衆議院

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第9号 平成29年8月10日(木曜日)

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平成二十九年八月十日(木曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 山口  壯君

   理事 江渡 聡徳君 理事 熊田 裕通君

   理事 寺田  稔君 理事 中谷 真一君

   理事 中村 裕之君 理事 後藤 祐一君

   理事 升田世喜男君 理事 浜地 雅一君

      大西 宏幸君    大野敬太郎君

      門山 宏哲君    北村 誠吾君

      小林 鷹之君    左藤  章君

      武田 良太君    福田 達夫君

      藤丸  敏君    宮澤 博行君

      宮路 拓馬君    和田 義明君

      青柳陽一郎君    神山 洋介君

      玉木雄一郎君    佐藤 茂樹君

      笠井  亮君    木下 智彦君

      下地 幹郎君    吉田 豊史君

      照屋 寛徳君    武藤 貴也君

    …………………………………

   防衛大臣         小野寺五典君

   内閣府副大臣       ふくだ峰之君

   防衛大臣政務官      大野敬太郎君

   防衛大臣政務官      福田 達夫君

   政府参考人

   (防衛省大臣官房長)   高橋 憲一君

   政府参考人

   (防衛省大臣官房審議官) 辰己 昌良君

   政府参考人

   (防衛省防衛政策局長)  前田  哲君

   政府参考人

   (防衛省防衛監察本部副監察監)          丸井  博君

   政府参考人

   (防衛省防衛監察本部統括監察官)         小波  功君

   安全保障委員会専門員   林山 泰彦君

    ―――――――――――――

委員の異動

七月二十八日

 辞任         補欠選任

  赤嶺 政賢君     笠井  亮君

  吉田 豊史君     遠藤  敬君

同日

 辞任         補欠選任

  笠井  亮君     赤嶺 政賢君

  遠藤  敬君     吉田 豊史君

八月三日

 辞任         補欠選任

  小野寺五典君     萩生田光一君

同月七日

 辞任         補欠選任

  今枝宗一郎君     大野敬太郎君

  萩生田光一君     福田 達夫君

同月九日

 辞任         補欠選任

  赤嶺 政賢君     笠井  亮君

同日

 辞任         補欠選任

  笠井  亮君     赤嶺 政賢君

同月十日

 辞任         補欠選任

  金子万寿夫君     宮路 拓馬君

  横路 孝弘君     玉木雄一郎君

  赤嶺 政賢君     笠井  亮君

  下地 幹郎君     木下 智彦君

同日

 辞任         補欠選任

  宮路 拓馬君     金子万寿夫君

  玉木雄一郎君     横路 孝弘君

  笠井  亮君     赤嶺 政賢君

  木下 智彦君     下地 幹郎君

同日

 理事小野寺五典君同月三日委員辞任につき、その補欠として熊田裕通君が理事に当選した。

    ―――――――――――――

六月十六日

 一、領域等の警備に関する法律案(大島敦君外十一名提出、第百九十回国会衆法第四号)

 二、周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律及び周辺事態に際して実施する船舶検査活動に関する法律の一部を改正する法律案(大島敦君外十一名提出、第百九十回国会衆法第五号)

 三、国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律の一部を改正する法律案(大島敦君外十一名提出、第百九十回国会衆法第六号)

 四、我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律を廃止する法律案(高木義明君外十六名提出、第百九十回国会衆法第七号)

 五、国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律を廃止する法律案(高木義明君外十六名提出、第百九十回国会衆法第八号)

 六、第一線救急救命処置体制の整備に関する法律案(青柳陽一郎君外六名提出、第百九十二回国会衆法第五号)

 七、国の安全保障に関する件

の閉会中審査を本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 理事の補欠選任

 政府参考人出頭要求に関する件

 国の安全保障に関する件(特別防衛監察の結果等)


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     ――――◇―――――

山口委員長 これより会議を開きます。

 理事の補欠選任についてお諮りいたします。

 委員の異動に伴いまして、現在理事が一名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 それでは、理事に熊田裕通君を指名いたします。

     ――――◇―――――

山口委員長 国の安全保障に関する件、特に特別防衛監察の結果等について調査を進めます。

 この際、防衛大臣から報告を聴取いたします。小野寺防衛大臣。

小野寺国務大臣 このたび防衛大臣を拝命いたしました小野寺五典です。

 我が国の防衛という、国家存立の基本である崇高な任務を再び担うことになり、大変光栄に感じるとともに、その重責に身が引き締まる思いであります。

 山口委員長を初めとする理事及び委員の皆様の一層の御指導、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 さて、これまで本委員会等において御議論いただいておりました、昨年十月に開示請求のあった南スーダン派遣施設隊の日報をめぐる問題については、七月二十八日に特別防衛監察の結果を公表いたしましたが、明らかになった事項は次のとおりです。

 その日報に対する開示請求に先立つ七月にも、日報に関する開示請求がありましたが、その際、中央即応集団司令部幹部は、存在している日報を開示せず、情報公開法第五条の開示義務違反につながり、自衛隊法第五十六条の職務遂行義務違反に当たるものがあり、本件日報を不開示とした契機になるものでした。

 本件日報に関する開示請求においては、陸幕関係職員及び中央即応集団司令部関係職員は、七月の日報の対応を踏まえて対応した結果、七月同様、存在している日報を開示せず、情報公開法第五条の開示義務違反につながり、自衛隊法第五十六条の職務遂行義務違反に当たるものがありました。

 また、本件日報に関する開示請求においては、陸幕幹部が開示請求受け付け後に日報の廃棄を指示したことは、情報公開法第五条の開示義務違反につながり、自衛隊法第五十六条の職務遂行義務違反に当たるものである。さらに、陸幕幹部や統幕幹部による日報発見後の大臣報告のおくれのほか、対外説明を含む不適切な対応がとられるなど、自衛隊法第五十六条の職務遂行義務違反につながるものでありました。

 この特別防衛監察によって、日報に係る開示請求への対応において、情報公開法第五条違反につながる行為があったこと、適切に廃棄され不存在とされていた日報が陸自内に存在したことの取り扱いに関する不適切な対応が認定されたことを踏まえ、関係者を厳重に処分いたしました。具体的には、前防衛事務次官のほか三名を停職とし、前陸上幕僚長を減給処分といたしました。

 また、稲田防衛大臣の関与については、特別防衛監察の結果において、本年二月十三日及び十五日、省幹部より稲田元大臣に対し日報関連の説明が行われた際、陸自における日報データの存在について何らかの発言があった可能性は否定できないものの、陸自における日報データの存在を示す書面を用いた報告がなされた事実や、非公表の了承を求める報告がなされた事実はなかったとされました。また、稲田元大臣により、公表の是非に関する何らかの方針の決定や承認がなされた事実もなかったと認定されております。

 本件は、情報公開への対応が不適切であったことのみならず、国民の皆様に防衛省・自衛隊の情報公開に対する姿勢について疑念を抱かせ、また、内部からの情報流出をにおわせる報道が相次いだことにより、防衛省・自衛隊のガバナンスに対する信頼を損ない、結果として、国内外の現場で任務に当たる隊員の士気を低下させかねないという点で、極めて重大で深刻なものと考えております。今般の特別防衛監察の結果についても、防衛省・自衛隊にとって大変厳しく、反省すべきものであったと受けとめております。

 この日報問題の根底にあるのは、防衛省・自衛隊において、情報公開の重要性に対する認識が十分でなかったということ、そして、省内関係部局、内局、統幕、陸幕の意思の疎通が十分になされなかったことと考えております。

 その上で、安倍総理からの御指示も踏まえ、特別防衛監察の結果を受けた再発防止策を今月より順次実施するよう指示したところであり、昨日には、情報公開業務のチェック機能を強化するため、情報公開査察官の新設、任命を行ったところであります。

 今後とも、再発防止策を着実に実施しつつ、隊員の意識改革等を行い、風通しのよい組織文化を醸成し、各部署間で一層の連携強化に取り組み、我が国の安全保障に万全を期していく所存でございます。

山口委員長 以上で報告は終わりました。

    ―――――――――――――

山口委員長 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として防衛省大臣官房長高橋憲一君、防衛省大臣官房審議官辰己昌良君、防衛省防衛政策局長前田哲君、防衛省防衛監察本部副監察監丸井博君、防衛省防衛監察本部統括監察官小波功君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

山口委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。浜地雅一君。

浜地委員 おはようございます。公明党の浜地雅一でございます。

 きょう、我々与党の時間は二十分ということでございましたので、自民党の皆様から時間をいただきまして、公明党で二十分質問させていただきます。ありがとうございます。

 ただいま小野寺防衛大臣より、特別防衛監察の結果報告がございました。この結果を七月の二十八日に公表されましたので、我々公明党内でもヒアリングを行いました。その声をまず小野寺防衛大臣に聞いていただいて、総括的な受けとめをその後お聞きしたいと思っています。

 やはり、厳しいところは、そもそもの発端でございます昨年七月の情報開示請求です。この際に、CRF副司令官は、日報が行政文書であるとの認識を持ちながらというふうに聞いております、持ちながら、当該日報が外れることが望ましいとの意図を持って、日報以外の文書で対応するように指導した、これが明らかとなりました。

 国民の知る権利を具現化した情報開示法、原則は開示、不開示情報は厳格に法定化をされています、それ以外は開示するのが原則だ、そういう意見がありました。それらを、みずからの意図によって恣意的に対応しようとした、これは大変問題であるという指摘がございます。本来は、文書は存在するとした上で、情報公開法第五条三号の不開示情報に当たるのであれば、不開示もしくは部分開示とすべきもので、情報公開法を全く逸脱したものであるという意見でございます。

 また、この問題は現場だけにはとどまっていないという問題の指摘もございました。平成二十八年十二月には、稲田元防衛大臣から、当時の統幕の総括官に対し、日報の再探索の指示がございましたけれども、当時の総括官は陸幕にこの指示を怠っている、何たることかという意見もございました。

 そして、二十九年一月においては、当時の事務次官も、陸自に日報データがあることの報告を受けながら、この事務次官初め防衛省幹部は、陸自に残る日報は個人データであるという処理方針を決定しております。本来は、現場の対応を背広組が是正すべきではなかったんでしょうか。何のための統合幕僚監部をつくったのか、何のためのシビリアンコントロールなのかという、そういう指摘がございました。

 最も悪質なのは、当初の文書不存在の回答の実態に合わせるために、実際に陸自に存在した日報を後に破棄する対応がとられたことです。これはまさに国民の信頼を大きく損ねた問題であるという指摘がございます。

 そして、国民の不安をさらに増大させたのは、当時の防衛大臣、事務次官、また陸幕長が辞任する異常な事態の中で、そのすき間をつかれて北朝鮮がミサイルを発射したことだという指摘もございました。防衛省は常々、厳しい安全保障環境に万全の備えが必要ですと言いながら、防衛省内部の問題で安全保障の空白をつくってしまうのじゃないか、そのような指摘もございました。これに対しては擁護の余地はないという意見もございました。

 そういった厳しい意見を踏まえて、先ほどの特別防衛監察の結果を受けての小野寺防衛大臣の受けとめを改めてお聞かせいただきたいと思います。

小野寺国務大臣 ただいまの浜地議員の御指摘のとおり、今回は、防衛大臣、事務次官、そして陸上幕僚長がそろって辞任をするという、これは大変大きな、そして異常な状況なんだと思っています。我が国の安全保障環境が大変厳しい中、このような状況をあらわしてしまいました防衛省・自衛隊、今その指揮をする私にとって、国民の皆様に本当に申しわけない、その思いでおります。

 だからこそ、この問題の内容についてつまびらかに国民の皆様に報告をさせていただき、そして再発防止に万全を尽くすということ。今この瞬間も、日本を守るために、ミサイル防衛のために活躍している自衛隊員がおります。その現場の自衛隊員にそごは来さないように、私どもしっかり頑張ってまいる所存でございます。

浜地委員 小野寺新防衛大臣からの再発防止にかけるという点、そして、きょうはまさにこの理事会でも、もし北朝鮮に不穏な動きがあれば、さまざま対応をしなきゃいけないということも理事の間で確認をさせていただいております。しっかりとこのミサイル防衛に当たる士気が落ちないような、そういったまさに防衛大臣のリーダーシップを今後期待していきたいというふうに思っております。

 次に、特別防衛監察に対する信頼性という点についてお話をお聞きしたいと思います。

 一番大事なことは、この特別防衛監察というのは何なのかということは国民の皆様には余りよく伝わっていないのではないでしょうか。ですので、この特別防衛監察を行いました監察本部、これはどのような組織で、どのような権限でこの監察を行ったのか、この二点について簡潔にお答えください。

丸井政府参考人 お答えいたします。

 防衛監察本部は、独立した第三者的な立場から全省的に厳格な監察を行うため、防衛監察本部の長である防衛監察監に元検事長を任用しており、それに加えて現役の検事や公正取引委員会からの出向職員も所属しております。

 防衛監察監等は、厳正かつ公正を旨とし、防衛監察の対象となった機関等の関係者に対し、文書または口頭による説明または報告を求めることなどの権限が付与されており、資料及び情報を十分に収集して、正確な事実の把握に努めております。

浜地委員 ありがとうございました。

 次に、この監察については、一部には、強制力がない任意のものである、そうなりますと、きちんと証言やまた書類等の証拠が集められていないではないかという批判もございます。しかし、大事なことは、今回の監察では十分な聴取の協力や必要な書類の収集ができた上での事実認定を行えたかどうかということが大事でございますけれども、その点、いかがでありましょうか。

丸井政府参考人 お答えいたします。

 防衛監察の実施に関する訓令におきまして、防衛監察監等には、防衛監察の対象となった機関等の関係者に対し、文書または口頭による説明または報告を求めることなどの権限が付与されております。一方、防衛監察の対象となった機関等の関係者は、防衛監察監等から書類その他の物件の提出、説明等を求められたときは、これに誠実に協力しなければならないことも定められておるところでございます。

 監察について具体的に申し上げれば、最大三十名の職員によりまして、各機関等の職員延べ約三千六百名へのアンケート、関係部署の執務室約五十カ所の現場確認、関係職員延べ約百四十名への面談、陸自指揮システム端末約三百台、省OAシステム端末約三千六百台の操作履歴についての確認を行ったところでございます。

 このように、防衛監察本部としては、関係者の誠実な協力によりまして、事実関係の解明に、関係者の十分な協力、必要な書類等は収集できたと考えております。

浜地委員 今、この監察に必要なさまざまな証拠というのは十分であったという御答弁でございましたけれども、二月の十三日、また二月の十五日、稲田元防衛大臣と防衛省幹部のやりとりについて、このように認定されています。「陸自における日報データの存在について何らかの発言があった可能性は否定できないものの、」という曖昧な認定をされている一方で、その後に続く、「書面を用いた報告がなされた事実や、非公表の了承を求める報告がなされた事実はなかった。」と、逆にここは断定的に認定をされておりますけれども、では、なぜここは曖昧な認定になったのか、また逆に、なぜそういった報告の了解を求めるような事実はなかったというふうに断定できたんでしょうか。

丸井政府参考人 防衛監察におきましては、対象機関からの資料入手、現場確認、面談、アンケート調査などによりまして、広く情報収集し、さまざまな角度からより正確な入手資料等の分析が行われ、事実関係の解明に努めております。この際、客観的な資料等を基軸としつつ、一方面だけの主張ではなく、多方面からの主張等を総合的に勘案して事実関係を認定することとしております。

 御指摘の二月十三日の説明におきましては、陸自における日報の存在についての発言があったかなかったかという点についてそごがあった上、発言があったという証言の中には表現の記憶はあやふやなものがあるなどしたため、発言も特定できない状況でした。

 二月十五日の説明についても、陸自における日報の存在についての発言があったかなかったかという点についてそごがあった上、発言があったという証言は表現ぶりが不明というものであり、発言も特定できない状況でございました。

 これらの状況から、「何らかの発言があった可能性は否定できない」という表現で記載したところでございます。

 一方、いずれの説明におきましても、防衛大臣が非公表の方針を決定した、あるいは方針を了承したとの証言はないということで一致しておりまして、防衛大臣が方針を決定したことや了承した事実はなかったという表現で記載したところでございます。

浜地委員 今の説明ですと、二月の十三日については、何らかの発言があったという人もいればなかったという人もいる。しかし、あったという中には、その証言の内容があやふやであったり、また、その表現ぶりが不明である、そういった答えがあったのではっきりとした事実認定ができなかったけれども、片やこの了承の事実については、はっきりと、証言をした者が一致をして、そういった了承を求める事実等はなかったということで事実認定をされたということと理解をいたしますけれども、うなずいていらっしゃいますので、そういうことであろうと思っております。

 私は、やはり事実認定というものは実際に心証をしっかりと持てなければ行えないものでございますので、先ほどの防衛監察本部からの説明について、私は法曹でもありますので、やはりそこまでの事実認定しかできないんだろうなということは納得した次第でございます。

 それで、今回収集したこの証言の記録やまた書類は公表はしないというふうに聞いておりますが、まず、なぜ公表しないのか。公表しないといっても、防衛省が今回の事実を省全体で認識し、後に同じことを繰り返さないように、これは大事な資料としてずっと保存すべきと思います。ですので、この二点、なぜ公表しないのかと、公表しないとしてもこの資料等は保存をされるのか、簡潔にお答えください。

丸井政府参考人 お答えいたします。

 監察において入手した資料等につきましては、今後、同種の事案において、監察対象機関から監察手法を類推され、対策を講じることを容易にするとともに、当該資料を公表することで監察対象等が監察への協力をちゅうちょするなど、監察業務に支障を来すおそれがあることから、公表することは困難と考えております。

 一方、御指摘のございました入手した資料等につきましては、公文書管理法等の関係法令に基づき、適切に保管することとしております。

浜地委員 公表しないことについてはさまざまな疑義はございますが、原発の国会事故調の報告書、これは全然この委員会とは関係ありませんが、そちらの方もやはり、しっかりとした証拠収集やそういったものを行うために、関係者の供述や書類等は公表しないことになっているというふうに聞いております。

 そういった意味では、今後、公表しないからといってこれをないがしろにするんじゃなくて、しっかりと保存をしていただいて、またそういった監察のときには協力者が得られるようにこういったものは公表しないということの御答弁だったというふうに思っております。

 次に、再発防止にかける具体策を小野寺防衛大臣にお聞きしたいと思っています。ここは大事なところでございますので、先ほど私は簡潔に簡潔にというふうに言いましたけれども、しっかりと小野寺防衛大臣には答えていただきたいと思っています。

 まずは、今回のような文書の管理、文書の公開について、二度と同じ過ちを繰り返さない、そのために、やはり詳細な具体策、再発防止策を今回は講じられるというふうに私は信じておりますけれども、実際に、既にこの再発防止策はどのように考えておられるのかがまず一点でございます。

 次に、もう一つは、先ほどの報告書にもございましたけれども、やはり組織改革、風通しのいい組織をつくることがこの事柄の根本の改善につながるものであろうというふうに思っております。

 なぜかといいますと、CRFの副司令官が日報が外れることが望ましいとの意図を持ったというような御説明が先ほどございましたけれども、その動機を聞きますと、これは、部隊情報の保全や開示請求の増加に対する懸念があったというふうに言われております。後半の開示請求の増加に対する懸念というのは酌量の余地は全くないと思いますけれども、部隊情報の保全、これにつきましては、監察本部からさらに詳しく私もヒアリングをしましたが、この副司令官の真意というものは、情報を出すとPKO部隊の建屋の配置などがわかってしまう、部隊の構成などがわかってしまい、これらPKO部隊を危険にさらすことになるんじゃないか、やはり隊員の安全のためにはなるべく情報は出したくないとの気持ちがあったという説明を受けました。ここに私は問題の本質があるというふうに思っております。

 確かに、現場部隊の安全は最も大事なことです。公明党としても、これまで、平和安全法制の議論や今回の南スーダンのPKO駆けつけ警護の付与の実施計画の変更においても、隊員の安全な業務遂行を訴えてまいりました。

 しかし、PKOの派遣も、国民の皆さんの理解に支えられて活動することが大事です。情報公開法の要件に合う情報は国民に開示して理解をしてもらおう、そういう姿勢がないと、やはり国民の理解は得られないというふうに思っています。逆にこれをないがしろにする体質があれば、これはやはり許されないと言わざるを得ません。小野寺新防衛大臣がリーダーシップを発揮されて、特に、自衛隊の現場部隊と背広組の真の意思疎通を図っていただきたいと思います。

 防衛省の組織改革、ガバナンス強化という点について、大臣の意気込み、この二点をお伺いしたいと思います。

小野寺国務大臣 今回の日報問題の発端は、昨年七月、情報公開請求があった内容について、日報については不存在という形でしたことが事の発端だと思っております。本来であれば、これは存在するということ、そして、もしその内容に関して、部隊の運用について差し支えがあるものがあれば、そこの部分を不開示という形で公開する、これが正しい手順だったと思います。

 このような文書管理あるいは公開に関して徹底するために、昨日、情報公開業務のチェック機能を強化するために、情報公開査察官というのを新設、任命いたしました。もし、例えば不存在というのが省内から上がってきた場合には、本当に存在しないのかどうかを全省を挙げてこの査察官がしっかり調査をし、この問題に対して対応していく。また、防衛監察本部は定期的に監察の実施を行う。また、今回、問題になりましたPKOの日報を含めて、今後、自衛隊海外派遣部隊の日報を全て十年保存とし、保存期間満了後に国立公文書館に移管するということ、そして、今回、文書管理の適正化を確保するため、複数の部局で行政文書を共有する場合、責任部局を明確化する、そのような措置をとっていきたいと思います。

 ただ、今回、この問題の根底にありますのは、防衛省・自衛隊において情報公開の重要性に対する認識が十分でなかったということ、そして何より、省内、関係部局、内局、統幕、陸幕もそうでありますが、その意思疎通が十分でなかったということであります。これは、これからしっかり私ども省内改革の中で対応してまいりたいと思っております。

浜地委員 時間がありませんので、最後、一点御要望させていただきます。

 しっかりと先ほどの再発防止策、また組織改革を小野寺新防衛大臣のもとで行っていただきたいと思っております。昨日もさまざま地元の方と話しておりましたが、この問題にはけりをつけてしっかりと北に対する備えをしてほしい、そのように小野寺防衛大臣にお伝えくださいというたくさんの声がございました。

 そして最後に、沖縄のことです。先日のオーストラリアでのオスプレイ、これは普天間基地の所属のオスプレイが事故を起こしました。沖縄の皆様方は大変心配をされております。今の防衛省に対してもさまざまな声が上がっております。これはやはり、在日米軍に強く強く原因究明を求め、沖縄の県民の皆様にしっかりと御説明をしていただきたい。これがやはり自衛隊が情報開示について姿勢が変わったという一つの大きな契機になろうと思いますので、ぜひ小野寺防衛大臣にはその点をお願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

山口委員長 次に、升田世喜男君。

升田委員 おはようございます。民進党の升田世喜男であります。どうぞよろしくお願いします。

 まず、小野寺大臣、二度目の防衛大臣御就任ということで、心からお祝い申し上げたいと思います。今、北朝鮮のミサイル問題あるいは南シナ海の問題等々、我が国の安全を取り巻く環境は大変厳しい状況の中での御就任でありますので、ぜひ我が国の平和と世界の平和のための御活躍をお祈りしたい。本来であればここで大臣の抱負などもお伺いさせていただきたいなと思うんですが、限られた時間でありますので、私の質問項目にのっとって、順次質問をさせていただきたいと思います。

 まず最初に、なぜここに元稲田防衛大臣の出席がかなわなかったか、これは国民の目線に照らし合わすと誰もが納得できないと思います。

 今回の特別防衛監察がなぜ行われたか。これは、昨年ジャーナリストが、開示請求がありました。当初はないとなりました。不開示になりました。しかし、後にまた見つかりました。二転三転になりました。この辺が一体どうなっているのということです。

 いま一つは、二月の十三日の大臣レクでありますけれども、このときに当時の稲田大臣に報告があったのかなかったのか、ここを明確にしないと今後の安全保障の政策の遂行はできないなどという、そういう背景があって、三月の十五日、当時の大臣の指示のもとで、この特別防衛監察が始まったわけであります。

 七月の二十八日に報告がなされました。その報告を読みますと、七ページでありますけれども、先ほどの委員からの質問もありましたが、極めて曖昧な表現があるわけです。陸自における日報データの存在について何らかの発言があった可能性は否定できないものの、陸自における日報データの存在を示す書面を用いた報告がなされた事実や、非公開の了承を求める報告がなされた事実はなかった、こう断定をしておりますが、先ほども議論がありましたけれども、「何らかの発言があった可能性は否定できない」という、この何らかの発言の可能性は否定できない、これが極めて曖昧なわけでありまして、このところを明確にするためには、やはり国民が望むのは、この国会の場に当時の大臣でありました稲田朋美大臣が来て本人の言葉でしっかりと説明されるのを国民は望んでいると思います。

 確かに、辞任のときにるるお話があったかもしれません。あるいは予算委員会でこれに関する答弁があったかもしれません。しかし、きょうは安全保障委員会です。我が国の生命と財産を守るための、その所管の委員会の国会の場で、一番知っている当時の稲田大臣が説明するというのが当たり前だと思うんです。我々民進党あるいは野党は、理事会において再三再四、あるいは国対間の中でも再三再四、稲田元防衛大臣の出席を求めてまいりました。この出席がかなわなかったことは極めて遺憾であります。

 そこで小野寺大臣にお伺いしたいと思うんですが、政治は国民からの信頼をなくしてさまざまな政策の実行はかないません。こういう国民目線を考えると、稲田元大臣の出席がやはり必要だなと、大臣はそう思いませんか。いかがですか。

小野寺国務大臣 私ども政治家たるもの、国民に対してしっかり説明をする、その責任はあるんだと思っています。

 今御指摘の前大臣のここでの参考人での出席については、これは委員会の中で御判断をされる内容かと思っております。

升田委員 委員会での御判断、そういうことだと思います。

 それでは、大臣に僕は協力を求めたい。確かに、委員会での判断でこれは決することだと思います。そして、稲田元大臣も、国会が求めれば、私はどこにでも行って説明をします、こう明言をされております。その委員会での決定に、現実論として、大臣のこの意向というのは私は大きく影響が左右されると思うんですね。

 そこで、小野寺大臣、元稲田朋美大臣は隠蔽大臣と言われてきたんですよ。あなたは、隠蔽大臣というそのレッテル、あるいは隠蔽体質を、これを継続してはいけません。そういう意味において、委員会の方に、関係各位に、大臣として、やはり稲田元大臣が出席が一番明らかになるよねと、そういう協力の心は持つことはできませんか。いかがですか。

小野寺国務大臣 政治家として、やはり国民にしっかりと説明する責任はあると思います。

 ただいまの御指摘の点につきましては、委員会で議論される筋合いのものだと思っております。

升田委員 それでは、二月十三日の大臣レクに関しての質問をさせていただきたいと思います。

 ここで大事なのは、稲田大臣のレクの中で、日報のデータの存在があったのかどうか、これが報告があったかどうかというところが国民が一番知りたいことなのでありますが、今回の報告書を読みますと、そういう報告がなされた、これが複数いた、あるいは、そういう報告がなされなかった、これも複数いた、そして、いや、今となってはどっちかわからない、こういう御意見も複数あった、こういうことでありますけれども、ここは基本的なことで、済みません、本当の初歩ですが、複数というのは二名以上を複数というんでしょうか。

丸井政府参考人 複数と申しますのは、御指摘のとおり、二名以上ということでございます。

升田委員 それではお伺いしますが、報告がなされたという方は何名で、そして報告がなされなかったという方は何名で、今になってはわからない、曖昧だというのは何名であったんでしょうか。

丸井政府参考人 お答えいたします。

 二月十三日の大臣の報告に対し、陸自における日報の取り扱いについて説明したやりとりについて、その関係者に確認を行ったところでございますけれども、その人数、あるいはそれぞれの、今申し上げました、発言があった、なかったという点につきましては、それぞれが複数であったという以上につきましては、個人が特定され、あるいは関係者の供述が明らかになることにつながりますので、答弁は差し控えさせていただきます。

升田委員 納得ができない答弁なんですね、僕としては。

 なぜ人数を明確にできないのか。ここは重要ポイントだ、僕はこう思っています。二名以上を複数とするならば、例えば、報告がされたという方が五名から六名おりまして、報告がなされなかったという方が二名いたとします。こうしますと、報告をしたというのが、なされなかった、いわゆる否定したものと肯定では、否定よりも肯定の方が二倍も三倍もそういう発言があった場合はこちらの発言が重くなるんじゃありませんか、調査の結果としては、普通は。

 しかし、今回の特別防衛監察の報告書を見ますと、報告がなされた、なかった、どちらかわからない、これがまるで均等のお答えがあったかのような印象を与える報告書になっているんですね。なので、何名か、何名かというのを明らかにしていただけないと、どちらに信憑性があるかということがこれは明らかになりません。

 そこで、もう一度お伺いします。

 報告がなされた、なかったというのは、もう一回、どうかここは大事なところですから、人数をお答えできませんか。

丸井政府参考人 お答えいたします。

 繰り返しで恐縮でございますけれども、それぞれの人数につきましては、個人が特定され、個人の供述が明らかになるおそれがありますので、お答えは差し控えさせていただきます。

升田委員 全く納得できない答弁ですね。人数と個人名とどう関係があるんですか。

 これは普通に言って納得できませんよ。今の答弁は、これは間違いでしょう。もう一回整理して答弁してください。

 人数と個人名は関係ありませんから。しかし、どちらのお答えに信憑性があるかというのは、人数は関係あるんです。たった二人の否定派と、六人も七人も肯定派がいたら、これは、あった方が確かかもしれぬねというのが普通じゃないですか。

 もう一度、人数をお願いします。

丸井政府参考人 繰り返しで恐縮でございますけれども、この会議におきましては、統幕総括官及び陸幕副長が稲田防衛大臣に対しまして説明したということにつきましては御説明しているところでございますけれども、その他の人間については、個人が特定されるということ、それから、かなりこの場合は少数でございまして、個々人が、大体、誰がまず全て参加していたのか、あるいは、その人数の割合はこういう人数とこういう人数でしたということを明らかにすることによって、個人が特定され、あるいは、証言の内容が明らかになるおそれがあると我々は考えておりまして、これは答弁を差し控えさせていただきます。

升田委員 意味がわからない。全く納得のいかない答弁。こういう答弁があるので、また不信が高まるんですよ。

 二月の十三日の大臣レクがどうして大事か。これはあえて言うまでもないと思うんですが、これを防衛大臣に報告があったかなかったか。あったとすれば、当時の後の防衛大臣の国会での答弁がこれは虚偽答弁になるんです。なかったとすれば、防衛省職員の自衛隊法五十六条の職務規定違反となります。こういう意味合いを持つものですから、二月の十三日のやりとりというのは明らかにしてもらわないと困る。

 人数が言えないというならば、肯定をした人と、あるいは割合と、それはなかったという割合、せめてどっちが多かったぐらいは言えませんか。どうぞ。

丸井政府参考人 お答えいたします。

 我々といたしましては、客観的な資料を基軸といたしまして、一方からの主張だけではなく、多方面からの主張等を総合的に勘案して事実を認定したところでございまして、その結果、我々といたしましては、「何らかの発言があった可能性は否定できない」というこの事実認定しかできなかったということは残念でございますけれども、これが最大限努力した結果でございますので、御理解いただきたいと思います。

升田委員 こういうのを何というんですか、押し問答というんですか。らちが明かないですね、本当に。

 これは本当に重要なんですよ。しかも、報告書は曖昧ですよね。今、答弁している方が御存じだと思うんです。ここをちょっともう一度読ませていただきますが、八ページになりますが、「陸自における日報データの存在を示す書面を用いた報告がなされた事実や、」この「書面」とあるんですね。ならば、口頭でのやりとりはあったということ、こういう理解をしてよろしいですか。

丸井政府参考人 お答えいたします。

 まず、日報データの存在を示す書面を用いた報告がなされた事実はなかった、これについては我々として確認しているところでございます。

 こういう客観的な資料があれば、我々もより明確にお答えできるところでございますけれども、そういうものがなかったものですから、いわゆる一般的な、一般的なと申しますか、報告が口頭であったのかどうかということについて確認した結果が、先ほど来御説明いたしておるとおり、「何らかの発言があった可能性は否定できない」という、これ以上は、我々として事実が認定できなかったということでございます。

升田委員 全く答えていないんですね。

 もう一度お伺いしたいと思います。

 書面ではなかった、しかし、口頭ではあったんでしょう。あったという調査が出たんじゃありませんか。違いますか。

丸井政府参考人 お答え申し上げます。

 繰り返しになって恐縮でございますけれども、口頭による報告があったかなかったか、その点について関係者に確認をした結果が、先ほど来御説明しておるとおり、日報の存在についての発言があったかなかったかという点についてそごがあった上、発言があったという証言の中には表現の記憶があやふやなものがあるなどしたため、我々として陸自における日報の存在について確認できたことは、「何らかの発言があった可能性は否定できない」ということにとどまるということでございます。

升田委員 何度も同じことをやっても繰り返しになってしまうと思いますが、所管の小野寺大臣、今のやりとりを聞いて、大臣はどんな感想を持ちましたか。

小野寺国務大臣 今回の特別防衛監察の監察監は元高検の検事長の経験者の方でありますし、また、その中には検察とそれから公取から来ていただいている方もいらっしゃいます。そういう意味では、しっかり公正中立に見ていただいていると私は認識しております。

 そして、今回の二月十三日の件、これがやはり、大臣についての報告があったかなかったかということ、これは大変重要なことだと私も認識をし、今回、大臣になった直後にこの特別防衛監察の報告を受けております。

 その中で、私がこの点について確認をした中で、今、防衛監察本部からもお話がありましたが、まず、大臣の承認ということについては、それは証言をされた方全員がなかったということであります。そして、大臣に対して報告をしたかどうかということについては意見が分かれたということです。ただ、ないという方は明確になかったということを終始一貫してお話をしております。そして、したかもしれないという方は、複数回意見を聞かれていますが、その中で意見が二転三転し、また曖昧なところもあった、そしてそれを示す書類等はなかったということで、最終的には、監察本部の判断の中で今回のような表現になったと私は承知をしております。

升田委員 小野寺大臣にちょっとまた確認させてください。

 今のこのやりとりというのは極めて重要なものですから、小野寺大臣、きょうここへ出席するまでに、元の稲田朋美大臣とさしでお会いをして、この点はどうだったんだというような会話は、僕は政治家ならば当然すると思うんですよ。なされましたか。されたとしたら、どういう内容であったでしょうか。

小野寺国務大臣 今回の特別防衛監察を大臣になって監察本部から報告を受け、その内容についてしっかり把握をした後、私の方から稲田元防衛大臣に、電話ではありましたが、その内容について、監察本部に述べた内容について間違いないのかということを確認し、私として今回の監察本部の報告に対して理解をしたということであります。

升田委員 今の答弁は納得できませんね。

 というのは、どんなに忙しいかもしれませんが、これほど重要なところを電話のやりとりですか。本当かどうかということ、これはやはり対面をしてしっかりと目と目を見詰め合ってしっかりと話し合わないと、本当かどうか、普通はわかりませんよ。普通、電話で、どうでしたか、いや、言ったとおりです、ああ、そうですか、これで終わっていいものなんですか、大臣。これは稲田大臣とお会いをして、あなたはどうだったの、今後の安全保障にかかわる重要な問題だから、ここは正直にお答えください、新大臣としてこれはしっかりとあなたにお聞かせ願いたいということで、これはやはりお会いをしてお話しすべきじゃありませんか。いかがですか。

小野寺国務大臣 まず、稲田防衛大臣に対しては、特別防衛監察を受けた後、私自身が稲田大臣に電話でしっかり確認をさせていただいたということであります。それが対面で目を見て聞かなければいけないかというほど、私、稲田大臣と疎遠ではありません。従前から稲田大臣のお人柄も知っておりますので、そこは電話のやりとりで十分その真意を私は受けとめることができるんだと思います。

 その上で申し上げますと、稲田元大臣は、七月二十一日、この日にみずから特別防衛監察の聴取に応じ、一時間にわたりしっかりその聴取を受けており、その担当者は元高検の検事長であります特別防衛監察監と現役の検事ということでありますので、そこはしっかりとした形で今回お答えになったんだと承知をしております。

升田委員 いろいろな報道機関の内容によると、今さら見つかった、今さらあるとは言えないよねとか、あるいは、当時の大臣が、あした何て言おうかとか、そういうメモなどが出ているわけですよね。ですから、この報告書の内容がどこまで信頼性の置けるものかどうかというのは、多くの国民が疑問に思っている。いろいろな調査では、六〇%以上、六四パーと出ているんですね、日本テレビの調査では。あるいは、別の新聞でも五〇%以上を超えているんですよ。ここを明らかにしていかないと、私は防衛省の再生は難しい、こう認識をしています。

 そして、今なぜ大臣にお会いをしてお話をしてください、こう促したかといいますと、僕は、ことしの三月の十四日、党を代表し、本会議場の壇上で、信なくば立たず、稲田大臣には大変恐縮だけれども辞任を求めますということをお話しさせていただきました。その当時、当時の稲田大臣は、答弁が変わったんです。それは森友学園に関することで、弁護士としてかかわり合いがあったことは一切ありません、こうずっと述べておりました。しかし、それを覆す事実が明らかになったときに、三月十四日の本会議場での私の質問に対して、自分の勘違いでありました、こういうことなんですね。人間は、勘違い、過ちもあります。ですから、議論は何回もしないといけないんです。

 なので、せめて、これからでもいいので、やはり電話でなくてしっかりとお会いをして、そしてさまざまなことを議論する、そういう姿勢というのが私は求められていると思いますよ。お会いして、もう一度ここをしっかりと聞くということはされませんか。大臣、いかがですか。

小野寺国務大臣 きょう、この安全保障委員会の御審議の中で、私ども、この問題について誠心誠意お答えをしたい、その思いで特別防衛監察の結果を報告を受け、そして、その上で稲田大臣に直接電話でこの問題について確認をさせていただきました。私は、それだけの準備をして、この委員会に備えております。ぜひ、稲田大臣のことについては、今回の特別防衛監察の中で報告された内容、これが大変重要だということで御理解をいただきたいと思っております。

升田委員 私は、小野寺新大臣に、お会いして、こう言いましたけれども、実は、一番お会いしたいのは我々なんですよ。この場で、稲田朋美大臣、当時の大臣が来ていただいて、詳細を明らかにしていただければ、一番これはすっきりするんですね。

 再度、ここは関係各位の方がおりますので、与党の皆さんも、稲田朋美大臣がこの安全保障委員会に出席できるよう協力をしてもらいたいし、委員長、いかがですか。

山口委員長 理事会において協議させてください。

升田委員 大臣にお伺いをしたいと思います。

 特別監察報告書、七月二十八日、これを読まれて大臣はどういう感想を持ちましたか。

小野寺国務大臣 この特別防衛監察を改めて読んで、そしてまた監察本部から報告を受けて、やはり、七月の発生事案、情報公開の資料請求があったときに、その時点で不存在ということ、これをしてしまったがゆえに、その後、さまざまな形でそれをある面では糊塗するために、どんどんこの問題の内容がさらに悪い方向に向かった、そのような一連の流れを見て、やはり防衛省・自衛隊として、これは文書管理が徹底していないということ、そして、その意識が不十分であったこと、そして、組織としてこれをしっかり立て直さなければ今の厳しい日本の安全保障環境に対応していけないということ、そのことを肝に銘じた、その報告でありました。

升田委員 大臣にお伺いします。

 この報告書、国民が納得できるもの、こう感じられましたか。

小野寺国務大臣 私は、特別防衛監察の報告書を見させていただき、報告を受け、そして関係者に確認をする中で、この特別防衛監察はしっかりとした結論を出されたものと私は認識をしております。

升田委員 僕は、先ほど申し上げましたけれども、まだまだ六割以上の方が不審に思っているんですよ。

 そこで大臣に、最後の質問になりますけれども、大臣の手でもう一度これを再調査していただけませんか。第三者機関などという調査の方法もあろうと思うんです。ここは明確にしていきましょうよ。これが国民が望んでいることだと思います。そして、ここを明確にしないと、安全保障のこれからいろいろな役割を遂行できないと私は思いますよ。

 大臣、もう一度再調査の指示を出せませんか、いかがですか。

小野寺国務大臣 まず、特別防衛監察という組織、これはやはり、自衛隊がオペレーションやインテリジェンスにかかわるさまざまな役目を担っているということであります、そのために防衛監察本部という独立した組織があり、そこは元高検の総長経験者、そして現役の検事、公取から入っていただき、しっかりそのための役目を果たすという組織であります。

 そして、今回は、短い期間でありましたが、監察本部約三十四名の職員が事実を解明するために徹底的に調査を行い、監察をする現場は五十部署、二百五十名を対象とし、そして、面談は延べ百四十名、アンケートは三千六百名、そして、端末に至りましては、陸自指揮システム三百台及びOAシステム三千六百台の端末をしっかり調査した、その結果で得た内容でございます。

 私は、この監察結果を、しっかり報告された内容と承知をしております。

升田委員 時間が来ました。思いの一点だけ述べて終わりたいと思います。

 今、十分だという答弁でありましたけれども、特別防衛監察、これは稲田当時の大臣が指示をしたもとでできた、それで始まったものです。七月の二十一日には稲田大臣そのものも聴取されました。大臣が指示した機関によって大臣が聴取された。国民から見ると、大臣が指示をした機関で大臣が聴取されるような流れであると、これは身の内の調査、そういう印象があるんじゃありませんか。ですから、私は、第三者機関などによる、もう一度、小野寺大臣での再調査が必要だということを申し上げました。

 以上で終わります。

山口委員長 次に、玉木雄一郎君。

玉木委員 玉木雄一郎です。

 小野寺大臣、御就任おめでとうございます。活躍を心から期待したいと思います。

 北朝鮮情勢について、まず伺います。

 情勢が緊迫してきているのではないかと大変憂慮しております。北朝鮮はグアム島周辺への包囲射撃を行うという意図を表明し、また、トランプ大統領は核兵器の使用も示唆する、相互に威嚇の応酬がエスカレートしていると思われます。

 日本の防衛大臣としてこの緊張感の高まりをどう認識しているのか、危機は差し迫っているのか、御認識を伺いたいと思います。

小野寺国務大臣 防衛省・自衛隊は、万が一のさまざまな事態に備えて、日ごろからしっかりとした体制を整えております。

 その中で、今委員から御指摘がありましたが、北朝鮮の、報道ではありますが、発言が流れております。その中には、今御指摘のような、攻撃にまつわる発言があったとも承知をしておりますし、また、トランプ大統領の発言についても承知をしております。また同時に、これはティラソン国務長官だったと思いますが、この問題についてはまず制裁で対応する、外交で解決をするというような姿勢を示されているということも承知をしております。

 私どもとしては、今、国連決議の中でしっかり、今回はロシアや中国も参加した形での経済制裁の強化ということが決まっておりますので、このメッセージを北朝鮮がしっかり受けとめ、核、ミサイル、そして、日本にとっては拉致の問題、これが解決できるようしっかり努力をしていきたいと思っております。

玉木委員 もう一度伺います。

 観光客が多くグアムに日本からも行く季節です。事態は切迫しているという認識はないということでよろしいですか。

小野寺国務大臣 先ほどお話ししましたように、防衛省・自衛隊は、いついかなるときにもしっかりとした対応、これをとる役割でありますし、同じ認識を政府一体として共有していると思っております。

玉木委員 いま一つよくわかりません。

 あわせて、北朝鮮は、火星十二号を四発、グアム周辺に包囲射撃をするということ、また、十七分十五秒飛行し、三千三百キロメートルの距離で、そして八月中旬ぐらいまでにこれを行うというようなかなり具体的な情報も発しております。伺いますが、その際、島根県、広島県、高知県の上空を通過するといった、日本の県の名称まで言及をしていると言われていますが、伺いたいのは、PAC3についてであります。

 イージス艦とPAC3の二段階で迎撃をするということで、基本的に我が国のミサイル防衛は成り立っていると思いますが、私も住んでおります四国にはPAC3が配備されておりません。これは、実は呉も含めた中国地方についてもPAC3は空白地帯になっております。もちろん、イージス艦でSM3ブロック2A等でしっかりと迎撃できればいいんですが、撃ち漏らしたとき、あるいは今回のように明確に、空白地域の上空を通過するということを明示している場合、今のように、特に四国等においてPAC3の空白地域があることは問題ではありませんか。これに対して早急な対応を打つべきだと考えますが、防衛大臣、いかがでしょうか。

小野寺国務大臣 日本における弾道ミサイル防衛システムは、一義的にはイージス艦によるSM3での防御ということになりますが、万が一それで撃ち落とせない場合は、二段構えとして、今委員が御指摘のPAC3で対応するということになっております。

 今回、北朝鮮がさまざまな発言をし、そしてまた、私ども、安全保障上さまざまな情報収集をする中で、総合的に、どこに重層的に対応すべきかということは不断の努力で対応していきたいと思いますし、さまざまな対応をこれからもしっかりとしていきたいと思っております。

玉木委員 曖昧ですね。

 多分、空自の八つの高射群で対応するということになっていますが、これは私が昔から問題意識をずっと申し上げているんですが、本当に四国は空白地域なんですよ。おっしゃったとおり、撃ち漏らしたときには実はなすすべがない。

 確かに、日本全土を見たときに、重点地域はそれぞれありますが、しかし、今回のように島根、広島、高知というような飛行経路に明らかにPAC3がないということについては、大臣、ちょっと積極的に見直しをこの際行ってはどうか。

 もちろん、予算措置も伴いますから簡単ではないんですけれども、移動式でありますから多少その配備の状況を変えるとか、そういったことをぜひ具体的に、この危機に対応して動いていただきたい、対応していただきたいと思いますが、改めていかがですか。

小野寺国務大臣 ミサイル防衛については、先ほどお話ししましたように、一義的には海上自衛隊のイージス艦で、これは日本全体を守れる、そのような体制を、私どもは努力をしております。

 その中で、撃ち漏らした場合での対応のPAC3ということでありますが、御指摘のように、PAC3、私ども、どうしても数に限りがあるということで、今般のPAC3の配備計画につきましては、平成二十八年の第三次補正予算に計上した能力向上、改修により、平成三十二年には十二個高射隊に、対処能力が向上したPAC3MSEが導入されるということになります。そして、他の高射隊にPAC3を配備することにより、全国二十八個高射隊全てが弾道ミサイル対処能力を有することになります。

 このような取り組みを進める中で、日本全国が安心できるような体制を構築していきたいと思っております。

玉木委員 ぜひよろしくお願いします。

 現実的に言うと、かなり穴があいた状況ではないかなと思っておりますので、今回のことを機に、空白地域の四国あるいは中国地方についても特段の配慮をお願いしたいと思います。

 それでは、日報問題に入りたいと思います。

 先ほど同僚議員の升田議員からも質問が多々ありましたけれども、私、今回、小野寺大臣に期待したいのは、この間高まった不信感あるいは組織の中のぎくしゃくとした状況、これをやはり小野寺大臣のリーダーシップで改め、改善し、局面展開を図ってもらいたいなと。そのためには、やはりしっかりとした情報公開が鍵だと思います。

 私は、守るべきは、前稲田大臣ではなくて、やはり自衛隊・防衛省の組織であり、彼らの士気であり、名誉であり、組織をしっかりと統率していくことが何よりの国益だと思っていますから、守るべきものを間違わないでいただきたいなと思っております。

 そこで伺います。

 先ほど来、特別監察の中身について議論がありましたが、「何らかの発言があった」など、内容が極めて曖昧なんですね。ただ、これは一部報道にあります、ちょっと持ってきましたが、例えば、監察にも多分使われたと思いますが、この手書きのメモ。お手元にも配っていますが、資料三そして四、これはテレビの画像ですけれども、書き起こしたものを資料四でつけております。

 これを見ると、何が書かれてあるかというと、資料四を見ていただきたいんですが、これは二月の十日と二月の十三日の二日間のメモでありますが、例えば、問題になっている、先ほども升田委員からありました、二月十三日十七時十五分、大臣室のやりとりの中に、大臣が、CRF、これは七月七から十二でしょうか、のもあったということと聞いたことに対して、湯浅陸幕副長が、紙はないとしか確認しなかった、データはあったかというとあったということを言っていますね。それに対して、ちょっと下に行って、稲田大臣が、あす何て答えよう、今までは両方破棄したと答えているのかと。米山、これは米山秘書官ですね、後藤君、ここにいる後藤祐一野党筆頭理事ですけれども、後藤君にもデータも破棄したと答えたということですね。こういうやりとりが克明にあるわけです。

 それを言ったという人と言わない人ということが先ほどもあって、だから認定ができなかったと。刑事事件なんかにおいては、確定できない限り、そこは認定を慎重にやるのはよくわかりますが、しかし、多分、認めた側の一つは、こういった詳細なメモ、こういうメモがあっているわけだし、きょう、実は、ここのメモに出てくる辰己当時総括官にもお越しをいただいています。

 まず伺いたいのは、辰己前総括官に伺いますが、これは監察の報告書の中にも出てくるんですが、二月の十三日そして二月の十五日、辰己総括官当時は大臣室に、大臣レクに同席していましたね。

辰己政府参考人 監察の結果報告書にあるとおり、二月十三日も二月十五日も大臣室に同席しておりました。

玉木委員 続いてお伺いします。

 先ほど、そういった、大臣に報告が上がったということを認める人も認めない人もいるということがありましたが、辰己前総括官は認めた側ですか、認めなかった側ですか。

辰己政府参考人 私自身、防衛監察本部の調査に対して誠実に協力し、聴取に対しても真摯に答えております。

 そして、その私の証言も含めて、防衛監察本部の方で多方面からの主張を総合的に勘案して事実が認定されているということでございますので、事実関係につきましては今般の特別防衛監察の結果に記述されているとおりでございますので、これ以上、私の立場から申し上げることは差し控えたいと思います。

玉木委員 質問にお答えいただいていません。

 結果はもうわかっています。ただ、その結果を積み上げていく過程において、これは監察も認めていますが、これを肯定した人と肯定しない人がいるということまでは認めていますね。だから、最後、事実関係の認定が明確にできずに、何らかの発言があった可能性が否定できないという記述におさまっています。

 辰己前総括官に改めて伺います。このメモにあるようなことのやりとりがあったこと、これは、了承を求める報告とかその辺の修飾はつけません。こういったやりとりがあったことを監察に聞かれたときに、肯定されましたか、否定をされましたか。改めてお答えください。

辰己政府参考人 先ほども申したとおり、私自身、この監察に対して聴取も受けました。その中で、真摯に私の知っていることについてはお答えをしております。

 しかし、そこの私の証言も含めて、監察本部は、先ほど来あるように、多方面からの主張あるいは事実的な書類、そういったものも含めて認定されますので事実関係がこのとおりになっているわけですので、それについてこれ以上、私の立場から申し上げることは差し控えたいというふうに思います。(玉木委員「いや、それはおかしい。答えてください。答えない理由がわからない。ちょっと時計をとめてください」と呼ぶ)

山口委員長 では、時計をとめてください。

    〔速記中止〕

山口委員長 それでは、速記を起こしてください。

 辰己さん、特別防衛監察のこの枠組みの中で、いろいろ答弁いただいているわけですけれども、改めてきちっと答弁をお願いします。どうぞ、辰己審議官。

辰己政府参考人 何度も恐縮でございますが、私自身は、この防衛監察本部に対して、聴取が行われました、それに誠実に協力し、みずからの知っていることについては真摯にお答えをしております。

 そういった私の証言も踏まえまして、一方面だけのこういう証言ではなく、多方面からの主張、あるいは客観的な資料をもとに、監察本部の方で総合的に事実関係を認定され、特別監察の報告書の七ページ下段の方にありますように、「陸自における日報データの存在について何らかの発言があった可能性は否定できないものの、陸自における日報データの存在を示す書面を用いた報告がなされた事実や、非公表の了承を求める報告がなされた事実はなかった。また、防衛大臣により公表の是非に関する何らかの方針の決定や了承がなされた事実もなかった。」ということで認定されている、こういうふうに考えております。

玉木委員 いや、この閉会中審査は、小野寺大臣、やはり真実を明らかにして、自衛隊・防衛省に対する国民の信頼を回復するのが目的で開かれているのではないですか。

 また、出せない理由ばかりを一生懸命考えるのではなくて、できるだけ、どこまで真摯に国民に説明できるのかをお互い知恵を絞ってやるという委員会にしなければ、国民の不信感は私はいつまでたっても解消されないのではないかと思います。

 辰己前総括官に改めて伺いますが、監察の文章はもう結構です。先ほど見せたように、いろいろな、大臣とのやりとりがあるということで、これを肯定したのかどうなのかということをお伺いしましたが、お答えいただけませんので、この中で、辰己前総括官自身の言葉だけ聞きます。これはさすがに御自身の頭に入っていると思いますが。

 例えば、三月十五日十七時十五分、辰己、破棄漏れがある。こうした趣旨の発言をした記憶はありますか。

辰己政府参考人 先ほども御答弁いたしましたが、私自身は、防衛監察本部の聴取、これに対して私の知っていることをお答えしてきております。そして、私の証言だけではなくて、多方面の主張、これを総合的に勘案して事実関係が構築され、この結果となっておりますので、これ以上、私の立場から申し上げることは差し控えたいと思います。

玉木委員 きちんと答えてくださいよ。明確に覚えていらっしゃるはずですよ。

 いろいろな意見があったというのは、それはそれで結構ですよ。ただ、辰己さん、あなたは、ここに名前が出てくるわけですから、そういった発言をしたかどうかは明確に覚えていらっしゃいますよね。それを答えられないということは、ないならないと言えばいいじゃないですか、このメモがそれなりの信憑性のあるものだということを逆に私は今のお答えで証明したのかなとも思いますし、なぜここまで隠すのか。隠蔽体質が問われているんですから、ここはできる限り正直に答えないと、また不信が深まります、これは。そのことを私は懸念をします。

 伺います。

 今お答えができない、それは将来の監察等への悪影響があるということだと思いますが、防衛省訓令第五十七号、「防衛監察の実施に関する訓令を次のように定める。」と定めております。この中のどこに、そういった将来の悪影響のために発言を控えなければいけない、あるいは情報公開を制限しなければならない、一体何に基づいて、どの訓令のどの条文に基づいて今答弁を拒否されていますか。お答えください。

小波政府参考人 お答えいたします。

 私、監察本部の人間が答えられないという趣旨の御発言だと理解いたしました……(玉木委員「違う、違う」と呼ぶ)違いますか。その点につきましては、訓令の中で、防衛監察本部の職員は、職務遂行に当たっては、次に掲げる事項を遵守しなければいけないと第四条第一項に掲げておりまして、その職務上知り得た情報を、みだりに他の者に漏らしてはならないという規定がございます。(玉木委員「違います、違います」と呼ぶ)申しわけございません。

玉木委員 ずらして答えています。

 私は、監察のメンバーの方の義務を聞いているのではなくて、その聴取の対象になった職員等々が、国会等で国政調査権で聞かれたときに拒否できる、あるいは拒否しなければならない理由は、法令の根拠はどこにありますか。

 時計をとめてください。

山口委員長 では、時計をとめましょう。

    〔速記中止〕

山口委員長 では、時計をまた動かしてください。

 小波統括監察官。

小波政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、情報公開法の第五条に、関係行政機関の長は、開示請求があったときは、開示請求に係る行政文書に次の各号に掲げる情報のいずれかが記録されている場合を除きということで、不開示情報が列挙されております。

 このうちの第六号として、国の機関云々かんぬんあるんですけれども、の事務または事業に関する事項であって、公にすることにより、次に掲げるおそれのある性質上、当該事務事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれのあるものについてが不開示情報に当たるとされております。

 この第六号のア、イとございまして、イに、監査、検査、取り締まり、試験、租税の賦課もしくは徴収に係る事務に関し、正確な事実の把握を困難にするおそれまたは違法もしくは不当な行為を容易にし、もしくはその発見を困難にするおそれというのが列記されておりまして、この場合、表現としては、監査でありましたり検査という表現ですけれども、これは例示とされておりまして、この中に監察も入るというふうに従来から解しているところでございます。

玉木委員 それは情報公開法に基づく取り決めであって、ここは国会で、政府の職員として来てですよ、いろいろなことにできるだけ答えてください、我々も国政調査権に基づいて聞いているわけですから。それは根拠にならないと思いますよ。

 だって、事実としてそういう発言があったんですか、なかったんですかと、御自身のみの発言についての有無、記憶の有無、これを聞いているんです。それを答えられない理由がわかりません、私には。少なくとも、積極的に説明しようと思ってここに来られているんでしょう。違うんですか。またできるだけ隠そう隠そうということでここに来られているんですか。残念でなりませんね。

 監察に伺います。この手書きのメモについてもう一度伺いますけれども、これは怪文書ですか。

丸井政府参考人 お答えいたします。

 七月二十五日に報道された手書きのメモにつきましては、どういった経緯によって入手されたものか明らかでないため、その真贋や作成経緯についてお答えすることは困難でございます。

玉木委員 七月二十八日に、長時間かけてこの特別防衛監察についての記者レクをやっていますね。一時間ぐらい間に休憩を入れて、五、六時間やっていましたよね、たしか。(小波政府参考人「二十七日」と呼ぶ)ああ、二十七日ですか。その際に記者からこう聞かれています、メモについても陸自以外の人でも肯定している人がいるのか、あるいはそういうメモに基づいた発言があったと肯定する人はいるのか、こういう質問に対して、陸の人以外にも肯定されている人はいると答えています。明確に答えています。

 監察にこのメモを使って、つまり聴取するときに、こういう発言がありますけれどもどうだということに、監察にこのメモは、では使用されていますよね。

小波政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま、メモそのものについては丸井副監察監がお答えしたとおりでございますが、他方、このメモの関係につきましては、七月の中旬以降下旬にかけまして累次、報道機関等によって報道されたところでございます。その内容につきましては、既に私どもも、手書きのメモの、少なくとも、その来歴はともかくといたしまして、内容については了知いたしまして、この件につきまして、同じく今焦点になっております二月十三日の具体的な事実関係の確認のために関係者に確認を行い、また、それ以外の収集したさまざまな資料等によっても分析したところでございます。

 それらを総合的に分析した結果、先ほど来るるお示ししているような、関係者の証言が一致しないというふうな状況でございまして、今回の私どもの防衛監察の結果報告になったところでございます。

玉木委員 これは森友学園、加計学園でも共通なんですけれども、資料が明確に出てきたものは、それが何だかよくわからないと言って否定をし、逆に、文書で明確にない方を取り上げて、それで、文書がある側が、あたかも間違っている、あるいは正確ではない、信用できないというのは、私は間違っていると思いますよ。文書のある方がやはり一義的に信憑性があるんじゃないですか。

 では、改めて伺いますけれども、これは全く、このメモというのは手帳だと思いますね。ある方の手帳ですよね。ワープロで打てば、それを何かこう直したりして改ざん、修正等は可能かもしれませんけれども、これほど克明に読める手帳は、かなりこれはしっかりした内容ですよ、しかも。これは相当信頼性の置けるものだと思いますし、監察において重要な参考資料になったことはお認めになりますね。

小波政府参考人 繰り返しになりますけれども、七月の中旬以降種々報道等に掲げられたものにつきましては、私どももその内容を了知いたしまして、本件の事実関係の確認を行ったところでございます。

 個々の資料等についてつまびらかにすることは差し控えさせていただいておりますけれども、今お話がありましたように、私どもの方といたしましても、少なくとも、このメモに記されております内容につきましては、今回、関係者の方々に事実関係の確認の際に使用させていただいたところでございます。

 ただ、いずれにいたしましても、繰り返しになりますけれども、今回私どもが本件の確認に使用いたしました資料ですとか証言というのは大変膨大なものがございまして、それらの証拠等を総合的に勘案し、関係者の証言等についても各種検討した結果、やはり、この調査報告を提出する段階におきましても、先ほど来繰り返しになりますけれども、記憶が曖昧な方もおられたり、証言が変遷される方もおられ、また、そういうふうな証言があったような気がする、あるいはそういう証言はなかったというような、非常に証言が一致しないというふうな状況にございました。

 その上で、繰り返しになりますけれども、私どもの仕事というのは、こういう大変交錯した事実関係をどのように確認していくのかという仕事をしておりますので、このあたりのところは、やはりこの時点、私ども特別防衛監察を実施し始めました三月の十七日の時点においてもう既に、この問題になりました会議が行われた二月十三日から一カ月以上も経過している。しかも、この時点でかなり累次、多くの会議が開かれておりまして、これらについてなかなか、個々人の御記憶等も含め、完璧に、かえって、照合するというのは非常に難しい事情にあるということも御理解いただく必要があるかなと考えております。

 いずれにいたしましても、私どもとしては、与えられた資料を、できる限りの努力をいたしまして確認に努めた結果、今のような証言が分かれたままの状況ということを確認いたしまして、今回のような記述ぶりになったというところでございます。

玉木委員 記憶が乏しくなるからメモが大事なんですよ。記憶に頼るのか、明確なメモが残っているんだったら、どっちを信用しますか。

 否定しているのは大臣だけなんじゃないんですか。大臣と秘書官だけなんじゃないんですか。あとはみんな、明確な記憶なり、しっかりとした証言をされているんじゃないんですか。そこをきちんと出してもらいたいんですよ。

 それで、大臣にお願いしたいのは、今回、監察が最終的にまとめるに当たっていろいろな証言もとっていますが、大事な情報が一つあるんですね。それは、陸自からの報告書です。陸自からの報告書があって、それを、まず陸の報告書と、それと統幕や内局や、それぞれ主張対比表をつくって、これを監察は比較検討しています。明確にこれはあります。ですから、それを、大臣、しっかり調べていただいて、まず陸自からの報告書、そして当該手書きのメモ、そして主張対比表というものがあります。陸自、統幕、内局、もう一つ、四つ、四段表ぐらいの対比表がありますので、それを提出してください。

 最終的にいろいろな意見があってこの監察結果になったということは、百歩、認めますよ。ただ、どういう主張があったというところまで我々、知る必要があるし、知る義務があります、これは。ですから、大臣が指示をして、今私が申し上げた陸自報告書、手書きのメモ、主張対比表、こうした関連の書類を、ぜひ公開、あるいはこの委員会に提出をいただきたいと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。

小野寺国務大臣 監察本部、今回、特別防衛監察の結果が出ましたが、その本部の結果をまとめる過程におきまして監察本部の監察において入手した資料等については、今後、同種の事案において、監察対象機関から監察手法を類推され、対策を講じることを容易にするとともに、当該資料を提出することで監察対象等が監察への協力へのちゅうちょをするなど、監察業務に支障を来すおそれがあることから、開示することは困難だと思っております。

 なお、仮に、監察において入手した資料が情報公開法に基づく開示請求を受けた場合でも、防衛監察は情報公開法第五条第六号イの監査に当たり、一般的に監察の過程で得られた情報は不開示情報に該当するものと考えております。

玉木委員 大臣に期待していたんですけれども、前大臣の隠蔽体質まで引き継いじゃだめなんですよ、大臣。ここで明確に明らかにすれば、前大臣の答弁が虚偽答弁だということが証明されるかもしれませんが、組織は私は守られると思いますよ。

 だから、何を守るのかということをもう一度ぜひ考えていただいて、国益に合致した判断をされることを強く求めて、質問を終わりたいと思います。

山口委員長 次に、後藤祐一君。

後藤(祐)委員 民進党の後藤祐一でございます。

 玉木議員も予定していて、今、途中がかなり時間がかかっちゃったものですから、ちょっと別な話を先にやりたいと思います。

 きょう、ふくだ内閣府副大臣にお越しいただいていますので、江崎鐵磨沖縄北方大臣、日米地位協定、これについて見直すべきだという御発言をされた、これについての真意をぜひ聞きたかったんですが、与党の反対でお越しいただけません。

 これについて少し御紹介申し上げますと、八月八日の閣議後会見では、やっぱり日米地位協定、もう少し見直さないととおっしゃった。その同じ日、翁長沖縄県知事との会談で、今後ともアメリカに対して言うべきことは言い、目に見える改善を一つ一つ積み上げていく中で、日米地位協定のあるべき姿を追求していくべきだという気持ちを述べたと答弁を修正しておられます。その後、言葉足らず、舌足らずの面があったというふうにもおっしゃっておられますが、これはそもそも最初の方の閣議後会見の方が正しいんじゃないんですか。

 つまり、本来は、日米地位協定は見直すべきだけれども、なかなかアメリカが反対していて実現しない。それはそれで、交渉のなかなか難しい面を物語っているわけですから、そもそも見直すべきでないというのはおかしな話で、見直すべきではあるんじゃないんですか。でも、見直すべきだと言ってできないと、なかなかその交渉能力が問われてしまうので、役所からすれば見直すべきだということは言ってほしくない。だけれども、政治家としては、見直すべきだけれども、なかなかアメリカがかたいんだという言い方がむしろ正しいんじゃありませんか。

 この江崎大臣の、むしろ最初の発言の方が正しいんじゃないかということをきょう聞きたかったんですが、どうしてもお越しいただけないので、ふくだ副大臣、きょう、地震もありました中、お越しいただきましてありがとうございます。これについては、江崎大臣にその真意を確認した上で御答弁いただくよう、きのう通告しております。いかがでしょうか。

ふくだ副大臣 御答弁申し上げます。

 日米地位協定につきましては、江崎大臣から八日の午前の閣議後の会見で発言がありましたが、その発言の趣旨といたしましては、地位協定につきましては、安倍政権のもとで二度にわたりまして大きな見直しを行っています、今後とも、アメリカに対して言うべきことは言い、目に見える改善を一つ一つ積み上げていく中で、日米地位協定のあるべき姿を追求していくべきではないかというような気持ちを申し上げたということを大臣に確認させていただいております。

後藤(祐)委員 小野寺大臣に伺いますが、政治家と官僚は違うと思うんです。官僚は、今ある事実ですとか実現できそうなことから逆算して目標設定します。ですが、政治家は、国民に対してこうあるべきだと。特にこの地位協定については、沖縄はもちろん、ふくだ副大臣も神奈川ですよね、私も神奈川です、基地が大変多い県でありますが、大変問題なところがいっぱいある。本来見直すべきだけれども、なかなか難しい状況にあるということで、私、政治家としてはいいと思うんです。

 小野寺大臣、このつまらない役人答弁を政治家が繰り返すんですか。見直すべきなんだけれども、これからも交渉を頑張っていく、そういう言い方で言えませんか、大臣。

小野寺国務大臣 私ども、政治の立場だけではなくて、政府一体として、この米軍の基地を含めたさまざまな課題については、日々さまざまな御意見をいただいて、そして少しでもその住民の皆様初め関係者が安心できるような体制をつくっていくということ、これが大切だと思っています。

 ただいまふくだ内閣府副大臣からお話がありましたが、政府も累次にわたってこの努力を続け、少しでも改善ができるような努力をしていると承知をしております。

 私どももこれから、さまざまな不安の声をしっかり受けとめて、米側に対して、政府としても誠心誠意対応していきたいと思っております。

後藤(祐)委員 残念ですよね。政治家が官僚化しているという感じがするんですよね。やはり、あるべき方向を示して、むしろ官僚を統率していくというのが、特に小野寺大臣はいろいろなことをわかっていらっしゃる大臣なんですから、少し方向性を示したスタンスであっていただきたいなと思います。

 ふくだ副大臣、これだけでございますので、結構でございます。

 それでは、自衛隊の話に移りたいと思いますが、まず、七月の九州北部豪雨で大変な被害が出ました。犠牲になった方にはお悔やみを申し上げますが、自衛隊員が、それこそ大変な危険を冒して人命を救ったりあるいはその後の復興に努力をされておられる、このことに敬意を表したいと思いますし、感謝を申し上げたいと思います。

 その上で、北朝鮮の話を最初に少しだけ確認したいと思いますが、先ほど玉木議員もありましたが、島根、広島、高知の上空を通過するという話が北朝鮮から示されておりますが、火星十二号が四発同時に発射され何らかの理由で距離が足りずに日本に落ちてくる場合、撃ち落とせますか、防衛大臣。

小野寺国務大臣 私どもは、さまざまな事態に対してしっかりとした対応ができるように、常に防衛体制を整えております。

後藤(祐)委員 あと、グアムを狙っている場合、ロフテッドで撃つと日本に落ちるし、ロフテッドでなく普通の撃ち方をするとグアムに届く。撃った段階ではどっちに行くかわからない可能性があるわけです。

 今の日本の持っているものでは、残念ながら、グアムに届くような高度の場合、撃ち落とすことはできません。SM3ブロック2Aが配備されない限り無理だと聞いておりますが、このSM3ブロック2Aがもうすぐ配備される予定であります。

 配備された状態になった場合、グアムに向かうミサイルを日本は撃ち落とすことができるのでしょうか。これは法的に可能でしょうか。集団的自衛権の行使に当たる可能性もあります。お答えください。

小野寺国務大臣 ただいまの御指摘でありますが、これはいわゆる三要件の問題に触れる話だと思っております。

 私ども、今回、安保法制の中で、新しく、新三要件を満たす場合に関してはさまざまな対応ができるということになりますので、その三要件に合致するかどうかが判断の基準になると思っております。

後藤(祐)委員 そうしますと、存立危機事態が認定できる可能性があるということでしょうか。

小野寺国務大臣 具体的なことでお話をする内容ではないと思いますが、これが我が国に対する存立危機事態になって新三要件に合致するということになれば、それは対応できるということになると思います。

後藤(祐)委員 もしその場合には国会承認が必要ですから、しかも、撃った場合にはもう本当に緊急で間に合いませんから、ぜひここではっきりしていただきたいと思います。

 グアムに向かうミサイルをSM3ブロック2Aで撃ち落とすことができるかどうかについては、今、できる可能性のある答弁がありましたが、もしできるとした場合、存立危機事態は、「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態」の場合に認定ができるわけですが、これにより、すなわち、北朝鮮のミサイルがグアムを攻撃することによって我が国の存立が脅かされるというのは、どういう因果関係でそう言えるのでしょうか。

小野寺国務大臣 今個別のお話をされておりますので、個別具体のお話は差し控えさせていただきますが、一般的に言えば、日本とアメリカの役割分担というのがあり、そして、日本は防衛に関しては盾の役割、これはしっかり、来たものに対して守り、防ぐということになります。そして、逆に、その攻撃される相手に関して、しっかりとした打撃力を持って抑止力を高めるという役割、これは米側の役割ということになります。

 この役割両方があって日本の抑止力が高まるということを考えますと、日本の安全保障にとって米側の抑止力が、打撃力が欠如するということは、これは日本の存立の危機に当たる可能性がないとは言えない。いずれにしても、この三要件を満たす内容で判断されるものだと思っております。

後藤(祐)委員 存立危機事態を満たすことがないとは言えないというのは非常に重要な答弁だと思います。

 その上で、重要影響事態はどうでしょうか。八月八日、F2戦闘機が九州周辺上空で米軍のB1B戦略爆撃機と共同訓練を行っています。このB1Bは、その後、朝鮮半島に向かって韓国のF16戦闘機とも訓練を行っています。つまり、アメリカの飛行機が北朝鮮を攻撃するときに、日本がこれを後方支援する、重要影響事態を認定して後方支援を行うということはあり得るんでしょうか。

小野寺国務大臣 具体的な想定でのお話をする状況ではないと思います。いずれにしても、総合的な事態を勘案する中で、どの事態と判断するかというのは、政府全体で共有していきたいと思います。

後藤(祐)委員 これも先ほど申し上げましたけれども、重要影響事態も国会承認が必要なんです。

 ですから、実際に訓練を行っていて、実際、北朝鮮があれだけ危険な発言をしている中で、同じようなことが起きた場合に、それが法律上どういう扱いになるのかということについて、今せっかく閉会中審査で国会でやっているのに、我々は、それを認めるのか認めないのかということについて議論をすべきだと思いますよ。

 実際に本当にそうなった場合には、国会を開いてそんなことをやっている暇はないわけですから、事後承認になっちゃうわけですから、今せっかく事前の議論の場があるんですから、きちんとお答えいただけませんか、防衛大臣。

小野寺国務大臣 今、後藤委員の御質問の中で重要影響事態ということがあります。これは、「そのまま放置すれば我が国に対する直接の武力攻撃に至るおそれのある事態等我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態」ということであります。このような事態認定というのは、総合的なことを勘案して判断するものと思っております。

後藤(祐)委員 今これだけ具体的な話があって、訓練がおとといあって、今審議があって、お答えしないということになると、今のような事態というのは必ず事後承認になっちゃうじゃないですか。これは国会に対する冒涜ですよ、大臣、これだけ具体的な話が起きているのに。安保法制でケースの当てはめの議論をしているんじゃないんですから。既に通った安保法制を適用するかしないか、しかも、具体的に、物すごく起きそうな、訓練までしている話についてケースの当てはめができないというのは、国会で事前承認について、事前なんてあり得ないじゃないですか、それじゃ。事後承認しか認めないと言っているのと同じじゃないですか。おかしくありませんか、大臣。

小野寺国務大臣 個別具体な事例について、これがああだ、これがこうだということを発言するということよりは、むしろ、その事態ということをしっかり認識していただくことが重要だと思っております。

 ある事態が重要影響事態に該当するか否かについては、その事態の規模、態様、推移等を総合的に勘案して、個別具体的に判断するものであるため、一概に申し上げることは困難であります。

 その判断要素について具体的に申し上げれば、実際に武力紛争が発生しまたは差し迫っている等の場合において、事態の個別具体的な状況に即して、主に、当事者の意思、能力、事態の発生場所、事態の規模、態様、推移を初め、当該事態に対処する日米安全保障条約の目的の達成に寄与する活動を行う米軍及びその他の国際連合憲章の目的の達成に寄与する活動を行う外国の軍隊等が行っている活動の内容等の要素を総合的に考慮し、我が国に戦禍が及ぶ可能性、国民に及ぶ被害等の影響の重要性等から、客観的かつ合理的に判断することとなると考えております。

後藤(祐)委員 事前承認はもうないというような答弁ですよね。官僚答弁を朗読する大臣は一人だけにしてほしいと思いますが。

 敵基地反撃力についてもお聞きしたいと思いますが、配付資料の十三ページ、小野寺大臣のお言葉ですと敵基地反撃力について、何度か発言がございます。

 八月三日の小野寺大臣の就任会見では、これから防衛省・自衛隊としてしっかりさまざまな提言を行っていくことと承知しているとお答えになりました。

 同じ日の臨時記者会見では、引き続き弾道ミサイル対処能力の総合的な向上のための検討を進めてまいりたい、そのように思っておりますと、やや広げた形で、ちょっと後退した表現になりました。

 ところが、八月四日の報道各社のインタビューでは、敵基地攻撃能力保有に関し、何をなすべきかの観点から検討すべきだと。これはちょっと捉えようがいろいろありますが。

 ところが、八月六日の安倍総理の広島での発言で、現時点で保有に向けた具体的な検討を行う予定はないと、水をかけたような発言が総理からありました。

 小野寺大臣は、自民党におられるときに、党としてのこの敵基地反撃力を持つことを検討すべきだという提言をまさにまとめられた座長でもありました。

 この総理の発言は、相当後退させたもののように思いますけれども、現時点でこの敵基地反撃力を持つべきかどうかについて、特に、来年には中期防が始まります、そして、防衛大綱の見直しも総理から指示がありました、この防衛大綱の中に盛り込むのかどうかという可能性も含めて、御答弁ください。

小野寺国務大臣 いわゆる敵基地攻撃につきましては、憲法上、攻撃を防ぐのに万やむを得ない必要最小限の措置をとることは、自衛の範囲に含まれ、可能とされてきました。

 このような能力については、我が国は米国に依存しており、現在、自衛隊は敵基地攻撃を目的とした装備体系を保有しておらず、また、保有する計画もありません。

 自民党の検討チームの提言では、日米同盟の全体の総合力で対処する方針を維持した上、日米同盟の抑止力、対処力の一層の向上を図るため、そうした能力の保有の検討も提言をいたしました。

 八月六日、安倍総理は、もとより、我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しくなる中、国民の生命と財産を守るため、何をなすべきかという観点から、常に現実をしっかり踏まえながら、さまざまな検討は行っていくべきと考えておりますが、現時点において、敵基地攻撃能力の保有に向けた具体的な検討を行う予定はありませんと御発言されました。

 防衛大臣としては、総理が示された考えの中で、弾道ミサイル対処能力の総合的な向上のための検討を進めてまいりたいと考えております。

後藤(祐)委員 後退しちゃいましたね。選挙があるからですかね。非常に残念です。

 ところが、中期防は来年からですから、防衛大綱の見直しも明確な課題になったわけですから、もしこれを本当にやるんであれば、この中期防と防衛大綱の中に入れなければ、完全にツーレートになっちゃいますよ。そんなに時間はありません。

 今の、現時点で具体的な検討を行う予定がないというのは、ちょっとブレーキをかけ過ぎの表現だと思います。ぜひここは、小野寺大臣、今までの思いがあった、与党の先生方でも大きくうなずいていらっしゃる方がいらっしゃる、小野寺大臣のリーダーシップが問われるんではないかというふうに思います。

 それでは、南スーダン日報の話に行きたいと思います。

 まず、辰己総括官、先ほど答弁を拒否した、二月十三日の大臣室でどうおっしゃったんですかということについてはお話を差し控えるという答弁をされましたが、その根拠として、情報公開法五条六号の不開示理由に当たるからというお話が、副監察監ですかね、監察側の方からありましたが、その理由で答弁を差し控えたんですか。総括官に伺います。

辰己政府参考人 まず、私自身、この防衛監察については、誠実に協力をし、そして聴取に対しても、私の知っていることは真摯にお答えをしてきております。

 そうして、この私の証言も含めて、防衛監察本部の方において、一方面だけの主張ではなくて、多方面からの主張を総合的に勘案して事実関係を認定し、今般の防衛監察結果が出ております。

 したがって、そういう私の証言というのはいわば途中経過でございますので、こういうことを述べるということは、まさに情報公開の五条六号イの監査に当たって、一般的に、監査の過程で得られた情報は不開示情報に当たるというふうに考えております。

後藤(祐)委員 情報公開法五条六号の不開示理由を理由として、二月十三日の大臣室のやりとりがどうであったかということを、この国会での答弁を拒むことができるのであれば、どんなことが起きたって特別防衛監察をしてしまえば国会での答弁を拒否できるということだと考えてよろしいですか、小野寺大臣。

小野寺国務大臣 監察の結果、全体としてこれは報告書としてまとめられ、私どもはそれを承認しているということであります。

後藤(祐)委員 お答えになられておりません。

 二月十三日の大臣室でのやりとりについて、情報公開法五条六号を理由に、特別防衛監察における聴取なんかがやりにくくなるですとか、そういったことを理由に答弁を差し控えることができるのであれば、今後、いろいろなことが起きたときに、特別防衛監察をしてしまえば国会での答弁は全て差し控えることができてしまいますが、それでよろしいんですか、大臣。

小野寺国務大臣 監察というものの性質なんだと思います。

 もし、今回、個人のさまざまな証言について、それを公表するようなことが前提となれば、むしろ、監察の場合に、それぞれの証人、参考人が、その公開をある面では配慮し、正確な答えをしないというおそれもあります。

 私は、監察という性質のものは、そこで監察官に話す内容は、これは正確で正直なものでなければならないと思います。であれば、むしろ、その内容については、監察の性格上、入手した個々人の発言内容など監察結果の詳細を公にしないという前提は、それなりに妥当なものだと思っております。

後藤(祐)委員 質問にお答えになられておりません。

 今後、いろいろなことが起きた場合、特別防衛監察をしてしまえば、その途中の段階での、どういうやりとりがあったかは国会で全て答弁を差し控えることができるということでよろしいですか、大臣。

小野寺国務大臣 国会にはさまざまな調査を行った結果として特別防衛監察という結果を報告し、そしてここで誠心誠意私どもはお答えをさせていただいていますので、それが国会での審議ということになるんだと思います。

後藤(祐)委員 この特別防衛監察の正当性が今さらされているんですよ。

 少なくとも我々は、二月十三日に、これだけのメモが出てきて、言った、言わない論で、複数それぞれいる。ところが、物証が出てきて、でも、この物証に従った事実認定はされていない。真相は明らかになっていない。であれば、シビリアンコントロールの一環をなすこの国会でもってその真相を明らかにすべきだと思います。

 大臣、まず、シビリアンコントロールの一環として国会があるということ、そして、国会がこういった真相究明を行うことはあるべき姿だと思いますが、これについてどう思いますか。

小野寺国務大臣 私ども、特に防衛省・自衛隊は、シビリアンコントロールということを胸に刻んでさまざまな部隊運用をすることが大切だと思っております。

 そして、国会の場というのは大変重要な場ですので、私どもは誠心誠意それに対してお答えをする、そのような責務があると思っております。

後藤(祐)委員 特別防衛監察の正当性が問われているときに、国会がシビリアンコントロールの一環としてこの真相究明をしているときに、先ほどの辰己総括官の、答弁を差し控える、これでは国会のシビリアンコントロールを働かせようがないじゃないですか。どうやってやればいいんですか。

小野寺国務大臣 私どもとしては、今回、防衛監察本部のまとめた報告書、そして、それがまとめられる過程で、さまざまな幅広い調査を行う上でしっかりとした結果をまとめて、今回、国会そしてまた国民の皆さんに御報告をさせていただいているということであります。

 今委員の方でさまざまな御疑念があるというお話ではありますが、この特別防衛監察は、さまざまな今回幅広く調査した内容を集約して、最終的には、高等検察官の、検事経験者である防衛監察監と、それから現職の検事また公取の関係者等、公正な形でまとめられたものと私どもは受けとめております。

後藤(祐)委員 残念ですね。

 この二月十三日の大臣レクの模様の手書きメモは、先ほど、報道で流れた内容については承知しているという事務方からの答弁がありましたが、私は事前通告で、まずこれを大臣に見せておくようにというふうに申し上げていますが、もしこの手書きメモが存在するんだったらそれを大臣に見せておくようにということを言ってありますけれども、大臣、まずこの手書きメモ、手書きメモそのものか、あるいは報道されたものか、どちらかをごらんになっていますか。

小野寺国務大臣 報道で出されたいわゆるメモというものは承知をしています。

後藤(祐)委員 私は、事務方に対して、この手書きメモが存在するのであれば大臣にきちんと見せるようにと申し上げましたが、今、大臣は手書きメモではなく報道で見たということは、手書きメモは存在しないということですか、事務方。

丸井政府参考人 お答えいたします。

 監察本部が入手した資料の逐一につきましては、お答えを差し控えさせていただきます。

後藤(祐)委員 だから、お答えできないのはわかっているから、我々は本当に手書きメモが存在するのかしないのかわからないから、もしあるのであれば大臣に見せておくようにと私は通告で言っています。でも、大臣は見ていないんですよ。

 もう一回聞きます。大臣、手書きメモの方は見ていませんか。

小野寺国務大臣 報道で知っております。

後藤(祐)委員 ちょっと微妙な答弁です。手書きメモは見ていませんか、手書きメモについて聞いております。

小野寺国務大臣 今御指摘のは報道で出た手書きメモということでしょうか。それは報道で見たものであります。

後藤(祐)委員 質問に答えてください。

 報道で見ただけでなく、報道で示されたこの二月十三日の大臣レクの模様の手書きメモそのものを文書として大臣は見ておりますか。

小野寺国務大臣 報道以外では見ておりません。

後藤(祐)委員 そうしますと、手書きメモが存在するなら大臣に見せるようにと私は通告していますが、この手書きメモは存在しないということになりますね。あるいは、存在するのに大臣に見せなかったということ、どっちかですね。

 大臣、こんなところで、本当に隠蔽するんですか。だって、内容的にはもうわかっているわけじゃないですか。大臣の特例でぜひこの実物を出してください、もう内容的には見えているんだから。委員会に提出していただくよう、大臣、約束いただけませんか、もう一回、あるのかないのかはっきり言わないんですから。というか、なかったことにしているんですか。

 まず、では、聞きましょう、今の事務方の説明であれば、なかったことになります。とすれば、大臣、これは誰かが捏造したとお思いですか。

小野寺国務大臣 私は、内容について報道で知っておりますので、特別防衛監察の中でこの報道を踏まえてしっかり確認をしているのかということは監察本部の方にはお話をしました。先ほど来、監察本部の報告の中で、報道で出ていることも踏まえて今回の報告書をまとめたというふうにお話がありましたので、今回のこの報道について、当然それも踏まえて監察本部は報告書をまとめたんだと思っております。

後藤(祐)委員 質問に答えておりません。

 事務方の答弁によれば存在しなかったことになってしまうんですが、もし存在しないとすると、これは誰かが捏造したことになりますが、捏造したとお思いですか、大臣。もしそう思わないのであれば存在するということになりますが、どちらですか。

小野寺国務大臣 報道で出たメモというものに関しては、内容がはっきりしているわけではないので、ただ、大切なのは、そこに書かれている内容、これも報道で出ておりますので、多くの国民の皆さんがこの内容についてどうなのかという疑念を持たれている、それは事実だと思います。それも踏まえて特別防衛監察の方で、さまざまな調査を行い、そして最終的に今回の結果になったと私どもは理解をしております。

後藤(祐)委員 お答えできない。

 徹底的にこの手書き文書が存在するのかしないのかを新大臣として小野寺さんはちゃんと調べていただいて、あった場合にはこの委員会に提出いただけますか、約束してください。調査をすること及びあった場合には提出すること、両方お約束ください、大臣。

小野寺国務大臣 私は、きょうこうしてお話をさせていただくのは、特別防衛監察の結果がまとまり、その中で、さまざまな幅広い調査の中で、最終的に意見を聞いた中でこういう結果になったということでありますので、それが私は今回議論されている中心の議論だと思っております。

 今、報道で出たメモの内容について御指摘があったと思いますが、その内容も踏まえて監察本部は今回の結果をまとめたというふうに私は承知をしております。

後藤(祐)委員 では、小野寺新大臣としては調査はしないということですね。この手書きメモの存在があるのかないのかについて調査しないということですね。

小野寺国務大臣 今回のこの委員会での御審議に当たって、私ども、特別防衛監察についての報告をしっかり受けて、そして答弁に立っております。今後とも、やはり今回起きた事案に関しての対策はしっかり対応していきたいと思っております。

後藤(祐)委員 調査しないということですね、はっきりお答えください。あるいは調査をするのか、どっちかお答えください。

小野寺国務大臣 既に監察の中に、いわゆる報道で出されたとするメモの内容が反映された今回の監察結果となっておりますので、それに尽きるのではないかと思います。

後藤(祐)委員 小野寺大臣としての調査はしないという御答弁でございました。隠蔽大臣じゃないですか、小野寺大臣も。稲田大臣が隠蔽大臣だった。稲田大臣は、済みませんでした、答弁を間違えていましたと言って、謝ってやめればそれで終わったんですよ。それをしないでいいかげんなやめ方をするから小野寺大臣が大変なことになっちゃった。そしてまた隠蔽大臣ですよ。

 何か底打ちをしないと。特別防衛監察の内容が変えられないのであれば、新たに、稲田元大臣にこの場に来ていただくとか、あるいはこのメモをちゃんとこの場に出してもらうとか、あるいは陸自の報告書、これは私は情報公開請求して、特別防衛監察の最中なので出せないという答えをいただいていますが、これを出すとか、何らか、さすが小野寺大臣、稲田さんとは違うねということの一つぐらいやってみたらいかがですか、大臣。

小野寺国務大臣 後藤委員は、この日報問題に対してこの安保委員会で一番初めから質問をされ、そして最終的に防衛省・自衛隊としてこのような大きな問題があったということにつながったことなんだと思っています。そして、それを踏まえて私どもは今後の改善点をしっかり対応する、それが防衛省・自衛隊の役割だと思っております。

 今御指摘の報道にあるメモということでありますが、そのメモの内容も踏まえて事情聴取を行い、幅広く調査を行い、最終的に今回の監察結果になったというふうに私ども承知をしていますので、少なくても、このメモについて、持っているさまざまな疑念も踏まえて、監察本部はしっかり監察をまとめたと私は承知をしております。

後藤(祐)委員 稲田大臣は出さない、手書きメモは出さない、陸自の報告書は出さない。稲田大臣と全く同じじゃないですか。だったら隠蔽大臣ですよ、小野寺大臣は。

 存在が明確になっているものが一つあります。今言った三つ目の陸自の報告書、読まれましたか。これは通告しています。

小野寺国務大臣 陸自の報告書本体という形では特に読んでおりません。監察本部から、全体としての報告ということで受けております。

後藤(祐)委員 この陸自の報告書の存在は監察も認めているんです。ちゃんとそれは大臣に上げておくようにと、これは通告しています。何で読まないんですか。

 一つの断片的な意見かもしれませんが、ある当事者、特定の一人じゃありませんよ、陸自としての報告書なんですから、陸自としての見解はこうなんだなということを知る上で、大臣は知るべきじゃありませんか。陸自の報告書を何で読んでいないんですか。

山口委員長 小波統括監察官。(後藤(祐)委員「大臣に聞いています。大臣が読んだかどうかの質問を何で彼が答えられるんですか」と呼ぶ)先に答えてください。

小波政府参考人 済みません。

 まず、事務方の方から事実関係を御説明いたします。

 先ほど来、大臣の方からも御説明がございましたように、大臣御着任後、私ども防衛監察本部に対して、直ちに特別防衛監察の結果等について説明の要求がございまして、私ども御説明を差し上げたところでございます。

 そのときに、当然のことながら、調査報告書の内容と、それの前提となります、ただいまの、先生は陸自の調査報告書だけを例示として取り上げられておられますけれども、実は同じようなものが各機関から、それぞれの考え方、事実関係のものが出てきておりまして、それらは当然のことながらなかなか一致はしないというふうなものをどういうふうな形で取りまとめていったか等々も含めまして、詳細に御説明を差し上げたところでございます。

 その過程をしっかりと御理解いただいた上で今回の特別防衛監察の全体についての御説明というふうに私どもは承っておりますので、事実関係としては以上のようなところでございます。

後藤(祐)委員 大臣、何で読んでいないんですか。これは存在を認めているんですよ。しかも私は、大臣にちゃんとそれを渡しておくようにと言ったんですよ、事前に。何で大臣は読まないんですか。

小野寺国務大臣 今、監察本部からお話がありましたが、まず、大臣につきまして、この監察結果について報告を受けました。その際に、多方面にわたるさまざまな資料があり、さまざまな証言が多数あり、アンケート結果もあり、相当数の資料がございます。監察本部としては、その内容について、それを踏まえて私に報告があり、私は、それを詳細に、質問しながら確認をしたということであります。

 お尋ねの、陸自の資料だったでしょうか……(後藤(祐)委員「報告書」と呼ぶ)報告書でしょうか、それもたくさんの資料の中の一つとして、それを踏まえて監察本部は私に説明をしたと承知をしております。

後藤(祐)委員 これから読むつもりはありませんか、陸自の報告書を。

小野寺国務大臣 私は、監察本部の結果に全て反映されていると承知をしております。

後藤(祐)委員 陸自の報告書を読まないんですか。これは存在を認めているんですよ。いいじゃないですか、いろいろな当事者の意見を聞いたって。陸自がまとめたんですから、それは相当な数の方の意見を踏まえたものですよ。それでバランスがとれないんだったら、別の意見の方の意見も聞いたらいいじゃないですか。

 つまり、自分の代ではもうその話は終わった話だから、余り、それ以上真相は調べたくないということですか、大臣。

小野寺国務大臣 委員にお答えをいたしますが、今回の特別防衛監察をするに当たっては、相当広範囲のアンケートを行い、相当多数の資料を収集し、相当多数の方々から直接お話を聞き、そして、調べたパソコン端末も相当数になっております。それだけ慎重に、しかも、その調査に当たったのが高検検事長経験者の方、そしてまた、他省庁からではありますが検察、公取から入っていただいて、相当な、綿密な調査をしていただいたんだと思っています。

 その結果出たのが今回の結果でありますし、しかも、その結果に合わせて多数の省内での処分も行っております。大臣も、事務次官も、そして陸幕長も辞任をしています。

 今回のこの防衛監察の結果がいかに防衛省・自衛隊にとって重いものかということ、それを私ども胸に刻んでおりますので、決して軽々な形でこの場に臨んでいるのではないということを御理解いただきたいと思います。

後藤(祐)委員 存在しているものを何で読まないんですか。

 この防衛白書、まず、この南スーダンの日報について扱っていない。これ自体、もうとんでもない話ですよ。国民がこれだけおかしな話だとなっているのに、防衛白書の中に全く触れられていない。まあ、ことし六月までのテーマについて扱うということで、特別防衛監察が出てきたのは七月だから間に合わなかったという理由のようでございますが、だったら、こういうことが問題になって、それを特別防衛監察で今真相を究明中です、その詳細については来年の白書でより詳しい分析をしますということを書けばいいじゃないですか。

 そのことを問われた小野寺大臣は、冒頭の巻頭言、こういうところは大臣がかわってもちゃんと書くんですよね、その中で、「より一層規律正しい精強な組織の構築に邁進し、国民の皆さまの防衛省・自衛隊への信頼を確固たるものにすべく努めてまいります。」と。

 陸自の報告書すら読まない、どうやって国民の皆様の防衛省・自衛隊への信頼を確固たるものにすべく努めてまいるんですか。せめて陸自の報告書を読んでくださいよ、大臣。

小野寺国務大臣 防衛白書につきましては、六月末での、締め切った形での、かなり膨大な内容を取りまとめたということであります。私が大臣に任命されたのは八月三日、もう既に刷り上がった段階であります。なるべく早く内容について差しかえることができないかということは、私も確認しましたが、既に刷り上がっているという状況でありましたので、巻頭言の中に私は一言つけ加えさせていただきました。

 なお、今回、防衛白書は印刷物ということで間に合いませんでしたので、来年の防衛白書にはしっかりこの問題については反省も込めて載せさせていただきたいと思いますし、防衛省のホームページにつきましては、今回の監察結果を速やかに掲載させていただき、また、国民の皆様に広く知っていただくような努力をさせていただいております。

後藤(祐)委員 自分の巻頭言に加えるんだったら、ちゃんとそこも指示してくださいよ。事務方から、南スーダン日報の話について全く触れていないので上がってきたら、そんなんじゃだめだ、少しは触れろと言って内容が変わったりしたら、ああ、やはり小野寺大臣は違うなとなるわけですよ。何でそういうことができないんですか。

 この二月十三日の手書きメモの中で、湯浅陸幕副長、紙はないかとしか確認しなかった、データはあったかというとあったというやりとりがありますが、これについては、陸幕副長をお呼びしていますが与党が断っています。

 私からは、これは既に月曜日に通告をして、小野寺大臣に対して、湯浅副長がこの発言をしたのかどうか、ちゃんと小野寺大臣が確認してこの場で答弁されたいということをお願いしています。いかがでしたか。

小野寺国務大臣 監察において入手した、本日出席されない個々の発言内容、監察の詳細を公にした場合、今後、監察対象としての信頼が損なわれ、監察対象への協力がちゅうちょされるなどの問題があるので、具体的な内容についてはお答えを差し控えさせていただきますが、その上で、私は、今回の特別防衛監察の結果を受けた後に、今御指摘の方からも話を聞いております。

後藤(祐)委員 でも、その内容はお答えできないわけですね。

 稲田防衛大臣にも聞くように通告しています。つまり、湯浅陸幕副長が、データはあったかというとあった、こういう説明をしていた、それを聞いて稲田大臣は一体どう考えたのか。稲田大臣はこの湯浅副長の、データはあったかというとあったという発言を聞いていたのか、これについて稲田大臣に確認するように私は通告していますが、稲田大臣に聞いて、いかがでしたか。

小野寺国務大臣 私は、昨日深夜まで、防衛省においてさまざまな任務をし、そして、委員からの通告を待っておりました。私に通告の内容が来たのは深夜であります。そして、その中には、これは部下からの報告が足りていないのかもしれませんが、今御指摘のような指示は、私は記憶しておりません。

 当然、もしあったとしても、昨夜の深夜に稲田大臣から改めて聞くということは難しいということでありますが、先ほど来お話をしましたように、私は、特別防衛監察の報告を受けた後、その後、稲田大臣に電話をし、その内容について確認をし、特別防衛監察の結果について承認をしたということであります。

後藤(祐)委員 それは事実と違います。

 私は、月曜日に文書で、月曜日ですよ、時間がかかると思ったので、文書で質問のことは全部書いて通告していますよ。事務方、いかがですか。

 時計をとめていただけますか、委員長。

山口委員長 では、時計をとめましょう。

    〔速記中止〕

山口委員長 速記を起こしてください。

 小野寺防衛大臣。

小野寺国務大臣 詳しくは事務方に聞いていただければと思うんですが、今確認をしましたら、何名かの方についてその内容を聞くようにというお話はあったそうですが、その場で事務方の方から、既に確認をしているので聞く必要はないと思いますという返答があったと私は今報告を受けました。

 ちょっと、詳しくはそのときの質問レクを出した担当者に聞いていただけないでしょうか。

後藤(祐)委員 いや、これは文字で、防衛省の国会連絡室に送っているんですよ、月曜日に。そんないいかげんな答弁でいいんですか。事務方、何を今言っているんですか。月曜日に文字で、稲田元大臣は湯浅陸幕副長から日報データがあったとの趣旨の説明を聞いたのかという、文字で月曜日に私は渡していますよ、防衛省に。渡していないというのですか。(発言する者あり)

山口委員長 では、一回時計をとめてください。

    〔速記中止〕

山口委員長 では、速記を起こしてください。

 小野寺防衛大臣。

小野寺国務大臣 済みません、後藤委員におわびします。

 今改めて確認をしたら、文書で、今言ったようなことが、通達が事務方にあったそうです。ただ、事務方としては、既に私が特別防衛監察の結果の上で関連の方々に聞いていたということを知っていたものですから、改めて私に上げてこなかったということでありますので、改めておわびを申し上げます。

後藤(祐)委員 これはまずいですよ。大臣に上げて、大臣から、湯浅さんだとか稲田大臣だとかに直接聞いて、答弁するようにと。だって、来ていただけないと言っているんだから。それを、事務方が大臣に対して隠蔽しているじゃないですか。大臣だって、これはやろうと思ってもできないですよ、そんなことをされたら。(発言する者あり)委員長、いいです、もう時間なので。

 先ほどの玉木議員のときに明らかになったように、二月十三日の大臣レクの模様は総括官しか知り得ないのに、答弁しない。これでは真相は明らかにできません。

 国会は、国政調査権を発動して、この二月十三日の大臣レクの模様を、真相を明らかにする責務があります。そして、国民の六〇%以上は稲田大臣に来いと言っています。

 もう一度この安保委員会を開いて、稲田大臣に来ていただいて、そしてその他の、豊田事務次官を含め、あるいは陸幕の方々も含め、お越しいただいて、この二月十三日の話を中心に真相を究明することを求めたいと思いますが、これについてまず大臣の見解を聞いた上で、それについて理事会で議論することを委員長にお願いしたいと思います。

山口委員長 時間も過ぎていることですし、最後に、では防衛大臣。

小野寺国務大臣 先ほどのことについては、既に私は稲田大臣ほか湯浅さんにも聞いておりましたので、特に後藤委員から要請がある前に既に行っていたということで御理解いただきたいと思います。

 今お話がありました委員会の運営につきましては、委員会で議論をされるのが適当だと思っております。

山口委員長 また筆頭間でよく協議していただけますか。(後藤(祐)委員「理事会で協議を」と呼ぶ)それを受けてまた理事会で協議しましょう。

後藤(祐)委員 終わります。ありがとうございました。

山口委員長 次に、笠井亮君。

笠井委員 日本共産党の笠井亮です。

 日報問題の前に、オスプレイの墜落事故について伺いたいと思います。

 米海兵隊普天間基地所属のMV22オスプレイ、五日、豪州沖で起こした墜落事故は、米軍によれば、三名が死亡するという、クラスAという極めて重大な事故であります。

 小野寺大臣は、いち早くその点では米側に飛行の自粛を求めたと言われておりますが、しかし、米側は七日に沖縄でのオスプレイの飛行を強行し、そして県民の激しい怒りを呼んでおります。

 そこで、大臣、なぜ、オスプレイの飛行を中止して、中止せよとはっきり言って、その上で徹底的に安全確認せよという立場に立たれなかったのか、立たれていないのか、いかがでしょうか。

小野寺国務大臣 オーストラリアにおける米海兵隊MV22オスプレイの事故について、防衛省としては、米海兵隊からの第一報を受けた後、今回の事故に関する情報提供、原因究明及び再発防止を速やかに行うよう申し入れを行い、さらに、国内におけるMV22オスプレイの飛行を自粛するよう申し入れをいたしました。

 米側は、それ以降もMV22オスプレイの飛行を行っておりますが、特に七日の飛行については、米側から、在日米軍副司令官が防衛省に来られたときに私の方に直接説明がありまして、防衛省からの飛行の自粛要請を受けとめているものの、安全を確認した上、運用上必要との判断を行ったという説明がありました。

 いずれにしても、防衛省としては、現在、米側に対し、事故の事実確認、評価について詳細に報告するよう要請をしているところであり、引き続き安全面に最大限配慮するように求めていきたいと思っております。

笠井委員 自粛要請にとどまって、米側とのやりとりの中でも、事実上、運用上必要なものということでの説明、これを聞いて、そして飛行再開を黙認しているということになっていると思います。沖縄からも、日本政府に当事者能力がない、国民を守る気概があるのかと厳しい批判がされているゆえんであります。

 ところが、本日十日からの北海道での日米共同訓練、米軍と自衛隊による実動訓練、ノーザンバイパー、これには今回の事故機と同じく普天間基地所属のMV22オスプレイ六機が訓練参加する計画であります。

 小野寺大臣が米側に飛行の自粛を求めながら、その米軍オスプレイと一緒に自衛隊が共同訓練するというのは私はおかしいと思うんですね。日米共同の訓練なんですから、日本側の意思で、オスプレイが参加する共同訓練の中止を正面から迫るべきではないですか。

小野寺国務大臣 今御指摘の日米共同訓練、ノーザンバイパーは、陸上自衛隊及び米海兵隊が、それぞれの指揮系統に従い、日米共同による諸職種協同作戦を実施する場合における連携要領を実行動により訓練をするものであります。

 しかしながら、八月五日、オーストラリアにおける米海兵隊MV22オスプレイの事故を受けて、防衛省としては、翌日、同六日、米側に、オスプレイによる飛行の自粛を要請いたしました。

 その上で、今回の日米共同訓練におけるMV22の参加に関しては、米側に対してオスプレイの飛行の自粛を申し入れたことを踏まえつつ、本訓練への参加の取り扱いについては、米側と調整を継続しております。

 なお、米側との調整が整うまでの間はオスプレイは使用せず、予定どおり、本十日から本訓練は実施する予定になっております。

 調整状況の詳細についてはお答えは差し控えますが、訓練開始後であっても、オスプレイの参加のあり方について、米側と引き続き調整していくということであります。

笠井委員 調整する、始まったけれどもという話ですが、結局、では、オスプレイの参加の方針というかその計画というのは変わったんですか、変わっていないんですか。

小野寺国務大臣 北海道での訓練、このノーザンバイパーについては、これは、私ども、今、日米の共同の演習でありますので、米側との調整を行っているというところであります。

 そして、自粛要請をしているその要因というのは、米側からしっかりとした今回の事故に関する報告がなされていないということが前提でありますので、私どもとしては、しっかりとした報告がなされること、これを受けとめながら、総合的に考えていきたいと思っております。

笠井委員 共同訓練ですから、自粛を求めているのに、それを、参加する方針というか計画になっているものについて、それが変わっていないんだったら、中止するのが当然だと私は思うんですよ。

 もともと、今、安全性の問題とか、報告がされていないということでありましたけれども、やはりこのオスプレイの安全性の問題が最大の問題だと思うんです。

 防衛省は、昨年十二月の沖縄でのオスプレイ墜落事故の際にこう言っています。事故後、米側において、オスプレイ全ての機体に対して、飛行安全上の重要箇所について確認が行われたが、搭載システム、機械系統及び機体構造に問題は発見されなかった、このように防衛省は説明していたわけであります。

 今回の事故機は、普天間基地所属のMV22オスプレイである以上、米側が全ての機体に対して安全確認したと言っているうちの一機だと思うんですけれども、それは間違いないですね。

小野寺国務大臣 普天間所属のMV22オスプレイということであります。

笠井委員 ですから、それは、もうこの間全部チェックした、確認したというもののうちの一機だというのは間違いないですね。違うんですか。

小野寺国務大臣 十二月の飛行再開に当たって確認された機体ではないかと承知をしておりますが、ちょっと、米側の飛行機のやりくりについて詳細にわかるわけではないので、確定的な話ではありませんが。

笠井委員 あたかも安全性を確認したかのように言われている話なんですけれども、実際に、米側が普天間基地所属の全ての機体について徹底的に細心の精査を実施したと説明していたうちの一機が、今回、豪州沖で落ちたことは間違いないだろうと思うんです。

 あれこれ言われますけれども、昨年十二月の事故原因報告さえいまだに明らかにされておりません。

 ことし二月二日の衆議院予算委員会での私の質問に、当時の稲田大臣は、米軍による事故原因の調査には通常数カ月を要する、平成八年の日米合同委員会の合意では、米軍航空機の事故報告書の日本側への提供は、原則、要請の日から六カ月以内に行うこととされており、要請は昨年十二月十九日に行っているというふうに答弁をしておりました。

 もう六カ月は過ぎているわけですね。それどころか、八カ月になろうとしています。これは一体どうなっているんですか。

小野寺国務大臣 米軍航空機の事故調査報告書については、平成八年十二月の日米合同委員会合意により、原則として、日本国政府による要請の日から六カ月以内に公表可能な写しを提供するものとされており、六カ月が経過した後は、三カ月ごとに終了の見込まれる日を更新、通知することとなっております。

 政府としましては、米側に対して昨年十二月十九日に、本事故に係る事故調査報告書の公表可能な写しを提供するように要請いたしました。米側からは、鋭意作業を行っており、調査の終了の見込みが得られ次第、日本側に通知するとの説明を受けているところでありますが、防衛省としては、オスプレイの安全性について、国民の関心が高く、本件事故の原因究明が重要であると考えており、引き続き米側に対して事故調査報告書の提出を求めてまいりたいと思っております。

笠井委員 いつ提出を求めて、いつ出るんでしょうか、これは。六カ月過ぎたら三カ月ということで、要するに、九月以降になっちゃうということになりますか。いつ出るという見通しになるでしょう。

小野寺国務大臣 もう既に六カ月が過ぎておりますので、引き続き早急に提出していただけるよう求めてまいりたいと思います。

笠井委員 昨年の十二月の事故後八カ月たっても報告書が明らかにされない、それで、六カ月過ぎているけれども引き続き求めていきたい、いつ出るかもわからないと。

 日米合同委員会の合意を守れないほど深刻な事故原因。オスプレイの構造上の欠陥があるのではないか。今回また事故が起こって、原因究明もされないうちに早々に飛行を再開した。稲田大臣時代と全く変わらないんじゃないかと私は思います。

 普天間配備のオスプレイは、横田、厚木、岩国基地などにも飛来して訓練を繰り返しております。横田には米空軍のCV22オスプレイを配備しようとし、自衛隊も装備調達中であります。日米合わせて五十機以上が日本じゅうを飛び回るほど危険なことはありません。日本国内でのオスプレイ飛行、北海道での日米共同訓練も中止すべきであります。欠陥機オスプレイの日本からの撤去を改めて強く求めるものであります。

 次に、日報隠蔽問題について質問いたしますが、小野寺大臣の南スーダンPKO部隊の日報問題に対する基本的認識を伺いたいと思います。

 稲田元防衛大臣は、去る七月二十八日の記者会見で、本件の日報に関して隠蔽という事実はありませんでしたという立場を再三繰り返して強調しておりました。

 そこで、小野寺大臣も、隠蔽という事実はなかったという同じ認識なんでしょうか。

小野寺国務大臣 この問題の発端は、昨年七月、これは当時、情報開示請求があった中で、不存在というところから始まり、その後、さまざま、日報を公開した中で、別の箇所から見つかる、さまざまなことが重なっての事件、事案だと思っております。

 まず、基本的には、この日報については最終的には公開をしておりますが、その過程において、不存在とされた事案、あるいは、その日報を管理する部署が複数にまたがり、結果として管理が不十分であったこと、さまざまな問題が重なっての今回の事案だったと思います。

 私どもとしては、この事案が大変重大だと考え、関係者の処分を行っておりますし、既に防衛大臣、事務次官、そして陸幕長が辞任という、防衛省・自衛隊にとっても大変大きな問題になり、国民の皆様に大変不信を抱いていただいていることであります。

 ここからしっかり、私ども、信頼を取り戻すために一つ一つ努力をしてまいりたい、そのように思っております。

笠井委員 今伺っていると、大臣御自身は、この日報に関して隠蔽があったという認識なんですね。

小野寺国務大臣 隠蔽という言葉で恐らく受けとめる方々、それぞれがさまざまな印象での隠蔽という言葉遣いだと思っております。

 私ども、今回の特別防衛監察の結果においては、本件開示請求に対する対応は、行政文書の開示義務、情報公開法第五条違反につながるものであったとされております。

 いずれにしても、本件日報の管理に関しては、公文書管理法の目的に照らして十分でない点は多々あったと思っております。

笠井委員 今回の特別防衛監察の結果では、私、幾つかあるんですけれども二つのことを挙げたいんですが、一つは、今大臣言われた昨年七月の開示請求に対して、CRF、中央即応集団の堀切副司令官当時が、部隊情報の保全や開示請求の増加に対する懸念から、行政文書としての日報の存在を確認しつつ、日報が該当文書から外れることが望ましいという意図を持って指導し、存在している日報を開示しなかった、こうあります。

 さらにもう一つ挙げれば、陸幕の牛嶋運用支援・情報部長、運情部長当時が、昨年十二月に、掲示板の適切な管理を指導し、日報が廃棄をされた、ことし二月には、統幕に存在する日報のみを公表したこととの整合性を図るために日報の廃棄を依頼、指示し、廃棄された、こういうことが報告にあります。

 こういうことなど隠蔽の事実が明確に認定されていると思うんですが、それはそういうことでよろしいわけですね。

小野寺国務大臣 繰り返しますが、隠蔽という言葉はそれぞれの方で受けとめ方が違うと思いますが、私どもとしては、先ほど来お話をしているように、今回の問題の発端、まず、情報公開請求があって、その文書が不存在としたこと、これはあってはならないことだと思っております。やはり、そのような文書があるかないかについては正確に公開をし、そして、その中で部隊の運営上これは不開示とすることが適当だという部分がありましたら、その部分に関しては不開示として情報提供者にお答えするということが大切だと思っております。

 今回、私ども、対策としまして、新たな組織をつくり、その監察官の中で、もし不存在ということが情報公開の部署から上がってきた場合には、その査察官が、その不存在ということが本当にそうなのかということを防衛省内にくまなく調査を行い、そして本当に不存在かどうかというのは確認することが重要だと思っておりますし、また、防衛監察本部も定期的にしっかりとした文書の管理が行われているかということをしっかり対応するということ、そして、今まで複数の部署にあった場合にはその文書の管理が非常に明確ではなかったこともありますので、今後、文書管理については責任を明確にするということ、これをもってまず今回の反省の第一歩としていきたいと思っております。

笠井委員 大臣は隠蔽という言葉をどうしても使いたくないようでありますけれども、私は、あってはならないことと大臣自身言われたのは、国民から見たら隠蔽ということであります。

 行政文書としての日報の存在を確認しつつ、意図を持って開示せず廃棄したということが明らかになって、そのことについては大臣もさっきそういうことは挙げられていたわけですけれども、これは、公用文書を不当に意図して破棄した場合には刑法上の問題になってまいります。刑法二百五十八条に規定されている公用文書等毀棄罪、これは、懲役三カ月以上七年以下という非常に重い刑になる。隠蔽を指示した者も教唆犯になります。

 小野寺大臣には、そういう疑いのある問題だという認識はおありでしょうか。

小野寺国務大臣 今回、この事案に関しては、高検の検事長を経験された方が監察監として、そしてまた現役の検事、公取の方からも出向していただいて、この問題について厳正に、幅広く調査をしていただき、今回の報告というふうになったと思っています。

 そして、その報告を受けて、法令に照らして防衛省内で処分を行ったということでありますので、私どもとしては、今回の対応について、その処分は厳正に行われたというふうに理解をしております。

笠井委員 法に照らして厳正に処分と言われますが、先ほどもあった情報公開法、それから自衛隊法、これに対して違反だという話でありますけれども、そういう罰則のない違反にとどまらない問題であります。

 公用文書等毀棄罪というのは、公用所、つまり、官公庁その他公務員が職務を行うところの用に供する文書または電磁的記録を毀棄する犯罪のことであって、毀棄というのは、文書を破り捨て、あるいは電磁的記録を消去するなど、文書の効用を害する行為のことであります。

 これは、最高裁の判決、判例では、対象となる文書は作成中の文書でも構わず、そして、文書を持ち出して隠匿する行為も当たるとしております。

 今回の日報問題は、まさにそういう点では、刑法違反に該当する疑いが濃厚であります。

 そこで、さらに幾つか伺いますが、稲田元大臣が隠蔽を了解したのではないかとされたことし二月の十三日、十五日の会合、先ほど来議論になっていますが、これに関しても、監察結果では、稲田元大臣の関与は否定したものの、「陸自における日報データの存在について何らかの発言があった可能性は否定できない」というふうにしている。先ほどあったとおりであります。

 そこで、改めて確認したいんですが、この「何らかの発言があった可能性は否定できない」というふうに言っている根拠というのは何なのか、何を根拠にそういうことを言っているのか、大臣はどう把握して確認されているんでしょうか。

小野寺国務大臣 この二月十三日に会議があった中で、そこで議論をされた中で、この日報の問題に関して稲田大臣に報告があったかなかったかということが大変重要な論点になっているということは承知をしております。

 その上で、防衛大臣に就任してすぐに特別防衛監察の報告を受ける中で、この日のさまざまな状況について報告を受けました。

 先ほど来防衛監察本部がお話をしているように、まず、大臣の承認があったかということについては、関係者全てが承認はなかったということをお話ししております。

 そして、このことを大臣に報告をしたのかということに関しては、それぞれ、事情を聞かれた者が、あるいは複数回意見を聞かれているということでありますので、その都度さまざま意見をした中で、そのようなことはなかったという方は終始一貫そのような話をしてい、そしてまた、そのようなことを聞いたかもしれないという方に関しては意見がさまざま、一貫をしていないというような報告があったかと思っております。

 ちょっと言い方は先ほどの防衛監察の正確さは欠けるかもしれませんが、そのような中で、最終的には今委員がおっしゃったような言い方になったんだということを私も報告を受け、さまざまな状況を確認しながら了承したということであります。

 もし詳しい内容であれば、ぜひ政府委員、直接事情も聞いた防衛監察本部の方から聞いていただくのが、さらに丁寧な説明ができると思います。

笠井委員 私は、大臣御自身がどう把握して確認したかと伺ったので、しかし、今のお話だと非常に曖昧なものであって、それではだめだと私は思うんです。

 隠蔽の事実さえ認めない曖昧な姿勢をとるというのは、今申し上げた公用文書等毀棄罪に抵触することを避けるためではないかということも出てまいります。

 七月二十四日の衆議院予算委員会での私の質問に、稲田元大臣は、「二月十五日、確かに、国会の打ち合わせを断続的にやっておりました。そして、その中において陸幕長が来られた回もあったと思います。」と答弁をしております。

 監察報告には、同日、二月十五日、事務次官、陸幕長、大臣官房長、統幕総括官が、防衛大臣に対して、陸自における日報の情報公開業務の流れ等を説明した際に、「何らかの発言があった可能性は否定できない」というふうにあります。

 二月十五日、どんな会議の場で、四人のうち誰が何らかの発言をしたのか、大臣はどう説明を受けておられますか。

小野寺国務大臣 二月十三日、先ほどお話ししました。そして、二月十五日の大臣室における説明においては、陸自における日報の存在についての発言があったかなかったかという点についてそごがあった上、発言があったという証言の中にも表現の記憶があやふやなものがあるなどしたため、発言も特定できない状況であると承知をしております。このようなことを踏まえて、今回、発言内容が特定できなかったことから「何らかの発言」と記述をしております。

 また、何らかの発言があったとする者となかったとする者については、それぞれ複数名いたことを確認しておりますが、証言が一致しなかったことから、「何らかの発言があった可能性は否定できない」との記述であると承知をしています。

 個別具体的な人数及び証言内容については、それを明らかにすることにより、個人の特定につながり、さらに、監察対象等が監察への協力へのちゅうちょをするなど、今後の監察業務に支障を来すおそれがありますので、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。

笠井委員 違うんですよ。監察報告に四人書いてあるんですよ、次官以下四人が大臣に対してと書いてあるのに、何人かじゃないんです、四人がなんです。そのうち誰が何らかの発言、報告をしたか、説明したかということについて、そういうことを聞いてもお答えできませんという話ですよね。極めて曖昧だ。

 これも、仮に稲田氏が報告を受けていれば、隠蔽を主導したことになります、陸自日報データの存在について。そして、これも公用文書等毀棄罪、そして教唆犯にかかわる徹底解明すべき問題であります。だからこそ、二月十三日、十五日を曖昧にすることは重大で許されないと思うんですね。

 小野寺大臣が、今度の改造で就任された後、四日に幹部職員への訓示をされた。その中で、私も動画も拝見して、ニュースで見ましたけれども、南スーダンPKO派遣部隊の日報問題によって傷ついた防衛省・自衛隊への国民の信頼を回復しなければならない、自衛隊の活動には国民の理解と支持が不可欠であり、国民に適切に説明する責務を全うすることは極めて重要だと述べられました。

 私、大変このことを注目いたしました。しかし、今やりとりを伺っていると、丁寧な説明どころか、監察がこれをやったら今後いろいろ問題になるからとか、結局のところ、丁寧どころか粗雑な説明もなさらない。そして、監察中のときには、監査中だからということで答弁を差し控えるとずっと言ってきて、結果が出たら、今度は、これをしゃべったら、個々に話をしたら、それは今後に影響するからと語らない。まさに監察を隠れみのにして説明を拒否している。これが防衛省であり、そして今の大臣の姿勢だと私は非常に感じました。遺憾であります。

 そこで、もう一つ伺いますが、稲田元大臣は七月二十八日の会見で、かねてから安倍総理に辞任に関する相談をしていたと発言をしております。他方で、総理に対して日報に関する事実関係について報告することはない、日報に関する事実関係は報告していないということも述べております。

 小野寺大臣は、この件について、稲田元大臣、そして安倍総理に事実関係を確認されていますか。

小野寺国務大臣 まず、委員先ほどから御指摘はありますが、私どもとして、例えば、二月十三日に会議の中にいた複数名から事情聴取をして、そして、その中で、一つは、大臣がその日報について了承したということはない、これは全員がそのとおりお話をしている。そして、大臣に何らかの報告をしたかということに関しては、そういうことはないという方と、そういうことがあったかもしれないという人がそれぞれ複数いる。そして、そのことを示す文書その他はない。

 その中で、では、報告をしたかもしれないという方の発言について、あやふやなところが多いという客観的なところをもって、高検の検事経験者の監察監、そして現職の検事等がそのことをもって最終的にこのような結果になったということと思いますので、私は、公正中立、そしてまた、さまざまな発言、証拠に基づいてこのような報告がまとめられたんだと思っております。

 この報告を受けて、私は、その当事者であります稲田大臣に確認を、電話ではありましたがさせていただきました。なお、総理については、この問題についてお問い合わせをすることはありませんでした。

笠井委員 私が先ほど問うたのは、監察報告に基づいて、二月十三日ではなくて十五日の、四人が大臣と会ったことについての質問をしたわけです。

 今、総理に対しては聞いていないというふうに言われましたけれども、安倍総理は、七月二十四日の衆議院予算委員会での私の質問にこう述べました。陸自にデータが残っていたという説明、報告はまだ受けていない、一方で、日報問題は早くから問題になっていたので、その説明を受けたことはあるというふうに総理が答弁されました。

 稲田元大臣は、総理に対して日報に関する事実関係について報告していないというふうに言っている。他方で、総理は、日報問題は早くから問題になっていたので、その説明を受けたことがあるというふうに国会で答弁されたんですが、ならば、安倍総理に、いつ、誰が、何を説明していたのかということが問題になると思うんですけれども、そういうことは問題になりますよね、防衛省として。誰が、いつ、何を説明したのか。

小野寺国務大臣 委員にお答えしますが、実は今の質問通告は全く出ておりません。少しだけお時間をいただいて、正確な答弁をしたいと思います。(笠井委員「では、待ちます。とめてください」と呼ぶ)

山口委員長 速記をとめましょう。

    〔速記中止〕

山口委員長 速記を起こしてください。

 笠井君。

笠井委員 私の質問は非常に単純で、総理は国会の予算委員会の答弁で、陸自にデータが残っていたかどうかについては、説明、報告はまだ受けていないとおっしゃったんですよ。だけれども、同時に、総理自身が、日報問題は早くから問題になっていたので、その説明を受けたことがありますと答弁されたんです。

 ところが、稲田元大臣は七月二十八日の会見のときに、総理に対して日報に関する事実関係について報告することはない、やっていないと言われたんです。そうすると、防衛省としては、誰かほかの方が、いつ、どういう説明をしたかということが問題になりますよねということを聞いたんです。誰が、いつという、そういう答えをしてくれというんじゃなくて、そういうことは問題になりますよねと言っているんです。

山口委員長 では、詳細にじゃなくてその部分だけですか。

笠井委員 はい、そうです。今の整理で言うとそうなるでしょうということを確認したいんです。

山口委員長 ちなみに、大臣が答えるのはちょっとつらい。

笠井委員 いや、大臣に。大臣の認識としてです。それだけのことですから。

小野寺国務大臣 監察結果の報告を総理に上げたのは七月二十七日というふうに今説明をいただきました。

笠井委員 監察結果のことじゃないです。

 日報問題について、早くから問題になっていたので、その説明を受けたことがあると総理が言われたんですよ、七月二十四日に。監察のことじゃなくて、日報問題についての報告を聞いていますよと。陸自にあるかどうかはまだ報告は聞いていないけれどもとおっしゃったので、それは、稲田さんがやっていないんだったら、防衛省として、誰かほかの方が、いつか別のところで、どの時期に、何かを言ったんですよね、そういうことになりますねということを言っているだけです。じゃなかったら、総理は誰から聞いたかとなるでしょう。聞いたと言っているんだから。

小野寺国務大臣 正確を期すために、ちょっと確認をさせていただいて、後ほど報告をさせていただきたいと思います。

笠井委員 誰かが説明しなきゃ、総理は聞いているとならないはずなんですよ。だから、そのことを言っているだけなんですよ、私は。

 そこで、私は、早くからというふうに総理が説明を聞いていると言ったのは、黒江前事務次官と豊田前官房長ではないかと思うんですが、それは違いますか。

小野寺国務大臣 そこも含めて、正確を期すために、確認して、御報告をさせていただきたいと思います。

笠井委員 ことし一月の十七日に、当時の岡部陸幕長が陸自での日報データ保管を把握した。その翌日、十八日に、私は予算委員会でも少しやりましたけれども、黒江、豊田両氏が安倍総理を訪れていることがわかっております。総理の一日の、誰と会ったかという中にちゃんと書いてある。

 この日、二人が何のために安倍総理と面会したというふうに防衛省では報告されているんでしょうか。これはもう既に国会でやりとりしているので、それは知りませんという話にならないと思いますよ、防衛省としては。

小野寺国務大臣 できれば質問通告の中で具体的に御示唆いただければ十分な準備ができていると思いますが、今、私がお話を伺った中で、防衛省の幹部は、さまざまなことで総理にも説明に行くことがあると思います。

 いずれにしても、しっかり調べてお答えをしたいと思います。

笠井委員 一月十八日、総理と黒江前次官そして豊田官房長当時が面談した、会ったということについては、これは当然、防衛省としては何らかの記録がありますね。

小野寺国務大臣 もし、そういう形で訪問、説明をしたということであれば、それは何らかの記録はあるんだとは思いますが、ちょっと、今、その日に行ったかどうか、私自身すぐに把握できる状況ではないので、後ほど調べて御報告をさせていただきます。

笠井委員 では、確認をして報告いただきたいと思いますし、その報告の記録があれば、それも提出をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

小野寺国務大臣 どういう形で総理のところに行ったかということは、私ども、その日時等は記録があれば御説明いたしますが、内容については、それが秘密にかかわる問題、あるいは内容は公表することが適当でない場合には、そこは差し控えることもあるということは御承知いただきたいと思います。

笠井委員 この一月十八日というのは、監察報告によれば、岡部前陸幕長が陸自での日報データ保管を把握した翌日で、その後、一月下旬に、黒江前事務次官が、陸自に存在する日報は、公表にたえられる代物であるか不明であると判断して対応したというタイミングであります。そのタイミングで、日報問題で処分を受けた二人が連れ立って安倍総理を訪れたと、確認するとおっしゃいましたけれども、総理の動静欄には書いてあります、どれも書いてある。大臣の説明したような、用件さまざまあるでしょうというだけでは、およそ考えられないわけであります。

 事は、黒江前事務次官、豊田前官房長らが、総理自身が早くから日報問題については説明を受けていたというようなことを言っている、そしてそういう時期に総理に報告をして、総理の指示、了解のもとに、まさに安保法制に基づく新任務付与の実績づくりのために、南スーダンの危険な現実を覆い隠すという日報の隠蔽を主導したのではないかという大問題になってまいります。

 当事者からの聴取がどうしても必要であります。いよいよ国会の責任で真相を究明すべき、そのために、安倍総理の出席はもちろん、稲田元大臣、黒江氏、豊田氏、岡部氏、湯浅氏、辰己氏、各氏ら関係者を国会に招致して速やかに証人喚問を行うこと、このことを重ねて強く求めたいと思います。

 これをぜひ理事会で協議いただきたいと思います。委員長、よろしくお願いします。

山口委員長 理事会で協議します。

 最後に、小野寺防衛大臣。

小野寺国務大臣 恐縮です。

 七月二十四日の衆議院予算委員会の笠井委員の質問に対して、安倍総理のお答えの議事録がございます。「改めて申し上げますが、黒江次官から陸自にこの日報が残っていたという報告を受けたことは全くありません。」という委員会での答弁があるということをつけ加えさせていただきます。

笠井委員 一言だけ。

 黒江次官ということで、二人で、豊田官房長も行かれていますから、豊田官房長が説明したかもしれないんですね。そこのところも含めて、きちっと確認しなきゃいけない。何があったかというのは問題です。

 終わります。

山口委員長 次に、吉田豊史君。

吉田(豊)委員 日本維新の会の吉田です。どうぞよろしくお願いいたします。

 安全保障委員会に所属しまして、もう二年、三年近くになりますけれども、私が多分、この委員会のメンバーの中でも一番の新人で、実は何もわかっていない。それは、ある意味では国民の視線、目線に一番近いところにまだおらせていただいているんじゃないかな、こういう気持ちもあるわけです。

 その中で、きょうは、いわゆる日報問題、これについての特別の閉会中審査を行うということでございますし、また、委員会に所属しましてからは、私は、最初に教えていただいた、いいなと思った言葉が、安全保障委員会には与党も野党もないんだよ、そういうお言葉を理事、オブザーバーとして入らせていただいたときに、それこそ、野党の後藤さんはもちろんですけれども、与党の、今は大臣になられた小野寺さんからも教えていただいて、本当にそれはそのとおりだな、こう思いながら、今の今も勉強しながらやっているところでございます。

 きょうは、遠慮なく、そういう新人の思いで、大臣になられた小野寺大臣にお聞きしていきたい、こう思いますので、本当に改めてよろしくお願いしたいと思います。

 最初に、この特別防衛監察なんですけれども、国民の皆さんは、この特別防衛監察というのは、やはり特別というのがついている以上、何かすごいものなんだろうな、こういうふうに思っていらっしゃる、これが私は普通の感覚だと思うわけです。

 私自身も、南スーダンの問題については、ことしの二月ぐらいですけれども、初めて安倍総理に質問する機会をいただいたときにもお聞きしましたし、それから、その後、稲田大臣にも何度もお聞きして、そのときそのとき返ってくる言葉には、やはり一番大事なことは、我が国の、国を守っている防衛省、そして皆さんにとって大切にするべき言葉は、信頼の信ではないかな、こういうふうに思うわけです。

 そういう中で、この信が失われつつある、そのときに、私は、防衛省あるいは組織として一番最後に頼った手段が特別防衛監察ではないか、こういうふうに思うわけです。この失いつつある信頼を取り戻すための特別防衛監察だ、だから私は特別だ、こう思うわけです。

 今回この結果が出て、そしてこのことについて改めて、国民の皆さんはいろいろな思いを持っていらっしゃるでしょうし、私自身もさまざまな思いがあります。僕自身は、稲田さんからいろいろな期待の言葉、頑張りますというお言葉をいただいたので、直接御本人からお聞きしたいなと思いますし、我が党としても、やはり稲田さんを初め関係者がお越しになって、そして説明なさるのが一番よかろうと思っておるところですけれども、それはそれで、今、きょうこの形でこの場が設けられているのも、一つの信頼関係に基づいてこれが行われているということも理解して、その上でお聞きしたいんです。

 特別防衛監察ということですが、実際に行った方にきょうお越しいただいておりますので、まず、何のために行ったのか、そしてこの特別防衛監察はどんな成果を上げたのか、そしてこれが最後に頼った手法として適切だったと考えているのか。こういう当たり前のことですけれども、これについて、今どのようにお感じかということをお聞きしたいと思います。

丸井政府参考人 お答えいたします。

 南スーダンの派遣部隊の作成した日報の情報公開につきましては、昨年十月三日に情報公開請求があり、文書不存在のために不開示との陸幕長からの上申を受け、不開示決定されたものでありますが、稲田元防衛大臣が、十二月十六日に、廃棄したため不存在との説明に疑問を持ち、どこかに保管されているのではないかと考え、改めて捜索するよう指示したことにより、十二月二十六日に統幕において発見され、二月六日公表、同十三日に当初決定を取り消し、開示したものでございます。

 その後、三月十五日に、日報のデータが陸自に保管されていたが、当初の説明と矛盾するためその事実は一切公表されず、さらにデータの消去が指示されたとの報道があったところです。

 報道されている内容が事実であるとすれば、防衛省・自衛隊に対する国民の信頼を大きく損ないかねないものであることから、徹底的に調査の上、防衛省・自衛隊に改めるべき点があれば防衛大臣の責任で改善するため、当時の稲田大臣の命によりまして特別防衛監察を実施したものでございます。

 その成果でございますけれども、各機関から取得しました関係書類あるいは現場の確認、面談によりまして、本件日報の管理に係る行政文書管理、情報公開、情報保全関連規則の遵守状況等を確認しました結果、第一に、昨年七月の日報に関する開示請求におきまして、CRF司令部は、存在している日報を開示せず、情報公開法第五条の開示義務違反につながり、自衛隊法第五十六条の職務遂行義務違反に当たるものがあり、本件日報を不開示とした契機となるもの、第二に、本件日報に関する開示請求においては、陸幕及びCRF司令部は、七月の日報の対応を踏まえて対応した結果、七月同様、存在している日報を開示せず、情報公開法第五条の開示義務違反につながり、自衛隊法第五十六条の職務遂行義務違反に当たるもの、第三に、本件日報に関する開示請求におきましては、陸幕が開示請求受け付け後に日報の廃棄を指示したことは、情報公開法第五条の開示義務違反につながり、自衛隊法第五十六条の職務遂行義務違反に当たるものであり、さらに、日報発見後の大臣報告のおくれのほか、対外説明を含む不適切な対応がとられ、この対外説明スタンスが継続するなど、自衛隊法第五十六条の職務遂行義務違反につながるもの、主にこの三点が確認されたところでございます。

 今回我々が行いました特別防衛監察が適切な手法だったかという点でございますけれども、今回の特別防衛監察におきましては、防衛監察本部の職員、最大約三十名の職員が、事実関係を解明するため、独立性の高い立場から徹底的に監察を実施いたしました。現場確認では、五十部署、約二百五十名を対象に、紙媒体の保有状況及び端末等のデータ保有状況について確認いたしました。このほか、監察対象者への面談延べ百四十名、アンケート調査延べ約三千六百名などを実施、さらに、陸上自衛隊が使用しております情報システムである陸自指揮システム約三百台及び省OAシステム約三千六百台の端末操作履歴についても確認いたしました。

 このように、これまでの防衛監察における経験や監察手法を用いて、約四カ月にわたり、厳正かつ公正に、徹底した調査を行い、本件日報の開示決定に至る一連の事実関係において、存在している日報を開示しないなど、情報公開法違反につながる行為が確認されたことから、適切な手法であったと考えております。

 以上です。

吉田(豊)委員 非常に大変な仕事を、私は、御苦労さまでした、こう思います。

 一方で、三十名になる特別監察の体制が組まれて、そして外部の方々もおいでになってやっている。

 今御説明いただいた丸井さん御自身は、この調査に当たっては、例えば、関係者に当たって御自身もその調査をなさった、そういう理解でよろしいんですか。

丸井政府参考人 お答えいたします。

 きょうここに来ております統括監察官の小波を団長といたしまして、防衛監察監及び私は副監察監ですけれども、そこは、小波を指導することによって監察をいたしました。

 具体的に調査等に参加したのは、北村監察監とともに大臣の聴取に当たったということでございます。

吉田(豊)委員 そうすると、お越しになっている小波さんも、この監察の中では、直接対面で、相手がいてこの調査にかかわった、そういう理解でよろしいですか。うなずいていただきましたので、それで結構です。

 辰己さん、きょうお越しいただいているんですけれども、辰己さんは調査される側という、調査というか意見をお聞きされる側ということだったと思うんですけれども、私は、きょうお三方、関係者がお越しになっていて思いますのは、結局これは内部の調査なんですよね。内部というのは、自分たちの、平生一緒に、仲間である人たちに対して調査をしなくちゃいけないし、されなくちゃいけない、こういうことの本質的な難しさであり、また、防衛省こそがお互いの信頼関係で仕事をしている、それが一番大事だと常々皆さんもおっしゃっているし、私もそうだろうと思います。

 そういう中でこういう問題が起こったときに、この問題をきちっとやりとりができるのか、そのことについて正直に言うことができるのか。正直というのは、自分に対しては正直でしょうけれども、正直になることが、自分の関係者、部下や上司、さまざまな者を巻き込んでいく。こういうような状況というのは、私は容易に想定されると思うんですけれども、その上であえてこの特別防衛監察という手法を選ばれた。

 そして、私は大きな問題があると思うのは、もう一つは、結果として、稲田大臣を初めトップの方々が、この問題についてはかかわっているんじゃないかという聴取される側の立場に立つということも最初から想定されていたわけですね。こういう中にあって、それは一つの大きな限界があると思いますけれども、そういうことをわかった上で、稲田大臣が特別防衛監察ということを指示された。

 受けてこれをやられたときに、私が今申し上げているようなさまざまな苦労というものが、この特別防衛監察の結果を出すに当たってお感じになったことを私はお聞きしたいと思うんです。丸井さんにお聞きしたいと思います。

丸井政府参考人 お答えいたします。

 先ほども申し上げましたように、監察におきまして、対象機関からの関係書類等の取得、アンケート調査、現場確認、面談により、広く情報収集し、さまざまな角度から収集した情報の分析を行い、最大限事実関係の解明に努めております。

 我々の防衛監察の実施に関する訓令におきましては、防衛監察監等は、防衛監察の対象となった機関等の関係者に対しまして、文書または口頭による説明、報告を求めること、書類その他の物件の提出を求めること、必要な場所に立ち入り、業務及び財産の状況及び書類その他の物件を検査することができるなどの権限が付与されております。

 一方、防衛監察の対象となった機関等の関係者は、防衛監察監等から書類その他の物件の提出、説明を求められたときは、これに誠実に協力しなければならないことも訓令に明確に定められております。

 一方で、今先生がお話しになりましたように、同じところで働いている、機関ですので、その関係者が例えば内部の機関の者について問題があるというような証言をすることは非常に難しいことも確かにあろうかと我々も推察いたします。ですので、先ほど来我々も随分御批判を受けているんですけれども、やはり関係者との信頼関係でそういうことを我々に話していただけるということがあろうかと思いますので、専ら防衛監察の用に供するために使われた供述であるとか資料というものはなかなかお出しできないというところも御理解いただきたいと思います。

 いずれにいたしましても、このように、日報問題に係る特別防衛監察におきまして、防衛監察の対象となった全ての関係者は防衛監察本部からの求めに対しまして誠実に協力していただきまして、十分な監察が実施できたものと考えております。

 それから、防衛大臣の調査というのができるのかということでございますけれども、防衛監察本部は防衛大臣の統督権限の一部を分掌いたしまして、職員の職務執行におけます法令の遵守その他の職務執行の適正を確保するための監察に関する事務を所掌しておりますから、防衛監察の対象は防衛省の職員でございます。防衛大臣はこの対象ではございませんけれども、今回は稲田元防衛大臣も、事実関係の解明のために調査に協力すべきと考え、聴取に協力することとなり、七月二十一日に大臣室におきまして、防衛監察監等により約一時間にわたりさまざまな観点から広く聞き取り調査も行って、事案の解明に努めたところでございます。

吉田(豊)委員 そういう事情があって出てきた特別防衛監察に対して、稲田さんがトップとして、また三人の、四人ですか、事務方の方もやめられた。これはやめられたということですけれども、言葉がいいかわかりませんけれども、責任をとって腹を切った、私はこういうことだと思っているんです。

 そこまでなった状態を受けて、きょうの委員会の姿というのはやはり、私は、先ほどおっしゃった、出せないものは出せないし個人名は出さない、それは最初からわかるんです。でも、そうじゃなくて、やはり一つでも誠実に、何か誠意をお伝えする方法はあるんじゃないか。もう明らかに準備不足じゃないですか、いろいろなことが。もっともっといろいろな答弁の準備とかもなさって、そして一つでも誠実に答えている、そういう姿勢をやはり今こそ、きょうこそお見せするべきだろうし、本来出てこられたらいいと思う方々が出てこない以上、なおさら、それは小野寺大臣が全部私が説明される、こういうふうにおっしゃったというその覚悟も私は大変なことだと思いますけれども、でも、それをでは具体的にどうやって感じていただくのか、そういうことがスタートじゃないかな、こう思うわけです。

 改めて、日報問題が誰に対して何が問題でというふうに小野寺大臣はお考えになっているか、それを確認したいと思います。短くお願いします。

小野寺国務大臣 吉田委員には、自衛隊の活動について、いつも御理解をいただいております。たしか、委員でいらっしゃる中で、南スーダンの派遣部隊の状況におもんぱかっていただき、隣国のウガンダにおいて隊員から直接声を聞いていただいたと記憶しております。改めて感謝を申し上げます。

 今御指摘がありましたが、本件は、情報公開への対処が不適切であったのみならず、国民の皆様に防衛省・自衛隊の情報公開に対する姿勢について疑念を抱かせ、また、内部からの情報流出をにおわせる報道が相次ぐことにより、防衛省・自衛隊のガバナンスに対する信頼を損ない、結果として、国内外の現場で任務に当たる隊員の士気を低下させかねないという点で、極めて重大で深刻なものだと思っております。

 このような状況になったことを防衛大臣として深刻に受けとめ、一日も早く信頼を取り戻すべく努力をしてまいりたいと思います。

吉田(豊)委員 私は、この特別防衛監察、真ん中にどおんと座っておりますけれども、今後の対応ということを考えたときに、入り口のスタートのスタートと、それから出口のところをきちっと共有認識するということは一番大事じゃないかなと思うんです。

 この日報問題というのは、先ほどから隠蔽という言葉、どうしても隠蔽という言葉が有名になっちゃっていますけれども、簡単に言うと、隠したのか、うそをついたのか、こういう話だと思うんですね。

 うそをついたというのには、何か理由があるだろう。それは、隠すということには、隠さなくちゃいけない何かがあったんだろう。その隠さなくちゃいけないものは何だったのか。そういうことがきちっとさかのぼって調べられて、何で日報がないという話になったのか、ここを私は忘れられていると思うんです。

 ないという話になった最大の理由は、やはり、その日報に書かれている言葉、その単語に一つの問題があったらどうしようとか、あるいは、その日報に出てくる表現が、こっちに、本国に戻っていろいろな問題があったらどうしようとかと、いろいろなことがあるから隠さなくちゃいけない、あるいは隠させる、そういう話になっていくと思うわけなんですね。

 こういうような構造的な問題を、きちっと今回のところでやはり整理して、洗い直していただいて、そして、今後どういうふうにしてこの問題は対応していくのかということを、それを私はきちっとさかのぼらないと話にならないと思う。

 結果として、今おかしくなっている。隠しただろう、隠しただろうと。子供がうそをついたら、うそをついた、うそをついた、おまえ、おかしいだろうと、それは言います。だけれども、それを繰り返さないためにはどうすればいいのかというときには、子供に納得させなくちゃいけないんです、なぜうそをついちゃいけないのか、なぜ隠しちゃいけないのか。そういうことが組織としてきちっと共有されることこそ、今回の教訓になり得ることだと思うから、そのために必要なことは、私は全て小野寺さんにやっていただきたいと思うんですね。

 その中で、僕はもう一つお願いしたいと思うのは、稲田さんに対して、稲田さんは、やはり尻切れトンボで今お隠れになったと思っているんですね。私は、目の前にいらっしゃらないという意味で、見えないということで言っているんですけれども。

 でも、やはり、我が国の国防に責任を持つ責任者として、今の今まで働いていた方じゃないですか。だから、そこでいろいろなことをお感じになっているだろうし、そして、私は、自分の個人的なものとしてすごい気になっているのは、最後にあの方がやめられるときに、感想ということで一言、空(くう)と言ったんですか、空(そら)と言ったんですか、この言葉が出たんです。私は、これというのはすごい重たい言葉だと思うし、特に、この言葉は、空(そら)だったり、空(くう)だったり、空(から)だったり、あるいは、日本語で言うと、むなしかったりするんですよ。こういう言葉をなぜ前大臣が吐いていかれたのか、それを私は、思いをやはり誰かが酌み取らなくちゃいけないと思うし、そこにどんな問題があるのか、それを私は小野寺新大臣にはぜひやっていただきたい。

 だから、先ほど升田さんがおっしゃった、電話でというのもわかるけれども、でも、やはりそれは、この後からでもいいから、ぜひ会っていただいて、そして、どんな思いで、どこにその悔しさがあったのか、何があったのか、それを小野寺さんが背負われて次に進んでいただく、そういうことこそ、僕は、国民が、きちっと思いを背負ってやっていらっしゃるんだな、こうなると思うわけです。私、ここはちょっと自分の考えを押しつけしていますけれども、やはり失った信頼というものを取り戻すためにどうしなくちゃいけないか。

 私は、もとにさかのぼるということも一つお伝えさせていただいたけれども、出口のところも実は間違っていると思っていて、きょうの特別防衛監察の結果について、五ページから六ページのところに、「この日報問題の根底にあるのは、防衛省・自衛隊において、情報公開の重要性に対する認識が十分でなかったということ、そして、省内関係部局の意思の疎通が十分になされなかったこと」、こんなことは、みんなわかっているんですよ。情報公開が重要だということもわかっています。それから、省内関係部局の意思疎通をもっと高めなくちゃいけないということもわかっています。

 だけれども、それができないような構造がどこかにあるということが、現実にこういう問題になっちゃっている。だから、ここをどうやって突き詰めていくのかということを私は考えていただきたいし、その姿勢を小野寺新大臣に求めたいと思うんです。どうでしょう。

小野寺国務大臣 今回の自衛隊・防衛省における日報の問題については、大変重い責任を防衛省・自衛隊は感じております。稲田前大臣におかれては、その責任を感じて、辞任という最も重い責任のとり方をとられたんだと思っております。今後、さまざま、私ども、その教訓を生かして、しっかりとした防衛省・自衛隊にしていきたい、そう思っております。

 その中で、やはり、なかなか、現場の隊員と、それから制服、あるいは私ども政治、こういうところがしっかり意思疎通をして、この問題に対して一丸となって対応すること、これが大切だと思っています。このような文化を再び醸成するように、誠心誠意努力してまいりたいと思っております。

吉田(豊)委員 この特別防衛監察の結果について、私は、一つだけ具体的にお考えをお聞きしたいと思うんですけれども、結論として、この結果であらわされていることは、見解が分かれているというところが結論なんですよね。こういう考えもこういう考えもこういう考えもあったと。それが実際、今回の特別防衛監察で、精いっぱい皆さんが、関係者がなさった結論だと思うから、それはそれだと思うんです。

 この分かれている状態を、このままの形でこれは一つの区切りとするというお考えなのか。分かれていることについては、やはりこれは問題だとお考えなのか。それについて、防衛大臣のお考えをお聞きしたいと思います。

小野寺国務大臣 今御指摘の点は、二月十三日の件だと思っています。

 ここで明らかになったのは、まず、その当事者は、稲田大臣が了承したということはなかったという、全て共通であります。そして、大臣に報告したかどうかということについて意見や記憶がそれぞれ分かれているということであります。広範な調査をして、そして、このような調査を長年されてきた専門家である高検の検事経験者、現職検事が入って、最終的な、このような方向になったということでありますので、私どもは、この結果について理解をしながら、今後の再発防止に努力をしていきたいと思っております。

吉田(豊)委員 私自身も、ことしの当初からかかわってきた、この委員会の運営一つとってもそうですけれども、小野寺大臣は与党の筆頭理事をお務めでしたから、後藤さんと本当に厳しいやりとり、そしてお互いの信頼関係をつくりながらこの委員会を進めてきたということは私は理解しているんです。そういう意味で、その経緯を一番よく御存じで、そして、何らかこの委員会として誠実な結論を出さなくちゃいけない、こう思っている方が、今回、より直接の現場の責任を持つというお立場になられた。それは、うれしいことでもあり残念なことでもある、私はこう思うんですけれども。

 この安全保障委員会というのは、最初に申し上げましたけれども、やはり本当に我が国の国防を担う、本当に本当に重要な委員会だ、こう思うわけです。委員長を初め皆さんのすばらしい采配で、今まで力を合わせて進んできた。でも、ここに来て、今の私の理解は、結局のところ、この特別防衛監察という手法を用いて、そして出てきた結果について、前大臣を初め、腹を切るという形で一つの幕引きを求めた。こういう姿というのは、私は、最初からもうこれはそうなるということだったのかなと、今になって振り返ればそういう気持ちもするわけなんですね。

 そうすると、では、この先にどういうふうにしていくのかというところこそ私は一番大事なところで、当然、新大臣になられた小野寺さんのお力も、協力も求めなくちゃいけないし、私は、委員会の運営に関しては、やはり一つ一つできることは誠実にやっていこうと。そしてそれが、例えば、よく聞くんです、国対の方針とかなんとかだとか。国対の方針は国対の方針でいいですよ。だけれども、その手前に、安全保障という与党も野党もないところで、みんながどう思っているのかという、その意見をきちんとぶつけるという、そういう理事会になっていかなくちゃいけないと思います。

 オブザーバーの分際でこんなことを言うのは大変恐縮だとは思っておりますけれども、ぜひ、そういう中で、きょうの機会が、本当の意味で、稲田さんが出てこないと結論は出ないということになるのか、それとも、そうではなくて、進むことが可能なのか。そのことも含めて、それは国民の皆さんがきょうの姿を見てまた御判断になる部分は大きいでしょうし、ぜひ真摯に進めてまいりたいと思いますし、私も、自身で、役に立つかどうかわかりませんけれども、努力してまいりたいと思います。

 質問を終わります。

山口委員長 次に、照屋寛徳君。

照屋委員 しんがりでございますので、重複する質問はなるべく切り口を変えて問いただしたいと思います。

 平成二十九年二月十三日に統幕総括官及び陸幕副長が、また二月十五日に事務次官や陸幕長らが、稲田前大臣に対し、陸自における日報の取り扱いについて説明した際のやりとりの中で、「陸自における日報データの存在について何らかの発言があった可能性は否定できない」との認定です。

 その場合、何らかの発言をした者には稲田前大臣も含まれるんでしょうか。その場合、そのような事実認定に至った根拠は何でしょうか。

 逆に、何らの発言をした者に稲田前大臣が含まれないとの認定であるならば、その場で稲田前大臣は、説明を聞いて、無言のまま説明を了承したということでしょうか。尋ねます。

丸井政府参考人 お答えいたします。

 今御質問のありました、二月十三日に、統幕総括官及び陸幕副長が当時の稲田防衛大臣に対しまして陸自における日報の取り扱いについて説明したやりとり、あるいは、二月十五日、事務次官室での打ち合わせ後に、事務次官、陸幕長等が防衛大臣に対しまして陸自における日報の情報公開業務の流れ等について説明した際のやりとりにつきまして、収集したさまざまな資料等について分析した上で、稲田元防衛大臣も含めた関係者にも確認を行ったところでございます。

 それらを総合的に判断した結果、二月十三日には、統幕総括官及び陸幕副長が、防衛大臣に対し、陸自における日報の取り扱いについて説明したことがあったが、その際のやりとりの中で、陸自における日報データの存在について何らかの発言があった可能性は否定できないものの、陸自における日報データの存在を示す書面を用いた報告がなされた事実や、非公表の了承を求める報告がなされた事実はないと認定したところでございます。

 二月十五日も同様に、陸自における日報データの存在について何らかの発言があった可能性は否定できないものの、陸自における日報データの存在を示す書面を用いた報告がなされた事実や、非公表の了承を求める報告がなされた事実はなかった、また、防衛大臣により公表の是非に関する何らかの方針の決定や了承がなされた事実もなかったと認定したところでございます。

 本件につきまして、防衛監察本部として認定、確認できた事実をここに記載しておりまして、これ以上の事実は我々としては確認できておりません。

照屋委員 小野寺大臣に尋ねます。

 発表された特別防衛監察報告を読むと、陸上自衛隊に大きな非があったかのように受け取れますが、大臣もそのように受けとめておられるんでしょうか。

 また、仮に陸上自衛隊の行動が稲田前大臣の意図する方向と異なっていたのであれば、文民統制が機能していないことになりますが、小野寺大臣は、一連の日報問題において文民統制のあり方が大きく揺らいでいるとは思いませんか。

小野寺国務大臣 確かに、今回のこの日報事案のスタートは、七月の情報公開請求において、陸の部隊の一つでありますが、中央即応集団の中で、その情報開示の文書に関して不存在というところを出したところから始まっております。

 ただ、いずれにしても、文書の管理そしてまた情報公開に対する対応というのは、防衛省・自衛隊全体で規律を正していくべき内容だと私どもは認識をしております。

 今御指摘のシビリアンコントロールでありますが、これは、民主主義国家における軍事に対する政治の優先、または軍事力に対する民主主義的な政治統制を指しております。民主主義国家においては、確保されなければならない重要な原則であります。

 防衛省・自衛隊においては、大臣のリーダーシップのもと、内部部局と各幕の意思が、十分に意思疎通され、円滑に連携をとることが重要だと思っております。

 一層厳しさを増す我が国の安全保障環境の中、国民の負託と期待に応えるため、今回の日報問題の教訓を生かして、私どもとして、しっかりシビリアンコントロールがきく形で防衛省改革を進めていきたいと思っております。

照屋委員 陸自が日報問題の経緯をまとめて防衛監察本部に提出をした報告書は、なぜ公表されないのでしょうか。単刀直入にお答えください。

丸井政府参考人 お答えいたします。

 監察本部による監察において入手した資料等につきましては、今後、同種の事案において監察対象機関から監察手法を類推され、対策を講じることを容易にするとともに、当該資料を提出することで監察対象等が監察への協力にちゅうちょするなど、監察業務に支障を来すおそれがあることから、公表することは困難と考えております。

 情報公開法におきましても、この防衛監察は情報公開法第五条第六号イの監査に当たり、一般的に監査の過程で得られた情報は不開示情報に該当するものと考えております。

照屋委員 小野寺大臣に尋ねますが、きょうの当委員会における質疑応答を聞いて、南スーダンに派遣された自衛隊のいわゆる日報隠蔽問題は一層疑惑が深まり、多くの国民が納得する事実解明には至らなかったと私は率直に思います。その最大の原因は、疑惑の張本人ともいうべき稲田前防衛大臣が参考人として出席していないことです。

 特に、特別防衛監察報告で指摘されている平成二十九年二月十三日、十五日、十六日の、稲田前大臣と防衛事務次官、統幕総括官、陸幕長らを交えた会合の模様は、稲田前大臣に直接たださなければ事実解明は不可能です。

 日報隠蔽問題が、今や稲田前大臣隠蔽問題へと変わりました。小野寺大臣は、稲田前大臣を参考人招致せずとも日報問題の解明は可能だと現在でも思っているのか、尋ねます。

小野寺国務大臣 今回の特別防衛監察の結果をまとめるに当たり、稲田元防衛大臣も、特別防衛監察監初め出向されている検事含め、しっかりとした調査を受けられたと報告を受けております。そのようなものを全て総合した形で今回の特別防衛監察の結果がまとめられたと私どもは承知をしております。

 今委員御指摘の稲田防衛大臣の委員会での参考人につきましては、委員会で御議論されるのが適切かと思っております。

照屋委員 最後に、小野寺大臣に尋ねますが、去る八月五日、米軍普天間基地所属のMV22オスプレイが訓練中に豪州沖合に墜落し、三人の兵士が死亡する、クラスAの事故が発生しました。

 大臣は、八月六日、在日米軍に対し飛行自粛を要請したようですが、その要請を無視するかのように、八月七日、沖縄で訓練飛行を再開しております。全くもって許せません。沖縄県民の怒りが高まっております。今や沖縄本島全域がオスプレイの訓練場と化し、深夜まで爆音をまき散らし、県民を恐怖に陥れております。

 大臣は、自粛要請を無視して、軍隊の論理と運用を優先する米軍の態度をどう思っておりますか。

小野寺国務大臣 普天間基地所属のオスプレイにつきましては、昨年十二月、沖縄での事故事案がございました。また、今回、オーストラリアでの事故事案ということがございます。私ども、この原因をしっかり究明することが急務ということで、米側には随時要請をしております。

 八月十三日は、たしか十三年前、沖縄国際大学においてのヘリの事故があった、そのような重いタイミングでもあるんだと思っています。沖縄の皆様のそのような不安を払拭するためにも、私ども、米側に、今回のオーストラリア事故に関しての、飛行の自粛を求めております。

 米側からは、飛行機の運用の際に十分安全を確保した上で、運用上必要なものということでの説明を受けたことはございますが、私どもとしては、これからも飛行の安全をしっかり求めていきたいと思っております。

照屋委員 大臣、大臣は、今回の事故を、墜落事故、墜落、そういう御認識でしょうか。それとも、単なる落下事故だと思っておられるんでしょうか。

小野寺国務大臣 海兵隊からの報告によりますと、日本時間五日午後四時ごろ、オーストラリア東海岸沖で訓練中、揚陸艦グリーン・ベイへの最終進入中にデッキに衝突し、その後、海中に落下したということ、三名の方が亡くなられた大変痛ましい事故でもあります。

 この報告を受けておりますが、これはまだ第一報という形でありますので、今後、しっかりとした原因について米側に確認をしていきたいと思っております。

照屋委員 小野寺大臣、とにかく、オスプレイは欠陥機で、もう何件も事故を起こして、沖縄では多くの県民が、墜落の恐怖で、それで、爆音には脅かされる。

 私も県民もオスプレイの撤退を求めますが、少なくとも、飛行自粛ではなくて飛行停止を求めるのが主権国家、独立国家としての日本の態度ではないかと思いますが、どうでしょうか。最後に尋ねます。

小野寺国務大臣 照屋委員には、この委員会でたびたび沖縄の皆さんのさまざまな思いを御発言されていただいております。私もそれを胸に刻んで今後も対応していきたいと思っております。

 今回の事案でございますが、オーストラリアで起きた事故ということで、その詳細がまだ私ども、詳細につかめておりません。その中で、私ども、米側には自粛という形で求めており、今後とも、その報告を一日も早くしていただきたい、そのような態勢で臨んでいきたいと思います。

照屋委員 終わります。

山口委員長 本日は、これにて散会いたします。

    午後零時五十四分散会


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