第10号 令和3年6月2日(水曜日)
令和三年六月二日(水曜日)午前十時開議
出席委員
委員長 高鳥 修一君
理事 加藤 寛治君 理事 齋藤 健君
理事 津島 淳君 理事 宮腰 光寛君
理事 宮下 一郎君 理事 亀井亜紀子君
理事 矢上 雅義君 理事 稲津 久君
伊東 良孝君 池田 道孝君
泉田 裕彦君 今枝宗一郎君
上杉謙太郎君 江藤 拓君
金子 俊平君 木村 次郎君
工藤 彰三君 小寺 裕雄君
佐々木 紀君 鈴木 憲和君
西田 昭二君 根本 幸典君
野中 厚君 福田 達夫君
福山 守君 務台 俊介君
渡辺 孝一君 石川 香織君
大串 博志君 金子 恵美君
近藤 和也君 佐々木隆博君
佐藤 公治君 櫻井 周君
緑川 貴士君 濱村 進君
田村 貴昭君 足立 康史君
玉木雄一郎君
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農林水産大臣 野上浩太郎君
農林水産副大臣 葉梨 康弘君
農林水産大臣政務官 池田 道孝君
農林水産委員会専門員 森田 倫子君
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委員の異動
六月二日
辞任 補欠選任
斎藤 洋明君 務台 俊介君
細田 健一君 工藤 彰三君
神谷 裕君 櫻井 周君
藤田 文武君 足立 康史君
同日
辞任 補欠選任
工藤 彰三君 細田 健一君
務台 俊介君 斎藤 洋明君
櫻井 周君 神谷 裕君
足立 康史君 藤田 文武君
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五月二十八日
家族農業を守り、食料自給率の向上を求めることに関する請願(清水忠史君紹介)(第一一五五号)
六月一日
家族農業を守り、食料自給率の向上を求めることに関する請願(神谷裕君紹介)(第一二九〇号)
同(佐々木隆博君紹介)(第一二九一号)
同(亀井亜紀子君紹介)(第一三八三号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
農林水産関係の基本施策に関する件
鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律の一部を改正する法律案起草の件
鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止に関する件
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○高鳥委員長 これより会議を開きます。
農林水産関係の基本施策に関する件について調査を進めます。
この際、鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。
本件につきましては、各党間の協議の結果、お手元に配付いたしておりますとおりの起草案を得ました。
本起草案の趣旨及び主な内容につきまして御説明申し上げます。
本案は、鳥獣による農林水産業等に係る被害を防止するための施策の一層の推進を図ることを目的とするものであり、その主な内容は次のとおりであります。
第一に、対象鳥獣の捕獲等の強化についてであります。市町村が行う被害防止施策のみによっては被害を十分に防止することが困難である場合に市町村長の要請を受けた都道府県知事が講ずる措置について、協議の場を設けること等により関係地方公共団体との連携を図りつつ講ずる旨を明記するとともに、被害の防止に関する個体数調整のための捕獲等を行うことができるようその範囲を拡大することとしております。その際、国は、市町村長の要請を受けた都道府県知事が行う調査及び措置に要する費用について、必要な財政上の措置を講ずるものとしております。また、市町村長は、鳥獣被害対策実施隊員の任命に当たっては、意欲及び能力を有する多様な人材の活用に配慮するものとしております。
第二に、捕獲等をした対象鳥獣の適正な処理及び有効利用のための措置の拡充についてであります。国及び地方公共団体が講ずる捕獲等をした対象鳥獣の適正な処理を図るための措置として、効率的な処理方法に関する情報の収集及び提供を明記することとしております。また、捕獲等をした対象鳥獣の利用方法として、愛玩動物用飼料又は皮革としての利用を明記するとともに、国が連携の強化に必要な施策を講ずる関係者として、捕獲等をした対象鳥獣の食品、愛玩動物用飼料又は皮革等としての加工、流通又は販売を行う事業者を明記することとしております。
第三に、国及び地方公共団体が育成を図る被害の防止に寄与する人材として、鳥獣の捕獲等について専門的な知識経験を有する者を明記するとともに、人材の育成のための措置として、関係機関及び関係団体と連携した体系的な研修の実施を例示することとしております。
第四に、特定鳥獣被害対策実施隊員以外の被害防止計画に基づく対象鳥獣の捕獲等に従事している者に係る銃砲刀剣類所持等取締法に基づく猟銃の操作及び射撃の技能に関する講習の免除措置について、その期限を令和九年四月十五日まで延長することとしております。
なお、この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。
以上が、本起草案の趣旨及び主な内容であります。
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鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律の一部を改正する法律案
〔本号末尾に掲載〕
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○高鳥委員長 お諮りいたします。
鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律の一部を改正する法律案起草の件につきましては、お手元に配付いたしております起草案を本委員会の成案とし、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○高鳥委員長 起立総員。よって、本案は委員会提出の法律案とするに決定いたしました。
なお、ただいま決定いたしました法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高鳥委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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○高鳥委員長 この際、宮腰光寛君外五名から、自由民主党・無所属の会、立憲民主党・無所属、公明党、日本共産党、日本維新の会・無所属の会及び国民民主党・無所属クラブの六派共同提案による鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止に関する件について決議すべしとの動議が提出されております。
提出者から趣旨の説明を聴取いたします。佐々木隆博君。
○佐々木(隆)委員 ただいま議題となりました決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。
案文の朗読により趣旨の説明に代えさせていただきたいと存じます。
鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止に関する件(案)
農山漁村地域において鳥獣による農林水産業等への被害が依然として深刻な状況にあり、これに対処することが農林水産業の発展及び農山漁村地域の振興に際して継続的かつ喫緊の課題となっている。
よって、政府は、「鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律の一部を改正する法律」の施行に当たり、左記事項の実現に万全を期すべきである。
記
一 被害防止計画に基づく対象鳥獣の捕獲等の拡充に当たっては、鳥獣被害対策実施隊の更なる設置数の増加を図るとともに、狩猟者の実施隊員への移行・加入の促進等、必要な措置を的確に講じること。また、実施隊における多様な人材の活用への配慮に当たっては、実施隊の活動と連携して農業者や農林業団体が積極的かつ効果的に被害防止施策に取り組む優良事例がみられる実情等を十分に踏まえるよう、市町村に対し周知徹底を図ること。
二 都道府県が広域的な捕獲活動を実施するに当たっては、改正後の法第七条の二等に規定する「被害の防止に関し必要な措置」として、個体数調整のための捕獲等を行うことができることを十分に認識するよう、都道府県に対し適切に指導・助言を行うこと。
三 鳥獣の生息状況及び生息環境等に関する調査については、鳥獣の個体数等の正確な把握に努め、その調査結果に基づき、農林水産業等に係る被害を防止する上で適正と認められる個体数等の目標水準を設定するとともに、実績について正確な分析及び検証を行う等、効果的かつ効率的な運用を行うこと。その際、人獣共通感染症対策の観点にも留意し、必要な措置を講じること。
四 捕獲等をした鳥獣についての有効な利用の促進に当たっては、食品、愛玩動物用飼料又は皮革としての利用促進と併せて、動物園での飼料としての利用、油脂や骨の加工製品化等、幅広く多様な利用の在り方について引き続き検討し、その促進のために必要な措置を講じること。その際、一層の利用拡大を図るためには、捕獲から処理、加工、流通又は販売を行う事業者等からなる、強固で持続的な流通ネットワークによる安定供給が重要であることを認識し、その環境整備のために必要な支援を行うこと。
五 安全・安心なジビエの提供に向けた野生鳥獣肉の衛生管理に当たっては、平成三十年五月に制定された国産ジビエ認証制度の趣旨及び目的を踏まえて、同制度の普及促進を図るとともに、認証に取り組む事業者に対するきめ細かな支援を行うこと。また、衛生管理の基準等については、豚熱、高病原性鳥インフルエンザ等に係る最新の家畜防疫対策の状況を踏まえるとともに、人獣共通感染症予防の観点にも留意し、適宜、適切な見直しを検討すること。
六 東日本大震災から十年余が経過するに至っても、未だに鳥獣の捕獲等又は捕獲等をした鳥獣の利用が困難となっている地域があることに鑑み、平成二十八年改正で設置された鳥獣被害対策推進会議が中心的な役割を担い、関係行政機関が相互に連携して、一体的かつ効果的な支援を継続的に実施すること。
七 鳥獣の捕獲等を推進する一方で、動物愛護やアニマルウェルフェアの観点及び国際的なOIEコードの関連条項等に留意し、保護すべき動物の錯誤捕獲の防止策、捕獲鳥獣の適切な処理方法の在り方等について、厳格な指導・監督を行うとともに、必要に応じて運用マニュアルの見直し等の検討を行うこと。
八 被害防止施策の実施に当たっては、シカを仲介したヤマビルによる地域住民等への被害等、鳥獣に係る二次的な被害状況を踏まえ一体的な対策を講じるなど、地域の実情に即した取組が進められるよう、市町村に対し適切に指導・助言を行うこと。
九 銃砲刀剣類所持等取締法に基づく技能講習の免除措置を受ける者に対しては、事故防止のための指導を的確に実施するとともに、猟銃に係る技能向上及び安全確保が確実に図られるよう、地域の実情に即した射撃場の整備及び適切な配置等、必要な措置を講じること。
右決議する。
以上です。
何とぞ委員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
○高鳥委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
採決いたします。
本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○高鳥委員長 起立総員。よって、本件は本委員会の決議とするに決しました。
この際、ただいまの決議につきまして、農林水産大臣から発言を求められておりますので、これを許します。農林水産大臣野上浩太郎君。
○野上国務大臣 ただいまの御決議につきましては、その御趣旨を十分に尊重させていただき、関係省庁と連携を図りつつ、今後、最善の努力をしてまいる所存でございます。
○高鳥委員長 お諮りいたします。
ただいまの決議の議長に対する報告及び関係当局への参考送付の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高鳥委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
次回は、明三日木曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午前十時十三分散会