衆議院

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第2号 令和8年3月11日(水曜日)

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令和八年三月十一日(水曜日)

    午前八時開議

 出席委員

   委員長 藤井比早之君

   理事 東  国幹君 理事 笹川 博義君

   理事 野中  厚君 理事 平沼正二郎君

   理事 和田 義明君 理事 野間  健君

   理事 池畑浩太朗君 理事 村岡 敏英君

      石坂  太君    伊東 良孝君

      江藤  拓君    門  寛子君

      加藤 大博君    今  洋佑君

      西條 昌良君    鈴木 拓海君

      俵田 祐児君   中川こういち君

      西田 昭二君    西山 尚利君

      葉梨 康弘君    広瀬  建君

      藤田ひかる君    宮下 一郎君

      簗  和生君    山本  深君

      大森江里子君    庄子 賢一君

      角田 秀穂君    渡辺  創君

      柏倉 祐司君    関 健一郎君

      許斐亮太郎君    木下 敏之君

      林  拓海君

    …………………………………

   農林水産大臣       鈴木 憲和君

   農林水産副大臣      根本 幸典君

   農林水産大臣政務官    広瀬  建君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           今井 裕一君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           榊原  毅君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房総括審議官)         河南  健君

   政府参考人

   (農林水産省消費・安全局長)           坂  勝浩君

   政府参考人

   (農林水産省農産局長)  山口  靖君

   政府参考人

   (農林水産省畜産局長)  長井 俊彦君

   政府参考人

   (農林水産省経営局長)  小林 大樹君

   政府参考人

   (農林水産省農村振興局長)            松本  平君

   政府参考人

   (林野庁長官)      小坂善太郎君

   政府参考人

   (水産庁長官)      藤田 仁司君

   政府参考人

   (環境省大臣官房審議官) 成田 浩司君

   農林水産委員会専門員   千葉  諭君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月十一日

 辞任         補欠選任

  庄子 賢一君     大森江里子君

  長友 慎治君     許斐亮太郎君

同日

 辞任         補欠選任

  大森江里子君     庄子 賢一君

  許斐亮太郎君     長友 慎治君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 農業構造転換の推進に必要な施策の集中的な実施の財源に充てるための日本中央競馬会の国庫納付金の納付に関する臨時措置法案(内閣提出第一一号)

 日本中央競馬会法の一部を改正する法律案(内閣提出第一二号)

 農林水産関係の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

藤井委員長 これより会議を開きます。

 議事に入るに先立ちまして、委員会を代表して一言申し上げます。

 本日で東日本大震災から十五年を迎えます。

 改めて、お亡くなりになられた皆様とその御遺族に対しまして深く哀悼の意を表しますとともに、被災地の一日も早い復興を祈念いたします。

 ここに、お亡くなりになられた皆様の御冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと存じます。

 全員御起立をお願いいたします。――黙祷。

    〔総員起立、黙祷〕

藤井委員長 黙祷を終わります。御着席願います。

     ――――◇―――――

藤井委員長 農林水産関係の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として農林水産省大臣官房総括審議官河南健君、消費・安全局長坂勝浩君、農産局長山口靖君、畜産局長長井俊彦君、経営局長小林大樹君、農村振興局長松本平君、林野庁長官小坂善太郎君、水産庁長官藤田仁司君、文部科学省大臣官房審議官今井裕一君、厚生労働省大臣官房審議官榊原毅君、環境省大臣官房審議官成田浩司君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

藤井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

藤井委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。野間健君。

野間委員 中道改革連合の野間健です。

 改めまして、本日、三月十一日、東日本大震災の被災者の皆様にお見舞いを申し上げますとともに、お亡くなりになられた皆様に哀悼の意を表しつつ質問をさせていただきたいと思います。

 大臣所信への質疑ということでありまして、所信の中でも取り上げておられましたけれども、高病原性鳥インフルエンザの対策について、まずお尋ねしたいと思います。

 今シーズンも、二十一例、五百六万羽の殺処分が行われ、昨年、一昨年は史上三番目という大きな被害が出ましたけれども、依然として鳥インフルエンザの猛威が振るわれているわけです。政府におかれても、分割管理でありますとか、いろいろな対処はされてはきているんですけれども、なかなか解決まで至っていないというか、問題は継続したままであります。

 分割管理についても、いろいろ私も農場の皆さんに聞きますけれども、物すごく費用がかかるんですね。一つ大規模にやっているところも、もう一つ養鶏場を造らなきゃいけないぐらいな、人も全部替える、それから、例えば餌を持っていく車も別なものでそこへ行かなきゃいけない、新たなものをもう一つ造るということで、人も足りない、もちろん経営者が造るお金もかかる、なかなかこれは負担が多くて、分割管理はやりたくてもできないところが多いです。ということで、何らか解決策はないんだろうか。

 特に、もし発生したとき、県庁の職員さんたちが殺処分を手伝うわけですけれども、ポリタンクに鳥を入れて、ガスを注入して殺処分するんですけれども、たまには鳥が生き返ってきて出てきたりとか、やはりそういうのがトラウマになって、精神的なダメージを受けている公務員の皆さんも多いです。ですから、やはりそういうことに対してどういう対策をされているか。

 今、報道ベースでは、やはりワクチンの接種、そういったものも考えなきゃいけないんじゃないか、フランスなんかでは一部やっている例もあるということなんですが、どういう対策を今取られているか、教えていただきたいと思います。

鈴木国務大臣 御質問ありがとうございます。

 高病原性鳥インフルエンザは、ワクチンが実用化されている豚熱とは異なりまして、早期発見できなければ、ほかの農場へのウイルスの伝播が強く懸念されるため、全羽殺処分を実施をしてきたところであります。

 一方で、全羽殺処分については、社会的影響だけではなくて、今、野間委員がおっしゃったように、防疫措置に従事する都道府県等に対する大きい影響があるというふうに考えておりますため、農場を複数に分割をし、殺処分羽数を抑制をする分割管理の取組を推進をしてきております。

 今、分割管理を導入済みなのが、家禽について申し上げますと、十一県で二十四農場とまだまだ多いというわけでは全くありませんので、これを少しずつでも分割管理を進めていくということが大事かと思います。

 ちなみに、令和六年のシーズンの発生事例においては、分割管理によることで殺処分の羽数を抑制をすることができておりまして、本来だったら百二十万羽を殺処分しなければならないところを三十六万羽で済んだという事例もあるところでありますので、こうしたことで進めていきたいというふうに思います。

 また、ワクチンにつきましては、欧米諸国でも予防的ワクチン接種の検討が行われていると承知をしておりますが、我が国においても、昨年八月以降、ワクチンの有効性や接種体制など、技術的論点について議論を開始したところであります。欧米諸国での検討状況も踏まえて、ワクチン接種の在り方を検討してまいりたいというふうに考えております。

野間委員 是非何らかの形で、ワクチンなり、対策をお願いしたいと思います。

 続いて、農水省の予算の中で、お茶と一緒に、薬用作物、いわゆる薬草の栽培の促進ということで、毎年十六億ぐらいですか、予算がついているわけですけれども、これはずっとやってきているんですが、生産量等が横ばいといいますか、余り伸びていません。

 御承知のとおり、漢方薬の原料になる薬草ですけれども、漢方薬の消費というか、処方自体は、とりわけコロナ以降、漢方薬は比較的副作用が少ないとか体に優しいということで、需要自体は伸びています。二〇一五年の生産額が千六百七十一億円が、二〇二二年ですと二千三百三十二億円と非常に増えているんですけれども、御承知のとおり、漢方薬の原料の八割が中国からの輸入に頼っているということで、中国依存が依然として解消されない状況が続いています。

 私の地元の鹿児島県でもミシマサイコという薬草を栽培していますけれども、ミシマサイコの場合でも、二年たたないと根とか茎を収穫して薬用にできないということで、非常に時間もかかります。それから、農薬の制限があって、雑草を取ったりするのも手間がかかるということで、社会的には有用な、非常に意義のある栽培なんですけれども、手間がかかってなかなかうまくいっていないのも現状です。また、薬草の栽培用の農業機械の開発も進んでいないといいますか、余り需要が大きくありませんから、なかなか機械の、省力化ということもうまくいっていないというのも現状であります。

 とはいえ、漢方の消費が伸びている中で、中国への依存が長引いて、なかなか解消されていない現状について、これはとりわけ厚労省の所管になってくるかと思うんですけれども、その辺の事情、そして対策を質問したいと思います。いかがでしょうか。

榊原政府参考人 お答え申し上げます。

 漢方薬の原材料であります生薬につきましては、約九割が輸入となっており、これらの供給に支障が生じ得る場合があるという課題については認識しているところでございます。

 厚生労働省では、薬用植物の生産技術等に関します研究をAMEDの枠組みにおいて支援することにより、生薬の国産化に向けて取り組みますほか、農林水産省と連携しまして、薬用植物の産地化を志向します地域の自治体や生産者等に対しまして、漢方薬の市場動向や国内生産の意義等に関する説明会等を行っているところでございます。

 こうした取組を通じまして、引き続き、関係省庁と連携しつつ、国内における薬用植物の生産に向けて適切な支援を行ってまいりたいと考えているところでございます。

野間委員 漢方薬の場合は、ほかの新薬とかと違って、ちょっと例外的なことはあるんでしょうけれども、薬価は改定されないんですよね。下がっていくばかりなんですよね。というのは、新薬もないわけですから、何千年前から漢方薬というのは決まっているので、薬価が高くなるということはないんですよね。

 ですから、そういうインセンティブも働かない中で漢方メーカーは一生懸命やって、しかも需要が増えているということでありますので、これは一朝一夕にできないと思いますけれども、薬価についても、漢方薬は大体安いですから、今、薬価が大きな問題になっていますけれども、漢方をもっともっと普及させることによって、そういった国民負担も減るということでありますので、薬価についてもよく検討していただきたいということは要望させていただきたいと思います。

 続いて、私どもの地元でも、イノシシや鹿、鳥獣の被害が多いんですけれども、これをジビエとして利用しようということで、随分いろいろな捕獲をして、一生懸命皆さんやっているんですが、このジビエ、イノシシ、鹿を捕獲した後の処理、とりわけ残渣の処理について、これは焼却処分にしたり、従来ですと、産業廃棄物ということで、そういった業者さんに持っていって取ってもらっているんですが、地域によっては、これは生ごみじゃないか、ちょっと産業廃棄物で処分できないんだといって、最近取ってくれないことも増えています。

 そういったところで、せっかくジビエで利用して、やっているにもかかわらず、そういう処理の費用が大変かかるんですね。じゃ、焼却の施設を買おうといっても、億単位でかかったり数千万単位でかかったり、あるいはまた年間のランニングコストも相当かかります。

 こういったものへの支援をきちっとしていかないとジビエの利用も増えないわけですけれども、どういう対策をされているか、教えていただきたいと思います。

松本政府参考人 お答えいたします。

 捕獲をいたしました鹿やイノシシなどの解体を行いますジビエの処理加工施設において、皮や骨、内臓などの解体後の残渣については、産業廃棄物となり、事業者が処理することになります。こちらは議員御指摘のとおりでございます。

 ジビエの処理加工施設にとって、この処理負担の軽減は重要な課題となっており、各施設におきまして、皮や骨、内臓の一部などは、ペットフードや皮革製品などに有効活用する、それでも利用できない残渣につきましては、微生物分解などによります減容化処理施設や焼却施設を導入し、廃棄量を減らすといった取組を行う事例がございます。

 このため、鳥獣対策の交付金におきまして、多用途利用に向けました加工設備の導入や商品開発、減容化処理施設の導入などを支援しているところでございます。

 また、減容化処理施設や焼却施設の導入につきまして、山村振興法に基づきまして指定されました振興山村等におきましては、通常、補助率が五〇%以内であるところ、五五%まで引き上げる、このような措置を講じているところでございます。

野間委員 今、五五%ということもお聞きしたんですけれども、大体みんな五〇%だということでなかなか手が出ないということもあるんですが、是非そういったことももっともっと周知していただければありがたいと思います。

 続いて、これも私どもの地元の八代海でしょっちゅう発生する赤潮についてなんですけれども、これも長きにわたっていろいろな赤潮の対策や、また原因の究明をずっとやってこられているわけですけれども、被害は繰り返されています。この原因の究明や、また有効な対策、どんな研究をされてきているのかについてお答えいただきたいと思います。

藤田政府参考人 お答え申し上げます。

 水温ですとか、また豪雨による河川水の急激な流入などによりまして環境が変化しまして、近年、赤潮の発生時期が早く起こる、あるいは長期化するといった状況が見られておりまして、そうした際には、八代海におきまして養殖しているブリやシマアジなどに大きな被害が発生していると承知してございます。

 こうした赤潮による被害を軽減するためには、これまでの研究によりまして、できるだけ早く赤潮の発生を予測する、赤潮による養殖魚のへい死を防ぐための避難区域を設ける、あるいは生けすを大型化する、こういった対策が有効であるということが分かってございます。

 委員が今おっしゃっていただきましたように、農林水産省としましては、これまでも様々な支援を行ってきたところでございます。例えば、委員の御地元でございます鹿児島県について申し上げますと、令和六年度補正予算及び令和七年度補正予算におきまして、モニタリングの体制の強化等に向けた実証試験や赤潮の発生予察、赤潮による養殖魚のへい死を防ぐための生けすの大型化や、生けすを深くするための足し網の導入に向けた取組等を支援しているところでございます。

 引き続き、関係県や漁業関係者と連携しながら、赤潮による被害を最小限に抑えられるように対応してまいります。

野間委員 今教えていただきましたように、いろいろな対策をしていただいています。被害が出たときもいろいろな補償も出ているわけですけれども、これは、補償されてそのときはいいんですけれども、やはり翌年からどうしようかということで、水産業者、養殖業者の皆さんも根本的な解決を求めています。

 とりわけ、今、養殖が、どうなんでしょうか、魚の捕れ高の四割近くを占めるというような状況になっていますし、また、私どもの地元の長島町の漁協では、アメリカ向けのブリの輸出も非常に増えてきているということで、重要な地域の基幹産業でありますので、万全の措置をお願いしたいと思います。

 続いて、野菜生産ということについてちょっとお尋ねしたいんです。

 資料の三で、基幹的な農業従事者の年齢の割合というのがあるんですけれども、これは二〇二〇年の農林業センサスから取ったものですけれども、若い人が野菜の生産、もちろん酪農とかも多いですけれども、稲作等と違って、例えば、このグラフで施設野菜を見ますと、五十九歳以下の人たちが三六%を占めているんですね、また、露地野菜についても二六%。比較的若い人がこういった施設の野菜の栽培や生産に従事しているということで、若い人が入りやすいといいますか、こういう農業に従事する人が多いわけなんですね。

 ところが、いろいろ私も話を聞きますと、これは一般的な印象かもしれませんが、お米とか畜産に比べると、野菜の生産については、確かに価格が変動したときの補填はあるんだけれども、余り支援がないんじゃないか、せっかく若い皆さんが夢を持って生産に入るんだけれども、どうもほかのものと比べると支援が少ないんじゃないかということを言われることが多いです。

 それと、彼らは皆さん誇りを持って、すごくいい野菜を地域のために作っているんだということで、できれば、通常のスーパーですとかそういったところでは、何々県産の、あるいは地域の誰々さんが作った野菜ということでゴボウとかが販売されていますけれども、しかし、普通のレストランとか食堂へ行きますと、そこに出たサラダがどこどこ産というのは、原産地まではもちろん書いていません。ただ、作っている方からすれば、そういった原産地も表示してもらった方が、別に外国産が悪いというわけじゃないんですけれども、差別化となるし、やはり自分たちの励みにもなるし、付加価値がつくということで、そういったことまでできないだろうかという話も聞くわけであります。大臣、いかがでしょうか。

鈴木国務大臣 お答え申し上げます。

 野菜につきましては、市場価格の低落時に補給金を交付し、経営を下支えする野菜価格安定対策事業を措置しているほか、生産に当たって必要な農業機械やハウスなどの導入、集出荷貯蔵施設の整備等に加えまして、青果物流通拠点施設の整備など、産地と実需までのサプライチェーンの連携強化などを支援しているところであります。

 また、経営について見ますと、収入を安定させるための収入保険なんかも措置をしているところであります。

 今委員から御指摘があった加工、業務用の野菜は、国内の消費量のうち、家計での消費用というのはほぼ全てが国産というふうになっているわけですが、加工、業務用は、国産が約七割で、輸入品が三割という状況であります。

 ですので、加工、業務用の野菜について、国産野菜シェア奪還プロジェクトというのを立ち上げておりまして、産地と実需のマッチング、そして、実需者ニーズに対応した加工適性の高い品種や大型コンテナの導入などを通じて国産への切替えの支援を進めております。

 また、外食のお話がありましたが、外食で原産地表示、何県産まで義務づけが可能かどうかということについては、これはいつもずっと様々なものについて議論のあるところだというふうに思っておりますが、野菜については、特に原材料等の日々の入替えの実態が、かなりいろいろな産地に切り替わるということでなかなか難しいのではないかという御意見がありますので、まずは、業界団体が自ら策定しております外食・中食における原料原産地情報提供ガイドラインに基づきまして、国産の野菜についても原産地表示に取り組んでいただいているところであります。

野間委員 せっかく加工の野菜を国産に替えようということでされているんですけれども、それはある業界の中での話であって、実際の消費者が、これは確かに国産なんだということが分からないと付加価値がつきませんので、できればそこまで踏み込んでいただきたいということは申し上げておきたいと思います。

 続いて、新規就農の問題についてなんですけれども、現在、国としては、四十九歳までの方の就農を増やしていこうということで様々な資金の提供等をされていると思うんですが、これは大臣も地元でも感じておられると思うんですが、実際、四十九歳までの方が農業をやるというのは、それまでやっていた仕事もありますし、難しいんですね、現場の感覚からすると。むしろ六十五歳、六十歳を超えて、仕事に一段落、あるいは定年になった、公務員を辞めた、学校の先生を辞めた、サラリーマンを辞めて、これから何をしようか、人生八十年、九十年、百歳の時代でありますので、そこから十年、十五年、十分元気に皆さん働いています。私も、地元でも、極端に言うと、やはり八十代ぐらいの方が農業では主流と言ってもおかしくないのが現状だと思うんです。

 ですから、これは旧立憲民主党時代に、六十五歳までは、当然新規就農として様々な支援を行うべきだということも公約としても出しておりました。

 やはり年齢を、六十五といっても皆さん若いですから、引き上げるべきだと思いますけれども、いかがですか、大臣。

鈴木国務大臣 今、農業従事者につきましては、六十歳以上が約八割であるなど、年齢構成のアンバランスが大きな課題となっております。できるだけ若い世代が就農し、より長期にわたって農業生産を担っていただくことが重要であることから、そういう考え方の下で、今、四十九歳以下の者に対して、経営開始資金などにより集中的に支援をしてきているというところであります。

 一方で、農業従事者の減少が進む中、五十歳以上の方についても、担い手が不足している地域において、離農する農家の農地を引き受け、地域農業を維持してもらうということが期待をされております。

 こうした方々は、技術の習得や機械などの負担が大きいことが就農時の課題になっているというふうに承知をしております。ですので、五十歳以上だったとしても、その方々に対しても、例えば、農業大学校等において技術研修の機会を提供するといったことや、また、六十五歳未満の新規就農者については、従来から行っている長期無利子の青年等就農資金の融資に加えて、地域農業の構造転換に向けて、令和七年度補正予算において、新たに機械等の導入を補助する事業を創設したところでありまして、引き続き、年齢にかかわらず、やはり地域の農業の担い手が増えていくことが望ましいというふうに思いますので、地域農業の担い手となる新規就農者の育成、確保に努めてまいりたいというふうに思います。

野間委員 是非六十五歳までの方に対しても、いろいろな資金的な手当てを検討していただきたいと思います。

 また、いっとき、自衛官の皆さんの退職後のということで、五十五歳とか、自衛官の方がその後何をしようかということで、農業をやりたいという方もかなりいるとも聞いていますので、そういった方々に対してもいろいろな支援をしていただけるように要望したいと思います。

 続いて、これは長年の課題でもありますけれども、地域にいろいろ、私の地元にも農業高校が何校もあります、行ってみますと、本当に五十年前の設備がそのまま、何とかだましだまし使っているというようなところもかなり見受けられます。

 とりわけ畜産とかそういったところ、本当に皆さん一生懸命、高校生がいい牛をつくったり、先日、一月ですかね、和牛の甲子園というのがありまして、私どもの地元の市来農芸高校というところが総合評価部門で最優秀賞を取っているわけです。私も毎月牛の競り市に行きますと、本当に高校生の皆さんが、女子生徒も多くいます、目を輝かせて、いい牛をつくろうということで一生懸命しているんですが、やはり皆さんから口々に、いろいろ設備が古いんですよね、今、スマート農業とかいろいろなことを言われていますけれども、そういったことはとても言えないような古いところでやっているという苦情、悲鳴を聞くわけであります。

 これは文科省さんの管轄ということになりますけれども、どうなんでしょうか、そういった要望も多いと思いますけれども。

今井政府参考人 お答え申し上げます。

 農業高校を始めとする公立高校の施設設備の老朽化等につきましては、原則、学校の設置者である都道府県等の判断により、一般財源や地方債の発行等を通じて実施されているところでございます。

 これに対して、文部科学省では、産業教育の振興の観点から、専門高校の実習室の増築や老朽化した施設を改築するために必要となる経費の一部について補助を行うとともに、設備につきましては、令和五年度補正予算以降、DXハイスクール事業を継続して実施をし、スマート農業等を推進するために必要な経費の補助を行ってまいりました。

 こうした中、昨年、いわゆる高校無償化の実現に向けて三党間での協議が行われ、高校の授業料支援の大幅拡充に加えて、農業高校などを始めとします専門高校、これらを含めた公立高校への支援も拡充することが併せて合意がなされました。

 文科省では、この三党合意を踏まえまして、昨年末の令和七年度補正予算におきまして、国の補助率を十分の十とする約三千億の高校教育改革促進基金を創設し、農業高校を始めとする専門高校なども対象にして、産業教育施設設備の整備に対する支援を含めまして、各都道府県において先導的な学びの在り方を構築する改革先導拠点のパイロットケースの創出に取り組むこととしております。

 さらに、地域の実情に応じて高校改革の取組が進められるよう、本年四月からは、地方債の一つとして、高等学校教育改革等推進事業債が新たに創設されることとなっております。農業高校など専門高校の機能強化、高度化に資する施設設備等の整備への活用が期待されているところでございます。

 文科省としては、こうした取組の実施を通じまして、各都道府県の取組に伴走しながら、財政面を含めて引き続き支援の充実に努めてまいりたいと考えております。

野間委員 今のお話はよく分かるんですけれども、なかなか農業高校の側から県当局に対してそういう予算を強く要望したりというのは、ほかの高校との並びの中で難しかったのも現状でありますので、是非農業高校にとりわけ特化して、ちゃんとそういう要望を出してもいいんですよということを周知していただきたいと思います。

 最後の質問になります。

 農地バンクのことについてなんですが、日曜日に鹿児島県で予算委員会の地方公聴会が開かれました。非常に大規模に米作りをしている方からこんな意見が出ました。ABCの田んぼが横並びになっていて、AとCが自分の農地で、真ん中にBが挟まっている、本当はこの三つを大区画化して生産性を上げたい、農業をやりたい。ところが、この真ん中の方に、農業をあなたはやめろ、自分が全部やるからとはやはり言えない。地域のいろいろな事情やしがらみもあります。そういうものをいろいろ整理してやってくれるのが農地バンクじゃないんですかという意見がありました。

 そういったことに実際に対応することができるのか、農地バンクの役割、これからやはり大区画化、今度、集中改革の期間に入っていくわけですけれども、そういうものがないと、余り農地バンクがあっても役に立たないんじゃないかということになりますけれども、どうなんでしょうか。

小林政府参考人 お答え申し上げます。

 まとまった面積の農地を対象に大区画化を進める、こういう場合には、一般に、関係する地権者でありますとか耕作者も多くなりますので、関係者の合意形成に苦慮している地域、こういうものがあるということは承知してございます。

 農水省としても、農地バンクの相談員が市町村や農業委員会と連携して、地域の合意形成を進めた事例もあるというふうに承知しておりまして、こうした農地バンクが市町村と連携した取組というのは重要だと認識しておりますほか、機構集積協力金等、地域ぐるみで取り組む農地の集約化等に対する支援の活用を見据えて地域の合意形成を進めた事例も多いというふうに承知しているところでございます。

 今、農水省としましては、当事者間だけでは話合いが進みづらいということもありますので、課題を抱える地域に職員が直接出向く取組というのを展開してございます。引き続き、優良事例を紹介したり、あとは活用できる補助事業の提案等、こういったものも行いながら、県や農地バンクとも連携しながら、現場の課題解決につながる方策を一緒に考えていく活動、こういうものを進めていきたいと考えてございます。

野間委員 農地バンクへの期待は非常に高いので、よろしくお願いしたいと思います。

 時間が来ました。終わります。ありがとうございました。

藤井委員長 次に、許斐亮太郎君。

許斐委員 国民民主党の許斐亮太郎です。

 本日は、農林水産委員会での質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。

 本日は三月十一日、東日本大震災から十五年です。改めまして、この震災によって亡くなられた方、そして被災された方に、心よりお悔やみとお見舞いを申し上げたいと思います。

 私自身、学生時代、六年間仙台に住んでおりましたので、そのときの学びも今回の質問に盛り込みたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

 それでは、質問に移らせていただきます。

 まずは、大臣所信で述べられている家畜伝染病対策についてお伺いいたします。

 二〇二四年、致死率の高い家畜伝染病であるアフリカ豚熱が、日本から僅か五十キロしか離れていないお隣の韓国・釜山で発生しました。家畜伝染病の脅威が日本に迫っています。発生を未然に防ぐことが日本の畜産を守るために極めて重要であって、水際での対応の強化が必要です。

 インバウンドが増加する中で、違法な畜産物の国内への持込みやインターネットでの海外経由の購入商品が増えています。そのような状況の中で、家畜伝染病の侵入防止に向けた水際での対策をどのように進めているか、大臣にお伺いしたいと思います。

鈴木国務大臣 御質問ありがとうございます。

 委員御指摘のとおり、アフリカ豚熱は、欧州や韓国において感染が拡大する中で、訪日外国人客数の増加もありまして、侵入リスクは高まっているというふうに認識をしております。まずは、絶対にアフリカ豚熱だけは入れてはならないという覚悟で私たちも努力をしなければならないというふうに思っております。

 このような中で、我が国への家畜伝染病の侵入を防ぐため、まず、航空機や船舶内におけるアナウンスや動画放映、また空港や港におけるポスター掲示などによる広報活動の強化、韓国等の発生地域からの持込みや国際郵便等に対する動植物検疫探知犬や家畜防疫官による検査の徹底、そして、税関等の関係機関と連携をした情報共有体制や複層的な検査体制の構築などの取組を実施してきたところであります。

 また、インターネットで購入して通販で来るというものもありますが、これらについては、違法畜産物の販売や出品についての注意喚起などの働きかけをしてきているところでありまして、今後は、違法な畜産物などの国内での販売などの禁止や保管庫等への立入検査などの規制強化ができるよう、家畜伝染病予防法の改正を検討してまいりたいというふうに考えております。

許斐委員 やはりすり抜けが一番の病気の侵入、拡散の原因ですので、対策の徹底をよろしくお願いいたします。

 その点では、やはり地味かもしれませんが、旅行者の足下、靴から病原体が入ってくることが多いと言われていますので、宮崎空港で行っているような防疫マットによる消毒を全国の空港で推進することも大切だと思います。

 続いて、家畜伝染病の拡散防止のためには、やはり獣医師による病気の早期発見が有効だと私は考えます。家畜伝染病の伝播スピードは、人間の病気と同等とも言われています。つまり、今日アフリカで確認された家畜の病気が、あしたにも日本に入ってくるおそれがあります。

 日本国内は当然として、海外で発生している家畜伝染病の獣医師との情報共有、そして、発生時における初期防疫対応を的確に実施するための体制を早期に構築しなければならないと私は考えています。政府の見解をお伺いいたします。

坂政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、アフリカ豚熱、これに対しましては水際で万全の侵入防止措置を図っているところでございますが、このような国内で発生しておりません疾病が万が一国内に侵入いたしました際には、都道府県の家畜保健衛生所の獣医師などが中心となりまして防疫対応を実施することになりますので、日頃からの情報提供等による体制準備が非常に重要だというふうに考えております。

 このため、万が一の発生のときに的確な初動対応を円滑に実施できるように、農林水産省におきましては、各都道府県や獣医師に対しまして、他国におけるその発生状況、症状などに関しまして、都道府県、日本獣医師会等の関係団体等に対しまして、その注意喚起などに関する通知を随時発出しております。また、同様の情報につきましてホームページで随時更新することによりまして、最新の情報共有を図っているところでございます。

 加えまして、殺処分等の具体的な防疫対応につきましては、家畜伝染病予防法に基づきまして、病気ごとに特定家畜伝染病防疫指針を定めるとともに、家禽における高病原性鳥インフルエンザの発生、また野生イノシシにおけるアフリカ豚熱の侵入、発生、これらの事態を想定いたしました都道府県における防疫演習も定期的に実施しているところでございます。

 今後とも、速やかな情報共有、また防疫演習の実施の支援を通じまして、万が一の侵入があった際には、その早期発見、それから迅速な初動対応による封じ込めに万全を期してまいりたいというふうに考えております。

許斐委員 ありがとうございます。

 伝染病は、やはり早めに見つけて早めにたたくことが必要だと思います。そのためには、複数の目が必要だと私は思っています。獣医師だけでなく、やはり現場、飼育農家からの、これはおかしいなとかと思われる情報、いわゆる一報も重要な鍵となりますので、農家の気づきをしっかりとすくい取る、そのような環境づくりについても農林水産省がリーダーシップを取っていただきたいと思います。

 また、病気はどこから入ってくるか分かりません。ランピースキン病は、私の地元福岡から入ってきました。獣医師の地域偏在はやはりまずいと思いますので、その解消は急がなくてはならないと思います。

 その観点から、続いて、獣医師をめぐる状況についての質問に移らせていただきます。

 高校三年生の頃、私は福岡市に住んでいて、獣医師を目指していました。当時、人気のあった一つの漫画「動物のお医者さん」、この世界観に魅了されて、獣医学部のある大学を受験しました。結局、御縁が得られずに、浪人して別の大学の農学部に入って、そこで畜産学を学びました。心に残っている獣医師への憧れの気持ちを込めて質問を行いたいと思います。

 獣医師不足についてお尋ねします。

 福岡県では、動物と人の健康は密接につながっているとの考えの下で、獣医師、医師、行政などが一緒になって課題の解決に取り組むワンヘルス事業が進められています。

 こうした中、地元では獣医師不足の声が上がっています。特に、牛や豚などの産業動物を診る産業獣医師については、就業を志望する学生が少ないことに加えて、地域により偏在が見られることなど、地域の実情に応じた担い手の確保が重要な課題となっていると思いますが、大臣はどのような認識をお持ちでしょうか。御見解をお伺いいたします。

鈴木国務大臣 御質問ありがとうございます。

 まず、獣医系大学の卒業者の就業状況を調査したところ、小動物臨床の、これはペットですね、分野に五割近くが就職をすることになっております。その一方で、産業動物分野への就業者が二割程度にとどまっている状況です。産業動物といいましても、臨床に行く人と公務員の獣医師さんといて、それが一〇%、一〇%ぐらいという感じです。

 産業動物獣医師の確保の状況は地域によって偏りがありまして、こうした状況に適切に対応する必要があるというふうに考えております。

 今回も御質問いただいて、各県における診療困難地域というのを、これはアンケートを取ったものがあるんですけれども、結構畜産をやっているところでも、実際にはなかなか診療が、いることはいるとは思いますが、やはり数が少ないという状況で、困難になってきているという現状が浮き彫りになっております。

 ですので、農林水産省においては、まず、各都道府県と密接に連携をさせていただきまして、産業動物獣医師として一定期間従事することを条件に返済を不要とする修学資金を用意するとともに、インターンシップによる職場体験への参加、そしてデジタル技術を活用した遠隔診療の推進などを支援してきており、こうした取組を通じて、引き続き産業動物獣医師の着実な確保に取り組んでまいりたいというふうに思います。

 特に、いないと思われる、なかなか困難な地域というところについては、ちょっと私自身も問題意識を持って、何ができるか考えたいというふうに思います。

許斐委員 ありがとうございます。

 二割ということで、やはり産業獣医師の不足は深刻な問題だと思います。

 特に、今大臣から担い手不足の解消に向けた対策として、いろいろ学生に対する支援というのをお伺いいたしましたが、そこで、ちょっと高校生向けの修学資金というか、学費や奨学金の免除について質問したいと思います。

 高校生向けの修学資金については、入学時点で産業獣医師や公務員獣医師を目指す生徒に支援が限定されているということはお伺いしていますが、やはり限定されている点が私はひっかかっています。大学生向けの修学資金についても、支援の対象となる年数が各県によって異なっている、そして、そもそも修学資金制度が設けられていない県もあると聞いています。いわば、年数も地域もばらばらな状況です。最初は愛玩動物獣医師を目指していたけれども、学びを深めるうちに産業獣医師を目指したいと思うようになった生徒や学生もいると思います。

 全国どこの大学でも修学資金が受けられて、卒業後に産業獣医師として一定年数を従事すれば返済が全額免除される制度が求められているのではないかと思いますが、農林水産省の御見解をお伺いいたします。

坂政府参考人 お答え申し上げます。

 産業動物獣医師の確保を目的とする、獣医学科の学生様向けの修学資金の制度について御紹介申し上げたいと思います。

 この制度は、産業動物獣医師の確保を必要とする都道府県の獣医、畜産の関係団体が事業実施主体になりまして、全国十七の獣医系の大学の学生、学科に在籍する学生に対しまして、その支援のための資金を給付する、それに対して国が支援をする、そういうたてつけの事業でございます。

 特に、一般枠と称しておりますけれども、大学生を対象とする事業につきましては、全国にあります十七の獣医系大学のいずれかに在籍していただいておれば、卒業後に、ホストとなりますその県内で産業動物獣医師として一定の期間従事していただくことを条件にいたしまして資金を給付するということにしております。

 この制度につきまして現在実施している県につきましては、今年度、令和七年度におきましては、産業動物獣医師が必要な二十六の県が実施主体となっております。

 この制度を実施していただきますと、その就業先の都道府県によりまして条件は異なります、一年生から適用対象の場合もございますし、学年を区切って高学年以上にしている場合もございますが、いずれにいたしましても、全国のどの獣医系大学におきましてもこの制度の活用を図ることが可能でございまして、一定期間、対象となる県内で働いていただければ、資金の返済は全額免除される仕組みとなっております。

 先ほど委員御指摘ございました高校生が対象のものにつきましては、特に地元の学生さんを確保したいという目的で、十三の県において実施しております。これにつきましてはまた別途の支援制度になりますけれども、こちらについても同様に支援しているところでございます。

許斐委員 御説明、誠にありがとうございます。

 今度は、重ねて、教育、処遇の在り方について質問したいと思います。

 学生に産業獣医師の仕事に魅力を感じてもらうことも必要だと思います。また、処遇の観点から、愛玩動物獣医師を志望する学生が多いというのも実情です。家畜伝染病の感染リスクが高まる中、食料安全保障に寄与する産業獣医師の仕事について学生の理解が深まるよう、魅力の発信を充実させるとともに、処遇の改善、特に手取りを増やす政策も大事だと思いますが、政府の御見解をお伺いしたいと思います。

坂政府参考人 産業動物獣医師の仕事につきまして、その魅力を獣医学科の学生さんに発信していくために、主に大学入学前の学生に対しまして、パンフレットなどを活用いたしました情報提供を実施しておりますほか、獣医系の十七の大学に対しましては、農林水産省の職員が出向いて産業動物獣医師の業務の魅力に関してお話をさせていただくような出前講義の取組を開始したところでございます。

 御指摘がございました産業動物獣医師の処遇改善につきましては、多くの都道府県におきまして、初任給の調整手当を始めといたします各種の手当の増額措置によりまして一般職員と比較して手取りを増やす施策が講じられております。また、農業共済の対象となる診療行為につきましては、来年度、令和八年四月から中山間地域等での診療点数の引上げ等の措置が講じられる予定でございまして、その収支の改善が期待されるところでございます。

 引き続き、都道府県とも連携しながら、産業動物獣医師の魅力の発信、それから処遇の改善に努めてまいりたいというふうに考えております。

許斐委員 御説明ありがとうございます。

 やはり処遇の条件といいますか、手取りに関してが職業を選ぶ意味でも大きなファクターとなりますので、そこの向上に是非対策を取っていただきたいと思います。

 最後に、地域の実情をお伝えしたいと思います。

 福岡県の高校生が獣医師を目指すこと、これは実は容易なことではないんです。福岡県には、地方としては比較的多くの大学があります。しかし、獣医学部・学科は一つもありません。獣医師を目指すには県外に出なければならない。六年間県外で生活となると、やはり家計のやりくりが大変です。獣医学部とか学科の新設はハードルが非常に高いと思いますので、さきに質問した修学資金制度や奨学金の拡充など、学生のサポートを改めてお願いいたしまして、次の質問に移りたいと思います。

 今度は、私の仙台での大学院時代、私はまさにアニマルウェルフェアの観点から、牛の乳房炎の耐性や壮健性について、ホルスタイン種、黒毛和種、日本短角種、この三つの品種による違いを研究していました。

 そこで、家畜の品種改良について、健康、福祉の観点から質問したいと思います。

 新たな家畜改良増殖目標が令和七年四月に策定されました。そこには、乳牛の長命連産性や家畜の強健性に関する育種目標はあるのでしょうか。もしあるのであれば、どのような目標を設定しているのか、教えてください。よろしくお願いします。

根本副大臣 御質問ありがとうございます。

 乳用牛につきましては、供用期間が短くなっていること、それから受胎率の低下などの課題もあり、アニマルウェルフェアに配慮した飼養管理により長命連産性を向上させ、酪農経営の改善を図っていく、このことが重要だというふうに考えております。

 現在、乳用牛の改良は、国が策定しました家畜改良増殖目標に沿って、複数の形質の改良をバランスよく進めており、その中で、長命連産性や強健性と関連性が高い形質であります、長く飼育された能力を示す在群能力であったり、受胎率がよいことなどの繁殖性等のウェートを高めつつ、改良を進めてきたところであります。

 本年二月からは、長命連産性の向上に資する乳房炎等の抵抗性を新たな改良形質として追加したところであり、引き続き長命連産性の向上に重きを置いた改良を進めてまいりたいというふうに考えております。

 以上です。

許斐委員 ありがとうございます。

 まさに乳房炎に対することも指標に盛り込まれたということで、非常に高く評価したいと思います。

 アニマルウェルフェアというのは、当然生産性も大切ですけれども、やはり福祉の面から考えても重要なことだと思いますので、今後とも引き続き対策をよろしくお願いいたします。

 重ねて、現在、家畜で、特に乳用牛において、遺伝子情報を用いた技術革新が起こっています。それを利用することで、効率よく家畜の改良を行うことが可能になっていると思いますが、これこそ、今後、国が中心となって進めていくべきことではないでしょうか。

 遺伝子情報を活用した育種の現状について、検討内容も含めて、政府の取組をお伺いいたします。

長井政府参考人 お答えいたします。

 これまでの乳用牛の育種改良におきましては、種雄牛の娘牛を生産し、その遺伝的能力を推計する後代検定が行われておりましたが、近年、これと並行いたしまして、DNAを分析し、遺伝的能力を推計するゲノミック評価が利用されているところであります。

 これによりまして、子牛の段階から遺伝的能力を推計することが可能となりまして、改良スピードを加速化させることや、また、改良の難しかった繁殖性などの形質につきましても効率的な改良が可能となっております。

 農林水産省といたしましては、遺伝子情報を活用した育種を推進するため、関係機関と連携しながらゲノミック評価のデータの充実を図るとともに、その周知に取り組んでまいりたいと考えております。

許斐委員 ありがとうございます。

 ゲノミック評価による育種の方法、期待しております。

 昨年、私は農水委員会でも申し上げましたが、いかに農家が経営を頑張っていようと、感染症が蔓延したら、なかなか立ち直ることはできません。宮崎県の畜産が壊滅的な被害を受けた二〇一〇年の口蹄疫や、毎年発生しているまさに鳥インフルエンザ、伝染病による畜産農家の経済的損失を防ぐための努力は、国を挙げて行わなければなりません。病気を防ぐ、また病気に強い家畜をつくり出すことなど、多角的な対策が必要であると申し上げたいと思います。

 そして、次の質問に移りたいと思います。

 続いて、動物による農作物への被害についてお伺いいたします。

 鹿児島県の奄美大島と徳之島では、特別天然記念物であるアマミノクロウサギの頭数が増えて、生息域が拡大しています。これに伴い、両島では、サトウキビの食害が発生する一方、このアマミノクロウサギは捕獲が禁止されているために、現場では対応に苦慮しています。サトウキビは、台風などの自然災害に強い作物として、地域の雇用と経済を支える重要な役割を担っており、今後の被害拡大が地域社会に与える影響が懸念されています。

 そこで、アマミノクロウサギによるサトウキビへの被害についての現状認識と、被害防止に向けた対策の方針をお聞かせください。よろしくお願いします。

松本政府参考人 お答えします。

 アマミノクロウサギ、こちらによります農作物被害につきましては、鹿児島県において令和六年度に約一千万円、このようになっております。

 具体的には、奄美大島本島と徳之島、こちらにおきまして被害が確認されており、品目別で見ますと、タンカンなどの果樹被害が約七割、サトウキビ被害が約三割となっております。サトウキビにつきましては、新芽を中心に食害を受けることで、収量、こちらに影響が出ると承知しております。

 また、アマミノクロウサギは、文化財保護法によりまして国の天然記念物、種の保存法によりまして国内希少野生動植物種に指定されており、原則として捕獲が認められていません。

 このため、農作物被害を防止するためには、侵入防止柵の設置、こちらの対策が有効であり、農林水産省といたしましても、鳥獣被害対策交付金で対策を支援しているところでございます。

許斐委員 ありがとうございます。

 今答弁にありました既に進んでいるタンカンへの被害対策で、柵という話もありましたけれども、実は、アマミノクロウサギは穴掘りが得意なんですよね。なので、柵の下に穴を掘って侵入する例がたくさん見られて、柵による侵入防止効果は低いという現場の声もあります。

 そこで、重ねて質問いたします。

 広大なサトウキビ畑を囲む柵を設置することは、多大な費用がかかりますし、また、日々のメンテナンスの面からも困難であると思いますが、サトウキビ畑において柵を導入している事例はあるんでしょうか、お答えください。お願いします。

松本政府参考人 お答えします。

 サトウキビにおきまして、イノシシを対象としました侵入防止柵の設置につきましては奄美大島の本島、徳之島においても実施されておりますが、アマミノクロウサギを対象とした設置実績はございません。

 アマミノクロウサギに効果的な柵にするためには、網の目を細かくしましたり、乗り越えられないような構造上の工夫をすることに加えまして、柵の下を掘って侵入しないように地際をしっかりと留めて補強するということも重要とされております。

 鳥獣被害対策交付金におきましても、このような特別な仕様も含めまして支援対象としているところでございます。

許斐委員 もう一つ確認なんですけれども、タンカンだと木の幹の周りを囲むとかいう手段ができるんですけれども、やはりサトウキビ畑は全部を囲む必要があると思いますが、改めまして、奄美大島、徳之島で、ほかのところで、このようなサトウキビ畑を丸々囲むという事例というのは今のところあるんですかね、ないんですかね。お答えいただければと思います。

松本政府参考人 お答えします。

 サトウキビ畑は非常に広大でございます。先ほど委員の御指摘にありました全体を囲うような取組、こちらは行われておりません。

許斐委員 ありがとうございます。

 やはり全体を囲むというのは、なかなか費用の面も、私は言いましたけれども、これは手間も効果も、そして、いろいろお金も、様々なものがかかると思います。

 そこで、別の角度からサトウキビの生産に対する支援についてお尋ねしたいと思います。

 食料・農業・農村基本計画では、サトウキビの生産量について、令和五年度の百十八万トンを令和十二年度までに百三十三万トンに増産させる目標が示されています。このような増産目標が立てられる一方で、近年は、気候変動に伴って台風が大型化するなど、生産現場には不安が広がっています。

 こうした状況の中、さとうきび増産基金は、台風や干ばつ、病害虫などの自然災害の発生時に被害を受けた生産者の再生産に向けての心強い支援となっています。

 そこで、この基金について二点要望があります。

 一点目は、基金の延長についてです。本基金は令和九年度末で終了とされていますが、令和十二年度までの基本計画の増産目標を達成するとともに、我が国の食料安全保障にとって重要な砂糖の安定的な供給を確保する観点から、令和十年度以降も継続していただけないでしょうかという要望です。

 もう一つ、基金によるこの支援対象に、先ほど言ったアマミノクロウサギによる食害を加えていただけないでしょうか。

 前向きな政府の答弁をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

広瀬大臣政務官 ありがとうございます。

 さとうきび増産基金について今御質問いただきました。

 おっしゃられたとおり、セーフティーネット基金としての枠組みは、今、三年ごとの事業終期を設けておりまして、言われたとおり、足下では、令和六年度に事業実施期間を令和九年度まで三年間延長しているところであります、令和八年度予算においては、七・八一億円を措置しているところであります。引き続き、基金の実施状況を踏まえて、今後の基金の在り方、延長についても検討してまいりたいと思っております。

 それから、二点目の御質問でございます本基金を用いた対策については、干ばつ、台風、それから病害虫被害等により、例えば地域全体で単収が平年の一〇%以上減少するなど、単収や糖度が一定の被害要件を満たした場合等に支援を行うとしております。

 お尋ねのアマミノクロウサギによる被害については、単収や糖度の減少による被害要件を満たしたという相談や申請、支援実績はこれまでないものの、アマミノクロウサギによる食害で発生した単収減少などが本基金の被害要件を満たす場合には本基金の支援対象になり得る、こう考えております。

 よろしくお願いします。

許斐委員 ありがとうございます。

 非常に前向きな答弁だったと思います。期待しています。ありがとうございます。

 そして、次は、アマミノクロウサギの捕獲についてお伺いしたいと思います。

 アマミノクロウサギは、天敵であるマングースなどによって絶滅の危機に瀕していましたが、外来種対策が進められて、生息数は回復傾向にあります。

 こうした中、令和六年九月にはマングースの根絶が宣言されました。このことを喜んでいい反面、今後、頭数の大幅な増加が予測され、サトウキビに限らず、先ほど指摘がありましたタンカンなどの様々な農作物への被害の増大も想定されます。現在、地域農業とアマミノクロウサギとの共生の道が模索されていますが、被害がこれ以上深刻化すれば、生産者の離農にもつながりかねません。

 そこで、お尋ねします。

 地域農業とアマミノクロウサギの共生についての将来像を教えていただきたいと思います。環境省ですかね、お願いします。

成田政府参考人 お答え申し上げます。

 種の保存法に基づく国内希少野生動植物種であるアマミノクロウサギにつきましては、関係者の長年の御努力もございまして、個体数が増加傾向にございます。これ自体は喜ばしいことだと考えております。一方で、それに伴いまして農作物被害も増加しているところでございます。

 このため、環境省におきましては、生息状況に関する調査などの協力を進めているほか、タンカンやサトウキビ等の農作物被害に関しては、柵の設置方法を含む対策マニュアルを作成するなど、農作物被害の軽減に向けた取組を進めてきているところでございます。

 引き続き、アマミノクロウサギと地域との共生が図られるよう、農作物被害の軽減に向けまして、関係機関と連携して取り組んでまいります。

許斐委員 ありがとうございます。

 種の保存法などが関わってくる問題ですけれども、知恵を絞って共生の道を探っていただければとお願い申し上げて、質問を終わりたいと思います。

 どうもありがとうございました。

藤井委員長 次に、木下敏之君。

木下委員 参政党の木下敏之でございます。

 質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。心から感謝申し上げます。

 早速質問に入ります。

 大臣所信で、有機農業の推進について触れられておりました。有機農業の推進はとても重要なことでございますので、鈴木大臣の意気込みを簡潔にお伺いしたいと思います。

鈴木国務大臣 お答え申し上げます。

 有機農業は、原料の海外依存度が高い化学肥料を使用しないため、環境保全や生物多様性の増進に寄与するほか、食料安全保障の観点からも重要です。

 有機農業の取組面積は、生産から消費まで地域ぐるみで有機農業に取り組むオーガニックビレッジの創出の推進により、二〇二三年度には約三万四千ヘクタールまで拡大をしております。

 ただ、有機農業は、除草や病害虫防除に労力を要する、そしてまた、ロットが小さく流通コストがかさむ、販路が限られており国内市場が小さいなどの課題があるというふうに認識をしておりますので、これらの課題をやはり乗り越えていかなければならないというふうに考えております。

 特に、日本の場合、有機の場合はマーケットが小さいということが一番の課題かというふうに思いますので、その辺についても、有機農産物の生産と市場の拡大の両面から積極的に取り組んでまいりたいというふうに思います。

木下委員 御答弁ありがとうございました。

 大臣、御退出いただいて結構でございます。よろしくお願いいたします。

藤井委員長 大臣、退出していただいて結構でございます。

木下委員 では、続けて質問させていただきます。

 元々、有機農業のことを大臣に御質問した理由は、今回の質問で、この後、三問目で、大区画化やロボット農業機械の導入がどれだけ所得を向上させるのかということについて、政府委員の皆さんからいろいろお話を伺うわけでございますが、やはり、所得を増やしていくためには、高く売れる農産物をどうやって作っていくかということが非常に重要でございます。

 先ほど大臣が言われたように、この三十年ぐらい、有機農産物のマーケット、オーガニックなもののマーケットというのが、なかなか市場が拡大しないという結構深刻な問題がございまして、日本の消費者の場合は国産品だから安心だという考えがあるからじゃないかとかいろいろな意見もございますが、私は、実は、失われた三十年が有機農産物のマーケットが拡大しない原因ではないかと思っております。そういう点では、高市首相の下で所得が拡大していけば有機農産物のマーケットが拡大していくんじゃないかと期待しているところでございます。

 今回はもうこれ以上質問はいたしませんが、政府参考人の皆さんもいらっしゃいますので、所得が上がらなくても、どうやって、有機農産物のマーケットを拡大していく方法があるのかということは是非お考えいただきたいと思いますし、これから学校給食の無償化というのが進みますので、無償化に併せて地場産品でかつ有機農産物の導入をある程度義務化するとか、そういった方向が打ち出せないかとか、いろいろお考えいただきたいなと思っております。これは要望です。

 では、続いて質問に参ります。

 今日は、資料として、心身を害するミネラル不足食品というタイトルのものを配っておりまして、これを見ながら質問をさせていただきたいと思います。

 是非、農林水産委員会の先輩議員の皆さんも単身赴任の方も多いと思いますので、そういう方には直接、直結するようなお話をさせていただきたいと思っております。

 参政党は、元々、公約として、食品表示法を改正して、食品情報は包み隠さず、国民の食の知る権利を守ること、これを公約としております。

 ただ、これは主に農薬だとか食品添加物の問題を考えてのことでもございますが、今、国内で提供されている食品、これは輸入品も含めてですが、添加物の問題以前にミネラルが不足しているという新たな、しかし非常に深刻な問題がだんだん分かってきております。人によっては新型栄養失調という表現をする方もいますが、この問題は、こういう問題があるということが分かってからまだ十年もたっていなくて、一般にはほとんど知られておりません。

 お手元にお配りしたこの資料ですが、もう今は解散いたしましたが、食品と暮らしの安全というNPOがございまして、これは、一九八〇年代、九〇年代に、輸入小麦それから輸入されている果物、そこに残留農薬が含まれているということを見つけた団体でございます。その団体が、二〇一七年前後から、百八十前後の加工食品につきまして、ミネラルですね、鉄とかとか亜鉛とかカルシウムとかマグネシウムとか、神経伝達につながる非常に重要な物質なんですけれども、それを実測をいたしました。

 お手元の資料の三枚目を御覧いただきますと、例えば、今若い方たちはコンビニでよく弁当を買いますけれども、この弁当で見ると、例えば真ん中に鉄というのがございますが、大幅に鉄は足りておりません。ほとんどどれも足りていないんですね。この青い推奨量というのは、これぐらい取っていなきゃ駄目だよというものでして、取っていれば十分というものでもなくて、その下の赤い推定平均量というのは、これぐらい取っていたら、かなり病気になるリスクがありますよというものでして、しかし現実のデータは、鉄にしても必要な量の半分以下しか入っていないというようなことが分かってきております。

 三月二日の予算委員会で、私、この資料を使いまして、高市首相に女性の健康対策ということで御質問したんですが、最後に首相が、私、絶対、鉄が足りていないわねということをおっしゃいまして、何でそんなことをおっしゃったのかなと思っておりましたら、その後、地下の売店で週刊ポストが売っておりまして、週刊ポストを見たら、首相は弁当を宅配で食べられていると。だから、鉄が足りていないんだとおっしゃったんだなと。

 ちょっと余計なことを言いましたけれども、こんなふうに微量な、要素が足りていないということが分かったんですが、では何でこんなに栄養素が入っていないかというと、資料五ページ以降に書いてございますが、これは見栄えをよくするために徹底的に鉄を抜くようになってしまったんですね。鉄が入っていますと色が変わりまして、消費者から見ると余りいいものに見えません。ですから、除鉄機というのを入れて、水から何から、ともかく鉄を抜くんですね。

 それから、消費者はやはり加工食品に苦みとかえぐみというのが入っているというのを嫌いますので、そうするとマグネシウムを抜いてまいります。マグネシウムは神経伝達に非常に重要な物質で、マグネシウムが足りないと情緒不安定になると言われているような、非常に重要なものなんですね。カット野菜などは、細かく切った後に水である程度の時間洗うというのがコンビニなんかの基準になっておりまして、そうすると、水に溶ける栄養素なんかがその切り口から抜け出てしまうという、いろいろなちゃんとした理由があって、すかすか、すかすかと言ったらなんですけれども、ミネラル分が足りていないという問題が生じております。

 この問題は、二〇一八年頃に、これは当時の立憲民主党の方になるんですかね、中島先生という方が何度か質問主意書を厚生労働省に提出をされまして、こういう問題があるんだからちゃんとデータを測定してほしいとか、栄養士に指導してほしいということを言われまして、質問主意書ではよい回答は戻ってこなかったんですが、しかし、だんだんと測定項目も、それから加工品を測定することも増えていきまして、データとしてはかなりそろってきたのかなと思います。

 ただ、相変わらず、栄養士の皆さんは昔ながらの、成分がちゃんと入っているということを前提にしてメニューを組み立てられますので、なかなか現実は、この資料にあるとおり、自分ではちゃんと栄養を取っているつもりでも取れていないという問題が発生をしておるようでございます。

 これから栄養士の皆さんはだんだん気づいていくと思うんですが、問題はその食品の製造現場でございまして、この調査が行われたのが二〇一七年、それ以降、食品製造の現場では鉄を抜いたりマグネシウムを抜いたりということを更に徹底しているという話も聞いておりまして、そうすると、みんながみんなちゃんとした食品を作っているつもりでも、そして消費者の皆さんがそういうものを食べているつもりでも、ミネラル分が取れていないという問題が発生してきているようでございます。

 これは厚生労働省と農林水産省と両方にまたがるような、なかなかどっちが主管だと言いにくい問題なのかもしれませんが、こういう加工食品のミネラルが不足しているという新しい問題について、農林水産省はどこまで認識をしているのか、また、どこまで把握をしているのか。それについて、政府参考人で結構ですので、御答弁をお願いいたします。

河南政府参考人 今先生から御指摘をいただきました、食品製造メーカーにおきましては、これもお話がございました、変色あるいは沈殿防止の観点から、事業者の判断として、鉄分あるいはマグネシウムといったミネラルを取り除くケースがあるということは、業界団体からのお話として伺っているところでございます。

 一方で、国民の健康で豊かな食生活の実現に向けましては、ミネラルを含めまして栄養バランスに配慮した食生活を送ることが大切だというふうに認識をしてございます。

木下委員 この団体は予算がなくてビタミンまでは調査ができなかったんですが、恐らく、同じようにビタミンもかなり抜けているのではないかと言われているんですね。

 それで、改めて農林水産省にお伺いしたいんですが、これはあくまで民間団体が自主的にやった調査でして、まずは、こういう問題がどの程度深刻な問題なのかということを、是非、農林水産省としてデータを測っていただけないかと思うんですね。そして、その上で、例えば業界団体に対して何らかのまず指導をしていただきたい。

 例えば、業界団体がこういう加工食品を作りますよね、作った後に自分たちでデータを測ってみて、余りにもミネラルなりビタミンが抜けているのであれば自主的に何か後で必要なものを添加する、若しくは、やはりちょっと鉄を抜き過ぎているから除鉄の工程を少し緩くしようとか、そういう指導を是非していただきたいと思うんですが、農林水産省としてはどのようにお考えでしょうか。

河南政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、調査に関してでございますけれども、食品の製造工程につきましては、製品の特性とも直結をいたします、それぞれの企業が努力をされている一部秘密に当たるようなところもあろうかというふうに思っておりまして、まずは協力をしていただける企業を探した上で、どういう場合にどのような除去を行っているのかの実例について聞き取り調査ができないかということを検討してまいりたいというふうに考えてございます。

 また、指導ということに関してでございますけれども、先ほど申し上げましたとおり、食品事業者におきましては、その判断として、鉄分などのミネラルを取り除くケースがあるということはお伺いをしておりますけれども、他方で、鉄分等の特定の栄養素が多い食品ですとか、あるいは一食当たりで必要な栄養素を全て満たす食品、こういったものも販売をされていると承知をしておりまして、食品製造事業者におかれては消費者ニーズに対応した多様な食品を製造されているというふうに認識してございます。

 こうした食品製造事業者のビジネス上の判断に基づきます事業展開、商品展開をされているということでございますので、その指導等ということにつきましては、まずは、今御指摘いただいた点を含めまして、食品製造事業者、業界団体との間でよくコミュニケーションを図ってまいりたいというふうに考えてございます。

木下委員 御答弁ありがとうございました。

 ビタミンなんかは私の方でもこれから少し実測をしてみたいなと思っておりますが、これは健康に関わる話で、どこまで農林省がよいものを作る責任を負うのかという、両省庁にまたがるなかなか難しい問題だということは、私も元農林省におりましたのでよく存じておりますけれども、是非、国民の健康を守る点では最も費用が安くて済む対策ではないかと思いますので、これからもいろいろな御提案をさせていただきたいなと思っております。

 今回は、野菜についてはデータがそろわなかったので質問には入れなかったんですが、実は野菜もミネラルが抜けているという話があるんですね。それは、消費者の側がやはり野菜のえぐみとか苦みを嫌うので、そういう味にならないように生産を変えているという話がありまして、これもデータがそろいましたら、またこの場で御質問させていただきたいと思います。

 何せ、どんなに国民が健康に気を遣ったとしても、ミネラルが入っているという前提で食べたものが実は入っていなかったとなるとこれは大変な問題ですので、農林水産省としても、こういった新しい、新型栄養失調と言っていいかどうか分かりませんが、そういう課題があるということを是非まず認識をしていただければと思っております。

 では、次に参ります。

 次は、農地の大区画化と、それからロボット農業機械が農業経営に与える増収効果ということでございます。

 これは、これまで予算委員会で私は農家に対する直接所得補償を御提案させていただいたんですが、大体、直接所得補償を八十万の農業経営体に対して三百万円出すとすると二兆四千億円要る、なかなか大きな決断が必要なので、首相の御判断はいかがでしょうかと質問をさせていただきました。そのときに首相がおっしゃったのは、大変巨額な予算なので国民の十分な理解が要ると。それは、要するに簡単じゃない、難しいというお答えだったわけですけれども、それは私としてももっともなことだと思いました。

 今、農業、農村集中対策、五年間でやるということで一生懸命農林省も取り組んでおられますけれども、この大区画化、それからロボット農業機械の導入、これがどれぐらい所得を増やす効果があるのかということを確認しないといけないなと思っております。

 それで、いささか細かい数字のやり取りになるかと思いますが、まず、十五ヘクタールぐらいの経営規模の稲作農家という前提で議論をしていきたいと思うんですが、なぜ十五ヘクタール前後を選んだかといいますと、一番所得が、時給が高いというんですかね、なぜかデータではその経営規模が一番もうかる経営規模になっておりますので、その経営規模を前提として、まず大区画化、一ヘクタール大区画化したとしたら所得をどれぐらい増やすのか、それについて政府参考人の御答弁をお願いいたします。

松本政府参考人 お答えいたします。

 農地整備事業、こちらによりまして区画の拡大を実施することによりまして、農作業の機械化、省力化が図られまして、稲作労働時間を大幅に低減させることが可能でございます。

 整備の内容や地形条件によりまして整備に要する事業費は異なりますが、令和二年度から令和四年度に、標準区画、こちらを一ヘクタールとした整備を行いまして、事業が完了した地区、こちらは三十八地区ございます、こちらの平均事業費につきましても算出いたしました。

 さきの予算委員会におきましては、私からは、十アール当たりということで、反当たりでございましたが、今回は一ヘクタールという御指定でございますので、平均事業費が一ヘクタール当たりで二千四百万円、このうち農家負担額は約二百九十万円で、これに加えまして、担い手への農地の集積、集約化の程度に応じまして更に軽減されるような措置となっております。

 一方、農地の大区画化によります生産性の向上につきましては、同じ三十八地区の一ヘクタール当たりの稲作労働時間が、事業実施後には約九十三時間に縮減されております。全国の個別経営体、こちらの平均の労働時間が約二百十六時間でございますので、農地の大区画化によりまして約百二十三時間で六割減の削減効果があるというところでございます。

 また、一時間当たりの労働費、これは地域によって異なりますが、仮に千五百円、これでピン留めをしまして計算いたしますと、一ヘクタール当たりは約十八万円の営農経費の削減効果があるというところでございます。

 以上でございます。

木下委員 ありがとうございました。

 一ヘクタールやると、少なくともプラスが十八万円、それかそれよりちょっと少ないぐらいの金額だということでございます。

 次は、ロボット農業機械の導入ですね。

 つい最近、ロボット農業機械はトラクターも田植機もそれからコンバインも全て実用化されて、これからいよいよ普及していくという段階だということですが、例えば、百馬力のトラクターだと、通常のものが一千四百万円、そして、ロボットトラクターが千九百万円するということでございます。

 まず、大区画化はしていないという前提で、ロボットトラクターを導入したら、経営に与えるプラスは一体何円になるのかということについてお答えいただきたいと思います。

山口政府参考人 お答え申し上げます。

 委員からいただいた前提条件に当てはめて、ロボットトラクターについて計算いたしますと、ロボットトラクターにつきましては、一ヘクタール当たりの導入費用が一・七万円、労働時間の削減効果が〇・八万円、差引きマイナス〇・九万円となってございます。

木下委員 ありがとうございます。

 では、続きまして、一ヘクタールの大区画化をしたということと、それから、その完成後にロボットトラクターを導入した、要するにセットでやった場合ですね、セットでやった場合は所得をどれぐらい増やす効果があるのかを御答弁いただきたいと思います。

山口政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど農村振興局長がお答えしたデータと私が先ほどお話ししたデータは異なる前提条件で得られたものでありますので、単純に足し合わせても実態に即したものになるかどうかは不確かではございますが、あえてお答えいたしますと、大区画化とロボットトラクターによる経営への寄与効果を単純に足し上げた上で、十五ヘクタールと仮定した場合、経営への寄与効果は百四十万円と試算できると考えております。

木下委員 ありがとうございました。

 百四十万円ということですね。一番実現するには可能性のある数字かと思います。

 では、このような姿になるのはもう何年も先だということは分かっているという話での質問となりますが、構造改革の未来図とか最終形と言えるような姿になると思いますが、大区画化をして、ロボットトラクター、ロボット田植機、ロボットコンバイン、全てが入ったとした場合、所得を増やす効果は何円ぐらいになるのか、お答えいただけますか。

山口政府参考人 繰り返しで申し訳ございませんが、これらの数字はそれぞれ異なる前提の下、得られたものでありますので、足し合わせても実態に即したものとなるかどうかは不確かですが、先生の御下問ですのであえてお答え申し上げますと、大区画化と、あと、スマート農機、ロボットトラクター、ロボット田植機、ロボットコンバインの導入による経営への寄与効果を単純に足し上げた上で、十五ヘクタールの経営体というふうに仮定した場合には、経営への寄与効果は百四十六万円となります。

 一方で、先日も予算委員会でちょっと申し上げましたが、今後の農業者の急激な減少を踏まえますと、食料安全保障を確立していくことが必要になるのでありますが、それを進めていくためには、田畑のフル活用をしつつ、農業者の所得向上を図っていくことは重要だと思っております。そのために、大区画化とスマート農業の導入で削減された労働時間を活用して、規模拡大を図ることが重要だと考えております。

 こうした観点から、昨年の食料・農業・農村基本計画の策定時の水田作の将来モデルにおける試算におきましては、スマート農機の導入による規模拡大を行うという結果、所得が四百一万円から千九十八万円になるという試算、モデルを示しているところでございます。このときの時給は、規模拡大前で二千五十六円、規模拡大後で五千四十三円というふうになるところでございます。

 なお、このデータは米価が低い令和四年の六十キロ当たり一万二千六百円というデータを使用していますので、現在の米価と比較しますと、これ以上の効果があるものと考えております。

木下委員 御答弁ありがとうございます。

 AIの導入も同じなんですが、先ほど局長御答弁ありましたように、ロボット農業機械を導入して、結局、浮いた時間で何か別のことをして稼がない限り、このロボット農業機械の導入の効果は余り大きくないわけですよね。全部フルセットでそろったとしても経営に与えるプラス効果は百四十六万円ということなので、どうやってお金を稼げるものでその時間を使うかということが大事だということは私もよく承知をしております。

 ただ、当面、一番可能性がある大区画化とロボットトラクターをセットで導入した場合に、百四十万円程度の所得のプラスということなので、そうなると、まだまだやはり他産業の平均所得に達するのはちょっと厳しいのかなと感じております。

 そこで、副大臣に御質問でございますが、やはり、七十歳前後の方が引退していくこの五年間、この五年間で後継者を確保することが非常に重要だと思いますので、これだけのことをやったとしてもまだ百四十万円のプラスの効果、やはり、多分二百万から三百万円ぐらい足りないと思うんですけれども、これに対して直接所得補償をするべきだと思いますが、この点についての副大臣の御見解をお伺いいたします。

根本副大臣 御質問ありがとうございます。

 米を始めとする水田農業は、経営規模の拡大に伴って生産性、収益性が顕著に向上するものであります。大区画化やスマート農機の導入による労働時間の削減効果を規模拡大に振り向けるとともに、様々な低コスト技術を組み合わせることで、所得の大幅な向上が期待できるというふうに考えております。

 このため、農林水産省といたしましては、農地の大区画化等の基盤整備、農地の集積、集約化による規模の拡大を進めるとともに、官民を挙げた多収品種等の開発普及、スマート農業や直播栽培等の低コスト技術の導入、定着などの取組を促進することで、水田作の生産性と収益性の向上を強力に推進していきたいというふうに考えております。

 日本の農林水産行政の戦略本部の下、私がグループ長を務めています生産性向上ワーキンググループにおいて、米を含む農産物についての生産性向上についても議論をしているところであります。水田作を稼げる産業として、農家が意欲を持って生産できる環境の整備に引き続き注力をしてまいりたいというふうに思います。

 なお、農業者への所得補償につきましては、様々な御意見があり得ることを承知しておりますけれども、税金が原資であることを踏まえると、国民の皆様の御理解を得るために慎重な検討を要するもの、このように考えております。

 以上です。

木下委員 では、最後の質問に移ります。

 木造建築の推進でございます。

 農林水産大臣の所信の中にも、クロス・ラミネーテッド・ティンバー、CLTを活用した中高層木造ビルの建築など、国産材の需要拡大を図ることとされております。私も全く同感ではございますが、東京ではスーパーゼネコンが十階建て以上のオフィスビルやマンションを建て始めておりますが、私がおります福岡、九州ではまだまだ高層の木造ビルが建っていない状況でして、世の中の認知度はいま一つかなと感じております。

 そこで、最初に、この数年の五階建て以上の木造建築の建設状況についてお伺いをいたします。床面積などのデータ、それから地域ごとに偏りがあるかどうか、その点について政府参考人の御答弁をお願いいたします。

小坂政府参考人 お答えさせていただきます。

 中高層木造建築物、これは四階建て以上と定義しております、そのデータを申しますと、年間着工実績としまして、十年ほど前の二〇一五年では、全国で八件、床面積は合計で三千五百平米でございました。直近の二〇二五年には、五十六件、床面積も三万平米へと大きく増加しております。

 一方、地域の偏りということになりますと、着工床面積ベースの二〇二五年を見ますと、関東地方が中層の木造建築物の七割を占めていまして、九州地方は一%ということで、やはり関東、東京近辺が非常に進んでいる。これを横展開というか、全国に広げたいと考えているところでございます。

木下委員 ありがとうございます。

 普及していない理由は幾つかあると思いますが、コストの差がどうなのかとか、それから、中高層建築を木造でできる建築士が少ないという話もよく聞くんですが、その普及していない課題、理由についてお伺いいたします。

小坂政府参考人 お答えいたします。

 今委員御指摘のとおり、やはり、コストの面と、木造を設計する設計士を確保するということが課題としてあるというふうに思っています。

 コストはいろいろな条件がありますので一概に言えないんですけれども、近年、低層の建築物、木造は他の工法よりかは安いという事例が出てきています。でも、例えば四階建ての事務所の例を取りますと、九%ぐらい高いというような実態もございます。ですから、低コストで建築できる木造の木製の部材の開発であるとか、そういったことを今進めております。

 さらに、設計士の方も、木造ができる方を確保しなきゃいけないということで、研修会をやったりテキストを作ったり、誰でも設計できる標準的な建設事例を普及したり、そういう取組をしています。

 そういう中でも、議員御指摘のとおり、やはり地方に広げなきゃいけないということで、実は、令和七年度から、地方部での育成に力を入れるということで、研修会等を地方で行うような取組を展開しています。福岡県でも、設計士等を集めたワークショップを昨年十二月に開催いたしました。

 こういう取組を通じて、地方の方にも木造の高層、中高層の建築物が広がるよう取り組んでいるところでございます。

木下委員 御答弁ありがとうございます。

 価格差が九%まで縮まったというのを私は初めて知りまして、これだったらこれからもし円安が進んだりすると十分価格差は縮まるのかなと感じておりますので、是非頑張って進めていただきたいと思います。

 最後に、広瀬大臣政務官に、どうやって木造のビルを広げていくのか、意気込みを伺いたいと思います。大分の日田市、まさに林業の中心地の御出身でもございますので、これからどうやって日本全体に高層の木造建築を広げていくか、御決意を伺いたいと思います。

広瀬大臣政務官 ありがとうございます。

 意気込みということでございますけれども、農林水産省では、中規模ビルの標準的な木造化モデルの作成、普及をしたり、いわゆるモジュール化ということになろうと思いますけれども、耐火性や強度に優れた製品、技術の開発普及などに加えて、中高層建築物の施主や施工者の木造化への理解を高め、より積極的に取り組んでいただけるように、民間建築物における木材利用を促進する建築物木材利用促進協定制度、これに取り組んでいったり、それから、地球温暖化対策の推進に関する法律に基づく温暖効果ガス排出量の算定、報告、公表制度、いわゆるSHK制度ですけれども、これを活用した国産材利用の炭素貯蔵の効果の見える化、これを推進しているところであります。

 これらの取組によって、中高層建築物への木材需要の拡大、地方への拡大という話がありましたけれども、これに取り組んでいきたいと思います。お願いします。

木下委員 御答弁ありがとうございました。

 日本の山はどんどんどんどん木が大きくなってきておりますので、そのためには、やはり高層ビルにどれだけ木を使えるかが非常に重要だと思いますので、これからも是非、需要拡大に頑張っていただきたいと思います。

 時間になりましたので終わります。ありがとうございました。

藤井委員長 この際、暫時休憩いたします。

    午前九時三十九分休憩

     ――――◇―――――

    午前十時三十分開議

藤井委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 内閣提出、農業構造転換の推進に必要な施策の集中的な実施の財源に充てるための日本中央競馬会の国庫納付金の納付に関する臨時措置法案及び日本中央競馬会法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。

 これより順次趣旨の説明を聴取いたします。農林水産大臣鈴木憲和君。

    ―――――――――――――

 農業構造転換の推進に必要な施策の集中的な実施の財源に充てるための日本中央競馬会の国庫納付金の納付に関する臨時措置法案

 日本中央競馬会法の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

鈴木国務大臣 農業構造転換の推進に必要な施策の集中的な実施の財源に充てるための日本中央競馬会の国庫納付金の納付に関する臨時措置法案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。

 我が国の農業を取り巻く環境は、国際情勢の不安定化や自然災害、気候変動等の影響、人口減少や高齢者の引退による担い手の急減など大きく変化しており、このような変化に対応し、食料の安定的な供給が可能な基盤を整えるため、農業構造転換を集中的に推進する必要があります。

 このため、改正食料・農業・農村基本法の初動五年間の農業構造転換集中対策期間において、農地の大区画化、共同利用施設の再編、集約、合理化、スマート農業技術の開発普及、輸出産地の育成といった施策について、機動的、弾力的な対応により別枠で必要かつ十分な予算を確保し、農業構造転換を集中的に推し進めていくこととしており、これに要する財源につきましては、現下の財政状況に鑑み、特別の財源を確保する必要が生じております。

 こうした状況を踏まえ、日本中央競馬会からの協力の下に、令和八年度から令和十一年度までに限り、同会の競馬事業の円滑な運営に支障のない範囲内で、農業構造転換の推進に必要な施策の集中的な実施に必要な財源に充てるため、同会に積み立てられている特別積立金の一部を国庫に納付する特例を措置することとし、この法律案を提出した次第であります。

 次に、法律案の主要な内容につきまして、御説明申し上げます。

 第一に、この法律は、令和八年度から令和十一年度までに限り、農業構造転換の集中的な推進に必要な施策の実施に要する経費の財源に充てるため、日本中央競馬会の国庫納付金の納付の特例を定め、もって食料安全保障の確保に資するものとしております。

 第二に、日本中央競馬会は、令和八事業年度から令和十一事業年度までの各事業年度において、日本中央競馬会法の規定による通常の国庫納付をするほか、特別積立金のうち二百五十億円ずつ合計一千億円を国庫に納付しなければならないものとしております。

 以上が、この法律案の提案の理由及び主要な内容であります。

 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。

 次に、日本中央競馬会法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。

 日本中央競馬会につきましては、近年競馬の売上げは堅調であり、その設立以来、国の財政に寄与するとともに畜産業の振興に多大な貢献をしてまいりました。

 こうした中で、本法案と同時に提出しております日本中央競馬会国庫納付臨時措置法案におきまして、農業構造転換の推進に必要な施策の集中的な実施に必要な財源に充てるため、日本中央競馬会に積み立てられている特別積立金の一部を国庫に納付することとしているところであります。

 一方、日本中央競馬会の経営環境については、その施設や設備について、積極的な活用への期待が高まるなど、社会情勢の変化も生じており、こうした状況に対応して同会の経営の持続性を確保していけるよう、この法律案を提出した次第であります。

 次に、法律案の主要な内容につきまして、御説明申し上げます。

 第一に、日本中央競馬会が事業年度ごとに生ずる剰余金から特別振興資金に充てる金額の決定方法について、毎年度政令で定める方式を、農林水産大臣の認可を受けた事業計画等に基づき定める方式に変更することとしております。これに伴い、日本中央競馬会の経営判断を踏まえて特別積立金として積み立てる金額を決定する仕組みへの弾力化を図ります。

 第二に、日本中央競馬会の施設や設備の利用に関する地域住民等の多様なニーズに応えられるよう、同会が、あらかじめ農林水産大臣の認可を受けて、保有する施設又は設備を一般の利用に供し、又は賃貸する業務を行うことができるものとしております。

 第三に、外部人材の登用を円滑化するため、日本中央競馬会の役員の欠格条項の一部を廃止することとしております。

 以上が、この法律案の提案の理由及び主要な内容であります。

 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。

藤井委員長 これにて両案の趣旨の説明は終わりました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十時三十六分散会


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