第1号 令和7年11月14日(金曜日)
本国会召集日(令和七年十月二十一日)(火曜日)(午前零時現在)における本委員は、次のとおりである。委員長 遠藤 敬君
理事 岩田 和親君 理事 尾崎 正直君
理事 木原 稔君 理事 篠原 豪君
理事 升田世喜男君 理事 屋良 朝博君
理事 美延 映夫君 理事 橋本 幹彦君
江渡 聡徳君 金子 容三君
黄川田仁志君 草間 剛君
鈴木 英敬君 鈴木 隼人君
関 芳弘君 中曽根康隆君
福田かおる君 向山 淳君
新垣 邦男君 五十嵐えり君
伊藤 俊輔君 重徳 和彦君
下野 幸助君 松尾 明弘君
池畑浩太朗君 深作ヘスス君
西園 勝秀君 山崎 正恭君
赤嶺 政賢君
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十月二十一日
遠藤敬君委員長辞任につき、その補欠として前原誠司君が議院において、委員長に選任された。
令和七年十一月十四日(金曜日)
午後二時三十分開議
出席委員
委員長 前原 誠司君
理事 東 国幹君 理事 大野敬太郎君
理事 本田 太郎君 理事 篠原 豪君
理事 下野 幸助君 理事 升田世喜男君
理事 屋良 朝博君 理事 渡辺 周君
理事 和田有一朗君 理事 橋本 幹彦君
江渡 聡徳君 大空 幸星君
小池 正昭君 塩崎 彰久君
関 芳弘君 高見 康裕君
長島 昭久君 中谷 元君
福田 達夫君 新垣 邦男君
池田 真紀君 重徳 和彦君
柳沢 剛君 阿部 司君
福田 徹君 金城 泰邦君
山口 良治君 赤嶺 政賢君
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外務大臣 茂木 敏充君
防衛大臣 小泉進次郎君
外務副大臣 国光あやの君
外務副大臣 堀井 巌君
防衛副大臣 宮崎 政久君
外務大臣政務官 英利アルフィヤ君
外務大臣政務官 大西 洋平君
外務大臣政務官 島田 智明君
防衛大臣政務官 若林 洋平君
安全保障委員会専門員 飯野 伸夫君
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委員の異動
十月二十一日
辞任 補欠選任
尾崎 正直君 本田 太郎君
黄川田仁志君 小野寺五典君
木原 稔君 中谷 元君
鈴木 隼人君 高村 正大君
五十嵐えり君 渡辺 周君
伊藤 俊輔君 池田 真紀君
松尾 明弘君 柳沢 剛君
池畑浩太朗君 前原 誠司君
遠藤 敬君 阿部 司君
美延 映夫君 和田有一朗君
深作ヘスス君 福田 徹君
西園 勝秀君 山口 良治君
山崎 正恭君 金城 泰邦君
同月二十三日
辞任 補欠選任
岩田 和親君 長島 昭久君
金子 容三君 福田 達夫君
福田かおる君 高見 康裕君
向山 淳君 吉田 真次君
十一月四日
辞任 補欠選任
高村 正大君 大野敬太郎君
鈴木 英敬君 東 国幹君
同月七日
辞任 補欠選任
草間 剛君 塩崎 彰久君
同月十四日
辞任 補欠選任
中曽根康隆君 小池 正昭君
吉田 真次君 大空 幸星君
和田有一朗君 池畑浩太朗君
同日
辞任 補欠選任
大空 幸星君 吉田 真次君
小池 正昭君 中曽根康隆君
池畑浩太朗君 和田有一朗君
同日
理事尾崎正直君、木原稔君及び美延映夫君十月二十一日委員辞任につき、その補欠として東国幹君、大野敬太郎君及び和田有一朗君が理事に当選した。
同日
理事岩田和親君十月二十三日委員辞任につき、その補欠として本田太郎君が理事に当選した。
同日
理事升田世喜男君及び屋良朝博君同日理事辞任につき、その補欠として渡辺周君及び下野幸助君が理事に当選した。
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本日の会議に付した案件
理事の辞任及び補欠選任
国政調査承認要求に関する件
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○前原委員長 これより会議を開きます。
この際、一言御挨拶を申し上げます。
この度、安全保障委員長を拝命いたしました前原誠司でございます。
昨今、既存の国際秩序は深刻な挑戦を受け、新たな危機の時代に突入しております。
そのような中、我が国を取り巻く安全保障環境は戦後最も厳しく複雑なものとなっており、我が国の平和と安全を確保するため、当委員会に課せられた役割は誠に重大であります。
委員長といたしまして、委員各位の御協力を賜り、公正かつ円満なる委員会運営に努めてまいる所存でございますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
――――◇―――――
○前原委員長 理事辞任の件についてお諮りいたします。
理事升田世喜男君及び屋良朝博君から、理事辞任の申出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○前原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
引き続き、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。
ただいまの理事辞任及び委員の異動に伴い、現在理事が六名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○前原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
それでは、理事に
東 国幹君 大野敬太郎君
本田 太郎君 下野 幸助君
渡辺 周君 及び 和田有一朗君
を指名いたします。
――――◇―――――
○前原委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。
国の安全保障に関する事項について、本会期中国政に関する調査を行うため、衆議院規則第九十四条の規定により、議長に対し、承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○前原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
――――◇―――――
○前原委員長 この際、国務大臣、副大臣及び大臣政務官より、それぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。小泉防衛大臣。
○小泉国務大臣 防衛大臣の小泉進次郎です。
前原委員長を始め、理事及び委員の皆様に、防衛大臣としての所信を申し上げます。
今、我が国を取り巻く安全保障環境は、戦後最も厳しく複雑なものとなっております。
ロシアによるウクライナ侵略が示すように、国際社会は戦後最大の試練のときを迎え、新たな危機の時代に突入しています。
東アジアにおいても、戦後の安定した国際秩序の根幹を揺るがしかねない深刻な事態が発生する可能性は排除できません。
現行の戦略三文書を策定してから約三年が経過しましたが、安全保障環境はかつてないほど急速かつ複雑に変化していると認識しています。
当時と比べ、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序への挑戦が勢いを増すとともに、インド太平洋では、中国、北朝鮮の更なる軍事力の増強や、中ロやロ朝の連携強化などが見られ、ロシアによるウクライナ侵略を教訓に、無人機の大量運用を含む新しい戦い方や長期戦への備えの必要性が高まるなど、安全保障環境の変化が様々な分野で加速度的に生じています。
我が国周辺では、中国、北朝鮮、ロシアの軍事的動向等が深刻な懸念となっており、例えば、中国は、核・ミサイル戦力を含め軍事力を広範かつ急速に増強させるとともに、東シナ海、南シナ海において力による一方的な現状変更の試みを継続、強化しています。また、台湾周辺における威圧的な軍事行動を活発化させています。
こうした中、本年五月には、尖閣諸島周辺の我が国領海に侵入した中国海警船からヘリコプターが発艦し、我が国の領空を侵犯しました。また、本年六月に空母二隻が同時期に太平洋で活動したほか、六月及び七月には中国軍機による自衛隊機への特異な接近が行われましたが、我が国周辺においてこうした事案や活動が立て続けに見られることに強い危機感を持っています。
北朝鮮は、弾道ミサイルの発射を繰り返しています。また、北朝鮮による核・ミサイル開発は断じて容認できません。さらに、ロシアとの間でも、北朝鮮によるロシアへの兵士の派遣や、ロシアによる北朝鮮からの弾道ミサイルを含む武器弾薬の調達及び使用など、ロ朝協力を深化させてきています。
加えて、ロシアは、ウクライナ侵略を行う一方、我が国周辺において活発な軍事活動を継続しています。特に、中国とともに艦艇の共同航行や爆撃機の共同飛行、各種訓練を実施するなど、中ロの戦略的連携を強化する動きが近年顕著となっています。
このような現状に対する危機感と切迫感、そして防衛省・自衛隊の取組について国民の皆様に御理解いただけるよう、私自ら先頭に立ち、情報発信を強化してまいります。
一層急速に厳しさを増す安全保障環境の中で、国民の命と平和な暮らし、そして我が国の領土、領海、領空を断固として守り抜くため、さらに、それらの任務に当たる自衛隊員一人一人とその御家族を守り抜くため、これまで以上に強い危機感と切迫感を持って防衛力の抜本的強化を主体的に速やかに実現し、更なる防衛力の変革につなげていく必要があります。
まずは現在の取組を加速すべく、現行の国家安全保障戦略に定める対GDP比二%水準について、補正予算と合わせて今年度中に前倒しして措置を講じること、その上で、安全保障環境の急速な変化に適切に対応し、強い覚悟を持って我が国の独立と平和、国民の命と平和な暮らしを守り抜くため、国家安全保障戦略を始め三文書の来年中の改定を目指し、検討を開始することとしています。
防衛省内でも、防衛省・自衛隊自ら変革を遂げなければならないとの強い思いの下、防衛大臣着任後、早速、防衛力変革推進本部を開催し、今後の防衛力強化の在り方について議論を開始しました。
安全保障環境が急速に変化する中、防衛力変革のための取組を進めることについて、遅過ぎることはあっても早過ぎることはありません。国民の命と平和な暮らしを守り抜いていくために何が必要か、あらゆる選択肢を排除せずに検討していく考えです。
こうした変革の必要性についても国民の皆様の御理解を得られるよう、情報発信を強化してまいります。
一方、地域の平和と安定の確保は一国のみではなし得ません。我が国自身の防衛力強化と同時に、同盟国、同志国等との連携のネットワークを重層的に構築し、抑止力、対処力を強化していくことが極めて重要です。
日米同盟は我が国の安全保障政策の基軸です。
防衛大臣着任後、早速ヘグセス戦争長官と会談を実施し、同盟の抑止力、対処力を一層強化していくことで一致しました。
引き続き、私自身が先頭に立って具体的な取組を着実に進め、日米同盟を新たな高みに引き上げるため努力してまいります。
あわせて、普天間飛行場の辺野古移設や在沖米海兵隊のグアム移転を含む在日米軍再編を進める中で、抑止力の維持を図りながら、沖縄を始め地元の負担軽減を図るため全力で取り組みます。
同時に、日米韓、日米豪、日米豪比、日米豪印等の二国間、多国間の防衛協力・交流の発展もこれまで以上に進めてまいります。
私自身、今月早速マレーシアを訪問し、拡大ASEAN国防相会議、ADMMプラス及び日・ASEAN防衛担当大臣会合に出席するとともに、日米豪比四か国の防衛相会談に加え、米国、オーストラリア、ニュージーランド、韓国、ASEAN諸国そして中国といった各国の国防大臣等と会談を行い、率直な意見交換を実施しました。
引き続き積極的な会談を通じ、自由で開かれたインド太平洋を防衛面から下支えするため、共同訓練、能力構築支援、防衛装備・技術協力等、相互連結性の重層的な網をつくり上げ、より具体的な取組を実施すべく、私自身が世界中を飛び回る覚悟です。
さらに、本年八月、我が国の「もがみ」型護衛艦の能力向上型がオーストラリア次期汎用フリゲートに選定されました。本事業は、日豪の相互運用性を大幅に向上させるだけでなく、インド太平洋地域の艦艇建造・維持整備基盤の向上、日豪のサプライチェーン協力の強化等、幅広い意義を有し、地域の平和と安定に貢献するものです。
引き続き日豪間の議論を加速させつつ、官民一体となり取り組んでまいります。
このように各国との間で防衛装備・技術協力が拡大していますが、それらは日本の装備品の高い技術力に対する世界からの期待の表れでもあります。この期待に応えることは、国際秩序の平和と安定につながるものであり、私自身、先頭に立っていきたいと考えています。
そしてまた、国際秩序が大きく揺らぐ中、防衛装備移転を更に推進していくための制度面の施策にもスピード感を持って取り組むことが重要です。
今般、自由民主党と日本維新の会との間で五類型の撤廃が合意されたという重みを踏まえ、防衛省・自衛隊として、防衛力の変革、そして防衛装備移転の拡大による防衛と経済の好循環を実現すべく、その必要性をしっかりと説明するとともに、関係省庁とともに検討を行っていく考えです。
また、防衛生産・技術基盤はいわば防衛力そのものと位置づけられるものであり、その強化は必要不可欠です。
防衛生産基盤強化法等により、防衛生産・技術基盤の強化に向けた施策を引き続き力強く進めてまいります。
安全保障環境が一層厳しさを増す中、防衛力の中核である自衛官の人材確保は、政府が一丸となって取り組むべき至上命題です。
防衛省としては、現在、自衛官の処遇、生活、勤務環境の改善、新たな生涯設計の確立等に係る各種施策に取り組んでいます。
さらに、今般、高市総理から、所信表明演説において自衛官の処遇改善にも努める旨の表明があり、総合経済対策の中でも自衛隊員の処遇改善に取り組むよう御指示をいただきました。
隊員とその御家族が国防という極めて崇高な任務に誇りと名誉を持って専念できるよう、必要な取組を加速してまいります。
また、人事院勧告の趣旨を踏まえ、自衛官の俸給月額及びボーナスを引き上げる等の改定を行うため、防衛省の職員の給与等に関する法律を改正するための法律案を今国会に提出する予定です。
以上、防衛省・自衛隊が直面する課題に対し、防衛大臣として、全身全霊、職務に邁進していく所存です。
皆様におかれては、一層の御指導、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
ありがとうございました。
○前原委員長 次に、茂木外務大臣。
○茂木国務大臣 外務大臣の茂木敏充です。安全保障委員会の開催に当たり、前原委員長を始め理事、委員各位に御挨拶申し上げるとともに、安全保障政策についての所信を申し述べます。
国際社会及び我が国を取り巻く安全保障環境の変化が様々な分野で加速度的に進んでいます。ロシアによるウクライナ侵略や不安定な中東情勢、我が国周辺における中国の外交姿勢や軍事動向、北朝鮮による核・ミサイル開発に加え、ロ朝軍事協力といった懸念すべき動きも出てきています。
このような厳しい国際情勢の中、日本への期待が高まっています。外務大臣として、様々な分野で国際社会から期待される日本の役割と責任を果たしていくことで、国益を守り、国際社会でより存在感を高める、力強く、視野の広い外交を展開してまいります。
私は就任後、すぐにウクライナ地雷対策会議を主催し、続いてASEAN関連首脳会議、APEC閣僚会議及びG7外相会合に出席しました。また、この間、米国のルビオ国務長官を始めとする各国のカウンターパートと会談し、一層の連携と協力を確認したところです。
日米同盟は我が国の外交、安全保障政策の基軸です。先月行われた日米首脳会談の成果も踏まえ、日米同盟を更なる高みに引き上げてまいります。
この観点から、日米両国が共有する自由で開かれたインド太平洋、FOIPの実現に向け、日米同盟の抑止力、対処力の一層の強化に取り組んでまいります。また、米国との間で幅広い分野における具体的な安全保障協力を進めてまいります。
日米同盟を更に発展させていく上では、外交、安全保障と経済を一体として議論していくことが重要になっています。こうした観点から、先般の日米首脳会談の成果も踏まえ、日米間の合意の着実な実施に加え、経済安全保障を含む経済分野における協力を更に発展させてまいります。
在日米軍の態勢の最適化に向けた取組も進めてまいります。同時に、普天間飛行場の一日も早い全面返還を目指して辺野古移設を進めるなど、沖縄を始めとした地元の負担軽減と米軍の安定的駐留に取り組んでまいります。
法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を堅持することにより、インド太平洋地域、ひいては世界全体の平和と繁栄を確保していくことが重要です。
自由で開かれたインド太平洋の実現に向けては、これまで構築してきた様々な枠組みを生かし、韓国、豪州、インド、フィリピン、欧州諸国、EU、NATO等との外交、安全保障面での協力のネットワークを強化してまいります。
また、同盟国、同志国とのネットワークを重層的に構築し、抑止力を強化する観点から、防衛装備品の共同開発や移転を始めとする安全保障分野での協力を、制度面の見直しと並行して一層強化していく考えです。
英国及びイタリアとの間で行う次期戦闘機の共同開発についても、我が国の安全保障環境にふさわしい戦闘機とすべく、引き続き三か国で緊密に連携して進めてまいります。
近隣諸国との間の懸案の解決も重要な課題です。
中国との間では、これまで首脳間で確認してきた戦略的互恵関係の包括的推進と建設的かつ安定的な関係の構築という大きな方向性の下、意思疎通を一層強化し、双方の努力によって懸案と課題を減らし、理解と協力を増やしていきたいと考えております。もちろん、主張すべきは主張し、責任ある対応を求めていきます。
日中間には、尖閣諸島情勢を含む東シナ海や南シナ海における力や威圧による一方的な現状変更の試みや、我が国周辺での一連の軍事活動を含め、数多くの懸案や課題が存在しています。台湾海峡の平和と安定も重要です。
特に、尖閣諸島周辺の我が国領海で独自の主張をする中国海警船の活動は、国際法違反であり、認められません。
我が国の平和と安定、尖閣諸島を含む我が国の領土、領海、領空を断固として守り抜くとの決意の下、かかる行為に対しては冷静かつ毅然と対応してまいります。
韓国は、国際社会の様々な課題にパートナーとして協力すべき重要な隣国です。韓国との間には隣国であるがゆえに難しい問題もありますが、現在の戦略環境の下、日韓関係の重要性は一層増してきています。
竹島については、歴史的事実に照らしても、かつ国際法上も日本固有の領土であるとの基本的な立場に基づき、毅然と対応してまいります。
北朝鮮による核・ミサイル開発が推し進められています。一連の北朝鮮の行動は、我が国、地域及び国際社会の平和と安定を脅かすものであり、断じて容認できません。
さらに、ロ朝軍事協力は、ウクライナ情勢のみならず、我が国周辺の安全保障に与える影響の観点からも深刻に懸念すべき動向です。
米国、韓国を始めとする国際社会とも協力しながら、関連する国連安保理決議の完全な履行に向けた取組を進め、北朝鮮の核・弾道ミサイル計画の完全な廃棄を求めてまいります。
その上で、日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、国交正常化を実現するとの方針に変わりはありません。
中でも、全ての拉致被害者の一日も早い御帰国は最優先の課題であり、あらゆる手段を尽くして全力で取り組んでまいります。
ロシアによるウクライナ侵略は、国際秩序の根幹を揺るがす暴挙です。
各国の外交努力が、国際社会の結束の下、長年にわたる戦闘の終結と一日も早い公正かつ永続的な平和の実現につながることが重要です。我が国としても、G7と連携し、今後もウクライナ支援と対ロ制裁を継続してまいります。
日ロ関係は厳しい状況にありますが、領土問題を解決し、平和条約を締結することが日本政府の方針です。両国の間には隣国として解決すべき懸案事項が山積しており、適切な意思疎通を行っていく必要があります。特に、元島民の皆様の切実な思いを踏まえ、北方墓参の再開を粘り強く働きかけてまいります。
国際社会が抱える諸課題への対応にも全力で取り組みます。
中東情勢は引き続き予断を許しません。日本経済の安定と成長に不可欠であるエネルギーの安定供給、そしてこれを支える中東地域における航行の安全の確保に万全を期すとともに、同地域の平和と安定に向け、積極的な役割を果たしてまいります。
多面的な取組を通じて、国際社会で発信力を強めるグローバルサウスの国々ともきめ細やかに連携してまいります。
また、重要鉱物を含むサプライチェーンの強靱化や経済的威圧への対応、重要・新興技術の保全と開発促進など、一層重要性を増す経済安全保障の問題にも全力で取り組んでまいります。
政府安全保障能力強化支援、OSAの推進や、サイバー対応能力の向上、テロ及びサイバー犯罪を含む国際組織犯罪分野での協力の強化にも取り組んでまいります。
核軍縮・不拡散に向けては、NPT体制を維持強化し、核兵器のない世界に向けた現実的で実践的な取組を進めてまいります。
また、人間の安全保障の理念の下、貧困、気候変動、自然災害などの複合的危機への対応についての国際協力を進めるとともに、地球規模課題におけるルール形成の議論を主導してまいります。
そして、女性・平和・安全保障、いわゆるWPSについても国際的な協力を進めてまいります。
以上、我が国が直面する諸課題及び取組について所信を申し述べました。
議員各位、そして国民の皆さんの御理解と御協力を心よりお願い申し上げます。
ありがとうございます。
○前原委員長 次に、宮崎防衛副大臣。
○宮崎副大臣 この度、防衛副大臣を拝命いたしました宮崎政久です。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○前原委員長 次に、堀井外務副大臣。
○堀井副大臣 外務副大臣を拝命しました堀井巌です。よろしくお願いいたします。
○前原委員長 次に、国光外務副大臣。
○国光副大臣 この度、外務副大臣を拝命いたしました国光あやのでございます。よろしくお願いいたします。
○前原委員長 次に、若林防衛大臣政務官。
○若林大臣政務官 この度、防衛大臣政務官を拝命いたしました若林洋平です。よろしくお願いいたします。
○前原委員長 次に、英利外務大臣政務官。
○英利大臣政務官 この度、外務大臣政務官を拝命いたしました英利アルフィヤです。よろしくお願いいたします。
○前原委員長 次に、島田外務大臣政務官。
○島田大臣政務官 外務大臣政務官を拝命いたしました島田智明でございます。よろしくお願いいたします。
○前原委員長 次に、大西外務大臣政務官。
○大西大臣政務官 この度、外務大臣政務官を拝命いたしました大西洋平です。よろしくお願いいたします。
○前原委員長 次回は、来る十八日火曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後二時五十四分散会

