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第1号 令和7年3月11日(火曜日)

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本国会召集日(令和七年一月二十四日)(金曜日)(午前零時現在)における本委員は、次のとおりである。

   委員長 御法川信英君

   理事 鈴木 貴子君 理事 西田 昭二君

   理事 葉梨 康弘君 理事 神谷  裕君

   理事 野間  健君 理事 渡辺  創君

   理事 池畑浩太朗君 理事 長友 慎治君

      大空 幸星君    栗原  渉君

      小池 正昭君    武村 展英君

      田野瀬太道君    根本  拓君

      根本 幸典君    長谷川淳二君

      平沼正二郎君    宮下 一郎君

      森下 千里君    簗  和生君

      山本 大地君    石川 香織君

      岡田 華子君    金子 恵美君

      小山 展弘君    近藤 和也君

      西川 将人君    福田 淳太君

      緑川 貴士君    柳沢  剛君

      山田 勝彦君    空本 誠喜君

      林  佑美君    許斐亮太郎君

      村岡 敏英君    庄子 賢一君

      角田 秀穂君    八幡  愛君

      北神 圭朗君

令和七年三月十一日(火曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 御法川信英君

   理事 鈴木 貴子君 理事 西田 昭二君

   理事 葉梨 康弘君 理事 神谷  裕君

   理事 野間  健君 理事 渡辺  創君

   理事 池畑浩太朗君 理事 長友 慎治君

      大空 幸星君    栗原  渉君

      小池 正昭君    田野瀬太道君

      根本  拓君    根本 幸典君

      長谷川淳二君    平沼正二郎君

      宮下 一郎君    向山  淳君

      簗  和生君    山本 大地君

      石川 香織君    岡田 華子君

      小山 展弘君    近藤 和也君

      篠田奈保子君    西川 将人君

      福田 淳太君    緑川 貴士君

      柳沢  剛君    山田 勝彦君

      空本 誠喜君    林  佑美君

      許斐亮太郎君    村岡 敏英君

      庄子 賢一君    角田 秀穂君

      八幡  愛君    北神 圭朗君

    …………………………………

   農林水産大臣       江藤  拓君

   農林水産副大臣      笹川 博義君

   農林水産大臣政務官    庄子 賢一君

   農林水産委員会専門員   千葉  諭君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月十一日

 辞任         補欠選任

  森下 千里君     向山  淳君

  金子 恵美君     篠田奈保子君

同日

 辞任         補欠選任

  向山  淳君     森下 千里君

  篠田奈保子君     金子 恵美君

    ―――――――――――――

三月十一日

 土地改良法等の一部を改正する法律案(内閣提出第二二号)

二月二十八日

 農業予算を抜本的に拡充すること等に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第二八九号)

 同(志位和夫君紹介)(第二九〇号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第二九一号)

 同(辰巳孝太郎君紹介)(第二九二号)

 同(田村貴昭君紹介)(第二九三号)

 同(田村智子君紹介)(第二九四号)

 同(堀川あきこ君紹介)(第二九五号)

 同(本村伸子君紹介)(第二九六号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 国政調査承認要求に関する件

 農林水産関係の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

御法川委員長 これより会議を開きます。

 議事に入るに先立ちまして、委員会を代表して一言申し上げます。

 本日で東日本大震災から十四年を迎えます。

 改めて、お亡くなりになられた方々とその御遺族に対しまして深く哀悼の意を表しますとともに、被災地の一日も早い復興を祈念いたします。

 ここに、お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと存じます。

 全員御起立をお願いいたします。――黙祷。

    〔総員起立、黙祷〕

御法川委員長 黙祷を終わります。御着席願います。

     ――――◇―――――

御法川委員長 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。

 農林水産関係の基本施策に関する事項

 食料の安定供給に関する事項

 農林水産業の発展に関する事項

 農林漁業者の福祉に関する事項

 農山漁村の振興に関する事項

以上の各事項について、実情を調査し、その対策を樹立するため、本会期中調査をいたしたいと存じます。

 つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

御法川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

     ――――◇―――――

御法川委員長 農林水産関係の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、農林水産大臣から所信を聴取いたします。農林水産大臣江藤拓君。

江藤国務大臣 農林水産委員会の開催に当たりまして、所管大臣としての考え方の一端を申し述べます。

 冒頭、岩手県大船渡市の林野火災によりお亡くなりになられた方々に心からお悔やみを申し上げるとともに、被害に遭われた全ての方々にお見舞いを申し上げます。火災前の豊かな森林への回復に向けた支援など、被災された方々に寄り添って、全力で取り組んでまいります。

 今シーズンは、高病原性鳥インフルエンザが一月に多発し、特に養鶏の集中地域において連続して発生しました。大変厳しい状況の下、現場で御尽力いただいた方々に感謝申し上げます。

 鳥インフルエンザのシーズンはまだ続きます。農林水産省としても、国民の食卓と日本の養鶏産業を守り抜くため、最大限の緊張感を持って発生予防と蔓延防止に全力で取り組むとともに、発生養鶏農家の経営継続の支援についてもしっかりと取り組んでまいります。

 また、米について、流通の目詰まり等を背景に供給に滞りが生じている状況を踏まえ、消費者に米を安定的に供給するため、緊急的に政府備蓄米の買戻し条件付売渡しを行うこととしました。今回の備蓄米の売渡しを迅速に進めることで、米の流通の円滑化、ひいては国民生活の安定を図ってまいります。

 以下、農林水産行政に関して、私の基本的な考え方を申し述べます。

 農林水産業は、国民に食料を安定供給するとともに、その営みを通じて国土の保全などの役割を果たしている、まさに国の基であります。先人から受け継ぎ、農林漁業者が守ってきた我が国の肥沃な農地と豊かな森や海は、国民の資産であり、かけがえのないものであります。

 しかしながら、我が国の農林水産業を取り巻く環境は、国際情勢の不安定化や自然災害、気候変動等の影響、人口減少や高齢者の引退による基幹的農業従事者の急減など、大きく変化しています。

 日本の農政は大転換が求められているとの自覚を持ち、生産基盤の強化、食料自給率、食料自給力の向上を通じた食料安全保障の確保に全力を尽くしてまいります。また、様々な環境の変化に対応するため、これまでの殻を破る大胆な政策転換にも挑んでまいります。

 改正基本法に掲げた理念の実現に向け、初動五年で農業の構造転換を集中的に推し進められるよう、新たな基本計画を策定し、農地の大区画化、共同利用施設の再編、集約化、スマート農業技術の導入加速化など、施策を充実強化する等により、生産性向上や付加価値向上を通じた農林漁業者の所得向上を図ってまいります。

 以下、具体的な施策を申し述べます。

 水田政策について、令和九年度に向けて、水田を対象として支援してきた現行水活を、作物ごとの生産性向上等への支援へと転換する、根本的な見直しの検討を開始いたしました。

 農業者のみならず、国民の皆様のため、食料の安定供給がなされるよう、米の生産性を抜本的に向上させつつ、必要な水田を維持するとともに、さらに、米以外の作物を作る農地について、食料自給力向上の費用対効果を踏まえて、これまで作付してきた作物の本作化を図り、水田、畑にかかわらず、生産性を向上させる方向で政策を転換いたします。

 このため、令和九年度以降は、五年水張りの要件は求めません。なお、現行水活の令和七年、八年の対応として、水稲を作付可能な田について、連作障害を回避する取組を行った場合、水張りをしなくても交付対象とします。

 同時に、生産性向上に限界のある中山間地域等については、地域計画を軸に、地域農業を維持し、農地を守るための取組をより強力に支援してまいります。

 こうした見直しの中で、国産飼料の生産性向上を図るため、飼料用米中心の生産体系を見直し、青刈りトウモロコシ等の生産振興を図ってまいります。さらに、有機農業や化学肥料、化学農薬の使用低減等について支援する新たな交付金の創設を検討してまいります。加えて、農業者が急減する中で、担い手が生産性を向上させながら、より多くの離農農地の引受けを進めていけるよう、農地の集約化等への支援制度の見直し、強化を検討してまいります。

 これらの対策の検討に当たっては、各種の実態調査を行った上で、令和七年度中に方針を策定してまいります。こうした見直しにより必要となる予算は、現行水活の見直しや、見直しに伴う現行施策の再編により得られた財源を活用いたします。

 生産資材、原材料価格の高騰など、農業、食品産業の事業環境が変化する中で、持続可能な食料システムの確立を図るためには、持続的な食料供給に要する合理的な費用を考慮した価格形成が必要です。このため、生産、加工、流通、小売、消費に至る食料システム全体で、合理的な費用を考慮した価格形成を推進するとともに、食品産業の持続的な発展を促すための法案を今国会に提出しております。

 国内市場の縮小が見込まれる中、食料の供給能力を維持するためにも、輸出を促進するなど、農業、食品産業の海外から稼ぐ力の強化が必要です。そのため、新たな市場の開拓、輸出産地の育成、サプライチェーンの強化、知的財産の保護、活用、さらには、食品産業の海外展開、インバウンドによる消費拡大などを推進します。

 私は、本年一月に中国を訪問し、日本産の水産物の輸入解禁、牛肉の輸入再開、精米の輸入拡大を求めてまいりました。輸出促進を図る上で中国は極めて重要なマーケットであり、これらの早期実現を図ってまいります。

 さらに、輸出促進の観点に加え、不測の事態において国民の皆様に安定的に米を供給するための平時のバッファーとして水田面積を確保する等の役割も期待して、米の輸出を拡大するプロジェクトを推進いたします。

 食料の安定供給のためには、環境への負荷を低減し、食料システムの持続性を高める必要があります。このため、化学肥料、化学農薬の使用低減や有機農業の拡大、環境負荷低減の取組の見える化、Jクレジット制度の活用の推進、クロスコンプライアンス等を実施してまいります。

 人口減少に伴い、農業者の減少が避けられない中で、持続的な食料供給を図るためには、新規就農を促進し、それでも農業者の数が減少する場合にも対応可能な強い生産基盤が必要であります。このため、本年三月末までに策定することとされている地域計画に基づき、農地の集積、集約化を進めてまいります。また、規模の大小を問わず、家族農業を含めた効率的かつ安定的な経営体の育成、確保、円滑な経営継承に取り組んでまいります。

 スマート農林水産業の推進による生産性向上等を加速化してまいります。具体的には、スマート農業技術等の開発、実用化や、経営、技術等において農業者をサポートするサービス事業体の育成、確保を推進してまいります。さらに、スマート農業技術の活用とこれに適合するための生産、流通、販売方式の転換への取組、スマート農業技術の導入に資する農地の大区画化や情報通信環境の整備を後押ししてまいります。

 農業生産活動を継続していくためには、農業、農村の基盤整備が欠かせません。農村人口の減少が進む中、土地改良施設の老朽化、自然災害の激甚化、頻発化に対応し、土地改良施設の保全等を図るための法案を今国会に提出しております。また、農業の生産性向上や農村地域の防災・減災、国土強靱化を実現するため、水田の汎用化、畑地化、農業水利施設の長寿命化等を推進してまいります。

 農村を支える人材を確保し、活力ある農村を次世代に継承していくため、官民共創、農泊、六次産業化、農福連携、農村RMOの形成、中山間地域等における基盤整備や、中山間地域等直接支払いを通じた支援、スマート農業技術の開発、実用化等を推進してまいります。また、鳥獣被害の防止やジビエの利活用を進めてまいります。

 畜産、酪農については、中山間地域を始め、地方を支える重要な産業であり、耕畜連携などによる国産飼料等の生産、利用の拡大を進めてまいります。また、和牛の生産、供給基盤の強化や、食肉処理施設の整備、和牛肉の消費拡大、脱脂粉乳の需要改善に向けた取組を推進してまいります。さらに、畜種ごとの経営安定対策や金融支援などの各種施策を総合的に講じ、生産者の経営改善に向けた取組への支援を行ってまいります。

 アフリカ豚熱などの家畜伝染病については、飼養衛生管理の徹底を基本とした発生予防、蔓延防止対策と水際での侵入防止対策に都道府県等と連携して全力で取り組んでまいります。

 食品産業については、産地、食品産業が連携した国産原材料の安定調達、フードテックなどの新技術の活用等による新たな需要の開拓等を推進してまいります。

 さらに、円滑な食品アクセスの確保を図るため、中継共同物流拠点の整備やラストワンマイル配送に向けた取組、フードバンク等を通じた食料供給を円滑にする地域の体制づくり等を進めてまいります。

 森林・林業政策については、森林の循環利用を促進するため、再造林等に責任を持って取り組む林業経営体に対し、森林の集積、集約化を進めるための法案を今国会に提出しております。

 また、二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向け、路網や木材加工流通施設の整備、製材、CLTを用いた建築物の低コスト化等を通じた木材の需要拡大、担い手の育成など、川上から川下までの取組を総合的に進めてまいります。あわせて、森林整備や治山対策に取り組むことにより、森林吸収源の機能強化と国土強靱化を進めてまいります。さらに、花粉症対策を着実に実行してまいります。

 水産政策については、複合的な漁業を推進するため、複数の漁業の種類をまとめて契約できる新たな共済方式を創設するための法案を今国会に提出しております。

 また、日本の水産業の維持発展を支えるため、担い手の育成、確保や高性能漁船の導入、スマート化に向けた取組を進めてまいります。さらに、漁村の活性化に向けて、インバウンドの需要開拓や、地域資源等を活用する海業の全国展開を推進してまいります。

 あわせて、海洋環境の変化に対応するため、水産資源管理を着実に実施するとともに、漁業経営安定対策を講じつつ、新たな操業形態への転換、輸出拡大等、水産業の成長産業化を実現してまいります。また、ALPS処理水放出を受けた一部の国、地域による科学的根拠なき輸入規制の撤廃を求め、水産事業者の取組への支援に引き続き万全を尽くしてまいります。

 東日本大震災の被災地域においては、依然として営農再開や水産業、林業の再生、風評払拭等、取り組むべき課題があります。引き続き、万全の支援を行ってまいります。

 また、能登地域においては、昨年の元日に発生した令和六年能登半島地震、九月の豪雨により多くの被害が発生いたしました。地震と豪雨からの復旧復興を一体的に推進するため、農地、農業用施設、漁港の復旧などの総合的な支援対策を講じ、農林水産業の再開を切れ目なく支援してまいります。

 我が国の農林水産業を生産者の皆様がやりがいと希望、夢を持って働ける産業としていくとともに、その生産基盤を次の世代に確実に継承していくことは、国家の最重要課題であります。

 そのために、私自身も、機会のあるごとに現場に足を運び、様々な方々の声に耳を傾け、両副大臣、両政務官、そして全職員一丸となって、これらの課題に取り組んでまいります。

 以上、農林水産行政の今後の展開方向について、私の基本的な考え方を申し述べましたが、熟議の国会であります。水田政策の見直しや各法案を含め、あらゆる政策について、与野党の垣根を超えて、また、現場の方々、関係団体も含めた幅広い方の御意見を丁寧に伺い、よりよい政策に仕上げていきたいと考えております。

 御法川委員長を始め理事、委員各位に重ねて御指導、御鞭撻賜りますようお願い申し上げ、私の御挨拶とさせていただきます。

御法川委員長 次に、令和七年度農林水産関係予算の概要について説明を聴取いたします。農林水産副大臣笹川博義君。

笹川副大臣 令和七年度農林水産予算の概要を御説明します。

 一般会計の農林水産予算の総額は二兆二千七百六億円であり、その内訳は、公共事業費が六千九百六十六億円、非公共事業費が一兆五千七百四十一億円となっています。

 続いて、重点事項について御説明します。

 第一は、食料安全保障の強化であります。

 安定的な輸入と備蓄の確保を図りつつ、国内で生産できるものはできる限り国内で生産するとの方針の下、麦、大豆などの国産シェア拡大や水田の汎用化、畑地化のほか、野菜、果樹、畜産、酪農などの生産基盤の強化、共同利用施設の再編、集約、合理化に向けた取組を支援するとともに、食料生産に不可欠な肥料、飼料の国産化、安定供給など、国内農業生産の増大に向けた施策を推進してまいります。

 農業、食品産業の生産基盤の確保のためには、農林水産物・食品の輸出促進が不可欠であることから、新市場の開拓、海外の規制、ニーズに対応した輸出産地の育成、サプライチェーンの強化、知的財産の保護、活用などの取組を推進してまいります。

 食料システムの持続性の確保に向け、合理的な価格形成や、円滑な食品アクセスの確保、農林漁業と食品産業の連携強化などを推進してまいります。

 第二は、農業の持続的な発展であります。

 人口減少下においても農業生産を維持していくため、地域の農業や農地利用の姿を明確化した地域計画を核として、意欲ある農業者の経営発展の促進、農地中間管理機構による農地の集約化、新規就農者の育成、確保などの事業を総合的に実施するとともに、収入保険などの経営安定対策を着実に推進してまいります。

 労働力不足の解消や生産性の向上に資するスマート農業技術の社会実装を強力に推進するため、スマート農業技術等の開発、現場導入、新たな生産方式の導入による生産方式革新、農業支援サービス事業体の育成などを集中的に支援してまいります。

 農業生産基盤の整備、保全に向けての、農地の大区画化や汎用化、畑地化などの競争力強化の取組や、農業水利施設の更新、長寿命化、ため池の防災・減災対策などの国土強靱化の取組を進めてまいります。

 家畜の伝染性疾病の発生や蔓延を防止するため、家畜伝染病予防法に基づく防疫措置とともに、飼養衛生管理の向上や農場の分割管理の推進を図ります。また、重要病害虫の侵入、蔓延を防止するための取組や、化学農薬だけに頼らない総合防除の推進を支援してまいります。

 第三は、農村の振興であります。

 活力ある農村を次世代へ継承していくため、官民共創や農泊、農福連携、農村RMOの形成、棚田地域の振興、中山間地域等における農用地保全の取組のほか、鳥獣被害防止対策やジビエの利活用を推進してまいります。

 また、有明海の再生に向けた交付金を創設し、漁業者による漁場環境改善の取組などを支援してまいります。

 第四は、みどりの食料システム戦略による環境負荷低減に向けた取組強化であります。

 環境負荷低減や気候変動に対応する新品種・技術の開発などを推進するとともに、環境保全型の営農活動への支援、環境と調和の取れた食料システムの確立に向けたモデル的取組の横展開や有機農業の取組拡大、見える化の推進などを実施してまいります。

 第五は、多面的機能の発揮であります。

 人口減少下においても、地域における共同活動を拡大、継続できる体制を構築するため、日本型直接支払いによる多面的機能の維持、発揮のための共同活動や、中山間地域等での農業生産活動の継続への支援などを着実に実施してまいります。

 第六は、カーボンニュートラルの実現、花粉症解決に向けた森林・林業、木材産業総合対策であります。

 森林の集積、集約化、路網や木材加工流通施設の整備、製材、CLTを用いた建築物の低コスト化等による木材の需要拡大、担い手の育成など、川上から川下までの取組を総合的に進めてまいります。

 あわせて、森林整備や治山対策に取り組むことで、森林吸収源の機能強化と国土強靱化を進めてまいります。

 第七は、水産資源の適切な管理と水産業の成長産業化の実現であります。

 海洋環境が変化する中で、漁業経営安定対策や資源調査、評価を着実に実施するとともに、高性能漁船の導入や担い手の育成、確保、スマート化に向けた取組を支援するほか、漁場生産力の強化に資する藻場、干潟の保全、海業の全国展開などを推進してまいります。

 第八は、防災・減災、国土強靱化と災害復旧の推進であります。

 被災した農地、農業用施設を始めとする農林水産関係施設の復旧などを推進してまいります。

 次に、特別会計では、食料安全供給特別会計と国有林野事業債務管理特別会計に所要の予算を計上しております。

 最後に、財政投融資計画では、株式会社日本政策金融公庫による財政融資資金の借入れなど、総額六千二百六十五億円となっております。

 以上で、令和七年度農林水産予算の概要の説明を終わります。

御法川委員長 以上で説明は終わりました。

 次回は、明十二日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前九時二十四分散会


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