の重要性や沖縄の生活の現状、県民の思いなど理解が深まっていないと、課題があると感じました、また、今後は、基地内での交流イベントの開催やポッドキャストによる発信を行い、国際的なつながりを広げることを目指しますと。その他、研修参加への感謝と決意の声が各地域で大変多く発信されております。

 そこで、このTOFUプログラムのこれまでの成果について、外務大臣の認識を伺いたいと思います。

茂木国務大臣 「アメリカで沖縄の未来を考える」、TOFU、シンク・オブ・オキナワズ・フューチャー・イン・ジ・ユナイテッドステーツ・プログラムは、委員おっしゃるように、沖縄の若い世代が、米国の現在の姿がどうなのか、国内でどんな議論が行われているのか、また議会ではどんな議論が行われているか、様々な米国の現在の姿や、国際社会における日本の役割を直接体験する機会を設けるべく、沖縄の高校生、大学生等を米国に派遣するプログラムであります。

 直近では、本年の三月中旬に、三十名の学生をワシントンDCとニューヨークに派遣をいたしまして、米政府や米国議会の関係者、有識者、国連邦人職員等から、安全保障環境、日米同盟、国際社会における日本の役割について学び、様々な意見交換も行いまして、委員の方からも幾つか事例を紹介していただきましたが、大きな成果があった、このように聞いております。

 二〇一七年度以降、TOFUプログラムは、合計八回を実施いたしまして、延べ二百名が参加をいたしましたが、外務省として、沖縄の一層の成長を後押しし、そして若い世代の国際進出にもこれからも貢献をしていきたい、このように考えております。

金城委員 大臣、御答弁ありがとうございました。

 沖縄県内の離島を含めた様々な出身地またバックグラウンドの学生たちを選抜して、沖縄県内の多様性を反映されていると伺っております。県民の一人として感謝を申し上げたいと思います。

 このプログラムにおいては、東京までの往復の旅費や国内での宿泊費は自己負担となっております。同プログラムには、高校生なども参加できたり、また、沖縄本島からもそうですが、特に本島以外のその周辺の離島、そういった地域から東京までの航空運賃や宿泊費等が大きな負担になる家庭もあるのではないかと思料いたします。

 この国内での経済負担を理由にプログラムに応募できないことが起こらないように、国内での最低限の経費も対応していただければと思っておりまして、様々な島々からも参加する機会、チャンスをより広げていただければと考えておりますが、いかがでしょうか。

熊谷政府参考人 御提案をいただき、どうもありがとうございます。

 このプログラムにおきましては、現状、東京―米国間の往復国際航空賃、それから東京日程を含むプログラム中の食費、宿泊費、交通費、そして旅行傷害保険の保険料を負担しているところでございます。

 予算上の制約というところがございますけれども、御指摘も踏まえて、このプログラムを更によくするべく努めていきたいというふうに考えているところでございます。

金城委員 現行の期間も一週間強の日程を維持していただいておりますが、例えば、それを夏休みなどを活用した集中型で増やしていっていただいて、米シンクタンク、米企業における短期実習など、インターンシップの要素も入れることで相互理解やスキルの習得が深まるのではないかと思っております。

 かつて岸田総理も、訪米した際に、アメリカ側と、企業の交流、また人材交流、そういったことも話し合ってきたということが報告されておりましたし、そういった取組というのは今までも続いていると思うし、これからも必要だと思います。

 こういった期間の多様化について、外務省の見解を伺いたいと思います。

熊谷政府参考人 お答えいたします。

 この事業の拡大ということにつきましては、御指摘もございましたし、その他、沖縄県知事それから市町村長、沖縄の経済界等からも、高い評価をいただいている上で、要望というのもいただいているというところでございます。

 この点につきましても、予算上の制約というのもございますので、そういう点も考えながら、御指摘も踏まえて、引き続き、このプログラムをよくするということで不断の検討を続けてまいりたいというふうに思っているところでございます。

金城委員 御答弁ありがとうございます。

 同プログラムでは、事前説明会や事後報告会を行って、より充実した成果を得られるよう配慮されているところでございます。この今まで行っている対応に加えまして、これまで参加した方々、OBやOG、こういった方々をネットワーク化して参加者を支援する仕組みができるといいなというふうに思っております。

 そのOB、OGの協力を得て、渡航前にオンラインや対面で、英語ディベート、政策立案、プレゼン、沖縄の歴史、外交基盤等の研修を行ったり、帰国後の三か月また一年後など定期的なフォローアップの報告、アクションプランを行っていければ、プログラム終了後も、参加者が日米関係や沖縄の未来について考え、継続的な行動や交流を促進するものと考えておりますが、これについて茂木外務大臣の見解を伺いたいと思います。

茂木国務大臣 委員御指摘のとおり、TOFUプログラムの効果を高める努力、これはこれからも続けていかなければいけないと思っております。

 御指摘のように、プログラムの実施前には事前説明会を実施し、また、プログラムの実施後には事後報告会を実施するなど、様々な形でフォローアップの取組を行っているところでありますけれども、せっかくのプログラムで、しかも高い評価を得ているものでありますから、OBであったりとかOGのネットワーク化、これも更に進めて、より充実したプログラムにしていくということは極めて重要だと思っておりまして、そういった努力を図っていきたいと思っております。

金城委員 大臣、御答弁ありがとうございます。

 これまでも、いわゆるカケハシ・プロジェクト、この創設に向けては、現委員長もこれまで大変御尽力いただいておりますし、関係者の方々も、多くの皆様の協力と理解があってこそこのプログラムが維持されてきたというふうに感謝をしているところでございます。

 沖縄の若者世代が、現場の視点と国際的な知見を磨くことができ、また、沖縄県が直面している抑止力の維持と沖縄の負担軽減といった複雑な課題解決に向けて働いていく、動いていくリーダーが育ってくることを期待しているところでございます。イランを始め中東での戦火が広がるような国際情勢の中でこそ、未来を見据えて、若い世代への教育の投資、この拡充が極めて重要であると考えております。

 沖縄の様々な基地問題、そして、外交、防衛の、一番日本の象徴的な地でもあります、そういった沖縄から、こういったプログラムを通して、より理解を深めて、そして正面からこの課題に取り組んでいく人材をこれからも輩出していけるように、そういった意味でも、是非、外務省を始め、政府の後押しをしていただきたいと思っております。

 このプログラムが更に中身の濃い、充実したものになることを期待申し上げますとともに、私自身もこの参加者の活躍の場を後押ししていきたいという決意を込めて、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

國場委員長 次に、横田光弘君。

横田委員 今ずっと質疑を聞かせていただいておりまして、今の金城委員の質問、特にパキスタンにおける和平の継続ということについて、日本外交、もっと頑張れということについては完全に同意をいたします。

 昨日も、参議院の外交防衛委員会で松沢議員も同様の質問をしていたと思うんですけれども、是非、外務大臣には世界を飛び回っていただいて、大変ですけれども、この和平の早期の達成、これを目指していただきたいと思います。

 今、現状で、ホルムズ海峡波高しという状態ですけれども、今日はこういうテーマで行いたいと思います、沖縄に関する国連勧告と中国のハイブリッド戦争。

 こういう状況のときに必ずやってくる人たちがいるんですね。それが中国、ロシアです。例えば、東日本大震災のときには、中国やロシアの艦船、それから航空機が日本列島をぐるりと一周したりなんかして、それこそ、今の混乱につけ込んで、どうなっているのか反応を見ているということです。昨日も、中国の情報収集艦が日本の近海を通っていきました。こういうようなことが日常茶飯事、この危機の事態にもかかわらず行われている、こういうような現状です。

 今日は、そういう、今申し上げたテーマで行いたいんですけれども、沖縄については、私は仲人親が末次一郎といいまして、沖縄返還の、ある意味では民間の貢献した人というふうに言われております。時の屋良朝苗琉球主席とも非常に懇意にしておりまして、内地から沖縄へ日の丸を送る運動なんかをずっとやっていたんですよね。だから、私はそういう姿を見ておりますから、もう亡くなりましたけれども、今、那覇に胸像が建っていますから、毎年胸像磨きに行っているというような形で、歴代の沖縄県の知事、保守、革新を問わず、非常に相談相手になって、いろいろな交流もあったという状況を目の当たりにしておりました。

 そこで、今回、私が一番大きな問題だと思っているのは、国連の場において、二〇〇八年から二〇二二年ぐらいまでですかね、たしか。国連の委員会が、沖縄県民を先住民族と認めよ、こういうようなことを勧告として合計六回出しているということです。もちろん、極めて大多数の沖縄県民は、自分たちは当然日本人だと思っているわけですし、それから先住民などとは当然思っていないわけであります。

 そして、このことはほとんどの日本人が知らないということなんですけれども、外務省はこれについてちゃんと把握しているのか、教えてください。

門脇政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、自由権規約委員会及び人種差別撤廃委員会からの御指摘の勧告については、日本政府として承知をしております。

横田委員 こういうような状況でいるんですけれども、琉球王家の末裔の尚衛さんも、昨年の沖縄祖国復帰記念式典で、沖縄の人々のDNAをひもとくと、先住民族ではない、日本人だとはっきり言っているわけです。

 もちろん、誰も先住民だと思っておらず、ましてや、一握りの特殊な活動家以外は、沖縄は独立したいとか誰も思っていないわけですよ。こういう状況に何でなるのかなというふうに、常識外れだと私は思うんですけれども、この勧告が繰り返されるのはなぜか、教えてください。

門脇政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の勧告を出した人種差別撤廃委員会等の委員というのは、個人の資格で職務を遂行しておりまして、勧告の作成に当たっては、市民団体を含む様々なステークホルダーから提供される情報を参考にしているというふうに承知をしております。

 我が国として委員会がどのような観点からこのような指摘の勧告を出すに至ったかを述べる立場にございませんけれども、そういう形で勧告がなされているということでございます。

 いずれにしましても、政府としては、これらの委員会に対して我が国の立場を、累次、明確に説明してきているところであります。我が国の考えが正しく理解されるよう、引き続き、力を尽くしていく考えでございます。

横田委員 今おっしゃったように、ほんの一握りの人たちが国連の中でこういう問題があると言うことで、これが問題化されているんですよ。ほとんどの県民は関係ない、我々日本国民は関係ないんだけれども、活動家たちがそういうふうにしようと仕向けているというのがこれで明らかになっているわけであります。

 ただ、これを放置しておきますと、これは一つの参考で、ちゃんとしたものとしてお伝えするので、質問主意書のことについて皆さんにお伝えしたいと思うんですけれども、平成二十四年、自民党の片山さつき議員、今の財務大臣による質問主意書に書かれている、国連のクマラスワミ報告書、例のあれですよね、クマラスワミ報告書のように、その後の混乱と我が国の国際的立場の弱体化につながる、こういうようなことになるんじゃないかというおそれを非常に私は持っているんです。

 もう一つ心配なのは、国連の中に脱植民地化特別委員会というのがありまして、非自治地域リストというのがあって、例えば英国のカリブ海の島々とかアメリカのサモア諸島とか、こういうのが含まれているんですけれども、それが今十七地域あるんですが、まさかこれの十八番目になるんじゃないかなんということを心配している方々もいらっしゃる。

 こういう意味では、やはり政府の早急な対応が僕は必要だと思うんです。先ほどのように、いろいろ分析はされているんだと思うし、一部の人のことなのかもしれぬけれども、国連という、何というんですかね、インパクトを与えられるところ、これについていろいろ関与されている日本は、それなりの態度をはっきりさせなければいけないと思うんですけれども、対応はどういうものか、教えていただければと思います。

門脇政府参考人 お答え申し上げます。

 我が国政府として、沖縄県出身者が先住民又は先住民族であるとの認識は有しておりません。沖縄県出身者が先住民族であるとの認識が日本国内に広く存在するとも考えておりません。実際、沖縄県内の複数の市議会等において、沖縄県出身者が先住民や先住民族であるとの認識は誤りであるとの抗議の声も上がっております。

 この点について、政府として、人種差別撤廃委員会等における対日審査の場を含め、国際社会において明確に説明しているところであります。引き続き、様々な動向も見極めながら、しっかりと我が国の考えを説明していく考えでございます。

横田委員 是非それは続けていただきたいと思うんです。

 そこで、一つお伝えしなきゃいけないのが、最近、ウクライナ戦争は、ちょっといろいろニュースの頻度が下がってきていますけれども、今、非常に重要な局面を迎えているはずです。その中で言われているのが、ハイブリッド戦争という言葉なんですね。これは何かというと、政治的目的を達成するために、軍事的脅迫とそれ以外の様々な手段、例えば、政治、経済、外交、サイバー攻撃、プロパガンダを含む情報、心理戦などのツールのほか、テロや海底ケーブル切断などの犯罪行為が組み合わされた、非正規戦と正規戦を組み合わせた戦争の手法。要はウクライナでロシアがやっている方法だというわけですよ。

 これを聞いていて、何かどこかで聞いたことがあるなと。戦闘は別にすれば、そういえば、中国は、海底ケーブルを切っちゃったり、中国の企業が切断機を開発したり、それから、中国の大学が、海底ケーブルを切断する、いわゆる切断機の特許を取ったり、誰もまねしやしないと思うんですけれども、そういうようなことをやっている。

 これは、中国の人民解放軍の公式な戦略としての三戦、皆さん、よく言われているのを御存じの方もいらっしゃると思うんですが、いわゆる情報戦、心理戦、そして法律戦であります。これに非常に類似しているということもあるので、私は非常に危惧をしているんですよね。

 その中で、昨年、中国の国連次席大使が、沖縄人などの先住民族に対する差別をやめよと公式に国連の場で批判したわけです。先ほどおっしゃったように、それに対してのいろいろな反論も出ていますが、我々日本からも反論をしているんですけれども、なぜこれに至ったかについても、当然、彼らが思うところがあるんですが、ウイグルの人権問題を言われたからとかいうこともあるんでしょう。

 日本の各いろいろな、例えば、糸満市とか豊見城市議会、あと、石垣とか、こういったところから、反対の、中国をある意味では非難をする意見書を採択している、こういうようなこともあります。

 そういう状況の中で、やはり私が一番心配しているのは政府は本当に反論したのかということなんですが、その点について。政府が、国連総会の第三委員会、ここは人権関係の委員会ですが、第三委員会でちゃんと先住民族ではないと反論したのかどうかだけは教えてください。

門脇政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の中国の発言については承知しておりまして、我が国政府として、繰り返しになりますが、沖縄県出身者が先住民又は先住民族であるとの認識は有しておらず、沖縄県出身者が先住民族であるとの認識が日本国内に広く存在するとも考えておりません。

 御指摘の昨年十月の国連総会第三委員会における中国の発言に対しては、中国側は様々な発言を行いました。それ以外の発言とも併せて、総論として反論を行っております。

 具体的には、反論のための答弁権を行使をいたしまして、日本は平和国家としての道を歩んでいること、基本的人権や自由、民主主義は日本のあらゆる決定と行動の揺るぎない基盤であること、日本は法の支配や人権の保護、促進に努めているという我が国の立場を明確に表して反論を行ったところでございます。

横田委員 ちゃんと国連でやっていただいているのは非常に心強いというふうに思っておりますし、要するに、今後もこういうことが、これからむしろ頻繁に起きてくると想像されるわけです。先ほど私はハイブリッド戦争とわざわざ定義してお伝えしました。私が言ったことじゃなくて、これは専門家が言っていることです。

 こういう中で、やはり、中国も同様の動き、さっきの三戦のような動きをしている以上は、我々はそれに備えなきゃいけないんですよ。ぼうっとしているわけにはいかない。

 中国という国は、御承知のように、あの南シナ海で島を埋め立てちゃった、造っちゃった。それでフィリピンが提訴したところ、ハーグの国際司法裁判所等の判断が、あれは駄目だと言ったにもかかわらず、そんな判決は紙くずだとうそぶいたわけです。こういうようなところを相手にしながらやらなきゃいけないということだから、当然、いわゆる普通の論理でいけるようなものじゃないということだけはよく念頭に置きながらやっていただきたいというふうに思います。

 とにかく、中国を相手にこれまでのような国際社会での優等生的な立場ばっかりやっていてもしようがないわけですよ。ちゃんとした具体的な、十年、二十年、五十年にわたる中国の例えば計画があるとするんだったら、それに対応できるような作戦を練ってもらいたいと私は強く思っております。

 沖縄は、非常に美しい自然があって、それから人情も豊か。そして、やはり、こういうようなすばらしい風景を持った島々を、本当に中国の、それこそ南シナ海に浮かんでいる、浮かんでいないか、半島か、海南島のようなリゾート地にしたくはない、こういうような思いでいっぱいなんですよ。

 だから、是非、日本政府もこれからそういういろいろな難局に向かって計画を練ってやっていただきたい。是非とも外務大臣の答弁をいただきたいと思います。

茂木国務大臣 御指摘のように、中国、情報戦であったり、またハイブリッド、さらに、今、認知領域まで含めて、様々な手法を組み合わせた動向を取っている、このことについては十分認識をいたしております。

 日本政府としては、先ほど政府委員の方からも答弁をさせていただきましたが、我が国の政策や立場に関して事実に反する主張等がなされる場合にはしっかりと反論してきておりまして、今後もその方針は変わりません。

 引き続き、様々な機会、さらには手法を活用して、我が国の考え方を説明、発信し、国際社会において正確な理解、これが浸透するような取組を行ってまいりたい、このように今考えているところであります。

 例えば、東南アジア等々を見ておりましても、様々な中国の圧力であったりとか、また、独特のナラティブ、こういうのもあるわけでありますけれども、一方で、それぞれの国がそれに対してある意味警戒心を持っている、こういう部分もあるわけでありまして、日本が、もっと友好的な立場でそれぞれの国と接する、包容力を持って、相手の立場に立ってしっかりと接する、こういった努力は続けていきたいと思っております。

横田委員 ありがとうございました。

國場委員長 次に、鍋島勢理君。

鍋島委員 おはようございます。国民民主党の鍋島勢理と申します。

 同期であります佐々木真琴議員に代わりまして、本日は質問の機会をいただきました。茂木大臣を始め、外務省の皆様に、本日質問させていただけますことに感謝を申し上げます。本日はどうぞよろしくお願い申し上げます。

 私は、常々、人と人との関係性は、時に複雑な国家間の関係をも乗り越える力を持つものだと考えております。その実感を得た経験を少し、冒頭、お話をさせていただきたいと思います。

 学生時代にイギリスへ留学をした際に、ホストファミリーの家に同居をしていた、イラン出身のおばあさんがおりました。毎晩そのおばあさんの部屋で話すことが日課になっておりまして、留学中の心の支えになっておりました。その方は、物は失われることはあっても、学んだこと、知識は決して失われない、何よりも強みになる、だから勉強を頑張りなさいとよく話をしてくれ、その言葉は十年たった今でも深く心に残っております。

 そして、二〇一八年、イスラエルにおいて、テルアビブで開催をされましたデジタル関係のサミットに登壇する機会をいただきまして、当時、現地のスタートアップ企業の方々と交流をする機会がございました。その際、日本が災害の多い国であるということ、また福祉国家であるということ、急速な少子高齢化が進んでいるということ、こういったことに強い関心を寄せていただきまして、活発な意見交換を行いました。

 こういった経験を通しまして、イランですとかイスラエルといった国々に対して当時私が抱いていたイメージは、大きく変わりました。偏見を持ってはいけないと、自分の考えを改める機会にもなりました。

 また、海外で英語が通じない、自分が言いたいことを表現できないというような苦い経験や、異なる文化、バックグラウンドを持つ人々との交流を通して、教室の中では得ることができない多くの学びを得ることができました。そうした実体験を通して、人と人との直接的な交流こそが相互理解を深め、固定観念を乗り越える重要な基盤になるものと確信をしております。

 ここで茂木大臣にお聞きをしたいんですけれども、国籍やバックグラウンドの異なる人同士が人と人との信頼を構築していくことが、外交においても最もベースになってくると考えておりますが、このことについて、大臣のお考えをお聞きいたします。

茂木国務大臣 今朝、鍋島委員の方から短い文書でこの質問をいただいたと。今、ある程度お聞きしましたので、答えられる範囲で答えさせていただきたいと思いますが、一般的に、事前に質問通告をいただきまして、しっかり準備をしてお答えをさせていただく、これが望ましいなと、こういうふうに考えていることは御理解いただきたいと思います。

 外交においても人と人とのつながりが基本でありまして、様々な国からの招聘であったりとか派遣を通じた人的交流に日本としても取り組んできているところでおります。このような取組、引き続き積極的に進めていきたいと思っております。

 外務省において実施する人材交流については、各界において一定の指導的立場に就いている方々のみならず、将来活躍が期待される人たちも対象に行っておりまして、これらの事業を通じて、各国、地域における親日派、知日派の育成にも努めているところであります。また、一度きりの交流にとどまらず、日本に招待をしました方々の帰国後も、在外公館等を通じて関係を維持強化し、いわゆるジャパン・フレンズの輪の拡大にも意を用いているところであります。

 ほかの国の様々な事例も参考にしなくちゃいけないと思っておりますけれども、例えばシンガポールでいいますと、タマセックプログラムというのがあります。これは、日本の、どちらかといいますと若手から中堅の国会議員をシンガポールに招待をするというプログラムでありまして、何日かけて来てくれても構わないと。

 私もそれに招待を受けまして、当時でいいますとリー・シェンロン首相であったりとか、ゴー・チョクトン前首相であったりとか、ちょうど外務大臣をジョージ・ヨーさんがやっておりまして、あとは食事の会であったりとか、ほかの大臣、また金融界であったりとか、会いたい人は全て会える、こういう感じであります。

 同時に、是非奥さんを同行してほしいという話でありまして、私に対しては余り事前に質問はなかったんですけれども、妻の方に対しては、どういう趣味を持っているんですかとか、いろいろなことを聞かれまして、ほとんど別行動でそのプログラムに参加をするという形で。結構、やはり、行くと、シンガポールが好きになるんですね。やはり、妻が好きになると、どうしても政治家の立場で妻に逆らえない、こういう部分もありまして、なかなかよくできているプログラムだなと思ったんですけれども。

 そういったこともいろいろ参考にしながら、人と人とのつながり、こういったものは大切にしていく必要があると思っております。

鍋島委員 茂木大臣、ありがとうございます。シンガポールでのプログラムのことについても教えていただきまして、ありがとうございました。

 質問につきまして、通告をしておらず、大変失礼をいたしました。申し訳ございませんでした。ありがとうございます。

 そういった意味でも、今御紹介をいただきました取組も含めまして、海外で挑戦をしたいという方、あるいは人と人との交流を海外で持ちたいという方、そういった方々の背中を押すプログラム、たくさん外務省が進めておられると思いますので、そういった取組に深く感謝を申し上げますし、今後もこういった取組がより進んでいきますように、そして、国際社会における相互理解が深まっていきますことを強く期待をしております。

 そして、今の私、この場に今立たせていただいておりますけれども、そのことも、海外に出て感じた強い危機感が原点であります。

 皆様も御存じの方がいらっしゃるかもしれないんですけれども、私、高校生の頃に、長州ファイブ、長州五傑の存在を知りました。当時、百五十年前に、吉田松陰の下で学んだ五人の若者が命懸けでイギリスに渡り、学び、帰国後に国づくりに尽力した、この話に高校生のときに私は衝撃を覚えまして、外に出て学びたいと考えるようになりました。

 その結果、留学をさせてもらいまして、今から十年前の二〇一六年、当時は、イギリスが欧州連合、EUから離脱をするか、その是非を問う国民投票、ブレグジットが行われているときでした。現地で、同世代の若者たちが、居酒屋のようなパブに集いまして、自国の将来について真剣に議論している、その姿を目の当たりにいたしました。混沌とする国際社会の中で自分の国がどのように生き残っていけばいいのかということを、同世代の、二十歳、二十一、二十二歳の若者が、主体的に、本当に真剣に考えて議論している、そんな姿に強い危機感も覚えました。それと同時に、日本の若い世代、これは頑張らなければいけないと、思いを強くしたことを覚えております。

 同時に、海外に行ったからこそ、日本の強み、そして魅力も認識をいたしました。誰でも義務教育を受けられる、蛇口をひねれば安全な水をどこでも飲むことができる、食事もおいしい、そして、財布を落としても戻ってくる、そして、命の危機を感じることなく安心して町を歩くことができる、そのような国はほかにはないと思っております。

 しかし、その一方で、たくさんの課題も感じました。どうして未来に不安を抱える若者が多いのか、自らの手で命を絶ってしまう若者が毎年増えているのか、怠けているわけではないのに、暮らしがよくなったと実感する人が増えないのか、どうして経済成長が鈍化してしまっているのか、こういった課題意識を学生のときに抱きました。そして、その責任の一端を担う政治の立場で、学生ながらに尽力をしていきたいというふうに考えるようになりました。その原点には、今お話をさせていただきました、まさに海外での経験と、海外で出会った人との出会いがあります。

 そういった意味でも、本日は、この場で、外務委員会で立たせていただいておりますことを大変ありがたく、光栄に思っております。

 少し長くなりましたけれども、まず一つ目の質問、広島ビジョンの成果と進捗についてお伺いをいたします。

 二〇二三年に開催をされましたG7サミット、こちらは、首脳が広島平和記念資料館を訪れ、慰霊碑に献花をしたことは、核の脅威が広がる中で、世界に核軍縮への取組を促すメッセージとなりました。日本が議長国としてのリーダーシップを発揮し、国際社会の結束を高める歴史的なサミットになったと考えております。

 同時に、その際、核軍縮に特に焦点を当てたG7首脳による初の共同文書であります、核軍縮に関するG7首脳広島ビジョンを発出されております。核のない世界を究極の目標と位置づけ、安全が損なわれない形で、現実的で実践的な、責任あるアプローチに関与することを確認する内容となっております。

 いわゆるこの広島ビジョンでありますけれども、こちらが発出されたのが二〇二三年の五月十九日、もう少しで三年が経過しようとしておりますけれども、こちらの広島ビジョンを踏まえたこれまでの進捗と、そちらに対する評価を伺います。

松本政府参考人 お答え申し上げます。

 二〇二三年のG7広島サミット以来、我が国は、核軍縮に関するG7首脳広島ビジョンを受けまして、広島及び長崎の人々が経験した甚大な非人間的な苦難を人類が二度と味わうことがないよう、G7諸国を含む国際社会と連携しながら、核兵器のない世界に向けた取組を進めてきました。

 世界は、戦後最も大きな構造的変化の中にあり、核軍縮をめぐる情勢は一段と厳しいものになっていますが、広島ビジョンが訴えた核兵器の不使用は、戦後八十年継続しておるところでございます。

 広島ビジョンは、核兵器のない世界に向けた道が狭く厳しいものだと述べているところでございますけれども、我が国は、引き続き、唯一の戦争被爆国の使命として、国際社会の取組を主導していく努力を尽くしていく考えでございます。

鍋島委員 ありがとうございます。

 その上で、茂木大臣は当時、幹事長として記者会見で、広島という平和の誓いを象徴する地で開催されたサミットにおいて、核軍縮に関する広島ビジョンをG7として初めて発出できたことは歴史的な意義があった、今回のサミットは、日本がG7議長国としてリーダーシップを発揮し、国際社会の結束を高める、歴史を刻むサミットになったと考えると述べておられました。

 この間に、具体的に、どういった国とどのような枠組みでどのような成果があったとお考えかを伺います。

松本政府参考人 これまで我が国は、広島ビジョンを受けまして、国際社会と連携しながら、核兵器のない世界に向けた取組を推進してまいりました。

 例えば、昨年の国連総会では、核兵器用核分裂性物質生産禁止条約、FMCTに対する政治的関心を高めるべく、十二か国から外務大臣を含むハイレベルの出席者を得て、FMCTフレンズ会合を開催したところです。

 また、我が国が拠出して国連が立ち上げたユース非核リーダー基金プログラム、この下で、第一期として百名の若者が世界各国から研修に参加をし、その約半数が広島、長崎を訪れ、被爆の実相に対する理解を深めたところです。

 引き続き、唯一の戦争被爆国として、核兵器のない世界の実現に向けた国際社会の取組を主導する責任を果たしてまいりたいと考えております。

鍋島委員 ありがとうございました。

 広島ビジョンでは現実的かつ実践的なアプローチが掲げられているというふうに認識をしておりますけれども、現在、核兵器をめぐる国際環境は当時よりも更に厳しい状況になっているというふうに考えております。

 そういった点で、この現状を政府としてはどのように評価をし、どこに課題があると認識をされているのか、伺います。

茂木国務大臣 委員おっしゃるように、世界は今、パワーバランスの変化であったりとか紛争対立の激化を受けて、戦後最も大きな構造的な変化の中にあると考えております。

 また、国家間の競争が激化をしておりまして、ロシアによるウクライナ侵略、また、北朝鮮による核・ミサイル開発の進展、米ロ間の新STARTの失効、さらには中国による急速かつ不透明な形での核戦力の増強などによりまして、委員御指摘のように、核軍縮をめぐる情勢は一段と厳しさを増している、このように考えております。

 このような中、最も重要なことは、核兵器国と非核兵器国が広く参加をする核軍縮・不拡散の唯一の普遍的な枠組みでありますNPT体制を維持強化をしていくことだと考えております。

 そのために、来るべきNPT運用検討会議において、核兵器国と非核兵器国の双方が一致できる点を見出せるように、積極的な役割を日本として果たしていきたいと考えております。

鍋島委員 ありがとうございます。

 私といたしましては、被爆地広島からこのビジョンが発信されたということが非常に意義がありまして、日本にはより強いリーダーシップが求められていると今考えております。

 そういった意味で、今後、日本として新たに打ち出す具体的な外交イニシアチブがございましたら、お示しをください。

松本政府参考人 お答え申します。

 被爆地広島で初めて開催されたG7サミットにおきまして、初めてG7として核軍縮に焦点を当てた広島ビジョンを発出し、核兵器のない世界の実現への決意を世界に示した、これは非常に大きな意義があったと考えます。

 その精神にのっとりまして、我が国は、核兵器国と非核兵器国が広く参加する唯一の普遍的な枠組みであるNPTの維持強化を図るべく、国際社会の取組を主導してきております。

 そして、今月末からNPT運用検討会議が開始されますけれども、核兵器国と非核兵器国の双方が一致できる点を見出すため、積極的な役割を果たす決意でございます。

 その一環として、既に今年三月には、地域横断的な非核兵器国のグループである軍縮・不拡散イニシアティブを、NPDIと言っておりますけれども、主導しまして、運用検討会議の成果文書に関する提案を作成し、国連事務局に提出したところでございます。

 加えまして、四月十三日には、同じくNPDIとして、全ての締約国に対し、未来志向の姿勢をもって対話と協力に関与することを呼びかけた共同声明も発出いたしました。

 核軍縮をめぐる情勢は一段と厳しいものになっておりますけれども、今月のNPTの運用検討会議の成功に向けて努力をしてまいりたいと考えております。

鍋島委員 ありがとうございます。

 今御答弁いただきましたように、厳しさは増していますけれども、同時に今、様々な取組を、前進をされているということで、引き続き是非求めてまいりたいと思います。ありがとうございます。

 そして、今お話がございました、核保有国と非保有国の双方をつなぐ橋渡しが日本はできる、その役割を担っているというふうに思いますので、この認識を大臣や外務省の皆様とも共有できればうれしいと考えております。ありがとうございます。

 それでは、続いての質問に移ります。

 続いては、広島平和記念資料館に関してお伺いをいたします。

 この平和記念資料館の運営などを担っております広島平和文化センターは、昨年度の入館者数が二百五十八万九百二十六人を記録したと発表をいたしました。こちらは過去最多でありました二〇二四年度よりも三十万人以上上回る人数であり、三年連続で過去最多を更新をしております。

 安全保障環境が厳しさを増している中で、被爆の実相を世界に伝え続けてきたこの平和記念資料館の果たす役割は、これまで以上に重要になっているかと考えます。

 まず、大臣はこちらの広島平和記念資料館を訪れたことがあられるかと思いますけれども、実際に行かれて、どのように思われたのか、その所感を伺います。

茂木国務大臣 展示を前にいたしまして、核兵器がもたらす被害の甚大さであったりとか深刻さを強く感じまして、二度とこういったことを繰り返してはならない、そういった思いを強くいたしました。

 私の友人で広島出身の人間がおりまして、何人かの外国の方と広島、原爆資料館の方に行く、原爆ドームを見る。行くときに、広島が近づくと、非常に緊張した思いというか、どんな形なんだろうと。こういう、どちらかといいますと非常にどきどきするという感じを持っていたのが、やはりこういう被爆の実相に接することで、こういったことが二度と繰り返されてはいけない、非人間的な行動でありまして、そういったことが繰り返されてはいけないということを外人の方も感じていただける、こんなお話も伺っております。

 こういった被爆の実相をしっかりと伝えていくということは重要でありますし、また、実際に被爆の経験をされた方も少なくなってきております。これからは、それを次の世代にまた語り継ぐユースの特使等々も育てていかなければいけない、こんなふうに考えているところであります。

鍋島委員 ありがとうございます。

 今お話がございましたように、若い世代、ユースの育成というのも非常に重要だと思いますし、広島のみならず、長崎の皆様とも連携をしていけたらというふうに思っております。

 そして、この入館者数についてなんですけれども、外国人の方の入館者数も非常に今増えておりまして、九十四万五千六百十八人と、これは全体の来館者数の約四割を占めている状況で、過去最高の比率となっております。

 私、先月、平和記念資料館東館一階のオープニングセレモニーに伺ったんですけれども、そちら、資料館の外にまで長い行列ができておりまして、ぱっと見たときの印象ですと、半分以上が外国人の方、海外からの方だと思われるほど、多くの方が訪れておられました。

 これほど海外からも多くの方が訪れておられる現状を踏まえまして、国内の平和教育に貢献するとともに、国際的にも平和の啓蒙に資しているというふうに考えております。

 そういった意味で、広島平和記念資料館の持つ国際的な意義をどのように認識し、今後の核軍縮の外交、そして国際社会に発信をどのように生かしていかれるとお考えなのかを伺います。

松本政府参考人 お答え申し上げます。

 広島平和記念資料館におきます、原爆投下がもたらした被害の実態を伝える展示や被爆者の皆様の証言を通じて、世界に被爆の実相への正確な理解を広めていくということは、核軍縮に向けたあらゆる取組の原点でありまして、極めて重要だと考えております。

 こうした考え方に基づきまして、政府としては、例えば、国連総会に毎年我々は核廃絶決議案を提出しておりますけれども、この中でも世界中の指導者や若者等の被爆地訪問を呼びかけておりまして、様々な取組を通じて被爆地訪問を促進しているところでございます。

 引き続き、被爆者の方々や、その体験を継承する若者の皆さん、それから被爆地自治体とも連携をして、被爆の実相への正確な理解を、世代と国境を越えて一層促進してまいりたいと考えております。

鍋島委員 ありがとうございます。

 このように、入館者数が過去最高を毎年更新するほど多くの方が来場してくださっているということは、被爆の実相を伝えるという点で非常に歓迎すべきことである。その一方で、こちら、混雑の緩和が、今、現地では大きな課題となっております。

 特に、先ほど御紹介もありましたけれども、平和学習を行う地域の子供たち、そして修学旅行生などが落ち着いて学ぶことができる環境を整えていくことが大切です。

 二〇二四年度の修学旅行生は約三十三万人に上っており、修学旅行で資料館を訪れた学校にアンケートを実施したところ、一番見たい展示場所でも止まることが許されなかった、はぐれないようにするのが大変だったというような意見も上がっております。そういったお声を受けて、二〇二八年度をめどに、修学旅行生も含めて若い世代が理解をより深めていけるよう、子供向けの展示の新設に向けた議論が今進んでおります。

 そういった適切な改修などが行われること、そして、国としてこの施設の重要性を鑑みたときに、必要な支援を何か行うことを期待をしているんですけれども、そちらについての見解を伺います。

栗原大臣政務官 お答えいたします。

 原子爆弾の投下からもう既に八十年以上が経過しております。被爆者の方々の高齢化、現在、平均年齢がもう八十六歳も超えておりまして、高齢化が進んでおります。被爆の実相を次世代に引き継いでいくことは重要な課題であるというふうに考えております。

 このため、広島市、そして長崎市におきましては、被爆の実相に係る情報の発信拠点であります広島、長崎原爆資料館の展示改修を行い、子供向け展示の充実、あるいはデジタル技術を活用した展示の導入など、発信機能の強化を行うこととしており、政府としても、こうした取組を支援するため、令和八年度予算において、必要な予算を計上したところでございます。

 引き続き、こうした支援を通じて被爆の実相の継承に努めてまいりたい、そのように考えております。

鍋島委員 御説明をありがとうございました。

 必要な予算を計上していただいているということで、地元自治体では今、様々な議論を進めておりますので、是非とも、国としても引き続き必要な支援をしていただきたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。ありがとうございます。

 今お話がございましたように、実際に被爆された方、あるいは戦争を経験された方は非常に高齢化をしているということで。

 私の曽祖父も、当時、広島に幼い子供三人を含む家族を残して日本を旅立ちました。当時二十九歳でしたけれども、メレヨン島で戦死をいたしました。食料の配給もままならない中での餓死でございました。その結果、曽祖母は三人の小さな子供を一人で育てなければいけない、それはもう大変な環境で、本当に今では想像できないような辛苦をして生活をしておりました。戦争は、残された家族の生活をも大きく変えてしまうことでございます。そして、その三人兄弟の長女として育った私の祖母、今、八十八歳になっておりますけれども、当時は小学二年生でありましたが、小学校の校庭で朝の朝礼をしていたときに、広島市内の方向が突然明るくなった、そこを見ていると、高く空に伸びていくキノコ雲を見たというふうに教えてくれております。

 そういった意味でも、そういった話を私は子供の頃から祖母から教えてもらっていたんですけれども、そのように、広島の子供たちは平和学習の一環で、実際に被爆した方々のお話を学校で聞く機会がございます。そして、被爆者の皆様の被爆体験を聞くことで、原爆投下はもう二度と繰り返してはいけないことであるというふうに学びます。

 恐らく、今日この委員会室にいらっしゃる皆様のお父様やお母様、またおじい様やおばあ様も戦争を経験され、大変な思いをしてこられておられると思います。実際にこの戦争を直接経験された方々の平均年齢は九十歳から百歳に達しており、戦時中に小学校の低学年だった世代が戦争の記憶を持つ最後の世代であるというふうに聞いております。そういった経験を語って教えてくださる方々の記憶を私たちが直接聞くことができるのも今しかありませんし、次世代につないでいかなければいけないと考えております。

 今、広島県内は、各自治体が平和に向けた取組を様々進めております。私の地元の東広島市では、今、外国人市民の方が日本人の割合の中でも五・一二%を占めるという意味では、かなり海外の市民の方の割合が高い、こういった町ではありますけれども、昨年、この東広島市議会で、被爆体験の証言の記録、そして平和関連の資料について、海外の方もその内容を簡単に理解することができるように、平和の担い手として国内外へ情報発信をしていただけるような環境を整備することを含めた決議案を昨年の六月に決議をいたしました。

 こういった、日本人の方だけではなくて、海外の方も平和の担い手として認識をして、一緒に発信をしていく、そういった取組をしている自治体があるわけなんですけれども、政府として、日本政府として発信することはもちろんなんですけれども、国内で暮らしておられる海外の方、外国人市民の方から国内外へ発信していただくこと、これも同じかそれ以上に意義があることであるというふうに考えておりますが、そちらについての認識を伺います。

茂木国務大臣 政府として、被爆者の方々や被爆地自治体と協働しながら、被爆の実相の正確な理解を世代と国境を越えて促進をしてまいりました。

 特に、昨年は被爆八十年に当たりまして、また関西・大阪万博の機会でありましたので、外務省から各国に広島、長崎への訪問を改めて呼びかけました。実際に、各国の首脳、閣僚を含みます多くの海外の方々が被爆地を訪問し、被爆の実相に触れていただきました。

 同様に、国内で暮らす外国人市民の皆さんに被爆地を訪問していただいて、資料館の展示や被爆者の証言に直接触れる機会を持ち、そこで得た感想等を国内外に発信していただくことも、被爆の実相の普及という観点から意義のあることであると考えております。

 先ほど、新しい資料館でかなり列ができている、こういうお話も伺いましたが、例えば、スペインに行きますと、有名なピカソのゲルニカの大きな絵があります。私も行ってまいりましたけれども、そんなに混雑はしておりませんでした。たくさんの方がいらしたんですけれども。

 いろいろな整理の仕方とかはあると思っておりまして、そういった被爆の実相に触れたいと思っている方が自由にアクセスできるというか、余り混雑しない環境をつくっていく、こういったことも私は大切なのではないかなと思っております。

鍋島委員 ありがとうございます。

 今後も自治体としっかり力を合わせて、政府としても取り組んでいただきたいというふうに思っております。また、スペインの例も教えていただきまして、ありがとうございます。

 続いて、最後の質問に移ります。

 少しテーマが変わりますけれども、広島県の呉市の日本製鉄株式会社瀬戸内製鉄所の、呉の跡地におきまして、現在、防衛省による大規模な複合防衛拠点の整備計画が進められております。

 呉市は、歴史的にも、海軍、そして海上自衛隊とともに歩んできた町でございまして、特に今回の計画には、艦艇の補給整備機能のみならず、高度な情報通信施設や研究開発機能が含まれておりまして、新領域における安全保障の要衝としても意義があると考えております。また、ゾーニングでは、民間企業の誘致、無人機製造整備、そして情報通信なども位置づけられております。

 こうした国内の整備を我が国の安全保障戦略の中でどのように位置づけておられるのか、そして、同盟国との協力関係の中でどのような意義を有し得るのかを伺います。

吉田大臣政務官 お答えを申し上げます。

 日本製鉄呉地区の跡地における多機能な複合防衛拠点につきましては、装備品の維持整備、製造、訓練、補給等を一体的に機能させ、部隊運用の持続性を高めるために整備をするものであります。

 この拠点においては、民間の誘致を含む装備品などの維持整備、製造基盤、防災拠点及び部隊の活動基盤、岸壁などを活用した港湾機能、この三つの機能を整備する考えであります。呉地区において多機能な複合防衛拠点を整備することは、防衛力整備計画等に基づく防衛力の抜本的強化を具体化する取組でありまして、安全保障上重要な意義を有するものであると認識をしております。

 こうした取組は、力による一方的な現状変更を許容しないという我が国の意思を示すものでもあり、抑止力、対処力の強化を通じて、我が国への武力攻撃の可能性を低下をさせるとともに、大規模災害や国民保護においても迅速な対応を可能として、国民の安全の確保につながるものと考えているところであります。

 また、同盟国、同志国との協力ということに触れられましたけれども、あくまでもこれは自衛隊の装備品の維持整備、製造、訓練、補給等を一体的に機能させるための整備をするものでありますので、現時点において、当該拠点を米国を始めとした同盟国や同志国との共同訓練の際に活用することであったり、あるいは国の装備品の製造や維持整備をまず実施するといった計画はございません。

 以上でございます。

鍋島委員 ありがとうございました。

 日本の安全保障上、非常に意義がある場所であるというふうな認識、承知いたしました。ありがとうございます。

 今、この整備事業につきまして総論的なことをお答えいただきましたけれども、続いて、少し各論的なところについても伺ってまいります。

 本拠点につきまして、防衛省は、呉地区が海上自衛隊の主要部隊、そして多数の艦艇を擁し、すぐ近くには海上自衛隊部隊も所在し、さらに、太平洋、日本海、南西方面へのアクセスが良好で、地理的に重要な位置にあるというふうにしております。この拠点の整備をすることにつきまして、地理的な観点からどのように位置づけをされているのかを伺います。

寺田政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘のとおり、多機能な複合防衛拠点を整備する予定の呉地区には、呉地方総監部を始め、第一潜水隊群司令部や第二水上戦群司令部といった海上自衛隊の主要部隊が所在しております。また、多数の艦艇が配備されておるところでございます。また、近傍の海田町には陸上自衛隊一三旅団の主要部隊等も所在しております。さらに、呉地区は、米海軍の佐世保基地や米海軍、米海兵隊の岩国基地にも近接しておりまして、太平洋、日本海及び南西方面へのアクセスにも優れていることから、地理的に重要な位置にございます。

 一方で、このような様々な主要な部隊が集まっている地域ではございますけれども、地積の観点からは、海上自衛隊の呉地区では複合防衛拠点で想定しているような多様な機能を一体的に整備するということは困難な状況でございました。

 こうした点から、日本製鉄呉地区跡地の活用というのは非常に意義のあるものだというふうに考えております。

 いずれにいたしましても、こうした部隊配置や地理的特性に加え、我が国周辺の一層厳しさを増す安全保障環境を踏まえれば、今後、呉地区の重要性は更に増していくというふうに考えておりまして、同地区に必要な機能を整備することとしたいというふうに考えてございます。

鍋島委員 ありがとうございます。

 委員長、栗原政務官そして吉田政務官は御退室をいただいて構いません。ありがとうございます。

國場委員長 では、両政務官、御退室ください。

鍋島委員 ありがとうございました。

 現状の部隊の配置、そして各方面への海洋のアクセス、こういったところが重視されていることが分かりました。

 続いて、今回の拠点整備のゾーニングの最終案では、民間企業の誘致エリアが位置づけられ、防衛生産技術を担っていく企業の誘致、こういったことも示されております。

 こうした防衛産業、技術基盤の強化は、経済安全保障上の観点でも重要であるというふうに考えておりますが、こうしたエリアの整備は、安全保障上、どのように評価しておられますでしょうか。

小杉政府参考人 お答えいたします。

 御指摘の民間企業誘致エリアにつきましては、装備品の研究開発、製造等のため、防衛生産・技術基盤を担う民間企業を誘致することとしてございまして、現在、様々な企業との意見交換も踏まえながら検討を行っているところでございます。

 また、同じエリアに防衛装備庁の研究関連施設の整備も検討してございまして、民間企業、大学、研究機関等による安全保障上重要な研究開発目的での使用にも開放することを検討してございます。

 我が国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中、新しい戦い方への対応や長期戦への備えの必要性といったウクライナ侵略の教訓も踏まえながら、こうした課題に対応できる防衛生産・技術基盤を構築していくことが喫緊の課題と考えてございまして、複合防衛拠点の民間誘致エリアも活用し、これらの基盤の強化を進めてまいりたいと考えているところでございます。

鍋島委員 ありがとうございます。

 続いて、拠点整備に際しましては、地元住民の方からは一定の不安の声が聞かれております。こちら、安全を確保した上で進めていくことが非常に重要であると思いますけれども、こうした拠点整備が地域に及ぼす影響はどのように認識をされており、どのような対策を取られていこうとしているのか、伺います。

寺田政府参考人 お答え申し上げます。

 多機能な複合防衛拠点にどのような施設を整備するかにつきましては、今後、細部を決定してまいりますが、施設の設置や運用に当たっては、関係法令に基づき、適切な安全対策を行ってまいります。

 例えば、燃料タンクの設置に当たりましては、消防法等の関係法令に基づき、管轄の消防署に設置の申請を行い、燃料タンクの設置位置、構造基準、それから燃料の外部流出防止、消火設備などについて、消防法の技術上の基準に適合しているか審査され、許可を受けて設置することとなります。

 このように、防衛省として、安全対策を適切に講じ、施設の設置や運用を行っていくとともに、地元の皆様への丁寧な説明や適切な情報提供にも努めてまいりたいと考えております。

鍋島委員 ありがとうございました。

 この度の御答弁で、この防衛拠点が、呉市におきまして、あるいは日本全体におきましても安全保障上重要な拠点であるということが分かりましたし、こちら、地元呉の地域経済にも資するものであると考えております。そういった意味でも、先ほどお話がありましたけれども、安全というところをしっかりと担保していただきながら、引き続きの整備をお願いしたいと思います。

 こちらで私の質問を終わります。ありがとうございました。

國場委員長 次に、木下敏之君。

木下委員 参政党の木下敏之でございます。

 本日も質問の機会をいただきまして、心から感謝を申し上げます。

 私は農林水産省の出身でありますので、今回は、イランとアメリカの戦争によりまして世界全体で肥料が不足していること、そして、さらには、そのことによって発展途上国を中心とした穀物の確保が難しくなるのではないかという点について質問をさせていただきます。

 参政党の理念は、日本の国益を守り、世界に大調和を生むということでございます。外交政策でも、日本が歴史的に培ってきた伝統的価値観であります調和、平等、協調、そして利他の精神をもって、世界秩序の形成を主導するということを目標としております。

 現在、世界の国々が来年の食料確保に一生懸命になっているわけでございますが、特に発展途上国におきまして食料確保をどうやっていくか、それに対して日本がどのように貢献できるのかということを問題提起するものでございます。

 皆さんのお手元に資料を一枚配っておりますが、資料一を御覧になっていただきたいと思います。

 既に、肥料の生産のもとになります天然ガス、それから窒素肥料やリン酸肥料の生産に必要な硫黄の輸出が中東地域から止まっておりまして、インドなどの世界の農業生産の大産地の作付時期であります六月が迫ってきている状況でございます。

 少しばかり技術的なことを御説明させていただきたいと思いますが、農業生産に必要な肥料は、N、P、K、窒素、リン酸、カリと申しまして、主にこの資料の真ん中、ちょっと薄い水色でくくってあるところが主要な肥料でございまして、上から見ていきますと、尿素、これが窒素肥料になりますけれども、ほぼ輸入に頼っております。これの原料がアンモニアなんですが、これは天然ガスがないと製造できないわけでございます。

 それから、真ん中にリン安というものがございますが、これはリン鉱石を硫酸で溶かしまして製造いたしますが、この硫酸というのが、石油の精製過程で取れる硫黄を使って作っているものでございます。このリン安もやはり輸入一〇〇%でございます。

 ただ、上から二つ目の硫安につきましては、日本でほぼ国産ができておる、数少ない国内自給肥料でございます。

 農林省の事前レクを受けまして、尿素もリン安も輸入一〇〇%に近いものということでございますが、大変残念ながら、尿素というのは長期保存の利かない肥料でございます。

 資料一の裏が資料二になっておりまして、では、一体日本がどの国から輸入をしているかということでありますが、特に、窒素とリンが含まれているリン安肥料が恐らく影響を受けるだろうと私は思っております。

 少し前になりますが、ウクライナとロシアの戦争が始まった時点で肥料価格は急上昇いたしまして、そのときに、日本政府が頑張っていただいて、調達先をかなり変えてきております。リン安はかつては中国が九〇%を占めていたわけですが、現在は中国とモロッコからリン安を輸入してございます。

 現状では、中国は八月まで既に輸出停止ということを打ち出しております。中国は、リン安の製造に必要な硫黄の六割が中東から輸入されているということも影響しているかと思いますが、では、モロッコがどうかというと、製造に必要な天然ガス、これをやはり中東から輸出しておりまして、硫黄も中東から輸入しておりますので、現状が続くと日本への供給も危ぶまれるのではないかと私自身は推測をしております。農林水産省は現状では全然問題ないと言っておりますが、私はどうも先を見ると危ないのではないかと思っております。

 いささか前置きが長くなりましたが、ここから外務省にお伺いしたいと思いますが、世界で飢餓に苦しむ人がこれから増えるのではないかということを私は危惧をしておりますが、まず現状を教えていただきたいと思います。

 コロナを挟んで、飢餓に苦しむ人もかなり変化したのではないかと思いますが、コロナが収束した現在、世界の貧困国、そして飢餓地域の状況がどのようになっているのか。そして、日本政府はこれら飢餓に苦しむ地域に対してどのような支援活動を行っているのか。多分、日本のお米が行っていることはないと思いますけれども、現物支給などもどのようにしているのかをまず政府参考人に伺いたいと思います。

今福政府参考人 お答え申し上げます。

 国連のデータによりますと、コロナ前の二〇一九年には約五・八億人が飢餓に直面していたというデータがございます。二〇二〇年以降、その数は増大しておりまして、二〇二四年には約七・二億人が飢餓に直面したという認識でおります。

 食料不安に直面する地域に対しまして、日本は、令和七年度には、緊急食料支援等による短期的な対応として合計約百五十億円の食料支援を行ってきております。具体的には、WFP、世界食糧計画を通じて、米などの食料を調達し、支援を行ってきております。

 また、中長期的には、生産能力を向上させるために、例えば、サブサハラ・アフリカ地域において米の生産量倍増を目指すアフリカ稲作振興のための共同体というような取組にも、技術協力を通じて貢献してきております。

木下委員 お答えありがとうございました。

 世界で飢餓に苦しむ人が増大しているという現状で、これから肥料が、供給が不安になっていくということでございますが、ただ、私がいろいろな場所で、今回のイランとアメリカの戦争が世界全体の肥料の供給に大変な影響を与えるんだということを言っても、皆さん、海峡の封鎖が解かれてしまえばそんな問題は解消するのではないですかということをよく言われるわけですね。

 ここからまた政府参考人に、外務省にお伺いするわけですが、例えばカタールにあるラスラファンLNGコンプレックス、これが世界最大級のLNG生産拠点でございますが、報道によりますと、三月の十八日にイランのミサイル攻撃を受けまして、大きな被害を受けて、カタールのLNGの輸出能力の一七%が長期的に喪失したと。そして、修復には三年から五年かかるという見通しが報道されております。

 それから、これは直接肥料の生産をしているところですが、カタールの肥料会社のメサイード工場、これも報道によると世界最大級の尿素の生産工場だということですが、こちらがやはり三月四日に操業を完全に停止したという報道がなされております。この工場については、被害の程度ですとか、それから修復に要する期間の報道はされておりませんが、海峡が貨物船が通れるようになったからといって、生産設備が傷んでいれば肥料の生産がすぐに戻るわけではないわけなんですね。

 それで、ここからは外務省に伺いたいと思うんですが、中東の天然ガスの製造施設ですとか、それから肥料の生産設備、これの被害状況について、外務省は、衛星写真などを使って、そして一緒にプラントの専門家が見ればかなり被害状況が分かるというふうに聞いておりますので、どの程度の被害を受けていて、そして復旧までどの程度の期間が必要なのか、これが今年及び来年の肥料生産に非常に大きな影響があると思っておりますので、それについてはどのように情報を把握されているのかを伺いたいと思います。

 事前に、農林省にどの程度把握しているかということを事前レクで聞いたんですが、農林省は衛星写真を見てどうこうということは残念ながらしていなかったので、是非、情報収集にたけていらっしゃる外務省にこれについての情報を伺いたいと思います。

岩本政府参考人 今委員御指摘の湾岸諸国の今回の被害の状況、これは、おっしゃるとおり、日本そして世界の、エネルギー安全保障のみならず食料安全保障に与える影響が非常に大きいという具合に考えております。したがいまして、日本政府としましても、各国の被害の状況、これは非常に重大な関心を持って情報収集に努めているところでございます。

 先ほど御紹介のありました、カタールのラスラファン工業地区へのミサイル攻撃によって非常に大きな被害が出たということで、修理の完了まで最大で五年間かかるという具合にカタールエナジー、石油会社が発表をしております。また、もう一つの、肥料の関係のメサイード工場、これについても大きな被害が出たということで、私どもも関連の情報を今収集しているところでございます。そのほかの被害の状況につきましても、一部の国においては日本の会社ですとか技術者が関わっている施設等もございます。

 したがいまして、既に我が方の現地の大使館の方で、関係の企業ですとか、当然ながら相手国政府とも様々情報交換等もしておりますので、今後更に、先ほどおっしゃった衛星画像等も活用できるかもしれませんので、そういった方法も活用しながら今後の修復に向けた評価等をしっかりと行っていきたいと思っております。

木下委員 御答弁ありがとうございます。

 情報を収集するということをお答えいただいて、ちょっと安堵をしておるところでございます。

 是非その情報を、農林水産省、さらには肥料の輸入に非常に大きな力を持っております全農さん、そういったところと情報を共有されて、一体、本当にこれから先、肥料が日本に入ってくるのかこないのか、世界全体がどんなふうな肥料生産になるのかということを、是非、情報の共有をお願いしたいと思います。

 それで、これはお答えはいただかなくて、お願いなんですけれども、特にリン安の輸入についてはモロッコがどうなるかということが非常に重要でございまして、既に中国は八月まではもう輸出をしないと。今年八月から先がどうなるか分かりませんが、今はモロッコからの輸入に頼っている状態でございます。

 業界は、農林省の備蓄が大体三か月なんですが、二か月ぐらいの備蓄の状態なのが、この間、農林省に聞きましたら、業界が自主的に今四か月以上の備蓄量に増やしているということではあったんですね。ですから、四か月程度の猶予はあるとは思うんですけれども、是非、モロッコの大使館の皆さんに、モロッコのたしか国営企業だったと思いますが、ここが輸出をしておりますので、今メンテナンスに入っているようなんですけれども、今後の生産の見通し、何せ中東からガスも硫黄も入ってきませんので、一体いつ頃生産が再開して日本に出せるのかどうかということについての情報収集は是非お願いをしたいと思います。

 では、次の問いに入ります。

 肥料は、やはり、作付の時期に、作付の最初に散布しないと効果がないということもございまして、逆に言うと、肥料散布のタイミングを逃してしまうと効果が生じないわけですね。ですから、今のところ、戦争が始まって一月半、六月ぐらいの作付に間に合うかどうかということが非常に大きなポイントとなってくるわけでございまして、タイミングを逃すと、後になってたくさん作れるから今年は大丈夫だということにはならないという特性がございます。これは農林省から聞いた話でございますが、稲作でいうと、田植の前に肥料の投入が半分になってしまうと収穫量は二割減るのではないかという予測もあるということを言っておりました。

 ここから先、肥料が供給されなくなるかもしれないんですけれども、ここでまた外務省にお伺いしたいんですが、日本の場合は、ロシアとウクライナの戦争によって、もう三年前ですか、肥料が暴騰いたしましたので、それを教訓として肥料の備蓄をする制度を持っております。

 巨大な人口を持つインドのような国、それから、飢餓に苦しむ国だけではなくて、発展途上国の中でこのような肥料の備蓄制度を持っている国があるのかないのか。もしお分かりになったら、備蓄制度は持っているけれどもこれぐらい備蓄しているという情報をお持ちなのかどうかについて、政府参考人の意見を伺います。

渡邊政府参考人 お答え申し上げます。

 自国の農業の安定や食料安全保障の観点から、開発途上国を含め、肥料の備蓄や安定供給の取組を行う国はあると承知してございます。

 一方で、その備蓄制度は、自国の経済安全保障に関わるものでございますし、また、その態様については明らかにされていないことが多いということで、我が国としましては、網羅的に詳細にお答えすることはちょっと困難であるというところでございます。

 その上でなんですけれども、インドなんですが、インドの肥料の備蓄につきましては、同国の化学品肥料省が本年三月にプレスリリースを発出しておりまして、例年六月頃から始まる次期作付期に向けて十分な肥料在庫が確保されているということを表明していると承知してございます。

木下委員 御答弁ありがとうございました。

 確かにインド政府がそのような発表をしておるのは存じておりますが、もう既に戦争が始まって一か月半、これから先、本当に末端の農村にまで肥料が行き渡るのかどうかということは是非よく見ていていただきたいと思います。

 それで、これから、備蓄制度は余り十分ではないような印象を受けておりますけれども、では、そういったことも含めまして、発展途上国の来年の春以降の収穫にどのような影響が出ると外務省は予想されているのか。今年の秋の収穫については、既に肥料をまいているのでそんなに大きな影響はないと思うんですが、インドとかブラジルとかそういった国も含めて、どのように来年の春以降の収穫に影響が出ると予測されているのか。外務省だけではなくて食料援助の国際機関のデータでも結構ですので、お答えいただきたいと思います。

渡邊政府参考人 お答え申し上げます。

 肥料価格高騰及び生産量減少が及ぼす影響につきましては、国ごとに事情や条件も異なりますので、かつ、自国の経済安全保障に関わるというものでもございますので、明らかにされていないことが多く、網羅的、詳細にお答えすることは困難でございます。

 その上で申し上げれば、今御指摘もいただきましたけれども、国連食糧農業機関、FAOでございますが、現下の中東情勢による肥料輸入の減少は中東依存度が高いアフリカ、南アジア等の国々が最も影響を受けやすいとして、また、肥料投入量の減少は本年後半の作付、収穫量の減少につながる懸念を表明しているということは承知してございます。

木下委員 では、今回、ここが最後になると思いますが、外務大臣にお伺いいたしますが、これから世界全体が肥料が足りなくて食料生産が危うくなるという状態が出てくる可能性もあると思っております。

 そうなる前に、日本政府として、アメリカそれからG7、国連に対しまして、このままいくと世界の食料生産が大変な状態になるので、それを防ぐために、取りあえず肥料若しくは肥料関連物資だけでも先にホルムズ海峡を通してくれないかというようなことを緊急議題として提起するべきではないかと思いますが、外務大臣の御見解を伺います。

茂木国務大臣 現下の中東情勢、エネルギーであったりとか、また、医薬品を含みます、医療用を含みます化学製品のみならず、委員御指摘のように、肥料であったりとか肥料原料のサプライチェーンの停滞をもたらし、世界全体の肥料供給にも影響が出る、ひいては食料事情というものにも大きな影響が出る懸念というのがあると考えております。

 これを受けまして、肥料のサプライチェーンを含みます食料安全保障対応について、G7等の場でも様々な角度から議論を行ってきておりまして、日本も積極的に議論に貢献をしております。

 先日、フランスで行われましたG7の外相会談におきましても、エネルギー、重要鉱物、医薬品に加えまして、肥料の安定供給の重要性について議論を行ったところであります。

 その上で、根本的な解決のためには、ホルムズ海峡の航行の安全を含めた事態の早期鎮静化を図ることが重要だと考えておりまして、そのための外交努力を引き続き行っていきたいと考えておりますが、今、このホルムズ海峡、こういった状況で、非常に日々混沌としたというか、変化をする中で、特定のカーゴであったりとか特定の物資に限って通過できますよ、こういう状況をつくるのは、率直に申し上げてなかなか難しい部分は私はあるのではないかなと思っております。

 いずれにしましても、ホルムズ海峡全体として、また日本を含めたあらゆる船舶が通航できる状況をつくるということが結果的には早道になるのじゃないかなと考えております。

木下委員 御答弁ありがとうございました。

 例えば肥料製造設備の改修だけ先に先行してやらないかとか、いろいろなアイデアもございますが、何問か積み残したこともございますので、重要な問題だと私は思っておりますので、次回の一般質疑のときにまた続きをさせていただければと思います。

 質問を終わります。ありがとうございました。

國場委員長 次に、土橋章宏君。

土橋委員 チームみらいの土橋章宏です。

 今日は、質問の時間をいただき、ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 まず、ODA及びJICAの在り方についてお伺いいたします。

 現在、日本は各国に対してODAを実施しておりますが、近年は一帯一路を推進する中国と競合するケースもよく見られます。中国は、インフラ整備に加え、教育支援などもしっかり組み合わせることで、影響力を拡大しております。

 こうした状況を踏まえると、日本のODAにおいても、従来の慈善という位置づけにとどまらず、投資としての側面をより明確にし、インフラだけではなく、教育支援や産業支援を一気通貫でセットして、より市場開拓にシフトしていく必要があるのではないかと考えます。

 そこで、お伺いいたします。

 政府は、ODA及びJICAの活動について、慈善と投資、いずれとして位置づけているのか、また、今後どのような方向性で運用していくのか、御見解をお示ししていただきたいと思います。

茂木国務大臣 ODAを通じて国際社会の平和と繁栄に貢献するということは、資源の安定供給の確保にも直結し、ひいては我が国の平和、安定、更なる繁栄といった国益にもつながると考えております。

 道路を始め、日本の支援で整備をされたインフラは極めて質が高いと、供与国からも高く評価をされておりまして、これが日本への信頼にもつながっている。ある太平洋島嶼国で、日本が二十年前に整備した道路と、違う国が十年前に整備した道路を比べてみますと、日本が二十年前に造った道路は全くひび割れていないんですよ。一方で、違う国が造った道路は十年前なのにかなり亀裂が入っているということで、こういったことからも、日本の質の高いインフラ整備というのは高く評価されているんだと思っております。

 さらに、今後は、相手からの要請ベースだけではなくて、こちらから積極的に、オファー型の協力であったりとか、民間投資を促す新しいODAの仕組みも使うことによって、経済安全保障等の重要課題にも対応していきたいと思っております。

 このように、委員御指摘のとおり、ODAは単なる善意ではなく将来に対する投資であると考えておりまして、引き続きODAの戦略的かつ効果的な活用を進めていきたい、こう思っております。

土橋委員 御答弁ありがとうございました。

 投資といいますと、ちょっとお金もうけかというふうな印象もあると思うんですけれども、日本人というのはお金もうけを悪いことと捉えがちなんですけれども、そういった日本のよりよい商品を幅広い国に買っていただくということは、すごく双方にとってメリットがあります。

 一方、宣伝費をたくさんかけたような国が、余りいいとは言えない商品をたくさん売っているというような状況もありますので、こうした、日本がODAを投資という側面も捉えましてどんどんと経済発展をしていくといったことも、私は大事だと思っております。

 次に、日本のコンテンツの海外販売についてお伺いいたします。

 政府は、日本発コンテンツの海外売上げを二十兆円に拡大するという明確な目標を掲げており、半導体や鉄鋼に匹敵する輸出産業として、経済の柱とすると発表しております。しかし、日本のコンテンツ産業は高い創造力と品質を有している一方で、商業展開がちょっと十分とは言えず、海外市場において他国に後れを取っています。いわゆる、技術で勝って産業で負けるという状況になっているかとも思います。

 私自身も映画脚本や小説、漫画原作を手がける作家として働いていましたが、その制作現場においては、もっと作品を海外で売っていきたい、国産のプラットフォームで広く配信したいという声をよく聞きました。

 そこで、お伺いします。

 外務省として、日本文化の紹介にとどまらず、日本のコンテンツの販売促進という観点からどのような取組を行っているのか、お聞かせください。また、在外公館が現地の需要を把握し、日本企業へフィードバックするなど、いわばアンテナショップとして機能する可能性についてどのようにお考えか、併せて御見解をお伺いいたします。

渡邊政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のコンテンツでございますが、日本成長戦略会議の下、十七の戦略分野の一つに位置づけられておりまして、今や日本の基幹産業の一つという認識でございます。

 外務省としましても、日本文化の紹介にとどまらず、日本のコンテンツ産業の海外展開を戦略的に後押しする観点から、成長戦略の議論に積極的に関与するとともに、様々な取組を行ってございます。

 具体的には、首脳会談を含む外交機会を活用し、日本のコンテンツ産業の海外展開に向けて、各国ハイレベルとの間で海賊版対策を含む連携協力を推進してございます。また、ODAの戦略的な活用、国際交流基金との連携やジャパン・ハウスの活用を通じ、日本のコンテンツ産業の海外展開に資する環境整備も進めてございます。

 御指摘のあった現地の需要把握や日本企業への情報提供につきましては、在外公館が有する人的ネットワークを最大限に活用し、情報収集や日本企業へのフィードバックを実施してございます。

土橋委員 御答弁ありがとうございます。

 私も、いろいろな活動をされているとお聞きしまして、例えば現地でのテレビでの配信とか、放送、放映とか、いろいろやっておられると思うんですけれども、やはり、もっと宣伝していくといいますか、例えばチャンネルをどのチャンネルで配信するのかとか、例えば日本でも一チャンネルと八チャンネルでは、どっちかというと一から順番にチャンネルを変えられるみたいなこともありますので、そういった細かい点でも、商売の芽といいますか、宣伝、どうやって日本のコンテンツを広げていくかというふうなことを考えていくのも必要だと思います。

 例えば、海賊版とかもすごくあると思うんですけれども、海賊版に対抗するには、もちろんロイヤリティーとか知財の知識を高めるということも必要だと思いますが、短期的にはなかなかうまくいかないときもありますので、そのときは、ネットで無料で日本のアニメを流すことによって、例えば、海賊版というのは画質が悪いし翻訳もいいかげんなことがありますので、そういった無料の日本のアニメを流していくことでどんどん日本のコンテンツを広めていったり、また、コミック、漫画本をちょっと配ってみたりとか、日本の、昔でも紙芝居をやってあめ玉を配るみたいなこともありましたけれども、まず、日本のコンテンツを見るということに対してインセンティブがあるとすごくいいと思うんですよね。そういったインセンティブを官民一体となってやっていくこと。

 日本のアニメとかコンテンツ、ゲームもそうですけれども、すばらしいものが多いですので、そのすばらしいものを販売していく、宣伝していく、そういったところをもっとこれから力を入れていったらいいのではないかなと私は考えております。

 そこで、次の質問ですけれども、コンテンツを活用した国際協力の可能性についてお伺いいたします。

 私は先週、JICAの議連に参加し、インドでの母子手帳の普及やモンゴルでの給食の技術支援など、すばらしい活動を知りました。そんな中で、識字率の低い国で教育に漫画を用いることがあると聞きました。例えば、その漫画の中に、日本のIPを絡めていくといったようなことも可能なのでしょうか。お聞きします。

今福政府参考人 お答え申し上げます。

 議員御指摘のコンテンツ分野、これにつきましては、日本が強みを持つものでございまして、ODAを活用して、日本企業の海外展開に資する環境整備、これを戦略的に行っていくことは重要な点であると考えております。

 例えば、今委員からも御指摘ございましたとおり、無償資金協力によって、相手のテレビ局の機材整備を行うとともに、併せて我が国のコンテンツ、番組コンテンツを供与するというような試みもこれまでもやってきておりますし、そういった観点からコンテンツの発信強化に取り組んできております。

 また、あと、今、IT等で組み入れてというお話がございましたが、そういった今申し上げたような試みの中で、例えばJICAは、人気キャラクターや絵本、あと漫画といったものを活用して、手洗い等の衛生啓発活動、そういった身近なところで日本のキャラクターコンテンツといったものを感じ取ってもらえるような活動をしてきておりますし、また、教育や女性の社会進出といった社会課題の解決、こういったところに漫画等を使って進めるような取組を推進してきております。

土橋委員 ありがとうございます。

 今、コンテンツの方でもすごく日本語翻訳の、AIの技術が進んでおりまして、特に、最近では、今年か来年には日本語と外国語の翻訳がぺらぺらになるのではないかというような感じの状態にもあるんです。

 今までは、日本のコンテンツを海外に売っていくときに、どうしても日本語の障壁というのが、日本語の言語障壁というものがありまして、それでやはり日本のコンテンツを売っていきづらいというのがあったんですけれども、例えば、これまで外務省の方でいろいろな翻訳をなされていると思うんですけれども、そういった翻訳のデータをAIに学習させて、そういったAIの学習機能で翻訳を自動的にやっていくことで、日本のコンテンツの普及がかなり早くなると思います。そういったテクノロジーで産業構造をアップデートしていき、そうしてコンテンツの普及を考えることが重要と考えます。

 例えば、コンテンツで外貨を稼いでいくという考えを私は非常に推しておりまして、例えば経済安全保障とかでいろいろ日本経済を守るということも大事ですけれども、やはり、外貨を獲得していけば円安も是正されますし、それが物価対策にもなります。また、法人税収が増えれば、減税をしたり、社会保険料を引き下げたりといったことも可能になると思います。

 今、日本人の一億人の市場だけではなく、世界の七十億人の市場をターゲットにするには、官民がチーム一丸となって産業に取り組んでいくことが不可欠だと考えます。

 また、コンテンツを通して、ルールを守る、人の気持ちを考えるといったような日本の文化が伝わっていけば、良好な同志国獲得につながるのではないかと思います。また、ルールを守れる人が日本に来られれば、摩擦も少なく、例えば少子化による労働不足も解消する一手となり得るのではないでしょうか。

 そういった提言をさせていただきまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

國場委員長 次回は、来る十七日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時四十九分散会


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