衆議院

メインへスキップ



第8号 令和4年4月22日(金曜日)

会議録本文へ
令和四年四月二十二日(金曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 関  芳弘君

   理事 勝俣 孝明君 理事 菅家 一郎君

   理事 小泉進次郎君 理事 笹川 博義君

   理事 源馬謙太郎君 理事 田嶋  要君

   理事 角田 秀穂君

      畦元 将吾君    井野 俊郎君

      井上 貴博君    石川 昭政君

      石原 正敬君    小倉 將信君

      武村 展英君    辻  清人君

      中西 健治君    穂坂  泰君

      宮澤 博行君    八木 哲也君

      近藤 昭一君    篠原  孝君

      中島 克仁君    馬場 雄基君

      松木けんこう君    遠藤 良太君

      奥下 剛光君    中川 康洋君

      斎藤アレックス君

    …………………………………

   環境大臣         山口  壯君

   環境副大臣        大岡 敏孝君

   環境大臣政務官      中川 康洋君

   環境大臣政務官      穂坂  泰君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房生産振興審議官)       安岡 澄人君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房審議官)           熊谷 法夫君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房審議官)           伏見 啓二君

   政府参考人

   (水産庁資源管理部審議官)            高瀬美和子君

   政府参考人

   (環境省自然環境局長)  奥田 直久君

   政府参考人

   (環境省環境再生・資源循環局長)         室石 泰弘君

   政府参考人

   (環境省総合環境政策統括官)           和田 篤也君

   環境委員会専門員     飯野 伸夫君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第四六号)


このページのトップに戻る

     ――――◇―――――

関委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として農林水産省大臣官房生産振興審議官安岡澄人君、農林水産省大臣官房審議官熊谷法夫君、農林水産省大臣官房審議官伏見啓二君、水産庁資源管理部審議官高瀬美和子君、環境省自然環境局長奥田直久君、環境省環境再生・資源循環局長室石泰弘君、環境省総合環境政策統括官和田篤也君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

関委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

関委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。辻清人君。

辻委員 改めて、おはようございます。自民党の辻清人です。

 この世界に十年いて、環境委員会で質問するのは初めてでございます。理事、皆様に感謝しながら、浅学非才の身でございますが、何とぞよろしくお願いします。

 トップバッターで、与党でございますので、まずは、月並みな言い方ですけれども、本改正案の意義、目的、また、このタイミングでなぜ出すのかを教えていただけますでしょうか。

奥田政府参考人 お答えいたします。

 今回の改正案の意義と目的というのは三つございます。

 一つは、ヒアリが輸入品等に付着して国内に侵入する事例というのが近年極めて増加しているということで、その侵入防止のための対策を強化するということでございます。これは、一つ、このタイミングということの理由にもなろうかと思います。第二は、アカミミガメやアメリカザリガニ等、生態系等への被害を生じさせているものがございますけれども、その一方で、そういった種は広く飼育されているために法に基づく規制というのが困難であった、こういった外来生物に対応する規定を整備することとしました。第三に、特定外来生物の防除について、現行法では国のみが主な主体とされていますけれども、地方公共団体の役割を明示して、地方公共団体との連携による防除の強化を図る。この三点でございます。

 特にヒアリにつきましては、内陸部等での継続的な営巣というのは未確認ではございますけれども、国内には定着していないということでございますけれども、港湾等で大規模な集団の発見が続いておりまして、専門家からも定着ぎりぎりの段階という強い警笛が鳴らされております。対策強化が急務であることから、この法案でヒアリの早期発見、迅速な駆除を図るための体制を強化し、何としても我が国における定着を阻止していきたいと思います。

 この法案が成立した暁には、その履行を通じて、安全な国民生活の実現と生態系保全を推進してまいる所存でございます。

辻委員 局長、ありがとうございます。

 今回の法律、それこそ同生物でというとアリ、亀、ザリガニですけれども、緊急性がヒアリにあるのは分かりました。以前、ブリーフをいただいたときも、定着する一歩手前、ぎりぎりという言葉を何回も使っていただいたんですけれども、ちょっとここを、緊急性があるのは分かりますし、何としても早く通すことは急務だと私も思いますが、その定着の定義というか、ぎりぎりとはどういう意味なのか、ちょっと、今回の法改正で注目されている方も多いので、ここで分かりやすく説明していただけますでしょうか。

奥田政府参考人 基本的には、その種類が日本国内において世代交代を繰り返す、それで次々に子孫が残って、その次の世代が日本の中でまた子供をつくっていく、そういったような状況のことを定着というふうに申し上げることができると思います。

辻委員 世代世代、繁殖する一歩手前ということで、ここでやらなければ駄目だと。一部では遅かったという話がありますから、今までも、これからも、この問題に対処するとすればどこかでやらないといけない、ここしかないと私も思うので、これは、法改正の三つのうちの一つとして、自民党として、与党としてもしっかりと応援させていただきたいと思います。

 本来であればたくさんいろいろ質問したいんですけれども、十五分という制約なので、亀、そしてザリガニの話をさせていただきます。

 ミシシッピアカミミガメ、通称、我々の地元なんかではミドリガメ、ミドリガメといって、浅草とか上野は私の地元ですけれども、縁日なんかでは金魚すくいの横に亀すくいなんかがあって亀をすくう、これがミドリガメの場合が多くて、ちっちゃなかわいい亀なんですけれども、飼っているとどんどん大きくなって、どうしたらいいかと。結構、友達のうちに行くと大きな亀がいて、これはミドリガメだよと言って。結構な大きさなんですよ。甲羅でも二、三十センチだとか、二、三キロまでいって。調べたら、今、日本には百十万匹いる、寿命が、諸説あるみたいなんですけれども、うまく飼えば三十年以上生きると。

 今回これを、流通を禁止というか、今回、外来生物で、分かりやすく言ったら駄目だよということを法律で改正するんですけれども、この改正をうまくやらないとですね。

 二条の四に、事業者及び国民に対して、外来生物に関する知識と理解を深めるよう努めること、適切に取り扱うよう努めること、そして、自治体などで特定外来生物による生態系に係る被害の防止の施策に協力することと、三つあるんですけれども。

 例えば、縁日とかで、十年ぐらい飼っている亀で、名前をつけている亀がいて、あっ、この亀、駄目なのと。いやいや、駄目じゃありませんよ、自分で今飼っているやつはいいけれども売っちゃ駄目ですよとか、そういったことをうまく国民に告知しないと。飼っていたら犯罪なんだと勝手に勘違いして親子で夜中に放流したり、それ自体も犯罪なんですが。そういった間違ったメッセージ、じゃ、殺さなきゃいけないのとかですね。そこら辺をちょっと、分かりやすく、告知の仕方、これからどうやって告知をするのか説明していただけますか。ザリガニも含めてで、ザリガニも六、七年生きるみたいなので。よろしくお願いします。

奥田政府参考人 御指摘の点は、非常に重要な点だというふうに私どもも理解をしております。特に、最後に御指摘になったアメリカザリガニ等につきましては、とても身近な外来生物であるということで、国民の関心も高いので。

 今回の改正に際しては、外来生物問題そのものについての普及啓発というのを行って、例えば、我が国本来の自然環境がどうなっているのか、また、それに対する外来生物のもたらす影響、そこからきちっと説明をしながら、亀とかザリガニを放してしまうことがどういう影響があるか、そういったところからきちっと広報をしていきたいと思っています。

 具体的には、環境省のウェブサイトだけでなく、例えばSNSですとか、多様なメディアで発信していく。若しくは、教育機関ですとか動物園、そういったところとも連携をしながら、様々な場所、機会を通じて普及啓発を図ってまいりたいと思っています。

辻委員 この委員会が始まる前に、一部のいらっしゃる委員と一緒に、食べられないかとか、いろいろなことを話したんですけれども、何しろ、国民の多くが慣れ親しんでいるというか、ザリガニも亀も。なので、うまくやらないと、結構パニックになったり、逆に自然界に放出したりとかいう危険性が高まるので、よろしくお願いします。

 次の質問、多少事務的な、だけれども大事な質問なので、質問させていただきます。

 毎年、環境省では生物多様性の保全推進支援事業というのを実施していると思いますが、これは、特定外来生物の防除対策にも使えるように読ませていただいているんですが、少なくとも、さっとこの資料を読ませていただくと、済みません、私、東京の人間なので、東京で余りやっていないというか、結構地方で。

 実際、外来種の対策として、東京は人口を一千四百万人有していて、すごく面積も広くて、奥多摩とかあっちに行くとそれこそ亀もザリガニもいるんですけれども、こういった施策を外来種に対してこれまで何件、どこの地域で、どのくらいの予算規模で実施してきたのかということと、あと、これは、効果検証というか、PDCAサイクルを回せるのかなと。五W一Hみたいな質問になるんですけれども、お答えいただけますか。よろしくお願いします。

奥田政府参考人 お答えいたします。

 まず、具体的にどのぐらいやっているかということですけれども、例えば令和三年度につきましては、この事業で、特定外来生物対策として行った事業は三十件ございます。合計で八千万円の国費を自治体等に交付しておりまして、これは北海道から沖縄まで全国各地で行っておりまして、例えば東京都でございますと、福生市ですとか青梅市、そこの事業に対しても支援を行っているところでございます。

 また、PDCAサイクルの問題につきましては、事業の採択の際に、適切な評価指標と目標の設定、こういったものを設定するように求めております。その事業の効果検証というのはこうした指標や目標等を参照しつつ行うということになっておりまして、複数年度にわたる事業につきましては、その前の年度の実績を踏まえて交付額を調整する等、効果検証の結果を踏まえた執行としております。

 具体的に、例えば対馬市なんかのツマアカスズメバチの防除では、巣の確認を減少という明確な目標が立てられて、当初三百五十八個確認されていた巣が三年間で六十三個に減少した。こういった効果検証も行いながら、また、そこでは、化学的防除手法の検討も行っており、結果を踏まえて手法の改良が図られているところでございます。委員御指摘の検証を十分進めながら、適切に行われるようにしてまいりたいと思います。

辻委員 やはり、環境省はもっと予算を拡充しないといけないと個人的にすごく思うんですね。

 二つ、私は理由があると思っていて、やみくもに増やすということじゃなくて、例えば国連の毎年やっている生物の多様性条約締約国会議というのがあるんですけれども、二〇三〇年までに生物の多様性をしっかり確保していこうということを日本もアグリーしているんですよ。そういった世界の流れの中でしっかりと多様性を確保するということ。

 あとは、議員をやっていて、地元の、私の場合は東京ですけれども、都庁とか、あとは区、例えば千代田区とか、職員と話すと、環境に対する区民の理解をなかなか得られなかったり、予算をつくるときに、区長ないし首長が判断をする際に、虎の子の予算をそっちの環境にどれだけ回していいかと悩むと言うんですよ。

 もう少し国が交付金制度なんかで後押しをしてくれれば、もちろん国が出すわけだから検証はしないといけないけれども、もっと、最終的に施行する地方自治体がやりやすくするということで、例えば、今回の法律も、告知とかを地方自治体に任せないといけない、だけれども地方自治体によってばらつきが出たり、ちょっとうちじゃ予算が取れないなんということがあったら、スピード感にばらつきが出たりですね。

 これは環境省のみならず日本全体の問題なんですけれども、やはり、環境行政はこれからめちゃめちゃ大事になるので、予算を拡充しないといけないと私は思います。それについての見解を聞くのもちょっとおかしな話なんですが、予算を拡充しなければいけないという私の論点についてどう思われますか。

山口国務大臣 本当に大変な、問題意識を共有させていただければと思います。

 今、我々の意識というのはすごく深化してきていると思うんです。地球の温暖化対策もそうですし、生物多様性保全というのも、結局、自然を大事にするというところに行き着くというところで、地球の元々の姿を回復していくことによって、我々がこれからの地球というものを後の世代に引き継げるという、そういう大事なこと。しかも、それが、TCFDとかいろいろ、企業にも今共有されつつあるし、経団連とかもそういう意識を持ってきてもらっているというところで。

 今、辻委員のおっしゃっていただいた意識、我々は共有させていただくものですから、是非、予算の拡大、そのことが日本のこれからの繁栄につながり幸せにつながるということを更に広く共有させていただければと思います。受け止めさせてください。

辻委員 わざわざ大臣自ら見解をしていただいて大変恐縮に存じますが、今日はちょっと時間がなかったんですが、私は、この改正案は速やかに通して、特にヒアリの部分は遅いぐらいだという認識を持ってしっかりとやっていただきたい。あとは、ザリガニにしても亀にしてもしっかりやっていただきたい。

 また別の機会にしたいと思うんですが、私は、こういった外来種に対する種の保存、多様性と動物愛護の精神というのは、常に冷静と情熱の間だと思うんですね。

 アカミミガメとかザリガニは、それぞれの個体自体は来たくて来たわけじゃないから悪くない、その立場に立ったら。ですけれども、私は、人生の半分以上を外国で育ったからか分からないんですけれども、特に西洋にいた期間が長いので、動物愛護の議論というのは、日本人の生物観、自然観と、西洋の神様と物に対する自然観と、異なって、たまにぶつかってきて、特に自然との共生というのは、近代においては西洋的な法体系の中で我々はそれに合わせるという形を取っている場合が多いと思うんです。

 何が言いたいかというと、日本人というのは、全てに魂が入っていて、自然と動植物と人間とを同等な目線で見ることを日々の日常でする機会がやはりあると思うんです。人によりけりですけれども、そういう自然観というのは私は日本人として共有している方が多いと思うんですね。ただ、一方で、西洋的な、神様の下に人間がいて、人間の下にそれこそ物としていろいろなものがあるという感覚で法体系をつくる感覚というのは、私は、特に英米については、英米法とかを見ていると、そういった自然保護に対する感覚の違いというのはやはりあると思うんです。例えば鯨や亀や、いろいろな生物に対する考え方はあると思いますが、今日はそういった話には、時間が来てしまったんですが。

 何しろ、そういったことも含めてこれから環境行政をしっかりと応援していきたいということを申し上げて、私の質問に代えさせていただきます。御清聴ありがとうございました。

関委員長 次に、篠原孝君。

篠原(孝)委員 おはようございます。立憲民主党、略称民主党の衆議院議員の篠原孝でございます。

 今日は、四十五分の時間をいただきまして、資料を、たくさんでもないんですけれども結構時間がかかって作ってまいりましたので、私の質問を、大臣や副大臣や政務官だけじゃなくて皆さんも是非、表を見ながら聞いていただきたいと思います。そうすると、この法律の概要がみんな多分分かると思いますのでね。

 それでは、最初は、植物の関係の外来種、これは政務官に答えていただいて、あと、後半戦は、カニと亀のことは副大臣と大臣にお答えいただきたいと思います。

 見ていて分からないところがあるのは、今、辻さんがいみじくも言われました、外来種に対する感覚が違うというのがね。分かると思うんです、資料の、ほかの国と主要国の外来種対策の概要、一番後ろのページを見てください。アメリカは環境運動が盛んなんですが、結構鈍感なんですね、分かりますかね。広くて、そもそもアメリカ人の大半がほかから移民で行ったり来たりするので、外国から来るものとかこういうところ、そういうところに、観念が余り、そういう感覚がないんだろうと思います。なぜニュージーランドを入れたかというと、ニュージーランドは島国なんです、こういうようなものがいっぱいあるんです。ほかのものが入ってきちゃ困ると。日本と同じなんです。そういうそもそもの価値観の違いが私はあると思います。

 それで、外来種は、どこからを外来種というのか。通告の一番と二番を一緒に答えていただいていいと思いますけれども。モウソウチク、竹ですね、あれは、よく分からないんですが、中国から来た、これは事実なんですね、八〇〇年代とか一二〇〇年代とかと言われています。しかし、これは完全に帰化ですね、最近余り聞かれませんでしたけれども、帰化植物というのがあるんです。日本に定着しているものと一体どこが分かれ目なのか。

 それは一番後ろのページを見ていただくと分かるんですが、ニュージーランドが、一九九八年七月二十九日以前に存在しなかった種を有害物質及び新生物法というので外来種とみなして駆除していくと。我が国はというと、ちょっと複雑ですよね。江戸から明治にかけて交流が始まったので、だっといろいろなものが入ってきたんです、それでこういうことを言い出して。問題なんです、後でいろいろ示しますけれども。

 理由を聞いているんです。ちゃんと説明してください、政務官にね。いつからにしたのか、どうしてその時期からにしたのかということ。それから、セイタカアワダチソウというのが相当猛威を振るっていましたが、そういうようなものが今どうなっているのか。何をもって、どういう基準でもって外来生物だというか、特定外来生物だというか。いつからというのと、どういう基準かというのを一緒にお答えいただきたいと思います。

中川大臣政務官 植物につきましては、私の方から御答弁申し上げます。

 外来生物法の規制対象となる特定外来生物は、特定外来生物被害防止基本方針におきまして、外来生物のうち、原則としておおむね明治元年以降に我が国に導入されたと考えるのが妥当な生物から選定することとされております。これは、篠原委員が今おっしゃっていただいたとおりでございます。

 このような基準を定めたのはどういった基準かということでございますが、我が国において、生物の種の同定の前提となる生物分類学、これが発展した時期、さらには海外との物流が増加したのがまさしく明治時代以降であるというところから、こういった基準、考え方になっております。

 また、諸外国における類似制度はどうかという御質問をいただきました。規制対象となる生物の導入時期の基準を設定しているものとしては、これも今、篠原議員が御発言いただいたとおり、ニュージーランドの有害物質及び新生物法がございます。この法律では、同法の施行日である一九九八年七月二十九日以前には同国に存在していなかった種に属する生物を新生物として規制しているということでございます。

 以上でございます。

篠原(孝)委員 今答弁いただきましたけれども、ちょっと分からないんです。ニュージーランドはきちっとしているわけですよ、一九九八年と。それ以前に入ったものは、日本語で言うと帰化植物、帰化動物ですよ。帰化人かもしれません、人だとね。つべこべ言わない。ところが、日本は、ふわっとして明治以降と。

 基準も分からないのを私はずっと聞かされていたんだ、黄色いの。なので、あれを僕は敵視して見ていたんです。菜の花です、日本の農政と国民が悪いんですけれども、菜の花は消えちゃっているんです。全部、外国から輸入すればいいと。こんな、春の景色が一変した愚かな国はないんです。

 その代わりにはびこったのは何でしょう。これなんです、セイタカアワダチソウです。これはアメリカから来たんだ、こんなところまでアメリカにやられているのかと苦々しく思っていました。一体、今は、セイタカアワダチソウはどういうふうに扱われて、どうなっているんでしょうか。

中川大臣政務官 お答え申し上げます。

 セイタカアワダチソウにつきましては、環境省が作成しております生態系被害防止外来種リストにおきまして対策の必要性が高い重点対策外来種として位置づけておりますが、法に基づく特定外来生物には指定されておりません。

 これは、平成十七年の専門家会合におきまして、セイタカアワダチソウを特定外来生物に指定することの要否が検討されておりますが、当時、人為的な運搬、放出等の規制による拡散防止効果がないのではないかなどの理由から、特定外来生物の指定が見送られたところでございます。

 セイタカアワダチソウでございますが、現在も全国に分布していることから、重点対策外来種として、各主体、例えば地方自治体とかNPO等市民団体による防除が行われているところでございます。

 以上でございます。

篠原(孝)委員 それでは、私の資料の一ページを見ていただきたいと思います。

 写真、これ、何だか分かりますか。カラーのきれいなのがあるんですが、緑で見ると、もっと壮絶なのが分かります。これは千曲川。私、いつもここを、支持者訪問をするとき、この土手道を走っていくんです。見るも無残ですよ。見てください、全部アレチウリにやられているんです。ですから、駆除を、先ほど辻議員が言っておられましたけれども、予算はどうかというと、なかなかついていないんですよね。自分でやっているんです。だけれども、これを見たら、私はほっておけなくなりました。

 次のページを見てください。これも、カラーでやると、私のいい顔がもっとよく写るんですけれどもね。

 これは二〇〇八年ですよ。はるかかなたの昔、今から十四年前にアレチウリの駆除活動に私は自主的に参加しているんです。環境委員として、こんなにふさわしい活動をしてきた議員はいないんじゃないかと。自分で言うのもなんですけれども。ボランティアで、そこに二人ほど弟子みたいなのがいるんですが、インターンも連れていったんです。アメリカ人のインターンも右側のところにあります。こういうことをやるんだ、日本はこうやって自然を大事にしているんだと彼らにも教えました。

 これね、大変なんですよ、分かりますか。今、敵基地攻撃能力と言っています。ミサイルで攻撃されるのは大変ですけれども、そんなものの前に私の愛する長野の景色がこれで完璧に侵略されているんです。こんなことを許していていいのか。政治家の皆さんはよく考えてください。

 アメリカには、こうしたいろいろな考えで国を守ると。ゴア副大統領がいましたね。彼は軍事の専門家です。だけれども、彼が軍事の専門家以上に知られているのは何でしょう。環境です、環境こそ脅威になるという。日本には誰もいやしないんです、やたら何か格好いいことを言っているだけで。そういう人たちで環境を守って、これが侵略でなくて何というかと。

 今日、後から話す亀、カニ、これは目に見えないからあれなんです。植物は大変なんです。だから、一ページ目のところを見ていただければ分かりますけれども、長野県人は真面目ですからね、真面目度合いも後でやりますけれども、二万五、六千人がみんなでやっている。コロナになってからは減っています、よくないからと。こういうルールも、本当にきちんと長野県人は守るんです。私が、真面目な長野県人の、代表でもないですけれども、一人です。

 それで、ついでに千曲川河川事務所を褒めますと、一ページ目の一番下を見てください。こっちの方がもっと工夫を凝らしているんですけれども、公募により希望者が伐採、ニセアカシア。ニセアカシアはそれでも役立っているんです。その下ですね、河川敷でゲートボールをやっているんです。日陰になります。まだあれは役立つんです。農薬がかかっていないから、蜜源にもなっています。だけれども、このアレチウリは何の役にも立っていないんです。予算もない。工夫してやっていますけれどもね。

 こっちの木の方になると、十九号台風で大被害が出まして、あれは大変なんです。流木が来て、みんなそこで止まっちゃって大水害になるので、あれを切らなくちゃならない。昔はみんな切っていたんです。

 今はどうしたかというと、エコロジストが増えているんです、まきストーブ。この人たちにホームページで、はい、ここからここ、今年はこの区間のニセアカシアを切っていいですよと。みんなチェーンソーを持っているんです。喜んで行って、切ってやるんです、ただで。コスト縮減と材木資源の有効活用を図っている。現地でこれだけ工夫しているんです、大したものだと思います。ボランティアでやっている。

 アレチウリは、先ほどのセイタカアワダチソウと違いまして、一番後ろのページにありますように、二〇〇六年に特定外来生物と指定されている。全国ではどんな具合なんですか。長野県は相当ひどいんですけれどもね。全国ではどんな感じなんでしょうか。

中川大臣政務官 お答え申し上げます。

 まず、アレチウリにつきましては、篠原先生始めボランティアの皆様、さらには、千曲川におきましては、千曲川河川事務所の皆様に大変に御支援、御協力、また取組をいただいていること、環境省といたしましても感謝を申し上げます。

 アレチウリにつきましては、在来生物と競合し、それらを駆逐してしまうなど、生態系への大きな被害を与えていることから、特定外来生物として指定をしております。これは、今、篠原委員御指摘のとおりでございます。

 全国の河川敷に広がっておりまして、アレチウリが大量にある場所では、ほかの植物がほとんど生息しないなど、河原の固有種が駆逐されるというところから、様々な主体による防除が実施されていると承知をしております。

 防除には労力が大変に必要でございます。今御指摘をいただいたとおりでございます。各地で防除が進められているものの、いまだ全国に蔓延している状況というふうに承知をしておりまして、減らすことに対してはなかなか難しい状況がございます。

篠原(孝)委員 ボランティアにだけ頼っていちゃよくないと思います。

 私なんかが本当に腹が立つのは、「信濃の国」というのを皆さん知っていると思います。結構ばらばらになっちゃうのでね、県歌を作ってみんなで歌わないと北と南でけんかしたりするというのがあって。国歌を歌うのが嫌だとか言っている人たちも「信濃の国」は大合唱するんです。長野県民をユニファイするいい歌なんですが、その中の二番に、自慢話が続くわけですが、北に犀川、千曲川、南に木曽川、天竜川。これだけ愛している川が、この無残な。それで、本当は菜種じゃないんですけれども、カラシナの黄色だったんです。真っ黄色で、きれいに桜と黄色と一緒になるんです。それが完璧にこれに駆逐されているんです。こんなことを許していていいのかと僕はいらいらして、捨ててやったんですが。

 次に、今度は三ページから四ページ、五ページを見てください。これは、真面目な長野県が、もう形容詞をつけるのはやめますけれども、こういうのを作っているんです。環境省の心温かい予算で作っているかというと、全然違うんです。こんなものは一つたりともないんです。ないなんて言っちゃうと悪いですけれども、ほかにもっと大事なものがあるんです。

 まあ、使われ方としてはいいです。ふるさと納税で、美しい信州の自然を守るのに使ってくださいという指定があるんです。信州に来る人たちも、汚れのない人たちです。長野県を愛して来てくださる方、彼らも見るも無残になっていくのを見ているんです。アレチウリに使えとまで言っている人がいるかどうかは知りませんけれども、そのお金でこれを、六十九ページです。環境省の役人は見習ってほしいと思います。

 四ページを見てください、ここは、長野県でこれまで確認された特定外来種。一番上の文章の下の二行、百四十八種のうち二十四種。何でなのかなと。一番問題になっているアメリカザリガニもアカミミガメもないんです。碓氷トンネルが障害になるのか、真面目な長野県民はそんなものを持ち帰らないのか。多分、寒さ、そういうものの関係だろうと思います、ないんです。ですけれども、植物で大変に困っているのがあると。一番下のアレチウリなんかが。

 それで、ちゃんと、最後の方、六十七ページに、これも外来種ですよと。長野県にまだいないアメリカザリガニ、ミシシッピアカミミガメ、これもそうですよと。

 僕はちょっと思い出して、さんざんっぱら自然で遊んでいましたからね、川で魚を捕って。ところが、アメリカザリガニとかミシシッピアカミミガメって見たことがなかったんです。毛嫌いされて俺の前には来なかったのかなと思ったら、いなかったんです。都会の、こんなことを言ってはあれですけれども、見たら、ちょっと汚れたような川のところで生育できるんですね。長野のようなきれいな、清浄な水のところでは生きていけないようなんです。

 こういうのを作っている。だから、これはちゃんと考えていただかないと駄目だ、予算をつけてやっていただかないことには、とてもじゃないが駆除できないと思います。

 それで、今回の問題になっているカニ、亀ですね。これで、資料をまず見ていただきたいんです。

 環境省に、僕はそんなに、役人の皆さんに説明を求めてあれをやるのが嫌いなんですよね。大体、ネットやなんかで分かるわけです。ですが、これは聞きたかったから何回も聞いたんですけれども、さっぱり答えが返ってこないんです。指示すると、はいって。何がいらいらしていたかというと、珍しいんです、私は冷静ですから余りいらいらしないんですけれども、今回はいらいらしました。

 もっとびしばしやった方がいい。それを、アメリカザリガニとアカミミガメは飼育しているのを放出されると困るから、取りあえず指定するけれども例外にすると附則にわざわざ書いて。そんなことをせずに、びしばしやったらいい。附則も、捨てるのを防ぐために例外にするとかいうのは、余りにも国民を信用していないんじゃないか。

 資料をちょっと見てください、ここのところにあるものは関係するものじゃないんですよ。いい例でね。後からもっといい例が見つかったんですけれども、皆さんが今やっているワクチンが、六ページのところにワクチンとマスク、これはほかの国は法律でもって結構義務化したり。アメリカが国はなしというのは、あっちは地方自治体で。ともかく、自由な英米法と辻委員が言いましたが、英米はちょっと違うんですね。だけれども、そうじゃない国、フランスやドイツはちゃんと義務づけているんです、法律で、ワクチン接種も。

 何でこれを出したかというと、我が国には義務化なんて何もないんです。飛行機に乗っていて、やってこないからと引きずり降ろす、アメリカではそんなことは絶対起きなかったですけれどもね、新潟空港で。何て強圧的なことをするか。我が国は、お願いするだけで国民は素直にみんな従っているんです。真面目なんですよ。

 これをよく見てください。ドイツなんかは、真面目なドイツ人といいつつ、ブランデンブルク門の前で相当激しいデモが行われて逮捕者も出ているぐらい、義務化しようとしたら。びっくりしました。フランス人は結構我が強いし、反対するかと思ったら、真面目なドイツ人もそんなのは嫌なんです、反対する。日本は、何にも言わないのに、ここで一人でもマスクをしていない人がいますかね、みんな立派な日本人ですよね、こういう国なんですよ。その国民を、なめているじゃなくてね、信用していないんじゃないかと思うんです。

 大臣のお答えは一番、二番と分けてありますが、一緒に答えてください。僕は、もっとびしばしやっていただいていいと思うんです。それをやらないで、優し過ぎるんですよ。びしばしやっていただきたいんですが、いかがでしょうか。

山口国務大臣 アメリカザリガニやアカミミガメは、我が国の生態系等に被害を及ぼしているということがまず判明しています。一方、推定で、アメリカザリガニは六十五万世帯、五百四十万匹、アカミミガメは百十万世帯、百六十万匹と、広く一般家庭で飼育されていることから、その規制の在り方が以前から課題となっていたと承知しています。

 昨年、外来生物法の見直しを行う中で、改めて規制の在り方を中央環境審議会に諮問を行いました。これに対して、本年一月、一律に飼養等や譲渡し等を規制するのではなく、新たな規制の仕組みの構築等を行う必要があるというふうに答申され、これを踏まえた改正案のようなことになっています。

 まず、アメリカザリガニやアカミミガメがまだ侵入していない地域の生態系を守ることが重要ですし、このため、新たな野外への放出を防ぐことを最優先に、当分の間、個人の飼養等は規制せず、放出等を禁じる今回の改正案がまずは現時点では最善と考えています。

 我が国は、ルールをよく守り、環境保全意識の高い国民の多い国であるという点は、もちろん私もそう思います。

 他方、これまで、特定外来生物に指定されるかのような報道がなされるだけでアカミミガメを飼育する施設には引取り相談が増えたということも聞いています。また、環境省の調査では、アメリカザリガニとアカミミガメの飼い主のそれぞれ数%程度が、法規制のない状況でもいずれ野外に戻したいとの意向を示しているようです。

 ごみの分別同様、多くの国民は外来生物に関するルールを遵守すると期待しているわけですけれども、特定外来生物は、野外への放出が一件発生するだけでも自ら増殖、分散する可能性がある。さらに、アメリカザリガニ等は、大量に飼育されているため、ほんの一部の飼い主が飼育を放棄するだけでも生態系等に大きな被害を与えかねないというふうに思います。

 こうしたことから、厳しい制約のある従来の特定外来生物に対する規制を適用した場合に、大規模な生態系への影響の懸念というのは否定できないのではないかと思う次第です。したがって、規制内容は慎重に選択するとともに、終生飼養の徹底を呼びかけてまいりたい、こんなふうに思います。

 私も、この間から、大谷翔平の応援を見ていたら、アメリカの人たちはみんなマスクを外して大きな声でやっているし、マスターズの観客を見たらほとんどマスクをしていないし、そういう意味では、いろいろなところの違いはあるんだろうと思うんですけれども、このアメリカザリガニ、あるいはアカミミガメ、若干、一部放出しただけでもどんと増えてしまうんじゃないかという懸念でもって、こういう内容にさせていただいた次第です。

篠原(孝)委員 大臣が触れられましたけれども、六ページのところに書いてあるんですよ、マスクの方でね、野球場ではほとんどしていないと。ニュースで見て、大谷翔平が出ているときに球場も映すんですけれども、ほとんどしていないですね。マスターズは、ゴルフは余り好きでもないので見ないんですけれども。

 何にせよ、四月十八日にフロリダの連邦地裁で、マスクの義務化をCDCがやったのを保守派の判事が無効だと言って、一斉に航空機内とかなんかはみんなマスク着用義務を解除している。あっちは法律できちっとやらなくちゃいけないのに、こっちはそうじゃなくて、自主的に。それを、こんな絶好機を逃して、優しいなと。大臣も環境省も優し過ぎるんです。輸入業者やペット業者は、もうけのために適当なことをしますよ。だけれども、国民は真面目なんです。

 本当は、昨日の夜にぱっと思いついたので、表にして出したら一番よかったんですけれども、中川政務官に関係するんです。

 皆さん、知っていますかね。五年前から日本交通安全協会が、全国の各県二か所で信号機のない横断歩道でちゃんと止まるかどうかというのを調査しているんです。これがいい事例です。

 また自慢話になって済みませんけれども、長野県が五年連続一位で、二一年度も八五・二%が止まる。二位が静岡県で六三・八。二〇ポイントも離しているんです。いかに真面目さが際立っているかお分かりだと思います。そして、恥ずかしいことに、二〇一九年、断トツびりが三重県なんですよ。ここに、こういうのに県民性が出るんだ。長野は、ろくすっぽ真っすぐな道路がないから、ちょっと急いで行ったって大したことないから止まってやるというのがね。

 ところが、この三重県が変身するんです。一八年、一・四%。一九年、三・四%。このときに恥だと思うべきですよ。そして「まもってくれてありがとう運動」というのをして、横断歩道で止まったドライバーにおじぎをするなんという、その運動を始めて、びしばしやったんだそうです。そうしたら効果抜群で、二〇年には二七・一%に上がり、十四位。二一年には何と、ベストテン入りして七位、四九%。

 何を言いたいか、お分かりになりますよね。やろうと思ったらできるということなんですよ。ちょっといいかげんだった三重県人も、ちゃんとやったら言うことを聞くということなんです。

 これをここで、もし長野県が、アメリカザリガニを飼っていて、アカミミガメを飼っていて、これを飼っちゃ駄目ですよと言ったら、不届き者はいると思いますが、立ち所に殺処分をしたりして自分でやりますよ。県民によって差があると思いますが。

 ついでに、じゃ、大臣のところ。大臣のところはなかなか大したもので、十三位です。滋賀県は、何でなんでしょうかね、三十八位で、結構下の方ということで。兵庫県もなかなか大したものです。

 さっき大臣も触れましたごみの分別収集なんというのも、世界中でこんなにしち面倒くさいことをしている国民がいますか。いないですよ、ちゃんとルールをなんて。

 僕は、資料をもらったらびっくりしましたよ。五つか六つかと思ったら、十一から十五種類に分けているのが六百四十四市町村で一番多くて、どうやってやっているのかと。二十五種類以上に分けているのが三十三市町村。ここまでやっているんですよ。その国民がそんな、ルールを守らないはずがないんです。どうしてそういうことをしないかということを僕は問いたいんです。

 さんざん下げて、立派だと言って褒めたので、政務官、一言どうぞ。

中川大臣政務官 御答弁申し上げます。

 篠原委員ならではの様々な例をいただきまして、大変にありがとうございました。三重県もしっかりと頑張っていきたいと思いますし、その例に倣って、特定外来生物につきましても様々な手法を取り込んで頑張ってまいりたいと思いますので、どうぞ、引き続きの御支援のほど、よろしくお願い申し上げます。

篠原(孝)委員 せっかく政務官をやっておられるので、びしばし地元でもやってください。やればできるので。三重県にはアメリカザリガニもアカミミガメもいっぱいいるんですよ。駆除を成功した最初の県、なかなか難しいと思いますね。駆除はともかく、飼っている人はいないという状態にすべきだと思います。

 それで、本番です。琵琶湖を抱えて、環境問題をずっと身近に見てこられた副大臣にお伺いしたいと思います。

 アメリカザリガニは寿命五年だそうです、短いですね。これは、卵を産んで、飼っているところでも繁殖してしまうんだ。だけれども、今飼っているのには愛情が湧いたりする。子供を卵で産んだのはもっとかわいいかもしれませんけれども、びしばしやってください。

 私の提案です。繁殖を禁止し、寿命五年だったら、今飼っているのだけ。大臣が、終生飼養、終生だ、一世代だけだ、飼育を止めて、新しいのを飼わない、侵入の予防と早期発見、早期防除というのをマニュアルも作ったそうですけれどもね。私のところには全然。作ってどうやってやるんだかを示せと、ずっと質問のとき、法案を説明しに来たときにやっていたのに。僕は信じられないんですよ。僕がこれだけ関心を持っているのに、四月に突然ホームページに載っているんですよ。

 私が農林水産省の役人で、ちょっとうるさい議員がいたら、こういうのをやってと言ったら、すぐ持っていきますよ。何にも持ってこないんです。ちょっとだけ嫌みを言わせていただくとね。農林水産省とかなんとかの法律をいっぱい通さなくちゃならないから、国会を大事にして、先生方の要望を聞いてやっているんですよ。全然そういうことをしない。生意気じゃなくて、習性的にそうなので。

 余り環境も反対したりする法律はないんです。それから、山口大臣の元の外務省の在外公館法ぐらいなんです。条約が反対で否決されるなんて、めったにないですからね。だから、国会を軽視しているんですよね。

 これだけやっているのに僕のところには何にも言ってこなくて、そしてホームページにどんと載せている。見ましたけれども、大したことは書いていなかった。大したことを書いていないから来られなかったかもしれませんけれども、もっときちんとやって、今言ったようにびしっとやっていただきたいんですが、いかがでしょうか。

大岡副大臣 篠原先生にお答えいたします。

 びしっとやれということでございますが、今回の法案の理由は先ほど大臣から御説明申し上げたとおりでございまして、先生のおっしゃることはよく分かります。私も、びしっとやれるものならやりたいと思っています。ただ、いついつからびしっと禁止と言っちゃうと、このときまでに駆け込みで放出してしまう人というのが出る危険があるというのも事実です。

 あわせて、法律を言わずにアンケートをすると、多くの人が、いずれこの飼っている生き物は野生に戻したいと答えちゃうんですね。それは、辻先生の質疑にもあったとおり、やはり日本人はどうしてもそう思ってしまう。

 したがって、今回はまずは放出と販売を規制して、いずれしっかりと国民に説明をして、徐々に、先生がおっしゃっているような、びしっとやるという方向に持っていきたいと考えております。

篠原(孝)委員 駄目ですね。

 ここに、見てください、「千曲川・犀川のアレチウリ」というのがある。これは、長野県じゃなくて、千曲川河川事務所がこれを作っているんです。平成十五年ですか、作りました。これは何ページかな、二十ページの、非常によくできていますよ。どうやって駆逐するか、小さいうちに抜けとかね。これで行ったんですけれども、これでボランティア活動をしたんですけれども。長野県は、先ほど言ったように、六十九ページのハンドブックを作って自主的にやっている。みんな必死なわけですよ。

 環境省は、パンフレットなんてできていないんですよね。ホームページに載っけて、はい、国民に知ってもらうようにやっていますと。なまくら過ぎますよ、それは。もっとびしっとやってもらわなくちゃいけない。

 それで、これは両方なんですけれども、アメリカザリガニとアカミミガメに共通するんですけれども、終生飼育、飼養を誘導するのはいいとして、それまでに周知期間というのがありますよね。施行後、今までと違うルールに突然なったので、三年以内とか五年以内で。それをここに適用すればいいんです。いつだかという期限も区切らず、だらだら飼っていいなんて、それは指定した意味がないんですよ。だから、繁殖は絶対禁止にすべきですよ、自己繁殖。交換とか譲渡はいいとか、そんな、なまくらなものはやめるべきですよ。

 一番問題なのはアカミミガメですよ。人間ほど長生きしないですが二十年から三十年で、長生きするしぶといミドリガメは四十年になる。飼い主が高齢化して飼えなくなりますよ。

 僕はこれを犬で見ているんです。私が国会議員になったばかり、篠原孝なんて、どこの馬の骨か分からないので、知られていないので、じゃ、都会のあんなところに行くのは嫌だし、田舎だったら景色もいいしと、山の中の集落の訪問をしたんです。そうしたら犬を飼っているんです、それは鳥獣害を防ぐため。

 その中に、こんな立派な犬、高いんだろうなと思うような犬がいるわけです。ダルメシアンという、百一匹ワンちゃん。あんな犬を長野の田舎で買って飼う人はいないです。不思議ですが、そういうのがいるんです。聞いたら、分かりますか、今の放出と同じですよ、自分で殺処分できない、飼えなくなったと。多摩川べりへ行ったって、すぐ野犬狩りに遭って捕まってしまいます。それはいたたまれないと、かつて行ったことのある志賀高原に来て、ごめんねと言って山の中に放していくんです。

 残酷ですよ、それは。人間に餌をもらっていたので生きていけない。ふらふらして息も絶え絶えになっているのを、近所の農家がかわいそうだからといって連れてきて飼ってやっているんです。美しいといえば美しいですけれども、きちっとしていない、ルールを守っていない。

 だから、アメリカザリガニもアカミミガメもそうなるのはよく分かりますよ、譲渡先なんかなくなりますよ。それだから、どうするかというのをちょっと考えていただかなくちゃいけないですね。一番いいのはやはり殺処分ですよ。ちゃんとするというのを、それをやってもらいたいと思いますよ。

 そうしたら、マニュアルなんかに、冷凍庫に入れて殺処分をすればいいんだと。これもまた残酷ですよね、アニマルウェルフェアからすればとんでもないですね。瞬時に苦痛を伴わずに殺すんだと、家畜でもそうなっている。工夫が全然なされていない。人任せで、びしっとやるでもない、方向も示していない、防除マニュアルでだらだらだらだら書いてあるだけで、何をどうやったらいいんだか書いていないんです。

 副大臣、これ、琵琶湖の水をきれいにするのと同じなんですね、同じ観点です。環境を守るって大変なんです、国民を直接相手にしますからね。だけれども国民は真面目です、我々が考えるよりずっと素直です。記録を示しましたが、マスクの義務化と三重県の事例、やれば三年か四年で劇的な変化を遂げるんです。それをやろうとしないんです。ちゃんとやってください。

大岡副大臣 篠原先生御指摘のとおり、特にアカミミガメにつきましては、寿命が長いということもありまして、飼っていたら自分の方が高齢化して先に死んでしまうかもしれない、どうすればいいのか分からない、あるいは、小学校のときに縁日でもらってきて二十年も飼っていれば、私も飼っていたいけれどもお嫁に行かないといけない、どうすればいいんだという相談があるということは伺っております。

 できれば終生飼育をお願いしたいところですけれども、もしそれがどうしても難しいということであれば、先生御指摘のように、殺処分、殺処理、安楽殺をしていただきたいと思っております。

 御指摘のとおり、マニュアルはホームページに載せているんですけれども、先生から厳しい御指摘をいただきました。確かにあれはダウンロードすると百五十ページぐらいありまして、プリンターのインクがなくなっちゃうぐらいの大きな、いわゆるプロ向けのマニュアルになってしまっています。正直申し上げて、一般国民向け、あるいは、特にザリガニを飼っているのは小学生がほとんどですから、小学生が分かるようなものになっていないのも事実です。

 したがいまして、今後は、そうしたこと、マニュアルですとか、どういうやり方で殺処理、安楽殺すればいいのかなどをホームページ等に分かりやすく載せて、国民にしっかりと理解をしていただけるように努力していきたいと思います。

 先生御指摘のとおり、国民に十分説明ができていなかったという反省もあります。正しく説明すれば国民は正しく分かってくださるはずだと思いますので、必ずこの外来種に関しては数が減らせるように全力で取り組んでまいりたいと考えております。

篠原(孝)委員 やってください。だから、やり方が難しいんですね、ないところと、あるところがある。長野県などは、ちょっとやっただけで従いますよ。三重県のようだったら、ちょっと運動してやればいいんです。やり方が違いますけれども、到達点は同じになりますよ。だけれども、国民の方を余り向いていないんですよね。

 百四十八ページの、まあ、パソコン、ネット、SNSをさんざん使っている人たちは見るかもしれませんけれども。こういうパンフレットを、これは千曲川河川事務所のですけれども、長野県のこれを入れてありますけれども、これをいろいろなところに配っているわけですよ、全部入れて、長野県が少しやりましょうと。だから、二万五千人もアレチウリの防除活動に参加するんですよ。そういう姿勢が余り感じられないんですよ、やれるのに。人員の問題では私はないと思います。予算をいっぱい取ってください。

 どういうところに表れているかというと、先ほども中川政務官のところに僕が聞いたことのないような何とか何とか種というのが出てきましたけれども、侵略的外来種、特定外来生物、未判定外来生物、総合対策外来種、緊急対策外来種、重点対策外来種、産業管理外来種。一番長いのは、生態系被害防止外来種、漢字十文字ですよ。これが一般の人に分かるか。子供たちに分かるようにしなくちゃいけない。

 済みません、疑問ですけれども、一番最後の八ページのところを見ていただきたいんですね、八ページを。罰則ですよ、それなりに厳しい罰則。英米法は規則、罰金ですよ。アメリカの法律は、世の中を信用していないですからね、国民を。交通違反なんて物すごく罰金を取りますよ。払っていなかったら、どんどんどんどん上乗せされていく。日本は、懲役三年、罰金三百万円以下。

 大岡副大臣のところにありましたけれども、アカミミガメなんかを飼っているのは、ザリガニもそうですけれども、小学生か、せいぜい中学生だと。この子たちが、かわいそうだ、殺せない、だけれども飼っちゃいけないんだと分かった、こっそり捨てようと捨てて、そういうのをどうするんですかね。罰則はどういうふうになるんですかね、子供たちがそういうことをしたら。大人はびしばしやっていいと思いますけれども、子供たちはどうするんですかね。

大岡副大臣 今回の法律では、先生御指摘のとおり、仮に中学生が飼っているアカミミガメやザリガニを放出してしまった場合には、気の毒ですけれども、懲役三年、罰金三百万円以下ということになります。小学生が飼っているザリガニを逃がして放出してしまった場合には、少年法の適用となりますので、家庭裁判所に送られることになります。

篠原(孝)委員 そういうふうになっちゃうと、優しくしてあげなくちゃならないかなと僕も思うんですけれどもね。子供たちにまでそんなことをさせるのはかわいそうだ、だけれども大人はびしばしやっていいと思うんですよ。

 さっきの信号機のない横断歩道ですけれども、僕も感心するんですよ。僕はちゃんと秘書に言っていますからね、当然止まりますよ。そうすると、小学生は後ろを振り返って、中学生もですね、後ろを振り返って、夏なんかは帽子を取って、ありがとうございましたとやってくれるんですよ。学校で教えているのかと聞きましたけれども、学校でそんなことは教えていないんです。自然とそういう感謝の気持ちが出てくるんですよね。やはり、だから、子供たちだと思うんですよ。

 そして、資料を読みましたら、しぶといし、なかなか死なないから、学校で飼っているのがウサギとか鶏とありましたけれども、それは減って、結構、毎日餌をくれなくてもいいような、よく知りませんけれども、そういう統計もないと思いますけれども、アメリカザリガニやアカミミガメを飼っている小中学校があるそうです。

 絶好の機会だから、そこで、これは今まで飼っていたけれども駄目なんですよと言ってやればちょうどいいと思うんですね。文部科学省と一緒に提携して、子供たちから直さなければいけないと思います。そういうふうに優しく教えていくということを大臣の一声でやっていただきたいんですけれども、山口大臣、いかがでしょうか。

山口国務大臣 なかなか、人の習性というのはそれぞれの国によって違うから、イギリスなんかだと、車がすれ違うときに、こっちがよけたら、向こうが手を挙げて。なかなか日本ではそれがないから、最初、何かちょっと無愛想だなと、帰ってきたときに思ったんですけれども。でも、最近は割とお互いにコミュニケーションを取れるようになってきて、そこはやはり深化していくんだろうとは思うんです。

 先ほどの子供たちにという話ですけれども、アメリカザリガニあるいはアカミミガメ、この二種類は、家庭や学校などでも広く飼育されている生物だという意味では、確かに、子供たちの外来生物に対する認識を深めていくということで極めて重要だと思います。

 そういう意味で、今回の改正の機会を生かして、アメリカザリガニやアカミミガメを入口として、我が国本来の自然環境の価値や、そこに外来生物が及ぼす問題について普及啓発を行っていくこととしています。

 もちろん、環境省ウェブサイトあるいはSNS等のあらゆる手段を通じて情報発信を行っていくほか、学校教育の場等での理解の促進も図っていきたいと思います。

 先ほどの議論は、いろいろと私もまた振り返ってみて、ある意味で我々は、犬猫、ワンちゃん、猫ちゃんの殺処分とかは、割と、やはりちょっと、私なんかはすごく慎重になるんですね。

 でも、アカミミガメあるいはザリガニは、割と、我々の感触はひょっとしたら違うのかもしれないんですけれども、犬猫の場合には害になっていないんでしょうかね。この場合には、自然の環境に悪影響を及ぼす場合もあるということで区分があると思うんですけれども、そこはちょっと、少し、これからよく見ながら、篠原議員のおっしゃっていることも踏まえて、当分の間、このような対応をさせていただきたいなというふうに思います。

篠原(孝)委員 皆さん、テレビで御覧になって、何か変わったことをしているなというのが残っているんじゃないですかね。民放じゃなくてNHKでやっているんだ、SDGsキャンペーンで。知っていますか。絶滅危惧種のやり取りをしりとりでやっていて、男の子の方がちょっと上だけれども、人間と言っちゃって、しまったと。わあい、勝ったと、小さな女の子が万歳とやる。あれを見られていますかね。あれね、何かと思ったら絶滅危惧種なんです。あれはNHKが自主的にSDGsキャンペーンでやっているんです。だから、環境省もそういう知恵を働かせて、うんと安くやってもらうようなことを考えていただいてもいいんじゃないかと。

 最後に、お願いですけれども、小泉大臣のときに申し上げたんですけれどもね、自動販売機をやめるべきだと。やめるべきというのは、全部でやめろなんて言っていない。少なくとも、国立公園、国定公園のきれいなところにあれがばばばばっと並んでいるわけですよ。そんな興ざめする景色は外国人だってがっかりするんです。京都の参道のところにもそれが置いてあるんです。世界でそんなのはないですよ。だけれども、自然公園は、今のこの関係でも言えますが、動植物の駆除を大臣が命じられるんです、自動販売機は人為的侵略外来種だと。目障りだから、あれを蹴散らすようにと。小泉大臣のときにはできなかったんですけれども、ちゃんとお願いしたんですけれどもね。

 山口大臣にもこれを是非やっていただくことをお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

関委員長 次に、近藤昭一君。

近藤(昭)委員 おはようございます。立憲民主党の近藤昭一でございます。

 今日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 また、先般、参考人の方の質疑ということで立たせていただきましたので、大臣に質問させていただくのは初めてであります。そういう意味で、大臣、副大臣、政務官、改めて、遅ればせながらではございますが、就任のお祝いを申し上げたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

 さて、外来生物、この法案でありますけれども、質問通告をさせていただいておりますけれども、順番を変えさせていただきますことをお許しいただきたいと思います。

 また、外来生物、この法案に関しまして、今、篠原委員から、びしばしと厳しくというお話がありました。私も同様の意見であります。

 実は、振り返りますと、この法案、二〇〇四年に政府が提出して成立をした、今から十八年前になるわけであります。実は、政府が閣法として提出する前、二〇〇三年、前年に、当時私も所属しておりました民主党、民主党として議員立法として提出をさせていただいているんですね。それに促されると言うと失礼な言い方になるかもしれませんが、時系列的に言うと、二〇〇三年に当時の民主党が法案を出した、二〇〇四年に閣法として出てきた、成立した、そして一回改正、これは二回目の改正法案ということになります。そして、私もこの間、委員会でそうした質疑に参加をしたり聞いたりしている。

 実を言うと、同じようなことが繰り返されているわけですね。規制をするということ、規制は必要であるから規制をするわけでありますが、規制をしなければいけない現状があるということであります。その現状を見るときに、なかなか、既にこれだけ広がっているとか、そこまではなかなか規制をしにくい、現実的には難しいというようなことが繰り返されてきた、そして残念ながら今に至っているということであると思います。

 先ほど、ほかの委員の方もヒアリの問題の質問をしておりました。ヒアリの問題も、最初に発見されて、その発見をいつというか、どういうふうに規定するかはあると思いますけれども、私が記憶しているだけでも五年、六年前、それより前に入っていたと思いますが、しかし、かなり注目をされ始めましたのが六、七年前であったのかと思います。それから残念ながらきちっとした対策が取られてこなかったところもあるのではないか、そして今回こうした議論になっているのではないかというふうに思うわけであります。

 そういう中で、私が今回特に質問させていただきたいのはブラックバスの問題なんです。

 今回の改正は、中央環境審議会から環境大臣及び農水大臣に対して令和四年一月十一日になされた答申に基づくわけでありますよね。そして、このブラックバスをめぐる問題の継続について、外来生物法の違反行為の撲滅が求められると。撲滅が求められるという強い表現で指摘されているわけであります。

 今、二〇〇三年来、その前から事象としてあるわけでありますが、この間の経緯をちょっとお話をさせていただきましたけれども、このブラックバス、オオクチバス、コクチバスの規制については、二〇〇四年、閣法が出たときから大きな議論になってきたわけですよね。規制をしっかりとしなくてはいけないというところと、先ほどの問題であります、規制と現状の中での様々な意見がある、様々な状況があるということの中で、なかなかこれは確かに難しい問題ではあるんです。しかし、一方で、そのことにきちっと対応できてこなかったことが今の現状にあって、そして今回、強い言葉で、撲滅が求められると。かなり強い言葉であると思います。

 御承知のとおり、ブラックバスと呼ばれる魚として、我が国にはオオクチバスとコクチバスの二種類が持ち込まれている。共に外来生物法施行時に特定外来生物に指定されているわけであります。

 先ほど申し上げました答申十一ページにありますけれども、釣魚として人気種であるオオクチバスやコクチバスについては、前者、オオクチバスのことであります、は防除後の湖沼で確認される事例が報告されていたり、後者、コクチバスのことであります、コクチバスは新しい河川水系での定着、先ほど定着の定義のことがありましたが、定着が相次いでいるとされ、外来生物法の違反行為の撲滅が求められる、先ほど申し上げたところです、こういうふうに書かれているわけです。

 オオクチバスについては、絶滅危惧種を保護している現場にも放流されていることが論文でも報告されており、コクチバスについても、河川水辺の国勢調査で確認される河川数、地点数共に右肩上がりで残念ながら増えてきている、こういう状況であるわけであります。

 そこで、まず環境省に対して、ここに、この答申であります、指摘されているブラックバスをめぐる実態を把握しているかどうか、また、こうした違反行為に対してどのような具体的かつ効果的な対策を行っているかをお聞きしたいと思います。

 一方、外来生物法のもう一つの主務官庁である農林水産省の水産庁にも、漁業におけるブラックバスの被害実態を把握しているかどうか、特にコクチバスの拡大による河川漁業において今後懸念される漁業被害についてどのように考えているか、それぞれお答えいただきたいと思います。

奥田政府参考人 お答えいたします。

 御指摘のようなオオクチバスですとかコクチバスの状況につきましては、環境省で行っている有識者から成る検討会ですとか、若しくは市民団体と環境省との間での様々な意見交換の中でも議論が行われてきております。そうした中で我々としても一定程度承知をしているところでございます。

 また、オオクチバスの放流につきましては、まさに外来生物法に違反する行為であるということで、こうした行為がなされることのないように、対策の強化が必要というふうに認識をしているところでございます。

 このため、現在、環境省が防除を実施しております湖沼においては、監視カメラや注意看板の設置等を検討しているところでございます。違法放流を防止できるように、地方公共団体又は民間団体との連携を強化して、また監視を強化するということが重要かと思いますけれども、それを行って、規制に対して市民の理解を促進する普及啓発等と併せて取り組んでまいりたいと思います。

高瀬政府参考人 ブラックバスによる漁業被害については、内水面漁業協同組合の全国団体である全国内水面漁業協同組合連合会を通じまして、漁業被害が生じている漁場を把握し、外来魚の駆除事業を実施しているところでございます。

 令和二年度の同事業によるオオクチバスの駆除実績は四万二千六百四十二キログラム、コクチバスの駆除実績は三百七十四キログラムです。

 今後とも、漁業被害が生じている漁場においては、駆除事業を実施するなど、被害防止対策に努めてまいります。

近藤(昭)委員 ありがとうございます。今、様々こういうふうにやっていますという話がありました。地方自治体あるいは市民団体とこういうふうに協力をしている、監視カメラ等々を設けている、こういうことであります。

 ただ、それでも、先ほど申し上げましたように、右肩上がりで増えている、こういう調査があるわけであります。

 環境省にお伺いをしたいと思います。どうですか、かなり増加をしているという認識でおられる、それは調査をしている結果でありましょうか、それとも民間の調査等々からそういうふうに推し量っているということでありましょうか。

奥田政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘の右肩上がりにというのは、委員も御指摘のあった河川水辺の国勢調査によって把握をしているということでございます。

近藤(昭)委員 そうすると、環境省としてもそうした増加を認識していると。

 さて、今、カメラ等々の対策をしているということでありましたが、その対策の結果、効果を上げている、こういうふうに認識をしておられるのか。今の、個々の委員会でのやり取りでも、難しいところはあるわけでありますけれども、先ほどアメリカザリガニとか亀の話が出ていましたけれども、監視をしていて、罰則もあるわけでありますが、実際、検挙をされたりとか、そうした事例はほとんどないんだと思います。何も、とにかくそうしたことをやれと言っているわけではありません。しかし、効果を上げていないということであれば、そうしたことに対するきちっとした対策が必要だと思うんです。いかがでありましょうか、環境省。

山口国務大臣 確かに、ブラックバスというのが割と引きが釣れるときにいいということもあるのか、そういうことの延長上かどうか、防除実施後の湖沼において意図的に放流された可能性のある個体が確認される事例がずっとある。実際にこうしたことが行われていれば、我々は、外来生物法に違反する重大な行為であり、決して許されないことではあるんですけれども、どういうふうにそれを抑えていくか。ずっと、なかなか増え方が止まらない。

 改正法案においては、第二条の二で国の責務として、第二条の三で地方公共団体の責務で都道府県あるいは市町村として、第二条の四で事業者及び国民の責務というふうにいろいろ書かせていただいて、役割分担あるいは関係機関の協力について新たに規定させていただいています。事業者、国民の責務として、外来生物に関する知識と理解を深め、外来生物を適切に取り扱うということを規定させていただいているところです。

 そういう意味では、こういうことについて環境省が中心となって、オオクチバス等の対策の重要性について更なる普及啓発を行わなければいけませんし、また、関係者による連携、協力体制の一層の強化を図っていく所存です。防除を頑張っておられる団体等との連携強化です。また、監視強化の取組を関係機関、団体と連携して進めることにより、違法行為の撲滅に向けて取り組まなければいけないというふうに思っています。

近藤(昭)委員 ありがとうございます。

 残念ながら、法律ができて規制をしていても増えているという状況であるわけであります。もちろん、だからこそ今回の改正があるわけでありますけれども。ただ、本当に厳しくやっていかないと、なかなか改善されないのではないか。

 今、環境省の方から、地方自治体あるいは市民団体との連携というのがあるというお話がありました。これはもちろん、市民団体の皆さんが大変に御努力をいただいている。先ほど篠原委員からも、地元の市民団体にボランティアで参加してそういう取組をした、こういう御報告もあったわけであります。ただ、一方、連携という美しい言葉というか、大事なんですよ、大事なことです、ただ、そこに余り頼り切るということになって、あるいは任せてしまうということになってはならないと思うんですね。

 そういう意味では、改めて、例えばリリースの問題もあると思います。これも先ほど篠原委員から、別の角度といいましょうか、話もありました。どうしても、かわいそうだからというところで動物をお放ししてしまう、でも実は見えないところでどういうふうになっているか分からないというようなこともありました。

 それと、もう一つは、これはお答えをいただければと思うんですけれども、確かに、動物等々に対して、かわいそうだとか、そういう気持ちが出てくる。もちろん、かわいそうだと、誰もが持っていることです、人として。しかし、一方で、そういうことを放すことによって、それが増えることによって自然体系が壊されるわけです。元々あった自然体系が壊れる。自然体系が壊れるということは、逆に言うと、その自然体系が壊れる中で、ほかの生物に影響を与えている。

 もちろん、そんなことは、私が申し上げるまでもなく、環境省、政府はよく分かって対応していただいているということでありますけれども、しかし、そういうことをきちっと、ですから、言うだけではなくて、それをきちっと実のあるものにしていかなくちゃいけないと思うんです。そういう意味では、リリースを禁止している地方自治体もあるのではないかと思います。

 そういう意味で、リリースを禁止している地方自治体の状況をどういうふうに国として把握されているかとか、そうした条例に対して、国としてリーダーシップを発揮していくというか、そうしたことをどういうふうにやっておられるのか。あるいは、市民団体と連携しているということでありますが、例えばどんな連携の仕方をしているのか。定期的にというか、特に協議会を設けてやっているのか。市民団体から出ている要請に対して、いろいろな要望が出ているんじゃないかと思いますが、それにどういうふうに応えていらっしゃるか、教えていただければと思います。

大岡副大臣 近藤先生にお答えいたします。

 特に、キャッチ・アンド・リリースを規制している団体ということで最も有名なのは滋賀県でございまして、滋賀県では県の条例でキャッチ・アンド・リリースそのものを禁止しております。

 あわせて、漁業団体ともしっかりと連携をして駆除に取り組んでおりまして、ショッカーボート等の新しい技術も開発いたしまして見る見る成果を上げているところでございますが、まだ撲滅までには至りませんので、引き続き、県と国がしっかりと連携し、また漁業団体等とも連携をして、駆除に向けて取り組んでまいりたいと思います。

 あわせて、先生御指摘のとおり、かわいそうだからといって逃がしてしまうと、その外来魚がほかの生き物を食べてしまう、一匹逃がすことによって百匹の元々日本にいなければならない固有種が食べられてしまうということがあります。これも顕著に起きているのが滋賀県でございまして、このブラックバスによって元々琵琶湖にいた湖魚の稚魚等が食べられてしまい、漁業被害が非常に大きくなっているというのが実態でございます。

 確かに、日本人らしい、かわいそうだという気持ちは大切にしつつも、逃がすことによってもっとかわいそうな状況が起きるなどの学び、環境学習についても私たちも力を入れていきたいと思いますし、篠原先生の御質問にもありましたとおり、そうしたことを分かりやすく、ホームページ等で子供たちが見ても分かるように工夫をしてまいりたいと考えております。

近藤(昭)委員 ありがとうございます。しっかりやっていただきたいと思います。

 ただ、今申し上げたように、市民団体との連携というか、具体的な協議の場とか、それはどうかなということと、今、地方自治体、滋賀県が率先してというかリードしてやっているところがある、そうした例があるわけでありますから、国としてどういうふうに自治体に、リーダーシップという言い方も、言い方というか、やはり国として、国としてどういうふうに取り組んでいて、各自治体に要請をするというかそういうことが必要だと思うんですが、その辺の考え方というか決意はいかがでありましょうか。

奥田政府参考人 まず、市民団体との連携に関しましては、私どもも、例えばノーバスネットというような団体もございまして、二、三か月に一回、担当の課室等と意見交換を行うということで、そうした様々な意見をお聞きしながら、また、先ほど副大臣が申し上げたように漁業関係者ともありますので、そこについてはやはり国が中心になってきちっと調整をさせていただく、また、水産庁さんともいろいろお話をさせていただきながらやっていきたいと思いますので、その中で一定の方向性を、また、地方公共団体も、いろいろ照会が参りますので、それに対しては丁寧に対応していきたいと思います。

近藤(昭)委員 ありがとうございます。

 大臣からも一言、決意のほどをどうぞ。

山口国務大臣 私もまだ、民間の方々で、防除に頑張っておられる方々との対話というのはまだやっていないんですけれども、一度よく話も聞いて、そしてまた、地方自治体との対話もまだ、どういうふうになされているかということもちょっと把握できていないわけですけれども、やはり、こういう法律をきちっと作らせていただいた上でそういう仕組みも書かせていただくわけですから、一度そういう顔合わせも兼ねて心合わせをしなきゃいけないなというふうに思います。

近藤(昭)委員 ありがとうございます。

 是非、先ほど申し上げましたように、二〇〇四年に最初の法案が成立してもう十八年たつ、そして残念ながら増えているということであります。もちろん、緩和策といいましょうか、そういう部分はあって、当初、例外規定が設けられたりはしているわけですけれども、やはり残念ながら増えてきてこういう状況になっているということ、繰り返しますけれども、だからこそ今回の改正があるわけでありますから、大臣に今力強い言葉をいただきましたので、しっかりとお願いをしたい。環境省、頑張っていただきたいと思います。

 そういう中で、漁業権の問題ですね。今、水産庁とも連携をしてということがあったわけであります。大事なことなんですけれども、オオクチバスの漁業権をどう考えるかということであります。特に一般には禁止されているわけですよね、外来生物の禁止ということで。輸入と養殖が漁業権を維持するために今でも続いているということであります。

 そこで、水産庁にお聞きをしたいわけであります。今も、芦ノ湖、河口湖、西湖、山中湖の四つの湖ではオオクチバスが第五種共同漁業権の対象魚種として指定され、漁業権免許を受けた漁業協同組合には増殖義務が、増やせということであります、増殖義務が課せられているわけであります。つまり、釣り人から遊漁料を、料金をもらう一方でその魚を増やさなければならないという、法的には義務ですよね、が発生しているわけであります。このため、現在でもオオクチバスの種苗が台湾から輸入されて国内の施設で養殖されていると聞いております。

 外来生物法施行時の既得権として、自然の湖を特殊な飼育施設とみなす形で特例として認められた四つの湖でのオオクチバスの漁業権が、一般的には禁止されている輸入や養殖、飼育で維持されているという状況が、法律施行後の漁業権の更新でも、更新でもです、更新でもそのまま継続していることについて、特に今回はまた漁業権の更新が間近に迫っていると聞いておるわけであります、しかし、生物多様性国家戦略において侵略的外来種への積極的対策をうたっている我が国が水産行政を主導する立場としてどう考えるかをお聞きしたいと思います。

 先ほど申し上げました歴史がありますから、急に禁止とか、急に駄目だと、これは確かになかなか難しい問題もあると思います。でも、それだからこそ時間をかけてきた、緩和策みたいなものを持ってきたと思いますし、例外も認めてきた、しかし、それが長く続いていることによって本来の目的が達せられていない、こういうところがある、こう言われているわけであります。そして、法案の趣旨からいって減らしていかなくちゃいけないのに、漁業権があることによって、漁業を守るという意味だと思いますが、増殖義務が課せられているわけですね。いかがでありましょうか、水産庁。

高瀬政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、山梨県の西湖、河口湖、山中湖、神奈川県の芦ノ湖の四つの湖においては、特定外来生物として指定される以前からオオクチバスが内水面における第五種共同漁業権の対象とされていたことから、生業の維持を目的とするものとして、飼養等が許可されるとともに、湖自体が特定飼養等施設の特例として認められ、両県知事による漁業権の免許が行われてきております。

 他方、特に山梨県においては、現行の漁業権を免許するに当たりまして、オオクチバスに頼らない漁場管理を進めていく方針が示されており、漁業権者は放流量の削減や代替魚種の育成等に取り組んでおります。

 来年予定をされている漁業権の切替えに当たっては、このような取組の実施状況や特定外来生物の適切な管理の必要性を踏まえて、両県において漁業権の元となる内水面漁場計画や増殖指針が検討されるものと承知しており、水産庁としても必要な助言を行うなど協力してまいります。

近藤(昭)委員 ありがとうございます。

 それぞれの自治体でも努力をしている、あるいはそれぞれの漁業組合というんですかね、のところでもいろいろと考えを持っていらっしゃるということは私も承知をしているところであります。ただ、申し上げましたように本来の法の趣旨というものがあるわけですし、よく言われる立法事実があって、改善をしていかなくちゃいけないわけであります。

 そういう意味で、今お話がありましたが、各自治体とも話合いをしてというふうにありますが、これまで話合いをしてこられたのか、これから具体的にどのように話をされていくのか、お聞かせをいただきたいと思います。

高瀬政府参考人 お答え申し上げます。

 これまでも自治体とは不断に意見交換をしておりまして、特に漁業権の切替えの前には意見交換それから現地における調査あるいは聞き取りなどを行ってその都度判断してきたところでございまして、来年の漁業権の切替えに当たりましても、同様に、意見交換や現場の実態の把握など、努めてまいりたいと思っております。

近藤(昭)委員 話を進めていくということでありますけれども、それで、その話合いの方向性なんですけれども、話合いをするというと、話合いをするということしか分からないわけでありまして。話合いをした結果がどうなっていくかが大事でありますし、もちろん話合いの方向性というのがあると思いますし、その決意というか、そういうのが大事だと思うんです。

 それで、環境省にもお伺いをします。環境省、水産庁、両方にです。

 答申の十八ページのところでは、外来生物法の今後講ずべき必要な措置として、各主体の協力と参画、普及啓発の推進と書かれています。国、地方自治体、事業者、民間団体、国民等の取組を法的に明確にすると。法的に明確にすると書かれているわけであります。

 特に、ブラックバスをめぐる違法行為の撲滅、撲滅です、何度も繰り返しますが、撲滅をしていかなくちゃいけない、こういう方向性というか目標が立てられているんですね、答申ではありますけれども。答申で強く指摘されながら、法律の改正点との関わりは私はちょっと不十分ではないかと。いや、十分ではないと思っているんです。法律の運用や具体的な取組を通じての積極的な対応が求められているわけであります。そのためには、多様な主体の連携、協力が、先ほど来からお話があります、不可欠であるわけです。

 ところで、外来種問題を含む自然環境分野では、農林水産分野や生活環境分野と異なり、国、都道府県、市町村の指示系統や役割分担がまだまだ不十分ではないか、また、事業者や国民にも十分な理解が得られていないのではないか。つまり、キャッチ・アンド・リリースで、リリースをされる方が多いわけであります。リリースをなくしていくということは違うわけであります、十分な協力が得られていないと思います。これに対して両省庁の強力なリーダーシップが求められていると考えますが、その覚悟をお聞きしたいと思います。まず、水産庁、お願いいたします。

高瀬政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の答申においては、外来魚対策は、国、地方公共団体、事業者、民間団体等の各主体の協力と参画、普及啓発を推進していくことが規定されております。

 オオクチバス等による漁業被害防止に向けた対策としては、地方公共団体、漁業協同組合等において駆除事業等の取組が行われており、水産庁はこの取組を支援しているところであります。さらに、環境省と協力して、また、必要に応じて地方公共団体とも連携して対応に取り組んでまいりたいと思っております。

山口国務大臣 さっき、ブラックバスを増やすというところもあるというところを聞いていて、これはちょっと、全体像をもう少し心合わせせないかぬなというふうに思う次第です。

 先ほど申し上げましたけれども、この法律のたてつけからして、国の責務、地方公共団体の責務、あるいは事業者及び国民の責務というふうになっています。今、そういう意味では、必ずしも方針がすっきりしていないんじゃないのかなというふうにも私も感じますので、もう少し心合わせをさせていただければと思います。

近藤(昭)委員 ありがとうございます。山口大臣に力強い決意をいただいたと思います。是非、改めて調査をしていただいて、しっかりと法案の本来の趣旨に向けて連携をしていただきたいと思うんですね。

 そういう意味で、もう一度水産庁にお伺いをしたいと思うんです。先ほど来から、連携するとか協力するとかとあったんです。でも、水産庁が所管をしているわけでありますから、漁業権、これについてどのように考えていらっしゃるのか、もう一度明確にお答えいただけないでしょうか。

高瀬政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど、山梨県を例に挙げまして、現行の漁業権を免許するに当たりまして、オオクチバスに頼らない漁場管理を進めていく方針が県からは示されていて、漁業権者からは放流量の削減や代替魚種の育成等に取り組んでいるという御説明を申し上げました。これは一例でございますが、同様の取組が進むように水産庁としても必要な助言なり協力なりをしていくということで、漁業権の切替えの前にはその都度、先ほど意見交換や調査をしていると申し上げましたけれども、そのような助言なり協力も含めて意見交換をして、結果として漁業権の更新をするかどうかという判断だと。そういう考えでこれまでやってきておりますので、そういう取組を今後も続けていきたいと思っているところです。

近藤(昭)委員 ありがとうございますというか、是非、既に取り組んでいる自治体のことを、今、参考にしながらと言ったのかな、参考にしながらということでありますから、そうしたところをよき事例として、本来の法律の、外来生物のこの法案そのものは環境省の所管であるわけでありますが、漁業権ということであるとやはり水産庁であるわけでありますから、水産庁がしっかりと、御理解いただいていると思いますが、具体的に、そうした協議の場でも法案の趣旨に向けて取り組んでいっていただきたい、こういうことを最後に申し上げて、質問を終わらせていただきます。

 どうもありがとうございました。

関委員長 次に、遠藤良太君。

遠藤(良)委員 日本維新の会の遠藤良太でございます。

 本日は、外来生物法改正案とその関連について質問させていただきたいと思います。

 法では、生態系や人の生命身体、農林水産業に係る被害の防止のため、外来生物の一部を特定外来生物として飼育、輸入、譲渡、放出などを禁止している。国が行ってきた防除の効果と、法案で今後自治体による防除を進めていく際の連携の在り方について、まず御確認したいと思います。

奥田政府参考人 お答えいたします。

 国においては、これまで、特定外来生物の対策として、新規の定着阻止のために、港湾や空港、そういった水際での調査や防除、それからまた世界遺産地域など生物多様性の確保上重要な地域、こうした地域において防除を行ってきております。また、地方公共団体向けには広く定着した特定外来生物の防除手法の開発ですとか防除マニュアルを作成する、こういったことを行うほか、また地方公共団体自身が行う防除事業に対して財政支援を行う、そういった取組を行ってきたところでございます。

 こうした取組の結果、ヒアリの定着は今のところ阻止できているというふうに考えておりますし、世界自然遺産地域である奄美大島ではマングースを根絶寸前まで減少させているという状況もございます。また、対馬に定着したツマアカスズメバチのほかの地域への拡散というのも国と地方公共団体が連携して取り組むことによって阻止をしているところでございます。地方公共団体による特定外来生物の防除事業の実施も全国で増えてきていて、こうした取組によって一定の成果が上がっているというふうに理解しているところでございます。

 一方で、例えばアライグマについては、全国的な分布や被害の拡大というのがまだまだ抑えられていないということで、対策の強化が必要となってきているところであります。

 このため、改正法案では、都道府県が地域の実情に応じて定着している特定外来生物の対策を行うといったことを規定しておるところでございます。また、都道府県が迅速に防除を行うことができるように、現行法では必要とされている防除実施前の国の確認手続を不要とするということも規定しているわけでございます。

 あわせて、地方公共団体に対する支援は国の責務として規定もさせていただいていますので、こうしたことを踏まえて、環境省としては、これまでの支援を継続しつつ、地方公共団体にとってより有益な例えば分布情報を提供するとか、また様々な、国と複数の地方公共団体による広域連携を図る、こういったことなどで取組を進めていきたいというふうに考えております。

    〔委員長退席、小泉(進)委員長代理着席〕

遠藤(良)委員 御丁寧にいろいろ事例を御紹介いただき、ありがとうございます。

 アメリカザリガニやミシシッピアカミミガメといった、ペットとして普及している外来生物についても輸入、販売、放出などを禁止していく方針と。飼育や捕獲などは禁止されないという方向なんですけれども、本則ではなく附則で当分の間の適用除外を定めていて、一時的な措置としている。一時的な適用除外がなくなると、アメリカザリガニやアカミミガメについて個人の飼育も禁止されることになっていく。これはいつ頃、先ほども期日という話が出ていましたけれども、個人の飼育などについても禁止していく方向だと思うんですけれども、その辺り、いかがでしょうか。

奥田政府参考人 御指摘のアメリカザリガニとかアカミミガメの特定外来生物への指定というのは、附則の規定に基づいて法案の成立後に対象種として指定する予定でございますけれども、現時点では、一般の人が今飼育している個体を飼い続けることや、また捕獲した個体を飼うということを規制する考えはございません。

 先ほど来の議論で出ていますように、多くの一般家庭で飼育されているということで、それを禁止すると大量の飼育個体が野外に放出されてしまう、生態系が余計悪くなってしまうという影響が拡大するということでございますけれども、まずはそうした個体が野外に放出されないようにすることが最優先というふうに考えております。

 今回の規制を導入しまして、アメリカザリガニ等についての生態系被害若しくは外来生物問題について、学校教育の場とかで連携しまして普及啓発というのを徹底して、適切な飼育管理の実施や飼育数の低減を図っていく。

 また、あわせて、アンケート調査等を行って、委員御指摘の、規制を実際にいつ行うか、その導入のタイミングについては、効果検証を行いながら、段階的に強化していくタイミングというのを判断していきたいというふうに考えております。

遠藤(良)委員 ありがとうございます。

 あるテレビ番組で、特定外来生物を調理して食材にしようと。先ほど議員からもありましたけれども、食べようということでそういう企画がありました。ジビエのように捕獲をして食材にしてお客様に提供できれば、民間団体も特定外来生物の捕獲をするようになるのかなと。

 私は以前、中国にしばらく駐在していたんですけれども、その際、アメリカザリガニをいっぱい食べたんですね。全然生臭くなくて、小指ぐらいの量なんですけれども、それを大量に食べるんですけれども、たんぱく質が多くて脂肪が少ないということで女性にすごく人気がありました。

 特定外来生物の食材としての活用の可能性についてお尋ねしたいと思います。

    〔小泉(進)委員長代理退席、委員長着席〕

大岡副大臣 遠藤先生にお答えいたします。

 食材としての可能性はたくさんございますが、アメリカザリガニは、中国は大丈夫なのかもしれませんが、日本の場合は、どこで捕ったかによって、場合によっては体内に重金属等を蓄積している場合がございますので、また寄生虫がいる場合もございますので、十分安全な状態にしてからお召し上がりいただければありがたいと思います。

 特定外来生物のうち、食材として利用可能なものにつきましては、それが御指摘のとおり有効である場合もあるかと思います。

 実際に、滋賀県では、外来生物としてのブラックバスの展示を行っている博物館で、駆除したブラックバスをブラックバス丼で食べていただくということも行われております。

 ただ、注意していただきたいのは、あくまで駆除が目的でございまして、駆除したものを有効利用の一環として食べる。だから、食べるとおいしいからたくさん増やすという発想にはいかないように、ちょっとだけ残しておいたらまた増えて、また食べられるかもしれないから残しておこうという発想にならないように注意をしてまいりたいと思います。こうしたことも含めて、しっかりと国民に啓発をしてまいりたいと考えております。

遠藤(良)委員 私の活動している兵庫県の三田市は、全国的に三田牛の産地として知られています。三田牛は年間二百頭程度と少なくて、三田牛の牛皮は薄いために廃棄されてきた。しかし、それを利活用しようということで、レザー製品にして販売をしています。きめ細やかで丈夫な財布を手作りして、関西弁の全部捨てへんからZENSTENというブランド名にして、地域ブランド化を目指しています。

 このように産業廃棄物やあるいは事業系一般廃棄物として処分されていたものが利活用されていくことについて大臣はどのようにお考えか、お尋ねしたいと思います。

山口国務大臣 私のところにも、たつの皮革ということで。全国の六割、最大の皮革の生産地になっているわけですけれども。

 環境省としては、廃棄物として排出された牛皮の再生利用率というのは必ずしも把握していません。例えば、牛皮が含まれ得る動物系固形不要物については、産業廃棄物として排出されたもののうち、約七割が再生利用されているというふうに認識しています。

 元々の牛皮、これがどういうふうに使われるか。なめし革で素材としての場合にはある意味で価格が限られているわけですけれども、製品化されればそれは非常に、ある意味でゼロの数が違ってくるわけですね。この辺は経済産業省のいろいろな把握というか所管の分野だと思いますけれども、環境省的には、できるだけごみとして出ないようにというところが我々の関心のところだと思います。

遠藤(良)委員 ありがとうございます。環境省としてよい事例を発信していただきたいなというふうに思っています。

 続いて、蜂について取り上げていきたいと思います。

 セイヨウオオマルハナバチというハチがいまして、トマトの栽培での花粉交配に利用されてきた。平成十八年に特定外来生物に指定されていまして、そのため在来種であるクロマルハナバチへの転換が目指されています。農水省としては転換を図るためにどのような取組をされるでしょうか。

安岡政府参考人 お答えいたします。

 トマトなどのハウス栽培において授粉に利用されているセイヨウオオマルハナバチでございますけれども、特定外来生物に指定されているため、なりわいの維持を目的として、環境大臣の許可を受けた場合に限って利用が認められているところでございます。

 こうした状況を受けて、環境省と農水省は、科学的な知見及び地域ごとの実情を踏まえて、セイヨウオオマルハナバチの代替種の利用方針というものを平成二十九年に策定して、在来種マルハナバチへの転換を推進しているところでございます。

 具体的には、在来種であるクロマルハナバチ、先生御指摘のあったクロマルハナバチについて、利用上の留意点であるとか、実際にセイヨウマルハナバチと比べても同等の働きをするんだといったことを分かりやすく農業者に説明する資料を作成して普及活動を行うということとともに、在来種のマルハナバチへの転換に必要な利用技術の実証であるとか展示、マニュアル作成などの取組の支援を行っているところでございます。

 引き続き、関係者と連携して在来種マルハナバチへの転換を進めてまいりたいと思っております。

遠藤(良)委員 総務省から環境省に対して、セイヨウオオマルハナバチの飼育施設について十分な現地調査を実施していなかった、農家が積極的に取組を進められるよう現在の取組についての評価やこれまでに達成した成果を示す情報を提供すべきとの意見が出されています。

 環境省としては、総務省の政策評価における意見についてどのように対応されていきますでしょうか。

山口国務大臣 御指摘の総務省の政策評価というのは、外来種対策の推進に関する政策評価として今年二月にまとめられたものだと思います。その中にセイヨウオオマルハナバチが入っています。

 そのうち、トマトの温室栽培等で授粉促進のため産業用に広く利用されているセイヨウオオマルハナバチについて、個々の主体が自ら積極的に取組を進められるよう云々という御指摘があります。要するに、それぞれの農家がやるようにと。

 その中で、環境省では、先ほどもありました、農林水産省とも連携して在来種の蜂の利用への転換を推進しているところです。そして、セイヨウオオマルハナバチの利用を更に減らしていくため、在来種、今クロマルハナバチという話がありました、への転換の意義について一層の普及啓発等が必要だと思います。

 今回の総務省の指摘を踏まえて、専門家の意見も聞きながら、農林水産省とも連携して、マルハナバチ販売事業者やあるいは農業者等に対して情報発信を強化してまいります。

遠藤(良)委員 ありがとうございます。

 蜜蜂については、在来種であるニホンミツバチと明治期に養蜂技術とともに導入されたセイヨウミツバチが養蜂に利用されています。セイヨウミツバチはいわば外来生物だったわけなんですけれども、特定外来生物として規制が今後及ぶのかというところを確認したいんです。

奥田政府参考人 御指摘のセイヨウミツバチにつきましては、外来生物法ができた当初の指定種の検討の専門家会合で、特定外来生物への指定をすべきかどうかという検討がなされたというふうに承知しております。

 この検討の結果では、セイヨウミツバチに関しては、オオスズメバチなど我が国の在来の天敵がいるということから、一部の地域を除いて野生では多分定着できないだろうということで、そういったことを理由に指定を行わないという判断がなされているところでございます。

 その後、新たな科学的な知見というのも特に得られてございませんので、現時点では特定外来生物として規制を行う予定はございません。

遠藤(良)委員 蜜蜂の飼育をする方の数は年々増加しているということなんですけれども、蜂蜜の生産量は、中国からの輸入が多い中で国産も健闘しているということです。蜜蜂はミカン、リンゴ、レンゲなどから蜜を取って、そのため花に蜜蜂が寄っていくところは絵になるというふうに思うんですけれども、これが観光資源に今後なっていく可能性もあるかなというふうに思います。

 そこで、中山間地域などで養蜂業の振興を図っていくべきだと思うんですけれども、その辺り、農水省としてはどのような取組を行っているか、お願いいたします。

伏見政府参考人 お答え申し上げます。

 養蜂は、蜂蜜やロイヤルゼリーなどを供給することにより国民の豊かな食生活に大きく貢献するとともに、農産物の花粉交配を通じた我が国の農業にとって欠かせない役割を果たしていると考えております。

 このような中、蜜源植物の植栽面積の減少や、趣味で行う養蜂の普及もあって、地域内で巣箱の配置を決める蜂群配置調整に関する飼育者間のトラブルの発生や、天候不順等を背景にした花粉交配用蜜蜂の不安定な供給、養蜂業者の人手不足、既存の駆除剤に対して耐性を持つダニの被害の深刻化など課題があります。

 このため、養蜂関連予算を令和三年度から大きく拡充いたしまして、これまでの蜜源植物の植栽面積の拡大等への支援に加え、適正な蜂群配置調整に当たって参考となる関連データの蓄積、活用や、花粉交配用蜜蜂の供給体制を強化するための蜂群の低温管理技術の実証、IoTセンサーを活用した蜜箱内部の点検を省力化する技術の普及や、ダニ防除の新薬の実用化などの取組を新たに支援することにより、養蜂業の振興を図っているところでございます。

遠藤(良)委員 ありがとうございます。

 養蜂は予算拡充ということをお伺いしました。観光資源になっていきますし、働き方改革、ここで働く、場所の提供にもなっていくと思いますので、是非積極的に進めていただきたいと思います。

 以上で質問を終わります。

関委員長 次に、奥下剛光君。

奥下委員 日本維新の会の奥下でございます。本日もよろしくお願いいたします。

 本来でしたら法案に対する質疑をしないといけないんですけれども、先に一問だけしたいんです。

 先週、ウクライナの避難民の方のワンちゃんの質疑を急遽させていただきました。あの後、SNSを見ていたら、小泉前大臣もいろいろ動いていただいたみたいで、ありがとうございました。そんな中で、報道のやり方とか、言葉が独り歩きしていて、狂犬病の心配を言われている方々もいらっしゃいます。今回私がお願いしたのは、殺処分をやめてくださいということと、かかる費用が何とかならないかということだったと思うんですけれども、心配をされている方々が結構いらっしゃるので、今回どうきちんと処理をされたのか、御説明願います。

熊谷政府参考人 お答えいたします。

 犬の輸入に当たっては、狂犬病が侵入しないようにすることが必要かつ重要です。このため、犬等の輸出入検疫規則に基づき検疫を行っています。

 具体的には、犬の輸入に当たりましては、マイクロチップ装着、次にワクチン二回接種、さらに抗体検査による国際基準に定められている抗体価が十分にあることの確認、そして国際基準において定められている狂犬病の潜伏期間百八十日間を出国前に経過していることについて証明していただくことが必要です。

 ウクライナから避難されてきた方の犬についても同様であり、検疫条件を満たしていることを示す証明書がなかったことから、百八十日間、動物検疫所での係留が必要になりました。

 また、この規則では、あらかじめ検疫条件を備えるための準備に困難な例えば災害救助犬のように特別な事情があると認められるときは、狂犬病の予防上必要な管理方法等を指示し、動物検疫所の外に出すことができることとしております。

 今回のウクライナから避難されてきた方の犬について、ウクライナで戦闘が開始されたことに伴う避難であり、あらかじめ検疫条件を満たすことを示す証明書の発給を受けることは事実上困難な状況にありました。このため、本人が自宅での係留を希望する場合は、先ほど申し上げた犬等の輸出入検疫規則の特別な事情があると認められると判断し、災害救助犬と同様の扱いとしたところです。

 このように、今回の対応は、輸入検疫措置の緩和ではなく、犬等の輸入検疫規則に従って対応したものです。

 なお、ウクライナ避難民の犬については、既に適用している災害救助犬に準じた条件、すなわち、マイクロチップを装着していること、ワクチンを二回接種していること及び抗体検査による抗体価が十分にあることを確認した上で、さらに、健康観察結果の定期報告や、他の動物と接触させない等の自宅係留中の義務を果たすことを条件に、動物検疫所外での係留を認めることとしたものです。

 また、犬の所有者に対して、自宅係留中の義務を遵守する旨の誓約書を提出させるとともに、定期的に動物検疫所が状況を確認し、仮に違反が確認された場合には、当然、自宅係留を取り消すこともございます。

 この対応によって国内での狂犬病発生のリスクが増すことはありません。(発言する者あり)

奥下委員 そうですね、本当に。まさにそれでリスクが上がらないのか、本当に、きちんと対応していただきたいと思うんです。

 報道によると、既にほかに五匹ぐらいワンちゃんが来ているということで、今回、人道的見地から評価する声も確かにあるんですけれども、やはり人道的支援とそれはまた別問題なので、きちんとそこだけは対応していただけたらと思います。よろしくお願いいたします。

 では、質疑に入らせていただきます。

 特定外来生物への国民の知識と理解の増進のために必要な施策を推進するよう努めることとされていますが、どのような方法で知識と理解を深められるようにしているのか、御教示願います。

奥田政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の改正は、先ほど来議論されているとおり、非常に身近な外来生物であるアメリカザリガニやアカミミガメ、こうした規制も含まれていますので、国民の関心をこの機会に、外来生物問題全般に対して普及啓発をしていきたいというふうに思っております。

 今回の改正に関して、まずは正確な規制内容に関する情報を提供するということ、それから、先ほど申し上げましたけれども、本来の自然環境の重要性ですとか外来生物がもたらす影響みたいなものについても、外来生物をどう適切に扱っていくか、そういったことの情報も含めて環境省として積極的に広報していく予定でございます。

 具体的には、ウェブサイトを利用する、若しくはSNS等の多様なメディアで発信をしていくということ、それからさらには、教育機関ですとか動物園ですとか、そういったところと連携をしまして、様々な場所、機会を通じて普及啓発を行っていきたいと思います。それによって、国民の知識と理解の増進、これを深めていきたいというふうに考えております。

奥下委員 先に済みません、農水省さん、もう大丈夫ですので、お戻りいただいて結構です。

 ありがとうございます。このレクを受けたときに、環境省さんがこうやって日本人の大好きなクリアファイルを作られているということで、これですが、せっかくこういうのも作っていただいたので、予算か何かを取っていただいて小学校全校に配付するとか、そういったことをしていただけた方がいいのかなというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 次に、水際対策として施設管理会社の協力が重要となってきますが、被害の大きさによっては物流が止まり、事業者への負担が大きくなってくるため、通報しない事業者も出てくる可能性があると思われますが、具体的な方針があれば教えてください。

大岡副大臣 奥下先生にお答えいたします。

 先生御指摘のとおり、締めつけを強めるというよりも、通報をしやすくするという仕組みをつくるべきだと私どもも考えておりまして、ヒアリ等による被害を防止する措置に関する指針である対処指針というものを策定しまして、その中で事業者の取組を促すということとさせていただきたいと思っております。

 この対処指針の中では、関係事業者の意見を踏まえて、通報を促すような実効性のある取組を記載することとしていまして、例えば、ヒアリを発見した際の通報体制の整備、それから事業者向けの講習会の受講を求めることなどを含めようと考えております。

 対処指針に基づく取組の一つとしましては、環境省が用意をするヒアリの研修動画、それは、ヒアリがどのぐらい危ないのか、ヒアリが拡散してしまったら社会が一体どうなってしまうのか、そういったことを学んでいただくための動画なんですけれども、それを活用していただいて、通報の必要性についての認識がしっかりと広く広まるように積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

奥下委員 是非、どこまで広げられるかちょっと分からないですけれども、我々も協力してやっていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 次に、第二十四条の二に立入検査の対象が今回追加されているんですが、これまで規定を適用することによりどれぐらいの実績があったのか教えてください。また、対象を追加することによってどれぐらいの効果があると見込んでおられるのか、併せてお聞かせください。

奥田政府参考人 委員御指摘の二十四条の二というのは、これまで、特定外来生物が付着又は混入しているおそれがある輸入品の所在する土地、倉庫等に立ち入って、若しくはその輸入品等を検査して、必要に応じて消毒、廃棄を命ずることができることとなっておりました。

 これまで消毒、廃棄が必要になった輸入品等についてはいずれも任意の協力によって消毒等の対応を行うことはできましたけれども、この検査規定を実際に適用したケースはございません。

 また、検査につきましては、現行法上の検査対象は輸入品とかコンテナに限られていたんですけれども、このため、実際、調べてみますと、発見事例の半数以上、具体的には八十四件中四十三件が土地とか施設での発見事例というふうになっております。そうしたことから、これまでの規定ではそうした検査規定に基づく対応というのができなかったわけでございます。

 今回の改正法案では、そうした現行法上の検査対象を拡充するということで、輸入品ですとかコンテナのある土地、施設自体も検査対象に含めることとしましたので、これによって、これまでもヒアリが多く発見されてきた土地等について、新たな法律に基づく検査が可能になるものと考えております。

奥下委員 ありがとうございます。

 あわせて、同じく二十四条の三第一項において輸入品等の消毒、廃棄命令の手続及び基準は主務省令で定めるとされていますが、現在、この主務省令は定められておらず、消毒、廃棄命令を出すことができない状況となっているんですが、なぜ法律で定めることとされている主務省令を定めていないのか、経緯を御説明願います。

奥田政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、現段階では主務省令というのが定められていないわけでございます。

 この告示につきましては、平成二十六年に施行しました前回の改正、この際に具体的内容の検討というのを開始していたところでございます。ただ、当時は主に付着している特定外来生物の消毒等を行うことを想定して基準等の検討を進めていたというふうに承知しております。この検討は結構精緻に進めていたわけでございますけれども、平成二十九年にヒアリが国内で初めて発見されて、様々な輸入物に付着するヒアリ、これまでは植物での検討をしていたのがまたさらに動物ということになりますので、これに対応する基準としなければいけないということで追加的な検討が必要となりました。このため基準の制定がちょっと遅れていたというふうに理解しております。

 消毒、廃棄命令の基準につきましては、これまでの検討も踏まえて、また今後の、改正した後の状況も踏まえて更に検討を進めさせていただいて、可能な限り速やかに施行してまいりたいと考えております。

奥下委員 是非よろしくお願いいたします。

 時間がないのでちょっと飛ばさせていただいて、次にヒアリのことについてお伺いしたいと思うんですけれども。

 先週、うちの漆間議員からもお尋ねさせていただきました、伊丹空港の敷地内でアルゼンチンアリが発見されたという報道がありました。このアルゼンチンアリの繁殖事案に関連した侵入防止、拡散防止の対策についてお伺いしたいのですが、国立環境研究所の侵入生物データベースによると、アルゼンチンアリは平成五年頃に侵入されたとされており、侵入されてから三十年余りたっています。毒性はないものの、繁殖力が強く、在来アリを駆逐して生態系に影響を与えることから平成十七年に特定外来生物に指定されました。

 今回の事案では、その繁殖状況からアルゼンチンアリは発見に至るまで既に数年にわたって繁殖していると推定されますが、今回の事案が発覚した経緯として、昨年十二月に伊丹空港に隣接する伊丹市昆虫館の鉢で繁殖していることが分かり、市が拡散状況を調査してきた中で発見されたものであると承知しています。

 今回の大量繁殖事案への受け止めとともに、アルゼンチンアリの繁殖を数年間発見できなかった原因について、大臣の見解をお願いいたします。

山口国務大臣 アルゼンチンアリは、特定外来生物として大規模な生息が確認されたということで、拡散防止のため、地元自治体や空港運営会社等との役割分担の下、速やかに防除を進めることが必要だ、そういう認識を持っています。

 ちなみに、アルゼンチンアリは、既に十二都府県に定着しており、国内未定着で人的被害の大きなヒアリのように危険性、緊急性は高くないというところが一つ、事情としてはあると思います。国際線が発着しない伊丹空港、すなわち大阪国際空港は環境省によるヒアリの監視対象の空港、港湾には含まれておらず、それでこれまで発見に至っていなかったのではないかと考えられます。

 今回の改正案では、地方公共団体に我が国に定着した種への対策を求めるとともに、関係事業者や国民に広く外来生物対策への協力を求めているところです。今後、普及啓発やこれらの主体との連携を強化して、外来生物の早期発見の体制を整えてまいりたいと思います。

奥下委員 伊丹市の調査によると、伊丹空港の西側の公園にも生息が広がっており、アルゼンチンアリはスーパーコロニーと呼ばれる多数の巣から成る一つの巨大なコロニーを形成することがあるそうです。

 私の義理の父親の実家である南イタリアからポルトガルまでの地中海沿岸に約六千キロにも及ぶスーパーコロニーが形成されていたらしいんですけれども、国内においても少なくとも岩国市、柳井市、大竹市、広島市、廿日市市等で発見されており、これは全部横につながっている市ですので、先ほどのヨーロッパの事例からいうとつながっている可能性もあると思われるんですが、伊丹市も、確認されていないだけで、周辺にすごく拡大されている可能性があると思われます。

 国内の定着地域において現在確認されている生態系の被害とともに、これまでの拡散防止策についての評価を大臣にお願いします。

山口国務大臣 アルゼンチンアリは現在十二都府県に分布しており、例えば広島県廿日市市等において在来のアリが著しく排除されていることが報告されています。これに伴い、在来アリが花粉や種子を運ぶ植物の繁殖が阻害されるなど、地域の生態系に悪影響が及ぶことが懸念されるというところです。

 環境省では、このアルゼンチンアリの拡散を防止するため、全国の港湾等や一部の空港周辺におけるモニタリング調査、防除の手引の作成、あるいは地方公共団体が行う防除事業への財政支援等を実施してきたところです。結果として、東京都大田区及び静岡県においては薬剤を利用しながら根絶に成功しており、一定の成果が得られていると思います。

 一方で、更なる防除に取り組む必要があると考えており、改正法案においては、外来生物対策における地方公共団体や事業者等の責務を明確化して、防除の円滑化を図ることとしています。関係機関、すなわち都道府県、市町村、施設管理者等との適切な役割分担の下に防除の強化に努めてまいります。

奥下委員 ありがとうございました。

 時間が来たので、質疑がありましたけれども、これで終わらせていただきますが、最後に、先ほど、うちの遠藤議員がザリガニを食したことに対して副大臣から気をつけるようおっしゃっていただきましたが、実は高田馬場にザリガニ専門店の料理屋ができておりまして、今度、松木先生とかと行こうかというお話になっておりましたので、よかったら副大臣も一緒に、お誘いさせていただきますので、よろしくお願いします。

 これで質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。

関委員長 次に、角田秀穂君。

角田委員 公明党の角田秀穂でございます。

 法案の質問に入る前に、三重県民の名誉のために一言申し上げておきたいと思います。三重県民の県民性というのは非常に穏やかで、なおかつ人情味がすごくあふれている、こうしたところは全国を見回しても千葉県の次に優れていると思っておりますので、どうか胸を張っていただければと思います。

 質問に入りたいと思います。

 今回の法改正は、特定外来生物のうち、発見し次第緊急の対処が必要なものを新たに要緊急対処特定外来生物として政令で指定することでより強い規制権限の下で定着を阻止しようとしているものですが、政令で指定する外来生物はヒアリ以外にはどのような生物を想定されているのか。

 ヒアリが初めて国内で確認されてからおよそ五年で定着寸前という状況になったことを踏まえて、今後、このヒアリのように、蔓延した場合に生態系への重大な影響や人への健康被害などのおそれがある外来生物の侵入が確認された場合、要緊急対処特定外来生物に指定して迅速に対応を図ることも必要と考えます。この要緊急対処特定生物指定の具体的な基準についてはどのように考えているのか伺います。また、ヒアリの侵入が着実に増加していることに対して、万が一ヒアリに刺された場合の対処法について広く国民に周知していくことも必要と考えますが、この対応についても併せてお伺いいたします。

奥田政府参考人 お答えいたします。

 まず、要緊急対処特定外来生物の指定の基準からお答えしたいと思います。

 要緊急対処特定外来生物は、特定外来生物の中でも、著しく重大な生態系等への被害を及ぼしたり、若しくは国民生活への支障をもたらしたりするおそれがあって、その拡散を防止するための措置を緊急に行う必要があると判断できるものを選定することとしております。

 具体的に、著しく重大な生態系等への被害と申しましたけれども、これについては、例えば、死亡や重篤な後遺症など人に重大な危害が与えられること、若しくは在来の生態系が短期間で破壊されてしまうこと、さらには農林水産業に対して非常に大きな被害が生じること、こういったことなどが想定されます。

 また、こうした重大な被害の観点だけでなくて、蔓延すると、はだしやサンダルで芝生の上を歩けなくなってしまうなど、通常の生活様式を変えざるを得ないほど国民生活に影響が与えられる、若しくは、付着する物品の移動禁止を命じなきゃいけない、そういう非常に強力な規制を行わないと容易に拡散してしまう、こういった講ずべき措置の緊急性などの観点も含めて対象生物の選定が行われることになります。

 これらの選定基準は、今般の法改正に伴って改正する特定外来生物被害防止基本指針、この中の検討で更に検討していくこととしております。

 また、現時点では、要緊急対処特定外来生物に指定する生物として、ヒアリのほか、ヒアリを含むトフシアリ属というものがございますけれども、及びこれらの交雑種、これについては指定を想定していますけれども、それ以外については特に想定はしておりません。

 さらに、ヒアリに刺された場合の対処法については、アナフィラキシー症状が生じている場合ですとかは適切な救急措置が必要というふうに考えておりますので、厚生労働省さんが都道府県や日本医師会等を通じて関係医療機関に対して周知を行っているものと承知しております。

 あわせて、ヒアリに刺された場合の症状や対処については、環境省のパンフレットですとかホームページにも掲載をしているところでございまして、引き続き関係省庁と連携して周知に努めてまいりたいと思います。

角田委員 ヒアリが国内で蔓延した場合の被害をどのように想定されているのかということをお伺いしたいと思います。

 健康被害については、今言われたように、刺された場合の痛みは非常に強烈と言われており、この毒に対してアレルギーのある人はアナフィラキシーショックを起こして最悪死に至る場合もあると言われておりますし、また、変圧器のボックスや配電盤に巣を作った場合、空調機や交通信号機などの故障の原因となるとも言われております。

 この点、既にヒアリが定着したアメリカでは毎年六千億円から七千億円程度の被害が発生していると言われておりますけれども、日本に定着した場合の被害についてはどのように想定をされているのか、お伺いしたいと思います。

奥田政府参考人 お答えいたします。

 日本に定着した場合の被害につきましては、定着していない現段階でなかなか正確に把握することは困難なんですけれども、例えば沖縄県にヒアリが定着した場合の被害を推計した論文というのが出ております。これによりますと、市民生活や産業、娯楽などにおける年間の損失額、これは合計四百三十億五千八百万円と試算されていると承知しております。

 この論文では生態系に係る被害を考慮しておりませんので、にもかかわらず膨大な被害額が推計されているということですので、日本に定着した場合の被害は相当、かなり大きくなるというふうに考えております。

角田委員 ヒアリが侵入してくるケースですけれども、やはり輸入品を運搬するコンテナ等に紛れ込んで侵入してくるというケースが多いと。そのヒアリを根絶するには、何よりも輸出元で迷惑なものは出してくれるなという対策を徹底することがやはり一番必要だと考えますけれども、この面で、国際連携などの対策の現状と今後の取組についてお伺いをしたいと思います。

山口国務大臣 輸出国側におけるヒアリ対策については、例えば日中韓で、三か国の環境大臣会合、TEMM、Tはトライパータイトということで、そういう場を活用して対策の連携を合意してきているところです。

 こうした合意を受けて、中国経由のヒアリが日本で発見された場合はその都度中国側に情報提供しており、中国政府は貨物の関連企業に対して対策の強化をするようにということで要請しているようです。

 今後もTEMMの機会等を利用して、輸出国側でコンテナ等にヒアリが付着、混入しないような措置が取られるよう、引き続き協力を求めていきます。

 他方、中国側の、多分、役所間の力関係があると思うんです。環境保護局、それから海関、海関というのは案外力が強いんですね。いわゆる主席と、今でいえば習近平さんと直結していたりして結構ここは力関係が大分あるとは思うんですけれども、我々はそういうことで意思疎通を緊密にやっています。

 また、今年、中国において開催が予定されている生物多様性条約の第十五回締約国会議、COP15等の機会も活用して、各国間での国際連携が進むよう、国際的な議論を進展させなければいけないというふうに思っています。

角田委員 ヒアリの定着を阻むため、今後ヒアリの防除をするための体制の充実ということについてお伺いしたいと思うんです。

 既にヒアリが定着していると言われているアメリカではヒアリ防除のための官公庁の支出額は七千八百億円に上ると言われておりますけれども、日本の場合、令和四年度の外来生物対策予算は国全体でも十億円に満たない規模となっております。本当に地方公共団体との連携もこれからしっかりやっていかないといけないと思いますけれども、地方公共団体のそのための予算の確保、また専門的な知識を有する人材確保など、十分な体制で臨まなければならないと考えます。

 予防にかける費用と、蔓延してしまった後に必要となる多額な費用を考えたときに、予防にかける費用を惜しんではならないと考えます。こうした観点から、必要な予算確保も含めて、今後の取組についてお伺いをしたいと思います。

中川大臣政務官 お答えいたします。

 ヒアリ対策につきましては、国が中心となって、港湾や空港において定期的にモニタリング調査を行い、発見した場合には速やかに防除を行う等、水際対策を実施しており、これにつきましては、地方公共団体にも協力をいただきながらヒアリの定着を防止してきたところでございます。

 私も、本年一月に三重県の四日市港を視察いたしまして、そういった対応の状況をしっかりと視察してまいりました。

 また、ヒアリ防除のための人員及び予算につきましては、非常に大事な視点でございまして、これまでも一定の拡充を図ってきたところでございます。令和四年度も関連事業の予算をしっかりと確保してまいりたいと思いますし、人員につきましては、地方環境事務所に外来生物対策を担う職員を新たに配置することとしております。具体的には、令和四年度は三人を配置するということで、中部、近畿、関東の地方環境事務所に配置をいたします。ちなみに、令和三年度の人員配置はございませんでした。

 御指摘のとおり、予防に力を入れることが大変に重要でございまして、ヒアリの国内定着を防止できるか否かの今は瀬戸際の状況であることから、今回の改正も踏まえ、水際対策の強化さらには地方公共団体との連携の強化に向けて引き続き人員でありますとか予算の確保に努めてまいりたいと思いますので、引き続きの御支援をよろしくお願い申し上げます。

 以上でございます。

角田委員 では、続きまして、特定外来生物に係る規制の適用除外規定の整備に関してお伺いしたいと思います。

 今回、アメリカザリガニやアカミミガメなど、生態系等に大きな影響を及ぼすにもかかわらず、特定外来生物として規制するとかえって大量に遺棄される事態を招くおそれがあることから規制がこれまでかけられなかった生物について、政令で指定したものについては一部の規制を適用除外できるようにしようとするものですが、安易に遺棄せずペットとして飼養し続けてもらうためには何よりも飼い主への啓発活動が重要になると思います。

 私自身も子供の頃、釣り糸の先にイカをつけてザリガニを近所の池でよく釣っておりまして、ザリガニは全国にいるものだと思っていたんですけれども、一部にまだとどまっていることは、今回、恥ずかしながら初めて知ったわけですけれども、やはり、ザリガニとかミドリガメを飼っている子供ですね、学校教育の現場でも子供たちに理解してもらうための取組をもっと積極的に進める必要があると思いますけれども、この点について見解をお伺いしたいと思います。

大岡副大臣 先生御指摘のとおり、今回の法改正によりまして、アメリカザリガニやアカミミガメについて、飼うことは禁止しない、ただ、放出することを禁止し、厳しい罰則までついている状況でございます。

 御指摘のとおり、飼えなくなってしまった場合には無償で、有償ではなくて無償で誰かに引き取ってもらうか、それか、やはり最後まで飼っていただく、もしどうしてもどうしても飼えなくなった場合には正しい方法で殺処理、安楽殺をしていただく。これは先生御指摘のとおり、子供たちが飼っているケースが多いので、子供でも分かるように、痛みをかけずに安楽殺ができる方法についても分かりやすく周知徹底してまいりたいと思います。

 今後も、教育機関それから動物園、そうしたところと連携するなど、様々な場所や機会を通じて啓発活動をしてまいりたいと考えておりますし、また、安楽殺をするときも、できれば解体してみるとか、そういった学びにつなげてもらったりだとか、その後、堆肥化ということも私たちは進めておりまして、再利用していただくということも含めて、文科省その他の機関と連携をしながら、しっかりと今回の対策を学びにつなげていくということをしてまいりたいと考えております。

角田委員 アカミミガメについてですけれども、先ほど来触れられておりますけれども、寿命がとにかく長い、大切に飼えば四十年ぐらい長生きをするということに加えて、三十センチ程度まで成長することから、飼い主が河川や池等に遺棄してしまうケースも多く見られます。私の近所の川でも、飼い切れなくなって放したんだろうなと思われるような、大きなミドリガメが何匹も泳いでおりますけれども。

 今回特定外来生物に指定することによって野外での防除の取組についてはどのようにされていくのか、お伺いをしたいと思います。

奥田政府参考人 まずは、新たにまだ侵入させていない地域もありますので、先ほど副大臣もおっしゃられた終生飼養の必要性とか放出規制についてしっかりと普及啓発を行うということが一番目でございます。

 続きまして、二〇一九年にアカミミガメ防除の手引というのを環境省でも作成していますので、こういったものを活用しながら、生物多様性保全推進支援事業では地方公共団体等の防除活動への財政支援を行っていますので、こういった中で防除を進めていきたいというふうに考えております。

 今回、各地での防除の取組をこの法改正を契機に進めていきたいというふうに考えておるところでございます。

角田委員 時間が参りましたので、以上で質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

関委員長 次に、斎藤アレックス君。

斎藤(ア)委員 国民民主党の斎藤アレックスでございます。

 まず冒頭、特定外来法に関する質疑をさせていただく前に、一点、繰り返し私が委員会でも質問させていただいているソーラーパネルの設置の件に関して質問させていただきたいと思います。

 私は今回、初当選で、この環境委員会で与野党問わず多くの先生方がソーラーパネルの立地規制が必要ではないかという質問をされていることに、問題を抱える選挙区のところで活動している一人として大変ありがたいなと思うんですけれども、その一方で立地規制を導入することの難しさというものも環境省の皆様であったりとか同僚の議員の皆様からも伺っていますので、何とか更に取組が必要だということで活動していきたいと思っていたところでありました。

 今週の火曜日、NHKの報道で、経済産業省や環境省、国土交通省、それに農林水産省が連携してパネルの設置を制限する区域を設定する方向で検討を進めるというような報道がありまして、大変よい動きだというふうに考えております。是非ともこれを早急に進めていただきたいと思っていて、まだこれからというお話だとも伺っていますけれども。

 規制の実現であったりだとか、あるいはどの程度の規制を設けていきたいのかとか、そういったところの意気込みのようなものを環境大臣から伺えればと思っておりますけれども、お願いいたします。

山口国務大臣 太陽、風、水、地熱等の再生可能エネルギー、今特にその重要性は増しているということは、国民の理解はあると思うんです。ウクライナの情勢もそうですけれども、去年の十月に一八%から三六なり三八に増やすと、まあ、いろいろなことが重なって。ただ、むやみやたらに増やしたらいいというものでないということも最近特に強く発信させていただいているところです。

 再生可能エネルギーの最大限の導入のためには、地域において合意形成が図られる、そしてまた適正に環境への配慮がなされている、そういう再エネを促進することが重要だと思っています。他方、残念ながら、その地域への説明をおろそかにしている事業者や、不適切な土地造成によりのり面崩壊等のリスクがあるような太陽光発電事業など、安全性や環境への懸念から地域で迷惑施設と捉えられている再エネ事業も存在しているというところが問題意識の共有されているところだと思います。

 環境省としては、適正に環境配慮がなされず丁寧な合意形成が図られていない再エネについては、環境影響評価法の環境大臣意見などにより今後とも厳しい態度で臨むものです。また、地域と共生する再エネ事業を促進するため、今月から施行された改正温対法をしっかりとまた活用していこうと思います。

 さらに、関係省庁が連携を強化してということで、先ほどおっしゃっていただいた環境省、経済産業省、農林水産省、国土交通省が共同で有識者検討会を設置して、政策的検討を開始したところです。昨日、第一回を開催しました。

 様々な報道がなされているんですけれども、現時点においては取りまとめの方針はまだ未定です。そして、この検討会においては、まず自治体など関係者からのヒアリングを行って、地域における実態を丁寧に把握したいと思います。そしてその上で、どのような政策的対応が必要かについて有識者の方々に忌憚なく大局的な御議論をいただきたいと考えています。

 検討会の一定の取りまとめが行われる時期としては、夏頃がめどと考えています。環境省としては、有識者の御議論を踏まえて、再エネ導入推進と、適正な環境配慮や地域の合意形成の確保とのバランスを図る観点から、制度的対応の必要性も含めて、関係省庁とともに必要な検討をしてまいります。

斎藤(ア)委員 ありがとうございます。夏頃ということでございますので、是非、いい中身となることを願っています。

 私も先週末、ちょうどうちの地元で問題になっている地域の方々と意見交換会を開催させていただいて、改めて工事現場を見させていただいたんですけれども、斜面であるということは繰り返し申し上げていますけれども、建設地域の際々まで普通に住宅街が広がっている、その中の斜面であるということで、やはりとても危険だなということを感じました。その中で、私も、地域住民の方からの不安であったりとかお叱りの声とかも受けて、改めて取り組んでいかなければならないと思ったんですけれども。

 今、固定買取り価格がだんだんと太陽光でも下がっている中で、関係の業者に聞くと、山間地、山林地を切り開いて造っていかないと、採算がもう厳しくなっているというような意見をおっしゃる方もいらっしゃいまして、やはり、林業も衰退をして、森とかを持っている方は管理する財力もなくて、手放してしまいたい、二束三文で売り払ってと。そういったところであればまだパネルを造っても採算が取れるということで、今後こういったところに規制を早くしないと建設がどんどん進んでしまう危険性があると思っております。

 これは通告をさせていただいて、なかなか御回答は難しいと思うんですけれども、やはりそういったことを考えると山を切り開いたりとか木をなぎ倒して太陽光パネルを設置するというのはそもそも何か矛盾を抱えていますし、危険なことがどんどん発生してくると思いますので、山林を切り開いて太陽光を設置すること自体を基本的には禁止するということがよいのではないかと思うんですけれども、そういったことに関して何か御所見をいただけたりしますでしょうか。

山口国務大臣 確かに、景観の問題もありますし、もちろん、土砂流出あるいは濁水の発生、ひいては防災上の懸念など、様々な問題が生じているということは残念ながら事実だと思います。

 そういう意味では、私も、山林を切り開いてまでやりましょうということは思っていません。例えば、CO2を吸収して酸素を出す山林を削るということは自己矛盾していますからね。その意味でも、そういうことに対しては非常にちゅうちょを感じます。これから、ペロブスカイトとか、いろいろな太陽光の仕組みも出てくるはずですから、別に山林を切り開いてということでなくてもよくなるように、早くしなければいけないなと思います。

 結論的には、今、斎藤議員がおっしゃられた山林を切り開いて太陽光パネルを設置すること自体の規制というところは、今まだ結論は持っていません。

 他方、先ほどの、関係省庁が集まって連携を強化して更なる再エネ導入の適正化を図るための有識者検討会、ここでもっていろいろとその実態を把握させていただいて、再エネ導入の推進と、それから適正な環境配慮や地域の合意形成の確保とのバランス、これを図るためにはどういう制度的対応が必要かどうか、関係省庁とともに必要な検討をしなければいけないと思っています。

斎藤(ア)委員 ありがとうございます。

 是非、大臣の思いが反映された形で最後の取りまとめに至っていただきますよう、どうぞよろしくお願いします。

 時間もあれなので、最後に一問だけ、法案質疑の方をさせていただきたいと思います。

 一問飛ばさせていただいて、地方自治体に対する財政的な支援のことについて少しお伺いをさせていただきたいと思います。

 私の地元は琵琶湖を抱えておりまして、侵略的外来水生植物対策というのに毎年多額の経費がかかっています。これは予算委員会の分科会のところでも大岡副大臣に御質問させていただいたところですけれども、オオバナミズキンバイと呼ばれるような植物の大規模な繁茂によって大変コストがかかっているということで。

 今回の法改正によって地方自治体にこういった外来生物対策を行う義務といったものが設けられることになっていまして、しっかりと財政支援をしていただけるのかということの心配の声が都道府県から上がっていると思うんですけれども、こういった財政支援をしっかりとしていただけるという認識で大丈夫か、御回答をいただきたいと思います。

山口国務大臣 滋賀県におかれては、琵琶湖の外来水草など外来生物の防除に尽力されているということで、感謝を申し上げたいと思います。また、そういうふうに認識しています。

 外来生物対策における地方公共団体の役割は一層重要になっていると思います。その意味で、改正法案では、地方公共団体の責務を新たに規定するとともに、地方公共団体における防除の円滑化を図る規定を盛り込んだところです。また、地方公共団体への支援を講ずることも国の責務として規定しています。

 地域の実情に精通しておられる地方公共団体あるいは民間団体等が行う防除は非常に重要です。その意味で、御指摘の財政的支援については、地方公共団体等による防除の支援を行っている生物多様性保全推進支援事業を含め、必要な予算の確保に努めていきたいと思います。

斎藤(ア)委員 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

関委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

関委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 内閣提出、特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

関委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

関委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、菅家一郎君外四名から、自由民主党、立憲民主党・無所属、日本維新の会、公明党及び国民民主党・無所属クラブの共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。源馬謙太郎君。

源馬委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 趣旨の説明は、案文を朗読して代えさせていただきたいと存じます。

    特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。

 一 本法において、ヒアリ等への対策が強化され、国と地方公共団体による防除体制が明記されることから、それに係る人員体制の確保及び財政上の措置等必要な措置を講じながら、国と地方公共団体の緊密かつ積極的な連携を図るよう努めること。また、外来生物対策に係る科学的知見の充実を図るとともに、特にヒアリ類をはじめとした特定外来生物の効果的かつ実用的な防除手法の研究・開発を推進すること。

 二 水際対策において最も根本的な対策である、海外における輸出時の対策強化のため、国際連携の強化を進めること。

 三 特定外来生物等の指定について、新たな被害実態や科学的知見が明らかになった場合に対応できるよう、指定を迅速に検討する体制を確保すること。

 四 特定外来生物オオクチバス・コクチバスによる生態系や漁業への被害の実態と違法放流の実態を把握するとともに、地方公共団体及び民間団体等と連携して、違法放流の撲滅を目指した対策と防除の取組を強化すること。また、特定外来生物を対象とした漁業権の在り方や「オオクチバス等に係る防除の指針」等のオオクチバス対策の方針を見直し、対策の実効性を高めること。

 五 アメリカザリガニやアカミミガメは、既に広く一般に飼育されている状況を鑑み、特定外来生物への指定を検討する場合には、野外への放出を防ぐため、新たな規制内容を広範に周知するなど、学校教育等の機会も捉えつつ、外来種問題について普及啓発を一層強化すること。また、こうしたアメリカザリガニやアカミミガメの飼育を通常の特定外来生物と同様に制限しない場合には、生態系等に係る被害が生ずるおそれを解消することができないことから、無責任な飼育をなくす方向に誘導すること。

 六 アカミミガメは寿命が非常に長く、その間に飼育者の世代交代が起こることが考えられることから、そのような場合でも、飼育者が野外への放出を行うことがないよう、まずは飼育者が責任を持って対応した上で、国と地方公共団体も連携して必要な措置を講ずることにより、生態系等に係る被害の防止を図ること。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

関委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

関委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 この際、政府から発言を求められておりますので、これを許します。山口環境大臣。

山口国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重いたしまして、関係省庁とも連携を図りつつ努力してまいる所存でございます。

    ―――――――――――――

関委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

関委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

関委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時三十九分散会


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.