衆議院

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第8号 令和6年4月12日(金曜日)

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令和六年四月十二日(金曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 務台 俊介君

   理事 畦元 将吾君 理事 伊藤 忠彦君

   理事 小倉 將信君 理事 堀内 詔子君

   理事 馬場 雄基君 理事 森田 俊和君

   理事 奥下 剛光君 理事 鰐淵 洋子君

      井上 貴博君    石原 正敬君

      稲田 朋美君    上田 英俊君

      金子 容三君    菅家 一郎君

      国定 勇人君    熊田 裕通君

      笹川 博義君    田中 英之君

      高木  啓君    中川 貴元君

      福田 達夫君    宮澤 博行君

      柳本  顕君    山田 賢司君

      鷲尾英一郎君    阿部 知子君

      大河原まさこ君    近藤 昭一君

      篠原  孝君   松木けんこう君

      松原  仁君    屋良 朝博君

      杉本 和巳君    空本 誠喜君

      林  佑美君    中川 康洋君

    …………………………………

   環境大臣         伊藤信太郎君

   環境副大臣        滝沢  求君

   環境大臣政務官      国定 勇人君

   政府参考人

   (警察庁長官官房審議官) 小林  豊君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           清浦  隆君

   政府参考人

   (林野庁次長)      小坂善太郎君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           小林  出君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           浦田 秀行君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           西村 秀隆君

   政府参考人

   (経済産業省商務情報政策局商務・サービス政策統括調整官)         山影 雅良君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁資源・燃料部長)        定光 裕樹君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁電力・ガス事業部長)      久米  孝君

   政府参考人

   (環境省地球環境局長)  秦  康之君

   政府参考人

   (環境省水・大気環境局長)            土居健太郎君

   政府参考人

   (環境省環境再生・資源循環局長)         前佛 和秀君

   政府参考人

   (環境省環境再生・資源循環局次長)        角倉 一郎君

   環境委員会専門員     野崎 政栄君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月十二日

 辞任         補欠選任

  井上 信治君     山田 賢司君

  熊田 裕通君     中川 貴元君

  笹川 博義君     上田 英俊君

  大河原まさこ君    松原  仁君

  近藤 昭一君     阿部 知子君

同日

 辞任         補欠選任

  上田 英俊君     福田 達夫君

  中川 貴元君     田中 英之君

  山田 賢司君     井上 信治君

  阿部 知子君     近藤 昭一君

  松原  仁君     大河原まさこ君

同日

 辞任         補欠選任

  田中 英之君     熊田 裕通君

  福田 達夫君     高木  啓君

同日

 辞任         補欠選任

  高木  啓君     笹川 博義君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する法律案(内閣提出第六〇号)


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     ――――◇―――――

務台委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として警察庁長官官房審議官小林豊君、文部科学省大臣官房審議官清浦隆君、林野庁次長小坂善太郎君、経済産業省大臣官房審議官小林出君、経済産業省大臣官房審議官浦田秀行君、経済産業省大臣官房審議官西村秀隆君、経済産業省商務情報政策局商務・サービス政策統括調整官山影雅良君、資源エネルギー庁資源・燃料部長定光裕樹君、資源エネルギー庁電力・ガス事業部長久米孝君、環境省地球環境局長秦康之君、環境省水・大気環境局長土居健太郎君、環境省環境再生・資源循環局長前佛和秀君、環境省環境再生・資源循環局次長角倉一郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

務台委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

務台委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。近藤昭一君。

近藤(昭)委員 おはようございます。立憲民主党の近藤昭一でございます。

 本日の法案審議に関わりまして、質問の時間をいただきましたことを感謝申し上げたいと思います。

 さて、早速質問に入らせていただきたいと思います。

 自治体の環境、廃棄物行政は、生活環境の保全及び公衆衛生の向上のため、廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づいて、各自治体の責任の下で適正に実施をされてきているところであります。

 加えて、近年は、廃棄物行政の取組を進めるに当たり、資源循環社会の実現に向け、自治体では、分別収集を始め、多くの施策を実施しているところであります。

 また、災害時では、これらの通常業務に加え、災害廃棄物の対応など、迅速かつ効果的な対応が求められ、そうした中で、限られた予算と人員で対応しているというところだと思います。

 そうした状況の下、自治体では、地域実情に応じた資源循環の取組をこれまでも実施をしているところであると思います。そして、環境、廃棄物行政の体制強化が、そういう中で大変に重要と考えるわけであります。

 少し繰り返させていただきますと、廃棄物行政は、公衆衛生の向上のため、こういうところで求められてやってきた、法律に基づいて。しかし、最近、非常に資源が不足をしている、そしてまた気候変動、温暖化のこともある、こういう中で、今までとはまた違った、今まであったと思うんですが、顕著になった課題に向けて、そうした資源循環ということだと特に指摘をさせていただいたわけであります。

 そうした中で、本当に、自治体に負担がかかっていると言うと、余りいい言い方ではないかもしれませんが、非常に複雑になってきている、取り組むべき課題が多いということであると思います。そうした中で、非常に体制強化が重要と考えておるわけでありますが、環境省の認識をいただきたいと思います。

伊藤国務大臣 お答え申し上げます。

 廃棄物の処理、これは国民生活にとって極めて身近で、一日も欠かすことができないものだというふうに考えております。適正な処理のために自治体の体制を維持していくことは、極めて重要であるというふうに認識しております。

 また、資源循環の推進、廃棄物処理施設の整備、災害廃棄物の対応など、廃棄物行政の様々な課題に対しては、自治体だけでなく、民間事業者と連携して対応することも重要だと考えています。

 この法律案においては、国の認定制度を通じて、民間事業者の先進的な再資源化事業の高度化の取組を促進し、官民連携の資源循環を推進することとしてございます。

 認定に当たっては、実証事業等を通じて、高度化の取組に関する知見の蓄積がある国が迅速に行ってまいります。これにより、地方自治体に事務負担をかけない形で民間事業者の資源循環の取組を後押ししてまいりたい、そのように考えております。

 こうした国と地方の適切な役割分担と民間事業者との連携を通じて、我が国全体の廃棄物処理の体制強化を行って、循環型社会の形成を一層推進してまいりたい、このように考えております。

近藤(昭)委員 伊藤大臣、どうもありがとうございます。

 これまでも様々な環境委員会の法案審議の中で課題が取り上げられて、そしてまた、大臣におかれましても、真摯にお答えをいただいているところだと思います。繰り返しますけれども、今、まさに大臣が言っていただいたように、非常に、今回の法案では、特に資源循環の観点から、民間の活用、そして官民の連携ということであります。

 ただ、その中で、やはり廃棄物行政が地方自治体の所管であるということでありますので、今、大臣に言及していただいたわけでありますが、改めて、本当に、大きい自治体と小さい自治体、この規模によっても、知見の蓄積とかあるいは人員の問題、こうしたことによって違いがありますし、そういう中で、これまでの知見、また体制が不十分なところも自治体によってはあると思うんです。

 そういう意味でも、今、大臣お答えでありますので、是非、国がバックアップする、国がしっかりと自治体と連携をしていただきたいというふうに思います。

 さて、再資源化高度化法案について、現在の取り巻く状況を踏まえれば、再資源化の促進、再資源化事業等の高度化の促進、法律の目的や基本方針について、取組を進めていかなければならない多くの課題があると考えています。

 一方で、本来の廃棄物行政である生活環境の保全及び公衆衛生の向上が大前提であることから、今回の再資源化高度化法案については、これらの認識を踏まえた上での再資源化高度化の取組、今申し上げたことを前提とした上での取組であることを改めて確認したいわけでありますが、いかがでありましょうか。

角倉政府参考人 お答え申し上げます。

 本法律案は、再資源化事業等の高度化の取組を支援することにより、資源循環産業全体で再資源化を促進しつつ、温室効果ガスの排出削減効果の高い資源循環を促進することを目的としておりますが、ただいま御指摘いただきましたとおり、こうした取組、こうした推進に当たっては、適正処理の確保による生活環境の保全と公衆衛生の向上が大前提である、このように考えております。

 本法律案の背景となりました中央環境審議会の意見具申である脱炭素型資源循環システム構築に向けた具体的な施策の在り方、この取りまとめにおきましても、基本的な考え方として、適正処理による生活環境の保全をベースとする、こうしたことがしっかりと明記されているところでございます。

 こうした考え方を十分踏まえた上で、本法律案に基づく基本方針におきましても、生活環境の保全を前提として、しっかりと位置づけることとしたいと考えております。また、個別の認定におきましても、廃棄物処理施設を設置する場合に生活環境の保全に配慮されていることについて、国としてしっかりと確認を行っていきたいと考えております。

 また、認定を受けた事業者は、廃棄物処理を業として行う以上、様々な処理基準や廃棄物処理施設に関する基準など、生活環境の保全の観点から必要な廃棄物処理法の規制が適用されることとなっております。

 生活環境の保全や公衆衛生の向上の重要性をしっかりと認識した上で、本法律案による再資源化事業等の高度化を進めてまいりたい、こうした考え方でしっかり取り組んでまいります。

近藤(昭)委員 局長、ありがとうございます。

 今、お答えをいただきましたように、大臣も先ほど最初の質問でもお答えいただいて、これまでの環境、廃棄物行政の中で、国と自治体が協力をしてきた、そして自治体が頑張ってきているところでありますが、それはやはり生活環境を守っていくということが非常に重要だということを確認させていただいたということでありますので、よろしくお願いをしたいと思います。

 さて、今後、廃棄物事業者に対して、国が一括して認定を行うことになるわけであります。認定後の業務実態の管理や監視などの業務については、国と自治体の連携が重要と考えるわけであります。これも、繰り返し言及させていただいているところであります。

 そうした中で、自治体によっては、これまで対応したことのない分野の再資源化に対する対応も求められるところだと思います。そのため、日常の実施状況の把握を始め、事業者への不適切な対応が認められた場合の対処が適正に行われなければならない。そうした場合、国と自治体の情報共有や技術的助言、高度化における手引などの対応が必要と考えるわけであります。

 これも、冒頭からずっと申し上げていることでありますが、今回、こうした取組は重要だけれども、自治体の大小、大小だけではないと思いますが、これまでの取組等々の知見、こういうことによって、今言及させていただいたような具体的な課題が出てくると思うんですが、これに対してはいかがでありましょうか。

角倉政府参考人 お答え申し上げます。

 本法律案の認定制度におきましては、認定の審査はもとより、認定後も、認定を受けた計画の変更の指示や認定の取消しを国が行うこととしており、報告徴収や立入検査等の権限を通じて国が監督を行い、不適正な処理が行われないようにしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

 なお、認定の三つの類型のうち、再資源化工程の高度化に関する認定に関しましては、地方公共団体が廃棄物処理法に基づき既に指導監督を行っている既存の施設に関するものでありますから、引き続き、地方公共団体が指導監督を行う形となりますが、その場合であっても、国の認定に当たりまして、不適正な処理が行われることのないようにしっかりと認定の審査を行っていきたいと考えております。

 こうした形で、自治体の皆様方に負担がかからないような形で、国の責任においてまずこの法律の施行にしっかり取り組んでまいりたいと考えております。

 その上で、仮に認定を受けた事業者において基準に適合しない不適正な処理が行われた場合などにおきましては、廃棄物処理法に基づく地方公共団体による改善命令、措置命令の対象となることとしておりますけれども、そうした場合におきましては、国と地方公共団体の連携がしっかり取れるように、国として最大限バックアップを行い、自治体に負担がかからないように国が前面に立ってしっかりと取り組んでまいりたい、このように考えております。

 こうした考え方の下、基準に適合しない事業に対する指導監督のための技術的なガイドラインや、事業者のみならず地方公共団体自らが高度な資源循環に取り組む際にも参考となる再資源化の高度化に関する事例集を策定するなど、地方公共団体に対する情報提供や技術的支援にしっかりと努めて、国と自治体との連携体制をしっかりとしたものにしてまいりたいと考えております。

近藤(昭)委員 ありがとうございます。

 局長にお答えいただいて、そうした具体的な問題についてもしっかりと対応していくんだということであると思います。

 それぞれ自治体も部門部門で担当があり、専門職の方もいれば、いわゆる一般職の方もいらっしゃるわけでありますけれども、最近の情勢でいうと、どこの自治体も人員が非常に限られてきているところだと思います。そういう中でしっかりと、また、高度化の施設、民間にも頑張ってもらうということであります。

 そういう意味では、それぞれの自治体を越えて、それぞれの自治体は自治体の行政区があるわけでありますが、高度化の施設については、自治体を越えて機能が働いていかなくちゃいけないところがあると思うんですね。そういう意味でも、やはり、自治体の取組に対して国がしっかりとバックアップというか連携をしていくことは非常に重要だということを指摘をさせていただきたいと思います。

 さて、今後、こうして再資源化高度化を進めていくわけでありますが、進めていくに当たって、事業者の認定状況など自治体に対し速やかな情報提供が重要と考えます。また、現在の自治体の環境、廃棄物行政の現状や課題、さらに法案に対する課題などを踏まえ、自治体における環境、廃棄物行政の体制の強化についても重要であることから、附帯決議に入ることになっているというか、附帯決議としてもしっかりと、法案の審議、そして、この法案の今後の運用に当たって、附帯決議を私どもとしても要望していくわけでありますけれども、今から二つの項目について少し申し上げたいと思います。

 高度再資源化事業計画等の認定を行う際は、地域住民や地方公共団体の意見を踏まえ、地域の生活環境に悪影響を及ぼすことがないように慎重にこの判断を行っていただきたい。また、認定高度再資源化事業者が本法及び廃棄物処理法等に違反することがないよう国が責任を持って当該認定高度再資源化事業者等に対する十分な監視、監督に努めるとともに、当該認定高度再資源化事業者等による不適正な処理が行われ地方公共団体に人的及び財政的負担が生じた場合には、国が必要な措置を講じるように努めること、こうしたことが非常に重要だと思っております。

 大臣の決意、決意というか話を聞かせていただきたいと思います。

伊藤国務大臣 お答え申し上げます。

 いろいろ大事な御指摘をいただいたと思います。

 本法律案における認定制度については、再資源化事業等の認定から指導監督まで、環境省の責任において、本法律案に基づき、その事務を行ってまいります。

 また、再資源化工程の高度化に関する認定制度については、地方公共団体が廃棄物処理法に基づき既に指導監督を行っている既存の施設に関するものであることから、引き続き、地方公共団体が指導監督を行うこととなります。一方で、地方公共団体の対応が必要となった場合であっても、環境省において地方公共団体をしっかりバックアップしてまいりたいと思います。

 その上で、本法律案に基づく認定制度では、廃棄物処理施設を設置する場合、環境大臣は、生活環境の保全に配慮されていることを確認するということにしております。地域の生活環境の保全を第一に、認定に当たっての審査というものをしっかり行ってまいりたいと思います。

 加えて、認定した施設等に対する指導監督のための技術的なガイドラインの策定や、高度な資源循環に取り組むための再資源化の高度化事例集の作成など技術的支援に努め、地方公共団体としっかり連携してまいりたいというふうに考えております。

近藤(昭)委員 ありがとうございます。

 繰り返しますけれども、環境、廃棄物行政の重要さというのは、生活衛生、環境に非常に密着をしたということであります。しかし、冒頭申し上げましたように、そういう中で、環境、廃棄物行政の自治体の現場が取り組まなければいけない課題が資源化という問題で出てきている、そういう中でこうした法案が作られているところであると思います。

 そういう中で、非常に大きな環境行政ということで申し上げますと、原則として掲げている3Rということがあるわけですよね。ですから、今回、こうした高度な技術を活用して資源を再利用していく、しかし、根本的にはやはりそうした資源を、特に最近は、この課題でもそうですけれども、プラスチックのことが言われるわけであります。プラスチックというのは非常に便利な素材だと思うんですね。そういう意味でも、これから発展する発展途上国なんかにおいても、プラスチックの利用というのは便利である、しかし一方で、世界的には大きな課題になっているというところだと思います。

 そういう意味では、こうした資源の節約といいましょうか、そうしたことが、これまた、今回の法案でいうと生活衛生のことをきちっと大前提としていくということ。でも、もっと大きなことで申し上げると、大臣、改めて、こうした資源の高度な利用を更なる前提として、私はやはり資源の節約ということがあると思うんです。

 これは、それぞれの法案に関することではなくて、環境省、環境行政に課せられた課題だと思うんですが、この部分についても改めて大臣の決意を聞かせていただきたいと思います。

伊藤国務大臣 委員がおっしゃるとおり、そして、私も常々申し上げているとおり、環境の問題というのはまさに同心円の問題であり、一つの法案、一つの政策だけで解決できる問題ではないと思います。

 我々がやはり次世代に持続可能な地球を残していくためには、思想面も含め、そして産業構造も含め、そして国や自治体の在り方も含め、そこの思想というものをやはり中軸に置いて、しっかり持続可能な形で社会を応援していく、もちろん、資源循環も含めてやっていくことが非常に重要だ、そのように考えております。

近藤(昭)委員 では、質問を終わりにします。ありがとうございました。

務台委員長 次に、屋良朝博君。

屋良委員 おはようございます。本日もよろしくお願いいたします。立憲民主党、屋良でございます。

 今回の法案審議に合わせて、私は、海洋漂着ごみとちょっと関連させて議論をさせていただきたいというふうに考えております。

 先ほども、世界的な課題であり、海は国境が、海域がありますけれども、ごみというのは国境を越えて漂うものでありまして、世界中で年間八百万トンほど流出されているらしくて、ペットボトルとかレジ袋など、町で発生したごみが海洋ごみの八割を占めているということでございます。

 このままいくと、二〇五〇年までに海はプラスチックごみだらけになっちゃうということで、今も、いろいろな世界の海岸で打ち上げられている海洋生物のおなかの中を開いてみたらプラスチックごみばかりだというふうなことも報道されているというちょっと深刻な問題ではないかなというふうに思っております。海に面する百九十二か国のうち、プラスチックごみの年間流出量の割合では、日本は全体の三十位、アメリカに次いで先進国では二番目の多さだというふうな報道もされております。

 そこで、お伺いしますけれども、日本の海洋漂着ごみの現状を、把握している内容で教えていただきたいということと、それから、その取組はどうなさっているのかということ、官民連携の方向性というようなこともお示しいただきたいと思います。

土居政府参考人 お答えいたします。

 環境省では、海岸管理者であります自治体が行います海洋ごみの回収、処理に対しまして財政支援を行っているところでございまして、その実績といたしましては、令和三年度におきまして約三万九千トンを回収、処理をしております。

 また、漂着したごみの由来を調べましたところ、ラベル等から判別しましたが、全国的には、漂着する海洋ごみのうち、約半数が外国由来のごみであるということが分かっております。

 こうした外国由来の海洋ごみ対策につきましても、二国間や日中韓三か国環境大臣会合の枠組みなどを通じまして、関係各国と連携協力をしているところでございます。

 また、自治体、事業者との連携につきましては、ウェブサイトやSNSを通じまして広く取組を紹介いたしますプラスチック・スマート事業、こういったものを通じまして、先進的な取組を横展開をしているというところでございます。

屋良委員 是非とも対応をよろしくお願いいたします。

 再資源化事業等の高度化の促進において、一般廃棄物である漂着ごみの扱いについてどう取り組むべきであるというふうに環境省はお考えであるのか。それと、自治体は、やはり集めて処理する財政的な負担もありますので、その辺、排出者が市民でも自治体でもないもの、海洋漂着ごみなんですけれども、この高度再資源化処理に向けてどのような対応をお考えであるのかということをお示しください。

角倉政府参考人 お答え申し上げます。

 本法律案の主たる目的は、ペットボトルを始め様々な廃棄物について、高度な再資源化の事業を促進し、それが資源として有効利用できるようにしていく、こういうことを狙いとしております。

 こうした中で、御指摘いただきましたプラスチックの中でも特にペットボトルの問題、これは大変象徴的な事例であると思っております。

 例えば、本法律案に基づく取組ですと、ペットボトルをいろいろな広いところから集めて、広域的に集めて、そしてスケールメリットを生かすことによってその有効利用を推進する、こういうことについても認定スキームによって応援することができる、こういう仕組みになってございます。

 御指摘いただいたような課題の解決にも資するような形で、本法律案がうまくお役に立てるような形でどういった取組が可能か、本法律案に基づく取組の中でしっかりと考えていきたいと思っております。

屋良委員 ペットボトルが海洋ごみの中で一番多いらしいんですが、ただ、いろいろなものが、例えば貝とか海藻とかが漂着しているので、再利用もこれまた手間がかかるかと思いますが、そういったことも念頭に、対策に万全を期していただきたいというふうに考えております。

 海岸でクリーンアップ作戦とか、いろいろやっておられる市民の方々がたくさんおられます、全国に。その方々との対応というのはやはり必要じゃないかなと思っておるんですね。今回の法案は自治体と企業が対象になっていますけれども、資源循環の大きなアクターであるはずの市民との連携、ここがちょっと抜けているのではないかなというふうな印象を持っております。

 大臣、私たちが幼い頃ですよ、八百屋さんに行ったら、新聞紙で野菜を包んで売ってくれていたじゃないですか。今の若い人たちは記憶があるか分かりませんけれども、そういう取組、奨励も、やはり市民に対する啓発活動というか、連携を取っていきましょうというふうな呼びかけは大事だと思っているんですね。

 伺いますけれども、フランスでは、二〇二二年一月に、全ての商売業で野菜と果物のプラスチック包装が原則禁止となった、その年の四月には、使い捨てプラスチック包装のリデュース、リユース、リサイクル、3Rに関する国家戦略を採択する政令を発布したというふうに聞いております。なぜフランスではそのような国民的あるいは市民を巻き込んだ取組が可能なのでしょうか。留学経験がおありの大臣、もしそこのところに経験や何らかの知見がおありであれば私たちと共有させていただきたいんですけれども、お願いします。

伊藤国務大臣 御質問ありがとうございます。

 私は、フランスという国は、やはり自国文化に大変誇りを持っている国だと思います。それから、政治、行政の状況を見ても、やはり基本的に文化とか、あるいは、もっと言えば哲学ですね、思想性というものを非常に基軸に置いて、その上で広げていくということがあると思います。

 それから、経験知からいえば、やはりマルシェというか市場に行くと、日本も昔はあったんでしょうけれども、量り売りをしますよね。そして、買物籠みたいなものを提げて、このニンジンを一つとか、この芋を三個とかいうふうに買うわけです。

 確かに、フランスも、スーペルマルシェという、いわゆるスーパーマーケットができて、プラスチックに包まれているものも売られていますけれども、依然、やはり街角の八百屋とかパン屋とかというのは、プラスチックに包まないで売っています。毎朝おいしいパンを買うために並んだりもして、夜の前にまたパンを買ったりということで、プラスチックに包まない、そういう生活もパリでもできるという現状があると思います。

 そこも含めてお話し申し上げれば、フランスでは、循環経済に向けて意欲的な対策が進められております。例えば、二〇二二年には、アパレル等の売れ残り商品について廃棄を禁止して、再利用、リサイクル、寄附を義務づけました。さらに、この三月には、ファストファッションの一部を規制する法案が下院を通過したということを聞いております。

 加えて、使い捨てプラスチック製品についても、段階的に使用禁止を強化していると承知しております。具体的には、二〇一六年から使い捨てレジ袋の使用を禁止し、その後、野菜、果物への使い捨てプラスチック製容器包装を禁止の対象に加えたということでございます。

 日本でも、例えば、プラスチック資源循環戦略において野心的なマイルストーンを掲げておりまして、フランスを始めとして他の先進的な取組を参考にしながら、トップランナーとして資源循環の取組を進めてまいりたい、そのように考えております。

屋良委員 伺ってよかったと思います、大臣。先ほども繰り返しおっしゃっていましたけれども、やはり文化とか哲学とか、その地域に根差した、国をきれいにしたい、愛しているからだと思います、そういったものがベースにあって、根本にあって、バックボーンにあってこそ、資源循環も進めやすい環境をつくっているのだというような、今伺っておりまして大変感銘を受けました。

 そこで、市民の協力はやはり必要であるということも含めて、大臣がおっしゃいました、なぜ環境を大事にしないといけないのか、地球温暖化で、住めるような地球はもしかしたらなくなるかもしれないぞというふうなことも含めて、環境省は旗振り役をやはり担っていただきたいというふうな思いをするのは、例えば、ごみの分別でも、自治体はいろいろ、様々じゃないですか。そうすると、ペットボトルの回収を広域化してみても、分別がばらばらだと効率性が少し失われるのかもしれないなというふうな気がしております。

 分別について国が何らかの指針を示してこられた経緯があるのか。あるいは、広域化を円滑にするような施策、そういったものをこれまでに実施したことがあるのか。もしまだ足りない部分があるのであれば、こういった部分をやっていきたいなとかというふうな、力を入れていく方針というのがあるのであれば、お聞かせください。

角倉政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘いただきましたとおり、例えば、ごみの分別収集につきましても、市民の皆様との連携、そうした方々に強く関心を持っていただいて実際の行動に移していただく、こうした取組は大変重要であり、私どもとしてもしっかり取組を進めたいと考えております。

 そうした中で、やはり大事になるのは、一般廃棄物、ごみの収集、運搬に当たっての分別をどういうふうに進めていくか。こうした観点から、環境省におきましては、一般廃棄物の標準的な分別収集区分やその適正な循環的利用や適正処分に関する指針を平成十九年に各自治体の皆様方にお示ししております。そして、平成二十五年にはこれを改定し、周知を図り、各市町村の取組について技術的支援をさせていただいているところでございます。

 さらに、廃棄物の分別収集区分の設定は、今、自治体によっていろいろな区分の設定がされているわけでございますけれども、この設定に関しましては、地域の特性に応じて、回収後に、集めた廃棄物の再生利用の方法とか再生利用先とか、そうしたことについてはやはり地域の特性に応じて様々でございますので、そうしたものを含めた形での廃棄物処理体制を検討していただく必要があると考えておりまして、地域の実情も踏まえて区分が設定されるよう、各自治体の皆様方に働きかけをさせていただいているところでございます。

 今後も、引き続き再生利用に関する実態把握に努めまして、その結果も踏まえて、先ほど申し上げました指針の改定などの必要な対応を引き続き行うとともに、地方自治体や産業界の皆様方にもしっかり周知を図り、各地域地域での分別収集、これが的確に前に進むように取り組んでまいりたいと考えております。

屋良委員 どうもありがとうございます。

 取りあえず、指針としてはあるということですね。申し訳ありません、私は全然知らなかったというか、周知を自治体がやっているので、国の標準的な基準があるということになかなか気づかないうちに、自治体が配ってくれるイラスト入りの表を見て分別しているわけなんですけれども。

 地域の特性によってというような言葉がありましたけれども、その中で、ちょっとやりにくいのが離島県、島嶼県。私は沖縄なんですけれども、小さいので自己完結しないといけないですね、動脈、静脈。そうすると、コストがかかるわ何やかんやで、いろいろと資源循環は難しいところがあるんですよ。

 離島においてどのような資源循環を推進されるのか、もし環境省として何らかの方向性が、方針がございましたら、お示しください。

角倉政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま御質問をいただきました、例えば沖縄県のような離島において発生する廃棄物の処理を進めるに当たっては、離島単位で新たな焼却炉等のごみ処理施設整備を行うことはなかなか難しいというような事情もございますし、広域的に輸送する場合の輸送費用など、島嶼という難しさ、離島ということに伴う難しさが存在するということは、私どもとしてもしっかり踏まえて考えなければいけないと考えております。

 こうした離島等において資源循環を進めるためには、まずは、市民の分別排出によるごみの種類に応じた再資源化の徹底を進めていただくでありますとか、例えば、生ごみとかそうしたものであれば、堆肥化施設などの、これは小規模な施設でございますので、小規模なバイオマス利活用施設、こうしたものを活用していただくとか、若しくは、こうしたものを燃料化していただくための燃料化施設など、離島の特性を生かした処理体制を地元事業者と連携して構築していくということが重要であると考えております。

 こうした考え方の下、環境省といたしましては、地域の実情を踏まえて、それぞれの創意工夫とあと地域の皆様方の合意形成により多様な取組を選択できるよう、優良事例の横展開や再資源化の高度化に資する技術開発、設備導入の支援を行ってまいりたい、このように考えております。

屋良委員 今、堆肥化という言葉があったので、少し堆肥を捉まえてお話ししたいんですけれども、例えば、鹿児島で堆肥を一トン買うと四万円、沖縄で買うと五万円、二〇%アップということなので、やはり輸送コストを考えたときに、なかなか事業化というのが難しいんですね。それは民間もそうだし、官についても、やたらコストがかかっちゃうんですね。

 そういったコストがかかると、地域性があるのは離島県、島嶼県、沖縄だけでもなく幾つかあると思うんですけれども、先ほどの近藤委員の指摘の中にも自治体との連携強化というのがありました、指摘されておりましたけれども、本当にその費用をどうするかということになると思うんですね。

 認定制度を国がやります、監視は自治体でお願いしますねというようなことになると、何か自治体にとってはちょっと負担感をやはり感じてしまうと思うんですよ。それをちゃんと手当てができるような、例えば、人の手当てをした場合には、その人件費については自治体の標準財政需要額に入れてもいいですよとか交付税措置ができますよとか、そういった網羅的な、安心感を自治体に与えるような、そんな取組というのはやはり考えておくべきではないのかなというような気がするんです。

 その辺、自治体に対するコストを意識した取組、今回の法制の中でなじむのかどうかはちょっとよく分かりませんけれども、大くくりの話かもしれませんけれども、せっかくなので、是非そういったことも念頭に対応していただきたいんですけれども、何らかの考えがあれば、お示しください。

角倉政府参考人 お答え申し上げます。

 本法律案につきましては、まず、国が前面に立って国がしっかりと取組を進める、こういう考え方で臨みたいと思っております。そうした形で、各地方自治体の皆様方に負担をかけないような形で、国が中心となってやっていきたいと考えているところでございます。

 具体的には、事業の認定から事業者の指導監督まで、環境省の責任において、本法律案に基づく事務はしっかり果たしていきたいと考えております。

 また、三つの類型の認定制度のうち、再資源化工程の高度化に関する認定につきましては、地方公共団体において廃棄物処理法に基づき既に指導監督を行っている既存の施設、これの再資源化工程の高度化に関するものでございますので、引き続き指導監督は地方公共団体に担っていただくことになりますが、その場合であっても、認定に当たって国がしっかり審査をして、不適正な事案が生じないようにしっかり取り組んでまいりたいと考えております。

 その上で、認定を受けた事業者により不適正な処理が行われた場合などには、地方公共団体が指導監督を行うことができるという規定を置いてございますけれども、その場合であっても、国としてしっかりと自治体の取組をバックアップをして、各自治体の皆様の負担が生じないようにしっかり取り組んでいきたいと思っております。

 そうした形で、まずは国の方でしっかりとこの取組を進めることによって、自治体と連携をしながら、各地域の取組が前に進むような形で、国が積極的に仕事を引き受け、国が積極的にこの取組を前に進めていく、こういう形でやっていきたいと思っております。

屋良委員 是非とも強力にサポート体制をよろしくお願いいたします。

 時間ですので、終わります。ありがとうございました。

務台委員長 この際、暫時休憩いたします。

    午前九時四十一分休憩

     ――――◇―――――

    午前十時二十六分開議

務台委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。松原仁君。

松原委員 環境委員会で質疑の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する法律案につきまして御質問いたしますが、民間セクターがリサイクルプロセスを革新し、強化するための具体的な支援とインセンティブを問いたいと思っております。

 法律案は、再資源化事業等の高度化を促進し、資源循環産業全体の底上げを図ることを目的としております。

 資源循環は、カーボンニュートラルを達成するだけではなく、経済安全保障面で近年その重要性が高まっております。

 社会と産業の高度化により、国民が現在の豊かな生活を維持するために多種多様な資源を必要とする状況が存在しており、このような国民生活を守り、社会の安定的な発展を図るために、現に国内にある資源を循環させ、再資源化を図ることがこれまで以上に重要になっております。

 そこで、御質問いたします。

 国として、この法律案を作成する上で、都市鉱山を含む再資源化を進めるべき資源として、個々の資源に対してどのような優先度及び目標を設定し、どのような方策を考えているのか、環境大臣にお伺いいたします。

伊藤国務大臣 本法律案は、再資源化事業等の高度化の取組を支援することにより、資源循環産業全体で再資源化を促進しつつ、温室効果ガスの排出削減効果の高い資源循環を促進することを目的としております。

 本法律案において、環境大臣が、再資源化事業等の高度化に関する施策を総合的かつ計画的に推進するための基本方針を定めることとされております。この基本方針は、循環型社会形成推進基本計画と整合性の取れたものとすることが必要でございます。

 本年夏頃に策定予定の第五次循環型社会形成推進基本計画において、ロードマップとして循環経済工程表を含めることとしております。この工程表では、徹底的な資源循環を考慮すべき素材として、プラスチックや金属等を挙げております。そして、プラスチックについては、二〇三〇年までに再生利用の倍増を目指すこと、ベースメタルやレアメタル等の金属については、金属のリサイクル原料の処理量を二〇三〇年度までに倍増させることを目指しております。

 本法律案に基づく基本方針においても、現在検討中の循環型社会形成推進基本計画と整合した、素材ごとの再資源化目標を位置づけることを考えてございます。

 また、本法律案においては、先進的で高度な再資源化の取組を対象に、環境大臣による認定制度を創設することとしております。先進的な資源循環の取組を行う廃棄物処分業者を増加させ、基本方針に定める目標の達成に向けて取り組んでまいりたいと思います。

松原委員 都市鉱山ということを申し上げましたが、二〇三〇年度にレアメタル等のリサイクルを倍増するというふうなお話もございました。

 もし時間が余れば、この辺を含めて、さらに、リサイクル業者との、全リサイクル産業分野における環境省との連携、懇談、打合せというものはどうなるのか、その辺も、時間が少しでも余れば行いたいと思っております。

 次の質問に移ります。

 カーボンニュートラルの具体的政策として、製鉄事業というのは大変CO2が発生するわけでありまして、これに関して今どういったことを、特に経産省になると思いますが、取り組んでいるのかを問うていきたいと思っております。

 従来の高炉を使用した鋼鉄の生産は、一トンの鋼鉄を生産するために約一千九百八十七トンのCO2が排出をされる。水素を補助還元剤として使用することで、CO2の排出量は三三%以上削減できる。これも、レクの段階で、五〇パーを目指すんだという話もありましたので、そういったことも考慮しての御答弁でも結構であります。

 しかし、それ以上に、いわゆるスクラップの鉄、リサイクルした鉄を電炉で行う場合は、アメリカの電炉製鋼所の事例では、約七五%低いCO2排出量になっている、こういうことであります。

 これは、データを見ると、従来どおりのやり方というのはカーボンニュートラルに最も反するわけでありますが、水素を使うことによって三割ぐらい、経産省の思惑では五〇%と思っているのかもしれませんが、それだけ引いてくる。さらに、スクラップ鉄を使うことによって、これはもう半減以下にCO2の排出量は減る、こういった話になっているわけであります。

 もちろん、スクラップ鉄の場合は、そこに異物が混入していて、純度がちょっと低いかもしれない。ただ、異物混入は技術によって随分と今乗り越えられつつある、このように私は承知しておりますが、このことについて、国内の電炉メーカーの二酸化排出量は高炉に比べてどれぐらい削減できると承知しているか、まず御答弁をお願いします。

浦田政府参考人 お答えいたします。

 高炉法は、鉄鉱石をコークスで還元して鉄鋼を生産するプロセスでございますが、この還元のプロセスにおいてCO2が多く発生いたします。これに対しまして電炉法は、既に高炉などで還元済みの鉄スクラップを溶解し、鉄鋼を生産するプロセスでございますため、還元プロセスが不要であり、その分のCO2排出量は少なくなります。

 この二つの製造プロセスに、今述べましたとおり、還元の必要性の有無という点で大きな違いがあることに加えまして、製造プロセスの違いを反映して生み出される製品の種類にも違いがございますため、CO2排出量を単純に比較することは必ずしも適切ではないというふうに考えてございます。

 その上で、例えば、地球温暖化対策の推進に関する法律に基づいて報告をされました事業者別のエネルギー起源CO2排出量を粗鋼生産量で除した数字を機械的に計算してみますと、国内の高炉メーカー三社の平均では、粗鋼生産量一トン当たり二・〇五トンのエネルギー起源CO2排出量となります。一方、電炉でございますけれども、国内の主要な電炉メーカーで粗鋼生産量を公表している二社の平均では、粗鋼生産量一トン当たり〇・三六トンのエネルギー起源CO2排出量になると承知をしてございます。

松原委員 単純に比較できないと言いながら、これで見ると二・〇五トンと〇・三六トンですか、圧倒的にスクラップをもう一回リニューアルする方が有効である、ただし異物が入る、こういうことでありまして、異物混入は技術によってかなり越えていくことができるので、大臣には是非とも頭の中に入れておいていただきたいのは、経産大臣との話合いの中でも、要するに、スクラップの鉄を再利用する方が、下手をすると五分の一、六分の一になる、これは極めて重要なことであって、であるがゆえに、鉄リサイクル業者に対してそういった指導をしていただきたいと思っているわけであります。

 ちょっと時間が四十六分までというので、少し飛ばしながらやっていきたいと思っております。

 二番を飛ばします。世界ではそういう兆候が進んでいるということは、皆様からいただいたデータであるわけですので、それは常識として捉えておいて、その上で、国内メーカーに対して鉄スクラップを供給しているのは、経産省としては、鉄リサイクル業者は何社あって、どれぐらいの流通量かをお伺いします。

浦田政府参考人 お答えいたします。

 鉄リサイクルの業者の数についてでございますけれども、網羅的に把握できる統計等を承知してございませんが、一般社団法人日本鉄リサイクル工業会に加盟している鉄スクラップ専門業者の会員企業数は、令和六年三月三十一日現在で六百八十三社でございます。

 また、国内で発生、流通し、国内で購入又は輸出されている鉄スクラップの量につきましては、一般社団法人日本鉄源協会の推計に基づき試算をいたしますと、二〇二二年度で三千二百七十七万トンとなってございます。

松原委員 これは、今の日本で製錬して造っている鉄鋼全体、純度の高いものを含めて、ちょっと質問通告していませんが、それの何分の一ぐらいですか。ぱっと答えられるのなら、お答えいただければと思います。リサイクルによって生産される製鉄はどれぐらいなのか。

 じゃ、その前に、時間がちょっと私の勘違いでして、世界は高炉ベースの生産が七〇%を占め、残りの三〇%が電炉ベースであるというふうに承知をしております。つまり、鉄スクラップのリサイクルは三〇%、こういうふうに認識をしております。その上で、今言った、日本ではどれぐらいなのかということをお伺いしているわけです。お願いします。

浦田政府参考人 お答えいたします。

 製法の別について申し上げますと、我が国につきましては、高炉ベースの生産が七五%、電炉ベースの生産が二五%であるというふうに承知をしております。

松原委員 この数字でいくと、五%ぐらい、世界に比べて低い。国によってデータが違うというそのデータも、私もレクの段階から皆様からいただいておりまして、日本は二五パーで、インドは五五パーだ。アメリカは、何と六九%が再利用ですね。再利用の鉄を、二〇二一年度の実績では、アメリカは六九%。ロシアは四〇パー、スウェーデンも三六、フランスは三三、イタリアは八四。

 日本の二五というのは明らかにOECD諸国の中で、何をもっていい数字というかというと、リサイクル率を含めていい数字だというならば、二五パーというのはちょっと低いと思うので、大臣、アメリカの六九パーというのは、これはどういうデータか分かりませんが、すさまじ過ぎるわけですが、やはり、電炉メーカー、電炉による国際的な流れというものを日本も学びながら追っかけるべきだと思いますが、一言だけちょっと御発言を、それは必要だとおっしゃっていただければ。

伊藤国務大臣 委員の御指摘を含め、経済産業省と連携して対処してまいりたいと思います。

松原委員 ありがとうございます。

 次に、鉄リサイクル支援について、関係リサイクル業者の意見も聞くべきと考えるが、こういった意見交換等はどんなふうになされているのか、お伺いします。

浦田政府参考人 お答えいたします。

 鉄スクラップのリサイクル事業者とは、様々な課題などにつきまして、日頃から意見交換を行わせていただいているところでございます。

 例えば、電炉では、不純物が混入した鉄スクラップからは高級鋼が造りにくいという課題があるわけでございますけれども、今後、電炉への転換が進んでいく中で、こうした不純物をあらかじめ検知する技術が求められてくるところでございます。

 このため、経済産業省におきましては、鉄リサイクル工業会などを通じて、どのような技術が必要になるかといったような情報をユーザー企業から収集した上で、技術開発プロジェクトの提案、公募を行うなどの取組を実施してきているところでございます。

 引き続き、こうした取組を通じまして、リサイクル事業者の意向も伺いながら、技術開発等の取組を進めてまいりたいと考えております。

松原委員 とにかく、鉄リサイクル業界に対して、様々な電炉が増えるというときに、どのように電炉における異物混入を抑制する技術をつくっていくのか。これは、やはりカーボンニュートラルを目指す日本の一つの国家戦略になっていかなければいけないと思うので、異物混入に関して、確かに、まだ高層ビルを造るときの鉄筋としてはふさわしくないという議論もありますが、必ず技術によってかなり乗り越えられる部分があると思っておりますので、是非とも、環境省は経産省と連携をして、国益というのはこの場合はカーボンニュートラルですから、そのことの実践に前向きに取り組んでいただきたいというふうに思っております。

 異物混入が、少なくともそれがどんどん減っていくような努力をする方向で、国も、大所高所から指導していただきたいというふうに思っております。何か一言あれば、大臣。

伊藤国務大臣 繰り返しになりますけれども、経済産業省と連携して、そのようなことが進むように努力したいと思います。

松原委員 大変に前向きな答弁で、本当にありがとうございます。

 次に、今、基本的に電炉を使うリサイクルの話でしたが、昨日、おとといの話でも、カーボンニュートラル、水素を使う水素還元製鉄で五〇%まで減らすんだという話でありました。これについて、すなわち水素還元技術の研究開発はどの程度進んでいるのか、政府参考人にお伺いします。

浦田政府参考人 お答えいたします。

 水素還元製鉄技術につきましては、グリーンイノベーション基金において技術開発を支援をさせていただいているところでございます。目標であるCO2排出五〇%以上削減の達成に向けまして、高炉を用いた水素還元技術につきまして、小型の試験炉において実証試験を進めているところでございまして、これまで三三%削減という効果を確認をしてございます。

松原委員 今、これが五〇%にいく見通しというのは、まだこの段階では明確には言えないんですよね。その辺の予定というか予測値、そういうものはありますか。なければ、時間もないので、ないということで結構ですよ。お願いします。

浦田政府参考人 お答えいたします。

 研究開発途上でございまして、五〇%の達成に向けて引き続き努力を続けていきたいと思っています。

松原委員 次に、専ら物のことをお伺いします。

 地方自治体における専ら物の解釈が各自治体で平仄が合っていない、専ら物に対する解釈の周知徹底が不十分ではないかと思いますが、これに関して更に申し上げたいのは、一番目と二番目の問いを一緒にしてお伺いしますが、環境省から、地方自治体に対する専ら物の解釈の問題の事例を検証し、再発を防止するための地方自治体への周知徹底をする観点から、今後どのような対応をなさるのかということを大臣にお伺いします。

 これは、具体的には、千葉県等で、国の法令の遵守というか、それが全然違う解釈がなされていたということであります。法律は、これはそのような法律であると認識しておりますが、解釈が様々であるということになると、その地域地域のリサイクル業者が非常に困ってしまうわけであります。そういった意味で、少なくとも周知徹底をどのようにするか、これは極めて重要でありますので、あえて大臣に御答弁をいただきたいと思います。

伊藤国務大臣 二つ御質問をいただいたと思います。

 廃棄物処理法が制定された当時から、古紙、くず鉄、空き瓶類、古繊維については、既存の回収業者によって回収から再資源化までの処理体制が既に確立され、許可制度の対象としなくても適正処理が行われることが期待されておりました。

 このため、専ら再生利用の目的となる廃棄物のみの処理を業として行う者については、その業を行うに当たって、業の許可は要しないこととしております。

 しかし、一部の地方自治体において、専ら再生利用の目的となる廃棄物のみの処理を業として行う者が、それ以外の廃棄物の処理に関する許可を取得する場合に、専ら再生利用の目的となる廃棄物の処理についても一律に許可を求めるなどの運用が行われていることを把握いたしました。そのため、令和五年二月三日に解釈を明確化する通知を発出しまして、許可制度の取扱いについての改めての周知を図るとともに、都道府県から市町村へも送付いただいて、全ての地方自治体に情報が行き届くように対応しております。

 そして、二問目に係るわけでありますけれども、廃棄物処理法の運用に当たっては、環境省が廃棄物処理法の解釈を示し、その上で、一般廃棄物については市町村が、産業廃棄物については都道府県等が、それぞれの具体の場面において廃棄物処理法の適用を行うものであるというふうに考えてございます。

 専ら再生利用の目的となる廃棄物の取扱いについても、許可制度における考え方の周知を行う通知を令和五年二月に発出して、解釈の明確化を図っております。

 今後とも、地方自治体の廃棄物担当者が参加する会議等の場など様々な機会を通じて、専ら再生利用の目的となる廃棄物の取扱いについて周知を行い、市町村又は都道府県等において、廃棄物処理法が適切に運用されるように取り組んでまいりたいと考えております。

松原委員 ありがとうございます。

 強い徹底、指導をお願いしたいと思います。

 これは、地方自治体の自治事務といいますか、それぞれ行うということでありますが、解釈をめぐっての議論が、勝手な解釈、ちょっと間違った解釈が行われている。ただ、私が仄聞しているところ、こういった文書も環境省から出していただいていますが、この文書を見た地方自治体の行政の方が更に、これは内部文書で、そこには従う意思はありませんというような話があったりするやに聞いております。これは、そうであるということではなく、そのような話も聞いているので、ここは、自治事務でありますが、きちっとやらないと日本の静脈産業は育たないということで、是非とも御指導いただきたいと思っております。

 その意味で、こういった疑問を感じている業者というのは全国にたくさんいるわけでして、そういった業者の話を聞くような目安箱を設置するべきではないか、目安箱というかコミュニケーションと言ってもいいんですが、大臣の取組をお伺いします。

伊藤国務大臣 お答え申し上げます。

 環境省では、廃棄物処理を含め、環境政策に関する御意見や問合せをホームページ上で受け付けております、これを目安箱と言うかどうかはありますけれども。また、廃棄物処理法の担当者や環境省が設置するコールセンターには、事業者から廃棄物処理法等に関する問合せが数多く寄せられております。これらの問合せに対して、環境省として真摯に対応を行っております。

 今後も、廃棄物処理法の運用に関する事業者からの問合せ等に対し、必要に応じて地方自治体への確認や相談も行いながら、丁寧に対応してまいりたい、そのように考えております。

松原委員 ありがとうございます。

 重要なことは、やはり環境省の方が場合によったら、これは非常に難しいわけでありますが、きちっとマンツーマンの相談に乗っていただかないと、全く違った解釈が横行してしまっている事例があって、これは、甘利さんを会長とする資源リサイクル議員連盟で、私が事務局長でやって、ようやく一定解決したものもありますが、泣き寝入りという言葉がいいとは思いませんが、やはり解釈の違いで地方自治体が頑として受け付けないケースもあると思っておりまして、是非ともそこはよろしく御指導を賜りたいと思っております。

 次に、不適正ヤードについてお伺いします。

 不適正ヤードについては、国内適正ヤード運営事業者の声を聞いたことがあるのか、さらに、千葉県や他の地域の状況についてどんなことを知っているのか、時間もないので、政府参考人、簡潔にお答えいただきたいと思います。

角倉政府参考人 お答え申し上げます。

 不適正なヤードに関しましては、業界団体が主催する適正なヤードの推進に関する会議に環境省も参加させていただいておりまして、事業者の皆様方から現状等を伺っているところです。

 会議においては、例えば金属関係の業界団体からは、不十分な環境対策により適正なコストを負担していない事業者が存在する、こういった声もいただいているところでございます。

 千葉県の事例等につきましては、千葉県において、金属スクラップヤード等を規制する条例を制定し、本年四月一日に施行された、これは承知しているところでございます。

 千葉県では、条例の施行に際し、条例の対象となり得る県内五百四十二か所の事業者に対して、条例の内容を周知するリーフレット等を配付するとともに、個別に説明を行うなどの対応を取っていると承知しているところでございます。

 同様の条例は千葉県以外の自治体でも策定されているところでございまして、それぞれの自治体がそれぞれの地域の実情に応じて条例を制定し、ヤードへの対応を行っておりますので、環境省としてもこうした取組を注視しているところでございます。

松原委員 環境省で、これは今から五、六年前ですか、有害使用済機器の指定ということで、三十二の様々なものを指定して、言ってみれば、こういう違法ヤードといいますか、脱法ヤード、脱法というのは、法律の部分の議論になると脱法という表現を使っていいかどうか分かりませんが、かなり不正であるヤードについての検査ができるような状況をつくってきた、こういうふうな認識を持っているわけであります。

 しかしながら、条例を作るところは条例を作っておりますが、やはり埼玉県知事の声なんかを聞きますと、大野さんですか、環境大臣のところにお伺いして、国で決めてくれと。つまり、都道府県の条例では明らかに弱い部分があるので、国が不適正ヤードに関しては強いリーダーシップを取ってくれということを言っていると聞いております。こういった問題意識を大臣は御存じであるかをお伺いいたします。

伊藤国務大臣 昨年の十月、埼玉県の大野知事より、金属スクラップ等の再生資源物の屋外保管及び処分に関する法制化の御要望がありまして、私自身が対応させていただきました。

 まず、要望においては、大野知事から、埼玉県内における金属スクラップ等の屋外保管の状況について詳しくお話をお伺いしました。私も、その現状を認識したところでございます。

 このほかにも、担当部署には、地方自治体から、いわゆるヤードに対する廃棄物処理法に基づく対応等について相談が寄せられております。

 引き続き、このヤードを取り巻く状況や各自治体の対応状況について、関係省庁とも連携しながら、実態把握に努力をしてまいりたいと思います。

松原委員 本当に、そこで火災が起こればマスコミがニュースで扱うわけでありますが、実は先般、私が資源リサイクル議員連盟を開催したときも、多くの各党の議員の皆様から不適正ヤードの問題が物すごく出てきました。こんなに問題なんだなと、私も事務局長をしていて強く感じたわけであります。

 確かに、二十九年の廃棄物処理法により、有害使用済機器ですか、こういったものの規制も含めているわけでありますが、本当は、どうしようもないから千葉県も条例対応しておりますが、やはり国が作る法律が最も強い。しかも、こういう不適正ヤードをやっている方々というのは、そういったものに関して、存外、脱法的なことをしていることに関して、それを直すというのをなかなかしない部分があるかのように聞いておりますので、やはり国が法律でやらなきゃいけない。

 そこで、現状において、二十九年にこういうふうに規制対象の範囲を広げたんだけれども、まだまだ、火事が起こったり、においが起こったり、それから地面に、汚水といいますか、そういったものが入っていく、こういうことを考えたとき、更なる規制範囲を見直すか、もっと強い国のリーダーシップによる、いわゆるヤード問題の解決というものが必要になってくると思っておりますが、どの段階で、今既にその段階に来ていると思うんですよ、この間もわっと議員から意見が出てきていますから。平成二十九年に行われて頑張っているけれども、今どんどん意見が出てきている、不適正ヤードは問題だと。

 今、やはり環境省としては、これにもう一回取組をするべきだと。どういうふうにするかというのは省内でお考えいただくべきことですが、このことについて、大臣の御所見をお伺いいたします。

伊藤国務大臣 御指摘いただきました。廃棄物処理法では、いわゆるヤードにおいて廃棄物又はその疑いのあるものを取り扱う事業者に対して、地方自治体による立入検査や報告事務が可能となってございます。違反行為が確認された場合は、地方自治体は必要な行政指導を行うほか、改善命令や措置命令を行うことも可能です。事業者が命令に従わない場合には、罰則の対象にもなります。

 また、廃棄物でない有害使用済機器についても、二〇一七年、廃棄物処理法の改正により、その保管や、また処分を業として行う場合の届出制度を創設しました。廃棄物の場合と同様に、地方自治体による報告徴収や措置命令等を行うことができるよう措置してございます。

 法改正を受けて、環境省では、合計百二十九の自治体を対象にした、有害使用済機器等の取扱いに関する実態調査を実施いたしまして、届出件数や不適正事例等の状況把握を行っております。加えて、機器から取り外された部品類といった有害使用済機器以外の機器等の保管や処分についても調査を行っているところでございます。

 環境省としては、ヤードを取り巻く状況や、各自治体における条例等による対応状況などについても更に調査を行って、その結果なども踏まえながら、適切に対応してまいりたいと思います。

松原委員 最後に、古紙リサイクルについての評価を問います。

 古紙三品目以外で、雑紙の回収は自治体で進められているわけでありますが、行政として、回収促進への指針と、全国自治体、産業界への、古紙のこういったものに対しての指導を求めたいが、いかがお考えか。また、古紙というのはリサイクルとしては優等生と言われているわけでありまして、古紙業界との今後の連携をどのように考えているか、環境大臣に御答弁をお願いします。

伊藤国務大臣 廃棄物を分別回収し、再生利用を進め、循環資源として活用することは、循環型社会の形成のために重要な取組でございます。

 環境省では、各市町村に対して、一般廃棄物の標準的な分別収集区分や適正な循環的利用、適正処分に関する指針を示すことなどを通じて技術的な支援を行っております。

 そして、古紙の話でございます。

 近年、紙の使用量が減少して、古紙回収量もピーク時の七割程度となる中、古紙回収量を確保するために、御指摘がちょっと直接なかったかもしれませんけれども、雑紙の回収及び再生利用を進めていくことは重要だと考えております。他方、回収した雑紙の品質によっては、再生利用に適さない場合や再生品の用途が限定される場合もあるなど、雑紙の再生利用には課題がある、これも承知しております。

 今後も、引き続き、古紙の回収や再生利用に関する実態把握に努め、その結果も踏まえまして、指針の改定など必要な対応を行うとともに、地方自治体や産業界に対して指針の周知を図ってまいりたいと思います。

 これらの実態把握や周知に当たっては、古紙業界など関係業界としっかり連携して対応に当たってまいりたい、そのように考えております。

松原委員 質問時間が参りましたので、最後に一点だけ、簡単に答弁をお願いします。

 資源回収事業者のシートベルト問題、現状、どうなっているか、お伺いいたします。これが最後の質問です。

小林(豊)政府参考人 お答えいたします。

 道路交通法上、装着の義務づけがなされておりますシートベルトに関しまして、頻繁に自動車に乗降することを必要とする業務で、やむを得ない理由があるときについては、これを免除するということにしておりますが、現在、廃棄物処理法に基づいて、市町村又は一般廃棄物の収集を市町村から委託された者若しくは一般廃棄物の収集について市町村長から許可を受けた者が行う一般廃棄物の収集業務が規定されておりまして、この業務に限って、頻繁に乗降することを必要とする区間に限って、運転中のシートベルトの装着義務が免除されているところでございます。

 一方、資源回収業者の事業者団体から環境省に対して、市町村からの委託でない場合についても、町内会からの委託等によって行う一般廃棄物の回収業務についても、それを免除する要望書が出されておりますので、現在、環境省において、これらの業務に従事する、乗降の頻度などを含め、実態を調査していただいているものと認識しております。

 この調査結果を踏まえて、道路交通の安全の確保等の観点から、今後、その在り方について検討してまいりたいと考えております。

松原委員 終わります。ありがとうございました。

務台委員長 次に、松木けんこう君。

松木委員 環境行政というのはすごい大切なものだとは思っているんです。私も、落選中にSDGsなんという言葉もすごくはやっていて、何だろうなと思ったこともあるんですけれども、本当に大切なことだというふうに思っているんです。

 この環境委員会というのは、皆さん、委員は三十人のはずですよね。今、何人来ていますか。野党がみんな引き揚げたら、委員会は成り立たないんですよ。委員長、こんなことはしないけれども、理事の伊藤君とか、みんないい男、いい女というか、ちゃんとした人たちがやってくれているので、止めたりなんかするということはしないけれども、もうちょっと、これだけ立派な大臣を任命して、これは前も言ったんだけれども、そして立派な委員長を任命しているわけなんだから、やはり、この委員会というのはしっかりできたら。

 私、沖北の委員長のときに、欠席しているのがいたら、そこに電話をかけさせたんですよ、事務局の方から。そうしたら、やはり最後には、大して大きな委員会じゃないけれども、いわゆる採決がないときでもかなり人が来るようになりました。

 是非、委員長、今回なんかは特に採決でしょう。本当に、そのまんま流れちまうなんて話になったら、あほな話ですからね。そうならないように、やはり、皆さんも多分忙しいので、どうでもいいやと思って欠席しているとか、そんなことではないとは思うんだけれども、是非そこら辺、委員長の方からちょっと注意をしていただけたらいいんじゃないかなというふうに思っております。

 何といっても、自民党さんが今政権を握っているわけです。それは何でか。自民党さんがみんなに信用されて議席をいっぱい取ったからなんですよね。我々は残念ながら負けているわけです、これは何回も言ったことがあるんですけれども。ですから、それにやはりしっかり応えて、委員会というのは少なくとも我々の大切な責務じゃないですか。これに出るようにしていただきたい。是非、委員長の方からお願いします。

 ということで、それでは質問に入らせていただきますけれども、この法案、今地球温暖化とかいろいろなことを言われて、このままいったら人間が本当に住めなくなるんじゃないか、この国どころか地球はという話がある中で、SDGsなんということもあるし、いろいろなことを今やっているわけです。前回の生物多様性、これもやはりその一環ですよね。

 要するに、地球をもたせよう、あるいは持続可能なことにしていこうという一環だというふうに思いますけれども、今回の法案もその一環であるということでよろしいですよね。もしよかったら、大臣、一言。

伊藤国務大臣 一環でございます。

松木委員 ということで、世界的な命題だということだと思いますので、非常に大切だということですね。

 その中で、今回の法案というのは、CO2削減のための大きな一つだというふうに思いますけれども、二〇三〇年目標が四六%削減でしたか、それで、二〇一三年から見て、二〇三〇年四六%削減というふうに聞いています。では、今、二〇二四年、二三年とも言えますけれども、今のところどのぐらい削減できているか、その感じをお伝えください。

秦政府参考人 委員御指摘のように、パリ協定の一・五度目標と整合的な形で、二〇三〇年度四六%削減という目標を掲げております。

 現状でございますけれども、国民の皆様、企業の皆様、様々な皆様の大変な御尽力を継続していただいておりまして、二〇二二年度の数字でございますが、二〇一三年度比、これは基準年ですね、基準年二〇一三年度比で約二三%削減というところまで持ってきておるところでございます。二〇五〇年ネットゼロに向けまして、計画的に減らしてきているという状況でございます。

 一方で、二〇三〇年目標の達成に向けては、引き続き予断を持つことなく対応していかなければならないと考えておりまして、引き続き政府一丸となって、地球温暖化対策計画等に基づく対策、施策を実施してまいる所存でございます。

松木委員 多分、この委員会も、ネットだとかいろいろなもので全国みんな見ていますので、そういう意味でちょっと聞いたんですよ。そうか、二三%まで来たのかということで、じゃ、三〇年まであと半分、半分まで来たということなんですね。

 それで、今回の法案というのは、三六%削減に貢献可能ということなんですけれども、ここら辺をもうちょっと詳しく、国民の皆さんも聞いて分かるように、ちょっと一回、説明してみたらいいなというふうに思います。どうぞ。

角倉政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘いただきました三六%でございますけれども、これは、環境省の請負調査による試算でございまして、我が国全体における全温室効果ガス排出量のうち、資源循環が貢献できる余地がある部門の排出量が約三六%というものでございます。

 この意図でございますけれども、廃棄物部門から直接排出されている排出量は三%でございます。ただ、資源循環を進めることによってCO2などの排出量を下げていくというのは、廃棄物部門の直接のこの三%を下げるという話じゃなくて、資源循環を進めることによって、ほかの部門への波及効果も含めると、大体、資源循環が関係している部門の排出量はトータルで三六%、この中に廃棄物部門が入っていますけれども、トータル三六%分が資源循環と実は関わりのある部門の排出量、こういうことでございまして、資源循環の取組を進めていくと、この三六%の分について更に削減する余地がある、こういうものでございます。

 具体的な例で申し上げますと、例えば、製鉄業において、廃プラスチック類の高炉、コークス炉原料として利用されていたり、あと、鉄スクラップの利用とか、こういうのをされておりますが、こうしたものを進めていただくと、その分、CO2の排出量は減りますし、ほかにも、化学工業において、廃油、廃プラ、バイオマス類の原料としての利用を進めていただければ、天然資源由来の原料を再生材で代替することができますので、その分、またCO2の排出量の削減につながる、こういうことでございます。

 このように、資源循環の取組の実施で排出削減につながる部門の排出量を全て合計いたしますと、日本の温室効果ガス全排出量の約三六%に相当する排出量になる、こうした点について分かりやすくお示しするために、私どもの方で試算をし、お示ししているものでございます。

松木委員 分かりました。じゃ、これはかなり効果的だということなんですかね。

 そうすると、これがうまくいったとしたら、二〇三〇年までの目標でどのぐらいまでいっちゃうか。分からないか。分かる、大体でいいよ。

角倉政府参考人 お答え申し上げます。

 この三六%分のうち、どのくらい下げられるかということについては、それは各品目によって異なりますので、私どもとしては、特にここまでという数字は今持ち合わせておりませんけれども、最大限、本法律案に基づく取組を含めて資源循環を進めることによって、三六%のうち、できるだけ多くを削減できるように頑張っていきたいと思っております。

松木委員 分かりました。それじゃ、とにかく頑張ってやるしかないですね。是非、しっかり頑張ってください。

 それでは、その次の質問ですね。

 環境大臣の認定は、行政手続法第二章に言う、申請に対する処分となる。法律の規定だけでは曖昧な面もあるから、環境大臣は、同法五条一項及び二項に基づき、具体的な審査基準を作成する義務がある。

 審査基準が改正法施行の直前に公表されるのでは申請者にとっては不親切であるというふうに思いますけれども、施行日の三か月ぐらい前には公表しなければ違法になるよという見解もあるようですけれども、施行日の何か月前に公表することを想定しているのか。直前に公表するということだけは、ちょっとないようにした方がいいんじゃないかということなんですけれども、そこら辺はどうでしょうか。

滝沢副大臣 お答え申し上げます。

 本法律案の認定制度における審査基準につきましては、環境省令で認定の基準を定めた後、できる限り具体的に策定し、公表することとなっております。認定の基準を定める際には、脱炭素化及び資源循環に関する専門的かつ高度な知見を必要とし、有識者や関係する事業者などの意見も聞きながら、丁寧に検討を進める必要があると考えております。

 このため、現時点では審査基準の公表の時期を具体的にお示しすることは困難ではありますが、本法律案の円滑な施行のためには、申請者の予見可能性を高めることが重要であると認識もしております。松木委員の御指摘も踏まえ、認定制度の施行前に余裕を持って審査基準を公表できるよう、対応を進めてまいりたいと考えております。よろしくお願いいたします。

松木委員 ありがとうございます。滝沢さん、頑張ってくださいね。やはり急に言われると、みんな、やる方は非常に困るということなので、なるべく早くやることが大切だということでございます。

 本法案は、参考人からの意見聴取からも指摘されているように、自治体にそれなりの負担が生ずる場合があるというふうに言われています。これは、当該自治体に関しては新たな負担であると考えているようでございますけれども、新たな負担が生じる場合、地方自治法二百六十三条の三第五項に基づき、地方六団体に意見照会をすることが義務づけられている。

 環境省がこの規定の対象に今回はならないというふうにお考えなのか、既に現行法にある権限の行使に関するものであり、新規ではないというふうにお思いなのか、そこら辺はいかがでしょうか。

角倉政府参考人 お答え申し上げます。

 地方自治法の御指摘の規定におきましては、地方公共団体に対し新たに事務又は負担を義務づけると認められる施策の立案をしようとする場合に適用されるものと理解をしております。

 その一方で、本法律案に基づく認定制度につきましては、再資源化事業等の認定から指導監督まで、環境省の責任において、本法律案に基づき国の事務として行うこととしております。

 なお、認定類型は三つあるわけでございますが、そのうちの一つである再資源化工程の高度化に関する認定につきましては、地方公共団体が廃棄物処理法に基づき既に指導監督を行っている既存の施設に関するものであることから、引き続き、地方公共団体が指導監督を行うこととしておりますけれども、これは既に行っている指導監督を引き続き行っていただくと申しますか、今、廃棄物処理法に基づき既に地方公共団体において認可された施設に関するものでございますので、こうした意味におきまして、今回の法律案におきましては、地方公共団体に対し新たに事務又は負担を義務づける、こういった整理ではないもの、このように考えているところでございます。

 もちろん、その一方で、御指摘いただきましたとおり、本法律案は地方公共団体とも密接に関連するものであります。そうした観点から、地方公共団体の関係者の皆様方、地方六団体の関係者につきましては、本法律案の立案の段階から情報提供等を行ってきたところでございまして、引き続き、地方自治体の皆様としっかり連携をしながら取組は進めていきたい、このように考えております。

松木委員 分かりました。

 とはいうものの、やはり、結構地方もいろいろなことをやらなきゃならなくなるよね。だから、ちょっとそこら辺は考えていただきたいなと。

 参考人の指摘のとおり、当該自治体については仕事が純増の事務となる。それはまさに、同項の言う、その担当する事務に関し地方公共団体に対し新たな事務又は負担を義務づけると認められる施策の立案にほかならないのではないかというふうに思いますし、国と地方の役割分担の適正化の観点から規定されているこの文章は、ある意味、もうちょっと厳格に解されるべきではないかというふうに考えておりますけれども、そこら辺はどうでしょうかね。

角倉政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど申し上げたところと繰り返しになるかもしれません、恐縮でございます。

 本法律案の事務につきましては、規定ぶりといたしまして、国の事務として規定させていただいているところでございまして、その条文上、地方公共団体の皆様方に新たな事務又は負担を義務づける、こういう法律構成にはなっておりませんので、地方自治法のこの規定の適用対象にはならないもの、このように理解させていただいているところでございます。

松木委員 なるほどね、分かりました。

 これまでその地域で蓄積のない知見や技術が求められる場合がありますね。その場合、国が認定しておいて、後は丸投げということにはならないというふうに思いますけれども、専門家の派遣や技術者の招致のための補助金など、具体的に使いやすい支援を考えた方がいいんじゃないかなというふうに思うわけですけれども、そこら辺はいかがでしょうか。

伊藤国務大臣 お答え申し上げます。

 本法律案における認定制度については、事業の認定から指導監督まで、環境省の責任において、本法律案に基づきその事務を行うこととしております。

 また、再資源化工程の高度化に関する認定制度については、地方公共団体が廃棄物処理法に基づき既に指導監督を行っている施設に関するものであることから、引き続き、地方公共団体が指導監督を行っていくもので、他方、御指摘のように、地方公共団体の対応が必要となった場合であっても、環境省において地方公共団体をしっかりバックアップしてまいります。

 認定した施設等に対する指導監督のための技術的なガイドラインの策定や高度な資源循環に取り組むための再資源化の高度化事例集の作成など技術的支援に努め、地方公共団体としっかり連携して進めてまいりたい、そのように考えております。

松木委員 何だかんだ言って、地方自治体というのは、今、いろいろなことを兼務しながら役所の人たちも頑張っているということが多いようなので、是非、ちょっと予算というかお金、環境省は小さいんだよね、大臣も、そのとおりだという顔をして、今言っていましたけれども、やはりこれは、地球環境のことなんだから、すごく大切なんですよ。

 ある自民党の先生とお話をしたんですけれども、私は望んで環境副大臣を二回続けてやらせていただきましたなんて言った人もいまして、誰とは名前は言いませんよ、それはなぜかというと、地球環境が大切だから、このことは一生懸命やりたいと思うから、私、お願いしたんですなんてことを言っている方も、誰とは言いません、おられました。そのぐらいやはり大切な地球環境だというふうに思いますので、是非、もっと予算をやはり取るしかないんだなということをつくづく思うわけでございます。

 どうですか、大臣。お金のことだから、余りここで私が大臣に聞いたからって、大臣も頑張りますとは言うだろうけれども、それは財務大臣が何とかしてくれなきゃ困る話ではありますけれども、是非、もしよかったら、せっかくだから意気込みを。

伊藤国務大臣 応援、ありがとうございます。環境としてできるだけ力を出して、必要な予算獲得に努めてまいりたいと思います。

松木委員 大臣、是非しっかり頑張っていただきたいと思います。

 それでは、次の質問なんですけれども、本法案に関する内閣法制局との協議は去年の十月頃から開始をされているんだというふうに思いますけれども、協議過程において、環境省として提案した原案が何の修正もなく了解されたはずはないんじゃないかなというふうに思うんですけれども、環境省として盛り込みたかったんだけれども今回ちょっと、内閣法制局の方の指摘を受け入れて原案を修正したということがあったんでしょうか。もしあるのであれば、指摘の内容を示されたいというふうに思います。

角倉政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、本法律案におきまして、環境省として盛り込みたいと思っていた要素のうち、実際に法制局等の指摘で入らなかった、こういったものはなかったという形になっております。全て私どもとして入れたいと思っていた要素は盛り込まれた形で、今回、国会の方に提出させていただいている形になっております。

 ただ、じゃ、法制局から何の修正もなかったのかといったら、そういうことは決してなくて、幾つか御紹介をさせていただきますと、例えば、内閣法制局の御指摘を受けて修正した部分としては、法案の第三条二項で、基本方針で定める事項について書いてございます。ここの基本方針で定める事項につきましては、再資源化事業等の高度化の定義で三つ書いてございますけれども、この三つの方向性に沿った形で基本方針の内容も明らかにすべきであり、その旨が分かるように基本的な事項において記載するようにという形で修正はさせていただいて、条文に反映されてございます。

 また、二つ目のところで、例えば、産業廃棄物の取り扱っている量が多い事業者、特定産業廃棄物処分業者として定義を置かせていただいておりまして、その方々に対する勧告、命令等の規定が書いてございます。このうちの命令の要件として、再資源化の実施の促進を著しく害すると認めるとき、こういう形で私どもは原案をさせていただいていたんですけれども、促進を著しく害するというのはよく分からない、正確に表現できていないのではないかとの御指摘を受けて、ここは、促進を著しく阻害する、このように修正させていただいております。これは、第十条第二項の規定の部分でございます。

 あと、最後に一つ御紹介させていただきますと、同じく第十条第二項に規定するところで、事業者に対する命令に当たり意見を聞くべき審議会名について、当初の案では、審議会等であって政令で定めるもの、このようにさせていただいておりましたが、環境省の審議会というのは一つしかございませんので、政令で定める必要はない、法案で明記するように、こういう御指摘をいただきまして、審議会等であって政令で定めるものという規定の代わりに、中央環境審議会、このように規定ぶりを修正させていただいております。

 このほか、幾つか法制局の指摘で修正させていただいたところはございますけれども、要素としては全て入れていただいた形で提案させていただいております。

松木委員 ありがとうございます。

 大体思ったとおりのことはできたということで間違いないですね。普通だったら結構修正されたりということも、何かあるんですか、結構そういうことも多いようなことを聞いたことがあるんですけれども、とにかく、大切なことだからどんどんどんどん進めていかなきゃならないというのが基本的にオーケーだということだったんだというふうに思います。

 結構、政府部内の意思形成過程の情報なんですけれども、地球環境の問題というのはかなりみんなの関心が高いので、そういうふうに今ちょっとお話を聞かせていただいたんですけれども、もう一度何か話すことはないですか、大丈夫ですか。

角倉政府参考人 お答え申し上げます。

 私どもとしても、盛り込みたい内容を盛り込める、しっかり頑張った上で提案させていただきたいという思いで頑張ってまいりましたので、是非、御審議いただけますように、よろしくお願いいたします。

松木委員 もちろん、これはもう大切なことですから、みんなでちゃんと仕上げなきゃいけないというふうに思います。

 あとは、もうちょっとだけ時間がありますので、法案のことはこのぐらいの質問で。

 実は、これは法案とも関係があるといえばあるんだけれども、今、川口市の方でクルド人の皆さんが暴れているようなお話がちょっと出ていたりなんかすると思うんですけれども、これは、やはり就労の問題につながるんですよね。それはどういうところで勤めるかというと、解体だとかそういうところ、結局、物の循環の話につながるじゃないですか。

 川口市の方からも幾つか要望が国の方にも来ているみたいですけれども、一つは、不法行為を行う外国人においては、法に基づき厳格に対処、強制送還等していただきたい、二番目が、仮放免者が市中において最低限の生活維持ができるよう云々があって、就労を可能とする制度を構築していただきたい、三番目に、生活維持が困難な仮放免者について、入国管理制度の一環として、健康保険その他の行政サービスについて、国からの援助措置を含め、国の責任において適否を判断していただきたいとかというのも来ているらしいんですけれども、もう十年以上いる方とか、いろいろといるらしいんですね。

 それで、クルドの皆さんが、結構川口の方にお集まりのようなんですよね。去年の七月には病院の前で百人近くの方が集結して、何か騒動になったということもどうもあるようでございます。

 もちろん、クルドの皆さんだけの話じゃなくて、外国人労働者ということだと思うんですけれども、仮放免ということになるとちゃんとした就労ができないはずなんですよね。ですから、保険だとか対象外になっちゃうんですよね。ですから、歯医者さんに行くのも何でもすごいお金がかかるという、そのままの、生のお金を払わなきゃいけないですからね。そういうことになると、やはり、そういう人たちのフラストレーションもいろいろとたまるんだろうなというふうにも思います。もちろん、日本の法律を破るようなことをされては困るんですけれども、そうじゃない方もたくさんいるみたいな感じはあるんですよね。

 是非、今日、質問通告もしていないので、余りこれ以上は言いませんけれども、仮放免というのは、要するに、もう収容し切れないんでしょうね、ですから、出しているわけですよ。でも、みんな生活しなきゃならないから、仕事をしなきゃならない。仕事をする先がやはり解体の仕事だとか、まさに今回のことにも関わってくる。そういうお仕事もなされる中で、多分、ちゃんとした支払いがされているのかどうか、これはもう推測の域ですからね、余り言えませんけれども。

 そういうことも含めて、なかなか大変なことになっているということがどうもあるので、是非、大臣、大臣だけじゃなくて、警察の皆さんだとかいろいろな方々とちょっと一回お話をして、どうしてこんなことになっているのかということを一度やはり研究なされた方がいいと思うんですよね。そうしないと、それこそ、SDGsの中には貧困をなくすというのがあるじゃないですか、それはいいのかということにもなってしまいますので。

 まして、今、日本というのは、なかなか人手不足じゃないですか。ですから、働いていただくというのは、多分、この国にとっては僕はありがたい話だと思うんですよね。であれば、ちゃんとした特別在留許可だとか、いろいろな形はあると思うんですよ。そういうことを是非研究なされたらどうかなというふうに思います。

 誰がいい悪いという話は、私はしません。ただ、こういう現実があって、結構、それぞれの立場で物は考えると思いますよ。クルドの皆さんから考えれば、ひどい、どうしてこんなことになるんだ、あるいは、川口の皆さんから見れば、やはり、言葉の分からない人がいっぱい集まって、そこでわっとやられたら怖いですよね、はっきり言って怖い、こういうこともあるでしょうから。

 こういうことは、やはりいい方向で解決をつけていったらいいので、環境大臣の所管じゃないかもしれないけれども、いろいろ就労という意味では関係してくるので、しかも、今回の資源循環の近いところで働いている方々もいるということですからね。

 今日は指摘にとどめます。是非考えてやっていただきたいということをお願いを申し上げて、何かしゃべりますか、やめておく、分かりました。じゃ、それで終わります。

 以上、ありがとうございました。

務台委員長 次に、馬場雄基君。

馬場(雄)委員 改めまして、こんにちは。馬場雄基でございます。本日、会派を最後に代表いたしまして質問いたします。

 まず、この新法に出てくる高度化という言葉の概念についてお伺いしたいというふうに思います。もちろん、これは枕言葉に再資源化事業などというふうにつきますので、その点に絞った意味であり、技術を上げていく、そのための施設を造るということだと思いますが、資源循環のための高度化というふうに捉えていった場合、単にリサイクルの精度を上げればいいという話にはとどまらないというふうに私は思っています。なぜなら、新たな施設を造る体力のない小さな事業体、あるいは、例えば小さな自治体は、この法案のある意味対象になるのはかなり難しいところではないかなと思うわけですが、でも一方で、何も無関係というわけではないというふうに思います。

 例えば、徳島県の上勝町では、ごみゼロ、ゼロウェーストという言葉も宣言されておりますし、ほかにもリデュース、そしてリユース、そういうふうな精神も大切であろうというふうに思います。地域に応じ、規模に応じてできることを徹底的にやっていくんだということが一番大切なメッセージだというふうに思います。

 環境省さんが、今回、循環型社会実現に向けて高度化という言葉を使われておりますけれども、これは事業化のみならず、リデュース、リユースを含め、高度化という定義は国民参加そのものも指していくんだということを、この点だけ確認をさせていただいてから質疑に移りたいと思います。よろしくお願いします。

角倉政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘いただきましたとおり、資源循環を進めていくためには、リデュース、リユース、リサイクル、全てが大事でございます。

 その一方で、御質問いただきました本法律案における高度化ですけれども、これは再資源化事業等の高度化という形にさせていただいておりまして、専ら再資源化、そこのところの高度化について定義をさせていただいているものでございます。もちろん、ほかのリデュース、リユースのところにつきましても、ほかの法体系と併せてしっかり環境省として取り組んでまいりたいと考えております。

馬場(雄)委員 ありがとうございます。

 まさにそこが確認したかった点だったので、それを踏まえて、この法律の審議に入らせていただきたいなというふうに思います。

 続きまして、ちょっと大臣、一個飛ばさせてください。時間の関係上、飛ばします。ここから先は、全て参考人質疑を踏まえての確認をさせていただければというふうに思います。

 まず、今回の新法は、先ほどの先輩方の質疑の中にもありましたが、新たな施設の設立の認定であったり、そういったものは国が行っていきますと。ただ、一方で、その監督責任というか、そういったものは自治体が事実上担っていくということになるということで、ノウハウが不足している自治体も当然存在してくるというふうに思いますが、必ず手引の作成であったり、環境省さん含め、バックアップ体制をしっかり築いていくんだということ、まさに参考人の皆様方からも望まれていたことでありますので、是非、その点、確認をさせてください。

伊藤国務大臣 大事な御指摘だと思います。

 本法律案における認定制度については、再資源化事業等の認定から指導監督まで、環境省の責任において、本法律案に基づいてその事務を行うものでございます。

 また、再資源化工程の高度化に関する認定制度については、地方公共団体が廃棄物処理法に基づき既に指導監督を行っている既存の施設に関するものであるから、引き続き、地方公共団体が指導監督を行うということでございます。一方で、地方公共団体の対応が必要になった場合であっても、環境省としてしっかり地方公共団体をバックアップしてまいります。

 その上で、本法律案に基づく認定制度では、廃棄物処理施設を設置する場合、環境大臣は、生活環境の保全に配慮されていることを確認することとしておりまして、地域の生活環境の保全を第一に認定を行って、審査を行ってまいります。

 加えて、認定した施設等に対する指導監督のための技術的なガイドラインの策定や高度な資源循環に取り組むための再資源化の高度化事例集の作成など技術的支援に努めて、地方公共団体をしっかりサポート、また連携してまいりたい、そのように考えております。

 以上でございます。

馬場(雄)委員 大臣、ありがとうございます。是非とも、政策実行をよろしくお願い申し上げます。

 続いて、認定する手続に入る前、そのときから自治体の皆様方と連携をしていただきたい、事後確認ではなく、事前で確認をしていただきたいということもおっしゃられておりましたので、その点も含めて御確認させてください。

伊藤国務大臣 本法律案の認定制度については、国が全面的に責任を持って審査し、認定を行うこととしております。その際にも、地域の実情を把握している地方公共団体にも適宜必要な情報を共有しつつ、審査を進めてまいりたい、そのように思います。

 また、特に配慮が必要な廃棄物処理施設の認定に当たっては、生活環境保全上関係がある地方公共団体の意見を聞かなければならないということになっております。地方公共団体と緊密に連携して対応してまいりたい、そのように考えております。

馬場(雄)委員 大臣、ありがとうございます。

 ここも含めて、政策実行をどうぞよろしくお願い申し上げます。

 続きまして、リサイクルを終えた材、これは再生材という表現がいいのかと思うんですけれども、その市場化についてお伺いをしたいというふうに思います。

 まず、環境省さんにお伺いしたいんですけれども、今回の法案、分離回収、あるいは各種工程に対する指摘は含まれておりますが、最も大事だと思う、リサイクルを終えた材、再生材が市場に回っていく、その点が少しちょっと見受けられなかったんじゃないかなというふうに思うんですけれども、ここへの支援、この法案ではあるのかないのか、この点だけ端的にお願いします。

角倉政府参考人 お答え申し上げます。

 欧米を始めとして再生材の需要が高まる中で、再生材の質と量を確保することが、国際的にも製品、サービスの競争力に直結し、世界市場で日本の存在を高めるためにも必要不可欠であると考えております。

 この際、問題になりますのは、一定程度、再生材の需要はあるとは思うんですけれども、その一方で、需要側が必要とする質と量の再生材をいかに確保するのか、これもセットで考えていかないと、再生材の市場拡大というのはなかなか難しいと考えております。

 こうした中で、本法律案におきましては、製造事業者と廃棄物処分業者が連携して実施する再資源化事業を認定する、こうしたスキームも用意させていただいております。こうした認定スキームを活用して、廃棄物処分業者から製造事業者に対して必要な質と量の再生材を供給する体制を整備していくことで、再生材市場の拡大を後押ししてまいりたいと思いますし、それ以外の取組も含めて頑張ってまいりたいと思います。

馬場(雄)委員 ありがとうございます。

 つまり、この点だけでいうならば、正直、そこは用意されていないということだと思います。

 市場との対話が絶対に必要でして、太陽光パネルのリサイクルの話をするときに必ず問題になる廃ガラスの利用、ここに関しても、やはり市場化していくことが最も大切だというふうに思っています。ワンセットにしていくための支援策も同時にしっかりと検討していくんだということのメッセージを大臣からいただけないでしょうか。

伊藤国務大臣 循環の本質に関わる御指摘をいただいたと思います。

 御指摘の再生材の市場を形成していくためには、本法律案による取組に加え、製造事業者との連携が必要不可欠だと思います。

 製造事業者と連携した取組として、環境省では、経済産業省及び経団連とともに立ち上げた、関係事業者が幅広く参画する循環経済パートナーシップを創設し、先進事例の収集と国内外への情報発信を行っております。また、サーキュラーエコノミーに野心的、先駆的に取り組む国、自治体、企業、団体等を構成員とするサーキュラーパートナーズの取組を、経済産業省と連携協力して後押ししているところでございます。こうした様々な場を活用して、製造事業者側への働きかけを行ってまいりたいと思います。

 さらに、製造事業者への対応としては、現在、経済産業省において、産業構造審議会の下に資源循環経済小委員会を設置いたしまして、製造業等が再生材をより多く活用することにつながる制度整備に向けて、資源有効利用促進法の見直しの議論を行っているところでございます。環境省としては、こうした議論も踏まえて、経済産業省を始めとする関係省庁とも連携しながら、必要な対応を検討してまいりたいと思います。

 加えて、グリーン購入法により、再生材を利用した製品を含む環境負荷低減に資する商品、サービスの国等による調達を推進するとともに、こうした物品等に関する適切な情報提供を行うことにより需要の転換を図っており、再生材の市場拡大に向けて取組を進めてまいりたい、そのように考えております。

馬場(雄)委員 大臣、ありがとうございます。

 まさに市場との対話、そして財政の市場化という表現がいいのかもしれないですが、最初に財政でやりながら、最終的には市場に落とし込んでいかなければいけないといったときに、やはり再生材の市場化というのは極めて、ある意味、肝中の肝の話になると思いますので、是非、他省庁との連携も含め、力強く推進をお願い申し上げたいと思います。

 時間の関係上、最後に飛ばさせていただきます。

 どうしてもやはり責任を持って成し遂げていきたい福島の復興、そして、その難題の一つである中間貯蔵施設、土壌の話でございます。未来のために、少しでもいいので前に歩みを進めていく、そしてその汗をみんなでやはりかいていくということが一番大切なんだと思うわけでございます。

 三月の二十二日ですが、復興特別委員会にて、我が党の玄葉光一郎議員の質問にて、土壌の取組に対する確認が行われておりました。適切な科学的見地の確認、そしてIAEAの有効な活用、そして最後がインセンティブという三つの観点で捉えられていたというふうに思いますが、その際、復興大臣の土屋大臣からは、インセンティブは選択肢の一つとして考えていくというような御答弁もいただきまして、その様子は、お配りさせていただきました地元新聞にも掲載をされております。

 まさに、中間貯蔵施設の所管省庁は環境省でもありますので、環境大臣として、まさに復興庁と政府一体であるんだというところのメッセージを是非とも確認をさせていただきたいというふうに思いまして、よろしくお願い申し上げます。

伊藤国務大臣 除去土壌の再生利用先の創出に向けて、まずは関係省庁の連携強化によって、政府一体となった体制整備に向けた取組を進めていくことが重要だと思います。先月十九日に閣議決定された、見直し後の復興の基本方針にもその旨が記載されたところでございます。

 政府一体となった体制は、今後更に整備されていくこととなりますが、具体的な検討事項については、現在決まったものがあるわけではありません。再生利用の実現に向けて、まずは体制整備に向けた取組を進めるとともに、様々な検討課題について関係省庁と幅広く議論して進めてまいりたい、そのように思います。

馬場(雄)委員 大臣、復興大臣として、まさにインセンティブに対するところを選択肢の一つというふうに、これは幅広く捉えることのできる概念だと思いますが、そういうふうにおっしゃってくださった部分がありまして、今後しっかりとそういったことも検討していくんだということの理解でいいか、是非御確認させてください。

伊藤国務大臣 先ほども申し上げましたけれども、再生利用の実現に向けては、まずは体制整備に向けた取組を進めてまいりたいと思います。現時点において、具体的な検討事項について、確定的には何も決まっておりません。

馬場(雄)委員 是非、ここは復興大臣とそして環境大臣に足並みをまずそろえていただきたいというところと、そして、やはり総理に対して、是非とも両省庁の中核な大臣から、こういうことが必要なんだということも含めて、力強くそこは進めていただければというふうにお願い申し上げたいと思います。

 その上で必要な、まさにIAEAの有効な活用という点だと思うんですけれども、昨年の十一月、第一回のサマリーレポート、和訳は作らないんですかという御質問もさせていただきまして、その後、どういうふうになったのか、既にもう第二回、第三回の会合が終わってしまっておりますけれども、その点、確認をさせてください。

前佛政府参考人 お答えをいたします。

 委員から御指摘もいただきましたサマリーレポートの全体の和訳についてという御質問でございました。

 専門的な、あと技術的な内容も多く含まれているということと、IAEAの確認も含めて一定の時間を要するということから、今、まだ現在、作業中ということでございます。大変申し訳ございません。できるだけ早期に公表できるよう、今、鋭意作業を進めているところでございます。

馬場(雄)委員 この点なんです。もちろん、努力なされている姿は常々見せていただいておりますし、環境省の職員の方々とも常々レクをさせていただいておりますので、その努力に敬意を表します。ただ、かくべき汗はかくべきだと。今できることは全て徹底的にやった方がいいというふうに思いまして。

 IAEAの有効的な活用ということであるならば、本来ならば、第一回目会合が終わったときにしっかりと我々もチェックをして、第二回目につなげていくためにこういうことをお願いしていくという、このやり取りが本来はあった方が、最終的な要点が実りあるものになったんではないかなというふうに思います。

 ただ、もうそれは過去の話になってしまいました。だとするならば、この第三回の会合の全てのものに対しても、どういう議論の経過があったのかは我々もしっかりと理解した上で、国民理解の醸成、そして海外理解の醸成に努めていかなくてはいけないんだというふうに思うわけでございます。

 その点は、是非とも、引き続き、和訳の作成はお願いを申し上げさせていただきたいですし、この点においては、委員長、大変恐縮ながら、理事会でしっかり協議をお願いしたいと思います。

務台委員長 ただいまの件につきましては、理事会で協議いたします。

馬場(雄)委員 ありがとうございます。

 透明性、そして公明正大、正々堂々、この点が一番大切だというふうに思いますので、引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

 ありがとうございました。

務台委員長 次に、空本誠喜君。

空本委員 日本維新の会、教育無償化を実現する会との共同会派、空本誠喜でございます。

 今日もお時間をいただきまして、ありがとうございます。

 今日は、この法案に関して、またこれも行政手続とかそういった面では様々な議員の皆様がいろいろ質問されておりますので、その中身をもう少し深掘りをするということで質問させていただきたいと思います。

 そして、私の方からも、先ほど松木先生の方からありましたけれども、環境省がもっともっと予算を取って、頑張って、そして環境行政を前へ前へ進めて、環境立国、そして我が国の資源強化、また、先ほど松原仁先生からもやはり都市鉱山の問題がございました、都市鉱山から資源を確実に日本が保有して、そしてそれを工業につなげていく、産業につなげていく、そういった意味で質問させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 まず、この法案におきます資源化に資すると想定している対象となる産業廃棄物というのはどういうようなものか。例えば、自動車からの廃プラ、廃油、使用済蓄電池等からの希少金属、レアアース、レアメタル、FRP、電気ケーブル、炭素繊維複合材料、また廃タイヤ、医療廃棄物、様々ありますけれども、どういうものが対象となるか、まず、環境省からお答えをお願いいたします。

角倉政府参考人 お答え申し上げます。

 本法律案におきましては、温室効果ガスの排出削減効果の高い資源循環を促進するため、広く廃棄物全般を対象として、再資源化事業等の高度化を促進する、このようにさせていただいております。

 このため、御指摘いただきました自動車等からの廃プラスチックや、そのほか、廃油、使用済みリチウム電池に含まれるニッケル、コバルト等のレアメタル、こうしたものも本法律案の対象となり得ます。例えば、将来大幅な排出量の増加が見込まれる太陽光パネルも、本法律案の適用対象の主要な例の一つ、このように考えております。

 また、本年夏頃に策定予定の第五次循環型社会形成推進基本計画では、令和四年九月に策定した循環経済工程表をロードマップとして位置づける方向で議論を進めておりますけれども、この循環経済工程表では、徹底的な資源循環を考慮すべき素材としてプラスチックや金属等を挙げているところでございます。本法律案も活用し、こうした様々な資源の再資源化を、しっかりと優先順位を考えながら、重点的に取組を進めてまいりたい、このように考えております。

空本委員 丁寧な御説明をありがとうございます。

 そして、先ほど松原先生からもお話があったんですが、都市鉱山の問題でございます。

 都市鉱山の中には、プラスチック系も入っていますけれども、やはり金属、それもレアアース、レアメタルというものがたくさん含まれていて、それがフローで動いているのか、ストックになっているのか、また産廃場に埋まっているのか、様々な形態があろうかと思います。

 我が国の都市鉱山における潜在的な埋蔵量、どのくらい蓄積しているのか、資源があるのか、そして、それをどのように環境省として定量的に把握、推定されているか、それをどの程度有効活用しているのか、再資源化をどの程度を行っているのか、定量的にどの程度把握されているか、環境省からまたお答えをお願いいたします。

角倉政府参考人 お答え申し上げます。

 少し古い資料、データになってしまいますが、都市鉱山に蓄積する資源量につきましては、平成二十五年に施行された小型家電リサイクル制度の検討段階で推計を行っております。この推計については、それ以来まだ更新を行っておりませんが、その当時、小型電気電子機器の既存統計を参考に、一年間に使用済みになる小型電気電子機器を約六十五万トン、そのうち有用金属含有量を約二十八万トンと推計しております。この内訳につきましては、例えば、鉄は約二十三万トン、アルミニウムは約二万トン、銀は約七十トン、このように推計させていただいているところでございます。

 一方、再資源化の実績については、これは毎年、経年調査を行っております。直近の令和四年度は、小型家電リサイクル法に基づく認定を受けたリサイクル事業者が再資源化した使用済小型電気電子機器の量につきましては約八万九千トンでございました。再資源化された金属量は約四万五千トンとなっているところでございます。

 なお、平成二十九年度から三十年度にかけて実施いたしました、みんなのメダルプロジェクトというものがございます。このみんなのメダルプロジェクトでも回収量について調査をしており、千五百七十五の市町村、リサイクル業者、小売業者等が連携し、このときは約七万九千トンの使用済小型電気電子機器を回収いたしました。メダル総数約五千個に必要な金属量を、この使用済小型家電から回収した金属により確保しておりまして、内訳は、金が三十二キログラム、銀が三千五百キログラム、銅が二千二百キログラム、こういった形になっております。

 今年度は、小型家電リサイクル制度の施行状況の評価、検討を実施する予定としております。都市鉱山に蓄積する資源量等も考慮して、再資源化の状況をより適切に把握し、評価する方法についても検討し、しっかり実態を踏まえた上で、次にどういった手が必要になるのか、考えていきたいと考えております。

空本委員 またこれも丁寧な説明をありがとうございます。

 本当に定量的な推定といいますか把握、これが一番大事で、これから資源戦略について話を進めていきたいと思うんですが、やはりどの程度我が国でレアアース、レアメタル、またベースメタル、こういったものを保有するべきか、そこを基準にしながら産業をどうやって育成するか、これを考えていかなきゃいけないと思いますので、地道な作業になるかと思いますが、本当にこれは大変な作業だと思います、環境省の皆さんにとっては大変ボリュームのあるものだと思いますが、経済産業省、資源エネルギー庁、こういったところと連携を図りながらしっかり取り組んでいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 そして、もう一点は、もう既に産業廃棄物として埋め立てられたものを取り出してみるというのは、経済合理性の観点からお得かなというと、やはりまだまだという時期ではないかと思うんですが、将来的に見て、埋まっているものを有効活用する。家電製品とかが二十年、三十年前にはたくさんのものが埋まっていて、それが最終処分場という形で今あるわけでございます。やはり減容化というものも進めてきたと思うんですが、過去に振り返りながら、最終処分場、既設の埋立地における埋蔵している、埋蔵金じゃありませんが、埋蔵金属、資源、こういったものはどの程度あるか、環境省はどのように把握されていますでしょうか。

角倉政府参考人 お答え申し上げます。

 これまで最終処分場に処分された金属系の廃棄物の総量については把握はできておりませんけれども、毎年の処分場に埋め立てられている量については把握してございます。

 令和三年度に再利用されずに処分場に埋め立てられた金属系廃棄物の量は、一般廃棄物で約九十六万トン、産業廃棄物で約十六万トンとなってございます。

空本委員 やはりそういった金属を将来的にはまた埋蔵金として掘り返してきて、そしてそれから資源化するということも、経済合理性の観点も考えながらではありますけれども、やる時期も来るのかなと思いますので、そういった意味で、そういうデータの蓄積もよろしくお願いしたいと思います。

 そして、資源戦略、まずは金属の資源に関して、先ほど来少し話をさせていただいておりますが、政府として、主要な重要鉱物、ベースメタル、レアメタル、レアアース、プレシャスメタル、貴金属ですね、こういったものの今後の需要見込み、必要量というものをどのように考えていらっしゃるか、どのように定量的に推定、評価されているか、まず、資源エネルギー庁の方からお答えをお願いいたします。

定光政府参考人 お答え申し上げます。

 これまで政府といたしましては、重要鉱物資源の確保のための様々な政策を立案する上で、主要な鉱物につきましては、IEAなどの国際機関、民間調査機関、業界団体などの需要見通しを参照したり、あるいは委託調査を行うなどによって必要な情報を把握しているところでございます。

 直近では、令和四年度に、カーボンニュートラル実現に向けた鉱物資源需給調査というものをJOGMECと日本エネルギー経済研究所の協力を得て実施したところでございます。

 そこでは二〇五〇年の国内需要を推計しておりまして、主要鉱種十二について推計しておりますが、一例を申し上げれば、今後需要が進展するシナリオに基づく一つのケースで申し上げますと、二〇二〇年比で、リチウムは約七倍、コバルトは約三倍、ニッケルは約十五倍、代表的なレアアースでありますネオジムについては約一・五倍、銅は約一・一倍、プラチナは約三倍というふうに将来の国内需要を推計してございます。

 今後とも、技術の進展や市場動向などを踏まえながら、こうした需給見通しに関する必要な情報収集や調査を継続していきたいというふうに考えております。

空本委員 定量的に把握されているといいますか、推定されているということで少し安心をしたんですけれども、実際、これから半導体産業なり蓄電池の産業なり、これまで日本が二〇一〇年前後に一位だったもの、DRAMであろうともフラッシュメモリーであろうとも、そしてリチウムイオン電池、こういったものもかつては日本が一番でありました。もう一度、日本に産業を取り戻す。

 今、ラピダスとかまたTSMCとか、いろいろな工場を誘致したりやっておりますけれども、これから国内での工場、ファブレス、ファウンドリーをつくりながら生産工場をもっともっと強化するという意味では、まだまだそういうレアメタル、レアアース、こういったものが必要になってくるのかなと思いますので、しっかり追跡調査といいますか、それはお願いしたいと思います。

 また、我が国の金属資源、ベースメタルとまた貴金属、プレシャスメタルの戦略なんですが、今後どのように調達をしていくのかな、海外調達もございます、今回の再資源化もございます、さらに、国内備蓄をどういうふうにしていくか、どの程度備蓄しているのか、そういったことも分かれば教えていただきたいんですが、よろしくお願いいたします。

定光政府参考人 お答え申し上げます。

 資源確保の観点は、御指摘のとおり、大変我々も大切だと考えております。そのためには、国内需要のみならず、国際的な需要、供給の予測なども踏まえまして、国として、重要鉱物の安定供給確保に向けて必要な戦略策定あるいは具体策の充実を図ってきたところでございます。

 具体的には、まず、一番包括的なものとしてはエネルギー基本計画というものがありまして、ここで、権益確保、リサイクル、備蓄を含めて鉱物資源の確保に関する総合的な取組を定め、必要に応じ、見直しを行ってきているところでございます。

 また、近年、経済安全保障の観点からの要請が高まっていることを踏まえまして、経済安全保障法に基づく重要鉱物についての取組方針というものを二〇二三年一月に策定しておりまして、ここに、鉱物ごとの確保量の目標、あるいはそのための支援策を盛り込んでいます。

 それによって、個別プロジェクトに対して助成や出資をする予算措置ということも我々は講じておりまして、総額二千百五十八億円の予算を令和四年度補正予算で措置して、個別のプロジェクト支援にも備えているところでございます。また、この予算は、委員からも御指摘いただいていますリサイクルに関するプロジェクトにも、これはリサイクルも資源確保の一つの有効な手段だと思っていまして、活用いただけるようになっているところでございます。

 備蓄に関してですけれども、代替が困難で供給量の偏りが著しい鉱物の供給途絶リスクなどに備えるために、備蓄についても我々は実施しております。

 それについては、二〇二〇年に金属鉱産物の備蓄に関する基本方針というものを定めて、国内の将来的な需要動向、特定国への輸入依存度、あるいは供給途絶のリスクなども踏まえて、必要な鉱種の備蓄を行ってございます。備蓄の量につきましては、何日分と言ってしまうと我々の手のうちを海外にも明かすことになってしまいますので、それについては非公開ですけれども、様々なリスク、需要を踏まえて、十分な量を確保しているところでございます。

 また、海外からの資源確保に関しましては、我々は、様々な国からいろいろな関係を構築しながら調達していくことが重要だと思っていまして、それを進めるために、昨年六月に資源外交に関する指針というものも定めまして、アメリカ、オーストラリア、カナダなどの同志国と連携した鉱物資源の開発、あるいは南部アフリカ諸国やチリなどの資源国との関係強化にも取り組んでいるところでございます。

 引き続き、これらの政策を総動員しながら、重要鉱物の安定供給確保に取り組んでまいりたいと考えております。

空本委員 ありがとうございます。

 国内で必要なもの、またどのぐらい備蓄しているか、これについてはなかなか語れないのは当然でございますので、その旨理解しながら、経済安全保障上、そういったものをしっかり国としては確認しながら、そしてその需給バランスを見ていただきたいと思います。

 いろいろ金属を見ていきますと、鉱山、海外も含めて、地下に埋まっている、埋蔵しているものというのはやはりアルミとかがすごく多くて、逆に、今流通しているものは、実は割合的には少ないんですよね。でも、水銀とかというものは、逆に、もう既に使っているものが多くて、水銀なんかをまた再利用するといいますか、今後、再資源化して活用するというのが大変なのかな、水銀で見ますと、埋蔵量が大体二〇%、世界でですね、もう使用しているものが大体八〇%というふうなデータが今ございまして、そういったものを見ると、やはり埋まっているものは、若しくは今都市で流通しているものが大変重要じゃないかなと。

 水銀、また銀とかスズ、鉛、金、こういったものは、かなり流通しているものが多い。そういうときに、やはり再資源化というのが一番重要となってくるだろうなということでありますので、海外から調達することも大切でありますが、再資源化の意義といいますか、後ほどまた大臣から御意見をいただこうと思いますが、その重要性について、私たちがしっかり認識しながら進めていかなきゃいけないなと思います。

 そして、もう一点、私は原子力屋なものですから、原子力施設、今、中部電力の浜岡原発とか敦賀とかは炉を廃止しています。そこで、クリアランス制度というのがございます。ある一定の放射線量、ほとんど皆無なんですが、クリアランスをクリアしたものに対しては再資源化を行ってもいい、一般的な廃棄物として、金属廃棄物として利用していいということになっています。例えば、一番多いのは構造材であるステンレス、また、電気ケーブルも巡っておりまして、その中には銅があります。本当に大事な大事なベースメタルでございます。そういった一般的に流通しているようなもの、これを活用するというのは大事だと思います。

 ただし、今現在、電力会社とかそういう電力施設、発電施設、こういったところでしか使っていないんですが、これを今後やはり一般の皆さんに御理解いただきながら広めていくということも大変大切ではないかと思うんですが、資源エネルギー庁、いかがでしょうか。

久米政府参考人 お答え申し上げます。

 今御質問いただきましたクリアランス物につきましては、今後、原子力発電所の廃炉が本格化する中で増加が見込まれておりまして、特に、委員御指摘のとおり、構造材由来の金属の再利用を促進していくということは、廃止措置の円滑化や資源の有効活用の観点から重要だというふうに認識しております。

 政府といたしましても、クリアランス金属の加工に関する実証事業を実施してきておりまして、例えば、自転車のスタンド等に加工した上で、福井県内の公共施設や高校に設置し、活用してもらうなど、段階的に取組を進めてきているところでございます。

 このように実証事業としての取組は行われてきているわけでございますけれども、クリアランス物の再利用を更に拡大していくためには国民の皆様に理解を深めていただくことが必要であり、クリアランス物の安全性などについて適切な情報提供を丁寧に進めていくことが重要だというふうに考えております。

 電力事業者ともしっかりと連携しながら、クリアランス物の再利用先の更なる拡大を推進するとともに、制度の社会定着に向けた取組を着実に進めてまいります。

空本委員 原子力施設にあるステンレス、ケーブルの銅もなんですが、実は、材質がすごく優れているといいますか、もちろん純度は高いし、一応合金でありますから、ステンレス鋼というのは本当に品質が高いものですので、放射化していなければ、それは本当に有効活用することが日本の鉄鋼においてもすごく有効であります。

 先ほど電炉の話とかが出ましたが、そういったものを電炉で溶かしてまた再利用するということもあって、また、水素還元の製鉄というのは、赤い鉄鉱石を一般的にはコークスと一緒に燃やして、千六百度ぐらい、二千度ぐらいまでいかせて、そこから溶けた千六百度ぐらいのものを取ってくる、それが、熱そしてCO2が排出されて、やはり地球温暖化対策としては逆向き。したがって、製鉄においても、やはり既存の、既に製品になっているものを再利用するという方が明らかに熱効率またCO2削減に効果があるというふうに考えております。

 そういった意味で、一般の方々が、原発で使ったよ、原発の構造物だった、やはり心配だよねというところがありますので、そこをどうやって払拭していくか、これはみんなで考えていかなきゃいけないことであります。また、電力会社が使っていますが、それが一般の公共機関でも使っていただければ一番いいのかなと思っておりますので、そういう活用をしっかりお願いしたいと思います。それは環境省も一緒に取り組んでいただけたら、大変ありがたいと思います。よろしくお願いいたします。

 そして、都市鉱山とかまた産廃場とかに散逸している散逸ストック量、この辺をどういうふうに把握しているのか、マテリアルフロー分析という手法がありまして、これについて、経産省、分析されているかどうか、そういうデータがあるかどうかを含めてお答えください。

定光政府参考人 お答え申し上げます。

 このマテリアルのフロー、ストック等につきましては、JOGMECにおいて令和三年度から鉱物資源リサイクルフロー・ストック調査というものを実施しております。ここで主な鉱種の国内のストックやマテリアルフローを推計しまして、国内の主要な鉱物の量や再資源化の状況の把握を行ってございます。

 具体的には、令和三年度は銅及びレアアース四鉱種、令和四年度はリチウムとニッケル、令和五年度はタングステンとガリウムについて推計を実施してございます。

 一例として、直近の令和五年度に行いましたタングステン、これは超硬工具、非常に硬い工具ないしは特殊鋼に用いられる鉱物ですけれども、その例を挙げますと、合計約三千五百トンの廃棄がありまして、そのうち約二千四百トンがリサイクルされ、約千百トンが使用済製品として廃棄されております。また、国内のストック量は約二千二百トンであるというふうに推計してございます。

 このような形で、鉱物の、マテリアルのフローについての分析をより幅広い鉱種についても今後行って、しっかりとリサイクルを含む資源確保政策に活用してまいりたいというふうに考えてございます。

空本委員 そういう分析をJOGMECさんと一緒にやられているということで安心するところであります。こういう資源の量の把握、推定、こういったものがされているということでありますので、その中でも、再資源化というのがこれから本当に重要になると思います。

 そういった意味で、この法案に対して、やはりその位置づけ、再認識、大臣、いかがでしょうか。どうぞお願いいたします。

伊藤国務大臣 お答え申し上げます。

 金属資源の中には、新興国の経済成長に伴い枯渇の懸念があったり、供給源が特定国に集中しているものもあります。特に自給率の低い金属資源の確保は、経済安全保障の観点からも極めて重要なことだと思います。

 金属資源を輸入に頼っている我が国としては、資源を循環的に利用して最大限活用することが非常に重要です。そのために、高度な再資源化事業に対して後押しをする、これが必要だと思います。

 このため、本法律案では、太陽光パネルやリチウム蓄電池等、分離回収が難しく、従来は再資源化が困難であった廃棄物についても、高度な技術を用いて再資源化を可能とする事業などを対象に、環境大臣が認定を行うこととしております。これにより、廃棄物処理法に基づく自治体の許可を不要とし、手続を迅速化することとしております。先進的な設備の導入を促して再資源化の取組を後押しすることで、資源の安定供給の確保につなげて、経済安全保障にも貢献してまいりたいと思います。

 物づくり大国である我が国の強みを生かしながら、本法律案も活用し、循環経済への移行を国家戦略として進めてまいりたい、そのように考えております。

空本委員 是非よろしくお願いいたします。

 そして、新興国は、これから製鉄も、またそういう金属もどんどん使うこともあるかと思います。

 実は、この間、私は、広島大学にウズベキスタンから来ている外国人留学生が博士号を取ろうということで、修士号も広島大学で取られたみたいなんですが、そのウズベキスタン人の外国人留学生の方の博士論文の審査をさせていただきました。外部審査員としてやらせていただいたんです。実は、まさにこの脱炭素を念頭に置きながら、水素若しくはアンモニアを使って発電する若しくは製鉄する、水素還元製鉄、先ほどもお話がありましたけれども、やはり新興国の方々はそういうところに今すごく注目されています。私は、論文を審査して、いろいろ質問をさせてもらったんですが、まだまだかなと思いながらも、頑張っていらっしゃるので、優ということにさせていただいたんですけれども。やはり新興国もすごくこれは気にしているところです。

 であるならば、まず、例えば三菱重工さん、若しくはIHIさん、また川重さん、こういったところで、NEDOの資金を活用して、水素タービンとかアンモニアタービン、混焼タービン、こういったものを開発したり、また水素還元製鉄の開発をしたり、私も水素還元製鉄がようやく分かりました。今回審査するに当たってちょっと勉強させていただきまして、余り慣れなかったところですが、時間、何度で何分還元するか、それによってその純度が変わってくる、それをまた電気炉に持っていって溶かしてやるとか、技術開発を今やっているんですよね。NEDOさんを中心にやっています。

 本当に物づくりという意味では、再資源化の新しい技術なんですよね。これはどんどん進めなきゃいけない。そうなると、大手のメーカーに対してだったらば、やはり経済産業省が中心となって、ものづくり補助金なり、そういったものをやる。しかし、中小企業さんが新しい技術をつくろうというときになると、やはり中小企業庁の方が支援しながら助成金等を使ってやればいいのかと思います。しかし、再資源化といえば、やはり第一に出ていただくべきは環境省であります。

 ここで提案でございまして、まずは提案させていただいて、それから各省庁に聞きたいんですけれども、環境省としての物づくり、再資源化の物づくりの技術開発を進める、そういったものづくり補助金、ものづくり助成金といった、再資源化に向けて、それは経産省さんと一緒に連携は取らなきゃいけないと思いますけれども、そういったものを創設して予算取り、分捕ってくる、そういうことで環境省の体力をつけるということも大変重要かなと思うんです。

 その前に、経済産業省の方として、再資源化技術、こういったものについてどのような開発をしているのか、まず御説明をお願いいたします。

小林(出)政府参考人 お答え申し上げます。

 経済産業省では、今まさに委員御指摘のとおり、NEDO、新エネルギー・産業技術総合開発機構を通じまして、様々な再資源化技術の開発を推進しているところでございます。

 具体的には、プラスチックの高度な再資源化に向けて、複合センシング、そしてAIなどを用いた廃プラスチックの高度選別技術、また高品質での再資源化を実現するためのマテリアルリサイクル、そしてケミカルリサイクル等の革新技術の開発を進めているところでございます。

 また、主として中型の廃家電等に含まれる貴金属、そしてレアメタル、ベースメタル、プラスチック等の資源を効率的に回収するため、自動解体のロボット、それから選別システム、それに資源回収最適化技術、こういったものの開発を進めてきているところでございます。

 経済産業省としては、再資源化を高度化するための技術開発に対する支援を引き続き実施していく所存でございます。

空本委員 ありがとうございます。

 では、環境省として、再資源化技術の具体的な開発実績といいますか、支援実績、こういったものを御説明をお願いいたします。

角倉政府参考人 お答え申し上げます。

 環境省では、プラスチックや金属、再エネ関連製品のリサイクル技術に関する実証事業により、技術開発を支援させていただいております。

 具体的な事例といたしましては、例えば、プラスチックのリサイクルについて、廃プラスチックから油を精製するために、品質の安定性の検証や石油精製装置への投入可能性の評価を行う実証事業を行っております。この事業の成果を活用し、数年後の操業開始に向けて、設備導入が今進められているところでございます。

 また、金属リサイクルに関してでございますけれども、従来の技術では有用金属の回収が難しい電子基板から、有用金属を多く含む部品を分離した上で、AI画像選別システムを用いて、レアメタルであるタンタルやパラジウム等を高度に選別する、こうした実証事業も行っております。この事業の成果を踏まえまして、社会実装に向けて、リサイクル事業者や非鉄製錬事業者との連携など、ビジネスモデルの構築に現在取り組んでいるところでございます。

空本委員 そういった技術開発はすごく大事でありまして、その中でも特許戦略、こういったものはやはり経済産業省、資源エネルギー庁でしっかり取っている。また、環境省としても、中小企業さんが中心かと思うんですが、そういう方々に対しての特許戦略、特許を取ってもらって、そういった技術を我が国で有用に活用する、また、新興国にそういう技術を持っていって産業化させるということも大変重要かなと思うんです。

 そのときには、やはり予算がなければいけません。となると、環境省、それは経済産業省と協力し合いながらかと思います、共管でやるべきかもしれませんけれども、環境省としてしっかりと、新設することは、新規に予算を立てることは財務省がうんと言わないと思いますが、でも、まずは上げてみないと事は始まりません。ということで、大臣、いかがでしょうか。

伊藤国務大臣 この分野に大変知見のある委員から大変意欲的な御提案をいただいたと思います。

 民間事業者に対する支援については、エネルギー対策特別会計を活用し、高効率なリサイクル設備の導入に対する補助や実証事業を行っているほか、経済産業省と連携し、GXに向けた資源循環に資する設備投資への支援として、政府全体で、令和六年から三年間で三百億の予算を見込むなど、必要な支援を実施してございます。

 本法律案では、国の役割として、再資源化事業等の高度化に関する施策を実施するために必要な財政上の措置等を講ずるように努めなければならない旨の規定を置いているところでございます。委員の今日の御指摘も踏まえて、引き続き、こうした予算を最大限活用して、民間事業者の資源循環の取組を支援してまいりたいと思います。

 そして、大変意欲的な御提案に対しては、努力してまいりたいと思います。

空本委員 是非お願いします。

 私も東芝にいたときに原発開発、原子力開発をやっていて、昔はMITI、電源特会がありまして、今はエネ特会になっていますけれども、そういった予算を使ってちょっと大きいプロジェクトをやらせていただいたり、また海外進出をやったり、そういったことがありましたので、やはりそういうときに特許戦略が大事なんです。私も何本も特許を出していますけれども、全て東芝が権利を持っていますが、特許を取るというのはやはり技術者にとってもうれしいことなので、是非そういったことも含めて環境省としても取り組んでいただきたいと思います。よろしくお願いします。

 そして、その中で、今度はリチウムに特化した質問をさせていただきたいと思います。

 太陽光発電の蓄電池や、また電気自動車、EVなどの電池、こういったものからどの程度再資源化ができているのかなというところで、現状を環境省から、再資源化の技術を含めて、まず御説明をお願いいたします。

角倉政府参考人 お答え申し上げます。

 蓄電池等につきましては、電気自動車の普及拡大に伴い、素材となるレアメタルの供給不足等が懸念されることから、使用済蓄電池の適切なリユースや再資源化の取組を促進していくことが重要であると考えており、こうした中で、現在は、使用済みリチウム蓄電池からコバルトやニッケル等が回収されております。その一方で、リチウムの回収、再資源化についてでございますけれども、研究や実証等は行われておりますけれども、回収コストが高いことから商用化は進んでいない、こういう状況でございます。

 このため、環境省におきましては、廃リチウム蓄電池から膜技術を用いて高純度のリチウムを回収する技術実証を今行っているところでございます。その結果、コスト面での効率が高い形でリチウムを回収できることを確認しておりまして、今後は、この実証事業の成果を基に、社会実装に向けて、商用化を想定した規模で次のステージの実証事業を進める予定とさせていただいております。

 こうした実証事業を着実に進めることで、蓄電池からのリチウムの再資源化、この取組の社会実装に向けてしっかり取組を進めてまいりたいと考えております。

空本委員 これからの技術になろうと思いますし、実は、六ケ所村にQST、量子科学技術研究開発機構、文部科学省所管でございますけれども、先日、JT60SA、これでプラズマを実現して、私も見に行かせていただいたりしているんですが、視察をさせていただいているんですが、QSTの方では、将来、夢のエネルギーたる核融合の実現に向けていろいろな研究開発がされています。

 那珂研では先ほどのプラズマ、また六ケ所村にQSTがございまして、そこでは、様々なそういう資源化とかその周辺技術というものを、構造材とかブランケット材というものがあるんですけれども、そういったものの開発なりをされています。私も視察をさせていただいたときに、リチウムの再資源化といいますか、そういったものを今研究もしていて、これも実現可能であって、さらには実用化していこうということをお聞きし、実際に物を見させていただきました。

 そういった中で、今、開発状況、そして今後の生産量の見込みといいますか、実用化の見込み、こういったものを、まず、文部科学省から御説明をお願いいたします。

清浦政府参考人 お答えいたします。

 QST、量子科学技術研究開発機構におきましては、核融合炉の燃料製造において必要なリチウムを国内で確保するため、使用済みリチウムイオン電池等から高純度のリチウムを効率的に回収する技術の研究開発を進め、リチウムだけを透過させるイオン伝導体を分離膜としたリチウム回収法、LiSMICを開発いたしました。

 二〇二一年、事業化に当たり重要となる回収速度の向上やコストのめどが立ちましたことから、昨年、QSTの認定ベンチャーとして、LiSTie株式会社が設立されたところでございます。この会社では、リチウム回収の社会実装に向けた技術開発を進めておりまして、二〇二八年には、工業排水から年間三十三トンの生産を見込んでおるところでございます。

 文科省といたしましては、SBIRフェーズ3基金等を通じまして本研究開発を支援することで、引き続き、リチウムの国内安定調達に向けて取り組んでまいりたいと思っております。

空本委員 核融合は、皆さんも御存じかと思うんですが、実は、トリチウムというものを燃料にします。DT、DD、若しくは重水素、三重水素、これをぶつけながらエネルギーを取り出す、熱出力を取り出すというものであります。私も大学時代、実は、中性子を作って、トリチウムのターゲットにぶつけて、そして核融合の実験をやっていたことがございますけれども、そういった中で、そのときにリチウムが必要なんですね、燃料を作る。今御説明いただきましたけれども、作るに当たって、リチウムが今埋蔵しているものでは足りない、核融合をするときには。

 となると、例えば、原発一基を見ると、電気出力で約百万キロワット級、それが六基あったり七基あったりしています。熱出力で百五十万キロワット級で今想定されているとお聞きしましたので、核融合炉を、百五十万キロワットの熱出力のものを一年間運転させるためにリチウムはどれだけ要るのかな、文部科学省から御説明をお願いします。

清浦政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、リチウムの同位体であるリチウム6、これは、中性子を当てることで自然界にはほとんど存在しない三重水素を人工的に作り出して、核融合炉の燃料の一つにするために必要であります。

 そのリチウム6につきましては、熱出力百五十万キロワットの原型炉、これを一年間運転するために約〇・二トンが必要と想定されております。

空本委員 〇・二トンなんですけれども、これは百五十万キロワット級。将来だと思いますが、熱出力で百五十万キロワット、実は、原発の百万キロワットは電気出力なんですね。熱出力にするとその三倍ぐらいを考えて、熱効率は三〇%なので、三倍ぐらい、三百万キロワット、だから、百五十万キロワットは二基分かな、そのぐらいを想定するとすると、やはりリチウムの使用は相当なんですね。

 やはりそこでリチウムの確保というのは大変重要になってくるので、その再資源化ということも考えながら、将来、夢の核融合等を実現させるために、また蓄電池を維持していくために、自動車の電動化、電気自動車化を進めるに当たって競合しますので、大変これは難しい問題があると思います。そういうことを念頭に置きながら、再資源化というものを加速化というのが必要かなと思っております。

 これは環境省さんの方にも、また経済産業省さん、資源エネルギー庁さんの方にも、今、QSTでやっていることについての理解を深めていただきながら、一緒にまたリチウム、資源の確保また貯蔵、こういったものをしっかり取り組んでいただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

 そして、次に、金属資源以外について、プラスチック原料、ナフサでありますが、この年間消費量は何万キロリットルか、またナフサからプラスチック製造は何万トンか、プラスチックの国内生産と海外調達、この辺の現状を、まず、経産省から御説明をお願いいたします。

浦田政府参考人 お答えいたします。

 ナフサは、プラスチックを始めとした石油化学製品の原料として活用されてございます。

 石油化学製品向けのナフサは、二〇二二年に国内で約三千六百万キロリットル消費されたというふうに承知をしております。

 また、ナフサを原料としたプラスチックは、二〇二二年に国内で九百五十一万トン生産をされ、輸出量は四百十七万トン、輸入量は三百十万トンであったと承知をしております。

空本委員 ありがとうございます。

 そして、プラスチックはいろいろあるんですが、やはり環境に対してマイクロプラスチックの問題があったり、血液の中に溶け込む、また生態系から入ってくるということもありますので、どれだけ作ってどれだけ使っているかということをしっかり理解した上で、それをまた再資源化させるようにうまく組み合わせなきゃいけないかなと思うんです。

 できれば、生分解性のプラスチックに移行する。やはりコストが高いんですよね、これは。まだコストは高い。自然界に、アグリカルチャーといいますか、農業の方で、土にすき込むとか、そういったことも今やられています。そうすると、土壌で微生物によって分解してくれる、環境影響の低減が図れるということもございます。

 では、この生分解性のプラスチックはどの程度出荷されているか、作られているか、そこまで全部聞きたかったんですが、分かる範囲で、経産省、お願いいたします。

山影政府参考人 お答えいたします。

 生分解性プラスチックでございますが、推移までは私どもも承知していないのでございますけれども、日本バイオプラスチック協会にお聞きしますと、二〇一九年度の数字でございますが、生分解性プラスチックの国内出荷量は約九千三百トンとなっていると伺ってございます。

空本委員 環境面からすると、普通のプラスチックは、今、例えばスプーンとかも全てプラスチックから木に替わっていく。といいながらも、やはり便利なので、私自身、一回、ポリ乳酸のプラスチック、生分解のプラスチックを使ったことがあるんですが、やはりこういうものをこれから普及させる、コストを下げる、こういった技術開発も、再資源化ではないんですが、経済産業省さんの方でいろいろ取組をされていらっしゃるとは思うんですが、環境の面からも、環境省もウォッチをしていただきたいと思いますし、そういったことで取組を一緒に行っていただきたいと思っております。

 次に、個別なんですが、自動車等からの廃プラスチックの再資源化技術、これは今回の目玉でもあるんですが、実際どのようにされていらっしゃるか、環境省の方から御説明をお願いいたします。

角倉政府参考人 お答え申し上げます。

 廃プラスチックの再資源化につきましては、二〇一九年に策定いたしましたプラスチック資源循環戦略におきまして、リサイクルの技術革新等を通じてプラスチック再生市場の拡大を図ることとしております。

 御指摘、御質問の自動車の廃プラスチックに関してでございますが、環境省では、自動車からの廃プラスチックの再資源化について、EUにおいて自動車に一定比率以上の再生プラスチックの使用を義務化する規則案が提案されているなど、再生材の需要が今高まりつつあります。こうした中で、経済産業省とも連携いたしまして、日本の自動車産業での再生プラスチックの利用拡大に向けた取組を現在進めさせていただいております。

 具体的には、AIやロボット等を活用した高度な自動車部品の解体プロセスの技術実証事業を行うこととしておりまして、高い品質が求められる自動車部品への再生材の活用可能性を検討する実証事業等を実施しております。

 加えまして、自動車製造、部品製造やリサイクラー等の業界団体、有識者、関係省庁から成るコンソーシアムを立ち上げ、自動車等からの廃プラスチック等の利用拡大に向けた対応に関する議論を進めていくこととしております。

 これらの取組を通じまして、廃プラスチックの再資源化技術の開発や実用化を強力に推し進めてまいりたいと考えております。

空本委員 大切なことであって、また、今ヨーロッパの自動車業界がそちらの方向に動いているということなので、こういう再資源化といいますか、再利用ですね、再生材を利用することは大変重要なのかもしれませんが。

 一点だけ、やはり強度の面とか品質の面、車は紫外線を浴びています、駐車場も屋外に置いています、そうなると、ボンネットとかというプラスチック材はかなりもろくはなる、そのときにそれが使えるのかどうかというところですね。これは今日聞けばよかったんですが、やはりそういうところでの安全規制、国土交通省になるのかもしれませんが、そこと整合性を取りながら、国土交通省の方と、安全規制の方としっかり確認しながら、紫外線をこのぐらい浴びたら使える、使えない、それを再加工できるのかどうか、こういった技術開発も大変重要なので、本当にこれこそ環境ものづくり補助金、助成金というものが必要になるのかなというふうに考えます。

 次に、廃タイヤの問題。廃タイヤも、過熱水蒸気を使った、過熱水蒸気というのは新しい言葉かと思うんですが、化学屋さんの方は知っている、私も余り知らなかったんですが、過熱水蒸気を使ってタイヤを炭と油に変える、油化する。この間、参考人の方とも、どうですかと話をしたんですが、そういうこともできるんだけれども、なかなかコストに見合わないよねということもございました。

 この廃タイヤの再資源化技術の動向というのはどうでしょうか。経済産業省からお答えをお願いいたします。

浦田政府参考人 お答えいたします。

 廃タイヤは、現状、約九割がリサイクルされてございます。そのうち約七割が製造業の熱源として利用されておりまして、再生ゴムにリサイクルされているのは約二割にとどまっているという状況であるというふうに承知をしております。

 カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーの実現に向けましては、廃タイヤを燃やすのではなく化学品等の製品にリサイクルしていくことが重要でございまして、経済産業省といたしましては、グリーンイノベーション基金事業による研究開発、社会実装を後押ししているところでございます。

 具体的には、将来的な社会実装を視野に、現在、廃タイヤを熱で分解することで分解油を精製し、そこから合成ゴムなどの原材料となる基礎化学品へと変化させるケミカルリサイクルの技術の研究開発を進めてございます。

 廃タイヤを資源として有効活用し、更なる循環が進むよう、引き続き、研究開発や社会実装を支援してまいりたいと考えてございます。

空本委員 この技術開発も大変重要だと思います。本当に中小企業さんがトライアルでやっている、お金がないから何か助成金を取れないかなとか、そういうこともやっていまして、そういうところから技術の種といいますかが出てきて、またそこから芽が出てくる可能性もあるので、そういった中で、これは中小企業庁さんがやるのか、若しくは環境省さんがやるのかということで、技術開発というのは大変重要です。まさにこれは再資源化だと思います。

 タイヤは、御存じのとおり、中にワイヤが入っているんですね。あれを炭にしたら、ぽろっと出て、ワイヤがそのまま出てくるなんということもあるんですよ。そうすると、金属のところもきれいに取れてしまう。ケミカルリサイクルでありますけれども、そういった技術も大変面白いと思いますので、是非よろしくお願いします。

 あと残り数分ございますので、最後は、三問簡単に聞いていきます。

 FRP、CFRP、炭素繊維複合材料、この再資源化技術の動向を環境省から御説明をお願いします。

角倉政府参考人 お答え申し上げます。

 繊維強化プラスチック、いわゆるFRPでございますが、軽くて丈夫な上、加工しやすいことから、風車のブレード等に活用されております。他方で、強度が高く繊維を分離することが困難であるなど、素材の特性上、リサイクルが難しいとされております。

 主に使用されておりますのは、このFRPの中でもGFRPとCFRPの二つでございまして、これらをリサイクルする技術の実用化を目指すことが重要であると考えております。

 GFRP、ガラス繊維強化プラスチックの再資源化につきましては、破砕、選別後にセメントの原料として再資源化されているものと承知しております。また、環境省では、風力発電設備のブレードに用いられているGFRPを粉末化し、合成樹脂建材にリサイクルする技術の実証を今支援しているところでございます。

 続きまして、CFRP、炭素繊維強化プラスチックにつきましても、加熱してプラスチックを熱分解し、炭素繊維を回収する熱分解法や、化学分解法による再資源化についても研究が進んでいるものと承知をしております。

 環境省では、こうしたGFRP及びCFRPの今後の排出の増加を見据えて、引き続き、技術の実証への支援等を行い、そのリサイクルを支援してまいりたいと考えております。

空本委員 このFRP、CFRP、GFRPは、すごく分解といいますか、再資源化が難しいので、これについても取組はこれから一生懸命やっていただきたいと思います。

 あともう一点は、少しちょっと話は変わるんですが、バイオマス発電、ここで木質ペレットを使って燃やしています。原則は廃材、間伐材からの再資源化によるものと考えておりますが、一部報道で、原材料の違法伐採によって木質ペレット化しているんじゃないかという情報もあったり、輸入の際に正しく輸入されているのかどうか、そういうこともちょっと心配であります。

 輸入木材バイオマスに関する、木質バイオマス区分に関する証明というのがあったり、森林認証材の証明というのがある、言葉を私も今回教えていただいたんですが。この証明というものが適正なものであるかどうか、政府はどのような形で確認をしているのか、その仕組みを林野庁からお答えください。

小坂政府参考人 お答えさせていただきます。

 FIT及びFIP制度におきまして、輸入木質バイオマスに係る発電事業を行う場合は、資源エネルギー庁が定めた事業計画策定ガイドラインにおいて、合法性、各国は、森林の伐採について、森林の公益的機能に支障がないように様々な規制をしています、そういった法令に対して合法性が証明された木材を用いることとされております。

 具体的にこれを確認する方法といたしましては、林野庁が策定した木材・木材製品の合法性、持続可能性の証明のためのガイドライン、これに基づき、発電事業者や輸入木質バイオマスの供給事業者等が、三つの方法、一つは第三者機関による森林認証制度、一つは森林・林業、木材産業関係団体の認定を得て事業者が行う証明方法、もう一つは個別企業等が独自に証明する方法、そのいずれかを選んで確認する仕組みになっております。

 輸入木質バイオマスの多くは森林認証制度を活用しておりまして、これは、民間の第三者機関が森林経営の持続性や合法性等について一定の基準に基づいて森林を評価し、そこから生産された木材を、CoC認証と申しまして、分別管理して使うということになっています。

 適正に証明されているものと考えているところでございます。

空本委員 木質バイオマスというのは海外調達が多いということで、カナダとか、カナダの場合は合法的に、計画的に間伐をしていって、間伐材から取ってくるとか、また、東南アジアからも、ベトナムとかから輸入しています。そういったものが本当に正しくやられているか、特に、ベトナムとか東南アジアの方からすると、やはりちょっと心配なところはあるかなと思うんですね。そういったところの確認の方法というのはまたもう少し厳重化していただいた方がいいかと思うので、その辺を御検討いただきたいと思います。

 そして、最後に大臣にお聞きしたいんですが、様々な再資源化の技術が今いろいろと研究開発されている、また実用化されている、そういった意味で、今回、もっともっと高度化していこうということであります。

 産業廃棄物、様々なものを対象にするということですので、すごく大事な法案だと私も感じています。再認識して、大臣、この法案の位置づけと、そしてこの法案の重要性、再度、御回答をお願いいたします。

伊藤国務大臣 今日は、まさに幅広い分野に対して緻密な、科学的な知見をお持ちの空本議員から、新たな発想やアイデア、また非常に意欲的な御提言もいただいたところでございます。

 私どもとしては、やはり今日御提案があったことも含めて、金属を始めとする様々な資源を取り巻く状況や再資源化技術の開発状況を確認し、またそれを発展させて、循環経済への移行はまさに経済安全保障にも資するものでありますので、進めてまいりたいと思います。

 本日議論になったリチウム蓄電池についても、本法律案の認定制度により、効率的な再資源化や高度な技術を用いた分離回収のための施設の設置を促進することで、金属資源の再資源化に一層貢献することが可能だというふうに考えております。

 循環経済への移行は、経済安全保障のほか、脱炭素化や産業競争力の強化など、様々な社会的課題の解決に貢献するものでございます。引き続き、物づくり大国である我が国の強みを生かしながら、本法律案も活用し、循環経済への移行を国家戦略として進めてまいりたいと思います。

 そして、その上で、皆さんと力を合わせて持続可能な地球をつくっていく、その夢と理想の実現のために邁進してまいりたい、そのような覚悟でございます。

空本委員 前向きなお答えをありがとうございました。しっかりと予算を取るようにお願いいたします。

 ありがとうございました。

務台委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

務台委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 内閣提出、資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

務台委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

務台委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、堀内詔子君外三名から、自由民主党・無所属の会、立憲民主党・無所属、日本維新の会・教育無償化を実現する会及び公明党の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。屋良朝博君。

屋良委員 よろしくお願いいたします。立憲民主党、屋良朝博でございます。

 ただいま議案となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 趣旨の説明は、案文を朗読して代えさせていただきたいと存じます。

    資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。

 一 資源循環の促進のため、静脈産業と連携しつつ、製品のライフサイクル全体を通じた環境配慮の推進や再生部品及び再生資源の利用拡大に向けた措置を講ずるとともに、拡大生産者責任の趣旨に則って、動脈産業における資源循環と廃棄物の発生抑制に関する施策の充実強化を図ること。

 二 高度再資源化事業計画等の認定を行う際は、地域住民や地方公共団体等の意見を踏まえ、地域の生活環境に悪影響を及ぼすことがないよう慎重に判断を行うこと。

 三 認定高度再資源化事業者等が本法及び廃棄物処理法等に違反することがないよう国が責任を持って当該認定高度再資源化事業者等に対する十分な監視、監督に努めるとともに、当該認定高度再資源化事業者等による不適正な処理が行われ地方公共団体に新たな人的及び財政的負担が生じた場合には、国が必要な措置を講ずるよう努めること。

 四 廃棄物処分業者が再資源化事業等の高度化を行うに当たっては財政上の措置を含めた必要な支援を行うこと。

 五 質及び量の両面において資源循環を進めるため、両輪の関係にある動脈産業と静脈産業が情報の共有や連携を図ること、並びに静脈産業においては、現場作業に従事する者の労働環境の改善及び法令順守が確保されるよう、関係省庁は有機的な政策連携を図ること。

 六 再資源化事業等の高度化に加え、社会全体での廃棄物の発生抑制及び製品の再使用等の取組の一層の推進を図ること。特に、プラスチック汚染に関する条約策定等を始めとする国際的な動向も踏まえ、プラスチック等の高度な資源循環等を推進すること。

 七 制定後、相当な期間が経過している環境基本法及び循環型社会形成推進基本法について、カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーなどの国際的な環境政策並びに最近の廃棄物・リサイクル法制の展開を踏まえて、その見直しを含め必要な検討を行うこと。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

務台委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

務台委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 この際、政府から発言を求められておりますので、これを許します。伊藤環境大臣。

伊藤国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重いたしまして、関係省庁とも連携を図りつつ努力してまいる所存でございます。

    ―――――――――――――

務台委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

務台委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

務台委員長 次回は、来る十九日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時五十二分散会


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