衆議院

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第4号 令和8年4月21日(火曜日)

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令和八年四月二十一日(火曜日)

    午前九時三十分開議

 出席委員

   委員長 西村 明宏君

   理事 大野敬太郎君 理事 門山 宏哲君

   理事 福田 達夫君 理事 本田 太郎君

   理事 保岡 宏武君 理事 河西 宏一君

   理事 前原 誠司君 理事 橋本 幹彦君

      江渡 聡徳君    大塚  拓君

      小野寺五典君    鹿嶋 祐介君

      北神 圭朗君    木村 次郎君

      塩崎 彰久君    武田 良太君

      中谷  元君    浜田 靖一君

      細田 健一君    三原 朝利君

      山田 基靖君    吉田 真次君

      若宮 健嗣君    野間  健君

      吉田 宣弘君    西田  薫君

      福田  徹君    谷 浩一郎君

      山田 瑛理君    田村 智子君

    …………………………………

   防衛大臣         小泉進次郎君

   防衛副大臣        宮崎 政久君

   防衛大臣政務官      吉田 真次君

   政府参考人

   (防衛省大臣官房長)   小野 功雄君

   政府参考人

   (防衛省防衛政策局長)  萬浪  学君

   政府参考人

   (防衛省整備計画局長)  伊藤 晋哉君

   政府参考人

   (防衛省人事教育局長)  廣瀬 律子君

   政府参考人

   (防衛省統合幕僚監部総括官)           上田 幸司君

   政府参考人

   (防衛装備庁プロジェクト管理部長)        家護谷昌徳君

   安全保障委員会専門員   飯野 伸夫君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月二十一日

 辞任         補欠選任

  長島 昭久君     山田 基靖君

同日

 辞任         補欠選任

  山田 基靖君     北神 圭朗君

同日

 辞任         補欠選任

  北神 圭朗君     長島 昭久君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 防衛省設置法等の一部を改正する法律案(内閣提出第一八号)


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     ――――◇―――――

西村委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、防衛省設置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付のとおり、防衛省大臣官房長小野功雄君外五名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

西村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

西村委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。細田健一君。

細田委員 皆様、おはようございます。

 自由民主党の細田健一でございます。よろしくお願いいたします。

 質問の機会をいただきましたことを、西村委員長また理事の先生方に御礼を申し上げます。

 今回、安全保障委員会で私は初めて質問をさせていただきます。よろしくお願いをいたします。

 元々私は、選挙区の課題を解決するという観点から、原子力発電所の再稼働を始めとするエネルギー問題でありますとか、あるいは米問題を始めとする農業問題に力を注いでまいりました。一方で、国会議員としては、やはり国でしかできない外交あるいは安全保障問題に取り組むべきだという思いがありまして、今回、心機一転、新たに安全保障委員会に所属をさせていただきました。

 実際に所属をさせていただきますと、本当に先輩議員の方々あるいは同僚議員の方々、そうそうたる方ばかりでいらして、私は本当についていけるのかどうかというのは非常に不安があるところでございますけれども、是非、温かい目で御指導、御鞭撻をいただければと思いますので、よろしくお願いをいたします。

 それでは、防衛省設置法等の質問に入らせていただきます。

 私、今回と次回、二十五分ずつお時間をいただいておりますので、今回は、まず、私自身の現在の問題意識に沿って幾つか質問させていただきたいと思っております。

 私が現在関心がありますのは、ウクライナの戦訓を今後の自衛隊の編成や装備にどう生かすかという点でございます。

 ウクライナ戦争、もうこれは皆様方にとっては釈迦に説法だと思いますけれども、無人兵器や情報システム技術の活用、あるいは領域横断作戦の実施といった、現代戦争の見本市、見本市という言葉が適当かどうかというのはありますけれども、現代戦争の見本市のような状況を呈しているということはつとに指摘されているところでございます。

 この戦争の実態を正確に分析をし、そこで得られる知見を今後の自衛隊の装備や編成に生かしていくということ、これが今求められているのではないかというふうに考えております。

 そこで、まず、ウクライナ戦争の情報やそこで得られる教訓を、同盟国との情報交換を含め、きちんと入手し、また分析する体制を防衛省・自衛隊は取っているのかどうか、この点についてお伺いしたいと思います。

萬浪政府参考人 お答え申し上げます。

 情報収集についての御質問でございますが、防衛省・自衛隊におきましては、ロシアによるウクライナ侵略につきまして、その開始以来、重大な関心を持って関連動向の情報収集、分析に取り組んでまいりました。

 具体的には、防衛省の中央情報機関である情報本部を中心に、電波情報、画像情報、公刊情報などの情報に加えまして、ウクライナに派遣いたしております防衛駐在官からの情報も含めまして、あらゆる情報源を用いて総合的に分析するということとともに、同盟国である米国を始めとする様々な国との情報交換を行うなどしてきてございます。

 ロシアによるウクライナ侵攻に関連する情報を正確かつタイムリーに収集、分析し、またその教訓を得ていくためにも、引き続き、防衛省・自衛隊全体の情報能力を効果的に活用してまいりたいと考えてございます。

細田委員 ありがとうございます。

 しっかりと取り組んでいただいているということで、大変心強い思いがしたところでございますけれども、今いろいろお話ありました、同盟国との情報交換、あるいは現地駐在の方を含めて様々な情報を入手していただいて、きっちり分析し、またその教訓を生かしていただくということ、これはしっかり取り組まれているということでございますけれども。

 ここで大臣にお伺いしたいと思いますが、ウクライナ戦争の現時点で得られる教訓はどのようなものか、そして、それを今後の自衛隊でどういう形で生かしていくのか、この御方針についてお伺いしたいと思います。

小泉国務大臣 おはようございます。細田先生も、どうぞよろしくお願いいたします。

 今、細田先生からウクライナについて問題意識を披瀝いただきましたけれども、ロシアによるウクライナ侵略では、例えば、無人機の大量運用や、これに伝統的な砲弾やミサイルを組み合わせた大規模な複合攻撃が展開されているほか、双方が電子戦、AI、宇宙、サイバー、情報戦といった要素を駆使し、以前よりも巧妙さを増したハイブリッド戦が展開されています。

 また、無人航空機については、アメリカ陸軍長官が、アメリカ陸軍は今後二、三年で少なくとも百万機を購入することを目指すという発言をしたと報じられていますし、ウクライナだけを見ても、年間で七百万台を生産をする能力を持っているとも指摘をされております。こうしたスケールで各国が動いている中で、今後日本としてどうするべきか、これも我々として考えなければなりません。

 こうした新しい戦い方に関し、それぞれが対抗する形で次々に戦い方が更新されていくという、よくラピッド・イノベーション・サイクルというふうに言いますが、二、三週間でドローンがアップデートされるような、こういったことも含めて、今後の新しい戦い方とはどのように推移していくのか、これを見据えて、我が国として何が必要かを様々な視点を持って幅広く検討していくことが必要だと考えております。

 さらに、ウクライナ侵略が四年以上の長期に及び、あらゆる種類の装備と弾薬が大量に消費をされているという現実の中で、長期戦への備え、すなわち十分な継戦能力の確保の重要性が明らかになったことも重要な教訓であります。我が国に侵攻しようとする相手に、事態を長期化させれば侵攻が成功すると思わせる隙を与えてはなりません。長期戦にも対応して抑止力を高めることのできるよう、いわば防衛力そのものである防衛産業、この防衛生産・技術基盤のより一層の強化が必要です。

 こうした観点から、ウクライナの動向について、引き続き高い関心を持って注視していくとともに、今後の防衛力についてしっかりと議論を積み上げてまいります。

細田委員 ありがとうございました。

 先日、党の方で、吉田前統合幕僚長、今の防大の校長先生のお話をお伺いする機会がありまして、ウクライナの戦争を踏まえて、今後の自衛隊の目指すべき方向というお話をいただいたわけでございますけれども。そのときに、私から申し上げた方がいいのか、二つお話しになっておられまして、一つは、最も無人化あるいは自動化が進んだ組織を目指すということと、それから人を大切にする組織、これは後で取り上げます、また少子化によってなかなか隊員の確保にも困難さが生じている中で、重要なことだと思いますけれども、人を大切にする組織という二点についてお話がございまして、非常に印象深かったところでございますけれども。

 この認識というのは、大変恐縮ですが、大臣も共有されているという理解でよろしいでしょうか。

小泉国務大臣 完全に共有しています。その今の吉田防大学校長が言われた二点は、今防衛省挙げて、この大きな方針の下で、今後の三文書の具体的な議論の積み上げを行っていこうと考えております。

 その背景には、細田先生が触れていただいたように、やはり自衛官、採用も簡単な時代ではない中でも、自衛隊を一人でも多くの皆さんに、自衛官自身のことを大切にする組織である、こういったことに加えまして、やはりウクライナの教訓も含めて、また今のイラン情勢で見ている、情勢も含めて考えれば、無人アセットをどこの国よりも駆使することができる、そういった自衛隊というものをつくっていかなければならない。全く同じ思いであります。

細田委員 大臣、済みません、やや通告と外れた質問で大変失礼いたしました。恐縮でございます。

 今大臣からお話があった、完全に共有しているというお話で、これは非常に心強い思いがいたしました。大臣を含めた政務三役を始め、いわゆる内局の方々、また現場の元トップの方が完全に認識を共有しておられるということで、これは非常に重要でありますし、また大変心強いことだというふうに考えております。

 世界で最も無人化を進めるというのは象徴的な言い方で、恐らく世界の最先端の技術を採用する組織にするということだろうというふうに思いますし、また、世界で最も隊員を大切にする組織ということは、いわゆる、何と言いますか、反面教師としての、旧軍的な発想からは完全に脱却するということで、私も大変腑に落ちる方向性だというふうに考えております。

 また、先ほどお話がありました、今、少子化の中で、隊員の充足が大変問題になる中で、やはり隊員お一人お一人を大切にするという方向性、これも大変重要だと思いますし、また、これは運用面だけでなく、待遇面でも、是非世界一の待遇を目指すという組織でやっていただきたいというふうに思っております。

 それでは、今二つ出ました、世界で最も無人化を進める組織、あるいは世界で最も隊員を大切にする組織を目指すという教訓を、今回、新たに第一五師団というのが設置されるわけでございますけれども、この辺り、設置される第一五師団を含めて、今後の自衛隊の装備や、あるいは編成にどのように生かしていくのかという点についてお答えをいただければと思います。

伊藤政府参考人 お答え申し上げます。

 防衛省として、ドローンを含む無人アセット防衛能力、これは、隊員の生命を危険にさらすリスクを減少させるとともに、相手の脅威圏においてリスクを取った活動ができる重要な能力と考えております。

 諸外国が既にウクライナの教訓も踏まえ、無人アセットを用いた新しい戦い方の構想実現に着手していることを踏まえますと、四面環海という海洋国家である我が国の地理的特性を踏まえた、我が国ならではの新しい戦い方を早期に実現する必要があると考えております。特に、前線での徹底した無人化、自動化、省人化を進めていく必要があります。その際、AIロボティクスへの重点投資、そして、より強固な戦力組成とすることが極めて重要であると考えております。

 さらに、先端技術を迅速に導入することも必要でございまして、最初から一〇〇%の性能を求める完璧主義をやめて、とにかくまず部隊で使ってみるというマインドに変革することも不可欠であると考えております。

 今後も、引き続きこれらの課題に取り組むことによりまして、無人アセット防衛能力の強化を推進してまいりたいと考えてございます。

細田委員 ありがとうございました。

 今、幾つか非常に重要なキーワードをお話しいただいたと思います。トライアル・アンド・エラーといいますか、まず使ってみるという姿勢でありますとか、それから、先ほどもお話がありました、防衛産業の基盤をしっかりと維持、振興するということ、こういうことも大変重要だという御指摘をいただいたと思います。また、この点については、私も後押しをしてまいりたいというふうに考えておりますし、そういう方向で様々な議論を行っていきたいと思っております。

 そして、今回の組織再編の中の大きな目玉として、航空自衛隊を航空宇宙自衛隊に改称し、また従来の宇宙作戦群を宇宙作戦集団に格上げするというものがあります。

 これは先ほどお話があった、宇宙領域が重要性を増すと言われている中で極めて時宜にかなった措置だと思いますし、また、高く評価をしたいと思いますけれども、これまでの視点と同様に、宇宙領域におけるウクライナ戦争の教訓というものはどういうものかについてお答えいただければと思います。

萬浪政府参考人 お答え申し上げます。

 ロシアによるウクライナ侵攻におきましては、地上侵攻の前から多数のサイバー攻撃が発生し、重要インフラや衛星通信網が標的になっていたということが指摘されてございます。こうした地上侵攻といった伝統的な侵攻の態様の前に、宇宙、サイバー領域において攻撃が行われたという状況でございました。また、アメリカ企業による通信衛星コンステレーション、スターリンクなど、民間衛星が戦場における通信、情報優位を左右しておるという状況でございます。

 ウクライナは、これにより迅速な攻撃が通信がつながるということで可能になると同時に、この要になっているスターリンクの通信障害などが起きたときには、前線部隊の通信に影響が発生する事例も見られているというところでございます。

 これらの点を踏まえまして、防衛省といたしましても、多層的で抗堪性の高い衛星通信ネットワークに加えまして、宇宙領域における通信遮断や衛星の機能妨害といった脅威の兆候を早期に探知し、対応が可能な体制を構築していくことが必要であると認識しております。

細田委員 ありがとうございました。

 様々な教訓がある、特に、通信でありますとか、あるいは指揮統制の部分で様々な事例が見られたということでございます。

 宇宙領域は特に今後重要になると思いますし、また、様々な装備あるいはノウハウも含めて是非強化をしていただきたいと思っておりますけれども、今のお話を敷衍させていただいて、特に今回新たに設置される宇宙作戦集団の編成や運用、これにどういう新たな形で装備や編成について付加されていくのかということについてお伺いをしたいというふうに思います。

伊藤政府参考人 お答え申し上げます。

 国民の生命財産を守り抜くという自衛隊の任務を果たすためには、宇宙における防衛能力の強化が不可欠であると考えております。

 ウクライナ侵略の教訓のとおり、宇宙領域における脅威の兆候を早期に探知をし、対応が可能な体制を構築をすることが必要であり、新編を予定している宇宙作戦集団はまさにそのための部隊でございます。

 宇宙作戦集団においては、地上から宇宙物体を観測するSSAレーダーの運用に加えまして、令和八年度に打ち上げを予定しております宇宙空間から監視を行うSDA衛星等を用いまして、宇宙領域の把握等の任務をしっかり行ってまいることにしております。

 また、防衛省として、抗堪性の強化や増大が見込まれる通信所要の対応のために、次期防衛通信衛星の整備ですとか、多国間の衛星通信帯共有枠組みの活用等の取組も併せて進めてまいりたいと考えております。

細田委員 ありがとうございました。

 予算の確保も含めてしっかりと取り組んでいただきたいと思いますし、また、私なりに後押しもさせていただきたいというふうに考えております。

 それでは、ちょっと視点を変えまして、自衛隊の隊員の皆さんの採用について質問をしたいと思います。

 今、自衛隊に限らず人手不足で、どこもなかなか若い人が集まってこないという状況だと認識していますけれども、こういう状況の中で、防衛省・自衛隊も大変苦労されているというふうに伺っております。

 ただ一方で、先ほどからお話がありました、世界一隊員を大切にする組織ということ、これは運用面でも重要だと思いますし、また、是非隊員の皆さんの待遇面でも世界一だと言えるような組織を実現をしていただきたいというふうに思っております。

 この観点からは、昨年、自衛官の方々の全号俸の給与アップがなされたことや、あるいは、今回の法案の中で若年定年退職給付金の増額や再就職支援の拡充が盛り込まれたということ、これは高く評価したいと思いますし、関係者の皆様に敬意を表したいと考えております。

 御存じのとおり、これも釈迦に説法でございますけれども、アメリカでは、ROTC、予備役将校訓練課程という制度がありまして、多くの若者がこの制度で学んでいるというふうに伺っております。私もアメリカの留学経験というのがございますけれども、大学院レベルでも多数の軍人あるいは軍の関係者の方が在学しておられて、米軍の知的基盤の厚みというもの、これに大変感銘を受けた記憶がございます。

 そこで、提案ですけれども、学ぶ意欲のある若い方に自衛隊に入隊をしていただくために、例えば自衛隊奨学生の貸与金、現行八万円というふうに伺っておりますけれども、これを、例えば、学費の総額も出し、またそれに加えて月額の貸与金というのを出すというふうに増額をしたり、あるいは、退職時の進学支援の金額、これも上限があると伺っていますけれども、この退職時進学支援の金額、これも例えば学費は全額支給するというような形にして、学ぶ意欲のある若者を引きつけるような魅力のある制度をつくっていただければと思いますけれども、いかがでしょうか。

 これは今、様々、防衛力整備のために予算が増額されていますが、こういう若者の就学支援も含めた人づくりの面でも、是非予算を増額していただければと思っておりますけれども、御見解をお伺いしたいと思います。

廣瀬政府参考人 お答えいたします。

 自衛隊の各種任務の専門性は高まっており、厳しい募集環境が続く中、特定の分野の知識を有する優秀な人材をより一層確保することは重要な課題です。そのため、御指摘の自衛隊奨学生制度につきましては、学資金の貸与額が、令和六年度までは月額五万四千円、年額六十四万八千円でしたが、令和七年度から、月額八万円、年額九十六万円に増額し、さらに、専攻する学術の対象を、理系、理学又は工学のみから、文系、文学又は法学にも拡大をし、募集対象も、高等専門学校や専修学校等にも拡大しております。

 また、任期満了退職後の大学等への進学に対する支援を通じ、任期制自衛官の魅力化を図るとともに、予備自衛官等の充足向上につなげるため、進学支援給付金制度がございます。こちらにつきましても、令和七年四月以降、即応予備自衛官に対する給付金の上限額を国立大学の学費相当である年額五十三万五千八百円に、予備自衛官につきましても上限額を年額三十五万六千円に引き上げております。加えて、本年四月には夜間及び通信制の大学等を支給対象に加えております。

 防衛省としては、引き続き、こうした自衛隊奨学生制度や進学支援給付金制度の拡充の周知などに努めるとともに、不断に検討を行い、優秀な人材の確保に努めてまいります。

細田委員 ありがとうございました。

 種々段階を踏んで拡充をしていただいているということはよく理解できました。

 先日、防衛省の担当者の方といろいろお話をさせていただいて、制度がなかなか周知されていないんじゃないかというようなお話もありましたので、ネット広告を含めて、是非様々な周知の工夫をしていただければというふうに思いますし、また、種々増額していただいているのは分かるんですけれども、まだまだ充足率という観点からは苦労されているというふうに認識をしておりますので、そこは一段の増額の可能性を是非探っていただければということをお願いをいたします。

 これで質問を終わります。ありがとうございました。

西村委員長 次に、河西宏一君。

河西委員 おはようございます。中道の河西宏一でございます。

 本日、防衛省設置法等の一部改正の法案に関する質疑、どうぞよろしくお願いをいたします。副大臣もありがとうございます。また小泉防衛大臣、また防衛省の皆様、連日の防衛に資する激務かと思いますけれども、日頃の取組に心から感謝を申し上げたいと思いますし、今日は人的基盤の強化ということがテーマとなっております。

 私も先日、防衛医科大学校の卒業式、また先週は、練習艦の「かしま」また「しまかぜ」に着任をされている、本当に自衛官としてスタートして一か月ばかりという方々ともいろいろお話を伺いまして、この人的基盤の強化、非常に大事だというふうに思っておりますし、防衛省の体制の強化、これも大事だというふうに思っておりますので、その思いを胸に質疑をさせていただきたいというふうに思っておりますので、どうかよろしくお願いをいたします。

 まず冒頭、この本法律案の戦略的な位置づけについて、少しバードビューで伺いをさせていただきたいというふうに思います。

 この本法律案の組織改編、今回は航空宇宙自衛隊への改編、また宇宙作戦集団の新編、また、これは陸自でありますけれども、第一五師団への改編、これはいずれも現行の戦略三文書、防衛力整備計画に基づくものであります。

 しかし、他方で、これは累次指摘をされておりますけれども、その後三年半で安全保障環境は一変をしたということであります。中国、ロシア、北朝鮮、これは戦略的に協力を深めている、また同時に、米国の対外的コミットメントの在り方にも変化が見られているということでありまして、これは既存の文書が前提としていた安全保障環境とは大きく乖離しつつある、こういった見方があるわけでございます。

 また、トランプ政権では、同盟国をパートナー国と依存国に分類をする向きもありますし、また、米国単独では対中の軍事バランス、これを維持できない、あるいは維持すべきではない、こういったことで、我が国に対しても第一列島線における自衛能力の強化、また米軍への支援拡大も強く要求をしているところであります。

 そこで、まず本法律案の各施策でありますけれども、これは、二〇二二年時点の戦略三文書に基づく当初の予定また計画の消化にとどまるのか、それとも激変するこの安全保障環境を踏まえた再検討、こういった結果も反映された内容なのか、まず大臣の御認識をお伺いしたいというふうに思っております。

小泉国務大臣 本日も、河西先生、よろしくお願いいたします。

 戦後最も厳しく複雑な安全保障環境の中、我が国周辺では日々緊張感のある状況が続いており、防衛協力・交流の深化や装備移転、宇宙、サイバー等の新領域への対応、人的基盤の強化等、防衛省が対応すべき政策課題は増大をしています。

 本法律案は、このような中、防衛省・自衛隊として防衛力を抜本的に強化し、あらゆる事態への対応に万全を期すために、その組織を変革させ、そして自衛官の処遇等を改善させるためのものであります。

 本法律案における航空自衛隊の航空宇宙自衛隊への改編や陸上自衛隊第一五旅団の師団化などについては現行の三文書に記載されておりますが、宇宙領域における防衛能力の強化や南西地域の防衛体制の強化のために行うものであり、まさにますます厳しさを増す安全保障環境にしっかりと対応した内容となっています。

 また、現行の三文書に直接の記載はありませんが、緊急事態や大規模自然災害等が同時に生起した場合の対応などに万全を期すとともに、政務レベルでの諸外国との防衛協力・交流を更に深化、拡大させるため、防衛副大臣を二人体制へ強化いたします。

 さらに、令和六年十二月に関係閣僚会議で取りまとめられた自衛官の処遇改善等に関する基本方針に基づき、人的基盤の抜本的強化として、若年定年退職者給付金の給付水準の引上げ、再就職支援の拡充などの取組も行います。

 このように、本法律案は現行の三文書策定以降に生じた変化を含め、現在直面する安全保障環境にしっかりと対応するものです。

河西委員 まさにこの動乱期を我が国が生き抜く鍵といたしまして今よく言われるのは、自分の国は自分で守る戦略的自律性ということと、また、加えまして、やはり、同盟国また同志国としっかり連携を取って我が国が欠かせない存在になる戦略的不可欠性の確保が指摘をされております。最近の議論は自律性が前面に出る向きが強いというふうに思いますけれども、やはり私は自律性と不可欠性のバランスが非常に重要であるというふうに考えております。

 例えば、日米の防衛協力に関しましても、自律性のみに縛られてしまいますと、いわゆる抑制主義でありますとか、あるいはゼロサム的発想に引っ張られかねないということであります。やはり、我が国の不可欠性の観点から、対中抑止など共通の戦略目標に向けた日本の役割や貢献を深化をさせていく、ポジティブサムといいましょうか、こういったものの発想も重要であるというふうに思っております。

 そこで、本法律案は、動乱期における中で、この戦略的自律性と戦略的不可欠性、どのようにバランスを取りながら確保していく施策の推進と言えるのか、大臣の御所見をいただきたいと思っております。

小泉国務大臣 今委員が御指摘のとおり、自らの国は自ら守るという強い意思と努力が重要なのはもちろんですが、この意思と努力を前提に、いざというときに同盟国等とともに守り合い、助け合えるようにしていくことが重要です。今や、どの国も一国では自国の安全を守ることはできません。

 そして、本法律案は、防衛副大臣の増員や航空宇宙自衛隊への改編など、必要な防衛省・自衛隊の組織改編や人的基盤の抜本的強化により、我が国自身の抑止力、対処力を強化するとともに、同盟国、同志国等との連携を強化するものです。

 例えば、防衛副大臣を二人体制へと強化することにより、緊急事態や大規模自然災害等が同時に生起した場合の対応などに万全を期すことができるようになりますし、よりよい安全保障環境を構築し、同盟国や同志国との関係をより一層強化していくためにも、諸外国との防衛協力・交流を更に深化、拡大させる必要があり、政務レベルでの対応を強化するものであります。

 また、航空自衛隊の航空宇宙自衛隊への改編及び宇宙作戦集団の新編は、宇宙領域把握、SDAを含め、我が国の宇宙領域における能力の強化になるほか、アメリカとの宇宙領域把握等に係る協力、多国間枠組みへの参加、ハイレベル交流などを通じ、宇宙領域における同盟国、同志国との連携協力の強化にも大きく寄与するものであります。

 河西先生からは不可欠性というお尋ねも後段にありましたけれども、私は、この週末、オーストラリアに行っていまして、オーストラリアと「もがみ」型の護衛艦の最終的な契約完了を見届けてまいりました。そのときに、両国で使っていた言葉が、価値観や戦略を完全に共有する日豪の関係という、ここまでやはり思いを一致をさせた上で、この防衛装備品の移転を今までにないレベルで共有することによって、結果、地域全体に対して、日本にとっても望ましい安全保障環境を構築をしていく一つのツールになる、こういったことも、まだ始まったばかりでありますけれども、今後も、私も状況が許せば各国にもしっかりと行った上で、日本の不可欠性を共有できるような、そんなパートナーをつくっていく上でも、この法律にある副大臣の増員というのも不可欠だと思います。

 なお、今回、オーストラリアから帰国する直前に北朝鮮のミサイルが発射をされ、私はメルボルンの空港で急遽記者会見をやりましたが、そのときに在京で当たってくれたのが宮崎副大臣、若林政務官などで、まさにこういった厳しい安全保障環境の下で、副大臣が一名でやっているのは防衛省と法務省だけでありますから、この防衛省の副大臣の増員というものにも広く国民の皆さんの理解を得られるように、丁寧にこの国会に臨んでいきたいと思います。

河西委員 大臣、ありがとうございました。

 今、日豪関係、「もがみ」型の最終的な契約の御答弁もいただきました。私も非常に大事だというふうに思っておりますし、また、シンガポールのシンクタンクでは、なぜ日本が信頼をされるのかと。それは、やはりそのような、具体的な防衛協力もそうですし、国際法をしっかり遵守をしていくという、そういった日本がやはり評価をされているということでありますので、ますますそのプレゼンスを高めていただくべくお取組をお願いを申し上げたいというふうに思っております。

 今まさに言及いただいた、副大臣を今回二名に増員をされるということで、そのことについてお伺いをしたいというふうに思っております。宇宙、サイバー、ドローン対処、また災害も激甚化、頻発化され、昨日も三陸沖で地震があったところであります。政務レベルの質量共に業務量が増えているということをよく承知をしておりますけれども。

 今日は、宮崎副大臣、お忙しいところ、まさに今回の立法事実の一つの、お一人であるというふうに思っておりますけれども、現状の副大臣一名体制でどのような課題、御苦労があるのか、今日は御答弁いただきたいというふうに思っておりますし、また、併せて、小泉大臣には、二名に副大臣がなったその具体的な役割分担、これは、所掌が横断的分野と個別的分野はどうなるのかというようなこともありますし、これはシビリアンコントロールにも資する、そういったものであるというふうに思いますので、それぞれ、副大臣、また大臣、御答弁をいただきたいと思っております。

 では、副大臣の方から。

宮崎副大臣 河西先生、御質問ありがとうございます。

 戦後最も厳しく複雑な安全保障環境の中、防衛省が対応すべき政策課題は増大をしております。このような中、防衛省・自衛隊として、政策課題やあらゆる事態への対応に万全を期す必要がございます。

 例えば、同盟国、同志国との関係強化のため、諸外国との防衛交流、防衛協力も一層深化、拡大をさせる必要がございます。中でも、政務による各国との会談を含む交流の実績は、近年では年間百五十件以上となっておりまして、ここ十年では三倍となっております。私自身も、カウンターパートと、着任以来、国内で、また海外で日常的に防衛協力・交流を行っているところです。

 一方で、今御指摘がありましたとおり、安全保障上の緊急事態であったり、大規模自然災害などございます。特に、同時に生起したような場合には、防衛大臣と防衛副大臣が分担をして、国会や国家安全保障会議、災害対策本部会議などに出席をしたり、至急現地に赴くというようなことも対応を求められるところでございます。

 こういう中で、先生から、苦労であるとか立法事実にわたるようなことというようなことでありましたが、少しだけ言及いたしますと、例えば、二月の八日の日に選挙がございましたけれども、私は、その翌日の九日からポーランドの方に出張になっており、選挙が終わってもうすぐに海外に出るというような、国際交流、防衛交流も大変活発に行っております。

 また、平素から、私と大臣とで分担をして在京の態勢を、待機態勢を取っております。この中でいいますと、事案が発生すると至急登庁して対応するということになりますので、先ほど大臣から言及ございましたが、一昨日十九日も、午前六時台に北朝鮮が複数の弾道ミサイルを発射をいたしました。小泉大臣、海外出張中でいらっしゃいましたので、私の下で関係幹部会議などを開催するなどをして対応しております。

 また、私は地元が沖縄で、若干地元に帰りにくい、距離があるのでというところもございますが、それは私自身が喜んで仕事をしているところでありますが、他方、私が地元に帰るとなった場合には、いろいろ公務をこなさなければいけない、大臣が在京で対応しないといけないというような事情もございます。

 ですから、防衛副大臣を一名から二名の体制とすることになりますれば、緊急事態への対応であるとか防衛省が対応すべき政策課題、更に円滑に進むのではないかと考えております。

小泉国務大臣 今、副大臣から、副大臣が一名体制の中での御苦労などお話しいただきましたけれども、多分言えなかったことの一つは、私を補佐するのも大変ですという、それは本人は言えなかったと思うので、いつもありがとうございます。

 それと、吉田政務官も会場にはいらっしゃいますけれども、副大臣が一人体制で、今日は会場に歴代の防衛大臣がいらっしゃいますが、本当に、一人の副大臣でやっているという数少ない省庁の中で、ほかの省庁が負うことのない国防という最も重い責務を負っている中で、結果として、吉田政務官を含め、若林政務官もそうですが、それぞれに相当な負荷がかかっていると思います。

 こういった中で、今回、皆さんの御理解を得られれば、二人体制になる中で、最終的には、増員後の具体的な役割分担については、二名の副大臣が実際に着任する際に、本人の経歴などを考慮しつつ防衛大臣である私が決定することとなりますが、基本的な役割分担の考え方としては、省全体として総力を挙げて対応する必要のある危機管理対応等の業務や、全体を俯瞰しながら対応することが望ましい防衛協力等の業務については両副大臣が共通して担当することとし、その他の所掌事務は部局ごとに分担を割り振ること、これを想定をしています。

 また、防衛副大臣は、大臣不在の場合、その職務を代行する任務を担っており、約二十四万人の自衛隊員を抱える組織をしっかりと管理運営していくという点において、重要な役割を担っております。

 また、文民統制、シビリアンコントロールの観点も御質問がありました。これにつきましても、防衛副大臣による防衛大臣の補佐は、防衛大臣による文民統制を助けるものとして重要な役割を果たしており、防衛副大臣の増員は、防衛大臣をよりきめ細やかに補佐することが可能となるため、シビリアンコントロールの強化に資するものと考えています。

 北朝鮮のミサイル事案等、緊急での対応が求められる防衛省において防衛副大臣を二人体制に強化することは、国民の命と平和な暮らしを守り、日本の領土、領海、領空を断固として守り抜くということにつながるものであると考えております。

河西委員 御答弁ありがとうございました。

 この国防に対する様々な所掌をより効果的に行っていくということと、あと、先ほど防衛大臣が御答弁いただきましたシビリアンコントロール部分も、それぞれの政務三役の皆様の遵法意識、また国防に対する勝負勘、加えまして民主主義に対する畏敬の念、こういったことも非常に問われてくるというふうに思いますので、是非よろしくお願いを申し上げたいというふうに思っております。

 副大臣、また陰にひなたに様々あると思いますので、もし、以上で通告は終わりますので、よろしければ御退席いただいても結構でございます。ありがとうございました。

 続きまして、本法律案の核心であります宇宙分野についてお伺いいたします。

 報道によれば、中国の偵察衛星、遥感、稼働が約八十基ということでありました。日本上空を約十分に一回という頻度で通過をしているということであります。また、横須賀基地付近で、まさに大臣の御地元でありますけれども、一日に平均約四十八回の通過が確認をされているということであります。佐世保基地も同様の頻度で監視をされているということで、遥感の大半はレーダーや通信の電波を収集をして発信源の位置を特定するタイプ、米空母などの動静を監視をしている可能性が高い、こういった指摘もございます。

 すなわち、遥感は、中国のA2AD、接近阻止、領域拒否、この能力を構成する大規模なセンサーネットワーク、有事においては短期決戦を制するための目となる、こういった指摘もあるわけであります。

 そこで大臣に伺いますけれども、中国の偵察衛星、遥感による日本上空の常時監視体制及びA2AD、この能力、戦略における当該衛星群の役割について、政府としてどのように評価をしているのか。また、我が国におきましては、二〇二七年度末にも本格運用が予定をされておりますけれども、衛星コンステレーション、この構築が進められておりますけれども、こうした中国の動向を踏まえつつ、我が国として所要の能力の強化、これをどうお考えなのか、見解をいただきたいと思っております。

小泉国務大臣 各国は宇宙領域における能力強化に注力しており、特に、先生御指摘の中国は、衛星による情報収集、通信、測位など、軍事目的での宇宙利用を積極的に行っています。

 御指摘の偵察衛星、遥感は、百基以上が軍事目的で運用され、画像、電波情報を収集し、軍艦等の位置情報を取得している旨、指摘されているところであります。これらの能力は、中国の太平洋における艦艇等の監視能力を強化し、いわゆるA2AD能力や、より遠方での作戦遂行能力の構築につながる可能性があります。

 防衛省・自衛隊としても、宇宙空間における能力強化は喫緊の課題と考えており、一例として申し上げれば、スタンドオフ防衛能力の実効性の確保等を目的とした画像衛星コンステレーションの運用を今月から開始いたしました。

 また、本日御審議いただいております防衛省設置法の改正案において、航空自衛隊の航空宇宙自衛隊への改編及び宇宙作戦集団の新編を行うこととするなど、体制の強化にも取り組んでおります。

 防衛省としては、これらの取組を通じ、我が国全体における宇宙空間の安定的利用の確保、そして抑止力、対処力の強化を図ってまいります。

河西委員 今御答弁いただきましたとおり、本法律案には、宇宙領域の部隊、これを以前の作戦群三百十人から、現在の作戦団六百七十人を経まして、作戦集団八百八十人体制へと拡大をする、また、指揮官も空将補から空将に格上げとなる、こういったことが盛り込まれているわけであります。ちなみに、米国の宇宙軍は約九千人という非常に大規模であります。

 その上で、防衛省が昨年七月に策定をいたしました宇宙領域防衛指針、このロードマップを拝見をいたしますと、二〇三五年までにSDA、宇宙領域把握、この能力の構築でありますとか、HGV、極超音速滑空弾、このリアルタイム探知及び追尾、またAIによる情報処理、これも非常に今後大事なテーマになってくるというふうに思いますし、またPATSへの参加、HAPSあるいはミッションアシュアランス、機能保証等々、非常に広範な能力構築、計画をされているところでありますけれども。

 これは参考人の方にお伺いいたしますが、この八百八十人体制、このロードマップに掲げられた広範な任務、これはどの程度遂行し得る規模なのか。また、今後、ロードマップの進展に応じて、段階的な増員でありますとか、そういった方針、計画、これを策定するお考えはあるのか、御答弁いただきたいと思っております。

伊藤政府参考人 お答え申し上げます。

 防衛省としましては、令和二年度に宇宙の専門部隊である宇宙作戦隊をまず二十名規模で創設して以来、宇宙空間の安定的利用を確保することを目指しまして、宇宙の専門部隊の能力を段階的に強化をしてまいりました。

 おっしゃられましたように、令和八年度、宇宙空間から監視を行う宇宙領域把握衛星の打ち上げ、宇宙物体の位置を高精度で計測するレーザー測距装置の運用開始を予定をしておりまして、この宇宙の専門部隊は約八百八十名規模の宇宙作戦集団に拡充をすることとしております。

 これによりまして、おっしゃられました宇宙領域防衛指針のタイムラインで示されましたSDA衛星の運用を始めとする任務を着実に遂行するための体制を確保可能と考えております。

 一方で、この宇宙領域専門部隊の将来の体制につきましては三文書の見直しの中で検討をしていく考えでございまして、宇宙領域防衛指針の内容も踏まえまして、宇宙の防衛能力に必要な体制を強化すべくしっかりと検討を行ってまいりたいと考えております。

河西委員 検討のほどよろしくお願いを申し上げます。

 この宇宙作戦集団でありますけれども、これは航空宇宙自衛隊の下に置かれるわけであります。他方で、この宇宙領域防衛指針には、防衛省・自衛隊が行う各種任務を宇宙領域から保証、支援していくということで、いわゆるオールドメイン、横断的に機能していくということであります。これは他国と何か一概に比較できるものとは思いませんけれども、アメリカは宇宙軍を有し、また中国も、旧戦略支援部隊から宇宙、サイバー、情報、三部隊を独立して新設をしたということもあります。

 そこで大臣に伺いますけれども、今回なぜ我が国はこの宇宙作戦集団、共同の部隊ではなく航空宇宙自衛隊の下に置くのかということであります。そういう中で、陸自、海自との情報共有や統合運用に支障はないのか、こういう問題意識もありますし、また将来的に、何か独立した、宇宙自衛隊、こういうような発展を視野に入れているのかどうなのか、現時点での御見解をいただきたいと思っています。

小泉国務大臣 これまで自衛隊が行うSDA、宇宙領域把握については、警戒管制レーダー等を用いた航空領域の警戒監視任務と親和性があることに鑑み、航空自衛隊において実施してきました。今般、宇宙作戦能力の強化のため、宇宙作戦集団を新編することとしましたが、航空領域と宇宙領域の任務の親和性について状況に変化はないことから、委員御指摘の宇宙自衛隊といった組織の新編ではなく、航空宇宙自衛隊に宇宙作戦集団を置くということが適切だと判断をしたものであります。

 宇宙作戦集団に限らず、統合運用による円滑な任務遂行を図る必要がある場合には、防衛大臣の命令により、統合作戦司令官が必要な部隊を一部指揮することになるため、航空宇宙自衛隊に宇宙作戦集団を置くことで統合運用に支障が生じるということはありません。

 防衛省としては、航空宇宙自衛隊を創設し、宇宙領域における防衛能力を着実に強化していくこと、これが我々に課せられた重要な課題だと認識しており、引き続きしっかりと取り組んでまいります。

河西委員 ありがとうございます。

 内局について伺いますけれども、防衛省は、今年度、整備計画局に宇宙分野を専門に担当する、そういった組織を新設をする、そして装備品の調達と政策立案は一元化する、こういった報道がございました。

 その中で、この内局の体制、十数人ということであります。宇宙作戦集団は八百八十人に規模が拡大をしていくということでありますけれども、自衛隊の作戦能力に見合ったこういった内局の機能を備えることは不可欠でありますけれども、先ほど申し上げましたロードマップを踏まえまして、この十数人というのが十分なのかどうなのか、また将来的な拡充のお考え、これを参考人にお伺いしたいと思っております。

萬浪政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘ございましたように、今年度、内部部局におきましては、整備計画局でございますけれども、宇宙関連施策の推進体制を強化を図るための部署として、参事官、宇宙担当参事官という通称をすることになろうかと思いますが、新設することとしております。必要な人員としましては、十数人とおっしゃいましたが、約二十人というふうに予定してございます。

 宇宙関連の各種施策につきましては、オールドメインというお話もございましたけれども、ほかのドメインとも連携しつつやるものでもあり、宇宙単体だけではないところもございますので、当該部署のみならず、宇宙に関連する運用、教育などを担当する部署はまだほかにございますので、これらと緊密に連携して推進していく予定でございます。

 宇宙を担当する参事官の今後の体制につきましては、御指摘ございました宇宙領域防衛指針で示した宇宙領域における防衛能力強化を着実に進めていく中で不断に検討してまいりたいと考えてございます。

河西委員 是非よろしくお願いをいたします。

 続きまして、陸自の第一五師団への改編に関連してお伺いをいたします。

 まさに部隊編成、防衛力の実効性を左右する極めて大事な基本構造であるというふうに思っております。日米あるいは同志国との連携、その中で相互運用性の確保、ここに関わってくるものというふうに思っております。

 まず事実確認でありますけれども、陸上自衛隊における部隊の編成単位、師団、旅団、連隊、大隊、中隊とこういったものがありますが、各単位の構成人数の現状についてお示しをいただくとともに、併せて、米軍あるいはNATO加盟国軍、平時から共同訓練を行う同盟国及び同志国の陸軍あるいは海兵隊等における部隊編成単位、構成人数の概要について、政府の把握されているところを御答弁いただきたいと思います。

伊藤政府参考人 お答え申し上げます。

 陸上自衛隊の部隊の構成につきましては、方面隊、師団、旅団、連隊、中隊といった部隊の階層を設けております。部隊の人数規模につきましては、各部隊の任務や特性等によってそれぞれ異なりますが、一例として申し上げますれば、師団については約四千九百から約七千七百名、旅団については約二千三百から約四千名、普通科の連隊は約一千名程度、中隊は約百五十名程度となっております。

 諸外国の事例についてでございますが、同盟国であるアメリカ、それからイギリスを例に挙げますれば、まず米陸軍では師団、旅団、大隊、中隊といった階層があり、それぞれ、師団については一万から一万六千名、旅団については三千から五千名、大隊については最大一千名、中隊については六十から二百名と承知をしております。

 英陸軍につきましては、師団、旅団、大隊又は連隊、中隊といった階層がございまして、それぞれ、師団については約一万名、旅団については約五千名、大隊については約七百二十名、中隊については約百二十名と承知をしております。

河西委員 ありがとうございました。

 今の御答弁を踏まえて伺います。

 今御答弁ありましたとおり、陸上自衛隊の師団は、この米軍、英軍、NATO、この師団の下限に近い規模であるということであります、陸自の師団はですね。一方で、今回改編される第一五師団は三千九百人ということでありますので、米英でいえば旅団の規模にとどまるわけであります。

 問題意識ですが、この相互運用性をより確実なものとするためには、装備品の共通化、これももちろん大事であります。その上で、基本的な部隊の編成単位についても一定の整合性が大事なんだろうと、共通化をできる限り図るべきではないかというふうに考えております。部隊の名称、また実際の規模、ここにずれがあれば、場合によっては共同作戦における指揮調整に支障が出てくるのではないか、こういう問題意識であります。

 大臣に伺いますけれども、この点について、現状、共同訓練や共同作戦計画の策定において、部隊規模の不整合が、具体的にどのような調整コストを生んでいるのか、また、今後何かしらの見直し、これを図るつもりはあるのか、御見解をいただきたいと思います。

小泉国務大臣 まず、各国軍における部隊の編成は、階層や人数規模を含め、各国ごとの地理的特性や安全保障環境、運用構想等の下に定められていると承知をしています。

 一方、日本は、四面環海であり、平地が狭く、多くの島嶼部を抱えるという地理的特性も踏まえ、専守防衛の下、北は北海道から南は沖縄までの我が国の国土を間断なく防衛、警備が行えるよう陸上自衛隊の部隊を編成し配備しており、我が国の防衛に適した部隊の規模として、一個師団当たり約四千九百名から約七千七百名となっております。

 その上で、委員の御指摘のとおり、同盟国、同志国との間でしっかりと連携できるようにしておくことは大変重要です。この点、日米同盟を基軸として、同盟国、同志国との間のネットワークを重層的に構築し、部隊間の相互運用性の向上や連携強化などを図るとともに、各種共同訓練の実施に当たっては、参加規模を含む訓練内容等を事前に調整することとしていることから、現時点では、訓練の実施に支障はなく、基本的な部隊編成の規模を整合させる必要性はないと考えています。

 防衛省としては、自衛隊がより効率的に機能を最大限発揮できる体制を実現していくため、どのような体制が必要なのかしっかりと議論をしていくとともに、こうした同盟国、同志国との間での共同訓練等を積み重ねることによって、部隊レベルを含む様々なレベルにおいて連携を深め、我が国の安全保障を確保するための取組を強化していきたいと考えています。

河西委員 ありがとうございます。

 今、現時点では支障はないということで、その上で、どのような体制が必要なのかもしっかり議論をされるということであります。今後の取組の強化、期待を申し上げたいというふうに思っております。

 続きまして、人的基盤についてお伺いをしてまいりたいというふうに思っております。

 自衛官の定数、これは、累次、課題認識は皆様から示されるところでありますけれども、まさに防衛力の持続性を支える根幹的な要素であります。人口減少が進行する中で、これをどのように乗り越えていくのかということであります。

 まず、基本的なことを確認をいたしますけれども、現在の自衛官定数、二十四万七千百五十四人、この算定に用いられている考え方、基準の内容について、端的に参考人の方に御答弁をいただきたいと思います。

伊藤政府参考人 お答え申し上げます。

 自衛官の定数につきましては、自衛隊の任務の遂行に必要な部隊等において、あるべき自衛官の人員数を積み上げたものという考え方を取っております。

 現在、御指摘のとおり、二十四万七千百五十四人でございまして、現行の防衛力整備計画では、この想定数を維持をすることとしております。

河西委員 任務の遂行に必要な部隊等、これについてあるべき自衛官の人数、こういう御答弁でありました。

 その上で、防衛省内の検討会の有識者会議におきましても、自衛隊につきましては、人口動態を踏まえれば、現実的に現在と同水準の人的規模を維持することはほぼ不可能、こういう大変厳しい、また現実的な指摘がなされました。

 まず、これは確認ですけれども、自衛官の幹部、准尉、曹、士、各クラスの平均年齢と充足率、また、自衛官の平均年齢は一般職の国家公務員と比較してどうなのか、これも参考人の方に端的にお答えをいただきたいと思います。

廣瀬政府参考人 お答えいたします。

 令和七年三月三十一日時点の自衛官の平均年齢につきましては、幹部については約四十二・二歳、准尉及び曹については約三十九・三歳、士については約二十二・三歳となっております。

 それぞれの階級における充足率について、幹部については九二・八%、准尉については九六・二%、曹については九八・四%、士については六〇・七%となっております。

 また、令和七年四月一日時点の一般職国家公務員の平均年齢は約四十一・八歳と承知しております。これに対し、令和七年三月三十一日時点の自衛官の平均年齢は約三十七・四歳であり、自衛官の方が約四・四歳低くなっております。

河西委員 当然、求められる能力がありますので、平均年齢が若いわけであります。その分、人口動態の影響を大きく受けるということであります。

 これはやはり構造的な問題であるということで、大臣にお伺いをしたいというふうに思いますけれども、今後の定数の在り方について、発想の転換、あるいは新しい発想を盛り込んでいくことが大事だろうというふうに思っております。

 先ほどの、必要な任務からの積み上げ、そこから算定する方式から、人口制約を前提に逆算をしていくことも大事なんだろうというふうに思っております。当然、そこには、省人化、無人化、また戦略任務の優先順位、様々な視座が大事でありますけれども、すなわち、何人必要かということとともに、確保できる人数で何ができるかという考え方、こういった視点も大事だろうというふうに思っております。

 この点について大臣の御見解を伺うとともに、今後の戦略三文書の改定に際しまして、定数問題をどのように位置づけ、政策的に整理をされていくのか、御所見をお伺いしたいと思います。

小泉国務大臣 河西委員が御指摘のとおり、今後、自衛官の募集対象人口の減少は不可避であります。ですので、先ほど細田委員からも御指摘のありました、世界一無人アセットを駆使する自衛隊をつくらなければならない、こういった思いもまさにその一つでもありますし、厳しい現実を前提に各種施策を検討し、実施していく必要があります。

 そして、厳しさを増す安全保障環境を踏まえれば、人口減少の中にあっても、国民の皆様の生命や平和な暮らしを守り抜くため、防衛力を一層強化していくことが必要です。

 このため、まず、募集、採用、中途退職抑制をより一層強化して、可能な限り現員を確保するとともに、自衛隊員一人一人の能力を最大限に引き出すための人的基盤の強化策、これに取り組んでいきたいと思います。つまり、今いる人をいかに大切にできるか、こういったことも大事な観点だと思っています。

 加えて、無人アセットの導入や既存アセットの無人化、自動化改修を徹底的に進め、効率的、効果的に戦力発揮するための組織体制の構築、アウトソーシングの一層の活用等を推進し、防衛力の一層の強化や変革につなげていくことが必要です。

 お尋ねの定員の在り方についてでありますが、こうした施策の効果のほか、募集対象人口の減少も踏まえ、今後検討していきます。現時点で何ら決まったものはありませんが、引き続き、本年中の三文書の改定に向けた検討の中でしっかりと進めていきたいと思います。

河西委員 是非、今後、合理的、戦略的に、また防衛力の維持強化に向けて様々な知恵を結集をしていただきたいというふうに思っております。

 時間がもう残り三分を切りましたので、最後の設問に、一問飛ばして最後の設問、大臣にお伺いして終わりたいというふうに思っております。

 今回、導入が法案で提起をされておりますいわゆる若退金、若年定年退職者給付金でありますけれども、この効果が非常に大事なんだろうというふうに思っております。実際に新しく募集がどう増えるのか、あるいは早期退職者がいかに減るのかということであります。

 これは何をもって、いつ、どのように検証していくのか、様々な指標があると思いますけれども、その検証のスケジュールとか指標をお示しいただきたいというふうに思いますし、また、効果が仮に、これは望むところではありませんが、十分でなかった場合には、どのような追加的な措置を講じていくお考えがあるのか、大臣に、最後、御答弁をいただきたいというふうに思っております。

小泉国務大臣 令和六年度末の自衛官の充足率は約九〇%、中途退職者数は約五千六百二十名であり、強い危機感を持っています。

 今後、自衛隊にとって、採用数の確保だけではなくて、先ほど私が申し上げましたが、今いる人材を大切にすることが最重要の課題となります。このため、防衛省として、自衛官の処遇、生活、勤務環境の改善、新たな生涯設計の確立等に係る各種施策に取り組んでいます。

 例えば、これらの施策によって、令和八年二月末時点における志願者数は令和六年度の同時期に比べて増加しており、これを踏まえ、機械的に計算をすれば、令和七年度の採用者数については、採用計画数約一万五千人に対して一万人以上を確保できていると見積もっています。また、令和七年度二月までの自衛官の中途退職者数については、令和六年度の同時期より約七百十名減少しています。

 自衛官の充足率は、引き続き厳しい状況が継続していますが、各種施策の効果が募集、採用及び中途退職の抑制に一定程度表れているものと考えています。

 また、各種施策を有効に実施するためには、先生御指摘の施策の効果や隊員の生活、勤務環境などの現状を把握し、課題を明らかにしていくことが必要です。このため、令和七年度の実績などの成果を指標として把握した上で、令和八年度も各幕僚監部とも連携した自衛官等へのアンケートや現地調査などにより、各種施策の効果の検証を行い、これらの結果や隊員のニーズ等も踏まえながら、人材確保に資する新たな方策も不断に検討してまいります。

 なお、若年定年退職者給付金については、処遇・給与部会で御審議いただき、本制度の目的等を踏まえ、最も適切かつ自衛官の処遇改善につながる見直しとして取りまとめたものでありますので、ほかの案を採用することは考えておりません。

 引き続き、自衛官が社会の中で誇りを持って仕事に邁進でき、自衛官の御家族も胸を張って生活できる環境の構築を模索をし、働きがいのある組織づくりにも積極的に取り組んでまいります。

河西委員 時間が参りましたので、終わりますが、先ほど大臣が最後触れていただいた御家族、この観点も非常に今後大事かというふうに思っておりますので、更なる取組の充実、御期待を申し上げまして、質疑を終わります。

 ありがとうございました。

西村委員長 次に、野間健君。

野間委員 中道改革連合の野間健です。安全保障委員会では初めて質問させていただきます。よろしくお願いいたします。

 小泉大臣、まず資料を御覧いただきたいと思うんですけれども、資料一ですね。これは、アメリカの国防総省の軍人に対する指令の一節です。現役の軍人は、以下の行為をしてはならない。党派的な政治資金調達活動、集会、大会、その過程での演説を含む、選挙運動の管理、又は討論会に、自身又は他者のために参加してはならない。この際、制服の着用や、公的後援、承認、支持の示唆又は外観の有無にかかわらず、参加には単なる傍観者としての出席以上の行為が含まれる。簡単に言えば、現役の軍人は、政治的な大会とか政党の大会とか、そういうのに出てはいけないということですよね。

 資料二を御覧ください。これはドイツ連邦軍の政治活動、兵士の法的地位に関する法律ということで、この(3)ですよね、兵士は政治的な集会で制服を着用してはならないとなっております。

 資料三を御覧ください。これはイギリスの、英国海軍、空軍、陸軍の各規則です。ほとんど一緒ですけれども、制服を着用せず、職務の遂行に支障を来さず、かつ、組織の名誉を傷つけるような行為を行わない限り、当該職員が政治集会に参加することについて、いかなる制限も課してはならない。つまり、制服は着用しないで集会に出るのは結構ですよ、制限を課してはいけないということであります。

 資料四を御覧ください。これは先日大臣が訪問されたオーストラリアの国防軍の指令です。国防省の職員及び外部サービス提供者は、国防省の一部が政治活動と結びつけられることとなり、かつ、又は防衛省に対する義務を適切に履行する能力を損なうおそれがある場合、政治団体や政党の活動において主導的な役割や公的に目立つ役割を果たしてはならない。

 こういう規定を、いわゆる先進民主主義国家の軍と政治、あるいは軍と政党との関係の中で、規定を置いております。大臣、こういう規定はどう思われますか。

小泉国務大臣 各国の例の御紹介、ありがとうございました。

 防衛省としては、その逐一について承知しているわけではありませんが、いずれにしても、防衛省・自衛隊においては、自衛隊法第五十八条第一項において、隊員は、常に品位を重んじ、いやしくも隊員としての信用を傷つけてはならないとされるとともに、同条第二項において、自衛官は、制服を着用し、服装を常に端正に保たなければならないとされており、自衛官服装規則において、常時制服を着用しなければならないというふうにしているものであります。

 御理解いただければと思います。

野間委員 この規定は、制服の問題もありますけれども、要するに、軍、我が国の自衛隊は準軍事的な組織と考えるならば、やはり、軍が政党とか政治から中立でなければいけない、当然のことですよね。そういう規定をしているものだと思いますけれども、今、制服のことだけおっしゃいましたけれども、当然自衛隊は政治的に中立でなければならないと思いますけれども、大臣、どうお考えですか。

小泉国務大臣 重要なことだと思います。

 野間先生は今回の自民党大会の件を触れたいということだと、先にその意図を受け止めれば、今回の件につきましては、申し上げていますとおり、私が事前に報告を受けていなかったように、私を含む幹部への報告や関係部署の情報共有について反省すべき点があったと認識しています。

 いずれにせよ、自衛隊の活動に対する国民の理解を得る観点からも、今後は幹部への報告や関係部署の情報共有を徹底していきたいと思います。

野間委員 大臣の四月十二日自民党大会の後の記者会見、そして荒井陸上幕僚長の記者会見などをお聞きしますと、経緯はこんなことのようですね。イベント会社が、当該中央音楽隊の自衛官の方に党大会で国歌を歌ってほしいという依頼があったということです。

 普通びっくりすると思うんですよね。全国のマスコミに映る党大会、総理・総裁の高市総理を始め小泉防衛大臣も皆さん来る、そういう大会で、歌ってください、驚いて、多分、すぐ上司に相談されましたよね、していますよね。それで、上司も相談されて、えっ、そんなことがあったのかといって、いろいろ検討したけれども、私的な行為だからいい、それは違法じゃないということで認めたということで、陸幕長も会見で話をされていました。それは四月三日にそういう報告を受けたんだということですけれども。

 これは、ちょっと考えて、変ですよね。そんなもし依頼が、いろいろ検討して、では、その女性が、友達の結婚式に行くとか買物に行くとかそういうこと、そこで、結婚式で歌ってくださいとかいうことであれば個人の判断で行けばいいんですけれども、当然こういう公的な、ですから、イベント会社が頼んだというか、党が頼んだと誰でもそう思いますよね、普通。

 例えば、では、財務省の事務次官とか主計局長が、歌が上手だから、あなた党大会に来て歌ってくださいよ、こんなことを言われたって、行くはずがないですよ。なぜ行かざるを得なくなったのかといえば、自民党の姿が見えるからですよね。ただ単にイベント会社が、来てください、何でそんなことで行って、また上司にも相談してやるのか。上司の皆さんも、何か、やむを得ないけれども、これは行かせないといけないかなと。

 私的な判断で行くはずがないんですよ。だって、現にこの党大会は上司の音楽隊の副隊長さんがついていっているんですよね。おかしいと思いませんか。では、もしその自衛官の方が友達と食事に行くとか買物に行くというときに、上司はついていきますか。そんなことはあり得ないんですよ。上司までついていって、その党大会に行っているわけですよね。それは言わずもがなで、党から要請されたからと思っているからですよ。当たり前ですよ。

 本当に気の毒だと思います、この自衛官。ですから、大臣もそこを分かっておられるんですよね。会見の中でこうおっしゃっていますよ。きっと職員からすれば、私まで含めてですね、そういった報告があった上で、行ってもいいですよという判断をしたというふうに思ったと思うんですよね。当たり前ですよ。ですから、大臣も、そういう報告が上がっていなかった、それで気がつかないで、そのときに行って、会ってびっくりされたんでしょう。Xでも投稿されたのを削除されたというのは、恐らくそういう問題、これはちょっとまずいなと。

 イベント会社だけの責任、そしてこの自衛官の方個人の責任にしたら、本当に気の毒ですよ。党が自衛隊に対してそういう要請をしてきたんだ、イベント会社を通じてしてきたんだ、誰もそう受け取りますよ。ですから、上司までついていって、こういう、国歌を歌わざるを得なかった。本当に気の毒だと思います。

 ですから、こういう、党が、先ほど私、各国の例を申し上げたのは、政党が軍に影響力を及ぼして、自分の私兵のように扱う、これはあってはならないことですよ、民主主義国家では。中国の人民解放軍、これは中国共産党の軍ですよね、国じゃないんですよね。党の軍ですから。そういうふうに見られかねない。非常に、政治と実力組織との関係がこういうふうにいびつになっては、これは大変なことだと思います。ですから、そういった隊員の皆さんを守るのが大臣の役割じゃないんでしょうか。いかが思われますか。

小泉国務大臣 シビリアンコントロールが大事だという思いは野間先生と全く同じであります。

 今回の件につきましては、党の大会の運営に関わることは、自民党は党大会実行委員会などがありますから、そちらの方にお尋ねいただくのがいいんだろうと思います。私は党の立場ではお答えする立場にはありません。

 ただ、今回の件で、野間先生がおっしゃるとおり、法的に問題がなかったとしても、その相談を受けた段階でしっかりと上まで上がっていれば別の判断もあり得たというのは木原官房長官が言っているとおりでありますし、隊員が悪いわけではなく、それは組織の中で、今回こういう話が来たということで、これは法的には問題なくともどうなんだろうか、こういった中で、私の方まで含めて上げてくるべきものだった、そういった中で、しっかりこの報告、連絡体制、正すところがあると思いますので、徹底をさせていきたいと思います。

野間委員 今、木原官房長官の話がありましたね、もし報告が上がっていれば別の判断をしたかもしれない。やはり大臣もそうですか。もし上がっていれば、これはやめた方がいいよということの判断をされたんでしょうか。

小泉国務大臣 今回、法的な評価だけではなくて、やはり、一般論としてですが、政党の行事への自衛官の参加は、個別具体的に判断されるべきものですけれども、法的な問題と政治的に誤解を招くようなことがないかというのは別問題であり、仮に情報が上がっていれば別の判断もあり得たと考えております。

 いずれにせよ、自衛隊の活動に対する国民の理解を得る観点からも、今後は幹部への報告や関係部署の情報共有を徹底してまいります。

野間委員 是非、党が自衛隊を指揮命令しているわけじゃないですから、そこはぴしっと一線を画して、指導していただきたいと思います。

 続いて、本設置法案でもありますけれども、宇宙作戦集団、こういったものをこれからつくっていくということでありますけれども、これについて御質問したいと思います。

 三月の日米首脳会談で、高市総理とトランプ大統領で、アメリカのミサイル防衛構想、いわゆるゴールデンドーム構想、これについて協力をするんだ、日本も参加するということが報道されました。これは、その後、どういう経過を経て協力体制をやっていこうとしているのか、質問したいと思いますけれども。

小泉国務大臣 まず、ゴールデンドームとよく言われますけれども、少しそこを説明させていただきますが、今、各国は防空体制の強化に力を入れており、アメリカはゴールデンドーム、イスラエルではアイアンドームなど、自国の防空システムを何とかドームという形で呼称するケースがあります。

 我が国とゴールデンドーム構想の関係については、構想の一部に位置づけられている新型の迎撃ミサイル、GPIの日米共同開発という形で、日本も関与しています。

 なお、この共同開発に必要な経費は、日米間で今後の計画を議論した上で、両国がそれぞれの分担作業に必要な経費を各年度の予算に計上してきているところです。

 我が国としては、統合防空ミサイル防衛分野を含む幅広い日米間の安全保障協力を着実に進め、日米同盟の抑止力、対処力を強化してまいります。

野間委員 恐らく、一九八〇年代に当時のレーガン・アメリカ大統領が、SDI構想ということで、いわゆるスターウォーズ計画ですね、これのある意味で焼き直しの話だと思うんですが、結局、余りに巨額の予算がかかる、また技術的な困難性もあって、実現はしなかったんですよね。ですから、これを本当にどこまで日本が関与して巨額な予算を使ってやっていくのか、非常に疑問でありますし。

 そして、一つちょっと御質問したいのは、この構想の中で、いわゆる宇宙軍的なものを今後つくっていくということなんですけれども、そこで防御能力を持っていかなきゃいけないんだと。各国の衛星が、いわゆる妨害用電波を出したりとか、いろいろなことがあるんでしょうけれども、その攻撃主体を見つけたら排除するということが書かれているんですけれども、どういうふうに衛星とかそういったものを攻撃するということなんでしょうか。また、これは国際法的にどういうふうに位置づけられるんでしょうか。

小泉国務大臣 令和八年度には、防衛省・自衛隊が初めて自ら保有、運用する衛星であるSDA衛星を打ち上げるなど、これまで実施してきたSDA能力の強化により、相手方の指揮統制、情報通信等を妨げる能力を我が国として本格的に運用することが可能となります。

 例えば、一部の国では、妨害電波によって通信や測位信号の円滑な送受信を妨げて、相手方部隊がその能力を最大限発揮することを妨げる能力などを保有していると認識しています。

 一方、自衛隊の能力の具体的な拡充内容や手段、態様については、これを明らかにすれば、相手方による対応策の検討が容易になってしまうなど相手方を利することになり、我が国の防衛に支障が生じ得るため、お答えできないことを御理解いただければと思います。

 その上で、軍事作戦における宇宙利用の形態の多様化や多層化に対応するため、今後の妨げる能力の具体的な取組の内容については、三文書の改定に向けしっかりと検討していきたいと考えております。

野間委員 分かりました。

 続いて、今回、先ほども大臣の話もありましたように、非常に波の高い、緊張感の高い、南西方面の防衛に当たる第一五旅団を第一五師団に格上げするというか改編するということが法案に書かれていますけれども、大臣も御承知のとおり、二〇二三年、三年前の四月六日に、西部方面を管轄する当時の第八師団長の坂本師団長始め十名の幹部自衛官の皆さんが、宮古島周辺で、何らかの事故で陸自のUH60JAヘリが墜落をして、十名の幹部が亡くなるという事故が起きました。

 陸上自衛隊の、いろいろな、事故のその後の検証等が出ておりまして、なかなか、第一エンジンと第二エンジンに問題があってということなんですが、第一エンジンの方の出力の低下した要因が分からない、特定に至らずという最終的な結果なんですが、その原因についてはさることながら、十名の幹部、師団長、それから師団の幕僚長、そして、なかんずく宮古島の警備隊長まで亡くなって、十名の幹部が一挙に亡くなったんですね。それで、その後、一週間、次の人事が決まらなくて、空白になりました、大事な地域の指揮系統が。

 こういう、危機管理上の大きな問題だと思うんですね。普通、アメリカでも、大企業は社長と会長とか役員は別々の飛行機に乗るというぐらい、こんな、一緒に乗って撃墜されたというのは、ある評論家のお話が出ていましたけれども、戦時でないとこういうことは起きない、有事で、司令官がまとまってそうやって落ちて亡くなって指揮官不在が一週間続いたということはあり得ないと。確かにそうだと思います、この南西諸島で。

 こういう問題も抱えながら、今回、第一五師団を改編するということ、非常に地域の皆さんも心配ですよね。この辺は、こういう危機管理含めて、改編して大きくなってということなんですけれども、大丈夫なんでしょうか。

小泉国務大臣 一般論として、部隊においては、指揮官の部外における活動について、危機管理上の観点から、指揮統制に支障が生じることのないよう、関係する体制を確保した上で実施しています。お尋ねの令和五年の事故の際も、第八師団においては、師団長等が不在の間、副師団長が指揮を執るなど、必要な体制を維持していました。

 第一五旅団の師団への改編については、南西地域の防衛体制の強化が喫緊の課題となっている中、広大な海域に多数の島嶼が点在するという特性を持つ沖縄県の警備等に万全を期すために実施するものです。

 令和五年の事故と同様の事故が発生しないよう再発防止に取り組むとともに、新編される第一五師団においても、危機管理上の観点から、必要な体制が取られることは当然のことであり、その点、私としても野間委員と同じ認識を持っております。

野間委員 是非、指揮官が一週間も不在になるというようなことがないように、危機管理上の体制をきちっと整備していただきたいと思います。

 最後の質問となります。

 先ほども質疑の中でありましたけれども、十八日に日豪の防衛相会談も行われ、今後、我が国の三菱重工が生産する護衛艦の輸出ということが決まったということであります。これは、拝見しますと、まず三隻を我が国で生産をして、全部で十一隻になるんでしょうかね、ですから、あと、残りはオーストラリアで生産する。

 これは恐らく二十年近くかかるプロジェクトではないかと思います。少なくとも十数年かかる、十一隻建造し終わるまでは、だと思うんですが、先ほど大臣は、オーストラリアと、いろいろな価値観とか地域の戦略的な思いとか、完全に一致したということで、こうやって防衛協力を推進するんだというお話なんですけれども、二十年後とか、永遠に同盟関係でいるのかということは、余りないですよね、世の中、世界の情勢を見ても。

 我が国の非常に優秀な護衛艦の技術もどんどんどんどん移転して向こうの国に行く。そこから、じゃ、二十年後にそれが第三国に移転しないかどうかということも非常に心配されます。大丈夫なのかと。

 御存じのとおりですけれども、昔、イギリスの首相だったパーマストンという人が、永遠の同盟はない、永遠の敵対関係もない、あるのは永遠の国益だけだと言っていましたけれども、二十年先まで、こういう我が国の非常に虎の子のいろいろな技術が、外国に持っていかれて、そこまでちゃんとした保全が、保障がなされるのか、大丈夫なのかと思いますけれども、大臣、いかがですか。

小泉国務大臣 先ほども申し上げましたが、オーストラリアは、我が国にとって、基本的価値だけではなく、安全保障上の戦略的利益を共有する特別な戦略的パートナーです。

 私自身、先日のオーストラリア訪問においては、オーストラリア政府の選定から僅か八か月で移転に係る契約締結を成し遂げた日豪官民関係者の人と人とのつながりを実感したところであり、今後も、この日豪間の人のつながりと信頼関係の下に、本事業を始めとする日豪防衛協力を進めてまいります。

 また、制度面について申し上げれば、日豪間では、防衛装備品・技術移転協定により、移転された防衛装備品及び技術を他の目的のため転用してはならないことや、第三国移転については、防衛装備を相手国政府の事前同意を得ずに移転してはならないことを義務づけています。また、日豪間では情報保護協定が締結されており、相手国の情報を自国の情報と同じように保護することを相互に約束しております。

 その上で、防衛省としては、移転に参画する日本企業の技術情報が適切に保護されるように、日・オーストラリア政府間で緊密に意思疎通を行い、必要な措置をしっかりと講じてまいります。

野間委員 書類の上では、紙の上ではそういうことなんでしょう。しかし、それが永遠に続くわけではないと思います。かつてオーストラリアは中国とも非常に親密になっていた時期もありますし、今後そういうことが起きないとは決して言えないと思います。

 ですから、そこは本当に万全を期していただかないと。今、いろいろそうやって協定を結んだ、それはもういつ破棄されるか分からない問題ですよね、こういう今の情勢を見れば。

 是非、そこは更に念を押してやっていただきたいこと、決意を一言いただいて、質問を終わりたいと思います。

小泉国務大臣 冷徹な現実主義に基づいて外交、安保は進めなければならないという意味であれば、野間先生と全く同じでありますが、一方で、目の前で固く握手をしたときに、でも最後は分からないからねということはまず言いませんので、これからしっかりと、今、戦略や価値を共有している、関係が強固になりつつある中で、今後もその関係が長く続いていくような絶え間ない営みというものを、政治の面でも、そしてまた我々当局間でも重ねていく、そしてまた、人と人の面でも両国がつながっていることが重要なことだと思っています。

 そういった意味で、オーストラリアというのは特別な戦略的なパートナーであるというふうに申し上げております。

野間委員 ありがとうございました。終わります。

西村委員長 次に、西田薫君。

西田(薫)委員 日本維新の会の西田薫でございます。

 先ほどの野間委員と同じで、私もこの安全保障委員会で初めて質問させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、小泉大臣とは、先月の衆議院予算委員会で初めて質問させていただきました。あのときは防衛大学校の卒業式について質問させていただいたと思うんですが、今回二回目の質問となります。どうぞよろしくお願いをいたします。

 本日の委員会なんですが、防衛省設置法の一部を改正する法律案ということでありますが、今、質問の中にも、先般小泉大臣がオーストラリアに行かれた、そういったことも質問の中に出ておりました。私も、それに関連しまして質問させていただきたいというふうに思っております。

 十八日ですかね、小泉大臣はオーストラリアに行かれた、そして、マールズ副総理そしてまた国防大臣と会談をされた、非常に有意義な会談になったんじゃないかなというふうに思っております。

 私も、二十三歳のときに一年間オーストラリアで生活をしておりました。個人的には非常に親近感を持った国の一つであります。かつての友人は、三十年来連絡を取っておりませんので、今何をしているんだろうかなという思いを持ちながら、大臣が渡豪された、会談されたというニュースを拝見させていただいておりました。

 今回は、汎用フリゲートの契約締結、署名、そして共同声明というのも発表されているというふうに聞いております。要は、先ほど大臣の御答弁の中にもありましたが、「もがみ」型護衛艦、能力向上型ということだと思うんですが。それともう一つ、大臣は向こうで自衛隊員の皆さんからサプライズを受けたということもニュースで報じられておりました。先週、大臣、誕生日を迎えられたということでありますね。先週、お誕生日おめでとうございます。改めて私からもお祝い申し上げます。そこで自衛隊の皆さんが何かパンを焼かれたんですかね、あとケーキも何か食べられたと。さぞかしおいしいパンだったんじゃないかなというふうに思っております。

 そういった中で、今回、この日本、我が国とオーストラリア、防衛協力の重要性、そしてまた、汎用フリゲート、「もがみ」型の護衛艦、能力向上型ですね、これの移転事業が進展している、この意義、私もこれは重要なことじゃないかなというふうに思っております。そこをまず御答弁いただきたいと思います。

小泉国務大臣 ありがとうございます。

 オーストラリアに一年間、先生も生活をされたということですが、私もかつてホームステイをオーストラリアでもしたことがありまして、非常に親近感を持っている国でもあります。

 そのオーストラリアのマールズ副首相、国防大臣とは、私が大臣に就任して以降だけでもう六回会談を重ねるぐらい、日々連携、コミュニケーションを取れる仲になっていて、その彼と一緒に、今回、地域全体においても極めて重い、重要な「もがみ」型の護衛艦のオーストラリアへの移転、この契約完了を見届けることができたことは大変感慨深く思っております。

 今後、しっかりと、契約から、また具体的な作業も始まりますので、引き続き、これが着実に日豪の間で連携が進んでいくように見ていきたいというふうに思いますし、日豪の関係がこれから更に深まる礎として、この「もがみ」に携わった日豪の官民双方の職員、関係者の、また企業の皆さんも含めた努力を、心から敬意を表したいというふうに思います。

 また、今回、オーストラリアでは、私がオーストラリアに行く二日前にちょうどオーストラリアの国家防衛戦略が発表されたということがありましたので、この新たな国家防衛戦略についてもオーストラリアから説明を受け、意見交換を実施しました。新たなオーストラリアの戦略においても、日本は引き続き不可欠なパートナーとして位置づけられております。両国が共に戦略文書見直しを行う今年は、両国が一層戦略的な整合性を高め、更に緊密な防衛協力を発展させる絶好の機会であります。

 また、日豪防衛協力の中でも、「もがみ」型、これをベースとした汎用フリゲートがオーストラリア海軍に導入されることは、日豪の相互運用性を大幅に向上させるだけでなく、インド太平洋地域の艦艇建造・維持整備基盤の向上、日豪のサプライチェーン協力など、幅広い意義を有しております。

 なお、今回、自衛隊がサプライズで私を祝ってくれたという話がありましたけれども、今回、この契約締結を祝うレセプションが、メルボルンの港で、オーストラリアの駆逐艦のブリスベン、そしてその隣に海上自衛隊の護衛艦「くまの」、この二隻が共に並んで、そして、港から二隻を渡り歩いて、共にレセプションを楽しめる、こういうしつらえになっておりました。

 私は、オーストラリアの駆逐艦のブリスベンで日豪の両関係者にスピーチをした後、共に、海幕長そして先方の軍の関係者と鏡開きをやりまして、鏡開きは今回、オーストラリアのワインが入っているという、そういったしつらえに加えまして、オーストラリアの民族楽器であるディジェリドゥと、そしてまた日本の雅楽の楽器である笙、これをオーストラリアの軍のバンドが演奏するという。

 こういったことに加えて、だんだん時間が過ぎまして、私も、後半の方になって「くまの」の方にも行きましたけれども、そこで、パンを焼くのが得意な隊員がパンを用意してくれたり、ケーキを用意してくれたり、ありましたが。うどんを、温かいものを準備をしたり。あちらはもう秋ですから、ちょっと肌寒かったので。また、から揚げ、おすし、日本のおいしい食べ物もふんだんに自衛官が用意して、最終的には、ブリスベンの艦上よりも海上自衛隊の「くまの」の艦上の方がオーストラリア軍の関係者も含めて人が来ていたという状況も、自衛官はこういうところまで頑張っていると改めて誇りに思います。

 今も「くまの」の乗組員は航海を続けておりますので、無事に帰国することを心から願っておりますし、こういう隊員が、まさに日豪の関係の、特別なパートナーシップの礎となっていることを心から誇りに思います。

西田(薫)委員 今の大臣の御答弁は、本当に自衛隊の皆さんも喜んでおられると思います。そして、今御答弁の中にもありましたが、オーストラリア軍の方が我が国の文化もしっかりと知っていただいているということは、これは非常に連携強化においても大切なことですし、すばらしいことじゃないかなというふうに思っております。

 そうやって、うどんも召し上がられたということで、そういったこともこういった委員会の場で発表していただけるというのは非常に私はいいことじゃないかなというふうに思っております。当初、パンの味はどうでしたかという質問もしようと思ったんですけれども、中には、こういった場でそんな質問はどうなんだという反対意見も出るんじゃないかなというふうに思っておりました。

 ただ、一部、国民の皆さんの中には、自衛隊というのは戦争をする人たちだという間違った認識を持った国民の皆さんもいらっしゃるんじゃないかなというふうに思っているんですね。私、むしろ逆だと思うんですよ。自衛隊の皆さんこそ、世界から戦争がなくなればいい、本当に平和を心から愛しておられるのが自衛隊の皆さんじゃないかなというふうに思っております。

 そういった中で、そうやって、これは大臣のお人柄によるものだと思うんですよね。パンを焼かれたりケーキを作られたりというのは、大臣を慕うという思いもあるんでしょうが、でも、本当に心優しい、平和を望んでいる自衛隊の皆さんというのをアピールできるいい機会にもなったんじゃないかなというふうに思っております。

 今回、大臣がXで発信していただいたから我々も知ることになったんですけれども、こういったことも防衛省が正式に発表してもいいんじゃないかなというふうに思っておりますし、それに対して抵抗がない社会をやはり我々政治家がしっかりつくっていかないといけないなというふうに改めて感じました。

 それでは、次の質問に移りたいと思います。

 今回の設置法におきましては、先ほどから質問が出ていますとおり、一五旅団を一五師団にするであったり航空自衛隊を航空宇宙自衛隊にする、こういった改編についてこの法案に盛り込まれておりますが、その中で、自衛隊の処遇改善というのもこの法案の中に盛り込まれております。その処遇改善について私の方から質問させていただきたいというふうに思っているんですが。

 大臣は、国内の自衛隊の基地であったり駐屯地、これを訪問されていると思います。そして、そこで多くの隊員の方々であったりその御家族の方との対話というのを非常に大切にされているというふうに聞いております。そういった中で、これは隊員の皆さんも、なかなか大臣に直接話すというのは緊張もするでしょうが、そこは小泉大臣のお人柄なんでしょうかね、いろいろな意見というのも大臣は聞かれていると思います。そこで、実際、隊員の皆さんの生のお声、どういったお声があったのか、ここを御答弁いただきたい。

 そして、中には、恐れながらという思いを持ちながらも、処遇改善について、意見なり要望というのも、大臣の場合は、もうどんな意見でもいいですから言ってくださいというようなスタンスでそういった場を設けられていると思いますので、そういった隊員の皆さんも、処遇改善に向けても、そういった話というのはあったんじゃないかなというふうに思っております。

 そういった中で、特にこれまでの大臣の答弁であったり会見の模様を聞きますと、本当に自衛隊の皆さんを大切に思っておられるなということは私も深く認識しております。そういった中で、大臣は、自衛隊の処遇改善、ここにも強い思いを持っておられるというふうに私は思っておりますので、その処遇改善の必要性と、そして処遇改善への意気込みを御答弁いただければと思います。

小泉国務大臣 この処遇の改善は、歴代の大臣の先輩方、こういった皆さんが積み上げてくださったことを礎に、私も着任以来、昨年の給与法改正で、新隊員のみならず、部隊の中核を担う三十代、四十代の隊員の年収が二十万円以上増加するなど、全自衛官の給与が過去最高額となったこと、そして、高等工科学校の生徒や防衛大学校の学生の年収も二十万円以上引き上げること、また、予備自衛官の手当も過去最高額に引き上げること、そして、昨年末の予算折衝で、過去最大の上げ幅となる糧食費の引上げや隊舎の建て替え、改修が認められたこと、そして、ベビーシッターのサービスを活用した臨時託児を本格運用すること、そして、これはこれからまだやりますけれども、自衛隊創設以来初となる自衛官の給与体系の独自改定を、当初の予定よりも前倒し、令和九年度中の実施としたこと、こういったことを取り組んでまいりました。

 ただ、これだけで十分だとは思っていませんで、やはり現場の声はなかなか大きな組織は上がってこないものです。そして、私が現場に行っても、何でも言ってくださいと言ったって、それは言いにくい。特に、自衛隊というのは、痩せ我慢が今まで当たり前という環境がありましたから。ただ、それでも、できる限り言ってもらえるようにというふうに努めています。

 中には、大宮駐屯地で、増加食としてカロリーメイトみたいなものをもっと出してほしいという声もあったし、中には、隊員の御家族の方から、やはり隊舎の環境整備、こういったことについても要望を受けたこともありますし、また、例えば、厨房で働いている、そういった方々が、厨房の空調が暑い中でもなかなか整備できず、こういった環境も何とかしてもらいたいという声も受けたこともあります。そして、特戦群や第一空挺団、こういった極めて負荷のかかる任務を遂行しているような隊員の方からは、やはり、万が一のときに備えて自分で自分のことを治療できる、そういった衛生面における環境整備、こういったことについても直接伺っております。

 それでも私のところには相当な投書が来ます。そして、私はポッドキャストもやっていますけれども、ポッドキャストで、かなり隊員の関係の方からのお便りをいただく中に具体的なお声が届きます。

 できる限り多く、一つ一つ形にできるように、これからも努めていきたいと思います。

西田(薫)委員 御答弁ありがとうございます。

 しっかりと隊員の皆さんのお声というのが胸に刻まれているなということを改めて感じました。

 今、大臣の御答弁の中にも、言いにくいこともあるでしょうが言ってくださいという思いで聞いていると。まさしくこれは大臣のお人柄じゃないかなというふうに思っておりますし、そういった大臣であれば、本当に自衛隊の皆さんも一層頑張ろうという気持ちにもなるんじゃないかなというふうに思っておりますので、引き続き、是非よろしくお願いをいたします。

 次の質問に移りたいと思います。

 次も処遇改善についてなんですが、この法案の中に再就職支援の拡充ということも盛り込まれておりました。私も、いろいろこの法案を調べてみますと、これはもっと早くに対応、対処すべきだったんじゃないかなというふうには感じております。

 そういった中で、今回、改正法の中で、再就職支援の拡充ということが盛り込まれているんですが、これまでどういった課題があったのか、どういった問題があったのか、そしてそれをどのように改善していくのか、ここをやはり多くの国民の皆さんにも知っていただきたいですし、そこを国民の皆さんに対しても、分かりやすく丁寧に、詳しく御答弁いただければと思います。

廣瀬政府参考人 お答えいたします。

 若年定年制の下にある自衛官の退職後の生活基盤の確保は雇用主たる国の責務であり、現役の自衛官が将来に不安を抱くことなく職務に邁進するためには、再就職支援が極めて重要です。

 現行の自衛隊法第六十五条の十では、若年定年等隊員の離職に際しての就職の援助を行うことと規定しており、防衛省が行う就職の援助は離職の際のみに限られております。

 一方で、防衛省退職後、再就職した者の中には、再就職先の事情や介護などの家庭の事情により、年金受給開始年齢に至る前にやむを得ず再就職先を退職せざるを得ない場合がございます。このような実態は、現役の自衛官にとって、退職後の生涯設計への不安を抱くことにつながりかねず、ひいては新たな自衛官を確保する上でも重要な課題となっております。

 そのため、防衛省では、関係閣僚会議の自衛官の処遇・勤務環境の改善及び新たな生涯設計の確立に関する基本方針を踏まえ、退職した自衛官が六十五歳に達するまでの間、生活基盤を安定的に確保し、自衛官としての知識、技能、経験を生かして社会で活躍し続けられるようにするために、再び就職の援助を行えるよう、制度を拡充することといたしました。これにより、現役の自衛官が将来に不安を抱くことなく職務に邁進することができるとともに、若年定年制の自衛官がこれまで以上に充実した生涯設計を確立することができると考えております。

西田(薫)委員 是非しっかりサポートをお願いしたいなというふうに思っております。やはり、国家国民の生命と財産を最前線で、そして命懸けで守っていただいているのが自衛隊の皆さんだというふうに思っておりますので、その後もしっかりサポートをしていただきたいということを改めてお願い申し上げておきます。

 それでは、最後の質問にさせていただきます。

 防衛力の強化に当たりましては、私はインテリジェンス機能の強化というのも必要であるというふうに思っております。

 ちょうど今、国家情報会議設置法が審議をされております。これは内閣委員会で審議をされているんですが、実は私、この安全保障委員会とともに、内閣委員会のメンバーでもあります。そしてまた憲法審査会のメンバーでもあるんですが、先週、先々週と内閣委員会で、インテリジェンス機能強化について、国家情報会議設置法の質問を二度ほどさせていただきました。

 元は、昨年の十月、我が党で、インテリジェンス強化に提言書を中間論点整理ということでまとめさせていただきまして、先月、三月の三日だったと思うんですが、我が党の安全保障調査会の会長であります前原誠司委員と一緒に総理官邸へ行き、木原官房長官にその提言書を手交させていただきました。

 そういったことからも、この国家情報会議というのは非常に、大いに賛同しておりますし、もっと早くにこれは法整備すべきだったんじゃないかなというふうに思っております。

 そういった中で、今回、防衛省・自衛隊として、インテリジェンス機能、能力の強化について、今後どういった取組をされていくのか、大臣、御所見をお伺いします。

小泉国務大臣 我が国周辺での中国、ロシアの軍事活動の活発化や北朝鮮の核・ミサイル開発など、我が国周辺の安全保障環境は厳しさと不確実性を増しており、こうした状況に適切に対応するためにも、情報機能の強化は必要不可欠です。

 このような問題意識の下、防衛省においては、現行の防衛力整備計画に基づき、スタンドオフ防衛能力の実効性確保のため、画像情報を収集する衛星コンステレーションの構築や、先月には陸上自衛隊情報作戦隊や海上自衛隊情報作戦集団を新編し、情報戦機能を拡充するなど、情報収集、分析等に関する能力強化に取り組んできています。

 私自身も、着任後、機微なインテリジェンスを含むブリーフィングを日々受けており、情報機能の強化が待ったなしであるということを痛感しています。

 その上で、防衛省においては、防衛力を変革すべく、防衛力強化の在り方についての議論を行っています。この中で、情報機能についても、我が国自身の情報収集、分析能力の強化や、同盟国、同志国等との協力強化のために何をなすべきか、そして、そのための適切な体制は何かという点も含め、しっかりと検討していく考えです。

西田(薫)委員 是非よろしくお願いいたします。

 近年激変する国際情勢の中で、本当に我が国を取り巻く安全保障環境というのは一層やはり厳しくなってきているというふうに思っておりますので、そこはしっかりと今後も頑張っていただきたい。

 そして、私たち維新の会がやはりアクセル役として安全保障というのを強化していくという思いでこれからも頑張っていきたいというふうに思っておりますので、引き続きよろしくお願い申し上げまして、私の質問を終了とさせていただきます。

西村委員長 次に、橋本幹彦君。

橋本(幹)委員 国民民主党の橋本幹彦です。

 今般提出された防衛省設置法改正案において、七十二年の歴史を持つ航空自衛隊が歴史的な転換点を迎えることになります。航空宇宙自衛隊に改称され、そして宇宙作戦集団が新編されるということであります。

 これに当たっては、大変長い検討期間がありました。今から七年前、令和元年ですね、当時、安倍総理が、自衛隊の高級幹部会同で、航空宇宙自衛隊への進化ももはや夢物語でないと言及されてからのことであります。当時の防衛大臣、河野太郎大臣、そこから、以来、岸信夫大臣、浜田靖一大臣、木原稔大臣を経て、そして、中谷元大臣のときに宇宙領域防衛指針というものが示されました。この宇宙領域防衛指針においては、航空宇宙自衛隊への改称だけではなくて、組織の改編、あるいは能力の強化、能力の構築、人的基盤の強化という大きな方針が示されたものであります。

 そして、現在、小泉大臣がそのバトンを受け継いでおられるわけでありますが、この七年という長い検討期間、あるいは昨年宇宙領域防衛指針が策定されてから今日に至るまで、宇宙領域に係る人的基盤の強化が進んだのだろうか、そして、そのよりどころとなる宇宙戦略や宇宙ドクトリンといった知的基盤が整備されたのだろうかというところをお尋ねしたいと思います。

 まず、大臣に宇宙戦略について伺います。

 広く自衛官が宇宙領域における作戦や運用の在り方について共通の理解を持つための宇宙戦略、あるいは国民が理解するために開示された宇宙戦略、こういったものは現在整備されているでしょうか。

小泉国務大臣 今、橋本委員が歴代の大臣の先輩方のお名前を挙げられて、そのバトンを私が今受け取って進めているという、そのとおり、当初スタートしたときは約二十名の部隊が、これから八百八十名規模になっていく中です。

 そうした中で、今先生のお尋ねは、宇宙に関する戦略やドクトリンを通じた教育ということでありますが、宇宙は、自衛隊による活用のみならず、通信、観測、測位等の面で、今や国民生活の基盤そのものとなっています。国民の生命財産を守り抜くという自衛隊の任務を果たすためには、宇宙における防衛能力の強化が不可欠です。そのため、宇宙に関する人的基盤の強化も急務となっています。

 こうした中、例えば、航空自衛隊幹部学校においては宇宙、サイバー、電磁波作戦の概要について教育しているほか、統合幕僚学校においても宇宙に関する安全保障戦略や宇宙関連技術などについて教育しており、将来の指揮官、幕僚として必要となる知識の習得を行っています。

 防衛省・自衛隊としては、宇宙が自衛隊にとって重要な行動領域になっていることを踏まえ、今後とも、各種教育を通じて宇宙に精通した人材の育成に取り組んでまいります。

橋本(幹)委員 私がお尋ねしたのは、宇宙戦略はあるんですかということでした。

 今、教育の体制の在り方をお話しされましたけれども、ないということでよろしいんですね。

萬浪政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の宇宙戦略あるいは宇宙ドクトリンということで申し上げますと、そういう名前の文書はございません。

 他方で、御指摘ございましたように、昨年七月にできました宇宙領域に係る防衛指針がございますので、この方向に沿いまして、宇宙における防衛能力の強化を進めているというところでございます。

橋本(幹)委員 宇宙ドクトリンのところまで話していただいて、ありがとうございます。

 宇宙ドクトリン、ドクトリンといいますと、宇宙の領域でいいますと、例えば、航空宇宙自衛隊がいかにあるべきかを示して、そして、宇宙領域における作戦の原則ですとか、組織運用や部隊運用において準拠すべき事項、考え方、あるいは現場の隊員が日々の任務を遂行する上での心構えなどを定める指針であります。この宇宙ドクトリンもないということでありました。

 毎回、宇宙ドクトリンはありますか、宇宙戦略はありますかと背広組の皆さんにお尋ねすると、ありませんが宇宙領域利用指針はありますという答えが返ってきます。ただ、利用指針というのは大きなロードマップであるわけですね。例えて言うのであれば、運転免許を取るための教範はありますかと聞いているのに自動車のカタログはありますと答えているようなもので、自動車のカタログを読んでも運転できないわけですよ。

 宇宙戦略や宇宙ドクトリンはないということでありますけれども、こういったところを背広組の皆さんではなくて制服組の皆さんに聞きますと、初級幹部であっても高級幹部であっても、皆さん、ありませんとはっきり答えます。この辺り、内局の皆さん、いろいろな専門領域はあると思うんですけれども、この辺りが防衛省の中でも概念として整理されていないのではないかなというところは、一つ不安として覚えるところであります。

 また、こういった知的基盤というものがあって、そして人的基盤が整備されて、防衛力が整備されていく、こういう順番でありますから、是非ともこの知的基盤の概念についても整理いただきたいと思います。

 委員長、是非こういったところの概念を整理した文書を防衛省から文書で提示することを求めたいと思いますが、お取り計らいいただけないでしょうか。

西村委員長 理事会にて協議いたします。

橋本(幹)委員 ありがとうございます。

 是非、防衛省におかれましては、防衛三文書もそうです、自衛隊における戦略、ドクトリンもそうです、そして国民に対する白書もそうです、こういった知的基盤の様々な文書がありますから、これの関係について整理した文書を提示していただければと思います。

 航空宇宙自衛隊への改称によって略称がどうなるんだろうかと思いをはせます。今まで航空自衛隊は空自と言われていました。航空宇宙自衛隊、強いて略せば空宙自になるんでしょうか。空中分解しそうで大変縁起悪いですけれども、まさに知的基盤についてはもう空中分解しているようなものだと思います。

 防衛力というのは、決してスローガンだけで整備されるものではありません。現場の能力、そしてそれを整備するための研究、教範、そしてその土台となる国民の理解、これがなければ決して適切な防衛力というのは整備されないわけであります。

 安倍総理がこの航空宇宙自衛隊の名称に言及してから六年強、そして、この間、小泉大臣に至るまで六人の大臣がいて、ドクトリンも宇宙戦略も進んでいないのは大変残念と言わざるを得ないわけであります。そして、このような知的基盤や国民の理解も進んでいないのに、七十二年間続いてきた名称を、隊員から、国民から愛されてきた航空自衛隊という名称をいとも簡単に手放すというのはいかがなものかと思います。現場の隊員はさめますし、私も、その一部にいた、片隅におった者として、大変残念に思うところであります。

 よく、与党の皆さん、自衛官の名誉とかそういった言葉を使いますけれども、まさに名称というのは名誉の中核を成すところではないでしょうか。事に臨んでは危険を顧みずという大変重い任務を負っているものであります。その現場の隊員にとっては、隊の名称は非常に重要であるし、あるいは隊の旗ですとかそういったものは非常に重要であるわけであります。

 今回の改編が、知的基盤の整備を通じて国民に、そして隊員に広く理解されるよう、知的基盤を整備していただくことを望みますが、大臣、いかがでしょうか。

小泉国務大臣 先生、かねてから、航空自衛隊が航空宇宙自衛隊に改称されること、このことについては反対の立場をお持ちだということは耳にしているんですけれども、私、実際に府中などの現場にも伺っておりますが、隊員の皆さん、非常にモチベーション高く任務に向き合っていますし、是非御理解をいただけるように、この審議でも丁寧に説明していきたいと思います。

 航空自衛隊の航空宇宙自衛隊への改編は、こうした能力強化によって、宇宙が陸海空と並ぶ自衛隊の行動領域となることを踏まえて行うものであり、宇宙空間の安定的利用を確保するとの我が国の決意を内外に示すことにもつながると考えています。日本の優れた宇宙に関する技術力に支えられ、世界有数の能力を備えることを示すためにも、宇宙の名称を冠することが不可欠です。

 自衛隊の名称変更は、昭和二十九年の自衛隊創設以来初めてとなります。国民の皆様にもその意義と必要性を御理解いただけるよう、今後も積極的な発信に努めていく考えであります。

 なお、先日私は、オランダでしたかね、オランダも、軍の名前が、航空と、空軍と、宇宙、これが加わって、そういった経験もあるものですから、そこの経緯なども含めて空軍の司令官にお話を聞きました。当初、やはり今までの愛着のある名前についての一部様々な思いもオランダでもあったようなお話もされていました。ただ、宇宙がもはや、国民生活の面でも、そして安全保障面でも不可欠な重要なものになってきているという中で、その理解、そういったものも進み、今ではそういった名称についても誇りを持って軍の任務に当たっている、そんな話も伺っております。

 自衛隊の中でも、航空自衛隊が航空宇宙自衛隊になっていくこと、このことについても、国民の皆さんにも御理解いただけるように、しっかりと説明に努めてまいります。

橋本(幹)委員 最後に。

 各国で、軍の名前に宇宙を冠するというところがあります。ただ、必ず宇宙戦略というものを定めています。決して、国民に、そして隊員の皆さんに理解していただくというのは、防衛大臣のXで発信するということではないんです。戦略ですとかドクトリンですとか、こういったものを整備して、そこにはちゃんとアカデミックな根拠もあるわけです。現場の運用からの要請もあるわけです。そういったものを整備した知的基盤を整備しないことには、ただ名称を冠しただけという上滑りのものになりますよということを言っているわけであります。

 決して今回の改編に反対するものではありませんが、是非、その知的基盤の重要性というところを理解していただきたいと思っております。

 私からの質問は以上です。

西村委員長 次に、福田徹君。

福田(徹)委員 国民民主党、福田徹です。

 私たち国民民主党は、自分の国は自分で守る、人づくりこそ国づくり、こういった政策理念を掲げております。厳しい安全保障環境に対応するために自衛隊の防衛力を高めることは間違いなく必要で、そのために、部隊の改編や防衛装備品の充実はもちろん重要ですが、その前に、やはり、人、自衛官こそが最も重要な要素だと考えます。

 その上で、今回、若年退職給付金の給付水準の引上げや再就職支援の拡充など、自衛官の生活や安心を支える内容のある本法律案にはとても期待しております。一方で、本法律案が真に人の力の充実と我が国の防衛力の向上に資するものとなっているか、幾つか質疑をさせていただきたいと思います。

 本法律案で、自衛官の定数の変更が定められています。目立つところでは、陸上自衛隊の定員を減らし、主にサイバー防衛に当たる共同の部隊、航空自衛隊等が増員となっております。恐らく、変化していく、求められている防衛力、これを達成するために必要な措置と考えますが、問題は、定数を変更しても、本当にその隊の人員が増えるのかという点です。

 現在、陸上自衛隊も海上自衛隊も航空自衛隊も、定員に対して一〇〇%充足しておりません。隊によって充足率に差はあるものの、自衛官の充足率は全体で八九・一%だと認識しております。自衛官の定数を変更しても、この状態だと定数を確保できないんですよね。防衛大臣の定数を一から二にすれば、これはすぐに二人にできると思いますが、自衛官についてはそうはいきません。

 お聞きします。

 充足率が一〇〇%でない状態であれば、定数を変更しなくても、必要な隊の人員を増やすこと、これはできると思うのですが、その上で、定数を変更することの意味を教えてください。

伊藤政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘の充足率につきましては、防衛省として、その向上を図っていくこと、重要であると考えておりまして、人材確保の取組を一層強化をするとともに、隊員一人一人の能力を最大限引き出すための取組を迅速かつ強力に推進してまいりたいと考えております。

 その上ででございますが、自衛官の法律上の定数につきましては、自衛官が防衛力の根幹を成す重要な要素であることを踏まえまして、シビリアンコントロールの観点から、人的側面から見た適正な防衛力の規模の上限を明示をするために、防衛省設置法において規定をされてきたものでございます。

 このように、適正な防衛力の規模の上限を明示するための自衛官の定数につきましては、今般の一連の部隊改編による変更を行う意味があるというふうに考えておるところでございます。

福田(徹)委員 定数を増やすということは、これは人員を増やすということではなくて、シビリアンコントロールの観点の上限を変えているということが分かりました。

 ただ、一方で、充足させる取組、とても大事です。自衛官不足への対応として、本法律案にある退職者給付金の増額、再就職支援、これはとてもよい改正だと思います。同時に、若年定年制の在り方の見直しが必要ではないかと考えています。

 有事に我が国の防衛のために場合によっては戦闘に参加する自衛官にとって、もちろん、強靱な体力、これは求められると思います。いわゆる精強性を保つために部隊の年齢構成を若く保つこと、これは必要だと思われますが、一方で、国防に関係する技術の変化、戦略の変化によって、身体的な体力のみならず、ベテラン自衛官の知識であったり経験であったり、これらが生きる役割というものがあると想像されます。

 特に、今般、いわゆる宇宙領域の業務というのは、恐らく、身体的な体力以外のものが重要な仕事、いっぱいあると思います。適材適所で役割を担っていただくことで、現在の定年年齢を超えた自衛官が大いに活躍できる役割があり、我が国の安全保障に大きく貢献いただけるものだと想像します。

 同時に、身体的な体力が高まっているということも示されております。例えば、多くの自衛官が五十五歳から六十歳で定年を迎えますが、文部科学省の発表する令和六年度体力・運動能力調査の結果では、平成十年と比較して、五十五歳から五十九歳の体力、運動能力というのは明らかに向上しております。皆様の実感としても、昔と比べて高齢な元気な方が多いな、若々しい方が多いなというのは分かると思います。科学的なデータとしても国民の実感としても、六十歳というのはまだまだ元気で強いと思うんですよね。

 お聞きします。

 自衛隊の定年年齢というのは過去に複数回引き上げられております。そして、それでも現在の定年年齢というのは妥当でしょうか。一佐以下を六十歳以上にすることというのは精強性を低くしますでしょうか。お答えください。

小泉国務大臣 問題意識はよく分かります。

 自衛官は、自衛隊の任務の性格上、組織を常に精強な状態に維持する必要があるため、定年年齢が一般の公務員より低い若年定年制を取っており、階級ごとに職務に必要とされる知識、経験、体力等を考慮し、定年を定めております。

 一方で、少子高齢化に伴う人手不足は自衛隊にも深刻な影響を及ぼしており、知識、技能、経験を豊富に備えた人材の一層の有効活用を図ることは重要であると考えており、令和十年から十四年までの間で、将から三曹までの自衛官の定年を二歳ずつ引き上げることとしております。これにより、自衛官の定年年齢は、一佐は六十歳、二佐及び三佐は五十九歳、そして一尉から一曹までは五十八歳、二曹及び三曹は五十七歳となります。

 知識、技能、経験を豊富に備えた人材の一層の有効活用を図ることは重要だと考えていますので、定年引上げが部隊の精強性に与える影響などを踏まえ、適切な定年の在り方については不断に検討してまいりたいと思います。

 私も、福田先生と同じく、今、元気な方はいますし、自衛隊が採用に苦しんでいる中で、もちろん階級の中での必要な、求められている様々な知識、技能、経験などを備えているということが前提ではあった上で、どのように自衛隊で長く働いていただけるか、貢献していただけるか、こういった観点も含めて不断に検討していきたいと思います。

福田(徹)委員 ありがとうございます。

 令和十四年に向けて一歳、二歳引き上げるというのは、少し時間をかけ過ぎじゃないかなと思うんですよね。私の選挙区、愛知十六区には、小牧市、航空自衛隊がありまして、よく隊員の方と直接お話しするのですが、この定年が早いというのが、結構、生活の不安であったり、自衛官が集まらない理由ではという意見をよく聞きます。是非こちらへの対応をしっかりとお願いしたいと思います。

 あと一分ですが。

 令和二年に宇宙作戦隊を編成したとき、二十名だった、それを今年度、八百八十名にする、これは、普通の一般企業の感覚だと、これほど専門性の高い領域を一気に増やすのは相当難しいだろうなと思うんですよね。

 先ほど橋本議員への答弁にもありました、こういう教育、説明いただきましたが、もう少し具体的に、何人ぐらいの自衛官を対象にどういう教育をされているのか。専門的なことですので参考人の方でも構わないんですが、少し教えていただくことはできますでしょうか。

伊藤政府参考人 お答えを申し上げます。

 宇宙関連の人材の確保の取組としまして、統合幕僚学校での宇宙に関する安全保障戦略の教育ですとか、航空自衛隊幹部学校での宇宙、サイバー、電磁波作戦の概要などの教育、防衛大学校航空宇宙工学科における将来の航空宇宙技術に対応できる基礎教育といったような一連の教育体制を取っておりまして、こうした中で必要な人員の確保をしっかりやってまいりたいと考えております。

福田(徹)委員 時間オーバー、失礼しました。ありがとうございました。

西村委員長 次に、谷浩一郎君。

谷(浩)委員 参政党の谷浩一郎です。

 質問のお時間をいただき、誠にありがとうございます。時間がもう限られておりますので、早速、防衛省設置法の改正法案について質問をさせていただきます。

 自衛官の定数に対する充足率は、二〇二五年三月三十一日時点で八九・一%と承知をしております。人口減少が急速に進む中で、全体としての一定の水準を維持されている点について、防衛省のこれまでの御尽力に敬意を表します。

 一方で、階級別に見ると、幹部、准尉、曹がおおむね九三%から九八%であるのに対し、士の充足率は六〇・七%にとどまっております。この士の方々は、十代、二十代を中心とした若年層であり、有事の際には最前線で任務に当たる中核的存在であります。

 そこで、伺います。このような士の充足率が約六割しかない状況で、実際に現場でどのような支障が生じ得ると考えられますか。防衛大臣の御見解をお伺いいたします。

小泉国務大臣 今お尋ねのありましたとおり、士の階級については、この人材が不足することで、上位の階級の負担が増加することになります。また、士は、将来的に曹に昇進し、専門分野のエキスパートとして幹部を補佐し、士を直接指導する重要な人材です。その採用が不足すれば、曹の供給源としての人材が先細っていくことになります。

 こうした中、防衛省では、例えば陸上自衛隊の普通科連隊のように、肉体的な強靱性が求められ、士が重要な構成要素となる部隊には優先的に士を配分する等、任務の遂行に支障を生じさせないような取組を行っています。

 今後も、募集対象者人口の減少が不可避である中、人口減少を前提にしつつ、防衛力の一層の強化や変革を進める必要があります。このため、自衛官を含めた職員全体の働き方改革や、一人一人の能力を最大限に引き出すための各種施策に取り組んでまいりますし、無人アセットの導入や既存アセットの無人化、自動化改修の徹底的な推進、効率的、効果的に戦力発揮するための組織体制の構築、アウトソーシングの一層の活用などに取り組んでいく考えです。

谷(浩)委員 人的基盤は防衛力の根幹であり、とりわけ、最前線を担う若手隊員の不足は抑止力と対処力そのものに直結する問題であります。更なる充足率向上に向けた対策を一層強化していただきたいと考えております。

 次に、若手自衛官の充足率低下については、若年層の離職率の高さや少子化による応募者数、採用者数の減少など、複合的な要因があると考えられます。

 防衛省におかれても、様々な分析を行い、対策を講じてこられていることは承知をしておりますが、政府として士の充足率が低迷している主たる要因をどのように分析されているのか、大臣にお伺いいたします。

小泉国務大臣 少子高齢化に伴い我が国は深刻な人手不足社会を迎えており、自衛官の募集対象者人口、これは十八歳から三十二歳までで採っていますが、二〇二〇年度は約千七百九十一万人でしたが、二〇二四年度では約千七百三十二万人で、五十八万人程度減少しています。

 募集対象人口の減少に加え、大学等進学率の高まり等により、高校新卒求人倍率も上昇しており、全体として人材獲得競争が激化しています。特に、二士採用の主なターゲットである高校新卒者は、大学等進学率の高まりも相まって、二〇二四年度、求人倍率が過去最高を記録するなど、募集環境が大変厳しい状況です。

 自衛官等の応募者及び採用者も減少傾向にあり、二〇一四年度から二〇二四年度までの十年間で、応募者数は約四割、採用者数は約三割減少しています。

 また、令和六年度の中途退職者数約五千六百二十名のうち、士は半数を超える約二千八百三十名であり、強い危機感を持っています。中途退職の理由や背景は様々ですが、退職を考えたことのある自衛官等は、自衛官全体と比べ、達成感や成長感に関する不満、上司からの評価等の承認、称賛に関する不満などが多いと承知をしています。

 こうした状況を受け、自衛官の処遇改善等に取り組んでいます。令和七年度の直近の応募者数は増加に転じ、採用者数も増加するものと考えています。これは、昨年十一月末時点の応募者数は約六万百人と、令和六年度に比べて約三千四百人のプラス、このうち二士種目の応募者数は約三万五千四百人と、令和六年度に比べて約一千百人増加ということです。

 また、先ほども答弁しましたが、中途退職者も、今、抑制、減少しており、一定程度この中途退職者の抑制にも成果が表れ始めていると考えていますので、引き続きしっかりと取り組んでまいりたいと思います。

谷(浩)委員 御答弁ありがとうございます。

 採用と定着は一体の課題でありまして、入口対策だけではなく、入隊後の環境改善も含めた総合的な分析と対策が不可欠だと考えております。引き続き、現場の実態に即した施策を推進していただきたいと考えております。

 次に、若年層自衛官の離職についてお伺いいたします。

 先ほど少し御答弁いただきましたけれども、自衛官の中途退職者数は増加傾向にあり、令和五年度は約六千二百六十人と、過去三十年間で最多となっております。昨年度も約五千六百二十人とのことで、先ほど大臣からお言葉を頂戴しました。

 特に、入隊初期の若年層における離職の増加が指摘されておりますが、入隊三年以内、入隊五年以内のそれぞれの離職率はどの程度で、彼らの退職理由についてどのように分析をしているのでしょうか。離職者に対するアンケートの実施状況についても併せて伺います。

廣瀬政府参考人 お答えいたします。

 令和六年度の中途退職者約五千六百二十名のうち、入隊三年に満たない者の割合は約三割、入隊五年に満たない者の割合は約五割となっております。

 また、若年層を含め、自衛官の中途退職の本質的な理由を把握するため、令和五年度から六年度にかけて、専門的知見を有する民間会社を活用し、退職した自衛官への聞き取りや現役自衛官等へのアンケートによる調査を実施しました。

 この調査によりますと、中途退職の要因の全体像として、前例主義の組織文化を根源として発生する五つの課題が特定をされております。具体的には、異世代へのマネジメント能力不足、不十分な情報伝達、上意下達の慣例、慣習、キャリアパスの固定化、業務の非効率などが挙げられております。

 このため、本年三月には、自衛隊が目指す組織文化の明文化なども行っており、防衛省として、引き続き、中途退職者の抑制に資する各種施策を強力に進めてまいります。

谷(浩)委員 御答弁ありがとうございます。

 国防の意思を持って入隊した若者が早期に離職している現状は、極めて重く受け止める必要があります。

 自衛官は特別職国家公務員です。各種手当はあるものの、勤務実態に見合った処遇が十分に反映されていないとの指摘もあります。日常、当直や訓練の業務に加え、装備整備やデスクワークなどの負担も大きく、現場では相当な努力によって支えられているのが実情ではないでしょうか。

 自衛隊は、階級社会であるとともに、政治的中立性が求められるため、職場環境の改善については非常に声を上げづらいのが現状です。そのような中で、限界を迎えて退職に至るケースもあるとすれば、これは制度として真摯に向き合うべき課題であると考えております。

 防衛省におかれましては、こうした現場の実態を丁寧に把握し、勤務環境や処遇の改善につなげていただくよう強く期待をいたします。

 次に、自衛官の採用状況について伺います。

 応募者数、採用者数が減少傾向にある中で、今回の法案により人的基盤強化が図られる点は前進であると評価しております。

 その上で、伺います。現在の給与水準まで引き上げたことによって、士の充足率は十分に確保できるとお考えでしょうか。また、今後も給与水準の引上げを継続していく考えがあるのか、大臣にお伺いいたします。

小泉国務大臣 士の給与等の処遇改善については、令和七年度予算において、手当等を過去に例のない規模で拡充し、例えば、入隊後に営内等で集団生活を送る士に対して年間二十万円、六年間で百二十万円支給する指定場所生活調整金を創設しました。

 また、昨年の給与改定では、全自衛官の給与が過去最高の額となる改定を行い、特に二士については、年収で二十三万円以上増加しました。

 さらに、自衛隊創設以来初となる自衛官の給与体系の独自の改定を一年前倒し、令和九年度中に実施するため、その議論を本格化をさせたところであります。

 このような取組を受けて、令和七年度の、昨年十一月時点での二士種目の志願者数は増加に転じていますので、引き続き、士を始めとする自衛官確保のための各種施策の手を緩めることなく、全力で進めてまいります。

谷(浩)委員 ありがとうございます。

 人材確保、流出防止の観点からも、とりわけ最前線を担う若手自衛官の処遇については一層の充実が必要であります。防衛省におかれましては、これまでの改善努力を土台に、更なる給与水準の引上げや処遇改善を通じて、若手自衛官の充足率向上を図り、質、量共に充実した人的基盤の確立に取り組んでいただきたいと考えております。

 次に、自衛隊の奨学生制度について伺います。

 現行制度は、在学中に応募し、卒業後の入隊を前提に学資金が貸与される仕組みと承知しておりますが、応募期間の限定性について課題も指摘されております。

 そこで、伺います。入隊後、一定期間継続して勤務した自衛官を対象に、奨学金債務を国が後から肩代わりするような制度を新たに検討する余地はないのか、政府のお考えをお聞かせください。

廣瀬政府参考人 お答えいたします。

 自衛官として採用された者の奨学金の返済を支援する制度を導入するに当たっては、入隊に対するインセンティブが十分働くことに加え、入隊後の定着を促すものとする必要があります。

 また、自衛官に限った奨学金の返還制度については、既に返済を完了した方や職業間の公平性など検討すべき課題があることを踏まえる必要があると考えております。

 少子高齢化に伴う人手不足は自衛隊にも深刻な影響を及ぼしており、優秀な人材の安定的な確保に資するための各種施策について不断に検討してまいります。

谷(浩)委員 御答弁ありがとうございます。

 是非とも検討いただきたいと思っております。給与面の改善に加えて、長期的に勤務したいと思えるような、そういう制度設計が非常に重要かと思っております。

 参政党としては、農業や公務員など国を支える重要な職務に就いた場合に返済が免除される奨学金制度なども一つの方向性として提案をしております。自衛官の志と継続勤務を後押しする観点から、より柔軟で魅力ある制度の検討を進めていただきたいと考えております。

 次に、今回の法案において、若年定年退職金給付金の引上げや再就職支援の拡充が図られる内容となっており、こちらも前向きな取組として評価をしております。もっとも、自衛官は我が国では法制上軍人とはされていない一方で、現実には、有事の際には日本を守るため命を懸ける職責を負っておられます。

 その上で、伺います。自衛官の退職後処遇について、政府は、一般公務員と同様の生活補完措置として位置づけているのか、それとも、国家に対する特殊な奉仕と危険負担に見合う特別な処遇として位置づけているのか、基本認識をお示しください。

小泉国務大臣 自衛隊は、我が国の防衛を始めとする危険性、困難性の高い任務を担っており、その任務の特殊性から、組織を常に精強な状態に維持する必要があるため、階級ごとに職務に必要とされる体力等を考慮し、多くの自衛官が五十歳代後半で定年退職する若年定年制を採用しています。

 この若年定年退職者給付金は、このような自衛隊の特殊性を背景として、一般の国家公務員より早い年齢での定年退職を余儀なくされる自衛官に対して、若年定年制から生じる収入減という不利益を補う施策として導入された政策的給付であります。

谷(浩)委員 御答弁ありがとうございます。

 自衛官は一般職の公務員とは異なり、文字どおり命を懸けて日本を守っている特別職の国家公務員です。職務の特殊性を踏まえれば、退職後の処遇についても、それに見合う位置づけの整備が必要ではないかと考えています。制度の趣旨を明確にしつつ、更なる充実を検討していただきたいと思っております。

 次に、米国、英国、フランスなどでは、軍人に対する終身的な年金制度が整備されており、軍人という国家に奉仕することの特殊性に鑑み、退役後の生活保障を一般公務員以上に手厚く扱っています。

 一方で、我が国では、自衛官は軍人と同様に極めて重い責務を負いながら、制度としては若年定年退職給付金という枠組みにとどまっております。

 そこで、伺います。諸外国と同様に、軍務の特殊性を踏まえ、退役後に軍人年金、恩給的な制度が整備されてしかるべきではないか、我が国の自衛官の処遇は国家への奉仕の重みと均衡していると考えるのか、大臣の御認識をお伺いいたします。

小泉国務大臣 恩給的な制度の整備については、現在進めている再就職先の拡充や若年定年退職者給付金の給付水準の引上げといった施策を十分に踏まえた上で、自衛官の退職後給付の在り方の中で検討する必要があります。

 防衛省・自衛隊としては、我が国の年金制度における公平性や公正性の観点を踏まえつつ、自衛官の処遇改善に係る国民の皆様の御理解をいただきながら、よりよい制度となるよう不断に検討してまいります。

谷(浩)委員 国防を担う人材の確保、定着の観点からも、退職後の安心というものは極めて重要かと考えております。国際比較も踏まえつつ、我が国にふさわしい制度の在り方をこれからも検討していただきたいと考えております。

 今回の法案で、若年定年を迎える自衛官の再就職支援を充実させ、離職時に一回のみであったものを、六十五歳に達するまでの間、何度でも再就職支援が受けられるという制度に変わるものと承知をしております。回数を拡充する点については、自衛官のキャリアプランを支援するという観点から理解いたしますが、重要なのは、回数だけではなく、内容の充実だと考えています。

 そこで、伺います。今回の法改正を機に、防衛省として、このような回数ではなく中身の改革を、工程表等をもって進める考えはあるのか、お伺いいたします。

廣瀬政府参考人 防衛省は、若年定年制の退職予定自衛官に対し、退職日のおよそ三年前から、退職後の生活の安定や職業選択に必要な知識を付与するための退職管理教育、再就職に有用な資格取得に必要となる能力や技能を習得させるための職業訓練、部外の専門相談員による進路相談などの様々な再就職支援を行っております。

 また、関係閣僚会議の自衛官の処遇・勤務環境の改善及び新たな生涯設計の確立に関する基本方針に基づき、政府一体となって、退職する自衛官が自衛隊で培った知識、技能、経験を生かすことができる環境を整えるため、関係省庁と連携し、港湾運送業や農林水産業などの幅広い業界や経済団体に対する退職自衛官の活用などの働きかけの取組を進めております。

 防衛省としては、退職した自衛官が六十五歳に達するまでの間、生活基盤を安定的に確保し、社会で活躍し続けられるようにするために、本法案により、再び就職の支援を行えるよう制度を拡充することとしていますが、その支援の内容についても、退職自衛官のニーズも踏まえつつ、よりよい支援ができるよう不断に検討してまいります。

谷(浩)委員 御答弁ありがとうございます。

 再就職支援は、単なる自衛隊の出口対策ではなくて、入隊時から一貫した自衛官のためのキャリア設計として位置づけるべきと考えています。質の高い再就職支援を行っていただけるよう要望いたします。

 最後の質問に参ります。

 自衛隊の定員充足が厳しい中で、広報を工夫し、若い世代に関心を持ってもらう努力が必要であることは理解しております。一方で、近年の一部の広報には、アイドル、アニメ、コスプレ、ダンスなどを用いた大衆迎合的とも受け取られかねない表現が見られます。私は、こうした広報が行き過ぎれば、自衛隊が担う国防という崇高な任務に対する誇りや威厳を損なうのではないかと危惧しております。広報は単なる宣伝ではなく、平時における情報戦の一環であり、防衛省として、国内に対しては誇りと信頼を育み、同盟国に対しては頼もしさを示し、日本の安全を脅かそうとする国に対しては抑止にもつながるものであると考えています。

 そこで、伺います。防衛省は、自衛隊広報について、親しみやすさだけではなく、国防組織としての威厳、精強さ、規律、名誉をどう両立させる考えなのでしょうか。また、広報の基本方針を、国防の本質がより伝わるものへ見直す考えはないか、大臣の御見解をお答えください。

小泉国務大臣 委員御指摘のとおり、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境の中、国防という崇高な使命、そして、隊員が日々従事している厳しい任務や精強性、厳正な規律の保持や名誉といった点について国民の皆さんにしっかり伝えていくことが重要であると考えています。また、我が国を取り巻く安全保障環境や防衛力強化の必要性などについても国民の皆さんに健全な危機感を持っていただくことも不可欠だと考えています。

 例えば、昨年末に内閣府が実施した世論調査では、自衛隊に関心があるという答えが全体で八二・五%と過去最高の結果となった一方で、年代別に見ると、十八歳から二十九歳の若年層は六四%とほかの年代に比べて低い傾向にあることから、SNSなども活用しながら、特に若年層にも防衛省・自衛隊について関心を持ってもらうための取組を積極的に行っていく考えです。

 誇りある自衛隊と親しみやすさとのバランスなど、防衛省・自衛隊の広報はどのようにあるべきか不断に検討しつつ、私が先頭に立って積極的な情報発信を行ってまいります。

谷(浩)委員 時間が来ましたので、私の質問を終わります。ありがとうございました。

西村委員長 この際、御報告いたします。

 内閣委員会法務委員会外務委員会安全保障委員会連合審査会は、明二十二日水曜日午前九時から開会することとなりましたので、御了承願います。

 次回は、来る二十四日金曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時一分散会


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