衆議院

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第3号 令和3年1月26日(火曜日)

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令和三年一月二十六日(火曜日)

    午前八時五十八分開議

 出席委員

   委員長 金田 勝年君

   理事 後藤 茂之君 理事 齋藤  健君

   理事 橋本  岳君 理事 藤原  崇君

   理事 細田 健一君 理事 山際大志郎君

   理事 奥野総一郎君 理事 辻元 清美君

   理事 浜地 雅一君

      秋葉 賢也君    秋本 真利君

      伊藤 達也君    石破  茂君

      今村 雅弘君    岩田 和親君

      岩屋  毅君   うえの賢一郎君

      江藤  拓君    衛藤征士郎君

      小倉 將信君    神山 佐市君

      河村 建夫君    北村 誠吾君

      佐々木 紀君    菅原 一秀君

      田中 和徳君    武部  新君

      根本  匠君    野田  毅君

      原田 義昭君    古屋 圭司君

      村井 英樹君    山本 幸三君

      山本 有二君    渡辺 博道君

      青山 大人君    伊藤 俊輔君

      今井 雅人君    尾辻かな子君

      大西 健介君    逢坂 誠二君

      岡田 克也君    岡本 充功君

      川内 博史君    玄葉光一郎君

      後藤 祐一君    篠原  孝君

      関 健一郎君    長谷川嘉一君

      日吉 雄太君    堀越 啓仁君

      本多 平直君    緑川 貴士君

      森田 俊和君    森山 浩行君

      屋良 朝博君    太田 昌孝君

      濱村  進君    笠井  亮君

      藤野 保史君    宮本  徹君

      馬場 伸幸君    藤田 文武君

      高井 崇志君    玉木雄一郎君

      西岡 秀子君

    …………………………………

   内閣総理大臣       菅  義偉君

   財務大臣

   国務大臣

   (金融担当)       麻生 太郎君

   総務大臣         武田 良太君

   法務大臣         上川 陽子君

   外務大臣         茂木 敏充君

   文部科学大臣       萩生田光一君

   厚生労働大臣       田村 憲久君

   農林水産大臣       野上浩太郎君

   経済産業大臣

   国務大臣

   (原子力損害賠償・廃炉等支援機構担当)      梶山 弘志君

   国土交通大臣       赤羽 一嘉君

   環境大臣

   国務大臣

   (原子力防災担当)    小泉進次郎君

   防衛大臣         岸  信夫君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     加藤 勝信君

   国務大臣

   (復興大臣)       平沢 勝栄君

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長)

   (国土強靱化担当)

   (防災担当)

   (海洋政策担当)     小此木八郎君

   国務大臣

   (行政改革担当)

   (沖縄及び北方対策担当)

   (規制改革担当)     河野 太郎君

   国務大臣

   (少子化対策担当)

   (地方創生担当)     坂本 哲志君

   国務大臣

   (経済再生担当)

   (経済財政政策担当)   西村 康稔君

   国務大臣

   (マイナンバー制度担当) 平井 卓也君

   国務大臣

   (東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会担当)

   (男女共同参画担当)   橋本 聖子君

   国務大臣

   (消費者及び食品安全担当)

   (クールジャパン戦略担当)

   (知的財産戦略担当)

   (科学技術政策担当)

   (宇宙政策担当)     井上 信治君

   財務副大臣        伊藤  渉君

   政府特別補佐人

   (内閣法制局長官)    近藤 正春君

   政府参考人

   (内閣官房成長戦略会議事務局次長)        野原  諭君

   政府参考人

   (出入国在留管理庁次長) 松本  裕君

   政府参考人

   (厚生労働省医政局長)  迫井 正深君

   政府参考人

   (厚生労働省健康局長)  正林 督章君

   政府参考人

   (国立感染症研究所長)  脇田 隆字君

   政府参考人

   (中小企業庁事業環境部長)            飯田 健太君

   政府参考人

   (観光庁長官)      蒲生 篤実君

   参考人

   (日本銀行総裁)     黒田 東彦君

   参考人

   (独立行政法人地域医療機能推進機構理事長)    尾身  茂君

   予算委員会専門員     小池 章子君

    ―――――――――――――

委員の異動

一月二十六日

 辞任         補欠選任

  河村 建夫君     武部  新君

  根本  匠君     岩田 和親君

  今井 雅人君     関 健一郎君

  逢坂 誠二君     篠原  孝君

  玄葉光一郎君     森田 俊和君

  藤野 保史君     笠井  亮君

  藤田 文武君     馬場 伸幸君

  西岡 秀子君     玉木雄一郎君

同日

 辞任         補欠選任

  岩田 和親君     根本  匠君

  武部  新君     河村 建夫君

  篠原  孝君     逢坂 誠二君

  関 健一郎君     青山 大人君

  森田 俊和君     伊藤 俊輔君

  笠井  亮君     藤野 保史君

  馬場 伸幸君     藤田 文武君

  玉木雄一郎君     西岡 秀子君

同日

 辞任         補欠選任

  青山 大人君     堀越 啓仁君

  伊藤 俊輔君     屋良 朝博君

  西岡 秀子君     高井 崇志君

同日

 辞任         補欠選任

  堀越 啓仁君     緑川 貴士君

  屋良 朝博君     長谷川嘉一君

  高井 崇志君     西岡 秀子君

同日

 辞任         補欠選任

  長谷川嘉一君     尾辻かな子君

  緑川 貴士君     日吉 雄太君

同日

 辞任         補欠選任

  尾辻かな子君     玄葉光一郎君

  日吉 雄太君     今井 雅人君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 令和二年度一般会計補正予算(第3号)

 令和二年度特別会計補正予算(特第3号)


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     ――――◇―――――

金田委員長 これより会議を開きます。

 令和二年度一般会計補正予算(第3号)、令和二年度特別会計補正予算(特第3号)の両案を一括して議題とし、基本的質疑を行います。

 この際、お諮りいたします。

 両案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房成長戦略会議事務局次長野原諭君、出入国在留管理庁次長松本裕君、厚生労働省医政局長迫井正深君、厚生労働省健康局長正林督章君、国立感染症研究所長脇田隆字君、中小企業庁事業環境部長飯田健太君、観光庁長官蒲生篤実君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

金田委員長 昨日の小川淳也君の質疑に関連し、篠原孝君から質疑の申出があります。小川君の持ち時間の範囲内でこれを許します。篠原孝君。

篠原(孝)委員 立憲民主党の篠原孝でございます。

 予算委員会は久しぶりでございます。

 コロナ関係の騒ぎ、皆さん覚えておられると思いますけれども、一月十六日が日本で初の感染者が出た日です。それから、一月二十三日、武漢でロックダウンが始まった。一年たちました。その間に日本も大変な目に遭っています。三十六万人の感染者、亡くなった方が四千七百人、八百人に達しております。

 今もコロナで苦しんでいる皆様方にお見舞い申し上げると同時に、我が盟友、羽田雄一郎参議院議員ほか何人かも亡くなっておられるわけです。この人たちに哀悼の意を表しつつ、質問させていただきたいと思います。

 私の質問時間は十五分だけですので、密の議論をしたいと思いますので、きちんとお答えいただきたいと思います。

 資料をいろいろ用意してまいりました。

 まず一ページ目、パネルのところを見ていただきたいんです。皆さん方のところでちょっと誤植がありまして、死亡者のところの十万人当たりというのは百万人当たりですので、ちょっと間違えないようにしてください。

 この表を見ていただきたいと思います。お分かりになりますか。我々はコロナ対策の議論をいろいろしていますけれども、我々の足下が揺らいでいるんです。

 いろいろな資料があります。コロナ感染者と死亡者、国会関係者、うち議員。議員のうち、皆さんこれは御存じです、身内の人たちですからね、九人感染者がいます。亡くなった人が一人です。東京都と全国との比較を見てみますと、議員の感染者は東京都と比べて一・九倍です。全国と比べて四・五倍。我々の周りは非常に危ういということなんです。東京と全国のを比べてこうなっております。

 次、二つ目のパネル、二つ目の資料。皆さん方のところのは三枚目です。東京と長野のPCR検査の比較。

 今はワクチン、ワクチンと、ワクチンも大事ですけれども、その前に検査体制がどうなっているかというのが非常に大事なんです。なぜかというのを、小川淳也議員が昨日、自らの体験で、同じような時系列の表を示して皆さんに説明していたと思いますけれども、私は、今は亡き羽田雄一郎参議員の代わりにきちんと示したいと思います。よく御覧いただきたいと思います。

 東京、左側。十二月二十四日、何の兆候もありませんでした。しかし、あるところから電話があって、あなたも感染しているかもしれないと。その電話をもらったときは何ともなかったんです。夜、三十八度六分の熱を出したんですが、それで、これは大変だということで、その前に、PCR検査をしようかなという動きをし始めていたんです。

 問題は、二十五日。予約しようとしたら、二日後しか検査が予約できない。昨日、自宅待機中に亡くなった、施設で亡くなったと。しかし、この人たちは、コロナということは分かっているんです。ところが、雄一郎議員は、ひどいんです、かわいそうなんです。じゃあということで、待つと。非常に抑えた人でした。だから、混んでいるんだろう、仕方がないといって、自宅でずっと待機していたんです。

 そして、二日後の日曜日、二十七日、やっと予約の日が来たので、公共交通機関なんか利用しません、車があったので、秘書が迎えに来ました。その車に乗り込んで、その中で、俺、肺炎かなというのが最期の言葉です。途中で亡くなったんです。自分が何で亡くなるかも知らないで亡くなっているんです。

 余り僕、実はネットとか見ないんですが、上級国民とかいう言葉が使われていて、国会議員はけしからぬと言っていますけれども、普通ですよ。検査もしてもらえない。

 もっとひどいのは、心臓マッサージをしたり、家族も駆けつけました、この秘書、濃厚接触者です、陽性だと判明しましたが、それを三日後じゃないと検査できないんです。皆さん、こういう現実を御存じでしょうか。そして、奥さんは年明けじゃないと、休みになっちゃって、それまで自宅にいろと。

 それと対比して、長野県はどうだったでしょう。

 二十七日に雄一郎議員が亡くなりました。ですから、私は、これはよくないということで、直ちにみんなに指示しました。皆さん御存じだと思います、二十三日に長野県連の常任幹事会を開いているんです。そうしたら、ぴんぴんしていました。私なんかと比べてずっと元気でしたよ。

 これはよくないからというので、私は抗原検査をしては長野に帰っています、金曜日。だから、もう抗原検査はすっ飛ばして、すぐPCR検査。すぐできると言いました。すぐしました。

 下から二番目に、常任幹事会参加者全員が抗原検査、これも私が先に指示しました。そして、次に、羽田議員の地元の秘書、長野駅からホテルまで送迎したんです。一番下にありますけれども、濃厚接触者はないというのが上田保健所から来たんですが、先に手を打って、みんな検査をするように命じました。長野ですぐ検査できました、上田。秘書も検査しました。この送迎した秘書だけが感染していました。陽性でした。すぐ入院しました。それは、入院して経過を見た方がいいということです。

 なぜこの差が出たかというと、皆さんの手元にはありますけれども、パネルにはないんですが、長野県は東京都の、人口当たりの感染者数は六分の一です。だから、場所によって違いがあるんだろうと思います。尾崎治夫東京医師会の会長が、いつもでっかい声を出しています。東京は大変だ、大変だと言うんです。そのとおりなんじゃないかと思います。

 どうしてこうなっているのか。下を見てください。症状があっても二日後しか検査できない。濃厚接触でも三日後。長野県は、無症状なのに直ちに検査ができているんです。こんなような状態なんです。

 私は、検査していたら、そしてすぐ入院していたら、ECMOを使って、羽田雄一郎議員は亡くなることはなかったと思っています。このような現実について、田村厚生労働大臣はどのようにお考えでしょうか。

田村国務大臣 まず、我々の同僚であられます羽田議員がお亡くなりになられたこと、本当に心から御冥福をお祈り申し上げたいというふうに思います。このようなことがないように、しっかりと検査機能の方を強化していかなきゃならぬというふうに思っております。

 個別の事案に関しては、大変申し訳ないんですけれども、お答えできないということでありまして、一般論としてお答えをさせていただきますけれども、今、我が国の検査能力、PCR検査能力、四月に一日当たり一万件であったのが、ほぼ十四万件一日に検査ができるようになってまいりました。ただ、一方で、言われるとおり、東京のように感染拡大している地域は非常に厳しい状況であろうというふうに思います。

 四月、やっておった検査数を見ていきますと、四月と今と比べて検査数も圧倒的に増えておりまして、今、大体、能力は十四万件と言いましたけれども、一日当たり六万から七万件ぐらいPCR検査をやっております。それ以外に、抗原キット、これを大体一万七千ぐらいやっておるということで、合わせて七万、八万、九万ぐらいやっているというのが現状であります。

 発症すれば、抗原キットが有効に、かなり精度が上がってきますので、感度が上がってきますので、医療機関に発症すれば行っていただければ、基本的には、そこで抗原検査をやっていれば、鼻、二、三センチのところに入れて、鼻腔に入れて、四十分ぐらいで検査結果が出るというふうになっております。

 ただ、やっているかどうかは、かかりつけ医にまず電話でお聞きをいただいた上で、自分のところでやっているのか、やっていなければ、一応、医師会の方に連絡を、それぞれに名簿を渡していただくようにしておりますので、うちではできないけれどもほかではできる、ここに行ってくださいというようなことを伝えていただけるようにしておりますが、中にはそういうネットワークに入っていない医療機関があるのも事実でありますので、そういう場合には保健所にお聞きをいただくということになっております。

 保健所の対応がどういう対応かというのは、それはまたそれぞれの地域、タイトな状況によって変わってくると思いますけれども、いずれにしても、非常に感染状況が厳しい地域では、PCR検査の方は特に症状が出てからも時間が若干かかっておるというのは、それは我々も認識いたしておりますので、更なる検査機能の強化等々、また、保健所が一つのネック、一生懸命やっていただいているんですが、感染急拡大でどうしても人の増員が間に合っていないというところがございますから、そういうところにしっかりと保健所の強化ということで対応してまいりたいというふうに思っております。

篠原(孝)委員 丁寧にお答えいただきましたけれども、個別の事案には答えられないなんて言っておられましたけれども、こんなひどい事例があるわけです。できなかったんです。厳然たる事実です。十四万件とか言っておられますけれども、それはそんなふうになっていないんじゃないでしょうか。

 三つ目のパネルを見ていただきたいんですが、これは厚生労働省が作れないと言うので私が作りました。PCR検査数累計より算出した各国の一日当たりの検査数平均。六万件、七万件なんて言っていますけれども、本当かなと。これをよく見てください。この赤は、危ういから赤です。緑は、ちゃんとやっているから緑なんです。分かりますか。

 感染者数の何倍検査しているか。日本は、私の計算では、一日、この一月二十日、五千三百八十四人です。三倍しか検査していない。アメリカは十七万で、それに対して八十四万件検査しているんです。イギリスも、見てください、六倍。ドイツは十倍。台湾、ベトナムは、国境措置をちゃんとやったから、全然影響ないんです。でも、これだけやっている。一番成功しているのがオーストラリアです。

 検査をすることが蔓延を防ぐイの一番の方法なんです。これをちゃんとわきまえて、アストラゼネカ、ファイザー、モデルナ、何でもいいですよ、ワクチンは大事ですけれども、その前に、PCR検査をちゃんとして、第二の羽田議員を生まないようにしていただきたい。これが私の願いです。

 せっかくの機会ですので、菅総理に御質問をしたいと思います。

 総理、私は総理に、これを言うと、また篠原さんは調子のいいことを言っているとか言われることがあるんですが、本当のことですけれども、親近感を持っておりました。二つ理由があります。

 団塊の世代です。私、同じ年の生まれですよ。団塊の世代、三年間ですけれども、一九四七年生まれが二百六十七万人、我々が二百六十八万人、その下が二百六十九万人、三年間で八百四万人です。この団塊の世代、高度経済成長を支えてきたんだろうと思います。ところが、総理にはろくすっぽなっていないんです。残念だなと思っていましたら、ちゃんと出ましたので、これが一つです。

 二つ目は、秋田県、長野県、雪深いところです。長野も北の方。そういう田舎で生まれて育って、総理にまで上り詰められた、だからやっていただけると。だから、就任時の支持率、華のあった、ちょっと変わっていますけれどもね、小泉さんは七〇%、日本のサラブレッド鳩山由紀夫さんも七〇%、華とかそんなのはほとんどなかったと思いますけれども、菅総理には、みんな国民は親しみを感じていたんです。田舎で生まれて育って、そして総理になった、誠実そうだ、ちゃんとやってくれると。だから七〇%を超える支持率だった。

 しかし今、何で支持と不支持が逆転しているんでしょうか。これについてどのように考えておられるか。総理は自助、自助と言っておられますが、自省もしていただきたい。どうしてこんなに支持率が下がったのか。原因は何だと思われますか。

菅内閣総理大臣 支持がこのような状況になっておることについては、そこは謙虚に受け止めさせていただきます。そして、世論調査、いろいろな新聞社やテレビで調査をしているわけでありますけれども、やはり総じてはコロナ対策に対しての批判が多いということであります。

 私自身、昨年の九月十六日に内閣総理大臣に就任をしてから今日まで、爆発的に海外、あるいはこの日本でも感染拡大、そうしたことを防ぐために何をなすべきか、そうしたことについて、私、この国の責任者として、専門家の先生方を始め皆様方に相談をさせていただきながらこの対応策を行ってきたところでありますけれども、そうしたことについて国民の皆さんになかなか御理解をいただいていない、そういうことが大きいんだろうというふうに思っております。

 まさに、この感染拡大阻止のためになすべきことを迅速に一つ一つしっかり行いながら、これ以上の感染拡大を防ぎたいというふうに思います。

 ちなみに、私ごとで恐縮ですけれども、羽田議員のお父様は私が仕えました亡き小此木彦三郎先生と兄弟分でありまして、そういう意味で、私自身も大変親しみを感じておりました。今回の御逝去に改めて心からお悔やみを申し上げる次第でございます。

篠原(孝)委員 今のような誠実な、謙虚な対応を国民は求めて、それを期待していたんです。総理は、ですけれども、なられた途端、非常に頑固なおじさんになられてしまったんじゃないでしょうか。だから、これは違うなと思って、があっと上がった支持率がすうっと下がっちゃったんです。この原因をよく考えていただきたいと思います。

 ですから、もっと誠実に。いっぱい変えたらいいでしょう、日本学術会議の六人の任命、絶対変えないとか。やはりこれが致命傷になっていますよ。その後、コロナ対策ではくるくる変えておられて、僕は変えるのをいけないなんて言っていません。悔い改めるのは早くやった方がいいんです。ですから、きちんと、今のような羽田議員に対する哀悼を初めて聞きました、総理の言葉から。こういう誠実な気持ちで政治をやっていただきたいと思います。

 ちょっと時間が過ぎているんですけれども、河野大臣、一つお願いがあります。

 菅内閣、デジタル担当大臣とかワクチン担当大臣とかいろいろやっていますけれども、ダイエットリフォーム担当大臣というのも置いていただきたいと思います。

 これは今、こうやってやっています。これはいいことだと思います。ですけれども、どこか足りないんです。

 PCR検査について言いますと、相撲協会が九百人、危ういからみんなPCR検査をする。それから、ウィーン・フィルハーモニーを御存じですかね、四日に一回検査をしているんです。そして日本まで来ている。それから、プロ野球なんかでも、誰かが感染するとみんなPCR検査をする。国会議員は一週間に一回PCR検査をして、安心して出る、そういうことをしたっていいんじゃないかと思います。

 これをやっているのは大したものだと思います。だから、ここもいなくなって、静かに審議ができますよね。この辺、密が解消されています。しかし、多少解消されているだけで、余りちゃんとした議論がなされていないんですね。密な議論はしていなくて、薄っぺらなんです。なぜかというと、どうも答弁がきちんとしていないんです。

 その点、河野大臣は率直に、答弁もそうですけれども、どこでも言っておられる。まあ、日本のトランプみたいな感じですけれどもね。いいことだと思います。判こを禁止された。いいことだと思います。判こを禁止されるんだったら、判で押したような答弁こそ禁止していただいて、濃密な議論ができるように閣僚、国会議員をリードしていただきたいと思います。どうぞ、御感想を。

河野国務大臣 どうお答えをしていいのかよく分かりませんけれども、少なくとも、ワクチンの接種に向けて、国民の皆様にしっかりとワクチンをお届けをする、そのためにまず当面頑張っていきたいと思っております。

 国会議員が一週間に一回PCRを受けたらいいかどうか。これは立法府のことでございますので、各会派で是非御協議をいただきたいと思います。

篠原(孝)委員 ありがとうございました。

金田委員長 この際、辻元清美君から関連質疑の申出があります。小川君の持ち時間の範囲内でこれを許します。辻元清美君。

辻元委員 立憲民主党の辻元清美です。

 総理、昨日も悲しいニュースがありました。また一名、搬送中にお亡くなりになったというニュースです。本当に心から御冥福をお祈りしたいと思いますけれども、病院に入りたくても入れなくて自宅で一人で孤独死する、救急搬送中に亡くなる、これは自己責任ですか。どのようにお考えでしょうか。

菅内閣総理大臣 コロナに感染した方については、まさに医療機関、医療機関でなければホテル、そしてホテルでなければ自宅待機、そういう中でお願いをさせていただいている中で、そうした治療を受けるのに必要な方にできる限りそうした治療を受けさせることができる、そうしたことを私ども目指して取り組んできていますので、そうした方がもう二度と再び搬送の途中で亡くなるようなことがないように、しっかりと体制を整えるのが私どもの仕事だというふうに思っています。

辻元委員 私たちは、政治によって救える命が救えなかったかもしれない、総理も私もその責任をやはり痛感して仕事をしなきゃいけないと私も思っています。

 総理は、公助によって医療の話をされました。公助によって救えなかった命があるんだという責任はお感じですか。

菅内閣総理大臣 例えば、必要な検査を必要なときに受けることができない、そうした体制ができていない、そうしたことについては責任者として大変申し訳なく、こう思います。

辻元委員 今、篠原議員の質問に対して、支持率が落ちる話が出ました、その中で総理はこうおっしゃいました。さっき、コロナ対策への批判が多いとおっしゃったんです。どんな批判があると思いますか。何を望んでいるのか、国民は。どのように、どんな批判が耳に届いていますか。

菅内閣総理大臣 今私が申し上げましたように、必要な医療には、必要な医療を提供させる、提供できるようなそうした体制ができていない、そういうことに対して国民の皆さんが不安を感じている、そういうことだというふうに思います。

辻元委員 今総理は、必要な医療体制ができていないという発言、非常に重いです、をおっしゃいました。この後、医療体制についても質問いたしますけれども、私は、やはり国民の感覚と総理の感覚がちょっとずれているんじゃないかと思うんですよ。

 私、総理、はっきりおっしゃった方がいいと思います。例えば、GoToの予算、これはやはり、医療の体制ができていないことだと今おっしゃったわけですから、GoToの予算はやめて、医療にもう全部、まだまだ足りません、医療、これからどうなるか分からへんから、医療に全部振り向けようと総理が決断したら、みんなも納得するんですけれども、どうでしょうか。総理ですよ。どうですか、皆さん、そうでしょう。

 十分医療が提供できていないとおっしゃった。みんな国民は、今、命の危機、あした自分がそうなるかもしれない、おじいちゃん、おばあちゃん、お母さん、お父さんもなるかもしれないと思っています。命の危機や、生活がしんどくてやっていかれへん、店を閉めなあかん、命の危機や生活がしんどいときに、春になったら旅行に行くお金を取っておこうと、総理、自分の家計だったら思いますか。

 私は、ここで医療の不備を認められた、この場で……(発言する者あり)誰ですか。GoTo、今、四千億残っているんですよ、今から一兆支払いをしたとしても。総理、ここは決断してください。いかがですか。お願いします。

菅内閣総理大臣 今度の三次補正の中には、医療について必要な予算はしっかり確保させていただいています。そして、GoToや国土強靱化については、経済対策という形の中で予算を計上させていただいているところであります。

 いずれにしろ、コロナ対策に全力で取り組むことは当然のことであり、内閣を挙げてしっかり対応していきたい、このように思います。

辻元委員 昨日、後方支援病院の話もありましてね、九百五十点にすると。今、病床が立て込んでいるのは、コロナが治療されて治った方が次、行く病院がないということで、九百五十点。これ、二千五百円だったのを七千五百円に上げて、九千五百円。でも、一人受け入れても九千五百円なんですよ。

 ちょっと待って。ちょっと待って。田村さん、指してからにしてくださいね、今日は。後でまた当てますから、そのときまとめて言ってくれればいいです。

 医療の体制が不備、じゃ、ちょっとそこに移りたいと思うんですけれども、看護師さんも疲弊していますね。病院にいらっしゃる方は家族にもお会いできないんです。ということは、看護師さんが頼りなんですよ。家族が看病したりもできないから、最後のみとりも看護師さんがするんです。

 それで、総理は多分ここを気になさっていて、去年病院に視察へ行かれたとき、こういうことをおっしゃっています。看護師さんが看護以外に、例えば掃除の仕事とかいろいろなそうした仕事もやらざるを得ないという話も伺っておりましたので、専門業者の皆さんにも政府からお願いして、看護師さんの負担、かからないようにしていきたいと。もう去年この点に着目されて、私もテレビで見ていて、やっと看護師さんの掃除のこととか、私も気にしていたし、政府も動き出してくれるなと思ったんですね。どういうことをされましたか、総理。いかがでしょうか。この後、いかがですか。いかがですか。総理も答弁書を持っているじゃない、同じ。

菅内閣総理大臣 私自身、医療機関に派遣をされる医師、さらに看護師の皆さんの待遇について、処遇について、そこは倍にするようにさせていただきました。

 それと、厚労省に対して、コロナの病棟ですから、一般のそうした清掃業者もなかなか入りにくいということも事実だと思います。ですから、そういうふだんは行わないような業務も看護師の皆さんはやっていますので、そうしたものと切り離して、清掃業者に対してお願いをするようにして清掃はそこでやってもらえるように、処遇も含めて改善しているというふうに思っています。

田村国務大臣 まず一点、後方病院のお話がございました。これ、言われたのは、多分、二類感染症の入院加算だというふうに思うんですけれども、これ、二百五十点から七百五十点、つまり二千五百円から七千五百円に上げたんですが、これとは別に救急診療管理加算というものを九千五百円、九百五十点つけておりますので、そういう意味では倍以上ついたというふうに御理解をいただきたい、一日当たり一万七千ぐらいですかね、ついたというふうにお考えをいただければいいというふうに思います。

 それからもう一点、今の話ですけれども、これは、言われるとおり、清掃業務等々いろいろなことを看護師の皆様方はやっていただいております。

 一つは、清掃に関しましては、これはお金の方はちゃんと国の方から出ますので、その中において、清掃業者、清掃業界の方々に、こういうことをやっていただけるか、コロナを扱っておられる、コロナの患者の方々を診ていただいておられる医療機関のいろいろな清掃もやっていただけるかと言ったら、協力していただけるというような話でございましたので、その一覧表を、十二月以降ですけれども、去年の十二月から各都道府県にお配りをさせていただいて、お願いをできる、そういうところをお示しをさせていただいております。

 更に申し上げれば、医療的な行為だけじゃなくて、看護師の皆様方、患者の皆様方のいろいろな対応をいただいております。これは看護補助業務でありますので、看護師ではなくても看護補助者でもできるので、そういう意味ではそういうところの強化もいろいろと各病院の方にお願いをいたしております。

辻元委員 私もこれは気になっていたので、厚労省に、割合、がみがみと言うたら悪いですけれども、どうなってんねんと聞いたんですよ。そうしたら、厚労省は、都道府県に全国ビルメンテナンス協会の会員のリスト九十社を送ったと。

 厚労省に聞きます。去年からですよ、何件これで、ビルメンテナンス協会、九十社というのも、コロナ対応できるところは、どこでもできるわけじゃないですからね、何件請負が成立しましたか。件数だけでいいです。どうぞ。

迫井政府参考人 御答弁申し上げます。

 厚生労働省において、医療機関が清掃、消毒業務等……(辻元委員「件数だけでいいですよ」と呼ぶ)はい。

 新型コロナウイルス感染症患者が入院している病棟、病室等の清掃、消毒を受託可能な民間業者の一覧を作成し、令和二年十二月二十五日以降、都道府県を通じまして医療機関に提供しているところでございますけれども、この一覧のうち、緊急事態宣言が発出をされました十一都府県に所在をいたします四十八事業所に対しまして、先週一月十八日時点で、医療機関からの清掃の委託に関する問合せ状況を確認をいたしました。二十事業所から回答を得られました。その結果、八事業所において医療機関から問合せがあり、そのうち、三事業所は契約に至り、三事業所は協議中ということでございました。

辻元委員 総理、三件しか成立していないんですよ、緊急事態が出ている十一都道府県で。いっぱい病院はありますよ。これも、私、厚労省にやってくれ、調べてくれと、もう看護師さんのこの改善をしなきゃいけない、何回も言って、そうしたら、やっと厚労省がビルメンテナンス協会に調べてちょうだい、ビルメンテナンス協会の方々が電話をかけまくってくれて、何件成立したか、緊急事態宣言が出ている十一都道府県で。三件ですよ。

 この数字を見て、総理、ちょっとびっくりしませんか。どうですか。総理ですよ。これはどうされますか。

菅内閣総理大臣 私も、今、率直に、数字を聞いたんですけれども、そこは現実としては申し訳ない思いです。

辻元委員 昨日もありましたけれども、ちゃんと点検までやらなきゃいけないと思うんです。

 なぜかというと、総理、さっき医療の不備があると言ったでしょう。このこともずっと言い続けて、総理は、私が看護師さんの負担軽減、掃除の問題なども早くから指摘していたのを御存じですよね。それで、総理も決断されましたよ。けれども、動いていないんですよ、実態が。

 そして、なぜこういうことを申し上げるかといいますと、療養ホテルです。療養ホテルも、部屋はあっても、二〇%、三〇%しか稼働していないところがあるんです。みんな、ホテルに入りたいと言う人、ようけいてるでしょう。自宅で子供がいる、おじいちゃん、おばあちゃんにうつしたらどうしようと、ホテルが空いていたら入りたい。

 ところが、ホテルの消毒や清掃が間に合っていないんですよ。それで、ホテルの部屋があっても、消毒、清掃できる業者は限られているし、できないから入れないんです。

 これは、総理、御存じでしたか。いかがですか。いやいや、もう厚労大臣だったら要らないですよ。

 じゃ、総理、私、提案したいと思うんです。これは大事な話ですよ、療養ホテルも。

 それで、総理は、施政方針演説でこういうこともおっしゃっています。自衛隊の医療チームなどをいつでも投入できるように、万全の体制を整えております。

 自衛隊の皆さんも、今まで頑張ってくださって、医療チームを送るだけではなくて、患者の宿泊施設への食事の配膳とか、それから、宿泊施設への患者さんの輸送もされてきました。けれども、防衛省に聞きますと、初期の頃、このコロナウイルスの正体が分からないから、自衛隊もこういうところまでやったと。それで、確かに自衛隊はほかにできない場合に派遣となっています。都道府県からの派遣要請です。民業圧迫のことも、私、考えましたよ。でも、これは民業圧迫どころか、できるところも限られているわけです。

 ですから、私は、この病院や療養ホテルの清掃や消毒も含めて、自衛隊の皆さんにも御支援をしていただけるようなことも含めて検討することが必要じゃないか、そういうことにもう至っているんじゃないかと思うんです。これは、総理、お願いします。総理。

菅内閣総理大臣 療養のホテルというのは、これは、地方自治体にそのホテルを、どこを使用するかということをお願いをしております。そして、その分の費用は全額国で、国費で見ていますので、それぞれの知事に、とにかく療養施設としてホテルを借りてくれ、そこに、リモートとかいろいろなやり方で対応できるような、対応してほしいという、そういうこともしっかり依頼をしていますので、そこについては、国からもう一度そうした指示というのは、今話を聞いていて、必要なのかなというふうに思っています。

 ただ、自衛隊につきましては、北海道に自衛隊の派遣をしました。また、大阪にも派遣をしました。そういう中で、いつでもそうした自衛隊が派遣できる体制というのを私、指示しておりますので、そこはできております。

 それで、例えば、自宅から病院の搬送だとか、必要であればそうしたことまで含めて当初は対応していたということも、これは事実であります。

辻元委員 今、検討していただけると受け取りました。

 都道府県で頑張ってもらわなくちゃいけないんですけれども、今お示ししたように、民間業者もレッドゾーンに入っていく業務というのは限られて、都道府県も手いっぱいになっているところがあるんです。

 総理は、省庁の縦割りの打破とおっしゃっていますね。しかし、私は、国と地方も今これはちょっと目詰まりしているんじゃないか。やはり、そういうのをまずきっちり調べる、分析をする、全国どうなっているのか。

 その上で、例えば、自衛隊の皆さん、こういう御支援もできますよというように都道府県に知らせるとか、それから、ちゃんと、では、看護師さんの清掃や消毒、療養ホテルなんかの清掃や消毒、しっかり実現しているのか、そこまでやはり点検をする。これはボトルネックになっていますから。救急車の清掃、消毒も今できないというような話も伝わってきているんです。

 ですから、これ、都道府県が第一義的ですからと言っている場合じゃないので、よく都道府県と話し合って、やったかどうかまできちんと点検も、ちょっと約束してください。お願いします、総理。

菅内閣総理大臣 先ほども申し上げましたけれども、そうしたホテルの借り上げとか、もう何回となく、費用は全部国費が見ますから、しっかりやってほしいということを、これは申し上げていることは事実です。

 ですから、国から地方へ、今の清掃の話もそうですけれども、そうしたことを、これは一義的には地方自治体でやってもらわなきゃならないんですけれども、そうしたことの方法だとか、こういう情報とか、そうしたことについては、やはり、しっかり国で地方に対して申し上げるということがあれば、そこはしっかりやっていく必要があると思います。

辻元委員 国が地方にリストを送っただけ、それであとは地方がやってくださいというのが今の実態なんですよ。ですから、それで三件だったんですよ、清掃の話も。これが、一事が万事になっていないですかと。ですから、私が必死で言ったら三件というのが出てきたんですよ。

 ですから、総理、きちんと点検までやる。医療体制の不備に対してやはり批判が強いんじゃないかということをおっしゃっていたじゃないですか。ですから、やはり今の答弁だと不十分だと思います。

 もう一回、しっかり、縦割りの打破、前例主義の打破をおっしゃっているわけですから、どうぞ、点検までやってください。お願いします。どうですか。総理ですよ。総理、総理。いや、総理、総理です。そこで逃げるから駄目なんですよ、総理は。だから、何か弱々しい総理に見えるんですよ。(発言する者あり)

金田委員長 静粛に。

菅内閣総理大臣 私は、逃げるようなことは全くしません。

 大学病院は文科省、そして厚労省の病院もありますし、また民間の病院もあります。先般、医療関係者に官邸に来ていただいて、そこで、それぞれの地域によって医療の連携、提携体制をしっかり組んでほしいという御依頼をさせていただきました。

 そしてまた、例えば東京都ですけれども、東京都についても、厚労省と東京都が一緒になって、まさにその縦割りの打破というんですかね、都の関係する病院だとか、厚労省の関係の病院とか、あるいは大学の病院だとか、そうした中に協力要請を行って、十二月末から今年一月にかけて千の病床が出てきたという実態もあります。

 こうしたことを、必要な箇所においてはしっかり国からも、そうした方法というんですか、指示しながらやっていくことが大事だと思います。

辻元委員 これからワクチンの接種も始まります。医師や看護師、命綱です。ですから、どうぞしっかりと点検をしていただきたいし、自衛隊の皆さんのことも検討いただきたいと思います。

 一点、オリンピックについて、医療体制です。組めるのか。ワクチンもやらなくちゃいけない、それから、今のコロナもどう収束するか分からないですよ。六月、七月、ワクチンも大忙しになっています。

 そこで一点だけ、これは橋本大臣。想定していた東京オリンピック・パラリンピック、医療体制、去年延期になっていますけれども、医師はどれぐらい必要だというように考えていますか。

橋本国務大臣 お答え申し上げます。

 医師のほかに、看護師等を合わせて、必要な医療スタッフの数については、大会期間中を通じて大体一人に五日間程度の勤務をお願いすることを前提にいたしまして、大会期間中一万人程度の方に依頼をして必要な医療スタッフの確保を図っているところでありますけれども、現在、新型コロナウイルス感染症対策に必要な体制の構築の検討と併せて、組織委員会において精査を行っている状況にあると承知をしております。

 東京大会における医療体制の確保に当たっては、地域医療に支障が生じてしまってはなりませんので、東京都、組織委員会等と連携しつつ、大会に協力する医療機関の負担軽減の検討も含め、準備を進めてまいります。

辻元委員 総理、今、東京オリンピックをフルでやったら、医師や看護師など医療スタッフ、一万人必要だということなんですよ。それにコロナでしょう、今。コロナの対応も必要だから、フルでやった場合はそれ以上ですよ。それで、ワクチンの業務もありますね。コロナ対応もありますね。

 私はもう、今の時点で、医療体制を考えたら、東京オリンピックをフルでやることは不可能じゃないかと思っているんですけれども、総理、いかがですか。

菅内閣総理大臣 国民の皆さんがいろいろな意味で御心配をされていることも十分承知をしております。そういう中にあって、やはりコロナ対策、まさに万全な、安全、安心の体制を組む中でオリンピックは準備をしていきたいというふうに思っております。

辻元委員 それは平時の答弁だと思うんですよ。みんなが知りたいのは、これは、オリンピックもお金がかかりますし、いついつまでにこうしますということを言わなきゃいけないと思います。客観的に見て、一万人以上ですよ、必要になるんです。ワクチンもやるんです。やはり難しいと思いますよ。

 じゃ、総理にお聞きしましょう。

 今いろいろなシミュレーションをされていると思いますけれども、無観客も含めてシミュレーションをちゃんとしていますか、いかがですか。

橋本国務大臣 IOC、そして東京都、組織委員会、それと同時に、各競技団体を代表するJOC、JPC、そういった方たち、そして、コロナ対策に関する専門家の先生方を交えてコロナ対策の調整会議を行っておりますけれども、その中で、今後、コロナ感染症も含めてどのように観客を決めていくかということは、この春までに決めるということで中間整理を行っているところであります。

 国内外の感染症の状況を踏まえて、あらゆる対応をしなければいけないということでありますので、しっかりと、それぞれ連携をしながら、対策に取り組んでいきたいというふうに思っております。

辻元委員 今、どのように観客を入れるかと。私、医療体制が一番大事なポイントだと思うんですね。そこは不安になっているわけです。どのように観客を入れるかも含めて、いろいろなケースを検討しているとおっしゃいました。

 無観客も検討しているんですね。

橋本国務大臣 その件につきましては、この春までに、国内外の感染状況の検討と、そしてその状況を踏まえてしっかりと検討していきたいというふうに思っております。(発言する者あり)

辻元委員 でも、主語と述語を合わせると、その件に対しては検討していますになるんですよ、途中いろいろ言っているから。

 私は、正直にというか、今どうしているかというのを公表した方がいいと思うんです。これは医療業界の方も、医師会の中川会長がこうおっしゃっていますよ。五輪・パラリンピックの開催に関し、医療提供体制が逼迫した状況での外国患者の受入れは不可能、可能ではないと。

 今、私、総理、やはり期限を切らなきゃ駄目だと思うんですよ。前の延期のときも、聖火リレーが始まる直前だったわけです。今度、三月二十五日から聖火リレーが始まりますよ。聖火リレーが走っているのに、まだ、観客どうしようか、医療体制どうしようか、これではアスリートも不安。そして、地元の受入れ、福島県、スタートの地ですけれども、自治体、何にも言ってきていないという話を、うちの立憲の玄葉議員から先ほど聞きました。

 総理、聖火リレーが始まるまでに、やはりしっかり話し合って、結論を出さなきゃいけないと思いますが、これは総理です、これは総理です、いかがですか。

菅内閣総理大臣 先ほど橋本オリンピック担当大臣が答弁したとおりです。

辻元委員 そこが、私は、総理が、みんなが不安になっているところだと思うんですよ。官房長官の記者会見と、ここでのやり取り、私たちは後ろに国民がいます。みんな、いつまでにオリンピックを決めるのかしらと皆思っているんですよ。

 私は何を心配しているかといえば、総理にとってのGoToが、次、GoToオリンピックになりはしないかと心配しているんですよ。何が何でもオリンピックで、不十分で、変異種が入ってきていますよ。

 変異種の状況をちょっと見てもらいましょうかね。昨日また三人増えましたから、このちょっとリストみたいなのを見てほしいんですけれども、四十八人となっていますが、五十一名になりました。世界で日本は変異種ベストエイト、ひょっとしたら、今日もっと上かもしれません、入ってきているんですよ。

 それで、見てください。十位スペイン、イタリアとか十二位とか、ヨーロッパの国々よりも、日本は変異種……(発言する者あり)変異株、失礼しました。変異株が流入してきているわけです。

 そして、水際で防げなくて、そこでは陰性で、国内に入ってから変異株に感染していると分かった人は、この赤で示しているところ、細かいところはいいですけれども。赤で示しているのは、水際では陰性だった、しかし、日本に入国してから体調が悪くなって、検査に行ったら変異株にかかっていた。これは水際を突破しているんですよ、総理。

 自己隔離してください、自主隔離してくださいと言っていますけれども、自主隔離をちゃんとしていなかった人もいると言われているんですね、総理。総理、水際対策は万全ですとこの間おっしゃっていますけれども、これは、やはり相当強化して見直さないと、万全ですとは言えないと思うんですが、総理、いかがでしょうか。いかがですか、総理。総理、はい、総理です。

菅内閣総理大臣 政府として、変異株が確認された国、地域からの入国に対する水際対策、速やかに強化してきています。

 ビジネストラック及びレジデンストラックについて、十一の国、地域と合意しておりますけれども、現時点においてはこれらの国、地域からの入国者を通じた変異株の市中感染が確認された事例はありません。

 しかしながら、国民の皆さんの、今、大きな不安、そして命と暮らしを、あらゆるリスクを取り除くために、ビジネストラック及びレジデンストラックについて、緊急事態宣言が発令されている間、一時停止をいたしました。

 そして、新型コロナウイルスの変異株については、私としては強い危機感を持っておりまして、海外からの変異株の流入を防ぎ、国内での感染拡大を防止するために、水際対策の強化と国内監視体制の強化、これに取り組んでいるところです。

辻元委員 でもね、これは数字が物語っているわけですよ。日本は多いんです。アジアでは断トツなんですよ。これは水際弱かったという証明じゃないですか。それで国内に入ってから発症しちゃって、その人が日本にいる人に濃厚接触でうつしているケースもあるんです。

 ですから、総理、余り強がりを言わない方がいいと思います。

 GoToも強がり。それで、GoToもやはりもうちょっと早くやめておいた方がよかったのかな、そしてこの入国制限ももう一週間早めておいた方がよかったのかな。でも、経済のことがありますから、私もいろいろ悩んで、経済で亡くなる方がいてもいけないから、だからそう決断させてもらいました。しかし、やはり遅かったという意見も自分はすごく胸が痛い、だからこれからこうしますとか、何で言えないんですか。

 なのにGoToの予算をつけたりしているでしょう。そして国民に罰則を科すという話だけが出てくるから、みんな納得しないんです。

 感染症法改正について何点かお聞きをしたいと思います。

 入院先から逃げたということになったら、この後、誰が通報するんですか。病院ですか、保健所ですか。それとも警察は捜査するんですか。どうなりますか、この人は。厚労大臣。

田村国務大臣 まず、変異株ですけれども、これに関しては十二月十九日に英国で発表されました。その中において、九月から英国で広がっておるということでございますから、今しっかりと検疫で止めております。

 今入ってこられるのは、帰国者、基本的には帰国者の方だけということでありまして、そういう方々も、入ったとき、まず向こうで一回検査、国内に入って検査、その後、三日間滞在いただいて、三日後にもう一回検査、三回検査をやって、その後自宅に帰っていただいておりますが、帰国から二週間は出ていただいては困ると。誓約書に、もし誓約を破った場合には、例えば、名前の公表でありますとか、場合によっては停留ということも含めて対応させていただきますということで誓約書をいただいております。

 そういう形で海外からはしっかりガードをしております。

 一方で、国内は、九月からイギリスでそういう形でございますので、入っていないと言えば、言われるとおり、入っておられる方々が今五名、六名ですかね、おられると思いますけれども。

 その方々、例えば東京、東京に関しましては、直近で一千五百検体、約一千五百検体、これは都衛研の検体でありますけれども、これに関して見たら、これに対してはほとんど出ていないということでございます。若干、一名、二名は出ておると私は思いますが。

 それからもう一つは、静岡に関しては、そのエリア、四十検体調べましたけれども、これもないということでございますので、面的な広がりはまだないということでありますけれども、そこに関してはしっかりと我々チェックをしていきたいと思います。

 それで、今の話でありますが、それは、言われますとおり、まず、医療機関若しくは保健所、分かったところが通報をするという形になると思います。(発言する者あり)今答えているんですけれども。済みません、いいですか。(発言する者あり)

金田委員長 静粛に。

田村国務大臣 答えていいですか。(辻元委員「早口で」と呼ぶ)済みません。

 それで、その後は、例えば、警察が捜査をして、その後検察に仮に送致をする、また警察が捜査した上で、その上で送検するという形になると思います。最終的には……

金田委員長 田村大臣、答弁をまとめてください。

田村国務大臣 言われるとおり、警察、検察というような普通の対応の下において、最終的には裁判という形になってくる。

辻元委員 今話があったように、病院から逃げたら、保健所や病院の人が通報する、そして警察が捜査するんですよね。

 病院やこの保健所の人、その後どうなるかというと、調書を取られます。捜査するとなれば、これは被害届を出したことがある人は分かると思いますけれども、現場検証をします、病院とか。相当な作業がかかるわけです。

 それで、私の元にこういう、ある東京の二十三区の区長から、総理聞いてください、こういう意見が出ているんです。こういう意見が、悲痛な私は連絡だったですよ。

 これ以上保健所を追い詰めないで。保健所の職員や病院の人は、調書や証言、時間も取られるし、心労もあります、自分が対応していた患者だから。捜査となれば、病院の現場検証も必要。ただでさえ逼迫しているのに、一件発生しただけでも相当大変。今でも、病院が見つからないとか、今、保健所の職員の皆さん、病院が見つからないとか、一つ話がこじれただけで叱責を受けたりしています。そしてさらに、入院先が見つからず病状が悪化したらどうしよう、自分の対応している人が入院先が見つからなくて今晩病状が悪化したらどうしようと眠れない、心労だという方々もいらっしゃって。

 ですから、総理、聞いてくださいね、保健所の職員からは、感染者のために頑張る、それが保健所の職員の仕事だと、そして一生懸命一人一人に寄り添って対応してきたのに、感染者を告発する立場、犯罪者にする立場に立たされるのは耐えられない、こういう声があるんですよ。(発言する者あり)

 それで、総理にお聞きします。今、ハンセン病の話がありましたけれども、この刑罰は、かえって現場の保健所の人たちを苦しい立場に追い込む可能性があるんじゃないか。

 最前線で戦っておられる保健所の方々に感謝と総理はずっとおっしゃっています。昨日、都道府県の知事から要請が来ていると言うけれども、この現場の保健所まで、どういう対応になって、そこで働いている人は人間なんですよ。この刑罰を打ち込むということは、一件起こったとしても相当の負担になる、そういう立場に、一件だからいいじゃないんですよ、構造的に保健所の人たちをそういう立場にするという刑罰であるという認識は、これは総理ですからね、後で。総理、お持ちですか、この声にどう応えますか。

菅内閣総理大臣 まず、感染拡大を防止するためには、感染者に対する入院措置というのは、ここは重要であります。個人の人権に配慮しながら実効性を高めるための措置を講ずる必要があるというふうに思います。

 その上で、御本人の御理解を得ながら入院措置を行うことが基本でありますが、中には自治体などからの協力要請に応じていただけない場合があるということです。

 そしてまた、全国知事会、これは保健所も所管をしています、知事会から、罰則の創設を求める緊急提言、これがなされていることも事実です。

 こうしたことを踏まえて、対応することにしたところであります。

 実際の運用に関しては、当然、人権に配慮した適切な対応を図られるべきというふうに思います。

金田委員長 補足はありますか、厚労大臣。(辻元委員「もういいです、今のと同じだから」と呼ぶ)

辻元委員 総理、何か私、やはり、さっきの看護師さんの話もそうですけれども、現場と総理の感覚がちょっとずれていると思います。保健所の人たちに話を聞いてみてくださいよ。

 私は、もう一点。総理、もしも逮捕されたら、その人が。一件目の事例は大きく報道されると思いますよ。そうすると、その家族や子供、それでなくても今、差別とかされる可能性がある、社会問題になっています。差別や偏見を増幅するんじゃないですか。(発言する者あり)

金田委員長 質問を続行してください。

辻元委員 はい。

 静かにしてください。

 それから、今でも、保健所の方から聞きますと、あそこのうちに感染者がいるんじゃないか、保健所が調査に行けとか、そういう連絡が来るというわけですよ。自粛警察とか言われていますね。そして、これは、密告というか、今でもそうですよ、お店が開いていたら、どうだと。私、そういう社会にしたくないんですよ。それが、この感染症の人たちの人権とか法律を作るときの、私たちの国で培ってきた、いろいろな苦難を乗り越えて、そういう在り方だったと思いますよ。総理、私はやはりこの刑事罰はやめた方がいいと思うんです。

 もう一点だけ言います。最後にまとめて総理に聞きます。

 警察官は防護服を着て捜査するんですよ、捕り物帳のように。そして、その人を、身柄を捕らえたらどうするんですか、感染者。病院に戻すんですか。また逃げるかもしれない。鍵をかけるんですか。このために特別の施設を全国の警察に用意させるんですか。物理的にも無理だと思うんですよ。

 ですから、総理、ここは私は、刑事罰は外していただく、見直していただく。

 もうやめますから、最後、総理にしてください、委員長。

 総理、お願いします。

金田委員長 質問を続けてください。

 時間が来ておりますので、簡単にお願いをいたします。

 二人、手が挙がっているので、それじゃ、小此木国務大臣。

小此木国務大臣 指名をいただきましたので。

 警察の対応でありますけれども、通報はやはり、おっしゃったように、病院関係者、保健所から来ると思いますが、そのときそのときのケース・バイ・ケース、これはあると思います。

 やはり、入院を勧められた人、入院から出てきちゃった方々については、そのまま逮捕だとか拘束、これは本当ならしなきゃなりませんけれども、医療関係者の情報交換によって、情報を共有することによって、やはりそれは拘束をして、その体調を見ながら病院に引き戻すとか、そういうことが考えられると思います。取調べはしなければなりませんが、何を優先するかは医療従事者あるいは保健所の方々と情報交換をしながら決めていくということが現実の問題であると私からは申し上げたいと思います。

菅内閣総理大臣 それは、人権に最大限配慮しながら、そこは適切に対応する、そういうふうに努めたい、そういうふうに思います。

金田委員長 時間が来ております。

辻元委員 最後に一言。

 答弁が、ほかの人がするからじゃないですか、時間が来ちゃうのは、委員長。

金田委員長 先ほどから時間が来ております。

辻元委員 総理、歴史家の半藤一利さんがこの間亡くなりました。あの方、私、尊敬しています。こういうことをおっしゃっています。ある時点での人間の小さな判断が、歴史をとんでもない方向に引っ張っていくことがある。総理の一つ一つの、小さいかもしれない。これは戦争の教訓なんですよ。この言葉を胸に刻んでやっていただきたいと思います。

 終わります。

金田委員長 この際、本多平直君から関連質疑の申出があります。小川君の持ち時間の範囲内でこれを許します。本多平直君。

本多委員 立憲民主党の本多平直です。

 総理、まさに今、コロナで、国民の皆さんに苦しいこと、厳しいこともお願いをしなきゃいけない総理の立場です。まさに政治の信頼が問われていると思います。今の政府・与党がその信頼に足る状況なのかどうかということに関して、政治と金の問題、残念ながら、質問せざるを得ません。

 まず、この国会、我々がいるこの時期だけでも、まずカジノ疑惑、あきもと元IR担当副大臣、中国カジノ企業からの七百六十万円。起訴されても辞職をしていません。ほかの五人の方にも疑惑が生じたまま、説明をいただいていません。

 河井夫妻の選挙違反、二千九百万、百六十万円。河井法務大臣の方は裁判中でありますけれども、あんり議員は、先日有罪判決が出ましたけれども、起訴どころか有罪判決を受けても、そして、保釈されて国会に出てこられる状態でも国会に出ず、歳費だけもらって議員を続けていらっしゃいます、仕事もしないで。

 そして、この問題はこの二人の問題だけではありません。自民党から、この原資ではないかと疑われる一億五千万ものお金、自民党が勝手に集めたんだったらいざ知らず、国民からの税金が相当入っています。この使い道についても全く説明されていません。

 そして、安倍前総理の桜を見る会。御本人は不起訴になりましたけれども、不起訴だから何もしていなかったのか。本当に私たちは説明を求めたい。まさにこの部屋でさんざんうそをつかれたわけです。そして、我々が求めているホテルの明細書も領収書も出てきていません。

 そして、新たに発覚した鶏卵疑惑。吉川大臣の、そして、辞めましたけれども、西川内閣官房参与の大きな疑惑が出ています。

 総理、このコロナで国民の皆さんに厳しいこと、苦しいことをお願いしているときにこれでいいのか。私は、人間だから間違うこともあると思うんですよ。間違ったらちゃんと検察が捕まえて裁判に行く、それはいいですよ。しかし、この人たち、説明していないんですよ、まず。記者会見もしない、説明もしない、そして、ここの委員にも来ないですよ、誰も、呼んでも。今日も西川さんも吉川さんも呼んでいますけれども、吉川さんは病気なのかもしれないけれども、西川さん、この場に来ない。説明はしない、そして議員辞職、これもしないんですよ。

 裁判、最後まで争おうがいいですよ、次の選挙に出ようが、それは自由です。しかし、私もかつて仲間がいろいろな事件に巻き込まれて、疑いがあるだけで辞めた方もいます。二審も三審も争うけれども、一審で有罪になったらこれはけじめだということで辞めた議員もいます。

 こういう過去の中で、こんな人をこれだけ抱えていて、コロナ対応、信頼できる政府、言えますか。

菅内閣総理大臣 まず、コロナ対応は、今御指摘の点とは全く別のやるべきことですし、最優先でやるべきことでありますので、コロナ対策については全力で挙げて、これ以上のコロナの拡大を防ぐために取り組んでいるところであります。

 そして、今いろいろ名前が挙がりましたけれども、そうしたことは極めて残念なことであります。

本多委員 遺憾という人ごとみたいな話で済まされて、そういうことだから信頼が国民の間に生まれていないと私は思います。

 一つ一つ行きます。

 これは最近の疑惑ですのでちょっと説明します。誤解がないように申し上げますけれども、河井さん、この事件、河井元法務大臣は、表に、きちんと報告書に出したお金を六年間で千八百六十万円、同じ広島ということで、このアキタフーズの秋田元代表と親しくなられたんでしょう。このことは何も、ある意味、表面上は問題はありません。非常に親しくなって、多分ですけれども、私の推測ですけれども、農業に詳しい人を紹介してくれということで西川元農水大臣、そして吉川元農水大臣を紹介していったという形になると思うんですが。

 問題は、今起訴されました吉川大臣。これはもう論外なんですね。大臣在任中に五百万円。二〇一八年十一月二十一日、ホテルのトイレ。こういうことがあるんですね、宴会の最中、ホテルの中の料亭、トイレに行ったところでこんな、二百万円。どういう顔でこういうことをしているんでしょうね。大臣室ですよ、百万円、百万円。これで今在宅起訴されています。

 しかし、報道では、大臣のときだけしか起訴の案件になっていませんけれども、それ以外に千三百万円ですよ。この人が、私は、公正な農政をやっていたと、とてもこれだけで、犯罪かどうかは別ですよ、犯罪かどうかは検察、しっかりやってもらえばいいと思いますが、これだけでもう疑い深いことだと思うんですよ。

 それで、総理、たくさん自民党の国会議員がおりますけれども、相当親しかったんじゃないかということを、吉川大臣、この何百人もいる自民党の国会議員の中で、相当親しかったんじゃないかと思うんですよ。

 まず、当選同期ですよね。残念ながら、この河井さんも西川さんも全部当選同期ですよね、総理の。当選同期で、大変、普通仲よくなりますよね。

 それで、この間、菅総理にとっては一世一代の勝負の総裁選、選対の事務局長が吉川さんですよね。そして、総裁になられた後、さすがに何回も大臣にするわけにいかないと思ったら、今度、選対本部選対委員長代行というわざわざ新しい役職をつくって、そこに就けている。本当に信頼をしている関係だと思うんですね。

 ここまではもう、皆さん聞いてもらえば、そうなんだ、ただの一議員じゃないんだと。総理と本当に近い方がこういうことをやっていたんだということをまず申し上げたいんですが、一つ、それを実証する面白いエピソードがある新聞に載っていましたので、事実かどうか確認をします。

 二〇一六年、吉川さんは自民党の北海道連の会長になろうとしていました。ある方と自民党の中で争っていたんですね。そのときに、自分が北海道の会長になりたいから何とかしてくださいといって、自民党の重鎮のところにお願いに行ったそうなんです。ここまではいいですよね。何とかよろしくお願いしますと、何で北海道の人事でそんなところに行くのかよく分かりませんけれども、行ったんですよ。

 その自民党の重鎮の方が新聞記者さんに答えているには、そこまではいい、ところが、びっくりしたことに、その後、官房長官で忙しかった菅さんが来て、吉川を北海道連の会長に頼むと。

 この重鎮は怒っているんですよ。あんた、大臣の人事ならいざ知らず、そんな北海道の人事に官房長官がこんなところに来るな、こんなことを吉川も頼むなと。菅長官は、しっかり言って聞かせますとその重鎮に言われたそうなんです。

 本当なんですか、こんなこと。

菅内閣総理大臣 事実無根です。

本多委員 まあ、政治家でぺらぺら自分の自慢話をする人がいますので、この自民党重鎮の方が真っ赤なうそを新聞社に話したということでまた理解をしておきます。

 しかし、ともかく、この事実がなかったにしても、すごく親しい方であるということは間違いないわけです。

 次に、このお金を渡した方の、アキタフーズの秋田代表との関係についてお伺いします。

 総理、面識、資金提供は過去にございますか。

菅内閣総理大臣 具体的な日時については記憶が定かでありませんけれども、数年前、業界の方と一緒に御挨拶を受けたことはあるかもしれません。

 また、御指摘の人物から資金提供を受けたことはありません。

本多委員 それを聞いて少し安心しましたけれども、御挨拶は受けていると。そして、過去の話ですけれども、二〇一二年と一四年、この人が深く関わっている団体からは献金を受けている時期があるということは御紹介をしておきます。

 しかし、本当に挨拶を受けただけなのか。

 秋田代表、これも新聞紙によりますと、相当、菅官房長官を、当時ですよ、どなりつけてやったと言っているんですよ。一六年当時農水省の事務次官で、後で出てきますけれども、クルーザーに乗っけて接待している本川という次官が、ずぶずぶなわけですから、クルーザーに乗っけているその親しい次官を、いろいろな御都合で、総理も人事大好きですから、一年間で別な次官にしたわけです。このときに、留任させろとしつこく言って、本川をもう一年やらせろと言って要望を受けたことはないですか。

菅内閣総理大臣 そのことも全く事実無根です。

本多委員 まあ、新聞も、新聞にいろいろな自慢話をする人がいますので、もうこの秋田代表の方はいいです。さっきの自民党重鎮の話は、自民党重鎮の方がどこかで怒っているといいと思いますよ、事実無根と言われて。しかし、それはそれで、そういうこともあるかもしれません。そこは分かりました。しかし、これからしっかりとそこは追及をしていきたいと思います。

 さて、まずこの吉川さんの方は、国民感情から見ても、これから裁判になりますけれども、ホテルのトイレで二百万円、大臣室で百万円、大臣室で百万円、これはもうしっかりと検察でやっていただきたいと思いますが、問題は西川公也さんなんですよ。いいですか、これ、ちょっと前の話じゃないですよ。先月までこの人は官邸をうろうろしていたんですよ。

 内閣官房参与というのはどういう仕事かというと、日給二万六千四百円もらえるんですよ。でも、日給二万六千四百円、一時間来てもいいんだそうですよ。三十分来ても二万六千四百円。この人、大体毎年百五十日ぐらい来ていたので、四百万ぐらいもらっているわけです。国、国民の税金から四百万もらいながら、このアキタフーズの顧問もして。

 ちょっと写真を見せてもらっていいですか。この真ん中にいるのがアキタの社長で、吉川大臣に要望書を渡して、どっちの立場でいるんですか、この人。内閣官房参与というのは、総理が任命した非常勤の公務員。四百万も給料をもらって、これはお願いされているんですか、お願いしているんですか。何をやっているんですか、この人。

 業界と一緒に大臣室に行ったと、自分の、これは今日も載っていますから、皆さん見てくださいよ。まだブログに載っているんです、堂々と。これは何しに行っているんですか。これはどっちの立場なんですか、総理。

 今日、西川さん、呼んでいますけれども来ていないので、これに答えられるのは総理だけです。何しに行っているんですか、これ。

菅内閣総理大臣 それは私も答えられないんじゃないんですか。何しに行ったかというのは承知していません。

本多委員 総理、よくそんなこと言えますね。

 実は、安倍総理の最後の時期、内閣官房参与というのは十名もいました。若干多過ぎるなと思っていたのを、菅総理になって、五名辞めさせて、五名、まあ再任も新任もいますが、任命した。そこに残っているんですよ。まさに、去年の夏、十人は多過ぎる、内閣官房参与。それをまた任命した人がこういうことをやっている。どういう責任を感じますか。

 この現金授受の疑惑、そして、今日も出てきて説明をしない。農水省の政策にどう影響を及ぼしたかも全く説明をしない。こんな人、総理の任命の、まさに身近な内閣官房参与に任命して、秘書二人、車一台、内閣府の部屋一つ与えて、こんなことをしている。どういう責任を感じられますか。説明責任するべきじゃないですか。

菅内閣総理大臣 西川内閣官房参与は既に退職して一民間人となっており、お尋ねについては、資金提供の有無を含めて、政府としてお答えはすべきじゃないと思います。

本多委員 委員長、私、今日突然聞いたんじゃないんですよ。こういうことになるのが嫌なので。この人、取材にも答えていないので。先月までいたんですよ、政府に。だから、今日出てきて、本人に聞きたいですよ。是非、ちょっと委員長、呼んでもらえませんか、西川公也さん。

 四百万毎年もらいながら、業界から数百万もらって、検察は、証拠、なかなか集められない、時効もある、こういうことで、今回起訴しないかもしれないけれども、我々としては農政がゆがめられたんじゃないかと思うじゃないですか、こんな業界団体と一緒に。

金田委員長 ただいまの点につきましては、理事会で協議をしているところであります。

本多委員 こんな人がうろうろしていると、どういうふうに農水省に働きかけをしていたのか、これが分からないと、次からやる本予算だって審議できないので。西川公也さん、総理しか上司がいないんですよ、西川公也さんには。

 調べておいてくださいと私は言ったんですけれども、電話はしてくれたんですか。電話したけれども答えないんですか。それとも、それは、政府としてはもう、先月、疑惑が出たら辞めた、辞めたら、国民の給料を、毎年四百万、数年にわたってもらっていた西川公也さん、それで終わりなんですか。全く説明してもらえないんですか。

野上国務大臣 今、農林水産行政への働きかけというお話がありましたので、私の方からお答えさせていただきたいと思いますが、農林水産省としましては、吉川元農林水産大臣がアキタフーズからの収賄の容疑で起訴されたことに関しまして、農林水産省としても、国民に疑念を持たれることがないように、養鶏、鶏卵行政の公正性につきまして、今後の公判の影響等に配慮しつつ、第三者による検証を開始をすることといたしました。現在、設置に向けて準備中でありまして、準備ができ次第、速やかに検証委員会を設置をしたいと考えております。

 また、お尋ねの、アキタフーズからの要望事項に関する西川氏からの働きかけ等につきましては、これは、公判等に影響を与える可能性があることから、コメントは差し控えさせていただきますが、いずれにしても、この養鶏、鶏卵行政の公正性については、第三者検証委員会による検証を開始することとしておりますので、その委員の主導の下で、公判等の影響に配慮しつつ、検証をしっかりと進めてまいりたいと考えております。

本多委員 野上大臣、見てください、こっち。質問していないのに出てきて、いいかげんなことを言わないでくださいよ。

 百歩譲って、吉川さんの方は、国民がどう見ても、もう国民の皆さんが判断すると思いますけれども、西川さんのことを聞いているんですよ、今。西川さんのことが、何が公判に影響するんですか、起訴もされていない人が。訂正してください。

野上国務大臣 私が申し上げましたのは、鶏卵行政の公正性につきましてしっかりと検証をしていくということを申し上げたわけであります。

 吉川大臣と秋田代表が収賄罪の容疑で起訴されておりまして、今後、公判において事実の解明が図られることを踏まえれば、当該司法の手続を尊重することが必要でありまして、お尋ねの点についてはお答えを控えているというところであります。

金田委員長 質問者、明確にもう一回質問してください。(発言する者あり)いやいや、二人のうち一人のお話だというのはもう一度。

本多委員 こんなことで、大臣、ちゃんと顔を見てくださいよ。西川さんと吉川さん、幾ら一心同体でいろいろやっているからといって、混乱しないでくださいよ。吉川さんの話はたっぷり聞くから。

 西川さんが、なぜ、起訴もされていないのに公判に影響が出るんですか。農水の影響なんてこれから聞くんだよ。訂正してくださいよ。公判になんか影響は出ないでしょう、裁判には。訂正してください。

金田委員長 農林水産大臣野上浩太郎君、質問の趣旨は御理解いただけましたね。(本多委員「影響するわけないじゃん」と呼ぶ)

野上国務大臣 いや、ですから、吉川大臣とアキタフーズが収賄の件で起訴されたわけでありますから、アキタフーズの公判についてこれは影響があるということであります。

本多委員 我々への、国民への説明より、西川や吉川をかばうというよりも、アキタフーズをおかばいになるということで、よく分かりました。

 さて……(発言する者あり)そういうふうに取れるんですよ。

 それで、委員長、今日は時間がないから、第一弾なんですけれども、これは、この三人だけじゃ、まあ、河井さんを入れたらかわいそうですけれども、西川、吉川だけなのかという問題なんですよ。

 まず、大臣。官僚もたくさん接待されていますよね。吉川大臣に呼ばれて行ったんだから、私は情状酌量の余地はあると思いますけれども、これは公務員倫理審査会でしっかりと審査して、処分してください。今、事務次官になっている方も、この何かメンバーの宴会に行って、手土産ももらっている。官僚だって、信頼をなかなかしにくいんですよ。

 そして、何でこういうことが明らかになってきたかというと、河井さんの選挙違反事件の捜査で家宅捜索にアキタフーズに入って、こんないろいろな事実が明らかになってきたんですよ。こういうことがなかったら明らかにならなかった事実なんですよ。

 今、このアキタフーズの秋田代表の、社長の秘書が持っていた手帳のメモというのが出回っているんです。私も見ました。もちろん、本物かどうか分からないですよ。だけれども、この会った日付、今確定されている日付は一致しているんですよ、ぴったりと。だから、ほかのことも大体正しいかなと思うと、連日、広島で仕事をしないで、この国会の辺りをいろいろうろうろして、いろいろな方と会っているんです。こんなしょっちゅう現金を渡す癖のある人、ほかの議員に渡していないのかということなんですよ、官僚のことも後でやるけれども。

 実は、もう既に怪しい訂正が二つあるんですよ、自民党の議員で。農水族の方二人が、それまではしれっと五十万もらっておいて、先月このことが報道されてから、いやいや、書き忘れていましたと、報告書に。訂正した人、二人いますよね。そして、その人は内閣の政務官か何かしていますよね。

菅内閣総理大臣 まず、政治家として、個々人の政治活動については、政治家本人の責任においてこれは行うものだというふうに思います。

 いずれにしろ、政治家は、その責任を自覚し、国民に疑念を持たれないよう、常に襟を正していかなきゃならないと思います。

 そういう中で、私自身は、内閣に、今言われた方については、具体的なことは承知はしていません。

本多委員 これも、時間がかかるので、先週通告をしているんです。菅内閣の大臣、副大臣、政務官で、このアキタフーズから、正式な献金でもいいです、裏金でも何でも、もらっている事実を今日までに確認してくださいということを事前に通告していますが、どういう調査になったんですか。

菅内閣総理大臣 今私が申し上げたとおりです。

 政治家個々人の政治活動については、政治家本人の責任に、これは行うものだというふうに思いますし、政治家は、その責任を自覚し、国民に疑念を持たれないように常に襟を正していくことは、これは当然のことだと思います。

本多委員 調査してくださいというお願いも拒否、これが今の菅内閣、コロナ対応に当たる菅内閣の実態です。

 しかし、私は、あのアキタの代表の秘書の手帳が本物かどうか知りませんけれども、あれを見る限り、残念ながらこれからも、農水関係の先生、特に御確認された方がいいですよ。今だったら。私は虚偽記載だと思いますけれどもね、こんなの、典型的な。裏金としてもらっていたけれども、何かばれたから、ああ間違っていましたと慌ててやって。これからどんどんそういう方が、私は虚偽記載だと思いますけれども、訂正するんだったら早めにした方がいいんじゃないんですか。国民の皆さんに、やましい金じゃないんだったら、しっかりとやってほしいと思います。

 それで、私、今日言いたいのは、政策がゆがめられているんですよ。ただ、この変な、大臣が金をもらっただけなら、犯罪なんだけれども、残念ながら農政がゆがめられた疑惑をしたいと思います。

 ちょっとこの二つの紙を出させていただくんですけれども、これを何で今日持ってきたかというと、ちょっと菅総理も聞いてください。

 鳥の、卵を産む鳥、私たちも一日一個か二個食べる大切なたんぱく源、鶏が日本でもたくさん生産をされているんだけれども、その飼い方が、ちょっと狭いところでやり過ぎなんじゃないか。つまり、これよりちょっと広いんですよ、B5より。だけれども、一羽の鳥の面積、日本はこのA4の紙より狭いんです、平均的に。この中に、この面積に何十日間も閉じ込められて卵を産む。

 長年そういうふうにやってきて、いろいろな事情も業界の中ではあるんでしょう。急に変えられないのも分かります。私、急に変えろと言うんだったら、こういうところにこそ、しっかり国の支援をするべきだと思います。しかし、こんなふうに金を渡したところで政策がゆがんでいるんですよ。

 この問題、実は、この横に、今日パネルの補助をしてくれている群馬県の堀越啓仁議員が、ずっと専門家で、うちの党で二回も質問しているんですよ。違う大臣に質問して、全くがらりと答弁が変わっているんですよ。

 まず一つは、そこに齋藤大臣、非常に立派な答弁をされているんです。同じ年ですよ、二〇一八年。

 ちゃんと、世界の情勢を踏まえると、国際情勢を踏まえて進めないと、日本の人口も減るんだから。今、ヨーロッパでは禁止されているんです、もう鳥籠自体が。狭さの次元じゃないんですよ。日本はDランクなんです、鳥の条件として。ヨーロッパでは、ほかの国では、広い鳥小屋若しくは平らな場所。啓仁さん、間違っていたら言ってね。ヨーロッパでは、もう鳥籠で飼うこと自体が禁止。オリンピックの選手も、鳥籠で飼っている鳥の卵は食べたくないから東京オリンピックでも何とかしてくれと要請が出ている。輸出できないんですよ、こんなことを続けていくと。

 齋藤大臣のときは、すごく前向きな答弁をこの堀越委員にしているんです。

 野上大臣、ところが、本当にうさん臭いんですけれども、二〇一八年の十一月二十一日、堀越さんは悔しいと思いますよ。堀越さんが、アニマルウェルフェアというんです、こういうのを。家畜でももうちょっと、私たちも食品として食べるんだからそんな偉そうなことを言えないけれども、生きている間は余り苦しい思いをさせないでおこうというのがヨーロッパでは主流だし、アメリカではどんどん広がっているんです。そして、このことについて質問したその日の夜ですよ。

 全然変わっているんですよ、答弁が。齋藤大臣のときは、国際情勢を踏まえる、海外の状況も検討すると言っているのに、こういう関係の中で、吉川大臣は、生産者の声を踏まえてと変わっていますよね。一貫していないんですよ。何で変わったんですか。

野上国務大臣 お答え申し上げます。

 今御指摘のありました吉川大臣の前任である齋藤元大臣の御答弁ですが、平成三十年二月二十三日の衆議院予算委員会第六分科会におきまして、堀越議員からの質問に対しまして、「世界に通用するものに前進をさせていくということは極めて重要だろうと思っておりますので、実態を踏まえながら、その方向でしっかり努力をしていきたいなというふうに思っております。」と御答弁されています。

 また、平成二十九年十二月十二日の衆議院農林水産委員会において、佐藤公治議員の質問に対しまして、アニマルウェルフェアに関するルールが急激に変化をして、そして生産者がついてこれないというものもこれはいけないというふうに思っておりますので、現実的にしっかり取組が進むように、生産者の理解を得ながら推進をしていくことが重要だろうと思っておりますと御答弁されておりまして、これは吉川大臣とともに、生産者の理解を得ながら推進するとの考えも御答弁をされているわけであります。

 吉川元大臣は、平成三十年十一月二十一日の衆議院農林水産委員会におきまして、堀越議員の質問に対して、国際獣疫事務局からいただいたアニマルウェルフェアについての評価、助言に言及をして、「今後とも、いただいた助言も参考にしながら、生産者の理解を得ながら、アニマルウエルフェアを推進してまいりたいと存じております。」と御答弁をされておりますので、このことから、齋藤元大臣そしてまた吉川元大臣の答弁の考え方の違いはなく、吉川元大臣になってからアニマルウェルフェアに関する基本的な考え方が変更したということは当たらないと考えております。

本多委員 大臣、いいかげんなことを言うのはやめてくださいよ。

 私、昨日、農水省の官僚に聞きました。ヨーロッパは大変進んでいるんですね。まあ、日本の業者からしたら進み過ぎと言うのかもしれない。アメリカは必死に追いかけている。ところが、ここまでは分かるんですけれども、実は、韓国もフィリピンもマレーシアも、輸出しなきゃいけないから、条件、苦しいかもしれないけれども、合わせようと努力しているんですよ。もうインドもですよ。

 これは、状況を調べているんですか。各国の状況も見ながらやると今堂々と言ったけれども、ヨーロッパやアメリカどころか、いろいろな言い訳して、暑いからといったら、フィリピン、マレーシアはどうなるんですか。暑い国でもやっているじゃないですか、着々と。調べているんですか、まず。調べてもいないでしょう。

野上国務大臣 お答え申し上げます。

 今、韓国やアジア諸国についてのお話をいただきましたが、諸外国における採卵鶏に関する法制度につきましては、韓国では、これは平成三十年九月に施行された畜産法施行令において規定されておりますが、飼養密度に関する基準が一羽当たり五百平方センチメートルから七百五十平方センチメートルに引き上げられ、既存施設については令和七年九月までにこの基準を満たすとのことが求められておりまして、バタリーケージについては禁止されていないものと承知をしております。

 タイなど、その他のアジア諸国の法制度の状況につきましては承知をしておりませんが、エンリッチドケージ飼いを含めたケージ飼いによる飼養の割合について、国際鶏卵委員会の調査によりますと、我が国は九四・二%ですが、世界で飼養羽数が第一位の中国では九八%、また、この他、飼養羽数の多い米国では八〇・四%、インドでは約一〇〇%となっております。

 日本としては、このような世界の状況を踏まえて、科学的な知見を付して、多様な飼養形態が認められるべきとの旨のコメントをOIEに提出したところであります。

本多委員 野上農政は中国とインドの基準を参考にやってください、そのまま国際基準に遅れて。私は、結局、業者の方も早めにこういうのに取り組んだ方がいいと思いますよ、そこは国の補助も出していいと思いますよ。そういう中国の数字とインドの数字があるからいいんだと、最後までやってください、その方針で。ふざけるなと思います。

 アニマルウェルフェアの話ももっとやりたいけれども、実は本丸は補助金なんですよ。この大臣、二百万、百万、百万、戻った後、吉川大臣の下で卵の補助金の仕組みが大改正しているんです。

 最初、仕組みが難し過ぎて、私も勉強するのに一週間かかって、分からなかったけれども、農水省自身の試算をしてもらったんですね。同じ条件で二〇一九年にもらえる額と二〇二〇年にもらえる額。卵の値段が安過ぎたとき、ちょっとかわいそうだけれども、鳥を早く殺して卵の数を減らして卵の値段を上げる、そのときに業者に出す金額。小規模の業者は百三十四万円が百三十六万円、ほとんど変わらないのに、中規模な業者は百五十八万もらっていた話が何と二百五十一万円。こんなアップあるんですか。そして、アキタフーズのような大規模な会社はどうなったかというと、一年にもらえる金額が三百九十四万円から六百二十六万円。これは仮の数字を置いて農水省に計算してもらった数字。

 しかし、実際にアキタフーズ社は、一九年と二〇年、同じ条件でどれだけ変わっているんですか、幾らもらっているんですか。我々国民の税金、五十億この予算に入っていますけれども、アキタフーズに、一九年、二〇年、幾ら出ているんですか。

野上国務大臣 お答えを申し上げます。

 アキタフーズに幾らの補助金が出ているのかというお尋ねでありますが、これは個別企業に関する情報ですので、お答えは差し控えさせていただきたいと考えております。

本多委員 そういうふうにしらばっくれていくのはいいですけれども、国民の税金です。

 そして、来週以降審議が始まる来年度の予算にもまたこの予算は入っています。本当に、業界のためと秋田さんは言っていますけれども、自分の会社のためなんじゃないんですか。大きな会社のためだけなんじゃないんですか、我々の税金。これは、今後そういう答弁を続ける限り、次の本予算も通らないと思いますよ。

 それで、総理、河井あんり議員、有罪判決を受けました。公明党の幹部も自民党参議院の幹部も、国会に出てきていないんだから、コロナでみんな仕事を失って苦しい思いをしている方もいる中で、国会にも出てこないで給料をもらっている。私は、起訴されただけで辞職した議員も過去にたくさんいるんですよ、有罪判決を受けたら辞職するのは当然だと思いますけれども、いかがですか。

菅内閣総理大臣 お尋ねでありますので、自民党総裁として、あえて、立場で申し上げれば、我が党に所属していた方々について刑事裁判が行われることになったことは大変残念であり、そして、議員辞職を求める厳しい声があることは重く受け止めております。

 ただ、いずれにしろ、政治家は、その責任を自覚をし、国民に疑念を持たれないように、常に襟を正していかなきゃならないというふうに思っています。

 いずれにしろ、政治家の出処進退というのは自ら判断すべきものと思います。

本多委員 そういう答弁をすると思って、私、十一年前のこの部屋で行われた、総理、野党時代の御質問の議事録を今日持ってきました。

 まあ、ひどいんですよ。総理もなかなか格好よく、政治と金の問題一本で、この部屋で質問をしているんですけれども。

 まず、安倍さんのように嫌疑不十分で不起訴になった人に対して、議員に対して、黒に近い灰色とか言っているんですよね、決めつけで。それから、残念ながら起訴された議員には、辞職勧告決議を自民党は出して、有罪じゃないですよ、まだ、起訴されただけで、自民党は当時、辞職勧告決議というのを出して、当時の総理を責め立てているんですけれども、このときのあなたはどこに行かれたんですか。

菅内閣総理大臣 記憶にありません。

本多委員 十一年前、野党議員として、予算委員会で、ついでにやったんじゃないんですよ、全部政治と金の話をされているんですよ。それで、いろいろなことを言って、これ、忘れたって、本当にそれは国民の前に言っているんですか。記憶、どうですか、こういうことをしていたんじゃないんですか。

菅内閣総理大臣 十数年前のことですよ。私、今、即座にそうしたことを思い浮かべることはできません。

本多委員 これが菅総理の政治信念だということがよく分かりました。

 河井さんの事件も、何か河井さん二人だけに焦点が当たっていますけれども、自民党から、税金も含む一億五千万円が出ているんですね。これについて、総理、十年前は忘れたけれども、去年の夏のことはまだ覚えていますよね。岸田さんと……(発言する者あり)総裁選。去年、岸田さんと石破さんと争って、公開討論会で司会者から聞かれたんですよ、この問題どうするのかと。そのときに、総理、何と言っていますか。今は官房長官の立場だからできないけれども、総裁になったらしっかり答えると、しっかり調べると言ったんですよ。総裁になって何かされたんですか。

 河井さんの方は裁判ですよ。でも、こういうことに、我々が払った税金が一億五千万も自民党から流れているんじゃないかと。流れていったから自民党がすぐ悪いとも限らないんですよ、知らなかったら。だけれども、事実を調べてくれと言っているのに、調べていないんですよ、誰も。調べてもらえないですか、総裁選挙の公約どおり。

菅内閣総理大臣 今御指摘の一億五千万円は、支部の立ち上げに伴って、党勢拡大のための広報紙を全県に複数回配布した費用に充てられたとの説明が、そういう報告を受けております。

 なお、使途の詳細については、検察当局に現在押収されている関係書類が返還され次第、党の公認会計士が内規に照らし監査を行い、しっかりチェックをすることになっております。

本多委員 先ほどの二〇一〇年の議事録、読んでおいてください、今度。日にちもちゃんと後でお伝えしますので。

 それで、最後にしますけれども、ちょっと総理、聞いてください。

 コロナで国民の皆さんに苦しいことをお願いしなきゃいけない政権の中で、これは主なものだけですからね。カジノのあきもとさん、国会にも出てこない、辞めない、五人も説明しない。河井さん、裁判中かもしれません。自民党も、監査、私たち見せてもらっていません。あんりさん、有罪でも、公明党の幹部が言っても、自民党参議院の幹部が言っても辞職しない。安倍さんも、この部屋でうそついたのに、領収書もホテルの明細書も出してもらっていません。本来、この部屋で、予算委員会の我々に一番多くうそついたんだから、我々に説明して、事情を質問させてほしい。

 吉川さんの問題、もっとやりたかったけれども、野上さん、本当に確認した方がいいですよ、来年度の予算。それから、五月にアニマルウェルフェアの国際会議がありますよね。そこで、日本国内ならまだしも、賄賂でゆがめられた主張をよもや国際会議で言わないように、今日、随分答弁拒否が多かったけれども、しっかり調べて、更に私はやりたいと思います。

 さっき、総理、言われた議事録、後でお渡ししますから、午後までに確認していただけますか。読んでいただけますか。

菅内閣総理大臣 どのぐらいの分量かよく分かりませんけれども、提供は受けます。

本多委員 終わります。

金田委員長 この際、大西健介君から関連質疑の申出があります。小川君の持ち時間の範囲内でこれを許します。大西健介君。

大西(健)委員 大西健介です。

 私からも、冒頭、新型コロナウイルスでお亡くなりになられた方々に心からお悔やみを申し上げたいと思います。

 私も、世襲でない総理大臣である菅総理に期待をしていた国民の一人でありますけれども、現在、菅政権、国民の厳しい評価を受けております。僭越ながら、私、その理由は主に二つあると思っています。一つは、ステーキ会食に象徴されるような、本来率先垂範すべき立場にある者が違うことをしていたということ。そしてもう一つは、やはりコロナ対策が後手後手に回ってしまっているという印象を与えていることだというふうに思います。

 そして、一つ目に関して、昨日のこの委員会の質疑で同僚の小川委員から、菅内閣の一員である坂本大臣が、あれだけ批判をされていたにもかかわらず、会食をしていたことが指摘をされました。私は、そのときの答弁、これがちょっと気になるので、そのことについて質問をさせていただきたいんですけれども、昨日、坂本大臣は答弁の中で、十分距離を取って、そして対面ではなくて三角形形式で、そして食事をするときだけマスクを外していたので、だからいいんだみたいな、こういう答弁をされたんですね。

 ただ、これはちょっとどうなんだろうと。ということは、距離を十分取ってマスク会食なら会食してもいいのかという話になってしまいます。西村大臣は、一方で、今、国民の皆さんにランチ会食も自粛してくれと呼びかけているのに、結局またこれで、国民にはランチ会食もやめてくれと言っているのに自分たちは特別扱いなのか、こういうふうに国民は受け止めているのではないかというふうに思いますけれども、まず、菅総理、このことについて御答弁いただきたいと思います。

西村国務大臣 これは分科会から何度も、マスクを取る場面、飲食というのはマスクを取る場面でありますので、その飲食の場面が感染リスクが高いということが何度も提言をされ、私も発信をしてきております。

 これは、今、八時までの時短をお願いしておりますけれども、昼間だからといって、私が会見で言ったのは、みんなでそこで同じようにやれば、これはリスクが高いということを申し上げたんですけれども、昼間であればリスクがないということではありませんし、十九時まで今お酒の提供をしておりますけれども、十九時までならみんなで飲んでもいいということでもありませんし、八時までの会食であればリスクがないということでもありません。

 また、最近では家で、宅飲みという形で集まって飲む、これも多数クラスターが発生して、報告をされております。

 こうしたことはリスクがあるということを丁寧に御説明し、皆さんに御理解をいただいて、感染拡大防止に向けて一人一人の御協力もお願いしたいというふうに考えております。

大西(健)委員 ですから、そう言っているにもかかわらず、派閥の会合で、出られなかったから後で食事をしたんだみたいな話でしたけれども、別に食事する必要はないわけですよ。食事しなくてもそういう打合せはできるわけで、結局、距離を取っていてマスクしていたらいいんだみたいなふうに聞こえているから、だから国民は、一体どっちなのかよく分からない、あるいは、国民にはそう言っているのにあなたたちだけは特別扱いなのか、こう思われてしまっているところに今の問題があると思います。

 それから、もう一つ気になったのは、PCR検査を受けて、坂本大臣、陰性でしたということなんですけれども、感染した人と一緒になって、すぐにPCR検査を受けて陰性であっても、その時点ではまだ十分にウイルスが増えていない可能性があるんですね。ですから、もう一回PCR検査を受けていただく必要があると思いますけれども、坂本大臣、もう一度PCR検査を受けていただくということでよろしいでしょうか。

坂本国務大臣 濃厚接触者ではないという保健所の判断をいただきました。陰性でございました。

 私自身は、二日間、土日それぞれ自宅の方に、宿舎の方にいましたので、今この時点でPCR検査を受けることは考えておりません。

大西(健)委員 今言ったように、PCR検査というのは、十分にウイルスが増えていない状態で受けても陰性になってしまうということがあるので、ですから、濃厚接触者の場合はですけれども、二回受けるということになっているんですね。やはり、無症状であっても二回受けるということなんです。ですから、やはり念のために受けていただくということを、私たち、是非お願いしておきたいと思います。

 こういう率先垂範すべき立場にある者が違うことをやっているということに関して、ほかにもこんなことがあります。

 先ほど、委員会が始まる前もちょっと総理は鼻を出しておられましたけれども、先日、大学入学共通テストで鼻出しマスクで失格になった人がいました。これは何回注意してもやめなかったという悪質な事例だと思いますけれども。ただ、そのときに国民の中から聞こえてきたのは、今日は麻生大臣もマスクをされていますけれども、あの麻生さんのマウスガードはあれはいいのかとか、あるいは、先週の本会議で、総理は、質問者の質問を聞いている間に、ひな壇でマスクをずらして、そして指をなめて資料をめくっている姿が拝見されました。

 こういうのがネット上とかで、国会議員が、あるいは総理や大臣がああいうことをしていていいのかという声があるんですけれども、こういう御批判に対して、総理、どういうふうに受け止められますか。総理のやられたことですので、総理にお願いいたします。

菅内閣総理大臣 ページをなかなかめくれなかったものですから、めくったということは事実だけれども、ほんの一瞬だったと思います。

大西(健)委員 そこはあれなんですけれども、まさに私が繰り返し申し上げているのは、そういうふうに率先垂範すべき立場にある者が、国民に厳しいことをお願いしているのに違うことをしていることが、これが残念ながら菅政権に対する批判につながっているんじゃないかということを申し上げているんです。

 あと、マスクについてなんですけれども、最近は、ウレタンマスクお断りという店もあるそうです。これはちょっと、余り厳格にやり過ぎるのもどうかなという気もしています。一方で、テレビ東京のニュースキャスターがマスクを着けて出演するということをしたことに対して、高い評価があります。また、ドイツでは、公共交通機関の利用の際に医療用のマスクを着用することが義務化された。そこまでやると、確かにやり過ぎというところもあると思います。

 ただ、今資料でお配りをしていますけれども、スーパーコンピューター「富岳」によるシミュレーションをすると、少なくとも、例えばマウスガード、これはもう、吐き出し飛沫も吸い込み飛沫もほとんど効果がないんです。こういうことがはっきりしている。

 ちまたには、今、マスクの着用について、先ほど言ったようにウレタンは駄目だとか、不織布のマスクじゃないと駄目だとか、いろいろな情報が錯綜しているので、一体何がよくて何が駄目なのか、これは一回きっちり整理をして、分かりやすく国民に伝え直した方がいいんじゃないかと私は思っているんですけれども、いかがでしょうか。

田村国務大臣 いろいろなマスクの種類があります。東京大学の医科学研究所の河岡先生が研究された例を見ますと、お互いに不織布マスクをした場合には、飛沫の吸い込み七五%、これを防げる。布マスクもお互いにしていれば七〇%防げる、こういう研究があります。

 ただ、不織布もそれから布マスクも、物によって違います。サージカルのようにちゃんと厚いやつならばそういう効果が出るんでしょうけれども、不織布も、薄い、層の少ないやつならば当然飛沫が出ますし、布だって、厚いやつもあれば薄いやつもある。一概には言えないというのが実態であります。

 フェースガードに関しましては、マウスガードもそうかも分かりません、これに関しては、大きな飛沫は止められますけれども、基本的にちっちゃい飛沫は止められないので、場所といいますか、例えば二メーター空けて、換気をちゃんとやりながらと。よくあるのは、テレビ局の方々なんかが、どうしても顔を映さなきゃいけないというので、そこを気にしていただきながら、そういうものを着けていただく。大きな飛沫はある程度は防げますので、一定の効果はあると思いますけれども。

 いずれにいたしましても、それは言われるとおり、不織布マスク、その中でもサージカル、もっと言えばN95のようなマスクを、医療用のマスクをしていただくというのが一番効果があるということは確かであろうというふうに思います。

大西(健)委員 今はここにアクリル板も設置されましたけれども、その前は、恐らくこの距離、二メートルないですよ。でも、以前は麻生大臣はマウスガードをやっておられましたよね。ですから、そういうのを見たときに国民が、一体、率先垂範すべき立場にある人たちがちゃんとやっているのか、こういう疑念を抱くんじゃないかというふうに思います。

 もう一つの菅政権の批判につながっているのは、私は、科学的な知見だとか疫学的事実、これを軽視する、そういうところだというふうに思います。

 昨日の委員会の最後に長妻委員が少し触れられましたけれども、八割おじさんこと西浦博京都大学教授がシミュレーションというのを出されています。

 これは新聞から出したものですので、ちょっと、正確なものの方がよかったかもしれませんけれども、真ん中のグラフです。

 今回の緊急事態宣言ですけれども、四月の緊急事態宣言と同じぐらいの効果があったとすれば、よく皆さんもお聞きになったことがあると思いますけれども、感染者一人が平均して感染させる人数、いわゆる実効再生産数が、その場合には〇・六ぐらい、これぐらいになれば、二月二十五日には一日の感染者が百人を下回る。百人を下回るところ、下の方の黄色いグラフ、線ですかね、になるということです。ここまで下げておけば、その後解除したとしても、そしてまた実効再生産数が例えば一・一ぐらいになっても、一日当たりの感染者数が今度千人を超えてくるのは、四月でここ、切れていますけれども、それよりずっと先で、七月中旬以降、こういう形になるということであります。

 ただ一方で、前回と同レベルの効果がなくて、例えば実効再生産数が〇・八までしか下がらなかった場合、この場合にも、政府が緊急事態宣言の解除の目安としている都内一日当たりの感染者数が五百人を下回るというのは、これは二月二十四日にはそういうふうになると。ただ、このレベルでもし解除してしまうと、今度は四月中旬、この赤い線ですね、ちょうどここ、切れているところですけれども、四月中旬、ここにはまた千人を超えてしまう、リバウンドしてしまうということなんですね。

 これは実効再生産数を基にした計算ですから、単純なものなんですけれども、まさにこの五百人というレベルで解除をしてしまうとまたリバウンドが起きる、これが科学的知見、疫学的事実だと思います。

 昨日の委員会でも、西村大臣は、総合的に判断するんだ、医療の逼迫度合いとかも勘案して総合的に判断するということを言われましたけれども、総理、これを見ていただいて、まさに五百人で解除しちゃうとまたリバウンドが起こる、これが疫学的事実です。これをちゃんと踏まえて解除というのは考えるということでよろしいかどうか、総理にお伺いします。

西村国務大臣 西浦先生のシミュレーションでありますけれども、御指摘のように、再生産数を一定のものと置いて計算をされています。

 それで、五百人になったからといって、昨日申し上げましたけれども、直ちに解除するということでは、機械的に判断してするわけではなく、病床の状況、こういったものも総合的に判断して、ステージ3の段階の対策が必要になってきたということであれば、これは分科会、専門家の皆さんも、その段階で解除をするということを言われているわけであります。

 ただ、それで対策を全て元に戻す、全く自由にするということではなくて、昨年の春もそうでありましたけれども、東京都においても時短を六月まで続けました、五月二十五の解除の後。そういったことで、今、八時までの時短をしておりますけれども、これをその後どうしていくかということなどを含めて、確実にステージ3から更にステージ2に向かっていくというところを目指してやっていきたいと思います。

 ちなみに、四月以降のことについては、西浦先生のこのシミュレーションの中には、例えばワクチンの接種とか、あるいは特措法の改正、感染症法の改正とか、こういったことは織り込まれておりませんし、そうした段階的に解除していくということも織り込まれておりませんので、そういったことも踏まえて、私ども全体として総合的に判断していく、専門家の意見を聞いて判断していきたいというふうに考えております。

大西(健)委員 昨日も話があったんですけれども、専門家の意見というのをつまみ食いするんじゃなくて、いいとこ取りするんじゃなくて、やはり科学的知見とか疫学的事実というのをしっかり、軽視をしないでいただきたいと思っています。

 今日も西浦先生をお呼びしましたけれども、今日も来ていただくことができなかったということですけれども、西浦先生は、実はGoToトラベルについても最近論文を発表された。

 GoToトラベルについて、それが開始された後に、旅行に関する新型コロナウイルス感染者が最大六から七倍増加したという分析結果を発表されています。第二波は八月中旬までに減少に転じていたが、初期のGoTo事業が感染拡大に影響を及ぼした可能性がある、こういう指摘をされているわけですけれども、同じように、こういう指摘をしっかり踏まえれば、昨日総理はこの委員会で、GoToトラベルはしかるべき時期に再開したいと言っていましたけれども、この科学的知見をまさにちゃんと踏まえていただくと、やはり再開するとまたぶり返すんじゃないか、またリバウンドするんじゃないか、また、少なくとも、再開する場合には、今までと同じ形じゃなくて、やはりやり方を見直さなきゃいけないと私は思うんです。

 菅総理、昨日はしかるべき時期に再開すると言っていましたけれども、GoToはやはり影響するんだと西浦教授は言っていますけれども、これをどう受け止められますか。

菅内閣総理大臣 いずれにしろ、一つ一つの研究結果についてコメントすることは控えたいと思います。

大西(健)委員 やはり、私は何度も言っていますけれども、都合のいいところだけつまみ食いするんじゃなくて、ちゃんと受け止めてほしいんですよ。

 それで、先ほどの西浦教授のシミュレーションに戻ると、緊急事態宣言発令の前日に開かれた厚生労働省のアドバイザリーボードで、このシミュレーションというのを西浦教授はしっかり説明しているんです。ところが、なぜかその資料そのものは非公開という扱いにわざわざしているんですよ。

 なぜ非公開にするのか。それこそ政権の方針と異なる都合の悪いデータというのは隠蔽して、そして科学的知見に背を向ける行為じゃないかと私は思うんですけれども、総理、いかがでしょうか。

田村国務大臣 これはアドバイザリーボードを開く前に、西浦先生の方から出したいという話がアドバイザリーボードにありました。それに関しては、中身の精査もございますし、そういう意味で公表しなくてもいいということを御理解をいただく中において、そこで資料として、参考資料として出していただいたということであります。

大西(健)委員 今のその答弁はよく分からないんですけれども。別に、資料ですから、先ほど言われたように、一つ一つの科学研究には何かコメントしないみたいな話がありましたけれども、それが絶対正しいかどうか分かりませんけれども、一つの材料として議論するためにこの会議をしているのに、わざわざ非公表にする。先生にわざわざ話をして、これを非公開にしていいですかと言わなきゃいけない、そこまで出したくないということは何なんでしょうか。

 田村大臣、どうしてそれを、わざわざ出さないということを言わなきゃいけないのか。そのまま出せばいいんじゃないですか。

田村国務大臣 様々な資料がアドバイザリーボードには出される場合があります。その場合には、表に出すもの、一定の時間を置いてから表に出すもの、いろいろなものがありまして、その中で、今回の資料に関しては、御本人の了解を得た上で公開をしなかったということであります。

大西(健)委員 今の答弁を聞いても余りよく分からなくて、結局、政権の方針と違うようなデータは出したくないということなのかなというふうに受け取ってしまいます。

 それで、例えば先ほど辻元委員も触れられた変異株、アジアでは断トツで日本が多く今もう入っているんだという話がありましたけれども、先ほどの実効再生産数に基づくシナリオも、更に七〇%以上感染率が高いと言われる変異株が拡大すれば、またこれはより厳しいシナリオにならざるを得ないということなんですけれども、この変異ウイルスがどうなるかということについても、これは既に専門家から科学的な知見が出ている。

 東京大学大学院の飯野教授は、流入時の、従来のウイルスが例えば約三百人で変異株が十人だった場合には、四か月後には新規感染者が千人になって、半年後には二千人になって、この時点で変異ウイルスの方が従来ウイルスを逆転すると言っているんですね。ここにあるグラフでも、この青いのは従来ウイルスですけれども、変異ウイルスが爆発的に増えていく、こういう予想になっています。

 先ほど話にもあったように、イギリスで出たのが九月、現在ではもう既にイギリスではこの変異株が主流になっていて、そして、アメリカでも三月中には変異ウイルスが過半数になるというふうに見られています。そういうことを考え合わせても、この予測というのは、私は見当外れではないというふうに思いますけれども、静岡に続いて都内でも感染経路不明の変異株が見つかっています。そして、英国政府は、英国型というのは、感染力が強いだけではなくて致死率も高い可能性があるというふうに発表しました。

 この変異株を食い止めるというのは、やはりこれからのシナリオを考える上で極めて重要だというふうに思いますけれども、政府は、地域を限定しないで、全国で変異株がないか遺伝子検査を広げていく必要が私はあると思いますけれども、この点はいかがでしょうか。

田村国務大臣 今、プライマー、要するに、スクリーニングができるような、そういう試薬が出てきておりますので、それの手引書、手順書というものを全国にお示しをさせていただいて、プライマーが必要でございますので、そういうものも購入をいただきながら、全国でまずスクリーニングをしていただけるような環境をつくるように努力いたしております。早急にこれをつくってまいりたいと思います。それで、ひっかかったものに関しては遺伝子検査をする。

 ただし、一部、静岡等々に関しては、そういう話がありましたので、一定の数、しっかりと検査しなきゃいけませんから、検査しておりまして、今のところは面的な広がりがありませんし、東京も面的な広がりがありませんが、これは安心できませんので、これからもしっかりと我々は監視してまいりたいと思います。

大西(健)委員 東京都内でもう感染経路不明の変異株が見つかっているということは、もうどこで出ても私はおかしくないというふうに思いますので、これは監視体制を強化していただきたいと思います。

 次に、先週の本会議で、総理は、一律十万円再給付については考えていないというふうに答弁をされました。先ほど篠原委員も言われましたけれども、これでもう感染が始まって一年がたちました。一度目の緊急事態宣言のときに一律給付というのをやったんですけれども、そのときの理由は、政府は、国民みんなで連帯してこの難局を乗り切るためと説明していました。そして、今回二度目の緊急事態宣言です。再給付を求めるツイッター上のデモなんというのも起きているんですけれども。

 総理は、就任直後に、与党の長島昭久議員ら有志から、特別定額給付金をもう一回、五万円でいいからやってほしいと要望を受けたときに、そういう方向で頑張るみたいな発言をされています。総理は一律給付は考えにくいと言われたんですけれども、麻生大臣は先日記者会見で、生活が困窮した世帯に限定して給付する選択肢についても、これも考えにくいと言われました。

 そこで、改めて総理に確認ですけれども、額を、例えば十万円じゃなくて五万円にするとか三万円にするとか、額を絞るとか、あるいは対象を生活困窮の方だけに絞るとか、そういう形でも現金給付、個人への現金給付というのは一切考えないということなのかどうなのか。そして、その理由というのをお答えいただきたいと思います。

菅内閣総理大臣 まず、考えているか考えていないかということであれば、一律給付というのは考えておりません。

 現在、多くの事業者にとって重要な資金繰り、人件費に対する支援を重点的に行っており、さらに、手元資金にお困りの方は緊急小口資金などにより支援を行っています。こうした支援によって雇用や事業、暮らしを守り、特別定額給付金を再び支給する考えはありません。

大西(健)委員 私が申し上げたのは、例えば我々は既に、一人親世帯だけではなくて、お子さんのいる生活困窮世帯に個人への給付をしようという法案を出させていただいていますが、例えば、額を絞ってとかだけじゃなくて、対象を絞って、本当に生活困窮の方とか対象を絞ってでも、個人への現金給付というのはしないという方向でしょうか。

 やらない理由として、ほかでちゃんと事業者とかへの支援をやっているからそれでいいんだということなのですけれども、さっき言ったように、個人の方もみんな、一年以上たって、非常にもう生活が厳しくなってきているという声があるんですけれども、それでもやらないということですか。

菅内閣総理大臣 今申し上げましたけれども、緊急小口資金などにより、手元資金にお困りの方々には支援を行っていきたいというふうに思いますし、また、こうした支援により、雇用や事業、暮らしを守っていきたいと思っています。

 そういう意味合いにおいて、特別定額給付金を再び支給することは考えておりません。

大西(健)委員 個人への給付はやらないということですけれども。お金を借りてくれという話なんです。

 今、雇用の話がありました。雇用も、これ、二回目の緊急事態宣言が出て非常に心配ですけれども、雇用調整助成金の特例措置は三月末まで延長していただきました。これは評価したいと思います。ただ、雇用調整助成金についても私は改善を求めたい点があります。

 ちょっとパネルをお願いしたいんですが、労働基準法上は、休業手当というのは賃金の六割以上というふうになっています。ただ、これは実際、実態は、じゃあ六割出ているのかというと、四割に満たないという話があります。どういうことかというと、これを見ていただくと分かるんですけれども、例えば月給三十万円の方がいる、週二日お休みで月二十日勤務するという場合に、三十万円の六割以上だから、三十掛ける〇・六で十八万円もらえるのかなと思ったら、実際にはそうじゃないんですね。一か月分の休業手当十二万円ねとここに書いてありますけれども。

 これはどういうことかというと、平均賃金というのは、暦の数の日数で計算をします。したがって、三か月分の給与九十万円を九十日で割って一日一万円。この一万円になるんですけれども、支払いの対象になる休業期間は、休日を除いた日数ということになるので二十日間になる。ですから、一万円掛ける〇・六掛ける二十日間になると十二万円にしかならない。ですから、十八万円もらえるのかなと思ったら十二万円なんですね。

 これが一か月、二か月ならともかく、休業期間がこれだけ長くなってくると、半分以下ですよ、月収の半分以下、四割のレベルしか出ないというんじゃ、これじゃ、私、生活できないと思うんです。

 ちなみに、雇用保険の給付の基本日額というのも、これは暦の日数で割って計算するんですけれども、ただ、支給のときも暦の日数で掛けるんです。ですから、こっちはそうなっているんですけれども、ただ、休業手当はそうなっていない。

 月収ベースで考えるとこれじゃ生活できないと思うんですけれども、これ、どうにかなりませんか。変えたいと私は思いますけれども、いかがですか。

田村国務大臣 休業手当でありますけれども、労基法の二十六条という形で明記されております。

 これに関しては、やはり休業している最中に、言うなれば労働者の方々の生活を一定程度守らなきゃいけない、そういう要請と、一方で、企業も経営状況が非常に厳しい中で、休業を強いている中において支払う義務が生じるわけでありまして、そういう意味では、企業の存続というものもあるわけでございます。

 その両方の意見を聞いてこういうものは決定していかなきゃいけないということでございますので、そういう意味では非常に慎重に考えていかなきゃならないと考えております。

大西(健)委員 確かに企業の負担は生じるんですけれども、今は特例措置で、例えば企業だって助成率十分の十になっているじゃないですか。だから、企業はいいんですよ。

 ですから、これ、ふだんやれと私は言っていないんです。平時やれと言っていないんです。これだけ休業期間が長く、もう一年コロナ禍が続いている。こうなってくると、いや、休業手当もらっているからいいでしょうと言っても、四割ですよ、半分以下で、それで三か月も四か月も食べていけるんですか。

 だから、私は、これはやはり、このコロナに限って、何か特別な、特例的なことを考えないと、これじゃ、休業手当が出ているからいいでしょうという話にはならないと思います。これは是非検討していただきたい。

 そしてもう一つ、これ、実はまだ、休業手当が支給されている人は、言い方はあれですけれども、まだましなんです。実は、パート、アルバイトで働いている人の中で、シフトが大きく減少している人たちがいます。ほとんど部分的休業状態にあるにもかかわらず、休業手当をもらえていない、そういう人がたくさんいます。

 シフト労働者であっても、過去の就労実績等に基づいて労働日の設定を行って、それに基づいて休業手当を支払った場合には、雇用調整助成金の対象になります。また、特例措置によって、緊急事態宣言が出ている地域にあっては、大企業であっても助成率は十分の十まで引き上げていただいています。

 ところが、シフトというのは、直前になって、来週、シフトはこれねといって渡されるので、あなたたちのシフトは未定だったので、まだ決まっていない分はこれは休業じゃないから払わないよ、こういう企業がたくさんあるんです。そういうことで、休業手当がもらえない、シフト未定だから払う必要はないんだ、こういう企業がたくさんあります。

 これに対して田村大臣は、一月十五日の記者会見で、そういう場合は厚労省に連絡してきてくれというふうに呼びかけています。

 そして、厚労省は実際に二十五社、私たちも、いろいろなこういう声が届いていますよと厚労省に言っているんですけれども、そうすると、具体的に二十五社に対して、雇用調整助成金を活用するように勧奨する文書を送付した、こういうふうに言っているんですけれども、じゃ、この文書を送付して、結果、休業手当を、じゃ払いますと言った企業はあるんですか。

田村国務大臣 個別のことにはお答えを控えさせていただきますけれども、今、例えば総合雇用相談コーナーでありますとか、特別に雇用相談窓口をつくっております。こういうところで、多く、うちは払ってもらっていないというようなお話をいただいた企業には、地方労働局がお伺いさせていただき、それも労働局長レベルがお伺いさせていただきながら、そこでしっかりとお願いをさせていただきます。

 場合によっては、労働法令に倣って、いろいろなこともそこで確認していくという話になると思います。

大西(健)委員 我々は、厚労省に確認していますけれども、二十五社の中で、それで払ったところはないと聞いていますよ。

 もう一つ、じゃ、そもそもシフトがないというように言われてしまったら、それ以上厚労省は何か言えるんですか。別に違法行為をしているわけじゃないんです。シフトがないから払う必要はないんだと会社側が言ったら、それ以上厚労省は何か言えるんですか、法律的に。

田村国務大臣 通例のシフトといいますか、働き方がありますよね。仕事ですから、いろいろとその月によって入り方は違うと思いますけれども、しかしながら、通例のそういうシフトで入っている日数というものがあれば、それに関しては、常用的にというか、常態的にそういうものがあるとすれば、それが極端に減っていれば、そういうふうに対応をするということになると思います。

大西(健)委員 大臣、はっきり言われないですけれども、そう言われちゃうと、それは別に違法なことをやっているわけじゃないので、それ以上言いようがないんですよね。だから、田村大臣はいかにも救済するかのように言っていますけれども、厚労省が幾ら言ったって、払わないと言ったら払わないんですよ。それで、それは違法じゃないんです、残念ながら。そういうことが分かっていて、やることやりましたよみたいなことを言っているのは、私、より、ある意味悪質だと思います。

 私たちの元には、休業手当をもらえていない人たちの多くの生の声が寄せられています。

 例えば、大手のホテルで配膳の仕事をしている非正規の労働者の多くが休業手当をもらえていません。その中には、学生さんも多く含まれています。

 当事者の皆様の声を一部御紹介したいと思います。

 休業補償はないとホテルに言われました。生活費がありません。大変困っています。家賃が払えなくなったので、ホテルのアルバイトを辞めて実家に帰ることに決めました。母子家庭でお金に困っていて、ついに学校を辞めて、一日中働ける別の仕事を探すことを決心しました。進学のために稼ぐ手段が途絶えたことは絶望的です。支援金があれば、進学を諦めずに済みます。

 ほかには、妻が不妊治療中でしたが、メインの職場の休業補償だけではぎりぎりの生活のため、治療と二人目の子供も諦めましたという契約社員の方もいました。

 さらに、同じ大学で同じ学年、同じ時給で働いていたのに、自分が働いたホテルが中小企業だったら休業補償がもらえて、大企業だったらもらえなかった、こんな不公平ありますかと泣きながら訴えてくる女子学生もいました。

 これはどういうことかというと、中小企業では、企業が雇用調整助成金を利用して休業手当を払ってくれない場合には労働者側から休業支援金を申請することができる、今回こういうことをしていただいています。しかし、この制度は大企業には適用されません。

 緊急事態宣言による時短要請が出て、今後、大手の外食チェーンなどでも休業手当をもらえないシフト制の労働者が多く出てくることが予想されます。大企業で働くシフト労働者だけが泣き寝入りしなければならないというこの理不尽な状況を放置することは、私は許されないというふうに思います。

 昼間働きながら夜間で大学に通った菅総理であれば、そういう人々の気持ちがお分かりになるはずだと思います。私は、こうした方々を救済するために、私たちは法案を既に準備しておりますけれども、是非総理の決断で、大企業のシフト労働者であっても休業支援金の申請ができるようにしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

菅内閣総理大臣 政府としては、大企業の労働者の方々が雇用調整助成金の特例を活用いただけるよう、企業に対して丁寧に働きかけを行っていきたいと思います。

 なお、今般の緊急事態宣言に伴い、対象地域の知事の要請を受けて営業時間の短縮要請等に協力する飲食店に対しては大企業の助成率を引き上げるなど、制度を利用しやすい環境整備に努めているところであります。

大西(健)委員 確かに助成率が十分の十になっています。だから、大企業がそれで休業手当を、雇用調整助成金を使って払ってくれればいいんですけれども、実際には払わないんですよ。

 何でかといったら、十分の十の助成率だって今特例措置でやっているだけだから、その後どうなるか分からないじゃないですか。緊急事態宣言が解除されたら十分の十じゃなくなっちゃうんですよ。だから、一旦やっちゃったら、企業もまたずっと払わなきゃいけなくなるからというのがあるのかもしれません。やらない企業が悪い部分もあるんですけれども、企業のせいにしないでくださいよ。

 総理は、報道ステーションに出たときに、非正規でも雇用調整助成金をしっかりやらせていただきますと言ったんです。でも、雇用調整助成金がもらえないときには、大企業で働くシフト労働者であっても休業支援金を使えるようにしてくださいよ。何でできないんですか。これは法律事項でも何でもないし、しかも、休業支援金は予算が余っています。まだ全然使い切れていないんです。是非総理の決断でお願いします。

田村国務大臣 本来は雇用調整助成金で対応いただくというのが、これは本筋であります。

 ただ、今般、飲食というのは中小零細が非常に多い。個人事業主もあります。労務管理もできていない。そういうところで雇用調整助成金を申請できない、そういう事情に鑑みて、このような休業支援金という制度をつくって対応してまいりました。

 大企業は、労務管理もしっかりしていただいておりますし、対応できるはずなんです。その上で、この助成率を、今言われたとおり十分の十、つまり企業負担なしにまで引き上げさせていただいております。

 そういう意味では、ここでテレビをおかりして申し上げたいと思いますけれども、是非とも大企業も御負担がない中においてこれを御利用いただいて、労働者をお守りをいただきたい。そして、もしなかなかお守りをいただけないということであれば、再度、厚生労働省、それぞれの労働局がお伺いしてお願いに上がりますので、そんな中において、是非とも労働者をお守りをいただきたいというふうに思います。

大西(健)委員 それはそうですけれども、実際にもらっていない人がいっぱいいるんですよ。その人たちを見捨てるんですか。

 それと、最後にパネルを見ていただきたいんですけれども、コロナ禍は、女性就業者が多いサービス産業等が極めて大きな打撃を受けています。

 これを見ていただきたいんですけれども、野村総研の調査によると、シフト減のパート、アルバイトの女性の八割近くで収入が減っていて、資料の方ですけれども、八割以上で収入が減っていて、減っている人の二六・五%は五割以上と大きく減っているんです。

 ここで見ていただきたいのは、そういう人たちで、休業手当を受け取れない場合に労働者が申請できる休業支援金というのがあるということを知っているという人は僅か一割。しかも、知っている人でも九割近くは申請していないんです。

 まず、もう一つお願いしたいのは、これは全く周知不足です。ですから、予算もほとんど執行されていません。改めて周知を徹底していただくとともに、今月末になっている昨年四月分の申請期限を三月末まで延長していただきたい。これも、田村大臣、お願いしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

田村国務大臣 再度、昨年からずっと、そういうような、委員会で御要請をいただきながら、我々も、各経済団体、そしてまた学校等々も含めていろいろなところで、こういうものがあるということを周知をお願いし、そして都道府県でも、それぞれの労働局から、それぞれの経済団体があります、こういうところにもお願いをしつつ、SNSやホームページでこれを丁寧に御説明し、私、年末も記者会見でお願いをさせていただきました。

 周知徹底を更に図ってまいりたいと思いますが、徐々に伸びてきてもおります。是非ともこの一月末、これは一月末までが、今、期限延長の期間でございますので、是非ともその間に、これに対していろいろとお手続をいただければありがたいというふうに思います。

大西(健)委員 時間が来たので終わりますけれども、結局、企業のせいにしているけれども、じゃ、救わないんですか、この今困っている人たちを。さっき言ったように、学業を途中で諦めなきゃいけない、あるいは家に、実家に帰らなきゃいけない、子供をつくるのを諦めている、そういう人たち、生活ができなくて、休業手当ももらえなくて、実質的に今休業状態であるのに休業手当をもらっていない人たちを見殺しにするんですか。

 是非、そういう人たちに休業支援金を、私、申請できるように総理には決断していただきたいと思うし、結局、今の答弁を聞いていて私思うのは、あなたたちに彼らのことが見えていないんですよ。見えていないんです。

 ですから、総理に是非お願いしたいのは、こういう人たちに会ってくださいよ。会って直接お話を聞いてください。我々が間を取り持ちますから、会っていただけますか。総理、どうですか。会っていただけますか、総理。

菅内閣総理大臣 いろいろな方に、私、お会いをして、お話を伺っています。私自身が直接お会いできないときは、担当大臣にお会いしていただいて後でお話を伺ったり、そうしたこととかの中で対応していきたいと思います。

大西(健)委員 是非そういう人たちに会っていただいて、そして、菅総理だって昼間働きながら夜間、大学に通われた、そういう人たちの気持ちが分かる総理が菅総理だと思って、国民は期待したんだと思います。

 是非、総理、その初心に戻っていただいて、見えないと思われている人たちに、あなたたちのことが見えているよというふうに是非していただきたいと思います。よろしくお願いします。

金田委員長 この際、奥野総一郎君から関連質疑の申出があります。小川君の持ち時間の範囲内でこれを許します。奥野総一郎君。

奥野(総)委員 立憲民主党の奥野総一郎でございます。

 立憲民主党は、共産党とともに、この予算の組替えの動議を、この委員会で後ほど動議を出させていただきますけれども、このパネルを御覧ください。

 今年のこの補正予算の総額、十九兆二千億ということが経済対策費として計上されています。そのうち、コロナウイルスの対策は僅かに四兆三千億です。ほかは、ポストコロナ、それから公共事業の関係なんですね。赤字の部分は、我々が、これは来年度予算に送ればいい、来年度予算の中で検討すればいいと考えている項目であります。

 やはり目立つのがGoToトラベルです。再三、この委員会でも、GoToトラベル、取り下げるべきじゃないかと皆さん言ってきました。

 総理にまた伺いたいんですが、先ほど大西委員が西浦先生の話をされました。昨日も今日もお見えいただけなかったんですよね。国会の中の理事会の中で、民間人は呼んじゃいけないというんですが、民間人なんでしょうか。アドバイザリーボードの委員ですから、民間人とは言えないと思うんですよね。是非、西浦先生に来ていただきたかったんですが、残念ながら、お見えいただいておりません。

 その西浦先生の研究で、先ほど大西委員が少し触れましたけれども、GoToトラベルの開始後に、旅行に関連する新型コロナウイルス感染者が最大六から七倍増加したとの分析結果を海外の雑誌に発表したというんです。六、七倍ですよ。すごい数なんですよ。この研究のとおりだとすれば、GoToトラベルはやめなきゃいけなかったんじゃないですか。

 総理、伺いたいんですが、この研究についてどう思われますか。GoToトラベル、停止が遅れたと思いませんか。総理ですよ、総理。

    〔委員長退席、山際委員長代理着席〕

西村国務大臣 先ほど総理からも答弁されましたけれども、一つ一つの研究について何かコメントすることは私どもしておりませんけれども、いろいろな研究を私ども見ております。また、先ほどのマスクの指摘があった、あれも私どもの予算でスパコンを使ってやっておりまして、いろいろな整理をし、時々に公表しているところであります。

 その上で、この件について御質問でありますので申し上げれば、これは研究者自身、西浦先生自身が書かれていますけれども、これは旅行や観光等の行動履歴を分類しており、GoToトラベルの利用者か否かを分析したものではない。それから、この七月二十二日から二十六日は四連休を挟んでおりますので、そもそも観光の活発な時期であることなどから、著者自身が、我々の分析は、観光キャンペーンと日本におけるコロナ発生率との間の因果関係を断定するには余りに単純化し過ぎているというふうに御自身が書かれておりますので、そういったことも踏まえて、私ども、様々な研究を受け止めながら対応していきたいと考えております。

奥野(総)委員 断定はしないけれども、事実として増えたと言っているわけですよね。最悪の状況を、やはり総理たるもの、頭に入れておかなきゃいけないんじゃないですか。

 総理、この論文、概要でも読まれましたか、聞かれましたか。

 それから、ちょっと聞き方を変えたいと思うんですが、勝負の三週間とおっしゃっていましたよね。勝負の三週間は、総理は成功したと思われていますか。反省点はありますか。これは総理がお答えになるべきなんですけれども、どうですか。

 総理ですよ。総理として、しっかり、総理ですよ、総理としてお答えいただきたい。勝負の三週間とおっしゃったわけだから。総理ですよ、最高責任者ですよ、総理。

 いや、ここは、なぜこれを聞いているかというと、私は別に過去のことをとやかく言おうとは思わないんですが、ここに予算がついていますよね。予算がついている以上、これ、年度内にやる可能性があるとおっしゃったじゃないですか。

 慎重にやらなきゃいけないんですよ。過去の反省点をしっかり分析をして、西浦さんの話は聞きたくないかもしれないけれども、こういう先生の言うこともちゃんと耳にしながら、きちんと分析をして、じゃ、いつGoToトラベルを再開していくかということを判断しなきゃいけないんです。

 だからこそ、勝負の三週間、なぜあの時期、あの時期は停止しなかったじゃないですか。GoToトラベルを、三連休、じゃんじゃんやったじゃないですか。そのことについてどう考えるかと総理に伺いたいと思います。総理ですよ。逃げないで。

菅内閣総理大臣 当時、北海道と大阪については、三段階でありましたので、そこは止めるべきだという委員会の考え方の下で、大阪と北海道については、そこは止めさせていただきました。

 そして、GoToについて、いろいろ先ほど来御批判いただいていますけれども、元々、昨年の七月の半ばでありました。地方において、ホテル、旅館、さらにはバス、タクシー、さらに、鉄道や飛行機もそうですけれども、せいぜい、当時の稼働率は対前年比三割とか二割で、ホテル、旅館は二割を切っていたんです。そういう中で、地方経済がまさに立ち行かなくなってきている、そんな状況の中でGoToトラベルは始めさせていただきました。

 GoToトラベルについては、八千万人の方が延べ御利用いただいて、経済効果として五兆円、そして、いわゆる雇用として四十六万人の効果がある、こうしたことも言われていることであります。そして、ホテル、旅館の稼働率は七割ぐらいまでに来たんです。

 そういう中で、当初は、移動によって感染はしないという見解をいただいて、私ども、スタートしました。しかし、たしか去年の十二月の十四日ですけれども、コロナ感染が拡大し始めて、たしか医師会の会長が、エビデンスはないけれども脇を甘くしている、そういう発言があったと思います。そういう中で、私は、十二月十四日に、年末年始についてGoToトラベルは全国一斉停止するという決断をさせていただきました。

 そういう意味において、全体として、専門家の委員の意見を聞きながらそこは行ってきておるところであります。それは分科会の方針でもありましたので、そうしたことについては、私自身、決断をして行いました。

 そして、GoToトラベルは、十二月十四日に私が発言したときに、尾身会長も、そこまでは想定外のことだったということも言っていただいたことも事実であります。

 そして、これからどうするかということでありますけれども、そこら辺については、コロナの感染状況を見ながら、そこはしっかりと対応していきたいというふうに思います。

    〔山際委員長代理退席、委員長着席〕

奥野(総)委員 今、医師会長の話とか、そういう話を引かれてお話しになりましたけれども、総理の認識がよく分からないんですよ。専門家がこう言っていましたという話ばかりで。

 総理はどう思われたか。例えば、この勝負の三週間の評価ですよね、成功したと本当に思われているのか。あるいは、今、当初は人の移動による感染はないと思っていたとおっしゃいましたが、じゃ、今はどう思われているのか。

 これは大事なことだと思うんですね。人の移動がもし感染拡大に、この西浦さんの論文もそうですけれども、関係しているとすれば、早急なGoToの解除というか執行というのは避けるべきだということになりますし、過去の反省、今なぜこうなっているかという分析は非常に重要だと思いますし、総理は最高権力者ですから。

 十二月十四日、覚えていますよ。十二月十一日の予備費の執行のときにGoTo予算がついたんですよ、三千億ですよ。腰を抜かしそうになりましたよ。十二月十一日に、年末年始のGoToトラベル予算を予備費で三千億もつけると。聞いたら、年末年始にGoToトラベルで金が足りなくなるからという話だったんですよね。十二月十一日ですよ。それが、僅か三日後、総理の御英断とも言えるんでしょうけれども、ひっくり返ったわけですよ。総理が決めれば動くわけですね。だからこそ、総理の認識は物すごく大事なんです。それを今問うているんですけれども。

 じゃ、人の動きで感染が広がるのかどうかということ、それから、もう一度、勝負の三週間については、何がまずかったからこんなに感染が拡大したのか、あるいは別の要因なのか。もう一度、はっきり伺いたいと思います。総理です。総理の認識を問うているんですよ。

菅内閣総理大臣 やはり飲食を、今は八時から、時間を短縮させていただいています。そこの部分が甘かったのではないかなというふうに思っています。当時たしか十時ぐらいですよね、首都圏については。そういう状況だったというふうに思っています。

奥野(総)委員 今の御答弁だと、やはり人の動きは関係していない、飲食が原因だ、会食が原因だと。そうおっしゃりながら自ら会食もされていたわけですけれどもね。ということになるわけですよ。

 でも、これ、もし間違えて、いや、本当に予算をつけて、先ほど辻元委員からもありましたけれども、GoToの予算ってまだ実は四千億ぐらい残っているんですよ。執行しているのは四千億だけで、キャンセル料を払っても、実はまだ一兆円残っていて、キャンセル料を払って四千億になるんですけれども、それに更に一兆一千億ですよ。皆さん、補正予算というのは三月三十一日までに使わなきゃいけないんですよ。三月三十一日までにGoToのお金を一兆五千億も使いますか、総理。

 これは間違ったメッセージになるんじゃないですか。今の話を国民が聞いたら、動いていいんだ、田舎に帰っていいんだと思いませんか。春先の緊急事態宣言は厳しかったんだけれども、効果が上がったのは人の動きが止まったからじゃないですか。あのとき八割削減と言っていましたけれども、今言わないじゃないですか。もっと厳しい措置が必要なんじゃないですか。

 とりわけ、変異株の話も出ていますから。イギリスはロックダウンしていたって広がっているわけですよ。アメリカはこれから、CDCは、三月には変異株が主流になると言っているわけですよ。ここで緩めちゃまずいんじゃないですか。そんなときにGoToなんて言っている場合じゃないじゃないですか、総理。撤回すべきですけれども、どうですか、この予算。

菅内閣総理大臣 コロナ対策には、徹底してコロナ対策を実行することのできる予算を確保しております。そしてGoToと、さらには国土強靱化とか、あるいはグリーン、デジタル、経済対策に対しての予算を計上させていただいているところであります。

 いずれにしろ、コロナの感染拡大を、最優先で今、私どもはかじを切って行っているわけでありますから、そこをしっかりとまずはやり遂げる、そこが優先だというふうに思っています。

奥野(総)委員 この質疑、皆さん、覚えておいてくださいよ。

 いや、このまま収まればいいですけれども。こういう認識だから、後々禍根を残すかもしれません。結果責任ですからね、総理。総理が一生懸命やっているのは分かりますよ。お疲れなのも、顔色を見れば分かります。遠慮したいところだけれども、国民の命が懸かっているんですよ。だから、私も心を鬼にして申し上げているんですね。

 ちょっと話が、今コロナ対策の話になりましたけれども、予算が少な過ぎませんか。

 経済対策を膨らませるというのは従来からよくやっているんですよ。これは平時の発想ですよ。経済対策に公共事業を積んだり基金を積んだりというのは、平時の発想ですよ。分かりにくいんですよ。今コロナなんですよね。コロナ対策にもっと、英断でこの予算を積み増すべきじゃないんですか。十兆ぐらい、これに積み増したらどうなんですか、総理。

菅内閣総理大臣 まず、コロナ対策ですけれども、病床の確保だとか、雇用、事業の支援、そうした予備費も十分確保しており、しっかりと対応できる予算になっています。

 詳細については、財務大臣から説明させてください。

麻生国務大臣 コロナ対応に係る予算額という御指摘なんだと思いますが、これは様々な捉え方がありますので、奥野先生御存じのように、これを一概に申し上げるようなことは困難だと思いますけれども、感染拡大防止策に係る経費という意味では、四兆四千億ということになっていますわね。

 ただし、新型コロナ感染症の影響を踏まえて経済対策を策定して、その中に、中小企業向けの資金繰り対策支援等々で三兆二千億とか、雇用調整助成金の特例措置が五千億ついておりますでしょう。そして、緊急小口資金等の特別措置に四千億円等々。

 新型コロナによります雇用とか経済への影響というものを直接的に緩和する、そういった施策だけではなくて、いわゆる様々な需要を追加するとか、また、経済や雇用への影響等々を考えて間接的に緩和する施策、また、コロナ危機を契機に浮き彫りになった課題というものがいろいろありますので、それに対応するための施策としていろいろ盛り込んでおりますが、その意味では、三次補正予算で追加した経済対策関係経費、十九兆円というふうになりますけれども、それ全体がコロナ対応であると言えるということもあり得ますよ。

奥野(総)委員 そうおっしゃるけれども、じゃ、例えばカーボンニュートラルの基金ですよね、これは二兆円なんですけれども、新聞の記事によれば、総理が主導したとありますよね。お手元の資料、皆さんにお配りをしていますけれども、こういう新聞記事ですけれども。

 こんなふうに書いてありますが、基金の規模は二兆円か一兆円かをめぐり、政府内で激論が交わされました、しかし、首相は初めから二兆円に固執し押し切ったというんですが、これはコロナ対応なんですかね。

 今、経済対策、何かこれを全部コロナ対応だとおっしゃいましたけれども、これはコロナ対応なんですか。この二兆円って総理が主導されたんですか。どういう意図で、何でこんな額になっているんですか、総理。

菅内閣総理大臣 まず、世界的な脱炭素化、その流れの中でカーボンニュートラルを宣言いたしました。まずは基金を設立し、投資喚起や雇用の増加につながるプロジェクトの立ち上げ、そうしたものを速やかに行っていく必要があると考えました。また、基金による支援と併せて、税制や規制改革、新技術普及のための標準化とか国際連携、そうしたものを総動員をし、民間の大胆な投資とイノベーションを促して、カーボンニュートラル社会実現に向けた、まさに構造の大転換を行いたい、そういう思いで二兆円にさせていただきました。

奥野(総)委員 総理主導だというのはよく分かって、思いもよく分かったんですが、ちょっとタイミングがずれていませんかね。

 この二兆円って、これから十年間にわたって基金というのは自由に使えるんですよ。NEDOという昔の特殊法人、今の独立行政法人に二兆円、年度内に使えというんだから、年度内にぽんと、三月三十一日までに二兆円、ぽんと行くわけですね。それが、これから十年、好き勝手に使えるようになるわけですよ。総理、これはチェックできますかね。

 この記事にも書いてあるんですけれども、本当かどうかは分かりませんよ、内情を知る政府関係者はこう言っている、実態は、脱炭素政策に不満の産業界をなだめ、上辺の協力を引き出すためのいわば迷惑料だ、こういうことを言っている人もいるわけですよ。

 基金については、従来から行革会議なんかも、やめましょうと。政府の方針として減らしていこうということになって、毎年毎年減ってきているわけですよ。資金の国庫返納なんかも行政改革推進会議がやっているんですよね。なのに、なぜ今基金なのか。しかも、なぜこの時期なのか。

 これは悪用もできるわけですよ。ここにも書かれていますけれども、あるメーカーは基金から百億円を引き出し、三十億円はエネルギーコスト縮減の、成否不明の研究費に回すとして、残りはもらい得でしょうと。これはチェックが利かないから、本当につかみ金で、渡しちゃうわけですよ。

 財政統制をかけるんだったら、毎年毎年、例えば二千億、一千億、この国会で審議すべきじゃないですか。経産省の予算って大体一兆二千億、三千億しかない。その二年分ぐらいのお金を、僅かこの二日の審議で通しちゃうわけですよ。

 総理、どさくさ紛れに、これ、おかしくありませんか。来年度、カーボンニュートラルは私も大事だと思います、もっとゆっくりやればいいじゃないですか。なぜこのどさくさ、このコロナの大変なときにやって、しかもこれがコロナ対策なんですか。ということで、これも撤回していただきたいというふうに思います。

 だんだん時間もなくなってきましたけれども、医療の話。こういうお金を、例えば医療に回せばいいわけですよ。

 これは我々のお金の使い道ですけれども、御覧いただきたいと思います。

 医療のところですけれども、全体で、総額で十七兆九千億積むことになっていますが、医療のところ、減収分の補填、それから慰労金ですよね。我々は、医療、介護、障害福祉、保育従事者などにも、皆さんにも慰労金をお渡ししようということで、これで大体三兆円なんですね。今のGoToとそれから基金を合わせれば三兆円なんですよ。医療にこれを回したらどうですか、総理。

 昨日、総理、御自分で、コロナで影響を受けるような医療団体には保証をしていく、医療機関が減収にならないよう政府が保証したいと明確におっしゃったんですが、これは減収補償されるんですか。昨日はいろいろとおっしゃってよく分からなかったんですが、もう一回確認したいんですが、減収補償されますか。

菅内閣総理大臣 まず、医療機関にはこれまで三・二兆円、三次補正で一・四兆円、この支援をいたします。

 また、新型コロナを受け入れる医療機関に、それによって損失を被ることがないように、そこは政府が責任を持って対応いたします。

奥野(総)委員 これは昨日、長妻委員の答弁のときに出ていましたけれども、二・七兆のうち執行されているのは僅か一・一兆なんですよ。四割しか執行されていない、目詰まりがあるわけです。今回上積みされますけれども、これは迅速に執行できるように是非お願いしたいんですね。

 それから、よく総理がおっしゃる、一床当たり最大千九百五十万円、昨日もおっしゃっていましたけれども、中等病床には四百五十万、これは去年の予備費で入ったんですね。私と辻元委員で予算の理事懇で言って、年末に入ったんですよ。十二月二十五日かな。じゃ、この執行状況を御存じですか。

 二千七百億ぐらい、たしかお金がついたんです、二千六百九十三億か、ついたんですが、これはできるだけ迅速にと言ったんですよ。三分の二を人件費に回せるから、要するに慰労金の代わりだという説明を受けたので、できるだけ迅速にやってくださいと。分かりました、国が直接執行する、さっき言った包括給付金は自治体をかませるから遅いんだ、だけれども、今度は国が執行するから三週間後にはついていますという話だったんです。

 もう三週間たっているんですが、これは幾ら執行されているか答えられますか。短く、それだけ、時間ないから。

田村国務大臣 病床確保のための緊急支援でありますけれども、二千六百九十三億円、予備費でこれを用意いたしまして、今、申請件数七十八件、交付決定数は二十件という話であります、千床分という話でありますけれども。まだこれは始まったばかりでございますので、今、どんどんどんどん要請が来ております。

 あわせて、使い勝手が悪いという話もございました。人件費に、これはいろいろなものに使えるという話なんですが、コロナを担当しているということで医師、看護師というふうに誤解されている方もおられますけれども、事務員も含めて、コロナに関わる部分に関しては幅広く見れますし、上乗せ部分だけではなくて、元々の根元の給与にも使えますので、そういう意味では、非常に弾力的な運用をしていただくべく、皆様からいろいろな御意見をいただいておりますので、我々もいろいろな形で改善いたしております。

奥野(総)委員 私が伺ったところは、一月十三日現在で、交付決定五件、三億円しか行っていないんですよ。五件、三億円ですよ。本来なら年末年始にお金が要るところを、この時期になってもまだこれだけですよ。で、二月にはもう締切りですよね、年度内なんだから。これは予備費だから年度内、繰越しできませんからね。という状況なんですよ。

 総理、よく考えていただいて、もう一回きちんと、慰労金とそれから損失補償、どうお考えですか。政府の施策がワークしていないわけですから、是非お約束いただきたいんですが。

菅内閣総理大臣 先ほども申し上げましたけれども、コロナ患者を受け入れてくれる医療機関、また関係する機関で損失を被ることがないように、ここは政府が責任を持って対応させていただきます。

金田委員長 時間が参りました。

奥野(総)委員 最後ですけれども、この組替えを是非やっていただきたいということをお願いし、それから、政治と金の問題、本多委員がやりました。今日、安倍さん、安倍前総理をここに呼んでいますが、来ていただいていません。世論調査を見ても、八割の国民が、安倍前総理の説明に納得がいかないというふうに申しております。

 ということで、政治と金の、これから本予算に入っていきます、時間もありますから、集中審議を求めて、私の質疑を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

金田委員長 これにて小川君、江田君……(発言する者あり)今の件ですか。

 理事会で協議をいたします。

 これにて小川君、江田君、長妻君、岡本君、今井君、後藤君、篠原君、辻元君、本多君、大西君、奥野君の質疑は終了いたしました。

 次に、笠井亮君。

笠井委員 日本共産党の笠井亮です。

 菅総理は、今回の緊急事態宣言に際して、飲食店での感染防止が重要だということで、営業時間短縮を要請するとして、一日六万円の協力金、取引先には最大四十万円の一時金を出すと言われました。しかし、一日六万円ではとてもやっていけない、これが多くの声であります。

 東京北区赤羽の居酒屋さんはこう言っております。持続化給付金、家賃支援給付金で助かってきたが、これだけでは足りない、従業員には雇用調整助成金も活用したけれども、自腹を切ることもあり、公庫からの借入れを赤字補填に充てている、家賃や水光熱費など二百万円の固定費負担が重くのしかかる、早く収束してほしいから感染防止には協力したい、せめて月々の固定費さえ補償してくれればみんな安心して休める、こう言っています。

 菅総理、この声をどう思われますか。

西村国務大臣 飲食店の皆様には本当に大変厳しい状況にあること、私どもよくいろいろな声をお聞きをしているところであります。

 その上で、皆さんに要請に応じていただけるよう、今回、一日六万円ですから月額換算百八十万円の協力金を支給をしていくこと、そして、今お話ありましたけれども、雇用調整助成金で、パート、アルバイトの方を含めて一人最大三十三万円まで全額国が休業手当を助成するということでありますので、東京都内であってもかなりの部分を私どもカバーできるということで認識をしております。

 厳しい状況だと思いますけれども、是非踏ん張っていただければというふうに考えています。

笠井委員 それじゃ足りないという声なんですよ。

 都内のもつ鍋屋さんは、夕方五時開店なので、夜八時までだったら開店休業と同じだ、歌舞伎町でも休業しかない、あちこちで廃業を考えるという声です。しかも、その上でランチの自粛まで呼びかけたことに、外食チェーンの社長はふざけんなよと怒っています。一日六万円では感染拡大を食い止める実効ある支援策とは言えないのではないか、それぞれの事業規模や実態に応じた支援をやらないと駄目です。

 もう一つは一時金です。

 飲食店の取引先といっても、酒屋、氷屋、おしぼり、クリーニング、広告、メンテナンスなどから、全国各地の米、野菜、果物、あるいは、和牛、豚、鳥肉なども需要が激減している、魚介類も出荷できずに半値以下、漁船の油代や養殖の餌代も出ない、四十万円はスズメの涙、焼け石に水にもならない、廃業しかないという声ばかりであります。しかも、コロナ感染拡大の影響はあらゆる業種に及んでいます。飲食店を起点にした取引先に限定的とか集中的と線引きなどできない。

 総理、売上げの減った全ての業種への十分な補償こそ今必要になるんじゃないですか。総理、どうですか。

梶山国務大臣 一時金は、緊急事態宣言の再発令により売上高が大幅に落ち込んだ中堅・中小事業者に対し、使途に制限のない現金を支給するものであります。

 飲食店の時短営業や不要不急の外出、移動の自粛により影響を受けた事業者は対象になり得ると考えており、対象地域としては、緊急事態宣言の地域以外で事業活動を行う事業者も要件に合致する限り対象になると考えております。対象となる業種も、制限は設けずに、人流減少の影響を受けた事業者は要件に合致する限り対象となる方向で今検討しているところであります。

 緊急事態宣言の再発令の状況を踏まえて具体的な制度設計に着手したところでありまして、要件の詳細については、制度を具体化する中で検討してまいりたいと思いますし、皆さんの御意見も参考にさせていただきたいと思っております。

笠井委員 これだけ総理に呼びかけた問題なのに、総理は立とうとされないんですよ。本当に、実態が分かっていないんじゃないかと思います。今言われたけれども、コロナの感染拡大の影響は本当に全体に及んでいるんです。

 飲食店三八%が廃業を検討する、潰れたら、関連とか、もう全国だって大変な影響を受ける。加えて、一時金は緊急事態宣言の十一都府県の飲食店と取引している業者に限っております。

 総理にこれは答えてもらいたいんですが、一月十九日には、北海道から沖縄まで十三道県の知事が連名で、中小業者への一時金の対象に独自に営業時間短縮などの要請をしている道県も加えるように政府に申し入れております。なぜ、総理、これに応えないんですか。

梶山国務大臣 私どもも十三道県の知事の要請を受けております。

 そういった中で、政府としては、ステージ4に向けて感染が拡大している地域において、飲食店の時短、時間短縮など、同じ四つの対策を講じる場合に宣言対象地域に準じた支援を行うこととしております。

 こうした地域に対しては、一時金のみならず協力金の単価引上げなども一体的に講じることとしており、コロナ特措法担当大臣を中心に、政府全体として対象地域を判断をしていくこととなります。

 感染状況なども踏まえれば、現在、準ずる支援を行う地域として認められた地域はないと承知しておりますが、引き続き、感染状況を注視して、コロナ特措法担当大臣とともに連携しつつ対応してまいりたいと考えております。

菅内閣総理大臣 今回の緊急事態宣言では、これまでの経験を踏まえて、飲食店の時間短縮などの強力な対策を行っており、飲食店への協力金や、そうした措置の影響を受ける事業者への一時金を支給することにしています。

 さらに、多くの事業者にとって重要な資金繰りへの支援、雇用調整助成金の特別措置による人件費への支援を行っています。

 こうしたことによって企業や雇用を支えていきたいと思います。

金田委員長 時間が参りました。

笠井委員 限定的とか集中的とか、そんな形でこういうふうにやるから問題になっちゃうんですよ。

 全国にわたって、コロナ禍、大変な状況で、ステージ4があちこちあるわけですから、そういう点では、コロナ禍で苦しむ全ての事業者を対象にして十分な補償こそ行うべきだと。

金田委員長 時間が参りましたので、よろしく対応をお願いします。

笠井委員 午後の再開後は、持続化給付金について質問します。

金田委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時一分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

金田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。笠井亮君。

笠井委員 午前に引き続いて、日本共産党の笠井亮です。

 政府の三次補正予算案の最大の問題は、総理が昨年十二月、緊急事態宣言は検討していないと明言していたときに編成されたものだということであります。コロナ収束が前提のGoTo事業を継続する一方で、事業者への直接支援が打ち切られています。これで二月、三月を乗り越えられると言う方がおかしいと強く言いたいと思うんですね。

 そこで、総理に伺います。これは通告していますから、今度はきちんとお答えいただきたい。

 今回の緊急事態宣言に当たって、政府は、昨年春の宣言のとき並みのことを徹底できれば感染拡大防止に効果があるというふうに自粛要請を行いました。少なくとも、昨年春並みと言うなら、なぜ、そのために実施してきた持続化給付金と家賃支援給付金を打ち切るんですか。総理、いかがですか。

菅内閣総理大臣 これまでの経験を踏まえて、今回の緊急事態宣言では、専門家が対策の急所と指摘します飲食店の営業時間短縮などの強力な対策を行うことにより、飲食店への協力金や、そうした措置の影響を受ける事業者への一時金を支給をすることにしております。

 その内容については担当大臣からお答えさせます。

笠井委員 これは、飲食店にとどまらず、緊急事態宣言の影響を受けるのは、もう全ての業種に及ぶということであります。午前もやりました。

 昨年春の宣言で売上げが激減して、減少して、給付金を支給された中小、小規模、個人事業主、あるいはフリーランスは、何とかしのげた、やっと取引先に払えたという声があのとき上がったものです。今打ち切ったら、自粛に耐えて頑張ろうとならないと。

 政府は、確認しますけれども、申請期限を一か月延長しましたと言いましたけれども、一か月延長してそれで給付金は終了ということは間違いないわけですか。

梶山国務大臣 持続化給付金及び家賃支援給付金の制度概要や申請期限などについては、申請の受付を開始してから、事務局ホームページや新聞広告などで周知を行ってきたところであります。

 一月十五日が本来の締切りということでありますが、申請期限が近づく中で、事業者の皆様から御要望いただいたことを受けて、昨年末と本年一月の二回にわたって申請書類の提出期限を延長いたしました。年末年始のお休み、そして今回の緊急事態宣言等で書類を、証憑類を集めることも難しい業者の方もおいでになるということで、一か月延長したということであります。

 これは、昨年の四月から始まって、そして十二月まででこの制度については終了ということであります。

笠井委員 終了するということであります。打ち切るということだ。延長すべきはGoToではなくて給付金ではないか。

 昨年四月に持続化給付金を決めた際に、安倍総理は、固定費の地代、賃貸料の半年分を給付すると趣旨を説明されたわけです、この場で。耐えてくれと給付した半年分もとっくに消えていると。東京のある印刷業者の方は、昨年四月に売上げが五〇%以上ダウン、二百万円の給付金を受けたけれども、消費税、払った額が二百九万円余も納めて消えてしまった、とても足らないという声であります。その上、再度の緊急事態宣言で時短と自粛、イベント人数の制限を要請しながら、総理、給付金を打ち切る理由なんかないんじゃないんですか。いかがでしょう、総理。総理。

梶山国務大臣 先ほど総理からも御説明がありましたように、集中的に人の流れ、そしてまた飲食の時短という形で成果を出していこうということでありまして、それに影響される事業者に対して一時金を出すということであります。

 そして、その一時金は、基本的には納入業者ということになりますし、また、その関連であれば地域や業種を問わないということであります。

笠井委員 午前の質疑でもやりましたけれども、協力金とか一時金というのは、本当にスズメの涙にもならない、焼け石に水にもならないというものであって、何にも代替にならないというのが現場の皆さんの声ですよ。しかも、業種は飲食業に限らず、影響はもう全国、全業種に及んでいる。長引くコロナ禍で、中小業者の皆さんは瀬戸際です。

 パネルを御覧いただきたいと思います。

 東京商工リサーチによりますと、昨年、全国で休廃業、解散したのは、前年比でとにかく一四・六%増ということで、ここにありますけれども、四万九千六百九十八件ということであります。調査を開始した二〇〇〇年以降で過去最多、従業員数でいいますと十二万六千五百五十人にもなります。収束が長引いた場合に廃業を検討するというふうに中小企業が答えた割合というのは、この調査では、昨年十一月の七・六九%から十二月は八・〇八%ということで再び悪化をいたしました。全国の中小企業は三百五十八万社ありますけれども、それに当てはめると約二十九万社にもなるというのがこの数字であります。

 総理に伺いますが、中小企業はこのコロナ禍で崖っ縁にあるという認識はおありですか。

菅内閣総理大臣 昨年の中小企業の休廃業、解散件数は、まさにコロナの影響が長引く中で、先行きの見通しづらさ、そうしたこともあって、今指摘いただいていますように、約五万件、過去最多になったというふうに承知しています。

 こうした背景には、経営者の高齢化だとかあるいは後継者不足といった構造的な要因もあり、新型コロナ対策としての資金繰り支援などの取組とともに、税制や補助金など円滑な事業承継を取り組んでまいりたいと思います。

 また、詳細については経産大臣から答弁させます。

笠井委員 深刻なことにあるということで、今、過去最多ということはお認めになった。しかし、だからといって、高齢化しているから事業転換しろとか、今本当にあえいでいる中でそれを今やれという話なのか、それどころじゃない、まずつないでくれというのがみんなの思いだと思うんですよ。倒産よりも前に、諦めるという休廃業が増えています。

 さらに、中小企業家同友会の緊急調査では、今回の緊急事態宣言の経営への影響というのを聞きますと、八割以上がとにかくそれが及んでくるということで中小企業は答えている。文字どおり、大量廃業の崖っ縁にあるわけであります。

 そういう中で、今緊急に支えるべきは、一社も潰さない、一人も路頭に迷わせないと必死に踏ん張っている全国の事業者の皆さんではないか、中小業者の皆さんではないか。

 全国知事会は、一月九日の緊急提言でこう言っております。持続化給付金や家賃支援給付金の再度の支給や要件緩和、これが必要だということを求めています。そして、全国でも、岩手県の奥州市、高知県の南国市、香美市議会などから意見書も出されて、中小企業家同友会、全国商工団体連合会、全商連も、この継続、拡充を求めております。

 総理に伺いますけれども、第三次補正予算案というのは、今すぐ緊急に必要なものに組み替えて、再度、給付金を支給する第二弾こそ実施すべきではないですか。いかがでしょうか、総理。

菅内閣総理大臣 まず、知事会からそういう御提言があったことは承知しています。

 これまでの経験に踏まえて、今回の緊急事態宣言というのは、専門家が対策の急所と指摘する飲食店の営業時間短縮などの強力な対策を行うこととしており、飲食店への協力金や、そうした措置の影響を受ける事業者への一時金の支給、こうしたことにさせていただきたいというふうに思っています。

笠井委員 午前からやりました、先ほども言いましたけれども、それじゃ足りないというのがみんなの声なんですよ、だって影響は全国にあるんだから。本当にそこに的を当てて、そこをやれば全体が浮き上がってくるという状況にならないと。

 資金繰り支援なんか、やるんですという話もあるけれども、今、コロナ禍で弱っている業者の皆さん、これ以上借りられないし、そして金融機関も貸してくれないんですよ。そういうときに何をやるかということが本当に求められているんだと思います。

 財政制度審議会は、昨年十一月二十五日の予算編成に関する建議という中で、持続化給付金や家賃支援給付金をやり玉にして、支援策の長期化はモラルハザードを生む、新陳代謝を著しく阻害する、こんな冷酷なことを言って、そしてこの給付金の制度を予定どおり終了というふうに提言をして、そして政府は、そのとおり、今総理も言われたような、これを打ち切るということでやろうとしているということであります。

 しかし、その提言は去年の十一月の末です。その後、事態は急変したんじゃないか。年末から感染が爆発的に拡大して、状況が全く変わった。総理は、だから再び緊急事態宣言を発令をして、国民に自粛要請したんですよね。なのに、いまだに財政審の建議と同じ認識でいらっしゃるのかどうか、これを伺いたいと思います。

麻生国務大臣 持続化給付金及び家賃支援給付金、これは新型コロナのいわゆる経済に与える影響がまだ未知であった時代に、迅速な給付が必要なことから、一律に給付を行わせていただいたものだと記憶をしております。

 今回は、営業時間の短縮要請に応じていただいた飲食店への協力金、また緊急事態宣言を踏まえた無利子無担保融資の無利子枠の引上げ、またポストコロナに向けた取組を行う事業者に対する支援など、効果的な措置を講ずることといたしております。また、持続化給付金の申請期限の延長なども行っているということだと思っております。

笠井委員 期限の延長をしたって、もう来月で切るとさっき答えたんですよ。

 大体、去年のときよりも事態がもっと深刻になっている、長期化している。半年もってくれと言ってもたなくなっている下での話なんですよ。

 事業転換があると言ったけれども、コロナ禍で、何が今事業転換かと。コロナで本当に歯を食いしばっている事業者に対して、こんなときに転換しろ、したらやってあげますよみたいな話で済むのかということなんですよ。

 私が聞いたのは総理の財政審の建議に対する基本認識なんだけれども、それについてはお立ちになろうとしない、お答えになろうとしない。そんな形でやっているというのは、全く本当に、国民のことを考えているのかと言わざるを得ないと思います。

 緊急事態宣言の真っただ中に持続化給付金などを打ち切りながら、三次補正は、GoTo事業に一兆円以上、そして、国土強靱化など、ポストコロナと今財務大臣は言われたけれども、それに十九兆円中十五兆円も充てると。

 総理自身、一月十三日の記者会見では、感染対策に必要なことはあらゆる手段を尽くして取り組むと言われましたよね。だったら余りにピンぼけじゃないですか、今やっていること、やろうとしている予算。全く違うんじゃないですか。

菅内閣総理大臣 コロナの感染拡大を阻止するために必要な予算というのはしっかり用意をさせていただいて、その対策につきましても、今回については、まさに飲食というピンポイントの中で対応させていただいているということであります。

笠井委員 四兆円ですよ。しっかりしたって、ずっと先ほどから野党で、立憲民主党も質問されました、これじゃ足りないというのがもう実際の現実じゃないかと。それを、必要なことはしっかりやっていますと言って、それよりはるかに多い額をGoToを始めとしてコロナ後ということで使おうとしている。

 やはり、年度内に緊急に必要なものに充てるのが補正予算です。三次補正を抜本的に組み替えて、コロナ対策以外の緊急性、必要性のない項目は削って、医療補償と、それから検査の拡充、生活困窮者の支援、事業者への直接支援に集中すべきことを強く求めておきたいと思います。

 しかも、給付金の打切りだけじゃありません。持続化給付金の申請期限は二月十五日まで延長されたけれども、それでおしまいにするという話が先ほど大臣からもあったけれども、これを申請しながら、何か月も待たされて、一回も給付されない事業者が全国に二十九万余りもいるということを、総理、御存じですか。総理、御存じかどうか。総理。

菅内閣総理大臣 詳細については承知はしておりません。

笠井委員 一回も届いていない人たちがたくさん、二十九万もいるということを承知していないというのが、今、この国の総理なんですよ。

 梶山大臣は、必要とする誰一人取り残さないという立場で柔軟に対応すると繰り返し答弁されてきました。ところが、いまだに私の事務所にも、書類不備ではねられ続けているという相談が連日ひっきりなしで、今日もあります。申請期限延長でも救われない。放置していいんですか。

梶山国務大臣 できるだけ柔軟に対応してきた思いであります。

 これまで持続化給付金、約四百十一万件、五・三兆円をお支払いしております。家賃支援給付金に関しては約八十八万件、七千七百億円をお支払いしているという中で、今の書類の不備の件でありますけれども、例えば、五月から、要件を満たさないような書類、書類がそろっていないというような状況の中でやり取りをしている、そして応答がないものもある、そういったものに関しても、もう一回やり取りをするという中でさせていただいているわけでありますから、その中でも五千件ほどお支払いをさせていただいております。

 先ほどの二十九万件というお話でありますけれども、この中には振り込み準備中のものもあり、まだ現金が届いていないというカウントで二十九万件ということでありまして、不備対応の中身の取下げというものもあります。先方から取り下げたものもあります。そういったもので二十九万件ということであります。

笠井委員 柔軟対応だったら、なぜ長期未入金という方がたくさんいるのかという問題なんですよね。

 例えば、開業届の受領日付というのが、昨年五月一日までの税務署の受取の収受印がないと不備扱いにされるというふうにされています。コロナ対応で当の税務署の方は、ちょうどそのときまだ緊急事態宣言だったから、提出期間の延長を認めて、新規開業から一か月を過ぎていても正式に受理しているんですね。ところが、税務署がオーケーと言っているものを経産省、中企庁は駄目ということで取り扱っている。これはおかしいと思いませんか。

梶山国務大臣 委員会等を通じて、個別のいろいろな要件についてまたお尋ねもありましたし、それらについてはかなり柔軟に対応してきたつもりであります。

 今、開業を示す証拠書類についてのお話がありましたが、こうした事情も踏まえて、開業届の代替書類として、開業日、所在地、代表者、業種、書類提出日の記載がある公的機関が発行した書類、例えば飲食業であれば、保健所が発行したそういう書類においても申請を可能とする措置を設けておりますけれども、公的機関ではないものは、やはり不正につながるものもありますし、条件としては不備という形になるわけであります。

笠井委員 代わりの代替書類という話がありましたけれども、柔軟に認めるというんですけれども、実際は、機械的、画一的な審査で、開業届の代替書類は公的書類のみという上に、建設業の一人親方が労基署発行の労災特別加入届を出しても、これでも、公的書類でも認めないものがあるということで不備扱いにされたり、そういう問題があります。

 前年比の五〇%以上減の要件を満たしても、過去に遡って事業をしていた事実を確認する追加書類を出さなければ不備扱いにするということもやられたりしている。大体、九月初めに申請してもずっと放置されている人たちがいるんですよね。

 大臣、事業の実態も、商慣行を無視した機械的、画一的な審査を改めなければ、長期未入金者には給付金が届きようがない。決して届かないことになる。一件一件、実態をよく見るべきだ。

 また月末が来ます。申請から二週間で給付と言われてきたのがこの制度です。ところが、何か月もずっと待っている人がどんなに苦しいか。その気持ちが分かるか。大臣の決断で解決をして、必要な方に届け切るべきではないかと思いますが、どうですか。

梶山国務大臣 先ほども申しましたように、四百万件以上お支払いをさせていただいているわけであります。

 そういった中で、基準の書類がそろっていないものはどうしてもやはり、柔軟な対応といっても一定の線を引かなければならないということでありまして、その辺の事情は御理解をいただきたいと思います。

笠井委員 一つ一つ実態を見なかったら、本当に救われない業者の方がいるんです。二十九万人、申請してもちゃんと給付されていないということ。

 持続化給付金などを必要な事業者にも届け切らずに打ち切りながら、特措法改定で要請に応じなければ五十万円以下の罰金を科して、事業者に潰れるかそれとも罰則かと二者択一を迫る、こんな血も涙もないことは断じて許されないと思います。今やるべきは、自粛と一体の十分な補償だ、このことを強く求めて質問を終わります。

金田委員長 この際、宮本徹君から関連質疑の申出があります。笠井君の持ち時間の範囲内でこれを許します。宮本徹君。

宮本委員 日本共産党の宮本徹です。

 冒頭、この間の総理の感染対策についての責任についてお伺いしたいと思います。

 この間の総理の答弁を聞いて、大変驚いております。専門家の意見を聞きながら判断をしてきたとおっしゃっているわけですね。総理が対策の肝としている飲食店の営業時間短縮について、専門家の分科会が感染拡大地域で更なる時短が必要と提言したのは十二月十一日です。総理が実行したのは一月八日です。対応が遅れる中、入院することもできず、命が失われる事態になっているわけであります。

 総理、なぜ専門家の分科会の皆さんの提言をすぐに実行しなかったんですか。

菅内閣総理大臣 当時は、大阪、北海道については、そうした時短というのも行っておりました。また、これを実際に実行に移すのは都道府県の知事からの要請があるという、都道府県でやってもらうわけでありますから、そういう中で、そこについてはやっておりましたし、それから後に東京が入ったわけでありますけれども、当時は、大阪と北海道については行っていました。

宮本委員 いやいや、東京を含めてやっていなかったわけですよね。知事のせいにしちゃ駄目ですよ。専門家の皆さんがやってくれということを言ったことについて、なぜ総理がもっと積極的に乗り出してやろうとしなかったんですか。この遅れの責任は認めなきゃ駄目ですよ。

 もう一点、お伺いします。

 感染拡大防止では、政治リーダーの科学的なリスクコミュニケーションが大変大事であります。ところが、総理は真逆のことをやられました。五人以上の会食をやめようと政府が呼びかけているさなかに、多人数でステーキ会食をなさいました。感染拡大防止の呼びかけが響かない状況を総理自らがつくり出したんじゃないですか。

菅内閣総理大臣 そのことについては、私自身大いに反省をいたしております。

宮本委員 このことだけ反省するんじゃなくて、専門家の皆さんの提言をしっかり受け止めてすぐにやらなかった、ここも反省しない限り、総理の言葉が国民にちゃんと届いていかないんですよ。反省をちゃんとしっかりする、そこをお願いしたいと思います。

菅内閣総理大臣 私、政府としては、専門家委員会を始め、そうした先生方から様々な御意見を伺う中で対策を講じていました。東京については、八時からお願いをしたんですけれども、当時は十時からの時短になっていました。そういうことがあったということも事実であります。

 それと、専門家という話がありますけれども、とにかく、この緊急事態宣言というのは、これを発動しますと、極めて強力な手段であり、国民生活に大きな制約を課すものでありますから、政府としては最善の判断が求められるわけであります。ですから、皆さんの国会決議の中にも、専門的知見に基づき慎重に慎重に判断すべきということも附帯決議の中にうたわれています。

 そしてまた、その附帯決議の中で、専門家に相談をして決めるようにということも含まれております。私ども、そうしたことをいろいろな方から相談をさせていただきながら、日々の感染状況を把握し、そういう中で私自身が責任を持って判断をさせていただきました。

宮本委員 そういう都知事だけのせいにするような答弁をするから、国民が、あなたが自らの責任をちゃんと分かっていないんじゃないかというふうに思っているわけですよ。都知事がすぐに応じられなかったら、もっと、これだけたくさんお金を積むからということをやれば済む話を、それを後手後手になったんじゃないんですか。

 その上で、総理は、やるべきことをやらずに、やってはならないことをやってきたわけですが、更にやってはならないことをやろうとしております。感染対策の新たな罰則です。入院拒否は一年以下の懲役又は百万円以下の罰金、保健所の調査拒否、虚偽答弁は五十万円以下の罰金、時短要請の拒否は五十万円以下の過料。自らの責任を棚に上げて、感染拡大は国民のせいだと言わんばかりの責任転嫁だと言わなければならないと思います。

 総理、今、入院したくてもできなくて、自宅で亡くなる方がたくさんいらっしゃいます。今政治がやるべきは、命を守るための病床の確保ですよ。そして、重症者の皆さんが優先してちゃんと入れる仕組みをつくることですよ。そして、自宅で療養されている方の命を守るための緊急の手だてですよ。そういうことをやらなきゃいけないときに、入院拒否の罰則作りをしている場合ですか。私は、全くとんちんかんだと思いますよ。

 大体、今、市中蔓延の状況であります。感染したことに気づいていない無症状の人からも感染が広がるのが、この新型コロナであります。こんな中で、極めてまれな入院拒否の方に罰則をつければ感染拡大防止の効果が上がる、こんなエビデンス、どこにあるんですか。

田村国務大臣 もちろん協力を要請した上で、正当な理由がない場合にという話になってくるわけでありますが、基本的に、知事会等、いろいろな御要望があったのも事実でございます。感染症法、近い法律で検疫法というのがあります。検疫法と同じような対応で、今回、このような形で考えさせていただいております。

 基本的に、今委員が言われた、今の現状でいいますと、ベッドが非常に埋まっておる。実際問題、ベッドには比較的症状の重い方を中心に入っていただいておるという状況であります。こういうときに、このような形でというのはなかなか難しい。

 一方で、知事さんらからお話があったのは、まだ感染が拡大していない地域、今もそういう地域、ございます。大きく感染が拡大していない地域、現状も各都道府県にあります。そういうところにおいては、ベッドに余裕があって、まだ感染を市中に拡大させたくない、そういう方々がおられて、症状は比較的軽いんだけれども、そういう方々に病院に入っていただく中において、何とか感染の拡大を止めたい、こういう要請がある。そういう中において、実効ある対策を組んでもらいたい、こういうような法律を作っていただきたい、こういうようなお声があったものでありますから、検疫法と同じような形での罰則を今回作らせていただいているということであります。

宮本委員 私はエビデンスがあるのかということをお伺いしましたけれども、一切示されませんでした。お話があるのは知事会の話だけです。

 知事会、知事会と言いますけれども、先ほどお話ありましたけれども、持続化給付金の延長だって知事会は言っているのに、やらないじゃないですか。つまみ食いしているだけじゃないですか。大体、専門家の意見を聞きながらということをおっしゃいますけれども、分科会は、罰則が必要だなんという提言は出していないですよ。

 さらに、耳を傾けるべきは、私は現場の保健所だと思いますよ。保健所長さん、保健師さんにお話をいろいろ伺いましたけれども、国民の理解と協力でこそ感染対策は進むんだ、罰則の導入は住民との信頼関係を損なう、感染拡大防止の仕事が阻害されると口々におっしゃっています。ある保健所長さんは、罰則反対は現場の総意だとおっしゃっておられました。

 一つは、積極的疫学調査が阻害されます。今は、感染経路や濃厚接触者について、自分たちは公務員で守秘義務があるからと説得しながら、懸命に聞き取りをしております。政府の法案では、調査に対して、仮に、その部分は答えられませんと言うと、調査拒否で罰金刑になります。こうなると、初めから警戒されて、覚えていません、忘れましたと何もしゃべってもらえなくなるのではないかと保健所長さんなどおっしゃっておられます。

 総理は、こうした懸念を現場から聞いていらっしゃいますか。総理が聞いているかだけです。総理が聞いているかだけです。聞いていないなら、聞いていないでいいですよ。

田村国務大臣 いろいろなお声はあられるんだというふうに思います。

 一方で、いろいろな積極的疫学調査をやっても、正直なことが言ってもらえず、結果的に、濃厚接触者が分からない、それによって感染が拡大してしまうおそれがある、こういうことも各都道府県の知事さんはおっしゃっておられるわけでございます。

 保健所の所長さんもいろいろな、多分、全国的にはお声があるんだと思いますし、もちろん、業務が、今の東京のような状況の中で、とてもではないですけれども、そのような形で事細かく聞けない、つまり、優先順位をつけなければ対応できないという時期もあります。しかしながら、一方、そのときも積極的疫学調査はやっているわけでありまして、優先順位があってもやっているわけでありますから、その実効性というものをしっかり確保するためには、一定の実効性、これを担保するような法律が欲しいというようなお声でございました。

 いずれにいたしましても、これも罰金刑という話、刑事罰になってまいります。国会の中で、これから法案審議になってまいりますから、与野党共に、いろいろな御議論をいただければありがたいと思います。

宮本委員 罰則をつけたら正直に話してもらえるなんて、保健所の現場の皆さんはそんなことは言っていないですからね。ちゃんとそこを聞いてくださいよ。

 二つ目。罰則を恐れる余り、検査を隠す、検査を受けなくなり、かえって感染拡大防止の対策を阻害する、こういう話を伺いました。入院療養ができない事情がある人、あるいは行った場所を知られたくない方、あるいは知人に迷惑をかけたくないという方は、罰則を恐れ、初めから検査を受けなくなる、診療を敬遠する、感染が地下に潜り、見えないところで広がっていく、こう指摘されております。

 総理が内閣参与に任命された、コロナ分科会の岡部先生にも意見を伺いました。罰則規定は、感染の抑制効果もある程度あるかもしれませんが、感染が潜行してしまうことが危惧されます、検査あるいは疫学調査は、元々、捜査とは相入れないものであり、その患者及びその周辺の人々の利益になるようにしないといけないと思います、こうおっしゃっておられました。

 私は総理に聞いていますので、総理、お答えいただきたいと思うんですけれども、今回の罰則について、当然、総理が任命された内閣参与の岡部先生の意見、聞かれましたよね。

金田委員長 厚生労働大臣田村憲久君。(発言する者あり)まず田村大臣答えて。

 田村大臣が答えたら、総理に聞きます、指名します。

田村国務大臣 指名をいただきましたので、簡潔にお答えいたしますけれども……(発言する者あり)

金田委員長 田村大臣が答えて、それから総理に指名します。

田村国務大臣 私が答えた後、すぐ答えますから。(発言する者あり)

金田委員長 静粛にお願いします。

田村国務大臣 分科会等でいろいろなお声、アドバイザリーボード等でいろいろなお声をお聞かせをいただいております。岡部先生は元々、いろいろな形で私権制限に対して非常に抑制的であるというようなことは私もお聞きをいたしております。

 いろいろな方々の御意見をいただいた上で、今般、こういうものが必要だと言われる方もおられます。今回、こういう形で提出をさせていただきます。結果的に、これから委員会でしっかりと与野党で御審議をいただく中において、最終的に法案の成立を見させていただければありがたいというふうに思います。

菅内閣総理大臣 私は直接は伺っていませんけれども、分科会で岡部先生がそういう発言、そういう考え方であるということは承知しておりました。

宮本委員 是非、直接、しっかり岡部先生の話を聞いてください。せっかく総理御自身が内閣参与に任命されたわけですよ。提言をいただきたい、信頼できると思ったから総理も任命されたと思うんですよね。

 この間、私はさっきも言いましたけれども、専門家の分科会の皆さんが言ったことが遅れてしまったから、実践が遅れてしまったから、こうした、医療現場が大変な事態になるところまで感染が広がったわけですから、失敗を繰り返さないためには、私は、専門家の皆さんの意見をしっかり聞くことだと思います。聞いていただけますか、岡部先生に。

菅内閣総理大臣 私は、今回の緊急事態宣言を判断する際も、当然、専門家の委員の皆さんからお話は伺っています。更にいろいろな方からお話を伺った中で、最善のこれは選択をしなければ多くの国民の皆さんにいろいろな御迷惑をおかけしますので、緊急事態を宣言するについては、多くの皆さんにそうした話を伺ったということも事実です。

 それと、罰則については、そうした議論がある、そういう考え方であるということは承知しておりますし、それと、現場を預かる知事会の人たちが、この保健所の中で、さっき保健所の話をされましたけれども、保健所を所管しているのはこれは知事なんですけれども、知事から、そこは現場で効果を上げるためにもそうしてほしいという提言をもらっていることも事実です。

宮本委員 岡部先生の話を聞こうともされない。知事が現場を預かっていると言っていますけれども、現場中の現場は保健所なんですよ。保健所長の皆さんも、知事会が賛成しているから、大変声を上げづらい状況があっても、それでも批判の声がたくさん上がっているのが現状であります。

 三つ目。保健所は今、感染者急増で、過労死ラインを超えて働いても、自宅療養者の健康観察も濃厚接触者の調査も追いつかない。こういう中で、罰則を入れれば、警察に情報を提供して、捜査の協力までしなければなりません。接触者について教えてくれない人の中には、政府の高官や政治家、メディアの記者などがいらっしゃいます。自分の感染者については、自分から話し、検査を受けてもらう、こう言って保健所に個人情報を明かさないと聞いております。

 一々調査拒否に当たるかどうかを検討して、関係者と調整し、警察に情報を提供し調書も作る、こんなことをやっていたら、保健所がやるべき防疫業務が滞る、こういう悲鳴の声が現場から上がっているんですよ。こういう声こそ、私はしっかり聞かなきゃいけないと思いますよ。そういう声を、総理、丁寧に是非聞かれませんか。

 いや、総理御自身、私はもういいんですよ、これは、田村さんが、総理自身も聞いた方がいいから、私はたくさん聞いたから、総理の代わりに聞いたから言っているんですよ。何で私が総理の代わりに岡部さんの意見までここで伝えなきゃいけないのか。総理が聞かなきゃいけない話を、私は一生懸命代わりに聞いているわけですよ。ちゃんと現場の皆さんの声を聞いた方がいいんじゃないですか。

菅内閣総理大臣 これは、いろいろな方から御意見を伺いますけれども、私にできない部分は、担当大臣、法案提出大臣がいますから、大臣のところで整理をさせた中で、大臣から私が聞く場合もありますし、また、直接専門家等いろいろな方からも聞く場合もありますし、今回は、そういう意味で、分科会のそういう中のいろいろな意見というものを聞いているということです。

宮本委員 自らが罰則を入れるんだということを先頭に立っておっしゃっておりながら、自らその是非について専門家の皆さんの意見をしっかり聞こうともしない、現場の意見も聞こうともしない、大変がっかりですよ。

 総理、この感染症法ができた経過というのは、当然御存じだと思います。

 我が国は、感染症対策で大きな過ちを犯した歴史があります。ハンセン病患者を強制隔離し、著しい人権侵害を行って、社会に差別と偏見を広げました。エイズ患者への差別も生みました。感染症法は、その歴史への反省の中、一九九八年に生まれた法律であります。患者の人権を尊重し、人権制限は必要最小限にする。国民の協力と良質な医療の提供で感染症の蔓延を防止しようという方向に転換したのが、この感染症法であります。

 この理念を明確にするために、当時、この衆議院で政府の法案を修正しているんですね。前文を設けました。その中に、歴史の教訓を生かすこと、そして人権の尊重ということを書き込んでいったわけですよ。

 総理は、この法律ができた経過を御存じですよね。

菅内閣総理大臣 そうしたことがあったということは、そこは承知しています。

宮本委員 承知されていて、なぜこういう罰則を設けられるのか。罰則を設けるというのは、結局、患者を犯罪者予備軍扱いするということになるわけです。時代逆行ですよ。患者への差別と偏見を助長することにつながる、こういう危惧の声がたくさん上がっております。そういう危惧の声をしっかり私は受け止めなきゃいけないと思います。

 さらに、分科会の岡部内閣参与はこうおっしゃっておられます。感染症対策で自由を制限するかどうかは、本来なら平常時、頭が冷静なときに考えなければいけないことだ、個人の自由を制限する法律は、一度決まれば、改正されない限りいつまでも生きる。大変懸念をされておられます。

 こうした公衆衛生の現場の声にしっかり耳を傾けて、罰則は撤回すべきじゃありませんか。

田村国務大臣 個人の権利を制限するものでありますから、そこは慎重にやはり対応していかなきゃならないと考えております。正当な理由というものが一つあるわけでございまして、そこに関しても、どのようなものでやるかということも順次示していかなきゃいけないというふうにも思っております。

 いずれにいたしましても、今般の感染拡大の中においてどのような法律が必要であるかということを念頭に、今国会に提出をさせていただいておりますが、これから委員会で議論をしていただくわけでございますから、与野党で活発な御議論をいただきたいというふうに思います。

宮本委員 現場からは異論が続出しております。

 最後に、感染拡大防止に実効性を持たせる上でも、この点でも補償が大事だと思うんですね。保健所の皆さんに聞きますと、ホテル療養や自宅待機のお願いをしても、仕事が困る、収入がなくなると困ると説得に苦労することが多くあるということでございます。

 具体的に提案したいと思いますが、一つは、個人事業主、フリーランスには有給の病気休暇も傷病手当の制度もありません。国民健康保険の傷病手当の制度を個人事業主らにも設けるべきではないのか。

 また、濃厚接触者の場合は、これは何の補償もありません。自宅待機となった非正規の方が会社から何の補償もない、こういう相談も私たちのところに随分寄せられます。濃厚接触者の自宅待機に当たっても、こうした所得の補償制度を設けるべきじゃありませんか。

田村国務大臣 基本的に、これは事業主の方々も含めて、医療費等々は、患者になられればこれは全て対応するという形になって、まあ、一定の所得があれば別でありますけれども、こういう形になっております。

 それから、濃厚接触者の方々に関しては、それぞれのお立場があられるというふうに思いますけれども、例えば緊急小口資金でありますとか住居確保資金、こういうものも、住居確保資金は新たに二回目が申請できるようにということにいたしましたので、そういう形の中で対応いただきたいというふうに思っております。

金田委員長 申合せの時間が来ております。

宮本委員 時間なので終わりますけれども、感染拡大防止に不可欠な補償を行わずに個人に責任を押しつけるというのは許されないですよ。法案からの罰則の削除を求めて、質問を終わります。

金田委員長 これにて笠井君、宮本君の質疑は終了いたしました。

 次に、馬場伸幸君。

馬場委員 日本維新の会の馬場伸幸でございます。

 ちょうど、ここへ立たせていただきますと、一年前を思い返すわけでございます。我々、昨年の一月にいろいろなところからの情報が我が党所属の議員のところに入ってまいりまして、中国から新しいこのコロナが日本にも入ってくるのではないか、非常に警戒をしなければならないという情報がございました。

 私たちは、その情報をキャッチして、いろいろ調査をした上で、昨年の一月二十三日に党のコロナ対策本部というのを立ち上げました。そして、同日行われました衆議院の本会議において、恐らく政党では初めてこのコロナ関連の質問をさせていただいたところでございます。

 続いて、一月の二十八日に、この予算委員会の場で、当時、官房長官が厚生労働大臣を務めておられまして、このコロナ対策のことを簡単にお聞きをいたしました。当時の情報では、PCR検査がなかなかできないのではないか、PCR検査に使うプライマーというものが日本の国内には余りないので、これは大変なことになる、早急に段取りをした方がいいんじゃないかというような御質問もさせていただきました。当日は、武漢から、武漢に滞在している日本人、この日本人をチャーター機に乗せて帰国をすると。当時、茂木大臣からも、今晩帰ってくるんですよという御答弁をいただいたということも鮮明に覚えています。

 そこから、私の印象としては、そのときは、いやいやいや、馬場さん、大丈夫ですよ、もうそのコロナウイルスというのはインフルエンザ程度で、ある程度経過したら大丈夫なんですというような雰囲気がにじみ出ていました、当時は、正直申し上げまして。以来、その後、日本で起こったことは、もう皆様方も御存じのとおりでございますが、私は、これは誰の責任ということではなしに、日本人全てが未経験のことが起こっているわけであります。

 しかしながら、私は、このコロナに関しては、政府の皆様方の想像力が少し足らなかったのではないかと。私たちがこの問題提起をしたときの雰囲気から考えれば、いやいや、維新の会が言っていることは、もしかしたらそうかもしれない、だから、想像力を働かせて、そしてきちっと対応していこうじゃないかという初動態勢が遅れたということは、私は事実だというふうに思います。

 その後は、政府がいろいろな対応をしていただいているということは国民もいろいろ認めているところですが、今現在は国民の関心はどこにあるか、これはやはりワクチンなんですね。いよいよワクチンが接種をされれば、発症、重症化が防げるのではないかということで、大変期待も高まっています。

 いろいろな調査によりますと、ワクチンに期待する国民は約七割。しかしながら、ワクチンを打ちますかという質問に対しては、六割の方々に、一割ダウンしてしまうんですね。これは、六割の方ですが、恐らく本音の部分は、まあ先に誰かが打ってもらって、その人の状況を見て、何もなければ私も打とうかな、これが本当に本音だと思うんですね。私の周りの方はそういうことを言う方が多いです。また、SNSを中心にいろいろなネガティブな情報がワクチンに対しては流れていまして、本当の情報は何なのかということは非常に国民も関心を持っています。

 ですから、せっかく苦労して段取りをしていただいているワクチン、これが有効に国民の健康と安全につながるためには、正確な情報というものをもっと出していただかなければならないと思います。

 そこで、一つお伺いしたいのですが、今回のワクチンは、今までのような生ワクチンではなしに、遺伝子ワクチンというものが使用されると聞いています。国民の皆様方は、ワクチンを打ったときの副反応よりも、この遺伝子ワクチンを打てば数年後に体の中で何か変化が起こる、異常が起こる、そういうことになるのではないかと思っておられる方が多数いらっしゃいます。この遺伝子ワクチンに対する政府の正式な見解というものを厚生労働大臣に述べていただきたいと思います。

田村国務大臣 今、メッセンジャーRNAワクチンというものが、ファイザー社から十二月の十八日に薬事申請が出ておりまして、国内外のデータ等々、治験データを今から審査をするという状況でやっております。

 新しいタイプのワクチンでありますから、ある意味、いろいろな副反応が出る出ないということ、これは我々も注視しておりまして、先行して欧米で打っておりますので、そういうような情報も我々は集めながら、正直に、副反応はこういう症状がありますよということは国民の皆様方にお知らせをしていかなきゃならない、これは大変重要な点だというふうに思っております。

 いずれにいたしましても、今まで厚生労働省のホームページ等々でこういうものはお示しを徐々にしてきておりましたけれども、これからは、政府、データを一元化して、河野大臣の下でそういう仕組みをつくっていただくということでございますので、そこでしっかりしたデータを出していきたいと思います。

 まだ評価という意味では、審査の途中でございますので、これは、承認されれば、そのときに、しっかりとまたそのときの情報というものを開示させていただきたいと思っております。

馬場委員 それでは、田村厚労大臣と河野ワクチン担当大臣、承認されれば、お二人、イの一番にワクチンをお打ちになりますか。

田村国務大臣 これは、今、優先順位には政治家は入っておりません。基本的には、医師が、医師といいますか医療関係者、その後に、高齢者でありますとか、それから基礎疾患を持っている方でありますとか、あとは高齢者施設で働く方々というような形になっております。

 でありますから、今、我々がここで優先的に打つと言いますと、政治家だから優先的に打つというのはどういうことだ、こういうお叱りもいただくというふうに思います。今この場で、打ちたい気持ちは、多分、私も河野大臣も総理も、やまやまあると思っておりますけれども、今ここで、一番初めに打つということは言えないということは、お許しをいただきたいというふうに思います。

河野国務大臣 これは、厚労大臣の下で接種の順位というのは決まっておりまして、恐らく総理は高齢者の枠に入るんだろうと思いますが、済みません。私と田村さんはその枠には入りません。

 ただ、本当に国民の皆様が、いや、打ちたいんだけれども誰か先にという気持ちが多くて、足踏みをされてはいかぬと思いますので、もし本当にそのような状況になったときには、私や田村大臣が、これはワクチンの責任を持つ担当の、ポリシーサイドとロジサイドの担当大臣として先駆けて打つということは、それはあり得るのかもしれませんが、現時点では優先順位というのが決まっているわけでございますので、ここはもう少し間近になって、国民の皆様が、もう一刻も早くみんな打ちたいということならばやっていただきますし、様子を見ながらということになれば、そういうことも考えなければいけないのかもしれません。それは、まだこの時点では、田村大臣が申し上げたように、決めているわけではございません。

馬場委員 ワクチンに対する正確な情報もありませんし、見解もないと。症例も、まだ僅かな症例しかないと思いますので、そういう意味では、田村厚労大臣と河野大臣が先に打ったからといって、いい目しているよなということには私はならないと思います。それより、国民が持っている大きな不安を払拭するためには、やはり率先して、先頭に立って、カメラの前で、ぶちゅっと打つところを国民の方々に見ていただく、これが国民の安心につながると思いますので、是非、そういう機会が参りましたら、総理に譲らずに、両大臣が先に打っていただければということを申し上げておきたいと思います。

 これは、懸念されるのは、ワクチンを打たなかったからとか、おまえは打ったからとか、いろいろな、そこで差別みたいなことが起こることも言われているんですね。また、就職とか入学、進学の際にも、ワクチンを打ったその接種証明書を持ってこいとか、そういうことにもつながっていくんじゃないかというような心配を持たれている方もたくさんいらっしゃいますので、一方では、そういうことにつながらないように、きちっとした啓発活動をやっていただきたいということを要望しておきたいと思います。

 続きまして、ワクチン接種についての問題ですが、昨日も夕方、全国の自治体の担当の皆さん方に向けて、このワクチンを準備していく説明会が開かれました。私の元にも大きな反響がいろいろと寄せられています。ワクチンを打つための事務経費、また準備経費、打つための会場等の設備、施設の経費、そういうものがかなり、政府がもくろんでいるよりも各地方自治体が積算している額の方が大きいということが分かってきているようでございます。

 そこで、例えば、人口が多い自治体とか面積がかなり広大な自治体になれば、例えばワクチンの移送方法というのも既にモデル化されておりますが、要は、国内に入った倉庫から施設を通してあちこちに納品されていく、小分けをしていくということになるんですが、地方自治体で打つときには、この小分けを三か所程度にしてくれとか、そういうことをおっしゃっているようですけれども、例外として、先ほど申し上げたような面積が広いとか人口が多いとかいうことになれば、接種会場を増やしていかないといけないと思います。そうなると、その分経費も膨らんでいく。

 また、二月末から医療関係者、三月からは高齢者、そして五月になれば一般の皆さん方にも打っていただくと。これは、恐らく時期も重なってくると思うんですね。ですから、その分、その重なった時期にはコストが多分どんと一時的に増える可能性もあります。

 河野大臣は、ワクチン接種にかかるお金は全額国で見るということをおっしゃっておられますが、今私が申し上げたような、そういう一時的なコスト高とか、積算していたよりもお金がかかる、実際稼働し出したときにそういうことが判明したときにでも、全額ですよ、全ての金額を国で負担していただけるかというのが、今、地方自治体の最大の関心事になっていますが、河野大臣の見解をおっしゃっていただきたいと思います。

河野国務大臣 このワクチン接種は感染拡大防止の切り札でございますので、これはもう国が全額費用を持つということで、昨日も自治体に、副大臣から私のメッセージとしてお伝えをしていただいております。そこはしっかり国が全額見ることにいたします。

馬場委員 是非、地方自治体の皆さん方も暗中模索で頑張っていただいていますので、そういった経費的な心配のないように、お手配をお願い申し上げたいと思います。

 続きまして、ワクチンの接種のロジをしていく中で、我が党は代表質問でも、マイナンバーを使用して、利用してやっていくべきではないかと。本会議では菅総理の方から、マイナンバーを活用することも含めて検討していきたいという御答弁をいただいています。

 これも昨日ですね、今朝もありましたかね、河野大臣の方から、このマイナンバーを使うことについての見解が発信されていると思いますが、改めてお願いを申し上げます。

河野国務大臣 ワクチン接種の業務そのものにマイナンバーカードもマイナンバーも必要ございません。自治体が発行しますクーポン券、接種券でやるわけでございますが、一回目を打った後、引っ越しをされる方、あるいは居住地以外のところで打たれる方、いろいろいらっしゃいます。そういうことを管理するために、今、国の方では、自治体のシステムあるいは厚労省のV―SYSとは別に、もう一つシステムをつくろうと検討をしておりまして、その際、引っ越しをされたような方あるいは居住地外で打たれた方を追いかけるためにマイナンバーを活用するということを検討しているところでございます。

馬場委員 私は、今、引っ越しされたとかおっしゃっていただきましたけれども、これはいろいろ、全国民にワクチンを接種する期間というのは、積算するとかなり長い期間かかるんですね、実際には。これをスピードアップしていくためには、職場で社員の皆さん方が集団接種をするということも一つの方策だと思うんです。

 聞くところによりますと、企業では、やはり、健康診断を受ける際に、大体この時期が多いらしいんですが、一緒にインフルエンザワクチンを打っているというようなところもあるそうですので、割と、今大臣が御苦労されているロジはしっかり確立されている、そういう企業もたくさんあります。アメリカでも、IT関係の企業が自分のところの会社の施設を貸すとか、いろいろなことが今発表されていますので、是非、そういうことを可能にするためにもマイナンバーを活用していただいて、遅滞のないように是非お願いを申し上げたいと思います。

 続きまして、緊急事態宣言の話に移らせていただきます。

 現在の緊急事態宣言、二月七日が期限ということでございますが、どのような条件を満たせば緊急事態宣言解除になるんですかと、嫌というほど西村大臣はお答えになられていますので、もう重ねて聞くことはやめますけれども。

 私は、ちょっと考えておいていただきたいのは、お手元の資料、パネル一を御覧いただきたいんですが、出口戦略を考える際に、このグラフ、ちょうど右の方に二の矢印があると思います。これが、九月から十月にかけてかなり感染者数が減少してきた、第二波が終わったのではないかと言われている時期です。今現在は右の方にどんどん行っているということですが、やはりこの第二波がきちっとたたけていなかったということが今回のこの第三波につながっているのではないかという専門家の見方が多数ございますが、この第二波の下降ラインに入ったときの状況、これがどういうことだったのかという検証がされなければ、この今回の第三波の正しい出口というのは分からないと思うんですが、西村大臣の方で、この第二波の出口、谷になったときの検証というのはどういうふうに分析をされておられるのか、御答弁いただきたいと思います。

西村国務大臣 お答え申し上げます。

 最初の大きな流行、緊急事態宣言、四月、五月、経験したとき、そして解除するときから私は再三申し上げてきたんですけれども、その後も波は起こるということを常に頭に置いて対応しなきゃいけないと。ただし、その波を大きな波にしないように、クラスター対策であったり、リスクの高いところの重点的なPCR検査であったり、こういったことを重ねることによって、それを大きな流行にしないということで取り組んでまいりました。

 夏に、七月、八月、このような大きなまた流行を経験したときに、大阪もそうですし東京もそうですけれども、集中的にPCR検査、重点的にリスクの高いところを行い、また、時短、大阪は八時までの時短を行いました。それによって、これは全国の数字だと思いますけれども、地域ごとに私どもは見ておりますので、大阪は大阪でかなりの数、一か月で半減以上しまして、かなりの数まで抑えられたというふうに認識をしております。

 これは、それぞれの地域で、PCRの検査件数とそれから時短の効果、こういったものを分析をして、それぞれの地域がどこまで落とせたのかということは分析を行っております。既に公表もいたしております。

 その上で、その次の、今の流行が十一月後半から、北海道はちょっと早かったんですけれども、この理由は、専門家によれば、寒い時期、それから換気が悪い、あるいは湿度が低い、そういった時期に、また、十二月の飲食をする機会が多い時期に重なったことによって、十時までの時短でありましたけれども、十一月の後半から東京や大阪でも行いましたけれども、十時までということもあって、それも要請に応じていただけなかったこともあり、多くの人が飲食の機会、それによって、それを起点として感染が広がったという分析がなされております。

 いずれにしても、今回、そういった、御指摘のように、まあ第何波と呼ぶかはあれですけれども、夏の大きな波を経験したことも含めて、今回解除する際には、もちろん、ステージ4、3の指標がありますので、それを見ながらではありますが、再び大きな流行とならないように、措置についても段階的に解除していくこと、あるいは、ここにも御指摘ありますけれども、ワクチンや、今、特措法の改正もお願いをしているところでありますので、こういったことも含めて、次に大きな流行にならないように、波は起こると思います、起こると思いますけれども、それが大きな流行にならないように全力を挙げていきたいというふうに思いますし、解除の際もそういったことを頭に置いて考えていきたいというふうに思います。

馬場委員 国民の今の最大の関心事は、二月七日に一旦期限の切れるこの緊急事態宣言、本当に終わるのかどうか、また、たくさんの都府県が指定をされていますので、これがどういう形で解除されていくのかということに関心が集まっています。

 これは、大臣、二月七日が日曜日になると思うんですが、二月七日の何日ぐらい前にそういった判断をされるのか。今、予定として頭の中にある日にちというのはありますか。

西村国務大臣 おととい、昨日と、少し減少の傾向、減少しております。これが本物なのかどうか。日曜日、月曜日でありますから、検査件数もそんなに多くもありません。また、去年の春と比べて、乗客数、朝の通勤の数を見ても、四月、五月は七割まで落ちましたけれども、今はまだ四割ぐらい、首都圏でいえば。大阪でいえば三〇%弱です。

 ですので、これが本当に我々の対策が効果を持って、減少が確実なものになっていくのかどうか。専門家の皆さんも少なくとも今週のデータは見たいというふうにおっしゃっておられますし、また一方で、都道府県のそれぞれの対応がございます。時短の要請など幾つかの措置をお願いしておりますので、こういったことが、直前になるともちろん混乱しますし、対応ができないということもありますので、しかるべきタイミングで判断を専門家の皆さんにしていただきながら、私どもとして最終的に判断していきたいというふうに考えております。

馬場委員 これは、大臣、商売人の方にとっては非常に重要なポイントなんです。飲食業であれば、仕入れとか人手の手配とかいろいろなことが絡んでいますので、できるだけこの頃には判断をするということをまず私は打ち出していただくべきだと思うんです。

 今の大臣のお話を聞くと、豆をまくぐらいの頃ですよね、恐らくね。豆をまく頃の時期に判断をされるんだろうと思いますが、できるだけそういう日程については早めにオープンをしていただきたいということを御要望しておきたいと思います。

 続きまして、この予算委員会でも全ての議員がほぼ質問しておられます医療提供体制の話であります。

 今回、振り返ってみますと、この医療提供体制の緊急事態へのシフトというのが当初確立されていなかったのではないかというふうに思います。反省を含めて、今年のまた秋冬というものを見据えて、私は、この際きちっと、医療提供体制、整えていくべきだと思います。

 我が党が考えておりますポイントというのは三つです。一つ目は、各都道府県知事へのマネジメントする権限を与えるべきである。これは、感染症法の改正も今言われておりますが、知事がやはり一定の権限を持たないと、なかなかお願い、お願いベースでは、医療機関、動いてくれない、聞いてくれないということはもう実例が挙がっているところであります。勧告を追加するというような話を聞いておりますので、かなり各都道府県知事がパワーアップするということは間違いないと思いますが。

 これを入口として、スタートとして、二番目として、医療機関の経営補償ですね。コロナ患者を受け入れることによって、いろいろな風評被害があって経営が厳しくなるのではないか、また、赤字が発生するのではないか、そういうことも懸念をされています。

 また、この間、実際に病院の方に聞きますと、コロナ患者を受け入れるということを病院内で話をすると、看護師さんなんかは、ああ、そうですか、それやったら、もう私、辞めさせていただきますというような方もたくさんいらっしゃるらしいんです。

 その善悪を私は今言っているのではなしに、病院側としては貴重なマンパワー、ウーマンパワーがなくなるわけですから、それに対する人的補償というんですか、人的サポートというものも考えていかなければならないと思います。そういった、機動的に動けるドクターであり看護師、そういうものを予備軍としてキープしておくということも非常に大事だと思います。病院協会や医師会の皆様方とはよくいろいろ御協議をいただいていると思いますので、是非そういったことも段取りよく今の間に進めていただければと思います。

 三番目の、感染症対応のノウハウ確立、これは何かといいますと、きちっと、ある程度の規模の、二百床以上の病院は、いつでもベッドを提供できるということをおっしゃっています。また、病院の建物もそれなりの規模がありますから、動線の確保等もできるんだということもおっしゃっています。

 そうしたら、なぜコロナ患者を受け入れてくれないんですかと聞きますと、やはり、いきなりECMOを使わなければならないような重症者を運び込まれると、経験もない、ノウハウもない、そういうことを懸念されている病院が多数あるというふうに聞いています。

 まず軽症の方であるとか、重症者でももう感染リスクがゼロに近いような患者の皆さん方を受け入れていただいて、そこでトレーニングしながら、より、重症化するような患者さん、レベルの高いといいますか、リスクの高い患者さんを受け入れていく、こういう細かなことは、やはり厚労省が大号令を出していただいて、今申し上げたような二つの点については、私はそれを推進していくべきだと思いますが、大臣のお考えをお聞かせください。

    〔委員長退席、山際委員長代理着席〕

田村国務大臣 三点、ポイントをおっしゃっていただきました。

 まず、知事へのマネジメント権限の付与、これは、今回の感染症法の中で総合調整というような項目を入れさせていただいております。

 おっしゃられますとおり、保健所設置市、特別区、都道府県、今それぞれで保健所を持っている中において機能が分かれているわけでありまして、ここを知事が総合調整しないと、なかなか病院等としっかりと、どこにどういうふうに患者を送るかということができないわけでありますので、そういう意味では、知事にここの総合調整機能、医療機関も含めてでありますけれども、発揮いただきたいという思いであります。

 それから、さらに、今ちょうど勧告のお話もありました。協力要請、これがもう我々としては一番だと思います。まず、そういうような協力要請、信頼関係を持っていただいて、都道府県若しくは関係自治体と医療機関がしっかりとタッグを組んでいただく。

 ただ、言われるとおり、看護師の皆様方は、自分が怖くて私辞めますというんじゃないんです。それによって、例えば、子供に差別があって保育所に預かってもらえないとか、いろいろな事案が以前ありました。今は大分改善されてきております。そういうことを恐れて、なかなか、コロナの患者が来られるのならば、私はつらいです、子供に対してというような思いもあられて、いろいろなお声があるんだということは我々もお聞きいたしております。

 そこは大分環境も変わってきておりますが、いろいろな偏見や差別や、あってはいけませんので、そういうことも含めて我々しっかり対応するとともに、それに対してのいろいろな経済的な病院に対しての支援、これも、今般も大幅な支援というものを総理から指示をいただいて、対応させていただいております。

 それから、ノウハウは、これはまさに、ECMOなど、また人工呼吸器、重症者の患者の方々、いきなりお預かりいただきたい、対応いただきたいといっても、なかなかできないところがあります。ですから、重症者を診ていただく医療機関というのは一定程度限られてくる。しかし、一方で、中等症の方々は診ていただける可能性がある。一方で、重症者が増えてくると対応する医療関係者が少なくなってまいりますので、それは今、養成研修事業等々で、ECMO等々を使える方々、また人工呼吸に対応できる方々、これを一定程度養成するように努力いたしております。

 更に申し上げれば、今、Key―Netというのがございまして、これは厚生労働省で作っております雇用の情報サイトですね、医療関係者のやつであります。こういうものを使って、医療人材等々をうまくマッチングできるような、そんな努力もいたしておりますし、G―MISというようなシステムで、どれぐらい今、人が、求人情報があるかというようなこともこういうもので分かるようにしてありますので、こういうもの、またハローワーク、しっかりと対応しながら、言われますとおり、きめ細かな対応。

 例えば、初めてコロナ患者を受け入れられる医療機関にしてみれば、感染防護のやり方も、感染症に対してしっかり対応できる方法というのも、ノウハウがないと言われる方もおられますので、そういうような医療機関にもしっかりとそういうものもお伝えをさせていただきながら、信頼関係の下でしっかりとコロナ患者を診ていただけるような体制、厚生労働省としても支援をしてまいりたいというふうに思っております。

馬場委員 よろしくお願いをいたします。

 続いて、特措法の改正また感染症法の改正については、今、罰則にばかりスポットが当たっています。我々も、この私権の制限、罰則については、できるだけ抑制的であるべきだという考えは持っていますが、そこはやはり公共の福祉とのバランスというものが必要だと思います。命令や指示、要請、それと補償がある、そして罰則がある。これはセットでなければ私は実効性が薄れると思います。ですから、補償を、補償制度を考えましょうということを、日本維新の会としては、七度にわたるコロナ対策の提言の中で毎回申し上げておりますが、なぜか政府の方は補償という言葉は忌避するという状態が続いています。

 経済的な支援をするということでは、なかなか、罰則をもって私権を制限するというようなパワーが、ほかの政党がおっしゃっておられるような、何か悪魔の使いのような、そういうふうに受け取られても致し方ないと思います。

 補償を考えないというのは、聞くところによると受忍論というものがあって、一定、国民もいろいろなことを受忍してもらわないといけませんよというようなことがあると聞いていますが、厚労大臣のお考えはいかがですか。

 西村大臣、済みません、西村大臣に。よく似ておられるので、済みません。

西村国務大臣 お答えを申し上げます。

 考え方は、今、馬場委員がおっしゃったことと我々はそんなに違いはなくて、事業者の皆さんに支援をしっかりと行って、そして要請に応じていただけるよう、そういう意味で、月額換算最大百八十八万の協力金とか様々な支援を、それから雇調金は、まさに事業規模に応じて、人数に応じて、一人最大三十三万円まで出ますので、これは大企業も含めて国が全額支援をするということにしておりますので、そういう意味で、一部は規模に応じた支援というものになっております。

 実は、この協力金も、都道府県の判断で、規模に応じて支給するということもできるようになっているんですが、ただ、一者一者の規模を確認したりとか作業をしていく手間、それから支援の時間ですね、給付の時間、こういったことを考えて、どの都道府県でも一応一律な制度となっているというふうに承知をしております。

 その上で、私どもも法制的にいろいろ整理をしたんですけれども、この法律ができた当時の議論も我々読み返しまして、そのときの議論は、休業等を要請したとしても、事業活動に内在する制約であることから、憲法二十九条三項の損失補償の対象とはならないという整理がなされておりまして、それも含めて、今回、改めて法制局とも私ども議論をしましたけれども、先ほど申し上げた、一者一者の規模に応じて支援をしていく補償的なことをやると、これは時間がかかるというのと、千差万別の中でなかなかきめ細かなことはやりにくいということを含めて、一定の基準を設けながらですけれども、それぞれの規模に応じた支援と、それからその手間を考え、迅速さを考え、一律の協力金のような支援と組み合わせながら、いずれにしても、私どもとしては、実態上、補償に近い支援を行ってきたものというふうに考えております。

馬場委員 先ほども申し上げましたが、コロナはこれで終わりではありません。今年のまた秋冬という、コロナがはやりそうな時期というのも来ます。企業の事業規模に合わせてやはり対策を打っていく、サポートをしていくということは、大きな声で今求められていると思いますので、補償制度を構築するということは時間も手間もかかると思いますので、是非こういった事業規模に合わせたサポート策というものの構築をお願いをしておきたいと思います。

 時間がなくなってまいりましたので、最後に、暗い話ばかりじゃなしに、夢や希望のある話をさせていただきたいと思います。

 コロナが終われば、朝の来ない夜はないとよく言われますけれども、朝が来れば、やはり、日本、そして国民の皆様方が夢や希望を持っていただくようなことが必要になってくると思いますが、グラフを見ていただきたいんです。一九九四年から二〇一八年、約二十四年間の平均所得と可処分所得の推移であります。

 赤のラインが平均所得。平均所得は、六百六十四万円から五百五十二万円、二十四年間で百十二万円下がっています。可処分所得、それぞれの御家庭が自由に使えるお金、一か月給料が入れば自由に使えるお金の所得、これは、二十四年間で五百四十七万円から四百十八万円、何と百二十九万円も下がっているんです。

 したがって、この可処分所得、これをいかに上げていくか。今、所得を上げろ、所得を上げろということは盛んに言っていますけれども、所得が上がっても、国民負担率が上がったり、いろいろな要因で可処分所得が上がらないという状態でございます。

 そういう中で、我々は、今議論をしておりますのが新所得倍増計画です。麻生大臣いらっしゃいますが、所得倍増計画、これを、今度は可処分所得を増やしていく、十年レベルぐらいでこの可処分所得を増やしていくということを我々今考えていますので、この予算委員会等で我々が考えたプランを皆様方と議論をさせていただきたい。他の野党のように足を引っ張るばかりではなしに、国民が夢や希望を持てるような、そういう議論をしていきたいということをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。

 以上です。

    〔山際委員長代理退席、委員長着席〕

金田委員長 これにて馬場君の質疑は終了いたしました。

 次に、玉木雄一郎君。

玉木委員 国民民主党代表の玉木雄一郎です。

 泥縄だったけれど結果オーライ、これは、民間シンクタンクが立ち上げた新型コロナ対応民間臨調がまとめた調査・検証報告書の中に出てくる、ある官邸スタッフの言葉です。

 総理、今も政府のコロナ対応、泥縄が続いているのではないですか。総理の認識を伺います。

菅内閣総理大臣 コロナ対策については、まず特措法に基づいて、やるべきことを一つ一つ着実にやってきている、そのように思っています。

玉木委員 私、かつてこの委員会でも申し上げたと思うんですが、第一波が終わったときに、検証すべきではないかということを申し上げました。今、特措法の話もありましたが、特措法の改正も含めて、一旦収まってから特措法の改正も検証もやると。今、オンゴーイングというか、進んでいるのでやらないということだったんですが、私は、第一波、第二波に対しての政府の対応がどうだったのかという検証をせずに第三波を迎えたことで、失われなくてもいい命が失われたのではないか、謙虚にやはり向き合う必要があるのではないかと思っています。

 昨年の夏そして秋の間に、私は大きく三つの不作為があったのではないかと思っています。

 一つは、特措法の改正です。

 やはり、拡大する感染を抑え込んでいくための強力なある種の道具、武器を持たなければいけない。この予算委員会でも、私はあえて太陽と北風という言葉を使って何度も申し上げたと思います。今の特措法には太陽政策も北風政策もない、つまり、何かにやっていただいたらしっかりとした経済的な補償をする、仮にできなかったら罰則のような北風政策も用意する、いずれにしても、強い力で、あるときは短期間で抑え込んでいく、そういう法的な道具がないことが問題だから、今のうちにこれを整備しておきましょうということを申し上げました。

 ただ、その道具が整う前に第三波を迎えてしまって、今も、これから特措法の議論がありますけれども、第三波の真っただ中であって、使えないわけですね。

 二つ目は、やはり検査、追跡、隔離の体制を充実できなかったことではないかなと思います。しっかりと無症状感染者も含めて早期に探知し、そして必要な人は隔離する、あるいは病院でちゃんと保護する。そのためには、病床の確保、これも夏の間にしっかりとやっておくべきだったことができていなかったのではないか。

 そして三つ目が、外国に比べて圧倒的に遅いワクチンの承認と接種であります。

 この三つが、少なくとも私は、本来ならもっと早くすべきことをしなかったことで、失われてはならない命が失われているのではないかなと思います。

 私は今日、こうした三つの問題点を踏まえながら、今後取り得べき、取らなければいけない具体的な政策と戦略について提案をしていきたいと思います。

 まず、パネルの一を御覧ください。

 これは欧州の研究家たちがまとめた論文から出してきたグラフでありますけれども、少しそれを加工しています、日本版に。極めてシンプルな図なんですが、これから取るべき戦略はこれだと思います。

 つまり、今、第三波が広がって、必死になってこの波を抑え込んでいくという段階。このときには強い手段が必要です。ですから、特措法の改正のようなこと、あるいは水際対策の強化のようなことが必要で、とにかく感染者数を低位に抑え込んでいく。今、少し減少傾向に入ったと西村大臣もおっしゃっていたので、少し山を越えたところにあるのかもしれませんが、これをしっかり抑え込んでいくということがまず第一段階の戦略として必要だと思います。

 第二段階の戦略として大事なことは、ここからが多分これから一番大事で、前回はこれを軽んじて、GoToとか経済を回す方に重点を置いてしまったので波をつくってしまったので、次は、今、西村大臣もたしかあったように、これから波が何回かあるかもしれない。私は、次の戦略で大事なのは、次の波をつくらない戦略だと思います。低位に抑え込んだままワクチン接種を速やかに始めて、ワクチンによる集団免疫の獲得につなげていく、低位のままつなげていく、これを日本は取るべきで、ワクチンによる集団免疫が獲得できるまでにもう一回、もう二回波をつくっているようでは、日本経済も社会もぼろぼろになってしまうと思います。

 ハンマー・アンド・ダンスという言葉があります。盛り上がればハンマーでたたいて少しそれを緩和して、ダンスができるような状況でまた盛り上がればハンマーでたたく。ただ、もうあと一回、二回ハンマーでたたいたら、日本の経済と社会と人々の暮らしはそれこそ破壊されてしまいます。ですから、第四波の封じ込め戦略に大きく私はいろいろな戦略を転換していくべきではないかなというふうに思います。

 話を戻します。まず、第三波を抑え込んでいくために必要な特措法改正について質問をします。

 まず、表の五、パネルの五を見てください。

 私も、私ども国民民主党も去年から、先ほど申し上げた北風と太陽がセットになった実効力のある法改正にすべきだということを申し上げてきたので、罰則そのものに反対するわけではありません。ただ、今回新たに導入される蔓延防止等重点措置、全く新しい、この点々点々で囲っているところが今回新たに追加されるところなんですが、蔓延防止等重点措置ということと、緊急事態措置に今までなかった罰則が入ります。これは並べて見ると分かるんですが、まず蔓延防止等重点措置と緊急事態措置が何が違うのか、よく分かりません。

 できることは、まず蔓延防止等重点措置ですけれども、営業時間の変更その他政令で定める措置、緊急事態措置については施設の使用の制限若しくは停止と書いています。ただ、今までは、この条文を使って時短営業とかをお願いしていたわけです。駄目なら公表ということでしたね。ですから、時短営業については両方できます。今回の法律では、両方とも、要請して命令して、従わなければ罰則というところは同じです。ただ、罰則が過料で三十万円と五十万円で、二十万円違うだけです。

 ただ、国会の関与が、緊急事態措置については議運で報告があるように国会の関与はありますが、蔓延防止等重点措置については国会の関与が全くありません。今回の蔓延防止等重点措置は、今の緊急事態措置にもない罰則が加わるにもかかわらず、国会の関与、すなわち民主的統制がないということは問題だと思いますが、この蔓延防止等重点措置については国会報告をやはり入れるべきではないですか。

 というのは、新型インフルエンザ特措法の制定時の逐条解説の中にこういう記述があります。緊急事態宣言については、私権を制限する措置となることから、国会の関与は必要である、ただ、迅速性の観点から、国会の承認事項ではなく、報告事項としたものであるとなっています。

 今回、繰り返しになりますが、今の緊急事態措置よりも強い私権の制限が入る、罰則まで入るわけですから、当然国会の報告は義務づけるべきだと思いますが、総理、いかがでしょうか。

菅内閣総理大臣 蔓延防止等重点措置というのは、緊急事態宣言の手前の段階の規定を作って、感染が拡大して緊急事態宣言に至る前に飲食店の時短などについて実効的な対策を講じさせるようにするものであります。

 更に詳細については、担当大臣から答弁させます。

西村国務大臣 お答え申し上げます。

 私どもも、私権の制約につながることでありますので、この間、様々な御議論もいただきながら、分科会でも議論をいただきましたし、法制局とも慎重に議論を重ねてまいりました。

 その上で、昨年夏の経験、それから昨年末、十二月の経験、特に昨年夏に、東京、新宿を中心に、あるいは北海道のすすきのであったり、幾つかの地域が起点となって、そこから感染が広がった。緊急事態宣言になれば、これはもう大幅に国民の皆さんの自粛を求めていくことになりますので、その前段階で、特定の地域そして特定の業種にいわば絞った形で要請などを行って、その範囲で感染を抑えていこうというものであります。

 そして、今申し上げたように、緊急事態宣言に比べれば地域、業種もかなり絞られるわけでありますので、私権の制約の程度は相当低いということがありますので、私ども、機動的に対応していくという観点からも、今回このような改正をお願いをしているところであります。

 ちなみに、他法令においても命令とか罰則などの規定があるものはありますけれども、これは全て国会報告になっているわけではありませんので、そういったことも、横を見ながら、私ども、このような整理をさせていただきました。

玉木委員 本会議の私の質問でも総理もおっしゃっていましたが、私権の制限が蔓延防止等重点措置は小さいから設けないということなんですが、本当にそうなんですかね。業種の指定とかも含めて政令指定になっているので、法律を見ただけでは本当に狭いのか広いのかが全然分からないわけですよ。

 ちなみに、今の時短営業の要請、そしてもし従わなかったら公表も、緊急事態宣言、現行は緊急事態措置でやっていますから、ほとんどこれは差がないんじゃないですか。営業時間の変更その他政令で定める措置というのは、例えば営業の停止も含む概念ですよね。法律上は、そこは分かりません。だから、権利の制約が小さいからこっちは報告はなくていいということなんですが、法律上はほとんど同じですよ、これ。

 しかも、何より罰則がかけられているんですから。対象が限定されたり事業が限定されたとしても、その対象者にとっては非常に強力な私権制限になりますから、国会の関与は、今の緊急事態措置でも求めているわけですから、当然求めるべきだと思います。

 加えて、もし、これ、見ていただいたら分かるんですが、ほとんど差がないので、じゃ、蔓延防止等重点措置をやった後、緊急事態措置に移行していくときに、追加でどういう法的効果があるのかというと、二十万円、過料がたくさん取られるようになるだけですかね。よく分からないんです。

 今、少なくとも緊急事態宣言には罰則はかかっていませんけれども、それより強力なことが蔓延防止等重点措置が発令されましたと出ても、どれだけ多くの国民が緊張感を持って、さあ、自分たちの行動変容をしようと思いますかね。予防的措置だから、まず蔓延防止等重点措置が出て、さあ、これから、じゃ、次のステージの緊急事態措置に移行するとなっても、追加で二十万罰金が増えますよだけでは、かえって緊急事態宣言の効果を減じてしまうのではないですか。

 今回、実効的な法改正にしようと。もちろん、今よりも知事さんの権限なんかで早めに対策を打ちたいという気持ちも分かりますし、それは最大限尊重すべきだと思いますが、ただ、何か今までなかったグレーゾーンのような領域を設けることによって、かえって緊急事態措置、緊急事態宣言の効果が減じてしまうのではないですかね。

 そこで、提案があります。

 こういうふうにすれば、もう少しきちんとした整理ができるのではないのか。例えば、蔓延防止等重点措置については罰則をなくして、今の緊急事態宣言と同じように、要請と指示、法的義務はかかりますけれども罰則はない、その代わり、事業規模に応じた補償はしっかりしましょう、そして国会の報告を求めていこう。更に強い緊急事態措置については、命令、罰則、過料まであるけれども、その分、国会の関与は承認を取る。

 なぜ承認を取れないかというと、さっきあったように、迅速性の観点から、報告ではなく承認としたというふうにコンメンタールに書いてある。ただ、今回の場合は、緊急事態措置を出す前に、多分、蔓延防止等重点措置が先に予防的に出ますから、ある種の予測可能性があるし時間もあるので、しっかりと国会の承認を取った上で、こういう私権制限も含めてやるような措置を出すけれども、国民の皆さん理解してくださいという、ある種のグラデーションですね。つまり、平時と有事が境目が曖昧になることによって緊急事態宣言、緊急事態措置の効果が減じてしまうことを恐れるんですよ。有事と平時の境はきちんと分けるべきです。緊急事態宣言下でしかやはり罰則はかけられない、その代わり、ちゃんと国会の承認を得ますと。事後でもいいですよ。こういうきちんとした整理がなければ、かえって何のための改正をしているのかということになろうかと思います。

 もう一つ、今度は補償について聞きます。

 北風と太陽と、セットだと思います、私は。補償とそして罰則は必ずセットです。

 補償については、法案を見ると、一般的な、必要な措置を講ずるとしか書いてないんですね。でも、これは、先ほど憲法の話がありましたけれども、本当にきちんと、少なくとも、事業規模に応じた支援をするとか、勘案する要素ぐらいは書き込んでおかないと、本当に十分な支援が受けられるか分からないんですよ。

 そこで、大臣あるいは総理に伺いますが、今度、罰則がかかるときに、正当な理由なく拒んだら罰則がかかるんですよ。この正当な理由のときに、補償が不十分で、例えば、自分は百万欲しいんだけれども、国や県や都は四十万しか支援してくれない。だったら、店を開けないと潰れるし、従業員の暮らしも守れない、そう思ったときに、従業員の暮らしや会社の存続を懸けて店を開き続けたときには、それは正当な理由になりますか、なりませんか。

 これは、補償との関係で極めて重要です。法律は、正当な理由なく命令に従わなかったら罰則になっているんですが、背に腹は代えられなくて店を開いている、その店にとって、何とか従業員の雇用と会社の存続を守ろうという思いは、正当な理由になりますか、なりませんか。明確にお答えください。多くの飲食店の方、関係者が聞いています。お願いします。

西村国務大臣 幾つか御指摘がありましたので。

 まず、緊急事態宣言発出をしますと、これは全国的かつ急速な蔓延のおそれということでありますので、全国都道府県にもう既に対策本部が立ち上がっていますけれども、全国の市町村に対策本部が立ち上がります。全国的に蔓延のおそれがあるということでありますから、それぞれの市町村で対策を取っていただくということにも、それぞれの感染状況に応じてなります。

 そして、今回、緊急事態宣言をやっている地域、東京、大阪にしても、全域、東京都それから大阪など全域に時短要請をかける、このような形で全国的かつ急速な蔓延を抑える、それぞれの地域の感染を抑えるということになります。

 私ども想定をしておる蔓延防止等重点措置は、イメージとしては、昨年夏の新宿であったり、あるいは大阪のミナミであったり、あるところが起点となって感染が広がった、そこを抑えればその都道府県内の域内への感染も抑えられる、したがって、その次の全国への感染も抑えられる、そういう、かなり地域、業種を絞ったそうした対応を考えているということで、緊急事態宣言とはかなりフェーズが違う、その段階で抑えることによって緊急事態宣言にならないようにするということであります。

 その上で、措置の内容も、今回、営業時間の変更を例示として書かせていただいているのは、休業要請まではこの時点では考えない。営業時間の変更も、例えば朝四時から朝五時までの一時間とかという変更を要請したら事実上やれないみたいなものですから、そういう非常識なことはやらずに、営業時間の短縮によって、時短によって、去年の夏の経験も踏まえ、十二月の経験も踏まえ、これを主たる対応として考えているということであります。緊急事態宣言になれば、休業要請ということになります。

 そして、正当な理由と補償の関係でありますけれども、補償については、先ほど来答弁させていただいていますけれども、千差万別な事業がある中で、一者一者の規模に応じて対応していくということの事務の大きさ、そして支援の迅速性という観点から、協力金については都道府県の判断で事業規模に応じてできることになっておりますけれども、それでも、やはりそうした観点から、スムーズに支援を行うという観点から、一定のやり方で同額としているというところであります。

 ちなみに、民主党政権時代にこの法制定がなされたわけですけれども、もうコンメンタールを読まれているから御案内かと思いますけれども、休業等を要請したとしても、事業活動に内在する制約であることから、憲法二十九条三項の損失補償の対象とはならないという整理がなされております。そして、このことを、今回、私どもも法制局とも何度も議論をし、補償ということは取りませんけれども、事業規模に応じた雇用調整助成金の支援も、これは従業員の数によって支援ができます。こういったことも組み合わせながら、全体として支援をしっかりと行って、要請に応じていただけるよう取り組んでいるというところであります。

玉木委員 いや、それは違うんですよ。当時は罰則はなかったから。

 憲法二十九条一項の財産権の、侵害してはならないということは、三項の正当な理由なく公共のあれに供してはならないということがありますから、今回は、それこそフェーズが変わっているんですよ、罰則をかけてでも開かせないということになっているわけですから、そこをちょっと最後、御答弁いただけないんですが、会社の存続とかお店の存続とか従業員の雇用を懸けて開くということは、正当な理由に当たるんですか、当たらないんですか。明確にお答えください。

西村国務大臣 私どもとしてしっかりとした支援を行っておりますので、個別の事由についてはこの段階ではお答えできませんけれども、しかし、十分なしっかりとした支援を行っていきたいというふうに考えております。

玉木委員 これはすごく大事ですよ。だから補償の方を聞いているんですよ。

 十分だったら、それは十分な補償があるから休んでくださいと言えますけれども、それが不十分だったら、だって、皆さん、それこそ憲法十三条、憲法二十五条、基本的な幸福追求権とか、最低限、文化的な生活をするという、その一方の憲法上求める理念に反する可能性があるんですよ。

 だから、ちゃんとした補償とセットで正当な理由というのは規定されるべきだから、今申し上げたような、今の条文のような中で、中途半端な経済的支援で、それで閉めちゃったら従業員もみんな本当に解雇しなきゃいけない、会社も続かない、お店も続かないというときに、何とか開けさせてください、潰したくないんです、首を切りたくないんですといってやることは、正当な理由になるんですか、ならないんですか。もう一度。

西村国務大臣 正当な理由になるかどうかは個別の、それぞれのケースで考えていきたいと思いますが、私ども、しっかりとした支援を行っていきますので、それで要請に応じていただけるよう取り組んでいきたいと思います。

玉木委員 いや、こんなことでは駄目ですよ。だって、持続化給付金もやめるんでしょう。家賃支援給付金もやめるんでしょう。急ぐから定額で給付しますって、その急ぐ新しい制度がまだできていないじゃないですか。急ぐから四十万、二十万にしますといって、まだその制度を見たこともない。申請もできない、誰も受け取っていない。そういうことが起こり得るんです、これからも。

 だったら、国の支援がまだ来ないんだったら店を開け続けるしかない、少なくともそういった新しい制度が始まるまでは店を開けさせてくださいということは、正当な理由になると思いますよ。それは答えられないんですか。そんなことで罰則を入れることはバランスを欠いているんじゃないかということを言っているんですよ。これは全国のお店の人とか聞いていますよ。純粋な法律論として一体それが何を表すのかというのは、やはり答えるべきですよ。

 総理、どうですか、これ。やはりすごい心配していると思うんですよ。正当な理由がなく拒否したら罰則がかかる、でも、お店を何とかしたい、従業員を何とかしたいという思いは、正当な理由になりませんかね、総理。

西村国務大臣 私ども、正当な理由として念頭に置いているのが、例えば、あるお店が地域にとって非常に重要な飲食店であったり、地域のほかに立地していないお店であったり、そういった場合に、代替手段がなくて、地域住民にとってこれは生活を維持することが困難な場合などを想定をしております。

 繰り返しになりますが、しっかりとした支援を行いつつ、かつ、これは法制定時の議論、そして今回私ども、法制局とも議論をさせていただきましたけれども、事業活動に内在する制約であるということから、憲法二十九条三項の損失補償の対象とならない。それから、憲法十二条には、権利は濫用してはならない、公共の福祉に使われなければならないという趣旨のことが書かれています、正確な条文ではありませんけれども。

 ですから、国民の皆さんの命を守るために、そしてこの感染拡大を抑えるためにこれは必要なことでありますので、正当な理由というのはかなり限定的に考えていかなきゃならないというふうに考えております。

玉木委員 今、重要な答弁ですよ。通常、こういった国からの支援が不十分だからといって、何とかお店を維持したい、従業員の雇用を維持したいと思って開けることは、正当な理由には入らないという答弁ですね、かなり限定的に正当な理由は解されるわけですから。私はこれはどうかと思いますよ。

 だから、もう一度、ちょっと比較表を出します。蔓延防止等重点措置というのは、そういうことがさらっと更に入るんですよね。緊急事態宣言みたいに国会の報告もなく入れて、今みたいな理由で店を開けていたら罰則までかけられるというのはやり過ぎだと思いますよ。

 だから、やはりもうちょっとこの辺の法的な整理をきちんとして、冒頭申し上げたように、私は罰則を全然否定していません。それは、ちゃんとやるべきときには罰則も必要かもしれぬから。ただ、そのときには補償とセットだし、ある種の民主的統制のプロセスもきちんと踏まないと、おかしな私権制限だけがはびこることになってしまうのではないんですかということを申し上げているんですよ。

 もう一つ、最後に聞きます。

 順番に行くことを予定しているんでしょうけれども、ステージ3とステージ4の関係はどうなっているんですかね。つまり、ステージ3の段階で、この罰則をかける蔓延防止等重点措置が始まるんですか。あるいは、ステージ4になって緊急事態宣言なんですか。さっき言ったように、緊急事態宣言だって今のように地域を限定して出すことは可能なので、この差がよく分かりません。逆に、もっと軽い段階でこの蔓延防止等重点措置が出るのであれば、相当早い段階から罰則が可能な措置が発動されるんですけれども、その意味でも、発動要件は政令に落ちていますから、よく分からないんです。

 罪刑法定主義という言葉がありますが、やはり、罰がかかるのであれば、明確に、予測可能性を高めるために、法律上何が罰せられ、どうなったら罰せられるかが事前に明らかになっていないと、怖くて商売できないんですよ、これ。

 ステージ3、4、こういった指標との関係はどうなっていますか。明確にお答えください。

西村国務大臣 今、分科会からお示しをいただいているステージ3、4の指標がございます。病床の占有率であるとか、十万人当たりの一週間の感染者の数とか、幾つかの指標がございます。陽性率とかですね。これの今ステージ4の段階、これは緊急事態宣言が視野に入るということで、知事と緊密に連絡を取り合って、状況を確認した上で緊急事態宣言を発出をしております。

 そして、ステージ3の指標もあるわけですけれども、今この蔓延防止等重点措置をやる場合に、当然ステージ3の指標も参照をしていきますけれども、しかし、どういう形で政令で書くかは今整理をしているところでありまして、何を申し上げたいかというと、状況は変わるわけですね。コロナも、去年の春の段階と今、基準は大幅に変わっています。そして、今後、ワクチン接種もある、いろいろなことがある中で、また、いろいろな知見も出てくる中でまた変わるわけであります。

 したがって、何か法律や、政令の方がまだ機動的にできますけれども、法律にそうした基準を今の段階で書き込むことは、今後の状況が変わったときに毎回法改正をしなきゃいけなくなるわけでありまして、そういう意味で、機動的に対応できる、そういったことを頭に置きながら、政令でどう書くか検討しているところであります。

玉木委員 一定の柔軟性は否定しません。それが許されていたのは、今まで罰則がなかったからなんですよ。今度罰則を導入するということは、ある種の硬直性と隣り合わせでやらなきゃいけないという制約がかかってくる。

 であれば、できるだけ前もってやれるという蔓延防止等重点措置は、だったら罰則を外して、さっき言った柔軟性をより重視するような措置に変えたらどうですか。より厳格な、緊急事態宣言というのは罰則がかかる、罰則がかかるから、よりそこは明確にやっていくという、その辺のやはりきちんとした仕分をしないと駄目なのではないかなと。

 今のままだと、何か名前を変えて罰則を入れた、今の緊急事態宣言を、罰則を入れて名前を変えて蔓延防止等重点措置にしたような感じになっているので、繰り返しになりますけれども、非常に私権制限の観点で問題だということと、かえって緊急事態宣言あるいは緊急事態措置の効力が減じてしまうという問題があるので、この辺の有事と平時の境目をきちんとつける、そして民主的統制のレベルをきちんと書き分けるということをやはりやるべきだということを指摘しておきたいと思います。

 ちょっと時間がないので、次に行きます。

 一番最初のパネル一を見ていただきたいんですが、とにかく特措法を改正して、あるいは水際対策をしっかりして抑え込んでいくことが必要で、大事なのは、低いまま維持するために、私はやはり少し戦略の転換が必要だと思っています。というのは、やはり、無症状者を早期に発見し、追跡、隔離、保護につなげて、この低い状態をいかに維持できるかということが大事だと思うんですね。

 そこで、私が提案したいのは、安くて結果が早く出る抗原検査なんです。これは、十一月に一回提案した、もう一回同じパネルなんですが、あのときは余り田村大臣は見向きもされなかったんですが、実はバイデン新政権のコロナ対策で、次世代型検査を導入することで検査のキャパシティーを桁違いにスケールアップするということが彼らのコロナ対策の一番最初に入っているんですね。

 その一つが、ホームテストとインスタントテストというやつです。要は、これは抗原検査なんですが、抗原検査のメリットは、とにかく安い。アメリカなんかでは、一回百円の、唾液でやれる妊娠検査薬みたいなのが出てきています。とにかく早いんですね、十五分から三十分で結果が分かる。ただ、問題があって、精度がPCR検査なんかに比べて落ちるので、そこはどうなんだということなので、これも論文が出ていて、サイエンスアドバンシズという論文にも出ていますが、頻度と早さが実は精度を感染拡大抑制効果においては上回るんだという論文があります。私は、この抗原検査をもっともっと入れたらいいと思います。

 第二次補正と第三次補正で実は五百億円ぐらいつけて、この抗原検査は結構国が買うことにしていますよね。だから、PCR検査でしっかり検査してやるということでやってきたんですが、一つ、これを見ていただきたい。次のパネルなんですが、精度の管理のことは重要なんですが、ウイルス量が、かかってから発症して、発症する二日前に実はウイルス量がピークになるという論文もあるんですが、こういうふうにカーブが描かれます。

 ウイルス量が少ないときでも検知できるPCR検査、この下の段階ですね、下のPCR検査、ここから上、PCR検査の検出限界の上のところのが青の範囲で検知できるんです。抗原検査は逆に精度が落ちるので、ちょっと上の方の、より濃くなったものしか検知できないので、検知できる範囲がちょっと狭いんですが、ただ、人にうつす、英語で言うとトランスミッタブルな状況のウイルスを検知する能力においてはそんなに変わらないんです。逆に、PCR検査は、遺伝子のくずというか死骸でも検知してしまうので、入院しなくていい人も見つけてしまうので、そこから病床を占めてしまうという、ある種のデメリットもある。

 なので、PCR検査は否定しません、確定検査なんかしっかり使えばいいんですが、これから一旦低位に抑え込んだ後には、こういった、無症状感染者を手軽に素早く、しっかりと大規模に把握できるような検査戦略の大きな転換が私は必要だと思うんですけれども、総理、これはいかがですか。PCR検査だけじゃなくて、抗原検査を大規模に導入するということで低位に抑え込んでいく、特に無症状感染者をしっかりと見つけ出していくということをもっと徹底すべきではないでしょうか。

田村国務大臣 検査はすればするほどいいのは、これはもう間違いないわけであります。ただ、問題は、費用対効果の話になってきます。

 計画的にPCRでも、一遍に武漢のようなことができれば本当はいいんですけれども、日本は自由主義国家ですからそれができない。そんな中で、今、抗原検査キット、百円というのが、日本ではこういうのが手に入るかどうかは別なんですが、言われるとおり、これを定期的にやってもらうと、かなりの確率で感染防止ができると思います。

 今、インフルエンザと同時進行ということで、メーカーにかなり無理をお願いしまして、大変多くの検査キットを作っていただいております。供給できる能力、一千二百五十万キットぐらいあります。もちろん、まだそれは市場に全部出ておりません。今度、そういうものを使って、特に感染拡大の可能性のある、しているような高齢者施設、医療施設、こういうところの入所者それから従事者、働いている方々、こういう方々に、もちろん、PCRのプール検査も一応今回認めましたので、これも費用対効果はいいと思いますので、若干時間がかかるというのはありますけれども、こういうのを使っていただいて大々的に定期的にやっていただきたいというお願いをいたしております。

 なかなか進まないんですけれども、細かく説明して、今まで、保健所がどうしても対応するのに手詰まりになっちゃうので、そこも考えて、対応できるような方法も考えて、そういうことをしっかりとやりながら感染拡大防止に努めてまいりたいというふうに考えております。

玉木委員 二つちょっと総理に聞いて、あと提案します。

 これは本会議でも聞きましたけれども、今は抗原検査のことを聞きましたけれども、PCRも補正で予算をつけて、不特定多数を対象にしたPCR検査を三月にも始めるということになっているんですが、これを私はやったらいいと思うんですけれども、これをやりますかということ。

 あと、これは河野大臣にも申し上げたいんですが、今度、ワクチン接種を始めますよね。最初、医療関係者、高齢者、先に受けてもらわなきゃいけない人をやるんですが、全国でやるんですけれども、ここに抗原検査キットを置いたらどうですか。それで手軽にみんなにやってもらう。

 全国民を対象にしていくので、そこで、何かQRコードで読んで、結果をどんどんどんどん入れてもらっていったら、相当、事前の、防衛政策じゃないけれども、アーリーウォーニングで、早くそれを見つけ出すということにもつながるので、多分、五千億とか一兆円、一兆円はかからないと思う、五千億ぐらい予算をつけてやれば、これからワクチンを全国でやっていくわけですから、特に、少なくとも医療関係者とか介護の関係者とか高齢者というのはまさに分からなきゃいけないところでしょう、その人たちがまずワクチン接種を受けるんだから、そこに抗原検査キットを置けばいいんですよ。

 羽田雄一郎さんの場合もそうですけれども、検査はスピードが大事だと思うんですよ。十五分で分かる、三十分で分かるということで、やはりある程度、もちろん精度の問題はさっき言ったようにありますが、これは我が国の検査戦略を変える大きなゲームチェンジャーになりますよ。

 是非、総理、検討してもらえませんかね、こういうことを。さっき言ったような不特定多数のPCR検査も早くやるべきだと思うんですが、いかがですか。

田村国務大臣 例えばPCR検査は、今、十四万件一日にできるようになってきているんですが、それでも多いときにはやはり六、七万件検査をやっていただいておりますので、全ての能力をいろいろな症状の出ていない方々に向けるわけにいかないということで、プール検査を今回認めたわけであります。それは、どちらかというと、症状が出ていない方々で、それでも感染の可能性の高い方々というのはそれで拾った方がいいであろうと。抗原検査キットも同じような考え方であります。スクリーニングに使おうということであります。

 いろいろな使い方があると思いますので、また委員からいろいろな御提案をいただきながら検討させていただきたいと思います。

菅内閣総理大臣 一つのアイデアとして受け止めさせていただきます。

玉木委員 最後に、やはりワクチンを早くやることが大事なので……

金田委員長 時間が参りましたから、よろしく。

玉木委員 はい。

 前回、総理、見込んでいるのではなくて目指すと言いましたが、六月末までに。これは、オリンピックが開かれる七月までに接種できない人がやはり出てくるという前提なんでしょうか。最後、お答えください。

河野国務大臣 先ほどから申し上げているように、供給スケジュールがまだ確定をしておりません。二月分の供給については、二月の上旬に確定させる方向で今動いております。また、高齢者につきましては、高齢者の一回目の接種開始から二か月と三週間で高齢者の接種を終わっていただくという目安を昨日自治体に御提示をしたところでございます。

 ここから先につきましては供給スケジュールとの兼ね合いということになってまいりますので、供給スケジュールが確定次第、そこは国民の皆様にもお知らせをしてまいりたいと思っております。

玉木委員 オリンピックまでに受けられない人が出てくる可能性はあるということですね、総理。

菅内閣総理大臣 現状では、今、河野大臣が答弁したことに尽きます。

玉木委員 終わります。

金田委員長 これにて玉木君の質疑は終了いたしました。

 これをもちまして各会派一巡の基本的質疑は終了いたしました。

    ―――――――――――――

金田委員長 これより締めくくり質疑に入ります。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。橋本岳君。

橋本委員 自由民主党・無所属の会、橋本岳でございます。

 令和二年度第三次補正予算案の締めくくり質疑として時間をいただきましたので、質問いたします。

 まず、この補正予算案につきまして、これまでも議論が大変ありました、そして、対策はまさに焦眉の急になっております医療提供体制について例えば申し上げれば、新型コロナからの回復患者の転院の支援でありますとか、重点医療機関への医師、看護師等派遣への支援強化といった、患者を受け入れる病床への支援でありますとか、未就学児への対応をより評価する診療報酬の特例、医療機関、薬局の感染拡大防止等の支援といった、いろいろな必要な支援を盛り込んでいただいております。

 もちろん、医療提供体制に限ることなく、様々な分野において様々な状況を想定をした形での予算案が組まれているということだと理解をしておりますので、速やかにこの第三次補正予算案を成立させ、そして、政府にはしっかり執行していただきたい、このように考えているところでございます。

 ただ一方で、締めくくりなので、改めて全体像を眺めてみますと、三次にわたる補正によりまして、今年度の政府一般会計の総額というものは、当初の予算のときは百二兆六千五百八十億円、百兆円を超えたということで一つニュースになっていたわけでありますけれども、これが、年度が終わる前、三次補正後ということになってみますと、百七十五兆六千八百七十八億円ということでなっておりまして、一・七倍に膨らんだわけであります。例えば新規国債の発行というところを見てみますと、第三次補正後でありますけれども、百十二兆五千五百三十九億円の新規国債を今年度だけで発行するという予算になります。

 御案内のとおり、新規国債発行というのは将来世代からの借金というものなのでありまして、そういう財政事情の中でいろいろな対策をしていっているということは、私たちは肝に銘じなければならない、自覚が必要なんだろうというふうに思うわけであります。

 もちろん、これは、今年度の予算編成当初は、新型コロナウイルス感染症なんというものについて、特に、一昨年に編成をしますから、その時点ではまだそういうことについて認識はなかったという状況であった。ところが、予算を審議をしている頃から、まさにちょうど一年ぐらい前から、新型コロナウイルス感染症というものが問題だということになってきて、そして、そうした、更に感染がいろいろなことがあって拡大をしてしまっているという状況に的確に対応して、国民の生活の維持や感染拡大防止に必要な事業に対して必要な予算を組んだという結果なのだと思います。

 ただ、例えば財務省さんの立場からすると、これまで一生懸命財政再建ということで取り組んでいただいてきた中で、これだけ事業を組んで予算を組んでいただいたというのは苦渋の決断という面もあったのではないかというふうに思うわけでございます。

 この第三次補正予算の審議締めくくりに当たりまして、財務大臣にその辺りの、ここまで総額が拡大をしたということについての所感を是非お尋ねしたいと思います。

麻生国務大臣 御記憶かと思いますけれども、第二次安倍政権が発足いたしまして、私ども政権に復帰したあのときに、私どもの財政を見ました場合に、いわゆる予算の中に占めます借入金や公債金の総額、約四八%ぐらいだったと思います。早い話が、借金で半分食っていたというわけです。

 これを断固減らさないかぬと思って、おかげさまで実額十三兆減ったと思いますけれども、新規公債十三兆減りましたけれども、三一%ぐらいまでの依存率まで下げられたと思っておりますが、今回、一挙にそれがどんと戻ることになっておりますのは甚だじくじたる思いが正直なところです。

 しかし、この第三次補正予算で、これでまずはこの新型コロナ感染症の拡大というのを断固最小限の被害で乗り越えにゃいかぬという大目的がありますので、これをした上で、私どもは、その後、きちっとした形で、日本の経済が民需主導の未来、成長というものをきちんとやっていくようなものにしていかにゃならぬという施策も盛り込ませていただいておりますので。

 足下の財政が当面悪化することは間違いありません。それを踏まえた上でどうするかということだと思いますが、私どもとしてはこういったような形になりましたけれども、御先祖様というか先輩方というべきかのおかげさまをもちまして、少なくとも、日本の国債を大量に発行する等々のことをやりましたけれども、為替が急激に円安に振れることもありませんでしたし、金利が暴騰することもありませんでしたし、そういったような形は、これまできちっとした我々が財政再建を目指す等々の姿勢というものを、国債市場、マーケットで信用を得続けられた結果なんだと思っておりますので。

 いずれにいたしましても、こういったようなものをきちっとして、体制を立て直して、きちんと未来につなげていくというようなことをやっていきませんと、少子高齢化という、私どもにはもう避け難い、ちょっと国難と言えるべき大きな問題を抱えておりますので、こういった構造的な問題を抱えておりますから、私どもとしては、引き続ききちんとした体制を整えて、いわゆる、何というんですか、全体的で支えます社会保障政策というものを、全世代型で支えていくという形で、こういったものをきちっと未来へ残していくというようなものの基盤だけは失わないようにしていかねばならぬと思っております。

橋本委員 財務大臣からいろいろ苦衷を感じる答弁をいただきました。

 実は、感染を抑制をしていく、社会を元に戻していくということが一番の財政にとっても対策だと思いますし、そういう意味でいうと、実は、財務省こそ最も感染拡大を抑えたい役所なんじゃないかというふうにも思うわけであります。まず、もちろんそこは大事なので、しっかり取り組んでいただきたいと思いますけれども、引き続きそうした姿勢というのは持っていかなければいかぬというふうに思っているところであります。

 さて、それでは、どうやって感染を抑えるか。いろいろな議論がここ二日、それまで、前からありましたけれども、昨日、今日もありました。

 ただ、例えば、施政方針演説で、感染症を一日も早く収束をさせるというその総理の決意というのは大変伝わってきたと思っていますが、一方で、例えば、では、基礎って何というと、小まめに手洗いをしましょう、手指消毒をしましょう、マスクも着けましょう、あるいは三密回避などなど、そうした、実は、誰でもできる、当たり前にできる感染対策をどれだけの人がきちんとやっていただけるかということが最も大切なんだと私は思っています。政府の立場からいえば、そのことを引き続き周知徹底をしていただきたいと思っているんです。

 例えば、手指衛生もそうですし、マスクについても、昨日、今日ずっと眺めておりましたが、マスクを外すときはひもを是非持って外していただきたいんです。ここというのは決して清潔なところではありません。ただ、お水を召し上がるときに、やはりここをこうやって持って召し上がる方というのは何人か散見されまして、正しく飲んでおられるのは河野大臣だけだなと思いながら、実は、あっ、西村大臣もですか、ありがとうございます。

 ただ、やはり注目が集まりますので、そういうところから注意というのはしていただきたいな、こう思うわけでございますし、そうしたことをやはりちゃんとみんながきちんと理解をしてやっていっていただく、その上で、例えば検査であったりワクチンであったり、様々な対策をしっかりやるということが大事なんだというふうに思うんです。

 そういう意味で、今私が申し上げましたような、手指衛生をちゃんとやる、あるいはマスクをちゃんと着ける、その取扱いもちゃんとする、そうしたような基本的な感染対策が重要なんだということをしっかりおっしゃっていただきたいし、また、政府としてそれをしっかり周知をしていくんだ、これはもう当たり前のことですけれども、徹底してやり続けていくことが大事ですから、是非そのことをお願いしたいんですが、いかがでしょうか。

菅内閣総理大臣 足下の感染拡大を一日も早く収束をさせるために、緊急事態宣言などによる強力な対策を実施しているところであります。

 感染対策の一番の基本は、国民の皆さん一人一人が、ふだんから手洗い、消毒、マスクの着用、三密の回避、こうしたことに御協力いただくことである、ここは忘れてはならないことだというふうに思います。こうした点については、専門家からも繰り返し提言をいただいております。また、私の記者会見でも繰り返しお願いをさせていただいています。

 今議員から提案をいただきました、こうした、必ずやれる、常に気をつければできることを、まずは国民の皆さんに基本的な感染対策をしっかりやっていただけるようにこれからも広めていきたい、こういうふうに思います。

金田委員長 時間が来ております。

橋本委員 終わります。ありがとうございました。

金田委員長 これにて橋本君の質疑は終了いたしました。

 次に、川内博史君。

川内委員 川内でございます。

 総理以下閣僚の先生方、よろしくお願いをいたします。

 締めくくり総括質疑ということで、総括的なことをお聞きをしなければならぬというふうには思っているのですが、ちょっと冒頭、具体的なことを聞かせていただきたいんですけれども、お正月のテレビ番組で、総理が、年末年始においては陽性者数が少なくなるだろうと専門家を含めて考えたのも事実だというふうに述べていらっしゃいますが、この専門家というのはどなたのことを指していらっしゃるのかということを教えていただけますでしょうか。

菅内閣総理大臣 私自身、感染状況等については、尾身会長を始めいろいろな専門家の先生方から情報を得るため、いろいろお会いをさせていただいたりしております。

 その中で、昨年の十二月二十一日に尾身会長の記者会見で、急所を押さえることができれば、年末年始に向けて感染を下火に持っていくことは可能だろうという、こういう御意見があったところであります。このことから、一月四日のテレビ番組の発言において、緊急事態宣言に向けた判断を問われた際に、感染者が少なくなるという見込みにもかかわらず明確に感染者が下がらなかったことを説明をさせていただいたということであります。

川内委員 今総理が御発言されたのは、十二月の、今総理も言及されましたけれども、分科会の提言の中に、国や自治体、社会を構成する全ての人々がそれぞれの立場でできる感染対策を行うことで、年末年始には感染状況を下方に転じさせることは可能だと考えます、要するに、みんながうまくやったら、全てがうまく回ったら、年末年始、減るかもしれませんねと可能性について言及しているので。

 総理の、先ほど、GoToに関しても、人の移動が感染を拡大させないんだという専門家の提言もあったとここで御発言されたんですが、基本的には人の移動は感染を拡大させる可能性がある、ただ、エビデンスがGoToに関してはないというのが専門家のお話で。

 結局、専門家がおっしゃっていらっしゃる意見と総理が感じ取っていらっしゃる、あるいは総理が頭の中で解釈して御発言されていることに若干のそごがある。そこが国民の皆さんに混乱を生んでいるのではないかというふうに思うんですよね。

 専門家から様々に意見を聞いている、意見を聞いていると閣僚の皆さん、皆さんおっしゃる。確かに意見を聞いていますよ。そもそも、この分科会は提言をするのがお仕事で、提言というのは意見を言うということですから、私は、やはり感染症対策というのは科学的に、科学の分野については科学的に行わなければならないと考えるんですね。

 そこで、これは提案なんですけれども、分科会に総理はいろいろなことを、ただ意見を言ってよというんじゃなくて、ちゃんと諮問して、答申をもらう。答申をもらうと、その答申の中に、こうするべきである、こう書いてあると、政府はそれを受け止めて、ちゃんとそうしなければならないということになりますから、今後は、ただ意見、ちょっとこの件についてどう思うと聞くだけではなくて、諮問、答申という形を取るべきであるというふうに思うんです。そうすると、めちゃめちゃ専門家の皆さんの御意見が政府の施策にきちっと反映されますから、そこをちょっと検討してみていただけませんでしょうか。

菅内閣総理大臣 緊急事態、そうしたときには答申をいただいています。ふだんじゃなくて、あそこの分科会の中の答申をいただいて初めて可能になるということであります。

西村国務大臣 今総理が申し上げたのは、諮問委員会に私ども、対処方針などをするときは諮問をし、御意見をいただく。当然、そこで修正もあります。春のときであったと思いますけれども、愛媛県を解除するときに、条件付で解除だといった私どもと違う御意見をいただいたこともありますので、そういう形でいただいています。

 そして、日頃の話でいいますと、分科会、今日、尾身会長もお見えですけれども、例えば私から、ふだんいろいろと意見交換する中で、こういったことは考えられないのかという問題提起は常にさせていただいておりますし、当然、専門家の皆さんが感染状況を見て、日頃のやり取りでも、こういうことを考えたらいいんじゃないかとも言われますし、それはまとまって提言として出てくるわけですけれども。

 そうした中で、例えば先ほど来議論があります検査についても、確かに十二月に、無症状の方が食事の場で感染の起点となって広がったということがあるので、もう少し若い人たちに検査を広げていく、そういった方向がないのかというふうなことも問題提起をしておりまして、これは分科会の先生方でいろいろ今御議論されているというふうに承知をしております。

 ということで、日頃からいろいろなやり取りはしているということでございます。

川内委員 日頃からいろいろなやり取りをされていらっしゃるのは、私も外から見ていてよく分かってはいるんですけれども。

 ただし、専門家の先生方が提言としてまとめられたもの、例えば十一月の提言では、一般的には人の移動は感染を拡大させる、こう上に書いてあって、その下に、ただし、GoToトラベルが感染を拡大させているというエビデンスはないということを書いている。エビデンスがないことと感染を拡大させないということとは、全然また別な問題ですよね、総理。

 そうすると、専門家がまとめている意見がきちんと政府の施策に反映をされていくにはどうしたらよいのかということを考えることが私は大事だというふうに思うんです。

 例えば、GoToに関しても、大阪と北海道を目的地とするGoToトラベルはちょっと一旦停止するよ、だけれども、出発するのは自粛を要請するよと。国民は細かいことが分からないので、もう訳が分からなくなるわけですね。訳が分からなくなると、みんな自分勝手に行動をする。

 要するに、分かりやすいメッセージをきちんと伝える、そのために専門家が提言をするということになるんだというふうに思うので、尾身会長に今日来ていただいているんですけれども、この一年間のコロナウイルス対策で、分科会の責任者をお務めになられて、何らか総括なり、あるいは反省なり、ちょっと簡潔にお述べいただけますか。

尾身参考人 お答えいたします。

 今、緊急事態宣言が発出中でありますので、過去を振り返る余裕はありませんが、先生の御質問ですので、簡単に答えたいと思います。

 まず、総論的に言うと、日本の感染対策は、私はハンディキャップを背負って始めたと思います。それは、二〇〇九年の新型インフルエンザがあって、そのときに、今課題になっているような問題がかなり議論されました。それは、国と自治体の問題だとか、あるいは保健所の機能の問題、そのことが実はかなり議論されたんですけれども、その後、日本の場合には、SARSやMERSを経験しなかったこと、あるいは政権交代があった、地震、津波があったというようなことで、その危機感が持続されなかった。そういう中で、ハンディキャップを背負って始まったということがあります。

 具体的に、私自身の立場で、今回これから、本当にみんな、日本の国民、政府も含めて、自治体、国民、医療関係者、みんな頑張ったと思いますが、更にこれをよくするために、私は三つの点がこれからよりよくするための課題だと思っています。

 一点目は、政府や自治体がより効果的な情報発信を行ったならば、人々の協力をより得やすくなったのではないかというふうに私は思っています。

 四月の時点では、初めての経験ということもあって、いわば国民が一体感を持ったと思いますが、その後、夏以降、いわゆるコロナ疲れということと、それから、感染しても比較的多くの人が無症状というようなことも、そういうことが分かってきたということで、だんだん国民の理解が得られにくくなったということがあります。

 二点目は、政府と自治体間などでの必要な疫学情報がもっと迅速に共有されれば、より効果的な対策が行えたのではないかと私は思っております。

 実は、必要な疫学情報というのは、これは感染対策のいわば一丁目一番地なんですけれども、これは様々な理由があって、一つはデータがデジタル化されていないということと、あとは個人情報について自治体間で扱いが違う等々の理由があって、私は分科会の会長として最もフラストレーションを感じたのは、データが迅速に自治体間、あるいは国と自治体間の間で共有されなかったということがあります。

 それから三点目は、責任と権限がもうちょっと、一生懸命頑張っていただいたので、更にもっと一元化されれば、いわゆる今問題の検査のキャパシティーとか、医療供給体制への強化、あるいは保健所機能の強化というのが今よりも更にもっと進んだのではないかと思います。

 検査の充実については、もうかなり早い時期から努力されて徐々に改善されていますけれども、もう一歩の努力が必要だと思っています。

 それから、医療体制及び保健所の機能強化については、私が今まで振り返ってみますと、夏の期間に一時下に下がった時期がありますよね、高止まりで、あの時期にもう少しやっておけばよかったなという感じは私は持っております。

 それから、本来、固有に、あとは、もう一つの問題は、知事とあるいは国との権限というものの、役割ということで、私自身は、地域固有な問題についてはもっと知事に権限を与えたらいいと思います。それが、今度は、問題あるいは課題が地域を超えて広域的になった場合には、国がもう少し権限をはっきりと持つような制度あるいは関係がいいというふうに思っています。

 最後になりますが、この三つの今申し上げた課題というのは、今の感染症に、今のコロナの、これからもまたしばらく続きますから、これの更によりよくするための条件と同時に、新たな未知の、変異株のこともそうですけれども、未知の感染症に必須でありますし、それと同時に、今申し上げた三つの課題というのは、実は、国と地方自治体の在り方という日本の社会の根源的な問題にも関係しますので、是非国会議員の先生方に、このような課題について、より今まで以上のリーダーシップを発揮するようお願いいたします。

 以上であります。

川内委員 今、総理、尾身会長から様々な見識が述べられて、政府と自治体間の情報共有などについては、私ども野党も、不十分ではあったかもしれないけれども、十二月二日に改正法案を国会に提出をして、国とそれから自治体がきちんと情報共有して感染症対策に当たれるようにしていきましょうねというような法改正を出したんですけれども、多分総理はそのことを御存じなくて、今まで法改正が遅れてしまっているわけですけれども、感染症というのは、一日一日感染状況が変わるので、一月の、年が明けて物すごい感染が拡大して、うわっと思ったけれども、昨日は六百人台になって、ああ、もしかしたら減っていくかもしれないねという、みんな希望を少し持っている今状況です。でも、まだ予断は許さないですね、変異株のこととかあるし。

 そこで、今日、脇田感染研の所長にも来ていただいているんですけれども、十一月九日の分科会で、提言の中に、最近、外国人コミュニティーのクラスターも複数県で報告されており、その一部は国内由来ウイルスによるものであることが分かっているが、由来が不明のクラスターも多いと。十一月九日の段階で、国内以外のウイルスも多いというふうにこの分科会の提言で述べています。

 これは、今話題になっているイギリスとか、あるいは南アフリカに端を発するウイルスなのかどうか、この由来が不明なクラスターとはいかなる意味かということを、ちょっと脇田所長に御教示いただければというふうに思います。

脇田政府参考人 お答えいたします。

 我々、国内での発生のウイルスのゲノム解析、それから検疫におきますウイルスのゲノム解析を行っておりまして、それは随時おまとめして発表しているということになります。

 前回の発表までにおきましては、今委員が御指摘になった外国由来の株というのがございませんでした。ただ、今般、今ちょうどまとめているところでありますけれども、それをもうすぐ発表ということになりますけれども、そこには一部外国由来のものが入っているということになります。

 ただ、今般、変異株が取り沙汰されておりますけれども、そういったものではなくて、これまでも、外国人の方が、検疫では陰性になりまして、健康観察二週間ということになりますが、その後、発症をするというようなことで、家庭内で健康観察されますので、その家庭内で感染が起こるというようなこともございました。そういった意味では、そういった外国からのウイルス株の流入というものは時々これまでも見られてきたというふうに承知しております。

 今現在、その詳細につきましては今まとめておるところでございますので、公表させていただきたいと考えております。

川内委員 もうすぐ発表するということなんですけれども、せっかくここに来ていらっしゃるので、イギリス由来とか南アフリカ由来が、今解析した結果では、一番早い時期としてはこのくらいの時期に入ってきていたのではないかとか、そのぐらいまでちょっと教えていただくと、総理も大変勉強になる、みんな勉強になるというふうに思いますので、脇田所長、いかがですか。

脇田政府参考人 お答えいたします。

 今委員が御指摘になったような、例えばイギリス由来であるとか南アフリカ由来であるとか、今、501変異というものが取り沙汰されておりますけれども、そういったものではございません。

 ただし、今日この外国株についての御質問を受けるということを想定しておりませんでしたので、その詳細について今手元にございませんので、正確なものを公表してお知らせしたいと思っております。

川内委員 いや、質問通告をしておったんですけれども。そうですか。伝わっていなかったということですかね。

 いや、私が聞いているのは、イギリスや南アフリカ由来の変異株というのは、今マスコミ等で言われている時期よりも早い時期に日本に入ってきていた、もう既に入ってきていたのではないでしょうかという疑問を呈しているのですが、その点についてもお答えいただけないでしょうか。

脇田政府参考人 お答えいたします。

 イギリス変異株、南アフリカ変異株、それから、先日、ブラジルからの変異株も御報告させていただきましたけれども、既に公表されているもの以前に、検体も調べておりますけれども、そこからは検出はされておりません。

川内委員 様々な変異株が、これは、人の往来があれば必ずウイルスも移動する、そして感染を拡大させていくということですから、ゲノム解析の日本の第一人者である脇田所長に御活躍をいただいて、しっかりと解明をしていただきたいということをお願いしておきたいと思います。

 今日は日銀の黒田さんにも来ていただいているわけですが、去年の緊急事態宣言時に、経済的にどんな業種に、どんな人々に影響があったのかというのは、様々な日銀が持っていらっしゃる調査網でいろいろ分かっているというふうに思います。それをちょっと、私の残り時間は余りないので、短く、この業種に影響が出ていたということを教えてください。

黒田参考人 昨年春の緊急事態宣言発出時の影響を企業の業況感の面から見ますと、昨年六月のいわゆる短観で、企業規模を問わず、製造業、非製造業にわたる幅広い業種で大幅な悪化が見られましたが、中でも、製造業の自動車、非製造業の対個人サービス、宿泊・飲食サービスにおいて特に業況感の水準が大きく落ち込んだということであります。

川内委員 総理、宿泊、飲食、これは非常に中小企業が多いわけですよね、小規模企業が多い。総務省の労働力調査とか、あるいは財務省の法人企業統計とか、あるいは民間の東京商工リサーチとか見ていると、休廃業する事業者というのもこの飲食とか宿泊で物すごく増えているわけです。しかも、資本金が一千万円未満の企業がそういう状況に置かれている。そして、非正規労働者というのもそういう業種に多い。特に一人親家庭の一人親の、シングルマザーの皆さんとか、そういう方たちは、この緊急事態宣言でまた再び、容易に、大きな影響を被るであろうというのは、想像に難くないわけです。

 これは私などが申し上げるまでもなく、総理こそが、恐らくそういうことだろうというのはよく分かっていらっしゃると思うんですね。

 ありとあらゆる方策を取って国民の命と暮らしを守るんだというふうに総理は御発言されているわけですから、例えば、一人親家庭の子供たちに対する特別な給付金とか、あるいは、大企業の非正規労働者で、今日も話題になっていましたけれども、雇調金ももらえない、そして休業支援金、休業給付金の対象でもありませんと。この人たちが野村総研の試算では九十万人ぐらいいるというんですよ、九十万人ぐらい。(発言する者あり)女性だけで。

 これは何とか救わないといけないんですよ。救えるのは総理しかいないんですよ、本当に。私がどれだけ、何かやりたいですと言っても、私は何の権限もないんですよ。私はこの場で総理に申し上げるだけなんですよ。その九十万人の大企業非正規、ちょっと、後ろ、秘書官の方。原稿を読まれると困るんですよ、総理。

 九十万人の、雇調金ももらえない、休業支援金ももらえない、だけれども、困っている人たち、そして一人親家庭で、これから進級、進学、いろいろな準備もしなきゃいけない。

 労働力調査では、そういう業種の人たちは、もちろん、緊急事態宣言が出たから時短要請が出ているわけ、時短指示が出ているわけですから、働く時間がめっちゃ短くなっているんですよ。賃金はめちゃ減るわけですね。これは緊急事態の影響なんですよ。

 そういう人たちに手当てしようと、一人親家庭の子供たち、あるいは低所得の世帯の子供たち、そして大企業の非正規労働者で雇調金ももらえませんという人たち。この人たち、救えるのは総理しかいないんです。何とか方策を考えるというふうにここで御発言いただけませんか。

菅内閣総理大臣 手元の生活資金にお困りの方については、一人当たり最大百四十万円の緊急小口資金などを用意し、昨年以来百四十万件、合わせて五千億円を超える利用があります。所得が減っている方々は返済を免除する特例もあります。住居確保給付金についても、二度目の支給ができるようにいたしております。重層的ネットワークを用意して支援をさせていただきたい、こういうふうに思います。

川内委員 総理、融資はもう借りちゃっているんですよ、緊急小口融資とか、総合支援資金とか。それでこういう状況になっているので困っているので、ちょっと、今日、先ほど、そういう人たちに会うよ、会うことも考えるよとおっしゃっていただいたので、是非お会いいただいて、彼らの、彼女らの今の状況というものをしっかり把握、まず、じゃ、しようということは、ここでお約束いただけませんか。

菅内閣総理大臣 それはさせていただきます。

川内委員 それから、いや、GoToは僕は必要だと思うんですよ、GoToは。だけれども、GoToをやる時期というものがあって、分科会の先生方は、GoToをやるというのはステージ1かステージ2のときだよ、こう提言の中でおっしゃっています。

 緊急事態宣言が解除されたら、国交大臣はもうすぐにも再開したいみたいな思いを一度会見で述べられているような気がするんですけれども、しかし、やはり、ここはしっかりと感染を一回下火にするという必要があると思うんですけれども、GoToを再開する時期、これはステージ2になってからということでよろしいですか。

赤羽国務大臣 済みません、私、記者会見で、すぐにでも再開しようなんということは述べておりません。一部報道で切り取られてそういう見出しをつけられた記事がありましたが、それは抗議しております。

 この件は、一時停止の措置を講じるときも、全て、分科会の専門家の皆さんと、直接的には西村担当大臣が議論をし、該当の地域の知事さん、その後に政府として決断をしているわけでございますので、それを今度は解除する云々のときは、当然同じような、専門家の皆さんの御指導をいただきながらプロセスを踏むということでございます。

 いずれにしても、今はこの分科会の御提言を超えて全国一斉停止という措置を踏み込んでやっているわけですので、これは総理の決意として、政府の決意として、感染収束を最優先にするということで、その思いで私も取り組んでいるところでございます。

川内委員 感染をコントロールしながら社会経済活動を回していくということが必要だというふうに思うんですね。

 そこで、今日は武田大臣にもお聞きしたいんですけれども、救急車が感染した人をどこに運んでいいか分からないということで、救急搬送困難事案ということで消防庁に報告があるそうですけれども、この十月、十一月、十二月の救急搬送困難事案の総件数、そして特に東京の件数を、全国と東京と、二つ数字を教えていただけますでしょうか。

武田国務大臣 十月二十六日から一月十七日まで発生したもの、全国的には、調査対象五十二消防本部の合計は二万一千二百七十四件、東京消防庁、九千八百九十七件です。

 一月十八日から一月二十四日、調査対象五十二消防本部の合計二千八百三十六、東京消防庁分は一千四百二十九であります。

金田委員長 川内博史君、質問時間が終了となります。(発言する者あり)まだ。はい。(川内委員「委員長ひどい、ひどい」と呼ぶ)

 質問時間が短くなりましたことを認識の上……(川内委員「ちょっと、ごめんぐらい言ってくださいよ。ひどいじゃないですか、今の。ごめんねぐらい言ってくださいよ」と呼ぶ)

 あの……(川内委員「いや、まず、あのじゃなくて、川内悪いと一言まず言ってからでしょう」と呼ぶ)取り消します。

 はい、どうぞ。

川内委員 いや、だから、総理、救急搬送困難事案というのが物すごく増えているわけですよ。

 今の委員長のミスもそうですけれども、やはり、人間って完璧じゃないから、間違うこともあるしミスすることもいっぱいあるんですよ。そういうときに、ああ、これはごめんね、ちゃんと改めるからということを言えるのが私は総理だと思うんですよ。それはたたき上げの人しか言えないんですよ。

 だから、このコロナ対策についても、ちょっとまずいことがあったね、間違ったことがあったね、だけれども、ちゃんと反省して、またみんなで頑張ろうねということを言えば、みんな、うんうんと思うわけですよ。それをちょっと言ってください、最後。最後、委員長。

金田委員長 申合せの時間が来ておりますので、内閣総理大臣、短めによろしくお願いします。

菅内閣総理大臣 いずれにしろ、コロナ対策については与党も野党もありません。必要なことは、皆さんからの様々な御意見も鋭意参考にさせていただきながら、拡大防止のために全力で取り組んでまいります。

川内委員 終わります。

金田委員長 これにて川内君の質疑は終了いたしました。

 次に、宮本徹君。

宮本委員 日本共産党の宮本徹です。

 雇用対策について総理にお伺いしたいと思います。

 先ほど川内さんからお話がありましたけれども、休業支援金の対象にならないけれども休業手当も出ていないという大企業の労働者について、総理は答弁で、本会議で、政府としては、大企業の労働者の方々が雇用調整助成金の特例を活用いただけるよう、企業に対して丁寧に働きかけを行ってまいります、こう答弁されました。

 今回の緊急事態宣言の下で、実態はどうなっているのか。

 報道がありましたけれども、ラーメン屋一風堂では、緊急事態宣言の影響で、夜間シフトに入っている従業員はシフトがカットされて、シフトが決まっていないという理由で一月後半からは休業補償の対象外とされております。カツ丼チェーンかつやで働く男性も、シフトが減り、収入は月二十五万円から十万円になった。外食大手のフジオフードシステムで働いている女性、今年に入って勤務していた店舗が閉店になった、何とか近隣の店舗に異動になったけれども、今までの週四日勤務から週に一日、よくても二日しか入れなくなった、子供を二人育てており、毎月の収入が減り本当に困っています、こういう声があふれております。

 総理は、緊急事態宣言の下で、こうした飲食店でシフト制で働いている労働者の皆さんが置かれている実態について、どう認識されているでしょうか。これは総理の認識です。

菅内閣総理大臣 政府としては、雇用を守って事業を継続していくために、雇用調整助成金の特例措置を延長するとともに、今般の緊急事態宣言に伴い、知事の要請によって営業時間短縮に協力する飲食店については、大企業に対しても助成率の引上げを行ったところであり、まずはこうした制度の徹底を図っていきたいというふうに思っています。

 いずれにしろ、飲食店等の皆さんには大変な御迷惑をかけ、また御協力いただいていますことに感謝申し上げますとともに、今委員から言われましたが、勤務される、非正規、シフトですか、制で働いていらっしゃる方、そうした方の実態というものをしっかり調べてみたいと思います。

宮本委員 しっかり調べていただきたいんですね。

 ちなみに、働きかけるということを総理もおっしゃって、田村大臣も記者会見で呼びかけられていましたけれども、今回の緊急事態宣言で、大企業も雇調金一〇〇%助成になりましたけれども、この特例を使ってちゃんと払ってくれ、こういう働きかけ、今まで何社に対して行ったんでしょうか。

田村国務大臣 ちょっと通告が届いておりませんでした。すぐに、すぐに調べさせます。

宮本委員 恐ろしいですね。私、ちゃんと通告、いつもメモで、ちゃんとかなり前に入れるようにしているんですけれども。

田村国務大臣 大企業の一〇〇%助成の話。これは、まだ大企業一〇〇%助成に関しましては発表されたばかりでございますので、これに関しましてはまだ集計調査しておりませんので、これから周知をいたしまして、しっかりと、またどれぐらいのところが対応していただいているかということを調査してまいりたいというふうに思っております。

宮本委員 できたばかりで、働きかけをやりますと言って、働きかけもやっていないわけですよね。

 それで、働きかけをやったら払われるのかという問題が今起きてきております。というのも、先ほど挙げたようなところは、割と労働組合なんかにも入って、団交もやったり、企業とやり合っているわけですけれども、シフト制については休業手当の支払い義務がないということを言われる。今日午後、あるところで行われた団交の話を聞きましたけれども、そこでも同じように、雇調金一〇〇%を使ってくれ、これができたじゃないかという話をしても、休業手当の支払い義務がないと言われたと。

 それと同時に、実はこの一〇〇%助成がうちは使えないんだという話も出たという話なんですね。なぜなら、条件として、この特例は、人員を一人も解雇してはならないという条件がついております。飲食店の場合は、ずうっと厳しい状況が続いておりますので、これまで店舗を閉鎖して人員を整理したことがあるところが少なくないんですね。ですから、去年の一月から今年の一月末まで一人も首を切っていなければこの一〇〇%助成が使えるということになっていまして、せっかく、一〇〇%助成、今回対象を拡大されたのに、これを使って休業手当を支払うということにもなっていない現状があるんですね。これはどう解決されますか。

田村国務大臣 中小企業もそういうルールの下で一〇〇%助成をやっているということでございます。大企業も同じような形の中で、十割助成という形で今般対応させていただいております。

 ちなみに、いろいろなお声がありますので、総合雇用労働相談コーナーですか、こういうところで、いろいろな方々から、うちの方では雇調金等の対応をいただいていないということがあれば、それで大企業等々にいろいろと我々依頼に入らせていただいて、協力要請をさせていただきたいというふうに思っております。

宮本委員 ですから、私が今お話ししたのは、協力要請をできやすくするために皆さんも一〇〇%に雇調金を引き上げたと思うんですけれども、既に飲食店の皆さんは、体力がなくなる中で、店舗を閉鎖して人員削減もしちゃっている、一〇〇%助成は使えない、そうなると、今までと同じことが続いてしまうのではないのかということなんですよね。これは解決しないと駄目だと思いますよ。

 今のままだと、絶対休業手当が支払われるということにならないですよ。雇調金の仕組みをもっと考えて直すか、そうでなければ、休業支援金の対象を大企業の非正規労働者まで拡大するか、どちらかしないと、今まで払われなかった方々に休業手当が支払われる、あるいは何らかの支援が届くということにはならない。今、こういう問題が起きております。

 これは是非、どう解決するかというのを、総理、ちゃんと考えていただけないでしょうかね。

田村国務大臣 基本的に制度が備わっております。今総理がいろいろとおっしゃられましたけれども、それぞれのいろいろな対応策がございまして、例えば緊急小口、総合支援資金、こういうものの貸付け等々、これは百四十万まで両方とも合わせると最大あるわけでありまして、こういうものも含めて対応いただく。また、住居確保資金、これは二度目ということで、対応するということでございます。

 それぞれの対応策を通じて、いろいろな、窮しておられる方々に対しては支援をしてまいりたいというふうに考えております。

宮本委員 ですから、休業手当が支払われていないのは雇調金か休業支援金かで対応しようというのが本来の考え方じゃないですか。そういう方々に対して、政府の支援が不十分で、それが届かないから借金してくださいというのは筋が違うと思いますよ。総理もそう思いませんか。

田村国務大臣 総合支援資金に関しましては、もう御承知のとおり、緊急小口もそうでありますけれども、特例でございますので、住民税非課税ということであればこれは返済免除という形になっております。そういうような形で、大変困っておられる方々に対しては、こういう対応の下でいろいろな支援の手を我々も伸ばしていきたいというふうに思っております。

菅内閣総理大臣 雇調金の十分の十は使えないということですけれども、従来の十分の八とか、そうしたものは使えることになっていますから、そういう中での対応も一つじゃないでしょうか。

宮本委員 いや、もう話がひっくり返っちゃう。十分の八だと休業手当が払ってもらえないから、今回、十分の十まで引き上げたんですよ。ところが、その十分の十の条件が合わないから、またそれでも払えない企業がある。そうすると、ずうっと四月から休業手当を払っていない方々を救う方法というのが、今、政府の対策ではなくなっちゃっているわけですよ。

 そこをどうするのか。雇調金の条件を抜本的に見直すのか……

金田委員長 時間が参りました。

宮本委員 あるいは、休業支援金の対象を大企業まで拡大するのか、二つに一つしかないんですよ。

 それを是非決断していただきたいということを申し上げまして、時間になりましたので、質問を終わります。

金田委員長 これにて宮本君の質疑は終了いたしました。

 次に、藤田文武君。

藤田委員 日本維新の会の藤田文武でございます。

 時間も四分と限られておりますので、端的に二つお聞きしたいと思います。

 昨日、今日と、やはり注目はワクチン。ワクチンを語る中で、やはり正確な情報をいかに国民の皆さんにお伝えしていくかということが最も重要だと思います。

 我が党の馬場幹事長の方からも、やはり、えも言われぬ不安がある方もいらっしゃると。だから、しっかりと情報をお伝えしていくというのが重要で、特に、今言われています遺伝子ワクチンというものに対しての正式な見解であるとか、開発期間の短縮と安全性、こういうものに対してどう見ていくのか、それから、副反応のリスクというのはどうなのか、それから、変異株、これに果たして効くんだろうか、こういった疑問がやはりうずめいていまして、不安をあおるような報道やSNS、そういったものも散見され始めました。

 私は、やはり冷静に、国民の皆さんに、自発的にワクチンを打たなければならないな、社会のために打ちたいというふうになっていただけるようなメッセージを伝えてほしいというふうに思いますので、この情報発信についての在り方について問いたいと思います。

 もう一問は、関連して、我々政治家は、あなたはワクチンを打つんですかと言われる、こういう問いを投げかけられることは、ある種致し方ないかなというふうに思いますけれども、一般の方はやはりちょっと違うんじゃないかなと思っておりまして、例えば、ワクチンを接種した証明書がないと何かの行動制限がかかる、そういったようなことは、私は原則的にはない方がいい、控えた方がいいというふうに思います。

 私の知人でも、高齢者の施設で働いておられる方、皆さん受けなさいというようなプレッシャーがあるわけですね。でも、インフルエンザのワクチンを打ってアレルギーが出た経験があるんですとおっしゃられるんです。不安ですよね。そういったときに、もうどうしても打たないといけない、又は、打ったことを公表しろというようなことは、ある種の差別やそういう偏見を生むというふうにつながりかねないので、その辺り、政府の御見解、総理の御見解を是非お聞きしたいというふうに思います。

河野国務大臣 情報発信については、正確な情報を速やかに発信することに努めてまいりたいと思います。官邸に特設のホームページを作り、また、官邸のツイッターのアカウントも設置いたしましたので、それで一元的に情報を出してまいりたいと思っております。

 接種のことについては、そうしたことが強制的に何か公表しろと迫られるようなことにならないように、そこはしっかり気をつけてまいりたいと思っております。

藤田委員 ありがとうございます。

 時間なので、終わります。

金田委員長 これにて藤田君の質疑は終了いたしました。

 次に、西岡秀子君。

西岡委員 国民民主党、西岡秀子でございます。

 限られた時間ですので、早速質問に入らせていただきます。

 先ほど、これまでの議論の中で、ワクチンについてはまだ供給時期も含めて明確に日程感がお示しいただくことができない状況という中で、都道府県、市区町村においてはワクチン接種についての計画、準備が着々と取りかかって進められております。

 私は、この感染症対策、誰が総理になっても大変難しい問題だと思っております。ただ、国難に直面した今、国民と一体となってこの感染症と戦うという、国のトップリーダー、総理が国民の皆さんから信頼されて、そしてやはり共感を持っていただくということが大変私は重要だと思っております。

 また、政策決定に至るプロセス、これは時として国民の皆さんから理解していただけないようなこともあるかもしれませんけれども、どうしてそれをやるのかということをやはりトップが覚悟を持って国民の皆さんに説明をしていくということが大事だと思います。

 菅総理は違うというふうにおっしゃるかもしれませんけれども、今の政権の対応は、方針を総理が決定されたとしても、例えば、野党から問題を指摘される、また、世論が大変批判的な反応をするということがある中で、突然、その決定経緯がよく分からない中で方針が変わっていくというふうにやはり国民は感じている部分があると思います。

 そして、菅総理の説明の中で、先ほどもありましたけれども、専門家がこうおっしゃったということがキーワードとなって総理の説明があっているということが、やはり国民の皆さんが、今、大変厳しい感染症拡大の中で、不安の中で、やはり総理に対して、本当に大丈夫だろうかという不安を持っていらっしゃることにつながっているのではないかと思います。

 そこで、先ほど玉木代表の方から、コロナ対策のプランBということで、封じ込め戦略というものを先ほどの質疑の中で提案をされました。ワクチン接種の時期が明確でないんですけれども、この一年を感染拡大して経過する中で、菅総理がやはり、長期的な視点に立って、このコロナ対策をワクチンも含めてどういう基本的な戦略を描いているのかということを、そろそろ国民の皆様にしっかり説明する時期に来ているのではないかと私は考えますけれども、そのことについて総理の、国民の皆さんに、ある程度長期的な、もう一年がたった今、どのようなお考えを持っているかということをお聞かせいただきたいと思います。

菅内閣総理大臣 まずやるべきことは、今の感染拡大を防ぐために全力を挙げていく、このことが今一番言われておる、求められていることだというふうに思います。

 その上で、今回、特措法の改正法案、これは感染拡大を防ぐために、感染者の調査や入院、飲食店に対する営業時間の短縮などに、より実効的効果をもたらすことができるというふうに思っています。

 そうした意味合いにおいては、この特措法改正案の早期成立を図ると同時に、より実効的な感染対策を進める、そうしたことが大事だというふうに思いますし、感染対策の決め手となるワクチンであります、円滑に接種を進めていける、その見通しというものを一日も早く国民の皆さんに示して、そしてそのスケジュール等も明らかにする中で安心を与えていく、このことが大事だというふうに思います。

 私自身、昨年九月十六日に内閣総理大臣に就任をしてから、まさに国民の皆さんの命と暮らしを守るために、とにかくいろんな方からいろんなお話を伺う、また、自分自身としてできることを全て傾聴する、その思いであるのは、これは内閣総理大臣として当然のことでありますけれども。

 ただ、専門家というお話でありますけれども、この特措法の中に、緊急事態宣言、ここを実行に移す際には専門家にも意見を聞くようにという、これは国会からの附帯決議もあります。そういう意味で、私ども、こうした方針を決定する際には、やはりそうした先生方のお話を伺った上で、最終的には私が判断をさせて決めさせていただいています。

金田委員長 時間が参りました。

西岡委員 私が総理にお聞きをしたかったのは、一つ一つの今のようなお話ではなくて、先ほど玉木代表がお示しになったような、やはり国民の皆さんがこういう目標があるから今のこの苦境を耐え忍んで頑張ろうというような、やはり総理の長期的なこのコロナに対するプラン、例えば、これが途中で変わっても私はいいと思います。是非、近いうちに総理がそのような長期的なプランを国民の皆さんに総理の言葉でお示しいただくことを私は心から要望して、質疑を終わります。

 ありがとうございました。

金田委員長 これにて西岡君の質疑は終了いたしました。

 これをもちまして締めくくり質疑は終了いたしました。

 以上をもちまして令和二年度補正予算両案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

金田委員長 ただいままでに、立憲民主党・無所属、日本共産党の二派共同による、奥野総一郎君外一名から、また日本維新の会・無所属の会藤田文武君から、また国民民主党・無所属クラブ高井崇志君から、それぞれ、令和二年度補正予算両案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議が提出されております。

 この際、各動議について提出者より順次趣旨の弁明を求めます。奥野総一郎君。

    ―――――――――――――

 令和二年度一般会計補正予算(第3号)及び令和二年度特別会計補正予算(特第3号)につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

奥野(総)委員 私は、立憲民主党・無所属及び共産党を代表し、ただいま議題となりました政府提案の令和二年度第三次補正予算二案を撤回のうえ編成替えを求めるの動議に関して、その趣旨を御説明いたします。

 まずは、編成替えを求める理由を申し述べます。

 現在、変異株の流入など感染の収束が見通せない中、持てる力の全力を感染拡大防止と医療体制への支援、個人、事業者支援等に注ぐべきだと考えますが、第三次補正予算案は昨年十二月に編成されたものであり、そもそも現在の緊急事態宣言下における危機的な国民生活や事業、医療体制が想定されていません。また、GoToトラベルやGoToイートなどの完全にタイミングを誤った予算が含まれており、現下の危機的な状況において適した補正予算とは到底申せません。

 さらに、政府案には、本来であれば本予算で審議されるべき予算が含まれております。直近の豪雪対応を始め、災害復旧のための経費は必要ですが、災害復旧事業等を除く国土強靱化やカーボンニュートラルに向けた基金創設、大学ファンドなどは、緊要性を欠き、本予算で審議すべきものです。

 今、国民が求めている補正予算は、現下の深刻な状況を克服するためのコロナ集中対策予算です。政府案において計上されている予算のうち急を要さない項目を撤回し、感染拡大防止と医療体制への支援、個人、事業者支援等に万全の対策を講ずるため、補正予算案を組み替えることが必要不可欠であり、立憲民主党・無所属及び共産党は本動議を提出いたします。

 次に、編成替えの上、コロナ集中対策予算としてまず講ずべき施策の概要を御説明いたします。

 第一に、三兆円を投じ、医療機関、医療従事者等への支援を行います。

 感染拡大が深刻化する中、国民の命と健康を守るために最優先すべきは日常診療や地域医療を維持することですが、医療機関の経営環境はコロナ対応等により極めて悪化しています。このままでは、新型コロナウイルスの感染者を受け入れていない一般の病院でも資金不足やスタッフの退職といった事態に陥り、医療崩壊が更に進んでしまいます。そこで、新型コロナウイルスの患者を受け入れている医療機関はもちろんのこと、歯科を含む全ての医療機関に対し、昨年からの減収分を補填いたします。

 医療、介護、障害福祉、子ども・子育て支援施設の現場で働く方々は、日々、新型コロナウイルスに感染するリスクにさらされながら、多くの人々の生活を支え、命と健康を守るために努力されています。これらの方々に対して慰労金を給付します。

 また、潜在看護師の復職を促すため、研修等の措置を講じます。

 第二に、一兆五千億円を投じ、新型コロナウイルスの更なる感染拡大を防止するため、徹底した感染防止対策を講じます。

 無症状感染者が感染源となることを防ぐためにも、特に重症化リスクの高い場所で働く方々への検査を強化することが必要です。医療・介護・障害福祉・保育従事者、学校教職員などのエッセンシャルワーカーを始めとする希望する方々が定期検査を公費で受けられるように措置します。

 また、検査を早く安く受けられる体制を整備します。

 第三に、三兆四千億円を投じ、新型コロナウイルスの影響によって生活が困窮している方々を支援するための措置を講じます。

 生活福祉資金貸付制度を充実させます。手元資金にお困りの方々への緊急小口資金、総合支援資金について、特例措置の期限を六月まで延長します。

 休職、離職等を余儀なくされ、収入が減少した方々に対し、求職活動の更なる長期化に備え、失業手当の支給割合の二〇%引上げや給付日数の九十日間延長を実現します。

 中小企業新卒就業者等就業支援対策を講じ、内定取消しを防止します。

 一人親世帯に加え、生活が困窮する低所得の子育て世帯に対して給付金を支給します。

 大学生や専門学校生の授業料を半額免除するとともに、アルバイト収入が減額した学生への収入補助を行います。

 第四に、七兆五千億円を投じ、事業と雇用を途切らせないよう、幅広い事業者に対する支援策を講じます。

 営業の自粛を要請する以上、補償もセットで行うべきです。営業の停止や短縮に応じていただいた事業者に対して経済的支援を行います。

 足下の感染急拡大や事態の長期化により、多くの事業者が困難に直面しており、倒産や廃業を食い止めることが必要です。既に給付を受けた事業者に対しても、持続化給付金を再度支給します。

 雇用を守るために、雇用調整助成金の特例措置を六月まで延長します。

 高収益作物次期作支援交付金の運用見直しによる不公平感を払拭するため、同一条件で申請した農業者に対して同様の支援措置を講じます。

 第五に、二兆五千億円を投じ、地方自治体への支援を大幅に拡充します。

 新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金について、軽症者用医療施設や臨時医療施設の開設にも資するよう、政府案より更に一兆円増額します。

 新型コロナウイルス感染症地方創生臨時交付金について、自治体が休業協力金などの給付等を独自で実施できるよう、政府案より更に一兆五千億円を増額します。

 財源面では、まず、政府案では既定経費の減額として、令和二年度新型コロナウイルス感染症対策予備費が一兆八千五百億円減額計上されていますが、現下の緊急的な状況に鑑み、減額は行わないこととした上で、同予備費の残額五兆六千六百四十四億円のうち、一兆円を残した四兆六千六百四十四億円を充当し、優先的施策を速やかに執行します。

 その上で、政府案において補正に含むべきではない予算を撤回します。

 具体的には、カーボンニュートラルに向けた基金の創設、マイナンバーカードの普及促進、大学ファンド、GoToトラベル、GoToイート、災害復旧事業等を除く国土強靱化の推進、防衛装備品の支払い前倒しのための経費は、来年度予算での措置を検討することとし、計六兆九百十四億円を捻出します。

 さらに、特例公債を八兆九千九百四十二億円追加します。

 以上のとおり、令和二年度三次補正予算を組み替えようというのが、立憲民主党・無所属及び共産党の編成替えを求めるの動議の概要であります。

 国民の命と暮らしを守るコロナ集中予算とするため、与党など多くの皆様にも本動議に賛成していただくことをお願いして、趣旨の説明といたします。

 以上です。(拍手)

金田委員長 次に、藤田文武君。

    ―――――――――――――

 令和二年度一般会計補正予算(第3号)及び令和二年度特別会計補正予算(特第3号)につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

藤田委員 私は、日本維新の会を代表し、ただいま議題となりました編成替えを求めるの動議に関して、その趣旨を御説明申し上げます。

 まず、編成替えを求める理由について申し述べます。

 都道府県知事の要請を受けて、政府は緊急事態宣言の再発令を行いました。この影響による厳しい経済情勢、国民生活、医療体制を踏まえれば、コロナ対策を主眼とした一定規模の補正予算が必要なことは明らかであります。

 しかしながら、政府補正予算案は、緊急事態宣言の再発令を前提に編成されたものではなく、年度内に緊急に実施する必要のないものが多く入っております。経済対策、医療機関への支援等についても、不十分なものと言わざるを得ません。

 そこで、政府案について精査を行ったところ、五兆二千億円分の歳出につき、現状にふさわしいものではないと判断いたしました。この額について、不足する事業者、医療機関への支援、水際対策、一人親、学生、休業者支援、自治体支援に充てる形で、改めて予算化すべきと考えます。

 以下、編成替えの概要について説明いたします。

 第一に、事業者支援のため、現行の持続化給付金及び家賃支援給付金の再実施に向けて、一・七兆円を予算化します。なお、持続化給付金については、所得の多寡に応じた制度に改善をいたします。

 第二に、医療機関への支援を充実化させます。

 具体的には、現行の緊急包括支援交付金を一・六九兆円増額いたします。この交付金は、令和三年一月から三月分を更に増額することに加えて、主にコロナ対応に協力をした病院への赤字補填と医療機関への資金繰り支援を制度として組み込み、機動的な支援を可能にいたします。

 また、全国に重症化センターを整備する費用として、一千百億円を計上いたします。

 第三に、水際対策予算として三百億円を計上します。

 第四に、コロナ禍において多大な影響を受けている一人親、学生、休業者支援を拡充し、〇・六兆円を予算化いたします。

 一人親世帯及び学生については、既定予算と同程度の額を再度措置いたします。休業支援金・給付金制度は、大企業従業員にも拡大した上で三月末まで延長、なお、本制度については、予算執行率が低迷していることから、制度の周知を徹底することを併せて強く要望いたします。

 第五に、地域の実情に即した新型コロナ対応を支援するため、感染症対応地方創生臨時交付金を一・〇七兆円増額いたします。

 以上の五・二兆円の財源につき、次に述べる歳出削減を充当します。

 防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策の初年度分の経費について、令和三年度の所要額が全て補正予算に計上されており、緊要性に乏しいため、全額減額いたします。

 世界レベルの研究機関を構築するための大学ファンドの創設については、うち四兆円は令和三年度の財政投融資計画で措置されることとなっており、運用開始も令和三年度であることから、全額減額いたします。

 GoToイート及びGoToトラベルキャンペーンの延長については、四月一日以降分は令和三年度に執行されることから、これを減額します。

 水田の畑地化、汎用化、大区画化等による高収益化の推進について、本事業は六年連続で計上の上、いずれも補正で全額措置されており、特別の緊要性に乏しいことから、全額減額します。

 グリーンイノベーション基金事業について、民間企業等に関する支援は令和三年度以降十年間の予定であり、運用開始も令和三年度であることから、全額減額します。

 以上が、日本維新の会の編成替え案の概要でございます。

 予算規模を変更せず、既存事業の継続と削減を中心とした即応性のある組替え案となっておりますので、与野党の皆様にも本動議案に賛成していただくことをお願い申し上げて、提案理由の説明とさせていただきます。

 ありがとうございます。

金田委員長 次に、高井崇志君。

    ―――――――――――――

 令和二年度一般会計補正予算(第3号)及び令和二年度特別会計補正予算(特第3号)につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

高井委員 私は、国民民主党・無所属クラブを代表し、ただいま議題となりました政府提案の令和二年度第三次補正予算二案を撤回のうえ編成替えを求めるの動議に関して、その趣旨を御説明いたします。

 まずは、編成替えを求める理由を申し述べます。

 残念ながら、この間の政府の新型コロナウイルス対策は、後手後手で、小出しで、スピード感がありません。しかし、批判一辺倒では何も解決になりません。国会議員として果たすべき使命は、コロナ危機から全ての国民の命と生活を守ることです。そのために、新型コロナウイルス対策に特化した予算の編成替えを提案します。

 次に、編成替えの概要を御説明いたします。

 第一に、現役世代への十万円一律給付や総合支援資金の貸付枠拡大など、厳しい家計を支援するとともに、感染拡大防止に向けた協力を広くお願いするため、十・五兆円の歳出を追加します。

 第二に、持続化給付金及び家賃支援給付金の増額、要件緩和など、事業者を支援するため、十兆円の歳出を追加します。

 第三に、雇用調整助成金の特例措置の延長、対象拡大、休業支援金・給付金の拡充など、雇用、所得の安定のため、一兆円の歳出を追加します。

 第四に、医療機関への経営支援として、緊急包括支援交付金の使途を減収補填に拡大するなど、医療、介護を支援するため、三・五兆円の歳出を追加します。

 第五に、時短要請協力金の原資となる地方創生臨時交付金の増額に一・五兆円の歳出を追加します。

 第六に、学生支援緊急給付金の支払い対象拡大など、学生支援のため、一兆円の歳出を追加します。

 第七に、新型コロナウイルス対策以外の予算項目については、カーボンニュートラルに向けた技術開発支援基金の一部やマイナンバーカードの普及促進、不妊治療助成措置の拡充、自然災害からの復旧復興などの予算を除き、九兆円の歳出を減額します。

 第八に、特例公債、財投債を十八・五兆円追加します。

 以上、委員の皆様におかれましては、新型コロナウイルス感染症対策に最大限予算を振り向ける本動議に賛成していただくことをお願いして、提案理由説明といたします。

金田委員長 これにて各動議の趣旨弁明は終了いたしました。

    ―――――――――――――

金田委員長 これより討論に入ります。

 令和二年度補正予算両案及びこれに対する撤回のうえ編成替えを求めるの動議三件を一括して討論に付します。

 討論の申出がありますので、順次これを許します。浜地雅一君。

浜地委員 公明党の浜地雅一です。

 公明党、自由民主党の与党を代表しまして、令和二年度第三次補正予算案に賛成、野党各会派提出の編成替え動議に反対の討論を行います。

 現下の感染拡大の現状において、医療体制の強化が急務であることは明らかです。

 本予算案は、緊急包括支援交付金を第一次補正、第二次補正に引き続き計上し、コロナ患者を受け入れる医療機関の空床時の補助を始め、数多くのメニューに活用されます。予備費で措置しました一床当たり最大一千九百五十万円の病床確保補助や診療報酬の引上げとも相まって、医療体制強化に資するものであります。医療機関のゾーニング対策、PCR、抗原検査の充実のための予算、また国民の皆様が待ち望む安全かつ確実なワクチン接種の体制整備費などが計上されております。

 さらに、雇用調整助成金や緊急小口資金等の特例措置、中小企業の資金繰り支援の拡充など、雇用や生活の支援に必要な経費を計上しており、新型コロナウイルス感染症への対応に万全の措置を講じる予算となっております。

 政府には、これら予算が医療機関を始め現場に迅速に、確実に届くよう強く求めます。

 コロナ終息後のポストコロナの世界を見据え、経済の活性化策を準備することも当然必要であります。そのための予算として、デジタル改革やグリーン化対応など重要課題に対応する予算も計上されております。

 なお、GoTo事業については、感染終息後、感染防止対策を万全にした上で再開を望む声が、コロナの直撃を受けております観光事業者から数多く寄せられております。政府には、適時適切な時期の執行を求めます。

 相次ぐ自然災害から国民を守り抜くことも政治の使命でございます。

 本予算に計上された国土強靱化等の予算には、国土強靱化五か年加速化対策の初年度分が計上されております。インフラの老朽化対策、予防保全も待ったなしであり、これまで三年間の集中点検期間において積み残された事業を切れ目なく推し進めるためにも是非とも必要な予算です。

 以上、補正予算に賛成する主な理由を申し述べました。委員皆様の御賛同をよろしくお願い申し上げます。

 野党各会派の動議につきましては、見解を異にするため反対することを申し述べ、私の討論といたします。(拍手)

金田委員長 次に、森山浩行君。

森山(浩)委員 立憲民主党の森山浩行です。

 私は、立憲民主党・無所属を代表して、令和二年度第三次補正予算については反対、また、立憲民主党・無所属及び日本共産党提出の組替え動議については賛成の立場から討論をいたします。

 まずは、命と暮らしを守るための対策を。

 コロナ禍の間、私たち野党は、政治にできることはとにかく何でもやるとの思いで、政府提案にもおよそ九割賛成するとともに、十万円一律給付や持続化給付金、雇調金、家賃補助、学生支援、検査拡大などなど一貫して先手先手で提案をし、政権が後手後手で対応する場面が続いています。

 今回の予算案は、感染拡大の原因であった可能性が指摘されており、停止のタイミングが遅かったために大混乱になったGoToキャンペーン停止の翌日、十二月十五日に閣議決定されました。うち感染拡大防止予算は四兆三千五百八十一億円。本来なら、当時六兆八千九百二十四億円もあった予備費でこの部分の予算措置を講じるべきでした。この間の政府の不作為の責任は重いと言わざるを得ません。

 危機管理の要諦は最悪の事態を想定することだということは認識するとしつつも、コロナは誰も経験をしていないから想定できないという菅総理の答弁に象徴されるように、委員会での回答は説明責任を果たさず、一生懸命やっているの一点張りで、予算の執行率が上がらない、現場からの情報を把握していない、専門家の助言や知事の要望を錦の御旗にしつつ都合のいい部分だけつまみ食い。残念ながら、情報隠蔽体質と新型コロナに対する危機感の薄さを感じざるを得ませんでした。

 今日の東京の新規感染者は再び千人を超えたということです。一か月以上前の閣議決定の時点とは局面が変わっています。

 今国民が求めているのはコロナ対策集中予算です。国民の信頼を取り戻すため、科学的知見に基づき、徹底的に説明責任を果たすとともに、改めて、国民の命が懸かっているという緊張感を持ち、医療現場を始めとする現場で歯を食いしばっている皆さんを、そして国民の生活を、事業を、全力で支えなければなりません。

 私たちが組替え案で提案した各種支援を積み増すための財源としては、これから二か月余りで執行する補正予算としてふさわしくないGoToトラベルのみならず、災害などを除く国土強靱化、カーボンニュートラルの基金などの急を要さない項目は撤回し、昨年六月の予備費の残額などを含めて組み替えるべきと訴え、補正予算には反対、組替え案には賛成の討論といたします。(拍手)

金田委員長 次に、藤野保史君。

藤野委員 私は、日本共産党を代表して、政府提出の第三次補正予算案に反対、立憲民主党、日本共産党共同提出の組替え動議に賛成の討論を行います。

 新型コロナの感染拡大の下で、入院も宿泊療養もできず、自宅で不安な日々を過ごし、その中で命を失うという、あってはならない事例が急増しています。まさに医療崩壊の状態であり、今こそ、命を守り抜く立場で、政治が責任を果たさなければなりません。

 ところが、第三次補正予算案は、総理が緊急事態宣言は考えてもいないと明言していた時期に、コロナ収束を前提に編成されたものであり、現在の感染拡大に全く対応していません。例えば、本案は、感染拡大を招き、停止せざるを得なくなったGoTo事業の延長に新たに一兆円を超える予算をつけています。感染拡大を引き起こしたことに何の反省もないのですか。

 その一方で、中小・小規模事業者が切実に求めている持続化給付金や家賃支援給付金を一回限りで打ち切ろうとしています。長引くコロナ禍の下、多くの中小業者が存続の危機に直面しています。再度の給付こそ行うべきです。

 今やるべきことは、PCR検査の抜本的強化、医療機関などへの減収補填、自粛と一体の十分な補償です。こうした本来の責任を果たすこともなく、罰則で国民に責任転嫁するなど、断じて認められません。

 立憲民主党、日本共産党の共同組替え案は、医療機関等への減収補填などに三兆円、PCR検査の拡充などに一兆五千億円、生活困窮への支援に三兆四千億円、事業、雇用への支援に七兆五千億円など、国民が切実に求める施策に集中的に予算を振り向けるものです。

 GoTo事業やマイナンバーの普及、災害復旧事業等を除く国土強靱化、防衛装備品の支払いの前倒しのための経費などは撤回すべきです。

 最後に、コロナ対策を進める上で何よりも大切なのは政治リーダーへの信頼です。日本学術会議への任命拒否、桜を見る会、河井元法相夫妻の選挙買収疑惑、吉川元農水大臣らの収賄事件、いずれもまともな説明がありません。これでは国民の信頼は到底得られない。安倍前首相の証人喚問始め、真相究明を強く求めて、討論を終わります。(拍手)

金田委員長 次に、藤田文武君。

藤田委員 日本維新の会・無所属の会の藤田文武でございます。

 私は、会派を代表して、第三次補正予算二案について、日本維新の会が提出した動議に賛成、立憲民主党が提出した動議に反対、国民民主党が提出した動議に反対、政府予算案に賛成の立場から討論をいたします。

 緊急事態宣言の再発令による厳しい経済情勢、国民生活、医療体制を踏まえれば、コロナ対策を主眼とした一定規模の補正予算が必要なことは明らかであり、状況の変化に応じて機動的に活用することが適切ではないでしょうか。

 しかしながら、政府の第三次補正予算案は、緊急事態宣言が出される前に組まれた上、年度内に緊急に実施する必要がないものが多く含まれております。防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策、グリーンイノベーション基金事業、大学ファンドの創設などは、その趣旨は理解いたしますが、本予算に入れるべき内容であると言わざるを得ません。

 日本維新の会は、新型コロナ感染症により大きな傷を受けている事業者への支援、最前線で働く医療機関への支援、水際対策、そして地方を支援するための地方創生臨時交付金に使うべきであると考え、第三次補正予算に対する組替え動議を提出いたしました。これにより、新型コロナの感染拡大を抑え込むとともに、経済復興への機動的な施策が実行できるようにする狙いであります。

 政府の第三次補正予算案については、最善の案とは申し上げられませんが、やむを得ず賛成とした上で、政府・与党には補正予算の原理原則に立ち返ることを求めるとともに、我が党といたしましては、引き続きコロナの収束に向けて知恵を出し、全力を尽くしていくことをお誓い申し上げ、討論を終わります。

金田委員長 次に、高井崇志君。

高井委員 私は、国民民主党・無所属クラブを代表し、ただいま議題となりました政府提出の令和二年度第三次補正予算二案に反対、国民民主党・無所属クラブ提出の組替え動議に賛成の立場から討論いたします。

 政府案に反対する理由の第一は、新型コロナウイルス対策に特化した予算ではないからです。

 第三次補正予算の閣議決定は昨年十二月十五日。しかし、それ以降、新型コロナウイルス感染は急拡大し、一月七日には緊急事態宣言が発令されました。今、国民が何より求めているのはコロナ対策です。なぜ見直さなかったのか、検討はしたのかとの質問に、財務省は会派のヒアリングで検討すらしていないと発言し、本当に驚きました。我々は、マイナンバーカードの普及やカーボンニュートラル基金の一部、不妊治療支援など一部を除いて、コロナ対策以外の予算は全て撤回する組替え動議を提出しており、御賛同いただきたいと思います。

 反対する理由の第二は、コロナ対策の予算も不十分だからです。

 医療提供体制の確保等に一・六兆円計上されていますが、交付金の使い道が限定されている現行制度では医療逼迫は解消されません。我々は、この使い道をコロナ患者を受け入れた民間病院の赤字の減収補填に充てられるよう、組替え動議を提出しています。

 また、何より家計支援が全く足りません。長引くコロナ禍により国民生活は相当疲弊しており、現役世代に対する十万円一律給付を今すぐ行うべきです。我々は、所得税の十万円還付という簡易な手続方法を併せて提案しています。

 また、我々の意見募集で特に要望が強かったのが総合支援資金の貸付枠拡大です。緊急小口資金は一回限りですが、総合支援資金は、六か月間、月二十万円貸し付けるもので、コロナ禍で生活が苦しい方々からは、その貸付期間の延長を強く要望されています。厚労省は、これ以上借りる人は生活保護になどと言いますが、要望されている方々は、あと三か月か半年貸してもらいたいだけなのです。十年間の無利子融資ですから、返済は月一万二千円。コロナ禍が収束すれば十分返済可能な金額です。是非、貸付期間を三から六か月の延長を実行してください。

 このほかにも、事業者支援、雇用、所得の安定支援、地方創生臨時交付金、学生支援も全く足りません。

 あらゆる点で不十分であり、我が会派は総額二十七・五兆円の歳出を追加する組替え動議を提出しておりますので、御賛同ください。

 以上が、政府提出の二案に反対、国民民主党・無所属クラブ提出の組替え動議に賛成する理由です。

 なお、立憲民主党・無所属、日本共産党提出の組替え動議については、十万円給付が入っていないという点で国民民主党案と大きく異なりますが、新型コロナウイルス対策に最大限予算を振り向けるべきという考え方自体は一致しており、賛成いたします。

 また、日本維新の会提出の組替え動議については、事前提示がなく、精査の時間がありませんでしたので、反対とさせていただきます。

金田委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

金田委員長 これより採決に入ります。

 まず、高井崇志君提出の令和二年度補正予算両案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

金田委員長 起立少数。よって、高井崇志君提出の動議は否決されました。

 次に、奥野総一郎君外一名提出の令和二年度補正予算両案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

金田委員長 起立少数。よって、奥野総一郎君外一名提出の動議は否決されました。

 次に、藤田文武君提出の令和二年度補正予算両案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

金田委員長 起立少数。よって、藤田文武君提出の動議は否決されました。

 次に、令和二年度一般会計補正予算(第3号)、令和二年度特別会計補正予算(特第3号)の両案を一括して採決いたします。

 両案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

金田委員長 起立多数。よって、令和二年度補正予算両案は、いずれも原案のとおり可決すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました令和二年度補正予算両案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

金田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時三十五分散会


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