衆議院

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第14号 令和8年6月11日(木曜日)

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令和八年六月十一日(木曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 藤井比早之君

   理事 東  国幹君 理事 笹川 博義君

   理事 野中  厚君 理事 平沼正二郎君

   理事 和田 義明君 理事 野間  健君

   理事 原山 大亮君 理事 村岡 敏英君

      石坂  太君    伊東 良孝君

      江藤  拓君    門  寛子君

      加藤 大博君    今  洋佑君

      西條 昌良君    鈴木 拓海君

      俵田 祐児君   中川こういち君

      西田 昭二君    西山 尚利君

      葉梨 康弘君    広瀬  建君

      藤田ひかる君    宮下 一郎君

      簗  和生君    山本  深君

      庄子 賢一君    角田 秀穂君

      渡辺  創君    柏倉 祐司君

      関 健一郎君    長友 慎治君

      木下 敏之君    林  拓海君

    …………………………………

   農林水産大臣政務官    広瀬  建君

   参考人

   (富山県農林水産総合技術センター所長)      雄川 洋子君

   参考人

   (一般社団法人日本種苗協会会長)

   (株式会社武蔵野種苗園代表取締役社長)      油木 大樹君

   農林水産委員会専門員   千葉  諭君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 重要品種の育成及びその種苗の生産の振興に関する法律案(内閣提出第四六号)

 種苗法の一部を改正する法律案(内閣提出第四七号)


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     ――――◇―――――

藤井委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、重要品種の育成及びその種苗の生産の振興に関する法律案及び種苗法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。

 これより質疑に入ります。

 本日は、両案審査のため、参考人として、富山県農林水産総合技術センター所長雄川洋子君及び一般社団法人日本種苗協会会長、株式会社武蔵野種苗園代表取締役社長油木大樹君、以上二名の方々に御出席をいただいております。

 この際、参考人各位に一言御挨拶を申し上げます。

 本日は、御多用のところ本委員会に御出席いただきまして、誠にありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じますので、よろしくお願いを申し上げます。

 次に、議事の順序について申し上げます。

 まず、雄川参考人、油木参考人の順に、お一人十五分程度御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。

 なお、念のため申し上げますが、御発言の際はその都度委員長の許可を得て発言していただくようお願い申し上げます。また、参考人は委員に対して質疑をすることができないことになっておりますので、あらかじめ御了承願います。

 それでは、初めに、雄川参考人、お願いいたします。

雄川参考人 おはようございます。富山県農林水産総合技術センターの雄川でございます。

 まず、簡単にちょっと自己紹介をさせていただきたいと思います。

 私は、県の農業職員でございます。これまで、農業研究所の土壌肥料分野の研究員を始め、農家に直接技術指導や経営改善などを支援する普及指導員、そして行政職員として富山県の農業振興に携わってまいりました。この四月から、七つの研究所から成る農林水産総合技術センターの所長を務めております。そのセンターの中にあります農業研究所の方で、種子生産のもととなる原種生産、そして品種育成を行っております。

 本日は、御審議中の二法案に関しまして、富山県の水稲種子生産と品種育成の現状ということで、まず御説明をさせていただきたいと思います。

 資料の方をおめくりください。

 種もみ王国富山として、全国一の種もみ出荷県でございます。地図にございますように、県内には五つの種子場、種子を生産する産地です、種子場がございまして、毎年約四千トンの水稲種子を生産しております。そのうち約三千トンを県外、全国四十四都府県に出荷をしております。県の奨励品種でございます十品種を含む四十六品種の種子を生産しておりまして、県間流通量の六七%を占めるということになっております。

 種子の生産体制と課題として書いておりますけれども、種子の生産体制とすれば、まず、富山県主要農産物種子生産条例を制定しておりまして、それに基づきまして、稲と麦と大豆の高品質な種子生産を行っております。

 この種もみ生産ですけれども、一般的な米生産とは異なりまして、特有の栽培管理が必要となっております。発芽率が高く、純度の高い種子とするために、まず、圃場での異型株、右の方に写真がございますけれども、生育の違うもの、また病気にかかった稲、これを圃場の中から抜き取るという農家の方の作業がございます。また、倒伏をさせてしまうと、稲を倒してしまうと品質が落ちますので、倒伏しないような施肥管理ですとか病害虫の防除、また雑草の防除ということで、丁寧な作業が必要となります。また、収穫についても、種子の専用のコンバインということで、品種が替わると種が混ざらないように、解体して掃除のしやすいというような構造のコンバインが必要になってまいります。

 こうして普通の米生産よりも作業が多いということで、課題としては、やはり生産者の高齢化に伴って生産の効率化が必要となっております。

 次のページをおめくりください。

 まず、富山県の種子生産工程ということで上の方に示しておりますけれども、種もみを作る際には、まず元種が必要になります、それが百グラム。それが、次に一年かけて、原原種ということで、約百倍の十キロ。その次に、原種として、また百倍の一トン。その原種をもとに、種子場の方で一般種子を作られます。その作られた種子が、県外も含めて、県内外の米生産者の方に行き渡るというようなことになっております。農業研究所の方ではこの原原種と原種の供給を担うということで、農業研究所を中心に栽培をしております。

 このように一年で百倍に増殖をさせていくわけですけれども、形質の違う一粒が百粒に、また一万粒となるということで、まず、その元種から原種を作るときにいかにクリーンな原原種を作るか、それが重要になっております。クリーンな原種であれば、種子生産圃場で最も重労働である圃場での抜取り作業の軽減につながるということになります。

 富山県の方では、下の方に写真も載せておりますけれども、種もみクリーン原種供給センターというものを平成三十年に整備しておりまして、これは、田んぼの上にハウスを建てるような格好で仕切ります、そうすると、ほかからの花粉の飛来を防いで自然交配を防いで、均一性の高い原原種を生産するということができます。

 それぞれ一本ずつ植えまして、異型株ですとか罹病株の抜取りをここで徹底していきます。さらに、個体別のDNA診断により、遺伝的な固定度も確認します。そうしてクリーニングすることによって、右下に書いてございますけれども、種子場における異型株の抜取り作業が七割軽減するということで、いかにクリーンな原原種を作るかということがその次の作業の省力化につながるということでございます。

 次のページをおめくりください。

 これも県条例に基づく取組でございますが、種子生産を支える県の取組として書いてございます。

 まず、四月に、種子生産計画を策定、公表いたします。県内外からの種子生産の委託状況、県の種子協会と協議をしながら生産計画を作成いたします。そして、種子場農協の方に作付面積、また品種を配分いたします。種子場農協の方では、同一生産者に出穂期ですとか形質が類似した複数の品種を配分しないよう配慮しながら計画を立ててまいります。

 種子生産圃場の指定は、それから田植を始めるまでに行います。品種ごとに圃場を団地化するですとか、他家受粉による純度低下を防ぐということで、種子場周辺の一般米の生産者の方にも種子消毒等を徹底していただくようお願いをしながら、生産する圃場を指定してまいります。

 次に、七月から八月、ちょうど穂の出る時期ですけれども、そこで圃場審査を行います。その圃場審査というのは、農家の皆さんが異型株ですとか雑草の防除、病害虫の防除をやっていただくわけですけれども、それの実施状況がどうかということで、県の種子審査員、これは普及指導員が中心に担っているわけですけれども、県の種子審査員が、出穂期と糊熟期、ちょうど実の詰まってくる時期ですけれども、その二回、現地審査をします。それは、田んぼに一枚一枚入って、しっかり抜取りができているかどうかという審査をいたします。

 最後に、収穫物について生産物審査を行います。県の種子審査員が、発芽率が九〇%を超えているかどうか、また異品種混入がないか、それについてもDNA検査をいたします。

 そのように、種子生産については、県の条例に基づいてしっかりと品質管理を行っているということでございます。

 次のページをおめくりください。

 次は、気象変動に対応した新品種の開発と普及ということでございますが、左下のグラフを御覧ください。これは、富山県におきます品種ごとの一等米比率を示したものでございます。主力品種でありますコシヒカリ、これが、緑色で示しておりますように、かなり品質を落としている年がございます。近いところでいえば、西暦二〇二三年、全国的にも高温で品質を落とした年でございますが、高温で米が白濁してしまうということで、かなり一等米比率が落ちておりました。

 こういったことで、やはり高温に強い品種の育成が必要ということで、まず最初に、てんたかく、これは県のオリジナル品種でございますが、わせ品種のてんたかくを十五年から現場に移しまして、次は、てんこもり、これはおくて、遅い品種でございます、そして次に、コシヒカリに代わる高温に強い品種として、富富富の方を開発いたしました。

 この開発に当たりましては、戻し交配とDNAマーカー選抜ということで、最新の技術を使いまして富富富を育成しております。ただ高温に強いだけではなくて、短稈で倒伏しにくい、また、いもち病に強いというような形質を、複数のそういった有用な遺伝子を戦略的に集積した全国初の普及品種となっております。この開発に当たっては、いもち病抵抗性遺伝子の一つは、農研機構の方からも育種素材として提供いただいております。

 こうして、富山県の方では、わせ、なかて、おくてと、各熟期に高温耐性の県ブランド品種を育成しているということになります。

 どちらの県でもそれは課題だというふうに思いますけれども、品種の開発には、そういった育種品種の早期品種登録出願、それをすることによって育種素材としてのやり取りもできるということがありますので、早期の品種登録の出願はプラスの要素ということで書いております。

 最後に、まとめでございます。

 品種育成については、まず、育種目標、大まかな、ざっくりとしたイメージですけれども、昔、食糧増産時代はやはり多収の品種、それから、米余りが続きますと今度は差別化、良食味の県独自のオリジナル品種、そして最近では、品質を求めるための、気象変動に対応した品種を求めるというようなことで、育種目標もその時代時代に応じて変化してきているかと思います。

 今後は、さらに、気象変動への対応ということで、高温耐性、ウルチ米だけではなくて、例えば酒米ですとか、そういったものについても高温耐性が必要になってくるかなというふうに思います。また、農業従事者の減少に対しては、やはり生産性の向上ということが大切でございまして、多収性ですとか病害虫への抵抗性を持ったもの、そして、需要に応じた米生産を進める上では、様々な用途に応じた特性を持つ品種が必要かと思います。例えば、米粉パンに向く品種ですとか、牛の餌となります稲WCS、嗜好性のいいものですとか、そういった品種の育成も必要になるかと思います。

 そういったことを進める上では、やはり産学官の連携の下、有望な品種の早期育成を目指すべきというふうに思っております。そのためには、有望な育種素材の提供ですとか、DNAマーカー選抜、そして環境制御可能な人工気象室の利用など、先端的技術の活用、それを広く活用できるようにということは非常に重要なことでございまして、また、その研究に関する人材の育成と確保ということも重要かと思っております。

 次に、種子生産の方ですけれども、高品質な水稲種子生産には大変手間もかかります、コストもかかります。ですが、高品質な水稲種子があるからこそ、病害の発生抑制にもつながりますし、品種特性の発現により、水稲作全体のコスト低減に結びつくものと思っております。何より、責任を持って種子を生産する体制づくりが大切だと思っております。高品質な水稲種子の生産と安定供給は、米生産の要と思っております。

 最後に、育成者権の保護についてですけれども、どんどん地球規模で温暖化が進んでいく中で、やはりそういった高温耐性品種、有望な形質を持つような品種、それの海外流出を今後懸念しております。優良品種の海外への流出防止や権利の侵害対応の強化が必要、また、早期に実用化する必要性が高い品種については、優先審査、仮保護期間の短縮ということが求められると思っております。

 これで私からの意見陳述は終えさせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)

藤井委員長 ありがとうございました。

 次に、油木参考人、お願いいたします。

油木参考人 皆さん、おはようございます。

 一般社団法人日本種苗協会の会長を務めております、私の会社は武蔵野種苗園という会社ですので、この二つについてちょっと御説明を差し上げて、今の課題を先生方に御説明したいと思います。

 資料の日本種苗協会の概要というところから御覧になっていただければと思います。

 我々種苗協会は、園芸作物、野菜、栄養繁殖性植物、あとは花、この種について、国内にあります種苗会社をサポートすることで優良種子の供給、品種の開発を促進し、日本の農業の向上、ひいては国民全体の豊かな暮らしを支えるため様々なことに取り組んでいるということをモットーにして協会活動をしております。

 現在、正会員数は八百六十名、賛助会員が四十九名でございます。二ページ目のピラミッドを見ていただくと分かりますように、大手の種苗メーカー、これが大体五十社、それ以外が仲卸から小売店、小売店というのは皆様方の地元の町にもありますいわゆる種屋さんですね、ここも協会の会員になっております。

 次のページをお願いいたします。

 我々協会は、六つの部会と八つの委員会を持っております。

 委員会では、それぞれの、そのときそのときの課題を、協会の中、また行政の方たちと一緒に議論をしながら問題を解決している組織でございます。

 部会につきましては、いわゆる野菜、花卉・栄養繁殖性、芝・牧草、苗、また農業資材、それと国際的な問題を解決するべく、会合を年に数回開いて、課題を整理しながら解決していくというような組織になってございます。

 種子は世界をいろいろ渡り歩いておりますし、国際的ないろいろな課題もございますので、我々種苗協会は、世界の種苗組織であるISFというところとAPSAという組織に加盟しております。

 ISFは、世界の種子連盟になりますけれども、この中で、やはりゲノム編集の問題、各国を渡るときの植物防疫の問題、あるいは品種開発をした際の違法種子の問題など、いろいろ世界的な、種苗業者間においてこういうルールを作ったらいいんじゃないかとか、そういうような検討をしたり、調査をしている組織でございます。

 五ページ目ですけれども、ISFの中にも我々協会と同じようにいろいろなワーキンググループがございまして、先ほど申し上げましたような、同じような内容の検討を、世界的な視野から見て検討しているものでございます。

 日本は、常任理事国として常に理事会に出席しておりまして、その他のワーキンググループの中にも、協会の会員の会社の中から必要な課題については委員を出して、検討の中に加わっている状態でございます。

 六ページ目のAPSAになりますけれども、これはアジア太平洋種子協会と申しまして、タイのバンコクに本部があって、アジアの国々の、育種会社も含めて種苗業者で成り立っている組織でございます。

 国際的な組織として、ISFは世界的な組織なんですけれども、地域種子協会としましては、ほかに、ユーロシード、これはヨーロッパですね、SAA、これはアメリカ、それとアフリカのAfSTA、それとAPSAがございます。

 我々日本が含まれておりますAPSAについては、この地域種子協会の中でも特別活動をしている組織でございます。各国の種子協会のほかに各種苗会社も会員となっておりまして、一部、各国政府の機関も会員となっている例もございます。会員の種苗会社を対象に、次のような活動をしております。

 まず、年一回の大会、これは大体十一月にアジアのどこかの国でやるんですけれども、今年は十一月にトルコのアンタルヤで開催されます。今のところ、日本は、二〇二九年あるいは二〇三〇年に横浜で開催するよう、検討しているところでございます。二番目として、種苗業界の発展に資する各種政策や貿易問題等に対する地域セミナーの開催。世界各地の種苗関係機関等のツアーあるいは意見交換。種苗業界の専門育成のための研修コース。それと育種に関する世界野菜センター、台湾にありますワールドベジですね、これとのいろいろな意見交換をしておりまして、我が国の日本種苗協会としては、APSAに大変貢献をしている状況でございます。

 先ほど二〇二九年あるいは二〇三〇年に日本に誘致をという話をさせていただきましたが、過去には、二〇一三年に神戸のAPSA大会を開催いたしまして、千四百名を超える世界からの種苗関係者が集合してございます。

 七ページですけれども、日本種苗協会の主な活動としまして、社会貢献と会員ステータスの向上、会員の資質、技術力の向上、優良な園芸種子の開発促進、新品種の権利保護、また、農研機構開発品種の普及やジーンバンクとの連携協力をしております。

 会長として今期待をしていることについてですけれども、やはり新品種の育成、これは先ほどもお話がありましたとおり、世界的な天候異変、気温上昇、あるいは局地的な干ばつなどによる気象変動に対応した新品種の開発の加速と普及の重要性、産官学の育種の効率化、DNAマーカーやゲノム編集技術などの先端技術の活用による新品種の作出、また、気候変動等対応品種の育成に必要な有用な遺伝資源を海外から入れてもらうという国際連携、これを今行政の方々には期待をしているところでございます。

 続きまして、弊社の説明を若干させていただきます。お手元にあります武蔵野種苗園の事業取組というところを御覧になっていただければと思います。

 弊社は、昭和六年に創業いたしまして、今年で九十五年を迎えております。我々種苗会社は創業二百年を超えるような会社もございます中で、どちらかというと新参者の扱いを受ける会社でございます。会社は池袋に置いておりまして、創業以来、育種、種子生産、産地に行って栽培等の指導、それと販売をいたしております。

 次の会社概要を御覧になっていただければと思います。

 代表は私がしておりまして、事業拠点として、本社、それと、茨城県の新治、土浦市になりますけれども、ここにメインの育種農場を構えております。また、原種については自社で管理をしなければいけないということで、埼玉県の三芳に原種を主に生産しているセンター、それと、近年の天候異変によって、育種の範囲を広げるということで、北海道に農場を置いております。埼玉にあります朝霞事業所ですけれども、これは、種子を海外で生産した、あるいは国内で生産したものを精選をし、お客様に届ける品質を向上させることをしております。埼玉支店と北関東支店は、現在、造園で使用しております。

 海外ですけれども、ポーランドのシュチェチンというドイツの国境の近くに事務所を設けておりまして、これは、ヨーロッパの生産の作場に対する管理を強化するために、日本からわざわざ行くのではなくて、近いところに生産を管理する会社を置いてございます。また、インドのバンガロールに、これからインドの市場拡大を視野にした会社を設立してございます。

 次のページの事業内容については、先ほど申し上げたとおり、種苗と造園事業、それと、いわゆる銀行さんですとか、いろいろな公共の場所に行きますと植木鉢が置いてあると思いますけれども、その植木鉢のレンタル、あるいは、都内の小学校、中学校に、幼稚園もですね、園芸の資材を配達する園芸事業、自分の不動産を管理する不動産事業をしております。

 最後のページになりますけれども、我々は、種苗と造園において、緑を中心にした会社を営んでおります。種についても造園についてもとにかく品質が必要である、また、新しい品種を開発するためには技術が必要であるという、名前に恥じぬよう、全社一丸となって営業を行っております。

 以上、種苗協会と弊社の御説明を差し上げました。ありがとうございます。(拍手)

藤井委員長 ありがとうございました。

 以上で参考人からの意見の開陳は終わりました。

    ―――――――――――――

藤井委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。鈴木拓海君。

鈴木(拓)委員 おはようございます。自由民主党、鈴木拓海でございます。

 自由民主党・無所属の会を代表して、種苗法の一部改正に当たって、雄川参考人、油木参考人に質問させていただきたいと思います。

 我が国で開発された新品種の果物や野菜について、昨年、中国、韓国の種苗界のネット販売だけでも、同じ名称、若しくは非常に似せた名前のものが五十種程度確認されております。イチゴ、ブドウ、かんきつは言うに及ばず、私の選挙区茨城県でも名産のべにはるかというサツマイモの品種が中国、韓国で栽培されているのが実態です。また、植物新品種の品種登録の出願動向を見ても、中国にははるかに引き離され、韓国にも及ばないのが現状です。

 そこで、雄川参考人にお伺いいたします。

 我が国が長年育成してきた優良品種の海外流出を防止するためには、法制度の整備ではなく、現場における実効性の確保が重要であると考えております。

 そこで、お伺いいたします。

 海外流出防止をより実効性のあるものとするために、法改正に加え、どのような取組が必要とお考えでしょうか。また、品種や種苗に関する知的財産を守る重要性について、農業者だけではなく、種苗の流通に携わる事業者を含め関係者全体の理解を深める必要性があると考えますが、この点についてもどのようにお考えでしょうか。

 さらに、都道府県の試験研究機関や生産者が流出防止対策や権利侵害への対応を単独で行うには限界もあると思われます。品種保護や権利行使を専門的に支援する組織、体制の整備が必要と考えますが、参考人の御見解をお聞かせください。

雄川参考人 申し訳ございません。大変緊張しておりまして、質問の方をもう一度確認させていただきたいんですけれども、よろしいでしょうか。

鈴木(拓)委員 まず一つ目が、海外流出防止をより実効性のあるものとするためには、法改正に加え、どのような取組が必要とお考えでしょうか。

雄川参考人 お答えいたします。

 法改正に加えて必要なこと、まずは関係者全体の理解の促進、そういったことも必要かと思います。県としてもそういったことには取り組んでおりますけれども、国の方でも引き続きそういったことにも対応していただきたいというふうに思います。

鈴木(拓)委員 また、品種や種苗に関する知的財産を守る重要性について、農業者だけではなく、種苗の流通に携わる事業者を含め関係者全体の理解を深める必要性があると私は考えておりますが、この点についてはどう思っておりますでしょうか。

雄川参考人 まず、生産現場でいけば、いろいろ栽培の研修会などもございます。そういったところで、例えば、法改正があったときに、どこがポイントであるかとか、そういったことを丁寧に御説明するということが私たちの務めであるかなというふうに思っております。

鈴木(拓)委員 三つ目の質問でありますが、さらに、都道府県の試験研究機関や生産者が流出防止対策、権利侵害への対応を単独で行うには限界があると思われます。品種保護や権利行使を専門的に支援する組織、体制の整備が必要と考えておりますが、こちらの意見をお伺いいたします。

雄川参考人 今回の法案の中にもございますけれども、育成権者の管理機関の創設、そういったことは、県としても、仮に権利侵害等が発生した場合の対応などで専門的に対応いただけるということであれば、大変ありがたいと考えております。

 特に国内だけではなくて、海外、言葉の壁もございますので、県ではなかなかそういったことまで踏み込んでやりにくい部分もありますので、そういった機関があるということは大変心強いと思います。

鈴木(拓)委員 答弁ありがとうございます。

 御指摘のとおり、優良品種の保護は、法制度だけで完結するものではなく、関係者の理解促進や海外での権利保護、水際対策など、総合的に進めていくことが重要であると認識いたしました。

 次の質問に入らせていただきます。

 産官学連携による品種育成について、油木参考人にお伺いいたします。

 気候変動への対応や品種開発の高度化が求められる中、県や民間企業が単独で開発するだけではなく、国の研究機関や大学との連携がますます重要となっていると考えます。

 富山県の富富富の育成においても農研機構との共同開発が行われたと承知しておりますが、産官学連携による品種育成についてどのように評価されているでしょうか。また、共同開発であったからこそ得られた成果やメリットについてお聞かせください。

油木参考人 お答えいたします。

 過去に産官学連携で作られた品種はいっぱいございます。例えば根こぶ耐性の白菜ですとか、我々民間企業ではできないような基礎研究を学のところでやっていただいて、それを我々が連携して作っております。

 ただ、昨今の気象状況の下では、やはり何年もかけるような育種というのは、我々、世の中の消費に追いついていないというのが現状でございます。そういう点で、これからはやはり、育種については我々民間、研究の分野においては学ですね、それと、それを両方見据えた官の応援が今後必要になってくるのではないかというふうに思っております。

 以上です。

鈴木(拓)委員 御答弁ありがとうございました。

 気候変動への対応や国際競争の激化など、品種開発を取り巻く環境が大きく変化する中、県単独ではなく、国の研究機関や大学、民間企業との連携が極めて重要であると改めて認識いたしました。

 続いて、次の質問に移らせていただきます。

 水稲種子の広域供給について、雄川参考人にお伺いいたします。

 富山県では、水稲種子を県外にも安定的に供給されておりますが、その取組を進める上で苦労されている点はどのようなものでしょうか。また、他県が同様に取組を進めようとした場合、特に課題となる点や留意すべき点があればお聞かせください。

雄川参考人 お答えいたします。

 まず、苦労する点とすれば、先ほども御説明させていただきましたけれども、本県では四十四都府県に四十六品種を出荷しております、まずは、種子の生産計画で、各種子場への配分と種子場内での調製がまず一番苦労する点かと思います。

 そして、最も大切な点は、高品質な種もみを安定的に供給し続ける、そういった信頼を得るということでありまして、種子生産技術の向上ですとか種子生産者の確保ということに加え、さらに、技術指導や圃場審査員の確保、種子場地域の一般農家の協力など、種子の生産環境の確保ということが重要かと思っております。このため、他県でこういった多品種の種子生産を行うという場合には、こうした種子の生産環境を整えるということが必要になるのかなというふうに思っております。

鈴木(拓)委員 御答弁ありがとうございました。

 種子広域供給は、単なる生産量の問題ではなく、品質管理や技術継承、生産体制の維持など、多くの関係者の努力によって支えられていることがよく分かりました。

 次の質問をさせていただきます。

 種子生産体制の維持強化について、雄川参考人にお伺いいたします。

 種子生産者の高齢化や担い手不足が全国的に課題となる中、今後も安定した種子供給体制を維持していくためにどのような支援が必要とお考えでしょうか。また、本法案では、種苗生産圃場の集団化や地域内での協力体制の構築を通じて生産の効率化を図ることとしておりますが、こうした措置をどう評価されているか、併せてお伺いいたします。

雄川参考人 お答えいたします。

 まず、種子生産を担う担い手の確保ということが重要かと思います。担い手不足は農業全体でも課題でございまして、特に種子生産では、作業量が多い、重労働であるということからも、特に担い手の確保については力を入れなければいけないというふうに思っています。

 そのためには、新たな担い手の確保に向けた、国でもいろいろ支援をしていただいておりますけれども、そういったことの充実、また労働軽減に向けた技術開発、例えば、抜取り作業が非常に重労働でありますけれども、ドローンを使った画像解析だとか、どこにそういった異型株があるか、そういったことをまずピンポイントで押さえていただけると非常に効率的になるというふうに思います。そういった技術開発をお願いしたいと思います。

 また、地域内での協力体制につきましては、それは非常に大切な要素でございまして、例えば、地域計画への協議の場ですとか、協定を結ぶとか、そういったことは、合意形成に至るまではなかなか難しいかもしれませんけれども、まずはそういった、地域内での話合いの場を持つきっかけとしては有効ではないかなというふうに思っております。

鈴木(拓)委員 御答弁ありがとうございました。

 種子生産者の高齢化や担い手不足が深刻化する中、種子供給体制の維持強化は待ったなしの課題であると認識しております。

 その意味でも、本法案に盛り込まれている生産圃場の集団化や地域内の協力体制の構築は、持続可能な種子生産体制の確立に向けた重要な取組であると考えております。

 本日の御意見を踏まえながら、我が国の優良品種の開発と安定供給が将来にわたって維持されるよう、しっかりと議論を進めてまいりたいと思います。

 お時間が参りましたので、私の質疑は終わりにしたいと思います。どうもありがとうございました。

藤井委員長 次に、角田秀穂君。

角田委員 中道改革連合の角田秀穂でございます。

 雄川参考人、油木参考人、本日は、貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございました。

 これから、法案審議の参考にするために、私の方からも幾つかお伺いをさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。

 もう率直に思われているところをお聞きできればいいので、リラックスして質問の方、聞いていただければと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。

 まず、雄川参考人にお伺いをさせていただきたいと思うんですけれども、担い手不足に対応した生産性の向上であるとか、特に、今、気候変動、こうした中で、食料安全保障を確保する上からも、新たな品種の開発の重要性というのがますます高まっている中で、今回の法律についても品種開発と普及の加速化を目指そうとしているものですけれども、ただ、今、新品種の出願件数というものがどんどんどんどん減少をしてきている、品種開発の必要性が高まっているんだけれども、新たな品種の開発、このスピードが我が国においては落ちてきている。

 その背景の一つとして、やはり、都道府県における試験場の研究職員が全国的に見ても減少してきていることが一つ大きな背景にあると言われておりますけれども、実際に現場を預かる身として現状をどのように捉えられているのかということと、具体的に、人材の確保、育成が一番大事だということを先ほどの御意見の中でも伺いましたけれども、これに対して今どのような取組をされているのか、また、これから必要とされる取組についてはどのように考えていらっしゃるのか、お考えを伺えればと思いますので、よろしくお願いをいたします。

雄川参考人 お答えいたします。

 まず、研究職員の減少というところですけれども、やはり本県でも研究職員は、過去に比べれば大分減少はしております。

 そういった研究人材の育成、確保ということもございますけれども、やはり、職員数を増やすということは、今後は人口減少社会でもございますし、なかなか難しい面もあるのかなというふうに思います。

 あとは、いる人間をどう育てるかということでございまして、そういったときには、やはり、県だけではなくて、農研機構ですとか民間の方も含めて、そういった方と先進的な技術の研さんをするですとか、そういった場があると非常に人として育つというふうに思っております。

角田委員 同様の質問を油木参考人にもお伺いしたいと思うんですけれども、やはり、種苗の生産者も今高齢化がだんだんだんだん進んできていて、今後更に減少するんじゃないかということが言われております。これで安定的な供給を維持できるかというところに懸念があるわけですけれども、今、現場の、業界の現状についてはどのように見ておられるのか、また、今後やはり新たな人材の確保、育成というものが求められてくると思うんですけれども、特に必要と思われていることについてお伺いをさせていただければと思います。

油木参考人 お答えいたします。

 人材、生産をしていただける方々は確かに減ってきております。

 我々は、二十年ほど前までは、自分の会社で、地域を回りながら、例えば、ブラシカ類、いわゆる菜の花類ですね、の種を取るときには、その近隣に蜂が大体二キロぐらい飛びますので、その二キロ範囲の自分で食べている農家に対しても全て一応、それを作るのをやめてくださいというようなお願いをしながら、作場を造ってまいりました。

 近年はそういうこともできませんので、地域によっては、JAさんにお願いをして、そこの地域で採種農家を集めていただいて、そこの地域ぐるみで生産をしていただくというようなことをお願いしているのが現状でございます。

 ただ、気候変動によって今までの作場が大分不安定になってきておりまして、新たな作場を造る、あるいは新たな隔離の場所を造っていくということが今後必要になってくるのではないかというふうに思っております。

 また、若者がなるべく興味が出るように、農業高校あるいは農業の大学と連携をしながら、我々の種苗、育種、それと生産、これに興味を持っていただけるようなプログラムを組んでいただけるようなお願いをしているのが現状でございます。

 以上です。

角田委員 ありがとうございます。

 続いて、これは両参考人にお伺いしたいと思うんですけれども、少し法案の内容について感想をお伺いしていきたいと思うんです。

 今回、種苗法において育成者権の存続期間を十年間延長するという改正が盛り込まれておりますけれども、一つ、この背景として、開発のためのコストが年々増大している中で、現状の存続期間ではコストを回収する前に権利が切れてしまうといった事情があると言われておりますけれども、現場で実際に開発に携わっているお立場として、現状、コスト回収のためにはどの程度の期間、権利が保護されることが必要と考えていらっしゃるのか、その実情をお伺いできればと思います。また、今回の十年延長はおおむね妥当な期間と思われるかどうか、この点について御意見を伺えればと思います。

雄川参考人 お答えいたします。

 率直に申し上げまして、どの年数が妥当かということについては、ちょっとお答えするのはなかなか難しいかなというふうに思います。ケース・バイ・ケースということもあるかと思います。ただ、保護期間が延長するということについては、その権利が守られる期間が延びるということで、やはり育成する側からすれば好ましいことではないかというふうに思っております。

油木参考人 お答えいたします。

 確かに、開発コストが大分上がってきておりまして、特に日本の場合には、耐暑性、あるいは耐湿性ですね、雨に、水に強い、そういうような遺伝子を海外から導入する必要がございます。それに対しては、今、農水省さんの方で、我々民間企業がなかなか相手の国との契約が難しいものですから、農水省さんの方の、行政の方の助けをかりて、海外に遺伝資源を探しに行って、それを日本の遺伝資源センターの方に入れていただくというような事業をしております。

 ただ、我々は、途中から開発しているものではなくて、ゼロからのスタートになりますので、従来の育種技術を用いますとやはり五年、十年かかってしまうというのが現状でございます。これを短期間に行うためにはゲノム編集という技術がありますけれども、やはりなかなか日本ではまだ十分に消費者の方に認知されていないというような状況でございます。技術は持っていますけれども、やはり金額的に高額になるということでございます。

 十年延長については妥当かというお話ですけれども、我々としては大変助かっております。やはり、一つの品種が三十年、四十年続いている品種もございますので、そういった意味では、延長していただいたことには大変感謝をしている、これからしていただくんですけれども、感謝をしたいというふうに思っております。

 以上です。

角田委員 ありがとうございます。

 これは雄川参考人にお伺いをしたいと思いますけれども、重要品種の育成、種苗生産振興に関する法律案についてですけれども、この法案では、国が定める基本方針に沿って、これから都道府県が、市町村の意見も聞いた上で基本計画を作成して、種苗生産に取り組む重要品種を定めて、これから生産、普及を行うということが盛り込まれております。

 国、都道府県が稲、麦、大豆の優良品種を増殖することを定めた旧種子法が平成二十九年度に廃止された後も、富山県においても、旧種子法が定めていた県の業務を継続できるようにということで、条例を制定をされて、種子計画の策定であるとか、原種、原原種の生産を続けてこられているわけですけれども、今回この法律によって都道府県としてはどのような対応が新たに必要になってくるなと考えていらっしゃるのか、課題と思われていること等について御意見をお伺いしたいということと、国が基本方針で示すとしている重要品種、この考え方についてはこれから整理をされていくということになっていますけれども、この重要品種の考え方について何か御意見等があれば、併せてお伺いをさせていただければと思います。

雄川参考人 お答えいたします。

 国の基本方針に従って、県が基本計画、これは任意であるかなというふうにも思いますけれども、まず、富山県の場合でいえば、そういった種子の生産体制、重要品種であろうとなかろうとまずは生産体制としては一旦できておりますので、本県のことをいえば大きく変わるところはないのかなというふうにも思っておりますけれども、そこは、でも、しっかりと明確に、どういった品種が重要で、それをどうやって普及していくかとか、他の都道府県のことを考えたときにはそういったことがまた改めて明確になるということではないかなというふうに思っております。

 あと、重要品種の考え方なんですけれども、先ほど御説明させていただきましたけれども、県のオリジナル品種として、主食用を中心として、てんたかく、富富富、てんこもりということで、富山ならではの米ということで育種をしてまいりましたが、それだけではなくて、広域的に使える品種、例えば、多収性で、ブランド名は、ブランド名というよりも、やはり生産者の皆さんが、主食用米、おいしい米だけじゃなくて、そのほかの、収量を取ることで収益を確保するということの目的で使われるような品種とか、そういったことを求めるということもありますので、そういった意味では、重要品種としては、広域的に使えるものということで位置づけていただけるということはよいことかなというふうに思います。

角田委員 ありがとうございます。

 次は、油木参考人にお伺いしたいと思っておりますけれども、種苗法はこれまでも累次にわたって改正をされてきた、これは種苗の不正利用や流出を防止しようということで改正をされてきたわけですけれども、直近の改正でも、自家増殖を許諾する制度であるとか、海外への持ち出し制限の強化、こうしたことも講じられてきたところですけれども、これまでこの改正による効果は実際にあったのかどうか、どう見ておられるのかということと、今回の改正に対する評価、そしてさらに、権利保護のためにはこういったことも必要だというようなことについて御意見があれば、お伺いしたいと思います。

油木参考人 お答えいたします。

 令和二年の種苗法改正によって知的財産権を確立させていただきまして、そのとき、自家増殖、一般種の自家増殖ですね、については禁止というようなことが網羅されているんですけれども、やはり現場サイドで、皆さんそれを気をつけるようにされてきております。

 まだ、一部、隣から苗をもらったとかという話もたまには聞きますけれども、やはり、そういう場所場所で、我々の協会員が、それは法律で駄目になったんだよというようなことを注意するような場面は増えてきておりますし、それによってそういう昔からの商売慣習、それが少しずつ改正されていることは聞いております。

 また、海外に対する流出ですけれども、我々としては、ここの国に売りたくないとか、そういうものをはっきり分けられるようになっております。今まで、種子は国境が余りありませんので、例えば、A国に売ったものが勝手にB国で売られているというようなことも過去ありましたけれども、輸出する際にB国をはっきりと指定することによってそういうことがなくなりつつあると思っております。

 また、権利についてですけれども、今のところ、品種登録というものが提出主義になっておりまして、提出によって全部、権利の保護がされているようですけれども、やはり、将来的には遺伝資源レベルでの品種保護に持っていければいいなというふうに考えております。

 以上です。

角田委員 時間となりましたので、以上で終わらせていただきます。大変にありがとうございました。

藤井委員長 次に、柏倉祐司君。

柏倉委員 日本維新の会の柏倉祐司でございます。

 今日は、お二方、お忙しい中お越しいただきまして、誠にありがとうございます。また、遠くは富山県から足を運んでいただいたということで、ありがとうございます。

 それでは、早速、参考人に御意見を伺いたいと思います。

 先ほど来から、種子の栽培に関する後継者不足、人材不足というところの指摘があったと思います。種子栽培というものは非常に技術的に難しい。逆に言えば、そういったものを習得しているというゆえに、ある程度実入りもあって、コツをつかんでしまえば、実入りという点においては魅力的な仕事なんだというふうには思いますけれども、どうしても高齢化という波には全国的にも打ちかつことはできないというふうに思います。

 もちろん、人材育成というのは喫緊の課題で、国を挙げて取り組まなきゃいけないんですが、逆に、やはり省力栽培といいますか、できるだけ人を使わないで同様の質を保っていくという努力もしていかなければいけない、むしろ、そっちの方に大きくかじを切っても間違いではないのかなというような考えもあると思います。

 そこで、お二方にまずお伺いしたいんですが、省力栽培、先ほどドローンのお話が雄川参考人から出ました、ドローン等々、あとはAI、そういったものの活用によって省力栽培というものを進めていく、現在そういうものを使っているというような考え、知見があれば、お二方にそれぞれお伺いさせていただきたいと思います。

雄川参考人 お答えいたします。

 先ほど事例として挙げさせていただきましたドローンによる、例えば圃場の上から映し出して、何か異型株があるとか病気が画像で判断できれば、そこへ直接行って取ってくる。今は、圃場の中をずっと歩いて、目視で確認をしています。暑いさなかに非常に過酷な作業になっております。

 ですので、そういったことは本当に理想的ではあるんですけれども、本県でも、農研機構と共同研究ということでそういったことにも取り組ませていただいておりますけれども、なかなかまだ実用化には至っていないということでありまして、もっと精度を高められるような研究を進めていただきたいなというふうに思っております。

油木参考人 お答えいたします。

 我々は、種子生産、特に野菜については、生産者の方が青果物を作った後、それから花を咲かせて種を取るというような作業になってまいりますので、AIを使っていく、あるいはドローンで監視するというのがなかなか難しい環境であることは確かでございます。

 ただ、例えば果菜類は、施設の中で、現在の青果物でもAI、機械等による収穫を行っているものがございますので、それを応用していくことは十分可能ではないかというふうに思っております。

 以上です。

柏倉委員 ありがとうございます。

 やはり各所各所で努力をされて、そういう新しい技術を取り入れているというのがよく分かりました。そういった更に新しい技術というものも、やはり国がしっかり後押しできるような環境を我々はつくっていかなければいけないなというふうにも感じました。ありがとうございます。

 次は、雄川参考人にお伺いしたいんですが、富富富ですかね、この種を作るのに非常に御苦労をされたというようなお話も伺っております。その中で、どうしても実需者さん、実際に連携をして評価をし合っていくというようなパートナー、米の卸業者さんが多いのかもしれませんが、そういった実需者さんとの連携というものが非常に大切であるというふうに伺っています。

 この富富富を例に取って、どういったポイントで、栽培のしやすさとか特性の評価、食味まで、段階段階で評価をしていったのか、その御苦労をちょっとお伺いできればと思います。

雄川参考人 お答えいたします。

 富富富は、育成に十五年かかりました。先ほども冒頭で御説明させていただきましたけれども、やはり高温傾向があるということで、コシヒカリはどうしても暑さに弱い面がありまして、米が白濁してしまう、品質を落としてしまう、一等米じゃなくて二等米に格下げになる、そうすると農家の皆さんも所得が減ってしまうということもありまして、そういった高温に強い品種というものを作るということは県や生産者の思いでもありましたし、やはり実需の皆さんからも、安定した高品質なお米を作ってほしいというようなことで、育成段階からそういった要請はいただいておりました。

 開発の経過ですけれども、幾つかの候補から、最終的にこれを富富富にということで、どんどん選抜をしていったわけですけれども、その段階では、やはり実際に実需の方にも食べていただいて、見ていただいて、どれを品種にするかというようなところでの評価もいただいております。

 さらには、それを品種として登録して、実際に普及をしなければいけない、生産者の皆さんに作ってもらわなければいけない。なかてですので、コシヒカリに替わって富富富を作るということで、それの生産拡大に向けては、富山県の方では、「富富富」戦略推進会議ということで組織いたしまして、JAですとか生産者団体、また流通関係者、消費者、そして飲食店の代表の方とか、あらゆる分野の方々にどうやって富富富を生産、販売、PRしていくかということで戦略を立てまして、そういった中で品種を育ててきたということがあります。

 品種は、ただ作るだけではなくて、それを実際に栽培してもらわなければ完結しませんので、そういったことで進めてまいりました。

 以上です。

柏倉委員 ありがとうございます。

 十五年という長い年月をかけて開発されたということで、こういうお話を伺いますと、やはりこの法律を更にパワーアップして、日本の種子というのを守っていかなければいけないと痛切に感じる次第でございます。

 次は、油木参考人にちょっとお伺いしたいんです。

 今度、重要品種の育成に係る法案において、国が重要品種の育成、普及の旗振り役になるということで定まっております。ただ、都道府県が基本計画を立ててやっていくということなんですが、その中で、重要品種種苗生産事業活動計画というものを作る、それは、一か所に一つの種子、土地を集約化して効率化していくということも含まれているわけですね。ばらばらに一つの種子を作るのではなくて、一か所に土地を集約して効率化して作っていくというようなことも進めていこうという計画があるわけですが、現実的に、地権者さんは全員違う、複数人にわたるわけですね。

 これは、現場の感覚として、地権者さんが違うそういう土地を集約化して種を作るというところ、それができれば理想なんですけれども、現実的に可能なのかどうか、そういった現場感覚をお教えいただければと思います。

油木参考人 お答えいたします。

 今回の場合は、一番適当なのが施設栽培、施設による種苗の生産になってくると思いますけれども、地権者が替わっていても、我々が最初に委託するところは委託会社になると思います、共同体の会社になると思いますので、その共同体が地権者さんとうまく話が、契約がうまくいっていれば、何ら問題はないというふうに思っております。

 よろしいですか。

柏倉委員 ありがとうございます。

 御自身ではなくて、その土地の集約化のエージェントにやってもらうということでよろしいんですかね。どうもありがとうございます。

 最後に、これはお二方に聞かせていただきたいんですが、日本の種子栽培力というんでしょうか、非常に日本は様々な品種改良にたけているという国際的な評価があると思います。しかし、先ほど来から話が出ております、中国では、どんどんどんどん日本の何倍もの育成者権の登録が行われている。ただ、その数と実際の開発力、力というのに乖離があるのではないかというふうな声もございます。

 世界の中での日本の品種開発力というものをどのようにお二方は評価されているのか、最後にお伺いできればと思います。

雄川参考人 お答えいたします。

 水稲の場合でいきますと、今、農研機構と一緒に、DNAマーカー育種ということで、そういった新しい方法、効率化、遺伝子を確認して早期に絞り込みをかけるというような先端の技術もありますし、そういったことがもっと定着すれば、もっと技術力は上がるのかなというふうに思っております。

 以上です。

油木参考人 お答えいたします。

 日本の園芸作物は、世界に、育種力としてはすごく先進的にいっております。花の部分ではオランダが有名ですけれども、緯度的に大体三十五度から四十三度、関西から北海道ぐらいの緯度の間が育種としては適している。それは、日長の関係ですとか、あるいは朝と夜の温度差の問題ですとか、そういういろいろな環境の面で日本は適しております。

 従来の育種方法ですと、地理的にも日本が有利ですけれども、昨今の遺伝資源、組み換え体ですとか、あるいはゲノム編集というのは、やはり日本よりも他国の方が技術的には進んでおりまして、それについては、遺伝組み換えは別としましても、ゲノム編集というのは、より多くの国民の方々に理解をいただいて、早急に品種を出していくというようなことが今後必要ではないかというふうに考えております。

柏倉委員 貴重な御意見をどうもありがとうございました。

 ゲノム編集というような言葉も出ました。まさに日本の国力そのもの、それが反映されるのが種子の開発力だということがよく理解できました。

 本当に今日はどうもありがとうございました。

 これで終わります。

藤井委員長 次に、村岡敏英君。

村岡委員 今日は、お二人の参考人には大変貴重なお話をいただきまして、誠にありがとうございます。

 この二つの法案は、気候変動であったり食料の安全保障という点からも大変大事な法律だと思っています。

 特に、令和の米騒動というのは、気候変動の中で、猛暑の中、特に新潟県は、渇水も重なり、コシヒカリの一等米が数%というような異常な状況になりました。やはり気候変動にしっかり重要品種が備えていくことは必要だ、こう思っております。そのことによって日本の主食である米がしっかり守られるということが必要だと思っておりますので、その観点からもお聞きいたします。

 さらには、育成者の権利ですね。農研機構が開発したシャインマスカットですけれども、当時は、国内でこれだけ売れるのか、海外で売れるのかということを考えていなかったということの中、日本国内でも大変売れるし、海外へも輸出ができる。それが、中国の方が三十倍も作っているような状況。これでは、せっかく日本の農産物を輸出して、日本の農家がしっかりと所得を得られるようになるということに反することになりますので、この点からも必要なことだと思っています。

 そこで、雄川参考人にお聞きしたいんですが、かつて、主要農作物の種子法では、米、麦、大豆などの種子について、都道府県が原種や原原種の生産や優良品種の普及に大きな役割を果たしてきたと思います。種子法廃止後も、多分、富山県はいろいろなことで取り組んでおられたと思いますが、地方の公設試験研究機関の役割というのは非常に重要になってきていると思います。

 現場から見て、種子法廃止後に、都道府県の研究機関や種子供給体制にどのような変化が起き、そしてどのような課題が生じているのか、雄川参考人にお聞きしたい、こう思っております。

雄川参考人 お答えいたします。

 先ほども御説明させていただきましたとおりでありまして、富山県の方では、種子法が廃止されてもその趣旨は継続して、やはり種もみ出荷県として品質を確保するということで、ずっと続けております。

 他県の事情については、申し訳ございません、私の方ではちょっとなかなか把握し切れていないのですけれども、先ほどお答えしたところにも少しかぶるのかもしれないですけれども、研究員、各県の農業研究所の職員も過去に比べれば少なくなっているとすれば、やはり人材育成の面で何かこうやって連携した取組ということ、それが重要なのかなというふうに思っております。

 以上でございます。

村岡委員 その点について、やはり人材育成だとか県の研究機関に対する国の援助というのは大変必要だと思っております。

 その中で、農研機構とのいろいろな連携をしていると思いますが、富山県でお聞きしますけれども、今後、農研機構さんにどんなことを期待して、どんな役割を果たしていただきたいと思っているのか、地方の研究機関としての部分でお教え願えればと思います。

雄川参考人 お答えいたします。

 富山県の方では、富富富の育成のときにも農研機構の方からいもち耐性の遺伝資源を提供していただくなど、やはり有望な品種の育成については国の方でしっかりと、技術力ですとかは高いレベルのものがございますと思いますので、まずは、そういった品種育成の旗振り役、中心的役割を担っていただきたいなというふうに思います。

村岡委員 ありがとうございます。

 それでは、油木参考人にお伺いしたいと思います。

 油木参考人の資料の中で、野菜種子の国内外の新たな採種地開拓と書いております。ということは、開拓がなかなか厳しい現状があるんじゃないか、こう思っているんですけれども、それを解決するために国として取り組んでいただきたいことというのはありますでしょうか。

油木参考人 お答えいたします。

 先ほども申し上げましたが、やはり今の採種の現場というものが、気象変動によって、大変品質が悪い種が取れたりしてきておりまして、国内でも新たな採種地を探しております。

 せんだってより農水省さんから種子安定供給の補助事業を行っていただいておりますけれども、やはりこれをもう少し加速させていただいて、もうちょっと広範囲な部分での採種地の発見、それとやはり生産者との話合いをもうちょっと密にできるような環境をつくっていきたいなというふうに思っております。

 以上でございます。

村岡委員 確かにそういう関係をつくることが大事だと思っております。

 しかしながら、例えば米の生産なんかでも、主食用米以外に、業務用米だったり米粉だったり飼料用米だったり、様々なものを作った方が米全体の生産量を賄えるわけですけれども、主食米に今集中していて、今後、大変心配されるところがあります。

 そこのところで、国内の採種農家の育成、確保となっていますけれども、なかなか採算とか様々な、農家の所得とか、そういう問題があると思いますけれども、そういう部分においては、国に対して、油木参考人はどのような対策を取っていただきたいと思いますか。米ではなくて、野菜とかそういう形。

油木参考人 済みません、今、聞き漏らしました。もう一度お願いいたします。

村岡委員 例えば、国内の採種農家の方々、この方々の育成強化というのを述べられていたと思うんですけれども、そこが、強化していくときに、種子を取る農家の人たちの採算が合わなければ、なかなかそれをやってくれる人がいない。その点において、国に対し、一番大事なのは最初に種子だと思うんですね、そこの部分がまだまだ対策が足りないと私は認識しているんですが、その辺は油木参考人はどのように考えていますか。

油木参考人 お答えいたします。

 先ほども申し上げましたように、やはり種子を取るためには、青果物を作って、その後、花が咲いて、その青果物の後から種子を作るという長期の作物になりますので、なかなか生産者としても参入しにくい、技術的にも参入しにくい部分でございます。

 これについては、やはり政府の方からいろいろな補助、金額的なものも含めて補助をしていただけると、我々としては、より現場で話が進みやすいのではないかというふうに考えております。

 よろしいでしょうか。

村岡委員 もう一つ油木参考人にお聞きしたいのですが、先ほども述べていただいておりますけれども、民間事業者の力を非常に活用しなければならないということが現実です。しかし、採算性で考えると、大変維持しにくい品種もあると思うんですね。その中で、地域農業にとっては不可欠な種子もある。

 矛盾するところがあるんですが、民間活力を生かしつつ、種子をしっかり大切にしていくため、先ほどの採算性の部分もありますけれども、その農家に対して具体的な制度設計というのは、五年もかかるような種子の開発もあると思いますけれども、何か国に対して、制度設計でここをやるべきじゃないかというのがあれば御提案いただければ、こういうふうに思います。

油木参考人 お答えいたします。

 やはり地域が必要になってくると思います。その地域地域できちっとした施設を造っていただく、先ほど申し上げましたように、蜂が大分飛びますので、きちっと隔離をした施設を造っていただいて、その地域で作っていただく。日本どこでも、施設にしても種が取れるわけではございませんので、やはり日長の問題ですとか朝夕の気候の差の問題ですとか、いろいろな環境がございますので、その地域において、希望の方を集めて採種をしていただくというのが理想になるかと思います。

村岡委員 もう一つは、資料の中に、油木参考人が書かれておる中で、国内外と書いていますけれども、海外の種子の開拓というのはどのようなことを考えられているのか、お聞きしたいと思っています。

油木参考人 お答えいたします。

 海外も国内と同様でして、今まで採種をしていた場所が高温によって品質が悪くなって、今、新しい採種場を探しておる状況でございます。

 必要なのは、やはり気候、それとその国のマナーですね。例えば、我々が採種をしたものをほかに売られたり、我々が出している原種を取らない、あるいはきちっと取ったものを日本に送ってもらえるというようなインフラ、あるいはその国のマナーが必要になってきます。それと、今までは海洋性気候のところで割と採種をしていたんですけれども、これだけ海の水温が上がってきますと、内陸に入っていく必要があると思っております。

 そういう意味で、我々は、今、農水省様からの補助事業の中で、いろいろな海外の新しい国での採種地を探索して、そこで試験を始めているところでございます。

村岡委員 種子に関して言えば、国内、海外とも、しっかりとした体制を取っていかなきゃいけない。その中で、海外の種子というのは、育成者権の保護というのはどのようにしているんでしょうか。

油木参考人 日本と違いまして、海外はきちっとした採種会社がございます。採種会社は、世界のいろいろな種子を取っておりますので、そこでマナー違反あるいはルール違反がありますと、ほかの国からも信用されなくなる会社でございます。

 我々としましては、そこの会社を信用できるか、あるいはきちっと契約をできるかというところで採種会社あるいはエリアを探している、選択しております。

 以上です。

村岡委員 ありがとうございました。

 日本と海外と違うこともしっかりと教えていただきましたので、ありがとうございました。

 そこで、両参考人に、最後になりますけれども、今回の法案というのは、種子法廃止後の国の責任を改めて明確にするものになっています。先ほど言ったように、気候、温暖化とか食料の安全保障の面からも、重要品種をしっかりと守っていくということは必要であります。それから、育成権者の保護もしていくということも必要であります。

 しかし、先ほど言った、例えばシャインマスカットの例のように、まだまだ足りない部分も法律であると思います。

 今後、こういうことをやっていただいた方が、例えば富山県の研究機関にとっても、非常に国との連携でスムーズにいくと思うような何か要望というのはありますでしょうか。また、種子協会の会長からも、この法律以外にも国にしっかりとやっていただきたいことがあるのかどうか、一言ずつお願いいたします。

雄川参考人 お答えいたします。

 研究所の立場からしますと、ちょっと繰り返しになるかもしれないんですけれども、やはり技術力を高めるという点で、国が主導になっていろいろな研修ですとか、そういった最新の技術を惜しみなく私たちに教えていただきたいということかと思います。

 以上でございます。

油木参考人 お答えいたします。

 海外への流出につきましては、やはり水際の対策が今後どんどん必要になってくると思います。やはり警察あるいは税関ですね、そこら辺で将来的には取り締まっていただけるような、取り上げていただけると大変助かると思います。

 また、国内の採種事業につきましては、やはり我々は長期で事業を行っております。畑を探して、試作をして、種が取れるまでやはり三年から五年かかります。単年度の事業ではなくて、複数年度で、長期で考えていただくようにしていただくと大変助かります。

 ありがとうございます。

村岡委員 時間が参りましたのでやめますけれども、農研機構にも惜しみなく連携していけるようにすることと、それから育成権者の部分は何年もかかることですから、しっかりとそれを支えていく体制をつくるために我々も頑張ってまいります。

 ありがとうございました。

藤井委員長 次に、木下敏之君。

木下委員 参政党の木下敏之でございます。

 今回は、AIの育種について特に重点を置いて、お二人にお話を伺いたいと思っています。

 私は、一九九九年まで、もう二十七年前のことですが、農林水産省の農林水産技術会議というところにおりまして、当時、稲の全遺伝子を解析するということが農林水産省の国家的なプロジェクトとして行われておりました。その関係もあって多少育種のことを知っておりますので、少し専門的な質問をさせていただきたいと思います。

 まず最初に、雄川参考人にお伺いしたいと思うんですが、今回、育種に十五年かかったということを伺いまして、ただ、暑さに強い遺伝子、それから倒伏に強い遺伝子、一つではありませんよね、複数あって、その遺伝子同士の関連性があり、そして気候条件があって、発動するもの、しないものというものが幾つもあって、恐らく非常にたくさんの候補の系統があってそれを選抜されていかれたと思うんですが、大体、最初、どれぐらいの系統から選抜をかけていかれたんでしょうか。大体で結構です。例えば数百だとか数千だとか、そういう感覚的なことで結構ですが。

雄川参考人 お答えいたします。

 私、直接携わってはおりませんでしたので、その育種の担当ではございませんでしたのでその具体的な数字というのはなかなかちょっと申し上げにくいんですけれども、かなりの数だと思います。申し訳ございません。

木下委員 御回答ありがとうございます。

 恐らく数百とか数千の系統を選抜されていかれたと思っておるんですけれども、実は、今回の気候変動等対応品種法案については、法律の条文というより、運用の面で非常に危ないところがあると私自身は思っております。

 それは何かというと、重要品種育成事業計画の認定を受ける者に対して、これは外資が排除されていないんですね。今農林省とメールでやり取りしておりますと、外資を頭から排除はしないと。だから、外国系企業が入り得る、そして、この辺は来週の質問でいろいろ農林省とやり取りしたいと思うんですが、日本企業であっても外資の影響を受けているものが当然あり得る、そこでいろいろな情報が流出する可能性がある、これは運用の問題ですが。

 それからもう一つ、これが非常に危ないなと思っているのは、農林省はスマート育種支援システムということを言っておりますが、要するに育種にAIを使うんですね。これも重要品種育成事業計画の認定を受けた人間には提供する方針で検討しているということを言っております。

 これからAIが育種に入ってくると、実際、AIが選抜して、これとこれがいいですよという候補の品種は、実際に圃場で試験する必要が当然あるわけですけれども、系統を選抜するときのスピードが恐らく半減以上に短くなるのではないかと私は思っています。

 そこで、まず雄川さんにお伺いしたいんですが、これまで、富山県では過去何十年にわたっていろいろな系統の稲の品種を選抜試験にかけられていると思うんですね。それが、紙ベースで残っているものが、特に古いものはデジタル化されていないものが相当あると思うんですが、それをデジタル化しようという予算、若しくはデジタル化しようとすることは今されていらっしゃるんでしょうか。デジタルデータ化されている試験研究データというのは、大体、遡るとどれぐらい前までされていらっしゃるでしょうか。これも感覚的なお答えで結構です。

雄川参考人 お答えいたします。

 ちょっと情報を持ち合わせておりませんので、大変申し訳ないんですけれども、分かりかねます。よろしくお願いします。

木下委員 ありがとうございます。

 AI育種をしようと思ったら、過去のデジタルデータがないと、実際、AIのソフト自体はそんなに難しいソフトでは、多分育種だとないんだろうと思っているんですが、過去にこういう系統のものをこういう気象条件で試験したらこういう結果だったという、それがどれだけあるかということがAI育種の生命線だと思っておりまして、もしまだデジタル化されていらっしゃらないとしたら、デジタル化をいずれしないといけなくなるのではないかと思っているところでございます。

 それで、主要農作物種子法の廃止の関係で予算が削られていないのかどうかという御質問は先ほど既に何人もの委員の方が聞かれておりますが、結局、AI育種の時代というのは、AIが割と短い期間で選抜候補を提案してきて、それを実際に圃場で試験するというところが非常にやはり重要で、AI育種というとこれが要らないんじゃないかと思っている方もいらっしゃるんですが、AI育種は圃場で確認するということが絶対に避けて通れないし、逆に、これをどれだけ早くやれるかというところも非常に重要なわけですね。

 それで、富山県の場合は、主要農作物種子法が廃止された以降、実際に現場で栽培試験をされる人員体制、これが減らされていないのかどうかをお伺いしたいんですが。

雄川参考人 お答えいたします。

 育種を担当する人間、職員の数とすれば、何年遡ればよいか分からないんですけれども、全体的には減っている傾向かなというふうには思います。

木下委員 本来は事前にこういうことを聞きますとお伝えしておけばよかったんですが、申し訳ありません。

 もう一つは、人材の育成のところなんですが、今、農林省の育種の部門ではAIに通じた人たちを採用されているという話は聞いておりますけれども、富山県の試験研究機関として、AIやデータ処理の扱いに長じた方というのは採用されているものでしょうか。

雄川参考人 まず、農業職とすれば、そういった農業の分野で、そうやって、AIですとかデータ活用にたけた人間を特別に採用しているということはございません。

 やはりそこは役割分担の世界かなと思いまして、農業研究所の方は、実際に栽培して、それの適性がどうかとか、そういったところを評価するところだと思いますので、そういった分野については、是非、農研機構ですとか、そういったところが中心になってやっていただいて、そういう役割分担をしていければいいかなというふうに思っております。

木下委員 お答えありがとうございます。

 そうすると、コシヒカリは複数の県が事実上またがって、共同して開発したような経緯があると思うんですが、そういうように、農林省がAIで選抜するなりして、各県で共同して、こちらの県はこういう実験をしてもらいたい、こちらはこういうことをしてもらいたい、農林省がAIの育種の使い方を教えるから出向してもらいたいというような、共同、連携ということがこれから必要だとお考えでしょうか。

雄川参考人 お答えいたします。

 今の法案の中にもございますけれども、重要品種育成事業計画だとかそういったところで、重要品種として、各県、これは是非育種にも参加したいということであれば参加もさせていただきたいと思いますし、それぞれの得意分野でできればいいかなというふうに思っております。

木下委員 では、ちょっと質問の内容を少し変えたいと思いますが、要するに、原種から更に一般に提供するまでの農家の、栽培の受け手が減っている、なかなか見つけるのが困難だということだったんですが、実際にかなり手間がかかると思うんですが、それは委託料の問題なんでしょうか、それとも技術的に非常に難しいということがネックになっているんでしょうか。

雄川参考人 お答えいたします。

 それはやはり、技術的に手間がかかる、異型株ですとか病害の株、どれだけ防除をしても、どれだけ気をつけていてもやはりどうしても突然変異だとか、そういうものも出てきたりしますので、炎天下の中、それを歩いて取りに回るということで、それはどうしても避けて通れない仕事ということになっております。

 先ほども御説明いたしましたけれども、原種供給クリーンセンターということで、できるだけそれをしなくてもいいようにということで、富山県の方では、もとになる種、原原種をまずきれいにすることで省力化ということでは取り組んでおります。

木下委員 では、お米については最後の御質問なんですが、今、農家の、栽培する側からはこういう形質の新品種が欲しいということで開発されていると思うんですが、消費者からすると、レンジでチンしたのでもおいしく食べられる御飯が欲しいというような要望もございまして、品種開発目標として、消費者が求めているものを取り入れるということはお考えでしょうか。

雄川参考人 お答えいたします。

 もちろん、やはり、実需の方、消費者、求められる米を作るということは非常に大切なことだと思っております。そのために、実需の方と連携して、富富富もそうでしたけれども、どういった米が求められるかということは常日頃から情報の交換というか、情報収集はしております。

木下委員 ありがとうございました。

 では、続いて、油木参考人に御質問したいと思います。

 先ほど、今回の法律でAI育種システム、スマート育種支援システムを公開されるということが非常に、運用上、日本の貴重な遺伝資源が流出リスクがあるなということをお話しいたしましたけれども、実際に、民間企業におかれては、このAI育種に備えて過去の育種データというのをどれだけデジタル化して蓄積されていらっしゃるのか、お答えいただきたいんですが。

油木参考人 お答えいたします。

 米麦と違いまして、野菜の遺伝子の開発というのはまだ全然進んでおりませんで、全ゲノムを読むのは、我々が行政にお願いしていろいろやっている最中でございます。

 AI育種については、先ほど申し上げたとおり、栽培の場所では使われておりますけれども、やはりどうしても、我々、マーカー育種で、種から葉っぱが出た時点でマーカーを見て育種しておりますので、その後の形質の利用になるかと思われます。

 よろしいでしょうか。

木下委員 お答えありがとうございます。

 そうすると、果樹、それから米や麦、こちらについては政府がゲノム解析についての十分な支援をしているけれども、花卉や野菜についての政府の支援はやはり十分ではないということでよろしいでしょうか。率直なお返事をいただきたいんですが。

油木参考人 おっしゃるとおりでございます。

木下委員 ありがとうございました。

 そうすると、デジタルデータがなければ育種AIがあっても使い道がないわけですので、まず、日本の野菜の育苗の段階においては、まだ、デジタルデータをこれから蓄積する以前のゲノム解析の段階であるということですよね。

 そうすると、海外の企業、特に大手の育種、アグリビジネスは、いろいろな育種を行いながら、相当、育種のところのデータを蓄積していると聞いているんですが、これからの国際競争で日本企業が勝っていくために、AI育種に対して政府はどのように取り組むべきか、また、民間企業にどのような支援が必要だとお考えでしょうか。

油木参考人 お答えいたします。

 AI育種というよりも、やはり、ゲノムを全部解析した上で、ゲノム編集をもっと有効に使えるようにしていただきたい。

 実際、国によってはゲノム編集の法律が緩い国がございまして、そこで育種したような品目がもう日本に入ってきている可能性もゼロではないと考えております。将来的に、その素材を我々が使ったときにゲノム編集のものが我々の知らない間に入ってくるというようなことがありますので、それに対抗するためにも、我々も、きちんとしたルールの下で、ゲノム編集の育種技術をもっと研さんしていきたいというふうに考えております。

木下委員 時間がなくなりましたので、最後、簡単に御質問いたします。

 ずっと民間企業の新品種の登録が減少しているという話があるんですけれども、ただ、私は、F1が中心になれば品種登録は当然減るなと思っていて、品種登録の減少自体はそんなに大きな問題だと思っておりません。

 ただ、今日の御説明で、メリクロンで増やせるものについては防御が必要だということがありましたが、それについて今の法律で何か対応ができるところというのはあるものでしょうか。

油木参考人 先生おっしゃるとおりでございます。

 今現在、F1を登録するときに、我々、両親も登録する場合がございます。ただ、先ほど申し上げたように、ゲノムでどれぐらいまで登録したら信頼性があるのかというのは別の話になってきますけれども、やはり品種登録の際にゲノムをある程度採用していただくようなことが将来的には必要ではないかというふうに考えております。

木下委員 時間になりましたので、終わります。ありがとうございました。

藤井委員長 次に、林拓海君。

林(拓)委員 チームみらいの林拓海です。

 本日は、御多用の中お時間をいただきまして、誠にありがとうございます。

 早速、質問の方に入らせていただきたいんですが、まず、雄川参考人にお伺いをいたします。

 富山百号、これは令和元年の交配着手から、本年三月の品種登録の出願、さらに、現地実証を経て、令和十二年頃の導入判断を見込んでいるということで、十年程度の歳月を見込まれていらっしゃったと思うんですが、現状、今回の重要品種の開発を進めていくというところについても、温暖化に対応することも含めて、高温障害にも耐え得るような品種の開発もより進めていかなければならないという課題があると思うんですが、育種から普及まで十年から十五年程度かかるという現実とも言えると思うんですけれども、こうした構造の中で最も時間の制約になっているのはどの段階かと。これは、現場でその時間を早めることができる工夫の余地というのもあるかもしれないですし、あるいは国の方でできることなんかももしお考えがあれば、是非お伺いしていきたいというふうに思います。

雄川参考人 お答えいたします。

 育種期間の短縮につきましては、富富富のところでもちょっとお話し申し上げましたけれども、DNAマーカー選抜ということで、農研機構の方からは、いもち耐性の遺伝子の形質を持ったものを育種素材としていただきました。そういうものがあれば短縮は可能なのかなというふうに思っておりまして、そういったやり取りができるということが望ましいかなというふうに思っております。

林(拓)委員 ありがとうございます。

 農研機構とのやり取りなんかもより密にしていくというような趣旨の答弁をいただいたかと思います。

 そういったことも進めていきたいと思っていますし、植物工場でのLEDの活用なんかもあるというふうに聞いていますので、育種から普及まで時間がかかるというところを、どうやって現状のニーズに応えるような開発というんですか、これもスピーディーに進めていくための施策、私も進めていきたいというふうに思います。

 次に、油木参考人にお伺いしたいんですが、今回、これまでの各先生方が質問されていらっしゃったように、新品種の育成、登録の件数が減少傾向にあるということ、やはり増やしていかなきゃいけないというか、一定維持していかなければならないといったときに、件数が減少しているそもそもの原因がどこにあるのかというところについてお伺いしたいというふうに思っています。

 先ほどほかの先生からの御質問で、十年延びるのはありがたいというふうに答弁されていたかと思うんですけれども、いわゆる減少の本当の原因が権利保護の弱さといいますか期間の短さというところにあるのかというと、必ずしもそれ自体が自明ではないのではないかという考えも持っております。

 種苗会社を経営されるお立場から、新品種の育成、登録が伸びない最大のボトルネックがどこにあるというふうにお考えになっていらっしゃるのか、是非率直な御意見をお伺いしたいというふうに思います。

油木参考人 お答えいたします。

 従来の品種登録をしていたときと今と違っておりまして、最近ゲノムの研究が相当進んでおりまして、従来、品種登録が増えていた頃は、F1の品種を登録すればそれはまねできないというようなことがありましたけれども、現在は、葉っぱ一枚から、遺伝子一つからでもクローンができてしまう時代になっております。

 そうしますと、やはりほかにいろいろな、例えば親を登録するですとか、あるいは我々独自の遺伝子の要はマーカーを登録するとか、今後そういうものが必要になってくると思いますけれども、この度いろいろな、育成者権の強化をしていただいたことによって一部それが解決されてきておりますので、今後増えていく方向にあるのではないかというふうに思っております。

林(拓)委員 ありがとうございます。

 権利保護のところも重要であると。ゲノムのところもおっしゃっていただいたかと思います。ありがとうございます。

 次に、これは両参考人にお伺いしたいんですが、今回の種苗法の趣旨として、シャインマスカットに代表されるような海外流出をどうやって防いでいくのかという論点もあるかと思います。

 今回、輸出差止めというところが新設されたりですとか、あるいは海外での権利行使を支援というかサポートといいますか、管理する機関が新設されるというようなことも言われているわけなんですけれども、海外流出、非常にゆゆしき事態だと思っておりまして、どうやって対応していくのか、防いでいくのかということを実効的に担保していくのが極めて重要だと思っています。

 しかし、これまで官僚の方からのレクなんかもお受けしている中で、実際に海外で権利行使するに当たって、国ごとに申請といいますか、海外の国それぞれで権利を守ってもらうように相手国の警察機関なのかに動いてもらうというのに申請だったり、その承諾にすごく時間がかかったり、お金がかかるというところの現実もあるというふうに聞いております。

 海外での権利行使、そもそも海外に流出させないことも含めて、ここをどういった支援や制度の在り方があり得るのかというところの現場でのお考えをお伺いしたいというふうに考えております。

 まずは雄川参考人にお伺いできますでしょうか。

雄川参考人 お答えいたします。

 富山県の方では稲のほかにもう一つ育種をしているものがございまして、それはチューリップになります。富山県の県花でございまして、チューリップの球根生産も盛んなわけですけれども、その育種もしております。それを海外でも品種登録をしているものが六つほどございます。

 ただ、海外とのやり取りについては、やはり県としても得意分野ではございませんので、そこは特許事務所にお願いをしていろいろ手続をしているんですけれども、やはり何か一括してそういったような調整をしていただく機関があると非常にありがたいというふうに思っております。

林(拓)委員 ありがとうございます。

 油木参考人にお伺いする前に、今の答弁をお聞きして雄川参考人にお伺いしたいんですが、一括してやり取りするところがあるとありがたいというふうにおっしゃっていたと思うんですけれども、これは、やり取りを代行するような位置づけの機関があるとありがたいというお考えなのか、県がやっているというふうにおっしゃっておりますが、費用負担のところでどうしても申込みの件数なのか、枠みたいなのが定められてしまうみたいなことなのかでいうと、そこら辺、いかがでしょうか。

雄川参考人 いろいろな交渉だとかを間を取ってもらうというか、言葉の壁とかということもありますし、そういった専門知識を持った機関に指導していただけるとありがたいなということでございます。

林(拓)委員 ありがとうございます。

 確かに、やり取り、すごく専門的なところもかかってくるかと思うので、そういったところをサポートする機関があるとありがたいという御意見、理解いたしました。

 続きまして、今の御質問について油木参考人にお伺いしたいんですが、いかがでしょうか。

油木参考人 海外流出についてですけれども、今回提出してあります法案の中で、品種登録してから品種化するまでの間の海外流出についても保護していただいたということで、我々が品種登録をした後に海外に出そうなときにはそこを押さえることができるということは、我々にとって大変に有効な事柄だと思います。

 以前に、品種名について、品種登録してから品種登録の許可が下りるまでの間にその品種名が他国に使われた経緯がございます。それについては特許法を改正していただきましてそれを今防いでいるようなことですので、それと同じような処置が今回取られるのは我々にとっては大変ありがたいというふうに思っております。

 また、海外での品種登録についてなんですけれども、農水省の方で、海外において日本の品種登録した場合の栽培履歴ですとか、特定の国においては、そのデータを活用して、相手の国でもそれを採用していただけるというようなシステムを今作りつつあります。それによってその国における品種登録が我々大分簡略化されますので、それについては大変助かる事柄だと思います。

 以上でよろしいでしょうか。

林(拓)委員 ありがとうございます。

 今回の法改正でいわゆる防御力というんですか、こういったものが高まるという御認識をお伺いできたかと思います。

 油木参考人に重ねてお伺いしたいんですが、今回の種苗について権利を保護するという観点で、新しく管理といいますか、サポートする機関が新設されるということも含めて、両参考人はありがたいというふうにおっしゃっていたかと思うんですが、先ほどお配りいただいた資料の中でも、たくさんの種苗会社の方々とコミュニケーションされることが多いかと拝察するんですけれども、個人の育種家の方ですとか、あるいは中小の育種家の方もいらっしゃると思っておりまして、そういった方々が開発した種、種苗を保護していくというときに、やはり、海外流出をさせないこともそうですし、万が一海外に出てしまったときにそこでちゃんと権利を行使できるような体制を、個人の方や中小の企業の種苗をされている方々がどこまでできるのかというと、やや実効性を担保するための配慮といいますか取組も必要かと思っております。

 そこについて、現状、今回この改正でありがたいとおっしゃられていたと思うんですが、そこへの手当てについても見込みとして十分だとお考えかどうかをお伺いしたいと思います。

油木参考人 お答えいたします。

 従来ですと、個人の育種家で有望品種がありますと、我々種苗メーカーとある程度タイアップをして、両者合意の下で品種登録をしたりしている場合がございました。昨今は個人育種家の方々もいろいろな育種をされておりまして、今般のような知的財産を管理するような組織ができますと、御自分の品種登録がそこでできたり、いろいろ簡素化がされると思います。我々種苗会社でも、大手の方はそれを自前でできますけれども、やはり、中小、それと品目が絞られている会社ですね、例えばキュウリだけやっている、スイカだけやっているような会社が中小でありますので、そういう会社にとっては、品種登録の後の知的財産権の保護についてはそういう組織があると大変助かるというふうに思っております。

林(拓)委員 ありがとうございます。

 従来と比較して、そういった機関が新設されるとなれば、個人でも中小でも助かる部分があるのではないかという御意見だったかと思います。ここは、実際に新設されてどういった運用がなされていくのかというところで、運用上の実効性の担保がなされることをしっかり見ていく必要があると考えておりますので、そこもしっかりとやっていきたいと思います。

 油木参考人にまたちょっと別の質問をお伺いしたいんですが、本日の質問の中でゲノム編集について度々触れられていたかと思っておりまして、ここがもう少し活用できるようになるといいのではないかという御意見だと拝察しています。これは現状だと規制のところもあるというお話だったかと思うんですが、そこについて、ゲノム編集がもっとできるとこういうことができるんだですとか、そういったところを教えていただけますでしょうか。

油木参考人 先生おっしゃるとおりに、遺伝子組み換え体とゲノム編集は全く違う技術でございます。

 ゲノム編集というのは、過去、我々が育種をしてきて、長年かけて例えば一つの遺伝子を欠落させていくというようなことが短時間でできる。遺伝子組み換え体というのは、その植物体が本来持っていないものが入りますので痕跡が残ります。我々はその痕跡を見てこれは遺伝子組み換え体だなというのは分かりますけれども、我々が今育種をしている、長い年月をかけて一つの遺伝子を変えていくような、自然の中で起こり得ることを短時間でやるのがゲノム編集でございます。

 それによってどういうことが起きるかというと、短時間で育種ができる、今まで十年かかっていったものが、物によっては三年、四年で仕上がっていくというメリットがございます。それによって、我々が体感する以上に進んでおります今の気象変動に対して対応できる。

 ただ、やはり消費者の方は、まだ遺伝子組み換え体とゲノム編集の区別がついていない消費者の方が大変多うございますので、そこら辺の違いを消費者の方々に少しでも分かっていただける活動を政府としてやっていただけると我々としては大変助かるということでございます。

林(拓)委員 ありがとうございます。

 十年から十五年かかるというところの課題が明確にある中で、それが三、四年で済むということになればこれは極めて大きいことではあると思うんですけれども、規制されている理由のところも含めて、技術のところも含めて、私もそこについては知見を深めていきたいなというふうに思いました。

 海外に流出することを守ることですとか、今回の種苗法、重要品種の開発促進も含めて何ができるかというところにしっかり取り組んでいきたいと思います。

 両参考人、ありがとうございました。

 これで私の質疑を終わります。

藤井委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。

 この際、参考人各位に一言御挨拶を申し上げます。

 本日は、貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。

 次回は、来る十六日火曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時二分散会


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