衆議院

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第4号 令和7年12月18日(木曜日)

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令和七年十二月十八日(木曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 藤井比早之君

   理事 笹川 博義君 理事 野中  厚君

   理事 平沼正二郎君 理事 岡田 華子君

   理事 金子 恵美君 理事 小山 展弘君

   理事 池畑浩太朗君 理事 許斐亮太郎君

      伊東 良孝君    江藤  拓君

      大空 幸星君    小池 正昭君

      坂本 哲志君    鈴木 貴子君

      西田 昭二君    長谷川淳二君

      葉梨 康弘君    広瀬  建君

      宮下 一郎君    森山  裕君

      簗  和生君    山本 大地君

      梅谷  守君   おおたけりえ君

      神谷  裕君    近藤 和也君

      西川 将人君    平岡 秀夫君

      緑川 貴士君    柳沢  剛君

      山田 勝彦君    渡辺  創君

      空本 誠喜君    臼木 秀剛君

      長友 慎治君    大森江里子君

      角田 秀穂君    八幡  愛君

      北神 圭朗君    林  佑美君

    …………………………………

   農林水産大臣       鈴木 憲和君

   農林水産副大臣      根本 幸典君

   農林水産大臣政務官    広瀬  建君

   経済産業大臣政務官    越智 俊之君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房総括審議官)         押切 光弘君

   政府参考人

   (農林水産省消費・安全局長)           坂  勝浩君

   政府参考人

   (農林水産省農産局長)  山口  靖君

   政府参考人

   (農林水産省畜産局長)  長井 俊彦君

   政府参考人

   (農林水産省経営局長)  小林 大樹君

   政府参考人

   (農林水産省農村振興局長)            松本  平君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           畑田 浩之君

   農林水産委員会専門員   千葉  諭君

    ―――――――――――――

委員の異動

十二月十八日

 辞任         補欠選任

  宮下 一郎君     大空 幸星君

同日

 辞任         補欠選任

  大空 幸星君     宮下 一郎君

    ―――――――――――――

十二月十七日

 一、国有林野事業に従事する職員の労働関係を円滑に調整するための行政執行法人の労働関係に関する法律の一部を改正する法律案(神谷裕君外八名提出、第二百十七回国会衆法第三八号)

 二、国有林野事業に従事する職員の給与等に関する特例法案(神谷裕君外八名提出、第二百十七回国会衆法第三九号)

 三、農業用植物の優良な品種を確保するための公的新品種育成の促進等に関する法律案(神谷裕君外八名提出、第二百十七回国会衆法第四〇号)

 四、地域在来品種等の種苗の保存及び利用等の促進に関する法律案(神谷裕君外八名提出、第二百十七回国会衆法第四一号)

 五、食料供給困難事態対策法の一部を改正する法律案(神谷裕君外四名提出、第二百十七回国会衆法第四二号)

 六、主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律案(近藤和也君外七名提出、第二百十七回国会衆法第六二号)

 七、農林水産関係の基本施策に関する件

 八、食料の安定供給に関する件

 九、農林水産業の発展に関する件

 一〇、農林漁業者の福祉に関する件

 一一、農山漁村の振興に関する件

の閉会中審査を本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 農林水産関係の基本施策に関する件(畜産問題等)

 令和八年度畜産物価格等に関する件


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     ――――◇―――――

藤井委員長 これより会議を開きます。

 農林水産関係の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として農林水産省大臣官房総括審議官押切光弘君、消費・安全局長坂勝浩君、農産局長山口靖君、畜産局長長井俊彦君、経営局長小林大樹君、農村振興局長松本平君及び経済産業省大臣官房審議官畑田浩之君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

藤井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

藤井委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。鈴木貴子さん。

鈴木(貴)委員 皆さん、改めまして、おはようございます。

 十五分の持ち時間でありますので、早速質疑に入らせていただきたいと思います。

 青森、そしてまた北海道を襲いました地震、そして北海道を中心に見舞われた大雪被害、被害に遭われた全ての皆様方にまずは心からお見舞いを申し上げさせていただきます。あわせて、今、北海道では、この大雪に伴って、倒木であるとか、雪の重みで停電がまだ相次いでいるところがあります。こういったまだまだ被災をされていらっしゃる皆さんに一日も早く安全、安心をお届けできるように我々も頑張ってまいりたいと思います。

 まず、質問に入らせていただきます。

 年末年始、十二月というのは、毎年どうしても牛乳の消費が減少してしまうと言われています。この需要喚起であるとか需給調整に向けて、まさに毎年毎年試行錯誤を重ねていっていただいております。生乳処理ができなくて廃棄となった場合には、これは市場価値も低下いたしますし、業界全体のイメージダウンにもつながってしまう。何よりも、酪農の生産基盤を弱体化させる元にもなってしまうと思っています。

 そこで、業界を挙げた協力体制というか、連携というものが何よりも必要だと思っています。自民党におきましても、畜酪委員会で簗委員長の強いリーダーシップの下、今年は断続的に六回にわたってヒアリング等を重ねて、ここの需要喚起、やはり出口対策はしっかり大事だ、そこがなくては、どれだけ生産支援をしたところで元も子もないという強い思いでこの部分を取り組んでまいりましたが、この業界を挙げた取組の必要性というものをいかが政府としても考えていらっしゃるでしょうか。

長井政府参考人 お答えいたします。

 生乳は毎日搾られるものである一方、年末年始は、学校給食用の牛乳の供給が止まりまして、さらに、多くの工場や量販店も営業を縮小することから、例年、業界は処理不可能乳の発生回避に苦心をしておられます。

 加えまして、この数年間、牛乳需要の低迷でありますとか、近年の働き方改革の進展がこの状況を更に厳しくしております。

 このため、業界では、本年も、業界を挙げまして、広域流通の調整でありますとか、生乳使用率を高めた製品の製造、販売、そして牛乳・乳製品の販売促進活動などの協力、理解を繰り返し関係各所にお願いしている状況であると承知をしております。

 農林水産省でも、こうした業界の取組も踏まえつつ、引き続き、そもそもの加工能力の拡充のための、各地で基幹となる乳製品加工施設の整備でありますとか、牛乳でスマイルプロジェクトの旗の下での業界一体となった様々な消費拡大の取組、中でも、新商品の開発や輸出等の新たな需要を生み出す取組を、予算を始め様々な形で支援していきたいと考えております。

鈴木(貴)委員 ありがとうございます。

 最近では、例えば、牛乳が持っている機能性に注目をした様々な取組が進められています。まさにこういった部分の調査研究であるとか、そういったことを後押しをしていく。やはりこれは民間の取組でもありますから、競争自体はそれぞれの自助努力というものが私は不可欠だと思っています、その産業自体の安定、更なる発展のための自助努力。しかしながら、やはり政治の役割というものは、そこに行くまでの基盤というか、競争できるまでの環境整備というものは非常に重要だと思っておりますので、そういった調査研究費、そしてまたその出口の拡充という部分について、引き続き支援をお願いしたいと思います。

 そこで、まさにこの経営安定であるとか発展のためには、付加価値の向上も欠かせません。いわゆる加工原料乳生産者補給金でありますけれども、創意工夫を支えるということも農水省のホームページにも書かれておりますが、今の実態を見ると、あくまでも経営の下支えであって、創意工夫というプラスアルファのところまでたどり着いていないんじゃないかと正直思っております。ルールがありますから、それに基づいての算出だとも思っております。しかしながら、この昨今のコストの上昇等々、厳しい現下の情勢というものは適切に反映をされるべきだと思っています。

 あわせて、集送乳調整金でありますが、先ほど私は大雪の話を申し上げました、大雪を見越して早めに集乳に取り組んでいただいたりだとか自家発電を回して、若しくは、集乳がしっかりと機能するように、本当に昼夜を分かたず、不眠不休で除雪に当たられたり、ただ、その除雪のコストというものは現場の負担なんですよね。こういった見えないところの負担に対してどれだけ寄り添えているのかというところを是非とも見ていただきたいと思っています。

 もちろん、ドライバー不足による影響などもますます深刻だと思っていますが、今申し上げたように、自然災害である大雪、こういった不確実性というものとも常に向き合っているということを考えれば、この集送乳というのは、単に流通ではなくて、酪農生産に欠かせぬインフラそのものであるんだと私は思っています。

 単なる物流コスト支援ではなくて、生乳の安定生産、何よりも北海道は、生産基地ではなくて供給基地というプライドを持っています。作るだけでは駄目なんだ、しっかりと消費者の皆さんの元に安定的に、効率的に、そして安価で、皆さんに納得していただける値段で届けるところまでが我々の責任だという強い自負を持って取り組んでいただいております。

 そういう観点からいきますと、集送乳というか、集乳ですよね、この機能というものが維持をされなくては、どれだけ我々が生産支援を行っても成り立つものではありません。酪農を支える基盤的な政策と位置づけて、仕組み自体をいま一度検証する必要があるのではないでしょうか。

長井政府参考人 お答えいたします。

 加工原料乳の生産者補給金でありますとか集送乳調整金につきましては、生産や集乳に要する直近十月までのコストの変動や物価動向を考慮することで、足下の状況を捉えているところでございます。

 その上で、御指摘にありましたように、酪農は、耕種と比べても、都市から遠い地域に分散して立地しながら営まれる産業でありまして、また、毎日搾乳されるという特徴も持っておりますので、集送乳が酪農を支える基盤という御指摘はそのとおりでございます。これが毀損しますと、酪農そのものが成り立たないくらい重要なものであると考えております。

 このため、算定に当たりましては、全国の指定団体を通じた悉皆調査によりまして、先ほど御指摘もありました雪などの事故により結果的に要した費用も含めまして、完全な集送乳経費額を把握し、それに基づいて算定を行っているところであります。

 加えまして、集送乳路線の合理化でありますとか荷待ち時間の短縮など、各地での不断の見直しを促すとともに、基幹となります乳製品加工施設の整備、中核的な中継ポイントなど、必要な施設整備も支援をしているところであります。

 引き続き、現場の声を伺いまして、課題を特定しながら、酪農の基盤である集送乳が持続していくよう、各地の効果的な取組を支えていきたいと考えているところであります。

鈴木(貴)委員 ありがとうございます。

 そこで、ちょっと大臣に今度は質問を、是非とも答弁をいただきたいと思っています。

 単価が上がると交付対象が減るんじゃないか、つまり、全体の総交付対象数量の、予算の総額ありきなんじゃないかというような声というものは、やはり現場から率直な意見として上がってきます。今の政府答弁もあったところでありますけれども、これは予算総額ありきとなっていないかという声に対して、大臣、答弁をいただければと思います。

鈴木国務大臣 御質問ありがとうございます。

 今の鈴木委員からの現場の声、私も何度もお伺いをしたところであります。

 まず申し上げますと、加工原料乳生産者補給金等の単価については、生産や集乳に要する直近のコストの変動や物価動向を考慮して、また、総交付対象数量は、国産乳製品全体の需給動向を考慮してそれぞれ算定をし、審議会の意見を聞いて決定する、そういう仕組みとなっております。

 これに向けて、毎年、この委員会での委員の声も含めた現場の声をよくお伺いして、課題や懸念も踏まえた関連対策も組み合わせながら、全体パッケージで決定をしてきたところであります。

 今の御指摘に対しては、これまでの結果でありますけれども、関連対策を含めた総額についても、厳しい予算編成過程の中ではありますが、令和五年度は三百八十六億円、令和六年度は三百九十三億円、そして令和七年度は四百億円と着実に増加をしてきているところであります。本年度も、生産現場に寄り添い、その声を受け止める努力をしっかりとさせていただいて、皆さんにとっても納得のいく形になるように精いっぱい頑張らせていただきます。

鈴木(貴)委員 ありがとうございます。

 今、わざわざ憲和大臣が直近三年間の総額、数字を出していただいて、大臣自ら、着実に上がっているということを議事録に載せていただけました。その上で、地域に寄り添ってしっかりと頑張っていくということは、間違いなく今年も期待をできるんだなという答弁をいただいたものと先に感謝と御礼を申し上げておきますので、最終最後まで何とぞよろしくお願いを申し上げます。

 大事なのはパッケージというところだと思っています。関連対策全体でしっかりと、現場が何よりも実があるというか、これでまたやっていけるぞ、今確かに厳しいかもしれないけれども、政府も自分たちのこの苦しい状況をちゃんと見てくれているんだな、だったら俺たちも頑張ろうと。ましてや、生産者の皆さんというのは、自分たちの生活というか家族のためだけではなくて、地域全体、この地域をどうやって維持していくかということをまさに考えて日々生産を続けていただいております。二十四時間三百六十五日、命を相手に向き合っていただいてのこの仕事に対しては、我々は、感謝と敬意というものはしっかりと政策で、そしてまた時には予算で示していかなくてはいけないと思っております。

 その観点で、もう一点、大臣、是非お伺いをさせてください。それは、酪農ヘルパーに関してであります。

 人材確保でありますとか定着というのが酪農ヘルパーの課題だと私は聞こえておりまして、先般も、自民党の部会におきまして、岩手県葛巻町の酪農ヘルパー利用組合の木戸場さんという女性の方から、オンラインでありましたけれども、大変有意義なヒアリングも伺わせていただきました。

 その話を、現場の声を聞きながら、私は、酪農ヘルパーという名称自体もいかがなものかと思っています。

 というのも、何となく酪農ヘルパーというと臨時労働力であったりとか補助要員というような響き、趣があるんじゃないだろうか。本来であれば、何よりもこれは専門職ですから、それぞれの農家さんのところに行って、農家さんもそれぞれが一人親方、あくも強けりゃ個性も強いという親方のところに行って臨機応変に対応していただく。そういった専門職として位置づけて、キャリア形成を含めた職業としての魅力の向上であるとか、若しくは幅を広げるための資格取得の推進、こういった支援の充実が必要だと思っています。

 あわせて、国の支援なんですけれども、先ほど大臣は答弁で、補給金の関係でも、物価動向に応じてと言っていただきました。物価動向に応じて対応していただいている制度、補給金等がある一方で、この酪農ヘルパーですけれども、何と多くのメニューの助成単価が平成二十九年から変わっていないんです。これは農水省の中での政策の不一致だと思うんですよね。こっちのものに対しては物価動向を反映させます、こっちの酪農ヘルパーに対しては反映させない、これではちょっとちぐはぐだなと思っています。

 現場の皆さんの声に常に向き合い、そしてまた応えていただいている鈴木憲和農水大臣、これからの酪農業を支えていくという意味でも、ここの酪農ヘルパーに対してもっと国としてのコミットメント、支援の充実が必要だと思いますが、いかがでしょうか。

鈴木国務大臣 御質問ありがとうございます。

 今、鈴木貴子委員がおっしゃっていただいたことは、全く問題意識は私も共有しているところであります。

 やはり酪農ヘルパーがなくては地域の酪農をやるということは不可能であるという現実でありますから、この職業としての魅力もしっかり高めていかなければならないというふうに思っております。

 農林水産省といたしましても、若者が夢を持って酪農ヘルパーという職業を選択できるよう、給与、休みなどの待遇の改善、そして業務の幅を広げる人工授精師などの資格の取得、また新規就農の入口として酪農ヘルパーを技術習得の場として活用する取組などの支援を展開をしているところであります。今、支援単価が変わっていないとの御指摘も含めてしっかりと検証させていただき、多角的、重点的に支援を講じていくことが重要であると思っております。

 現場の方々が、単なる、名称はなかなか、定着をしているので、変えるというのはあれかもしれませんが、それでも、補助要員みたいな話ではなくて、やはりプロフェッショナルなんだという気持ちを持ってしっかりと頑張っていただけるように我々は努力をさせていただきたいと思います。

 特に、私も問題意識があるのは、若い世代の皆さんが酪農ヘルパーとして活動し始めたときの賃金水準、水準はそれなりであるわけなんですが、やはり年齢を重ねるに従って、その水準では当然これはよくないわけでありますから、そうした問題意識も持って、何ができるのか、よく検証させていただきたいと思います。

鈴木(貴)委員 ありがとうございます。

 九年勤務をしているけれども、月給が一万円から一・五万しか上がっていないというような、そんな声も聞こえております。家族を持ちたい、家族でその地域で頑張っていただくということも大事だと思っておりますので、是非ともよろしくお願いいたします。

 ありがとうございました。

藤井委員長 次に、渡辺創君。

渡辺(創)委員 おはようございます。立憲民主党の渡辺創です。

 立憲民主党は、今年の秋、農林水産部門会議に畜産・酪農政策ワーキングチームを設置をし、畜産、酪農分野への取組を強化することにいたしました。これまでの部門会議での取組に加えて、北海道等での視察や専門家との意見交換などを重ねてまいったところであります。

 今日の質疑では、座長の私を含めて三人でフィールドを分担して臨みますので、私の質疑では、現状の認識整理に重点を置いて質問をしてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。

 まず、和牛生産に関連してお伺いをします。

 和牛子牛の取引価格が持ち直してきました。私の選挙区であります宮崎一区にある宮崎中央家畜市場でも、十二月の十一日、十二日の競りでは、雌牛の平均が七十六万七千五百九十一円、去勢の平均が八十六万二千六百三円、全体の平均は八十二万百六十三円と、前年同時期比で二十五万五千四百四十二円高、前月比でも十一万八千百五十円高という状況です。全国の主要家畜市場でも、平均取引額が前年同月比三八%高と、四〇%近い高い値段で、好調ぶりであるというふうに聞いています。

 全国的な子牛の不足感に加えて、年末年始を控えて枝肉出荷が増える時期になるというのも後押しをしているんだろうというふうに思うところですが、私は宮崎なので、繁殖農家も多い地域としてはいい状況ですけれども、飼料高など関連経費の高騰にも陰りが見えないという状況で考えれば、好調な子牛価格が、一方で肥育農家にとっては重荷になるという面もあるわけであります。

 この機会に状況を整理をしておきたいと思いますが、最終的な枝肉価格の状況などを十分に踏まえた上で現状をどう見ているのか、また今後の価格動向の見通しなどをどのように想定しているのか、農林水産省の見解をお伺いします。

長井政府参考人 お答えいたします。

 和子牛価格につきましては、令和四年から令和六年にかけまして下落傾向で推移をしてきたところでございますが、令和六年九月の五十万円を底にいたしまして上昇に転じておりまして、直近では、七十万円台にまで回復しているところでございます。

 一方で、和牛の枝肉価格につきましては、令和四年度以降、物価の上昇による消費者の生活防衛意識の高まりなどの影響によりまして前年を下回って推移をしてきた中で、令和七年度は前年を上回る水準ではございますが、依然として軟調に推移しているところでございます。

 今後の価格につきましては、なかなか予断を持ってお答えするのは難しい面はございますけれども、子牛につきましては、繁殖雌牛頭数の減少が見込まれる地域もございますので、一定期間、子牛の需給はタイトになることが予想されるところでございます。他方、枝肉につきましては、出生頭数の多かった時期の出荷がこれから続くということが見込まれますので、来年度も、今年度と同様の傾向が続くことになるのではないかと考えているところでございます。

渡辺(創)委員 ちょっと念のために確認しますが、今の御説明によれば、年単位でとまで言えるかどうかは別にして、子牛の価格については、基本的に、現時点で値段が戻ったというだけではなくて、大きな、予想していないような変動要因がなければ回復基調に戻ってきているという理解でよろしいですか。

長井政府参考人 お答えいたします。

 ここ一、二年ということで、何というか、牛の価格というより、キャトルサイクルという、要は大きな波がございますので、ずっと先までということは難しいんですが、ここ一、二年でいえば、そういう傾向になると思っております。

渡辺(創)委員 令和二年三月に策定をした第八次の酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針、酪肉近では、肉用牛について、国内外の需要、市場拡大を前提にして増頭、増産の生産基盤強化を方針として、裏打ちするように、政府は増頭奨励の政策を展開をしてきました。

 しかし、現実は、コロナ禍による需要の縮みであったり国際環境の不安定化によって、必ずしも想定した状況にはならず、子牛価格の低迷につながった感があります。実際、政府の増頭奨励施策の転換後に繁殖雌牛の数も減少に転じていっています。

 このことも踏まえた上で、増頭奨励という政策判断を現時点で振り返ってどのように総括をしているのかということを、大臣の認識を確認したいと思います。

鈴木国務大臣 お答え申し上げます。

 繁殖雌牛の増頭奨励事業は、令和元年当時見込まれた輸出の拡大に向けた生産基盤強化策として、令和二年から五年末までの増頭を対象として実施をしてきたものであります。

 まず、成果といたしましては、和牛肉の生産量が、令和元年度の十五万トンから令和六年度には十八万トンと増加をいたしました。今後も和牛肉の生産量は高い水準で推移をすると見込まれています。また、牛肉の輸出量も、四千三百四十トンから一万八百二十六トンと大きく伸びている。こうした一定の政策効果はあったというふうに受け止めております。

 ただ、一方で、この間に、子牛生産頭数が増加する中ではあったんですが、新型コロナによる需要の減退、そして物価高による消費の減退などの影響によりまして、令和四年以降は子牛の価格が低落をしております。資材や輸入飼料の高止まりの影響もあって繁殖経営の離農が進み、令和六年度以降は子牛の出荷頭数は減少しております。

 このように、強力な基盤強化策と、その後の需要減退による価格低下の経緯も踏まえて、先ほど委員もおっしゃっていただいた基本方針、この中で、需要に応じた生産の推進を位置づけをしたところであります。

 これを受けまして、例えば施設整備、機械導入の事業では、畜産経営の持続性向上を目的としたメニューを設けるなど、繁殖基盤の安定的な維持発展を集中的に支援をしてまいりたいと考えております。

渡辺(創)委員 今あった増頭奨励の転換後に、政府は、肉質や増体に優れた子牛をつくるということを意識して、高齢繁殖雌牛の更新を進める奨励金に切り替えたわけです。十歳以上の繁殖雌牛を切り替えていっているわけですが、奨励金の交付実績を御説明いただいた上で、現時点での効果をどう見ているか、認識を伺います。

長井政府参考人 お答えいたします。

 補正予算におきまして令和六年度から措置をしております優良繁殖雌牛の更新加速化事業につきましては、成長がよく肉質に優れた肉用子牛の生産を推進するため、十歳以上の高齢の繁殖雌牛から改良が進んでいる若い繁殖雌牛への更新を支援するものでございまして、実績といたしましては、令和六年度は実施頭数が約一万四千頭、令和七年度の実施見込み頭数は約三万頭となっておりまして、着実に若い繁殖雌牛への更新が進んでいると認識しているところでございます。

 令和六年度に更新した若い繁殖雌牛が子牛を産みまして、その子牛が成長して市場に出荷するというのは早くて令和八年の一月以降となる見込みでございますので、現時点で事業効果を評価することは難しいところではございますが、今後、本事業による優良な子牛が市場に出荷されることによりまして、子牛が堅調な価格で取引されまして、繁殖基盤の維持強化につながっていくものと考えているところでございます。

渡辺(創)委員 今年四月に策定をされた最新の酪肉近では、五年後の目標として、令和十二年度の各数値が示されています。牛肉の生産数量目標は、部分肉換算で、令和五年の数字ですが、現状三十五万トンというところを三十六万トンにするという微増の目標設定が行われています。参考として示されている長期的な姿という部分でも、部分肉換算は三十七万トンと、更に一万トンを上乗せするだけというふうになっています。

 生産量を左右するのは生産能力、つまり、供給力を踏まえた上での需要の見通しということになるというふうに思いますが、その需要という観点では、当然ながら、国内での需要拡大と海外輸出の促進がどう機能するのかというところがポイントになるはずです。

 このポイントを押さえた上で、酪肉近の令和十二年度目標、微増となっている目標をどのような根拠で設定をされたのか、基本的な考え方を伺います。

長井政府参考人 お答えいたします。

 本年四月に策定いたしました酪肉近におきましては、国内消費は横ばいと見込む一方で、輸出の拡大を見込みまして、全体では生産量を増加させる目標にしております。

 具体的には、二〇三〇年度には、人口の減少が見込まれる一方、多様な消費者ニーズに対応した牛肉生産を行うことなどによりまして一人当たりの消費量を伸ばすということによりまして国内消費量は維持するとともに、販路開拓や輸出認定施設の増加などを通じまして海外への輸出を増加させるということで、これは九千トンから一万六千トンに増加させることを考えておりますが、こうしたことによりまして、現状の牛肉生産量の三十五万トンを、二〇三〇年度には三十六万トンまで伸ばす目標という形で設定をさせていただいております。

渡辺(創)委員 ちょっと関連して大臣にお伺いをしたいというふうに思うんですが、令和二年の第八次の酪肉近では、部分肉換算で四十万トンという目標を掲げていたわけです。この水準は、令和元年の実績が三十三万トンであったことを踏まえれば、プラス七万トンを積み増すという大変強気な目標だったわけですね。これが、今回の酪肉近ではかなり消極的な水準に、今御説明があったような理由によってでしょうが、転じたという形になっています。

 一方で、肉用牛における生産の内訳を見れば、乳用種が減って、和牛の生産自体はこの十年間増加の一途をたどっているわけであります。つまり、厳しい環境下でも、もちろん政策的な後押し、誘導もあったというのはあるというふうに思いますけれども、和牛の生産意欲自体は高まっている状況だと見ることもできるというふうに思います。もちろん、ただ、生産者の皆さんの高齢化であるとか、関連経費が高止まりしている状況という厳しい要素もあるわけでありますけれども。

 そこで、今年の酪肉近の意味合いを整理したいというふうに思うんですが、取り巻く環境、取り巻く状況をかなり厳しいと見ているという基本的な思想というか考え方が今回の数量目標の設定の仕方、方針転換ですね、からも見て取れる気がするんですけれども、この辺りを踏まえて、大臣自体がこの変更というか考え方の転換に対してどういう認識を持っているかというのを確認したいと思います。

鈴木国務大臣 様々な変更というのがあったんだと思いますが、ただ、やはり需要がどのような形になっていくのかということについての考え方が最も重要かというふうに私としては思っています。

 基本的には、和牛の世界は、海外のマーケットをいかに拡大をしていくかというのが大事です。ただ、一方で、もちろん国内マーケットも大変大きくありますし、そこの部分が、現在、全体としての物価高の中で牛肉の消費量に影響があるということでありますから、そうしたこともよく考えて見積もったということだというふうに私としては理解をしております。

渡辺(創)委員 ありがとうございます。

 大臣の御認識と私も思っているところは大体似通っているところなんだなと思いましたが、お話があったように、まだ全体で見れば海外輸出のシェアというのは小さいわけですけれども、とはいえ、伸び代があるのは海外輸出ということになる、日本の人口は減っていっているわけですから、胃袋は小さくなっているわけなので、海外輸出ということになると思います。

 令和六年のデータを見ると、牛肉輸出量は前年比二〇%増という状況でありますので、前回の酪肉近が出た頃、令和二年ぐらいのデータを見れば四千五百トン程度だったものが、この五年間で六千トンぐらい伸びたという状況になります。

 このデータを見ても、先ほどの酪肉近の生産数量目標の一万トン増というのは、やはり海外輸出の促進というところで対応しなければ現実的にはそうなっていかないということだと感じていますが、現在の輸入先を見れば、アメリカ、台湾、香港あたりが二割近いシェアで続いていくわけですけれども、今後の量拡大という意味では、やはり市場としての中国というのは大変大きな意味があるというふうに思います。

 対中輸出の再開が重要ですが、大詰めの段階でまた再び厳しい状況になっているというふうに思っていますが、この間の現状認識を大臣はどのように見ていらっしゃるか、御説明いただければ。

鈴木国務大臣 御質問ありがとうございます。

 輸出が何しろ大事だということについては全く共通の認識だというふうに思っています。

 現在、和牛の肉というのは世界の様々な国で評価が高く、牛肉需給の安定や生産者の経営安定に向けては、この海外需要をいかに取り込んでいくか、そして輸出を拡大していくということがなくてはならない柱になりつつあります。

 近年の牛肉輸出については、生産者を始め輸出事業者等の関係者の皆様の御尽力もあって、増加傾向で推移をしております。二〇二四年には過去最高の一万トンを超えまして、輸出額六百四十八億円を記録をしたところであります。

 農林水産省としましては、関係省庁と連携をして、輸出先の多角化に向け、新たな輸出先国の解禁や規制緩和などの協議をまず進めさせていただきます。また、輸出拡大に向けて、輸出対応型施設の整備や省力化機械等の導入による機能強化、オール・ジャパンでのプロモーションなどの推進の支援などに取り組み、更なる輸出拡大の推進を図ってまいります。

 おっしゃるとおり、中国との間でありますが、本年七月に日中動物衛生検疫協定が発効したところであります。本協定の発効も踏まえまして、日本産牛肉の対中輸出再開に向け、中国との間で関連協議を推進していくことが重要でありまして、引き続き、あらゆる機会を捉えて粘り強くこれは努力をさせていただきたいと思っております。

 ちなみに、うちの地元も米沢牛、山形牛があるわけですが、やはり牛肉の世界は、牛肉の世界だけではないんですけれども、輸出は、大事だと思うのは、肉をただ出せばいいという話ではなくて、どのような調理の仕方で現地で食べていただくか、ここまでしっかりやらないと、ただ出して冷蔵庫に置いていても売れるわけではありませんので、そうした観点も持って、そうだとすると、外食の皆さんとしっかりやらなきゃいけないということもありますので、様々な問題意識を持って取組をさせていただきたいと思います。

渡辺(創)委員 今、中国との関係のお話がありましたが、これはちょっと聞こうと思ったんですけれども、御答弁は余り踏み込まれなかったので質問にはしませんが、今政府が持っている、二〇三〇年までに今のほぼ二倍の輸出にするという目標には、アメリカと同等ぐらいの規模まで中国の市場を見て算出されているんだと思いますので、中国への輸出が成り立たないと、多分、この計画にも大きな影響を与えるんだろうというふうに思います。ちょっとそこは指摘にとどめますが、やはり多くの関係者の方が状況を注視していると思うので、もう少し政府からも、交渉中であるし、なかなか表面的に難しい状況だというのはよく分かりますので、しかし、状況が分かるようなアナウンスメントをお願いしたいというふうに思います。

 今、大臣の御答弁ともちょっと関係してきますが、肉用牛の今後の需要拡大を考えるという意味では、多様化していく消費者のニーズというものに応えることも重要だというふうに思います。歩留りであったり、肉質でA5であったり、その中でも、脂肪交雑の評価基準がBMSのナンバー十二とか十二番みたいなものが高く評価をされるという構造がずっと続いてきているわけですけれども、嗜好だけではなくて、調理法なども含めて、異なるバランスのものが引き合いも強くなってきているという面もあるというふうに思います。

 改良が進んだ結果、A4、A5の牛ができる可能性はかなり高まっているわけであって、市場でもそういうお肉が高く取引されるわけであるので、経済性の面からは納得のいく話でもあるんですが、先日、若手の生産者の方々と意見交換をしていると、血統的にそういう形じゃない牛をつくるのも難しくなってきているし、売り方のところでも、牛肉の多様性が反映されるシステムにならないと、なかなかその流れから外れた牛をつくるということにチャレンジしていくというのも容易ではないという話がされているのも非常に印象的でありました。

 ニーズの多様化という点を政府はどのように捉えているか、先ほど大臣から、調理法も含めて、海外で価値高く売るためにはそういうところまでセットでやることの必要性があるというお話がありましたけれども、ちょっと改めてその辺の政府見解をお伺いしたいと思います。

長井政府参考人 お答えいたします。

 牛肉の消費者ニーズにつきましては、和牛特有の強みであります脂肪交雑の多い霜降り肉を求める声がある一方で、比較的脂肪交雑の少ない牛肉でありますとか赤身主体の牛肉への関心も高まっておりまして、御指摘のとおり、多様になってきているというふうに認識しております。

 このため、脂肪交雑を生かしました和牛生産に取り組むだけではなくて、オレイン酸など、脂肪交雑以外の食味の向上に重点を置いた改良に取り組むとともに、多様な肥育形態の一つといたしまして、適度な脂肪交雑の牛肉を生産できるいわゆる早期出荷、そうしたものも推進しているところでございます。

 また、国産牛肉の半分を占めます交雑種とか乳用種につきましては、手頃なテーブルミートとしての需要もありますので、商品価値の創出でありますとか販路開拓などの取組支援を通じまして消費拡大を図っていきたいと思っております。

 こうした様々な取組によりまして、引き続き、多様な消費者ニーズに対応した肉用牛生産を推進してまいりたいと考えております。

渡辺(創)委員 続いて、飼料の自給力向上に関連してお伺いをしていきたいと思います。

 ここには江藤先生や長友先生もいらっしゃいますが、宮崎県は九割近い粗飼料の自給率を誇っていますけれども、現在も、県が主導して、更に一〇〇%を目指すという取組の真っただ中にあるところであります。

 その自給を支えている柱の一つがWCS、発酵粗飼料用稲ということになります。南九州では、イタリアンライグラスなど、そういう牧草とともに大きなウェートを占めているというところであります。

 このWCS用の稲は、令和七年の作付状況で見ると、全国で四万八千八百九十六ヘクタール。作付面積が全国一位なのがお隣の熊本県で、八千二百二ヘクタール、全体の一六・七%、宮崎が二位で、六千七百五十八ヘクタール、全体の一三・八%になります。ここに鹿児島を加えると、南九州三県でWCSの全体量の四割近くということになるわけであります。

 宮崎で田んぼを見ていると、僕が子供の頃は、水田は大体主食用の早期だったので、田植の時期も稲が実る時期も大体そろっていましたが、今これだけWCSが増えていると、ばらばらになっているので、田植の時期も実る時期もばらばらというふうに、まさに水田の景色まで変わってきたなというのを実感しているところでありますが、そういう状況に宮崎はあります。

 その中で、WCSの作付面積は、令和七年産分で、全国では一四・二%減少しています。言わずもがなですが、昨年来の米騒動の影響で、主食用米に転じたのが原因だというふうに見ることができると思います。

 るる申しましたが、WCSの減少は、粗飼料自給率一〇〇%を目指すような地域にとっては大きな環境変化になるわけであります。水田政策の見直しも控えている中で、今年の作付面積の状況等も踏まえた上で、WCSをめぐる環境をどう見ているのか、政府の見解を確認したいと思います。

長井政府参考人 お答えいたします。

 WCS用の稲につきましては、畜産農家の近隣に飼料生産に使用できる農地が限られている都府県を中心といたしまして、水田活用の直接支払交付金の支援も後押しとなりまして、耕種農家と畜産農家の連携による、いわゆる耕畜連携によりまして生産、利用が拡大、定着をしてきているところであります。

 令和七年産のWCS用稲の作付面積は、主食用米の高騰もございましたので、四万九千ヘクタールということで前年産からは減少はしておりますけれども、一方で、こういった耕畜連携が進んできたということもあって、減少幅は、減少はしておりますが、抑えられてきているのではないかというふうに考えております。

渡辺(創)委員 ちょっと聞き方の観点を変えますが、粗飼料の自給率向上や安定供給のためには、地域の農地がどのように集約され、維持されていくのかというのは重要なポイントであります。

 政府は、農地の集約と将来状況を把握するために、地域計画における将来の目標地図の策定を働きかけ、後押しをしてきました。今年の春が集約のめどであったと思いますが、その集約状況を説明いただきたいと思います。

小林政府参考人 お答え申し上げます。

 地域の農業、農地利用の将来像を描きます地域計画につきましては、本年四月末までに、全国約一万九千地区、四百二十二万ヘクタールで作成されまして、農地面積のほぼ全てをカバーしております。

 ただ、策定された地域計画の中身を確認いたしますと、農地の集約化を明確にできた目標地図は全体の約一割程度にとどまっておりまして、また、将来、受け手不在となる農地が約三割に上る、こういった状況が明らかになったところでございます。

渡辺(創)委員 ちょっと確認しますが、今の御答弁を聞いていると、農水省として想定していた、言い方を変えれば、求めていたというか、出てくることを想定、求めていた水準の目標地図というのは一割という理解の仕方でいいですか。ちょっとこの辺ははっきり答弁いただければと思います。

小林政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど申しました一割の件でございますけれども、これは、最終的には、農地が効率的に利用されるということになりますと、農地が面で集約されるということが重要でございます。ある程度農地が集約された形の将来像が描けたものが最終の理想形でございまして、こういう形に近いものが約一割、こういう考えでございます。

渡辺(創)委員 もう一つ判然としませんが、十分なものは一割という言い方なのかなと理解をしました。

 今御説明があった状況を踏まえて、この状況を農林水産大臣はどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。

鈴木国務大臣 御質問ありがとうございます。

 今、状況については小林局長からお話があったとおりなんですが、限られた時間の中で、ある種、一回この目標地図、地域計画をしっかり出していただくという意味では、本当に現場の市役所の皆さん、市町村の皆さんを含めて御努力をいただいたというふうには受け止めています。

 ただ、委員からも御指摘のように、必ずしも将来が、それで地域の営農の形が見通せるかといったら、そうではないというものが、逆に言うと大半だということでありますから、このような状況を踏まえまして、この目標地図をまずベースにして農地の利用に係る話合いを継続し、地域計画のブラッシュアップの全国展開を進めていくことで、結果として受け手が利用しやすいよう、農地の集約化や受け手不在農地の解消をしていくということは今すぐにやらなければならないというふうに考えております。

 このために、我々は、都道府県及び市町村も、出先機関、そしてJA、農地バンクなどと連携した推進体制を整備し、また、農業委員会は、出し手と受け手の意向を丁寧に把握し、協議に生かせる目標地図の素案を作成することで地域計画のブラッシュアップを進めていただく必要があると考えております。

 私も現場に出向きますと、世代によってもかなり考え方も違いますし、また、先ほどおっしゃっていただいた耕畜連携はやはり大事なわけですから、そういう中で、将来、私たちの地域の営農を、これは耕種部門だけではなくて、畜産部門も含めてどういうふうにやっていくのかということが大変大事だと思いますので、我々も、農林水産省の職員も、ニーズがある市町村には直接出向きまして、一緒になってブラッシュアップを考えさせていただきたいというふうに思います。

渡辺(創)委員 私も地元で聞いていると、やはり農業委員の皆さんとか農地利用最適化推進委員の皆さんとかも相当苦労されて、多分、そういう話を聞かれていない方はこの場には誰もいないというふうに思いますが、努力をされて御奮闘いただいた割には、大丈夫なんだろうかという結果だという感じをみんな持っていると思うんです。もちろん、現実的に難しい課題がいろいろあるのも分かるし、最終的に効果を生むような形にしていけばいいわけだから、これからブラッシュアップさせていけばいいというのも分かるんですけれども、恐らくこれから先、基盤整備だったりとか様々な事業が入るための前提条件みたいなところにもこの地域計画に基づく将来図というのは影響してくるというふうに思うんですね。なので、ちょっとこだわって、もう一回確認をさせてもらいたいんです。

 先ほど来御答弁があったような集約状況、今年の春の時点で、現時点での集約状況というのは、この政策を展開していく中で、この程度にとどまってしまう可能性があるというのは農水省としては想定の範囲だったのか、それとも、考えているよりも集約の状況を形にまとめることには困難があって、思ったよりも進んでいないという状況なのか。ちょっとこの認識だけは、今後のこともあるので、農水省からはっきり示すべきだと私は思うんです。それが思ったように進まなかったからといって、この政策に意味がないとか、この取組が意味がないとかいう話とは全く違うと思うので、きちんと状況整理をすべきだと思うんですが、そこはいかがでしょうか、大臣。

鈴木国務大臣 これは、私が所信の中でも申し上げたことにもつながるんですが、やはり地域計画は必要なわけですよね、地域で将来をどういうふうに見通すかという話合いを踏まえたものですから。

 ただ、一方で、なかなか現場の皆さん、今もまさに営農をして、プライドを持ってやっていらっしゃる皆さんはたくさんいらっしゃいますから、そして、若手の皆さんがその中にいたりするものですから、なかなか人間関係が様々現場によってはある中で、本音ベースの話合いがどこまでできて、しかも、それがまとめるところまでいけるかどうかといえば、現時点では、正直言って厳しかったというのがこの結果だろうというふうに思っておりますので、こうしたこともよく踏まえて、これから我々はもっとその立場に立って、取組を加速させていただきたいと思っています。

渡辺(創)委員 ちょっと最後にもう一問質問をしようと思っていましたが、時間も迫っているので、また、先ほど大臣からそのニュアンスはあったので、発露だけにさせていただきたいと思います。

 先日、私の選挙区の国富町というところで畜産をやっている若手の経営者の皆さんたちと意見交換をした中で、皆さん、取り巻く環境は厳しいし、将来も、明るく、必ずしも見通せているわけじゃないけれども、一生懸命頑張るという意気込みを持っていて、力強く感じたんですが、その中で、先ほど大臣がおっしゃったように、耕種との関係性の中で、自分たちでもっと飼料を作っていこうかと思うけれども、やはり土地の集約が難しかったりとか、将来地図を作っていく中で、畜産の位置づけのところがはっきりしなかったりというような課題があるというのは、かなり発言がやはりありました。それが実感なんだなと思ったので、それは先ほど大臣の御答弁でもありましたから、十分認識いただいていると思うので、是非その辺を踏まえて今後の対応を進めていただきたいと思います。

 今回の酪肉近の中では、飼料は国産利用割合の高さに従い経営が安定する相関関係があるというふうにはっきり書いてあります。つまり、粗飼料を中心にした飼料の自給率向上が再生産可能な畜産を維持するために有力なすべだというふうに思います。日本の農業生産の四割は畜産ですが、宮崎県では六七%が畜産です。ですから、当然ここにつながっていく極めて重要な課題だということで、是非今後の取組をお願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

藤井委員長 次に、山田勝彦君。

山田(勝)委員 立憲民主党の山田勝彦です。

 鈴木大臣、どうぞよろしくお願いいたします。

 和牛の子牛相場が急上昇しています。子牛価格の高騰、鈴木大臣、原因はどのように分析されていらっしゃるでしょうか。

鈴木国務大臣 お答え申し上げます。

 和牛の子牛価格でありますが、令和四年から令和六年にかけて下落傾向で推移をしてきました。ただ、令和六年九月の五十万円を底に上昇に転じておりまして、直近では七十万円台まで回復をしてきております。

 この要因についてでありますが、まず、繁殖雌牛の減少に伴い、家畜市場における取引頭数が減少していること、そして、枝肉価格自体は弱含みであるのですが、ただ、前年を上回る水準で推移をしている中であります、そうした中で、肥育農家の購買活動が活発になっていることなど、総合的な要因があるというふうに考えております。

山田(勝)委員 子牛価格が上がることはよいことなんですが、今言われたとおり、原因は決して喜ばしいことではなくて、これは、繁殖農家さんたちが余りにも経営が厳しくてどんどん廃業した結果、子牛の競り市に出てくる牛の数が減ってしまった、それで相場が上がっているという状況です。

 資料一を御覧ください。

 二〇二五年、現在もコスト高に耐え切れず、先祖代々続いた牛舎を畳む農家が後を絶ちません。この五年で離農者が、酪農では三千三十七名、肉用牛では八千八百二十四名、実に毎年毎年五%減が続いている深刻な状況です。

 そこで、農水省にお聞きします。肉用牛の農家の年間の平均所得は幾らでしょうか。

長井政府参考人 お答えいたします。

 農家単位の所得につきましては、営農類型別の経営統計で見させていただきますと、令和五年でいきますと、個人、法人全体では、繁殖農家一戸当たりの年間所得は約マイナス九十六万円、肥育農家一戸当たりの年間所得は約マイナス百三十五万円となっております。

 なお、令和元年から五年までの所得を平均いたしますと、繁殖農家一戸当たりはプラスの約百二十四万円、肥育農家一戸当たりは約四十九万円となっております。

山田(勝)委員 本当に衝撃的な数字だと思います。米農家の時給が十円ということが話題になりましたが、多くの畜産農家は働いても収入がマイナスという状況です。

 資料二に、離農要因の一番が高齢化とありますが、真実は、こうやって、働いてももうからないからやめてしまう、こういった赤字経営のままでは誰も畜産を継ごうとも思わないし、新しく始めようという意欲も湧かない状況です。

 地元長崎県の牛飼いの皆さんから様々話を伺ってきました。肉用子牛生産者補給金制度、この発動ラインである保証基準価格は現行の物価高を反映していないと現場から強く声が上がっています。

 繁殖農家、一頭当たりの生産原価は幾らだと試算されているでしょうか。

長井政府参考人 お答えいたします。

 保証基準価格の算定につきましては、畜産物生産費調査において、家族労働費を含む支払い利子・地代算入生産費を過去七年分利用しているところでございます。そのうち、直近の令和五年生産費で見ますと、子牛一頭当たり七十六万七千二百六十七円となっております。

 なお、御参考までに申し上げますと、労働費、地代等を除きます、資材費等のみの合計であります物財費は五十七万七千八十四円となっております。

山田(勝)委員 一頭当たり生産原価が五十七万円程度とおっしゃいましたが、これには人件費が入っていません。人件費を入れずに生産費と言われても、農家にとってはこれはただ働きみたいな状況で、大臣、これはとても支えている制度になり得ないと思います。

 この補給金の発動ライン、保証基準価格も五十七万円という程度になっているんですが、これでは全く支えられておりませんので、改めて、地元もそうですが、全国の牛飼いの皆さんからの強い要望です、せめて、保証基準価格、発動ラインを、現行の五十七万円ではなくて、七十万円ぐらいまでに引き上げてほしい、こういう現場の声に大臣はどのようにお応えになるでしょうか。

 大幅に発動ライン、緊急補填とかではなくて、恒常的に、制度として、牛飼いの皆さんが安心して安定して農業を続けてもらうために、この制度、抜本的に発動ラインを上げていくべきだと思いますが、いかがでしょうか。

鈴木国務大臣 まず、ちょっと説明をさせていただきますと、保証基準価格は、子牛の生産条件及び需給状況その他の経済事情を考慮して、肉用子牛の再生産を確保することを旨とする価格とし、また、生産者の合理化努力を阻害させないよう、酪肉近で示している近代化、いわゆる経営の合理化を促進することに配慮して定めることとしています。

 具体的には、家族労働費も含まれる公的統計を基礎として、過去の生産コストの傾向から算定年度のコストを推計するとともに、直近の物価の動向も加味をして算定をいたしております。

 いずれにしても、コストの高止まりが継続する中で、来年度の保証基準価格についても適切に算定をまずしてまいりますが、一応申し上げておくと、昨年度は子牛の相場が五十万円程度まで急落をいたしました。先ほど委員からの御指摘のとおりで、全くこれでは経営が厳しいというのはそのとおりだというふうに思っております。そうしたことも踏まえて、五十七万四千円を発動基準とする保証基準価格に上乗せする形で、六十一万円を発動基準とする臨時対策や緊急対策を措置し、肉用子牛対策を強化したところであります。

 これらの対策は法律には基づかないものですが、やはり、生産者の安心につながるセーフティーネットとしての役割を果たしてきた側面もあるため、来年度のこれらの子牛対策の在り方についても今回の畜産物価格関連対策の中で検討してまいりたいと思います。

 ちなみに、七十万円がいいかどうかとか、ちょっとなかなか、今、高いハードルをいただいたなというふうに思いますので、今の御意見もよく踏まえさせていただきたいというふうに思います。

山田(勝)委員 大臣からも、検討課題だということでお答えいただきました。ありがとうございます。

 おっしゃっていただいたように、確かに、緊急補填で六十一万、更に離島においては流通コストを配慮してプラス五万円ということで、これは私の地元の壱岐の島の牛飼いの皆さんにとっても大変ありがたい制度であったと思います。

 ただ、やはり、これは緊急対策ではなくて恒常的な制度であることによって、これから若い人たちが牛飼いをやろうというそういう意欲も湧いてくると思います。実際、三十代の壱岐の牛飼いの方が、一生自分は牛飼いをしたいんだ、一次産業がこの国を支えている、でも、今の農業に未来を感じないし、このままだったらやめるしかない、こういうことも言われていました。なので、これ以上離農者を増やさないために、是非とも安心して牛飼いを続けてもらえる制度、見直しを強く求めたいと思っております。

 そして、今議論がされているとおり、繁殖農家の方々は、現状においては価格が上がってきているので、現状は利益もようやく出るようになってきた。しかし、反面、肥育農家の方々は、子牛価格が急に上がって、仕入価格が上がっているにもかかわらず、販売価格は上がっていないという中で、今経営がとても厳しいという声を聞いています。

 まさに、繁殖農家向けの子牛補給金とは別に、肥育農家向けには、肉用牛経営安定交付金制度、通称牛マルキンがあります。肉用牛の販売価格が下落した際に農家の赤字を補填する、経営を安定させる、畜産経営の極めて重要なセーフティーネットとして機能しております。

 しかし、これにも課題があって、全国の平均値、生産コストだったり販売コストを取るので、統計上、どうしても二年間のずれが生じてしまっています。なので、子牛補給金には、物価高対策として、緊急支援の、先ほど大臣が言っていただいた補填がなされています。

 是非、今苦しい肥育農家の皆さんに、牛マルキンに対しても緊急支援が必要ではないでしょうか。お答えください。

鈴木国務大臣 肉用牛の肥育経営につきましては、先ほどから議論になっております子牛価格が七十万円を超えているという状況、そして配合飼料を始めとする生産費の高止まりが続いている状況で、肥育農家の経営が厳しいという声は私自身も承知をしているところであります。

 委員からも御指摘がありましたが、肥育農家の経営安定を図るためには、まずは牛マルキンを着実に運用することが基本でありますが、これに加えまして、肥育農家の資金繰りへの支援として、農林漁業セーフティネット資金のほか、令和七年度には、畜産独自の対策として、三年分の返済額の借換えを可能とする酪肉支援資金を措置するとともに、令和七年度補正予算において、昨年に引き続き和牛肉の需要拡大も措置をしており、肥育経営の安定に向けて、総合的に取り組んでまいりたいと考えております。

 何よりもやはり、和牛については需要がしっかりとないと価格もそれなりのものになりませんので、そうした観点もよく踏まえて、我々は努力をさせていただきたいと思います。

山田(勝)委員 まさに、牛肉の、和牛の需要を拡大していく、市場でどんどんどんどん需要が出てくると価格も上がっていくので、そういった流通を促すような政策も是非進めていただきたいですし、あと、生産現場の皆さんには、先ほど大臣が説明していただいたように、今苦しいときに三年分の借金を長期期間低金利でという、これは有効な対策だと思いますので、是非現場に周知をお願いしたいと思います。

 そして、畜産経営の最も聞く声として、これは養豚も含めてなんですが、いまだに高騰が止まらない餌代、この餌対策、いろいろと補填もしていただいているし、予算もついていることは十分承知しているんですが、それでもやはり現場の生産者の皆さんにとっては今の制度でも厳しいという声があります。

 なので、この餌代の補填を強化していくべきだと思いますが、いかがでしょうか。

鈴木国務大臣 まず申し上げますと、廃業の主な原因についてでありますが、餌代だけではなくて、どちらかというと高齢化や後継者不足というのが大きくて、その中で、恐らく、今の経営環境を見たときに、ここがやめどきかなといってやめていっているというのが現実だろうというふうに思っています。特に、経営環境の中では、餌代、この割合が大体畜産経営のうち四から七割を占めておりまして、この価格高騰というのは経営にまさにその影響が直結をするということになります。このため、配合飼料価格の高騰局面では、従来から措置をしている配合飼料価格安定制度により、生産者へ補填金を交付することで激変緩和を図っているところです。

 また、現在のように餌の価格がずっと高止まっている局面においては、畜種ごとの経営安定対策や金融支援を措置するとともに、畜産物価格の引上げに資する需給の対策も緊急的に講じながら支援をしてまいりたいと思います。

 また、どの畜種にも言えるかもしれませんが、やはり、輸入の餌に頼るということではなくて、国際情勢の影響を受けにくい構造へ転換していくということも重要でありまして、引き続き国産飼料の生産、利用の拡大を推進してまいりたいと思います。

 最後になりますけれども、今回の補正予算において、物価高騰対策である重点支援地方交付金が過去最大の二兆円措置をされております。地方自治体に対しても、餌対策などへの積極的な活用の継続も促してまいりたいというふうに考えます。

山田(勝)委員 今、大臣から廃業の原因が高齢化とか後継者不足とあったんですが、確かに表面的にはそうかもしれませんが、実態は、ちゃんともうかっていればまだ続けているんですよ。経営が厳しくて赤字だから、じゃ、今、子牛が高く売れるときにやめてしまおうといってやめているのであって、何か高齢化だから仕方ないとか、そういうことではちょっと対策を見誤ると思うので、そこの認識はしっかりしていただきたいと思います。

 その上で、今、最後に大臣が言っていただいたように、重点支援地方創生臨時交付金、これを全国の、特に地方、地域を支えている重要な畜産、これを支えていくために、是非、地方の自治体の方に農水省から積極的に通知をしていただきたい、活用していただくように、心からお願いしたいと思っております。

 続いてですが、そういった後継者不足、深刻な状況なんですけれども、ここで四十代の諫早市の牛飼いの方から聞いた声です。

 家業を継ぐ後継者にとって、親から子へ経営を引き継ぐと莫大な贈与税が発生してしまう、そのためなかなか引継ぎが進まない。あるいは、税金を払うほどの余力がないため、廃業して、家業を継ぐの断念せざるを得ない。そもそも、畜産に限らず農業の後継者がどんどん減って衰退してしまう要因の一つは、農業に関わる資産に対して贈与税など大きな税金がかかるからである。食料安全保障上、重要な後継者育成対策として、農家の贈与税の大幅な減免が必要ではないか。

 こういった現場の農家の皆さんの声に対して、農水省はどのような対策を行っているでしょうか。

小林政府参考人 お答えいたします。

 農業を継承する後継者に個人の農業者が資産を贈与し、又は相続させた場合には、農地につきましては農地の贈与、相続に係る特例措置によりまして、また、建物や機械等の事業用資産につきましては個人版事業承継税制によりまして、それぞれ贈与税、相続税の納税猶予措置が講じられているところでございます。

 また、このほか、農業者の経営承継を支援するため、経営承継に関する手順でありますとか、先ほどの税制特例、こういったものを含めた支援策を紹介するパンフレットを作成いたしましたり、また、都道府県にあります農業経営・就農支援センターにおける相談対応でありますとか税理士等による助言、こういったことを行っているところでございます。

 引き続き、こうした取組によりまして、農業の後継者への円滑な経営承継というのを支援してまいりたいと考えております。

山田(勝)委員 ありがとうございます。

 実は、今回の質疑で、事前レクで私も初めて知ったんですけれども、既に農水省は、こうやって、後継者が農業を継続することを条件に贈与税、相続税は猶予となっているんですが、農業を続ける限り、事実上の免除なんですよね。これは初めて知ったんです。

 資料三にあるように、こういった情報が実は現場の農家さんに全く知られていない、これが問題だと思います。せっかく制度があるのに、それを活用されていないという状況です。なので、今パンフレットとありましたけれども、しっかりと一人一人、生産者の皆さんにこの情報が届くような方法を是非、大臣、リーダーシップを発揮していただきたいと思うんですよ。

 私、提案なんですけれども、納税猶予と言われると、猶予と言われると、やはり生産者の方は先送りというふうになってしまうんですよね。なので、これは納税を免除する制度なんだ、ただし、農業を続けることが条件だ、こういうふうにコミュニケーションの方法を変えて、現場にしっかり届くように、大臣には強くお願いしたいと思っております。

 ちょっと、アニマルウェルフェアに行こうと思いましたけれども、大臣、どうでしょうか。

鈴木国務大臣 ちょっと、どういう名称で言うかというのはあれだと思うんですけれども、本制度については、毎年大体千件を超える活用実績があるところでありまして、かなり現場にも知れ渡りつつある一方で、やはり知らない方ももちろんいらっしゃるんだと思いますので、そうしたことについてしっかりこれから周知されるように、我々努力させていただきたいと思います。

山田(勝)委員 是非お願いいたします。

 続いて、アニマルウェルフェアについてです。

 資料四を御覧ください。

 日本の食鳥処理方法には人道的に大変な問題があります。気絶なしのネックカットは国際社会では許されません。日本では毎年約七十万もの鳥が生きたまま熱湯に入れられています。スタンニングと呼ばれる気絶処理の工程を省いての屠畜は、明らかに動物に激しい苦しみと痛みを与えており、動物愛護管理法に明確に違反しています。

 国際基準であるスタンニングの工程を導入する工場へ積極的な支援をすべきと思いますが、いかがでしょうか。

鈴木国務大臣 御質問ありがとうございます。

 まず、食鳥の処理は、環境省が所管する動物愛護管理法第四十条第二項に基づき、環境省が定める告示に即して行っているものであり、農林水産省としては、まずこれにしっかりと即してやっていくということだというふうに思っております。

 食鳥の処理施設は全国に千四百ありまして、スタンニング設備を導入する施設整備を一気に行うのは、千四百全部にはなかなかすぐにというわけにはいきませんが、これまで農林水産省では、強い農業づくり総合支援交付金において、スタンニング設備導入への支援を行ってきております。これは、やっていただくと、通常の補助率は三分の一のところ、アニマルウェルフェアに対応する場合は二分の一までまず引上げを行います。

 さらに、令和七年から十一年度の五か年における農業構造転換集中対策の機会も捉えまして、令和七年度補正予算において、食鳥処理施設整備に特化したメニューを新たに設けさせていただきました。スタンニング設備の導入等を支援する先進モデル的食鳥処理施設整備事業を措置をしたところでありまして、この事業においては、地方負担の割合に応じて最大で三分の二まで補助ができることとしておりまして、従来よりもかなり支援内容を拡充してきております。

 引き続き、事業者の理解も得ながら、こうした事業をしっかりと活用して、スタンニング設備の導入等が進むよう国としても促してまいりたいと思います。

山田(勝)委員 ありがとうございます。

 かなり前進しているということで、本当に、こういった動物福祉に配慮した支援の充実、これからも訴えていきたいと思います。

 資料五を御覧ください。

 ESG投資、環境、社会、ガバナンスを重視する投資において、アニマルウェルフェアは、社会又は環境、生物多様性の重要な評価要素として急速に注目されています。食品企業がESG投資を獲得するためには、ケージフリーや妊娠ストールフリーのような飼育方法の卵や肉を調達できる環境づくりが求められています。

 農林水産省のアニマルウェルフェア飼養管理指針は、方向性は示しているんですが、現状では、その達成目標年や具体的な移行計画が不足しています。みどりの食料システム法のように、二〇五〇年までに有機農業の農地面積を四分の一にするんだ、こういった野心的な数値目標があることでどんどんどんどん取組が進んでいく。なので、アニマルウェルフェアに関してもしっかりと目標数値を示していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

鈴木国務大臣 御質問ありがとうございます。

 山田委員おっしゃるように、アニマルウェルフェア、私も大変大切だというふうに思っておりまして、その推進はしっかりやっていかなければならないと思います。

 このため、農林水産省は、令和五年七月に、国際基準に沿ったアニマルウェルフェアに関する飼養管理指針を発出をし、関係者に対して周知を精力的に実施をしております。

 この指針の生産現場における取組状況を定期的に調査をしてその進捗を確認しておりますが、先般、その調査の結果も取りまとめ、これは六月の二十七日になりますが、公表させていただいたところであります。

 次のステップとして、この結果等を踏まえまして、指針の事項ごとに適切な達成目標年の設定に向けた検討をまさに開始をしたところでありまして、引き続き、アニマルウェルフェアに配慮した飼養管理の普及、定着を推進してまいりたいと考えております。

 あと、ちょっとつけ加えになりますけれども、私も、例えばアメリカのニューヨークなんかのスーパーに行けば、アニマルウェルフェアにどのレベルで配慮した畜産物か、棚にちゃんとそれが書いてあるんですよね。やはり、生産現場にも当然コストが高くなるということにもなりますから、消費者の側もそれをある種受け入れていただくようなマーケットでなければ成立がしませんので、そうしたことも含めて、是非一緒にやらせていただければというふうに思います。

山田(勝)委員 ありがとうございます。

 大臣から力強いメッセージをいただきました。次のステップとして、是非、数値目標、検討の方、お願いいたします。

 最後の質問をさせていただきます。

 畜産動物の放し飼いは、アニマルウェルフェア向上だけではない価値があります。

 資料六を御覧ください。

 長崎県の西海市で放牧牛に取り組む森川畜産から話を聞きました。大地の草を食べた牛のふんが土の中の微生物を増やし、地力を高める。水を吸収する力が高まり、水害にも強くなる。さらに、山の栄養が海に届くようになり、いそ焼けなどの海の環境も改善する。この牛飼いの御夫婦は、自分たちは環境活動家でもあると言われています。

 資料七にあるとおり、スイスなど他国では、放牧への直接支払いがあります。日本でも、有機農業に環境直接支払いがあるように、このような放牧牛に対して多面的機能を評価し、環境直接支払いの対象にしていくべきと考えますが、大臣、いかがでしょうか。

藤井委員長 鈴木大臣、申合せの時間が過ぎておりますので、答弁は簡潔に願います。

鈴木国務大臣 放牧については、まさにコスト低減を図る飼養管理手法でありまして、かかり増し経費というのが発生しにくいことから、現状の仕組みではなかなか、何か支援をするというのは難しいというふうに考えております。

 ただ、大事なことであるというのは私自身もそう思いますので、引き続き、放牧柵の整備などにより、放牧の取組というのも支援をしてまいりたいと思います。

山田(勝)委員 終わります。ありがとうございました。

藤井委員長 次に、西川将人君。

西川(将)委員 おはようございます。立憲民主党の西川将人でございます。

 この度、質疑の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。

 また、鈴木大臣には今回初めて質疑をさせていただきますけれども、どうぞよろしくお願いをいたします。

 まず初めに、高病原性鳥インフルエンザについてお聞きをいたします。

 今年も全国で鳥インフルエンザの感染が続いておりまして、本格的な感染拡大時期に入ってきています。これまでも鳥インフルエンザの感染によって毎年数百万羽、令和四年度においては一千七百万羽以上の殺処分が実施をされていますが、ウイルスの感染防止対策を取って強化をしていながらも、残念ながら感染を食い止めることができない、そういう状況が続いております。

 この感染が確認されると、残念ながら、現行ではその養鶏場の全個体が殺処分をされるわけでありますが、最終処理方法として埋却処理と焼却処理の二種類の方法が現在取られております。令和六年度においては、六割が埋却処理、また埋却と焼却の併用が三割、そして完全に焼却処理というのが一割ということで、現在は埋却処理というのが主流になっています。

 しかし、養鶏場では、殺処分後に必要となる個体埋却の場所、この確保というのが一つの課題になっておりまして、特に周辺の地下水位が高い場所などでは敷地内での埋却場所の確保が難しく、用地確保が、飼育数の維持ですとか拡大をしていく上での一つの課題になっている状況であります。

 そこでお聞きしますけれども、敷地内に殺処分後の個体埋却場所が確保できなければ新たな用地を購入する必要があるんですけれども、事業者にとっては用地購入というのはかなりの負担になっています。鶏卵の安定生産また価格安定化のために、そのような用地の購入に対して助成制度をつくってほしいという声を現場の事業者の皆さんからよく聞きます。このことについて見解をお聞きしたいと思いますので、よろしくお願いします。

広瀬大臣政務官 お答えします。

 委員御案内のとおり、養鶏の世界では、埋却地等の確保、これが義務づけられております。これは当然、家畜疾病の発生時に迅速な防疫措置により地域にこれを広げないためにということであります。現在は足下ほぼ全ての家禽の所有者で十分な面積の埋却地を確保しているというふうには理解しております。

 また一方で、都道府県は、平時から、家禽の所有者による埋却地の確保について指導であったり、それから利用可能な土地に関する情報等の提供を行うとともに、埋却が困難な場合にはこれに備えて焼却施設の確保等を行っているところもあります。

 これら都道府県の取組について引き続き協力しながら、高病原性鳥インフルエンザ発生時の適切かつ迅速な防疫措置に備えていきたいと思っております。

西川(将)委員 ありがとうございます。

 今年の十一月九日に新潟県の胎内市で発生した事例では、約二十八万羽、これが全羽、焼却処理をされました。

 現状において焼却処理が可能な環境にある地域というのは非常に限られているんですけれども、是非、私は焼却処理の個体数を今後増やしていくべきではないかというふうに考えます。

 特に、私の北海道の旭川市なんですけれども、昨年、鳥インフルエンザが発生をして埋却処理をいたしましたが、場所の確保ができなくて市の公用地に埋却をしたんですけれども、実は、その養鶏場の周辺は農業地帯でありますので、皆さん、地下水を利用して飲み水に、飲用に使っているんですね。埋却処理は密封した状態で土中に埋めるわけですけれども、やはり何らかの破けたりですとか破損したりということでこれが土壌に出ていってしまう。これはちょっと衛生の面からも心配がやはりあるわけです。

 そこでお聞きしますけれども、現在、焼却炉を有する民間の産廃処理施設ですとか自治体の処理施設などが活用されているわけですけれども、なかなか、いろいろな事情があって利用ができない現状にあります。この利用促進の取組を是非進めていただきたいということと、あと、移動型の焼却施設というのがありますが、これも是非、全国へ普及を進めていただきたいということで、焼却施設を利用することが可能となる環境整備のために、様々な必要な研究あるいは支援、補助、こういったことを講じていくべきではないかと考えておりますけれども、見解をお聞かせください。

広瀬大臣政務官 お答えします。

 焼却の処理ですけれども、これについては、焼却施設の対応可能性についての事前確認、一気に焼却するということはできませんので、その辺りについては地域での日頃からの調整が重要と考えておりまして、各都道府県において取組が進められているところであります。

 それから、移動式焼却炉の話がございましたけれども、今現在は、全国に四台を配備しておりまして、発生県への貸与によって焼却処理に活用されているところであります。

 これは引き続きということになりますけれども、先行的に取り組んでいる都道府県の事例の共有なんかを図りながら、各地域での協議を進めて、複数の処理方法の確保によって迅速な防疫措置に万全を期していく、こういうスタンスであります。

西川(将)委員 どうもありがとうございます。

 次の質疑に移らせていただきたいと思いますが、次に、畜産、酪農政策と水田政策の大転換ということについてお聞きをしたいと思います。

 昭和三十八年に全国で四十二万戸ありました酪農家戸数が減少し続けておりまして、現在は全国で約一万戸という状況になっております。また、現在、そのうち約六割の酪農家が、生産者が赤字経営となっており、そして、現在酪農を続けている農家においても約半数が離農を考えているというのが今の現状なんですね。様々な要因はありますけれども、円安による飼料価格あるいは原油価格の高騰、人件費などの生産コストの上昇が経営を圧迫をしているということで離農が加速度的に現在進んでいる状況であります。

 全国の約六割の生乳を生産している北海道においては、生乳生産の約八五%、これが乳製品向けの生乳として出荷をされてきています。しかし、乳製品については、安価な輸入製品との競合から、加工原料乳生産者補給金制度ですとかそういったものがつくられているわけでありますけれども、令和七年度については、加工原料乳生産者補給金、そして集送乳調整金の単価、これは関連事業であるALIC分も含めまして、一キロ当たり十一・九円という単価でありました。前年度に比べて〇・二三円上がったものの、生産者からは、この価格が生産コストの上昇分を全然反映していない、正確な単価計算が本当にされているのかという声、落胆の声を昨年、いろいろな、酪農家のみならず地域の皆さんから聞いておりました。

 これは算定式に基づいて計算されているわけでありますけれども、現在、先ほども申し上げたように、約六割の酪農家が赤字という状況でありますから、実際の生産費と乖離があるのではないかというようにやはり疑問を持つわけであります。

 令和七年度の総交付対象数量は、ALIC分も含めてですが、三百四十三万トンという数字でした。これも現場から、この総量を是非上積みしてほしいという声をいろいろと聞いているところであります。

 そこでお聞きしますけれども、大変厳しい酪農経営が続いている中で生乳の生産体制を維持するためには、令和八年度のそれぞれの単価、これについて昨年度以上の引上げが必要だというふうに考えます。また、総交付対象数量についても、同じく昨年度以上の数量を確保するべきと考えますが、大臣のお考えをお聞かせください。

鈴木国務大臣 お答え申し上げます。

 加工原料乳生産者補給金等については、算定のルールに基づきまして、まず、補給金や集送乳調整金の単価は、生産や集乳に要する直近のコストの変動や物価動向を考慮して、そして交付対象数量は、国産乳製品全体の需給動向を考慮してそれぞれ算定をし、審議会の意見を聞いて決定することとされております。

 これに向けまして、本日の委員の今のお話も含めて、生産現場の声をよくお伺いしつつ、ルールにのっとり算定し、決定をさせていただきたいというふうに考えております。

西川(将)委員 是非、現場の現状を反映した形で単価設定をしていただきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 次の質疑に移らせていただきたいと思います。

 畜産、酪農、養鶏農家においては、経営コストに占める飼料費の割合が高く、畜種によって多少違いはありますものの、大体四割から六割程度が飼料費という形になっております。

 現在、飼料の国内自給率は二六%、うち粗飼料については八〇%あるものの、濃厚飼料については一三%という状況であります。これも、円安が続く中で飼料の七割以上を輸入に頼る現状でありますから、飼料価格の高騰というのがやはり経営を圧迫しており、そして、依然として飼料価格、まあ、数年前に比べると若干下がっておりますけれども、その前に比べると高止まりをしているという状況でありますから、配合飼料価格安定制度も令和六年度以降発動されていないという状況になっております。

 家畜経営を将来にわたって安定して維持するためには、飼料の国内自給率を上げていくということが不可欠であると考えます。そして、実際に自給飼料で経営している生産者もおります。ただ、何千頭という形で飼育しているところはなかなか自給はできずに輸入飼料でしているんですが、百、二百、三百ぐらいであれば十分、北海道の場合、自給飼料でやっているんですね。そういうところは比較的、現在においても安定した経営を進めております。しかし、輸入飼料に頼らざるを得ない生産者については、生産コストの増大が経営を圧迫しておりまして、これも離農要因の大きな一つのやはり要素になっております。

 特に、国内自給率が低い子実用トウモロコシですとかあるいは飼料用米、こういった濃厚飼料、この自給率を上げていくということが、粗飼料の自給率を上げて一〇〇%にするというのももちろん重要でありますが、全体を上げていく上では濃厚飼料の自給率を上げていく必要があるというふうに考えております。

 そこでお聞きしますけれども、令和九年度に予定されておる水田政策の抜本的な見直しと大きく関連をするんですけれども、現在、子実用トウモロコシについては、畑作物産地形成促進事業として十アール当たり四万円、あるいは水田活用直接支払交付金として十アール当たり三万五千円が交付され、作付面積は増加傾向にありますが、自給率は依然として低い状況にあります。また、飼料用米でありますけれども、多収品種については標準単価が十アール当たり八万円、また一般品種については同じく十アール当たり七万円という交付がされておりまして、これについては、主食用米の価格高騰によって作付面積が今減少傾向にあるという状況にあります。

 令和九年度以降においても最低限同程度の交付金が維持されなければ、濃厚飼料の作付面積減少、これを招くのではないかと危惧をしております。そのことが飼料自給率の低下にもつながっていくわけでありまして、これは水活後の全体的な農業政策とも大きく関連をしていくんですけれども、飼料という視点から、令和九年度以降も是非同程度以上の支援が継続されるべきであると考えておりますけれども、大臣の見解をお聞かせください。

鈴木国務大臣 御質問ありがとうございます。

 子実用トウモロコシ、そして餌用の米ですね、水田活用の直接支払交付金等も後押しに、各地で生産、利用の取組が進展をしておりまして、今委員御指摘のとおり、畜産経営にとっても大変大切な部分になっているというふうに認識をしております。

 ですので、令和九年度以降の水田政策の見直しにおいて、作物ごとの生産性向上等への支援へと転換する検討の一環として、現場の実態の各種調査も踏まえて、幅広い御意見を丁寧に伺った上で、具体的な支援の在り方、検討をしっかりやらせていただきたいと思います。

西川(将)委員 今、令和九年度の水田政策の見直しまで実はもう一年半を切っている状況にあります。政府あるいは農水省から関係者に対しての情報提供というのがほとんどない状況でありまして、生産者は、令和九年度以降、営農計画をどうしていこうかということで、今、本当に困惑をしている状況にあります。

 どの作物に対してどのような政策が示されるかということは、生産者にとりまして、生産作物を決めていく上で非常に重要な判断材料であります。また、生産者は、輪作体系を組み立てる上で、収益性の高い作物を中心に、大体五年ぐらい先まで見越して輪作体系を組んで営農計画というのを立てております。

 特に北海道は規模が非常に大きくて、一農家当たり三十町、四十町、五十町という形で大規模経営をしている生産者がたくさんおりますが、そういった生産者は、生産する農産物に合わせて資機材の準備ですとか、あるいは圃場の整備、人手の確保、こういった体制構築をするにはやはり一定の準備期間が必要になります。これまでの発表内容では来年六月までに制度を取りまとめていくというふうに聞いておりますけれども、現実的にそのタイミングでは翌年度以降の営農に大きな支障を来すのではないかというふうに大変危惧をしております。

 そこで、大臣にお聞きしますけれども、是非、生産現場の声をしっかりと聞いていただきながら制度設計を進めて、来年六月を待たずに、少しでも早くこの制度概要を現場に示すべきだと思いますが、この件についてまずお聞きするのと、そして、もしその前倒しというのが難しいのであれば、現実的には生産者が営農体制を構築するための準備期間が圧倒的に不足していると思います、場合によっては実施について令和十年度に一年延期するといったようなことなども考えていただいて、現場に混乱を招かない対策ということも検討する必要があるのではないかという声も実際、農家の皆さんからはたくさん聞いております。このことについて見解をお聞かせください。

鈴木国務大臣 御質問ありがとうございます。

 本件、まさに委員御指摘のとおり、大変大切な見直しとなります。これはやはり、見直すに当たっては、生産現場の皆さんから見て、これだったら今後も安心してやっていけるんだなという形にしなければならないというふうに思っております。

 そして、令和九年の作付にもやはりこれは判断の材料として間に合わなければならないというふうに思っておりますので、今委員からの御指摘もあったこともよく踏まえて迅速に検討させていただいて、結果として令和九年度の予算の概算要求につなげてまいりたいというふうに思います。

西川(将)委員 是非、現場の実情をよく見ていただいて、現場に混乱を来すことがないような形で制度を進めていって、無理を絶対にしないでいただきたいなというふうに思いますので、是非よろしくお願いをいたします。

 次に、少し関連するんですけれども、例えば北海道においては、気候条件ですとか土壌あるいは土地形態などによってこれまで畑地として適していたために長年畑作物を生産してきた例えば十勝地方、こういったところは畑作地としてずっとこれまで来ているんです。一方で、私のいます上川の方は、元々水田適地であるんですけれども、国の減反政策によって畑地として活用して、畑作物を生産をしてきているという地域であります。この上川と十勝の例えば比較にもなりますけれども、様々やはり条件格差があるんですね。そして、水田活用直接支払交付金というのが、その条件格差を是正するという役割をこれまで担ってきているわけであります。

 そこでお聞きしますけれども、令和九年度以降、このように様々条件、背景あるいは環境が異なる生産者から一定の理解を得ることができる、公平で整合性の取れる制度を示していく必要があると思いますけれども、この件について見解をお聞かせください。

根本副大臣 お答え申し上げます。

 水田政策の見直しについては、食料・農業・農村基本計画に基づきまして、水田を対象として支援してきた現行の水田活用の直接支払交付金を、水田、畑にかかわらず、作物ごとの生産性向上等への支援へと転換することを基本に検討を進めているところであります。

 水田政策の見直しについては、委員御指摘のとおり、様々な営農実態を背景に様々な御意見をお持ちの農業者の方々がいらっしゃると承知をしております。現場の方々、関係団体を含めた幅広い御意見を丁寧に伺いながら検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

西川(将)委員 是非よろしくお願いします。

 また、令和九年度以降なんですけれども、田畑それぞれの生産者に対しての交付金について、現行の水活の見直しと既存施策の再編により得られた財源の枠内で行っていくということでありますけれども、離農を食い止めて生産現場を守るためにはその予算額では全く足りないのではないかなと私は考えておりますけれども、前の江藤大臣のときにもお聞きをしましたが、鈴木大臣にも是非見解をお聞かせください。

鈴木国務大臣 水田政策の見直しについては、現場の皆さんにとって先の見通せるようなものにならなくてはならないというふうに考えております。

 ですので、その必要な予算についても、そうした観点もしっかりと持ちまして、農業者の皆様の御理解が十分に得られるものになるように努力をさせていただきたいと思います。

西川(将)委員 ありがとうございます。是非よろしくお願いします。

 最後に、またちょっと別の質問をさせていただきたいと思います。動物看護師についてお聞きをします。

 愛玩動物看護師法が二〇二二年に全面施行されてから三年が経過をしております。この看護師は、国家資格の職種として、犬猫などの愛玩動物に対してのみ、採血ですとか注射といったような診療補助、看護行為が認められておりますけれども、牛や豚などといった産業動物への業務は対象に含まれておりません。

 現在、全国で約四万人いる獣医師のうち産業動物に携わる獣医師数は約四千五百人と、全体の一一%にとどまっておりまして、産業動物に対しての診療は、獣医師不足に加えて、農家戸数の減少や点在化、そのことによって業務負担が非常に大きくなっております。特に農村部では獣医師不足が年々厳しさを増しており、例えば数百頭の家畜に対して獣医師一人でワクチンの注射を打つなどといったこともありまして、非常に負担になっております。

 現在愛玩動物にしか認められていない動物看護師の医療補助行為が産業動物に対しても可能となれば、獣医師の負担軽減にも当然つながりますし、産業動物に対しての診療体制維持改善に大きくつながっていくというふうに考えております。

 そこでお聞きをしますが、減少し続ける産業動物医師を確保するためには、大学での獣医学部における産業動物に対する学生の認知度を向上させる取組を強化するなど様々な対策を講じる必要があると考えます。

 この件について一つまずお聞きをしたいのと、時間の関係上、続けて二問御質問させていただきたいと思いますが、産業動物獣医師の業務負担軽減を図り、現場を守っていく必要があります。そのためには、産業動物の獣医師をサポートする看護師が必要だと考えます。

 そこで、産業動物分野において獣医師業務を補助し、負担の軽減を図るために、産業動物に対して動物看護師の国家資格化を実現していく必要があると思いますが、見解をお聞きいたします。

坂政府参考人 お答え申し上げます。

 家畜の診療や防疫に従事いたします産業動物獣医師は、地域の畜産業を支える重要な存在であると認識しております。その確保は非常に重要な課題であるというふうに考えております。

 農林水産省といたしましては、産業動物獣医師の確保に向けまして、地域で産業動物獣医師として就職していただくことを条件といたしまして、獣医学科の学生さん等に対しまして修学資金を給付する取組、また、実際に都道府県の家畜保健衛生所で体験実習を行っていただくなどの獣医学科の学生の産業動物分野への関心を高める取組などに対する支援を行っているところでございます。

 また、委員から御指摘いただきました産業動物に対する獣医学科の学生の認知度の向上に関する取組といたしまして、獣医系の大学との意見交換を踏まえまして、産業動物獣医師の業務の魅力に関する講義という枠に農林水産職員が大学に出向いて、その魅力について講義するという取組を実施しているところでございます。

 引き続き、各都道府県とも連携しながら、産業動物獣医師の確保に努めてまいりたいと思っております。

 また、続きまして、国家資格の点についてでございます。

 産業動物の診療の対象となりますのは農場にいる家畜になりますので、通常は獣医師が単身で農場を訪れて診療を行うということになります。その際に、日頃から多数の飼養する家畜の健康状態を把握して、その取扱いに慣れていらっしゃる生産者の方が往診をサポートしている、そういう形態であると承知をしております。

 獣医師が往診する際の取組といたしまして、地域によってはその移動時間が負担となっておりますことから、農林水産省といたしましては、遠隔診療による診療の効率化事例の普及を図るなどの適切な獣医療の提供体制の維持に努めているところでございます。

 委員御指摘いただきました国家資格につきましては、診療形態、飼育者の関与の度合いなどが愛玩動物と大きく異なりますことから、解決すべき課題も多いと考えております。引き続き、獣医療現場の意見も聞きながら、慎重に見極めてまいりたいと考えております。

西川(将)委員 ありがとうございます。

 是非前向きに検討していただきたいとお願いをいたしまして、質疑を終わらせていただきたいと思います。

 どうもありがとうございました。

藤井委員長 次に、池畑浩太朗君。

池畑委員 日本維新の会、池畑浩太朗でございます。兵庫県の西播磨、中播磨から本日も参りました。今回も質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 まず冒頭に、地元の相生市にカキの視察に来ていただきました根本副大臣、ありがとうございました。しっかり現場で視察をしていただきまして、これからの方向性が見えてまいりました。ありがとうございます。

 早速、畜産価格の集中審議について質問させていただきたいと思います。

 まず、根本的なことをお聞かせいただきます。皮革関係について質問をさせていただきます。

 食肉の処理施設では牛、豚の加工が行われているわけではありますけれども、そのときに出るのはお肉だけではなくて、内臓や皮などの副産物も出てまいります。

 私の地元のたつの市、そして姫路市は、皮を扱っている業者さんもたくさんおられます。近年は、天然皮革製品の国内消費の問題に加えて、トランプ政権下の米中の貿易摩擦や四月以降の相互関税措置の影響を受けているというふうに聞いております。

 農水省としてもこの影響をどういうふうに認識されているか、また今後どういう方向性か、根本的なことをお聞かせいただきたいと思います。

長井政府参考人 お答えいたします。

 日本で生産されました原皮は、牛の五割以上、豚の九割以上が東南アジア等に輸出されておりまして、これらの地域で一次加工された後、中国等において衣料品、雑貨などの革製品に加工され、アメリカ、日本などに輸出されるグローバルなサプライチェーンが構築されているところでございます。

 しかしながら、本年に入りまして、米中間の貿易摩擦や相互関税措置等の影響によりまして、皮革のサプライチェーンに混乱が生じ、我が国の原皮について、輸出はできていても、価格が下落し、原皮事業者の経営にも影響が及んでいる状況であると認識しております。

 こうした状況に対応するためには、品質の向上による国際競争力の強化や、一時的な需要緩和の影響を緩和するための対応が必要であるというふうに認識しておりまして、今後何ができるのか考えてまいりたいと考えております。

池畑委員 ありがとうございます。

 今後何ができるのか考えてみたいと思いますというふうな御答弁をいただきました。

 農水省としてもこういうふうに支援をしていただいているということは十分承知でありますが、皮をなめすタンナーさんという方がおられまして、決して忘れてはいけない事業だというふうに思っております。これは所管が変わってしまいまして、皮革製品と併せて経済産業省の所管になります。今日は、お忙しい中、政務官に来ていただきまして、ありがとうございます。その中で、最終的な出口である皮革製品そのものの国内外の需要が伸びていかなければいけない、タンナーさんも立ち行かなくなってしまいますということであります。

 農水省からは、先ほど対応を検討したいというふうにお言葉をいただきましたので、経産省もどうか連帯をして、タンナー、皮革業界への更なる支援を検討いただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。よろしくお願いいたします。

越智大臣政務官 お答えいたします。

 経済産業省では、国内皮革産業の維持発展に向けて、皮革産業界との検討会を立ち上げ、本年四月に、国内皮革産業の革新に向けてと題する官民のロードマップを公表しました。

 経済産業省としては、本ロードマップにおいて官民が定めた同産業のあるべき姿、行動目標を実現するため、業界団体や事業者向けに説明会を開催し、皮革産業界との密なコミュニケーションを図っております。

 引き続き、国内皮革産業の持続的発展や国際競争力の強化に向け、異業種連携による商品開発等を活性化するなど、政府と皮革産業界が一丸となって取組を進めてまいりたいと考えております。

池畑委員 ありがとうございます。

 今、政務官からもお話がありました国内皮革産業の維持・発展に向けた検討委員会というのは、私の地元の方からも、タンナーズ協会の会長が参加をされております。現場の声もこういったところでやられるわけでありますが、ウェットブルーとか、付加価値が高まってくる、そして新たなクラスター形成、タンナーや製品メーカーは伝統産業としてしっかりと連帯が必要だということでありますので、この皮革産業の事業者がこのまま継承していこうと思うような環境づくりも大切だというふうに思いますので、経済産業省そして農林水産省共によろしくお願いしたいと思いますし、私も地元として取り組んでまいりますので、どうぞよろしくお願いします。

 ここで、政務官はお忙しいと思いますので退席していただいても大丈夫でございますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 そして、次の質問に移らせていただきたいと思います。

 和牛肉の輸出の拡大について質問させていただきます。

 これからの農政の方向性として、国内での人口が減少していく中で、輸出を伸ばして外需を取り込んでいくということは非常に大事なことだというふうに思っております。生産の基盤を守り、食料の安保を確保していくためにも大変重要だ。今まで私も一貫して質問してまいりましたし、外務委員会でも、輸出に対して農水の質問をさせていただきました。

 その上で、足下の輸出額の状況は、二〇二五年一月から十月の間で一兆三千四百十六億円、昨年比で千七百十五億円、一四・七%も伸びております。和牛肉も、トランプ関税もありましたけれども、政府の皆さん、業界の皆さんが頑張っていただきまして、昨年比で、先ほど言いました一四%以上の伸び、これから年末に向けてまだまだ伸ばしていけるというふうに思っております。

 そこで、質問させていただきたいと思います。

 渡辺委員からもありましたが、私は、和牛肉は、間違いなく日本が世界に誇るブランド、宮崎もそうですし、我々の兵庫もそうであるというふうに思っております。畜産物の旗頭、そして和牛肉の輸出に政府として今後一層強く取り組んでいただきたいというふうに思っております。

 どうか力強いお言葉をいただきたいんですが、よろしくお願いいたします。

広瀬大臣政務官 お答えします。

 和牛肉、これは重要な輸出品目であることは間違いありませんで、先ほど一月から十月の全体の輸出額、数字をおっしゃっていただきましたけれども、和牛も過去最高の六百四十八億円、今のところ、上がってきておりまして、昨年を上回る水準で推移してきている状況です。

 更なる輸出、拡販、拡大に向けてですけれども、様々な施策をと考えておりまして、まず、輸出解禁国を更に増やすなどの輸出先の多角化、これが一つ。それから、労働力不足の中で、アジアを中心に輸出先から求められる多様化、複雑化するカットオーダーへの対応、これをしていかなければいけないと思っています。それから、米国、EUなどにおいて、和牛肉の認知度の高い地域での更なる商流拡大や認知度の低い地域での新規商流の構築、これらをやっていかなければいけないと承知しております。

 また、農水省としては、引き続き、輸出先国の多角化のための未解禁国、地域との協議について、関係府省と連携しながら取り組むとともに、各地の食肉、輸出事業者を核とした産地ごとのコンソーシアムによる輸出の対応強化、これは委員の御地元の神戸牛のところでもやっていると思いますが、こうしたことをやっていく。それから、省力化に対する対応や輸出相手国による規制への対応、先ほどの大臣の答弁でも触れられていましたけれども、和牛肉の認知度向上に向けたオール・ジャパンによるプロモーション等、これらを官民一体となって、輸出の一層の拡大、拡販に向けて取り組んでいきたいと思っております。

池畑委員 政務官から力強いお言葉をいただきました。

 目に見える形でどんどん数字が見えてきますので、その時々にどういったことが必要かということも考えながら手を打っていく必要があるというふうに思っております。

 少し時間の配分もありまして、大臣に最後に質問させていただきたいので、ちょっと間に卵を挟ませていただきますので、よろしくお願いいたします。

 卵について質問させていただきたいと思います。

 現在、非常に高い状況にはありますが、いろいろなものの物価が高い流れで不安に思っている方もおられるというふうに思います。昨年の鳥インフルエンザ、そして姫路でも起こってしまいましたけれども、この鳥インフルエンザ、これからクリスマスシーズンを迎える中で、ますます需要も高まってくるというふうに思っております。今すぐ価格を下げろとか、そういった状況ではありませんが、消費者の皆様に安定的に供給ができるような体制構築が必要ではないかというふうに思っています。

 中長期的な視点でも構わないというふうに思いますので、農水省としてどういうふうにお考えか、お聞かせいただきたいと思います。

長井政府参考人 お答えいたします。

 昨年の鳥インフルエンザの影響からの回復段階で年末の高需要期を迎えたことによりまして、現在の鶏卵価格は例年より高い水準にございます。

 農林水産省といたしましては、鶏卵の安定供給に向けまして、事業者と頻繁に情報交換を行いながら、地域、事業者間での鶏卵の融通に係る協力の要請をしております。

 さらに、令和七年度補正予算におきまして、保存性が高く、外食や加工用として活用されます凍結液卵の保管施設等の整備に関しまして、新たに支援事業を措置したところでございます。

 これらの取組によりまして、鳥インフルエンザ発生時でも鶏卵の円滑な供給の確保と価格安定に資する体制を構築しつつ、消費者を始め鶏卵の実需者に不安感を与えないよう、引き続きしっかりと対応してまいりたいと考えております。

池畑委員 液卵を使った流通の安定化、これは新しい、今年初の事業ということでありますので、是非しっかり進めていただいて、来年、再来年と続けて、つながっていけるように努力をしていただきたいというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、輸出の件についてつながって質問をしたかったところでありますが、大臣に最後に質問させていただきたいというふうに思います。

 海外、特にアメリカ、EU、輸出の話も先ほどから出ておりますけれども、相手国の条件を満たした輸出対応型の食肉処理施設の整備もどんどん行っていかなければいけないというふうに思っております。資材費、人件費等が高騰して、一年前に作った事業計画なんかもどんどん見直していかなければいけないということで、北海道の方でも大きな施設を造ろうとしておりますが、なかなか資材の高騰でうまく前に進まないという状況もあります。

 こういったところも踏まえまして、こうした中で施設の整備の支援をどういうふうに強化をしていかれるか、農林水産大臣の答弁をいただきたいというふうに思います。

鈴木国務大臣 御質問ありがとうございます。

 まず、池畑委員には、先ほど輸出のところで神戸牛、そして宮崎牛というお話がありましたが、是非うちの山形牛、米沢牛を加えていただけたら大変うれしいなと思いました。

 その上で、和牛肉の輸出を進めるためには、厳しい衛生基準に対応して、輸出先国の認定を受けた食肉処理施設の整備を進めていくことが不可欠でありますが、ただ、現実としては、今、建築コストがかなり高騰しておりまして、課題の一つとなっているものと認識をしております。

 このため、令和七年度の補正予算の中で必要な予算を措置をさせていただきました。これまで輸出対応型の食肉処理施設の整備に対するものについては二分の一の支援だったんですが、それに加えまして、共同利用施設については、県や市町村が国の補助に上乗せ支援を行う場合には、特例として事業者負担を三分の一まで軽減をできることとしたところであります。これは地財措置も含めてやらせていただいております。また、昨今の物価高も踏まえて、上限事業費の引上げも行ったところでありますので、必要なところの整備が進むようにしっかり後押しをさせていただきたいと思います。

池畑委員 大臣、ありがとうございました。

 やはり施設の整備というのは輸出に当然つながっていきます。先ほど皮革の話もさせていただきましたが、いろいろな意味で、これから事業をまとめていかなければいけないところもあるというふうに思います。継承がしていただけるようにしっかりと努力をしていただきたいというふうに思いますし、今、さらっと大臣は言われましたけれども、結構大きなお話だというふうに思います。

 国が補助し、また市町村、そして県ということになるというふうに思いますが、是非大臣、今、北海道で造っている施設も含めてそうなんですが、なかなかその事業計画どおりにいかなくて、補助金も後手後手に回ってしまって、今の段階で執行していただくよりは、もう少し資材の状況を見たりとかということがあるというふうに思いますので、是非そういったことも、柔軟に使っていただけるように環境を整えていきたいというふうに思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。

 これからの畜産業、そしてこれからどういうふうに発展していくかというのは、具体的に継承していただかないといけないというふうに思っていますので、ただ補助金を出すというふうな考え方では当然ないというふうに思いますが、具体的にこれからも指示をし、現場を見ていただいている大臣、副大臣でありますので、是非これからもこういう建設現場や資材の状況というのを見ていただきたいというふうに思います。

 これで質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。

藤井委員長 次に、長友慎治君。

長友(慎)委員 国民民主党の長友慎治でございます。

 今日は、まず最初に、牛乳について御質問をしたいと思います。

 年末年始をこれから迎えますと、学校給食というものが、冬休みになりますので、なくなります。また、お正月は一般の家庭で牛乳が余り飲まれなくなるということや、正月休みになるお店が多くて、牛乳消費が年間で一番落ち込む時期ということは皆様御認識のとおりだと思うんですが、一方、生産者からしたら、乳牛は毎日搾乳が必要になりますので、なかなか生産調整が難しいという状況でございます。

 今日、最初に鈴木貴子委員の方から農林水産省の対策ということはお聞きをしておりますので、私は大臣に、牛乳の消費が落ちる時期にどのように大量廃棄のリスクを回避していくのか、農水省の職員でもいらっしゃった御経験も踏まえて、大臣の見解を伺いたいと思います。

鈴木国務大臣 御質問ありがとうございます。

 まさにこれから年末にかけて、委員がおっしゃる課題があるというふうに認識をしておりまして、まず、酪農団体、そして乳業メーカーも含めたそうした業界では、本年も、業界を挙げて、まず広域流通の調整、タンク貯乳量の最適化、また乳製品工場稼働の最大化、生乳使用率を高めた製品の製造、販売、そして牛乳・乳製品の販売促進活動などの協力、理解を繰り返し関係各所にお願いをしていると承知をしております。

 農林水産省といたしましても、こうした業界の取組もしっかり踏まえつつ、引き続き、加工能力の拡充のための、各地で基幹となる乳製品加工施設の整備、そして牛乳でスマイルプロジェクトの旗の下での業界一体となった様々な消費拡大の取組を、予算を始め、私も、この前、記者会見で飲ませていただきましたが、なるべく多くの皆さんにこれを御理解いただけるように努力をさせていただきたいと思います。

長友(慎)委員 大臣、ありがとうございます。

 大臣からもありましたとおり、メーカーや消費者、関係団体一体となってこの消費の拡大に取り組むべきだと思うんですが、実は、私は、二年前、令和五年の六月十四日の農林水産委員会で、乳製品の指定団体が行っている購買奨励について質問をさせていただきました。政府側の言い方としては購買奨励なんですけれども、私の地元の酪農家さんに聞くと、半ばノルマで購入を求められている、購買の奨励というよりも、押しつけられて飲み切れない、そういうような実態があることを、当時は野村大臣でしたけれども、質問をさせていただいております。

 そのときに、政府参考人の方から、乳製品の購買奨励の事例について、ホクレンと九州がやっていると聞くという答弁があったんですね。

 そこで、私はちょっと更に、更問いはそのときしなかったんですけれども、政府が把握している乳製品の購買奨励の事例を具体的にまず教えていただきたいと思います。ホクレンと九州、それぞれどのような購買奨励が行われているのか、行われていたのか、教えていただけますでしょうか。

長井政府参考人 お答えいたします。

 牛乳・乳製品の需要が低迷する中で、一部の指定団体、今お話がありましたホクレンと九州生乳販連の例がございましたが、こうした団体が、需要拡大の取組の一環として、各地の生乳を使った牛乳・乳製品の購入を傘下の組合員等に奨励している事例があるということは御答弁したとおりでありまして、承知しております。

 それで、現在の状況でございますが、ホクレンと九州生乳販連で行われておりますけれども、あくまでも、現在については任意の取組で実施しているというふうに聞いているところでございます。

長友(慎)委員 ということは、私が質問したときは任意というような状況でなかったので、その後は任意になって、ある意味、現場に押しつけるような形にはなっていないという理解で間違いないのか、改めて正確に教えていただけますでしょうか。

長井政府参考人 お答えいたします。

 御質問等も踏まえまして、令和五年の九月に、指定団体なり、そういった県農協連及び生産者の取組について、要するに、強制とならないような進め方になるように口頭で指導をしたところでございます。

長友(慎)委員 農水省の方からしっかり現場の声を踏まえて御指導いただいたということで、感謝を申し上げたいと思います。先ほど来ありますけれども、酪農家の皆さんの経営環境は大変厳しい中で、強制的に買わなければいけない、そういうことは改めて起きてはいけないと思いますので、その点は農水省もしっかりと指導監督をお願いしたいと思います。

 次に、鳥インフルエンザの問題に移りたいと思います。

 十二月十六日に、兵庫県姫路市で国内七例目の鳥インフルの発生が確認されております。これから鳥インフルエンザの蔓延のリスクが高まるシーズンになりますけれども、鳥インフルエンザが発生した際は、殺処分して埋却する決まりになっていることはこれまでの質疑のとおりでございますが、全国的に埋却地はそもそも足りているのか、大臣の認識を伺いたいと思います。

鈴木国務大臣 御質問ありがとうございます。

 家畜疾病の発生時に、迅速な防疫措置を講じ、蔓延の防止を図るために、埋却地等の確保を家畜の所有者の責務としておりまして、ほぼ全ての家禽の所有者が十分な面積の埋却地を確保している状況と認識をしております。

 ただ、一方で、地域によっては埋却地の事前確保が十分でない実態も把握をさせていただいておりまして、都道府県からは、平時から、家禽の所有者による埋却地の確保についての指導や利用可能な土地に関する情報等の提供を行うとともに、焼却施設の確保等を行っているところであります。

長友(慎)委員 所有者の責任において確保するというのが前提でありまして、全国的にはできているということですが、地域によってはそうでもないということで、これは私の地元の話になるんですが、お手元の資料、記事を見ていただきたいと思います。

 これも二年前、二〇二三年五月の十九日の記事になっておりますが、実は、この年の三月八日の農林水産委員会で、私もまたこれを質問させていただいております。そのときは、宮崎の川南町というところで養鶏場から鳥インフルが出て、その目の前で牛を飼っている方の牧草地に埋却をするということになったんですが、そのときに、埋却地に貸した覚えがないということで、県の家畜保健所に対して無断で登録をされていたんじゃないかという言った言わないの民間のトラブルが起きたんです。こういうことを全国で起きないように農水省でも監督指導をするべきじゃないかということで質問させていただいた後にこういう記事が出てきました。

 二〇二三年五月十九日の時点で、これは宮崎県の場合なんですけれども、県内で六千六百十三戸の家畜を飼育する農場があって、そのうち約三百三十戸が他人の土地を埋却地として県に報告していた、そういう状況の中で、埋却地を用意できていない農場も約百四十戸あるということが判明をしたわけなんです。

 県の担当者の方が、これから、埋却地、他人の土地を借りているという方には、実際に賃貸契約を結んだのかとか、同意をちゃんとしてもらっているのか、書類の提出を、これまで怠っていたので、しっかりそれを確認するということをおっしゃっているんですが、全農場分を確認するのに三年ほどかかるとこのときにおっしゃっているんですね。

 そこで、確認を改めてしたいんですけれども、その確認作業の進捗、これは農水省は把握しておりますでしょうか。

坂政府参考人 委員御指摘の、家禽の所有者が埋却の用に供するように確保した土地が自己の所有する土地でない場合、この場合につきましては、家畜伝染病予防法の規定に基づきまして、所有者が都道府県に対して、その契約の内容を定期的に報告する必要がございます。農林水産省といたしましても、この規定に基づきまして、その報告について指導しているところでございます。

 また、宮崎県におかれては、令和五年度以降、県内の畜産農家に対しまして、他人の所有地を埋却地として使わせていただく、そういう契約を行った場合につきましては、書面での契約締結を行うというように指導しているというふうに聞いております。現在のところ、本年十二月までに、対象となっている戸数が四百十六戸ございまして、そのうち約五割の二百一戸におきまして、書面での契約が締結されているというふうに報告を受けております。

長友(慎)委員 御確認ありがとうございます。

 改めて確認したいんですが、三年かかるという確認作業は、現時点では全て終わっているという認識ですか、それとも、まだ残っているということになりますか。改めて確認させてください。

坂政府参考人 お答え申し上げます。

 どのような農家が他人の所有地を埋却地として使わせていただくというような形になっているかというような、その実態の把握については終了しております。

 現在、その個別の農家に対しまして、書面での契約の締結を行っていただくように宮崎県から指導が行われている状況であるということでございます。

長友(慎)委員 やはり確認作業はかなり時間を要しているということだと思うんですね。これは、いわゆる獣医の皆さんが足りないというようなこともあるかもしれませんし、いわゆる行政のマンパワー不足ということもあるかもしれませんが、埋却地が私は足りていないんだと思うんですね、シンプルに。

 これは別に宮崎だけの話じゃないと思うんです。私が農林水産委員会で茨城に視察へ行ったときも、茨城の生産者さんから、埋却地を用意しても、これまでと同じように、全羽殺処分して、それを全部埋却地に埋めてしまったら、その埋却地は三年使えないじゃないか、そうしたら、また新たに埋却地を見つけないといけないといったときに、そんなことは現実的じゃない、実際、どこにそんな土地があるんだ、そういう声も聞いているわけなんですね。

 ですから、この埋却地の問題なんですけれども、足りていないんだったら、やはり政府が支援をしないといけないと思いますし、ほかの方法も推奨していかないといけないと思うんですね。

 先ほど西川委員さんの方からも質問の中で触れていただいておりましたけれども、私は埋却地が足りていないんだと思うんです、大臣の見解と、そして現状に対してやはり農水省としてどのような手を打つべきなのか、改めて見解を伺います。

鈴木国務大臣 先ほど私も全体としては足りているという答弁をさせていただきましたが、ただ、確かに委員がおっしゃるように、大規模に鳥インフルエンザが発生して、既存の用意していた埋却地を使ってしまったというケースも当然あろうかと思いますので、今、鳥インフルエンザが大変頻発をしていて、特に、前に起きた地域でまた起きているというケースもありますから、少し私たちとしても、今委員からいただいた問題意識をよく踏まえさせていただきたいと思います。

 また、やはりさっきも答弁させていただきましたが、焼却ですね。焼却もこれは一つの有効な手法かと思いますので、こうしたことについてもしっかり取組をさせていただきたいと思います。

長友(慎)委員 是非、都道府県の濃淡はあるとは思うんですが、埋却地の確保については農水省も力を入れていただきたいと思います。

 次の質問になります。

 鳥インフルエンザが出たら、埋却するにも焼却するにも、やはり自治体職員が急遽対応に当たるわけですよね。その対応に当たっていただいた自衛隊員だったり自治体の職員さんは、話を聞く機会があると、やはり人によってはかなりのストレスを感じていらっしゃいます。

 いろいろな相談や訴えがありますけれども、殺処分をした後に原因不明の発熱に悩まされたとか、せきが出る、頭痛、不眠、食欲不振、また当時の光景を思い出してしまうフラッシュバックなどがある。身体的にも精神的にもつらいという声が少なからず出ております。

 このような実務を担う職員の疲弊を防ぐために、国としての防疫体制を見直すべきじゃないかというふうに考えますが、大臣の見解を伺います。

鈴木国務大臣 御質問ありがとうございます。

 防疫措置が本当にその作業に当たる皆さんの心身に大きな負荷をかけるということは私自身もよく理解をしております。特に、私にとっては、私が農林水産省の職員だった時代、消費・安全局にいまして、宮崎で口蹄疫がありました。現場で本当に皆さんに御苦労をおかけして、つらいお話も様々お聞きしたものですから、この件は本当によく理解をしているつもりであります。

 防疫措置に係る方針を示した防疫指針においても、防疫従事者の心身の健康維持に努めることとしておりまして、都道府県においても、防疫措置時には、従事者に対して保健師による面談等に取り組まれているところであります。また引き続き、従事者の身体的負担だけではなく、精神的負担にも十分配慮しなければならないと考えます。

 そもそも発生事例をまずしっかりと減らしていくということも最も重要であるため、引き続き、都道府県と連携して、消毒や飼養衛生管理の徹底などの対策に万全を期していくとともに、今委員からもお話がありましたが、やはり効率的な防疫措置のための資材の導入支援により、防疫措置に従事する自治体職員の負担軽減に努めてまいりたいと思います。

長友(慎)委員 これで終わりますが、日本は、殺処分と封じ込めのスピード感については世界トップクラスだというふうに言われていますけれども、海外の事例と比べると、それを予防する予防的な飼育環境の改善等はまだまだ議論が不十分だと思います。この点、農水省にも取組をお願いしまして、質問を終わります。

 ありがとうございました。

藤井委員長 次に、臼木秀剛君。

臼木委員 国民民主党の臼木秀剛と申します。

 先日、大臣所信に対する質疑でも聞かせていただき、大臣の答弁をいただき損ねた部分もありますし、今、我が党の長友委員からも質問がありました高病原性鳥インフルエンザの対策について、まずお聞きをさせていただきます。

 私としても、大規模化に伴って、防疫体制を含めた体制はやはり大きな転換の時期にあるんだと思っています。

 そこについて、先日、政府参考人の方からは、飼養衛生管理基準への位置づけ、また予算措置による支援などによって分割管理を推進している、そして、全羽処分しないで済んだ事例もあったという御答弁をいただきました。

 この点について、今ほどまでに各党の質問でもありましたとおり、全羽処分によって様々な負担が生じる、また市場に対しても品薄などの影響もあったり高騰化の影響もあるということの御指摘もそれぞれ今あったところであります。

 やはりこういうことを考えれば、事前の防疫体制をきちんとやっていくこと、特に分割管理の更なる推進、そして、実際に起こってしまうことは仕方がありませんので、手当金、特別手当金の運用など、めり張りを利かせていく、こういうことを更なる推進をやっていくことが必要だと考えますけれども、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

鈴木国務大臣 御質問ありがとうございます。

 まずは、発生予防の徹底が第一であります。そのために、飼養衛生管理基準の遵守の徹底が必要であるため、都道府県と連携をして指導を徹底をするほか、また、委員御指摘の発生農場に対する手当金についても、基準の、守られていない、不遵守等があった際に減額するなど、これは適切に運用していきたいというふうに考えます。

 また一方で、御指摘のとおりで、殺処分等による社会的影響をなるべく緩和するためにも、農場の分割管理を進めていくことが重要です。

 このため、更なる分割管理の推進のためにも、本年十月に飼養衛生管理基準を改正をし、大規模農場に対して分割管理の導入の検討を義務づけ、その実装を促しております。

 さらには、分割管理のための施設整備等を支援する予算も措置をしておりまして、今後とも支援ができるよう、令和八年度当初予算においても今要求をしているところであります。

 農林水産省として、引き続き、各施策を組み合わせて、支援も一体となった推進策をしっかりと講じるよう努めてまいります。

臼木委員 ありがとうございます。

 やはり現場の皆さんからすると、分割管理を進めていくと、人がなかなか足りない中で、更に、要は、何個も農場を経営することと同じようなことになるということでの人的なコストに対する懸念もあるわけですけれども、いざ発生をしたときの様々な社会的影響、今大臣からもおっしゃっていただきましたけれども、その点を考えれば、初期的な投資、そして人的な負担に対しても一定程度やはりやっていただかなきゃいけないというこのバランスも見ながら、是非進めていく必要があるんだろうなと思っていますので、今、丁寧な御答弁をいただき、改めて感謝を申し上げます。

 続きまして、飼料の自給率、餌の問題についても、今までも質問がありましたけれども、ここについてもお聞きをしたいと思います。

 私も、大臣所信に対しての質疑の中で、飼料自給率を上げていく必要があるんじゃないかということに対して、大臣から、二〇三〇年度を目標年度として、二七%から二八%に引き上げる、そして、その施策としては、畜産農家と耕種農家の連携、耕畜連携だと思いますが、さらには、飼料生産組織の運営強化、草地基盤の整備、国産飼料の流通体制の整備などの取組を支援することにより、粗飼料を中心とした国産飼料の生産、利用の拡大を推進するという御答弁をいただきました。

 ただ、これはもっともだなとは思いつつも、平成十七年以降の酪肉近において明確に同じようなことを掲げられ、ずっとこの施策を打たれてきたわけではありますし、農水省の皆さんを始め現場の皆さんが手をこまねいてきたわけでもないということも十分承知はしているんですけれども、ただ数字だけ見てみれば、粗飼料の自給率も七〇%台後半、そして濃厚飼料の自給率は一〇%台前半と、この二十年から二十五年、変わってはいないのが現実です。

 まず、なぜ自給率が上がってこないのか、その原因をどう考えているのか、これについて御答弁をいただけますでしょうか。

鈴木国務大臣 お答え申し上げます。

 まず、輸入穀物を主原料とする濃厚飼料は、国土の制約や気象条件等から、国産に置き換えるということがそんなに簡単ではない一方で、国産に価格競争力があり、安定調達や資源循環の面でも有効である粗飼料を中心とした国産飼料の生産、利用の拡大を推進をしてきたところであります。

 こうした中で、粗飼料生産は、北海道においては、豊富な飼料基盤を活用した生産が行われているものの、都府県においては、効率的な飼料生産に必要な農地の確保が困難な中で、水田の活用が進んできましたが、離農や労働力不足、そして昨今の主食用米の高騰などによりまして生産拡大には至っていないことから、全国の飼料作物の作付面積は横ばいで推移をしているものであります。

 この結果として、飼料自給率が横ばいで推移する状況となっていると受け止めています。

臼木委員 御指摘のとおりなんだと思います。

 粗飼料については、やはり基本的には地産地消、畜産の現場から近いところで生産したものを消費していくという形ですし、また、粗飼料といっても、先ほど来いろいろな話が出ていますけれども、稲もあれば青刈りトウモロコシもあれば、牧草についても、イタリアンやチモシーのような、イネ科からマメ科まで様々あるという中で、全て、できることはやっていくというのは当たり前なんだと思いますけれども、やはり具体的な地域的な戦略というものを持って進めていくことが必要なんだと思っています。

 肉牛用なのか酪農用なのか、さらには、私は比例北海道の選出ですけれども、北海道と都府県では、おっしゃっていただいたように、生産基盤が全く違うわけでありますから、何をどの程度上げていくのかという戦略も必要だとは思っています。

 先ほどおっしゃっていただいたように、粗飼料の中でも、どの地域で何をどれだけ上げていくかという戦略について何か考えがあれば、参考人でも結構ですので、簡潔に御答弁いただけますでしょうか。

長井政府参考人 御答弁いたします。

 今お話がありましたように、飼料作物というのはやはり地産地消の部分がございまして、それぞれの地域で生産する飼料作物を選択するということになりますので、国として、品目別、地域別での生産目標というのは示しておりませんけれども、大きな方向性として言えば、北海道では、飼料生産の外部化の進展でありますとか近年の気象条件の変化などを踏まえまして、牧草から、より生産性の高い青刈りトウモロコシ等への転換ということもあろうかと思いますし、都府県では、限られた労働力で農地を有効に活用していくために、耕畜連携の取組を推進いたしまして、畜産農家の需要や栽培条件等に応じた飼料作物の作付拡大と生産性向上が必要であるというふうに考えております。

臼木委員 ありがとうございます。まさにそこを進めていく必要があるんだと思います。

 ちょっと時間がなくなってきましたので、飼料自給率という話を少しさせていただきますけれども、結局、飼料自給率というのは、いわゆるTDN、可消化養分総量のベースでありますので、先ほど立憲民主党の西川議員も指摘をされたとおり、自給率だけ、様々な要因はあるんですけれども、自給率向上というところを考えれば、やはり濃厚飼料の向上ということが一番数字には跳ね返ってくることになります。その肝としては、やはりトウモロコシなんだと思います。

 子実トウモロコシの生産拡大については、やはり北海道は、先ほど来おっしゃっていただいているとおり、本当に広大な生産基盤がありますので、ここでどれだけ子実用トウモロコシを作っていけるかというのは、大きな自給率向上につながってくると思います。また、牛ふん堆肥処理に資する、トウモロコシというのは肥料食いだと言われているということもありますので、本当に北海道では、これに替えていくということに対する期待の声も大きいのが現実です。

 子実用のトウモロコシについての、交付金制度も含めた維持拡充に向けての施策をこれからやはり戦略的に打っていく必要があると思いますけれども、これについての御見解を最後に御答弁いただけますでしょうか。

長井政府参考人 お答えいたします。

 今お話がありましたように、子実用トウモロコシについては、輪作体系の中で生産体系も行われておりますし、非常に重要なものでございますので、今後の水田政策の検討におきましては、またいろいろな現場の声を踏まえまして、しっかりと検討してまいりたいと思っております。

臼木委員 それでは、質疑を終了いたします。ありがとうございました。

藤井委員長 次に、大森江里子さん。

大森委員 公明党の大森江里子でございます。

 この度、初めて農林水産委員会に所属することになりました。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 日本の酪農、畜産業は、高齢化や後継者問題などによる労働力不足に直面しております。本年四月に策定された酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針、酪肉近でも、酪農、畜産における基幹的農業従事者数は、大半を占める六十歳以上の年齢層がリタイアした場合、今後二十年間で、酪農で約二分の一、肉用牛で約四分の一にまで減少する見込みであると書かれており、就農の推進策はもとより、AIやIoTを活用した省力化の推進が必要になると考えております。

 そこで、お伺いいたします。

 令和七年度補正予算は、我が党も賛成し、十二月十六日に成立しましたが、酪肉近で書かれている人手不足の解消策について、この補正予算に何らかの対策が含まれていくのか、さらには、現在編成中の来年度予算案の中で、将来にわたっての人手不足の解消策についてどのような方策を取られるのか、農林水産省のお考えをお聞かせください。

長井政府参考人 お答えいたします。

 農林水産省といたしましては、畜産現場での労働力不足に対応するため、まず、補正予算におきましては、畜産・酪農収益力強化整備等特別対策事業のうち、ICT化等機械装置導入事業におきまして、労働負担の軽減のための省力化機械の導入を措置しております。また、当初予算におきましては、新規就農者育成総合対策におきまして、新規就農の際の初期投資の負担軽減を要求しているところでありまして、また、ALIC事業といたしまして、酪農経営支援総合対策事業のうち、酪農経営安定化支援ヘルパー事業によるいわゆる酪農ヘルパーの人材確保、育成等の支援を行っているところでございます。

大森委員 ありがとうございました。

 今、日本中の中小企業などは本当に労働力不足、人手不足で大変だというお声をたくさん伺っているところでございますけれども、特に酪農、畜産業の皆様に関しては人手不足というのは本当に深刻な問題であると思っておりますので、先ほど教えていただきました省力化の対策なども是非とも力強く進めていただきたいと思っております。

 酪農は、簡単に言えば、乳牛を育て、生乳を搾り、その生乳を販売するお仕事でございますが、乳牛は、毎日搾乳しなければ乳房炎などの病気になりやすくなります。このため、酪農は、餌やりは当然のこと、搾乳作業を毎日欠かすことができません。特に家族経営の酪農家にとっては、自身のけがですとか家族の病気で休まざるを得ない、また、冠婚葬祭等がある場合に、代わって作業をしてくれる人というのを確保しなければなりません。このようなときに頼りになるのが酪農ヘルパーで、酪農家のセーフティーネットとなっております。

 本日の質疑でも酪農ヘルパーさんのことを取り上げていただいておりますけれども、一般社団法人酪農ヘルパー全国協会が今年の十二月一日に公表しました酪農ヘルパーの利用実態によりますと、酪農ヘルパーが所属する酪農ヘルパー利用組合数は、北海道では平成三十年から今年まで減少数は一ですが、ほかの都府県では減少数が三十九と、約二割の減少となっております。また、酪農ヘルパー要員の状況は、全国で千四百九人となっており、前年比で四十五人の減少となっております。

 そこで、まずは、酪農ヘルパーの方々の男女別の平均年齢についてお伺いをいたします。

長井政府参考人 お答えいたします。

 酪農ヘルパーの男女別の平均年齢は、令和六年八月時点で男性が四十一・三歳、女性が二十九・八歳でございます。

大森委員 ありがとうございました。

 女性が比較的若いということで、是非とも、男性も含めてなんですが、こういった若い方々の酪農ヘルパーさんの方々を多く増やしていっていただきたい、そのような政策を続けていただきたいというふうに思っております。

 続きまして、酪農ヘルパーの要員確保等について、農林水産省のお考えをお伺いいたします。

長井政府参考人 お答えいたします。

 酪農ヘルパーは、家族経営の休日取得のために重要でありまして、その安定確保のためには、新規採用や人材育成を積極的に行いつつ、給与などの処遇改善に取り組むことが重要であると認識しております。

 このため、農林水産省では、学生インターンシップの実施でありますとか就活イベントへの出展への支援、また、新人ヘルパーへのOJT研修への支援と併せまして、酪農ヘルパーの給与引上げや休日数の増加に対する奨励金の交付などの支援を行っているところであります。

 引き続き、酪農ヘルパーの確保に向けまして、酪農家や関係者とともに取組をしっかり推進してまいりたいと考えております。

大森委員 ありがとうございました。

 今、政府は賃上げというのを大きく掲げているところでございますし、また、本日の質疑でも、酪農ヘルパーさんたちの処遇についての御質問などもございました。是非とも、プロとして頑張ってくださっている酪農ヘルパーの皆様への処遇の改善、本当に魅力のある酪農ヘルパーさんの仕事ということを皆様に周知していただくためにも、是非ともこの改善をお取り組みいただきたいと思っております。

 酪農ヘルパーの制度は、ヘルパーの方の酪農業への新規就農につながる可能性を生み、また、酪農ヘルパーの存在によって就農のハードルが下がるという方もいらっしゃるかもしれません。今後とも、酪農ヘルパーの要員確保は重要だと考えておりますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。

 次に、どこの御家庭の家計にも大きな影響、負担を及ぼしているお米の価格の高騰問題についてお伺いをいたします。

 本年八月に農林水産省が公表した今般の米の価格高騰の要因や対応の検証を拝見しますと、その検証結果として、農林水産省は、これまで、人口減少等による需要のマイナストレンドの継続を前提として、翌年度の需要量の見通しと生産量の見通しを作成してきており、高温障害等による精米歩留りの低下や、インバウンド需要、家計購入量の増加など、実態を踏まえた直近の消費動向を考慮していなかった、その結果、生産量は、需要量に対して、令和五年から六年は四十から五十万トン程度、令和六年から七年は二十から三十万トン程度不足し、在庫を取り崩して需要量に見合う供給量を確保せざるを得なかったとされています。

 令和六年においては、民間在庫の減少に伴い、流通段階で、次の端境期にお米が不足するとの不安から調達競争が発生し、卸売業者等が新規の調達ルートを開拓したり、同業者間で取引するスポット市場を通じて比較的高いお米を調達することになったと分析をなさっています。

 以上のようなことが米価高騰の要因になった上、農林水産省は、玄米ベースの生産量は足りているとの認識の中で、流通実態の把握に消極的であり、マーケットへの情報発信が不十分なままとなり、政府備蓄米についても、不作時に放出するというルールの下、放出時期が遅れたため更なる価格高騰を招いた、このように結論づけています。

 そこで、何点か、鈴木大臣の御認識、御見解をお伺いをいたします。

 まず、米価高騰の要因について、農林水産省は今年八月には今述べたような御認識でしたが、十月に就任された鈴木大臣はどのように御認識をなさっているでしょうか。大臣の今の御認識をお伺いいたします。

鈴木国務大臣 お答え申し上げます。

 基本的には今委員がおっしゃっていただいたとおりでございまして、今年八月に開催をされた米の安定供給等実現関係閣僚会議において当時の小泉大臣から報告を行っているそのとおりであります。

大森委員 ありがとうございました。

 その上で、八月五日に行われた米の安定供給等実現関係閣僚会議では、特に精米ベースの需要量に対して生産量が不足していたことが米価の高騰を招いたとしておりまして、今後は精米ベースの需要量や供給量を把握した上で需給見通しを作る方針が示されました。鈴木大臣はこの方針を変更されたのか、お伺いをいたします。

鈴木国務大臣 お答え申し上げます。

 全く変更しておりません。

大森委員 ありがとうございました。変更されていないということです。

 そして、さらに、今年四月に新たな食料・農業・農村基本計画が閣議決定をされました。お米全体の生産量を、二〇二三年度の七百九十一万トンから二〇三〇年度には八百十八万トンにするという目標が決まりました。

 鈴木大臣は、就任の記者会見で、需要に応じた生産、これが何よりも原則であり、基本であるとおっしゃっておられますが、この基本計画における目標について、鈴木大臣は今後維持されるのかどうか、具体的にお伺いをさせていただきます。

鈴木国務大臣 御質問ありがとうございます。

 基本的には、二〇三〇年度に八百十八万トン、これをしっかりと達成をしていきたいと思いますし、何よりも、私としては、需要を、この八百十八が達成ができればもちろん計画どおりということになりますが、ここにとどまらず、更に努力できるところは努力するということであります。

大森委員 ありがとうございました。更に努力できるところは努力するということで、御答弁をいただきました。

 昨年から始まった令和の米騒動ではお米の値段が一気に倍以上になり、いまだ五キロで四千円台と、高止まりをしたままです。国民は主食であるお米の価格高騰が家計を直撃し、大変苦しんでおられるということは大臣も御認識くださっていると思います。

 先ほど述べたように、生産量の不足が米価の高騰を招いたということを踏まえて、石破前政権は増産方針を打ち出されました。そこには、長年続いた事実上の減反政策も一因との認識があったのではないかと思っております。

 鈴木大臣は就任の記者会見で、高市総理から、食料・農業・農村基本法に基づき、食料安全保障の確保等を推進するほか、完全閉鎖型植物工場や陸上養殖施設等を展開をし、また、米の安定供給を推進することについて指示を受けたとおっしゃっておられます。この安定供給というのは、市場の量の面だけではなくて、皆様が手に入れることができる価格、値段の面も含まれているのではないかと私は考えております。

 そこで、現下のお米の高値について、総理から御指示を受けた安定供給という状況にあると大臣はお考えでしょうか。つい数年前まで米離れが叫ばれていましたが、今のお米の価格では別の意味で米離れが加速してしまうのではないか、そういうふうにも思っております。そうなりますと、大臣がおっしゃる需要に応じた生産ということでは、価格の高止まりによる需要の減少が進んで悪循環に陥ってしまうのではないかということも危惧をしております。どうか鈴木大臣の御見解をお聞かせいただきたいと思っております。お願いいたします。

鈴木国務大臣 お答え申し上げます。

 まず、米の価格はマーケットの中で決まっていくものであり、私たちとしては、米の需給の安定を図ることによって、結果として価格の安定が図られる、このことが基本であるというふうに考えております。

 現状で、令和七年産の需給状況を申し上げますと、令和七年産の米の生産量が七百四十八万トンになりまして、令和八年六月末の民間在庫量が二百十五から二百二十九万トン。これはどういう水準かといいますと、要は供給量が十分にあって、過去十年で最高の水準ということになりますので、十分に需要を上回る供給が今されている状況であります。

 ただ、スーパーマーケットに行きますと、私も時々行くわけでありますが、確かに、五キロで四千円を切る銘柄米はなかなか並んでいない一方で、三千円台のブレンド米が並んでいることや、先日は、ちょっとディスカウントをして、割引をしますといって売られている現場も私は個人的に目にしたところでありまして、実際の店頭では、それぞれの売場の特徴や消費者のニーズに応じて様々な価格帯の商品が並んでいるというふうに認識をしております。

 こうした中で、私としましては、今月の五日に、日本の農林水産行政の戦略本部を省内に設置をいたしまして、攻めの分野の一つとして、米の需要創造ワーキンググループにおいて、輸出や米粉といった新たな需要を開拓していくとともに、国産の米が外国産米から市場を、今奪われている状況ですのでこれをしっかりと奪還をする、こうしたことについても、どのような方策を取り得るのか、検討を進めたいというふうに考えております。

 是非委員にも御理解をいただきたいのは、私が申し上げている需要に応じた生産の需要というのは、決して、トータルでへこんでいく、下がっていくという需要ではなくて、しっかりと我々政府として需要を拡大をしていくということに責任を持ちたいというふうに思います。その結果、トータルでの生産量というのが維持をされていくんだろうと考えております。

大森委員 ありがとうございます。

 様々、スーパーなど現場も回っていただく、本当に現場目線の大臣でいていらっしゃるということはすごくありがたいことだと思っております。是非とも攻めの農政というのを更なる拡大を大臣の下でしていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 次に、お米券についてお伺いをいたします。

 政府は、物価高対策として、今年度補正予算で、地方自治体が地域の実情に合わせて使える重点支援地方交付金の追加を決め、推奨事業メニューの一つとして、四千億円をお米券の配付を含む食料品の価格高騰に対する特別加算、特別枠ですね、に充てるとしております。ただ、これは地方自治体の判断で配付するかどうかということを決めますので、国民全員に恩恵があるという措置ではございません。既に、地方自治体によっては、様々な理由からお米券は配付しないと表明しているところもあるところでございます。

 本来、お米券は、お米の価格の高騰を抑制するというものではございません。配付を決定した地方自治体にお住まいの方々の家計にとっては幾らかの助けになるということはあるとは思いますが、今一番の物価高対策は、国産のお米の値段を今よりももう少し下げていただくことだと考えております。

 お米の増産を決めた前政権から一転をして、先ほどもお話がありましたけれども、鈴木大臣は需要に応じた生産というのを表明をなさいまして、お米の値段を下げるお考えがないんじゃないかみたいなことを現場の皆様からは御不安の声などもお伺いをしたりするところでございまして、私は、昨年並みとは言いませんが、もっとスーパーなどの店頭の値段を下げていくべきだというふうには考えております。

 鈴木大臣のお考えをちょっと改めてお伺いをさせていただきたいと思っております。お願いいたします。

鈴木国務大臣 先ほども申し上げましたけれども、米に限らず、価格というのはマーケットで基本的には決まっていただくということになろうかと思っております。

 重点支援地方交付金、特に食品の価格高騰に対する特別加算、今回、補正予算も通していただきました。これは別にどういう手法かというのは問うておりませんので、今まさに毎日買物に行くたびになかなか毎日の値上がりというのが厳しいなと感じられている消費者の皆さんの負担感というのを、これはお米券という手法もありますし、別の手法もあるわけですから、どんな形にせよ、今まさに困っている方に、スピード感を持って、各自治体の皆さんには御判断をいただいて対応していただきたいと考えております。

大森委員 ありがとうございました。

 実は、一人親家庭ですとか低所得の子育て家庭などでは、今の物価高騰、特にお米の価格高騰によって主食さえ十分に食べられない、また、栄養不足で子供が痩せて身長が伸びないといった悲痛なお声も伺っております。大臣の下にもたくさんのお声が寄せられていると思いますので、どうかそのようなお声を大切に、対策をお願い申し上げたいと思っております。

 次に、都市農業についてお伺いをいたします。

 私は東京を地盤としておりまして、都市農業について大きな関心を持っております。都市農業を各政党に先駆けて推進してきた公明党の議員として、現状の課題について少しお伺いをしたいと思っております。

 本年三月に東京市町村自治調査会が公表した、多摩地域における都市農業の課題と活用に関する調査研究報告書では、農業分野の計画を作成している多摩地域三十市町村の農業振興計画等を収集し、その中から都市農業や農地の課題をピックアップをしております。この報告書の中で今後の展望と課題として挙げている点は、農地の減少の問題でございます。

 具体的には、二〇一九年度から二〇二二年度の三か年での農地面積の推移を見ますと、多摩地域全体で五千五百二十二ヘクタールから五千二百八十六ヘクタールと四・二八%の減少、中でも、宅地化農地は一二・七五%の減少、生産緑地地区では四・五五%の減少と、市街化区域内農地の減少が際立っております。

 以上を踏まえて、お伺いをいたします。

 私有地である農地、特に市街化区域内の農地を維持するかどうかは、もちろん最終的には農地所有者の方の御判断でございますが、市街化区域農地の減少は、都市農業振興基本法に規定された都市農業の機能とされるもののうち、特に国土、環境の保全や災害時の防災空間としての役割に大きな影響を及ぼします。

 この点を含め、今後の都市農業の課題をどのように捉え、どのように対処していくのか、御見解をお伺いいたします。

根本副大臣 お答え申し上げます。

 委員御指摘にありますように、都市部においても農地の減少が続いております。都市農地の保全や有効活用を図っていくことは重要な課題であるというふうに認識をしております。

 我が省としましても、貸付制度の創設や市民農園としての利用推進、税制や予算措置などの施策を講じてきたところであります。

 引き続き、持続可能な都市農業を図るため、必要な施策を講じてまいりたいというふうに考えております。

大森委員 ありがとうございました。

 時間が参りましたので、質疑を終了させていただきます。大変にありがとうございます。

藤井委員長 次に、八幡愛さん。

八幡委員 れいわ新選組の八幡愛です。

 私もお米券を追及したかったです。ただ、今日は畜産問題についてということで、私も時間に限りがございますので、バターをやります。

 クリスマスがやってきますけれども、バターが高いんですよ、最近。バターだけではなく、先週十一日の日経新聞にも、物価高騰によって洋菓子店でクリスマスケーキを作るのが大変だと報じられておりました。チョコレートは二九%、薄力粉は九%、鶏卵は一五%の値上げ。人件費の高騰もあり、倒産も増えているようです。

 まずは日本経済を底上げしないといけないというのはもちろんなんですが、政治で改善できるのなら、少しずつでもやるべきだとやはり私は思います。

 バターの価格を見ますと、政府統計では、東京の小売価格、先月、百グラムで五百九十四円になっています。消費税を入れたら六百円を超えてきます。バター不足が騒がれた二〇二三年は四百九十二円だったんですよ。それよりもやはり高いんですね。

 まず、なぜこんなにもバターが高いのか、農水省の見解を簡潔にお願いいたします。

長井政府参考人 お答えいたします。

 生乳は、生産者と乳業メーカーの民間当事者が相対交渉で価格を決めております。

 この数年間、生産資材等のコストが上昇し、酪農経営は大変厳しい状況に置かれてきた。こうした状況を踏まえました累次の交渉を経て段階的に生産者から乳業メーカーに売り渡す生乳の価格が引き上がった結果、バターの小売価格も上がってきたものと承知しております。

八幡委員 様々な理由があると思うんですけれども、やはり、農水省はバターの価格上昇というのは昨今の物価上昇の流れと同じだというような回答だったと思うんですけれども、今年十月の消費者物価指数、前年と比べて三・一%上昇しております。それに比べて、バターだけで見ますと、一年で一四%近く上がっているんですね。バターの値上げというときに脱脂粉乳の話とかも出てくるんですけれども、本当にいろいろな方の話を聞くたびに何とかならぬのかなと私はすごく思うんです。

 北海道の帯広に、私、酪農家の方に話を聞きに行ったんですけれども、自分たちはバターを作れと言われたら幾らでも作れる、でも、コロナ禍の影響で生乳を廃棄せざるを得なかったときとか本当に苦しかったんだとおっしゃっていたのが印象でした。

 大臣にお伺いしたいんですが、乳製品全般について生産価格と販売の値段を安定させる方法がもう少しあるんじゃないかなといつも思うんですけれども、政府として何か取り組めることはないのでしょうか。お願いします。

鈴木国務大臣 御質問ありがとうございます。

 やはり、酪農家の皆さんも、今、生産コスト、特に餌も含めて、人件費もそうですよね、上がっていて、結構大変なわけですよ。ですから、やはり、生産コストの上昇はしっかりと価格に転嫁をしていくということが私としては基本だろうというふうに考えています。

 ただ、委員からも何か政府はできないのかというお話もありましたので、やはりこれに対して政府側はちゃんと消費者の皆さんに御理解をいただくということですね。これは業界の皆さんも一生懸命今やっておりますが、我々としても、年末年始の例えば牛乳の消費拡大も含めて、やれることは我々はしっかり御理解をいただけるように努力をさせていただきたいと思います。

八幡委員 鈴木大臣もよく分かっておられると思うんですけれども、生乳というのは牛さんたちの命であり、命の水なわけですよね。増やせ減らせとか、人間の都合で簡単に調整はできない。やはり私は、政府による財政措置が必要だと思うんです。バター券とかは要らないですよ。やはり、大砲よりバターだと二〇二五年にあえて言うことになると私は思っていませんでしたけれども、高市政権においては繰り返しお伝えします。大砲よりバターという質問でございました。

 続いて、お馬さんに行きます。

 競馬業界が盛り上がっております。私は、国会議員という立場が一番のギャンブルなので、公営競技は一切しないと決めているんですけれども、そんな私でも、日曜劇場「ザ・ロイヤルファミリー」を毎週見ておりましたら、今年の有馬記念は賭けたいなとか、何なら中山へ行きたいなとか思うくらいすばらしい作品でした。これもJRAの全面協力の下で実現している作品でございます。

 今、中継を御覧の皆さん、御存じない方もいると思うんですけれども、JRAの運営などについて定めている中央競馬会法の第三十六条で、政府は、国庫納付金の額に相当する金額を、畜産振興事業等に必要な経費及び民間の社会福祉事業の振興のために必要な経費に充てなければならないと明示しているんですね。

 競馬の売上げが一部国の予算になっているということなんですけれども、農水省にお伺いします。民間の社会福祉事業というのは具体的に何に使われているのでしょうか。毎年度どのくらいの金額がどんな社会福祉事業に使われているのか、把握をしているのかしていないのかも含めて、お願いします。

長井政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、日本中央競馬会が納付する国庫納付金は、日本中央競馬会法第三十六条の規定によりまして、そのおおむね四分の一に相当する額を民間の社会福祉事業の振興のために必要な経費に充てなければならないこととされております。

 この国庫納付金は、一般財源として納入されまして、社会福祉事業を行う施設、事業所の設置及び運営に係る費用等の一部に充てられていると聞いております。かなり多岐にわたっておりますので、細かい項目まではちょっとなかなかあれですが、全般としては今申し上げたとおりでございます。

八幡委員 昨年でいくと、約三千六百億円国庫に納めているんですよ。法律どおりなら、さっき説明がありましたけれども、この四分の一、九百億円以上が社会福祉事業や畜産振興に充てられているはずなんですけれども、おっしゃったとおり、そうなんですよ、国庫の一般予算に入ってしまうとひもづけできないんですね、細かくは。でも具体的に何に使われているのか分からないというのが現状です。

 競馬の売上げというのは、結局、みんなが、国民が競馬で負けたお金なんです。それが一部社会貢献に使われるからといって留飲を下げる人もいると思うんですけれども、実際にはどこにどう使われているのか分からないというのは私は不誠実だと思うんですね。

 この三十六条、民間の社会福祉事業の振興のために必要な経費に充てなければならないについては、以前から問題が指摘されておりまして、一九六二年、私の母親が生まれる前ですよ、衆議院の農林委員会で政府側が、三十六条は空文化していると考えても差し支えないと答弁されているんですよ。そこから変わっていないんですね。この法改正を含めて、引き続き私は問題提起をしていきたいと思います。

 そこに加えて、今回の、今日のメインです。農水省が今月、JRAの収益を臨時に農業のために使う考えを示しているという報道が出ました。繰り返しになりますが、中央競馬会法では、JRAは畜産の振興などに寄与するために運営すると定めていますので、はっきり言って、農業とは関係ないんですね。それなのに、政府は特例を創設して、四年間、JRAの特別積立金を農業に活用する予定なんだそうなんです。

 まず、確認したいんですけれども、農業構造転換集中対策期間で実施するこの事業について、予算規模はどのくらいで、そのうち幾らをJRAのお金で賄う見込みなのでしょうか。お願いします。

長井政府参考人 お答えいたします。

 農業構造転換集中対策のための財源拠出につきましては、日本中央競馬会からその趣旨に御理解、御協力をいただける方向で調整を進めているところであります。

 拠出額など財源拠出の具体的な在り方につきましては、調整を行っているところでありますので、現時点で決定しているものではございません。

八幡委員 報道が先に出てしまって、金額とか、具体的に、事業規模の二・五兆円とか、国費一・三兆円という数字は出てきてはいるんですけれども、これから審議されるという回答でございましたが、今年六月に提出された自民党さんの決議に沿ったものだと思うんです。

 自民党さんは、自主財源を確保するように要求していたんですけれども、これは自主財源としてやっていくんだという方針なんですけれども、JRAの収益を農水省の自主財源と言い切るのはやはりちょっと苦しいと思うんですよね。しかも売上げの何%とかではなくて、幾らという金額を決めてやるわけじゃないですか。

 やはり、こういうお金の、どこから出るかといったら、JRAさんは特別積立金というところから取り崩していくわけですけれども、確かに、昨年度、特別積立予算、一兆円以上になっているんですけれども、過去の国会答弁でも、これの多くは固定資産にもなっているし、あと、不測の事態に備えるものという説明もあります。さらに、お金が余っているんだったらもっと、当初の目的ですよ、畜産の振興に使えばいいではないかという指摘も過去の国会でも取り上げられております。

 けれども、これまで、JRAに対しては、特例で国庫納付金の追加を求めたことはあるんですけれども、八幡事務所調べでは、今回の特別積立金を取り崩す政令というのは過去に一度も定めたことがないそうなんです。

 ここは、ごめんなさい、通告していないですけれども、合っていますよね。過去に特別積立金を切り崩す、こういう政令をしたことはあるかないか、分かればお願いします。ないと私は調査室からいただいていますが、明言ください。お願いします。

長井政府参考人 政令、多分、剰余金の話ではなくて……(八幡委員「特例です」と呼ぶ)ちょっと特例は、基本的に、特別積立金を取り崩そうとした場合には、多分、法律上の措置が必要であるというふうに私は理解しております。

八幡委員 それをこれからやろうとしているという話なんですけれども、これまでないということですよね。

 私がJRAやったら、特別積立金という資本の一部を取り崩すんだったら、当然、その分を取り戻したいわけですよ。それは企業努力なので当たり前の話です。

 先ほども申し上げました、競馬業界の売上げは、誰かの負けた涙なんです。今年も有馬記念が盛り上がって、誰かがその裏で泣くんですよ。その家族もそうですよ。うちのお父さんもひどかったんですよ。ギャンブルで一家離散しているので余計言いたいんですけれども。でも、JRAは、政府にお金を納めなあかんと、来年から。そうしたら、売上げを上げなあかん、よし、「ロイヤルファミリー」も好調だ、盛り上げるとするしか考えられないじゃないですか。そういう財源の倫理観というのがやはり狂っていると思うんです。

 公営競技全部を私は否定しているわけではないんですけれども、やはりそれと併せてギャンブル依存症対策というのをしないといけない。その対策も不十分なまま、JRAというのは、過去に売上げが落ちたときに、射幸心をあおるような勝馬投票券を新設したという例もあるんです。今はさらに、オンラインにも力を入れております。

 JRA、何で私、ここを、今日、競馬の質問をしているかというと、分からない人もいると思うので、農林水産省の所管なんですよ。農林水産省がJRAさんにいろいろ指導をするという立場であるから、こう言っているんです。

 そうしたこともありまして、二〇二二年十一月の衆議院農林水産委員会で、競馬法の改正のときに、ギャンブル等依存症対策を総合的かつ計画的に推進することを含む附帯決議が採択されているんですが、あくまで附帯決議なわけですよ。そのときより依存症の人というのは人数が増えていると思うんですね。この点については、また通常国会が始まったときに改めてお聞きしたいと思っています。

 最後に、大臣にお伺いします。

 農業の振興はもちろん大事なんですけれども、競馬で負けた人たちから取ったお金を目当てに、JRA発足後の初めてですよ、政令を作ろうとして、更に予算を取っていくというのは、中央競馬会法の趣旨とか予算のつくり方からしてずれているのではないかなと私は思うんですが、しかも、これから決められていくということですけれども、このJRAのお金、数百億円か数千億円か分かりませんけれども、右から左に動かすという前例ができてしまえば今後にも大きな悪影響が起こると私は思います。きちんと審議会とかをして議論すべきだと思います。その辺りも含めて、大臣、どう受け止めておられるか教えてください。お願いします。

鈴木国務大臣 お答え申し上げます。

 まず、委員から、競馬、負けた方の涙の話がありましたけれども、私も前に大分負けまして涙を流したんですが、その涙も畜産の振興に使われているかと思うと、しようがない涙かと割り切ることもできたので、その辺も御理解をいただければと思います。

 その上で、ギャンブル等依存症対策としては、本年三月に閣議決定をされたギャンブル等依存症対策推進基本計画に基づく取組を今進めているところであります。

 具体的には、競馬についてということになりますが、本人又は家族からの申請によりインターネット投票等へのアクセスを制限する、また、本人からの申請により馬券の購入の上限額を設定をする、また、ギャンブル等依存症の相談窓口を設置するとともに、ホームページで依存症への注意喚起を呼びかけるなど、競馬主催者への指導を徹底をしているところであります。

 農林水産省としては、ギャンブル依存症に陥ることのないよう、これらの取組を引き続き着実に進めたいと思います。

八幡委員 是非、依存症対策というところには予算をつけていかないといけないと思います。その話を農水省の方にすると、いやいや、依存症対策室というのは全部の省庁と一緒にやるからねなんと言うんですけれども、やはり、JRAという大きな市場をちゃんと指導する立場にあるんですから、しっかりと、別途予算を確保するぐらいの勢いでやっていただきたいなと思っております。

 今回、私が一番言いたかったことというのは、ギャンブルのやはり倫理観の問題だと思うんですよ。私は大阪から来ているので、大阪というのは、これからカジノをやっていって、カジノで負けたお金で福祉に回していくんだぜとかといって、もうとんでもないことを言っている。これが全国的に当たり前になるというのが、やはり人として大事なものを失うんじゃないかなという危惧をしております。

 なので、今日は、お馬さんもかわいいし、大臣も楽しまれている、その分には全然いいんだけれども、これで人生を狂わされて、本当に、泣くどころではない、命さえも落としてしまうような危険もはらんでいるんだということを分かりながら、年末年始みんなで有馬記念を楽しむんだったら楽しんだらいい。ただし、やはり、さっきの繰り返しになりますけれども、財源ですね。財源をその売上げを目当てにするとかそうじゃなくて、積極的な財政出動だと高市政権は言っているんだから、別でやはり引っ張ってこないといけないですよ。農業予算がついていると言いますけれども、全然足りないと思っております。

 なので、そこにくぎを刺して、年明け、また通常国会が始まりますから、大臣といろいろな話ができたらいいなと思っておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。

 どうもありがとうございました。

     ――――◇―――――

藤井委員長 この際、野中厚君外六名から、自由民主党・無所属の会、立憲民主党・無所属、日本維新の会、国民民主党・無所属クラブ、公明党、れいわ新選組及び有志の会の七派共同提案による令和八年度畜産物価格等に関する件について決議すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。神谷裕君。

神谷委員 ただいま議題となりました決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 案文の朗読により趣旨の説明に代えさせていただきます。

    令和八年度畜産物価格等に関する件(案)

  我が国の畜産・酪農経営は、担い手の高齢化、後継者不足が進行しており、生産基盤は弱体化している。また、飼料・光熱動力等の資材価格の高騰による生産コストの高止まりが続く一方で、畜産物への価格転嫁は十分とは言えず、さらには家畜伝染病の発生・まん延の脅威に常にさらされているなど、畜産・酪農経営を取り巻く環境は厳しいものとなっている。これらに対応し、畜産・酪農経営の安定と営農意欲の維持・向上を実現するとともに、畜産物の安定供給を確立することが重要である。

  よって政府は、こうした情勢を踏まえ、令和八年度の畜産物価格及び関連対策の決定に当たり、左記事項の実現に万全を期すべきである。

      記

 一 肉用子牛生産者補給金制度における保証基準価格等については、中小・家族経営を中心とする繁殖農家の努力が報われ、かつ、営農意欲が失われることのないよう、生産コストの上昇を踏まえ、再生産を可能とすることを旨として適切に決定すること。また、近年の資材価格高騰等を受けて繁殖農家の離農等が進み肉用子牛不足が加速する中、優良な繁殖雌牛への更新等肉用子牛生産者の経営改善を支援し、肉用牛の生産基盤の維持・強化を図ること。さらに、和牛肉の需給の改善を図るため、和牛肉の需要拡大の取組を支援すること。

 二 加工原料乳生産者補給金及び集送乳調整金の単価・総交付対象数量については、資材価格や輸送費の高騰等が酪農経営に及ぼす影響を踏まえ、中小・家族経営を含む酪農経営が再生産可能なものとなるよう決定すること。また、生乳需給及び酪農経営の安定を図るため、国産の牛乳・乳製品の需要拡大及び脱脂粉乳の在庫低減対策等の取組を支援するとともに、生乳需給安定クロスコンプライアンス対象事業の拡大等を推進し、全ての酪農家に対して全国的な需給安定の取組への参加を促すこと。さらに、バター等の輸入数量は国内の需給動向等を慎重に検討した上で決定すること。あわせて、長命連産性に優れた乳用牛群への転換等の取組を支援すること。

 三 各種畜産経営安定対策については、生産コストの高止まりが続く中でも畜産農家・酪農家の経営を支える効果を発揮していけるよう、経営状況や環境の変化を踏まえ、適切に対応すること。

 四 農場における飼養衛生管理基準の遵守の徹底を図るとともに、高病原性鳥インフルエンザ、豚熱等の家畜伝染病の発生時の被害を軽減する農場の分割管理の導入等の取組を支援すること。また、アフリカ豚熱等の侵入防止のため、水際等での防疫措置を強化すること。さらに、これらを着実に進めるため、家畜防疫員及び産業動物獣医師並びに家畜防疫官の確保・育成及び処遇の改善を図ること。あわせて、家畜伝染病発生時の防疫措置については、生産現場や関係団体の意見も踏まえ、検査対応及び清浄化に係る財政的・人員的な負担軽減を図るとともに、完了後の農場の経営再建に十分な支援を行うこと。

 五 配合飼料価格安定制度を安定的に運営するとともに、畜産・酪農経営の安定が一層図られる制度となるよう引き続き検討を進めること。また、必要に応じて生産者の負担を軽減するための対策を措置すること。さらに、飼料用米や青刈りとうもろこし等の生産の維持・拡大に向けた支援や耕畜連携、飼料生産組織の運営強化等による国産飼料の安定的な生産・利用拡大を強力に推進し、飼料自給率の向上を図るとともに、シカやイノシシやクマ等による飼料作物への被害防止の取組を強化すること。あわせて、飼料穀物の備蓄や流通の合理化など飼料の安定供給の環境を整えること。

 六 畜産・酪農経営を再生産可能なものとするため、生産から消費に至る食料システム全体において畜産物の適正な価格形成を推進するとともに、消費者の理解醸成に努めること。また、畜産物輸送をめぐる諸課題の解決に向けて、持続的な畜産物輸送の確保に取り組むこと。

 七 畜産・酪農経営の省力化を図るため、スマート農業技術の導入を支援するとともに、飼養管理方式の改善等の取組を支援すること。また、中小・家族経営の酪農家の労働負担軽減のために不可欠な存在である酪農ヘルパーについては、人材の育成や定着を図るため、待遇の改善等に向けた取組を支援すること。

 八 畜産クラスターについて、引き続き、現場の多様な声を踏まえつつ、地域全体で収益を高めるため、経営規模にかかわらず、生産基盤の強化や経営の持続性に資する施設整備等を支援すること。また、経営規模と経営状況との関係の分析を踏まえ、飼養規模の在り方について現場と情報の共有を図るとともに、畜産農家・酪農家の既往債務については、返済負担の軽減に向けた金融支援措置等の周知徹底を図ること。さらに、老朽化が進んでいる食肉処理施設、乳製品加工基幹施設、家畜市場等の共同利用施設の再編集約・合理化を支援すること。

 九 畜産物の輸出拡大に向けて、相手国に対し、我が国からの輸入解禁及び輸入規制の緩和に係る協議を進めるとともに、輸出先国・地域における支援体制を強化し、マーケットインの観点から、畜産農家・酪農家・食肉処理施設・食肉流通事業者等と品目団体との連携による販売力の強化、輸出対応型の畜産物処理加工施設の整備等を支援すること。

 十 SDGsにおいて気候変動を軽減するための対策が求められ、我が国においても二〇五〇年ネット・ゼロの実現を目指していることを踏まえ、家畜ふん堆肥の利用推進や高品質化、家畜排せつ物処理施設の機能強化等の温室効果ガス排出量の削減に資する取組を支援すること。

 十一 畜産GAPや農場HACCPの普及・推進体制を強化するとともに、国際基準を踏まえた飼養管理指針に基づくアニマルウェルフェアに対応した家畜の飼養管理の普及・推進を図ること。

 十二 東日本大震災からの復興支援のため、原発事故に伴う放射性物質の吸収抑制対策及び関連する牧草、堆肥等の処理を強力に推進すること。また、原発事故に係る風評被害対策に徹底して取り組むこと。

  右決議する。

以上です。

 何とぞ委員各位の御賛同を賜りますようお願いを申し上げます。

藤井委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

藤井委員長 起立総員。よって、本件は本委員会の決議とするに決しました。

 この際、ただいまの決議につきまして政府から発言を求められておりますので、これを許します。農林水産大臣鈴木憲和君。

鈴木国務大臣 ただいまの御決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいります。

藤井委員長 お諮りいたします。

 ただいまの決議の議長に対する報告及び関係当局への参考送付の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

藤井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 本日は、これにて散会いたします。

    午後零時十三分散会


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