衆議院

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第1号 令和8年3月10日(火曜日)

会議録本文へ
本委員は令和八年二月二十日(金曜日)議長の指名で、次のとおり選任された。

      伊東 良孝君    内山 こう君

      江藤  拓君    北神 圭朗君

      黒崎 祐一君    小池 正昭君

      笹川 博義君    鈴木 貴子君

      高鳥 修一君    中曽根康隆君

      西田 昭二君    西山 尚利君

      野中  厚君    長谷川淳二君

      葉梨 康弘君    平沼正二郎君

      広瀬  建君    藤井比早之君

      前川  恵君    三原 朝利君

      宮下 一郎君    簗  和生君

      山口  晋君    山本 大地君

      庄子 賢一君    角田 秀穂君

      野間  健君    渡辺  創君

      池畑浩太朗君    柏倉 祐司君

      関 健一郎君    長友 慎治君

      村岡 敏英君    木下 敏之君

      林  拓海君

二月二十日

 藤井比早之君が議院において、委員長に選任された。

令和八年三月十日(火曜日)

    午前九時三十分開議

 出席委員

   委員長 藤井比早之君

   理事 東  国幹君 理事 笹川 博義君

   理事 野中  厚君 理事 平沼正二郎君

   理事 和田 義明君 理事 野間  健君

   理事 池畑浩太朗君 理事 村岡 敏英君

      石坂  太君    伊東 良孝君

      門  寛子君    加藤 大博君

      今  洋佑君    西條 昌良君

      鈴木 拓海君    俵田 祐児君

      中川こういち君    西田 昭二君

      西山 尚利君    葉梨 康弘君

      広瀬  建君    藤田ひかる君

      宮下 一郎君    簗  和生君

      山本  深君    庄子 賢一君

      角田 秀穂君    渡辺  創君

      柏倉 祐司君    関 健一郎君

      小竹  凱君    佐々木真琴君

      木下 敏之君    林  拓海君

    …………………………………

   農林水産大臣       鈴木 憲和君

   農林水産副大臣      根本 幸典君

   農林水産副大臣      山下 雄平君

   農林水産大臣政務官    広瀬  建君

   農林水産大臣政務官    山本 啓介君

   政府参考人

   (消費者庁食品衛生・技術審議官)         及川  仁君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房総括審議官)         押切 光弘君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房総括審議官)         河南  健君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房技術総括審議官)       堺田 輝也君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房危機管理・政策立案総括審議官)            中澤 克典君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房統計部長)          深水 秀介君

   政府参考人

   (農林水産省消費・安全局長)           坂  勝浩君

   政府参考人

   (農林水産省農産局長)  山口  靖君

   政府参考人

   (農林水産省畜産局長)  長井 俊彦君

   政府参考人

   (農林水産省経営局長)  小林 大樹君

   政府参考人

   (農林水産省農村振興局長)            松本  平君

   政府参考人

   (林野庁長官)      小坂善太郎君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           松原 英憲君

   農林水産委員会専門員   千葉  諭君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月二十六日

 辞任         補欠選任

  中曽根康隆君     和田 義明君

  長谷川淳二君     東  国幹君

三月二日

 辞任         補欠選任

  内山 こう君     藤田ひかる君

  北神 圭朗君     中川こういち君

  黒崎 祐一君     俵田 祐児君

  小池 正昭君     今  洋佑君

  鈴木 貴子君     石坂  太君

  高鳥 修一君     山本  深君

  前川  恵君     鈴木 拓海君

  三原 朝利君     加藤 大博君

  山口  晋君     西條 昌良君

  山本 大地君     門  寛子君

同月十日

 辞任         補欠選任

  長友 慎治君     佐々木真琴君

同日

 辞任         補欠選任

  佐々木真琴君     小竹  凱君

同日

 辞任         補欠選任

  小竹  凱君     長友 慎治君

    ―――――――――――――

三月十日

      東  国幹君    笹川 博義君

      野中  厚君    平沼正二郎君

      和田 義明君    野間  健君

      池畑浩太朗君    村岡 敏英君

 が理事に当選した。

    ―――――――――――――

三月十日

 農業構造転換の推進に必要な施策の集中的な実施の財源に充てるための日本中央競馬会の国庫納付金の納付に関する臨時措置法案(内閣提出第一一号)

 日本中央競馬会法の一部を改正する法律案(内閣提出第一二号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 理事の互選

 国政調査承認要求に関する件

 政府参考人出頭要求に関する件

 農林水産関係の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

藤井委員長 これより会議を開きます。

 この際、一言御挨拶を申し上げます。

 この度、農林水産委員長に再任されました藤井比早之でございます。

 本委員会に課せられた使命は誠に重大であり、改めてその職責の重さを痛感いたしております。

 微力ではございますが、公正かつ円満な委員会の運営に努めてまいりますので、委員各位の御指導と御協力を賜りますよう、何とぞよろしくお願いを申し上げます。

     ――――◇―――――

藤井委員長 これより理事の互選を行います。

 理事の員数は、議院運営委員会決定の基準に従いまして八名とし、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

藤井委員長 御異議なしと認めます。よって、委員長は

      東  国幹君    笹川 博義君

      野中  厚君    平沼正二郎君

      和田 義明君    野間  健君

      池畑浩太朗君    村岡 敏英君

をそれぞれ理事に指名いたします。

     ――――◇―――――

藤井委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。

 農林水産関係の基本施策に関する事項

 食料の安定供給に関する事項

 農林水産業の発展に関する事項

 農林漁業者の福祉に関する事項

 農山漁村の振興に関する事項

以上の各事項について、実情を調査し、その対策を樹立するため、本会期中調査をいたしたいと存じます。

 つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

藤井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

     ――――◇―――――

藤井委員長 農林水産関係の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、農林水産大臣から所信を聴取いたします。農林水産大臣鈴木憲和君。

鈴木国務大臣 農林水産委員会の開催に当たりまして、所管大臣としての考え方の一端を申し述べます。

 昨年から、政務三役を先頭に、福島、能登を始め、北海道から沖縄まで全国各地の特に厳しい現場に足を運び、農林水産業、食品産業の現状を直視してきました。各地で試行錯誤をしながら頑張っている方々との意見交換を踏まえ、現場の皆様の気持ちに沿った政策をつくり、実行することで、農林水産業、食品産業が次世代によりよい形で継承されるようにしたいと考えております。

 以下、農林水産行政に関して、私の基本的な考え方を申し述べます。

 幾ら理想的な政策も、現場の皆様の心が動かずには効果を発揮できません。このことを心に留め、農は国の基なりという言葉のとおり、農林水産省の最も重要な使命である国民への食料の安定供給を実現します。

 昨年十二月に農林水産省に日本の農林水産行政の戦略本部を設置をいたしました。この下で、攻めの分野と守りの分野を明確にし、テーマごとに戦略を作り実行することで、食の分野を我が国の経済における稼ぎの柱とし、世界の中で食の分野における日本の存在感を示していけるよう取り組みます。

 我が国の主食である米は一年一作であるからこそ、需要に応じた生産を推進することを基本として、現場の農業者と消費者の双方から見て、先の見通せる農政を展開することが重要です。昨年八月に行った価格高騰の要因や対応の検証を踏まえ、同年十一月に取りまとめた米の安定供給に係る対策を実行に移すとともに、関係する事業者への在庫量、出荷、販売量等の定期報告の義務づけ、民間備蓄制度の創設、需要に応じた生産の推進を内容とする法案を今国会に提出します。

 また、米の供給不足に備えるため、令和八年産の政府備蓄米の買入れを行います。

 我が国の農林水産業を取り巻く環境は、国際情勢の不安定化や自然災害、気候変動等の影響、人口減少や高齢者の引退による担い手の急減など、大きく変化をしています。

 このような中でも、食料安全保障を強化していくため、世界における日本の食のマーケットをつくり、国内外の需要拡大を進めるとともに、拡大した需要に対応できるよう、生産基盤を維持し、生産性や付加価値の向上を進めることにより、稼げる農林水産業を実現し、供給力を強化します。

 令和七年度から十一年度までの農業構造転換集中対策期間において、全ての田畑をフル活用すべく、別枠予算を確保します。農地の大区画化や中山間地域におけるきめ細かな整備、共同利用施設の再編、集約、合理化、スマート農業技術の開発、生産性向上に資する農業機械の導入、輸出産地の育成等といった施策を集中的に進めます。

 あわせて、日本中央競馬会の国庫納付の特例措置についての法案を今国会に提出をし、構造転換に必要な財源に充てることとします。

 こうした取組により、農林漁業者の収益力を高め、食料自給率、食料自給力の向上に全力を尽くします。

 以下、具体的な施策を申し述べます。

 水田政策について、令和九年度に向けて、根本的な見直しを行います。水田を対象として支援してきた現行の水田活用の直接支払交付金を、水田、畑にかかわらず、作物ごとの生産性向上等への支援へと転換するといった基本的な方向性の下で、詳細を本年六月までに取りまとめます。

 米の生産性を抜本的に向上させつつ、米粉や海外マーケットの創出など政府が前面に立って国内外の需要拡大策を実施することで、必要な水田を維持するとともに、米以外の作物を作る農地について、食料自給力向上の費用対効果を踏まえて、これまで作付してきた作物の本作化を図るべく、政策を転換します。あわせて、農業者の経営安定のためのセーフティーネット対策の充実についても検討します。

 資材価格等が高騰する中においても農林水産物・食品の持続的な供給が可能となる、生産、加工、流通、販売、消費に至る食料システムの確立を図ります。食料システム法に基づくコスト指標の作成により、持続的な供給に要する合理的な費用を考慮した価格形成を推進します。

 食品産業については、農林水産業との連携の下での国産原材料の利用拡大による付加価値向上の取組や、中継共同物流拠点の整備によるサプライチェーン全体の物流効率化により、持続的な発展を図ります。

 世界の食市場が拡大するチャンスを生かして、農林水産業、食産業の海外から稼ぐ力を強化します。農林水産物・食品の輸出について、二〇三〇年五兆円の輸出額目標に向けて、政府一丸となり取り組みます。抜本的な輸出拡大に向けて、輸出先国の多角化、現地系商流への売り込み、輸出産地の育成や輸出事業者の裾野の拡大、外食産業の海外展開、輸入規制の緩和、撤廃協議を加速します。

 また、昨年の日米協議での合意内容の履行に加え、米国の関税措置の壁を乗り越えて輸出を拡大できるよう、事業者を後押しします。

 食料システムを環境と調和の取れたものとするため、新たな環境直接支払い交付金の創設や、有機農業の推進等のみどりの食料システム戦略の加速化、気候変動への適応策の強化等に向け、みどり加速化GXプランを取りまとめます。

 人、農地の観点から、持続可能な農業構造にしていくことも喫緊の課題です。

 各市町村が策定した地域計画については、農林水産省の職員も現場に入るなど危機感を持ってブラッシュアップに取り組み、受け手不在農地の解消や担い手への農地の集約化を進めます。その際、地域全体を支える意味で、様々な担い手の存在が重要であることにも十分留意をします。規模の大小や個人、法人など経営形態を問わず、農業で生計を立てる担い手を育成、確保するため、新規就農や新規参入を促進するとともに、経営発展を後押しします。

 また、拡大する農業分野の資金需要に対応するため、民間資金の更なる活用を促進するとともに、民間金融機関が取り扱う制度資金の貸付条件を見直すための法案を今国会に提出します。

 少ない農業者でも生産水準を向上できるよう、農業生産基盤の整備とスマート農業の推進が欠かせません。

 農地の大区画化や水利施設等の更新、省力化整備とともに、スマート農業技術の開発普及を進めます。あわせて、スマート農業技術に適合した新たな生産方式への転換や、スマート農業に関わる人材の育成、情報通信環境を整備します。さらに、専門作業の受注等により農業者をサポートする農業支援サービス事業者を育成、確保します。

 激甚化する自然災害、気候変動の影響に左右されず、安定的な生産力を確保できるよう、農業、農村の国土強靱化対策を進めるとともに、政府全体の成長戦略の下、日本の先端技術の粋の詰まった世界トップレベルの植物工場、陸上養殖等のフードテックへの官民連携による投資を促進します。

 これらの技術により、生産性を抜本的に向上させるとともに、我が国農林水産業の稼ぐ力を高め、世界のスタンダードとなっていく食の未来をつくります。

 食料の安定供給に向けて、高温耐性や病害虫抵抗性、多収性や加工適性、スマート農業技術適性等を持つ革新的新品種を開発し、導入を図る必要があります。このため、農業者や実需者、海外も含めたマーケットのニーズに応じ、産官学連携による優良な新品種の育成、普及の加速化、優良品種の海外への流出防止対策の強化を図るための法案を今国会に提出します。

 全国の総農家数、耕地面積、農業産出額のそれぞれ約四割を占め、洪水防止や生物多様性の保全など多面的機能の発揮においても中山間地域が重要である一方で、これまでの政策では、その衰退を止めることができませんでした。この反省を踏まえ、中山間地域でも、将来にわたって営農して稼ぎ、暮らしていける農政を展開し、地域に対する貢献も含め、若い世代が地元に残って農林水産業に携わろうと思ってもらえる環境をつくります。

 このため、地域の実情に応じて、中山間地域等直接支払交付金など農業を支えるための施策の充実と、地域特性を生かした高収益作物の導入や複合経営の取組の支援、きめ細かな基盤整備など、農業で稼ぐための施策を一体的に講じます。

 食料生産の基盤である農山漁村を維持していくため、農泊、農福連携など多様な人材が農山漁村に関わる機会の創出、民間投資の呼び込み、多様な地域資源を活用した付加価値の創出を関係省庁と協力して推進し、人口急減地域への支援を強化します。

 鳥獣被害の防止やジビエの利用を進めます。農業者の皆様が安心して営農できるよう、昨年十一月に取りまとめた熊被害対策を始め、効果的、効率的な鳥獣被害対策を迅速かつ着実に実行します。

 畜産、酪農は、国民の食生活における大切なたんぱく源を供給するとともに、地域経済を支える重要な産業です。畜種ごとの経営安定対策や持続可能性に配慮した取組、畜舎や食肉処理施設の整備などによる生産基盤の強化とともに、生乳や牛肉の需要拡大に向けた取組を推進します。また、耕畜連携などによる国産飼料の安定的な生産、利用の拡大を進め、輸入飼料依存度の低減を図ります。

 家畜の伝染性疾病の発生の状況や、輸入検疫を適切に受けずに持ち込まれる肉製品等の増加等を踏まえ、ランピースキン病の家畜伝染病への格上げに加え、検疫体制を強化するための法案を今国会に提出します。

 鳥インフルエンザについて、今シーズンはこれまでに二十一例、約五百六万羽が殺処分対象となっており、都道府県、養鶏業者等と危機感を共有しながら、飼養衛生管理の徹底を基本とした発生予防、蔓延防止対策に万全を期してまいります。

 アフリカ豚熱については、水際での侵入防止対策に全力で取り組むとともに、研究機関や国内企業との連携の下、ワクチン開発を進めます。また、産業動物獣医師の確保に努めます。

 森林・林業政策については、一千万ヘクタールの人工林の六割超が利用期を迎える中で、切って、使って、植えて、育てる森林資源の循環利用を進めます。このため、JAS構造材、CLT等を活用した中高層木造ビルの建設など、国産材の需要拡大を図るとともに、小規模に所有が分散している森林の集積、集約化や、スマート林業の推進、森業の振興などにより、林業の生産基盤を強化します。あわせて、森林整備や治山対策への取組により、森林吸収源の機能強化と国土強靱化を進めます。さらに、花粉症対策を着実に実行します。

 こうした施策の具体的な方向性を定める新たな森林・林業基本計画を本年六月頃を目途に策定します。

 水産資源は再生可能な資源であり、永続的な利用が可能となるよう、資源管理が大切です。これに加え、日本近海の海水温の上昇が世界平均の二倍を超える等の海洋環境の激変に適応する必要があります。このため、海水温の自動観測を通じた水産資源の調査、評価の強化、漁獲対象魚種の変化に対応した新たな操業形態への転換、労働環境の改善と収益性の向上を両立させる新たな漁船の導入など、未来の水産業を担う経営体、人を確保し、水産業強靱化の実現に向けた変革を進めます。

 また、違法操業の未然防止、根絶のため、徹底した監視、取締りに取り組みます。

 あわせて、浜の再生、活性化に向け、地域資源等を活用する海業の振興、漁村環境の保全に向けた漁業者活動を支援します。

 農林水産業、食品産業の発展の礎は、消費者、国民の皆様の理解を得ることにあります。食育、食文化の保護、継承や生産現場体験の取組を通じて理解を深めていただくとともに、食料の持続的供給に寄与する行動変容につなげます。

 また、円滑な食品アクセスの確保を図るため、ラストワンマイル配送に向けた取組、フードバンク等を通じた食料供給を円滑にする地域の体制づくり等を進めます。

 さらに、横浜市で開催される二〇二七年国際園芸博覧会の成功に向け、会場整備や機運醸成に取り組むほか、政府出展においては、生け花、盆栽などの日本の文化の極みや農業、環境に関する最先端の技術を展示すべく準備を進めます。

 東日本大震災の被災地域である福島県では、依然として営農再開の加速化や広域的な産地形成、帰還困難区域を含めた森林・林業の再生、安定的な水産物生産体制の構築、福島県産品の販路拡大などに取り組む必要があります。市町村ごとに復興のステージが異なることを踏まえ、現場のニーズに沿って万全の支援を行います。

 また、近年頻発する豪雨、豪雪や台風などの自然災害からの早期復興に取り組みます。

 能登地域においては、令和六年能登半島地震、同年九月の豪雨による被害からの復旧復興を一体的に推進します。私自身も現場の声に一つ一つ応えながら、森は海の恋人という言葉も踏まえ、農地、農業用施設、林地、林道、漁港、漁場の復旧など、農林水産業の再建を切れ目なく支援します。

 結びになりますが、各種施策を講じるに当たり、地方自治体等の職員の皆様の負担が大きくなっていることを踏まえ、例えば、衛星写真やAI解析の活用など、現場に近い行政の負担軽減に取り組みます。

 藤井委員長を始め理事、委員各位に重ねて御指導、御鞭撻賜りますようお願い申し上げ、私の所信とさせていただきます。(拍手)

藤井委員長 次に、令和八年度農林水産関係予算の概要について説明を聴取いたします。農林水産副大臣根本幸典君。

根本副大臣 引き続き農林水産副大臣を務めさせていただきます根本幸典です。

 鈴木大臣を始め山下副大臣、広瀬政務官、山本政務官とともに、農地の大区画化や輸出促進など、農林水産業の構造転換とそのための必要な財源の確保を着実に進めてまいります。

 藤井委員長を始め理事、委員各位の御指導、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。

 令和八年度農林水産予算の概要を御説明します。

 一般会計の農林水産予算の総額は二兆二千九百五十六億円であり、その内訳は、公共事業費が七千二十六億円、非公共事業費が一兆五千九百三十一億円です。

 続いて、重点事項について御説明します。

 第一は、食料安全保障の強化です。

 改正食料・農業・農村基本法の初動五か年において、集中的かつ計画的に農業の構造転換を推進していくため、農地の大区画化、共同利用施設の再編、集約、合理化、スマート農業技術の開発普及、輸出産地の育成に向けた施策を実施します。

 米の安定供給に向けた環境整備を図り、需要に応じた生産を確実なものとするため、安定的な種子の生産供給体制の構築、大幅なコスト低減に向けた産地全体での取組、米の輸出拡大を推進します。

 国内で生産できるものはできる限り国内で生産するとの方針の下、麦、大豆などの本作化や、野菜、果樹、畜産などの生産基盤の強化、肥料、飼料の国産化、安定供給など、国内農業生産の増大に向けた施策を推進します。

 食料システムの持続性の確保に向け、合理的な価格形成や、農林漁業と食品産業の連携強化、植物工場、陸上養殖などフードテックへの投資促進などを進めます。

 農業、食品産業の生産基盤の確保のためには、農林水産物・食品の輸出促進が不可欠であり、新市場の開拓や輸出先の多角化などの取組を推進します。

 第二は、農業の持続的な発展です。

 人口減少下においても、農業生産を維持していくため、地域計画を核として、意欲ある農業者の経営発展の促進、農地の集約化、新規就農者の育成、確保などを総合的に推進するとともに、経営安定対策を的確に実施します。

 労働力不足の解消や生産性の向上に資するスマート農業技術の社会実装を推進するため、農業支援サービス事業者の育成などを集中的に支援します。

 農業生産基盤の整備、保全に向け、農地の大区画化、汎用化、畑地化の取組や、農業水利施設の計画的な更新、長寿命化などの国土強靱化の取組を進めます。

 家畜の伝染性疾病の発生や蔓延を防止するため、迅速な防疫措置の徹底とともに、飼養衛生管理の向上や農場の分割管理の推進を図ります。また、重要病害虫の侵入、蔓延を防止するための取組などを支援します。

 第三は、農村の振興です。

 中山間地域を始めとした農山漁村の振興のため、官民共創、農泊、農福連携など里業の推進、農村RMOの形成などの取組のほか、鳥獣被害防止対策やジビエの利用を推進します。

 第四は、環境と調和の取れた食料システムの確立です。

 環境保全型の営農活動への支援、有機農業の取組拡大、気候変動への適応に向けた取組の推進などを図ります。

 第五は、多面的機能の発揮です。

 人口減少下においても、地域における共同活動を拡大、継続できる体制を構築するため、日本型直接支払いによる多面的機能の維持、発揮のための共同活動や中山間地域等での農業生産活動の継続への支援などを着実に実施します。

 第六は、森林資源の循環利用施策の総合的な展開です。

 森林の集積、集約化、スマート林業の推進、JAS構造材、CLT等を活用した木造化、担い手の育成など、川上から川下までの取組を進めます。また、森林整備や治山対策を着実に進めます。

 第七は、海洋環境の激変に適応するための水産業の強靱化です。

 海洋環境の変化に対応した資源の調査、評価、担い手の育成、確保、スマート水産業、海業の全国展開を推進するほか、経営安定対策を的確に実施します。

 第八は、災害復旧等の推進です。

 被災した農林水産関係施設の復旧などを進めます。

 次に、特別会計では、食料安定供給特別会計と国有林野事業債務管理特別会計に所要の予算を計上しています。

 最後に、財政投融資計画は、株式会社日本政策金融公庫による財政融資資金の借入れなど、総額六千八百九十八億円です。

 以上で、令和八年度農林水産予算の概要の説明を終わります。

藤井委員長 以上で説明は終わりました。

 この際、農林水産副大臣及び農林水産大臣政務官から、それぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。農林水産副大臣山下雄平君。

山下副大臣 引き続き農林水産副大臣を務めます山下雄平です。

 鈴木大臣を始め根本副大臣、広瀬政務官、山本政務官とともに、国民への食料の安定供給を実現するため、米の流通構造の透明性を確保し、需要に応じた生産の推進に力を尽くしてまいります。

 藤井委員長を始め理事、委員各位の皆様の御指導、御鞭撻をよろしくお願い申し上げます。

藤井委員長 次に、農林水産大臣政務官広瀬建君。

広瀬大臣政務官 引き続き農林水産大臣政務官を務めさせていただきます広瀬建でございます。

 鈴木大臣を始め根本副大臣、山下副大臣、山本政務官とともに、農林水産業が現在直面している諸課題の解決に向けて、家畜伝染病対策や拡大する農業分野の資金需要への対応などに尽力してまいります。

 藤井委員長を始め理事、委員各位の御指導、御鞭撻を賜りますよう、何とぞよろしくお願い申し上げます。

藤井委員長 次に、農林水産大臣政務官山本啓介君。

山本大臣政務官 引き続き農林水産大臣政務官を務めさせていただきます山本啓介です。

 鈴木大臣を始め根本副大臣、山下副大臣、広瀬政務官とともに、気候変動等に対応した新品種の開発普及や優良品種の海外への流出防止対策などにしっかりと取り組んでまいります。

 藤井委員長を始め理事、委員各位の御指導、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願いいたします。

    ―――――――――――――

藤井委員長 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として農林水産省大臣官房総括審議官押切光弘君、大臣官房総括審議官河南健君、大臣官房技術総括審議官堺田輝也君、大臣官房危機管理・政策立案総括審議官中澤克典君、大臣官房統計部長深水秀介君、消費・安全局長坂勝浩君、農産局長山口靖君、畜産局長長井俊彦君、経営局長小林大樹君、農村振興局長松本平君、林野庁長官小坂善太郎君、消費者庁食品衛生・技術審議官及川仁君、国土交通省大臣官房審議官松原英憲君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

藤井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

藤井委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。和田義明君。

和田(義)委員 自由民主党の和田義明でございます。

 本日は、鈴木大臣の大臣所信に対しましての質疑の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。藤井委員長を始め理事、委員各位の皆様、心から御礼申し上げます。また、鈴木大臣を始め政府関係者の皆様方も御対応いただきまして、心から御礼申し上げます。

 先ほどは、鈴木大臣から大変意欲的な所信を拝聴いたしました。心から御期待を申し上げます。そして、一緒になって頑張ってまいりたいと思います。

 世界情勢を見ますと、世界の人口は、日本とは真逆で増え続けております。そして、現在、食料、資源の争奪戦の中にあると言っても過言ではございません。

 二〇二五年の世界の人口は八十三億人でございます。これが、二〇五〇年には二〇%増加して百億人になり、そして、二一〇〇年には三一%増加をして百九億人になるというふうな国連の予測がございます。まさにこれから限られた食料、資源を奪い合っていかなければならない、そして、生産性を上げなければ日本は更に苦境に立たされる、こんな状況にあるというふうに言えると思います。

 また同時に、ウクライナでは戦争が四年経過いたしました。そして、現時点でも終戦のめどは立っておりません。また、この度はイランでも新たな戦争が始まりました。そして、隣国の中国の台湾に対する圧力も日に日に増しております。

 これらは、今後、物価が上昇し続けるということ、そして食料や資源の調達がより困難になるということを指しているところでございます。ある意味、食料の面においても戦略的自律性を高めていくこと、これが政府の大変重要なミッションであるということに相違ないというふうに思っております。

 早速最初の質問に入りたいと思います。

 肥料、飼料、農薬、農業機械、資材などの価格高騰が続いております。そして、その価格高騰幅が、生産者の販売価格に必ずしも転嫁できておりません。米は、ようやく再生産ができる価格に一旦はなっております。牛乳も一定の改善は見られました。しかし、先行きの不安感、不透明感が払拭できたとは言い難いと思っております。

 農業という職業が、安定して再生産できる職業にならなければ、新たに農業に参入してくれる方は出てまいりません。農業人口は減り続けます。自給率向上には、政府が農業を支えるという大きな決断が必要であると考えております。

 鈴木大臣が大臣に就任されるとき、農水省さんの方々に訓示をされました。大変力強い訓示、農政を大きく変える、そんな覚悟と決意が大きくにじんだ訓示であり、私は大変感銘を受けたところでございます。そしてまた、所信でも、農林水産業、食品産業は次世代によりよい形を継承しなければならないというふうにおっしゃいました。そしてまた同時に、幾ら理想的な政策も、現場の皆様の心が動かなかったら効果は発揮できない、そのようなお言葉もいただきました。まさにそのとおりだと思います。

 私の地元選挙区では、水田活用交付金が令和九年度以降どうなるのか、コスト高にあえぐ酪農がどうなっていくのか、また、毎年の酷暑で収益性が下がっている高収益作物の政策はどうなっていくのか、固唾をのんで見守っているところでございます。

 まず最初の質問は、大臣に対してでございますけれども、再生産ができる日本の農業を構築する、大臣の決意と意気込みについてお聞かせください。

鈴木国務大臣 御質問ありがとうございます。

 まさに今、和田委員がおっしゃるように、世界の人口が増える中で、やはり私たちの国は、食料をいかに安定的に国民の皆様に供給するか、かなり危機感を持って取り組まなければならないというふうには認識をしております。

 特に、我々の国は、日本は農業者の急減という農業構造の変化に対応して、それでも農業生産の維持拡大を図り、食料安全保障を確保するということが必要になります。少数の農業者がより多くの農業生産を担う農業構造へ転換すべく、生産性向上を図り、結果として食料供給力を上げていく、この必要があります。

 このため、これから、昨年四月に閣議決定をいたしました食料・農業・農村基本計画に基づきまして、水田政策につきましては、作物ごとの生産性向上等への支援へと転換する方向で、令和九年度から根本的に見直すこととしております。

 見直しに当たって、生産現場の皆さんが、再生産ということだけではなくて、やはり再投資が可能で今後も安心してやっていける状況、特に水田作は一年一作でありますから、一年一年が大変大事です、毎年毎年ころころころころ変わっては困りますので。そういう意味で、先を見通せる方向性を見出していく必要があろうかというふうに考えておりまして、農業者への支援の在り方についてもこの考え方で議論を深めてまいりたいと思いますので、御指導いただければと思います。

和田(義)委員 鈴木大臣、ありがとうございました。

 まさに攻めの姿勢で、米についてもそのほかの作物についても臨んでいかれる、新たに投資ができるような成長産業化していく、そんな決意のにじんだ御答弁、誠にありがとうございました。

 次の質問に移りたいと思います。

 農業者の営農の不安を極小化するためのセーフティーネットについての質問でございます。

 為替や国際相場の変動によって営農コストが高騰し、そして利益率が下落しております。妥当な収益が上がらないビジネスに新規参入する者はおりません。これは、農業であっても普通のビジネスであっても同じことだというふうに思っております。

 日本の食料安全保障を確固たるものにするためにも、次世代の農業人材を確保するためにも、外的要因のマイナスのインパクト、これを政府ができるだけ緩和する必要があるというふうに思っております。特に、食料に関しては、食料安全保障という国民の命に直結するものでありますので、なおさらだというふうに思っております。

 例えば、今農水省さんでやっておられる施策の中で国内肥料資源利用拡大対策実施事業要領というものがございまして、この中におきまして、原料価格の急騰に伴う小売価格の高騰の際には影響緩和対策を講ずるというふうな一文が明記されております。これを、肥料のみならず、飼料ですとか農薬、農業機械、各種資材など、為替や相場の変動の影響に対して機動的に、かつ効果的に影響緩和対策を講ずることが必要だというふうに思っておりますし、実効性の高いセーフティーネットを構築していただきたい、そのように思ってございます。特に、セーフティーネットを講ずる際には個々の農家さんに対して直接支援をしていただく、そのような形を担保していただくことによって実効性を担保することになるというふうに思っております。

 鈴木大臣のお考えをお示しいただきたいと思います。

鈴木国務大臣 お答え申し上げます。

 まず、農業生産資材の価格は、円安や人件費の上昇などの影響を受けて上昇傾向にあるというふうに考えております。

 このような中で、先ほど和田先生からも戦略的自律性というお話がありましたけれども、まさに国際情勢の影響を受けにくい構造へ転換をしていくということも重要であろうというふうに考えておりまして、まず、肥料につきましては、土壌分析等を通じた化学肥料の使用量の低減対策、そして家畜ふん尿や下水汚泥などの国内資源の利用拡大対策、また、飼料につきましては、青刈りトウモロコシや牧草などの国産飼料の生産、利用拡大などを推進をしているところであります。

 また、現下の農業資材価格を含めた物価高騰に対しては、重点支援地方交付金を活用して各地方自治体で対策を講ずるよう促してきており、引き続き、これについても働きかけてまいりたいというふうに考えます。

 これからセーフティーネットの議論もさせていただきます。その中でも、今回のイラン情勢を見ても、原油価格の上げ下げがやはりすごく急激に起こるというようなこともよく分かりますので、こうした生産者の努力ではどうにもならない圧迫要因というのがあろうかというふうに思いますので、そうしたことにしっかりと対応できるようなセーフティーネットの在り方も今後議論させていただきたいと思います。

和田(義)委員 鈴木大臣、ありがとうございました。

 国際秩序が保たれているといった状況では完全になくなっておりますし、国連が機能するというふうなことももはや期待できないと思っておりますし、自由貿易という言葉自体がもはや陳腐化してしまった、そんな時代に入ってきてしまっていると思います。だからこそ、戦略的自律性をあらゆる面で担保していく、このことに私も一生懸命頑張ってまいりたいと思います。

 次の質問に移らせていただきます。

 今年の六月に施行される食料システム法は、食品等の公正取引を担保するために、生産、加工、流通、販売、各段階のコストを可視化して、コスト割れ防止促進を目指すものというふうに理解をしております。

 食品等の公正取引実現に向けた大きな前進であるというふうに思う一方で、最初に設定するコスト指標が今後の議論のベースになることから、このコスト指標が妥当であるかどうか、これを見極める必要がありますし、最初が極めて肝腎だというふうに思っております。

 コスト指標を算定するに当たっての要望でございますけれども、食料生産者一人当たりの年収の算定根拠、これを是非とも全国の全産業年収平均など、妥当な基準にしていただきたい。さもなくば、どれだけ新たな制度をつくったとしても、生産者に魅力がなければ見向きもされない、そんなことになってしまっては非常にもったいないというふうに思うんです。ですので、ここのところは是非とも一考いただきたいというふうに思っております。

 さらには、近年、為替や国際相場の変動が激しいことから、その変動をきめ細かくコスト指標に反映していただきたいというふうに思うところでございます。

 例えば、国土交通省の公共事業の工事単価は、毎年、コストのベースがアップデートされています。それでも、算出される資材のコストと実際に取引される資材のリアルなコストの間で乖離が生じているというケースが散見されるわけでございますけれども、一旦決めたら何年もその指標が変わらないとか、そういったことのないよう、頻繁にアップデートされるようなルール作りというのを是非ともお願いをしたいと思います。

 この点について、大臣のお考えをお聞かせください。

鈴木国務大臣 お答え申し上げます。

 まず、この食料システム法に基づくコスト指標ですけれども、現状でお米からスタートをしているところであります。

 米のコスト指標について申し上げますと、合理的な費用を考慮した価格形成に向けて、生産、流通、販売などの各段階における費用を示す指標として、関係者の議論の下で、今般、米穀機構よりその作成方法が公表されたものであります。

 コスト指標は、食料システム法が施行される四月以降に最終的に決定される予定でありまして、御指摘のような所得を設定するというものではないわけですが、ただ、やはりコストが明確になることを通じて、生産者の再生産、再投資が可能で、かつ消費者にも理解が得られるような価格水準に落ち着いていくということを私としては期待をしているところであります。

 やはり委員から御指摘のあったとおりで、どういう水準で、どういった考え方でいろいろなことを議論するのかということについては、農業の世界だけで閉じるべき話ではありませんで、他産業と比べてどうなのか、そういったような視点も大変大事かというふうに思いますので、しっかりと今の点を踏まえて、今後、農林水産省として対応できる点はしていきたいというふうに考えます。

和田(義)委員 ありがとうございました。

 これは農業であってもなくても変わらず、その産業に人を集めようと思ったら、やはり魅力的な収入、利益、こういったものが担保されなければ来ていただけないということは原理原則であると思いますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。

 次の質問でございますけれども、昨年は、約百万トンあった備蓄米のうちの八十一万トンが放出されたというふうに言われております。小売市場の米価高騰を抑制する一定の効果があったという一方で、南海トラフや日本海溝・千島海溝地震など、今後の防災対策を考えますと、米の備蓄量を再び正常値に戻す必要があると思いますし、これも国家安全保障の一端だというふうに思っております。

 加えまして、流通過程で滞留しているお米が今後市場に流れて米価が急落する懸念も出始めていることからも、今年の秋に向けて過剰供給にならないように注視する必要もあると考えております。

 今後、どのようなスケジュール感で、どのように正常値に戻すお考えかをお聞かせください。

山口政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘の政府備蓄米の状況でございますが、昨年末に、令和八年産につきましては、二十一万トンを買い入れるべく決定しているところでございますが、実際の買い付けにつきましては、作付の状況なども勘案しつつ、準備を進めてまいりたいというふうに考えております。

 また、主食用米として売り渡した五十九万トンにつきましても、今後の需給状況を見定めた上で、買戻しなどの対応をしてまいりたいというふうに考えてございます。

和田(義)委員 ありがとうございます。

 しっかりと市場の動向を見ながら、調整弁という役割も、放出するだけでなく買い戻す方も、しっかりと調整弁としての機能を果たしていただきたいと思います。

 今日は質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございました。

藤井委員長 次に、簗和生君。

簗委員 自由民主党の簗和生でございます。

 質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。

 大臣、御就任以来、現場を足しげく回られて、現場主義の農政を展開いただいていること、本当に心強く、そしてありがたく思っております。

 まず、イラン情勢を受けた影響についてお伺いしたいと思います。

 原油価格の上昇、原油価格の安定供給や生産資材価格への影響が懸念されるところでありますけれども、農林水産省として、農林水産業への今後の影響についてどのように考え、対策を講じていくおつもりか、お伺いしたいと思います。

鈴木国務大臣 御質問ありがとうございます。

 まず、この度のイラン情勢を受けた原油等の需給や価格については、世界経済、エネルギー需給等様々な要因の影響を受けることから、一日一日状況は変わっておりますので、今後の動向について予断を持ってお答えすることは難しいわけですが、ただ、やはり、農林水産業に与える影響、これはしっかり注視をしてまいりたいというふうに考えております。

 その上で、農林水産省としては、例えば、配合飼料や燃油の価格が高騰した場合に、経営への影響を緩和するための補填金を交付する制度、そして、農林漁業者が日本政策金融公庫から借り入れる農林漁業セーフティネット資金等に対する金利負担軽減の措置などを講じておりまして、引き続き、農林水産業に従事される皆様に安心して経営を継続いただけるよう、政府一体となってしっかり取り組んでまいりたいというふうに考えております。

簗委員 ありがとうございます。

 是非、万全を期した対応をお願いしたいというふうに思います。

 続きまして、食料安全保障の強化に向けた農業構造転換集中対策の推進についてお伺いしたいと思います。

 自民党では、農業の構造転換を集中的に推進するため、五年間で二・五兆円規模とする提言を取りまとめ、まずは、令和七年度補正予算、そして令和八年度当初予算でこれを具体化したところであります。

 対策の柱の一つであります共同利用施設の再編、集約、合理化においては、補助率を最大三分の二に引き上げ、産地負担の一層の軽減を図ったところであります。

 また、あわせて、地方自治体の財政状況も勘案して、地方財政措置も拡充をしたところであります。この事業がしっかりと活用されるためには地方自治体の協力が不可欠でありまして、国から地方自治体への周知や働きかけを行うことで地方自治体の協力を促していくことが重要であると考えておりますが、国の取組の状況は今いかがでしょうか。

山口政府参考人 お答え申し上げます。

 共同利用施設の再編、集約、合理化支援につきましては、委員始め多くの先生方の後押しによりまして、先生先ほど御指摘の地元負担を最大で三分の一まで軽減、あるいは、地方自治体の負担に対しても地方財政措置を拡充するというような特別な措置が講じられたところでございます。

 このような特別措置が十分に活用され、より一層施設の集約、再編が進むように、昨年十二月以降、都道府県向け説明会や地方ブロック別推進会議を十六回、都道府県との個別の意見交換二十三回、延べ三十九回、会議、意見交換を開催しているところでございます。

 このような周知の結果、今回の補正予算に係る第一回の要望調査におきましては、昨年の同時期と比べますと約三倍になる百件を超える事業申請が届いているというところでございまして、現在、速やかな事業実施に向けて、申請の内容の精査を行っているところでございます。

 また、都道府県による上乗せの支援につきましても、昨年、令和六年度補正あるいは令和七年度当初予算におきましては十九道府県にとどまっておりましたが、今回の令和七年度の補正予算におきましては、現時点におきましても上乗せ支援を申請する県が大幅に増加しておりまして、まだ検討中だというような県も多くありますことから、より多くの地域で都道府県などの上乗せ措置が措置されますよう、引き続き、都道府県などと意見交換を積極的に行ってまいりたいと考えております。

簗委員 ありがとうございます。

 産地が意欲を持って、この事業を使いたい、そういう意向に対しては、しっかりと国と地方自治体が体制を組んで、支援がしっかり講じられるようによろしくお願いしたいというように思います。

 次に、中山間地域等の条件不利地への対応強化についてお伺いしたいと思います。

 こちらも農業構造転換集中対策でありますけれども、これによって生産性の向上を目指した取組の推進が見込まれる一方で、条件のよい平場とは異なる中山間地域などの条件不利地に対する適切な対策を取ることも、今回の重要な対策の柱であると考えております。

 中山間地域等直接支払いは、こうした条件不利地の営農継続を支える重要な施策である一方で、事務を担う体制が十分ではなく申請ができない、あるいは、同じ条件不利地であっても従来の要件では交付対象にならないなどの課題がありました。

 自民党としても、これまで、こうした課題について検証して、今後の中山間地域支援について具体的な制度設計の議論を深めているところでございます。

 条件不利地の今後の発展の在り方や支援の在り方について、鈴木大臣御自身の思いや見解についてお伺いしたいと思います。

鈴木国務大臣 御質問ありがとうございます。

 中山間地域につきましては、耕地面積や総農家数の約四割を占めるなど、我が国の食料安全保障を確立する上で、その維持が極めて重要と考えております。

 このため、令和九年度以降の水田政策の見直しの中で、中山間地域のような条件不利な地域をしっかり支えるとともに、地域の実情に応じて、稼ぐ、関わるといった施策を組み合わせた支援となるよう検討し、中山間地域の衰退に歯止めをかけるということを実現をさせたいというふうに考えております。

 私自身も山形の中山間地域に暮らしております。そしてこの週末も、秋田県の鹿角市、二つの集落の皆さんと意見交換をさせていただきました。

 やはり、中山間地域と一言で言いましても、どんな方がそこで頑張っているか、そしてどの年代がいるのか、またどのぐらい不利な条件なのか、それによって、やらなければならないこと、若しくは、現場としてこれを少しやればもっと前に進めるみたいなことがかなり違うということもよく認識をしておりますので、一つ一つの、やはりこれは厳しい現場に応じた施策ができるよう、それと同時に、全体としてしっかり下支えをするんだということを、この中山間地域の施策の見直し、拡充の中で一緒に議論をさせていただければというふうに考えております。

簗委員 大臣、大変に中山間地域等条件不利地に対しての御理解がありまして、相当の思い入れを持って取り組んでいただいているということで、心から感謝をしているところであります。党の方でも、しっかりと議論をして、しっかり連携をして、いい対策をしっかりつくり上げてまいりたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。

 続きまして、畜産クラスター事業の見直しについてお伺いしたいと思います。

 令和七年度補正予算において、従来の収益力の強化への支援に加えまして、いわゆる持続性向上タイプといいまして、具体的には、国産飼料の生産、利用、雇用の創出、新規就農、経営継承、家畜衛生、鳥獣被害防止対策などの取組も支援の対象となり、中小規模の生産者、新規就農者、経営の継承者にとっても活用しやすい事業となりました。

 活用が見込まれる取組の内容や成果目標の設定等について、農林水産省として把握しているものの具体的事例について伺いたいと思います。

 また、新たな畜産クラスター事業等を通じて、我が国畜産業が目指すべき姿をどのように実現していくのか、こういったことの見解についてもお伺いしたいと思います。

長井政府参考人 お答えいたします。

 これまでの畜産クラスター事業は、生産性なり競争力の強化を目的とし、スケールメリットを生かした収益力向上を推進しているところでございました。

 今回措置いたしました持続性向上タイプでは、これまでの収益性に代わりまして、国産飼料の利用、家畜疾病の発生の減少、動物福祉への対応などを目標としておりまして、中小・家族経営を含む多様な生産者が活用できると考えております。

 具体的な事例といたしましては、家族経営の酪農家が飼料作付面積の増加を目標にサイロを整備し、良質の粗飼料を増産する取組や、鶏卵生産者が家畜疾病の発生低減を目標に消毒ゲートを整備し、衛生管理の強化と鶏卵の安定供給を行う取組など、規模拡大や収益向上でない形の整備も促すこととしております。

 農林水産省といたしましては、このような取組への支援を行いまして、我が国の質の高い畜産物を国内外に供給いたしまして、次世代を担う若い世代にも魅力のある、持続性の高い畜産業とすることを目指してまいりたいと考えております。

簗委員 従来、クラスターはどうしても効率化とか生産性向上、これも大変重要なことではありますけれども、どうしても使えないという方々もいらっしゃる中で、新たな展開の方向性を今回つくれたということは大変意義のあることであって、我が国の畜産、酪農をしっかり守っていく上で重要な政策になると思います。是非、活用を促進していただいて、我が国の畜産、酪農の発展に向けて引き続き御尽力いただければと思っております。

 続きまして、八年産米への対応、当面の需給対策について、米について伺ってみたいと思います。

 七年産米の足下の販売状況は決して好ましくないということに加えて、八年産米の生産意向においては生産目安を上回る作付が見込まれている中、今後の需給の緩和も懸念されるという状況にあります。

 今後、米穀周年供給事業の活用による七年産米の長期計画的な販売や、昨年の備蓄米放出に係る買入れ、買戻しの適切な実施に加えて、八年産米の需要に応じた生産を関係者一体となって推進していく必要があると認識をしています。

 農林水産省として、どのような対応を考えているのか伺いたいと思います。

山口政府参考人 お答え申し上げます。

 昨年十月に公表した八年産の生産見通しにおきましては、需要に対して余裕を持って設定した七百十一万トン、令和九年六月末の民間在庫量は二百十五万トンから二百四十五万トンという見通しを示しております。

 こうした中で、本年一月時点で、各道府県の八年産の生産の目安の合計が、需給見通しで設定した七百十一万トンを上回る七百二十五万トンと見込まれていることですとか、あるいは、一方で、先生御指摘のとおり、七年産米の大手集荷業者から卸売業者への販売量が前年を十四万五千トンほど下回っているというような状況にあるわけでございます。

 このため、主食用米以外の加工用米なども含めた需要に応じた生産に向けまして、集荷、在庫状況などのきめ細やかな情報提供を行うとともに、令和八年度予算では、令和七年産を令和八年から九年以降に長期計画的に販売する取組を推進できるように、米穀周年供給事業を措置しているところでございます。

 また、先ほども申し上げましたが、政府備蓄米につきましては、昨年中止した政府備蓄米の買入れを再開することとし、八年産米につきましては、二十一万トンを買い入れるべく、作付の状況も踏まえつつ準備を進めているところでございますし、また、主食用米として売り渡した五十九万トンにつきましても、今後の需給状況を見定めた上で買戻しを行うこととしているところでございます。

 いずれにしても、こうした取組を行うに当たっては、先生御指摘のとおり、米の関係者が需要に応じた生産を推進できるように需給の安定を図っていく、こういうことが大切であるというふうに思っておりますので、生産者の皆様が前向きに米の生産に取り組めるよう、農林水産省としても関係の皆様と連携を深めてまいりたいというふうに考えてございます。

簗委員 よろしくお願いいたします。

 では、最後の質問に入ります。

 食料システム法の本格施行に伴う対応について、根本副大臣にお伺いしたいと思います。

 本年四月より食料システム法が本格施行することになります。合理的な費用を考慮した価格形成の取組が始まるところでありまして、生産現場から大きな期待が寄せられているという状況にあります。

 合理的な費用を考慮した価格形成がなされるためには、コスト指標の活用も含め、規制的措置を適切に運用していくとともに、見える化されるコスト構造がいかに周知をされ、再生産可能なコストを負担する消費者の意思形成につながるように、消費者の理解醸成も進めていくことが不可欠であるというふうに考えております。

 食料システム法の実効的な運用に向けた農林水産省の取組について、根本副大臣、よろしくお願いいたします。

根本副大臣 御質問いただきまして、ありがとうございました。

 合理的な費用を考慮した価格形成を促す食料システム法の四月一日の全面施行に向け、各地域に出向いた説明会や業界団体との意見交換会などを五百回以上実施し、丁寧な説明を行っているところであります。

 また、米、野菜、豆腐、納豆、飲用牛乳について、農林水産大臣が認定した団体がコスト指標を作成することとしており、関係者による団体の立ち上げに向けた準備が進められているところであります。

 さらに、実効性の確保が重要であることから、先行配置した十八名のフードGメンが適切に指導助言等が行えるよう、取引実態に関する調査や研修等を実施するとともに、令和八年度中には四十二名まで増員して体制を強化するところであります。

 これらの取組に加えて、合理的な価格形成に関する取組の浸透には、委員からありましたように、消費者の理解を得ることが不可欠であることから、国においてフェアプライスプロジェクトを展開し、生産現場の実情やコストの高騰の背景に関する理解醸成に取り組んでいるところであります。

 本年度は、新たに、取組として、中学校における出前授業を実施したところであり、消費者理解醸成に向けて効果的な取組を展開してまいりたい、このように考えているところであります。

簗委員 是非、実効性のある運用に向けて、引き続きの御尽力をお願いしたいというふうに思います。

 質問を終わります。ありがとうございました。

藤井委員長 次に、角田秀穂君。

角田委員 中道改革連合の角田秀穂でございます。

 本日は質問の機会をいただき、ありがとうございます。

 早速質問に入らせていただきたいと思います。

 米についてまずお伺いをしたいと思うんですけれども、米の販売価格、今年二月二十三日の週の平均価格は五キロで四千七十五円と、年明けから少し下がってきているものの、ほぼ横ばいで推移をしており、米価格の高騰が続いていた一年前とほぼ同じ水準です。四月からは食料システム法が全面施行されます。合理的費用に基づいた価格の形成を推進するとしていますけれども、今後、米の価格はこうしたことも踏まえて下がるのか、この水準で落ち着いていくのか、また、今後の価格動向についてどのように見ているのかというのを伺いたいと思います。

 あわせて、米の供給が再び不足する事態への備えとして備蓄米の確保、買戻しについてもどのように進めていくのか、併せてお伺いしたいと思います。

鈴木国務大臣 御質問ありがとうございます。

 まず、米の価格につきましては、需給バランスなど、民間の取引環境の中で決まっていくものであるため、今後の価格の見通しについて予断を持ってお答えすることは困難であるということを御理解をいただきたいというふうに思います。

 その上で、食料システム法の下で、食料の持続的な供給が行われるよう、生産、加工、流通、販売の関係者により、合理的な費用を考慮して作成されるコスト指標のイメージが先日公表されましたが、その取組を通じまして、生産者と消費者の双方の理解が得られる価格が形成されていくということを期待をしているところであります。

 また、先生からお尋ねの政府備蓄米についてでありますが、昨年中止をした政府備蓄米の買入れを再開をすることといたしております。令和八年産米について、まず二十一万トンを買い入れるべく、作付の状況も踏まえつつ準備を進めております。また、主食用として売り渡した約五十九万トンについて、今後の需給状況等を見定めた上で買戻しを行うこととしており、食料安全保障の観点からも、着実に備蓄水準を回復させてまいりたいと考えております。

角田委員 今年一月の消費者物価指数は、総合で対前年同月二・〇%の増ということですけれども、生鮮を除いた食料品については六・七%の増。米に限らず食料の価格上昇が続いていて、これが国民生活を今圧迫をしています。

 改正食料・農業・農村基本法では、食料安全保障を基本理念の柱として位置づけ、この食料安全保障というのは、国全体としての食料の確保に加えて、国民一人一人の入手の観点も含めたものとして、良質な食料が合理的な価格で安定的に供給され、国民一人一人がこれを入手できる状態というふうに定義をされております。

 合理的価格の形成、特に持続可能な生産を実現するために、生産から消費まで各段階の人々が納得できる価格の形成のために、この四月に食料システム法が全面施行され、合理的費用に基づいた合理的価格形成のため、また、納得の裏づけとなるコスト指標の作成であるとか、フードGメンによる取引状況の把握などが目指されているわけですけれども、合理的な価格の形成を進める一方で、その価格では手の届かないという人も含めて、一人一人が食料を入手できる環境の整備、これが今強く求められています。

 まず、一人一人が食料を入手できる環境づくりのために具体的にどのような施策をこれから進めていこうとしているのか、この点についてまずお伺いしたいと思います。

坂政府参考人 お答え申し上げます。

 経済的理由によりまして十分な食料を入手できない方が増加していると考えられるなど、食品アクセスの問題が顕在化している中で、平時から国民一人一人の方が食料にアクセスでき、健康な食生活を享受できるようにすることが重要であるというふうに考えております。

 このため、農林水産省におきましては、多様な種類の食料の提供に向けまして、地方公共団体や食品事業者、物流事業者、フードバンクなど、地域の関係者が連携する体制づくりを支援しているほか、フードバンクや子供食堂の取組につきまして、食品の提供の質及び量の充実に向けた支援を実施しているところでございます。

 引き続き、生活困窮者への支援などを行っている関係省庁とも連携いたしまして、食品アクセスの確保に向けてしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

角田委員 全国フードバンク推進協議会の調査では、物価高の影響により食の支援を必要とする世帯が急増している、その一方で、食品企業や一般世帯からの食品寄附が減少しているフードバンクが増えているとされております。

 子育て世帯の一二・一%が食料を買えない経験をしているとの調査結果もあり、貧困等の状況にある子供に対する食料アクセスの確保も、行政や食料システム全体で考えて取り組んでいかなければいけない、こうした課題だと感じております。

 そのうち、主食である米については、備蓄米の子供食堂、フードバンクへの無償での提供が行われ、拡充も図られてきていることについては感謝をしたいと思いますが、この無償提供は、食糧法第四十九条一項、政府は、政令で定めるところにより、主要食糧の交付又は貸付けを行うことができるとされ、食糧法の施行令第十五条で、法第四十九条一項の主要食糧の交付は、地方公共団体その他農林水産大臣が適当と認める者が主要食糧を試験研究又は教育の用に供しようとする場合に行うことができる、この規定にのっとって、教育のうちの食育の一環として提供されているというのが現状だと思います。

 食育というのは、農水省のホームページによると、生きる上での基本であって、知育、徳育及び体育の基礎となるべきものと位置づけるとともに、様々な経験を通じて食に関する知識と食を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てるものというふうにされています。

 今、現場が求めているのは、食料を入手できない方に対する支援です。食料安全保障確保のため、現に食料を買うことができない子供、家庭に対する支援を通じて一人一人が食料を入手できる環境整備のためには、この政令の規定自体も見直すべきではないかというふうに考えておりますけれども、この点について見解を伺いたいと思います。

山口政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、政府備蓄米につきましては、食糧法上、米穀の供給が不足する事態に備えることを目的としております。そういうことですので、低所得者世帯などへの支援を目的とするものではございませんが、この備蓄米を活用する形で、食育の観点から、子供食堂、フードバンクなどへの無償交付を特例的に実施しているところでございます。

 このような中、本年につきましては、昨今の物価高を踏まえまして、今年度に限りまして、子供食堂などにつきましては、年間の申請回数の上限を五回から十二回に引き上げ、フードバンクにつきましては、年間の交付数量の上限を五十トンから百トンに引き上げるなどの運用を実施しているところでございます。

 委員御指摘の生活困窮者などへの支援のために政府備蓄米の無償提供を拡充することにつきましては、備蓄米というものが米穀の供給が不足する事態に対応したものという位置づけからいたしますとなかなか難しいと考えておりますが、本来の備蓄米の目的が損なわれない範囲内で、生活困窮者支援を行っているほかの省庁などと連携して、適切な運用を図ってまいりたいと考えております。

角田委員 基本法の柱である一人一人の食料安全保障の確保のためには現行の規定のままで本当によいのか、この点、是非、私自身は見直すべきだと考えておりますけれども、では、それ以外にどのような方策が考えられるのか、また、どのようなときにも全ての人が必要な食料を入手できる、そうした仕組みについて是非これはまた考えていただきたいということを要望をさせていただきたいと思います。

 次の質問に移らせていただきたいと思いますけれども、中山間地域の振興に関して幾つか質問をさせていただきたいと思います。

 今、大臣の所信において、農業生産にとどまらず、洪水防止や生物多様性の保全など多面的機能を維持する上でも重要な中山間地域について、これまでの政策ではその衰退を止めることができなかった反省を踏まえて、若い世代が地元に残って農林水産業に携わろうと思ってもらえる環境をつくるとして、食料生産の基盤である農山漁村を維持していくため、関係省庁と協力して人口急減地域への支援を強化するとしておりますけれども、まさに、農業政策だけではなくて、関係省庁がより一層連携をして、地方創生への取組、これは待ったなしの課題だというふうに考えています。

 日本の人口は、二〇〇八年のピークを境に人口減少時代に突入して、もう十五年ぐらいになりますけれども、地方の減少は既にそれ以前から進行しています。地方創生が叫ばれて久しくなりますけれども、令和五年の将来推計では、出生、死亡とも中位の場合で、二〇五〇年には四分の一以上の市区町村で総人口が五千人未満になると推計をされております。地方の人口減少を食い止めることは、これは今後も難しいと思います。

 一方で、我が国の農業生産は、産出額ベースで見た場合、人口五万人未満の市町村が約六割、うち一万人未満の市町村が二割近くを担っています。食料安全保障の確保のためにも地方創生は待ったなしの課題であって、耕地面積、生産額とも四割を占める中山間地域を人口減少の中でこれからいかに守っていくのか、国が本腰を入れて取り組まなければいけない問題です。

 最近のニュースとして、北海道の北見市が、上水道の給水区域を面積で五五%削減する方針を先月二十六日の市議会に説明したという記事がありました。給水区域の縮小の大きな理由は、人口減少による水道事業財政の悪化です。

 人口減少に対応して、住居、商業、金融、教育などの機能を狭いエリアに集約するコンパクトな町づくりを目指す方向に今ありますけれども、その際、中山間等の人口の少ない地域のインフラをどのように維持していくのかということが課題となります。

 ここでは水インフラに絞って伺いたいと思いますけれども、まず、今後、人口減少が深刻な市町村で同様の給水区域の縮小の動きが加速することが懸念をされますけれども、まず、水道法改正で廃止の手続が明確になった令和元年十月以降で、給水区域を縮小した事業体はどれだけあるのか、伺いたいと思います。

松原政府参考人 お尋ねの件につきましては、国土交通大臣の水道事業経営の認可を受けた水道事業者が水道事業の一部を廃止して給水区域を縮小した件数につきましては、令和元年十月一日以降において四件でございます。

角田委員 水道の給水区域は、水道法六条、国土交通大臣の事業認可の申請に当たって事業計画書に記載すべき事項と定められており、変更の場合も国土交通大臣の認可を得ることになっています。

 そして、十五条において、水道事業者は、事業計画に定める給水区域の需要者から給水契約の申込みを受けたときは、正当な理由がなければ、これを拒んではならないと定められています。これは、裏を返せば、給水区域から外れてしまった地域では新規の給水契約の申込みは拒めるということになると思います。

 昨年、中山間地域の稲作の現場を視察した際に、離農する人から、受託面積が年々増えており、対応も限界というような話を伺いながら周囲を眺めてみると、結構家が立ち並んでいるじゃないかというふうに思いながら眺めていたんですけれども、実はあそこの家は空き家です、向こうの家も今人が住んでいませんというような説明をいただいて、過疎化が進行しているということを改めて実感をいたしました。

 ここで確認のために質問しますが、かつては給水区域であった地区が給水区域外になった場合、新規に就農しようと既存の空き家を改修して住もうとして新規の給水契約を申し込む場合、法律上、水道事業者はこれを拒むことができるのかどうか、お伺いしたいと思います。

松原政府参考人 水道事業者は、水道法上、先ほど委員からも御指摘のあった事業計画に定めた給水区域内の住民等に対して給水を行うこととなっておりますので、給水区域を縮小することに伴い給水区域外となった区域については、給水契約を締結することは想定しておりません。

 なお、一度給水区域から外れた区域であっても、水道事業者が地域の実情等を踏まえて改めて給水区域とすることとした場合には、申込みを受けて給水契約を締結することになります。

角田委員 要するに、どうするかは水道事業を経営する市町村の判断、それに委ねられるということになろうかと思います。

 上水道の給水区域外に新たに居住しようとする人は井戸を掘って飲み水を確保しろということになろうかというふうに思います。実際にそれで飲める水が確保できるかどうかは、井戸を掘ってみなければ分かりません。水を保健所に持ち込んで、お金を払って検査してもらわなければはっきりしません。

 地方自治体が実施した水質検査、この結果では、大体二割から四割前後が飲用不適、飲めないとなっております。ある県の調査では、五〇%の井戸が飲用不適というような調査結果も出ております。

 飲用不適の原因となって最も多いのは、一般、大腸菌群であるとか、また多いのが、硝酸性窒素、亜硝酸性窒素の基準超過です。硝酸性窒素、亜硝酸性窒素は、多くの場合は肥料であるとか家畜の排せつ物由来で、そうした畑作や畜産の盛んな地域で特に見られる傾向があります。

 飲み水が確保できないところで、農業をこれから頑張ってといっても、これはやはり無理な注文であろうというふうに思います。

 水道法では、水道事業は市町村が経営することを原則としており、給水の可否は市町村の判断に委ねられるということになります。

 水道法の目的である、清浄にして豊富低廉な水の供給を図り、もって公衆衛生の向上と生活環境の改善とに寄与するために今の仕組みのままでよいのか。特に、給水人口五万人以下の水道事業の認可は都道府県知事が今行うこととなっておりますので、これからは、国とともに都道府県がもっと関与する仕組みにしていかなければいけないというふうにも思っております。

 ここでは国の対応について伺いたいと思いますけれども、中山間など今後特に人口減少が進む地域の水インフラの確保についてどのように進めようとしているのか、また、システムの形態、実施主体についてはどのように考えているのか、お伺いしたいと思います。

松原政府参考人 お答え申し上げます。

 人口減少や施設の老朽化、災害の激甚化が進む中、将来にわたって水道を確保していくためには、水道事業者が地域の実情に応じて、これまでの集約型システムと分散型システムを適切に組み合わせていくことが重要であると考えております。

 分散型のシステムにつきましては、新しい技術が開発されており、その信頼性や維持管理の在り方、経済性を検証するために、珠洲市などで小規模分散型水循環システムなどの新技術の技術実証を進めているところです。

 また、集落単位で設置する小規模な水道施設や、浄水場から集落内のタンクに浄水を車両などで運ぶ運搬送水については、集約型システムとの費用比較や維持管理の容易性など、分散型システムを導入する上で考慮すべき事項を取りまとめた手引を年度内を目途に策定する予定でございます。

 さらに、令和八年度予算案において、水道事業者が水道事業として分散型システムを導入する際に必要な計画策定や小型浄水施設の整備などを財政的に支援する制度を盛り込んでいるところです。

 このような技術的、財政的支援を通じて、水道システムの集約型と分散型のベストミックスを実現することで、強靱で持続可能な水道を構築してまいります。

角田委員 ありがとうございます。

 こうした分散型システムを検討して、技術開発も進めていただければと思うんですけれども、肝腎なのは、そういったシステムのメンテナンスを一体その地域で誰がやるのかという問題なんですね。

 令和五年の決算統計によれば、給水人口規模三万人未満の自治体では、水道事業担当職員数が十人未満となっています。事業規模が小さくなるほど技術職員の占める割合が小さくなっていく傾向があって、特に人口一万人未満の自治体においては一団体当たり技術職員が一を下回るなど、小規模自治体においては技術職員がゼロというところも存在をしております。

 また、地域の住民でつくる民間の組合水道、こうしたところなども、住民の高齢化で今後の維持管理が難しいというところも多く存在をいたします。

 極力メンテナンスフリーのシステム、そうした方向で考えていただきたいと思いますけれども、小規模システムの維持管理についてはどのように考えているのか、お伺いしたいと思います。

松原政府参考人 水道事業に携わる職員が減少する中で、特に小規模な水道事業者においては、日々の維持管理が困難となるおそれなど、事業の持続性に課題があるものと承知しております。

 このような水道事業の執行体制を確保するためには、複数の地方公共団体が専門職員を広域的に確保し、最適配置を可能とする自治体間の広域連携、地方公共団体の人員不足を補完するために、民間のノウハウや専門人材を活用する水の官民連携を進めることが重要であると考えております。

 また、DX技術を活用した遠隔監視装置や維持管理の負担の少ない浄水処理装置などの技術開発と実装を進め、小規模な水道システムにおける維持管理の効率化、省力化を図っていく必要があると考えております。

 国土交通省としましては、こうした取組を進めるため、台帳システムや資機材の仕様の統一など、複数自治体による一体的な事業運営である自治体間の調整を進める上での留意事項等を解説したマニュアルの整備、一体的な事業運営に大規模な都市が参画するよう、これらの都市に対する財政的インセンティブを付与する補助制度の創設、分かりやすいDX技術カタログの取りまとめ、維持管理が容易な装置の技術実証などの技術的、財政的な支援によって、小規模な水道システムの適切な維持管理の確保を図ってまいります。

角田委員 ここからは農水省にちょっとお伺いしたいと思いますけれども、これから、中山間の農業生産を維持していくためには、縦割り的な取組では困難で、地域の課題群、今言った水インフラを含めて、ほかにも、荒廃農地の再生であるとか買物の支援、バイオマス、エネルギー供給など、こうした地域の課題群を解決するための取組をする多角的な事業体の育成も課題ではないかというふうに考えています。そのための実施主体について、いろいろ考えられますけれども、あくまでも農業を守るという視点から、多様な取組を支援する仕組みを整えていくこと、これを考えることが大事だと思います。

 今、中山間地域等でコミュニティーの機能を維持するため、農村RMOの形成が図られております。令和十一年度までに、中山間地域で九戸以下の集落を有する市町村のうち農村RMOが活動している市町村の割合、これを二五%とする目標を掲げてその推進を図っていますけれども、農業を主体とした活動を行う農村RMOの現状と目標達成に向けての課題をどのように捉えているのか、お伺いしたいと思います。

根本副大臣 御質問ありがとうございます。

 中山間地域では、人口減少、高齢化が進み、農地保全や共同活動が困難になってきていることから、農林水産省では、令和四年度から農村RMOの形成を推進しているところであります。

 令和六年度時点で、中山間地域で九戸以下の集落を有する全国の市町村数は八百十一市町村でありますが、このうち農村RMOが活動している市町村は五十五となっており、割合で申し上げれば、約七%にとどまっているところであります。

 農村RMOの形成に当たっては、農業者のみならず、自治会等の地域の関係者との連携が必要であることから、関係者間の調整や、活動継続のための人材、資金の確保が課題となっているところであります。

 このため、農村RMOの立ち上げに係る関係者による将来ビジョンの策定や、外部人材と連携した農地保全の取組などの実証事業を通じた活動継続体制の構築などを支援するほか、地域での活動が円滑に進むよう、都道府県レベルにおける伴走体制の構築支援などを行っているところであります。

 これらの取組を通じて、食料・農業・農村基本計画に掲げた令和十一年度までに二五%というKPIを達成できるよう、農村RMOの形成を推進してまいりたいというふうに考えております。

角田委員 農村RMOについては、活動するメンバーの高齢化、また、農家と非農家の連携であるとか、専門知識を有する、今お話ありましたけれども、人材難、こうした人の問題、それからもう一つは、収益性が低くて、資金的に活動の持続性を確保することが困難といった、お金の問題から自立して運営を継続することが困難ということが特に大きな課題であろうというふうに思っております。

 何よりも、人材をどう地域に呼び込むのか、その受皿をどうつくっていくのかが、今問われている問題だろうと思っています。中心になるのはやはり食料安全保障であって、農業です。現在、農業を営む主体には、個人、法人、組合等、様々ありますけれども、例えば、農地所有適格法人について、売上高要件であるとか議決権要件など今行われている規制について、地域課題の解決に資する事業、こうしたものを営む場合には要件を緩和するなり、他省庁と協調した支援を行うなりして、地域課題解決のための事業主体を育成していくことも考えるべきではないかというふうに思っております。

 食料安全保障を中核に据えた地方創生戦略、これは地方の主体性に任せるだけでは進まないと思いますので、国が積極的、重点的に、そして戦略的に施策を展開していかなければいけないというふうに考えていますけれども、この点について見解を伺いたいと思います。

松本政府参考人 お答えいたします。

 農村は、農業の持続的な発展の基盤たる役割を果たしております。食料安全保障の確保におきましては、農村の活性化を図ること、これは誠に重要と受け止めております。

 このため、委員からの御指摘にもありますように、地域の農業法人を含む農村内部の方による地域課題解決の取組が重要と考えており、農業、農村に継続的に関わる農村外部の多様な人材の拡大の取組とも併せまして、その活性化を図っているところでございます。

 具体的には、農林水産省におきまして、それぞれの地域において、共同で行います水路、農道等の保全活動や、地域で取り組む鳥獣被害防止対策等の課題の対応について支援を行いますほか、関係府省と連携をいたしまして、伴走支援や補助事業の活用など、国としましても、現場の目線に立って、地域ごとのオーダーメイドの取組の後押しが今後とも重要であると考えております。

 引き続き、関係府省の地域振興に関する施策を総動員いたしまして、国としまして施策を展開し、地域の活性化を進めてまいりたい、このように考えております。

角田委員 人口減少が今後も当分続く中で食料安全保障を確保する、そのために、特に人口減少が深刻な中山間を含む地方の活力の維持をどう図っていくか、やはり、そのための人材の受皿、それを農業を中心につくっていく必要があるんだろうという思いから、今回このような質問をさせていただきました。

 そうした受皿を作った上で、人材をいかに呼び込んでいくのか、ここが最も肝腎なところで、知恵を結集していかなければなりません。

 このことについては、引き続きまた議論をしていきたいと思いますので、今日は、時間となりましたので、以上で終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

藤井委員長 次に、庄子賢一君。

庄子委員 中道改革連合の庄子でございます。よろしくお願いいたします。

 大臣、あしたで東日本大震災からちょうど十五年ということになります。冒頭、大臣から、福島、能登に足を運んでいるというお話がございました。福島の復興なくして日本の再生はないと総理もおっしゃっているとおり、一層、是非注力をお願いしたいと思っております。

 先週、私も福島で住民懇談会をやってまいりました。国は、二〇二〇年代をかけて帰還を希望する住民を帰還させるという方針を示しています。帰還困難区域を解除して特定帰還居住区域を設定する、こういうものでございます。ただし、宅地だけ除染をしても、元々、例えば二反歩でも三反歩でも、狭いけれども田畑を耕していたという方にとってみると、宅地だけ除染されても帰れないんですね。やはり自分たちが耕してきた田んぼ、畑、こうしたところも併せて帰れるような環境整備をしていただかないといけない、こういう声も先週伺ってまいりましたので、是非引き続き注力をお願いを申し上げたいというふうに思います。

 その上で、質問に入らせていただきます。

 まずは、消費税の問題についてでございます。

 農水省の統計によりますと、全国の経営体のうち、年間売上げ一千万円以下が全体の約八割を占めているということでございますので、その多くが免税事業者であろうというふうに思います。食料品がゼロ%ということになると、非常に大きな影響が懸念をされています。

 この問題は衆議院予算委員会でも質疑があって、総理からもお答えが出ておりますけれども、売上げになっていた消費税がゼロになっていく一方で、仕入れにかかっている、例えば農薬にしても肥料にしても農機具にしても、この負担が増えるおそれがありますし、還付といっても、還付されるまでの間の資金繰りをどうするかという課題もございますので、農家の皆様からは大変大きな不安が広がっている、これは大臣の耳にも当然入っていることと思います。

 詳細はこの後の国民会議で決めていくということになって、その後、国会に法案が出てくるということになるわけでありますけれども、現時点において、生産者の皆様のこの問題に対する不安が払拭できるように是非大臣から強いメッセージをお願いをしたい、この場で是非御発言をお願いしたいというふうに思います。

鈴木国務大臣 御質問ありがとうございます。

 今の点は、まず申し上げますと、農業者の多くは、免税事業者や簡易課税事業者となり得る売上高五千万円以下の小規模な経営体でありますことから、食料品の消費税率ゼロについては、今先生からも御指摘がありましたけれども、資材購入時などに負担した消費税について円滑に還付を受けることができるのかといった声があることは承知をしております。また、課税事業者であったとしても、還付を受けるまでの資金繰りをどうするのかといった声があることも、私自身にも多くの皆さんからお話をいただいているところであります。

 食料品の消費税率ゼロの実施に向けて検討すべき諸課題については、一つ一つ丁寧に社会保障国民会議において議論を行い、結論を得ることとされております。

 農林水産省としては、農業者や食品関連事業者といった特に不安を多く抱えている、お持ちの方々から、一つ一つ謙虚に丁寧にお話を伺いながら、こうした御不安が解消されるように適切に対応してまいりたいと思いますし、必ずそうしたことについては万全の対応をさせていただきたいと思います。

庄子委員 国民会議の議論というのはなかなか見えにくいところもありますので、是非大臣からのそうした発信を続けていっていただきたい、そういうふうに思います。

 次に、中東情勢の問題についても重ねて大臣にお尋ねをさせていただきます。

 アメリカとイスラエルによりますイランへの攻撃、その後、それに伴う中東情勢の変化、悪化、これがエネルギー輸送の要衝でありますホルムズ海峡が今事実上封鎖をされているという状況を生んでいます。こうしたことが長期化した場合に、我が国の農林水産業において、燃料の調達あるいは燃料価格の上昇といった点を中心に不安が広がっているわけでございます。事実、イランの沖合、ペルシャ湾には四十隻以上の日本船籍の船があるということも確認をされているわけであります。

 加えて申し上げると、有事のドル買いといったことが言われるように、今も円安基調ですが、より一層円安が進行していくことによる物価高騰、こういった懸念もございまして、農水省としては、この問題についてよりアンテナを高くしていただいて、経済的支援、この具体的な検討に是非入っていっていただきたい、そう考えておりますけれども、大臣の所見を伺います。

鈴木国務大臣 お答え申し上げます。

 まず、原油等の需給や価格について、また為替の件も今先生から御指摘がありました。これについては、やはり世界経済やエネルギー需給等、様々な要因の影響を受けますし、日々刻々と状況が変わっているというふうに認識をしておりますので、今後の動向について予断を持ってお答えすることは難しいわけですが、ただ、農林水産業に与える影響をやはり我々はしっかり注視をしていかなければなりませんし、先生がおっしゃるとおり、アンテナを高く張っていきたいというふうに考えております。

 農林水産省としましては、燃油等の価格が高騰した場合に、経営への影響を緩和するための補填金を交付する制度や、農林漁業者が日本政策金融公庫から借り入れる農林漁業セーフティネット資金等に対する金利負担軽減の措置を講じておりまして、引き続き、農林水産業に従事されている皆様に安心して経営を継続いただけるよう、これは農林水産省だけではなく政府全体としてしっかり取り組ませていただきたいと思います。

 また、国内の経営もそうなんですが、やはり中東地域は今輸出がかなり進んできておりますが、現状、引き続きこのことについても在外公館とも連携を密にして、物流への影響など輸出への影響も注視しつつ、現地事業者の声の収集、分析を行い、適切な情報提供に努めるとともに、輸出先の多角化に向けた市場調査や販路開拓など、必要な支援を行ってまいりたいと考えております。

庄子委員 今おっしゃっていただいたとおり、いわゆる中東から入ってくる油の問題だけじゃなくて、日本から出している例えば緑茶とか牛肉といった輸出の有望株、これが止まってしまうということについての懸念もありますので、是非今おっしゃっていただいた対策を一層強化をしていただきたいというふうに思っております。

 そこで、食料安定供給に懸念が広がっている中でもありますので、リンとか塩化カリのことについてもここで伺っておきたいんですけれども、令和四年、経済安全保障推進法が成立をいたしまして、肥料が特定重要物資に指定をされました。今現状、リンそして塩化カリについては年間需要量の何割程度備蓄をされているか、伺います。

山口政府参考人 お答え申し上げます。

 肥料の備蓄数量の水準につきましては、令和三年に中国から原料輸出が予期せず止まり、原料供給国としては我が国から最も遠方にあるモロッコから緊急な調達を行った際に、発注から我が国到着まで二・五か月を要したこと、備蓄原料の品質を維持し得る期間であることを踏まえまして年間需要量の三か月分という形で設定しているところでございます。

庄子委員 それで十分かどうかという評価についてはこの場ではしませんけれども、令和四年に作ったものでありますので、今の国際情勢に鑑みて、柔軟な対応も是非お願いをしたいということだけは申し上げておきたいというふうに思います。

 次に、農地の集積、集約の課題について伺いたいと思います。

 農地の集積ということを伺うに当たっては、地域計画の策定状況、これを確認をさせていただきます。二五年四月時点で、千六百十五市町村の一万八千八百九十四地区で策定がされています。課題は、この計画区域内の農用地など四百二十二万二千ヘクタールのうち、将来の受け手が位置づけられていない農地が三二%を占めているという実態でございます。

 この地域計画の現状について、大臣の所見を伺いたいと思います。

鈴木国務大臣 お答え申し上げます。

 地域計画は、様々な人間関係がある中で、地域の多くの関係者の意見を調整する必要があり、難しい作業であるということが現実であろうというふうに思います。ですので、現時点では、将来の地域農業の姿を明らかにするまでは至らなかったという地域が多いのも、私としては事実だろうと受け止めています。

 特に、私も様々な地域で、私の地元も含めて、この地域計画はどういう話合いをしているかとお伺いするんですが、当然、世代によっても地域の農地の使い方にかなり意見の隔たりがあったりしますし、また、やはり担い手が明らかに少ないといった地域はどうしたらいいか分からないといった声もあるのも事実だというふうに思っております。

 ですので、地域計画は一度策定して終わりではありませんで、農業者の意向を丁寧に把握しながら地域の本音の話合いをやはり継続していく、そして、それによって完成度を高めていくことが重要であるというふうに考えております。

 昨年も大分これは議論しましたが、農林水産省として、こうした地域計画のブラッシュアップ、これを後押しするために、なかなか当事者同士では難しいという課題があれば、我々は第三者でありますから、職員が市町村に直接出向いて、現場の課題解決につながる方策を一緒に考えていく取組を展開させていただいておりますし、農家負担ゼロの基盤整備事業や、地域ぐるみで取り組む農地の集約化の支援、また、地域外から担い手を呼び込むための支援などを講じているところでありまして、引き続き、一歩一歩これが前に進むように地域の取組を推進してまいりたいと思います。

庄子委員 やはり大臣がおっしゃるように、素で、本音でぶつけてみたところ、三割、三分の一程度は担い手が見つからないというのが今のありのままの状況の数字なんだろうというふうに思います。これからのブラッシュアップがとても重要だというふうに思います。

 そうしたことを考えたときに、単に一回できた地図をもうちょっといいものにして担い手を見つけていこうという図面上のやり取りだけではなくて、加工とか直販とか農泊とか六次化、スマート農業、こうしたものが立体的に地図上に可視化できるように、この集落の収益構造はどういうものなのかということが見える化できるようにブラッシュアップをしていくということが極めて重要ではないかというふうに思っておりまして、今後の取組について見解を伺いたいと思います。

小林政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のとおり、地域計画におきまして、将来の農地利用の姿を明確化した目標地図を作成するに当たりましては、その前提として、地域の話合いに基づきまして、地域農業の将来像を関係者間で共有しておくということが重要でございます。例えば、どのような作物を作って、どのように収益を上げるのかといった地域農業の将来の在り方についても、地域計画で明確化しておくことの意義は大きいと考えてございます。

 実際に、六次産業化でありますとかスマート農業の導入等の方針を明らかにした地域計画も作成されているところでございますが、農林水産省といたしましては、こうした地域農業の将来の在り方が明確化された地域計画が横展開されますように、職員が現場に出向くなど、都道府県とともに市町村による地域計画のブラッシュアップをサポートするほか、地域計画で明確化された地域農業の将来の在り方の実現に向けまして、産地づくり等の各種補助事業による支援も講じているところでございます。

庄子委員 ブラッシュアップがとても大事なんですが、それを主導していく市町村、自治体には本当に人材が不足しています。今、最後にちらっとおっしゃっていただいた農水省ももちろんだし、県もバックアップをということなんですが、広域自治体の県の役割というのは結構これから大きくなっていくと思いますよ。市町村に任せておくと、本当にやりたいブラッシュアップができない、余りいい計画にアップデートできないということを招いてしまいますので、是非県も巻き込んでしっかりと対応をお願いしたいというふうに思っています。

 農地の集積ということについて申し上げると、従来目標にしてきた八〇%はまだ旗を降ろしていない、堅持はしている、ですが、三〇年度までに七〇%ということで、比較的現実的な目標値を引き直したわけでございます。今、直近の集積率は六一・五%でありますので、三〇年度、三〇年までに七〇%というのは、低いようで実は高いハードルとも言えるかというふうに思っております。

 このラストワンマイルというべき集積の推進、これについてどういうふうに取り組んでいかれるか、具体的に伺いたいと思います。

小林政府参考人 お答え申し上げます。

 食料・農業・農村基本計画におきまして、二〇三〇年までに担い手への農地集積率七割を目指すこととしております。

 目標達成に向けましては、地域計画のブラッシュアップ、これが鍵になると考えておりまして、地域の農業者の意向を丁寧に把握して、現況地図を基に地域での話合いを進め、将来の農地利用の姿を一筆ごとに明確にして目標地図に落とし込んでいく、こういった取組が不可欠だと考えてございます。

 こうした取組が現場で進むように、農林水産省の職員が市町村に直接出向き、現場の課題解決につながる方策を一緒に考えていくなど、国や都道府県としても地域計画のブラッシュアップをサポートするとともに、こうした地域計画に沿って、地域ぐるみで取り組む農地の集約化の支援等を行うことにより、基本計画で掲げた目標の達成に向けて取り組んでまいりたいと考えてございます。

庄子委員 農水省の職員の皆さんに出向いていただくとしても、約一万九千計画あるわけですので、全部をカバーすることは当然できないわけですから、そういう意味でいうと、中間管理機構、農地バンクの役割は極めて重要になってくるというふうに認識をしております。

 この農地バンクの役割なんですけれども、これまでは、どちらかというとというか、かなりと言ってもいいと思うんですが、手続が煩雑、スピード感がないということで、利用率は上がらない、決して評判がいいバンクではありませんでした。しかし、ここが軸にならないと、集約化、集積化とかは進んでいかないのは明らかなので、農地バンクに対する体制の強化、あるいは権限の強化等については今どのように考えているか、伺いたいと思います。

根本副大臣 質問ありがとうございます。

 農地の集積、集約化については、将来の農地利用の姿を明確にした地域計画を策定する市町村と、地域計画に基づいて農地の権利移転を行う農地バンクが連携して推進していくことが重要であり、農地バンクは、集約化を目指す地域計画の実現に向けて、農地を積極的に借り入れ、担い手に再分配する機能を十分に発揮する役割が期待されているところであります。

 このため、農水省といたしましては、人件費を含めた農地バンクの運営費に対する支援、それから農地バンクの農地相談員の現場活動に対する支援、そして農地バンクが農地を借り入れ、受け手に貸し付けるまでの間の農地の保全管理に対する支援、こういったものを措置しているほか、事務の効率化に向けたシステム導入の支援等を講じて、引き続き農地バンクの機能が発揮できるよう、しっかりサポートしてまいりたいというふうに考えております。

庄子委員 したがいまして、地域計画作りに農水省の皆さんが入り込むということももちろん重要ですが、農地バンクがどれぐらい機能的に動いているかということについて、しっかり現場に入っていただいて指導をしていただくということも、今の御答弁を聞いていて、そっちも大事だなというふうに感じました。是非御検討いただいた上で、バンクが果たす役割が、期待される役割は大きいという今の趣旨でしたので、その期待されている役割をちゃんと果たせるように是非進行管理を含めてお願いを申し上げたいというふうに思っております。

 この問題の最後に、集積と集約ということについて、似ている言葉なんですが、実は全然意味合いが違っている部分があって、いわゆる集積率というのは、耕地面積を担い手が利用している面積で割って百を掛けた数字です。面的につながった集約化率ではもちろんありません。担い手が利用している農地のうち、所有している農地は百二十万ヘクタールで、賃借農地が百十万ヘクタールでございますので、他の農家が耕作できなくなった農地を飛び地のまま預かっているという実態だというふうに言えると思います。

 集積ではなくて集約していかないと、基幹的農業従事者がどんどん減っていく我が国の農業の中においては、食料の安定供給に本当に懸念を抱くしかないというふうに思っておりまして、農地の集約ということが極めて大事な一丁目一番地だというふうに思っておりますので、この取組について伺っておきたいと思います。

根本副大臣 御質問ありがとうございます。

 今委員御指摘があったとおり、今後、担い手の生産性を高めていくためには、担い手が分散した農地をそのまま引き受けるのではなくて、農地を集約化し、担い手が一団のまとまった農地を利用できるようにすることが不可欠だというふうに考えております。

 農地の集約化につきましては、まずは、地域計画のブラッシュアップを通じて、出し手と受け手の意向を把握しながら地域で話し合い、集約化に向けた将来の農地利用の姿を一筆ごとに明確化していくこと、それから、地域計画に基づき、農地バンクが借り入れた農地を集約化して担い手に再分配することにより進めていくこととしております。

 このため、農林水産省といたしましては、職員が直接出向くなど、市町村による地域計画のブラッシュアップをサポートするほかに、農地バンクを通じた集約化に取り組む地域を対象とした農家負担ゼロの基盤整備事業、さらには、地域ぐるみで取り組む農地の集約化の支援などを引き続き行うことによって、農地の集約化を推進してまいりたいというふうに考えております。

庄子委員 これは非常に大事な問題だと思っていますので、引き続き議論させていただきたいと思いますが、集積化、集積率といった言葉の陰で、集約できていないという実態をもっともっと掘り起こして、ここを進めなきゃいけない。農地バンクという言葉が今の御答弁にも何回も出てきているとおり、大事なプレーヤーなので、そこの体制強化、あるいは権限についても是非これから研究をさせていただきたいと思っておりまして、議論を続けさせていただきたいと思っています。

 もう一点は、農泊の推進についてです。

 農泊というと、いわゆる農林水産業の主要事業ではありませんので、そう高いポジションではありませんが、しかし、この農泊の推進というのは、農村地域の持続、農村の保持という点から見ると非常に重要な役割を果たしております。

 私、大臣もそうですが、東北地方には、例えばインバウンドを呼び込みたいといっても、京都や奈良のような寺社仏閣があるわけでもなく、ディズニーのような大きなテーマパークがあるわけでもありません。同じように勝負しろと言われても難しい。けれども、日本の中山間地域には、それらにない資源があり、価値がありますので、農泊というのは、これからインバウンド、あるいは日本人でもいいんですが、観光客、関係人口を伸ばしていくためには重要なファクターだと思っていて、力を入れて取り組んでいく必要があるんじゃないかなというふうに思っています。

 イタリア発祥のアルベルゴディフーゾに代表されるように、地域それ自体が一つのホテル、宿といった発想の中で、海外からの旅行客を呼び込んで成功している実例もございます。日本では、長崎県の平戸市、あるいは私の地元宮城県の蔵王町、こういったところがこうした取組で成果を出しつつございます。

 まず、農泊が持っている農村振興あるいは農家の所得向上といった可能性につきまして、政府の認識を伺いたいと思います。

広瀬大臣政務官 ありがとうございます。

 農泊は、農林漁業者、宿泊、飲食業者など地域の多様な関係者が連携して、地域一体で実施する取組であります、これは御案内のとおり。観光にとどまらない地域全体への効果が大いに期待されると思っております。

 具体的なポイントを申しますと、農山漁村への長時間の滞在と消費を促すことにより、農山漁村における仕事をつくり出し、持続的な収益を確保して地域に雇用を生み出すこと、それから、農林漁業者にとっても、宿泊施設や飲食店等への食材の提供や、農林漁業体験等の役割を担うことを通じて、農外所得も含めた所得向上に資すること、加えて、地域への貢献意欲のある人材など、多様な関係人口を呼び込むことを通じて、地域づくりに参画する者の裾野拡大にもつながること等の可能性があると考えております。

 引き続き、農泊に取り組みたい地域を後押しして、農村地域の振興や農家の所得向上につなげてまいりたい、こう思っております。

庄子委員 ありがとうございます。

 総務省が今検討を進めておりますふるさと住民登録制度とのリンクについてお尋ねをさせていただきたいんですけれども、来年度の後半ぐらいを今想定をしているようですが、一人の国民が十の自治体にふるさと住民として登録ができる、そして、いわゆるその地域のイベント、お祭り、催事に自分も運営側になってその地域を盛り上げていこう、一人の国民が十の市町村まで登録が可能だというプランだそうでございます。

 このふるさと住民登録制度の取組というのは、農林水産業にとっても、農村地域の振興という意味で非常に重要ではないかなというふうに思っておりまして、農泊への誘客にもつながってまいりますから、これは総務省ともよく情報交換をしていただきながら、この登録制度を活用した農泊の一層の推進、あるいは農林水産地域の関係人口の増加、こういったものに是非つなげていっていただきたい、こう思いますが、取組について伺いたいと思います。

松本政府参考人 お答えいたします。

 農泊地域を訪れる方々の中には、単なる観光客だけではなく、地域への貢献意欲、これを持っておられる方が多数おられます。また、農山漁村の課題解決に取り組みたいという民間企業の方々もおられます。このような多様な関係人口が生まれてきており、こうした方々の拡大、定着を図る上におきまして、ふるさと住民登録制度は有効なツールである、このように考えております。

 今後、農泊地域の取組事例や意向についての情報収集を行いまして、総務省とも連携をしながら、ふるさと住民登録制度の活用を含め、関係人口の呼び込みに意欲を有する農泊地域の支援策について検討を進めてまいりたい、このように考えております。

庄子委員 ありがとうございます。

 これで最後の質問にさせていただきますが、大臣が冒頭に所信の中でも、農泊について、関係省庁と連携協力というふうにお話をしていただきました。私も全く同じ考えでございます。

 農泊、あるいは農漁村泊と言ってもいいかもしれませんが、これは国の戦略として是非捉えるべきだというふうに思っておりまして、農水省のみならず、観光庁、総務省、文化庁、環境省といった関係省庁の常設の連絡会議あるいは協議会、こういったものを設置して、国家プランとして取り組んでいっていただきたいな、そんなふうに思います。

 農村振興は農水省、地域振興は総務省、文化財や研究については文化庁、あるいは国立公園は環境省、教育旅行については文科省、これまではばらばらにこうしたものが同時進行で進んできてしまっていて、力が集約できていなかったというふうに思っています。

 本来ならば、私は、農漁村泊推進基本法でも作ってしっかり予算をつけて取り組んでいってほしいなというふうに思っておりますが、一足飛びにそこまでは行きませんので、関係省庁連絡会議、まずはここから組成していただいて、司令塔を明確にし、強化をしていただきたい、こう思いますが、農水省の見解をお尋ねをいたします。

松本政府参考人 お答えいたします。

 農泊につきましては、先ほど政務官からの御答弁にもございましたように、農山漁村の収益を確保し、雇用を生み出すとともに、農林漁業者の所得の向上、生産現場への理解醸成にもつながることから、農村振興のための重要な取組と考えております。

 また、農泊地域への誘客促進に対しましては、交通ネットワーク機能の強化、政府横断的な取組が必要であることから、こうした諸課題につきましては、農泊の振興に限らない地方誘客の推進に向けた共通課題であることから、農林水産大臣も参画されておられます観光立国推進閣僚会議等の場を通じまして、観光庁を始めとしました関係省庁との連携強化をしながら、施策の実現に取り組んでまいりたい、このように考えております。

庄子委員 ありがとうございました。

 終わります。

藤井委員長 次に、関健一郎君。

関(健)委員 日本維新の会、関健一郎です。

 委員長におかれましては、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 また、大臣におかれましては、改めましての就任、祝意を申し上げます。

 先ほど大臣のお話の中で、実は私、中山間地での米農家二年生なんですけれども、大臣の御発言の中で、中山間地域といえども、多様に、全く違う、問題意識も、どういうモチベーションかも全く違いますと。農水大臣、トップがそういう姿勢であることに心から敬意を表しますし、また、私も見習って、現場をしっかり見ていきたいと思います。

 それでは、早速質問に移らせていただきます。さきの委員の方からも同様の質問がありましたが、改めて伺わせていただきます。

 ホルムズ海峡が封鎖をされています。私の現場の声からも、今後何週間かしたら上がっていくんじゃないかという不安とか、タコを捕っている若い漁師さんなんかも、上がっちゃうんじゃないかという不安を抱いていたり、やはり先を見通せない不安感というのは現場でも広がりつつあります。

 農水大臣として、注視していくというのは言うまでもないと思いますが、どういうふうに対応していくか、改めて御所感を伺います。

鈴木国務大臣 御質問ありがとうございます。

 まず、中東情勢ですね。大変緊迫をしておりますし、日々刻々と状況も変わっている、そしてまた、それに応じる形で原油の相場もかなり動いているということについて、我々、一日一日、一時間一時間、しっかり見ていかなければならないというふうに思います。

 そういう中で、特に国内の農林漁業者の皆さんに資材の観点で様々な影響が生じ得るというふうに思っておりますから、そうした場合に万全の対策を講じる、その体制整備、しっかりと省内でも取らせていただきたいと思います。

 また同時に、輸出ですね、中東に輸出をしている事業者の皆さんも影響が生じるかというふうに思いますので、そうした観点でもしっかり状況を注視させていただいて、いろいろな相談に乗っていきたいというふうに思っております。

関(健)委員 ありがとうございます。

 やはり、目先の見通せない不安というのは、生産者の皆様、そして輸出の関係の方々も持っておられますので、その注視という姿勢を改めて明確にしていただきました。ありがとうございます。

 このような国際情勢が不安定な中で、高市総理も鈴木大臣もおっしゃっておられますが、食料安全保障を確保することについての重要性を繰り返し述べておられます。この危機意識を共有する者として質問をさせていただきます。

 台湾から九州にかけての南西諸島、我が国の食料供給の生命線でもあります。戦後最も不安定な状況という危機意識も、自由民主党と日本維新の会の中で共有をできているところであります。そして、食料自給率が三八%という低い日本にとっては、シーレーンが破壊されるなど輸入が止まってしまったときの食料安全保障の確立は急務です。

 そこで、我が国の主食であるお米について質問をさせていただきます。

 米に関して、需要に応じた生産をするという御発言がありました。現状の需要に応じた生産で輸入が途絶えた場合、日本人が飢えない食料の供給をすることが可能なのか、私は不安を、懸念を感じています。国内の需要はおおむね七百万トン、そして、転作されている水田も含めてフルに主食用米が生産されれば九百万トンから一千万トンになると理解をしています。

 そこで、我が国の水田をフル活用して主食用米の生産を行って、国内需要の余剰分については輸出をしていく、そして、万が一有事が発生した際にはその輸出分を国内消費に回す、このような、輸出分をいざとなった有事の際には国内の消費に回していくということに関して、食料の安全保障、この戦後最も不透明な食料安全保障を実現するという段において最適な手段の一つと考えますが、見解を伺います。

山口政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、米につきましては、輸出を中核として需要の拡大を図りつつ、国内の供給力を強化していくということが、食料安全保障の確保のために極めて重要な課題になっていると認識しております。

 一方、需要がないにもかかわらず、単に輸出用の生産を拡大すれば、販売できなかった米が国内で供給され、結果的に供給過剰になる、その結果として、米価が生産者の再生産や再投資が困難な状況まで低下するという懸念も一方であるところでございます。

 こうした観点を踏まえまして、まずは、政府自らが輸出促進や米粉の消費拡大などの国内外の需要の創出を図って、米のマーケットを拡大していく、その上で、米のマーケットに見合った形で、国内主食用、輸出用、米粉用など多様な米の増産を進めていくことで、必要な水田を維持しまして、食料安全保障の強化を図ってまいりたいというふうに考えてございます。

関(健)委員 ありがとうございます。

 ちょっと関連でお話をさせていただきますが、需要がないにもかかわらずという御発言がありました。今、おっしゃるとおり、需要の創出に海外で苦しんでおられるということは認識をしていますし、私もその需要創出の取組に関しては全力で背中を押したい心境です。

 その上で、世界の小麦とか大豆、トウモロコシに比べて、米の市場というのは、極めて脆弱で、量が少ない市場でもあります。具体的に言えば、インドが世界一の輸出国ですけれども、自分の国のちょっとした生産量のアップダウンで輸出を止めてしまうとか、そういうことがあるわけです。

 ですから、潜在的に、もちろんジャポニカとインディカという差はありますけれども、世界全体として米の潜在的な需要というのは多いというふうに私は考えていますし、データがそれを示していると思います。ですから、さらに、より多くの、日本の米の潜在的需要を広く発掘をしていくことを強く期待をしていきます。

 そして、ちょっとこれも関連なんですけれども、需要の創出に関して、これはずっと、私が二十年前に御省を担当したときから皆さんが御努力されていることだと思いますが、今回は違うぞ、需要創出に向けて特段の思いがあるということがあれば、是非御発言ください。

山口政府参考人 お答え申し上げます。

 食料・農業・農村基本計画におきます、米、パック御飯、米粉、米粉製品の輸出、これを二〇三〇年に三十五・三万トン、九百二十二億円とする目標を掲げているところでございます。

 現時点で、二〇二五年度で約四・八万トン、金額ベースでいうと百六十億というようなところでございますので、意欲的に我々も取り組んでまいりたいというふうに考えておりますが、この間も、直近五年間でいきますと、約二・三倍、金額ベースだと二・六倍ですね、輸出が拡大しておりまして、この背景には、海外における日本食レストランなどの増加に伴う需要の拡大があるものというふうに認識しております。

 三十五万トン、九百二十二億という二〇三〇年目標の達成に向けまして、日系に加えまして、現地系のスーパー、レストランなどの新しい販路、商流の開拓、あるいは、グルテンフリーの米粉、有機米、米加工品など付加価値を持つ商品のプロモーション強化、こういうことを一生懸命取り組んでまいりたいというふうに考えております。

 大臣からも、大臣のイニシアティブで、農林水産省内に設置した農林水産行政の戦略本部の中に、米の需要創造ワーキンググループというのを設置していただいておりまして、ここで、輸出を含めた米の新しい需要開拓の方策につきまして検討しているところでございます。

 ちょっと答弁が長くなって恐縮なんですが、例えば、アメリカにおきまして、米粉製品の日本の独自の技術を生かした商品の訴求ですとか、あるいは、アメリカでも人材不足、人件費高騰を背景に、外食、中食のオペレーションの簡素化、効率化、こういったニーズがあるので、冷凍おにぎりや冷凍すしといったところの商機も拡大しているというふうに考えておりますので、こうした商流の構築に向けまして、事業者と連携した取組を進めてまいりたいというふうに考えております。

 こうした課題に対応すべく、農林水産省の我が農産局におきまして課長級の米穀輸出促進官という組織を、予算が許せば設置させていただきまして、生産から消費の一連の関連の対策を、政府が前面となって、事業者と協力しながら推進してまいりたいというふうに考えてございます。

関(健)委員 ありがとうございます。

 今、御指摘、御説明いただきましたけれども、やはり、オーガニックすし米とか、あとはおにぎりを含め、日本米の潜在需要というのはどんどん増えていて、私はこの前ちょっとバングラデシュに行ったんですけれども、どちらかというと、彼らが好きなのは長いお米なんですけれども、だんだん所得が上がってくるとやはり日本の米が食べたいと。こんな、かめみたいなのでスーパーに売っているんですけれども、町中の、所得が高い町になると日本米が大きく幅を占めていて、やはり、そういういろいろな所得が上がってくると、恐らく、日本米のチャンス、ジャポニカ米、日本のお米のチャンスというのは徐々に増えていくんだと思います。そして、私も、何度も言いますけれども、輸出、需要創出は全力で後押しさせていただきますので、更なる加速をしていただきたいと思います。

 そんな中で、今御説明いただいた総量という意味では、私が申し上げた輸出を調整弁として、食料安全保障の強化という意味では、なかなか量的にはつらいのかなという認識があります。

 今のままでは食料安全保障に資するという量には及ばないと思いますが、今後どのように取り組んでいくのか、御所感を伺います。

山口政府参考人 お答え申し上げます。

 我々、やはり米につきましては、食料安全保障の観点からいっても、国内供給体制の維持というのが当然不可欠な課題だと考えておりますので、まずは、先ほど申し上げましたとおり、需要の拡大というのを精いっぱい図ってまいりたいというふうに考えております。

 一方で、それを実現するためにも、国内においては、例えばカリフォルニア米などに伍していけるように、生産コストの低減というのも非常に大きな課題であると考えておりますので、農地の大区画化による基盤整備ですとか、多収米の普及による生産コストの低減、あと、スマート農業、低コスト生産技術の導入なども積極的に進めまして、輸出産地の形成を始めとする産地の育成に積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。

関(健)委員 ありがとうございます。

 今、お米の、水田の話がありました。改めてお伺いしますけれども、僕も、せっかくやるんだからと思って、自分できっちり勉強したり、いろいろな人に聞いたりするんですけれども、水田がそもそも持つ能力というのが改めてすばらしいものなんだなと。景色ももちろんそうですけれども、水分をためておける、そんなのもすごいと思いますが、改めて、水田が国土に果たす役割というのがどういうものがあるのか、教えてください。

松本政府参考人 お答えいたします。

 水田を始めとしました農地につきましては、農業生産の基盤であり、食料安全保障の確保において重要な役割を果たしますとともに、農地や用水路が多様な生き物のすみかとなり、生物多様性を保全する機能、農地は雨水を一時的に貯留し、下流の洪水を防止する機能、土壌に浸透しました水が地域の自然や生活を支える地下水として蓄えられる機能といった多面的な機能を有し、国民生活、国民経済の安定に重要な役割を果たしている、このように認識しております。

関(健)委員 ありがとうございます。

 そういう国土の安全保障としての機能もありますし、また、毎日歩いていく中で水田が姿を変えていくというのも日本の季節を感じるという役割もありますし、今回初めて田植をしたとき、子供たちがやるわけですけれども、初めて自分たちで、お米が白い状態であると思っている子供も少なくありませんので、やはり水田というものが子供たちの身近にあるというのが一つ大きな役割なのかなということを改めて感じました。そういう意味でも日本の水田というのが引き続き次の世代にも継承をされていくということがとても大切だと思いますが、大臣に最後お伺いして終わります。

 大臣の所信の御発言の中でも、米の生産を抜本的に向上させつつという御発言がありました。食料安全保障の観点からも、主食用米について大規模農家への更なる集約化を加速させること、若しくは単収を向上させるための品種改良などの技術支援、具体的なことを行っていくということで食料安全保障に寄与する、若しくは急激な農業構造の変化にも対応できるような政策を進めていくことが必要ではないかと考えます。

 改めて、大臣の御所見、方策について意気込みをお願いいたします。

鈴木国務大臣 御質問ありがとうございます。

 まず、農業者が急激に減少していくなどの構造的な変化が予想される中で、米の安定供給体制を維持強化していくためには、生産性の向上、これが不可欠であります。

 主食用のお米は様々な作り方をしていて、要するに、収量を減らして品質を向上させて高く売るというやり方もありますし、要は、いっぱい取ってそれなりの値段で売るというやり方もあります。ですから、様々な状況に対応しなければならないんですが、一般論として、生産性の向上を申し上げると、農地の大区画化等の基盤整備、農地の集積、集約化、そして官民を挙げた多収品種等の普及、開発の拡大、そして、スマート農業や直播栽培などの導入、定着などの取組により、米の低コスト生産を強力に推進していくこととしておりまして、稲作農家が意欲を持って生産できる環境の整備に注力をし、我が国の食料安全保障の強化に努めてまいりたいというふうに考えております。

 それ以上に、私自身大事だというふうに考えているのは、さっき局長の答弁ではちょっと、何というか、輸出についての気合が感じられませんでしたので補足をして申し上げますと、やはり、輸出は、さっき先生からバングラデシュのお話がありました、私たちが思っている以上にマーケットが潜在的にはあるんだというふうに考えておりますが、ただ、誰がどのようにしてそれをこじ開けていくかということが、まだ大きいところはできておりません。

 これまで私たち政務三役の出張も、振り返ってみれば、やはり日系の、日本産の米を扱っているところを中心に状況を見ていく、若しくは話合いをしていくということが中心だったのを、これからは、政務三役、もし海外出張がありましたら、必ず、これまで扱っていないところ、特に現地の資本で大きいところ、そこと交渉をさせていただくということを基本に、気合を入れて結果を出していきたいというふうに思っております。

関(健)委員 大臣、ありがとうございました。

 私も、輸出に関しては課題がたくさん、農水省のという意味ではなくて、海外で継続して物を売るということの難しさは多分皆さんが一番感じておられると思います。

 やはり、日本だったら、スーパーの一番売れるところに何かを置きたかったら、ずっと営業マンが行って、ここに置かせてくださいよということをやるわけですね。アジアでも、例えばシンガポールで日本のイチゴはすごい価格で売れるんですといっても、実は継続するというのがめちゃくちゃ難しくて、そのときはニュースになるけれども、では次の年はどうですか、継続して売っていますかとなるとなかなか難しい。

 恐らく大臣はその辺りのことを頭に想像されて今の御発言だったと思いますが、おっしゃるとおりで、現地で、どうやって一定のロットを継続的に輸出していくかということが課題、そこが大臣の今の気合の入った御答弁の中の背景にあるんだと思います。ですので、販路の確保、そして中長期的なコミュニケーションというのが恐らく輸出の鍵になっていくんだと思います。

 私も、日本の農産物の輸出を支援する農林水産委員の一員として、しっかり後押しをしていきたいと思います。

 終わります。ありがとうございました。

藤井委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午前十一時四十九分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

藤井委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。村岡敏英君。

村岡委員 秋田県出身、国民民主党の村岡敏英です。

 鈴木大臣が就任されてから農林水産委員会の方では初めての質問ですので、よろしくお願いします。

 先週といいますか、日曜日、大臣は秋田に行かれたそうです。私は、予算委員会の地方公聴会で岩手に行っておりました。岩手に行って地方公聴会で、予算委員会のこと、様々な質疑をやり取りしたんですが、その中で、終わってからいろいろな方が、東北で久しぶりに農林大臣が出たということで、是非東北の農業を頑張っていただきたいということを言われましたので、冒頭にお伝えいたします。

 そして、秋田に行っていただいたのが、秋田も県北が非常に豪雪でありました。農業被害があり、果樹を中心に大きな被害となりました。大臣、視察していただいて、豪雪地帯のこの果樹の被害の状況というのはどうだったでしょうか。

鈴木国務大臣 御質問ありがとうございます。

 まず、今回の大雪の被害に遭われた全ての方々に、改めてお見舞いを申し上げたいというふうに思います。

 一昨日、私は、秋田県大館市の梨園、そして青森県黒石市のリンゴ園にお伺いをさせていただきました。特に、私も生産者の皆さんと現場を確認させていただきましたが、大館においては梨の棚ごと潰れてしまっている現実であったりとか、また、大きな幹が左右に裂けてしまっているという現実を目の当たりにしまして、これは今年の作柄にも当然影響を及ぼすという深刻な被害が生じているということを私自身しっかり認識させていただきました。

村岡委員 視察していただいて、ありがとうございます。

 梨園もありますし、また秋田にリンゴ園、実は、この雪害以外に、熊の被害が非常に大きかったんです。熊に食べられてしまって、そして木も倒されたりしているところもあって、そういう意味では非常に厳しい状況がありますので、引き続き是非お願いしたい、こういうふうに思っております。

 そしてもう一つ、中山間地域の方々とお会いしたと聞いております。その中で、その方々が大臣から、担い手になっていくにはどのぐらいの所得があればということで何かお話をしたように聞いているんですけれども、どんな反応だったのか、教えていただければと思います。

鈴木国務大臣 お答え申し上げます。

 まず、先ほどの雪害の被害につきましては、今後、対応をしっかりやらせていただきたいというふうに思っております。特に、現場の皆さんから、初めてあのぐらいの被害が出たということで、正直、割れてしまった幹も、修復をした方がいいのか改植をした方がいいのかということの判断も難しいものがあるというお話もお伺いしましたので、その辺は専門家を派遣をさせていただきまして助言をさせていただきたいと思いますし、改植が必要ということになりましたら、その辺の取組についても支援をさせていただきたいと思います。

 また、鹿角市で、山間部の集落で農業を営む皆さんと意見交換をさせていただきました。特に、若い生産者の皆さん、GI登録をされているかづの牛をつくっている、短角牛をつくっている生産者でありましたけれども、やはり人が極端に少ない中で、斜面における草刈りや水路の維持が大変といったお話を伺ってきました。彼らは二人とも別に仕事もありまして、要は兼業で地域の農地を維持をしているというお二人、私と同世代のお二人でありましたが、やはり人が減る中で、どういうふうにすればもっと管理がしやすくなるのか、ちょっと手を加えればいいのではないかといったような、現場ではどうなのかという踏み込んだ議論をさせていただきました。

 実際、これから秋田県の方でも、どういったことを取り組めば、そういう次の世代の皆さんが引き続き中山間地域の農地を、これからも農業生産ができるのかということで議論させていただきたいというふうに考えております。

村岡委員 大臣がそういうふうな形で現場に行っていただけるというのは、本当に農業をやっている人たちは励みになりますし、そして、中山間地で兼業をやっている人もたくさんいるんですね、兼業の収入ということの両方を合わせてということはありますが、しかし、農業が赤字になってまで、ほかの仕事に食い込むとこれはできなくなりますので、その点は是非考えてこれからも対策を取っていただきたい、こう思っております。

 そして、次に、米のコスト指標が出ましたけれども、このコスト指標はどのような価格で出たんでしょうか。

山口政府参考人 お答え申し上げます。

 米のコスト指標につきましては、米穀機構におきまして、昨年十二月から、生産、流通、販売の各段階の関係者に学識経験者も加わっていただき、精力的に議論を進められ、三月六日に関係者で合意を得たというふうに承知をしています。

 各段階の、例えば生産段階のコスト指標は二万四百三十七円、これは玄米六十キロ当たり、そういう形でございまして、集荷、卸、小売、それぞれごとに玄米六十キロ当たりのコストを算出して、この四段階の合計のコスト指標としては、玄米六十キロで三万三百三十五円という形で出されていると承知しております。

村岡委員 今コストが出ましたけれども、これは、何のためにこのコストを出したんですか。

山口政府参考人 お答え申し上げます。

 このコスト指標につきましては、なるべくコストを見える化して、それに基づいて取引を進めていただこうという趣旨で、食料システム法に基づきまして我々は制度として設けたものでございまして、これを議論をして作られたということでございます。

村岡委員 コスト割れを回避する指標だということでこれを作り上げたと思います。今までなかったわけですから、大変大切な指標だと思います。

 そこで、大臣にお聞きしたいんです。

 前の石破総理のときには増産という言葉、今、鈴木大臣になって需要に応じたと、これは大臣の所信とかそういう形にも表れています。農家にとって、このメッセージが混乱していないかどうかということが心配なわけです。

 そして、大臣は見られていると思いますけれども、日経の社説で、「コメ農家の生産努力抑える食糧法改正」という記事を見られたかどうか分かりませんが、日経新聞なんです、農業新聞ではありません。

 そこに書いてあるものの中で、備蓄のことを書いてあるんですけれども、備蓄は、今三十五万トンですか、そういう状況で、百万トンまでは積み増しをすると思いますが、増産というときに、海外に輸出するといってもなかなか簡単に伸びていかない、そういう意味では、今、生産できる人たちに需要に応じてといって抑えるんじゃなくて、生産能力がある地域にはある程度作ってもらう、そのときの需要の部分は備蓄でもできるんじゃないか、備蓄を増やすべきじゃないか、将来、農業者が少なくなっていく、そして農地を守って生産していかれる方が少なくなる、そのときのために、増産というメッセージの中で余り需要を言うと、どんどん生産意欲がなくなるんじゃないかということが日経新聞に書かれています。

 そして、その中で、結果、農家がいなくなると消費者も困る、さらには生産者もいなくなる、日本全体が主食がなくなって困る、だから、今、農林省が主食の米を守るというところの中の部分のメッセージがぶれているのはよくないんじゃないかということが書かれていますけれども、大臣はどう思われるでしょうか。

鈴木国務大臣 まず、村岡先生にもよく御理解をいただきたいのは、我々として、米については、基本計画で二〇三〇年に向けて増産をするということで書かれておりますから、その方向性でしっかり進めさせていただきます。

 しかしながら、重要なことは、米といっても、主食用もあれば、もちろん輸出向けもあります、そして米粉用というのもあるし、餌用のお米もあるし、稲を作るという意味でいうとWCS、畜産の粗飼料になっていくというものもあろうかと思います。また、酒米だって、今回は足りないという事態になっておりますよね。

 ですから、実は、主食用の需要と酒米の需要と米粉用の需要とどうなのかということをしっかりと我々もメッセージを出しながら、そして生産現場の皆さんにもそれを共有していただきながら、しっかりとそれぞれの需要に応じた生産というものをすることによって、この国全体の水田でお米が生産ができていくということが私たちが目指すべき方向だというふうに思います。

 今、日経の社説でいろいろ書かれておりますように、備蓄を需要として、要は、じゃぶじゃぶという言い方がいいかどうかは、そこまでは書いていないと思いますが、買入れをしたらいいのではないかということでありますが、これは過去の歴史が証明をしておりまして、過去、昔は食管時代がありました、そのときには、政府備蓄が数百万トンまで積み上がるという事態になりました。行き先のないお米を、過剰米を処理をするのに数兆円単位の税金を投入しております。

 そういった観点から、私たちとしては、その方向性はちょっと取り得ないのではないかというふうに考えております。

村岡委員 別にじゃぶじゃぶ買えとは書いていませんけれども、輸出なんですよ、輸出の奨励でお金もつけていますけれども、輸出を伸ばしていくのに少し時間がかかる、その時間がかかるときに生産者がいなくなってしまう可能性がある、そこを少し考えなければならないと思っています。

 そして、大臣が言うとおり、主食用米だけじゃなく、加工用米であったり、飼料米は少なくなりましたけれども、飼料米であったり、いろいろなことの多様的な業務用米もありますし、そういうメッセージもしっかりと生産者に伝えていただきたい、こう思っています。

 そこでなんですが、先ほど大臣からも言っていただいた酒造好適米、米価の高騰によって酒蔵の人たちは非常に困って、非常に高い値段で買って赤字になっているところもたくさんあります。そして、米も集められないという酒蔵もあります。

 日本の国酒でありますから、農産物を輸出していこうというときには、やはりお酒というのはついていくものだと思っているんです。例えば、イタリアやフランスが食材をどんどん世界に売っていったときには、ワインが同時についていきました。同じように、日本酒というものは、日本食を売っていくときについていくものです。

 しかし、酒蔵自体が倒れてしまうようでは、当然、日本酒の文化が失われてしまう。去年は、地域の戦略の中で、酒蔵までお金をつけていただいたということはありますけれども、これは簡単に農林省がつけるわけにもいかない。そうなれば、やはり生産者にしっかりと、作っていただくときの補助をしていかなければならないと思っています。特に、酒造好適米は、やはり普通の米よりも特殊な作物でありますし、そして転用ができないということですから、作る人たちも、技術も持ち、しっかりと契約栽培をしていかなければならない。

 今後、農林省が酒造好適米に対してどのような支援を考えているか、教えていただければと思います。

根本副大臣 御質問ありがとうございます。

 酒造好適米の生産量は、これまで九から十万トン程度で推移しておりましたけれども、今般の米価高騰を受けて、令和七年度産は八万トン程度と、前年産よりも約一割減少する見込みとなっております。

 今後、酒造好適米の安定的な生産、供給を図るためには、酒米の生産者と実需者との長期安定的な取引を進めていくことが重要であるというふうに考えております。

 このため、農林水産省では、これまで、生産者団体と酒造組合の情報交換の場を設け、両者の連携強化を図ってきたところでありますが、これに加え、令和八年度予算において、新たに、酒米農家に対しても、実需者との取引年数に応じて最大三年間で十アール当たり三万円を支援するとしたところであります。

 さらに、輸出用の日本酒の原材料を含む新市場開拓用米については、その生産拡大を図るため、最大十アール当たり四万円を支援をしているところであります。

 日本酒は海外でも非常に人気の高いことから、酒造好適米の安定的な生産、供給が図られるよう、その作付状況も注視しつつ、農林水産省においてもしっかりと産地と業界を後押ししてまいりたい、このように考えているところであります。

村岡委員 農家の方々も、この十アール当たり三万円というのは一定の評価をされています。しかし、ほかの加工用米より低いんじゃないか、まだまだそういうこともお聞きしますので、やはり特殊な、酒造好適米でほかに転用できないということですから、是非、ユネスコ文化でもあり、日本の食材を売るためには日本酒輸出、これを進めていく上にも大切な酒造好適米に対して農林省が一層の応援をお願いしたい、このように思っております。

 次に、今、構造改善を進めていくという中で、共同利用施設の再編、合理化、これに係る支援を充実させるということで進めています。この共同利用施設の再編で、採択したものもあれば採択していないものもあると思いますが、今、全国でどのぐらいの申込みが来ているものでしょうか。

山口政府参考人 お答え申し上げます。

 共同利用施設の再編、集約、合理化支援につきましては、昨年十二月までに二百三十四施設の再編などを伴う事業計画を承認したところでございます。

 今回、七年度の補正予算に係る第一回の要望調査では、昨年同時期と比べ、約三倍の百件を超える事業申請が届いているところでございまして、現在、速やかな事業実施に向けて、申請内容の審査を行っているところでございます。

村岡委員 大変充実して、五〇、五〇じゃなく、県や市町村も出せば六〇、あと更にいろいろなことを検討されているということの話も聞いていますが、やはり共同施設を造るところというのは資本が足らない。

 やはり充実した応援がないと、実際に、例えばカントリーエレベーターでも、いろいろな共同施設が立ち上がらないという状況があるので、是非これは市町村にも説得をして、その地域の産業、農業を守り、そして、それが県の発展にもつながるということも農林省の方から言っていただきながら、県、市もお金をしっかり出していただくようなことをやっていただきたいと思いますが、大臣から一言。

鈴木国務大臣 要するに、都道府県に上乗せ支援をお願いするということだというふうに思いますが、今回の措置の中では、都道府県若しくは市町村が上乗せでやっていただいた場合は、地財措置も有利なものをしっかりとやるということになっておりますから、そういったことも周知徹底を図って、現場の基盤が底抜けしないように我々は努力させていただきます。

村岡委員 是非進めてください。五年間の集中の、構造改善を進めるというところの一番の肝だと思っていますので、是非お願いしたい、このように思っております。

 次に、これもちょっと秋田の話題なんですが、秋田でスマート農業を、地方創生交付金事業によって二〇二一年から五年間、事業費十六億円をかけてスマート農業の技術開発ということをやりました。準天頂衛星の「みちびき」を使った農業用のドローンを組み合わせたスマート農業をやろうということで実証実験をやったわけです。

 この実証実験自体は農林省が直ではないとは思いますが、そのいろいろな実証実験の結果を受けて、農林省はスマート農業というのはどのように進めていくつもりなのか、お答え願えればと思います。

根本副大臣 御質問ありがとうございます。

 農業者の減少、高齢化が進む中、生産性を向上させ、食料の安定供給を図っていくためには、先生御指摘のスマート農業の推進が不可欠だというふうに考えております。

 先ほど先生から御指摘のありました、秋田県下において、産学官連携の下、令和三年度から今年度までの五か年間、地方創生交付金を活用し、県下の様々な営農類型にスマート農業技術を導入して効果的な利用方法や経営分析などを行う大規模な実証事業が展開されていることは承知しているところであります。

 その中で、御紹介がありましたドローンで水稲直播を行う実証実験は、準天頂「みちびき」を活用し、高精度に飛行ルートを制御したドローン直播を行う技術が体系的に整理され、普及され、マニュアル化されている、こういうふうに認識しております。

 農林水産省におきましても、規模拡大のボトルネックになる春作業を省力化するドローン直播は重要な技術と考えており、その目標面積は定めておりませんが、こういったことをしっかりとやっていくということが大事だと思いますし、横展開ということも含めてしっかりとやっていく、そのことに期待をしているというところであります。

村岡委員 ドローンを使って種をまいたりするのを聞いてみますと、今までは数メートル単位で誤差が生じていたそうなんですが、この実証実験によって数センチまで縮小したそうです。そうなると、相当コストが下がってくるんですね。先ほどの米のコスト指標なんかという部分では、コストを下げることも非常に大事なので、是非農林省、様々なところで多分この実験というのはやっていると思うんですが、それを取り入れてほしいと思っています。

 その中で、先ほどお話の中で出てきた直播なんですけれども、どのぐらいまで進んでいるという認識でしょうか。

山口政府参考人 お答え申し上げます。

 水田の直播栽培につきましては、委員御指摘のとおり、省力化に向けて非常に大切な技術になっているというふうに承知をしております。

 令和五年産で、ちょっと古いデータではございますが、全国で約三・九万ヘクタールの取組が進められておりまして、全水田作付面積の約三%という形になってございます。

村岡委員 大臣、そこでなんですけれども、全国で直播や、また乾田直播まで挑戦している人たち、こういう方々はいろいろな技術やノウハウを持っていると思うんです。また、失敗したこともいっぱいあると思うんです。是非その知見を、全国から直播に挑戦している人たちを集めて、一緒に、ほかの地域がそれを参考にできるような、こういうものを何かつくっていただきたいと思っているんです。秋田の直播の人も、自分だけで苦しんでいる人が結構いるんです。やはりそういうものを是非農林省の方でつくっていただきたい、こういうふうに思っておりますが、どうでしょうか。

鈴木国務大臣 実証された技術や作成されたマニュアルも含めまして、様々な技術の導入の実例について情報収集をするとともに、スマート農業技術については、早期実装に向けて、令和七年度補正予算や令和八年度当初予算で、スマート農業機械、技術を導入し、栽培体系の転換を行う取組を支援することとしております。

 引き続き、今先生から御指摘のあった全国の皆さんと情報共有を図ってということも含めて、地方自治体、官民の研究開発機関などとしっかりと連携をさせていただいて、スマート農業技術の普及を推進してまいりたいというふうに思います。

村岡委員 直播に挑戦している人たちの中で、二十年やって成功している人もいれば、四、五年目で大失敗したという人たちもいるんです。でも、なかなかその技術が共有されていないので、農林省が主導でやっていただき、コストを下げていくというところに一番これは活用されるべきだと思いますので、是非よろしくお願いいたします。

 そこで、次の質問なんですが、予算委員会で高市総理にお聞きしました食料自給率一〇〇%。これは国として、私が例に挙げたのが、フランスの元大統領、ドゴール大統領が、食料の自給のない国は真の独立国家とは言えない、その思いと一緒だと思うんです。ただ、今三八%からすぐというのは難しいことで、総理も、輸出も含めてそのようになりたいということを言っていましたが、その中で、飼料作物、トウモロコシであったり、いろいろな飼料作物全般を是非伸ばしていきたい、こういうふうに言っておりました。

 大臣は、食料自給率、今、五年かそこらで一〇〇%ということは私も考えておりませんが、どういうところを伸ばして自給率を上げていきたいという方針を持っているのか、教えていただければと思います。

鈴木国務大臣 ありがとうございます。

 まず、今、食料・農業・農村基本計画で自給率をしっかりと上げていくという目標を立てておりますので、それを実現することが一〇〇%に向けた第一歩目かというふうに思っております。

 その中で、我々は、これから農業者が少しずつ減るわけですから、やはり生産性を高めていくということに、要するに、単位当たりの収穫量を、できるだけ多く取れるものは多く取っていくということが基本かというふうに思っています。

 それと同時に、お米について、カロリーが高いといえば、お米は当然高いですから、輸出がしっかりと伸びていけば、その分は国内の自給率ということに換算されますので、そうしたことを併せてやらせていただきたいというふうに考えております。

村岡委員 大臣、それともう一つ、米の高騰によって飼料用米は非常に減りましたけれども、飼料用米に関してはどのように農林省では考えていらっしゃるんでしょうか。

鈴木国務大臣 餌の自給率、これも実は大変大事だというふうに思っていまして、今、二〇二三年度は二七%なんですが、基本計画の目標では、二〇三〇年度に二八%に、引き上げるといっても一%だけなんですけれども、まずそこを餌はやろうということで努力をしております。そうすると、結果として、食料自給率は〇・二%向上ということになります。

 この中で、様々な餌があるわけなんですが、まず、目標達成に向けまして、国産飼料の生産、利用の拡大を図るために、これまで草地の整備改良や耕畜連携の推進などに取り組んできたところでありまして、これらは引き続きやっていきたいというふうに思います。

 また、餌米についても同様でして、特に、餌米を使うことによって肉質がよくなるとか、付加価値を向上できて販売することができているという畜産農家はたくさんおりますので、そうした皆さんとの結びつきをしっかりと深めて、今回、餌米は、主食用の高騰に伴ってかなり面積が減ってしまいました、こうしたこともなるべく避けられるようなことが必要かというふうに考えております。

村岡委員 飼料用の作物というのは大切だと思っております。海外の人から驚かれているのが、日本は飼料用の草まで輸入している、これはやはり自給率が上がっていくためには避けなければならないと思っていますので、是非進めていただければと思います。

 そして、最後に、大臣も今何か花粉症になっているようなことでしょうけれども、昨日でしたか、中道の後藤議員が高市総理に聞いておられましたけれども、高市総理も花粉症に非常に理解があって、花粉症は出歩かなくなり、一兆円以上の経済のマイナス効果がある、当初予算で対策の強化をやるという力強い言葉を言って、予算委員会で拍手が起きたというようなことがありました。

 花粉症には知見が深い大臣がどのように考えられているか、教えていただければと思います。

鈴木国務大臣 御質問ありがとうございます。

 私も小さい頃から、今思い返すと花粉症だったんだなというふうに思いますし、うちの家族も、子供も含めて、大変花粉症に苦しめられている当事者でございます。

 令和五年五月に取りまとめられた花粉症対策の全体像におきまして、まず、令和十五年度までに花粉症発生源となる杉の人工林を約二割減少させる目標を掲げて、同年十月に策定をした花粉症対策初期集中対応パッケージに基づきまして、杉人工林の伐採、植え替えなどを五万ヘクタールから七万ヘクタールに加速をすべく、総合的な対策を推進をしているところであります。

 具体的には、都道府県により県庁所在地周辺の約百万ヘクタールを杉人工林伐採重点区域に設定をしております。杉材の木造住宅への利用促進、耐火構造の技術開発等により杉材の需要を拡大しつつ、同区域における伐採、植え替えを推進をしております。

 加えて、花粉の少ない杉苗木の生産にも力を入れておりまして、令和六年度事業で原種苗木を増産する施設整備を完了するなどにより、杉の苗木生産全体に占める花粉の少ない苗木の割合が、十年前は一割にしかすぎませんでしたが、今は六割まで増加をしてきております。

 引き続き、これはただ全部切ればいいという話じゃなくて、ちゃんと使ってもらわなければなりませんので、それで植え替えは少ないものにしていくというのをしっかりと取り組んで、花粉症を少しでも緩和ができるように努力させていただきます。

村岡委員 もう時間が来ましたので終わりますけれども、三千万人の方が苦しんでいるということなので、是非お願いしたいと思います。

 杉は、秋田杉も三大美林ですので、是非活用していただければと思います。

 これで質問を終わります。ありがとうございました。

藤井委員長 次に、林拓海君。

林(拓)委員 チームみらいの林拓海です。

 今回初めての委員会質疑となります。質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。

 私は、比例東北ブロックから当選をさせていただき、この場で質問をさせていただいております。鈴木大臣、山形が御地元かと思うんですけれども、私も、直近は宮城なんですが、山形でも一年働かせていただいたようなこともありまして、農林水産業が盛んな東北からこの場で質問の機会をいただけることをうれしく思っております。

 そして、まずもって、あしたで東日本大震災の発生から十五年となります。震災によって亡くなられた全ての方々に心から哀悼の誠をささげますとともに、御遺族の方々や被害に遭われました全ての方々に心からお見舞いを申し上げます。

 その上で、質疑に入らせていただきます。

 まず、食料安全保障について質問いたします。

 我が国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中、食料安全保障の重要性は、これまで以上に、最もと言っても過言ではないほどに高まっていると考えています。

 政府として、食料安全保障の重要性をどのように認識しているのか、特に食料備蓄の位置づけについて、大臣の御認識をお伺いいたします。

鈴木国務大臣 御質問ありがとうございます。

 山形にもいらっしゃったということで、またいろいろ御指導、意見交換をさせていただければと思います。

 食料安全保障についての御質問ですが、やはり、世界的な人口増による食料需要の増加、また、気候変動による異常気象の頻発化、そして地政学的リスクの高まりなど、我が国の食料安全保障上のリスクが顕在化をする中で、国の責務として、食料安全保障の確保を図る必要があるというふうに考えております。

 このため、一昨年に食料・農業・農村基本法を改正をし、食料安全保障の確保を基本理念の柱として位置づけております。この基本理念を実現をするために、国内の農業生産の増大、食料供給力をしっかりとアップをしていくということを基本とするとともに、これと併せまして、安定的な輸入及びいざというときの備蓄の確保を図ることを明記をしたところであります。

 今までと違ってかなりリスクが高まってきているのは事実だというふうに思いますので、危機感を持って食料安全保障をしっかり実現させていただきたいと思います。

林(拓)委員 ありがとうございます。

 いざというときに備えて備蓄をしっかりやっていくというところで答弁をいただいたと思います。ありがとうございます。

 では、食料備蓄に関して、現在、どのような品目や、また量で食料備蓄を行っているのか、そして、その設定されている品目や量の設定根拠は何なのか、具体的にどんな事態を想定して備蓄を行っているのか、お伺いいたします。

山口政府参考人 お答え申し上げます。

 我が国では、米及び小麦につきまして備蓄をしているところでございます。

 まず、備蓄量につきましては、我が国で自給可能な米につきましては、十年に一度の不作、作況九二程度、通常程度の不作、九四程度が二年続いた場合にも対応可能な水準として、年間消費量の約一・八か月分に当たる百万トン程度を備蓄しているところでございます。

 また、輸入が八割を超える小麦につきましては、代替輸入先と申しますか、例えば、主要な輸出国、アメリカとかカナダとかオーストラリアになるわけですが、こうしたところで不測の事態、例えば港湾ストとかそういうものが発生し、輸入が途絶した場合に、他の地域からの代替輸入に要する期間などを考慮しまして、輸入小麦の需要量の二・三か月分を備蓄しているところでございます。

林(拓)委員 ありがとうございます。

 現在、米や小麦の備蓄が行われているということを確認できたかと思います。また、それぞれ備蓄の量が、小麦であれば二・三か月分というところで、米に関しても備蓄をしているというところで確認できたかと思います。

 備蓄をしている、どういう状況で備蓄をしなければならないのかという設定根拠として、天候不順であったり、輸入元からの輸出の途絶というか、輸入の途絶があって、代替の輸入先を探す、そういった時間を確保する意味でもその期間の備蓄がなされているということなのですが、これで足りるのか、その設定で十分なのかというところに考えを及ぼしております。

 つまり、大規模災害ですとか、あるいは現在イランやウクライナなど、当初専門家の方でも想定されていなかったような国際紛争など、まさに我が国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中で、仮に日本への食料輸入自体が長期間途絶するような事態が起こった場合についてはどの程度想定されているのか、現状についてお伺いいたします。

押切政府参考人 お答えいたします。

 食料に関して申し上げますと、その供給が大幅に不足をし、国民生活や国民経済に影響が生じる事態、こういうものへの対応のために食料供給困難事態対策法、こちらが措置をされているところでございます。

 同法におきましては、食料の輸入が途絶する事態、こちらも含めまして、供給減少の要因を問わず、あらゆる可能性を想定をしているというところでございます。

 このため、食料安全保障の確保に向け、平時から、備蓄の確保や国内生産の増大などを図るとともに、不測の事態におきましては、その兆候発生が見られた段階から、食料供給困難事態対策法に基づきまして政府本部を立ち上げ、事態の深刻度に応じて各種の措置を講じる、このようにされているところでございます。

林(拓)委員 ありがとうございます。

 あらゆる事態を想定して、その兆候が見られた段階で対策本部を設置してということだったかと思います。

 まさに何が起こるか分からない状況となると、おっしゃるとおり、あらゆる事態を想定してということになるかと思うのですが、今まさに安全保障環境が激変する中で、具体的にこういう事例が、いわゆる国際紛争あるいは大規模災害、こういったことが起きたときにどの程度の量や、また、備蓄をする食品の品目が米と小麦で十分なのかといったことについても是非、検証、シミュレーションについて進めるように御検討をお願いしたいなというふうに思います。

 それでは、次の質問に移らせていただきます。

 我々チームみらいは、最新のテクノロジーを用いて、農林水産業も含めて様々なものを前に進めていくということが重要だと考えています。スマート農業についても、非常に重要だというふうに御答弁いただいているかと思うのですが、このスマート農業の現場実装についてお伺いいたします。

 まさに、今、農業の現場では担い手不足や高齢化が進んでいるという現実は間違いないと思います。だからこそ、効率化や省力化を進めていくスマート農業の推進というものが極めて重要だ。スマート農業の現場実装を進めていきながら、営農でまさに担い手不足や高齢化が進んで困っている現場を助けるような、そういった方向性のためにスマート農業が必要な中で、現状、政府としてどのような施策を進めているのか、大臣にお伺いいたします。

鈴木国務大臣 御質問ありがとうございます。

 委員からも今説明ありましたけれども、農業者の減少、そして高齢化が進む中で、それでもやはり私たちは生産性を向上させて、食料の安定供給、供給力のアップを図っていかなければならないわけであります。なので、少ない人数で農産物の生産量を増やしていく必要があります。また、気候変動によって、これは現場でよく今言われることですけれども、やはり、暑くなり過ぎて、猛暑の中での農作業は大変厳しいものがあるというお話があります。

 こうした課題に対応するためには、AI、ロボットなどの新しいテクノロジーの開発普及や、これらの技術の活用促進のための環境整備の推進が不可欠であります。

 このため、農林水産省では、野菜などの収穫ロボットなどスマート農業技術の開発、そして、農業者や農業支援サービス事業者への機械の導入、また、農地の大区画化や情報通信環境などのインフラ整備、これらに対して支援を行ってきており、こうした取組を通じて、スマート農業の社会実装を推進してまいりたいというふうに考えております。

林(拓)委員 ありがとうございます。

 スマート農業について、やはり政府としても重要視をしているという御答弁をいただいたと思います。

 そして、スマート農業、まさに今おっしゃっていただいたものも含めて、AIやロボティクスの導入も注目されています。現状、こうしたAIやロボティクス、様々導入されつつある部分はあるかと思うんですが、こうした最新技術を活用したスマート農業の現場実装について、特に、農地の衛星画像データ、これをAIで分析をして収穫量を予測する技術があるかと思うんですが、これは国内外でどの程度研究や導入が進んでいるのか、お伺いいたします。

深水政府参考人 お答えいたします。

 海外の場合に、人工衛星データ等を活用いたしました農作物の収穫量の把握といたしましては、例えばアメリカでございますと、トウモロコシ、綿花、あるいは大豆、小麦で人工衛星データを活用した収量予測の取組が行われていると承知をしております。

 我が国におきましては、水稲につきまして、現在では圃場において実測調査を行っておりますけれども、将来的には、人工衛星データ及びAIを活用して、日本全国全ての作付地を調査する収穫量の算定手法への移行を目指していくということを考えておりまして、それに向けて、まず、令和八年度から収量予測等の実証研究を開始するという予定でございます。

 まだ実用化の時期等は現時点でお示しできる状況にはございませんけれども、実証研究を進めて、近い将来に実用化できるように進めてまいりたいと考えております。

林(拓)委員 ありがとうございます。

 まさに今、研究段階にあるというふうにお答えいただいたかと思います。

 これは、アメリカでは小麦等についてかなり実装に近い形で進んでいるという技術かと思います。我が国は、まさに米が農業の中心と言っても過言ではないと思うのですが、水稲に関して利活用、もしこの技術ができるようになれば、広い区画でお米の収穫をするときに、どの区画の生育が遅れているかだったり、この区画で病害虫が出る予兆があるみたいなことをピンポイントで特定しながら、効率的に収穫することができるようになるんじゃないかというようなことも言われておりまして、まさに、見回りみたいなことの、手間というんですかね、必要な作業が省力化できることを進めていけるなんということも言われておりますので、是非、そのほかにも様々なメリットがあると言われているこの衛星画像データをAIで分析して収穫量を予測する技術、強く推進をしていただくようにお願いを申し上げたいと思います。

 それでは、次の質疑に移らせていただくんですが、スマート農業技術に続いて、フードテックについて質問をさせてください。

 フードテックの戦略的推進について、日本成長戦略の十七の重点分野の中にフードテックは入れられているかと思います。十七の重点分野、ほかに何があるかといいますと、AIだったり半導体だったり、まさに日本がこれからやっていくぞという分野の中にフードテックも位置づけられているかと思います。

 フードテック、国際的な競争環境下でも、日本の魅力を打ち出しながら、一つの大きな産業の軸にしていく必要があるのではないかなというふうに考えているんですが、フードテックが、特に新規食品が様々新しく市場に出てきたときに、新しい技術によって新しい食品が生まれるがゆえに、そこに対して新しいルールが必要になるという状況が随時生まれてくる、これを規制の空白というふうにいうそうなんですが、この規制の空白について、つまり、フードテック領域における新規食品の分野で規制の空白が指摘されている状況の中で、ルール整備の現状について、国内外の動向についてお伺いいたします。

及川政府参考人 それでは、お答えいたします。

 委員御指摘のフードテック分野の一例として、例えば、動物細胞を培養して生産される食品であるいわゆる細胞培養食品につきまして、消費者庁では、現在、食品衛生基準審議会において、食品の安全性を確保するためのルールについて議論を進めているところであります。

 海外では、シンガポールや米国などにおいて、それぞれの考え方に基づき、細胞培養食品の流通が認められている場合があると承知しておりますが、国際的な基準の検討は今後議論がなされるものと認識しております。

 細胞培養食品を始めとする新たな技術を用いて作られる食品につきましては、消費者の方々に安心して食べていただくために、今後も引き続き、安全性の確保に努めてまいりたいと思っております。

 以上でございます。

林(拓)委員 ありがとうございます。

 現在、ルール整備について、国際的なルールの状況については、まさに今、様々な議論が行われつつ、安全性の確保について取り組んでいくということでお答えいただいたかと思います。

 フードテックの新規食品、まさに規制の空白というところが指摘されているわけなんですが、規制の空白があるときに、事業者の参入、こういったものが、つまり、どういったルールが整備されるのか、あるのかが分からないからこそ、そこに参入していくのに二の足を踏んでしまうというようなことも指摘されています。

 フードテック、十七の重点分野の中に一つあるという中で、私個人的にも、フードテック、まさに、国際環境下の中でも伍していくような産業に育っていってほしいなと思いますし、そのために私もできることをしたいというふうに思っているんです。

 フードテックのいわばルール作りについて、国際的なルールがこういった食料に関してもあるわけなんですけれども、国際的なルールが形成される過程において、いろいろな産業でいろいろなルールがあるということなんですが、フードテック、まだ国際的な議論がこれからの領域も多いというふうに思っております。だからこそ、こういった国際的なルールの形成において、我が国がフードテックで国際的な厳しい環境下でも伍していくために、このルール作りについて先導していくということで、その方向性を是非お聞きしたいなというふうに思っているんです。

 こうした国際的なルール作りについての現状、動きなどについてお伺いしたいと思います。

河南政府参考人 お答え申し上げます。

 新規食品分野においてどのような製品、技術を打ち出していくかについては引き続き検討しているところでございますが、委員ただいま御指摘いただいた点につきましては、日本成長戦略会議におけるフードテック分野の検討を進めるために設置をされましたフードテックワーキンググループにおきましても、検討課題の一つとして、市場の確保、拡大、創出に向けた対応方策という項目を掲げまして、この対応方策の一つとして、標準化、すなわちルール形成についても記載をしているところでございます。

 現在、フードテックワーキンググループにおきましては、新規食品等のフードテック関連企業のヒアリングなどを進めているところでございますが、ヒアリングの中では、国際的なルール形成に係る事業者の皆さんのニーズも探っているところでございます。

 引き続き、ルール形成の重要性についてもしっかり意識をしながら、フードテック分野における官民連携による投資の促進に向けて、検討を進めてまいりたいと考えてございます。

林(拓)委員 ありがとうございます。

 まさにこれからというフードテックにおける新規食品について、是非、我が国の、十七の重点分野の一つということで、主要産業に育てていくためにもこのルール作り、要は、国内の企業がこういったことを進めていきたい、こういったことがしたいというときに、気づいたら国際的にこういったルールがあったという状況では、我が国からフードテックを一大産業にしていくというところに向けても、そういった規制になるところに我が国としても是非積極的に関わっていっていただきたいというふうに考えております。

 それでは、次の質問に移らせていただきます。

 最後に、改めて、東日本大震災からあしたで十五年というふうになります。福島の復興なくして東北の復興なし、東北の復興なくして日本の再生なし、私も全く同じ思いです。だからこそ、復興に向けて続けてきたこういった様々な取組に新たにテクノロジーを活用する余地もあるのではないかなというふうに考えています。

 AIやロボット等の最新技術を活用した新しい農業の導入を含めて、東北の農業復興を更に加速させることができるのではないかという観点について、大臣のお考えをお伺いいたします。

鈴木国務大臣 お答え申し上げます。

 私も、これまで農林水産副大臣そして復興の副大臣もやらせていただきましたし、今、農林水産大臣として、私、山形だというのもあって、何度も何度も福島には、被災地にはお邪魔をさせていただいておりまして、現場の農業関係者や市町村の首長の皆様から様々なお話、課題感をお伺いをしているところであります。

 その中で、やはり、被災地、特に福島の浜通り、担い手が不足する被災地にあっては、AI、ロボットなどの新しいテクノロジーを取り入れて生産性の高い農業を推進することが重要との認識は強く持っているところであります。

 このため、農林水産省では、まず、AIによる障害物認識機能等を備え、遠隔監視下で複数台のトラクターを運用できるシステムの開発、そして、これはピーマンですけれども、収穫に適したピーマンをAIで判別をして自動収穫するロボットの開発、また、乾田直播や生育データに基づく適正施肥技術などを導入した大規模水田輪作体系の実証などの取組を推進をしているところであります。

 また、福島にはこれから、F―REIが今建設中でありますけれども、研究機関もできますので、そこでは農業の分野も研究するということになっておりますので、やはり福島の浜通りで生産性が最も高い農業が実現できるんだという姿を私としてもつくっていきたいというふうに思います。

 福島の復興なくして東北の復興なし、東北の復興なくして日本の再生なしとの強い決意の下で、東北の農業の復興に全力で取り組んでまいります。

林(拓)委員 ありがとうございます。

 全力で取り組んでいくということで、ありがとうございます。東北の復興、福島の復興、日本の再生、まさに私も進めていきたいと思っております。

 AIやテクノロジー、ロボティクスの技術も含めて、その技術を我々としては非常に重要視しているわけですが、AIやロボティクスを使うことがゴールではないと思っています。こういった最新の技術を活用することで、農業分野におきましても、生産性の向上であったりあるいは省力化、こういったことを進めていきながら、現在農林水産分野で起きている人手不足や高齢化といった課題に立ち向かっていける部分があるのではないかなというふうに考えております。

 質問の中でも申し上げました農地の衛星画像データ、これをAIで分析する技術ですとか、あるいは、フードテック、新規食品といった領域においても、新しいテクノロジーや新しい技術を使って生産性を高めていくような方向性、是非とも引き続きお願いをしたいと思います。

 そして、東日本大震災から明日で十五年となる中で、これまで進めていただいてきた様々な取組を更に加速させるとともに、この間、新しくAIやロボティクスの技術を使える環境が整ってきた部分があるとすれば、それを積極的に生かしながら最新の技術を使っていくというところで進めていきたいなというふうに思っております。

 ということで、チームみらい林拓海、初めての質疑となりましたが、時間にもなりますので、以上とさせていただきます。

 ありがとうございます。

藤井委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後一時五十四分散会


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