第6号 令和元年11月12日(火曜日)
令和元年十一月十二日(火曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 吉野 正芳君
理事 池田 道孝君 理事 齋藤 健君
理事 武部 新君 理事 谷 公一君
理事 細田 健一君 理事 石川 香織君
理事 近藤 和也君 理事 濱村 進君
泉田 裕彦君 稲田 朋美君
今枝宗一郎君 上杉謙太郎君
大西 宏幸君 金子 俊平君
神谷 昇君 木村 次郎君
小寺 裕雄君 坂本 哲志君
笹川 博義君 杉田 水脈君
高鳥 修一君 永岡 桂子君
西田 昭二君 野中 厚君
福山 守君 古川 康君
宮腰 光寛君 宮路 拓馬君
簗 和生君 大串 博志君
神谷 裕君 後藤 祐一君
佐々木隆博君 佐藤 公治君
長谷川嘉一君 広田 一君
松田 功君 緑川 貴士君
石田 祝稔君 田村 貴昭君
森 夏枝君
…………………………………
農林水産大臣 江藤 拓君
農林水産副大臣 伊東 良孝君
内閣府大臣政務官 神田 憲次君
外務大臣政務官 中山 展宏君
農林水産大臣政務官 河野 義博君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 大角 亨君
政府参考人
(外務省大臣官房審議官) 飯島 俊郎君
政府参考人
(農林水産省大臣官房総括審議官) 浅川 京子君
政府参考人
(農林水産省大臣官房総括審議官) 光吉 一君
政府参考人
(農林水産省消費・安全局長) 新井ゆたか君
政府参考人
(農林水産省生産局長) 水田 正和君
政府参考人
(林野庁長官) 本郷 浩二君
農林水産委員会専門員 梶原 武君
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委員の異動
十一月七日
辞任 補欠選任
広田 一君 重徳 和彦君
同日
辞任 補欠選任
重徳 和彦君 広田 一君
同月十二日
辞任 補欠選任
西田 昭二君 杉田 水脈君
宮路 拓馬君 大西 宏幸君
青山 大人君 後藤 祐一君
亀井亜紀子君 松田 功君
同日
辞任 補欠選任
大西 宏幸君 宮路 拓馬君
杉田 水脈君 西田 昭二君
後藤 祐一君 青山 大人君
松田 功君 亀井亜紀子君
―――――――――――――
十一月十二日
肥料取締法の一部を改正する法律案(内閣提出第六号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
農林水産関係の基本施策に関する件
――――◇―――――
○吉野委員長 これより会議を開きます。
農林水産関係の基本施策に関する件について調査を進めます。
この際、お諮りいたします。
本件調査のため、本日、政府参考人として農林水産省大臣官房総括審議官浅川京子君、大臣官房総括審議官光吉一君、消費・安全局長新井ゆたか君、生産局長水田正和君、林野庁長官本郷浩二君、内閣官房内閣審議官大角亨君及び外務省大臣官房審議官飯島俊郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○吉野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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○吉野委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。金子俊平君。
○金子(俊)委員 おはようございます。自由民主党の金子でございます。
本日は、質問の機会を賜りました。委員長また理事、委員会の皆様方には御礼を申し上げさせていただきます。
また、大臣を筆頭に政務三役の皆様方、林野庁の皆様方、それぞれ最後までどうぞおつき合いのほど、よろしくお願いを申し上げます。
日本の国土に占める森林の割合、森林率と言うそうでありますけれども、非常に高い数字でありまして、先進国の中ではちょっとびっくりする数字なんですけれども、日本は第三位。一位、二位は北欧のフィンランド、スウェーデンだそうでありますけれども、僅差で日本は三位で、六八・五%だそうであります。
国内に目を向けて、一位はどちらか。これは、済みません、質問ではございませんので。
一位は高知県。ちょっと意外かなと思う方ももしかしたらいらっしゃるかもしれませんけれども、続いて二位が私の岐阜県でありまして、これも僅差で二位、約七九%だそうであります。そう考えると、岐阜県というのは本当に、先進国というか世界的に見ても非常に、森林という部分では貴重な、希有な存在なんだろうなというふうに思います。
昔から我々の地域は、特に子供たちというのは、木の文化に触れ合うというのが当たり前とされておりまして、多くは材木関係やまた製材業、そして林業の人材の供給源になっておりましたけれども、特に千三百年前の古文書から、具体的に飛騨のたくみという言葉が出てきております。税金を免除するかわりに、何百人単位で、奈良の当時の都に神社や仏閣の大工さんとして使役をさせていただいていた。それぐらい本当に木という文化に触れ合うのは当たり前な地域であったわけであります。
ところが、時代が変わって、これは全国的な問題なんだろうというふうに認識をしておりますけれども、木材の利用頻度が変わってくる、また外材がどんどん入ってきてしまう、人材の高齢化、また後継難、山林の荒廃が進んでしまって、特に、山を売りたくてももう売れなくなってしまっている。もっと言っちゃえば所有者不明土地がどんどんふえていってしまっている、そんな状況なんだろうというふうに思います。
かつて植えた人工林というのは、五十年以上たって伐採適齢期を迎えたものが急激に増加しております。一部の地域では、特に東京の沿岸部、いっとき本当にマンションがぐわあっと建築ラッシュになっておりましたし、また、場所によってはホテルの今建設ラッシュを迎えている地域もありますけれども、片や山の方を見ると、せっかく伐採期を迎えておるのになかなか伐採をされない、これは燃料材の間伐を除いたものでありますけれども、非常に残念な状況になっているのかなというふうに思います。
原因は、一にも二にも、やはり利益が出づらい、事業が成り立たないことなんだろうというふうに思います。国では積極的に主伐、再造林を推進していただいておりますけれども、やはり、セカンドステップの再造林の前に、ファーストステップの主伐自体がほとんど進んでいないという民有林がやはり私の地域にも多いし、これは全国的にそうなんだろうというふうに思います。
そこで、お伺いをさせていただきます。
やはり、山の材をしっかりと循環活用していくためには主伐とその後の再造林というものがセットで進んでいかなければいけないというふうに思いますけれども、林野庁は、今どのようなことが課題と捉えて、それが進んでいないのか、また、今どのような支援策を持たれているのか、お伺いをしたいというふうに思います。
○伊東副大臣 おはようございます。金子委員の御質問にお答えしてまいります。
戦後造成いたしました人工林が本格的な利用期、主伐期を迎えている中で、その森林資源の循環利用、これが大事なことだ、こう指摘されているところであります。主伐後の再造林が確実に行われることが重要でありますが、現在、木材伐採収入でその費用を捻出することがなかなか難しい場合もありますことから、主伐後の再造林が行われていないケースも御指摘のように見受けられるところであります。
このため、農林水産省におきましては、主伐後の再造林に対して、森林整備事業により、国と都道府県を合わせて約七割を補助することといたすとともに、再造林コスト低減のための伐採と造林の一貫作業や早生樹造林、あるいはコンテナ苗生産への支援を行っているところであります。
加えまして、令和二年度概算要求におきましては、ドローンによる苗木運搬といった低コスト化技術を導入した実証的造林や、あるいは造林の実施に必要な測量等の効率化に向けたリモートセンシング技術の研修、あるいはまた導入、実証等へ支援を盛り込んでいるところでもあります。
今後とも、主伐後の再造林を確実に進め、森林資源の循環利用に努めてまいる所存でございます。
○金子(俊)委員 伊東副大臣、ありがとうございます。
ぜひ、本当に、全国の山林で伐採適齢期を迎えているというのは、ある意味、今チャンスであるというふうに思っておりまして、特に、今、林野庁の皆様方の積極的な施策、頑張りで、木材自給率というものは三〇%台後半まで今上がっているはずであります。ちょっと燃料材ということで相当数、数字が上乗せされてしまっているのが多分現状なんだろうというふうに思いますけれども、やはり、これは日本の木材が見直されるいいチャンスだというふうに思いますので、また力強いリーダーシップを発揮していただくことをお願い申し上げます。
続きまして、先般の台風被害によって、甚大な被害をもたらされました。かけがえのない命を落とされた多くの皆様方に御冥福をお祈りするとともに、また、被災の皆様には心よりお見舞いを申し上げます。
さて、農水省におかれましても、江藤大臣御みずから、各地の復旧、再構築に先頭で御尽力いただいていることに本当に感謝を申し上げます。百年に一度と言われる災害が毎年のように頻発するに当たって、昨年は、我々岐阜県内においても、本当に局地的な豪雨で大被害がもたらされました。農林省所管でも、やはり、畑だけではなくて山林、そして何よりも、山林を縫って走るような、我々にとっては交通の大動脈である高山線というものも、数カ所で寸断をされてしまいました。
その節は農水省の皆様には本当に大変お世話になりましたけれども、やはり全国各地、山地を抱えられている皆様方というのは、常にこの不安と闘っているんだろうというふうに思います。
江藤大臣にお伺いをさせていただきます。
毎年増加するこういった台風災害、局地化が進んでおりますけれども、本当に毎年不安にさいなまれております。今後、山地被害に関してどのような対策をお進めになられるのか、また、山地被害に対してどのような御認識をお持ちになられるのか、御所見があればお伺いをさせていただきたいと思います。
○江藤国務大臣 おはようございます。
金子議員は、昨年六月、岐阜県の下呂市の山地災害においても大変、現場を見られて、いろいろな御意見を挙げていただいたことに、まずは感謝を申し上げたいと思います。
山を管理するということはとても大切なことで、一度人間の手が入った山は、しっかり最後まで管理をしなければ、これは最終的には崩壊してしまう。間伐もしなければなりませんし、委員が御指摘のように、伐期を迎えたものについては、ちゃんと利用をして再造林しなければなりません。再造林をした後は、苗木は低いですから、三年ぐらいは下草をしっかり刈らないと草をかぶって枯れてしまいますから、下草の管理。この人間の確保が難しいですけれども、やはりいろいろなことを総合的にやらないと山は守っていけないと思っております。
森林経営管理法も国会を通過いたしましたし、森林環境税も譲与も始まっておりますので、国と自治体と当該市町村と協力しながら、そして森林組合の方々の知見もかりながら、しっかりこれから、今回の災害で随分、山は、交通インフラそれから通信インフラに迷惑をかけてしまいました。私もヘリで上空から山地崩壊の様子も見させていただきましたけれども、こういったことをなるべくなくすように、防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策、これもやっておりますので、これも含めて対応してまいりたいと考えております。
○金子(俊)委員 大臣、ありがとうございました。
最後に御答弁をいただきました、防災・減災、国土強靱化三カ年、やはりあちこちで最近話題になっていると思いますけれども、本当に三カ年でいいのかということはまだまだ議論したいところでありますけれども、ただいま残り五分前という紙をいただいてしまいましたので、この話題はまた別にさせていただくとして、冒頭の質問にもありますけれども、民有林というものは、個人のものという概念もありますけれども、やはりこういった災害を考えていく上で、共通の地域の財産という観点から保護していく必要があるなと。ぜひまた、農水省の強力なリーダーシップをよろしくお願いを申し上げます。
最後の質問になろうかと思います。
山林を守る観点ということで、今二問を質問させていただきましたけれども、やはり一方で大事なのは、出口戦略たる、木材をどうやって活用していくのかということであるというふうに思います。
お伺いをさせていただきます。
木材の需要拡大や、また海外への輸出、販路拡大に今どのような支援制度があるのか、どのような施策をお考えであるのか、ぜひお伺いをさせていただきたいというふうに思います。
○本郷政府参考人 お答えいたします。
戦後造成された人工林が本格的な利用期を迎えます中、林業の成長産業化のためには、国産材の安定的な供給に加え、木材の需要拡大が重要な課題であり、建築物への一層の木材利用とともに、木材、木製品の輸出拡大を図ることが重要だと考えております。
木材の輸出額は年々増加しているところですが、土木資材やこん包材向けの丸太の輸出が四割を占めている現状にあり、輸出先は中国と韓国が過半を占めております。このため、さらなる輸出促進に当たっては、付加価値の高い木材製品の輸出拡大に取り組んでいくとともに、新たな輸出先国の開拓が必要でございます。
農林水産省では、付加価値の高い木材製品の輸出拡大を図るため、日本産木材を利用したモデル住宅等による展示やセミナー開催、国内外での木材技術講習会の開催等による木造住宅の輸出促進に取り組んでいますほか、輸出先国の多様化にもつながるモデル的な取組として、複数の企業が手を組んで海外への販路開拓に取り組む中で、市場調査や海外市場に受け入れられる製品の試作等についても支援しているところでございます。
また、東京オリンピック・パラリンピックでは、新国立競技場を始め多くの会場に木材が使用されているところでありまして、この機を捉え、日本の木の文化や建築技術を国内外にPRすることで、木材の利用拡大や輸出振興等を図ってまいる考えでございます。
また、先生の御地元で建てられております国の合同庁舎においても、内装の木質化などに取り組んでいるところであり、引き続き、国が率先して木材の利用に努力してまいりたいと考えております。
○金子(俊)委員 ありがとうございます。
オリンピック会場などなど国の施設でも本当に多くの木を使っていただいているということで、また、ぜひ、最後に言っていただきました合同庁舎、特に国交省の官庁営繕ともしっかりと連携をしていただきながら、国の施設でもどんどん木質化を進めていただきたいというふうに思います。
冒頭、森林率という話をさせていただきましたけれども、北欧では、若い方に人気の職業というもののベストスリーの中に常に林業というものが入っているそうであります。ぜひ我が国も、若い方が林業に携わっていただけるような、手を挙げて林業をやりたいと言っていただけるような国に、また皆様方の力をかりながら戻していく、そういう力強い意気込み、英知をおかりすることをお願いしながら、質問を終わらせていただきたいと思います。
ありがとうございました。
○吉野委員長 次に、濱村進君。
○濱村委員 おはようございます。公明党の濱村進でございます。
きょうは、一般質疑、日米貿易協定を中心に質問をさせていただければと思います。
まず、今回の協定の合意内容ですけれども、米につきましては関税削減、撤廃の除外となったわけでございます。そしてまた、脱脂粉乳、バターなどは、TPPでワイド枠を設定されている三十三品目につきましては、新たな米国枠というのは設けませんよということを始めとして、さまざま合意内容があるわけでございますが、この委員会の皆さんでございましたら皆さん御承知でしょうから繰り返しませんけれども、こうした内容を考えますと、農林水産業界の皆様としても胸をなでおろしていただいているところかというふうには思っております。
ただ、我々としてしっかりと考えていかなければいけないことは、合意した内容の、その上で、さらに、生産者の皆さんや事業者の皆様が安心していただける、不安を払拭していける、そうした努力をしていかなければならないというふうに思っているところでございます。
業界の方々そして国民の皆様が懸念されておられるかもしれない点として、牛肉が一つ挙げられるのであろうと思っております。
この牛肉につきましては、TPPと同様に九%まで関税削減をして、セーフガードつきで長期関税削減期間を確保いたしました。そういう意味では段階的に関税が削減されていくわけでございますけれども、こうした合意内容について、TPP11も含めてどのような影響があるのかということをしっかりと認識していくことは大変重要であると思っております。
今回の牛肉のセーフガード発動基準でございますけれども、二十四・二万トンということになりました。この発動基準数量自体は、二〇一八年のアメリカからの輸入実績であります二十五・五万トン、これよりも低い水準であるということは、もう既に江藤大臣からも何度も御案内があったところでございます。
その上で、この発動基準数量は年々五千トン増加していくということとなっております。これが合意した内容であります。
一方で、国内市場を見てみればどういう状況であるのかということなんですけれども、まず牛肉、私の地元の兵庫県もそうですけれども、牛肉については、生産基盤を強化しているということをやっている。あるいは、国内では人口減少の状況もあって市場が縮小している、この市場縮小に対応して輸出力を強化していかなければいけない。こうした取組も行おうとしているわけでございます。
こうした中で、関税削減がそのまま輸入の増加につながっていくということは私は考えにくいのではないかと考えておりますけれども、農林水産省として、今後の輸入動向をどのように見込んでおられるのか、江藤大臣から御所見をお伺いいたします。
○江藤国務大臣 将来の日本に対するアメリカからの輸入量については、これは市場で決まることでありますので、確定的なことを私の方から、こうなるであろうということはなかなか申し上げづらいと思います。
ただ、私の所見ということで申し上げれば、まずSGについては、答弁させていただきましたけれども、SGを意識した輸入が行われる。これを超えるとまた三八・五に戻るわけですから、当然ブレーキがかかるであろうということは、商慣習上の取引として当然予見される将来像だろうというふうに思います。十五年ですから、九%まで行くまで、かなり長い期間がありますけれども、それまでにはしっかりとした国内対策をやって、六万五千五トンというWTO枠のアクセス枠について、十四万九千トンしか和牛はありませんから、これについても、生産基盤を強化していけば、十二分に私は対応していけるんじゃないかと思っております。
そして、11について申し上げれば、確かに、二六%台に関税が下がりました。じゃ、どういうふうに11からの輸入量がふえているのかというのを見ると、過去三年間の輸入の伸び率に比べて、実は二%、発効後、これは四月から十月までの数字しかありませんけれども、実は落ちております。
ですから、関税が下がったから急に11からの輸入が加速的にふえているというような状況にはなっておりませんので、確定的なお答えができなくて申しわけないんですけれども、国内の生産基盤を強化しつつしっかり対応していけば、そして、先生がおっしゃったように、しっかりと説明をしていくことによって農家の不安は解消できるものだ、努力をしていきたいと考えております。
○濱村委員 ありがとうございます。
大臣というお立場ですから、確定的なこともなかなかおっしゃることは難しいということはございますけれども、そんな中で、今の直近の四月―十月について、輸入量が減っているというような紹介もございました。(江藤国務大臣「減ってはいないです。伸び率が鈍化している」と呼ぶ)伸び率が減っている、鈍化しているという、済みません、言葉を正確に申し上げます。そういう意味で、鈍化しているという状況がございます。
この関税が減ることによって、これがどのようになるのかというのは、確定的なことはわかりません。それは当然、各個社の経営判断によるものだと思っておりますので。例えば、非常にいい牛肉ができやすい時期があれば、なかなか生産がうまくいかない時期もあったりする、牛群サイクルというようなものがあると聞いておりますけれども、これがいいタイミングであればたくさん輸入しようじゃないかというのも経営判断でございましょうし、なかなか牛群サイクルが低調なときは牛肉を入れないということも判断だろうと思っております。
そうした中で、これまでの輸入実績よりも低い水準をかち取ったということは、これは事実でございますので、一つ安心材料としては持っていただけることではないかというふうに私は思っております。
その上で、国内対策、しっかりとした生産基盤の強化を今後も行っていくことが重要であろうと思っておりますので、ぜひ、今後の対策につきましても、農林水産省におかれましては、御努力をお願い申し上げたいというふうに思います。
次の質問に移りたいと思いますけれども、きょうは外務省から飯島大臣官房審議官にもお越しいただいております。直接、日米貿易協定というわけではないかもしれませんけれども、多少話題になっておりました八月二十五日の日米貿易交渉に関しての記者会見に関連して、質問を行いたいと思います。
この記者会見においてどういうことが話題になったかというと、皆さん御案内のとおり、トウモロコシの輸入についてということでございましょうけれども、トランプ大統領と安倍総理が記者会見をなさいました。
その中で、トランプ大統領が、もしかすると貴総理はトウモロコシの追加購入について話されたいかもしれないという形で切り出して、御発言がありました。その上で、トランプ大統領が、数億ドルのトウモロコシ、既に生産されたトウモロコシの購入を予定されていることについて、ごく簡単に言及いただけないかというような発言がございました。
その上で、安倍総理からは、ツマジロクサヨトウの観点、これによる被害が出ている、そういう害虫駆除の観点からということでお話をされておられるわけですけれども、民間レベルなんですが、前倒しで、緊急な形で購入しなければならないというふうに民間も判断しているので、協力できるとは思いますという発言がございました。これについては、相談をしたいと思っていますということでおっしゃっておられるわけです。
こうした会見の内容を見る限り、私は何もこれは決まったことはないなというふうに見受けられるんですけれども、よく、こうした内容について、日本が米国からトウモロコシを輸入するということを約束したというようなことをおっしゃる方もおられるんですが、そうした事実があるのかどうか、その点について、外務省に確認します。
○飯島政府参考人 お答えいたします。
トウモロコシの購入につきましては、八月の日米首脳会談において、安倍総理からトランプ大統領に対して、委員も言及いただきましたとおり、我が国では、本年に入り、トウモロコシ等に寄生する害虫の被害対策の一環として、海外のトウモロコシの前倒し購入を含む代替飼料の確保対策を実施することとしている、これは民間企業が購入するものであるが、飼料用のトウモロコシの多くが米国から買われていることから、この対策の実施によって米国のトウモロコシが前倒しで購入されることを期待していると説明したものでございまして、米国との約束や合意をしたという事実はございません。
○濱村委員 約束した事実はございませんということです。
その上で、この同じ日に、この後、記者ブリーフィングを行っておられるんですね。茂木大臣が日米貿易交渉に関して、そして、それ以外の部分については西村官房副長官、当時の副長官からブリーフィングがあったわけでございます。
そうした中で、茂木大臣が日米貿易交渉についてのブリーフをされて、それ以外の部分ということですから、当然トウモロコシについても含まれるんだろうということでございましたけれども、西村官房副長官からのブリーフの中でも、この約束というものについての発言、約束したという事実について認めるような発言はあったのかどうか、確認をしたいと思います。
○飯島政府参考人 お答えをいたします。
当時の西村康稔官房副長官は、日米共同会見後の、事後の記者ブリーフの際に、先ほど申し上げました、害虫の被害対策の一環として、トウモロコシの前倒し購入の支援内容を紹介したものと承知しておりますが、ここでも、米国との約束や合意をしたという事実は全くございません。
○濱村委員 米国との約束の事実はございませんということでございます。
そういうことでございますれば、じゃ、なぜ、どのようにして、ツマジロクサヨトウによる被害、それに対しての蔓延防止対策を行うこととなったのかというような話になるわけでございますけれども、きょうはちょっと、もう時間もなかなか、ございませんので、質問についてはこの程度にとどめておきますけれども、実は中国、トランプ大統領の発言ではこうおっしゃっているんですね。大量のトウモロコシを保有している、これは米国がだと思われますけれども、農家とともに取り組んでいるが、彼らが中国に不公正に扱われていたために、我々は多額の支払いをしているというような発言がございます。
中国を念頭にトランプ大統領は御発言されておられるわけですけれども、大事なことは、中国でどれぐらい米国のトウモロコシを輸入してきたのかということだと思っております。
最後に一個だけ、水田生産局長に、中国が米国のトウモロコシをどれぐらい輸入してきたのか、確認をしたいと思います。
○水田政府参考人 お答えいたします。
中国のトウモロコシの輸入状況についてでございますが、年によって大きな変動が見られるわけでございますけれども、二〇一〇年から二〇一三年までは、アメリカからの輸入がほとんどでございました。しかし、二〇一四年からはウクライナからの割合が増加しておりまして、二〇一六年にはウクライナからの輸入が八四%と大部分を占めている状況にございます。
○濱村委員 今おっしゃっていただいたとおり、ウクライナからの輸入が大部分を占めるという状況でございます。こうした環境を見れば、アメリカから輸入しなければいけないという状況になかなかないのが中国の状況なのかなと思っております。
その上で、国内の蔓延防止対策についてどのような取組を講じておられるのかということは、また次回以降の質問の機会に、質問をさせていただきたいと思います。
準備いただいた河野政務官、済みません。ありがとうございました。
以上で終わります。ありがとうございました。
○吉野委員長 次に、田村貴昭君。
○田村(貴)委員 日本共産党の田村貴昭です。
先週七日に行われました連合審査で、私は、政府が日米貿易協定で提出した日米貿易協定の概要の説明の記述について取り上げました。引き続き、きょう質問します。
資料を配付しております。自動車と自動車部品の関税を説明する記述が二つ存在しています。左側の文書は、日米貿易交渉が最終合意に至った九月二十六日に外務省が示した文書であります。右側の文書は、協定署名後の十月十八日に私たちに届けられた文書であります。
左側は「米国譲許表に「更なる交渉による関税撤廃」と明記。」と書いてありますけれども、右側は「米国附属書に「関税の撤廃に関して更に交渉」と明記。」、このように書きかえられているわけであります。
確認をします。自動車と自動車部品について、本協定案の米国譲許表に、さらなる交渉により関税撤廃と明記されているのですか。事実を教えてください。
○神田大臣政務官 お答えいたします。
自動車・自動車部品については、米国の附属書に、関税の撤廃に関して更に交渉すると明記されております。
さらなる交渉による関税撤廃との説明は、九月二十五日の日米首脳会談における最終合意の確認に際して、茂木大臣からその趣旨を簡潔に述べたものでありまして、関税の撤廃に関して更に交渉すると内容的には同じものでございます。
○田村(貴)委員 それは全然説明になっていませんよ。文書はこれですよ。譲許表はこれですよね。英文で書かれている表ですよ、百二十ページから百二十九ページ。ここの中に、政府が説明した日米貿易協定、さらなる交渉による関税撤廃と明記、明記と書いてあるんですよ。明記されているかされていないかだけ、答えてください。政務官。
○大角政府参考人 お答え申し上げます。
九月二十五日の日米首脳会談における最終合意に際しまして、米国譲許表にさらなる交渉による関税撤廃と明記との説明をいたしましたのは、この時点では署名の前で、協定の構成を含め、まだ条文が固まっていない状況でございましたが、米国の譲許内容について記載する箇所に、さらなる交渉による関税撤廃との趣旨が明記されることで合意したことを簡潔に申し上げたものでございます。
その後、協定の署名を行い条文が確定し、日米貿易協定に関する説明書を国会に提出したことを踏まえ、米国附属書に関税の撤廃に関して更に交渉と明記と内容を改めたものでございます。
○田村(貴)委員 ちょっと、時間潰ししないでくださいよ。
この表に、政府が説明したさらなる交渉による関税撤廃と明記って書いてあるんですよ、説明書に。明記しているかしていないかということを聞いているんですよ。ちゃんと答えてください。
答えなかったら、ちょっと審議をとめてもらえますか。これ、審議にならないじゃないですか。
○神田大臣政務官 同じ回答になりますが、趣旨が明記されたことで合意したことを簡潔に申し上げたものでございます。
○田村(貴)委員 私、この譲許表に関税撤廃が明記って政府の説明文書にあるから、どこに明記されているんですかと聞いているんですよ。イエスかノーかだけなんですよ。
きのう、私、朝から晩までずっとこのことを聞いてきているんですよ、教えてくださいと。確たる答えはなかったけれども、お一人答えていただきました、表にはありませんと。そういうことですね。違うんですか。表にないですね。関税撤廃と明記はないですね。オートモービル、オートパーツ、言葉としてないでしょう。だから、ないということでしょう。違うんですか。審議にならぬですよ、ちゃんと答えてもらわぬと。この表ですよ、この表。
○大角政府参考人 今委員おっしゃいましたタリフスケジュール・オブ・ザ・ユナイテッドステーツ、この表には、自動車・自動車部品に関する記載はございません。
○田村(貴)委員 やっと認めた。
この米国の譲許表に、さらなる交渉による関税撤廃という部分はないんです。ないにもかかわらず、最終合意があった後、私たち国会に対して、国民に対して出された政府の説明文書には、さらなる交渉による関税撤廃と明記と書いたわけなんですよ。それが事実と違うから変えたんでしょう。右側にあるように、関税撤廃に関して更に交渉と。これ、文言が全然違うわけですよ。
じゃ、何でこういう書きかえになったかというところをちゃんと審議しないと、本協定案の真相に迫ることができないということであります。
まあ、言ってみれば、うその記述があったということです。これは重大なことですよ。譲許表というのは、タリフスケジュール、どの品目について関税を撤廃あるいは削減していくかの取決めです、スケジュールです。ここに載ると載らないでは大違いなんですよね、約束事ですから。載っていないというのは、つまり、具体化していないということですよ。
では、なぜ載っていないものを載ったかのように説明しようとしたのか、質問します。
連合審査で、内閣府の澁谷統括官は、まだ条文が固まっていない状況だから合意された趣旨を簡潔に書いたと。今おっしゃったとおりですけれども。その合意された趣旨というのは、当時、日本政府側は譲許表に明記するという認識だったのか。その当時の認識ですよ、譲許表に明記するという認識だったのですか。そのことについてお答えください。
○神田大臣政務官 お答えいたします。
今委員お尋ねのこの譲許表ですが、趣旨のみを記載したものでございまして、その後、十月十五日にアップデートを行っております。この附属書というのは関税の撤廃に関して更に交渉という表記になっておりますが、これは、条文が固まったことによってアップデートしたものであります。
おっしゃるところの修正ですが、協定の署名を行いまして、条文が今申し上げたように確定し、日米貿易協定に関する説明書を国会に提出したことを踏まえて、米国附属書に関税の撤廃に関して更に交渉と明記と内容を改めたものであり、時系列に伴う修正と考えております。
なお、通常、既にホームページで公表した資料については、修正を行った旨を周知することはしておりません。
○田村(貴)委員 私が聞いているのは、これは一番大事なところですよ。合意されて、ではその協定は一体何だったのかということで一番最初に国民や国会に示されたのが、日米貿易協定に関する概要となる文書だったんですよ。この文書にもう明確に書かれているわけですよ。米国譲許表にさらなる交渉による関税撤廃と明記、明記と書いているわけですよ。
自動車の関税撤廃というのは、日本側の最大的な要求でしょう。それから、日米貿易協定の、誰もが見守っている最大の焦点じゃないですか。ここの意思形成過程というのは物すごく大事なんですよ。
なぜ、譲許表に撤廃を明記、そういう意思が働いたのか。そのときはなぜそう思ったのか。そのことを聞いているんですよ。経過はいいです。
もう一度言います。当時、譲許表に明記するという認識だったんですか。これだけ答えてください。
○大角政府参考人 九月の二十五日の日米首脳会談における最終合意の確認に際しての説明におきまして米国譲許表との言葉を用いましたのは、米国の譲許内容について記載する箇所という趣旨で述べたものでございます。
その後、協定の署名を行って条文が確定し、日米貿易協定に関する説明書を公開したことを踏まえ、その確定した条文に即し、米国附属書に関税撤廃に関して更に交渉と明記と内容を改めたものでございます。
○田村(貴)委員 ちゃんと語ってくださいね。ここが一番大事なところなんですよ。
日本国側、日本側が譲許表に明記という認識だったんでしょう。そういう思いで迫っておったんでしょう。それを、変わった。変わったのはなぜか。これはすなわち、アメリカ側から譲許表に明記することを拒否されたんじゃないんですか。どうなんですか。
○神田大臣政務官 お答えいたします。
自動車と自動車部品の関税については、協定本文及び附属書2によってその取扱いを規定しております。
まず、協定本文の第五条一項において、各締約国は附属書1又は附属書2の規定に従って市場アクセスを改善すると両締約国の義務を規定した上で、それぞれの締約国の附属書において、市場アクセスの具体的な改善の仕方を記載しております。
そして、米国の附属書には、自動車・自動車部品について、関税の撤廃に関して更に交渉すると書かれておりまして、これが、米国が第五条一の規定に基づいて市場アクセスの改善を行う具体的なやり方となります。
このように、自動車・自動車部品については、関税撤廃がなされることを前提に、市場アクセスの改善策として、その具体的な撤廃期間等について今後交渉が行われることになります。
○田村(貴)委員 今後交渉が行われることになるというのは、譲許表の前のページの七番に書かれているわけですよ。譲許表に書いて関税撤廃が約束されたのではないんですよ。
正確なのは、自動車と自動車部品の関税撤廃に関しては将来の交渉次第と英文にもそう書いているじゃないですか。これは全然違う話なんですよ。
だから、ウイン・ウインなどと言って安倍総理がおっしゃるけれども、これはウイン・ウインになっていないんですよ。そのことを私たちは、経過を含めて説明していただきたいと言っているんです。
日本の農産物だけ一方的に輸入を迫られた、一方的に日本が譲歩を迫られたんじゃないんですか。この譲許表の問題というのはそれを端的にあらわしているというように思います。
初めから、譲許表に明記と、私たち国会や国民をまさか欺く、そういうお考えはなかったと思うんですよ。そうすればうそをつくことになるから、こんな大事な時点で。
だけれども、譲許表に明記というふうにしてそれが変わったのであれば、それはなぜ変わったのか。アメリカ側から、それは困ります、譲許表には載せないと。あるいは撤回を迫られたんじゃないかと言ったんだけれども、何を言っても答えない。
だから、その当時からの、トランプ大統領と安倍総理の交渉記録、ライトハイザー氏とそれから茂木大臣の交渉記録を開示してください、そうじゃないとわからないじゃないですかと言っているんですよ。
委員長、連合審査でも野党の方から出しています。この米国側の主張も含めて、経緯を文書に、委員会に提出いただくように理事会で取り計らっていただきたいと思います。
○吉野委員長 理事会で検討します。
○田村(貴)委員 これを出していただかないと、この協定案は認められませんよ。だってウイン・ウインじゃないんですから。不利益をこうむるような協定案は絶対に認められません。
江藤大臣、時間がないんですけれども、自動車に関しては米国の譲許表には記載されていません。一方、農産物については、日本の農産物の輸入については、この譲許表に事細かく、もう分量が全然違います。たくさん書かれています。一方で、自動車の関税撤廃については文書で確約はされていません。今後の交渉次第と。
これでどうしてウイン・ウインと言えるのでしょうか。お考えを聞かせてください。
○江藤国務大臣 お答えさせていただきます。
ウイン・ウインかどうかについては私から明確には申し上げませんが、しかし、この間、連合審査でもほかの先生から御質問をいただきましたけれども、じゃ、日本は負けたのかと、この交渉の場において。我々はルーザーというふうには思っておりません。
交渉でありますから、農林水産については、足立議員だったと思いますけれども、米国に感謝すべきじゃないかなんていう御指摘もありましたが、しかし、そういうことではなくて、やはり、SGを設けたにしても、米を除外したにしても、やはり日本の農業には影響があるということは認めなければなりませんし、しかし、その一方、六万五千五トンへのアクセスやそれから四十二品目については、関税撤廃なり関税の引下げについても合意をしておりますから、農産品でもとれるところはとったということでございます。
○田村(貴)委員 政府が国会や国民に対して説明した文書が、これが誤りであったということがきょう明らかになりました。そのことの訂正の説明もなければホームページに記載もないというのは、これはもうゆゆしき問題ですよ。
強力な再交渉規定が盛り込まれていますよね。そして、この協定の中では、米国は将来の交渉において、農産品に関する特恵的な待遇を追求する、ここまで書かれているわけですよ。
今後、お米や砂糖、バター、脱脂粉乳、牛肉の輸入、月齢制限の撤廃、防カビ剤の表示撤廃、食品添加物、残留農薬基準の緩和など、こうした項目が対象になってくるんじゃないですか。今までのような一方的に譲歩するような交渉をやっているんだったら、こうしたところまで俎上にのせられて、それがまた一方的に迫られる結果になるんじゃないですか。
そうした懸念があるから、この交渉はだめだ、こういう協定は認められないと私は確信するものであります。
時間が来ました。きょうは以上で終わります。ありがとうございました。
○吉野委員長 次に、森夏枝君。
○森(夏)委員 日本維新の会の森夏枝です。
本日も質問の時間をいただきまして、ありがとうございます。
それでは、早速質問に入ります。
本日は、まず、日米貿易協定による農林水産分野の交渉内容について伺います。
日米貿易協定については、安倍総理は、両国に利益をもたらすウイン・ウインの合意と強調されておりましたけれども、農林水産物の生産額への影響試算を見ますと、日米貿易協定による生産減少額は約六百億円から一千億円、日米貿易協定とTPP11を合わせた生産減少額は約一千二百億から二千億円との結果が出ており、農林水産分野ではやはりウイン・ウインとは言えないと思います。
農林水産省として、日米貿易協定における農林水産分野の交渉内容についてどのような御認識でしょうか。お聞かせ願います。
○伊東副大臣 森夏枝委員の御質問にお答えをいたします。
日米貿易協定の農林水産品の合意内容につきましては、守りの面では、TPPで米国に対し七万トンの国別枠を設けたお米につきましては、調製品を含め、除外を確保いたしました。また、脱脂粉乳、バターなど、TPPでTPPワイドの関税割当て枠が設定されました三十三品目につきましては、新たな米国枠を一切認めなかったところであります。過去の経済連携協定で約束したものが最大限であるとした昨年九月の日米共同声明に沿った結論が得られたところであります。
一方、攻めの面では、我が国の輸出関心が非常に高い、長芋、切り花、柿などの四十二品目の関税撤廃又は削減を獲得するとともに、牛肉につきましても、現行の日本枠二百トンと複数国枠六万四千八百五トンを合体し、一キログラム当たり四・四セント、日本円で五円程度でありますけれども、この低関税の複数国枠六万五千五トンへのアクセスを確保したところであります。これは輸出への大きなチャンスになる、このように考えております。
今後、国民の皆様に丁寧に説明を尽くすことによりまして、十分御理解をいただける内容になったものと考えております。
以上でございます。
○森(夏)委員 ありがとうございます。
伊東副大臣にお答えいただきましたけれども、日本が獲得できたものももちろんあると思いますけれども、この影響試算を見ますと、農林水産分野ではやはり厳しい結果かと思っております。今後更に輸出促進に力を入れていくわけですので、これから輸出に挑戦しようとされている方へのサポートはしっかりとお願いしたいと思っております。
次に、牛肉の生産減少額に対する支援策について伺いたいと思います。
日米貿易協定とTPP11を合わせた農水産物の生産額影響試算において、牛肉は最大約七百八十六億円の生産額減少という結果が出ました。日米貿易協定の和牛の輸出においては六万五千五トンの複数国枠へのアクセス確保ができたという交渉結果ですけれども、果たして畜産農家の皆さんが御納得をされるのでしょうか。不安を解消し、今後も畜産農家を続けていく、自分の子供たちにも継がせることができると考えられているのでしょうか。そうでなければ日本の畜産業は衰退してしまいます。
不安を抱えている畜産農家さんは多いと思いますが、牛肉の生産減少額に対する支援策というのは何か考えられているのでしょうか。お願いします。
○水田政府参考人 お答えいたします。
日米交渉の結果を踏まえた対策についてのお尋ねでございますけれども、現在、TPP11や日・EU・EPA、こういった国際交渉の結果を踏まえて、国内対策といたしまして、総合的なTPP等関連政策大綱に基づきまして、畜産クラスター事業などの体質強化策を講じているほか、牛マルキンの補填率の引上げなどの経営安定対策を実施しております。
これらによりまして、繁殖雌牛の飼養頭数でございますが、平成二十八年以降四年連続で増加をし、回復基調となっているところでございます。
また、今回の交渉によりまして、輸入の面では、TPPと同様、関税が九%まで削減されますが、一方で、米国向けの牛肉輸出では、先ほど伊東副大臣から答弁がございましたように、大きなアクセス改善というものを確保したというところでございます。
今回の日米交渉の結果を踏まえまして、今後、総合的なTPP等関連政策大綱を見直して、政府一体となって肉用牛の生産基盤の強化につながるような対策を実施することによりまして、生産者の方々の懸念を払拭するとともに、輸出にも対応できる強い畜産というものを構築してまいりたいと考えております。
○森(夏)委員 ありがとうございます。
ぜひしっかりと取り組んでいただきたいと思っております。
台風による河川の決壊により、多くの家畜が溺死をしてしまいました。大切に育ててこられた畜産農家の皆さんは本当につらい思いをされていると思います。被災地の現場に入られた大臣が、できることは何でもしたいと、そのお言葉、大変心強いと思います。私自身も、被災者の方々に対してできる限りのことをお願いしたいと思っております。
被災される前から、後継者不足や飼料の高騰などさまざまな問題に直面しながらも頑張ってこられた畜産農家さんたちが被災をされ、もう一度立ち上がろうとされている農家さんたちに対しては、世界と戦える環境を整えていただきたいと思います。輸出をされている畜産農家さんからも、もっともっと輸出をしたいというお話も聞いております。日本の安全でおいしい牛肉の輸出量をふやしていく、生産額をふやしていく取組が必要だと思いますので、農水省を挙げて、今後とも取組をよろしくお願いいたします。
十一月六日の委員会の際に、日米貿易協定に対する農家への説明について質問をさせていただきました。既に説明会を開催しており、十四カ所で一千名の参加者に説明をしたと伺いました。
説明会で丁寧に説明することも大変重要だと思っておりますけれども、農業従事者は全国に百六十八万人いらっしゃいますので、説明会以外での農家の方々に対する不安の払拭というのも必要だと思います。
農林水産省として、農家の方々に対して、不安の払拭のために今後取り組まれることはありますでしょうか。
○河野大臣政務官 日米貿易協定の合意内容を農業者の皆様に周知するため、農林水産省では、これまで、品目ごとに資料を作成してホームページに掲載するとともに、農業者の皆様を対象とした説明会を全国十五カ所で開催したほか、今後も四カ所での開催を予定しているところでございます。
これ以外にも、関係機関や団体を経由した形での農業者等への周知を図るため、内閣官房とともに都道府県の担当者への説明会を行ったほか、JA全中など、地方に出先機関などを有する中央団体等への説明も数多く行ってきたところでございます。
農業者等への説明においては、ここまで行えば十分ということはないことから、農業者等から要望を踏まえ、現に同じ地域で二回目の開催を行うなど、各地域できめ細かく進めているところでございます。
委員御指摘の点も踏まえまして、引き続き、農林漁業者の方々へきめ細やかな説明を行ってまいりたいというふうに考えております。
○森(夏)委員 ありがとうございます。
ぜひきめ細やかな説明、お願いいたしたいと思います。
ホームページというのも一つの方法だと思いますけれども、やはり高齢の方々はなかなかホームページを見ない方もいらっしゃると思いますので、しっかりと丁寧な説明をお願いしたいと思っております。
次に、害虫被害とトウモロコシの大量購入について伺います。
害虫対策として、前倒しでアメリカのトウモロコシの大量購入という話が出ておりましたが、大手飼料メーカーで前倒しでトウモロコシを購入予定のところはないと聞いておりますが、農林水産省としてどのように認識をされていますでしょうか。また、現在、ツマジロクサヨトウの被害状況についても、あわせて教えてください。
○水田政府参考人 お答えいたします。
まず、ツマジロクサヨトウの発生状況、被害状況でございますけれども、非常に強い食害性と伝播力を持つ害虫でございますツマジロクサヨトウでございますが、本年七月、我が国で初めてその発生が確認されまして、十一月七日の時点で、九州、沖縄から東北までの二十一府県、百十一市町村に発生地域が拡大しております。
現在、その防除や蔓延防止対策に全力を挙げている段階でございまして、総被害量を見通すことは困難でございますが、防除対策の一環として生育途上の飼料用トウモロコシをすき込んでいる圃場もございまして、そういうところでは収穫ができなくなっているなど、被害が確認されているところでございます。
一方で、トウモロコシの前倒し購入の支援でございます。
この支援でございますけれども、こういった状況の中で畜産農家の飼料の供給が不足することのないよう、民間企業が飼料原料を前倒しで購入契約する場合の保管料等を支援するものでございます。
現在、民間企業の方で検討していただいているところでございます。現時点で申請は上がってきておりませんけれども、現在、事業の実施に向けて検討している事業者がいるというふうに聞いております。
○森(夏)委員 ありがとうございます。
このツマジロクサヨトウは、ことし、日本に初めて入ってきた害虫です。これまで日本になかった害虫や、豚コレラなどもそうですけれども、今後もさまざまなものが海外から入ってくることが想定されます。
まずは、日本に侵入させない、未然に防ぐということが第一ですけれども、万が一またアフリカ豚コレラのようなものが入ってきてしまったときには、短期間で封じ込める対策もしっかり準備しておく必要があると思います。
丹精込めてつくった作物が害虫の被害に遭う、大切に育ててきた家畜を殺処分しなければならないというのは、農家の皆さんにとっては本当につらいことだと思います。また、近年は、多くの災害もあり、大変な農業被害も出ております。未然に防ぐことができるものは未然に防ぐ、これをしっかり取り組んでいただきたいと思います。
最後に、強い農林水産業について大臣に伺いたいと思います。
私の知り合いの若手農家さんは、年商何億もの商いをしています。補助金をもらえるならもらいたいと言っておりましたが、研究熱心で努力もされていて、補助金をもらわず自分でハウスを建て、どんどん大きくしていって、日本の農業を支えてくれている、そんな人たちがいます。それだけ稼げる職業となると、自分の子供に継がせたい、継がせられる職業となります。世界とも十分勝負ができます。
日本の安全な農林水産物、食品は、今後も世界の食市場に十分な販路の獲得を見込むことができます。若手農家さんや新規就農者の方々にも、輸出に挑戦してみたいという方々がいらっしゃいます。私も、世界と戦う攻めの農業を応援したいと思っております。
大臣の、世界と戦う攻めの農業に対する思いをお聞かせ願います。
○江藤国務大臣 大変すばらしいお取組だと思います。
基本的にはやはり、どんな事業でもそうですけれども、自分で借入れを起こして、国に頼ることなく自分でやれるというのが理想の形ですから、それをやられていることはお手本だと思います。
しかし、大規模だけではないと思っています。それから、日本じゅうには、いろいろみんながまだ気がついていないニッチな品物がたくさんあります。私は、補佐官をやっていたときに、そういうニッチなものを輸出する取組を一生懸命やっていました。
金額、一人一人は小さいかもしれないけれども、そういう小さな輸出業者が百、二百、三百、千と集まると、でっかい商社並みのスケールになっていく。そして、そういう人たちが世界じゅうに、いわゆるマーケティングに働くことによって、日本の魅力とか、興味を持ってくれる人が更にふえていくというふうに思っています。
やはり輸出については、この間法案を御可決いただきまして、御協力いただきまして、まことにありがとうございました。今度は私が本部長ということでありますので、縦割りを排して、スピード感を持って、そして事業計画をしっかり立てて、そして事業の進捗状況についてもしっかりウオッチをして、頑張ろうという人たちについては、今、できない補助のやり方もいろいろあるんですよ、細かいことはもう申しませんけれども。いろいろな工夫をしている小さなスケールの人にも支援が及ぶようなこともあわせて考えていきたいと考えております。
○森(夏)委員 ありがとうございます。
もちろん、小規模農家の方々も頑張れる、そんな日本の農業になるように今後も取組をお願いしたいと思います。
時間となりましたので、以上で終わります。ありがとうございました。
○吉野委員長 次に、佐々木隆博君。
○佐々木(隆)委員 立憲民主党の佐々木隆博でございます。共同会派という立場で、きょうはこの場所で質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。
先日、連合審査でも質問させていただきました。この日米貿易交渉の大枠について、主に外務大臣に質問させていただいたわけでありますが、きょうはその大枠を一部確認させていただくのと、農林水産分野についての質問をさせていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
最初に確認をさせていただきたいと思います。
この日米貿易交渉の、そもそも交渉目的が何だったのかというのが、いまだ余りはっきりしません。日米のFTAをやりたかったのか、あるいはTPP12をやりたかったのか、そこも余り判然としません。
さらにまた、この交渉はこの先、内閣官房が担うのか、外務省が担うのか、その点もまだ余りはっきりしていないんですが、その二点について、これは内閣官房か外務の方にお尋ねをさせていただきます。
○大角政府参考人 お答え申し上げます。
本協定につきましては、昨今の流動的で不透明な国際情勢の中で、日米関係を強化いたしまして、両国が国際社会のさまざまな課題に一致して取り組んでいく、こういうことが重要と認識しております。
本協定によりまして、日米両国の二国間貿易を強力かつ安定的、互恵的な形で拡大していく、あるいは、日米両国の経済的結びつきがより強固なものとなる、こういったようなことのために本協定を進めているものでございます。
それから、今後の担当でございますけれども、それにつきましては、茂木大臣もお答えしているとおりでございまして、現時点で明確な担当が決まっているわけではございませんが、まず事務レベルで協議調整を行っていく、そのように考えております。
○佐々木(隆)委員 茂木大臣は、二段階で交渉していくんだ、ずっとそのことを言い続けているわけですが、二段階の二段階目はまだいまだに決まっていないということなので、交渉がいつ行われるかということよりも、誰が責任者なのかということがはっきりしていないというのは、我々これから論議をしていく上において、非常に、どこにどういうふうにこれを尋ねていけばいいんだという話になりますので、せめて担当ぐらいは決めておいていただかないと、国際交渉だと言っている割にまだいまだ決まっていないというのは、ちょっと答弁としてはいかがなものかというふうに思ってございます。
そこで、この前もここはお伺いをしたんですが、今回ここに出されている、我々国会に出されているのは二本の協定だけなんですね。物品とそれからデジタル。結果、TPPであれば二十一分野あったわけですよ。そのうちの二本だけなんですよ、今回やっているのは。
ということは、この先もしも交渉がまた再開された場合には、二十一分野、一個ずつ決まるたびに一つずつ日米協定を結んでいく、トータル二十一の協定を結んでいくということになっていってしまうのではないかと思うんですよね。FTAやTPPのように包括でやっていないので、分野分野でやっているから、結局分野ごとに協定を結んでいかなきゃならないということになっていくのではないかというふうに思うんです。
私はFTAは余り賛成ではないんですが、WTO、ガットの基準ですけれども、これは二国間で交渉する場合は全てを対象にするということで、例外として認めているわけですよね。それからしても、この先、先ほどもありましたけれども、今回除外されたという農林水産関係でも、林産物や水産物、あるいはお米というのが絶対に対象から外れるという保証はないわけですよね、二分野しか決めていないんですから。
ですから、そういった意味ではそこが絶対に言い切れないのではないかということと、もう一つは、TPPのときに、WTOに上乗せして、いろいろなことを二十一分野で決めてきた、そういうふうに政府はずっと答弁してきたわけですよ。ということは、上乗せ分野は今回なくなるわけですよね。WTOに戻らなきゃいけないんですから、二分野以外は。ですから、そういうことの協定になってしまっているのではないかという、この二つの点ですね。
今後、対象外というものがどうなっていくのか、あるいは、上乗せしたという分が一体どうなっていくのかということについて、この間、茂木大臣はWTOの基準があるからいいんだと言っていましたけれども、それはそれでありますけれども、上乗せした分はなくなるということになっていくのではないかというふうに思うんですが、これはどちらでしょう。
○飯島政府参考人 お答えいたします。
九月二十五日の日米共同声明のパラグラフ三におきましては、日米で今後どの分野を交渉するのか、その対象をまず協議することとしておりまして、その後の交渉において、協定発効後に行われるこの協議におきまして、日米双方が合意したもののみについて交渉することになります。
次の段階の交渉が日米双方の利益にかなうものとなるようしっかりと協議をしてまいる所存でございますけれども、どの分野を交渉するといたしましても日本の国益に反するような合意を行う考えはございません。この考えのもとに、米側としっかり協議をしていく予定でございます。
それから、委員御指摘の二分野以外の問題につきましては、TPP12におきましてはそういったものが幅広く規定されておりますので、政府としましては、引き続き、米側がTPP12に戻ってくることも視野に置きながら、しっかり米側と協議をしてまいりたいと考えております。
○佐々木(隆)委員 もう一点、上乗せ分。
○飯島政府参考人 お答えいたします。
上乗せにつきましても協議の対象になるかもしれませんけれども、いずれにしても、TPP12自体はWTOよりも上乗せをした高い基準のルールになっておりますので、そこの点も考慮しながら米側と協議をしていくことになろうかと思います。
○佐々木(隆)委員 最初の大角参考人の答弁は、日米の関係をより強固に、今までの関係を更に強固にしていくんだといってこの交渉を始めたんだと言っていたんですが、今の話だと、対象が何かも決まっていないし、上乗せもこれからどうなるかわからない。これで日米関係が強固になるという話とは何か全く整合していないような話で、結果、二十一分野、特にTBTとかSPS、ISDS、これは農産物の交渉でも全部かかわってくるものですよね、技術的障害、植物防疫、紛争解決。こうした基本的な分野はWTOがあるからいいんだということでそのままにしておいて、農産物の交渉だけやったということなので、この点においても実は今度の交渉というのは極めて中途半端な交渉になっていて、先ほど来言われているように、交渉プロセスも極めて不明確であります。いまだかつてないほど不明確でございます。
こうしたことも含めて、ちょっと農水大臣にお伺いしたいんですが、アメリカは、この物品でも、特に牛肉、それから乳製品、小麦、果汁、そのほかではデジタル、トウモロコシ、トウモロコシについては契約した文書もないという話なので、これを契約というのかどうかよくわかりませんが、いわゆるトランプさんの関心事だけ、今回交渉したわけですよ。その他については、ひょっとしたら、トランプさんが関心ないのでいつ始まるかもよくわからないというような、全体の今までの答弁だと、そういうふうな流れになっているわけであります。
結果として、これで本当に、大臣、日本の利益になっているというふうに思いますか。お伺いします。
○江藤国務大臣 トランプさんの関心事、それから日本側の関心事もあったと思っております。
品目的にも限られているし、全て関税撤廃ではないので、四十二品目については。削減と撤廃とで四十二ですから、数も少ないじゃないかという御指摘もあるかもしれません。何度も言って申しわけないですけれども、六万五千五トンとかいろいろございます。ですから、日本についても、関心事についてはちゃんと主張はさせていただいた。
そして、日本の米については、毎年十万トンずつ消費量が減るという国内事情もこれあり、非常に国内関心が高かった。そして、米の作況は、ことしは非常にひどい状況で、佐賀なんかはもう六〇台というひどい数字になってございますので、それを決して喜ぶようなことは厳にあってはならないと思いますけれども、在庫も二百万トンを超えてしまうんじゃないかというような状況もあった。それは、日本の主張すべきところが、農産品においても私はされたのではないかというふうに思っているんですが、いかがでございましょうか。
○佐々木(隆)委員 向こうが関心なかったということとこちらが主張したということとがどのぐらいなウエートなのかというのは、ちょっと微妙なところはありますね。(江藤国務大臣「かみ合ったということで」と呼ぶ)まあ、かみ合ったという大臣のお話ですが。
そこで、ここからはちょっと農水の関係についてお伺いしたいんですが、先日の連合審査のときに、SGの見直しについてどうなるんだというお話をさせていただきました。そのときの茂木大臣は、アメリカをいずれTPP、いわゆる12ですね、に戻したいんだと。だから、そういうことも含めて、一連のこれからの交渉も含めてやっていくんだというお話をしていました。ということは、CPTPPで決めたSG枠というのは、12に戻すという茂木大臣の話からすると、そこはさわらないということになっちゃうわけですよ。
要するに、CPTPPのセーフガードと、アメリカのセーフガードと、本当はこれは見直さなきゃいけないわけですよね、アメリカと成立したんだから。ところが、TPP12に戻したいんだと言っている以上は、これにさわれないことになってしまうのではないかという矛盾が起きるわけです。
江藤大臣自身が、この交渉は極めて難しい交渉だというお話をしておりましたけれども、CPTPPだけでも難しいのに、アメリカを12に戻すんだという前提でこの交渉をするということになると、これは両方、しばらくは同時並行で進まざるを得ないということになってしまうと思うんですが、この辺の交渉は一体どうするつもりなのか、お伺いします。
○江藤国務大臣 私が直接交渉担当はできませんので、こうしますということをはっきりは申し上げられないことは申しわけないんですけれども。
二〇二三年ということで、12の枠に戻るというお話はしておりますけれども、私は、国内の生産者の方々にきっちり説明するためにも、不安を払拭するという意味でも、やはりできる限り早いタイミングで11とはしっかり話をさせていただいて、私が直接の交渉担当者じゃないとはいいながら、いろいろな機会がありますから、茂木大臣をサポートして、同時並行的と言われればそうかもしれませんけれども、これも見直していただけるように努力をさせていただきたいというふうに思っております。
○佐々木(隆)委員 農水大臣、江藤大臣の決意は今伺いましたけれども、最初にお伺いしたように、この先の担当が内閣官房なものだか外務なものだかわからないので、両方きょう来ていただいておりますけれども、今の江藤大臣の決意がこれからの交渉する人にちゃんと伝わらないとこれは意味がないので、せっかくきょう二人来ていただいているので、今の江藤大臣の決意をしっかりと伝えておいていただきたいというふうに思うんですね。
これは、農家にとっては、非常に矛盾した状態のまま、不安を抱えたまま、これから営農していかなきゃいけないということになりますので、方向性ぐらいはやはり早く出していただかないとならないと思うんですね。方向性もよくわからない、江藤大臣は交渉する必要があるという決意はいただきましたけれども、その先が見えていないという状況ですので、できるだけやはり方向性は早目に出していただくように、これは閣議の話になろうというふうに思いますけれども、ぜひお願いをしておきたいというふうに思います。
答弁しますか。はい、どうぞ。
○江藤国務大臣 私が閣僚にならせていただく前から、茂木大臣とはたびたびお話をさせていただく時間をとっていただきました。閣僚になってからも、かなりいろいろなタイミングで話をしております。私の気持ちはもう、大臣が嫌になるぐらい、粘り強く言っておりますので、大臣も御理解をいただけているのではないかというふうに思っております。
○佐々木(隆)委員 それだと、この前の連合審査の答えというのは少し私は矛盾している、茂木さんの話は若干矛盾しているのではないかというふうに思いますし、まあ、茂木さんが交渉担当になるかどうかもまだ決まっていないというさっきの答弁ですから、そこら辺も含めて、閣内でしっかりと協議をいただきたいというふうに思います。
少し技術的なお話をさせていただきます。
農林水産物の試算についてですが、農業の生産減少額が六百から千百億というふうに発表されております。
TPPのときは千三百から二千百億、CPTPPと日米を合わせると、今度は千二百から二千億というふうに試算をしているわけであります。TPP12のときが千三百から二千百、CPTPPと日米、つまり、TPP12と同じですが、これで百億ずつ下がっているんですね。
これは、なぜこういう計算になったのか、時代が流れたから変わったということなのか、なぜこういう試算になったのか、その根拠みたいなものをやはりぜひ示していただきたいというふうに思いますので、これは事務方で結構ですので、お願いします。
○浅川政府参考人 お答え申し上げます。
日米プラスTPP11の試算とTPP12の試算の違いについて、お答え申し上げます。
日米プラスTPP11の試算について、12の試算と比較すると、例えば、水産物などで、TPP12の試算の際に米国のみの影響を見込んでいた品目で、今回の日米貿易協定で除外を獲得したものについては生産減少額がゼロになるということで、その分、12の影響試算よりも生産減少額が小さくなったということでございます。
一方、牛肉などの一部品目は、12の試算時点に比べて、国産品の価格の上昇により国産価格の下落幅が増加したこと、また、輸入品の価格の上昇により関税削減相当額は増加した結果、生産減少額は増加したということでございます。
これらの増減要因により、日米プラスTPP11の生産減少額はTPP12の影響試算から百億円程度少なくなっているということでございます。
○佐々木(隆)委員 実は、その辺の説明も農家の方には十分行き渡っていないというふうに思うんですね。何で下がったんだという話で、そうでなくてもこの減少額の試算というのは、農家の間では本当なのかという不安が広がっているわけですので、そこはたまたま除外品が多くなったのでその分下がったんだという、今、大ざっぱに言うとそういう説明なんですが、それはそれで、農家の方に説明していただければある程度は納得いただけるのではないかというふうに思うんですが、そうした説明文書がほとんどありませんので、そのことについても申し上げておきたいというふうに思います。
それで、同じこの影響についてですが、生産量は減少するが生産額は変わらないという、わかったようなわからないような説明になっているんですが、私は北海道ですから、ちょっと北海道に限定して話をさせていただきます。牛肉です。
牛肉の中で一番競合するのは、いわゆる乳用牛の分野です。高級肉というのは余り競合しないんですね。いわゆる大衆肉と言われるところが一番影響を受けるわけです、海外との関係でいうと。
それで、北海道は肉牛で全国の二〇・七%、そのうちの乳用牛は約半分です。ですから、乳用牛の肉牛が約半分を占めているわけで、極めて大きな影響があって、私も何度か農家の方と話をしていると、もうこのホル雄はやめようか、もう少しブランドのものに転向しようかと言っている方々が結構おられます。それはもう、アメリカとの関係で競合するということを見越しているわけですね。
もう一つが乳製品です。乳製品は、御案内のとおり、加工原料乳は北海道限定ですから、ほぼほぼ九割が北海道なわけです。こうしたことを考えると、北海道の影響額というのは極めて私は大きいというふうに思うんですね。
実は、この前のTPPの、CPTPPが発動した後も一部牛肉の価格に影響が出たり、それから日欧のときにはバターとワインとか、これは北海道直撃なんですね。今度、RCEPは少し持ち越しにはなったようですけれども、ここも、主に影響を受けるのは農産物なわけです。
大陸型の農業をやっている北海道がいずれも直撃をされるということになるわけでありますので、先ほどの答弁の中で、クラスターだマルキンだ、あるいは省力化だ体質強化だというお話があったんですが、私は、とりわけ肉牛や酪農に関して言えば、大型化を目指すというのは限界だというふうに思っています。
大臣の地元の肉牛だって、もう目いっぱいだと思うんです。農地よりも肉牛の数の方が多いのではないかというぐらい密生している。まさに長屋と言われているぐらい、すごい頭数を飼っていて。
それから、酪農においても、酪農の離農というのはずっと続いているんですけれども、もう買えないと。今までは、離農すればそこを買って、何とか規模拡大をして進めてくるという方法をとっていたんですが、それももう限界に来ています。一部いい土地だけいただきます、あるいは、牛も、自分の牛と血統書のいい牛を一部入れかえます程度までしかできない。もうほぼ限界なんです。
ですから、省力化だ体質強化だという旧来の対策で、私は、ここのところを乗り切れるというふうには思いません。影響は北海道にとっては必至ですから。そういった意味での対策について、これからどんなことをやっていこうとしているのかについて伺います。大臣。
○江藤国務大臣 まず、北海道につきましては大変酪農の世界でも頑張っておられて、都府県酪農は非常に厳しい状態になっておりますけれども、二年連続で増頭されておりますし、まあまあいい感じだと思います。しかし、確かにホルスについては、TPP12のときの議論でもそうでしたけれども、一番競合するであろうと言われた部分だと思います。そのときはF1もじゃないかと言われましたが、今はホルスだろうと思います。
最近の直近の数字をちょっとこの間見たんですけれども、大分、乳雄の数は減っておられますね、北海道の場合は。やはり受精卵を移植して妊娠させれば乳は出ますから、釈迦に説法ですけれども。それで、黒を産ませる、それからF1を産ませるというようなことを積極的にやられて、それがまた酪農家の収入として非常に支えになっているということでありますから、これについては、しっかりこれからも支援を厚くしたいなと実は思っております。
乳雄についても、マルキンにおいて九割補填になってございますので。乳雄の肥育をやられている方々もおられます。それから、いわゆる更新時期に至った乳雄についても、北海道では飼い直しをされる。そういうものもちゃんと肉をつけて、サシも入れて、それが市場で評価されるという例もありますので、そういったことについてもしっかり支援をさせていただければというふうに思っております。
酪農についてでありますけれども、ハードについては御存じのとおりでありますが、ソフト系については守らせていただいた。高たんぱくの部分については一定の枠がありますけれども、これはアメリカだけということではなくて全ての国に開放する枠でありますから、余りそんなに北海道酪農に直接大きな影響を与えるものでは多分ないのではないかと思いますが、経緯をちゃんと見守らせていただきたいと思います。
加工原料乳の補給金制度は、おっしゃるように北海道の制度でありますので、これもまた時期がもうすぐ近づいてまいりました。ぜひこの委員会でもしっかり議論をさせていただいて、北海道酪農が決して厳しい状況にならないような単価の決め方、制度の見直し等もさせていただければというふうに思っております。
それから、酪農家の離農については、継承する場合の支援について、概算要求で要求をさせていただいておりまして、税制改正もお願いをしておりますが、特に第三者に対する事業承継については、これももうやはりやらなきゃならないと思っています。これはまだ手がついておりませんけれども、これについての税制の新たな創設についても、自分としてはしっかり取り組ませていただければというふうに考えております。
○佐々木(隆)委員 ちょっと幅広に答弁をいただきました。
事業継承とかその他については、またいつか機会を見てまた議論させていただければというふうに思ってございますが、ぜひ、大型化一本やりの支援ではなくて、自然型、放牧型みたいなものもまじり合うことによって北海道の酪農は今日まで成り立ってきておりますので、一律大型化という支援ではない仕組みをぜひつくっていただきたい。
というのは、大型化するということは、停電なんかもこのごろありますけれども、一度停電なんかしちゃうと、それだけ被害も大きくなっちゃうんですね、全部機械化されていますから。ですから、そういうものをまぜ合わせる仕組みというものを、ぜひ支援の仕組みとしても考えていただきたいということを要望しておきたいと思います。
最後に、これは予算のことですから内閣官房になるのかというふうに思いますが、対策予算です。
秋にはと、秋っていつまでを秋というのかわかりませんが、秋までには対策大綱が出るということになっているんですが、いまだ出てきておりません。
台風の場合もそうなんですが、農業を支援するというのはお金が行けばいいという話じゃないんですね。来年の営農に対してどうするかということを事前にやはり示してあげるということが農業に対する対策なんです。
ですから、もう間もなく、北海道なんか今はもう雪が降り始めているんですが、来年の営農計画が立てられない状態のまま越年するなどということは、やはりあってはならないことですし、台風も全く同じです。
お金が来ればいいのではなくて、来年の営農に支障がないというふうな仕組みというものをやはりつくっていただかなきゃならないので、この対策大綱、対策予算、これについて、間もなく発表できるのではないかというふうに期待をしているんですが、いつごろまでにどのようなスケジュールでやっていくのかについて、予算を担当しているところ、お伺いします。
○大角政府参考人 関連政策大綱につきましては、まさに委員がおっしゃいましたとおり、本年秋に策定を目指すということで、今、鋭意、まさに詰めの作業を関係各省と行っているところでございます。
なお、大綱に関係いたします各種予算につきましては、関係省庁と財政当局等々の方で調整が行われていくものと考えております。
○佐々木(隆)委員 時間が来ましたので終わりますが、北海道はもう雪が降っております。もう秋は越えていますから。
今やっていますということではなくて、必要なのは、来年の営農計画をつくるのに間に合うように早く示せということを私は申し上げているので、そのことを申し上げて、終わります。
○吉野委員長 次に、後藤祐一君。
○後藤(祐)委員 立憲民主・国民・社保・無所属フォーラムの後藤祐一でございます。
きょうは、農水委員会での質問の機会をいただきまして、理事各位に感謝を申し上げたいと思います。
まず、日米貿易協定の陰に隠れて交渉が近々妥結するのではないかと言われているRCEPについて伺いたいと思います。
江藤農水大臣にまず先に聞きたいと思いますが、RCEP参加国の中で、日本がこれまで自由貿易協定的なものを結んでいないのは中国と韓国だと思うんですけれども、この中国と韓国については、TPPレベルですら譲ってはいけないところがかなりあると思うんです。
まず一番大きいのは米ですよね。米を中国に譲ったら何が起きるのか。あるいは、タイとはバイでやっていますけれども米除外ですから、RCEPが米除外にならない場合にはタイからというのも非常に心配になりますし、あるいは、配付資料の一枚目を見ていただきますと、鶏肉調製品というものを中国から一千億円も輸入しているんですね。これは関税がかかっています、六%とか二一%とかかかっていて、焼き鳥だとかから揚げだとか、物すごい額が輸入されているわけですけれども、中国、韓国、あるいは物によってはタイ、こういった、物によっては、TPPレベルですらRCEPで認めてはいけない深刻なものがかなりあると思うんですが、これらの農産品についてはTPPレベルよりも厳しい対応をしていただくということでよろしいんでしょうか。確認したいと思います。
○江藤国務大臣 RCEPにつきましては、今委員がおっしゃったようなことでございまして、交渉中でありますけれども、インドが非常にかたいということで、今スタックいたしておりますが、御指摘のように、タマネギについては八・五%、ニンジンでも三・〇、インゲンでも、これは乾燥ですけれども一〇%、先ほど鶏肉調製品、焼き鳥を例示されましたが、これについても六・〇%関税がかかっております。
これについて、交渉の内容については、ちょっと申しわけないんですが、申し上げることはできませんけれども、農林水産省としては、国内の生産に影響を及ぼすようなものについては、しっかり主張して交渉の場に反映させたいというふうに覚悟を決めております。
米についても、同じように扱わせていただきたいと考えております。
○後藤(祐)委員 きょう、中山外務政務官にお越しいただいておりますけれども、今農水大臣からは、厳しく対応していくという御発言もございました。米は除外、これはもちろんとして、今申し上げたような心配な品目についてはTPPまでも認めない、それ以外の品目についてもTPPを超えることはない、このあたりは当然のラインだと思うんですが、ぜひ御決意をいただきたいと思います。
○中山大臣政務官 RCEPについては、ほかの経済連携協定交渉と同様に、攻めるべきは攻め、一方、農産品を始めとして、守るべきは守り、我が国の国益を確保する観点から、しっかりと交渉してまいる所存でございます。
○後藤(祐)委員 丸まっちゃっているんですよね。品目の話だとか米の話だとか、今農水大臣が言ったのと同じことを言えないんですか。米は除外で頑張るとか、焼き鳥だとかニンジンだとかタマネギが大変だから、こういったものはしっかりと厳しくやるとか、少し言えないんですか、外務政務官。
○中山大臣政務官 日米貿易協定では、昨年九月二十六日の日米共同声明に沿って、農林水産品について、過去の経済連携協定で約束した市場アクセスの内容が最大限として交渉を行ってまいりました。
他方、異なる相手との交渉において譲許できる限度が異なることは当然であり、全ての交渉においてTPPと同じレベルの譲許内容であればいいという考えではございません。
農産品を始めとして、守るべきところは守るということを前提に、しっかり交渉しているところでございます。(発言する者あり)
○後藤(祐)委員 一声までいかない、半声ぐらいちょっとありましたが、米除外のところはおっしゃいませんでしたので、これは与党の先生方、深刻だと思いますので、対中国とですよ、米をどれだけつくれるんですか。ぜひこれは与党の中でも厳しくチェックいただきたいと思います。
資料二ですが、十一月五日の日本農業新聞で、メルコスール、ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイと自由貿易協定を締結することを検討しているという趣旨の記事が出ておりますが、検討なされているということは、これは外務省中山政務官にお伺いしたいと思いますが、事実なんでしょうか。
これについても、例えば鳥肉なんというのは、ブラジルからの輸入シェアって実は圧倒的なんですね、日本は。鳥肉もそうですし、あるいはオレンジ果汁なんかもブラジルは圧倒的に大きいと聞いております。品目によっては、遠い国ですが、大きな影響を受けると思いますが、今検討している状況なんでしょうか。中山政務官、お願いします。
○中山大臣政務官 お答え申し上げます。
世界最大の日系社会を抱え、伝統的な友好関係にあるメルコスールは、域内GDP約二・五兆ドル、域内人口約二・六億人であり、我が国にとって同地域との貿易・投資関係のさらなる強化は重要と考えております。
メルコスールとの関係構築のあり方については、我が国がかかわるほかの通商交渉やメルコスール側の通商政策をめぐる動向などを考慮しつつ、これまでもさまざまなやりとりを行ってきております。
他方、経済連携協定交渉について具体的な検討を行っているとの事実はございません。
○後藤(祐)委員 では、まだ具体的には検討していないということですね。そう言って、出てきたときにはもう一気に進んでいるわけですけれども。
江藤大臣、結構鳥肉、深刻だと思うんですね、ブラジルは特に。ぜひ、農水大臣としての立場から、特に鳥肉、オレンジ果汁あたりの、ブラジルだけではないですけれども、このメルコスールに対する懸念、もし交渉に入る場合にはこういう姿勢で臨むということについてお答えいただけますか。
○江藤国務大臣 もちろん、交渉に入る段階になれば私の方に正式に意見が求められてくることは当然だろうと思っています。外務省が私の知らないところで勝手にやるということは厳に慎んでいただきたいというふうに思っております。
その上で申し上げますけれども、鳥肉については七二%のシェアを持っております。オレンジジュースについては七〇%持っておりますので、こういった数字を我々しっかり、一応、私も農業新聞を見た後に、どういうことになるんだということで事務方にちょっと教えてもらいましたので、このことについては更に、もしかしたら来るかもしれないということでありますから、しっかり勉強もしておきたいというふうに考えております。
○後藤(祐)委員 ぜひ厳しくチェックをいただきたいと思います。
それでは、豚コレラに行きたいと思います。
これはCSFと名前を変えたそうなんですが、まずこれは事務方に確認したいと思いますが、接種推奨地域となっているのは、静岡、山梨が加わって現在十二県だと伺っていますが、次の三つの数字、端的にお答えいただきたいと思います。
まず、十二県全部でワクチンを打つとして何ドーズ必要なんですかというのが一つ目。
二つ目は、この十二県のほかに希望している県は、神奈川、栃木、茨城、千葉、奈良の五県で間違いないでしょうか。この五県で何ドーズ、更に必要なんですかというのが二つ目。
三つ目は、備蓄を含めて百五十万ドーズあったはずですけれども、このワクチンの製造を企業にお願いしていると思いますが、いつの段階で、プラスでどれだけできる予定なんでしょうか。
以上、三つ数字をお答えください。
○新井政府参考人 お答え申し上げます。
ワクチンの接種は、一回打った後、その後生まれた子供に更に打っていくということでございますので、いわばすだれ式になってくるということでございます。したがいまして、いつの時点でということは、だんだん積み上がっていくということでございまして、正確に申し上げることは困難でございますが、現在、十二県のうちワクチン接種プログラムを確認されている十一県、それから今後出てきます山梨県と推定数量を足し上げますと、初回の接種分ということで約百三十万頭分ということでございます。
それから、ワクチン接種推奨地域ではございませんが、ワクチン接種を希望する県、委員御指摘のとおり五県ございまして、ここの五県につきまして、畜産統計に基づきまして初回の接種数量を推定いたしますと、約百五十五万頭分ということになります。
ワクチン製造メーカーにつきましてはワクチン製造を九月に依頼をしておりまして、年内には追加で二百五十万頭分、それから年度末までに更に追加で二百五十万頭分が製造される見込みでございます。
○後藤(祐)委員 具体的にありがとうございました。
そうしますと、年内で四百万用意できるわけですね。生まれた子豚の分をちょっと別とすると、百三十万プラス百五十五万で、合計すると二百八十五万とかですから、年内でこのプラスアルファの五県分も十分足りてくる数字なんだと思うんですが、ぜひ、接種を希望している県については、注射を、ワクチンが製造でき次第やっていいですよというところをきちっと示していただきたいと思うんです。
江藤大臣にお伺いしたいと思いますが、予算委員会のときはここは残念な答弁だったんですが、かなり製造のめども立ってきていると思いますし、既に打たなきゃいけないところについては接種も進んできていると思いますので、現時点でこれらの希望している五県について、でき次第いいですよというところまで踏み込んでいただけないでしょうか。
○江藤国務大臣 もちろん、責任者は私ではございますが、家畜疾病小委員会の方々にもこれはお諮りをしなければならないという決まりになっております。しかし、委員御指摘のように、十二月の半ば過ぎぐらいにはそろいそうな感じになってきました。
答弁でも申し上げましたけれども、推奨県の指定につきましては随時見直すということも申し上げております。ですから、隣接県の方がやはり不安な気持ちはよくわかります、よくわかります。そういうところの方々のお気持ちも十分酌みながらこれから省内で検討させていただきますが、今この時点で、そろい次第認めますというところまで踏み込むのは御勘弁をいただきたい。手続を踏まねばならぬということでございます。
○後藤(祐)委員 これは、どんどんどんどん広がっていってしまう時間との勝負なので、数がめどが立っているのであれば早目に御決断いただければいいと思いますが、ぜひ専門家の皆様にもその方向で前倒し前倒しで御判断いただけるよう、これは大臣の御決断でできることだと思いますので、ワクチンの数が足りない状況で既に出てしまったところへ優先的に、これはわかるんですが、今の数字を見ますと足りている状況だと思いますので、ぜひそこは大臣のリーダーシップでやっていただきたいと思います。
ちなみに、豚コレラは、CSF、クラシカル・スワイン・フィーバー、アフリカ豚コレラは、ASF、アフリカン・スワイン・フィーバーと名前を呼びかえたようでございますが、いろいろな、農水省のホームページも全部変わっておりますが、これは、家畜伝染予防法第二条に、伝染性疾病の種類は法律で列挙されていて、その中に豚コレラ、アフリカ豚コレラは法律の条文として挙がっておりますので、法改正が必要なのではないでしょうか。
ちなみに、その場合、BSEは、狂牛病ではなくBSEとなって、伝達性海綿状脳症と難しい日本語でその法律の中に書いてあるんですが、CSF、ASFは日本語で言うと何になるんでしょうか。あわせて、大臣、お願いします。
○江藤国務大臣 ちょっと事務方が追いつかないみたいなのでお答えをさせていただきますが、家伝法上の法改正を、変えなければ呼称を変えることができないということでは、これは法律的にはございません。
そして、一八〇〇年代にアメリカで発生をして、そのときのものを、そのまま英訳から、日本語訳にした結果、豚コレラという名前になっているということでございまして、今もうアメリカではCSFという呼称を使っております。ですから、問題はないのではないかと思っております。
もう一つは何でしたっけ。(後藤(祐)委員「日本語でその場合何と言うんですか」と呼ぶ)日本語で言わなきゃいけないんですか。(後藤(祐)委員「それは局長でもいいですよ」と呼ぶ)CSFは、もう呼称を変えたので。日本語訳ですか。(後藤(祐)委員「はい」と呼ぶ)英語でクラシカル・スワイン・フィーバーですから、英語がおできになりますよね、古典的な豚の熱、発熱ということになるんでしょうか。ASFについては、アフリカン・スワイン・フィーバーですから、アフリカの豚の発熱ということだと思います。
○新井政府参考人 これらの病気につきましては、家畜伝染病で、法律で名前が明記をされております。現在、CSFは豚コレラ、それから、ASFはアフリカ豚コレラというふうに書いてございます。これと呼称というのは必ずしも一致をしているということではございませんで、BSEも、法律では伝達性の病気ということになっております。
これらの名称につきましては、法律改正の中で、どのような名称が適切なのかということで専門家の意見を伺いながら、法律の名称については考えていきたいと思っております。
○後藤(祐)委員 ということは、法改正するということですか、大臣。今の局長の答弁は法改正を前提にした答弁です。
○新井政府参考人 繰り返し答弁をさせていただきますと、法律の名称と世の中の呼称というのは必ずしも一致をしていないということでございます。BSEのように、法律上はBSEと書いてございませんけれども、日本国内ではBSEということで呼称が定着しているものもございます。そういう点では、必ずしも法律上の名称と呼称は一致している必要がないということでございます。
○後藤(祐)委員 ちょっとよくわからなかったんですが、BSEのときのように、伝達性海綿状脳症みたいな、きちっとした難しい名前を新たにつけるということはしないで、CSF、日本でいうと豚コレラとなっちゃうわけですか。
豚コレラと言うとちょっとこう、よろしくないからその名前を変えようということになっているんじゃないのかなと思うんですけれども、日本語で言うときは豚コレラと言い続けるんですか。
○江藤国務大臣 言わないようにしていただきたいと思っております。
やはり、言葉の力というのは大変あって、コレラと言うと、人間にうつるというイメージが非常に強い。しかし、これは全く人間には影響を及ぼさないものでありますから、これからは、BSEのようにこのCSFという呼称が定着するように、これから徹底させていただきたいと思っています。
○後藤(祐)委員 やはり法律は改正しておいた方がいいと思いますね、今の混乱を見ても。CSFといきなり言われても何のことか、関係している人はわかるかもしれないけれども、一般国民は多分何のことかわからないので、やはり法律をきちっと改正した方がいいんじゃないかと思います。
それと、これの対策はもういろいろと講じられておると思うんですけれども、やはり、イノシシ対策、イノシシ駆除が大事だと思いますので、わなの見回りを毎朝やっている方ですとか、大変な話を私もお伺いしております。
カメラを設置するところはお金を投じればできる話だったりもしますので、こういった鳥獣被害対策一般にも役に立つようなイノシシ対策の充実と、あと、ワクチンを打った豚とそうでない豚がまざって解体しちゃいけないですとか、いろいろ流通上で大変な、難しい作業が発生しているんですけれども、私の地元の厚木にも、全国で三本の指に入る神奈川食肉センターというのがあるんですけれども、なかなか大変なようです。こういった、解体処理するところの支援も必要だと思いますが、ぜひ、今の有害鳥獣対策とこういった解体処理のところの支援策について、大臣、ぜひお願いしたいと思います。
○江藤国務大臣 まず、わなにつきましては、今はもうアイパッドでリアルタイムで見ることができて、自動で閉まるやつもありますけれども、アイパッド上でばしゃんと閉めるタイミングが決められるようなものもありますので、そういった支援もさせていただきたいと思っています。
鳥獣対策交付金というのがありますので、これは百億、総額でありますので、これの中の運用をちょっと考えたいと思っております。
それから、猟友会の方々にも、山に入っても必ず撃てるわけではない、空振りのことも多いということでありますから、日当のようなものもしっかり出させていただいて、できるだけ山に入っていただけるようにお願いをしたいと思っております。
それから、施設については、昨日、群馬県の施設を見に行ってまいりました。豚を積んだトラックが入って、おろして、出るまでに、合計三カ所で、三回消毒をするというすばらしい取組をされていました。そして、ワクチン接種豚と未接種豚の分は区分して豚もつなぐように、しっかりコントロールされていただいていました。
ですから、こういうことについては確かにコストがかかるというふうに思っております。しかし、正直申しますと、今のところ施設に対して直接支援するようなメニューはございませんので、今後の宿題として考えさせていただきたいと思います。
○後藤(祐)委員 最後のところはぜひ応援してあげてください。これから大綱ですとか補正予算ですとかあるんでしょうから、明らかに追加コストがかかっていると思いますので、そこでしっかりできるかどうかは、まさに大臣が一番ごらんになってわかったことだと思いますので、ぜひ充実していただきたいと思います。
それでは、TPP等関連政策大綱、この日米を受けて見直すということになっている、秋に見直すことになっている大綱でございますが、配付資料三ページ目に、十月一日に、この見直しに係る基本方針、一枚紙を配付させていただいております。この中にも、本年秋をめどに改訂することとするとあるんですが、もっと問題なのは、次の「柱に沿って検討することとする。」という中に、日米貿易協定で関税が下がって不安になるからちゃんとやりますよというような趣旨が書いてあるかと思いきや、書いていないんですね。「強い農林水産業・農山漁村をつくりあげるため、農林水産業の生産基盤を強化するとともに、新市場開拓の推進等、万全の施策を講ずる」、これしか書いていないんですね。
TPP12のときは、もうストレートに、関税削減等に対する農業者の懸念と不安を払拭し、TPP協定発効後の経営安定に万全を期すためとか、そういう言葉が並んでいるんですよ。ぜひ、これははっきりそう書いていただきたいというふうに思います。
これについてどう思いますかというのが一つと、ちょっとまとめて質問しますが、品目別にきちんとこの大綱を規定されるんでしょうか。
今回であれば、牛肉、豚肉、乳製品、こういったところが大変心配になってくるわけでございますが、TPPのときは当然、五品目を始め、具体的な品目にこういう対策をしますというのがありました。今回、こういった品目別にちゃんと規定するのでしょうか。大臣にお答え願いたいと思います。
○江藤国務大臣 この総合的なTPP等関連対策大綱にかかわる基本方針について私の目配りが足りなかったことについては、反省をさせていただきたいなと思います。
とにかく生産基盤の強化ということばかり実は考え過ぎていたところがあって、生産基盤を強化することによって外国との競争にも勝てるし、それから、逆に言うと、外国から入ってくるものに対して日本の製品が押し返すという効果もそこで期待できるのではないか、とにかく生産基盤を強化しなきゃいけない、輸出するにしても、つくる人がいなければ、つくる場所がなければだめだということでこういう書きぶりになったということは、できれば御理解をいただきたいと思います。
それから、もう一つは何でしたっけ。(後藤(祐)委員「品目別」と呼ぶ)ああ、品目別にですね。
それはまだ発表ができませんが、かなり農水省の幹部を集めて、品目別という言い方が正確かどうかわかりませんけれども、農林水産省にある全てのソフト事業、ハード事業も含めて、テーブルの上にのせて検討しろということをさせております。
この際、思い切ったことをやらせていただければ、それは財務とも話をしておりませんし、もちろん総理にも何の報告もしておりませんので、どこまで私なりに農林省で積み上げたものが通るかわかりませんけれども、しかし、できるだけ細かくやらせていただきたいというふうに考えています。
○後藤(祐)委員 ぜひ、被害が出るところはかなり明確だと思いますので、品目別の対策を充実させていただきたいと思いますし、あと、主体別にもしっかりやってほしいと思います。
これは、JA全中のこの前あった提案ですね。新たな国際環境下における生産基盤強化等にかかる政策提案というのが大臣のところにも行ったと思いますけれども、その中に、中小の家族経営対策、経営承継対策の強化といった項目も挙げられています。
こういった特に畜産、酪農なんかは、大きいところを応援することも大事だと思いますし、その設備投資を応援することももちろん大事なんですが、実は、日本国内での生産量が落ちていることについては、これは中小の経営体がなかなか後継者が見つからなくて、私のところなんかもどんどんやめていっています。それで全体としての生産が落ちている面もやはりあると思いますので、ぜひこの中小経営対策、これをしっかりと大綱の中に入れていただきたいのと、中山間地については大体いろいろな対策をやるときに考慮されるんですけれども、都市農業枠といったものは今まで残念ながら入れていただいておりません。
これは、都市農業振興基本法の八条にも「措置を講じなければならない。」となっておりますので、都市農業という面でもぜひ応援いただきたいと思いますし、あと、最後に一つ、畜産に関しては、クラスターのところにはいろいろお金が出るんですけれども、クラスターにもならないような、点在して、でも頑張ってやっている畜産の方はかわいそうなんですね。いろいろな補助措置がないんです。ぜひそこも対象にしていただきたいと思いますが、あわせて大臣からの御見解をいただきたいと思います。
○江藤国務大臣 済みません、かなりまとめて御質問いただくので、なかなか答えが難しいので。
主体別に、先ほどのこと、主体別にやらせていただきます。もちろん、一番関心が集まっているのは牛肉の部分のSGにまつわる部分ですから、これについてはしっかり取り組ませていただきますことを追加させていただきます。
それから、九八%が家族経営ですから、まさに委員がおっしゃるように、大規模なところが更にでかくなるということではなくて、中よりも下、もうちょっと、例えば牛でいえば、あと十頭、二十頭増頭すると経営としては安定するんだけれどもなというような人を支援できないかなということで、今、支援を実は絞っております。ですから、大きいものが大きくなるという理念ではなくて、まだ始めたばかりだけれども、将来に希望をつなげるような施策はないかということで今検討させていただいております。
中山間についても、クラスターとか産地パワーアップとかいろいろな要件、それから、農地集約についても、中間管理機構の集約要件、集約奨励金を、五分の一にするとか、るる中山間地域、やらせていただいておりますけれども、私のところなんかまさに中山間地域ですので、これについても、中山間の方々が、ああ、これは我々に対するものだなと感じるようなものを考えさせていただきたいと思っております。
クラスターについては、御指摘の点はよくわかります。クラスターにも要件がございますので、増頭要件とかいろいろありますので、そういった部分については、先ほど申し上げましたように、全てのメニューについてテーブルの上にのせて、これでいいのかということをやらせていただいた上で、見直すとここではっきりは申し上げられませんが、委員の御指摘はごもっともだと思っておりますので、しっかり検討させていただきます。
○後藤(祐)委員 力強いお言葉をいただきました。ぜひお願いします。
日米貿易協定の各論のところを最後にちょっと触れたいと思いますが、豚肉の従量税部分については二〇二二年度から、あとホエーなんかは二〇二三年度から、セーフガードの発動基準が、アメリカとTPP11の合計の輸入量にしているんですね。
つまり、アメリカが日本に輸出をふやさなくても、残りの11がふやした場合、アメリカに対してだけセーフガードが打てるという状況になることがあり得ます。11の方は12の枠組みのままですから、そこには達しない。だけれども、11と米国を合わせた数字で、今回の日米のセーフガードの数字が今言った年度から後決まることになっていますので、アメリカ単体ではふえていないのに、アメリカに対してだけセーフガードが打てるということが発生し得ます。
これは、事務方、間違いないでしょうか。確認まで。
○飯島政府参考人 お答えいたします。
日米貿易協定においては、豚肉の従量税部分については、発効四年目以降、米国とTPP11締約国からの合計輸入数量が各年一定の発動水準を超える場合にセーフガード措置が発動されることになっております。
TPP11におきましては、豚肉の従量税部分については、TPP11発効五年目以降、TPP11締約国からの合計輸入数量が各年一定の発動水準を超える場合にセーフガード措置が発動されることとなっております。
○後藤(祐)委員 だから、私が言ったとおりだということですよね。
これは神田政務官になるのか外務省になるのか、そちらで御判断いただきたいと思いますが、そうなりますと、アメリカとしては日本への輸出をふやしていないのに、むしろふやしているのはオーストラリアとかニュージーランドなのに、ニュージーランドとかオーストラリアに対してはセーフガードは打てない。だけれども、アメリカには打てる。そこで日本が打つと、アメリカとしてはこれはひどいじゃないかという話で、本来、TPP11の規定を見直すべきだと思うんですね。
TPP11の方もアメリカと11の合計額でセーフガードを打てるようにしましょうというふうに直すべきだと思うんですが、まずそれを求めていくべきじゃないかと思うんですが、そんなのオーストラリアやニュージーランドが応じるわけないと思うんですよ。これはどうしていくんですか。
でも、アメリカに対して実際に打ってしまうと、これは下手すると、誠実な履行でない、アメリカは輸出をふやしていないのにセーフガードを打ちやがった、日本はと。誠実な履行でないと言われたら、自動車関税、二五を打たれちゃうリスクがあるわけですよ、下手をすると。
アメリカが日本に対して輸出をふやしていないのに、日本はアメリカに本当にセーフガードを打つことができるんですか。そして、それは誠実な履行と言えるんですか。これはどっちがお答えになりますか。
○飯島政府参考人 お答えいたします。
米国との関係についてお答えいたしますと、委員御指摘の豚肉のセーフガード措置につきましては、米国と交渉を行った結果、日米両国が合意した内容となっておりまして、この合意の上で、日米貿易協定に規定されたセーフガード措置、協定に従ってセーフガード措置を発動するということでございますので、協定の誠実な履行に反するものになるとは考えておりません。
○後藤(祐)委員 今のは重要な答弁だと思います。でも、かなり勇気が要りますよ、これ。
最後に一問、豚肉の差額関税制度について大臣にお伺いしたいと思います。
従量税が、段階的ではありますが大幅に下がるので、これまでのような値段の安いところと高いところを合わせたコンビネーション輸入という前提がだんだん崩れていくのではないか、これによって安い方の部位の輸入だけが増大する可能性があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○江藤国務大臣 私は余りそう思って実はおりません。
確かに、四百八十二円から五十円に従量税の方は下がりますので、テレビ的には八分の一とかそういう数字になるということでセンセーショナルに言われておりますけれども、いろいろな業界の方に話をしましたが、最終的には損益分岐点は変わりませんので、分岐点価格は変わりませんので。ということになると、五十円は残るわけであります、最終的には。ということであると、どうしても、もともと安い部位、いわゆる裾物を輸入したいという方々はこの従量税のところで対応するわけですから、やはりどうしても、コンビネーションでやって、五十円もただにしてほしいと。ゼロになるわけですから。五十円が残ることもやはり業界としては重荷なので、コンビネーションは続けるということをおっしゃっていらっしゃいました。
そして、お聞きになっていらっしゃいませんけれども、従価税の方も四・三%がなくなりますけれども、四・三%は、価格の変動とかいろいろなもので吸収される程度という言い方はよくないかもしれませんけれども、大体店頭価格でどれぐらい、例えばショウガ焼き用の肉が百グラムどれぐらい下がるかというのをちょっと調べてみましたら大体二円ぐらいの影響ということでありますから、養豚業界の方々も、この差額関税制度自体が残ったことによってそんなに大きな心配はされていらっしゃらないというふうに承知をいたしております。
○後藤(祐)委員 二十八年十一月二十一日の参議院TPP特委で山本農水大臣は、「低価格部位の一部がコンビネーションによらずに輸入される可能性も否定することができません。」と答弁しています。長期的にはやはりわからないんじゃないかなと思いますので、そこはよく見ていただければと思います。
終わります。ありがとうございました。
○吉野委員長 次回は、明十三日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午前十一時七分散会