衆議院

メインへスキップ



第1号 令和2年3月5日(木曜日)

会議録本文へ
本国会召集日(令和二年一月二十日)(月曜日)(午前零時現在)における本委員は、次のとおりである。

   委員長 西銘恒三郎君

   理事 小田原 潔君 理事 大岡 敏孝君

   理事 長島 昭久君 理事 原田 憲治君

   理事 宮澤 博行君 理事 小熊 慎司君

   理事 篠原  豪君 理事 佐藤 茂樹君

      岩田 和親君    江渡 聡徳君

      小野寺五典君    大西 宏幸君

      大野敬太郎君    門山 宏哲君

      熊田 裕通君    左藤  章君

      塩谷  立君    鈴木 貴子君

      中谷  元君    浜田 靖一君

      渡辺 孝一君    重徳 和彦君

      寺田  学君    照屋 寛徳君

      本多 平直君    屋良 朝博君

      浜地 雅一君    赤嶺 政賢君

      谷畑  孝君

令和二年三月五日(木曜日)

    午後零時十分開議

 出席委員

   委員長 西銘恒三郎君

   理事 小田原 潔君 理事 大岡 敏孝君

   理事 長島 昭久君 理事 原田 憲治君

   理事 宮澤 博行君 理事 小熊 慎司君

   理事 篠原  豪君 理事 佐藤 茂樹君

      秋本 真利君    岩田 和親君

      江渡 聡徳君    小野寺五典君

      大西 宏幸君    岡下 昌平君

      門山 宏哲君    熊田 裕通君

      左藤  章君    塩谷  立君

      鈴木 貴子君    中谷  元君

      浜田 靖一君    渡辺 孝一君

      重徳 和彦君    寺田  学君

      本多 平直君    屋良 朝博君

      吉川  元君    浜地 雅一君

      赤嶺 政賢君    串田 誠一君

    …………………………………

   外務大臣         茂木 敏充君

   防衛大臣         河野 太郎君

   外務副大臣        鈴木 馨祐君

   外務副大臣        若宮 健嗣君

   防衛副大臣       山本ともひろ君

   外務大臣政務官      尾身 朝子君

   外務大臣政務官      中谷 真一君

   外務大臣政務官      中山 展宏君

   防衛大臣政務官      岩田 和親君

   防衛大臣政務官      渡辺 孝一君

   安全保障委員会専門員   奥  克彦君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月四日

 辞任         補欠選任

  谷畑  孝君     串田 誠一君

同月五日

 辞任         補欠選任

  大野敬太郎君     秋本 真利君

  左藤  章君     岡下 昌平君

  照屋 寛徳君     吉川  元君

同日

 辞任         補欠選任

  秋本 真利君     大野敬太郎君

  岡下 昌平君     左藤  章君

  吉川  元君     照屋 寛徳君

    ―――――――――――――

二月二十八日

 緊急出動のある自衛官の官舎の改善に関する請願(上野宏史君紹介)(第八八号)

 同(大隈和英君紹介)(第八九号)

 同(大西宏幸君紹介)(第九〇号)

 同(神谷昇君紹介)(第九一号)

 同(熊田裕通君紹介)(第九二号)

 同(高村正大君紹介)(第九三号)

 同(鈴木貴子君紹介)(第九四号)

 同(谷公一君紹介)(第九五号)

 同(中谷元君紹介)(第九六号)

 同(長尾敬君紹介)(第九七号)

 同(野中厚君紹介)(第九八号)

 同(古川康君紹介)(第九九号)

 同(山田賢司君紹介)(第一〇〇号)

 同(城内実君紹介)(第一一八号)

 同(馳浩君紹介)(第一一九号)

 同(宮路拓馬君紹介)(第一二〇号)

 同(櫻田義孝君紹介)(第一三八号)

 同(武井俊輔君紹介)(第一三九号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 国政調査承認要求に関する件

 国の安全保障に関する件


このページのトップに戻る

     ――――◇―――――

西銘委員長 これより会議を開きます。

 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。

 国の安全保障に関する事項について、本会期中国政に関する調査を行うため、衆議院規則第九十四条の規定により、議長に対し、承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

西銘委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

     ――――◇―――――

西銘委員長 国の安全保障に関する件について調査を進めます。

 この際、防衛大臣から所信を聴取いたします。河野防衛大臣。

河野国務大臣 防衛大臣の河野太郎でございます。

 本日は、西銘委員長を始め、理事及び委員の皆様に、防衛大臣としての所信を申し上げます。

 我が国を取り巻く安全保障環境は、厳しさと不確実性を増しております。

 北朝鮮は、昨年五月以降、二十発を超える弾道ミサイルを相次いで発射するなど、その軍事動向は我が国の安全に対する重大かつ差し迫った脅威です。また、手法を巧妙化させながら、瀬取りを含む違法な海上活動を継続しております。

 中国は、透明性を欠いたまま国防費を増加させ、軍事力を広範かつ急速に強化し、周辺海空域等における活動を拡大、活発化させております。尖閣諸島周辺においては、中国の公船が我が国領海への侵入を繰り返しているほか、海軍艦艇が活動を恒常化させております。

 また、テクノロジーの進化が安全保障のあり方を根本的に変えようとしています。

 このような環境のもと、国民の命と平和な暮らしを守り抜くため、防衛大綱及び中期防に基づき、以下の施策を推進してまいります。

 まず、我が国自身の防衛体制の強化について申し上げます。

 我が国みずからの努力により、領土、領海、領空を守る体制を強化するに際しては、宇宙、サイバー、電磁波といった新たな領域での優位性確保が死活的に重要です。

 これら新領域を含む、全ての領域の実効的な防衛力を構築してまいります。

 その際、自衛隊員の人材確保と能力、士気の向上による人的基盤の強化に加え、技術基盤の強化、産業基盤の強靱化にも努めてまいります。

 次に、日米同盟の強化については、日米ガイドラインに基づき、引き続きさまざまな分野で両国の協力を進展させます。

 同時に、地元の基地負担の軽減に取り組んでまいります。特に沖縄については、基地負担の軽減を目に見える形で実現するという政府の取組について、沖縄の皆様に御理解、御協力が得られるよう丁寧に御説明し、普天間飛行場の一日も早い移設、返還に全力で取り組んでまいります。

 次に、安全保障協力の推進について申し上げます。

 自由で開かれたインド太平洋というビジョンを踏まえ、さまざまな手段を活用し、普遍的価値や安全保障上の利益を共有する国々と緊密に連携しつつ、防衛協力・交流を戦略的に推進してまいります。

 また、ソマリア沖・アデン湾における海賊対処行動のほか、エジプト・イスラエル間の停戦監視活動等を行う多国籍部隊・監視団及び南スーダンPKOに司令部要員の派遣を行うなど、国際社会の平和と安定のための取組を推進してまいります。

 中東地域の平和と安定は、我が国を含む国際社会の平和と繁栄にとって極めて重要です。また、我が国は原油輸入の約九割を中東地域に依存しており、同地域を航行する日本関係船舶の安全確保は日本経済や国民生活の生命線とも言うべきものです。

 防衛省・自衛隊としては、本年一月から、日本関係船舶の安全確保のため、中東海域において情報収集活動を開始したところであり、さらなる外交努力及び航行安全対策の徹底とあわせ、しっかりと取り組んでまいります。

 次に、国会提出法案について申し上げます。

 防衛省設置法の一部を改正する法律案は、宇宙・サイバー領域における優位性の獲得に必要な部隊の新編、拡充を始めとする防衛省・自衛隊の体制の整備のため、自衛官の定数を改めるものです。

 委員各位におかれましては、御審議のほど、よろしくお願いいたします。

 以上申し述べましたように、防衛省・自衛隊が直面する課題は山積しており、私は、防衛大臣として、こうした課題に全力で取り組んでまいる所存です。

 西銘委員長を始め、理事及び委員の皆様におかれては、一層の御指導、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

西銘委員長 次に、外務大臣から所信を聴取いたします。茂木外務大臣。

茂木国務大臣 安全保障委員会の開催に当たり、西銘委員長を始め、理事、委員各位に御挨拶申し上げ、我が国の安全保障政策について所信を申し述べます。

 冒頭、新型コロナウイルス感染症への対応について申し上げます。

 外務省は、私の指揮のもと、省を挙げて、中国湖北省武漢市からの邦人帰国オペレーション、感染症危険情報の発信、注意喚起を始め、邦人の安全確保に向け、取り組んできました。また、ダイヤモンド・プリンセス号の外国籍乗員、乗客のチャーター機による帰国の支援も行ってきました。引き続き、関係省庁と連携しつつ、邦人の安全確保及び支援に万全を期します。

 安全保障政策については、我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、我が国の平和と安全を確保するとともに、地域と国際社会の平和と安定に引き続き積極的に貢献してまいります。

 まず、日米同盟です。我が国の外交、安全保障の基軸であり、地域の平和と安定に貢献する大きな役割を担っている日米同盟を更に強化してまいります。本年は日米安全保障条約の署名及び発効から六十周年に当たる節目の年であり、日米同盟の抑止力、対処力の強化に一層取り組みます。また、普天間飛行場の一日も早い辺野古移設を始め、在日米軍の安定的な駐留、沖縄を始めとする地元の負担軽減に全力で取り組みます。

 さらに、豪州、インド、ASEAN諸国、英国、フランス、EUを始めとするパートナー国との協力関係を更に強化し、そのネットワーク化を進めます。

 近隣諸国との間の懸案の解決も重要な課題です。

 三月二日の発射を含め、北朝鮮によるたび重なる弾道ミサイルの発射といった挑発行為は、全く受け入れられません。日米、日米韓の結束のもと、国際社会と連携しつつ、安保理決議の完全な履行を確保し、北朝鮮の完全な非核化を目指します。また、拉致問題の早期解決に向けた主体的努力を続けます。日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、北朝鮮との国交正常化を目指します。

 日中両国は、地域や世界の平和と繁栄に欠かせない大きな責任を共有しています。引き続き、ハイレベルの頻繁な対話、交流を重ね、懸案を適切に処理しながら、日中新時代を切り開いていきます。同時に、今後も中国の不透明かつ急速な軍事力の増強や活発化する活動を注視しつつ、その透明性の向上を働きかけるとともに、尖閣諸島をめぐる情勢については、冷静に、かつ毅然と対応します。

 韓国には、現下の最大の課題である旧朝鮮半島出身労働者問題について、引き続き、韓国側の責任で解決策を示すよう強く求めるとともに、問題解決に向けた外交当局間の協議を継続していきます。また、竹島は、歴史的事実に照らしても、国際法上も日本固有の領土であり、この基本的な立場に基づき、冷静に、かつ毅然と対応していきます。

 ロシアとは、最大の懸案である北方領土問題の解決のため、首脳間、外相間で緊密に対話を重ねることが重要です。ラブロフ外相とは、就任以来、半年で四回の外相会談を行いました。引き続き、幅広い分野で協力関係を進めていく中で、一九五六年共同宣言を基礎として平和条約交渉を加速させるとの首脳間の合意を踏まえ、領土問題を解決して平和条約を締結するとの基本方針のもと、交渉責任者として粘り強く取り組んでいきます。

 地域、国際社会が抱える諸課題への対応にも全力で取り組みます。

 東シナ海及び南シナ海で継続する一方的な現状変更の試みは、国際社会共通の懸念事項です。全ての当事国が、地域の緊張を高めるような行動を自制し、国際法に基づき、紛争の平和的解決を追求する必要があります。

 中東の平和と安定は、原油輸入の約九割をこの地域に依存する日本の国益に直結します。中東の平和と安定及び日本関係船舶の安全確保のため、政府として三本柱の方針を決定しました。

 まず、中東の緊張緩和と情勢の安定化に向けた外交努力を継続します。この外交努力とあわせ、この地域における日本関係船舶の安全確保のため、船舶の航行安全対策の徹底、そして、情報収集態勢強化のための自衛隊の艦艇及び航空機の活用に取り組んでいきます。

 法の支配に基づく自由で開かれた海洋秩序は極めて重要です。これを国際公共財として維持強化し、地域のいずれの国も分け隔てなく平和と繁栄をもたらすため、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた取組を具体化していきます。

 核兵器のない世界の実現に向け、日本として立場の異なる国々の間の橋渡しに努め、核兵器不拡散条約に基づく体制の維持強化を通じ、現実的かつ具体的な核軍縮・不拡散の取組を主導します。

 現在、安全保障の裾野も急速に広がっています。宇宙・サイバー空間、AI・デュアルユース技術への取組は、新たな脅威への対応や重要技術の流出への対処も含め、安全保障を考える上で外すことのできない、待ったなしの課題です。新たなルールづくりを先導していきます。

 以上のような取組を推進するため、外務大臣として全力を尽くす決意です。

 西銘委員長を始め、理事、委員各位の御指導、御理解を心からお願い申し上げます。

西銘委員長 外務大臣は退席いただいて結構でございます。

 次に、令和二年度防衛省関係予算の概要について説明を求めます。渡辺防衛大臣政務官。

渡辺大臣政務官 防衛大臣政務官の渡辺孝一でございます。

 先ほど河野防衛大臣が申し上げましたとおり、我が国を取り巻く安全保障環境が厳しさと不確実性を増しておりますが、防衛大臣政務官として、山本副大臣、岩田政務官とともに河野防衛大臣をしっかりお支えし、我が国自身の防衛体制の強化、日米同盟の強化、安全保障協力の強化といった、我が国の防衛を全うするための取組を進めてまいります。

 西銘委員長を始め、理事、委員の皆様におかれましては、御指導、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 令和二年度の防衛省関係予算について、その概要を御説明申し上げます。

 令和二年度予算においては、我が国を取り巻く安全保障環境が厳しさと不確実性を増す中、国民の命と平和な暮らしを守り抜くため、防衛力整備を着実に実施することとしております。

 具体的には、宇宙、サイバー、電磁波といった新たな領域における能力を獲得、強化するほか、各種事態に効果的に対処するため、従来の領域における能力を強化するとともに、後方分野も含めた防衛力の持続性、強靱性の強化に必要な事業を計上することとしております。

 また、人的基盤の強化や、軍事技術の進展を踏まえた技術基盤の強化、日米同盟の強化、諸外国との安全保障協力の強化にも配意したものとなっております。

 一般会計歳出予算額は五兆三千百三十三億四千五百万円となり、前年度の当初予算額に比べ、五百五十九億五百万円の増となっております。

 継続費の総額は、護衛艦建造費で九百四十三億五千八百万円、潜水艦建造費で七百十億六千二百万円となっております。

 また、国庫債務負担行為の限度額は、装備品等の購入、武器車両等整備、提供施設移設整備等で二兆四千八百八十二億七千万円となっております。

 次に、特に重点を置いた施策について御説明申し上げます。

 第一に、領域横断作戦に必要な能力の強化です。

 優先的な資源配分や我が国のすぐれた科学技術の活用により、宇宙、サイバー、電磁波といった新たな領域における能力を獲得、強化します。

 また、従来の領域における能力を強化します。

 具体的には、航空機、艦艇、ミサイル等による攻撃に効果的に対処するため、海空領域における能力、スタンドオフ防衛能力、総合ミサイル防空能力、機動・展開能力を強化します。

 さらに、防衛力の持続性、強靱性を強化します。

 特に、弾薬及び燃料を確保するための取組を推進するとともに、装備品の維持整備に係る取組を推進します。

 第二に、防衛力の中心的な構成要素の強化です。

 人的基盤を強化するため、より幅広い層から多様かつ優秀な人材の確保を図るとともに、全ての自衛隊員が高い士気を維持し、みずからの能力を十分に発揮できる環境の整備に向けた取組を推進します。

 また、技術基盤を強化するため、重要技術に対して重点的な投資を行うとともに、装備品の効果的、効率的な取得を一層推進するため、FMS調達の合理化に向けた取組等を推進します。

 さらに、政策判断や部隊運用に資する情報支援を適切に実施するため、情報の収集、分析の各段階における情報機能を強化します。

 第三に、大規模災害への対応です。

 各種の災害に際して、十分な規模の部隊を迅速に展開して初動対応に万全を期すとともに、対処態勢を強化します。

 第四に、安全保障協力の強化です。

 自由で開かれたインド太平洋というビジョンのもと、安全保障協力を戦略的に推進するため、共同訓練、防衛装備・技術協力、能力構築支援、軍種間交流を推進します。

 これをもちまして、令和二年度の防衛省関係予算の概要の説明を終わります。

西銘委員長 以上で説明は終わりました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時二十七分散会


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.