第1号 平成31年3月6日(水曜日)
本国会召集日(平成三十一年一月二十八日)(月曜日)(午前零時現在)における本委員は、次のとおりである。委員長 武藤 容治君
理事 伊東 良孝君 理事 小島 敏文君
理事 齋藤 健君 理事 野中 厚君
理事 細田 健一君 理事 亀井亜紀子君
理事 近藤 和也君 理事 稲津 久君
池田 道孝君 泉田 裕彦君
稲田 朋美君 今枝宗一郎君
上杉謙太郎君 加藤 寛治君
金子 俊平君 木原 稔君
木村 次郎君 小寺 裕雄君
斎藤 洋明君 坂本 哲志君
西田 昭二君 福山 守君
藤井比早之君 藤原 崇君
古川 康君 宮路 拓馬君
山本 拓君 石川 香織君
大串 博志君 金子 恵美君
神谷 裕君 佐々木隆博君
長谷川嘉一君 堀越 啓仁君
関 健一郎君 緑川 貴士君
濱村 進君 田村 貴昭君
森 夏枝君
平成三十一年三月六日(水曜日)
午後零時十分開議
出席委員
委員長 武藤 容治君
理事 伊東 良孝君 理事 小島 敏文君
理事 野中 厚君 理事 細田 健一君
理事 亀井亜紀子君 理事 近藤 和也君
理事 稲津 久君
池田 道孝君 泉田 裕彦君
稲田 朋美君 今枝宗一郎君
上杉謙太郎君 加藤 寛治君
金子 俊平君 木原 稔君
木村 次郎君 小寺 裕雄君
斎藤 洋明君 坂本 哲志君
繁本 護君 西田 昭二君
福山 守君 藤井比早之君
藤原 崇君 古川 康君
宮路 拓馬君 石川 香織君
金子 恵美君 神谷 裕君
佐々木隆博君 長谷川嘉一君
堀越 啓仁君 源馬謙太郎君
関 健一郎君 濱村 進君
田村 貴昭君 森 夏枝君
…………………………………
農林水産大臣 吉川 貴盛君
農林水産副大臣 小里 泰弘君
農林水産大臣政務官 濱村 進君
農林水産委員会専門員 梶原 武君
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委員の異動
三月六日
辞任 補欠選任
山本 拓君 繁本 護君
緑川 貴士君 源馬謙太郎君
同日
辞任 補欠選任
繁本 護君 山本 拓君
源馬謙太郎君 緑川 貴士君
―――――――――――――
一月二十八日
主要農作物種子法案(後藤祐一君外八名提出、第百九十六回国会衆法第一三号)
国有林野事業に従事する職員の労働関係を円滑に調整するための行政執行法人の労働関係に関する法律の一部を改正する法律案(佐々木隆博君外四名提出、第百九十六回国会衆法第一八号)
国有林野事業に従事する職員の給与等に関する特例法案(佐々木隆博君外四名提出、第百九十六回国会衆法第一九号)
畜産経営の安定に関する法律及び独立行政法人農畜産業振興機構法の一部を改正する法律案(佐々木隆博君外六名提出、第百九十六回国会衆法第二三号)
農業者戸別所得補償法案(長妻昭君外六名提出、第百九十六回国会衆法第三三号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
国政調査承認要求に関する件
農林水産関係の基本施策に関する件
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○武藤委員長 これより会議を開きます。
国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。
農林水産関係の基本施策に関する事項
食料の安定供給に関する事項
農林水産業の発展に関する事項
農林漁業者の福祉に関する事項
農山漁村の振興に関する事項
以上の各事項について、実情を調査し、その対策を樹立するため、本会期中調査をいたしたいと存じます。
つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○武藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
――――◇―――――
○武藤委員長 農林水産関係の基本施策に関する件について調査を進めます。
この際、農林水産大臣から所信を聴取いたします。農林水産大臣吉川貴盛君。
○吉川国務大臣 農林水産委員会の開催に当たりまして、農林水産行政に関する基本的な考え方について申し述べます。
人口減少に伴うマーケットの縮小、農林漁業者の減少、高齢化の進行、グローバル化のさらなる進行など、国内外で大きな環境変化が生じており、我が国の農林水産業は転換期を迎えています。
このような中で、国の基である農林水産業を次世代に継承するためには、時代の変化を見通して、常にフロンティアを見出し、新たな挑戦を進めることにより、農林水産業を若者が夢や希望を託すことができる魅力ある成長産業としていかなければなりません。
安倍内閣においては、農林水産業の有する潜在力を最大限に引き出すため、さまざまな改革に挑戦してきました。これにより、生産農業所得が過去十九年で最高に達するとともに、農林水産物、食品の輸出額が六年連続で過去最高を更新するなど、成果が着実にあらわれ始めています。
意志あれば道あり。改革の成果をしっかりと生産現場に根づかせ、農林漁業者の努力が報われる産業とするという信念のもと、現場主義を貫き、現場の声に真摯に向き合いながら、更に攻めの農林水産業を展開してまいります。
以下、具体的な施策を申し述べます。
まず、農業についてです。
農業者の減少、高齢化が進行するとともに、農地が減少する中、農業を持続可能なものとするためには、担い手に農地を集積、集約していくことが不可欠です。担い手に対する農地の利用集積率を二〇二三年度までに八割に引き上げるという目標の達成に向け、農地バンクの手続を簡素化するとともに、農地バンクとJA、農業委員会などの地域の関係組織とが一体となって推進する体制を構築するための関連法案を今国会に提出いたしましたので、御審議をお願いいたします。
農業の競争力強化と農村の国土強靱化を実現するため、農地の大区画化、汎用化や農業水利施設の長寿命化等を推進します。特に、ため池については、農業用水の供給機能の確保を図りつつ、決壊による水害等の被害の防止を図る観点から、施設の所有者、管理者や行政機関の役割分担を明らかにし、ため池の適正な管理及び保全が行われる体制を整備するための関連法案を今国会に提出いたしましたので、御審議をお願いいたします。
農業者の所得向上を実現するためには、農業者が一円でも安く生産資材を調達し、一円でも高く農産物を販売できる環境を整備する必要があります。引き続き、生産資材業界や流通加工業界の再編、参入を促進するとともに、各種法制度の不断の点検を推進します。
米政策については、行政による生産数量目標の配分を廃止し、農業者がみずからの経営判断で作物をつくれる環境を整備してまいりました。また、飼料用米、麦、大豆等の需要のある作物の生産振興を進めてまいりました。平成三十一年度産米についても、引き続き、水田フル活用や農業再生協議会の業務運営に対する支援を行うとともに、きめ細かな情報提供、事前契約等の安定取引の拡大に向けた働きかけ等を行ってまいります。
農協については、各地で肥料、農薬等の価格引下げや農産物の販路の開拓など、農業者の所得向上に向けた取組が見られるようになってきました。農林水産省としても、自己改革を促す立場から、このような動きを引き続きサポートしてまいります。
農業従事者の減少が見込まれる中、農業の生産性を飛躍的に発展させるためには、機械メーカーやITベンダー等と農業者が連携して、発展著しいロボット、AI、IoT、ドローン等のスマート農業に活用できる新たな技術を生産現場に積極的に導入していくことが不可欠です。このため、本年夏までに農業新技術の現場実装推進プログラムを策定し、新技術の現場実装を強力に進めてまいります。
中山間地域を始め美しい農山漁村を次世代に継承していくためには、棚田など地域の豊かな資源を最大限に活用し、地域に仕事をつくり、人を呼び込むことで、その活力を向上させることが必要です。このため、日本型直接支払制度による支援や、特色ある農林水産物を生かした六次産業化の展開、都市と農山漁村との交流やインバウンド需要の呼び込みを促進する農泊の推進、鳥獣被害対策やジビエの利活用など、地域を元気にする取組を総合的に推進してまいります。
農福連携は、障害者の皆さんに農業で活躍してもらい、自信や生きがいを持って社会に参画していただくための取組です。農業分野の働き手の確保につながり、共生社会の実現にも貢献するものであり、今後の農業政策の中心に据えて展開すべき取組です。今後、農福連携を国民運動として強力に推進するための方策を検討してまいります。
食の安全と消費者の信頼を確保するため、科学的根拠に基づく食品の安全性確保と正確な情報伝達による消費者の信頼確保に取り組むとともに、動植物の防疫措置等に万全を期してまいります。
特に、豚コレラについては、関係省庁の協力も得て、発生農場の飼養豚について殺処分、埋却等迅速かつ徹底した防疫措置を講じるとともに、さらなる発生や蔓延を防止するため、国が陣頭指揮をとりながら、飼養衛生管理基準の遵守の徹底、発生農場に関連する農場に対する移動制限や監視の強化を行ってまいります。また、野生イノシシ対策として、国内で初めてワクチンの散布に取り組むとともに、防護柵の増設、捕獲活動の強化等を実施してまいります。
TPP11や日・EU・EPAの発効は、おいしくて安全な我が国の農林水産物の輸出を拡大するチャンスをもたらします。このチャンスを最大限活用して、今年の輸出額一兆円目標の確実な達成とその先のさらなる輸出拡大を実現するため、輸出診断やネットワーキングイベントの開催等の支援活動を更に強化するとともに、輸出先国による規制の撤廃、緩和に向けた働きかけ等を行ってまいります。
TPP11や日・EU・EPAの国内対策については、農林漁業者の皆さんの不安にもしっかりと向き合い、総合的なTPP等関連政策大綱に基づき、体質強化対策及び経営安定対策を着実に実施してまいります。
日米物品貿易協定については、日米共同声明において、「農林水産品について、過去の経済連携協定で約束した市場アクセスの譲許内容が最大限である」との日本側の立場が明記され、首脳間で確認されました。これを大前提として、将来にわたって我が国の農林水産業の再生産が確保されるよう、最大限の努力をしてまいります。
本年五月には、私が議長となってG20農業大臣会合を新潟で開催します。この会合は、我が国のハイレベルな農業技術や高品質な農産物等を国内外にアピールする絶好の機会です。この機会を最大限活用して、我が国の先進的な取組等を積極的に発信するとともに、率直な意見交換を行い、各国の課題解決につなげていけるよう、リーダーシップを発揮してまいります。
次に、林業と水産業について申し述べます。
林業改革は、いよいよ本格的な実行段階に入ります。
新たな森林管理システムを本年四月から稼働させ、民有林の経営管理を意欲と能力のある林業経営者に集積、集約いたします。
このような林業経営者を育成するためには、安定的な事業量を確保することが必要です。このため、国有林において、公的機能の維持増進や地域の産業振興等を条件に、こうした林業経営者が一定区域で長期安定的に立木の伐採を行うことができる仕組みを創設してまいります。さらに、林業経営者と川中、川下事業者が連携して行う木材需要を拡大させる取組に対する資金供給の円滑化を図る仕組みを構築してまいります。これらの取組を推進するための関連法案を今国会に提出いたしましたので、御審議をお願いいたします。
水産改革については、水産資源の適切な管理と水産業の成長産業化を両立させるため、数量管理を基本とする新たな資源管理システムを導入するとともに、漁業の許可、免許などの漁業生産に関する基本的制度を見直す漁業法等の改正法案が昨年の臨時国会で成立いたしました。この改革を後押しするため、三千億円を超える予算で、新しい漁船や漁具の導入など、浜の皆さんの生産性向上への取組を支援してまいります。全国の浜に直接伺い、改革の内容を丁寧に説明しながら、水産業を若者にとってやりがいのある魅力的な成長産業とするため、水産政策を総動員してまいります。
また、我が国は、本年七月から、適切な資源管理のもと、我が国領海と排他的経済水域内で三十年ぶりに商業捕鯨を再開することとし、本年六月末に、機能不全に陥っている国際捕鯨委員会から脱退いたします。
科学的根拠に基づく水産資源の持続的利用を大方針として推進してまいります。
東日本大震災から八年、熊本地震から三年がたちます。また、昨年には、大阪北部地震、平成三十年七月豪雨、台風二十一号、北海道胆振東部地震、台風二十四号など、数多くの災害が発生しました。被災された農林漁業者の方々が一日も早く経営再開し、単なる復旧にとどまらない、将来を見据えた復興、創生を実現できるよう、全力で取り組んでまいります。さらに、災害に対して強靱な農山漁村をつくり上げるため、防災や国民経済、生活を支える重要インフラ等の機能を維持する観点から、特に緊急に実施すべきハード、ソフト対策を三年間で集中的に実施してまいります。
以上、私の基本的な考え方を申し上げました。
若者がみずからの未来を託すことができる農林水産新時代を切り開いていくため、更に攻めの農林水産業を展開し、強い農林水産業と美しく活力ある農山漁村を実現する。そのことを通じて、食料自給率を向上させ、食料安全保障の確立を図ってまいります。
武藤委員長を始め委員各位に、重ねて御指導、御鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
○武藤委員長 次に、平成三十一年度農林水産関係予算の概要及び豚コレラの概要及び今後の対策について説明を聴取いたします。農林水産副大臣小里泰弘君。
○小里副大臣 平成三十一年度農林水産予算の概要を説明申し上げます。
平成三十一年度農林水産予算の総額は、関係府省計上分を含めて、二兆四千三百十五億円、その内訳は、公共事業費が八千百六十六億円、非公共事業費が一兆六千百四十九億円となっております。農林水産予算の編成に当たりましては、強い農林水産業と美しく活力ある農山漁村を実現するため、農林水産業・地域の活力創造プランに基づく改革等を実行するのに必要な予算を重点的に措置したところであります。
以下、予算の重点事項について説明申し上げます。
第一は、担い手への農地集積、集約化等による構造改革の推進であります。
農地中間管理機構による担い手への農地集積、集約化を、人・農地プランの実質化等を通じて更に加速化するとともに、農地利用の最適化に向けた農業委員会の積極的な活動を支援してまいります。また、農業の働き方改革を推進するとともに、多様な担い手の育成、確保に向けた支援を実施してまいります。
第二は、水田フル活用と経営所得安定対策の着実な実施であります。
米政策改革の定着に向けて、飼料用米、麦、大豆等の戦略作物の本作化や高収益作物への転換を進めていくとともに、TPP11や日・EU・EPAの発効も踏まえて、経営所得安定対策を着実に実施してまいります。また、収入保険制度の実施に必要な措置等を講じてまいります。
第三は、強い農業のための基盤づくりとスマート農業の実現であります。
農地の大区画化、汎用化や、老朽化した農業水利施設の長寿命化、耐震化対策等を進めるとともに、農業用機械、施設の導入を農業経営体の規模に応じ切れ目なく支援してまいります。また、TPP11や日・EU・EPAの発効も踏まえて、畜産、酪農の経営安定対策を着実に実施するとともに、先端技術を活用した最先端のスマート農業の全国展開を加速化するための技術開発、実証を進めてまいります。
第四は、農林水産業の輸出力強化と農林水産物、食品の高付加価値化であります。
本年の輸出額一兆円目標の確実な達成に向けて、JFOODOによる輸出先国への重点的、戦略的なプロモーション活動や、グローバル産地の形成等を推進するとともに、輸出促進に資する動植物検疫等の環境整備を進めてまいります。また、日・EU・EPAに基づくGIの相互保護等に向けたGI産品の普及啓発など知的財産、規格、認証を戦略的に推進してまいります。
第五は、食の安全、消費者の信頼確保であります。
国産農畜水産物の安全性の向上や薬剤耐性対策を推進するとともに、家畜の伝染病や農作物の病害虫の発生予防等に取り組んでまいります。特に、豚コレラに対しましては、徹底した防疫措置や蔓延防止等の万全の対策を講じてまいります。
第六は、農山漁村の活性化であります。
農山漁村における所得の向上を図るため、経営規模の大小にかかわらず意欲的な取組を後押ししていくこととし、中山間地の特色を生かした多様で豊かな農業の実現や、地域コミュニティーによる農地等の地域資源の維持、継承等に向けた総合的な支援を行ってまいります。また、障害者の皆さんに農業で活躍していただくための農福連携や農山漁村の所得向上を図る農泊等の取組を推進してまいります。このほか、多面的機能支払交付金など日本型直接支払いを着実に実施するとともに、鳥獣被害対策とジビエ利活用の推進に向けた取組を講じてまいります。
第七は、林業の成長産業化と生産流通構造改革の推進であります。
本年四月に施行される森林経営管理法に基づく新たな森林管理システムを推進するため、森林の経営管理を集積、集約する地域や意欲と能力のある林業経営者に対し、間伐や路網整備等の森林整備や機械導入を集中的に支援するほか、川上から川下までの連携等による流通コストの削減を進めてまいります。また、激甚化する災害に対応するため、治山事業により山地防災力を強化してまいります。
第八は、水産改革を推進する新たな資源管理と水産業の成長産業化であります。
水産業の基礎である水産資源の持続的な利用を図るため、新たな資源管理システムの構築を進めるとともに、資源管理を強化する中で漁業の成長産業化を図るため、浜の構造改革に必要な漁船、漁具等のリース方式による導入や水産バリューチェーンの構築等を支援してまいります。また、水産改革と一体で水産資源を守るための外国漁船対策や多面的機能の発揮対策に引き続き取り組んでまいります。さらに、漁港機能の再編、集約化や漁港施設の有効活用等を促進するための水産基盤整備を推進してまいります。
第九は、重要インフラの緊急点検等を踏まえた防災、減災、国土強靱化のための緊急対策であります。
平成三十一年度予算の臨時特別の措置として、ため池や治山施設等の農林水産分野の重要インフラの緊急点検結果等を踏まえた防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策を集中的に実施してまいります。
次に、特別会計については、食料安定供給特別会計等に所要の予算を計上しています。
最後に、財政投融資計画については、株式会社日本政策金融公庫による財政融資資金の借入れなど、総額五千三百七十九億円となっております。
以上で、平成三十一年度農林水産予算の概要の説明を終わります。
続きまして、岐阜県等において発生している豚コレラについて、現状と対応方向について説明申し上げます。
昨年九月、国内では二十六年ぶりに患畜が確認された豚コレラは、これまでに岐阜県及び愛知県内で計十例、関連農場を含め五府県において発生が確認されており、その概要は資料一ページのとおりであります。発生農場における発生に伴う防疫措置は二月二十四日までに全て終了しており、発生農場と屠畜場や出入りする車両等が共通する農場について、豚の移動制限や異状が確認された場合の報告徴求を行うなど、監視を継続しているところであります。
現在までの発生事例については、疫学調査チームの報告等によれば、資料三ページからの結果概要にあるとおり、飼養衛生管理基準の遵守がなされていたとは言えない部分もあると指摘されております。
このため、現地対策本部を設置して、岐阜県等の養豚場に対し、国が主導して飼養衛生管理基準の遵守状況の再確認と改善指導を進めているところであり、さらには、資料五ページにありますように、先月二十六日に取りまとめた今後の対応の中で、監視対象農場への定期的な立入検査、飼養衛生管理基準の遵守徹底のための全都道府県を対象としたチェックシートによる指導、特定の症状を発見した際の早期通報について法令上の義務化等の発生予防、蔓延防止対策を講じております。
また、発生農場などに対する経営再開支援の充実を行っているほか、資料八ページにあるとおり、野生イノシシによるウイルス拡散防止を徹底するため、岐阜県及び愛知県の一部において、囲い込みのための防護柵を設置するとともに、野生イノシシ向け経口ワクチンの使用を決定したところであります。
一方、資料九ページ以降にあるとおり、日本を取り巻くアジアの国々では、従前より豚コレラや口蹄疫が発生していますが、昨年よりアフリカ豚コレラが中国で発生、拡大しており、我が国への侵入リスクが高まっている状況であります。
このような状況から、養豚場での飼養衛生管理基準の遵守の一層の徹底を図るとともに、水際対策のさらなる強化のため、資料十二ページにある、検疫探知犬の臨時的増頭、家畜防疫官の重点配置等による畜産物の持込み禁止、広報活動の強化、航空会社等への協力依頼を行っております。
何としても、これ以上の感染拡大を防ぎ、養豚農家の方々に一日も早く安心していただくことができるよう、農林水産省が主導して、各府省、各自治体と一層緊密に連携をしながら防疫措置を徹底してまいる所存であります。
○武藤委員長 以上で説明は終わりました。
次回は、明七日木曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後零時三十七分散会