第7号 令和8年4月22日(水曜日)
令和八年四月二十二日(水曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 藤井比早之君
理事 東 国幹君 理事 笹川 博義君
理事 野中 厚君 理事 平沼正二郎君
理事 和田 義明君 理事 野間 健君
理事 池畑浩太朗君 理事 村岡 敏英君
石坂 太君 伊東 良孝君
江藤 拓君 門 寛子君
加藤 大博君 今 洋佑君
西條 昌良君 鈴木 拓海君
俵田 祐児君 中川こういち君
西田 昭二君 西山 尚利君
葉梨 康弘君 広瀬 建君
藤田ひかる君 宮下 一郎君
向山 淳君 簗 和生君
山本 深君 神谷 裕君
庄子 賢一君 角田 秀穂君
柏倉 祐司君 関 健一郎君
許斐亮太郎君 長友 慎治君
木下 敏之君 林 拓海君
…………………………………
農林水産大臣 鈴木 憲和君
農林水産副大臣 根本 幸典君
農林水産大臣政務官 広瀬 建君
政府参考人
(出入国在留管理庁在留管理支援部長) 礒部 哲郎君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 榊原 毅君
政府参考人
(農林水産省消費・安全局長) 坂 勝浩君
政府参考人
(農林水産省畜産局長) 長井 俊彦君
農林水産委員会専門員 千葉 諭君
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委員の異動
四月二十二日
辞任 補欠選任
藤田ひかる君 向山 淳君
渡辺 創君 神谷 裕君
長友 慎治君 許斐亮太郎君
同日
辞任 補欠選任
向山 淳君 藤田ひかる君
神谷 裕君 渡辺 創君
許斐亮太郎君 長友 慎治君
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本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案(内閣提出第三五号)
農林水産関係の基本施策に関する件
食育基本法の一部を改正する法律案起草の件
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○藤井委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案を議題といたします。
この際、お諮りいたします。
本案審査のため、本日、お手元に配付のとおり、政府参考人の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○藤井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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○藤井委員長 これより質疑に入ります。
質疑の申出がありますので、順次これを許します。野中厚君。
○野中委員 おはようございます。自由民主党の野中厚でございます。
農林水産委員会で質問をさせていただくのは実に四年ぶりになります。その期間、答弁する側、進行する側にはいたんですけれども、機会をいただいたことに感謝をいたしまして、質問に入らせていただきます。
家畜伝染病予防法の改正でありますが、大きく分けて三つポイントがあると思いますので、それぞれ質問をさせていただきます。
まず、ランピースキン病についてでありますが、届出伝染病が現在七十八種類、そして家畜伝染病が二十種類規定されているということでありますが、過去に届出伝染病から家畜伝染病に格上げした事例はあるのか、また、今回格上げした意図についてお伺いいたします。
○坂政府参考人 お答え申し上げます。
家畜伝染病の体系におきまして、これまでも、届出伝染病から家畜伝染病に格上げした事例、これにつきましては、疾病の性質や発生状況に応じて行ってきたところでございます。最近の例といたしましては、平成二十三年の法改正におきまして、ヤギと羊の疾病でございます小反すう獣疫が家畜伝染病に格上げされたという事例がございます。
今回の改正におきまして格上げをしたいと考えておりますランピースキン病につきましては、一昨年、令和六年に我が国で初めて発生したランピースキン病のウイルスが、従来、元々の流行地でありますアフリカで流行していた株と比較いたしまして伝播力が増している可能性が指摘されておりまして、万が一、再び国内で発生した場合には、我が国の畜産業に深刻な被害を生ずるおそれがあると考えられたことによるものでございます。
このため、今回の改正におきまして、ランピースキン病を家畜伝染病予防法上の家畜伝染病に追加をいたしまして、強力な蔓延防止のための措置を講じることによりまして、再び国内で発生した場合の早期の封じ込めに万全を期すことにしたいと思っております。
○野中委員 海外で発生している事例で、伝播力が増したということであります。今回、仮に法案が成立した際には、法的強制力を持って防疫体制を強化するということでありますが、格上げすることによって、各農場で今まで以上に飼養衛生管理の徹底、そして強化を図られることを期待したいというふうに思っております。
このように、媒介するのは、このランピースキン病というのは蚊とサシバエというふうに、飛んでくるものについてはなかなか水際だけでは止められないで、やはり現場で飼養衛生を徹底していくということになりますが、人が持ち運んだり送ったりするものに関しては、これは水際対策を更に徹底させていかなければなりません。
海外から摘発されている件数を、それぞれ国際郵便、そして空港などで見ますと、上位は、共に一位は中国であります。ほか、上位にベトナム、タイ、インドネシアというところが発見されているということでありますが、特に、そういった特定の国が利用する空港、港湾については、今まで以上に検査をしっかりして、持ち込ませない取組を図るべきというふうに考えます。
また、現在、現にもう国内に持ち込まれている事例があるわけですので、国際郵便等を含めて、今まで以上に検査の精度を高めるべきと考えますが、所見をお伺いしたいと思います。
○根本副大臣 お答え申し上げます。
動物検疫につきましては、令和二年の家畜伝染病予防法の改正により、携帯品検査における肉製品の所持に係る質問、検査権限や発見された違反畜産物の廃棄権限の付与などの家畜防疫官の権限を強化したことに加え、輸入検査に係る違反についての罰則も強化したところであります。
検査体制につきましても、動物検疫探知犬を、令和元年度の五十三頭から現在の百四十頭へと増頭し、家畜防疫官につきましては、令和元年度の四百八十一名から今年度には五百四十四名体制まで増員し、強化をしているところであります。
こうした中で、委員から御指摘がありました国際郵便における輸入禁止品等の摘発は、令和元年から増加傾向にあり、現在も高止まりしており、輸入禁止品等を含め、指定検疫物と一緒にたばこなどを同梱した事例であったり、菓子類の容器に肉製品を隠し、検査品でないことを偽るような梱包をした事例等が確認されているところであります。
このため、国際郵便のエックス線画像をAIが判定して指定検疫物等を発見する技術の開発であったり、過去、輸入禁止品が繰り返し送られている住所のリストアップと再送付があった際の開披検査などを行っているところであり、引き続き、検査精度の向上に努め、家畜伝染病の侵入防止を徹底してまいりたいというふうに考えております。
以上です。
○野中委員 ありがとうございます。
副大臣からもお話がありましたとおり、初めは、持ち込まれて没収されたケースというのは、てっきり日本のルールを知らない人が意図せず持ち込むケースなのかなと思ったんですが、たばこに交ぜてとか、確実に悪質に持ち込むケースであるということであります。
これから精度を上げていくということでありますが、イタチごっこになるかもしれませんが、間違いなく言えるのが、発生してから世界中で蔓延をして、アフリカ豚熱のワクチンはまだ世界中でも開発されていないという事実がありますので、是非、水際措置で止めるという強い意思を持ってこれからも取り組んでいただきたいというふうに思っております。
そして、先ほども申し上げました、残念ながら、持ち込まれた事例がある、そして外国食材店でそれを販売しているという事実もあるわけです。今までは、家畜防疫官が立入検査もすることもできなければ、それを指導して廃棄することもできなかったというわけですが、今回の法改正によってそういった権限が付与されるということであります。
ただ、今までも、そういった強制力はなくても、これは輸入禁止品だよというふうに伝えたら、その人自体が知らなくて、そして、実際、告げた後、その店を訪れると、輸入禁止品を販売していなかった事例もあるということもありますので、仮にこの法案が成立した暁には、外国食材店を始め、周知を図るべきだというふうに思っております。
その上で、やはり悪質な店については、ちゅうちょなく公表すべきです。やはりこれで違法なものを持ち込むということがいかにリスクか、そして、それを販売するということがいかにリスクかということをしっかり示すべきだというふうに思っておりますが、その点についてお伺いいたします。
○根本副大臣 お答え申し上げます。
これまでも、農林水産省では、外国食材店に訪問して広報活動を行うとともに、保健所と連携をし、営業届出の申請機会を捉え、保健所に広報資材を設置することにより、外国食材店を開業する外国人等への周知を行ってきたところであります。
しかしながら、委員御指摘のとおり、外国食材店における水際検疫に対する理解はまだまだ十分でない実態もあることから、本法案の成立のタイミングも捉えつつ、引き続き、積極的に制度周知を図ってまいりたいというふうに考えております。
また、輸入禁止品等を廃棄処分を受けた店舗については、食材店等、一般市民、農場、当該食材店の取引先に対して同様の注意喚起を行う観点から、原則として、全ての事例について店舗名等を公表するということにしております。
こうした取組を通じ、引き続き、家畜伝染病の侵入防止に全力で取り組んでまいりたいというふうに考えております。
以上です。
○野中委員 ありがとうございます。
強い言葉で言うと、違法なものを持ち込んで商売が成り立つという環境は決してよくない。しっかりと取り締まってほしいと思いますし、その上で、家畜防疫官が現場に赴くわけでありますので、その家畜防疫官の身の安全というのも大切ですから、警察としっかりと連携を取っていただきたいというふうに思います。
そして、最後の分野になりますが、豚熱に係る選択的殺処分についてお伺いいたします。
二〇一八年でありました、一例目は岐阜で発生したわけですけれども、当時は豚コレラと言われていたんですね。それで、私が政務官で、岐阜に行き、当時の古田知事と対策について意見交換を交わしました。あれからようやく知見が積み重なって、選択的殺処分につながったものだというふうに思います。
この選択というのは、私は大いに賛成いたします。やはり選択的殺処分をすることによって、発生の養豚農場の経済的負担も抑えられますし、何より、殺処分するときに、地方自治体とか建設業協会とか、身体的だけではなくて精神的負担もかかるんですよ、それが軽減されるのが何よりだというふうに思っております。願わくば、この法律が成立していれば、養豚主要県である南九州の発生、その前に成立できていればなというのは悔やまれるところでありますが。
ちょっと時間も限られてきましたので、これは質問ではなくて意見にしますが、子豚と陽性を確認された豚を処分して、それ以外は残していくということであります。ですので、残された豚のリスクコントロールをしっかりしていただきたいというのと、あとは、やはり政府がしなければならないのは風評被害です。
鳥インフルエンザとか豚熱が発生した場合、流通することはありませんが、仮に口に入った場合でも人に害は及びませんということを、その都度都度、よく時々の大臣が発信されておりますので、選択的殺処分で残った豚も市場に出ても、これは当たり前ですけれども、全く害はないということは、是非、鈴木大臣を始め農水省として発信をしていただきたいというふうに思っております。
そして、残念ながら、陽性が確認された際、今後、これが成立すれば選択的殺処分になりますが、当然、家伝法で埋却地を確保しなければならないというのは承知しておりますが、全国それぞれ地形は様々でありまして、私のところは水田地帯なんですね。ですから、いざというときの埋却地の周辺は水田です。場所によっては川の近くもあるというと、これはやはり水の問題が出るんですよ。水の問題が出るとどうなるかというと、やはり地域住民とのあつれきとかが出ちゃいまして、そういった精神的と、周りの周辺環境から、その発生した養豚農家の経営再開に結構負担がかかるというふうに思っております。
私は、是非、移動式レンダリング装置を活用すべきというふうに考えております。もちろん、これも場所を取ります。ただ、これはよくよく考えて、いざ発生したときに、それから議論するというのは時間的にも間に合わないですよ。だから、今まで三例しかないというのは、やはり緊急でどうするかという時間を優先したものだというふうに私は思っているんですね。
ですので、やはり議論するのは平時です。平時に、農場と都道府県が事前に、いざというときにどうするかというのを協議して計画を立てる。そこには是非私は移動式レンダリング装置の活用というのを入れていただきたいと思いますが、最後に大臣の所見をお伺いしたいと思います。
○鈴木国務大臣 御質問ありがとうございます。
委員御指摘のとおり、埋却地の事前確保が困難な地域や、確保していた埋却地が使用できなくなる場合というのがあります。
そういった場合において移動式レンダリング装置や焼却施設の活用も必要となることから、農林水産省としては、都道府県に対し、家畜の所有者と連携をして、焼却施設などを活用する計画の策定や、周辺住民との事前調整などを行うよう指導しているところであります。
また、現在、全国の動物検疫所に移動式レンダリング装置は計五台配備をしておりますが、今年度、新たに一台を追加配備することとしまして、発生時だけではなく、今委員からお話がありましたので、事前の演習を含めて、都道府県に貸与できる体制整備を図ってまいります。
引き続き、都道府県と緊密に連携しながら、死体の処理方法の確保も含め、迅速な蔓延防止措置の実施に万全を期してまいります。
○野中委員 質問を終わります。ありがとうございました。
○藤井委員長 次に、中川こういち君。
○中川(こ)委員 自由民主党の中川こういちです。皆様、おはようございます。
本日は、大変貴重な質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。農水委員会はもちろんですけれども、人生で初めての質問ということでありまして大変緊張しておりますが、地元十勝の声を皆様にしっかり伝えていくために頑張ってまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
本日は、家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案について質問させていただきますが、現在、鳥インフルエンザや口蹄疫、ヨーネ、豚熱、様々な感染症が、人や物の移動が活発化したこともあり、日本の食の安全保障というのが非常にリスクにさらされているというふうに認識しております。
初質問ということなので、まず鈴木大臣にお聞きをしたいんですが、今、この日本の食を取り巻く家畜伝染病のリスクというものが、従前から変わっていないという認識であるのか、急激にこのリスクは上昇しているという御認識であるのか、今の伝染病のリスクについてどう捉えていらっしゃるのか、お聞きできればと思います。
○鈴木国務大臣 まず、中川委員には、人生で初の国会質問、おめでとうございます。
我が国を取り巻く家畜衛生の状況を見ますと、口蹄疫やアフリカ豚熱、高病原性鳥インフルエンザが、隣国の韓国を含む近隣諸国で継続的に発生をしておりまして、疾病の侵入リスクというのはかつてないほど高まっているというふうに危機感を抱いております。
また、国内におきましても、高病原性鳥インフルエンザが、令和二年以降六シーズン連続で発生をしておりまして、実際に、特に卵なんかは、お菓子屋さんからお話を伺うと、安定供給はやはり難しくなっているのではないかというようなお話もよくいただくようになっております。また、豚熱も毎年散発的に発生をしておりまして、非常に厳しい状況にあると認識をしております。これらの疾病の発生予防、蔓延防止は、食料安全保障や我が国の畜産業の持続的な発展に不可欠でありますので、危機感を持って、緊張感を持って対応させていただきたいと思います。
○中川(こ)委員 御回答ありがとうございます。
鳥インフルエンザや卵の話も含めて、生産者を取り巻く環境も激化して、また生産者側に対する負担も増しているということで、食の安全保障を守りづらくなっているという御認識は全く私も同じでありますし、今の大臣の御認識、御見識は、地元の皆さんにもしっかりお伝えさせていただきます。
次に、今回、家畜伝染病に追加をされたランピースキン病についてお聞きをいたします。
今回、ランピースキン病が家畜伝染病に位置づけられたその背景には、我が国ではまだ限定的な発生にとどまっている状況ではありますけれども、それが蔓延してから対策するのではなくて、侵入初期にしっかり封じ込めるということが極めて重要な病気であるという御判断があると理解しております。
その際に、発生をした農家、若しくは淘汰を決断した農家に対する十分な補償というものがなければ、通報ですとか初期行動、初期対応に遅れが生じてしまい、結果としてそれが蔓延してしまうリスクも高まるんだ、こういう構造にあるんだと理解しております。これは、長期管理を前提とするヨーネ病とは全く異なる病気なんだと思いますので、いかに早期に封じ込めるか、いわば予防的、そして積極的な、今回、予防対応なんだと理解しています。
そこで、お伺いしたいのが、政府としても同じような御認識に立って、初期対応を確実なものにしていく、そして補償制度や支援措置をしっかり提供することでこれを封じ込めていくんだという御見識であるのかという点をお伺いさせていただきます。
○広瀬大臣政務官 お答えいたします。
ランピースキン病については、我が国では、令和六年、一昨年の十一月に初めて発生し、従来アフリカで流行していた株と比較して伝播力が非常に増している可能性が指摘されているところであります。
同病が我が国で再び発生した場合には、委員御指摘のとおり、早期の封じ込めにより感染拡大を防止することが重要となることから、法的拘束力を持って殺処分等の強力な措置を実施できるよう、家畜伝染病に位置づけることとしたいと考えているところであります。
また、我が国に未発生、未定着の家畜伝染病については、特に早期の封じ込めが重要であり、早期通報等を奨励して迅速な防疫措置を実施するためにも、患畜や疑似患畜の殺処分について、手当金の支払いであったり、各種の融資制度、これはつなぎ融資になりますけれども、こうしたもので支援することとしております。
○中川(こ)委員 ありがとうございます。
今、ヨーネ病とは感染の仕方やそのスピード感というのが全く違うということ、おっしゃるとおりだと考えております。今回、地元の酪農家の皆さんともお話をさせていただいた中で、ランピースキン病自体が家畜伝染病に追加されるということは非常に前向きに捉えていただいているので、今回の御説明もしっかり伝えさせていただきます。
また、現場の酪農家の皆さんも、今回のランピースキン病が追加されたこと、すなわち、それが何か現場の負担とか検査の負担につながるというふうには考えているわけではないと思いますので、そこはしっかり丁寧に私も説明させていただければと思っています。
一方で、今、地元の大きな負担になっているのがヨーネ病であります。ちょっとヨーネ病について三点お伺いさせていただきたいんですが、一つ目が、検査体制についてです。
やはりヨーネ病は、慢性的に、長期間にわたって検査をする必要があるということで、今、現場には非常に大きな負担になっております。
北海道では、検査負担の軽減ということで、最終検査を三年目ではなくて二年目に一部前倒しできるような一部軽減、軽減といいますか、負担を軽減する措置を取っていただく判断をしていただいています。ただ、これはあくまで北海道の判断でありますので、今後、国としてこの検査負担の軽減を検討されていくのか、検討されているとは伺っているんですが、今後、どのような検討になっていくのかという検討状況を教えていただければと思います。
二つ目が、淘汰に対する補償でございます。
先ほど委員からの質問があったとおり、伝染病を介在するのは、ランピースキン病であれば虫でありますし、ヨーネ病であれば鹿やカラスなど、ほかの動物が伝播の介在をしてしまうということで、やはり伝染病が広がるということ自体は農家さんだけの責任ではないというふうに言えることができると思います。その際、今ヨーネ病は八割の補償になっておりますが、これを行く行くは十割に持っていくようなことが検討できないのかということを二点目にお伺いさせていただきます。
三点目が、鳥獣被害についてであります。
今申し上げたように、ヨーネ病の伝染病拡大には、やはり鹿というものが一部介在しているという話を聞いております。北海道は、どうしても農場と野生動物の生息地が隣り合っているものですから、これは入ってこないように保護するということはできるんですが、数そのものを減らすことができない。
今、鹿のふんを検査してみると、結構な率でヨーネ病を保菌しているということが分かってきています。なので、そこのふんをカラスが踏んで、それが牧場に来てしまって、結局、そこから菌が広がっていくということが発生している状況ですので、鳥獣対策として、食害については柵を設ける費用を補償したりということで、入ってこないような対策はされているんですが、一方で、ヨーネ病を減らしていくためには、やはり鳥獣そのものの数を減らしていくという対策が必要なんだと考えております。三点目として、是非、感染症予防対策としての鳥獣対策というものも御検討いただけないでしょうか。
以上三点、お願いいたします。
○坂政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のヨーネ病につきましては、潜伏期間が非常に長いという特性がございます。長期間にわたる定期的な検査を実施していただくことによりまして感染牛を摘発しているところでございます。
このような中、現場における検査負担の軽減を求める声を踏まえまして、昨年十月にヨーネ病の専門家などから成る技術検討会を立ち上げたところでございまして、その中で、具体的な検査負担の軽減策を議論しているところでございます。まだ議論の途中ではございますけれども、検査の実効性を確保しつつ、生産者の御負担を軽減できる検査法となるように検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
また、二点目の手当金の割合についてでございますが、高病原性鳥インフルエンザや口蹄疫のような全頭殺処分の対象となる疾病に限りまして、評価額の全額を支出するということにしております。ヨーネ病の場合は、かかった牛のみが殺処分の対象となるものでございます。いずれにいたしましても、現場の検査負担の軽減にも配慮した上で、ヨーネ病の発生予防対策に万全を期してまいりたいと思っております。
また、三点目のヨーネ病等の感染病予防のための野生鳥獣対策についてでございますが、地域一体となって効果的な取組を講じようとする場合、この場合には、消毒対策でございますとか、防鳥ネットの設置などの野生動物の侵入防止対策について支援を措置しているところでございます。このような取組を通じまして、野生鳥獣を介した感染拡大等の防止に努めてまいりたいというふうに考えております。
○中川(こ)委員 ありがとうございます。
補償のところは非常に厳しい部分があるということで、患畜と、一部、罹患してしまった動物のみを根絶するということで、対象が違うということは理解しておりますが、かなり現場も疲弊してきているので、引き続きの御検討をいただければと思っております。
また、今、消毒対策、侵入防止という対策を進めているというお話をいただきましたが、やはりどうしても外から、結局、鳥が運んできてしまうという現状がある以上、その数自体を減らすというところも今後視野に入れていただければ幸いでございますので、引き続き検討の方をよろしくお願いいたします。
最後に、今般の法改正によって海外からの疾病の侵入を防止していくこと、そして畜産業を守っていくということは、それすなわち、日本の食の安全保障を守るということと同義だというふうに思っております。
改めて、水際検疫の強化に向けた大臣の決意を一言いただければ幸いです。
○鈴木国務大臣 お答え申し上げます。
アフリカ豚熱、口蹄疫などの家畜伝染病については、欧州や韓国において感染が拡大をしている中であります。そういう中で、訪日外国人観光客数の増加もありまして、侵入リスクがかつてなく高まっています。特に、アフリカ豚熱だけは入れてはならないという覚悟で、私たちも精いっぱい努力をしなければならないと考えております。
これまでも、家畜伝染病の国内への侵入を防ぐために、家畜防疫官の口頭質問や検疫探知犬による検査、そして空港や港における車両などの消毒の徹底など、水際対策は徹底をしてきたところであります。
ただ、一方で、違法に輸入された疑いのある畜産物が国内の食材店において販売されている事例が確認されるといった事態に適切に対処をしなければなりませんので、今般、この法律改正によって、家畜防疫官の国内の食材店への立入検査権限の創設などを盛り込ませていただいたところであります。
本法案が成立した暁には、水際対策を更に強化をして、海外からの家畜伝染病の侵入防止に全力で取り組んでまいります。
○中川(こ)委員 ありがとうございます。
やはり入れる前に止めるということで、アフリカ豚熱は絶対に入れてはいけないというところも全く認識は一緒でございますので、本当に力強い大臣、そして農水省の皆様の答弁であり、農業を支える一員として、私自身、改めて頑張ってまいりたいと思っております。
ちょっと最後に、宣伝になってしまうかもしれないんですが、来年八月に十勝では、五年ぶりの全国和牛共進会、和牛オリンピックが開かれます。全国の牛が一斉に日本中を動く一大イベントではありますけれども、牛が動いていくので、家畜伝染病上のリスクはやはりはらんでいるイベントだと認識をしています。当然、各農家さんもそうですし、地元の十勝、北海道庁、関係者一同、伝染病が拡大しないように徹底的な対応をしていきますし、そこに関しては、伝染病を広めないという覚悟の下、このイベントの開催に向けて、皆さん取り組んでおります。
この現場の頑張りというところも含めて、そしてこの共進会が大成功に導かれるように、是非、鈴木大臣、そしてできれば高市総理にも、来年十勝に入っていただきますようお願い申し上げて、本日の質問を終わらせていただきます。
誠にありがとうございました。
○藤井委員長 次に、角田秀穂君。
○角田委員 中道改革連合の角田秀穂でございます。
本日も質問の機会をいただきまして、感謝を申し上げたいと思います。
まず、ランピースキン病の家畜伝染病への格上げについてお伺いをしたいと思います。
ランピースキン病は、おととしの十一月、国内で初めて発生が確認されたわけですけれども、翌十二月にかけて、福岡、熊本、二県で二十二の事例、二百三十頭の発症が確認をされましたけれども、二〇二五年二月以降は新たな感染は確認をされずに来ている中で、七月に政令指定で家畜伝染病と同じような措置が行われるようになって現在に至っているわけです。
ランピースキン病は、他の家畜伝染病に比べても致死率も低く、一昨年の発生を教訓とした飼養衛生管理の徹底やワクチンの接種で発生予防、さらには蔓延の防止を図れるのではないかというような意見もありますけれども、そうした中で家畜伝染病に格上げする理由についてお伺いするとともに、家畜伝染病となると、発生した際、農家の負担も大きくなると思いますけれども、届出伝染病から家畜伝染病に格上げする際の判断の基準、これについて確認をさせていただきたいということと、この基準に照らして今後、届出伝染病から家畜伝染病への格上げを検討しているそのような伝染性の疾病はあるのかどうか、まずお伺いをしたいと思います。
○広瀬大臣政務官 お答えいたします。
家畜伝染病予防法においては、疾病の性質、発生状況、予防、治療法の有無、飼養頭数等を勘案して、蔓延を防止するため、殺処分等の強力な措置を講ずる必要があるものを家畜伝染病、強力な蔓延防止措置を必要としないものの、早期発見に努める必要があるものを届出伝染病として、家畜衛生部会の意見を聞いた上で指定しているところであります。
ランピースキン病については、我が国では、委員御指摘のとおり、一昨年十一月に初めて発生し、従来アフリカで流行していた株と比較して極めて伝播力が増している可能性が指摘されているところであります。
同病が我が国で再び発生した場合には、早期の封じ込めにより感染拡大を防止することが重要となることから、法的拘束力を持って殺処分等の強力な措置を実施できるよう、家畜伝染病に位置づけることとしたいと考えております。
なお、現時点で同様に家畜伝染病への格上げを検討している疾病はありませんが、引き続き、疾病の性質や発生状況に応じて見直しを行っていきたいと思っております。
○角田委員 実際に発生をして蔓延防止措置を講じた際の補償についてお伺いしたいと思うんです。
今回、家畜伝染病への格上げによって、殺処分や移動制限など蔓延防止措置、これを強制できることになりましたけれども、殺処分に対する手当金は、鳥インフルエンザでは評価額の全額が支給されるのに対して、ランピースキン病は、患畜は評価額の三分の一、疑似患畜については五分の四というふうにされております。
十分な補償がなされなければ、殺処分など迅速な蔓延防止が逆に妨げられてしまう懸念もありますけれども、この手当金の考え方について確認をさせていただきたいと思います。
○坂政府参考人 お答え申し上げます。
家畜伝染病のうち、高病原性鳥インフルエンザや口蹄疫のように、病原性や伝播力が極めて強く、発生時には必ずその農場の全頭の殺処分を行う必要があるような疾病につきましては、発生農場の経営に与える甚大な影響を緩和いたしまして、経営の確実な再開を支援することを目的といたしまして、通常の評価額の五分の四に相当する手当金と併せまして、評価額の五分の一に相当する特別手当金を交付することといたしております。合わせまして結果的には評価額の全額に相当する額が交付されることになります。
ランピースキン病などの全頭殺処分を行わない疾病につきましては、殺処分の対象となりますのは、実際の検査で陽性となりました疑似患畜のみでございます。経営が中断されるといったような事情も存在いたしませんことから、特別手当金は交付せずに、評価額の五分の四に相当する手当金のみを交付するということにしております。
いずれにいたしましても、ランピースキン病を我が国で再発させないように、水際対策の強化や飼養衛生管理の徹底等の発生予防対策に万全を期してまいりたいと考えております。
○角田委員 大事なのは、発生した際の蔓延防止措置、これがいかに迅速に講じられるか。手当金の考え方についても、その観点から十分なのかどうか、こうした点も踏まえて今後もこの点について検討していただきたいということを要望させていただきたいと思います。
続いて、豚熱についてお伺いします。
豚熱の蔓延防止策として、これまでの発生事例で得られた知見を踏まえて、免疫が成立をしていないワクチン未接種の豚であるとか接種後二十日以内の豚など、選択的に殺処分を行えば、他の豚等を殺処分の対象から除外したとしても、繁殖豚と同様、全頭殺処分と比して伝播のリスクは変わらない、そうした科学的な評価に基づいて殺処分の範囲を今回改正によって限定をしようというものですけれども、この見直しによって、過去の事例に照らした場合にどの程度殺処分が減らせることになるのか、現場の負担はどの程度軽減されることになるのか。
例えば、直近、宮崎県都城市の養豚場で発生した豚熱の事例においては、養豚場で飼育されていたおよそ五千六百頭が殺処分をされ、この防疫措置には五日間で延べおよそ八百人が動員をされましたけれども、選択的殺処分に移行していた場合、全頭殺処分は回避ができたのか、何頭程度を殺処分対象とする判断となったのか、また初動対応を迅速化できるのか、こうした点について具体的にお示しいただきたいと思います。
○坂政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘の今月十日に豚熱の発生が確認されました宮崎県都城市の養豚農場におきましては、宮崎県の指示に従いまして適切に豚熱のワクチンが接種されていたところでございます。仮定の話ではございますけれども、改正法案の成立後に発生した事例でありますれば選択的殺処分の対象となっていたというふうに考えております。
また、この農場でワクチンを接種していない子豚や接種をしてから二十日経過していない豚、これらの豚が殺処分対象となりまして、残りの豚を生かすというふうに仮定いたしますと、殺処分の対象となる豚は、全部の飼養頭数の大体五割程度に限定されていたという可能性がございます。
なお、これらの殺処分の対象となった豚というのはいずれも子豚でございます、殺処分や焼却、埋却に係る労力というのは、大人になった豚、繁殖豚や出荷間際の豚よりも小さくなることから、防疫措置の実施に当たっての現場の負担というのは更に軽減されていたというふうに考えております。
○角田委員 今回の改正によって選択的殺処分となりますと、農家間で補償の不公平が生じてしまうのではないかというような懸念もあります。
これまでは、豚熱の感染が確認された農場は、蔓延防止のため、全頭殺処分を実施して、その損失に対しては原則、評価額の全額が手当金及び特別手当金として補償が行われてきたわけですけれども、これが選択的殺処分に移行すると、リスクの高い豚に限定しての殺処分を実施した後に、殺処分の必要なしとされた豚については、三か月程度更なる感染がないか、ここを確認をした上で出荷をされるということになりますけれども、殺処分した豚については従来どおりの補償基準に基づく補償が行われますが、それに加えて、殺処分対象とならなかった豚の風評による価格下落が懸念をされます、こうした場合の補償も考えていく必要があるのではないかと思います。
こうした価格下落や出荷制限による損失など、この補償制度については今回の法改正に対してどう設計をしていくのか、お伺いをしたいと思います。
○坂政府参考人 お答え申し上げます。
今回の改正案に盛り込んでおります豚の選択的殺処分の導入に当たりましては、科学的見地から十分な議論を重ねた上で、適切なワクチン接種を行って免疫を獲得した豚で、豚熱感染を疑うような臨床症状が出ていないもの、これにつきましては、一定の移動制限などのリスク管理措置を講じることによりまして、ほかの農場に豚熱のウイルスを蔓延させるようなリスクにはならないというような結論を得たところでございます。
この科学的な結論につきまして、生産者の方だけではなくて、屠畜場などの関連する事業者の方々に対しましても、啓発資料など分かりやすい資料を用いまして丁寧に情報提供を行いまして、風評などによって不利な扱いを受けることがないよう促してまいりたいというふうに考えております。
なお、発生農場におきまして移動制限をかけることになりますけれども、移動制限に起因する売上げの減少額又は飼料費などの費用の増加額、こういったものへの支援につきましては、都道府県が交付した額の二分の一を国が負担するという仕組みになっているということでございます。
○角田委員 こうした補償も含めて、運用によっては、かえって生かされた方が損をしてしまうというような声も現場では出かねないのではないかというふうに懸念をしております。防疫への協力が得られないといったことにならないように、あくまでも現場に寄り添った対応となるよう検討をしていただきたいということを要望させていただきたいというふうに思います。
次に、都道府県から要請があった場合に、研修を受けた獣医師相当の接種技術を備えた飼養衛生管理者も豚熱ワクチン接種を可能にするということについてです。
獣医師不足の中で、これまで運用において可能としてきた登録飼養衛生管理者によるワクチン接種を法律で実施できる旨規定をするということについて、本来、獣医師が行うべきワクチン接種を獣医師以外の者が行うことには、誤った接種であるとかワクチン管理不備によるそうしたリスクも考えられます。
これまでも、接種の間隔が農場によって週に一回というところもあれば月一回というところもあるなど、適切な時期に接種ができているとは言い難いケースも見受けられますけれども、ワクチン接種は適時適切に行われなければ、かえって発生のリスクを高めてしまいます。
研修は都道府県ごとに実施されるとのことですけれども、知識や技術にばらつきが生じないよう、獣医師相当というレベルをどう確保していくのか、研修の内容、時間、認定基準等を具体的にお示ししていただきたい。また、事故発生時の責任は誰が負うことになるのかについてもお伺いをしたいと思います。
○坂政府参考人 お答え申し上げます。
今回の改正案に盛り込んでおります、獣医師法の特例として獣医師以外の者が豚熱のワクチン接種を行うことができる仕組みの対象となります登録飼養衛生管理者、この者というのは、ふだんから農場において豚の健康状態の把握や衛生状態の管理を行っておりまして、日々の業務を通じて安全な注射の実施に必要となるような基礎的な飼養衛生管理の知識や技術を習得している農場における飼養衛生管理者であることが前提となっております。
その上で、都道府県が研修を実施するわけでございますが、この研修によりまして、接種に係る基礎的な知識や具体的な接種方法などの必要な技術、また、使用量の記録及び報告や適切な保管などの豚熱ワクチンの適正な管理、こういったものについて習得していただきまして、さらには、毎年その登録の更新に当たって改めて研修を受けていただくことを義務づけることとしております。
また、登録飼養衛生管理者のワクチン接種につきましては、獣医師である家畜防疫員の指示、監督の下に実施することとしておりますので、万が一のことがあった場合の最終的な責任につきましては、この指示を行った家畜防疫員にあるというふうに考えております。
農林水産省といたしましても、都道府県が登録飼養衛生管理者の数でございますとかワクチン接種を行う農場の数、こういったものについて定めますワクチン接種プログラム、これについてあらかじめ確認をすることとしております。都道府県と密に連携して、適時適切なワクチン接種が実施されるように、ワクチン接種体制の構築に万全を期してまいりたいというふうに考えております。
○角田委員 今回の改正は、家畜防疫員のワクチン接種業務の負荷を減らすことによって、飼養衛生管理の指導を始め、今、多様化をしている防疫業務、これが確実に実施をされるようにしようとするものであると思いますけれども、そのためには、やはり必要な家畜防疫員の確保、これが大きな課題だろうと思います。
公務員獣医師の確保には多くの都道府県が困難に直面をしており、公務員獣医師の中でも、家畜保健衛生所と食肉衛生研究所とでも処遇に開きがあることから、家畜防疫員の給与体系の見直しなど、各県、処遇改善に取り組むなどしているところです。
国においても、家畜伝染病予防のために極めて重要な役割を担っている獣医師確保対策、これを更に充実させる必要があると考えますけれども、この点について、今後の取組についてお伺いをしたいと思います。
○鈴木国務大臣 お答え申し上げます。
家畜の診療や防疫に従事する産業動物獣医師は、公務員獣医師を含め、地域の畜産業を支える重要な存在である一方、地域によっては必要な定員の確保に支障を来しているところもあることから、各都道府県では、家畜防疫員の必要人数の確保に向けて取り組んでいると認識をしております。
産業動物獣医師の確保につきましては、獣医系大学の卒業者の就業状況が、ペット分野が五割である一方で、産業動物分野が二割程度にとどまっていること、そしてまた、地域によって確保状況に偏りがあるといった課題に対応する必要があると考えております。
農林水産省におきましては、各都道府県と連携をしまして、産業動物獣医師として一定期間従事することを条件に返済を不要とする修学資金を用意するとともに、インターンシップによる職場体験への参加、そして、デジタル技術を活用した遠隔診療の推進などを支援しているところであります。
引き続き、産業動物獣医師の確保に取り組んでまいります。
○角田委員 是非お願いしたいと思います。
続きまして、輸入禁止品への対策、水際対策も含めた対策についてお伺いしたいと思います。
とりわけ、極めて致死率が高くて、感染力も強い、治療法もなければワクチンもないアフリカ豚熱は、既にアジア全域に拡大をしており、昨年十月に台湾で発生したことから、東アジアで発生していないのは唯一日本のみという状況になっております。水際対策に加えて、国内に入った輸入禁止品への対応強化、これによって何としても発生を防がなければなりません。
そのために、まず、アフリカ豚熱の水際対策の現状について、輸入品、携帯品からのウイルスの検出状況はどうなっているのか、また、水際をすり抜けて国内に入り込んでしまっている実態についてはどの程度把握しているのか、お伺いしたいと思います。
○坂政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のアフリカ豚熱につきましては、既に、空港それから港につきまして検疫をこれまで実施してきた結果、輸入禁止品などからそのアフリカ豚熱のウイルスの遺伝子の検出事例というのが累計で三百八十七件ございます。その中で、感染力のある生きたウイルスが分離されている事例というのも四件これまでに確認されておりまして、まさに我が国の水際までウイルスが到達しているという実態にございます。
また、一昨年、令和六年度に実施いたしました国内の輸入食材店における緊急調査におきまして、全国の四十二の店舗に対しまして、販売店の、外装の確認、それから、売られている商品の中でのアフリカ豚熱ウイルス遺伝子の検査を実施したところ、九店舗で十二品の違法輸入疑い品が確認されまして、うち二品からは実際にアフリカ豚熱ウイルスの遺伝子を検出したところでございます。
こういった状況に対応いたしますために、今回の改正案におきましては、輸入禁止の畜産物が水際での検疫をすり抜けて国内に侵入するといった事態に対応するために、まず、輸入禁止品の販売禁止規定を設けるとともに、家畜防疫官の食材店への立入検査の権限を設け、輸入禁止品が見つかった場合はその廃棄をする権限、こういったものを盛り込んだ改正法案を今回提出させていただいております。
改正法案が成立した暁には、水際検査と併せまして、こういったすり抜けの事例にも的確に対応いたしまして、家畜伝染病、特にアフリカ豚熱の国内への侵入防止をしっかりと徹底してまいりたいというふうに考えております。
○角田委員 そうした水際をすり抜けて入り込んでいる実態に対して、今回実施を行う立入検査のこの体制についてお伺いしたいと思うんです。
まず、対象となる外国食材店等はどのような観点から優先順位をつけて行っていくのか、また、近年、流通経路の多様化に伴って、特にネットでの取引が急速に増加をしていることに対応して、販売ルートのこうした多様化にはどのように対応していくのか、お伺いしたいと思います。
○坂政府参考人 お答え申し上げます。
今回の改正におきまして、家畜防疫官の業務として新たに追加されることとなる輸入食材店などへの立入検査の対象につきましては、過去に国際郵便物がその販売店向けに送られてきたといったような検査の結果、それから、従業員などによる情報提供によって得られた情報、こういったものを基に選定してまいりたいと思っております。
その上で、実際にその優先順位を立てるに当たりまして、近隣に畜産農場がある地域ですとか、近隣で野生イノシシの生息が確認されている地域など、こういったものを優先いたしまして、家畜伝染病の発生予防に最大限の効果を発揮できるように運用してまいりたいというふうに考えております。
また、今回の改正案に盛り込みました販売等の禁止規定、これにつきましては、実店舗での販売だけではなくて、SNS上での取引、フリマアプリを含む全ての電子商取引も規制の対象としているところでございます。必要に応じて、輸入禁止品と疑われる商品を保管する倉庫ですとか、販売業務を行う事業所なども立入検査の対象となるというように考えております。
改正法が成立した暁には、実店舗による販売であるか、オンラインの販売であるかを問わず、罰則の適用を含め厳格に対処してまいりたいというふうに考えております。
○角田委員 時間がありませんので、少し通告した質問を飛ばして続けさせていただきたいと思いますけれども、高病原性鳥インフルエンザについて質問いたしたいと思います。
地元千葉県は、鶏卵の産出額が日本一です。その日本一の千葉県において、特に令和六年度のシーズンは、全国で五十一例発生をしたうちの三分の一近くが地元千葉県に地域的にも集中して、さらには、毎日のように連続して発生をいたしました。これによって、三百三十万羽を超える鶏、これは県内の鶏の四分の一が殺処分をされた計算になりますけれども、この防疫措置のために、延べ一万人を超える職員を始め、自衛隊、県、近隣自治体、関係団体の協力を仰ぎながら、昼夜を徹しての作業が行われました。
高病原性インフルエンザは、現状、発生した農場の鳥全てを殺処分しなければならないため、一たび大規模な感染被害が発生した場合、農場関係者であるとか獣医師、行政職員など、負担は肉体的にも精神的にも極めて大きくなります。
鳥インフルエンザが世界中で蔓延している現状から考えて、今後も広範囲で大規模な感染被害の発生が十分考えられますけれども、これに対して欧米諸国でも予防ワクチン接種の検討が進められており、日本でも昨年から技術的な検討が開始をされておりますけれども、有効な予防策として現場からの期待も極めて大きいワクチンの開発導入、これの見通しについてお伺いしたいと思います。
○根本副大臣 お答え申し上げます。
鳥インフルエンザの予防的ワクチン接種につきましては、昨年八月に鳥インフルエンザワクチン技術検討会を設置をしまして、検討を行っているところであります。ワクチン接種の導入に当たりましては、ワクチンの有効性であったり、接種群に感染がないかを確認するためのサーベイランスの在り方であったり、接種体制や費用対効果、輸出入に与える影響であったり、公衆衛生上のリスクなど、整理すべき論点や解決すべき課題が多数存在をしております。
ワクチン接種の導入が鳥インフルエンザの発生や蔓延リスクの低減といった政策目的を達成するものであるかという観点から、技術的な検証や実行可能性の考察を進めていく必要があるため、検討には一定の時間を要するというふうに考えております。
このため、まずは、有効性に関するデータ収集を目的とした接種試験の実施等について具体的な検討を進める予定であります。
引き続き、欧米諸国など他国の検討状況や国内における研究動向も把握しながら、積極的に検討、議論を進めてまいりたいというふうに考えております。
以上です。
○角田委員 鳥インフルエンザの大規模な発生を契機に、千葉県では昨年、現場からの要望を踏まえて、鳥獣侵入防止のための様々な技術導入に対する補助事業、これを創設して、対策の強化を進めています。
この補助事業を活用して複数の技術を導入している農場にも伺いました。この農場も鳥インフルエンザで数十万羽の鶏の殺処分を経験をし、こうした途方に暮れる思いは二度と味わいたくない、そのためにはできる対策は何でもやるとの思いから、基本的な飼養衛生管理の徹底に加えて、昨年秋から、この県の補助を受けて、カメラの画像からAIが鳥を識別して鳥が嫌うレーザーを照射する固定式の装置、ドローンによる上空からのレーザー照射、さらには、鳥獣が嫌う音波を発生させる装置などなどを導入してみたところ、確実に成果は上がっているというようなお話でした。
野鳥やイノシシなど鳥獣の侵入を防ぐための様々な技術が今開発をされておりますけれども、現場で話を伺いながら、個々の技術ごとにはやはり一長一短があって、地域の状況に応じたシステマチックな対策を講じなければ効果も十分に得ることができない、こうした期待もできないのではないかという思いをいたしました。
ウイルス侵入防止策を更に進めるためにも、単体技術の検証、評価とともに、それらの技術をどのように組み合わせれば効果を最大化できるのか、ここも検討して、現場のニーズに対応したドローンやロボット、AI技術などを活用したスマート防疫システムの開発導入支援に国としてこれから力を入れていただきたいと思いますけれども、これについて見解をお伺いしたいと思います。
○坂政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のように、新たに開発された技術、こういったものや、その進展を踏まえました家畜防疫体制、その技術体系を含みます体制のアップデートは非常に重要であるというふうに考えてございます。これまでも、取り込めるような技術については積極的に取り込んで、そのアップデートを推進してきたところでございます。
委員御指摘のございました、鳥インフルエンザウイルスを媒介するカラス等の野鳥対策といたしまして、野鳥を自動追跡してレーザーを照射する装置が開発されて、その有効性が確認されたことを受けまして、その導入について支援する予算措置を既に講じているところでございます。
また、カメラつきドローンについても御指摘いただきました。昨年九月に農林水産省で開催いたしました家畜保健衛生所の全国業績発表会におきまして、カメラつきドローンによって、鶏舎の屋根などの目の届きにくい場所に着目して、破損の有無、野鳥の痕跡などを確認して、飼養衛生管理の指導に活用するという千葉県の取組が、最優秀賞である農林水産大臣賞を受賞したところでございます。
農林水産省といたしましても、今後、新たな技術の開発とともに、先端的な取組の情報を収集いたしまして、優良な事例、技術、これらを体系化して全国に横展開を図ることで、人口減少等の地方の実情も踏まえまして、家畜防疫の効率化にしっかりと取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○角田委員 時間となりましたので、以上で終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○藤井委員長 次に、庄子賢一君。
○庄子委員 中道改革連合の庄子賢一でございます。
まず、家伝法の質疑の前に、高病原性鳥インフルエンザの振り返りをさせていただきたいと思います。
数年に一回、大規模に発生するというものではなくて、近年、もう毎年のように数百万、あるいは、年によっては一千万を超えるような殺処分を繰り返してきているわけであります。令和二年は九百八十七万羽、令和四年が一千七百七十一万羽、令和六年が九百三十二万羽で、令和七年シーズン、今シーズンが五百五十万羽強ということかと思っておりますが、養鶏農場の経営に非常に影響を与えて、卵の価格も不安定になっているわけであります。これは、今回の豚熱、法改正によって選択的殺処分というわけにはいかず、一羽でもインフルエンザが確認されれば、基本、農場の中の全ての鳥を殺処分という取扱いにしているわけであります。
そこで、農水省は、三年前に、分割管理のマニュアルを作りました。分割管理は、人そして車両の出入り、あるいは消毒ポイント、これらを分けて、区域ごとに作業員を配置をいたします。堆肥舎、あるいは卵を集めるベルト設備、これも共用はしないということが基本になっておりまして、感染が確認されても、別のブロック、別のエリアで管理されている鳥の処分は行わなくていいという扱いになってきたわけであります。
ただし、採卵鶏などでいいますと、やはり大規模な施設が多くございますので、初期投資、多額の設備投資がどうしても必要になってまいります。国の補助は、五千万円が上限で、二分の一という、そうした限界もございますので、なかなか導入が進んでいないという実態にあろうかと思っております。
そこで、まず一問目に伺いたいのは、現状、分割管理を導入している農場、これは全国でどのくらいあるのか、そこで飼養されている鶏というのは全体の飼養数の何%くらいになるのか、加えて、国は、今後この分割管理方式をどの程度広げて進めていきたいと考えているのか、まず伺います。
○坂政府参考人 お答え申し上げます。
今月、令和八年四月現在のデータで、農場の中で分割管理が導入されている家禽の飼養農場というのは全国で二十七農場ございます。これらの農場の飼養羽数のほとんどを占める採卵鶏で比較いたしますと、この分割管理でカバーされているところというのは、全体の飼養羽数のおよそ七%でございます。一方で、特に分割管理の重要性が高い、非常に規模の大きな、百万羽以上を飼養する農場のうち、分割管理を導入している農場は、三分の一、三三%となっているところでございます。
このような分割管理の効果というのは、その農場の規模に応じて高くなっていくというふうに考えられますことから、昨年九月に家畜伝染病予防法に基づきます飼養衛生管理基準を改正いたしました、その中で、おおむね二十万羽以上を飼養する大規模な家禽農場における分割管理の導入の検討を行うことを義務づけたところでございます。
今後とも、各農場の実態に即した指導を行うとともに、優良な事例の横展開を行うことによりまして、農場の分割管理の取組を更に推進してまいりたいというふうに考えております。
○庄子委員 百万羽以上は三分の一まで導入ができているということでございましたが、全体でいうとまだ七%程度ということですので、これからかなり加速をしていかなければいけないというふうに思います。
これは養豚も一緒でございまして、分割管理をしていく必要性というのは同じなんだろうというふうに思っております。例えば、養豚でいうと、肥育の豚と繁殖、離乳の豚を分けて管理をするということができていれば、今回、この改正案が成立をしたとしても殺処分の対象であることに変わりない子豚などは、殺処分をしなくていいという可能性が出てまいります。
申し上げたように、分割管理はどうしても費用がかかりますので、なかなか進みにくいということもあるんです。殺処分の後、鳥なんかもそうですが、手当金があったり、さっきおっしゃったように貸付けがあったりという対応があるんですけれども、いわゆる発生を予防する、抑制をするための設備投資への支援というところが手薄なんだというふうに思っております。
是非、食料安全保障という観点からも、分割管理導入の加速によります殺処分数の抑制、あるいはその他の設備投資に関しまして、ずっと毎年毎年というのではなくていいと思うんですが、例えば、期限を区切って補助率をかさ上げする、上限額を引き上げるといった対応をしていただいて、踏み込んで、期限を区切って背中を押していただきたいと思っておりますが、大臣のお考えを伺いたいと思います。
○鈴木国務大臣 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、発生予防のための飼養衛生管理の強化の取組や、殺処分などによる影響緩和のための分割管理を推進することは重要だというふうに認識をしております。
このうち、施設整備への支援につきましては、例えばですけれども、発生予防対策としては、鶏舎の入気口へのフィルターや養豚場周辺への壁の設置、そして、分割管理については、分割に当たって追加で必要となる柵や更衣室、堆肥舎などの整備への支援を措置をしているところであります。
一方で、分割管理につきましては、農場内の作業動線の見直しなどにより、比較的少額の投資で分割を実現した事例もあります。今後も、これらの事例を周知するとともに、より取り組みやすい分割手法の検証、普及に努めてまいりたいと思います。
加えて、発生予防対策としては、これまでの発生事例における疫学調査で得られたリスク要因に関する知見を踏まえまして、鳥インフルエンザの発生リスクの高い地域での消毒薬の備蓄やカラス、野鳥対策、そして養鶏場周辺のため池などにおける野鳥飛来防止対策など、ソフト面への支援も強化をしてきております。
農林水産省としては、引き続き、各般の施策を組み合わせて、農場の分割管理の推進や効果的な発生予防対策をしっかりと講じてまいりたいと思います。
私も今シーズンの鳥インフルエンザの発生の状況を見まして、特に、何回も発生をしている、要するに、今回初発じゃない、過去にも鳥インフルエンザが発生をした経験のある農場というのが幾つかあるわけですので、そうしたところはやはりしっかりと対策を講じていかなければいけないんだというふうに思いますから、そういう観点も含めてしっかりやらせていただきます。
○庄子委員 ありがとうございます。
毎年、疫学調査をしっかりやっていただいていて、調査を踏まえたいろいろなエビデンスや知見が獲得できているはずです。問題は、それを次年度以降の具体的な対策に、現場にちゃんと落とし込めているかどうかというところがとても大事だと思っていますので、是非力を入れて取組をお願いをしたいと思っています。
この問題の最後に一点だけ、自衛隊の派遣の考え方について確認をさせていただきたいというふうに思います。
自衛隊の災害派遣の三原則は、申すまでもありませんけれども、緊急性、公共性、非代替性というものを満たしていて、災害派遣に自衛隊が対応するということになっています。私は、岩手の駐屯地にお邪魔をして、この派遣の御礼をさせていただきましたときに、冬のシーズンは、自衛隊は、本来、雪の中の演習が非常に重要な時期で、その訓練ができないということは非常に大きいですと率直に司令の方がおっしゃっておられたんですね。
今後も大規模な発生が予想される中で、自衛隊が極力本来任務に当たっていただけるように、今、各都道府県が民間事業者と連携体制をつくっておりますけれども、現状の評価、そして国としての自衛隊派遣の考え方について確認をさせていただきます。
○根本副大臣 お答え申し上げます。
現在、我が国を取り巻く安全保障環境は、厳しく複雑な状況に直面をしております。
そのため、農林水産省では、都道府県に対し、自衛隊の災害派遣要請を前提とすることなく自ら防疫措置を行う体制を構築するよう指導するとともに、それに資する民間事業者のリストアップや事業者向けの防疫マニュアルの公表等を行っているところであります。
こうした取組の結果、今シーズンは、現在まで高病原性鳥インフルエンザの発生は二十三例確認したところでありますが、自衛隊の災害派遣要請は行われなかったところであります。
一方で、大規模な発生が続発した場合には、都道府県の行政機能の維持が困難になることも想定されることから、農林水産省では、自衛隊の災害派遣要請に当たっての要件であります緊急性、非代替性及び公共性に適合するものと判断される場合には災害派遣要請が可能である旨の通知を発出したところであります。
引き続き、大規模農場で鳥インフルエンザが発生した際には、各関係省庁、都道府県と緊密に連携し、対応に万全を期してまいりたいというふうに考えております。
以上です。
○庄子委員 ありがとうございます。
考え方が整理されている、よく理解ができました。適切な運用をお願い申し上げたいと思います。
ランピースキン病について、一問だけお尋ねをさせていただきます。
令和六年、福岡でランピースキン病の変異ウイルスが発生いたしまして、熊本まで被害が拡大をいたしました。先ほど御答弁にもありましたように、この変異ウイルスは伝播性、感染力が強いというふうに言われております。
そこで、一点お伺いしたいのは、今回、発生した個体のみの殺処分ということになっているんですけれども、発症はしていないけれども、その発生した個体と同じ牛舎にいた牛など、吸血昆虫などが容易に媒介して感染をさせることができる環境下にある場合もあろうかと思っておりまして、無症状感染個体の見逃しなどにつながっていかないのかどうかという懸念がございます。
農場内での感染拡大を防ぐ対応についてどのように考えているか、伺います。
○広瀬大臣政務官 無症状感染個体についてのお問いでありました。
感染個体から排出されるウイルス量が少ないため、その状態では感染拡大のリスクとなる可能性は基本的には低いと考えております。
一方で、潜伏期の牛等が、その後、発症し、ウイルスを排出する可能性もあることから、発生農場及び半径五キロ以内の農場については、少なくとも二十一日間以上、臨床症状の報告徴求により監視しながら、必要に応じ、移動制限を課すこととしております。
さらに、周辺で飼養される非感染牛の対応として、発生農場及び半径五キロ以内の農場の牛に対して緊急的なワクチン接種を行うこととしております。
これらの対策を徹底することにより、万が一、本病が再発生した場合においても、早期の封じ込めに万全を期していきたいと考えております。
○庄子委員 次に、豚熱の発生予防対策について何点か伺います。
近年、インバウンドの増加と違反処分件数、これは完全にシンクロしています。コロナがはやったときは、海外からのインバウンドもがくっと減って、実は違反件数も極端に減っているんですが、今はまた右肩上がりになってきています。直近の違反畜産物の持込み件数は、いわゆる来日される外国人の方が携帯するもので約二十万件、国際郵便で入ってくるものが約五万件弱という数字になっております。
そこで、こうしたものに対応するために、先ほども話が出ましたけれども、家畜防疫官の人数ですが、令和元年四百八十一名だったものを、令和六年が五百四十四名という御答弁だったと思いますが、増員をしているということについて評価をするものであります。
インバウンドは、今四千万人を超え、政府目標は二〇三〇年六千万人なんですね。これからあと二千万人増やそうというのが計画、戦略で、実は、もうそれも射程に入ってきている。
そういう中にあって、羽田空港のような過密空港で、それほどもう離発着枠がない空港に、ここからまた更にそんなに増枠ができるかというと、これは難しい。そうすれば、どうしても地方空港を使って六千万人を降ろすということになってくるというふうに理解をしております。
そうしますと、今後、防疫官の人数、マンパワー、これがもっと必要になってきますので、どういう戦略を描いているか、また、地方空港などにそうしたマンパワーを配置をしていかなければなりませんが、その考え方について教えていただきたいと思います。
○坂政府参考人 お答え申し上げます。
動物検疫所の家畜防疫官の体制につきましては、委員御指摘のとおり、今年度には五百四十四名体制まで増員する予定でございます。
水際の検疫につきましては、地方の空港、港におきましても、海外におけるアフリカ豚熱などの家畜伝染病の発生状況や、実際、外国人観光客が乗っております国際線、クルーズ船の就航状況などに応じて、随時配置の見直しを行いながら、適切に動物検疫を実施するよう努めているところでございます。
この一環といたしまして、例えば、昨年、令和七年におきましては、熊本空港に動物検疫所の出張所を新設するなど、リスクに応じた機動的な対応を図っているところでございます。
委員御指摘ございました、令和十二年、二〇三〇年に訪日外国人観光客数を六千万人に増加させるという政府の目標を見据えまして、情勢の変化を十分に踏まえながら、地方も含めた動物検疫所の適切な人員配置を図りまして、我が国への家畜伝染病の侵入防止を徹底してまいりたいというふうに考えております。
○庄子委員 一問飛ばしまして、昨年六月にまとめられております水際検疫強化についての中間取りまとめについて伺いたいと思います。
国際郵便物につきまして、AIによるエックス線画像解析などの新たな検査技術の導入が提案をされていると承知しています。現実的なマンパワーなどを考えると必要性は極めて高いんだろう、こう理解をいたしますが、現在、調査研究事業で導入の可否を判断をする途中にある、こう理解をしておりますが、今、現時点でのこの評価、今後の導入の見通しについてお聞かせ願います。
○広瀬大臣政務官 農林水産省では、令和六年度から令和八年度までの三か年を実施期間として、委員御指摘のとおり、国際郵便物のエックス線画像をAIが判定して指定検疫物等を発見する技術の開発を今進めているところです。
現状、検査対象品の種類や形状、梱包の状態により発見できる精度が異なりますが、早期に現場へ実用的に導入できるよう、AIの精度向上に努めていきたい、こう考えております。
○庄子委員 ありがとうございます。
本改正案の大きな改正ポイントの一つと思われるのは、これは鳥にしても豚にしても全く同じなんですけれども、つまるところ、飼養衛生管理を徹底するということなんだろうと思っています。
今回は、屠畜義務の対象が、いわゆる患畜及び全ての疑似患畜から、感染拡大リスクの高い豚というものに変更するわけでございます。感染拡大リスクが高い豚というのは、つまり、免疫が確立していないと考えられているワクチン未接種豚及びワクチン接種後二十日以内の豚などと解釈をしているわけでございます。
つまり、選択的殺処分ということによって、仮にどこかで発生しても、選択的でありますので、残せる豚もある、経済的な損失あるいは作業負担は大きく減っていくわけでございまして、これが、ふだんの飼養衛生管理の意識や早期通報といった基本的に大事な意識、ここをおろそかにしてはならない、こう思っております。
是非、本法改正に当たって、改めて大臣から、この飼養衛生管理ということについて御意見、御所見をお述べいただきたいと思います。
○鈴木国務大臣 選択的殺処分を導入したとしても、飼養衛生管理の徹底は引き続き最重要であります。
飼養衛生管理がおろそかであると、農場全体にウイルスが広がるリスクが高まりまして、結果的に殺処分の範囲が拡大をし、選択的殺処分、制度上はできるようにしたとしても、結果としてそれが機能しないということになるおそれがあります。
また、豚熱以外にも侵入を警戒すべき伝染病はたくさんありまして、特に有効なワクチンが存在しないアフリカ豚熱や口蹄疫の侵入防止には、飼養衛生管理の徹底が不可欠であります。こうしたことから、今般の法改正があった後も、むしろより一層、飼養衛生管理の水準が緩むことのないよう、生産者などの畜産関係者に対して、改めて飼養衛生管理の徹底については促してまいります。
○庄子委員 これは、どこまでやったからこれでオーケーという話ではないんだろうとは思いますが、やはり飼養している場所が、いわゆる市街地ではなく、どちらかといえば山の中ということもあって、ふだん、なかなか常に目を光らせるということも難しいところも地理的な要件でありますので、ちょっと一工夫必要なのではないかなと。それを促すということで終わらずに、飼養管理についての一層の改善、これは是非お願いをしておきたいなというふうに思います。
もう一つ大きなポイントは、やはり獣医師が打ってきたワクチンを、特例的に、いわゆる登録した飼養衛生管理者が打つことができるということを認めるという変化、これは非常に大きいわけです。
附則の第六条、なぜ附則かという問題もあるんですが、附則の第六条には、登録飼養衛生管理者についてこのような記載がございまして、動物用生物学的製剤、つまりワクチンですね、の使用について必要な知識及び技能を習得させるため都道府県知事が農林水産省令で定めるところにより行う研修の課程を修了した者は、いわゆる登録を受けて、ワクチンの接種ができるようになるということなんです。
さっき一部御答弁もあったので、再確認のようにはなりますが、ここにあるように、必要な知識と技能を習得するということのみならず、つまり、獣医師になるために六年間大学に学んで国家資格を取った獣医師に代わって、ワクチンを管理し、豚に接種をするという、そうした特例を与えるわけですので、いわゆる遵法意識や規範意識といったことについてしっかり研修をしていく必要があるというふうに思っているんですね。
特に、農場内におけるワクチンの厳格な管理、あるいは、いつ、どの豚にどのくらいの量のワクチンを打ったのかという、そうした台帳の整備、使用済みの注射器や注射針の処分といった問題について、この研修で徹底的に遵法意識を植え付けていかなければいけない、こう思っています。
ただ、研修は、先ほどお話にありましたように、県が作る接種プログラム、これに基づいて、一日間のみということになっているんですが、この研修に実際に不足はないのか、これで十分なのか、御見解を伺っておきたいと思います。
○広瀬大臣政務官 お答えいたします。
獣医師法の特例として豚熱ワクチンの接種を行うことができる登録飼養衛生管理者は、農場において、豚の健康状態の把握や衛生状態の管理を行っており、日々の業務を通じて安全な注射の実施に必要となる基礎的な飼養衛生管理の知識や技術を習得している飼養衛生管理者であることが前提であります。
その上で、都道府県が実施する研修により、接種に係る基礎的な知識や具体的な接種方法等の必要な技術、使用量の記録及び報告や適切な保管、保管の話がありました、豚熱ワクチンの適正な管理を習得するとともに、毎年その登録の更新に当たり、研修を受けることを義務づけております。
これらに加えて、実際に接種を行うに当たっては、家畜保健衛生所との連携を緊密に取り、獣医師である家畜防疫員の指示、監督の下、実施すること、ワクチンの保管、使用に係る手順や使用数量等の管理に係る手順等の詳細を記載した作業手順書を備え付けることを求めることとしております。
こうしたことにより、豚熱ワクチンの適時適切な接種の確保を図っていきたいと考えております。
○庄子委員 これは参考人で構わないので教えてほしいんですけれども、いわゆる農水省令で定めるところによって都道府県が研修プログラムを作るということになっているわけですが、実際に、一日間の研修というのは、どのくらいの時間、何こまぐらいという想定を今されているんですか。
○坂政府参考人 研修の内容などは、これからしっかり詰めていきたいと思っております。この規定自体、もしこの改正法案が成立いたしましたら、公布の日から一年以内の日において施行ということになっております。
またこれからの段階でございますけれども、これまでの御答弁でも御紹介いたしましたけれども、基本的なその技術の習得と、委員御指摘のような遵法意識の徹底、こういったものについて限られた時間の中でしっかり盛り込んで、登録飼養衛生管理者の方に必要な知識、技術を習得してもらえるものとなるように、そのプログラムの策定、それから都道府県との意見交換などを実施してまいりたいというふうに考えております。
○庄子委員 これからということなので、まだいろいろ工夫の余地があるというふうに受け止めますが、飼養衛生管理者は、常に豚を触り、よく分かっているわけですから、ワクチンを打つこと自体の技能というのはさほど難しいことではないんだろうと思うんですけれども、繰り返しになりますけれども、やはり遵法意識や規範意識といったものが欠けてしまってはならないということを是非注意をして定めていっていただきたい、そう思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
それから、最後の質問になりますが、産業動物分野の獣医師確保の問題でございます。
現状では、ペットを始めとする小動物の診療分野に従事する獣医師さんが約四割を超えています。産業動物診療の獣医師と、それから農林水産分野の公務員獣医師を合わせても二割未満にしか、満たないということでございます。
今年度の産業動物獣医師の育成、確保対策で、二億九千万円程度、予算を確保しております。また、獣医学生への修学資金給付、公立大学で月十万、私立で月十八万、最大六年間給付し、卒業後、一定期間、指定された地域や職域等で獣医師として働いた場合、返還を免除するという制度でございます。
この制度なんですが、高校三年生向けを実施しているのが十三道県、大学生向けを実施しているのが二十六県にとどまっているんですけれども、今後の獣医師の確保として、これは農水省として、もっと地方、都道府県に働きかけを行って、使っていただくべきだというふうに思っておりますが、お考えを最後に伺います。
○坂政府参考人 お答え申し上げます。
家畜の診療や防疫に従事いたします産業動物の獣医師は、地域の家畜産業を支える重要な存在でございます。農林水産省といたしましても、この産業動物獣医師の確保に向けて各般の施策を講じているところでございます。
委員から御指摘のありました修学資金につきましては、都道府県に対して修学資金の活用を促すなどの働きかけを行っております。この試みをまた更に広げまして、より多くの都道府県において活用していただけるように努めてまいりたいというふうに思っております。
あわせまして、家畜診療や家畜衛生行政のインターンシップなど、獣医学生の産業動物分野への関心を高めるような取組でございますとか、パンフレットの活用、農林水産省職員による大学への出前講義など、産業動物獣医師の魅力を発信する取組なども行っているところでございますので、引き続き、都道府県のニーズを踏まえまして、各般の施策を組み合わせて、産業動物獣医師の確保に努めてまいりたいというふうに考えております。
○庄子委員 終わります。ありがとうございました。
○藤井委員長 次に、柏倉祐司君。
○柏倉委員 日本維新の会の柏倉祐司でございます。
本日は、このような機会を頂戴をいたしまして、誠にありがとうございます。
本日準備してきた質問の半分近くは、もう既に既出でございます。適宜割愛をさせていただきたいと思います。通告に関係した皆様には申し訳ないですが、御理解をいただきたいと思います。
まず、豚熱に関してなんですが、選択的殺処分というところは、今回、非常に前向きな法案だというふうに評価をしているところでございます。
そこで、また目を転じてみますと、根本的に豚熱というのを根絶していくということがやはり必要になってくるわけでございまして、その中で、野生豚、イノシシですね、それに対する免疫をどうやってつけていくかというところも非常に我々は取り組んでいかなきゃいけないものだというふうに認識しているわけでございます。
その野生のイノシシの数、それ自体をしっかりコントロールしていくということ、そして、当然のことながら、豚の飼育環境をしっかりしていくということ、あわせて経口ワクチンというもの、私は三本柱だというふうに思っているんですが、この経口ワクチンに対して、農水省はこの重要性をどのように認識をしているか、まず問わせていただきたいと思います。
○根本副大臣 お答え申し上げます。
豚熱に感染した野生イノシシにつきましては、農場での豚熱発生の要因になり得ることから、豚熱清浄化の目標達成に向けて、野生イノシシの捕獲を強化しながら、感染の状況を正確に把握するための検査を行うとともに、経口ワクチンの散布を実施するといった対策を推進しているところであります。
特に、経口ワクチン散布につきましては、野生イノシシが経口ワクチンを摂食することで、豚熱ウイルスに感染しにくくなるだけではなくて、感染したとしてもウイルスの増殖が抑制されるため、環境中のウイルス濃度を下げる効果が期待できるところであります。
このため、経口ワクチンの散布は、野生イノシシにおける豚熱対策として重要な施策の一つであると認識しており、引き続き、都府県と連携しながら、感染状況に応じた効果的なワクチン散布を実施していくところであります。
以上です。
○柏倉委員 ありがとうございます。
海外では、豚熱自体が根絶されている国もあるということでございます。経口ワクチンを徹底をしていくというところを、一つこれを糸口にしてやっていただきたいというふうに思うわけです。
ただ、経口ワクチンは、本邦で取り組まれてまだ十年弱でしょうか、十年ぐらいでしょうか、これはやはり野生散布が、野外散布が原則になりますので、なかなか一筋縄にはいかないというところだと思います。
いろいろな都道府県が今独自に取り組んで、データを集積しているというふうに思いますけれども、効果があるというふうに報告をしているところもありますが、効果が今回は見られなかった、そういう報告も散見しているというふうに思います。
この経口ワクチンは、野生相手ですので、非常に一筋縄にはいかないというのはよく分かります。経口ワクチンの散布状況なんかも農水省のホームページで見られるわけですけれども、どのように散布しているのか、その統一的なやり方が分からないというようなところが本音ではないでしょうか。
そこで、今、野生散布による野生のイノシシへの免疫生着、この免疫の評価自体も非常に難しいとは思うんですが、経口ワクチンでついた免疫なのか、それとも自然に体得した免疫なのか、こういったところの評価は難しいと思います。ただ、国としては、こういう免疫生着を、経口ワクチンでついたか、なかなかつきづらいのか、その辺のところ、そしてまた散布方法、ポイント、時期というものに関してもガイドラインをしっかりと定めていただきたいというふうに思います。
現在のこういったところの状況、国の方で把握しているものがあれば、教えていただきたいと思います。
○根本副大臣 お答え申し上げます。
経口ワクチンの基本的な散布方法につきましては、農林水産省が指針や手引という形で公表するとともに、初回散布の際は、技術的助言を行うなど、より効果的な散布となるようサポートを行っているところであります。
一方で、都府県により、野生イノシシの生息状況や豚熱感染状況、地理的な状況が大きく異なっているため、様々な状況に合わせた散布方法が用いられていると認識をしているところであります。
このような中、経口ワクチンの散布の効果につきましては、各都府県で実施された抗体検査の結果等から免疫付与状況を把握し、専門家の意見も聞きつつ検証しているところであります。
農林水産省といたしましては、都府県との連携を密に取り、現在実施中のワクチンの摂食状況や抗体の保有状況の検証に関する研究事業等を活用しながら、より効果的なワクチン散布の方法の確立を目指して検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
以上です。
○柏倉委員 各都道府県、地元の行政官の皆様も本当に試行錯誤を繰り返しているようでございます。どうか国として統一的なガイドラインの作成に精力的に取り組んでいただきたいと思います。
次に、この経口ワクチンですけれども、今年の一月から国産の経口ワクチンが供給が開始されたということでございます。今までは、ドイツを中心として海外からの輸入に頼っていたというところが現実だったのかなと思うんですが、これは非常にすばらしいことだと思うんです。
そこで、この国産ワクチンというものを、やはり日本はこれを軸に使っていくのか、推奨していくのか、又は、そこはそこで、結果ベースで自由競争というものに任せていくのか、国の考えを聞かせていただきたいと思います。
○根本副大臣 お答え申し上げます。
経口ワクチンの供給につきましては、輸入に一〇〇%依存するという状況を解消し、安定供給を図るため、令和二年度から国産ワクチンの開発に取り組み、本年、実用化を達成したわけであります。
一方で、一種類の国産ワクチンのみでは、不測の事態で安定供給に懸念があるため、今後は、輸入ワクチンと国産ワクチンを併用していくこととしております。
また、農林水産省といたしましては、引き続き、野外のワクチン散布効果等のデータ検証などを行いつつ、効果が高く安全な経口ワクチンが安定的に確保できるよう努めてまいりたいというふうに考えております。
以上です。
○柏倉委員 ありがとうございます。
選択的殺処分ということプラス経口ワクチン、これをより効率的に生かした再発防止の取組というのを国に期待させていただきたいと思います。
次に、家畜防疫員の確保について質問させていただく予定ではありましたが、既にもう出尽くしているところもありますので、これは意見だけにとどめさせていただきたいと思います。
獣医学部を出て、いわゆるペット用の獣医師さんになる、また行政に就職をするという選択があると思うんですね。基本的には、職業選択の自由というところがありますので、なかなか難しい。収入も圧倒的に違うというのがあると思います。医者の領域でも、今、直美というのがございまして、これは倫理的、道義的に批判をなかなかしづらい領域ではございますが、やはり必要な人員というものを何とか国の工夫、施策で誘導していただきたいというところをこの家畜防疫員に関しては要望をさせていただきたいと思います。質問に代えて、要望とさせていただきます。
次ですけれども、今度は家畜防疫官についてですね。これに関しても、アフリカ豚熱というものの予防というところにおいては徹底しなければいけないというところでございます。
先ほど家畜防疫官の人員確保というものが出ましたので、この質問に関しては割愛をさせていただきたいと思います。
私は、地元は栃木県の宇都宮なんですが、どんどんどんどん外国食材店というのが本当に増えています。これは、ここ数年であっという間に増えていったなという感じがするんですね。当然、外国人政策との兼ね合いで増えていくのはよく分かるんですが、今度、違法の食物の家畜防疫官の検疫ですよね、それを調べに行くというところ、私が心配しているのは、相手がかなり抵抗をするようなこともやはり想定しなければいけないのかなと思います。
最初から警察を同行せずに、複数回注意を繰り返して、それでも続けるようであれば警察官にも同行してもらって対応していくというようなことを伺ったんですが、この強制権といいますか、執行権ですね、ここを家畜防疫官にどこまでの権限を付与するのか。現在は、注意のみにとどめる、穏便に済ますというところはありますが、警察との連携を中心に、国の考えを聞かせていただきたいと思います。
○広瀬大臣政務官 今般の改正法では、家畜防疫官に、店舗等への立入検査及び輸入禁止品等の廃棄、それから検査中の輸入禁止品等の販売停止の指示の権限を付与しているところです。
これらの権限の行使を通じ、畜産物を介した海外からの家畜伝染病の侵入防止の徹底を図っていきたいと考えております。
違反に対しては、店の名前の公表措置のほか、罰則規定を設けており、必要に応じて警察と連携しつつ、厳格に対応していく、こういう方向で考えているところです。
○柏倉委員 必要に応じてというその判断が、非常に現場に足を運ぶ家畜防疫官は大変な判断になるのかなと思います。精神的なストレスにかなりなるのかなと思いますね。
アフリカ豚熱というものの水際対策で漏れてきてしまったもの、この末端の行政の関わり方というものを相当厳しくしていかないと、残念なことに、やはりこれは入ってきてしまうというようなことになるのではないかなというふうに危惧をしているところでございます。
現状、限界もあるとは思いますが、是非厳しい態度で臨めるような形で、家畜防疫官そして警察の連携というのを今後勘案していただければというふうに思います。
これで終わりにしたいと思います。ありがとうございました。
○藤井委員長 次に、許斐亮太郎君。
○許斐委員 国民民主党の許斐亮太郎です。
本日は、この農水委員会での質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
会派を代表いたしまして、質問させていただきます。
私は、昨年の一般質疑では家畜伝染病に対する規制強化について、今年の所信質疑では産業獣医師を増やす政策について訴えてまいりました。今回、私も要望していたランピースキン病の対応や水際対策の強化が盛り込まれたことに率直に感謝申し上げます。
今日は、日本の畜産業を守り、発展させていくために、獣医師を始め畜産業に関わる人の働き方など、日本の畜産業の未来を見据えた質疑ができればいいと思っています。
それでは質問に移らせていただきます。
大臣にまずお伺いいたします。
畜産業における家畜伝染病に対する政策の重要性をどのように捉えているのか、また、今後の取組の強化に向けた大臣の決意をお伺いしたいと思います。
○鈴木国務大臣 お答え申し上げます。
我が国を取り巻く家畜衛生の状況を見ますと、口蹄疫やアフリカ豚熱、高病原性鳥インフルエンザが、隣国の韓国を含む近隣諸国で継続的に発生をしておりまして、疾病の侵入リスクはかつてないほど高まっております。
国内におきましても、高病原性鳥インフルエンザ、これは令和二年以降六シーズン連続で発生をしているほか、豚熱も毎年散発的に発生をしておりまして、非常に厳しい状況にあると認識をしております。これらの疾病の発生予防、蔓延防止は我が国の畜産業の持続的な発展に不可欠でありますし、畜産物の安定供給上もしっかりとやらなければならないと思っております。
水際での侵入防止対策や早期通報、飼養衛生管理の徹底、そして迅速な防疫措置などに高い緊張感を持って万全を期してまいります。
○許斐委員 ありがとうございます。
御決意を感じました。ありがとうございます。
現場からの声が国会に届いて、それが法律の改正案につながったということは、私が掲げる現場主義と、まさに大臣の掲げる現場第一が形になったことだと私は思っております。現場に寄り添った政策立案、運営をお願いいたします。
それでは個別の質問に移ります。
まずは、ランピースキン病についてお伺いいたします。
私の地元福岡で、二〇二四年十一月に、国内初となるランピースキン病の発生が確認をされました。その後、様々な調査研究が進んで、今回の法改正に至ったのだと思います。
そこで、改めて、現在判明しているランピースキン病の侵入やその感染経路、患畜の発見に至った経緯や終息に向けた蔓延防止の取組についてお伺いしたいと思います。
○根本副大臣 お答え申し上げます。
ランピースキン病は、サシバエ等の吸血昆虫が媒介する病気でありまして、我が国では、委員御指摘のとおり、令和六年の十一月に初めて感染が確認されたところであります。
隣国の韓国では令和五年十月から令和六年十二月まで継続して感染が確認されていることから、本病ウイルスを保持した吸血昆虫が、周辺国から風に乗り、又は船舶等で運ばれて我が国に侵入し、牛に接触して本病の感染を引き起こした可能性が考えられます。
我が国では、韓国の発生を受け、本病の特徴を周知し、警戒を呼びかけていたところ、令和六年十一月五日、福岡県の民間獣医師が症状から本病を疑って県へ通報を行い、その後、遺伝子検査の結果、陽性となり、同月六日、ランピースキン病と確定したものであります。
当時は、本病を発症した牛の自主淘汰と再導入牛への奨励金交付、薬剤散布による吸血昆虫対策などの対策を行っていましたが、法的拘束力がある防疫対策を行えず、福岡県から熊本県まで感染が拡大したと専門家から指摘されたところであります。
令和七年二月以降、新たな発生はありませんが、世界的に発生は継続しており、引き続き侵入への警戒が必要であることから、今般の法改正により、我が国で再び発生した際に法的拘束力を持って殺処分などの強力な措置を実施できるよう、家畜伝染病に位置づけることとしたものであります。
以上です。
○許斐委員 ありがとうございます。
様々な感染経路が考えられる中で、韓国でランピースキン病の発生を知っていた獣医師が通報したとの今御答弁がありました。私、これは非常に大事だと思っています。最初に早く見つけたことがこの蔓延を防いだということで、私は非常に評価しています。だからこそ、患畜の発見とその通報に当たる獣医師の役割は非常に重要なものだと思っています。所信質疑でも申し上げましたが、やはり獣医師の数を増やすことが大切だと思います。
そこで、大臣にお伺いいたします。
獣医師の数の現状認識と今後の考えについてお聞かせください。
○鈴木国務大臣 許斐先生とは以前にもこの話を議論させていただきましたが、家畜の診療や防疫に従事する産業動物獣医師は、地域の畜産業を支える重要な存在でありまして、その確保は地域にとって、地域の畜産をやっていく上では不可欠で重要な課題であります。
産業動物獣医師の確保につきましては、獣医系大学の卒業者の就業状況が、ペットに五割行っちゃうという一方で、産業動物分野は二割程度にとどまっていること、そしてまた、地域によって確保状況に偏りがあるといった課題に対応していかなければなりません。
農林水産省は、現在、各都道府県と連携をいたしまして、産業動物獣医師として一定期間従事することを条件に返済を不要とする修学資金を用意するとともに、インターンシップによる職場体験への参加、デジタル技術を活用した遠隔診療の推進などを支援をしてきているところでありますが、この支援でどうなのかといえば、現状のこの状態でありますから、ちょっと私もこれは問題意識を持っておりますので、何があれば学生の皆さんがこっちの方に行ってもいいなと思えるのかどうかとか、そういったこともよく皆さんともお話を伺ってみたいなというふうに思っておりますので、前に向かって、産業動物獣医師、更に確保できるように努力させていただきます。
○許斐委員 ありがとうございます。
産業獣医師の確保、何とぞよろしくお願い申し上げます。
続きまして、ランピースキン病の防疫対策について、技術面から質問いたします。
家畜伝染病に追加されることになり、ワクチン接種や殺処分が新たな義務となります。ランピースキン病が疑われる症状が見られた場合に、獣医師は感染をどのように判断するのでしょうか。その上で速やかなワクチン接種や殺処分に進んでいくと思いますが、どのように対応すればよいのか、お伺いいたします。
○根本副大臣 お答え申し上げます。
ランピースキン病の感染確認につきましては、家畜の所有者から皮膚の異状など本病を疑う症状を呈している旨の連絡があった場合に、都道府県の家畜防疫員が立入検査を実施し、症状を呈している牛のサンプルを採取して遺伝子検査を実施し、陽性となった牛を疑似患畜として殺処分を行うこととしております。
また、感染確認後、疑似患畜を速やかに殺処分するとともに、発生農場及び半径五キロメートル以内の農場の牛に対し、緊急的なワクチン接種を行うこととしております。
ワクチンにつきましては、国内における農場の分布状況を考慮し、発生時に緊急的に接種するために必要な量を国内で備蓄をしているところであります。
万一、本病の発生が確認された場合には、速やかに備蓄ワクチンを都道府県に送付し、迅速に緊急ワクチン接種を行える体制を構築しているところであります。
以上です。
○許斐委員 根本副大臣、どうもありがとうございます。
続きまして、豚熱への対応について質問したいと思います。
まずは、選択的殺処分の導入についてお伺いいたします。今回の法改正の中で唯一規制を緩和する内容ですが、懸念点もあるので質問いたします。
全頭殺処分は、畜産農家の経営に壊滅的な打撃を与えます。今回、殺処分の範囲を狭めることによって、畜産農家の経営にはプラスになる反面、やはり豚熱のウイルスを残してしまうという大きなリスクが懸念されます。
そこで質問です。
畜産農家の経営の安定と豚熱の封じ込め、この両輪を進めていく決意と、選択的殺処分を可能とした科学的な根拠を大臣にお伺いしたいと思います。
○鈴木国務大臣 国内におきましては、令和元年十月以降、豚熱ワクチンの接種により豚熱の発生予防を図るとともに、豚熱発生時には、蔓延防止に万全を期すため、全頭の殺処分をこれまで行ってきたところであります。
こうした中で、ワクチン接種農場における発生事例につきまして、新たな検査方法を活用してデータを収集、分析し、科学的知見に基づく検討を重ねてまいりましたが、この結果、適切なワクチン接種により免疫が獲得できており、また、移動制限などのリスク管理措置が講じられている場合には必ずしも全頭殺処分を行わずとも蔓延防止が可能との専門家の評価を得たところであります。
このため、今回の改正により選択的殺処分を導入することとしたところでありまして、豚熱の清浄化に向けた対策を着実に実施しつつ、生産者の負担を軽減をしてまいります。
○許斐委員 ありがとうございます。
この選択的殺処分、私は一日でも早く進めるべきだと思っております。
続いて、具体的な運用面についてお伺いいたします。
現場ではどのように殺処分する豚を選択していくのでしょうか、質問です。
仮定の質問で恐縮なんですが、もし私が経営する豚舎で数頭の豚が感染したと仮定した場合、どのようなフローで殺処分が行われていくのか、教えてください。
○広瀬大臣政務官 養豚農場において例えば子豚が身を寄せ合って集まっているなど、飼養豚に豚熱を疑う臨床的な異状が生じた場合、防疫指針に基づき、まずは県が農場に立ち入り、臨床検査やPCR検査等の精密検査を行うこととしております。
こうした検査により豚熱感染が疑われた場合には、農研機構が実施する遺伝子解析検査を経て、豚熱感染の有無を最終的に確認することになります。
豚熱感染が確認された場合には、県は、ワクチンによる免疫が成立していない豚として、ワクチン未接種や接種後二十日未満の豚などを特定するとともに、全ての飼養豚を対象に臨床検査を行った上で、異常豚についてPCR検査を行い、陽性となった豚を特定することなどにより、殺処分すべき範囲を国と協議した上で決定し、実際に殺処分命令を出すことになります。なお、ここまでの判断で大体、通常二日程度の期間を要することになります。
○許斐委員 ありがとうございます。
二日というお話がありました。やはり、現場の事情に応じた現場目線の対応が迅速な殺処分につながっていくと思いますので、それをお願いしたいと思います。
続いて、殺処分されずに残ったいわゆる除外豚について質問いたします。
感染している豚が殺処分をすり抜けるおそれもやはりあります。除外豚の隔離や監視期間、また、出荷までの期間はどの程度を考えているのか、お伺いしたいと思います。
○坂政府参考人 お答え申し上げます。
選択的殺処分の対象とならなかった豚につきましては、基本的には感染を広げるおそれはないというふうに考えておりますが、念のための措置として、一定期間の監視を行う監視プログラムを設けることとしております。このプログラムにおきましては、発生農場において臨床症状の有無を毎日チェックして、報告を求めるとともに、移動の制限を原則、発生から九十日間実施することとしておりまして、この措置によってウイルスの拡散防止を徹底することとしております。
また、豚熱感染が確認されてからおおむね三週間程度、殺処分に一週間、それから消毒に二週間と考えておりますが、三週間程度で防疫措置が完了することになりますが、その完了後におきまして豚熱感染を疑う症状が認められないような豚につきましては、もはや感染を広げるおそれがないというふうに考えられることから、屠畜場等へ出荷させることが可能になるというふうに設計してまいりたいと考えております。
○許斐委員 ありがとうございます。
しかし、一方で、出荷ということは流通に乗るということですから、最悪の場合、豚熱のウイルスをその地区、各地区にばらまいていくことにもつながりかねません。
そこで、豚熱が発生した農場の豚をきちんとチェックしていく、トレースする仕組みを設けることが必要だと私は考えますが、政府にお伺いしたいと思います。
○坂政府参考人 お答え申し上げます。
発生農場から出荷予定の豚につきましては、出荷の前日におきましてその農場の全頭の臨床症状の確認結果を県に報告いたしまして、県が許可をした際に出荷ができるような仕組みにしたいと思っております。
出荷が可能となりました後も監視は継続されますため、発生農場からは毎日、飼養する豚に異状が生じていないかどうか県に報告が届きまして、異状がある場合には出荷は停止されるとともに、異状の原因を県で確認するという仕組みを構築してまいりたいと考えております。
また、発生農場はあらかじめ毎月の出荷計画を県に提出していただくということにしておりまして、出荷先の情報などは県で確実に把握できる仕組みとなっております。
さらに、県は、あらかじめ出荷予定の屠畜場で消毒等のウイルス侵入防止対策や蔓延防止対策が適切に行われていることを事前に確認することとしております。
こうした取組を通じまして、出荷を介して万が一にも豚熱ウイルスが拡散することのないよう、しっかりと対応してまいりたいというふうに考えております。
○許斐委員 ありがとうございます。
しっかりとトレースすることは大事なことなんですけれども、これは風評被害を防ぐことにも私はつながると思います。消費者の不安、そして畜産業界の不安を払拭するためのこの徹底をよろしくお願いしたいと思います。
豚熱の感染防止に関係して質問いたします。
これは庄子委員からの質問にもありました。畜舎の分割管理は、感染拡大を防ぐ観点から私も有効だと思っています。今回の選択的殺処分は、分割管理の導入の推進力にもなると思います。一方で、分割管理には施設整備に一定の費用がかかります。
そこで質問です。
豚熱対策として分割管理のための施設整備を行った場合、補助金などの支援策を考えているのか、改めてお伺いいたします。
○広瀬大臣政務官 養豚農場の分割管理ですけれども、経営の安定を図る上で重要な取組であること、先ほども答弁で出ておりました。
このため、農林水産省としては、規模にかかわらず、分割管理に取り組む場合に追加で必要となる柵であったり更衣室、堆肥舎等の施設整備に対する支援策を措置しているところであります。
また、養豚農家が豚熱対策として飼養衛生管理の向上のために実施する野生動物侵入防止壁の整備等に対しても同様に支援策を措置しており、小規模農家を含め、発生予防対策を推進していきたいと思っております。
○許斐委員 広瀬政務官、ありがとうございます。
前向きな答弁とお受け止めさせていただきます。選択的処分の導入と併せて分割管理の取組が広まるように、施設整備に対する一層の支援策の御検討をよろしくお願い申し上げます。
続いて、豚熱ワクチンについてお伺いいたします。
改正案では、ワクチンの打ち手である家畜防疫員が不足している現状を踏まえて、都道府県知事が行う研修を受けた登録飼養衛生管理者がワクチン接種を行うことができるとしています。ここでちょっと質問を考えていました、どのような研修を行うかという質問がありましたが、これはこれまでの議論、質疑で出ていますので割愛させて、御意見だけにとどめたいと思います。
今回のワクチン接種者を確保するための改正案の根本の課題は、獣医師の不足にあるとやはり思います。特に産業獣医師、家畜防疫員の確保は、家畜伝染病の発生予防、蔓延防止に重要な要素になりますので、政策の推進をお願いしたいと、本日二回目の要望とさせていただきます。
続けます。
ワクチン接種後の確認検査の大学や民間への委託についてお伺いいたします。
この確認検査は抗体検査になると思われます。いわゆる抗原抗体反応です。その場合、サンプルは血液になると思いますが、その認識でよろしいでしょうか、お答えください。
○坂政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおりでございまして、豚熱ワクチン接種後に行う免疫付与状況確認検査では、血液を検査材料といたしまして、ELISA法で抗体検査を実施しているところでございます。
○許斐委員 ありがとうございます。
そこで質問なんですが、そのサンプルを取るための採血は獣医師が行います。確認検査の委託は現場の獣医師の繁忙感を払拭するためというものなんですけれども、一番手間のかかるのは採血です。この一番手間のかかる採血を獣医師が行わなければならない点では、これは繁忙感の払拭には十分な効果がないように思いますが、政府の認識をお答えください。
○広瀬大臣政務官 今回の改正は、多様な業務を担っている家畜防疫員の負担を軽減できる環境を整えるため、費用負担の面で、豚熱ワクチンの免疫付与状況確認検査の一部工程、具体的には、血液採取及び検査を民間に委託しやすくするものであります。
委託に当たっては、血液採取を日常的な往診対応の際に採材が可能な家畜共済の獣医師や開業獣医師に、検査を大学や民間検査機関にそれぞれ委託することも可能であり、地域の実情に応じて効率的な体制が整えられることを期待しているところであります。
○許斐委員 ありがとうございます。
今の答弁ですと、民間の獣医師を利用するという認識であります。しかし、その方はふだんは愛玩動物ですとか、畜産業界からちょっと離れているような方もやはり多いと思います。
そこで、その上で、先ほどのワクチン接種や採血に関して重ねて検討していただきたいことがあります。これは提案なんですが、家畜人工授精師の活用です。
私は、大学での講義や牧場実習を経て、家畜人工授精師の試験に合格しました。動物を押さえつける保定の技術や凍結した精液や器具を管理するスキルを持つ家畜人工授精師は、自分でない他人の財産である家畜の繁殖管理を通じて畜産業界に貢献しています。このスキルを生かしてはいかがでしょうか。
ワクチン接種や採血を家畜人工授精師が担えるような法改正、特に、獣医師法第十七条の規定の特例を設けていただきたいと思います。家畜人工授精師への権限の付与について、大臣に御見解をお伺いいたします。
○鈴木国務大臣 今回の改正は、適時適切なワクチン接種の実施により豚熱の発生を確実に防止するという家畜衛生上の公益目的に鑑みて、現場の要望を踏まえて、豚熱のワクチン接種に限り、当分の間の特例として認めることとしたものであります。
ワクチン接種を含む診療行為は、獣医師法第十七条の規定により、獣医師でなければ業務とすることができないとされているものでありまして、特例の拡大は、その必要性も含めて慎重に検討される必要があるとは考えております。
ただ、やはり、限られた獣医師の皆さんの中でしっかりとした防疫体制も含めてやっていかなければならないわけですから、現場の負担感もよく考えながら、今後、先生の問題意識は検討課題だろうというふうには思います。
○許斐委員 ありがとうございます。
非常にハードルが高いということは私も認識しています。しかし、畜産業界の未来のために持てる力を全て発揮する、オール・ジャパンの取組が必要だと考えています。
いわゆる愛玩動物については、愛玩動物看護師法第四十条第一項に基づいて、愛玩動物看護師は、先ほどの獣医師法第十七条の規定にかかわらず、採血などの一部行為を獣医師の指示の下で行えることになっています。
家畜人工授精師は畜産業界を支える人材ですので、何とぞ今後の検討を要望いたしまして、次の質問に移らせていただきます。
ワクチン接種での防疫は非常に重要なんですけれども、いつまでも頼るわけにはいかないと思います。豚肉の輸出の問題もあります。
二〇一八年に豚熱が二十六年ぶりに発生したことを受けて、日本は、二〇二〇年九月に豚熱清浄国のステータスを失いました。ステータスの喪失は、豚肉の輸出拡大の大きな足かせとなっています。ステータスの回復には、過去十二か月に飼養豚での発生がなくて、ワクチン接種が行われていないことが要件とされています。
そこで質問です。
豚熱清浄国ステータスの復帰に向けた取組と決意を大臣にお伺いさせていただきます。
○鈴木国務大臣 農林水産省では、豚熱清浄国のステータスへの復帰を目標として、昨年六月に豚熱清浄化ロードマップを公表したところであります。
ロードマップでは、まず、使用するワクチンについて、野外株による感染かワクチン接種によるものかを容易に判別できるマーカーワクチンに切り替えた上で、十二か月以上農場での発生ゼロを達成することで国際的な豚熱清浄国ステータスへの復帰を目指すこととしております。
農林水産省としては、マーカーワクチンの実用化に向けた研究を進めつつ、生産現場において、適時適切なワクチン接種、そして飼養衛生管理の徹底などによる発生予防対策、また野生イノシシ対策などの各種の対策を推進していくこととしております。
清浄国ステータスへの復帰に向けては息の長い取組が粘り強く必要になってきますが、都道府県そして生産者などと十分に連携をして、清浄化に向けて着実に歩みを進めてまいりたいと考えております。
○許斐委員 ありがとうございます。
ロードマップに対する御答弁がありました。
野生のイノシシへの対応も私は非常に重要だと思っています。いかに豚舎の中で衛生管理を徹底しても、外にウイルスがいるのはやはりまずいと思います。根源を絶たなければなりません。
そこで、豚熱の蔓延防止に向けた野生のイノシシへの対策について、現状の取組をお伺いさせていただきます。
○坂政府参考人 お答え申し上げます。
豚熱に感染いたしました野生イノシシにつきましては、農場での豚熱発生の要因になり得ることから、その捕獲を強化しながら、感染の状況を正確に把握するためのサーベイランスを行うとともに、感染確認県を中心に経口ワクチンの散布を実施いたしまして、環境中のウイルス量の低減を図っているところでございます。
また、ウイルスが人や物を介して運搬される場合も考えられますことから、感染拡大防止のための周知活動を行うなどの対策を実施いたしまして、野生イノシシによる豚熱の蔓延防止に取り組んでいるところでございます。
このうち、サーベイランスにつきましては、農場周辺の野生イノシシに由来するウイルスの農場に侵入するリスクの判定のために、各県におきまして、毎年二百九十九頭を目標に据えまして実施していただいているところでございます。
この二百九十九頭という検査頭数でございますけれども、統計学上の概念といたしまして、全体の母集団の頭数が正確に把握できていない場合におきましても、その感染動物の割合が一%であることを九五%の信頼度で確認するために必要なサンプル数となっているところでございます。
○許斐委員 ありがとうございます。
今、サーベイランスについてお話がありました。その中で、サンプル調査、各県当たり年間二百九十九頭とのお話がありました。これは三百頭じゃ駄目なんですかとは聞きません。お話にあったように、恐らく野生のイノシシを無限大と捉えて、その中で有意性が二百九十九で担保されるということですので、むしろ信頼が置ける数字だと私は思います。
一方で、監視できているかという疑問もやはりあるんです。現場の声をお伝えしたいと思います。
私の地元、福岡県福津市で開催された、四月四日にシシ汁を食べるという、四が四つ並ぶイベント、四月四日にシシ汁ですね、そのイベントに参加しました。そこの場で、イノシシ肉を提供していただいた地元の猟友会所属の方からこんな声をいただきました。今年はイノシシが少ない、鹿は多いがイノシシを見ない、捕れない、豚熱でやられているのではないかということを、懸念を訴えていらっしゃいました。
これまでサーベイランスに参加したことはないそうです。私自身も、現在の監視体制が不十分であるとは言いませんが、やはりすり抜けや局地的な発生の対応としては今のやり方では足りないのではないかと思います。
そこで、質問いたします。
過去に発生を確認した場所、豚舎周辺だけではなく、もっと幅広に調査をしてもよろしいのではないでしょうか。今後の野生のイノシシにおける豚熱調査地点の見直しや検討について、政府の考えをお伺いいたします。
○根本副大臣 お答え申し上げます。
野生イノシシの豚熱検査につきましては、先ほどありましたように、各県毎年二百九十九頭を目標に、捕獲された個体と死体で発見された個体で実施することとなっております。
そのような中、当然、農場周辺では捕獲、検査が強化されていることが多いわけでありますが、その他の地域でも、陽性個体の発見状況や野生イノシシの生息状況、地理的状況等を踏まえて検査が実施されているところであります。
今後も、イノシシの専門家であったり猟友会などとも連携しつつ、より効果的な検査が行われるよう取り組んでまいりたいというふうに考えております。
以上です。
○許斐委員 ありがとうございます。
間もなく大型連休です。今度の大型連休にやはり登山をする人も多いと思います。登山靴に土がつく、そこに豚熱のウイルスが潜んでいるおそれもあります。豚熱の対策については、拡散させないことはもちろん、すり抜け防止策やサーベイランスの強化も必要だと申し上げて、次の質問に移りたいと思います。
続きまして、輸入禁止品の対応強化について質問いたします。
まずは、家畜防疫官の働き方についてお伺いいたします。
今回の法改正により、家畜防疫官に対して、外国食材店などへの立入検査や輸入禁止品の廃棄権限が付与されます。これらの業務は、非常に意義があって、必要なことだと私も思います。しかし、その運用は想像以上にハードルが高いと私は思います。実効性ということもありますけれども、まずはやはり働き方の視点です。一言で言うと、怖いに尽きると私は思います。
想像していただきたいんですけれども、ふだんは空港や港湾で水際検疫を行っている国家公務員が、今回は、町に出て、外国人のコミュニティーに入っていって、店で食品を見せてもらって、違法ならば廃棄する。ちょっと怖いと思うんですね、どう考えても。私がこれは業務命令ですからやってくださいと言われても、これは弱い人間と思われるかもしれませんが、私、もしかしたら職を辞めるかもしれません。それくらい働き方が変わると私は思います。
その観点から見ると、この新しい業務は全く違う業務だと思いますが、大臣の見解をお聞かせください。
○鈴木国務大臣 家畜防疫官は、空港などの水際で様々な国籍の旅客の携行品の検査を行うことを業務としておりますが、確かに、市中の商店への立入りは、今まで彼らが行ったことのない新たな形態の業務となるために、不安を感じる職員もいるというふうには考えられるところであります。
ですので、家畜防疫官が新たな業務を的確に実施することができるよう、適切な立入検査の実施体制は構築をしてまいりたいと思います。
また同時に、個々の職員の皆さんにとって抵抗感があるとか、やはりちょっとどうなのかということにならないように、必要なマニュアルの整備や事前研修を行うことを考えております。
研修に当たりましては、今先生からは怖いというふうに思っちゃうんじゃないかというお話がありましたけれども、農林水産省ではかなり前から、食品表示の分野では食品表示Gメンといって、要するにスーパーマーケット、小売店にも行って、その表示が適正になされているかどうかの調査なんかもかなり細かくやっているということもあります。
しかも、食品表示の場合ですと、見たものが違反かどうかということもあるんですけれども、それ以前に、どこの経路で違反が生じたのかという、要するに、表示の間違いというのが故意なのかどうかみたいなところまで調査をしなければなりませんので、そこの皆さんのやはり知見というのがありますから、しっかり動物検疫所の職員をこういう研修にも参加をさせますし、こういった立入検査の知見、経験は十分活用して、現場でやはり働く職員の皆さんがだから辞めちゃうみたいなことにはならないように、それはしっかりやらせていただきます。
○許斐委員 丁寧な御答弁ありがとうございます。
その上で、また重ねた質問で恐縮なんですが、お話にありました違法食品をジャッジするという点ではこれまでと同様の仕事と思いますが、やはりこれは百八十とは言わない、百七十度ぐらい違う業務の変化だと思います。その視点は、ホームからアウェーになることだと思います。
これまでは、空港や港湾、あるいは日本のスーパーとか、周りにいっぱい人がいる、仲間がいる、いわばホームグラウンドの業務でした。それが今回は相手のコミュニティーに丸腰で入っていく、また、アジアやヨーロッパやアフリカなど各国の輸入食材店に行くということですから、言葉の壁もあると思います。
やはりこれは、実効性の担保、それに加えて、家畜防疫官の身の安全、命を守るという視点でいくと、やはり、地元の警察官や通訳、それと一緒にチームを組んで業務に当たる必要があると思いますが、運用に関して、チームで進んでいくことに関しての大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○鈴木国務大臣 立入検査の実施に当たりましては、家畜防疫官の安全確保は極めて重要であります。
このため、家畜防疫官に対して、先ほど申し上げた必要な研修を行うほか、安全の確保のため、複数名を一チームとして実施をすることとしております。
このほか、必要に応じてパトロールの強化などを依頼するなど、警察にも必要があれば十分相談しつつ、家畜防疫官の安全に十分配慮して立入検査を実施をしてまいります。
ただ、空港でも家畜防疫官の皆さん、本当に頑張っていただいていて、何となく怖そうだなと思う方だったとしても、それは、アウトのものがあればちゃんと、アウトですよという話を現場ではやっておりますから、しっかり皆さん問題意識を持って取り組んでいただけるものと思っております。
○許斐委員 ありがとうございます。
これを例に出すのはちょっと筋違いかもしれませんが、私、前の職がNHKの報道カメラマンで、いわゆる家宅捜査の現場というのを、たくさん現場に行きました。そこはやはり犯罪捜査ですからそうなんでしょうけれども、どんな現場でも硬軟、どんな現場でもやはりたくさんの人数で立入検査に入っていましたので、そのような感じで、やはり大人数で入っていくとか、そのようなチームでの運用をお願い申し上げます。
関連しまして、今回の法律の改正に伴う家畜防疫官の増員計画の有無を質問いたします。
これまでも質問が出てきました。改めて、今回の仕事、単純に業務のビルドになりますので、今回の法改正により業務が拡大することを考えると、繁忙感の増大、総体的に人数が不足すると思いますが、家畜防疫官の更なる増員のお考えはありますでしょうか。よろしくお願いします。
○広瀬大臣政務官 今回の改正により、家畜防疫官の業務として市中の食材店への立入検査が追加されますが、その対象については、検査を効率的に行う観点から、過去の国際郵便物の検査結果や従業員等による情報提供により得られた情報を基に選定していくことになります。
また、実際の立入検査先は、近隣に畜産農場がある地域、近隣で野生イノシシの生息が確認されている地域など、優先順位をつけて、監視伝染病の発生予防に最大限の効果を発揮できるように運用していきます。
その上で、本改正案の成立を見据え、実効ある立入検査の実施に向けて今年度も増員を行っているところでありまして、引き続き、立入検査の実施状況等を踏まえて、海外からの家畜伝染病の侵入を防止するために必要な体制の整備に努めていきたいと思っております。
○許斐委員 ありがとうございます。
今回の立入検査のために様々な要員がそちらに打って出ていく、そうしたら結局、本丸である空港とか港湾の人数が不足するとか、そこが手薄になるとこれは本末転倒ですので、しっかりとした全体的な増員計画を進めていっていただきたいと私は思っております。
続きまして、水際検疫における省庁間の連携についてお伺いいたします。
輸入禁止品、特に食材の国内への持込みについては様々な省庁が関わっています。法務省は、来年度から、訪日客のオンラインによる事前審査を行うJESTAの導入も目指しています。輸入禁止品を持ち込ませないためには、各省庁との新たな取組を考えなければならないと思っています。省庁横断的な政策を推進する必要があると思いますが、政府のお考えをお伺いいたします。
○根本副大臣 お答え申し上げます。
これまでも、空港であったり港における旅客を対象とした動物検疫の実施に当たりましては、過去の法改正の機会も捉えつつ、税関及び地方出入国在留管理局とも連携しながら、携帯品検査を継続的に強化をしてきたところであります。
さらに、今回の改正に向けた動物検疫の見直しに際して、過去の悪質な持込みを行った者を入国の都度確実に検査できるよう、出入国在留管理庁等との連携体制を強化することとしたわけであります。
引き続き、関係省庁ともしっかりと連携しつつ、水際対策を一層強固なものとしつつ、家畜の伝染病の侵入防止に全力で取り組んでまいりたいというふうに考えております。
以上です。
○許斐委員 ありがとうございます。
時間になりました。
最後に、やはり、家畜伝染病の発生を防ぐためには、畜産業に携わる人たちの力を結集して、オール・ジャパンで病気や課題に向かっていく、そのことが必要であると最後に申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
どうもありがとうございました。
○藤井委員長 次に、木下敏之君。
○木下委員 参政党の木下敏之でございます。
本日も質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。心から感謝を申し上げます。
今回は、輸入禁止品への対応強化について主に質問いたしまして、時間がありましたら、獣医師の確保の問題について質問をさせていただきたいと思います。
私は、今回の改正で、輸入禁止品を持ち込んだ後の対応を強化されること、これは大変すばらしいことだと思っております。
先日、農林水産省の担当者の方から、どの国の人がどんな違反をしているのかということを詳しく伺ったわけでございます。いただいたデータを私の方でまとめ直して、五年間の推移のグラフにした資料をお手元に配付しておりますので、そのグラフを見ていただきたいと思います。
二〇二一年から二〇二五年までの五か年間のデータでございまして、本来はコロナの前から十年ぐらい遡って見たいところですが、このグラフは、件数ではなくて重量のデータでございます。重量のデータは二〇二一年からしか取っていないということで、短期間のグラフになっていることをお許しをいただきたいと思います。
まず、上の方が、携帯品として持ち込まれた輸入禁止品の国別の推移でございますが、見ていただくともう一目瞭然で、やはりこの問題はまず中国、中国は急増しております、今年は少し下がるのではないかと思いますが。それから、韓国、ベトナム、フィリピン、そんなところが上位に来ております。
それから、下のグラフが、郵便物として持ち込まれた輸入禁止品の国別の推移でして、なぜか持ち込む量が減っている理由はよく分かりませんけれども、郵便物については、ほぼ中国、ベトナムは大分減少してきておりますが、この二か国の問題と言って差し支えないのではないかと思います。
ここで、農林水産省に伺います。
中国、韓国、ベトナムの政府に対して、その国の旅行者が出発する前、そして機内にて、違法な畜産物を日本に持ち込まないようにということを強く指導するように、外務省を通じて、外交ルートを通じてそれぞれの政府に対して要請をしているのかどうかについて伺います。
○根本副大臣 お答え申し上げます。
農林水産省では、携帯品や郵便物の輸入禁止品摘発件数が多い国や、輸出禁止品の持込みに関して逮捕者があった国については、外交ルート等を通じ、輸入禁止品の持込み防止に関する働きかけを行っているところであります。
過去に、今委員からも指摘がありましたように、ベトナムでは、逮捕事例後、相手国にも周知を求めた際に、一時的に持込みが減ったという事例もございます。
また、日本政府観光局等と連携して、諸外国における情報発信に取り組むとともに、航空会社、船舶会社等の協力を得て、出発国の出国カウンターや日本に到着する航空機や船舶内等において持込み防止のアナウンスや動画放映などを行うなど、訪日外国人への動物検疫制度の周知に努めております。
このような取組を通じて、引き続き、我が国に持込みをさせないような取組を強化していきたいというふうに考えております。
以上です。
○木下委員 お答えありがとうございました。
では、続いて、次の質問に入ってまいります。
輸入禁止品を持ち込んだ人に対して、外国人の経営する外国食材店ですとか飲食店に対して、こういったことをしないようにということで周知徹底をするということを伺っておりますが、日本語がやはり十分に分からない経営者も多いと思っております。
具体的に、外国人の経営する外国食材店、飲食店に対してどのような周知徹底をするつもりなのか、農林水産省にお伺いいたします。
○坂政府参考人 お答え申し上げます。
これまでも、農林水産省におきましては、外国食材店に訪問して広報活動を行うとともに、保健所等と連携をいたしまして、営業の届出などの申請機会を捉えまして、保健所に広報資材を設置することによりまして、外国食材店を開業する外国人等への周知を行ってきたところでございます。
外国人などへの周知を行うに当たりましては、日本語に堪能でない方もいらっしゃいますので、このような方々にも動物検疫制度を確実に御理解いただけるよう、多言語でリーフレットを作成し、活用してきたところでございまして、引き続き、多くの人々にしっかりとこの仕組みについて理解していただけるように努めてまいりたいというふうに考えております。
○木下委員 お答えありがとうございます。
農林省から事前のレクチャーを受けた際には、郵便による持込みに対しては、AIを活用したエックス線画像解析技術、これが非常に効果的だということを伺いまして、今年度終了後、いよいよ実用化というふうにも聞いておりますので、大いに期待をしております。
携帯品の取締りには探知犬による検査がとても有効だということも農林省の皆さんからお伺いいたしましたが、今後、更に外国人入国者が増加していくことが見込まれております。探知犬の頭数は十分なのでしょうか、探知犬のコストも含めてお答えいただきたいと思います。
○坂政府参考人 お答え申し上げます。
動植物検疫探知犬につきましては、アフリカ豚熱や口蹄疫の侵入リスクを踏まえまして、令和元年度では五十三頭であったところから、現在、百四十頭体制まで大幅に増頭を実現してきております。この頭数でありましたら、家畜防疫官の口頭質問と併せまして、侵入リスクが高い国からの全ての到着便や国際郵便に対応可能となったものと考えております。
なお、コスト面についてお尋ねがございました。この動植物検疫探知犬の活動に係る費用でございますが、ハンドラーの人件費も含めますと、これまでの実績から概算いたしますと、一頭当たり年間八百万円程度の費用を要するものと考えております。
○木下委員 ありがとうございました。
一頭当たり八百万円もかかるんですね、結構かかるものですね。これから四千万人が六千万人に入国者が増えていくということになると、またその一・五倍予算を準備しないといけないということになるのかもしれませんが、今お答えにあったような探知犬による検査、それから保税倉庫などでのエックス線による検査、どれぐらい昨年では費用がかかったのでしょうか。
外国食材店への周知徹底も含めて、本来こういった費用は、日本の納税者が負担すべき費用ではないのではないかと考えております。これらの費用は、入国しようとする方たち、若しくは輸入しようとする方に負担させるべき性質のものではないかと思いますが、農林水産省の御見解を伺います。
○坂政府参考人 お答え申し上げます。
動物検疫所では、各種の検査を実施することによりまして、水際での検疫措置を適切に実施いたしまして、海外からの家畜伝染病の侵入を防止しているところでございます。
家畜伝染病予防法におきましても、国の責務規定が規定されてございます。輸出入検疫の適切な実施に必要な措置を講ずるように努めるということが国の責務として規定されているところでございます。このため、海外からの家畜伝染病の侵入を水際で阻止するための措置につきましては国費によって対応することが適切であるというふうに考えておりますが、一方で、委員御指摘ございました、例えば、係留期間中の家畜の飼養に要するコスト、また貨物の保管コスト、こういったものにつきましては輸入者の方にその負担を求めているところでございます。
今後とも、国の責任において、しっかりと海外からの家畜伝染病の侵入を防ぐための水際措置を適切に実施してまいりたいと考えております。
○木下委員 お答えありがとうございます。
先ほどの探知犬にしても、これから多くの予算が必要だと思いますが、なかなか財務省と交渉して予算を確保するのは大変なことだと思っております。
これはお答えは要らないんですが、私は外務委員の方にも所属しておりまして、いわゆる出国税を活用するという方法は考えられないものでしょうか。出国税は、一人当たり千円から三千円に上がりまして、中身を見ると、観光公害対策にも使っておられるわけですね。インバウンドの急増による検査のための費用の増大というのは、これに似たような性格を持つものではないかとも思います。出国税、これは必ず税収が上がる数少ない税目だと思っておりますので、御検討いただければ幸いでございます。これは回答は要りません。
では、次に、違法な物品を持ち込もうとした方への処罰について伺いたいと思っております。
持込み量が多い、それから何度も違法な持込みをしようとして摘発される、そういった悪質なケースに対して、日本への上陸、入国を拒否するべきではないかと考えます。見つかっても微罪で済むのであれば、何度でも繰り返されると思います。この点について入管庁の見解を伺いたいと思います。
もし現行法で不可能であるとしたら、どのような法改正が必要なのか、その点についてもお答えをいただきたいと思います。
○礒部政府参考人 お答えいたします。
一般論として申し上げますと、入管法第五条第一項に規定されている上陸拒否事由に該当する場合には上陸を拒否することが可能となってございますが、現行の上陸拒否事由の中には、輸入禁止畜産物を我が国に持ち込んだ過去があることや現に持ち込もうとしていることは含まれていないことから、一般的には、それのみをもって上陸を拒否することは困難であると考えられます。
その上で、出入国在留管理庁では、農林水産省と連携して、輸入禁止畜産物を我が国へ持ち込もうとした経歴のある外国人が新規に上陸しようとする場合には、慎重に上陸審査を実施しているところでございます。
この上陸審査の過程で輸入禁止畜産物を違法に持ち込んで売買しようとしていることが判明したような場合などであって、在留資格により本邦において行うことができる活動を行おうとするとは言えないと認められるときには、入管法七条一項二号に定める上陸条件に適合しない者として、上陸を拒否することが可能と考えております。
法改正の関係についての御質問でございますけれども、委員御指摘のような行為を行う者の上陸を拒否するためには入管法の改正が必要となりますが、上陸拒否という処分の持つ厳しさを考慮しますと、我が国への輸入禁止畜産物の持込みの経緯等を問わず、輸入禁止畜産物を持ち込んだ過去があることや現に持ち込もうとしていることを一律に上陸拒否の対象とするのは適当ではない場合があり得るなどの理由から、入管法改正を行うことについては慎重な判断が必要であると考えております。
○木下委員 お答えありがとうございます。
これから外国人の入国がまた更に増えていくと思いますので、どのような摘発の推移になるかもよく見ていただいて、できれば、入管法の改正も御検討いただければと思っております。
それから、これは提案なんですけれども、相手国政府、これは中国になりますが、出国させないような工夫というのもあるんじゃないかと思っておりまして、例えば、何回も何回も摘発されるような人の、パスポート番号になるのか何か分かりませんが、そのデータを相手国政府にきちっと伝えて、そのときにどう言うかはあうんの呼吸だと思いますが、相手国政府から出ようとする段階で止めるという工夫も是非お考えいただければと思っております。既にされていらっしゃるんだったら、どんどん進めていただければ結構でございます。これはお答えは要りません。
家畜防疫官の食材店への立入検査について質問を準備しておりましたが、もう既に多くの方に対してお答えになっておりますので、この質問は飛ばさせていただきます。是非、県警と連絡を取って、家畜防疫官の皆さんの身の安全を守りながら対応していただければと思います。
では、続きまして、違法な畜産物を販売した外国食材店に対しての対応でございます。これについて質問をいたします。
そもそも、畜産物を販売する外国食材店は、食品衛生法に基づきまして届出が必要なわけであります。何度も持込みや郵便などによって違法に畜産物を輸入しようとした人に対して、その人が経営する外国食材店に対して、営業の禁止ですとか営業の停止というような措置を取る、又はその人の在留資格を取り消す、そういった厳しい措置を取るべきではないかと思いますが、厚生労働省と入管庁の御見解を伺います。
○榊原政府参考人 お答え申し上げます。
食品衛生法は、飲食に起因する衛生上の危害の発生防止を目的としており、同法第六十条における営業の禁停止処分は、食中毒等の危害が生じている場合に行われるものでございます。
他方で、今般の家畜伝染病予防法の改正法案における輸入禁止品の販売等の禁止規定については、輸入禁止品を通じた国内の畜産における伝染性疾病の発生を予防することを目的としていると認識しているところでございます。
こうした規制の目的が異なります家畜伝染病予防法の輸入禁止品の販売禁止規定に違反した事実のみによって、直ちに食品衛生法に基づく営業の禁停止処分を行うことは難しいのではないかと考えているところでございます。
○礒部政府参考人 お答えいたします。
入管法には、在留資格の取消し事由として、虚偽の申請により許可を受けた場合、在留資格に応じた活動を行っていない場合などが規定されているところでございます。
これら取消し事由に該当するか否かは、個々の事案の具体的状況に応じて判断されるものでありますので、一概にお答えすることは困難でございますが、御指摘のような違法に畜産物を輸入しようとしたことのみをもって在留資格を取り消すことは困難と考えております。
なお、一般論で申し上げますと、罪種を問わず、一年を超える拘禁刑の実刑に処された場合は退去強制事由に該当することとなります。
○木下委員 お答えありがとうございます。
厚生労働省と入管庁のお答えを聞いておりますと、入管庁は何とかしてあげたいという感じが伝わってくるんですが、私は、違法な畜産物を日本に持ち込むことで、動物検疫所、農林水産省だけが必死に頑張っているのはちょっとおかしいなと思っておりまして、本来、やはり入管庁や関係する厚生労働省が協力してやっていくべきものだと思っているんですね。
それで、もう一回厚生労働省に伺いますが、こういった何度も何度も違反を繰り返すような人が経営している外国食材店、ここに対して営業の禁止や停止をさせるためにはどのような法改正が必要でしょうか。
○榊原政府参考人 お答え申し上げます。
先ほどもお話し申し上げましたように、規制の目的が異なる家畜伝染病予防法の禁止規定に違反した事実のみによって、食品衛生法に基づく営業の禁停止処分を行うことは難しいと考えておりますが、今般の家畜伝染病予防法の改正では、輸入禁止品の販売等を禁止し、罰則の対象とするとともに、店舗等への立入り権限の付与、それから輸入禁止品等の廃棄権限を家畜防疫官に付与するほか、検査中の販売停止、そして輸入禁止品等を廃棄した旨の公表を措置するというふうに聞いております。
これらの対応により、食品衛生法における営業の禁止処分によらずとも、改正法案の目的は達成できるのではないかと考えているところでございます。
○木下委員 時間になりましたので終わりますが、何度も繰り返すように、違法行為を行う外国人によって、真面目に働く日本の畜産農家が被害を受けるということは、これはあってはならないことだと思っております。特に、動物検疫所の皆さんは非常に頑張っておられまして、これから外国食材店に、言葉が通じないけれども入っていかないといけないというような困難もあると思いますので、是非、関係省庁、厚生労働省と入管庁も力をかしていただいて、日本の畜産を守っていただければと思っております。
それから、獣医師不足問題については、時間がなくなりましたので、また次回の一般質疑のときにさせていただければと思っております。
以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○藤井委員長 次に、林拓海君。
○林(拓)委員 チームみらいの林拓海です。
本日も質問のお時間をいただきまして、ありがとうございます。
今回は、家畜伝染病予防法の一部改正案について質問をいたします。
まず、今回の改正案についてですが、ランピースキン病の予防、また豚熱への効率的な対応、そして輸入禁止食品への対応強化など、いずれも喫緊の課題として速やかな対応が求められるものと考えております。
その上で、今回の改正法が成立を仮にした場合に、単なる制度の更新にとどめず、いかにしてその実効性を担保できるような状況をどうやってつくっていくかという観点から質問をいたします。
家畜伝染病の脅威から日本の畜産を守る鍵は、平時からの個体管理や、感染が疑われた際の初動の早さに尽きると思います。
そこで、現状、家畜の伝染病の予防について、家畜伝染病が疑われる場合の状況把握のフローはどのようになっているのか、また、どのように感染を発見して、都道府県や国はどのような時間軸で対応を決定するのかを教えてください。
○広瀬大臣政務官 お答えいたします。
家畜伝染病の予防については、平素から、農場における飼養衛生管理の徹底を図ることにより病原体の侵入を防止しているところであります。衛生管理の徹底というのは、例えば、先ほどもいろいろ出ておりましたけれども、農場に出入りする際の消毒であったり、それから野生動物の侵入を防止するためのネットであったり柵、こうしたものをやっているというところであります。
家畜伝染病の発生が疑われる場合には、農家から家畜保健衛生所への異状の早期発見、通報の徹底や、通報を受けた家畜保健衛生所による早急な立入検査を実施するとともに、必要に応じた精密検査により早期の発生確認を図っているところであります。
これらの検査により家畜伝染病の発生が確定した場合には、速やかな殺処分、死体の焼却、埋却、発生農場周辺の移動制限、農場の消毒等の措置により迅速な封じ込めや蔓延防止対策を実施しているというところです。
○林(拓)委員 ありがとうございます。
今おっしゃっていただいたような対応に現場で当たられている、日々使命感を持って本当に重要な役割に取り組んでおられる畜主の皆様やあるいは獣医師の先生方、自治体職員の皆様に、本当に頭が下がる思いです。この場でも感謝を私からも申し上げたいと思います。
これは食の安全を守るために本当に重要な活動だと思っておりまして、家畜伝染病の予防、極めて重要だと思うんですが、現状、これまで質問をなさっていた委員の先生方もおっしゃっていたように、人手不足であったり、あるいは業務の過密化といった課題というのも現場の声としてあるのかなというふうに考えております。だからこそ、この状況の中で、国が最新のテクノロジーを活用して現場を支える仕組みというものをつくっていく必要があるのではないかと思っています。
例えば、今、家畜伝染病の予防に際して、AIを用いた音響監視システム、畜舎の中で例えば動物がせきをした、その音響をもって家畜伝染病を測定といいますか、そこのデータを解析することであったり、動物にウェアラブルセンサーをつけることでそのデータから様々な、伝染病なり、けがなんかの予測なり観測をするといったことがあったりしますので、こういったシステムをどのように導入していくかということも是非御検討いただきたいなと思っております。
その上で、今回この質問で取り上げたいのが、衛生管理記録についてです。
現場の畜産業を営んでおられる方々に日々様々な、消毒ですとか、あるいは施設の点検ですとか、こういったことを記録していただいているわけなんですけれども、この記録が現状、結構、紙で行われており、その書かれた内容を現場で保管しているといったことを先日のレクなんかでもお聞きしております。
この飼養衛生管理記録、どのように作成、提出されているのか、また、デジタル化はどの程度進んでおり、デジタルでの提出率が何%程度なのかをお伺いいたします。
○坂政府参考人 お答え申し上げます。
家畜の所有者が飼養衛生管理の方法に関して遵守すべき基準といたしましては、家畜伝染病予防法に基づく飼養衛生管理基準が定まっておりまして、その遵守状況について毎年報告を義務づけているところでございます。
この報告を始めといたしまして、家畜の所有者から都道府県に対して行われる報告は、従来から紙媒体が主流でございました。県の家畜防疫員からは集計や分析に手間がかかるといった声も寄せられていたところでございます。
このような状況に対処して、家畜防疫員の負担軽減を図るためにも、報告をオンラインでできるようにシステム開発を行ったところでございまして、令和六年度から運用を開始しているところでございます。
現在のところ、家畜の所有者によるオンライン報告の利用の数というのはまだそんなに多くないところでございますけれども、農場への立入りの機会を活用した制度の案内や操作方法の周知に努めることによりまして、効率的な報告の仕組みの定着に向けて取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○林(拓)委員 ありがとうございます。
令和六年度からそのシステムができ上がっていて進めているけれども、まだ利用者はそんなに多くない状況ということをお伺いいたしました。ありがとうございます。
ここで私の立場を強調しておきたいのは、デジタルを目的にするということではなくて、そういった仕組みがあるからそれを使えばいいんだということではなくて、やはり現場の方々のニーズであったり、現場の方々が使いやすいシステム作りというのが重要かと思っておりますので、あくまで現場の方々が使いやすいものをどういうふうに作っていき、それを利用しやすい形にした上で、どのようにそのデジタル活用のところに皆さんに乗っていただくかといったところの促進が重要だと考えております。
その上で、この飼養衛生管理記録なんですが、先ほど紙で回収して自治体の方がそれを管理しているということなんですけれども、かなり大量の紙になる中でそれをどういうふうに活用するのかというのは、なかなか素人感覚だとイメージがつきにくいなという感覚を持つのもありまして、これがもし仮にデジタル化がうまくいき、日々記載されている内容を送信いただくような管理体制になれば、そのデータを活用して家畜伝染病の予防全般にも生かしていく余地があるのではないかなというふうに思っておりまして、そうしたデータ活用、単に衛生管理しているかを確認するという趣旨ではなくて、そこでいただいたデータを活用していくという視点も含めて、是非デジタル化を進めていっていただきたいというふうに思います。
その上で、大臣にお伺いいたします。
今、飼養衛生管理のデジタル化について触れたのですが、もうちょっと引いた目線でといいますか、こういった家畜伝染病の予防にかかわらず、畜産業のスマート化というものは、先ほどほかの委員の先生方が獣医師さんの不足があるといったようなこともおっしゃっていただいているかと思うんですけれども、今後、生産性向上も含めて、畜産のスマート化も非常に重要なのではないかと思うんですが、まず御見解をお伺いいたしたいと思います。
○鈴木国務大臣 御質問ありがとうございます。
畜産業においては、夜間の分娩監視や朝夕の搾乳などの飼養管理により、拘束時間が長く、労働負担が大きいなどの課題があることから、これまで、省力化に資する分娩監視装置や発情発見器、そして、効率化に資する搾乳ロボットや自動給餌機などの導入を推進してきたところであります。
畜産業において今後も労働力不足や高齢化の進行が見込まれる中で、畜産業の持続的な発展や畜産物の安定供給を確保する観点から、更なる省力化や効率化を進めることが必要です。
このため、畜産ICT事業や畜産クラスター事業などにより、AIの活用も含め、ICT機器などの畜産現場における実装を進め、スマート畜産をしっかりと推進をしてまいりたいと考えております。
さっき、林先生からのお話も伺って、そうだなと私も思ったのは、飼養衛生管理の手でつけなきゃいけないみたいな話も、本来だったら、カメラで撮っておいて、どの行動をちゃんとしたんだよというのが自動的に、いつ、何時にどうしたというのがもしデータ化されればとても楽になりますし、また、先ほどの別の質疑でもありましたけれども、カラスを追い払うみたいなのでもしかしたらドローンが使えるとか、何かこの新しい技術をもう少し、今の導入されているものだけではなくて、新たな可能性、そしてそれができれば経営をされる皆さんの負担感の軽減、関わる皆さんにとって負担感の軽減につながる、そしてそれがよい形に更につながっていくということが今できそうな感じがしましたので、よく省内でも検討させていただきたいと思います。
○林(拓)委員 ありがとうございます。
省内でも御検討いただくということで、非常に前向きな答弁をいただいたと思います。ありがとうございます。
今大臣がおっしゃっていただいたように、飼養衛生管理記録をデジタルで記入するというのもそうなんですが、それこそ、今、AIはかなり画像解析の技術も向上しているので、どこまで実現可能性があるのかというのはこれは検証しなければならないところではありますが、今おっしゃっていただいたように、ぱしゃっとカメラで撮ったらそれを送信、それがデータ化されたり、それを送信することで報告が完了するみたいになると、かなり現場の負担感の減少にもつながってくる、また、より正確なデータを自治体としても把握できるといったところにつながり得る要素があるのではないかなと思いますので、是非御検討を、今、するというふうに言っていただきましたので、お願いできますと幸いです。ありがとうございます。
それでは、続きまして、立入検査の運用と実効性について、質問を移らせていただきたいと思います。
今回の法改正案の大きな柱の一つが、水際から一歩踏み込んだ対策の強化というところになるんですけれども、海外から入ってきたものが、水際で既に現場の方々がかなり大変な御苦労をいただいて、できる限りその場で止めようというふうにしていただいている中で、それでも様々な理由で水際を抜けてしまったものをしっかりと取り締まれるようにするといった趣旨での法改正かと思います。
この上で御質問したいのが、現行法の五十一条一項に基づく立入検査、どの程度の頻度や件数で実施されているのか、お伺いいたします。
○坂政府参考人 お答え申し上げます。
現行の家畜伝染病予防法上の立入検査規定は、都道府県職員である家畜防疫員等に対しまして、家畜の伝染性疾病の発生を予防することを目的として、農場等に立ち入って動物その他の物を検査することができる権限を付与する規定でございます。
家畜防疫員は、この規定に基づいて様々な形態での立入りを実施していると承知しております。例えば、飼養衛生管理基準の遵守状況の確認や指導のための立入りでございますとか、病性鑑定のための立入りといったようなところが考えられるところでございます。
このように立入りの態様が多岐にわたっているところでございまして、大変申し訳ございませんが、その件数を国として把握している状況ではございません。
○林(拓)委員 ありがとうございます。
件数は国としては把握していないということでした。
それでは、今回の改正案で立入検査ができる場所というんですかね、立入検査先が増えるといった形になるわけなんですが、もし立入検査ができる場所の数が増えたときにどの程度件数が増加するのか、また全数としてどの程度になるのかの想定をお伺いしたいと思います。
○坂政府参考人 お答え申し上げます。
今回の改正案におきましては、輸出入検疫等に係る家畜伝染病予防法の規定を施行するために必要な範囲で、国の家畜防疫官に、新たに、店舗等への立入検査及び輸入禁止品等の廃棄の権限を付与することとしているものでございます。
立入検査の具体的な実施規模などにつきましては、立入検査の実施規模を推定させてしまうことになりますので、お答えについては差し控えさせていただきたいと思いますけれども、市中の輸入食材店が多数ある中で、立入検査の対象については、過去の国際郵便物の検査の結果でございますとか従業員等による情報提供により得られた情報を基に適切に選定して実施してまいりたいというふうに考えております。
○林(拓)委員 ありがとうございます。
この件数を公開することがおおよその規模を、この立入検査の対象になり得る方々が想像できてしまうというんですかね、これぐらいの規模で立入検査が行われるんだということを想像できてしまうということがよくないから公開しない、そういったことだったかと思うんですが、十分理解いたしたいと思います。
そういったところも、人員確保、今後どれぐらいのこの立入検査に向かう防疫官の方の数、確保が必要なのかというところをしっかり把握する意味でも、是非そこの全数の把握は引き続きやっていただけたらということをお願い申し上げまして、時間になりましたので、質問を終わります。
ありがとうございました。
○藤井委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
―――――――――――――
○藤井委員長 これより討論に入るのでありますが、その申出がありませんので、直ちに採決に入ります。
内閣提出、家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○藤井委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
―――――――――――――
○藤井委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、野中厚君外五名から、自由民主党・無所属の会、中道改革連合・無所属、日本維新の会、国民民主党・無所属クラブ、参政党及びチームみらいの六派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
提出者から趣旨の説明を聴取いたします。神谷裕君。
○神谷委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
案文を朗読して趣旨の説明に代えさせていただきます。
家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
令和二年に行われた家畜伝染病予防法の総合的な見直しの後においても、悪性の家畜の伝染病が継続して発生し、国境を越えた人や物の往来もますます活発になる中で、我が国の畜産業の持続的な発展及び畜産物の安定供給を図る上で家畜衛生が果たすべき役割は、一層重要なものとなっている。一方で、家畜伝染病の発生増加、これに伴う家畜防疫員の業務負担の増大、訪日旅客や国際郵便による畜産物の持込み違反件数の増加等、我が国の家畜防疫を取巻く環境は一層厳しさを増している。これらの状況に対応して、国内防疫体制及び輸入検疫体制の強化等を図る必要がある。
よって政府は、本法の施行に当たり、左記事項の実現に万全を期すべきである。
記
一 ランピースキン病については、まん延防止対策を徹底するため、ワクチン接種や発生時の殺処分等の措置を適切に実施すること。併せて、感染防止のための吸血昆虫対策等の取組を支援すること。
二 豚熱発生時の選択的殺処分の実施に当たっては、発生農場内での再発防止に資するよう、殺処分対象を正確に把握するための適切な基準を定めるとともに、当該基準について家畜防疫員等への指導を徹底すること。また、殺処分の対象とならずに出荷される豚について、風評被害を防止し円滑な流通を確保するため、関係事業者や消費者に対し、制度導入の趣旨や食肉の安全性について十分な広報を行うこと。加えて、殺処分に際して、焼却が円滑に進むよう焼却施設の確保や減容化等の支援に努めること。
三 登録飼養衛生管理者による豚熱ワクチン接種の実施に当たっては、研修により十分な知識及び技能を習得させるとともに、家畜防疫員の指示の下、適切な接種が行われるよう指導すること。また、豚熱ワクチン接種後の免疫付与状況確認検査の民間検査機関等への委託に当たっては、検査の精度が確保されるよう状況を注視し必要に応じて指導すること。
四 豚熱の清浄化に向けて、マーカーワクチンの実用化及び普及に向けた取組などを着実に実施するとともに、経口ワクチンの散布など野生イノシシ対策を一層推進すること。
五 輸入禁止品の販売等の禁止や家畜防疫官による立入検査の実施に当たっては、外国食材店をはじめとする関係者に対して制度の趣旨を周知徹底し、疑義情報の収集に努めるとともに、家畜防疫官の安全を確保するために警察と連携する等実効性を高める体制の構築を図ること。
六 輸入検疫体制の強化のため、税関や出入国管理庁等とも十分に連携しつつ、AIの活用や検疫探知犬の育成及び運用方法の見直し等、空港、港湾及び国際郵便局における水際対策を一層充実させるとともに、外国食材店をはじめとする関係者、訪日外国人及び在留外国人等に向けて、改めて動物検疫の重要性についての周知及び啓発を行うこと。
七 家畜防疫員の業務が増加かつ多様化している中、国内防疫体制の維持・強化のため、都道府県と協力して家畜防疫員及び産業動物獣医師の確保・育成及び処遇の改善を図ること。併せて、遠隔診療の導入による業務効率化等の取組を推進すること。
右決議する。
以上です。
何とぞ委員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
○藤井委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
採決いたします。
本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○藤井委員長 起立総員。よって、本法律案に対し附帯決議を付することに決しました。
この際、ただいま議決いたしました附帯決議につきまして、政府から発言を求められておりますので、これを許します。農林水産大臣鈴木憲和君。
○鈴木国務大臣 ただいまは法案を可決いただき、ありがとうございました。附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいります。
―――――――――――――
○藤井委員長 お諮りいたします。
ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○藤井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
〔報告書は附録に掲載〕
――――◇―――――
○藤井委員長 次に、農林水産関係の基本施策に関する件について調査を進めます。
この際、食育基本法の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。
本件につきましては、各会派間の協議の結果、お手元に配付いたしておりますとおりの起草案を得ました。
本起草案の趣旨及び主な内容につきまして御説明申し上げます。
食育基本法は、食育に関する基本的事項を定め、施策を総合的かつ計画的に推進することによって現在及び将来にわたる健康で文化的な国民の生活と豊かで活力ある社会の実現に寄与することを目的として、平成十七年に議員立法により制定されました。
本案は、我が国における食や農林漁業を取り巻く状況の変化及び食料・農業・農村基本法の改正に対応し、消費者が農林水産物の生産にかかるコストを理解して負担したり、地場産、国産を選ぶようになるための食育を中長期でしっかり取り組む必要があるため、農林漁業に関する教育の促進、大人向けの食環境改善を含む新たな施策、その施策を推進するための体制の構築等が求められていることに応えるものであり、その主な内容は次のとおりであります。
第一に、前文において、食をめぐる環境の変化についての文言の追加及び国民運動としての食育の在り方の明確化を行うこととしております。また、法律の目的として、食料安全保障の確保にも資する食育の推進を追加することとしております。
第二に、基本理念に関し、文化、観光、環境、スポーツ等の関連分野との協働、子供の食育における教育基本法等による施策との連携、大人も含めた食に関する理解醸成及び行動変容の促進などに係る規定及び食育の推進のための国の関係行政機関等の相互連携や官民連携の強化に係る規定を追加することとしております。
第三に、食育推進基本計画に関し、少なくとも毎年一回目標の達成状況を調査、公表するとともに、おおむね五年ごとに変更するものとするとの規定及び地方公共団体の取組状況の見える化のための支援に係る規定を追加することとしております。
第四に、基本的施策に関し、生産者と消費者との交流の促進の強化、学校等における農林漁業教育等を通じた食育の強化、民間企業を巻き込んだ大人の食育運動の促進、関連分野との協働による食育推進運動の展開、人材の育成及び確保を始めとする食育推進体制の充実等に係る規定を追加することとしております。
なお、この法律は、公布の日から施行することとしております。
以上が、本起草案の趣旨及び主な内容であります。
―――――――――――――
食育基本法の一部を改正する法律案
〔本号末尾に掲載〕
―――――――――――――
○藤井委員長 お諮りいたします。
食育基本法の一部を改正する法律案起草の件につきましては、お手元に配付いたしております起草案を本委員会の成案とし、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○藤井委員長 起立総員。よって、本案は委員会提出の法律案とするに決定いたしました。
なお、ただいま決定いたしました法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○藤井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午後零時十二分散会

