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第8号 令和元年5月28日(火曜日)

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令和元年五月二十八日(火曜日)

    午後二時二十二分開議

 出席委員

   委員長 岸  信夫君

   理事 大岡 敏孝君 理事 武田 良太君

   理事 中谷 真一君 理事 宮澤 博行君

   理事 山本ともひろ君 理事 本多 平直君

   理事 渡辺  周君 理事 浜地 雅一君

      江渡 聡徳君    小田原 潔君

      小野寺五典君    大西 宏幸君

      大野敬太郎君    北村 誠吾君

      熊田 裕通君    高村 正大君

      鈴木 貴子君    中谷  元君

      浜田 靖一君    和田 義明君

      青柳陽一郎君    篠原  豪君

      前原 誠司君    佐藤 茂樹君

      赤嶺 政賢君    重徳 和彦君

      照屋 寛徳君    長島 昭久君

    …………………………………

   防衛大臣         岩屋  毅君

   防衛大臣政務官      鈴木 貴子君

   防衛大臣政務官      山田  宏君

   安全保障委員会専門員   奥  克彦君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月二十七日

 辞任         補欠選任

  下地 幹郎君     串田 誠一君

同日

 辞任         補欠選任

  串田 誠一君     下地 幹郎君

    ―――――――――――――

平成三十一年四月十一日

 緊急出動のある自衛官の官舎の改善に関する請願(小田原潔君紹介)(第八七四号)

同月二十六日

 緊急出動のある自衛官の官舎の改善に関する請願(西村明宏君紹介)(第一〇三四号)

令和元年五月二十二日

 戦争法の廃止を求めることに関する請願(清水忠史君紹介)(第一一二五号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 国の安全保障に関する件(平成三十一年度以降に係る防衛計画の大綱及び中期防衛力整備計画)


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     ――――◇―――――

岸委員長 これより会議を開きます。

 国の安全保障に関する件、特に平成三十一年度以降に係る防衛計画の大綱及び中期防衛力整備計画について調査を進めます。

 この際、防衛大臣から報告を聴取いたします。岩屋防衛大臣。

岩屋国務大臣 政府は、昨年十二月十八日、国家安全保障会議及び閣議において、新たな防衛計画の大綱及び中期防衛力整備計画を決定いたしました。以下、これらについて御報告申し上げます。

 我が国を取り巻く安全保障環境は、前防衛大綱の策定時に想定していたよりも格段に速いスピードで厳しさと不確実性を増しています。特に、国際社会におけるパワーバランスの変化により、国家間の競争が顕在化するとともに、グレーゾーンの事態が長期にわたって継続する傾向にあります。また、宇宙、サイバー、電磁波といった新たな領域の利用が急速に拡大したことで、国家の安全保障のあり方は根本から変わろうとしています。さらに、我が国の周辺には、質、量にすぐれた軍事力を有する国家が集中し、軍事力のさらなる強化や軍事活動の活発化の傾向が顕著となっています。

 こうしたこれまでに直面したことのない安全保障環境の中で、我が国が平和国家として更に力強く歩んでいくためには、我が国自身が、国民の生命、身体、財産と領土、領海、領空を主体的、自主的な努力によって守る体制を強化する必要があります。このような認識のもと、専守防衛を前提に、従来の延長線上ではない、真に実効的な防衛力のあるべき姿を見定め、新たな防衛大綱と中期防を策定いたしました。

 新たな防衛大綱では、まず、我が国にとって望ましい安全保障環境を創出すること、また、我が国に脅威が及ぶことを抑止すること、そして、万が一我が国に脅威が及ぶ場合には、確実に脅威に対処し、かつ、被害を最小化することという、防衛の目標を明確に示し、この達成に必要な三つの手段をそれぞれ強化することとしています。

 第一に、我が国の防衛体制の強化です。防衛力は、安全保障の最終的な担保です。これまでに直面したことのない安全保障環境の現実のもとで、国家として存立を全うするため、我が国の主体的、自主的な努力によって防衛力の質、量を強化していかなければなりません。宇宙、サイバー、電磁波を含む全ての領域の能力を有機的に融合させる領域横断作戦を行うことができ、また、平時から有事までのあらゆる段階において、柔軟かつ戦略的な活動を常時継続的に実施できる、真に実効的な防衛力として多次元統合防衛力を構築してまいります。

 第二に、日米同盟の強化です。日米安全保障体制を中核とする日米同盟は、我が国のみならず、インド太平洋地域、さらには国際社会の平和と安定及び繁栄に大きな役割を果たしています。日米防衛協力のための指針のもと、日米同盟の抑止力、対処力の強化や、自由で開かれた海洋秩序の維持強化を含む幅広い分野における協力の強化、拡大を行ってまいります。

 また、在日米軍再編を着実に進め、特に、沖縄については、近年、米軍施設・区域の返還等、負担軽減を一層推進してきているところですが、引き続き、普天間飛行場の移設を含む在沖縄米軍施設・区域の整理、統合、縮小、負担の分散等により、地元の負担軽減を図ってまいります。

 第三に、安全保障協力の強化です。自由で開かれたインド太平洋というビジョンを踏まえ、防衛力を積極的に活用しながら、地域の特性や相手国の実情を考慮しつつ、多角的、多層的な安全保障協力を戦略的に推進します。この際、日米同盟を基軸とし、普遍的価値や安全保障上の利益を共有する国々との緊密な連携を図ってまいります。

 これらの実現に向けた防衛力の強化は、格段に速度を増す安全保障環境の変化に対応するため、従来と異なる速度で行わなければなりません。新たな防衛大綱及び中期防では、特に優先すべき事項を可能な限り早期に強化するため、既存の予算、人員の配分に固執することなく、資源を柔軟かつ重点的に配分することとしています。

 具体的には、領域横断作戦に必要な能力を優先的に強化することとしており、特に、宇宙、サイバー、電磁波の領域における能力、海空領域における能力、スタンドオフ防衛能力、総合ミサイル防空能力、機動・展開能力、防衛力の持続性、強靱性を重視しています。

 同時に、人的基盤の強化、装備体系の見直し、技術基盤の強化、装備調達の最適化、産業基盤の強靱化、情報機能の強化にも優先的に取り組んでまいります。

 あわせて、訓練・演習、衛生、地域コミュニティーとの連携、知的基盤にもしっかりと取り組んでまいります。

 これらに必要な事業を積み上げた結果、令和元年度から五年間の新たな中期防における防衛力整備の水準は、おおむね二十七兆四千七百億円程度をめどとしています。その上で、装備体系の見直しや装備調達の最適化を含め、一層の効率化、合理化を進めることによって実質的な財源の確保を図り、おおむね二十五兆五千億円をめどに、各年度の予算編成を実施することとしています。また、新たな中期防においては、新規後年度負担に係る国民への説明責任を果たす観点から、新たな事業に係る物件費の契約額を明確にすることとし、おおむね十七兆一千七百億円の枠内として示しています。

 以上申し述べました新たな防衛大綱及び中期防のもと、真に実効的な防衛力を構築し、我が国の平和と安全を維持し、その存立を全うするとともに、国民の生命、身体、財産、そして領土、領海、領空を守り抜くため、防衛省・自衛隊は今後とも全力を尽くしていく所存です。

 皆様の御理解と御協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

岸委員長 以上で報告は終わりました。

 次回は、来る六月六日木曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後二時三十分散会


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