衆議院

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第17号 令和3年3月1日(月曜日)

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令和三年三月一日(月曜日)

    午前九時三十分開議

 出席委員

   委員長 金田 勝年君

   理事 後藤 茂之君 理事 齋藤  健君

   理事 橋本  岳君 理事 藤原  崇君

   理事 細田 健一君 理事 山際大志郎君

   理事 奥野総一郎君 理事 辻元 清美君

   理事 浜地 雅一君

      青山 周平君    秋葉 賢也君

      秋本 真利君    井野 俊郎君

      伊藤 達也君    石破  茂君

      今村 雅弘君    岩屋  毅君

      うえの賢一郎君    江藤  拓君

      衛藤征士郎君    小倉 將信君

      神山 佐市君    河村 建夫君

      北村 誠吾君    佐々木 紀君

      菅原 一秀君    鈴木 憲和君

      田中 和徳君    根本  匠君

      野田  毅君    原田 義昭君

      古屋 圭司君    牧原 秀樹君

      村井 英樹君    山本 幸三君

      山本 有二君    渡辺 博道君

      池田 真紀君    今井 雅人君

      枝野 幸男君    尾辻かな子君

      大西 健介君    逢坂 誠二君

      岡田 克也君    岡本 充功君

      神谷  裕君    川内 博史君

      玄葉光一郎君    後藤 祐一君

      櫻井  周君    武内 則男君

      中谷 一馬君    長尾 秀樹君

      日吉 雄太君    古本伸一郎君

      本多 平直君    松尾 明弘君

      村上 史好君    森山 浩行君

      矢上 雅義君    山川百合子君

      山崎  誠君    山井 和則君

      太田 昌孝君    北側 一雄君

      濱村  進君    塩川 鉄也君

      藤野 保史君    宮本  徹君

      遠藤  敬君    藤田 文武君

      玉木雄一郎君    西岡 秀子君

    …………………………………

   内閣総理大臣       菅  義偉君

   財務大臣         麻生 太郎君

   総務大臣         武田 良太君

   外務大臣         茂木 敏充君

   文部科学大臣       萩生田光一君

   厚生労働大臣       田村 憲久君

   農林水産大臣       野上浩太郎君

   経済産業大臣       梶山 弘志君

   国務大臣         赤羽 一嘉君

   環境大臣         小泉進次郎君

   防衛大臣         岸  信夫君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     加藤 勝信君

   国務大臣

   (防災担当)       小此木八郎君

   国務大臣         河野 太郎君

   国務大臣

   (少子化対策担当)    坂本 哲志君

   国務大臣

   (経済財政政策担当)   西村 康稔君

   国務大臣         丸川 珠代君

   財務副大臣        伊藤  渉君

   政府特別補佐人

   (公正取引委員会委員長) 古谷 一之君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  松田 浩樹君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  河村 直樹君

   政府参考人

   (内閣官房成長戦略会議事務局次長)        野原  諭君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  田中愛智朗君

   政府参考人

   (特定複合観光施設区域整備推進本部事務局次長)  高田 陽介君

   政府参考人

   (国家公務員倫理審査会事務局長)         荒井 仁志君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 村手  聡君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   三上 明輝君

   政府参考人

   (内閣府地方創生推進室次長)           長谷川周夫君

   政府参考人

   (カジノ管理委員会事務局次長)          並木  稔君

   政府参考人

   (総務省大臣官房長)   原  邦彰君

   政府参考人

   (総務省情報流通行政局長)            吉田 博史君

   政府参考人

   (総務省統計局長)    佐伯 修司君

   政府参考人

   (法務省民事局長)    小出 邦夫君

   政府参考人

   (外務省大臣官房長)   石川 浩司君

   政府参考人

   (外務省領事局長)    森 美樹夫君

   政府参考人

   (財務省主税局長)    住澤  整君

   政府参考人

   (厚生労働省健康局長)  正林 督章君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房長) 横山  紳君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房総括審議官)         青山 豊久君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房審議官)           伏見 啓二君

   政府参考人

   (農林水産省生産局長)  水田 正和君

   政府参考人

   (農林水産省生産局畜産部長)           渡邊  毅君

   政府参考人

   (農林水産省政策統括官) 天羽  隆君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           福永 哲郎君

   政府参考人

   (経済産業省電力・ガス取引監視等委員会事務局長) 佐藤 悦緒君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁電力・ガス事業部長)      松山 泰浩君

   政府参考人

   (中小企業庁事業環境部長)            飯田 健太君

   政府参考人

   (環境省地球環境局長)  小野  洋君

   政府参考人

   (原子力規制庁長官官房核物質・放射線総括審議官) 山田 知穂君

   政府参考人

   (原子力規制庁長官官房審議官)          金子 修一君

   参考人

   (総務審議官)      谷脇 康彦君

   参考人

   (総務審議官)      吉田 眞人君

   参考人

   (農林水産事務次官)   枝元 真徹君

   参考人

   (総務省大臣官房付)   秋本 芳徳君

   参考人

   (総務省大臣官房付)   湯本 博信君

   参考人

   (日本中央競馬会理事長) 後藤 正幸君

   参考人

   (日本放送協会会長)   前田 晃伸君

   予算委員会専門員     小池 章子君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月二十五日

 辞任         補欠選任

  石破  茂君     簗  和生君

  岩屋  毅君     井野 俊郎君

  うえの賢一郎君    神田 憲次君

  原田 義昭君     鬼木  誠君

  古屋 圭司君     勝俣 孝明君

  渡辺 博道君     木村 次郎君

  太田 昌孝君     岡本 三成君

  伊藤 達也君     古田 圭一君

  根本  匠君     小寺 裕雄君

  後藤 祐一君     山崎  誠君

  岡本 三成君     稲津  久君

  藤野 保史君     塩川 鉄也君

  藤田 文武君     美延 映夫君

  西岡 秀子君     浅野  哲君

  井野 俊郎君     泉田 裕彦君

  田中 和徳君     武村 展英君

  野田  毅君     小田原 潔君

  岡本 充功君     西村智奈美君

  川内 博史君     階   猛君

  玄葉光一郎君     城井  崇君

  本多 平直君     屋良 朝博君

  森山 浩行君     小宮山泰子君

  山本 幸三君     小林 鷹之君

  今井 雅人君     石川 香織君

  大西 健介君     渡辺  周君

  岡田 克也君     泉  健太君

  美延 映夫君     串田 誠一君

  浅野  哲君     玉木雄一郎君

  泉田 裕彦君     津島  淳君

  勝俣 孝明君     宮崎 政久君

  河村 建夫君     大野敬太郎君

  山本 有二君     岩田 和親君

  濱村  進君     伊佐 進一君

  宮本  徹君     田村 貴昭君

  玉木雄一郎君     前原 誠司君

  小田原 潔君     井林 辰憲君

  小寺 裕雄君     田畑 裕明君

  小林 鷹之君     本田 太郎君

  武村 展英君     国光あやの君

  簗  和生君     繁本  護君

  階   猛君     櫻井  周君

  西村智奈美君     堀越 啓仁君

  屋良 朝博君     亀井亜紀子君

  今村 雅弘君     今枝宗一郎君

  鬼木  誠君     斎藤 洋明君

  津島  淳君     杉田 水脈君

  古田 圭一君     尾身 朝子君

  泉  健太君     中川 正春君

  逢坂 誠二君     吉田 統彦君

  城井  崇君     末松 義規君

  小宮山泰子君     菊田真紀子君

  渡辺  周君     尾辻かな子君

  伊佐 進一君     濱村  進君

  稲津  久君     佐藤 英道君

  井林 辰憲君     野田  毅君

  今枝宗一郎君     今村 雅弘君

  岩田 和親君     山本 有二君

  尾身 朝子君     伊藤 達也君

  大野敬太郎君     河村 建夫君

  神田 憲次君     うえの賢一郎君

  木村 次郎君     渡辺 博道君

  国光あやの君     田中 和徳君

  斎藤 洋明君     原田 義昭君

  繁本  護君     石破  茂君

  杉田 水脈君     岩屋  毅君

  田畑 裕明君     根本  匠君

  本田 太郎君     山本 幸三君

  宮崎 政久君     古屋 圭司君

  石川 香織君     今井 雅人君

  尾辻かな子君     大西 健介君

  亀井亜紀子君     本多 平直君

  菊田真紀子君     森山 浩行君

  櫻井  周君     川内 博史君

  末松 義規君     玄葉光一郎君

  中川 正春君     岡田 克也君

  堀越 啓仁君     岡本 充功君

  山崎  誠君     後藤 祐一君

  吉田 統彦君     逢坂 誠二君

  佐藤 英道君     太田 昌孝君

  塩川 鉄也君     藤野 保史君

  田村 貴昭君     宮本  徹君

  串田 誠一君     藤田 文武君

  前原 誠司君     西岡 秀子君

同月二十六日

 辞任         補欠選任

  伊藤 達也君     深澤 陽一君

  石破  茂君     上野 宏史君

  うえの賢一郎君    大岡 敏孝君

  田中 和徳君     山田 賢司君

  原田 義昭君     西田 昭二君

  古屋 圭司君     泉田 裕彦君

  濱村  進君     古屋 範子君

  藤田 文武君     杉本 和巳君

  今村 雅弘君     津島  淳君

  根本  匠君     石川 昭政君

  逢坂 誠二君     岡島 一正君

  岡田 克也君     伊藤 俊輔君

  岡本 充功君     長妻  昭君

  本多 平直君     金子 恵美君

  太田 昌孝君     佐藤 英道君

  玄葉光一郎君     青柳陽一郎君

  佐藤 英道君     國重  徹君

  古屋 範子君     中野 洋昌君

  藤野 保史君     清水 忠史君

  杉本 和巳君     藤田 文武君

  河村 建夫君     中曽根康隆君

  山本 有二君     畦元 将吾君

  伊藤 俊輔君     佐々木隆博君

  大西 健介君     山井 和則君

  長妻  昭君     宮川  伸君

  國重  徹君     吉田 宣弘君

  中野 洋昌君     大口 善徳君

  藤田 文武君     青山 雅幸君

  山本 幸三君     安藤  裕君

  青柳陽一郎君     柿沢 未途君

  岡島 一正君     津村 啓介君

  金子 恵美君     小熊 慎司君

  川内 博史君     荒井  聰君

  後藤 祐一君     山川百合子君

  西岡 秀子君     山尾志桜里君

  石川 昭政君     宮崎 政久君

  今井 雅人君     古本伸一郎君

  佐々木隆博君     落合 貴之君

  宮川  伸君     緑川 貴士君

  山井 和則君     近藤 和也君

  宮本  徹君     穀田 恵二君

  山尾志桜里君     高井 崇志君

  上野 宏史君     木村 哲也君

  西田 昭二君     細野 豪志君

  野田  毅君     中谷 真一君

  深澤 陽一君     高木  啓君

  宮崎 政久君     上杉謙太郎君

  柿沢 未途君     山岡 達丸君

  森山 浩行君     阿部 知子君

  大口 善徳君     濱村  進君

  津島  淳君     武井 俊輔君

  中曽根康隆君     務台 俊介君

  近藤 和也君     山本和嘉子君

  古本伸一郎君     近藤 昭一君

  穀田 恵二君     笠井  亮君

  清水 忠史君     高橋千鶴子君

  高井 崇志君     浅野  哲君

  岩屋  毅君     鈴木 憲和君

  細野 豪志君     繁本  護君

  渡辺 博道君     安藤 高夫君

  阿部 知子君     大島  敦君

  荒井  聰君     道下 大樹君

  山川百合子君     中谷 一馬君

  泉田 裕彦君     高村 正大君

  小熊 慎司君     谷田川 元君

  落合 貴之君     松原  仁君

  津村 啓介君     源馬謙太郎君

  濱村  進君     中野 洋昌君

  青山 雅幸君     美延 映夫君

  上杉謙太郎君     木村 弥生君

  鈴木 憲和君     青山 周平君

  大島  敦君     寺田  学君

  近藤 昭一君     村上 史好君

  中野 洋昌君     高木美智代君

  高橋千鶴子君     畑野 君枝君

  畦元 将吾君     渡辺 孝一君

  安藤  裕君     鈴木 貴子君

  木村 哲也君     斎藤 洋明君

  松原  仁君     田嶋  要君

  道下 大樹君     大河原雅子君

  山岡 達丸君     中島 克仁君

  浅野  哲君     高井 崇志君

  高村 正大君     穂坂  泰君

  高木  啓君     山下 貴司君

  武井 俊輔君     野中  厚君

  中谷 一馬君     後藤 祐一君

  緑川 貴士君     岡本 充功君

  山本和嘉子君     大西 健介君

  源馬謙太郎君     重徳 和彦君

  美延 映夫君     足立 康史君

  青山 周平君     岩屋  毅君

  安藤 高夫君     渡辺 博道君

  大岡 敏孝君     うえの賢一郎君

  木村 弥生君     根本  匠君

  斎藤 洋明君     石破  茂君

  繁本  護君     原田 義昭君

  鈴木 貴子君     山本 幸三君

  中谷 真一君     野田  毅君

  野中  厚君     今村 雅弘君

  穂坂  泰君     古屋 圭司君

  務台 俊介君     河村 建夫君

  山下 貴司君     伊藤 達也君

  山田 賢司君     田中 和徳君

  渡辺 孝一君     山本 有二君

  大河原雅子君     川内 博史君

  重徳 和彦君     逢坂 誠二君

  田嶋  要君     岡田 克也君

  寺田  学君     森山 浩行君

  中島 克仁君     玄葉光一郎君

  村上 史好君     今井 雅人君

  谷田川 元君     本多 平直君

  高木美智代君     濱村  進君

  吉田 宣弘君     太田 昌孝君

  笠井  亮君     宮本  徹君

  畑野 君枝君     藤野 保史君

  足立 康史君     藤田 文武君

  高井 崇志君     西岡 秀子君

三月一日

 辞任         補欠選任

  秋本 真利君     青山 周平君

  佐々木 紀君     牧原 秀樹君

  渡辺 博道君     井野 俊郎君

  今井 雅人君     古本伸一郎君

  大西 健介君     山崎  誠君

  岡田 克也君     枝野 幸男君

  岡本 充功君     松尾 明弘君

  川内 博史君     神谷  裕君

  玄葉光一郎君     村上 史好君

  後藤 祐一君     矢上 雅義君

  森山 浩行君     山井 和則君

  太田 昌孝君     北側 一雄君

  宮本  徹君     塩川 鉄也君

  藤田 文武君     遠藤  敬君

  西岡 秀子君     玉木雄一郎君

同日

 辞任         補欠選任

  青山 周平君     秋本 真利君

  井野 俊郎君     鈴木 憲和君

  牧原 秀樹君     佐々木 紀君

  枝野 幸男君     岡田 克也君

  神谷  裕君     池田 真紀君

  古本伸一郎君     今井 雅人君

  松尾 明弘君     櫻井  周君

  村上 史好君     武内 則男君

  矢上 雅義君     後藤 祐一君

  山崎  誠君     大西 健介君

  山井 和則君     森山 浩行君

  北側 一雄君     太田 昌孝君

  塩川 鉄也君     宮本  徹君

  遠藤  敬君     藤田 文武君

  玉木雄一郎君     西岡 秀子君

同日

 辞任         補欠選任

  鈴木 憲和君     渡辺 博道君

  池田 真紀君     尾辻かな子君

  櫻井  周君     岡本 充功君

  武内 則男君     中谷 一馬君

同日

 辞任         補欠選任

  尾辻かな子君     川内 博史君

  中谷 一馬君     長尾 秀樹君

同日

 辞任         補欠選任

  長尾 秀樹君     山川百合子君

同日

 辞任         補欠選任

  山川百合子君     日吉 雄太君

同日

 辞任         補欠選任

  日吉 雄太君     玄葉光一郎君

    ―――――――――――――

三月一日

 コロナ危機を乗り越えるために、暮らし、雇用、産業、医療、教育などの施策への予算を抜本的に増やすことに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一三一号)

 同(笠井亮君紹介)(第一三二号)

 同(穀田恵二君紹介)(第一三三号)

 同(志位和夫君紹介)(第一三四号)

 同(清水忠史君紹介)(第一三五号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第一三六号)

 同(田村貴昭君紹介)(第一三七号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第一三八号)

 同(畑野君枝君紹介)(第一三九号)

 同(藤野保史君紹介)(第一四〇号)

 同(宮本徹君紹介)(第一四一号)

 同(本村伸子君紹介)(第一四二号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 令和三年度一般会計予算

 令和三年度特別会計予算

 令和三年度政府関係機関予算

 主査からの報告聴取


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     ――――◇―――――

金田委員長 これより会議を開きます。

 令和三年度一般会計予算、令和三年度特別会計予算、令和三年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。

 この際、内閣官房長官から発言を求められておりますので、これを許します。内閣官房長官加藤勝信君。

加藤国務大臣 本日予算委員会に参考人として出席予定でございました山田真貴子氏について、昨日夕刻、体調不良により、かかりつけの病院を受診したところ、二週間程度の入院加療を要するとの診断を受け、入院をいたしました。

 本人から、職務の遂行を続けることが難しいとのこと、入院先から杉田副長官に辞意が伝えられ、その夜、副長官から総理及び私に対し、その旨の報告がございました。総理は、やむを得ないものと判断をいたしました。

 本日付で退職願が提出され、先ほど、山田広報官を願いにより免ずることについて持ち回り閣議が終了したところでございます。

 予算委員会の御審議に御迷惑をおかけして大変申し訳ございませんが、以上のような事情を御考慮いただくよう、よろしくお願いを申し上げます。

    ―――――――――――――

金田委員長 この際、お諮りいたします。

 三案審査のため、本日、参考人として総務審議官谷脇康彦君、総務審議官吉田眞人君、総務省大臣官房付秋本芳徳君、総務省大臣官房付湯本博信君、農林水産事務次官枝元真徹君の出席を求め、意見を聴取し、また、政府参考人として内閣官房内閣審議官松田浩樹君、内閣官房内閣審議官河村直樹君、内閣官房成長戦略会議事務局次長野原諭君、内閣官房内閣審議官田中愛智朗君、特定複合観光施設区域整備推進本部事務局次長高田陽介君、国家公務員倫理審査会事務局長荒井仁志君、内閣府大臣官房審議官村手聡君、内閣府政策統括官三上明輝君、内閣府地方創生推進室次長長谷川周夫君、カジノ管理委員会事務局次長並木稔君、総務省大臣官房長原邦彰君、総務省情報流通行政局長吉田博史君、総務省統計局長佐伯修司君、法務省民事局長小出邦夫君、外務省大臣官房長石川浩司君、外務省領事局長森美樹夫君、財務省主税局長住澤整君、厚生労働省健康局長正林督章君、農林水産省大臣官房長横山紳君、農林水産省大臣官房総括審議官青山豊久君、農林水産省大臣官房審議官伏見啓二君、農林水産省生産局長水田正和君、農林水産省生産局畜産部長渡邊毅君、農林水産省政策統括官天羽隆君、経済産業省大臣官房審議官福永哲郎君、経済産業省電力・ガス取引監視等委員会事務局長佐藤悦緒君、資源エネルギー庁電力・ガス事業部長松山泰浩君、中小企業庁事業環境部長飯田健太君、環境省地球環境局長小野洋君、原子力規制庁長官官房核物質・放射線総括審議官山田知穂君、原子力規制庁長官官房審議官金子修一君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

金田委員長 これより内外の諸課題についての集中審議を行います。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。牧原秀樹君。

牧原委員 おはようございます。自由民主党・無所属の会の牧原秀樹でございます。

 まず、今、山田広報官が体調不良に、御入院をされ、そして辞意を伝えられた、辞任が認められた、こういう話がございました。

 山田さん、私も存じ上げておりますが、初の女性の広報官として、これまでに多大な御功績もあった方でございます。入院をされたということでございますので、まずは一刻も早い御回復を心よりお祈りをいたします。

 そして、冒頭、新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになられた全ての皆様に心からお悔やみを申し上げますとともに、今なお闘病中の皆様にお見舞いを申し上げます。そして、私たち国民の命を守るために日々奮闘していただいている医療、保健関係者の皆様に心より感謝を申し上げます。

 一月から新たな大河ドラマが始まっております。「青天を衝け」、私たち埼玉県が生んだ偉人であります渋沢栄一氏が主人公です。

 渋沢栄一は、五百以上の民間企業の設立等に関わり、そして約六百もの教育機関や社会公共事業支援などに尽力し、まさに今日の経済金融社会の基礎を築いた方です。三年後には一万円札の顔になることも予定がございます。

 この渋沢栄一は、埼玉県でも、私の選挙区でありますさいたま市の旧大宮、与野という都市部ではなくて、県北の深谷市血洗島の農家の出身です。あの時代、下級武士でもなく、そうした場所の出身の渋沢栄一がこうした後世に残る歴史的偉業を残すのは大変だったと思います。

 総理も秋田県の農家の御出身。まさにたたき上げで、自民党では初の無派閥から内閣総理大臣に御就任になられました。

 渋沢栄一は、一人一人に天の使命があるということをよく言い、私利私欲ではなく、世のため人のためと尽くした企業家でもございました。今、百年ぶりに世界を襲う感染症、新型コロナウイルスへの対処は、総理にとってまさに天の使命なのではないかと思います。

 現に総理は、官房長官時代から、私たちに、とにかくこの新型コロナウイルス感染症は歴史的に大変な事態だ、国民の皆さんが何よりも望んでいるのはこの収束、そのことが何よりも最優先だと私たちにずっとおっしゃっておりました。新型コロナウイルス感染症は日々状況も変わる中、総理も、先日の記者会見では、日々悩みながらとおっしゃっていたように、その御決断は、一つ一つが国民の生命、生活、そして人生にも関わる重大なものばかりだと思います。

 今、二回目の緊急事態宣言は残る四都道府県も今週末が期限というふうに予定がされております。他方、史上最大の作戦ともいうべきワクチン接種が今開始をされ、三万人近い方が接種をされたところでもございます。

 改めて、この段階において、総理のコロナ収束に向けた御決意を国民の皆様にどうぞお聞かせください。

菅内閣総理大臣 緊急事態宣言に基づいて、飲食店の時間短縮を中心として、めり張りの利いた対策を講じてきている、その結果として、新規感染者数は八割以上減少するなど、はっきりとした対策の効果が見られている、このように思っています。こうした状況を地域ごとに勘案をして、岐阜県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県及び福岡県の六府県に、昨日をもって緊急事態宣言を解除したところであります。

 まずは、宣言の期限であります三月七日に、予定どおり、全ての地域で緊急事態宣言を解除することができるように、これまでの対策を更に徹底をしていきたいというふうに思います。解除した地域においても、感染再拡大を防止するため、各府県とも連携して、飲食店を中心とする対策を緩急をつけながら実施していく方針であります。

 あわせて、今後、今回の経験も踏まえて、地方自治体と連携をしながら、感染再拡大の予兆を探知するような戦略的な検査を実施するとともに、医療提供体制や公衆衛生体制の強化、こうしたものをしっかりと対応していきたいというふうに思います。

 さらに、先般接種を開始したワクチンであります。国際的に発症予防、重症化予防の効果というものが大いに期待をされているものであります。ある意味では感染対策の決め手だというふうにも認識をしております。今後、四月十二日から高齢者への接種を開始をし、六月末までに、六十五歳以上の高齢者全員に二回接種する分のワクチンの配送、ここを行いたいと考えております。

 一日も早く国民の皆さんに安全で有効なワクチンをお届けできるよう全力で頑張っていきたい、このように思います。

 こうした対策を着実に実行に移して、コロナウイルスのまさに感染拡大を収束に持っていきたい、このように思っています。

牧原委員 まさに今、総理が御決意を述べられていただきました。

 これは実は総理だけではなくて、閣僚の皆様、そして私たち国会議員、与野党を超えて全ての、私たちの天命ではないか、こう思うところでございます。このコロナ収束に向けて、みんなで力を合わせていきたい、このように考えております。

 次に、景気対策についてお伺いします。

 総理が総理になる前から進めてこられた政策というのは、例えばビザの緩和や免税手続の簡素化、迎賓館や京都迎賓館の一般開放、ふるさと納税制度の創設など日本や地域の魅力を高めるということ、あるいは、携帯電話料金の引下げなど個人の可処分所得が増えるというようなこと、こうしたことをされてこられ、総理に御就任後も、武田大臣もお越しでございますが、携帯電話料金は、大手を含め続々と、月々三千円を切るようなプランが発表されているところでございます。

 このような一連の政策、私がずっと総理を拝見していて感じるのは、縦割りや既得権益に縛られない、こういう発想、そして国民目線、利用者目線、庶民の目線だということです。

 今、新型コロナウイルスの影響はかなり深刻です。私も、さいたま市のお店を一軒一軒伺っておりますけれども、もちろん、宴会がないことで宴会場や飲食店が大変なのはもとより、私の地元には大宮市場があるんですが、この市場の、特に魚市場の皆さんは魚が売れない、こういうような悲鳴が上がっております。また、クリーニング屋さんでは、テレワークでほとんどワイシャツとかのクリーニングが出なくなってきている、こういうようなものもございます。

 リーマン・ショックの際の年越し派遣村ができるような状況は防いでおりますけれども、こうした日本経済、国民の生活が大変であることには変わりがありません。

 令和三年度の予算の成立がまず何よりも重要な景気対策になるとは思いますけれども、私は、昨年の四月以降の機動的な補正予算、行われましたが、こうしたことも含めて、景気対策には万全を期していく必要があると考えますが、西村大臣の御決意を伺います。

西村国務大臣 お答え申し上げます。

 今の局面は、とにかく感染拡大を抑えること、これが何よりの経済へのプラスにもなるわけでありますので、感染拡大を抑制すること、これを最優先に取り組んでいければというふうに考えております。

 先般公表しました十―十二月期のGDP速報、これは年率換算で実質一二・七%の成長ということで、日本経済の潜在的な回復力をうかがわせる、感じさせる内容でございました。

 全体としては経済持ち直しの動きが続いていると見ておりますが、しかし、この緊急事態宣言の下で、大変厳しい状況に置かれている、今お話のございました飲食店や様々な小さな店舗も厳しい状況にあるということでございます。こうした時短に協力していただける飲食店への協力金、あるいは中堅・中小企業への一時支援金、雇用調整助成金、緊急小口資金などをしっかりと講じながら、着実に実行しながら、事業、雇用、生活を支えていければというふうに考えております。

 また、地方創生臨時交付金で一兆円、都道府県、市町村に交付をいたしておりますので、これによって、よりきめ細かな、国の支援が届かないところも是非支援を行っていただければというふうに考えているところであります。

 政府としては、決してデフレには戻さない強い決意で、事業規模七十四兆円程度、そして財政支出四十兆円程度の経済対策、三次補正、これを着実に、迅速に執行していきたいというふうに考えておりますし、今御審議いただいております来年度予算の早期成立を目指して全力を挙げていきたいというふうに考えております。

 こうした取組によって、内需を支えながら、私は、三つの分野、デジタル、グリーン、これは総理がよくおっしゃる分野、さらに人への投資、ヒューマン、こうしたところに全力で支援を行いながら、デジタルは特に感染拡大防止策と両立するための非接触の重要な鍵となるものでありますし、グリーン、人材育成、これは日本の持続的な成長の鍵となる重要な取組でありますので、今の段階から取組を進めていくことが大事だというふうに考えております。

 いずれにしましても、こうした分野への政府の支出によって民間の投資を引き出し、そして創意工夫を引き出していく、民需主導の持続的な成長を実現していきたいと考えております。その上で、感染状況や、また経済の状況、これをしっかりと注視しながら、今年度分としてまだ二・七兆円の予備費もございます、来年度予算には五兆円の予備費を計上しているところでございます、状況を見ながら、必要な対策を機動的に講じていければというふうに考えております。

牧原委員 あのリーマン・ショックのときを思い出すと、一度失われた雇用あるいは生活というのを取り戻すのは大変です。是非、今様々ありましたように、万全の対策、しっかりと講じていただきたいと思います。

 さて、今、私は自民党の環境部会長をさせていただいております。今日は小泉大臣がお越しで、特に動物愛護では、私のライフワークの一つで、ガイドライン作成に大変リーダーシップを発揮していただきました。

 総理が、二〇五〇年カーボンニュートラルという宣言をしていただきました。今日お手元にお配りしていますが、決して日本が先駆けたというわけではありませんけれども、しかし、韓国やアメリカよりは早く、ぎりぎりのタイミングで、今後、日本が環境という分野でリーダーシップを世界でも発揮していける、こういう土台が整ったのかと思います。

 改めて、小泉大臣に、この環境立国、そして日本が世界で果たすべき役割についてお伺いします。

小泉国務大臣 牧原先生には、動物愛護を含めて、環境政策に大変な御尽力をいただきましてありがとうございます。

 今、気候変動政策における日本の国際社会での役割というお尋ねがありました。

 昨年十月、総理はカーボンニュートラル宣言を行いました。牧原先生がおっしゃったとおり、世界に先駆けたわけではありませんが、あの宣言がなければ、G7全ての国が二〇五〇年までの脱炭素を、みんな足並みそろって宣言をしているという環境は整いませんでした。

 そういった意味で、日本は、このG7、国際協調、こういったところにおける役割を果たすことができることが改めて示されたと思いますし、あの宣言を宣言だけに終わらせないためにも、環境省としては、この国会で地球温暖化対策推進法の改正を目指して、二〇五〇年脱炭素を法律の中に位置づけて、国際社会に対しても、政策の揺るぎない継続性、そして投資家に対しても、投資予見性を高める、そういった効果を私たちは期待をしています。

 また、やはりあれ以降、産業界、経済界、変わってきましたよね。先週、経団連の中西会長も、もはやスリーEプラスSという発想以上に、最上位は脱炭素であると。この発言を経団連の会長がするときが来たとは、私は、本当に日本も変わってきたと思います。

 今年四月のアメリカ主催の気候サミット、そしてG7、G20、COP26、一連の気候変動に関する国際的な日程が立て込んでいますから、まずはこの四月のアメリカ主催のサミットに向けて、日本がしっかりと先進国として果たす役割を発信をしていきたいと思います。

牧原委員 新たな国家の方向性、しっかりとやっていきたい、このように思うところでございます。

 さて、今、私たち、有志で、子供第一の行政の在り方という勉強会を立ち上げました。これは、自見はなこ、山田太郎参議院議員が呼びかけ人で、私と木原誠二衆議院議員が代表的世話人の役割を果たさせていただいております。虐待、貧困、あるいは事故の場合の死因究明、幼保一体化など様々な課題を取り上げて、基本的には、子ども家庭庁の創設というのを視野に入れた勉強会でございます。

 また、私、共同養育議員連盟、超党派での議員連盟の事務局長で、馳浩先生が会長でございますが、ここでは、なかなか親に会えない、あるいは子供に会えない、こういう面会交流の在り方について求め、上川大臣のリーダーシップによって、法務省では新たに、養育費の在り方も含めた家族法に関わる法制審の歴史的な検討が始まったところでございます。

 コロナ禍においては、例えば、大学に入学したのに対面授業がほとんどなく、キャンパスにも行っていない、こういう状況で精神的に参っている学生の皆さんもたくさんいらっしゃいます。また、小学校、中学校、高校生では、一生懸命練習したのに、大会や部活が中止になって、一生の思い出づくりもできず、涙に暮れているという子供たちもおります。子供たちは、日々、このコロナ禍で本当に大変な思いをしております。

 こうした子供たちの問題は多岐にわたりますけれども、しかし、子供たちを守ることができるのは、我々大人しかおりません。

 高齢者の一部の皆様への窓口二割負担の問題の際、私は総理に、この問題はなかなか異論もあって難しいのではないか、こう申し上げたところ、総理からは、政治は次の世代のこと、子供たちの未来のことも考えなければならないんだ、こう強い口調でおっしゃったこと、私にとっては極めて印象的でございました。

 改めて、この子供たちに関する政策、そして総理の子供たち、次世代に対する思いをお聞かせ願いたいと思います。

菅内閣総理大臣 子供は、家族はもとよりも、国や社会にとってかけがえのない存在であるというふうに思っています。その健やかな成長は我が国社会のまさに発展の基礎を成すものだというふうに思っています。

 前安倍総理のときに消費税を八%から一〇%に引き上げた際に、約二兆円を、幼児教育無償化、さらに、大学生の、所得の低い御家庭で育った方にも大学の授業料の減免など、ある意味では初めて、そうした、子供、若者に重点を置いた税制だったというふうに思っています。

 そうしたことを私自身も引き継いで、長年の課題である少子化対策に真っ正面から取り組んで、そして大きく前に進めていきたい、その思いで取り組んでおります。

 子供が欲しいと願う方に対して、そうした気持ちに応えるために、不妊治療の大幅な拡大をこの一月からいたしました。さらに、来年度からは保険適用も実現をしたい、このように考えております。

 また、仕事と育児の両立をするための男性の育児参加、こうしたことについても、ある意味で当たり前のことでありますけれども、実現できるような対策を取り組んでいます。

 今後も、結婚、出産、そして子育て、こうした希望をする方々の声にしっかり耳を傾けて、そうした皆さんの思いが実現するように取り組んでいきたい、このように思います。

牧原委員 終わります。

 政治屋と政治家の違いは次世代のことを考えるか考えないかだと聞いたことがあります。是非、この点、未来のために頑張りたいと思いますので、皆さん、よろしくお願いします。

 ありがとうございました。

金田委員長 これにて牧原君の質疑は終了いたしました。

 次に、北側一雄君。

北側委員 皆さん、おはようございます。公明党の北側一雄でございます。

 今日は、限られた時間でございますので、コロナ対策を中心に質問させていただきたいと思います。

 御承知のとおり、昨日、大阪府を始め二府四県、緊急事態宣言が先行して解除されました。しかしながら、再び感染が拡大しないようにしなければなりません。細心の注意が必要でございます。これからも、緊急事態宣言が解除されたとはいうものの、国民の皆様に多大な御協力をお願いしなければいけないということだと思います。

 特に、これから本格的にワクチンの接種が始まってまいります。ここでまた医療従事者の皆様に大変な御協力をいただかないといけないわけでございまして、再び感染拡大の状況になれば、ワクチンの接種も円滑に行われなくなる、そういうおそれも出てくるわけでございまして、この感染の再拡大というのは何としても抑止をしていかねばならないと思います。

 また、一年も続くこのコロナ禍の中で、仕事を失った方々、日々の生活に本当に困窮されている方々がいらっしゃいます。また、事業者の中でも、売上げが大幅に減少して、事業の継続も容易でないという事業者もたくさんいらっしゃるわけでございまして、的確な経済対策もしっかり打っていかねばならない、そういう状況だと思います。

 総理、緊急事態宣言、二府四県ではございますけれども、昨日解除されました。改めて総理から、国民の皆様へのメッセージを是非伝えていただきたいと思います。

菅内閣総理大臣 緊急事態宣言の下で、事業者や国民の皆さんの大変な御努力、また御苦労をおかけをいたしております。こうした皆さんの御協力によって、新規感染者数が八割以上減少するなど、はっきりとした効果が見られてきているというふうに思います。

 今委員からお話しいただきましたように、地域ごとの状況を勘案をして、岐阜県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、福岡県の六府県について、昨日、緊急事態宣言を解除しました。これらの六府県については、解除後も引き続き緊張感を持って対応していただき、感染の再拡大を防ぐことが極めて重要であるというふうに思います。

 このため、飲食店では、各府県の判断により、引き続き営業時間の短縮、こうしたことに御協力をいただくとともに、アクリル板の設置だとか、あるいは席と席の距離をしっかり設ける、こうしたガイドラインというものを遵守してほしい、こういうふうに思います。

 また、年末には忘年会の影響で感染が拡大したという専門家の御指摘もあります。国民の皆さんにおかれては、今後とも大人数の会食については控えていただくなど、感染拡大防止に御協力をお願いを申し上げたいと思います。

 政府としては、引き続き、飲食店などへの協力金や一時金の支給に加えて、多くの事業者にとって重要な資金繰りの支援、雇用調整助成金の特例措置による人件費の支援、こうしたことをしっかり行ってまいりたいと思いますし、生活に困窮されている方々に対しては、緊急小口資金などの重層的なセーフティーネットによる支援を行うなど、国民の皆さんの事業を守り、雇用、暮らしを守り、困難を抱えた方々にしっかりと対策を実行に移していきたい、このように思います。

北側委員 先日、河野大臣、今後のワクチンの供給につきまして御発言がございました。高齢者向けのワクチンについては、四月の二十六日の週に全ての市区町村に行き渡る量のワクチンが発送される、もう一点、六月末までに全国の高齢者に二回接種する分のワクチン配送が完了すると表明をされました。

 このお話を聞きますと、高齢者へのワクチン接種が本格的に全国で始まってくるのは五月以降というふうに私は理解したんですが、それでよろしいんでしょうか。

    〔委員長退席、山際委員長代理着席〕

河野国務大臣 ファイザー社との交渉で、四月の二十六日の週には全国の市区町村に少なくとも一箱ずつは送り出せる、そういう供給ができると思っております。その後、五月、六月で、高齢者二回分の接種量を送り出すだけのワクチンを確保することができるというふうに考えておりますので、自治体にはそうしたスケジュールに合わせて体制を組んでいっていただきたいというふうに考えているところでございます。

北側委員 厚生労働大臣にお尋ねしたいと思うんですけれども、やはり今後のワクチンの安定供給というのはとても重要ですね。極めて重要です。国内でのワクチン開発、これもしっかり急いでいただきたいと思いますし、支援もしていただきたいと思いますが、国外、海外で開発されたワクチンであっても、国内で生産するという選択肢があるわけですね。ワクチンの安定供給のためにはこうしたことも重要でございまして、現在審査されているアストラゼネカ社のワクチンについては、これは九千万回分が国内で生産されるというふうにも聞いているところでございます。

 国内で今後開発されるものも含めまして、今後のワクチンの国内生産、これが極めて安定供給のためには重要でございます。この見通しについてどのようにお考えか。

田村国務大臣 おっしゃられますとおり、ワクチンの供給を考えた場合に、今般のEUの状況等々、ワクチンが取り合いになりますと、やはり、その地域で作っているワクチンに関しては、国内に輸入しようというときに、いろいろな制約といいますか条件が課される可能性がないとは言えないわけであり、今現状、承認が必要だということであります。

 そういう場合に、国内でしっかりと供給体制を組んである、つまり生産ができるというのは非常に重要なことで、言われたとおり、アストラゼネカ、まだこれは承認しておりません。今審査中でありますけれども、これに関しては、承認されれば、九千万回分、国内で作るということをアストラゼネカ社の方は計画をされておられ、これは我々も承知をいたしております。こういうものに対していろいろと支援していく。

 あわせて、補正でこれは支援しているんですけれども、国内も、これは開発、それから生産、さらには、今般、もう第三相に入ってくるというようなワクチンも出てまいりました。こういうような治験、臨床試験に関してのいろいろな支援、こういうことも三次補正等々を含めて対応していくということで、海外のワクチンから比べると若干まだスピードは遅れておりますけれども、国内のメーカーも今、四つのワクチンが開発に向かって努力をいただいておるということでございまして、引き続き、こういうワクチンの開発、そして生産、供給等々の支援をしてまいりたいというふうに考えております。

北側委員 総理、やはりワクチンの国内生産をしっかり図っていくということに是非力を入れていただきたいと思います。コロナというのは、これからも我々、長くこのコロナというものに対処していかないといけないことも十分考えられるわけですから、国内生産をしっかり確保するということに是非力を入れていただきたいと思います。

 これからいよいよ、先ほど河野大臣がおっしゃったように、ワクチン接種が始まってくるわけでございますけれども、高齢者の接種、またそれ以降の一般の方々へのワクチン接種というのは、市区町村が事業主体でございます。市区町村の現場で混乱が起きないように、是非、都道府県、市区町村との連携を密にお願いをしたいと思います。

 昨日、我が党公明党では、日曜日だったんですけれども、党本部と、それから四十七の県本部と、それから総支部もオンラインでつなぎまして、ワクチン接種を円滑に進めていくための対策本部を開かせていただきました。一千名近い議員がオンラインを通じてでございますけれども参加をしまして、情報の提供、また意見交換をさせていただいたところでございます。数多くの意見、要望が出ました。これから、ワクチンの接種体制について市区町村に対して意向調査をやっていこうということも決めさせていただきまして、近々、また政府側に御要請を、提言をさせていただきたいというふうに思っております。

 市区町村の立場からしますと、ワクチンについては、いつ、どれだけの量が手元に届くのか、これがおおよそ決まってこないと、例えば、接種会場を確保しなければならない、医師や看護師やスタッフの皆さんの人材確保をしなければならない、またワクチンの配送、この辺をどういう段取りでやっていくのか、これが最終確定ができないわけなんですね。

 これはもう河野大臣、また厚労大臣はよく御承知のことかと思いますけれども、今、市区町村は接種票を、まさしく今、ゲラを作っているような段階ですね。

 この接種票、これは、今お見せしております、お手元にも行っておりますでしょうか、私の地元の堺市の接種票のモデルなんですけれども、この接種票を高齢者の皆様の御自宅にお送りする、この機会に必要な情報をしっかりと届けたいというふうに思っているんです。単に接種票だけじゃないんですね。この堺市のものを御覧になっていただきますと、左の方は接種票なんですけれども、様々な案内、注意事項、それから予診票なんかも入れてやっていこうとされています。

 先月、私、奈良県の天理市にも行ってきたんですよ。天理の市長さんにもお会いしましたけれども、天理の市長さん、現在まさしくこういう接種票を在中したものを送ろうとしているんですが、天理市では、集団接種、個別接種を併用でやるんですが、個別の医療機関で接種ができるところ、診療所、また病院、こういう個別の名前まで入れようとされていらっしゃるんですよ。というふうに、この接種票の送付を通じて住民の皆様に必要な正確な情報をお届けしようと。これは今まさしくゲラ作りをしていて、当初は、遅くとも三月中ぐらいに接種票は送ろうという話でございましたので、今や本当に印刷にかかろうかというようにしているところで、先日のお話があったわけなんです。

 先ほどの話のとおり、本格的な高齢者向けの接種というのは五月以降になるんでしょう。であるならば、この接種票の送付についても、できるだけ正確な情報を入れたいですから、市区町村としては。ですから、接種票の送付については、例えば、本格的な接種が始まる前に送ればいいんだというふうに理解してよろしいんでしょうか。

    〔山際委員長代理退席、委員長着席〕

河野国務大臣 そのとおりでございます。

 四月の十二日から接種が始まりますけれども、数がかなり、各都道府県、限定的でございますので、その場合には、もうそこで打たれる方、ある程度特定されて接種券が送られるというふうに思っておりますが、多くの高齢者の皆様には、四月の二十六日の週に各市町村にワクチンを送り始めますので、その辺りまでに接種券が届いていればいいんだろうというふうに思っております。

 あるいは、自治体の中には、接種を打ち始める時期を多少遅らせてでも、いろいろなものを確定して、情報を一遍にお届けしたいと考えている自治体もあるようでございますが、そこはもう自治体の御判断でやっていただいて構わないと思います。

北側委員 今、都道府県、市区町村、このワクチン接種を何としても円滑に進めていこうということで様々準備をされ、これは実際、経費もたくさんかかるんですね。もちろん、国の方から国庫負担金、そして事業費の補助金、これについては当然もう予算づけしていただいているんですが、この補助金の方については、上限が一応決まっているんですね。決められて通知がなされているわけでございます。

 これまで何度も議論されてきたと思いますけれども、このワクチン接種に関して必要な、本当に必要な経費については、上限額を決めているとはいうものの、これは、地方自治体に負担をさせずに、国の方でしっかり責任を持って負担していくということを改めて確認をさせていただきたい。

 総理、いかがでしょうか。

菅内閣総理大臣 今、委員から御指摘いただきました。

 一応、目安となる上限というのはお示しはしていますけれども、各自治体が算出した所要額、かかったお金ですよね、こういうのは全て国が責任を持ってお支払いをさせていただきたい、支援をさせていただきたい、このように思います。

北側委員 今の総理の御発言は、今日も恐らく市区町村の担当者の皆さん聞いていらっしゃると思うんです、安心をされていらっしゃると思います。是非、円滑なワクチン接種、そのために、地方自治体、国、一緒になって連携して取り組んでいただきたいと思います。

 もう時間がございません。一点だけお願いをしたい。

 経済対策の話でございますけれども、今、休業要請、時短要請をされている飲食店に対してはこれは協力金という形で出ているんですが、もちろん、それはそれでやっていただかないといけないんです。ただ、時短要請を受けていないその他の事業者、この方々も、人通りが少なくなる中で、人流が少なくなる中でやはり売上げが大幅に減少しているという事実があるわけでございまして、この点、是非政府として現場の状況をよく見て対応していただきたいと思うんです。

 経産大臣、西村大臣の方がよろしいんでしょうか、特に私が言いたいのは、五〇%売上減というのでは、なかなかそこまでいく事業者というのは少ないと思いますよ。三割、四割減ったら事業の継続が大変ですよ。そういう意味で、是非、そういう方々も含めた対応策、これは地方創生臨時交付金を活用ということもあるのかもしれませんが、是非政府で御検討いただきたいと思います。いかがでしょう。

西村国務大臣 御指摘のように、時短要請に応じていただく飲食店に限らず、大変厳しい状況にある中堅・中小企業、いろいろな、切実な声も伺っているところであります。

 私ども、六十万円、三十万円の一時支援金を経産省で準備をして、近々申請の手続に入るということだと思いますけれども、確かに、五〇%の基準を満たさない、四〇%だったり三〇%だったりという事業者はあると思います。

 実は、今お話がございましたけれども、一兆円の地方創生臨時交付金の配分をしておりまして、それぞれの都道府県、市町村で、五〇%以上いかないところ、三〇%以上のところ、四〇%のところ、こういったところの支援もそれぞれの地方で打ち出されておられますので、そうした、私どもの、国の施策が届かないところ、手の届かないところもきめ細かに対応していただければと思っておりますが、いずれにしましても、予備費の二・七兆円もありますので、感染の状況あるいは経済の状況をしっかりと見ながら、必要な対策を機動的に講じていければというふうに考えているところでございます。

北側委員 終了いたします。

金田委員長 これにて北側君の質疑は終了いたしました。

 次に、枝野幸男君。

枝野委員 立憲民主党代表の枝野でございます。

 今朝ほど、内閣広報官の山田さんが辞職をされたということであります。従来予定をしていた質問の前に、この点について聞かざるを得ません。

 御病気ということと伺っております。そのことについてはお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い御快癒をお祈り申し上げたいというふうに思います。

 ただ、そもそもこれは、総理が先週の段階で辞めてくださいとお願いをするべきだったんじゃないでしょうか。一回七万円という、国民の常識を超えた接待を受けていた。しかも、それは、総理の御子息であると同時に、総務大臣としての菅さんの秘書官でもあったという意味では、公的な元の立場をお持ちだった方でもあります。それだけに、そのことをきっかけに辞めていただくというのは、総理から、自分の息子、元秘書官のことで申し訳ないけれどもということを言わなければ、辞めるに辞められない。

 今回の御病気が今回のストレスによるものかどうかは分かりませんけれども、そうであれば先週の金曜日、堂々と、緊急事態宣言の解除に当たっても、記者会見を普通どおりやれたんじゃないでしょうか。遅きに失したと思いませんか、総理。

菅内閣総理大臣 山田さんについては、先ほど官房長官が読み上げましたように、昨日の夕刻、体調不良によって、かかりつけの病院を受診したところ、二週間程度の入院加療を要するとの診断を受け、入院をし、また、入院先から杉田官房副長官に辞意を伝え、その夜、副長官から私にその旨が報告があり、私自身は、そういう状況であればやむを得ない、このような判断をさせていただきました。

 また、記者会見でありますけれども、私たちは、前回、昨年の、関西から事前に解除するときも、記者会見ではなくて官邸のぶら下がりをやっておりました。そのぶら下がりの中で丁寧に説明をさせていただいたということであります。

枝野委員 今回の直接の理由が御病気でありますが、そもそもが、早い段階で手を打っていれば、もしかすると御病気が悪化することもなかったかもしれないという意味では、僕は山田さんにも気の毒な状況ではないかというふうに思っておりますし、何よりも、国民の常識を超えたような接待というものが曖昧、うやむやになってしまうという、総理の責任は大きいと思っております。これについては、同僚議員から必要に応じてこの後も聞かせていただきたいと思います。

 当初予定してきた案件に戻りたいと思います。

 あと十日で、ちょうど東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故から十年となります。改めて、亡くなられた皆さんに哀悼の意を表しますとともに、大切な方を亡くした方々にお悔やみを申し上げます。この十年、復旧復興に尽力されてきた被災者の皆さん、そして御支援をされてきた皆さんに、敬意と感謝を申し上げます。

 十年たちましたが、原発事故の影響で今なおふるさとに戻れない方、そして様々な形で今なおこの被災の影響を受けて御苦労されている方がたくさんおられます。御期待に応え切れていない政治の状況について、私からもおわびを申し上げます。

 大事なことは、一つには、福島の復興は始まったばかりだと私は思っています。そして、津波被災地についても、ハードは充実してまいりましたが、失われたなりわいや地域コミュニティーなど、ソフトの復興は到底十分ではない状況だと思っています。

 今、この十年ということに当たって、総理、一つには、この十年という節目が風化を加速させるその節目になってはいけないという、政治の明確なメッセージを出していただきたいというふうに思っています。

 二つ目には、福島の復興、そしてなりわいや地域コミュニティーの再建。このなりわいや地域コミュニティーの再建というのは、なかなか実は政治行政が得意なことではありませんし、具体的なことは地域に密着した自治体にお願いすることですが、これは国が財政的にしっかりと支えていかなければならない。その決意を示していただきたいというふうに思っています。

 三つ目は、福島第一原発の事故、現在も原子力緊急事態です。この後、COVID―19の緊急事態宣言についてお話ししますが、原子力発電所事故の緊急事態宣言は今も発令中である、現在進行形であるという強い認識を持っていただきたいというふうに思っています。

 これらの点、総理の決意をお聞かせください。

菅内閣総理大臣 総理に就任してからこれまで福島、宮城、岩手を訪問して、インフラ、住宅やあるいは商店街などを視察をさせていただきました。インフラや住宅の再建というのは、その復興は着実に進んできているというふうに認識をしています。

 他方で、地元の皆さんからの様々な御意見の中で、心のケア、こうした課題が残っている。さらに、福島の復興再生には中長期的な政策、施策が必要だ、このように考えています。

 今後は、住宅再建が進む中にあって、新しい場所においての人と人とのつながりを創出できるような地域コミュニティー形成の問題、さらには、被災事業者に対して販路開拓などの支援、そうしたことが必要だということであります。

 そうしたことについては、当然、地元の自治体が中心になってお願いをするわけでありますけれども、今委員からお話しいただきましたように、そうした支援策、資金というのは国が責任を持って援助をさせていただきたいというふうに思います。

 また、先日の福島県沖の震源地の地震であります。これについて、やはり、一昨年の台風十九号、また新型コロナ、ある意味で四重苦に襲われているわけでありますので、地震発生直後に現地を視察した小此木大臣から報告を受けて、私自身、被災地の皆さんが復興に向けた希望を失わないように、心が折れることがないように、被災者に寄り添った支援策というものを国で早急にまとめるように指示をいたしました。

 その結果として、とりわけ被害の大きかったホテル、中小規模事業者についてはグループ補助金の特例を使わせていただいて、昨年の、台風十九号同様に支援をすることを決めさせていただきました。

 今後も引き続き、被災地に寄り添いながら、まさに、福島、宮城、岩手、こうした東北、東日本大震災からの復興に全力で取り組んでいきたいと思います。

枝野委員 先日の二月の余震についてグループ補助金の特例ということは結構なことなんですが、もっと幅広く、これは余震と言われているぐらいですから、あの十年前にやった様々な広範な支援措置を、きちっと一体として、今回、せっかく復旧復興、ある程度まで来たと思いながら、大きな被害を受けられた皆さん、そうした皆さんのためにしっかりとやっていただきたい。これは、今後、参議院の予算審議も含めて、同僚議員から細かく詰めさせていただきたいと思います。

 総理、総理も東北秋田の御出身、秋田は比較的被害は小さかったですけれども、東北全体を襲った地震です。私も東北大学、仙台で青春を過ごさせていただいた第二のふるさとです。残念ながら、直接被災された地域以外では、十年たってやはり風化を感じざるを得ないというのに大変私は心配をしています。是非強いリーダーシップを、今のお話、従来の総理のこの震災に対する発言と必ずしも大きな違いはなかったというふうに思っています。風化をさせないという強い決意で更にメッセージを発信していただきたいと思っています。

 その上で、COVID―19についてお伺いをします。

 感染者が一定減少してきていること、首都圏を除き緊急事態を解除されたこと、その限りでは結構なことだと思っています。

 ただ、忘れてはならないのは、これは政治や行政がやった成果では全くありません。一番は、例えば時短に協力をしていただいた飲食店の皆さん、そして、協力金すら全くないのに、事実上営業ができないという状況の中、歯を食いしばっていただいている、例えば小劇場とかミニシアターとか各種イベント関連事業者の皆さん、そして観光、運送業者、関連する、波及する多くの多くの皆さん、民間の皆さんが耐えていただいたから、こういう状況をようやくつくれていますし、仕事を失い困窮しておられるそうした皆さん、幅広く言えば、やりたいことを我慢していただいている多くの国民の皆さん、現場で御苦労いただいている医療や介護などのエッセンシャルワーカーの皆さんがこういう状況を何とかつくってくださっていると私は思っています。

 私の立場としては、こうした皆さんに対して十分な補償や支援、そうしたものが出せていない、そういう状況の中で御協力をいただいていることに政府に代わってまずはおわびを申し上げたいというふうに思っています。

 感染者は一定程度減りました。緊急事態宣言の解除も一定程度来ていますが、今一番大事なことは何か。総理、何だと思いますか。

菅内閣総理大臣 まず、緊急事態宣言によって事業者の皆さんとかあるいは国民の皆さんは、大変な御苦労をおかけをいたしました。こうした皆さんの御協力のおかげで新規感染者数が八割以上減少したというように私自身も思っております。見える成果を出すことができているというふうに思います。この場をおかりしながら、皆さんにも改めて御礼を申し上げたいと思います。さらに、感染リスクにさらされながら使命感を持って日夜取り組んでおられる医療現場の皆さん、介護現場の皆さん、保健所の皆さんにも感謝を申し上げたいというふうに思います。

 今私に求められているのは何かということであります。

 今回、私自身は、宣言を解除した地域において再び宣言、感染再拡大を起こさないように緊張感を持って対応して、様々な感染対策をしっかりと実施をしていくこと、これが一つ。さらに、三月七日に予定どおり全ての地域で緊急事態宣言を解除すべく、緩むことなく、飲食店の営業時間短縮を始めとするこれまでの対策をしっかり徹底をしていく、このことだというふうに思っています。

 一日も早く安心して暮らせる日常を取り戻すことができるために、皆さんが心を一つにしてコロナ感染症の困難を乗り越えていくことができるようにしっかりそうした環境もつくっていきたい、このように思います。

枝野委員 本当に一番大事なことは、リバウンドはもう許されないということです。

 今回の二度目の緊急事態宣言だけでも、えっ、またか、あのとき一生懸命耐えて何とか踏ん張ってきたのにもうこれ以上は無理だということで、廃業、倒産を決められた方が少なからず出ています。今回頑張っていただいている皆さんも、まさかまた感染が広がってということはないよねと。

 こういうことが何よりもの一番の、私は政治がやらなければならないことだと思っていますが、残念ながら、今回、先週の金曜日、緊急事態宣言の解除を決めた、その中、専門家の意見の中では、本当に大丈夫かという声があったというふうに伝えられています。まさにこれは、政府の中の有識者の皆さんの意見はともかく、在野の皆さんを含めたら、専門家の中でも本当に大丈夫かというのが間違いなく多数ある中で、総理が総理の政治責任としてお決めになったことだということは強く申し上げておきたいと思っています。

 その上で、そもそもこの段取り自体が私は合理的じゃないと思うんですよね。実は、関西など、緊急事態宣言は解除しても、営業時間の短縮要請など、今一番収入が途絶えて大幅に減って困っていらっしゃる方に対する要請はほとんど継続するんですね。若干時間が延長になるとかということはあっても、実は緊急事態宣言が出ていた状況と、これじゃ収入がほとんどないよという状況、変わらないんですよ。

 一方で、緊急事態宣言は解除されたとなると、多くの国民の皆さんは、ああ、よかったと。やはり、この間我慢をしていただいている、御協力いただいているからこそ、ああ、よかったということで、じゃ、感染拡大防止策、努力してきたことを少し緩めていいのかなという気分になりがちなのはこれは避けられないと思うんですね。

 逆じゃないですか。緊急事態宣言で、みんな緊張感を持って引き続きやってくださいね、その中で営業時間の短縮その他で本当に御苦労されている皆さんに対して、リバウンドが絶対起きないようにちょっとずつちょっとずつ着実に広げていく、こちらの方が筋だと思うんですけれども、総理、いかがですか。次の東京、首都圏はこういう方向で検討しませんか。

 これは総理の政治的なリーダーシップの話を聞いているので、余計な手を挙げないでください。総理、お願いします。

菅内閣総理大臣 政府としては、緊急事態宣言を解除した地域であってもそうでない地域であっても、これまでの対策の成果を確実なものにし、引き続き高い緊張感を持って対応していただきたいと思いますし、感染を収束に向かわせる決意で今全力で取り組んでいます。

 また、解除となる六府県については、再び感染の拡大を招くことを何としても防ぐために、解除後も緊張感を持って対応していただくことが重要であります。

 このため、それぞれの府県の判断で飲食店の営業時間短縮を行い、国として最大四万円の支援を行うこと、また、飲食店に対しては、アクリル板の設置や席と席の間隔を広げるガイドラインの遵守をお願いすること、また、年末には忘年会の影響で感染拡大が広がったという専門家の皆さんの御指摘もあります、そうしたことを踏まえて大人数の会合を控えていただくなど、まさに今回解除を行わなかった一都三県についても、最後まで気を緩めずに、飲食店の営業時間短縮を始めとするこれまでの対策を徹底をしていく、こうしたことをしっかりと取り組んでいきたいと思います。

枝野委員 私がお尋ねしたのは、総理、総理があるいは政府が出す様々な施策とか発信というのは、それ自体がいわゆるアナウンス効果を持つんですよ。それは、総理は、今おっしゃったとおり、解除しても緊張感を持ってとおっしゃるかもしれませんが、残念ながら、この予算委員会をテレビ、ラジオで御覧いただいている方ばかりじゃない、新聞の見出しで緊急事態宣言の解除という見出しだけ御覧になる方もたくさんいらっしゃるんですよ。そういう皆さんにどういうメッセージになっているのかというと、ああ、厳しい状況のところは越えたんだな、少し我慢してきたことをやってもいいのかなというメッセージになっているのはこれは避けられない。

 こういうことが、実は、民主主義の国のリーダーにとっては、国民に対してどういうメッセージを出すのか、そのことによって国民の皆さんがどう受け止めてどういう行動をされるのか、特にこうした危機のときには、リーダーとして私はもしかすると一番大きな、一番大事な仕事ではないかというふうに思っています。そういう観点が今の御答弁には欠けていると残念ながら思わざるを得ません。

 あえて申し上げれば、いや、本当に緊急事態宣言は解除だけれども、まだまだ緊張感を持ってやっていただかなければならないんだというのであれば、何で、先週の金曜日、きちっとした記者会見でそれを強くアピールしなかったのかという最初の話に戻ってしまうんですよ。

 残念ながら、総理、この間、総理が何を発信するか、何に一生懸命力を入れているのかということで、国民の皆さんをミスリードしてきたんじゃないかと指摘せざるを得ません。就任以来一生懸命されたとして国民が少なくとも受け止めているのは、GoToキャンペーンですよ。どんどん旅行に行ってください、どんどん会食に行ってくださいと菅さんは国民の皆さんに勧めてきたんですよ。そして、このCOVID―19の国家的危機の中で、デジタル化、これは必要なことだし大事なことです、でも、デジタル化とか判この廃止とかということに一生懸命力を入れてきたんです。じゃ、大分よくなってきたんだな、それなら我慢してきたことをちょっとはやってもいいんだなと、それが、十一月、十二月、今の状況をつくってしまったのではないですか。

 さらに、様々な対応について後手後手に回ってきたのはこれはやはり否定できません。山田内閣広報官の辞職についてもやはり二、三日遅かったと言わざるを得ないし、森オリンピック組織委員会の会長の話も後手に回りました。

 何といっても、この間、感染拡大防止。変異株は国内でもう二桁発見されているわけですよ。我が国は島国ですから、水際で阻止し、あるいは水際でしっかりと把握をして広がらないようにということは他の国々よりもやりやすい状況なのに、この水際対策を強化することも遅れた。

 そして、同僚議員がこの間もやってきたし、引き続きやっていきますが、世界的なワクチンの獲得競争は明らかに遅れた。

 残念ながら、リーダーとして、一つには優先順位を間違えている、二つ目には、国民の皆さんに対して優先的に何を発信するか、このことを、発信することを間違ってきたのではないかというふうに言わざるを得ません。

 早いな、総理のやっていることは早いなと思ったのは、GoToキャンペーンの再開であるとか、今回の関西地域の緊急事態宣言の解除であるとか、こちらの方向ばかりである。あとは常に後手後手に回ってきている。物事を楽観的に見過ぎているのではないかというふうにも思います。

 総理、いかがですか。

菅内閣総理大臣 政策の評価としては様々な御指摘があることは承知をしています。そうした意見は謙虚に受け止めたいというふうに思います。

 ただ、私としては、国民の命と暮らしを守るために、新型コロナ対策を最重要の課題として取り組み、地域の経済や国の将来に欠くことのできない政策を進めてきたというふうに思っています。

 今回の緊急事態宣言は、飲食店の時間短縮を中心とするめり張りのある対策を進めた結果として、現に、新規感染者数は八割以上減少していることは事実じゃないでしょうか。まずは、宣言の期限であります三月七日に予定どおり全ての地域で緊急事態宣言を解除できるよう、これまでの対策を徹底していきたいというふうに思います。

 世界を見てみますと、世界はロックダウンをしている国がほとんどであります。そういう中で、今回は飲食店を中心としてこの対策をつくらせていただきました。そのことが、現実問題として大幅に新規感染者を減少していることは事実じゃないでしょうか。

 いずれにしろ、それ以外の様々な問題についても、担当大臣の下でしっかり対応しながら必要な判断をしてきたというふうに思っています。

 GoToトラベルについて御指摘をいただきました。

 GoToトラベルについては、八千八百万人の方に御利用いただいて、地方でまさに厳しい状況でありました、先ほど委員からもありましたけれども、ホテルとか旅館、あるいは農林水産品の納入業者とか、いろいろな方が極めて厳しい状況の中にあって、このGoToによって、旅館の稼働率は前年の七割まで回復し、経済効果は五兆円、そして雇用効果は四十六万人とも言われ、地方経済を下支えをしてきているということも事実じゃないでしょうか。

 また、デジタルの話についてもありました。

 やはり、地方の中で、役所に行かずともあらゆる手続ができるという、そうした仕事や生活ができる社会を目指して、官民のデジタル、このこともやはり大事なことじゃないでしょうか。

 優先順位と言います。コロナ収束は、私は最優先であります。しかし、同時に進めていかなきゃならないのは、例えば、こうしたデジタル化だとか、あるいは少子化もそうじゃないでしょうか。そういう中で私は、先般、孤独、孤立の問題について、坂本大臣を担当大臣にして、この対策にも取組を進めています。

 いずれにしろ、コロナ対策はもちろん最優先にしながら、国民の皆さんの命と暮らしを守る、その観点から様々な政策を進めていくことも私の役割だと思います。

枝野委員 ヨーロッパ、アメリカなどでやっているようなロックダウンをやらなくても感染者を減らすことができているのは、それは国民の皆さんのおかげなんですよ。政府の成果じゃないですよ。国民の皆さんが、やはり自分や周り、社会に御迷惑かけちゃいけないんだと思って御協力いただいているから、そこはちゃんと理解をしていただかないと。後ろの方から変なやじで、政府がお願いしているからだと。政府がお願いしているからじゃないですよ。国民の皆さんがそういう思いで協力しているからだということを、特に我々は強く思わないといけない。

 それから、デジタルが要らないなんて私も言っていません。でも、この感染症危機のところでデジタルを急ぐんだったら、じゃ、何でいまだに感染情報の把握をすることがコンピューターシステムで短時間でできないのか。一年前から言われている話ができていないんですよ。同じデジタル化を進めるのだって、やはり今の危機を乗り越えるためにという優先順位はあるんですよ。

 確かに、GoToトラベルは一定の成果を上げましたが、結果的には、年末年始の書き入れどき、こういう事態になって、トータルではかえって大きな損害を受けている方の方が圧倒的に多いんじゃないですか。そういったことについて、優先順位のつけ方が間違っているのではないかということを申し上げた。

 私たちは、明確にもう一つの選択肢を示しています。ゼロコロナ戦略。これまで、ウィズコロナ、コロナ感染症が一定程度の感染の状況がある中でも、それと一緒に社会経済活動を両立させていこう。でき得るならば、それが望ましいというふうに思います。でも、やはり、この感染症は、ワクチンが一定の効果を上げるまでは、人が人との接触を増やせば感染は広がるという客観的なそういう特徴があるんですから、それは、できるだけ感染を抑え込んだ中ででないと、経済社会活動は普通どおりには戻せない。

 我々も、感染者がゼロになるとかウイルスがゼロになるとかいうことを申し上げているんじゃありません。ゼロになる状況を目指して徹底的に封じ込める。(発言する者あり)

金田委員長 静かに。

枝野委員 徹底的に封じ込める中では、部分的に感染者は発見されることがある。感染者は発見されることがあっても、そこで、その感染ルート含めたその周辺の発症していない感染者含めて、きちっと早期に発見して隔離をすれば、そこから大きく広がっていくことはないんですよ。

 実際に、ニュージーランドやオーストラリアや台湾ではこういう戦略を取って、確かに、海外から新しく感染者が来たなどといって、時々、新規の感染は出ます。だから、完全なゼロじゃありません。しかしながら、それについては、その周辺だけは少し強い御協力をお願いをすることできちっと封じ込めているから、この三か国は圧倒的に世界の中でも経済の状況もいい。そのことを私は強く指摘をさせていただきたいと思っています。

 私たちは、この全体の戦略の中で、医療現場は、大分改善をしてきたとはいいながら、まだまだ深刻な状況です。医療現場を支援をしていくことがまず第一です。

 そして、三番目。感染を封じ込めるまで、一度封じ込めたら、かなり普通に近い状況で旅行に行ける、あるいは会食ができる、そういう状況を早くつくるから、そこまでは、いわゆる補償で、協力金で何とかやっていける、ここを充実させましょう。これは、いずれも具体的なことは提案をしてきているし、この後、恐らく、予算の組替えという形で、改めて具体的に提起をさせていただくことになると思います。

 問題は、二番目です。早期把握と治療で感染者を封じ込めることです。

 何といっても、検査を大幅に拡大して、早期発見と封じ込めをしなければなりません。一年前からこの予算委員会で私は同じことを申し上げてきました。ようやく、ようやくですよ、一月二十二日になって、医療従事者や介護職員等に対する検査、ちゃんとやっているかどうか報告してくださいねと厚生労働省は言いました。昨年の九月に最初に、医療従事者や介護職員などは一定程度やってね、こういう文書要請をしていますが、実はそれだけでは進んでいなかったのが客観的な事実。ようやく一月二十二日に、そのことについて、文書で報告しろということで、ああ、やらなきゃいけないんだなというような状況になってきた。一年遅いと言わざるを得ません。

 大事なことは、実は、感染者の周辺のPCR検査が非常に絞られているということです。今新たな感染者が出ても、いわゆる濃厚接触者じゃなければ、保健所による検査の対象になっていません。濃厚接触者という定義をされると、その方自身も一定程度、自宅待機してくださいなど、職場に行かないでくださいなどという制約をお願いすることになりますから、濃厚接触者そのものを増やせとは言いません。

 でも、濃厚接触に当たっていないけれども、マスクはしていたけれども、実は、長時間同じ場所にいていろいろ会話をしていましたみたいな話は、全部対象に今なっていないんですよ。本当にそこで感染が広がっていないのかどうか。今、一年前と違って、検査の余力はあるんですから、能力はあるんですから、物理的な。それは、私は、広範に幅広く、近くに感染者が出た方については、ただでその方について検査をするという状況をつくらなければならないというふうに思っています。

 時間がなくなっているので、このことについては強く引き続き求めるということで、大事なのは入国管理の徹底なんですよ。やはり変異株、入ってきてしまいました、残念ながら。

 現状は、出国前七十二時間以内の検査証明又は検疫所が確保した宿泊施設等での待機、それで、誓約書を提出して、十四日間は公共交通機関を使わないでください、自宅等で待機してください、アプリの位置情報を保存してくださいみたいなことをお願いしているんですが、あえて厳しい言葉で言えば、野放しと私は言わざるを得ないと思っています。それは、そういう状況で自力で自宅に帰ってください、どこかに行ってホテルに泊まっていてくださいと言ったって、普通の、市中に出て、それで守ってくださいと言われても、現に守れていないケースが出ているじゃないですか。

 先ほどのニュージーランド、台湾あるいはオーストラリア、幸い、同じように島国です。やはり水際は相当徹底してやっています。

 おかしいのは、七十二時間前の検査証明書があればいいじゃないかと。ずっとこの間、PCR検査には漏れがある、陽性だけれども陰性と出てしまうケースがある。それはありますよ。だって、感染した直後だったら検査で出ないんですから。

 だから、私たちは、十日間ぐらいかけて、複数回、三回検査すべきじゃないですかと。日本に帰ってこられる方、日本に入国される方については、十日間ぐらいかけて三回ぐらいPCR検査をやって、万が一にも感染していた方が検査から漏れることがないようにするべきじゃないですかと。

 そして、その間は、法律的な強制よりも大事なことは、一か所に集まっていていただくことですよ。成田空港周辺のホテル、空いていますでしょう。国で借り上げて、そして、そこにずっといてくださいというようなお願いをしたら、そこで、強制力はないけれども、食事のこととか、場合によっては医療のこととか検査のこととか、全部お世話をする方がついていただければ、そこから逃げ出すというケース、そうそうないんじゃないですか。これをしておけば、変異株の日本への入ってくることは止められたんじゃないかと思います。

 今からでも遅くありません。変異株は世界中で次々と生じる、そういうリスクがあります。こういう対策をすべきだと思っているんですが、厚労大臣がうなずいていただいているのは分かります。具体的なことは、後で同僚議員から厚労大臣などに聞きます。

 総理、こういう思い切ったことを、絶対に水際で止めるんだというもっと厳しい措置をやるべきじゃないですか。総理、いかがですか。

菅内閣総理大臣 まず、政府としてですけれども、国民の命と健康を守るのは、それは最優先でありまして、国内外の感染状況を見極めつつ、感染拡大防止に向けて実効性のある水際対策を行ってきています。

 まず、入国でありますけれども、全世界からの新規入国者について、原則、全面禁止する措置を講じております。

 また、入国可能な日本人また在留資格のある外国人に対しては、出国前七十二時間以内の検査証明の提出、それを求めると同時に、さらに、空港での検査、これも実施をしています。入国後十四日間の待機等についての誓約書の提出を求めることとしており、違反した場合は、氏名等の公表や検疫法上の停留等の対象とする検疫の強化もこれは実施しています。

 また、検疫での検査結果が陰性であっても、入国後十四日間の健康フォローアップを実施し、健康に異常があった場合は速やかに必要な対応を講じることとしています。

 さらに、変異株……(発言する者あり)ちょっと聞いてください、しっかりやっていますから。変異株への対処として、変異株流行国からの入国者については、検疫所が確保した宿泊施設において入国後三日間の待機を求めるとともに、三日目に追加の検査を実施する措置を講じています。

 今委員から御指摘をいただきました御提案のような対応については、強い私権制限を伴う停留等を入国者に一律に課すことが適当であるのかどうか、また、対応に当たる検疫所職員や空港周辺の宿泊施設等、必要となる人的、物的資源には制約がある、こうしたことに留意をすることが必要だと考えます。

枝野委員 人員等は相当増やさないといけません。それから、入国した方で、お金持ちの方だったら、ホテルでできるだけ高い、おいしいものを食べてください、ルームサービスで食べてくださいでいいかもしれないけれども、そういう方ばかりじゃないから、そういったことのお金もつけるべきじゃないかと思います。

 しかし、変異株が国内で大流行して、また緊急事態宣言だなんということになることを考えたら安いものじゃないですか。これが危機管理なんですよ。早いうちにやらなきゃならない。

 確かに、私権制限は小さいほどいいですよ。だけれども、海外から日本に入ってくるという特殊な状況のところでは、それは相当強い、いや、しかも、これも任意ですよ。別に、私、刑罰つきでやれだなんて全然言っていませんよ。今と同じように、守っていただけなければ氏名公表でもいいですよ。でも、氏名公表だって、今だって機能していないじゃないですか。自宅待機している、どこかで感染が出て、たどっていったら、帰国した方、入国した方が実は約束を守っていなくて、二週間以内にどこか外で会合してしまった。事後的じゃないですか。でも、ホテルに待機してくださいというお願いをすれば、それを守っていただけない方、初めから分かるじゃないですか。全然水際としての効果、違いますよ。

 残念ながら、今のようなところ、どうしてこういうところは後ろ向きなのか、私は全く理解できないし、残念ながら、危機管理の対応としては小さ過ぎて、そして遅過ぎるということを言わざるを得ない。これでは本当にリバウンドが心配です。もう一度リバウンドしたら、本当にこの国の社会も経済も成り立たない。

 私は強い危機感を持っているからこうやって総理に直接、総理がリーダーシップを取らなきゃいけません。それは、入管とか厚労省とか各省各部局からは、従来の延長線上で物事を考えようとするのは、これは当然なんです、役所の特性として。十年前もそうでした。だから、政治が強いリーダーシップで、ここは厳しくやるんだ、めり張りをつけてやるんだと言っていただかなければならないということを強く総理に申し上げたいと思います。

 最後に、二分あります、言わざるを得ません。

 山田広報官の話を始めとして、菅総理の御長男。私は、御長男ということと同時に、元秘書官ですよ。役所からの秘書官ではない、政治任用の秘書官ですよ。だから、菅総理の政治行動と無関係ではないんですよ、全然。全然政治活動と関係ないところで活動していた御親族の話ではないんですよ。そこに絡む話で、官僚の皆さんがたくさん処分されています。

 そして、これは総務省だけの話かと思ったら、農林水産省に至っては元大臣も巻き込んだ汚職事件になり、それに関わって、やはりトップ官僚が接待を受けていたという深刻な問題になっています。

 私が若手議員の頃に、某役所のしゃぶしゃぶ事件というのがありました。さすがにそれ以来はこうした綱紀は粛正されていると言っていたのが、いつの間にか緩んできてしまっている。それは、残念ながら、忖度をさせる政治、そして、こうしたことにけじめをつけない政治、そうしたことが官僚の皆さんのところに行ってしまっているのではないかと思わざるを得ません。

 これは、官僚の皆さんのモラルが低下をしたら、やはりこの国は成り立たないんですよ。いろいろあっても、御苦労かけても、やはり官僚の皆さんは優秀だし、真面目だし。その皆さんのモラルを低下させるようなことをやっている。

 私は、この政治責任、このことの政治責任は大きいと思うんですが、総理、いかがですか。

菅内閣総理大臣 私、先般申し上げましたけれども、私の家族が関係をして、結果として公務員が倫理法に違反する行為をすることになったことについて、大変申し訳なく、国民の皆さんに深くおわびを申し上げるところであります。

 政府としては、行政に対する国民の信頼を大きく損なう事態になったことは深く反省しなければならないというふうに認識しています。国民の信頼を回復をし、期待に応えることができるように、これから襟を正してしっかりと取り組んでいきたいと思います。

枝野委員 更に深くは同僚議員に譲りたいと思いますが、もう一度だけ申し上げますが、単なる御親族の話じゃありませんから。総理の政治活動と全然関係ないことを別にやっていた方の問題であるが、それは、またいろいろな見方があるかもしれませんが、総理が、御自身が大臣のときの秘書官にした、政治活動を一緒にされてきた方であるということが一つです。

 そして、二つ目は、官僚の皆さんのモラル。この低下は本当に真剣に考えてください。総理の御子息が勧誘したんです。それはもう否定できない。そうした状況の中で、官僚の皆さんだけが処分をされる、トカゲの尻尾を切られる、政治の側は何にもなしかいと。本当にこれで官僚の皆さんが強いモチベーションでこの国のためにやっていただけるのか、私は心配で仕方がない。

 そのことを申し上げて、私の質問を終わります。ありがとうございました。

金田委員長 この際、山井和則君から関連質疑の申出があります。枝野君の持ち時間の範囲内でこれを許します。山井和則君。

山井委員 二十八分間、質問をさせていただきます。限られた時間ですが、午後には一般質疑もあって、同僚議員が各大臣に質問すると思いますので、ここはもう総理大臣以外には答弁は求めませんので、是非とも、基本的なことしかお伺いしませんので、菅総理、誠実にお答えをいただければと思います。

 まず、何よりも、山田政務官が体調を壊され、入院され……(発言する者あり)広報官が体調を壊され、入院をされ、辞職を申し出られたということを、非常に私もショックを受けております。やはり、女性のエースとして広報官で仕事をされておられた、男女共同参画という観点からも頑張っていただきたいと私も思っておりました。しかし、こういう形で、ある意味で犠牲者となられた面もあるのではないかと思っております。今の菅政権を象徴するこの忖度、接待政治、この政治を終わらせねばならないと思います。

 先ほども話がございましたが、本来でしたら、先週金曜日、しっかりとした記者会見を菅総理はやるべきであったと思います。京都を始めとして緊急事態宣言が解除された地域の方々には、今までの我慢、自粛のお礼を言いつつ、また、東京等、まだこれから解除できるかどうか分からない地域に関しては、もう一我慢していただきたいということ、そのことを切に総理大臣から国民にお願いをしていただきたかったですし、同時に、私たちも要望しておりますが、二回目の持続化給付金とか、あるいは生活困窮者に対する給付金とか、国民に我慢をお願いする代わり、政府としても、コロナから事業者、国民を守りますよ、そういうメッセージをいただきたかったと思います。しかし、今回の山田広報官のこともあり、記者会見が開かれなかったのではないかと思います。

 そこで、菅総理にお伺いします。

 この山田広報官に関しては、本当に御回復をお祈りしますし、お見舞いを申し上げたいと思いますが、ある意味で、菅総理やこの菅政権の被害者、犠牲者であった面もあるのではないかと私は思います。菅総理は、山田広報官にはおわびはされましたでしょうか。

菅内閣総理大臣 私はそういうことを申し上げる立場じゃないと思います。

山井委員 なぜ私がこういうことを申し上げるかといいますと、七万四千円に上る高額の接待、必ずしも、私、行きたくて行かれたんじゃないんじゃないかと思うんですね。やはり、菅総理の息子さんもおられるお誘いである、これを断ると、もしかしたら総理から嫌われるんじゃないか、左遷されるんじゃないかと。

 ちょっとここに総理の本がございます。「国民の「当たり前」を私が実現する」と書いてあります。「官僚を動かせ」。この中で、例えば、配付資料の中にもありますけれども、NHKの担当課長を更迭した、そして、つまり、人事権を使って官僚を動かしていた。残念ながら、総理と意見が対立して、更迭をされた官僚の方々もおられます。

 やはり、そういう中で、菅総理に同調しないと、意見を異にすると飛ばされるのではないかという、内閣人事局の制度の濫用とも言える今の忖度が広がってきているのではないかと思います。

 菅総理、山田広報官もやはり御子息を含んだ会食は断るに断れなかったとは思いませんか。

菅内閣総理大臣 私は承知する立場にありません。

山井委員 その答弁はちょっと冷た過ぎませんか。

 私は、息子さんからのお誘いじゃなかったら、七万四千円もの高額の、利害関係者でもある疑いがある危険な夕食会には出られなかったのではないかと思います。

 菅総理、別人格だというふうに息子さんのことをおっしゃいましたけれども、官僚の方々はそうは見ておられなかったんじゃないんですか。いかがですか。

菅内閣総理大臣 これについても、私が答弁することじゃないでしょうか。

山井委員 余りにも無責任じゃないですか。この本の中にも、方向性は政治家が出す、でも、責任は最後は政治家が取ると書いてありますよ。

 これだけ今日もお越しくださっておりますが、農水省の幹部の方、総務省の幹部の方、本当に国のために働いてくださっている方。もちろん、違法の疑いのある接待を受けたことはよくないことですけれども、そもそもは、当時の大臣や菅官房長官、菅総理、その政治家との絡みがあるから接待を断れなかった。私は、ある意味で被害者、犠牲者という面もあると思います。

 菅総理、こういう、女性の広報官を登用していく、でも、最後は、自分の息子さんですよ、自分の息子さんが声をかけたことによって大問題になって、体調を壊して、辞めざるを得なくなる。これに対して、自分は関係ないとおっしゃるんですか。総理、いかがですか。

菅内閣総理大臣 まず、私自身がそうした今の御質問に答える立場じゃないというふうに思います。

 先ほど申し上げましたように、私の家族が関係をして、結果として公務員が倫理法に違反するような行為に至った、そうしたことについては、大変申し訳なく、心からおわびを申し上げるところであります。

 それと、私自身の、官僚が、左遷するという話でした。私は、感情で人事をやったことはありません。私は、全て政策によって人事をやっています。私たち政治家というのは、国民の皆さんと様々な政策を約束をして当選するんじゃないでしょうか。国民から負託を受けて、その政策を実現するために。それだったら、政治家は要らないじゃないですか。だから、私は本に書いているんです。堂々と、政と官の役割はしっかりとした中で行うべきであると。その中で、そうでなければ、本に左遷したことなんか書くわけないじゃないですか。

 今NHKの話が出ましたけれども、私はNHK改革をやりたい、私の公約でもありました。しかし、それに政策で反対する人をそこの場に置いていていいんですか。それは政策ですよ、感情じゃないんです。(発言する者あり)いや、そういう中で私自身は判断をして行っているということは、そこは是非御理解をいただきたいですよ。

 ただ私の感情で、自分にいいとか悪いとかじゃなくて、やはり政策じゃないでしょうか。政策の方向性はやはり政治が決めるべきだと思いますよ。その結果として責任を持つのも政治だと思いますよ、それは。私は何も違っていることは言っていないと思います。

山井委員 結果として責任を取るとおっしゃっているけれども、結果として、山田広報官もこういう形になって、あなたは何も責任を感じていられないんじゃないんですか。

 そして、ここにも、配付資料にありますけれども、総務省で「縁故人事の恐れ 霞が関役人は萎縮 官邸に課題言えず」。この方も書いておられるのは、元総務省の方ですけれども、結局、決まったことに従うのは官僚は当然だけれども、問題点を指摘しただけで飛ばされるようなことがある、それではもう怖くて官邸に物が言えなくなっている、そういう忖度政治が進んでいるということをこの方も指摘をされておられます。

 そういうことがあるから、今回も私、びっくりしました。総務省も、これは一々細かいのは見えないと思いますが、組織ぐるみ、三十八回、十一人処分。これは、利害関係者と会食をしてお金を払ってもらう、そんなことはあり得ない話なんです。それはやはり、菅総理の御子息が関係しておられるから断れなかったというふうに見るのが、私は菅総理がおっしゃる国民の当たり前の感覚だと思います。

 菅総理、では、この三十数回に及ぶ組織ぐるみの接待は、息子さんは全く無関係だったというふうにおっしゃいますか。(発言する者あり)

金田委員長 静かに聞いてください。

菅内閣総理大臣 息子、先ほど私も家族と申し上げましたけれども、結果としてそうした公務員倫理法に違反することに至ったということについては、私、申し訳なく、おわび申し上げると先ほど申し上げました。

 ただ、私は因果関係というものは正直分かりません。息子とこの総務省のことで、どういう事態でこうなったかということも全く話してもいません。

 ですから、そういう中で、私の息子がそういうことを行ったということについては、私は先ほど来、結果としてそういう事態になったわけですから、おわび申し上げたということであります。

山井委員 ここに総務省の幹部の方々もお越しになっています。情報通信、そういう政策のエース、本当にしょって立つすばらしい官僚の方々であったと思います。

 しかし、こういう違法接待を受けざるを得なくなった。それは、やはり息子さんだったからではないかと私は思います。思わざるを得ません。そういうことがなかったら、優秀な日本の官僚の方々が、こんな組織的な、違法の疑いが強い接待を受けているはずはありません。

 菅総理、山田広報官に私は一言おわびはされるべきじゃないかと思います。やはり息子さんがおられなかったらこの事件は私は起こっていないと思います。いかがですか。

菅内閣総理大臣 その内容については、今、総務省でも調査中じゃないでしょうか、総務省のことについては。

 我が国は、やはり、内閣の中で、その総務省の判断が正しかったか、適切かどうかということを判断する第三者機関というのもあります。そういう中でやはり客観的に行われるべきだというふうに思います。

 山田さんに対して私が謝るとか謝らないとか、そういうことはここで申し上げるべきじゃないというふうに思います。

山井委員 私はなぜこだわるのかというと、先ほども枝野代表から話がありましたが、これからコロナ対策を一丸となって政治家と官僚の方々が国民のために仕事をするというときにおいて、結局、息子さん絡みで接待を受けて辞職することになって、それだけですかと。これでは私は、優秀な、志ある霞が関の方々は、コロナ対策、なかなかこれは菅総理の言うことを聞いてやろうということにならないと思います。

 こうやって総務省の官僚の方々がこういう場にお越しになっているのも、ある意味で、私は、菅総理の被害者、犠牲者じゃないかと思います。

 一言、この官僚の方々におわびの言葉はないですか。

菅内閣総理大臣 先ほどから申し上げておりますとおりに、私が今申し上げるべきことじゃないというふうに思います。(発言する者あり)

金田委員長 静粛に。

山井委員 これは繰り返し言いますが、私は国民の当たり前の感覚とずれていると思います。

 この本に、方向性は政治家は出すけれども、最終責任は政治家が取ると書いてあるじゃないですか。でも、これだけの事件が起こって、私はその忖度、接待政治の大本は菅総理だと思います、今回の事件は。菅総理と息子さんがおられなかったら、こんなことにはなっていなかったんです。にもかかわらず、この期に及んでも菅総理はこのことの責任を明確にされない。私は、それでは余りにも無責任だと思います。

 もう一つ菅総理に申し上げたいことは、先日一月二十九日にも、低所得家庭のお母さん方とか、非正規雇用で休業手当が数か月入っていない、生活に苦しんでおられる方々と面会していただきました。

 しかし、その要望をしたにもかかわらず、ほとんどゼロ回答、大企業の休業支援金のことに関しても、実態的には二割ぐらいしか無理でした。その個々の政策については触れませんが、結局、当事者の方々からすると、総理に会ったけれども、たたき上げの総理で期待していたけれども、やはり期待外れだったと言わざるを得ないんですね。

 そこで、総理にお伺いしたいんですが、こういう本当に困っておられる方々が総理に面会してもなかなか政策が実現しない。一方では、高額の接待をしたら何かその業界の言うことを聞いてもらえるのではないかということでは、コロナで苦しむ国民もやっていられないのではないかと思うんです。

 菅総理、では、多くのコロナで困っておられる方々が菅政権で言うことを聞いてもらおうと思ったら、やはりある程度、接待とか何かをしないと駄目なんですか。菅総理に面会しても話は通らない、結局やはりそういう憤りが私は出てくると思うんです。菅総理、いかがですか。

菅内閣総理大臣 私は、国民にとって必要なものは、客観的に考えて必要なものは必ずしっかり対応する、そういう姿勢です。

山井委員 私も、菅総理とは議運の理事で一緒に仕事もしたことがありまして、たたき上げということで、もう少し具体的な仕事をしてくださるのではないかと思っていましたけれども、なかなか私たちが要望している政策、コロナ対策の政策は聞いてくださらない。一方では、このような接待疑惑がどんどんどんどん噴出している。

 そこで、枝元次官もお越しをいただいております。残念ながら、枝元事務次官の農水省も、詳しくは申し上げませんけれども、アキタフーズの贈収賄の、吉川元大臣との贈収賄事件、そのまた会食の現場におられたということであります。

 まず、枝元次官、農業、全国的にもコロナで苦しんでおられます、そのトップである枝元次官が、このような事態、違法まがいの会食の現場におられたことに関して、おわびをしてください。

枝元参考人 お答え申し上げます。

 今回の私の倫理規程違反の行為によりまして、農林水産行政、また国家公務員に対する信頼を損ないました。農林水産関係の皆様方、また国民の皆様方に誠に申し訳なく、心からおわび申し上げます。

山井委員 これは総務省だけじゃなくて、私たち、こういう姿を見ていると、本当に各省庁のエース、トップの方々がこういう違法な接待を受けている、こういう疑惑に関して、本当にこれでコロナ対策が進むのかと心配で心配でなりません。

 枝元次官にお伺いをします。

 では、この吉川元大臣とアキタフーズの元代表と会食されたときのメンバーは誰だったのか。そして、吉川元大臣は、今、贈収賄の事件で起訴もされております。どういうメンバーで、また、どういう話をして、そして、この会食の趣旨はどういうことだったのか、お答えください。

枝元参考人 お答え申し上げます。

 まず、私が参加いたしました会食でございますけれども、吉川元大臣、あと河井先生、あとアキタフーズの秋田元代表の方でいらっしゃいます。私どもの方は、私、当時生産局長でございましたが私、あと、もう辞めておりますけれども当時の畜産部長、あと、課長が二人参加しているところでございます。

 中身でございますけれども、多分養鶏についての話題も出たのだろうと思いますけれども、二年半ほど前のことで、ほとんど覚えてございません。ただ、具体的な政策についての働きかけがございますれば、さすがに覚えていると思いますので、そのような働きかけはなかったというふうに認識をしてございます。

 会食の趣旨につきましては、ちょっと私はよく分かりません。

山井委員 これ、公正な農政を進めていく上で、こういう鶏卵業者の業界の代表と会食をする、たとえ政治家がそこに同席したとしても、行くべきではなかったのではないですか。そして、このことに関して、国際機関の厳しい基準案に反対してほしいとか、あるいは補助金を拡充してほしいとか、そういう様々な要望を聞いているわけですね。そういう関係の中でのこの会食。

 じゃ、これ、吉川元大臣から何らかの指示があったのか、そのことについてお答えください。

枝元参考人 お答え申し上げます。

 会食の場で、そのような具体的な要請はなかったというふうに認識をしてございます。

 会食を受けまして、何か吉川大臣から指示があったということはございません。

山井委員 これは、総務省のときも、最初は記憶にございませんということだったんですね。ところが、結局は様々な調査の中で上がってきたわけです。

 今回、枝元次官、これは調査の中で、農水省のこの処分に関しては、吉川元農水大臣とかアキタフーズの元代表にもヒアリングもせずに処分をして、これは幕引きを急いでいるのではないかと思います。

 農水大臣にお伺いします。

 後ほど詳しくは同僚議員が質問しますが、全くこれは、幕引きであって、不十分な調査、不十分な処分というか、ほとんど調査していないんじゃないんですか。いかがですか。(発言する者あり)

金田委員長 静粛に。

野上国務大臣 まず、私からも、今般、当省の幹部職員が倫理規程違反で懲戒処分を受けるに至りましたことは、農林水産行政に対する国民の信頼を大きく損なうものでありまして、改めて国民の皆様に深くおわびを申し上げたいと思います。

 一日でも早く国民の信頼を取り戻すために、再発防止と倫理規程の遵守を徹底をして、国民の厳しい視線を常に意識しつつ、日々の仕事に真摯に取り組んでまいりたいと考えております。

 そして、先ほどの処分の話でございますが、本事案では、吉川元大臣からの誘いを受けて、吉川元大臣、アキタフーズ元代表と会食したものであること、また、対象者が部下を指導監督する立場にある幹部職員であること、会食に参加した回数などを総合的に勘案しまして、これは国家公務員倫理審査会の承認を得た上で、枝元次官以下三名の幹部職員を減給とするなど、厳正な処分等を行ったと考えております。

山井委員 いや、これはコロナで苦しむ国民のことは、結果的には、こういう忖度や接待をしている中で後回しになっているんではないか。先ほどの総務省の、息子さんたちからの夕食接待、会食も、このコロナの期間あるいは自粛期間の夕食も含まれているわけであります。このようなことについては、本当に、結局、コロナの、国民の方々からすると、こういう政治を何とか早く終わらせねばという強い怒りが出ております。

 ついては、菅総理にお聞きします。

 先ほど枝野代表の話にもありましたが、今週、東京での解除をするのかどうかということが焦点になっておりますが、先ほども枝野代表の質問にあったように、菅総理は解除に比較的前のめり、尾身会長を始めとする諮問委員会の先生方は割と慎重という気がいたします。もちろん、経済を回すために一刻も早い解除が必要という意見もあろうかと思いますが、心配なのは、その諮問委員会の皆さんの声を十分に菅総理が尊重せずに判断をされるのではないかという不安の声が国民の中から多々あります。

 ついては、この解除の判断においては諮問委員会の方々の意見を尊重するということをここでお答えいただければと思います。

菅内閣総理大臣 まずは今週の数字をしっかり見ていきたい、こういうふうに思います。

 専門家の皆さんは、ステージ3となったら解除するという御意見でしたが、一都三県はほとんどの指標でクリアしています。新規感染者がステージ2に達しつつある。これは一つの検討の前提にしなきゃならないと思います、こういう方向を皆さんに公開をしていますから。できるだけ感染を減少させていくという思いは、これは皆さんも同じだと思います。

 予定どおり三月七日で解除したとしても、緊張感を持って必要な対策は続けていかなきゃならないと思いますし、感染拡大が、その時点において、可能であれば、拡大が実際進んでいれば、それは様々な数値の中で、それは専門家の委員の皆さんからの話を伺いながら、ただ、一つの、指標というのは約束して皆さんにお願いをしていますから、そういう中で具体的に3から2に進んでいくのか、様々なことを考慮する中で、最終的には私の責任で判断をします。

金田委員長 山井和則君、時間が参ります。

山井委員 これは、諮問委員会の方々の意見を聞きながら慎重に判断をしていただきたいと思いますが、何よりも、先ほど枝野代表からもありましたが、そのためには十分な事業者への支援、PCR検査など、しっかりとした対応が必要であります。二回目の持続化給付金などを通じて、そういうことをしっかり、事業者や国民を守る政策をやる、そのことを是非ともお願いしたいと思います。

 以上で終わります。ありがとうございます。

金田委員長 この際、辻元清美君から関連質疑の申出があります。枝野君の持ち時間の範囲内でこれを許します。辻元清美君。

辻元委員 立憲民主党の辻元清美です。

 総理、今、三月七日の緊急事態宣言の期限が来ます、最終的には私の責任で判断するとおっしゃいました。七日、迫っているんですけれども、いつ頃、判断がデッドラインだと思われていますか。

菅内閣総理大臣 それは、今の時点で明確に申し上げることは控えますけれども、そんな直近であってはやはりならないと思っています。

辻元委員 日曜日なんですよね。いろいろな人、解除されるかどうかということでいろいろな段取りが狂ってきますから、週の半ばぐらいかなと私は思っております。

 やはり、この間、尾身会長の記者会見ですね、大阪などを解除するとき、相当緊迫していたというか、ちょっと怒っていたような感じもしたんですよ、私。専門家の話を聞いてほしいなと、私も慎重な意見を言いましたとおっしゃっていて。

 総理は今、最終的には私の責任で判断しますと、たった今ここでおっしゃいました。そこで、私、今回の判断というのは、オリンピックも懸かっているし、総理の進退が懸かるぐらいの判断やと思うんです。

 なぜこんなことを言うかといいますと、年末、どんどんどんどん、GoToとかをやっていて数が増えてきた、そして東京が千三百人になったときに、総理がテレビに出ているのを私は見たんですよ。そうしたら、驚きましたと、想像していなかったとおっしゃったんですね。そして、一か月で解除できなかったらどうしますかと問われて、仮定のことは考えないとおっしゃったんですよ。私、これを見て、大丈夫かなと思いました。

 総理は、もう官房長官も総理も、この新型感染症の問題は一年間対応してこられていますから、もう今度は、解除したら、こんなことは想像しませんでしたとか、仮定のことは考えないというのは通用しないと思うんです。

 そこで、総理にちょっと念押ししておきたいと思います。私の決断で最終的には決めるとおっしゃった。専門家の方は相当慎重ですね、今。そこで、どういう決断をされるのか。解除して、再度また第四波が来て緊急事態宣言を出すような事態になったら、私、もう想像できませんとは言えない、総理のやはり政策の失敗になってしまうと思います。

 そこで、総理に覚悟を聞いておきたいんです、今度の解除の。場合によっては総理の進退が懸かるくらいの責任が生じる、今回全面解除するときはそれぐらいの覚悟で決断するということでよろしいですね。

菅内閣総理大臣 これは、どうするかということは国でルールが決まっていまして、専門家委員会の皆さんから構成される諮問委員会の中の意見を聞いた上で、最後は私が内閣総理大臣として判断をいたします。(辻元委員「覚悟、覚悟。進退を懸けて」と呼ぶ)

 私は、常に覚悟を持って政治を行っています。

辻元委員 ちょっとワクチンについて、河野大臣、寝ていないよね、下を向いているだけね、伺いたいんです。

 ワクチンがどうなるかというのが大きな決め手になるじゃないですか。それで、ワクチンは一回接種なのか、二回接種なのか、ファイザーのワクチンについて。田村大臣は二回ですよと言っています。やはり国民の間で不安が広がっているんですよ、何か数が足りなくなったら一回にされるんちゃうかなと。

 ですから、ここは総理、ファイザーのワクチンについて、田村さんは二回だと国会でもおっしゃっていますので、総理の口から、ファイザーについては二回接種で日本はいきますと表明しておいてもらえますか、みんな心配していますから。どうぞ。

菅内閣総理大臣 そういう方向で河野大臣のところでも準備をしています。

辻元委員 いや、方向じゃなくて、二回でいくということだと思いますよ。だって、一回しか打っていない人と二回の人となったら不公平ですよね。ですから、二回と決めたら、もうこれでいくしかないんですよ。

 河野大臣にお聞きします。苦労されていると思います。六月までに高齢者の接種の見通しが少しずつついてきたようなんですけれども、これは、オリパラが始まるまでに、地方自治体にも頑張っていただいてワクチン接種は終わらせたい、そういう見通しであるということでよろしいですか。

河野国務大臣 何回も申し上げておりますように、オリンピック・パラリンピック、スケジュールには私は考えておりません。六月末までに、ファイザーとの交渉の結果、自治体に対して高齢者が二回接種できる分のワクチンの供給ができる、それだけの確保ができそうだということでございます。

 今、自治体は、それぞれ接種体制を構築してくださっておりますので、実際のワクチンの供給は、自治体がワクチンを打ち始めたときにワクチン切れを起こさないように、しっかりとそのスピードに合わせて供給してまいりたいと思います。

辻元委員 なぜこういうことを申し上げるかといいますと、熱中症が心配なんです。高齢者の接種が夏までかかってしまうと、ワクチンの副反応に発熱というのもありますね、高齢者の方が打ちに行って、帰りに熱中症で倒れるとか。ですから、これは夏までにきちんと行うということでないと、夏にかかると本当に危ないと思っているんです。

 全国知事会で、二日前にいろいろな意見が出ました、総理。全国知事会の皆さん、厳しい意見も出ていましたよね。その中で、ワクチン接種について一番ちょっと何とかしてよと言っているのはどんな意見だったと思いますか。総理、いかがですか。総理が把握している範囲で結構です。

菅内閣総理大臣 日程だったと思います。それと、あとはお金じゃないでしょうか。

辻元委員 そうなんですよ、やはり日程なんですよね。それと、数が最初少な過ぎるという話です。

 河野大臣、四月十二日からワクチン接種を始めるということなんですけれども、例えば東京ですね。東京は二千ですよね、東京は一回目は二千人分分配なんですよ。例えば、今、これは十二日から始めると言っていますけれども、私、東京二十三区で一番大きな世田谷区、もしもこの東京都の二千、最初の配分分が人口比で割られたとしたら、都道府県はいろいろな方法で今模索していますけれども、最初の第一便、人口比で割ったら、二十三区で一番人口が多い世田谷、何人分ぐらい配られるか分かりますか。分からなかったら分からないでいいですよ。

河野国務大臣 最初の配送は、各都道府県に一箱、人口の多い東京、神奈川、大阪は二箱配送いたします。

 我々としては、どこか一つの自治体を選んで、そこで、配送がしっかりできるか、システムがきちんと動くか、予診にどれぐらいの時間がかかるか、あるいは打つ場所を出すための洋服を脱いだり着たりするのにどれぐらい時間がかかるか、そういうものを試していただきたいというふうに思っておりますが、都道府県によっては、一つの自治体ではなく、もう少し小分けにしたいというところもあるようでございます。

辻元委員 例えば、その二千なんですけれども、人口比で割ったら、世田谷に分配されるのは百三十二人分しかないんですね。今、それぞれの自治体は、どういうようにすればいいかなと。第二便を分配したとしたら、大体五百人分なんですよ。一つの自治体にするというのも方法なんですけれども、余りにも数が少な過ぎる。

 実際、こういう声が来ています。どこかで接種が始まっちゃうと、それが、高齢者の接種が始まりましたと、ばっと報道されるじゃないですか。そうすると、全く接種券が配られていないところの方々は、何で私は高齢者なのに接種券が配られないのというように、クレームというか、それぞれの自治体の窓口がパンクするんじゃないか。

 ところが、余りにも、例えば人口で割って百三十二人分、一回目にもらっても、一体誰に案内を出せばいいのか。百歳以上の人というようなことをおっしゃっていますけれども、世田谷だけでも五百数人いらっしゃるらしいんですね。今、そういう問題が起こっているんですよ。

 河野大臣にお聞きしたいんですけれども、私、昨日かおととい、河野大臣がテレビに出ていらっしゃるのも、いろいろな知事さんから、ちょこっちょこっと配るんじゃなくて、やはり一定の数量を確保して配ってもらうとか、全国津々浦々に配るんじゃなくて感染者の多いところから配ってもらうとかしないと、実際、四月の十二日から高齢者の接種を行いますといってスタートさせるけれども、それが何で私のところには来ないんだと混乱の元になると、自治体から非常に大きな困惑の声が届いているんです。そういう声を聞いていらっしゃいますか。

河野国務大臣 二十二日に、知事会、市長会、町村会から、確実に、少しずつ検証しながら拡大をしろという提言をいただいております。

 当初一箱、その次に五箱というのは、まず最初に、先ほど申し上げましたような様々なシステムがしっかり機能するかどうか、それを検証しながら拡大をしていこう、そういうことでございますので、一つの自治体、次は五つの自治体でそういうチェックをしていただく。どこの自治体でやるかは都道府県知事にお任せをしております。

 ただ、都道府県の中には、先ほど申し上げましたように、更に小分けをしてということを考えていらっしゃる。それは恐らく都道府県内の公平性というようなことを考慮されているんだろうと思いますので、それはそれで結構でございますが、しっかりとシステムが機能するかどうかというようなことを検証しながらやはり広げていくというのが一番いいんだろうと思いますし、三団体からもそのような提言をいただいているところでございます。

辻元委員 検証するにしても、一つの都道府県に千か二千かなんですよ。大体千なんですよね。相当これは、どうやって千人を選ぶんだと。じゃ、一つの自治体でやっても千人です、たった。どうやって選ぶんだと。二つでやったら五百人ずつですよ。

 やはり、四月から始めるとおっしゃっていたので、私、何が何でも四月から始めたかったんじゃないかという声も聞いています。四月から高齢者を始めましたよとどこかで報道されたら、あ、始まったのねと。しかし、それがかえって混乱を招くんじゃないかと心配しているわけです。ちょっとしかないのに、千人とか五百人しか接種できないのに、それが報道されちゃって。何か、四月からやったことを、やりましたと言うために最初配っちゃったんじゃないかというように思いますよ。

 私、河野大臣は運び屋とおっしゃっていた、運び屋と。水道の蛇口をしっかりやってほしいと思うんですよ、出したり閉めたり。

 今回の一回目のこのトライアル、一つの県に千、一つの自治体に、もしも十個でやったら百ずつ、百人ずつ、どうやって選ぶんですか。実際無理ですよ、それは。ですから、やはりこれは最初、出だしから、私は、もうちょっと考えて、自治体というか、区であったり、都道府県だけじゃなくて、どういう形がいいかということをきっちり確認された方がよかったと思います。

 これは、運ぶ責任はファイザーですよね。どうなんですか。運搬の責任は、自治体まで届ける責任は、国じゃなくてファイザーが運搬の主体ですね。

河野国務大臣 高齢者は日本に三千六百万人いらっしゃいます。この三千六百万人、同時に全員が受けるということはできませんから、これはどれだけのワクチンがあっても、高齢者全員に一斉に接種券を配ったら、それは予約が取れないということになります。

 ですから、自治体は常に、どういう順番でどれぐらいの接種券を送り始めるかということは、これは考えていただかなければいけないわけで、それは一箱であっても千箱であっても、順番をつけて接種券を送り出さなければいけないというのは同じなんです。三千六百万人が全員一斉に同じ日に打ち始めるということはできません。ですから、それは何箱送り出しても、順番を考えて打っていただく。

 それは、自治体ごとに、年齢で切るところもあれば地域で切るところもあれば、様々なことをその自治体に一番合うようにして考えて接種券を送り出していただかなければならないわけですし、そこは、予約をどうやって取るかというシステムにも制限があるでしょうし、打つ人数にも制限がありますから、それは自治体で考えて、どういう順番にどれぐらいずつ接種券を送り始めるかというのは、それは自治体ごとに違ってくるわけです。そこはしっかり御理解をいただかないといかぬと思います。

 ですから、一箱来たときにどういうふうにやるのか、五箱来たときにどういうふうにやるのか、百箱来たときにどういうふうにやるのか、それは自治体がしっかりと考えていただかなければ、国でこうやってくださいというわけにはこれはいきません。

 基本型の施設にはファイザーがこのワクチンを箱単位で送っていただく、そういうことになっております。

辻元委員 自治体の、この間からの全国知事会でも、自治体に丸投げかいという話が出ているわけですよ。蛇口の調節を上手にしないと水は流れないんです。その元締めの蛇口は国なんですよ。自治体に百とか五百配って、何とかせい、私は、この蛇口の考え方をもうちょっとしっかりしていただかないと、自治体が混乱しているんじゃないかと指摘しているわけですよ。いや、知らぬ、百でも五百でも配られたら自治体の責任で、どこに百人選んで接種券を出すかは自治体で考えてちょうだいと今おっしゃったけれども、そこを自治体の皆さんは怒ってはるんです。もうちょっと国の蛇口をしっかりしてちょうだいと言っているわけです。華々しく、四月十二日に高齢者の接種が始まりましたと言うけれども、内情を見たら百人とか各県で千人とか、それで混乱しているというふうにならないかと心配しているわけです。蛇口、国が、はい、それはもう自治体に送ったら自治体丸投げじゃないんです。

 今、運搬主体はファイザーとおっしゃいましたでしょう。ある自治体の長が、厚労省に運搬について聞きたいんだけれどもと問い合わせたらしいんです。そうしたら、ファイザーに聞いてくださいと言われたんですよ。

 運搬は、結局ファイザーが、私、調べましたよ、ファイザーがDHLと契約して、そしてDHLが飛行機は全日空と契約して、全日空で日本まで運んできたら、今度はDHLが運搬会社に、運送会社と契約していて、それで自治体の冷蔵庫のところまで行くとなっているんですよ。それについて、運搬の経過とか、どうなっているかということを問い合わせたら、ファイザーに聞いてくれと言われたというわけですよ。ファイザーのどこに電話をかけたらええねん、運搬について国は責任を持っていないのかという声を聞いているんですね。

 運搬の国の問合せ先はどこなんですか。内閣府なんですか、厚労省なんですか、ファイザーなんですか。どこに連絡すればいいんですか。

河野国務大臣 このワクチンにつきましては、ファイザーが責任を持っているところはファイザーが行うということになっております。これは、ある面、ワクチンの安全を守るために、なるべくそこに関する情報は外に出さないでほしいという要望をファイザーから受けておりますので、基本型の施設のところまでこれはファイザーが責任を持って送る。自治体はV―SYSの中に数字を入れていただいて、それに沿って厚労省の方で分配をしてファイザーが送り届ける、そういうことになっております。

 自治体がどこに問合せをするか、現時点では、それぞれの地域ごとのリエゾンが厚労省におりますので、そこに問合せをしていただければ、そこからしっかりお答えを返すことができると思います。(辻元委員「ファイザーのリエゾン」と呼ぶ)いえいえ、今、厚労省に自治体からのリエゾンのチームが地域ごとにおりますので、そこにまとめていろいろなお問合せをしていただければ、そこで自治体に今お返しをしているところでございますので、自治体はそのことをよく御存じでございます。

辻元委員 自治体の皆さん、特に東京は、ワクチンの接種と同時並行で、東京都議会選挙が六月にあります。それで、七月から九月までオリパラがあるんですよ。そして、東京は一番感染リスクが高いところなんです。なかなか減らないわけですよ。

 そうすると、やはり、もう自治体に送ったら自治体で、そこで百人でも二百人でも千人でも考えればいいという。だから、河野大臣に申し上げた、運び屋以外に、蛇口、国の蛇口がしっかりしていなかったら、自治体が混乱するだけ。それは自治体の責任じゃないですよ。蛇口の責任だということをよくわきまえて仕事をしていただきたい。一生懸命やってはるのは分かりますよ。EUとの交渉も大変なのは分かる。しかし、私は、この四月十二日からの接種については、ちょっとお粗末やと思います。

 この後、心配しています。報道されて、国民がどういう受取になるか。今、自治体はほんまに苦労していると思いますよ。だって、一つのところに千来たって、千人をどうやって選ぶのかとなるじゃないですか。そういう送り方を一回目にしてしまったということ。私は、これはちょっと、はっきり申し上げて出だしからつまずいているなと思いますから申し上げているんです。

 オリンピックについてちょっと聞きたいんです。

 心配なのは、総理も心配されているのは、変異ウイルスだと思います。

 外務省、来てはりますか。今、世界中で変異ウイルスはどれぐらい確認されていますか。

森政府参考人 お答えいたします。

 外務省では、変異株を含む新型コロナウイルスの国際的な感染状況について、必要な情報収集を行ってきております。

 変異株に関しましては、三月一日現在で、米国、欧州諸国、南アフリカやブラジルを含む五十六の国と地域におきまして、それぞれの国内での変異株の感染者を確認していると把握しております。

辻元委員 外務省は五十六とおっしゃっているんですけれども、WHOの発表、これはNHKでも報道されていますけれども、イギリス型が百一の国と地域、南アフリカ型が五十一、ブラジル型が二十九と、おとといぐらい報道されていましたよね。外務省は何でこんなに少ないんですかね。しっかりしてくださいよ。WHOに聞いたらいかがですか。大丈夫かなと思うんですよ、総理。

 ロンドンは、新たな感染者は全部変異ウイルスになったらしいんです。それで、フランスも半分ですよ。さらに、アメリカ一〇%、ニューヨークではまた違うウイルスも見つかっている。

 そこで心配なのは、オリンピック・パラリンピックなんですね。

 オリンピックの参加資格を有する国は二百六か国らしいんですよ。パラリンピックは百八十二か国。そうすると、この二百六か国のうちもう半分が、WHOの報告によれば、変異ウイルスが広がっている、また広がりつつあるわけですね。

 私は、総理、だって、百一か国、オリンピック参加国の半分で変異ウイルスが広がっているわけですから、もう現時点で海外からの観客を入れるのは難しいと思うんですけれども、総理、いかがですか。この変異ウイルス、心配でしょう。いかがですか。

菅内閣総理大臣 もちろん、変異ウイルスは大いに心配しています。ただ、東京大会については、安心、安全大会を実現するために感染対策というものを最重要に考えています。その具体的内容を現在検討しておりまして、その中で、変異株、その感染状況に応じた対策が必要だという判断をいたしております。

 いずれにしろ、東京都と大会組織委員会、IOCと緊密に連携をしながらしっかり準備を進めていきたい、このように思います。

辻元委員 いつもの答弁なんです。もうそういう答弁を読んでいる場合と違います。この変異ウイルスの広がりというのは大問題になっています。

 私は、オリパラ、本当にできるのかと思うんです。なぜかといいますと、全豪オープン、大坂なおみ選手が活躍して、私も見ていました。アスリート、頑張ってほしいと思います。でも、千人なんですよ、選手団は。そして、オーストラリアというゼロコロナの政策のところでやりました。それでもむちゃくちゃ大変やったというんですよ、テニス一種類で。選手だけで一万人以上ですよ。関係者を入れたら数万人、十万人来るかもしれない。

 総理にお伺いしたいんですけれども、やりますと進んでいても、ゴールデンウィーク明け、東京がステージ4になった。できますか、どう思われますか。

菅内閣総理大臣 安心、安全の大会にするべく、私ども今、全力で取り組んでいるところであります。IOC、東京都と組織委員会と、それらが連携しながら安全、安心な大会を実現するべく、私ども今、取り組んでいるところであります。

辻元委員 私、これは、進めるのは進めていくと思うんです。でも、途中でどうか。総理、最初に申し上げましたね、こんなことになるとは想像しなかったと。もう二度とそうならないために、中止の場合のシミュレーションをしておくのは日本政府しかできないんですよ。こっそりでもいいですよ。

 なぜかというと、IOCや組織委員会は、国民の命や暮らしを守る責任はないんです。国民の命を守る立場に立てるのは、その中では日本政府なんですよ。ですから、総理は、IOCがやるかやらないか決めますとか、組織委員会に任せますという、違う役割をあなたは持っているんです。

 ですから、IOCと立場が違う局面が出てくるかもしれませんよ。しかし、私は、ブレーキを考えておく。今申し上げたように、変異株も、これはなめたらあかんと思います。いや、こんなになると思わなかったとか、仮定のことは考えませんはもうあきません。ブレーキを考えておくのは日本政府の役割だと思いますが、総理、いかがですか。

菅内閣総理大臣 まず新型コロナウイルスを克服していくというのは、ここは最優先だと思っています。そういう中で、安全、安心な大会を実現するために具体的な内容を検討していく、そして、東京都と組織委員会とIOC、そういう中で政府としてもしっかり対応していく、このことが大事だと思っています。

辻元委員 日本政府の立場を自覚していただきたいと申し上げているわけですよ。オリンピックは確かにIOCがいろいろなことを決めるんだけれども、国民の命を守る観点から様々なシミュレーションをして、いざというときにはやはりそれを発動せざるを得ないときも来るかもしれない。そういう立場であるということをよく自覚をしてくださいね。

 丸川大臣にお聞きします。

 ジェンダー平等のオリパラになるか、世界中が注目しています。丸川大臣にお聞きします。選択的夫婦別姓について。オリパラ参加資格を有する二百六か国で、日本以外に、婚姻した際、法律で夫婦の姓を同姓とするように義務づけている国はありますか。

丸川国務大臣 御質問ありがとうございます。

 私どもが把握をしている限りでは、現在、婚姻後に夫婦のいずれかの氏を選択しなければならない夫婦同氏制を採用している国は、我が国以外には承知をしておりません。

辻元委員 オリパラ参加国も含めて、総理、二百六か国、法律で、結婚したら同じ氏にしなさいと決めている国は、日本以外ないんです。

 丸川大臣、選択的夫婦別姓はオリパラ参加国の世界標準であるという認識で仕事に臨まれるんですね。いかがですか。

丸川国務大臣 私がこの大臣の任をお預かりした経緯を考えますと、我が国の男女共同参画はまず道半ばであるということは、これはもう明確だと思います。まず、国際社会の理解を得るために全力を尽くすということは、私がこの任をお預かりしたときに心に決めたことでございます。

 その上で、選択的夫婦別氏制度を含めて、夫婦の氏に関する具体的な制度の在り方については、昨年来議論をされまして、昨年末に閣議決定をされました第五次男女共同参画基本計画においては、国民各層の意見や国会における議論の動向を注視しながら、司法の判断も踏まえて更なる検討を進めるとされているところでございまして、民法を所管する法務省において、国会における動向を注視しながら検討が進められていくものと承知をしております。

辻元委員 今、国際的にもしっかりやっていきたいという話でしたけれども、丸川大臣、それと正反対のことを、大臣に就任するつい半月前までやっていらっしゃったんじゃないですか。

 総理、御存じですか。丸川大臣も名前を連ねて、私、その写しを持っていますけれども、選択的夫婦別姓の実現を求める地方議会の意見書が採択されないようにといって、地方議会の議員や議会の議長にこういう文書を送りまくっていたんですよ。これは、例えば埼玉県の県議会議長は、地方議会の意思決定を無視して失礼な手紙だと。

 これは、国会議員が地方議員の独立性を侵しかねない行為であるという、丸川さん、自覚はありますか。いかがですか。いいことをやったと思っていらっしゃいますか。

丸川国務大臣 まず、日本の地方自治はかなりの程度で確立をされているということを認識をしております。

 それから、私が余り詳しく……(発言する者あり)

金田委員長 静粛に。

 どうぞ。

丸川国務大臣 はい。

 私が承知している限りでは、埼玉県議会でも様々な議論があるというふうにお伺いしております。(発言する者あり)

金田委員長 静かに。

辻元委員 国会議員と地方議会は上下関係でもありません。

 議長に送っているんですよ。県議会の議長も含めて、公平中立に意見書を採択するかどうか、その人に、先ほど申し上げましたよ、オリパラ参加国二百六か国で選択的夫婦別姓を採用していない、同姓を義務づけているのは日本だけなんですよ。そして、それを採択するなと、県議会などの議長に、意見書を採択してほしくない、するなと送っているような人が、オリパラ、男女共同参画担当大臣にふさわしいと思いますか、総理。ちょっと失敗だったんじゃないですか、この人事は。いかがですか。(発言する者あり)

金田委員長 静かに聞いてください。

菅内閣総理大臣 政治家個人として様々な考えを持つことは、ここは当然のことだと思っています。

 丸川大臣には、政府の一員として遺憾なく能力を発揮してほしい、このように期待しています。

辻元委員 実はもうこの件は、BBCとかで報道されているんですよ。なぜかというと、ジェンダー平等の件をめぐって混乱があって、今回の大臣に就けたわけですね。ですから、私は、なかなかちょっと、よっぽどちゃんとやってもらわないと難しいので、そのためにはどうするかということなんです。

 オリパラまでに日本を世界標準にするために、選択的夫婦別姓の法案、私たち、出していますからね、世界標準にしましょうよ。そうでしょう、皆さん、違いますか。そうすれば、ああ、いい大臣になったな、日本もジェンダー平等でいけるなということを証明することになる。これはイデオロギーの問題じゃないんです、困り事なんですよ。総理も今、もしも、菅という名前ですけれども、あしたから辻元という名前に変わるとして、通帳から何から全部変えて、何で日本の女性だけ不便とか不自由を強いられなきゃいけないのかという。世界標準が外れているんですよ。

 総理、最後に申し上げたい。

 もう党議拘束も外して、臓器移植法案のときのように、私たち、法案を出していますから、これを一緒に通して、選択的夫婦別姓。そうしたら、オリパラ標準国になって、ああ、丸川さんもいい大臣だったなと私も思います。

 総理、最後に。一緒にやりませんか。いかがですか。

菅内閣総理大臣 まず、選択的夫婦別姓制度の導入を含む夫婦の氏に関する問題は、我が国の家族の在り方に関わる事柄であり、国民の理解を得て対応する必要があるというふうに思っています。

 政府としては、男女共同参画基本計画に基づいて、夫婦の氏に関する具体的な制度の在り方に関し、国民各層の意見や国会における議論の動向を注視しながら検討を進めていく、こういうことになっています。

辻元委員 今の答弁は何の答弁にもなっていませんよ。オリパラを成功させたい、ジェンダー平等、日本もそうだと。反対の人がいてもいいんです。私は、同姓を選ぶ人の方が多いと思います。でも、選択したい人に選択権を与えよう、これが多様性じゃないですか。

 河野大臣、運び屋だけ違うて蛇口も是非よろしくお願いします、本当に。申し上げて、終わります。

金田委員長 これにて枝野君、山井君、辻元君の質疑は終了いたしました。

 次に、塩川鉄也君。

塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 今日は、総務省接待問題について質問をいたします。

 きっかけとなった週刊文春の報道では、昨年十二月十日の東北新社と秋本局長の会食の会話が紹介をされております。

 菅正剛氏が、BSのスターがスロットを返している。木田氏が、俺たちが悪いんじゃなくて小林が悪いんだよと。秋本局長は、うん、そうだよということを踏まえて、秋本局長は、小林氏のことを念頭に、でも、どっかで一敗地にまみれないと、全然勘違いのままいっちゃいますよねと。こういうやり取りがあったということが紹介をされ、秋本局長もそのことを認めておりました。

 BSのスターというのは、東北新社のスターチャンネルのことであります。スロットというのは、放送事業を行う場合の電波の周波数の帯域幅のことであります。小林氏とありますのは、小林史明当時の総務大臣政務官のことで、このやり取りにあるのは、二〇一八年五月の衛星放送の未来像に関するワーキンググループで取りまとめた報告書の内容にも関わるものであります。

 総務省に確認をいたします。

 この小林史明政務官が中心となったワーキンググループの報告書は、新規参入を拡大することを求める内容でした。

 二〇一八年の十一月、東北新社を有力企業とする衛星放送協会は、四十二スロットの自主返納を決め、総務省に報告をしました。東北新社も、BS放送のスターチャンネルのスロットの一部を自主返納した。これは、そのとおりですね。

吉田政府参考人 お答えいたします。

 二〇一九年十一月に認定されましたBS放送の新規参入事業者などの放送開始に向け、現在、BS右旋帯域において帯域再編作業が進められておりますが、その再編作業の中で、スロットの縮減を行った事業者がいます。

 株式会社スター・チャンネルにおいても、スターチャンネル1、スターチャンネル2、スターチャンネル3のスロットの縮減が二〇二〇年十一月三十日に行われております。

 これらのスロット縮減は、各社が経営判断に基づき行ったものでございます。

    〔委員長退席、山際委員長代理着席〕

塩川委員 この二〇一八年の五月の報告書の中身に関わって、既存の衛星放送事業者にとっては、4Kを推進している中、4K推進に協力している既存事業者を差しおいて、なぜ4Kではない新規事業者を増やすのかということだったのではないか。しかし、総務省側の強い要請もあり、厳しい経営環境を打開するためにも、将来の見返りを期待しての自主返納だったのではないか。そこで東北新社は衛星放送の未来像に関するワーキンググループの総務省事務方への働きかけを強めたのが、その後の接待攻勢だったということではないでしょうか。

 総務省に確認しますが、この二〇一八年五月の第五回衛星放送の未来像に関するワーキンググループの総務省の事務方、出席は十人でしたが、その十人について、その後、東北新社との会食に出席した職員は誰か、お答えください。

原政府参考人 お答えいたします。

 衛星放送の未来像に関するワーキンググループ第五回の総務省出席者のうち、今回の総務省調査において東北新社との会食が判明したのは、当時の役職で申し上げますが、奈良大臣官房審議官、湯本放送政策課長、井幡衛星・地域放送課長、豊嶋情報通信作品振興課長の四名でございます。

塩川委員 三島さんについてはどうですか。

原政府参考人 お答えします。

 失礼いたしました。三島も入っております。

塩川委員 このときの情報流通行政局長は山田真貴子さんなんですけれども、それはそのとおりですね。それは何で入っていないんですか。

原政府参考人 お答えいたします。

 今回、総務省の調査で判明いたしましたのは、現職の職員ということでございます。山田広報官、もうお辞めになられましたが、当時情報流通行政局長でありましたが、今回の総務省の調査ではないということで、総務省の調査では先ほど申し上げたということでございます。

塩川委員 当時でも山田さんそのものだったわけですから、つまり、この第五回のワーキンググループの総務省事務方、出席している十人のうち六人が東北新社への会食に参加をしているということであります。

 次に聞きますが、昨年四月には、休止をしていたこのワーキンググループが再開をしました。十二月に再び報告書をまとめました。この昨年四月、新たな論点整理の場として再開された第七回ワーキンググループの総務省事務方十人中、東北新社との会食に名前を連ねていた職員は誰でしょうか。

原政府参考人 お答えいたします。

 第七回ワーキンググループ、これも当時の役職で申し上げますが、吉田眞人情報流通行政局長、湯本情報流通行政局総務課長、豊嶋情報通信政策課長、井幡地上放送課長、三島情報通信作品振興課長、吉田恭子衛星・地域放送課長、六名でございます。

塩川委員 第七回についても、十人中六人、やはり過半数が東北新社と会食を行っております。昨年四月に再開したワーキンググループの総務省事務方トップは、情報流通行政局長だった吉田眞人現総務審議官であります。新たな報告書取りまとめの直前である昨年十一月の第十一回ワーキンググループには、谷脇康彦総務審議官も出席をしておりました。

 重ねて聞きますが、小林政務官の下で報告書を取りまとめた二〇一八年五月から、再度ワーキンググループが立ち上がった二〇二〇年四月の間で、総務省職員が東北新社と会食をした回数は何回で、そのうちワーキンググループの事務方経験者の会食回数は何回だったのか、この点を確認します。

原政府参考人 お答えいたします。

 今回の調査において判明した東北新社との会食のうち、御指摘の期間に係るもの、これは一回の会食に複数の職員が出席した場合一回とカウントしておりますが、第五回から第七回は二十回でございました。このうち、ワーキンググループに一回でも出席した者の参加した会食は十八回ということでございます。

塩川委員 ですから、一度出した報告書の第五回のワーキンググループから、再開をして新たな報告書を出すそのタイミングとなった二〇二〇年の四月の段階、その間に二十回の会食がある。二十回の会食のうち総務省の事務方が参加していたのが十八回。

 これには山田さんは入っていませんよね。入っているとしたら、加えたら一個増えるということですね。

原政府参考人 お答えいたします。

 総務省の調査ということでございますので、山田さんは入ってございません。

塩川委員 ですから、山田氏を加えれば二十一回中十九回であります。

 今回判明した接待のほとんどが、この時期に集中をしている。東北新社は、衛星放送の未来像に関するワーキンググループの事務方ばかり会食に誘っているということが、ここの実態に明らかではないでしょうか。

 その後も会食を重ねて、十二月までには二十七回。そのうちワーキンググループの事務方経験者との会食が二十五回。これに山田氏を加えたら、二十八回中二十六回ということになるわけであります。

 その結果取りまとめられた昨年十二月の報告書では、BSの右巻きの帯域の4K放送への割当てや、総務省が衛星の利用料金の低減を積極的に進めるといった取りまとめが行われました。これらは、東北新社が有力企業となっている衛星放送協会の要望、右回りの帯域への4K化の希望や、衛星放送利用料金の低廉化に沿ったものであります。

 総理にお尋ねします。こういった一連の接待攻勢によって、東北新社に有利となるように行政がゆがめられたのではありませんか。お答えください。

武田国務大臣 改めて、今回、行政そして国家公務員に対する多くの疑念を生むことになりました。心からおわび申し上げたいと思います。

 調査チームの報告によれば、現段階までに全ての当事者の方々から複数回にわたりヒアリング等の調査を行ったその結果でありますけれども、現段階では、行政をゆがめられたという事実というものは確認できておりませんが、今回の事案により、衛星基幹放送の業務の認定そのものに対して国民から強い疑念の目が向けられることとなったことを重く受け止めております。

 このため、新谷副大臣をヘッドとする検証委員会を早急に立ち上げて、過去の衛星基幹放送の認定プロセスについて、実際の意思決定がどのように行われたのか、行政がゆがめられるといった疑いを招くようなことがなかったかについて検証するよう、改めて指示を出しました。

 検証委員会は、客観的かつ公正に検証いただけるよう、第三者の有識者に構成員となっていただく予定であります。検証内容や方法などについても、有識者の方々の御意見も踏まえながら検討いたします。

 国民の信頼を取り戻せるよう、できるだけ早急に対応してまいりたいと考えております。

塩川委員 認定の問題だけじゃないんですよ。

 今指摘をしたように、BSの右巻き帯域への4K化の希望とか、衛星放送利用料金の低廉化とか、こういうことがどうだったのかについて検証しなければいけないのに、検証委員会にそういう中身は入っていないじゃないですか。

 倫理規程違反に問われる段階ではなくて、贈収賄といった汚職が問われる問題であり、徹底解明が必要であります。

 総理にお尋ねします。

 東北新社と会食した職員は他の衛星事業者との会食はなかったといいます。なぜ総務省は東北新社だけを特別扱いするのか、それは菅総理の存在があるからではないでしょうか。東北新社からすれば、総務大臣経験者の菅義偉議員の息子であり、総務大臣政務秘書官を務めた菅正剛氏を採用することによって、総務省とのコネ、接点を使うことができるし、総務省から忖度が生じる。

 また、東北新社社長親子から菅議員は五百万円の政治献金を受け取っておりました。総選挙の時期に献金を行っただけではありません。二〇一二年、一四年、一七年の総選挙の時期ではない、総選挙のない二〇一八年十月にも献金がありました。この時期は、今取り上げたように、ちょうど東北新社が衛星放送行政を自社に有利となるように総務省幹部と会食を重ねてきたときであります。東北新社と特別の関係がある菅総理の存在が、行政をゆがめる大本にあったのではありませんか。

    〔山際委員長代理退席、委員長着席〕

菅内閣総理大臣 いずれにしろ、総務省の中でしっかりと検証しているんじゃないでしょうか。そうしたことを徹底して検証すべきことだというふうに思います。

塩川委員 いや、検証のそもそもテーマが問題なのに、そもそも菅総理の存在が行政をゆがめる大本になったのではないのかと。菅氏の身内の話、そして、この献金の時期というのも、まさに問題となっている時期ではありませんか。そのことについてきちっとお答えください。

菅内閣総理大臣 私は、法律に基づいてしっかり手続をしております。ですから、私の存在がいろいろなことにということでありますけれども、そうしたことは私はないと思います。

塩川委員 政治家の意向を忖度するような今の行政の在り方の大本に菅首相の人事介入の問題がある、このことも極めて重大だ。このことを指摘をして、質問を終わります。

金田委員長 これにて塩川君の質疑は終了いたしました。

 次に、遠藤敬君。

遠藤(敬)委員 日本維新の会の遠藤敬でございます。

 冒頭、触れることはなかったんですけれども、先ほど、塩川委員の質問から、辻元筆頭のところでNHKの中継が切れました。そもそも、この集中審議という定義、私も予算委員会のメンバーで入っておりましたが、各政党、機会の平等というのが当然なんですけれども、これは夜に録画が放送されるということで理事会でも再三話がございますが、全然平等じゃないんですね。夜中に見ている人、どれだけおりますか。皆さんが、自民、公明、立憲さんとやられましたけれども、あとの共産党さん、我が党維新、また国民さん、夜中に見てくださいと。こんな理屈は集中審議の値打ちがないです。

 金田委員長、本当にこれは是非、今後の課題として、再三これは申し上げてきました、是非これは精査していただいて、今後の、機会の平等というのをよくよく理解いただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げたく……(発言する者あり)静かにしてくれる。

 それで、今日は、コロナ禍の中で、大変、総理にも、閣僚の皆さんも、世界各国、コロナの感染拡大で、どうすれば拡大が世界的に、また国内も収束できるのか。

 誰がやっても厳しい状況にありますけれども、総理、少し私の話を聞いていただきたいんですが、基本的に、感染者数、経済の指数、非常に目を凝らして、一喜一憂しながら、にらめっこしながら、報道も含めてですけれどもやってきました。しかし、最近少し思うんですけれども、有権者の方とか様々なお声を聞くと、何か抜け落ちていないかなというふうに思っているんです。

 それはなぜかというと、日本の今までの美徳や道徳観、そういったものが、声の大きい人、ましてや、日本人は我慢して、辛抱して、言っちゃいけないんじゃないか、そんな思いで我慢をされ、辛抱されている方がおられると思うんです。これが将来、我々責任世代から子供や孫世代になったときに、ひょっとして日本人の、世界から称賛されるこの道徳心、美徳というものが薄れるんじゃないか、そういう心配を総理、私は最近しております。

 ですので、感染対策や経済を戻していく、大変これから大切な時期になりますけれども、そこの穴がすぽっと抜け落ちるということは、これから将来の日本の汚点につながるのではないかということも危惧しております。

 是非そういったところを、どうもこう、感染者数ばかりが気になり、その病床のでも当然大切なことでありますけれども、同時に、日本の将来に向けた、当たり前のことを当たり前にできる、頑張っている人が報われる、そういった日本を継承していく必要があると思うんです。言った者勝ち、声の大きい人勝ち、そういうことではないような日本を我々は継承していかなくてはならないと思うので、その私の認識、総理の見解をお伺いします。

菅内閣総理大臣 頑張った人が報われる、そして困った人には社会全体で手を差し伸べる、それがまさに我が国の古くから培ってきた道徳心だというふうに思っています。

 私は、政治家を志して以来、やはり国民の皆さんの当たり前ということを見極めた上で政策を実行すべきだ、そういう思いで今日まで取り組んできております。

 新型コロナとの戦いにおいても、一貫して、国民の命と暮らしを守り抜く、そういう決意の下に、厳しい状況に置かれた皆さんの声に耳を傾けながら、しっかりと支援の手が届くように、これまでにない規模以上の対応を取ってきたというふうに思っています。

 そういう中で、例えば、働く意欲のある人を応援するために、これまでも、求職者支援制度によって、生活を支援するための給付金を受給しながら職業訓練を受講する機会を提供してきましたが、今般、この新型コロナウイルスの状況が長引く中で、この給付金の支給要件を、シフト制で働く方等については、現行の月収、今は八万円でありますけれども、そこから十二万円以下に緩和するなどの措置、こうしたものを講じてきております。

 今後とも、安心とか希望、そうしたものに満ちた、やはり未来に向けての対応というのは極めて大事だというふうに思いますし、やはり国の基本だと思いますし、政治家の基本でもあるというふうに私は思っています。

遠藤(敬)委員 是非、総理、これは、政治家は皆さんそうでありますし、役所もそうでありますけれども、ばんそうこうで対応できるのか、包帯まで巻かないといけないのか、手術までしないといけないのか、自助、公助、共助、私も賛成であります。そういったところに自治体と協力して、きめの細かいサポート、声の聞こえないところにも耳を傾けていくという、寄り添う形の政治を是非、将来に向けた日本の伝統を守っていただきたいと思います。

 それで、今日は萩生田大臣にお願いをしておりますけれども、一番私が最近気になっているところで、与党さんも議論がスタートされると聞いておりますが、わいせつ教師についてお伺いをしたいと思いますが、まさに今、日々、連日、今日も昨日もあしたもというようにありますけれども、今報道されているだけでもこれだけ、見えているところだけでこれだけこういった事案がございます。

 一番私が心配して、びっくりしたのは、教員千三十人が懲戒処分を受けておりますが、そのうち、教え子ですね、先生からわいせつ行為を受けたという方が四百九十六人もおられる。そのうち、SNSを使ってわいせつな行為が行われたということでありますし、この新聞の切り抜きにもございますように、教え子がですね、教え子と、生徒、親と兄弟、身内以外に先生を信用しなさいよと言ってきた日本の歴史的な認識からすると、先生にそういう裏切られたということがあって、この沖縄の事案にもあるように、命を絶ってしまった悲惨な事件もございました。

 この状況を、萩生田大臣は、法制化して、何とか子供を守ろうという思いは伝わっておりましたが、障壁もあろうかと思いますけれども、この状況を一日でも早く、一人でも多く助けていく、命を守りたい、そうした心の病を何とか助けていく思いを政治として担っていくわけでありますけれども、教育行政のトップである萩生田大臣の思いをお伝えいただきたいと思います。

萩生田国務大臣 子供たちを守り育てる立場にある教員が子供たちにわいせつな行為を行うことは、断じてあってはならないと思います。

 私ども文部科学省としては、こういったわいせつ教員を二度と教壇に立たせない、こんな思いで法整備をしたく、通常国会、今国会に法案の提出をする予定で様々な取組をしてまいりました。

 昨年十二月二十五日に通常国会への法案提出を先送りしたことによって皆さんに間違ったメッセージが行っているとすれば、ここで否定をしたいんですけれども、諦めたわけでも何でもないんです。

 なぜ壁にぶつかってしまったかというと、例えば、現行法の場合、殺人罪などの重罪を犯した懲役刑に処せられた場合でも、刑の執行後十年で刑が消滅するわけです。三年で今消えているこのわいせつ行為を、未来永劫教壇に立たせないというルール化をすると、こういった一連の法律との均衡を保っていく調整をしなくちゃならない。内閣法制局とも様々な取組をしましたけれども、そこまでたどり着きませんでした。

 ならば、行為じゃなくて状態で処分できないか。小児性愛というカテゴリーの中で教員免許状の授与の欠格事由にできないかということを話し合ったんですけれども、これは田村大臣ともさんざんやったんですけれども、アメリカなどではもう小児性愛というのはかなり一般的になっていて、GPSなんかでずっと生涯追いかけるというような仕組みもあるんですけれども、日本の場合はまだ学会などで診断基準についての一定の合意形成がなされていないということもありまして、行為、状態、いずれにしても、今国会で法制化をするということは内閣法制局との間で調整がつきませんでした。

 しかし、今先生から御指摘があったように、日々こういう事件が後を絶たないわけです。幸いにして、検索ツールの延長などの新しい試みをさせていただいて、全国の教育委員会と連携しながら、何としてもこういう事案を防いでいこうという思いは皆さんと共有することができた、そんな年の幕開けだと思いますので、引き続き、しっかり考えて、いずれにしても、こういった教員を二度と教壇に立たせない、その思いで制度をつくってまいりたいと思います。

遠藤(敬)委員 こういった萩生田大臣との議論を国会中継を通して国民の皆さんと共有をしたいわけであります。是非、お昼から、夕方ですね、萩生田大臣とこのわいせつ教員について議論を深めたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 終わります。

金田委員長 これにて遠藤君の質疑は終了いたしました。

 次に、玉木雄一郎君。

玉木委員 国民民主党代表の玉木雄一郎です。

 総理にまず伺います。

 総理、率直に申し上げて、金曜日のぶら下がり会見はすこぶる評判が悪いと思います。なぜかというと、国民、受け取った、私もあれを見ていたんですけれども、二つのことしか印象に残っていないんですね。それは、解除という言葉と、それと総理の不機嫌な顔だけなんですよ。

 あれは、重要な局面で、初めて解除をするときに、じゃ、解除した後どうするんだ、国として何をするんだ、そして国民に何を求めるんだということを政治リーダーとして、トップとして伝える、物すごく貴重な機会だったと思うんです。それを逃してしまったということ、私は非常に残念です。

 その上で、今のままだと分からないんです。私も分かりません。何もせずに解除するのであれば、これは零点だと思います。

 大事なことは、前回も見せましたけれども、私は、抑え込んだ後、いかに感染を、感染者数を低位に抑えて、次のワクチン接種、そして集団免疫につなげていけるか。

 このワクチン接種の集団免疫獲得が多分、予定より遅れるので、この低位に抑える段階の戦略がめちゃくちゃ重要なんですね。ドイツは、例えば、三月一日、今日から、全員に薬局などで抗原検査が受けられるようにして、つまり、診断して治療するための検査だけじゃなくて、感染を防ぐための、防疫のための検査ということに物すごく力を入れ始めています。一部政府もやり始めているのは評価していますが、まだまだ足りないと思います。

 そこで、総理に伺います。

 いわゆるリバウンド、次の山をつくらない、第四波を封じ込めるために取るべき新しい戦略はどういうものを考えておられますか。

菅内閣総理大臣 まず、緊急事態宣言に基づいて、飲食店の時間短縮を中心に、めり張りのある対策を進めてきました。その結果として、新規感染者数は八割以上も減ってきていることも、ここは事実じゃないでしょうか。はっきりとそうした政府の、作戦というんですかね、戦略というのが功を奏してきているのだろうというふうに思っています。

 こうした状況で地域ごとに勘案して、先般、岐阜、愛知、京都府、大阪府、兵庫県及び福岡県の六府県について、昨日をもって緊急事態宣言を解除いたしました。

 そして、まずは、宣言の期限であります三月七日に、予定どおり、全ての地域で緊急事態宣言を解除できるように対策を徹底をしていくことが今一番大事だというふうに思います。また、解除した地域においても、感染再拡大を防止するために、各府県と連携をして、飲食を中心に取る対策を実施をしていく方針であります。

 さらに、今回の経験も踏まえて、地方自治体と連携しながら、感染再拡大の予兆を探知するためには戦略的な検査を実施するとともに、医療提供体制や公衆衛生体制の強化に取り組んでいきます。

 そして、先般接種を開始したワクチン、国際的に発症の予防、重症化予防の効果、これが期待をされております。ある意味で感染対策の決め手だというふうに思います。その接種を、四月十二日から高齢者への接種を開始し、六月末までは、六十五歳以上の高齢者全員に二回分のワクチンを発送を行うということを考えており、一日も早く国民の皆さんに安全で有効なワクチンをお届けできるように全力で取り組んでいきたいというふうに思います。

玉木委員 今まで何度も聞かせていただいた戦略だと思います。

 私は、もう一段踏み込んで分かりやすい戦略を示すべき、端的に言うと、やはり検査、追跡、隔離、そして水際対策において、こういうことをやっていくんだという国民の納得と合意を得て新しい戦略を打っていくことが必要だと思います。

 イギリスでは、ロックダウン解除のために、重要な戦略だということで迅速な抗原検査を入れていますし、ドイツは、先ほど紹介したように、今日から薬局などでもできるようになる、全員に対して無料で検査が受けられる。フランスは、第一波でPCR検査にこだわり検査数が限られたことを反省して、薬局で無料抗原検査を行う。

 こういう、国民、私もそうなんですけれども、ちょっとどうかなと思ったらすぐ受けられるような体制をもっとつくっていって、行政検査は、ある種、公助だと思うんですよ。今こそ自助が大事だと私は思うんですね。つまり、国民全員を巻き込んで、次の感染の波が、予兆をみんなで見つけるということに国民を巻き込んでいくようなことが必要だと思います。

 GoToはまだ先だと思いますが、例えば、GoToというようなことを再開するときにも、利用者に検査を受けていただくことを義務づけることによって、より安心して回せるような、そういう体制をつくっていく。今だと、第一波の緊急事態宣言をやめたときと何が変わっているのと。新しい武器が見えないんですよ。

 こういったところ、特に、検査と隔離、療養ですね、病床の確保、役割分担と連携、総合調整、こういったところを改めて強化していただきたいと思います。

 次に、経済対策について伺います。

 アメリカはすごいなと思ったのは、通らないと思った一・九兆ドルの、二百兆円の経済対策が下院を通りましたね。上院も通ると思います。その中には千四百ドルの追加現金給付が含まれているんです。所得制限は入っていますけれども、日本円でいうと、十万ドル、一千万円強まで受けられるんです。七万五千ドルだから、日本円でいうと年収八百万までは満額出ますからね。去年の第一回、第二回と合わせて三千二百ドルですから、合計三十五万円ぐらいですよ。

 総理、日本も改めて追加現金給付、私は、現役世代には一律、もう一回十万円をやって、低所得者には十万円を更に上乗せすればいいと思います。低所得者層ばかりなんですけれども、やはり中間層をしっかり支えるという発想が日本の経済政策には薄いんですね。これを是非やっていただきたいのと、二つ目は、事業者支援として、やはり事業規模別の支援をきちんとやるべきだと思うんです。

 我々は、国民民主党として法案を今週出して、各党にも呼びかけたいと思いますが、いろいろ、事業規模別ってなかなか難しいと西村大臣はよくおっしゃるんですが、日本の場合は雇調金があるので人件費はある程度事業規模別に見られるんですが、問題は、ずっと去年から問題になっている家賃と、あと人件費以外に人が増えることによってかさむ経費ですね。

 これは、例えば法定福利費とかこういったものを調べると、経団連の調査だと、一人当たり大体十万円かかっているんです。いろいろな、社会保障費とか住居に対する手当とか、そういうのもなくなっていきますから、だから、例えば家賃プラス従業員掛ける十万円、これを自粛していただいた、あるいは時短営業していただいた日数分だけ出すとか、こういうような形で事業規模別の支援をやるべきだと思います。

 総理に伺います。改めて十万円の一律給付、個人に対する給付と、あと事業者に対する事業規模別の支援をやはりしっかりとやるべきだと思いますが、いかがですか。

西村国務大臣 制度面でのお話でもありますので、私からまず答弁させていただきます。

 確かに、厳しい状況に置かれている世帯の皆さんがおられると思いますので、そういった方々には重点的に、もうこれまでも、御案内のとおり、緊急小口資金とか総合支援資金とかこういった形、あるいは住居確保給付金とか、様々な形で拡充したりしながら対応してきているところであります。

 その上で、家計調査によれば、昨年の実収入を見ると、名目、実質ともにプラス四・〇%増加をしておりますので、マクロ的には、全体としては、これは家計調査ですから、二人以上の世帯で見て、それなりに昨年の一人十万円の特別定額給付金が効いて、効果を持っているんだろうと思いますけれども、引き続き、厳しい世帯にあるところには、しっかり見ながら、必要な対策を臨機応変に講じていければと思います。

 その上で、もう一点、事業規模に応じてということがございました。

 この間、様々御指摘もいただいておりますし、与野党を問わず御意見をいただいておりますので、私ども今回、この協力金について、解除したところについては、四万円を基本としながら、総額で国が支援する金額はもう変わらないわけですけれども、事業規模に応じてこれは上下させていいという柔軟な対応を取り入れたところでありますけれども、実態上は、都道府県は、支援の迅速性から見て、一律に四万円ということで対応するようであります。大阪市だけが上乗せをして、家賃に応じてプラス一万円、プラス二万円、プラス三万円、一日、やるようでありますけれども。

 いずれにしましても、御指摘のような点も含め、引き続き、アメリカの仕組みや、ちなみにアメリカは、今回、PPPについては、二月二十四日以降は当面二十名未満を限定とする措置を発表したようでありますけれども、いずれにしましても、アメリカやドイツや様々な仕組み、事業規模に応じた支援を、影響を勘案しながら、引き続き都道府県とも連携して対応していければというふうに考えております。

玉木委員 いや、西村大臣、足りないんですよ。これは、今回新しく、四万円の範囲の中で、平均が超えない範囲だから、国から出ていくお金は変わらないんですよ。けちなんですよ。せこいんですよ。少なくなった二万円のところが出て、そこで財源が余ったらほかのところに六万円つけましょうみたいになっているので、そういった本当に事業規模に応じた支援をやったらいいということを申し上げているんです。

 しかも、加えて、緊急事態宣言発令地域以外の飲食店や旅館、ホテルも困っています。また、飲食店以外でも、イベントとかエンターテインメント関係の個人事業主なんかは支援から漏れているんですね。二千五百万円のやつだって、あれはフリーランスの人は受けられないんですよ、法人だけだから。だから、そういう意味でも、改めて支援をしっかりやっていただきたいと思います。

 総理に改めて伺います。

 G20でも、今、拙速に財政、金融を縮めては駄目だということで合意したと思いますね、麻生さん。

 それで、是非、改めて個人に対する一律の給付、十万円、我々は、低所得者はプラス十万円乗せて二十万円ということを言っていますし、今申し上げたような本当に万全の、家賃プラス従業員掛ける十万円のような何かの、本当の、真の意味での事業規模に応じた支援を困っている事業者に及ぼすべきだと思いますが、総理の考えを、決意を伺います。

菅内閣総理大臣 昨年は、いわゆる未知のウイルスでありましたので、全国を対象に幅広い対策を行いましたが、この一年の経験で、今回は飲食の時短を中心に政策を行わさせていただきました。

 そういう中で、手元資金の困っていらっしゃる方には、緊急小口資金、限度額二百万円に拡大しています。また、収入が減少し、家賃にお困りの方には住居確保給付金もあります。さらに、再度の支給に際しては、更に三か月の家賃を支援することにもさせていただいています。

 特別定額給付金を再び支給することは考えておりませんが、こうした措置により、緊急事態宣言で影響を受けた方への支援を行っていきたいと思います。

 私、申し上げたいのは、海外と比較して、昨年とも比較して、今回はやはり飲食の時間短縮というものを限定にこれをやらさせていただきましたので、それを補完する形として今私が申し上げたような対策を行っておりますので、給付はさせていただかない、そういうふうに考えています。

金田委員長 玉木雄一郎君、時間が参りました。

玉木委員 そういうところから漏れる人をしっかり救ってもらいたいということと、今、解除によって国民の意識が緩むという話がありますが、国の経済に対する認識が一番緩んでいると思いますから、そこは引き締めて、しっかりとした対応を取っていただくことを求めて、質問を終わりたいと思います。

金田委員長 これにて玉木君の質疑は終了いたしました。

 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時四十三分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

金田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 これより一般的質疑を行います。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。逢坂誠二君。

逢坂委員 立憲民主党の逢坂誠二でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 コロナ禍の中で、本当に今全国が大変な状況になっています。緊急事態宣言下であるかないかにかかわらず、ありとあらゆる地域が大変な状況になっている。事業者の皆さんも相当大きな影響を受けている。あるいは、個人の方も生活に困窮される方が非常に多いわけであります。

 そこで、西村大臣にちょっとお伺いしたいんですけれども、今、様々な制度、仕組みがあります。個人に対しては、緊急小口とか総合支援とか、あるいは雇用調整助成金で休業手当が出ているとかということもあります。事業主に対しても、ある一定程度、融資、無利子無担保などというものはあるんですが、既存の制度も使い切って、これではもうどうにもならない、そういう状況に陥っている個人や事業主が相当いるんですよ。

 だから、今ここでやはり追加対策が必要だと私は思っているんですが、個人や事業主に対する追加対策、この検討をするべき時期だと私は思うんですけれども、いかがでしょうか、西村大臣。

西村国務大臣 委員御指摘のように、この間、厳しい状況にある方々に対して、緊急小口資金であったり、あるいは総合支援資金であったり、雇調金、それから休業支援金、様々拡充をしてきています。それから、住居確保給付金も、住居を失いそうにある方に対しては更に三か月も給付できるというふうなことで対応してきています。私どもとして、三次補正で認められたことを含めて、着実に執行していくのが大事だと考えています。

 そして、御指摘のように、そうはいいながらも、緊急事態宣言の下で厳しい状況に置かれている方々がおられますので、感染の状況それから経済の状況、これをよく、日々いろいろなデータ、求人数なども我々見ております。雇用の状況、こういったものも含めてよく精査をしながら、二・七兆円の予備費もありますので、機動的に必要な対策を講じていきたいというふうに考えているところであります。

逢坂委員 西村大臣、今の御答弁からすると、非常に厳しい状況にある事業者、事業主あるいは個人に対して、今後何らかの対策を、新たな対策を講ずる、それを検討する、あるいはそれも視野に入っている、そういう答弁なんですか、今のは。

西村国務大臣 もう一点申し上げれば、坂本大臣の下で一兆円の地方創生臨時交付金も配分をしておりまして、それぞれの都道府県、市町村において、我々の、国の施策が手の届かないところを、例えば、一時支援金も五〇%以上の売上減がある方ということになっておりますので、そこまではいかないけれども三〇%とか四〇%売上げが減った方に対して、それぞれの都道府県、市町村で様々なアイデア、検討がなされている、その支援をしようということで、一部公表もされているところであります。

 そういう意味で、そうした状況も見ながら、私どもとしては、経済の状況を日々見て、不断の、不断の検討を進めていきたいというふうに考えております。

逢坂委員 現行の制度と今度始まる一時支援金の中身について私もある一定程度承知はしておりますけれども、今の御答弁は、要するに、まだまだ先のことだと、それでは、対応するのは。

 私が今言いたいのは、もう既に足下は大変な状況になっているんだということなんですよ。特に、事業主の方なんかは本当に大変ですよ。この三月を乗り越えられないんじゃないかという声が本当にたくさん届くんですよ。

 だから、そういう状況を、いろいろなものを見ていますとは言うけれども、いつ検討するんだ、本当に検討するのかしないのか。いやいや、それはもう平時いつも見ていますから、不断の取組でいつもそういう状況を見ていますというのではなくて、本当にその危機的な状況が伝わっているのかどうかなんですよ。その覚悟を持ってもらいたいし、それに向けてどう政府が判断をしているのか、そこをお伺いしたいんです。

西村国務大臣 緊急事態宣言の下で、私自身はなかなか地元には帰れないんですが、空いた時間で、地元の様々な事業者の声も、切実な声も私自身も伺っておりますし、また、都道府県の知事とはほとんど毎日のように緊密に連絡を取り合っていますので、それぞれの都道府県の経済の状況なども伺っております。そして、関係省庁、関係大臣ともいろいろな形で毎日のように意見交換をしているところであります。

 そういう意味で、経済の状況、単なるマクロのデータだけではなくて、様々な声に耳を傾けながら、必要な対策は予備費の活用も含めて機動的に講じていきたいというふうに考えているところであります。

逢坂委員 最後のところで、必要な対策は予備費の活用も含めて機動的に対応していきたい、その言葉、信用させていただきたいと思いますし、是非そうしてください。そうしなければ本当に大変な状況になる。もう既になっている。

 それは、御地元へ帰れる、帰れない、いろいろありますでしょう。でも、私も地元へ帰るたびに、本当に毎週毎週状況が悪化しているんですよ。だから、是非よろしくお願いしたいと思います。

 それと、坂本大臣、来られておりますが、先ほど西村大臣のお話の中にもありましたけれども、国でやれないようなところ、地方創生臨時交付金でやるんだということでありますが、地方創生臨時交付金は、あらゆる地域で事業の減収のある方にきちんと補填できるような仕組みになっておりますか。

坂本国務大臣 地方創生臨時交付金につきましては、第一次補正、第二次補正で三兆円を措置いたしました。そして、第三次で一・五兆円追加の措置をいたしました。そのうちの一兆円が地方単独の限度額ということで、各地方自治体に今のその数字はもうお示ししているところでございます。

 まずはこの一兆円、それぞれに速やかに執行できるように、執行手続、交付手続、こういったものを迅速にしてまいりたいと思っております。そして、その後、知事会等からも様々な御意見をいただいておりますので、各自治体がお困りにならないような、取組に対してしっかりとした御支援をしてまいりたいと思っております。

 私たちといたしましては、国の助成金や補助金で足りない分、この地方創生臨時交付金で様々な形で補填できる、今のところはできるというふうに考えているところでもございます。

逢坂委員 坂本大臣、先ほどの西村大臣は、予備費の活用も念頭に置きながら機動的に対処したいというような趣旨の発言をされましたけれども、やはり国の対応というのは、どちらかというと遅れがち、遅れぎみ。それで、自治体の現場では、困っている人が目の前にいるものですから、どうしても対応せざるを得ない、これが現実ですよ。だから、去年、このコロナ感染が始まったときも、まず、国よりも先に、それぞれの都道府県や市町村で事業主や個人への支援を始めたわけですよね。だから、その意味で、私は、坂本大臣の担っている地方創生臨時交付金、これは非常に重要だと思っています。

 そこで、今の額で十分足りているかのような認識ですけれども、私にはそうは思えない。例えば私の地元の函館市、今回、地方議会を開いて、市議会を開いて、二十五億の追加対策を講ずる、これは、事業主への支援もありますし、ほかの支援もあります。二十五億の支援をやるんですけれども、財調の取崩しが七億なんですよ。要するに、自前のお金も取り崩してやらざるを得ない状況になっていて。

 だから、そういう意味でいうと、坂本大臣、本当に困っている状況が分かっているのであるならば、地方創生臨時交付金も上増しをして、更にしっかりとした対応を、国がやれないところは地方にお願いする、そういう覚悟、ございますか。

坂本国務大臣 繰り返しになりますけれども、まずは、第三次補正の一兆円、この交付手続を速やかにしてまいりたいと思っております。そして、地方自治体の様々な御意見を聞きながら、その取組を支援してまいりたいというふうに思います。

 それからまた、いろいろな御意見がそれぞれの自治体から出てくるであろうというふうに思いますので、それは、例えば時短の協力要請枠等も含めて、これから考えてまいりたい、検討してまいりたいというふうに思っております。

逢坂委員 私から改めて、生活困窮している個人への支援、それから、収入が大幅に減った事業主への支援、さらに、きめ細かく対応するために地方創生臨時交付金の上増し、これは改めて強く要請をしたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。

 そこでなんですが、今回、この緊急事態宣言の影響もあって、一月から三月期のGDP、これが三四半期ぶりにマイナスになるだろうということがほぼ確実になっている状況だと思います。ところが、一月二十八日に成立した補正予算、これは、もうあの段階でも繰り返し繰り返し指摘をしましたけれども、今回の緊急事態宣言の影響というのは盛り込まれていないわけですよね。

 したがいまして、新たな経済対策を講ずる必要があるのではないか。一月から三月期のGDPが大幅にマイナスになりそうな気配でありますから、新たな経済対策を講ずる必要があると私は思っているんですが、西村大臣、いかがですか。

西村国務大臣 まず、昨年、経済対策を決定いたしまして、そして、その上で三次補正の編成を行いました。その経済対策の中には、感染の状況、様々な事態を想定して、そういう趣旨の文言を入れておりまして、あの時点から感染が拡大した場合にも備えて様々な支援策を講じているところであります。そして、予備費も積ませていただいた。

 更に言えば、一次補正、二次補正のときから、そうした事態も想定をして、例えば、中堅企業、店舗数の多い飲食店や、それなりの規模のある宿泊事業者、こういった方々への支援として、出資あるいは劣後ローン、こういったものも含めて、十二兆円分のそうした支援の枠組みももう既に用意をしているところであります。

 その上に、今申し上げた年末の経済対策、そして、三次補正の編成、予備費もしっかり計上させていただいたということでありますので、そういう意味で、私ども、今の時点では、しっかりとこの予算の枠組みの中で、様々な事態を想定して、緊急事態宣言の下でも支援は行っていけるものというふうに考えております。

 いずれにしても、三次補正で認めていただいたことを着実に執行すること、そして、今御審議いただいている来年度予算案、これをできるだけ早期に成立させていただくこと、そのために全力を挙げていきたいというふうに考えております。

逢坂委員 現時点では、既存の予算で対応するんだということで、新たな経済対策の必要性については言及いただけませんでしたけれども、私は、新たな経済対策が必要になるということを指摘をさせていただきたいと思います。

 官房長官にも同じ質問をさせていただきたいんですが、新たな経済対策、現時点では不要だという理解でよろしいですか。

加藤国務大臣 先ほど西村大臣等からお話がありましたけれども、これまでも、感染状況や経済的な影響を見ながら、必要があれば予備費の活用を含めて適宜対応して、そして今日、先ほど説明を申し上げたように、ここに来ても、対象を広げるとか、あるいは期間を延長するとか、様々な重層的なセーフティーネットをつくってきたわけでありますので、引き続き、そういう姿勢で今後とも対応していきたいというふうに思っています。

逢坂委員 是非、次の経済対策が私は必要になると思っていますので、それは取り組んでいただきたいということを強く要望させていただきます。

 そこで、野上農水大臣にお伺いしますけれども、アキタフーズに対する鶏卵生産者経営安定対策事業、この補助金額を明らかにしてほしいと。今回、大臣を先頭にアキタフーズから接待をずっと受けていたわけだから、そこにおかしなことがなかったんじゃないかということを明らかにするためにも、その補助金額を明らかにしてほしいということを繰り返し言っておりましたけれども、教えていただけませんでした。

 その理由として大臣が繰り返し言っているのは、この支出を明らかにしますと、個別企業の販売数量ですとか成鶏出荷量など、個別企業も公表していない経営情報が推計され、その競争上の地位が脅かされるおそれがありますので、お答えは差し控えさせていただいているところ、こういう答弁を繰り返しされているわけです。

 この答弁は、今もそのままでよろしいですか。

野上国務大臣 先般答弁させていただいたものにつきましては、そのとおりでございます。

逢坂委員 そこでなんですが、大臣、この答弁のとおりだとすれば、補助金額を公表すれば推計できるんだということなんですが、本当にこれは推計できるんですか。私、自分でも随分やってみました。これは推計できない。推計できるんですか、これは。いかがですか。

野上国務大臣 お答え申し上げます。

 本事業に関しましては、価格差補填事業の補填単価ですとかあるいは空舎延長事業の規模別の取組羽数などの情報が事業実施主体に公表されております。

 個別企業に対する本事業の補助金額を明らかにした場合、その価格差補填事業の契約数量ですとかあるいは補填単価や空舎延長事業の規模別取組羽数などの全国ベースの公表情報がありますので、これらのベースの二つの事業割合等々などから、個別企業の公表していない鶏卵生産量と成鶏出荷羽数、これは相当程度推計することが可能でございます。

逢坂委員 大臣、それ、役所の皆さんが書いてくれた答弁をそのままお読みになっていると思うんですけれども、実際に、役所の皆さん、推計してくれました。一時間ほど前に私の手元にその推計値が来ました。中を見て驚きました。これは推計の名に値するとは私には思えないんだよな。

 例えば、卵の契約数量、二百三万トン、これは見込みなんですよ。これは実績値でも何でもない見込み値。それから、空舎延長事業、これに対する、六十日から九十日と、九十日から百二十日、それぞれに取り組んだ割合、これも一・一というふうに、要するに、どっちも均等に取り組んだという仮置きをしているわけですよ。あるいは、二百三万トンの卵も、毎月同じ消費量だということが前提になっているわけですね。それから、空舎延長事業の単価、これについても、今回、推計上、補助単価を仮置きで設定している。だから、仮置き、推計、仮置き、推計、これの積み重ねによって、やっとこの大臣が言うところの推計値というのが出てくるんですね。

 これは相当難しいですよ。難しい上に、仮置き、仮置き、仮置きなんですよ。これは、多分、農水省の職員じゃなきゃやれない。鶏卵協会の人でも私はこれはやれないと思う。

 だから、私は、大臣の答弁、適切な答弁だとは思えない。推計できる、それによって競争上の地位を阻害すると言っているけれども、推計できない、事実上。仮置き、仮置き、仮置きでやって、やっと何とか出るという程度。だから、その推計値がどの程度の信憑性があるのかも判断がつかないんですよ。

 こんなことを基本にして、推計できる、だから補助金の額は言えないというのは、大臣、これは誤った答弁じゃないですか。

野上国務大臣 今先生御指摘のとおり、推計をしながら出す部分もございます。その推計については、やはり、例えばその関連の業界であれば様々な情報がありますので、そういうような状況の中でやはり推計は可能となってまいります。

 そういう意味で、やはり相当程度の推計がなされるということだろうというふうに思います。

逢坂委員 大臣、私も、これは一時間前にもらったばかりですので、中身をもう少し精査しなければ断定的なことは言えませんが、私のざっとこの一時間見た限りでは、この推計というのは相当無理がある、そう言わざるを得ない。その意味で、大臣のこれまでの答弁は、私は事実に基づかない答弁だ、そう思わざるを得ないんですが、今日は、それじゃ、その点は、この中身をまだこれから見なきゃいけませんので、この程度にとどめさせていただきます。

 その上で、アキタフーズ全体に対する二〇一九年、二〇二〇年の補助金額、これはこれまで、言えない、言えないということだったんですが、これはやはり、疑惑はないんだ、大臣が飲み食いをいろいろした、事務次官を先頭に飲み食いした、だけれども疑惑はないんだということを明らかにするためにも、この補助金額、公表すべきじゃないですか。

野上国務大臣 アキタフーズグループに対する補助金額につきましては、そのような形で御答弁を申し上げてまいりましたが、今般、本委員会において公表するべきとの強い御要請があったことを踏まえまして、アキタフーズにお伝えをした上で、今回、補助金額をお答えをさせていただきます。

 本事業につきましては、アキタフーズグループに対しまして、令和元年度に一・三億円、令和二年度に二・一億円が交付をされております。補助金交付実績が増えている主な要因は、令和二年度においてアキタフーズグループが空舎延長事業に積極的に取り組んだことによって、空舎延長事業分の交付実績が三千六百万円から一・二億円に増加したことによるものでございます。

逢坂委員 やっとお話しいただきましたけれども、令和元年度一・三億円、それが令和二年度二・一億円。大幅に増加しているわけですね。今日、今数字を、たった今私も聞いたばかりですから、この中身がどうなっているのか、これから精査しなければなりませんが、ここに、もし政治的な何かの意図が働いているとか、そういうことであるならば、これはやはり厳しくチェックしてもらわなきゃいけない。それで、今、農水省の中で検証されているというふうに聞いておりますので、このことも含めてしっかり検証してもらいたい、そう思います。

 そこで、大臣に、私、またやはりどうしても大臣の答弁を気にするんですが、経営情報が推計される、要するに、補助金の支出を明らかにしたら経営情報が推計されるんだ、そして、その競争上の地位が脅かされる、この答弁を変えないんですよね。変えないんですよね。私は変えるべきだと思いますよ。だって、補助金額を言ったら推計されるということを言っているわけですから。それで、補助金額、今お述べいただきましたよ。私たちもこれは求めているものだから、述べていただいていいと思っています。私は、補助金額が出されても推計されないと思っているから、言っていただいても構わないなと思っているんですが、補助金額をしゃべってしまったんですから、せめて、この推計されるというところは訂正された方がいいんじゃないですか。

野上国務大臣 推計されるので御答弁を控えさせていただいておったんですが、今般、本委員会で強い御要請があったことも踏まえまして、企業側に確認をした上で、伝えた上で、御答弁を申し上げさせていただいているということでございます。

逢坂委員 大臣、冒頭に私言いましたとおり、推計は簡単にできないんですよ。だから、大臣、自分の答弁を変えない、変えないという姿勢を持っているから、どうしてもそういう矛盾したことが起こるんですよ。だから、補助金額を出しても簡単には推計できないし、推計している値が本当に正しいかどうかも相当不確かなんです。だって、仮置き、仮置き、仮置きで計算しているわけですから。仮置きの数字なんてやれるのは、多分、農水省の職員以外、やれないんですよ。だから、私は、大臣に、今までの答弁、これを修正するなり訂正するなりした方がいい、そのことは指摘をさせていただきたいと思います。

 大臣、ただ、補助金額が公表されましたので、それに基づいて、ここが適切だったのかどうかはきちんと検証いただかなきゃいけない、そのことだけは強く申し上げさせていただきます。

 それでは次に、いろいろやりたいことがあるんですが、ワクチンのことについてお伺いをします。

 私がどうしても分からないことがあるんですよ。ワクチンの契約なんですが、契約の中身は言えない、言えないということのようでありますけれども、ただ、これだけは言っている。ファイザー社との契約は一億四千四百万回、これで契約をしているということであります。

 河野大臣に聞いていいのか田村大臣に聞いていいのか分かりませんけれども、まず一つ、ファイザー社のワクチンは年内に一億四千四百万回分が契約上確実に納入されるという理解でよろしいでしょうか。

田村国務大臣 契約において言えますことは、一億四千四百万回、これを年内、契約で、供給をいただくということで契約になっております。

逢坂委員 そこでなんですが、その次に、私、分からないことがあるんです。

 一億四千四百万回分が納入されたことをどうやって確認するんですか。

田村国務大臣 どうやって確認するかというのは、ちょっと私も、何をおっしゃっているかよく分からないんですが、一億四千四百万回分を供給いただくということで契約を結んでおるということです。

逢坂委員 要するに、何か物事を購入する、供給していただく契約を結んだ場合は、当然、契約どおりその数量が入っているかどうかということを確認しなければお金を払うことはできません。

 その際に、例えば一万四千四百回分が入っているという判断をするときに、バイアルに換算をして、仮にバイアルが五回使えるとするならば一千四百四十万バイアル入る必要があるんですよ。あるいは、バイアルが六回だとするならば、これは一千二百万バイアルでいいわけですよ。そういう具体的な数字をもって確認しなければ、これは本当に契約が履行されたかどうか、私、分からないと思うんですが、大臣、これはどっちで確認するんですか。

田村国務大臣 今、河野大臣の下で、六回打てるといいますか使える、そういうようなシリンジ、針、こういうものを準備をいただいております。

 言えますことは、一億四千四百万回分、契約では年内供給、そういう契約を結んでおるということであります。

逢坂委員 契約は分かりましたけれども、だから、そのときに本当に、一億四千四百万回分ですか、入ったかどうかというのは何で確認されるんですかということなんですよ。回数で契約していることは理解しましたので。一バイアル当たり五回なのか六回なのか、どうもはっきりしないところもありますので。

 だから、五回だとすれば、バイアルとしては一千四百四十万バイアル、六回だとすれば一千二百万バイアルになるわけですよ。だから、供給されたというのは、何によって一億四千四百万回分入ったのかと確認するのかというところが曖昧なんじゃないですか。

田村国務大臣 ファイザーはファイザーで、六回分取れるシリンジがあるというようなお話をいただいている、去年の十二月かな、そういうお話をいただきました。それに合わせてそういう針を、要するに、ワクチン自体、今非常に世界中で取り合いになっておりますので、我が国も、それは、バイアル、入ってくるのが、河野大臣の下で大変御努力をいただいておりますので、あるバイアルからたくさんワクチンを、回数を接種できた方がいいですから、ですから、そういう意味で、一バイアルから六回取れる針とシリンジを今一生懸命集めていただいておるという形の中でスタートしているわけですね。

 でありますから、それはそれといたしまして、我々としては一億四千四百万回分ということで契約をいたしておりますから、ファイザーにはそのような形で我々としては契約にのっとってということでお願いをいたしておるということであります。

逢坂委員 今の大臣の答弁から、私がもしワクチンの納入担当者でいわゆる契約のチェックをする係だとするならば、チェックのしようがないですよ。だから、こんな曖昧な契約で、後にトラブルにならないことを祈っていますけれども、少ないバイアルしか入ってきていないのに同じ額を払わなきゃいけないなんということのないように、ここはくぎを刺しておきたいというふうに思います。

 そこで、河野大臣、六月末までに高齢者が二回まで接種できるワクチンを全国に配送するというふうに言っております。この際に対象になる高齢者は何人ですか。

河野国務大臣 約三千六百万人です。

逢坂委員 これも同じ問題になってしまうんですが、三千六百万人で二回分ということですから、七千二百万回分の接種可能なワクチンを配分するという理解でよろしいですね。

河野国務大臣 そのとおりです。

逢坂委員 これも先ほどと同じ議論になっちゃうんですが、この際に、一体、バイアルというのは何本、それぞれ自治体に行くという考え方でいるんでしょうか。

河野国務大臣 日本に入ってくる供給の数量については、これはファイザーと合意をしてしか発表できないということになっておりますので詳細は申し上げられませんが、現在は、三千六百万人の高齢者二回分、自治体に向けて発送するだけの量が入ってくるということで、ファイザーと合意しているところです。

逢坂委員 実は、実際の現場では、ここも非常に曖昧で困っているんですよ。人数分、三千六百万人分やらなきゃいけないのに、バイアルがどれぐらい入ってくるか分からない。

 そもそも、どれぐらいの時期にどれぐらいの量が入ってくるかという前提条件もまだ成り立っていないんですけれども、ここも、河野大臣、トラブルのないようにしっかり対応いただきたい、このことを言っておきたいと思います。

 現場では混乱しますよ、五回、六回の問題で。五回、六回って、数字では五と六でそんなに差がないように見えますけれども、全体量にしてみると二割の違いですから、是非この点はしっかり留意して対応していただきたい、このことを申し上げさせていただきます。

 さて、そこでなんですが、武田大臣にお伺いします。

 私、今回、行政がゆがめられたとか、ゆがめられていないとかという議論が随分あるんですけれども、そういう問題なのかなという気、そういう問題じゃないんじゃないかなという気がするんですよ。

 今回、二〇一九年だけに限っても、総務省の職員の皆さんがいわゆる東北新社と飲み食いしていたのが、二〇一九年の一月二十三日新年会、二月六日新年会、二月十四日新年会、六月六日懇親会、八月一日暑気払い、八月二十二日暑気払い、八月二十七日暑気払い、八月三十日懇親・情報交換、九月三日、これは暑気払い、十月二十三日懇親会、十一月六日懇談、十一月二十七日忘年会、十一月二十八日忘年会、それから十一月二十九日懇親会、十二月十七日忘年会、十二月十九日忘年会、これほどあるんですよ。

 だから、これは、たまたま東北新社に誘われてちょっと行きましたという程度のことではなくて、もう日常化している、常態化している。もう当たり前のように、夏が来れば暑気払いだし、新年会はやるし、年末になれば忘年会はやるしということで、私は、これは相当に異常な状況だと思わざるを得ないんですね。

 それと、もう一つ私は問題があると思っていまして、今日午前の質疑の中でも若干出ておりましたけれども、総理に反論すれば左遷される、こういう状況なわけですよね。それは認めない方もいるかもしれませんが、そういう報道もありますので。総理自身も、先ほどもああいう強い口調でおっしゃっておられましたので。

 これほど懇親会を繰り返していて、片や一方で、総理に反論すれば左遷される。だから、私は、総務省の組織がもう、ゆがめられているんじゃなくて、ゆがんでいるとしか思えないんですよ。大臣、どう思いますか。

武田国務大臣 非常に、本当に残念としか言いようがない事態なんですけれども、やはりそもそも倫理法令に対する認識がちょっと浅過ぎる、そして、やはり国家公務員としてどうあるべきかという自覚が足らない、これに私は尽きるのではないかなと思っております。大変ゆゆしき問題である、このように考えています。

逢坂委員 大臣、ゆゆしき問題だということですけれども、私は、ゆがめられた組織の中で、ゆがんでいる組織の中で様々調査をしても適切な結果は出ないんじゃないか、そういう危惧を持っているんです。

 そこで、谷脇さんに来ていただいておりますけれども、政策について反対する者については、それは菅総理は人事異動するんだということを公言されておられますけれども、谷脇さんは菅総理の政策について、異論を唱えたり、ここは違うんじゃないですかというようなことをおっしゃったことはございますか。

谷脇参考人 お答え申し上げます。

 私は情報通信行政一般を所管させていただいておりますけれども、私どもの方で政策のメニューを作り、これを、大臣はもとより、必要に応じて総理にも御説明をする、こういったプロセスを丁寧に踏んで政策として今まで進めてきたということでございます。

逢坂委員 谷脇さん、私、携帯電話の料金、私も結構高額に支払っているので、携帯電話はないと仕事にもなりませんので、携帯電話の料金が下がるというのは非常にいいことだと思っているんですよ。

 ただ、基本的に、携帯電話の料金というのは市場原理で決まっていくというふうに思うんですが、政府が主導して携帯電話の料金を下げるということについて、谷脇さん、どう思われますか。

谷脇参考人 お答え申し上げます。

 基本的には、やはり市場原理の下で料金が下がっていくというのが基本だというふうには思います。ただ、携帯電話の場合には、周波数が有限希少でございますので、寡占的な市場になりがちでございます。こういった場合に、一定の公的関与によって料金の引下げを促していくということは十分に妥当性があると考えております。

逢坂委員 谷脇さん、それは確かに分からなくもないんですが、それじゃ、これからも谷脇さんは、菅総理がこれをやりなさいとか何らかの指示が下る、そういう場合でも、異論があればきちっと、それは違うんじゃないですかとか、これはこういう方法があるんじゃないですかということは言い続けられますか。

谷脇参考人 お答え申し上げます。

 私は総務省の職員でございますので、総務大臣の御指示をいただきながら、政策を透明感を持って進めていくというのが基本だと考えております。

逢坂委員 今日は秋本さんにも来ていただいておりますけれども、秋本さんは今回、反論すれば左遷される可能性があるということの中で、今回の調査、これについて、総理の意に沿わないこと、これはやはり言えなかった、そういう側面はございませんか。全部自分の思うとおり今回の調査については対応したということでよろしいですか。

秋本参考人 お答えいたします。

 調査には真摯に対応させていただきました。特に、正直に答えるようにという指示を大臣官房そして大臣からもいただいておりましたので、それに従って調査に対応させていただきました。

逢坂委員 武田大臣、私、やはり、異常な状況だと思うんですよ。これほど接待が繰り返されていた、これは異常。恒常的です。もう季節的に、夏が来れば夏なりに、年末になれば年末なりに、新年は新年なりに対応している。そして、その他のところは情報交換と称して、懇談会と称してやっているわけですね。異常な状況。

 そして、今、谷脇さんも秋本さんも、正直に答えているとかとおっしゃっていますよ。でも、本当に正直に答えたら左遷される可能性もある、人事異動させられる可能性もある、そういう圧力の中でこの総務省の職員の皆さんがいるということは、大臣、認識されていますか。

武田国務大臣 人事に関しては、まさに適材適所の配置でもって業務を遂行する体制を構築するというのが基本だ、このように思っております。

 私は、そうした部分のプレッシャーというのはかけたことはありません。ただ、やはり、国会でお答えする上で、やはり真実というものをしっかりと答えるように、そうした指示はいたしてまいりました。真相というものをしっかりと包み隠さず答えるべきだということの指導はきつくしてまいりました。

逢坂委員 大臣、真実をちゃんと言うべきだとおっしゃるのは、それは正論だと思いますよ。だがしかし、大臣に、今のこの状況が相当ゆがんだ状況である、そういう状況にあるということを認識してこの問題に対処しないと、私、真相は分からないのと同時に、職員の皆さん、かわいそうだと思いますよ。そこをしっかりやはり分かってやらなきゃいけない。

 だから、大臣から是非、改めて、正直に言う、その正直に言ったことが仮に総理にとって不都合なことであっても正直に言うべきだ、その際は、君たちの職は私が体を張って守る、そのぐらいのことを決意を持って総務省の職員の皆さんに伝える必要があるんじゃないですか。いかがですか。

武田国務大臣 まずは、御指摘のことは受け止めるとしまして、やはり、相手が誰であろうと、その会合が何であろうと、公務員倫理規程また倫理法に抵触するようなことをしたということは、これは事実であります。これを二度としないように徹底して今から行動を取っていく、そのことが重要であろう、このように考えています。

逢坂委員 武田大臣、平時ならそれで私はいいと思いますよ。今、全く平時と違うと思っていますので。やはり、大臣としての職員に対する思い、気持ち、これをきちっと打ち出すということがないと私は今回の調査はうまくいかないと思っていますので、そのことを申し上げて質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございます。

金田委員長 これにて逢坂君の質疑は終了いたしました。

 次に、森山浩行君。

森山(浩)委員 立憲民主党の森山浩行でございます。

 午前中に我が党枝野幸男代表が指摘をさせていただいたように、この間、コロナ禍であるにもかかわらず、やらなければならないことが遅かったり、タイミングが悪かったり、少なかったり、やらなくていいことを一生懸命やるという姿勢、政権の中で目立っています。GoToキャンペーンなども、ストップをするタイミングが最悪であったと言わざるを得ませんし、緊急事態宣言というようなものについても、随分長い議論の末に、ようやく年が明けてからということになってしまいました。

 そんな政策の象徴でもあるのがカジノ。コロナ禍において、のんべんだらりと今までどおりにカジノを推進していいのかという部分、これについて議論をしていきたいと思います。

 私は、前の政権以来、種、水道、森林、漁業など、次々と目の前のもうけのために日本の資産を外資系の企業に切り売りしてきた売国的な政策、これの集大成がカジノ、そしてカジノ付IR、これであるというふうに考えています。つまり、我々国会議員は国民の生命と財産を守るということに力を尽くさなければならないのに、反対に、逆に切り売りをするというようなことが許されていいはずがありません。

 そういった意味で、議員立法のIR推進法、これには、赤羽大臣、棄権をされています。附帯決議は評価をするが、懸念があるのも事実だというふうに当時おっしゃっている。その後、政府提案の実施法、これには賛成をされています。

 ところが、この間、世論の反対はどんどん増えていっていました。大臣の出身の公明党、自主投票から党議拘束をかけた賛成へと変化をしています。私も当時、内閣委員会で実施法の審議をいたしました。公明党はなぜ変わったのかというのを当時の石井推進大臣と議論をしているときには、俺が説得をしたんだというようなやじ、先日辞職をされました遠山前議員が大きなやじを飛ばしておられましたけれども、この間、本当に説得を続けたのかと、石井さんには随分議論をしました。でも、増えてきた、反対。

 カジノは、IR、ギャンブル依存症や地域経済への悪影響、治安の悪化など、カジノ自体が持つ本質的な問題があり、外資系によるばくちに頼った経済発展、これについては多くの国民が不安そして反対の気持ちを持っており、私たちも、唯一の利点である経済効果の試算、これさえも出ない中で、とても賛成ができないということで賛成できませんでしたが、いやいや、カジノはもうかるから、複合的な施設にするから地元にも還元できるんだというロジックで押し通し、採決をされ、現政府が推進をしてこられたわけです。

 現在はカジノ付IR推進担当大臣を務めておられます赤羽大臣、この間どのように考え方が変わってこられましたか。

赤羽国務大臣 IRをめぐる法案の態度を今委員るる言われましたが、そんな単純なもので決めたわけではございません。

 当然、IR推進法のときには、カジノを含むIRの具体的な内容は余り書かれておりませんでした、推進をするということでしたから。僕も国民の一員として、平均的だと思いますが、懸念を感じて賛否は留保した、欠席をいたしました。これはおっしゃるとおりです。

 その後、IR整備法というのが政府案として制度設計される過程で、有識者会議で様々な議論をされましたと承知をしております。

 例えば、日本型IRにおけるカジノは、刑法が賭博を禁じている趣旨を損なうものではなく、法秩序全体の整合性が確保されているということを確認できたりとか、また、カジノによる依存症に対する対策というのも具体的に取られているとか、また、カジノということを強調されますが、そもそもこの日本型IRは、今その担当をしていて思うのは、いわゆるMICEの施設を含めた総合的なリゾート施設として長期滞在型の観光を増やすとか、そうしたことを趣旨とした中であり、加えて、その中にあるカジノについては、箇所数ですとかカジノの面積ですとか、また、入場制限、入場料金については極めて抑制的なものとして法案がなされた。加えて、この法案は、IRの誘致は自治体が主体となる、自治体が事業者とのペアでやるということに対して、申請をされた区域整備計画につきましては政府が厳正な申請をすることというふうにIR整備法では書かれておりましたので、私は採決を賛成をしたところでございます。

 たまさか、このIR担当大臣の任務を受け継ぐことになりましたので、これは審査をする側でございますので、希望される、申請される自治体の案について、IR整備法で規定されている、その法にのっとった、法の目指すIR整備の内容であることを厳正に審査をしていかなければいけない、こう決意をしておるところでございます。

森山(浩)委員 規制大臣ではなくて推進大臣ということでございますから。

 この三%、全体の中の三%しかカジノじゃないんだよというような御説明をされていました。カジノの、IRの法律のときに、採決の直前にその三%というのは何なのかという議論になりまして、それはバックヤードも含めた面積なのか、それともカジノをやっている部屋の面積なのか、机の面積なのか、こういう議論がありましたけれども、これは、赤羽大臣、何を指しているか御存じですか。

高田政府参考人 お答え申し上げます。

 カジノの三%の面積につきましては、IR整備法に基づいて、カジノに必要な面積ということで計算をするということになっておりまして、政令で。

森山(浩)委員 見てください、答えられないんですよ。

 これは、あのときの議論、ありましたよ。三%は机の面積です。それで全体の中でごく一部だなんというのは欺瞞にすぎない。これは指摘をしておきたいというふうに思います。

 十二月十八日に、そんな中、そんなことも知らない大臣が、申請期間を九か月延期をされるという形で決められましたね。これの理由はどうですか。

赤羽国務大臣 今、IRの事務方は、常にこの間、申請を希望される自治体から様々なお問合せがあったり、当然、コロナ禍でありますから、コロナ禍の影響によって申請自体が少し延びるのではないか、そう希望される地域もありましたし、一方では、予定どおりの計画、日程で実行してくれ、そういう要望もございました。

 その中で、大局に見ておりますと、コロナの状況がまだまだ拡大しているような局面もありましたので、九か月間ずらすということで今予定をさせていただいております。

森山(浩)委員 つまり、この九か月延ばすというのは、国から言ったことではなくて、自治体からちょっと間に合わないよと言われたから、それを受けたというお話であります。

 外国人のもうけについては非課税の措置にするというような話、あるいはチップの消費税は非課税だという話がありますが、それはそれでいいんですか。

赤羽国務大臣 それは、まだ税制改正では決定しておりません。

 失礼しました。いろいろもめたんですけれども、昨年年末の税制改正でそのように決定をさせていただきました。

森山(浩)委員 競馬、競輪、競艇、そういったものについては非課税じゃないんです、外国の方がやっても。何でカジノだけ非課税というような特権的な形にするんでしょう。日本人がやってもこれは課税されますよね。

赤羽国務大臣 これは他の諸国のIR施設またカジノの制度と倣って横並びにしたというふうに伺っております。

森山(浩)委員 ほかのところに倣って、競馬、競輪、競艇というような公営ギャンブルを超えるような形で優遇をするということ、これはやはり、外資系の人たちに非常に配慮をした形で、日本人のためにやっているのかどうかというのは更に疑われることでございます。(発言する者あり)官邸が突っ込んだ、そんな話も出てきているところでございます。

 さて、カジノ、IRを取り巻く状況、これが変化しているんですね。法律ができたとき、このときには議論がありまして、私は反対、大臣は賛成ですから、立場が違うのは仕方がない。しかし、その後、状況が変わってきている。まずはコロナ禍だということでもありますが、この部分についてまずお聞きをしていきたいと思いますが、最初はIRの汚職問題。

 中国のカジノ企業から、贈収賄事件で起訴されたのがあきもとさん。現金授受を認めたけれども不起訴になった議員や元議員は、白須賀さん、勝沼さん、中村さん、船橋さん、岩屋さん。中国企業から日本の会社を通じての献金がこんなに取り沙汰されるのは残念ですが、今回の接触ルール制定で汚職事件は防げますか。

赤羽国務大臣 接触ルールはしっかり決めた上で、それをしっかり遵守して、国民の皆様がただでさえこの案件については様々な心配もされているというのも事実ですから、そうした疑念を持たれないようにしっかりと襟を正して臨むべきというふうに思っておりますし、私自身もそう努めていきたいと思っております。

森山(浩)委員 カジノの業界は外資系しか経験がないということで、その利権を狙って当然このような攻勢にさらされることになります。だから、それぞれの政治家の皆さんも知らずにおつき合いをしてきたというようなこともあり得るということで、カジノ実施法のときから、せめて日本企業が自立をしてカジノ運営ができるようになってから巨大IRに取り組むべきではないのかという議論もしてきましたが、今こそ、この汚職事件が発覚をしている中、国益にならない外資系カジノのIR誘致はストップするべきではありませんか。

赤羽国務大臣 この仕組みの中で、IRへ参入できる事業者は外資系企業に限っているわけではございません。現在、国内企業もそれを検討されているというふうに、今具体的には申し上げられませんけれども、そのように事務方からは聞いております。

 加えて、外資系であろうと国内系であろうと、IR事業に参画する以上はカジノ事業による収益の三〇%を国と自治体に納付する必要がございますし、残りの七〇%についても、IRの建設に要した費用の償還ですとか人件費、調達などの費用に充てるということでございます。加えて、毎年度の評価を国土交通大臣が行うわけでございまして、IRによる継続的な事業内容の向上ですとか、自治体が実施する周辺環境整備などの施策への協力等々に充てる、そして、その残りの額から法人税等の納付等も行われるということになっておる、それが今の仕組みでございます。

森山(浩)委員 全て当時議論させていただいた内容で、これは黒字があるということが前提です。インバウンドで海外の大金持ちが来て、がっぽがっぽもうかるんだという説明の中で今の話が実現化するわけですけれども、カジノの経済効果は、その後、試算していますか。

赤羽国務大臣 私になってから、それまでは、これまで全国で何か所になるかも分かりませんしということで、仮定の、置く数字が確定でなかったので経済効果は出せないという話でございましたが、予算委員会だったと思いますが、馬淵委員から、馬淵委員の前提を置いたことでということで、経済効果に対する試算のやり取りはしたことは記憶しております。

 ただ、ちょっと今、具体的に通告いただいておりませんでしたので、その数字がどうだったかというのは、申し訳ございませんが、今、手持ちではございません。

森山(浩)委員 これは当時からしている話ですから、やっておいていただきたいなと思うんですね。だって、それで自治体に計画を書いてくださいというわけですから。

 また、中国では、一部の海外都市は中国人観光客をギャンブルで誘致するためにカジノを開設し、観光市場の秩序を乱して中国人の財産や安全を危険にさらしているということで、ブラックリストというものを八月の下旬に、これはどこがブラックリストに入るか分からないんですけれども、制度を創設したと発表されています。

 こういった部分も含めて、状況の変化に応じて、本当にもうかるのか。だって、これはスタートするまでに五年かかる。さらに、そこから三十年だ、五十年だという契約をする中で、赤字になったときに大きな、巨大な廃墟ができるというようなことになってはいけませんので、ここの部分はしっかりまずは試算をし、私、ちょっとなかなか難しいと思います、コロナ禍が終わってから改めて仕切り直すべきだと考えますが、いかがですか。

赤羽国務大臣 国の政策として、今委員が指摘したようなことというのは常に考えていかなければいけないと思いますが、よく御承知だと思いますが、今回、この事業は、冒頭申し上げましたように、一つ一つは、主体は地方自治体とそのパートナーが申請をするわけです。その過程の中で、こうしたコロナ禍の影響を受けて、当初のように採算がいかないなといえば申請はされないでしょうし、様々なリスクを踏まえた上で御検討いただいた上で、やれると判断した場合に申請がされる、それに対して私どもは審査をするという立場でございます。

森山(浩)委員 自治体が考えてくれということなんですが、国策として三つだけやるんだという話ですから、その基礎となる共通の情報というのは、必ずこれは必要なものだと思います。

 さて、もう一つの状況なんですが、経済の部分。国際カジノ市場の動向というのが大きくコロナ禍で変わっています。コロナ禍によって、移動の制限、それから自粛、こういうので各国のランドカジノが休止あるいは閉鎖というような形になっている。あるいは、コロナ禍によって、三密、つまり、カジノは時間を忘れさせなきゃいけませんから、中に時計があったりとか、窓があって、昼になったな、朝になったなと分からない方がいい、つまり窓がないということが基本になっています。

 ですから、こういう中で、ランドカジノがこのままやっていけないということで、非常に業績が悪化をしています。マイナス七九・二%、六一%、七七%、七二%、六〇%というようなことで、サンズ、MGM、ウィン、メルコ、ゲッティンというような大きなカジノ企業が軒並み採算を悪化をさせているという状況にあります。

 先ほど出ました九か月後倒しにするということは、今年の前半には百億ドル規模の投資を計画できる会社でないと手を挙げられません。今のコロナの状況で、本当にその日程で大丈夫ですか。

赤羽国務大臣 この申請日程を九か月ずらしたというのは、先ほど申し上げましたように、当初の予定どおりやってほしいという自治体もございました。また、若干ずらしてくれという御希望をされる自治体もございました。そうした中で、言われた中で、九か月間でよかろう、オーケーですということを確認させていただいたことによって決定をしておりますので、その後のことはまだ、どう判断するかというのは地方自治体の判断にもよりますけれども、一応、この九か月間の期間をずらしたということで前に進めていけるというふうに思っております。

森山(浩)委員 これは悪化が大分深刻なんですよ。MGMは、iゲーミングへの巨大投資を決めています。投資家向けの資料では、二〇一九年、ジャパンというのが大きく出ているわけなんですけれども、今年は、iゲーミング、オンラインカジノですね、これがトップに来て、ジャパンについては、いい提案があれば考えるというような扱いになっている。

 あるいは、大きな面積で元々入場者数に余裕があるアメリカのカジノは回復中とされていますけれども、自己資本率が二、三割、そして、危ない企業だということで、二〇%ぐらいの収益がないと銀行からお金を借りられないという会社が非常に多いわけです。格付がいいところでも、B、BBBというような状況になっています。

 人員削減ということもどんどん進んでいる中で、ランドカジノというのは時代遅れ、古いビジネスモデルに一気になってきているということが言われておりまして、イギリスですけれども、ランドカジノのおよそ三倍というような形にオンラインカジノが伸びてきている。アメリカ系でも、ゼロだったところから三分の一というような形にもなってきているということですから、ちょっと今、ここから先三十年、五十年を見通して、カジノは大丈夫だよと言うのは難しいのではないかと思いますが、ここは研究されていますか。

赤羽国務大臣 一義的に申し上げますと、先ほどお答えしたように、それぞれの地方自治体がそれぞれパートナーの事業者、いろいろだと思います、頑張っていらっしゃるところもあれば、相当厳しくなっているところもある、そうしたことも勘案しながら、ひょっとしたら断念されるケースもあるかもしれませんし、そのままやろうというふうに判断されることもあるかもしれない。それは申請されたものをしっかりと厳格に審査するというような立場です。

 加えて、ちょっと余計なことかもしれませんが、今、コロナ禍でありますので、前年度比、ちょっと数字は細かく見ておりませんが、マイナス七〇、八〇とかというのは、例えば、ちょっと例えになるか分かりませんけれども、今、日本の観光業、宿泊業者もほとんどそうした数字でございますので、これが、一応の目安としては二〇二〇年代の後半の事業開始ですから、その時点までどうなるかというのは大変断定的にはお答えにくい。そこは相当な専門的な分析をした上で、様々なリスクを排除して決定する、申請するかどうかというのは判断されるものだというふうに思っております。

森山(浩)委員 オンラインは研究されていないということなんでしょうね。

 ですから、やはりカジノ禍が一旦落ち着いて、改めて仕切り直しができる状況に……(発言する者あり)ごめん、コロナ禍。カジノ禍と言っちゃった。コロナ禍が一旦落ち着いて、本当にこれでもうかるのか、もうかるという話にならないことには二年前のラインまでは戻れないんですね。

 これは元々見通すのが大変なことですから、自治体に丸投げではなくて、ほんまにこれはいけるのかということを、国でしっかり前提を置いた上で改めて話合いをしていただきたいし、自治体は、国からやれと言われたら頑張りますよ、それは。そこはやはり国が、自治体に丸投げではなくて、判断をある程度しなきゃいけないことだというふうに思います。

 オンラインカジノなんですけれども、今、これの規制について、もちろん、オンラインカジノというのは、日本では賭博罪が適用されます。違法なんですけれども、日本から違法オンラインカジノに百万人参加と報じられたりしていますけれども、規制の現状について、小此木大臣、お願いします。

小此木国務大臣 今ありますIR整備法の中にカジノ行為というのがありますけれども、このカジノ行為の中に今委員がおっしゃったオンラインカジノは含まれておりませんので、規制の対象にはなっておりません。

 一方で、言われましたように、先週、内閣委員会でオンラインカジノのことについて問われました。国家公安委員長としてですが、警察としては、厳正に取締りの上、この取締りを続けていくという答弁をいたしました。

 今おっしゃった規制については、カジノ行為については対象になっておりません。

森山(浩)委員 賭博罪であるという違法行為でありながら、取締りの状況、規制のかけ方という部分については事実上野放しというようなことを書かれたりもしちゃっているんですね。

 他国にある合法的なオンラインカジノに日本人がアクセスするのは、これは合法だ。じゃ、日本にあるかどうかというのは、これはやってみないと分からないわけですから、あるいは、そこにおいてどう取り締まるかというところで判例等も十分出ていないということでもありますので、こんなふうに取り締まるというような法制が必要なんじゃないですか。

小此木国務大臣 IR整備法の中で行えるカジノ行為の中に、規制の対象になっていないということは、オンラインカジノは認められていないということでありますので、オンラインカジノが日本で行われた場合、これまでも取締りをしてまいりました。起訴されたケースもございます。

 こういったことは変わらずしっかりと取り締まっていくというのが警察の立場でもありますし、規制の対象になっていないというのは、カジノ委員会を担当する私の大臣としての話であります。

森山(浩)委員 それで百万人もというような話になってくると、日本は実は大丈夫なんだというふうになっては困りますので、しっかりそこは、きちんと取り締まりますよというようなことも含めて言っていただきたいと思います。

 さらに、SDGs、これは政府全体でも進めていますが、ダボス会議では、世界で最も持続可能な企業百社というのを選ぶに当たっては、ギャンブルの売上げが五%以上というのは除外されることになっています。あるいは、ESG投資のネガティブスクリーニングでもギャンブルを対象外にするというような動きも出てきているという中で、本当にこれは日本政府として進めていっていいのかということですが、先ほどからの話、それから先日の青柳議員、分科会での質問でのお話を総合しますと、自治体の判断ということで丸投げをされているように見えます。

 横浜では、ソーシャルコストを算入しないままの案を出して、そして市民に問うというような、あるいは市議会に問うというような形になりつつあるというような話も出ておりますので、これは案自体がきちんとしたものかどうかというようなことはあらかじめ見なきゃいけませんよね。

赤羽国務大臣 いや、あらかじめ見るとか、私の立場で、今申請されようとしている自治体の関係者の皆さんとはお会いしないようにしております、私自身は。申請されたものに対して中立という立場で、もちろん有識者の皆さんにもお願いするわけでありますが、厳正な、後ろ指の指されないような審査をするということが私の任務と心得ております。

森山(浩)委員 では、九条七項では、住民の合意が必要だとなっています。九条八項では、議会で決めろとなっています。この関係についてはどのようにお考えですか。

赤羽国務大臣 九条七項では、住民集会を開くなど住民の意向を確認すると。そのやり方については自治体が決めることとしております。そして、最終的には、横浜市なら横浜市議会、別のところであればそこの当該の議会の議決を経るということが申請に当たっての条件でございますので、それがクリアされていなければ、当然審査の対象にはなりません。

森山(浩)委員 横浜では、住民投票をやるんだというような署名まで集まっているものを、自公でこれを反対をされたということで、維新それから野党は各党賛成をしたのにということで止まってしまったと聞いています。あるいは、土地所有者が反対をしている中で、そこに無理やりカジノを建てるような契約になっているというようなことも聞きますので、これはしっかりとチェックをいただきたいと思います。

 さて、総務省の問題なんですけれども、今日は谷脇さんに来ていただいています。東北新社以外の衛星放送各社、それから民放やNHKやあるいは通信会社社長から接待を受けたことはありますか。

谷脇参考人 お答え申し上げます。

 今委員が御指摘になった業態について、例えば公務員倫理法に違反する接待を受けたということはございません。

森山(浩)委員 公務員倫理法に違反しない接待は受けたことがあるということで。

谷脇参考人 お答え申し上げます。

 例えば、業界団体などの立食パーティーですとかそういった場で通信事業者の経営者の方々と懇談をする、あるいは勉強会で御一緒をする、こういったケースはございました。

森山(浩)委員 大臣、第三者委員会、検証委員会ですけれども、行政がゆがめられていたかどうか、これは最近非常に焦点になっていますけれども、これを含めて調査、検証するということでよろしいですか。

武田国務大臣 国会での御指摘も踏まえながら、新谷副大臣をヘッドとする検証委員会を早急に立ち上げます。

 御指摘の、基幹放送の認定プロセスについてどういった意思決定が行われたのかという点について、やはりこれは徹底的に調査していかないかぬな、このように考えています。

森山(浩)委員 ということは、行政がゆがめられていたかどうかはこれで検証するということですから、今の時点で行政がゆがめられていないということは言えないわけなんですけれども、二月十六日、本会議で、ゆがめられていないと言い切っていらっしゃる。この部分については、今となっては違ったかな、これから検証しなきゃいけないんだから、終わるまで分からないなということでよろしいですか。

武田国務大臣 当時、次官を監督官とする調査チームを立ち上げまして、倫理法令に抵触するか否かの調査を進めてまいりました。また、それとは別に、行政がゆがめられたかどうかということについて、会社側そして総務省側、この事案に携わった全ての方々からヒアリングを受けております。その段階では、全ての方々がそうした事実はなかったということを示されておりますので、その時点のそうした調査結果を踏まえて私は発言をさせていただいたということであります。

森山(浩)委員 ですから、今となっては違ったのかなということでよろしいですね。

武田国務大臣 現段階においてでも、やはりそうした、ゆがめられた事実というものは確認をされておりません。

森山(浩)委員 日本語は難しいですね。

 事実がゆがめられたという証拠が出た、事実がゆがめられなかったという証拠が出た、これは両方あります。真ん中、事実がゆがめられていたかどうかを調べているというのは、どっちに転ぶか分からないじゃないですか。だから、今の段階で、ゆがめられていないという答弁を維持するというのは困難なんじゃないですか。

武田国務大臣 調査結果に基づいた発言でありますけれども、現在の段階では、ゆがめられたという事実については確認できなかったということであります。

森山(浩)委員 現在の段階では、二月十六日に言った答弁とは違うというふうにおっしゃったということ……(発言する者あり)違わない。二月十六日の答弁は当時のもので、今は調査中だからはっきりしたことは言えないということではないんですか。

武田国務大臣 今調査中だから、現在においてそうした事実は確認されていないということです。

森山(浩)委員 いや、ゆがめられていませんという言い切りは間違いだったんじゃないですか。そういうことですよね。今調査しているので、まだ発見されていないだけですよね。

金田委員長 総務大臣武田良太君、時間が参りました。

武田国務大臣 はい。

 当時、倫理法令、法律と規程ですね、これに抵触するかどうかということの調査は調査で進めておるんです。ここは継続中。

 それと併せて、そうした会合の中で行政をゆがめるような発言だとか会話がなされたか、そうした実態があったのかという調査もいたしました。その調査に対しては、全ての当事者がそういうことはなかったという調査結果が出ていたんです。ですから、私はその時点でのお答えを言ったということです。

森山(浩)委員 時間が来ましたのでここまでにしますが、結果的には、今の段階でゆがめられていなかったということは言えないという事実だと思いますが、大臣は前のままの答弁を維持されているようですので、しっかり結果が出てから責任については問いたいと思います。やはり最終責任者でもありますし、ここはしっかりふんどしを締めて調査をしていただきたいと思います。よろしくお願いします。

金田委員長 これにて森山君の質疑は終了いたしました。

 次に、矢上雅義君。

矢上委員 立憲民主党・無所属の矢上雅義でございます。

 早速、アキタフーズの関連で野上大臣に質問したいと思いますけれども、鶏卵生産者経営安定対策事業で、二〇一九年、二〇二〇年のアキタフーズに対する補助金額についてできるだけ早く開示してほしいと度重なる要求があった上で、今日、二〇一九年が一・三億円、二〇二〇年が二・一億円という回答が出てきたわけでございますけれども、なぜこれだけの時間がかかったのかということですね。

 大臣はこれまで不正競争防止法を根拠に、営業の秘密に当たるから出せないということでございました。

 一般的に、補助事業の場合の手続で公務員がする場合に、公務員の立場から見ると、職務上知り得た秘密で国家公務員法上の守秘義務に当たります。それを裏側で企業の立場で見ると、営業の秘密ということで保護されるわけですけれども。国家公務員の守秘義務でも、裁判の際に承認するとか、公益の目的にかなう場合には、任命権者の承諾があればできるんですよ。守秘義務は解除されます。

 同じように、営業の秘密も、アキタフーズの秋田前代表もかなり反省しているような報道がされておりますので、きちんと政府の方から説明したら、この補助金の金額についても、もうそろそろ出してもらっても構いませんという回答があったかもしれませんけれども、そういう努力をこれまで農水大臣として、農林水産省として、なぜ早くやってこなかったのか、それともやってきたのか、御意見を伺いたいと思います。

    〔委員長退席、山際委員長代理着席〕

野上国務大臣 これまで御答弁を申し上げてきましたとおり、この鶏卵生産者安定対策事業につきましては、個別企業に関する補助金を明らかにしますと、当該個別企業が公表していない情報が推計をされて、その競争上の地位を害するおそれがあることから、お答えを差し控えさせていただいたという御答弁をさせていただいてまいりました。

 そのような対応をしてまいったんですが、この予算委員会の中で強い御要請があったことを踏まえまして、アキタフーズにお伝えをした上で、今回、実績を出させていただいたということでございます。

矢上委員 ところで、金額自体が一・三億円から二・一億円、八千億円増額しておるわけで、しかも、この大規模鶏卵業者に対しての取り計らい等を含めた形での現金の授受があったのではなかろうかという話が報道でもされているわけですけれども、実際これだけ急激に増額された根拠ですよね。本当に農林水産省として、絶えず大臣は政策は妥当で間違っていないと断言される機会がかなりあったんですから、きちんと今日は説明できますか。

野上国務大臣 令和二年度におきますアキタフーズグループに対する補助金交付額、この実績を見ますと、令和元年度の一・三億円から二・一億円に増加をしておるわけであります。

 その内訳を見ますと、そのうち、増加したのは空舎延長事業の分でありまして、三千六百万円から一・二億円にここが増加をしているということでございます。これは、同社が大幅な出荷量の削減に取り組んだことによるものであります。

 なお、この空舎事業といいますのは、鶏卵の出荷量を減らす取組を行う事業者の収入減少に対して支援を行うものであるということでございます。

矢上委員 前回の予算委員会でも、去年の臨時国会で行われた農林水産委員会の話もしました。あのとき、吉川元大臣に対して、アキタフーズの前代表からお金が渡ったのではないか、また、去年の七月ですけれども、クルーズ接待で、元農林大臣や元農林水産省の幹部が宿泊つきの接待を受けていたのではないかと疑念が出ましたときに、大臣は、委員会で、また委員会の場でもそうですけれども、これはあくまでも農水省OBの話である、現役の職員は直接関係していないような感じで、流れで答弁されたかなという気もしますし、また、捜査に影響もあるからということでされたんですけれども、よくよく考えますと、去年の暮れから相当疑惑が湧いていたわけですから、あの当時、大臣としてもっと早く決断をするべきではなかったかと思います。

 確かに、第三者検証委員会とか、国家公務員倫理規程に違反していないかという調査をされておられますけれども、国民目線から見れば、総務省が処分を急いだから、遅れては都合が悪いから、農林水産省も急がなければという後追いの形に見えてくると思うんですよ。

 そういうところ、やはり大臣として、組織の長として批判を受けてもおかしくない事例と思うんですけれども、ちょっとそれを前提に、倫理規程の調査の結果、会席に同席した秋田氏が明白に利害関係者に該当するということですから、今回、二回行われております、平成三十年十月四日、令和元年九月十八日の二回、元大臣を含めて、アキタフーズの前代表等が会食を行っておられます。

 この会合に出席した職員の皆さんにお聞きしたいんですけれども、アキタフーズが利害関係者であるということを事前に知った上で会食に参加されたのか、それとも知らずに参加されたのか。もし、知らずに参加された場合に、どういう感想でしょうか。驚いたとか、これは帰らなくちゃいけないなとか、そのときにどのような感触を得られましたでしょうか。それぞれ、平成三十年十月四日の枝元次官及び令和元年九月十八日の水田生産局長に、その当時の感想をお聞きしたいと思います。

枝元参考人 お答え申し上げます。

 私は、御指摘の会合に出席いたしましたのは、吉川大臣からお誘いを受けましたけれども、秋田元代表が会食に参加することは知りませんでしたが、その場に利害関係者であります秋田代表がいらっしゃいました。吉川元大臣のお誘いでもございまして、ほかの国会議員もいらっしゃって、吉川大臣と、その先生が中心の席でございましたので、そこで会食から出ていくとか、そういうことについては、なかなか私としては非常に難しかったという状況でございました。

 思いといたしましては、私の倫理規程の違反によりまして、農林水産行政また国家公務員の信頼を非常に損ねてしまいまして、本当に農林水産関係の皆様ですとか国民の皆様に申し訳なく思っておりますし、倫理の観点からいたしますと、会食の費用負担をその場で若しくは事後的にでも確認すべきだったというふうに反省しております。

 このようなことを二度と起こさないように、自らを律してまいりたいと存じます。

水田政府参考人 お答えいたします。

 私は、令和元年九月十八日の会食に出席をしたわけでございますけれども、吉川大臣からお話がありまして出席をさせていただきました。

 そのときの私の認識を申し上げますと、秋田元代表が会食に参加することは事前に聞いておりましたが、会食の費用は吉川元大臣が負担することも事前に聞いておりました。また、当日の会食の中でも吉川元大臣御本人から自分が負担するというお話がございましたので、倫理規程で禁じられているものではなく、問題はないものと思っておったところでございますが、今般、大臣官房の調査によりまして、その会食に係る費用については、吉川元大臣ではなくアキタフーズが負担していたということが判明したところでございます。

 会食の費用を実際に誰が払ったのか、幾らかかったのかということまで確認すべきところをしなかったわけでございまして、今回のことによりまして農林水産行政の信頼を失墜することになってしまったということで、誠に申し訳なく思っております。深く反省しておりまして、二度とこのようなことがないように、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

矢上委員 お二方のお人柄はもう大変立派なものだと伺っておりますので、ちょっと今度、大臣の方にお聞きしたいんですけれども。

 東京新聞、令和三年二月二十六日の出典なんですけれども、「贈収賄疑惑が持ち上がった昨年十二月に本紙が事実関係をただした際は、五人とも「記憶にない」と口をそろえていた。」と。これから先は名前を伏せますけれども、五名の方のコメントが、Aさんは「覚えていない。そのころはバタバタしていた」、Bさんは「記憶にない。倫理規程で決まっているし、接待を受けることはない」、Cさんは「覚えていない。一般論だが、大臣に誘われたら断れない」、Dさんは「バタバタしていて記憶にない」、Eさんは「記憶にない。業界関係者と飲食することはあるが、ちゃんとお金は出す」と。これだけ明確に記憶にないということで取材に応じておられるんですね。

 この倫理規程の中での調査に応じて、今明確に当時の記憶を思い出していただいたんですけれども、この新聞報道時点での記憶にないというコメント、また、調査の過程で記憶に十分あるようでございますので、大臣としては、やはりきちんと、職員に対する、倫理規程を守る、また、若しくは調査に関してもきちんと答えるような指導を事前になされているんでしょうか。

野上国務大臣 まず、今般、このような事案が発生をいたしまして、農林水産行政の国民に対する信頼を大きく損なうことになりましたこと、改めておわびを申し上げたいというふうに思っております。

 私自身も、幹部職員が倫理規程違反で処分を受けるに至ったということに対しまして、省を代表する立場として、大臣給与を自主返納することとしたわけであります。

 報道に対する対応ですとかあるいはこの倫理規程の調査に対する対応、これは、当然、真摯に対応していくべきだということだというふうに思います。この倫理規程に関する調査につきましても、しっかりと対応して、厳正な処分を行ったというふうに考えております。

矢上委員 それでは、また戻りまして、先ほどお答えいただいた枝元次官、水田生産局長にですけれども、今回の事例のように、大臣とか副大臣、政務三役等と御一緒に同席した場所で、アキタフーズ以外の養鶏業者とか関連業者と同席された記憶はございますか。

枝元参考人 お答え申し上げます。

 大臣なり政務三役と会食をすることはございますけれども、アキタフーズ以外の養鶏業者の方が一緒にいたことは、この会、アキタフーズ以外はございません。

水田政府参考人 お答えいたします。

 歴代の農林水産大臣、副大臣、政務官と飲食を共にしたことはございますが、その際に業者が同席したことは、今回処分対象となった会食以外ではございません。

矢上委員 今の御答弁が正確だとすると、ある意味、農林水産省に関連する業者さんは星の数ほどあるんですけれども、アキタフーズとしか食事をしないのかという捉え方もできますよね。

 皆さん方に申し訳ないんですけれども、大臣から誘われたら断れないというのも確かに事実でしょう。ただ、国民から見たとき、お金を配っただろうと言われている秋田前代表としか皆さん方が勢ぞろいで食事をしないというのも、やはり国民から見ると不思議だということになりますので、是非真相究明をしていただきたい。

 とともに、例えば、二回会食がありましたけれども、全て、農林水産大臣、生産局長、畜産部長、畜産振興課長、畜産振興課長、食肉鶏卵課長、それぞれ、ダブってはいますけれども、オールスターがそろっているんですね、畜産、鶏卵の。ある意味、農林水産省の会議が日比谷の料亭で開かれたようなものだと受け止められやすい。

 そういうこともありますから、しっかり大臣としても今後の真相解明とか説明責任について責任を持って取り組んでいただくとともに、やはり最初の元となった吉川元大臣とか西川元内閣官房参与等についても、是非機会をつくっていただきまして国会で証言していただきますようにお願い申し上げまして、次の質問に入らせていただきます。

 続きまして、JRAの持続化給付金不正受給問題についてちょっとお伺いしますけれども、報道で、競馬の調教助手とか厩務員が持続化給付金を受給申請したということで報道になっておりまして、分かりやすく言いますと、前回、野上大臣もおっしゃいました、調教助手はJRAが雇っているのではなくて調教師に雇用されている被雇用者だと。被雇用者ということはサラリーマンですから、そもそもこの持続化給付金が申請できるのかなということと、あと、JRAについては、九年連続増収だということで報道で出ておりますので、そもそもコロナによる減収があったのかということで非常に疑問がございますので、この辺の事実関係について、今日はJRAの理事長にお願いしておりますけれども、今日は来ておられますでしょうか。お願いします、事実関係を。

後藤参考人 お答え申し上げます。

 そもそも、私どもの関係する厩舎関係者の減収があったかどうかというお尋ねにつきましては、コロナ禍におきましても中央競馬そのものはおかげさまで継続して開催することができました。したがいまして、中央競馬の賞金に由来する収入につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響は極めて限定的であるという考え方を持っております。

 また、調教助手や厩務員についてですけれども、毎月の給与所得のほかに、中央競馬の賞金に由来する事業所得を得ております。

 私どもとしては、持続化給付金の趣旨、目的を踏まえて、適正な対応となるように、昨年十一月に雇用主である調教師会などに要請してきたものであります。

 以上です。

矢上委員 ちょっと今の説明で、私も理解不足だったんですけれども。

 結果的に今回の件は、調教師会においては去年の十一月にできるだけ申請するなという通達を出したということなんですけれども、JRAの見解としては、今回の件はよかったんですか悪かったんですか。要するに、調教助手とか皆さん方が申請されたということは。

後藤参考人 私どもが彼らに受給資格があるかどうかということを判断する立場にはないと思っております。

 ただ、申し上げましたとおり、厩舎関係者、お尋ねのあった調教助手、厩務員につきましては、毎月の給与所得以外に、競馬賞金によるいわゆる進上金、別途の事業所得がございますので、その扱いについては、一般的には恐らく確定申告をしているものではないかというふうに捉えております。

矢上委員 二十八日も、この問題で調教師にも調査を広げるという報道も出ております。

 公正な運営であるからこそ、競馬とか競輪も公営ギャンブルとして運営が認められているわけですし、地方自治体においても、サテライトを造るときは、迷惑施設ではなくてきちんと役に立つ施設なんだということで、一生懸命努力している中で、このようなまだまだ解明が不明朗な状況では困りますので、早急に調査の方を進めて報告していただきたいと思います。

 次の質問に移りますけれども、前回の予算委員会で小此木大臣にも大変御迷惑をおかけしまして、被災者生活再建支援制度とかなりわい再建支援制度等を円滑に進めるということで、システムの普及促進をちょっとお願いしようと思ったところで時間がなくなったんですけれども。

 今回の令和二年七月豪雨とか熊本地震でも、ボランティアの皆さん、地域の自治体の皆さん、そして全国から駆けつけてくださる地方自治体や国の職員の皆さん方のおかげで非常にはかどっております、罹災証明の発行とかもですね。

 ただ、やはり、木造の平家建てだったら例えば一・八メートルつかったら全壊とか、簡単なんですけれども、地方に行くと、東京もそうですけれども、一階が八百屋さんで二階を自宅にしている場合とか、罹災証明というのは個人の住居にしか適用できませんので、一階が八百屋さんだと営業用ですから対象になりません。じゃ、二階はどうなるんだとか、いろいろ複雑な仕組みがあるんですね。これを初めての職員さんがやろうとすると、どうしても応援してもらうベテランの職員さんから加勢をしてもらわないとできないんですよ。

 時々、グレーゾーンのときには、どうしていいか分からないときに被災者が窓口に行くと、県に聞いてみないと分からないとか、県から通知が来ていないから分かりませんと一回帰されるんですよ。それは正直でいいんですけれども、その後の打ち返しというのがほとんどないんですね。ずっと待っていても返事が来ないからまた行くと、また、県の方に聞かないと分からないということで。そういうことを特に高齢の被災者の方が何回も受けちゃうと、気力も体力もなくなって先に進まない。

 ですから、罹災証明書の発行、家屋損壊の認定とか含めて、日本国中に経験を持たれる方がたくさんおられるわけですから、そういうベテランの職員の方々の知識経験を生かして、全国津々浦々まで災害対応のオンラインシステムを早急につくり上げていただきたいということで前回お願いしたところなんですけれども。

 今システムを導入している市町村数とか、全国的な比率というのはいかほどのものでしょうか。

小此木国務大臣 矢上委員の今のお話は十分認識をしたい、改めて認識したいと思いますし、被災は、災害は本当に起こってもらいたくないんですけれども、これが頻発化、激甚化されている中でいろいろな苦しみ、悲しみがあるんですが、その中で経験をしておられる方もおられて、新しい知恵も生まれてきているのも事実でありまして、今の、デジタル化とおっしゃいましたけれども、こういったことも必要なことだと思います。

 お尋ねの災害時の被災者支援のためのシステムの整備状況についてですが、総務省が令和二年三月に公表した調査によると、平成三十一年四月現在において約半数の八百五十一市区町村で整備済みとなっております。内閣府としても、近年、先ほど申し上げた頻発化、激甚化する災害に対してより効果的、効率的に対応していくためには自治体におけるこうしたシステムの導入を促進していくことが重要と考えておりまして、それを今促しているところでございます。

 他方、既にシステムを整備している自治体においても、住民情報とのシステムの連携ができておらず、十分な活用が図られていないところもございます。

 このため、自治体が共同利用可能なシステム上で住民情報を被災情報と連携して被災者支援に活用でき、また、罹災者証明書の電子申請やコンビニでの交付にも対応できる基盤的なシステムを構築することとしておりまして、令和三年度中に整備する予定であります。

 システム整備が進んでいない自治体を始め、多くの自治体に活用いただくことで、被災者支援の効率化、円滑化につなげて、私どもといたしましても努力を重ねてまいりたいと存じます。

矢上委員 私も、被災するまでは特段、正直言って、自分に身にしみなかったんですけれども、この災害対策のシステムというのは、平時には、平和なときには必要性を感じませんけれども、備えあれば憂いなしといいますか、災害のときには大変助かると思います。

 私の経験では、多分二十年ぐらい前からLGWANというシステムがあって、発音は下手ですけれども、ローカルガバメント・ワイドエリア・ネットワークといいまして、総合行政ネットワークというのが全国の市町村と国とつながっているんですね。それと、御存じのように、中央には霞が関のワイドエリア・ネットワークというのがありますから、そういう基盤となるネットワークシステムはそろっているわけですよ。

 そして今、御存じのように、パソコンは自分でソフトを買わなくても、受入れソフトさえパソコンに入れておくとインターネットのクラウドサービスで中央のソフトを使えるようになっていて。そういうことで、昔の役場は全部自前で、それぞれの役場が互換性のないシステムを取り入れて、サーバーの大きなのを置いていたんですけれども、今このシステムを導入しようと思ったら、物すごく低コストで導入できると思うんですよ。

 そして、災害には風害、水害、地震とかいっぱいありますよね。その被災地の災害の状況に応じて、クラウドでそれに適した様々なオプションを増設すると、合体ロボットじゃありませんけれども、LGWANとクラウドサービスを利用すると比較的低コストで維持できると思うんですよ。

 そういうことも含めて、小此木大臣には、システムの導入のための助成制度とか、そのシステムを維持するためのランニングコスト等の交付税措置について関係省庁に働きかけをしていただきたいんですけれども、御意見をお伺いします。

小此木国務大臣 我々、情報の共有ですとか連携というのは、こういう答弁書にも役所はよく書いてくるんですけれども、それが本当に行われているかどうかということをしっかりと政治家として確認をしながら、市町村、県、国と、そして議員の皆様と、共有できるということを、本当に一歩でも近づけるようにやってまいりたいと思いますので、そういった今、税制の問題、予算につきましても様々これから進めてまいりたいと存じます。

    〔山際委員長代理退席、委員長着席〕

矢上委員 以上で質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

金田委員長 これにて矢上君の質疑は終了いたしました。

 次に、古本伸一郎君。

古本委員 古本伸一郎でございます。立憲・無所属会派の枠の中で、貴重な、栄えある予算委員会の質疑の時間をいただきました。理事各位、与野党の先生方に感謝を申し上げます。

 この第一委員室にこうして立たせていただくのは、二〇一二年の五月八日から始まりました社会保障と税の一体改革の議論で、百二十九時間に及ぶ、恐らく憲政史上歴代二位の、日米安保に次ぐ質疑なり議員修正の答弁なりに立たせていただいて以来であります。感慨ひとしおであります。

 附則百四条について、少し振り返りたいと思います。

 これは麻生政権の時代に、来る超少子高齢社会に備え、年金の国庫負担二分の一を始め、消費税を中心に財源を確保する、しかもそれは二〇一二年までにという、いわばピン留めされた、極めて具体の目的税をやっていくということを、当時の前政権で決められたことでありました。この附則百四条、今日念のため資料でお配りしておりますけれども、御覧いただいているとおりであります。

 当時、自公政権の中で、この附則百四条を書こうじゃないかというふうに恐らく提案し、当時の与党の中の議論は私は承知しませんが、仄聞するに、この議論をリードした方はどなたか、西村大臣、御存じでしょうか。

西村国務大臣 済みません、当時の記憶が定かではありませんけれども、与謝野大臣だったんじゃないかというふうに記憶しています。

古本委員 私も、御本人からも実は伺ったことがありますけれども、恐らくそうなんじゃないかと思います。

 中川大臣が辞任され、その後兼務されたというプロセスはあったにせよ、与謝野経済財政担当大臣の下、経済成長を大前提に、社会保障と税の一体改革、つまり超少子高齢社会に備えようじゃないかという議論は、大変尊い議論だったと思います。

 ただ、惜しむらくは、私ども野党民主党は、この附則百四条、つまり平成二十一年の税制改正に反対いたしております。反対していた私たちが、政権が替わった後に、この附則百四条を引き受けました。つまり、法律に書けば、あとは上書きしない限り、政策の継続性、政治が責任を負うという大きなことを経験したわけであります。

 今、菅総理は、カーボンニュートラル社会、二〇五〇年という大変大きなテーマを掲げておられますけれども、西村大臣は、その司令塔、経済財政担当大臣として与謝野さんの系譜におられるわけであります。財源なくして政策にあらずということも踏まえれば、コロナの対応で日々御奮闘されている中ではありますけれども、このカーボンニュートラル社会を本当に実現しようと思うならば、言うならばグリーンイノベーションになぞらえた一体改革、本来提案すべきじゃないかと思うんですけれども、御所見を求めます。

西村国務大臣 私も与謝野大臣に薫陶を受けた一人でありますので、古本議員の御提案、改めてしっかりと受け止めたいと思いますが、お話がありましたように、附則百四条で、二十三年までに法制上の措置を講ずるとされて、まさに民主党政権の下で、二十三年度末に消費税一〇%引上げ法案が提出されたということでございます。

 そして、そのときの与野党で様々な協議があったわけでありますけれども、今御提案がございました、この新たな税、社会保障と同様な財源確保をしてやるべきじゃないかという御提案でありますけれども、これはちょっと、私、確認だけ、カーボンニュートラルに限らず、全体のということでよろしいですか。はい。

 もちろん、私ども、全世代型社会保障改革ということを進めてきて、消費税増税、時期はタイミングを計ってまいりましたけれども、一〇%に引き上げると同時に、幼児教育の、保育の無償化、そして大学あるいは実質私立高校の無償化なども含めて実現をしてきております。全世代型社会保障の一歩を踏み出してきているというふうに理解をしています。その上で、医療についても、高齢者の一定の負担をお願いすることなど、一つ一つ着実にこうした歩みを進めているところでございます。

 当然、今後、そうした負担とそして受益の関係なども引き続き吟味をしながら、そして、当然に財源も頭に置きながら改革は進めていかなきゃならないわけでありますので、引き続き不断の検討を進めていきたいというふうに考えているところでございます。

古本委員 これは、目指す社会をできるだけ多くの方と国全体でシェアしなければ成し遂げられない大仕事だったと思うんです、社保・税一体改革は。今、年金国庫負担二分の一、平年度で約三・数兆円、年金を支えるために消費税が充たっているということを、今これを御覧になっている多くの方は御存じないかもしれません、御存じないと思います。なぜなら、そういう説明をしてこなかったからです。いわんや、〇・九兆円になんなんとする幼稚園、保育園の無償化に消費税が充たっているということを御存じないかもしれません。そして、消費税に反対だという声もあるかもしれません。

 つまり、カーボンニュートラル社会ということを本当に描くのならば、所要の財源を正々堂々と示した上で、できるだけ早く議論のテーブルにのせるべきじゃないかという問題意識を強く持つわけでございます。

 今日は、地球温暖化対策本部副本部長でいらっしゃる、まあ本部長は総理ですから、小泉環境大臣にもお越しをいただいています。

 是非、小学生にも分かる説明で、カーボンニュートラル社会二〇五〇年とは何か、開陳いただきたいと思います。何となれば、今日十歳の子供がちょうど四十歳になる、小泉大臣と同じ年ぐらいになる頃を描いているわけですから、分かりやすく簡潔にお願いします。

小泉国務大臣 大変難しいお題をいただきましたが、私なりに説明をさせていただくと、なぜ、脱炭素というカーボンニュートラルの方向性を、日本だけではなくてG7全て、そして世界がパリ協定の下に向かっているかというと、その前提となる認識は、もはや、我々人類が営んできたこの経済活動、人間活動、このまま続けていたら取り返しがつかないことになり、あらゆる活動が持続可能性を失う、地球はもはやそういう状況であるという認識に立っています。

 私は、横須賀という海に囲まれた町に育ちましたが、このまま気候変動対策を強化して成果を上げなければ、今世紀中に、横須賀の海だけではなくて、日本全国八割の、八割以上の砂浜は消えます、そして九割以上のサンゴはなくなります。こういった未来を子供たち、次の世代に決して届ける、そんなシナリオを我々は回避をしなければいけない、この認識の下で今世界は向かっています。

 今回、カーボンニュートラル宣言、何かということでありますが、私は、分かりやすく言えば、全ての前提は再生可能エネルギーの前提の社会になる、経済活動も、我々国民生活も。そういったことであると思います。

 今、古本先生が、社会保障、どこに税金が入っているのか国民の皆さんは知らないと思うという話がありましたが、我々の生活で使っている石炭、石油、天然ガスに毎年十七兆円規模で海外に支払っていることも多くの方は認識がないと思います。

 だからこそ、我々、この日本の中で、よく日本は資源がないと言われますが、それは昔のことであって、今の技術を生かせば二倍の再生可能エネルギーのポテンシャルがあるわけですから、その資源を最大限生かして、海外に毎年お金を払うのではなくて、日本の国内、地域、そういった資源が、資金が循環をする地域社会をつくって、災害に強い自立分散型の社会をつくっていきたい。

 小学生に分かるか分かりませんが、私なりに、そんなことを思って政策を進めています。

古本委員 いや、分かると思いますよ。

 例えば、南極の氷が解けたら皆さんが住んでいる町が海に沈むかもしれないとか、オゾンホールに穴が空いたら外に出られなくなるかもしれないとか、これは、危機感のシェアというのは物すごく大事だと思います。

 一方で、電気自動車という話をこの後経産大臣からもいただきたいと思いますが、石油、石炭をたいて得られた電気で幾らチャージしても、余りクリーンだとは思いません、全くクリーンだと思いません。水素ステーション、ヨーロッパの水素先進諸国に比べたら単価は三倍です、日本は。とても及びません。太陽光、風力、再エネ発電等々、石油、石炭の何倍もコストがかかります。本当に、ジャパン挙げての本気度が問われているんだと思うんです。

 そのときに、なぜ西村大臣にこの問題を提起しているかというと、そういうことをしたら法人税控除しますとか減税しますというアプローチもいいと思いますけれども、世の中全体で分かち合ってこそ初めて目的がシェアされるんじゃないかと思うからなんです。

 さて、そこで、今日は主税局長にもお越しをいただいていますけれども、自公の税制の与党大綱を拝見すると、自動車関係諸税のところに「保有から利用へ」というくだりがまずあるんですけれども、これは書かれてから何年かたちますが、てっきり私は揮発油税を何かするのかなと思いました、走行段階課税というのであれば。ただ、余りその議論は進んでいないというふうに仄聞しますけれども。

 揮発油税が、かつて戦後のモータリゼーションを予見し、道路特定財源化し、津々浦々道路を通し、今日の繁栄した国家を築いた礎になったのは言うまでもありません。昭和の先人の先見性にただただ敬服するばかりであります。初めはぜいたく品課税だったと聞いております。戦費調達のためだったとも聞いています、日露戦争時代。でも、やがて庶民もみんな使う、ガソリンを使わなきゃどこにも行けない、生活必需品だとなっても、昭和四十九年のオイルショックのときから本則税率に二倍の税金をかけてきています。いわゆる暫定税率です。今の当分の間税率であります。

 そこまで、二倍をかけているにもかかわらず、現在、揮発油税は、ピークの平成十七年、二〇〇五年に比べると、随分減っていると承知していますけれども、どのくらい減収になっているのか説明を求めます。

住澤政府参考人 お答え申し上げます。

 揮発油税及び地方揮発油税の税収でございますが、平成十七年度に三・二兆円のピークを迎えまして、その後、減少傾向にございます。令和元年度決算におきましては、二・五兆円ということでございます。

古本委員 これは国税、地方税ありますけれども、約〇・七兆円近く歳入が飛んでいる、こんな大玉の税は他にありません。それでいて、かつて私たちは、この道路は皆様のガソリン税で造られていますという看板がありましたが、一般財源化し、その看板を抜いてしまい、受益と負担の関係が曖昧になってしまい、今日に至っております。

 財源特例化を復活しようと言っているわけではありませんけれども、今日、経済財政担当大臣に最初言ってもらいましたけれども、是非、経産大臣にお伺いしたいのが、カーボンニュートラル社会における車の位置づけはどう考えておられるのか。例えば、具体的に言うと……。

 質問を変えます。

 今、いわゆる登録車と言われている、軽自動車を除いた登録車、普通車、約四千万台あると思いますけれども、話題の電気自動車あるいは水素自動車のシェアはどのくらいなんでしょうか。

梶山国務大臣 令和二年三月末時点において、軽自動車を除いた乗用車の総保有台数は、委員御指摘のとおり、約四千万台であります。このうち、電気自動車は約十一・七万台で、全体の約〇・三%、燃料電池自動車は約三千七百台で、全体の〇・〇一%となっております。

古本委員 ありがとうございます。

 小泉大臣から、冒頭、小学生でも分かる説明をいただいたと思いますけれども、僅かにコンマ何%です。九九%近くは、いわゆる将来描いておられるカーボンニュートラル社会の主軸となるだろう車じゃない車が専らであります。

 再度梶山大臣にお尋ねします。二〇五〇年に今御答弁いただいたシェアをどのくらいまで変え、日本を劇的に変えようと思っておられるのか、もし数字をお持ちならば開陳いただきたいと思います。

梶山国務大臣 二〇五〇年にカーボンニュートラルを宣言しているわけでありますから、二酸化炭素を排出しない車がほぼ全てになるという前提で、二〇三五年に発売する自動車については、電動車一〇〇%ということにしていこうと。そして、残りの十五年においてどう増やしていくかということであります。

古本委員 今、どう増やしていくかというところに、もう全てが尽くされていると思います。

 二〇三五年に新たに販売する車については電動車に限る。でも、言い換えれば、既に走っている車は構わない。電動車の中には、電気自動車、水素自動車もあれば、ハイブリッドも含まれる、こういう理解だと思うんですね。

 全体でこの大きなテーマを分かち合おうと思うときに、例えば、コンビニの駐車場に急速充電器を全て完備しましょう、そのときは国家的な補助も徹底的に入れましょう、あるいは、ガソリンスタンドの横に水素ステーションを漏れなく設置し、水素ステーションがどこにあるんだなんて話はもう二度とさせません、例えばそういうことを、たったこの二つの項目をやるだけでも一体幾らかかるのかと思いますけれども、例えば、そういう試算を経産省の中でなさっているでしょうか。

梶山国務大臣 政府としましては、二〇三五年までに、先ほど申しましたように、乗用車の新車販売で電動車一〇〇%を実現するという目標を持っております。二〇五〇年に自動車の生産、利用、廃棄を通じたCO2ゼロを目指すこととしておりますが、これを実現するためには、委員御指摘のように、電動車の普及拡大、また、水素の充填、充電インフラの整備以外にも様々な取組が必要となってまいります。よく精査しなければならないため、現時点でその所要額についてお答えすることは困難であると思っております。

 と申しますのも、やはりイノベーションを通じていかに安価にしていくかということもこれからの課題でありますし、また、水素ステーション、また充電器というものも、どういう形でその車種を分けてやっていくかということも一つの課題であろうかと思いますし、また、そういった中で、いかに合理的に、効率的にそういったものができるかということが車の普及にもつながると思っておりますので、これは早急に、やはり想定をしながら予算というものを考えていかなければならないと思っております。

古本委員 西村大臣、小泉さんと梶山大臣が、両大臣がおっしゃったことができたらいいなと思いますけれども、一方で、今日現在、大多数はガソリン車、含むハイブリッド車であり、その大きな産業の裾野の中で仕事をしている人も、あるいはいろいろな企業もおられます。経済の司令塔が、だからこそ、このテーマを束ねて一体改革をする必要性はそこにあると思っているんです。

 そういう皆さんの雇用やいろいろなこと、業態転換といっても一朝一夕にいくわけがありません。国を挙げた一大事業だと思うんです。だからこそ、こういうことがやりたいんだということを、何年かかけてでも語り合って、語りかけて、そしてこの国会の場で実現していくしかないと思うんですね。

 あのときの一体改革、社保・税一体改革のことですが、深い反省に立つと、史上二番目の審議時間を尽くしたにもかかわらず、今日現在、九千億円近く使うとされている幼稚園、保育園の無償化に使いますということは、この第一委員室で何も決まらずに採決しています。あえて言うならば、財源確保だけが決まったようなものであります。だから多くの先生方が反対したこともありました。

 二度とあれを繰り返さないためにも、いざカーボンフリーが、カーボンニュートラルが国際公約となり、とてつもない、風力発電や潮力発電やバイオマスや、財源が必要になるので負担してくれと後づけでいくよりも、今から社会を描いた方がいいと思うんですけれども、いかがでしょうか。御所見を求めます。

西村国務大臣 御指摘のように、カーボンニュートラル、これは、私どもの経済の構造そして社会の構造、私たちの生活の在り方含めて、極めて広い範囲にわたって改革を進めていかないと実現できない話でありますので、古本委員御指摘の問題意識は私も共有しているところであります。

 その上で申し上げれば、社会保障と同様に、これは全ての国民が少しずつ負担をしながら、一時的には不便を感じたりすることもあるでしょうけれども、それを乗り越えて負担を分かち合いながら実現していくという意味では、非常に大きな共通点があるものというふうに思っております。

 他方、社会保障と違う点、違う観点というか、あえて申し上げれば、一人一人が受益と負担が必ずしも明確になっているわけじゃないというところは社会保障とは違いますし、それから、受益というよりかは、気候変動に負荷をかける、CO2を多く出すという負荷をかける、つまり排出量に応じた負担、負荷と負担の関係にむしろ着目すべきだというところもあります。

 それから、国際競争力という観点から、イコールフッティングみたいな国際的な議論も必要だという点もあります。

 いずれにしましても、そうした点も含めて大きな絵姿を描いてこれを実現していかなければなりませんので、昨年末に十四の分野においてカーボンニュートラルを実現するための一定の成長戦略を決定したところでありますけれども、これも踏まえて更に議論も深めながら、大きな絵姿を成長戦略会議で描きながら、そして経済財政諮問会議にもそうした議論を入れて、全体として実現するための工程表、こういったものをつくっていかなきゃならないというふうに考えているところであります。

古本委員 主税局長に。

 話題の電気自動車ですけれども、ところで、利用段階、つまり走行段階で、ガソリン税のごとく何か電気自動車税のようなものはかかっているんでしょうか。

住澤政府参考人 お答え申し上げます。

 電気自動車につきましては、走行段階に着目した特段の課税は行われておりません。

古本委員 小泉大臣、つまり、小学生でもという言い方が少し、適当かどうか分かりませんが、三十年先の社会を描いている、三十年後にこの閣僚席なりこの委員室にいる、バッジをつけている可能性が高い方は恐らく小泉さんだと思うので、再度聞きますよ。

 これは私、本当に、あの当時を振り返って、修学旅行で国会見学に来てくれた中学生たちに消費税はどうだって何度も聞きました。十年前、九年前、あの議論をしているさなかに。みんな反対ですよ。コンビニでアイスキャンディーを買ったときに嫌だと言われます。でも、おじいちゃん、おばあちゃんが今、年金をもらっているのを知っているか、多分もらっていると。その年金は、お父さん、お母さんが働いて、保険料を払って支えてくれているけれども、足りないので借金して払っているんだ、へえ、そうなんだ。じゃ、その借金は誰が返すと思う、君たちだよと言ったら、えっと。君たちがアイスキャンディーを買ったときのその消費税でおじいさん、おばあさんの年金を支えるんだよと言ったら、賛成ですと言いましたね。何に使うかなんですよ。

 環境省所管と言いませんよ、小泉大臣が副本部長として、例えば、小中学校で災害のときの避難所に指定されているのは、体育館が三万か所あると聞いています。あるいは公民館は八千か所ある。例えばそういうところに、地方の再エネということで、全てソーラーパネルをつける。全て小型の風力発電をつける。万が一のときには自賄いで、あの寒い避難所を暖かくしましょう、暑い避難所を涼しくしましょうと。例えばそういうことだけでも物すごく分かりやすいし、そのためのお金はどこから来るんだという話を今からしていかないと、使い道が後づけになっては本当にいけないと思うんですね。御所見を求めます。

小泉国務大臣 私の中では、古本先生の問いかけは、これからお金の使い方をどうするんだ、そういった質問だというふうに受け取らせていただくとすれば、だからカーボンプライシングが必要だと言っています。

 脱炭素型に世の中の動きを変えていくには、新たなルールを社会の中に入れて、今まで価格が本格的につかなかったところに価格をつけて、市場メカニズムを発揮させて、排出をしないように頑張っているところが報われる形に社会を変えていかなければいけないと思います。私は、いろいろな議論はあると思いますが、これ抜きにカーボンニュートラルが実現できることはあり得ないと思っています。

 ですので、古本先生が小学生の皆さんに説明をするように、私も、今回の国会で、カーボンニュートラルの二〇五〇年のものを法律の中に位置づける最終調整をしていますし、プラスチックの法案も、これから、プラスチックについても、今まで日本政府としてやったことのないプラスチックという物質に対する法律を出すわけです。これも、ひいては気候変動や環境問題とつながってくる課題ですので、分かりやすく伝えながら。

 世の中、何か負担やコストの話をされますけれども、私、これも変えたいと思っているのは、このまま対策を取らなかったときの負担やコストの方が計り知れないぐらい大きいんです。だから、前向きな方向に向かっていて、その前向きな方向に向かっているんだということを日本全体で世代も超えて共有できるようにしたいし。

 私は、最近、中西経団連会長の発言を聞いて、大きな歯車が回りつつあると思いました。まさか経団連会長が、スリーEプラスSより先にまず環境だ、まず脱炭素だ、そして地球環境あっての経済活動だと。こういう頭が合ってきたこと。

 毎日、新聞では脱炭素のニュースをやります。毎日、再エネのニュースがあります。私は、この大きな流れをしっかりと政府全体の流れにしていくことが気候変動対策を取りまとめる立場としてやらなければいけないことだと思いますので、梶山経産大臣とも西村大臣とも連携をしながら、政府全体の動きを強化できればと思います。

古本委員 危機感を醸成し、今これを打たなければ大変なことになるよということもあれば、こういう御負担なり分かち合いをしてでもこういう社会をつくりましょうというのと、二つあると思います。ただ、このテーマは両方やらなければいけないかもしれません。それだけに、それぞれ野党も与党も、立場が違う先生方がいても、オゾンホールに穴が空いてからでは仕方がありませんので、今から取り組むべき大変大きなテーマだと思います。

 財源確保という御負担をお願いすることの観点から百四条の話をいたしましたけれども、最後に麻生大臣にお尋ねしたいと思いますけれども、カーボンニュートラル社会というのがどういう社会かというのはよく分かりませんというのが多くの皆さんだと思いますけれども、それぞれ各大臣、御奮闘されているようであります。

 カーボンニュートラル社会と税の一体改革。いよいよ二〇五〇年にカーボンニュートラル、二〇三五年に、新たに販売する車は全て電動車に限る。もう、十年、二十年、三十年で工程は組まれていると思います。

 この際、再び大きな政策が動き出したときに慌てて財源を確保するのではなく、いずれが政権であろうとも、いずれが内閣総理であろうとも、政治に継続性を持たすためには、与野党がお互いに胸襟を開いて話し合った上でこの大仕事を成し遂げるべきだと思うんですけれども、麻生大臣の御所見を求めます。

麻生国務大臣 先ほどの古本先生の表現をかりれば、二〇五〇年、一番生きている可能性が少ないやつが私。明らかだろう、これぐらい。小泉さんが一番生きているかどうかは分からない。これからの素行の問題やらいろいろ健康管理の問題もあるだろうからそこは分からぬが、私の場合は、そこのところは、年齢からいくとそういうことになるんですが。

 今言われたように、環境とかいろいろな話というのは、まだいろいろな話がたくさん出てきているので、このまま置いておくと、間違いなく土地、いわゆる土ですな、土というものの、地球を覆っている土の上の部分の約三十センチぐらいのところが完全にいかれている。これが今の環境問題の元の元ですから。それをどうにかしないと、アフリカでどうにかならぬというので、今、あそこは猛烈な勢いで、いろいろなところがお金を出し合って、ただただアメリカみたいに広くするんじゃなくて、北海道でいえば、いわゆる、木を間に植えて、風が起きることによって土地が荒れないようにする。日本じゃどこでもやっているような話を、今アフリカでそれをやることによって、一つ一つ小さな努力が行われつつあるところまで来ました。これはすごい進歩だと思いますよ。

 傍ら、日本の場合は、国土の七二%ぐらいがいわゆる木で覆われている、グリーンになっている。これは、先進国でこんなにグリーン化されている先進国は一つもありませんから、その意味では圧倒的に日本の方が優れていると思いますね、その点に関しては。

 よく、北極の氷が解けるとイギリス人やら何やらが言いますので、おたくらはウイスキー、ウォーターを飲むときに氷を中に入れないで飲むらしいけれども、日本とかアメリカじゃ氷を入れるんだ、氷を入れて置いておいたら、飲まなかったら氷が外にあふれるというようなことがイギリスじゃ起きているということだなと言ったら、意味が分からぬと言うから、体積が同じなんだから、氷が解けたって体積が変わることはないだろうと。北極の氷は水に浮いているんだから、だから、あふれることは考えられぬと私は思っていますよ、今でも。

 だけれども、氷が解けていると言うと、またできているじゃないかとか、いろいろな話はもう、エンドレスにこの話はこの二十年間ぐらい聞かされて、国際社会でも聞かされましたから。

 ですけれども、今、対応策として税金の話をされておりましたので、この税の話でいくと、自動車関連税、揮発油税、重量税、いろいろありますけれども、この税の話でいきますと、今、自動車からという話は、確かに非常に大きな問題なんです。

 今、大体、ハイブリッドを含めて、全自動車突っ込みで一%弱、〇・九ぐらいまで来ていると思いますけれども、軽自動まで入れて。それぐらいまで入れてもまだそんなものですから、残りまだ九九%の車は普通の車、普通の車ってガソリン車ですから、そこから頂戴している税金等々を全部足して、それが今、揮発油税やら重量税の元なんですけれども、ちょっとそこのところをどう考えるか、その税金をどうするか。これは、多分経産省やら環境省が考えられるところなんだと思いますけれども、税金の話の対策を立てずして、むやみにカーボンニュートラルというようなことを言っていて、その足りなくなった分をどうするかという話。

 水素をやればいいと言うけれども、その水素を作り出すのに大量の電気が要りますから、その電気を作るのに、どういう電気で、原子力でやるのか、水力でやるのか、何でやるのか知りませんけれども、膨大な電気を作るためのエネルギーが要りますので、自動車の方は電気になったけれども、その電気の元はというんだったら、何のことをやっているのか意味が分からぬことになりますので。

 そういうことを含めますと、多分膨大な金がかかるということを言っておられるんだと思いますけれども、その金をどうやって稼ぎ出すか、ちょっともう少し、自動車やら何やらがどうするかとか、流れを見ないと、今の段階でどうするかということを申し上げるあれがあるわけではありませんので、こういったものを少し、もうちょっと時代の流れやら何やら見た上で判断されるべきものだろうと思って、今ここでこうするというようなことを申し上げるべきではないのではないかと思っております。

古本委員 是非政治が、針の穴に糸を通す作業から逃げずに、真実を伝えた上で、国民の皆様と分かち合えるように努力すべきだ、そのことを申し上げて、終わります。

 ありがとうございました。

金田委員長 これにて古本君の質疑は終了いたしました。

 次に、山崎誠君。

山崎委員 こんにちは。立憲民主党・無所属の山崎誠でございます。

 予算委員会の貴重な質問の時間ですので、早速質問に入らせていただきます。

 質問の順番を変えまして、三番、外務省の関係のお話を先にさせていただこうと思います。お忙しい中来ていただいておりますので。

 新型コロナウイルス感染症対策に対しての外務省の取組、特に今日は、医務官の皆さんが今どういうふうにお仕事をされているのかというのをちょっと確認をしたい、御提案もしたいということで、外務大臣にもお越しいただきました。

 今、各国の日本大使館には、医師の資格を持った医務官の皆さんが派遣されている。令和三年の四月一日現在ということでお聞きをすると、百三名ということで、世界の在外公館にいらっしゃいます。

 この方々が、今、例えば日本からなかなか海外に出ていくことができない、それも医師の資格を持っているということは、この感染症パンデミックの中では大変貴重な存在であると思います。この方々というのは、現地の医療機関との接触があったり、医療行政機関との接触があったりということだと思います。医師の専門性もバックグラウンドとして持っている、こういう方々が本当にこのパンデミックの最前線で活躍いただきたいと思うんですが、現状、今この方々はどういうお仕事をされているか、感染症に対してどのような今取組をされているか、お聞きをしたいと思います。

茂木国務大臣 各国にいる医務官、委員御指摘のとおり、医療に関する専門的な知識を持っておりまして、通常ですと、館員であったりとかその家族の健康に対するチェックであったりとかアドバイスをしたり、様々な業務を行っておりますが、外務省にとりましても、海外在留邦人の安全確保、これは最も重要な責務の一つと考えておりまして、世界各国・地域において今、新型コロナが感染する中で、在外公館においては、医務官の知見であったりとか、今おっしゃったようないろいろな現地での医療関係者とのネットワークがあるわけでありまして、そういったものも活用しながら、現地における感染状況等の情報収集を行っております。また、在外邦人に対する適時適切な情報提供、注意喚起など、必要な対応を講じてきているところであります。

 その一環として、在外公館では、大使であったり公使であったり、また医務官など関係者が一体となって、各国のワクチンの接種状況であったりとかその体制、医療事情、補償制度、認証済み又は承認プロセスが進んでいるワクチンの種類、どんなものがあるか等々についても鋭意情報収集を行ってきておりまして、こういった情報を在外邦人の方々であったりとか政府に対しても共有して、引き続き適切に対応していきたいと思っております。

 医師の免許を持っております。専門的な知識は持っております。ただ、一方で、現地の医療免許を持っているわけではありませんので、そこの中での行為というのは限定されるということは御理解いただきたいと思います。

山崎委員 ありがとうございます。

 お忙しい中、ワクチン接種の関係で河野大臣にも来ていただいて、申し訳ございません。

 今お話がありました医務官ですが、このワクチンの接種にも、今お話もございましたが、やはり現地のいろいろな情報収集だとか、様々な国の接種の方法であったり、フォローの仕方であったり、あるいは変異株に対するワクチンの効果だとかそういったことを、いろいろなサーベイをするためにも重要な人材だと思うんですが、河野大臣、今こういう方々をどういうふうに活用しようというお考えがあるかないか、その辺りを含めて。

河野国務大臣 海外でのワクチン接種の状況を調査するのに、外務省に大変お世話になっているところでございます。在外公館などを通じて情報収集をしていただいております。

 その中で、医務官をどのように活用していくかというのは、所管外でございますので私の立場でお答えできません。

山崎委員 ちょっと残念ですが、元外務大臣でもいらっしゃるので、多分状況はよく分かっていらっしゃると思います。

 私は、いろいろお話を聞くと、今の医務官の皆さんというのは福利厚生室の所属になっていて、一義的には大使館員の皆さんの健康管理、家族の健康管理というのが主務であって、やはりなかなかその範疇から、今お話ししたような危機管理対応について積極的に動ける状況ではないのではないかというようなことを推測しました。これは違うのであれば結構なんですが。

 私は、こういう方々を積極的に、今後、このパンデミック、あるいはこういう国際的な危機というのは、医療系の危機というのはいろいろなことが予想されるということでございますので、御活躍いただけるためには、例えば感染症に関する研修の機会をつくるとか、特別なネットワークの機会をつくるとか、今お話ししたように、福利厚生室という限られた職務だけの部署ではなくて、ほかの部署を兼務するような、そんな取組も是非進めていってはいかがと思いますが、御提案です。大臣の御所見をお聞きしたいと思います。

茂木国務大臣 大変いい御提案をいただいたと思っておりますし、また、実際に、昨年コロナが世界的に蔓延をしていくという中で、在外公館、これは先ほど申し上げたように、館員挙げて、それぞれ担当はあるにしても、邦人の安全確保に様々な面から全力で取り組んできた、このように今考えておりまして、そこの中で、医務官についても、その立場といいますか、どの部署に所属しているということではなくて、やはり医療に関する知見であったりとか様々なネットワークを持っているわけでありますから、それがフル活用できるような体制にしていきたいと思っております。

山崎委員 ありがとうございます。是非そのようにお願いをしたい。

 河野大臣にも是非、今後、ワクチンの話というのは、国際的ないろいろな戦略にも絡んでくると思うんですね。大臣の所管とはちょっと離れるかもしれませんが、今後、例えば国際協力のようなときに、ワクチンの日本の知見をどうやって世界に発信をしていくか。アフリカとかにたくさん在外で医務官の方がいらっしゃるわけですから、こういったことも視野に入れて是非取り組んでいただきたいと思います。

 三問目の質問はこれで終わりますので、お二人、ここで退席いただいて結構です。

 それでは、一問目に戻りまして、私、エネルギー担当でございまして、梶山大臣とはいつも経産委員会ではお世話になっておるんですが、今日は予算委員会ということで御質問をさせていただきます。

 私が取り上げなきゃいけないのは、電力市場の価格高騰問題であります。この問題についてはもう既にこの委員会でも議論がございまして、私もいろいろと拝見をして、それぞれに納得をしたり、いろいろと意見を持っています。それについて今日は開陳をしながら議論を深めていければと思います。

 この問題、おさらいではございますが、昨年十二月から本年一月にかけて、電力スポット市場において長期間にわたって価格が高騰してしまった、高値が張りついたような状況になってしまって大変な混乱が生じたということだと思います。

 当初、経産省は、寒さによって需要が増えて、LNGの在庫の不足、逼迫で発電量が減ってしまった、そして、太陽光発電、冬場ですからその発電量も減ったので、電力が需給と合わなくなって逼迫をしたんだということで御説明をしておりました。

 ただ、この委員会での議論でも明らかになってまいりましたけれども、これは必ずしもそれが問題ではない、直接の問題ではないということで、市場に電気がちゃんと供給できずに需要と供給のバランスが崩れたというのが大きな理由であります。それが長期間にわたったというのが今回の問題の本質だろうということであります。

 ちょっと資料にまとめましたので、さっと見たいんですが、資料一番、電力需要の増加がこの逼迫の原因かということで、上の表は経産省からいただいた資料でありまして、この折れ線グラフ、赤い線が昨年の同時期の需要、青い線が今年の需要でございまして、見ると、大きく今年の方が増えているよという話でありますが、これは今年と去年しか比べていないんですね。

 下の表は、都留文科大学の高橋先生が作ってくださったグラフでございまして、これは、過去、一六、一七、一八、一九、二〇と五年間で比較をすると、去年が特別突出しているわけではないということが言える。そして、上の表を見ていただくと、赤い四角で囲われたところが電力が逼迫をしたということでございまして、確かに逼迫をしたタイミングはあるんですけれども、ずっとではないんですね。これが一つ。

 それから、資料二を見ていただくと、これは上が太陽光発電の同時期の実績でありまして、太陽光発電が大変平均発電量を下回ってしまって余り発電量がなかったんだということで説明いただいておりました。

 じゃ、私は、再エネというと、太陽光だけではありません、風力はどうだったのと。下の風力の表は、実は当初、経産省からもらっていないんですよ。お願いをして作ってもらったのがこの下のグラフでございます。見ると、前年の一月平均よりも一八%増加していて、例えば東北なんかを見ると、太陽光は赤字になっているところが、風力がかなり頑張って発電しているんですよね。

 もちろん、風力発電、まだまだ総量は少ないですから、それが大きな助けになったかというのはあるんですが、でも、これをバランスよく入れて、風力がもっとちゃんと入れば、当然、相互に補完し合って安定につながってくるというのがこの表から分かるはずです。

 資料の三番は、LNGの在庫の逼迫が原因だという話なんですけれども、この点については、二月の二十五日、電取委の方で公開ヒアリングをやっていただいて、私も一生懸命昨日見ましたが、かなり分析をしていただいています。だから、これは一概に言えないんだけれども、LNGの在庫の推移が価格の高騰とリンクをしているかというと、必ずしもそうでもないということもデータの分析によっては言えるということであります。

 こういう状況があって、私がここで言いたいのは、今回発生した事象というのは市場の機能不全の要因が大きい。いわゆる玉出しという、売りの電気が減ったということに対して、適正かどうか、不正があったのではないか、そういったところは今分析をしていただいていると思いますが、市場がうまく機能していなかったというのは今一致している見解だと思うんです。

 これで一番影響を受けてしまったところはどこなのか。梶山大臣、今まで説明はちょっと要約をしましたが、一番影響を受けてしまったのはどこなのかをちょっと聞かせてください。

梶山国務大臣 まずは小売のところとそれに連なる消費者の方々ということで、市場連動型の契約をされている方々はやはり大変大きな負担になるということであると思います。

山崎委員 今お話がありました、新電力と言われるあれですね、電力自由化から小売に参入した会社が今、大変厳しい。例えば、この期間、資料の四にもありますが、通常一千万で買っていた仕入れをこの期間だけで四千万円払わなきゃいけない。

 新電力というのは、元々、地域で立ち上がったような、そういう意味では、財務体質としてはそんなに強固でない企業も多くございますよね。そういうところにとっては、こういう財務上のインパクトというのは大変大きくて、三月あるいは四月で倒産ではないかと言われています。悲鳴が上がっています。

 私は、この新電力というのは絶対やはり潰しちゃいけないんだと思うんです。というのは、脱炭素社会、そして、これからつくっていく分散型の再エネやそういったエネルギーをうまく使った新しい社会をつくっていくための牽引車にならなきゃいけない。そういう認識でおりますが、どうですか、梶山大臣。

梶山国務大臣 自由化の中で、新電力、六百社以上できているわけでありますけれども、そういった中でプレーヤーであることは間違いないと思っております。

 ただ、こういう市場の仕組みというものを理解をしてリスクヘッジをしている会社もある中で、一方で、ここだけ救済という形にはなかなか難しい部分がありますので、支払いの猶予と分割等も含めて、あと、相談の窓口をつくりながら今後考えてまいりたいと思いますし、委員がおっしゃったように、二月二十五日にいろいろなヒアリングを、報告徴収の命令をかけて、またヒアリングもさせていただきました。

 複合的な問題もありますけれども、市場の課題もあるだろうと、私自身は、予断を持って申すことはできませんけれども、考えておりますので、それの結果を見ながら、どういう市場にすべきか、また当面の支払いについてはどうすべきかということも考えてまいりたいと思っております。

山崎委員 これはこれまでもいろいろな議論があったので、市場がやはりうまく機能しなかったというのは、例えば海外の事例なども分析をすれば明らかなんですよね。それは、是非今後、公開ヒアリングの結果をまた分析をしていく、その過程も大変期待しているので、しっかりと、うやむやにせずに、この原因究明を徹底していただくというのが一つです。

 それと、今お話ししたような新電力。この新電力というのは、本当に、再生可能エネルギーを地産地消で入れたいねと市民の皆さんが出資をしながら動かしているところだとか、生協関係とか、地産地消、顔の見える電気を何とか届けたいとか、そういう志とか理念を持って皆さん仕事をされているんですよ。

 それで、もちろん、いろいろなリスクヘッジが足りなかったとか、そういうところはみんな分かっている。そこを今後やる。それはやりながらも、今、市場の欠陥、市場のオペレーションのミスで、こういう会社を潰しちゃいけない。本当に脱炭素社会をつくりたいんだったら、あるいは、再エネをたくさん入れて新しいカーボンニュートラルの社会をつくっていこうとするのであれば、ここでこういう企業を潰してはいけないと思うんですよ。

 そして、例えばお金、様々かかるお金ですね。ここでコストが跳ね上がってしまった、そうしたら分割するのは分かります。分割するんだったら思い切って分割していただきたいし、要するに、会社を潰さないためには何が必要かという視点で支援をしてもらいたい。

 私は、これは救済ではなくて、市場がうまく機能しなかったところはどこなのか、どういう価格で落ち着いていればよかったのか、そういったところをしっかりと分析していただいて、補正をしていただきたいんですよ、補正を。是非そういう視点で分析をし、手当て、補正を考えていただきたいんです。どうぞ。

梶山国務大臣 先ほど申しましたように、この事案ができてすぐに報告徴収命令を出しました。それに基づいて、先般、二月二十五日にヒアリングをしたということでありますけれども。

 委員が冒頭おっしゃいましたように、複合的な要因もあるわけなんですね。市場の問題だけではなくて複合的な要因もあるという中で、LNGであるとか気温であるとか、また再生可能エネルギーの発電量であるとか、さらにはまた、バックアップ電源がだんだんだんだん毎年減ってきている、それを設備するだけの投資がなかなかできないという状況も踏まえてなっている部分もありますので、それらも含めて、市場でどう反映させていくかということをしっかりと考えてまいりたいと思います。

山崎委員 これは大変難しい議論なので、なかなかフォローし切れないんですけれども、二月の二十五日の議論を見ていても、単にLNGが逼迫したということだけでは説明がつかない。それによって価格が異常に上がっていってしまっていて、予備力がまだあるのにもかかわらず、価格が高値で張りついているという状況については説明できていない、説明し切れていないんですよ。

 そういったことがございますので、よくよくここは、いろいろな専門家にも意見を聞きながら分析をして、手当てを是非していただきたい。強くそこは要望させていただきますので、お願いいたします。

 残り時間僅かですが、もう一つ。

 東京電力の福島第一原発、二月の十三日の地震の影響、これは本当に現場の、地域の皆さんも心配です。震度六弱と書いてありますが、様々な異変が起きているということであります。

 例えば、一号機、三号機は、原子炉格納容器の水位が低下しています。原因はいろいろ分析中でしょうけれども、これだという要因は分からない。それから、例えばこの水位というのは、本当にこれで低下が止まるのかどうか分からない。あるいは、様々なタンクが、位置がずれてしまうほど動いてしまっていたり、いろいろな漏れが生じたりということであります。

 今後もこうした地震が起こる可能性が高いということが大変な衝撃になっています。私は、同様な地震が発生することを想定して、今の事故炉の安全をどう確保するのか、それから、廃炉作業はずっと続いています、この廃炉作業の安全をどう確保するのか。十年経て緩みがあったり油断があったりしてはいけないと思うんですが、この地震の教訓をどう次に生かすか、教えてください。

梶山国務大臣 地震後の第一報として、外部に放射能漏れがないかどうかということでのモニタリングポストの数値、また、作業箇所の形がどうなっているかということも調べて第一報がありました。

 その上で、後から分かってきたことも幾つかあるんですね。震度計がついていなかったということもある。また、委員がおっしゃったように、タンクがずれて動いたということもある。そういったものに対して細心の注意を払って報告また確認をするようにということで、私の方から指示を出して、資源エネルギー庁長官から注意をさせました。

 さらにまた、タンクは下に固定していると逆に強度がなくなるということも分かりまして、そういった形でずれがあった、ずれは許容の範囲なのかどうなのかということもしっかりとやはり調べなくちゃいけないということで、ここのところ少し、東京電力、そういう報告漏れとか、こちらから見ていてもずさんなところがあったりするものですから、しっかりと対応するようにということで、今、注意をして、報告を待っているところであります。

山崎委員 午前中、うちの枝野代表から、原子力緊急事態は継続中だということがございました。残念ながら、菅総理から具体的な言及はなかったと思うんですが。

 このお話というのは、やはり今、大熊、双葉では住民の皆さん、帰宅準備をしていたり、帰還を始めていたりということでございますから、もう地域に皆さん住み始めている。その中でこういうことが起きているということは、本当に私は、次の災害は絶対起こしてはいけないという立場で、例えば避難計画を新たにどういうふうに立てているのか、あるいは緊急事態をどういうふうに皆さんにお伝えするのか、そういうことが本当にできているのか。それは、地元の地方自治体任せじゃなくて、本当に国が責任を持ってお守りする立場にあると思うんですけれども、その点、どうですか。

梶山国務大臣 避難計画であるとか実効的な避難ということは、やはり国も大きな責任を負っていると思いますので、しっかり関わってまいりたいと思っております。

山崎委員 もう時間ですので、もう一つは、東京電力の柏崎刈羽原発のIDカードの不正使用、これもお話をしたかったです。私は皆さんにお伝えしたかった。これは、核物質の防護のお話、案件ということで、情報が出てこないんですよ。核物質防護だから、テロ対策などいろいろなことの経緯があって情報が出てこない。本当に氷山の一角じゃないか。いろいろなことがぽつぽつぽつぽつ起こっているようだけれども、中身は教えてくれない。これは、核物質防護という言葉が隠れみのになって、本当に大事な、大きな事故あるいは事件につながるようなことが隠れているのではないか、そんなふうに不審に思ってなりません。

 本当に原子力の信頼を得るために、もし本当に再稼働、これから原子力推進をしていくのであれば、こういったことがないように徹底的に取り組んでいただきたいと最後にお願いをして、終わります。

 ありがとうございました。

金田委員長 これにて山崎君の質疑は終了いたしました。

 次に、本多平直君。

本多委員 立憲民主党の本多平直です。

 まず、撤回をされましたイージス・アショアの後継策の検討について、少しお話を聞かせていただきます。

 今お配りをしている資料を是非委員の皆さん、御覧になっていただければ幸いです。

 一枚目は、実はイージス・アショアを推進している頃、まだ中止になる前の資料です。イージス・アショアの方が安いんだよ、千二百六十億円でできるよと、一つですね。しかし、イージス艦は一隻二千億かかるよという説明で全国を回って、特に秋田と山口でアピールをして回ったわけです。

 実は、米印でちっちゃい字で書いているところを読めばいろいろ書いてあって、うそはついていないんです。しかし、こういうのを消費者庁とかに出すと詐欺だと言われるぐらい、いろいろ小さい字を読まないと分からないようになっているとんでもない資料なんです。イージス・アショアを推進しているときは、イージス・アショアが安いよ、イージス艦が二千億だよというとんでもない資料なんです。

 二枚目、皆さん、御覧になってください。

 今度、中止をして、今皆さんが、政府・与党が計画をしているやつです。プランA、B、C、Dといってごまかしているんですけれども、いろいろ。BとCとDは当て馬みたいな案でないので、やはりプランAを基に今後いろいろやっていくそうです。岸大臣、いいですよね。プランAのとおりではないということでいいですよね。

 ここでもイージス・アショアが参考に出てきていますけれども、皆さん、見ていただくと分かるんですけれども、前のページで千二百六十億円だったものが、今度はイージス・アショアの方が結構高いよというとんでもない数字になっているわけですね。

 もちろん、役所の文書ですから、うそはついていないんですよ。米のところを読むといろいろ、うそはついていないんだけれども、国民とか、国会議員の説明用も、この紙で与党の皆さんも審査したと思うんですよ。忙しい我々は米のところまで読まないですよね。そして、プランAの二千四百億円―二千五百億円というのも、このとおりの額でそのままいくかは全く分からないと。今後、つまり、陸に置くものを船に置くわけですからね。そんな、世界でもない船を初めて造る。幾らかかるか分からない作業がこの予算の下で始まっていくということです。

 それで、少し遡りますけれども、三枚目を見てください。

 ずっと、そもそもレーダーの選定、アショアの頃のレーダーの選定からSPY7とSPY6という二つの案があったのを、この選定はおかしいんじゃないか、共産党の穀田議員から続いて私も質問してきましたけれども、大臣にまずお聞きをします。

 これは、提案者のところを皆さん、見てください。

 SPY7は二つも提案者がいるんです、米国ミサイル防衛庁という役所と造っているロッキード・マーチン社、これが提案者です。ところが、落選した方のSPY6、実はアメリカ海軍はこれを採用しています。レイセオンという会社が造っています。レイセオン社は提案者にしてもらえず、そして実際に使っている米海軍もここには入れず、米国ミサイル防衛庁という役所、この人たちはSPY7を使っている役所です、こういう人が提案をしてきて、私は、これはアメリカに言われてこういう提案者になったという説明を事務方から聞きました。

 しかし、一見して、SPY7を自分たちで使っている会社と造っている会社が提案者、片やメーカーも提案者に入れてもらえず、そして海軍も説明にも来れない。この提案者の非対称からして、最初から何か、これはアメリカ側から提案が来ても、おかしいんじゃないかと言うべきだったんじゃないですか。

岸国務大臣 二〇一八年に、当時の選定手続におきましては、まず防衛省から提案要求書を米国政府、企業に示して、それに記載されている事項に基づいて先方から提案がなされるという仕組みでなっているところでございます。

 その結果として、SPY6についてはFMSでミサイル防衛庁、いわゆるMDAから、そしてSPY7についてはFMSとDCS、いわゆる一般輸入のダイレクト・コマーシャル・セールスですけれども、を組み合わせた形態でMDAとロッキード・マーチンからSPY7については提案があった、こういうことであります。

 その上で、二〇一八年のイージス・アショアのレーダー等の構成品の選定に当たって、米国からは、先日、米国ミサイル防衛庁は誠実な仲介者としての役割を担っており、SPY7を推すようなことは一切なかった、公平公正に業務を遂行したという回答を得ています。

 すなわち、こちらからの要求に対して、先方からそういう形で出してきたというのが実態であります。

本多委員 ですから、私たちは疑っているんです。証拠はないけれども、米国ミサイル防衛庁が最初からこういう提案者で、どう考えてもSPY6の方が不利じゃないですか、直接説明ができないんですから、提案者として。

 こういう構成からおかしいということを、今後も、野党で合同してチームをつくりましたので、しっかり調査していきますので、この調査にも協力していただきたいと思います。私は、今日は冒頭の指摘をしておくということです。

 さらに、今問題になっているのは、イージス・アショアを中止した後にも、かたくなにこのSPY7にこだわっていることです。

 SPY6も検討しろと与党の防衛族の先生もおっしゃっています。それから、自衛隊OBの方も、SPY6も検討すべきだという主張をたくさんされています。なぜそうかというと、SPY6のレーダーは海軍で使うものですから船に載せやすいんです、すぐ。ところが、SPY7は地上に置くためのものだったので、船を大きくするかSPY7を小さくするか、すごくお金がかかるんです。だから、陸に置くものを船に載せることにするなら、この際、ちゃんとSPY6ももう一度検討すべきじゃないかということを、我々のみならず与党の議員の皆さんもおっしゃっています。

 かたくなに、あっという間に、SPY7とSPY6、もう一回検討しますよという話をせずにSPY7で突っ切るんだと、こんな大きな状況変更があったのにもかかわらずSPY7でいくんだと決めた理由は何ですか。

岸国務大臣 簡単に言いますと、SPY6よりSPY7の方が性能的に優れていたということであります。

 昨年の六月にイージス・アショアの配備プロセスを停止して以降、その代替案について検討を開始したところでありますが、SPY7を含む既に契約しているイージス・アショアの構成品が、二〇一八年に実施した選定プロセスの中で、他の候補となっていた構成品と比較しても、基本性能、後方支援、経費、それぞれの面でより高い評価を得た最新鋭の装備であるということ。

 特に、SPY7は、広いエリアで、また、より高い高度で多くの目標を探知することが可能である、多くの目標を追尾できるためにロフテッド軌道のミサイルや同時発射された複数のミサイルへの対処能力の向上を図ることができるという点で、我が国のニーズに適合していたということが言えると思います。

本多委員 専門的な、技術的なところはずっと隠されているわけです。大臣はそう判断したということしか私たちには情報がないんですけれども、大臣が今おっしゃらなかった点はコストなんです。与党の先生方でSPY6も検討すべきだと言う先生方は、多少レーダーの性能はSPY7の方がいいかもしれないけれども、余りに金がかかるんじゃないかという指摘なんです。

 ですから、今大臣はコストの点に一つも触れませんでしたが、コストのことを話さずに検討するのは、防衛費、無尽蔵にあるわけじゃありません。こういうところにかけているせいで、尖閣の守り、先日指摘したトイレットペーパー、こういうところにしわ寄せが行くんですよ。だから、ここに無尽蔵に金がかけられるならいいですよ、石油でも出て、日本で。そうじゃないからコストも考えて検討すべきだということを指摘をしておきます。

 それで、一定、少なくとも、これは本当にレーダーの性能なのかという疑惑はあるんです。なぜか。つまり、SPY7をやめたらキャンセル料がかかります。これが幾らかかるかと大問題になるわけですよ。だから無理やりSPY7を押し通しているんじゃないかという疑惑を持っている人もたくさんいます。

 払拭するためにも、もしSPY7をキャンセルしたら、どれぐらいの違約金と、どれぐらい払い込んで戻ってくるお金が出るかぐらい、きちんと確認をしているんですか。すべきだと思いますが、いかがですか。

岸国務大臣 SPY7を含む、それまでに契約をしていたイージス・アショアの構成品、これは二〇一八年の選定プロセスの中で、先ほども言いましたけれども、他の候補より比較して基本性能やその他の面、経費についても、それぞれの面でより高い評価を得ていたということでございます。

 その上で、SPY7を含むイージス・アショアの構成品について、これを利活用する方向で検討するということにしたものであって、代替案の検討において既存の契約を解除することは考えておりませんでした。

 また、一般論で申し上げますと、防衛装備品等の調達においては、契約上、国の解除権が認められております。国側の都合によって契約を解除した場合には、いわゆる損害を賠償する必要が出てくる、こういうことであります。

 なお、この場合は、違約金という言い方ではなくて、損害の賠償という言い方になるわけですけれども、それについては発生をしてくる、こういうことであります。

本多委員 損害賠償の額もきちんと米国と交渉しないまま、SPY7ありきで進んでいるわけですよね。

 少なくともここに、私は、結果としていいですよ、それは、大臣、全部はつまびらかにできないこともあるでしょう、レーダーの性能なんて。しかし、このプランA、プランB、プランC、プランDとかと出している暇があったら、与党の先生方も言っているような案も含めて検討すべきだったということはきちんと指摘をしておきたいと思います。私は、この問題を引き続きしっかりと安全保障委員会でも追及をしていきたいと思います。

 防衛大臣はここで結構です。

 続いて、大変お忙しい中、NHKの会長にお越しをいただいています。

 山田真貴子内閣広報官、辞任をされましたので、山田真貴子さんにはお聞きをすることができませんが、前回もお聞きしました首相の、菅総理、就任直後の「ニュースウオッチ9」出演の後の、NHK、政治部長なのか周辺の方なのか、電話があったかどうか、もう一度お答えいただけますか。

前田参考人 お答え申し上げます。

 昨年十月二十六日に放送いたしました「ニュースウオッチ9」に菅総理大臣に御出演いただきました。その際には、内閣広報室に日程調整などの対応をお願いいたしました。

 その日は、私も会長として総理をお迎えし、番組終了後、午後九時二十分ちょっと後だったと思いますけれども、お見送りをいたしました。そのとき総理から特段の、何の御指摘もございませんでした。

 また、御質問ございましたので、現場に、そういう電話があったか、山田広報官から抗議を含めて何か電話があったのかという確認をさせていただきました。そのような事実はございませんでした。

本多委員 最初からそういうふうにきちんと抗議の電話はなかったと言われると、電話はあったんじゃないかと思います。

 今日は会長、きちんと来られている方ですから、民間から今NHKに行かれて頑張っている方ですから、今調べていただいたことを信用しますけれども、こういう話が……(発言する者あり)何か失礼なことを言いましたか、私。信じますと言っているんですから。

 こういうことが会長の耳に入らないところでもしもまだあったりとか、私は、相当あの内閣広報官の答え方も、残念ながら疑わざるを得ないんですよ。今日の会長の答弁の仕方も、本当、誰かがどこかでうそを言っているんじゃないかと、これが大ごとになったら困るから。

 じゃ、一言聞きますけれども、そういう電話が政府の高官からあったら、適切だと思われますか、放送法の観点から。

前田参考人 お答え申し上げます。

 仮にそのようなお電話があったといたしましても、私はNHK会長として、そのような御要望を受けるわけにはまいりません。あくまでNHKは自主自律でございまして、そういうことで忖度することはもちろんございません。

本多委員 私たちが払っている受信料でやっている放送ですから、是非その姿勢を、そういう電話があったら、もちろん毅然とはねつけてほしいし、世間にも明らかにしてほしいですよ、本当にけしからぬ話なので、もしあったらですよ。

 そういうことが長い政権の間で本当になかったのか、今回のことを別としても。そのことはしっかりと肝に銘じて、まあ、電話をしないのが一番ですけれども、政府側がそういうふざけた電話を、きちんと対応を、はねのけて、していただくということを今日のところは信用しておきたいと思います。

 続いて、総務省の皆さんにお聞きをいたします。

 谷脇審議官、私が前回質問したときには、衛星の値下げについては、そんなこと詳細は承知していないというふうにお答えになりました。しかし、その後、いろいろな委員会に出られて、このまさに衛星の値下げがメインテーマの十一月六日のワーキンググループ、オンラインで見ていらっしゃいますよね。私への答弁は間違っていませんか。それとも、オンラインを見ながら寝ていたんですか。何なんですか。

谷脇参考人 お答え申し上げます。

 二月二十二日の本委員会におきまして、衛星設備使用料に関する衛星放送業界の御要望については、具体的に認識あるいは把握をしていなかったというふうに御答弁を申し上げました。

 今委員御指摘の衛星放送のワーキンググループ、第十一回の会合でございますが、昨年の十一月の六日にウェブ開催をされておりまして、私も自室の端末から参加をしておりまして、当日は論点整理等が行われております。その中でコスト削減の在り方も議論の一つとして出ていたという点は、議事要旨や当日の資料で改めて確認をいたしました。

 ただ、その具体の内容逐一について頭の中に入っておりませんでしたので、二月二十二日の御答弁のように、具体的に認識、把握はしていなかった、端的に言うと忘れていたということで申し上げたわけでございます。

本多委員 業界にとってはすごく大事な要求が出ている、それがメインのテーマの会議をウェブで見ていたけれども忘れていたという御答弁をいただきました。

 秋本さんにも、もう一回ちょっと確認をしたいと思います。

 あのテープの音声が出てきて、いろいろなことをおっしゃっているんですけれども、ここだけ妙に解説をしていただいた部分があるんですね。

 全部上で決めている、谷脇が決めているんだという音声が残っておりました。それに対してわざわざ、谷脇は通信の人だから、通信のことは谷脇が全部決めているというような話はしたかもしれないけれども、放送の話はしていない、こういう言い訳をわざわざ、記憶が余りない飲み会の記憶はここだけはっきりしていて、谷脇さんをかばっていらっしゃるんですけれども。

 谷脇さんは審議官として放送も担当されていますよね、総務審議官。だから、秋本さん、通信行政は谷脇さんが仕切っているんですか。じゃ、放送行政は誰が仕切っているんですか。

秋本参考人 お答えいたします。

 週刊誌に掲載された記事についてお尋ねをいただきまして、その中で、谷脇で判断しているという私の発言について、文脈が必ずしも定かでない、よく覚えていないという趣旨で申し上げた次第でございます。

 谷脇は、情報通信、郵政行政、全般にわたりまして、総務審議官として私どもを指導をしております。政務三役に上げる前には、放送も含めて谷脇に私ども説明をしております。

本多委員 ですから、別に通信だけに限っていないわけですよね、谷脇さんの任務は。そういうことを何か、さも誘導に、谷脇は絡んでいないみたいにかばうのをやめていただきたいなと思います。

 吉田審議官にもお聞きをします。

 元囲碁将棋チャンネルの社長である岡本さんを衛星放送協会の専務理事に便宜供与をしたことがあるかということに関して、秋本さんは全く思い当たることがないと答えているんですけれども、吉田さんもそれでよろしいですか。

吉田参考人 お答えを申し上げます。

 全く思い当たることはございません。

本多委員 ちなみに、吉田さんと秋本さん、両方にお聞きしたいんですけれども、もしあっせんしていても違法でも何でもないですよね。知り合いで、業界団体にたまたま、天下りでも何でもないですから、民間の人が、業界団体の専務理事のポストが空いていて紹介しても別に何の違法性もないと私は思うんですけれども、本当にかたくなに、会話で出てきていることなので聞いているんですけれども、本当に全くないということでよろしいですか。

吉田参考人 お答えを申し上げます。

 繰り返しになりますが、岡本氏の件については、私は全く思い当たることはございません。

本多委員 吉田さん、じゃ、一つこれだけは確認しておきます。

 日本衛星放送協会というと何か中立的な業界団体みたいに見えますけれども、実は、会長が東北新社の社外取締役、そして専務理事もここの出身者、つまり相当東北新社に近い会社だと。つまり、衛星協会という形でいろんな要望を総務省にしていますけれども、あそこはトップも専務理事も、ああいう協会を事実上仕切る方ですよね、このどっちも東北新社関係者だという認識はありましたか。

吉田参考人 お答えを申し上げます。

 衛星放送協会の役員につきまして、現会長が、元NHKの副会長でいらっしゃいますけれども、衛星サービスに非常に通じた方でいらっしゃいますが、現在、東北新社の社外取締役を務められている方、それから、岡本さん、現在の専務理事が東北新社の御出身ということについては承知をしております。

本多委員 聞きたいことはまだあるんですけれども、これからはもう第三者委員会、これをしっかり信用していくしかないと思っているので、大臣にお聞きをします。

 行政がゆがめられなかったかどうかは第三者委員会でしっかりやってもらうということをずっと我々お願いしているんですが、日によっては、大臣、我々の質問に対して、ありとあらゆるものの検証に努めていただくと、自分が、第三者委員会で決めるけれども、ありとあらゆるものの検証に努めていただきたいと言っている日もあるんですけれども、日によっては、何か、放送基幹業者の認定とかとむちゃくちゃ絞っているんですよね。

 少なくとも、我々が委員会で指摘してきた二〇一八年の放送スロットの割当てとか、それからずっと指摘をしているワーキンググループ、この一回中断したワーキンググループの政策決定の在り方、衛星の料金引下げ、今後の4Kの割当て、こういう我々が委員会で指摘したことぐらいはきちんと調査してもらうということでよろしいですか。

武田国務大臣 本当に、今回多くの疑念の目が向けられることに申し訳ない限りなわけですけれども、諸先生方の国会の指摘というものを正面から受けて、いかにこの委員会というものが客観性そして中立性、透明性を図っていけるか。決して、総務省の職員がこれを仕切るわけではなくて、しっかりと第三者の有識者がこの委員会を編成し、そしてまた、その会の進め方や在り方についても、我々が決めるのではなくて、そうした方々にしっかりとしたジャッジをしてもらうということに、これは揺るぎないものであります。

 今日まで国会で御指摘いただいたことも踏まえ、その委員会にはしっかりとした報告をしながら、判断そしてまた指導を仰いでまいりたいと考えております。

本多委員 是非よろしくお願いします。これは万が一、ゆがめられたポイントを僕たちは六つか七つ指摘しているわけですけれども、官房長は今日呼んでいないから来ていないんですかね、時々官房長が何か一つに絞ったような紙を大臣に渡したり変なことを言っているので、是非きちんと、我々が言った論点は、当然、調べなかったら、こんなの第三者委員会として私たちは認めませんからね、よろしくお願いしたいと思います。

 さて、残った時間は、野上大臣、私は、国民は総務省の方が焦点が当たって怒っているけれども、私個人はもう農水省の対応に非常に怒っています。

 元はといえば、吉川さんという特殊な、いつの時代かという方が大臣室で金をもらっていた話だから、せっかく頑張ってやろうと思っている農水大臣とかそこの官僚の方、総務省の官僚よりかわいそうだったわけです、最初は。大臣に呼ばれたら行くよねと、私もそう思っていました。

 ところが、余りに真相隠しと調査の遅延、総務省の陰に隠れてごまかし切れると思って、我々をばかにしているんだか何だかひどいことをしてきたので、あなたの大臣としての資質を問うていきたいと思います。

 まず、二月二十五日、「国家公務員倫理規程に違反する疑いのある会食について」と、まあ一応、大臣に呼ばれて行ったかわいそうな官僚の方々が処分をされました。ところが、総務省はちゃんと幅広くほかにもないかと調査をしているんですけれども、一応したふりをしましたよね、あなた。

 また、吉川大臣の在任期間中って、誰がこんなことを絞れと言ったんですか。僅か一年。総務省はそんなことをしていませんよ。吉川元大臣の在任期間中のたった一年と絞って、生産局長及び畜産部の室長級以上の管理職を務めた者並びに過去五年間に、これも総務省は全部遡って調べさせたんですよ。だから、あれだけ、関係ない人まで出てきたり、山田真貴子さんも出てきたわけですよ。

 あなた、勝手に五年と絞って、挙げ句に、養鶏、鶏卵を所管した課長補佐以上と言っているんですけれども、養鶏、鶏卵を所管した課長補佐というからちゃんと今回の関係者はやってくれたのかなと思ったんですけれども、これは本当にそうなんですか。どこの課なんですか、これは。

野上国務大臣 私からも、今般、このような件になりまして、農林水産行政の信頼を大きく損なうことになりましたこと、改めておわびを申し上げたいと思います。

 今回の調査は、報道にありましたアキタフーズ関係者との二回の会食を端緒に開始をしたものでありますので、当該会食へ参加した者はいずれも生産局長及び畜産部の管理職であったことを踏まえまして、倫理審査会からの指導も受けた上で、生産局長及び畜産部の職員を対象に聴取を行うこととしたものであります。

 具体的な対象につきましては、吉川大臣の在任期間中に生産局長及び畜産部の室長級以上の管理職を務めた者、また、過去五年間、養鶏、鶏卵を所管した課長補佐以上の職員が対象でございます。

本多委員 そうやって時間を潰して、人の時間を奪うのはやめてください。

 養鶏、鶏卵を所管した課長って、どこの課ですか。関係課を全部やっているんですか。

野上国務大臣 食肉鶏卵課の課長補佐を調査したということでございます。

本多委員 だから、こうしてひどいんですよ。

 今回、この会食に出たのは、別な課の課長もたくさん出ていますよね。畜産振興課、畜産企画課、会食に出た人だけだってこれだけいるし、今回、鶏卵に、私がこの一か月で呼んだ名刺を見たって、大臣官房予算課は別としたって、畜産企画課、畜産振興課、それからアニマルウェルフェア、注目されているアニマルウェルフェアは全然別な課じゃないですか、動物衛生課。何で調べないんですか。それから、今回の調査では、貸付けも何か有利にしていたんじゃないかということで、金融調整課も担当じゃないですか。

 これは国会を欺いていますよ。養鶏、鶏卵を所管した課長補佐以上の職員を対象に調査を行ったが会食や違反は確認されなかったって、これ、私が確認するまで、国会を欺こうとしていませんか。養鶏、鶏卵を所管した課って。今回注目されている課は、少なくとも五つも六つもあるんじゃないんですか。

 こういうこそくな調査をやって白だったと言う、こんな調査をよく平気で出してきたと思っているんですけれども、いかがですか。

野上国務大臣 これは養鶏と鶏卵の業界を所管するのが食肉鶏卵課ということでございまして、そこを調査したわけでありますが、これも倫理審査会からの指導を受けた上で調査をしたものでございます。

本多委員 こんなことを、仕組みを分かっていない人事院のせいにしないでくださいよ。

 調査してもらえませんか、関係のある、少なくともアニマルウェルフェアとか。これを抜かしていたら調査にならないじゃないですか。関係課を全部調査してくださいよ、同じ調査。総務省はやっているんですよ。

野上国務大臣 これは養鶏と鶏卵の業界を所管する食肉鶏卵課を調べたということでございまして、これも倫理審査会からの指導を受けた上でやった調査でありまして、妥当だというふうに思っております。

本多委員 本当に与党の皆さんもいいんですかね。この食肉、鶏卵に関係するって、関係していませんか、畜産振興課は。

野上国務大臣 養鶏と鶏卵の業界を所管するのは食肉鶏卵課でございますが、畜産に関する部署につきましては管理職の調査をやっているということでございます。

本多委員 ほかの課も調査をすべきではないですかと言っているんですけれども、いかがですか。今回の事案に関係をしているほかの課がたくさんあるので、調査をして潔白だったって、一見潔白かとだまされるんですよ、こんな紙。きちんと調査してくださいよ、その担当課ぐらい。おかしいでしょう。

野上国務大臣 先ほど来申し上げているように、養鶏と鶏卵の業界を所管するのが食肉鶏卵課であり、そのところを調査をしたということでございますが、今の御指摘も踏まえまして検討してみたいと思います。

本多委員 当たり前ですし、私はずっと野上さんの、何かその調査を、こんなの吉川さんと西川公也が悪いんじゃないですか。きちんとやるべきことをやればいいじゃないですか。あなたの対応のせいで、みんな官僚、おかしな目に遭っていると思いますよ。だから、私、あなたの調査が、この第三者委員会だって、また聞くと、養鶏、鶏卵行政に携わった職員ってどこに聞くかといったら、食肉鶏卵課のみなんですよ。ひどくないですか。アニマルウェルフェアの担当課の話も全部聞かないらしいですよ。あなたのやっているこの第三者委員会も全く信用できないんですよ。きちんと武田大臣にやり方を聞いてみたらいいんじゃないんですか。普通の行政をやってくださいよ。

 伏見さん、最後に。あなたは接待を受けただけじゃないですよね。秋田会長から、二〇一八年一月四日に会食、十九年三月二十八、五月十七、六月五日、七月三十、八月二十日、九月三日、九月十八、会食、十二月十七、一年に九回も、七回も局長室だか課長室で会っていますけれども、これは何をしゃべっているんですか。

金田委員長 農林水産省大臣官房審議官伏見啓二君、時間が来ておりますので、まとめて要領よく答えてください。

伏見政府参考人 面会をしているのは事実でございまして、私は特定の社の方のみ会っているわけではございませんで、その当時、畜産振興課長であったときは、畜産振興課が養鶏協会の窓口になっておりましたので、その関係で私のところに必ず来るような形になっておりました。

本多委員 あなたは、牛も豚も所管しているんじゃないんですか。鳥の特定の会社と一年に九回も会っていたというのは非常に不適切な、特定の会社とだけ会っていたということを指摘して、そして、大臣のやっている調査は全然信用できないということを申し上げて、私の質問を終わります。

金田委員長 これにて本多君の質疑は終了いたしました。

 次に、塩川鉄也君。

塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 最初に、農水省の接待問題について質問します。枝元次官にお尋ねをいたします。

 吉川貴盛元農水大臣が在任中に鶏卵大手企業アキタフーズから現金五百万円の賄賂を受け取ったとして、東京地検特捜部は一月の十五日、吉川元大臣を収賄罪で、アキタフーズの秋田善祺前代表を贈賄で在宅起訴をいたしました。吉川貴盛元農水大臣らの政策買収疑惑であります。

 その当事者となったアキタフーズ代表の秋田善祺氏と農水省職員が、二〇一八年十月と一九年九月の二回にわたって会食を行っておりました。農水省は、国家公務員倫理法の倫理規程に基づき調査を行い、アキタフーズ及び日本養鶏協会は利害関係者と認め、会食に参加した六人の職員を懲戒処分としたところであります。

 そこで、枝元次官にお尋ねをいたします。

 農水省報告書では、「事前に秋田元代表が同席することは認識しておらず、当日の会食現場で初めて同氏が同席することを知った」といいます。秋田元代表が同席していることは、その場でおかしいと思いませんでしたか。

枝元参考人 お答え申し上げます。

 当時、吉川元大臣から、河井先生と御一緒にということでお誘いを受けたというふうに記憶してございます。参りましたら、秋田氏がいらっしゃいました。

 おかしいというか、御同郷ということでございまして、広島の御同郷ということなので、何というんでしょうか、吉川大臣と河井先生とが中心の会ではございましたけれども、おかしいというか何というか、そこはその場にいらっしゃって、そのまま参加したものでございます。

塩川委員 秋田元代表がどのような人物かというのは御承知だったわけですね。

枝元参考人 お答え申し上げます。

 養鶏業界の重鎮でいらっしゃるので、どういう方かというのは承知しておりました。

塩川委員 そうしますと、利害関係者だということも承知しておられたんですか。

枝元参考人 お答え申し上げます。

 その場でそこまで思ったかどうかは別として、利害関係者であるというふうに承知をしてございます。

塩川委員 その場で利害関係者だと思わなかったんですか。

枝元参考人 どちらかというと、どちらかといいますか、吉川大臣と河井先生が中心の席でございましたので、余り秋田さんの方まで気にしなかったというのが正直なところではございます。

塩川委員 いやいや、政治家が参加していたというのはあったとしても、アキタフーズの秋田元代表が利害関係者だということは、顔を見たときに思わなかったんですか。

枝元参考人 お答え申し上げます。

 よく覚えておりませんけれども、思っておくべきだったろうと思います。

塩川委員 水田生産局長は知っていたと。そういう点でも、あるいは報告書の中でも、伏見畜産振興課長や望月食肉鶏卵課長は承知していたはずだといった関係もありますから、当然類推し得る立場にあったということは明らかであります。

 農水省の報告書では畜産部ルールというのを取り上げておりますが、この畜産部ルールを定めているというのは、農水省にとって、畜産業者との会食も多く、癒着が問題となっているからではないのか。そういう認識は、枝元さん、お持ちでしたか。

枝元参考人 お答え申し上げます。

 私が会食に出たときに、ちょっとそのルールがあったかどうか、承知いたしませんけれども、畜産の関係で問題があって、そういうことのルールが畜産に関しては決まっているということは承知をしてございます。

塩川委員 ですから、畜産部ルールというのがあって、やはり農水省としては、畜産業者との会食も多く、癒着が問題となっている、そういう認識はあったということですね。

枝元参考人 お答え申し上げます。

 畜産に関しては、過去もいろいろなことがございましたので、農林省の中でもそういう側面があるということは承知してございます。

塩川委員 それなのに秋田元代表が利害関係者だとその場で判断しなかったというところは、信じ難い話であります。

 会食の場でアニマルウェルフェアの話は出ませんでしたか。

枝元参考人 お答え申し上げます。

 養鶏についての話題も出たんだろうとは思いますけれども、二年半ほど前のことで、ほとんど覚えてございません。

 ただ、具体的な政策についての働きかけがあればさすがに覚えているというふうに思いますので、そのような働きかけはなかったというふうに認識してございます。

塩川委員 秋田元代表が同席をしているということは、その場に行って分かったと。でも、そういう場に秋田元代表がいたということについて、吉川大臣が何で秋田元代表のいる場に枝元さんたち農水省の幹部を招いたのか、そのことについてはどのようにお考えになったんですか。

枝元参考人 お答え申し上げます。

 ちょっとそこは分かりません。

塩川委員 分からないというのはちょっと分からないんですが、もう一回。

枝元参考人 お答え申し上げます。

 吉川大臣がなぜ私どもを呼んだのかというのを吉川大臣から特に聞いておりませんので、分かりません。

塩川委員 その後も確認をしなかったということであります。

 河井克行議員が同席していることについては、どういうふうに受け止めておられたんですか。

枝元参考人 その席自体は、吉川大臣の方から河井先生と一緒の席なのでということでお誘いを受けて参加いたしました。国会議員の先生、大臣と国会の先生ということで、そこは余り不思議には思いませんでした。

塩川委員 話題の方ですので。

 農水省官房長にお尋ねしますが、この農水省の報告書には西川公也内閣官房参与の関与については出てこないんですけれども、それはなぜでしょうか。

横山政府参考人 お答え申し上げます。

 本件は、当省職員の国家公務員倫理法違反に係る調査報告書というものでございますので、その点については必要な部分では触れていると思いますが、そういった性格の報告書でございます。

塩川委員 西川公也さんは、日本養鶏協会の顧問、アキタフーズの顧問という肩書があったと聞きますけれども、それはそのとおりですか。

横山政府参考人 済みません、通告がなかったので正確なところはあれですけれども、たしかその顧問になっておられたというふうに思います。

塩川委員 それならば、今回の報告書では、日本養鶏協会、アキタフーズは利害関係者です、顧問となっている西川公也さんは利害関係者だという判断というのはなかったんですか、枝元さん。

横山政府参考人 西川元参与に関しましては、もちろん元大臣でもあり、また内閣参与、あるいは与党の部会などにも御出席されている方ということでございますので、基本的にはそうした認識でございます。

    〔委員長退席、山際委員長代理着席〕

塩川委員 西川公也さんのブログを見ると、いろいろ使い分けているんですよね。内閣官房参与というときもあるし、日本養鶏協会顧問というときもあるんですよ。だとすると、両方の顔を持ってやっていたんじゃないのか。ですから、その会食の場では、日本養鶏協会顧問、そしてアキタフーズ顧問として、利害関係者の立場で会食していたんじゃないか。そういう観点で、倫理規程について農水省は報告をしないんですか。

横山政府参考人 御指摘の点につきましても、これはまさに国家公務員倫理審査会の御指導を受けながら調査を進めてまいりました。そうした中で、こうした調査報告書、そして処分を実施させていただいたということでございます。

塩川委員 農水省として徹底解明をするということが求められているんですよ。倫理審査会の話じゃないでしょうが。農水省としてしっかり解明するのかどうか。

横山政府参考人 国家公務員倫理法に基づく処分につきましては、国家公務員倫理審査会の了解を得ながら進める、これはまさに国家公務員倫理法の中に書かれている話でございます。それに基づきまして、我々としては、指導をいただきながら調査をし、処分をさせていただいたということでございます。

塩川委員 大臣にお尋ねします。

 倫理規程に伴っても、こういった利害関係者が類推されるような西川公也さんの調査もしないで、どうしてまともな報告書と言えるでしょうか。そういう問題についてどう考えるのかということと、この倫理規程上の懲戒処分で一件落着というわけにいかないわけであります。政治家の関与こそ解明すべきであって、贈収賄が問われる政策買収疑惑の解明こそ必要なんじゃないですか。

野上国務大臣 本当に、当省の職員が倫理規程違反で懲戒処分を受けるに至ったことに対し、深くおわびを申し上げたいと思います。

 倫理規程違反に対する調査におきましては、今官房長から申し上げたとおり、倫理委員会の指導に従ってやるものでありまして、部下を指導監督する立場にある幹部職員が吉川大臣からの誘いを受けてアキタフーズ元代表等と会食したものであります。職責や会食に参加した回数等を総合的に考慮しまして、倫理審査会の承認を得た上で、枝元次官以下三名の職員を減給とするなど、厳正な処分を行ったところであります。

 また、政治家の関与等々につきまして、これは今、第三者検証委員会でそのプロセスを検証をいただくということでございます。

塩川委員 農水省の報告書では、政治家との会食に関する農水省独自のルールを制定すると書いてありますけれども、農水省では、政治家の誘いには注意をしろということをここで示しているということですか。

横山政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の事案でございますけれども、政治家の方の招きを受けて会食した場合には倫理上の問題が生じないんじゃないかという、当省の職員のそこは甘い認識があった、このように認識してございます。

 こうしたことから、このルールでは、政治家の方と利害関係者の方が同席する会食に職員が参加する場合には、費用の金額、負担がどなたかということにかかわらず、大臣及び倫理監督官に届け出るということとしたものでございます。

塩川委員 それだけ政治家との関係についてしっかりと対応しなければいけないといったときに、倫理規程の問題にとどめず、贈収賄の事件であるわけですから、政治家の関与こそ解明すべきであって、大臣、アニマルウェルフェアの国際基準策定や鶏卵生産者の経営安定対策事業に関して、行政がゆがめられたのではないかという政策買収疑惑の徹底解明こそ農水省ですべきでありませんか。その点について、改めてお聞きします。

野上国務大臣 吉川元大臣また秋田元代表が贈収賄容疑で起訴されたことを受けまして、農林水産省としても、国民に疑念を持たれることがないように、公判への影響にも配慮しつつ、養鶏、鶏卵行政の公正性について検証いただくために検証委員会を設置をしたところでございます。ここで調査、検証を行っていただいて、その結果を取りまとめて公表していきたいと考えております。

塩川委員 西川公也氏の関与も含めて、この問題についての徹底解明が必要だと強く申し上げておきます。

 引き続き、枝元次官にお尋ねをいたします。

 枝元氏は、昨年七月から事務次官を務めておられます。そうしますと、枝元次官は農水省の倫理監督官ということでよろしいですね。

枝元参考人 お答え申し上げます。

 国家公務員倫理規程に基づきまして、事務次官が倫理監督官になってございます。

塩川委員 人事院に質問します。

 倫理規程には、倫理監督官は、職員に対し、その職務に係る倫理の保持に関し、必要な指導及び助言を行うとあります。倫理監督官というのはどんな指導や助言を行うのか、倫理規程の十五条第一項第一号を踏まえてお答えください。

荒井政府参考人 お答えいたします。

 倫理法第三十九条二項におきましては、倫理監督官は、所属職員に対してその職務に係る倫理の保持に関し必要な指導及び助言を行うとともに、職員の職務に係る倫理の保持のための体制の整備を行うこととされております。

 具体的には、禁止行為に該当するかどうかの判断ができない場合などにおいて、実際に相談に応じるなどのことを行っていくものと思っております。(塩川委員「利害関係者も。第十条の方で、利害関係者についてもアドバイスでしょう」と呼ぶ)もちろん、該当するかどうかですから、利害関係者に当たるかどうかの判断ができない場合などにおいては、実際に相談に応じるなどの対応をしていくものと思っております。

塩川委員 つまり、何が禁止行為か判断できない職員に対してアドバイスをするのが倫理監督官なんです。誰が利害関係者か判断できないという職員に対して指導助言を行うのが倫理監督官なんです。

 先ほどの枝元さん、聞いてもらったように、利害関係者が誰かということさえ明らかにできない人じゃないですか。そういう人が、何で倫理監督官が務まるんですか。大臣、枝元さんの答弁では、何が禁止行為なのかということについて、自らのことについても明らかにできない、利害関係者かどうかということについても判断ができない。そういう人が倫理監督官をどうして務めることができるのか。事務次官の資格そのものがないということじゃないですか。

野上国務大臣 枝元次官につきましては、自ら所属する組織のトップである大臣からの誘いを受けて会食に参加した等の事情はあるものの、部下を管理監督する立場にあった生産局長時代に国家公務員倫理法に違反をして利害関係者の負担で飲食を行った責任を取りまして、今般、国家公務員倫理法に基づき、適正な処分を行ったところでございます。

 次官には、今般の事案について猛省をしていただいた上で、しっかりと職責を果たしてもらいたいと考えております。

塩川委員 自らに関わることさえ判断ができないということでは倫理監督官は務まらないわけで、事務次官としての資格がそもそも問われている。きっぱりと辞めるということこそ行うべきことであります。

 報告書の再発防止策というのは、これまでより少し詳しく報告すればオーケーだという話になっているわけで、到底認められるものではありません。癒着を防止をし、職員を守るためにも、利害関係者との会食をきっぱりやめることこそ真の再発防止対策だということを申し上げておきます。政策買収疑惑の徹底解明と枝元次官の辞任を強く求めるものであります。

 次に、官房長官にお尋ねをいたします。

 総務省の接待問題についてですが、山田真貴子内閣広報官は体調不良、入院加療で辞任とのことであります。しかし、これで一件落着というわけにはいきません。

 山田真貴子氏の調査については、山田氏自身が東北新社から確認を取って明らかにしたものでした。つまり、自分が関わる事件について、自分が調査をして報告するというのは余りにもずさんじゃないでしょうか。何でこんなことになるのか。おかしいと思いませんか。

加藤国務大臣 御指摘の会食について、まず本人が調査した結果が総務省から確認として提出をされたところでありますが、あわせて、私の指示により、改めて内閣官房の職員から東北新社側に確認を取ったところ、本人からの申告があったとおり一件の記録があったとの回答であると聞いております。また、日時、場所、額、負担者、タクシー券、土産の有無についても、山田広報官が東北新社側に確認した内容どおりであったと聞いております。

    〔山際委員長代理退席、委員長着席〕

塩川委員 山田氏の処分について、今言った調査も踏まえてということですけれども、それが事実だったということでありますけれども、山田氏の処分は官邸としてどのようにされたんですか。

加藤国務大臣 総務省時代の国家公務員倫理法違反の行為、これは甚だ遺憾でありますが、内閣広報官としての行為ではなく総務省在職中の行為であることから、処分はできないということでありますが、本人の自主的な判断として、内閣広報官としての給与の返納を行うとの判断が示されたところであります。

塩川委員 いや、総務省の時代でも総務審議官という要職を担い、単なるOBではないわけであります。退職したからそれで処分の対象外ということにはならない。特別職として引き続き官邸でまさに重責を担う立場だったにもかかわらず、何のおとがめもないというのは、官邸として、総理として、もちろん官房長官としても、それは余りにもおかしいと思わないんですか。

加藤国務大臣 先ほど申し上げた自主的返納については、給与報酬月額の十分の六を返納しようというもので、これは総務省における処分内容のうち最も重たかった減給処分を踏まえたものになっているものと承知をし、また、本人も今回のことを深く反省し、自らの職責の重さは十分に踏まえた対応であると受け止めたところであります。

 また、総理からの指示もあり、私の方から、今回のこうした行為が国民の皆さんの疑念を抱く結果となったことについては甚だ遺憾であり、深く反省をしてもらいたい、今後このようなことが二度とないよう厳に注意してもらいたい、こういった旨を伝えたところであります。

塩川委員 農水省でも懲戒処分がありました。総務省でも懲戒処分がありました。総務省時代にまさに倫理規程に違反するような行為があったにもかかわらず、OBの扱いで何のおとがめもない、それは余りにもおかしいと思いませんか。引き続き特別職として、国家公務員として働いているときに、過去の行為について免罪するような今の仕組みというのはおかしいと思いませんか。けじめをどうつけるのか、そのことについてどうお考えですか。

加藤国務大臣 ですから、今の枠組みの中では処分ができないということはもう説明を申し上げた。しかし、そういう中で、本人が今回の行為を反省し、総務省における処分内容のうち最も重たかった減給処分を踏まえた給与報酬月額の十分の六を返納したということでありまして、そうしたことにおいて、本人が深く反省し、自らの職責の重さを十分に踏まえた対応であるというふうに我々として受け止めたところであります。

塩川委員 いや、だから、一般職が対象の国家公務員倫理法、特別職は対象外だと。でも、今回の場合のような事態が起こっているわけですから、そういうときに特別職に対しての倫理法に対応するような仕組みをつくるということこそ、まさに教訓として官邸が行うべき仕事じゃないのか。それはどうなんですか。

加藤国務大臣 今回の事案について、先ほど申し上げた、国家公務員倫理法違反の行為があったことは甚だ遺憾でありますし、しかし、内閣広報官としての行為ではなく、総務省在職中の行為であるということであります。

 事案について、法の不備との御指摘は当たらないというふうに考えておりますが、いずれにしても、内閣広報官を始め、官邸において勤務する者は、重責を担っていることを自覚し、国民全体の奉仕者として高い倫理観を持って日々の職務に当たることが重要であるというふうに考えております。

塩川委員 まさに不備じゃないですか。

 山田氏は、公務員として倫理規程違反が問われているだけではありません。官邸の中で政権運営を担う特別職として、政治家と同様に政治的、道義的責任が問われているんじゃないでしょうか。

 山田内閣広報官を重用してきた菅総理の責任は極めて重大だ。改めて、これで終わりではない、徹底解明を求めるものであります。

 残りの時間、総務省の接待問題で、吉田眞人総務審議官にお尋ねをいたします。

 総務省の報告書では、「吉田眞人が情報流通行政局総務課長着任以降に、東北新社と三回程度会食を行った記憶がある旨証言している」とあります。「本人及び東北新社への確認の結果、日時や飲食の内容等の特定が困難」ともありますけれども、この三回程度会食をした記憶がある、それは、思い出していただくと、どんな記憶なんでしょうか。

吉田参考人 お答えを申し上げます。

 今回の件につきまして、東北新社との会食について、記憶と東北新社様の方のデータとを突き合わせて一応五件の確認をいただいておるわけなんですけれども、自分といたしまして、非常に記憶がおぼろげで曖昧で大変恐縮なんですけれども、それ以外に、自分が情報流通行政局の総務課長に着任して以降、三件程度、その五件とは異なるものがあったようなちょっと記憶がありましたもので、今回の事案の性格に鑑み、ちょっと曖昧なものではありますけれども、これは調査チームに申告をしておくべきだろうと考えまして、その旨を申告させていただいたものでございます。

 ちょっと、日時や内容等について非常にはっきりしないということは大変恐縮でございます。

塩川委員 情報流通行政局総務課長着任以降、三件という話ですけれども、東北新社からの情報提供で、二〇一六年以降は出ているだけ、五件という話もありましたけれども、それ以前ということになるわけですが、そうすると、この総務課長のときに会食があったということでしょうか。

吉田参考人 お答え申し上げます。

 総務課長のとき、それ以降、あと二つぐらい、放送とは関係のないポストに就いておりまして、その後、放送担当の審議官をやっておるんですけれども、そのどの時点であったのかということにつきましても、大変恐縮でございますけれども、ちょっとはっきりしておりません。ただ、この期間に三件程度あったというおぼろげな記憶があったということでございます。

塩川委員 ですから、総務課長の着任以降だから、総務課長が着任したその期間では会食したということでよろしいですか。

吉田参考人 お答え申し上げます。

 厳密にその期間だというふうに断言できるような記憶はないんですけれども、恐らく、今回の様々な前後関係から見まして、総務課長着任以降、放送担当の審議官をやる間ではなかったかなというふうには考えております。

 ただ、ちょっと、その日時等を含めて全く明確ではございませんので、必ずその期間であったかというふうに問われますと、そこは大変恐縮でございますが、記憶定かではないというふうにちょっと申し上げざるを得ないということでございます。

塩川委員 二〇一六年以前の三回の会食の際に、東北新社側で菅正剛さんが同席をしていたということは覚えておられますか。

吉田参考人 お答え申し上げます。

 まず、毎回、今回、木田由紀夫氏が相手方でおられたというのは記憶にございますが、中には菅氏が同席された会もあったやに思います。ただ、それが例えば何回とかそういう話は、ちょっと明確ではございません。

塩川委員 時間が参りましたので終わりますけれども、引き続き、二〇一六年以前に遡った調査をしっかり行うことが求められているということを申し上げて、終わります。

金田委員長 これにて塩川君の質疑は終了いたしました。

 次に、遠藤敬君。

遠藤(敬)委員 昼に続きまして、萩生田文科大臣に御質問をしたいと思います。

 テレビは入っていませんけれども、パネルをお願いします。

 先ほど、最後の、萩生田大臣から、わいせつ教員のツールを作成をしているという旨の御答弁をいただきましたけれども、教員採用者に提供している、過去の免許状失効歴を簡単に参照できる官報情報検索ツールについて、三日前の二月二十六日金曜日に、検索可能期間を、直近四十年間と長くなりましたと。今までと違い、文科省のこのツールの実効性を高めるために、新たに教育職員免許法の施行規則を改正される方針とお伺いしております。

 わいせつ教員が二度と教壇に立たないための実効性をどこまで確保できるのか、大臣にお聞かせいただきたいと思います。

萩生田国務大臣 児童生徒にわいせつな行為を行った教員が二度と教壇に立たないようにするためには、採用権者による対応も重要であると考えております。

 文部科学省では、過去の免許状失効歴を簡便に参照できる官報情報検索ツールを各採用権者に提供しておりますが、同ツールについて、今先生からも御披露いただきましたが、二月二十六日から、その検索可能な期間を、従来の五年間から大幅に延長して、過去四十年分としたところであります。

 また、四十年になっても、じゃ、なぜ免許証が失効したのかという理由が書いてありませんから、これじゃ全く意味がないということで、この度、新たに省令の改正をしようと思っておりまして、懲戒免職処分の事由が児童生徒等に対するわいせつ行為であることが判別できるようにする予定でございます。今、パブリックコメントにかけているところです。

 各採用権者が、このように大幅に改善された官報情報検索ツールを利用しながら、採用面接等を通じ、免許証の失効の事由などについて詳細に把握した上で採用の判断をすることにより、この問題への対応に関する実効性は相当程度高まるものと考えられます。

遠藤(敬)委員 性犯罪に関わった教員の懲戒免職の復職を防ぐための措置として、政府内で無犯罪証明書の発行を検討していると承知するが、どのような職業を対象に、いつから制度を設けられる見通しなのか、お答えいただきたいと思います。

萩生田国務大臣 それは政府としてまだ検討に入ったわけではなくて、与党あるいは野党の皆さんからも、これは教員だけの問題じゃなくて、子供たちに接する様々な職業で過去に性犯罪のあった人たちをきちんと排除できる仕組みをつくっていかないと子供たちを守れないんじゃないかという問題意識の中から、例えばです、誤解なく、例えばなんですけれども、塾の先生ですとか、スポーツクラブのインストラクターですとか、あるいは保育士さんですとか、幼稚園教諭も当然入ると思いますけれども、こういった人たちを包括的にきちんとウォッチできるような仕組みをつくるべきではないかということが、今、与野党のそれぞれ政党間で議論をされていると承知をしております。

 我々も、法務省と同じような勉強はさせていただいておりまして、今回、学校の先生の免許についての法律は出せませんでしたけれども、もう少し大きく包括的に子供たちを守るということを考えたらどうかということは、省内でも検討を始めているところです。

遠藤(敬)委員 淡々と質問をさせていただきますが、教員採用時の書類の様式につきまして、処分歴等の記入欄を設ける方針と伺っておりますが、努力義務にとどまるのか、はたまた、義務づけられない理由は何か、また、処分歴の記入を促しながらも、今後どのように促していく考えか、大臣の見解をお伺いいたします。

萩生田国務大臣 教員の採用については、各採用権者の権限と責任の下で行われるものであり、その際にどのような書類を求めるかについても、各採用権者の判断で行っていただくものだと思っています。

 しかしながら、文部科学省としては、この問題に対する対応を可能な限り厳正に進めていくことが重要であると考えており、こうした観点から、教員採用時の書類の実例として、昨年十二月には、過去の懲戒処分歴や懲戒処分の原因となった具体的な理由の明記を求めている例を全国の教育委員会に向けて示し、今後の参考とするように求めたところです。

 また、更なる対応策として、文科省においては、このような教育委員会の例も踏まえながら、各教育委員会が共通に用いることができる採用関係書類の参考様式の作成、提供をすることについて、関係省庁と相談しつつ、検討しています。

 すなわち、簡単に言うと、採用時の履歴書はどういう形でもいいわけなんですけれども、そこに、過去に一度免許を失効したことがあるかないか、あるとすれば、なぜ失効したのかをきちんと書かせることによって自己申告を正しくさせるということができます。

 それから、先ほど先生聞いていただいた四十年に延長した検索ツールを使って、ここにわいせつ処分歴も出てくるわけですから、自己申告と検索ツールと両方使って、実は、だけれども、これは、この二月二十六日から四十年ですから、その前はちょっと穴が空いてしまうので、ここをどうするかというのが今一番の問題で、今全国の教育委員会に、個人情報の条例が様々ですから、必ずしも、過去の処分歴について照会があったときに、この人はこういう理由で免許証を失効しています、懲戒免職になっていますということはなかなか言いづらいところもあったんですけれども、これだけ世の中が、皆さんがわいせつ教員について問題意識を持っているときに、仮に、採用しようと思っている自治体から聞かれたときに、それを個人情報だから言えないと採用権者が言えば、これはばば抜きになっちゃうわけですよ。ばばを引いた方が負けになっちゃうんです。

 これじゃいけないということで、全国の教育委員会の採用権者、これは限られた人ですから、この情報にタッチでき得る限られた人については、お互いに、向こうの自治体だって、この一回免許を失ったんだけれどももう一回教員になろうと思っている人は、これは大丈夫なんだろうか、何で一回免許を失っているんだろうかということを聞かれたときには、知り得る情報についてきちんとお互いに提供しましょうねということを今呼びかけているところでございます。

 それと、今申し上げたような書類などを組み合わせていくと、かなりの部分で網羅ができるのではないかと思っています。

遠藤(敬)委員 全く大臣のおっしゃることが、そのとおり現状を表していると思っております。

 わいせつなどで懲戒免職になって免許を失効した教員の氏名が官報に掲載されていなかった問題で、昨年、相次いで不記載事案が発覚しております。

 文科省は、昨年十一月三十日に、都道府県教委に対して、懲戒免職による教員免許状が失効した際の官報公告の掲載の徹底を図っておりますが、実効性の確保について、未記載の場合に罰則規定などは設けられないのか、大臣、今の現状で結構ですので、お答えいただきたいと思います。

萩生田国務大臣 官報情報検索ツールが適切に活用される前提条件であり、教員免許状が失効している者が教壇に立たないようにするために重要な官報公告の手続がなされていなかった事案があったことは、誠に遺憾だと思っています。

 文科省では、昨年十一月三十日に、各都道府県教育委員会に対し、懲戒免職処分等により教員免許状が失効した場合の返納手続や官報公告の手続について徹底するように周知をしました。これを踏まえ、各都道府県教育委員会における官報公告手続の確認が改めて行われ、過去十年間で六十一件の未掲載事案、うち、わいせつ事案は四十七件ありましたけれども、これが発覚しました。本年三月の第一週には官報公告が全て適切に行われていることから、周知徹底の実効性は上がっており、今後は官報公告掲載漏れがないように努めてまいりたいと思います。

 御指摘の、罰則規定を設けることの可能性については、まずは現行制度の下でより適切な運用が行われるよう、引き続き周知徹底をしてまいりたいと思っています。

遠藤(敬)委員 お昼にもパネルで御説明を申し上げましたが、児童生徒等に対するわいせつ行為を行った教員について、懲戒処分が停職処分にとどまるケースもあると聞きますが、停職処分ではなく懲戒免職とするよう文部科学大臣として強力に働きかける必要があるのではないかと私も考えておりますし、多くの今悩んでおられる子供さんや保護者も感じておると思いますが、大臣の見解をお伺いをいたします。

萩生田国務大臣 従前から繰り返し指導等をしてきたとおり、児童生徒に対するわいせつ行為を行った教員については、原則懲戒免職とするなど厳正に処分を行うことが必要であると考えております。その指導の結果、昨年九月時点で、全ての都道府県、指定都市教育委員会の懲戒処分基準において、その旨の規定が整備されたところです。

 個別の事案によって任命権者である教育委員会において判断されると思いますが、私としては、被害児童生徒はもとより、保護者や他の児童生徒等に与える影響、教育に対する信頼を著しく損ねることなどを考えると、児童生徒に対するわいせつ行為について、原則として免職とすべきであると考えております。

 文科省としては、各教育委員会が同じ思いで対応いただけるよう、引き続き、わいせつ行為を行った教員に対する厳正な処分などについて、しっかりと周知徹底を図ってまいりたいと思います。

遠藤(敬)委員 ありがとうございます。

 続いて、連携のことでありますけれども、教員による児童生徒等に対するわいせつ行為が発生した際には、当該行為が犯罪に該当する場合もあると考えることから、警察等の関係機関や行政、司法関係者等も連携することも現代社会においては必要だと考えておりますが、大臣の御見解をお伺いをいたします。

萩生田国務大臣 文科省としては、従前より、各教育委員会に対して、児童生徒に対するわいせつ行為を行った教員については、事案が犯罪に当たるか適切に判断を行った上で、告発を遺漏なく行うことを含め、警察機関等と連携して厳正に対処することを求めてきたところです。

 昨年六月に決定された性犯罪・性暴力対策の強化の方針においても、告発を遺漏なく行うことについて明記されたことを踏まえ、各教育委員会の人事担当者を集めた研修会において、その趣旨を改めて徹底しているところです。

 文科省としては、今後改めて、各教育委員会に対して、公務員には告発の義務があること、被害者が告訴しない場合でも告発する必要があること、犯罪に当たるか判断に迷うような事案も含め警察機関等と連携して対応することについて、しっかりと周知徹底を図ってまいりたいと思います。

 また、懲戒処分を行うに当たっての事案の調査方法などは、任命権者である各教育委員会が個別の事案に応じて適切に判断するものでありますが、わいせつ行為等の事案の調査などに当たっては、例えば医師ですとか臨床心理士ですとか弁護士の先生方ですとか、こういった外部の専門家の協力を得ることも被害者の保護や公正な処分のために効果的であると考えておりまして、各教育委員会に対して、外部専門家の活用も促してまいりたいと考えております。

遠藤(敬)委員 教員による児童生徒等に対するわいせつ行為が発生しないように、各委員会、学校における日常的な取組にも注力すべきだと考えております。どういった方策で、今、現代社会の中でどういう取組が求められているか、大臣のお考えで結構ですので、お答えいただきたいと思います。

萩生田国務大臣 未然防止を効果的に行うことは極めて重要であると考えており、教育委員会や校長のリーダーシップの下、予防的な取組を更に進めていくことが重要であると考えています。

 文科省としては、これまでも、各教育委員会の人事担当者を集めた研修会等において、このような事案が生じないよう服務規律の徹底を求めてきたところですが、これに加えまして、教員と児童生徒とSNS等による私的なやり取りを行わないことを明確化すること。

 これは、四月から、まさにGIGAスクール構想で、小中学生に一人一台端末を渡します。それで、SNS機能がついているのに使っちゃいかぬということになると、これはまた魅力を失うことになると思うのでルール化が必要ですけれども、今まではこういったものが、一人一台端末がなかったので、教員の個人的な端末と子供たちがダイレクトにやり取りするということが犯罪につながったと思いますので、学校のアカウント経由で必ず児童生徒とのやり取りをすれば、後ほどそれはきちんと見ることができると思いますので、こういったことも明確化していきたいと思います。

 それから、学校の執務環境を見直して密室状態を回避すること、教育指導体制を見直して組織的対応を進めること、教職員や児童生徒を対象としたアンケートなどによる実態把握を実施すること、これを度々やることで、そういうやからはやはり抑止力になりますので、子供たちに直接アンケートで聞く、あるいは親に聞く、こういうことは年に一度ぐらいやっていくことも非常に効果的ではないかと思っております。

 こういったものを含め、わいせつ行為を生じさせないための取組が推進されるよう、各教育委員会に対して周知徹底を図ってまいりたいと思います。グッドプラクティスをどんどん横展開していきたいと思います。

遠藤(敬)委員 質問というか、大体、私の質問は大臣からお答えいただきましたけれども、このパネルの中で、少し。多分、国民の皆様方も、どういうような事案があるのかとかいうことがあると思います。

 この沖縄の問題が一番、最近では悲惨な事件だと思うんですが、先生と子供さん、その先生がいい先生なんだと地域では物すごく人気がある、そしてコミュニティーの中にも溶け込んでいる、その先生が偶然にもわいせつ行為をしていたんだということで、保護者も、そして子供さんも言いにくかった、しかし、言わなくちゃならないと思って言ったんだけれども、結果的に、その保護者と子供さんが悩みに悩んで、数年後に命を絶ったという痛ましい事件であります。

 今、現状、やはり、先生と子供さん、保護者、コミュニティーの中にも、いやいや、おかしいんじゃないの、あなたのところの子供はうそついているんじゃないのというような社会的な悲しい現状がありますけれども、これは各々の地域や自治体でも解決しなくちゃいけない問題だと思います。

 萩生田大臣は、もう特に熱心な、教育に指導的な大臣であると私も、頑張っていただきたいと心から思っているわけなんですが、そういった事案に対しても、相談窓口というのもあってもなかなか相談しにくい。そこに少しの教員だけ、学校現場だけではなくて、コミュニティーが、地域が子供たちを支えていく、そういった、世間から見た、自分たちの言えない声を拾い上げるということでは、相談窓口だけではなかなか厳しいのかなと思うんです。

 私見で結構なので、大臣、これを何とか、命を守るというところからいくと、これはまた連鎖が始まりますよね、いじめられた子供さんが自殺するというのはよく報道で見ますけれども、この連鎖を止めていくという部分においても、やはり、こういった沖縄の悲惨な話を、あの先生はよかったのに、あんたのところがおかしいんじゃないのと言われることは決してならないと思いますので、今までの大臣の経験から、これからどうあるべきか、教育行政、そして命を守っていくという決意を改めて確認をしたいと思います。

萩生田国務大臣 先生が子供たちにわいせつ行為をするなんていうのはあってはならないことですし、また、それを許してはならないと思います。他方、事件発生後にこうやって被害者が悩んで自ら命を絶つ、こんなことも絶対にあってはならない、子供たちを守っていかなきゃならないと思います。

 私、先ほど官報の掲載について遺憾だと申し上げたんですが、実は、地方の教育委員会と話をしますと、なるほどなと思うことも出てきてしまったんですよ。というのは、直ちに懲戒免職にして官報に掲載すると、ああ、やっぱりね、あの先生とあの子、おかしかったんだね、あの子が被害者なんだねと、被害者を特定されてしまう場合があるので、実は、都道府県教育委員会としては掲載をずらした、そのために掲載がしていなかったという話を聞くと、ちょっと、なるほどなと思ってしまうこともあるんですね。

 すなわち、我々は二次被害も防がなきゃならないと思います。そのことが明らかになって、せっかく勇気を持って親や先生に相談して、そしてとんでもない先生を現場から退場させることができたけれども、その結果、被害者が皆さんにさらされて、例えば誹謗中傷に遭って、そして学校に行けないとか自ら命を絶つなんてこともあってはいけない。このことにもセーフティーネットを張っていかなきゃいけないな。

 すなわち、学校現場、一番分かっている現場の皆さんに、いろいろなレアケースがあると思うので、それに見合う対応をしてもらわなきゃならないので、これは、校長のリーダーシップの下、日頃から、これはもちろんいけないことだということを教員の皆さんに徹底していくこと、そういうことがあったら相談しなさいということを徹底していくこと、学校で顔の分かる人に相談しづらかったら、様々な、子供SOSダイヤルなども使って声を酌み上げていく、そして、何としても社会全体で目を配って、こういう不誠実な教員が現場に立つようなことがないような環境をしっかりつくっていきたいと思います。

 そのためには詳細な様々な制度設計が必要で、今回、法案提出に至りませんでしたけれども、しかし、引き続き、これは大きな社会問題として、国民の皆さんの御理解をいただきながら、しっかりセーフティーネットを張っていく、その覚悟で引き続き取り組ませていただきたい、そう思っております。

遠藤(敬)委員 終わりますけれども、菅政権ではもう縦割りをなくしていくということで、他の被害者、また犯罪と類似、同じように、同列に扱うというのはちょっと違うと思うんですね。これからの日本を支える子供たちをいかに守っていけるか、それは政治が担っていくんだというメッセージを強く大臣には発していただきたいと思います。

 菅総理がいらっしゃらないので、麻生副総理、是非、別にお答えは、一方通行で恐縮ですけれども、縦割りを打破して、是非子供たちをお守りいただきますようにお願い申し上げまして、質問を終わります。

 ありがとうございました。

金田委員長 これにて遠藤君の質疑は終了いたしました。

 次に、玉木雄一郎君。

玉木委員 国民民主党の玉木雄一郎です。

 まず、田村大臣に伺います。

 ワクチンについてなんですが、先週の報道で、読売新聞だったと思いますが、河野大臣の弁として、ファイザーとのワクチンの供給の契約について、大臣に就いた後に厚労省からやっと契約書を見せてもらったら、コミットメントではなくてベストエフォートと書いてあって驚いたと。つまり、確実にワクチンが入るような契約になっていなかった、最大限努力します契約だったということで報道があったんですが、これは事実ですか。(田村国務大臣「通告、受けていないんですけれども」と呼ぶ)いや、御存じですか、大臣。

田村国務大臣 ちょっと、契約の内容なので、申し上げていいものかどうなのか、ここで即座に判断ができません。申し訳ありません。

 ちょっと通告、私、聞いていなかったので申し訳ありません。ちょっと事務方と相談させていただきたいと思います。

玉木委員 いや、大臣が御存じかどうかの認識を聞いております。報道されているので、私も改めて確認したいということで、大臣の認識をお聞きしたかったんですが、それも多分、守秘義務だということで答えられないということですかね。はい。

 このワクチンについても、それぞれ、多分先生方、与野党を超えて、地元からいろいろな今問合せが来ていると思います、自治体からも個人からも。

 幾つかちょっとよくある質問を聞くので、明確に答えていただきたいと思います。

 優先順位があって、まずは医療関係者、高齢者ということになりますが、その後なんですね。これはいつになるか分かりませんけれども、ただ、基礎疾患のある方と、あと肥満の方、BMIが三〇以上というようなことが言われておりますけれども、これはなかなか、日本の場合は、例えばレセプトを見て全部管理していますとか、そういうんじゃないので、基本的にこれは全部自己申告になるのかなと思うんですが、個別接種の場合も集団接種会場でやる場合についても、基本的に、私、基礎疾患がありますと言えば受けられるのか、あるいはBMIの場合、見た目が明らかに太っていたら肥満ですよとなりますけれども、BMI三〇って分からないじゃないですか。これは自己申告で全部やるんですか。

田村国務大臣 基礎疾患に関しては、これは一般の方と同じように、接種券等々を配る話になると思うんですね。その中で、要するに予診票の中の質問項目、こういうものを確認する中で、基礎疾患がある、例えば心臓病で病院に通っているだとか、それからBMI三〇以上だとか、こういうものを確認する。

 これはなぜかというと、もう御承知だと思いますけれども、まず、本人に診断書を持ってくるようにと言うと、これはどうしてもその分だけ時間がかかってしまったり、御負担をおかけする。一方で、じゃ、接種会場で確認をしろ、正確に確認しろという話になると、これまた接種会場が大混乱になるということもございますので、予診票の質問票、これを見ながら確認をいただいて、御本人の申告等々で基礎疾患を持っているというふうに判断をするということであります。

玉木委員 私は、そんなにうそをつく人が多いとは思わないので、それでいいと思います。できるだけ広く受け入れたらいいと思います。

 だから、証明書は要らないという理解でいいですよね。

田村国務大臣 証明書が意味がないとは言いませんけれども、証明書がなければ判断できないという話じゃございませんので、予診票にのっとって、質問項目を答えていただきながら確認するということであります。

玉木委員 それしかないのかなと思うので、やっていただきたいなと思います。

 次は、広くやるというその方針の一方で、非常に狭く解しているのがあって、これは委員会でも質問があったと思いますが、訪問介護の職員についてですね。

 これは、二月五日に、病床が逼迫してやむなく自宅療養せざるを得ない感染した高齢者の皆さんに対しても訪問介護サービスをきちんとやってくださいよというのを、全国の事業者に通知を厚労省は出していますよね。かつ、二月八日には、感染の懸念があることそのものではサービス拒否の正当な理由には当たらないともまた丁寧に出しておられて、そうすると、ちょっと心配だけれども拒否はできないと。地域の本当に住み慣れた家で、地域で介護をちゃんと受けられるということからすると、これは必要だと思います。

 ただ一方で、施設系の職員の皆さんには優先接種の対象ですよと言っているんですが、一方で、訪問介護を始めとした在宅系のサービスについては、優先接種の対象から外しました。

 大臣の答弁をチェックしたら、それであと心配だったら代わりの事業者に代えられるからいいんだという話が一つの理由なんですけれども、ただ、今、物すごい、介護人材、職員、人材難じゃないですか。やはり、じゃ簡単に、いっぱい選択肢があってできるかというと、現実的にどうなのかということがありますし、かつ、こういう優先接種じゃないということになると、やはり心配して介護職員が離職が早まったり、あるいは、現に私、聞いていますけれども、やはり家族の中には、もう介護の仕事をあんた辞めたらということで、そういう非常に介護人材の確保が難しい中で、よりサービス提供が難しくなる可能性もあるので、是非これは、ワクチンの確保のペースにもよりますけれども、やはり介護職員ということで、施設系だけじゃなくて在宅系も含めてきちんと優先接種の対象にしていくということを、是非これは、大臣からむしろ河野大臣やいろいろな人に言ってほしいんですよ。これは厚労大臣の仕事ですよ。誰もこの立場を代弁する人はいないんだから。是非お願いします。

田村国務大臣 介護施設等は、前から答えておりますとおり、クラスターやいろいろなことが起こっても対応いただかなきゃならないということで、優先接種の対応にしております。

 一方で、今委員がおっしゃられたとおり、訪問介護の場合は、介護をする方、これは代わられるということもありますし、そもそも、クラスターというよりかは、お一人の方でありますから、感染防護をしっかりやっていただいて対応するということもあるというふうに思います。

 介護施設の場合は、クラスターが起こると、ただ単に一人の方に対して介護、防護をして対応するだけではなくて、そのクラスターの中でいろいろな方にうつっているという可能性がありますから、それだけ感染する可能性も高いのかも分かりません。

 しかし一方で、委員がおっしゃられるみたいに、要するに、感染された利用者の方々、サービス利用者の方々のところに行くこと自体が、自分がうつって次にうつしちゃう可能性がある、こういうこともあるわけでありまして、それ自体が非常に怖い。怖いというのは、自分の命もそうなんですが、人にうつすのも怖い、こういうお声もあるのは事実であります。

 もちろん、ワクチンを打ったからといって、感染するしない、感染した後、人にうつす能力があるかどうか、これは分かりません。あくまでもこれは発症を予防する効果であるわけでありまして、他の二つの効果は分かりませんが、多分、精神的にそういうような思いがあられるんだというふうに思います。

 ワクチンの量が今のところまだ、世界中でワクチン、ファイザーのワクチンも含めて取り合いになっておりますので、日本に入ってくるのを、河野大臣の下で大変な御努力をいただいております。そういう意味では、供給量の、限られているという問題もありますが、今言われているような課題があるということは私も認識をさせていただきながら、しかし、今現状は、施設従事者の方々が優先順位であるということは御理解をいただきたいというふうに思います。

玉木委員 感染した高齢者が自宅にいる場合でもサービス提供をやめないでくれとお願いしているわけですから、それに対する責任として、しっかり優先接種の対象にしていく。

 前段で聞きましたけれども、かなり、じゃ、訪問介護に携わっている職員の方が、私、太っているんです、私、基礎疾患があるんですと言ったら受けられるんですよ。であれば、カテゴリーとして、そういった人たちについては国として責任を持って優先接種の対象にするんだということは、是非、田村大臣のリーダーシップでやってください。引き続き、是非検討してくださいよ、これは。お願いします。

 次に、オリンピックについて伺いたいと思います。

 丸川大臣にお越しいただいています。これは通告していませんけれども、ちょっとお伺いしたいんですが、今、有名人の中で、聖火ランナーの辞退をされる方が非常に、私、報道を見るだけでも結構増えているし、二十六日以降特に増えているなという気がします。ロンブーの田村淳さんとか、五木ひろしさん、常盤貴子さん、玉城ティナさん、斎藤工さん、あと藤井聡太さんもそうですかね。

 このように、有名人の中で聖火ランナーの辞退が相次いでいることについて、大臣、どう思われていますか。

丸川国務大臣 ありがとうございます。

 お一人お一人それぞれ事情がどうであるかというのは、実は私は組織委員会から詳しく伺っておりませんで、コロナの感染拡大の状況を受けて、今、聖火リレーをそれぞれの地域でどうするのかということを、先週の木曜日に組織委員会が発表した感染対策に基づいて御議論いただいているところであります。

 特に著名人の方は、密をつくらないように、周りに集まる方をある程度、数が制限できるような環境の中で走っていただくということになったので、恐らくスケジュールが今までと変わったり、そういうことが起きているのではないかと思っております。

玉木委員 それぞれに事情があるのかもしれませんが、私は、一つはやはり、発表されているような感染症対策、感染防止対策が不十分じゃないか、少なくともみんなが安心できるものになっていないのではないかなというところもあるのではないかなと思います。

 そこで、これも報道があったので確認しますが、全面解除になった後に、五輪関係者については入国について優先的に緩和していくのではないかと、かなり詳細な、いろいろなことが書いてあるんですが、これは、五輪関係者は、入国、優先緩和するんですか。

丸川国務大臣 ありがとうございます。

 報道があったことは承知をしておりますけれども、正直に申し上げて、現時点で全く決定はしておりません。

玉木委員 プレーブックというのを私も読ませていただきました。

 あれはなぜ英語しかないんですか。

丸川国務大臣 IOCがまず英語版を作りまして、これを今度は訳するということになります。

玉木委員 いや、それをすぐ訳して同時リリースをしたらいいと思うし、結構大事なこと、いっぱい書いているんですね。

 そこの中に、選手はこうしましょう、プレスはこうしましょうというのはそれぞれ出ていますが、先ほど、午前中の議論でもありましたけれども、変異株については相当心配です、心配していますね。やはり日本国民の安全を守ることも非常に大事なので、そこは、外国から入ってくる人に、こうしてください、選手、こうしてくださいも大事なんですが、まず何よりも日本人が安心できるようなルールが必要だと思います。

 そこで伺いますが、いわゆる水際対策です。本当に完璧に収まっていればいいですけれども、まだ世界中で、どこかで感染が広がっている、あるいは変異株が更に広がっているようなことがあれば、相当きちんとしないと、やはりオリンピックは安全に開けない。仮に無観客にしたって一万人ぐらいの選手とオフィシャルがいますから、そこはちゃんとしなきゃいけないんですが。

 そこで、ワクチンの接種がオリンピックの開催までにきちんと国民に行き渡っていればこんな質問はしなくていいんですが、どうもそれはもうできなさそうですね。ですから、じゃ、ほかの手段でどうやって安全を確保するかというと、まず入国時の検査、そして入ってきてからの十四日間のいわゆる隔離、そして公共交通機関の使用制限などなど、これを外国人の観客についても義務づけなければ安心が確保できないと思われるんですが、いかがでしょうか。

 一部には、何かアプリを入れたら、十四日間待機とか、そういったものは免除されるみたいな話もあるんですけれども、そこも含めてしっかりと義務づけをする。そうしないと、水際対策、きちんとできないんだと思いますが、いかがですか。

丸川国務大臣 私たちも大変大きい問題意識を持っておりまして、中間まとめで、外国人の観客の皆様はどうするかということを一つ出しております。

 ここの中では、まず、入国前七十二時間の検査と、入国時の全ての方の検査ということをやります。それから、入ってこられる方の国の感染状況を踏まえて、十四日間、つまり二週間の隔離の維持も含めて、リスクに応じて適切な措置を取るということまでは決めておりますけれども、これを決めたのは十二月です。

 変異株のことは年が明けてから出てきておりますので、今まさに、この変異株という変化が起きた後、どのように対応するかという検討、協議をしております。

玉木委員 ちょっと確認しますね。例えば、入ってきてから、選手については四日に一回きちんと検査しましょうとか、そういうことがプレーブックには書いてあるんですけれども、そこも含めて、もう一回全部見直しということですか。

丸川国務大臣 まさに検討のさなかにございまして、選手の皆さんも、もちろん、変異株を踏まえた対応が必要になろうかと思います。

玉木委員 いや、それだったら、プレーブックをちょっと書き直すか、今後変わりますよという注釈をつけないと、相当もうちゃんと出していますよ。

 もう一度、じゃ、聞きますね、もう一つ。

 COCOAが非常に問題になりましたけれども、もう一つ、COCOAとは別に、COCOAとは十倍ぐらいの予算をかけて、オリンピック・パラリンピックの健康管理アプリ、よくオリパラアプリと言われますが、これを導入することになっています。このプレーブックを見ると、COCOAと、その新たに開発される健康アプリと、両方入れてくださいと言っているんですね、外国人の方とか。これは両方インストールを義務づけるんですか。

 しかも、見たら、健康管理アプリとかを入れてくださいと書いているんですが、詳細は、アペンディックス、別紙を見てくださいと書いているんですが、別紙がついていないんですよ、これ。作られてもいないんじゃないですか、まだ。

 こういう非常に、極めてまだ不明確なままで物事が進んでいっていることに対して、非常に私は不安を感じるんですが、COCOAと健康管理アプリは両方ともインストールを観客も含めて義務づけるということでよろしいんですか。

丸川国務大臣 先ほどのプレーブックの件ですが、IOCは四月に改定をするということを既にもう公表しております。

 それから、アプリについてですが、これは義務づける方向で検討しております。

 なぜ、アネックス、つまり、そのアプリについてのアネックスですね、これが公表できないのかということを組織委員会に確認をいたしましたらば、まだ作成途上のものであって、IOCと組織委員会の間では現時点では公表できる状況にはないものだと伺っております。

玉木委員 これは何で公表できないか分かりますか、大臣。国の方針が定まらないからですよ。つまり、陰性証明をちゃんと持ってきてください、アプリに入れてください、ただ、そもそもの制度として、日本政府が陰性証明を選手や観客に求めるかどうかの基本的なところは決まっていないからですよ。アプリは幾らでも作れます、これは。今、一生懸命作っています。ただ、根っこのところの入国条件とかを政治が判断していないからなんですよ。

 じゃ、もう一つ聞きます。

 アプリを義務づけするとおっしゃいましたが、仮に義務づけするとしたら、それはどの法律のどの条文に基づいて義務づけするんですか。検疫法ですか、入国管理法ですか、何ですか。

丸川国務大臣 まさに、法的側面については関係省庁において検討を進めているところです。

 実態としては、もう既にそこに書かれていると思いますが、リクワイアをするということになっております。

玉木委員 今日は委員会でも変異株のことはやはりすごく心配して、イギリスですか、もう全部入れ替わっているということで、どこかで見ました。その感染の強さもあるし、一部ワクチンが効かないかもしれないという、いろいろなことがまだ分かっていないと。その中で、この変異株が広がっている中で、もうあと、オリンピック、しかもプレ大会まではどれだけ残っているんですか。今関係省庁で打合せをするって、そんなことも決めていなくて、でも、七十何億円のアプリだけは走らせているんですよ。それは無駄になるかもしれないじゃないですか。

 もう一つ伺います。

 健康状態、つまり体温なんかをそのアプリに入れてくださいということを求めていますが、例えば、熱が出て、あした本当に決勝戦でいいのがあると思った人は、真面目に三十九度ありますとかと入れませんよ、それは。

 アプリの義務づけと同時に、きちんとした健康情報を入れることの義務づけをした場合の実効性を、その担保をどうするのかということも含めて、どう考えておられますか。できるんですか、そもそも。

丸川国務大臣 実効性を担保するやり方について、いろいろもう既に検討しておりますけれども、まだ最終的に決まったわけではありませんので、きちんと議論をして、報告できる状況になりましたら御報告申し上げたいと思います。

玉木委員 いや、不安ですね。

 私は、オリンピックをやった方がいいという立場の人間なんですけれども、ちょっと今聞いて、相当これはまだ不安ですよ、本当に。だから、早急にその辺はやはり詰めて、こっちなのかこっちなのか、やはりもうそろそろ決めないと、何もできなくなってしまうと思いますので、改めてここは、丸川大臣、新しく選ばれて大変だと思いますけれども、田村厚労大臣ともよく連携を取って、まさに各省庁、縦割りを排して、しっかりと、国民が安心できる、日本国民が安心できる体制をしっかりと構築いただくことを強くお願いして、質問を終わりたいと思います。

金田委員長 これにて玉木君の質疑は終了いたしました。

 各大臣は御退席いただいて結構でございます。

    ―――――――――――――

金田委員長 この際、各分科会主査から、それぞれの分科会における審査の報告を求めます。

 第一分科会主査藤原崇君。

藤原委員 第一分科会について御報告申し上げます。

 その詳細につきましては会議録に譲ることとし、ここでは主な質疑事項について申し上げます。

 まず、国会所管については、憲政記念館の役割、

 次に、内閣所管については、新型コロナウイルス感染症対策、国際共同研究の振興、労働分配率向上のための施策、孤独・孤立対策、

 次に、内閣府所管については、取引デジタルプラットフォームへの対応、少子化対策、保育士の処遇改善、地方創生の推進、

 次に、復興庁所管については、東日本大震災に起因する風評被害への対策、

 次に、防衛省所管については、防衛装備品調達の在り方、災害に派遣される自衛隊員の家族に対する自治体の支援等であります。

 以上、御報告申し上げます。

金田委員長 第二分科会主査小倉將信君。

小倉委員 第二分科会について御報告申し上げます。

 本分科会は、総務省所管について審査を行いました。

 詳細につきましては会議録に譲ることといたしますが、その主な質疑事項は、NHK受信料の在り方、インターネット上の誹謗中傷対策、総務省幹部職員への利害関係者からの接待、携帯電話料金の在り方、ワクチン接種と選挙との両立、石油コンビナートにおける防災対策、消防団の人員確保等であります。

 以上、御報告を申し上げます。

金田委員長 第三分科会主査細田健一君。

細田(健)委員 第三分科会について御報告申し上げます。

 本分科会は、法務省、外務省及び財務省所管について審査を行いました。

 詳細につきましては会議録に譲ることといたしますが、その主な質疑事項は、在留外国人労働者への支援策、再犯防止に向けた政府の取組、犯罪被害給付制度の在り方、刑事参考記録の在り方、我が国の人権外交の在り方、アフターコロナを見据えた経済再生策等であります。

 以上、御報告申し上げます。

金田委員長 第四分科会主査村井英樹君。

村井委員 第四分科会について御報告申し上げます。

 本分科会は、文部科学省所管について審査を行いました。

 詳細につきましては会議録に譲ることといたしますが、その主な質疑事項は、ICTを活用した教育の在り方、少人数学級の実現、大学ファンドの運用方針、日本学生支援機構の奨学金制度の在り方、アクティブラーニングに対応した教員の養成、教育現場における子供の性被害の防止等であります。

 以上、御報告申し上げます。

金田委員長 第五分科会主査橋本岳君。

橋本委員 第五分科会について御報告申し上げます。

 本分科会は、厚生労働省所管について審査を行いました。

 詳細につきましては会議録に譲ることといたしますが、その主な質疑事項は、新型コロナウイルス感染症ワクチン接種の課題及び治療薬開発の進捗状況、新型コロナウイルス感染症患者を受け入れる医療機関に対する支援の必要性、アスベスト被害者への補償、特別養護老人ホーム入所に係る弾力的運用の必要性、総合支援資金貸付審査の簡素化の必要性等であります。

 以上、御報告申し上げます。

金田委員長 第六分科会主査齋藤健君。

齋藤(健)委員 第六分科会について御報告申し上げます。

 本分科会は、農林水産省及び環境省所管について審査を行いました。

 詳細につきましては会議録に譲ることといたしますが、その主な質疑事項は、米の輸出拡大戦略、鳥獣被害対策、脱炭素社会の実現に向けた取組、自家消費型の再生可能エネルギー設備導入支援策、琵琶湖の水質保全対策、動物愛護管理政策等であります。

 以上、御報告申し上げます。

金田委員長 第七分科会主査山際大志郎君。

山際委員 第七分科会について御報告申し上げます。

 本分科会は、経済産業省所管について審査を行いました。

 詳細につきましては会議録に譲ることといたしますが、その主な質疑事項は、二〇五〇年カーボンニュートラル実現に向けたエネルギー政策の在り方、電力の市場価格高騰への対応、事業再構築補助金制度、放射性廃棄物の最終処分問題、洋上風力発電の導入促進策、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業者への支援策等であります。

 以上、御報告申し上げます。

金田委員長 第八分科会主査浜地雅一君。

浜地委員 第八分科会について御報告申し上げます。

 本分科会は、国土交通省所管について審査を行いました。

 詳細につきましては会議録に譲ることといたしますが、その主な質疑事項は、新型コロナウイルス感染症による影響を受けた観光関連事業者への支援策、航空業界の経営状況及び支援策、住宅の断熱性能向上、東京外郭環状道路トンネル工事付近で発生した陥没事故への対応、地方自治体の公共工事の契約における公平性の確保、豪雨災害の頻発化を踏まえた治水対策の重要性等であります。

 以上、御報告申し上げます。

金田委員長 以上をもちまして各分科会主査の報告は終了いたしました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時三十八分散会


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