衆議院

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第13号 令和4年2月9日(水曜日)

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令和四年二月九日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 根本  匠君

   理事 今枝宗一郎君 理事 島尻安伊子君

   理事 谷  公一君 理事 西村 康稔君

   理事 葉梨 康弘君 理事 大串 博志君

   理事 近藤 和也君 理事 重徳 和彦君

   理事 浦野 靖人君 理事 稲津  久君

      青山 周平君    秋葉 賢也君

      伊藤 達也君    石川 昭政君

      石破  茂君    今村 雅弘君

      岩屋  毅君    衛藤征士郎君

      加藤 勝信君    金田 勝年君

      亀岡 偉民君    菅家 一郎君

      小林 茂樹君    後藤田正純君

      杉田 水脈君    土屋 品子君

      中谷 真一君    長坂 康正君

      平沢 勝栄君    藤丸  敏君

      古川  康君    古屋 圭司君

      宮崎 政久君    山本 有二君

      吉川  赳君    和田 義明君

      鷲尾英一郎君    渡辺 博道君

      青山 大人君    石川 香織君

      江田 憲司君    落合 貴之君

      城井  崇君    源馬謙太郎君

      階   猛君    長妻  昭君

      道下 大樹君    柚木 道義君

      阿部 弘樹君    池畑浩太朗君

      市村浩一郎君    岩谷 良平君

      伊佐 進一君    輿水 恵一君

      中川 宏昌君    鈴木 義弘君

      前原 誠司君    宮本  徹君

      緒方林太郎君

    …………………………………

   総務大臣         金子 恭之君

   法務大臣         古川 禎久君

   財務大臣         鈴木 俊一君

   厚生労働大臣       後藤 茂之君

   農林水産大臣       金子原二郎君

   経済産業大臣       萩生田光一君

   国土交通大臣       斉藤 鉄夫君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     松野 博一君

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長) 二之湯 智君

   国務大臣

   (経済再生担当)

   (新しい資本主義担当)

   (新型コロナ対策・健康危機管理担当)       山際大志郎君

   国務大臣

   (東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会担当)

   (ワクチン接種推進担当) 堀内 詔子君

   財務副大臣        岡本 三成君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  内山 博之君

   政府参考人

   (総務省自治行政局新型コロナウイルス感染症対策等地方連携推進室地方連携総括官)          大村 慎一君

   政府参考人

   (総務省情報流通行政局長)            吉田 博史君

   政府参考人

   (法務省刑事局長)    川原 隆司君

   政府参考人

   (法務省矯正局長)    佐伯 紀男君

   政府参考人

   (厚生労働省健康局長)  佐原 康之君

   政府参考人

   (厚生労働省医薬・生活衛生局長)         鎌田 光明君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    田原 克志君

   政府参考人

   (国立感染症研究所長)  脇田 隆字君

   政府参考人

   (農林水産省畜産局長)  森   健君

   政府参考人

   (経済産業省産業技術環境局長)          奈須野 太君

   政府参考人

   (経済産業省製造産業局長)            藤木 俊光君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁資源・燃料部長)        定光 裕樹君

   政府参考人

   (中小企業庁事業環境部長)            飯田 健太君

   政府参考人

   (国土交通省海事局長)  高橋 一郎君

   参考人

   (独立行政法人地域医療機能推進機構理事長)    尾身  茂君

   予算委員会専門員     小池 章子君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月九日

 辞任         補欠選任

  今村 雅弘君     古川  康君

  岩屋  毅君     長坂 康正君

  奥野 信亮君     菅家 一郎君

  木原  稔君     宮崎 政久君

  北村 誠吾君     藤丸  敏君

  下村 博文君     杉田 水脈君

  古屋 圭司君     石川 昭政君

  石川 香織君     柚木 道義君

  道下 大樹君     青山 大人君

  足立 康史君     阿部 弘樹君

  市村浩一郎君     池畑浩太朗君

  前原 誠司君     鈴木 義弘君

同日

 辞任         補欠選任

  石川 昭政君     古屋 圭司君

  菅家 一郎君     小林 茂樹君

  杉田 水脈君     和田 義明君

  長坂 康正君     岩屋  毅君

  藤丸  敏君     北村 誠吾君

  古川  康君     今村 雅弘君

  宮崎 政久君     木原  稔君

  青山 大人君     道下 大樹君

  柚木 道義君     石川 香織君

  阿部 弘樹君     足立 康史君

  池畑浩太朗君     市村浩一郎君

  鈴木 義弘君     前原 誠司君

同日

 辞任         補欠選任

  小林 茂樹君     奥野 信亮君

  和田 義明君     吉川  赳君

同日

 辞任         補欠選任

  吉川  赳君     下村 博文君

同日

 理事近藤和也君同日理事辞任につき、その補欠として重徳和彦君が理事に当選した。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 理事の辞任及び補欠選任

 政府参考人出頭要求に関する件

 令和四年度一般会計予算

 令和四年度特別会計予算

 令和四年度政府関係機関予算


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     ――――◇―――――

根本委員長 これより会議を開きます。

 理事辞任の件についてお諮りいたします。

 理事近藤和也君から、理事辞任の申出があります。これを許可するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

根本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 引き続き、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。

 ただいまの理事辞任に伴う補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

根本委員長 御異議なしと認めます。

 それでは、理事に重徳和彦君を指名いたします。

     ――――◇―――――

根本委員長 令和四年度一般会計予算、令和四年度特別会計予算、令和四年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、一般的質疑を行います。

 この際、お諮りいたします。

 三案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官内山博之君、総務省自治行政局新型コロナウイルス感染症対策等地方連携推進室地方連携総括官大村慎一君、総務省情報流通行政局長吉田博史君、法務省刑事局長川原隆司君、法務省矯正局長佐伯紀男君、厚生労働省健康局長佐原康之君、厚生労働省医薬・生活衛生局長鎌田光明君、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長田原克志君、国立感染症研究所長脇田隆字君、農林水産省畜産局長森健君、経済産業省産業技術環境局長奈須野太君、経済産業省製造産業局長藤木俊光君、資源エネルギー庁資源・燃料部長定光裕樹君、中小企業庁事業環境部長飯田健太君、国土交通省海事局長高橋一郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

根本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

根本委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。柚木道義君。

柚木委員 おはようございます。立憲民主党の柚木道義です。

 今日も、先週に引き続き機会をいただき、ありがとうございます。

 一日当たりのオミクロンに置き換わった状態での感染死者数が百五十九人、もう五波を超えるどころか倍増にも匹敵する、こういう状況にある中で、政府はあしたにも関係閣僚会議を開いて蔓延防止等重点措置を延長する、そういう流れにあると思います。

 そういった中で、昨日、東京都の小池都知事が、まさにこの間の政府のワクチン対応などを中心に、ずれている、間に合っていない、ストレスフル、痛烈に批判、こういったことで、私も、報道で実際に御本人がお話をされているのをお聞きしました。

 一点、是非確認をさせていただきたいんですが、我々も、昨年来、三回目の追加接種をとにかく前倒しで、在庫もあるんだからということで再三再四提案もし、この予算委員会でも指摘をしてまいりましたが、小池都知事も、昨年の年末、三回目の追加接種をできるだけ早く始めるよう政府に求めたところ、それはいかぬ、みんな足並みをそろえていくんだと。

 これは、岸田首相は、そういったことはないということを言われているけれども、じゃ、どちらかがうそを言っているということになるんですか。それはいかぬ、みんな足並みをそろえていくんだと。

 これは一義的に、ワクチン供給の話ですから窓口は堀内大臣だと思いますが、これはどなたがやり取りをしての発言だと御認識されますか。いかがですか。

堀内国務大臣 ただいまの柚木議員の御指摘の御発言についての前提条件として誰と誰がやり取りしたかということについては、私自身は承知しておりません。

柚木委員 これは大変重要な御発言なわけですよ。まさに、どちらかが、じゃ、うそを言っているのかということになりかねないんですね。岸田首相も予算委員会で否定をしている。

 堀内大臣、そしてまた委員長、本当に、まさに一日の死者がもう第五波を超えて倍増というような状況で、蔓防延長と。これはちゃんと、誰が、都知事御本人若しくは窓口ですね、やり取りをして、こういうやり取りになっているのかを調査して、この委員会に御報告をいただきたいと思います。

 堀内大臣がワクチン供給の担当大臣ですから、誰がやり取りしたのかを調べてこの委員会に……(発言する者あり)なるほど。今ちょっと、大串筆頭の、ほかの大臣にも確認をということですから、ワクチン供給、こういうことでいえば、それこそ、今、西村前コロナ担当大臣がおられて、何度も質疑させていただいた中で、直接電話でもやり取りということでよくこの委員会の質疑でもおっしゃっていましたから、当然、大臣クラスが直接やり取りもしていると思うんですね。

 これは、後藤大臣、こういうやり取りはされましたか。厚労大臣。

後藤国務大臣 去年の段階で、ワクチンの前倒しを行うときに、いろいろな議論があったのはあったと思います。

 知事会等からは、持っているワクチンの保有に応じてばらばらな接種がそれぞれの市町村で行われることについてちゅうちょする御意見もあったようには私は記憶をいたしておりますが、少なくとも、我々としては、これまで御説明しているとおりの考え方でワクチンの前倒し接種を進めてきたということであります。

 それぞれ、知事の皆様が、個別にどういうふうに受け止められて、どういうふうに思ってこられたかということについてコメントする立場ではありません。

柚木委員 これは今、非常に微妙な、逃げの答弁をされましたよ。

 小池都知事は、明確に、三回目接種を昨年末にできるだけ早く始めるよう政府に求めたところ、それはいかぬ、みんな足並みをそろえていくんだと、もうリアルなやり取りを披瀝されているんですね。

 これは今、個別のやり取りをここで国民に説明をする立場にないというのはどういうことなんですか。今、小池都知事がおっしゃっているコメント、これは大臣、やり取りされたかどうか。

 じゃ、本来、堀内大臣ですけれども、後藤厚労大臣、ワクチンの供給のことで小池都知事とやり取りされたことはありますか。

後藤国務大臣 ワクチンの供給のことについて、東京都知事と私が個人的に何らかのやり取りをしたという記憶はありません。

柚木委員 大臣が個人的にやり取りをしたことはないという今の御答弁なんですが、これは確かに、この答弁、小池都知事の、それはいかぬ、みんな足並みをそろえていくんだというのは、相当リアルに、御本人、若しくは本当に、もう担当の、直接、日々やり取りをされている方がやり取りしたのもダイレクトにも聞いているというニュアンスの発言だと思うんですね。

 そうすると、大臣は直接やり取りしていなくても、ワクチン担当、厚労省なのかコロナ室なのか、そういう人が直接やり取りをしているということは、厚生労働省としては、そういうやり取りは、報告は受けているんですか。

後藤国務大臣 具体的なやり取りについての報告を受けたり、今、どういう議論があったのかをつぶさに承知しておりませんけれども、しかし、あの当時の議論からいえば、例えば、六回で薬事承認が下りている中で、なるべく早い方がいいという議論と八か月でいいという議論が両方あったということについては、事態として承知をいたしております。

 具体的にそういう話を東京都知事としたかという御質問に対しては、私は、個人的に、個人的にというのはあれですよ、厚生労働大臣として直接そういうやり取りをしたという記憶はありませんが、全体の組織として、やはり八か月を原則として決めた。それは今から理由を言うとまた長くなりますから、なぜ八か月としたかはもう申し上げませんけれども、それを原則として、その時点の世界的な標準、また、六か月以上は、対策が当時は続くということを前提に、世界各国で八か月が標準であったことからそういう議論をしたということは御説明をさせていただいているので。

 その段階で、知事会から慎重にという御意見もあったし、それから、一部にはもちろん、知事の中にも市長の中にも、早くにもっと、持っているところは打ちたいという御意見があったということも承知しています。

柚木委員 非常に、何か、その中にこのやり取りもあったかとも読めるような今の御答弁なので、これ、厚生労働省、それからワクチン担当大臣、内閣官房の担当も含めて、コロナ室の、そういうやり取りをしたかどうかを調査してほしい。なぜならば、この後ワクチンチームのことも言いますけれども、同じ轍を踏んでもらっちゃ困るんですよ。

 尾身先生が三つの例を昨日山井委員とされましたね。富士山形になる、あるいは高止まり、更に上がっていく、BA・2。同じことが第七波で起こっちゃ困るんです。我々は、ずっと前倒し、今でもお願いしている、与党からも出ている、間隔も詰めろと。

 そういう中で、十二月末の時点でこれをやっていたら、ちょっと尾身先生、専門家として是非、この小池都知事の見解、私も同じ、同感なんですが、ちょっとコメントをいただきたいんですが、十二月末の時点で、前倒しでこの三回目のブースター接種を始めていれば、今頃、一日当たりの死者がまさに百五十九人、こういう状況、高齢者を中心に、私は防ぎ得たと思うんですけれども、専門家として、年末にブースター接種を開始していたら死者数はどうなっていたというふうに受け止められますか。

尾身参考人 私も、一個人、あるいは今の分科会の代表としての立場で、そういう議論がいろいろあったことは私も聞いておりますが、私は今、少しスタートが遅かったとかについてはいろいろな議論があると思いますけれども、今、私の立場としては、この与えられた状況の中で最大限スピードアップして追加接種を急ぐということが一番大事じゃないかというふうに思います。

柚木委員 本当に、多分、苦しい御答弁ですよね。これ、専門家としてもずっと、まさに去年からずっと分科会を開かずに、ようやくこの間、我々も開くように要求して、開いた。物を言わせてもらえなかった。黙らせろと報道出ていますね。本当におつらい立場でこの間取り組んでこられたと思いますよ。

 是非、厚生労働大臣それから堀内ワクチン担当大臣、同じことが起こってはいけません、救える命を救わなきゃいけませんから。こういう年末の、できるだけ早く政府に三回目接種、前倒しを求めたら、それはいかぬ、みんな足並みをそろえていくんだと。これは本当にリアルな、言葉遣いも含めて、やり取りですから、誰がどこでこういうやり取りをしたのか、調査をしてください、それぞれ。厚生労働大臣、堀内大臣、御答弁ください。

後藤国務大臣 そもそも、東京都知事がどういうふうにおっしゃったかは知りませんが、一つ一つ自治体の代表である知事の御発言についてとやかく言うべきではないとは思いますけれども、少なくとも、今申し上げた点については、これまでお話をさせていただいたとおりです。

堀内国務大臣 ただいま後藤大臣が御答弁なさったとおり、同趣旨でございます。

柚木委員 私も、何でわざわざ調査してくれと言ったかといったら、総理が国民の皆さんにそういうことはないと否定をしているんですよ。これ、場合によっては総理が、総理はそういうつもりはなくても、虚偽答弁をしていることになりかねないんですよ。

 そして、救える命が、今や一日百六十人近くの方が、五波を超えて倍増ですよ、もう死者数。こういう状況に陥っているんですよ。そうならなくて済んだかもしれない。七波以降のことも考えて、こういうやり取りをどの部署でどういうことがあったのか、これは検証しないと今後も同じことが起こりますよ。

 是非、委員長、それぞれ調べていただいて、どこの省庁窓口がこのやり取りを都知事若しくは都の担当者とやったのかを調べて、この委員会に報告してください。

根本委員長 理事会で協議します。

柚木委員 ワクチン担当大臣、私は、今後ワクチンチームを復活させて本当に体制を強化していく、こういうことでお聞きをしております。

 もちろん、そうしていただくことは必要なんですが、そもそも、このワクチンチーム、リエゾンチームとも言われる、河野前大臣時代からですね、勝手に十二月に解散をして、岸田首相は知らなかったということで激怒をしたと。それはそうだと思いますよ。まさに、小池都知事が年末に、三度目接種、ブースター、前倒しでやってくれというやり取りをしているさなかに、ワクチンリエゾンチームは解散しているじゃないですか。

 これ、堀内大臣、堀内大臣も岸田首相同様、こんなことをされたらとんでもないと、オミクロン株に置き換わって第六波が来るというのはもうその時点で言われていたわけですから、そんな解散なんかとんでもないと激怒して、止めて、そして三度目接種を加速、自治体との連携を強める、そういうことをやるべきじゃなかったんですか。いかがですか。

堀内国務大臣 ただいま、都道府県の窓口を担当する厚生労働省の職員を十三名配置して、自治体との連携に支障がない体制を確保しているというふうに、厚生労働省の体制としてなっているというふうに、私自身は厚生労働省から伺っております。

柚木委員 昨日確認をいたしましたが、河野大臣時代は二十名、これは併任も含むのでしょう、今の十三名の体制も併任を含むと昨日確認していますから。それにしても、体制は縮小。そして、各市、県から五十二名派遣されていたリエゾンチームは十二月で解散。これ、こういうことをしていなかったら、今頃本当に前倒しで三度目の接種も、自治体とも連携して。何でやらなかったかって、自治体の負担になるといって遅らせたんじゃないですか。解散しているからこんなことになるんじゃないんですか。(後藤国務大臣「委員長」と呼ぶ)ちょっと待ってください。聞いていないですよ。

 堀内大臣は、このリエゾンチームの解散について、いつ知らされて、どういう受け答えをされたんですか。いかがですか。

堀内国務大臣 確認したいんですけれども、ワクチンチームとリエゾンチームとございますが、委員の御質問はどちらのチームについての御質問ですか。(柚木委員「リエゾンチーム」と呼ぶ)

 リエゾンチームにつきましては、厚生労働省の組織内にございます。厚生労働省の中でやっていただいているので、その件については後藤大臣から御答弁いただいた方がいいと思っております。

根本委員長 厚労大臣。(柚木委員「いや、後藤大臣、待ってください。この後答弁してもらったらいいです。堀内大臣がいつ知ったのかということを聞いているんですよ」と呼ぶ)

後藤国務大臣 今、委員長から御指名がありましたので、答弁をさせていただきますが、リエゾンチームは、確かに、五十二名、最大で、つくられていたのは事実であります。

 しかし、現体制においては十三名の厚生労働省の職員で対応いたしておりますが、当時は二百件以上のいろいろな具体的な問合せが市町村等から行われていましたが、現在では二十件ぐらいになっておりまして……

根本委員長 厚労大臣、簡潔に。

後藤国務大臣 ある程度、ワクチンの提供体制について、一回目、二回目の体制について知られている中で、そういう体制で対応できるということでそういうことになっております。

柚木委員 所掌を言っているんじゃないんですよ。ワクチン担当大臣として、岸田首相は知らなかったと激怒したと、あの温厚な岸田首相がですよ。堀内大臣はいつ知ったんですか、この問題を。リエゾンチーム十二月解散をいつ知ったんですか。どういう反応をされたんですか。(発言する者あり)

 筆頭のやじ、やめてくださいよ。谷筆頭、理事なんでしょう、筆頭の。やめてください、やじで妨害するの。

 堀内大臣が、この十二月、各自治体から五十二名が派遣されて、自治体間、各省庁とのいろいろな連絡を共有されていた。解散を十二月に岸田首相は聞かされていなかったと激怒したと、あの温厚な岸田首相が。温厚な堀内大臣も激怒するべきではなかったんですか。いつ知ったんですか。

堀内国務大臣 私自身といたしましては、厚生労働省としっかりと連携している中で、リエゾンチームの皆様方、十三名いらしていただいたので、各都道府県についてのお問合せ、様々なことをしっかりとお答えしていただいていると認識しておりました。

柚木委員 ちょっと待ってくださいよ。これ……(発言する者あり)

根本委員長 じゃ、国務大臣堀内詔子君、いつ知ったのか。

堀内国務大臣 済みません、先ほど来申し上げておりますように、これは解散したのではなくて体制として残っているわけでございまして、十三名の方がしっかりと私のお願いした職務を果たしていただいているというふうに認識しております。

柚木委員 ちょっと委員長、ちゃんと整理してください。

 私が聞いているのは、今、二十名だったワクチンチームが十三名でやっているという話じゃなくて、各自治体から五十二名が集められて自治体との調整をしていたリエゾンチームが解散した、十二月に。岸田首相も知らなかった、激怒した。そのことを、リエゾンチームの五十二名の解散を堀内ワクチン担当大臣はいつ知ったんですか。年末ですか。いつですか。それとも今ですか。今知ったんですか。

堀内国務大臣 済みません、恐らく、リエゾンチームに対する認識があれだと。私自身は、リエゾンチームが存続して仕事を、きちっと職務を果たしていただいていると。人数についてはそのときに多少増減があるかもしれません。けれども、しっかりとまた、人員が入れ替わったりしているかもしれませんが、リエゾンチームとして十三名の方がしっかりと仕事をしていただいているというふうに認識しています。

柚木委員 言われていることは分かっています。私が聞いたことに答えてください。都合が悪いんですか、これを答えると。

 自治体から集まって調整をしていたリエゾンチームの五十二人のメンバーが解散をしたのは、十三人で存続じゃないんです、五十二人が解散してそれぞれの自治体に帰ったのは、いつ知ったんですか。

堀内国務大臣 済みません、厚生労働省内の組織のことでございますが、一義的には厚労大臣がお答えいただけることと思っておりますが、リエゾンチームについては、今十三名の方がいらっしゃって、そして仕事を継続していただいているというふうに、私自身が、それが認識でございます。(発言する者あり)

根本委員長 堀内大臣、五十二名のリエゾンチームが解散したのを知ったのはいつかという問いです。リエゾンチームですよ。五十二人。(柚木委員「五十二人が帰ったのは、自治体に」と呼ぶ)帰ったのはいつか。(発言する者あり)

 まずは事実関係を、厚労大臣、答えてください。

後藤国務大臣 今また委員長の御指名でありますから、改めてになりますけれども、もう一度申し上げますけれども、リエゾン業務についてしっかりと取り組まさせていただいております。そして、十三人の厚生労働省の職員が取り組んでおりまして、その任務がしっかりとできているというのは、問合せの数も、大体の配付について一緒なので……(発言する者あり)いや、同じ質問を聞かれるからです。

 ということで、二百人の、二十件に減りましたので、しっかりと対応をさせていただいております。

堀内国務大臣 済みません。恐らく、認識の違いだと思っております。

 後藤大臣も、リエゾンチームは存続して業務を遂行し続けているというふうに認識していらっしゃいます。私自身としても、私自身のお願いした業務はきちっとリエゾンチームが果たし続けてくださっている、現在も、そういうふうに思っておりますので、そういう状況だと思っております。(柚木委員「五十二人が地元に帰ったのをいつ知ったんですか。今ですか」と呼ぶ)

 リエゾンチームは、まだお仕事をしてくださっております。その中で、体制、そして人数が変わることについて、しっかりと業務をしていただいているということを認識している状況なので、お一人お一人が、例えばいつ替わられたとか、そういうことについては、別に、しっかりと認識を、私自身としては、その中のお一人お一人が、いつ、どこに、どう転勤したかについて、逐一報告を受けている状況ではございません。

 ただ、リエゾンチームとしては、しっかりと存続してお仕事をしていただいているというふうに認識しています。

柚木委員 今、ちょっと本当に驚きの答弁ですよ。岸田首相が……(発言する者あり)

 ちょっと、やじ、委員長、止めてくださいよ、本当に。与党のやじを。

根本委員長 やじは控えてください。

柚木委員 岸田首相が、これ、だって、まさに河野大臣が堀内大臣のことを気の毒だと。自分のときよりも体制は、もうリエゾンチームは解散する、しかも十三人に縮小して地下室に行く、気の毒だといってかばっているんですよ。それを、まさに菅政権が百万回接種が最大の課題だといって一番大切なチームをつくった。これを勝手に知らないうちに解散したから、岸田首相御本人が激怒している。

 知らないというのはとんでもない答弁ですよ。厚生労働大臣、厚生労働省に任せていたから、一々、逐一報告を受けていないこと自体が大問題じゃないですか。

 だから、いまだに、これはどうやって今月三千七百四十六万回達成するんですか。百万回ペースでいったって二千百万回。千六百万回ぐらい足りないですよ。これ、二百万回ぐらい一日接種しないと目標に行かないですよ。その原因が、まさにこの年末にリエゾンチームを解散しちゃったからじゃないですか。これはとんでもありません。

 ちょっと時間がないので、後藤大臣が答えたい答弁を聞きますから、ちゃんと答えてください。マスクの問題です、二歳の。

 これも、私も、本当にこれは大丈夫かなと思います。分科会が、私、外に出す前の提言とその前とを見比べましたよ。二歳の園児にマスクを着用させることについては、これは本当に異論もあったということで削除されたものを、わざわざ、今回、厚生労働大臣は、可能な範囲で、子供や保護者の意図に反して無理強いすることがないように留意し、一時的にマスクの着用を推奨するということですけれども、これは実際に、自民党内でも、あるいは元厚労政務官も、小児科医の方ですね、この方、無理強いすることがないように留意してといったって、現場は留意というのをどう読み、原則行わなければならないとなった場合、現場が混乱すると。

 もっと言うと、私も国会の中で何度も、保育所、保育園における、本当に不幸なことに、お昼寝中に亡くなったり、まさに窒息死とか嘔吐とか、詰まって、そういう事例は本当にあるんですよね、毎年。貴い命が百人以上とか、年によっては。

 これは、こういうことが本当に起こりかねないから分科会は二歳児以上というのを削除したんだと思いますが、これまで厚生労働省もそういうことをちゃんと踏まえて、二歳以上とかそういうことでなくて、年齢を特に限定せずにこれまでやってきたと思うんですけれども、何で今回その方針を変えたんですか。

後藤国務大臣 子供のマスクの着用については、二月四日の新型コロナウイルス感染症対策分科会において、一時的な取扱いとして、発育状況等からマスクの着用が無理なく可能と判断される子供について可能な範囲で着用を推奨することが専門家から提言されたところでございまして、こうした考えに従って、厚生労働省としては保育所におけるマスクの運用を進めていきたいというふうに私からは答弁をいたしております。また、二歳児未満については、引き続きマスクの着用を推奨しないという考えもお示ししているところでございます。

 どうしてそういう議論になっているかということについて言えば、従来から、厚生労働省においても、保育所におけるマスクを推奨してきたわけではありませんが、今、高齢者施設やあるいは保育園、幼稚園等、そうした子供の施設も含めて大きなクラスターがたくさん生まれている中で、もし、可能な範囲内で、子供や保護者の意図に反して無理強いすることのないように留意した上で、その上でマスクの着用が無理なく可能と判断される子供については、マスクをして、感染を少しでも止める方がいいのではないか。一時的な措置として、子供のため、また社会のためにと思って申し上げているところでございます。

柚木委員 うちはもう子供が二人小学生に上がりましたけれども、少し前までは、本当に、別にこのコロナ禍でなくても、マスクなんかしていても気がついたら取っているんです。全然、二歳じゃなくて、保育園の頃とかですよ。

 大臣、現実問題、二歳児にマスクを着用、まさに、専門家、尾身会長の分科会の中では、現実的に二歳児にマスクを強いるというのは不可能だと異論が出て年齢部分は削除したと。大臣御自身、二歳児に、マスクをちゃんと着用して、ずっと着用した状態で、現実問題、いられるとお考えなんですか。

後藤国務大臣 二歳児未満についてはきっぱりと推奨をしないというふうに申し上げておりまして、二歳ぎりぎりのところの方たちが、発育状況等から見てマスクの着用が無理なく可能と判断されるかということについては、それは難しいケースが多いと私も思っておりますし、そういう方について無理強いすることがないということを明確にした上で、方針を明確に、具体的な取扱いの留意事項もしっかりと近日中に明確にして周知したいと思っております。

柚木委員 その明確にして周知するまでにやっていただきたいのは、私も子供たちが保育園にお世話になっていて、園長先生含めて本当に日々やり取りもして、まあ私も迎えに行ったりしていましたから、送り迎え。私も、まさに保育現場で事故で亡くなるような問題が起こったとき、国会で質問するとき、現場で聞いていました、話を。そうすると、保育園の先生方は、本当に少ない人数で、配置基準ですからね、私、本当、お散歩とか行くのすら、事故とかなったり、川に落ちたり、どうなるのかなと思って相談したこともあるぐらいですが、一番怖いタイミングが、お昼寝のときのまさに窒息死、嘔吐とか、こういう状況なんですね。

 これ、現場はふだん以上に子供に注意を払う必要が生ずる。保育士の負担が増すことへの懸念がある。こういう現場からの声をしっかり聞いた上で、私、事前通告でやり取りしたら、十分に聞いていると思えません。現場からの声をしっかり、現場の負担が増えるのは間違いないんですから、聞いた上で、ちゃんと対応を現場ができるような形でQアンドAを出してもらわなきゃ困るんですけれども、現場の声、どう聞かれたんですか。

後藤国務大臣 先ほど委員自身が御紹介していただいた分科会におきましても、何か、原案とでき上がりの案もよく見たというふうに委員自身がおっしゃいましたけれども、大変な激論でございます。また、それぞれ団体においても明確にマスク着用を主張される団体等もあり、それから、今言ったように、元々、保育園でのマスクの着用についてはいろいろな危険があることをもって従来は推奨してこなかったわけであります。

 そういう中で、今の感染状況をどう判断するかということで、大変な大きな議論を分科会でも行い、また、知事会とのやり取り、御意見を聞かせていただいたり、また、保育所の団体からも御要望、御意見が出てきて、そういうことを総合勘案して、分科会での結論も、そして、それを踏まえた厚生労働省としての方針もできているということです。

柚木委員 これは本当に、今後も、特に、言われたように、もう二歳ぎりぎりとか、嘔吐とか窒息死ということがあっては本当になりませんから、私は、慎重な運用、指示を求めたいと思います。

 それから、休業助成金についても、昨日、大臣、出されていますね。再び運用見直しと。まさに今、休園も過去最多、小学校の休業等に、休んだ場合に一日一万五千円支払われるところが、これがなかなか、会社の同意も得られなくて受給ができない、届出も受け取ってもらえないということで、事前同意が不要になった、事業所の。これは当然のことなんですが、私、説明を聞いても、やはり、これだと再び見直さなきゃいけなく、再びというか三たび見直さなきゃいけなくなるんじゃないかなと思うので聞きます。

 これまでは、事業主から休業確認がなければ申請できなかったのは、なくてもいい、しかし、事後に事業主に休業させたことの確認を行うと。いろいろな、本当に、働いている方で、事業者が協力してくれない、事業者側の言い分も実はあって、事業者側は、ほかの人と不公平にならないようにとか、御自分が判断されたことでとかと、いろいろなそごがあってなかなか受給につながらないという中で、後から確認するにしても、同じことが起こったときに、結局受給できないということになりかねませんから、是非お願いしたいのは、例えば、小学校でも保育園でも、休業、休園したら、ちょっと現場の御負担をお願いするのは恐縮ですが、一枚、紙を、休園、休校証明を出してもらって、それを出せば受理していただく、そういうことにして、また、三たび見直さなきゃいけないようなことはやめていただきたい。

 それから、もう一点は、代替保育への財政支援も非常に重要で、ベビーシッターのまさに争奪戦にもなっているわけですから、こういった点についても当然対象になると思うんですが、私、是非もう一つ伺いたかったのは、これまで受け取れるはずだった人も、受け取れていない人方に対しても、遡り受給も含めて、是非御対応いただきたい。

 以上二点、御答弁ください。

後藤国務大臣 事業主による休業させたことの確認は、休業支援金を支給するというのは、休業していたからこそお払いするものでありますので、その要件を外すというわけにはまいりません。

 しかしながら、休業させたことの確認が事業主から得られないと休業支援金による個人申請も行えない運用は、それは、ほかの働いている方とのバランスでなかなか休業を認めることができないというような態度を取る事業主もおられるような大変厳しい状況を伺いましたので、まずは保護者の申請を受け付けた後、引き続き、事業主に休業させたことの確認を労働局の窓口でお手伝いをしてしっかりと認定をさせていただく、そういうことをするということにしております。

 また、先ほどの助成等についても、対応をするということで、いたします。

柚木委員 妊婦さんの感染事例が急増しています。

 昨年の八月十七日に、千葉県で、本当にお気の毒なことに、お子さんが出産後亡くなられて、その三日後に厚生労働省は通知を出しました。それは当然だと思います。しかし、それから先ずっと、私も昨日も求めたら、何と、昨晩、夜中に出しているんですよね。しかも、その通知を見ると、いろいろなことの医療体制が入っている中の十四ページ目にようやく出てくる。こんな対応、遅きに失しています。

 私がお願いしたいのは、東京都は、現場の求めに応じて、一月二十日時点での速報値、百六十一人がまさに感染して、そのうち四分の一ぐらいしか入院管理できていないと。こういう状況を、現場からいっぱい問合せがあるわけですね。こういう状況を、是非、全国的にどういう状況か把握をしていただきたい。実際、今回出した通知には、そういったことについて、妊婦の感染されている方の有無の登録を徹底いただきたいとやっていますから、集計できるはずですから、全国的な妊婦さんの感染者数に加えて、それが入院できている、できていない、こういった実態調査を行っていただきたいと思います。短く答弁をお願いします。

後藤国務大臣 昨日出しました通達は、先ほどからも質問の出ている、いろいろな医療機関や高齢者施設に対する助成、そうしたことも含めまして、いろいろな、救急外来の問題だとか、そういう一環の中でお示しを、示したものです。

 妊婦さんに入院調整を行う都道府県において、妊産婦に係る医療提供体制の状況を適切に把握していただくように求めているところでありまして、HER―SYSの妊婦の有無の登録を徹底するように呼びかけるとともに、積極的に、新型コロナウイルスに感染した妊産婦を受け入れる体制を確保するようにしたいと思います。

柚木委員 これは前回言えなかったので、ちょっとまとめて、昨日一時間やり取りして、一問で聞くことにしましたので。こういう中で置き去りになっているのが生活困窮者です。この予算委員会の参考人の中でも、反貧困ネットワークの瀬戸大作事務局長が本当に、テレビもその後、土曜日、されていましたけれども、そういう現場の状況を一問で聞きますから、簡潔にお答えください。

 お願いしたいのは、住居の確保と食料支援と、そして医療の支援なんです。そして、最後は自立支援、仕事の確保、これらをしっかりと行っていただかないと、本当に救える命が救えないということになりますから、これはまとめて御答弁をお願いします。

後藤国務大臣 生活に困窮されている方に対しまして、生活保護が適用されていれば医療扶助、また、そうでない場合には無料低額診療事業を適用するなど、医療についてしっかりしていきたいと思いますし、もしあれば、聞いていただければと思います、それ以上。

柚木委員 ちょっと現場とはもう相当密にやり取りしていますので、この問題は今後、困難女性支援新法、これは超党派で出ると思いますので、そこにも関わるところなので、女性相談会を始め、一生懸命活動されている方々も含めていろいろな声が届いていますので、しっかり対応をお願いして。

 今日分かったことは、岸田首相が、前倒し、政府に小池さんが求めたということは、これは虚偽答弁だったんじゃないですかね。本当に、そういうことが明らかになって、これでは到底救える命が救えないという強い懸念を申し上げまして、質疑を終わります。

 ありがとうございました。

根本委員長 これにて柚木君の質疑は終了いたしました。

 次に、青山大人君。

青山(大)委員 まずはコロナワクチン三回目の接種について質問したいと思っていたんですけれども、今、我が党の柚木議員の方から非常に重要な御指摘がございました。是非、堀内大臣、柚木議員の貴重な提言を踏まえまして、真摯に受けて、三回目の接種の目標に向けてしっかり取り組んでほしいと思って、質問がかぶってしまいますので、あえて答弁は求めませんけれども、三回目の接種促進に向けてしっかり取り組んでください。

 一方、今、その三回目の接種目標に対してなかなか現状が追いつかない。そんな中にあって、今、五歳から十一歳のいわゆる小児コロナワクチンの接種について議論がなされております。

 もちろん、打ちたい人が打てるような環境をつくっていくこと、これは大切でございますけれども、一方で、五歳から十一歳、コロナ感染で重症化することがほとんどない子供や若年者においてワクチン接種をすべきかどうか、これは専門家でもかなり意見が分かれているようです。

 賛否両論ある、この五歳から十一歳の小児へのワクチン接種において、まさに政府はどうやって関与していくのか。すなわち、公的関与の在り方については、私はこれはきっちりと議論をしなければいけないというふうに思っております。

 まずは厚労大臣に伺います。

 一月の二十六日、厚労省ワクチン分科会が開催されました。あした、二月十日も開催予定と聞いておりますが、五歳から十一歳の小児ワクチン接種の今の議論の状況、そして、今後どういう過程を経て正式に決定するのか、まずは大臣にお伺いします。

後藤国務大臣 本年一月二十一日に特例承認されました、ファイザー社の五歳から十一歳までを対象とした新型コロナワクチンの有効性や安全性については、PMDA及び薬事・食品審議会における審査、審議において確認をされております。

 具体的には、有効性については、抗体価の上昇が十六歳から二十五歳までと同様と評価されていること、発症予防効果が約九〇%であることが報告されております。安全性については、有害事象の発現頻度等を踏まえると、現時点で安全性に重大な懸念は認められないという評価がなされております。

 こういう評価が出ておりますので、こうした安全性、有効性の評価に従って、今後、ワクチン分科会において、どのように予防接種法上のワクチン接種を行っていくか、議論をこれから十分に、丁寧に進めていく必要があるというふうに思います。

 その内容についても今申し上げた方がいいですか。いいですか、これで。(青山(大)委員「では、どうぞ」と呼ぶ)

 新型コロナワクチンの接種については、個人予防のみならず、集団予防の観点からも実施するものでございまして、原則として、自治体による接種勧奨の実施と、接種を受ける努力義務の規定を適用することが一般的な原則でございます。

 しかし、五歳から十一歳までの子供への接種に適用することの是非については、新型コロナの蔓延の状況や有効性、安全性の程度、諸外国の対応等を踏まえまして、昨年から審議会で議論を重ねております。努力義務とすることについては賛否が分かれている状況でございます。接種勧奨については行ってよいのではないかという意見をいただいておりまして、あしたの二月十日の審議会でも、引き続き、こうした点から議論をしていただくように予定しておりまして、しっかりこうした議論を踏まえて検討していきたいと思います。

青山(大)委員 今、大臣から、いわゆる小児コロナワクチンの有効性の御答弁があったんですけれども、今のおっしゃった大臣の答弁は、いわゆる小児の新型コロナワクチン接種に係る科学的な知見ということなんですけれども、お手元の資料一ですね。

 これは、一月二十六日のワクチン分科会を踏まえた対応方針ということで、ここにちょっとアンダーラインを引いたんですけれども、新型コロナワクチンの接種に係る科学的知見、まあ、有効性なんですけれども、米印を見ると、これはオミクロン株、今の株以前の知見であり、オミクロン株のワクチンへの影響については引き続き情報収集を行うとあります。

 その後、しっかり、今のオミクロン株についての科学的知見はちゃんと収集されたのか、併せてまず伺います。

後藤国務大臣 委員から御指摘のところはまさに検討すべき点でございまして、オミクロン株については、五歳から十一歳用の直接のデータは現時点では存在していないわけです。薬事・食品衛生審議会においても、五歳から十一歳に対しても成人と同様の効果があると推測されているというのが、科学的な、正確な言葉でございます。

 ただし、オミクロンが感染する前にこうした知見やら議論を行っているということにおいては、正確に申し上げれば、有効性の確認等については、その直接のデータの確認ということからいえば行われてはいないということでございまして、その後、関係者、専門家の間で十分な議論をしていただいております。

青山(大)委員 今の、これは非常に驚きの答弁ですよ、大臣、委員長。だって、これから五歳から十一歳の子供たちにワクチンを接種する、それは本当に今のオミクロン株に効くのかどうか、その有効性がきちんと立証されていない段階で打ってしまう。これは親御さんからしたら非常に心配じゃないですか、大臣。

 さらに、いわゆる安全性に関しても、これは多分大臣もいろいろ聞いていますけれども、今、五歳から十一歳に近い、十二歳から十九歳で見ましても、やはり若い人ほど副反応が出やすいとか、もちろん、当然、元気な子に打って重篤な副反応の出る割合が高い。さらに、ワクチンを打って十代で死亡した例も出ている。そういった安全性を心配する声もある中で、まさにワクチンの有効性も、実はまだきちっとデータが取れていない。

 ただ、大臣、これは誤解しないでくださいね。かといって、もちろん、基礎疾患を持っている子たちとか打ちたい方たちもいるから、絶対に打っちゃいかぬとか、私はそこまで言うつもりはないです。当然、政府として、そういう打ちたい方とか基礎疾患を持っているお子さんたちへ打てる環境をつくっていく、これは私は大切だと思う。

 ただし、今大臣がおっしゃったように、まだ有効性についてもきちっとしたデータができていないと今答弁でおっしゃいました。(発言する者あり)そうおっしゃった。だから大事なんですよ。安全性も、やはり心配する声もある。

 そういう中で、まさに予防接種法を見ますと、コロナワクチンは、予防接種法の附則第七条第四項で、もちろん、コロナの蔓延の状況、そして接種の有効性とか安全性その他の情報を踏まえた上で、接種勧奨と努力義務については、それぞれ対象者を指定して適用しないことが可能、これは明確に明記されているんですよ。

 すなわち、今大臣御答弁あったように、有効性がきちんと確立されていない、安全性も不安の声がある、踏まえ、接種勧奨と努力義務については、極めて丁寧に、細かく規定する必要があるんじゃないか、私はそのように思っております。

 まずは、予防接種法第九条の努力義務について、一月二十八日予算委員会、立憲民主党の中谷一馬議員の質問に対して、政府分科会の尾身会長は、努力義務を適用する必要はないと答弁されました。私も同じ考えです。大臣、どうでしょうか。

後藤国務大臣 オミクロン株について私が申し上げたのは、今、五歳から十一歳用の直接のデータはないということでありますけれども、専門家の皆さんは、成人におけるワクチンのオミクロン株の有効性等、そして科学的な知見に基づいて、五歳から十一歳に対しても成人と同様の効果があると推量されて、有効性を認めておられるということでございます。

 それから、予防接種法上の努力義務とかあるいは勧奨につきましては、これは、今委員が御心配されている点も十分にみんな議論を、それを踏まえて議論しているところであります。ですから、私は個人としての意見を言う立場にない厚労大臣なので、しっかりとワクチン分科会の結論を踏まえた上で、厚生労働省としてのしっかりとした、義務あるいは推奨についての決定をしていきたいと思っております。

青山(大)委員 今まさに大臣も、いわゆる接種勧奨、努力義務については、厚労省のワクチン分科会の議論を踏まえた上で今いろいろ検討中とはっきりおっしゃいました。

 にもかかわらず、一月二十七日、各自治体向けに厚労省さんから事務連絡がなされています。今大臣、まさに接種勧奨についても議論中なんですけれども、まさにこの一月二十七日の厚労省の自治体向けの事務連絡で、いわゆる接種券について、「早期に接種券を配送すること。早急に準備を進める観点から、今後の省令改正等に先行して印刷等を行う方法も考えられる。」

 すなわち、五歳から十一歳向けに接種券の送付をしなさいというような、出しているんですよね。接種勧奨をどうするかまだ議論中なのに、ちょっとこれは余りにも先走り過ぎじゃないでしょうか。

後藤国務大臣 今、青山委員御指摘のとおり、一月二十七日の時点で事務連絡を発出しております。

 五歳から十一歳までの子供への新型コロナワクチン接種の実施に当たりましては、接種実施医療機関の確保等、必要な準備に相当な時間を要する。接種実施医療機関というのは、やはり専門家の皆さんの御意見でいえば、子供にワクチンを打つということになれば小児科医の関与が必須であるという御意見がございまして、そうなりますと、今全国で小児科との連携ということも踏まえて準備をするということになると相当に時間を要するだろうということで、自治体から早期の情報提供の御要望を非常に多くいただきました。

 そうした御指摘に対しまして、五歳から十一歳までの子供にワクチン接種を行うことになった場合に速やかに接種を開始することができるように、その準備に当たっての留意すべき事項についてお知らせをしたものでございます。

青山(大)委員 だから、大臣今おっしゃったように、本当に五歳から十一歳、小児科との連携とか、大変じゃないですか。うちも今四歳、二歳、子供がいますよ。しょっちゅう風邪を引いて小児科に行っています。大変なんですよ。これがもし接種券、ただでさえ今三回目の接種が大変じゃないですか、自治体も大変なんですよ。そこでまた五歳―十一歳、発送して、親御さんからいろんな問合せとか、大変なんですよ。繰り返しですよ。

 だから、私が言いたいのは、成人と同じように一律な対応じゃなくて、きめ細やかな対応をしてほしいということなんです。別に、当然打てる環境はつくっていいんですから、真っ向から否定じゃないんですから。

 さっき、冒頭、大臣、海外のいろんな事例をおっしゃったじゃないですか。御承知のように、子供への接種勧奨について、海外では、誰に勧奨、奨励するのか、きちんとグループ分けされていますよ。

 配りました資料二、これも厚労省からの発表ですけれども、ドイツは、基礎疾患を有する場合や重症化リスクのある者と接触ある場合に推奨とか、イギリスは、リスクグループに属する小児、家庭内で免疫不全者と接触ある小児に接種すべきとか。

 ここには書かれていませんけれども、フィンランドでは、ハイリスクグループに属する子供や免疫不全者と接触のある子供に推奨としています。

 なお、フィンランドもドイツも、希望者には接種できるんですよ。

 ただ一方では、スウェーデンのように、現時点ではワクチン接種のベネフィットがリスクを上回るとは言えない、だから五歳から十一歳全員へはワクチンを推奨しないと決定している国もあります。ただし、リサーチやパンデミックの状況が変われば方針見直しもあり得るとし、既に重症化リスクのある子供にはワクチン接種を推奨するなど、やみくもに全員に推奨せず、非常に合理的な政策を取っております。

 このように、私も、日本でも、いわゆる接種勧奨については、全員に接種券を配るような大人と同じ対応じゃなくて、諸外国も踏まえまして、慎重な対応が必要じゃないか。三回目接種が今大変な中で、小児が殺到したらまた混乱しますよ。

 だから、接種したい人は接種する、そういった手挙げ方式、私はそういうふうにすべきと考えますが、どうでしょうか。

後藤国務大臣 小児のワクチン接種につきまして、五歳から十一歳までの子供、委員が本当に熱心に御指摘いただいているように、慎重な検討が必要であるということの認識は持っております。

 そういうことを踏まえまして、今後しっかりとどういう対応にするか考えていきたいというふうに思っております。

青山(大)委員 実際に私のところにも、例えば、二十歳のお嬢さんがワクチンを打たれて、そのまま寝たきりになってしまった、そういう親御さんからの悲痛な話も聞いています。もちろん、今、救済するためにいろんな市役所とかけ合っていますけれども、やはりなかなかそういう中で大変な状況にあるんです。そもそも、救済を求める以前に、昨日まで元気だった子がなってしまったとか、高校一年生のサッカー少年が重篤になってしまって、サッカーで、また話も聞いています。

 確かに、それを踏まえて、私は、さらに、今五歳―十一歳が五年後、十年後どうなるかというまた将来について、果たして我々責任を持てるのかということもそうなんですよね。ここで公的関与、接種勧奨とか努力義務を課してしまったら、我々の責任なんですよ。これは別に厚労大臣だけじゃないです。ここにいる国会議員全員の責任です。我々が本当に十年後、二十年後、その責任を取れるのかということなんですよ。

 だから、打ちたい人には打てる環境をつくっておく、ここは丁寧に手挙げ方式にするとか、私はそうすべきと思っています。

 まさに今日、本当にお忙しいところ、厚労省の予防接種・ワクチン分科会の脇田分科会長にもここに来てもらいました。まさに明日、その分科会で議論が行われるわけですけれども、今日の予算委員会、私の質問や大臣の答弁を聞いて、接種勧奨や努力義務の適用の在り方についてどうお考えか、個人的な見解でも結構ですので、お伺いします。

脇田政府参考人 委員御指摘の接種勧奨あるいは努力義務というところですけれども、この点につきまして、特に五歳から十一歳までの子供の接種、小児のコロナワクチンの接種、これについて、予防接種・ワクチン分科会でも昨年から議論を重ねてまいりました。

 子供たちにとっては新型コロナがどの程度の重症度を持った疾病なのか、そして、ワクチンによってどの程度の疾病が予防できるのか、そういった観点から、そういったことも議論をさせていただいてきています。

 分科会のメンバーは、予防接種の専門家だけではなくて、自治体の首長の方であるとか、法律の専門家であるとか、一般からの参考人であるとか、また、前回は、小児科学会の意見を代表した参考人等から意見を聴取しておるところでございます。

 その中で、やはり努力義務ということに関しては、予防接種法が改正されたときに、接種の義務ではなくて、接種に努めるという、個人、それから子供の場合は保護者が努めるということになっておりまして、その点、義務という言葉がついておりますけれども、これは、個人が接種を選択ができるという説明をよく小児科の先生はされているということでありまして、やはり小児のワクチンにおいても、個人あるいはその保護者がしっかりと接種を選択できるように、情報を提供しながら接種の環境を提供すべきという意見でありまして、そのために、努力義務であるとか接種勧奨については様々な意見がありますので、あしたも議論を続けていきたいと思っております。

青山(大)委員 まさに今脇田さんがおっしゃったように、やはりそれぞれがちゃんと、そのリスク、ベネフィットをきちんと判断できる環境にあるか、そこなんですよね。

 まさに予防接種法上の第八条、接種の勧奨の勧奨とは、ある一定の行為を勧め、奨励することである。すなわち、郵便等により個人へ直接伝達することも含まれる。すなわち、接種券を送るということがやはり含まれてしまうんですよね。

 私は、繰り返しですけれども、今回、五歳から十一歳については、まさに予防接種法上の附則第七条の第四項をきっちりと読み解いて、本当にこの予防接種の有効性及び安全性に関するその他の情報をしっかり踏まえた場合、第八条の接種奨励、そして第九条の努力義務については今回は適用しないという政治決断を、政治判断を、是非、後藤大臣、そして今日は堀内大臣も来ていますけれども、お願いしたいと思っています。

 本当に五年後、十年後、まさに我々が子供たちにしっかり責任を取れるか、そういうふうな、私は、一律な八条、九条の適用については、接種勧奨、努力義務適用については慎重にあるべき、そしてまた、局面が変わった段階で見直せばいいというふうに思っていますけれども、重ねて大臣の答弁をお願いいたします。

後藤国務大臣 これまで答弁させていただいたとおりなんですけれども、それぞれいろいろな御議論もあります。しっかりと御議論も踏まえ、また、今日委員からの御指摘も踏まえまして、分科会の御議論も踏まえて、決定をさせていただきたいというふうに思っております。

青山(大)委員 まさに大臣のあのときの決断が本当によかったというふうに、十年、二十年後そうなるように、しっかりとそこは、これは場合によっては、百万回の接種回数に満たないから小児の分を加えて増やそうとか、そういううがったような見方もされてしまうこともある。もちろん、そんなことはないと思っていますよ。でも、そういうふうに、また変なふうに思われたって嫌じゃないですか。そんなつもりはない、私はよく分かっていますから。ですから、ここは別個に考えてください。

 もう一点、最後、ごめんなさい。

 今日は総務大臣、本当に済みません、お忙しいところありがとうございます。

 実は、NHK番組、教育テレビ「天才てれびくん」、これは子供たちに大人気なんですよね。この「てれびくん」で、一月二十七日の放送で、一月二十一日に新型コロナワクチンを打つ人が五歳から十一歳の子供にも広げることが決まりましたとか、ちょっと事実と反することを子供たち向けの番組で述べているんですよね。

 私もこの番組、ちゃんと見ました。子供たちは素直なんですよ。あれを見ちゃったら、みんな受けなきゃいけない、そう思っちゃうんですよ。

 私は、子供たちに人気のある番組については、やはりそういった事実を踏まえて丁寧な報道をすべきと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。

金子(恭)国務大臣 お答えいたします。

 放送法は、放送事業者が自らの責任において放送番組を編集する自主自律を基本とする枠組みとなっているため、個別の番組についてはコメントすることは差し控えたいと思います。

青山(大)委員 時間ですので、質問を終わりにします。

 あした、厚労省のワクチン分科会がございまして、是非、脇田分科会長、本当に賛成、反対、いろんな御意見がある中で、余り、もう結論ありきで進まないように、そこはしっかりとした柔軟な議論の方をよろしくお願いいたします。

 ありがとうございました。

根本委員長 これにて青山君の質疑は終了いたしました。

 次に、落合貴之君。

落合委員 立憲民主党の落合貴之でございます。

 まず初めの質問は、昨晩、急遽通告をさせていただきました。官房長官、急遽ありがとうございます。

 内閣官房は、昨日八日、経済安全保障法制準備室長を務める藤井敏彦国家安全保障局担当内閣審議官が同日付で経済産業省に出向する旨を、人事を発表しました。処分につながる可能性のある行為を把握したと、事実上の更迭と見られるとの報道も、昨晩遅くに配信をされております。

 経済安保法制は岸田内閣の目玉政策であるわけでございます。今回の予算にも経済安保関係の予算がたくさん入っております。その法制の準備室長なわけで、中核を担う最も重要な人物なわけでございます。

 その人物が、この法制の法案の提出が迫っている重要なときに、処分につながる可能性のある行為を把握したということで、これは一体何があったんでしょうか。

松野国務大臣 落合先生にお答えをさせていただきます。

 今般、藤井敏彦内閣官房審議官について、処分につながる可能性のある行為を把握をし、現在、本人も含めて事実関係の確認、調査を行っているところであります。

 このような状況において、同審議官に経済安全保障法制準備室長の職務を続けさせることは困難と判断をしたため、本人に対して国家安全保障局長から厳しく注意した上で、派遣元である経済産業省に異動させることといたしました。

 国家安全保障局において引き続き事実関係の確認、調査を実施していくこととしており、今後判明した事実に基づき適切に対処をしていきたいと考えております。

落合委員 これだけ重要な人物を重要なこの時期に外すということは、調査中といえ、かなり、それなりに重要な問題を把握しているのではないかなというふうに思います。

 この経済安保は、経済それから外交を大きく左右する問題です。どういう法制になるのかということは、毎日、新聞でも報道されています。国内外の企業も、どうなるんだろうねと注目をしてきました。外国の政府も、日本がどういう対応をするのか、細かいところまで注目をしてきました。法案の中身について、かなり注目が集まってきたわけです。ここで外すというのは、情報が途中で漏れていなかったかなど、かなり注視をしなければならない問題があると思います。

 最も重要なことの確認をさせていただければと思いますが、この重要な法案、もう大体でき上がっているとは思うんですけれども、この法律の制定過程、これに問題が起きている可能性があるということはありませんね。

松野国務大臣 お答えをさせていただきます。

 先生からお話があったとおり、世界各国が戦略的物資の確保や重要技術の獲得にしのぎを削る中、経済安全保障は待ったなしの課題であります。

 現在、政府として、有識者会議の提言を踏まえ、法案の検討を行っているところであり、引き続き、法案の提出に向けた準備を加速をしていきたいと考えております。

落合委員 私が伺っているのは、法律を今作っているわけですけれども、この制定過程に問題は起こっていないかということでございます。

松野国務大臣 お答えをさせていただきます。

 現在、事実関係の確認、調査中であります。お答えは差し控えさせていただきたいと思います。

落合委員 問題がないとははっきり言えないということなんだと思います。

 これは極めて問題視されなければいけないことです。今後しっかり、国会でも、国民に対しても、この調査の過程も含めて御説明をいただければと思います。

 それから、今回の今審議されている予算案の中にはたくさん経済安保関連が入っています。これは予算の審議にも関わる問題です。この予算委員会の理事会にも適宜報告をしていただければと思います。委員長、お取り計らいをお願いします。

根本委員長 理事会で協議します。

落合委員 これはしっかり問いたださせていただきますので、今後もよろしくお願いします。

 官房長官、これで、急遽でしたので、退席をしていただいて大丈夫です。ありがとうございます。

 それでは、まずは、新しい資本主義についてでございます。

 昨年末、ピケティさんらが創設した世界不平等研究所が四年ぶりに二回目の報告書を出しました。残念ながら、コロナ禍でも格差が世界的に広がっています。世界の成人の上位一%の富裕層が世界全体の三八%の富を独占していると。下位五〇%は二%の富しか持っていません。

 これは、日本ではそんなことないんじゃないかと思うんですけれども、日本も、国全体の個人資産の二五%が上位一%の人が持っています。下位五〇%は六%しか持っていません。残念ながら、一億総中流の時代が数字でもはっきりと終わってしまったことが見て取れます。

 だからこそ、新しい資本主義。これは、家計を回復させなきゃいけないし、賃金を上げていかなきゃいけないんだということですが、消費者物価指数はまだそれほどでもあれですけれども、企業物価指数が昨年末には八・五%も上昇しています。賃金が余り上がらないのに物価は上昇している。コストが押し上げる形での物価上昇が生まれてしまっています。これは、需要が多くて物価を上げているわけではないので、かなり消費にはブレーキがかかってしまうことが予想がされます。ですから、やはり賃金を上げる経済政策は重要なんです。

 そもそも、こういう問題が起きる前、コロナ前から、資料の一と二、つけさせていただきました、コロナ前のアベノミクスの下でも断続的に実質賃金は下がってきました。世帯消費も下がってきました。二ページ目の貯蓄ゼロ世帯も、残念ながら割合がだあんと増えてしまっているわけです。元々アベノミクスの弱点だった、しかも一番重要なところが、コロナ禍でもっともっと広がってしまっている。

 岸田総理の言う経済政策を成功させるというのは本当に重要な問題なわけでございます。

 賃金を上げるとおっしゃっているんですが、個別に今回の予算を見てみると、逆行しているものがかなりあるんです。今日、二つ挙げさせていただきます。

 まず一つ目が、雇用保険の保険料率を上げる予算関連法案が出る予定です。雇用保険の保険料率は、経営者側、お給料を払う側とお給料をもらう側が両方とも払っている、雇用保険は労使折半なわけですけれども、これを両方上げるわけです。そうなると、せっかく、賃金を上げた会社は法人税を減税するとか言っているにもかかわらず、賃金を上げたら、払う保険料が増えるわけです。賃金を上げるインセンティブはマイナスに働きます。それから、消費者側にとっても、可処分所得が減るわけです。

 今回はちょっとですよと言ったとしても、今までどんどんどんどん負担が上がってきたこの流れを反転させるということを岸田政権が言っているのに、同じことを岸田政権でも続けているわけです。

 今回、労使負担を上げるのであれば、その前にこれは撤回して、例えば失業手当の国庫負担率は、元々二五%を国庫が負担していたのに、今、二・五%しか負担していません。そこに手をつけないで労使の負担率は上げる、これはおかしいんじゃないでしょうか。

 厚労大臣、どうですか。

後藤国務大臣 今委員御指摘ありました雇用保険でございますけれども、雇用保険料率及び国庫負担につきましては、雇用情勢が良好に推移してきたことから、暫定的に引下げを行ってきまして、料率、国庫負担、下がってきたわけであります。

 コロナ禍におきまして、御承知のように、雇用調整助成金の特例等による支出が文字どおり急激に増加をいたしまして、雇用保険財政が極めて厳しい状況にあります。そのため、令和三年度補正予算においては、当面の雇用調整助成金の財源、雇用保険財政の安定のために、雇用保険臨時特例法に基づきまして、一般会計から二・二兆円、二兆二千億円の繰入れを実施したところであります。

 これらを踏まえまして、雇用保険料率は、原則千分の八でありますところ、令和四年度における激変緩和措置として、年度前半を千分の二、後半を千分の六とするとともに、国庫負担については、雇用情勢や雇用保険の財政状況に応じた仕組みとするために、雇用情勢及び雇用保険財政が悪化したときには四分の一、それ以外のときには四十分の一とした上で、これに加えて、機動的に国庫からの繰入れを可能とする仕組みを常設化するという関連法案を今国会に提出したところでございます。

 雇用保険の財政状況は依然として厳しい状況にありますけれども、政府としては、こうした労使負担への配慮や必要に応じた機動的な国庫からの繰入れの仕組みによりまして、早期に雇用保険財政の安定的な運営を確保することが必要であるというふうに考えております。

 雇用保険は保険制度で運用されておりますし、そこに国庫補助も加えているわけでありまして、今の経済を支えている雇用調整助成金のそうした役割も踏まえて御判断をいただきたいというふうに思っております。

落合委員 保険財政が悪化したので、本来〇・八%負担してもらうことになっているんだから、〇・二%を〇・六%へ上げますというような話ですが、岸田内閣は賃金を上げると言って、わざわざ大規模な減税までしますと言っているんです。今言われているのが、法人税を減税したって七割の法人が法人税を払っていないから意味がないんじゃないかという批判もあるわけです。雇用保険は、みんな法人は払っているんですよ。みんな払っている部分は上げて、これじゃ、賃金アップにはマイナスに働きます。

 保険の財政が悪化しているから負担のアップをお願いします、本来〇・八だったんだから〇・六まで上げさせてもらいますと。じゃ、国庫負担率二五%だったのに二・五パーしか、今下げたまんまの、これは上げなくていいんですか。

 それで、機動的な国庫負担繰入れをすると言っていますが、これは詳しく見てみると、いろいろな条件をつけているんです。労使負担もちゃんと上げて、努力した上じゃないと入れませんよみたいなことも何となく書いているんです。今、岸田内閣が最もやらなきゃいけないのは賃金を上げることなんですから、順番が違うと思います。

 司令塔の山際大臣、これは山際大臣がびしっと言わなきゃいけないことなんじゃないでしょうか。

山際国務大臣 びしっとというのはどうか分かりませんが、先生御指摘の面は、直接的な面ではおっしゃることもおっしゃることだと思いますけれども、一方で、我々、やはり将来に対する不安感というものをどう取り除いていくかという非常にマクロの視点も失ってはいけないと思っておりまして、そういう意味からいいますと、やはりセーフティーネット機能を十分に発揮していくための安定的な財政運営、これは必要だというふうに思っております。

 そういう意味で、今回の、労働者の生活及び雇用の安定を図るためのものというふうに我々としては認識しておりまして、新しい資本主義の理念とは整合的であるというふうに考えております。

落合委員 それじゃ今までの政策の路線と変わらないわけです。今の答弁を要約すると、賃金を上げるよりか不安感を払拭するために負担を上げた方がいいんですということになってしまうわけです。

 我々はこういった観点からも、社会保険料についてはなるべく国が面倒を見ながら、賃金を上げる経済をつくっていく。岸田総理も、財政よりかまずは経済だと言っているわけです。言っているんだけれども、実際の政策は違う。この一個一個の問題を、是非大臣たちの指導力で是正をしてもらいたい。今回の予算の中にでも、矛盾しているものはたくさんあります。この予算では賃金は上がらないということを申し上げたいと思います。

 もう一つなんですが、インボイスが登録が昨年の秋から始まりました。これは登録が始まったんですから、実質的には、もうインボイス制度は線路を走り始めたわけです。

 インボイス制度というのは、これを導入すると、今まで消費税を払わなくていいですよと言われていた事業者が税務署に消費税を納めなきゃいけないわけです。今、消費税を納税している事業者は三百万者ぐらい、これは国税庁が発表していると思いますけれども、免税されている事業者は五百万者もあるんです。消費税を払うのを免除されている事業者の方が数が多いんです。この人たちは、あるときからいきなり消費税一〇%納めてくださいということになるんです、今までゼロ%だったのにです。

 じゃ、その人たちはどういう人ですかというと、下請先になっている人たちや、総理も弱い立場だ、手取りも少ないと言っているフリーランスの人たち、小規模事業者の人たち、この人たちは消費税の価格転嫁も難しいというふうに政府が認めているんです。価格転嫁できない人たちに対して、消費税を取る、納めなかったら違反だというような、そういう仕組みをつくる。これはもう全くもって逆行しているんです。

 これは何で今やるんでしょうか。これは、財務大臣、今やるべきじゃないんじゃないですか。

鈴木国務大臣 インボイス制度でございますけれども、これは、複数税率の下で適正な課税を行うために必要なものであるといたしまして、法律に基づいて、来年の十月から始まることとなっております。

 インボイス制度への移行に伴う小規模事業者などの免税事業者への影響につきましては、顧客が消費者でありますいわゆるBトゥーC取引を行う事業者や、取引先の事業者が簡易課税制度を利用している事業者はインボイスの交付を求められることがなく、全ての免税事業者について影響があるわけではございません。

 また、円滑な移行を図る観点から、軽減税率制度の実施から四年間の準備期間を設けるとともに、移行後も、六年間でありますが、免税事業者からの仕入れであっても一定の仕入れ税額控除を認めるなど、事業者の準備や取引に与える影響を緩和するための十分な経過措置を設けているところでございます。

 さらに、令和三年度補正予算におきましては、IT導入補助金により、インボイス制度も見据えた中小・小規模事業者のデジタル化によります事務負担の軽減、また、持続化補助金により、インボイス発行事業者となる小規模事業者の販路開拓などを支援することといたしております。

 今後とも、制度の円滑な移行に向けまして、関係省庁で連携をしながら、これからの支援策や制度の周知、広報を始めとした取組を丁寧に進めてまいりたいと考えております。

落合委員 これは、準備期間が何年ですとか、特別にこういうのを設けるですとかおっしゃっていますけれども、来年十月からは原則的にもうやるということなんです。準備期間といっても、今までと同じような支払いの方法をやっていくには特別なことをやらなきゃいけないわけですから、これは負担にもなるわけです。

 今まで、軽減税率を導入した場合はインボイスにしないとできないんだというようなことを財務省はおっしゃってきたわけですけれども、最近、税理士の方々等が強く言い始めています、インボイスにしなくても軽減税率に対応できますと。

 わざわざ、無理やりインボイスにしていって、弱い立場の人たちから無理やり消費税を取っていく、これは、実質的には法人税の増税と同じことである、事業者への増税と同じことであると思います。こういうことをやっていく、しかもこの時期にやっていく、これは大変問題あることだと思います。

 これも、山際大臣、新しい資本主義はフリーランスとか小規模事業者も生き生きと活躍できるようにするんだ、それでないと、アベノミクスの成果が地方や小規模事業者に行かなかったように、この状況は打開できないんだというようなことを言っているわけですから、是非財務省に対して言っていただければと思います。

 私は、今物価も上がっていますから、消費税というのは物価に含まれているんですよね。軽減税率で八パーと一〇パーの段差がある今の状況を打開するためにも、消費税減税というのも一つの手段だと思います。

 それから、これは指摘されているのに改善されていないんですけれども、医療関係の人たちは、受け取る金額というのは公定で決められています。それなのに、仕入れは消費税がかかっています。なので、消費税が上がれば上がるほど、公定の価格を上げてもらわないと、利幅が減っていくわけです。これは、コロナで大変なときに、負担が、消費税が五パーから一〇パーに上がっているわけですから、この数年で負担が増えているのに、それに対する対応もされていない。

 消費税減税は、一つの、いろいろな問題を解決する手段であるというふうに思います。

 もう一つ、中小・小規模事業者がコロナがなくても大変な状況の中で、コロナの問題が起きてしまっています。

 二年前に、梶山大臣のときだったと思いますが、持続化給付金、これは、コロナで、中小・小規模事業者、特に、地域のコミュニティーを支えているような多くの事業者がなくなってしまったら、社会問題にもなってしまうということで始まりました。これが昨年、例えば東京とかはほとんど緊急事態宣言が出されていた中で、事業者が大変だったのに、持続化給付金は昨年打ち切られてしまってきたわけです。

 そういったことから、我々は、持続化給付金を再支給するべきだという法案を一年近く前に出しました。資料の四枚目です。

 ここで言ったのは、持続化給付金を復活させるだけでなく、事業規模に応じて加算をしてください、事業規模に応じて段差をつけてください、それから、給付要件を、五〇%以下じゃなくて緩和してくださいというような、この一、二と書いた条件を出しました。

 今回、事業復活支援金が発表されて、申込みも始まりましたが、これは、法人に対して三段階の事業規模に応じた給付と、それから、半分、半減だけでなくて三割減も認めますというような形で、我々の法案を、ある意味、のんでいただいているわけでございます。

 ただ、違うのは金額です。大臣が答弁で、固定費の半分を面倒を見るというふうに言っているんですけれども、例えば、売上げ一億円の企業が半分、半減となると、年間で五千万ぐらい売上げが減っているわけですけれども、その人たちに百万円の給付をするわけです。これが固定費の半分を見ているんでしょうか。これは、全然金額が説明と違うと思います。

 事業復活をさせるのであれば、もっと金額が多くなきゃいけない。これは、名前と中身が全然違うんじゃないですか。大臣、どうですか。

萩生田国務大臣 事業復活支援金は、新型コロナの影響により厳しい経営状況が続く事業者の皆様が三月までの見通しを立てていただけるよう、固定費の約半分を目安として、昨年十一月から三月までの五か月分を一括給付するものです。

 この支援金は、売上高の減少割合が五〇%以上の事業者に加え、今御披露いただいた、三〇%以上の事業者も新たに支援対象となり得るものでありまして、足下のオミクロン株の感染拡大の影響により困難な状況に置かれている事業者の皆様も活用できるように、この三月までの売上高を対象としています。

 上限額が低過ぎるという御指摘でございますが、持続化給付金との比較で見ても、例えば、売上高が五〇%減少の個人事業者に対する月単位の給付額で比較した場合、持続化給付金が八・三万円であるのに対して、事業復活支援金は十万円、事業復活支援金の方が充実した支援措置となっております。

 加えて、事業復活支援金のほか、実質無利子無担保融資や、新分野展開を後押しする事業再構築補助金も拡充するなど、事業者のニーズに合わせた様々なきめの細かい支援措置を講じているところでございます。

 今、先週の一月三十一日から申請受付を開始しまして、失礼、先々週ですね、審査を経て、一週間後である七日には入金が始まっているところでございまして、引き続き、新型コロナの影響による事業者の状況を注視しながら、まずは事業復活支援金の給付に全力を尽くしてまいりたいと思います。

落合委員 これでは固定費も賄えないですし、事業の復活どころか維持も難しい状況です。

 我々は、複数回支給する法案も対案として出させていただいております。是非、どちらの案がこの日本経済にとって必要なのか、これからも論戦をさせていただければと思います。

 本日はありがとうございます。

根本委員長 これにて落合君の質疑は終了いたしました。

 次に、阿部弘樹君。

阿部(弘)委員 日本維新の会の阿部弘樹でございます。

 初当選以来、初質問になります。

 私は、精神科医療に携わり、精神保健指定医として、多いときには月に千人ほどの精神病質、人格障害の方の治療に携わってまいりました。今般、質問させていただきます。

 令和元年、京都アニメーションスタジオ放火事件。ガソリンをバケツにくんで、スタジオの入口で従業員にガソリンをかけて、そしてライターで点火する、こういう事件で、三十六名の方がお亡くなりになり、そして三十二名の方が負傷されております。すさまじい情念といいますか、怒りがありますし、そして何よりも、無差別大量殺人、拡大自殺、いわゆる道連れ自殺でございます。復讐の願望であったのかもしれませんが、その精神状態は、私は病的に映ってまいります。

 次に、昨年三月、徳島市、アイドルグループのライブ中の雑居ビルの四階で、七十四名の方々がアイドルのライブを楽しんでおられた、その真下で、十八リットルのガソリンをぶちまけて放火。

 次に、令和三年、大阪市北区曾根崎新地で、ビル四階のクリニックに放火し、二十七名もの方々が死亡されております。周到な準備を重ね、放火、ガソリンをまいて放火でございます。そして、逃げてくる方々を手を広げて止めて、そして自ら最後に火の中に飛び込んでいく、ビデオではそのように映っておるように聞いております。強い自殺願望、そしてまた、京都アニメーションの事件を何度も検索された、その検索した形跡も見受けられるわけでございます。

 そのほかにも、本年、センター試験で、大学受験を控えた学生さんでしょう、地下鉄に可燃物をまいて火をつけようとしたり、あるいは、私鉄でガソリンをまいて火をつけ、そして刃物で襲う、そういう類似犯が非常に増えてきていることに大変危惧を覚えますし、また震撼するところでございます。

 まず最初に、国家公安委員長の御所見をお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。

    〔委員長退席、葉梨委員長代理着席〕

二之湯国務大臣 御承知のとおり、ガソリンは非常に揮発性が高くて、これを使用した放火事件は、瞬時に一酸化炭素が建物に充満いたしまして、非常に甚大な被害を起こすおそれがあると思っております。

 先ほどお話にありましたように、令和元年の七月十八日の、京都市内の京都アニメーションで、会社のスタジオで発生した放火事件は、三十六名もの貴い命が失われ、そして三十三人が重軽傷を負った。昨年の十二月の十七日の大阪市内のビルのクリニックで発生した放火事件は、二十五人が死亡し、二人が重軽傷を負われたわけでございます。こういう大変悲惨な事件が起こったわけでございます。

 京都市内で発生した放火事件は、私の地元でございまして、私も犠牲者追悼式で献花をし、そして、大阪市内で発生した現場は、私も訪ねまして献花をし、そして犠牲者に御冥福をお祈りしたところでございまして、改めて、こんな凶悪な犯罪を起こしてはならないということを誓ったわけでございます。

 警察では、事案の全容の解明に努めるとともに、御遺族や、遺族の方々に寄り添って、きめ細かな被害者支援に現在取り組んでいるところでございます。

    〔葉梨委員長代理退席、委員長着席〕

阿部(弘)委員 このような事件が起き、また一方で、社会に非常に不安を与える現代社会というものは、また心の闇も深いものでございます。

 ところで、このように、誇大妄想や被害妄想、そして規範意識を著しく欠如するような状態、私は、長年の臨床経験から、やはり精神的に病をお持ちではないかというふうに思うわけでございます。

 さて、最初に法務省にお伺いしたいと思っております。

 現在、大阪教育大附属池田小学校事件以降、医療観察法というものが作られました。医療観察法の概要について、是非とも法務省からその概要についてお伺いしたいと思いますが、よろしくお願いします。

川原政府参考人 お答え申し上げます。

 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律、いわゆる医療観察法は、心神喪失又は心神耗弱の状態で殺人、放火等の一定の重大な他害行為を行った者に対し、継続的に適切な医療を行い、また医療を確保するために必要な観察と指導を行うことによって、その病状の改善とこれに伴う同様の行為の再発の防止を図り、もって本人の社会復帰を促進することを目的とするものでございます。

 そして、同法律におきましては、先ほど申し上げました対象者に対し行うべき適切な処遇を裁判所で決定するための審判の手続、指定医療機関による医療、その確保のために必要な精神保健観察制度などの事項が定められているところでございます。

阿部(弘)委員 医療観察法は、池田小学校事件を契機に、非常に、精神医療の現場は、恵まれた医師、看護師の診療体制、そして恵まれた施設での医療が行われております。また一方で、精神科病院、精神科救急の現場も同様に、医師の数や看護師の数も非常に多く、恵まれた医療環境であるというふうに存じ上げるわけでございます。

 私は今、医療観察法の説明を受けましたが、医療観察法に該当する罪名が六罪種に限定され、罪を犯した精神障害者が幅広くその医療の恩恵を受けることができていないのではないかというふうに感ずるわけでございます。

 また、責任能力があると判断されれば裁判を受けます。そして、罪が認められれば刑務所に行くわけでございます。現在、刑務所の中の医療でも、医療専門施設が国内に四施設ございます。しかし、法務省管轄のこの医療専門施設は、矯正医官が定員を割れて、そして施設も老朽化し、なかなか治療設備が充実しているとは言い難い。

 六罪名の限定あるいは医療観察法の見直しと、医療刑務所と言われる施設の医療の充実について、法務省にお伺いしたい。

川原政府参考人 お答えいたします。

 私からは、最初にお尋ねの点の、罪種を限定しているという点についてお答え申し上げます。

 医療観察法におきましては、委員御指摘のとおり、殺人、放火等の一定の重大な罪として規定されている行為を対象行為とした上で、同法による処遇の対象者を、検察官による不起訴処分において、対象行為を行ったこと及び心神喪失者又は心神耗弱者であることが認められた者、対象行為について、心神喪失者と認められて無罪の確定判決を受け又は心神耗弱者と認められて刑を軽減され、実際に刑の執行を受けない者としているところでございます。

 これらの対象行為につきましては、いずれも個人の生命、身体、財産等に重大な被害を及ぼす行為である上、実態として心神喪失者等により行われることが比較的多いものであることに鑑み、心神喪失等の状態でこれらの行為を行った者については、特に継続的かつ適切な医療の確保を図ることが肝要であることから選定されたものでございます。

 そして、医療観察法の対象者の範囲につきましては、こうした趣旨を踏まえつつ、仮に対象行為の罪種を拡大するとなれば、新たに対象とする行為は、現行の対象行為と同様に、個人の生命、身体、財産等に重大な被害を及ぼすものと言えるか、また、実態として心神喪失者等により行われることが多く、現行の対象者と同様に手厚い専門的な医療の必要性が高いと言えるかといった観点から、病状の改善及びこれに伴う同様の行為の再発の防止を図り、その社会復帰を促進する必要があることのみならず、対象者の人権にも十分配慮する必要があることを踏まえて、慎重な検討を要するものと考えているところでございます。

佐伯政府参考人 私の方からは、矯正医療の関係についてお答えいたします。

 御指摘のように、裁判所の判決により懲役刑等を執行すべきこととされた者につきましては刑事施設に収容することとなります。刑事施設におきまして、令和三年十月一日現在、収容中の何らかの疾病を有している被収容者のうち、精神及び行動の障害を有する患者は約一五%となってございます。

 これらの患者に対する矯正医療の現状といたしましては、社会一般の医療の水準に照らして適切な医療上の措置を講ずることとしておりまして、被収容者の状況等に応じまして、近隣の病院を受診させたり、御指摘のような医療刑務所に収容するなどして必要な治療を行っておるものと承知しております。

 今後とも、社会一般の医療の水準に照らして適切な医療上の措置を講ずるため、引き続き必要な取組を行ってまいりたいと思っております。

 以上でございます。

阿部(弘)委員 大阪のクリニック放火事件に象徴されるように、罪を犯した精神障害者、残念ながら被疑者の方はお亡くなりになられましたが、このような犯罪を社会の中でどのように考えていくのか。

 私は措置入院の患者さんをたくさん診させていただきますが、刑務所から来た方々は別として、地域でお暮らしの方々は、ほとんどの方が薬を飲んでいらっしゃらない。病院に来て、薬を飲んで眠れるようになった、そして幻覚や妄想、幻聴がなくなっていったということで、大変喜ばれることを多く経験しております。

 決して精神医療は犯罪抑止のためのものではございませんが、しかし一方、大阪クリニック事件に象徴されるような方に対して、法務省として、矯正医療、充実を図るべきではないかというふうに思いますが、法務大臣の御所見をお伺いします。

古川国務大臣 委員御指摘の数々の事件、大変悲惨な、むごい事件でありまして、亡くなられた方々には改めて御冥福をお祈りするものでありますし、また、こういうことが再び繰り返されてはならないという意味で、私どもはできる限りのことをしていかなければならないというふうに思います。

 ドクターでもいらっしゃる委員が、やはり鋭い観点からの問題意識を持っておられるなということを感じ入りながら、今お聞きをしておったわけですけれども。

 お尋ねの件については、医療観察法でございますけれども、繰り返しになりますけれども、この医療観察法、この制定に当たっては、病状の改善、そして、これに伴う同様の行為の再発の防止、それによって社会復帰を促進する必要があるということ、しかし一方で、対象者の人権にも十分に配慮しなければならない、そういう必要性があること、こういった様々な観点からの御議論がなされた上でのこの医療観察法の制定であったというふうに認識しております。

 法務省としては、今後とも、この医療観察法の施行状況について、その実情の把握をしっかり努めながら、厚生労働省、その他関係する機関とも、問題点や改善すべき点があるのかどうかといった点も含めて、必要に応じて協議を行うことによって、今後とも適切な運用に努めていきたいというふうに考えております。

 それから、矯正施設ということをおっしゃったわけですけれども、この被収容者の心身の健康というものは再犯防止の観点からも大変重要だというふうに考えておりまして、矯正施設におきましても、引き続き、適切な医療上の措置を講ずるため、必要な取組を行ってまいることといたしております。

阿部(弘)委員 次のお話に進みます。

 平成二十八年七月、津久井やまゆり園で四十五名の入所者を殺傷され、その直前には、衆議院議長公邸に、四百七十名の障害者を抹消できますと。この事件を受けて、厚生労働省は、精神保健福祉法の改正案を上程されました。

 内容については、措置入院患者が、医療等、継続的な支援を受けられるような仕組みの整備や、あるいは精神障害者支援地域協議会の設置など、非常にすばらしい内容でございました。

 しかし、平成二十九年、参議院では、残念ながら、この法案は野党の反対をもって廃止となったわけでございます。つまり、精神医療の、特に措置入院の修正案については、それ以降何ら修正案も示されずに放置されていた。私は、議会の責任は重大であるというふうに感じます。

 なぜ審議にも至らずに廃案に至ったかも、非常に残念でございますが、これからの精神医療の充実について、是非とも、厚生大臣、お願いします。

後藤国務大臣 精神医療の提供体制につきましては、今、阿部委員からも本当に丁寧に御指摘がありましたように、地域で暮らす全ての人が、精神症状の変化に応じまして、必要なときに適切な医療を受けられる体制を整備していくことが重要であるというふうに認識をいたしております。

 具体的には、平時の対応を行うためのかかりつけ精神科医機能の充実、緊急時に迅速に対応できる精神科救急医療体制の整備、多職種チームによる入院医療の充実や退院後の支援、そうしたことを図っていくことが重要であるというふうに考えております。

 昨年十月から、当事者、家族、医療関係者等を交えまして、その実効的な仕組みについて議論を進めているところでありまして、引き続き、地域の精神医療の更なる充実に向けまして精力に取り組んでまいりたいというふうに思っております。

阿部(弘)委員 ありがとうございました。

 時間になりましたので、これで終わります。

根本委員長 これにて阿部君の質疑は終了いたしました。

 次に、池畑浩太朗君。

池畑委員 日本維新の会、池畑浩太朗でございます。

 予算委員会では初めて質問させていただきます。

 まず、この場で質問させていただく機会をいただきました、地元の兵庫で応援をいただいている支援者の皆様、維新の議員の先輩方に感謝をいたします。

 私は、農業高校出身で、県立農業大学校の出身、農業高校の実習教員を十年務めてまいりました。政治家を志しまして、現在予算委員でもあります市村浩一郎代議士の秘書を務めさせていただきました後に、県会議員を二期務めさせていただきました。

 農業は国の根幹であり、その国の農業が滅びれば国は滅びるというふうに思います。全国政党であります日本維新の会にあっても、しっかり農業、現場の声を伝えていきたいというふうに思っております。

 早速質問に移らせていただきます。

 食料の安全保障の観点から質問させていただきたいと思います。

 まず、政府は、二〇二一年七月一日付で緊急事態食料安全保障の指針を改正しました。その中で、安定的な食料供給の確保に懸念が生じる前段階においても、情報収集や発信等の必要な取組を実施しますというふうになっています。そこで、現状において我が国の食料の安定供給に懸念は生じていないとしております。

 そこで、農林水産大臣、本当に我が国の食料危機、安定供給に懸念はないんでしょうか。お聞きします。

金子(原)国務大臣 現状では厳しい状況には至っていないというふうに考えております。

 我々としても、できるだけ備蓄できるものについては備蓄をしているし、できるだけ国内で生産できるものについては積極的に国内生産に取り組んでおりますので、そういった対応で一応考えておる次第でございます。

池畑委員 大臣の食料の危機感、食料についての一定の理解はいたさせていただきました。

 そこで、今回、今日のような有事、新型コロナウイルスで、影響で、滞船、船が停滞しています。特に、アメリカやカナダでコンテナ船の運航が乱れている状況が続いております。

 その中で、私が調べたところでありますが、全国的に、濃淡はありますけれども、少なくとも私の身近な近畿では、生産者から、牛が反すうをするため、生きるために必要な輸入の乾牧草が常に品薄の状態で、悲鳴が上がっている状態というふうに私は理解をしています。そういった農家さんに安心して生産をしてもらうために、昨年末、大臣にも農林水産委員会で質問させていただきましたけれども、今回は、私はしっかりそういう体制をつくっていくべきではないかというふうに思います。

 そこで、昨年末に農水委員会、先ほどの質問をさせていただきましたけれども、先ほど来、同じ話をさせていただきますが、乾牧草の輸入が滞っております。宮崎大臣政務官の答弁では、国土交通省と連帯をしながら、今後の見通しについて情報共有を行いますということでしたが、具体的にどういう要請があって、どういう対応をしたか、あれば国交大臣にお聞きしたいというふうに思います。

斉藤国務大臣 御指摘のございました国際海上コンテナ輸送、アメリカの巣ごもり需要もございまして、アジア発北米向けコンテナ荷動き量が大幅に増加しておりまして、北米西岸を中心とする港湾混雑、これは、大量にコンテナが運び込まれる、それをさばくアメリカ国内のトラック運転手等の不足などによりまして、大量にコンテナが港に滞留し、船舶の運航スケジュールの乱れが生じている、船が着岸できない、こういう状況でございます。

 今、池畑委員、大変に熱心に取り組まれております牧草の安定的な輸入につきまして、畜産業にとって大変重要であることから、昨年十二月に、農林水産省と連携し、飼料輸入業者及び外航船社による意見交換の場を設けたところでございます。

 さらに、牧草を始めとする農産物などの安定輸送に向けて、本年一月には、農林水産省や経済産業省と共同で、船社、船会社ですね、船社や荷主団体等が一堂に会した会合を開催し、現状や今後の見通し等を共有をいたしました。

 国土交通省としては、農林水産省を始め関係省庁と緊密に連携し、引き続き、状況を適時適切に把握、共有するとともに、アメリカ国内における貨物の滞留解消に向けた取組の米国への働きかけや、船社に対する輸送スペース確保の要請など、しっかりと対応していきたいと思っております。

池畑委員 今、大臣にもお話をいただきましたように、情報共有する会合の中で、私も粗飼料に今こだわっておりますが、言及がそこにはされていなかったんですね。そこの会合の中では、議事の概要には粗飼料は言及がなかった。そこの部分で、私は、粗飼料がないということに対して、危機感が伝わっていないんじゃないかなというふうに理解をしました。

 そこで、今、大臣からもお話がありましたように、ロングビーチの動向次第で、日本に入ってくる粗飼料だとか、そういうものが輸出が滞ってくるということは、民間にもっと強くお願いができるんじゃないかな、そして、もっと言えば、そこで法律を作るぐらいの勢いでいければいいんじゃないかなというふうに私は思いました。

 その中で、今、国土交通大臣の答弁を受けて、今、やはり緊急輸送が大事なものも出てくるというふうに思います。その中で、国へ輸送をするに当たって、食料を含めて、食料がなくなったときに積極的に関与をしていかなきゃいけないというふうに思いますが、その中で農林水産大臣にお聞きしますが、国の輸送を、積極的に関わっていかなければいけないというふうに思いますけれども、農林水産省ではどういう所見であるか、お聞きしたいと思います。

金子(原)国務大臣 国内生産では需要を満たせず、輸入を行っている小麦や飼料用穀物につきましては、不測の事態に備えた備蓄を行っています。仮に、小麦などの食料の輸入量が大きく減少するおそれがある場合には、備蓄の活用や代替国からの輸入等の対策によりまして、食料供給を確保することといたしています。

 また、農林水産省では、不測の事態への対応とその実施手順等を示した緊急事態食料安全保障指針を策定しておりまして、関係省庁と連携しながら適切に対応してまいります。

池畑委員 今お話がありましたように、前、国土交通大臣のところでもお話をさせていただきましたけれども、食料についての会合での粗飼料についての言及がないということで、やはり国土交通省の方に余り農家の危機感が伝わっていないんじゃないかなというふうに私は思いました。ですから、国交省と危機感を共有していく体制が必要じゃないかなというふうに思います。

 食料全般に関して、世界に買い負けをしないという体制だとか、農家に安心して育ててもらうためにも、有事に備えるために危機感を共有していただきたいというふうに私は思いますので、よろしくお願いいたします。

 大臣、ありがとうございました。

 そこで、次の質問に移らせていただきます。

 有機農業の推進についてであります。ここは有機農業の推進というふうに書いておりますけれども、農業の推進についてであります。

 現在、熊本県産のアサリ産地偽装については、マスコミが多く取り上げております。その中で、農林水産省ではまだ調査中ということでありましたので、今回は信頼回復に努めていただきたいということにとどめさせていただきたいと思います。

 そんな中、兵庫県のたつの市では、室津漁港というところがあるんですが、新しい安価な養殖手法のアサリ生産方法を確立をしております。その中で、こんなふうに頑張っている、国産アサリの増量、増産を新しい技術で頑張ろうといった水産業者もおります。我々も、新しいそういった技術も含めながら全国で頑張る水産業者さんたちも応援をしていきたいというふうに思っております。

 こういった問題が出るたびに、私自身も二人の子供の父親として、子供たちが食べる食材にはいつも関心を持ってまいりました。今でも多くの親御さんが、給食に使われる食材の安心を、今回こういう問題が出るたびに、安心、安全は大丈夫なのかというお話がよく私の方にも参ります。

 その中で、令和三年補正予算で、これはそういう給食を作る、そして産地を確保するという観点からなんですけれども、産地づくりの推進事業が募集されております。給食での有機農産物、特に米飯、そして有機米の利用拡大は大変有効だというふうに思っております。

 この中で、有機農産物の産地、そして生産地の確保というのが最終的には大変重要になってまいります。そこで、産地の確保と人材の確保の観点から、日本維新の会で、馬場共同代表が臨時国会でも質問をしました。藤田幹事長が、予算委員会、これは昨年の三月でありますが質問をさせていただいて、かなり時間をかけ、また、思いを持っております兵庫県養父市の特区についての状況をちょっとお聞きしたいと思います。

 かなりの時間をかけて質問させていただく中に、調査をいたしますという文言が議事録の中にもありました。その中で、内閣府とそれから農水省さんと一緒に、しっかり連帯協力をして、政府として調査を実施してまいりたい、こういうふうに考えておりますというお話でございました。

 そこで、農林水産大臣、調査をしてどのような結果、また今後の展開を考えておられるか、お聞きしたいと思います。

金子(原)国務大臣 お答えいたします。

 国家戦略特区の法人農地取得事業につきましては、昨年の六月の成長戦略フォローアップで、当該事業のニーズと問題点の調査を特区区域以外においても二〇二一年度中に実施することとされております。本調査の具体的な内容、実施方法につきましては、現在、年度内の実施に向けまして政府内において検討、調整を進めているところであります。

池畑委員 年度内ということで、聞いて安心しました。

 この骨格は、転用規制を厳格にするということがかなり重要なところではないかなというふうに思います。明日、我が党四名の国会議員が養父市に入って調査をしてまいります。今後もこの問題については、引き続き、日本の農業のためにしっかり取り組んでまいりたいというふうに思います。

 西村大臣も肝煎りでやられておられましたし、兵庫にとってはとても大事な実証事例だというふうに思いますので、どうぞ、引き続き応援をしていきたいというふうに思います。

 改めまして、その次に、私の地元であります宍粟市や市川町では、市内の、先ほど前段でお話をさせていただきました、産地の確保をすること、そして人材の確保をすること。私は農業高校の教師でしたから、その人材を確保することの大切さというのは身にしみて分かっています。また、次に大事なのは、出口が大事であるというふうに思っております。

 その中で、今、土地を確保するためには株式会社の農地の所有などが必要ではないか。そして、人材の確保についてはいろいろと取組をする必要もあるんじゃないか。あとは、出口戦略といたしまして、私は給食というところがかなり有効ではないかというふうに考えております。

 先ほど申しました宍粟市とか市川町では、減農薬のお米を使った上に、補助金として市から一千五百万円の補助金を出して、予算捻出にかなり苦労されているというふうに聞いておりますが、米飯の活用はオーガニック給食を進めていく上で大変有効だというふうに実証実験をしていただいているようなものであります。それこそ、それを全国で実現し、継続されるには、やはり土地の確保と人材の確保と出口であるというふうに思います。

 産地づくりの推進事業は、当初はモデルは三年というふうに聞いておりますが、産地と生産者の確保の観点から、恒久的な措置を取ってもいいんじゃないかなというふうに思いますが、大臣の見解をお聞きしたいと思います。

金子(原)国務大臣 有機農業を拡大していくには、学校給食などの消費を確保しながら取り組むことが重要だと考えています。みどりの食料システム戦略推進交付金では、有機農産物の学校給食での活用についても支援することとしております。

 こうした支援を通じまして、学校給食への有機農産物の導入を定着させ、有機農業の取組拡大につなげてまいりたいと考えております。

 議員御指摘のように、学校給食でこれから恒久的にやっていくためには、価格差が非常に大きいんですよね。普通の米の倍以上かかっております。したがって、地方自治体でそれをやりながらということになってくると、有機の米を作る農家を育てていくということが大変大事なことなんですね。安定的にそれをやっていくためには、今の価格差ではなかなか難しいと私は思うんですね。したがって、そこにどういうふうに行政としてインセンティブを与えるか。

 特に、地方自治体が、こういった給食問題については、非常に積極的に取り組む地域と、それによって違う地域がございますので、子供のそういった安全というものを考えると、積極的に取り組む、そういった地域については我々も目を向けながら考えていかなきゃいかぬというふうに思っております。

池畑委員 今大臣からも、知事もされておられましたので、そういった地域の事情というのはよく理解をされていらっしゃると思います。私も、食育の問題であったり、給食、有機の推進に、より力を注いでいくべきではないかということは共有しているというふうに思います。

 そのためにどこに向かっていくかといいますと、とどのつまり、まず出口の部分で、私はちょっと給食にこだわっておりましたので、食材の選定とか、そういった、文部科学省が関係しておられるというふうに思いますが、消費者庁や農林水産省、文科省も連帯をして、前回農林水産委員会でもちょっとお伝えをさせていただいたんですが、その中に、消費者の意見を聞く場というのが余り入っていないというふうに私は聞いております。特に、お母さん方の意見を反映させるように努力をしていただきたいというふうに思います。

 引き続き、やはりこの問題は、一番最初の、出口の面、そして緊急の輸入の面、かなり中国に買い負けをしているんじゃないかというお話があったと思います。私は、隣の中国が、人口が世界の二割ぐらいしかないのに半分以上の世界の在庫を抱えているという現状があります。日本はそれに対してどういう危機感を持っているかという質問から始まって、現場の農林水産を支える農家さんたちを、危機感を持って頑張っておられる農家さんたちをどう支えていくかということと、産地をこれからうまく利用するためにも、うまく株式会社の力をかりて、人材を借りて、これからの日本の農業を支えていく人材をもっともっと増やしていかないといけないというふうに私は思っております。

 今後ともこの問題については一生懸命取り組んでまいりたいというふうに思いますし、ライフワークでありますので、私も次の分科会でも一生懸命掘り下げて質問ができるよう努力をしてまいりたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。

 これで質問を終わらせていただきます。

根本委員長 これにて池畑君の質疑は終了いたしました。

 次に、鈴木義弘君。

鈴木(義)委員 おはようございます。六年ぶりの予算委員会での質疑に、関係者の御配慮に感謝を申し上げたいと思います。

 委員長のお許しをいただきましたので、質問に入りたいと思います。

 まず一点目は、コロナ対応、対策についてですけれども、過去にも予算委員会で質問された案件とかぶるかもしれませんが、お許しをいただきたいと思います。

 約二年間にわたって、経済の下支えとしていろいろな給付金の制度を、国も自治体を通して給付してきたと思うんですけれども、何となく感ずるところは、飲食店に対しては厚いサポートをしているんですけれども、私が地元を回ると、クリーニング屋さんだとか様々な、理容だとか美容も含めて、お客さんが減って商売がなかなか厳しいという話を聞くんですけれども、これについて、飲食店だけじゃないというふうに答弁されると思うんです。

 新型コロナ対策と健康危機管理担当大臣に、なぜ、例えば百万円、昨年のうちに十万円は国民一人当たりに配っているんですけれども、個人だったら百万円、法人だったら二百万の給付金を出していながら、その後、全然、緊急事態宣言をしたり、今の蔓延防止の措置を取っていながら、飲食店には手厚く出ているように見られて、ほかの業種に対しては、あくまでも融資を主体にした給付というんですかね、制度を入れていると思うんですけれども、そこのところの見解をまずお聞かせいただきたいと思います。

山際国務大臣 飲食を中心に蔓延防止等重点措置の行動制限というものがかかっているというのは事実でございますけれども、これはオミクロン株も同じでありますが、どういう状況で感染が起こり得るかという、そのリスクの分析というものが専門家たちの間で行われていて、結局は、飛沫が飛ぶ、人にかかる、そういう環境というものが一番危ないというところから、飲食店、特に飲酒を伴う飲食店というのは、ここの部分での感染拡大を何とかして止めていかなくてはいけない、そういうところから、飲食店等々についての行動抑制というものがかかっているわけでございます。

 一方で、委員御指摘のように、それ以外、飲食に関わっている方、そうでない方も含めて、業種を問わず、このコロナ禍において傷ついている経済というものがございますから、それに対して支援金という形で今までやってきたわけでございまして、今、詳しくは経済産業大臣の方にお尋ねいただければと思いますけれども、一月三十一日から始まっています支援金、事業復活支援金ですね、これは全く、昨年の十一月からのものを対象にしておりますから、その期間という意味でもきちんとフォローしているというふうに考えております。

鈴木(義)委員 総理官邸のホームページを見ますと、いろいろなメニューがあるんです、今日はあえて資料として提出していないんですけれども。いろいろなジャンルに分けたり、対象者を分けたりしているんですけれども、結局、そのメニューを見ても、給付金を出しているのは、どっちかというと飲食店、今大臣から御説明があったんですけれども。

 ただ、オミクロン株になってから、私の知り合いの人でも、やはりコロナに感染しているんですけれども、例えば幼稚園から、行っている子供がかかったら、小学校に行っている子供からかかってきている。家族が四人、五人いれば、自宅待機という形を取られるんですけれども、別に飲食しているわけじゃないですよね。

 そこで、次に質問したいんです。

 この二年間の間で、結局、コロナに対していろいろなデータをお取りになっているんだと思うんですけれども、例えば蔓延防止を、今度延長をいつまでしますよとかというふうに言っても、国民は、何がよくなくて、何を気をつければいい、いまだにずっと、手指のアルコール消毒すれば何とかなる、どこへ行ってもやるんですけれども、実際、そういう形では、これだけ爆発的にコロナが感染しているというのは、違う原因とか要因にあるんじゃないか。そこの知見をきちっと積み上げたものをやはり国民に説明して、それで協力してもらうという体制を取らないと、ただ、飛沫が飛ぶから気をつけてくれ、気をつけてくれと言うだけでこの二年間やってきたように思うんですね。

 そこのところの考えを大臣の方でお聞かせいただいて、やはり科学的なデータに基づいて根拠をきちっと示さなければ、じゃ、二回目のワクチンを打ったにもかかわらずオミクロンに感染しているのか、打っていない方が感染しているのか、何も分からないんですね。だから、そこのところが、じゃ、三回目打ちましょう、頑張りましょうと言っても、打ってもかかっちゃうんだったら打つ必要ないだろうとか、そこのところをちゃんとやはりデータを出さないと駄目だと思うんですけれども。

 待ってくれ、待ってくれ、みんな気をつけてくれ、こういうふうにやっても、それはやはり、二年間たって、もう国民は辟易しているんじゃないかと思うんですけれども、対応についてお考えをお聞かせいただきたいと思います。

後藤国務大臣 新型コロナの科学的知見が重要だというのは委員の御指摘のとおりだというふうに思っております。

 国立感染症研究所等で、国内外の発生状況、ウイルスの性状、積極的な疫学調査の分析結果など、収集、公表しておりますし、アドバイザリーボード等でも専門家に御議論いただいております。それから、厚生労働省、政府といたしましても、科学的知見についてはホームページで公表しておりますし、SNS等を通じて情報発信も行っております。

 それから、例えば、濃厚接触者の待機期間を短くするときだとか、あるいは退院の基準をお示しするときだとか、そういうときには、個別の制度の運用の見直しに当たっては、科学的データに基づいた根拠も併せて国民の皆さんにお伝えするように努力をしているつもりでございます。

 御指摘がありましたように、オミクロン株の特性について言えば、感染力が高く、感染拡大の速度が速い、そして、感染者の多くは軽症、無症状であり、重症化率は低い可能性が高い、そういうことが今、順に分かってきております。そういうことから、十一月に取りまとめた全体像、これはいろいろな可能性を前提に全体像を取りまとめたものでございますけれども、オミクロンという特徴に合わせて、どこの部分をより強化していくのか、あるいは迅速に動かしていくのか、そういう問題意識から政策の進行を進めております。

 ワクチンについても御指摘がありましたから申し上げますが、一、二回目接種のような発症予防効果や入院予防効果は経時的に低下はいたしますけれども、三回目接種により回復することが示唆されております。

 また、今の対策、徐々に若年層から高齢者等に急速に広がるということを前提として、今、高齢者施設、そうしたようなことの対策も行っているところでございまして、今委員が御指摘いただいたように、最新の状況や知見を収集しまして、国民の皆様に的確な情報を提供していくように努めていくとともに、そうした科学的エビデンスに従った政策をしっかりと実行していかなければならないというふうに考えております。

鈴木(義)委員 私の子供が先々週オミクロンに感染したんですけれども、孫が行っている幼稚園からかかってきました。発熱して三十九・三度ぐらい熱が出て、地元のクリニックの先生にお世話になって、そのときに処方された薬は何だったと聞いたら、漢方薬と解熱剤だと。それで、二日、三日たったらよくなっているんですよ。

 そういうデータを全国から集めて、今、経口薬を一生懸命開発しているんでしょうけれども、そこがまだ間に合っていない状況の中でどういう治療をすればいいのか、きちっとデータを集約して、国がやはり対策、対応していくように、コマーシャルというんですかね、アナウンスした方がいいと思うんですよね。

 だって、実際にそうやってよくなっちゃっている人も世の中にいるわけです。まあ、たまたまだったか分かりません、中には亡くなる方もいらっしゃるし、そこのところは分かりませんけれども。

 テレビをつけると、毎日のようにコロナの話になる。いろいろな専門家と称する方が出てきて、違うことを言うときもあります。だから、やはり政府がきちっとしたデータに基づいて、こうなんですというふうに情報発信しないと、何か違うことを言っている人の方が正しいのかなというふうに思うんですね。

 そこのところを解消するために、例えば専門家というふうに言われる方をきちっとした司令塔に据えるのであれば、政治マターとかそういうんじゃなくて、やはり、例えば内閣がいつも、昨日、おとといも国会で、昨日ですか、審議会の委員の承認を、国会の承認を得るような議案が出て終わったと思うんですけれども、国会の中できちっとそういった位置づけ、感染症対策の専門家という方を選任するんだったら、議会の承認を受けて、それで対応に当たってもらうようなことを考えた方が、もっと政府が出しているデータについては、信憑性というんですか、国民に理解がしやすいんじゃないかと思うんですけれども、そういうお考えがあるか、お尋ねしたいと思います。

山際国務大臣 事実上、我々としては、今の体制の中で専門家の先生方の意見がきちんと反映されるようにはなっております。

 委員が今御指摘いただいたのは、国会等々において、誰が専門家として顔になって国会でお話しをされるのかという問題意識かと思いますけれども、それも含めて、六月までの間に司令塔の機能をどうするかという議論を進めてまいりますが、現在のところ、厚生労働省にあるアドバイザリーボードも、私の下にありますコロナ分科会も、あるいは基本的対処分科会も、きちんと、感染症の専門家だけではなくて、社会全体における様々な専門家の皆様方に入っていただいて、社会に対する影響というものも勘案しながら、しっかりとそれを国会議論にも反映できるように、そういう体制になっておりますので。

 委員が御指摘いただいたように、まだエビデンスに基づく発信というものが足りない、このような御指摘と受け止めまして、それを更にしっかり前にエビデンスが出るように努めてまいりたいと思います。

鈴木(義)委員 是非、六月と言わないで、もう二年経過しちゃっていて、三年目に入っているんですよね。そういう意味で、政府の対応というのはやはり遅いんじゃないかと言われちゃうのは、私だけじゃないと思うので、是非迅速に対応できるような。

 やはり過去に、震災があったり台風が来たり、いろいろなことが起きているんですけれども、なぜ失敗を、同じことを繰り返していってしまうのかというのが、やはり失敗から学ぶということを、どういうわけか、この国の、私も含めて、嫌っているのか、やらないのか。どうしても、それをやろうとすると、いい悪いを言わなくちゃいけないし、責任は誰が取るんだという話に必ずなりますから、それをずっと避けてきたんじゃないかと思うので、是非、先ほど大臣が答弁したこと、六月までと言わなくて、早く、内部で調整したりなんなり大変でしょうけれども、実施を早めてもらいたいなというふうに思います。

 次に、成長と分配の好循環、これが岸田内閣の一つのスローガンに掲げていると思うんですけれども、地元で製造業の下請、孫請、ひ孫の仕事をされている方の話を聞きますと、結局、賃金を上げろと言っても、自分の元請さんからもらっている工賃が上がらない限り、賃金を上げられないと言うんですよ。今回、所得税法の改正とか、いろいろメニューをつくっておられますけれども、それは内部の話であって、下請にどうするというのは全然聞こえてこない。

 中小が支えているんだ、中小が大切だ、必ず国会ではこういう議論になるんですけれども、中小にどれだけ、三%、五%、工賃を上げてやってくれという話はほとんど聞かないんですよね。中小企業にも、一・五%賃金を上げてくれたら一五%の、法人税を下げますよという法案になっているんですけれども、それをやるに当たっても、結局、元請さんからもらっている工賃が上がらない限り、それも実施できないということなんです。

 だから、それを国としてどう考えるのか、お聞かせいただきたいと思います。

萩生田国務大臣 下請の中小企業と大企業は同じ目標に向かって取り組むパートナーであるとの認識の下、サプライチェーン全体での事業継続や成長のために得られた利益を発注側と受注側で適正に分かち合い、共存共栄を図っていくことが極めて重要です。

 政府としても、取引の適正化を進めていくことで、下請企業に適切な利益が分配される、成長と分配の好循環を実現してまいりたいと思います。

 具体的には、サプライチェーン全体の共存共栄を目指すパートナーシップ構築宣言について、更に多くの大企業が宣言するよう参加を促すとともに、宣言企業の下請取引の状況について調査するなど、実効性の向上に向けたフォローアップにも取り組みます。

 加えて、全国百二十名体制の下請Gメンを倍増し、体制を強化することで、全国各地の下請企業の現場の悩みを丁寧に聞いた上で、発注者と受注者側の歩み寄り、業種別ガイドラインの改善など、課題解決につなげていきたいと思います。

 さらに、昨年十二月末に取りまとめられたパートナーシップによる価値創造のための転嫁円滑化施策パッケージに基づき、公正取引委員会や関係省庁と連携し、下請代金法の執行強化などによって、価格転嫁対策に全力で取り組んでまいりたいと思います。

 こうした取組を通じて、適切な利益が下請企業に残るよう努力をしてまいりたいと思います。

鈴木(義)委員 地元で自動車の部品を作っている孫請かひ孫ぐらいの製造業の方なんですけれども、昭和四十五年から工賃が上がっていない。仕事は忙しくやっています。これが現状だと思います。

 それと、メーカーさんが問屋を通して小売店の方に物を流していたのが、今は問屋を介さずメーカーさんが直接小売店の方に出すんです。ですから、設備業者さんだとか電気工事だとか、いろいろな材料を使って工事をされているところなんかも、結局材料が入ってこない、メーカーさんが直接小売するわけですから。

 そういうふうに、ここ十年、二十年の間で、商取引自体がもう変わってきちゃっているんですね。だから、今、大臣が述べられて、フレンドシップで仲よくやりましょうよというふうに、利益が出たら少し分けてやってくれと大臣が言ったからって、はい、そうですかと大手企業さんはやらないと思うんですよね。

 私もない頭を絞って、じゃ、どうすればその利益を下請さん、孫請さん、ひ孫に出してくれるかというのを考えてはいるんですけれども、なかなか妙案が出てこない。それでもうどんどんどんどんじり貧になっていって、中小の零細事業者さんはみんな後継者がいなくてやめていく。それは何で、もうからないからです。農業も一緒です。

 そこのところをもう一回、もし、お考えがあったら御答弁いただきたいと思います。

萩生田国務大臣 先生の問題意識はよく理解できます。

 アベノミクスで、大企業、あれだけの内部留保をためるほど利益を上げたにもかかわらず、取引金額に反映されていない。下請や孫請の皆さんは、来年は、次の仕事はと言われながら、全く同じ単価でずっと仕事を受け続けてきた。

 今までは、市場主義、まさに市場の現場に政治や我々行政が介入するというのは余り好ましくない、そういう価値観があったと思いますけれども、もはや、誰かが行司をやらないと、少し風穴を空けないと次に進めないと思うんです。

 先生おっしゃるように、パートナーシップというと、何かふわっとした柔らかいものに聞こえますけれども、私、就任以来、ここは厳しく大企業の皆さんに物申し上げていきたいと思います。

 そして、さっきGメンと言いましたけれども、じゃ、取引が適正じゃないんだと告げ口した会社が生き残れるかといったら、これはかわいそうですよね。

 したがって、絶対にそういうことがないように、そういう声が上がったときにはしっかり調査をして、それは、個社の調査をすれば、おまえがチクったんだなということになりますから、そうじゃなくて、そういう業界の人たちがこの単価で苦しんでいるということが、告発があれば、話があれば、その全体を調べて、そして、業界に対してきちんと物申していくということをやっていきたいと思っていますので、この機会を捉えて、中小企業の皆さんの適正価格での取引ができるような環境というのを国としてもしっかりつくっていきたい、そう思っております。

鈴木(義)委員 時間がないので、最後の質問ぐらいになっちゃうかなと思うんですけれども、価格の急騰が昨年からいろいろな素材、ウッドショックと言われたり、鉄が上がったり、銅線が上がったり、原油が上がったり、いろいろなものが上がってきているんです。

 二月の一日から値上げします、四月からまた値上げします、食料品から何からみんなそうなんですけれども、例えば、石油価格の高騰で国が対策を打ち出したんですけれども、重油だとかガソリンだとか軽油、灯油と、四品目に限定しているわけです。

 例えば、地元を回っていて、クリーニング屋の店主の方から、昨年十二月言われたのは、このままじゃ店を閉めちゃうよ。何で、石油が上がったことによって、洗剤の価格がもう二割、三割上がっちゃっているんだそうです。だから、品目を限定されるのはいいんですけれども、それがちゃんと、小売なりサービス業でやっている方のところまで恩恵が行かないとやはり困ると思うんですね。

 そこのところが、今、国がやろうとしている、今回の、令和四年度に、今の価格の高騰に対する、税金で出すとか、五円出すとか、それ以上のことを考えているというのは報道で知りましたけれども、その対象だけじゃないところでも困っている事業主さんがたくさんいるというのをどう考えるかということなんですけれども。

萩生田国務大臣 原油価格が上昇している中、コロナ禍での経済回復の重荷にならないよう、国民や事業者の皆様が春先までを見通すことができるように、国民生活や産業に広く燃料として使用されているガソリン、軽油、灯油、重油の四油種を対象とした時限的、緊急避難的な激変緩和事業を行うこととしました。

 また、今回の原油価格高騰に対しては、本事業に加え、関係省庁が、農業、漁業、運送業などの業種別や中小企業向けの支援などの対応策も同時に実施しております。

 また、灯油購入費の助成など地方公共団体が行う原油価格高騰対策に要する経費に対し、特別交付税措置が講じられております。

 経済産業省としては、昨日、岸田総理からの指示も踏まえ、激変緩和事業等の効果検証を行うとともに、原油価格の高騰がどの程度長期化するかも見極めながら、国民生活や経済活動への影響を最小化するという観点から、何が効果的な対策か、不断の検討をしてまいりたいと思います。

 今先生が例に挙げたクリーニング屋さんの洗剤も、きっと上がっているんだと思います。石油由来のものが二次製品になるときに、当然、加工賃も含めて上がるんですけれども、今回、我々、原油そのものに補助金を出しましたので、本来、製造会社は、仕入価格がこの原油段階で少し値引きといいますか、安くなっているんですね。こういったことで応援をしていきたいと思いますし、また、クリーニング屋さんでいうならば、これは重油を使うんですけれども、トリガー条項では重油が対象にならないということもありましたので、今回、こういった補助を得て、重油に対しても一定の高騰対策をしておりますので。もちろん、燃料だけじゃなくて、ほかの業種も値上がりしているんだ、物価が上がって大変なんだ、この社会の状況は十分承知しているつもりでございます。

 いずれにしましても、国民生活、何とか不安を与えないように、できるだけのことをしっかり前広にやっていきたいと思っております。

鈴木(義)委員 時間がないので、はしょって、最後の質問をいたしますが、今の石油の関連だとか、農産物もそうですし、農産物を作るのに肥料だとかいろいろな資材を使うんですけれども……

根本委員長 鈴木君、簡潔にお願いします。

鈴木(義)委員 はい。

 結局、国でショックアブソーバーみたいな仕組みをやはりどこかでつくらないと駄目だと思うんです。これはあらゆる分野に関わってくることなんですけれども、経済再生担当大臣、最後に、経済再生ですから。

萩生田国務大臣 出しゃばるわけじゃないんですけれども、私の方から。

 おっしゃるとおり、このコロナ禍を経験して、国内で提供ができない様々な素材というものが明らかになってまいりました。そして、経済安全保障上も、やはり国の中で物がつくれる環境、こういったものはつくり直していかなきゃいけないというのは、全くおっしゃるとおりだというふうに思います。

 先生から御提案のあった、アドブルーの不足ですとか、ギアオイル、デフオイルなど、こういったものも本当に不足をしておりまして、海外に依存しているこの体制を変えていかないとサプライチェーンは確保できないというふうに思っていますので、既に、今年度の予算で、サプライチェーンの強靱化、総額五千百六十八億円、これは去年の補正ですけれども、措置をしましたし、半導体ですとか蓄電池ですとか、こういった中長期的な重要物資などを国内で安定供給のできるような対策というものをしっかり講じていきたいと思います。

鈴木(義)委員 終わります。ありがとうございました。

根本委員長 これにて鈴木君の質疑は終了いたしました。

 次に、緒方林太郎君。

緒方委員 いつものラストバッターでありますが、緒方林太郎です。よろしくお願い申し上げます。

 そして、立憲民主党、日本維新の会の皆様方に質問時間を御配慮いただきましたこと、改めて感謝を申し上げたいと思います。

 それでは、質疑に入りたいと思います。

 まず、東京オリンピック・パラリンピック競技大会における財政問題について、堀内大臣にお伺いをいたしたいと思います。

 ちょっと内容はどっちかというと予算というよりも決算っぽいんですけれども、堀内大臣の東京オリンピック・パラリンピック担当大臣の座布団は今年の三月三十一日までということでありますので、東京オリンピック・パラリンピックについて担当大臣に聞ける機会というのはそうもう多くないと思いますので、お伺いをさせていただきたいと思います。

 東京オリンピック・パラリンピック、立候補ファイルを出したときは、経費は七千三百四十億円と算定されていました。ただ、先般発表された総経費は一兆四千五百三十億円ということでした。

 ただ、そのときの説明では、立候補ファイルには候補都市間の比較ができるように、他都市と比較できる費目にだけ限られていて、そういうものを抽出したものが七千三百四十億円だったという説明をお伺いをいたしております。だから、その七千三百四十億、立候補ファイルにあったやつと一兆四千五百三十億は直接比較ができない、それはよく分かりました。

 そこで問題なのは、その抽出した項目、立候補ファイルに載せた項目に載っていたものはどれぐらい膨らんでいたんですかということをお伺いします、大臣。

堀内国務大臣 立候補ファイルに抽出した項目につきまして、その項目自身が、実は、例えば、大会開催に必要な経費は組織委員会において計上されているものが、立候補に予定していた三十七の競技場のうち十の競技場が使用されなくなるなど、大変いろいろな意味で前提が大きく変わってきているところでございます。

緒方委員 私、いろいろ前提が変わったというのはあったんですけれども、最初にこれぐらいだと言った、それでどれぐらい膨らんだのかというのを、その比較は必要だと思うんですよね。

 それで、前提が変わったと。いろいろな切り分けにくいものがたくさんあるというのはよく分かるんですけれども、一定の条件を置いた上でどれぐらいかかったんですかというのは非常に重要なことではないかと思うんですけれども、大臣、もう一度。

堀内国務大臣 多少かぶるかもしれませんが、先ほどの説明に。

 立候補ファイルの大会経費は、立候補都市間の比較を容易にするためにIOCから求められていたもので、招致委員会において、主に予定されていた三十七の競技会場の建設費を計上しているものでございました。

 そして、他方、大会開催に必要な経費というのは組織委員会において計上されており、また、立候補に予定していた三十七の競技場のうち十の競技場が使用されなくなるなど、本当に前提がいろいろと変わってきているところでございます。

 したがって、立候補ファイルの大会経費と大会開催に必要な経費とを具体的にしっかりと厳密に比較したりすることも困難でございます。そういった状況でございます。

緒方委員 それだと比較ができないということなので、それはそれで、理解しないんですけれども、多分それ以上の答弁は返ってこないと思うので、これ以上聞くことはやめますけれども。

 次に、東京オリンピック・パラリンピックにおける政府負担の話なんですけれども、立候補ファイルにも、組織委員会がまず面倒を見ます、それが駄目だったら都です、都でも駄目だったら国ですというような、そういう話でありました。

 最終的に組織委員会で見切れない部分があったのかどうか、あったんですけれども、それをどう負担しますかというときに、前任の丸川大臣は何と言われたかというと、財政再生団体になったら国が補填するという話をされました。

 財政再生団体になるということは、東京都の地方自治体としての標準財政規模は四兆近いので、財政再生団体というのは、実質公債費比率三五%、つまり、一年間の元利償還費とかが、単純計算すると一兆四千億ぐらいいかないと国は出ていかないということを言ったんですね。

 それって、最初から、国としては出ていきませんと。国の保証というのは最初から空証文だったんじゃないかと思うんですけれども、大臣、いかがですか。

堀内国務大臣 ただいま委員御指摘の丸川前大臣のお言葉でございますが、昨年五月の記者会見において、組織委員会の赤字補填を東京都が行った結果、東京都の財政状況が悪化し、いわゆる財政再生団体に陥るなどした場合には、国から東京都への財政支援を行うことになると述べられた後、東京都の財政規模を踏まえると、東京都が財政的に組織委員会の資金不足を補填できないという事態はおよそ想定し難いという認識であるという旨述べられているというふうに承知しているところでございます。

 これを踏まえれば、財政再生団体に陥るなどした場合という言葉は、東京都が財政的に組織委員会の資金不足を補填できないという事態はおよそ想定し難いという認識を示すために使われたものというふうに理解しているところでございます。

緒方委員 それは今私が質問したことの繰り返しでありまして、つまり、立候補ファイルを出す段階からそういう認識であったとするのであれば、最初から、国の政府保証というのは、そもそもやるつもりがなかったということを意味していないですかということを聞いているんです、大臣。

堀内国務大臣 これにつきましては、平成二十五年、二〇一三年にIOCに提出された立候補ファイルにおいては、大会経費に関して、万が一、組織委員会が資金不足に陥った場合、東京都が補填する、東京都が補填し切れなかった場合には、最終的に国が国内の関係法令に従い補填することとされているということでございまして、先ほど来委員から御指摘いただいている丸川前オリパラ担当大臣は、この立候補ファイルの記載に基づいて発言されたものと認識しておりますし、我々としてもそういうふうに思っているところでございます。

緒方委員 いや、だから、さっきからそう聞いていて。だから、初めからそういう認識であるとしたら、東京都の標準財政規模、四兆円ですよ、四兆円。それの三五%ということは一兆四千億ですよ。そんなに一年間の元利償還金が東京都でばあんと膨らむときなんて、東京がもう破綻しかかるときですよ。だから聞いているんです。

 最初からその認識だったのであれば、立候補ファイルに書いてあった国が政府保証しますというところは、最初からそもそも何もやるつもりがなかったということではないですかと聞いているんです、大臣。

堀内国務大臣 いずれにしろ、立候補ファイルに書かれていることが全てでございますので、それにつきましては、立候補ファイルをまずきちっと、それを守ってきちっとやってきているということでございますし、そういうふうに認識しております。

緒方委員 答弁のスタートから、いずれにせよって失礼ですよ。いずれにせよというのは、それまである議論を全部横にがしゃっと置いて一般論を言うときの言葉ですよ。ちょっと、スタートからいずれにせよって失礼じゃないですか。

 私は、最初からやるつもりなかったんでしょうと。何でそれを聞いているかというと、これから、例えば札幌が冬季オリンピックに手を挙げますとかそういう話があるときに、国の政府保証というのは、実は財政再生団体になるまで国は出てこないんだということであるとすると、例えば札幌だって、標準財政規模、五千億ですよ。五千億で三五%というと、もうこれだけで一千七百億円ぐらいですよ。札幌だってそんな事態になることないですよ。だから聞いているんです。

 つまり、札幌にもそのルールが適用されるとするのであれば、これは仮定ですけれども、国は基本的に出てこない、資金不足のときには国は出てこないんだということを意味することになるので、先ほどから私の質問の答弁、何か質問の繰り返しをやっているんですけれども、基本的にやらないということを最初立候補するときから言っていたということでいいですね、大臣。

堀内国務大臣 万が一、組織委員会が資金不足に陥った場合、東京都が補填する、そして、東京都が補填されなかった場合には、最終的に国が国内の関係法令に従い補填することとされているということで、東京大会については立候補ファイルができました。

 そして、先ほど委員が触れられた札幌大会につきましても、大会招致時、これは東京の大会の御説明を続けますが、大会招致時には立候補ファイルの大会経費のみが公表されて、そして、結果として、最初の包括的な大会経費の試算であるいわゆるV1に、組織委員会が公表した予算がしっかりと出てきたわけですよね、その後。立候補ファイルとはまた別に、V1がその後に出てきて、そして、立候補ファイルの大会経費が参照されているというふうに認識しております。

 今後の招致活動においては、東京大会の経費に係る経費などを参考にしつつ、先ほど委員が御指摘の札幌大会などについても取り組んでいただければというふうに思っております。

緒方委員 後で、答弁、議事録を見ながらよく判断させていただきたいと思います。

 堀内大臣、ここで結構であります。

 次に、感染症二類と五類の話をさせていただきたいと思います。

 この委員会でも、感染症二類相当、COVID―19が、二類相当から五類に下げてはどうだという議論がよくあります。けれども、五類に具体的に課される要件を見ていると、五類にできるとは私は思わないです。それは無理だと思います。ただ、これだけ二類相当から五類に下げましょうという議論が出てくるということは、二類相当だといろいろな要件が過剰なんだという意識を持っている方が多いんじゃないかと思うんですよね。だから、じゃ、五類だという話になっているんですが。

 まず後藤大臣にお伺いしたいのは、現状において、二類相当でいろいろな要件が課されていますね。あれが若干過剰なのではないかという思いをお持ちでしょうか、大臣。

後藤国務大臣 まず、ちょっと技術的なことから申し上げておきますけれども、世の中で二類相当と言われることはよくあるんですけれども、感染症法上、各感染症は、感染力や罹患した場合の重篤性等を総合的に勘案しまして、講ずべき措置を踏まえてその位置づけが定められておりまして、新型コロナウイルス感染症については、感染症法上、新型インフルエンザ等感染症に位置づけられております。このことは先生の御質問の本質には全然関わりありませんが、一言申し上げておきたいと思います。

 それで、感染症法に基づく措置でございますけれども、入院勧告、措置、就業制限、自宅療養、宿泊療養への協力要請など、感染症法に基づく措置は様々ありまして、更に新たなる分類を設けるということは、御指摘のように、立法論としてはあり得るわけでありますけれども、どのような対象とするかなど、いろいろな論点があると思っております。

 それで、新型インフルエンザ等感染症の適用措置、これは法律によって定められているわけでございますけれども、一部政令委任されているものもありますが、基本的には、新型インフルエンザ等感染症、現在のところで、不要だというふうに思ってはおりません。

 しかし、先生の御指摘の一番の本質は、コロナウイルス、特に、オミクロンになりましてから感染の仕方が非常に速くて、そして、軽症で、重症にならない可能性が高いというような、そういうオミクロンの性格によって、もし、例えば季節性インフルエンザと同じような事態の認定ができるということになれば、そういう形の分類のし直しもありますし、また、中間的な性格であった場合には、立法論としてはもちろんあり得ると思います。

緒方委員 済みません、私の質問の何か次の次ぐらいの答弁書を今読まれたんですけれども、実は、聞きながら、答えが返ってきちゃったなという感じなんですが。

 何が言いたかったかというと、多分、二類に課されている要件のうちの一部は、例えば保健所を必ず介しなきゃいけないとか、幾つかの条件は過剰なんじゃないかという思いを持っている人が多い。ただ、先ほども言ったとおり、五類にしちゃうと全然駄目だ、簡単に言うと、梅毒とか、ああいうのと同じ扱いになるわけですから、それは下げ過ぎだとなると、私、非常に単純に考えて、二類相当だと過剰だ、五類に落とすと、それだと緩過ぎるとなると、その真ん中のところ辺りに何かいい類型をつくるというのが、医療リソースを適正に開放するということも含めて、今必ずしも医療のリソースが適切に使えていないと思うことがある中で、新しい類型、二類と五類の間に新しい類型をつくれば一番今の状態にフィットするような状態になるんじゃないですかということを、これを言いたかったんですね。

 それで、答弁が返ってきました。現時点では考えていないということでありましたが、ただ、私、ちょっと……(発言する者あり)そうなんです、これはあり得るんです。是非、皆さん考えましょう、これ、本当に。議員の間でも、本当にこれ、みんなで考えていただきたいと思うんです。

 私が懸念しているのが、地方自治体の取組の中で、二類相当である要件を地方自治体の判断で若干緩めているようなところがあるように思うんですね。若干、なし崩し的に何か進んでいるんじゃないかなと、感染症法上の取組が。何となく、国として、国は二類相当から動かせないけれども、地方の独自の判断で少し要件を、独自の対応をするということを、何となく、国側が、これはそうじゃなかったらそうじゃないと言ってほしいんですが、若干期待しているようなところがあるんじゃないかなと。何となくですよ。少なくとも、それを、私、本当に、期待しているように見えるところがあるんですけれども。

 なし崩しでやっていくのがよくないわけでありまして、二類相当があって、五類相当があって、どっちも不適切なのであれば、やはりきちっと法律で、感染症法の改正、それが何なのか分かりません、三・五類なのか、四・五類なのか、六類なのか、七類なのか分かりませんけれども。

 将来的な課題と言われましたが、危機管理の要諦は想定できないことを想定するということでありまして、発動するかどうかはともかくとして、二類と五類の間で、医療リソースを適正に開放するために一番フィットするような類型をつくることについて、もう一度答弁いただければと思います。

後藤国務大臣 今先生のお尋ねの中で、立法論としてあり得るのかどうかということについては、これはあり得るというふうに思っております。入口は感染力及び罹患した場合の重篤性の判断から出発して、それにどういう対策を組み合わせたらいいかという順番で感染症法の考え方は整理すべきだというふうに思いますけれども、おっしゃるとおり、立法論としては可能だと。少し、本質論に私すぐ行っちゃう方なので、答弁が早かったら申し訳なかったと思いますけれども。

 しかし、今政府がやっておりますオミクロン対応ですけれども、確かに、法律の解釈というのはいろいろな幅があります。そうした中で、今政府が、例えば、自宅療養、あるいは診断なく陽性と判断できるとか、そういうようなことにつきましては、それはやはり、今のオミクロンの特徴と医療資源を前提とした中で認めている措置ということで、基本的に、法律を遵守した形で当然対策をやっていくということの姿勢は変わらないというふうに申し上げさせていただきます。

緒方委員 あと、最後、一問だけ。

 今回のCOVID―19の対応で、私、福岡県北九州市という政令指定都市に住んでいるわけでありますが、今回の新型インフルエンザ等対策特別措置法というのは都道府県知事に物すごく権限をぐっと寄せる形でやっているんですが、これはたしか菅前総理もインタビューで言っていたんですけれども、もっと政令指定都市に権限を寄せた方がいいんじゃないか、自分でやれる力のあるところについてはどんどんどんどん権限を寄せた方がいいんじゃないかということを言っておりました。

 私も、実は、それと似たような思いをどうしても持ちます。県に対策本部ができるんですけれども、県の中で、大都市である政令指定都市の声というのは、県で方針を決めるときには、そこは直接には反映されないわけですね、もちろん調整はすると思いますけれども。

 更に言うと、新型インフルエンザ等対策特別措置法が県に物すごく権限を寄せている一方で、例えば感染症法とか、そして保健所に関する地域保健法とか、こういう法律は必ずしも県に権限を寄せるようになっていないんですよね。

 今後のことを考えたときに、都道府県があり、そして政令指定都市があり、中核市があり、ここら辺までが保健所政令市になるわけですけれども、この辺りの権限の調整をしないと、また、何か、大体、多いんですよ、道府県と政令指定都市、仲が悪いとか、かみ合っていないとか。

 法律上の権限調整を少しした方がいいんじゃないかなと、これまで二年間の経験をもって思うんですけれども、いかがですか。

後藤国務大臣 御指摘のように、特措法は、全国的かつ急速に蔓延するおそれのある感染症を対象にしておりまして、こうした感染症に的確に迅速に感染拡大防止対策を講じるために、いわば、ある程度面的な措置が必要ということで、政府対策本部が国レベルで策定する基本的対処方針に基づいて、具体的な措置については広域的な自治体である都道府県が一元的に実施する仕組みとされております。

 一方で、感染症法は、広く感染症一般を対象としまして、入院勧告や措置、積極的疫学調査など、個別具体的な権限に基づいて、地域の実情に応じて迅速に対応できるようにするための措置を定めたもので、都道府県のほか、保健所設置市又は特別区から、自ら行使できるという形の法律体系になっております。

 このように、それぞれ法律の趣旨に基づきまして権限を規定しているわけでありますけれども、息の長い感染症対応体制の強化策として、次の感染症対策において、本年六月をめどに、危機に迅速的確に対応するための司令塔機能だとか、感染症法の在り方、保健医療体制の確保など中長期的な観点からの対応は、このコロナ対策の現状の分析等も踏まえて行っていく必要があるというふうに思っております。

 現下の危機対応をまず行いつつ、これまでの対応を客観的に検証しながら、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。

緒方委員 終わります。

根本委員長 これにて緒方君の質疑は終了いたしました。

 次回は、明十日午前九時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時二分散会


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