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第1号 令和4年3月1日(火曜日)

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本国会召集日(令和四年一月十七日)(月曜日)(午前零時現在)における本委員は、次のとおりである。

   委員長 平口  洋君

   理事 江藤  拓君 理事 高鳥 修一君

   理事 宮下 一郎君 理事 簗  和生君

   理事 金子 恵美君 理事 佐藤 公治君

   理事 空本 誠喜君 理事 稲津  久君

      東  国幹君    五十嵐 清君

      上田 英俊君    尾崎 正直君

      加藤 竜祥君    神田 潤一君

      北村 誠吾君    坂本 哲志君

      高見 康裕君    武井 俊輔君

      中川 郁子君    野中  厚君

      長谷川淳二君    平沼正二郎君

      古川  康君    保岡 宏武君

      山口  晋君    若林 健太君

      梅谷  守君    神谷  裕君

      小山 展弘君    後藤 祐一君

      緑川 貴士君    渡辺  創君

      池畑浩太朗君    住吉 寛紀君

      金城 泰邦君    庄子 賢一君

      長友 慎治君    田村 貴昭君

      北神 圭朗君

令和四年三月一日(火曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 平口  洋君

   理事 江藤  拓君 理事 高鳥 修一君

   理事 宮下 一郎君 理事 簗  和生君

   理事 金子 恵美君 理事 佐藤 公治君

   理事 緑川 貴士君 理事 空本 誠喜君

   理事 稲津  久君

      東  国幹君    五十嵐 清君

      上田 英俊君    尾崎 正直君

      加藤 竜祥君    神田 潤一君

      北村 誠吾君    坂本 哲志君

      高見 康裕君    武井 俊輔君

      中川 郁子君    野中  厚君

      長谷川淳二君    平沼正二郎君

      古川  康君    保岡 宏武君

      山口  晋君    若林 健太君

      梅谷  守君    小山 展弘君

      池畑浩太朗君    住吉 寛紀君

      金城 泰邦君    庄子 賢一君

      長友 慎治君    田村 貴昭君

      北神 圭朗君

    …………………………………

   農林水産大臣       金子原二郎君

   農林水産副大臣      武部  新君

   農林水産大臣政務官    宮崎 雅夫君

   農林水産委員会専門員   梶原  武君

    ―――――――――――――

三月一日

 理事佐藤公治君同日理事辞任につき、その補欠として緑川貴士君が理事に当選した。

    ―――――――――――――

三月一日

 土地改良法の一部を改正する法律案(内閣提出第一九号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 理事の辞任及び補欠選任

 国政調査承認要求に関する件

 農林水産関係の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

平口委員長 これより会議を開きます。

 理事辞任の件についてお諮りいたします。

 理事佐藤公治君から、理事辞任の申出があります。これを許可するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

平口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 引き続き、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。

 ただいまの理事辞任に伴う補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

平口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 それでは、理事に緑川貴士君を指名いたします。

     ――――◇―――――

平口委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。

 農林水産関係の基本施策に関する事項

 食料の安定供給に関する事項

 農林水産業の発展に関する事項

 農林漁業者の福祉に関する事項

 農山漁村の振興に関する事項

以上の各事項について、実情を調査し、その対策を樹立するため、本会期中調査をいたしたいと存じます。

 つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

平口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

     ――――◇―――――

平口委員長 農林水産関係の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、農林水産大臣から所信を聴取いたします。農林水産大臣金子原二郎君。

金子(原)国務大臣 皆さん、おはようございます。

 農林水産委員会の開催に当たりまして、所管大臣としての考え方の一端を申し述べます。

 我が国の農林水産業、食品産業の現場では、多くの方々が新型コロナによる影響を受けておられます。また、鳥インフルエンザや豚熱など、家畜伝染病も発生し、その対応が続いているほか、軽石漂着や潮位変化など、火山噴火による被害も発生しております。

 このような困難な状況の下、現場の最前線で御尽力されている方々、そして、新型コロナや家畜伝染病との長期にわたる戦いに御協力をいただいている全ての関係者の皆様に心から感謝を申し上げます。この困難を乗り越え、影響や被害を受けられた皆様が一日でも早く日常を取り戻せるよう、農林水産大臣として誠心誠意努めてまいります。

 以下、農林水産行政に関して、私の基本的な考え方について申し述べます。

 我が国の農林水産業は、関連産業である食品産業などとともに、国民の皆様に食料や木材を安定供給し、地域の経済やコミュニティーを支えております。そして、その営みを通じて、国土の保全、景観の維持等の多面的機能を発揮しております。

 農林水産業、食品産業の現場では、人口減少に伴うマーケットの縮小や農林漁業者の減少、高齢化などの課題に直面しているほか、国内外で重要性が高まっている気候変動等の問題にも適切に対応していくことが求められています。

 他方、世界に目を向ければ、世界の飲食料のマーケットは年々拡大しています。現に、我が国の農林水産物・食品の輸出額は、新型コロナの影響を受ける中でも拡大が続いており、昨年は、長年の目標であった年間一兆円を突破いたしました。

 農林水産省としては、まずは、新型コロナにより影響を受けている方々への対策をしっかりと行うとともに、世界の食市場を獲得するための農林水産物・食品の輸出促進、みどりの食料システム戦略を踏まえた環境負荷低減の取組推進、さらには、これらを進めるための土台となるスマート農林水産業の推進などの施策を着実に進めてまいります。

 これらを通じて、農林水産業の生産基盤を強化し、農林水産業の成長産業化を推進するとともに、家族経営や中山間地域を含め、農林水産業や農山漁村の持つ多面的な機能を維持し、新しい資本主義の実現に貢献してまいります。

 以下、具体的な施策を申し述べます。

 まず、新型コロナ対策です。

 新型コロナの感染拡大の影響を受けた農林漁業者の皆様や、食品産業を始めとする関連産業に従事される皆様の生産基盤を守るため、需要喚起や販売促進の支援など、しっかりと取り組んでまいります。燃油や配合飼料の価格の高騰の影響緩和を図るセーフティーネット措置についても、着実に実施してまいります。

 農林水産物・食品の輸出促進につきましては、二〇二五年の輸出額二兆円、さらには二〇三〇年の輸出額五兆円の目標達成に向けて、輸出拡大実行戦略を踏まえた対策の強化を図ります。品目団体の組織化や必要な設備投資等への支援などを推進するため、輸出促進法などの見直しを行うとともに、輸出先国での支援強化など、官民一体となった取組を更に進めてまいります。あわせて、政府一体となって、日本産食品の放射性物質規制の撤廃に向け、より一層働きかけてまいります。

 みどりの食料システム戦略に基づく政策を推進してまいります。

 農薬だけに頼らない病害虫防除への転換、化学農薬、化学肥料の低減や有機農業の拡大など環境負荷低減につながる取組について、生産者や地域ぐるみの活動、技術開発等を促進する法制度の整備を行うとともに、予算、税制、金融上の支援措置を講じてまいります。

 デジタル田園都市国家構想の実現に向けた取組を進めてまいります。

 農林漁業者の減少、高齢化が進む農林水産分野においては、デジタル技術を活用したスマート農林水産業を推進することが不可欠です。このため、センサーで把握した栽培管理データを産地で共有することなどによる経営の高度化、シェアリング等を行う農業支援サービスの育成、スマート農業に適した農業、農村の整備、林業機械の自動化、漁獲情報等の電子的収集体制の構築などを進めてまいります。農林水産省共通申請サービスにより三千件を超える行政手続をオンライン化し、申請者の利便性を向上させます。

 また、活力ある農山漁村を次の世代に継承していくため、日本型支払いにより地域を下支えしつつ、デジタル技術も活用して、農山漁村が持つ価値や魅力を組み合わせ、多様なアイデアにより、所得と雇用を生み出す農山漁村発イノベーションを推進するとともに、農泊、ジビエの利用、活用、農福連携などの取組を進めてまいります。あわせて、農用地の保全と農山漁村の活性化の取組を円滑に進めるための法制度の整備を行います。

 農業者の減少や高齢化が進む中で、農業の成長産業化や所得の増大を更に進めていくためには、担い手の育成、確保と生産基盤の強化が何よりも重要です。

 生産基盤である農地については、地域の話合いにより、目指すべき将来の農地利用の姿を明確化し、それを実現すべく、農地バンクを活用した農地の集約化等を進めていくこととし、そのための法制度の整備を行います。また、新規就農者の育成、確保に向けて、新たに、経営発展のための機械、施設等の導入を地方と連携して支援します。

 米政策については、新型コロナによる需要減少の影響を踏まえ、当面の需給安定に向けては、十五万トンの特別枠を設け、中食、外食等への販売促進などを支援してまいります。また、自らの経営判断による需要に応じた生産、販売を一層推進するため、麦、大豆や野菜、子実用トウモロコシ、新市場開拓用米などへの転換を進め、産地として定着させる取組への支援を行ってまいります。

 持続的な畜産物生産に向け、良質な堆肥の生産、流通や国産飼料の増産を進めるとともに、国内外の需要に応じた生産基盤の強化を推進してまいります。

 農業の競争力強化や農村地域の国土強靱化を実現するためには、農地や農業用水などの農業、農村の基盤整備が欠かせません。農地の大区画化、汎用化、農業水利施設の長寿命化やため池等の豪雨・地震対策を推進してまいります。

 食の安全と消費者の信頼を確保するため、引き続き、科学的根拠に基づく食品の安全性の確保と、正確な情報伝達による消費者の信頼確保に取り組みます。

 豚熱、アフリカの豚熱などの家畜疾病に対しては、飼養衛生管理の徹底を基本としつつ、検疫探知犬や家畜防疫官の検査体制強化による水際での侵入防止、経口ワクチン散布などの野生イノシシ対策にしっかりと取り組んでまいります。

 森林・林業政策については、間伐、再造林の推進や、治山対策等による国土強靱化など、森林資源の適正な管理、利用を図るほか、エリートツリー等を活用した新しい林業の展開、国産材の供給力の強化などに取り組んでまいります。あわせて、森林環境譲与税も活用しつつ、森林経営管理制度等により、意欲と能力のある者に森林の経営管理の集積、集約を進めます。さらに、関係省庁が一体となり、CLTの活用や都市の木造化等を通じ、民間建築物を含めた一層の木材利用の取組を促進してまいります。

 水産政策については、海洋環境の変化や、新型コロナ、燃油価格高騰などの影響に対応するために漁業経営安定対策の着実な実施を図りつつ、関係者の理解と協力も得ながら、新たな資源管理システムを着実に実施いたします。

 人材の確保、育成や浜プランを推進するとともに、海洋環境の変化に対応した操業・生産体制への転換や、居住性、安全性、作業性の高い漁船の代船建造などによる漁船漁業の構造改革を着実に実施するほか、マーケットイン型養殖の推進等による養殖業の振興や、拠点漁港の整備などを進め、水産業の成長産業化を推進してまいります。

 中西部太平洋まぐろ類委員会における太平洋クロマグロの我が国漁獲枠の確保や、北太平洋漁業委員会におけるサンマの資源管理など、地域漁業管理機関などによる資源管理の取組に適切に対処するとともに、違法漁獲の撲滅に向け、外国漁船による違法操業の万全な取締りを行います。水産バリューチェーンの構築など官民一体となった水産物消費拡大や、海業の振興など漁港の有効活用による漁村の活性化も推進してまいります。

 東日本大震災から間もなく十一年がたちます。復旧事業により、津波被災農地や水産関係施設などのインフラ復旧は相当程度進展しております。しかし、原子力災害被災地域では、営農再開や水産業、林業の再生、風評払拭等、まだまだ取り組むべき課題があります。引き続き、被災された農林漁業者の方々が再び立ち直るための万全の支援を行ってまいります。

 また、ALPS処理水への対応については、福島県及び近隣県で漁業を安心して持続できるよう、生産、流通、加工、消費の各段階における徹底した対策を行うこととし、風評影響対策等も含めて、政府全体で取り組んでまいります。

 あわせて、近年頻発する豪雨や台風などの自然災害への備えを強化してまいります。

 以上、農林水産行政の今後の展開方向について、私の基本的な考え方を申し述べました。

 昨年末に成立した補正予算や、来年度予算の適切な執行はもとより、制度改正等を通じて、施策の効果を農林漁業者や食品産業の皆様に実感していただけるよう、しっかりと取り組んでまいります。

 平口委員長を始め理事、委員各位に、重ねて御指導、御鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

平口委員長 次に、令和四年度農林水産関係予算の概要について説明を聴取いたします。農林水産副大臣武部新君。

武部副大臣 令和四年度農林水産予算の概要を御説明します。

 一般会計の農林水産予算の総額は二兆二千七百七十七億円であり、その内訳は、公共事業費が六千九百八十一億円、非公共事業費が一兆五千七百九十六億円となっています。

 続いて、重点事項について御説明します。

 第一は、生産基盤の強化と経営所得安定対策の着実な実施であります。

 水田農業では、需要に応じた生産を進めるため、水田活用の直接支払交付金を始めとする各種施策を推進してまいります。

 また、野菜、果樹、花卉などの品目ごとの課題解決に資する取組を支援するほか、畜産、酪農では、環境負荷軽減や国産飼料の生産拡大の取組の支援、畜産・酪農経営安定対策などを実施してまいります。

 第二は、農林水産物・食品の輸出力強化と食品産業の強化であります。

 二〇三〇年輸出五兆円目標の実現に向けて、官民一体となった海外での販売力の強化、マーケットインの発想で輸出にチャレンジする産地、事業者の後押し、省庁の垣根を越えた政府一体となった輸出の障害の克服などの取組を推進してまいります。

 また、新事業の創出と食品産業の競争力強化に向けて、食品産業界、有識者、行政が参画するプラットフォームの運営や課題解決に向けた調査の取組などを支援してまいります。

 第三は、環境負荷軽減に資するみどりの食料システム戦略の実現に向けた政策の推進であります。

 現場の農林漁業者等が活用する技術の持続的改良や基盤技術の開発を推進するとともに、地域での土づくりなどによるグリーンな栽培体系への転換、有機農業の団地化や学校給食での利用など、地域ぐるみでの取組を支援するほか、フードサプライチェーンの環境負荷軽減の見える化を促進してまいります。

 第四は、スマート農業や農林水産業のデジタルトランスフォーメーションの推進であります。

 ロボット、AI、IoTなどの先端技術の現場への実装を加速するため、スマート農業技術の産地ぐるみでの実証や農業者への教育、研修などを推進するほか、農林水産省共通申請サービスによるオンライン化などにより行政手続の抜本的効率化を推進してまいります。

 第五は、食の安全と消費者の信頼確保であります。

 家畜の伝染疾病の発生や蔓延を防止するため、家畜伝染病予防法に基づく手当金などの交付や、飼養衛生管理の強化を図ります。また、重要病害虫の侵入、蔓延を防止するための取組や、農薬だけに頼らない総合的な防除の推進を支援してまいります。

 第六は、農地の最大限の利用と人の確保、育成、農業農村整備であります。

 農地中間管理機構による農地の集積、集約化などを促進するとともに、新規就農者の育成、確保などを支援するほか、農地の大区画化、汎用化や農業水利施設の更新、長寿命化などを進めてまいります。

 第七は、農山漁村の活性化であります。

 農山漁村における地域資源を活用した地域の雇用創出や所得向上、定住促進を図る取組のほか、鳥獣被害防止対策やジビエの利活用を推進するとともに、多面的機能支払交付金などの日本型直接支払いを着実に実施してまいります。

 第八は、カーボンニュートラル実現に向けた森林、林業、木材産業によるグリーン成長であります。

 森林整備事業などにより、森林吸収量の確保、強化を推進するほか、新たな経営モデルの構築や木材加工流通施設の整備、都市部における木材利用の強化のため、製材やCLTなどの建築物への利用環境の整備など、川上から川下までの取組を総合的に推進してまいります。

 第九は、水産資源の適切な管理と水産業の成長産業化の実現であります。

 海洋環境が変化する中で、漁業経営安定対策や資源調査、評価を着実に実施するとともに、人材の育成、確保、漁業所得の向上を目指す浜プランの着実な推進、新たな操業・生産体制への転換と沖合養殖システムの実証、バリューチェーンの生産性向上などを支援するほか、拠点漁港の流通機能強化などを推進するとともに、温暖化防止に資する藻場の保全などの支援を行ってまいります。

 第十は、防災・減災、国土強靱化と災害復旧等の推進であります。

 被災した農地、農業用施設を始めとする農林水産関係施設の復旧などを推進してまいります。

 次に、特別会計では、食料安定供給特別会計と国有林野事業債務管理特別会計に所要の予算を計上しております。

 最後に、財政投融資計画では、株式会社日本政策金融公庫による財政融資資金の借入れなど、総額六千三百三十六億円となっております。

 以上で、令和四年度農林水産予算の概要の説明を終わります。

平口委員長 以上で説明は終わりました。

 次回は、明二日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前九時二十五分散会


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