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第1号 令和6年3月12日(火曜日)

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本国会召集日(令和六年一月二十六日)(金曜日)(午前零時現在)における本委員は、次のとおりである。

   委員長 野中  厚君

   理事 小島 敏文君 理事 古川  康君

   理事 細田 健一君 理事 山口  壯君

   理事 近藤 和也君 理事 緑川 貴士君

   理事 池畑浩太朗君 理事 角田 秀穂君

      東  国幹君    五十嵐 清君

      伊東 良孝君    上田 英俊君

      江藤  拓君    尾崎 正直君

      神田 憲次君    木村 次郎君

      小寺 裕雄君    高鳥 修一君

      橘 慶一郎君    中川 郁子君

      西野 太亮君    鳩山 二郎君

      堀井  学君    保岡 宏武君

      山口  晋君    梅谷  守君

      金子 恵美君    小山 展弘君

      佐藤 公治君    山田 勝彦君

      渡辺  創君    一谷勇一郎君

      掘井 健智君    稲津  久君

      山崎 正恭君    田村 貴昭君

      長友 慎治君    北神 圭朗君

令和六年三月十二日(火曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 野中  厚君

   理事 伊東 良孝君 理事 小島 敏文君

   理事 古川  康君 理事 細田 健一君

   理事 山口  壯君 理事 近藤 和也君

   理事 野間  健君 理事 緑川 貴士君

   理事 池畑浩太朗君 理事 角田 秀穂君

      東  国幹君    五十嵐 清君

      上田 英俊君    江藤  拓君

      加藤 竜祥君    神田 憲次君

      小寺 裕雄君    小森 卓郎君

      高鳥 修一君    橘 慶一郎君

      中川 郁子君    西野 太亮君

      鳩山 二郎君    堀井  学君

      簗  和生君    山口  晋君

      梅谷  守君    金子 恵美君

      神谷  裕君    山田 勝彦君

      渡辺  創君    一谷勇一郎君

      掘井 健智君    稲津  久君

      山崎 正恭君    田村 貴昭君

      長友 慎治君    北神 圭朗君

    …………………………………

   農林水産大臣       坂本 哲志君

   農林水産副大臣      武村 展英君

   農林水産大臣政務官    舞立 昇治君

   農林水産委員会専門員   飯野 伸夫君

    ―――――――――――――

委員の異動

一月二十六日

 辞任         補欠選任

  小山 展弘君     神谷  裕君

  佐藤 公治君     野間  健君

同月三十一日

 辞任         補欠選任

  尾崎 正直君     加藤 竜祥君

三月四日

 辞任         補欠選任

  木村 次郎君     簗  和生君

同月十二日

 辞任         補欠選任

  保岡 宏武君     小森 卓郎君

同日

 辞任         補欠選任

  小森 卓郎君     保岡 宏武君

同日

 理事細田健一君及び緑川貴士君同日理事辞任につき、その補欠として伊東良孝君及び野間健君が理事に当選した。

    ―――――――――――――

一月二十六日

 国有林野事業に従事する職員の労働関係を円滑に調整するための行政執行法人の労働関係に関する法律の一部を改正する法律案(金子恵美君外四名提出、第二百八回国会衆法第四四号)

 国有林野事業に従事する職員の給与等に関する特例法案(金子恵美君外四名提出、第二百八回国会衆法第四五号)

三月十二日

 特定農産加工業経営改善臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第五〇号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 理事の辞任及び補欠選任

 国政調査承認要求に関する件

 農林水産関係の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

野中委員長 これより会議を開きます。

 議事に入るに先立ちまして、委員会を代表し、一言申し上げます。

 この度発生しました令和六年能登半島地震によりお亡くなりになられた方々並びに御遺族に対し、深く哀悼の意を表します。

 また、被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。

 これより、お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと存じます。

 全員御起立をお願いいたします。――黙祷。

    〔総員起立、黙祷〕

野中委員長 黙祷を終わります。御着席願います。

     ――――◇―――――

野中委員長 理事辞任の件についてお諮りいたします。

 理事細田健一君及び緑川貴士君から、理事辞任の申出があります。これを許可するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

野中委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 引き続き、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。

 ただいまの理事辞任に伴う補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

野中委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 それでは、理事に

      伊東 良孝君 及び 野間  健君

を指名いたします。

     ――――◇―――――

野中委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。

 農林水産関係の基本施策に関する事項

 食料の安定供給に関する事項

 農林水産業の発展に関する事項

 農林漁業者の福祉に関する事項

 農山漁村の振興に関する事項

以上の各事項について、実情を調査し、その対策を樹立するため、本会期中調査をいたしたいと存じます。

 つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

野中委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

     ――――◇―――――

野中委員長 農林水産関係の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、農林水産大臣から所信を聴取いたします。農林水産大臣坂本哲志君。

坂本国務大臣 皆さん、おはようございます。

 昨年十二月十四日に農林水産大臣を拝命いたしました坂本哲志でございます。

 全力で職責を果たしてまいりたいと思いますので、どうか委員の皆様方、よろしくお願いを申し上げたいと思います。お世話になります。

 農林水産委員会の開催に当たりまして、所管大臣としての考え方の一端を申し述べます。

 冒頭、令和六年能登半島地震の被害によりお亡くなりになられました方々に心からお悔やみを申し上げますとともに、被災された全ての方々にお見舞いを申し上げます。被害を受けられた方々の一日でも早いなりわいの再建や、地域の将来ビジョンを見据えて、世界農業遺産等のブランドを生かした創造的復興に向け、一月に取りまとめました被災者の生活となりわい支援のためのパッケージに基づき、農地、農業用施設、林地、林道や漁船、漁港施設等の復旧等の総合的な支援対策を講じ、農林水産業を再開できるよう、農林水産大臣として誠心誠意努めてまいります。

 以下、農林水産行政に関して、私の基本的な考え方を申し述べます。

 農林水産省の最も重要な使命は、国民に食料を安定的に供給する、食料安全保障の確保です。しかしながら、昨今の食料や生産資材価格の高騰は言うまでもなく、気候変動による食料生産の不安定化、世界的な人口増加等に伴う食料争奪の激化、国際情勢の不安定化などにより、いつでも安価に食料を輸入できるわけではないことが明白となるなど、近年の世界及び我が国の食をめぐる情勢は大きく変化しています。

 一方、国内に目を向ければ、国内の人口全体が減少局面に転じ、生産者の減少、高齢化も進んでおり、将来にわたって持続可能で強固な食料供給基盤を構築することが急務となっています。

 本年は、農政の憲法とも言われる食料・農業・農村基本法が制定から四半世紀という節目の年となる中で、このような情勢の変化を踏まえ基本法が時代にふさわしいものとなるよう、以下の観点から見直しを行い、今国会に基本法の改正案を提出いたしました。

 第一に、食料安全保障の抜本的な強化として、食料安全保障を基本法の柱として位置づけ、国内農業生産の増大を基本とする食料安定供給の基本的な考え方を堅持した上で、輸出の促進、輸入の安定確保、生産から加工、流通、消費までの食料システムの関係者の連携、適正な価格形成を促す視点等を位置づけます。

 第二に、食料供給が環境に負荷を与えている側面にも着目し、環境と調和の取れた食料システムの確立を柱として位置づけます。

 第三に、人口減少下における農業生産の維持発展と地域コミュニティーの維持に向けた政策を位置づけます。具体的には、農業生産の維持発展として、引き続き担い手の育成、確保を図るほか、新たに、担い手と多様な農業人材による農地の確保、農業法人の経営基盤の強化、農業の生産性向上、付加価値向上等を位置づけます。

 次に、人口減少下における地域コミュニティーの維持として、新たに農村関係人口の増加等に資する産業の振興や地域社会の維持等を位置づけます。

 農業政策が大きな転換点に立っているとの自覚を持ち、食料安全保障改革元年として、基本法の改正と関連施策の実現に全力を尽くしてまいります。

 以下、具体的な施策を申し述べます。

 食料安全保障政策については、食料安全保障強化政策大綱に基づく施策を着実に実行し、更なる強化に向けて構造転換を図ってまいります。

 また、気象その他の要因により食料の供給が大幅に不足するおそれがあるなど、食料供給が困難な事態への対応強化を図るため、政府一体となって食料供給確保の措置を実施できるよう、政府対策本部の設置を始め、国民生活、国民経済への影響の程度に応じ、早期に必要な措置を講ずるための新法を今国会に提出いたしました。

 国内市場の縮小が見込まれる中、農業、食品産業を発展させていくため、農林水産物・食品の輸出促進を通じて、拡大する世界の食市場を獲得していくことが必要です。そこで、輸出産地の形成や輸出に向けHACCP等対応施設の整備、品目団体の取組や輸出支援プラットフォームの活動強化、優良品種の海外流出防止のための知的財産の保護、活用の強化などを推進し、二〇三〇年の輸出額五兆円目標の達成を目指します。

 食料の安定供給のためには、環境への負荷を低減し、食料システムの持続性を高める必要があります。このため、みどりの食料システム法に基づく生産者、事業者認定の全国展開を進め、化学肥料、化学農薬の使用低減や有機農業拡大、環境負荷低減の取組の見える化、Jクレジットの制度活用の推進、補助金の支給要件として一定の環境負荷低減の取組を求めるクロスコンプライアンスの導入等、みどりの食料システム戦略の実現に向けた施策を着実に実施してまいります。

 人口減少に伴い農業者の減少が避けられない中で、持続的な食料供給を維持していくため、新規就農の促進を図るとともに、それでも農業者の数が減少する場合に対応可能な生産基盤に転換する必要があります。このため、農地の受皿となる経営体等を効率的かつ安定的な経営体として育成、確保するほか、食料の生産基盤である農地が地域で適切に利用されるよう地域計画を定め、農地の集約化、計画的な保全、適切な利用を進めてまいります。

 さらに、農地の総量確保と適正利用のための措置を強化するとともに、人と農地の受皿となる農地所有適格法人の経営基盤強化措置として、食品事業者等の出資割合を拡充する措置を講ずるなど、農地関連法制の改正案を今国会に提出しました。

 農業者が減少する中で、食料生産の維持、増大を図るため、スマート農林水産業の実装による生産性向上を加速化する必要があります。特に、生産性の高い農業の実現に向け、スマート農業技術等の研究開発、実用化や、経営、技術等で農業者をサポートするサービス事業体の育成、確保を推進するとともに、スマート農業技術の活用とこれに適合するための生産、流通、販売方式の見直しを税制、金融等で後押しする新法を今国会に提出しました。

 農業生産活動を継続していくためには、農業、農村の基盤整備が欠かせません。農業の生産性向上や農村地域の防災・減災、国土強靱化を実現するため、農地の大区画化や汎用化、畑地化、農業水利施設の長寿命化等を推進するとともに、農村人口の減少下にあっても営農や農業水利施設等の保全管理が適切に行われるよう、土地改良区の運営基盤の強化も含め、土地改良制度の検討を進めてまいります。

 農村を支える人材を一人でも多く確保し、活力ある農村を次世代に継承していくため、日本型直接支払いにより地域を下支えしつつ、農泊、六次産業化、農福連携等の農山漁村発イノベーションの取組、農村RMOの形成、中山間地域等における農用地保全の取組などを推進するほか、鳥獣被害の防止やジビエの利活用を進めてまいります。

 米政策については、需要に応じた生産、販売を着実に推進していくため、国産需要のある麦、大豆や飼料作物、米粉用米、新市場開拓用米、加工・業務用野菜などへの転換や畑地化を進め、産地として定着させる取組への支援を行ってまいります。

 畜産、酪農については、耕畜連携などにより国産粗飼料等の生産、利用の拡大を進めるとともに、和牛肉の生産基盤の改善や脱脂粉乳の需給改善に向けた取組を推進してまいります。また、畜種ごとの経営安定対策や金融支援などの各種施策を総合的に講じ、生産者の経営改善に向けた取組への支援を行ってまいります。

 家畜伝染病については、昨年十一月以降、国内で高病原性鳥インフルエンザの発生が続いており、全国どこで発生してもおかしくない状況です。さらに、アフリカ豚熱の侵入リスクがかつてないほど高まっており、最大限の警戒が必要であることから、飼養衛生管理の徹底を基本とした発生予防、蔓延防止対策と水際での侵入防止対策に都道府県等と連携して全力で取り組んでまいります。

 食品産業、食品流通については、産地、食品産業が連携した国産原材料の安定調達、フードテックなど新技術の活用等による新たな需要の開拓等を推進してまいります。

 また、適正な価格形成に向けた検討を進めるとともに、円滑な食品アクセスの確保を図るため、中継共同物流拠点の整備やラストワンマイル配送に向けた取組、フードバンク等を通じた食料提供を円滑にする地域の体制づくり等を進めてまいります。

 さらに、輸入小麦や輸入大豆の価格水準が上昇、高止まりする中、国産利用の促進等、食品原材料の調達安定化を図るため、金融、税制上の支援措置を講ずる特定農産加工業経営改善臨時措置法の改正案を今国会に提出しました。

 森林・林業政策につきましては、二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向け、路網や加工施設の整備、製材、CLTを用いた建築物の低コスト化等を通じた木材の需要拡大、担い手の育成など、川上から川下までの取組を総合的に進めてまいります。あわせて、森林整備や治山対策にしっかりと取り組むことにより、森林吸収源の機能強化と国土強靱化を進めてまいります。さらに、花粉症対策として、都市部周辺などの重点区域における杉人工林の伐採、植え替えの加速化や、杉材需要の拡大、花粉の少ない苗木の生産拡大などを着実に実行してまいります。

 水産政策につきましては、まずは、ALPS処理水放出を受けた一部の国、地域による科学的根拠なき輸入規制の撤廃を求めていくとともに、影響を受ける水産物の国内の需要拡大や新たな輸出先の開拓、国内加工体制の強化等を着実に進めるなど、水産事業者に寄り添った対策の実施に引き続き万全を尽くしてまいります。

 また、水産資源管理を着実に実施するとともに、クロマグロ漁獲管理を強化するため、漁業法などの改正案を今国会に提出するとともに、漁業経営安定対策を講じつつ、新たな操業形態への転換、輸出拡大等、水産業の成長産業化を実現してまいります。

 あわせて、水産分野においても、高性能漁船の導入など、カーボンニュートラルの実現に向けた取組を進めるとともに、漁村の活性化に向けて地域資源等を活用する海業の振興等を推進してまいります。また、令和六年能登半島地震により、特に漁港について地盤の隆起などの重大な被害が生じています。難しい課題ではありますが、これらの漁港等の復旧復興に全力を尽くしてまいります。

 東日本大震災から十三年が経過しました。原子力災害被災地域において、依然として営農再開や水産業、林業の再生、風評払拭等、取り組むべき課題があります。引き続き、万全の支援を行ってまいります。

 以上、農林水産行政の今後の展開方向について、私の基本的な考え方を述べました。

 機会あるごとに現場に足を運び、様々な声に耳を傾け、両副大臣、両政務官、そして職員全員一体となって、これからの課題に取り組んでまいります。

 野中委員長を始め理事、委員各位に、重ねて御指導、御鞭撻賜りますよう、お願い申し上げます。よろしくお願いいたします。(拍手)

野中委員長 次に、令和六年度農林水産関係予算の概要について説明を聴取いたします。農林水産副大臣武村展英君。

武村副大臣 令和六年度農林水産予算の概要を御説明申し上げます。

 一般会計の農林水産予算の総額は二兆二千六百八十六億円であり、その内訳は、公共事業費が六千九百八十六億円、非公共事業費が一兆五千七百億円となっております。

 続きまして、重点事項について御説明いたします。

 第一は、食料の安定供給の確保であります。

 安定的な輸入と適切な備蓄を組み合わせつつ、国内で生産できるものはできる限り国内で生産するとの方針の下、水田の畑地化や麦、大豆などの国産シェア拡大のほか、野菜、果樹、畜産、酪農などの生産基盤の強化に向けた取組を支援するとともに、食料生産に不可欠な肥料、飼料の国産化、安定供給など、国内農業生産の増大に向けた施策を推進してまいります。

 第二は、農業の持続的な発展であります。

 人口減少下においても農業生産を維持していくため、地域の農業や農地利用の姿を明確化した地域計画の策定、農地中間管理機構による農地の集約化、新規就農者の育成、確保などを推進するとともに、収入保険などの経営安定対策を着実に実施してまいります。

 農業生産基盤の整備、保全に向けて、農地の大区画化や汎用化、畑地化などの競争力強化の取組や、農業水利施設の更新、長寿命化、ため池の防災・減災対策などの国土強靱化の取組を進めてまいります。

 労働力不足の解消や生産性向上などを実現するため、スマート農業技術の開発、実用化、スタートアップへの総合的支援、経営、技術等をサポートする農業支援サービス事業体の育成、確保などを推進してまいります。

 家畜の伝染性疾病の発生や蔓延を防止するため、家畜伝染病予防法に基づく手当金などを交付するとともに、農場の分割管理の導入や飼養衛生管理の向上を図ります。また、重要病害虫の侵入、蔓延を防止するための取組や、化学農業だけに頼らない総合防除の推進を支援してまいります。

 第三は、農村の振興であります。

 活力ある農村を次世代へ継承していくため、農泊などの農山漁村発イノベーションの取組、農村RMOの形成、中山間地域における農用地保全の取組のほか、鳥獣被害防止対策やジビエの利活用を推進してまいります。

 第四は、みどりの食料システム戦略による環境負荷低減に向けた取組強化であります。

 化学肥料、化学農薬の使用量の低減と高い生産性を両立する新品種・技術の開発などを推進するとともに、有機農産物の生産と需要の拡大、堆肥などの国内資源の活用による化学肥料の使用低減など、グリーンな栽培体系への転換の取組などを支援してまいります。

 第五は、多面的機能の発揮であります。

 日本型直接支払いによる多面的機能の維持発展のための共同活動や、中山間地域での農業生産活動継続への支援を着実に実施してまいります。

 第六は、カーボンニュートラルの実現に向けた森林、林業、木材産業によるグリーン成長であります。

 路網や木材加工流通施設の整備、再造林の低コスト化、林業デジタルイノベーションの推進、製材やCLTなどの建築物への利用環境の整備、担い手の育成、確保など、川上から川下までの取組を総合的に推進してまいります。

 また、森林整備や治山対策により、森林吸収源の機能強化と国土強靱化を推進してまいります。

 第七は、水産資源の適切な管理と水産業の成長産業化の実現であります。

 海洋環境が変化する中で、漁業経営安定対策や資源調査、評価を着実に実施するとともに、スマート水産業の推進、新たな操業・生産体制への転換と沖合養殖システムの実証、漁業、漁村を支える人材の育成、確保、持続可能な加工、流通システムの推進などを支援するほか、ブルーカーボンに資する藻場、干潟の保全などへの支援、拠点漁港の流通機能強化や、海業の振興などを推進してまいります。

 第八は、防災・減災、国土強靱化と災害復旧等の推進であります。

 被災した農地、農業用施設を始めとする農林水産関係施設の復旧などを推進してまいります。

 次に、特別会計では、食料安定供給特別会計と国有林野事業債務管理特別会計に所要の予算を計上しております。

 最後に、財政投融資計画では、株式会社日本政策金融公庫による財政融資資金の借入れなど、総額七千三百億円となっております。

 以上で、令和六年度農林水産予算の概要の説明を終わります。

野中委員長 以上で説明は終わりました。

 次回は、明十三日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前九時二十六分散会


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