衆議院

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第15号 平成29年2月24日(金曜日)

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平成二十九年二月二十四日(金曜日)

    午前九時一分開議

 出席委員

   委員長 浜田 靖一君

   理事 石田 真敏君 理事 菅原 一秀君

   理事 西村 康稔君 理事 葉梨 康弘君

   理事 宮下 一郎君 理事 武藤 容治君

   理事 大西 健介君 理事 長妻  昭君

   理事 赤羽 一嘉君

      伊藤 達也君    石崎  徹君

      石破  茂君    岩屋  毅君

      江藤  拓君    衛藤征士郎君

      小倉 將信君    大串 正樹君

      奥野 信亮君    門  博文君

      黄川田仁志君    國場幸之助君

      今野 智博君    佐田玄一郎君

      斎藤 洋明君    新谷 正義君

      鈴木 俊一君    鈴木 憲和君

      長坂 康正君    根本  匠君

      野田  毅君    野中  厚君

      原田 義昭君    平口  洋君

      星野 剛士君    保岡 興治君

      山下 貴司君    渡辺 博道君

      井坂 信彦君    今井 雅人君

      小川 淳也君    緒方林太郎君

      神山 洋介君    後藤 祐一君

      坂本祐之輔君    玉木雄一郎君

      辻元 清美君    福島 伸享君

      前原 誠司君    宮崎 岳志君

      本村賢太郎君    伊藤  渉君

      國重  徹君    真山 祐一君

      高橋千鶴子君    宮本 岳志君

      井上 英孝君    伊東 信久君

      遠藤  敬君

    …………………………………

   内閣総理大臣       安倍 晋三君

   財務大臣         麻生 太郎君

   法務大臣         金田 勝年君

   文部科学大臣       松野 博一君

   国土交通大臣       石井 啓一君

   財務副大臣        木原  稔君

   政府特別補佐人

   (内閣法制局長官)    横畠 裕介君

   会計検査院長       河戸 光彦君

   政府参考人

   (法務省刑事局長)    林  眞琴君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 飯島 俊郎君

   政府参考人

   (外務省欧州局長)    正木  靖君

   政府参考人

   (財務省理財局長)    佐川 宣寿君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房文教施設企画部長)      山下  治君

   政府参考人

   (文部科学省生涯学習政策局長)          有松 育子君

   政府参考人

   (文部科学省初等中等教育局長)          藤原  誠君

   政府参考人

   (文部科学省高等教育局私学部長)         村田 善則君

   政府参考人

   (厚生労働省雇用均等・児童家庭局長)       吉田  学君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局長)           定塚由美子君

   政府参考人

   (国土交通省航空局長)  佐藤 善信君

   政府参考人

   (環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長)   中井徳太郎君

   予算委員会専門員     柏  尚志君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月二十四日

 辞任         補欠選任

  石破  茂君     鈴木 憲和君

  岩屋  毅君     斎藤 洋明君

  國場幸之助君     新谷 正義君

  星野 剛士君     今野 智博君

  井坂 信彦君     宮崎 岳志君

  小川 淳也君     本村賢太郎君

  辻元 清美君     坂本祐之輔君

  前原 誠司君     神山 洋介君

  赤嶺 政賢君     宮本 岳志君

  伊東 信久君     遠藤  敬君

同日

 辞任         補欠選任

  今野 智博君     星野 剛士君

  斎藤 洋明君     岩屋  毅君

  新谷 正義君     國場幸之助君

  鈴木 憲和君     石破  茂君

  神山 洋介君     前原 誠司君

  坂本祐之輔君     辻元 清美君

  宮崎 岳志君     井坂 信彦君

  本村賢太郎君     小川 淳也君

  宮本 岳志君     赤嶺 政賢君

  遠藤  敬君     伊東 信久君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 平成二十九年度一般会計予算

 平成二十九年度特別会計予算

 平成二十九年度政府関係機関予算


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     ――――◇―――――

浜田委員長 これより会議を開きます。

 平成二十九年度一般会計予算、平成二十九年度特別会計予算、平成二十九年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 三案審査のため、本日、政府参考人として法務省刑事局長林眞琴君、外務省大臣官房参事官飯島俊郎君、外務省欧州局長正木靖君、財務省理財局長佐川宣寿君、文部科学省大臣官房文教施設企画部長山下治君、文部科学省生涯学習政策局長有松育子君、文部科学省初等中等教育局長藤原誠君、文部科学省高等教育局私学部長村田善則君、厚生労働省雇用均等・児童家庭局長吉田学君、厚生労働省社会・援護局長定塚由美子君、国土交通省航空局長佐藤善信君、環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長中井徳太郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

浜田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

浜田委員長 本日は、安倍内閣の基本姿勢についての集中審議を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山下貴司君。

山下委員 晴れの国岡山から参りました自由民主党の山下貴司でございます。

 本日は、安倍内閣の基本姿勢ということを国民の皆様の前で質疑できることを大変光栄に存じております。同僚議員の皆様、そして安倍総理初め大臣の皆様に心から感謝申し上げます。

 ただ、冒頭、一人の予算委員として残念な指摘をしなければなりません。民進党の辻元清美委員ら二人の民進党議員の方が、先日の予算委員会中央公聴会に無断欠席されたことでございます。これは、党の国会対策委員会の指示による党内視察を優先させたということでございますが、中央公聴会は言わずと知れた重要な予算委員会の手続でございます。そして、民進党推薦の公述人もおられるわけであります。そんな公聴会を無断欠席されたことについては、お二人の人柄を知るだけに大変残念でございます。今後気をつけられたいということを切にお願い申し上げます。

 さて、文科省の天下り問題について、基本姿勢をお尋ねしたいと思います。

 第一次内閣以来、再就職等監視委員会の設置など天下りの根絶に本気で取り組んできたのが安倍内閣の基本姿勢であります。私も、昔は東京地検特捜部などで官民癒着の問題に取り組んでおり、同じ姿勢を持っておりますけれども、今、折しも受験シーズンであります。受験生あるいは御家族の皆様が、それぞれの大学に夢を持って、そして純粋な思いを持って取り組んでおられる。その大学が天下りの受け皿あるいは舞台になった、このことには深い悲しみと憤りを覚えます。

 この問題については、松野大臣のリーダーシップのもと、調査班が設けられ、二十一日、中間まとめとなる報告書が公表されました。

 パネル一をごらんください。

 これは、その中間まとめの調査結果を時系列でまとめたものでございます。これを見ればおわかりのとおり、天下り規制を強化した改正国家公務員法が施行されて間もなく、今回の文科省あっせんシステムの中心人物である嶋貫氏が退職し、そして、その後の平成二十一年の夏ごろから再就職支援を開始したということでございます。

 そして、平成二十二年七月までに、委員の皆様には配付しておりますが、配付資料一にあるような相当詳細かつ組織的関与をうかがわせる引き継ぎ書が作成され、このころまでに嶋貫氏と人事課を中心とした組織的あっせんシステムができ上がったと考えられます。

 松野文科大臣にお尋ねします。文科省において、平成二十二年前半ころまでにこのようなあっせんシステムが形成された、形づくられた原因をどのように考えておられるでしょうか。

松野国務大臣 お答えをいたします。

 今回の調査において、遅くとも平成二十二年七月には存在したと推察される人事課任用計画官が作成をした引き継ぎメモが確認されたところ、このメモには、OBの再就職について、嶋貫氏を中心として調整する手順が記載されており、人事課職員から嶋貫氏に対する情報提供等は、遅くとも平成二十二年七月までには定型化された作業として継続してきたことが認定されています。

 二月六日にまとめた事実等の整理において、当該再就職あっせん構造が形成された経緯が報告されており、当時の人事課において、法改正により、平成二十年十二月三十一日以降、職員が再就職の関与ができなくなることから、改正法の範囲内でどのように対応するかが課題であると認識されていたこと、退職者に再就職のあっせんを行ってもらうしかないという認識があったこと、平成二十一年七月ごろには、人事課に長く在籍し人脈も広い嶋貫氏のあっせん活動を期待していたことが明らかにされています。

 このような背景の中で、遅くとも平成二十一年七月以降、OBとなった嶋貫氏の活動は拡大し、文部科学省の退職者の再就職に大きな役割を果たすようになったものと考えられます。

山下委員 図らずも、嶋貫氏があっせんを始めたのは民主党政権発足直後からでございます。これは、民主党政権は熱心にやっておられたと思います。しかし、一方で、民主党政権のもとでは、再就職等監視委員会の委員がなかなか任命されませんでした。それで長らく機能停止状態だった。そういったこともこういうことに拍車をかけたのではないかと私は思います。

 今回の中間まとめで新たに判明したものを加えると、文科省の関与者は合計二十名に上り、そのうち本省課長級以上の幹部は十二名に上るということです。これは、明らかに文科省の幹部を交えた組織ぐるみのあっせんであり、再就職等監視委員会で指摘された三十七件にとどまらないはずであります。

 この根の深い組織ぐるみの問題の解明に、三月末を目途に最終報告をまとめるため、外部調査者として外部弁護士十三名を含めるなど調査体制を拡充したことは評価できます。

 しかし、例えば、今、全職員に対して書面調査を行っていると聞いております。その中に、証明できるものが必要であるという記載、これが問題視されています。私は弁護士ですから、誣告とかそういうことがあるわけでございまして、当然、そういった調査をする際には、できるなら証拠を出してもらいたいということで注意書きすること、これはよくある話でございます。しかし、そういったことすら、既に信用を失墜した文科省の調査においては問題視されてしまう。

 そういうことから、やはり、野党議員も指摘するとおり、正直に回答することをちゅうちょする職員もいるのではないかという思いを持たなくてはならないと思います。

 そこで、松野文科大臣にお尋ねします。中間まとめで指摘された三十七件以外にも、疑わしい案件はあると思います。今後、調査の見直しも含めて、今、全職員に書面調査ということでございますけれども、それのみならず、外部弁護士らによる直接のヒアリングなど徹底した調査をすべきではないでしょうか。

松野国務大臣 今回の全職員調査については、外部有識者の指導、判断のもとに実施しているところであります。

 この点、調査の書面に、虚偽回答の場合には懲戒処分等の量定に影響が出る可能性があると記載した趣旨は、みずからの行為について隠すことがない回答を促進する観点から記載したところであります。

 また、他の職員の再就職等規制違反行為については証明できるものが必要と記載した趣旨は、情報提供により懲戒処分につながる可能性があることから、調査の正確性を担保することが必要との観点から記載したところであります。

 このように、本調査の内容自体適切なものと考えておりますが、しかし、一方、先生御指摘のとおり、これらの記載を含め、本調査の意義が回答する職員にわかりづらい点があったように思います。

 このため、調査の実効性を上げつつ、回答者が本調査の意義をしっかり理解し率直に回答できるよう、調査の趣旨が十分に伝わるよう工夫、留意するとともに、回答者個人のプライバシーにも配慮した回収方法も見直した上で、早急に再度調査を実施することにしたいと思います。

 加えて、ヒアリングなどさらに徹底した調査を実施して、全容解明を進めてまいりたいと考えております。

山下委員 この問題は、民主党政権、我々の政権も含めて継続的に行われている、これは党派を超えて取り組むべき問題であります。

 そして、総理、文科省をめぐる問題の徹底解明はもちろんでありますけれども、ほかの省庁にもあるのではないかという、公務員制度全体の信頼が揺らいでおります。安倍政権は、第一次政権で天下り防止のための国家公務員法を改正し、そして再就職等監視委員会を設置しました。今回の問題が発覚したのは、まさにその再就職等監視委員会が、政権交代後、機能し始めたからだと思っております。

 そこで、安倍総理に、天下り根絶のための総理の決意を伺いたいと思います。

安倍内閣総理大臣 天下り根絶は、今後も変わらない安倍内閣の基本方針であります。

 御指摘にあったように、まさに天下りをしっかりと監視するための組織が発足したからこそ今回の摘発があったんだろう、こう思うわけでありますが、今回の文部科学省における再就職規制違反事案については、国民の信頼を揺るがすものであり、あってはならないものであります。まずは、文部科学省において徹底した調査を行い、再発防止策を講じさせます。

 また、今回の事案によって生じた国民の疑念を払拭するため、現在、山本大臣に全省庁について徹底的な調査を行ってもらっています。調査の結果を踏まえて必要な施策をしっかりと講じ、そして国民の皆様の信頼を取り戻していきたい、確保していきたいと考えております。

山下委員 次に、安倍内閣の基本姿勢ということであれば、日本が果たすべき国際的な責務はきっちりと果たすということが挙げられると思います。この点、総理は、地球儀俯瞰外交のもと、トランプ新大統領との日米首脳会談を成功させ、日米同盟の強化のみならず、国際社会の安定にも寄与されています。また、南スーダンへのPKO部隊派遣も国際的な責務を果たす一環でございます。

 しかし、まだ日本が果たしていない国際的な責務があります。それが、日本が署名した国連条約であります国際組織犯罪防止条約の批准であります。

 パネル二をごらんください。

 既に百八十七カ国が締結しているんです。締結していないのは日本やスーダンなど十一カ国だけです。国際的に見れば、日本は極めて恥ずかしい立場にあります。この条約を締結するためには、過去から問題になってきたとおり、条約担保法が必要なんです。

 今、安倍内閣では、日本が国際社会に対して負う国連条約締結の責任を果たすべく、いわゆるテロ等準備罪について検討していると聞いています。しかし、そういった条約批准のための担保法をつくるための努力をしていたのは、自民党や公明党だけではありませんでした。前回の質問ではあえて指摘しなかったのですが、昔の民主党であります。実は、民主党は、共謀罪の修正案を党内で取りまとめて正式に国会に提出していたんです。

 パネル三をごらんください。

 これは、民主党が政府原案に対して修正案として提出した際のPRページであります。今でもネットで、民主党、サイバー、共謀罪で検索すればすぐ出てきますし、民進党のホームページからもアクセスできます。

 民進党には不都合な真実かもしれませんが、民主党修正案は今の与党の議論とそんなに離れていません。例えば、組織的犯罪集団を要件とし、この中にあるように、組織的犯罪集団といえば、普通は暴力団やテロ組織のこととし、新しい犯罪の必要性にしても、民主党修正案では対象犯罪は三百六に減りますというふうに誇り、さらに民主党は、既に締結した国際条約に基づいてテロ組織や組織的犯罪集団に厳罰を設けること自体について当然であると考え、これを容認していますとしております。

 そこで、民主党修正案と現在検討中とされているテロ等準備罪との比較表をつくりました。パネル四をごらんください。なお、テロ等準備罪は成案ができていないので、国会答弁や報道を参考にいたしました。

 これを見ると、民主党修正案とテロ等準備罪は、組織的犯罪集団を要件とすることは同じなんです。違いは、対象犯罪の範囲、国際性の要件の有無、そして予備行為か実行行為かぐらいであります。

 ちょっと時間が迫っておりますので、予備行為か実行行為かの違いについては、テロ等準備罪は予備ではなく実行準備行為を使っているというのは、恐らく、昭和四十二年の東京高裁判決が狭い解釈を出したのでその影響があろうかと思います。

 そして、あと二つの要件について外務省に聞きます。

 国際組織犯罪防止条約の解釈を聞きますが、対象犯罪をこの民主党提案のように長期五年を超える罪とする、あるいは、国際性の要件として性質上国際的な犯罪を加えることは条約上許されるんでしょうか。当局に聞きます。

飯島政府参考人 お答え申し上げます。

 本条約は、各国の国内法において定められている刑期を基準として、長期四年以上の自由を剥奪する刑またはこれより重い刑を科することができる犯罪を行うことを合意することの犯罪化を義務づけております。したがいまして、この重大な犯罪の範囲について御指摘のような国内法の規定を置くことは、本条約の義務を履行するものとしては十分ではないと考えられます。

 また、国際性の要件でございますけれども、本条約の三十四条の2は、本条約五条が求める重大な犯罪を行うことの合意の犯罪化については、各国の国内法において、国際性を要件とすることなく犯罪化することを義務づけております。したがいまして、重大な犯罪を行うことの合意を犯罪化する場合には、御指摘のように国際性の要件を付することは本条約とは整合的ではないと考えております。

山下委員 今紹介のあったとおり、ここのところは条約違反なんです。でも、努力は多とすべきであります。しかし、この修正案は日の目を見ることはありませんでした。

 配付資料四をごらんください。

 民主党修正案が一旦衆議院に提出され、それを取り入れた与党修正案について、同じ民主党が採決に応じなかったということが報道されています。

 その理由は大きく二つ。一つは、成立後に再改正されるのではないかと警戒したこと。それは、先ほど言ったように条約違反だからです。二つ目は、これは報道によると、小沢一郎代表が、成立させても民主党にとって一文の得にもならない、小泉純一郎の訪米の土産になるだけだと警戒感をあらわにしたということがあります。これがそうであれば党利党略であります。

 私は、そういったことを今の民進党の皆さんが続けているとは思えないのであります。民主党の提案がこのように具体的な提案であれば、今の民進党の皆様もそのようにできるはずであります。しっかりと成案を得た上で議論することをお願い申し上げて、ちょっと理事会が長引いたので私の質問時間が押してしまって残念なんですけれども、そのことを安倍内閣の姿勢としてお願い申し上げて、私の質問といたしたいと思います。

 以上です。

浜田委員長 これにて山下君の質疑は終了いたしました。

 次に、國重徹君。

國重委員 おはようございます。公明党の國重徹でございます。

 きょうは、大きく二点、子供たちの保育、教育における安全の問題、そして天下り問題、この二点についてお伺いしてまいります。

 まず一点目、子供たちの保育、教育における安全の問題についてお伺いしてまいります。

 子供たちが保育所や学校で安心して過ごせるようにする、そのためには、まずは施設の安全対策をしっかりとやっていく。それとともに、万一事故が発生した場合の公的な補償制度をきっちりと整備していく、これも大事になってまいります。

 この公的な補償制度として、独立行政法人日本スポーツ振興センターが行っている災害共済給付制度という制度がございます。学校の管理下で事故が起きた場合、この制度によって故意、過失を問わず医療費等が支払われることになっております。

 現在、この災害共済給付制度の対象となっているのは、パネルの左側をごらんください、幼稚園、小中学校、高等学校などの学校、そして認可保育所、認定こども園、これらが対象になっております。また、オレンジの枠の中、これは平成二十七年四月から子ども・子育て支援新制度で新たに始まった小規模保育所、家庭的保育所、事業所内保育所ですが、これらにつきましても、我が党の主導によりまして、制度スタートと同時に災害共済給付の対象に追加されました。

    〔委員長退席、武藤(容)委員長代理着席〕

 待機児童の解消、これは言うまでもなく待ったなしの重要な課題でございます。そこで、平成二十八年四月から企業主導型の保育事業も始まりました。本年四月から本格実施されますが、その四月末には全国で約九百の企業主導型保育所で約一万八千人の子供が受け入れられる予定になっております。そして、来年度末までには最大五万人の保育の受け皿として整備がされる予定でございます。

 この企業主導型の保育所、認可外の保育所ではあるんですけれども、人員、設備など、認可保育所並みの質を確保しております。しかし、災害共済給付制度の対象にはまだ入っておりません。ぜひ企業主導型保育所も対象とすべきと考えます。

 そのほかにも、その下にある認可保育所へ移行予定の保育施設、そして高等専修学校、いずれも災害共済給付制度の対象からはじかれておりますけれども、既に対象となっている施設と何ら遜色ございません。

 そこで、松野文科大臣、現在、自民、公明の与党の実務者の間で、議員立法による制度改正に向けた検討、議論を進めているところではございますけれども、子供たちの命とか安全とか安心を守ること、これには与党も野党もありません。ぜひとも、野党の皆様のお力もいただきまして、今申し上げました企業主導型の保育所を初め三類型の施設、これらを災害共済給付制度の対象とする法改正を今国会で何としてもやってまいりたい、このように考えておりますが、制度を所管する大臣として、これに関する見解、お考えをお伺いしたいと思います。

    〔武藤(容)委員長代理退席、委員長着席〕

松野国務大臣 委員の御指摘は、子供たちが安心して保育や教育を受けられるようにする上で大変重要と認識をしております。

 独立行政法人日本スポーツ振興センター法で定める災害共済給付制度は、これまで、学校や認可保育所と同様の安全管理体制や教育、保育活動が行われている施設が対象として追加をされてきました。

 御指摘の、企業主導型保育事業や、認可保育所と同等の安全基準が適用されている認可外保育施設を制度の対象とする場合には、安全基準の適用を担保する仕組みがあることが重要です。また、高等専修学校は、安全管理の面で高等学校と同様の学校保健安全法が適用されています。

 保育施設を制度の対象に加える改正がこれまで議員立法によりなされてきた経緯も踏まえ、文部科学省としては、御指摘の三施設を対象に加える制度改正について、関係の先生方の積極的な御議論も踏まえつつ、関係府省とともに、各施設におけるより一層の安全の向上を促進してまいります。

國重委員 ありがとうございました。

 大事な課題ですので、私どもとしてもさらに力を入れて取り組んでまいりたいと思います。

 次に、天下り問題についてお伺いをいたします。

 第一次安倍政権時の平成十九年六月、国家公務員法を改正して公務員制度改革を行いました。組織ぐるみのあっせんを防止して、官民の癒着の温床を根絶すると総理もおっしゃっているとおり、これが改革の眼目でございました。

 今月七日の予算委員会の集中審議における嶋貫参考人の答弁を聞きまして、私は強いひっかかりを覚えました。それは何かといいますと、嶋貫参考人の答弁、私なりに、私なりの判断で、私の思いとしてはという言葉。組織ではなくて、私、個人を強調する言葉を不自然なほど何度も何度も繰り返していたということでございます。解散するほどの決意を持って出直しをしないといけないこの大事な時期に、チャンスに、うみを出し切ろうとしない、この期に及んでまだ組織防衛に走るあしき姿勢、そういったものを私はこの答弁の中から感じました。

 今般文科省が公表した調査の中間まとめの中で明らかとなった引き継ぎメモの存在、これによって文科省と嶋貫氏がまさに組織ぐるみのあっせんを長期間にわたって行ってきた実態がより明らかになりました。文科省の存在意義そのものが問われる事態です。

 そこで、総理、今般の中間まとめによって新たな問題も判明いたしました。総理がこれをどのように受けとめておられるのか、お伺いいたします。

安倍内閣総理大臣 今回の事案は、文部科学省の人事当局も関与して行われた、まさに組織ぐるみの天下り事案であったと言われても仕方がない事案であります。国民の信頼を揺るがすものであり、まさに国民の教育政策を担う文部科学省においてこのような事案が起きたことは大変残念でなりません。

 まずは、文部科学省において徹底した調査を行い、違法な行為に関係した者に厳正な処分を行うとともに、再発防止策を講じてもらいます。

 また、今回の事案については、その重大性に鑑み、内閣人事局長である萩生田官房副長官から各省の事務次官等に直接、再就職規制の遵守の徹底を指示したところであります。私からも直接、山本国家公務員制度担当大臣に対し、同様の事案がないかどうか、全省庁について徹底的な調査を行うよう指示したところであります。

 今後、しっかりと徹底的な調査を行い、その結果を明らかにすることにより国民の疑念払拭に努めてまいりたいと思います。必要なことは何でもやるという姿勢で、国民の信頼を確保していく考えでございます。

國重委員 今、総理、徹底的にやるということでおっしゃられました。やはり、悪いものは悪い、だめなものはだめなんだというようなことで、中途半端ではなくて徹底的に、この再発防止に向けて総理の強いリーダーシップで取り組んでいただきたいと思います。

 次に、多くの外部有識者を入れた今回の調査によって、再就職に関する違反事例にとどまらず、大学の設置審査の過程において、高等教育局の担当審議官や職員が、審査状況に関する内部情報を審査に無関係な人事課の担当者に漏らして助言を行ったという信じがたい行動も明らかになりました。

 このことによって、中立公正であらねばならない文科省の設置審査の信頼性を大きく傷つける、大きく損なう結果となっております。今回の不祥事で文科省の信頼が地に落ちている中で、さらに不信感をあおるようなことがあってはならない。

 そこで、松野文科大臣、国民の信頼を回復すべく、情報管理の徹底を初め、設置認可制度の疑義を抱かせない改正に向けた取り組みを早急に行うべきと考えますが、大臣の見解、決意をお伺いいたします。

松野国務大臣 中間まとめには、平成二十六年三月末に申請のあった滋慶大学の設置にかかわる審査過程で、審査に関する情報や是正意見に対するアドバイスが、当時の高等局担当審議官から、設置審査とは関係がない部署である人事課の職員に提供された事実が記載をされています。

 このような情報は実際には申請者には伝えられず、審査の過程における嶋貫氏からの不当な働きかけや、嶋貫氏を副学長に就任させることを目的とした文部科学省から滋慶学園に対しての不当な働きかけはなかったとされていますが、このような行為は設置審査の信頼性を著しく損なうとともに官職への信用を失墜させるものであり、まことに遺憾であります。

 中間まとめで指摘された内容も踏まえ、今回の行為にかかわった者に対して厳正な処分を行うとともに、ほかにもこのような事例がないか、徹底した調査を進めてまいります。

 あわせて、今後二度とこのような行為が起きないよう、職員の意識改革や設置認可の審査にかかわる情報管理の徹底を初め、設置認可審査の改善に関する具体的な方法を検討し、早急に実施をいたします。

國重委員 国民の皆様から見て信頼に値するものとなるよう、ぜひ、大臣、襟を正して取り組んでいっていただきたいと思います。

 また、報道では、元外交官が文科省人事課のあっせんを受けて大学の特任教授に再就職していた、こういうことも報じられております。調査において、今、全省庁やっておりますけれども、省庁それぞれの単独の案件だけではなくて、他省庁にまたがる案件も含めて全容を解明すべきというのは、これは当然のことでございます。引き続き、私どもも注視をしてまいりますので、全容解明に向けた徹底した調査、ぜひよろしくお願いいたします。

 さて、今般の中間まとめで、このようなことが指摘をされておりました。何かといいますと、人事課OBである嶋貫氏との人的関係から、要請または指示を断れる状況になかったことが推測できる、こう指摘がされております。

 この背景には、文科省の人事課の構造的な問題、つまり、人事課の中での異動が大半で、ほかの部署への異動がほとんど行われない、行われにくい傾向があること、そのことによって狭い世界で濃密な、密度の濃い人間関係が形成されていく、その結果、先輩職員、これはOBであっても、この指示を断りにくい、断れない、こういう状況があったかと思われます。

 現在、全省庁を対象に調査が行われておりますが、文科省以外の省庁でもいわゆる人事村と呼ばれるような風通しの悪い人事課の構造的な問題があった場合、それがあっせんの温床、ひいては癒着の温床になりかねない、このことは否定できません。

 そこで、総理、文科省の今回の案件、文科省を反面教師にして、霞が関全体について風通しのいい人事異動を実現して、根本的な改善策を講ずることによって国民の信頼回復に努めていくべきと考えますが、総理の見解、決意をお伺いいたします。

松野国務大臣 今回の中間まとめでは、本事案の背景には人事課OBと現役職員の人的関係があると指摘をされています。人事に関する仕事は専門性や人脈等が求められることから、これまでの傾向として人事課内の異動が多くなりがちであり、それが今回の事案の背景となったという面もあると考えています。

 文部科学省においては、今後の対応として、人事課の所掌であった再就職に関するチェック機能を総務課に移すとともに、今後、人事課を初めとした職員の配置等に関してもしっかりと検討し、再発防止策を講じてまいります。

安倍内閣総理大臣 ただいま文科大臣から答弁させていただいたとおりでありますが、いずれにせよ、まずは文部科学省において徹底した調査を行い、再発防止策を講じるとともに、現在行っている全省庁調査を進め、その結果を踏まえて必要な施策をしっかりと講じることとしております。

 予算や権限を背景として、人事の一環として行うこういう天下りは根絶をしなければならない。そのために外形基準ではなくて行為基準を導入し、そしてそのための監視委員会もつくったわけでございます。その結果も踏まえまして、反省すべき点があればしっかりと反映させて、できることは何でもやるとの姿勢で臨んでいきたいと考えております。

國重委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 言うべきときに言うべきことをどんどん言い切っていく、そうでないと不正や悪は防げない、かえって増長し、蔓延してしまいます。

 我が党では、今月一日に国家公務員再就職問題調査委員会を立ち上げまして、再発防止に向けた議論を鋭意進めているところでございます。私も調査委員会の事務局長として、この問題に引き続き責任感と緊張感を持ってしっかりと取り組んでいくことをお約束し、きょうの質問を終わります。

 ありがとうございました。

浜田委員長 これにて國重君の質疑は終了いたしました。

 次に、福島伸享君。

福島委員 民進党の福島伸享でございます。

 ちょうど先週、森友学園の国有地の売却の問題につきましてこの場で質問をさせていただきまして、その後、我々も現地に行ったり、役所からさまざまな資料を集めて調査をしてまいりましたが、次から次へと数限りない怪しげな論点が出てまいりますので、きょうは、その一部について明らかにしてまいりたいと思っております。

 まず最初でございます。

 テレビ東京の番組は私自身も幼稚園の保護者の方から聞いた話でありますが、平成二十七年九月に森友学園の幼稚園で安倍昭恵安倍総理夫人が講演をいたしまして、籠池理事長からその場で瑞穂の国記念小学校の名誉校長への就任を依頼されて、理事長が拍手をしてくださいと言うのに促されて保護者の皆さんが拍手して、その場で受諾した、そうした光景がテレビに映されております。

 ところが、きのうの午後、瑞穂の国記念小学校のホームページにあった、この、名誉校長安倍昭恵先生、安倍晋三内閣総理大臣夫人の挨拶が消えております。

 先週、私の質疑で、李下に冠を正さずという言葉がありますけれども、奥様も含めて、広告塔のようにホームページに出るのは控えられた方がいいと思いますよと言ったんですけれども、この間、こういう指摘を受けて、安倍昭恵夫人はこの学校の名誉校長をおやめになったということでしょうか。

安倍内閣総理大臣 この件については、私への指摘ではなくて、私の妻へのことであろう、このように思います。

 今御紹介いただいたんですが、私も妻から経緯を聞いたんですが、確かに名誉校長についての経緯は御紹介いただいたとおりでありまして、実は、その講演の前の待合室において名誉校長になってくださいと頼まれて、妻はそこでは断ったそうであります。申しわけないけれどもそれはお受けできない、こう申し上げていたわけでありますが、うちの夫の関係もあるのでそれはお引き受けできないと断っていたわけでありますが、しかし、その後、突然その場でこの籠池さんからそのように紹介されて拍手をされたということによって、そうなったら、その場で、それはお引き受けできないとはっきりと言うことはできなかったわけでございます。

 もちろん、その場で、私はお受けできないと。父兄もいるわけですから、そこではそういう答えをし、しかし、その後、あそこで急に出されて私も当惑しました、やはりこれはお引き受けできませんよという話をしたんですが、その後も何回もやりとりがあり、父兄の前でああおっしゃったんだから、それは引き受けてもらわないと困りますよということで、最終的には受けることになったということでございます。

 しかし、その後、先方から、こうした出来事、福島委員が私に質問されて以降も何ら説明もなかったものでありますから、家内から何回か連絡をとり、最終的に、この連絡をとった段階において、こういうことがしっかりと説明されないということは教育者としてはいかがなものかと自分は思うということを相手に伝えたところでございます。

 また、私の、安倍晋三小学校ということについては、再三お断りしているにもかかわらずああした形で名前を使われたことは極めて遺憾だということを伝え、そしてその後、事務所の方から正式に先方に連絡をいたしまして、妻としては、自分が、こうした経緯があるとはいえ、名誉校長を引き受けていることによってそこに通う子供たちや御両親にかえって御迷惑をかけ続けることになるので、辞任をさせていただくということを先方に申し入れたところであります。

 改めて事務所の方から、安倍晋三小学校ということについてはお断りをすると、実はお断りをしたわけでありますが、その後、何回も何回も事務所の方に依頼が、一回断ったんですが、ずっと来続けて、それは秘書が対応しておりましたが、秘書は連続してお断りをし続けた。ですから、秘書の方から、何回も何回もお断りしているではないですか、であるにもかかわらず寄附金集めにこうした名前を使われたことは本当に遺憾であるということで、抗議をしたところであります。

 先方からは、それは一日、二日しか使っていない、そういう釈明があったんですが、しかし、それはそういう問題ではなくて、名前を使わないということでお断りしているのに使ったことについては大変遺憾であり残念であるという強い抗議をし、先方からは申しわけないという謝罪があったところでございます。

 そういう経緯もあり、先方のホームページ等々からは、妻が名誉校長ということで載っていたわけでありますが、それは全て、先方はこちらの申し入れに従って削除したということではないかと思います。

福島委員 安倍昭恵夫人が名誉校長を辞任されたということは、今確認をいたしました。

 それは、総理としても、この件が出てきて、何かおかしな点がある、怪しい点がある、しっかりと事実解明しなければならない点がある、そうしたことにみずからがかかわられているように思われるのは非常に心外である、そういう観点からそうされたということでよろしいでしょうか。

安倍内閣総理大臣 そもそも私は、私が講演をするということが決まっていたときに、まあお断りしたんですが、お断りする際に電話でかわって話したのがほとんど唯一に近いと思うわけでありまして、個人的にお目にかかったということは、何か大きな会の中で来られていたかもしれませんが、それは余り記録には残っていないところでございます。

 そういう中で、私自身は、一部、日報のようなものを出されているのでそれをちょっと見たことがある程度でございますが、家内は会って、非常に情熱のある方だということを言っていたということでございますが、今般、あの安倍晋三小学校という寄附を募る紙を見まして、私も非常に驚愕いたしました。

 ですから、実は、私の事務所にはそれまで、こういうものがあるけれどもどうなのという問い合わせは一回もなかったものでありますから、全く存じ上げなかったのでございますが、当然大きな不信を持ちました。四月から学校法人としてスタートしてそこに通う子供もいるということもございまして、どう対応すればいいかということを考えていたところでございます。

 しかし、基本的に、また、先ほど申し上げましたように事務所とのやりとりがどうだったかということを調べたところ、何回も何回も明確に断っているということも明らかになりましたので、また今回のさまざまな出来事がございましたので、明確に、妻とも話し、そして今回、名誉会長の座を退くことになったということでございます。

福島委員 もう一点、学校の命名についても若干確認をしておきたいことがあります。

 我々、大阪府教育庁の方に先日ヒアリングに行ってまいりまして、この学校の認可申請についてさまざまな相談に乗ってきた方々、課長さんや部長さんからお話を伺ってまいりました。

 平成二十五年九月に森友学園が初めて教育庁に学校設立の相談に来たときに、安倍晋三記念小学校という名前をつけたいのでどうだという話をして、それに大阪府の職員の方はびっくりして、さすがにその名前はまずいんじゃないですかと言ったということなんですね。募金の依頼が出回ったのは平成二十六年三月であります。

 先ほどの、テレビに出た記念講演での総理の発言でも、先生からは、これは籠池理事長ですね、安倍晋三記念小学校にしたいと当初は言っていただいたんですが、もし名前をつけていただけるのであれば、総理大臣をやめてからにしてくださいというふうにおっしゃっているんですよ。

 総理をおやめになって、そうしたらあの学校が安倍晋三記念小学校になるということは今の答弁でまさかないと思いますが、ただ、学校に行くと、瑞穂の国と上に四文字書いてあって、下の段に四文字あけて記念小学校となって、四文字、安倍晋三と入るスペースがあいているんですよ、これはうがった見方でありますけれどもね。

 もうこれは一切安倍晋三記念小学校となることもなければ、奥様はリップサービスでおっしゃったのかもしれないけれども、この問題が明らかになるまでは、内心、将来安倍晋三記念小学校ができてもいいよなと総理御在任中に思ったことは一度もないということでよろしいですね。

安倍内閣総理大臣 そもそも、安倍晋三小学校という名前をつけたい、冠をつけたいという依頼は私が総理大臣になる前の話でありまして、一議員のときでありましたが、その前の段階で私は既にお断りを、これは妻を通じてでございますが、妻に依頼がございまして、妻は、うちの主人はそんなことを受けないと思いますよと答えたんですが、この方は非常にこだわるというか、そう簡単に引き下がらない方でございまして、それは先ほどの、うちの事務所と何回もやりとりがあったということで御理解をいただけるのではないかと思いますが、うちの妻にも何回も言ってきたわけでありますが、私はそういう気持ちはないと。

 そもそも、たとえ私が自費で学校をつくったとしても、安倍晋三小学校なんかにはしないですよ。普通、これは常識で考えて当たり前じゃないですか。私はそんなタイプの人間ではないんですよ。

 であるから、私は、もしそういう名前をつけられるのであれば、例えば私の地元の偉人である吉田松陰小学校とかいうことがいいのではないですかと。私も完全な人間ではないので、私の身に何があるかわかりませんから、これは絶対にやめてもらいたいということを実は再三申し上げているわけであります。

 その中で、非常にしつこい中において、非常に何回も何回も熱心に言ってこられる中にあって、ある種苦し紛れにうちの家内が、もしかしたら、総理をやめたら気が変わるかもしれませんねということを講演等の中のやりとりで言ったことはありますが、私自身は全く最初からそんなことはみじんも考えてはいないわけでありまして、みずからの人生を顧みて、私の名前を小学校に冠するということは極めて不適切だ、このように考えております。

福島委員 何か、先週から大分変わっちゃったなと思うんです。先週、総理は、いわば私の考え方に非常に共鳴している方と、同志愛を示されていますし、同じように安倍昭恵さんも講演で、こちらの教育方針は大変主人もすばらしいと思っていてとおっしゃっていて、何か相思相愛のような感じだったんですけれども、この一週間で随分変わってしまったんだなというふうに思っております。

 この学校のいろいろな理念を見ますと、戦後日本の教育の殻を打ち破ろうとしたり、日本の国柄を感じる教育をしよう、文武両道の達成を目指したりしようと、おっしゃっていることは非常にもっともらしい、すばらしいことを言っているところも多いんですよ。

 しかし、先ほどから、しつこい方、しつこい方とおっしゃいますけれども、人の名前を利用して仕事をする人というのはぱっと眉に唾をつけて見るというのは、多くの人に接する政治家であれば皆そうすると思うんですけれども、どうも、この学校が運営している幼稚園というのは、学校の理念とか掲げている教育内容と違った面で、いろいろな問題があるんですね。

 きのうもお話をさせていただきましたけれども、この幼稚園に通っていたお母さんから聞いた話です。子供がいつも、家に帰ってきても水筒の水が、お茶が減っていないんですね、どうしたのと聞いたら、幼稚園でお手洗いの回数がふえるからといって、給食のときにお茶を飲んだら怒られるそうです。海軍式の教育だといってトイレの時間が決まっていて、それ以外に行ってはいけません、まだ子供ですから、我慢ができなくてお漏らしをしてしまうときもあります、でも、学校におむつやパンツを持っていくのは禁止されていて、お漏らしをしちゃうと、職員室で、僕はお漏らしをしてしまいました、まだ赤ちゃんです、済みませんと言わないと、かえのパンツを貸してもらえないそうであります。

 また、理事長は、公立小学校なんかに行ってはいけないと何度も言っていて、受験に落ちると、○○さんは受験に落ちましたと言われて、朝礼のときに名指しして、立たされる。

 お子さんは、家に帰ると、チック症で目をぱちぱちさせながら、お母さんが怒ると、はい、ごめんなさい、ごめんなさいと頭を下げるらしいんですね。うちではそんなしつけをしていないのに、幼稚園に行ったらそうなっちゃったというような話を聞いて、非常に衝撃を受けました。

 トイレに行かせないというのは文部科学省の見解でも体罰であって、そもそも幼稚園には……(発言する者あり)黙って聞いてくださいよ。体罰や懲戒は認められていないということであります。

浜田委員長 静粛に願います。

福島委員 総理は、こちらの教育方針は大変主人もすばらしいと思っていると安倍夫人も言っているわけでありますけれども、この学校のどういう教育方針に共感されましたか。そして、今の話を聞いて、いや、やはり自分とは、思っていることと違うな、どのようにお感じになりますか。御見解をお願いします。

安倍内閣総理大臣 いわば、私が存じ上げているのは学校の理念として掲げられたもの、パンフレットのようなものをちらっと見せられたわけでありまして、つまり、安倍晋三小学校なるものは存在をしていないわけでありますし、私がお断りをしたということは明確に申し上げたとおりでございます。

 ですから、私は、この学校がやっていることについては、詳細については全く承知をしていないわけでございまして、まさにこの学校が、学校の考え方として、これからいろいろなことを小学校としてやっていこうということなんだろうと思います。また幼稚園もそうなんだろうと。幼稚園も既に認可されているんでしたっけ。認可されている幼稚園だと……(福島委員「認可相当」と呼ぶ)認可相当。つまり、私は……(発言する者あり)幼稚園は認可されているんですね。私も、その点のところはつまびらかには実は知らないんですよ。実際、その方と個人的に会ったということは一回もないわけですから。

 ですから、個人的に会ったこともないわけですし、何回もお断りをした中においてこういう出来事が起こってしまったことは大変残念でありますが、そこでどういう教育が行われているかどうかということについては、当然、文部科学省が責任ある官庁として判断すべきことであり、また、これは県なのかな、これを認可すべきかどうかということについては大阪府が判断すべきであろうと思います。

 今、国政の長である私がコメントすることは不適切ではないか、このように思います。

福島委員 カリキュラムもそうですけれども、何よりも、この森友学園の国有地売却をめぐる問題、総理と全く関係なく、さまざまな謎、おかしな点があります。

 まず一つは、学校設置前、学校認可設置前に、学校をつくるということでなければ本来は国有地を随意契約で売ったり貸したりできないにもかかわらず、森友学園側と買い受け特約つき貸付契約、この契約自体も異例の契約であるということをきのう足立議員が明らかにしましたけれども、契約交渉や価格交渉を行っております。

 二つ目は、土地の貸し付けまたは売買契約がなされていない時点で、本来、最低限、校舎の土地は自己所有が必須の条件の学校設置が条件つきで認可されております。

 三点目は、施工中に新たな埋蔵物が発見された途端に、資金に不安があるからといって借りると言っていた森友学園が、一転して買いますと打診しているんですね。

 そして、買うと言った途端に、これまで埋設物発見後の土地の価格評価方法をプロである不動産鑑定士に一括してお願いしていたんですが、新しい埋設物については、一方的にその方法を変更して国土交通省の試算に基づいて価格を出して、国があれこれ交渉することなく、一方的に破格の一億三千四百万円という値段で森友学園に売却をしています。

 そのごみなるものも、そもそもどこに何が埋設されていて、国交省が試算したとおりの埋設物の処理を行っているかどうかというものも国が確認をしておりません。

 さらに、この予算審議上も大変問題なのは、売買契約書では本年の五月三十一日までに平成二十九年度分の分割払いとして一千百万円余りを国庫に納付するという契約を結んでいるにもかかわらず、本年度予算にはこれが計上されておりません。

 全てが怪しいと言わざるを得ません。

 森友学園の理事長は先日のTBSラジオのインタビューに答えて、いろいろこの間の経過をぺらぺらぺらぺらしゃべっております。特にこの一の学校設置認可前に価格交渉を行った経緯などというのも話しておりますけれども、そもそも、安く国有地を買いたいんだったら、みんな手を挙げますよ。

 その中で、学校設置認可もおりていない。さっき総理がおっしゃったように、しつこく総理の事務所の方に電話をかけてくるような、恐らくこういうのは見るからに怪しい人ですよ。そういう学校設置に十分な財産も持っていないし資格も怪しいような人であっても、丁寧に買い受け特約つきの貸付契約のような特殊な契約の相談に財務省というのは乗るものなんですか。どうなんですか。

佐川政府参考人 お答え申し上げます。

 この土地につきましては、大阪航空局から入札による処分の売り払いの依頼を受けまして、平成二十五年の六月に公用、公共用の取得要望の受け付けを開始しました。

 それで、まず大阪府あるいは豊中市の地方公共団体に、取得要望はございませんでしょうかというふうにこちらからお尋ねをしまして、大阪府も豊中市も要望はないという回答でございました。

 その取得要望の受け付けの最後に学校法人森友学園から取得要望の提出がございまして、そういう意味では、この土地を欲しいというふうに希望されたのはこの学園だけでございました。もちろん学校法人でございます。

 この学校法人は、初めに借地契約を結んだ後に買い受けしたいというような希望を持ってございまして、そういう取得要望書でございました。したがいまして、私どもとしましては、そういう要望がありますので、その場合にはもちろん設置主体である学校法人は地方公共団体の認可が必要でございますので、そこについてこういう要望が出ておりますけれども、大阪府としてどういうふうにお考えでしょうかというようなことをお尋ねしたりしてございますので、そういう意味では、私学審議会あるいは国有財産地方審議会の前に、そういうような要望書を踏まえて御議論するというのは極めて普通のことでございます。

福島委員 普通なんですか。だって、きのう、将来売却する権利つきの貸付契約というのはこの件を入れなければ学校法人であと一つしかないと言ったじゃないですか。全然普通の契約を結んでいないじゃないですか。

 しかも、この件については、別の学校法人も取得を希望していたということは広く知られているところでありますし、私、地元の豊中市にも行ってまいりましたけれども、この種の飛行機の騒音の対策のための土地というのはさまざま需要があって、市議会でもさまざま問題になっているんですよ。

 私は、森友学園しか購入しないなんというのはあり得ないと思うし、もし一億三千万で買えるとしたら、売却希望者は殺到すると思いますよ。周りも住宅地があって、非常にいい場所ですよ。結局、最初のときに、あなたはだめ、この人はだめとかはじいていて、森友学園とだけ話をしていたのではないですか。

 この貸付契約の際に不動産鑑定をどうやっていたのかという書類、ずっと一週間前から求めていたんですけれども、財務省は一向にこれを出してこなかった。きのうの夜になってようやく出してまいりました。これを確認いたしました。

 そうしたら、賃料の算定に当たって、二回やっているんですよ。平成二十七年一月十六日と同年四月二十七日。最初は、十年間の事業用定期借地権。当然、この土地は十年以内に買うわけですから、十年の借地でいいわけです。それで、九億五千五百九十七万円という価格をはじいております。ところが、その三カ月後にやった二回目では、借地権の期間を五十年間に延ばした。五十年なんてあり得ないでしょう、本来。しかも、一般定期借地権という、事業用じゃない、何をやってもいいというものに変えて、九億二千九百六十六万円と減額して、年間の支払い賃料を約六百万円減額しているんですよ。

 なぜ土地の鑑定をやり直したんですか。

佐川政府参考人 お答え申し上げます。

 平成二十七年一月、当初の不動産鑑定評価が提出された後でございますが、同年四月、森友学園より近畿財務局へ地盤調査報告書が提出されました。近畿財務局におきまして当該報告書を精査しました結果、本地の地盤の状況が軟弱地盤であることが判明したため、価格調査業務を不動産鑑定士に委託しました。その結果、貸付料につきましては、地盤の状況、いわゆる軟弱地盤を考慮しまして算定したということでございます。

福島委員 ごまかさないでください。なぜ、十年の期間を五十年に変えたり、事業用定期借地権を一般定期借地権に変えたんですか。

佐川政府参考人 お答え申し上げます。

 当初、森友学園は貸付契約後八年を目途に本地を購入する予定としておりまして、借地借家法における定期借地権の最短期間でございます十年を契約期間とする条件で評価を依頼したところでございます。

 地盤調査の結果が出ましたので、客観的に見ますと、本地がまさに地耐力の劣る基盤であるという不動産鑑定、賃料に係る新たな価格形成要因が判明したということでございます。そうしたことから、十年間の事業用定期借地を評価の条件とした場合、十年でございますので、まさに低層の店舗などの用地としての利用を前提とした評価となりますので、こういう低層の店舗用地の場合、地盤の影響を余り受けないものでございます。

 ところが、学校の校舎というものでございますので、これは長期の使用に耐え得る建物の建設を目的とするというものでございますので地盤の影響をかなり受けるということでございますので、今般の買い受け特約つき事業用の定期借地契約の実情と乖離するということになりましたので、あわせて評価条件を変更したところでございます。

福島委員 全くおかしいですね。

 総理、こういうふうに本当に怪しいんですよ。ちなみに、最初の評価鑑定書にこういう記述があるんですよ。不動産鑑定士の……(発言する者あり)黙って聞いてください。鑑定書には、豊中市においては、新しくやった一般定期借地権の事例は、戸建て住宅の事例しか収集できなかった。つまり、変えた方の一般定期借地権は、高層の建物じゃないですよ、戸建て住宅の事例しか収集できなかった。十年間の方はまさに事業用だから、さまざまな事業に供するものなんですよ。

 これは何か怪しいです。言いわけをつくって、一生懸命、どうやったら安くできるかという、森友学園の側に……(発言する者あり)怪しいじゃないか。森友学園の側に立って、どんどん国民の財産である国有財産を安くしていっているとしか言えないんですよ。

 私は、今回のこれらのスキームというのは森友学園だけじゃできないと思っております。その間に入っている不動産のコンサルタントや弁護士ではできないと思っておりまして、全てヒントは、麻生大臣はいつも手続は適正だと言うんです。確かに法令にのっとった手続をとっていて、違法な手続が今のところは見られません。しかし、針の穴を通すように、それぞれの制度の例外をうまく活用してこの事業というのを進めているんですね。それは役人じゃなきゃできません。本当にそうです。

 この交渉、鑑定をやったときの理財局長というのはどなたでしょうか。

佐川政府参考人 大変恐縮でございますが、鑑定というのはいつの鑑定でございましょうか。(福島委員「貸し付けのときの鑑定」と呼ぶ)貸し付けのときの鑑定。何年か前になりますので、ちょっと確認をさせていただきます。

福島委員 この国会でずっと委員会で問題になっている、土砂の除去のために八億円必要だという積算、このような異例中の異例のやり方でやっているときの理財局長、それはどなたでしょうか。大丈夫ですか。答弁できますか。

佐川政府参考人 ちょっと今、手元に資料がございませんが、昨事務年度が二十八年の夏から始まってございますので、昨年、二十八……(福島委員「七年から八年」と呼ぶ)七年でございますか。済みません、そうすると、その前の二十七年、ちょっと三年前……(福島委員「二十七年から二十八年」と呼ぶ)二十七年を大至急、今調べさせていただきます。済みません。

浜田委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

浜田委員長 速記を起こしてください。

 佐川理財局長。

佐川政府参考人 前任者ではございませんが、前々任者ということであれば、中原という局長でございます。(福島委員「違う、違う、前任者だよ、前任者。何でそんなにとぼけるんですか。二十七年から二十八年だから前任者じゃないですか」と呼ぶ)恐縮でございます。昨年の夏からが私でございます。その前の二十七年の夏から二十八年の夏という意味でいえば、迫田局長でございます。

福島委員 何でそんな演技をするんですか。きょう参考人招致をしているんですよ。(発言する者あり)

浜田委員長 静粛に願います。静粛に願います。

福島委員 何で皆さんはそんなに役所をかばうんですか。前任者の名前もわからない、しかも、きょう参考人として招致をしていて、与党の皆さんが、来るのを断っているんですよ。そのときの理財局長だから呼んでいるのに、知らないとか通告がないとか、あり得ないじゃないですか。何でそこまで迫田さんの名前を出すことを嫌がるんですか。ますます怪しいと思うじゃないですか。

 私は、この当時の理財局長の政治家との接触記録の提出をこの委員会に求めたいと思います。

浜田委員長 理事会で協議します。

福島委員 財務省は、この政治家との接触記録というのを出そうといたしません。しかし、国家公務員制度改革等基本法の中におきまして、こうした政治家との接触の記録というのは残さなければならないことになっていて、特にこのような土地の売却に絡むようなものについては情報の公開に留意するものとするとされておりますので、ないという言いわけは通用しません。該当部分だけではなく、それ以外も含めて、全てこの委員会に提出をいただきたいというふうに思っております。

 問題はまだ数限りなくあるんです。この六つの論点、きょうは一つのものの半分もできておりません。

 総理、この土地の購入に関して一切政治家の口ききなどなかったということを、きょうこの場で断言できますか。先日、総理は、昭恵夫人がかかわっていれば、それはもう間違いなく総理大臣も国会議員もやめるとたんかをお切りになりましたけれども、この案件についても一切政治家の口ききはなかったと断言できますか。どうですか。

安倍内閣総理大臣 私が言ったのは、この売却の問題あるいは認可の問題について、売却とそして認可について私と家内、あるいは安倍晋三事務所も一切かかわっていないというふうに申し上げました。それにもしかかわっているということであれば私は政治家として責任をとる、そう明言したわけでありますから、これはそのとおりでございます。

 ただ、今、他の政治家等については、他の政治家がかかわっていたかどうかということには、私について御質問がございませんので……(福島委員「自民党総裁としてですよ、いやいや、総理の見解を伺っているんです。何でそんなしどろもどろになるんですか」と呼ぶ)しどろもどろじゃないですよ。私は、自民党の全議員の行動を把握していませんから。政治家といえば、民進党だってあるじゃないですか、共産党だってありますよね。それはわからないですから、民進党の諸君が何をやっているか。だから、私は当然答えられないので、私がわかる範囲は……(発言する者あり)皆さん、真剣に答弁しているんですから、ちゃんと聞いてください。いいですか。私だって、今、職をかけて答弁しているんですよ。真面目に聞いてくださいよ。

 私と家内については、この売買と認可については全くかかわりがないということは申し上げた。私が申し上げられるのはそこまでですよ。国会議員の関与はと言われても、民進党の議員の皆さんが何をしているか、私はわからないですよ。そんなことを全部調べていたら、これは結構、どうなんですか。それについては、今、私はここでいきなり言われて、わからないじゃないですか。接触記録を調べろというやじが今ございましたが、それであれば、前もって聞いてくださいよ。接触記録を出すかどうかということを聞いていただければいいのであって……(発言する者あり)

浜田委員長 静粛に。

安倍内閣総理大臣 いずれにいたしましても、総理大臣として今ここで私が答える立場にはないわけでありますから、理財局なりなんなりに、接触があったかどうか、あるいは不法な依頼があったかどうかというのは理財局長に聞いていただければいいんだと思いますよ。

福島委員 いや、これまで何度も求めて、出さないから申し上げているんです。疑惑を晴らす上でも、ぜひ……(発言する者あり)

浜田委員長 静粛に。

福島委員 党としても、政府としても、この件について、誰が接触してどのようなものがあったということを調査すべきであるというふうに思います。

 ある与党の政治家の方が、籠池理事長のところが何度もやはりしつこくやってきて、この件について役所からいろいろなことを調べてくれといってやったら、役所の対応が不満で、謝礼を持って、何か口ききをしろと言ったから断ったという話もあるんですよ。籠池理事長は、ほかの政治家に同じようなことをやっていたかもしれませんよ。

浜田委員長 時間が来ておりますので、よろしくお願いいたします。

福島委員 この話は、皆さん、やじっていますけれども、国民の税金で買った国有財産を不当に安く売っているという問題なんですよ。皆さんもちゃんと調査に協力すればいいじゃないですか。

 瑞穂の国の記念小学校のパンフレットには……

浜田委員長 時間が来ております。

福島委員 ノーブレスオブリージュとか国家有為の人材と書いてありますけれども……(発言する者あり)

浜田委員長 静粛に願います。

福島委員 私が発言しているんですよ。愛国とかそういうのを……

浜田委員長 時間が来ております。

福島委員 免罪符にして国民の財産をかすめ取ることは、これは許されませんよ。愛国の名のもとに国を私物化しているんじゃないかというのが多くの国民の皆様方の疑惑の目であるわけであります。やじっている与党の皆さん、これは政治の信頼性……

浜田委員長 時間が来ておりますので、まとめてください。

福島委員 政府の信頼性にかかわることでありますから、このことの徹底的な解明をこの委員会でやってまいることを求めまして、私の質問とさせていただきます。

 ありがとうございました。

浜田委員長 この際、玉木雄一郎君から関連質疑の申し出があります。福島君の持ち時間の範囲内でこれを許します。玉木雄一郎君。

玉木委員 玉木雄一郎です。

 まず、天下りについて一問伺います。

 私が以前の予算委員会で指摘を申し上げました文科省の省内調査、何かあれば自己申告しろ、あるいは他の職員が法令違反になるようなことをやっていればそれをきちんと報告しなさいという中で、ただしその場合には証拠をつけないといけないということが調査票に入っていて、こんなことを書いていたら誰も正直に言ってこないというふうに指摘を申し上げました。そこで、午前中、与党の議員からもそういった質問があって、大臣から答弁がありましたが、これは端的にお答えください。こういうおかしな調査の方法をやめて、調査をやり直すんですか。

松野国務大臣 調査の設計に関しましては、外部の有識者の方に御参加をいただきまして、法律的な実務の観点から、またコンプライアンスの観点から設計をしたものでありますから、この調査自体に関して私は適正なものであったと認識をしております。

 しかし、これまでの審議の中においての御指摘も踏まえ、今の文科省が置かれている信頼度の問題も含め、もう一度しっかりと検討しろという御指摘もいただきました。また、回収の面においては、確かに個人のプライバシーの面を考えるとより配慮した必要があるということも認識をいたしまして、今回、調査の内容自体は同一でございますけれども、より調査内容に関する理解が進む配慮をしつつ、また回収方法を検討して、全職員調査をもう一度やるということでございます。

玉木委員 やり直すということですね。もう一回明確に。調査をやり直すということですね。

松野国務大臣 全職員に関して書面上の調査をもう一度やるということでございます。

玉木委員 やり直しを明言していただきました。しっかりとやっていただきたい、真相究明に万全を期していただきたいと思います。

 それでは、今回の森友学園への国有地の売却の話をしたいと思います。

 まず、資料の三を見てください。工事が今なお続行しております。かなり、私も現地に行って見てきましたけれども、相当立派な校舎が建って、着々と工事は進んでおるわけですね。

 これはなぜこの予算委員会で取り上げているかというと、パネルの一をちょっと見てください、不当に安い値段でこの国有地が売却されたのではないかという疑惑であります。なぜこういうことを言うかというと、下に財政法九条を書いています。国の財産は、適正な対価なくしてこれを譲渡もしくは貸し付けてはならないとあります。だからこそ、まさに国の財産の最たるものである国有財産が正しい値段で、つまり法律でいうと適正な対価を受ける形で国が譲渡していないとこれは財政法違反になるから、私たちは厳しくこれを聞いているわけであります。

 簡単に事案の概要を説明しますけれども、もともとこれは国有地の売却を、当法人に対して賃貸借契約でまず契約を結んで土地を渡すということになりました。その契約が結ばれた後に、既にあったとされる地下埋設物を除去するお金として一億三千二百万が法人の側にまず支払われます。支払われて工事が始まったら、もう一つ新しい埋設物が見つかって、それを除去するのは八億円ぐらいかかるということで、さらに地価から八億円を差し引いて、いわばディスカウントして安くなったわけで、それで今度は売買契約にこれを途中で転換させます。そして最終的に昨年の六月に一億三千四百万円ということで売買契約が成り立つんですが、ただ、下にも少し書きましたけれども、実は、売買契約を結んだのにもかかわらず、なぜかそれが分割払い、法律用語でいうと延納を認めていて、当面はたくさん払わなくてよくしてあるわけです。

 ちなみに、売買契約じゃなくて、その前の賃貸契約のときの初年度に払う保証金が二千七百三十万円でした。売買契約に変わってからの、今度は頭金という形になりますが、それが二千七百八十七万円でほとんど変わらないんです。ですから、法人からすれば、手元のお金が余りなくても、いずれにせよこういったことが行われる。

 そして、お金の流れだけを見ると、一億三千二百万円が昨年四月に国から森友学園に払われている。そして、売買契約ということで一億三千四百万円払うことになっているんですが、これは見ていただくとわかるんですが、お金のやりとりだけを見ると、実は、たった二百万円の差額で、要は二百万円で国から森友学園はこの土地を手に入れているわけであります。破格のディスカウント価格だと思いますね。

 ですから、不動産鑑定士が鑑定した九億五千六百万に対して、このディスカウントしている二回目の地下埋設物の除去費用が本当に適正なものかどうかということをきちんと確認しないと財政法九条にも違反するので、このことを何度も何度も同僚議員も含めてこの予算委員会で議論してきたわけであります。

 そして、この八億円の根拠というのは、先ほど航空写真を見せましたけれども、三・八メートルの部分と、くいを打つところは九・九メートルの部分、このトータルが一万九千五百トン、体積でいうと一万一千立米ぐらいだと思いますが、ここを除去するから八億円かかりますと言っているわけですね。

 これが平面図でありまして、この青いところに校舎が建つ、その手前が運動場ということになるんですが、赤で囲っているところ、ここを全部工事して、三・八メートル、くいを打つところは九・九メートル、こういうところを全部撤去するので八億円ということになっております。

 まず、財務大臣に伺います。

 この八億円、新しい埋設物が見つかったと報告があったのは去年の三月十一日です。その三日後に、近畿財務局と大阪航空局が、そうか、どういうのが見つかったんだといって確認しに現地に行きます。後にこれが八億円ディスカウントしようということの根拠となる最初の確認になるんですけれども、三月十四日、両局で行った一番最初の確認作業、具体的に、この敷地内のどの場所で、どの深さで、どのような埋設物が見つかったと確認していますか。

佐川政府参考人 お答え申し上げます。

 今委員がおっしゃいましたように、三月の十四日に大阪航空局と近畿財務局で現場に行きまして確認をしてございます。そのときに、もちろん現場関係者とともにもろもろの議論をした上で、九・九メートルまでのくい打ち工事実施時に地下埋設物が出ていた状況、それから試掘により三・八メートルまでの地下埋設物があることなどもきちんと認識しているところでございます。

 それから、大変恐縮でございますが、先ほどの二百万円の話でございますけれども、民法上の有益費につきましては、いわば先方が払ったものを国が精算したものでございます。それと売却の地価というものは全く異なるものでございまして、その両者を、異なる内容のものを比較して、売却価格に直接有益費を加減算して議論するというようなことは適当ではないのではないか、このように考えております。(発言する者あり)

浜田委員長 佐川理財局長、再度答弁願います。場所について。

佐川政府参考人 お答えいたします。

 三月十四日に現場に行きまして、もちろん写真等もありますが、そういう意味では、出てきた後に、そこにごみがあるわけでございますから、どこのくいから、そこから出てきたのかという意味での場所の特定はできないわけでございますけれども、くいを打って出てきたものの、ごみがあるということは、そこは確認しているわけでございます。

玉木委員 掘って出てきたものが現にどこから掘ってきたものだということは確認しましたか。単に土を盛っているだけだったら、言い値で、これがそうですと言っているだけなんですか。どの場所から出てきたごみであって、それは産業廃棄物でしたか、一般廃棄物でしたか、確認していますか。

佐川政府参考人 お答え申し上げます。

 どこかと言われれば、まさに学校の建設をしているその場でございますので、学校建設の現場でございます。

 それから、どこと個別の場所で申し上げれば、先ほど申しましたように、何十本もくいを打って、それで出てきたものをそこに積み上げているわけでございますから、その現場のくい打ちをしたところから出てきたということでございます。

玉木委員 どのくいですか。

佐川政府参考人 お答え申し上げます。

 たくさんくいを打って出てきた後のところで、どのくいからどのごみがというような一対一の対応については確認できません。

玉木委員 では、それが掘って出てきたものかどうかも確認していないということですか。

佐川政府参考人 お答え申し上げます。

 工事の現場関係者と一緒にそこで見てございまして、そこでまさに、そこからくい打ちをして出てきたものだというふうに確認したわけでございます。

玉木委員 では、業者から聞いただけですね。

佐川政府参考人 そういうものも航空局も財務局も一緒に見て確認しているということでございます。

玉木委員 きのう、航空局長の答弁で、現場に赴き小学校校舎建設用地に地下埋設物があったことを確認してございます、しかしながら、今委員御指摘の詳細な箇所がまだ特定できていない状態でございまして、どのような現地確認がなされたのかについて現在確認しているところでございますと。

 ということは、どのような現地確認がなされたかについての確認は済んだということですか。

佐川政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど申しましたように、それぞれの、どのくいからどのごみが出てきたかというふうな対応関係については、それは無理でございまして、そういう意味では、掘ったくいの中から出てきたということについて、さらに今どういう検証が可能かということを確認しているということでございます。

玉木委員 こんなに広大な敷地の赤の線を全部掘り返してやる。一万九千五百トンが八億円の根拠になっているんですね。新しい埋設物が出ましたよといって調べに行って、調べましたというんだけれども、どこから何が出てきたのかも全くわからない。

 なぜ私はこういうことを言っているかというと、先ほど申し上げた一回目の埋設物が出てきたとき、平成二十二年一月にきちんと調査をまとめていますが、その際には三十六カ所試掘をしています。三十六カ所きちんと試掘をした上で、この広い面積の中で、こういう形の、掘った地域ごとに少しずつ埋設物の状態は違うんです、こういうことを丁寧にやりながら一億三千二百万円ということをはじいているんです。

 八億円ですよ。その一億円の何倍にもなるのに、どこで埋設物が出たのか、どのような埋設物が出たのか全く答えられないし、そして何よりも、財務局も航空局自身も自分自身では何ら調査をしていないで、業者からそう言われました、学園側からそう言われましたということで八億を試算したんですか。おかしいですよ、これは。

 では、伺います。

 きのうも野党の議員からの質問で答えていましたが、賃貸借契約でスタートして、新しいごみが出たからといってディスカウントして、それを売買契約に移転し、さらにそれを分割払いに変えて当面の支払いの額がほとんど変わらないような契約をしたことは、学校法人において過去何件ありますか。

佐川政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、先ほどの、前回の調査は何十本もやったというお話でございますが、今回の調査におきましては、そういう前回の調査も参考にしながら、全体を通じてきちんと確認しているということでございます。

 それから、今の問いでございますが、買い受け特約つきの定期借地契約ということで、学校建設の途中で新たな埋設物が出てきたというような事例もございませんので、そういう意味では、改めてそこの買い受け契約に移って、その上でそのときの財務状況を勘案して分割払いにするという意味ではこれが初めてでございます。

玉木委員 たった一件ですよ、皆さん。数限りない国有地の売却をしている財務局が、賃貸契約で契約に入り、後に売買契約に転じ、それを分割払いにして当初の賃貸料と同じぐらいの額に圧縮しているケースは、全国そしてこれまでの歴史の中でこれだけです。それを今認めました。一件です、たった一件です。

 きのうとは違います。きのうは、賃貸から売買に変えたものは学校法人で二件、社福で一件でした。しかし、それをさらに分割払いにして当面の支払いを減じるのはこれまでゼロなんです。だから、より高い説明責任が求められるということを聞いています。

 次に伺います。

 では、八億円はそれなりの合理性があるとしましょう。実際にどれぐらいのコストをかけて搬出が行われたのか、埋設物の撤去に幾らかかったか把握していますか。

佐川政府参考人 お答え申し上げます。

 ここでも何度か御答弁申し上げてございますが、今回の撤去費用の見積もりにつきましては、まさに埋設物につきましてきちんと撤去費用を見積もっているところでございますが、小学校が建設されるという前提でございますので、今後新たにどんな地下埋設物が出てくるかわからないという中で、本件土地の売買契約では隠れた瑕疵も含めて一切売り主である国の責任を免除するという特約は付してございますが、そういうことも勘案しながら工事算定基準に基づいて適正に時価を反映したところでございます。

 その上で、時価、適正な価格で先方に売却をしたわけでございまして、その意味では、売却後につきましては、どういうような撤去をしたかということについての確認をする契約上の義務はございませんし、今のところそういう状況を把握しているわけではございません。

玉木委員 皆さん、びっくりしませんか。八億ディスカウントして、八億を時価から差し引いて安く売っているんです。その八億円の根拠は、どういう調査をしたかというと、いや、自分ではしていませんと。ごみか土か、その辺に盛り上がっているので、多分それが掘り出したものでしょうと。産廃か一廃かもわからない。かつ、現に、ダンプで運び出したり、どういう作業をしているのかは知らないし、契約上調べる義務もないという答えなんです。

 麻生大臣、これでいいですか。

麻生国務大臣 これは、たびたび繰り返しの答弁をさせていただいているので申し上げていると思いますが、発見された地下埋設物に対応するために、近畿財務局と大阪航空局とが協力をして、法令に基づいて適切な手続で、価格ということは時価ということですよ、時価によって処分されたものでありますので、私どもとしてはたびたびそういうふうに申し上げてきております。

玉木委員 そこが問題になっているんですよ。法令に基づいて適切に評価されているのかどうかが聞かれているので、どのような評価の方法をやっているのかを私は聞いているんです。

 きょう、読売新聞だったと思いますが、籠池理事長がインタビューにこう答えています。理事長は、打ち込む部分のごみは撤去したが、それ以外は撤去していないと明言しています。確かに校舎の下にはくいは打たれているんですが、それ以外のところにいっぱいまだ土地がありますね。そこは、契約当事者の森友学園の籠池理事長が、くいのところはちょっとやったかもしれぬけれども、ほかはやっていないと明言しているんですよ。

 でも、国が八億円ディスカウントするときの算定根拠は、もちろんくいの部分もそうですけれども、全部を踏まえて八億円なんですよ。それを理事長自身がやっていないというのに、これは適正な評価と言えるんですか。

 では、伺います。

 先ほどあったように、前例のないことをしていますね、過去ゼロ件、今回が初めて。賃貸契約で入って、安い賃料だということで契約に入り、その後一億三千二百万円を有益費でもらって、さらに何か新しいものが見つかったということで、これを売買契約に転じて、しかも分割払い。一体いかなる法令に基づいてこんなアクロバティックなことをやっているんですか、ウルトラCをやっているんですか。そして、その法令の適用でいいと最終的に判断したのはどなたですか。

佐川政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、個別の、それぞれの処分の方法、手段につきましては、全て法令に基づいて適正にやっているところでございます。それから、撤去費用もきちんと客観的に判定した上で不動産鑑定価格から控除して、その時点の、ごみを撤去することを踏まえた上で、そのときの時価が適正な時価なのでございます。したがって、そういう意味での残ったごみをどうするかということについて、先方は建設工事中でありますので、今そういうことをやっているということだろうと思ってございます。

 そういう意味で、決裁権限者は近畿財務局長でございます。

玉木委員 いや、どう考えてもおかしいですよ。

 私、きのうの昼、実際に工事に携わった方にお話を伺いました。京都の業者さんです。名前は伏せますけれども、いわゆる孫請でこの事業に入っておられます。

 具体的な話を申し上げます。

 まず、昨年の十一月九日に、藤原工業さんというのが元請をやっていますけれども、さらにその下請から依頼が来て、二千立米ぐらい運び出してほしいというのが最初の依頼だったそうです。彼は、平成二十八年十一月十八日から十二月上旬まで約二週間ぐらい作業をしたそうです。一日平均六台ぐらいで、京都の方に処分場があって、そこに捨てに行ったそうです。一日三往復。ですから、一日延べ平均十八台でやっています。一日、二日は十台ぐらい動かした日もあったそうです。

 二週間として、十八台を十四日間動かしたとして二百五十二台、約二百五十台ですね。十トンダンプには五・五立米ぐらい積めますから、それで約一千四百立米。ほかにも一緒にやった業者がいるのかと聞いたら、二日間だけは他の業者も一緒にやったと。ただ、いずれにせよ、二千立米ぐらいやってくれないかといって、その七割ぐらいですかは自分でやったということであります。

 今回のそもそもの八億円の根拠になる作業というのは、さっき一万九千五百トンと言いましたけれども、立米に直しても一万強ぐらいだと思います。そうすると、その八億円の根拠になっている体積に対して五分の一、一三%ぐらいしか運び出していないんですね。

 二千立米と言われたんですけれども、ただ、もう一つ驚く証言を私がいただいたのは、掘り出した土の半分程度しか実は敷地の外に持ち出していないそうです。なぜかというと、汚染土は処分費がかかるから、できるだけ運び出す量を少なくしてと言われて少なくした。何と、その半分ぐらいは運動場の西側に埋めてあるんだそうです。このあたりです。アンモニア臭のする汚染土で、作業期間中は彼も食事ができなかったと聞いています。運動場になるので、子を持つ親としてこんなことは許せないということで、証言をすることに彼は同意してくれたんです。まだ若いです。

 こういうことが実は言われているので、実際どういう作業をしたのかは確認しません、法律上確認する義務もありませんと言うのではなくて、もし、そもそも八億円の根拠になった運び出すべき汚染土や埋設物が実は少なかったのではないのか、さらに法令に違反する形で敷地の中に埋められているとしたら、これは改めて確認する必要があるんじゃないですか。どうですか、麻生大臣。

佐川政府参考人 お答え申し上げます。

 撤去につきましては、先ほどの繰り返しで恐縮ですが、この売買契約には国として一切の瑕疵がないようにという特約がついているわけでございます。委員よく御承知でございますが、先ほどの有益費の話でございますが、あの有益費の中に埋設物だけではなくて土壌汚染もあったわけでございます。そういう意味では、今後、学校建設を行うに当たって、どういうものが出てくるかわからない中での時価ということでございます。

 そういう意味では、今まさに学校建設中でございまして、契約上もちろん確認する義務もございませんので詳細は承知してございませんが、学校建設中の中で今どういう状況になっているかということは学校側の経営判断だろうというふうに思ってございます。

玉木委員 ちょっと待ってくださいよ。もう一回整理しますよ。

 不動産鑑定額が九億五千六百万円で、そこからごみの撤去費用が必要だといって八億円ディスカウントして、破格の一億三千四百万円でやっているんです。今この八億のごみ撤去費用について問題視していろいろるる言ったんだけれども、それは関係ありません、例えば汚染土がさらに埋まっているかどうかについても学校経営側の判断ですと。

 総理、これは財政法にも違反するかもしれない案件であって、今お聞きになってどうですか、こんな対応でいいと思いますか。私は、やはりこれはきちんと調査をして、国民の疑惑を晴らすべきだと思うんです。徹底調査をやるべきだと思いますけれども、総理、いかがでしょうか。

安倍内閣総理大臣 既に理財局長からも答弁させていただいておりますが、では問題は何かということだろうと思います。つまり、九億円だったものが一億円に減価した、それが正しかったかどうかということだろうと思います。

 理財局の説明は、そこに汚染土等々があり、廃棄物等々もあり、価格としては減価されているということであります。一方、価格として減価されているということであり、それは適法だったということだろうと思います。

 そこで、そこに埋まっているものについての責任の所在はどこかということであります。国が持っているわけではなくて、所有権をいわば瑕疵があるかどうかということも含めて相手側に売却したことによって、その瑕疵担保については相手側に移ったという中において、つまり、今話を聞いている中においては私も詳しいことは知りませんが、そこで価格が減価されたということになります。他方、学校経営者としてその土壌の上において学校を経営すべきかどうかということについては、今聞いていた中においては、これはむしろ理財局というよりも、認可するという責任においては大阪府ということになるんだろう、こう思うわけでございます。

 そこで、減価していますから、例えば転売するということについても、それを除去しない限りこれは減価されたままになっていくんだろう、そういうことなんだろうと思いますが、いずれにいたしましても、調査ということについては、これは新聞等で承知をしたところでございますが、会計検査院が調査をするやに報道がなされているわけでございます。会計検査院は政府から独立した権限を持って調査をするわけでありますから、会計検査院がしっかりとその役割を果たしていかれるもの、このように認識をしております。

玉木委員 総理、消極的ですね。こんなものは調べればわかりますよ。

 では、ちょっと伺いますよ。これは一万九千五百トンが対象なんですけれども、積算するときに単価を掛けていますね。一トン当たり二万二千五百円です。この二万二千五百円はどういう単価が根拠になっていますか。全て産業廃棄物なのか、単に土なのか、いろいろ中によって、まあ産業廃棄物が一番高くつくと思うんですが。どういうものが根拠になっている単価ですか、二万二千五百円は。

佐藤政府参考人 お答え申し上げます。

 見積もりに当たりましては、産業廃棄物として見積もっております。(玉木委員「全てね」と呼ぶ)はい。

 その上で、処分費用の単価でございますけれども、処分費用につきましては、物価資料に単価が設定されておりませんので、現場状況に精通した工事事業者からヒアリングをまず行いまして、他の事業者の価格情報と比較検証の上、単価を設定してございます。

玉木委員 単価まで業者の言ったとおりなんですか。

 それで、これは全て産業廃棄物だということで計算しているそうなんですが、運び出したものが全て産業廃棄物だと確認していますか。

佐藤政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、工事事業者からのヒアリングだけではなくて、他の事業者の価格情報と比較検証を行っております。

 それから、産廃の方でございますけれども、廃棄物の処分を含む売却後の当該土地の取り扱いにつきましては、大阪航空局としては承知をしてございません。

玉木委員 ちょっとおかしいですよ。

 二万二千五百円は、産業廃棄物だという前提で単価設定しているんですね。なのに、実際運び出したものは、それが産業廃棄物なのか、一般廃棄物か、単なる残土なのか、全然把握をしないし、していない。こんなことでいいんですか。めちゃくちゃですよ。だって、量も掛けた単価も両方根拠がないと私は言わざるを得ません。

 環境省に伺います。

 しかし、日本は別の法律があります。廃掃法や廃棄物の処理に関する法律があって、産廃マニフェストというものをしっかり見れば、そこに廃棄物の種類や数量が明確に書いてあると思いますが、事実関係はいかがですか。

中井政府参考人 お答えさせていただきます。

 産業廃棄物の処理を他人に委託する場合には、廃棄物処理法に基づき、当該産業廃棄物の引き渡しと同時に、産業廃棄物管理票、いわゆるマニフェストを交付しなければならないとされております。御指摘のとおり、マニフェストには同法に基づき委託に係る産業廃棄物の種類及び数量等を記載することとなってございます。

玉木委員 終わりますが、産廃マニフェストを見れば廃棄物の種類そして数量が明示されているという答えがありましたから、委託契約書そして産廃マニフェストを提出いただいて、この八億円の積算が妥当だったかどうか、そして法律に違反するものかどうかということをしっかりとチェックしたいと思いますので、委員会に提出することを求めて、質問を終わりたいと思います。

浜田委員長 理事会で協議いたします。

 この際、今井雅人君から関連質疑の申し出があります。福島君の持ち時間の範囲内でこれを許します。今井雅人君。

今井委員 民進党の今井雅人でございます。

 先ほど福島さんとの質疑のところでいろいろおっしゃっていましたけれども、ちょっとそれに関して私は申し上げたいと思うんですが、きのう、この予算委員会の一般質問でこの問題を取り上げさせていただきました。この質問をする前には、ホームページにこれが載っているのは確認してきています。

 それで、私がきのう申し上げたのは、安倍昭恵さんという個人で名誉校長になられているのなら、それでも疑義はありますけれども、まだいいですが、ここに安倍晋三内閣総理大臣夫人と書いてあるわけです。この役職、ある意味肩書なわけですね、これが載っているということは、内閣総理大臣の夫人ですから、御夫婦ですから、一緒にやっているようにやはり見られるので、こういうものがいろいろなところで使われますから、こういうのはまずいんじゃないですかというお話をしたんですね。

 そうしたら、戻ってホームページを見たら削除されていまして、早いなと思いましたけれども、また隠蔽するのかというふうに思いましたが……(発言する者あり)そのときはそう思ったんです。

浜田委員長 静粛に。

今井委員 先ほど、既に校長をやめられたということでありましたけれども、見た瞬間すぐ削除されていたんだから、どうしてと思うのは当たり前じゃないですか。当たり前ですよ、質問したらそうなっていたので。

 そこで、ちょっとお伺いしたいんですけれども、先ほど、何度も何度も断ったんだ、何度も断ったんだということをおっしゃっておられますが、問題なのは、最後、受けたことなんです。途中で何回断ったなんて別に、そんなことはプロセスじゃないですか。いつも総理は結果が大事だと。引き受けたというのが結果なんです。引き受けたんですよ、途中で断ろうが何しようが。

 お伺いしたいんですけれども、この校長をお受けになったときに総理に相談はありましたか。

安倍内閣総理大臣 まず、何度も何度も断ったというのは、安倍晋三小学校について申し上げたわけであります。

 それと、隠蔽というのは、これは……(今井委員「隠蔽かと思ったと言っただけですよ」と呼ぶ)失礼ですよ。あなたたちはすぐにそうやってレッテル張りをしようとしている。この問題についても、まるで私が関与しているかのごとくの、ずっとそういうイメージ操作をこの予算委員会のテレビつきの時間を使って延々と繰り返していますが、皆さんはそれが得意だし、それしかないのかもしれない。それしかないのかもしれませんが、隠蔽というのは、では、私が隠蔽したんですか。私がホームページから、森友学園のホームページに対して私が隠蔽しようがないじゃないですか。そういうイメージ操作はやめるべきですよ。そういうことをしているから国民の信頼を得ることが皆さんはできないんですよ、はっきりと申し上げて。(発言する者あり)

浜田委員長 静粛に願います。

安倍内閣総理大臣 いいですか。だから、そういう……(発言する者あり)済みません、ちょっとやじはやめていただけますか、大切なところなんですから。こういう大切な議論をしているときに、正確な議論をするべきなんですよ。

 その中で、先方が家内のあの名誉校長というホームページのページを隠蔽したという言い方は、これはまず取り消して、隠蔽というものを、まず、私に質問する前に、では取り消してください。

今井委員 きのう総理はここにおられませんでした。ですから、総理が隠蔽したなんて私が言うわけないじゃないですか。いらっしゃらなかったじゃないですか。そんなことは言っていません。(発言する者あり)

浜田委員長 静粛に。

今井委員 私は主語は何も言っていません。誰が隠蔽したとも言っていません。言っていないですよ。言っていません。隠蔽かと思ったと言っただけで、誰が隠蔽したとも言っていませんし。総理、それはおかしいですよ。私、そんなことは言っていないですから。(発言する者あり)

浜田委員長 ちょっと静かに。静粛に願います。

今井委員 それで、さっきの質問に答えてください、もう一度。御相談はあったんですか。

安倍内閣総理大臣 では、今申し上げます。

 では、私やうちの家内が隠蔽したということをあなたは言ったのではないんですね。それをまず確認させていただきたい。それはそう言っていない、隠蔽していないということを……(今井委員「質問権はこっちですから」と呼ぶ)質問権はそっちということではないですよ、私を侮辱したんですから。この公共の電波の前で侮辱した以上、私や妻を侮辱した以上、それはちゃんとやっていただきたいと思います。それは、言葉としては……(発言する者あり)

浜田委員長 静粛に。

安倍内閣総理大臣 綸言汗のごとしといって、離れた言葉はそう簡単に、テレビの前で離れた言葉は戻ってこないんですよ。ですから、そういうイメージ操作は厳に慎むべきなんですよ。

 ですから、そういう隠蔽というのはどういうことかといえば、まさにこの出来事がなかったかのように隠そうとしているということであります。そのことをはっきりと理事の皆さんにも申し上げておきたいと私は思いますよ。都合が悪いことを私が答弁し始めると理事の皆さんは出るんですか。まずそのことについては反省していただきたい、このように思います。

 その上において、名誉校長については、先ほど申し上げましたように、経緯を申し上げましたよね、経緯を。(発言する者あり)辻元さん、いいかげんにしてください、もうやじで。

浜田委員長 静粛に。総理、質問に答弁してください。

安倍内閣総理大臣 委員長、ちょっとやじがうるさくて答弁しにくいんですが。(発言する者あり)

浜田委員長 静粛に願います。

 先ほどから何回も申し上げておりますが、議事の進行に大変支障があります。不規則発言はやめてください。総理も、答弁をよろしくお願いします。

安倍内閣総理大臣 そこで、先ほど申し上げましたように、この名誉校長の件については、いわば講演会に行ったときに、講演会の際に理事長に対してお断りをさせていただいたところ、その後講演をし、そこで、ぜひ名誉校長をお引き受けいただきたいと話し、どうですかといって、聴衆、父兄の方々もおられたんですが、ではよろしくお願いします、こう頼まれたわけであります。妻の記憶ではそこでも明確に答えずに笑っていたということでございますが、その後もやりとりがあった中において、最終的には確かにそういう形になったわけでございます。

 私もその段階では森友学園というのはよく承知をしていなかったのでございますが、理念等々についてを見せられたわけでありまして、なるべく、私の地元は別なんですけれども、地元においても名誉校長等、名誉理事長等々の依頼が多いわけでありますから、基本的にはお断りをしていることもあります。お引き受けをしているものもありますが、地元でも断っているものもございますから、それ以外においては基本的には両方とも受けない方がいいだろうということでございますが、大変熱心に依頼された結果、そうしたことになったわけでございます。

 しかし、これはまさに名誉という形で受け入れたわけでございますが、同時に、こうした出来事が起こり、先方から今詳細な説明もない中において妻からも先方に抗議をし、そしてまた、何よりもこの安倍晋三小学校ということについては実際明確にお断りをし、その後、事務所にも何回か依頼がある中においても事務所の方で何回もそれはお断りをしたわけでございまして、そこに対しては先方からも謝罪があったところでございます。そういう形で、この安倍晋三小学校ということについてはまさに存在をしていない、こういうことでございます。

今井委員 いや、総理自身のことは聞いていません。奥様がこの名誉校長を受けたときに総理に相談があったかということをお伺いしているだけですから、イエスかノーだけなんです。それを長々としゃべっていただいても困るんです。

 私が申し上げたいのは、この間も言いましたけれども、内閣総理大臣夫人という立場として、ある意味学園の広告塔になってしまいかねないので、こういうところはやはり、できるだけ受けないようにされるとおっしゃっていましたけれども、受けちゃだめですよ。

 実際、安倍夫人は、この間、総理と二十五回も外遊されて、ずっと外を回っておられるファーストレディーです。言ってみれば、日本の顔なわけですよ。公人です。そういう方が、やはり私立学校の名誉校長を内閣総理大臣夫人という名前でやっておられるのは適切じゃないということを私は申し上げたんです。だから、そこは考慮されたらいかがですかということを申し上げたかっただけですから、そのことを申し上げたかったことをまずここでお話ししておきたいと思います。

 それで、先ほど、この理事長にはお会いになったことはないとおっしゃっていましたけれども、そうですか。

安倍内閣総理大臣 この方とは、まあ政治家でございますから、いろいろな会がございます、そうした会でお目にかかったかもしれませんが、例えば一対一というような形でお目にかかったという記憶はない。先ほどもそう申し上げておりますよ。電話では、私が講演を依頼されていて、講演をお断りする、まあお断りする際には私が申し上げた方がいいだろうということで、お断りさせていただいたところでございます。

 ちなみに、私の妻が名誉校長を最終的に受け入れることになったのは私が総理に就任する前だったかな、ちょっとその辺は定かではないわけでございますが、いずれにせよ、総理大臣夫人という肩書をつけられたということについては、それは我々も必ずしも想定をしていなかったところでございますから、先方の言い方もそうではなかったものでありますからということでございます。

今井委員 それでは、ここの学園がやっておられる塚本幼稚園、御夫人が行かれた幼稚園ですね、こちらもお邪魔したことはないですか。

安倍内閣総理大臣 塚本幼稚園にも、私はお邪魔したことはないわけであります。要請があったんですが、たまたまさまざまな用事で、私はお邪魔をしていない、このように思います。

今井委員 だとすると、この理事長は大変問題児ですね。この方は山口県の防府市の市長さんと雑誌の対談をしておられまして、こうおっしゃっています。安倍総理には当園に足を運んでいただいたこともあり、本当に応援させていただいています、こうやっておっしゃっているんです。この方はうそをついていらっしゃるということですよね。そういうことですよね。

安倍内閣総理大臣 余りその人がうそをついているかどうかということは申し上げたくないんですが、私には再々そういう要請があったものでありますから、何回かお断りする結果になったということは記憶に残っておりますから、訪問はしていない、このように思います。

今井委員 明確に行ったことはないということをおっしゃっていますから、ということであれば、この方が勘違いしているか、何かうそをついているかということでありますので、そういう方が理事長をやっておられたところの名誉校長をやっておられたことも大変問題であるということを申し上げたいと思います。

 それで、きのうも少しお話ししましたけれども、この学校がつくられるときに一つ大きな問題がありました。まだ認可は最終にされていませんけれども、お金がないんです。財政的に非常に厳しいんです。それが審議会でもいろいろ議論になっていまして、それは大丈夫かということを直近も今も言われています。残念ながら募集もうまくいっていないみたいなんですけれども。

 それで、もともと、これは平成二十六年の十二月の大阪府の私立学校の審議会でも言われているんですけれども、私立学校会計基準で、新しい校地、校舎をつくるときは第二号基本金という形で毎年積み立てをする必要がある、こういう運用の基準があるんです、私立学校法に沿った。そこの場で、ではこの学園は積立金が幾らありますかといったら、ゼロ、一銭もありませんと。積立金をしなきゃいけないのに、一銭もないんです。

 それで、ではどうするんだということでいろいろ議論になっていますが、寄附金を集めます、それで何とか賄っていきますという話になっているわけです。それで、では寄附金を集めなきゃということが始まったわけですね。

 先ほど、安倍晋三小学校という名前で振り込み用紙があったということ、それは二日間ぐらいで取り消しになったということでありますからそれほど大きくなかったかもしれませんが、ただ、そういうものも出回ってしまったということなんです。私はこれが一番問題だと思っているんです。

 このパネルを見ていただきたいんですけれども、見ていただきますと、小学校開校に伴う寄附金のお願いというのがあります。もともとこの学校は認可相当ですから、まだ認可されていません。

 それで、審議会の方からも、平成二十七年の七月二十八日の審議会で言われていますが、認可の手続は三月になって先生の確保ができている、机もそろっている、図書館にも本があるということを見て認可がおりますので、それまでは認可申請中という文字を必ず入れるように指導していますと。認可申請中と入れなさい、認可されたというふうに言ってはいけませんという指導を審議会はしているんですけれども、にもかかわらず、小学校の寄附金のお願いということで、おかげさまで平成二十七年一月に大阪府より認可がおりと、認可申請中というふうに使わなきゃいけないと指導されているのに、認可がおりというふうに間違ったことを書いて募集しています。

 そして、そこのところに、去る九月三日開催、安倍昭恵内閣総理大臣夫人、瑞穂の国記念小学校を語るの教育云々とあって、安倍昭恵様には瑞穂の国記念小学校の名誉校長に御就任いただき、あといろいろ書いてありますが、という事情がありまして、寄附をお願いしたいという文章があります。

 これは本当に大変な問題だと私は思っていまして、認可されていないのに認可されたという表現をして、しかも内閣総理大臣夫人の名前を書いて募集しているということであれば、本当に、立場を利用されて、不正な形で寄附をお願いしたということになってしまうと思うんです。

 ですから私はさっき申し上げていたんですね。李下に冠を正さずじゃありませんけれども、こういうことをすれば、こういう疑義が出てきてしまうんです。

 ですから、直接私たちはいろいろなことに関与していないとおっしゃいますが、こうやって名誉校長になっていることで、こういうものに利用されているということなんですよ。そういうことに対してはどう思われますか。

    〔委員長退席、葉梨委員長代理着席〕

安倍内閣総理大臣 先ほども申し上げましたように、その幼稚園に私が訪問したことは、今もう一度思い出してみたんですが、全くないということをはっきりと申し上げることができると思います。

 そういう意味において、行っていないにもかかわらず行ったということにされたということは残念でございますが、また同時に、妻の名前を使って、そうした形での寄附、これは寄附でしたっけ。(今井委員「寄附です」と呼ぶ)寄附の依頼。そもそも安倍晋三小学校ということについて私は受けていないにもかかわらず、その名前も使ったということについては極めて遺憾でありますし、教育者の姿勢としてはいかがなものかと思わざるを得ない、このように思います。

今井委員 そうなんですね。そういう認識、私も同じだと思います。

 それで、総理は、自分も妻も契約や認可に全く関与していないと断言しておられます。私も、関与はしておられないと思っています。ですから、そのことをとやかく言うつもりはないんです。

 ただ、見てください。これで、総理の奥様の名前を使って寄附を集めているわけですね。そうすると、お二人が、例えば認可をとるときとか、いろいろなところで名前を使われている可能性は十分あると思うんですよ。安倍総理夫人が名誉校長をやっているところだから何とか便宜を図ってくれないかというふうに使われている可能性だって否定できないんです。十分あると私は思いますよ。

 ですから、この問題は、もちろん総理と奥様は直接関与していないと私は信じています、しかし、そういうふうに使われている可能性は十分あると私は思いますので、そういうところをしっかり調査するべきだ。そういうことが行われて、先ほど玉木さんもおっしゃったように極めてレアな契約になっているということを、そういうことが全くなかったということをしっかりきれいに証明するために調査をしっかりされた方がいいと思いますが、いかがですか。

安倍内閣総理大臣 改めて申し上げますが、私も妻も今般の売買の事案あるいは認可について全くかかわっていないということははっきりと申し上げておきたいと思いますし、また、この森友学園、また個人から政治献金もパーティー券の購入も一枚もないということもはっきりと申し上げておきたい、こう思う次第でございます。

 その上において、名誉職については、私自身もいろいろなものをやっておりますから、そういう名誉的なものについてもこうしたことがないようにしてもらいたい、こう思うわけでありますが、妻もさまざまなところから頼まれるんですよ、政治家であり、また妻もいろいろなところで講演をしておりますから。

 そういう中においてこうした出来事が起こったことは大変残念なことでありますが、しかし、今まで、そうした寄附の依頼先からうちの事務所に対しての問い合わせというものはないわけでございます。問い合わせがあれば、あくまでもこれは名誉校長であり、いわば学校法人的な形で責任を持てる立場ではないということ等々について、この意味について御説明をした、こう思う次第でございますが、そうした問い合わせはありませんでしたし、ですから、そういう問い合わせをしてきたところに我々が寄附を慫慂したことももちろん全くないということは断言できるであろう、こう思うわけであります。

 いずれにいたしましても、この問題については、しっかりと航空局と理財局について再調査をしていると同時に、皆さんもよく、いわばもう内部ではだめじゃないかということもおっしゃるわけでありまして、そういう意味においては、独立している会計検査院においても調査をするかの報道があったわけでありますから、しっかりと徹底して調査をすべきだ、このように思います。

今井委員 私はどうしてこれを申し上げているかというと、現実にこういう名前を使って寄附を集めておられるわけですから、ほかのところでもその類いのことをやっていらっしゃる可能性は十分あると思うんです。全くゼロのところにそういうことを申し上げているんじゃないですけれども、こうやって認可がおりているということを、実際、そうは使うなということを使って、総理大臣の夫人が校長になりましたということで寄附をそこに集めておられるわけですから、そういう使い方をされているので、ほかの認可とかそういうところでも名前を使って、何とかこれをこっちにしてくれないかとかということが起こっている可能性があるんじゃないかな、十分可能性があるんじゃないかなということを申し上げているんですけれども、それについては、それはないということでよろしいですか。(発言する者あり)わからないんですよ。そうなんです。わからないんです。

安倍内閣総理大臣 もちろん、あるかないかを今私がお答えする立場ではないわけでございまして、まさにこれを実行している側に、森友学園側にただしてみなければわからない問題、私は答えようがないわけでありますから。

 そこで、それがいわば認可の際にあったかどうかということについては、これは大阪府との関係だろう、こう思うわけでありますし、また、例えば理財局、航空局に対して、では安倍昭恵名誉会長ということを前面に出したのかどうかということもあるんだろうと思います。

 しかし、実際に妻も私も働きかけをもちろんしていないわけですから、していないことであるということと、実態として妻が名誉校長であったことは事実でもありますから、その事実を示しながらということはないとも一概には言えない、これは事実の公表だろうと私も思います。

 ですから、先ほど、私が行っていないにもかかわらず行ったということは問題でしょうし、認可がおりていないのに認可があるということは問題だろうと思いますが、妻が名誉校長を務めていたのは事実でございますから、そこについてはうその記述ではないだろう、こう思うわけでございます。

 ですから、いずれにせよ、調査ということについては、その調査の意図ということが私はよくわからないんですが、調査としては、いわばこの取引が果たして正当な取引であったかどうかということについては、当然、先ほど財務大臣からも答弁させていただいたとおりでありますが、それとは別に、会計検査院も調査するやに報道がされているわけでございまして、それであれば、しっかりと独立した機関として責任を果たされることを期待しているところでございます。

今井委員 明言されませんからもう次へ行きますけれども、しかし、きょうは実は、園長さんとか副園長さんのいろいろさまざまな人種差別ともとれるような発言がたくさんありますので、それを御紹介しようと思ったんですけれども、ちょっと時間がないのでやめます。

 我々は今、ヒアリングをいつもやっていますけれども、ほかの事案でもヒアリングをやっているんですけれども、今回は本当に異例でありまして、海外のメディアが物すごく来られます。ニューヨーク・タイムズ、タイムズ、ロイター、ブルームバーグ、AP通信、香港のメディアなど、物すごく今関心が強いんです。

 というのは、やはり、学校の教育の指導の内容にいろいろ問題点がないか、ヘイト的な表現がないか、審議会でもそのことは今も指摘されていますから、そういうところの名誉校長を総理大臣の夫人がやっていて、主人も考え方は共鳴していますとおっしゃっている、こういうことで本当に大丈夫なのかということで皆さん質問をしてこられます。ですから、それぐらい海外で非常に関心が強い事案だということはぜひ頭に入れておいていただきたいというふうに思います。

 それで、もう一点お伺いしたいんですけれども、財務省さん、最初の有償貸付契約のときに、結局、向こうも買ったら幾らとわかっていたと思うので、お金がないからということで、では十年間の定借にしてくださいというふうにしたんだと思うんですね。その後、一億ぐらいになっても、売買で買いたいと言っても、やはりお金がないからこれも分割払いにしてくれというふうに言ってきたと思うんですけれども、これは、二度ともやはり資金がないからそういう形にしてほしいということを言ってきたということでよろしいですか。

佐川政府参考人 お答え申し上げます。

 最初に公的取得要望を出して、大阪府と豊中市が要らないとおっしゃって、この学校法人が来たときにそもそも借地で借りたいということをおっしゃいましたので、多分その時点では買い付けるだけの資金が手元には用意できないということでそういうお話だったと思いますし、新しい埋設物が出て、売買契約に移行するときも分割払いということでございましたので、そこは先方も、自分の財務状況を勘案してそういう御判断をなされたんだというふうに思います。

今井委員 ちょっと時間がないので私の方で説明しますが、ごみが出てきたときに、財務局さんには二つの選択がありました。一つは、国がごみを撤去して改めて売るというやり方ですね。もう一つは、撤去費の見積もりをして、その分を評価額から引いて時価として相手に売る。この二つがあるわけですけれども、今回は、この二番目の方法をとられました。

 一番目の方法をやりますと、国が全部撤去してきれいにするわけですから、売り値はもともとの評価額の九億五千六百万近くになるはずです。それは当然なると思います。

 ここで問題なんですけれども、森友学園はもともと、この売買価格の一億三千四百万円すら分割でしか払えないところなわけです。もし見積もりで八億円の工事が必要だというふうに出たとしても、森友学園にはそのお金はあったんでしょうか。一億三千万円も分割で払わなきゃいけない財務状況ですよ。

 二回とも、お金がないから貸し付けにしてくれ、お金がないから分割払いにしてくれと頼まれて、それを財務局さんは受けておられるわけでしょう。そこがお金がないということは、資金的に非常に苦しいということはわかっていたはずです。にもかかわらず、八億円の工事を、ではそちらでやってくださいという見積もりを出したんですよ。

 向こうは確信犯じゃないですか。お金を出せないんですから、工事しないに決まっているじゃないですか、そんなもの。では、どうやってお金を集めるんですか。

 皆さんは、やっていない、やっていないとおっしゃいますが、それは、やっていないというか、やれないんです。お金がないんです。資金的にそんな余裕がないから、もう最初から工事はしないということを決めて買っているんですよ。それ以外あり得ないじゃないですか。そんなことも気づかなかったんですか。

    〔葉梨委員長代理退席、委員長着席〕

佐川政府参考人 お答え申し上げます。

 今委員御指摘のとおり、当時、二つの選択肢がございまして、その時点は二十八年の三月でございます。二十九年の四月の開校までほぼ一年しかございません。建設中でございます。埋設物も出た。これはどうしても開校に間に合わせたいという意向を先方はお持ちでございました。国がそれを全部撤去するという工事になりますれば、これは会計法令上入札の手続が必要でございます。それはとても先方は待てない。そうであれば、埋設物がある分の撤去費用を控除していただいてその値段で自分で買って、撤去もし、建設もして、一気にやり、開校に間に合わせたい、こういう御意向でございました。

今井委員 質問に答えていないんですけれども。

 今まさしくおっしゃいましたが、この間、こう言ったんです。入札にかける、それは相当時間がかかりますし、自分たちがもしやった場合、仮にいろいろなものが見つかって、まさに上の建設工事の認可に変化が出るような可能性もありますから、その場合、さらに時間がかかります、だから、自分たちがやって何か出てきたら間に合わなくなるから、向こうにやらせておけと。そして、先方から、早く学校を開校したい、したがって、深い埋蔵物は自分で撤去して早く開校したいと言われたと。

 自分で撤去する気はないんですよ、お金がないんだから。そんなことはわかるじゃないですか。もともと分割で払うと言って、お金がないとおっしゃっているところが自分たちで撤去していきたいと言ったって、ではどうやって撤去するんですかと、財務局はそのことを聞かなかったんですか。

佐川政府参考人 お答え申し上げます。

 今の利用計画の変更の委員の御指摘は若干違いまして、国が貸付期間中に自分で撤去工事をするという場合には、ある種入札をしなくちゃいけないから時間もかかります。

 もう一つとして、国が自分で撤去したときにいろいろなものが仮に出てきたときには、その場合は今出していただいている工事計画そのものも変更することもあり得る、可能性として。その場合にはさらに時間がかかりますということを申し上げました。

今井委員 答弁していないんですけれども。

 では、もう一回聞きますよ。

 先方から、早く学校を開校したい、したがって、深い埋設物は自分で撤去して早く開校したいという依頼があったので受けたと言っていますが、その時点で向こうには資金がなくて、自分たちでは撤去できないということはわかっていたはずです。先方から言われて、それができないことはわかっていたのにもかかわらず、この方法を認めたんですか。

佐川政府参考人 分割払いの申し出があって、それは法令に基づいて認めたわけでございますが、撤去費用をどういうふうに調達するかというのは、それは先方の御判断だというふうに思います。

今井委員 ちょっと無責任過ぎますよ。

 とにかく、向こうが資金を調達できないことはわかっているじゃないですか、ずっと相談しておられるわけですから。これを買うか、借りるか、分割にするか、ずっと相談しておられるのに、その撤去費に関しては向こうの問題だから私知りませんって、そんな無責任なことでいいんですか。こういう答弁でよろしいんですか、総理。

 総理、これを調査してくださいよ。こんないいかげんな話はありませんよ。

浜田委員長 佐川理財局長、時間が来ておりますので、簡潔に願います。

佐川政府参考人 決して無責任ということではございませんで、法令に基づいて分割をお認めし、撤去費用につきましては先方でやるということでございましたので、先方の御判断だというふうに思っております。

今井委員 済みません、ちょっと時間が来ましたので、時間は守りますから。

 総理、一言だけ言ってください。調査をやると言ってください。それで終わります。

浜田委員長 まとめてください。時間が来ています。

今井委員 わかりました。済みません。

 では、委員長、ぜひこれを調査してもらうことを委員会で諮ってください。よろしくお願いします。

浜田委員長 理事会で協議いたします。

今井委員 では、これで終わります。ありがとうございました。

浜田委員長 これにて福島君、玉木君、今井君の質疑は終了いたしました。

 次に、宮本岳志君。

宮本(岳)委員 日本共産党の宮本岳志です。

 大阪府豊中市の国有地売却問題、これは実に不可解な事件であります。

 パネル一を見ていただきたいと思うんですね。

 青い線で囲まれたところは、豊中市が二〇一〇年三月に防災公園として十四億二千三百万円で購入した土地であります。右側の赤い線で囲まれた土地が、今回、学校法人森友学園が小学校用地としてわずか一億三千四百万円で購入した土地であります。

 今回の赤い土地は、二〇一一年七月、森友学園よりも先に別の学校法人が購入を希望していた事実がありまして、この学校法人は朝日の取材に対して、当時五億八千万円を提示したが、国側はその価格では低過ぎるとして折り合わなかった、こう答えております。それが、昨年六月の二十日、この土地がわずか一億三千四百万円で森友学園に売却をされました。

 パネルの二を見ていただきたい。その流れをパネルに示したものがこれであります。

 なぜこんなに安いのかといえば、まず、不動産鑑定士が鑑定した土地の時価は九億五千六百万円でありました。地下埋設物の撤去費用として八億一千九百万円の値引きが行われて、一億三千四百万円に下がったわけですね。

 この八億一千九百万円もの値引きは国土交通省大阪航空局が行った計算でありまして、全敷地の約六割、五千百九十平米について、くいを打つところで九・九メートル、その他のところは三・八メートルまで地下に埋まっている廃材などのごみを全部取り除いて、一万九千五百トン、ダンプカー四千台分の埋設物を運び出し処理した場合の計算になっております。

 この八億二千万円の値引きについて、大阪航空局は、なぜこのような地下埋設物の撤去、処分費用の見積もりを行いましたか。

佐藤政府参考人 お答え申し上げます。

 本件土地の地下埋設物の撤去、処分費用について、大阪航空局では、近畿財務局からの依頼を受け、近畿財務局と協議、調整を行いながら、本件土地が小学校用地であることも勘案し、当該土地を瑕疵のないものとするために必要となると考えられる地下埋設物の撤去、処分費用の見積もりを工事積算基準に基づき行ったものです。

 すなわち、土地の価値を算定するに当たって想定しておくべき地下埋設物の撤去、処分費用を見積もったものでございます。

宮本(岳)委員 小学校用地であることを勘案し、学校を前提として瑕疵のないものとする、これがこの見積もりの根拠なんですね。

 では、まず基本的な事実を確認いたしますけれども、近畿財務局及び理財局は、現に森友学園が、大阪航空局の見積もりどおり、五千百九十平米について、くいを打つところは九・九メートル、その他は三・八メートルの深さまでの全ての埋設物を取り除き、一万九千五百トンもの埋設物を運び出し処理した、このことを確認いたしましたか。

佐川政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほどから申し上げておりますように、本件は、まさに不動産鑑定価格から除却費用、撤去費用を控除しました時価で売却したものでございまして、実際に撤去されたかどうかにつきましては契約上も確認を行う必要はなく、詳細については承知してございません。

宮本(岳)委員 驚くべきことに、八億円以上もの値引きをしておきながら、近畿財務局も大阪航空局もそもそも確認すらしていない、その必要すらないという答弁なんですね。

 現に、森友学園の籠池理事長はラジオのインタビューで、運動場の下は取り出さなくていいんですから、さわっていないんだから、そこにお金がかかることはありません、こうはっきり述べております。

 このパネル三を見ていただきたい。

 八億二千万円の値引きはごみの撤去費用でありますけれども、このうち校舎の建っていないところ、運動場などはやっていないというんですから、先日の国交省の私への答弁によりますと、その分だけでも、森友学園はこの土地を三億六千万円も安く買った計算になります。しかも、それ以外も実際にどれだけやったのかは、先ほど答弁があったとおり、把握も確認もやっていないし、する必要はない、こういう答弁なんですね。

 では、先ほど航空局が答弁した、学校を前提として瑕疵のないものとするために必要となると考えられる撤去費用、処分費用、これはいかなるものであるのかということを聞きたいと思うんですね。

 きょうは文部科学省に来ていただいております。大阪航空局がこの土地に見積もったように、廃材や靴、タイヤといった生活ごみが埋まっている場所、ここには、基礎くい部分は九・九メートル、その他のところは三・八メートル、全部土を取って、それらの埋設物をふるい分け、一万九千五百トンの埋設物を取り除かなければ学校の校地として認められない、こういうことですか。

松野国務大臣 文部科学省におきましては、小学校を設置するのに必要な最低の基準として小学校設置基準を定めてございますが、この省令の中で学校予定地の土壌汚染や地下埋設物についての具体的な定めは設けてございません。

 なお、法的な拘束力はございませんが、文部科学省としては、学校施設の計画、設計上の留意事項を示したガイドラインである小学校施設整備指針を定め、建物、屋外運動施設等を安全に設定できる地質、地盤であるとともに危険な埋設物や汚染のない土壌であることが重要である旨記載し、学校設置者等に周知をしておりますが、いずれにしても法的な拘束力はないというものでございます。

宮本(岳)委員 ないんですね。ガイドラインはあるけれども、法的な拘束力はない。

 この土地にあった鉛や砒素等の土壌汚染は既に処理済みでありまして、値引きの八億一千九百万円には一切入っておりません。そして、大阪航空局が見積もったような八億二千万円もの工事をしなくても学校は十分建てられることがはっきりいたしました。

 そうなると、今回の八億円値引きほど不可解なことはないんですね。しかし、このような奇怪なことは政治家の関与なしには起こり得ないと私は思います。

 そこで、聞くんですけれども、近畿財務局は、売買契約前に森友学園側と土地価格や除去費用についての価格を提示し、値引き交渉を行っていた事実は絶対にないと言い切れますか。

佐川政府参考人 近畿財務局から学園側に対しまして、法令等に基づく契約手続の前に本件土地の鑑定価格等につきまして示した事実はございません。

宮本(岳)委員 具体的に幾つか聞きたいと思うんですね。

 二〇一五年の九月四日午前十時から十二時の間、近畿財務局九階の会議室で近畿財務局は森友学園側と価格の交渉を行ったのではありませんか。

佐川政府参考人 お答え申し上げます。

 今、細かい会議の記録について、手元にございませんので、ちょっと確認できてございません。

宮本(岳)委員 私が入手した資料によりますと、その二〇一五年九月四日、森友学園の建設工事を請け負ったキアラ設計の所長、中道組の所長、近畿財務局の池田統括管理官、大阪航空局の高見調整係が、近畿財務局の九階会議室で会合を持っております。

 土壌改良工事の価格をめぐって交渉したのではありませんか。このときの交渉内容を明らかにできますか。

佐川政府参考人 お答え申し上げます。

 国有財産の管理、処分につきましては、一般的に、先方といろいろな、特に地方公共団体も含めて随意契約を行う場合についてはいろいろな手続の説明等の会議を開くことがあろうかと思いますが、今御指摘のお話につきましては確認しておりませんし、存じません。

宮本(岳)委員 確認していただけますか。(発言する者あり)

佐川政府参考人 大変失礼いたしました。語尾をはっきりさせていただきます。

 通告もありませんし、今のような御指摘については確認できておりません。

宮本(岳)委員 確認しますね。

佐川政府参考人 そのような個別の会議はたくさん開かれると思いますので、そうした交渉記録については残っていないというふうに思われます。

宮本(岳)委員 残っていない。調べようがないということを言っているんですか、それは。

佐川政府参考人 かしこまりました。確認させていただきます。

宮本(岳)委員 確認をしてくださいね。

 私が調べたところでは、その二〇一五年九月四日の会合では埋設物撤去費用の処分価格が具体的に出されて、撤去費用や土地の価格などについても検討しております。

 例えば、その場で近畿財務局は、建築に支障ある産廃及び汚染土は瑕疵に当たるため費用負担義務が生じるが、それ以外の産廃残土処分が通常の十倍では到底予算はつかないが、借り主との紛争も避けたいので、場内処分の方向で協力お願いしますと語るなど、かなり具体的な埋設物の処理内容、費用について詰めた議論をしております。資料によると、業者からはかなり高額な処理費用が提示されております。このような交渉があったということは事実だと思うんですね。

 交渉記録そのものを私に提出していただけますか。

佐川政府参考人 いずれにしても、調査をさせていただきます。

宮本(岳)委員 近畿財務局が昨年六月に売買契約を締結した国有地の売却に関する交渉記録も、今言ったように、あるかどうかわからないという答えでありました。

 この交渉記録あるいは面会記録、これは全て残っておりますね。

佐川政府参考人 昨年六月の売買契約の締結に至るまでの財務局と学園側の交渉記録につきまして、委員からの御依頼を受けまして確認しましたところ、近畿財務局と森友学園の交渉記録というのはございませんでした。

宮本(岳)委員 いつ廃棄したんですか。

佐川政府参考人 お答え申し上げます。

 面会等の記録につきましては、財務省の行政文書管理規則に基づきまして保存期間一年未満とされておりまして、具体的な廃棄時期につきましては、事案の終了ということで取り扱いをさせていただいております。

 したがいまして、本件につきましては、平成二十八年六月の売買契約締結をもちまして既に事案が終了してございますので、記録が残っていないということでございます。

宮本(岳)委員 驚くべき答弁ですね。六月の二十日に売買契約を交わしたら、その日のうちに処分したということですか。そんなのは国民は全く納得できないですよ。そういうことですか。

佐川政府参考人 今申し上げましたように、売買契約締結をもって事案が終了しているということなので、当日、その日かどうかは別にしても、速やかに事案終了で廃棄をしているということだと思いますので、記録は残ってございません。

宮本(岳)委員 先ほど総理も、会計検査院が調査を行うだろう、こういうふうにお触れになりました。

 きょうは会計検査院に来ていただいております。昨年売買契約をしたこの本件について、二〇一六年度決算報告の対象となると思うんですけれども、既に会計検査は終了しておりますか。

河戸会計検査院長 本件国有地の売却につきましては、一連の事実関係の確認をした上で、国会での御議論も踏まえて、正確性、合規性、経済性等の多角的な観点から検査を実施してまいりたいと考えております。

 そして、検査結果として国会に報告すべき事態があった場合の報告時期につきましては、検査及びその結果の取りまとめに必要な期間を確保した上で報告したいと考えております。

宮本(岳)委員 いやいや、そういう検査をやるに当たっても、契約と同時に破棄したのでは検査のしようがない、調査のしようがないじゃありませんか。隠蔽と言われても仕方がない、そう指摘せざるを得ないと思うんですね。

 この国有地の売却は、世間の常識に照らしても余りにも異常だと言わざるを得ません。

 委員長、事実を明らかにするために、私は、当時の担当者であった近畿財務局の池田統括管理官、立川敏章管財部次長と当時の大阪航空局の高見調整係を証人として当委員会に招致することを求めたいと思いますが、御検討いただけますか。

浜田委員長 理事会で協議をさせていただきます。

宮本(岳)委員 政治家が関与しているのではないかと国民が疑念を持つのは当たり前だと思うんですね。

 財務大臣、それを明らかにする上でも、この取引にかかわる全ての面会記録、打ち合わせ記録、今、廃棄したという驚くべき答弁でしたが、まだ残っている電子データも含めて全て調査をして、全て本委員会に提出していただくことを求めたいと思いますが。

麻生国務大臣 国有財産については、過日も御答弁申し上げましたように、いずれの場合においても適正な価格により処分を行うことが定められておりまして、時価による処分が既になされております。

 本件につきましても、土地の所有者である大阪航空局から委任を受けた近畿財務局において、大阪航空局と協力して適正な価格によって処分を行っているもの、私どもはそう承知をしております。

 御疑問の点につきましては、先ほど会計検査院等々がお答えだと思います。

宮本(岳)委員 適正でも何でもないということを申し上げて、質問を終わります。

浜田委員長 これにて宮本君の質疑は終了いたしました。

 次に、遠藤敬君。

遠藤(敬)委員 日本維新の会の遠藤敬でございます。

 ようやく質問の機会をいただきました。

 ちょうど昨年の暮れに民進党さんと、足立議員と違って僕は仲よしですので、あっ、仲よしじゃない。仲よしですよね。しかし、国対委員長会談には呼んでいただいておりませんけれども。

 我々も面持ちを変えまして、日米に今完全に注視されておりますけれども、日ロの話を総理にお伺いしたいと思います。

 まず冒頭、総理も麻生財務大臣も大阪万博のPRバッジをおつけいただきましてありがとうございます。総理、黄色のものです。お願いします。

 日ロ首脳会談、まさに私個人的にも日ロ犬外交ということで、秋田犬のゆめちゃん、総理も一度ゆめちゃんとお会いしていただいておりますけれども、プーチン大統領がわざわざ訪日の際にマスコミの前でゆめちゃんを披露していただいたんです。それがまた、たかが犬ですけれども、犬が取り持つ縁ということで、我々も犬が大変大きな友好的な役割を担っているんだというふうに確信をしております。

 プーチン大統領と総理が長門でお会いしたときに、秋田犬のゆめちゃんについて御披露されたというお話を聞いておりますけれども、日ロ首脳会談の折のエピソードを少し総理からお伺いしたいと思います。

安倍内閣総理大臣 ソチ五輪の際にソチを訪問した際、プーチン大統領と首脳会談を行ったところでございますが、玄関まで出てこられたプーチン大統領が秋田犬のゆめを連れて出てこられまして、私も、見た目が結構迫力があったものでございますから、少しこわごわ手を出したところ、ぺろっとなめていただいたんですが、しかし、その瞬間、プーチン大統領は、この犬はたまにかむからねと言われまして、びくっとしたわけでございますが。そういう意味におきましては、日本から贈られた秋田犬をプーチン大統領がかわいがっているということを示すエピソードであった、このように思います。

 長門に来られた際にもこのことが話題になりまして、安倍さんは大変ゆめを気に入ってもらったみたいだね、私も大変かわいがっている、しかし、ほえるときはほえるから、もし安倍さんも困ったときがあったら送ってやるよというふうに言われたこともございました。そこにたまたま秋田犬のちっちゃな瀬戸物が置いてあったんですが、それを彼は非常に気に入りまして、食事の間じゅう、ずっといじっておられました。帰り際に、これをもらって帰っていいかと言われまして、それは私のものじゃなくてホテルのものだったんですが、どうぞと言ってお渡ししたところでございます。

 会見におきましても、子犬を抱いた人が送りに来ていただいて大変うれしく思った、このように述べておられたことが印象的でございました。

遠藤(敬)委員 きょうは、生活保護について総理と議論をさせていただきたいと思うんです。

 来年度予算におきましても、国庫負担は二兆八千八百億円計上されております。そこで、生活保護に関する大きな枠組みの中で、生活保護制度とは一体どういうものなのか、総理の御認識をお伺いしたいと思います。

安倍内閣総理大臣 生活保護制度は、最後のセーフティーネットとして、収入や資産等を活用してもなお生活に困窮する者に対して最低限度の生活を保障するとともに、自立自助を目的とした制度であります。

 いわば、人間生きている中において、不幸にして今申し上げましたような状況に陥ることはあるわけでございます。その中において、まさに社会全体としてのセーフティーネットとしてしっかりと機能させていくことも大切だろう、このように考えております。

遠藤(敬)委員 私も地元でよく問われるお話なんですけれども、生活保護自体の制度で、基本的に頑張った人が本当に報われていると思っていただくために、国も筋を通していただきたいというお話がよくございます。

 日本人の労働意欲のバランスが崩れ、そして苦労した人が損をして、国民の税金で楽に暮らせる方がいいんじゃないか、そういうふうに思いかけているところが多々ございます。日本人の美徳や道徳心が薄らいでくる、すなわち、先人の皆さんが守ってきた守るべき精神文化も崩壊し、総理が積極的にお訴えをされております一億総活躍がスローガン倒れになってしまうのではないかというふうに考えているんです。

 我々はこの根本を変えていく、社会保障全般の抑制をしていくという、不平等感が働く気持ち、すなわち国民の意識が変わるのは間違いのない問題だと思っています。不平等な社会で我慢して一億総活躍を目指す志向になるか、お聞きしたいと思っております。

安倍内閣総理大臣 まず、この不平等感の中には、いわゆる不正受給等に対する御批判もあろうかと思います。

 政府としては、平成二十五年に生活保護法を改正して、福祉事務所の調査権限を拡大し、課税状況や資産の調査を徹底するなど、不正受給の発見、防止に努めています。また、ここが大切なところなんですが、自助自立、まさに自立を助長するという生活保護の趣旨に沿って、就労に向けた支援にも取り組んでいるわけでございまして、これは平成二十七年四月施行でございます。

 そしてまた、不公平感ということにおいては、例えば、生活保護水準が国民年金の受給額より高く不公平だという意見があることは我々も承知をしております。生活保護制度は最後のセーフティーネットであると同時に、先ほど申し上げましたように、自立を助長することを目的とする制度でございまして、この制度ゆえに働く意欲をなくすようなことがあっては決してならないと思っています。

 もちろん、それぞれの役割や対象者、仕組みが異なるため、給付水準を単純に比較することは適切ではありませんが、いずれにせよ、生活保護については、平成三十年度に向けて、国民の消費実態を踏まえて保護の基準の検証を行い、制度全般についても予断なく検討し、見直しを行っていく考えでおります。

遠藤(敬)委員 日本社会の不平等感を縮めていくといったところから、ようやく同じ土俵で一億総活躍といった社会に向けてスイッチがやっと入るんだと思うんです。人間はどうしても弱いですから、熱くても冷たいところに寄っていくというのは道理だと思っておりますし、よって、楽しい生活ができるのならそこから抜け出したくないというのも無理もないと思うんです。それを横目に汗をかいて働いておられる、同じような給料であれば楽な道に流されるのではないかということが国民の中でも不安視されます。

 根本解決に大英断が今後必要な社会保障だけで日本の財政が厳しくなるにしても、頑張っている人、そうでない人も同じ船に乗って、日本丸は長くずっと曳航ができるというのは、本当に厳しいんじゃないかなというふうに思っております。

 このパネルで一目瞭然なんですけれども、日本人がこれまで本当に大切にしてきた倫理観や道理といった言葉は、近いうちに、本当にこれから死語になっちゃうんじゃないかな、そのように危機感さえ持っていますが、総理の日本の将来に向けた今の御認識と、本当に日本人が大切にしてきた道理とか倫理観について、私はそう思うんですけれども、総理はどうお考えでしょうか。

安倍内閣総理大臣 セーフティーネット全般としては、年金制度そして医療制度といった社会保険制度があります。そして、生活保護の制度もあるわけでございます。

 そこで、年金制度はいわば老後のための安心でございまして、それまで積み立ててきたもの、そして国の補助がある中において、老後の安心として給付されるものでございますが、他方、生活保護の方は、不幸にして病気になってしまった、あるいは働けるという状況ではない、さまざまな状況で生活の基盤が崩れた方に、また立ち直っていくために給付をするというものでございます。

 そういう趣旨にのっとって、大切なことはやはり、ただ単に給付するということだけではなくて、実際に、その後、職業訓練等々も含めて、もう一度立ち直っていくという支援に我々は力を入れていきたいと思っておりますし、恐らく御本人もそう考えておられる方が大多数なんだろう、こう思うわけでございます。個々の皆さんに対しまして、その個々の皆さんの能力やニーズを生かす形で社会にまた復帰、いわば自立できる状況に復帰できるような、そういう施策に力を入れていきたい、このように考えております。

遠藤(敬)委員 このパネルにもありますように、東京都の事例なんですけれども、高齢者単身世帯の生活扶助額は、通常、月に八万円ほどになっております。生活保護の場合には、それに家賃として扶助費が現金で給付され、医療費や介護費も現物給付されております。これに対して、同じ高齢者の単身世帯の国民年金の受給額は月に六万五千円、このとおりでございます。

 生活保護でもらえるお金が八万円で、家賃も補助され、医療費も介護費もただなのに対し、長年自営等で働いた末に国民年金でもらえるお金が六万五千円ということでは、国民はどうしても不公平感を持つことになります。生活保護と国民年金は制度の仕組みが違うと説明しても、それでなかなか納得いただけない国民が大変多いという認識をいたしております。

 不正受給も、我々の地元大阪市では、平成二十四年度から、警察官OBを含む不正受給調査専任チーム、いわゆる生活保護Gメンというものをつくって適正化に取り組んでおります。暴力団員の受給や、引っ越しでの敷金、礼金の水増し請求等の犯罪行為で逮捕に至った多くのケースがございます。

 こうした問題の解決のためには、自治体の努力だけではとても追いつかない、国の制度自体の足らぬ部分を根本的に変えるべきだと思っております。

 総理は、この不公平感はなぜ生じているか、こうした不公平感が残っては国民の働く意欲がそがれてしまうという御認識はお持ちだと思いますけれども、この不公平感の解消のために政府は現在どのような対策に力を入れておられるか、施策を検討されていくおつもりか、御認識をお伺いしたいと思います。

安倍内閣総理大臣 ただ、生活保護と国民年金について、確かに給付は、単身の場合はこういう形で生活保護の方が多いではないかということがあるわけでございますが、これは都市部でございますから、住宅扶助かな、これが結構高目に出ているんだろうと思います。

 一方、生活保護を受ける場合は、ミーンズテストを受けて資産状況を調べられるわけでありますし、近親者にこの人の生活を支援できる人がいないかどうかということまで調べるわけでございます。そうしたことを越えないと生活保護にはならないわけでございますし、同時に、先ほど申し上げましたように、不正受給についても、しっかりと徹底してそれを防ぐ努力もしていくわけでございます。

 繰り返しになるわけでございますが、安倍政権におきましては、国民生活に最も大切な雇用の改善に全力で取り組んできたところでございまして、最低賃金の引き上げも行ってきました。そして、千円を目指して社会全体の所得の底上げを図っていきたい、こう思っています。

 生活保護制度は、生活に困窮する方に最低限の生活を保障するセーフティーネットとして重要な制度であることも事実でありますが、生活保護を受けている方々の就労支援を進めていくとともに、平成二十七年四月から生活困窮者自立支援制度を開始しまして、包括的な相談支援や就労支援等により、生活困窮者が生活保護に至る前の段階で、生活保護に行く前の段階で自立できるような支援を、今までの生活保護まで行ってからということではなくて、行く前に自立の支援を行っていく考えでございます。

 今後、生活保護については、平成三十年度に向けて制度全般の見直しを進めるとともに、最大のチャレンジである働き方改革を加速し、誰にでもチャンスがあり、頑張れば報われる社会をつくっていきたい、こう考えております。

遠藤(敬)委員 終わります。ありがとうございます。

浜田委員長 これにて遠藤君の質疑は終了いたしました。

 次回は、来る二十七日午前九時から委員会を開会し、締めくくり質疑を行うこととし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時五十六分散会


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