衆議院

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第14号 令和4年2月10日(木曜日)

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令和四年二月十日(木曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 根本  匠君

   理事 今枝宗一郎君 理事 島尻安伊子君

   理事 谷  公一君 理事 西村 康稔君

   理事 葉梨 康弘君 理事 大串 博志君

   理事 重徳 和彦君 理事 浦野 靖人君

   理事 稲津  久君

      あべ 俊子君    青山 周平君

      秋葉 賢也君    伊藤 達也君

      石破  茂君    石原 宏高君

      今村 雅弘君    岩屋  毅君

      衛藤征士郎君    加藤 勝信君

      柿沢 未途君    金田 勝年君

      亀岡 偉民君    小林 茂樹君

      後藤田正純君    斎藤 洋明君

      笹川 博義君    下村 博文君

      高木 宏壽君    土屋 品子君

      中谷 真一君    永岡 桂子君

      野中  厚君    平沢 勝栄君

      古屋 圭司君    宮崎 政久君

      山本 有二君    鷲尾英一郎君

      渡辺 博道君    荒井  優君

      石川 香織君    江田 憲司君

      岡本あき子君    落合 貴之君

      城井  崇君    源馬謙太郎君

      近藤 和也君    階   猛君

      長妻  昭君    道下 大樹君

      渡辺  周君    渡辺  創君

      市村浩一郎君    岩谷 良平君

      漆間 譲司君    吉田とも代君

      伊佐 進一君    輿水 恵一君

      中川 宏昌君    前原 誠司君

      宮本  徹君    本村 伸子君

      緒方林太郎君

    …………………………………

   総務大臣         金子 恭之君

   法務大臣         古川 禎久君

   財務大臣         鈴木 俊一君

   文部科学大臣       末松 信介君

   厚生労働大臣       後藤 茂之君

   経済産業大臣       萩生田光一君

   国土交通大臣       斉藤 鉄夫君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     松野 博一君

   国務大臣

   (防災担当)       二之湯 智君

   国務大臣

   (男女共同参画担当)   野田 聖子君

   国務大臣

   (国際博覧会担当)

   (消費者及び食品安全担当)            若宮 健嗣君

   財務副大臣        岡本 三成君

   政府参考人

   (内閣官房国際博覧会推進本部事務局次長)     益田  浩君

   政府参考人

   (内閣官房こども家庭庁設置法案等準備室長)    谷内  繁君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   榊  真一君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   笹川  武君

   政府参考人

   (内閣府男女共同参画局長)            林  伴子君

   政府参考人

   (消費者庁次長)     高田  潔君

   政府参考人

   (法務省民事局長)    金子  修君

   政府参考人

   (文部科学省初等中等教育局長)          伯井 美徳君

   政府参考人

   (文部科学省研究開発局長)            真先 正人君

   政府参考人

   (スポーツ庁次長)    串田 俊巳君

   政府参考人

   (厚生労働省健康局長)  佐原 康之君

   政府参考人

   (厚生労働省雇用環境・均等局長)         山田 雅彦君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局長)           山本 麻里君

   政府参考人

   (厚生労働省保険局長)  浜谷 浩樹君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           福永 哲郎君

   政府参考人

   (国土交通省総合政策局長)            和田 信貴君

   政府参考人

   (国土交通省都市局長)  宇野 善昌君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  村山 一弥君

   政府参考人

   (国土交通省航空局長)  久保田雅晴君

   予算委員会専門員     小池 章子君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月十日

 辞任         補欠選任

  石破  茂君     高木 宏壽君

  岩屋  毅君     斎藤 洋明君

  奥野 信亮君     小林 茂樹君

  加藤 勝信君     笹川 博義君

  木原  稔君     宮崎 政久君

  北村 誠吾君     柿沢 未途君

  山本 有二君     野中  厚君

  石川 香織君     岡本あき子君

  江田 憲司君     渡辺  創君

  源馬謙太郎君     渡辺  周君

  道下 大樹君     荒井  優君

  足立 康史君     吉田とも代君

  市村浩一郎君     漆間 譲司君

  宮本  徹君     本村 伸子君

同日

 辞任         補欠選任

  柿沢 未途君     石原 宏高君

  小林 茂樹君     奥野 信亮君

  斎藤 洋明君     あべ 俊子君

  笹川 博義君     加藤 勝信君

  高木 宏壽君     石破  茂君

  野中  厚君     山本 有二君

  宮崎 政久君     木原  稔君

  荒井  優君     道下 大樹君

  岡本あき子君     石川 香織君

  渡辺  周君     源馬謙太郎君

  渡辺  創君     江田 憲司君

  漆間 譲司君     市村浩一郎君

  吉田とも代君     足立 康史君

  本村 伸子君     宮本  徹君

同日

 辞任         補欠選任

  あべ 俊子君     岩屋  毅君

  石原 宏高君     永岡 桂子君

同日

 辞任         補欠選任

  永岡 桂子君     北村 誠吾君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 分科会設置に関する件

 政府参考人出頭要求に関する件

 分科会における会計検査院当局者出頭要求に関する件

 分科会における政府参考人出頭要求に関する件

 令和四年度一般会計予算

 令和四年度特別会計予算

 令和四年度政府関係機関予算


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     ――――◇―――――

根本委員長 これより会議を開きます。

 令和四年度一般会計予算、令和四年度特別会計予算、令和四年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。

 この際、分科会設置の件についてお諮りいたします。

 令和四年度総予算審査のため、八個の分科会を設置することとし、分科会の区分は

 第一分科会は、皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣、内閣府、デジタル庁、復興庁、防衛省所管及び他の分科会の所管以外の事項

 第二分科会は、総務省所管

 第三分科会は、法務省、外務省、財務省所管

 第四分科会は、文部科学省所管

 第五分科会は、厚生労働省所管

 第六分科会は、農林水産省、環境省所管

 第七分科会は、経済産業省所管

 第八分科会は、国土交通省所管

以上のとおりとし、来る二月十六日及び十七日の両日分科会審査を行いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

根本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次に、分科会の分科員の配置及び主査の選任、また、委員の異動に伴う分科員の補欠選任並びに主査の辞任及び補欠選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

根本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次いで、お諮りいたします。

 分科会審査の際、最高裁判所当局から出席説明の要求がありました場合は、これを承認することとし、その取扱いは、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

根本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次に、分科会審査の際、政府参考人及び会計検査院当局の出席を求める必要が生じました場合には、出席を求めることとし、その取扱いは、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

根本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

根本委員長 次に、お諮りいたします。

 三案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房国際博覧会推進本部事務局次長益田浩君、内閣官房こども家庭庁設置法案等準備室長谷内繁君、内閣府政策統括官榊真一君、内閣府政策統括官笹川武君、内閣府男女共同参画局長林伴子君、消費者庁次長高田潔君、法務省民事局長金子修君、文部科学省初等中等教育局長伯井美徳君、文部科学省研究開発局長真先正人君、スポーツ庁次長串田俊巳君、厚生労働省健康局長佐原康之君、厚生労働省雇用環境・均等局長山田雅彦君、厚生労働省社会・援護局長山本麻里君、厚生労働省保険局長浜谷浩樹君、経済産業省大臣官房審議官福永哲郎君、国土交通省総合政策局長和田信貴君、国土交通省都市局長宇野善昌君、国土交通省道路局長村山一弥君、国土交通省航空局長久保田雅晴君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

根本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

根本委員長 これより一般的質疑を行います。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。渡辺周君。

渡辺(周)委員 立憲民主党の渡辺でございます。

 まず冒頭、通告に基づきまして、藤井敏彦前経済安保法制準備室長の更迭事案につきまして、官房長官にお尋ねをしたいと思います。

 経済安保の法律は、岸田内閣、今国会の最重要法案だと言われております。大変、この点をめぐっては様々な、経済界も注視をし、そして、法律の今後の次第によっては、我が国の経済活動に対しても多大な影響を与えるという重要な法案であります。その法案の責任者でございました藤井敏彦氏が今回更迭をされるという事態になりました。

 その点について、昨日から予算委員会、内閣委員会で質問がされておりますけれども、なぜ更迭されたかについては、今朝の、本日発売の週刊文春誌を見まして、ああ、そういうことかということで合点がいきました。

 ただ、この点については、報道のあくまで範囲でございますので、まずは、この報道されている内容、記載されていることが、記述されていることが事実なのかどうなのか、官房長官、いかに受け止めていらっしゃるか、まずは伺いたいと思います。

松野国務大臣 渡辺先生にお答えをさせていただきます。

 今般、藤井敏彦元内閣官房内閣審議官について、処分につながる可能性のある行為を把握をし、現在、本人を含めて、事実関係の確認、調査を行っているところでございます。

 このような状況において、同氏に経済安全保障法制準備室長の職務を続けさせることは困難と判断をしたため、本人に対して国家安全保障局長から厳しく注意をした上で、派遣元である経済産業省に異動させることといたしました。

 国家安全保障局において引き続き事実関係の確認、調査を実施をしていくこととしており、今後判明した事実に基づき適切に対処をしていく考えであります。

渡辺(周)委員 昨日の官房長官の会見と同内容の今答弁でございます。

 ここで出てくる重要な言葉が、処分につながる可能性がある行為を把握しとあるんですね。判明ではなくて把握をしているということでございます。把握をしたということで、実は、この後に続く、事実関係の確認、調査というんですけれども、把握したということは、これはもう既に事実確認は行ったということじゃないですか。ですから、だからこそ、この急遽の、報道によりますと、前日に、取材した過程で知り得た情報を安全保障局の方にぶつけたところ、翌日更迭になったと。すごく異例のスピードで行われたわけです。

 ということは、何らかの事実確認があったということではないですか。そこのところはいかがなんですか。一体何が把握されたのか、ちょっと教えていただけますでしょうか。

松野国務大臣 お答えをさせていただきます。

 現時点において、国家安全保障局の内規手続のうち、対外的な意見発表を行う際の事前届出を怠っていたこと等が確認をされていますが、これ以上の詳細は確認、調査中でございまして、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。

渡辺(周)委員 今答えられた調査中という言い訳はもう、言い訳とあえて言わせていただきますけれども、調査中という言い訳は通用しないと思うんです。なぜなら、更迭された、処分された事由があるんですね。処分事由があるからこそ更迭されたのであって、調査中なら保留されてもよかったんじゃないですか、更迭は。

 そこのところは、もう昨日から我々も質問をしておりますけれども、何らかの形でもう調査は終わっているから、間髪入れずに更迭をしたということじゃないかと思うんですが、そこはいかがですか、官房長官。

松野国務大臣 お答えをさせていただきます。

 先ほど申し上げたとおりでございますけれども、現状のような状況において、同氏に経済安全保障法制準備室長の職務を続けさせることは困難と判断をしたため、派遣元である経済産業省に異動させることにしたということでございます。

渡辺(周)委員 先ほどちょっと言及されました、事前の届出を怠ったということなんですが、じゃ、その講演した何か中身が、大変、法案作成若しくは法案の中身に対して重大な例えば情報漏えいがあったということなのか。

 処分につながる可能性をちょっと幾つか挙げてみますと、例えば、国家公務員法第百条「職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。」何らかの形で守秘義務違反があったというふうなことも、今おっしゃったような講演ということであるならば我々は勘ぐるわけなんですけれども、この守秘義務違反があったということでしょうか。

松野国務大臣 お答えをさせていただきます。

 繰り返しとなって恐縮でございますけれども、現在、事実関係の確認、調査中であり、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。

渡辺(周)委員 ですから、更迭された事由を、処分の、更迭という結果になっているわけですから、既に何らかの形は、先ほど把握と言われたわけなので、調査中ということで、何か私は、先送り、時間稼ぎをして、何かもっと重大なことがあって口裏合わせでもしているんじゃないか、そういうふうに勘ぐってしまうわけですけれども、そこはもうちょっとちゃんと答えられないんですか。

 そうでなければ、内閣の、今国会の最重要課題とも言われる法案の責任者が、何だかよく分からないけれども一日で更迭されるということ、それが、今おっしゃったような何らかの事前届出のない講演をしたということであるならば、相当重要な中身だったんじゃないかと思うんです。だからこそ守秘義務違反でもあったのじゃないかと思うんですが、そこはいかがなんでしょうか。

松野国務大臣 お答えをさせていただきます。

 先ほど申し上げましたけれども、国家安全保障局の内規手続のうち、対外的な意見発表を行う際に事前届出を怠っていたこと等が確認をされております。これ以上の詳細については、現在、確認、調査中でございます。

 今回の対応となりましたのは、当該職員が現在の職務を引き続き担うことが困難であると判断をしたため、派遣元である経済産業省に異動させることとしたということでございます。

渡辺(周)委員 軽い重いという言葉は余り使いたくはないんですけれども、ここにあるように、今後もうこの職務を続けていくことが困難であるというぐらいの重大な何かがあったからこそ、今、ここに、これは実は昨日の内閣委員会でも官房長官は今と同じ答弁をされて、内規手続に対し届出を怠った等と。今もおっしゃいました。この等に何か含まれているんじゃないかと我々は思わざるを得ないんですね。

 決して、届出違反があった、届出を怠ったということは軽いとは申しませんが、更迭されるだけの処分事由になるのだろうかということを考えれば、何かしら、当然そこには、今回のことについては、政令や省令でこの法律の細部については今後決まっていく。企業にとっては、これは大変な死活問題でもあるわけでございます。だとすれば、何かしらのインサイダーな情報でも、今お話のあったような講演だということであるならば、どこかでそういうことを既に話されたのではないかということをやはり我々は疑って見てしまうんですけれども、そこのところはいかがなんですか。

松野国務大臣 お答えをさせていただきます。

 現在、国家安全保障局において事実関係の確認、調査を実施をしており、今後判明した事実に基づき適切に対応させていただきたいと思います。

渡辺(周)委員 最初の質問にお答えいただいていないんですが、この報道の内容はおおむね事実ということでよろしいですか。そこはいかがですか。

松野国務大臣 お答えをさせていただきます。

 御指摘の事案内容に関しましても含めて、確認、調査を実施をしているということでございます。

渡辺(周)委員 私は、そこの、先ほど官房長官がおっしゃった等という言葉が、大体、我々も、正直、国会の中でずっと追及もしてきました。その中でよく出てくるのが、等という言葉にいろいろなことを含めて、スルーするように、これは官僚社会や政治答弁の中でよく出てくる言葉なんです。ですから、この等という言葉に非常に私たちは強い関心を持っています。

 ちょっと、それでは伺いますけれども、このほかに国家公務員の兼業ということも実は報道されております。闇営業などという記述までされているわけで、大変これは不名誉な言われ方ではないかと思うんですけれども。例えば、報酬を得て継続的又は定期的に従事する場合は事前の届出、承認が必要、しかも、営利企業であるならば兼業制限に抵触するんじゃないか。これは国家公務員法の中に書かれていることでございまして、その点についても調査をしているということでよろしいんでしょうか。

松野国務大臣 先ほど申し上げましたけれども、御指摘の事案も含めて、現在、調査をしているところでございます。

渡辺(周)委員 本人が、この報道の中で、取材に答えて、一回二十万円から三十万円じゃなかったかな、講演には兼業届は要りませんというようなことを言っていますけれども、国家公務員倫理法には、課長補佐級以上の職員が五千円を超える報酬を得る場合は、贈与等報告書というものを提出をする必要があるんですが、そこについても調査をされていますか。

松野国務大臣 お答えをさせていただきます。

 御指摘の事案も含めて、現在、本人からの意見聴取や聞き取り等も含めて、調査を進めさせていただいているということでございます。

渡辺(周)委員 この報道の中で、御本人は、藤井氏は、勉強として無料で話を聞いただけというような記述もあるんですね。記者の質問に答えています。

 そうであるならば、高額な会費を取っている経済塾ですから、当然、利益を得ることもある中で、勉強として無料で話を聞いただけというのは、利益の供与になるんじゃないか。一般論としてはいかがですか。ここに書かれているように、もし、ただでそれだけの有名講師の方々のお話を聞いたということで、それをただで要は聞かせてもらったということは、これは、一般論としてでも結構ですが、利益の供与ということにはなりませんか。いかがですか。

松野国務大臣 お答えをさせていただきます。

 現在、事実関係等も含めて調査をさせていただいているところでございますので、その調査の結果が判明いたした時点で、適切に対応させていただきたいと思います。

渡辺(周)委員 では、判明するまで、この調査、どれぐらいかけて調査を行うんですか。

 つまり、やはり今回のこの法案の審議入りに当たっては、果たして、途中、この法案作成プロセスにおいて、何らかの形での影響を及ぼすような経済界との接触がインナーの中であったんじゃないかということも、今回のこの報道を見ると我々としては思わざるを得ないんですけれども、いつまでにこの調査は終わらせる、そして、公表されるお考えですか。

松野国務大臣 お答えをさせていただきます。

 できるだけ速やかに確認、調査を進めていくことが重要であると考えております。

渡辺(周)委員 できるだけ速やかにということは、大体、めどとしてどれぐらいなんですか。法案提出前ですか。それとも、この予算審議の間には、衆議院で今予算委員会をやっている、だけれども、ここで例えば追及されたくない、だからこの結果についてはできるだけ、予算が衆議院通過するまでは例えば時間を稼ぐ、何かそういうふうに思ってしまうんですが、そこはいかがですか。

 いつをめどに。そんなに時間がかかることじゃないと思います。この報道されていることを本人に、呼んで、これに書かれたことについて、どうなんだ、兼業していたのか、報酬を受け取って、その報告はしているのか、あるいはしていないのか。そんなものは調べれば分かるわけですから、そんなに時間はかからないと思いますけれども、そこはいかがですか。

松野国務大臣 お答えをさせていただきます。

 本人からの聞き取りも含めて、今進めているところでございます。事実関係が速やかに確認されますように努力をさせていただきたいと思います。

渡辺(周)委員 やはり、これは今回の予算審議に影響を与えないように、ここまで予算審議が進んできた中で、この問題が出たことによって予算の衆議院通過が遅れるのはいかがかと思いますが、我々としては、やはりこの問題、法案作成のプロセスにおいて何かしらの働きかけや何かしらの影響を与えたかもしれない、それを大変重要視しているわけなんですね。

 何よりも、経済安保の第一人者で、責任者だった人が、いわばコアなキーマンが、報道によりますと、女性記者と不適切な関係にあったのではないかと。そしてまた、経済人が集まる私塾の中で、三週続けてそこに足を運んでいて、長期間滞在していることによって大変密接な関係にあったんじゃないかということが書かれているわけなんです。

 これは、公安調査庁のホームページの言葉をかりれば、経済安全保障とはということで解説されています、公安調査庁のホームページで。そこには、悪意ある主体だった場合にと、悪意ある主体者が例えばあなたに接近してきますよと。なぜなら、技術管理や情報流出には罰則が設けられる、大変厳しい内容なんです。

 それだけに、どこかの悪意ある主体者、つまり、もし外国勢力がこのような形で接近をしてきて情報共有していたら、これはそもそも、この法律を、言葉をちょっと乱暴に言えば、あなた、それを言える立場なのかという方が罰則まで設けて法案を作っているということになりかねないわけで、そんな脇の甘い人が法案の作成者であったということについて、これは危機意識に相当欠ける行為だというふうに思わざるを得ませんけれども、政府はどう認識していますか、今回のことにつきまして。

 個別の、報道されている中身についてのことは調査中でずっと一貫しておっしゃっています。しかし、こういう方が、自分が当事者であって、コアなキーマンでありながら、これだけ脇の甘い行動を取っていたということについて、政府の認識はいかがでしょうか。

松野国務大臣 お答えをさせていただきます。

 いずれにいたしましても、まずは事実関係をしっかりと調査をさせていただいて、判明した時点で適切に対応させていただきたいと思います。

渡辺(周)委員 更迭した理由が分からないんですよ。じゃ、なぜ更迭したのか。

 ということは、先ほどからあるように、何か事実を把握しているわけですよね。把握しているから言えない。理由もなく更迭はできないわけでございまして、当然、そのことについて何らかの確証を持っているからこそ、このいわば電光石火のような更迭が行われたということであります。

 また、この問題の根が深いところは、この法案は、詳細は政令とか省令で、細部については定めていくことになっているわけであります。例えば、事前審査、基幹インフラで外国製品をそこに入れることについて、やはり事前の審査がある。それが行われるとなれば、例えば、どの業種が対象で、どの企業がまさに対象になるのかということについては、これは今後、政令や省令で決まっていくわけでございます。

 今後の政令、省令という形で決まる中で、これは、前準備室長だけではなくて全ての関係者に、こうした形で何らかの情報を得ようとして、ひょっとしたら悪意ある主体者が接近してくることだってあるんですけれども、政府の危機管理についてはいかがですか。

松野国務大臣 お答えをさせていただきます。

 先生御指摘の内容に関しましては、繰り返しになって大変恐縮でございますけれども、まずは事実関係をしっかりと調査をした上で適切に対応していただきたいと思います。(発言する者あり)

根本委員長 じゃ、もう一回、質問者。ちゃんとクリアに言ってください。

渡辺(周)委員 じゃ、再答弁してください。一般論でと言っていました。

 つまり、これから、この法案が提出されて審議をされる中で、当然、法案提出側にある方々というのは、今後、このような方、記者と接触する、まあこれはやはり常識の範囲内で。我々もそうです。記者として、私も記者をやっていましたけれども、記者と接触しても、ここまではやはり話ができない。あるいは、どんな親しい経済人であっても、これだけは言えない。

 いろんなことは今後政令や省令で決めていく法律ですから、相当な利益を損失する方々が出てくるからこそ経済界も慎重な対応をということを言っているんですが、だからこそ、今回のような、最高責任者というべきその準備室長がまずこうだったわけですから、今後、政府としての危機管理はどうするか、その危機意識を持つべきじゃないかということを私は聞いているんです。この調査じゃなくて。

 いかがされますか。

松野国務大臣 お答えをさせていただきます。

 一般論として、先生から御指摘をいただいたとおり、情報管理に万全を期していくということは当然のことであろうかと考えております。

渡辺(周)委員 非常に消化不良な形での答弁であります。

 ただ、官房長官はこの後退出されるということでございますので。

 やはり、この問題の最後に、国家公務員法の三原則とも言えます、職務の公正な執行の確保、公務の信用の確保、職務専念義務の確保、これを損ねたという責任は免れないわけでございます。今の官房長官の答弁では、もう調査中の乱発でございます。とてもこれでは全然答えをいただいたというふうには思えません。

 真相究明、真相解明のため、前審議官の本委員会への参考人としての招致を求めたいと思いますが、委員長、いかがでしょうか。

根本委員長 理事会で協議します。

渡辺(周)委員 この問題にこんなに長く時間を割いてしまいましたけれども。

 官房長官、九時半までということでございますので、もう御退出いただいて結構でございます。是非、しっかりとした調査、速やかな結果を本委員会に提出されるよう、公表されるようによろしくお願いいたします。

 それでは、残った時間の中で、用意した質問をさせていただきます。

 昨年七月三日に、熱海で土石流災害がございました。五万六千立米の土砂が流出して、死者が二十六人、行方不明者が一人。今、まだお一人の方が見つかっていない状況でございます。そしてまた、今、遺族の告発を受けて、静岡県警が捜査中であります、この土砂を搬入した業者に対して。

 そしてまた、熱海市議会では百条委員会が設置をされまして、参考人を招致するということまで決議をしております。もう既に内部で何回か百条委員会が行われておりますが、やはりこの盛土の問題、盛土の危険性がこれまでも指摘をされましたけれども、これが本当に不幸にして、このような惨事となって具現化してしまったということでございます。

 今回、法律が出されるということでは、我々も同じ説明を受けておりますけれども、この法律は、一体いつ提出されて、いつ施行されるのか。

 つまり、大臣御存じのとおり、今、全国一律の盛土規制の法律がない。ですから、各自治体、条例で対応しているところなんです。ですから、法の空白が長引くことというのは、これは避けなければいけないわけで、この法律は、いつ閣議決定をされ、そして、いつ法案審議の後に施行されるか、そこはいかがでしょうか。

斉藤国務大臣 昨年、熱海市で大規模な土石流災害が発生したことを踏まえ、これまで規制をかけることができなかった地域も含めて、土地の用途にかかわらず盛土行為を許可制とするなど、危険な盛土を包括的に規制する法制度を構築することとしています。

 法案の内容について、現在、関係省庁等と調整を行っているところであり、調整が整い次第、速やかに閣議に諮り、三月上旬には法案を国会に提出する予定としております。

 また、法案の施行日については、現在検討しているところですけれども、規制を実施する地方公共団体からは、規制の範囲を検討するための調査の実施や執行体制の構築に時間を要するため、公布から施行までの期間を一定程度確保してほしい、こういう意見をいただいているところです。

 しかし一方で、今、渡辺委員からお話がありましたように、二度と熱海市と同様の悲劇を繰り返さないためにも、法案の施行はできる限り早期であることが望ましいと考えておりまして、これらを踏まえ、施行時期について検討してまいりたいと思っております。

渡辺(周)委員 総務省が、この伊豆山の土石流以前ですけれども、総務省の行政評価局が、令和二年の一月から令和三年の三月に盛土の実態調査を行っているんですね。その勧告は総務大臣から国土交通大臣に手交されているとのことでございます。

 今現在で、十一月末の暫定ですけれども、点検が必要な箇所というのは三・六万か所、全国にある。これは報道等によれば、年間発生する建設残土の八四%が公共事業によるものでして、年間の発生量の二割に当たる六千万立米、これは東京ドームおよそ五十個分、一年間に行き場のない建設残土が出ているわけなんですが。例えば、この建設残土を把握をするということについては、国土交通省の地方整備局が、建設副産物協議会、これを設けていますが、この不適切な埋立事業については把握はしていないと。なぜなら把握は義務づけられていないということで、改善すべきではないかというのが総務省の行政評価局からも出ております。

 また、あわせて、国が保管場所として利用可能の場所の情報共有を自治体や民間業者と行うべきではないかという勧告もされていますけれども、その点についてはこの法律では担保されていませんけれども、国土交通省として、法律が施行されるまでには一定の時間を要する、しかし、現在でもまだ盛土の問題はそのままで、放置されるわけにはいかない。

 この勧告を受けて、国土交通省としては、盛土の発生、残土の発生ということの総体を押さえるということについてはいかがお考えですか。

斉藤国務大臣 残土についてきちっと情報を共有して、実態を把握しておくべきではないか、こういう委員のお話でございます。

 今お話がございましたように、国土交通省の地方整備局と、それから都道府県で、ブロックごとに地方建設副産物対策連絡協議会というのを設置しております。この協議会では、公共発注者間で建設発生土の需給状況等を共有し、実態の把握に努めるとともに、工事間の利用調整を行っております。

 また、今回のこの法案を作るために検討会を有識者で設けておりますが、その盛土による災害の防止に関する検討会の提言において、新たな法制度に基づく許可を受けた盛土等について地方公共団体による許可地一覧の公表が重要であるとされており、これらに取り組んでいくことにより、実態把握と更なる有効利用を進めていきたいと思います。

渡辺(周)委員 是非この点について、また改めて私が所属する国土交通委員会でも細部についてお尋ねをしたいと思います。

 なぜ、この盛土の問題、これまた、これだけ急がれるかといえば、昨年の七月の熱海での土石流もそうですけれども、予想しない、予測できないような例えば大雨が降る、若しくは地震が起きるということで、またこのような不幸な惨事が繰り返されるのではないかという大変心配があるわけなんです。

 そこで、ちょっと今日お見えの閣僚の方に聞きたいのが、最近、地震が、先般も一月二十二日に日向灘でありました。もう少しのところで、いわゆる南海トラフの臨時情報を出すための会議を招集するという手前まで来ていましたけれども。あるいは、トンガで火山噴火が起きて、津波と目されるものが日本海側にも注意報として出されました、津波注意報が出されたんですが。

 地球活性期に今あるんではないかということを言う方もいますよね。南海トラフ、地球活性時期じゃないかという中での、今どのような状況というふうに政府は現状認識しているのか。その点について、まず伺いたいと思います。

二之湯国務大臣 南海トラフ地震につきましては、三十年以内に七、八〇%の確率でマグニチュード八から九クラスの地震が発生すると言われております。一たびこの南海トラフ地震が発生した場合には、最悪のケースでは、死者数三十二万三千人、建物の全壊棟数が二百三十八万六千棟に及ぶなど、非常に甚大な被害が及ぶと予想されているところでございまして、極めてこの対策を推進することは重要であると認識をしております。

 このため、平成二十六年三月に、南海トラフ地震防災対策推進基本計画を策定して……(渡辺(周)委員「もう結構です、その辺に関しては分かります」と呼ぶ)はい。

 だから、今一生懸命取り組んでおるところでございます。

渡辺(周)委員 いや、当然のことなんです。

 ちょっともう時間がないから、またこれは改めてどこかの委員会でやりたいと思いますが、その減災、防災という中で一つ大事なことは、電柱の地中化、これをやっぱり推進する。

 実際、その法律もできて、二〇一八年から三か年計画で実は取り組んだので、資料が配付されていると思いますけれども、今全国の電柱地中化の現状というのはそのようなグラフで描いたとおりでございまして、そしてまた、この黄色い線が引いてあるところはいわゆる南海トラフ地震の想定被害エリアなんです。

 ですので、見ていただければ分かります、東京都で八%、東京二十三区は整備が進んでいますけれども、それ以外のところを含めて。阪神大震災がありました兵庫県でも、この電柱地中化が、避難あるいは緊急自動車の出動において大変な障壁になってしまったという、こういう過去のことを思えば、これは進めるべきだろうということなんです。

 実際、無電柱化の推進に関する法律が二〇一六年に施行されて、二〇一八年から三年間で千四百キロの推進計画、無電柱化を行いましょうねとやりましたけれども、結果としては九百三十キロ。これは国土交通省が調べたところでございます。

 また、新たな五か年計画が、二〇二一年度から、高い目標を掲げた前計画を継承するといってやっているんですが、正直なところ全然進まないんです。電柱を増やさないということを一つの目的としてやってきたけれども、残念ながら電柱は増えているということでございます。

 先ほど南海トラフのことで、被害想定が二〇一九年五月に中央防災会議で公表された際には、当時の安倍総理が、更なる防災、減災対策の充実強化を着実に推進してほしいということなんですが、今日に至るまでもなかなか目的が達成されない。

 そこで、是非、ちょっと質問が最後になってしまいますが、コストが高いとよく言われているのが、電線の共同溝方式が一キロ当たり五億から六億、これが本当に事実なのかどうか。この負担が大き過ぎて進まないんだということですけれども、例えば、この負担を減らすべく、そして防災、減災を推進すべく、省庁の縦割りを打破して、国家的プロジェクトとして電柱の地中化を推進すべき、これが大変大きな南海トラフにおける減災の一つの政策となると思うんですけれども、そこについては、国の取組としていかがですか。国家的プロジェクトとやっていくというような、何か決意はないでしょうか。

斉藤国務大臣 国家プロジェクトとして計画が定められております。それに従って進めていきたいという決意、これは揺るぎがございません。

 問題は、先ほど渡辺委員がおっしゃったように、コスト削減です。コストが非常にかかるということで、この無電柱化のコスト削減に向けては、管路を浅く埋設することや、それから小型のボックスを活用することなどに取り組んでおります。しかしながら、耐久性、施工性を懸念して電線管理者が採用しないということなどから、低コスト手法の活用が進んでいないというのが実態でございます。

 これら、この低コスト手法の活用を推進するため、設計要領等に盛り込むなど、低コストの工事を標準化するべく取組を進める予定です。

 これらの課題に取り組みながら、この推進計画にのっとって全力を挙げていきたい、このように決意しております。

渡辺(周)委員 我々も、この電柱地中化を減災のために進めていくということを、是非国に強く申し上げます。

 私の質問を終わります。ありがとうございました。

根本委員長 これにて渡辺君の質疑は終了いたしました。

 次に、岡本あき子君。

岡本(あ)委員 立憲民主党の岡本あき子でございます。

 本日は、予算委員会での質問する機会をいただき、委員長始め関係者の皆さんに感謝を申し上げます。

 昨年、私、予算委員会に立たせていただいたとき、六年生の小学生が、思い出づくりもできず、大人は楽しく会食しているのに、自分たちは前を向いたまま黙って給食を食べているという話を聞いたと伝えさせていただきました。一年たってなお、今も学校では前を向いたまま一人ずつ黙食が続いていることが本当に残念です。女性へのしわ寄せも当時指摘をさせていただきましたが、まだ同様な状況が続いております。

 災害や危機の状況では、特に子供や女性、弱い立場の方々にしわ寄せが来ます。岸田総理の所信表明演説の冒頭に、「多様性が尊重される社会を目指します。」とおっしゃいました。今こそ、多様な方々一人一人にとって希望を示すことこそ必要との認識で、質問させていただきます。

 最初に、コロナ禍で困窮する女性への支援について伺います。

 資料一、報道がございました、自殺対策白書が閣議決定されまして、テレワークの増加により、家事の負担増加、DV相談件数の増、特に働く女性の自死数が増えております。記事では非正規拡大が一因とありますが、政府では、その分析、されていらっしゃいますでしょうか。お答えください。

野田国務大臣 お答えします。

 コロナ前と比較すると、男性の育児時間というのはほんのちょっと増加していますが、引き続き、女性が家事、育児の多くを担っている傾向というのは変わっていません。また、令和二年度のDVの相談件数というのは令和元年度の約一・六倍になっていまして、令和三年度も毎月一万四千から一万五千件台と高水準で推移していますので、この背景には、やはりコロナ禍の生活不安やストレス、外出自粛による在宅時間の増加等があるものと考えられます。

 女性の自殺者は例年より大幅に増加し、無職者のうち主婦の自殺も増加したほか、雇用者の自殺も大幅に増加しました。コロナ禍において、人と接する機会や場が少なくなり、経済的にも不安定な生活を強いられる女性が増えていることに加え、今申し上げたように、DVの増加等も原因として考えられます。

 また、こうしたことの背景には、コロナによる経済や生活への直接的な影響だけでなく、元々平時において男女共同参画が進んでいなかったこと、これがコロナの影響により顕在化したことがあると考えています。

 足下ではオミクロン株の感染者数が増加を続けており、引き続きしっかり、コロナの女性への影響については注視してまいります。

岡本(あ)委員 ただいま大臣から、平時において男女参画が進んでいないということも一因、原因にあるということをお聞きしました。全くそのとおりだと思っています。

 既存の制度でも使えない、あるいは申請する余裕もない、隙間にあって対象とならないなど、特に私は、非正規で働く女性、不安定雇用の方々にしわ寄せが来ているという点で幾つか例を挙げさせていただきます。

 例えば、小学校等休業対応助成金・支援金制度があります。実は、昨年度、私も制度を利用して、ちょっと時期尚早過ぎて返金をした私が言うのもなんなんですが、本当はこれ、対象になる方皆さんに使っていただきたいんです。

 全国で学級閉鎖や休校が続いています。子供が自宅にいることで、その世話のために仕事を休まざるを得ない。年休ではなく特別休暇を取得した場合、雇用保険から賃金補償、金額が十分の十、出るものです。事業主の理解が得られないとか、休むなら年休を使えと言われた、あるいは、休むんだったらもう来なくていい、そういう、不安定雇用の方々が更に追い詰められる、こういう相談が来ております。

 制度があるのに対象となる労働者が堂々と使えない、これは本当におかしいんです。もっと啓発して、実効ある制度にしてほしい。しかも、この制度、圧倒的に女性が休暇を取らざるを得ない状況となっています。男女共同参画としては、パパにもこの制度をもっと利用していただきたい、そう思っています。

 もう一つ、資料二を御覧ください。

 私たち立憲民主党は、ワーキングプア給付金法案、昨年出させていただきました。子供のいる世帯には十万円の支給が決まりました。当事者の声を受け、私たちで求めて求めて、離婚家庭にも対象にしてくれる決断をしてくださったこと、この点、感謝申し上げます。これが黄色のマークのところです。それから、低所得者にも十万円の支給が決まっております。これは緑と青の部分になります。私たちは、不安定雇用の方、シフトを減らされて収入が減っている方などには届いていないんです、非正規雇用の方や一人親世帯で、このピンクのゾーンですね、この方々にこそ経済的な支援、必要なんじゃないかと思います。

 ただいま二つ例を出させていただきましたが、ほかにも、十分な制度や、執行率の悪い制度もあります。女性の困窮を支援するという点で、必要な人に必ず届く支援の制度、運用を求めます。お答えください。

野田国務大臣 繰り返し、新型コロナの影響というのは、女性の割合が高い非正規雇用労働者に厳しい形で表れているものだと認識しています。

 女性の非正規雇用労働者数は、コロナ前の水準と比較して減少が続いています。特に女性の非正規雇用労働者の多い飲食業や宿泊業などのサービス分野では、新型コロナの影響が強く出ているところです。

 非正規雇用労働者については、まず、同一労働同一賃金の徹底、非正規雇用労働者の待遇改善、そして、正規雇用への転換支援、デジタル等の成長産業への円滑な移動支援など、様々な取組を通じて継続的な支援を行っていくことが重要だと考えています。

 さらに、女性の経済的自立に向けて、男女の賃金格差の是正や女性デジタル人材の育成、女性の視点も踏まえながら税制や社会保障制度の検討など、私の立場では様々な角度から取り組んでおります。

 今の支援につきましても、少し前に、やはり、そういう女性に対する支援があるにもかかわらず、知らない方が多かった、そういうことを聞き、多くの方たちがSNS等を通じてそのお知らせをしたということが記憶に新しいと思います。しっかりとそういうところも漏れなく取り組んでいかなければと思っています。

岡本(あ)委員 ただいま紹介した二例とも、所管は違うのかもしれないんですが、私は、やはりこれが、本来だったら圧倒的な対象になるのが女性が多いにもかかわらず、なかなか使われない、あるいは、私たちの提案でいくと、コロナ禍で収入が減少した、あるいはコロナでシフトが減らされた、こういう仕事の方々、昨年度、今年度で見ると、やはり女性へのしわ寄せが多いという点で見ると、是非、野田大臣には横串を刺す声を出していただきたいと思っております。

 ちょっと時間の関係で、通告の分を後に回させていただいて、次の選択的夫婦別姓について伺わせていただきます。

 岸田総理は、多様性を認める立場で、元々は推進する議連の呼びかけ人にもなった経緯があると思いますが、残念ながら、総理になりましたら、すっかり影を潜めてしまっております。今、困っている人が現実にいらっしゃいますし、これからの、特に日本を担う若い世代に是非着目して、制度を考えていただきたいと思っています。

 九〇年以降、諸外国でも次々と夫婦別姓が選択可能となっています。この制度は、決して無理強いをするものではなくて、別姓を名のれと言っているものではなくて、一つの氏を名のりたい人はもちろんそれで結構ですが、別な姓を名のりたい、その場合には選択として認める制度です。国連の委員会は、日本の制度に対して、度々改正を勧告しています。

 資料三を御覧ください。

 これは民間の調査ですが、六割が賛成となっており、社会の変化や制度導入に賛成する者の割合の増加、その他の国民の意識が変化してきております。

 旧姓使用、あるじゃないかという御指摘も、一部の声があったんですが、様々な機関や制度でも取扱いが異なり、混乱があるんです。不都合を被るのは圧倒的に女性になっています。

 実は、資料四を見ていただきたいんです。

 今回、おととい、一昨日、人事、国会でも承認がございました。これは実は議会の資料なんですが、本当は政府提案の人事の資料を出したかったんですが、人事秘という扱いでしたので、議会に出した資料を使わせていただきます。

 これは是非、野田大臣も議員という立場で一緒に声を出していただきたいんですが、この赤丸がついている方々、実は、議会での承認を得るときに、これは戸籍名なんです。川口さん、岡庭さん、石本さん、全員これは戸籍名なんです。なので、通称ではないんです。

 これだけ見て、私、川口貴公美さん、ネットで検索をしてみましたけれども、ほとんど出てこないんです。この方は、一橋大学の大学院の教授です。それから、岡庭さん、石本さん、このお二人も検索をいたしました。全く別人の、プライベートな方が出てきます。このお二方は弁護士さんです。このお名前では、弁護士というものも出ないんです。

 人事を評価して、採決をしなきゃいけない、こういうものに、本人が、審査をする私たちが分からない状態で表に出てくるということ自体も、通称使用制度があるからいいじゃないかということとは全く異なる不利益が出ていると私は思っています。

 是非、民間のアンケートでは賛成が多いということもありますし、内閣でもまた、そろそろ再度調査をする時期ではないかと思うんですが、選択的夫婦別姓の制度、そろそろもう一度しっかり議論をするタイミングではないかと思います。この点、お答えください。

古川国務大臣 御指摘がありましたとおり、我が国の場合は、婚姻に伴って氏を変更した者の約九五%は女性となっておるわけですが、御指摘ありましたとおり、婚姻後の生活において、旧姓、従前の氏が引き続き使えないということによる様々な支障が生じている、ただいま委員から御指摘のあったとおりです。そのようなお声もたくさんお聞きしております。こういうことには十分配慮していく必要があるというふうに思います。

 選択的夫婦別氏制度の導入につきましては、現在でも国民の間に様々な御意見があります。ですから、しっかりと議論をして、より幅広い国民の理解を得る必要があるというふうに感じているところです。

 そろそろ議論をするべきじゃないかということでございますけれども、今申し上げましたとおり、より幅広い国民の理解を得る必要があるというふうに考えております。

岡本(あ)委員 済みません、ちょっと、大臣、もう一度お聞きしたいです。より幅広い理解を得る、具体的にどういうことをされるんでしょうか。

古川国務大臣 それは、例えば、国民のお声をお聞きするという意味で、アンケートも従来より実施しております。あるいはまた、この国会におきましても、様々な立場での御意見がありますし、議論もなされていると思います。そのような議論の進捗、あるいは国民の皆さんの間での認識、合意が形成されていくというような過程、そういうものを見守りながらということでございます。

岡本(あ)委員 それは理解を得る努力をするということではないんじゃないですか、見守るとか、国民の意識をアンケートで把握するとか。それは、現状を把握するのはいいんです。理解をいただく努力をするとおっしゃったと思うんですが、もう一度、その点、お答えください。

古川国務大臣 選択的な夫婦別氏制度を導入するかどうかということは、国民生活に極めて大きな影響を与える、国民生活の根幹において大きな影響のある事柄でございますから、これに関しては、国民の皆さんの合意というものが非常に大事なことだというふうに考えております。

 そこで、理解を得る必要ということでございますけれども、それは、例えば、政府として、このような制度であるべきだという一つの考え方を押しつけるというようなことがあってはならないわけでありまして、ですから、様々な意見があるわけですから、その意見が、様々、国民の議論の中に浸透をして、いろいろな考えの方が違う考え方に対しても耳を傾けながらそれぞれ議論を深めていき、そして、そういうことが合意形成につながっていくというふうに思っておりますし、それがあるべき姿だろうというふうに思っております。

 ですから、そういうことに、十分闊達な議論が行われることに資するような努力をしていく、その中の一つが、例えばアンケートということを申しましたけれども、国民の皆さんがどういうふうに考えておられるかということを適時アンケートという形で調べ、また分析しということだというふうに思っております。

岡本(あ)委員 様々影響があるとおっしゃいました。これはもう二十五年前から議論している、話題になっていることですので、影響があるというのはよくよくもう既に分かっていることです。

 一方で、同じ姓を名のって生活して構いませんので、希望する方は。その方々に対しての影響がどの程度、及ばないのか、そこの点もしっかり分析をして、啓発をしていただきたいと思います。

 影響があるというのは、いろいろな、資料五には、本人、企業の経済的なコスト、負担がかかる、これは旧姓だったらかかるんですが、選択的夫婦別姓だとこれが行政側とか制度側にかかるとか、そういうものかなと思っておりました。

 なので、影響がある部分というのを逆に明らかにして、そして、あくまでもこれは選択であって、特に若い世代の方々で、どんどん、希望、あるいはそういう制度があってもいいんじゃないかという声が高まってきております。

 人生の中で、もう大半、改姓をした氏で、四十年、五十年暮らした方々は、もうこのままでいいよとおっしゃる方もいらっしゃると思います。ただ、二十代、三十代、人生の過ごし方でいくと、変わるまでのキャリアの方が長い方々も多くいらっしゃいます。そういう当事者の方々に、しっかり向き合っていただきたいと思います。

 アンケートという言葉がございましたので、しっかり調査をしていただき、そして、年々、それぞれの回の、要は動向を見ていただきたいと思います。この点は、私からも引き続き求めていくということをお伝えさせていただきたいと思います。

 続いて、不妊治療について伺わせていただきます。

 昨日、保険適用の内容、診療報酬、点数が決定いたしました。生殖医療ガイドラインの推奨度が、A、Bと言われているものが保険の対象、それから、Cランクとなったものは、基本、保険の対象外ということで、それぞれの、点数がつくもの、保険対象外というのが明らかになったと思っています。

 ただ、現在、このCという点数をつけられた分野でも、治療を行っていらっしゃる方もいらっしゃいますし、四月以降もその治療を望む方々もいらっしゃると思います。

 今回、保険適用外になってしまう部分について、より幅広く本来だったら保険適用にするべきではないかと思っています。この点。

 それから、もし保険適用外になるとなれば、別な助成制度、Cという評価がされた部分についての助成の枠組みが必要ではないでしょうか。この点、お答えください。

後藤国務大臣 今、岡本委員御指摘のとおり、昨日、保険適用の実施に向けて、令和四年度診療報酬改定についての答申が行われたところでございまして、関係学会が作成した診療ガイドライン等において整理されて、有効性、安全性等を踏まえまして、人工授精等の一般不妊治療、体外受精、顕微授精等の生殖補助医療、精子採取のための手術等の男性不妊治療が、本年四月から保険適用されることになります。

 特に、生殖補助医療につきましては、排卵から胚移植に至るまでの一連の基本的な診療については保険適用とするとともに、いわゆるオプション治療のうち、現時点でエビデンスが不十分なものとされたものについても、先進医療を活用するということにいたしております。

 今委員がおっしゃられたA、B、Cの分類は、そのとおりでございます。

 保険適用ができる限り実態に応じたものとなるように、引き続き、詳細な制度設計に努めていきたいと思っておりまして、オプションの先進医療の拡大等も含めて、しっかりと対応していきたいと思っております。

 それから、現時点でエビデンスが不十分とされた治療等につきまして、助成を行うという方向ではなくて、先進医療等により保険収載を目指していくという方向で考えておりまして、その作業を進めていきたいと思っております。

岡本(あ)委員 生殖医療を含めて、不妊治療、本当に次々と新しい治療が今、同時並行で進んでいる分野ですので、これで、御本人の本来は経済的負担を軽減するという意味での保険適用という流れでしたので、治療の動向、それから、実際受けていらっしゃる治療の内容を見ていただいて、適宜見直しをしていただき、保険適用が更に広がることを望みたいと思います。

 資料六を御覧ください。

 これは、中医協で出てきた御意見です。赤丸をつけておりまして、私たち立憲民主党でも、厚労省に、保険適用に向けてということで要望を出させていただいたものですが、今回、ちょっと残念ながら曖昧な部分があるので確認させていただきます。

 上の赤丸のところは、要は、カウンセリング、精神的なサポートと継続的な意思決定が非常に重要と言われています。このカウンセリングも是非パッケージとして保険適用していただきたいと思っています。

 それから、一番下。今、不妊の原因は男女大体半分ずつと言われていますが、圧倒的に女性が治療して、男性の、治療のスタートに立たないというケースも増えています。私たち立憲民主党は、スタートする時点でまずは男性も女性もしっかり検査を行う、これを必須とするべきだ、その上で治療計画を立てろということを要望させていただいておりました。

 ちょっと、この点が、残念ながら、不明確というか、明確に、入れますよ、検査も必須にしますよということがなかったものですから、この点、確認させてください。

浜谷政府参考人 お答えいたします。

 二点御質問いただきました。

 まず、カウンセリングについてでございます。

 不妊治療につきまして、精神的負担も大きい中で、心理的な面も含めた相談支援体制の構築、これは極めて重要と考えております。

 今般の保険適用におきましては、体外受精等の生殖補助医療の実施に当たりましての管理料を新設しておりますけれども、その中で、患者の状態に応じまして適切な心理的ケアの提供等を行うことが算定要件とされております。このため、こういった心理的ケア等につきましても保険診療の中で必要な対応がなされるものと考えております。

 なお、御指摘のカウンセリングにつきまして、個別の医療技術として別途評価するというやり方も方法としてはありますけれども、現在の関係学会のガイドライン等におきましては、不妊治療に当たりましての、提供される具体的なその内容、あるいはその標準的な診療プロセス等が示されている状況ではございませんので、現時点におきまして個別の医療技術として評価することは難しいと考えておりますけれども、今後の学会等における議論の状況等を注視してまいりたいと考えております。

 二点目の男性不妊の検査についてでございます。

 先ほど申し上げました管理料の中では、不妊症と診断された患者さんとパートナーの双方に治療計画を説明して同意を得るということが算定要件とされております。お二人同時に来ていただくということが算定要件でございます。このため、基本的には、患者さん及びそのパートナーの状態に応じまして、医師の医学的な判断により、御指摘の男性不妊の検査も含め、必要な検査や治療が行われるものと考えております。

岡本(あ)委員 今のお答えですと、私たちの要望が十分に反映されているとは言い切れません。

 特にカウンセリングに関しては、治療の中で必要な助言とか医師がされた分は、管理料だったり治療の中に入っているという意味だと思うんですが、例えば、今、専門的なところですと、臨床心理士さんを置いて、精神的なアドバイスをしたり、特に、仕事と治療の両立、あるいはやめどき、こういうところの精神的なケアを一生懸命やっているところがございますが、これは多分、診療報酬上でいくと点数に結びつかないんだと思います。じゃ、その分を満額、個人が希望する形で支払わせるのかというところになると思います。非常にこれは精神的サポートが重要な治療だからこそ、このカウンセリングに本来であれば医療技術というところでの点数をつけてあげるべきだと私は思っています。

 それから、男性の件ですが、治療計画を立てる際に双方に来てくださいという御説明だったと思います。それから、状態に応じてとおっしゃいましたけれども、この状態を把握するために男性も女性もまず検査を前提とするということにはならないんでしょうか。この点、もう一回お答えください。

浜谷政府参考人 お答えいたします。

 まず、最初の専門職の配置等でございますけれども、今回の管理料におきましては、看護師、公認心理師等の患者からの相談に対応する専任の担当者を配置した場合には、管理料が一定程度上積みになっております。そういう意味では、一定程度の対応、今回も、診療報酬でもさせていただいているということでございます。

 また、二点目の検査についてでございますけれども、やはり、具体的にどのような検査や治療を実施するかにつきましては、個々の状態に応じまして、お医者さんの医学的な判断によるべきものと認識しておりまして、一律に要件化することはやはり難しいものと考えております。

岡本(あ)委員 やはり男性にも女性にも原因が半々ぐらいあるということを考えると、今の治療実績のウェートで考えると、かえって治療費が無駄になるという部分もあり得るかもしれませんので、男性も女性もしっかり必要な治療を受けて、結果として、不妊が解消できる、望む方々が子供を持つことができる環境を整えること、この点に取り組んでいただきたいと思います。

 大臣に、両立支援、環境整備、この点も含めて、不妊治療を取り巻く環境を整えていくこと、不妊治療がより進むこと、その点についてお考えをお示しください。

後藤国務大臣 今、岡本委員が御指摘になりました、不妊治療と仕事の両立のできる職場環境の整備や、不妊治療に関して広く社会の理解を深めていくこと、これは非常に重要な課題だというふうに認識をいたしております。

 子供を持ちたいと願う夫婦の希望に沿えるように、しっかりとそうした社会づくりを進めていきたい、そういう職場環境をつくっていきたいと思っております。

 そのために、例えば、企業内制度をしっかりと、仕事と両立できるような社内制度をつくれるような、企業の労務担当者を対象としたセミナーやマニュアルの作成、そして、国としても、助成事業などを通じてそうしたことを進めるとともに、広く特設ページの開設やいろいろな普及活動に努めてまいりたいというふうに思っております。

岡本(あ)委員 続きまして、子供政策基本方針について伺いたいと思います。

 私たち立憲民主党は、子ども総合基本法案を昨年五月、国会に提出しました。資料七の一、それから資料七の二に書いておりますけれども。

 内容は、特に資料七の二ですけれども、子供、若者の最善の利益が図られること、そして、子供たちの生存権、虐待や差別を受けないこと、居場所と学び、遊び、休む権利があること、子供たちの意見が尊重されること、それから、子供の権利擁護のための独立第三者機関、コミッショナーが必要だということ、それから、児童手当を高校生まで所得制限を撤廃して支給すること、そして、子供関係政府予算をGDP比で三%以上確保すること、これをうたった法案を昨年出しまして、今またブラッシュアップして再度出す準備をさせていただいております。

 政府方針、基本方針の中に、子供の意見を聞く機会、それから子供の権利、この言葉が入っていますが、意見を聞くという内容、それから、子供の権利と書いているこの権利はどういう権利で、しっかりこれは方針としては確立されているものなんですねという確認をさせていただきたいと思います。お答えください。

野田国務大臣 昨年末に閣議決定した基本方針があります。その中で、今後の子供政策の基本理念として、子供の意見が年齢や発達段階に応じて積極的かつ適切に子供政策に反映されるよう取り組むというふうに掲げています。

 ですから、こども庁においては、子供や若者にとって身近なSNSを活用した意見聴取など、子供や若者から直接意見を聞く仕組みや場づくりについても検討していくこととしており、来年度、こども家庭庁の創設を待たずに、子供の意見を聞くための手法などに関する調査研究を行うことにいたしました。

 子供の声に耳を傾けるということは、子供を大切にする第一歩であるということを基本姿勢として、調査研究の結果を踏まえて取り組んでまいります。(岡本(あ)委員「権利、権利。質問にまだ答えていないです」と呼ぶ)

 基本方針に示したとおりでございまして、そもそも、今回の一番は、子供の権利というのは、子供を真ん中に、この国の中に置くということ、そして、ややもすると、私たち大人が無意識のうちに子供によかれと思っていたことが子供にとってはそうではないということを、まず私たちはしっかり、こども家庭庁の概要を通じて知り得ることで、子供の権利というのは様々です、一番大事なのは、授かった命を守ることですね。そういうところから、様々な、育て、学び、そして守り、こういうことがしっかりと子供が望む形で得られることが子供の権利と承知しています。

岡本(あ)委員 子供の権利がしっかり初めの部分に書かれている、明記しているということを確認させていただきます。

 また、私たちはコミッショナーなど第三者機関等も必要と考えておりますので、今後、また委員会等の機会で質問させていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

根本委員長 これにて岡本君の質疑は終了いたしました。

 次に、城井崇君。

城井委員 立憲民主党の城井崇です。

 本日も、各大臣の皆様、よろしくお願いいたします。

 まず、経済安全保障法案担当者の更迭について、官房長官に一問だけ確認をさせてください。立憲民主党、渡辺周議員からの問いで随分お答えいただきましたので、一点だけ、改めての確認をと思います。

 今回の件は、経済安全保障関連法案の提出にも関わりますし、その後の政省令などの作成にも関わる事案だというふうに考えています。その意味では、できるだけ速やかな調査をということでございますが、やはり、予算審議の日程もあり、この調査についての締切り、日程を明らかに示していただきたいと思いますが、いつまでに調査をし、結果を私どもに示していただけるか、この点、改めてお聞かせください。

松野国務大臣 城井先生にお答えをさせていただきます。

 先ほど来お答えをさせていただいていますとおり、私たちといたしましても、速やかに確認、調査を進めてまいりたいと考えております。

城井委員 官房長官、せめて、法案提出前なのか、この衆議院での予算審議のさなかなのか。少なくとも、この予算も経済安全保障関連法案と連動する予算でありますから、予算審議中には当然示す、調査結果を示すということで明言をいただけますか。

松野国務大臣 お答えをさせていただきます。

 現在、本人からの聞き取りも含めて調査をしている最中でございまして、繰り返しで恐縮でございます、私たちとしても速やかに確認、調査を進めたいと考えておりますが、現状において、時期をいつまでにということは、確定は難しいかと思っております。

城井委員 この点、我が党を含めて、引き続き厳しくただしてまいりたいというふうに思いますので、よろしくお願いします。

 官房長官、お仕事がありましょうから、御退席をどうぞされてください。

 それでは、次に参ります。

 次に、政治資金の問題について、二之湯国務大臣にお伺いをいたします。

 本日発売の文芸春秋の二〇二二年三月号では、自民党が一億円選挙買収を行っていたと報じられ、元自民党職員や元自民党国会議員の証言も紹介されています。余りのことで、にわかには信じ難いと感じています。

 内部文書として引継書まであると報じられていますが、こうした類いのものは、まず、本物か偽物かを確認する必要があります。報道が事実であれば、組織ぐるみの選挙買収ということになります。

 ここでは、報じられた自民党京都府連に所属する二之湯大臣の政治資金並びに自民党京都府連に関わる国会議員、自治体議員の政治資金に関わる報道について、念のため、事実関係の詳細を二之湯大臣に伺いたいと思います。

 今回の報道の内容は本当にえげつないです。

 自民党京都府連元職員の証言として、「国政選挙が行われるたびに、京都府連は、「引継書」に記されているような買収と隠蔽工作に手を染めてきました。衆院選・参院選の候補者が用意したお金を府連が一度預かり、その後、府連が府議と市議に渡す形をとります。一人につき五〇万円という金額も間違いありません。府連を通じた「マネーロンダリング」は、京都府連特有の隠蔽工作であり、こうした狡猾な仕組みが全国に広がってはいけないと考え、取材を受けることにしました」と、文芸春秋二〇二二年三月号で報じられています。

 つまり、国政選挙時に、自民党国会議員が自民党京都府連経由で自治体議員に、選挙買収になると分かっていてお金を配ったと報じられています。

 二之湯大臣、これは事実ですか。

二之湯国務大臣 今、委員、私の政治資金に関しまして御質問ございましたけれども、私は、自分の政治資金は法に則して適正に処理しておりますし、その概要は私の政治資金収支報告書を御覧いただければ納得いただけると思います。

 ただ、後段の、自由民主党京都府連のことに関しましては、私も報道で昨日知ったわけでございます。

 自由民主党京都府連が国会議員から政治資金を、寄附を受けて、各府会議員、京都市会議員にそれを再度政治活動資金として配付しているという事実は、そのとおりでございます。

城井委員 配っているのはそのとおりということでございました。

 では、今ほどの二之湯大臣の御本人の部分についても前段で触れていただきましたが、平成二十八年の、御自身が、二之湯大臣が立候補された参議院選挙に当たって、自民党京都府連経由で自治体議員にお金を配りましたか。

二之湯国務大臣 それは、私の政治資金収支報告書にも、そのようなことが記載されております。

 これは、あくまでも、私どもは、政党の党勢拡大に使ってください、こういう趣旨でございまして、個々の議員の選挙活動に使ってください、こういうことではない、こういう認識でございます。

城井委員 今、二之湯大臣が配っていたというふうに答弁いただいた、その平成二十八年のお金については、政治資金収支報告書を私も確認をいたしまして、恐らくこれのことかと思いますが、平成二十八年の参議院選挙、これは七月でしたが、その前、平成二十八年四月二十七日付の、自民党京都府連に、二之湯大臣が代表者を務める自由民主党京都府参議院選挙区第三支部から九百六十万円の交付金を支出している、このことを指しているということでよろしいですか。

二之湯国務大臣 委員、日付はいつでございましたか。(城井委員「四月二十七日」と呼ぶ)四月でしたかね、まず、そういうことですね。

 自由民主党の政党活動は、国会議員だけじゃなくて、党所属の地方議員も含めて、党勢拡大に一生懸命努力している、こういうことでございますから、そのとおりですね。

城井委員 使い道は党勢拡大ということでしたが、ただ、参議院選挙の直前の時期の支出であるという点は指摘しておきたいと思います。

 その上で、大臣、この支出、府連への交付金支出は、この九百六十万円という規模、毎年の支出ですか。

二之湯国務大臣 毎年ではございません。

城井委員 大臣、今御答弁いただきましたように、実は、この前後の年は、京都府連への交付金支出は、平成二十七年は二百六十万円、平成二十九年はゼロ円でした。ですので、この平成二十八年の九百六十万円は明らかに突出した支出だという点を御指摘申し上げたいと思います。

 では、なぜこの年だけこんなに支出をされたのか。大臣、理由をお願いします。

二之湯国務大臣 今申しましたように、選挙というのは、もちろん個人の選挙もございますけれども、党全体で取り組まなければならない。そして、私らも、国会議員も、党本部の方から党勢拡大のためにいろいろな政党交付金を交付されておるわけでございます。そのお金を、共に同志である地方議員にも配付して、そしてお互い自由民主党のために頑張ろう、こういうことでございますから、そうなっておるわけでございます。

城井委員 なぜ御自身の、二之湯大臣の立候補される参議院選挙の前だけこんなに金額が多かったかというのが、今の御説明だと分からないんです。毎年協力をしているということならば、理由になるかもしれない。この直前に、李下に冠を正さずという言葉もあります、この選挙の直前に九百六十万円、この理由が何かというのが今の御説明だと分からないんですが、もう一度お願いしていいですか。

二之湯国務大臣 参議院選挙は毎回七月ですね、行われるのは。それは四月ということですね。そんな直近ではないと私は思っております。まあ、そういう認識の違いがあるわけでございます。

 私としましては、これを京都府連が適切に法に照らして処理しているということで、私はそのお金の使い道については知らない、こういうことでございます。

城井委員 あと幾つか伺おうと思いますが、大臣、今回のこの九百六十万円の支出は、御自身からの申出ですか。それとも、自民党京都府連のシステムや仕組みに基づいて出されたものですか。つまり、参議院選挙前に京都府連から何らか指示があってこれを出してくださいという話だったのか、この点を確認させてください。

二之湯国務大臣 これは私個人のあれでございます。

城井委員 個人の判断ということでございましたが、今回、報道の中でも一つのポイントになっているのは、こうした仕組みがあるというのを書いてある引継書があるかないか、こういう話になっております。

 そこで、伺います。

 二之湯大臣が前回出馬をされた平成二十八年の選挙の前、二年前ぐらいになるかなと思うんですが、平成二十五年から二十六年のあたりというのは、二之湯大臣はこの自民党京都府連の中でどのような役職におられましたか。

二之湯国務大臣 平成二十六年ですか。(城井委員「五年から二十六年にかけてのあたり」と呼ぶ)私は京都府連の会長をしていたと思いますね。だけれども、今おっしゃっておりますように、その文書の存在というのは全く私は知りません。

城井委員 まだ聞いていないんですが、今伺いたかったのは、では、その府連会長当時に事務局長は替わられましたか。あるいは、府連会長を退いて次の会長に替わるときに事務局長の引継ぎがありましたか。

二之湯国務大臣 はっきりと記憶はないんですが、あの当時、府連の事務局長はお二人の警察のOBの方がいらっしゃいまして、そして事務局長と事務局長心得という方がいらっしゃった、そのようなことを記憶しております。

城井委員 その当時の引継ぎの段階ということなんですが、引継書を作成されたとされる当時の府連の事務局長から当時の二之湯府連会長に、引継ぎについての相談があったかなかったか、この点をお願いします。

二之湯国務大臣 ございません。

城井委員 今の点は重要な御答弁だと思いますので、また議事録精査をいたしたいと思います。

 さて、ここまで、自民党京都府連所属の二之湯大臣に事実確認をまず申し上げました。伺う限り、実態はまだ明らかではないというふうに感じています。

 二〇一九年の参議院選挙でも、昨年の衆議院選挙でも、自民党京都府連からお金が配られたとの複数の地方政治家の証言も報じられています。国政選挙のたびに慣例化をもししていたならば、組織ぐるみでの選挙買収の意図が色濃く疑われるということになります。

 真相を明らかにするべく、本日の二之湯大臣からの御答弁を改めて検証いたしまして、国会でもただしてまいりたいと思います。

 それでは、次の質問に参りたいと思います。

 次に、国家試験、特に医療、介護関係の追試験対応について、厚生労働大臣にお伺いをいたします。

 一月三十一日に行われた介護福祉士の国家試験は、新型コロナの感染者と濃厚接触者は受験を認めていませんでした。追試験もありませんでした。

 今真っ盛りの医療従事者の国家試験、パネルやお手元資料でもお配りをしました。御覧ください。

 濃厚接触者は、検査で陰性、受験日も無症状で、別室受験ということになるそうであります。感染者は受験ができず、追試験もありません。新型コロナの影響を受けた国家試験の受験者には、せめて追試験の機会をとの声が全国から寄せられています。

 これまでも同僚議員から数度にわたってこの質疑はあったと存じます。そのときに議論ができていなかった点を今日は伺いたいと思います。

 厚労大臣、この各国家試験、予備の問題、大学入学共通テストでいいますと緊急対応問題という、追試験とは別にもう一段階準備をしてあるんですが、こうした国家試験の予備の問題というのは準備をされているんじゃないですか。

後藤国務大臣 医療、介護関係職種である医師、介護士、介護福祉士、看護師等の国家試験に関しまして、国家試験の問題作成のプロセスなど具体的な内容については、機密性を厳に確保する観点から、お答えすることは困難ではあるんですけれども、少なくとも、お尋ねの追加試験を実施するために必要な試験問題を作成、確保しているかということについては、そういう作成、確保している状況にはありません。

城井委員 それはおかしいですね。

 私も公開情報を丹念に調べてみました。過去に、評価は様々ありますが、事業仕分という政府の取組がございまして、その中で、各国家試験を作成している作成主体もその事業仕分での聞き取り対象になっていて、その中で幾つか、国家試験をどのように作っているかというふうなプロセスの説明がありました。

 その中で、ある指定試験機関で作っていたものということで申しますと、少なくとも、九月までには問題を決定し、そして検閲をする。予備問題についても、秋口、十月、十一月には決定、検閲をする。

 こうしたプロセスをどこの国家試験の試験を作る機関もやっているのではないかというふうに考えておりますが、この予備問題の決定と検閲というものも、現在の国家試験、各医療、介護の国家試験で行われていないんですか。

後藤国務大臣 私が申し上げたのは、追加試験を実施するために必要な試験問題を作成、確保している状況にはないというふうに申し上げております。

城井委員 いわゆる予備問題の存在は、あるということでよろしいですか。

後藤国務大臣 予備問題の、どういう実態であるのか、そのことについては少し調べさせていただきたいと思いますけれども、少なくとも、追加試験を実施するために必要な試験問題を作成、確保している状況ではないということだけははっきり申し上げさせていただきたいと思います。

城井委員 予備問題はあるが、レベルの調整を含めて準備が十分ではないから使えないんだ、こういう認識ですか。

後藤国務大臣 私、国家試験の問題作成のプロセスとか、予備問題がどのぐらいあるかとか、具体的な内容については、機密性を厳に確保する観点から、お答えすることは困難であるというふうに思っておりますけれども、追試験ができるのか、そういうお尋ねだということで、少なくとも、追加試験を実施するために必要な試験問題を作成、確保している状況にはないということで御答弁させていただいております。

城井委員 それでは、大臣、二〇一四年に追加試験を実施したときの問題はどうやって確保したんですか。

後藤国務大臣 平成二十六年の看護師の国家試験、これにつきましては、大雪による交通障害で受験会場に到達できなかった方たちへの救済措置としてやられたものでございます。そういう意味で、限られた一部の地域に限定して行われたわけでございます。

 それで、例えば、入学試験で追試をやる場合でも、やはり、急に試験をやる場合に過去の質問の使い回しが行われたりすることについては、例えば、大学の特例試験、去年、特別に新型コロナで試験が行われた例があるわけですけれども、その特例追試験のときにおいても、過去の質問の使い回し等が多くて、それなりにそのことについては大きな批判が出たというふうに思っております。

 そうしたことも考えまして、もちろん、その当時、追加試験を、職業資格を問う国家試験としては確かに例外的に一度やったわけでございますけれども、そうした中でやりくりをして試験をやったということだと思います。

城井委員 やりくりでは説明が全く分からないわけですが。

 今、大学入学共通テストと比較をおっしゃいました。確かに、機会の確保とそして試験の公平性の確保というのを両立するのは難しい。我々からも、特例追試験をやった場合に公平性は大丈夫か、こういう議論はしました。

 ただ、あれは、倍率があって、定員があって選んでいく世界です。国家試験は、その能力、識見がそのレベルに達しているかどうかというのを確認する試験なんじゃないんですか。つまり、選抜するというよりは、そのレベルにあってその仕事を全うしてほしい、そういうことを確認する試験のはずです。

 ですので、これまでも、国家試験をどのように行っていくべきかということで、例えば、かつて使ったレベルのいい問題、良質な問題についてはもう一度使うことも、そのレベルを測っていく意味では役に立つのではないかとか、あるいは、それまでに作った問題をプールしておいて、そして、ある程度の規模になってくると、それを循環させながら使っていくことができるんじゃないかというプール制の議論だとか、こうしたことをやってきているはずなんですよね。

 ですので、一定のレベルに達している方を是非現場でということを後押ししていく国家試験であるならば、そこは、この予備問題の活用を、その過去の蓄積も生かしながら、そして追試験の実施につなげていくということは、これはやるべきだというふうに考えるんですが、こうした過去の蓄積も含めての対応、御検討いただけませんか、大臣。

後藤国務大臣 国家試験には、職業資格を担保するための国家試験という性格でありますので、やはり一定のレベルをしっかりとチェックするために、ブラッシュアップして丁寧に専門家が作り込んだ試験が必要だというふうに考えておりまして、そういう意味では、ブラッシュアップがきちんとできるのかどうか大変に難しいところで、それだからこそ、昨年も、心身の不調を理由とした追加試験をできるのかという議論の中で、緊急事態宣言下にあってもやれなかったということも御理解をいただきたいと思います。

城井委員 新型コロナのコロナ禍ど真ん中、緊急事態宣言のときにもできていないというのも問題なんです。

 そもそもが、今ほど職業資格のということをおっしゃいましたが、今回機会を奪われることで、就職内定の取消しですとか、実際に人材が足りない医療、介護現場で、来てもらえるはずの人が奪われてしまうというケースがあるんじゃないかという声が、医療現場や介護現場からもう既にたくさん上がっています。

 今まで学んできて積み上げてしまった借金を今年の四月から返していかねばならぬという段階にある方が、そこで、それを返す手段を、目の前で、本人のせいではなくて奪われてしまうということになるわけです。本当にそれでいいのか。

 大臣、先ほどの二〇一四年の件、災害のためだったから、そして心身の不調でやるという例はどうか、こういう趣旨の御答弁でございましたが、この間の新型コロナの対応について、歴代の自民党政権は、災害は災害、コロナはコロナといって、線を分けて対応してきたでしょうか。

 私は、新型コロナの対応に当たった岸田政権を含めた三つの内閣で、その対応を分けていた例がどうだったかということを答弁ベースで調べてみました。そういたしましたら、例えば、令和二年六月九日の衆議院予算委員会で、安倍総理がこんなふうに言っています。百年に一度の大変な災害にある、国難の中にあるわけでありまして、今までの前例にとらわれる対応ではとても我々は雇用を守り抜くことができない、こうした答弁です。これを含めて、災害時と同様の対応を新型コロナでも取るよという政府答弁は計九回ありました。

 後藤厚労大臣、災害時と同様の対応、医療、介護の現場、命を守る現場、支える若い世代の背中を押すために、三月に追試験、工夫して努力してやりましょうよ。大臣、お願いします。

後藤国務大臣 今申し上げているのは、別に、災害とそれから今回の新型コロナウイルスを分けて議論しているわけでは決してありません。

 看護師の試験についても、これも過去に一回だけ例外的にやったわけでありまして、そのときの反省材料、まあ試験についてとやかく私は言うべきでないと思いますけれども、やはり、きちんとブラッシュアップした質問を準備して、十分な資格試験ができるのかということについての深い反省とともに、我々としてはやはり準備ができないということを申し上げております。

 本当に、何としても受験の機会を増やしたいということで、繰り返しになるとなんですけれども、先ほど委員からも御指摘のあった、試験当日に発熱症状がある方でも、検査キットで検査をして陰性の場合はそのまま受験を認める、また、試験前に濃厚接触者とされた方が試験当日に無症状等の条件を満たした場合は別室で受験ができるとかいうように、最大限の特例的な対応を、コロナ禍においてもできる限り受験が可能となるように最大限の対応をするということでございますが、やはり、試験問題が整う整わないというのは、特に、知識だけを問うようなものじゃなくて、実用だとかいろいろな点から作り込みのあるいわゆる国家試験につきましては、非常に、公平性を、実質性を担保する、そういう試験をしていくのが難しいのではないかということで前回もやれなかったということで御理解をいただきたいと思います。

城井委員 二〇一四年は災害を理由にというのは、これまでの過去の国会答弁もありますので、ここは言い逃れができないというふうに思いますよ。

 大臣、今回、私も二、三歩踏み込んで申し上げているのは、やはり、受験と感染の二重のストレスで今回の受験生はさらされたわけです。そして、この二年間、実習や学校生活の制約を受けた学年なんです。気の毒ですよ、自分ではどうしようもありませんから。

 さらには、医療、介護人材の確保が必要であるならば、ここは国が動かないとできませんから、国が責任を持って追試験の機会をつくるべきですよ。

 少なくとも、問題作成努力をぎりぎりまでやるということを、是非大臣、言っていただけませんか。

後藤国務大臣 いずれにしても、我々の、我々というか、厚生労働省としての見解は、受験のできない方たち、特に、新型コロナウイルスの影響によって、受験も含めて、本当に多くの皆さんが予想もしない不利益あるいは困難にぶち当たっている、日本中でそういうことが起きていることに対して、非常に遺憾な思いでありますし、何とかしていきたいという気持ちはあるんですけれども、国家試験としての担保ができるのかどうか、そういう点については、やはり今回の試験だけ、そこは特別な事情があるからということでなかなか認めていくということは難しいということで、先生のおっしゃっていることの気持ちは痛いほど共有するものでありますけれども、そういう試験の性格等を考えたときに厳しいということを答弁させていただかざるを得ないということで、御理解いただきたいと思います。

城井委員 感染がこれだけ拡大して、若い人たちにも広がっていて、表に出かけずに受験勉強を頑張ってという学生さんに、感染があったから、はい駄目です、一年待ちなさいというふうに政府は背中を押してしまうんでしょうか。予備問題もある、過去の蓄積もある、ぎりぎりまで努力して、三月追試験、是非やるべしというふうに思います。

 大臣、これは是非検討をお願いします。そうでないと、この若い世代は一体どうやってここから一年過ごしていけばいいのか。ここで機会をつくってあげたいです。感染だけを理由にして、これまでのこの二年の歯を食いしばってきた努力をふいにしてしまうのは、さすがに切ないですよ。大臣、せめて検討だけは、せめて検討だけはお願いします。

 もう一回お願いします。

後藤国務大臣 今、試験というのは、非常に近づいたり、もう既に終わりつつあります。私は、責任を持った答弁をするということからいえば、やはり条件の整わない資格試験をやることについての検討ということを答弁はできないというふうに考えます。

 そこは、こうした、レベルをしっかりと確認するための、そういう公平な、実質的な試験をやはり守っていく、そのことも大切だと思いまして、御理解をいただきたいと思います。

城井委員 残念です。やらない言い訳ではなくて、やるための工夫と努力の答弁が欲しかったです。この件は引き続きまたお伺いしてまいりたいと思います。

 続きまして、公共事業の総合評価落札方式における、賃上げを実施する企業に対する加点措置についてお伺いしたいと思います。

 パネルと、そしてお手元に資料もお配りしております。御覧いただきたいと思います。

 公共事業に携わる会社の労使の賃上げ表明で、三点のポイント加算をする仕組みです。財務省で調整中と聞いています。ゼネコンや中小の建設、土木、そして設計関係の企業の皆さんの中では、賃上げ自体は長期的な担い手確保につながるとの受け止めなんですが、この今回政府から出された賃上げを促すやり方について困惑が大きく広がっています。

 現場の声を踏まえ、以下質問します。

 まず、財務大臣。今御調整に汗をかいていただいていると思いますが、今回のこの仕組み、そもそも特定の業界に対して負担を強いるというのが不公平ではないか。今回の賃上げは、総合評価方式であって、主に土木工事や設計業務などが対象となります。一方、建設関係は、主にプロポーザル方式であるため対象外となります。

 特定の業界にのみ負担を強いることは公平性の観点から問題ではありませんか。財務大臣、お願いします。

鈴木国務大臣 今検討しております本制度でありますが、成長と分配の好循環を実現するため、賃上げ実施企業を政府調達において政策的に優遇をするものであります。

 総合評価落札方式の入札に参加する企業に対しては、これはひとしく適用される制度でありますことから、特定の業界や企業のみを優遇やあるいは差別をするものではなく、公平性の観点から問題はないものと考えております。

城井委員 業界関係者に対するプレッシャーは相当のものですよ。今、都道府県からも通達が出始めているところでありますが、これはしっかり見直していただかなきゃいけない。

 もう一点、御指摘を申し上げます。

 今回の仕組みでは、過去の努力に対する評価が微妙だというふうに感じています。建設業界は、これまで全ての産業の平均を上回る賃上げを行ってきています。もし、一律の、前年比三%あるいは中小企業で一・五%賃金アップというのを仮に行いますと、各会社のこれまでの賃金内容によっては負担額が大きく異なりますし、公平性を欠く可能性があります。

 過去の努力を評価せず、これから更に賃上げを要求するということは、これまで努力をしてこなかった会社を逆に有利な状況にすることにつながるのではないか。日本建設業連合会からも、従来から賃上げしてきた企業が不利益になるようなことがないよう丁寧な運用をという意見があります。

 財務大臣、これからの賃上げだけではなくて、過去の実績についてもしっかり評価をしていただけますか。この点、お願いします。

鈴木国務大臣 先生御指摘のとおりに、建設業におきましては、これまで全産業平均を上回る賃上げが行われてきたと承知をしておりまして、その点に関し、業界関係者のこれまでの御努力に敬意を表したいと思ってございます。

 その上で、今回の加点措置は、令和四年度以降の賃上げを促進する、そういう観点から導入するものであることから、令和四年度以降に賃上げ表明を行う企業に対して加点措置を行うものとなります。したがって、過去の実績は加点措置の要件として評価することにはしていない点については御理解をいただければと存じます。

 この措置により、これまで賃上げを行ってきた企業にとっては更なる引上げを、そして、これまで賃上げを行ってこなかった企業にとっても賃上げを行うインセンティブとなることを期待をしているところでございます。

城井委員 過去分の配慮がないとやはり不公平という指摘は逃れないというふうに思います。

 もう一点、伺います。

 この仕組み、いつまで続けるかも問題です。

 日本建設業連合会からは、経営計画の策定に関わるため、次年度以降の具体的な方針を明らかにしてほしいという要望があります。

 複数年契約、具体的には、四年以上の国庫債務負担行為においては次回調達で更に追加で加点することとしています。つまり、令和四年度だけでなく五年度における賃上げも評価対象とし、それに基づく加点を令和八年度以降も行うことを政府は表明しています。

 財務大臣、この制度はいつまで続けますか。政府は明確にしていないが、制度設計上は少なくとも令和八年度まで続けることを意味しています。これまでの賃上げ努力をしてきた業界に対して更に最低五年間も継続をして賃上げを求め続けるというのが、非常識であり、かつ非現実的ではないかというふうに極めて心配をしています。制度の見直しは避けられないと考えますが、即刻対応すべきと考えます。財務大臣、見解をお聞かせください。

鈴木国務大臣 この措置をいつまで続けるかという御質問でございますが、現時点でいつまでとは確定をしてはおりませんけれども、令和五年度以降も継続することを前提として制度設計を行っているところでございます。

 このように、単年度を前提とした措置でなく、複数年度契約の場合もあることから、あらかじめその評価方法を決めておく必要があると考えております。

 いずれにいたしましても、本措置によりまして、賃上げを促進した企業が評価されて賃上げ効果が表れますよう、適切な制度の運用をしっかりと努めてまいりたいと思っております。

城井委員 一点、国交大臣に伺います。

 日本建設業連合会から、仮にこの仕組みを導入するのであれば、賃上げの原資確保や更なる適正利潤の確保に向けた国の施策として、設計労務単価、現場管理費、一般管理費などの引上げ、これに伴う調査基準価格の引上げが必要、また、民間工事を含めた対応が必要不可欠であることから、国から民間工事を含めた他の発注機関への要請、指導をとの強い要望があります。

 大臣、これは当然対応いただけますよね。

斉藤国務大臣 公共工事の品質確保の促進に関する法律、いわゆる品確法においては、発注者の責務として、企業が適正な利潤を確保できるよう、予定価格の適正な設定やダンピング対策等に取り組むことが規定されております。公共工事設計労務単価においては、取引の実例価格を考慮して設定するということとされており、これまでも市場実態等を的確に反映し、九年連続で引き上げてきたところでございます。

 あわせて、直轄土木工事においては、適正な予定価格の設定に向け毎年度実施している諸経費動向調査等の実態調査を踏まえ、現場管理費や一般管理費などを算出するための計算式を見直してきているところでございます。また、直轄土木工事の低入札価格調査基準については、契約内容に適合した履行がなされ、工事の品質確保ができるよう、実態を調査し、必要に応じて計算式や基準の見直しなどを行い、適切なダンピング対策に努めてまいりました。

 本制度の導入に際し、日本建設業連合会などから御指摘のような御要望があることは承知しており、国土交通省といたしましては、引き続き、公共工事の実態把握に努めるとともに、適正な履行や工事の品質確保に努めてまいります。あわせて、地方公共団体の公共工事も同様の取組を促してまいります。

 民間工事につきましては、昨年十二月に、パートナーシップによる価値創造のための転嫁円滑化施策パッケージ、転嫁をちゃんとやってくださいというパッケージですが、を取りまとめられたことを受け、民間発注者団体等に対して適正な請負代金の設定等について周知徹底を行ったところであり、引き続き様々な機会を通してこれを徹底していきたいと思っております。

城井委員 賃上げ自体はいいんです。でも、課題がたくさんあります。拙速な導入をせずに、是非見直しをお願いしたいと思います。

 総務大臣、若宮大臣、次の機会にまた質疑をさせてください。

 ありがとうございました。

根本委員長 これにて城井君の質疑は終了いたしました。

 次に、吉田とも代君。

吉田(と)委員 日本維新の会、徳島一区、吉田とも代でございます。

 本日は、初質問に当たりまして、是非このマスクをということで、徳島の特産品、藍染めのマスクをしてまいりました。

 徳島、そして全国から応援くださる皆様、また、本日このような機会をいただきました党関係者の皆様に、心より感謝申し上げます。

 それでは、早速質問に入らせていただきます。

 お手元の資料を御覧ください。コロナ禍における児童生徒の体力低下について質問いたします。

 スポーツ庁が令和三年十二月に公表した、令和三年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果です。

 持久走の結果ですが、中学男子千五百メートル走では、平成三十年度の六分三十三秒が、令和三年度には六分四十七秒と、十四秒遅くなっています。また、中学女子千メートルでは、平成三十年度の四分四十七秒だったのが、令和三年度には四分五十八秒と、十一秒遅くなっています。

 これを分かりやすく言いますと、男子では、千五百メートル走りましたら五十から六十メートル後ろに、そして、女子ですと、一千メートル走れば四十メートル近く遅れて走っていることになるわけです。

 たった三年で大幅な体力低下と言えるかと思いますが、この体力低下は新型コロナの影響と考えておられるのか、文部科学大臣の見解を伺います。

    〔委員長退席、葉梨委員長代理着席〕

末松国務大臣 吉田先生にお答え申し上げます。

 昨年十二月公表しました、令和三年度の全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果によりますと、残念ながら、前回の令和元年度調査と比べまして、体力合計点が、小中学校、男女共に低下をいたしました。

 私も、去年十二月にスポーツ庁から説明を受けまして、持久力が随分落ちたなという印象が一番残ったところです。

 先生御指摘のとおり、持久走において、高い水準でございました平成三十年度に比べて、中学男子が約十四秒、中学女子は約十一秒低下をいたしました。

 ちょっと気になりまして、私、調べたんですけれども、私たちがまだ若い頃、もっと速かったんじゃないかと思ったんですけれども、実に、今から三十七年前の昭和六十年は、六分六秒なんです、千五百メートル、男子は。今、六分四十七秒ですから、この三十七年間で、千五百メートル走、男子中学生、四十一秒低下をしております。

 その原因について、この調査に関わる有識者の方などの見解によりますと、例えば、運動時間の減少、テレビやスマートフォン等の視聴時間の増加、そして肥満である児童生徒の増加などが挙げられます。

 これらにつきまして、いずれの要素も、新型コロナの影響で自宅で過ごす時間が増えていることを受けまして、更に、先生おっしゃるとおり、拍車がかかったものと考えてございます。また、感染防止の観点から、学校の活動が制限されたことで、体育の授業以外での体力向上の取組が減少したことも大きな影響があるのではないか、そのように思っておるところでございます。

 昨今、空き地も少なくなりまして、そういうところで、遊びの消失ということも大きな原因かなということを思います。

 一九七〇年代に比べますと、ある参考書によりますと、幼少児、一日、一九七〇年代、二万歩から二万七千歩歩いていたんですけれども、今日、八千歩から一万五千歩しか歩かない、そういうようなデータもあるようでございます。

 しっかり先生方の御意見を受け止めたいと思います。

吉田(と)委員 ありがとうございます。

 しかし、アフターコロナの生活を考えますと、いずれにしましても、今後更に対策を打たないと、ずっとこの体力低下は続いていくと思われます。

 例えば、学力については、令和三年度全国学力・学習状況調査において、休校期間の長さと各教科の平均正答率との間には相関はなかったと言われています。

 学力はオンライン教育等である程度カバーできるかと思いますが、子供の体力においては、それだけでは向上させることが難しいのではないでしょうか。

 学習指導要領の改訂は十年に一度と聞いておりますが、それを待つのではなくて、アフターコロナの社会にマッチした体力づくりに早急な対応が求められていると考えます。文部科学大臣の見解をお伺いいたします。

末松国務大臣 お答え申し上げます。

 体力の低下傾向は、コロナ禍が始まる前に実施した令和元年度の調査において見られるところです。

 私としましては、コロナ禍が長期化する中で、子供たちの体力の低下傾向が続かないように、十分な感染症対策を講じた上で、体力向上の取組を行っていく必要があると考えてございます。

 これまでの調査結果から、運動に親しむ機会の多い子供は、そうでない子供と比較をしまして、体力合計点が高い傾向にあることが分かっておりますので、体育の授業において、運動の楽しさを感じられる指導を充実させることが重要である、そのように考えております。

 このため、先生御指摘のように、学習指導要領の改訂を待つことなく、本年度中に小学校体育指導の手引を作成しまして、運動が苦手な児童生徒への指導の充実を図ることといたしてございます。

 また、令和四年度予算案に盛り込んだ幼児期からの運動習慣形成プロジェクトにおいて、保護者を対象とした啓発を取り組むとともに、子供たちが多様な運動遊びを経験できる環境の充実を図りたいと考えております。

 文部科学省といたしましては、人生百年時代を生きる子供たちが健やかに育ち、長い人生を健康に過ごしていけるような子供の体力向上に一層積極的に取り組んでいきたい、そのように思います。

 なお、私も思うことは、昭和四十年代、五十年代というのは、子供たちが自ら工夫してスポーツにいそしみました。子供が少なかったら、やはり、正方形の野球じゃなくて三角ベースの野球をやったりしたんですけれども、そういう光景も見られなくなってしまったということもございます。そんな工夫も、やはり子供たちの世界でやっていくべきかなということを思います。

    〔葉梨委員長代理退席、委員長着席〕

吉田(と)委員 末松大臣、大変心強い発言をいただきまして、ありがとうございます。

 続きまして、不登校児童生徒の増加についてです。

 資料を御覧ください。

 文部科学省が令和三年十月に公表した調査結果によれば、小中学校における不登校児童生徒数は、十九万六千百二十七人と、令和元年度から八・二%増加をしています。

 令和元年調査では、小中学校における不登校の要因は、一位が無気力、不安、二位がいじめを除く友人関係をめぐる問題、三位が親子の関わり方でした。しかし、今回の調査では、一位の無気力、不安は変わらずですが、二位に生活リズムの乱れ、遊び、非行が新しく入ってきています。これは、コロナ禍において、休校等の生活リズムの乱れが不登校の増加につながっていると言えます。

 ウィズコロナの生活では、休校等による生活リズムの乱れから更に不登校が増加することが懸念されます。今後、文部科学省としてどのように対応されるのか、大臣の見解を伺います。

末松国務大臣 大変重要な点を御指摘をいただきました。

 令和二年度の児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査によりますと、令和二年度の小中学校の不登校児童生徒数は、前年度より約一万五千人増加の十九万六千人となっておりまして、憂慮すべき状況と認識をしております。このうち不登校の原因では、先生御指摘のとおり、生活リズムの乱れ等が占める割合が約一二%、前年度より増加をいたしております。

 新型コロナウイルス感染症の影響における不登校児童生徒の増加の要因は、一様ではございません。しかし、例えば、外出の自粛やあるいは臨時休業の影響等により、生活のリズムが乱れやすい状況にあったこと、私の知り合いの方も、子供が六時に起きていたのが八時半になって起きてくるということで、休校のときなんかは、そういう話もございました。学校生活で様々な制限がある中で、交友関係を築きにくかった子供たちもあった、登校する意欲を持ちにくい子供たちもいたことなど、そういった可能性が考えられるところでございます。

 こうした困難な状況におきましても、様々な悩みや課題を抱える児童生徒がおられますので、早期にそれを把握して、適切な支援につないでいくことが必要でございます。

 このため、学校の教職員やスクールカウンセラーによる支援はもとより、家庭訪問等の、どうしていますかという声をかけていくアウトリーチ支援の充実であるとか、あるいは、電話やSNS等を活用した相談体制の充実とか、ICT等を活用した学習支援や校内の別室を活用した支援の促進など、多様な支援体制の整備に取り組んでいるところでございます。学校には行けるんですけれども教室には入れないという子供たちもいますので、その意味の別室ですけれども。

 文科省としましては、コロナ禍におきまして、不登校の児童生徒への支援が十分になされるように、更なる取組の充実に努力をいたしてまいりたいと思います。

吉田(と)委員 ありがとうございます。

 未来ある子供たちにとって体力の維持というのは、健康の維持だけでなく、意欲や気力、そういった精神的な強さにつながりますし、また、学校での関わり、経験というのは今後の人生の宝となっていきますので、引き続き対策をよろしくお願い申し上げます。

 それでは、続きまして、次の質問に入らせていただきます。

 二〇二二年一月一日のNHK報道によりますと、厚生労働省は、ファイザー社から年内に約一億二千万回分の追加供給を受ける契約を交わしています。要するに、国民全員が三回目の接種ができるファイザー製ワクチンを確保していることになります。

 一方で、政府は、三回目の接種については、ワクチンの種類にかかわらず、ファイザーでもモデルナでも早く打てるものを打って、できるだけ早く接種することを推奨しています。

 このため、三回目の接種でモデルナのワクチンを接種した方が多ければ多いほど、その分ファイザー製のワクチンが余ることになると考えられますが、余ったファイザーのワクチンはどのように活用するのか、厚生労働大臣の見解を伺います。

後藤国務大臣 新型コロナワクチンにつきましては、人口を超える数を購入しているのは御指摘のとおりでございます。ファイザー社やモデルナ社のワクチンについて、例えば二〇二二年の購入分は、御指摘のとおり、ファイザー一億二千万回、モデルナは九千三百万回分購入をいたしております。

 こうしたものを、輸入されたものから、これは二二年中に購入できるものであって、これは冒頭にまとめて納品されるわけではないので、これを輸入されたものから順次接種会場に配送していくということで、会場においても、有効期限が短いものから使用するようにお願いをいたしております。

 アストラゼネカ社のワクチンについては、国内で使用しない分は新型コロナを収束させていくための国際貢献として既に使っておりまして、アストラゼネカにつきましても、そういう意味では、一億二千万回分のうちの、今、四千万回分をそういう国際貢献に使っているわけでございます。

 今後も各社からワクチンの供給を順次受け付けていく中で、引き続き国内での活用や海外への供与に取り組み、有効活用に努めてまいりたいと思いますが、ワクチンの確保ということにつきましては、ワクチンの効果が確定していない、例えば、薬事承認が下りる前からワクチンを獲得するということで、事前に購入をするというようなこともやっているわけでございまして、何としても国民の生活や健康を守る観点から、ワクチンの確保が重要であるということでございます。

 世界各国で獲得競争が激化する中で、国民の皆さんに適時にワクチンがお届けできるように、あらゆる可能性を視野に、確かに国民の数に比べて多くのワクチンを購入しているわけでございますけれども、そういう観点から必要だと思って取り組んでいるわけでございます。

 いずれにしても、国内外において有効に使えなければいけないという委員の御指摘については、そのとおりだというふうに思います。

吉田(と)委員 後藤大臣、ありがとうございます。効果的な使い方を是非よろしくお願い申し上げます。

 では、続きまして、先日公表されました令和三年度の自殺者の暫定値では、男性の自殺者数はコロナ禍においても減っているのに、女性の自殺者数は高止まりをしています。女性の自殺対策については、効果的な対策を研究する必要がありますが、一つの例として、著名人の自殺報道の在り方を考え直す必要性について提案いたします。

 お手元の資料を御覧ください。

 これは、令和二年の二人の俳優の自殺に関する報道前後の自殺者数の変化です。男性に比べて、女性の自殺数が大きく伸びていることが分かります。

 自殺日を含めた十日間で約二百人もの方が自殺報道の影響を受けて亡くなった可能性があるとの分析もあります。

 一般に、女性の方が男性に比べ、こうした著名人の自殺報道の影響を受けやすいと言われています。

 厚生労働省は、WHOのいわゆる自殺報道ガイドラインを踏まえた報道をするよう、メディア関係者に注意喚起をしています。

 この自殺報道ガイドラインでは、自殺関連報道としてやるべきでないこととして、報道を過度に繰り返さないこと、また、センセーショナルな見出しを使わないことなど、何点か示していますが、実際には、そのような報道を目にする機会が少なくありません。

 表現の自由との関係で、報道機関への規制が厳しいということは承知をしておりますが、もう一歩踏み込んだ自殺報道への対応を検討すべきと考えますが、厚労省の今後の対応方針をお伺いいたします。

後藤国務大臣 吉田委員から御指摘ありました著名人の自殺報道につきまして、御指摘のとおり、WHO、世界保健機関におきまして、自殺を誘発する可能性があるメディアによる有名人の自殺報道について、自殺に関する報道は影響が特に大きいということを指摘しておりまして、メディアが適切な自殺報道を行うよう、自殺報道ガイドラインを作成しております。

 こうしたことを踏まえまして、厚生労働省及びいのち支える自殺対策推進センター、これは、議員立法でできました調査研究法人、指定法人でございますけれども、こうしたセンターで、著名人の自殺報道がなされた際には、報道関係機関に対しましてガイドラインを踏まえた報道を行うよう要請しているほか、いのち支える自殺対策推進センターでは、メディア関係者に向けて、自殺報道の在り方に関する勉強会を開催するなどの取組を行っております。

 最近の著名人に関する報道については、報道を過度に繰り返さないことや、併せて相談窓口を紹介するなど、WHOのガイドラインに沿った対応も見られ、報道関係による理解は徐々に浸透してきているものとも考えておりますけれども、今後も、ガイドラインを踏まえた報道の要請など、報道機関の更なる理解を得られるように粘り強く取り組んでいきたいと思います。

吉田(と)委員 ありがとうございます。

 今、テレビだけでなくて、週刊誌やそしてユーチューブなど、様々な影響、大きな影響が出ていると考えます。

 以前は、過剰な暴力シーンなどについて、広報啓発をしていただいていることで効果が出てきていると思っています。

 法律で規制するというのではなくて、文化として、まず厚労省が旗振り役として引き続き広報啓発に努めていただきたいと思います。

 そうしましたら、あと、時間がちょっと、時間配分が難しいので、このまま引き続き、少しだけお話しさせていただきますと……

根本委員長 時間がもう少々ですから。もうちょっとで申合せの時間が参りますが。次の方に食い込んじゃいますけれども。

吉田(と)委員 はい、かしこまりました。

 本日は、どうもありがとうございました。

根本委員長 これにて吉田君の質疑は終了いたしました。

 次に、漆間譲司君。

漆間委員 日本維新の会の漆間と申します。

 早速質問させていただきます。

 まずは、コロナに感染された方の情報把握・管理システム、HER―SYSについてお聞きします。

 自宅療養の方がパソコンやスマートフォンでHER―SYSに登録する際、IDと生年月日の二つの情報で本人確認をして登録が進みます。しかし、そもそも保健所や医療機関が生年月日の打ち間違いをしていた場合、IDと生年月日を入力してもエラーで先に進まず、本人登録もできないとのことですが、その際の現状の対応を教えてください。

佐原政府参考人 お答えいたします。

 自宅療養者の方がMy HER―SYSを利用しようとする場合には、まず、医療機関や保健所で発生届の情報をHER―SYSに入力する際に、陽性者御本人の携帯番号も登録していただきます。その後直ちに携帯電話にこのHER―SYSのシステムから自動的にショートメッセージが送られまして、そこに記載されているURLをクリックしていただいてログインしていくという形になっております。

 今先生御指摘の、登録できない場合ということなんですけれども、御指摘のとおり、IDと生年月日を入力しても登録できないという場合もあるというふうに聞いております。その理由は、多くの場合、保健所や医療機関において生年月日を誤って入力したという点に起因していると理解しております。

漆間委員 それで、エラーで先に進まなかった場合はどうしたらいいのか、もう一度お願いいたします。

佐原政府参考人 失礼いたしました。

 そのような場合には、システムに登録されている生年月日を正しいものに修正をすることが必要でありまして、この修正作業自体は保健所において対応していただく必要があります。

 したがいまして、御本人から保健所に御連絡をいただく、あるいは、保健所につながりにくい場合には、厚生労働省のMy HER―SYS専用の相談窓口、コールセンターに御連絡いただければ、厚労省から保健所に連絡を取るという形になっております。

漆間委員 先ほど、保健所に連絡と言いましたけれども、それはしっかりと案内がなされているんでしょうか、保健所に連絡せよというところ。エラーが起こったときに保健所に連絡しろということが、エラーが起こった人がすぐ分かるようになっているんでしょうか。お願いします。

佐原政府参考人 ショートメッセージで送られるものの中にリーフレットの案内もついておりまして、その中で保健所あるいは厚生労働省のホームページを御案内をしているところであります。

漆間委員 今、感染拡大で、なかなか保健所に連絡しても連絡がつながらないといったことも起こっておりますし、なかなか、厚労省の連絡先といいましても、ホームページからたどって厚労省の連絡先にたどり着くまでがすごく困難があると思うんですけれども、もうちょっとこれ、分かりやすく、つながらなかった場合にどうするか、案内を分かりやすくすることというのはできないんでしょうか。よろしくお願いします。

佐原政府参考人 お答えいたします。

 御指摘のとおり、相談窓口の存在を分かりやすい形で御案内することは大切なことだと考えております。

 そのために、例えば生年月日の登録誤りなど、よくある御質問と、その場合の対処方針のQAの形で改めて整理する等の取組も進めていきたいというふうに考えております。

漆間委員 自宅療養の方は、本当につらい状況にある中で、どうしたらいいかというのが分からず結構途方に暮れている、そういった声もいただいておりますので、できるだけ分かりやすい案内をよろしくお願いいたします。

 次、別の事例なんですけれども、HER―SYSに登録ができて、療養をして、その療養が終了した後も通知や連絡システムが止まらず、例えば、毎日スマートフォンにショートメッセージが届いている、そういった声もいただいております。

 この毎日のメッセージでも多額の予算が使われていると思いますが、メッセージが止まるタイミングというのはいつなんでしょうか。そもそも、情報の管理や把握がちゃんとできているんでしょうか。システムの打切りを、治られた方の方からすることというのはできないんでしょうか。併せてお伺いいたします。

佐原政府参考人 お答えいたします。

 My HER―SYSの通知は、入力忘れが生じないように、毎朝九時以降に御本人に順次送信される仕組みとなっております。

 このメッセージが送信される期間につきましては、保健所の方で設定するという形になります。例えば、待機期間が七日で終了した際に、My HER―SYSの通知解除ボタンというのがございまして、これを保健所で押していただく必要があるんですが、保健所で多忙なため押し忘れたというような場合には、結果的に療養解除後も一定期間通知が送られるというケースがあるということは聞いております。

 厚生労働省としては、療養解除を行った際には、My HER―SYSの通知解除ボタンも押していただくように、自治体に対して改めてお願いをしていくとともに、御指摘のように、療養解除後も通知が来るという場合には、例えば、御本人から通知解除を連絡できるようなシステム上の対応が可能かどうかも研究をしてまいりたいと考えております。

漆間委員 是非よろしくお願いいたします。

 今回、いろいろな、HER―SYSにおいての混乱状況はあるんですけれども、これはやはり、今の感染症法上の二類対応による保健所業務や医療現場の逼迫が原因であると思っております。

 我が党から何度も申し上げておりますが、五類相当に改めることや、感染症法の改正も含めて是非機敏に対応していただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

後藤国務大臣 新型インフルエンザ等感染症から五類感染症に変更をするということにつきましては、現行制度の枠でいえば、感染症法上の入院勧告、措置が行えない、検疫法上の隔離などの措置が行えなくなる、特措法の適用がなくなる、緊急事態宣言等ですね、ことなども含めて、総合的に勘案していく必要があるというふうに思います。

 その上で、五類感染症は、感染力及び罹患した場合の重篤性に基づく総合的な観点から、危険性が高くない等の要件に該当する感染症が指定されておりまして、仮に新型コロナウイルス感染症の分類を五類感染症に変更する場合、そうした要件に該当する必要がございます。

 しかしながら、オミクロン株について言えば、専門家からも、感染力が高い一方で、感染者の多くは軽症、無症状であって重症化率が低い可能性が高いといった分析は報告されているものの、まだその特性が十分に明らかになって確立しているわけではありません。このため、オミクロン株の感染が急拡大している中で、今このタイミングで感染症法上の位置づけを変更することは現実的でないというふうに思っております。

 他の感染症との比較、オミクロン株を含めて、変異を繰り返す新型コロナの特質をしっかり考えた上で、今後の感染状況や病気の性状を見極めつつ、厚生労働省の審議会等において専門家の意見を伺いながら議論していくものと考えております。

 法律改正等についても、御党からもいろいろな御指摘を受けているというふうに承っておりますけれども、そうした全体としての感染症の体系を考えながら検討をしていく問題だというふうに思っております。

漆間委員 現場はこういう状況でありますので、是非機敏に対応をよろしくお願いいたします。

 続きまして、ちょっと通告と順番が変わりますが、万博と空飛ぶ車についてお伺いいたします。

 大阪・関西万博での実現が期待されている、特に空飛ぶ車については、今年一月には萩生田大臣に大阪にお越しいただき、吉村知事よりも要望があったところです。

 空飛ぶ車といいますと、まだ、ヘリと一緒じゃないの、本当に必要なのといった声が聞かれているところですけれども、この空飛ぶ車、ヘリとは違うすばらしいものであると思っております。そういった点や、現在の空飛ぶ車の機体の開発状況について、大臣よりコメントをよろしくお願いいたします。

萩生田国務大臣 空飛ぶ車は、垂直に離着陸することができ、自動操縦が可能な電動のモビリティーであり、ヘリコプターと比べ、電動化により低コストで製造できることや、垂直離着陸により市街地でも活用できることなどに特徴がございます。

 空飛ぶ車が実現すれば、手軽な空の移動が可能となるため、離島や中山間地域での移動や、災害時の迅速な救急救命といった社会課題の解決や、メーカーだけではなく、運航サービス事業者の新たなビジネスなどを含めた幅広い産業の創出が期待できることから、早期の社会実装が重要と考えています。

 このため、経産省としては、国交省と共同で、二〇一八年八月に、空の移動革命に向けた官民協議会を設置をし、議論を開始しました。同年十二月に、空の移動革命に向けたロードマップを策定し、技術開発や制度整備の取組を進めているところです。

 また、委員御指摘の機体の開発については、我が国の複数の民間のベンチャー企業が参入しており、既に有人での飛行実験にも成功しています。

 引き続き、大阪・関西万博での活用も見据え、官民が一体となって取組を加速してまいりたいと思います。

漆間委員 ありがとうございます。

 やはり、お手軽に乗れるというのが本当に空飛ぶ車のすばらしい点だと思っております。今皆さんが車に乗っているように、空飛ぶ車、乗れる、これがすばらしい点だと思います。

 次に、万博での空飛ぶ車の活用見込み状況についてお伺いいたします。

 これまでの計画では、万博の会場内をちょっとだけ飛行するようなことが計画されていたんですけれども、昨年の十二月に発表されましたアクションプランでは、万博会場の内外を遊覧飛行や二地点間移動すると書かれていたと思うんですけれども、実際、会場内外、例えば万博会場からUSJだったりポートアイランドだったりまで、来場された方が乗って、飛べるといったこともできるんでしょうか。大臣、よろしくお願いいたします。

萩生田国務大臣 私にできるんでしょうかと聞かれても、まだまさに社会実装している段階なので。技術的には、飛ぶこと、あるいは人も乗れることまでは確認できています。USJに行けるかどうか、神戸に行けるかどうか、これは、これからあと数年ありますので、しっかり社会実装を重ねて可能性を模索をしてまいりたいと思っています。

 大事なことは、安全性も確保しなきゃなりませんし、先生は、一つのモビリティーだけ見ていますと、それはこんな広い空なんだからいいじゃないかと言うかもしれませんが、ドローンですとか、ヘリコプターですとか、いろいろなものがありますので、そういった空の調整という次の課題も出てきますので、まずは技術的にチャレンジできるかどうか、そして安全性が確保できるかどうか、そして、せっかくの万博ですから、世界からお迎えしたお客様、是非関西のよさを空から味わってもらうようなことができればすばらしいな、こんなふうに思っております。

漆間委員 大臣、どうも無理な質問をして済みませんでした。ありがとうございました。

 続きまして、先ほど大臣がおっしゃっていただいたように、ルール設定だとかについてお伺いしたいんですけれども。

 昨年十二月に発表されたアクションプランでは、試験飛行のガイドラインを今年度中に策定とありますが、これも、今年度中といいますと三月末なんですけれども、大丈夫なんでしょうか。しっかり進めていただけるんでしょうかということと、あと、当初、ロードマップでは二〇二三年に事業開始予定だったんですけれども、それが今書き直しされているという情報もちょっと聞いているところなんですけれども、ルール設定や制度整備は、実際、二〇二五年、万博の開催までに間に合うんでしょうか。併せて国交大臣にお伺いさせていただきます。

斉藤国務大臣 先ほど経産大臣から御答弁がありましたように、二〇二五年の大阪・関西万博での空飛ぶ車の実現に向けて、空の移動革命に向けた官民協議会において官民一体となった取組を進めております。

 具体的には、協議会の下に設置されたワーキンググループにおいて、機体や運航の安全基準、操縦者の技能証明に関する基準などの制度について議論を進めているところです。

 また、今後本格的な実施が想定される空飛ぶ車の試験飛行の許可基準を明確化し、今年度中にガイドラインとして公表することとしております。

 国土交通省としては、このような取組を通じて、大阪・関西万博での空飛ぶ車の実現に向けて、引き続き官民で連携を図りながら取り組んでまいります。

漆間委員 大臣、本当に力強い御答弁、ありがとうございます。

 次に、万博関連事業費についてお伺いいたします。

 かつての一九七〇年の大阪万博では、開催前の三年間で六千五百億円もの万博関連事業費が計上され、万博を契機に、鉄道、道路、都市開発など、大阪のまちづくりが大きく進められましたが、今回の万博に関しては、一九七〇年と比べてどうなんでしょうか、お伺いいたします。

若宮国務大臣 昨年八月に、万博を支える周辺インフラ、この整備の具体的な計画となります大阪・関西万博に関連するインフラ整備計画、国際博覧会推進本部で決定をいたしたところでございます。

 このインフラ整備計画というのは、計画に位置づけられました事業について万博までに整備をされることや、万博が終わった後の地域の社会経済活動の基盤となるような形での、関係省庁、オール・ジャパンで着実に取り組むことを確保するものでございまして、例えば、会場へのアクセスの向上、それからまた安全性の向上、さらに、にぎわいや魅力の向上といった点が含まれてございます。

 また、さらに、万博は、委員も御承知のとおり、半年ぐらいの期間の開催でございますので、開催が終わった後、前回のお話も今されましたけれども、大阪、関西の成長基盤ともなります広域的な交通インフラの整備も盛り込まれているところでもございます。

 いずれにいたしましても、この大阪・関西万博、二〇二五年でございますけれども、昨年開かれました東京オリンピックそしてまたパラリンピックに続きます国家的な大イベントでございますので、関係自治体、経済界、博覧会、また関係省庁とも連携しながら、しっかりとした形で周辺インフラ整備などにも力を入れてまいりたい、このように考えているところでございます。

漆間委員 大臣、力強くおっしゃっていただいてありがとうございます。

 とはいえ、大臣おっしゃった大阪・関西万博に関連するインフラ整備計画というのは、地方負担も多く、そもそも万博前から決まっている事業も多くございます。本当に、国挙げての国家プロジェクトですので、是非とも国主導で力強くやっていただきたいと思いますが、また決意のほど、もう一回聞いてもよろしいでしょうか。済みません。

若宮国務大臣 ありがとうございます、再度の答弁機会をいただきまして。

 今委員がおっしゃるように、これは確かに、大阪、関西の地域で開かれる万博になります。

 実は、私個人のことをちょっと申し上げさせていただきます。一九七〇年の前回の万博にも、小学校三年生で参りました。そのときに、やはり感動いたしましたのが、携帯電話と、それからリニアモーターカーと電気自動車とロボット、この四項目でございました。今、現実を振り返って、現実の社会を見てみますと、全てが実装されて、あるいは皆様方の生活の一部になっているようなのが現実でございます。

 こうした形で、万博というのは、単に半年間のイベントということではなくて、その先、二十年先、三十年先、五十年先の、先を見た形での、世界の中で、あるいは日本の中で、生活スタイルがどうなっていくのか、あるいは、いろいろなものの生活のインフラ基盤が大きく変化をしていますので、そういったものをつくり上げる新しい技術を広げる場所でもあるかというふうにも思っております。

 もちろん、大阪を中心とした関西地域の発展も、旅行あるいは観光を含めていろいろ想定されるところでもございますが、これは、日本全体を盛り上げる大きな機運になろうかと思っておりますし、またあるいは世界に向けての日本の魅力を発信する大きな場面だと思っておりますので、しっかりと取り組んでまいりたい、このように思っております。

漆間委員 大臣、ありがとうございます。本当にありがとうございます。

 質問を終わります。

根本委員長 これにて漆間君の質疑は終了いたしました。

 次に、本村伸子君。

本村委員 日本共産党の本村伸子でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。

 男女の賃金格差是正について質問をさせていただきます。

 まず、資料の一枚目、パネルで示させていただきましたけれども、国税庁の民間給与実態統計調査で、二〇二〇年の男女別の平均給与を見てみますと、男性五百三十二万円、女性二百九十三万円で、女性は男性と比べて五五%しか給与がない。年間二百三十九万円の差を四十二年間働くといたしまして単純計算をすると、一億円近く、男女で給与の差が出てしまう。この格差をなくしていくということが喫緊の課題だというふうに思います。

 ジェンダー平等が世界の中で一番進んでいるというふうに言われておりますアイスランドでは、男女の賃金格差ゼロにするという目標を持って、そして今年、二〇二二年が、男女の賃金格差ゼロにする目標年としております。そのために法律も作って、本気の取組を行っています。

 一方で、日本はどうかということで、野田大臣にお尋ねをいたしますけれども、日本はいつまでに男女の賃金格差ゼロにするのか、お答えいただきたいと思います。

野田国務大臣 お答えします。

 御指摘のとおり、今、人生百年時代、そして、女性の人生や家族の姿が昭和の時代から随分変化をして、また多様化する中で、女性が長い人生を通じて経済的困窮に陥らないよう、女性が経済的に自立する力を高めていく必要が、とみに今必要とされています。そうした中で、御指摘の男女間の賃金格差の是正は、極めて極めて重要な課題であると認識しています。

 我が国における男女間の賃金格差の現状を見ますと、正社員同士であっても非正規雇用労働者同士で比較しても格差が存在していて、同じ職業、勤続年数においてもまた格差があるわけです。今御指摘のように、日本の女性の賃金は男性の賃金の約四分の三であり、OECD諸国と比較してもその格差は大変大きくなっています。

 諸外国においては、一定規模以上の企業に対し、男女間の賃金格差の報告や公表の義務づけが行われている例もあります。そうした中、我が国においても、企業に対し男女間の賃金格差の公表を義務づけるべきという指摘があることも承知しています。

 こうした現状をしっかり分析しつつ、依然として男女間賃金格差が大きい状況を踏まえ、その是正に向けて、有価証券報告書の開示項目にすることや、女性活躍推進法のスキームが更に実効あるものとなるよう、男女間賃金格差そのものの開示を充実する制度の見直しを行うことについて、担当大臣と連携しながら、現在、具体的に検討して、速やかに着手しています。

 目標年次というのは今にわかにお答えすることはできませんけれども、それに向かって動き出していることだけは御理解いただければと思います。

本村委員 残念ながら、二〇一九年、そして二〇二〇年、フルタイムの一般労働者ですね、男女の賃金格差、一ポイントも賃金構造基本統計調査では縮まっていないわけです。成果がゼロ、改善がゼロという状況になっております。これまでの政策では駄目だということで、一歩踏み出そうというお話だと思うんですけれども、やはり、遅れた日本こそ数値目標を持ってやるべきだというふうに思っております。

 日本は女性の人権がまだまだ保障されていない、非常に遅れた国だというふうにみなされております。遅れた日本がやはり強力にやっていかなければいけないと思います。

 パネルはないんですけれども、資料の二枚目を見ていただきたいんですけれども、先ほども大臣から御答弁がありましたように、OECD諸国の中で、男女の賃金格差は、この内閣府の資料でも、韓国に次いで下から二番目ということになっております。

 やはり抽象的に言っているだけでは駄目だということで今日は質問をさせていただきたいんですけれども、資料の三枚目、パネルを御覧いただきたいんです。これも内閣府が出している資料ですけれども、男女の賃金格差が大きい産業が下になっているわけですけれども、遅れている日本の中でも一番遅れている業界が、折れ線グラフで見ていただきますと、一番足を引っ張っているのが金融業、保険業ということで、労働者の中で女性の方が多いわけですけれども、特に大企業で格差が大きいということが示されております。

 フルタイム同士で比較をしているのに男女の賃金格差は五五%、本当にひどい状況だと思いますけれども、なぜこんなことになっているのか、野田大臣、お答えいただきたいと思います。

野田国務大臣 金融業、保険業の男女間賃金格差については、今お話がありましたように、男性を一〇〇としたときの女性の年収の水準が五五と、他の産業と比較しても格差が大きく、従業員の規模が大きくなるほど、その格差が大きくなる傾向というのが見られています。

 我が国の男女間賃金格差については、管理職比率や勤続年数の差異など、様々な要因が指摘されているところですけれども、金融業、保険業では、正社員に占める女性の割合は半数以上と多いものの、課長相当職以上に占める女性の割合は全産業の平均並みの一四・〇%、勤続年数も十一・三年で、全産業平均より僅かに長くなっています。

 そういうことを踏まえて、内閣府では、御指摘の問題点、第五次男女共同参画基本計画に基づいて男女間賃金格差に関する調査分析を行い、そして男女共同参画会議の専門調査会においてしっかり議論を進めてまいります。

本村委員 金融業、保険業の勤続年数というのは、男女で四年ぐらいしか違わないわけです。それで給与は女性は男性の五五%というので、本当におかしいというふうに思うんです。

 この金融業、保険業で働く女性の方々は、男女の賃金格差を求めて裁判に訴えてこられました。芝信用金庫ですとか野村証券ですとか商工中金ですとか、女性労働者の皆さんが差別是正を求めて声を上げてきた業界です。しかし、反省もなく、男女の賃金格差がこれだけいまだにある、女性差別があるという現状でございます。

 厚生労働大臣にお伺いをしたいんですけれども、男女雇用機会均等法二十九条では、「厚生労働大臣は、この法律の施行に関し必要があると認めるときは、事業主に対して、報告を求め、又は助言、指導若しくは勧告をすることができる。」とございます。こんなに男女の賃金格差がある金融業、保険業、とりわけ大企業に、これまでどういう是正を取ってきたのかということをお示しをいただきたいと思います。

後藤国務大臣 女性活躍推進法につきましては、行動計画策定義務……(本村委員「違います」と呼ぶ)

本村委員 雇用機会均等法の二十九条の問題でございます。

後藤国務大臣 要は、今問題になっているのは、そういうことで、コース別雇用管理制度等の問題も御指摘があって、こういうことになっているというふうに思います。

 それ自体、直ちに法律制度上の問題があるというふうには思っていないわけでありますけれども、コース別にどのような管理がされているのか、しっかりと企業に対して助言指導等を行うべきというふうに考えております。制度の趣旨にのっとって管理をしていきたいと思っております。

本村委員 それは、二十九条に基づいて報告を求めて、早急に是正をさせるという御決意ということでよろしいでしょうか。

後藤国務大臣 事案の内容等を踏まえて適切に対応していきたいと思っています。

本村委員 過去の労働省時代なんですけれども、金融機関と民間の放送局を対象に調査、個別指導したことがあるんです。金融機関の五三%、そのときは均等法違反があったんですけれども、やはりこういうことを今やるべきじゃないですか、厚労大臣。

後藤国務大臣 委員の御指摘の、女性の就業をしっかりと評価していくということは、公正さの点から見ても重要なことだと思っておりますし、それから社会にとっても、女性の活躍していない国や社会は、あるいは企業は、これは発展もしないしということで考えておりますので、そういう視点から的確に対応したいと思います。

本村委員 是非そういうこともやっていただきたいというふうに思うんですけれども、これまで是正されてこなかったからこれだけの大きな格差になっております。内閣府さんに何でこんなふうになっているんだというふうに聞いたら、なかなかまだ分析は進んでいませんというお答えでしたので、政府の金融機関で調べてまいりました。

 政府系の金融機関でも大変ひどい実態があるということで、政府が四六・五%株を持っている商工中金の問題で質問をさせていただきたいんですけれども、元々、この商工中金でも、男女の差別で女性労働者の方が裁判に訴えた事件がありました。二〇〇〇年十一月二十日の大阪地裁の判決では、こうございます。

 原告に対する人事考課は男女差別に基づくもの、違法な裁量権の濫用があったと、男女差別があったことを認めております。そして、熱心に仕事に取り組み成果を上げてきたことを正当に評価されなかったことによる原告の精神的苦痛については、多大なものがあったと言える、実際に原告は、自己に対する違法な査定を知ったことにより、うつ状態にまでなっている、総合職でありながら窓口補助に配置されたことも、原告に精神的苦痛を与えたことが推認されるというふうに判決で言われております。

 また、判決の中では、一九八七年、コース別人事制度導入の際、総合職を選択しようとしていた女性職員に対して、面接の際、暗に総合職を選択することを諦めるように説得がなされていたことを認めることができるというふうに認定をされております。

 この商工中金の今の姿がどうなっているのかということで、中小企業庁を通じて資料が出されましたので、資料の四を御覧いただきたいというふうに思います。この資料を見ていただきますと、二〇一九年、二〇二〇年、二〇二一年、女性の新卒採用ががくっと減っております。男性は、二〇一九年、二〇二〇年、そんなに減っているわけではないんですけれども、女性だけが減っている。

 商工中金の所管は財務大臣、そして経済産業大臣ですけれども、なぜこんなことになっているのか、萩生田大臣にお伺いをしたいというふうに思います。

萩生田国務大臣 女性の新卒採用が二〇一九年以降に激変しているという背景としましては、過去の不祥事を踏まえた出直しの中、経営計画に基づき必要人員を検討した結果、女性が多いいわゆる一般職の採用が減ることとなったものと承知しています。他方、新卒採用する総合職の女性採用を積極的に進めた結果、二〇一八年から二二年までの五年間で、新卒採用の総合職に占める女性の割合は一〇・九%から二六・二%に向上しております。

 女性活躍の取組を進めることは極めて重要であり、商工中金においても、こうした取組を一層強化することを期待したいと思います。

本村委員 大臣には余り怒りが感じられないというふうに思うんですけれども、なぜこのように、店舗の統合とかあると思うんですけれども、経営計画の中で、だけれども、なぜ女性の採用のみが大幅に減らされているのか。こんなことが許されると大臣はお考えなんですか、萩生田大臣。

萩生田国務大臣 今申し上げましたとおり、新経営陣の皆さんの判断で一般職の採用を抑えたんですね。元々、一般職に応募される女性の方が多かったものですから、比率的にぐっと下がって、そういう意味では、確かに先生御指摘のように、女性の方たちが一般職で採用が減っているじゃないかということなんですけれども、一般職そのものをやめてしまいましたので、そういうことになりました。

 一方、先ほど申し上げましたように、管理職の女性の皆さんがどんどん出てきています。今の現状でいいのかと聞かれれば、これは改善計画の半ばでありますけれども、是非女性の皆さんにも商工中金で大いに活躍していただきたい、そう思っております。

本村委員 今の御答弁は、女性の新卒採用を減らす理由にはなっていないというふうに思います。

 商工中金の中期経営計画は、今の関根正裕社長になってから実行されております。商工中金の代表取締役、関根社長は岸田首相と高校が同じで、同じ硬式野球部でセカンドとショートというお友達だったというふうに報道されておりますけれども、関根社長になって経営計画をやって、経営改革をやって、そして女性の新卒採用をがくっと減らしている。こうした女性に対する就職差別はあってはならないと思いますけれども、萩生田大臣、もう一度お願いしたいと思います。

萩生田国務大臣 その野球のポジションはちょっと私は分からないんですが、女性の採用を減らしたんじゃなくて、一般職の採用を減らしたために、元々一般職に多かった女性の皆さんの機会が減ってしまったという現状があります。

 先ほど申し上げたように、新経営陣の皆さんが今、再生計画の中で商工中金のあるべき姿をしっかり求めていますし、現に女性の皆さんの管理職がどんどん増えているわけですから、これからも当然、女性を採らないというようなことはあっては絶対ならないと思います。採るに当たっては、女性の皆さん、男性の皆さん、性差別なく、しっかり能力、やる気のある人たちを採っていただくというのが当然だと思いますので、今、経過措置の中では確かにそう外形的には映りますけれども、私、きちんとこれは、商工中金、これから女性の採用を増やしていっていただけると思っております。

本村委員 萩生田大臣が文部科学大臣のときに、医学部入試の女性差別がありました。そのときは、入試差別はあってはならないと吉良よし子議員に対して答弁をされておりましたけれども、そのことを思い出していただきたいというふうに思います。入試差別だけではなく、就職差別までいまだにあるということを御認識いただいて、女性差別撤廃条約、批准をしている締約国の責務があるわけですから、政府としてしっかりと是正をしていただきたいというふうに思います。

 野田大臣にお伺いをしますけれども、この五年間、男性は全員総合職で採用をされております。そして、女性は担当職だからということで新規採用を減らされている、がくっと減らされている。こんなことを許していいのかということを野田大臣にお伺いしたいと思います。

野田国務大臣 お答えします。

 今お話が出ているコース別採用というのは、これは認められていることで、金融、保険において、実は一般職の女性の割合が約九五%ということで非常に多い中で、先ほどの問題、格差が出てきたんじゃないか。つまり、一般職と総合職はコースが違うので、やはり幹部候補になる総合職とそうでないということで、当然、中間管理職になっていけない人たちが大変多いというのが構造的な問題なんだと思います。

 しかし、進めていく中で、実は、今のケースとはまた別に、民間の金融機関では、それではいけないということで、是正、新しい取組、見直しをしている企業もあるわけです。

 いいことなので固有名詞を出してもいいと思うんですが、例えば株式会社三井住友銀行は、一般職をビジネスキャリア職に再編して、ビジネスキャリア職の職務内容拡充に応じ研修を実施というふうにしたことで、かつて女性管理職が一・九しかなかったものが、それを導入したことで一二%に、これはまだ二〇一四年ですから大分古いですけれども、そういうふうに効果を上げています。また、明治安田生命も、そういうのをやらずに総合職というふうにシフトしてきています。(発言する者あり)

根本委員長 野田大臣、簡潔に、そこのところはお願いします。

野田国務大臣 ですから、私が申し上げたいことは、しっかり取り組んでいくことが大事で、取り組むことは可能で、今後ともそういう企業に対して、私の立場とすると、ポジティブアクションの取組を求めていきたい、そう思います。

本村委員 野田大臣まで就職差別について余り明確な答弁をいただけなかったというのは非常に残念でございます。

 こういう就職差別というのは当然なくすべきだというふうに思います。賃金格差の要因の中でも、管理職が少ないからというふうに言われますけれども、入口からこのような男女の格差があったら、管理職、将来も増えるという見通しになっていないわけですよ。

 商工中金はこの新卒採用だけではないということで、パネルの、資料の六ですけれども、ごめんなさい。先ほど見せるのを忘れたんですけれども、大幅に減っているというのが資料の五です。

 次に、資料の六のパネルを見ていただきたいんですけれども、これは資料四に基づいた資料でございますけれども、緑が男性、黄色が女性になってまいります。商工中金では、コース別雇用管理を行っており、総合職と担当職と分けております。先ほども、担当職というのは一般職というような御答弁もあったんですけれども、九九・七%が女性、そして男性はグラフに見えないほどの〇・三%、恐らく全国で四人ぐらいだというふうに思いますけれども。

 先ほどの新卒採用の資料ですけれども、この五年間の新卒採用については、担当職の男性の採用はゼロということになっております。総合職は九二・九%が男性で、そして女性は七・一%というふうになっております。

 女性差別撤廃条約の第一条では、女性に対する差別とは、性に基づく区別、排除、制限とありますけれども、まさにこれがそういう状況じゃないかというふうに思うんですけれども、野田大臣、御見解を伺いたいと思います。

後藤国務大臣 女子差別撤廃委員会に対しまして、外務省から我が国の実施状況等を報告をいたしております。

 コース別管理……(本村委員「野田大臣に聞いているんですけれども」と呼ぶ)私の所管なもので、手を挙げました。

本村委員 まさにそういう状況だと思うんです。

 厚生労働大臣にまずお伺いをしたいのは、均等法では五条、六条で、採用、配置、職種など、性別を理由とする差別は禁止されていますねという確認だけさせていただきたいと思います。

後藤国務大臣 おっしゃるとおりであります。

 ですから、今の、これまでの議論を聞いておりまして、制度が直ちに雇用機会均等法に違反するとか、そぐわないものであるかどうかということは別といたしましても、事実上の男女別雇用管理とならないように、しっかりと、男女雇用機会均等法に照らして問題がある場合には対処していかなきゃならないというふうに思っております。

本村委員 より賃金が高いと思われる総合職は男性中心で、より賃金が低い担当職の方はほとんど女性、これが商工中金の今の姿なんですけれども、是正のために指導していただけますねということを、まず厚生労働大臣。

後藤国務大臣 今、一般論として申し上げたので、そういう観点から一つ一つの事案をしっかりと見ていきたいと思います。

本村委員 今、本当に均等法を改正することが必要だというふうに考えております。

 ずっと前からこのコース別雇用管理制度の下で差別に苦しんできた女性労働者の皆さんたちは、声を上げておられました。こういうふうにおっしゃられております。

 企業は雇用管理区分を差別を正当化する手段として使っている、雇用管理区分の廃止をしてほしいということや、事務職は女性だけ、ほぼ女性だけ、これは間接差別だ、この間接差別禁止を明記してほしい、限定列挙だけではなくて、様々な間接差別に対応できるように、個別に判断ができるようにするべきだ、間接差別ではないというのであれば、企業側に立証責任を持たせるべきだという意見を上げておられます。

 日弁連の皆さんも、均等法に、労働者の募集、採用、配置や昇進、賃金等処遇に関して男女に格差が存在する場合、その格差について事業主が合理性を立証できない場合には、性による差別扱いがあったものと推定するという規定を入れるように求めておりました。

 今こそ、差別に苦しんでこられた女性の声、この声がなかなか届かなかったわけですけれども、そういう声に応えて、間接差別、全ての間接差別の禁止、そして、ポジティブアクションの義務化、立証を事業主の責任とすることなど、均等法を抜本的に改正するべきだというふうに思いますけれども、厚生労働大臣、こういう状況を放置しないですね。お答えください。

後藤国務大臣 いろいろ非常に重要な諸点が入っていたと思います。

 間接差別につきましては、企業の雇用管理が実質的に性別を理由とした差別にならないように、問題がある場合には企業に対してしっかりと助言指導を行っていかなければならないというふうに思っておりますし、ポジティブアクション等につきましては、行動計画策定義務の拡大など新たな制度が動き出しておりますけれども、男女賃金格差そのものの開示を充実するという観点から、例えば、女性活躍推進の観点も含めまして、具体的に、法制度を含めて、制度を含めて、速やかに具体的検討に着手してまいりたいというふうに思っております。

 また、ハラスメントにつきましては、雇用機会均等法を令和二年六月に改正をいたしまして、マタニティーハラスメント、フリーランス等に対するハラスメントについても、指針において、「適切な対応を行うように努めることが望ましい。」ということで、明記を行っております。

 ハラスメントのない職場づくりに向けて、まずは、こうした改正法や指針の内容の周知啓発、こうしたものを通じて改正法の着実な施行にしっかり取り組んでまいりたいと思いますが、その上で、改正法の施行状況等も勘案して、必要な対応を制度についても検討してまいりたいと思っております。

本村委員 男女賃金格差の是正には、やはり均等法の抜本改正が必要です。また、最低賃金を千五百円にしていくということを中小・小規模事業者の皆さんの支援と併せてやっていくということ、そして、ケア労働の働く皆さん、女性が多いわけですから、全てのケア労働者の賃上げ……

根本委員長 本村伸子君、申合せの時間が経過しておりますので、御協力ください。

本村委員 是非やっていただきたいということを求めて、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

根本委員長 これにて本村君の質疑は終了いたしました。

 次回は、来る十四日午前九時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時七分散会


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