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第5号 令和8年4月24日(金曜日)

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令和八年四月二十四日(金曜日)

    午前九時三十分開議

 出席委員

   委員長 西村 明宏君

   理事 大野敬太郎君 理事 門山 宏哲君

   理事 福田 達夫君 理事 本田 太郎君

   理事 保岡 宏武君 理事 河西 宏一君

   理事 前原 誠司君 理事 橋本 幹彦君

      石坂  太君    江渡 聡徳君

      大塚  拓君    小野寺五典君

      鹿嶋 祐介君    木村 次郎君

      塩崎 彰久君    武田 良太君

      長島 昭久君    中谷  元君

      浜田 靖一君    細田 健一君

      三原 朝利君    吉田 真次君

      若宮 健嗣君    野間  健君

      吉田 宣弘君    西田  薫君

      福田  徹君    谷 浩一郎君

      山田 瑛理君    田村 智子君

    …………………………………

   防衛大臣         小泉進次郎君

   防衛副大臣        宮崎 政久君

   防衛大臣政務官      若林 洋平君

   防衛大臣政務官      吉田 真次君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 米山 栄一君

   政府参考人

   (外務省総合外交政策局軍縮不拡散・科学部長)   中村 仁威君

   政府参考人

   (防衛省大臣官房長)   小野 功雄君

   政府参考人

   (防衛省防衛政策局長)  萬浪  学君

   政府参考人

   (防衛省整備計画局長)  伊藤 晋哉君

   政府参考人

   (防衛省人事教育局長)  廣瀬 律子君

   政府参考人

   (防衛省地方協力局長)  森田 治男君

   政府参考人

   (防衛装備庁装備政策部長)            小杉 裕一君

   政府参考人

   (防衛装備庁技術戦略部長)            嶺  康晴君

   安全保障委員会専門員   飯野 伸夫君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月二十二日

 辞任         補欠選任

  武田 良太君     中野 英幸君

同日

 辞任         補欠選任

  中野 英幸君     武田 良太君

同月二十四日

 辞任         補欠選任

  木村 次郎君     石坂  太君

同日

 辞任         補欠選任

  石坂  太君     木村 次郎君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 防衛省設置法等の一部を改正する法律案(内閣提出第一八号)


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     ――――◇―――――

西村委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、防衛省設置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付のとおり、内閣府大臣官房審議官米山栄一君外八名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

西村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

西村委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。細田健一君。

細田委員 皆様、おはようございます。

 自由民主党の細田健一でございます。

 再度、また貴重な質問の機会をいただきましたことを、西村委員長を始め、関係の先生方に改めて心から御礼を申し上げます。

 前回、この委員会が開かれた二十一日に、陸上自衛隊の日出生台演習場で実弾射撃訓練中の戦車内で砲弾が破裂し、乗っていた隊員の方三人が死亡、一人が重傷を負うという大変痛ましい事故がありました。亡くなられた隊員の方々の御冥福を心からお祈りするとともに、重傷を負われた隊員の一日も早い御回復をお祈りいたします。亡くなられた隊員の御家族の思いを考えると、言葉がありません。まず徹底した原因究明を行っていただいた上で、それに基づいて再発防止のために万全の措置を取っていただくよう、お願いをいたします。

 殉職された自衛官の方々には、国家として最高の敬意を払うべきだと考えております。この観点から、本日はまず、殉職された自衛官の御家族に対する補償についてお伺いしたいと思います。

 殉職された自衛官の御家族には、公務災害補償として国家公務員災害補償法が準用され、遺族補償年金、また一時金が支払われます。これは国家公務員としての補償ですが、自衛隊員の場合には特別な補償として賞じゅつ金制度がございまして、職務の危険性が高い状況で死亡した場合、特別の弔慰金として賞じゅつ金が支払われます。

 まず、防衛省にお伺いをいたします。

 今回事故で亡くなられた隊員の方々は賞じゅつ金の支給対象になるのでしょうか。

廣瀬政府参考人 お答えいたします。

 賞じゅつ金は、賞じゆつ金に関する訓令第二条の規定により、一身の危険を顧みることなくその職務を遂行し、そのため殉職し、又は障害の状態となったときなどに授与することができるものです。

 具体的には、同訓令の第二条において、例えば落下傘降下や不発弾処理など、自衛隊の他の一般の職務と比較して、高度の危険が予測され、災害を受ける蓋然性が高い職務が列挙され、これに該当する場合は賞じゅつ金を授与することができることとされております。

 訓令の規定上、訓練という文言は使われてはおりませんが、先ほど答弁したような高度の危険等が予測される職務については、その職務を行うための訓練中に発生した事故についても、訓令の規定に基づき、賞じゅつ金を授与してきております。

 また、訓令第二条第六項においては、これらのほか、特に防衛大臣が定める場合において授与することができることも定められており、事故調査等で確認された事実関係に基づき、個別に検討の上、賞じゅつ金を授与してきたところでございます。

細田委員 ありがとうございます。

 ケース・バイ・ケースで対応されるということのようでございます。

 私も、今回、賞じゆつ金に関する訓令を拝読いたしました。この訓令の第二条に、今お話があったとおり、賞じゅつ金授与の対象が記載されておりますけれども、訓練中の事故というのは、これは明記をされていないんですね。

 確かに、今回の場合は、まだ事故原因の究明中でありますし、また、明確なお答えというのはなかなか難しいという状況はよく理解できます。また、消防や警察などほかの制度との兼ね合いや、様々な経緯があると思いますけれども、訓練も、当然のことながら、上官の命令によって行う行為でありまして、今回のような事故のリスクもございます。

 昨日、防衛省からいろいろお話を伺いましたけれども、ケース・バイ・ケースで対応しているということですけれども、原則的には賞じゅつ金の対象になる方向で検討を行っているということでございました。

 私は、この際、訓令を改定して、訓練中の事故も賞じゅつ金の対象となることを明記すべきではないかというふうに考えております。これは、先ほど申したように、様々なほかの制度との比較、その他様々な経緯があると思いますけれども、この辺について、是非前向きに検討いただくよう大臣にお願いしたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

小泉国務大臣 おはようございます。

 今日も、二回連続ですけれども、細田先生、よろしくお願いいたします。

 先ほども、大分、日出生台の演習場における事故に対しまして、先生からのお悔やみ、そしてまたお見舞いのお言葉、ありがとうございます。

 それに関しての御質問でありますけれども、御指摘の訓令の規定について、訓令の文言上は、先生の御指摘のとおり、訓練中の事故というものが明記されていないということでありますが、これまでも、訓練中の事故については、訓令の規定に基づいて個別に判断した上で賞じゅつ金を授与してきています。

 いずれにしても、賞じゅつ金制度は、一身の危険を顧みることなく職務を遂行し、そのために死亡又は障害の状態となった場合に、その勇敢な行為をたたえ、弔慰又は見舞いの意を表するとともに、自衛隊員がふだんから安心して職務に専念できるよう設けている制度であります。こうした制度趣旨を踏まえ、適切に判断してまいりたいと思います。

細田委員 ありがとうございます。

 先ほど冒頭に申し上げたように、殉職された隊員の方々は国家として最高の敬意が払われるべきだと思いますので、是非前向きな御対応をお願いしたいというふうに思います。

 それでは次に、防衛省や経済安全保障部局に十分な人員が配置されているか、あるいは組織体制がしっかりと構築されているかという点についてお伺いをしたいと思います。

 今日は、内閣府の経済安全保障部局の方に来ていただきました。

 この分野については、ここに大野敬太郎先生もおられますけれども、我が党の専門家の先生方がパイオニアとして様々な立法措置を行ってこられました。これまでの御尽力に対して心から敬意を表したいと思っております。

 この分野は全く新しい分野でありまして、皆さんも御存じのとおり、政府の業務に全く新しいものが追加されました。

 私が心配しているのは、元々中央官庁は非常に多忙なところでありますけれども、元々多忙なところに全く新しい立法措置がなされ、業務が追加されたにもかかわらず、業務を着実に遂行するに足る実員が不足しているのではないかという懸念を持っております。

 これは、役所の方のお話を聞きますと、定数については内閣人事局も近年御配慮をいただいて、それなりに定数をつけていただいているということですが、それでは実際に、実員ですね、人がいるのかという点をお伺いしますと、なかなか苦しいということのようです。これは数字はあえて申し上げませんけれども、実員ベースではなかなか苦しいとおっしゃっておられます。

 役所の方は、人が足らないから苦しいと公の場では決しておっしゃらないですけれども、これに対応するためには、例えば任期付職員の方の積極的登用や、あるいは新規採用を幅広に行うといったような実員の充足を図るべきではないかというふうに考えております。

 経済安全保障部局の重要性というのはますます大きくなると思いますので、是非実員の確保のために工夫をしていただきたいと思いますが、御担当の方の御答弁をお願いします。

米山政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、定員の増加に比べまして、実員については必ずしも充足されていない状況というのはございます。

 足下の経済安全保障をめぐる環境を踏まえますれば、実員の確保を含めまして、経済安全保障担当部局の体制を強化することは非常に重要だと考えてございます。この点、御党の経済安全保障推進本部からも、経済安全保障政策を推進するための体制強化が必要であるという御提言をいただいているところでございます。

 人材確保、これは行政全体としても喫緊の課題だと承知しておりますけれども、経済安全保障分野におきましても、引き続き、任期付職員や新規採用の活用等も含めまして、必要な実員の確保を含む体制の強化充実に取り組んでまいります。

細田委員 ありがとうございました。

 政治の側からもきちんと後押しをしていきたいと思いますので、是非頑張って取り組んでいただきたいと思っております。

 この点に関連しまして、経済安全保障法には幾つかの分野がありますけれども、特に基幹インフラの審査については、現在、各業所管官庁が分担して行うという形になっていると思います。これについては、私、私見ではありますけれども、それぞれの業所管官庁に任せるのではなく、専門性のある機関を立ち上げて、そこで一括して審査をすべきではないかというふうに思っております。

 これは、各所管部局がばらばらに見るよりも、専門性を持った知見の高い人材が業種横断的に、横串で審査をした方が効率的かつより深く審査を行えるのではないかと考えておりますけれども、この点についての御見解はいかがでしょうか。

米山政府参考人 お答え申し上げます。

 経済安全保障推進法における基幹インフラ制度でございますけれども、特定重要設備が我が国の外部から行われる妨害行為の手段として使用されるおそれが大きいかどうか、こちらを事業所管大臣が審査するという制度でございます。

 この審査に当たってでございますけれども、事業所管大臣は、必要に応じて内閣総理大臣に協議することが可能となってございます。この点、まさに内閣府におきましては、こうした協議に対応いたしまして、事業所管省庁が的確な意思決定を行うために、情報収集、分析を行うに当たっての必要な体制というのは構築しているところでございます。

 更に申し上げると、この内閣府の経済安全保障担当部局を中心にいたしまして、事業所管省庁を含む関係省庁間で、情報あるいは知見の共有といった協力、これは行っております。これを行うことで審査の実効性確保に取り組んでいる、まさに取り組んでいるところでございます。このように、内閣府の経済安全保障担当部局、関係省庁と連携をいたしまして、基幹インフラ制度の審査の実効性確保のまさに役割を担っているものと我々は考えてございます。

 御指摘を踏まえまして、引き続き、職員の専門性の向上や実員の確保を含めた体制強化等を図ることによりまして、更なる実効性の確保に取り組んでまいります。

細田委員 ありがとうございました。

 これも、内閣府の御担当の方に先日来ていただいて、いろいろお話を伺う機会がありました。本当に大変頑張っておられて、また、各省庁の方が相談しやすいような雰囲気づくりに努めておられたり、あるいは、頼られるような専門性の向上に努めておられるということで、大変強い感銘を受けたわけでございます。この点について、本当に引き続き是非頑張っていただきたいと思いますし、また、必要な体制の整備については後押しをしてまいりたいというふうに考えております。

 今申し上げたように、経済安全保障部局も実員という点で大変だと思いますけれども、防衛省本省の内部部局も大変苦労しているというふうに拝察をしております。

 防衛省の方のお話を伺って私が驚いたのは、本省、地方支分部局を含む省全体の定員が最近まで減少していたということで、いただいた資料によりますと、防衛省の本省、地方支分部局を含む定員の合計というのは、二〇〇三年には約二万四千人だったものが、二〇一九年には四千人減って二万人を割り込む水準まで落ち込んだということで、これは、私も霞が関の出身でありますけれども、定員削減については様々な要求がありますが、できるだけいろいろな知恵を絞って、必要な人員を確保するためにまさに省全体を挙げて対応してきたというような、そういう実務にも携わった経験がありまして、その経験からすると、ある意味防衛省の皆さんというのは非常に素直に定員削減の要求に従っていたというような印象がございます。

 我が国の安全保障環境が激しさを増し、防衛省関連予算が大幅増加基調となる中で、定員が、少なくとも横ばいということはあり得るとしても、減少しているというのは本当に想像もつかないような状況でございました。

 近年は当然増加傾向にありまして、二〇二六年には二万一千人を超える水準まで戻したということでございますけれども、まだ二〇〇三年のレベルには届いておりません。

 このような人が減らされる状況の中で、仕事の面では特に大変なのは防衛省の内部部局だと思います。この内部部局を見ますと、一官房四局体制で運営されてきたところでございますけれども、予算の増加あるいは業務の増加が進む中で、この四局体制というのは、正直申し上げて余りにも貧弱ではないかというふうに思います。

 例えば、骨太の安全保障政策を企画立案する部門、あるいは防衛省・自衛隊の国際協力を推進する部門、あるいは部隊の編成や運用について基本原則を定める部門、これらの業務は本当に、本省においてそれぞれ一つの局があって、それぞれ大臣を補佐するという局長がいらしても全くおかしくないというふうに思います。

 ただ一方で、霞が関の組織改正のルールではスクラップ・アンド・ビルドというのが原則になりますので、局の総数は増やせないという縛りがあるわけでございます。

 今後、政府が防衛三文書の改定をされると承っておりますけれども、これに合わせて、局の増設など、霞が関のルールに縛られることがない形で特例的に組織体制の強化を図るべきだと考えておりますけれども、大臣の御見解を伺わせていただきます。

小泉国務大臣 これはまさに、霞が関の中から知っている細田先生ならではの、温かい防衛省へのエールだと思います。防衛省は経産省と比べると素直に削減をしてきたという、かなり言葉を選んで細田先生は言っていただいただろうなと思いますし、その裏側にはきっと、我々通産省、経産省みたいにしたたかにやらなきゃ駄目だよ、そういうメッセージを込めていただいたのかなというふうにも思いますが。

 今、防衛産業のためにも赤澤大臣と、経産省と一緒に連携をしているように、そういった知恵も含めて、タッグを組んで、必要な人員そして組織体制の強化につなげていきたいと思います。

 特に今、防衛協力や交流、これを例に申し上げれば、政務による各国との会談を含む交流実績に限っても、近年で年間百五十件以上を数えて、ここ十年間で約三倍となっています。例えば、私がこの前の週末オーストラリアに行きましたけれども、その前の週はオーストラリアのマールズ大臣が日本に来られて、一週間のうちに先方の来日そして私の訪豪、この業務というのも、準備や様々なロジ、これは相当担当職員も大変だったと思います。こういったことにつきましてもしっかり御理解をいただいた上で、予算面も膨らんでいますし、業務もかなり多くなってきていますので。

 高市総理からも、防大の卒業式の訓示でこういった言葉もいただきました。防衛省・自衛隊の組織の在り方も含め、あらゆる選択肢を排除せずに検討し、防衛力の抜本的な強化に取り組んでいく。こういう総理の言葉も含めて、自衛隊の任務、防衛省の任務、役割が急速に拡大、変化する中で、これにふさわしい組織へと変革をさせていくことが必要であると思いますので、細田先生のように、党側からも、また与野党からも、防衛省、しっかり組織を強化せよ、こういった後押しをいただけるように努めてまいりたいと思います。

細田委員 ありがとうございました。

 今、私の出身省庁の名前を出していただいたわけでございますけれども、本当に是非したたかに動いていただきたいと思いますし、また、大臣からもお話ございました、防衛力の強化というのは本省の組織体制の強化も含めたものだというふうに考えておりますので、私も微力ながら是非後押しをしてまいりたいというふうに考えております。

 それでは次に、防衛装備品産業についてお伺いをしたいと思います。

 政府は、防衛装備移転三原則を見直して、武器輸出五類型を撤廃いたしました。今後、全ての防衛装備品や修理などのサービスの提供を、対象国を限定した上で原則可能とするということになりました。

 これは、国際秩序が大きく揺らぎ、また、我が国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中で、友好国との信頼関係の一層の向上や、また防衛装備品の持続的な生産能力の向上につながるという誠に時宜を得た措置だと考えております。関係者の御尽力に心から敬意を表します。

 この前提として、我が国の防衛装備品産業が健全な形で維持発展しているということが大変重要であると考えております。

 これに関連して、防衛生産基盤強化法の施行状況について質問をいたします。

 同法では、防衛装備品のサプライチェーンを把握するためにサプライチェーン調査の実施が定められていますけれども、この結果はどのようなものか。例えば防衛省が把握しておられるサプライヤーの数はどれくらいなのか。また、防衛省の職員の方が直接訪問した数はどれくらいかという点についてお答えください。

小杉政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のサプライチェーン調査につきましては、安定的な製造等を脅かすリスク状況を把握する観点から実施しておりまして、令和五年度に策定いたしました防衛生産基盤強化法に基づく調査をこれまで延べ約一万三千社に対し行ってまいりました。

 このほか、企業との平素のやり取りの中での情報収集に加えまして、令和六年度からは職員が工場等を直接訪問して、製造工程も含めたリスク状況についての確認を開始しておりまして、これまで約百三十社を訪問してまいりました。

 このような情報収集を通じて、サプライチェーンの脆弱性やボトルネックが明らかになった場合には、防衛生産基盤強化法上の装備品安定製造等確保事業の枠組み等も活用いたしまして、代替品の調査や生産体制の強化等を実施してきているところでございます。

細田委員 ありがとうございました。

 サプライヤーを大体千百社ですか、把握されて、百三十社を直接訪問されたということでございます。

 私も、先ほどからお話ありました霞が関の経済産業省の出身でありまして、比較的、その業所管課といいますか、直接様々な業界を担当する部署にいた期間が長かったんですけれども、そのときは、担当者であった頃は、現場に足を運べということが一つの鉄則でありまして、上司も部下も含めて、役所からできるだけ外に出るようにして、個別企業を訪問するということ、それをやっておりましたし、また、それを奨励するような雰囲気がございました。

 かつて、私が例えば繊維製品の担当課におりました頃は、繊維製品の製造業の会社が日本で大体三万社ぐらいあったわけですが、そのうちの一万社の社長さんと名刺交換をしたというような、本当にベテラン中のベテランのような職員の方がおられて、そういう職員の方に支えられて行政が運営されていたというような側面がございました。

 防衛装備品の産業の育成のためには、こういうサプライヤーの皆さんとの本当にコミュニケーション、素直なやり取りというのが必要だと思いますので、是非、この千百社全て訪問していただいて、意見交換していただく。それによって、いろいろと見えてくるものがまたあるんじゃないかと思っております。

 装備品産業は首都圏に集中立地しているわけでもなく、なかなか大変だと思いますが、是非頑張っていただきたいと思いますし、またこういうことができるような組織体制や職員の育成を行っていただきたいと思いますが、御見解をよろしくお願いします。

小杉政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、企業訪問をして直接お話を伺うということも含め、企業の声をしっかりとお聞きしながら新しい施策の検討や既存の施策の改善を進めていくことが非常に重要であるというふうに考えてございます。企業とのコミュニケーションを強化する観点も踏まえながら、防衛生産・技術基盤の強化を進める体制の在り方に関しても不断に検討を進めてまいりたいと思います。

 ありがとうございます。

細田委員 大変厳しい環境だと思いますが、大臣含め、防衛省・自衛隊の方には是非頑張っていただきたいと思います。

 終わります。ありがとうございました。

西村委員長 次に、前原誠司君。

前原委員 おはようございます。日本維新の会の前原でございます。

 まず冒頭、大分県日出生台演習場で去る二十一日に事故が発生をし、三人の貴い自衛隊の方々が亡くなられました。心から御冥福をお祈り申し上げますとともに、御家族にもお悔やみを申し上げたいと思います。また、お一人が大けがをされたということでありまして、一日も早い御回復をお祈り申し上げます。

 こういう、砲弾が破裂したという話は余り聞かない事故でありまして、同種の戦車に乗っている隊員の方々の心情を考えると、事故の原因の徹底究明、これは不可欠だと思いますし、是非大臣には、リーダーシップを取って徹底究明を行っていただき、そして、その上で、訓練が再開されるように努力をしていただきたいということを、まず冒頭申し上げたいと思います。

 さて、今回の防衛省設置法に関して、まず一点質問させていただきたいと思います。

 航空自衛隊を航空宇宙自衛隊へと改編をするということであります。宇サ電と言われるように、宇宙、サイバー、電磁波、この宇宙の領域の新たな役割というものは極めて大きいということは従来から言われているわけでございますが、この改編によって何が変わるのか。

 そして、現在ある宇宙作戦団六百七十人が宇宙作戦集団八百八十人になるということで、数からいうと、航空自衛隊が航空宇宙自衛隊に変わって、何か大きく変わるのかなと思ったら、まずは二百十人が増えるということで、ステップ・バイ・ステップだと思いますけれども、この目的と、それから、最終的にはどういう組織にしていきたいか、どのように考えておられるか。御答弁いただきたいと思います。

小泉国務大臣 ありがとうございます。

 大分の事故につきましては、先生おっしゃるとおり、しっかりと捜査を進めて原因究明を行ってまいりたいと思いますので、引き続き御指導のほどお願いしたいと思います。

 今、航空自衛隊が航空宇宙自衛隊へ変わる目的、趣旨、そしてまた将来像というお話がありました。

 まず申し上げれば、宇宙空間は、自衛隊による指揮統制、情報収集を行う上で重要であるだけではなくて、もう国民生活の中でも生活の基盤そのものになっております。カーナビ、地図アプリ、天気予報など、例を挙げれば数え切れないほどあります。

 こうしたことを踏まえまして、防衛省では、令和二年度に宇宙作戦隊を約二十名規模で創設して以来、段階的な体制強化を着実に進めるなど、宇宙領域における防衛能力を強化してまいりましたが、先生が御指摘をいただいたように、令和八年度に新編予定の宇宙作戦集団は約八百八十名規模にも達し、自衛隊として初めて自ら保有、運用するSDA衛星の打ち上げも予定しており、宇宙空間での情報収集を開始いたします。さらに、こうしたSDA能力の強化により、相手方の指揮統制、情報通信等を妨げる能力の本格的な運用も可能となります。

 こうした取組を通じ、宇宙空間は、単にほかの領域の作戦を補完する領域ではなく、自衛隊が作戦行動を行う領域となります。こうした変化は、空中を飛行することを意味する航空という用語のみでは表現できません。これらを踏まえ、今般、航空自衛隊を航空宇宙自衛隊に改編することとしたものです。

 自衛隊の名称変更は、昭和二十九年の自衛隊創設以来初めての試みであります。航空宇宙自衛隊への進化は、厳しい安全保障環境の中で、我が国全体における宇宙空間の安定的利用の確保、そして我が国の抑止力、対処力の強化に大きく貢献するものと考えています。

 また、先生からは、将来像という話もありました。

 将来像に関して言えば、今私が申し上げたとおり、段階的に強化している宇宙専門部隊でありますが、昨年には、地上から宇宙空間を監視する宇宙状況把握レーダー、SSAレーダーの運用を開始しました。そして、令和八年度には、先ほど申し上げたように、SDA衛星の打ち上げや、宇宙物体の位置を高精度で計測するレーザー測距装置の運用開始を予定しており、八百八十名になっていく。そして、この部隊規模ですが、諸外国の宇宙関連部隊とも遜色のないものとなっております。

 今般の航空宇宙自衛隊の創設を経て、まずは、組織として確実に能力発揮できるように、訓練や教育など様々な部隊活動を一つ一つ着実に取り組んでいくことが大変重要だと考えております。

 ですので、先生がおっしゃったような将来体制、こういったことについては、三文書の見直しの中でしっかりと検討していく考えであり、昨年公表した宇宙領域防衛指針の内容も踏まえ、宇宙の防衛能力に必要な体制を強化すべく、検討を進めてまいります。

前原委員 今御答弁いただきましたように、自らも衛星を打ち上げる、そして宇宙で作戦を行っていくということであります。

 ただ、世界各国が、宇宙での言ってみれば軍事的な活動をしているということの中で、例えば、アメリカ、ロシア、中国、インドなどは衛星を攻撃、無力化する能力も保持あるいは開発していると言われています。例えば、直接上昇型対衛星ミサイル、あるいは軌道上から接近して妨害、破壊するキラー衛星、強力な電磁波を出すジャミング装置、レーザーなどによるセンサーの無力化、こういった衛星を攻撃するものを持っているということでありますが、日本はそういうものまで持とうとしているのか。

 あるいは、日本の領域の中でおけば、例えば、核も含めて日本でカバーできないことについては日米安保条約というものでアメリカの協力を得るということになるわけでありますが、衛星攻撃をされる、それを受ける可能性がある場合において、自らその能力を持つのか、持つべきと考えるか、あるいは日米安保条約の範囲に入るのか。この二点についてお答えをいただきたいと思います。

小泉国務大臣 まず、今、アメリカの例を先生出されましたけれども、日米に限らず、今、私も、各国との会談、例えばフランスとかもそうですし、宇宙分野における日本との連携、これをかなり関心を持って議論するケースが出てきています。ですので、今、世界の情勢を見れば、宇宙分野の連携をこの改編とともに更に強化をしていくという方向性については先生御指摘のとおりであります。

 そして、例えばロシアによるウクライナ侵略では、地上侵攻前から多数のサイバー攻撃が発生し、重要インフラや衛星通信網が標的になっていたことが指摘をされています。また、アメリカの民間企業の通信衛星コンステレーション、スターリンクなどの民間衛星が、戦場における通信や情報優位を左右しています。

 こうした点を踏まえると、防衛省としては、多層的で抗堪性の高い衛星通信ネットワークを構築していくことが必要であると考えており、次期防衛通信衛星の整備や多国間の衛星通信帯域共有枠組み、この活用等の取組を進めてまいります。

 また、宇宙領域における通信遮断や衛星の機能妨害といった脅威の兆候を早期に探知し、対応が可能な体制を構築することも、先生御指摘のとおり必要だと考えています。新編を予定している宇宙作戦集団は、まさにそのための部隊であります。

 さらに、一部の国家による衛星の妨害に対し、防衛省として衛星を防護する能力を構築していくことも必要であると考えています。

 日本の優れた技術を活用しつつ、宇宙における防衛能力を強化する具体的な取組についても、三文書の改定に向け、しっかりと議論を積み上げていきたいと思います。

前原委員 端的にお答えいただきたいんですけれども、他国に対して無力化をさせる能力というものを抑止力として持つべきと考えるか、また、日米安保条約の適用範囲に入るか、この二点についてお答えください。

小泉国務大臣 まず、日本の主権、そして領土、領海、領空、国民の命と平和を守るために、あらゆる選択肢を排除せず、今後日本の防衛政策として何が必要か、こういった観点で三文書の改定の議論を積み上げていきたいと思います。

 そして、今、宇宙面についても、日米の同盟関係の中では極めて重要な分野となっておりますので、日米同盟の関係の中でも、宇宙領域での協力強化、深化を進めていくのは当然のことだと思っております。

前原委員 協力関係にあるというのは間違いないことですけれども、やはり抑止力という意味においては、日米安保条約に適用されるかどうか、この確認というのは大事なことだと思いますので、是非その点についてはしっかりと、これからヘグセス長官と話をされるとき、ある時期から尖閣については五条の範囲の中であるということを確認して、ずっと確認を続けているわけですね。宇宙領域というのは、これから新たな領域になりますけれども、そういった確認をしていただきたいということは要望しておきたいというふうに思います。

 時間があればまた防衛省設置法に戻りますが、非核三原則について質問させていただきたいと思います。

 アメリカで開発予算がついているSLCM―N、海洋発射型核巡航ミサイル、これにつきましては、二〇三二年九月までの限定運用、配備、二〇三四年までの初期運用能力の獲得を目標とするとアメリカは公表しています。主にインド太平洋地域における戦域核抑止を補完する目的で開発されているということでありまして、日本に寄港する可能性は極めて大きくなるわけであります。

 二〇三二年ということでありますけれども、配備されれば日本に寄港する可能性がある、その場合、非核三原則の持ち込ませずに抵触する可能性があると思いますが、これはどのように対応されますか。

小泉国務大臣 今のアメリカのSLCM―N、これに関連する非核三原則との関係ですけれども、これは従来から申し上げているとおり、政府としては非核三原則を政策上の方針として堅持しております。

 その上で、持ち込ませずにつきましても、二〇一〇年当時の岡田外務大臣による答弁を引き継いでいく考えであります。

前原委員 岡田答弁というのは、核の持込みが明らかになった場合に、そのときに考えるということでありますけれども、早ければ二〇三二年にSLCM―Nが配備をされるということであります。

 旧日米安保条約の下では、米軍による日本への核持込みには制約はありませんでした。新安保条約の締結交渉中、日本側は核持込みを事前協議の対象とすることを追求しましたが、アメリカ側は、個別艦船の搭載の有無を明かさないという、NCND、ナイザー・コンファーム・ノア・ディナイ、肯定も否定もしないという政策を主張し、陸上配備のみを事前協議の対象として、艦船の寄港については黙認するという姿勢を取りました。これは、いわゆる核の密約と言われるものでありまして、これはまさに民主党政権のときに公表させていただいたところであります。

 今後、アメリカがこういうNCNDの立場を貫くときに、具体的に、核を搭載する、言ってみればSLCM―Nのようなものが配備をされて寄港する可能性があるということになれば、これはしっかりと、持ち込ませずということについて、そのとき考えますというのでいいのか、あるいは今から準備した方がいいのか、これは非常に大きく議論が分かれるところだというふうに私は思います。

 日本の抑止力を高めるためには、このことについては、従来の御答弁は存じ上げていますけれども、二〇三二年に向けてしっかりと検討することぐらいは必要ではないかと思いますが、その点について答弁をいただきたいと思います。

小泉国務大臣 前原先生は恐らく、岡田外務大臣答弁の、あそこのときに政権側におられたと思いますので、当時、政権の中でも、また当時の与党の中でも、様々な議論があった上でのあの岡田外務大臣答弁だと思います。誰よりもその経緯、内側の議論というものを踏まえた上でお話しされていると思いますが。

 冷戦終結後、これまで公にされたアメリカの核政策に加え、アメリカは我が国の非核三原則に係る立場をよく理解をしていることから、核兵器を搭載するアメリカ艦船及び航空機の我が国への寄港、飛来、通過は現状において想定されません。

 我が国が戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面し、現実に核兵器などの日本に対する安全保障上の脅威が存在する中で、我が国の独立と平和を守り抜くためには、我が国自身による防衛努力に加え、アメリカが提供する核を含む拡大抑止が不可欠であり、今後とも、日米安保体制の下、アメリカ政府と緊密に意思疎通を図り、核抑止力を含むアメリカの拡大抑止の信頼性をこれまで以上に強化していくための方策を不断に検討していきたいと思います。

前原委員 民主党政権のときのお話をしていただきましたけれども、あのときの趣旨は、どのような密約があったのかということ、過去の密約を暴くだけではなくて、あるいは、一九九〇年代の初めまで、言ってみれば暗黙の了解で、核搭載の艦船あるいは潜水艦、そういったものが立ち寄っていた。それ以降は、今大臣が御答弁されたように、ないんですね。ないんですけれども、今私がお話をしているように、早ければ二〇三二年にはアメリカはこういった新たな海洋発射型核巡航ミサイルを搭載した潜水艦というものを配備する、運用させる、こういうことになるわけですね。ですから、そのときにはうやむやにできないという意味の中で二〇一〇年の岡田外相答弁があるということを、是非小泉大臣には認識をしていただきたいということなんですね。

 まだ時間があります、二〇三二年ですから。ですから、我々も、今、三文書の見直しの中で、この二〇三二年を前提とした非核三原則の見直しをするのかどうなのかというところを、議論をまさにしているところでありますけれども、核開発が非常に各国で行われて、特に中国の核弾頭ミサイルが毎年百発ずつ増えていっているということでありまして、その意味においては、やはり、我々が逃げることのできない一つのテーマだろうというふうに思っておりますので、当然ながら、タイミングというものは大事かと思いますけれども、しっかりと検討はしておくということ、これは大事なことでありますので、是非リーダーシップを持って検討いただきたいということをお願いしておきたいと思います。

 次に、VLS発射装置付潜水艦についてお話をさせていただきたいと思います。

 自民党さんとの維新の連立合意に、長射程ミサイルを搭載し、長距離、長期間の移動や潜航を可能とする次世代の動力を活用したVLS搭載潜水艦の保有に係る政策を推進するということがありますし、何度もこの点については小泉大臣も御答弁されているところであります。

 原潜についても、可能性も含めていろいろなところで御発言をされているところでありますけれども、先ほどのSLCM―Nもそうですけれども、これは、現実の問題として我々はちゃんと議論しておかないと、安全保障というのは観念論じゃないので。

 現実の問題として議論しておかなきゃいけないのは、アメリカのVLS搭載潜水艦、原潜の製造というのは年に一・五隻ぐらいらしいんですね。アメリカ自身もこれを配備をしていく。そしてオーストラリアについては三隻を予定している。そして韓国も原潜をという話になっているわけでありまして。

 これは、原潜自体の能力あるいは配備する際の様々なメリット、デメリットというものを比較考量して検討するということも大事なことなんですけれども、仮に導入すると決めたときに、えらい先になります、戦略環境が大きく変化をしているような先になるかもしれないというような状況であれば、本当に急激に、急速に変化をする戦略環境に対応できなくなる可能性というものはあるわけでありまして。

 こういう、現実の選択肢として、現実に今造られている能力、そしてオーストラリア、韓国も手を挙げているということを踏まえて、果たして日本として現実の選択肢となり得るかどうか、この点についての御答弁をいただきたいと思います。

小泉国務大臣 ありがとうございます。

 まさに、この点は自民党と日本維新の会の連立合意書の中にも具体的な項目として次世代の動力ということで取り上げられていて、私も、度々、原子力というものは選択肢から排除せずに議論すると申し上げております。

 その観点から、オーストラリアや韓国などの話もありましたが、AUKUSの下で、米英豪の三か国は二〇二一年にオーストラリアの原潜取得を発表していますが、オーストラリアは、二〇三〇年代初頭よりアメリカのバージニア級潜水艦を取得し、その後、二〇四〇年代に、オーストラリアで建造される原潜がオーストラリア海軍に引き渡されるとされております。

 加えて、このメリットやまた様々なことをどう考慮するかという話ですが、例えばAUKUSの報告書の中でも、原潜は長時間の潜航や長期間の行動が可能であり、速い水中速力を持つとされています。これらの特徴で重要なことは、乗組員の安全をより高いレベルで確保しつつ、所要の活動に従事することを可能にするということであります。

 いずれにしても、現時点で決め打ちをしているわけではなく、次世代の動力に何を、我々は、一つの方向性を見出し、それを現実の課題も踏まえて判断をしていくのかということも、三文書の中でしっかりと積み上げて議論してまいりたいと思います。

前原委員 時間が来たので終わりますが、VLS発射装置のついた潜水艦というのは、これは早くに導入しなきゃいけないということの中で、通常の、今の動力でまず造り、そしてそれを運用し、将来的なものとして原潜というものも考えるという、二段階ということも私はあり得るんじゃないかというふうに思っています。どちらかではなくて二段階で考えるということも、是非選択肢の中に入れて御検討いただきたいと思います。

 終わります。

西村委員長 次に、橋本幹彦君。

橋本(幹)委員 国民民主党の橋本幹彦でございます。

 防衛省設置法改正ということでありますけれども、まず基礎的なところを確認させていただきたいと思います。

 自衛隊に係る基本的な法律として、防衛省設置法と自衛隊法があります。この役割分担、そしてその役割分担の背景にある思想はどのように整理されているでしょうか。

小野政府参考人 お答えします。自衛隊法と設置法の関係ということで、参考人の方からお答えをいたします。

 まず、委員御案内のように、防衛省・自衛隊、これは基本的に同一の組織でございます。その上で、一般に、防衛省と言う場合には、陸海空自衛隊の管理運営などを任務とした行政組織の面を捉えたものでありまして、防衛省設置法は、こうした国家行政組織法上の行政組織たる防衛省の任務や所掌事務、これについて定めております。

 これに対しまして、自衛隊と言う場合、これは我が国の防衛を任務とします実力組織の面を捉えておりますので、こうした一般の行政官庁と異なる性格を有する自衛隊の任務、組織、権限について、これは防衛省設置法の規定によりまして、自衛隊法に定めるということでございます。

 このように、設置法と自衛隊法、これは、防衛省・自衛隊という組織の行政的側面それから軍事的側面、これをそれぞれ規定しておりますけれども、これは両者相まって防衛省・自衛隊の骨格を成している、こういうことでございます。

橋本(幹)委員 ありがとうございます。

 行政的な側面と軍事的な側面があるということであります。そして、その軍事的な側面を規定している自衛隊法においては、例えば、七十六条、八十八条をお読みになれば、自衛隊がいわゆるネガティブリストで動けるような規定になっているわけであります。ここの点が非常に今回の法案改正のときにも重要なポイントなんだと思います。そして、今後、安全保障の議論をしていく上でも大変重要なポイントであろうかと思います。

 と申しますのも、自衛隊に関する基礎的な認識が正しく皆さんに共有されていないんではないかと。よく、自民党の皆さんもそうです、憲法を改正する、自衛隊を軍隊にしなければいけないんだという方々がいらっしゃいますけれども、自衛隊は既に軍事的性質を自衛隊法によって与えられていて、そしてネガティブリストで行動できるようになっているわけです。

 今、安保三文書の改定、そして憲法改正というところ、高市総理としても内閣としても大変関心があるところだと思いますけれども、小泉大臣、こういった基礎的な日本の安全保障の根底を変えていこう、見直していこうとされるこの内閣の姿勢、これは、見直すべきことは見直したらいいと思います。ただ、例えば、防衛省設置法と自衛隊法の関係、あるいは自衛隊法で自衛隊がどのように位置づけられているか、この基礎的な理解が進んでいないと思いますが、大臣としてはいかに整理されているでしょうか。

小泉国務大臣 防衛省・自衛隊、それぞれの、自衛隊法と防衛省設置法の役割分担など、そういったことは今参考人から答えたとおりでありますけれども、恐らく先生の問題意識は、ポジティブリスト、ネガティブリスト、どっちがあるべきかとか、また憲法改正についてどうあるべきかという、かなり根本論をお話しをされていると思います。

 私の立場では申し上げられることは限りがありますけれども、例えば、今後、給与面でいえば、今までだったら公務員などに準拠する形で決められていた自衛官の俸給表を自衛官独自のものにこれから変えていく、こういったことについてもかなり抜本的な発想を持ってやろうとしているわけです。そして、防衛省・自衛隊が、今後、基本的にどのような組織であるかということについても、先生がおっしゃるとおり、国民の皆様に防衛省・自衛隊のことをより理解をしていただくことは、我々の今の安全保障政策の抜本強化の前提として不可欠なことだと思っておりますので、丁寧に説明をして、御理解を得られるようにしていきたいと思います。

橋本(幹)委員 今、俸給表について御言及いただきました。自衛官独自のということですけれども、既に自衛官は独自の俸給表になっているわけです。人事院勧告どおりではなくて、毎回この安全保障委員会で自衛官の俸給表改定のときには審議しているというのは、決して、他の公務員とは別に定めることができるということは、今も体系としては変わらないわけであります。

 憲法を改正しよう、あるいは独自の俸給表を作ろう、階級の国際標準化をしよう、これは、言葉は躍りますけれども、果たしてどこまで意味があるんだろうかなというところは私も思うところであります。

 そして、防衛省設置法の論点に戻りますけれども、自衛隊法と防衛省設置法の関係を、もし抜本的に自衛隊の在り方を見直していくというのであれば、もうそろそろしっかり見直された方がいいと思います。

 例えば、自衛隊法、先ほど七十六条、八十八条に言及しましたけれども、そのほかにもいろいろな規定があります。適用除外、たくさんあります。適用除外というところは、まさに、守らなければいけないけれどもこれについては特別に除外しているよということでありますが、そもそも軍事的な組織というところは、先ほど小野さんからも言葉をいただきましたけれども、軍事的な組織としては、その目的を達成するためにはあらゆる手段を尽くしていく、これが根本的な思想であるわけであります。

 防衛省設置法の要請に基づいて自衛隊法ができているという構造であると、なかなか難しいところもあるかもしれないですけれども、そもそも、防衛省設置法があって自衛隊法があるというこの構造自体を見直していく、防衛省設置法と自衛隊法的なものが、どちらも柱としてしっかりとよって立つような体制をつくっていただきたいと思います。

 今回の防衛省設置法にはこのようなことは含まれておりませんが、もし、安保三文書、憲法改正、こういった大上段のことを検討されていくということでありましたならば、是非この足下の防衛省設置法そして自衛隊法の根本の在り方について見直していただきたいと思います。

 さて、先日、この審議の一日目で、宇宙戦略、宇宙ドクトリンを通じた教育についてもお尋ねしましたけれども、こういった質疑を見ても、今の防衛省あるいは自衛隊に係る改革というのが地に足が着いているものかというと、大変疑問であります。

 一つエピソードとしてここで御紹介したいのは、先日、防衛大学校の卒業式に私も参加してきました。大臣も参加されました。その防衛大学校の卒業式を見ていて、私は大変不安になりました。卒業式、私も経験しましたけれども、気をつけの姿勢ができていないんですね。不動の姿勢といいます、自衛隊。この姿勢というのは、私が学生のとき、あるいは先輩方も、徹底してたたき込まれたものであります。ただ、今年の卒業式を見ますと、目も泳いでいる、頭もふらふらしている。ただ帽子投げのところだけ報道されましたけれども。かなり根本的に教育の在り方を点検された方がいいのではないかなと思います。

 私自身は、この委員会でも、パレード廃止原理主義者だと言ってきました。基本教練をどこまで徹底するべきなのかというところは私自身も疑問であります。私が防大の学生だったときには、カウントしたところ、一年間に百時間ぐらい行進の訓練をやっていました。単位数にしたら五単位分、それを四年間やるわけです。そこまでやることかとは思います。

 ただ、気をつけの姿勢、不動の姿勢、これは隊員の基本であって、そして隊員を統率していく幹部にとっては、基本である、そのように今までずっと位置づけてきた。これを見直すというのであれば、それはそれで結構だと思います。ただ、見直すのであれば、何が本当の精強性なのか、根本的に見直した方がいいと思います。

 いろいろな国の精強性があります。各国のパレードの在り方もまちまちであります。イスラエル軍のやり方もあれば、米軍的なやり方もある。比較するものではないですけれども、北朝鮮のようなびしっと統率の取れたパレードというのもまた、国柄によってはあり得るわけですね。

 日本の今の安全保障環境、そして日本の国柄において、自衛隊に対してどのような徳目を要求していくのかというところを是非改めて検討いただきたいと思います。

 そこで、伺いますけれども、防衛大学校の教育における、各自衛隊による人材育成の要求のサイクル、どのような人材を育成してほしいのかということを、各自衛隊からどのように要望して、それがどのように防衛大学校の教育に反映されているのか、お答えいただければと思います。

小泉国務大臣 先生はかなり要求水準が高いというのがよく分かりました。地元ですから、私は毎年防大の卒業式に出席していますけれども、毎回感動していますし、毎回すばらしい学生たちだと思っていますから、今のような御指摘があったということは私は受け止めますけれども、引き続き、私は世界一の士官学校になれるというふうに思っていますから、しっかりと、防大のよりよい在り方については、新しく、学校長、吉田学校長ですけれども、共に進めていきたいと思います。

 そして、防大の教育については、将来、幹部自衛官となる者を育成する施設等機関として、陸海空各自衛隊のニーズを踏まえ、必要な見直しを行っております。

 具体的には、事務次官、防大校長、各幕僚長等を構成員とする防衛大学校の充実強化に関する検討委員会を始めとした各種会議等、あらゆる機会において、各自衛隊からのニーズ等に関する情報共有や議論が行われ、防大は、これらを踏まえ、教育的観点から検討、整理した上で、カリキュラムや演習、研究テーマ等に反映をしています。例えば、各自衛隊からの要望に応じ、学生のリーダーシップを発揮する機会の充実を図るため、令和八年四月から第五学生隊を新設しました。

 引き続き、防大の教育がよりよいものになるように、教育内容について不断の改善に努めてまいります。

橋本(幹)委員 吉田新学校長、私も本当に尊敬する方でありますし、統幕長の御経験もありました。是非、防大改革、しっかりと進めていただきたいと思います。

 防大改革というと、かつてもいろいろな不祥事があって、そのたびにいろいろな外部からの声で変わっていったこともあります。ただ、余り外部の声を聞き過ぎてもいい教育はできないと思います。吉田統幕長のように、部隊にずっと向き合ってきた方、こういった方が、どのような自衛隊であるべきなのか、そこを洞察して、そして、必要な所要の教育については抜本的に見直していく。

 先ほど不動の姿勢の話をしましたけれども、別にこれは不動の姿勢をしっかりしろということを言っているわけではありません。先ほども言ったように、私も、所属していたときに、学生だったときに、一年間に百時間もパレードをする、これは明らかに教育の在り方としては不均衡だと思いますし、何が必要なのか、複雑な安全保障環境と繰り返し言うのであれば、では、その複雑な安全保障環境を乗り越えるだけの人材をつくっていく、それは、七十年前、八十年前の精神というところから、やはりちょっと見直していただかなければならないと思います。

 私は吉田学校長を応援しておりますから、是非そこでしっかりと新学校長が任務に精励できるような環境を大臣は御配慮いただきたいと思います。

 続いて、法案審議からは外れますけれども、自民党党大会で現役自衛官が国歌斉唱をした件について伺いたいと思います。これはやはり言及せざるを得ないことであります。

 ここまでの国会での大臣の答弁、あるいは記者会見での御説明、幕僚長による説明、私も全て目を通しました。どこかはぐらかしているなと感じます。この問題は、政治の側が自衛隊に対して働きかけをした、ここに問題の本質があるんだと思います。文民統制とか報告体制とかそういったことを、大臣も、あるいは別の議員の方もいろいろ言いますけれども、この政治的中立、これは決して、自衛隊・防衛省の側、要求を受ける側だけでなくて、要求をした側の問題も非常に大きいと思います。その点、大臣、いかがお考えでしょうか。

小泉国務大臣 要求した側の責任ということでいえば、それは私が今答える立場にはありませんので、そこはしかるべきところで議論をいただきたいというふうに思っています。

 今回、私としては、今までも申し上げていますとおり、報告が私も含め幹部まで上がっていなかった、その報告が上がっていれば別の判断もあり得たと申し上げているとおりであります。

 これは報告の問題だけではなくて政治的中立性の観点だという先生の御指摘は、まさに、その政治的中立性を疑われるようなことがあってはならないと私も思っておりますから、そこについての思いも込めた上で今までも答弁していることは御理解をいただきたいと思います。

橋本(幹)委員 しかるべき場ということでありました。もし、強いて国会でしかるべき場があるんだとしたら、それは党首討論です。党首討論で、自民党総裁が自民党総裁としてこのことについてしっかり説明していただく、このことに尽きると思います。

 あえてこれ以上この場では聞きませんけれども、ただ、政治の側が自衛隊をどのように認識するかということは非常に重い問題だと思います。

 また私の経験を申し上げて恐縮なんですけれども、私が防大生の頃、とある自民党所属の国会議員、この方はもう今議員ではありませんが、元自衛官で、勉強会をやる、講演会をやる、せっかく神奈川でやるから防大の学生さんに来てほしいという連絡が学生内に一斉に送られてきました。これは学生が学生に対してメールを送ったわけであります。私は興味があったものですから、勉強会だと思って手を挙げたんですね。そうしたら後で個別で連絡が来て、是非制服で来てほしいということで、防大生は外出のときに制服着用の義務がありますから、制服を着て横浜まで行ったわけです。そうしましたら、何のことはない、後援会の集会だったわけです。

 どんなに、制服着用の義務とか、あるいは自衛官の側がそういったことを注意したとしても、政治の側が悪用しようと思えば幾らでも悪用できるんですよ。こういった姿勢が私は自民党の中にはどこかびまんしていると思うわけであります。

 あるいは、航空自衛官の頃、当時総理は安倍さんでした。安倍さんも、いろいろ、防衛に関して、安全保障に関して改革しようとしていた。その姿勢自体は伝わってきましたけれども、ただ、自衛官の頃に、今政権は自衛隊の悲願である憲法改正をやろうとしている、だから余計なことを現場はやるな、そういうことを幹部だった頃に言われました。これは誰が一体言い出したのか分からないです。

 今、自衛隊もいろいろな不祥事があったりもします。そういったところで国民の皆さんに御迷惑をかけない、これは当然のことでありますけれども、ただ、こういう配慮を現場はしているんだというところを分かった上で、権力を持っている側、政治家の側は、党大会に呼ぶというようなこと、これは本当に、自民党の問題ですから、要求した側の問題ですから、改めて御認識いただきたいと思います。

 最後に、航空宇宙自衛隊改称の問題、私も先日述べさせていただきました。なかなか、名称について、先ほど前原委員の質問に対する大臣のお答えを伺っていても、苦しいと思います。領域が拡大している、それはもう航空自衛隊という名前だけでは堪え切れないんだと。もしそれでいいんだったら、海上自衛隊だって、なぜ海上ではない潜水艦を持っているんだ、陸上自衛隊だって、なぜ陸上ではないヘリを持っているんだ、そういうことになってきます。

 もし、航空宇宙自衛隊にする、その名称を、七十二年間の名称を変えていく、これは大変重い話ですから、だからこそ精神性が大事であって、その精神性とは何か、それは、ドクトリンとか戦略文書であるだとか、こういったもので国民の皆さん、現場の隊員の皆さんにしっかりと説明をしていく。決して、Xや記者会見で発表して、それで終わりということではないんだというところを御理解いただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

小泉国務大臣 先生が、宇宙戦略や宇宙ドクトリン、こういったことについて思いを持たれているのは、以前の質問からも私も受け止めております。決してそれ自身は否定しているものではなくて、今後、宇宙における防衛能力の強化や隊員の養成を進めていく中で、宇宙戦略や宇宙ドクトリンに当たるものについても、その在り方も含めて検討していきたいというふうに思っております。

 今、宇宙領域防衛指針というものはありますし、こういった中で、必要な施策、これを明らかにしていますが、先生の御指摘も受け止めながら、より航空宇宙自衛隊が発展していくために必要な施策に取り組んでまいりたいと思います。

橋本(幹)委員 終わります。

西村委員長 次に、福田徹君。

福田(徹)委員 国民民主党、福田徹です。

 まず、大分県日出生台演習場の訓練にて亡くなられた隊員と御家族の皆様に心から哀悼の意をささげます。また、負傷された隊員の一日も早い御回復をお祈り申し上げます。

 私は国会という分厚い壁の建物の中で働かせていただいておりますが、国民のために任務を果たしてくださっている自衛官の命の現場に心を向けて、心を込めて、そして、時には自分の体もそちらへ動かして働くとお約束させていただきます。

 前回の質疑で、自衛官の定数というのは、自衛隊の任務の遂行に必要な部隊等においてあるべき自衛官の人数を積み上げたものだと教えていただきました。充足していないから、定数を変えなくても人員を移動させればいいのではないか、そう思っていたのですが、定数の裏には安全保障環境の変化に応じた緻密な防衛戦略があるのだと分かりました。

 本改正法案にて、自衛官合計は約二十四万七千人、そのうち、陸上自衛隊が約十五万人、海上自衛隊が約四万五千人、航空自衛隊が約四万七千人と、陸上自衛隊が六割と多数を占めております。日本は島国で、外国船や外国の航空機が侵犯してくる、こういうニュースがよく流れる中で、海上や航空が少ないというのは少し意外な印象を受けております。

 そこで、お聞きします。

 陸海空の割合の外国の軍隊との比較を教えてください。また、現在の自衛官定数の根拠、特に陸上自衛隊の定数が多い理由、これを教えてください。

伊藤政府参考人 お答え申し上げます。

 自衛官の定数は、自衛隊の任務の遂行に必要な部隊等においてあるべき自衛官の人員数を積み上げたものでございまして、おっしゃられましたとおり、現在二十四万七千百五十四人でございます。

 陸海空の自衛官の定数の比率でございますが、陸上自衛隊が六割程度、海上自衛隊が二割程度、航空自衛隊は二割程度というふうになっております。このように、陸上自衛隊の自衛官の定数の割合が最も大きいものとなっておりますが、これは、陸上自衛隊が最終的に我が国の領土を守り抜く最後のとりでであること、南北に非常に長く、多数の島嶼部を抱えるという我が国の地理的な特性を踏まえているものでございます。

 各国の軍隊との比較について申し上げますれば、地理的な特性や安全保障環境等が異なるため、単純に比較することは困難ではありますが、一例として、我が国と同様の島国であり海洋国家であるイギリスにおける陸軍の人員割合はおおむね六割であるというふうに承知をしておるところでございます。

福田(徹)委員 ありがとうございます。

 日本国内に入ってきましたらもちろん陸上が担当すると思うのですが、まず日本国内に入れないということも私たち国民の安心の上ではとても大切なことだと思いますので、もちろん海と空の充実も是非お願いしたいと思います。

 今回の定数の変更で最も増えるのが、自衛隊のサイバー防衛隊です。令和六年七月に策定された防衛省サイバー人材総合戦略では、二〇〇七年度をめどに、サイバー専門部隊を約四千人に拡充し、さらに、システム調達や維持運営等のサイバー関連業務に従事する隊員に対する教育を行い、これにより、防衛省・自衛隊のサイバー要員を約二万人体制とすることとしているとあります。

 一方で、今、自衛隊以外のあらゆる業界で、いわゆるサイバーセキュリティー人材というのが求められ、不足していると言われております。どこも欲しがっております。そして、二〇二三年の民間調査では、国内で約十一万人不足しているとの調査もあります。そして、令和六年七月より、経済産業省に、サイバーセキュリティ人材の育成促進に向けた検討会が立ち上がったほどです。

 お聞きします。今後、サイバー人材をどのようなペースで増やしていく予定でしょうか。そして、これほど不足しているという専門性の高いサイバー人材をどのように獲得、育成していく計画でしょうか。教えてください。

小泉国務大臣 今先生からお尋ねがありました自衛隊のサイバー専門部隊については、令和四年度末時点で約八百九十人であったところ、令和七年度末までに約二千六百二十人まで拡充しております。令和八年度予算においては、約三千三百十人まで拡充することとしており、令和九年度を目途に約四千人の体制に拡充する計画としています。

 その上で、先生おっしゃるように、優秀なサイバー人材の確保、育成は極めて重要です。様々な教育を行うことのできる基盤を自衛隊・防衛省は有しており、専門教育の強化や教育内容の充実向上を進めているところです。

 例えば、令和六年三月、私の地元横須賀にあります陸自の通信学校をシステム通信・サイバー学校に改編しており、こうした陸海空自衛隊の学校における教育などを活用し、サイバー専門部隊の隊員の育成を行っています。

 また、これも私の地元の話で恐縮ですけれども、日本で唯一の自衛隊の高校が横須賀にありますが、そこの陸上自衛隊高等工科学校においては、高校三年生は、サイバー専修コースで、専門人材の育成の観点で、集中的な勉学、訓練にも励んでいます。そして、部隊の実務を通じた研さん、企業研修、国内外の教育機関への留学も行っているほか、アメリカを始めとする諸外国とのサイバー演習などにより、変化の速いサイバー分野における他国の取組を吸収し、実践的な経験を積んでいるところです。

 このような取組を通じて、高い専門性と能力を有する隊員をしっかりと確保、育成し、現在のサイバー脅威に対応したサイバー防衛能力の強化を図ってまいります。

福田(徹)委員 ありがとうございます。

 私のいた医療業界もサイバーセキュリティーは物すごく重要になっておりまして、ただ、なかなか一つ一つの医療機関でそういう人材を集められないという現実があります。是非、自衛隊の中で優秀なサイバー人材を育てられ、計画どおり獲得されることを願っております。

 次に、宇宙領域防衛についてお聞きします。

 通信や放送、GPSなど、私たちの身近な生活も、宇宙にある衛星のおかげ、もう欠かせないインフラになっていると感じておりますが、一方で、これらは元々、世界各国の軍事研究から派生したものでして、今も各国が研究開発にしのぎを削っております。

 安全保障における宇宙空間の重要性というのは決して今に始まったわけではなく、そもそも宇宙開発というもの自体が安全保障目的であったと私は認識しております。その中で、今回のロシア、ウクライナでそれが実用化されて、各国がその重要性に改めて気づいている、目の当たりにしているという状況だと思っております。

 我が国では、令和七年三月より、主に静止軌道上で運用されている人工衛星及びその周辺を常時継続的に監視するSSAレーダーを運用していると認識しております。そして、今年はSDA衛星の打ち上げ予定です。

 そして、お聞きします。SDA衛星によって我が国の監視能力はどの程度強化されますでしょうか。これまでできなかったどのようなことができるようになるのか、教えてください。

小泉国務大臣 お答えさせていただきます。

 SDA衛星を導入する効果について言えば、既に運用を開始している地上のレーダーからでは、我が国の衛星の周辺を移動する不審な衛星等の位置や軌道等の把握にとどまりましたが、SDA衛星の光学望遠鏡により、当該衛星の形状を観測、分析できるようになり、衛星の意図や能力を含めて把握することが可能となります。

 これにより、防衛省・自衛隊の宇宙領域把握能力がより強化されることになると考えています。

福田(徹)委員 ありがとうございます。

 悪意を持っている意図や能力、ここまで分かるというのは本当に大きな進歩、大切なことだと思っております。

 一方で、宇宙というのは余りにも広大なものでして、宇宙というのは日本の空の上だけではなくて世界全ての空の上でありますので、やはり、同盟国、同志国、それだけではない、いわゆる民間との連携、これは物すごく重要になってくると認識しております。となりますと、なおさら、質の高い外交、これも同時に進める必要があると思いますので、強くお願いしたいと思います。

 次に、若年定年退職者給付金の支給要件を継続二十年以上から通算二十年以上に見直したことについてお聞きします。

 対象者は、自衛官となって、一度辞められて、また自衛官に戻っていらっしゃった方、これが対象となると想像しておりますが、ここでお聞きします。この改正で支給対象者というのはどの程度増えるのでしょうか。教えてください。

廣瀬政府参考人 お答えいたします。

 現在の若年定年退職者給付金の支給対象者は、給付金創設当時の、年功序列、終身雇用といった我が国の雇用慣行の中で、長期在職者を確保する等の理由から、自衛官として引き続いて二十年以上勤続し、定年等により退職した者とされております。

 本改正で、この引き続いての要件を廃止することにより、令和八年度から令和十二年度までの五年間で、若年定年退職者給付金の支給対象者が十二人増加する見込みでございます。

 なお、昨今、働き方に対する価値観も多様化する中、自衛官の厳しい募集環境も踏まえ、育児等の事情により一度退職した元自衛官を再び自衛官として採用することが防衛省では重要な施策の一つとなっており、このような元自衛官の再任用の採用実績は、平成三十年度に三十人であったものが令和六年度では百七十一人と、年々増加をしております。

 本改正は、元自衛官の再任用に関する施策を後押しするものであり、人材確保に資するものと考えております。

福田(徹)委員 ありがとうございます。

 十二人と聞くと少ないなと思うのですが、今後戻ってくることが期待できる、そしてそれが徐々に増えつつある、その効果ということで、納得することができました。

 少し時間が短くなっておりますので、再就職支援の方に移らせてください。

 若年定年自衛官、これは五十代後半がほとんどだと思うのですが、現実世界を見れば、五十代後半で、しかも経験者でない方の転職というのは、非常に難しいものがあるんですよね。これだけ人手不足と言いつつも、経営者側は若い人が欲しいという本音はやはりあると思っております。この再就職支援というのはすごく難しいことだと思っております。

 お聞きします。自衛官の再就職支援というのは、具体的にどのようなことが行われているのでしょうか。よい転職に向けて、取り組んでいらっしゃることを教えてください。

廣瀬政府参考人 お答えいたします。

 防衛省では、退職予定自衛官に対し、若年定年制の自衛官は退職日のおよそ三年前から、任期制の自衛官は退職日のおよそ一年前から再就職支援を行っております。具体的には、退職後の生活の安定や職業選択に必要な知識を付与するための退職管理教育、再就職に有用な資格取得に必要となる能力や技能を習得させるための職業訓練、部外の専門相談員による進路相談などの様々な支援を行っております。

 また、全国五十か所の地方協力本部及び幕僚監部等に配置されている約千四百名の就職援護隊員が日頃より企業等に対して自衛官の有用性の広報や求人を開拓するなど、円滑な再就職支援に努めております。

 さらに、関係閣僚会議の自衛官の処遇・勤務環境の改善及び新たな生涯設計の確立に関する基本方針に基づき、政府一体となって、退職する自衛官が自衛隊で培った知識、技能、経験を生かすことができる環境を整えるため、再就職支援の拡充を図るとともに、関係省庁と連携し、幅広い業界や経済団体に対する退職自衛官の活用等の働きかけなどの取組を進めております。

 防衛省としては、引き続き、自衛官が安心して国防の任務に精励することができる、これまで以上に充実した生涯設計の確立につながるよう、自衛官に寄り添った再就職支援の充実強化に努めてまいります。

福田(徹)委員 ありがとうございます。

 三年前から教育されたり、千四百名もの方が求人を求めて企業を訪問されたり、大きな取組をされているということはよくよく分かりました。

 一方で、その分、再就職支援に大きなコストがかかっているということでもあると思います。やはり、五十代後半で退職するからこれが必要になる。一方で、もちろん元気な方という前提ではありますけれども、定年年齢を上げることで、自衛官の数を増やせるだけではなく、再就職支援にかけている人材であったり別のコストも守れるわけですので、やはり定年年齢の引上げというのも、同時に、早めに検討いただけたらなと思っております。

 最後に、任期制自衛官についてお聞きします。

 二年や三年勤務した自衛官というのは、当然、入隊後、教育を受けておりまして、ある程度自衛官になった方、その方たちが二年や三年で退職して、また新しい自衛官を入れる、教育する、ここには大きな非効率、教育コストの無駄があると思っております。

 任期制自衛官の方がもっともっと残っていただいて正規の自衛官になっていただくこと、これは大きな効果があると思うのですが、まず、本改正案で、任期制自衛官への待遇改善というものはありますでしょうか。任期制自衛官を終えた後、正規の自衛官に切り替えるインセンティブを高め、それを実現すること、このことについてどのようにお考えでしょうか。

廣瀬政府参考人 お答えいたします。

 今回御審議いただいている予算関連法案の中に、任期制自衛官の処遇改善に直接関係のある事項はありません。他方、今般の若年定年退職者給付金の見直しや再就職支援の拡充は、自衛官としての魅力ある生涯設計の確立の一環として行っており、議員から御指摘のあった、任期制自衛官から非任期制自衛官となるキャリアパスを後押しする、よい影響が期待できる施策だと考えております。

 また、今般の予算関連法案とは別に、令和八年度予算においては、士の処遇改善等に資する予算として、例えば、二士は年収で二十三万円以上増加した昨年の改定を踏まえた給与を計上、昨年度に新設した指定場所生活調整金を計上、営内居室の個室化のための経費や、駐屯地、基地内の厚生棟や隊舎の共用区画に無線LAN環境を整備するための予算を計上しております。加えて、自衛隊創設以来初となる自衛官の給与体系の独自の改定を一年前倒し、令和九年度中に実施するため、その議論を本格化させております。

 引き続き、士を始めとする自衛官確保のための各種施策の手を緩めることなく、全力で進めてまいります。

福田(徹)委員 ありがとうございました。

 自衛官の充足に向けて、しっかり応援させていただきます。

西村委員長 次に、谷浩一郎君。

谷(浩)委員 参政党の谷浩一郎です。

 本日も質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 まず冒頭に、本年四月二十一日、大分県日出生台演習場において発生した事故により、我が国の自衛隊員三名の貴い命が落とされたことに対し、深い哀悼の意を表します。御遺族の皆様に心よりお悔やみを申し上げるとともに、謹んで御冥福をお祈りいたします。また、この事故により負傷された隊員の方に対しても心からお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い御回復をお祈り申し上げます。こうした痛ましい事故が二度と繰り返されぬよう、事故原因の究明と再発防止に向けた取組が着実に進められるものと期待をするものであります。

 質問の前に、火曜日に決定された防衛装備移転三原則の緩和、いわゆる五類型撤廃に対する参政党の基本的な立場について申し上げます。

 まず、我が党は、反グローバリズムの観点から、軍需産業が過度に利益を追求し、その結果として戦争の拡大を招く、いわゆる軍産複合体の構造については強い懸念を持っており、これを無制限に容認する立場には立っておりません。

 一方で、現在の厳しい国際情勢を踏まえれば、日本としても、同盟国等から一方的に防衛装備品の供給を受けるのではなく、相互に協力の姿勢を示す、そういう必要があるという現実、いわゆるリアリズムについても十分に認識をしております。したがって、同盟関係の維持やバランス・オブ・パワー、すなわち国際的な勢力均衡を保つための範囲内での制度の緩和については、一概に反対するものではありません。

 最終的な理想は、戦争や核兵器のない世界の実現であります。しかしながら、その理想のみを掲げて現実から目を背けることは許されず、理想と現実の間で慎重に判断をしていくべきである、そういうふうに考えております。

 では、火曜日の安全保障委員会に引き続き、防衛省設置法の改正法案について質問をさせていただきます。

 まず、航空開発実験集団の廃止について伺います。

 本法案では、航空開発実験集団を廃止し、調査研究機能を幹部学校に集約するとともに、開発実験機能に特化した航空宇宙開発実験団を新編するとされています。

 今回の再編は、従来の航空分野における研究開発機能に加え、新たに宇宙分野を上乗せし能力を拡充するものなのか、それとも、組織再編の結果として航空分野の研究開発機能が人員や予算の面で実質的に縮小することになるのか、この点について防衛省の見解を伺います。

伊藤政府参考人 お答え申し上げます。

 航空自衛隊におきましては、今般、これまで航空開発実験集団と幹部学校でそれぞれ独立して実施されている調査研究機能を幹部学校に集約をし、これに伴い、航空開発実験集団を廃止をし、開発実験機能に特化をした航空宇宙開発実験団を新編をいたします。

 この組織改編は、航空自衛隊における調査研究を一体的かつ迅速に行うことにより、得られた知見を将来構想により早期に取り入れることを可能にすることを目的としております。また、航空宇宙領域に係る装備品の試験等を行う開発実験機能について、航空宇宙開発実験団において強力かつ円滑に実施できる体制を整えるというものでございます。今回の改編前後で比較をいたしますと、約四十名人員が減少することにはなりますが、これは管理部門の縮小によるものでございます。

 このように、今回の組織改編は、航空宇宙自衛隊の調査研究機能とともに研究開発機能を強化をするものというものでございます。改編後も双方の機能が十全に発揮されるよう、引き続き防衛省としてしっかりと対応してまいります。

谷(浩)委員 御答弁ありがとうございます。

 今、管理部門において四十名人数が減少するということでありました。その点で問題はないとおっしゃるんですが、しかしながら、無人航空機、極超音速ミサイルへの対応、迎撃ミサイル、第六世代戦闘機、さらには宇宙開発装備の開発など、今後の防衛において航空宇宙分野の基礎研究はますます重要となります。そのため、航空分野の研究開発の人員を削るのではなくて、むしろ増やして、長期的な視野で開発能力を高めていただきたい、そう考えております。

 次に、防衛装備品の技術開発について伺います。

 防衛分野の開発実験機能は、自衛隊の能力向上にとどまらず、防衛装備品の生産、供給基盤の強化や技術力の向上を通じて国内製造業全体の発展にも寄与する重要な役割を担っています。その観点から、航空開発実験集団の廃止及び新たな組織の設置が、国内企業、とりわけ中小企業にとって研究開発機会の縮小につながることがあってはならないと考えています。

 我が国の防衛産業及び製造業の技術基盤を強化するため、政府としてどのような支援策や研究開発投資を講じていくのか、防衛省の見解をお伺いいたします。

嶺政府参考人 お答え申し上げます。

 防衛力を考える上で、装備品の研究開発、生産、維持整備を担う防衛産業は、防衛省・自衛隊とともに国防を担うパートナーというべき重要な存在と考えております。

 この認識の下で、防衛省といたしましては、防衛産業を含む防衛技術基盤をより一層強化していくため、これまでも、企業等の先進的な研究を支援する安全保障技術研究推進制度や、そこで得られました成果等を将来の装備品等の創生につなげていく先端技術の橋渡し研究といった取組も進めてまいりました。

 さらに、民生分野を含む先進的な技術をより一層活用するため、中小企業やスタートアップを含む幅広い主体が参画できる環境の整備が重要であると考えておりまして、本年二月、優れた技術を有するスタートアップ企業の研究開発への参入等を後押しするという観点から、SBIR制度の活用を含むファストパス調達の取組を整備したところでございます。

 引き続き、このように、我が国の防衛分野における技術基盤の維持強化に今後とも努めてまいります。

谷(浩)委員 御答弁ありがとうございます。

 様々な取組をされているということでありましたけれども、やはり、防衛力整備計画においても、防衛生産・技術基盤は防衛力そのものと位置づけられています。

 防衛生産能力は、我が国の継戦能力に直結し、抑止力の強化にもつながる重要な要素です。また、自衛官の充足率が低下する中、防衛力を維持していくためには、省人化、無人化の推進が不可欠であり、AIやロボットを含めた技術力の向上が大きな課題となっています。さらに、防衛分野で培われた技術が民間分野へと展開され製品開発等に活用される、いわゆるデュアルユースの観点からも、防衛産業は我が国の技術力及び経済力を牽引する重要な基盤であると考えています。

 防衛装備移転三原則の見直しも踏まえつつ、我が国としては、装備品の対外依存を高めるのではなく、国内における供給能力と研究開発基盤の強化を着実に進めるべきだと考えております。

 次に、宇宙領域における抑止力及び対処力について伺います。

 本法案では、航空宇宙自衛隊への改編に合わせ、宇宙作戦集団を新編するとされています。

 近年、衛星通信、測位、情報収集など、人工衛星を中心とする宇宙アセットは、国防のみならず国民生活の基盤となっています。その安定的かつ平和的な利用は国家安全保障上の重要課題です。

 一方で、人工衛星を標的とする兵器の開発や実験を行う国も存在しています。我が国の人工衛星に対する妨害や攻撃を未然に防ぐため、政府としてどのような措置を講じていくのでしょうか。また、万が一、我が国の人工衛星が攻撃を受けた場合、攻撃主体に対する対処を含めどのように対応するのか、大臣の見解をお伺いいたします。

小泉国務大臣 ありがとうございます。

 これは先ほど御質問いただいたこともありますけれども、今、宇宙領域における通信遮断そして衛星の機能妨害といった脅威の兆候を早期に察知をして対応が可能な体制を構築することが必要だと考えています。新編を予定している宇宙作戦集団は、まさにそのための部隊であります。さらに、一部の国家による衛星の妨害に対し、防衛省として衛星を防護する能力を構築していくことも必要だと考えています。

 日本の優れた技術を活用しつつ、宇宙における防衛能力を強化する具体的な取組について、三文書の改定に向け、議論をしっかりと積み上げてまいります。

谷(浩)委員 大臣、御答弁ありがとうございます。

 宇宙領域は、従来の領域別の防衛概念では対応が難しい分野でもあります。宇宙作戦集団には、単なる監視にとどまらず、実効的な抑止力と対処力を担うことを強く期待いたします。そのため、能力の拡充、法整備の制度、同盟国などとの連携を含め、万全の準備を進めていただきたいと思っています。

 次に、第一五旅団の師団化と継戦能力について伺います。

 第一五旅団を第一五師団へ改編し、沖縄県及び鹿児島の離島を中心とした南西地域の防衛体制を強化する方針には賛成いたします。

 しかしながら、旅団を師団へと改編するに当たっては、単なる人員増強だけでは不十分です。弾薬、装備品、食料、燃料など、継続的に作戦行動を遂行するための物資が一体的に整備されて初めて実効性を持つものと考えます。

 今回の改編に伴い、これらの備蓄をどのように増強し、師団規模に見合う水準へと引き上げていくのでしょうか。また、保管施設についても今後増設する方針があるのでしょうか。防衛省にお伺いいたします。

伊藤政府参考人 お答え申し上げます。

 南西地域の防衛体制の強化は喫緊の課題でございます。このため、第一五旅団の体制を強化をし、第一五師団に改編をいたします。

 自衛隊が活動を行うためには、各種装備品や弾薬、燃料のほか、食料や整備用部品、衛生資材といった補給品が不可欠であり、これらの補給品を平素より十分に備蓄をしておくことが重要でございます。

 南西地域においては、所在部隊等が使用する弾薬や燃料を保管する火薬庫や燃料備蓄施設等が既に設置をされているところですが、南西地域の防衛体制を強化するため、更に補給基盤を整備をしていく考えでございます。

 具体的には、沖縄市に所在する沖縄訓練場の敷地内に補給処支処を新設をし、倉庫、コンテナヤード、火薬庫、燃料施設等を整備することを計画をしているほか、奄美大島の瀬戸内分屯地において火薬庫の整備を進めておるところでございます。

 防衛省としては、引き続き南西地域の防衛体制の強化やそれを支える補給基盤の整備について取組を進めてまいりたいと考えております。

谷(浩)委員 御答弁ありがとうございます。

 補給処支処など、そういったものの増設をどんどん進めていただいているということで、認識をいたしました。

 南西地域では、離島一つ一つが国境です。シーレーンの封鎖や天候によって輸送が途絶した場合、現地の備蓄量がそのまま継戦能力に直結します。備蓄は、特定地域に偏らせるのではなく、基地ごとに分散し、計画的に整備すべきです。あわせて、備蓄施設の強靱化も是非とも進めていただきたいと考えています。

 次に、整備施設について伺います。

 継戦能力を確保するためには、物資の備蓄に加え、故障した装備品を迅速に整備、修理する体制が不可欠です。一五師団への改編に伴い、南西地域においてこうした整備、修理機能を担う施設についても今後増強を図る方針があるのでしょうか。防衛省の見解を伺います。

伊藤政府参考人 お答え申し上げます。

 自衛隊が、各種事態に際し継続的かつ粘り強く活動できるようにするためには、装備品を迅速に整備、修理を行う体制を整えることが極めて重要であると認識をしております。

 このため、第一五旅団の師団化に伴いまして、那覇駐屯地において、車両等のメンテナンスや修理を行う整備工場や倉庫等の新設工事を実施をしているところでございます。

 防衛省としては、こうした取組を通じて、装備品を整備、修理する体制を含め、南西地域における防衛体制の強化に努めてまいります。

谷(浩)委員 ありがとうございます。

 南西地域では、小規模な施設や民間施設との共用も含め、応急的な整備が可能な拠点を整備することが有効と考えております。補給、貯蔵機能と併せ、総合的な継戦能力を示すこと自体が抑止力にもつながります。こうした整備、修理機能を担う施設についても併せて整備を進めていただくよう要望いたします。

 最後に、補給、後方支援について伺います。

 師団化された部隊が継続的に活動するためには、輸送を含む後方支援機能の強化が不可欠です。沖縄本島及び周辺離島を含め、必要となる輸送能力をどのように増強していくのでしょうか。

 沖縄の離島には、小規模船舶しか接岸できない港湾や、小型機しか運用できない短い滑走路の空港が多数存在します。こうした港湾や空港の制約を踏まえ、補給を支えるインフラの整備についても増強を図る考えがあるのでしょうか。大臣の見解をお伺いいたします。

小泉国務大臣 戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面する中で、我が国防衛の最前線とも言える南西地域の防衛体制の強化は喫緊の課題です。

 その上で、南西地域の島嶼部への機動展開能力を向上させることは重要だと考えており、統合運用体制の下、陸海空自衛隊の部隊等を迅速に輸送できるよう、自衛隊海上輸送群を令和六年度に新編したところです。また、輸送艦では接岸が難しい小さい島への輸送を可能にするため、今年度には輸送艇一隻を自衛隊海上輸送群に配備する予定であり、令和九年度までには合計四隻の輸送艇を配備する予定です。

 こうした取組を着実に進めることにより、防衛省として実効的な海上輸送力の確保を実現してまいります。

 空港や港湾といった公共インフラの整備について言えば、現在、総合的な防衛体制の強化に資する公共インフラ整備の取組において、自衛隊、海上保安庁が平素から必要な空港、港湾を円滑に利用できるように取り組んでいます。

 防衛省としては、南西地域において十分かつ継続的な活動ができるよう、輸送力の強化等の取組を推進してまいります。

谷(浩)委員 御答弁ありがとうございます。

 師団化のみが先行し、後方基盤の整備が追いつかない、いわば見かけ倒しとなることは避けなければなりません。離島では装備品の現地生産ができない以上、本土からの輸送ルートの確保は極めて重要です。実効性のある防衛体制の構築を強く求めます。

 最後に、総括として申し上げます。

 本日の質疑を通じて我が党が申し上げてきたのは、防衛体制の強化そのものを否定するものではなく、それが実効性を伴い、かつ我が国の主体性を損なわない形で進められるべきだという点であります。

 装備移転や防衛産業の強化についても、厳しい国際情勢の中で、一定の現実的対応が必要であることは認識しています。しかしながら、その過程において軍需産業や国際的な経済合理性が過度に優先され、結果として戦争や対立を助長する構造に組み込まれていくことには強い懸念を持たざるを得ません。

 参政党の言う反グローバリズムとは、こうした構造に対する警戒であり、国家の意思決定や国民の安全が外部の論理に左右されることを防ぐという考え方であります。同盟や国際協力を念頭に置きつつも、あくまで主体的な判断の下、防衛、産業、技術の各分野を総合的に整備していくことが重要であります。

 政府におかれましては、こうした姿勢の下、厳しさを増す安全保障環境に的確に対応していただくことを強く要望し、質問を終わります。

 ありがとうございました。

西村委員長 次に、山田瑛理君。

山田(瑛)委員 チームみらいの山田瑛理です。どうぞよろしくお願いいたします。

 まず初めに、四月二十一日、大分県の日出生台演習場の訓練中の事故により三名の方がお亡くなりになりまして、また一名の方が重傷ということで、お亡くなりになられました三名の方の御冥福を心よりお祈り申し上げますとともに、負傷されました方の一日も早い御回復を切に祈っております。

 今回の事故は、自衛官の皆さんが日々命懸けで任務に当たってくださっているという現実を改めて示すものです。そのような皆さんが誇りを持って任務を遂行し続けられる環境をしっかり整えること、それが私たちの責任であると考えております。その観点からも、本法案の審議に臨んでまいります。

 まず、第一五旅団の師団化と不発弾処理体制について伺います。

 本法案については、南西諸島における防衛体制を強化し、抑止力を向上させるという観点から、その意義は理解をするところです。その上で、今回の改編が住民の安全、安心につながるのかというところをお聞きいたします。

 この旅団は第一〇一不発弾処理隊を有しております。師団化に伴う増員においては、直接的には不発弾処理体制の強化は含まれないと聞いております。今なお沖縄県内では年間約六百発の不発弾処理をしており、例えば首里城復元工事の現場で不発弾が発見された際は数千人規模の住民が避難対象となりました。戦後八十一年が経過してもなお、完全処理までは七十年から百年を要するとされる中で、常時一個組三名が直ちに出動できる態勢を維持しております。

 この二十名という体制につきまして、住民の皆さんに安全と安心を届けることができますでしょうか。もし現状の二十名体制で問題がないということであれば、沖縄の住人の皆様に安全、安心を感じてもらえるような力強いお言葉を是非大臣からいただければと思います。

小泉国務大臣 ありがとうございます。

 沖縄においては第二次世界大戦の不発弾が今なお多数残存しており、その処理には今後も多くの年月を要するものと承知しています。陸上自衛隊那覇駐屯地に所在する第一〇一不発弾処理隊は、主に沖縄県内で発見された不発弾を処理することを任務とする専門部隊です。令和六年度においては四百二十七件、約十一トンもの不発弾等の処理を行っています。これは、件数にして全国の約三四%にもなっています。

 不発弾処理は危険を伴うものであり、まさに命懸けの作業です。平素からこうした活動に当たってくれている不発弾処理隊の隊員を私は誇りに思います。

 現時点で部隊を増員する計画はありませんが、不発弾処理隊は、不発弾処理に資する情報の収集、整理や、訓練等により常に隊員の処理能力の向上に努めています。不発弾の確実な処理は、沖縄県の皆様を含む国民の皆様の安全を守るため、大変重要です。引き続き、不発弾の処理に万全を期してまいります。

山田(瑛)委員 ありがとうございました。

 今回の師団化によりまして、約一千六百名の増員ということでございます。少なからず周辺に、インフラだったりですとか、影響はあるかと思いますので、是非住民の皆様の理解促進のところは引き続きお願いをできればと思います。

 次に、自衛官の定数とサイバー防衛について伺わせていただきます。

 採用について日々尽力していることは承知をしておりますけれども、現時点における編成、装備の充足率は八九・一%、これは、要は本来発揮できる実力から一割低下した状態で任務に当たっているということになります。この点を踏まえましてお聞きをしてまいります。

 まず、人員不足を補う観点から、例えばクリアランスを必要としない業務について、受付ですとか警備につきまして、民間委託を積極的に活用し、自衛官が本来任務に専念できる環境を整えることは重要と考えます。また、AIやドローンを活用した業務の自動化、省力化は、充足率の底上げにもつながります。単なる効率化にとどまらず、限られた人的資源を本来任務に集中させるという防衛力強化の話でもあると思います。

 防衛省全体のDX化、今までも促進をしていると思いますけれども、隅々までより一層の推進をしていただきまして、テクノロジーと民間活用によって自衛官が本来任務に集中できる体制を整えるべきと考えますが、政府の見解を大臣にお伺いさせてください。

小泉国務大臣 その点について、山田先生と同感です。

 今こうやって答弁させていただいておりますけれども、私の下にAIチームが、私の答弁の素案もAIで今は作っているということも霞が関に先駆けてやっているのは、やはり隊員自ら、また職員自らが、国会答弁の作成に当たるかなり重い負担を何とかできないかという、自らの創意工夫でこういったことをやりたいというふうに申し出てきました。私は積極的に後押しをしていきたいと思います。

 先生が御指摘のとおり、AIや無人アセットの導入等による徹底した無人化、自動化、省人化やアウトソーシングの一層の活用等を推進して、業務の効率化を通じ、自衛官が自衛官にしかできない任務に専念できる環境を整えることは重要であると思いますし、自衛官に限らず、事務官は事務官で防衛省の事務官にしかできないことに集中をさせる、こういった取組を進めていきたいと思います。

 一例を挙げますと、陸上自衛隊では、AIカメラによる画像識別技術を活用した監視や、UAV、UGVによる駐屯地内の巡察など、リモート監視システムの導入に向けた検証を今進めています。仮に全国の駐屯地等で導入した場合は、一日当たり約千人程度の省人化を実現できる可能性があると見込んでいます。

 こうした取組を一層推進し、防衛力の一層の強化や変革につなげていきたいと思いますし、やはり隊員の命を守るという観点からも、いかに前線のところで無人化などを徹底できるか、こういった優先順位もしっかり考えながら、無人と有人のベストミックスというものをしっかり考えて、三文書の議論を積み上げてまいりたいと思います。

山田(瑛)委員 ありがとうございます。

 AIカメラ監視など、お進みいただいているということで、また量産ですとか全国展開のところももっともっとやっていっていただければ、その方向性を期待をいたしております。そういった計画は着実に、前倒しで一日でも早く進めていただきまして、一人でも多くの自衛官が本来任務に専念できる環境を整えていただければというふうに思っております。

 続きまして、AIの進化につきまして少し伺わせていただきます。

 今月、アンソロピック社が新たなAIモデル、クロード・ミュトスを発表しました。一流の専門家に匹敵するのではないかと言われるレベルの高性能AIが次々と登場する中、安全保障の世界もまたAIを中心とした攻防へと変容しつつあります。

 そんな中、今回の改正法案において、共同の部隊である自衛隊サイバー防衛隊の体制強化を実施するとのことですが、現在の日本のサイバー防衛の構造は、人が主で対応しAIは補完的位置づけにあると聞き及んでおります。この人対AIという現在の構造では、今後のサイバー防衛はなかなか厳しいと感じております。

 サイバー領域では人では対応が難しく、AI掛けるAIが重要になります。AI掛けるAIでの対応力を強化したその上で、人の関わりを再定義し、人掛けるAIの高度かつ強固なサイバー防衛能力を構築していくべきです。

 また、新たに出現する高度AIへのアクセス権を持つ国家とそうでない国家の間には格差が生まれます。この差は時間の経過とともに埋め難いものになっていきますので、とにかく情報収集と対応のスピードが問われております。

 サイバー防衛の観点から、高度AIによるサイバー攻撃能力に対する現在の脅威認識と、また防衛省の対応の方向性について、大臣にお伺いします。

小泉国務大臣 AI、このアンソロピックのクロード・ミュトスなどについて、問題意識として山田先生と全く同感です。非常にスピードが速く進化をしていますので、その対応に防衛省・自衛隊はしっかりと、遅れることのないような取組をしっかり認識した上でやっていきたいと思います。

 今、防衛省・自衛隊としては、自衛隊のサイバー専門部隊の体制や教育基盤の拡充のほか、能動的サイバー防御関連法に基づくアクセス・無害化措置任務が新たに付与されることを踏まえて、サイバー防衛能力の強化に取り組んでいます。

 また、AIを活用したサイバー攻撃への対処も念頭に、我が方の意思決定の迅速化を図るため、令和七年度から、サイバー専門部隊の情報収集、分析、評価等の各種業務にAIを活用する実証を行っております。

 とにかく、やはり使っていかなければいけない、この方針は、これは以前、チームみらいの高山さんに私は答弁したと思いますけれども、アメリカのペンタゴンに行けば、もうペンタゴンの中に、ヘグセス長官のポスターで、とにかくAIを使えと、大号令が出ているんですね。私もAIチームからペンタゴンでブリーフィングを受けましたけれども、職員があらゆる大規模言語モデルのサービスを日々使うように相当推奨されていて、そのサービスごとのデータとか利用状況などを活用しながら常に改善などを繰り返している、こういったことについても我々は学ぶことも多くあると思っています。

 ついては、私も日々、防衛省のAIチームから最新の取組について、今こういうことを考えていますとか、これからこういうことをやりたいですとか、積極的な提案を受けますので、もうとにかく失敗を恐れずにどんどんやってくれ、失敗を早く繰り返して、早くいいものにたどり着いてもらいたい、そういった前向きな思いで後押しを進めてまいります。

山田(瑛)委員 ありがとうございます。

 本当に、失敗を恐れずにとにかくやってみよう、そして、もっともっといいものにしていこうというお考え、大変に共感をさせていただきます。ありがとうございます。

 そういった高度AI登場への脅威認識も御共有をいただきまして、人掛けるAIのハイブリッド体制で意思決定サイクルを早める、そういった方向性が今後は本当に重要になってまいります。本当にそのスピード感が問われているところです。高度AIのアクセス確保についても、これは政府全体で主体的に動いていただくようにお願いをいたします。

 その上で、サイバー防衛隊につきましては、二〇二二年度時点の約八百九十名から、二〇二七年末に四千名にという目標を掲げています。しかし、民間IT企業との人材獲得競争が激化する中、採用数が増えても技術水準が伴わないと、空洞化のリスクが懸念をされるところです。

 数の目標達成と並行して、質、すなわち技術水準の担保をどのように図っていくのか、具体的な取組と考え方についてお伺いします。

伊藤政府参考人 お答え申し上げます。

 防衛省としましては、自衛隊サイバー防衛隊を含むサイバー専門部隊の要員について二〇二七年度をめどに約四千人まで拡充をするなど、サイバー防衛能力の抜本強化を進めているところですが、これを担う優秀なサイバー人材の確保、育成について極めて重要であると考えております。

 防衛省・自衛隊においては、サイバー要員のレベルと役割に応じ、基礎的なものから高度なものまで様々な教育を行うことができる基盤を有しており、専門教育の強化や教育内容の充実、向上を進めているところでございます。

 また、部隊の実務を通じた研さん、企業研修、国内外の教育機関への留学も行っているほか、アメリカを始めとする諸外国とのサイバー演習などにより、変化の速いサイバー分野における他国の取組を吸収をし、実践的な経験を積んでいるところでございます。

 加えまして、事務官等や自衛官への中途採用、サイバー予備自衛官の拡充などを通じまして、民間企業などで経験を積んだサイバーの専門的知見を持つ外部人材の確保も進めているところでございます。

 防衛省としては、このような取組を通じて、高い専門性と能力を有するサイバー人材をしっかりと確保、育成をし、現在のサイバー脅威に対応したサイバー防衛能力の強化を図ってまいる所存でございます。

山田(瑛)委員 ありがとうございます。

 様々お取組をしていただいていることを確認をさせていただきました。

 民間とのそういった、ただ、依然、処遇格差というところは大きく、数がそろっても技術が追いつかないリスクというのはやはりまだまだ現実的です。こういったことは、この委員会だけではなくて、本当に様々な委員会でも都度都度いろいろな方から質疑が交わされているところですので、それだけ本当に大きな課題であると思います。処遇やキャリアパスの競争力強化に更に踏み込んだ対応をしていただければと思っております。

 次に、航空宇宙自衛隊への改編、宇宙作戦集団の新編について伺ってまいります。

 まず、現在の宇宙領域における日本の優位性について伺います。

 宇宙空間は一九六七年の宇宙条約により領有が禁じられていますが、軍事目的衛星や対衛星兵器、いわゆるASATについての国際規制が不十分な状況です。宇宙作戦集団を新編する以上、日本は、宇宙の平和利用と安全保障利用の双方について、国際社会に対して明確な立場を示すことが求められます。

 日本は、宇宙の軍事利用に関する国際規範の形成にはどのような立場で臨むのか、また、ASAT実験後に発生するデブリ問題について、軌道の持続的利用という観点から日本はいかなる姿勢を示すのか、宇宙空間において日本がどんな優位性を確立し得るのか、認識を伺います。

中村政府参考人 二〇〇七年に中国による低軌道衛星に対する破壊実験と、それによる大量の宇宙デブリ拡散がございました。その後も類似の事案は起きておりますが、このような破壊的な直接上昇衛星破壊実験、通称DAASATと呼んでおりますが、これは、無差別に軌道上の宇宙物体の衝突リスクを高めるものであり、持続的かつ安定的な宇宙空間の利用を損なう無責任な行動である、政府はこのように考えております。

 二〇二二年の九月に、我が国は、このような破壊的な直接上昇衛星破壊実験、これを行うことはないという意図表明を世界に対して行っています。我が国を含む同志国のこのような動き、これは同じ年の十二月に、この種の実験を行わないように求める国連総会決議に結実しました。さらには、二〇二三年のG7広島サミットにおいても、我が国が主導する形で、G7各国はこの種の実験を行わないことを明確に表明をした次第であります。

 こういったものを含むスペースデブリ問題については、我が国は、二〇〇二年のIADC、宇宙機関間スペースデブリ調整委員会や、二〇〇九年の国連宇宙空間平和利用委員会のデブリ低減ガイドラインを始めとする国際的なデブリ低減ガイドラインの形成に積極的に関与してまいりました。これらのガイドラインには、軌道上の宇宙物体の破砕可能性の極小化や意図的な破壊の回避も盛り込まれている次第であります。

 委員おっしゃいますように、宇宙というドメイン、ここにおける優位性、こういった観点は非常に重要な問題であります。宇宙空間の持続的な利用のために、多数国間で今申し上げたような国際規範の形成、これに我が国の技術や規範づくりの知見を生かしながら注力し続けていきたい、こう考えております。

萬浪政府参考人 お答え申し上げます。

 外務省からの説明に続きまして、防衛省・自衛隊の能力の関係で申し上げますと、宇宙領域把握、SDAでございますけれども、我々防衛省・自衛隊もこの能力を強化してございます。

 これは、いわゆる東経百三十度、百四十度ぐらいで最も衛星を持っている国の一つとして、かつ、我々の直上であるということで、地上からこういった宇宙物体を観測するレーダー、SSAレーダーと言っていますけれども、この運用を既に開始してございます。また、今後は宇宙にSDAを監視するための衛星を打ち上げすることも予定してございます。

 このように、我が国周辺地域の上空の監視につきましては、防衛省・自衛隊は強みがございますので、こうした活動を主体的に行いつつ、他方、宇宙でございますので、グローバルに考えなければいけないというところで申しますと、同盟国、同志国と相互に補完して、連携して、体制を構築していきたいと考えてございます。

 また、スペースデブリ対策という意味では、国内に優れたデブリ対策技術がございますので、そういったところも活用してまいりたいと考えているところでございます。

 いずれにしましても、防衛省・自衛隊として、関係政府機関等と連携しながら、宇宙空間の安定的な利用、これは自衛隊自身のみならず民間も含めてでございますけれども、これを確保するための取組を進めてまいりたいと考えてございます。

山田(瑛)委員 それぞれありがとうございました。

 日本が今、主導的に国際規範形成に取り組んでくださっている点、大変に頼もしく思います。是非とも、今後とも国際社会を牽引する、そんな姿に期待をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

 次に、アメリカ軍との連携について伺わせてください。空軍から独立した宇宙軍を有するアメリカ軍との連携や情報共有を強化する上で、組織構成や規模の違いから来る実務的な懸念はないかというところです。

 アメリカ宇宙軍は、二〇一九年の創設以来、約一万五千人規模の独立軍種として、専任の作戦体系、指揮系統を構築しています。一方、今回新編される宇宙作戦集団は、航空宇宙自衛隊の一組織として約八百八十人規模です。その規模、権限、専従体制においては大きな非対称性があると感じておりますが、この非対称性が情報共有の深度や共同作戦における意思決定の速度に影響を与える、そのような可能性はないのか、政府の見解を伺います。

伊藤政府参考人 お答え申し上げます。

 宇宙空間の安定的利用の確保には、同盟国、同志国との連携、特にグローバルな宇宙監視ネットワークを保有、運用する米軍との連携は不可欠であると考えております。

 宇宙領域における米国との連携につきましては、例えば、米軍が主催する多国間演習に参加をしてきているほか、今般新編をいたします宇宙作戦集団の隷下に、米国始め諸外国、民間企業との連携を行う宇宙支援隊という専門の部隊を設けることとしております。

 また、我が国と同じく米軍と連携を強化をしているイギリス、フランスも、独立した宇宙軍ではなく空軍内に宇宙コマンドを置いているほか、空軍を改編をして航空宇宙軍としていると承知をしております。今般の宇宙作戦集団の約八百八十名という部隊規模も、これらの国の宇宙関連部隊と遜色ないものでございます。

 このように、特に懸念なく米国との連携をしっかりと行える体制になっておるものと考えております。

山田(瑛)委員 ありがとうございました。

 規模差はありますけれども、相互補完ですとか情報共有の枠組みについては機能していて問題がないということで確認をさせていただきました。是非、引き続き、連携の深化に向けた、そういったお取組の方をお願いできればというふうに思っております。

 次に、衛星ジャミングへの対処能力について伺わせていただきます。

 南西諸島の離島防衛において、海底ケーブルが切断された場合の代替通信手段として衛星通信が位置づけられております。そういった有事において、衛星通信の可用性をどう担保するのでしょうか。また、相手国による衛星へのジャミングや電波妨害への対処能力は十分に整備されている状況なのか、現状を伺わせていただければと思います。

萬浪政府参考人 お答え申し上げます。

 自衛隊におきまして、様々なレーダー等も含めて、センサーで収集した情報のリアルタイムな伝達、あるいは遠距離の部隊間の通信には、衛星通信というのは、自衛隊の作戦基盤として大変重要なところでございます。

 そうした場合に、御指摘のジャミングあるいは妨害対策でございますけれども、これは先ほどのSDAを含めて、早期に感知するというところもございますけれども、実際にそういった妨害能力が周辺国において向上しているというところを考えますと、低軌道の衛星コンステレーションや静止軌道衛星等を組み合わせて、多層的で抗堪性が保ちやすい衛星通信のネットワークを構築していくことが必要というのが一つでございます。

 あるいは、妨害への対処について、例えば、現在整備を進めてございますけれども、次期防衛通信衛星では妨害に比較的強い高周波数帯を使う等によりまして、抗堪性の強化を引き続き続けてまいりたいと考えてございます。

山田(瑛)委員 ありがとうございました。

 静止軌道衛星と低軌道衛星の組合せによる抗堪性の高い通信網の構築など、様々お取組をされているということで確認をさせていただきました。南西諸島有事において通信が途絶えるということは、即、作戦遂行能力の喪失にもつながりますので、今後とも、もっともっと取組を続けていただければというふうにも思っております。

 では、最後に、若年定年退職者給付金や再就職支援について伺わせてください。

 給付支給要件を継続二十年から通算二十年へ見直すことは、一度離職した人材が自衛隊に戻りやすくなる制度設計でありますので、複線型キャリアを想定した改正として期待をいたしております。これは、自衛隊が必要とする多様な専門人材を社会全体から獲得し続けるという観点からも重要な一歩です。

 その上で申し上げますと、現行の再就職支援は定年三年前からの段階的支援にとどまっております。しかし、通算二十年という要件を念頭に置けば、自衛隊員が三十代、四十代で一度民間に出てまた戻ってくるという、そんなキャリアパスも十分に想定がされます。そうであれば、二十代、三十代の若い隊員が在職中から主体的に自らのキャリアを考える機会を制度として確保することは重要と考えます。

 例えば、Eラーニングを活用した資格取得支援や、キャリア意識の醸成といった取組を在職早期から実施することで、再就職支援がより実効性あるものになると考えますけれども、見解をお伺いします。

廣瀬政府参考人 お答えいたします。

 先生御指摘のとおり、防衛省では、若年定年制の退職予定自衛官に対し、退職日のおよそ三年前から再就職支援を実施をしております。

 退職自衛官が再就職するに当たっての不安を払拭するためには、自衛隊で培ったスキルの活用、働きやすさ、処遇、勤務地、やりたい職務内容といった、自らが重視することに応じてそれぞれが魅力的と感じられる再就職先を選択できることが重要です。

 このため、防衛省は、これまでに実施している約百五十課目の職業訓練に加え、関係閣僚会議の自衛官の処遇・勤務環境の改善及び新たな生涯設計の確立に関する基本方針に基づき、関係省庁と連携し、情報セキュリティマネジメントや施工管理技士といった業界等への再就職に有用な資格取得のための研修、大学や専門学校等が提供する社会人の学び直しのための講習プログラムなどをEラーニングも活用しながら職業訓練として実施することにより、退職自衛官のセカンドキャリア支援の一層の充実を図ることとしております。

 これに加えて、退職後のキャリア形成の充実を図るため、退職後の生活の安定や職業選択に必要な知識を付与するための退職管理教育や、部外の専門相談員による進路相談など、様々な再就職支援により退職予定自衛官の不安の払拭に努めております。

 引き続き、自衛官が安心して国防の任務に精励することができる、これまで以上に充実した生涯設計の確立につながるよう、再就職支援の充実強化に努めてまいります。

山田(瑛)委員 どうもありがとうございました。

 継続二十年から通算二十年への見直しは、複線型キャリアを想定した改正として期待をしております。その上で、定年三年前からの支援にとどまらず、二十代、三十代、在職早期からの資格取得、キャリア意識の醸成に取り組むことで制度の実効性は更に高まります。在職中からの主体的なキャリア形成支援の実施を強く求めてまいります。

 宇宙、サイバー、AIと、安全保障の領域は急速に拡大をしております。しかし、やはり大切なのは、その最前線に立つ人が十分に守られているかという点です。装備と組織の近代化と並行して、自衛官一人一人の処遇、キャリア、安全を底上げすることなくして真の防衛力強化はありません。政府の具体的な施策実行を引き続き求めてまいりますし、検証してまいります。

 以上です。

西村委員長 次に、田村智子君。

田村(智)委員 日本共産党の田村智子です。

 冒頭、大分の日出生台演習場での戦車暴発事故で亡くなられた方々に哀悼の意を表し、けがを負われた方の一日も早い回復をお祈りいたします。

 今、同種の戦車と砲弾は、射撃訓練では使わないというふうにしているそうですが、事故の原因究明がなされるまで中止の継続を求めたいと思います。

 法案の質問に入ります。

 本法案によって、沖縄の陸上自衛隊第一五旅団が師団に格上げされます。一個普通科連隊を二個に増やし、沖縄県内では初めて機動戦闘車を配備するという説明も受けました。

 沖縄は、一九七二年の本土復帰に際して自衛隊が配備されましたが、初めて師団が置かれることになります。これは、この間の経緯を踏まえているのかどうかをお聞きします。

 二〇二三年十二月、防衛省は、この沖縄の部隊の師団化を行えば既存の訓練場だけでは十分な訓練ができないということで、うるま市のゴルフ場跡地に新たな訓練場を整備する計画を明らかにしました。周辺は閑静な住宅街、しかも青少年の家が隣接をしている。県内各地の子供たちが利用する教育施設のすぐ隣に自衛隊の訓練場を建設し、夜間も含め軍事訓練を行うのかと、この計画に地域ぐるみの反対運動が起きました。

 立場の違いを超えて、全県的な運動にもなり、県知事も、県議会も、自民党沖縄県連も、計画の白紙撤回を求めました。国会でも衆参の沖縄県選出議員の皆さんが党派を超えて繰り返し撤回を求めたという経緯です。

 こうした動きを受けて、当時の木原防衛大臣は、おわびとともに計画の取りやめを表明しました。その上で、師団化に伴う訓練等の在り方については幅広い視点から再検討を行うと明言された、これは沖縄の皆さんとの約束です。

 防衛大臣、この再検討の結論というのは出ているんでしょうか。

小泉国務大臣 戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面する中、我が国の防衛の最前線とも言える南西地域の防衛体制の強化は喫緊の課題であり、広大な海域に多数の島嶼が点在するという特性を持つ沖縄県の守りに万全を期すためには、第一五師団への改編が必要です。

 第一五旅団の師団化に伴う訓練等の在り方につきましては、現在も引き続き幅広い視点から再検討を行っているところであり、あらゆる選択肢を検討した上で適切な結論を得る考えです。その際、省内でしっかり連携を図り、周囲の生活環境を含めた地元の状況をしっかりときめ細かく把握、分析した上で検討を進めてまいります。

田村(智)委員 県内を揺るがす大問題になって防衛大臣がおわびに追い込まれる、こういう問題なんですね。沖縄の皆さんとの約束を守らずに、部隊の改編だけは計画どおり進めますと言うんでしょうか。部隊改編の前提を欠いているのではないかと私は指摘せざるを得ないんです。

 師団化に伴う訓練等の在り方を幅広い視点から再検討する、では、どういう視点で検討しているんでしょうか。沖縄県との協議は行われているんでしょうか。

小泉国務大臣 現在、幅広い視点から再検討をということで、検討中でありますので、その内容についてお答えできる段階にないことは御理解をいただければと思います。

 いずれにせよ、適切な結論を得るべく、幅広い視点から、あらゆる選択肢を検討してまいります。

田村(智)委員 自民党の皆さんも、こういう答弁で済ませていいのかと問われると思いますよ。自民党沖縄県連が白紙撤回を求めた事案です。与野党問わず大問題として国会で取り上げてきた問題です。防衛省設置法で師団に格上げして、部隊増強を既成事実化して、訓練が必要だからとなし崩し的に訓練場の整備を受け入れさせるということになりかねないわけです。防衛大臣がおわびまでした案件です。

 再検討がどういう視点で、どのように行われているのか、本委員会への資料の提出を求めます。

西村委員長 理事会にて協議いたします。

田村(智)委員 沖縄の部隊増強という問題は、沖縄と基地の歴史的な経緯を踏まえて検討されるべきです。沖縄は、さきの大戦で住民を巻き込んだ凄惨な地上戦の場となりました。日本の敗戦が避けられない状況でも、国体護持を至上命題とする大本営の方針によって、沖縄は本土決戦を遅らせるための捨て石とされ、県民の四人に一人が亡くなりました。

 本委員会では、我が党の赤嶺政賢前議員が繰り返し、この原点をおろそかにしてはならないという立場で質問を重ねてきました。その下で、防衛省は昨年、沖縄戦に関する自衛隊の学習資料の見直しを行いました。陸上自衛隊幹部候補生学校の資料では、旧日本軍第三二軍の持久戦を本土決戦準備のために偉大な貢献をなしたと評価をしていましたが、改定後はこの記述は削除されました。そして、大本営が一九四五年一月に決定した帝国陸海軍作戦計画大綱で、沖縄を皇土防衛のための前線と位置づけ、極力敵の出血損耗を図るとしていたことを明記しています。

 さきの大戦で、当時の大本営が沖縄を皇土防衛のための捨て石として凄惨な地上戦を強いた、このことを小泉大臣はどのように認識されていますか。

小泉国務大臣 沖縄では、さきの大戦の末期において、県民を巻き込んだ凄惨な地上戦が行われ、軍民合わせて二十万人もの貴い命が失われました。特に本島南部の一帯においては、多くの住民の方々が犠牲になったと認識しています。防衛大臣として、沖縄の人々の筆舌に尽くし難い困難と癒えることのない深い悲しみ、これらを胸に刻みながら、戦争の惨禍を二度と繰り返してはならないと考えています。

 防衛省・自衛隊としては、戦争の惨禍を二度と繰り返してはならないとの強い思いを持ち、今後とも新たな学習資料を用いて沖縄戦史教育を行ってまいります。

田村(智)委員 沖縄を捨て石にするようなことを二度と繰り返してはならないというふうに思うんです。

 沖縄戦で上陸した米軍、住民を収容所に押し込めている間に、公有地も、畑や民家も、お墓もお構いなしに強制的に土地を接収し、広大な米軍基地を建設しました。

 一九五二年のサンフランシスコ講和条約第三条によって、沖縄は本土から切り離され、米軍の直接統治下に置き去りにされて、その下で、米軍はいわゆる銃剣とブルドーザーで強権的に住民の土地を奪い、基地を更に拡張しました。沖縄県民は、憲法が適用されない無権利状態に置かれ、米軍人軍属による凶悪犯罪、米軍機の墜落、環境汚染など、基地あるがゆえの事件、事故に苦しめられてきました。

 七二年に本土復帰を果たしましたが、広大な基地は今なお沖縄社会に重大な影響を及ぼし続けています。こうした経緯に照らせば、日本政府は県民の基地負担を軽減する歴史的な責任を負っているのではないでしょうか。

小泉国務大臣 沖縄におけるアメリカ軍の施設・区域の形成過程につきましては、様々な議論があると承知をしています。

 その上で、沖縄が戦後も長らく我が国の施政権の外に置かれ、戦後八十年を経た今もなお沖縄県民の皆様に大きな基地負担を担っていただいていることを重く受け止めており、沖縄の基地負担軽減は政府の最重要課題の一つです。

 防衛大臣として、このような沖縄の歴史をしっかりと心に刻みながら、引き続き、我が国の防衛を全うするとともに、沖縄の基地負担軽減に全力で取り組んでまいります。

田村(智)委員 全力で取り組むと言われますが、普天間基地は九六年の返還合意から今月十二日で三十年、那覇軍港の返還は七四年の合意から五十年以上、いずれも移設条件があるために返還されていません。北部訓練場の一部返還は実現しましたが、それと引換えに、東村高江の静かで自然豊かな集落を取り囲むように、米軍ヘリの着陸帯が建設をされ、住民の生活は一変してしまいました。

 嘉手納基地では、米軍の無人機の新規配備が相次ぎ、SACO合意に反してパラシュート降下訓練が常態化しています。与那国島、宮古島、石垣島には自衛隊が配備され、更に沖縄本島の部隊も増強して、訓練場がどうなるのかさえ説明がされない。基地負担の軽減どころか、日米一体で沖縄の基地負担を増大させているのが実態です。

 こうした下で、小泉大臣は、今年一月の日米防衛相会談で、南西地域における日米の共同プレゼンスの拡大、これを日米同盟の最優先事項の一つに位置づけ、より高度かつ実践的な共同訓練に一層取り組むということを確認しています。

 南西地域における日米の共同プレゼンスの拡大というのは、具体的に何をやるということなんでしょうか。沖縄の基地負担の軽減に逆行するものではないんでしょうか。

小泉国務大臣 我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、日米同盟の抑止力、対処力を強化するため、これまでより高度かつ実践的な共同訓練を増加させるなど不断の取組を行ってきました。

 本年一月に、私とヘグセス長官で日米防衛大臣会談を行いましたが、そこで、ヘグセス長官との間で、南西地域における日米の共同プレゼンスの拡大について、同盟の最優先事項の一つとして、より高度かつ実践的な共同訓練の各地、特に南西地域での拡充を含め、一層取り組むことを確認しました。

 その上で、今後の具体的な共同訓練の内容につきましては、日米間で個別に調整することとなりますが、引き続き、あらゆる事態に対応できるよう、共同訓練を充実させていく考えであります。

田村(智)委員 日米間で合意した内容さえ説明をされないわけですよね。そういうことは、私は本当に許されるものではないというふうに思うんですよ。私は、沖縄を捨て石にしてはならない、その反省を踏まえて沖縄には対応していかなければならないというふうに防衛大臣は言われたんですけれども、改めて、安全保障環境が厳しさを増しているというその一言で、新たな、沖縄を戦場化するような、捨て石にするような事態が進められているというふうに言わざるを得ないと思っているんです。

 米軍機による空港使用、これも拡大していますよね。直近五年間の那覇空港、石垣空港の米軍機の使用状況を明らかにしてください。

森田政府参考人 お答え申し上げます。

 直近五年間の那覇空港及び石垣空港におけるアメリカ軍の航空機の着陸回数につきましては、国土交通省の資料によりますと、那覇空港につきましては、令和三年が三回、令和四年がゼロ回、令和五年が五回、令和六年が八回、令和七年が九回、石垣空港につきましては、令和三年がゼロ回、令和四年が六回、令和五年が三回、令和六年が十二回、令和七年が二十三回となっていると承知しております。

田村(智)委員 特に安保三文書の閣議決定以降急増しているという状況なんです。

 中国の軍事力増強、これを言い募ると。私たちも軍拡競争は駄目だと思いますよ。だから外交が必要だと思う。南西地域の軍事力強化、こればかりに突き進んでいくんですね。こうしたやり方では、沖縄の基地負担は軽減どころか増強が必至となります。

 玉城デニー知事は、復帰五十年の二〇二二年に、平和で豊かな沖縄の実現に向けた新たな建議書を政府に提出しました。そこでは、平和的な外交、対話により地域の緊張緩和と信頼醸成を図り、基地のない平和の島の実現に取り組むよう政府に対して求めています。

 抑止力だといって軍拡を行うことが歴史的に国際社会に何をもたらしてきたのか。平和につながるどころか、抑止力だといって軍拡競争をやれば、それは戦争につながってきた、これは歴史が証明しています。ましてや、これだけ無法な戦争を繰り返すアメリカと一体に基地強化、訓練強化を続ければ、一体この南西地域、沖縄の地域、この地域はどうなってしまうのか。戦争の心配のない地域をつくるための外交こそ求められている。危機をあおるんじゃなくて、まともな外交を中国ともやるべきだと。

 最後に、航空自衛隊の航空宇宙自衛隊への改編についてお聞きします。

 防衛省が昨年七月に公表した沖縄領域防衛指針では、相手の指揮統制、情報通信を妨げる能力の本格的な運用ということまで掲げています。通信や偵察にとどまらず、宇宙を主要な戦闘領域とみなして本格的に軍事作戦に利用していくということですね。

 これは先ほどの質問でもありました、二〇二〇年十二月の国連総会、日本やイギリスなどが共同で提案した宇宙空間における責任ある行動に関する決議、これが採択されています。全ての加盟国に対し軍拡競争や紛争のない平和的な宇宙空間を維持するための行動や意思疎通の枠組みを構築することを求める決議で、百六十四か国の支持を得て採択をされています。日本政府自身が提案した決議に反することになっていくんじゃないでしょうか。宇宙にまで軍事利用ということを広めていくことは、いかがですか。

小泉国務大臣 まず、そもそも厳しい安全保障の現実を無視して、必要な防衛力強化の取組について殊更軍拡といった言葉で不安をあおるような議論は適切ではないと考えていますし、まるで他国は防衛力強化をしていないのに日本だけがしているかのような前提でお話をされることは全く事実と違います。そして、この宇宙領域については、我々以上に、海外では既に宇宙領域のことを新たな戦場とすら表現をするような国も出てきていることも現実であります。

 その中で、今回我々は、航空自衛隊を航空宇宙自衛隊という形で改編をし、令和八年度にはSDA衛星の打ち上げ等により自衛隊の宇宙領域把握能力が一層強化され、相手方の指揮統制、情報通信等を妨げる能力の本格的な運用が可能となる、こういった能力強化をすることは、私は国民生活や平和な暮らしを守り抜くために必要な施策である、こういったことも丁寧に説明をして御理解をいただきたいと思いますし、御指摘のような宇宙の軍拡競争を加速させるものではないと考えておりますので、そこは御理解をいただきたいと思います。

田村(智)委員 私の質問をゆがめて言うのはやめていただきたいんですね。世界が軍拡をしていないなどということは一言も言っていません。そういう軍拡の競争をやめていく方に日本は働きかけるべきではないんですかという立場で質問をしている。

 そして、今直視すべき現実は、この国際社会に最も安全保障の環境を崩しているのは、国際法は私には関係がないと言っているトランプ政権ではないのか。無法な戦争、無法な武力攻撃を繰り返しをしているわけです。そして、宇宙を戦場だという国までが出てきたときに、そこに追随していいのかが問われているんです。(発言する者あり)静かにしていただけませんか、大事な問題ですから。宇宙を戦場にまでしていいのかと言われているときに、そこに追随するのか、そこに歯止めをかけるのかが求められているんですよ。

 トランプ政権は今、ゴールデンドーム構想だといって、発射前やブースト段階のミサイルを宇宙空間から攻撃、迎撃する、宇宙から攻撃すると。まさに、この軍事利用のための能力開発にまで踏み出している。一体幾らかかるかも分からない。そこに日本が加わっていくのか、資金提供するのか。そんな軍拡にまさに乗り出していけば、暮らしのための予算はどうなるのか。こういうことが問われていくわけです。

 宇宙での喫緊の課題は、宇宙デブリの除去を国際連帯で進めるなど、平和的で安定的な宇宙空間の維持であって、際限のない軍拡競争に追随、加担するのではなく、宇宙の平和利用決議に立ち戻り、宇宙の軍事利用を制限、縮小するための外交に努力するよう強く求めるものです。

 そして、繰り返し、沖縄の基地負担の軽減。これは約束なんですよ。空文句にしてはならないんです。それは、南西諸島にもどんどん軍事増強をやっていったら絶対成し遂げられないんですよ。だから外交努力なんですよ。だから外交努力。台湾発言などで日本の側から中国との外交を最悪の状態にしている、こういう問題の解決をどうするのかということこそ喫緊の課題だと重ねて申し上げて、質問を終わります。

西村委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

西村委員長 これより討論に入ります。

 討論の申出がありますので、順次これを許します。橋本幹彦君。

橋本(幹)委員 私は、本法律案に賛成の立場から討論いたします。

 本法律案において、七十二年の歴史を持つ航空自衛隊が航空宇宙自衛隊に改称されます。名称は、隊員にとって、そして国民の部隊に対する理解にとって重いものです。この改革が魂の宿るものとするためには、隊員と国民の正しい理解を深めるための知的基盤が不可欠です。

 宇宙安全保障構想や宇宙領域防衛指針など、上位文書は整備されました。他方、自衛隊の名称変更にふさわしいドクトリン、教育体系、そして国民に対する説明は、なお十分とは言えません。看板や装備品などのみでは真の改革となりません。運用思想、人材育成、そして国民の理解により改革に初めて魂が宿ります。航空宇宙自衛隊への改編の構想を安倍総理が語ってから七年、いまだに宇宙に関する戦略やドクトリンが整備されていないのは、この知的基盤の重要性を軽視していると指摘せざるを得ません。

 今国会の議論でも、標語が先に走り、定義や運用、説明が後から追いかける危うさが見えました。国産化を目指すと言いながら国産の定義すらない、世界一無人アセットを駆使すると言いながら同盟国の失敗の轍を踏むような調達をする、スタートアップ支援に力を入れると言いながら懸念国との関係が疑われる企業に投資をする、自衛隊の名誉を重んずると言いながら趣旨不明の階級の国際標準化なるものを推し進める、自衛隊に光を当てると言いながら自民党党大会において政治的中立を超えた私的利用を行う。

 広報であれば、時に映えることを追求するものかもしれませんが、隊員と国民に対する説明は同じであってはなりません。この防衛省の、政権の現状において求められるのは、地に足着いた言葉、誠実な言葉、精神の宿る言葉です。標語だけではなく、定義と指針を確かにし、政治が責任を負う姿勢を持たなければなりません。

 今回の航空宇宙自衛隊への改称が、精神の宿る改革になることを強く願います。そのために、航空宇宙自衛隊の名にふさわしい運用思想と教育体系を整備することを求めます。

 具体的には、宇宙ドクトリンなど、航空宇宙自衛隊がいかにあるべきかを示し、宇宙領域における作戦の原則、組織運営や部隊運用において準拠すべき事項と考え方、隊員が日々の任務を遂行する上での心構えなどを定める指針を整えること。そして、そのドクトリンを航空宇宙自衛隊の全ての自衛官、事務官、技官及び教官に広く共有すること。さらには、ドクトリンの運用に当たっては、盲目的になることなく、柔軟性と創造性を併せ持つようにするとともに、思考の固定化を避けるためにドクトリンを不断に見直し、常に将来の情勢を冷徹に見通し、戦史と現場の教訓に学びつつ、変化に適合していく姿勢を持つこと。

 そして、これらを支える防衛大学校や防衛研究所を含む知的基盤の担い手を強化し、自衛官の教養の涵養や研究発表を支えること。

 これらの施策を通じ、隊員を真に重んじ、本来の任務に精励できる環境を根拠を持って整えていく新たな組織文化が醸成されることを心から願って、私の航空自衛隊に対するはなむけの言葉に代えて、賛成の討論といたします。

西村委員長 次に、田村智子君。

田村(智)委員 私は、日本共産党を代表し、防衛省設置法等一部改正法案に反対の討論を行います。

 本法案は、アメリカの軍事戦略につき従い、安保三文書に基づく沖縄の自衛隊の増強と宇宙の軍事利用の拡大を推し進めるものです。憲法九条を踏みにじり、地域の緊張と対立、戦争の危険を高めるものであり、断じて容認できません。

 陸上自衛隊第一五旅団の改編は、沖縄の本土復帰後、初めて師団に格上げするものです。一個普通科連隊を二個に増やし、県内で初めて機動戦闘車を配備するとしています。さきの大戦で凄惨な地上戦を強いた歴史的責任を顧みず、沖縄の戦場化を想定した部隊の増強を進めることは絶対に認められません。

 航空自衛隊の航空宇宙自衛隊への改編は、一九五四年の発足後、初めて自衛隊の名称を変更し、宇宙での行動を任務に位置づけるものです。今年度には、宇宙状況把握、SDA衛星を打ち上げ、相手の指揮統制、情報通信を妨げる能力の本格運用にまで踏み込もうとしています。宇宙の軍拡競争を加速させ、市民生活や経済活動がよって立つ宇宙の平和的、持続的な利用を脅かすものであり、断じて容認できません。

 日本の宇宙軍事利用の拡大は、アメリカの統合防空ミサイル防衛、IAMDの一翼を担い、自衛隊を米軍指揮下に一層深く組み込むものです。トランプ政権はゴールデンドーム構想の名の下に、発射前やブースト段階のミサイルを宇宙空間から攻撃、迎撃する能力の開発にまで踏み出しています。このような際限のない宇宙軍拡に加担するのはやめるべきです。

 一九六九年の宇宙の平和利用決議に立ち戻り、宇宙の軍事利用を制限、縮小するための外交に力を尽くすことを政府に求めます。

 最後に、若年定年退職者給付金の引上げは、安保三文書に基づく軍事態勢の抜本的強化を実現するための人員確保を進めるものであり、認められません。

 以上、反対討論を終わります。

西村委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

西村委員長 これより採決に入ります。

 内閣提出、防衛省設置法等の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

西村委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

西村委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、福田達夫君外五名から、自由民主党・無所属の会、中道改革連合・無所属、日本維新の会、国民民主党・無所属クラブ、参政党及びチームみらいの六派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。橋本幹彦君。

橋本(幹)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。

 案文の朗読により趣旨の説明に代えさせていただきます。

    防衛省設置法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。

 一 自衛官の定数について、将来の人口動態に伴う厳しい制約を踏まえ、従来の任務遂行に必要な人員の積み上げを基本とする考え方と、自衛隊の任務遂行に必要な態勢の整備との両立を図りつつ、中長期的に防衛力を維持し得る適正な定数の在り方を検討すること。

 二 航空宇宙自衛隊の発足に際し、航空及び宇宙領域において航空宇宙自衛隊が我が国の安全保障に寄与するための在り方、作戦の原則、組織運営や部隊運用において準拠すべき事項と考え方、隊員の任務遂行上の心構え等を定める指針を整備し、広く共有すること。また、時宜に応じて適切に改訂を加えること。

 三 若年定年退職者給付金の支給水準の引上げ等の措置の効果を検証するため、適切な指標を設け、一定の期間の中で検証を行うこと。その検証の結果に基づき適切な措置を講ずること。

 四 若年定年制度の意義は継承しつつ、国家公務員法の改正により六十五歳までの雇用が原則となったことも踏まえ、自衛官についても六十五歳雇用の制度化を検討すること。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

西村委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

西村委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 この際、防衛大臣から発言を求められておりますので、これを許します。小泉防衛大臣。

小泉国務大臣 ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重し、努力してまいります。

    ―――――――――――――

西村委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

西村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

西村委員長 次回は、来る五月十二日火曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時十一分散会


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