衆議院

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第12号 令和5年2月17日(金曜日)

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令和五年二月十七日(金曜日)委員長の指名で、次のとおり分科員及び主査を選任した。

 第一分科会(皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣、内閣府、デジタル庁、復興庁及び防衛省所管並びに他の分科会の所管以外の事項)

   主査 牧島かれん君

      衛藤征士郎君    平沢 勝栄君

      宮下 一郎君    逢坂 誠二君

      本庄 知史君    青柳 仁士君

 第二分科会(総務省所管)

   主査 熊田 裕通君

      奥野 信亮君    鈴木 隼人君

      森山 浩行君    中野 洋昌君

      斎藤アレックス君

 第三分科会(法務省、外務省及び財務省所管)

   主査 中山 展宏君

      下村 博文君    辻  清人君

      古川 禎久君    大西 健介君

      藤岡 隆雄君    宮本  徹君

 第四分科会(文部科学省所管)

   主査 三谷 英弘君

      岩屋  毅君    亀岡 偉民君

      西村智奈美君    庄子 賢一君

      緒方林太郎君

 第五分科会(厚生労働省所管)

   主査 牧原 秀樹君

      大岡 敏孝君    土屋 品子君

      根本  匠君    後藤 祐一君

      阿部  司君

 第六分科会(農林水産省及び環境省所管)

   主査 堀井  学君

      今村 雅弘君    山本 有二君

      鷲尾英一郎君    渡辺  創君

      池畑浩太朗君

 第七分科会(経済産業省所管)

   主査 小林 鷹之君

      伊藤 達也君    古屋 圭司君

      吉田はるみ君    掘井 健智君

      鰐淵 洋子君

 第八分科会(国土交通省所管)

   主査 赤羽 一嘉君

      石破  茂君    田中 和徳君

      八木 哲也君    源馬謙太郎君

      櫛渕 万里君

令和五年二月十七日(金曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 根本  匠君

   理事 小林 鷹之君 理事 中山 展宏君

   理事 古川 禎久君 理事 堀井  学君

   理事 牧原 秀樹君 理事 逢坂 誠二君

   理事 後藤 祐一君 理事 青柳 仁士君

   理事 赤羽 一嘉君

      伊藤 達也君    池田 佳隆君

      石破  茂君    今村 雅弘君

      岩屋  毅君    衛藤征士郎君

      奥野 信亮君    亀岡 偉民君

      熊田 裕通君    佐々木 紀君

      下村 博文君    鈴木 隼人君

      田中 和徳君    辻  清人君

      土屋 品子君    中村 裕之君

      平沢 勝栄君    藤原  崇君

      古屋 圭司君    牧島かれん君

      三谷 英弘君    宮下 一郎君

      八木 哲也君    山本 有二君

      鷲尾英一郎君    梅谷  守君

      大西 健介君    源馬謙太郎君

      神津たけし君    西村智奈美君

      馬場 雄基君    藤岡 隆雄君

      本庄 知史君    森山 浩行君

      山岸 一生君    柚木 道義君

      吉田はるみ君    米山 隆一君

      渡辺  創君    阿部  司君

      池畑浩太朗君    沢田  良君

      住吉 寛紀君    吉田とも代君

      庄子 賢一君    中野 洋昌君

      鰐淵 洋子君  斎藤アレックス君

      古川 元久君    塩川 鉄也君

      宮本  徹君    緒方林太郎君

      櫛渕 万里君

    …………………………………

   財務大臣

   国務大臣

   (金融担当)       鈴木 俊一君

   文部科学大臣       永岡 桂子君

   厚生労働大臣       加藤 勝信君

   農林水産大臣       野村 哲郎君

   国土交通大臣       斉藤 鉄夫君

   防衛大臣         浜田 靖一君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     松野 博一君

   国務大臣

   (デジタル大臣)

   (国家公務員制度担当)  河野 太郎君

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長) 谷  公一君

   国務大臣

   (少子化対策担当)    小倉 將信君

   国務大臣

   (地方創生担当)     岡田 直樹君

   財務副大臣        井上 貴博君

   内閣府大臣政務官     鈴木 英敬君

   外務大臣政務官      秋本 真利君

   政府特別補佐人

   (内閣法制局長官)    近藤 正春君

   政府参考人

   (金融庁企画市場局長)  井藤 英樹君

   政府参考人

   (総務省自治行政局選挙部長)           森  源二君

   政府参考人

   (厚生労働省医政局長)  榎本健太郎君

   政府参考人

   (厚生労働省健康局長)  佐原 康之君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房総括審議官)         杉中  淳君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房統計部長)          山田 英也君

   政府参考人

   (農林水産省農産局長)  平形 雄策君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房長) 宇野 善昌君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房技術審議官)         佐藤 寿延君

   政府参考人

   (国土交通省鉄道局長)  上原  淳君

   予算委員会専門員     齋藤 育子君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月十七日

 辞任         補欠選任

  大岡 敏孝君     中村 裕之君

  下村 博文君     池田 佳隆君

  藤岡 隆雄君     柚木 道義君

  本庄 知史君     梅谷  守君

  吉田はるみ君     馬場 雄基君

  渡辺  創君     神津たけし君

  阿部  司君     住吉 寛紀君

  池畑浩太朗君     吉田とも代君

  斎藤アレックス君   古川 元久君

  宮本  徹君     塩川 鉄也君

同日

 辞任         補欠選任

  池田 佳隆君     佐々木 紀君

  中村 裕之君     藤原  崇君

  梅谷  守君     本庄 知史君

  神津たけし君     渡辺  創君

  馬場 雄基君     米山 隆一君

  柚木 道義君     藤岡 隆雄君

  住吉 寛紀君     沢田  良君

  吉田とも代君     池畑浩太朗君

  古川 元久君     斎藤アレックス君

  塩川 鉄也君     宮本  徹君

同日

 辞任         補欠選任

  佐々木 紀君     下村 博文君

  藤原  崇君     大岡 敏孝君

  米山 隆一君     山岸 一生君

  沢田  良君     阿部  司君

同日

 辞任         補欠選任

  山岸 一生君     吉田はるみ君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 令和五年度一般会計予算

 令和五年度特別会計予算

 令和五年度政府関係機関予算


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     ――――◇―――――

根本委員長 これより会議を開きます。

 令和五年度一般会計予算、令和五年度特別会計予算、令和五年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、一般的質疑を行います。

 この際、お諮りいたします。

 三案審査のため、本日、政府参考人として金融庁企画市場局長井藤英樹君、総務省自治行政局選挙部長森源二君、厚生労働省医政局長榎本健太郎君、厚生労働省健康局長佐原康之君、農林水産省大臣官房総括審議官杉中淳君、農林水産省大臣官房統計部長山田英也君、農林水産省農産局長平形雄策君、国土交通省大臣官房長宇野善昌君、国土交通省大臣官房技術審議官佐藤寿延君、国土交通省鉄道局長上原淳君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

根本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

根本委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。梅谷守君。

梅谷委員 おはようございます。立憲民主党の梅谷守です。

 初めての予算委員会、どうぞよろしくお願いします。

 時間も限られていますので、早速質問に移らせていただきます。

 一昨日の予算委員会で、我が党の同僚議員、平成生まれが首相に初質問、こういう、こちらにいる馬場雄基議員の質問に対し、総理はこう答弁されました。家族関係社会支出は二〇二〇年度の段階でGDP比二%を実現しています、そして、それを更に倍増しようではないかということを申し上げているというふうにおっしゃいました。

 二%の倍増ですから、掛ける二で四%に押し上げるというふうに理解をしますけれども、受け止めますが、官房長官、こういう政府見解でよろしいんでしょうか、理解でよろしいんでしょうか。

松野国務大臣 お答えをさせていただきます。

 一昨日の国会での岸田総理の答弁は、防衛力強化への取組との比較を問われた際に、政権交代以降、保育の受皿整備、幼児教育、保育の無償化など、必要な支援を進め、子供予算をしっかり拡充してきたことを説明する中で、その一つの例として、国際比較可能な家族関係社会支出、対GDP比という指標で見ると、十年前の二〇一二年度の一・一%から二〇二〇年度には二・〇%まで増えてきたというこれまでの取組を紹介をし、子供予算を更に強化することにより、防衛費との関係においても決して取組が見劣りするわけではないとの趣旨で申し上げたものと承知をしております。

梅谷委員 官房長官、総理は倍増とはっきりおっしゃいました。今の官房長官の御答弁だと、それがはっきりと受け止められない。

 これは、そうすると、閣内不一致みたいな形になるんですか、総理は倍増と言っていますけれども。答弁自体は撤回されないということでよろしいんですか。閣内不一致ということでよろしいんでしょうか、理解は。

松野国務大臣 私が今答弁をさせていただいたことは、一昨日の総理の答弁の趣旨について答弁をさせていただいたことでございます。

梅谷委員 それは解釈を修正するということなんですか、答弁を修正したということですか。

 我々が言っているのは、総理ははっきりとGDP比二%を倍増するというふうにおっしゃったわけです。では、この総理の答弁は間違っていたんですか。間違っていたんでしょうか。もう一度お願いします。

松野国務大臣 総理答弁の趣旨について説明をさせていただいたということで、決して閣内不一致等の御指摘は当たらないものと考えております。

梅谷委員 じゃ、閣内不一致でないんだったら、倍増する、倍増しようという理解でよろしいんでしょうか。もう一度お願いします。

松野国務大臣 お答えをさせていただきます。

 子供政策に関係する予算をどう見るかについては様々な見方があり、家族関係社会支出以外にも、令和四年度における少子化社会対策大綱に基づく少子化対策関係予算は国費で約六・一兆円、令和五年度のこども家庭庁関連予算案は国費で約四・八兆円など、様々な整理があります。

 このように様々な整理があるところでありますけれども、いずれにせよ、まずは、こども政策担当大臣の下、今の社会において必要とされる子供、子育て施策の内容を具体化し、六月の骨太方針までに将来的な子供、子育て予算倍増に向けた大枠を提示するということでございます。(発言する者あり)

根本委員長 じゃ、梅谷守君、もう一度明確に質問してください。

梅谷委員 官房長官、もう一度伺います。

 倍増するのかしないのか、どちらでしょうか。

松野国務大臣 お答えをさせていただきます。

 先ほど申し上げましたとおり、六月の骨太方針までに将来的な子供、子育て予算倍増に向けた大枠を提示するという考え方でございまして、そのベースとなる予算をどこに置くかということに関しましては、今までも国会において政府として答弁をさせていただいたとおり、家族関係社会支出以外にも、少子化対策関係予算、また、こども家庭庁関連予算等、今までも答弁をさせていただいたところでございます。

梅谷委員 はっきりしない、よく分からない答弁ですね。

 じゃ、これは来週の水曜日、総理本人が来たときに、はっきりその口から聞いてもらうしかないんですかね。

 答弁は修正をしているんですか、していないんですか。この点をお願いします。

松野国務大臣 お答えをさせていただきます。

 先ほど来答弁をさせていただいていますとおり、私が申し上げた内容といいますのは、一昨日の総理の答弁の趣旨について説明をさせていただいたものでございますので、修正ということではございません。

梅谷委員 でも、明らかに違うじゃないですか。二%から倍増すると言っているのに、それを今みたいなよく分からない答弁ではぐらかされる。

 じゃ、解釈は修正するということなんですか。答弁修正でなく、解釈を修正するということですか。

松野国務大臣 解釈をということでございますけれども、総理が答弁された内容、趣旨を私の方から説明をさせていただいたということでございます。

梅谷委員 違う趣旨になっているんじゃないかというふうに受け止めるんですけれども。

 もう一度言います。家族関係社会支出は二〇二〇年度の段階でGDP比二%を実現している、そして、それを更に倍増しようと。

 じゃ、それというのは何なんですか。官房長官、それというのは何なんですか。

松野国務大臣 一昨日の総理答弁でも申し上げていますとおり、子供、子育て予算ということでございます。

梅谷委員 子供、子育て予算なんて言っていないですよね。どこから出てきたんですか。

 それというのは、子供、子育て予算ということでよろしいんでしょうか。もう一度確認させてください。

松野国務大臣 答弁させていただきます。

 一昨日の岸田総理の答弁のように、日本における家族関係社会支出、あるいは子供、子育て予算、これを拡充に努めておりますというのが一昨日の総理答弁でございます。

梅谷委員 私も議事録を見させていただきましたが、あるいはというのは言っていないんじゃないですか。私、議事録に沿って先ほど来申し上げているんですけれども、あるいはは言っているんですか。

松野国務大臣 総理の発言をそのまま、議事録、私も読ませていただきましたので、答弁させていただきますと、先ほど申し上げたように、日本における家族関係社会支出、あるいは子供、子育て予算、これは拡充に努めておりますというのが総理答弁であります。

梅谷委員 それは別のところを表しているんじゃないですか。

 もう一度伺います。このあるいはというのはどこの話だったと、別のところだったと私は思うんですけれども、もう一度お願いします。

松野国務大臣 馬場議員の質問に対しまして、総理の一連の答弁、同じセンテンスの中で、一連の質問に対する答弁の中で、先ほど申し上げた内容が総理から答弁されたということでございます。

梅谷委員 今、馬場議員の議事録を、手元にあります。家族関係社会支出は二〇二〇年度の段階でGDP比二%を実現しています、そして、それを更に倍増しようではないかということを申し上げているわけですからと、これが議事録に載っている文言ですけれども、どういうことなんでしょうか。

松野国務大臣 お答えをさせていただきます。

 私も同じ議事録を、手元にありますけれども、馬場議員の質問に関して、総理の方で、日本における家族関係社会支出、あるいは子供、子育て予算、これは拡充に努めておりますということがあった上で、その後、その倍増というフレーズに関して、そして、それをということになっておりますので、考え方といたしましては、同じ答弁の中で申し上げている、日本における家族関係社会支出、あるいは子供、子育て予算というところを指していると考えております。(発言する者あり)

根本委員長 ちょっと静粛に。

 内閣官房長官松野博一君、ちょっとこの、GDP比二%を実現しています、そして、それをと、このそれをの解釈を聞いているということですから、それを答弁してください。

松野国務大臣 先生からの質問の、それはどこの部分を指しているのかという御質問に対して、先ほど申し上げましたけれども、日本における家族関係社会支出、あるいは子供、子育て予算というところを指しているという答弁をさせていただきました。

 従来から、総理の答弁の中で、子育て予算を倍増というところのベースに関しては、先ほど答弁させていただきました少子化対策関係予算また令和五年度のこども家庭庁関連予算ということで挙げさせていただいておりまして、従来から一貫した答弁だと考えております。

梅谷委員 それは官房長官の曲解なんじゃないですか。それとこの文章の中で書いてあったら、間違いなく、家族関係社会支出は二〇二〇年度の段階でGDP比二%を実現する、それを更に倍増しよう、こう読めますよ、どう考えても。そうしか読めない。それを、あたかも、別のところを取り上げて、一貫してこうだったから私はこう受け止めているみたいに言われても、全く納得ができませんね。

 しかも、政府として、今国会、異次元の少子化対策、異なる次元のと言い換えましたけれども、それを銘打って臨んだ国会なんでしょう。それなのに、何なんですか、これは。よく分からないですよ、本当に。

 もう一度お願いします。それというのは、家族関係社会支出は二〇二〇年度の段階でGDP比二%を実現、これを指しているということでよろしいですね。

松野国務大臣 お答えをさせていただきます。

 総理答弁を、全体を通して、先ほど申し上げました趣旨でありますけれども、先生の御質問の、それはということに関しては、従来から申し上げていますとおり、少子化社会対策大綱に基づく少子化対策関係予算又はこども家庭庁関連予算も含め、現時点において様々な今整理をしているところでございますけれども、どこをベースとして今後将来的に倍増していくかということは、まだ整理中であるという考え方であります。

梅谷委員 もうそれは答弁が間違っているというように感じてなりませんが、そうすると、ちょっとこう聞かせていただきます。将来的に何を倍増するということなんでしょうか。今ほど、官房長官の御答弁では、少子化対策大綱に基づく少子化対策関連予算とか、また、こども家庭庁関連予算などなどの話もありましたが、この中で、果たして倍増というのは何を指しているんでしょうか。

松野国務大臣 お答えをさせていただきます。

 先ほど答弁をさせていただきましたとおり、子供政策に関係する予算をどう見るかについては、従来からも答弁をさせていただいておりますけれども、様々な見方があり、家族関係社会支出以外にも、令和四年度における少子化社会対策大綱に基づく少子化対策関連予算でありますとか、令和五年度のこども家庭庁関連予算など、様々な今整理がございます。

 このような様々な整理があるところでありますが、いずれにせよ、まずは、こども政策大臣の下、今の社会において必要とされる子供、子育て政策の内容を具体化をして、六月の骨太方針までに将来的な子供、子育て予算倍増に向けた大枠を提示をする考えであります。

梅谷委員 官房長官は、家族関係社会支出以外も含むというようなお話をされましたけれども、それは、一昨日に総理が答弁された内容と明らかに違うというふうに受け止めます。

 答弁を修正するということでよろしいんでしょうか。よろしいんですね。

松野国務大臣 先ほど答弁をさせていただいたとおりでございますけれども、私からお話をさせていただいている内容に関しましては、一昨日の総理の答弁の趣旨を申し上げているところでございまして、修正ということではございません。

梅谷委員 そういう趣旨とか解釈の話をしているんじゃないんです。答弁は、はっきりと総理はこうおっしゃっていたんです。それを、それ以外も広げて、こうだああだと言われたって、国民はよく分からなくなるんじゃないですか。これが予算委員会での答弁になるんですか。そもそも、総理がはっきりとこう言ったものだから、それが一昨日の答弁、それがこんな形で煙に巻かれるような形になられたら、国民にとってたまったものじゃない、本当に。

 答弁の修正を図るべきと考えますが、いかがですか、官房長官。

松野国務大臣 お答えをさせていただきます。

 先ほど答弁をさせていただきましたけれども、私がお話をさせていただいていることは、一昨日の総理の答弁に関して、その趣旨を説明をさせていただいているということでございまして、答弁の修正ということではございません。

梅谷委員 だから、その趣旨が官房長官の中で曲解されているんじゃないですかということを申し上げているんですよ。はっきりとしているじゃないですか。私は、答弁修正をすべきだと思います。予算委員会でこうやって総理が答弁した内容が翌日ひっくり返るようでは、そして、今ほどの官房長官の答弁、煙に巻かれるような答弁、何を信じていいのか分からなくなりますよ。

 少なくとも、国民に対して、一昨日の総理答弁が原因で混乱を招いたのだから、その分の質疑を取り戻す必要があると思います。そのためにも、岸田総理が出席する集中審議を追加で行うべきだと考えます。よろしくお願いします。(発言する者あり)

根本委員長 不規則発言はちょっと控えてください。

 理事会で協議します。

梅谷委員 では、時間も限られてまいりましたので、続いて、質問通告の順番を変えさせていただきます。二番、三番は飛ばして、四番の秋本政務官の秘書給与疑惑についてお尋ねをしたいと思います。野村大臣、そして永岡大臣、申し訳ございません。

 まず、二月三日の予算委員会において、同僚の本庄知史議員の質問に対する答弁の中で、源馬議員が言ってもいないことを秋本政務官が勝手に話をされました。一つは、レノバの株を売却し莫大な利益を得たのではないかという指摘がございましたという箇所、もう一つは、あたかも百万、一千万を超えるような多額の売却益、キャピタルゲインを得たというような誤解を招きかねない表現をされました、この二か所の答弁を訂正すべきと考えますが、政務官、いかがでしょうか。

秋本大臣政務官 過日の予算委員会におきまして、源馬委員があたかも印象操作をしたかのような発言をいたしましたけれども、議事録を確認したところ、そのような発言ではございませんでした。おわび申し上げて、訂正いたします。申し訳ありません。

梅谷委員 それでは、続いてなんですが、二月二日の予算委員会におきまして、源馬議員の質問に対して秋本政務官は、再エネ事業を手がけるレノバ関係者からの献金について否定していたにもかかわらず、報道によれば、同社の創業メンバーで特別顧問だった人物の会社から献金を受け取ったと報じられております。虚偽答弁の疑いまでも報じられております。

 政務官、献金を受け取ったのであれば、こちらも答弁を訂正するべきではないでしょうか。いかがですか。

秋本大臣政務官 今月九日の答弁でも申し上げましたとおり、二月二日及び三日の答弁までに、御指摘の社につきましても、レノバ社と関係があるのかどうか、レノバ社に改めて直接問合せをいたしました。その結果、御指摘の社、人物含めまして関係性がないとの回答を得たため、この回答の内容を踏まえて答弁を行ったところでございます。

梅谷委員 では、報道が間違っているという理解でよろしいんでしょうか。

 続きまして、これまで、秋本政務官の地元事務所が無許可で市街化調整区域内に建築され、約十年にわたり違法状態にあったこと、また、今ほどのレノバ関係者の疑惑、そして、今度は新たに秘書給与疑惑が報じられております。

 私もかつて政策秘書をやっておったものですから分かるつもりなんですが、秘書というのは立場が往々にして弱いものです。この弱さを利用してか、かつては国会議員が公設秘書に寄附を求めることが珍しくなかったんです。やがて、公設秘書の給与を数人で分け合うようなケースが発覚し、刑事事件となった。これが基に、平成十六年の法改正で規定が設けられました。

 秘書給与法二十一条の三では、何人も、議員秘書に対し、寄附を勧誘し、又は要求してはならないとありますし、それに先立っては、同法十七条の二で、議員秘書の給与は、直接、その全額を議員秘書に支給する、こういう根拠がございます。

 そこで、今回のケースについて、どんどん事実関係をお尋ねをさせていただきます。

 今回は、政策秘書の方から別の私設秘書の給与が支払われていた、こういう疑惑でもあるんですけれども、このことは事実なんでしょうか。

秋本大臣政務官 事実ではございません。

梅谷委員 じゃ、この私設秘書と思われるC氏を、この場ではC氏と呼ばせていただきますが、C氏を知っているでしょうか。

秋本大臣政務官 はい、存じ上げております。

梅谷委員 じゃ、その方は秘書だったんでしょうか。イエスかノーでお願いします。

秋本大臣政務官 まだ委員の方から言及がございませんけれども、いわゆるお示しいただいているB氏でございますけれども、C氏は、B氏が自分の政策秘書業務を補完するために契約した方だというふうに思っております。

梅谷委員 政策秘書のB氏がC氏を業務委託契約をもって雇われているということでよろしいんですか。

秋本大臣政務官 御指摘のC氏でございますけれども、B氏が自分の政策秘書業務を補完するために契約した方だということでございます。

梅谷委員 私、今回、このような名刺を入手をしました。秘書とはっきり書いてあります。衆議院議員秋本真利、そして、秘書と書いてあります。メルアドも書いてあり、電話番号も書いてあり、そしてファクス番号も書いてあるなどなど、この秘書の名刺を持って活動していますよね。いかがでしょう。

秋本大臣政務官 委員が御指摘のとおり、C氏が私の名刺を持って活動されていたと記事に書いてあるけれども事実かというお問合せでございますけれども、事実でございます。

梅谷委員 じゃ、秘書じゃないですか。

 先ほど、秘書かどうか、イエスかノーでお答えくださいと言ったら、ノーというふうにおっしゃって、ノーというか。

 じゃ、もう一度、済みません、政務官、お尋ねします。秘書なんでしょうか。イエスかノーかでお願いします。Cさんは、秋本衆議院議員の、政務官の秘書ですか。イエスかノーか、お願いします。

秋本大臣政務官 御指摘のC氏でございますけれども、B氏が自分の政策秘書業務を補完するために契約した方でございます。

梅谷委員 じゃ、もう一度。秘書かどうか。イエスかノーか、お願いします。

秋本大臣政務官 繰り返しになり大変申し訳ございませんけれども、御指摘のC氏は、B氏が自らの政策秘書業務を補完するために契約した方でございます。

梅谷委員 違いますよ。聞いているのは、秋本政務官の秘書だったかどうかを聞いているんです。B氏とC氏の関係を聞いているのではないんです。

 もう一度お願いします。

秋本大臣政務官 繰り返しになりまして大変恐縮でございますけれども、C氏は、B氏が自分の政策秘書業務を補完するために契約した方でございます。

梅谷委員 質問したことにしっかり答えていただきたいんですが、秘書の秘書ということなんですか。

 では、角度を変えますが、直接仕事を指示したことは、このC氏に対して、ありますか。

秋本大臣政務官 御指摘のC氏に対してということでございますけれども、C氏は、会館事務所などにおいて、B氏の指示で仕事をしてくださっておりました。手がすいているときには、B氏の了解の下、事務所のお手伝いをしてくれることもございました。

 いずれにしても、C氏は、B氏の了解の下に事務を行っているところでございます。

梅谷委員 明確にお答えいただきたいんですが、それでは、C氏に仕事を頼むときには、直接指示をしないというんだったら、どうしていたんですか。一々、そこにいないB氏に電話して、B氏経由ですけれどもうんたらかんたらって、おかしくないですか。それはよく分からない。

 もう一度お尋ねしますが、秘書なんですよね。先ほど、C氏は秘書だというふうにはっきりおっしゃっていましたが、もう一度、ちょっとこの確認をさせてください。

秋本大臣政務官 繰り返しになり大変申し訳ございませんけれども、C氏は、B氏が自らの政策秘書業務を補完するために契約した方でございます。

梅谷委員 だから、聞いていることに答えてください。

 じゃ、もう一度言います。直接仕事を指示したことはあるんですか、ないんですか。この点をイエスかノーでお答えをください。秋本衆議院議員が直接仕事を指示したことはありますか。

秋本大臣政務官 C氏は、議員会館などにおいて、B氏の指示で仕事をしてくれておりました。手がすいているときには、B氏の了解の下で事務所のお手伝いをしてくださることもございました。

 いずれにしても、C氏は、B氏の了解に基づき事務を行っているということでございます。

梅谷委員 直接指示したのかどうかを聞いているんですよ。お願いします。

秋本大臣政務官 繰り返しで大変申し訳ないんですけれども、C氏は、B氏の了解の下に事務を行っておるわけであります。

 C氏は、議員会館等において、B氏の指示において仕事をしておりました。しかし、手がすいているときには、B氏の了解の下で事務所のお手伝いをしてくれることもあったということでございます。(発言する者あり)

根本委員長 じゃ、外務大臣政務官秋本真利君。

秋本大臣政務官 C氏は、B氏の指示の下で仕事をしているわけでございます。ですから、B氏の了解の下で事務所のお手伝いをしてくれることもあったということでございます。(発言する者あり)

根本委員長 じゃ、秋本真利君、直接指示をしたかどうか、答えてください。

秋本大臣政務官 いずれにいたしましても、B氏の了解の下ででございます。(発言する者あり)

根本委員長 じゃ、ちょっと止めて。

    〔速記中止〕

根本委員長 速記を起こしてください。

 梅谷守君。

梅谷委員 B氏の指示であったとしても、直接C氏に対し仕事を指示したことはありますか。

秋本大臣政務官 まずB氏の了解があって、B氏の了解を得た上で、B氏の了解の下で直接指示するということもございます。

梅谷委員 質疑時間が終了したのでここで終わりにしますが、いずれにしても、先ほどの官房長官のこともそう、そして秋本政務官もそう、私は、こういった答弁を繰り返されるようであれば、強く辞任を求めたいと思います。

 以上で質問を終了させていただきます。ありがとうございました。

根本委員長 これにて梅谷君の質疑は終了いたしました。

 次に、神津たけし君。

神津委員 長野三区の衆議院議員の神津たけしです。

 本日、初めての予算委員会での質問となります。どうぞよろしくお願いいたします。

 質問の順番を四番から始めさせていただきたいと思います。後ほど一番から三番を行わせていただきます。

 まずは、発注者支援業務について質問いたします。もしかしたら、ベテランの議員の中には懐かしい話かもしれません。

 まずは、配付資料一を御覧ください。

 発注者支援業務という言葉を余り聞いたことがない方もいらっしゃるかもしれません。発注者支援業務とは、国土交通省が公共工事の発注、監督を行う際に、積算資料の作成、技術力審査資料の作成、施工状況の確認、工事の検査等を行う業務です。専門性や秘匿性が高い情報を扱う仕事となっております。

 配付資料二を御覧ください。

 平成十八年頃に、公共調達の適正化を図るため、政府全体で随意契約の見直しが行われました。国土交通省の天下り先である建設弘済会等が、発注者支援業務を随意契約で独占的に受注し、高額の内部留保金をため込んでいたことが問題視されておりました。そして、その後、平成二十二年七月に前原元国土交通大臣が、天下りをなくし、民間にできるものは民間に任せるという方針を打ち出し、建設弘済会が解散され、解散時の業務のうち、発注者支援業務は、各地域の民間業務が引き継ぐこととなりました。残りの事業は、新設された各地域の物づくり協会が引き継がれました。

 配付資料三を御覧ください。

 この二つの表ですが、上と下の二つの表ですが、四国、北陸地域において発注者支援業務を十件以上受注した企業の表となっております。

 まずは、上の四国地方整備局。平成二十九年から令和三年度の発注者支援業務成約状況、落札状況を示した表を御覧ください。左上の黄色枠の成約率と記載されている列をまずは御覧ください。

 成約率というのは、入札した件数に対して何件落札できたかというのが成約率です。一番上にある建設弘済会から業務を引き継いだX社の場合には、二百四十六件入札に参加したうち二百三十四件ほど落札されています。成約率のうち、九〇%以上の成約率で受注している企業が四国では十一社中八社もあります。

 同様に、下の表にある北陸地方整備局の成約、落札状況を御覧ください。Y社は、入札した二百九十件中二百七十七件を落札しています。九〇%以上の成約率で受注している企業が十社中七社もあります。

 予定価格に対して落札した金額が落札率ですが、両方の地域において九〇%以上の落札率を誇る企業が多数を占めるというのも特徴となっております。落札率については、調達のオンブズマンなどでは、九〇%以上を超えたとき、もしかしたらば談合の可能性があるというふうにも言われております。いずれの地域においても非常に成約率、落札率が高くなっております。

 御参考までに資料三の二をお配りしていますが、中部地域の成約率、落札率データをつけ加えています。建設弘済会から業務を引き継いだZ社の成約率は九〇%と非常に高くなっておりますが、中部の企業の成約率は高止まりしておらず、競争は確保しているというふうに言えると思います。

 四国と北陸の話に戻りますが、これだけ高い成約率、落札率が見られており、企業間で何らかの調整が図られている可能性があるのではないでしょうか。これだけ高い成約率に対して疑義を抱き、何らかの調査を行われているのでしょうか。国土交通大臣にお伺いします。

斉藤(鉄)国務大臣 御指摘の数字につきましては、国土交通省として確認を取れておりませんが、発注者支援業務及び公物管理補助業務については、平成二十三年度から、いわゆる公共サービス改革法に基づきまして、民間事業者の創意と工夫を適切に反映するための市場化テストを実施してきたところでございます。

 御指摘の地方部において成約率が高い要因については、市場化テストの結果を検証するために設置された外部有識者から構成される委員会の評価によると、業務の特殊性から全般的に技術者の確保に課題があり、新規参入が進まないものとされております。

 国土交通省としては、委員会の御指摘を踏まえ、適切な入札参加資格の設定などを継続しつつ、技術者不足に対応するためのデジタルトランスフォーメーションの推進など、民間事業者の積極的な参入を促すよう、引き続き取り組んでまいりたいと思っております。

 なお、入札契約の適正さについては、手続の公平性や透明性などを総合的に勘案して判断すべきものであり、成約率や落札率の高い、低いのみをもって評価すべきではないと認識しております。そのため、成約率などが高いことを理由とした調査は行っていないところでございます。

神津委員 御答弁ありがとうございます。

 データがない、それから、技術者がいないのでなかなか新規参入も進まないというふうにおっしゃられました。

 先ほどお配りしている資料で見ていただけると分かるんですが、これは、元々は建設弘済会が一手に随意契約で担っていた、一社のみが受注してきた業務です。それに対して、今、複数社が応札しているような状況があります。これは、技術者がいないというのは言えないんじゃないでしょうか。新規参入がないということは言えないんじゃないでしょうか。特に、中部地域のを見ていただくと分かりますけれども、一ページ丸々、多くの企業が入札しているというような、新規参入しているという状況がうかがえると思うんですが、なぜ新規参入が難しいというふうに判断されているのか、お伺いできますでしょうか。

斉藤(鉄)国務大臣 先ほど申し上げましたように、特に地方部におきましては、一つは、先ほど御説明がありましたように、各業務が大変専門性が高い、かつ、各分野に分かれております。そして、知識、ノウハウを持つ技術者が地方部においては不足している。こういうことがいわゆる今委員がおっしゃる成約率の高いことの一つの原因だと思っております。

神津委員 これ以上聞いても同じ答弁だと思いますので、次の質問に移ります。

 建設弘済会問題が発生したときには、天下りを根絶する、民間にできるものは民間に任せるということであったかと思います。建設弘済会解散の目的の一つであった天下りは解消されたのか、確認させてください。事業譲渡された民間企業に何名の元国土交通職員が役員、職員、契約社員、嘱託などとして勤務しているのか、教えてください。

斉藤(鉄)国務大臣 国家公務員法においては、厳格な再就職規制が設けられており、予算や権限を背景とした押しつけ的なあっせんによる不適切な再就職は禁止されているところでございます。

 一方で、適法に行われた再就職のうち、管理職職員の経験がある国家公務員OBが離職後二年間に行ったものについては、平成二十年十二月三十一日より届出及び公表が行われております。この届出、公表資料により把握できる限り、旧建設弘済会から事業譲渡された民間企業への再就職者数は三十三名でございます。

神津委員 今の答弁の確認なんですが、国土交通省は、元国土交通省の職員というもののOBを二年以内に退職された方に限定されているという理解でよろしいのか、それから、役員が何名いらっしゃるのか、もう一度お願いします。

宇野政府参考人 お答え申し上げます。

 国家公務員OBが離職後二年間に行ったもの、その国家公務員OBについても、管理職職員の経験がある者に限って届出、公表の対象となっております。

 それから、役員がこの三十三名のうち何人いるかということについては、明確には分からないのですが、役職で見ますと一名という形になってございます。

神津委員 明確な御答弁、ありがとうございます。

 私が、国土交通省のOBを、二年以内という定義ではなくて、過去に国土交通省に勤務していたOBとして調べたところ、譲渡された企業の役員九十一名、配付資料の四番目、四の一ですね、ここに各企業の役員数が記載されていますが、九十一名いますが、このうち三十七名が国土交通省のOBの氏名と一致しております。

 先ほど、二年以内の定義で限定すると役員一名というふうにおっしゃられましたが、三十七名もいらっしゃることに対して私は疑義を持っております。

 この意味から、建設弘済会の解散、譲渡された際の大きな目的であった天下り解消につながっていないのではないかと思うんですが、国土交通大臣の御見解を伺わせてください。

斉藤(鉄)国務大臣 まず、人数の件でございますが、再就職の届出、公表につきましては、管理職職員の経験がある国家公務員OBが離職後二年間に行ったものが対象であり、例えば、管理職の経験がない国家公務員OBや、離職後二年を超えている国家公務員OB等が再就職した場合であれば、人数が異なることになると推測されます。

 また、いわゆる天下りという問題でございますが、国家公務員法に基づく再就職の届出義務の対象期間は、元職員が現職職員に対して有する影響力によって公務の公正さが損なわれるおそれと、元職員の有する職業選択の自由等とのバランスを考えて、離職後二年間とされているものと承知しております。

 国土交通省としても、国家公務員法の規定を遵守し、適切に対応してまいりたいと思っております。

神津委員 ありがとうございます。

 次の質問に移りますが、市場化テストの評価のポイントでも、一者応札の割合は年々増加していると記載がありました。四国、北陸の発注者支援業務の一者応札の割合はどのぐらいでしょうか、教えてください。

佐藤政府参考人 四国地方整備局発注の発注者支援業務について、令和二年度の一者応札の割合は、積算基準業務が九二%、工事監督支援業務が六四%、技術審査業務が一〇〇%となっております。同様に、北陸地方整備局発注の発注者支援業務については、積算基準が一〇〇%、工事監督支援業務が六五%、技術審査業務が一〇〇%となっております。

 一者応札が高い要因として、市場化テストを検証する外部有識者から構成された委員会では、積算技術業務においては、各種技術基準などを用いて作業を行うため、これらに精通している必要があること、また、技術審査業務において、判断基準などに精通していることが必要であるほか、企業情報を扱うため、他の業務と兼務することができないことから、全般的に技術者の確保について課題があり、これらの業務で新規参入が進まないとされております。

神津委員 今いただいた答弁、積算業務、技術審査業務、北陸では一〇〇%、そして、四国では、積算業務が九二%、そして技術審査業務が一〇〇%と、非常に一者応札率が高かったというふうに認識しております。

 先ほどおっしゃられた理由が、技術者が少ない、非常に高い知見が求められるというところでおっしゃられたと思うんですが、私は、この状況というものはこれまでずっと続いているんだと思っております。建設弘済会から民間に事業譲渡されてから既に十年近くたっていると思うんですが、ここの点について何かしらの対策は取っているんでしょうか。

斉藤(鉄)国務大臣 市場化テストの結果を検証するために設置された外部有識者から構成される委員会の評価によりますと、一者応札の割合が高い要因として、先ほど来お答え申し上げているところでございますが、業務の特殊性から全般的に技術者の確保について課題があり、これらの業務で新規参入が進まないとされております。

 そういう意味において、今我々が取り組んでおりますのは、例えば、デジタルトランスフォーメーションなどの新しい技術をこの業務に対応できないのか、知識の横展開等ができないのか等々、我々は、技術の進展を踏まえてこの問題について対応していきたいと思っております。

神津委員 ありがとうございます。私も認識が甘いと思っております。

 この一者応札が非常に高い、一〇〇%となっているところにおいては、改めてこの調達について調査すべきだと思うんですが、大臣の認識をお願いします。

斉藤(鉄)国務大臣 先ほど来申し上げましたとおり、いろいろな多くの会社がそれぞれに高い技術水準を持って技術者を抱えて競争し合うというのが健全な姿だと思います。しかしながら現実はそうなっていないということで、先ほど申し上げましたように、これら技術者、技術レベルの向上を図るためのいろいろな施策を取っていきたいと思っております。

 なお、入札契約の適正さについては、手続の公平性や透明性などを総合的に勘案して判断すべきものであり、一者応札の割合が高いことのみをもって調査を行う必要はないと考えております。

神津委員 ありがとうございます。

 今、もう一度資料三の一に戻していただきたいんですが、この入札数と落札数を見ていただくと、非常に高くなっています。十一件入札に応募して落札しているのが十一件、D社については三十二件応募して三十二件落札、E社も十九件中十九件、二十三件中二十三件と、非常に本当に高い数字が並んでいるのですが、本当に業務の特殊性というだけでこれだけ高い成約率が出ると大臣は思いますか。

斉藤(鉄)国務大臣 委員が最初に御指摘になりましたように、この分野は非常に細かい分野に分かれておりまして、かつ専門性、特殊性が高いということでこういう結果になっているというふうに、市場化テストを検証する第三者委員会での評価でそのように言われております。この問題についてもしっかり対応していきたいと思っております。

神津委員 私はその市場化テストの結果についても疑問を抱いているんですが、先ほど業務の特殊性が高いとおっしゃられましたけれども、建設弘済会が解散してから、上の表については、AからJまでの会社が全て新規参入されている会社ですよ。それから、北陸地域についても、KからTまでの会社は全部新規参入している会社ですよ。そういう意味においては、業務の特殊性はあるかもしれないんですが、入札にきちっとこれだけの会社が新規参入しているという状況を踏まえれば、もう少しちゃんと競争があってよいのではないかと思うんですが、この点をやはりしっかりと調査すべきだと思うんですが、いかがでしょうか。

斉藤(鉄)国務大臣 市場化テストを評価してくださる第三者委員会の御指摘に従って、今後、競争環境が整うように、先ほど申し上げましたデジタルトランスフォーメーション等のいろいろな技術開発を用いて工夫をしていきたい、このように思っております。

神津委員 それでは、これ以上やっても変わらない答えだと思いますので、次の質問に移らせていただきます。

 今回の建設弘済会解散の目的であった天下りの解消、この点について今質問させていただきましたが、次に、企業の内部留保金、利益剰余金についてお伺いしたいと思います。

 建設弘済会が随意契約を行っていたときと近年を比較して、発注者支援業務の経費削減効果というものはあったんでしょうか。

斉藤(鉄)国務大臣 発注者支援業務は、業務ごとに実施内容、業務量、実施期間が異なるため、民間事業者に事業譲渡する前後で経費を比較することは困難でございます。

神津委員 ありがとうございます。

 配付資料を御覧いただきたいんですが、建設弘済会の解散のところで、市場化テストの目的の中では経費の削減というものが含まれていたかと思うんですが、これはしっかりと金額を見ないでどうやって判断されたのか、教えていただけますか。

佐藤政府参考人 発注者支援業務につきましては、平成二十二年で全ての業務について一般競争入札を導入しております。それ以降、市場化テストを実施した前後を通じて、平均落札率はほぼ横ばいとなっております。

神津委員 ちょっとよく分からない答えであったんですが、この経費の削減の効果というものは私は余りなかったのではないかというふうに思っています。

 配付資料四の一を御覧ください。

 事業譲渡を受けた企業の昨年の決算公告データを基に利益剰余金、資本剰余金を合算したところ、三百八十四億九千三百万円にもなっておりました。建設弘済会が解散したときに、当時、大きな内部留保金があるということで問題になりました。そのときには四百二十億円でした。そこに近い、三百八十四億という非常に近い数字になっているというところにおいては、私は、これはもしかしたらば、競争がない環境という中においてためることができたような、そうした金額ではないかというふうに思っております。

 この点について国土交通大臣の見解を伺えればと思います。

斉藤(鉄)国務大臣 今回、いわゆる経費節減ということでございますが、先ほど来申し上げているとおり、今、比較はなかなか難しい、このように思っております。

 そういう中で、どれだけ効果が出てきたかというのは一概には言えませんけれども、市場化テストを評価する第三者委員会の指導に基づきながらこの改善を進めていきたい、このように思っております。

神津委員 天下りで、一者応札で、この金額をため込んでいるというところで、既に旧建設弘済会と同じぐらいの利益留保金がたまっているところを非常に私は問題視しております。

 この点について国土交通委員会などでこれからも追及させていただくことをお伝えしまして、私の質疑を終わらせていただきます。

 本日はどうもありがとうございました。

根本委員長 これにて神津君の質疑は終了いたしました。

 次に、柚木道義君。

柚木委員 立憲民主党・無所属クラブの柚木道義です。

 質疑の機会をいただき、ありがとうございます。また、それぞれ、同時に、各大臣始め関係の皆さん、御出席ありがとうございます。

 ちょっと順番が前後するのは事前通告で言っておりますので、よろしくお願いいたします。

 まず、今日は、鈴木英敬内閣府政務官にお越しいただいておりますね。資料にも、一ページ目、二ページ目、おつけしておりますが、国から工事の受注を受けている会社から合計一千六十万円寄附を受けているという報道でございます。

 今日、総務省にもお越しいただいておりますが、一般論として、国と契約を結ぶ業者が国政選挙に関して寄附した場合、これは公職選挙法違反に当たるんでしょうか。御答弁をお願いします。

森政府参考人 一般論としてお答えをいたしますけれども、公職選挙法第百九十九条第一項におきまして、「衆議院議員及び参議院議員の選挙に関しては国と、」「請負その他特別の利益を伴う契約の当事者である者は、当該選挙に関し、寄附をしてはならない。」と規定をされているところでございます。

柚木委員 という、まさに今の解釈を踏まえて鈴木政務官に伺いますけれども、国からの公共事業を受注していた、これは知らなかったんですか。御存じだったんですか。いかがですか。

鈴木大臣政務官 お答え申し上げます。

 今御質問いただきました御寄附につきましては、いずれの会社につきましても、国からの公共事業を受注していたことは全く知らず、これらの寄附につきましては、九月二十七日に自民党三重県第四選挙区支部が新たに設立されましたので、立ち上がったばかりの同支部の政治活動に係る支援として御寄附をいただいたものと認識をしております。

 しかしながら、この度は、ひとえに当該会社が国から公共事業を受注していた事実に係る弊事務所の確認不足であり、深く深く反省をしておりまして、法には触れるものではありませんが、道義的な観点から、昨日十六日までに全額を返金しました。

 今後、再発防止の徹底なども努めてまいります。

柚木委員 道義的観点から、昨日までに全額返金をされたということなんですかね。

 しかし、鈴木政務官、知事を十年もお務めになって、私も当時、知事時代の御活躍を承知しておりますし、皆さん、普通、知事を十年もされて、地元の業者が十社、公共事業を国から受注しているのを全く知らないというのはあり得るんですかね。これはちょっとにわかに信じ難いです。普通の新人の議員さんじゃないですよ。しかも、寄附というのは衆議院の解散から選挙までの間に行われているわけですね。陣中見舞いじゃないですか、選挙への。

 まさに先ほどの総務省答弁にもありましたように、これは、寄附した側、された側、その意図、趣旨、使途、これらによってはまさに公選法違反に当たるわけですよ。

 政務官、知事を十年も務めた鈴木政務官が本当に知らなかったのか。そして、まさにこの寄附をされた地元の十社、知事時代から当然いろいろなところでやり取りをされてきたこの十社ですよ。これは、まさに国からの公共事業の受注も期待して寄附をしたと考えるのが普通じゃないですか。十年知事をされているんですよ。こういうふうに考えるのが、少なくとも、寄附をした側からしてみれば、そういうことを期待して寄附をしたと受け止めるのが自然じゃないですか。

 いかがですか、政務官。

鈴木大臣政務官 お答え申し上げます。

 先ほども申し上げましたとおり、私どもにおきましては、いずれの会社についても、国からの公共事業を受注していたということは全く知らず、寄附につきましては、九月二十七日に自民党三重県第四選挙区支部が新たに設立されたことで、立ち上がったばかりの同支部の政治活動に係る支援として御寄附をいただいたものと認識をしております。

柚木委員 政務官、昨日返金はされたということですが、しかし、当時は受け取っておられるわけで、この一千六十万円については、どういう使われ方をしたのか。これは選挙に使われている可能性もありますね。どういう使われ方をしたのか、御説明いただけますか。

鈴木大臣政務官 お答え申し上げます。

 御質問の寄附につきましては、政党支部の活動に対する寄附との認識と先ほど申し上げましたので、その支出につきましては、令和三年十二月三十一日までの政党支部の政治活動に対する支出又は翌年度への繰越しであるというふうに認識をしております。

柚木委員 これは選挙に使われていたとなると、まさに選挙に対する陣中見舞いを選挙に使っていたということで、まさに公選法上の使途、意図、趣旨、そういったものに該当するおそれがありますので。

 今、政党活動に充てて、繰越しもあるかもしれないという御説明でしたが、委員長、今の説明が真実であるかどうかというのは、まさに実際の使途を報告していただかないと私たちは分かりませんから、丸めて言われても。

 是非、この委員会に提出をいただいて、まさに選挙に使われていないのかどうかも含めて確認をいただかないと、返したらよいということではないと思いますので、是非、この委員会、理事会に提出をお願いいたします。

根本委員長 理事会で協議します。

柚木委員 政務官、道義的な責任、観点から全額返金を昨日付でされたということですが、知事を十年も務めて、鳴り物入りで国会に来られたわけですね。これは、本来であれば、本当に公選法違反であれば、議員としてのまさに立場にも当たり得る。

 そういうようなことにもなり得る中で、道義的な観点から返金されたというのであれば、まさに道義的な観点から、少なくとも政府の役職である内閣府政務官、これを辞任するお考えはありませんか。

鈴木大臣政務官 お答え申し上げます。

 先ほど委員からも御指摘がありましたとおり、道義的な観点から、法には触れないということでありますけれども、国の公共事業を受注していた事実に係る弊事務所の確認不足で深く反省をしているということでありまして、法に触れるものではないと認識しておりますけれども、道義的観点から、全額返金をさせていただきました。

 今後につきましても、再発防止の徹底を事務所にも指示をしたところであります。今後、より一層の緊張感を持って引き続き公務及び政務に努め、しっかりと職責を果たしてまいりたいと考えております。

柚木委員 鈴木政務官、先ほどの秋本政務官といい、本当に、まさに政府の役職にある方が、こういった形で、今日通告もしているので、秋本政務官、ちょっと後でできればやりますけれども、秘書給与の迂回献金というか迂回寄附というか、こういうような疑惑も今週の文春にも報道されている。

 これは本当に襟を正していただかなければなりませんし、鈴木政務官については、先ほどの、本当に、使途が、選挙に使われていないのかどうなのか、一千六十万円。陣中見舞いですよ、普通考えたら。これについてもちゃんと委員会に提出をいただいた上で、更に、私たち、この不正の疑惑についてはただしていきたいと思いますので。

 鈴木政務官におかれましては、ここまでで結構です。ありがとうございました。

 それから、ちょっと順番を変えて、マスク着用ルールの緩和についてお尋ねを申し上げます。

 まず、永岡文科大臣、前回の私への答弁、これを私に答弁した後に国会外で事実上撤回する、そういうことはやめてください。国会の意味がありませんから。その後緊急会見をやって、何も決まっていないと。何だったんだとなりますので、この国会での答弁。国民に対する説明責任を果たす場ですから、よろしくお願いします。

 それで、卒業式、卒園式が間近に迫っております。私も上の娘が卒業式を初めて迎えるわけですが、学校現場で、私もいろいろその後も話を伺うと、もう既に、私が質問した時点で準備に入って、練習に入って、そういう状況の中で、この二月の十日に通知が出て、さらに十三日に追加通知。もう既に大混乱なんですね。

 確かに、一生に一度の卒業式、卒業写真をノーマスクで、こういった親御さんの思い、私もまさに卒業生を持つ一人の親として共有できるものであります。

 同時に、こういう御意見もあるんですね。高齢者や持病のある御家族や、医療、介護などエッセンシャルワーカーとして働かれている親御さん、御家族と同居していたり、あるいは、特に中高、まだ受験を控えているお子さん、その親御さん、大変不安がある。

 そういう中で、今回、このタイミングで通知を出し、また、新年度初め、社会全体のマスク着用ルールが変更することに合わせてルール緩和ということではなくていち早く、三月十三日以降、特に卒業式はもう三月の上旬から始まりますから、このタイミングに合わせて、なぜ一般の社会より早くマスク着用ルールを緩和してしまうのかという意見があることも事実です。

 これについて、学校現場から、保護者から、私もその後、様々な意見をいただいておりますので、文科大臣からの御説明をお願いいたします。

永岡国務大臣 お答え申し上げます。

 卒業式につきましては、他の学校教育活動と比べて感染リスクが低いこと、また、今年卒業を迎える子供たちは学校生活の大半をコロナ禍で過ごしてきたこと、また、そういうことを踏まえまして、教育的意義も考慮し、そして、社会一般でのマスクの着用の見直し時期にかかわらず、換気の確保等の感染症対策を講じた上で、児童生徒、教職員はマスクを着用せず出席することを基本とすることといたしました。

 なお、卒業式のマスクの着用の見直しにつきましては、二月八日の厚労省のアドバイザリーボードにおきましても、地域における流行が落ち着いた状況下では、卒業式や入学式等の式典において、参列者がマスクを着用しなくてもよいこととすることも考慮され得るとの見解が示されたところでございます。

柚木委員 今の教育的な意義というか配慮、それから感染リスクの部分については理解もできるんですが、今後、今日の資料の七ページ目にもつけておりますが、留意事項の中にこういう記述があります。基礎疾患があるなど様々な事情により、感染不安を抱き、マスクの着用を希望したり、また、健康上の理由によりマスクを着用できない児童生徒もいることなどから、学校や教職員がマスクの着脱を強いることがないようにすること。また、児童生徒の間でもマスクの着用の有無による差別、偏見がないように、これは当然、等の中にいじめ等も入ると思います、これは不登校等につながりかねませんから、適切に指導を行うことということでございます。

 これは今後改めて現場に通知を出すということですので、文部科学大臣、四月一日以降に向けて新たに通知、昨日ちょっと通告レクで言っていたら、三月中旬とか、遅過ぎますよ。そんなもの、四月から、準備しているんですから、もう先生方も。是非今月中には、少なくとも、今のような留意事項についても、つまり、今、ちょっと脱マスクに向けて非常に、報道ぶりも含めて流れが行き過ぎている面を不安だ、懸念だと思っている方もおられるし、マスクを外すことについての世論を見ても、やはり慎重な方は依然として多いんですよね。

 ですから、着脱どちらであってもまさに差別、偏見等がないようにというトーンを、文科省から学校現場、児童生徒、あるいは保護者にも強くメッセージを発信していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

永岡国務大臣 四月一日以降の学校教育活動の実施に当たりましては、マスク着用を求めないことを基本としつつ、基礎疾患等の様々な事情によりまして、感染不安を抱き、また、引き続きマスクの着用を希望する児童生徒に対しまして、適切に配慮するとともに、換気の確保等の必要な対策を講じることとされております。

 四月一日以降の新学期におきますマスク着用の考え方につきましても、お示しする際に、しっかりと、先生がおっしゃいましたようなことを徹底してお知らせするということにさせていただきたいと思っています。

柚木委員 早くお願いしますね。三月中旬では遅いですよ、早く。今うなずいていただきましたので、もう今月中には出していただけると思います。

 加藤大臣、このマスク着脱、これは飲食店等もまさにこの間非常に御苦労をされて、私もいろいろな現場からもお話を伺ってまいりましたし、与野党を問わずたくさんの質問や要望がありまして、対応いただいていると思うんですが、今回、三月十三日以降に向けて、東京都がこれまでの感染防止認証店の基準からマスクの項目を削除したり、そして、マスク着用のお願いポスターの配布も取りやめるということで、一気にまさに脱マスクに向けて動き出している。

 一方で、お店側の判断でお客さんや従業員にマスク着用を求めることも可能と。これは、脱マスクの流れにばっと行って、本当にそれが可能なのかなとも思うわけでありまして、この間、マスク着用については本当に様々な、公共交通におけるトラブルとかがあって、お店においてもですよ。この今の流れでいくと、これは非常にお客さんとお店の間でのトラブルの原因に、私は、なりかねない。お店からもそういう声、不安を聞いております。

 よって、是非お願いしたいんですけれども、こういったトラブルの防止には、お店の要請にはお客さんが従っていただけるようにという方針を、これは一定程度、私も指針の中には含まれていると思うんですが、より明確に、トラブル防止のためには、マスクの着用を今後も、感染再拡大の場面も含めて、お願いする場面があり得るわけですから、しっかりお店の要請に従っていただけるように、方針を明確に示すべきではないでしょうか。いかがでしょうか。

加藤国務大臣 今お話がありましたマスク着用については、三月十三日から、屋内では原則着用、屋外では原則不要という現在の取扱いを定め、行政が一律にルールとして求めるのではなく、個人の主体的な選択を尊重し、マスクの着用は個人の判断に委ねること、これを基本とさせていただくわけであります。

 ただ、今お話があったように、飲食店を始め、特に直接利用者の方と相対する、こうした業種においては、利用者との間で様々なトラブルや混乱があることの懸念、これを十分想定しながら、丁寧な対応をしていく必要があると考えています。

 そうしたことから、現在、各業界において必要に応じた業種別ガイドラインを作っていただき、その中にはマスクに関する規定も多くございます。したがって、それを変更して、利用者や従業員等にまずその内容を周知していただくことが必要であります。

 また、政府としては、業界団体からの相談等にも丁寧に対応することはもとより、事業者が感染対策上又は事業上の理由等により利用者等にマスクの着用を求めることについては、この間お示しした中では、それは許容されることでありますということを明らかにさせていただいておりますので、そういった点も含めて、マスクの着用について、様々な混乱が生じないよう、国民の皆さんの理解をいただきながらそれぞれが御判断いただけるよう、周知啓発をしていきたいと考えております。

柚木委員 これはお願いします。許容されるわけですね、お店がお客さんにマスクをしてくださいと言うことについても。

 こういう形で、厚生労働省から、三月十三日からマスクの着用が個人の判断、今の趣旨の答弁を、より周知徹底いただくためには、今後、このチラシが改定される際には、例えば、通勤ラッシュのときなど混雑した電車、バスに乗車するときとかとあるんですが、私もよく電車を利用しますけれども、皆さん、余りしゃべっている方はおられませんよね、マスクもしているし。

 混雑したお店でしゃべって、ようやく、それは新年度で、これからまさにそういう歓送迎会も増えてきて、しゃべっている店の方がよほど感染リスクが高いと思いますよ。混雑しているお店でマスクを外して皆さんが歓談されるような場面では、場合によってはマスクの着用ということも店が求められることも含めた、改定後、今後そういうことも是非御考慮いただきたいと思います。

 それで、それを御考慮いただくんですが、五月八日以降、感染症法上の五類に、二類から五類に、インフルエンザと同じような扱いになって以降、しかし、そういうお願いを、仮に感染再拡大があったりして、マスクの着用を再びお願いしますとやっても、これは法的根拠という部分でいうと、なくなるということになるんですか。いかがですか。

加藤国務大臣 今の点、よくそうした理解が進むようにしてまいりますが、ただ、ちょっと違うのは、満員電車は、しゃべるしゃべらないじゃなくて、高齢者の方々、リスクの高い方を守る。そういった意味では、どうしてもその時間に乗らなきゃいけない高齢者がおられるのでという、高齢者施設とか医療と同じような考え方なので、若干そこは違うということは申し上げておかなきゃいけないと思います。

 その上で、五月八日以降は、新型コロナを感染症法上の五類感染症に位置づけることに伴い、新型インフルエンザ等特別措置法に基づく基本的対処方針、これはなくなりますので、今は対処方針に基づいてマスクの着用等をお願いさせていただいているわけですが、その根本が消えてしまう。

 このため、インフルエンザ等と同様、感染症法に基づく感染症対策の一つとして政府からマスクの着用の勧奨を、推奨を行っていくということで、五月八日以降も、先ほど申し上げた高齢者施設、医療施設あるいは満員電車等々についてお願いをし、またさらに、感染状況に応じては、一時的に、場面に応じた適切なマスクの着用を国民にお願いしていくということがあるということでございます。

柚木委員 これはまさに感染症法上の、新型インフルエンザ特措法に基づく基本的対処方針の中のマスク着用の法的根拠がなくなるということですから、今後再拡大した場合のマスク再着用のお願いを要請した場合にも、なかなか実効性に、私は、どこまであるのかなという不安もありますので、そういった点も含めて、是非しっかりとした対応をお願いします。

 その中で、ちょっと象徴的なことで一つ、医療現場でこういうことが起こっているんですね。

 これは今週の週刊の文芸春秋にも、先週号にも書いてありますが、国立病院機構で看護師さんたちが一斉退職。これは、以前も東京女子医大で、私、プロポフォールの過剰投与で二歳の男の子が亡くなってしまった事件についても国会質疑を何度もしましたけれども、あれも現場のガバナンス、人手不足の問題も起因しているんですね。そういうことにもつながりかねない一斉退職、現場の看護師さんからもお話を聞いております。

 大臣、私、独立行政法人の通則法も一通り目を通しまして、主務大臣としての違法行為等への是正等、やはり監督指導義務もありますし、国会への報告等の規定もあります。実際に、出産をする、小さなお子さんがいる、それなのに希望しても時短が取れない、夜勤も強要されかねない、されている。有休を取って辞めるということもできない、あるいは残業代も申請できない。

 様々な、私も実際に現場の声を聞いておりますし、記事の中でも、これも通告時に担当の方に渡しておりますので、実際にそういう方がたくさん、この報道があった後に問合せ、名のりを上げている。こういう状況でもありますので、実際に、もちろん、国立病院機構側はもとより、当事者の声を何らかの形でお聞きいただきたいんですね。あるいはお調べをいただきたいんですね。

 そして、このままいくと来年度は定員割れみたいな形になって、まさに現場の声は、救急とかICUとかから一般病棟に移ってもらわないと、救急を受けられませんから、救急のたらい回し、運転手さんが過労で居眠りして事故を起こす、こういうことにもつながりかねない実態が刻々と迫っているという危機感を現場は持っておりますので。

 特に、五類移行後もそうなんですね、医療機関は増えませんから。増えると政府は言っていますけれども、現場を回っていると、逆ですからね。減りますから、予算を減らされれば。

 ですから、是非、しっかりと当事者、現場の声を聞く、何らかの形で調査をして把握をしていただいて、これが仮に労基法、育児・介護休業法違反に当たるような場合には適切な対応、指導を取っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

加藤国務大臣 ちょっと私も報道を全部見ているわけではありませんが、報道には、かなり看護師さんが国立病院機構で多く退職している、こういう趣旨だったと思います。これについては、今、国立病院機構において事実関係等を確認しているというふうに承知をしております。ただ、他方、例年、一定程度退職者がおられるというのは事実であります。

 それを踏まえて、厚労省として、先ほどお話のあった独法通則法というのがありますので、それをしっかり踏まえながら、適切な対処をしていきたいと思います。

 その上で、多分委員がおっしゃったのは、退職の背景にある法令違反等ということなんだろうというふうに思います。

 看護師の方も含めて、現場で働く方々の職場環境が適正に保たれること、そして労働関係法令がしっかり遵守されること、これは大変大事なことであります。

 労働関係法令違反が疑われる場合には、労働基準監督署あるいは労働局において指導を行うなど、必要な対応をこれまでも行っておりますが、引き続き、様々な情報を収集しながら、法の履行確保を図っていきたいと考えています。

柚木委員 私も、この今の違法な状況が是正されるかどうか注視してまいりますので、しっかりとした対応をお願いして、次の質疑に入ります。

 文科大臣、LGBTのまさに理解増進法についてのやり取りも今日させていただくわけですけれども、これは、そもそも統一教会が、こういったLGBT理解増進法、あるいは選択的夫婦別姓、同性婚等に、私もいろいろな関連の関係誌の報道も読みましたけれども、大反対キャンペーンを張ってきたんですね。

 こういったことも影響しているのではないかと思われるわけですが、ちょっとその質問に入る前に、そもそも今、旧統一教会に対する解散命令請求、これは本当にどういう状況なのか。しっかりとお願いをしたいんですね。

 四回目の質問権行使ということが報道もされていますが、昨日、国対ヒアリングで、まさに宗教二世の小川さゆりさん、それから全国弁連の阿部弁護士等もお越しになられた中で、私も本当に驚きましたけれども、旧統一教会は、五月の七日に韓国で、数千人とか数万人規模とかも想定される合同結婚式を開催する。これは、百八十三万円ですか、文鮮明さん、韓鶴子さんの年齢を合わせて。その献金を、さらに、宮殿を建てるために増額要請をしていて、それを海外に持ち出す、外為法にひっかからない範囲で。しかし、数千人とか数万人が持ち出したら、数億円、数十億円とか大変な金額になりかねませんよ、これは。

 財産保全のことが非常に、解散命令請求、解散命令がされた場合に、返金請求をする場合に重要な論点になっている中で、もちろん、婚姻の自由はありますから、しかし、この合同結婚式に参加を強要するということは、これは違法でございますし、最高裁でも違法な判決認定がされています。

 これは、合同結婚式自体が駄目だということは言えないにしても、質問権行使のさなかにあって、まさに返金請求があった場合の資金の元手となるべく、そのお金が海外に持ち出されるというような形が取られること自体、ちょっと私は、どうなのかな、質問権行使中にあって。

 これは、文科大臣、こういうことの受け止めは、どんな感じで受け止めていらっしゃいますかね。

永岡国務大臣 柚木委員のおっしゃいます統一教会の動向につきましては、国会で、委員各位からの御指摘によりまして承知をしているところでございます。

 いずれにいたしましても、報告徴収、質問権の効果的な行使等を通じまして、統一教会の業務等に関して、具体的な証拠、そして資料などに伴います客観的な事実、これを明らかにするための対応をしっかりとしてまいる所存でございます。

柚木委員 これは非常に注視いただきたいと思いますよ、献金持ち出しという形で海外に。その後の財産保全に関わりますから。

 それで、ちょっとごめんなさい、忘れかけていたんですけれども、追加通告していたのを一問だけ、忘れる前にやってしまいますので、お願いします。

 ちょっとごめんなさい、話題が変わります。「はだしのゲン」、これは追加しておりましたので、忘れてしまいますので。

 広島、岸田総理のお膝元で、広島市の教育委員会で、これが教材から外れるという報道を見て、私もちょっと驚きました。作品、これはたしか世界二十六か国語ぐらいに翻訳されていますね。これがなぜ外れることになったのか、文科省に相談、報告等があったのか。

 ちょっとこのタイミングで、これからG7広島サミットで、まさに世界唯一の被爆国として、岸田首相が核の不拡散等いろいろな訴えもされていかれる中で、「はだしのゲン」、これは本当に読まれた方も、私ももちろん読んでいますが、多いと思いますよ。なぜ外されることにこのタイミングでなったのか、御説明いただくことは可能ですか。

永岡国務大臣 御指摘の事案は報道で承知をしておりますが、これ以上の詳細は把握はしておりません。

 コメントは差し控えさせていただきたいと思っておりますが、その上で、一般論として申し上げれば、こうした補助教材につきましては、地域や学校、児童生徒の実態等に応じまして、教育委員会や、また校長が、その責任の下、教育的知見から見まして有益、そして適切なものとしてその内容等を決めるものである、そう考えております。

柚木委員 それは私も承知しておりますので。

 是非、これは国内外に向けて、日本が唯一の被爆国として、まさに世界中に翻訳をされて、この「はだしのゲン」、私も初めて読んだとき、本当に衝撃を受けたのを今でもはっきり覚えております。何か、戦争の悲惨さとか原爆の悲惨さを伝える、そういう教育が薄まっているような印象を国の内外に決して与えないようにお願いをしたいと思います。

 ちょっと質問を戻ります。

 LGBTの理解増進法については、まさに超党派の議連で、岩屋毅先生、今回こそは成立をさせたいということを、先ほども私にわざわざ直接おっしゃりに来られました。

 これは、元々大臣も、このLGBTの理解増進という立場は、賛同する立場でよろしいんですよね。

永岡国務大臣 お答え申し上げます。

 御質問のLGBT理解増進法案につきましては、議員立法と承知をしております。各党及び、それから国会の中でお決めになることでございますので、私としてはコメントは差し控えさせていただきたいと思っております。

柚木委員 是非、高市大臣も個人の御意見は開陳されておられますから、大臣として、個人としての意見を是非述べながら、おっしゃっていただきたいんです。

 なぜならば、これは今日も資料につけておりますけれども、ちょっと何ページ目かはあれなんですけれども、要は、学習指導要領の関連で、教科書自体への、例えば性の多様化に対する記述は大変増えているんですね。ただ、学習指導要領に対する記載ということになると、これは専門家や学者さんからも、そういった記載がない中で、実は、そういったことを子供たちに教えるための研修が教員の中である、参加率も低いんですよね。

 したがって、これはもちろん、私たちが絶対こうだというものではありませんが、こういう学習指導要領への記載も含めて、性の多様化についての理解が深まるような御検討をいただくという必要性については、大臣、御認識はいかがでしょうか。

永岡国務大臣 学習指導要領には、性の多様性に関連します記載はございませんが、児童生徒の発達を支えます指導の充実といたしまして、個々の児童生徒の多様な実態を踏まえまして、一人一人が抱える課題に個別に対応した指導を行うなどを明記されております。児童生徒の実態に応じまして、一人一人に性の多様性に関する指導を行うことができるようにしているというわけでございます。

 また、教科書におきましては、学習指導要領における記載を踏まえて、性の多様性について取り上げられている例もございます。さらに、児童生徒にきめ細かな対応が行われるように、教職員の理解促進のためのパンフレットの作成、そして、教職員向けの啓発資料や研修動画の作成、周知といった取組に加えまして、昨年十二月に改訂いたしました生徒指導提要におきましても、性的マイノリティーに関する記載の追加等を行っております。

 以上です。

柚木委員 ちょっと時間がありませんので、東京オリパラについて伺います。

 二月十三日、米山委員への永岡大臣の答弁、国費が過大に支出されている場合には返済を命じるなどの、法令等にのっとって厳正に対処する。これは、具体的にどのような法令にのっとって、どういう手続で、どういうタイミングで、国民は、一兆六千億円もの公費が支出されたこの五輪、私物化された、私腹を肥やされた、この税金を取り戻すことができるんでしょうか。お願いします。

永岡国務大臣 東京大会に係ります国費の負担分につきましては、文部科学省から東京都に造成されました基金に拠出をしております。組織委員会に対しましては、東京都の基金から負担金として支出をされているところです。

 事実関係が明らかになっていない中、国費返還につきましては確定的なことは申し上げられないわけでございますが、例えば東京都が、組織委員会から負担金の返還や、また、不正行為を行った企業から賠償金等相当額の返還を受けた場合に、国費相当額が含まれていると認められれば、東京都に対しまして国費の返納を命じることが想定をされるわけでございます。

 なお、具体的な返納の手続や国庫への返納金額の算定につきましては、今回の談合事件の事実関係が明らかになった上で適切に対応されると考えております。

柚木委員 ありがとうございます。

 最後に、官房長官、済みません、私、昨日聞いて驚いたんですよ。文科省が、ガバナンス改革の方針、私もるる説明を聞きましたが、東京オリパラについては何ら責任を問えません。今日の報道でも、元次長は、逮捕されて、今取調べを受けて、上司に報告しているじゃないですか。

 文科省に任せていたら、やりませんから。昨日、通告でもはっきりしましたよ。東京五輪に特化した調査検証委員会をつくってくださいと言ったら、つくらないんですよ。

根本委員長 申合せの時間が過ぎておりますから、おまとめください。

柚木委員 是非、政府として、原発の事故調のような形で、第三者機関、権限、調査権を持った東京五輪調査検証委員会なるものを設置いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

根本委員長 もう時間が過ぎておりますので、簡潔にお願いします。

松野国務大臣 お答えをいたします。

 今回の一連の事案については、既に刑事手続中であり、東京都においても契約手続等に関する調査を行っていることから、政府としては、その過程を注視していくべきと考えております。

柚木委員 是非、それでは国民は納得できないと思いますので、今後善処をお願いして、質疑を終わります。

 秋本政務官、済みませんでした。国家公安委員長も、済みません。

 ありがとうございました。

根本委員長 これにて柚木君の質疑は終了いたしました。

 次に、沢田良君。

沢田委員 日本維新の会、埼玉の沢田良です。

 連日、予算委員会は開かれております。関係各所の皆さんの御尽力に敬意を表しますとともに、本日は、委員会の在り方、皆さんの働き方についても議論をさせていただきたいと思っております。鈴木財務大臣、河野国家公務員制度改革担当大臣、小倉將信内閣府特命担当大臣を始め、根本委員長、関係省庁の皆様、委員部の皆様、本日はよろしくお願いいたします。

 私は、当選して間もなく一年半が過ぎようとしておりますが、実際に国会という場に来て初めて気づいたこと、理解したことがたくさんありました。また、多くの国家公務員の方々が見えないところで支えてくださっていることを実感いたしております。

 そんな中で、特に強く感じたこととして、総理や閣僚といったリーダーたちが慣例や通例、儀式的なことに縛られていて、真に全力を尽くせる環境になっていないだろうか、また、優秀な官僚がまさに彼らにしかできないことに集中できる環境になっているんだろうかということを感じることがございます。

 私は、一野党の議員でもございますが、一日本国民でもございます。政権政党たる今の政府の皆さんが全力を尽くす環境でこの国を維持してくれるということは、一国民としても望んでいることであります。是非それもお願いしたいということです。

 鈴木財務大臣は、予算を所管する大臣ということで、ほぼ毎日のように朝九時から夕方の五時まで委員会に出席をされておりますのを私も中継等で拝見しております。以前はニュースで私も切取りした映像でしか見ていませんでしたから、九時から五時まで集中して立たれている大変さということは知る由もございませんでした。ただ、今は、質問する側として、本当に体力も精神力も大変使うものだということが分かりました。質問のたびに立ったり座ったりというのも、ほぼ一日中となれば、総理なんかは、立ったり座ったり、立ったり座ったり、お体の御負担、膝が痛くなるということも当然あると思うんですね。

 大臣にまず確認をさせていただきたいんですが、例えば、予算委員会が朝九時から十七時で開かれる場合、打合せを含めて何時から準備に入り、委員会が終わった後、何時くらいまで業務があるんでしょうか。

    〔委員長退席、堀井委員長代理着席〕

鈴木国務大臣 今日は予算委員会ですが、今日は午前中三時間ですが、通常ですと、やはり九時から五時までというのが普通のフルタイムの形だ、こういうふうに思っております。

 いつから答弁のレクチャーを受け、打合せをするかということにつきましては、その時々によって違いますが、例えば、今日は午前中三時間ですが、午後一時から財務金融委員会があります。そして、金曜ですので、閣議と記者会見がありまして、その時間を取られましたので、朝六時から打合せをいたしました。

 終わった後も、今日はありませんけれども、官邸におきます会議がしばしば委員会が終わった後に設置されますので、それに出席するということがあります。おおむね七時近くまでは仕事をしているということだと思います。

沢田委員 大臣、ありがとうございます。

 まさに今おっしゃったように、六時から十九時ですか、普通に考えればかなり大変な仕事量になります。それ以外にも、ルーティンワーク以外に公務や立場上必要なおつき合いなどを重ねれば、非常にハードな環境になります。

 よく、大臣が寝られているとか、言葉の言い間違いの揚げ足を取る方もいらっしゃいますけれども、私は、こういった環境で当然起こるべきことが起こっているんじゃないのかなというふうに思います。

 年間二千二百万円も国会議員は私を含めてもらっているんだから、しっかりそういうことをやった方がいいんじゃないかという声も当然いただきます。ただ、大事なことは、それだけ多くの税金を我々は預かっているわけで、結果を出さなければなりませんし、結果を出すためにこそ、一般常識的に考えて、集中できる限られた時間、ベストな環境で取り組むことが必要だというふうに感じております。そういった意味でも、全ての国会議員が問題意識を持ってこういった委員会の在り方を考え直す必要があると感じています。

 また、忘れてはいけないのは、大臣がそれだけ早くから準備をされるとなれば、それを支える財務省の皆様はそれよりも前に準備の準備をされているということです。また、後半もそうですよね。十九時のままに帰れるわけではなく、またそこから、ほかの政党に対するレクの準備であったり、そういった下準備も始まります。

 現在、政府としては、働き方改革を掲げ、推進しておりますが、大臣を支える官僚の皆様の業務量が過剰になっているのではないかというところも個人的には心配しております。

 鈴木財務大臣に質問です。

 大臣として、国民のためにベストを尽くすために、今のままで本当にいいと思われますでしょうか。また、大臣として、日々財務省の皆様と接しておられますが、特に委員会の開催時における職員の皆様の働き方について御意見などございましたら教えてください。

    〔堀井委員長代理退席、委員長着席〕

鈴木国務大臣 沢田先生御指摘のとおり、私以上に、職員の皆さん、秘書官を始め、国会連絡室の皆さん、質問取りの皆さん、大変な業務量である、そういうふうに思っております。

 しかし、公務員として質の高い政策の立案それから実現をしっかりとやっていただくということ、これも重要でございまして、財務省といたしましても、まず自ら、国会対応業務の改善を重要な課題として捉えておりまして、ワーク・ライフ・バランス推進に向けた政府全体の取組方針を踏まえまして、業務効率化、デジタル化の推進、勤務時間の適正な管理など、職員の皆さんが効率的な働き方をしながら成果を上げるための環境整備、これにしっかりと取り組まなければいけないと思っておりますが、現実はなかなかそうなっていないというのが実情であると思っています。

沢田委員 御丁寧にありがとうございます。

 まさに、御自分の御意見というよりも、職員の皆さんを案じられるようなことをおっしゃっているので、そういった意味では、大臣が先頭を切っていただいて、ここはつらいんだよということであったり、そういうのを公の場に向けて発信していただくことも大事だと思います。

 私、実は、公務員の皆様の働き方について、自分自身が公務員をやったことがなかったので、よく分からないときに勉強させていただいたきっかけというものが、本日来ていただいております河野大臣の発言でした。

 二〇一九年に外務大臣を務められた際、外交演説において、外務省職員の残業時間について言及し、優秀な人材を集めるためにも、労働環境の整備、今で言う働き方改革が必要であることを述べられていたことには、正直、大きな気づきをいただきました。

 また、昨年の臨時国会における国家公務員の国会対応業務についても、委員会立てが開会前日になることなどを背景とした質問通告の遅れが国家公務員の皆様の長時間労働あるいは過度な残業につながっているといったお話を会見でなさっているのを聞いて、私たち日本維新の会が質問要旨を二日前十七時までに出すというルールを今行っているんですけれども、これを全国会議員に広げていけるよう、当然できない部分もあるかもしれませんけれども、しっかりと信頼関係を持って動いていくためにも、私自身も個人的に働きかけていくことが必要だというふうに感じました。

 質問なのですが、河野大臣は、予算委員会のように、九時から十七時、総理を含めた閣僚が拘束をされることによる公務員の皆様の御負担をどのようにお考えでしょうか。また、国家公務員の働き方改革においてほかに問題意識がある部分がございましたら教えていただければと思います。

河野国務大臣 国家公務員に優秀な人材を集めるというのは大事だと思っておりますが、その中で国会対応業務というのは非常に負担が多い業務になっております。

 臨時国会の調査によれば、前日の夜六時以降の質問通告というのが全体の六%ありました。自動的にそれで残業になってしまうというのは、ここは国会の御理解をいただきたいところでございまして、前々日、あるいは前々日の正午までの質問通告をいただければ、恐らく国会対応というのは随分変わってくるんだろうと思っております。

 また、オンラインによる質問レク、あるいはファクスではなくメールによるコミュニケーションということができれば、大分働き方改革は変わっていくのではないかと思っております。是非国会の御理解を賜りたいと思います。

沢田委員 大臣、ありがとうございます。

 私は、予算委員会の問題だけでなく、国家公務員の働き方を議論する上において国会改革というテーマは切り離せないというふうに考えております。

 河野大臣も国会改革についてたくさん発信をされていると思います。民主党政権時代の二〇一一年には、国会改革勉強会において、やじと暴言に対する、こういったことを変えていこうとか、党議拘束の緩和であったり、党首討論を毎週夜八時に開催など、こういった大きな五項目の提言、そして国会改革の方向性については、私自身も大変共感を覚えるところでございます。

 特に、夜八時に党首討論をするアイデアというものは、国会をより透明で、国民の皆様に関心を持ってもらえるようにするためにも大賛成というふうに思うんです。

 さらに、通年国会、また、自由討議の復活、そういうことに関して、ペーパーレス化の徹底、そしてオンラインによる審議、国会運営のリモート、IT化、与野党の国会審議よりも日程闘争を優先する現状を改めるといったこともやっていくことで、少しずつ、公務員の皆さんの在り方と国会自体の中身の集約化、こういったものが図れるというふうにも考えております。

 国会の運営については国会で定めるべきこととは当然承知しておりますが、国家公務員制度改革を推し進める上で、国会改革の必要性、また、今後取り組みたいアイデアなどがございましたら教えていただければと思います。

河野国務大臣 国会の運営につきましては国会でお決めになるというのはもちろんのことでございますが、やはり、霞が関の働き方改革、これは国会改革と裏表の関係にあるというふうに思っておりますので、是非働き方改革にも御留意をいただいた国会運営というところに御配慮を賜りたいと思っております。

沢田委員 大臣、ありがとうございます。

 次に、政府税調における退職所得課税に関する議論についてお伺いします。

 少し前にツイッターで、退職金税という言葉が話題に上がっておりました。元ネタをたどりますと、昨年十月に行われた政府税制調査会、その中の退職所得に対する課税の在り方について、これに対してのスタートだったということになっております。

 そこで、退職所得に対する課税の議論はどのようなものだったのか、また、鈴木大臣は、現在、退職所得に対する課税についてどのような御認識をお持ちなのか、教えてください。

鈴木国務大臣 退職金への課税につきましては、勤続年数に応じまして一年当たりの控除額が変化するという仕組みとなっております。具体的には、勤続期間が二十年を超えると、一年当たりの控除額が四十万円から七十万円に増加するということになっております。

 こうした点については、政府税制調査会においてこれまで議論をしていただいているところであり、令和元年九月の中間答申におきましては、勤続期間が二十年を超えると一年当たりの控除額が増加する仕組みが、転職の増加など働き方の多様化を想定していないとの指摘があり、退職金も含めた賃金形態の多様化や転職機会の増加などが進む中、給与、退職一時金、年金給付の間の税負担のバランスについても、働き方やライフコースの多様化を踏まえた丁寧な検討が必要であるとされているところであります。

 そして、昨年十月の政府税制調査会における所得課税に関する議論の中でも、委員から、労働移動の弊害にならないよう、個人の多様な働き方や選択に中立的な税制とする観点から、退職所得の控除額については、勤続年数で差を設けずに一律とすべきといった指摘があったところであります。

 退職金の課税の在り方につきましては、こうした指摘や与党税制調査会における御議論も踏まえつつ、働き方によって有利、不利が生じない公平な税制を構築する観点から、政府としても引き続き丁寧に議論をしてまいりたいと思っております。

沢田委員 大臣、御丁寧にありがとうございます。

 そして、政府税調の資料でも書かれておりましたが、退職金は、一般に、長期間にわたる勤務の対価の後払いとしての性格ということが載っております。現状として、退職金制度を持たずに手取りを多く払う会社というものが徐々に増えているというふうに感じております。また、それが加速した際に考えなければいけないのが、実は、国家公務員の退職金制度というものについて穴があるのではないのかというふうに感じております。

 もちろん、民間と公務員とでは根本が違いますので、完全なる比較はできないのは承知しております。ただ、現状の国家公務員給与の基準を決める人事院の勧告は、民間の給与と連動しています。そして、民間の退職金は、長期間にわたる勤務の対価の後払いとしての性格があるよう、給与と一体化しています。ただ、国家公務員の退職金は、長期勤務報償としてのたてつけとなっていることから、人事院の管轄から離れており、給与に連動していても、一体化での考えではありません。

 こうなると、どういうことが想定されるかというと、民間の退職金分のお金がどんどん給与に反映されると、民間は、当たり前ですけれども、給与が増えて退職金が減ります。ただ、国家公務員は給与も増えて退職金も増えてしまうということが今の制度上起こります。

 以上のように、今の運用では大きな格差につながる可能性があります。河野大臣はこれをどのようにお考えでしょうか。

河野国務大臣 国家公務員の退職手当、あるいは国家公務員の給与、これは官民均衡でなければならないということになっております。

 退職金水準は五年ごとに見直しをしておりますが、その際、官民均衡ということを含めて、しっかりと民間の動きというのを見てまいりたいというふうに思っております。

沢田委員 ありがとうございます。

 続きまして、少子化について質問させていただきます。

 二〇二一年における出生数は、八十一万一千六百二十二人。そして、二月五日に加藤厚労大臣は、岡山市内の講演で、七十七万人前後に二〇二三年はなるのではないのかというふうにおっしゃっておりました。

 まさに有事とも言える少子化ですが、小倉大臣は、現在このような少子化がなぜ起こっていると考えますでしょうか。また、その結論に至るためにどんな調査をされているのか、教えてください。

小倉国務大臣 まず、少子化の背景ですが、出会いの機会の減少、若者の経済的な不安定さ、子育てや教育にかかる費用負担の重さですとか、男女の仕事と子育ての両立の困難性など、個々人の結婚や妊娠、出産、子育ての希望の実現を阻む様々な要因が絡み合っているもの、こう承知をしております。

 こうした要因の分析をどういうふうに行っているかというお問いでありますけれども、適切な標本抽出がなされております国立社会保障・人口問題研究所の出生動向基本調査等を活用しております。また、内閣府におきましても、例えば、適切な標本抽出に十分留意して実施しております少子化社会対策に関する意識調査ですとか少子化社会に関する国際意識調査など、若者や子育て世代を対象とした各種の意識調査を実施をしていることに加えまして、私自身も、若者や子育て当事者、子育て支援者などから直接お話を伺う機会を積極的に設け、要因の様々な分析を行っているところであります。

沢田委員 ありがとうございます。

 私も、有識者の方やいろいろな国会議員の方の御意見を伺っていますと、それはどこのファクトなのかなというふうに感じることも多かったり、仮説にすぎないのではと思うことも多々ありました。

 特に、私も子育て世代で、今十一歳と八歳の子供がいる。同世代の声というのはいろいろな場所で聞くことがあります。そこで感じるのは、本当に人それぞれの意見があるなということと、人に話したくないようなデリケートな話、げすな話というんですか、そういうものも結構あって、こういったことを簡単に調べられるかというと、大変難しいのではないのかなというふうに思っております。

 そういった中で、やはり、今、アンケートであったりとか調査、これは量も質も確定たり得る情報としては足りていないのではないのかというふうに感じております。そんなときに、マイナポイントをヒントに、アンケートに答えてくれたら何々ポイント付与という形で、国民の全員とはいかないまでも、大変多くの方からアンケートを集めることができるのではないかなというふうに思いました。

 河野大臣にお伺いいたします。

 マイナポータルの機能を使って少子化のニーズを国民の皆様から直接調査を取ること、例えばアンケートにお答えいただくといったことは技術的に可能でしょうか。

河野国務大臣 マイナポータルを利用して国の行政機関あるいは自治体がアンケートを行うこと、これはできます。デジタル庁にお問合せをいただければ、やりたいと思います。

 ただ、これはなかなか、属性で相手を切るということができません。それから、マイナポイントを付与ということになりますと、これはまたこれで労力がかかりますので、やり方その他は御相談をさせていただく必要があると思います。

沢田委員 ありがとうございます。

 ただ、私、大事なことは、少子化対策の中で、我々政治の現場がいろんな情報をどうしていこう、どうしていこうといっても、最後の最後、えいやとして動くのは国民の皆様だと思うんですね。この国民の皆様を巻き込んでいくという作業、これはすごく大事だと思っていて、このためにも、アンケートに答えていただく、当事者意識を持っていただく、真剣に政治の側も国民の皆様の側も一体になって考えていくということのきっかけに、こういったアイデアも考えていただければと思うんです。

 特に、岸田総理も、異次元の少子化対策という発言もなさっているところで、大変危機感を持っておられると思います。こういった一つのアイデアなんですけれども、是非、小倉大臣、今後、予算増額という話も出ていますので、取り入れていただけないかな、御検討をよろしくお願いします。

小倉国務大臣 先ほど申し上げた内閣府の意識調査は、適切な標本抽出を行った上で、サンプル数も一万でございますので、恐らく母集団を推計するには十分な数のサンプル数だとも思っておりますし、まさに数字に表れてこない様々なニーズについては、私も直接出向いて話を伺っているところであります。

 引き続き、マイナポータルやマイナポイントを活用したアンケートの在り方については、先ほど河野大臣から答弁を申し上げたとおり様々な課題がございますけれども、どうやったらより子育て世代や当事者のニーズを酌み上げていけるかについては、不断に検討、努力をしてまいりたいというふうに思っております。

沢田委員 まさにもう一度、国民の皆様を巻き込んだ、この少子化をどうやって乗り越えていくかということに力をかしていただければと思います。

 時間となりましたので、以上とさせていただきます。どうもありがとうございました。

根本委員長 これにて沢田君の質疑は終了いたしました。

 次に、吉田とも代君。

吉田(と)委員 日本維新の会、徳島一区の吉田とも代です。

 本日は、質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。

 では、早速ではございますが、新型コロナの五類移行に関する質問を中心に進めさせていただきます。

 日本国内で初めてのCOVID―19感染者が発表されたのが二〇二〇年一月十六日でした。日本維新の会国会議員団では、内科医でもある参議院議員梅村聡本部長を先頭に、政府に新型コロナ対策を訴えてまいりました。

 新型コロナウイルス感染症対策に関する提言も、第一弾から第十一弾までを発表し、総理官邸や厚生労働省に申入れを続けてまいりました。

 昨年十二月二日に成立した改正感染症法には、新型コロナの感染症法上の位置づけを速やかに検討する旨の検討事項が衆議院において修正で追加されました。これは、新型コロナを五類に位置づけるべきとの日本維新の会の提言を踏まえたものであります。

 そして、本年一月二十七日、政府の新型コロナウイルス感染症対策本部で、岸田総理は、本年五月八日からの、新型コロナを五類感染症とする方針を表明しました。

 さて、今から一年以上前の二〇二二年一月十三日に発表した、日本維新の会の新型コロナウイルス感染症対策に関する提言第十弾に、新型コロナウイルス感染症を五類感染症へと変更することを盛り込んでおり、今回の五類への位置づけ変更という方針自体は、日本維新の会として高く評価いたします。

 しかしながら、昨年三月三十一日、衆議院本会議において私が岸田総理に質問した際も、現段階では五類への移行は現実的ではないとの答弁があり、この提言から一年以上経過した上での五類への変更は、一年遅かったと主張せざるを得ません。

 その後の私への答弁においても、新型コロナの五類への位置づけ変更については消極的な答弁が続きました。そして、感染症法等改正案が成立する直前の十一月三十日になって、突然、加藤大臣は、厚労省アドバイザリーボードで、五類への位置づけ変更の問題提起をされました。

 そこで、まずお聞きしたいことは、この十一月三十日の加藤厚生労働大臣の五類への位置づけ変更の問題提起は、その前から専門家の中から五類変更を検討すべきという提案があったためにされたのか、それとも、衆議院の法案修正で検討事項が盛り込まれたことが原因で述べられたのか、あるいは、新たな強毒性の変異株が登場する可能性が極めて低いというエビデンスが示されたから行われたのか。五類変更への問題提起に至る経緯をお示しください。

加藤国務大臣 新型コロナ感染の患者さんが確認されてもう三年、四年目に入ろうとしているわけでありますが、この間の中での対応、また、ワクチン、治療薬、そしてコロナ自体が変異をしてきた、そうしたことも踏まえながら、昨年九月にウィズコロナに向けた新たな段階への移行の全体像をお示しさせていただき、感染症法上の取扱いについても、全数届出の見直しや療養期間の短縮など、そうした緩和措置も行いつつ、社会経済活動との両立を進めてきたところであります。

 また、そもそも感染症法上において、各種措置、これはそれぞれの人の行動を制限するということでありますから、必要最小限の措置とすべきだ、こうなっております。それらも踏まえて、様々な御意見も頂戴いたしました。

 そして、今委員からお話がありましたように、昨年の十一月の臨時国会において感染症法の修正がなされ、新型コロナの感染症法上の位置づけについて速やかに検討し、必要な措置を講ずべしということで、法案が成立をしました。

 それらを踏まえて、昨年十一月三十日のアドバイザリーボードにおいて、病原性、感染力、変異の可能性等をどのように評価するか、専門家に議論の深掘りをお願いし、また、厚生科学審議会感染症部会でも更に議論をしていただき、その上で、一月二十七日に、今お話があった新型コロナの感染症法上の位置づけの変更の決定を行わせていただいた、こういう経緯でございます。

吉田(と)委員 昨年十二月の感染症法改正の際に、附則二条二項、新型コロナの感染症法上の位置づけを速やかに検討する旨の検討条項が我々日本維新の会の主張として加えられたことで、五類移行が一気に進んだことは現実としてあったのだと思います。

 しかし、この速やかに検討するということは、本来、この附則二条二項があろうがなかろうが、常に検討しておかなければならないことであると我々日本維新の会は考えています。今後のこともありますので、そのことをお伝えして、次の質問に移ります。

 質問の順番を少し変えさせていただきます。質問の五番目に移ります。

 一昨年の第五波の頃から、コロナ病床として確保された病床が使用されずに、医療機関が補助金だけを受け取っているという幽霊病床の問題が提起されました。

 本年一月十三日、会計検査院が、新型コロナウイルス感染症患者受入れのための病床確保事業等の実施状況等について、国会と内閣に報告しました。この報告では、病床確保事業における病床確保料等の状況について、医療機関によって機会損失を上回る額の交付を受けることとなったり、十分な補填になっていなかったりする結果となっていたと指摘されています。

 新型コロナ医療に対応する医療機関への支援については、いわゆる病床確保料のような補助金方式ではなく、実際にコロナ患者を診たという診療行為に対する評価、すなわち診療報酬の引上げで対応すべきではないでしょうか。御見解をお聞かせください。

加藤国務大臣 新型コロナの患者への入院医療については、病床確保料による支援を行いながらコロナ病床を確保する、また、入院対象者の適切な調整を行う、入院医療を行った際の診療報酬上の評価、こうしたことを行ってきたところであります。

 今後、先ほどお話がありましたような感染症法上の位置づけの変更に伴って、今後、幅広い医療機関が新型コロナの患者の診療に対応する体制へと移行していく中で、そうした措置の見直しを今議論させていただいているところであります。

 具体的には、三月上旬を目途に具体的な方針をお示しさせていただきたいと思いますが、その際にも、御指摘の入院に係る病床確保料については、会計検査院から様々な指摘、特に病床確保料の上限額の設定等が適切であるか改めて検証し、病床確保料の交付額の算定の在り方を検討する、こういう指摘も受けておりますから、それらも踏まえて、今申し上げた検討を進めていきたいと思っております。

 その上で、診療報酬で対応すべきかという御指摘でありますけれども、診療報酬そのものは診療の対価として支払われるものでありますので、いわば病床確保料、これは機会損失ということになります。それを診療報酬で補填することというのは適当ではないと考えておりますけれども、今、いずれにしても、先ほど申し上げた三月上旬に向けての今後の対応の在り方について、具体的な検討を進めさせていただいておりますので、しっかり検討し、三月上旬を目途にその中身をお示ししたいと考えております。

吉田(と)委員 五類への位置づけ変更後も、第八波を超えるような感染拡大の可能性もあります。また、最近では、コロナ医療に対応する医療機関の増加も頭打ちのような状況となっていると思います。

 今、加藤大臣から、診療報酬での上乗せというのはちょっと、検討する、難しいというようなお答えをいただきましたけれども、ここで異次元の診療報酬上乗せを行い、位置づけ変更後のコロナ医療提供体制の拡充を実現すべきです。

 五月八日以降の医療機関支援は、診療報酬の更なる上乗せを行い、それぞれの医療機関が経営判断として新型コロナの患者さんを診れば更に経営が安定すると実感できるぐらい、思い切って診療報酬を引き上げるべきであるということを申し上げておきたいと思います。

 続きまして、次の質問に移ります。

 先ほど補助金について触れましたが、改めて詳細を申し上げると、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業のうち、新型コロナウイルス感染症感染拡大防止・医療提供体制確保支援補助金については、新型コロナ疑い患者とその他の患者が混在しない動線確保など院内での感染拡大を防ぐための取組を行う医療機関、薬局等について、感染拡大防止対策等に要する費用の補助を行うこととされています。無床の診療所であれば、百万円を上限として実費を補助することとなっています。

 この補助については、対象となる全ての病院、有床診療所、無床診療所、薬局、訪問看護ステーション、助産所が約二十八万軒あり、そのうち補助を受けたのが約十八万軒と承知しています。

 感染拡大防止等支援事業による補助を受けた医療機関の数は不明であるとお聞きしましたが、補助の原資は税金であります。税金の使い道を、どこでどのような形で使われたかは把握するべきではないでしょうか。今後、補助を受けた医療機関の数を調査する予定はございますでしょうか。御答弁をお願いいたします。

加藤国務大臣 御質問いただいた補助金は、施設内の感染拡大を防止するために必要な消耗品や設備に係る経費などに対する補助であります。

 当時、新型コロナの感染が急速に拡大し、地域における必要な医療を継続していくためにも、幅広い施設を対象に、一回限りの補助としたところであります。できるだけ迅速に補助する観点から、都道府県を経由せず国から直接補助する、そしてそれによって迅速な執行を行うということでありますが、あわせて、事務を極力簡素化する観点から、施設類型ごとに分類した集計は行ってはおりません。

 ただ、その補助金の終了後に、また新たに、施設内の感染拡大を防止するために実施した新型コロナウイルス感染症感染拡大防止継続支援補助金というのがございますが、これについては、原則として電子申請としたことから、類型、施設ごとの交付実績は把握することが可能となっているところであります。

吉田(と)委員 そもそも、この件に限らず、使われた予算の効果検証が行われていなかったということが問題であると考えています。

 この予算がダイレクトに発熱外来支援でないとしても、納税者である国民は、こういった医療機関への支援により、少しでも発熱や新型コロナ感染で困ったときに助けてもらえるということを期待しているわけですので、どういった医療機関がどの程度この補助を受けたのかというのは、今後、把握と検証は是非徹底的に行えるようにしていただきたいと申し上げたいと思います。

 続きまして、次の質問です。

 二〇二一年医療施設調査・病院報告によれば、病院は八千二百五軒、一般診療所が十万四千二百九十二軒あるとされます。仮に、感染拡大防止等支援事業で補助を受けた病院や一般診療所が約六割あったとすれば、六万を超える病院や診療所が補助を受けたことになりますが、一方で、コロナ医療に対応する診療・検査医療機関及び地域外来・検査センターの数、いわゆる発熱外来は約四万三千軒であります。

 納税者から見れば、感染拡大防止等支援事業による補助を受けた医療機関はコロナ医療に取り組んでほしいと考えるのが自然ではないでしょうか。補助金方式による支援ではなく、コロナ医療に取り組んでいる医療機関への支援を確実にするためには、コロナ医療に対する診療報酬を更に上乗せし、様々な感染防止対策や動線確保等のコロナ医療に対応するための措置を実施してもなお医療機関が潤うほどに診療報酬加算を実施すべきと考えますが、御見解をお聞かせください。

加藤国務大臣 委員からもお話がありましたように、今回の、先ほど御質問のあった補助金自体は、施設内の感染拡大を防止するための経費等を補助するものでありますので、コロナ医療をするかしないか、コロナ医療を行うというところに限定しているわけではなく、通常医療を含めて、地域における必要な医療の継続を図る、こういう趣旨でございます。

 そして、今、診療報酬のお話がありました。

 これについて、これまでも、診療・検査医療機関、いわゆる発熱外来を広く、より多くの医療機関が発熱外来をしていただくために、補助金を活用した施設整備への支援、あるいは、都道府県、日本医師会とも連携して、累次にわたるその内容の拡充、公表の要請、さらには診療報酬上の特例的な評価、これを行い、一昨年の十二月が三・五万機関が、足下では四・二万機関と、それぞれの御努力もいただいて、数は増加をしているところでございます。

 今後の外来における診療報酬上の特例の措置の取扱いについては、先ほど申し上げましたけれども、今回の位置づけの見直しに伴い、今後どう対応していくのか、これについては、関係者の意見も踏まえながら、またさらに、今委員御指摘のように、適用していただく医療機関を増やしていかなきゃなりません。そうしたことも念頭に置きながら、三月上旬を目途に具体的な検討を行っていきたいと考えております。

吉田(と)委員 とにかく、発熱をした際に町のクリニックで診てもらえないというのが国民の大きな不満なわけですので、まずはそれを解消するために、五月八日時点では、発熱患者さんを診療したらお医者さんもびっくりするぐらいの診療報酬を設定する、そして、ある程度発熱患者さんを診てくれるクリニックが増えれば徐々に通常の診療報酬に戻していく、そのような工夫が必要かと思いますので、是非前向きに御検討をお願いいたします。

 続きまして、コロナ対応医療機関から後方支援医療機関への転院等を促進するために、各種の補助や診療報酬の特例などが設けられていることは承知しています。

 知り合いの医療従事者によると、病床逼迫の一因として、入院したコロナ患者が、症状軽快後も、転院先や退院後のケアを実施する医療機関が見つからないために、十日間コロナ医療に対応する医療機関に入院し続けているという状況であるとのことでした。また、転院等に当たっては保健所を介することとなり、手続面でも負担があるとのことで、補助や診療報酬の特例を設けるだけでなく、これらの補助や診療報酬が目的どおりの効果を発揮するよう、仕組みを見直す必要があるのではないかと考えます。

 入院しているコロナ患者が、症状が軽快した後は速やかに自宅療養に移行するよう改めて周知していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。御見解をお聞かせください。

加藤国務大臣 適切に病床を運用していくというためにも、転退院、これをしっかりと進めていくことが必要だと思っております。

 これまでも、療養解除前の慢性期病棟等への転院の促進、後方支援医療機関の確保、拡大と後方支援医療機関に対する診療報酬上の評価、また、早期退院の判断の目安等の周知等の取組で転退院の促進に努めるよう、都道府県等の自治体にも繰り返し求めてきたところであります。

 こうした取組により、各自治体において、後方支援医療機関の確保を始めとして、転退院の促進に努めていただいていると認識をしておりますが、引き続き、適切に転退院が行えるよう、自治体ともよくコミュニケーションを取っていきたいと考えておりますし、今回、これに関する様々な措置についても、先ほど申し上げた一連の見直しの中で検討させていただきたいと考えています。

吉田(と)委員 ある自治体では、入院が二十日以上と長期化している患者の六割が、コロナ感染症の症状以外の理由で入院継続を余儀なくされ、現在、転院調整中とのデータがあります。

 本来は、現在でも、入院患者さんの症状が軽快すれば自宅療養に切り替えられるのですが、現場の医療機関では、いまだに法律的に十日間入院し続けないと駄目ですというような運用が続いているようです。また、よくなったのに、十日間入院しないといけないと言われて、病院で御飯を食べるかテレビを見るかしかすることがないという訴えをされる患者さんからの声もまだまだ聞きます。五月八日までまだ時間もありますので、これらのことも、改めて現場まで届くようにお願いしたいと思います。

 では、私の質問は、時間になりましたので、終了させていただきます。ありがとうございました。

根本委員長 これにて吉田君の質疑は終了いたしました。

 次に、古川元久君。

古川(元)委員 国民民主党の古川元久です。

 さて、私たちは一生のうち大体三分の一は寝ているわけでありますが、この睡眠の質が実は私たちの健康や幸福度に大きな影響を与えていて、最近、睡眠に対する国民の関心も高まっています。

 そこで、昨年十一月末に、国民の質の高い睡眠のための取り組みを促進する議員連盟という超党派の議連を立ち上げまして、自民党の田村憲久さんが会長となり、私が幹事長を務めることとなりました。今日は、この議連の幹事長として、睡眠に関する質問をしたいと思います。

 日本人の睡眠時間はOECD加盟国の中で最も短く、また同時に、慢性的な睡眠覚醒障害を持つ人が増加しています。睡眠不足や睡眠覚醒障害は、免疫力の低下や代謝異常、生活習慣病などの身体疾患、うつ病などの精神疾患のリスクとなり、さらに、眠気に伴う認知機能障害によって、作業能率低下や交通事故、産業事故の原因となり、莫大な社会経済的損失をもたらすというふうに言われています。

 国民の健康寿命を延ばし、幸福度を向上させるためには、やはり、国民の質の高い睡眠確保につながる方策を政府はきちんと講ずべきだと思いますが、いかがでしょうか。

加藤国務大臣 日常的に質、量共に十分な睡眠を取ること、そして、それによって心身の健康を確保し、生活の質を高めていくこと、さらに、委員がおっしゃったそうしたことで社会全体をしっかり回していくということは大変大事だと考えています。

 厚労省としては、国民健康づくり運動である健康日本21において、生活習慣の改善に取り組む分野として、栄養や運動とともに睡眠というのを掲げさせていただいております。また、睡眠について分かりやすい情報提供を行うことを目的とした指針を策定すること、また、企業における睡眠確保の取組事例などを厚労省のホームページで公開することなどを通じて、睡眠の重要性についての普及啓発に取り組んでいるところであります。

 さらに、国民健康づくり運動では、令和六年度から新たな次期プランをスタートする、それに向けて今取りまとめを行っているところでありますが、この中で、睡眠で休養が取れているかどうかに関する目標に加え、睡眠時間に関する目標を追加する方向で、現在、専門委員会に御議論もいただいております。

 来年度、各都道府県において、国の次期プランや目標を踏まえ、次期健康増進計画を策定し、睡眠に関する施策を推進していくということになりますが、国としても、自治体の施策の参考になるよう、具体的な方策を示させていただきたいと思います。

 委員御指摘のように、OECDの平均が八時間二十五分に対して、日本は、二〇一六年のデータでありますが、七時間二十二分とかなり低い水準であり、それが様々な影響を及ぼしている、そのことをしっかり認識しながら、引き続き対応していきたいと考えています。

古川(元)委員 しっかり取り組んでいただきたいと思います。

 分かりやすいというお言葉、今大臣からもありましたけれども、実は、結構睡眠で悩んでいる人も多くて、こうした悩みのある人たちが、そうした悩みを気軽に相談できる窓口、実はこれがなかなか今分かりにくいんですね。どこに行ったらいいか分からないんです。ですから、睡眠覚醒障害につき専門的な診療を行う機関は、睡眠科、これが標榜できるようにしたらどうかと思いますが、いかがですか。

加藤国務大臣 医療機関の診療科の名称については、国民が自分の病状に合った適切な医療機関を選択することを支援する観点から、医療法施行令で定めた診療科名に限って標榜することが可能という仕組みになっています。

 具体的には、独立した診療分野を形成していること、国民の求めの高い診療分野であること、国民が適切に受診できること、国民の受診機会が適切に確保できるよう、診療分野に関する知識、技術が医師に普及、定着していること、こうした基本的な考え方を踏まえ、総合的に判断した上で、医学医術に関する学術団体、医道審議会の意見を聞いて、標榜可能な診療科名称を定めてきているところであります。

 今お話がありました睡眠科の診療名についても、日本睡眠学会から昨年の十二月に要望が出されておりますけれども、現時点で関係学会との十分な議論に至っておらず、これらの今申し上げた基本的な考え方に合致すると判断できる状況にないことから、まずは、学会、医療機関における知見の収集、蓄積の状況、こういったことを注視していきたいと考えています。

古川(元)委員 ただ、本当に睡眠に悩みを持つ人たちは、なかなか、どこへ行ったら、分からないということがあるわけですから、やはり、国民に対するという視点からすると、睡眠科というものをちゃんと標榜できるようにするということは国民目線に沿った政策ではないかと思います。もちろん、そうした様々な条件があることは理解はしますけれども、睡眠科の標榜を一日も早く実現できるようにということは、これは議連としても大きな優先課題として取り組んでいきたいと思いますので、是非大臣も、見守るじゃなくて、しっかりちょっと踏み込んでいただきたいと思います。

 さらに、厚労省の睡眠に関する取扱いの在り方ですが、これまで、健康増進としての睡眠普及啓発活動は健康局、そして睡眠覚醒障害の診断、治療に関連する内容は社会・援護局と、別々の部署でこれまで睡眠に関する事項を取り扱っていると思うんですが、今後、やはり睡眠を専門的に扱う部署を厚労省の中に新設すべきではないかと思いますが、いかがですか。

加藤国務大臣 睡眠に係る健康課題、これは様々なものがあります。治療に関して、例えば、医療体制ということであれば医政局、また、診療報酬等、健康保険に関しては保険局、医薬品や医療機器の承認ということであれば医薬・生活衛生局など、様々な医療関連部局が対応しております。さらに、健康局においては、疾患予防など健康づくりの観点から、正しい知識の普及啓発などを通じて、広く国民に生活習慣の改善を促す施策を行っており、その一環として、質、量共に十分な睡眠を取っていただくための取組を行っております。また、障害保健福祉部においては、睡眠に関連するものも含め、精神疾患を有する方について、福祉の増進、保健の向上を図るための施策を行っております。

 このように、睡眠に係る施策については、様々な部局でそれぞれの専門性を踏まえて取り組んでいるところでございます。ただ、今委員お話がありましたように、ばらばらということでは適切ではございませんので、しっかりと、各部局連携を図り、情報共有をしながら、厚生労働省全体としてこの問題に取り組んでいきたいと考えています。

古川(元)委員 議連を立ち上げる前に、ちょっと厚労省の人に来てもらって、今度こういう議連をつくるから、窓口はどこだと言ったら、ううん、ちょっと考えさせてくださいと。ですから、ばらばら、やはりちゃんとそこを統合していく。睡眠というのは、これは、それぞれのところだけで、分かれてはいけないので、やはりそういう統合するちゃんと窓口のようなものを、これは是非、厚労省の中でしっかりつくって考えていただきたいというふうに思います。

 次の質問に参ります。

 子供の心身の健やかな成長にはやはり良質な睡眠というのは不可欠で、睡眠健診を、母子保健法で行われる妊婦健診、産後健診、三歳児健診から、学校保健安全法による就学時健診、学校健診まで、これはスムーズに連携して行うようにすべきだと思いますが、いかがですか。

加藤国務大臣 就学時健診、学校健診ということになると文科大臣の答弁になると思いますが、子供の心身の健やかな発達のために睡眠は当然重要であります。

 子供のよりよい睡眠のために、保育、保健、医療の従事者に活用いただける未就学児の睡眠指針やQアンドAを厚労省でも策定をし、子供の睡眠に関する基礎知識、子供のよりよい睡眠のためのポイントなどをお示しをし、その周知を図っております。

 また、母子健康手帳においても、従来より、妊婦や乳幼児の睡眠について情報提供していることに加え、本年四月以降交付される手帳の様式において、子供と保護者の睡眠に関する記録欄を設けたところであります。乳幼児健診や診療等において活用いただければと考えているところでございます。

 こうした対応も通じて、引き続き、睡眠の重要性も含めて、母子保健に関する情報について、しっかりと普及啓発を図らせていただきたいと考えています。

永岡国務大臣 就学時の健康診断につきましては、就学義務の猶予また免除や、特別支援学校への就学に関する指導などを行うために実施されるものであります。また、学校における健康診断は、学校生活を送るに当たり支障があるかどうかにつきまして、疾病をスクリーニングするなどのために実施をされているものでございます。

 このような各健診の目的、役割や、現在の実施状況を踏まえますと、睡眠健診を検査項目に加えることにつきましては、慎重に検討する必要があると考えております。

 睡眠に関する状況を含めまして、児童生徒等の心身の状況の把握につきましては、各学校におきまして、日常的な健康観察により行われております。これを基に、必要に応じまして保健指導等に取り組んでいるところでございます。

古川(元)委員 やはり、それぞれ役割、各省違うかもしれませんが、しっかり連携して、いずれも、とにかく、やはり子供の心身の健やかな成長のためにということで、それは、教育だってその一環だと思います。そういった意味では、是非、そこはしっかり連携を取って、厚労省と文科省、子供たちのために、良質な睡眠が取れるように努力をしていただきたいと思います。

 そうした視点からいうと、子供だけじゃなくて、大人の睡眠状況についてちゃんと健診を行う仕組みというのも、健康増進や疾病予防またいろいろ病気を早期に見つける早期判断、そうした視点や、さらには、健診を通じたデータを蓄積していく、こうした視点からも大事だと思いますが、生涯を通じて睡眠健診を行うような仕組みを導入を考えるべきではないかと思いますが、いかがですか。

加藤国務大臣 睡眠に限らず、様々な機会においてその不調を早期に把握すること、これは健康増進、疾病予防のいずれの観点からも重要であります。

 例えば、生活習慣病予防に関する特定健診において、質問項目では、睡眠で休養が十分に取れているかという項目を設け、受診者の睡眠に関する状況を把握し、それを特定保健指導において生活習慣の改善に向けた支援に活用しているところであります。

 また一方で、質、量共に十分な睡眠が取れているかどうかについて睡眠の状況をより客観的に把握することが重要であると考えており、現在、厚生労働科学研究において、ウェアラブルデバイス、つけるやつですね、を活用した客観的な睡眠の評価等に関する研究も行っているところでございます。

 こうした知見も踏まえて、睡眠時間あるいは睡眠の質、この改善をどう具体的に図っていけばいいのか、しっかり検討を進めていきたいと考えています。

古川(元)委員 是非、前向きに検討して、そして実施していただきたいと思います。

 時間がもう限られてきましたので、ちょっとまとめて文科大臣に御質問、残りの質問をしたいと思います。

 一点は、大学レベルでの睡眠医学教育を見直して、医学教育モデル・コア・カリキュラムの中で睡眠医学教育の制度を創設、充実することをやはり考えるべきじゃないかということと、もう一点は、現在、文科省の科研費の研究種目、審査区分には睡眠をキーワードとするものがありませんが、今後は、睡眠学を恒常的な分科、細目として、健康な睡眠や良質な睡眠の推進に資する知見集積を促進して、エビデンスに基づく施策が取れるように、そうしたふうにすべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

永岡国務大臣 お答え申し上げます。

 文部科学省では、医学教育関係者と連携をいたしまして、医学生が卒業時までに身につけておくべき必須の実践的診療能力を明確化したものといたしまして、医学教育モデル・コア・カリキュラムというものを策定をしております。

 大学医学部におけます睡眠医学の学修は重要という認識をしておりまして、昨年十一月に改訂をいたしました新しい医学教育モデル・コア・カリキュラムにおきましても、学ぶべき症候といたしまして睡眠時無呼吸症候群を設定をいたしまして、深い基礎医学の知識が必要な重要病態等に選定をしております。

 加えまして、睡眠医学に関します内容として、休養や心の健康につきまして知識や統計情報を基に評価をし、本人や家族の生活また価値観も踏まえた上で支援を計画できることなどについても学修目標に設定をしているところでございます。

 また、文部科学省といたしましては、各大学医学部におきまして睡眠医学を含みます教育がしっかりと適切に実施をされますように、各機会を通じまして取組を促してまいります。

 もう一つ、これは科研費のことでございますね。

 科研費の審査区分表は、学術研究の新たな展開また多様な広がりにも柔軟に対応できるように、平成三十年に新たに策定をされました。

 審査区分表は、文部科学省が広く意見募集を行いまして、科学技術・学術審議会において、学術の動向等を踏まえ、五年ごとに見直しをしております。直近では、昨年度に改正をしたところでございます。

 以上です。

古川(元)委員 時間となりましたので、終わります。ありがとうございました。

根本委員長 これにて古川君の質疑は終了いたしました。

 次に、塩川鉄也君。

塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 岸田政権は、安保三文書に基づき、五年間で四十三兆円という大軍拡であります。二〇二七年度にはGDP比二%に達する措置を講ずるということを明記をしております。福祉や教育、暮らしを圧迫する大軍拡予算はきっぱりとやめるべきであります。

 今日は、その大軍拡の中のFMS、対外有償軍事援助について浜田防衛大臣にお尋ねします。

 資料の配付をお願いしておりますが、来年度のFMSの調達額は一兆四千七百六十八億円で、過去最大の突出した伸びとなっております。今年度に比べて約四倍に増加をし、第二次安倍政権発足の二〇一三年度以来、十年間で十三倍に増加をしております。

 大臣、お尋ねしますが、こんな爆買いは余りにも異常ではありませんか。今後、防衛力整備計画の五年間で幾らFMSで買うつもりなんですか。お答えください。

浜田国務大臣 令和五年度は、防衛力整備計画の初年度であります。今後五年以内に防衛力を抜本的に強化するに当たり、装備品の調達には複数年度を要することから、防衛省としては、一年でも早く必要な装備品を各部隊に届け、部隊で運用できるよう、FMSにより取得するものも含め、防衛力整備計画の初年度に当たる令和五年度に可能な限り契約する必要があると考えております。

 その結果、令和五年度予算案では、FMS調達として、主として、スタンドオフミサイルのトマホーク、早期警戒機のE2D、戦闘機のF35A及びF35Bといった装備品の取得経費等を計上しております。その合計額は一兆四千七百六十八億円であり、令和五年度予算の契約額約八兆九千五百二十五億円の約一六・五%に相当いたします。

 この点、前中期防の初年度である令和元年度予算のFMSに関わる相当額は七千十三億円であり、同年度予算案の契約額約三兆三千八百二十一億円の約二〇・七%であったことを踏まえると、FMSの契約額全体に占める割合はむしろ低下しており、令和五年度予算案のFMS契約額に問題があるとは考えておりません。

 FMSは、米国でしか製造できない能力の高い装備品を調達できることなどから、我が国の防衛力を強化するために重要と考えており、いわば我が国の防衛力そのものでもある国内の防衛生産基盤の強化にも十分に配慮しつつ、防衛力の抜本的強化の実現に向けて全力で取り組んでまいります。

塩川委員 全体の額が大幅に増えているわけですから、そういう中での比重が大きくなるというのでも問題ですけれども、この大軍拡によって五年間で幾ら買うのかということについては答弁がありませんでした。

 三菱重工業や川崎重工業などの国内の軍需企業を押しのけて、米国政府が一番の兵器の調達先であります。日本の兵器、主要装備品が米国製ばかりになるという状況ではありませんか。

 FMSは、米国政府が外国に対し、兵器等を有償で提供する制度であります。武器輸出管理法に基づき、米国の安全保障を強化をすることを目的に提供される。FMSについては、価格交渉の余地はなく、一方的に価格が示されること、原則前払いであること、納期は予定であること、米国側の方針変更があれば契約解除できるなど、余りにも米国に都合のいい契約方法が問題となってまいりました。

 そこで、お尋ねします。

 「防衛法研究」という雑誌に、元防衛装備庁長官官房会計官が論文を書いています。

 FMSでは米国政府の手数料や管理費等も加算をされる、通常三・五%から五%、この手数料、管理費は、FMSを担当するDSCA、国防安全保障協力庁における人件費等の諸経費や輸出推進の経費などに充てられると言っています。防衛装備庁の担当者が述べている。

 米国政府の職員の人件費や米国兵器の輸出推進の経費をなぜ日本国民の税金で払わなければならないのか。おかしいんじゃありませんか。

浜田国務大臣 防衛省の論文について一々私から評価はいたしませんけれども、FMSの調達については、諸課題がある中で、閣僚レベルを含む様々なレベルでの米国への働きかけなど、FMS調達の合理化に向けて積極的に取り組んでいるところであります。令和四年度予算のFMS対象経費についても、米国としっかりと交渉、調整し、価格の精査を通じて費用の抑制に努めました。

 引き続き、我が国に必要な装備品を適正価格で調達できるよう努めてまいりたいと考えております。

塩川委員 答えていませんよ。

 要するに、経費に上乗せをして手数料や管理費が払われているんですよ、それが三・五%とか五%。そこにアメリカ政府の職員の人件費や米国の兵器の輸出推進の経費が含まれているという話であって、国防安全保障協力庁によると、武器輸出管理法は、FMS活動が米国政府に無償で実施されることを義務づけている、FMSは外国の購入者が管理費を提供し、納税者の負担なく運営している。つまり、日本の納税者の負担で米国兵器の輸出の推進の経費まで払うなど、全く納得がいきません。余りにもアメリカに都合のいい仕組みではないでしょうか。

 次に、トマホークについて聞きます。

 政府は、来年度、FMS対象事業として、トマホーク・ブロック5の取得に二千百十三億円を計上しております。

 トマホークを何基購入し、一基当たりの値段は幾らでしょうか。

浜田国務大臣 自衛隊が保有するミサイルの弾数や単価については、従来から公表をしておりません。

 トマホークについても、これをお示しすることはお答えを差し控えさせていただきたいと思いますが、引き続き、トマホークの必要性等について丁寧に分かりやすく説明してまいりたいと考えております。

塩川委員 何の説明もなくて、何で丁寧な説明なんですか、分かりやすい説明なんですか。

 米国防総省の昨年十二月の契約に関する公表資料を見ますと、来年度において、米海軍、陸軍、海兵隊で、合計百十一基のトマホークを約一億六千万ドルで取得すると書いてあります。一基当たりにすれば、約二億円であります。

 国内の報道では、日本が取得をするトマホークの単価は一基当たり三億円から五億円とありました。FMSによるトマホークの取得は、米軍の購入の単価の二倍という高値買いになっているんじゃありませんか。こういったことについて、是非説明いただきたい。

浜田国務大臣 自衛隊が保有するミサイルの具体的な取得数や単価については、お答えは控えさせていただきたいと思います。

 その上で申し上げますと、一般的に、装備品の単価は、調達数量、能力向上や部品枯渇に伴う仕様の変更、材料や部品の価格変動、為替の変動など、様々な要因に基づき変動をいたします。そのため、トマホークの単価について、過去の他国の実績やその他公刊情報の単価がそのまま当てはまるわけでは必ずしもありません。

 トマホークの弾数や単価については一概にはお答えできませんが、防衛省としては、引き続き、トマホークの必要性等について丁寧に分かりやすく説明してまいりたいと考えております。

塩川委員 丁寧でも分かりやすくもないという答弁そのものであります。

 大体、百十一基買う米軍で、それが一基当たり約二億円、それなのに、日本は五百基購入とか言われているわけですけれども、その単価が何で出てこないのか。四億円、三億から五億、こういう金額なのではないのか。こういうことについて丁寧な説明こそ必要じゃないでしょうか。

 トマホーク、何基買うのか、単価は幾らか、一切明らかにしない。それなのに、来年度、トマホークを一括契約することだけは決めているんです。この予算審議の中で、その妥当性、検証しようがないじゃありませんか。これでは予算審議そのものが成り立たないじゃありませんか。

 委員長、トマホークの弾数や単価を明らかにしていただきたい。資料提出を要求します。

根本委員長 理事会で協議します。

塩川委員 岸田総理は丁寧に説明すると言いますが、全くブラックボックスのままであります。

 トマホークは、イラクやアフガニスタンなどでの対テロ先制攻撃戦争で米国が繰り返し使用してきた兵器であります。先制攻撃につながる敵基地攻撃能力の保有そのもの、この点でも国民の不信は拭えないということを申し上げておきます。

 さらに、グローバルホークについて聞きます。

 来年度予算にグローバルホークの後方支援費が計上されています。ノースロップ・グラマン社の社員四十人の技術支援に対して九十億円を計上しています。何に使うんですか。

浜田国務大臣 グローバルホークは、自衛隊において初めて導入された高高度滞空型の大型無人機であり、その運用や維持管理の一部について米国企業の支援を受けるため、令和五年度予算案において約九十億円を計上しております。

 米国企業の支援の具体的内容としては、三沢基地に駐在する役務員約四十名による機体の操縦や機体搭載センサーの操作教育、部品や支援機材の補給管理、情報保全、セキュリティー関連業務、機体や地上機材の整備、衛星通信やセンサーの整備、役務全般のマネジメントに加え、米国本土のノースロップ・グラマン社の役務員等による事業管理やセキュリティー関連業務、部品の生産管理、在庫管理、ソフトウェアのアップデート等が含まれております。

 三沢基地における技術支援のみで九十億円が計上されているものではありません。

塩川委員 だって、三沢の三機のグローバルホークのために、その技術支援ということで九十億円なんですよ。四十人のノースロップ・グラマン社の社員に対し、技術支援という役務提供だけで九十億円なんです。部品の購入費などは含まれておりません。一人当たりの経費は年間二億円を上回る。技術支援という役務提供だけで一人当たり二億円というのは、余りにも高過ぎるんじゃありませんか。

浜田国務大臣 三沢基地に駐在する役務員の約四十名は、先ほどお話をしたことであって、様々な役務に数名ずつ従事をしております。

 それぞれの役務に係る経費や役務員個別の手当といった経費の内訳については、米国政府と米国企業の契約内容に関わるものであり、米国政府から開示されていないため、防衛省としてお答えすることはできませんが、米国とは毎年協議を行い、経費の効率化、削減を行っております。

 さらに、防衛省としては、三沢基地に駐在する役務員の一部を自衛官に置き換えていくといった取組を進めることにより、役務に係る経費の削減に努めているところであります。

塩川委員 アメリカの言い値をそのまま受け入れて計上しているだけということが実態であります。技術支援の中身が全く不透明であります。役務の提供だけなのに何でこんなに高いのか、納得がいきません。

 米国では、グローバルホークは金食い虫で役にも立たず、退役となりました。それなのに、日本は、アメリカの言い値で、古くなった兵器を押しつけられて、しかも多額の維持整備費まで払うことになる。アメリカのやりたい放題ではありませんか。こんな大軍拡に国民の税金をつぎ込むのは、理解が得られません。

 FMSは、米軍の軍需産業の利益を保証し、その生産ラインを動かすために、旧式の兵器を購入させ、多額の維持整備費を支払い続けさせる仕組みだ。そもそも、GDP比二%の大軍拡そのものがアメリカの要求であります。

 米国政府と米軍需産業の要求に応える大軍拡は中止すべきだと申し上げて、質問を終わります。

根本委員長 これにて塩川君の質疑は終了いたしました。

 次に、緒方林太郎君。

緒方委員 緒方林太郎です。

 七分、よろしくお願いいたします。

 まず、今の質疑に対して一言。

 FMSのSというのは、あれはセールスであります。販売です。しかし、なぜか日本は対外有償軍事援助というふうに訳しています。全く援助の要素がないんですよね。これは本当に問題だと思いますよ。認識の違いにつながります。これは訂正すべきだということを申し上げて、質問に移りたいと思います。

 今回、予算委員会でずっと質疑を聞いていて、防衛費にしても少子化対策についても財源の話が幾つか上がったんですけれども、私は、与野党を含めて皆さん方にお訴えしたいのは、真剣にこの財源の議論を本当にやろうということを強く申し上げたいというふうに思います。

 行政改革で出そうということを言われる方がおられますが、行政改革は、既に防衛費のところで令和九年度で一兆円ということで盛り込まれているわけですよね。それを超えて深掘りをしようというその行政改革を訴える方は、社会保障か地方交付税か公共事業か、どれかに果敢に切り込んでいく勇敢な人物しかこれを口にすることはできないはずです。しっかりとこういったことを認識した上で議論をしたいなというふうに思います。

 今日は金融担当相にお越しをいただいております。余りやりたくない議論なんですけれども、金融破綻の際の法制度についてお伺いをいたしたいと思います。

 今、預金保険法第百二十六条の二において、金融破綻時のベイルイン法制というものが盛り込まれております。まず説明をいただきたいと思います、金融庁。

井藤政府参考人 お答え申し上げます。

 我が国は、先生御指摘のとおり、預金保険法に基づきます金融機関の秩序ある処理の枠組みにおきまして、金融機関が債務超過等となった場合に、当局による破綻等の認定をトリガーといたしまして、契約に定められたベイルインを発動されることとしてございます。

 具体的には、金融機関に対して、自己資本比率規制上の取扱いでございますけれども、金融機関が発行する劣後債などにつきまして、破綻等の認定時におきまして元本削減ですとか普通株式への転換がなされる旨の条項をあらかじめ付しておくことを求めまして、破綻等の認定がなされますと、当該契約に基づく元本削減等がなされ、ベイルインが実現するという仕組みになってございます。

緒方委員 つまり、難しく言いましたが、金融機関が破綻したときに、外部資金を投入せずに中で処理をしていくという仕組みなんですね。

 今、答弁の中に、契約に基づいてという答弁がありました。このベイルイン、金融機関が破綻したときにどういうふうに処理をしていくかというのは二つの考え方がありまして、契約に基づいて処理をしていく契約上のベイルインという言葉があります。もう一つ、法律上のベイルインというのがありまして、契約に基づくのではなくて、行政が行政の判断によって不良債権とかを処理していく、そういう仕組みがあります。

 日本は、現在、契約上のベイルインを取っておりますが、私は、これだと、急速に金融システムが悪化するときに機動的に対応できないと思うんですね。行政機関が自分の判断によって切っていくということができるようにすべきだと思うんですが、ただ、これは非常に問題がありまして、憲法に定める財産権との関係で問題が生じるということであります。

 そういう理解でよろしいでしょうか、金融庁。

井藤政府参考人 ベイルインにつきましてでございますけれども、先生がおっしゃるとおり、ベイルインにつきましては、一定の事由が生じた場合に、破綻処理当局にベイルインを行う権限が法律上生じ、その当局の権限によりベイルインの効果を発生させる法律上のベイルインと、契約上の効力として、ベイルインの効果を発生させる契約上のベイルインがございます。

 先生御指摘の法律上のベイルインは、法令により当局が強制的に行うものでございまして、金融機関の資金調達や、その他、債権者の権利に多大な影響を及ぼし得るものでございます。

 こうした点を踏まえますと、法律上のベイルインの導入に当たりましては、我が国におきましては、憲法が定める財産権との関係におきまして、少なくとも裁判所が関与する倒産手続と同等な厳格な手続に基づいて公正かつ衡平に行われる必要があり、こうした手続を現在の倒産手続とは別に設ける必要があるのではないかといった御指摘もあるところでございます。

 したがいまして、我が国では、預金保険法に定める金融機関の秩序ある処理の枠組みにおきまして、契約に定められたベイルインを発動させることといたしまして、あわせて、裁判所の監督の下で、迅速性が大事だということはおっしゃるとおりでございますが、一方で、法定の厳格な手続に基づいて公正かつ衡平に行われる倒産手続の中で無担保債権の権利内容の変更を行うこととしているということでございます。

緒方委員 そういう答弁になることは分かっているんですけれども、金融システムが急速に悪化するときというのは、今、裁判所の関与があると言いましたが、全部裁判所に持ち込んでいたら機動的に対応できないわけですよね。対応できないんです。

 しかも、今、憲法上の課題と言いましたが、世界中、法律上のベイルインを導入している国は結構あります。どの国にも財産権なんというのは憲法で保障されているわけですよ。そのハードルがありながらも、苦労しながら苦労しながら、法的な解釈を積み上げながら、機動的に対応できるようにやっているというのが世界のいろいろな国の実例であります。

 金融担当大臣にもう一度申し上げたいと思います。法律上のベイルイン、機動的に対応できるように導入すべきではないかと思いますが、いかがですか。

鈴木国務大臣 法律上のベイルインにつきましては、今局長から答弁させていただいたところでございますが、やはり、我々が課題だと思いますのは、裁判所の手続を経ることなく行政当局が強制的に債権者や株主の権利内容を変更するというものでございますので、金融機関の債権者等の権利に多大な影響を及ぼすとともに、そうした可能性があることによりまして、金融機関の資金調達にも影響が生じ得るということから、この点については慎重に考えていく必要があるのではないかと思いますが、先生御指摘のように、金融危機になりかねないような事態が生じた場合には、いかに迅速に金融システムの安定を確保していくか、これは大変重要な課題であると認識をしておりまして、実効的な破綻処理の枠組みの構築に向けまして、不断に必要な検討を行ってまいりたいと思っております。

緒方委員 与党の皆さん、玉出ししましたので検討してください。

 以上です。

根本委員長 これにて緒方君の質疑は終了いたしました。

 次に、櫛渕万里君。

櫛渕委員 れいわ新選組の櫛渕万里です。

 我が党は、来年度予算案について、異次元の売国棄民予算であることを委員会冒頭から指摘をしておりますが、それを裏づけるような記事が今朝の日経新聞の一面トップに出ています。米海兵隊の司令官は攻撃型無人機の活用拡大を検討、アメリカと自衛隊が今までにないやり方で活用法を探ると出ています。やはりアメリカに言われて戦争の準備をしているんですね。

 二月三日の予算委員会で防衛大臣と法制局長官は、他国の領土、領海、領空に入って反撃能力を行使できるのかという質問に対して、明確に否定されませんでした。そして、答弁として、長距離スタンドオフミサイルで遠方から対処する選択肢のある中では、自衛隊員にとって危険な範囲の外、すなわち相手国の領域の外から対処することが基本であると話されています。

 そうすると、この点で問題なのが、自衛隊員にとって危険な範囲、その外からの攻撃が許されるということであれば、こうした無人機やドローンを他国の領域内に派遣して攻撃を行うことはどう解釈されるのかという点なんですね。無人機など、機体は他国の上空にあるけれども、操縦する自衛隊員は国内にいるというケースです。海外派兵そして海外での武力行使の禁止は憲法九条の最重要の規範であるわけですから、この点を曖昧にしておくわけにはいきません。

 安保三文書には、攻撃用無人機を整備すると書かれており、来年度の予算でも、実際、攻撃用無人機に約百億円が計上され、無人アセット防衛能力全体では契約ベースで約一千八百二十七億円の予算、五年間で約一兆円となっているんです。

 防衛大臣、無人機や無人艇、大型ドローンなどを他国の領土、領海、領空内に派遣して軍事目標の偵察そして攻撃をすることは憲法上許されますか。そうした行為は自衛のための必要最小限度と言えるのかどうか、端的にお答えください。

浜田国務大臣 政府は、従来から、武力行使の目的を持って武装した部隊を他国の領土、領海、領空に派遣することは、一般に、自衛のための必要最小限度を超えるものであって、憲法上許されないが、仮に他国の領域における武力行動で自衛権発動の三要件に該当するものがあれば、憲法上の理論としては、そのような行動を取ることが許されないわけではないと説明してきており、憲法上の理論としては、いわゆる敵基地攻撃は、いわゆる海外派兵の一般的禁止の例外として許容されるということが基本的な考えであります。

 その上で、反撃能力について申し上げれば、ミサイル攻撃を防ぐのにやむを得ない必要最小限度の自衛の措置として、相手の領域において、我が国が有効な反撃を加えることを可能とする能力を保有するとしたものであり、従来の政府見解を変更するものではありません。

櫛渕委員 無人機については、派兵なんでしょうか、派兵じゃないんでしょうか。武装した部隊の扱いなんですか、それともミサイルと同じ扱いなんでしょうか。いずれも私は専守防衛と憲法の範囲内から逸脱すると考えますけれども、政府がその範囲を際限なく広げていくのは大変危険な行為であると考えます。

 法制局長官、同じ質問をお願いします。

根本委員長 内閣法制局長官近藤正春君、申合せの時間が過ぎておりますから、答弁は簡潔にお願いします。

近藤政府特別補佐人 先ほど防衛大臣がお答えしたのが政府の統一見解でございまして、当局も同じでございます。

櫛渕委員 時間となりましたので、まとめます。

 政府は、自衛のための必要最小限と言いますけれども、政府にとっての必要最小限であって、国民のための必要最小限ではないということを申し上げます。

 先ほども、武器の爆買いですと、全部、ほとんどが攻撃用が多いわけでありまして……

根本委員長 申合せの時間が過ぎておりますから、おまとめください。

櫛渕委員 専守防衛の装備とは言えません。必要最小限度の防衛ではなくて、日米における最大の戦争準備の一環であるということが明らかであり、断じて認めるわけにはいかないということを申し上げ、質問を終わります。

 ありがとうございます。

根本委員長 これにて櫛渕君の質疑は終了いたしました。

 次回は、来る二十二日午前八時五十五分から委員会を開会し、集中審議を行うこととし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時八分散会


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