第11号 令和8年5月15日(金曜日)
令和八年五月十五日(金曜日)午前九時三分開議
出席委員
委員長 國場幸之助君
理事 石橋林太郎君 理事 小田原 潔君
理事 高木 啓君 理事 穂坂 泰君
理事 星野 剛士君 理事 近藤 和也君
理事 青柳 仁士君 理事 深作ヘスス君
伊藤 聡君 今岡 植君
岩屋 毅君 英利アルフィヤ君
大西 洋平君 小渕 優子君
川松真一朗君 今 洋佑君
島田 智明君 新藤 義孝君
中川こういち君 中曽根康隆君
永田磨梨奈君 西銘恒三郎君
新田 章文君 東田 淳平君
前川 恵君 松島みどり君
山田 基靖君 金城 泰邦君
原田 直樹君 横田 光弘君
佐々木真琴君 木下 敏之君
宇佐美 登君
…………………………………
外務大臣 茂木 敏充君
外務副大臣 国光あやの君
外務副大臣 堀井 巌君
外務大臣政務官 英利アルフィヤ君
外務大臣政務官 大西 洋平君
外務大臣政務官 島田 智明君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 関口 祐司君
政府参考人
(金融庁総合政策局参事官) 大城 健司君
政府参考人
(総務省情報流通行政局郵政行政部長) 牛山 智弘君
政府参考人
(外務省大臣官房地球規模課題審議官) 中村 亮君
政府参考人
(外務省大臣官房審議官) 三宅 浩史君
政府参考人
(外務省大臣官房審議官) 濱本 幸也君
政府参考人
(外務省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化参事官) 花田 貴裕君
政府参考人
(外務省大臣官房参事官) 大塚 建吾君
政府参考人
(外務省大臣官房参事官) 山本 文土君
政府参考人
(外務省欧州局長) 北川 克郎君
政府参考人
(外務省経済局長) 股野 元貞君
政府参考人
(財務省大臣官房審議官) 廣光 俊昭君
政府参考人
(財務省主税局国際租税総括官) 藤井 大輔君
政府参考人
(国税庁長官官房審議官) 武田 一彦君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 渋谷闘志彦君
政府参考人
(国土交通省大臣官房審議官) 中山理映子君
政府参考人
(防衛省防衛政策局次長) 有馬 孝典君
参考人
(日本郵政株式会社常務執行役) 西口 彰人君
外務委員会専門員 山本 浩慎君
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委員の異動
五月十五日
辞任 補欠選任
今岡 植君 今 洋佑君
中曽根康隆君 中川こういち君
東田 淳平君 永田磨梨奈君
同日
辞任 補欠選任
今 洋佑君 今岡 植君
中川こういち君 中曽根康隆君
永田磨梨奈君 新田 章文君
同日
辞任 補欠選任
新田 章文君 東田 淳平君
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本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
参考人出頭要求に関する件
所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とキルギス共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件(条約第九号)
環境保護に関する南極条約議定書の附属書6の締結について承認を求めるの件(条約第一〇号)
国際民間航空条約第五十条(a)の改正に関する二千十六年十月六日にモントリオールで署名された議定書及び国際民間航空条約第五十六条の改正に関する二千十六年十月六日にモントリオールで署名された議定書の締結について承認を求めるの件(条約第一一号)
万国郵便連合憲章の第十二追加議定書、万国郵便連合一般規則の第四追加議定書、万国郵便連合一般規則の第五追加議定書、万国郵便条約の第一追加議定書及び万国郵便条約の第二追加議定書の締結について承認を求めるの件(条約第一二号)
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○國場委員長 これより会議を開きます。
所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とキルギス共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件、環境保護に関する南極条約議定書の附属書6の締結について承認を求めるの件、国際民間航空条約第五十条(a)の改正に関する二千十六年十月六日にモントリオールで署名された議定書及び国際民間航空条約第五十六条の改正に関する二千十六年十月六日にモントリオールで署名された議定書の締結について承認を求めるの件及び万国郵便連合憲章の第十二追加議定書、万国郵便連合一般規則の第四追加議定書、万国郵便連合一般規則の第五追加議定書、万国郵便条約の第一追加議定書及び万国郵便条約の第二追加議定書の締結について承認を求めるの件の各件を議題といたします。
この際、お諮りいたします。
各件審査のため、本日、参考人として日本郵政株式会社常務執行役西口彰人君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として、お手元に配付のとおり、外務省大臣官房地球規模課題審議官中村亮君外十六名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○國場委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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○國場委員長 これより質疑に入ります。
質疑の申出がありますので、順次これを許します。近藤和也君。
○近藤(和)委員 中道改革連合の近藤和也でございます。本日もよろしくお願いいたします。
大臣に伺います。
昨日、米国のトランプ大統領が中国に行きまして、習近平主席と首脳会談等を行っております。本日までということですけれども、現状における政府としての受け止め、評価について伺います。
○茂木国務大臣 おはようございます。
昨日から米中の首脳会談が行われているところでありますが、これまでも繰り返しお話ししておりますように、米中関係が日本を含みます国際社会の安定に資するものとなることが重要と考えておりまして、今般の米中首脳会談について高い関心を持って注視をしております。
会議は今日も、少人数の会合、そしてワーキングランチと続く予定だ、このように承知をいたしておりますが、初日は比較的、余り対決色というよりも融和ムードという中でありましたけれども、今日この後どういう会談になっていくか、こういったことも含めて、我が国に対する影響がどうなるか、情報収集を進めつつ適切に対応していきたいと考えております。
いずれにしましても、政府としては、同盟国である米国との強固な信頼関係の下、中国に対して、その立場にふさわしい責任を果たしていくように働きかけていくことが何より重要である、こんなふうに考えております。
○近藤(和)委員 ありがとうございます。
報道等を見ても、どの情報が本当に正しいのかということもなかなか分かりづらいなということでもございますけれども、何とか日本にとってもいい方向になればなというふうに思います。
それでは、今日の四条約に関しての質疑に入りたいと思います。
まず、日・キルギス租税協定から伺います。
全体の租税協定等ですけれども、イラン、カンボジア、ミャンマー等、ある程度の経済規模の国と交渉にも入っていないということでございます。日本にとりましては、全体としては百五十七か国と結んでいることでございますが、これらの国となぜまだ交渉等に入っていないのか、今後の見通しや方針について伺います。
○茂木国務大臣 租税協定そして租税条約は、二重課税の除去であったりとか脱税及び租税回避を防止することで、二国間の健全な投資、経済交流の促進に資するものであると考えております。
具体的な効果として、例えば、源泉地国におけます課税所得の範囲が明確になる、また、企業にとっての法的安定性や予見可能性が高まること、これが期待をされるわけであります。
我が国は、現在までに、日・キルギス租税協定と同種の二国間の租税条約を七十七本締結しております。租税条約のネットワークが拡充されることで、企業によります海外への投資活動を後押しし、ひいてはルールに基づく国際経済秩序の維持強化に資するものと考えております。
政府としては、相手国との経済関係、どれくらいの経済取引等があるか、また、経済界からの要望、租税条約から生じ得る効果といった観点を踏まえ、新規の租税条約の締結や既存の租税条約の改正に、引き続き積極的に取り組んでいきたいと考えております。
七十七本というのが多いのか少ないのか、いろいろな評価はあると思いますけれども、単に数が増えればいいというよりも、先ほど申し上げたような全体の効果といいますか、また必要性、こういったものを見極めながら、しっかりとこういったものを拡大していきたいと思っております。
○近藤(和)委員 引き続き、租税関連条約の全体のお話、質問したいと思います。
みなし外国税額控除が設けられ、引き続き同控除が供与されている国というのは、スリランカ、ザンビア、ブラジル、中国、タイ、バングラデシュの六か国です。みなし外国税額控除については、OECDにおいても、投資交流の促進に必ずしも資するものではない、租税回避のために濫用されるおそれがある、課税の公平性や中立性に反するといった諸々の問題点が指摘をされています。
このようなことを踏まえまして、令和五年の衆議院外務委員会でも、政府側の答弁で、我が国としては、新たに締結する租税条約においてはみなし外国税額控除の規定を設けない方針でございます、また、同規定を含む租税条約の改正におきましては、できる限り廃止、削減に努めてきているところでございます、今後の改正交渉におきましても、引き続き同規定の廃止、縮減を求めてまいりたい、このように考えておりますと答弁がございました。
今回のキルギスとの租税協定の中では、みなし外国税額控除は設けられていないというふうには聞いていますけれども、以前からの六か国については、この廃止、縮減に努めている、現状というのはどうなっているのでしょうか。
○股野政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘のみなし外国税額控除とは、主に開発途上国に投資している先進国の居住者が現地の優遇措置等により減免を受けた租税の額をその開発途上国において納付したものとみなして、居住地国である先進国側での税額から控除することを認めるものでございます。
このみなし外国税額控除につきましては、委員御指摘のとおり、OECD等において、課税の公平性や中立性に反する、租税回避のために濫用されるおそれがある、投資交流の促進に必ずしも資するものではないといった問題点が指摘されているところでございます。
こうしたことから、我が国としましては、新たに締結する租税条約においてはみなし外国税額控除の規定を設けない方針でございまして、また、みなし外国税額控除の規定を含む租税条約の改正においては、できる限り廃止、縮減を図ってきているところでございます。
なお、個別の国との交渉状況につきましては、相手国との関係もございますので、申し上げられない点は御理解いただきたいと思いますが、今後の租税条約の改正交渉におきましても、引き続き、みなし外国税額控除に関する規定の廃止それから縮減を図ってまいりたいと考えております。
○近藤(和)委員 現状については答えられないということなんでしょうかね。はい。
それでは、次に参ります。
今回のキルギスとの租税条約については、仲裁手続に関する規定が導入されていませんが、導入ができなかった理由や、今後について伺います。
○北川政府参考人 お答え申し上げます。
仲裁手続の導入は、相互協議手続の円滑化、実効性の向上により納税者の負担軽減を図るものでありまして、投資環境の整備及び国際的な投資交流の促進に資するものであります。このような考えから、我が国としましては、租税条約の新規の締結あるいは改正交渉の中で、仲裁手続の導入を積極的に取り上げてきております。
しかしながら、この仲裁手続は、国内法上の制約、執行当局のリソース不足、相互協議手続自体の経験不足などによりまして、その導入を困難とする国がございます。キルギスにつきましても、国内事情からその導入に反対の立場でありまして、導入に合意できる可能性はないと判断されたところでございます。
他方で、この日・キルギス租税協定全体は、投資所得の大部分に係る限度税率が、現行の日ソ租税条約と同等かそれよりも引下げとなることに加えまして、情報交換の対象税目が拡充していること、及び、新たに協定の特典の濫用防止規定を設けていることなど、協定全体として我が国にとって現行条約よりも望ましいものになっていると判断したものでございまして、このため、仲裁手続の導入は見送ることとし、租税協定の締結を優先することとしたものでございます。
○近藤(和)委員 また全般について伺いますが、国際的な租税回避行為は以前から問題となっていますが、現状はどのような対応、対策を取っているのでしょうか。
○北川政府参考人 お答え申し上げます。
日・キルギス租税協定におきましても規定がございますので、それを例にお答え申し上げます。
国際的な脱税及び租税回避への対処と抑止の観点から、租税に関する情報交換ネットワークの拡充に取り組むことは重要でありまして、今回お諮りしております日・キルギス租税協定におきましても、両国の税務当局間において、両国の全ての国税及び地方税に関する情報を交換することができることを規定しております。
また、本協定は、取引等の主要な目的の一つが本協定の特典、例えば課税の減免などですが、これを受けることであったと認められる場合には、本協定に基づく特典を与えられないこととする特典の濫用防止措置を採用することで、租税回避への対応を強化しているものでございます。
○近藤(和)委員 次に参りますが、デジタル課税、第一の柱について伺います。
米国がOECDにおける国際合意から離脱するとの大統領覚書を公表いたしました。たしか、昨年の一月だったと思いますけれども。
経済のデジタル化に伴う新たな課税権の配分に関する国際的な合意を実施するための第一の柱の多数国間条約の交渉状況を伺います。
○藤井政府参考人 お答え申し上げます。
国際課税におきましては、経済のデジタル化に伴いまして、例えば、海外企業が国内に支店などの物理的拠点を置かずに国内の顧客を対象にビジネスを行うといった場合に、国内において適切な課税が行えないという課題が指摘されてございます。
こういった課題に対処するために、OECDそれからG20のBEPS包摂的枠組みというものがございまして、こちらで国際課税システムの安定性と確実性を確保する観点から、委員御指摘のいわゆる第一の柱の多数国間での解決策ということについて議論が行われております。
具体的には、一部の欧州諸国が導入しているような、各国独自で一方的な税制措置をするというものはございますが、これを廃止するとともに、市場国に新たな課税権を配分するということを議論しております。
委員御指摘のとおり、昨年一月に、アメリカが国際課税に関する大統領覚書を公表してございます。ただ、一方で、その後も、アメリカは包摂的枠組みにおいて、議論に参加してございます。また、昨年の七月でございますけれども、アメリカを含むG20財務大臣・中央銀行総裁会議の声明におきまして、経済のデジタル化に伴う課税上の課題に関する建設的な対話ということについても言及をされているところでございます。
こういったことから、日本といたしましては、国際課税システムの安定性と確実性を確保する観点から、引き続き、米国を始めとする関係国とよく議論をして進めてまいりたいと思っているところでございます。
○近藤(和)委員 米国に関しては、離脱すると言いながらもとどまっていただいている、現場では。そういうことですよね。はい。
恐らく、関税のところに頭が行って、実際の行動のところは何とかそのまま動いてもらっているのかなと思いますが、まあ、まだまだ交渉の途中だということだと思いますが、頑張っていただければと思います。
それでは、第二の柱について、グローバルミニマム課税について伺いますが、こちらについては、本年一月五日の国際合意により、米国企業グループがグローバルミニマム課税から免除される結果、日本を含む他国の企業グループには競争上不利となるのではないか、この点について伺います。
○藤井政府参考人 お答え申し上げます。
グローバルミニマム課税につきましては、各国の法人税率引下げ競争に歯止めをかけるとともに、企業間の公平な競争条件を確保するということを目的といたしまして、最低税率一五%以上の税負担を確保するという、このことを目的といたしまして、二〇二一年でございますが、BEPS包摂的枠組みにおいて国際的に合意された仕組みでございます。
一方で、米国につきましては、このグローバルミニマム課税ができる前に、先立って、独自の米国のミニマム課税制度というのを有してございます。この米国の制度がグローバルミニマム課税の趣旨に沿ったものであるということから、国際課税システムの安定化のため、昨年の六月以降、包摂的枠組みにおきまして議論が行われておりまして、委員御指摘のとおり、今年の一月に入りまして、両制度の共存というのを認める国際課税制度について国際的に合意をしたところでございます。
この制度の下で、米国企業グループは、グローバルミニマム課税の趣旨に沿った、米国同士のミニマム課税制度に服するということでございますので、他国の企業グループとの競争上の公平性が損なわれるものではないというふうに考えております。
○近藤(和)委員 ありがとうございます。
それでは、次の、南極環境保護議定書附属書6について伺います。
今週の五月十一日から広島で開催中の南極条約協議国会議、日本では三十二年ぶりの開催ということですが、日本で開催する意義というのはどのようなことでしょうか。
○茂木国務大臣 現在広島で開催されております、第四十八回目となります南極条約の協議国会議、これは、我が国を含みます協議国が、南極地域の平和的利用、そして科学的研究の促進、さらに生物資源の保護及び保全等について議論することを基本的な目的としております。
我が国は、現在、同会議の議長を務めておりまして、南極条約の原署名国十二か国及び協議国として、南極条約を重視する姿勢を改めて国際社会に示したいと考えております。その中で、南極地域の平和的利用、科学調査の自由及びそのための国際協力を定める南極条約の重要性を改めて国内外に示す機会にしたい、そのように考えております。
特に、今回の会議におきましては、近年活発になっております南極地域における観光活動への対応、また気候変動の南極地域に与える影響、さらには南極地域における活動に関する透明性の確保等について議論が行われておりまして、議長として積極的にこの議論をリードしてまいりたいと考えております。
○近藤(和)委員 初日のときには、外務副大臣も、そして環境副大臣も参加されたということを伺っています。成功裏に終わりますことを期待いたします。
それでは、次に参りますが、一九九八年に発効した南極環境保護議定書についてですが、日本が発効前の最後の締結国になった理由、そして反省点があれば聞きたいと思います。
○中村政府参考人 お答え申し上げます。
環境保護に関する南極条約議定書につきましては、一九九一年に採択された後、日本政府として、その発効の見通し、あるいはほかの協議国の動向等を念頭に置きつつ、必要な国内法の整備について慎重な検討を行った結果といたしまして、一九九七年十二月に締結に至った経緯がございます。
こうした経緯があるとはいえ、結果といたしまして、当時、我が国が同議定書の発効前の最後の締結国になったということにつきましては、対応が遅かったという御疑念を持たれることはやむを得ない、このように考えております。
政府といたしましては、御指摘も踏まえつつ、我が国にとって重要な取組を遅滞なく進められるよう、引き続き、必要な条約の締結に努めてまいります。
以上でございます。
○近藤(和)委員 反省点もあるのかなと思いますが、次に参ります。
附属書6については、二〇〇五年に採択をされました。二十八か国が締結したときに発効されるとされていますが、各国の締結の状況はいかがでしょうか。そしてまた、日本の締結が遅くなっているように感じますけれども、その理由はどこにあるのでしょうか。
○中村政府参考人 お答え申し上げます。
本附属書は、委員御指摘のとおり、二〇〇五年の南極条約協議国会議における採択の時点で協議国であった二十八か国が締結したときに発効することとされております。本年五月の現在、そのうち十九か国が締結済みでございます。発効のためには、我が国を含めまして残り九か国による締結が必要な状況となってございます。
政府といたしましては、ほかの協議国の動向、あるいは本附属書の発効の見通しも踏まえつつ、本附属書を円滑に実施するために必要な国内法の整備について検討を行ってきたところでございます。その上で、南極地域における観光活動の増加により、環境に重大な影響を与える事故の発生リスクが高まっていること、あるいは各国による本附属書の締結の進展に加えまして、本年に我が国が南極条約協議国会議を主催することとなった、こうしたことも踏まえまして、南極条約を重視する我が国の姿勢を改めて示す観点などから、今次国会におきまして、本附属書及びその国内担保法を提出するに至ったということでございます。
○近藤(和)委員 今回もまた少し遅めなのかなというふうには思いますけれども。
ありがとうございます。
それでは、次に参ります。
これは、令和五年の四月の衆議院の当委員会での質疑で取り上げられたことでございますが、令和四年の十二月に、我が国の南極地域観測隊が、昭和基地から約二十キロメートル離れた場所において、半球形の、中国と記載された簡易な小屋のような構造物、さらに、倒壊した自動気象観測装置と思われるものを発見をしたということでございます。そして、そのときに発見された構造物による活動は、事前の通告を行うべき活動として挙げられているということでございます。そして、事前の通告は確認されていないということでした。
この令和五年の、通告なく中国が設置をいたしました構造物に係る政府の対応と現状について、どうなったのかを伺います。
○中村政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のように、二〇二二年に我が国の南極地域観測隊が、昭和基地の南約二十キロ地点におきまして、中国によって設置された構造物及び観測装置を発見するという事案が発生をいたしました。
我が国は、これまで中国側に対しまして、当該構造物等の設置につきまして、南極条約に基づく事前の通告がなかったことは問題であり、早期撤去を行うべきである旨、繰り返し申入れをしてまいりました。本年二月になりまして、中国側から我が国の国立極地研究所に対しまして、当該構造物等を撤去したとの連絡があったことから、今後、可能な機会に現地にて状況の確認を行う考えでございます。
政府といたしましては、南極地域における各国の活動につきまして、透明性の向上は重要な課題である、このように認識をしておりまして、引き続き、必要な情報収集を行い、事案に応じまして、南極条約の関連規定に基づき、適切に対処してまいりたいと存じます。
○近藤(和)委員 結果として、二年ぐらいかかってようやく撤去されたということですね。はい、ありがとうございます。
それでは、次に参ります。
本附属書の実効性について、非締約国に対しての効力はどのようなことができるのかということでございますが、非締約国の事業者が事故を起こした場合について、何らかの対応を行うべきではないでしょうか。
○中村政府参考人 お答え申し上げます。
本附属書が規定する一連の義務につきましては、その締約国のみに対して適用されるものでございまして、締約国以外の国に対しては効力を有しない、このようにされてございます。
したがいまして、締約国間では、ある締約国の事業者が南極地域の環境に重大な悪影響を与える事故を引き起こした場合、事業者が対応できなければ締約国が対応することが奨励され、締約国が対応した場合には、事業者にその費用を支払う責任が生じることとなります。
これに対しまして、非締約国の事業者が事故を引き起こした場合には、本附属書に基づいて締約国の対応が奨励されたり、事業者による費用の支払い責任が生じたりすることはございません。
もっとも、過去に南極地域で発生した船舶からの油流出事故におきましては、他国が油の抜取りなどの協力を実施した事例もございます。非締約国の事業者が事故を引き起こした場合でも、南極地域の環境保護の重要性、あるいは議定書の趣旨も踏まえまして、必要に応じて関係国が協力して対応する、こういうことも考えられると存じます。
○近藤(和)委員 今度は締約国同士ということですけれども、事業者の締約国以外の締約国が対応措置を取ろうとする場合には、事業者の締約国への通告等の手順を踏む必要があるため、むしろ迅速な対応の実施が阻害されることになるのではないかという疑念、心配がございますが、この点についてはいかがでしょうか。
○中村政府参考人 お答え申し上げます。
本附属書につきましては、南極地域の環境に重大な悪影響を与える事故が生じ、事業者が対応措置を取らない場合には、締約国がその事業者に代わって対応措置を取ることを奨励しております。
御指摘のとおり、他の締約国が対応措置を取ろうとする場合には、原則として、その事業者の締約国に対して通告を行う等の手順を踏む必要がございます。一方におきまして、南極地域の環境に対する重大かつ有害な影響が差し迫っている場合には、通告を行うことなく対応措置を取ることも例外的に可能である、このようにされております。
いかなるケースがこうした例外に該当するかにつきましては、事案に即して判断を行う必要があると考えられますが、迅速な対応措置の実施が阻害されることがないように、締約国間の緊密な連絡経路の確立を含めまして、是非、関係国間でしっかり議論してまいりたい、このように考えてございます。
○近藤(和)委員 原則ということで、重大かつ有害なということであればその都度その都度ということの答弁だったのかなと思いますが、じゃ、事案に即してといったことも含めて、どのような事案なのか、そして誰が判断するのかということについては、これは通告をしていませんので質問いたしません。疑念点として残るなというふうに思いました。
それでは、この南極に関しての最後の質問に参りますが、主宰者が負う責任限度額は、現時点において十分であると考えるか。金額のベースとなった海事債権責任制限条約が改正されたことを受け、附属書6の限度額についても改定が必要となるのではないでしょうか。
○中村政府参考人 お答え申し上げます。
船舶が関係する事故が発生し、締約国が事業者に代わり対応措置を取った場合等に当該事業者が支払う費用の限度額につきましては、本附属書では、委員御指摘のとおり、採択当時に有効であった海事債権責任制限条約の一九九六年議定書に定められた限度額と同額に規定をされております。
一方におきまして、一九九六年の同議定書に定められました限度額は、二〇一二年の同議定書の改定を受けまして、一・五一倍に引き上げられております。現在では、本附属書が規定する限度額との間で乖離が生じているのが現状でございます。
こうした現状に鑑み、本附属書の発効後に、現行の一九九六年議定書に合わせて限度額を改正すべきとの議論が行われる可能性は高い、このように考えてございます。
政府といたしまして、関係国あるいは国内関係者としっかり協議をいたしながら、しかるべく対応してまいりたいと存じます。
○近藤(和)委員 それでは、次に参ります。
ICAO、UPUについて伺いますが、国際民間航空機関の大沼理事会議長、そして万国郵便連合の目時事務局長、今回の質疑で議論をする二つの国際組織で日本人が重要な役割を果たしていらっしゃいます。その意義と評価について伺います。
加えて、個人的資質や努力があってその座まで行かれたのだとは思いますけれども、政府としても努力されてきているのかなと思いますが、同じような形で別の方も含めて更なる後押し、支援の必要性をどのようにして認識しているか。そしてまた、今後もほかのような組織でも増やしていくべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○茂木国務大臣 委員御指摘のとおり、昨年、万国郵便連合、UPUにおきまして目時国際事務局長が再選をされまして、また、国際民間航空機関、ICAOの理事会議長に大沼氏が選出されたことで、十五あります国連専門機関のうち二つの機関のトップに日本人が就任しているということになります。
選挙は、これは国内の選挙もそうでありますけれども、こういった国際機関の選挙も結構大変でして、私がちょうど一期目の外務大臣のときに、目時さんが初めて立候補する、バイの会談で必ず、目時氏が立候補しているのでよろしく、支持をよろしくと繰り返したので、非常に鮮明に覚えているところであります。
国際機関において日本人が幹部級を含みますポストで活躍をするということは、我が国とそれぞれの機関との連携強化のみならず、国際社会におけるルール形成を主導する、日本として主導する観点からも重要であると考えております。
今、外務省では、国際機関に若手人材を派遣しますジュニア・プロフェッショナル・オフィサー派遣制度等の支援を通じて、日本人職員の増強に努めているところであります。
今後も国際機関におけます日本のプレゼンス強化に向けて、世界を舞台に活躍、貢献できる優秀な人材の発掘、育成及び支援を積極的に実施をしていきたいと考えております。
○近藤(和)委員 目時さんの、ある意味、生みの親と言ったらおかしいですかね、応援団、強力な応援団ということで、本当にありがとうございます。
先日は、ジェノサイドについて少し、通告を出してできなかったんですけれども、ジェノサイド等を扱う国際刑事裁判所や国際司法裁判所も日本人の方がトップだというふうに伺っています。大変誇らしいなというふうに思いますが、どんどん後押し、応援をしていただけたらと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、ちょっと、最後になると思いますが、UPUについて伺います。UPUの分担金と拠出金についてです。
世界で第二位の分担金の拠出国が日本でございます。様々な活用がございますが、他方で、日本企業にとってメリットとなる活用がされていないとの指摘や、日本の関係者における認識が十分広まっていないとの指摘もございます。
UPUへの分担金や任意拠出金による国際協力は、郵便分野の世界的な発展や我が国のプレゼンスの向上に資するものと考えられますが、我が国の厳しい財政状況の中で国民の理解と協力を得るためにも、政府は、分担金や任意拠出金による効果の拡大に努めるとともに、効果の把握や情報開示を積極的に行っていくべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○牛山政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘のとおり、UPUへの分担金や任意拠出金による貢献は、世界の郵便ネットワークの発展やUPUにおける我が国のプレゼンス向上にも資する重要な手段であると考えております。
その上で、分担金や任意拠出金がより効果的に用いられるよう、我が国はUPUに対し、これまで、その効率的な運営や透明性の向上を求めてまいったところでございます。
また、特に我が国からの任意拠出金を活用したUPUの活動につきましては、UPUから定期的な報告を受領することにより、その効果を把握し、より効果的な活用がなされるよう、UPUと継続的に協議を続けているところでもございます。
総務省といたしましては、引き続き、UPUへの分担金や拠出金に関する効率性、透明性の向上が図られるよう取り組んでまいりたいと考えております。
○近藤(和)委員 頑張っていただけたらと思います。
以上です。ありがとうございました。
○國場委員長 茂木外務大臣は御退出いただいて結構です。
次に、川松真一朗君。
○川松委員 東京都町田市選出、自民党の川松真一朗でございます。
二月の選挙で初当選して、これが国会で初めての質疑ということになりますが、どうぞ皆様よろしくお願いいたします。
先ほど米中首脳会談のお話もありましたけれども、私からはこの条約について質疑をさせていただきます。
まず、日・キルギス租税協定についてでございますが、実は、私の幼なじみに約二十年前にキルギスタンに住んでいた友人がいまして、大変、かつてからキルギスの話は、ずっと話を聞いてきて、興味を持ってまいりました。カザフスタンやウズベキスタンと並んで、非常に私自身が関心を強く寄せている国というわけです。
その彼から聞いてきたキルギスの姿というのは、とても興味深くて、示唆に富むものでありました。かつては、同じ主権国内であるこのキルギスタンの中に米軍の基地もロシア軍の基地も存在するというぐらい珍しいケースで、中央アジアの地政学的交差点を象徴する国と言われてきた一方、ゲルのようなものですね、ユルタと呼ばれる移動式住居で暮らす遊牧民族がいて、馬を中心とした文化の国なんだと聞いてきて、一度は行ってみたいなと思っていましたが、行くことなく、まずは今日、協定についてお話をさせていただきます。
租税協定を締結することで税制の安定あるいは投資の促進というのが図られるというふうには認識しておりますけれども、改めて、本協定の締結で我が国にとってどのような意味、メリットがあるのかをお聞かせください。
○北川政府参考人 お答え申し上げます。
今般の日・キルギス租税協定は、現行の日ソ租税条約を全面的に改正して新たな協定として締結し、国際的な二重課税の除去や脱税及び租税回避の防止に関する規定を拡充するものであります。
今委員に詳しく御説明いただきましたが、キルギス、この国は、一九九一年の独立後、中央アジア五か国の中でいち早く民主化と市場経済化を軸とした改革路線を打ち出しました。また、キルギスを含む中央アジア五か国は、中国、ロシア及びイラン、アフガニスタンに囲まれ、地政学的にも非常に重要な地域であると認識しております。
今般の本協定を締結することによりまして、源泉地国による課税範囲が一層明確化され、企業や個人にとっての法的安定性、予見可能性が高まり、両国間の経済活動及び人的交流を一層後押しするということを期待しております。
○川松委員 ありがとうございます。
今お話がありましたように、これで二重課税の心配がなく、そして日本からの投資もしやすい環境が整ったということだと思います。
キルギス自体は、豊かな資源を有していて、何より、真面目で向学心にあふれた優秀な人材がたくさんいるというふうに伺っています。とても親日国家でありながら、日本での認知度は、ほとんど知られていない、低い国というのが現状です。
私自身は、これほどまでに親日感情が強くて、そしてIT人材など潜在能力を秘めた可能性の高い国ですから、これを機会に人的交流を増やしていくことは我が国の外交戦略においても重要になると確信をしています。
そんな中、高市総理は、去年十二月に東京で行われました中央アジアプラス日本対話・首脳会合、通称CA+JADにおきまして、中央アジア五か国の首脳と会談をし、外相会談も行われました。
ここでお聞きしたいんですが、政府として、キルギスを含めた中央アジア全体とどう展開していくのか、今後の展望について、国光外務副大臣に御見解をお伺いします。
○国光副大臣 川松委員にお答えをさせていただきます。
元々キルギスにお知り合いがいらっしゃったということ、非常に、キルギスを始め中央アジアは、今後、厳しい国際情勢の中でも、また我が国の経済や、そしてエネルギー安全保障上の様々な問題の中でも、非常に重要な地政学上の要衝でございます。キルギスとの連携関係、まず非常に重要であって、それを強化をしていきたい。そして、その中で、非常に関心を持っていただいていることにまず外務省としても感謝を申し上げたいと存じます。
キルギスにつきましては、やはり、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序、我が国が一番重要と思っている観点によりまして、その価値を共有する重要なパートナーでございます。
御指摘のとおり、昨年十二月に、CA+JAD、中央アジア五か国、キルギスを含めた五か国と日本の対話・首脳会合を開催をさせていただきました。
そのときに、茂木外務大臣も、来日されたクルバエフ外務大臣との間で、二国間の関係や地域情勢、そしてまた経済安全保障などについての意見交換を非常に熱心に行わせていただきまして、様々な分野で緊密に連携をしていきたいということを確認をしたところであります。
これはもちろん、キルギスを始めほかの中央アジアとも同様でございます。
また、今回御審議いただいているこの日・キルギスの租税環境も、やはり、今後緊密に連携する礎として、投資などのビジネス環境整備は非常に重要なインフラでございますので、この機会に署名を行ったものであります。
キルギスを含めた中央アジア諸国五か国との今後の関係については、今回の中央アジアプラス日本、CA+JADの対話・首脳会合や、また、様々、二国間会談の成果も踏まえまして、主に三分野を重点的に、グリーン・強靱化、コネクティビティー、連結性です、そして人づくり、この三本の柱を中心に、日本の強みを生かしながら、相手国にも裨益をする形で、しっかりと中央アジア各国の産業の高度化や多角化について互恵関係を強化していきたいというふうに考えております。
○川松委員 ありがとうございます。
国光副大臣も、当時、各国の外務大臣を医療コンテナに御案内されたりなどを拝見いたしましたが、日本を中心として中央アジアの安定がつくられていくということは、結果、ユーラシア全体の安定につながり、そこにおける日本の国際的信頼の蓄積が更に増していくということだと思いますので、今後とも是非よろしくお願いいたします。
続いて、南極環境保護議定書附属書6に関することについてお聞きをいたします。
先ほどもお話がありましたけれども、まさに、五月十一日から二十一日の日程で、第四十八回南極条約協議国会議が広島市で開催をされています。国光副大臣も開会式に出席されてきたばかりでありますけれども、ホスト国として、この会議では、何を目的として、そしてどんな成果を得たいというふうに思っておられるのか、見解をお聞かせください。
○国光副大臣 ありがとうございます。
御指摘のとおり、今ちょうど、今週の火曜日から第四十八回南極条約協議国会議の開催を広島でさせていただいております。私自身、開会式に火曜日に出席をさせていただきました。
これは、南極地域、非常に今、元々平和利用をしっかり定めているというふうな地域でありますけれども、様々環境変化が、例えば、観光客が非常に近年急増しているというふうな課題であったり、また、気候変動を始め地球環境の変化があり、それによって氷の融解や、また、あるいは動植物への影響というのがあります。これにつきまして各国でどうあるべきかということを議論するものであります。
日本は、南極条約の発効当初からの元々原署名国でありますし、また協議国でありますので、南極条約を重視する姿勢を改めて私自身も述べてまいりました。
主に、この会議におきましては、先ほどの平和的利用、そしてまた科学的研究の促進、そして生物資源の保護及び保全ということを議論するということでございます。
しっかり、今回の会議におきまして、今も継続しておりますけれども、日本として、議長国として、しっかりとリーダーシップを振るっていけるように努めていきたいと思います。
○川松委員 ありがとうございます。
南極は我々日本から約一万四千キロ離れたところにあり、実は僕、元々テレビ朝日でアナウンサーをやっていた時代に、南極の基地の特集企画などをやったことがありまして、まさに短い夏の中でどのように生物が過ごしていくのか、あるいは、地球温暖化に対しての、南極として一つ大きなキーワードがあるんだろうということで注目をしてきたわけですけれども、その拠点が今、様々な社会環境の変化の中で危ぶまれているという状況だと思います。
国際南極旅行業協会の統計などを見ると、九〇年代には一万人以下だった南極への観光客が今や十万人も超えて、その状態が続いている。一人南極に入るだけでもうどれだけの氷が解けるんだという危惧がされている中で、今重要な会議が開かれているものと認識しているわけですが、お話がありましたように、日本は、昭和基地を中心として、科学的知見を提供をしたり、南極の平和利用に貢献してきた経緯があることはもう皆さん御承知だと思います。我が国がこれまで果たしてきた貢献や今後果たすべき役割を考えると、世界の中でもとてもコンセンサスを取っていける数少ない国の一つだと私は感じています。
本附属書6というものをこの後締結して、本附属書の発効に向けていくために、よりほかの協議国に積極的に働きかけていくという責任が日本にあると思いますが、見解をお伺いします。
○中村政府参考人 お答え申し上げます。
本附属書の今の状況でございますけれども、二〇〇五年の南極条約締約国会議における採択の時点で南極条約協議国であった二十八か国が締結したときに発効することとされています。本年五月現在、そのうち十九か国が締結済みであり、発効のためには、我が国を含め残り九か国による締結が必要な状況ということでございます。
御指摘のとおりでございますけれども、日本は南極条約あるいは南極についての政策を一生懸命やっていくということで、今年も広島でこうして協議国会議を開催しているということでございます。その観点から申し上げれば、ほかの国にも働きかけをするということにつきましては、日本は積極的にやってまいりたいと考えております。
実際に、今回広島で開催されております四十八回南極条約協議国会議におきましても、今御指摘のとおり、国光外務副大臣及び辻環境副大臣から、ほかの締約国に対して本附属書の早期発効に向け呼びかけを実施をいたしました。それから、様々な二国間会談を通じて働きかけを行っているということでございます。
他国の状況につきましては、情報収集を行ったり、本附属書の早期発効に向けて働きかけをずっと継続しておりまして、これから先も日本としてしっかり取り組んでまいりたいと存じます。
○川松委員 ありがとうございます。
まさにそういう立ち位置に日本が世界の中であるし、日本人にとっても、かつての映画「南極物語」のタロ、ジロのエピソードがあったり、ドラマでの「南極大陸」があったり、あるいは「南極物語」はハリウッド版のリメイクもされていて、国民が深い親しみと敬意を持って見守ってきた地が南極であると思っています。
ただ、先ほどから出ているとおり、もう近年はとにかく観光客数の増加によって大きな南極としての危機を迎えているわけです。そこで、南極における観光抑制や環境保護のルール作り、世界の中で、まだ不安定だけれども、日本が昭和基地などを含めて果たしてきた役割を基に、しっかりと、観光客についての何のルールもなく、なし崩しになってきてしまっている、そもそもまさかこんなに南極に観光客が来ると思っていなかったからでしょうけれども、時代が変わってきたんだからどんどんやっていこうよと日本がイニシアチブを取って訴えていくべきではないかと思いますが、お考えをお聞かせください。
○中村政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、二〇〇〇年代から最近、二〇二〇年代にかけまして、南極への観光客数は激増いたしております。そうした観点を十分に勘案するという御指摘でございますけれども、そのとおりと存じます。南極地域は貴重な自然環境を有しておりまして、その保全は国際社会の重要な課題であることは言うまでもございません。
そういった中で、この南極地域における観光活動、一方におきまして南極地域の価値を理解する環境学習の機会の提供といった一定の意義があるとは存じますけれども、一方におきまして、今御指摘のとおり、近年、観光客数が激増しているということもありまして、環境への悪影響も懸念をされております。
そうしたことから、今回の広島における協議国会議におきましても、南極における観光活動を包括的に規制、管理する枠組みの構築に関して継続して議論が行われているところでございます。
我が国といたしましても、南極地域の環境の保護のために、実効性のある枠組みの構築に向けて積極的に貢献をしてまいりたい、このように考えてございます。
○川松委員 ありがとうございます。
本当に、南極の氷の中には地球の起源や人類の起源などを探るような微生物がまだ眠っているとも言われていまして、これがどんどんなし崩し的に氷がなくなっていくと大変なことになります。まさに昭和基地を抱えている日本だからこそ、日本中に、世界中に、この南極の環境保護の大切さを共に訴えていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
私の質問を終わります。ありがとうございます。
○國場委員長 次に、横田光弘君。
○横田委員 日本維新の会の横田光弘でございます。
今日も、いろいろな御質問が出て、なるほどなと勉強になりました。
今日私が質問をさせていただくテーマは、中国が狙う南極資源、こういうようなテーマなんです。
もちろん、環境保護に関する南極条約議定書の附属書の案件について私はいろいろお伺いするわけですけれども、まず、南極条約、このおさらいをしたいというふうに思うんですね。
一九五九年に十二か国で採択された、六一年発効ですけれども、そのときは日本もソ連も入っているわけです。当時は、外務省の方々も一生懸命やられて、皆さんの先輩ですよね、本当にいじめられて、いろいろなことがあって、しかし、私たち日本の南極における権益を取得することができたと。非常に優れた、すばらしい結果だと思います。
そういう中で、平和目的でやらなきゃいけないとか、当たり前ですけれども、それから、重要なのは、領土権を凍結しなければいけないということなんです。実は、領土権を主張している国々、後ほども述べますけれども、あるわけですよね。それから、新たな主張も駄目というふうになっています。だから、狙っている国はありますけれども、大体分かりますよね、皆さん。こういう国々があそこは俺のものだと言うのも駄目ということです。それから、科学研究の自由ということで、当然、自由な研究を情報交換も含めてやっていく。今御質問にもあったように、環境保護等々、重要な条約であります。
今の議定書等の会議が現在行われているわけでありますけれども、先ほども申しましたように、各国は、実は領土を主張している国もあるわけですよね。どこかというと、フランス、チリ、アルゼンチン、オーストラリア、イギリス、ノルウェー、ニュージーランド、こういうところが、ここからここまで俺のもの、ここからあそこまで私のものと、こういうふうにやっているわけです。
例えば、ノルウェーなんかは、昔、鯨を追っかけて多分海に来たんでしょう。ブーベ島というのが実はあるんです、インド洋の、南極に近いところに。これはノルウェー領ですから。何でこんなところがノルウェー領なんだろうと思ったけれども、まあそういうことです。それにつけ加えて、俺たちのものはここからここまでというふうに言っているわけです。
ところが、領有権が主張されていない地域があるんですね。この地域の通称をマリー・バード・ランドというんですけれども、西経九十度から西経百五十度まで、こういうようなところが実はあると。誰も俺たちのものだと言っていないところもあるんだということであります、これは後ほど中国関連でもお伝えしますけれども。
この中で、まずちょっと質問させていただきたいというふうに思っております。
環境保護に関する南極条約の議定書です、今回はこの附属書でありますけれども。南極の脆弱な生態系や自然環境を、科学的な知見に基づいて包括的に保護するのが目的です。当然、廃棄物の管理をしなきゃいけない。例えば、持ってきたごみを持って帰る。当たり前ですよね。し尿も含めて持って帰る。全部、日本の南極観測隊はやっているわけですよね。それから、野生生物、いろいろな野生生物がいるけれども、その動植物の採取等を厳しく制限する。これも当然ですよね。
もう一つ重要なのは、鉱物資源開発の禁止なわけです、鉱物資源。鉱物資源は、この第七条によって、科学的研究目的を除く鉱物資源活動が原則禁止ということであります。この禁止は五十年間有効なんです。五十年間有効で、いつ切れるんだといったら、二〇四八年なんです。それ以降はまだ何も決まっていないと。それはそうです、まだ来ていないから。五十年間という区切り。先ほどの南極条約自身は区切りはないんです。だけれども、この議定書については、この資源に関してのものについて、第七条、二〇四八年が区切りなんです。
じゃ、この有効期限が過ぎたときに、一体どんな条件を満たせばこのいわゆる鉱物資源が開発可能になるのかというのを是非ちょっと教えていただきたいと思います。
○中村政府参考人 お答え申し上げます。
環境保護に関する南極条約議定書第七条でございますけれども、鉱物資源に関するいかなる活動も科学的調査を除くほか禁止する旨規定しているところは、今委員御指摘のとおりでございます。
また、同議定書第二十五条は、鉱物資源に関する活動の禁止について、新たな法制度が効力を生じない限り継続する旨規定をしてございます。
二〇四八年以降に南極で鉱物資源に関する活動が可能になるかのような報道があるということは承知をしておりますけれども、実際には、同条におきましては、同議定書の効力発生の日から五十年を経過した後に、いずれかの南極条約協議国が要請する場合には、同議定書の運用について検討するための会議を開催する旨規定されているのみでございまして、改正を予断する内容には実はなってございません。
一方におきまして、南極地域におけます鉱物資源に関する活動の禁止でございますけれども、日本、我が国を含めまして、多数の協議国から支持を得ているというふうに今理解をしてございます。コンセンサスを意思決定方式としております協議国会議におきまして、鉱物資源の開発を認める新たな法制度について合意が成立する可能性は現時点においては少なくとも低い、このように考えてございます。
実際に、二〇一六年及び二〇二三年の協議国会議におきまして、鉱物資源に関する活動の禁止に関する継続的なコミットメント、約束を確認をして、第七条の規定を継続して実施する確固たる意思を表明する、こういった内容の決議が採択をされてございます。
こうした経緯も踏まえまして、我が国としても、関係国と連携をいたしまして同議定書第七条を維持すべく、しっかり取り組んでまいりたい、このように考えてございます。
○横田委員 それはそうですよね、ノーマルの国、当然のことながらそれを考えるわけですよね。だけれども、世の中にはそうじゃない国々もいっぱいあるんだと。いっぱいじゃないか、いろいろあるんだということを今から申し上げます。
南極の下には石油、天然ガス、石炭も、鉄鉱石や金やプラチナ、宝の山なわけであります。ここをやはりいいなと思う人たちは当然いっぱいいるわけでありますけれども、それで、こういうことを前提に考えると、あの国が動かないわけがないわけです。中国は、南極資源の獲得というのは当然のことながら、だって月の資源を持っていこうと言っているんですから、やはり、そういうようなことを考えると、それを狙っていろいろなことを着々と手を打っているんじゃないかと思われることがあるので、今から申し上げます。
中国は、南極に関わったのが遅れて、一九八五年、ここから始まりました。長城基地、ここを始めてきたわけです。二〇二四年の二月には五番目の基地を造ったんです。これが、秦嶺基地というのがあって、これは太平洋側なんですね。南極にロス海という凍った海がありますけれども、湾状になっているんですが、ここに面しているというところです、海側です。ここで基地を造るということだったんですけれども、締結国から、何でそんなところに造るんだ、そんなところに造っているけれども、もう既にアメリカとか韓国とかの基地もあるし、余り、いわゆる観測やいろいろな研究には向かないんじゃないのという声もあったそうですけれども、中国は、いやいや、ここでいいんだということで、ここに造ったわけであります。
この秦嶺基地というのは、今申し上げたように太平洋側、オーストラリアとかニュージーランドにやはりほど近いわけですよね。もちろん、そこのいわゆる電波をダイレクトに受信できるかというと、そうじゃないかもしれぬが、少なくとも彼らは、衛星と通信をしている、そこの傍受をやろうと思えばできるわけであります。そういうことで、アメリカの戦争省やCSISとかは軍民のデュアルユースじゃないかということで警鐘を鳴らしているということであります。
中国はいろいろなことをやるわけです。例えば、南シナ海のリーフを埋め立てて、あそこに基地なんか造らないよといろいろなことを言ったわけですけれども、しかし、その舌の根が乾かないうちに、そこにレーダーを造っちゃったり、三千メーター級の滑走路を造っちゃったり、それからミサイル基地を置いたりやっているわけです。それをみんな信じちゃっているから、それがどんどんどんどん進んじゃうわけですよね。今回もそうだと思う面もあるということで、いろいろな対処が必要だということですよ、外交は。
それで、この資源確保のために、例えば唾をつけていくなんというようなことにもつながりかねないということであります。今さっき近藤委員の質問にもありました。中国は日本の昭和基地の二十キロ先に小屋を建てたわけです、ドーム状の。それから、小屋だけじゃない、アンテナを立てたんですね。両方ともぶっ壊れました、ブリザードで。それをなかなか片づけなかったというのがさっきのお話のとおりで、やっと今になって片づけたよと言って。本当かどうか分かりません。
ただ、じゃ、どうやってそこまで行ったのかというと、「しらせ」が切り開いた航路をたどってそこまで行ったそうです。何で日本のところまで来てわざわざやらなきゃいけないんだ。こういうような問題があるわけですから、本当にいろいろなことを想定しながらのことじゃないと外交は非常に厳しい状態になってくるという、私は非常に心配をしております。
さらに、中国は六番目の基地を今造ろうとしているんです、造っているんです。去年から造り始めました。来年完成だそうです。これが、先ほど冒頭申し上げましたマリー・バード・ランド、つまり、ここは俺のものだと誰も主張していないところのエリアに造るわけです。ちょうど、さっき言ったロス湾という凍った海の反対側なんですね。秦嶺基地と反対側、ここに造っているわけです。こういうようなことで、いわゆる、中国は何を狙っているのかということも含めて、やはりいろいろな対処をしていかなきゃいけないんだと思います。
この新しい六番目の基地は、ロシアのルスカヤ基地、ここのすぐ近くなんです。十七キロしか離れていないんです。ロシアのルスカヤ基地というのは、閉鎖されていましたけれども、しかし、ここを再開させたそうです。ここに滑走路を造るということであります。
ですから、とにかく、私たちの知らないところで、南極というのは、中国そしてロシア、こういう国々にとっておいしいところなんだというようなことなんでしょう。やはり狙われているということが、もう間違いないというふうに言えると思います。
先ほど申し上げましたように、やはり南極の下にはいわゆる資源がいっぱい眠っている。もちろん、それから軍事的にも非常に重要だということです。
私、小学校のときに読んだ本がジュール・ベルヌの「海底二万里」というもので、ネモ船長というのがいたんです。その人が南極点に行くわけです。非常に面白いものでありましたけれども、そんなような今は状態じゃなくて、やはり、それこそ取るか取られるか、こういうような状態ですから、こういう権威主義国を相手にしながら、本当に、いろいろなことを外交上プラスに、我々日本にとってのプラスに持っていくためには、相当の工夫をしていかなければいけない。
この点について、是非とも外務省の御意見をいただきたい。今日、大臣はいなくなっちゃいましたけれども、副大臣、是非ともそういったものを教えていただきたいと思いますので、いかがでしょうか。
○国光副大臣 横田委員の御質問にお答えをいたします。
様々な情報、本当に、お調べをいただいて、御努力に敬意を表します。
また、前提として、中国を含めた各国の南極地域における活動というものは、政府として、もちろん外務省を始め、非常に高い関心を有しております。ただ一方で、その活動の逐一について具体のコメントをするということは差し控えさせていただいております。
ただ、その上で申し上げますと、南極の環境保護議定書は、科学的調査を除きまして鉱物資源に関するいかなる活動も禁止をするという旨明確に規定をしております。
また、もう一つ大事な考えとして、柱として、南極地域における活動、各国の活動に関して、透明性の確保、トランスペアレンシーと強調しておりますけれども、こちらにつきまして非常に重視をしているということがございます。
そのような観点を踏まえまして、我が国として、南極環境保護議定書を始めとする関連の規定が中国を含む関係国に完全に遵守されるように、しっかりと国際社会とともに必要な取組を継続していき、議長としてのリーダーシップも発揮をしていきたいと思っております。
○横田委員 まあ、そういうことなんでしょう。
とにかく日中中間線のことを考えてくださいよ。すぐ目の前でいろいろなことをやられて、こっちは遺憾だ、遺憾だと言うだけでしょう。そんなようなことをやっていたら、中国は次はあの手、こっちはやれない、こんなことの繰り返しがずっと続いているうちに、それこそ中国が、今回、トランプさんに、いろいろなことをやったらそれは大変なことになるよと心理戦をしかけているわけです。やはり私たちもそろそろ目を覚まさなければいけない時期に来ていると思いますから、是非とも外務省は頑張っていただきたいと思います。
終わります。
○國場委員長 正午から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
午前十時十一分休憩
――――◇―――――
正午開議
○國場委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。金城泰邦君。
○金城委員 こんにちは。中道改革連合の金城泰邦でございます。
十二時というお昼の時間に入ってしまいましたけれども、答弁をいただく皆様には、お昼休み、御苦労をおかけしますが、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、質問に入りたいと思います。
まず初めに、日韓2プラス2について若干お伺いをしたいと思っております。
今月の五月七日、日本と韓国の両政府は、外務、防衛担当の次官級協議、2プラス2の初会合をソウルで開催をされております。報道によりますと、ホルムズ海峡の事実上の封鎖などで緊迫化する中東情勢や朝鮮半島情勢について協議をし、日米韓の共同訓練など安全保障協力の継続そして強化、これに向けて三か国で緊密に連携していくことで一致したとのことであります。
同会議は、本年一月の日韓首脳会談で、戦略的な連携の重要性、それで一致したことを踏まえて、これまで局長級で行われてきた安全保障対話を次官級に格上げをして新設されたということであります。日本側は、船越外務事務次官そして加野防衛審議官が出席をされ、韓国側は、朴潤柱外務第一次官と李斗熙国防次官が出席をされております。
日韓は共に、ホルムズ海峡をめぐる緊張状態が長引くことでエネルギー供給リスクが増し、さらに、アメリカが中東への軍事面の関与を強めている中で、東アジアの安全保障に隙をつくってはなりません。東アジア地域の安定へ協調する重要性が高まっております。同盟を結ぶ米政権との向き合い方で同様の課題を抱える隣国同士がハイレベルで戦略的に連携する意義というものは大きいものであり、局長級から次官級に格上げしての協議が行われたことを評価したいと思います。
対外的な情勢に不安を抱える状況下において、エネルギーや重要物資の供給網を含めた幅広い協力関係を築く好機とも言えます。高市総理は、来週十九日から二日間の日程で韓国を訪問し、李在明大統領と首脳会談を行う方向で最終調整に入ったとの報道もなされております。
そこで、今般の2プラス2の成果及び今後の韓国との協力関係を築いていく方向性について、外務大臣、防衛省、それぞれから答弁をいただければと思います。よろしくお願いいたします。
○茂木国務大臣 五月七日、ソウルにおきまして第十四回日韓安全保障対話が開催をされました。今回の対話は、金城委員御指摘のように、一月の日韓首脳会談を受けまして初の次官級での開催となったわけであります。
シャトル外交を含め日韓首脳間でも緊密な意思疎通が行われている中で、今回の対話においては、北朝鮮への対応を始めとしますインド太平洋情勢や中東情勢を含め、日韓両国を取り巻く戦略環境について意見交換を行いました。また、日韓関係の戦略的重要性についての共通認識の下、日韓それぞれの安全保障、防衛政策の方向性についてお互いに理解を深めることができました。
韓国は、国際社会の様々な課題にパートナーとして協力すべき重要な隣国であります。特に北朝鮮への対応を含めて、現下の戦略環境を踏まえれば、日韓、日米韓で緊密に連携していくことの重要性は一層高まっている、このように考えております。
本年一月の日韓首脳会談においても、日韓関係の戦略的重要性について認識を共有し、両国が地域の安定に連携して役割を果たしていくべきとの点を確認してきているところでありまして、韓国側と引き続き緊密に意思疎通して、日韓関係を全体として発展をさせていきたい、このように考えております。
○有馬政府参考人 防衛省でございます。
今回の日韓安全保障対話につきましては、初の次官級での開催となったわけでございますが、防衛省からも出席をいたしまして、北朝鮮への対応を始めとするインド太平洋情勢、中東情勢を含め、日韓両国を取り巻く戦略環境、また、日韓関係の戦略的重要性についての共通認識の下、日韓それぞれの安全保障、防衛政策の方向性、こうしたことについて、お互いに議論をし、理解を深めることができました。
日韓の防衛協力についてでございますが、これまで、日韓の防衛当局においては、大臣間での意思疎通、幕僚長級、実務者級、それから現場の部隊の間など、様々なレベルで緊密に意思疎通を図り、協力、交流を推進してきてございます。
小泉大臣の防衛大臣着任以降で申し上げれば、韓国の安国防長官とは、既に四回の防衛相会談を実施するなど、信頼関係をより強固にしているところでございます。
また、日米韓の枠組みにおいても、北朝鮮のミサイル警戒データのリアルタイム共有、三か国の共同訓練、フリーダム・エッジの実施を始めとしまして、着実に実績を積み重ね、日米韓の連携の強化に取り組んでおるところでございます。
日本と韓国の関係は、防衛の分野におきましても、多様なレベルでの意思疎通を通じ、協力、交流を積極的に推進していく、そういう状況にございます。防衛省といたしましても、引き続き、日韓、日米韓の連携を維持強化、しっかりしてまいる所存でございます。
○金城委員 御答弁ありがとうございました。
北朝鮮を始めロシアや中国、こういった動きを見るにつけ、やはり、日米韓の連携、また日韓のシャトル外交、この必要性も今まで以上に増していると思いますので、外務大臣にはまたしっかり頑張っていただきたいと思っております。
通告の二番はちょっと後ろに回しまして、通告の三番からちょっと先にさせていただきたいと思います。
南極の環境保護議定書附属書についてでございます。
南極の平和利用を定めた南極条約の協議国会議が五月十一から二十一までの日程で広島で開催されていると、午前中の質疑でも出ておりましたとおりでございます。日本での開催は三回目ということで、三十二年ぶりの開催でございます。
環境負荷軽減に向けたルールの策定、これについて伺いたいと思いますが、南極の環境への負荷、これはやはり気候変動や観光活動の増大などにより年々増加していると。また、近年では、クルーズ船ツアーのほか、内陸でのマラソン大会などが企画されるなど、観光の形態も多様化している状況でございます。午前中の質問にもありましたけれども、十倍にも増加しているという状況でございます。
政府は、参議院環境委員会における質疑において、協議国会議内で行われている観光活動の包括的な管理に向けた議論について、我が国としても積極的に取り組んでいきたいと答弁をしております。
先月の四月九日には、南極のコウテイペンギン、これが初めて絶滅危惧種、ENに選定されたと報道がされておりました。今後は特別保護種への指定が必要であるというふうに言われている状況でございます。
また、今月、五月八日の読売新聞に掲載された記事によれば、今回の協議国会議の議長を務めます外務省の宇山担当大使のインタビュー記事において、宇山大使は、観光の形態も多様化しているのに、南極条約の締約国は実効的な管理が現在十分にできていない、また、環境負荷を抑える一定の規制が必要だと述べられております。新たなルール作りに意欲を示したと報じられておりますが、一方で、南極条約協議国会議の意思決定は、参加国の全会一致、これが原則とされており、新たなルールの策定、規制の強化、これが難航していると承知しているところでございます。
そこで、質問通告の一番の一はちょっと重なっているので省きますが、一番の二の、我が国として、現在の南極地域における観光活動の管理、これについての課題、これは何であるかという認識を問いたいと思いますし、今後の観光活動の在り方、これについては、今回、ホスト国を務める日本が、具体的にどのような枠組み、そして手法、これによる管理を推進する立場を取っていくのか、この見解についてまず伺いたいと思います。
○中村政府参考人 お答え申し上げます。
近年、南極地域におきましては、観光客数が増加し、観光活動の多様化、大型観光船の導入、特定の地域への集中的な上陸など、新たな課題が生じているということについては委員御指摘のとおりでございます。
観光を含む南極地域における活動につきましては、現在、環境保護に関する南極条約議定書及び同議定書の附属書に基づきまして、科学的知見に基づく環境影響評価の実施、廃棄物の管理、あるいは海洋汚染の防止など、厳格な環境保護の枠組みの下で管理が行われており、今後もこうした管理体制を維持していくことが重要である、このように感じております。
また、二〇二三年に、南極条約協議国会議におきましては、南極地域における観光活動を包括的に規制、管理する枠組み、こうしたものに係る議論を開始する、こういうことが決定されてございます。我が国はこうした議論に積極的に貢献してきております。
政府といたしましては、南極の環境保護に関する枠組みの下、観光活動が責任を持って行われるように、引き続き各国との協力を進めてまいりたいと考えております。
○金城委員 ありがとうございます。
また、協議国会議の意思決定、これには参加国の全会一致が求められるという制約の中で、実効的な規制など新たなルールの策定に向けて、この開催中の協議国会議のホスト国として今後どのようにそのリーダーシップを発揮していくお考えなのか、これは大臣に伺えればと思います。
○茂木国務大臣 南極条約は、南極地域における領土権の主張を凍結をした上で、同地域の平和的利用、科学的調査の自由及びそのための国際協力の確保をすることを目的として、一九五九年に、我が国を含みます十二か国によって採択をされたものであります。現下の流動的な国際情勢にあってもこうした基本原則は維持されておりまして、南極条約は南極をめぐる争いを未然に防止する上で重要な役割を果たしていると考えております。
一方で、南極をめぐりましては、かつては調査研究に行ったりということなんですけれども、最近は観光に行くという形でありまして、活発になっている観光活動への対応であったり、気候変動の影響も受けております。そして、各国の活動に関する透明性の確保等、新たな課題が生じてきているわけであります。
我が国は、今回の協議国会議におきまして、議長国として、まさにこうした喫緊の課題を取り上げまして、参加国間の活発な議論をリードしてきているところであります。可能な限り多くの点についてコンセンサスを構成できるように努めるとともに、南極条約の基本原則の重要性を改めて国内外に示していきたい、このように考えております。
○金城委員 ありがとうございます。
しっかり茂木大臣にはリーダーシップを発揮していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
今回の協議国会議は、被爆地、平和都市として世界に知られる広島で開催されております。広島市は、世界各国から集まる政府関係者や研究者に広島平和記念資料館の見学を促すなど、国際社会に平和の貴さが広がるよう取り組んでいくとしております。協議国会議の議長を務める外務省の宇山担当大使は、核兵器廃絶と世界平和を訴えてきた広島は、南極条約の精神を体現する都市である、平和の大切さ、国際協力の重要性、これをアピールする機会になると述べておられます。
国際情勢が緊迫化し、核軍縮を含む国際協調の枠組みが試練に直面している今、国境も紛争もない南極を守ってきた南極条約について、この広島での協議国会議の機会、これをしっかりと生かして、政府として、南極条約の平和的利用の理念と核兵器のない世界を目指す我が国の立場を国際社会にいかに発信していくのか、見解を伺いたいと思います。
○中村政府参考人 お答え申し上げます。
原爆の惨禍から復興を遂げ、国際平和文化都市として平和のメッセージを世界に発信し続けてきた広島は、南極地域の平和的利用あるいは国際協力の重要性を国内外に示す上でふさわしい地である、このように考えてございます。
今回の協議国会合では、五月十二日に国光外務副大臣から、南極地域の平和的利用、それから国際協力を基本原則とする南極条約は、平和の希求という点におきまして広島と深い親和性があって、国際社会の分断と対立が深まる中にあっても、南極地域の平和的利用あるいは科学的調査活動と環境保護のための国際協力を進めていくとの決意を広島から世界に示すべきである、このような旨呼びかけたところでございます。
唯一の戦争被爆国といたしまして核兵器のない世界に向けた国際社会の取組を主導してまいりました我が国といたしましては、今回の協議国会議を通じまして、広島から世界にこうした平和のメッセージを発信してまいりたい、このように考えてございます。
○金城委員 是非世界に発信していただきたい。
核による戦争が起きたならば、一番、最も著しく環境を破壊してしまう、そういった核。それは日本が是非、核廃絶に向けてメッセージをこれからも発信していただきたいと思います。よろしくお願いします。
協議国会議についてですが、協議国会議においては、南極条約の締約国のうち、南極で継続的に科学的な調査活動をしている日本など二十九か国が協議国として決定権を持ち、その他の国については、発言権はあるが決定権がない非協議国となっていると承知をしております。
現在、カナダとベラルーシ、これが協議国入りを申請しているという中で、ベラルーシについてはウクライナが、カナダについては中国とロシアが反対しているために見通しは立っておらず、また、今回新たにトルコも協議国入りを申請していると報じられております。
協議国の拡大については、多様な国、地域の意見を反映させ、責任をより広く国際的に共有できるようにすることが期待される一方、協議国間の合意形成が一層困難になることも懸念されます。
そこで確認ですが、我が国の協議国拡大に対する基本的な立場はどのようなものなのか、見解を伺いたいと思います。
○中村政府参考人 お答え申し上げます。
南極条約協議国会合に協議国として参加するための資格につきましては、南極条約第九条2に基づきまして、南極地域における実質的な科学的な研究活動を実施することによって南極地域に対する関心を示している締約国が協議国会議に参加する権利を有する、このようにされております。
具体的には、協議国会議におきまして、協議国の資格申請を行った南極条約の締約国につきまして、協議国の資格に関するガイドライン等を踏まえた審議が行われ、コンセンサス方式により決定がなされる、こういうこととなってございます。
我が国といたしましては、協議国資格の申請につきましては、申請国が南極条約の遵守はもとより、実質的な科学的研究活動を継続して行っていくことを重視しておりまして、協議国が増えることによりまして条約の精神が普及していくことは歓迎するということでございますけれども、意思決定の効率性も考慮すべき、こういう立場でもございますので、このバランスを踏まえて対応していきたい、このように考えてございます。
○金城委員 ありがとうございます。
世界の中でそういった国が増えていくということは大事なことだと思いますし、また、大事なことは、この南極条約の精神、これをしっかりと認識をする、そして、その精神を共有し、いかにして環境を守っていくか、これを広げることが大事だと思っておりまして、先般、国連でも採択されたSDGs、持続可能な社会を実現するための理念とも共通すると思うんですね。
それは、南極を守るのは、やはり、どこの国が守るということではなく、世界全体で守らなければ環境は守れないと思いますので、是非、広島で行われる今回の会議を生かして、世界に環境を守る息吹をどんどん伝えていっていただきたいと思います。頑張っていただきたいと思います。
次に質問を移ります。
国際民間航空条約の第五十条改正議定書及び国際民間航空条約第五十六条改正議定書についてでございますが、この議定書は、二〇一六年の九月から十月にかけて開催された第三十九回国際民間航空機関、ICAO総会においてそれぞれ作成されたもので、その内容は、常設の意思決定、執行機関である理事会の構成員の数と、航空関係の規則及び手続等に関する国際標準及び勧告を審議し、その採択を理事会に勧告することなどを任務とする航空委員会の委員の数を増加するため、国際民間航空条約、シカゴ条約の関係する規定をそれぞれ改正するものであると承知をしております。
そこで、両議定書の発効の見通しや両議定書の意義などについて伺いたいと思いますが、通告の見通しについては、さっきの午前の質疑にかぶさるので括弧一は飛ばして、括弧一の二になります。
将来、この両議定書、これが発効した場合に、増加した分の理事会の構成員、そして航空委員会の委員、これを補充する必要が生じてまいります。両議定書発効後、どのような手順で、いつ頃までに新たな理事会の構成員と航空委員会の委員を選出することとなるのか、これは説明をしていただければと思います。
○中村政府参考人 お答え申し上げます。
まず理事会の方でございますけれども、今回改正により増加することとなる理事国四議席の選挙の扱いにつきましては、今後理事会で協議をされる予定、このように承知しております。
なお、前回改正により理事国が三か国増加した際の例でございますけれども、その際には、二〇〇三年に開催された国際民間航空機関、ICAOの臨時総会におきまして増加分の理事に係る選挙が実施をされた、このように承知をしております。
それから、航空委員会の方でございますけれども、今次改正により増加することとなる航空委員会の委員二名につきましても選挙が行われる見込みではございますが、詳細については今後理事会で協議される予定でございます。
いずれの場合においても、理事会で協議される予定でございますけれども、そのタイミング等につきましては、現在明らかになってございません。
○金城委員 御説明ありがとうございました。
この両議定書の意義についてですが、政府は、両議定書について、ICAOの加盟国数の増加を公平かつ適切に反映することを確保するため、理事会の構成員の数と航空委員会の委員の数を増加すると説明しておりますので、両議定書が発効した場合に、理事会の構成員の数は四十か国に、航空委員会の委員の数は二十一人に増加することになると認識しておりますが、それぞれの意義やICAOの運営に与える影響、これについて見解を伺いたいと思います。
○中村政府参考人 お答え申し上げます。
今般の改正議定書は、前回の改正時から国際民間航空機関、ICAOの加盟国が約三十か国増えたことを受けまして、理事国数及び航空委員会の委員数を増やすことを内容とするものでございます。
両議定書の締結によりまして、幅広い加盟国の意見を理事会及び航空委員会の議論に適切に反映することが可能になる、このように考えてございます。これは、ICAOを通じた国際協力の強化に資するものである、また、ICAOを重視し、その活動や取組を支援してまいりました我が国のこれまでの方針にも合致するものである、このように考えてございます。
○金城委員 ありがとうございました。
この理事会の構成員の数は、シカゴ条約成立当初は二十一か国でしたが、今回の改正により四十か国まで増加をします。他方、ICAOの加盟国数の増加を公平かつ適切に反映することを確保するためには、ただ理事国の構成国数を増加するだけではなく、その選出方法にも着目する必要があると考えます。
シカゴ条約第五十条では、理事会の構成員を三つの区分に分けて選挙する方法が規定されていると承知しておりますが、改めて、理事会の構成員の選挙方法、この特徴とその妥当性について御説明いただければと思います。
○中村政府参考人 お答え申し上げます。
国際民間航空条約、いわゆるシカゴ条約の第五十条(b)の規定に基づきますと、ICAOの総会は、理事国の選挙において、まず第一に、パートワン、(1)ということとして、航空運送において最も重要な国、これがパートワンでございます。それから、パートツーといたしまして、国際民間航空のための施設の設置に最大の貢献を行う国、これがパートツーでございます。それから、パートスリーといたしまして、その国を指名すれば世界の全ての主要な地理的地域が理事会に代表されることとなる国。この三つでございますけれども、この三つが適切に代表されるようにしなければならないこととされております。
総会手続規則上、総会の開会後、可及的速やかに総会が各パート、この三つのパートの理事国の最大数を定めることとされております。現在の理事国は、パートワン、(1)に我が国を含む十か国、パートツーに十二か国、パートスリー、(3)に十四か国の、計三十六か国が選出をされております。
国際民間航空条約、いわゆるシカゴ条約の締約国は、パートごとの割当て数を上限として自国が支持する国に投票をして、理事国への当選には有効票の過半数の獲得が必要、このような形になってございます。こうした選挙方法は加盟国の意見が適切に反映される形になっている、このように考えてございます。
○金城委員 ありがとうございました。
次に、航空委員会の委員、これは、シカゴ条約の第五十六条によると、締約国が指名する者の中から理事会が任命することになっております。
航空委員会の委員は、理事会の構成員の選挙のような、区分に分けた選出方法とはなっていませんが、ICAOの加盟国数の増加を公平かつ適切に反映することを確保することは可能と政府は考えているのか、説明をいただければと思います。
○中村政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、ICAOの理事国につきましては、今御説明申し上げましたとおり、パート一からパート三の区分ごとでございますけれども、一方におきまして、航空委員会の委員につきましては、同条約におきまして、締約国が指名する者の中から理事会が任命をし、また、締約国が指名する者は、航空の理論及び実際について適当な資格及び経験を有する者でなければならない旨定められております。
航空委員会の委員の選出に関しまして、特定の国あるいは地域への割当てについては条約上定められておりませんで、増加分の委員の選挙におきましても、特定の国や地域に割り当てられることは想定はされていないと承知をしております。
航空委員会は、国際民間航空に関し、社会全体の利益のために活動する専門的かつ中立的な機関であるため、一国の利益代表という形ではなく、専門家としての個人により構成される方がより公平かつ適正な技術的基準を定めることができるとの観点を踏まえまして、個人資格で任命されることとされたもの、このように認識をいたしております。
○金城委員 御説明ありがとうございます。
もう一つ、この航空委員会の委員、これは締約国が指名する者の中から理事会が任命する仕組みとなっていると認識しておりますが、各締約国が委員を指名するに当たっては、航空の理論及び実際について適当な、適切な資格及び経験を有する者でなければならないことが規定されております。
我が国からも航空委員会の委員が継続して任命されていると承知しておりますが、政府はどのような人材を委員として指名しているのか、御説明いただければと思います。
○中村政府参考人 お答え申し上げます。
航空委員会の委員は、航空の理論及び実務について適当な資格及び経験を有する者であって、締約国が指名する者の中から理事会により任命されることとされており、その観点から我が国としてふさわしいと考える者をこれまでも指名してきております。
委員御指摘のとおり、我が国からの航空委員会の委員につきましては、一九五七年に我が国が指名した委員が初めて任命され、一九七一年の末から七四年の末までは我が国が指名した委員はおりませんでしたけれども、一九七五年以降は、現在に至るまで我が国が指名した委員が航空委員会で活動を続けている、このような状況でございます。
直近におきましては、二〇二五年十一月に開催された理事会におきまして、二〇二六年から二八年までの三年間を任期とする航空委員会の委員の任命が行われ、我が国が指名した者として、航空の理論や実務に精通した国際民間航空機関日本政府代表部の一等書記官、この者は国土交通省からの出向者でございますけれども、そういう専門家を委員として再任をされたということでございます。
今後も我が国としてこうした優秀な人材の委員への指名、任命に努めてまいりたい、このように考えてございます。
○金城委員 御説明ありがとうございました。
午前中にもありましたけれども、ICAOの日本代表部の特命全権大使、これが選出されたと言われておられました。それに向けての取組、外務大臣を始め外務省の皆様の御尽力に敬意を表したいと思います。御苦労さまでございます。
質問を変えます。
万国郵便連合憲章の件でございますが、この万国郵便連合、UPU、この役割についてちょっとお伺いしたいと思っておりますが、万国郵便連合は、一八七四年設立、二〇二四年には百五十周年と、歴史のある国際機関でありますが、そのUPUですね。
一の一はちょっと飛ばして一の二の質問になります。
EメールやSNS、電子商取引、Eコマースといったデジタル化が進む現代においては手紙やはがきが減少している。そういった一方で、貨物、今度は荷物が急増しております。国内と同様に国際郵便も大きな変革期を迎えていると言われております。
私の地元の沖縄県も多くの離島を抱える島嶼県でございます。そういった離島地域、過疎地域もありますが、そういった抱える地域において、郵便のユニバーサルサービスというのは、住民にとって生活インフラであって、大変重要なものであると認識をしているところでございます。
国際郵便を取り巻く環境が大きく変化している中で、UPUは、ユニバーサルサービスの確保、これについてどのような取組を行っているのか、また、政府は、国際郵便の課題、これと対応についてどのように認識しているのか、見解を伺いたいと思います。
○牛山政府参考人 お答え申し上げます。
UPUは、各国郵便事業体間の郵便物交換に係る共通ルールを定めることにより、世界各国間で普遍的な郵便サービスの提供を可能としてまいりました。
他方で、近年、社会経済におけるデジタル化の進展により伝統的な書状の送付が減少する一方で、電子商取引市場の拡大により郵便ネットワークを利用した物流サービスの重要性が増大しているところでございます。
UPUにおきましては、こうした環境変化に対応した新たなルール作りや加盟国への支援などが行われてございまして、我が国としても、UPUのこうした活動に積極的に貢献することが必要であると考えております。
○金城委員 ありがとうございます。
我が国は、UPUの設立から三年後の一八七七年に、明治十年からUPUに加盟しているとのことですが、UPUの事務局のトップである国際事務局長は我が国出身の目時政彦氏が務めているとのことで、外務省や総務省におかれましては目時事務局長のリーダーシップを積極的に支えていただいております。
これについても感謝を申し上げるとともに、ちょっと時間が来ましたので質問をこれで終わりますが、これからまた皆さんの取組に、しっかりと我々も応援すべきところはしっかりと後押ししてまいりたいと思います。
以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。
○國場委員長 次に、深作ヘスス君。
○深作委員 国民民主党・無所属クラブの深作ヘススです。
本日も質問の機会をいただき、ありがとうございます。
私は、まず、国際民間航空条約から御質問したいと思います。
今国会、既にこれまでるる皆様方からも質問がありましたが、ICAOの理事会及び航空委員会の定数増員という内容について、もう既に議論されてまいりましたが、これはほかの委員からも指摘がありました、二〇一六年に署名をされたものが、十年かかって、今回提出となっています。
実は、これまで政府は、理事が増大をすることでこの委員会そのものが機動的な動きができなくなってしまう、意思決定が難しくなるから締結に慎重な態度を取ってきたというふうにこれまで説明してきたというふうに理解をしています。
しかし、今回、一つは十一月に大沼さんが理事長となったこと、初めて日本人として理事長となったこと、そして、発効要件が近づいてきたこと、こういったことが重なって提出に至ったというふうに理解をします。
ここでお伺いをしたいのが、まず一つは、大沼委員長就任という好機を捉えて、これまでの慎重な立場、増大をしていく理事会ということに慎重だったところを、組織の拡大を容認するという方向にある意味でかじを切ったのか、日本の立場が変わったのかということが一つです。
この方針転換の真意と、拡大する組織の中でいかに迅速なルール形成を、今後、日本が行っていくのか。これまで想定をしていた余り好ましくない状況を容認をしていく形になるわけですから、その中でどのように日本が役割を果たしていくのか。ここについて、政府参考人からお答えいただければと思います。
○中村政府参考人 お答え申し上げます。
我が国といたしましては、理事会の機動的な意思決定を確保する観点も踏まえつつ、国際民間航空条約第五十条(a)改正議定書等の締結に向けて検討を行ってまいりました。
一方におきまして、近年、国際民間航空条約第五十条(a)改正議定書等の締約国数が増加をいたしまして、間もなく発効することが見込まれる、委員御指摘のとおりでございますけれども、見込まれることから、我が国といたしまして、国際民間航空条約第五十条(a)改正議定書等を早期に締結をし、理事会につきましては、新しい理事会の構成に係る議論により積極的に関与することが望ましい状況となっている、このように認識をしております。
また、委員御指摘のとおり、本年一月に就任をされました大沼理事会議長は、今後、各国に国際民間航空条約第五十条(a)改正議定書等の締結を働きかけていく立場となります。そういった立場となるところ、我が国によるこの改正議定書等の締結は、大沼議長による国際民間航空機関の運営を側面から支援することにもつながる、このように考えてございます。
こうした状況に鑑みまして、我が国として、ICAO加盟国の意見を理事会の議論に適切に反映し、ICAOを通じた国際協力を強化するためにも、この改正議定書等の締結を積極的に目指すこととした、こういうことでございます。
以上でございます。
○深作委員 ありがとうございます。
それについては既にほかの委員からもありましたし、事前のレクでもそういったことをお伺いをしておりました。
ここで、もう一点。
今回、南極の条約についても同じように、既にこれに関しては近藤委員そして川松委員からも、なぜこれだけ時間がかかったのかという御質問がありました。先ほどの回答の中では、国内の調整のハードルが極めて高かった、そして、各省庁とのすり合わせ、保険業界との実務的な調整、これに時間がかかったという回答でありました。
ですので、これについてはもうお伺いはいたしませんが、二十年間ずっと調整をしてきたというふうになかなか想像はし得ないところでもあります。そういう意味においては、どれだけ時間がかかったのか、機が熟したタイミングでこういった条約、提出に至るということを、理解をする部分もありますが。
現時点で、国会に提出をされていない、ペンディングとなっている条約というのがどれだけ存在をするのか、これの数を教えてください。
○濱本政府参考人 お答え申し上げます。
委員御質問の数につきましては、やや一概に申し上げることが難しい面もあることを御理解いただければという具合に思います。
近年、経済社会の分野を始めとしまして、多数国間の枠組みにおける協力が深化しております。そのような中で、様々な条約が採択されるようになってきているということでございます。
一例を申し上げます。国連によりますと、国連事務総長が寄託者となっている多数国間に限っても、その数は五百六十本以上あるという具合にされております。そして、これらの条約につきまして、種々の改正のための議定書等が採択される場合もございます。そして、例えば今御審議いただいておりますICAOにつきましては、二つの改正議定書が採択されているということでございますが、改正のための国際約束の数というのも、複数になるということがあり得るということでございます。
このような点に鑑みれば、日本が締結していない条約、議定書の数というのを、網羅的に全体像を示すということが若干困難なことがあるということでございます。
ただ、その上で、政府としましては、必要な条約の締結、これを遅滞なく進めていく必要があると思っております。委員の御指摘も踏まえまして、引き続き、適切なタイミングで条約を国会に提出できるよう取り組んでまいりたいと思っております。
○深作委員 ありがとうございます。
今、濱本審議官からお答えいただいたように、数については明確にはできないというところは理解をいたします。それに、物によっては、多分、もう既に国際的にかなり昔のもので、日本が承認をしていないもので、今更やってもというようなものが存在するであろうということも想像できます。そういう意味においては、過去のものがどれだけあるのかということ、それは実は余り現実的ではないというところも理解をしながらも、国会の承認のプロセスについて少し考えていきたいと今日は思っています。
基本的には、条約交渉が行われて、バイのものは比較的早く国会に出てくるものだと理解をします。今回も、マルチ、国際的な枠組みの中におけるものに時間がかかっているというのが現状ではないかと思います。
外務省のホームページに、国会承認条約の締結手続というページがございます。これを見ると、署名を、又はマルチでは採択、署名が行われると、それが国会に来るんだというような形で説明がされていますが、今日、皆さん既に御存じのとおり、物によっては十年、国会に来るまで二十年とかかっているのが現状であります。
これが、時にやはり国際情勢、様々な調整、すぐにやるのが全ていいとは思いませんが、何のために国会に提出しているかということなんです。一つは、やはり国民の代表者たる国会議員がこれをしっかりと目を通すことで、国民に対して、我が国がどういった条約を締結をするのか、これを明らかにするという側面と、もう一つは、内閣が好き勝手に物事を決めていかない、ある意味でデュープロセスの中で国会審議を行っていくということ、ここが国会に出す理由なんだろうと私は理解をしています。
今回、これだけ時間がかかっている中で、過去のものを追い求めていくのは余り意味がないだろうと思います。他方で、今、国際的な採択が行われたり署名をされているものというのは、密室で行われているものというのはほとんどないと理解をしています。国際的な会議であったり、多くのものは、ある意味でオープンな場で行われているわけであって。
国会議員が一人一人、全部調べればいいじゃないかと、それを追っかけていって、これはもっと早く提出をするようにというふうに言われてしまえばそれまでかもしれませんが、例えば、この国会の提出のプロセスの前に、今、国会閉会のタイミングで様々な、何でしたっけ、閉会のプロセスで、国民の皆さんからいただいた声を……(発言する者あり)請願を、最後のタイミングで、こういった請願がありますということを国会に報告がされています。
ちょっと私、背景を調べましたら、これは法的な根拠はないんです。慣例として、請願を国会最後に出して、国民の皆さんがどういう思いを持っているのかを委員会で諮ろうということで出されているというふうに理解しています。
ですので、こういった請願の処理のプロセスのような形で、今国会の間にどういった条約が国際社会の中で結ばれていて、日本が今どういう状況にあるのかというのをリストとして出すということはできるのではないかと思います。
そこで、これまで長く時間がかかっていたもの、それを、例えば今回も、何でこんなにかかったんだということを、ある意味で役所の責任に押しつけるのではなく、国会においても、これはもっと進めていくべきではないか、こういった考え方もあるのではないか、こういったことが提起できるようになるべきではないかと考えるんですが、この点、済みません、通告をしていないんですが、もし大臣、御意見があれば、是非いただければと思います。
○茂木国務大臣 ちょっと、請願の話なのか、そういったリストを出してくれという話なのか分からない部分ではあるんですが、いずれにしても、これは国会運営に関わる問題でありまして、深作委員の御意見というのはよく分かりますが、理事会等におきまして御議論いただければと思っております。
○深作委員 ありがとうございます。
ある意味で、大臣というか政治家としてどういうふうに思われるか。これまで、大臣が就任をされて、多分、今こういった条約が止まっています、これが全部どういう状況ですということを毎回説明しているというふうには余り思っておりません。外務省に確認をしたところ、担当課ベースで条約の管理を行っているというようなことだったので、機が熟したとき、必要性に、差し迫ったときに、これがある意味で国会に出てきて審議をされているのであろうと推察をいたします。
そこの部分を、二十年間ずっと毎日のようにこれを考えて追っかけるというのは現実的ではないと思いますが、ある意味で、これを事前に国会に、今どういう状況にあるのかというのを定期的に報告するシステムがあってもいいのではないかというふうに思っています。
大臣御指摘のとおり、これをどういった形で進めていくべきかについては、委員会の中で皆さんと議論をしていきながら進めていきたいと思いますが、是非、この問題意識については、今日は委員の皆さんとともに共有をさせていただきたいと思いますので、委員長、是非お取り計らいいただければと思います。
○國場委員長 理事会で協議させていただきます。
○深作委員 ありがとうございます。
では、続きまして、このままICAOについてお伺いをいたします。
ICAOの航空分野の脱炭素スキーム、CORSIAについてですけれども、CORSIAにおいてCO2削減効果を認められるためには、ICAOの承認を取得した持続可能な航空燃料、SAFを使用する必要があると理解をしています。
現在、我が国では、廃食油にとどまらず、規格外の農作物や食べられない植物、こういったものを原料にしたSAFの製造という動きが出てきています。しかし、CORSIA認証を取得するには、事業者が単独で申請できるのではなく、航空当局を通じて、国が原料や製造方法、これらをICAOへ登録申請する手続が必要だというふうに承知をしています。
国産SAFの普及を加速をするために、国としてこれから、多様な新しい原料、製法に対して、認証手続の円滑化に向け、どのような事業者支援を行っていくのかということが一つ。
そして、さらに、新技術や運航改善、SAFを活用してもなお削減し切れないCO2については、炭素クレジットによるオフセットが求められてきますが、このクレジットも、CORSIAの認証を受けた適格なものでなければいけません。現時点で、我が国由来のクレジットでCORSIA認証を取得したものは存在をしていないと承知をしています。他方で、実は国内では、新たなGX排出量取引制度が始まったことで、事業者のリソースがそちらに向いているという状況も推察をされます。
国際航空の舞台で日本のクレジットが活躍できる環境を整えていくということは大変重要だと考えますが、我が国の国益と航空業界の競争力向上のため、国産クレジットのCORSIA早期適格化に向けて、今後どのように省庁間での連携、事業者との連携を図っていき、これを後押しをしていくのか、政府の決意をお聞かせください。
○中山政府参考人 お答えいたします。
我が国におきましては、国際航空における排出削減スキームとして、ICAOで採択されたCORSIAに基づき、国際航空における脱炭素化に向けて、持続可能な航空燃料、SAFの導入促進などに取り組んでおります。
委員から御指摘のありましたICAOにおいて使用可能なSAFや炭素クレジットにつきましては、御指摘のありましたとおり、CORSIA枠組みにおいて認証を取得する必要がございます。
このうち、SAFに関しましては、その原料、製法の多様化を図るため、CORSIA適格の登録認証を目指す国内事業者への支援を行い、これまでに五つの新規原料の登録の実現に至っております。さらに、このようにして得た我が国の知見をASEAN諸国へ共有するなど、国内外において、CORSIAで使用可能なSAFの多様化に向けた取組を進めているところでございます。
炭素クレジットにつきましても、関係省庁と連携し、我が国の炭素クレジットのICAO認証取得に向けて、引き続き支援を行っていきたいと考えてございます。
加えて、ICAOによる途上国に対する能力構築プログラムにも協力しているところでございまして、今後とも、大沼議長率いるICAOを中心とする国際航空の脱炭素化に向けた取組にしっかりと貢献してまいりたいと考えております。
○深作委員 ありがとうございます。
続いて、南極条約附属書6についてお伺いをいたします。
本附属書に規定をされている事故の際の責任限度額、これは一九九六年当時の海事債権責任制限条約の水準に合わせて設定をされていると理解をしています。しかし、国際海事機関、IMOでは、その後の大規模な油流出事故などを受けて、二〇一二年に同条約を改正をしています。責任限度額を既に一・五一倍まで引き上げています。
南極の脆弱な環境を守っていくルールが、古い水準のまま据え置かれています。本附属書に規定をされている賠償限度額は、一九九六年当時の水準のままであって、二〇一二年の国際的な引上げが反映をされていない。
大型観光船などの就航など、事故のリスクは高まっている背景がある中において、この古い水準のままで現在の基準として十分であると政府が判断をしているその背景、根拠は何でしょうか。発効後に日本が主導して限度額を見直していく、こういった動きがあるのであれば、そちらについてお示しください。
○中村政府参考人 お答え申し上げます。
船舶が関係する事故が発生し、締約国が事業者に代わって対応措置を取った場合等に当該事業者が支払う費用の限度額につきましては、御指摘のとおりでございますが、本附属書では、採択当時に有効であった海事債権責任制限条約一九九六年議定書に定められた限度額と同額ということで規定をされてございます。
他方、御指摘のとおり、一九九六年議定書に定められた限度額につきましては、二〇一二年の改正を受けまして、一・五一倍に引き上げられております。現在では本附属書が規定する限度額との間で乖離が生じている、御指摘のとおりでございます。
こうした状況に鑑みまして、本附属書の発効後に、現行の九六年議定書に合わせた限度額を改正すべきという議論が行われる可能性は非常に高いと考えております。
政府といたしましても、関係国、国内関係者としっかり協議をいたしまして、適切に対応してまいりたい、このように考えてございます。
○深作委員 ありがとうございます。
可能性が高いということで、その必要性についても我が国は認めていて、これからそれを推し進めていくという方針であるというふうに理解をいたしました。是非よろしくお願いをいたします。
そして、本附属書では、事故を起こした事業者が自ら対応しない場合についても規定をされています。その場合は、他国が肩代わりをして対応、後から費用を請求できる仕組みが導入されています。
他方で、他国が介入するための要件、重大な脅威が差し迫っている緊急性や、主宰国の対応を待つべき合理的な期間という文言の客観的な基準が大変曖昧であるというふうに受け止めています。これでは、例えば、事故、大変だといって、よかれと思って対応しても、後から費用の請求ができなかった、読み方次第でこれが意味を成さないということが起きてしまうのではないかと危惧をしています。
他国が事故対応を肩代わりする際の発動要件となる緊急性、合理的な期間、これが示されていない中で、この基準の曖昧さを政府がどのように捉えているのか。基準が不明確な中で、我が国が対応を肩代わりした場合、立て替えた費用の確実な回収、事後の国家間の調整、実務をどのように担保し、解決をしていく方針なのか。現時点での方針をお示しください。
○中村政府参考人 お答え申し上げます。
本附属書におきまして、環境上の緊急事態は、偶然の事故であって、南極の環境に対し重大かつ有害な影響を及ぼし、又は及ぼす急迫したおそれがあるものである旨定められております。その上で、ある事故が環境上の緊急事態に該当するか否かにつきましては、事故を引き起こした事業者の締約国が判断することとされております。
これを踏まえまして、まず日本の例でございますけれども、我が国といたしましては、本附属書を締結した後に、国内担保法を所管する環境省が中心となりまして、環境上の緊急事態に該当する案件、こうしたものを判断するためのガイドラインの作成に向けた作業を進める予定にしてございます。
事業者の締約国ではない他の締約国が対応措置を取ることが可能となるまでの合理的な期間でございますけれども、これにつきましても、委員御指摘のとおり、本附属書では、認定するための基準が明確には定められておりません。しかしながら、締約国間における認識のそごによって円滑な協力、迅速な対応措置、こうしたものの実施が阻害されると困りますので、阻害されることのないように、まずは関係国間でよく議論してまいりたい、このように考えてございます。
○深作委員 ありがとうございます。
間もなく時間が参りますのでこれで終わりにしますが、先ほど挙げた点、国会が最終的に承認をしない限り、条約というのは批准であったり承認、公文の交換といったことが行われないわけですから、今回もこの条約に対して何で二十年かかったの、何で十年かかったのと多くの議員の先生方が思われたのであれば、それをどういうふうに防いでいく仕組みを国会としてつくることができるのか、これは国会の課題だと思いますので、今後もこちらに取り組んでいきたいと思います。
ありがとうございました。
○國場委員長 次に、佐々木真琴君。
○佐々木(真)委員 国民民主党・無所属クラブの佐々木真琴です。
本日も、質問の機会をいただきましてありがとうございます。いい質問の後は何か逆に緊張しちゃうんですけれども、うまくやれるように頑張りたいと思います。
では、まず私も租税条約から始めたいと思うんですけれども、全体の戦略であるとか意義については前段で皆様からも質問がありましたので、一つ目の質問は飛ばさせていただきたいと思います。
とはいえ、やはり、経済界からの要望であるとか、二国間で様々な国際経済活動を安定化という観点からも非常に大切な条約であるというふうに私自身も認識しておりますので、これからも、今回の日・キルギスだけではなくて、全体の、ほかの今結んでいる条約の改定であるとか、様々まだ結ばれていないところとの進めについても、引き続きお願いをしたいと思っております。
では、二点目の質問に移りたいと思うんですけれども、日・キルギス租税条約の前にありました日ソの租税条約について伺いたいと思います。
過去の政府の発言を見ても、今回キルギスと条約を結びますけれども、タジキスタンであるとかベラルーシ、モルドバ等の間についても、状況が整えば順次新たな租税条約交渉を行う考えというものが示されております。
あわせて、今回のキルギスがどういう状況だったかというところを事前に調べておりますと、日本の認識としては旧ソ連と結んでいた租税条約が引き続き続いているという認識だったと思いますけれども、キルギス側は、旧ソ連の租税条約はキルギス議会で承認されておらず、日本とキルギス間の租税条約は存在しないというような、大前提の立場が違ったというところも指摘をされております。
そこでですけれども、今回のキルギスの新たな租税条約の締結は、旧来型の枠組みを現代化していく流れの中の一つとして非常に重要であると思っておりますが、今、政府として、旧ソ連型の過去の条約が残る国々との関係についてどのような課題認識を持っているのか、また、今後、どのような優先順位であるとか戦略を持ちながら新たな租税条約交渉や更新を進めていくお考えなのか、政府の認識を伺います。
○北川政府参考人 お答え申し上げます。
ただいま委員御指摘のとおり、一九八六年に発効いたしました日ソ租税条約、これは今般御審議いただいているキルギスを除くと、残りはタジキスタン、ベラルーシ及びモルドバ、三か国との間で引き続き有効に適用されてきております。
一般論としまして、日ソ租税条約は、近年の我が国の租税条約に比して、投資所得に対する限度税率が高い水準になっていることや、国際標準であるOECDモデル租税条約の近年の改定等に関する内容が含まれていない等の課題があると認識しております。
我が国としましては、相手国との経済関係、日本の経済界からの要望、租税条約の締結、改正から生じ得る効果、こういった観点をそれぞれ踏まえまして、これらの国々との租税条約も含めた既存の租税条約の改正あるいは新規の租税条約の締結にそれぞれ取り組んでいるところでございます。
○佐々木(真)委員 ありがとうございます。
先ほど申し上げましたけれども、過去の政府答弁であると、状況が整えば順次交渉を行うというふうな発言なんですけれども、まだ状況は整っていないという理解でいいんでしょうか。通告していないけれども、もし可能であればお願いいたします。
○北川政府参考人 お答え申し上げます。
一般論で申しまして、租税条約にせよ、投資協定にせよ、正式な協定の交渉の開始の前に、それぞれ各国との間では様々な形で意見交換及び状況の確認等をしております。そういった中で、お互いの国の状況が整う、あるいは、それぞれの国におきます経済界ですとか国民の声、そういったものも踏まえまして、諸般の状況が整った折に正式な形での条約交渉開始ということになろうかと思っております。
そういった意味で、それぞれ状況は国ごとに異なりますけれども、先ほど申し上げましたとおり、様々な観点にのっとった形で、それぞれ適切な形で判断していきたい、このように思っております。
○佐々木(真)委員 ありがとうございました。
では、続いてもう一点、租税条約について聞いていきたいと思うんですけれども、相互協議案件の増加と長期化について質問をしたいと思います。
相談の案件も増えておりますし、案件の確認自体が非常に長引いているという課題が指摘をされているところです。具体的な数字を申し上げますと、平均的な処理期間が三十九・六か月かかるというふうに言われておりますし、その中の事前確認案件といったものが四十二・四か月を要するといったところで、大分時間をかけて相互の協議を行っている状況というところが見て取れます。あわせて、新規案件のうちの七割が事前確認案件と呼ばれるものでありまして、処理している件数が二百四十件あるうちの八割も事前確認案件であるというふうにされております。
つまり、単純な課税とか租税紛争ということではなくて、紛争予防のための制度利用というところが大きく増加をしているというところで状況が見て取れます。
また、OECDが発表した統計につきましても、事前確認制度を紛争予防の中核として重視している一方で、処理期間が長期化していますよという課題も示されておるところです。これは、単純に件数が増加しているということだけではなくて、国際課税ルールそのものが非常に複雑化してきていることであるとか、制度の疲労というものも見て取れる状況が背景にあるんじゃないかというふうに私自身は感じております。
そこで、政府としては、近年、相互協議案件や繰越案件が増加傾向にある要因をどのように分析をしているのか。さらには、長期化の要因について、法解釈の対立なのか、事実認識なのか、相手国側の当局の体制なのかなど、様々あると思うんですけれども、工程別であるとか国別の分析をどの程度行っているのか。政府の認識を伺いたいと思います。
○武田政府参考人 お答え申し上げます。
相互協議は、租税条約に適合しない課税の解消などを目的といたしまして、国税庁が、納税者の申立てなどを受けて、租税条約等の締結国・地域の税務当局との間で協議を行う手続でございます。
相互協議の申立てにつきましては、納税者の御判断などによるところが大きく、その件数の増減の理由などにつきまして一概に申し上げることは困難でございますが、あえて申し上げますと、現在、相互協議の事案につきましては、主に経済取引のクロスボーダー化、デジタル化の進展によりまして新たな取引形態等が拡大する中で、一つの所得に対して複数の国が課税する二重課税の排除などが納税者の不確実性排除の観点から関心が高いこと、また、アジア諸国において移転価格税制等の執行が強化され、事前確認制度の更なる利用につながっていることから、特に事前確認制度が積極的に利用されて増加しているものと認識いたしております。
相互協議につきましては、事案の複雑困難性や相手国当局の相互協議の体制などによりまして、処理にかかる期間などは異なるものと認識をしてございます。
個別の事案に応じまして課税関係等が異なるため、処理期間の状況などにつきまして一概にお答え申し上げることは困難ですが、国税庁といたしましては、相手国当局の状況を踏まえながら、相互協議事案の迅速かつ適切な、的確な処理に努めてまいります。
○佐々木(真)委員 ありがとうございます。
では、アジア大洋州地域の案件も増加しているというふうに言われておりますので、そこの理由というか分析についても伺いたいなと思っております。
国別の内訳を見ていくと、アメリカが二五%、インド一五%、中国一三%、韓国一二%となっておりまして、インド、中国、韓国の三か国だけで、全ての繰越ししている案件の四割を占めているという状況になっております。
また、OECD非加盟国・地域の案件につきましても、処理年数も増えてまいりますし、件数も増えていくといったところでして、政府としては、特にアジア大洋州地域との案件につきまして、どういったボトルネックがあるというふうに分析をしているのか、また、非OECD加盟国との間で長期化しやすいといった背景もどのように分析しているのか、伺いたいと思います。
単なる二国間協議だけではなくて、能力向上支援であるとか、文書の標準化、恒常的な協議枠組みをつくっていくなど、様々関与するところはあるかと思うんですけれども、今後どのように進めていくか、伺いたいと思います。
○武田政府参考人 お答え申し上げます。
相互協議につきましては、相手国当局の体制等によりまして処理期間等が異なっており、アジア大洋州地域を含めたOECD非加盟国・地域は、OECD加盟国と比較いたしまして、人員や経験の観点から相互協議の体制に課題があるとされていることは承知いたしております。
国税庁といたしましては、個々の相互協議事案の迅速かつ的確な処理に努めるとともに、OECDにおける国際的な議論、取組への積極的な参画、さらには、必要な技術協力、キャパシティービルディングなどを通じました総合的な対応、対策を引き続き進めてまいります。
○佐々木(真)委員 ありがとうございました。
では、先ほど、経済状況であるとかデジタルのものも含めて複雑化しているというお話がありましたけれども、国際課税ルール全体についても伺いたいなと思います。
立命館大学の篠田先生が日本経済新聞の中でおっしゃっているところを引用させていただくんですけれども、二十世紀には設備や建物など有形資産が中心だった一方、現在では知的財産やデータなど無形資産の重要性が高まり、巨大デジタル企業は物理的拠点を持たずに世界中で利益を上げる構造になってきているというふうに指摘をいたしております。まさに、二十世紀型の国際課税ルールが、今、二十一世紀の経済構造に追いついていないという、そもそもの問題が起きているんじゃないかというふうに感じております。
デジタル課税をめぐっては、各国が個別でルールや制度を導入すると、それはそれで報復措置が起きてしまったりとか、国際的な摩擦につながる懸念点も既に指摘をされております。だからこそ、国際的なルールの形成が極めて重要になってくると考えます。
外務省としては、現在の租税条約や国際課税ルールを取り巻く課題をどのように認識をいたしているのか。また、日本として、OECD等の国際的な場において、今申し上げたような、時代に見合った、経済体制に見合った課税体制を組んでいくというルールの見直しであるとかルール形成に、どのように関与していくお考えなのか。今後、AI、デジタルコンテンツ、日本の知的財産も国際社会の場で様々大きな役割を持っていっておりますので、それを守るという観点からも、国際的なルールへの関与に、どうやって主体的に関与していく必要性があるかについて伺っていきたいと思います。
慎重かつ迅速な対応が求められる中、日本としてどのような国家戦略を持っているのか、政府の認識を大臣からお伺いしたいと思います。
○茂木国務大臣 恐らく、佐々木委員の年代は、携帯の前のポケベルというのは知らないんじゃないかな、こんなふうに思ったりもするんですが、それから携帯、ガラケー、そしてスマホと進んでくる。非常に変化のスピードが速いのは間違いないわけでありまして、財産につきましても、ハードからソフトへの移行、つまりデジタル化が進む。そして、御指摘のAIにつきましても、二〇三三年までには市場規模は今の九倍に成長する、こんなふうにも言われておりまして、まさにこういった大きな変化の中に今あるわけであります。
こうした中、国際課税をめぐりましては、例えば、経済のデジタル化に伴いまして、国内に物理的拠点を置かずに国内の顧客を対象にビジネスを行う、収益を上げる、こういう海外企業に対して、国内において適切な課税が行えない、こういった課題が指摘をされているわけであります。
こういった状況に対しまして、国際課税システムに安定性と確実性をもたらすために、OECDにおきまして新たな国際的な課税のルールに関する交渉が今行われている、こういうところであります。
また、AIの普及を始めとし、経済社会のデジタル化が急速に進展する中、これを経済成長につなげていくためには、きちんとしたルールというか、通商の世界もそうでありますけれども、こういう新しい時代の信頼性が担保された枠組み、ルール作りが重要であると考えております。
日本は、広島AIプロセスを通じた安全、安心で信頼できるAIであったりとか、信頼性のある自由なデータ流通、DFFT、データ・フリー・フロー・ウィズ・トラスト、こういう推進に取り組んできているところであります。
我が国として、引き続き、国際的な課税のルール作りであったりとか、AI、デジタルのルール作りに関する議論に積極的に参加をし、我が国の立場を適切に主張していくとともに、効果的なルールの構築に向けて、各国と連携しながら、日本としても主体的な役割を担っていければ、こんなふうに考えております。
○佐々木(真)委員 ありがとうございました。
では、続いて、論点を変えまして、国際民間航空条約に話を移したいと思います。
ICAOをめぐっては、大沼氏が理事会の議長に選出をされたというところで、大きな責任をこれから担っていくことになると思っております。
また、この大沼議長が各種インタビューの中で何をおっしゃっていたかというと、特に、太平洋地域が中心的な役割を担うこと、この地域の課題に向き合うことが世界全体の航空課題への処方箋になるという、すてきな発言をされております。
さらに、ICAO加盟国の中には航空インフラや制度の途上にある国もまだ多く、日本の安全技術であるとか制度運営、人材育成にも大きな期待を寄せられているんだという声も紹介をされておりました。
こうした状況は、まさに日本らしい外交、これまで私たち日本が培ってきた安全性であるとか技術力であるとか人づくり、様々な責任を国際社会に発揮していく大きな機会でもあるというふうに認識をいたしております。
また、今年に入ってから、私たちの身近なところでいえば、モバイルバッテリーの機内持込みルールが変わったりですとか、様々、国際ルール形成の重要性、非常に高まっているところでございます。
外務省としては、今回、日本人議長が誕生したことをどのように受け止めているのか。また、日本として、今後、アジア太平洋地域を中心とする航空業界の需要の拡大であるとか、安全、安心のルール形成、人材育成といった分野において、ICAOを通じてどのような役割を果たしていくお考えなのか。大沼議長やICAOにおける日本の活動をどのように後押しをしていくお考えなのか、政府の認識を伺います。
○中村政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、二〇二五年十一月に、国際民間航空機関、ICAOの理事会議長に大沼俊之氏が選出をされました。理事会議長がアジア大洋州地域から選出されることがICAOの創設以来初めてでございまして、大変喜ばしいことと考えております。我が国が国際民間航空の安全あるいは持続可能な発展を主導していく上で重要な一歩になった、このように受け止めております。
我が国といたしましては、日本がこれまでに培ってまいりました安全、保安、環境を始めとする幅広い知見を基に、様々な分野における国際民間航空のルールの策定を主導していきたい。委員御指摘のとおり、ルールの策定は大変大事でございます。こういうところに日本は積極的に参画していきたい、このように考えてございます。
また、北朝鮮のミサイル発射、あるいはロシアによる国際民間航空条約違反等への対処に関するICAOでの議論、こうしたもの、あるいはそれへの対応につきましても、理事国として積極的に関与していく、こういうこともしっかり私ども取り組みたいと考えております。
さらに、我が国といたしましては、安全、安心で持続的な航空を誰一人取り残さない形で実現をしていくというICAOの目標、こうしたものの達成に向けまして、人材育成ですとか、あるいは能力の構築を後押ししていく、こういった様々な努力を通じまして、大沼議長率いるICAOの活動に積極的に貢献してまいりたい、このように考えております。
○佐々木(真)委員 ありがとうございました。
まさに我々が今まで培ってきたことが評価された一つでもあるというふうに認識しておりますし、我々が果たせる、貢献できるところ、多々あるというふうにも認識しておりますので、是非とも大沼議長の背中を押せるような形で私たちとしても応援をしていく、見守っていく、共に歩んでいくといったところを応援できるといいなと思ったところです。
ちょっと時間が中途半端なんですが、最後、一問、ちょっとしたいと思います。
万国郵便、郵便のところに行きたいと思うんですけれども、こちらに対しても、目時さんが事務局長になられたということで、三つのPというものを掲げて、郵便ネットワークを通じた平和、包摂、繁栄の重要性についても発信をされておりました。こちらについても、日本らしい外交の一つであると認識をしております。こちらについても、私たちとしても共に応援していけるといいなと思っておりました。
質問については以上になります。答弁は求めませんので、以上で終わります。
ありがとうございました。
○國場委員長 次に、木下敏之君。
○木下委員 参政党の木下敏之でございます。
本日も質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。心から感謝を申し上げます。
本日、私が取り上げますテーマは、万国郵便連合憲章の改定に関しまして、中国系の越境EC、いわゆるインターネット通販企業の急拡大によります日本国内企業への悪影響をどのように止めるのかという問題についてでございます。
近年、日本国内では、テム、シーイン、アリエクスプレスなどといいました中国系の越境インターネット通販企業が急速に拡大をしていると言われております。特にテム、これは二〇二三年の日本初進出から短期間で非常に多くの利用者を獲得したと報じられておりまして、私は、このままいくと日本の多くの通販企業や楽天などの売上げを落とすのではないかと大変心配しているところでございます。
私の周りでも多くの人が、なぜ中国から送料無料で商品が届くのかということで大変驚いておりますが、一方で、日本の多くの皆さんの実質賃金は上がっておりませんので、送料無料、低価格ということで、使っている人は結構多いのではないかと思っております。
本日は日本郵政株式会社の方に参考人として来ていただきまして、誠にありがとうございます。
まず、日本郵政の皆さんに二つ質問をいたします。
まず一点目。近年、テム、シーインなどの中国系インターネット通販企業による日本向けの小口輸送が急増しているのではないかと聞いております。二〇二三年から二〇二五年までの三年間で、中国発の小型国際郵便、越境EC関連小口貨物の取扱量がどのように推移しているのかを伺いたいと思います。
というのも、先日、農林水産委員会で家畜伝染病予防法の改正の問題が取り上げられたわけですが、中国から国際郵便を使って違法の畜産加工品が大量に入ってきているという現実がございます。この中国系越境インターネット企業の関連の貨物の動き、どうなのかをまずお伺いしたいと思います。
二点目が、中国発の国際貨物郵便に関しまして、日本郵便が受け取るいわゆる到着料、これが実際の国内配達コストに対しましてどの程度回収できているのかという問題でございます。
というのは、インターネット上では、中国発の越境ECの送料が無料ということは、これは、万国郵便条約を利用して、途上国向けに先進国では郵便料金を安くする、その制度をうまく利用しているからではないかという書き込みも目につくわけでございます。実際、実態はどうなのか。いわゆる実効料率を可能な範囲でお示しいただきたいと思います。
以上、二点につきまして日本郵政の皆さんにお伺いしたいと思います。
○西口参考人 お答え申し上げます。
まず一点目の、最近の中国からの小口貨物の取扱量の関係でございます。
過去三年間の推移、二〇二三年度から二五年度という期間で見ますと、中国を除く全世界から日本に到着する小型国際郵便物が、大体、年平均約五%の減少でございます。一方で、中国から到着する小型国際郵便物は、競争の激化の影響もあると思われますけれども、平均で約一二%ほど減少してきているといった状況でございます。
その上で、二点目の先生からの御質問、中国からの郵便小包の到着料で国内の配達コストがちゃんと賄えているのかというお話でございますけれども、二〇一九年に、政府の方も一緒になっていただいて、万国郵便条約を改正していただいております。
現在におきましては、中国からのものもそうですけれども、他の先進国のものから受け取る到着料につきましては、国内の調達コストを賄う料率、つまり到着料を適用できるようになっておりまして、したがいまして、中国発の小口郵便貨物につきましても配達コストを賄える水準で到着料をいただいているというのが現状でございます。
なお、先生御質問の具体的な料率につきましては、これは、UPUのルールにのっとって各国の郵便事業体間で取決めをしてやっておりまして、一般的に各国とも公表しておりませんので、お答えは控えさせていただければと思います。
以上でございます。
○木下委員 お答えありがとうございました。
ということは、第一次トランプ政権のときに、トランプ政権がアメリカの郵便料金を守るためにかなり激しくやり取りをしていたと思うんですが、そのときに上手に日本側も赤字にならないようにされたということで、これは大変すばらしいことではないかと思っているんです。
ただ、インターネット上では、相変わらず、日本郵便の赤字が中国の越境インターネット通販を支えているというような書き込みも散見されておりますので、そういった、実態は違うんだということを是非国民に向けて丁寧に説明することが必要ではないかと思うんですが、その点について日本郵政のお考えをお聞かせください。
○西口参考人 先生御案内のように、到着料は国際郵便の配達に伴うコストを賄うための各国の郵便事業体間の制度で成り立っておりまして、裏返して言いますと、日本の中での、日本郵便の郵便局のお客様向けのお知らせなり情報提供ではちょっと趣旨が違うのかなと思っておりまして、現時点におきましては、ちょっと積極的に、日本郵便の方から郵便局のお客様じゃない人たちも含めた情報提供までは考えていないというのが現状でございます。
○木下委員 お答えありがとうございます。
ただ、SNS上での誤解を放置していくとどんなふうに発展していくかも分からないので、それであえて今回、こうして国会の場に来ていただいてお答えいただいたわけでございまして、相変わらず誤解されている方は結構いらっしゃると思いますので、是非SNS上での対策をやっていただくようにお願いをいたします。これは回答は要りません。
では、次の質問に参ります。
今回の追加議定書の改定案の説明によりますと、郵便コストの実情に合わせて到着料を定期改定するということになっていると聞いております。
既に日本郵政はコストに見合う料率を得ているとのことですが、物価は引き続き上昇中、原油の価格も上がっておりますので、毎年到着料を改定して、日本の郵便利用者の皆さんの赤字で中国系企業を助けるということのないように運用していただきたいと思うのですが、今後の運用についてどのようにお考えか、お聞かせください。
○西口参考人 先生の御指摘のとおり、現時点におきましては、中国発の郵便小包も国内の配達コストは賄えております、一定の利潤も含めてです。
ただ、おっしゃられるように、物価というのもどんどん上昇して、エネルギー価格も非常に厳しい状況の中になってきておりますので、今の制度では、毎年毎年、料率といいますか料金というのを変更することが可能としていただいておりますので、物価の上昇に合わせて、しっかりとコストが賄えるような料率をUPUの方に申告し、適用していきたいというふうに考えております。
○木下委員 ありがとうございました。
日本国民の負担となることのないように、速やかな対応をどうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
では、次の質問に入ります。
これは経済産業省への質問ですが、現在の中国系のインターネット通販の拡大問題は既に国際郵便料金の優遇というレベルにとどまらないわけでございます。二〇一〇年代までは、国際郵便料金が途上国に対して割安に設定される仕組みを利用するということでビジネスを拡大していたわけですが、現時点では、既に先進国に配送の拠点を置いて、そして先進国の通販企業のシェアを取りに来るという段階に移ってきているわけでございます。
中国系越境EC企業は非常に巨大な資本で運営されておりまして、例えば、テムの親会社、PDDホールディングス、こちらは売上げで楽天の四倍の約十兆円、純利益が二兆円ございます。その巨大資本が、無料配送と超低価格を武器にいたしまして、短期間でその国のシェアを奪いに来るという戦略を取っているものと思われます。
ですから、先ほど申し上げたように、実質賃金の低下に悩む日本の消費者、特に所得の伸びない若い皆さんにとっては、中国系の越境インターネット通販企業の商品は大変魅力的に映るのではないかと思います。
そこで、経済産業省に伺います。
中国系越境EC企業、インターネット通販企業によりまして日本国内の中小企業や日本国内のインターネット通販企業に対してどの程度の影響が出ているのか、定量的分析を行っているのでしょうか。また、日本国内事業者との競争条件が公平であるかどうかについて、政府において検証したことはあるのでしょうか。この二つについて伺います。
○渋谷政府参考人 お答え申し上げます。
経済産業省では、毎年度、電子商取引に関する市場調査というものを実施しております。それによりますと、例えば、二〇二四年の一年間で、日本国内のBツーCのECの市場規模は約二十六兆円、また、日本の消費者が中国の事業者から購入した商品等に係るECの市場規模は約四百七十億円と推計されておりまして、ここ三年間で、前者が約一五%、後者は約一九%伸びております。したがいまして、中国からの越境ECの取引の成長率が国内のECの市場の成長率を上回っているということが分かります。
また、国内事業者との競争条件が公平であるか政府において検証したことがあるかとの委員の御質問につきましては、令和八年度税制改正におきまして国境を越えた電子商取引に係る少額輸入貨物の課税の見直しが行われましたが、その見直しに先立つ政府税制調査会専門家会合におきまして、格安越境ECが非常に伸びており、国内事業者との競争においては不公平、アンフェアな状況だ、また、少額輸入免税制度は、国内外の事業者間における競争上のイコールフッティングを図る観点から見直しを行っていくべきなどといった議論が行われたものと承知をしております。
○木下委員 お答えありがとうございます。
個々の企業がどれだけ日本に売上げを増やしているかというのはなかなかまだ情報をつかみにくいということですが、これは経済産業省の所管の法律になると思いますが、特定デジタルプラットフォームの透明性及び公平性の向上に関する法律、いわゆる透明化法というのがあると思います。
現行法は、出店者に対してプラットフォーマー側が取引条件をどうしているか、その開示を義務化したものだと伺っておりますが、法律を改正して、例えば、売上げ、市場規模の国別の情報開示をさせるように改正されてはいかがかと思うのですが、この点について経済産業省の御見解を伺います。
○渋谷政府参考人 お答え申し上げます。
経済産業省が所管をしておりますデジタルプラットフォーム取引透明化法というものは、国内の事業者か国外の事業者かにかかわらず、日本での市場支配力を有する大規模なプラットフォーム提供事業者とそのプラットフォームを利用する事業者との間の不透明、不公正な取引を是正するために制定されたものでございます。
委員が御指摘になられました越境ECに係る取引総額のような、デジタルプラットフォームとその利用事業者との間の取引における透明性、公正性の向上に直接は関係しない情報の報告義務というものを課すということは、法の趣旨、目的にはなじまないのではないかというふうに考えております。
○木下委員 御回答ありがとうございます。
これは通告していないので要望にとどめておきたいと思いますが、中国系の越境EC企業に悩まされているのは、日本だけじゃなくてヨーロッパも同じでございまして、ヨーロッパは、デジタルサービス法に基づいて、巨大プラットフォーム企業に対して、これはテムとシーインの両方ですけれども、これに対して、今、デジタルサービス法に違反するのではないかということでいろいろな調査を開始しているわけです。これについて国別に情報開示を、多分EUはこの両社に対して求めていると思いますので、是非、外交ルートを通じて情報を共有されて、日本の通販企業を守っていただきたいと思います。これは要望でございます。
では、次の質問に入ってまいります。
こういった中国系の越境EC企業の問題を取り上げますと、いやいや、一方で日本企業も中国向けの越境インターネット通販で利益を得ているんだという意見もいただくことがございます。しかし、日本側で利益を得るのは一部の巨大企業、巨大プラットフォームでありまして、損をするのは国内の中小企業、地方の小売業というのが現実ではないかと思います。
そこで、財務省の方に伺いたいと思いますが、国全体の輸出入額だけでなくて、誰が利益を得て、誰が負担しているのかということを分析した上で、国内外の事業者間の競争上の不均衡を是正する観点から税制や通関制度を見直す必要があるのではないかと思うのですが、財務省のお考えを伺いたいと思います。
○藤井政府参考人 お答え申し上げます。
一般的に申しまして、先生御指摘のとおり、国境を越えて行われる電子商取引を含めまして経済活動のグローバル化が進展しておりますので、そういった中で、税制それから関税につきましても、国内外の事業者間の公平な競争環境を確保するということは重要な点でございますので、必要な見直しを検討していく必要があるというふうに考えております。
こうした観点から、例えばでございますが、令和八年度税制改正におきまして、国境を越えて行う電子商取引に係る消費課税に関しまして、経済産業省の方から、課税の公平性や中立性確保の観点から適正な課税の在り方を求めるという税制改正要望をいただきまして、政府税制調査会の専門家会合におきましても、円滑な通関業務への影響の観点なども含めまして議論を行わせていただき、少額免税制度の見直し等の改正を行わせていただいたところでございます。
今後とも、所管省庁、有識者、関係事業者の方々の御意見を丁寧にお伺いしながら、必要な対応は検討していきたいと思っております。
○木下委員 御回答ありがとうございます。
この大量小口物流の急増というのは、模倣品ですとか、それから麻薬などの危険物、環境基準を守っていないような不適切な製品、こういったものの大量流入リスクとも関係するわけでございます。
現在の一万円以下の輸入免税制度は、こういったテムとかシーインのような、大量小口輸送時代を想定していなかったのではないかと思うわけでございます。
そこで、財務省に改めて伺いたいのですが、令和六年の輸入許可件数、全体で一億九千万件という膨大な件数がございますが、そのうち一万円以下の少額輸入貨物が一億七千万件ということで、全体の九割を占めているわけでございます。これは、もはや例外的な少額輸入ではなく、巨大な商業物流そのものだと思っております。
そこで、改めて二つ伺います。
まず、税制改正によりまして、令和十年の四月、二年近く先から、一万円以下の通信販売品について消費税課税の見直しをされるということを伺いましたが、なぜ施行まで二年を要するのか。その間、国内の事業者との競争上の不均衡が放置されているわけですので、もっと急ぐことはできないのでしょうか。
それから、二つ目。今回の見直しは、主に消費税のことを見直されたわけですが、関税については一万円以下の免税が残るわけであります。国によっては非常に税率が違うということもレクの際に伺いましたけれども、関税には国内の産業を保護するという機能があるわけですので、大量反復輸入、そして巨大プラットフォーム経由の輸入については、この関税の少額免税についても、できるだけ早く引き下げる、又は廃止をするべきではないかと思いますが、この二つの点についてお伺いいたします。
○藤井政府参考人 消費税の部分についてお答え申し上げます。
令和八年の税制改正におきまして、国境を越えて行われる電子商取引に関しまして、国内外の事業者間の公平な競争環境確保の観点から、輸入者における消費税の納税義務が免除されております一万円以下の商品、これにつきまして、販売者に納税義務を課すとともに、その適正課税を確保する観点から、取引を仲介する一定のプラットフォーム事業者に納税義務を転換するという制度を導入させていただいております。これらにつきましては、委員御指摘のとおり、できるだけ速やかな施行が望ましいということは私どもも思っております。
ただ、他方で、その実施に当たりまして、事業者や税関でのシステム改修がどうしても必要でございまして、政府税調の専門家会合でも、十分な準備期間が必要との事業者の意見も報告を受けているところでございます。
その上で、システム改修のための準備期間等を踏まえながら、最も早い施行時期はいつかということを検討させていただきまして、令和十年四月から新制度を開始するということにさせていただいたところでございます。
財務省といたしましても、この令和十年四月の施行に向けて、新制度の対象となる事業者の方々に必要な準備が着実に行われるよう、関係機関とも緊密に連携しながら取り組んでまいりたいと思っております。
○廣光政府参考人 お答えいたします。
関税の少額免税制度につきましては、少額輸入貨物に関連する課税制度の見直しの一環として、関税・外国為替審議会等でも有識者に御議論をいただいてきたところでございます。
仮に関税の少額免税制度を廃止した場合には、委員御指摘がありましたとおり、国内産業保護機能の強化につながるほか、国内外の事業者間の競争上の不均衡の是正や課税の中立性が確保される面があるものと考えております。
一方で、関税は物の種類や原産地によって適用される関税率が異なることから、関税の少額免税制度を廃止した場合には、輸入許可件数の九割以上を占める課税価格の合計額が一万円以下の貨物につきまして、物の種類等を確認し、適用される関税率を確定する業務が通関業者や税関において新たに発生することになります。これにより、迅速な通関の実施に影響が生じ、円滑な物流に支障を来すことで、消費者の利便性が損なわれるおそれもあると考えられます。
これらの観点を踏まえつつ、関税の少額免税制度の見直しにつきましては、引き続き検討を行ってまいります。
以上です。
○木下委員 できるだけ早く穴を塞いでいただいて、日本国内のEC企業を守っていただきたいと思います。
時間になりましたので、終わります。ありがとうございました。
○國場委員長 次に、宇佐美登君。
○宇佐美委員 ありがとうございます。チームみらいの宇佐美登でございます。
本日も質問の機会をいただき、誠にありがとうございます。
まず最初に、最新の中東情勢について大臣にお伺いしたいと思います。
昨日、緊急記者会見を茂木大臣にしていただいておりますけれども、ホルムズ海峡をタンカーが通過しましたよということでございます。政府としては企業名とかを言えないということですけれども、もうメディアでは載っているとおり、ENEOSさんのタンカーなんですけれども、社長が政府関係者の尽力に深く感謝というコメントも、おっしゃっているとおりでございます。
これは、聞き及ぶに、高市総理、そして茂木外務大臣、さらには、今日ここにもいらっしゃるかと思います、またこれを聞いてくださっている外務省の、また、省庁を超えて、政府皆さんの御努力だと思っております。心より敬意を表したいと思います。
この点も含めて、日本関係船舶の通航安全の現状、さらには米国とイランの主張に大きな隔たりもある中で、日本として最善を尽くしていただいていると思っておりますけれども、外務大臣、茂木さんの見解をお伺いしたいと思います。お願いします。
○茂木国務大臣 まず、御指摘のペルシャ湾に滞留をしております日本関係船舶の状況につきましては、四月の二十九日、そして御指摘の、昨日の午後でありましたが、日本関係船舶のホルムズ海峡通過が実現できたわけであります。
これを行うに当たりましては、イランに対して、首脳、外相レベルを始め、あらゆる機会を通じて直接の働きかけであったりとか、現地の塚田大使を始め、様々な調整を行ってきたところであります。国土交通省を始め関係の省庁とも連携をして取り組んできましたが、正直言って相当大変だった、これは間違いないところであります。
ただ、ペルシャ湾内には今もなお、日本人三名が乗船する船舶一隻を含めまして、三十九隻の日本関係船舶が残っております。今のところ日本人の乗務員は三名ということになっておりますが、いずれにしても、そういった船舶も含めまして、全ての船舶の一日も早いホルムズ海峡の通過の実現に向けて、あらゆる外交努力、調整を積極的に続けていきたいと思っております。
世界地図で見ますと本当に狭いというか小さなホルムズ海峡が、実質的に通過できない、こういう状況によって、原油だけではなくて、ナフサを含め、様々なものが供給できない。それによって、医療の現場であったりとか、様々なプラスチック製品を始め、国民生活にもいろいろな形で不安というのも広がっているのも事実であります。今、しっかり代替の調達も含めて原油等の確保に努めているところでありますけれども、まさに外交というもの、そして国際秩序の安定というものが国民の生活に極めて密接に関わっているんだな、ホルムズ海峡、ふだん多くの国民がそんなに意識をしないところの状況が、国民生活そのものに影響しているんだなと。
今、地方ですと、ごみ袋、ごみのプラスチックの袋ですけれども、有料なんですけれども、これが足りない、こういった状況も生まれているようでありまして、こういった中で、我々の仕事も国民生活に関わっているんだ、こういう強い思いを持ちながら、また邦人の救出も含めて努めていきたいと考えております。
そして、今の交渉の状況でありますけれども、宇佐美委員も御案内のとおり、一九七九年のイラン革命以来四十七年ということになるわけでありまして、もう相当長い間の対立というのがあるわけでありますが、事態の鎮静化に向けて、日本としても外交努力を続けていきたいと思っております。
もちろん、三月の日米首脳会談の際にも、事態の早期鎮静化が必要である、こういったことは率直に日本の考え方を伝えさせていただいたところでありますし、イランに対しても、長年の関係を生かして、私自身、アラグチ外相とは五回、先週は、私がケニアにいるときに、電話したいというので、ケニアから電話会談をやったところでありますけれども、五回電話会談を行いまして、高市総理とペゼシュキアン大統領の間でも二回の電話会談というのを行っております。
日本としては、引き続き、米国とイランの協議の再開、さらには、パキスタンも相当頑張ってくれている、こういった仲介国の努力、こういったものを後押ししながら、国際社会と緊密に連携をして、できる限りの外交努力を続けてまいりたいと考えております。
○宇佐美委員 ありがとうございます。
本当にふだんから激務でいらっしゃる茂木大臣ですけれども、更にこの数か月は、職員の皆さんを含めて、寝る暇も本当に少ない中での御活躍に、心より感謝と敬意を申し上げたいと思います。
一方で、先ほど、私の隣の席の木下議員とも話していたんですが、私の周りもそうですし、木下さんも、若しくは各選挙区、地元の皆さんたちからも、先ほどのごみ袋の話もそうなんですけれども、左官屋さんで、御親族にいて、塗料がなくて困っているとか、私も、大田区の建設組合の皆さんからも、この前までは企業同士で融通していたけれども六月になるともうない、仕事は依頼は来ているのに材料がなくてできない、困っているんだと。
テレビを見ると、若しくはメディアだと、もうそこは何とか解消していますという話があるんですが、現実は皆さん方の選挙区の方々からゴールデンウィークも通じてお声を聞いているとおりで、本当にいろいろなところで困っているというのも事実ですので、今後とも、外務大臣を筆頭に、皆様の御努力を心よりお願いしたいと思います。
さて、今度は、今回の法案の一つでございます、その一角であります万国郵便連合、UPU関連についてお話を、質問をさせていただきたいと思います。
新幹線もそうなんですけれども、郵便の仕組みも本当に世界に誇るべき仕組みの一つになっていると私は思っています。この海外展開を支援しているわけでございますけれども、これまでの取組とその成果、そして我が国の経済成長にどうつながったのかということを、総務省参考人からお答えいただきたいと思います。
○牛山政府参考人 お答え申し上げます。
総務省では、我が国の郵便に関連する優れた技術、システムの提供を通じ、新興国、途上国における郵便の改革を支援する取組を進めてございます。
その結果、例えばベトナムにおきましては、総務省が日本企業と連携して働きかけた結果として、日本郵便がベトナム郵便から二〇一五年から五期にわたりコンサルティング契約を受注したほか、ホーチミンの新区分局に日本企業製の区分機が納入されるなどの成果が上がってきているところでございます。
郵便分野における海外展開は、日本郵便を含む様々な日本企業が新たな市場に進出することにつながり、その結果、我が国の経済成長につながるものと認識してございます。
総務省といたしましては、引き続き、日本型郵便インフラシステムの海外展開を推進してまいりたいと考えております。
○宇佐美委員 ありがとうございます。
どんどんどんどん、お手伝いいただきながら、コンサルティングをやっているわけでございますので、日本のシステムはいいよと言ったら、今度はナンバーの読み取り装置とか区分装置とかそういったもの、日本のすばらしいメーカーたちがいらっしゃるわけですから、その皆さんたちをもっとうまく応援してください。是非お願い申し上げたいと思います。
そして、三つ目の質問ですけれども、またがらっと変わりまして、先日、四月十日の本委員会で、多分日本の国会では初めて、私、アンソロピックの最新AIのクロード・ミュトスのお話をさせていただきました。以後、我々チームみらいの仲間たち、安野党首を含めて、各委員会でこのAIの問題、非常に脅威なんだということをお伝えさせていただいております。
そんな中で、一秒でも早い対応というものを我々は要請してきましたが、今月十二日に、高市総理から対策検討の指示が出されたと聞き及んでいます。
この対応速度は、これまでの日本の政府の流れを見ていけば、遅くはない方なんだと思います。ただ、今回のような本当に危機、脅威ということを考えたときには、この対応速度は私は極めて危ういんだと思っております。例えば、他の国では、約一週間ぐらいで対応をしてアンソロピック及び米国との交渉を始めたりしているんですね。
そんな中で、例えば金融については、昨日、作業部会というものも行われたと聞いておりますけれども、まず、全体として、最新AIへのアクセス権の有無、そして、国家の安全保障及び経済協力の決定的な格差を生むと考えられる中で、事前審査、早期アクセスの枠組みに同盟国である我々日本が参画する、あるいは同様の特権的アクセスを確保する交渉はどうなっているのかということを、NCOの方からお答えいただきたいと思います。
○関口政府参考人 お答えいたします。
AI技術は急速に進展、普及してございまして、サイバー攻撃にAIが悪用されることで、攻撃のスピード、規模が劇的に増加するなど、サイバーセキュリティーにおける脅威に直面している状況であると認識してございます。その中で、より性能の高いAIをサイバーセキュリティー対策に活用することで、我が国の更なるサイバー対処能力の強化が期待できます。
このため、先月、アンソロピック社がミュトスを公表して以降、国家サイバー統括室は、関係省庁とも連携しながら、関係企業や外国政府機関との情報交換を始め、迅速に取り組んできたところでございますが、我が国のサイバー安全保障に係るやり取りでございますので、その詳細を申し上げることは差し控えさせていただきます。
また、先日、総理から御指示がございましたが、その御指示を踏まえて、AI性能の高度化を踏まえた政府全体としてのサイバーセキュリティー対策の具体化、実施を早急に進めることとしてございます。今朝、松本サイバー安全保障担当大臣が公表されましたとおり、週明け十八日の月曜に関係省庁会議が開催され、対策パッケージについて議論が行われる予定でございます。
いずれにしましても、フロンティアAIモデルによるサイバーセキュリティー性能が向上する中においても、国民の皆様や民間企業の皆様の安全、安心が確保されるように、全力を挙げて対応してまいります。
○宇佐美委員 ありがとうございます。
今日、大臣が、そういうお話がありましたけれども、やはり人が足りていないですよね、NCOさんは多分。全体としても人が足りないので、是非、与党の皆さんたちも聞いていらっしゃるかと思うので、ちょっと人の増員、民間も含めてですね、一刻も早くしないと本当に更なる大きな脅威になっていくので、共に、与野党を超えて、国家のために努力をさせていただきたいと思っています。
その中でも、特に金融業界においてはミュトスの脅威は大きいと存じております。そんな中で、金融庁の現在の対応、今後の方針について、昨日の作業部会を含めてお答えいただきたいと思います。
○大城政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のクロード・ミュトス・プレビューを始めとする最先端AIモデルの脅威やその対応につきまして、金融庁では、四月二十四日、片山金融担当大臣の主宰により、AI脅威に対する金融分野のサイバーセキュリティー対策強化に関する官民連携会議を開催いたしました。
また、昨日、五月十四日でございますけれども、金融業界、IT事業者及び政府等が共通の理解を持ち、先を見据えた対応を検討していくため、実務者レベルの作業部会も開催したところでございます。この作業部会におきましては、AIの進展が金融分野にもたらす脅威を踏まえ、脆弱性情報の把握からパッチ適用までの迅速化でありますとか、インシデント発生時の備えなど、金融機関において取り組むべき実務的課題について議論を行ったところでございます。
AIの技術動向や脅威の変化が極めて速いことを踏まえまして、今後も、引き続き、政府全体の取組とも連携をしつつ、また、作業部会の参加組織等との間で機動的かつ継続的なコミュニケーションを行いながら、スピード感を持って対応してまいる所存でございます。
○宇佐美委員 これもマスコミ報道ですけれども、三メジャー銀行はミュトスを使えますよという、アクセス権を得たというような報道もありますけれども、今、ネット銀行が利用率もすごく高くなっていくわけでございますので、三メジャー銀行以外も、いち早くこのミュトスを使って、自分たちのシステムが問題ないかということをしっかりとチェックできるような仕組み、是非、金融庁さんの方の御努力もお願い申し上げたいと思います。
さて、最後の質問ですけれども、今申し上げたように、クロード・ミュトスの衝撃は、単なるITの進化ではありません。サイバー空間における、誤解を恐れずに言えば、核の出現に等しいと私は思っていますし、そういう形のニュースが世界で流れております。
物理的なホルムズ海峡の封鎖と同様に、AIによる金融インフラ網の沈黙は、一瞬にして我が国を麻痺させるということになります。そんな中で、やはり米国とのアーリーアクセス交渉は、もはや単なる技術協力ではなく、二十一世紀の日米の相互防衛の要だと私は思っております。
技術的な隷属を避け、そして対等な同盟国としてこのフロンティアを共にリードしていく、そのための外務大臣としての戦略的覚悟、そして、あわせて、これは世界中の話ですから、サイバー安全保障の政府方針という意味で、茂木大臣よりお答えいただきたいと思います。
○茂木国務大臣 委員が先ほどから御指摘をいただいております新しい技術、まさに技術的なクオンタムジャンプということになるんだと思います。それは、マイナス面も大きいわけでありますが、一方でプラス面もあるということで、それをどうマネージしていくかという観点が極めて重要だと思っております。同時に、スピード感を持ってやっていかなければならない。
サイバー安全保障分野において、日米間でも、日米サイバー対話等を通じまして、サイバー分野の二国間協力であったり、悪意のあるサイバー活動への対応のための議論を深めているところでありまして、引き続き、この分野における日米協力を着実に進めて、日米同盟の抑止力、対処力の強化にもつなげていきたいということを考えております。
加えまして、サイバーの脅威には、どの国も一国だけで対応するということはできないわけでありまして、自国の体制、能力の強化とともに、同盟国、同志国と連携して対応していくことが必要だと考えております。
こういった観点から、外務省として、情報収集、分析の強化、攻撃者の特定とその公表、さらには、法の支配を推進するための国際的なルールの形成、さらには、開発途上国、こういった国々でのサイバーセキュリティーを強化するための能力構築の支援にも取り組んでいきたいと思っております。
引き続き、我が国はサイバー対処能力強化の観点からも必要な対応を進めていきたいと思っておりますし、どううまく使っていくか、しかも、変化が激しいですから、スピード感を持ってどう対応していくかということが極めて重要だと思っております。
○宇佐美委員 ありがとうございました。
今でも激務の中、恐縮ですけれども、この点についても御尽力いただきますようお願い申し上げて、質問を終わります。
ありがとうございました。
○國場委員長 これにて各件に対する質疑は終局いたしました。
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○國場委員長 これより各件に対する討論に入るのでありますが、その申出がありませんので、直ちに採決に入ります。
まず、所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とキルギス共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件について採決いたします。
本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○國場委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。
次に、環境保護に関する南極条約議定書の附属書6の締結について承認を求めるの件について採決いたします。
本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○國場委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。
次に、国際民間航空条約第五十条(a)の改正に関する二千十六年十月六日にモントリオールで署名された議定書及び国際民間航空条約第五十六条の改正に関する二千十六年十月六日にモントリオールで署名された議定書の締結について承認を求めるの件について採決いたします。
本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○國場委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。
次に、万国郵便連合憲章の第十二追加議定書、万国郵便連合一般規則の第四追加議定書、万国郵便連合一般規則の第五追加議定書、万国郵便条約の第一追加議定書及び万国郵便条約の第二追加議定書の締結について承認を求めるの件について採決いたします。
本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○國場委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。
お諮りいたします。
ただいま議決いたしました各件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○國場委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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〔報告書は附録に掲載〕
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○國場委員長 次回は、来る二十二日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後二時一分散会

